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KMN/W51-022 カード名:外の空気の匂いがわかる ツチノコ カテゴリ:キャラ 色:黄 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:1000 ソウル:1 特徴:《フレンズ》・《謎》 【自】 このカードが手札から舞台に置かれた時、あなたは相手の山札を上から2枚まで見て、山札の上に元の順番で置く。 【自】[このカードを手札に戻す] あなたのクライマックスがクライマックス置場に置かれた時、あなたはコストを払ってよい。そうしたら、あなたは自分の山札を上から2枚まで見て、カードを1枚まで選び、手札に加え、残りのカードを控え室に置き、自分の手札を1枚選び、控え室に置く。 おまえの鼻は飾りかー! レアリティ:C けものフレンズ収録
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モモ セイバー ◆ZjW0Ah9nuU この街に日が昇り、朝が来る。 太陽はその町の住人に1日の始まりが来たことを告げる。 その中のある家も他と同様に朝を迎えた。 「う、う~ん…」 少年がベッドの上で唸り声を上げながら、起きることを拒否している。 布団がもぞもぞと動いているが、その少年が被っている布団は不自然といえるくらい膨れ上がっていた。 腹にあたる部分のあたりに山ができており、淫夢でも見て立つものが立っているにはあまりにも大きすぎる。 そこでようやく少年は目を覚ました。 「うん?」 体が重い。特に腹のあたりが。 まるで何かにのしかかられているような――。 「リトさん、おはようございます♡もう少し起きるのが遅かったらイタズラしていましたよ?」 「モ、モモ!?」 少年リトの意識が急激に覚醒する。モモが『また』夜這いしていたことに気づいたのだ。 すぐさま、自分の上にのしかかっていたモモと呼ばれた少女を押しのけて少女の股の間から体を引っこ抜いた。 モモの服装は過激の一言で、裸の上に寝着の上着だけを羽織った状態であった。 汗だくなモモの妖艶な雰囲気は少年が寝ている間によからぬことをしていたのを突き付けているようだ。 「お前…いつからオレの布団に!!」 「うふふ…いつからでしょう♡」 モモはベッドの上で笑いながらリトを誘惑する。彼女の悪魔のような尻尾もひょろりんとそれに合わせて動いている。 モモの夜這いは今に始まったことではないが、いつになっても慣れない。 リトが朝からバクバクと脈打つ心臓を抑えながらモモに問いただしていると、不意にリトの部屋のドアが開く。 「あれ?起きてたのか?美柑が兄貴を起こしてこいって――」 ドアの向こうから現れたのはモモの双子の姉、ナナであった。 「!………」 「あらナナ、おはよう♪」 リトのベッドの上で起きている惨状を目にして、ナナは絶句した。 開いた口がふさがらず、わなわなと体を震えさせている。 そして―― 「わわっ、ちょっ!?」 「モモ、『また』やったのか!?そんなことやってるとしまいにあたしたちこの家から追い出されるぞ?」 ナナはモモの手を引いて強引にベッドから引きずりおろし、強面になってモモを叱りつけた。 ――違う。 いつもなら、ナナはモモを叱るよりもリトに対してケダモノと貶しながらグーパンチで殴りつけていた場面だ。 (まさか美柑さんじゃなくてナナに叱られるなんて…) やはりこの世界に彩南の日常はないのね、とモモは思った。 ◇ ◇ ◇ 「はぁ…」 ひとまずモモは部屋へ戻り、今のエッチな服装から無難なものへと着替えた。 モモはため息をついてベッドに仰向けに倒れこんだ。 彼女はモモ・ベリア・デビルーク。デビルーク星の第3王女。 モモこそが聖杯を巡る戦いに身を投じる本物であり、彼女以外は全てNPCだ。 全ての発端はモモが自分の部屋で銀河ネットサーフィンをしている時であった。 モモは当時、何も考えることなく適当に語句を入れて検索していた。 すると出てきた検索結果の中に『他の少女を打ち倒し、アナタの願いを叶えよう!少女性、少女製、少女聖杯戦争』というあからさまに怪しいサイトがあった。 モモには叶えたい願いがあるので、簡単に願いが叶うなどそんな虫のいい話なんてないとわかりつつも、 心に半分の期待と半分の警戒を持ってそのサイトに入った。 …のだが、モモの記憶はそこで途切れている。 (まさかアレがこんなことになるなんてね…) ということはそのサイトに入ったことで記憶を消された上でこの「会場」に連れてこられたのだろう。 記憶を取り戻してからはなんとも奇妙な生活を送った。 なんといっても元の世界では考えられないことが起こっているのだ。 (リトさんが転ばないなんて天変地異の前触れだわ…) モモが毎日見ている結城リトは想い人であり、ラッキースケベにまみれた人生を送る人物でもあった。 彼が転ぶと、必ずと言っていいほど女子の恥ずかしい部分に手や顔を押し付けてある意味での惨劇が起こる。 モモからすれば、それはもはや神業の域だ。 だが、この世界のリトは違う。彼は全くと言っていいほど転ばず、ただの人のいい高校生なのだ。 転ばないNPCのリトを見たときは驚愕のあまり大声を出して周囲をビビらせてしまったものだ。 先ほどナナがリトではなくモモを叱りつけたのも、ラッキースケベの被害に遭わずにリトをケダモノ扱いしていないことに起因するだろう。 しかし、モモは別世界に飛ばされたことに驚きはしても恐れはしなかった。 これはチャンスだ。取り戻した記憶の中にある聖杯戦争のルールによれば、優勝者には万能の願望機が手に入るという。 モモの恋を叶えるため、皆がリトに愛されて幸せをつかむためにこれを利用しない手はない。 「聖杯を手に入れて『楽園(ハーレム)計画』を実現してみせる…!」 モモはベッドに腰かけ、虚空に向かって言った。 モモの願いはリトを中心としたハーレムを作ること。 地球の常識に囚われず、リトがデビルーク王として側室を持てばリトに思いを寄せる者全員が幸せになることができる。 モモが姉のララの前向きな言葉を受けて計画した『"楽園"計画』の遂行だ。 「ほほっ、君だからこそラルフくんが召喚されたのかもしれないね」 「今までエロサモナーが女の子召喚してばっかりだったけど今度はこっちが召喚されるなんてな。あと俺を真名で呼ぶな」 「真名って言ってるとこ見てるといろいろとこじらせているように見えるのうセイバーくん」 「うるさい」 聖杯の争いに参加する資格を得たモモには当然サーヴァントが存在する。 モモのいるベッドの傍らに実体化して現れたのは、眼鏡をかけた老人とRPGゲームに勇者として出てきそうな風貌の青年。といっても、青年は本物の勇者である。 青年の方がセイバーで、エロサモナーと呼ばれた老人は宝具という扱いで現界している。 「はい。夢で見るセイバーさんのハーレムはとても参考になります♪」 「そう言ってもらえると女の子を召喚したわしの鼻も高くなるね」 「ハーレム作って魔王を倒した勇者というのもどうかと思うけどな…」 セイバーの青年の真名はラルフ。王と兵士によりレベル1から永遠にレベルが上がらない薬を飲まされた悲劇の英雄。 しかし、エロサモナーの助けにより、女の子を仲間に侍らせて魔王を打倒しに行った逸話も持つ、ハーレムの英霊でもある。 モモはラルフを自分を守るサーヴァント以上にハーレムを形成した男の見本として認識していた。 よく夢で見るラルフの仲間の女の子との思い出はモモにとって大変参考になっていた。 「でも、本当にいいのか?ハーレムのために聖杯を取るなんて」 モモの願いを知るラルフは問う。 聖杯を狙うことは即ち、殺し合いに積極的に関わっていくことを意味する。 「私は本気ですよ、セイバーさん。皆で幸せになりたいんです」 誰にも迷惑をかけずにリトへの恋を叶えるには、"楽園"しかない。 2番目でもお3番目でもいいから、リトに愛されたい。 それはモモの、恋する少女としての切なる願いだった。 「…わかった。本当はレベル上げたいんだけど、俺はモモのサーヴァントだからな。世界の破滅とか魔王らしいことは望んでいないみたいだし、手伝うよ」 「それにわしらも生前は女の子召喚して仲間にしたんだから、わしらも召喚した人のために戦うのが道理じゃろうな」 ラルフの言葉にエロサモナーが付け加える。 「けど…セイバーさんは、その…」 一応セイバーの助力は得られたものの、ラルフを見ていると浮き上がってくるパラメータを見ているとモモは不安を拭えなかった。 まず一番上にでかでかと浮き上がってくるのが『Lv 1』の文字列。 前述のような逸話があるからか、パラメータもレベル1のそれであり、ラルフの強さは標準的なサーヴァントと比べるべくもないのだ。 「レベル1だし弱いと思うよね?」 「そ、それを言わないでくれ…!」 ラルフはエロサモナーがさらりと弱いと言ったことにかなり傷ついているようで、レベル1であることにコンプレックスを抱いていることがわかる。 そんなラルフを無視して、エロサモナーは続ける。 「じゃが、わしの力を使えば心配はない」 次の瞬間、前触れもなく1人の少女がモモの部屋に現れた。 ロングヘアーで、へそを出したセーラー服を身に纏っている。 「ふー」 その少女は自分が現界できていることを把握すると、数回瞬きして周囲を見回す。 そして、 「ん!」 ラルフを視界に捉えると、表情が明るくなりラルフの前へ一直線に走り出した。 「ラールーフー!久しぶりー!」 この少女はラルフと面識があるようで、再び会えたことに心底嬉しそうだ。 「…そういえば初めて召喚された娘もお前だったな」 ラルフもこの少女を覚えており、感慨に浸っている。 「この人は…」 ラルフの過去を夢で見ていたモモは、その中でこの少女が何度か登場していたことを思い出す。 「エロサモナーさん、これって――」 「その通り。ラルフはかつての仲間の娘と一緒に戦うことができるんじゃ」 『一夫多娘の冒険譚(ヒーロー・アンド・ドーター)』。『女子攫う召喚士(エロサモナー)』とは別の、もう一つの宝具。 30人を超える娘の内3人までの娘がレベル1のラルフに代わって戦ってくれる。 これこそがラルフの弱さを克服できる切り札であり、レベル1の勇者が勝ち抜いていくことのできた所以だった。 このモモの見た夢に出ていた少女は、かつてラルフと共に戦った仲間その人なのだ。 ちなみに今現界しているのはこの少女一人だけなので、あと二人の娘を呼び出すことができる。 「ねーねーラルフ、この人がラルフのマスター?」 少女はモモを見てラルフに聞く。 その表情はどこか小さな嫉妬心を抱えているようであった。 恐らくラルフがいつもモモと一緒にいられることが少し気に食わないのだろう。 「モモ・ベリア・デビルークです。セイバーさんにお世話になってます♡」 それに気づきつつも、モモはとりあえずその少女に挨拶しておく。 …その少女の名前が「ララ」という姉と同じ名前だと知ってモモが驚愕するのはもう少し後のお話である。 【マスター】 モモ・ベリア・デビルーク@To LOVEる -とらぶる- ダークネス 【マスターとしての願い】 結城リトを中心とした楽園"ハーレム"を作る。 【weapon】 デダイヤル 姉のララの発明品。伝送システムで仲のいい宇宙植物を呼び出して加勢させることができる。 悪魔を連想させる尻尾 姉と同様に生えており、敏感で触られると悶えてしまう。 そこから強力なビームを放つことができる。 【能力・技能】 植物と心を通わせる能力がある。 エンジニアとしての才能もあり、ナナの宇宙動物がいる電脳サファリパークのプログラミングもモモがした。 格闘能力も数人に囲まれている状況でも攻撃を回避できる程度には高い。 【人物背景】 デビルーク星の第3王女でララとナナの妹。ナナとは双子の姉妹。 ナナと比べると大人しく清楚で、可憐な印象を受ける。 一方で、かなりの腹黒でもあり、怒らせると目つきが怖くなりドSっぷりを露わにする。 リトに惚れており、居候となってからは夜中にリトの部屋に忍び込んでは寝込みを襲うと言った行為を何度も繰り返している。 「To LOVEる -とらぶる- ダークネス」では主人公格を務める。 みんなの恋を叶えると同時に自分の恋も叶えるという目的も兼ねて、リトのハーレムを作ろうと暗躍する。 エロ校長の計らいでリトの高校の1年生になることができたのを反映してか、聖杯戦争での立場も高校1年である。 【方針】 聖杯を取る。 【クラス】 セイバー 【真名】 ラルフ@Hero and Daughter 【パラメータ】 筋力E 耐久E++ 敏捷E 魔力E 幸運E 宝具A++ 【属性】 秩序・善 【クラス別スキル】 対魔力:E 魔力に対する守り。無効化はせず、ダメージ数値を多少軽減する。 騎乗:E 騎乗の才能。大抵の乗り物なら何とか乗りこなせる。 【保有スキル】 永遠のレベル1:EX ラルフは本来かなり高位のサーヴァントだが、王と兵士によりレベル1にされたという逸話からこのスキルを持つ。 宝具以外のパラメータと大半のスキルのランクがすべてEになる。 ただし、能力値上昇などの補助効果での強化は有効。 魔術:E 永遠のレベル1の効果により、Eランクに低下している。 治癒に関する魔術は申し分程度に使えるが、その他の魔術は一切扱えない。 レストラン:C レベル1に戻ってしまった時に、レストランで出される料理を摂取することでレベル1の癖に能力を強化していったという逸話からくるスキル。 特定の料理を摂取する毎に、それに対応したパラメータが若干量増加する。 また、魔力も通常より多く回復できる。 魔法反射:B 1ターンの間、敵の攻撃魔術を跳ね返す。このスキルを発動した場合、他の行動は一切取れなくなる。 敵の攻撃を先読みして使うといい。 勇者の覚悟:A ラルフが勇者として培ってきた精神。 肉体はレベル1でも、心はレベル99である。 ラルフが勇者としてあるべき行動を取っている間、耐久に大きなプラス補正がかかる。 【宝具】 『女子攫う召喚士(エロサモナー)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:3人 レベル1にされたラルフを支援した召喚士。 あらゆる女の子を別世界からでもお構いなく召喚し、ラルフの仲間にした。 彼の存在無くてはラルフは立ち上がれなかったことから、ラルフの宝具として一緒についてきた。 彼の役割は後述の宝具『一夫多娘の冒険譚』での娘達の入れ替えである。 エロサモナーはラルフの仲間になった30人以上の娘を常にストックしており、 彼の指示で娘をラルフに連れていかせることができる。 エロサモナーは自己申告でレベル20くらいらしいが、率先して戦ったという逸話はないため、身体能力は人間レベルでラルフより弱い。 消滅すると、ストックしている娘もみな消滅し、それ以降パーティの入れ替えができなくなってしまう。 『一夫多娘の冒険譚(ヒーロー・アンド・ドーター)』 ランク:A++ 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:3人 レベル1になったラルフが女の子だけのハーレムパーティで魔王に挑んだという逸話の具現。 ラルフの仲間となった娘はいずれもラルフより強い。 ラルフはエロサモナーを経て仲間になった娘の内3人までを連れてパーティを組み、サーヴァントとして一緒に戦わせることができる。 娘は単独行動スキルを持っていないが、ラルフの近くにいればラルフを経由して魔力供給を受けることができる。 また、エロサモナーに頼むことで連れ添っている娘達を自由に入れ替えることができ、パーティの編成ができる。 各自パラメータ・所持スキルに得手不得手があるので戦う相手を考えて編成しよう。 入れ替えられて控えメンバーに回った娘は霊体化し、エロサモナーのストックに戻る。 一度消滅した娘は二度と復活することができない。 【weapon】 勇者の剣 勇者の愛用している剣。 名前の割に、とても弱い。 これも『永遠のレベル1』のせいだろうか? 【人物背景】 tachi氏制作のフリーゲーム「Hero and Daughter」の主人公。 幾度となく魔王を倒してきたベテラン勇者。 しかしラルフは何回も魔王を倒してきたことによりレベルが上がり切ってしまい、魔王を倒すことに飽き飽きしていた。 ある日、王は相変わらず魔王退治を依頼してくるが、楽勝な魔王退治に飽き飽きしていたラルフは文句を言う。 しかし兵士により、レベルが1に固定さてしまう薬を飲まされ、圧倒的に弱くなってしまう。 王によると「初心に帰れ」とのこと。 レベル1になったことによりその弱さは尋常でなく、最初のダンジョンにいるスライムにすら満足に勝てない。 そのことにラルフは自信を無くすが、そんな彼にエロサモナーが手を差し伸べる。 エロサモナーは自分の酒場に女の子を召喚し、ラルフの仲間にしてくれたのだ。 こうして、ラルフはその酒場を拠点に、女の子のハーレムパーティを作って魔王を倒しに向かうのであった。 実はラルフはこの事件の黒幕を倒したことで普通にレベルが上がるようになっていたのだが、 本人がそれに気づかずに余生を過ごしたためサーヴァントになってもレベルは上がらず1のまま。 さらにさらに、レベル1から脱却し勇者としての真の力を発揮する『スーパーラルフ』という宝具があったのだが、 「レベル1」「弱い」という逸話があまりにも強すぎたため、具現化されていない。 【サーヴァントとしての願い】 本当はレベルを上げたいが、モモを手伝う。 【基本戦術、方針、運用法】 パラメータは全ランクEだが、ラルフより強い女の子にお供してもらおう。 それぞれが個性を生かせれば強いので、それができたらラルフは立派なオトモセイバーだ。 書き手的な運用法を簡潔に記しておくと、3人しか連れ出せないという制限がラルフにはあるので把握している娘を選りすぐって出せば書きやすくなるかもしれません。 特にララは原作で必ず最初に加入する娘なのでオススメです。 【参考】 蛇足もいいところですが、どんな娘がいるのかを簡潔に記しておきます。 全員少女です(多分)。普通に多いです。知りたくもなかったらごめんなさい。 ララ:女子高生。へそ出しセーラー服着用。マスターの姉とは関係ない。 アクアータ:関西弁の水泳オタク。マイクロビキニ着用。 ディエ:呪術師。ヤンデレ厨二病。 ストレーガ:魔術師としては一流。美人。 フェリーチェ:モブの村人A。 アヤメ:暗殺者。闇の世界で生きてきた。 アウイン:どこかの国のプリンセス。 サキアー:眼鏡っ娘。勉強熱心。 ユメル:他人の心を読むことができる。そのことをコンプレックスにしていた。 リヴ:貧しいスラム街の生まれの、盗人の褐色肌の幼女。 ハイテック:ネット依存症。よく携帯で嘘電話をしている。 シルト:女剣士。耐久が高く、「かばう」スキルも持っている。 ルージュ:女格闘家。体を鍛えており、筋肉がものすごい。 ホーリー:天使。ドSだがツンデレ。 キャミー:猫娘。猫耳に尻尾完備。 レナ:喧嘩が大好きな喧嘩番長。 ロボ子:アンドロイド。外見も首から下はロボットのそれ。 リリア:メイド。かなりの危険思想を持っている。 シオン:ボクっ娘スク水マント。自称天才で剣術に長ける。 アイ:一つ目の娘。邪視による状態異常付与が得意。 プリズン:ドMの囚人。ストライプ柄の囚人服着用。 赤の魔女:Hero and Daughterの作者製の他のゲームにも登場する魔女。「ヒッヒッヒッ…」と笑うがキャラ作りらしい。 エリナ:同作者製のフリーゲーム「囚体」の主人公。死神の眼を持つが、根は優しい。ジョジョの嫁ではない。 魔王アルエ:アルバイトで魔王をしていてラルフ達の前に立ちはだかったが解雇された。 キャンディペロン:同作者製のフリーゲーム「死村」に登場する。キャンディによる補助・妨害スキルが強力。 アカリ:元地縛霊。エロサモナーに召喚されたことで蘇った。 ヨミ:腕にでかいバスターをつけている。 精霊王:宇宙を破壊できる程の力があるが実力を0.00001%くらいにセーブしている。 チーア:チアガール。仲間を応援する。 モスキー:吸血蚊。 ワゴコロ:和風女性。和の心を大切にしている。 アピル:バットで豪快に敵をフルスイングする。 ラルフィー:未来のラルフの娘。母親は不明。
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ここは2chエロパロ板“病弱少女のHなSS”のまとめサイトです。 未成年の方の閲覧はご遠慮下さい。 現行スレ 病弱少女のHなSS 第二病棟 http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1211710410/ 初代スレ 病弱少女のHなSS http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1183997747/ SS保管庫 保守ネタ まとめ 更新報告 更新した際の報告は必ず行って下さい。 作品名、作者名を明記の上、お願いします。 テスト -- 管理人 (2008-05-25 12 14 04) テスト -- 管理人 (2008-05-25 12 14 22) 「藤原さんと僕」の誤字を訂正 -- 名無しさん (2008-05-25 20 22 55) gennkou -- 名無しさん (2008-05-25 20 32 17) 現行スレを更新 送信ミスすまん -- 名無しさん (2008-05-25 20 32 49) 保守ネタページを作成、第二病棟の保守ネタ、登場人物を保管。 -- 名無しさん (2008-05-28 20 48 49) いろいろ追加。囚われの1だけ、txtモードの罠。 -- 名無しさん (2009-01-10 21 56 02) メニュー -- 名無しさん (2009-12-03 07 27 57) カッとなって追加した反省はしない。2-572氏の作品タイトル希望。 -- 名無しさん (2010-05-05 00 55 49) テスト -- ななしん (2016-01-06 15 09 58) 名前 コメント
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玲奈&オブリビオン◆wKs3a28q6Q 狂ってやがる。 目の前の狂乱を眺めながら、ミュッチャー・ミューラー――通称“ミューミュー”は心の中で吐き捨てた。 「あっ、ふぁぁっ!」 しかし決して顔には出さない。 この程度の光景なら、州立グリーン ・ドルフィン・ストリート重警備刑務所で毎日のように目にしてきた。 強いて言うならば、今目の前でいたぶられている少女の見た目だけは、今までの日常とは異なる。 目の前で顔を歪ませているのがグリーン ・ドルフィン・ストリートでは見かけないくらい『どこにでもいる普通の娘』である事実は、 ミューミューの心を僅かばかり痛めさせた。 もっともそれは、本当に僅かばかりなのだけれども。 「らめっ……あっ……あぁっ……も、もうっ……!」 コンクリートで囲まれた部屋で、力無き者が陵辱される。 グリーン ・ドルフィン・ストリートでは男女問わず囚人間で行われていることだった。 なんなら、一部のイかれた変態看守が囚人相手にシたとも聞く。 幼い頃性的暴行を受けたという女囚も少なくなかったし、まぁ極普通の少女が陵辱されたとしても、『運が悪かった』で済ませられる。 看守ではあったのだが、ミューミューは別に正義の心を持ち合わせてなどいなかった。 「あらあら、こんなにびしょびしょにして……」 「い、言わないでぇっ」 違和感を覚え、狂っていると感じるのは、やはりここが日本あたりの平和な国の平和な街であるからだろう。 そして、コンクリートで囲まれたこの部屋が、監獄ではなく普通のコンビニであることも、大いに違和感を抱かせた。 「お仕置きなのに気持ちよくなるなんて……本当に反省しているのかしら?」 極めつけは、目の前で少女を陵辱している少女だ。 先程までは穏やかな笑みを浮かべながら接客をしていた姿から、想像つかぬほど悪意に満ちた笑みを浮かべている。 日常とのギャップという点において、今ここほどに酷い場所はそうあるまい。 「もぉ……許ひてぇっ……」 語尾にハートマークをつけながら、涎を垂らして何度も痙攣する少女。 彼女がこの地獄に叩き込まれた原因は、他ならぬミューミューが作っていた。 「もう二度と忘れたなんて言えないように、痕を残しておいてあげるわ」 陵辱を加える少女――玲奈は、ミューミューの『マスター』だった。 玲奈はこのコンビニの店員であり、聖杯戦争以前からコンビニで勤務していたらしい。 真面目に業務に打ち込み、勤務時間に釣りに勤しむ店長を尻目にひたすらレジを打ち続ける真面目な少女。 客からの人気も高く、まさに平和な国で陽のあたる場所に居る少女という印象だった。 しかし一度万引きが行われると、玲奈は豹変することが分かった。 人が変わったように万引き犯を陵辱し、嫌悪と憎悪を叩き込む。 最初に万引き犯を捕まえた時など、その無慈悲さと普段とのギャップに、ケツの穴に氷柱を突っ込まれたかのような気持ちになった。 今ではすっかり慣れてしまったが、それでもやはり、玲奈はどこか狂っていると思わざるを得ない。 もしかすると、対万引き犯においては、サーヴァントである自分よりもよほど強いのではなかろうか。 「ひぐぁぁぁっ、やめっ……!」 兎にも角にも、今の自分の仕事は『聖杯戦争で優勝すること』だ。 サーヴァントになる前からスタンド能力なんていう狂ったモノを手に入れていて、 スタンド使いを閉じ込めるなんて仕事に就いていたのだが、無様に失敗していまっている。 下手をすれば、制裁が加えられていたかもしれない。 被害者自身にも法律にも気付かれず殺せるのがスタンドなのだ。 自然死を装い、強大すぎるスタンドを持ちながら任務に失敗した者を始末しない理由もない。 「あぎいいいいいいいいいっ!!」 そうなるとグリーン・ドルフィン・ストリートから逃げるしかなかったわけだが、正規の手続きを踏んで退職するのは時間がかかる。 かと言って黙って逃走すれば、今までのキャリアを全部ドブに捨てるうえ再就職が難しい。 ある意味――復活の機会でもあるこの聖杯戦争は、ミューミューにとって救いだった。 「こんなに酷いことをされてるのに感じるなんて、貴女やっぱり変態なんじゃないの?」 どうしても叶えたい願いなどない。 それでも死にたくはないし、金はほしい。 極々普通の願い。 けれどもそれは、多分もう、聖杯を使わねば叶わぬ願い。 「ほら、恥ずかしいところ、店長に見てもらいなさい」 そのためなら、この狂った状況も受け入れよう。 今の自分に出来ることをきっちりとこなし、そして勝つだけだ。 例え戦場が監獄からコンビニに代わり、立ち位置が主任看守から店長になろうとも変わらない。 殺傷力を持たないが、しかし最強のスタンドを有効活用するための場を、聖杯戦争開始までの間に整えてきた。 そしてそれが効果的であることは、今の“予行練習”で証明されている。 「ひ……だめっ、イくっ、イっちゃう!」 少女は、万引きをした。 しかし少女にその自覚はない。 店内に仕掛けたミューミューのスタンド『ジェイル・ハウス・ロック』の能力で、万引きをさせられたのだ。 「や、らめえっ……み、見ないで……!」 ジェイル・ハウス・ロック。 元の世界では『スタンド』と呼ばれ、そして今では『宝具』と呼ばれる存在。 その能力は強力無比で、建物の中に潜り込んだジェイル・ハウス・ロックに触れると、物事を3つまでしか新たに記憶できなくさせるというもの。 ジェイル・ハウス・ロックに触れるまでの記憶は残っているが、触れたあとに4つ物事を記憶すると、古い1つを忘れ去るのだ。 この能力があれば、脱獄だって容易いし、万引き犯に仕立て上げるなど朝飯前。 HBの鉛筆を忘年会でケツでベキッ!とへし折った事と同じようにッ! 出来て当然のことなのだッ! 「あああああああっ!!」 陥れ方は簡単。 商品を手にとった瞬間、声をかけるなどをして3つのことを記憶させればいい。 今回は、外で雨が降っていたことを利用し、床清掃作業に見せかけ声をかけた。 『すみません、通ります』 『床滑りやすいんで気をつけて』 『よかったら傘立てあるので使ってください』 この3つを認識させた時点で、ジェイル・ハウス・ロックの能力で3つしか物を記憶できない少女は、手にした商品の存在を忘れる。 あとは認識できないまま商品を持って外に出るように仕向ければいい。 今回は傘立てを外に置いておくことで、自然と外に出ていくよう誘導した。 そうして事前に完成させていた万引き犯がこちらになります(3分ファッキング) 「ふふ……これでもう忘れる心配なんてないわね」 一応、きちんと布石も打っている。 近所の不良女学生間で「精算を忘れたことにすれば万引きも見逃されるからチョロいチョロい」という話が広まっていると、ありもしない情報を流した。 おかげでいくら「本当に何も覚えていない、悪意はなかった」と訴えても、ご覧のとおり玲奈には聞き入れられない。 もっとも玲奈の万引きに対する憎悪を見るに、そんな小細工をするまでもなく陵辱してくれていたような気はするが。 「これに懲りたら、二度と万引きなんてしないことね」 玲奈にとって大事なことは、万引きした少女にお仕置きを加えること。 しかしながら、勿論ミューミューにとっては、そんなことどうだっていい。 看守なんてしてはいたが、クズの更生や平和な世なんて望んじゃいない。 大事なのは、この聖杯戦争で勝つこと。 そのために、マスターである玲奈を利用する。 (出来ないさ、もう二度とな) 万引き犯への憎悪からくる、サーヴァントかスタンド使いでも違和感がないほどの限定条件下の能力。 精神力から話術、残虐性に至るまで、これがサーヴァントであれば+マークがついていただろう。 ジェイル・ハウス・ロックの力で万引きをさせたら、あとは全部玲奈に任せることにしていた。 そうすれば、ご覧のとおり茫然自失の少女が簡単に出来上がる。 (あの悪魔的テクニックを前に普通は再犯なんて考えられなくなるが、そもそもに――) しかしながら、聖杯戦争はヌルくない。 殺さなくては決して勝利にならないのだ。 なのに玲奈は、殺すような真似はしない。 仕置きの名の元に死にたくなるような辱めは与えども、直接命は奪わないのだ。 (――生かして帰すつもりはないからな) だからといって、ミューミューまで見逃してやる理由はない。 何しろ相手は聖杯戦争の参加者――マスターだ。 後日サーヴァントを引き連れて報復されても困る、ここで決着をつけなくては。 それに、下手に逃して、評判が変動するのも避けたかった。 あくまでどこにでもいるコンビニの、どこにでもいる店長でなくてはならないのだ。 目立ってしまい聖杯戦争参加者でないか疑われる展開だけは、何が何でも避けねばなるまい。 万引きの捏造も、バックヤードへの連行も、相手がこちらを疑っていないからこそ出来ること。 そのためには、「ただの平凡な店長」である必要がある。 聖杯戦争参加者だと疑われていたら、連行しようとした時点でスタンドバトルに移行するだろう。 相手にスタンドが決まった状態とはいえ、肉弾戦が得意でないスタンドである以上、無事で済むとは言い切れない。 忘却させるのにスタンドパワーは使ってしまうし、現に肉弾戦で空条徐倫に敗れ去っている。 もう二度と同じ轍を踏むことはしない。 人は成長する生き物だ。もっとも、何も学べないし記憶できない目の前の哀れな少女は別だが。 「正面から出られても困る、こちらからお帰り願おうか」 まだ半裸で啜り泣く少女へと服を投げつけて、半ば無理矢理服を着せる。 そして玲奈が業務に戻ったことを確認してから、彼女を外へと放り出した。 あくまで、少女の足で。 ふらつく少女自ら歩かせて。 弱り怯えた者を無理矢理動かす技術は、看守時代に身につけていた。 そして、ふらついて壁に手をつくのを待つ。 予想より足取りがしっかりしていたら、「さっさと帰れ」等と罵声を浴びせながら、自然なタイミングで蹴りを入れる。 要するに、壁の一部に触れさせれば勝ちなのだ。 これで、解除していたジェイル・ハウス・ロックが再度発動する。 「それじゃあな」 このコンビニの近辺は、比較的栄えている。 だからこそ、一旦路地裏へと放り出した。 これならば、万が一不審に思われても、路地裏で暴行されたようにしか見えまい。 「車には気をつけて帰るといい」 このコンビニの近辺は、比較的栄えている。 それでもまだまだ繁華街とは言いがたい。 横断歩道は設置されているが、信号機がない場所も多々存在する。 『右から車が来ているかを確かめる』 『左から車が来ているかを確かめる』 『もう一度右から来ているかを確かめる』 『今なら渡れるし道路を渡る』 この4ステップが――最初の右の確認を怠っても3ステップが、渡り切るのに必要な道路が、この辺りには多数存在しているのだだ。 周りの目を気にしたり、こちらの意向を気にしたりすれば、必要な動作――記憶の数は、もっと多くなるだろう。 「……ああ、だから言ってやったのに」 大きな衝突音がして、それから悲鳴が聞こえてくる。 きっと、事故でもあったのだろう。 まるで車が見えていないかのように飛び出して、少女が自動車に轢かれる。 そんなどこにでもある痛ましい事故が起こったに違いない。 「人の忠告は、忘れない方がいい」 きちんと策が機能していることを確認し、サイレンの音を聞きながら、トランプの陳列業務へと戻っていった。 【クラス】オブリビオン 【真名】ミュッチャー・ミューラー@ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン 【属性】中立・悪 【パラメーター】 筋力:E 耐久:E 敏捷:D 魔力:A 幸運:D 宝具:A 【クラススキル】 スタンド使い:C 自身の宝具『ジェイル・ハウス・ロック』は、同じスタンド使いにしか視認することが出来ない。 しかしスタンド自身に破壊力は皆無であるため、気付かれずにスタンドに触れさせる以外の効果には期待が出来ない。 射撃:D 4つの弾丸を僅かにズレたタイミングで、そして正確に叩きこむ能力。 そうすることで相手は一つ一つの弾丸を『覚える』ことになり、4発目の弾丸を視認した時点で1発目の弾丸の存在を忘れるようになる。 【保有スキル】 社会的地位:B 看守の主任になれる程度に社会に溶け込み集団に紛れる事ができる。 聖杯戦争においても、コンビニ経営に関わるNPCを人脈として利用ができる。 元居た世界で主任に上り詰めた実績があるからか、最初から関連企業からの信用を得た状態でスタートしている。 また、聖杯戦争においてはコンビニの店長でありアルバイトを雇う権利などを有するため、玲奈が陵辱し心を折ったNPCを奴隷として雇うことが可能。 懲罰:C 州立グリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所に勤めていた経験を活かし、囚人にしていたような暴行や羞恥プレイを行える。 また、立場が弱い者や弱った者の上手なコントロール術や、粗暴で頭の悪い者の煽り方も心得ている。 主な目的は屈服させることであるため、あまりに猟奇的なことは出来ない。 【宝具】 『ジェイル・ハウス・ロック』 ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:建物一つ丸々と 最大捕捉:何人でも 建物に潜ませたスタンド『ジェイル・ハウス・ロック』に触れると、物事を3つまでしか覚えていられなくなる。 スタンドに触れる以前のことは覚えていられるが、それ以降に4つ以上物事を覚えると、古い順に忘れていく。 『4つまでしか覚えられないので、4発の弾丸を放つと1発目の弾丸は忘れるため、視認することができなくなる』というロジックを使えるが、 常時その状態にはなるわけではないため、ミューミューの意志一つで変更が可能と思われる。 【人物背景】 ホワイトスネイクに雇われて、州立グリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所にスタンド使いを閉じ込める任を受けていた看守。 敵対する空条徐倫にわざわざゴキブリを食わせたりと、性格は決して善人とは言えない。 任務には忠実だが、「スタンド使いを閉じ込める」という仕事に含まないことには消極的であるため、真面目というわけでもない。 また、徐倫に敗れるとあっさり徐倫の言うことを聞き脱獄に貢献する等、覚悟や忠誠があるわけでもない。 仕事には真面目だが、あくまで金を稼ぐ手段の仕事としてせなばらなぬからしているだけに過ぎないのだろう。 【サーヴァントとしての願い】 金と平穏 【マスター】 玲奈@万引きGメン 悪い娘にはお仕置きです! 【マスターとしての願い】 聖杯を手に入れてこの世から万引きをなくしたいが、それはそれとしてコンビニの仕事もこなしていく 【weapon】 コンビニに置いてあるものならば何でも 【能力・技能】 万引き犯の心を手玉に取り、自ら股を開かせる人心掌握術を持つ。 また、万引きを認めた少女に対しては一切の躊躇もなく残虐行為(主に性的な行為)を働くことが出来る。 また、万引き犯を嫌なのに感じさせる等、対女性に対する性的テクニックはDMMの女性キャラでも最上位に位置している。 【人物背景】 『優しく穏やか』『ドSで鬼畜』という相反する属性を公式紹介文で並べられるくらい二面性を持つ女性。 コンビニで働いており、店長のサポートをしている。 万引きを心から憎んでおり、取っ捕まえた万引き犯には容赦無い追求と無残な性的仕置を仕掛ける。 性的暴行を受けた女性万引き者が快楽に溺れたり、性的仕置の果てにバイト希望をしてくるなど、レズセックスにおけるテクニックは上級者であると思われる。 なお、万引きを憎悪しており万引き犯には慈悲など持たぬが、それでも店長の指示には忠実であり、店長が逃すと決めた万引き犯は渋々ながらきちんと逃す忠誠心を持つ。 また、万引き犯の捕縛方法は主に監視カメラによる証拠突きつけであり、万引きを見抜くスキルや捕縛能力が高いというわけではない。 【方針】 ミューミューにコンビニを経営してもらい、とりあえずそのサポートをする。 万引き犯には制裁を。
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【サイト名】少女の季節(リンク切れ) 【h抜きURL】ttp //www5b.biglobe.ne.jp/~kisetsu/index.htm 【管理人】桐澤 新緑氏 【コメント】
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アサシン&野咲春花 ◆GsX/Tt1F2. いつもの帰り道。 見慣れた並木通りを、仲の良い女友達と姦しく談義しながら歩く。 蜂蜜色の夕陽が射し込み、鴉がかぁかぁと一日の終わりを告げ始める頃、私は友達と別れ帰途に着く。 当たり前の日常。中学生になってからかれこれおよそ三年間、毎日のように繰り返してきた生活サイクル。 けれど、一人分かれ道へ進み出し、振り返って彼女たちへ手を振り、また明日ねと笑いかける時、私は不意に思うのだ。 ――これは、なに? 既視感という言葉がある。 しかし、私が感じているのはむしろその真逆だった。 未知感。当たり前に過ごしてきた筈の日常が、どういうわけか奇妙に映る。 例えば、今日一緒に日直の仕事をしたおかっぱ頭の大人しい彼女。 あの子は、あんな風に元気いっぱいな笑顔を浮かべる人物だったろうか? もっと卑屈で、暗く、――言ってしまえば、ひどく“人間らしい”人物ではなかったか? 考え出すとキリがない。 もう姿は見えなくなってしまったが、この帰り道を歩いてきた二人だってそうだ。 そも、自分はあの二人といつ出会った? どのような経緯を経て、私達は友達になったんだっけ? カメラの似合う彼。密かに気になる、クラスメイトの優男。 いつもみんなの人気者、クラスの中心にいるスタイリスト志望のあの子。 みんなみんな良い子達で、かけがえのない友人だ。 なのに最近、そんな幸せな世界をどこか冷めた目で見つめている私がいる。 隣の芝生は青く見えるという諺があるけれど、まさにそれ。 今の私には、彼女たちのことが、隣の芝生にしか感じられない。 「……疲れてるのかな」 こめかみに手を当ててため息をつく。 こんなことばかり考えていては気が滅入ってしまう。 私がどう思おうと、彼女たちが大切なクラスメイトで、共に卒業しようと誓い合った友達なことに変わりはない。 もう、一緒に過ごせる時間も長くはないんだから。 おかしな空想は早く忘れて、またいつもどおりの毎日へ戻ろう。 踵を返しながら、私は前向きに頷いた。 ◯ ● 「ただいま」 言った瞬間に、異変に気がついた。 ――――臭い。 玄関の扉を開けた途端、鼻腔を通って嗅覚を埋め尽くす、鉄錆によく似た悪臭。 思わずその場でたたらを踏む。次に、はっとなって靴の数を確認した。 お父さん、お母さん、妹のしょーちゃん。……家族全員、この家の中にいる。 少しだけ逡巡したが、堪え切れずにおっかなびっくり、いつもと違う自宅へ踏み入った。 脳裏を過ったのはガス漏れというワードだった。 果たして家庭で使うようなガスがこんな酷い匂いを持っているのかどうかは分からなかったが、つい最近にも隣町でガス漏れによる死亡事故があったと記憶している。 もしもそうだとしたら一大事だ。悠長に大人を呼んでいては間に合わないかもしれない。 胸の鼓動が早まる。 背筋へぞわぞわと這い上がってくる冷たいものがある。 家族を失うというイメージが脳裏へ浮かび――そこで、私は思わず足を止めた。 「……え」 違う。 ――違う、違う。 頭の中にあるのは、もはやイメージなどではなかった。 冬の夕暮れ、季節に似合わない熱気が煌々と立ち込めている。 大勢の野次馬。誰もが憐れんだ眼差しで燃え盛る自宅を見つめている。 まるで悪い夢。でも、これは紛れもない現実で…… そして、見覚えのある顔をした少年が、“ナニカ”を抱えて炎の中から現れる。 その細腕に抱いたのは、黒く焦げ付いた――私の、いも、うと。 「――ッ、しょーちゃんッ! お母さん、お父さんッ! いるなら返事してッ!!」 違う、空想なんかじゃない。 私は今思い描いた光景を知っている。 悪夢と一蹴してしまいたくなるような、火柱をあげて燃え上がる家を見たことがある。 いつ? どこで? テレビ? ゲーム? それとも映画? 小説? 必死に、浮かんだ恐ろしい想像を払拭するように選択肢を乱立させながら、私は叫んで止めた足を再度進ませた。 返事はない。それどころか、錆の匂いはどんどん濃くなっていく。 「……違う……」 か細い、消え入りそうな声で呟いた。 「ガスなんかじゃ、ない」 この匂いも、私は知っている。 居間の扉を開けた先には、予想通りの惨劇が広がっていた。 最初に目に入ったのは、胸を刺され、首と胴体が離れて死んでいるお父さん。 次に、混乱の余り窓から逃げようとしたのだろうか。 首から下は窓の取っ手へ手を伸ばしたままで、首から上は切断されて床へ転がっている。 その顔は、見間違いようもないお母さんだった。 膝から下の力が一気に抜けてしまった。 そんな私に追い打ちをかけるように、視界の端から変わり果てた矮躯が放り投げられる。 胸を刃物で貫かれ、眠るように安らかな顔で息絶えている少女。 ――私の、たったひとりの妹…… 「違うだろう」 大声をあげて泣き叫ぼうと思った私へ、聞き覚えのない、この家に居るはずのない男の声が投げかけられる。 「“こうじゃねえ”。そうだろう、Master?」 マスター……と私を呼んだその男の右手には、巨大な出刃包丁のような凶器が握られていた。 刃には真新しい血がべっとりとこびり着き、今も耐えることなく血糊の雫を涎のように垂らしている。 わざわざ根拠を探すまでもなく分かる。この男が――私の家族を殺したのだと。 だが、不思議と腹は立たなかった。拍子抜けするほどあっさりと、私はこの惨劇を受け入れている。 常識的に考えて、刃物を持った相手へ丸腰の子供が敵うわけはないけれど、それでも普段通りの“野咲春花”ならば、怒りを抑えられずに家族の仇へ挑みかかるはずだと自分でも思えた。だから、この瞬間をもって、私は真に確信する。 ――ああ。私はやっぱり、“この”野咲春花ではないんだ。 「exactly」 男は、無気味な格好をしていた。 ポンチョ……というのだったか。 そういう衣装に身を包み、大振りの包丁を持った姿は絵に描いたような殺人鬼のそれ。 なのに、やっぱり怖いと感じない。 「何か……知ってるんだね」 「おっと、勘違いするなよ。俺はMaster、お前の過去については何も知らねえ。興味もないさ。だが」 口許がにやりと歪む。 「この街で何が起ころうとしているのかは知っている」 「……教えて」 「No、俺が教えちゃ意味がねえ……それに、お前も知っている筈だ。よぉく思い返してみるんだな、自分の記憶を」 言われた通りに、記憶を遡る。 あれほど充実していたはずの学校生活も、“知って”しまった以上はもう薄ら寒くしか感じない。 そういう偽物の思い出を蹴り飛ばして、辿り着いたのはやはり、あの炎の夜だった。 焼ける、家。 全身に酷い火傷を負い、意識さえ戻らず虫の息で眠り続ける妹。 そして――…… 下卑た声が頭の中で木霊する。 人を人とも思わずに、私の家族を焼き殺した奴ら。 その顔は皮肉にも、さっきまで一緒に帰っていた二人の女子生徒に瓜二つだった。 私はそれを殺す。 一人、二人、三人。 虫でも叩き殺すように淡々と、撲り、撲り、撲り殺す。 一度箍が外れれば後は早かった。 悔やみ、自責しながら、それでも止まらずに私は殺す。 刺し、斬り、射ち殺す。 そして最後は、私も死んだ。 ……多分、これで全部。全てを思い出した私の頭は、氷でも入れられたように冷ややかだった。 「……ごめんなさい。手間を掛けさせちゃったね、アサシン」 「No Problem。物分かりの良いMasterで助かったと喜びたいくらいだぜ」 どうして今まで忘れていたんだろう。 これがこの町の仕組みだとすると、相当に悪趣味だ。反吐が出る。 でも、もう大丈夫。私のやることはちゃんと思い出せた。 私は――――家族を取り戻すために、また、人を殺す。 「それじゃあ、思い出した所で一つ出掛けようじゃねえか」 「……? 敵のマスターを未然に探し出して倒す……ってこと?」 「違えよ」 くつくつと嗤って、人殺しの私が喚んだ人殺しのサーヴァントは、血飛沫で汚れた顔を私へ向け、言った。 「生け簀かねえFakeをぶっ壊しに行くのさ」 ● ◯ 昨晩の夕方から夜に掛けて、特定地域の中学生を対象とした連続殺人事件が発生しました。 被害者はいずれも×××中学校3年×組在籍の生徒であるということです。 未だ消息不明の生徒も少なからずおり、警察は慎重に捜査を続けていく方針です―――― 【クラス】アサシン 【真名】PoH@ソードアート・オンライン 【属性】混沌・悪 【パラメーター】 筋力:B 耐久:B 敏捷:A 魔力:C 幸運:A 宝具:A 【クラススキル】 気配遮断:B サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。 完全に気配を絶てば発見することは非常に難しい。 【保有スキル】 カリスマ:B 軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。 カリスマは稀有な才能で、一国の王としてはBランクで十分と言える。 PoHのそれは“悪”に偏っており、彼の悪性へ魅せられ、時に人は狂気の道へと迷い込む。 軍略:B 一対一の戦闘ではなく、多人数を動員した戦場における戦術的直感力。 自らの対軍宝具の行使や、 逆に相手の対軍宝具に対処する場合に有利な補正が与えられる。 ソードスキル:A MMORPG「Sword Art Online」内に存在したスキルシステムを使用することが出来る。 彼の扱うソードスキルは高度なもので、技量は一級の剣豪にも匹敵する 【宝具】 『笑う棺桶(ラフィン・コフィン)』 ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ: #65293; 最大捕捉:1~99 SAO世界にてPoHが統率していた、最凶と称されるPK(プレイヤー・キラー)ギルド「笑う棺桶(ラフィン・コフィン)」のメンバーを召喚する。 呼び出される殺人鬼たちは皆PoHにこそ及ばないものの実力者揃いで、また殺人行為へ毛ほどの躊躇いも覚えない性格破綻者が集っている。彼らは宝具が使用されるなり現れ、己の思うままに殺戮の限りを尽くす。 無論、その全員がソードスキルを扱うことが可能。 『友切包丁(メイトチョッパー)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~10 最大捕捉:1人 SAO世界でPoHが使用していた、モンスタードロップのレアアイテム。 ゲーム中でも最強クラスとされる武器で、出刃包丁を巨大化させたような形状をしているのが特徴。 これそのものに特殊な能力は無いが、武器としては非常に優秀な品物である。 【人物背景】 殺人ギルド「ラフィン・コフィン」のリーダーにしてSAOで最も猛威を振るったPK(プレイヤーキラー)。躯で膝上までのポンチョで身を包みフードを目深にかぶっている。美貌と強烈なカリスマ性を持ち、少なくとも三ヵ国語を話すマルチリンガルで張りのある艶やかな美声にやや異質なイントネーションを潜めた話し方をする。 ユーモラスなキャラクターネームと裏腹に、冷酷で狂気的な思考を持った殺人鬼で、デスゲームとなったSAOにおいて「ゲームを愉しみ殺すことはプレイヤーに与えられた権利」という扇動を行い多くの「オレンジプレイヤー(犯罪者プレイヤー)」を誘惑・洗脳して狂的なPKに走らせた。最強クラスの武器の1つだったモンスタードロップの大型ダガー「友切包丁(メイト・チョッパー)」と凄まじい剣技で数多のプレイヤーを斬殺しており、殺戮の前には決め台詞として「イッツ・ショウ・タイム」と宣言する。 「ラフコフ」結成以前の第2層の時点で既にPKを画策していた節がある。 「ラフコフ」討伐戦では姿を現さなかったが、カルマを回復して圏内に潜伏、なおも暗躍を続けていた。 【サーヴァントとしての願い】 聖杯の使い道は手にしてから考える。今は殺し合いを愉しむ 【マスター】 野咲春花@ミスミソウ 【マスターとしての願い】 焼き殺された家族の蘇生 【weapon】 クロスボウ、包丁などオーソドックスな凶器。現地調達。 【能力・技能】 特になし。だが、クラスメイトを殺害した経験があるため殺しに対し無防備ではない。 【人物背景】 心優しい性格をした清楚な美少女。父親の仕事の都合で東京から大津馬村に引越し、大津馬中学校に転校するが、「よそ者」であることからイジメの対象にされる。同級生たちから陰惨なイジメに遭うものの、優しい両親や最愛の妹、クラスの中で唯一味方をしてくれる相場晄の存在によってイジメに耐える事が出来ていた。 しかし、イジメグループによって家族が焼き殺されたことと、その証拠隠滅の為に自殺を強要された際、主導した吉絵が口を滑らせたために全ての真相を知ったことで彼らへの復讐を誓い、関与した者達を次々と惨殺していった。 終盤、「全ての原因が自分にあった」と後悔に苛まれた妙子の心からの謝罪を受けて彼女と和解し、「前を向いて生きていこう」と誓い合って復讐にピリオドを打った。しかし、最終的に想いを寄せていた晄の本性を知り、そこに雪崩れ込んできた流美の襲撃によって致命傷を負わされた際、晄が後生大事に持っていた春香の家族の死体を収めた写真を見てしまった事から全てに絶望。最後の戦いを開始し、これを制した。 作中に直接の描写はないが、復讐を完遂した直後に死亡した模様。 【方針】 アサシンと共に聖杯戦争を勝ち抜き、願いを叶える
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少女の証明 プリントクラブ 傷だらけのマリア 前髪ぱっつんオペラ 保健室で会った人なの スナッフフィルム プロテストソング あたま山荘事件 リセヱンヌ ダブルバインド 救生軍
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魔法少女が命をかけて奪い合う、魔法少女の心臓部。 持ち主によってその形態は様々であるが、多くの場合個々人に特有の『色』を示す宝石の形をとることが多い。 魔法少女になる最初の条件が、この魔法核を悪魔から受け取り、そこに願いを込めることである。 魔法核は願いに呼応し、祈りによって目覚め、少女に魔装と固有魔法を与える。 よってこの二つは込めた願いに密接に関係した様態のものとなる。 そしてこの魔法核を簒奪し、定められし数を満たした時、祈った願いを実現する力を魔法少女は手に入れる。 故に、魔法核の奪い合いは魔法少女の第一義である。 集める量は、個々人によってまちまちだが、概ね大規模な願いであるほど多くの魔法核が必要となる。 また魔法核を集めれば集めるほど、魔法少女の魔力量が増大する。 このことから、魔法核は魔法を増幅するアイテムであり、願いを実現するのに必要な魔力量の調達手段として、 魔法核の簒奪が行われるのだと推測される。 平たく言えば、一人じゃ叶えられない願いを叶えるために、他人の力を奪い取る戦いが魔法核争奪戦なのである。 なお、奪った魔法核は内部に魔法少女の自我を宿している。 そのため取り込んだ魔法核と仲良くなれば更なる力を貸してくれる(=同調)し、逆に反抗して弱体化する恐れもある。 また、自我を含む魔法核を失った魔法少女は、祈りを呪いに転化させた亡者となり、他の魔法少女を自我なく襲う存在と化す。
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思い出が窮屈になりだしたこの頃の僕らは ◆EAUCq9p8Q. ☆エンブリオ さいはて町に夜が来るのはいつ以来のことだろうか。 さいはて町にも確かに『夜』は存在していたが、外の世界のように時間がたてば昼が終わって、昼が終われば夜が来るわけではない。 時々ふと、思い出したように、あるいは住人がそうであってほしいと思った時に夜になるのだ。 夜空を見上げながら箱に入った奇人、エンブリオが考えるのは、さいはてに夜を臨んだものの正体だった。 あるいは、最初に番人として呼び出した『チェーンソーの殺人鬼』がかかわっているのかもしれない。 彼はさいはて町における数少ない『夜』の象徴である。夜にしか現れないレアキャラだった。 そんな彼の存在が、さいはて町を夜側に引っ張ってしまった、ということもありえるだろう。 「……マスターは、気に入ってくれるかな」 満天の星空、大きな月、冷たい風。緩やかに冷める熱とともに眠っていく世界。 昼間よりも少しだけやさしい世界を、玲はどう受け取るだろうか。 彼女のことだ、『晩御飯の時間だ!』とでも言うかもしれない。 できることなら、ゆっくり晩御飯を食べたいが…… 「桃本!」 住宅地の奥から、見慣れた姿が宝箱目指して走ってくる。 揺れるはちみつ色の髪の毛は、いつもより慌しく揺れていた。 そして、彼女の右手がしっかりと『異物』を握りこんでいるのを見て、エンブリオは少しだけ、眉根をひそめた。 「お帰りマスター。そっちの子は?」 「そう! この子、外で泣いてて! それで!」 「誘拐してきたの?」 「誘拐じゃないよ!! 誘拐じゃ……ゆ、誘拐じゃないよ!?」 どうやら勢いで連れてきてしまったらしい。 思い切りのいいことをするなあと思いながら、『異物』の方を見つめる。 「ボクは……」 外ハネの少女の表情を見ると、エンブリオは、なんとも言えない気持ちになった。 彼女の何を知っているわけではない。それでも、どこかで……あるいは心で理解できる気がした。 彼女もまた、大切な誰かを失ってしまったのだ。玲と……エンブリオと同じように。 だから、エンブリオには彼女のことを否定することはできなかった。 彼女も『異物』ながら、この町を必要としている少女なのだろうから。 「それとマスター、マスターが表から連れてきたのはその子一人だけでいいんだよね」 そして、外ハネの少女から目を切る。 エンブリオの目に映っている『異物』は一人きりではなかった。 住宅街の入り口近くにもう一人。シルクハットを被った、特徴的な少女が一人。 特徴的だが、決してこの『さいはて町』の人間ではない。 「マスター、お願いがあるんだけど」 その少女の目は、恐ろしいほどに冷たく、鋭い。 憎悪、嫌悪、そういったものが混ぜ込まれ煮詰められたようなあまりにも悲しい瞳で、エンブリオを見つめている。 「少し離れていてくれない? どうも……」 シルクハットの少女が羽ペンを取り出した瞬間、空間に突如、男が現れる。 その男は驚くほどに長い槍を手に、まるで瞬間移動のような速さでエンブリオへと猛然と迫ってきた。 エンブリオが玲への忠告を言い終わる暇などなく、宝箱は槍の縦一線で両断された。 ☆シルクちゃん 「速いな」 ランサーの蜻蛉切によって切り裂かれた宝箱は、既にもぬけの殻だった。 霊体化して逃げたにしても手ごたえが軽すぎる。 瞬間、シルクちゃんとランサーの立っているあたりの地面がすっぽり消えた。 「マスター!」 ランサーの声と同時に、シルクちゃん手に持っていた羽ペンを振るう。 すると大地の代わりに広がる虚無の向こうから、そうぞうの力の込められた塔がランサーの足場として聳え立った。 ランサーがぐるんと蜻蛉切を振り、シルクちゃんもそれにしがみつくことで落下を回避。 そして、蜻蛉切を伝ってランサーに並ぶように足場に降り立つ。 「悠長なことを言ってる場合じゃなさそうだ」 言葉の内容とは裏腹に、どこかのんびりとした声。 どこか現実離れした雰囲気を纏った、幼さの残る声。 声と同時に、シルクちゃんとランサーと、二人の周りの世界にだけ超重力が降り注ぐ。 二人の足場である塔がへし折れる寸前、ランサーはやおらシルクちゃんの襟元を掴み、蜻蛉切を振るった。 「結び割れ、蜻蛉切!」 ぐんと魔力の吸われる感覚。そして、風が二人を飲み込む音。 超重力が塔を遥か虚無の向こうに叩き潰す瞬間には、シルクちゃんたちはまだ消えていない大地に足を下ろしていた。 ランサーはなにも断っていないが、きっと蜻蛉切の上位駆動を使ったのだろう。 「その子のことはあとで聞くから、さっさと逃げてちょうだいよ」 再びの声。声の主をシルクちゃんたちが捜し当てるよりも早く、今度は逆に、シルクちゃんたちの足元が物凄い速さで隆起し始めた。 どうやら、先ほどシルクちゃんがそうぞうした塔をそのまま真似したらしい。 気がつけば、大地よりも星の方が近くなっている。このまま宇宙にでも放り出すつもりなのかもしれない。 状況を確認し終えた時点で、すでに飛び降りるには高すぎる位置まで塔は伸びきっていた。ランサーはともかく、シルクちゃんがそのまま飛び降りれば地面を通り過ぎて黄泉の国まで落ちてしまうだろう。 さらに、安易に飛び降りることをけん制するように、はるか遠い地上では無数の光が星のように輝いていた。 「ランサー」 「Jud.」 ランサーがシルクちゃんを片手で抱きかかえ、塔から飛び降りる。 シルクちゃんもまた、羽ペンを走らせてランサーの行く先に足場をそうぞうしていく。 「一気に行くぜ。振り落とされんなよ、マスター」 「君こそ、前はちゃんと見てくれよ」 遥か下方から上空へ向けて『降り注いでくる』幾百幾千の光の矢を、時にはランサーが切り落とし、時にはシルクちゃんが打ち落としながら、徐々に徐々に下界へ降りていく。 作られた足場の向かう先、地表近くで二人を待ち構えているのは異形の少女。その姿に重なった名は殻(エンブリオ)。 その名には見覚えがあった。丁度先ほど、宝箱に重なっていたクラス名と同じだった。 ほぼ落下と言っても差し支えないスピードで塔のてっぺんから駆け下りたランサーが、蜻蛉切を握りなおす。 「ぬ、おおおおおおお!!!!」 咆哮とともに、二人を見上げて何事かを呟いていたエンブリオの頭のど真ん中を目掛けて蜻蛉切が振り下ろした。 そして、エンブリオを真っ二つに割断した。いや、すり抜けたと言った方がきっと正しいだろう。 勢いの一切殺されなかった穂先が深く大地を割る。その衝撃で、先ほど切り裂いたエンブリオの体は崩れ、空気に混ざり溶けていった。 再び蜻蛉切の穂先が翻り、同時に羽ペンが宙に万能の魔法を描く。 その二つの攻撃は、どちらもエンブリオを穿ち、そしてエンブリオに傷をつけることはかなわなかった。 槍と術を受けた二人目、三人目のエンブリオが、やはり陽炎のように消えていく。 「うわわー、まさか初戦でこんなのと当たっちゃうのか」 抱きかかえられていたシルクちゃんがようやく地に降り、服の裾を払い、シルクハットを被りなおす。 そして、今度は声の主を見上げる。 近づいたことで、ようやくその姿をはっきりと見ることが出来た。 黒いワンピースの白髪の少女。右の背には三つに分かれた桃色の羽、左の背にはボロボロの漆黒の羽。 それはまるで、天使と悪魔が混ざったような。あるいはそれは、子供の思い描く神様のような。 英霊というにはあまりに現実離れした姿。それがシルクちゃんたちが標的と定めたサーヴァント・エンブリオの真の姿だった。 「よう、嬢ちゃん。手品の種は尽きたかい」 異形を前にしても一歩も引くことなく、肩に蜻蛉切を担いだランサーが声を飛ばす。 「結構頑張ったんだけど、そんなにチャチだった?」 対してエンブリオは、宙に浮いたまま、悠然と二人を見下ろしている。 余裕の表れか、言葉もどこか現状からは浮いたようなものばかりだ。 「ようこそ、さいはて町へ。それで、何の用? 出口が分からないなら特別に案内するけど」 「その必要はないよ。目的のものをきちんと見つけられたから」 「へえ、なにを」 シルクちゃんがゆったりと羽ペンを動かし、空で優雅に待ち構える作り物の神様を指す。 ランサーもまた、同じように戦槍の穂先で神を捉えた。 「分かりやすいね。前口上はどんなのがお好み?」 返事の変わりに魔力が空間を裂く。羽ペンが描いた光の矢がエンブリオの眉間を貫くために創造される。 それが会戦の合図となった。 ランサーが駆け、エンブリオが舞い上がり、互い目掛けて攻撃を放った。 空に舞い上がったエンブリオに向けてランサーが飛び上がり、柄を最長まで伸ばした蜻蛉切を振るう。 名を結んでいないため特別な割断は起こらないが、それを抜いてもランサーの豪腕から放たれる一撃である。風を巻き込み、地を割るくらいはわけでもない。 エンブリオは豪槍の一撃を軽やかに避け、空中で両手を前に突き出す。 空気中の魔力がぐんと音を立ててその両手のひらの間に収まる。それが魔法やそれに類する力の前触れだということは、地上のシルクちゃんからでもよく分かった。 「ランサー、下!」 羽ペンを滑らせて住宅街に存在する民家の壁をランサーの足元まで伸ばす。即席の足場だ。 ランサーが踏みしめればそれだけで脆く崩れてしまったが、それだけでもランサーが空中で軌道を切り替えるのには十分だった。 すかさず蜻蛉切の長さが、遠距離戦用から近距離戦用へと切り替わる。 「『笑う天使の矢』」 エンブリオの両手から黄色の閃光の球が放たれ、弾けて無数の矢に変わる。 だが、矢が空中で速度を増すよりも速く、ランサーがエンブリオの正面に飛び込んでエンブリオごと全てを叩き切った。 エンブリオの質素なワンピースに横一文字の切れ目が走る。血が流れないのは、傷が浅かったからか、それとも彼女が特別な存在だからか。 「わわわ、えっちすけっちわんたっち!」 冗談めかした言葉と同時にエンブリオが両手を広げれば、エンブリオの姿が四つに増える。 成る程あれが、着地の際にランサーとシルクちゃんが切り捨てたエンブリオのようだ。 その四人のエンブリオが一斉にシルクちゃんとランサーの方に向けて両手を突き出す。 まるで先ほどの巻き戻しのように魔力が収束する。傍目に見ても、四体のエンブリオがそれぞれ大掛かりな魔術を放とうとしていることがわかる。 ランサーは空中で槍を振り切った状態である、普通に考えればそこからはただ落ちるだけ。普通ならば。 「『エンブリオ』だ!」 「Jud.!」 その一言は、エンブリオも予想外だったらしく、ややたじろいだように見えた。 その瞬間を見逃さず、ランサーが不適に笑う。 身動きの取れない空中、確かに普通ならば落ちるだけ。 だが、数多の戦場で武勲を重ねた本多・忠勝の、身体に染み込んだ武練は、容易に不可能を可能にする。 穂先が翻り、四体のエンブリオの姿を捉える。七つのクラスに属さない、クラス名のサーヴァントと、その分身を。 「結べ、蜻蛉切!」 「おまけだ、受け取れ!」 詠唱の途中だった四体のエンブリオの体に、まったく同じ深さの傷が走る。 まったく同じ痛みに襲われたように、エンブリオたちはいっせいに顔を歪めた。 シルクちゃんの放った魔法の光弾がその衝撃の隙間を駆け抜け、四つの傷口に深々と突き刺さり、爆裂する。 三つのエンブリオが消え去り、痛みに悶える少女は一人きりになる。 様子を確認しながら羽ペンで地面を削れば、空中で蜻蛉切を振るい終えたランサーのすぐ傍の地面が隆起する。 ランサーはそれを踏み台に、エンブリオめがけて大きく跳躍し、縦一文字に槍で切り払う。 今度は名を結ぶまでもなく。エンブリオの右肩からへその傍までを切り裂いた。 ☆輿水幸子 名前も知らない少女に手を引かれながら思い出したのは、いつかのこと。いつものこと。 仕事のとき、二人の手を引くのは、いつも幸子の役目だった。 二人ともマイペースで、おっとりとしたタイプだから、幸子が二人の手を引いて引っ張っていくんだ。 カワイイカワイイユニット名の『カワイイボクと142 s』のリーダーが幸子なのも、そういう理由だ。 まだその日常から一日も経っていないはずなのに遠い昔のことのように思い出すのは、幸子が冷たいからだろうか。幸子が弱いからだろうか。 もう手を引くことのできない少女のことを思い出しながら、幸子は、まるで実体のないものに引かれるように、どこか胡散臭い町を駆けつづけた。 右目を包帯で隠した女性の言葉が脳内で反響する。 『私はきっと彼を生き返らせるためになんでもする。誰でも殺す。何人でも何百人でも殺す。 私にとって彼は正しさや世界なんかよりもずっと重い』 彼というのが誰かは知らない。 それでも彼女がその『彼』を本当に大切に思っていたということは、幸子の小さな胸を突き刺した感情の律動で理解できた。 包み隠さぬ言葉が幸子に投げかけたのは、とても残酷な問いだった。 『あなたの例えに出てきた大切な人というのは、あなたにとってどれくらい重い存在なの?』 幸子にとって輝子とはどれだけ大切なのか。 大切だ。きっと幸子の現在において、五指に入るのは間違いない。 彼女を生き返らせられるならば、なんだってしたい。 でもそれはほかのマスターたちを、そしてこの戦争に巻き込まれている元の世界で互いに切磋琢磨してきた諸星きらりを殺すほど? わからなかった。 答えられなかった。 だから、幸子は黙って包帯の彼女の元を去るしかなかった。 彼女の家から離れる道すがら、幸子は泣いていた。また泣いていた。 少し歩いて、気がつけばへたり込んで泣いていた。 いくら泣いても答えは出せなかった。 『何かを失う』ということも『何かを犠牲に何かを得る』ということも、それだけ、幸子にとっては衝撃的だった。 さらに、包帯の彼女と出会ったことで、幸子は知ってしまった。 彼女のように、強い思いを胸に聖杯戦争に挑んでいる少女が居ることを知ってしまった。 幸子自身が『そういう状況』に陥ったことで見えてしまった。 聖杯でしか叶えられない奇跡にすがる人の世界が見えてしまった。 幸子の『聖杯戦争を止める』という方針は、彼女たちの願いを、彼女たちの『大切』を真っ向から拒絶するということだ。 そして、幸子自身が輝子を切り捨てるということだ。 それは本当に正しいことなのか。 こんなに傷ついているのに、こんなに悲しいのに、それでも聖杯戦争に抗うのは正しいことなのか。 それとも、誰かの願いを押し伏せて輝子の蘇生を願うことが正しいのか。 本当に正しいこととは何なのか。 包帯の彼女は大切なものの前で『正しいかどうか』が重要なのかと幸子に問うたが、そのことにも、幸子は答えを出せなかった。 頭の中は混濁とし、逃がしきれない熱のやり場を求めるように、ぐるぐる、ぐるぐると回り。 熱を冷ます冷却水のように、涙だけが止まらなかった。 ◆ なすがままに走らされ、気がつけば、見覚えのない学校の裏手のプレハブに連れ込まれる。 誰かのたまり場だったのだろうか、テーブルや、本棚や、お菓子が置いてあった。 幸子の手を引いて走っていた少女は、手馴れた様子でお茶とお菓子を用意すると、少し不安げな顔でドアの向こうを眺め。 しばし思案を巡らせたあと、幸子に向き合って、こう切り出した。 「えっと……あなたはここに隠れてて。 ここなら、隠れる場所もあるし、いざとなったらマルサの皆が助けてくれるから」 マルサというものがなにかはわからない。 それを説明する時間もないというように、玲はもう一度ドアのほうに向き直った。 「あなたは、どうするんですか……」 「……私は、桃本のところに行ってくるから。あなたは隠れてて、ね?」 名前も知らない少女は、弱弱しく笑った。 そして、去り際に振り返り、手を振って去っていく。 幸子は何も言わずに、その背を見送った。幸子は弱いから、見送る以外にはできなかった。 幸子に背を向けて揺れる長い髪に、輝子の影が重なる。 幸子を置いていってしまった輝子の幻影。もう追いつけない、駆け抜けてしまった悲しい影法師。 目頭がかっと熱くなり、奥歯をかみ締める。腕が、脚が震えてしまう。 怒鳴るように声が突き出た。 「なんで、なんで行くんですか!?」 少女は立ち止まり、ゆっくりと振り返った。蛍光灯に照らされたはちみつ色の髪は、砕けた月みたいに綺麗だった。 「あんな怖い人たちが居るのに! なんで、なんであなたは、あなたたちは!! 死んじゃうかもしれないのに……死んだら……死んだらこんなに! こんなに悲しいのに!!」 言葉は、名も知らない少女に向けたものだけではない。 あの時立ち止まって幸子を見送った輝子の影にも宛てた問い。 その問いを聞いた少女は、ゆっくりと、思いの丈を口にした。 「……私ね、桃本に会えて、幸せだったんだ」 その答えに、幸子の心臓は鷲づかみにされたみたいな感覚に襲われた。 「私、昔のこと思い出せないから、昔のことはなんとも言えないけど。 でも、でもね。何でか知らないけどね、桃本に会って、それからずっと幸せだったんだ。 だから、行きたいの。桃本が戦ってるなら、私に出来ることをしたい」 「だから、って……そんな、そんなの……理由に……」 しどろもどろになる幸子を見ながら、少女は笑顔で……今度は、屈託のない笑顔で答えた。 「友達だから、じゃだめかな?」 少女が再び幸子に背を向け、進みだす。 涙があふれた。 零れ落ちた雫を拭いてくれる人は、今の幸子には居なかった。 世界が狭くなっていくのを感じながら、幸子はまた、別れの瞬間を想起した。 最後の言葉が、あんな言葉でよかったわけがない。 最後に見せた顔もカワイイ幸子からはかけ離れた涙を浮かべた表情だった。 どこを切っても後悔しか残らない。きっと、幸子はこれからずっと、あの時のことを後悔し続ける。 名前を知らない二人の少女の答え。 それはきっと、彼女たちなりの答え。 あの時の幸子では到底たどり着けなかった、星輝子を救えたかもしれない答え。 悔しかった。辛かった。悲しかった。 大切な友人のために、自身の納得の行く答えを導き出せなかったことが。 ひたすらに許せなかった。 もし導き出せていたなら救えていたかもしれない過去が。 輝子の大切さ、失うことの辛さ、『友達』という言葉の意味を忘れていたことが。 名前も知らない少女の背中が遠ざかっていく。 あの時の幸子とは逆だけど、幸子はあの時の幸子のままだ。 巻き戻しのように。あのときの感覚が戻ってくる。 胸の痛みが胃に落ちてきて、締め上げるような痛みと、焼くような熱に変わる。 そして、その熱が火をつけた。体の奥でぐるぐるとまわりつづけ、燻っていたものに。 「令呪を……」 背を視線で追いながら、幸子は生まれてはじめての感覚に包まれていた。 もし、幸子が風船だったら破裂していた。 幸子が火山だったら噴火していた。 今まで感じたことのないどす黒い感情の大嵐が渦巻き。 そして、幸子の意思に関わらず、出口を求め、脳の裏から目の奥を通って口に抜ける。 「令呪を持って、命じます……」 その日、輿水幸子は、生まれて初めて感情を負の方向に爆発させた。 わかり易くいうならば、『キレ』たのだ。 ただ怒るのではなく、抗いがたい負の連鎖に支配された。 ただ悲しむのではなく、崖を転がり落ちるような劣等感に身をゆだねた。 「今すぐに、ボクの元まで来なさい、クリエーター」 爆発した感情の発露にしては恐ろしいほど静かな声。淡い光が世界に広がる。 言葉に導かれるように、幸子の背後で轟音が生まれる。 「あはは」 振り返った幸子の目の前で、プレハブ小屋の中の空間が歪む。 巻き起こる風によって小屋内の家財が薙ぎ倒され、開けた空間に存在しないはずの世界の通路が口を開ける。 その中から響くのは、狂ったような笑い声。 「あはははははははは!!!! ははは、ははははははは!! はははは、ははは、はぁ……あー、おっかしい」 笑い声に包まれながら現れたのは朱髪の少女。 年の頃は、幸子と呼ばれた少女たちよりも、エンブリオたちよりも少しだけ大人びている。 その姿に重なる文字は『クリエーター』。 「元気がないじゃないか、世界一可愛い僕のご主人様。 せっかく、君程度の呼びかけにこたえて来てやったってのに。もう少し喜んでくれてもいいんじゃないかな?」 今朝ぶりの再会となったクリエーターは、やはり回りくどく、そして直球で悪意をぶつけてくる。 クリエーターは、とても楽しそうに頬を歪めて笑っていた。 でも、瞳の奥は、決して笑ってはいなかった。 「で、どうだった、サチコ。君の可愛さで世界は救えそうかい? 僕の力なんか借りないって言った今朝の君はどこに行っちゃったんだい? 世界は君を甘やかして、煽てて、その結果はどうなったのか、僕にもわかりやすく教えてくれよ」 紡がれる言葉は、一つ一つが心を抉る棘。 「言わなかったかな。世の中そんなに甘くないって。 褒められ、そやされ、煽てられ、崇められ、甘やかされ、敬われ、傅かれ、畏まられ。 そして、それらと同じだけ、愛されて、愛されて、愛されて、愛されて、愛されて、愛されて、愛されてさあ!! そんな君が手に入れられた結果はどうだ? 大切な友達は救えた? 戦争は終わった? 君は世界に勝てたかい?」 「……うるさい……」 返答に、いつものような自信に満ちた輝きはない。 それを察してか、クリエーターは、つまらなさそうに鼻をならした。 「あのさあ、そういう言い方はちょっとないんじゃないかな。 どうしたんだよ、君はそんな子だったのかい? みんなが大好きな君はそんな子でよかったのかい? 愛されたいと誰より望んで、愛され続けた可愛い可愛い愛人形は、そんな醜い言葉を吐いちゃいけないよ。 笑いなよ。胸を張りなよ。自分が可愛いとのたまっておくれよ。皆それを望んでるし、君もそれを望んでるはずだ。 友達と笑うために、プロデューサーに胸を張りたいがために、なにより君がいつまでも可愛らしく可憐でありたいがために、愛されるために、君は僕に啖呵を切ったんじゃないか。 これが君の選んだ答えだ。昔の自分の笑顔から目を逸らすなよ、過去の自分に胸を張って向き合えよ」 「うるさい!!」 口から飛び出す言葉を、幸子はとめることができなかった。 今の幸子を動かしているのは、輝子を失った取り返しのつかない後悔と、その状況を追体験させられ、なおも無力な自分の存在への苛立ち。 涙をぼろぼろこぼしながら、右腕を突き出して叫ぶ。 「命令です! 令呪を持って命じます! ボクを襲うサーヴァントを、ボクの友達を傷つける人を、『ボクの敵を倒しなさい』!」 幸子の右手が光を放ち、令呪が一画天に昇る。 しかし、クリエーターはその様子を見送って、頬を掻いたあと、大きくあくびをしながら言った。 「……あのさあ、言ったよね、サチコ。その三つのラクガキが他のサーヴァントにとってどの程度の意味を持つのか知らないけどさ。 僕にとってどれだけの意味を持つと思う? そんなので自殺を命じられるよりも、今の君の醜態のほうがよっぽどキツいよ」 クリエーターは言葉のとおり、令呪などどこ吹く風という姿勢を崩さない。 幸子がどれだけ暴れても世界は変わらないという事実をあらわすように、巨大な壁として立ちふさがる。 そのたたずまいだけならば、紛れもなく。 この我侭で悲観癖な少女もまた、神と呼べるだろう。 改めて無力さを突きつけられ、それでも今度の幸子は立ち止まれなかった。 ぐつぐつと煮えくり立つ感情がエンジンを動かしつづけるように、混ざり合った感情に任せて駆け出した。 何ができるとか、どう動くとかはまったく考えていなかった。 無為無策のまま、ただ、救えなかった過去に抗うように、名も知らぬ少女の背を追った。 ☆クリエーター そもそも、令呪に従ったのも気まぐれだ。 クリエーターに頼らないと言い切った幸子の顛末にささやかながら興味がわいただけだった。 呼び出された先の幸子の顔ったらなかった。この短時間でどれだけ叩きのめされたのかがよくわかる。 クリエーターにとっての幸子は、呼び出しただけの存在だ。好きも嫌いもありはしない。 だから、エリナーやアシカにそうしたように、ひたすらに彼女の事実を冷静に突きつけてやったまでだ。 今朝ぶりの幸子は見る見るうちに顔を青く赤く変色させ、怒鳴り散らしてクリエーターを放ってどこぞに行ってしまった。 楽しかったかどうかと聞かれれば、微妙だ。 駆けていった幸子を見送ったあと、クリエーターは少しだけ顔をゆがめた。 今度は笑顔ではなく、どちらかといえば苦々しい感じに。 「積み上げてきたものが突然なくなるってのは、たぶんすごく辛いんだろうね。 それはきっと、僕じゃあ絶対に、分かんない辛さだ。 そこんところは、僕は君に同情するよ、サチコ」 奴隷商に捕らえられ人としての権利を奪われ、敵を倒し生きるために永遠に脱げない鎧によって外見を奪われ、先に進むために命すらも奪われ。 そんな中で出会い、交友を深め、永遠をともにしたいと願ったたった一人の人にさえそっぽをむかれ。 奪われ続け、負け続けた人生の中で、負けることの辛さは痛いほどに理解した。 どん底の辛さを誰よりも知っている。 手を伸ばされない悲しさを誰よりも知っている。 クリエーターが顔をゆがめた理由は、別に幸子がどうとかは関係ない。 ただ、幸子の姿に昔のクリエーターが重なるようで、不快で不快で仕方なかったからだ。 だから同情する。 あの頃の、救われていなかったどん底の少女の影に同情する。 クリエーターの方針に変更はない。 ただこの数時間で、彼女に気まぐれを起こさせる程度の存在には、幸子は変化していた。 幸子は強く『勝ち』を望んでいた。 これからがどうなるかはわからないが、この瞬間だけは、クリエーターにとって幸子は気まぐれで手を貸すに足る人物であった。 「今回だけ特別だ。見事地面に落ちた自称・天使ちゃんのために、一肌脱いであげようじゃない」 これも気まぐれみたいなもんだ。 これが終われば、そのまま元通り。 クリエーターは勝ちを目指し、幸子は泣き寝入りか、それともクリエーターのように勝ちを目指すか。 ただ、クリエーターは、救えなかった自身の過去に決別するために、力を振るう。 それが結果的に幸子の今を守ることになるとしても、クリエーターには関係ない。 クリエーターの姿が消える。 霊体化し、すべてを透過して進む先は、魔力のぶつかり合う闘争の渦中。 ☆エンブリオ エンブリオにとって悪い展開が重なってしまったとしか言いようがない。 ランサー襲撃の瞬間、玲が近くに居たことで行動を大きく制限されてしまった。 住宅街全域の大地を消したり空気を消したり空を消したりすれば、さっさと勝ちは拾えていたかもしれない。 だがその場に玲が居る以上そんなに大きな技は使えない。結果としてかなり限定的な世界改変で戦うことになり、あっさりと距離を詰められてしまった。 さらに都合の悪いことに、相手はエンブリオとよく似た『そうぞう』の力(一応マホウと仮定しておこう)を用いてきた。 ランサー一体ならばまだいかようにでも戦いようもあっただろうが、エンブリオにダメージを与えられる練度のマホウを操ることができるマスターまで居ては分が悪い。 いかにさいはてにおいて神に等しい力を持っているとしても、所詮エンブリオは『人に打倒された神』でしかないのだ。 しかもその神の力もサーヴァントとして召喚されるに当たって制限が加えられている。 正統で強い英霊と、同種の『そうぞうの力』を操る相手を敵に回して、余裕を保ってなどいられるわけもなく。 距離を離しても足場を作られ近寄られ。攻撃をしても迎撃され。分身を作っても即座に破壊され。 あれよあれよという間に、かなりの深手を負わせられてしまった。 幸いなことに、霊核に至る損傷ではないものの、それでも傷は大きい。 サーヴァントなので放っておけば治るだろうが、目の前の二人が放っておいてくれない。 体勢維持すらままならないこの不利の中で、エンブリオはなんとか、二人を相手しきらなければならない。 交戦を始めて、傷を受けて、ようやく思考がある事実に至った。 『チェーンソーの殺人鬼』を倒したサーヴァントがこのさいはてに存在している。 時計塔をさいはてに塗り付けたものがこのさいはてに存在している。 なるほど、この二人なら、確かにやりかねない。 「だからって、こちとら、負けてる暇なんてないんだよ!」 傷を庇いながら空を飛び必死でマホウを放つが、巨大な壁が現れて防がれる。 さらにその壁を足場にランサーが飛び上がり、一気にエンブリオに肉薄してくる。 ランサーの槍を避けてもその先にはシルクハットのマスターのマホウが逃げ道に設置されており。 それを避けようと往なそうと、また別の足場を蹴って飛び上がっているランサーと鉢合わせてしまう。 敵ながら見事にエンブリオの行動を制限しきっている。 せめてどちらかの足止めさえできればとマホウの照準を絞ろうとしても、攻撃が絶えず襲ってくる状況下では撃つまでにどうしても隙が生まれ、その時間で守備・迎撃の準備の時間を与えてしまう。 『クアドラブルスペル』で人数を増やしてその隙を埋めようにも、先ほど同様、四人まとめて切り捨てられる始末だ。 分身とともに、今度は黒い羽の一枚が切り裂かれる。 つられて振り返った眉間にマホウが衝突し、爆裂する。 仰け反った身を起こせばそこにはすでにランサーが居て、槍は当然振るわれていて。 「―――ッ!」 黒い羽の残りの二枚が切り裂かれ、たまらず喉から悲鳴があがった。 そのまま、痛みと重力にもみくちゃにされながら地面にたたきつけられる。 硬い物の折れる音がした。体の下敷きになっている腕の痛みの原因はきっとそれだ。 くらくらと揺れる世界のままで体を起こす。世界は赤く染まっていた。今も昔もエンブリオに血が通っていた覚えはないけど、頭が割れても血が流れるらしい。 赤く染まった世界の中で、白く煌くものがあった。 それがランサーの白髪と槍の穂先の煌きだと気づいたときには、すでに槍はエンブリオの首めがけて振りぬかれていた。 鈍い金属音。 エンブリオの首を跳ね飛ばすように薙がれた槍の一線が、彼女の首のはるか手前で止まった音。 ひゅんと眼光の軌道を残したまま、ランサーが目にも留まらぬ速さで一回転し、阻まれたのとは逆側からエンブリオの首を狙う。 しかしやはり鈍い音を残すだけで、エンブリオの余裕の表情を崩すことすら出来なかった。 「■■■■■■■■■■■――――――ッ!!!!」 初めにランサーの槍を防いだ方―――エンブリオから見て左側にいつの間にか現れていた人物が、咆哮とともに右手に携えた方天戟で斬りかかる。 身をかわしたランサーに向けて、二撃目を防いだ偉丈夫が薙刀を構えて飛び出す。 方天戟を避ければ薙刀が、薙刀を避ければ方天戟が、巧妙にエンブリオへと迫るランサーの槍の穂先を防ぎながら、執拗にランサーへと迫る。 その二人は一見『英霊』であるように見える。 だが、正当な英霊ではないということは理解できる。彼らはまるで英霊の影から生み出された贋作のように色を失っていた。 しかし正当な英霊ではないにせよ、彼ら二人の技量が一蹴に出来ないものであるということは、ランサーも先の斬り合いで理解できているようだ。 一対一ならばその贋作(影英霊、シャドウ・サーヴァントとでも呼ぼうか)程度三合も斬り結ばずに相手を容易に掻き殺すだろう。 二対一だろうと、十数秒で決着はつく筈だ。だが、敵は方天戟の影英霊に薙刀の影英霊だけではない。 跳び退り、二人のうち技量の上回っている方天戟の影英霊から斬り捨てようとしたランサーに向けて、火炎の龍が牙を向く。 すんでのところで炎の龍を避けきったところに、薙刀と方天戟が間をおかずに攻めてくる。 エンブリオが振り返れば、そこには初めて見る少女が立っていた。 「おいおい、なんでもありかよ」 「そう、なんでもあり。勝ちってのはなんでもやって掴むものなんだ。君なら知ってるはずだろう」 火炎の龍の繰り主は、防戦を強いられているランサーを皮肉るように笑っている。 すかさずエンブリオもマホウを集束し、『笑う天使の矢』を放つ。数十の光球が宙にばら撒かれ、それぞれがマホウの矢となりランサー目掛けて空を翔る。 「だったら―――!!」 声をあげたのはシルクハットのマスターだった。 羽ペンを翻し、空中にマホウを放つ。赤い流れ星が乱れ飛び、ランサーに向かっていたいくつかの矢と桃髪のサーヴァントへと向かう。 「油断ならないなあ」 桃髪のサーヴァントは、まるで天地開闢のときの創造主さながらに両手を広げる。 シルクハットのマスターからから放たれたマホウを、巨大な蚊取り豚が受け止めて消滅する。 そして、地にばら撒かれた蚊取り豚の破片から、無数の戦車が創造される。 風景が歪み、生み出された数多くの戦車の彼方にまた新たな影が二つ生まれる。 >呂布と遭遇! >弁慶と遭遇! >74式と遭遇! >74式と遭遇! >74式と遭遇! >74式と遭遇! >74式と遭遇! >74式と遭遇! >74式と遭遇! >74式と遭遇! >74式と遭遇! >74式と遭遇! >74式と遭遇! >処刑人と遭遇! >ウィザードと遭遇! 「かかってこいよ、全力で。その全力を叩き潰して、泥を舐めさせてやる」 無数のモンスターが、桃髪のサーヴァントのその言葉をきっかけに動き出す。 どれもが負傷しているエンブリオをまったく眼中に入れることなく、ランサー主従へと攻撃を仕掛けだした。 不明なサーヴァントの乱入によって戦況は変化した。 さしものランサー主従も数の差を埋めるのはてこずるらしい。 乱入サーヴァントのモンスター創造によって戦線を維持し続けているかぎり、均衡を崩されることはない。 だが、あくまでも均衡を崩されることがない、ということ。 本当に恐ろしいのはやはりランサー主従のほうだろう、とエンブリオは認識を新たにしていた。 どんなトリックかはしらないが、槍の一振りで十数体に上る戦車がまったく同じ槍傷を受けて消滅した。 マスターの方も影英霊の単調な動きを看破したらしく、それまでの大技ではなく落とし穴や壁のような小技で行動を制限しにかかっている。 ならばとエンブリオたち二人が足並みを揃えて攻撃をしかけても、どちらかが必ず守備に徹し、傷ひとつ与えることができない。 現状は拮抗しているが、生前(エンブリオの逸話的に生前と呼んでいいのかはわからない)とは違ってさいはての真ん中に居る今でもエンブリオの魔力は有限である。 体の負傷も激しく、このまま戦闘が続けばあと数分もしないうちにエンブリオは消滅するだろう。 急ぎ決着をつけたいが、このままでは押し返されることすらありえる。 ならば、打つべき手は自ずと限られてくる。 ある種の賭けになるが、エンブリオには現状を打破できる切り札が存在していた。 「桃本!」 「……マスター……なんで」 駆け寄ってくる姿と、焦りを孕んだ声に驚愕する。 せっかく時間を稼いで逃がした玲が帰ってきてしまった。 「……クリエーター、さん? あなた、どうして」 「言ったろ、僕は勝つって。君と違って、負けて項垂れて泣き喚くなんてまっぴら、それだけだ」 しかも、外ハネ髪の少女(おそらく桃髪のサーヴァント……クリエーター、と呼ばれた少女のマスター)と一緒に。 これでは、戦闘に支障が出る。出るなんてものではない。戦闘続行不能レベルの負傷に弱点であるマスターの露呈、これが本当の出血大サービスってやつだ。 なんとか立ち上がり、すこしでも玲たちを隠せるように無事なほうの翼を広げる。 「お願い、治って……!」 後ろから聞こえたのは、小さな声。間違いなく玲の声だった。 その声とともに、エンブリオの肉体が『戻った』。 まるで時計の逆周りのように、ざっくりと切り裂かれた傷が、切り捨てられたはずの翼が、割れた頭が、おまけに裂かれたワンピースまで、綺麗に元通りの状態になった。 あまりにも予想外の出来事に、思わず振り向く。そこには、胸の前で手を組んだままの玲が居た。 「おいおい、つまりそういうことだったのか」 それは、玲にとっては何気ない動作だったに違いない。誰かがそういう力を与えてくれていた、とそう理解していたのだろう。 だが、エンブリオにとっても馴染みの深いその力は。 「君、開拓者だったのか」 「蟹たくさん? とれとれぴちぴち?」 やはり、玲にその自覚はないらしい。 きっと『 』と一緒だ。開拓者としての自覚なく、その力の本質のみを知っていたのだろう。 この瞬間にはとてもありがたい。 だが、その力は。『 』と同じ力ということは。 「じゃあ、やっぱり君は―――殻を破るために、居るんだね」 「黄身が殻を破る!? もしかして、超常現象!?」 「いや、いいよ。こっちの話だ」 エンブリオにとって殻を破る者は不倶戴天の敵のようなものだ。 出会った頃から……エンブリオを呼び出せたという事実からなんとなく察してはいたが、こうして実際に目の当たりにされると、寂しさがある。 彼女もまた、エンブリオに背を向けてさいはてを出るかどうかを選ぶときが来る。 殻を破るものの力を与えられるということは、彼女はエンブリオとはずっと一緒にいられない、いつかこのさいはてを出て行くということだ。 それはエンブリオの存在の否定。本当なら勘弁願いたい。 だが。 だが、せめて。 (勘弁願うとしても、その『殻を破るかどうかを選ぶ権利』くらいは、守ってやらないとね) 殻を破るかどうかは玲に選ばせる。 玲の満足の行く形で傷に向き合わせる。 決して、この場で他人に……あのランサー主従に押し付けられるものではない。 「ねえ神様」 「なにかな神様」 冗談めかして飛ばした呼び名に律儀に答えるのは創造主(クリエーター)。 エンブリオとは違う、純正の神様の名を持つ少女。 「君ってば、私の味方?」 「敵だよ。いずれは君も殺す。 ただ、今は僕のマスターのお願いを聞いて、敵の敵になってるってだけだ」 クリエーターは一歩も退かず、絶えずモンスターを量産して包囲網を維持し続けている。 その顔にはまだ余裕が見える。まだまだ底知れない、奥の手を残しているという顔だ。 「あっそ。じゃあ、敵の敵の今だけ忠告。次のは、ちょっとヤバい技だよ。 時間が結構かかるかわりに当たれば痛いじゃすまないから、避けることをお勧めするね」 「ご丁寧にどうも」 エンブリオは舞い上がる。空高く。 高く、さらに高く、槍の有効距離よりも高く舞い上がり、眼下に有象無象を見下ろす。 両手を広げ固有結界 さいはて町 と繋がり、口ずさむのは『魔王』としての前口上。 呪文にも似た前口上が、彼女の体に最愛の一撃を放つためのマホウを集束させる。 ―――目と耳を塞いで朝日から逃れよう 西日が射したならカーテンを閉めよう 親しい誰かを失わないように――― 一節、二節、三節。 最初に、在りし日の自分への戒めを綴る。 淀みなく紡がれる言葉が、マホウをひとつ束ねる。 大気がうねり、遥か遠くから香る花梨の匂いを巻き上げる。 ―――虹の空には唾を吐き 夜の月にはワラ人形を 美しい世界に勘違いしないように――― 四節、五節、六節。 続ける言葉も自分に向けて、殻を作り上げたあの日の自分に向けて。 それは痛みを逃れる処方箋。世界一綺麗な呪術。遠いあの日の罪の形。 更に強大なマホウが、エンブリオの両手の内側の世界に集まる。マホウがもうひとつ束ねられる。 ―――今となっては 全て幼い日の幻 されど私は望む あの日への回帰を 千年の喪に服すために 世界中が喪に服すために――― 七節、八節、九節、十節。 詠唱が完成する。世界に向けた懺悔が終わる。みっつめのマホウが束ねられる。 両手をかざし、自身の存在すべてを掛けた懺悔によって、世界に知ら示す。 これが彼女の望んだ殻。 これが彼女の望んだ町。 これが彼女の望んだ病院。 これが彼女の望みのもっとも深く、もっとも黒い根源。 世界の片隅の、誰でもなかった神様の、神様ではなかった誰かの生み出した、精一杯の悪あがき。 「真名開放――ー」 その宝具は、祈り。 千年の喪より遠き思い出へと向けた弱虫の涙。 「『桃源祈祷』」 言葉が風に乗った瞬間、その祈りは世界を埋め尽くす。 ◇ 願いは風に乗った。 投影されたあの日の呪いが、自分勝手な八つ当たりをぶちかました。 全力を放ちきったエンブリオの開いた目には、地に伏すシルクハットの少女の姿だった。 穏やかながら肩で息をしているところを見ると、エンブリオのマホウ『桃源祈祷』を受けて生き抜いたらしい。 町の最も罪深き記憶を力に変えて放つ最大のマホウ・『桃源祈祷』。 呪いの力の根源たる『微笑みの像』が少しだけ傾いたためあの日のように死の因果を押し付けるはもうないが、それでも、相手に与えられる限りの最大をぶつけるマホウ。 もし、かすり傷ひとつでも負っていたならば、シルクハットの少女は死んでいたはずだ。 あれだけの乱戦でかすり傷ひとつ負ってないというのが驚異的ではあるが、それでも彼女は地に伏した。 必殺の一撃を喰らい生き残ることは運がいいのか、悪いのか。 きっとそれは、エンブリオには判断のつかない世界だ。 「ひゅう」 唐突に背後から聞こえた口笛。音の主はクリエーターだった。 振り返った先でエンブリオの羽と似た色の桃色の髪をなびかせて、エンブリオと同じようにシルクハットのマスターを眺めている。 「これがいわゆる、触らぬ神に祟りなしってやつかな?」 「君みたいに勝手にばちをあてにくる神様も居るんだろ? だったらもう、引きこもるしかないんじゃない?」 神様同士の他愛もない会話。意味なんてなく、敵意も今はまだ存在しない。 「桃本……」 小さな声が寄ってくる。 心配そうな顔をした玲がエンブリオに寄っていいものかどうかを思案しているようだった。 「……この姿、見せるつもりはなかったんだけどね。 玲には、のんびりしててほしかったから」 照れ隠しに笑うと、玲も笑い返してくれた。 どうやら、エンブリオが思っている以上に彼女は強い人間みたいだ。 悔しいが、この調子ならきっと彼女もそのうち、『 』やハルナのように、この町と向き合う日が来るのだろう。 とても悔しい。今から呼び止める方法を考えていたほうがいいかもしれない。食べ放題とかでいけるか。 「……桃本、ごめんね。逃げてって言われたのに、帰ってきちゃって」 「いいよ、別に。おかげで助かったから結果オーライだ。あんがとね、マスター」 「お取り込み中悪いけどさ」 遮るように挟まれたのは、クリエーターの言葉。 それは、このさいはて町には似合わない、あまりにも現実的な一言だった。 「どいてくれない? さっさとその子にとどめさしときたいんだけど」 クリエーターは、冷め切った双眸で玲とエンブリオと、その奥に倒れているシルクハットのマスターを見つめている。 彼女の突き出した両手にはマホウと似た力がみなぎっていた。 溜息をつきたくなるのは何度目だろうか。 今回さいはてに迷い込んでくる人間は、どうしてこうも血の気が多いのだろう。 さすがに玲の教育上良くないのでどう止めるべきかを考えていると、 「……殺すん……ですか?」 玲の連れてきた外ハネの少女が、クリエーターに言う。 クリエーターは不愉快そうに鼻をならす。 「当然だよ。この子見逃してどうすんのさ。 サーヴァントに逃げられた以上、この子を殺す以外にないだろ?」 「……でも、その子も……その子にも……」 その問いを聞いて、玲がそっとエンブリオに耳打ちをした。 「桃本、結局サーヴァントってなに?」 「話せば長くなるんだけど……玲にとっての私みたいなもん」 「友達?」 「だと、いいんだけど」 ひそひそとやりあった後で、クリエーターのほうを見つめる。 どうにも、ただで譲ってくれそうはなさそうだ。 ずいと玲をかばうように一歩前に出る。傷が治ってと気が大きくなった気がするが、気のせいではないだろう。 「ねえ、やめてくんない? 外ならともかく、この世界でそんな血生臭いことしてほしくないんだけど」 「どけよ。今度は敵の敵じゃすまなくなるぞ。死にぞこない」 「今はもう元気だよ。百倍にね。試してみる?」 ハッタリだ。傷は治ったが魔力は回復していない。 だが、クリエーターはエンブリオの動向に目を凝らしているように見える。 『桃源祈祷』の印象が残っているのだろう。 その印象を上書きするように、エンブリオのほうから切り出す。 「さっきの、溜めは長い奥の手だけどさ、令呪を使えばあんなのすぐに溜まるよ。 そうすると、君も、君のマスターも、そこの子と同じ有様になるわけだけど、それでもいいならかかって来なよ」 玲の息遣いが変わったのを感じる。 令呪についてはそれとなく教えてあったので、彼女もこの後戦闘が始まった際の行動については理解してくれたようだ。 クリエーターは、変わらずじっと視線を投げかけてくる。その目は、ついさっきシルクハットのマスターがエンブリオに向けていたものとよく似ている。 この場所……というか、この世界にあるすべてが大嫌いって目だ。 「クリエーターさん、例えばですけど」 エンブリオとクリエーターのにらみ合いの中、沈黙を破ったのは外ハネの少女だった。 「令呪であのサーヴァントを呼び戻して、そっちを倒すんじゃ駄目なんですか」 「馬鹿だねサチコ。サーヴァントを殺したいから呼び戻せなんて、聞くわけないじゃないか」 「でも、彼女だって、説明すれば……」 「他人を躊躇なく襲えるやつが説明程度で止まると思ってるなら、君は本当の大馬鹿だ。世間知らずもいいとこだ。もっと荒波に揉まれなよ」 クリエーターの言うことはもっともだ。 さらに説明を付け加えるならば、『無理やり令呪を使わせる』という方法も使えない。 シルクハットのマスターは今瀕死だ。比喩ではない。体は綺麗だが実際に死の際ギリギリなのだ。 傷をつけるまでもなく、玲が苦しみもがく彼女にグーでパンチしただけで死んでしまうだろう。呪いの力とは、そういうものなのだ。 仮に令呪を使えと迫って彼女が嫌がり身をよじれば、それだけで彼女は死ぬ可能性がある。 「……じゃあ、閉じ込めましょう。もう何もできないように」 幸子と呼ばれた少女は、もうひとつ代案を出し、なんとか『殺す』ことから方向を逸らそうとしている。 彼女が『誰かを失った』というエンブリオの見立ては有っているのかもしれない。 「サチコ」 クリエーターが幸子に向きなおる。 ついに両手は下げられたが、その代わりに口からマホウよりもきつい言葉を吐き出し始める。 「君、何にもわかってないよ。大事なものを失ってもまだ甘え続けるんだね。 勝つでも負けるでもない、この世界じゃ絶対に存在しないあいこの道を探していくつもりなんだね。 それは心遣いじゃない、救いの道でもない、決断からの逃げだ。結局、君はまた逃げるんだ。 喉元の熱さが引いたから、これ幸いと戦いから目を逸らそうとしてるだけだ!!」 幸子の顔が悲痛に歪む。クリエーターの言葉はさらに加速していく。 「中途半端なやつ。痛い目を見てもまだ、楽観的な思考で未来に夢を見続けて。 その中途半端で救えないことがあったんじゃないの? それでも決断から逃げるっていうなら、君は歴史的な甘ちゃんだよ!」 幸子はただ、返す言葉もないという風にいわれるがままにされていた。 歯を食いしばり、それでも道は譲らずに、クリエーターと向き合っている。 それは矜持かもしれないし、単なる負けず嫌いやヤケクソかもしれない。 「自分勝手なやつ。僕は君のそういうところが大嫌いだ。 ああいいよ、ああいいさ、ああいいとも! そこまで言うなら君の言うとおり、救ってあげようじゃないか。この救いようのない殺人鬼もだ! ただし中途半端を選ぶってことがどういうことか、その身をもって改めて知るんだね!」 創造主が両手を広げた。 エンブリオと同じように、『世界の神』としての力を放つ。 世界が光に包まれ。 数秒後、シルクハットのマスターは完全に消え去り、幸子はゆっくりと地面に倒れ伏した。 ◆ クリエーターが両手を広げた瞬間、さいはて町内に不明な場所が出現した。 いや、不明な場所が書き換えられたと言ったほうが正しい。 黄金ヶ原あたりに感じていた不明な場所が、そっくりそのまままた別の存在に変化したのを感じた。 成程、呼び名にたがわず創造主(クリエーター)。世界創造までやりおおせるなんて、なんでもありすぎだ。 ただ、気になることがある。彼女のマスターが突然倒れた理由だ。 「一つ聞きたいんだけど」 「なにさ」 「君、なにやったの」 「殺しちゃいないよ。閉じ込めたんだよ。自分勝手なマスターが頑として聞かないからね。ちょっとアレンジを加えたけど。 代償として魔力をちょっと持っていっただけ」 クリエーターはこともなげに答えた。 彼女の言うちょっととは、幸子がぶっ倒れる程度のことらしい。 ある意味過保護ともいえるエンブリオに対し、クリエーターのこのマスターすら邪魔といわんばかりの対応。まるで別だ。 エンブリオの思っているところを察したのか、クリエーターはまた眉間にしわを寄せながら続けた。 「もしかしてこれでも駄目っていうの、神様? これでも最大限譲歩はしたよ。 駄目なら一周回って殺すしかない。僕は別に、まあ、それでもいいけど」 「いや、そういうことじゃなくて。いいの、あれ」 エンブリオの指の先には、玲にあれやこれやと介抱されている横たわったままの幸子が居た。 『桃源祈祷』をぶつけられたシルクハットのマスターと同じような顔色だ。 体力は減っていないと思うが、クリエーターの『世界創造』で魔力を根こそぎ持っていかれたのだろう。 「いいよ。別に。だって彼女が望んだことじゃないか」 「……厳しいね」 「普通だよ。君たちがピンボケしてるだけだ」 クリエーターは憎憎しげに鼻を鳴らした。 どうにも踏んではいけない地雷を踏んでしまったような気がしたので、とりあえず話題をずらしておく。 「で、なに作ったの。ただのダンジョンでいいなら作り変えたりしないでしょ」 「さすが神様。お察しのとおり、あれはただのダンジョンじゃない。 あれは認識の眠る揺り篭。限りない幻想世界の中でも最も限界に近い場所。 つまるところが誰かの深層心理の形だよ。目を逸らしたい傷跡、トラウマって呼ぶべきかな? この世界にかかわりの深い誰かの、強くて深い闇の形。 この世界にもともとあった『異世界』にその深層心理を塗りつけた『幻想世界』だ」 つらつらと述べるクリエーターの視線は、幸子を心配そうに見守っている玲に注がれている。 つまり、そういうことなのだろう。 エンブリオもまた、さいはてには存在しなかったその空間が『そういうこと』だというのは外形を察知した瞬間になんとなく理解できていた。 玲が『開拓者』だと分かったならばなおさらだ。 「そのトラウマを、君が再現したってこと?」 「そういうこと。あの世界に踏み込んだ人間は、『誰かのトラウマ』っていう精神的にキツい光景を見せられ続けることになる。 発狂はしないだろうけど、精神的に折れることはあるかもしれない。 あと、モンスターがうようよ這い回ってるから、それで死ぬこともあるかもね。あの状態ならそっちの方が確率は高そうだ」 しゃあしゃあとのたまう。 そこが彼女の言う『ちょっとのアレンジ』なのだろう。 結局、エンブリオたちの手の届かないところで殺す算段を整えて幽閉した、というわけだ。 「よくもまあそこまでできるもんだ。さすが神様」 「ここはどうやら、僕の幻想世界に近い性質を持ってるらしくて、一から創造せずにぱぱっとすんだよ。 ま、二度とできないだろうけどね」 一度もやらないでほしかった。というのが本音だ。 でも、エンブリオはクリエーターと違って思いやりに満ちているので、そんなことは思っていても口に出さない。 それよりも気になるのは『誰かのトラウマ』の表出した場所ということだ。 少なくとも、玲を連れて行くのはやめていこうと、そう決めた。 「にしても、そこまでやらなくてもいいでしょ。 なんなら私がどっかの小屋に幽閉くらいやったのに」 「君達はサチコ以上の甘ちゃんだろ。サチコが歴史的甘ちゃんなら、君達は地球規模の甘ちゃんでしょ。 僕が居なかったら閉じ込めもせずに、起きるのを待って、何で襲ったかを聞いてとかするタイプだ」 どうやら、エンブリオ側からシルクハットのマスターに何かをするつもりはなかったのを見抜かれていたらしい。 先手を取って『桃源祈祷』を発動できる状態に持ち込めば相手もこちらの話を聞かざるを得ない。 『桃源祈祷』の脅威を知っているランサー主従に対しては、確実に話を聞かせることができる強攻策になる。 それで、街の外に追い返せば問題なし。なにか相手に目的があるなら話を聞いてもよし。 少なくとも、玲は戦いや犠牲を望まないだろうと判断して、エンブリオはそう動こうと考えていた。 「図星だろ? 思い上がりが激しい神様だね」 「余計なお世話だよ、見下しが激しい神様」 会話が途絶え、玲の幸子を気遣う言葉だけが響く。 「桃本! ……で、いいんだっけ? すーぱー桃本? エンジェル桃本?」 「いいよ桃本で。で、なに?」 「この子……んと、幸子ちゃん? を、寝かせることの出来る場所に連れて行きたいから手伝って!」 「はいよー」 玲の言葉に三歩駆け出し。 振り返って、クリエーターの顔を見る。まだ目は濁ったままだ。 「私たちの地球を包み込むオブラートな甘さに救われたね。 君のマスターも安全だよ、当分は……甘さだけに、なんてね」 「なにそれ」 「……やだよ、説明させないでよ」 ひゅるりと冷めた風が吹く。 玲が「糖分は寒天ってそれホント!?」と背後から叫び、そのまま「そうじゃないよ桃本、手伝って!」とせかす声が聞こえてくる。 クリエーターはまた、フンと鼻を鳴らしてどこかに消えてしまった。 「やなやつだ。べ」 「あの人、悪い人なの?」 幸子の両手両足を二人で抱えながら、えっさほいさと運んでいく。 目指すのはベッドのある建物だが、近くだとどこだっただろうか。 「悪い人かどうかはわからないけど……」 少し考えた後で、エンブリオはまた、オブラートに包んでこう答えた。 「この町には似合わない人だよなあ」 「……なるほど!」 納得してくれたようでなによりだ。 【???/さいはて町 住宅街/1日目 夜】 【玲@ペルソナQ シャドウ オブ ザ ラビリンス】 [状態]健康、魔力消費(中)、『開拓者』 [令呪]残り三画 [装備]『戻す力』 [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:街で日常生活を楽しむ。聖杯戦争を終わらせたくない。 1.泣いている少女(幸子)をなんとかしたい。 [備考] ※聖杯戦争についてはある程度認識していますが、戦うつもりが殆どありません。というか、永遠に聖杯戦争が続いたまま生活が終わらなければいいとすら思っています。 ※原作で玲の使えるスキルを使用できますが、開拓者としての『戻す力』を似た形で行使しているだけです。 【エンブリオ(ある少女)@さいはてHOSPITAL】 [状態]魔力消費(特大)、『ある少女』形態により魔力急速回復中 [装備]『ある少女』 [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:引きこもりながら玲を見守る。 0.クリエーター(クリシュナ)はさっさと追いだしたい。シルクちゃんはどうするか…… 1.さいはて町の守護者を作り、さいはて町を破壊から守る。 2.玲が緊急事態に陥った場合はさいはて町から出るのもやぶさかではない。 [備考] ※『金に汚い天使@さいはてHOSPITAL』を召喚しました。現在、特に指示は出していません。 ※紳士の昼食会を召喚することは出来ませんでした、原因は不明です。玲を開拓者であると認識しました。 ※一度倒された番人の再生産は出来ません。現在倒された番人は『チェーンソー殺人鬼』です。 【輿水幸子@アイドルマスターシンデレラガールズ】 [状態]魔力消費(極大)、気絶 [令呪]残り一画 [装備]なし [道具] [所持金]中学生のお小遣い程度+5000円分の電子マネー [思考・状況] 基本行動方針:――― 0.分からない……? [備考] ※一気に極大の魔力を消費したことによって一時的に気絶しています。 魔力がある程度回復すれば自然に目覚めます。 【クリエイター(クリシュナ)@夜明けの口笛吹き】 [状態]霊体化、魔力消費(中) [令呪]幸子の敵を倒せ(一画) [装備]なし [道具]なし [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:勝つ 1.イライラするよ、ホントに。 2.自身の幻想世界を完成させたい。 3.『この世界の神様』に会いたいもんだ。 [備考] ※幸子の部屋は現在、クリシュナの幻想世界に作り替えられている途中です。ほぼ完成の状態です。 完成した際、マスターとサーヴァントに対する精神攻撃として作動します。 ※誰かの精神世界を下地に、さいはて町内に『放課後悪霊クラブ』を創造しました。 さいはて町が『幻想世界』や『認知の浅瀬』に近い概念であったため+幸子の魔力まで利用した+令呪によるささやかなブーストからの速度であり、現実世界では再現不可能です。 ※令呪によって、クリエーターが『幸子の敵』と戦う場合、若干の補正が働きます。 ☆シルクちゃん 【放課後悪霊クラブ ?F】 「……くそ」 仰向けに転がり、息も絶え絶えというように胸で呼吸を繰り返す。 トレードマークのシルクハットも、手の届かない位置に転がってしまっている。 額に残っているのは、×印の令呪ではなく、その真ん中に控えていた瞳の形によく似た令呪だけ。 正体不明の攻撃が空間を包んだ瞬間、シルクちゃんは脱力感とも喪失感とも取れる正体不明の感覚に襲われた。 それが敵の攻撃だと理解し、倒れる瞬間にランサーが同じ状態に陥っているのを確認した瞬間、迷わず二画の令呪を切った。 「鹿角の元へ戻れ」、「傷を癒やすのに徹しろ」。 こんな序盤で二画を切り飛ばすことになったのは痛手に他ならない。だが、自身と同様の状態に陥っているサーヴァントを晒せば脱落は免れない。 エンブリオのマスターがクリエーターのマスター(暫定)を庇うように逃げたところから、マスター側の意思でシルクちゃんが害される可能性自体は低いと判断した。 ギリギリの状態で最後の悪あがきをするより、まだ生き残る目はあるだろう。 「……判断自体は間違いなかった……と、思いたい」 結果、なんとか脱落は免れた。 クリエーターという乱入してきたサーヴァントはシルクちゃんの息の根を止めるつもりだったようだが、ほかの三人がシルクちゃんを庇ったのだ。 この町によく似て、お人よしばかりだ。心底いやになる。 「にしても、惨めなもんだ」 正直なところ、正体不明の攻撃によってずたぼろになっている暇なんてない。 こんなところで、負けてらんない。気だけがはやり続ける。 だが、この状況下でがむしゃらに動き回れば聖杯や復讐どころではない。シルクちゃんはすぐに死んでしまうだろう。 ただ、黙って寝ている、というわけにもいかない。 周囲を見渡せば、あの霧の都の中でであったモンスターたちと同じ、仮面の怪物たちが周囲を徘徊していた。 時間が経てば、いずれシルクちゃんも奴らに見つかって襲われてしまうことだろう。 瀕死の相手をダンジョンに幽閉して死ぬのを待つ、なんて。なんと性格の悪い連中だろうか。 まあ、その場で殺されなかっただけマシとは言えるが。 「でも案外、悪いことばっかりじゃ、なさそうだ」 救いがあるとすれば、懐の魔法の羽ペンを奪われていないということ。 サーヴァントは二人とも触媒なしで魔法を使っていたため、まさかこの羽ペンがシルクちゃんの魔法の行使に必要だとは思っていなかったらしい。 そして、この不気味な迷宮には『瘴気』が蔓延していないこと。 ひょっとすると、ここはさいはて町内ではあるが、このダンジョンに関してはさいはて町を作ったサーヴァントとは別のサーヴァントが作ったダンジョンなのかもしれない。 体を引きずり、シルクハットを拾ってかぶりなおす。 「……少し、休もう」 そのまま物陰まで移動し、壁に背を預けてつばを引き下げる。 大きく息を吐いて目を閉じ、そのまま溶けてしまうくらいもっと深く背を預ける。 眠くは無いが、先のなぞの攻撃による体力の消費が激しすぎる。少しずつ休みながら体勢を立て直さなければならない。 「休んだら……この町からだ」 方針は固まった。 燃やし尽くす。 この町を。怨讐の地によく似た固有結界を。忌まわしき記憶とともに。 「見てろよ、今度は二人まとめて叩き潰してやる」 殻(エンブリオ)。創造主(クリエーター)。 忌まわしき町に住まう、魔法の力を振るう二人のサーヴァント。 彼女らを駆逐して、改めて、シルクちゃんはゼロへの道を歩き始める。 【???/さいはて町 『放課後悪霊クラブ』/一日目 夜】 【シルクちゃん@四月馬鹿達の宴】 [状態]魔力消費(大)、HP残り1、魔力・体力回復中 [令呪]残り一画(絆創膏のような二画が消え、瞳型の令呪のみが残りました) [装備]魔法の羽ペン [道具]マツリヤの名刺、古ぼけた絵本、ぬいぐるみ、鎖帷子の欠片 [所持金]一人暮らしに不自由しない程度にはある [思考・状況] 基本行動方針:聖杯を手に入れて、復讐する。 0.ダンジョン内のモンスター(シャドウ・ノイズ)から逃げながら休む。 1.クリエーター、エンブリオの打倒。さいはて町の破壊。 2.探索が終われば、一旦帰還する。 4.フェイト・テスタロッサに対しては―― 5.ルーラーへの不信感。 6.時間があれば『本』について調べる。 [備考] ※魔法の羽ペンは『誰かの創った世界』の中でのみそうぞう力を用いた武器として使用できます。それ以外ではただの羽ペンと変わりありません。 [地域備考] さいはて町・黄金ヶ原にクリエーターが急ピッチで作り上げた擬似幻想世界『放課後悪霊クラブ』が出現しました。 幻想世界と違いさいはて町、玲のダンジョン(ごーこん喫茶)を下地に構築してあるためシャドウとノイズが沸きます。 性質としてはペルソナQにおける『放課後悪霊クラブ』のとおりです。 また、監禁用のため出入り口は一切存在しません。 ☆ランサー ランサーが目を覚ませば、そこはすでにあの作り物の世界ではなかった。 ランサーがあの空間で最後に認識したのは、音より速く伝播し、空気のように周囲を包んだ『祈り』。 次の瞬間には、ランサーは奉野宅まで帰ってきていた。 「これはまた、愉快なご帰宅ですね。マスターはどうしたのですか」 覗き込んでいる鹿角と目が合う。気のせいか、いつもよりも表情が堅い。 「負けたのですか」 「馬鹿言え、負けちゃいねえよ」 「マスターを敵地に置き去りにして一人帰ってくるのが勝ちだというなら、勝ちなのでしょうね」 返す言葉はない。 主の生殺与奪の権利を握られた。例え全快の状態であろうとも、敗北を認めざるを得ない状況だ。 東国無双の名をほしいままにしていたランサーにとって、生前にもない大失態と言える。 「どうするんです」 「命令されてるみたいだな。『傷を癒せ』って。当分は、安静にしとく必要がありそうだ」 本当ならすぐにでも殴り込みをかけたいが、令呪の力が忠勝の行動を制限する。 確かに、極限状態まで低下した体力をある回復しなければ、あの二体とやりあうことはできない。 一刻の猶予も許されない状態だが、だからこそ、早急に状態を回復する必要がある。 「『桃源祈祷』……ね」 その宝具の名を聞いた瞬間、迷わず槍を翻しその名を結び切った。 だが、当然というべきか、斬ることは適わなかった。 その宝具が視認不可能の『呪術』であったが故に後塵を拝することになり、結果としてランサーは、生涯初の。 だが、生き抜いたことで見えてきたものもある。 「『桃源祈祷』、千年の喪に服した少女の祈り、ですか」 傍に控えていた鹿角が宝具名を聞き、エンブリオの逸話を口にする。 宝具の真名を解放するということは、自身の逸話を晒すということだ。 それが一撃必殺ほどの威力となれば、自ずとすべての逸話が曝け出される。 英霊の座に登録されるはずのないイレギュラー、正当な聖杯戦争では呼ばれるはずのないエクストラクラス。 少女たちの聖杯戦争に呼び出された、正当な英雄足りえぬ少女。『殻』の名前を冠する少女。 殻の中の神様。現実世界では、誰でもなかった『ある少女』。 不幸な呪いに身を縛られた少女の心が、仮初の町の中で剥離し生まれた存在。 真名を掴んだ。次に出会えば槍の先にその真名を結び、割断することが可能となる。 「気が引けるな、どうも」 娘を持つ身としては、あの年頃の少女を敵に回すというのはちょっと心苦しいものがある。 桃髪のサーヴァントにしてもそうだ。奇想天外な能力を用いるが、年の頃は二代と同じほどだった。 その程度のことで手を抜くほどやわではないが、逸話を知ってしまうとあまり気持ちのいいものではない。 ランサーはひとつだけ、若い身空で巻き込まれた英霊の少女たちのためにため息をこぼした。 「それでは忠勝様。しばらくお暇いたします。武運長久お祈りしています」 「おう、悪ぃな」 鹿角が一礼を残し、空間に消える。 出したままだった蜻蛉切も消せば魔力の全てが治療へとまわされ、驚くべきスピードで傷の修復を開始する。 鹿角が部屋から消えたことで部屋が静寂に包まれ、安物の蛍光灯に電気の通う音すら聞こえるようになる。 そうして、全てが消えた後で。 最後に、目の背けようのない事実と向き合う。 「そうか、負けたか」 敗北だ。 常勝に胡坐をかいていたわけではない。過信も驕りも油断もなく、正面から挑み、敗れた。 逸話の大黒柱と呼ぶべき『東国無双』が、無傷無敗の将の伝説がここで終わった。 残されたのは唯一人、未だ負けの中に居る本多・忠勝のみ。 「つーことは、二回目だな。いや、初めてかな」 ここから先は未知の戦場になる。 何十年ぶりか、それとも何百年ぶりか。 すべての逸話がゼロの状態で……いや、負けに塗れたマイナスの状態で。 常勝不敗の猛将ではなく唯一人、本多・忠勝として戦場に挑む時が来た。 生涯二度目の初陣にして、生まれてはじめての雪辱戦だ。 鹿角が聞けば『年甲斐もない執着心』と笑うだろうかとややシニカルに笑った後で、大きく息を吐き、心の丈を放つ。 「生きてろよ、マスター。生きてりゃあ、我が必ず助け出してやる。 東国無双でもなんでもない、本多・忠勝の名にかけてだ」 マスターのために、ただ、勝つ。 東国無双を返上し、もう一度ゼロから勝ちを積む。 第一歩、勝つべき相手は二柱の神。世界で最も孤独な神と神。 エンブリオ、さいはて町の神様、『ある少女』。 桃髪の少女。並大抵の『魔術師』ではなく、文字通り無から有を生み出す『創造主』とでも呼ぶべきサーヴァント。 生前にも成し得なかった、神殺しへの挑戦がはじまる。 「少し休んで……そっからだがな」 言葉とともに、ランサーは霊体化し、本格的な自己修復にとりかかった。 【一日目 夜/D-7/奉野宅】 【ランサー(本多・忠勝)@境界線上のホライゾン】 [状態]霊体化、魔力消費(大)、HP1、令呪により体力・魔力高速回復中 [令呪]傷を癒やすのに徹しろ(一画) [装備] [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:主の命に従い、勝つ。 1.体力を回復し、さいはてに突入。シルクちゃんを救出する。 2.エンブリオ(ある少女)、クリエーター(クリシュナ)を打倒する。 [備考] ※『バネ足ジャック』『ある少女』の真名を知りました。 BACK NEXT 036 ダンス・ウィズ・ア・ストレンジャー 投下順 038 楽園の裏では少女が眠っている 035 宣戦布告 時系列順 038 楽園の裏では少女が眠っている BACK 登場キャラ NEXT 033 青春にさようなら シルクちゃん 052 眠るもの ランサー(本多・忠勝) 057 演者は集う 029 少女たちの青春診療録 輿水幸子 056 Q -Question- 014 絶望少女育成計画Reflect クリエーター(クリシュナ) 052 眠るもの 029 少女たちの青春診療録 玲 056 Q -Question- 033 青春にさようなら エンブリオ(ある少女) 057 演者は集う
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部隊名 少女の祈り 歩兵戦力 ★★ 裏方戦力 ★★ 所属国 カセドリア 部隊長 スグル 人数(Act.) 部隊特徴 VCでの連携 部隊タグ 初心者育成 タグ 総評 部隊長はスグル。 VCでの連携を意識した部隊とのこと。 聞き専の人にもなるべく参加を呼びかけ、 チャット無しでの連携を理想とする。 戦場であまり見かけないため歩兵力などは未知数。 コメント 名前 コメント