約 1,257 件
https://w.atwiki.jp/chaosdrama2nd/pages/934.html
水の国、大和某所 人間と白鬼、この二つの種族の血塗られた歴史が、水の国の美しい景観の影に潜み、今宵の街に深海の静けさをもたらしていた。 深淵の中から現代のこの国を覗き込む、散っていった者達の命と想いは、今ではただならぬ妖気を放つ亡霊のように掴み所の無い『国風』として海の波音と共に長きにわたってこの国に染み渡っていた そんな中、1人の少女が闇夜に紛れ、己が使命を胸にビルとビルの間を飛んでいた。 ジャック「(月無き夜に白銀の髪を揺らしながら宙を舞う。黒いマントはカラスの翼のように黒く雄々しく。軽やかな着地とジャンプを繰り返しながら進路を進めていく、)……わたしたちが頑張らなきゃ。あのヒトが残したあの場所を守るには、この国の力が必要ッ!(これまで飛んだ中で最も高いジャンプ。綿毛のように脱力した身に優しい風が不意に包み込む。一種の心地良さを感じた彼女は目を伏せながらそのまま地上へと落下していく)――――ズッッ!! (数秒後、石床の上に勢いよく着地。轟音ではなく、まるで高い所から落ちてきたボールのようにそれは軽やかな音だった) 」 ジャック「(飛び降りた場所、それは人気のない路地裏。数日前に配られたであろう新聞が丸めて乱雑に捨てられ、荒野を転げる草のように風に乗って端の方まで渡っていくのが見えた)……ここをこえて、偉い人に会えば、きっとわかってくれる。(マントの裏側に仕込んだ文書をそっと撫でて、そのまま靴音もならさぬ独特の歩法で進んでいく。―――――が) 」 ジャックの背後から強い気配を感じた。思わずナイフを引き抜き振り返るが、そこには誰もいない。あれほどの気配を、ただ気のせいで片付けることが出来ないのは、ジャックの生まれ持っての性だ。……ジャックは能面のようにかたまった表情のまま、ある可能性をを脳内に提示する。 ジャック「(誰かに、着けられてる? いや、そんなはずはない。でも、あれ?)……(ここへ来て急な出来事。確かに数日ほどここに潜伏していたが、足が出るようなことはしなかったはずだ。しかし、この鋭いメスのように心に刺さる違和感がどうもぬぐえない。)まさか、初めからわたしたちが来ることを……でも、情報は全部消してある。なんで? 」 ナイフを手に、気配のした方を警戒しながら、尚も進もうとした直後 「俺はお前に近づかない」 ジャック「(その言葉とは裏腹に、発現の内部には明確な殺意があった。それに気づいたジャックはナイフをもう一本。二刀流で眼光鋭く、周囲に視線を回しながら相手の出方を探る。姿は見えない。だが、たしかにここにいる)……誰? わたしたちは急いでる。邪魔しないで 」 ????「それはこちらの台詞だ(暗闇の中から、まるで黒く塗りたくられたキャンバスから出てきたかのように、黒いトレンチコートをまとった白黒が反転した目をした男が現れる)……貴様のような奴にチョロチョロ動かれるのは面倒なんだ。おっと、とぼけようとしても無駄だ。我々の情報網から逃れられると思ったか? この国の陰でコソコソと動き回る連中の情報はすでに把握している。貴様もそのひとりだ。……もっとも、グラナードの連中同様、貴様もかなり変わった組織の者らしいが、な 」 ジャック「――――!!(暗闇から現れた男の言葉に一瞬反応する。なにより、彼の口からグラナードの言葉が出てきた為、肝を冷やす)どう…して……? アナタは、誰?(怯えたようにナイフを構えながらも、彼女の脳内では無数のパターンを用意している。これはブラフだ。情けない姿を敢えてさらし、相手を油断させている) 」 ????「(…………)一見か弱そうな半人前にすら見えてしまうその仕草。相当訓練されたものか、果ては元来持つものを天性のものをそのまま次の一手につなぐための手段として使っているだけか。とにかく貴様のそれには油断ならない気配がある。俺の決断は変わらない。……尋問は専門外だが、それもやらなければならないというのが暗殺という仕事の理不尽さだ(男の気配から濃密なまでの精神力が溢れ出てくる。)――――来るがいい。ここで俺を殺して見せろ。でなければ。 」 「 お前はここで死ぬ 」 ジャック「(お互い向き合って数秒、男に至っては一向にこちらに対し攻撃行動をとってくる気配はない。それが余計に不気味だった。銃を持っているわけでもなければ、なにか刃物を持っているわけでもない。)……動かないんだね。能力者ってわけじゃなさそうだけど。それじゃわたしたちは殺せないよ? 」 ????「勘違いをするな。まだ殺しはしない。だが、お前は俺を殺さなければヤバいことになるぞと言っているだけだ(黒白目から覗く明確な意志が眼光となってジャックに向けられる。こうして立っていること自体が、自分の全ての行動だとでもいうように) 」 ジャック「(目の前の男の発言に眉をしかめる。同時にもう一本ナイフを引き抜く。どちらにしろ油断ならない相手だ。路地裏という狭い世界でこうして退治している以上お互い逃げ場はない。あぁして無造作に立っているだけなら、こちらの素早い動きを以て急所を抉れば問題はない)わたしたちの邪魔……しないでッ!!(ジャックが先に動く。いかに狭い通路とは言え、小さな体を持つ彼女からすれば十分な広さだ。直線に駆け抜けたかと思えば、何度も壁を蹴って宙を移動しながら翻弄。そして一気に背後から頸動脈を刈りに行く) 」 「一向に突っ立ったままのこの男を殺すことは、彼女自身容易かと思っていた。 」 「後はこのナイフの刃を頸動脈に滑らせれば全てが終わる。自分の速さにはついてこれないだろうと思っていた。――――だが。 」 ????「貴様の得物はナイフ類。小さな身体を使って相手を翻弄し、素早く相手の急所を突く。暗殺者として相応しいかもしれんが射程はせいぜい1m前後といったところか。……それさえはわかればやり方は……『できている』 」 その直後だった。ジャックの両腕に激痛が走る。それは思わず得物であるナイフを手放してしまうほどに悍ましい痛みだった。少女の美しくきめ細やかな肌をした両腕からなにかが筋肉や血管を突き破って外部に這い出てきている。――――剃刀、釘、メス、その他諸々の金属類。それがジャックの腕を食い破るようにし一気に飛び出た。 ジャック「うぐッ! ……あ、ぁ、ああ゛!! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!!?(突然内部から出てきた金属によって腕をズタズタに引き裂かれた彼女はバランスを崩し、????を斬ること叶わずそのまま彼の真前にまで勢いよく落下した)あがッ!! あ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!(断末魔が木霊する。腕からは大量の血液と無数の金属類。自分が何をされたかもわからぬまま、涙を流し、嘔吐でもするかのように顔を歪め叫び散らす) 」 ????「(叫び声をあげ無様に泣き叫ぶジャックに近づいていく)貴様がなぜここへ来たのか。誰に会うつもりだったのか。興味がある。―――フンッ!!(そう言って倒れている彼女の腹部目掛けて強烈な蹴りをいれる)……ん? これは(彼女のマントから筒を見つける)これは、中身は文書だな。 」 ジャック「――――おっぶぅうッ!!(腹部を蹴られ、小さな体は血を巻き散らしながら壁に激突する。その際、大切に持っていた書類を奪われ、瞳を極限まで収縮させる)か、げふ……かえし、て……やだ、やだよぉ。ひどいこと、しないでぇ…・(そうしてグズグズと泣き始めながらも、ズタズタの腕を伸ばした) 」 ????「――――(ジャックを無視しながら、筒の中の文書に目を通す。そこには悪霊山が水の国との関わりを持つこと、並びに今後の方針などがキッチリとまとめられていた)……これを誰に渡そうとしていたかはしれないが、そうはさせない(そう言ってマッチを取り出し文書に火を点ける)さて、話してもらおうか? 誰に会おうとしていた? でなければ……(そういってジャックをにらんだ直後、彼の持つ"力"の根源が発動した) 」 バ サ ッ (その刹那であった。一陣の旋風が巻き起こり黒羽が円を描くようにして夜景に溶ける。紙吹雪のような羽は???の視界を遮ると、ジャックの姿は彼の視線の先から消失していた) 」 ジャック「やべて…・・あぁ、かえ、して。おねが――――(またしても異変を感じる。喉の奥から込み上げてくる鋭利な異物感。そして、左足の太ももから感じるザクリとした衝撃と激痛。)うぎゃッ! あ゛あ゛あ゛あ゛ッ! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!! いだい、いだいよぉおおお!!! やめて、いやぁあいだいやぁああああああッ!!!(左足の太ももから一気に突き破るように出てくる巨大な刃、それが太ももを切り落とした)あぁぁあああああッ! …う、うげぇえええ、ぐぇえええああああああッ!!(喉から口へ、無数の剃刀が濁流がごとく吐き出る。喉や口の内部を鋭い切れ味で痛めつけ、大量の血をジャックからそこなあわせた。彼女の意識が激痛と噴血により飛びかける)) 」 巨大な烏「―――――ギャーハッハッハッハ!!見ろよべによるチャーン!?こいつで雑巾掛けしたら床真っ黒になるぜってぐらいスタボロだァ!なあいいかな?実際試してみていいかなぁ!!?(ジャックよりかは一回り小さいが、それでも通常の認識にある烏よりかは巨大な黒影が、下卑た笑い声と、あろうことに人語を発し月光を浴びていた。両足にはジャックを吊るすようにして捕まえ、すでに???より10m以上離れている)おいおいおい、なんんか四次元ポケットよろしく物騒なもん吐き出してるぜこの嬢ちゃん。大丈夫か? 」 ????「――――ッ!!(突然現れた巨大なカラスに度肝を抜かす。一瞬何が起こったかわからなかったが、即座にジャックの援軍かなにかと察知する)何者だ貴様……なぜ俺の邪魔をする? 」 紅夜「――――鳥の血に悲しめど、魚の涙に哀れみは覚えず。声なき者にこそ救いあれ(闇夜に一筋の紅が記される。その頭髪をなびかせ皮表紙の本を片手に、その紙面に隈を作った窪んだ瞳を落とす。歌うようにしてその一節を読み上げ、その抑揚に合わせるようにして手にした杖を回転させ、恐ろしくゆっくりと、???と一定の距離を保ちつつ歩み寄った)――――彼女は声なき魚だ。例によって、俺は救わねばならない……『お前さえもだ』 」 巨大なカラス「だ、そうだぜ?悪いなこいつ詩人ちゃんだから面倒な言い回ししかできないの。要するにこの城ちゃんも『てめーも』救ってやるってこったよ!ヒヒヒッ!!(大げさに翼を上下させると紅夜の手前まで高度を下げ、ジャックを手ごろな岩の上にそっと下ろし寝かせた) 」 ????「――――救う、だと? その小娘だけでなくオレもか?(ほんの数秒の沈黙。その間、彼の黒白目は彼等をじっと映していた。だが、その眼光の鋭さは変わらず)なにを言っているののかは知らんが、要するにだ。お前は俺の邪魔をするということだな? (ユラリと男の雰囲気が更に殺気で濃密な物へと変化していく。ジャックと同じように攻撃するつもりだ) 」 紅夜「―――――(ジャックを流し目で二秒ほど一瞥すると、すぐさま眼前の男へ視線を戻し、杖を軽く宙に浮かせてから持ち直し、再びペン回しのように玩びながら皮表紙の本を閉じ懐に仕舞うと)―――間合いだ。俺は『お前に近づかない』。鉄分だ、『今の俺と魔獣にはそれが通用しない』(ジャックを、小柄な子供の彼女さえも億劫そうになんとか抱え上げ、聖書の一節を読み上げるような掠れた声で述べる)だが俺にはお前に勝つ手段はない。だからあえて言おう。やめろ、無駄は好まない 」 ????「……(紅夜の観察眼を前に、自らの力を推察されても尚表情を崩さない)そこまで見抜いたことは褒めてやる。――――だが、それがなんだ?(射程外なら近づけばいいと言わんばかりに、小さく一歩踏み出す)貴様がその小娘とどういう関係かはわからん。そしてお前のそれは誰かに命令されたものではない。自分の意思での行動によるものだ。……だが、問題はそれ"以外"だ。気になるな。その小娘を助けた後、貴様がそいつをどこへ連れて行くのか? 見た所医者でもない。そもそもそいつは医者で治せるような存在でもない。それを分かったうえで助けようとしている。―――――貴様は、そいつを連れて、どこへ行くのか。 」 紅夜「――――俺がお前に与えにきた情報は”それではない”(あたかも、他に渡す情報があるとでも言いたげな、含んだものいいを、月光差し込む表通りを挟んで、???の潜む暗がりと大局的に位置する裏路地で銀の瞳を光らせる)まあいい、質問には答えるさ……それがお前への礼儀であり信頼だ。”救いたい人がいる”、”彼女”ならこの娘を治せる。どこへは言えない、だがこの大和国内だ(距離を詰めることを厭わないと言わんばかりに一挙一動を注視しつつも微動だにしない) 」 ????「……見ての通り俺は殺し屋だ。殺し屋を相手に礼儀だ信頼だと情報を渡すとは。(フードから覗く銀色の髪を指でいじりながら、踏み出した一歩をそっと柔らかく引いた)……俺も仕事でな。"クローバー"の指示に背くわけにはいかない。――――が、俺に与えに来た情報とやら。それの内容次第では考えてやってもいい。 」 紅夜「命のやり取りにおいても、互いに『信条』があるなら礼節が生まれる、俺はそれに準じるだけだ。(???が一歩間合いを話したことを確認すると小さく頷き)俺が優先とするのはいつだって、この愛すべき故郷『ケイオス』だ。お前もその一部であり、この娘も例外ではない。闘争はいかなる時もあり得るが、だが今『ケイオスではないここ』で『ケイオスの民同士が流血を流し合う必要はない』。ここまで言えば察しがつくだろう、この大和は―――― 」 紅夜「――――― 『 大 和 帝 国 』 は ケ イ オ ス で は な い 」 ????「―――――(一陣の風が彼と自分の間を通り抜けていく。その言葉に嘘の気配はなかった。一見素っ頓狂にも思えるこの発言に、ガラにもなく彼は冷や汗をひとつ)……大和がケイオスではない。仮にそれが真実として、どうなるというんだ? ――――と、言い返すのは野暮か。この大和がケイオスではない。……イイだろう、信じてやる。 」 紅夜「――――大前提を思い出して欲しい、俺は『ケイオスを最優先する』(杖の先端を???へ向け、軽く上下させると)『大和』の繁栄を阻止する必要がある。そうだろう? ある意味俺とお前の利害は一致している。だが、お前はプロだ。獲物を見逃せというのは無理な相談だろう(掌の上で杖の腹を弾ませ)パシッ(それを握ると)―――だから提案だ。『優先順位』を変えないか。俺はお前の任務を遂行する上で優先して抹消すべき対象をリークする。それら全てを抹消してからが、そこからがこの娘をどうするかだ 」 ????「(大和の繁栄、か。)――――優先順位の変更か。簡単に言うがそれこそが仕事の難しい所だ。時間や場所によって、状況は大きく変わる。アルバイトのシフト変更のように軽い問題ではないのだ。それに、誰を殺すか否かの情報はすでに俺は頭に叩き込んである。貴様にリークされようとされまいと関係はない――――だが、そうだな。俺も貴様に敬意を払い…"一人"だけ。そう、一人だけなら変更可能かもしれない。どうだ? 対象一人分だけ、その小娘は長生きできるかもしれない。――――どうだ?(黒白目が一瞬鋭くなる) 」 紅夜「―――――いいだろう(トンと自身の首筋に指を当てて捻り、軽くノックさせ挑発的にシャフ度で目を細める)ただし鵜呑みにはできない。そこでどうだろう……―――――『 』を最優先にする……というのは。先に断っておくが、あれが現存する限りお前も俺も、『この大和から出られはしない』 」 ????「――――(『 』の名を聞き、一瞬目の色を変える。なぜなら、それは彼の最終目的。無論、『 』も殺すつもりでやってきたのだが、これを最優先にしろと言われて半ば曇ったような表情になる)……ふん、最優先にしろ、か。(ここで初めて軽く乾いた笑みを見せる)……貴様自身、自分が無理難題を言っているのは承知の上でのことだろう。現実はかなり切迫した状況である、というのがお前の口調からヒシヒシと伝わる。――――が、だ。無論それも対象には含んでいる。だが、その為には段階というモノがある。将棋やチェスで最初の一手から王手(チェックメイト)を取れないように、まずはそのまわりの敵を刈り取る必要がある。理屈はわかるだろう? ――――そこでだ。その小娘を長くもう少しだけ長く生きさせてやる。だから、教えろ。―――ある人物の居場所を。それならどうだ? 最優先ではないが、お前にとっても、これは"近道"となる。どうだ? 」 紅夜「――――(ある人物と聞き眉を潜める)――――人物か(一切変えなかった目の色を一瞬曇らせ杖の先端を床に付ける)――――確かに、駒を積むのは手順の一つだ。だがその駒もまた生かすことで毒壺の蛇となり得る。『誰でも」という訳にはいかないが、対象を聞こうか 」 ????「……候補は二つ。大和見廻組、『伊蒼義隆』。情報統制がきつくてな、俺の『網』ですら掻い潜るほど情報戦に長けた奴だ。コイツの首を取る。そして――――……グラナードファミリエ首領、『エリザベス・ヴァン・シュテイン』。俺の網にかかった連中の中でも飛びぬけて存在感のある奴等だ。この時期に連中がくるのには大体想像はつくが、訳がある。―――――好 き な 方 を 選 べ(目を見開き、紅夜の輝く目とは対照的な眼光を見せる) 」 紅夜「――――――――ニッ(????の提案に対し口元をほころばせ) 『 』 (彼は快くその名を告げた) 」 < Back Log Home Next Log >
https://w.atwiki.jp/magichappy/pages/1076.html
▼ A Generous General? 依頼者: グ・ゾ(Gu'Zho) / ムバルポロス旧市街 依頼内容: クゥダフ兵団の脱走将校グ・ゾは 仕官の口を求めてムバルポロスに来たが、 道に迷って面接会場にたどり着けなかった。 彼に代わって、推薦状を 傭兵教官に届けるのだ。 しかも、モブリンに怪しまれないように…… ムバルポロス旧市街 Gu'Zho Thunderblade やァやァ 遠からん者はァ音にも聞けェッ! 近くばァ寄ってェ目にもォ見よォ! Gu'Zho Thunderblade 我こそはァ クゥダフ兵団にィその人ありとォ謳われたァ 雷音剣のォ、グ・ゾなるぞォッ! 愚昧なるゥ冒険者めェ、往生せィッ! Gu'Zho Thunderblade ……………… ………………………なぜェ逃げぬゥ? Gu'Zho Thunderblade グハハハハハッ。 待てィ。腹が減ってはァ戦はァできぬゥ。 本当はァぬしとォ戦いとゥないのだァ。 Gu'Zho Thunderblade 我が名はァ、グ・ゾ。 ワールン装甲兵団のォ将校だったがァ 今はァ脱走してェ寄辺なき身よォ。 Gu'Zho Thunderblade 毎日ィ毎日ィ 冒険者とォ坑道を奪い合ィ まだァ殻がついたァ若い兵ォ死地にィ送りこむゥ。 そんな生活にィ自分はァ嫌気がさしたのだァ。 Gu'Zho Thunderblade 若ィ兵もォ誘ったがァ、 背甲のォ重さにィ耐えられずゥ 1人ィ、2人とォ脱落していきィ………… 気づけばァ、自分1人だったァ…………… Gu'Zho Thunderblade 1人にィなって分かったァ 卵ォ出でてからァこの方ァ軍隊生活一筋ィ。 自分はァ戦うこと以外にィ 何もしらぬしィできぬことにィ。 Gu'Zho Thunderblade ほとほとォ 困っていたところォ、ここムダルボロンスでェ 傭兵ォ集めているとォ耳にしたのだァ。 Gu'Zho Thunderblade それでェゴブリ代筆屋にィ 宝石ォ払ってェ推薦状ォ書かせェ 勇んでェここまでェやってきたのだァ。 Gu'Zho Thunderblade ぬしはァ ここにィ詳しいのかァ? 選択肢:ここに詳しい? いいえ Gu'Zho Thunderblade でェあるかァ ぬしもォ迷うておるのかァ。 誰しもォ道にィ迷うものォ。邪魔したなァ。 はい Gu'Zho Thunderblade それはァありがたィ。 話ォ続けるとしよゥ。 Gu'Zho Thunderblade 問題がァあったァ。 このムダルボロンスゥ、どうやらァ 特殊なァ磁場がァ発生しておるらしィ。 Gu'Zho Thunderblade おかげでェ 自分らァクゥダフのォ方向器官がァ狂ってしまィ 何度ォトライしてもォ途中でェ道に迷ってしまゥ。 Gu'Zho Thunderblade そこでェ頼みがあるゥ。 ムダルボロンスにィ詳しィぬしがァ このォ推薦状ォモブリのォ傭兵教官にィ届けてェ 自分がァここにいることォ伝えてェほしいのだァ。 選択肢:伝えてやる? いいえ Gu'Zho Thunderblade でェあるかァ。 それなりのォ謝礼はァするつもりだったがァ 邪魔したなァ。 はい Gu'Zho Thunderblade かたじけなィ。 礼はァたんまりィするつもりだァ。 Gu'Zho Thunderblade だがァ待たれよォ。 ぬしはァ戦いにィ行くのではァなィ。 そのォ格好ではァ目立ちすぎるゥ。 Gu'Zho Thunderblade 血がァ流れればァ、 話も流れるかもォしれぬゥ。 もっとォ目立たなィ格好はァできぬものかァ? Gu'Zho Thunderblade たとうればァ ゴブリやァモブリがァ被っているゥ あのォ円ィレンズのォ革のマスクゥ。 あれォ誰かにィ作ってェもらうのはどうだァ? Gu'Zho Thunderblade 人間はァ賢くてェ器用だァ。 自分らはァ人間はァ好かぬがァ その技はァ常にィ見習ってきたァ。 自分はァぬしォここでェ待つゥ。頼んだぞォ。 南サンドリア Faulpie あら、何かご用? わざわざ私に相談するということは…… そうね、何か特注の品でもご入り用なのかしら? Faulpie ………… Faulpie ゴブリンになりたいですって? それはまたずいぶんと無茶な注文ね。 マスクを被ってるから一見そっくりに見えるけど 彼らどうしはすぐに誰だか分かるみたいだし…… Faulpie まぁ、やってみましょう。 私は型紙を検討してみるから、 その間に、あなたは野牛の毛皮と 大羊のなめし革を探してきてくださる? Faulpie それと、手数料の話だけど 材料はそっち持ちだから20000ギルでいいわ。 一緒に用意して、渡してちょうだい。 Faulpie まだ、デザインに悩んでる最中よ。 それに、あなたが野牛の毛皮と 大羊のなめし革を持ってきてくれないと……。 あ、それから20000ギルも忘れずにね。 Faulpie それとも…… 材料費もそれなりにかかるし やっぱり、あきらめたい? あきらめた場合、クエストはキャンセルされ、 オファー前の状態に戻ります。 あきらめて、クエストをキャンセルしますか? あきらめる あきらめない(キャンセル) 本当にあきらめてよろしいですか? 本当にあきらめる やっぱりあきらめない(キャンセル) クエストがキャンセルされました! (Faulpieに材料と20000ギルをトレード) + ... 野牛の毛皮 がさがさしたバッファローの毛皮。 大羊のなめし革 柔軟な大羊のなめし革。 Faulpie ……必要なものはそろったわね。 じゃあ、型紙にそって大まかに裁断しておくから しばらくしたら取りにきてくださる? Faulpie ……もう少し待ってほしいの。 特殊な細工を施しながら裁断してるんですもの。 焦らせないで…… ※ヴァナ0時経過後。 Faulpie ……待たせたわね。 はい、コレ。頭巾のシートよ。 きっと待った甲斐があると思うわよ。 ゴブリン頭巾シートを手にいれた! ゴブリン頭巾シート Rare ゴブリンに扮する頭巾製作のために裁断された革。 Faulpie さて、後はそれを仕上げて被るだけで、 あなたもゴブリンそっくりに変身できるはずよ。 Faulpie ……だけど手伝えるのはここまで。 私たちにとって、カバンを作るゴブリンは マスクを思い出すのも憎たらしい商売敵なの。 仕上げなんてありえないわ。手が震えてね。 自作できるスキルがある場合 + ... Faulpie ……さてと、 これからはあなたが腕を振るう番。 いちおう材料は教えるけれど、 1回しか言わないから、よく聞いてちょうだい。 Faulpie 材料には、そう…… ゴブリン頭巾シート、スチール板、亜麻布、 不死の皮、大羊のなめし革、モブリン糸を 使うとよさそうね。それとレンズには…… Faulpie そうだわ。人工レンズだと ぴったりよ、きっと。2個用意してね。 あとは土のクリスタルを使って合成すれば、 ゴブリンそっくりの頭巾ができるはずだわ。 Faulpie ……それと あなたなら材料からピンときてると思うけれど 鉄と布を扱う技術も必要なの。注意してね。 Faulpie ……だいじょうぶよ。 あなたならきっとゴブリンそっくりの 素敵な、いえ不気味な頭巾を作れるはずだわ。 自作できるスキルがない場合 + ... Faulpie ……でも、だからって 技を磨いて独力で頭巾を完成させなさい ってあなたに言うのも酷よねぇ………… Faulpie ……そうよ! ウチのギルドで皆伝を授けた 革細工師を見つけて、作ってもらいなさいな。 Faulpie いいこと? 作り方は一度しか教えないから、 しっかり覚えて、彼らに伝えてちょうだい。 Faulpie 材料には、そう…… ゴブリン頭巾シート、スチール板、亜麻布、 不死の皮、大羊のなめし革、モブリン糸を 使うとよさそうね。それとレンズには…… Faulpie そうだわ。人工レンズだと ぴったりよ、きっと。2個用意してね。 あとは土のクリスタルを使って合成すれば、 ゴブリンそっくりの頭巾ができるはずだわ。 Faulpie ……待って。それと、 これを作るには鉄と布も扱える職人でないと。 依頼する前に、一度確認してみることね。 Faulpie ……ウチで皆伝を許された 革細工師は、みな厳しい修行に耐えた方ばかり。 きっと、嫌な顔ひとつせず協力してくれるわ。 Faulpie ……だから、 お礼は忘れないで。 ゴブリン頭巾シートを捨てた場合 Faulpie ひょっとして…… またゴブリン頭巾シートの注文じゃないわよね? 選択肢:ゴブリン頭巾シートを作ってほしい? はい いいえ(キャンセル) やっぱりあきらめる(クエストのキャンセル) Faulpie ……もぅ、しょうがないわね。 いいわよ。まだ革も余ってることだし。 けど、今度は正規の特注手数料として 100000ギルいただくことになるけれど? 選択肢:100000ギル払いますか? はい いいえ(キャンセル) Faulpie あら、潔いのね。 分かったわ。私、裁断しておくから しばらくしたら、また受け取りにきて。 (指定された材料を合成する) + ... スチール板 鋼の板。 亜麻布 亜麻糸を編んで作った布。 不死の皮 脈動している、ぶよぶよとした皮。 大羊のなめし革 柔軟な大羊のなめし革。 人工レンズ 錬金術師が作り出したレンズ。 モブリン糸 モブリンが開発した人造繊維から作られた糸。 ゴブリンコイフを手にいれた! ゴブリンコイフ 防5 耐火+5 耐氷+5 耐風+5 耐土+5 耐雷+5 耐水+5 耐光-25 耐闇+5 Lv61~ All Jobs ムバルポロス旧市街 (ゴブリンコイフを装備してエリアチェンジする) Gu'Zho Thunderblade やァやァ 遠からん者はァ音にも聞けェッ! 近くばァ寄ってェ目にもォ見よォッ! Gu'Zho Thunderblade ……………… Gu'Zho Thunderblade なんだァぬしかァ。 てっきりィゴブリのォ衛兵かとォ…… Gu'Zho Thunderblade しかしィこれはァすごィ。 どこからァどゥ見てもォぬしはァゴブリだァ。 ではァ、おまえにィこれォ預けよゥ。 だいじなもの ゴブリンの推薦状を手にいれた! ゴブリンの推薦状 クゥダフのグ・ゾが、ゴブリンの代筆屋に 大枚をはたいて書いてもらった彼の推薦状。 見慣れぬ文字でそれらしく書かれているが、 もっともらしい精巧な捺印がむしろ怪しい。 Gu'Zho Thunderblade ムダルボロンスのォ どこかにィ傭兵のォ受付箱がァあるそうだァ。 それにィ推薦状ォ入れるとォ教官がァ来るらしィ。 Gu'Zho Thunderblade これでェ自分もォ やっとォ食ィぶちにィありつけるゥ。 ぬしがァ戻ったらァ祝宴ォあげねばァ。 (Iron Boxを調べる) 誰かが近づいてくる足音が聞こえる! ??? ……おい~待てい。 きさま~人間な分際で傭兵ななら~なんざ~ て~して度胸ざ~な? Goblin Preceptor 我輩な傭兵どむの 訓練をまくされた~る教官であ~り。 貴様な実力、見さ~てむらあ~ではな~か? Goblin Preceptor のかのか見所なあ~り 傭兵であ~り。しかるが態度な生意気であ~り。 我輩、そな腐り~な根性な指導せてゆら~う。 [Your Name]は、Grimoire Guru Grimogekを倒した。 [Your Name]は、Dread Dealing Dredodakを倒した。 [Your Name]は、Bugbear Portermanを倒した。×4 [Your Name]は、Goblin Preceptorを倒した。 (Iron Boxを調べる) ??? まったく ゴブリンときたら、ほんっと頭が悪いんだから。 採用基準として、まず相手の強さを調べるように あれほど私が言っておいたのに………… Mighty Minded Generajiq まぁ! 遠目にまさかとは思ったけれど…… なんだ、やっぱり冒険者じゃない。 道理でゴブリン傭兵が勝てないわけよね。 Mighty Minded Generajiq まぁ、この際 強くて賢ければ、人間でも亀でも鳥でも 何でもござれ。忠誠を誓ってくれるならね。 Mighty Minded Generajiq あら、申し遅れたわね。 私はジェネラゥィック。 ここムバルポロスの……そうねぇ 人間風にいうと「軍師」ってとこかしら。 Mighty Minded Generajiq 驚くのも無理ないわ。 私はこっそり地上に出て見聞を広めてたおかげで 人間の共通語だって普通にしゃべれるし、 大聖堂の屋根裏で女神神学だって学んだのよ。 Mighty Minded Generajiq もっとも、こうして ムバルポロスが地上とつながるまでは 故郷を捨てたつもりだったんだけど……。 あなたも私と同じ。好奇心の塊なんでしょう? Mighty Minded Generajiq …………… Mighty Minded Generajiq 傭兵希望は あなたじゃないですって? じゃあ、何で推薦状を受付箱に入れたの? Mighty Minded Generajiq …………… Mighty Minded Generajiq あきれたお人好しね。 そのグ・ゾとやらに伝えてちょうだい。 腕が立つなら雇ってあげてもいいわ。でも…… たとえ何年かかっても自分の足で来なさい、とね。 Mighty Minded Generajiq それはそうと あなた自身は傭兵になる気はないのね? ……残念だわ あなたほどの手練なら教官として即採用なのに。 Mighty Minded Generajiq まぁ、いずれにしても あの単細胞の勘違いで私たちは配達人に襲いかかり あまつさえ怪我をおわせてしまったってわけよね? この場合は…と、人間はお詫びするのが慣例だわ。 Mighty Minded Generajiq ……そうだわ! その私たちを真似た悪趣味な頭巾を使いましょう。 あの受付箱の上に、それを置いてちょうだい。 (Iron Boxにゴブリンコイフをトレード) Mighty Minded Generajiq …… ずいぶん素直な人間ね。 あなた、私がだますとは考えなかったわけ? なんだか、拍子抜けしちゃったわ…… Mighty Minded Generajiq いいでしょう。 もちろん、私も約束は守るわよ。 チョプリクス先生、いらっしゃる!? Choplix Limblopper なんじゃう、ジェネラ。 気安く呼ぶでねぃわ。あ? 患者な誰じゃ? いってぇ、だこな切り落とすばえぇんじゃ? Mighty Minded Generajiq 違うわ、先生。 この冒険者についていって 道中、治療してあげてほしいのよ。 Choplix Limblopper おぃおぃ、ジェネラ。 冗談な過ぎりぞぃ。くやつら人間なないか? なんど、ワヒなやうな名医様や人間なざ…… Mighty Minded Generajiq あら、先生。 この間、貯蔵庫のワインを盗み飲みした件、 議会に報告して公開裁判にかけてもいいのよ? そうね。あれは90年ものだから、刑期も…… Choplix Limblopper あぁ、もぅ 分くった分くったぁ。皆もで言ぅなぃ。 やりばいぃんじゃろぃ。やりばぁ! Choplix Limblopper おぃ、えぇくぁ、人間~ ワヒなだってぇ評判ったものなあらぃ。 人間な看てなんて同業者な知るてら偉ぇこたじゃ。 Choplix Limblopper さこなじゃ。 おなえな、こなコイフな被って時でけぇ ワヒゃ酔っ払っと、おなえとゴブリン勘違いして うっから治療したまった!というなで手な打たぅ。 Choplix Limblopper ジェネラ ころでいぃじゃらぁ? Mighty Minded Generajiq ええ、合格よ。 それと先生。普段は例の歩法を使って 隠れるように、彼らについていくことね。 ほら、私が教えた東方の…… Choplix Limblopper 言わらんだも、さうすらぃ。 ワヒなて人間な街で袋叩けすれるなごめじゃらぁ。 いぃのぉ、人間? いつなぁ、治療したるとな 限らんぞ。ワヒな気分しでぇじゃて。覚えたけぃ。 Mighty Minded Generajiq はい、どうぞ。 このコイフを返すわ。 チョプリクスコイフを手にいれた! チョプリクスコイフ Rare Ex 防10 耐火+10 耐氷+10 耐風+10 耐土+10 耐雷+10 耐水+10 耐光-50 耐闇+10 エンチャント ゴブリンヒーロー召喚 Lv75~ All Jobs 30/30 0 30/[20 00 00, 0 30] Mighty Minded Generajiq あの先生 いつもあんな調子だけど、腕だけは確かなの。 Mighty Minded Generajiq 今までも 落盤事故にあった何人ものモブリン労働者が 彼のおかげで一命をとりとめてきたわ。 Mighty Minded Generajiq きっと、あなたも 彼に命を救われることがあるはずよ。 Mighty Minded Generajiq それでは、お別れね。 あなたはクゥダフに顛末を伝えなきゃならないし 私は優秀な傭兵教官を探しに地上に旅にでなきゃ。 ……んっもう、あなたのせいよ。 Mighty Minded Generajiq フフフ、冗談よ。 あなた、なかなか見所があるわ。そうね、もし 人間社会が嫌になったら、ここにいらっしゃい。 Mighty Minded Generajiq ここは、暗くて 暑くて、じめじめしたところだけど、少なくとも あなたの安らげる場所は用意してあげられるわ。 Mighty Minded Generajiq じゃあ、また どこかで会いましょ。グゥ・ビォンゴッ! 称号:モブリンキンズマン (Iron Boxを調べる) ……鉄の箱がある。 なにやら文字らしき紋様が縁に刻まれているが モブリン文字なのか、読むことはできない。 (チョプリクスコイフを装備してエリアチェンジする) Gu'Zho Thunderblade おお、ごくろゥだったなァ。 それでェ担当者はァどこにィ? 自分ならァ技ォ見せるゥ準備もォ…… Gu'Zho Thunderblade ……………… Gu'Zho Thunderblade ……そうかァ。 いたし方ァ、あるまィ。 そのモブリのォ言うとおりだァ。 Gu'Zho Thunderblade しかしィ、自分にはァ 時間がァなィ。さっきィ通りかかったァ ゴブリにィ聞いたのだがァ…… Gu'Zho Thunderblade 脱走したァ自分にィ 金剛王がァ莫大なァ懸賞金ォかけたそうだァ。 全国のォ賞金稼ぎがァ自分ォ血眼になってェ 探しているといゥ。ここもォ危なィ。 Gu'Zho Thunderblade これはァ少ないがァ 約束のォ礼だァ。ぬしはァ自分とのォ 約束を守りィ推薦状ォ届けたのだからなァ。 獣人金貨を手にいれた! 獣人金貨 クゥダフの鋳造した金の硬貨。 獣人社会で広く流通している。 Gu'Zho Thunderblade 自分はァ決めたァ。 近々ァ大きなァ戦がァ近東でェあるらしィ。 自分はァそこに渡りィ生きる場所ォ探してみるゥ。 Gu'Zho Thunderblade ぬしにはァ世話になったァ。 もっとォ早くゥ互いにィ知り合っていればァ…… ……いやァ止めておこゥ。 Gu'Zho Thunderblade もゥ会うこともォあるまィ。 達者でなァ………… Gu'Zho Thunderblade もしィ、ぬしがァ 近東にィ渡ることがあったらァ、自分ォ訪ねろォ。 自分がァ成功していたらァ、一のォ部下としてェ 雇ってやるぞォ。グハハハハハハハッ…… ▲ ■関連項目 オークの謙譲 , クゥダフの博雅 , ヤグードの勇胆 , ムバルポロス旧市街 Copyright (C) 2002-2021 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
https://w.atwiki.jp/marcher/pages/160.html
←Dive into the“FUTURE”(中)その微笑みは春の風。 その唇は野花の吐息。 そのまなざしは、美しき闇。 里沙は、その名を知っている。 里沙は、その優しさを知っている。 里沙は、その強さを知っている。 その名は、安倍なつみ。 その優しさは、闇に囚われた心を淡雪で照らしてくれた。 その強さは、暗黒の中を生き抜く術を授けてくれた。 茫漠とした無機質に覆われた精神空間を、高橋愛の姿をした里沙は一歩ずつ踏みしめるように歩いていく。 この時、里沙はまだ気付いてはいない。 安倍なつみに近づいていくその歩みは、巣立ちなのだという事を。 「…ちょっとだけ…力を貸してね」 元の姿に戻った里沙のその言葉は、静かな声ではあったが、強い決意が込められていた。 里沙には戦う理由がある。 里沙は知らなければならない。里沙は取り戻さねばならない。 ガーディアン安倍なつみの両手から無数の白い破壊エネルギーの鷹が生み出された。 己の目の前にいるサイコ・ダイバーが先程まで相手にしていた者よりも相当に手ごわいと、そう察知したのだろう。 天空にかかる星座のように白の鷹が里沙を取り囲み、そして一斉に襲いかかった。 「発火ァ!」 一陣の炎が、空を駆ける竜のように里沙の手から放たれ、迫りくる破壊の鷹を焼き尽くす。 この力は紛れもなく、リゾナンター銭淋の発火能力だ。 ここにきて、吉澤ひとみは自分が里沙のために稼いだ1分間がどういうものであったかに思いを巡らせた。 考えてみれば、里沙は変身を得意とするダイバーである。 ものの1秒かそこらで猛禽の翼を生やしたり、四肢を獣に変えたり出来る里沙が、 良く知っている人間に化けるのに必要な時間が、たとえ能力を再現するとしても、1分というのは長過ぎる。 「まさか…あいつ…!?」 驚嘆に満ちた声が、吉澤の唇からこぼれ落ちたのと時を同じくして、 炎の壁の向こうから破壊エネルギーに生み出された白の虎が里沙の喉笛めがけ牙をむいた。 里沙は、すうっと息を吸って虎を睨みつけ、そしてその再び姿を変じた。 グロゥ! 一閃! 獣に変じた里沙の鉤爪が、虎の顔面を一瞬にして吹き飛ばした。 白い破壊エネルギーのスパークが、獣の腕をズタズタに引き裂きながら天に帰っていく。 ホワイトスノーを李純の獣化能力で『殴った』のだ。 破壊エネルギーの結晶を直接殴るなど、あまりにも無茶である。しかし、無茶はしても無謀はしないのが新垣里沙だ。 血を流す獣の腕が、人間のそれに戻ったと同時に、ガーディアン安倍なつみの右腕から鮮血が迸った。 なつみは、己の腕からこぼれ落ちる血に視線を落とし、そして里沙を不思議そうな顔で見つめた。 里沙の目は、真夜中の湖面にも似た静けさを湛えている。この静けさの持ち主は、亀井絵里をおいて他にはいない。 湖面の静けさが白い陶器のような肌と長い黒髪に彩られていくにつれ、里沙の傷がふさがっていく。 亀井絵里の傷の共有。そして道重さゆみの治癒能力。 ぐっ、と里沙は右手で拳を作った。こちらの傷は治ったという意思表示だろうか。 「あいつ…!一人でリゾナンターをやるつもりか!?」 里沙の1分は、つまり吉澤ひとみが命がけでもぎ取った1分は、つまりはこの為にあったのだ。 単独で安倍なつみに勝る能力者はいない。 ならば力を結集するしかない。 響き合う心の戦士達の力が、数多のたたかいで傷一つ負わなかったあの安倍なつみに一矢報いたのだ。 …忘れて、下さいね 先程の里沙の言葉が吉澤の脳裏に響いた。 新垣里沙はもう、こちら側の人間ではない。少なくとも心はこちら側にはない。 その事を、たったひとかけらの言葉も使わずに、諜報機関の長である吉澤の前で、あまりにも饒舌に物語ってしまっている。 「お前…何やってんだよ…」 かつて、里沙は己の精神干渉能力を“薄汚い力”だと自嘲した事があった。 サイコ・ダイバーは他人の心に潜り込み、操る。それを里沙は、薄汚い行為だと言った。 人の心は聖域なのだ。他人が気安く触れていいものでは決してない。その事を里沙は誰よりも強く知り抜いていた。 その新垣里沙が今、己の聖域をさらけ出しながらダークネス最強の能力者安倍なつみと死闘を繰り広げている。 それが何を意味しているのか、どれ程重大な事なのか、本人に自覚はあるのだろうか。 一体何がそうさせる?お前を衝き動かす力は何処から来ている? 吉澤は唇を噛みしめながら、かつての(最早そう言うべきだろう)部下のたたかいを目に焼き付けていた。 「忘れられる訳…ないだろうが」 ゆらり、と里沙が動いた。 このしなやかな四足獣を思わせる独特の緩急をつけた歩法は、田中れいなのそれだ。 迫りくる白の獣どもの攻撃を恐るべき反射神経と身体能力でくぐり抜け、そして更に久住小春の念写能力を併用し、 安倍なつみとの距離を詰めるのに最も適した位置へその身を滑り込ませていく。 ―安倍さん。教えて下さい 迫りくる狼の一撃をすり抜けながら、里沙は思う。「いつからだろう?」と。 なつみの顔から微笑みが失われてしまったのは、一体いつからだろう。 心に一輪の花を咲かせてくれたあの微笑みは、何故失われたのだろう。 ―もう一度、あの笑顔を見せて下さい。 里沙には分かるのは、きっとなつみは何かとてつもない運命と向き合っているという事だ。 誰よりも強く、誰よりも優しかった安倍なつみが、その笑顔を捨てて挑まざるをえない運命。 それが一体何なのか、ひょっとしたら飯田圭織の精神にその手掛かりがあるのではないか? 里沙の直感は、すがるような気持ちで吉澤の誘いに乗り、そして今、ガーディアン安倍なつみと対峙している。 ―そのためなら私、安倍さんとだって… ざりっ、と無機質の精神空間に里沙の足音がした。里沙が動きを止めたのだ。 いつの間にか、里沙の周囲をホワイトスノーの猛獣どもが取り囲んでいる。 意志を持つ破壊エネルギーは、すり抜けられていると見せながらも、巧妙に里沙の退路を塞いでいたのだった。 この手際のあざやかさは、安倍なつみという完成された一個の戦士が生み出した芸術であると言ってもいい。 最強の戦士の水も漏らさぬ包囲網が一斉に里沙に襲いかかった。 「戦います!」 里沙の姿がかき消えた。 次の瞬間、里沙の姿は安倍なつみの丁度真後ろにあった。空間を跳躍したのだ。 敵のすぐ後ろにテレポートして強烈な蹴りの一撃をお見舞いするというのは、高橋愛が最も得意とする戦法である。 実戦の中で磨き上げられてきたリゾナンター高橋愛の技が、里沙の道を切り開いた。 中空から里沙の右足が安倍なつみの後頭部へ振り下ろされようとしたその時、声が、聞こえた。 「…オリ…カオリ…」 里沙の動きが止まった。この声を聞き間違える事は絶対にない。 ―安倍さんの声…?どこから? なつみの口から発せられているものではない。 基本的にガーディアンは喋らない。喋る必要がないからだ。 里沙の視線が、なつみの右手から滴り落ちる血を捉えた。 ―右手?右手から声が聞こえる? 里沙となつみの周りを、夥しい数の白い獣どもが取り囲み、そのまま動かずにじっとしている。 二人の距離があまりに近すぎるため、仕掛けようにも仕掛けられないのだ。 本物の安倍なつみならこの距離からでも相手を倒す手段は持っているのかもしれないが、飯田圭織にはその知識がない。 つまり、これ程なつみに肉薄した能力者の存在が皆無であったという事の証明でもある。 「待って!」 間合いを離そうとするなつみの右腕を、里沙は反射的に掴んだ。 なつみがその手を振り払おうとすると、血がしぶいて里沙の頬にかかった。 声が、さらに鮮明に聞こえてくる。 「どうしても…カオリが犠牲になんなきゃいけないの…?」 「犠牲だなんて思ってないわよ私は。こうするしかないからやるだけよ」 なつみの会話の相手は飯田圭織本人のようだ。 里沙はガーディアン安倍なつみを構成する精神が、この二人の会話による物だという事に気付いた。 熟練のダイバー二人を全く寄せ付けない圧倒的な戦力は、この時の飯田圭織の思いの強さの表れだったのだ。 「世界を守るためなら何でもやるって、決めたのはアンタでしょ」 「でも、だからってカオリが」 「私が消えなきゃダメなのよ。私は予知能力者なんだから」 「そんなのあんまりじゃない!」 「いい年こいて何甘ったれた事言ってんのよ!」 飯田圭織の声が荒くなると同時に、これまで殆ど無表情であった里沙を見つめるなつみの顔が悲痛な色に染まった。 まるで子供が「イヤイヤ」をするように、激しく手を振って里沙から逃れようとしている。 断片的な会話からではあるが、この時の二人が話している内容は、なつみと飯田圭織、組織についての重大な秘密に関わる物だと里沙は直感した。 「お願い!声を聞かせて!」 絶叫に近い声で、里沙は必死になつみの腕を掴む。 なつみが激しくもがく度、腕からの血が里沙の頬を濡らしていく。 声は、さらに鮮明さを増した。 「私の予知は当たるのよ」 「うん…知ってる」 「私の見た未来は、未来の世界は……」 「駄目…だったの?」 「組織は世界を征服しようなんてやってるけどさ、それは世界あっての話でしょ?」 「私達、あれだけの事したのに、まだ足りないの?」 「まだ足りないかどうかはもう私には分からない。でもアンタはやんなきゃなんない」 「未来に何の希望も無いんだったら、私だって頑張れないよ!」 「何の希望もない未来は、少なくとも私が見た未来は、私が責任持って連れていく」 ―飯田さんの見た未来…? 数ある超能力の中で、予知能力というものは、最も特殊な力の一つであろう。 現に、リゾナンター7人の能力をコピーしてのけた里沙でさえ、光井愛佳の予知能力は再現できない。 「私が見た未来はね、“私ありきの未来”なのよ。だから私がいなくなれば、未来は変わるかもしれない」 「でも全然保証なんてないんでしょ?」 「私の予知は当たるの。何回も言わせないで」 「カオリ…」 「保証なんてこれっぽちも無いけどさ、私を未来に連れてくわけにはいかない」 「カオリが犠牲になんなくても、どうにかできる方法探そうよ?」 「なっちさあ…私、アンタのそういう優しい良い子ちゃんな所、昔っから嫌いだったのよね」 ガーディアン安倍なつみは里沙の顔を凝視したまま、その目から涙をこぼした。 里沙は今、紛れもなく飯田圭織の聖域を目の当たりにしている。 少女の坂をやっと登りきったばかりの里沙の胸に、一人の予知能力者の凄烈な決意がのしかかる。 「でも、信じてるからさ、なっちの事。アンタならやり遂げられる」 「私…そんなに強くないよ…」 「安倍なつみ!アンタは誰よりも強い!アンタがくじけたら世界はお終いなのよ!」 「私、強くなんなきゃいけないの…?」 「今まで私達はどれだけ血を流してきた?どれだけの屍を踏み越えてきた?7年前の中国の事、忘れてないよね?」 「忘れられる訳、ないよ」 「私達はまだ途中なの。私達は未来を次につながなきゃならない。それが私達の責任なのよ」 「私…今まで数えきれないくらい酷い事してきた。ここで逃げたら、私はただの酷い奴になっちゃう」 「そう。どっちにしろ私達のやってきた外道は消す事は出来ない。だったらせめてさ」 「世界を守った酷い奴になれって?」 「世界を守った酷い奴か!いいね、それ!」 ガーディアン安倍なつみは口を開け、何か言葉を発しようとしている。 ガーディアンが喋る。里沙の経験の中には前例が見当たらない。 それが、ホワイトスノーの獣どもの包囲網が狭まっていた事への里沙の反応が遅れた一因になった。 「カオリ!」 なつみがそう叫んだと同時に、白の破壊エネルギーが一斉に里沙となつみに襲いかかった。 きっと、飯田圭織が最後に聞いた言葉だったのだろう。 それがガーディアンごとこの聖域に踏み込んできたダイバーを排除するためのトリガーだったのだ。 「ちいい!」 とっさに里沙は高橋愛の姿を借りて瞬間移動能力を発動した。 とてもではないが、なつみを無理やり引っ張って跳ぶ余裕はなかった。 ギリギリのところで獣の脅威から逃れ、里沙は上空に身を躍らせた。 「安倍さん!」 上空から、破壊エネルギーのスパークが安倍なつみの小柄な体を飲み込んでいく光景が見えた。 まるで雪がなつみを覆い隠していくようだった。 白雪の光が収束した、と思った瞬間、なつみが立っていた場所から闇が奔流となって噴き上がってきた。 ―くぅ! 闇は天空に立ち昇り、物質的な質量をもって里沙の体を包み込んでいく。 闇の奔流に翻弄されながらも、里沙は目を見開いて闇の奥を見通そうとした。 この闇。この闇こそが飯田圭織の精神のガーディアン安倍なつみが守ろうとした物に違いない。 ―闇が溢れる…!これが飯田さんが予知した未来? ガーディアンが消え去ると共に、飯田圭織のパンドラが開け放たれたのだ。 彼女はこの闇を抱え込んで己の精神を封じ込めたのだろう。 世界を闇に包みこませるわけにはいかない。そのために、飯田圭織は己の精神を殺した。 なつみはその意志を引き継ぎ、笑顔と、優しさを捨てたのだと、闇に包まれながら里沙は思った。 ―真の闇…こんな物が世界を飲み込む未来が来てしまうの…? 絶望的な闇の奔流を受け止めながら里沙は、闇の奥にぽわんと揺れる、小さな光を発見した。 光はだんだんと里沙に近づいてくる。 そして近づくにつれ、光の中に浮かぶ風景が里沙の目に入ってくる。 夜の駅のホームで、制服姿の少女がベンチに座り、物憂げに俯いていた。 この少女を里沙は知っている。あまりにもよく知っている。 「光井…!」 飯田圭織が己の精神と引き換えに託した希望は、パンドラの底にあるものの名前は、光井愛佳であった。 リゾナンターの予知能力者、光井愛佳。もう一人の予知能力者であるこの少女に、彼女は未来を託したのだろうか? 里沙は闇の奔流をくぐり抜け、少女が浮かぶ光に手を触れた。 瞬間、光が弾けた。 一つの光が、九つの光となって、闇の中を天に昇っていく。 光の一つ一つに、ビジョンが浮かんでいる。すべて人の顔であった。 すべて里沙がよく知っている人物の顔だった。 高橋愛。 亀井絵里。 道重さゆみ。 田中れいな。 久住小春。 光井愛佳。 李純。 銭淋。 そして、新垣里沙。 ―私?私がみんなと一緒にいる? ―私はリゾナンター? ―飯田さんが未来を託したのは私達? 瞬間、急速に里沙の意識が遠のいていった。 「……おい、生きてるか?」 里沙は、誰かに頬を叩かれた感触で意識を取り戻した。 ドッドッドッドと、地鳴りのような音がする。 「とんでもない奴だねえ、まったく」 「吉澤さん…?」 「あんだけやりゃ、もうヘロヘロだろ。乗んなよ」 そう言って吉澤は後ろに顎をしゃくった。 吉澤が作り出したバイクがエンジンを唸らせている。地鳴りのような音はこの音だったのだ。 「あの…吉澤さん」 「さっきの約束なら憶えてるよ、忘れろっつうんだろ?」 「すいません…」 「これ以上ここにいてもしょうがねえし、詳しい話は後にしよう」 吉澤は殆ど抱きかかえるようにして里沙をバイクに乗せ、出口へ向けて走り出す。 タンデムシートで里沙は吉澤に寄りかかりながら、全身を包む疲労感に身を任せていた。 午前3時。新宿。BAR『ドレイク』 落ち着いた内装と、アジアン・テイストの音楽が特徴のこのバーは、吉澤ひとみ行きつけのバーの一つである。 組織の転送ゲートが開く予定の時間まで、ここで里沙と吉澤の二人は時間を潰すことにした。 元々飲みに行くという名目で本部を抜け出してきたのだから、アルコールが入っていた方が都合がいい。 「で、何か収穫はあったかい?」 吉澤はマティーニに添えられたオリーブを弄びながら、里沙に声をかけた。 飯田圭織に一体何があったのか?その答えを手に入れなくては今夜の一件は完全に徒労である。 「飯田さんは、自分から眠りについたんです」 「自分から?何で?」 「…分かりません」 果たしてあの時の二人の会話を、誰か別の人間に話すべきなのかどうか、里沙には分からなかった。 自分がこの先どう振舞うべきなのか、それも里沙には分からなかった。 「そうか…分かった」 「え?」 「分からねえって事が分かったって事さ」 軽く微笑んで、吉澤はグラスに口を付けた。その仕草が様になっている。 里沙もそれに倣ってぐいっと喉の奥に流し込んだ。途端に胸が熱を帯びて、視界が揺れた。 「強いですね…コレ」 「マティーニ一気でいっちゃってまあ…大丈夫か?」 しかも、里沙が飲んだのは吉澤好みのとびきりドライなやつだ。 酔いが急に回り、里沙の口から滑るように言葉が吐きだされた。 「吉澤さん。私どうすればいいんでしょう」 「どうするって、何をだよ」 「分かりません」 「分かっている筈だ」吉澤は口に出さず、そう確信していた。 ガーディアン安倍なつみとの戦いで見せたあの力は、本人に自覚がなかったとしても、 その心が今何処にあるか何よりも雄弁に語っていたのだから。 ―私と、この新垣と、何が違うのだろう? 吉澤ひとみにも新垣里沙にも守りたい物はある。きっと、安倍なつみにも、飯田圭織にもあったのだろう。 しかし、新垣里沙が守ろうとしている物は、他者のそれとは意味合いが違うのだ。 里沙が守りたい物は、こちら側にいては守り通せない。 だから里沙は、里沙の心はルビコンを越えた。 その事に自身が気付くにはもう少し時間がかかるかもしれないとしても、里沙は向こう側へ渡ったのだ。 何かかける言葉を探しながら里沙の方に視線を移すと、里沙はカウンターに肘をついたまま眠りに落ちていた。 限界を超える能力発動の疲労が、さっきの一杯でどっと表に出てきたのだろう。 その寝顔のあどけなさときたら、まるで子供かと思う程だ。この小さな体に、どれだけの決意が秘められているのだろうか。 「面倒な事になんなきゃいいけど…」 吉澤ひとみは里沙の寝顔と手元の酒を見比べながら、そうポツリと呟いた。
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/29675.html
登録日:2014/08/29 (金) 16 50 18 更新日:2023/02/22 Wed 14 35 27 所要時間:約 9 分で読めます ▽タグ一覧 V(ヴァンパイアハンター)系男子 おっさん ガチムチ キャッスルバスター クリストファー クリストファー・ベルモンド ドラキュラ伝説 ドラキュラ伝説Ⅱ ファイヤーボール ベテラン ベルモンドウォーク ベルモンド一族 ベルモンド家 マッチョ ロートル ヴァンパイアキラー ヴァンパイア・ハンター 主人公 夜を狩る一族 子持ち 悪魔城ドラキュラ 歴代最弱 生脚 競歩 筋肉 親父 鈍足 鞭 かつての惨劇が繰り返される中、一人の男が立ち上がる ベルモンド一族の末裔、クリストファー クリストファー・ベルモンドはGB専用ゲーム『ドラキュラ伝説』・『ドラキュラ伝説II』の登場人物。 後にWiiウェアでリメイクされた『ドラキュラ伝説Rebirth』でも主人公を務めている。 この項目では彼の息子・ソレイユ・ベルモンドについても記す。 ✝概要✝ 100年に一度邪悪な祈りによって甦る魔王・ドラキュラ伯爵}と彼に仕える夜の眷属を狩る宿命を背負う一族、 ベルモンド家出身の真正ヴァンパイアハンター。世代的には『悪魔城伝説』の主人公・ラルフ・C・ベルモンドと 第1作『悪魔城ドラキュラ』の主人公シモン・ベルモンドとの間に100年の年月を挟んで位置する人物。 無論、後の作品群のベルモンドのハンター達(ジュスト・リヒター・ユリウス)も彼の直系の子孫である。 実は第1作の公式ストーリーでも「英雄クリストファーが退治した魔王ドラキュラが復活し」と名前だけは登場していた。 ゲームとしての発売時期は2ヵ月と言うタッチの差で『悪魔城伝説』より先に『ドラキュラ伝説』が世に出てしまったので、 作中では祖先であるラルフとの関係については残念ながら全く語られていない他、両作品ともドラキュラ伯爵はまだ完全な魔王ではなく、 永遠の生命を求める邪悪な呪術師=魔と人の境界に立つ魔人という解釈が成されている。 悪魔城伝説では本来、ラルフではなくクリストファーの名を使う予定だったという説がある。しかしGB版がタッチの差で使用しやむなくラルフと言う新しい名を用意。当初の名残でセカンドネームにCを入れたのだと言う。実際にCはクリストファーと読むと書かれる紹介記事も少なくない。 ドラキュラ伝説では悪魔城に乗り込み伯爵を打倒したクリストファーだが、 実は伯爵は肉体と魔力の大部分を失いながらも完全には滅んでおらず(エンディングでも一羽の蝙蝠が崩壊した城の瓦礫から飛び去っている)、 15年もの雌伏の歳月を経てドラキュラ伝説Ⅱにてクリストファーの息子のソレイユ・ベルモンドが成人したのを機に再来。 聖なる力を身につけたソレイユを最後の魔力をかけて操り、その力を借りて自分の肉体を復活させようとした。 クリストファーは、息子を救い伯爵を倒すため、往く手を阻むように突如出現した4つの城を次々と攻略、 最後に現れた悪魔城にて操られたソレイユを下し、ドラキュラを今度こそ完全に倒し息子と共に崩れる城から脱出した。 ✝人物像✝ 物語開始時点で既に子持ちという歴代でも珍しいオッサン主人公(ユリウスは主役じゃないしね…)。 老け顔でオッサンにしか見えないというのではなく、マジに歳食ってるリアルオヤジヒーローである。 しかも『ドラキュラ伝説』が1576年、『ドラキュラ伝説Ⅱ』が1591年の出来事であり、 実に15年の歳月が経過してもなお主人公の大任をこなしているのは奇跡的と言ってもいい。 え?ガブリエル?トレバー?誰それ、僕ロードオブシャドウなんて知らないなぁ… また、一生涯のうちに2度もドラキュラと戦い、2度とも勝利しているあたり、 まさに生涯現役の古つわもの・酸いも甘いもかみ分けたベテランハンターという雰囲気である。(他明確に二回以上倒した例としてシモン[初代とそのリメイク、ドラキュラ2]、アルカード[悪魔城伝説、月下の夜想曲]等もいるが) 城なんて2作合わせて6つも落としている。(シモンもリメイク込まなければ一回[ドラキュラ2では既に廃墟]なのでこれは間違いなくベルモンド最多)最早キャッスルバニアじゃなくキャッスルバスター。 もっとも、2度戦った理由は最初の戦いでドラキュラを完全に滅ぼしきれていなかったからだが…。 それでも復活したドラキュラに対処したベルモンドは彼が最初なので(ラルフ健在時に一度復活しているが倒したのはヘクター)まだドラキュラ退治のノウハウがベルモンドに無かった故、仕方ないと言う見方もできる。 ベルモンド一族がまだお耽美化する前の時代に生まれたキャラクターなので、 超絶美形の御先祖様とは打って変わって ノースリーブの革鎧にむき出しの生脚が実にむさ苦しい眩しいマッスルダンディである。 パッケージイラストやゲーム画面を見ると背に盾・腰に剣という使いもしない武器を装備していたり、 城の崩壊を息子と見守る後姿は長髪にマント装備だったりとイマイチビジュアルが定まらない。 GBゆえあまりグラフィックに凝れなかったというのもあるのだろう。 リメイク版の『Rebirth』では額にサークレットをつけ、暗赤色のノースリーブ上着に きちんとズボンを穿いた上での革のブーツという落ち着いた格好に設定されている。 また、純然たるアクションゲームだったこの頃の悪魔城としては当然と言えば当然の仕様なのだが、 性格や台詞については一切設定が無く、Rebirthにおいてもそれは同じ(『悪魔城ドラキュラ ジャッジメント』のラルフの英語版ボイスを流用した掛け声はあるが)。 マイナーゆえに『悪魔城ドラキュラ ジャッジメント』などのお祭り企画でもお呼びがかからず、 そのお蔭で風情の無い魔改造をされることもなく、ひっそりと無個性主人公のまま現在まで伝わっている。 そのため、『最近の悪魔城は軟派』『イケメンは死ね』『男は黙って鞭を振れ』 ……といった主張の激しいオッサンゲーマー共には人気…かも。 テーマBGMについてはドラキュラ伝説はシリーズ内でも特にユニークな名曲が揃っているが、 あえて挙げるとすればドラキュラ伝説1面BGMの『Battle of The Holy』だろうか。何故かRebirthでは未使用で多くのファンが惜しんだ良曲である。 ドラキュラ伝説2の『New Messaiah』も有名。(こちらはRebirthで使われている。)ただし、曲名が「新たなる救世主」なので既にドラキュラを一度倒して高名であるクリストファーと言うよりかは新しいヴァンパイアハンターになるはずだったソレイユのテーマと言えるかも。 ✝能力✝ 独特のアクションとしては、アイテム『水晶玉』を取るごとに鞭がパワーアップしていき、 最大の第3段階になると鞭を振ると同時に先端から火球を発射しアウトレンジの標的に攻撃を当てることができるようになる。 サブウェポンが存在しない本作では全く制約なしに繰り出せる遠距離攻撃として非常に頼りになる。 ベルモンド家の中でこの能力を持っている者は他におらず、クリストファーの最大の特徴として印象深い。 そうでもないかも? 厳密には、『白夜の協奏曲』にて主人公ジュストがヴァンパイアキラーに装着できるアタッチメントのひとつに 『クリストファーソウル』なるアイテムがあり、これを装備して鞭を振ると火球の発射が可能になる。 『HPが満タンの状態でないと火球は出ない』という縛りがあるのがニクイ。 他にはベルモンド家の存在しない世界観を舞台とする『Circle of the moon』のヴァンパイアハンター、 ネイサン・グレーブズがDSSのひとつとして同様の能力を得られる。 『漆黒たる前奏曲』のソニア・ベルモンドも鞭の先端から火球を出せるが… ……まあ、彼女の歴史はクリストファーとはつながらないから。 また、エリア間の移動は悪魔城名物の階段が廃止され、吊るされたロープをアスレチックのように伝って移動するのがデフォ。 ちなみに面倒がってロープを伝わず飛び降りるとその先のエリアが安全だろうと関係なく即死する。 横着者には死・あるのみ。 ◆『ドラキュラ伝説』◆ クソ弱い。悪魔城最弱主人公の汚名をほしいままにするロートルオヤジっぷり。 まず足がべらぼうに遅い 。これは初期型のゲームボーイは画面を高速でスクロールさせると 背景の液晶が流れ・ぼやけてしまい見づらくなってしまうための配慮なのだがとにかく遅い。 「慎重派のプレイヤーなら有難いのでは?」と思いきや、ドラキュラ伝説はタイム制で 制限時間内にステージをクリアできなければ問答無用でがめおべら。 鈍いけど急ぐというジレンマの中にしかクリアへの道は無い。(それでも恐ろしいほど慎重にやるか、相当もたつかない限り急かされるようなタイムの少なさではない。) また、ジャンプ力も低めで全然高く跳べないくせに高所からの落下スピードだけはやたら速い。 おまけにギリギリまでジャンプのタイミングを見切らないといけない落ちる床や 落ちたら死ぬというシチュエーションが異常に多く、タイミングを掴むまでが一苦労。 初見殺しが多すぎて、とりあえずは一回死んでみるしかない。 「生きて勝とうなどとと思うな 死んで死んで死にまくれ それが男の闘いだ」By男塾二号生筆頭 赤石剛二 攻撃面ではなんとサブウェポンが無い。最初から最後まで鞭オンリー。 しかも鞭を振るスピードさえも遅くボタン入力からワンテンポずれる。おかげでキノコの出す高速胞子の処理に初見では苦しむことになる。 鞭はアイテム入手でパワーアップするが、ダメージを受けたらパワーダウンする。苦労して最強にしても二回殴られればまた最初から。 トドメには異様に処理落ちしやすい作品のため、ボタンを押しても鞭が振れない現象まで持っている。この作品では攻撃が最大の防御なのに… こんなないない尽くしでよくドラキュラとの戦いに勝てたと感心するばかりである。 英雄クリストファーとは、操作性の悪さと死に覚えるしかないトラップの嵐を潜り抜けた プレイヤーの不屈の闘志に冠された称号なのかもしれない。 (更にこのゲームは周回制であり、周回を重ねるたびに敵の攻撃力が倍増する事も追記したい。 その為クリストファーが受けるダメージも倍々で増加し、5周目になるとどんな攻撃でも一撃食らったら即死するという鬼畜仕様。被弾は許されない) 敵が来ようがトゲが迫ろうが悠々たる歩きを維持する精神力、姿を漢らしいと思う人もいるとかいないとか ◆『ドラキュラ伝説Ⅱ』◆ 老いらくの驚異的進化。 操作性が軒並み向上している。移動スピード・ロープから下降する時のスピードが目に見えてアップし、 攻撃面では待望のサブウェポンが実装。聖水と十字架の2種類しか無く連射もできないが、 他作品でもサブウェポンはこの2つがあればOKというバランスのことが多いので不自由は感じにくい (海外版では十字架ではなく斧となっている)。 また、防御面で前作では即死だった壁から突き出る棘トラップもダメージで済むようになったほか、 どんな形であれダメージを受ければ即パワーダウンだったのが、 毒キノコの吐く胞子弾以外なら当たってダメージを受けても鞭の強化段階は維持できるようになった。 前作から15年も経ったというのに衰えるどころか更なる力を手に入れたのは 弛まぬ練磨の成果か、我が子を救わんとする父の愛か。 ◆『ドラキュラ伝説Rebirth』◆ 単純なドラキュラ伝説のリメイクにとどまらず2Dアクション時代の悪魔城のお約束を詰め込んだ結果、 独自性の強かった原作とは大きくキャラ性能が変化した。使い勝手的には『悪魔城年代記』のそれに近いか。 鞭の第3段階はタイム制になり、3つ目の水晶玉を取ってからは専用のゲージが0になるまでの間しか 火球は発射できない。ゆえに遠距離戦闘では火球に頼らず、サブウェポンを有効活用する必要が出てくる。 そのサブウェポンもGB時代からさらに種類が増加し、新たにナイフ・斧・時計が追加された。 『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』や『悪魔城ドラキュラXX』で登場した、 使用することで特定の扉を開くことが可能になる『鍵』をサブウェポンとして持ち歩くシステムも実装された (ただしリヒターのように鍵その物を武器として用いることはできない)。 また、MAPは一変しドラキュラ伝説の特徴だったロープ移動は完全に廃止されている。 ちなみに、プレイにはnormalモードとは他にclassicモードが存在する。 classicモードは、ジャンプ中軌道修正が出来なかったり、サブウェポンがクロス、聖水だけになるなど、 旧作のプレイ環境に近づけた調整が施されている ✝ソレイユ・ベルモンド✝ 「あなたには ぼくをたおせませんよ…………父さん」 クリストファーの息子。長い髪(金髪だが画面内では視認性の問題で黒髪)をオールバックにした少年。 ゲーム中対峙した時は上下とも白の礼服のような出で立ち。 時系列的にはシモンの祖父である可能性が高い。 存在が明かされたのはドラキュラ伝説Ⅱからだが、ちょうど前作から15年後に 15歳の成人式を迎えていることから、前作の時点で既に生まれていたものと思われる。 作中では父ひとり子ひとりの親子という印象が強く、母親を始めとした他の家族については一切触れられていない。 父クリストファーからヴァンパイアハンターとしての技を学んでおり、 ヴァンパイアキラーこそ譲られていないものの、自身の鞭(練習用?)を装備している。 成人式を迎えようというまさにその時、ドラキュラの術中に堕ち姿を消してしまう。 復活を目論むドラキュラに操られてクリストファーに襲い掛かるが、激闘の末無事クリストファーに解放された。 戦闘時は鞭を揮っての基本攻撃に加え、積極的にベルモンドウォーク(練り歩くような例の歩法)で接近し、 容赦なく接触ダメージを与えてくる。サブウェポンの中では特に投剣術を得意としており、 3本の剣(ナイフというには大きい)を虚空に投げ上げ、その剣が時間差で飛んでくるという絶妙な技を操る。 剣の軌道にはいくつかのバリエーションがあり、3WAY気味に拡がって飛ぶほか、3本そろって垂直に落下してくるなど 機動性に乏しいクリストファーではパターンを記憶しておかない限り苦戦は免れない。 「親父より強ぇ」「このゲーム最強なのはドラキュラより息子」と多くのプレイヤーから実力自体は高く評価されている。 ドラキュラ伝説ⅡのベルモンドVSベルモンドによる親子対決という悲劇的ながら燃えるシチュエーションは 史上初の試みであり、これ以降も『月下の夜想曲』のリヒターや 『Circle of the moon』のヒュー、『白夜の協奏曲』のマクシーム、『奪われた刻印』のアルバスのような 何らかの理由で闇に堕ちたハンターとの等身大バトルが度々見受けられるようになった。 正当のベルモンドなのに闇堕ちし、後の歴史でも語られることは全くないということから 不名誉な影がつきまとう(ソレイユという名が『太陽』を意味するというのも皮肉)が、 敵の手に落ちたのも彼の精神の暗黒面に由るものではなく、あくまで伯爵の洗脳の影響に由るものであり、 また、彼もその後の一生を懸けてベルモンドの系譜を未来へ繋いだ功労者なのは確かなのである。 ✝余談✝ ★彼を主人公に『ドラキュラ伝説』のパラレル展開を描いたアメコミ『Castlevania The Belmont Legacy』が存在する。 こちらはイリアナという婚約者(つまりソレイユの母?)やデイモスという従者がいることが明らかに。 また、この作品でのクリストファーは金髪マッチョないかにもアメコミヒーローといった雰囲気で日本版より若々しい。 ★長らく一族最弱の名をほしいままにしていた彼だがリメイクのRebirthのTAS動画にてデンジャラスゾンビなるバグが発見され(ただし海外版限定)最弱から脱してめでたく?変態の仲間入りを果たした。やったね!!! 「画面切り替え時と同時にライフ0になるとそのままゲームを続行できる」と言うものでこれを使えばいかなる攻撃も無力化することができる。当たっても効かなければどうということはない!!! 叫びながら(ライフ0時の断末魔)とともに部屋に入室する姿はまごうことなき変態。 ちなみに元ネタも「ダメージを受けた直後の無敵状態を常時維持する」というもの。 ★ドラキュラ伝説の時代よりもはるか未来を描いた作品『ギャラリーオブラビリンス』にて 主人公・ジョナサン・モリスが真にヴァンパイアキラーの継承者となることで 歴代ベルモンド家のヴァンパイアハンターたちの英霊を召喚する「グレイテスト5」なる奥義を使えるようになるのだが、 降臨する英霊はレオン、ラルフ、シモン、ジュスト、リヒター。 …………誰か忘れちゃいませんかね。 追記・修正は項目内を練り歩いてからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 2度ドラキュラを倒した猛者 -- 名無しさん (2014-08-29 16 54 45) いろいろ書いたけど『ドラキュラ伝説』自体は難易度が極度に高いだけで決してクソゲーではない。 -- 名無しさん (2014-08-29 16 56 24) しかしソレイユはよく無事に鞭の継承できたな。闇に堕ちたのが継承前だったからかな?(リヒターは使用不能になっている) -- 名無しさん (2014-08-29 18 22 32) tas動画でシリーズお馴染みの変態的挙動がないため最期の良心と言われてたりなかったり。 -- 名無しさん (2014-08-29 19 08 40) もっと悪魔城系の項目たったら良いなぁ -- 名無しさん (2014-08-29 20 05 24) 良ゲーwikiにも書いてるけどドラ伝2はシリーズ屈指の面白さ。クリストファーも普通に動けるし。 -- 名無しさん (2014-08-30 13 21 18) 周回が進んだ後の2面開幕が難易度高すぎる -- 名無しさん (2014-08-31 13 56 33) あ、ドラキュラ伝説のことです -- 名無しさん (2014-08-31 13 57 00) 格納部分の「クソ弱い」でスマホに茶ァぶっかけちまったぞ畜生!w -- 名無しさん (2014-09-06 19 34 47) 一説には、既にヴァンパイアキラーを息子に授けてしまったあとドラキュラ伝説Ⅱの冒険に臨んだというのもある。余計強すぎだなw -- 名無しさん (2014-09-23 18 00 27) ↑↑確かにWW 、笑うなってのが無理WWWW -- 名無しさん (2014-09-23 18 59 37) 確かシモンの曾おじいさんなんだよね。 -- 名無しさん (2014-09-23 20 23 25) 世代的によほど若死にした先祖とかが挟まっていない限りはそうなると思われる。それでラルフのミドルネームがこの人と一緒なので、ひょっとするとフルネームはクリストファー・ベルモンドⅡ世だったりして… -- 名無しさん (2014-09-23 21 30 40) ドラキュラ伝説ステージ1の「battle of tha holy」は音質こそ古いものの勇ましい名曲、是非ご視聴あれ。 -- 名無しさん (2014-10-05 14 58 42) >ドラキュラ伝説』自体は難易度が極度に高いだけで 操作性だけはシモンリスペクトとしても擁護不可能だけどな2でまともになってよかった -- 名無しさん (2016-12-22 23 26 17) HP0で無敵状態になれるバグが発見されてしまったようで、まさにデンジャラスゾンビィ -- 名無しさん (2017-10-17 22 09 40) 何故ヴァンパイアキラーの中のサラの魂は彼のことを忘れてしまったのか -- 名無しさん (2018-10-13 20 03 26) 世間公認の吸血鬼ハンターになったのは一族ではラルフが初(それまではベルモンドはモグリ)だから、初代メシア=ラルフと考えれば新メシアはクリストファーってならないか? -- 名無しさん (2021-01-18 15 54 13) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/niconicomugen/pages/2035.html
「問う! 真の統率者とは誰かッ! ‥‥即答せよッ!!」 出身地 アメリカ 生年月日 1949年1月22日(FF) - 11月15日(CVS2・SF) 身長 182cm(FF) - 181cm(FF2) - 180cm(SF) 体重 80kg(FF) - 70kg(FF2) - 81kg(SF) スリーサイズ B122 W86 H90 血液型 A型(FF2) - O型(SF) 好きなもの 規律、統制 ファイティングスタイル 白兵戦術(CVS2) - 軍隊格闘術(ウルIV) + その他 嫌いなもの キクガシラコウモリ、オオハラブトツノガイ――ガマンすれば喰えないこともない(FF) 軟弱、怠惰(SF) 特技 オリジナルトラップ考案・設置、アンブッシュ 兵器の扱い(SF30thAC) キャッチコピー 集え凱歌の朝のため(ZERO3) 単身戒厳令(CVS2) 目指すは究極理想国家(ストクロ) 理想国家のために(ウルIV) + 担当声優(Wikipediaより引用・改変) 山野井仁 『ZERO2』『ZERO3』『CVS2』『ストクロ』『ウルIV』(日本語音声) Alan Smithe(Daemon Clarke) 『ストクロ』『ウルIV』(英語音声) 原沢勝広(現・はらさわ晃綺) OVA『ZERO - THE ANIMATION -』 『ストIV』シリーズ以降は過去の声優の殆どが一新される傾向があるが、ロレントは山野井氏が『ZERO』シリーズからそのまま続投している。 ZERO3 最強の軍人国家を成すべく 突き進むコマンドー、ロレント 「究極の国防」を実現するために 必要なのは強力な同士‥‥ 目をつけたのはかつての敵 コーディーであった 果たして‥‥ロレントの野望は 見事達成できるのであろうか カプコン製ベルトスクロールアクション『ファイナルファイト』シリーズのキャラクター。 世界観を共有する『ストリートファイター』シリーズにも、 『ストリートファイターZERO』シリーズ(『ZERO2』以降)や『ウルトラストリートファイターIV』に、 またクロスオーバー作品の『CAPCOM VS. SNK 2』や『ストリートファイター X 鉄拳』にも参戦している。 キャラクター設定 フルネームは「ロレント・F・シュゲルグ」。出身はアメリカだが生まれは旧西ドイツである。 犯罪組織マッドギアの元幹部。 所謂傭兵であり、階級は軍曹。特殊部隊レッドベレーに所属していた経緯を持つ。 軍隊至上主義者であり着用している軍服も然る事ながら、普段の口調、行動すら軍人然としている。 アメリカ国民全員を軍人とし、究極の国防と完璧な平和を両立する軍事国家を立国しようという、何ともとんでもない願望を持っている。 その外面・内面ともに『北斗の拳』に登場するカーネルの影響を強く受けていると思われるキャラクター。 余談だが、山野井氏は『ロックマンX4』でカーネルという同名の敵役を演じた事もある (彼もまた理想国家のために手段を選ばない軍人気質な性格が災いしてイレギュラー認定された人物)。 性格はハートマン軍曹を髣髴とさせ、とても人道的とは言い難い面を持つ。 語尾に「ッ!」が付くのが特徴。 『ファイナルファイト』シリーズ時点で既に生年月日や血液型などのプロフィールが設定されていたが、 後の格ゲー作品などでは受け継がれず、新たな誕生日や血液型が設定されている。 勝利のためにはどんな手段も問わないという信条があり、扱いに長けたロッド攻撃や爆薬・銃器を戦闘に織り交ぜる。 生身の人間に手榴弾を投げ付けるなど平気でやらかすので、たまったものではない。 果ては『ファイナルファイト リベンジ』のスーパームーブ(超必殺技)でヘリによる銃撃をしだす始末である。 しかし自分が悪人であるという自覚は無く、欲望のためではなく全ては「完璧な平和」のために動いていると語る。 『ZERO2』のエンディングでは自身の目標と、自分こそが指導者であり次期国家元首である事を知らしめるために、 アメリカ市内を装甲車で走り回り、部下と共に呼び込みを行うという派手なデモンストレーションをやらかしている。 『ZERO3』では嘗ての宿敵であるコーディーの実力に目を付け、 過去を水に流してまでスカウトしようとするが、既に囚人として堕落してしまっていたのを見て憤慨。 ロレントなりの叱咤激励を飛ばした後、今度は戦力増強のためにベガ率いるシャドルーの軍備兵装を狙う。 エンディングではサイコドライブによる洗脳を唾棄すべきものと語っており、立国にも彼なりの美学があるようだ。 そしてサイコドライブ破壊後は、一部始終を見て協力を誓ったソドムを同志と呼び、野心を更に強めていく。 余談であるが、ソドムは自身のエンディングと同じく、このときもトラックに乗ってやって来る。 ちなみにこのトラックは『ZERO2』のホームステージの背景にあるのと同じものなのだが、乗り回しているのだろうか……。 『EX』シリーズではロレント本人こそ登場しないものの、 かつてドクトリン・ダークが所属していた特殊部隊を襲って壊滅させており、彼から復讐心を抱かれる原因となっている。 しかし原作では残念ながら彼らがゲーム上で相見える事は無い(MUGEN上ならば彼らの直接対決も実現できるが)。 『CVS2』でも『ZERO』時代同様、同志を集めるべく大会に出場している。 特にハイデルンの傭兵部隊との接触を望んでいたようなのだが、 生憎と彼等は背景キャラになっていたためか(どうかは不明だが)失敗に終わった。 勝利時での相方との掛け合いでは自らの思想を熱く語ったり、相方を部下のように扱い檄を飛ばしたりしているが、ほとんど相手にされていない。 果ては同キャラ同士で軍人ごっこまでしだす始末。 「戦闘終了ッ!我が隊の被害を報告せよッ!」「はっ!被害僅少、問題なしでありますッ!」 春麗やキムからは悪人扱いされている。 かといって同じ軍人とも気が合うわけではないらしく、軽くあしらわれている。 他にも「狂信者」「狂人の寝言」、「立国マニア」、「イカレ軍曹」、「変な薬でもキメてんじゃないの?」、「攘夷的思想」、 ……とロクな呼ばれ方をされていない。一応仲間なのに酷い扱いである。 「敵の息の根を断つまでが、戦闘だッ!!」 「なんか、遠足の帰り道みたいなセリフだね」 『スーパーストリートファイターIV』にある、ロレントステージに非常によく似たメトロシティ超高層ビルの工事現場ステージは、 実はスタッフが「新キャラのステージ作るんですって?よし作りますよ!ロレント出ますよね!作っちゃいますからね!?」という、 本当にその場の勢いで作ってしまったものだったのだ。 小野プロデューサーも「あれは完全にロレントのために作られたんです」と認めている。 当時はまだ『スパIV』の新キャラにロレントが確定していたわけでもないのに(会議の結果、惜しまれながらもお蔵入りになった)、 開発陣の中でも圧倒的にロレントの人気が高かったため、誰も止めようとせずハイクオリティなステージが誕生したのであった。 ちなみにその時ロレントの代わりに会議で参戦が確定したのがアドン。アドン?アドン!…………アドン………。 しかし、スタッフのロレント愛は死滅してはいなかった! 2012年発売の『ストリートファイター X 鉄拳』に出場。公式タッグの相手はなんといぶき。 『CVS2』からすると実に10年振りの参戦である。スタッフの苦労がついぞ報われた瞬間であろうか。 公式で見られるスーパーアーツが新規技になっている辺り、なんというか愛を感じざるを得ない。 一方のクロスアーツではいぶきに呼び出された際「貴様ぁ~、上官に向かってッ!」と言いつつもちゃんと追撃。なんだかんだ言って協力的な御仁である そして2014年稼働のアッパーバージョン『ウルトラストリートファイターIV』にも参戦、本家シリーズへの復帰を果たした。 気になる個別ストーリーは「S.I.N.が開発した能力強化装置を軍備拡張のために強奪を計画する」というものである。 アニメパートではキャラクターのイメージを重視しての事であろうが、銃弾が飛び交う本物の戦場でもロッドを用いて戦っている。 + 他人の空似 人気パチスロ『快盗天使ツインエンジェル』のアニメ版第4話でロレントそっくりなお方が登場している……が、 彼は単なる制服マニアの変態なのでロレントと何の関係も無い。 ちなみに彼の母親はアンドレそっくりである。どうしてこうなった。 なお、『ツインエンジェル』のキャラはSHELD氏によってMUGEN入りしている。 ストーリー動画を作る際は、再現がてらにロレントを出してみてはいかがだろうか? キャラクター性能 『ファイナルファイト』ではステージ4のボスとして登場。エレベーター内で決戦を挑む。 はじめはエレベーターの正面の梯子を上りながら手榴弾で攻撃し、 頂上に着くとロレント自身もエレベーターの中に降り、後はプレイヤーキャラクターと直接の勝負となる。 体力がゼロになると自分に手榴弾を投げて自爆する(この時の爆風に攻撃判定は無い)。 SFC版ではステージ4はカットされているため、直接戦った事が無いプレイヤーも多いかと思われる (メガCD版を始めとした他機種移植では収録されている事があるので、 アーケード版を知らないコンシューマユーザーにとっては「知る人ぞ知る」存在だった)。 これはGBA版のリメイク『ファイナルファイトONE』では囚人時代のコーディーの対戦前の会話でネタにされている。 参考動画 上記の通り、文字通り自爆したため、ラスボスのベルガーと同様に死んだと思われていたが、 『ファイナルファイト2』においては「宿敵」として颯爽と復活を果たした。 独特の歩法による捕らえ辛さとハメ辛さ、発狂時のこれでもかと言わんばかりの手榴弾連射によって、ラスボスよりも強い印象を残した。 ただ前作と違って戦うステージが広いので、 距離を大きく離してロレントの攻撃に合わせて対処を変えていけば、前作より楽に戦える。 この作品で後に『CVS2』及び『ストZERO3↑↑』で共演するマキと死闘を繰り広げる事になるのだが、 『CVS2』の勝ち台詞ではお互いその事には触れず、初対面であるかのようになっている。 プレイアブルキャラでの性能はシリーズ通してスパコンが使い辛く(精々使えるのは「テイクノープリズナー」ぐらい)、 コンボに利用出来る技が少ないという特徴を持っている。 そのためロッドを使ったリーチが長めの攻撃や、豊富な移動技や奇襲技を使ってチクチクと攻めて行くのが基本。 オリコンに関しては、独特の挙動を生かしたコンボは難度は高いがかなり強力。 特に『ZERO2』時代はハイジャンプキャンセルを利用したオリコンは8~10割近く奪う程だった。 後に海外版移植+調整版の『ZERO2 ALPHA』では調整が入って全く減らなくなってしまったが。 概してキャラランクはトップクラスに位置する事はあまり無く、中堅クラスが多いが、 独特の動きやキャラの濃さから愛好者は多い。 参考動画 『CVS2』では各種技の性能が非常に良く、ヒットアンドアウェイによる立ち回り、速いジャンプに判定が強い多段ジャンプ攻撃、 「テイクノープリズナー」がコンボに組み込める等、独特な動きは健在だが強キャラに分類される。 あのサガットを立ち回りでは圧勝(サガットの間合いの外を動き回れる)、 更に速いジャンプから繰り出される多段ジャンプ攻撃は、座高の高いサガットではよほど神経を集中していないと対空の反応が間に合わない事が多い。 この様に常にロレントペースの戦いになる事から、ロレントの強キャラっぷりが分かるだろう。 同作においてはスーパコンボの「スティールレイン」や挑発(手榴弾を放る)を利用した相打ちコンや、 ダンと同様に、ダウン時にオリコン等での投げられ判定が存在するために、 恭介と並んでコンボムービーに出る機会は多い。主にやられ役として。 参考動画 「目指すは恒久平和! 理想国家の夜明けッ!」 MUGENにおけるロレント + 悪咲3号氏製作 悪咲3号氏製作 お馴染み『CVS2』仕様。 氏の引退により長らく入手不可であったが、現在は2022年4月の活動再開に伴い再公開されている。 AIは未搭載だが、大艦氏及びホルン氏による外部AIが存在。 大艦氏のAIは蓬莱氏のサイトにて代理公開されていたが、最新版非対応かつ現在は入手不可。 ホルン氏のAIは恒例のコンボ・立ち回り・反応・ガードレベルに加え、ブロッキング&ジャストディフェンス頻度、グルーヴの設定が可能。 想定ランクは強~凶下位との事で、高レベルにすると非常に堅実かつクレバーな立ち回りでかなりの強さを発揮するため、 強いロレントを欲している方には是非おすすめしたい。 ただし、ジャストディフェンスに(キャラ側の)バグがあり、使用するとキャラが固まってしまう不具合があるので使わせない方が無難だろう。 + rei氏製作 rei氏製作 『CvS2』仕様。 対人戦向けながらよく動くAIも搭載されているため、動画では主にこちらが活躍している。 + 成長トナメ ネタバレ 成長トーナメントでは軍人チームの先鋒として出場。 予選から決勝におけるまで一度も勝利せず、「戦闘力の変わらない唯一人のロレント」などと呼ばれていたが、 早く倒せばそれだけ体力が増えるこの大会において、 相手の攻撃にしぶとく耐え、かつ相手を倒さず体力を削り、ゲージを温存して回す事により、 元々硬い中堅を不沈艦と言わしめるほど育て上げた。 決勝戦においては、既に成長しても意味の無い事を悟ったかのように、視聴者の予想を裏切り相手の先鋒を撃破。 最終戦まで見据えた作戦をみごと完遂し、ロレントは成長トーナメントを象徴するアイドルとなった。 また、成長システムという特異なルールにおいては「先鋒はただ勝てばよいのではない」という戦法を生み出した業績から、 以後の成長トナメにおいてロレント的ポジションというものが確立された。 + 正統派作品別トナメ ネタバレ 正統派作品別トーナメントではファイナルファイトチームの先鋒として出場。 予選において真吾や兵太、ダンなどの三枚目な先鋒達が勝利を収める中、 ロレントのみ一度も勝利する事ができなかった。あのKFMですら一勝しているのに、である。 出番が来るたびに視聴者に今度こそは今度こそはと期待させるものの(非常に惜しい勝負も幾つかあったのだが)、 開幕3秒でK.Oされるなど、期待と裏腹に全く振るわない成績だったため、 チームメイトの優秀さと比較してロレントは「ハンデだ」「FFチームのマスコットだ」「いやマキのイントロだ」 など散々な言われようだった。 しかし、そんな視聴者の声に負けず相手のHPを削りながらも、 毎回ゲージをマキに残して負けるなど頭脳プレーを見せ、チームを決勝トーナメントへと導いた。 …といっても過言ではないだろう。たぶん。 決勝トーナメントにおいては…この先は自分の目で確かみてみろ! + Fido氏製作 Fido氏製作 現在は入手不能。 氏独自のアレンジ規格「MXシリーズ」のキャラ。 独自のゲージと派手なエフェクトが特徴。 + Acey氏製作 Acey氏製作 MVCアレンジ。 部下がミサイルで援護する技とロレント自身が戦車でひき逃げする技の2つがゲージ技として追加されている。 AIも付いているものの昨今のAIインフレについていくには厳し目。 現在公開されているものは新MUGEN専用。 + Mulambo氏製作 ROVELOCE Mulambo氏製作 ROVELOCE ピングーやコンプゲー『Street WTFighter』の作者であるMulambo氏によるロレントの皮を被った誰か。 常に灰色の背景に囲まれているが一部のカラーではそれがなくなる。 凄まじい量の手榴弾やナイフを投げつけたり、ロッドで相手を何度も叩きつけたり、 挑発モーションで激しいBGMと共に謎のダンスを踊るという凄まじくカオスなキャラである。 この他、『ZERO3』仕様のロレントも存在しているが、AIが未搭載なためあまり動画では出番が無い。 ニコMUGENでは色々な意味で活躍しているロレントだが、 彼の所属していたチームはいずれも非常に優秀な成果を収めている。 あまり名誉な話ではないかもしれないが、もはやロレント伝説が存在するといっても過言ではないだろう。 「兵士が帰還すべき理想の国家 完全なる平和を築いてみせる! この吾輩の崇高な理念でッ!」 出場大会 + 一覧 シングル MUGENなんたら大会 『武器使い編』 ゲージMAXシングルトーナメント【Finalゲジマユ】 オールスターゲージ増々トーナメント EPO成長トーナメント【えぽ】 MUGEN祭 大盛りシングルトーナメント ストリートファイター VS 餓狼伝説 龍虎の拳 第2回MUGEN全米格闘王選手権 【MUGEN大祭】特盛りシングルトーナメント タッグ レミートーナメント 大小タッグトーナメント 沒主題比武小會 大会であまり見ない男達と男女タッグ大会 統劇!MUGEN オールスタータッグトーナメント2010 今日の友は明日の敵タッグサバイバル大会 ゲージ増々タッグトーナメント ストリートファイター&餓狼伝説タッグバトル! SF&餓狼&龍虎タッグバトル2 友情の属性タッグサバイバル 強ランクタッグ 1R先取リーグトナメ なんとなく組ませてタッグトーナメント チーム 第2回 漢だらけの格闘大会 色別対抗戦 成長トーナメント チャン・コーハン主催?MUGEN脇役トーナメント 大貧民ルールでランセレバトル 正統派作品別トーナメント 盟約ランセレ成長サバイバル 作品別グランプリ 無茶?無謀?第5弾 『成長+大貧民』 作品別 わりと新しくできたキャラとAIトーナメント ほぼ作品別トーナメント【総勢128チーム】 24チーム・96人・ランセレ・特殊能力・サバイバルな大会 一文字テーマ別 3on3チームトーナメント 正統派異端系テーマ別チームトーナメント 素数杯 格闘スタイル対抗!チームバトル大会 危険な町!サウスタウントーナメント 新春テーマ別チームバトルF その他 全員集合ランセレパーティバトル 霊夢争奪戦第二幕 第2回俺と俺の嫁が最強だトーナメント【嫁自慢トナメ】 Fighting Game Babies 大番長勢力属性別全国制覇タッグ戦 投げの可能性サバイバルバトル!【ザンギ杯2】 マイBOSSマイHERO DRAMTICバトル 版権VSオリジナル 交代制作品別トーナメント 第二次四大勢力大陸争覇戦 ほこ×たて杯 最強の男たちVS最強の女たち 軍人選手権 覇王の大陸 六大勢力大陸争覇戦 金ラオウ前後狂中位級ランセレバトルFINAL EDITION Xevel vs Yeen vs Zagan 三つ巴チーム対抗戦 新章 第五回 希望vs絶望 final無理ゲー挑戦大会 更新停止中 AIが止まらない!グランプリ ルーキーズ集結!男女ペアNewAgeトーナメント マイBOSSマイHERO DRAMTICバトル MUGENの迷宮 凍結 陣取り合戦TAG 春なのにモテないからタッグトーナメント開く マイBOSSマイHERO DRAMTICバトル マイナー強~並時々メジャーたまに凶大会 Big Bang Age 削除済み MUGEN学園部対抗トーナメント 【良曲で贈る】強・珍・良キャラの宴【核林檎杯2】 マイBOSSマイHERO真・決定戦 CAPキャラ大集合 成績別ランセレバトル 悪役4人 VS 正義1人 勝ち抜き大会 夏の作品別サバイバル 非表示 マイBOSSマイHERO DRAMTICバトル 出演ストーリー K&K MUGEN STORIES INFINITY アイマスター 織姫座のバルログ スターダスト美鈴 畳の錬金術師 ~畳屋編~ デッドマンズ ナイトメア・ハンターズ 飛竜の旅 無限の果てに。
https://w.atwiki.jp/cfsc/pages/107.html
オリジン(オルタ)アコライト インファント サーチャー サモナー シャーマン シューター セイジ ソーサラー ナイト ネゴシエイター フィスト フェンサー プリースト パンツァー マーチャント メカナイゼーション リターナー(オルタ) ロード 時空破断秘剣使い アストロノーツ 鬼神衆 呪術師 仕事人 十手持ち 天狗 デイブレイカースイーパー ネクロソーマ ハッカー メルカバ ルイムニーイェーガー オルファンラストマン オリジン(オルタ) ファンブック「オリジン・オルタナティブ」で追加されたミーム。相似世界オリジンの住人たちのデータ、という特殊な世界背景を背負っているため、その使用には注意が必要だ。テレオスやチェレン程ではないにせよ、使いたい場合はGMに確認したほうがよいだろう。 データ的には従来のオリジンのそれとよく似ている。 《※森羅応現》オリジンの《※剣の誓い》とよく似ているが、こちらは射撃値が上昇する。 《※疾風の加護》マイナーアクションがセットアッププロセスのどちらかの特技をもう一回使う、というユニークな特技。1シーン1回とはいえ、汎用性の高さは魅力だ。 《※ガルガリエル》全属性の防御属性を与え、かつダメージを増強する特技。これさえあれば邪炎と根源以外の攻撃は怖くない!具体的には光翼騎士に使って《きらめきの壁》などしてもらえばよい。代償がやや重めだが、使用制限がないのもグッド。 アコライト 《※賛美歌》味方全員のフレア代償を-1する。味方に大きくフレアを消費する特技をもったものがいる場合は有効だろう。 ただし最低でも1枚は消費しなければならない。そのためフレア消費が激しくても1枚支払う特技を何度も使うような構成には無力である。 《※再生の祈り》イニシアチブで戦闘不能を回復する特技。さり気なく「1ターンに1回」使えるので、これを持った味方がいる場合、ミドルで戦闘不能になった時は大人しく倒れてもいい・・・かもしれない。 無論、GMの本気度と状況次第では容赦なくとどめを刺される可能性があるので注意。また、クライマックス戦闘で光翼騎士に使う場合、同じタイミングで《永劫の刹那》などで行動を追加される可能性がある点は忘れないように。イニシアチブフェイズでの行動順は、「行動を追加する特技があとになる」のでこの現象は起こらない。 《※聖誕歌》実質、ソフィアの合致した屑札を一枚Aに変える、効果を「味方全員に」与える特技。シナリオ1回とはいえ、PT全体で屑札が4枚Aになると考えればその効果の強さは推して知るべし。 インファント 貴重な根源が高いブランチ。支援に向く。 《※限りなき可能性》根源+2はおまけ。この特技の真価は「1ターン1回まで」のインファントの特技を3回まで使えるようにすること。 この効果に該当する特技は《イノセントアイズ》《天運の導き》《警告の叫び》《子供のカン》。それぞれ効果は同意を必要としない判定の振り直し、判定を根源で行う、ダメージ-根源×2、味方の判定のクリティカル値-2、となる。 《イノセントアイズ》とこの特技を取得するだけで振り直し特技3個分、ということだ。極めて強力な特技である。 《※とっておきの機転》ダスクフレア限定とはいえ、相手の判定をファンブルにした上でダメージを与えるというとてつもなく恐るべき特技。 判定をファンブルにする、ということは出目0の上で達成値を-20する、ということでもある。敵の回避に撃ちこめば、差分値を大量に稼ぐことが出来るだろう。勿論敵の攻撃に使い、回避を簡単にしてもよい。 サーチャー 自動取得特技に隠密状態での攻撃特技と隠密状態になる特技がセットで存在している便利なブランチ。 《影の歩法》行動値が+魔術、ということは自動取得特技の《奇襲攻撃》のダメージが+魔術点、ということでもある。輝きの紋章や数珠などと合わせることでダメージを大幅に増やすことができるだろう。 サモナー 《妖魔同調》分類:使い魔さえ装備していれば全ての判定を心魂値で行える。情報収集も購入判定もだ。最大限活かすなら心魂値の高い聖戦士か執行者がいいだろう。 《※賦活の激励》種別:強化は重ならないとはいえ、他人の達成値を魔術×2点上昇、という効果は強力だ。どうせなら《森羅応現》した状態で使いたい。 シャーマン 《※月霊の復讐》「対象が受けた」攻撃によるダメージ、ということは自分が受けたダメージである必要はない。味方の光翼騎士が受けた即死級のダメージの半分を返せるのだ。もし味方が《※カマエル》などを持っていたとしたら…… 属性は変更されないので、《輝く闇》には無力であることを覚えておこう。 シューター 《※迅雷の一矢》自動取得特技の《機会射撃》が白兵・射撃攻撃両方に対応しているため、この特技を取って射程:シーンの武器を得るだけで立派な突き返し光翼の出来上がりである。 《※メテオレイン》何度でも使える攻撃の対象:シーン化特技。代償こそ重めだが、ダメージの上昇効果までついている。 セイジ 《叡智の深奥》《専門知識:医学》と《高速陣形》は判定に影響を及ぼさないのでこの特技と組み合わない点に注意。 《※フレア集積》ダメージの上昇する《刻の螺旋》。使用回数に注意して使おう。 ソーサラー 正統派魔法使い、と見せかけて《魔法剣舞》で武器の基準を魔術に変え、《魔力弾幕》《※万軍撃破》で敵を殴る魔法戦士。勿論呪文書を使ってもいい。 《魔法の城塞》味方の最大HPを上昇させる特技。若干HPが不安な光翼騎士の底上げになる。 ナイト 肉体で語るブランチ。シングルブランチでより大きい肉体が欲しい場合、ミーム共通特技の《※猛き獣魂》を使おう。 《※一刀、あるのみ!》達成値増加とダメージ+差分値が両方つく。束縛を受けるが、《不退転の覚悟》と同時に使えば気にならない。 ネゴシエイター 《※私が注意を惹く……》直後の対象の行動を「あなたのみを対象にした」行動とする特技。《星を落とすもの》などの使用を抑制する。 あなたのみを対象にしたメジャーアクションが存在しない場合は効果を発揮しない。よって、相手が武器の関係で常時範囲攻撃になっている場合などは意味が無い、ということになる。まぁ、めったにないとは思うが…… フィスト とにもかくにも素手で勝負するブランチ。武器の調達が必要ないのはメリットか。 《※一撃必殺》代償が重く、素手のみで、覚醒していなければならないが、シーンに1回使えて反射もない《※オファニエル》である。所持している場合、ミドルフェイズでの任意覚醒も視野に入るだろう。 フェンサー 《カマイタチ》タイミングこそ限定されているが、「好きな白兵武器の射程を遠隔にする」ユニークな効果を持つ。射程:至近の武器があれば、遠距離からの攻撃への突き返しに対応できるようになる。 プリースト 《※因果の変転》判定のダイスを5個減らす、恐るべき特技。初期作成のダスクフレアなら大抵判定に使うダイスは6個なので、事実上ダイス1個で判定させることになる。期待値で17.5の差分値を稼ぐことができる上、3分の1でファンブルである。 味方に《タンブルスラッシュ》などのファンブル値を上昇させる特技の使い手がいればより効果的であろう。 パンツァー 肉体を技術を交換する関係上、LPが低い点に注意すること。 《特殊戦闘薬》《※俺が蹴散らす》上記の理由により、LPがゴリゴリ削れるこれらの特技を使う場合、慎重を期する必要がある。 《※最後の一花!》差分値×2特技に達成値上昇効果がついている。ダメージを自分も受け、対象が単体から変更されないなどの欠点はあるが、まず気にならない。 《捨て身の覚悟》と比べた時の問題点は、代償と移動する効果がないことか。 マーチャント 《高級薬品》コーポレイトの《火砲支援》の回復版。10点財産点を投下したとして期待値で社会+70点+元々のアイテム分回復することになる。種別:防御の特技などと組み合わせて使えば、ダスクフレアの攻撃を1回分帳消しにできる・・・かもしれない。まあ、自分が光翼騎士なら《即時調達》で温泉を購入するほうが手っ取り早いのだが…… 《常備薬》があればタイミング:マイナーアクションの回復アイテムをイニシアチブプロセスに味方に使用出来る。味方に強力な種別:防御の特技をもったものがいるなら、一考の余地はあるかもしれない。 《支店開設》シナリオ中、ずっと購入判定の達成値が上昇する。オープニングで使って、ひたすら購入判定を繰り返そう。 《※世紀の大豪商》実質社会+3、初期財産点さらに+社会、交易商人の使用回数増加、と盛りだくさん。シングルミームでやるなら是非欲しい。 メカナイゼーション 《※破滅の豪雷》攻撃の対象:シーン化特技。武器が使用不能になるデメリットがある・・・が、実はミーム共通特技に《予備武器》という装備中の武器の使用不能をイニシアチブプロセスで回復出来る特技があったりする。 組み合わせれば、ラウンド1回なら使いたい放題である。同じく武器が使用不能になる《フルバーストアタック》と組み合わせて使おう。 リターナー(オルタ) オリジンのリターナーと大差ない。やはり《生死去来》を用いた光翼騎士に向く。 ロード 《※高貴なる魂》やはりシングルミームなら必須であろう。 地味にマーチャントの特技らと重複する。勿論《※高貴なる魂》の特技はマーチャントの特技に効果はないが、《商才》などによる社会の上昇は《※高貴なる魂》とバッティングしないのだ。もしロードの特技をメインで扱うなら、マルチブランチしてみるのも一興だろう。 時空破断 『天下繚乱』TRPGとのクロスオーバーを再現したミーム。例によって使用には注意しよう。 《※玄武の魂》《※朱雀の魂》《※青龍の魂》《※白虎の魂》各コロナごととの専用デイブレイク。いずれも強力なため、シングルミームなら取得して損はしないだろう。 秘剣使い サンセットルビーを導入する場合、新ルールクロスミームブランチにより、富嶽のブランチとしても扱える。 《秘剣:円月殺法》セットアッププロセスで敵を自身のエンゲージに釣り込むことが出来る。その後の対決はともかくとして、移動の効果は相手が移動や攻撃を行える状況なら拒否できない。聖戦士が射程:至近の場合、移動の手間を省く強力な特技になりうる。 《秘剣:天狼絶牙》ダメージもさることながら、【肉体】+5が強力。とは言えクロスミームブランチにしてシングルミームにしても時空破断や富嶽では《※串刺し公》を使った方が効率的なので、真価を発揮するのはやはりマルチミーム時か。 アストロノーツ 選択するアストロシップ、メインウェポン、サブウェポン、ボムの組み合わせによって役割が若干変わってくる。とはいえエーシルやネチェルのそれほど劇的なものではない。サンセットルビーにて追加シップが大量に収録され、性能的にも再現的にも強化された。 《超連射》達成値+技術とダメージ+差分値を同時に行う攻撃が、代償HP3で、自動取得でついてくるのは大きい。これがあるだけで雑魚掃除には困らない。 鬼神衆 《鬼神変》「肉体を魔術を同じ数値にする」ということは、つまり肉体が魔術より高い場合損をするということでもある。マルチミームの際には注意すること。 《※鬼神相殺覇》受けたダメージを半減せずにそのまま返す。その上「ダメージの属性に関係なく純粋に数値としてのダメージがそのまま有効となる」。ぜひとも敵の切り札を反射させたいところである。 呪術師 《※神域術師》1ターンに1回使える種別:魔法の特技が対象だが、時空破断には呪術師のブランチ以外に種別:魔法の特技は存在せず、呪術師の中でも該当する特技は《呪力防壁》と《呪法治癒》だけ。どちらかといえば魔術と心魂値への+3を期待してとる特技だろう。 仕事人 自動取得特技《死の標的》の関係上、やや差分値✕2を出しにくい。聖戦士よりは執行者向きか。 《必殺!》種別強化でない。即ち《吊るし仕置》や《闇裁き》と重複する。 《※散華大殺陣》対象が《死の標的》を受けているとして扱うということは、即ち《殺しのカットイン》の効果が技術✕5になるということだ。HP・LPが0になるデメリットは大きいが、最速で使用し敵を一掃するような使い方がメインになるだろう(無論状況次第ではあるが)。 十手持ち 私立探偵やクルセイダーに続く対犯罪者ブランチ。新ルールクロスミームブランチにより、時空破断だけでなく富嶽のミームとしても扱える。 《十手術》装備に加え財産点まで増えるお得な特技。 《神妙にしろい!》束縛を与える手段としても、モブを確殺する手段としても扱える。BSを与える方法は同じブランチに豊富に揃う。 天狗 《悟入》《天狗身》など複数候補の中から候補を選ぶ特技が多い。効果によってどのコロナにも対応できるだろう。 《※陽光遍照》受けたダメージの半分を与えるダメージに変換する特技。《※カマエル》などこれまでの反射する特技と違い、「次の自分の攻撃」に乗る。範囲・シーン攻撃が可能であれば、複数対象に効果を及ぼせるということだ。 デイブレイカー 『トワイライトガンスモーク』とのクロスオーバーを再現するミームであり、例によって使用の際は一応注意すること。 《OVD:暗夜断罪》ダメージを+10Dし、《銀の守護者》・デイブレイク・プロミネンス以外での移し替えを抑制する特技。その真価は範囲攻撃に用いることで、雑魚にカバーリングをさせないことにある。 自分でなくとも味方の攻撃なら誰でも良いので、PT内に対象:シーンの攻撃手段を持ったものがいる場合、所持しておくとクライマックスでの雑魚掃除が格段に捗るだろう。 《※アナザーOVD》任意の天使名デイブレイクを「除く」デイブレイクを1つコピーする、という恐るべき特技。タイミングが常時でないデイブレイクならなんでもよい。その可能性は無限大である。 手っ取り早く強化するなら、ヴァイスフレアの《※本気を出すとしよう》で能力値を上昇させるのがよいだろう(肉体を上昇させる場合、《※串刺し公》の方が高いか)。また、《※ハニエル》は無理でも《※魔法のランプ》や《※万能調達》は選択できるし、《※アレーティア》は無理でも《※冥府召喚》や《※封印の言葉》などは選択できる。《※本気を出すとしよう》は【社会】を強化できるのでスペリオルやインフェリアは(本来のミームの共通特技や装備に未練が無ければ)デイブレイカーで作成した方が強力になりやすい(特にスペリオルは装備の面ではデイブレイカーの方が寧ろ選択肢が増える)。 《※記憶継承》を選択すればデイブレイク以外の特技のコピー特技のように扱える。 スイーパー 《シティーハンター》「種別:銃」による攻撃なら常時クリティカル値が10になる。注意すべきなのは銃のダメージがあがるのはダメージ技術+nD6の銃を「ひとつだけ」装備中、ということである。つまり《二丁拳銃》と併用できないのだ。 《ファニングショット》範囲攻撃かつ達成値が上昇する特技。自動取得特技で常に銃による攻撃に差分値がついているので、実質ダメージ上昇特技でもある。 ネクロソーマ 《※ドーン・オブ・ザ・デッド》《※リアニメーター》戦闘不能からの復活と、ダメージを0にするデイブレイクを両方備え持っている稀有なブランチである。HPが上昇する《レヴナントタンク》とあわせ、やはり光翼騎士向きか。その場合、回避はシングルミームならスイーパーとのマルチか、《※アナザーOVD》で容易に確保することが出来る。 ハッカー 《エグゾーストドローン》《コンシュームドローン》代償:なしと強力だが、この手のブランチでは珍しく財産点が必要な特技なので注意すること。 《サポートAI》メインプロセスに行う判定なら全て上昇する。情報収集判定や《盾の乙女》などもだ。 メルカバ 新たに加わった歩行戦車ブランチ。追加の歩行戦車は収録されていないので、原作再現の際は似たようなデータを探して使おう。 《集中射撃》範囲攻撃が単体攻撃になる代わりにダメージが+6Dされる。6Dの期待値は21点。能力値12のキャラクターが係数2の特技を使った場合が24点なので、ダイスによる振れ幅を計算にいれれば十分取る価値はある特技といえる。 《※ミラージュドッジ》使用回数制限がない。ということはつまり《OVD:鉄騎疾走》のレベル回だけ使えるということである。 ルイムニー サンセットルビーで追加された、ルイムニー大森林で生きる人々を表すミーム。肉体で語るミームであり、グレズのような単独ブランチミームでもある。 イェーガー 全体としては、肉体特化の攻撃を得意とするブランチ。カオスフレアで(現状)唯一「ムーブアクション」を行う権利を持つ、特技のほぼ全てを占める種別:猟兵の特技はHP修正のある乗り物を装備していると使えない(その上で種別TAの武器が必要)、などイェーガー独自のルールが多いため、使用の際はルールブックをよく確認しておこう。 《血涙の前進》戦闘不能を解決した上でメインプロセスまで行える。フレア5枚は重いが、その価値はある。 《刹那の陥穽》条件こそ厳しいが、転倒束縛阻止地中を同時に与える、というのは強力。 オルファン ジェネシックサファイアで追加された、「文明が滅んだ世界をサバイバルする」キャラクターを表すミーム。収録されたブランチはラストマンのみだが、サンセットルビー以降の追加ルール「クロスミームブランチ」が存在するため、オルファンを選んだ上でラストマン以外のブランチを取得することもできる。 ルイムニーに続いて独自ルール、独自ギミックが満載されたブランチである。使用する際はよくルールブックを確かめておこう。マルチミームが公式に制限された珍しいミームでもある。 アンゲロイ同様、能力値の平たさも特徴。ただしこちらは魔術と根源が低く、他3つがそれなりに高いという構成。 《ファインダー》シナリオが限られるが、地味に強力なことが書いてある特技。チャートの範囲内でとはいえ、好きなものを選べるということは今のパーティに必要なものを選択できるということであり、SE判定によるドロップをある程度あてにできるということになる。 《守るべき宝》光翼騎士ならば1LvでHPが70点上昇する。HPで耐える光翼なら必携。 恐るべきはその種別に「魔法」「アイテム」が載っていることで、エラッタが来ない限り《模造商品》などでコピー出来ることになる・・・ ラストマン オルファンの主要ブランチ。自動取得特技《生き抜く力》で死亡から復活できるのは強力。選択取得によって大きく構成が代わるブランチでもある。選択取得によって変わるのはデータだけではなく、背景世界の設定も同様。むしろシナリオやキャラクター性的に、こちらで選ぶことの方が多くなるだろう。 《ウォーカー》選択取得その1。肉体で語るブランチとなる。ダメージの常時追加がついた使用制限のないダメージ減少特技であり、素直に使いやすい。 《サバイバー》選択取得その2。HPの回復と最大HPの増加は実に光翼騎士向けだが、能力値が増えないのが難点。オルファンの能力値は平たいため、《コールドスリーパー》などで補うのがよいだろう。 《ロストアース》選択取得その3。設定や性能的に一番マルチしやすい選択取得でもある。能力が20になるのは「最も高い基本能力値」を参照することの多いラストマンにとっては強力だが、タイミングがマイナーアクションなのは難点。地味にフレア2枚と代償も重い。 《意識誘導》達成値-10、というのはつまり絵札を使った《大いなる力》である。屑札が絵札相当に化けると考えるとなかなか優秀な特技ではなかろうか。執行者以外が取得すれば重ねがけも可能。仕掛け道具を使用する、という独自のギミックが搭載されている。若干戸惑うが、なんのことはなく「1シーンに常備化した仕掛け道具の数までしか使えない」というだけの話だ。 《エクステリアマスター》強化環境服は強力だが、ミームの技術が6のオルファンにとって必要能力値12を満たすのは《コールドスリーパー》抜きでは難しい。光翼騎士がHPを欲しいだけなら《守るべき宝》の方が扱いやすい。 《冒険野郎》判定の達成値を少ない代償で大きく強化する優秀特技。《ウォーカー》や《ロストアース》ならとりあえず感覚で取得してよい。 《意識誘導》を同じく仕掛け道具を使用する特技。要するに1シーン内に使える回数を共有していると思えばいい。 《※ネバーダイアローン》ミーム共通反射デイブレイク《※ナタナエル》を強化する特技。最大HPが容易に増えるこのブランチにとっては非常に強力。
https://w.atwiki.jp/takugess/pages/121.html
前ページ次ページ天へと捧げる一刀 天へと捧げる一刀・前編 大きな戦いがあった。 幾つもの人が死に、多くの人が傷つき、世界が滅びかかるほどの巨大な戦争があった。 マジカル・ウォーフェア。 七徳の宝玉を巡る侵魔と魔法使い達の戦争。 その果てを彩ったのは唯一皇帝の名を冠した偉大なる侵魔の王。 シャイマール。 恐ろしい、恐ろしい力の怪物。 無限の憎悪に埋め尽くされた破壊の獣。 禍々しき悪意と破滅を撒き散らす破壊神。 それが退けられたのだ。 一人の少女の想いと一人の少年の剣によって。 神話の如き戦いだった。 伝説に語り継がれるようなサーガだった。 破壊を司る背徳の獣は退けられ、それを利用しようとした神の分身体は神殺しの剣によって葬られた。 それがマジカル・ウェーフェアの結末である。 まさしく現代の神話と呼べるものだった。 けれども、それが物語として語り継がれるのは時が短く。 世界はその傷跡から立ち直る暇もなく、新たな脅威と戦い続けている。 世界は狙われ続けているのだ。 だからこそ、人はさらなる力を求める。 傷口を埋めるために、失った血液を作り出すために食物を噛み砕くように。 そして、そのような現状において一人の男がアンゼロット宮殿に訪れていた。 「……お久しぶりですわね、安藤来栖」 宮殿の主であり、ファー・ジ・アースの守護者でもある銀髪の少女、アンゼロット。 彼女は玉座に座り、一人の男を出迎えていた。 年齢57歳。初老といえる年齢の厳しい顔つきをした男である。 「出来うるならば来たくはなかったがな、アンゼロット」 麗しき美貌の持ち主。 美しき真昼の月、その優雅なる佇まいを見ても心震わさないのは極僅か。 安藤 来栖。 そう呼ばれた男は数少ない例外の一人だった。 常ならば首に巻きつけている手ぬぐい、質素なズボンと厚ぼったい上着を着込んだその姿は単なる農夫のように一見見えるかもしれない。 しかし、誰が知ろうか。 その男こそは過去ロンギヌスにおいて最強と呼ばれた魔剣の使い手であることを。 安藤の一足踏み込むたびに死地へと叩き落されるような感覚に、ロンギヌスたちは仮面の奥で息を呑み、緊張に身を強張らせる。 安藤 来栖。 かつてアンゼロットが行った指示により大切な女性を喪い、それ故に宝玉を持って組織から去った男。 恨みがないわけではないだろう。 浮かべる鋭い視線の中に暖かな感情など一欠けらも混ざっておらぬ。 優れたる剣の使い手、さらに言えばウィザードの身体能力ならば一挙一速の間合いにまで迫った安藤を彼らは止められるのか。 素手の男、それに対して向けられる警戒の意識はどこまでも強く、それ故に空気すらも固まり、濁りそうだった。 「ふん。ずいぶんと質が落ちたな」 鼻を鳴らし、安藤は緊張に身を強張らせるロンギヌスたちを一瞥すると、にべもなく吐き捨てた。 「ええ。遺憾なることに、私たちの世界を護るための剣は弱体化しつつありますわ」 ロンギヌスへの批評。 それは従える主であるアンゼロットへの侮辱ともいえる言葉だったが、麗しき守護者は涼しげな笑みで受け流す。 どことなくコメカミにびきっと血管が浮かんだような音がしたが、おそらくは幻聴だろう。 「それ故に貴方に頼みたいのですよ、安藤 来栖」 「貴様の任務を受けるつもりはない」 「でしょうね。既に貴方は組織より離反した身、命令を下せる立場にはありませんわ」 常にない相手を尊重するかのようなアンゼロットの口調。 それに付近で警戒していたロンギヌスの一人が動揺するような雰囲気を発したのを彼女は目ざとく見つけ、後でお仕置きしようかしらと考えた。 けれども、そのような些事はさておいて。 「ですから、これは頼み事です。戦場に復帰することは是非共……本当に望みたいのですが、貴方には部下の育成を依頼したいのです」 「……かつてロンギヌスの同胞すらも手に掛けた私に預ける、と?」 その言葉に、ロンギヌスたちに衝撃が走った。 かつてアンゼロットの命から離反し、ロンギヌスを抜ける際にアンゼロットから追撃の命を下されたロンギヌスたちと安藤は刃を交えていた。 魔王との激闘に傷ついていた安藤は手加減する余裕もなく、狙ったわけではないが幾人ものロンギヌスたちを閻魔帳に載せている。 とうてい許されるような立場ではない。 本来ならば刃持て、八つ裂きにされてもおかしくない立場だった。 自殺覚悟のつもりか? 今更になってこの宮殿に足を運んだ己をせせら笑う。 そうかもしれない、と心の中で呟く。 既にユウが護り、自分が護り続けた宝玉はある少女に手渡され、己の役目は終わったと理解している。 生に執着がないわけではないが、生き続けるだけの理由もまたない。 だからこそだろうか。 何度乞われても足を運ばなかったことに来たのは。 「ええ。過去の罪は忘れましょう」 「都合の悪いことには目を瞑る、と? そこらの若造からは敵意が感じられるが」 眉を上げて、一人のロンギヌスから発せられる僅かな敵意を感じ取り、安藤は息吹を洩らしながら腕を組む。 本来ならば愚策たる両手を封じる行為。 この瞬間襲われれば両手を解き放ち、対応を開始するまで数コンマ反応が遅れるだろう。 それでもなお安藤は倒されぬという自信があるのか、それとも襲わせないとアンゼロットを信じているのか。 アンゼロットには分からない。 けれども。 (試してますね) 胸中でそう結論し、アンゼロットは細く白い透き通るような指を動かして、敵意を浮かべていたロンギヌスを叱咤した。 「納めなさい。ロンギヌスよ。貴方たちは悪を討つための聖槍なのですよ、容易に解き放つことは許されません」 凛とした言葉。 それは大気に浸透し、その場一体の空気を鋭く整える。 そして、全てのロンギヌスたちが職務を思い出したかのように背筋を伸ばし、荘厳なる気配と佇まいの騎士達と化した。 これだ。 このカリスマ性こそがかつて安藤がロンギヌスに入隊し、正義を信じた理由であった。 かつて第三世界エル=ネイシアを治める女神だった一人、アンゼロット。 その年月による経験とその身に秘めた莫大なる力は太陽の如くウィザードたちの心に火を灯し、陶酔させるのだ。 心頭滅却。 長年の鍛錬により滅多なこと意外では決して揺るがぬ大樹の如き精神を持った安藤は静かに言の葉を紡いだ。 「大したものだ。アンゼロット。30年前とは変わらぬ……いや、少しは変化したか?」 「そうですか。私は何も変わりませんし、変わるとしたらそれは貴方の主観でしょう」 永遠なる少女はニコリと月が輝くような笑みを浮かべて、安藤に告げる。 「それでは再び訊ねます。私のお願い事にハイかYESかで答えていただけるでしょうか?」 「――少し褒めるとこれだ」 調子に乗らせたか、と安藤はやれやれとため息を吐き出し、されどその心のうちは決まっている。 「答えはハイだ」 若いものが死ぬ。 誰かが未熟なために命を散らせる。 それを見過ごせるほどに安藤は朽ちた心を持たず、悲劇を見過ごせるほどに世界に絶望していない。 それが故の答えだった。 かつて一人の少年――若き己を被らせた魔剣使いの少年に、その心の在り方を説いたように。 「なるほど。では安藤来栖。優れた魔剣使いよ、貴方に若き彼らを任せますね」 新雪が春の兆しに解けるかのような笑みをアンゼロットは浮かべる。 こうして安藤は一時の間、ロンギヌスの客人となった。 ――『天へと捧げる一刀』 幾ら世捨て人をやっていても、風の噂というものはあるものだ。 マジカルウォー・フェアにおける被害。 その後に出現し始めた闇界からの侵蝕者、冥魔。 それらとの対応に追われ、腕の立つ人間、経験豊富なウィザードは少なく、慌しく世界各地を飛び回り、どこの組織も新人育成と有能な人材の発掘に当たっているという。 それは聞いていたが、これほど酷いとは思わなかった。 「おぉお!!」 それが安藤としての感想である。 「甘い」 ロンギヌス候補、魔剣使いの少年が振り抜く魔剣の一撃を、安藤は片手に持った木剣で捌き、側面から横に弾き払うと、その少年は体勢すらも整えることが出来ずに無様に体が流れる。 なんという踏み込みの乱れ、身体バランスをもっと意識しろ、太刀の握りが甘い、弾き払えと言っているのか。 一瞬の間に思い浮かぶ罵倒の言葉は十数種にも渡るが、安藤はそのまま木剣と魔剣の峰に沿って流すと、ぴたりと数ミリの隙間を開けて少年の喉下に刀で言うならば刃の部分を添えていた。 「ま、参りました……」 「……威勢の強さは認めるが、がむしゃら過ぎる。もっと剣を振るえ、体軸のバランスが取れてないから、この程度で体勢を崩す」 そう告げると、ふっと風が流れる程度に安藤の脚が動き、少年の足が刈られた。 予想すらもしていなかった衝撃に受身すらも取れずに、背中から強打し、強制的に酸素を吐き出される少年。 苦痛の顔を浮かべる少年に、安藤は見下ろし、木剣の柄を握り締めながら、どことなく呆れたような声音で告げた。 「そして、私はまだよしとは言っていない。忘れるな、剣を持つ者はその手を離すまでは決して集中力を、警戒を切らすな。ここが戦場ならば五回は殺せるほどの隙があったぞ」 どこか憎々しげに見上げてくる少年の瞳。 よし、悔しさを感じるうちは伸びる素養がある。 安藤はそのまま少年の傍から離れると、組み手を続ける龍使いと人造人間のペアを見た。 錬気を練り上げて、次々と襲い掛かる人外の刃を捌きながら、必至に反撃の隙間を伺う龍使いの少年。 それをどことなく無感情な人造人間の少女が、体を変化させ、歪に床を蹴り飛ばしながら、まさしく獣のように駆け巡る。 その全方位から次々と手段を変えて襲い掛かる攻撃を往なす化剄のキレは中々のもの。 (だが、崩しが出来ていないな) 人造人間の変幻自在な体躯に崩し方を思い付きかねるのか、少年は顔面に迫る蟹の爪の如きアームブレイドの下から打ち上げて、同時に手首を返して方角をずらし、下へとしゃがみこみながら、体を捻り、もう片方の手から延びる斬撃を肘から居合い抜きのように放つ手の甲で叩いて弾く。 受けの動作ならば及第点を与えてもいいのだが、その度に気息が乱れて、打ち払う動作にいまいち氣を乗せ切れていないのが残念か。 気息の保持が甘い、そしてもう少し踏み込みと歩法を磨けば一息に輝くだろうと安藤は判断した。 数十年前、とある事件で共闘した奇妙な体質を持った龍使いならば一つ目の動作で気功を発してその手を弾き上げることで崩し、成すすべもなく上半身を上へと伸ばしきった少女の胴体に流れるように打ち込んだ靠撃の一撃で内臓を粉砕させていることだろう。 そして、人造人間の少女を見る。 動作の機敏さ、自身の肉体を変化させる速度、そのバリエーションは素晴らしい“性能”と言えるだろう。 (だが、それだけだ) 単なる頭のない侵魔には通じるかもしれんが、魔王の使いや魔王級エミュレイターには通じないだろう。 性能で挑む兵器は所詮己を越える性能には太刀打ちが出来ない。 人間とは脆いものだ。 第一世界ラース=フェリア人よりも闘気や身体能力に劣り、第五世界エルフレアのように天使の力もなく、第三世界エル=ネイシアのように強大なる守護者の欠片やゲボクという物量があるわけでもない。 故に技術を高め、戦術を練り上げ、武具を揃える。 それは確かに間違っていない。 人としての強さは創意工夫にこそあるのだから。 (研鑽せよ、若人) 爺臭い言葉を自然と脳裏に浮かべる己の存在に気付き、苦笑する。 今の彼はつい一週間前着ていた服装ではなく、大き目の作務衣を着ていた。 常に一定の気温に保たれるアンゼロット宮殿の領域では涼しくもないが暑くもない。修練には向かぬと用意したロンギヌスのどことなく子犬を思わせる少年は首を傾げていたが、安藤は和服を好む質だった。 あの島ぐらしでは農作業には向かないと諦めていたが、ここでならばこの格好をしていても問題はないだろうと思う。 そして、そんな彼がいるのはどことなく簡素な佇まいの巨大なる一室。 無数の結界を張られて、熟練の設計士が設計した、構造そのものが強度性を高める造りになっているトレーニングルーム。 アンゼロット宮殿の一角で作り上げられたその中で満ちる空気を安藤は嫌いではなかった。 己もまだ届かぬ剣の道を究める修行者だという自覚はある。 故に理由も道も異なるが、高みを目指して鍛錬を続けるものたちは見ていて心地がよかった。 (さて、次は誰を見るか) あとであの二人には指導をしなくてはな。 そのことを念頭に置きながら、組み手の邪魔をするのも駄目だろうと考えて、安藤はぐるりとトレーニングルームを見渡し、次なる相手を探した。 その視線に気付き、我先にと同じ道の、それでいて遥かな高みにいる人物と気付いてか多くの魔剣使いが安藤に挑みかかり、打ち倒されていく。 しかもそれらは一息にではなく、指南するように柔らかく太刀を受け止め、或いは捌き、或いはその荒さを教えるかのように同じ軌道で打ち払い、その握りの甘さを知らせるかのように魔剣を弾き飛ばした。 「手首が強張っているな、もう少し柔らかく握るべきだ」 「魔剣に意識が同調していないぞ。もっと感応しろ、魔剣使いならばこの程度の角度の打ち込みは死角に入らん。魔剣に感覚を預け、信じろ」 「握りが甘いぞ。戦場で武器を手放すことは死に直結する愚行だ!」 息も乱さずに十数人以上のウィザードがへとへとになるまで打ちのめし、トレーニングルームにいるロンギヌス候補生たちは一週間のうちに見慣れた光景だったが、感嘆の息を吐き洩らす。 そして、少し休憩をいれるべきかと老骨には応える指南に、涼しい顔のまま安藤が考えていると……ざわりとトレーニングルームの入り口がざわめいた。 「む?」 安藤がざわめく気配に気付き、目を向ける。 数秒と立たぬうちに彼は得心した。 トレーニングルーム、その入り口に現れた銀髪の少女を見たからだ。 「皆さん、研鑽に励んでいますね」 ニコリと少女らしい笑顔を浮かべるアンゼロット。 その言葉に本性を知らぬ候補生達は心酔した表情を浮かべて、緊張に上ずった声を上げた。 そんな彼らの様子に、将来の心配を僅かにした安藤は内心ため息を洩らすと、アンゼロットの元へと歩み寄る。 「なんの用だ、アンゼロット。お前がわざわざ来るような場所でも在るまい」 「あら? 私がこのような場所に来るのはおかしいことですか?」 安藤の憮然とした言葉に、周囲のロンギヌス候補生達がいささか引いているが気にもしない。 一々アンゼロットの対応に戸惑っていては神経症に陥るのが関の山だからだ。 「まあいいでしょう。どうやら安藤さん、しっかりと教育に励んでいてくれるようですね」 「私は一度受けたものを違えるほど趣味はないのでな」 そう告げると、安藤はアンゼロットの後ろから姿を見せる数人の少女達の姿に気付いた。 「む? ……志宝エリスとマユリ=ヴァンスタイン?」 見覚えのあり過ぎる少女達、それに赤羽くれはの姿もあった。 他にも何名かウィザードらしき人物の姿があるが、その中でも一名ほど安藤が気にかける青年がいた。 白いジャケットの、私服姿らしい茶髪に染めた青年――柊 蓮司。 何故か洗い立ての髪や肌をしているが、シャワーでも浴びたのだろうか? 「……久しぶりだな、安藤のおっさん。ロンギヌスに復帰したのか?」 「客分といったところだろうな。そこの女狐にひよっこ達を鍛えなおして欲しいと頼まれた」 ほんの一時のみだが、己の神罰刀を使いこなして見せた若き魔剣使いを安藤は見据えて……ほぅっと息を吐いた。 あの日心が荒れて、未熟だった青年はどうだ。 清流の如き感情のうねりこそ感じられるものの、その瞳には真っ直ぐに前を見据える決意の光があり、その佇まいはほんの数ヶ月とは比べ物にならぬほど精錬されている。 その振る舞いには成長した力強さが有った。 「……ずいぶんな死地を潜り抜けたようだな、柊 蓮司」 「そうか? あまり意識はしてないんだが」 今更ながらに思い出す。 皇帝シャイマールを打ち倒したのは目の前の少年なのだということを。 そして、傍に佇む少女を見た。 「久しいな、志宝エリス」 「はい! 安藤さんもお元気そうで!」 「わ、私もいるんですが……そうですよね……私なんてどうでも……」 よよよと壁の隅でのの字を描き始めるマユリに内心腹を抱えて笑うと、安藤はぐるりと首を曲げて、アンゼロットに目を向けた。 「して、何用だ」 「実は面白い……ごほごほ、素敵な趣向を思いつきまして」 「趣向?」 嫌な予感がした。 同じ感覚を読み取ったのか、柊もまたアンゼロットへと向けていた顔を青白く染める。 「柊さん、安藤さん。一手剣を交えてみてくださらないかしら」 「なっ」 「……」 アンゼロットの提案。 それにざわりと周囲の空気がざわめいた。 ウィザードの中でのエースオブエースと目される柊 蓮司。 過去ロンギヌス最高の魔剣使いとして称された安藤 来栖。 二人のウィザード、その最高峰に位置する魔剣使いの対峙と聞いて、未だに駆け出しのウィザードたちが興奮と期待に頬を染め、息を荒げた。 しかし、その引き合いに出された二人はどこか戸惑い、或いは憮然とした顔つきだった。 「は? ちょっとまてよ、俺さっき海から命からがら這い上がってきたばっかりなんだぞ!?」 とある任務でスクールメイズの落とし穴から海へと流し込まれた彼はようやく生還したばかりなのだ。 シャワーを浴びて、回復魔法を掛けられたとはいえ、精神的な疲労はある。 「お遊びで剣を交えるつもりはない」 にべもなく吐き捨てると、馬鹿らしいと安藤は態度で語り、首を横に振るう。 「そうだな。個人的には決着というか、アンタとは一手指南して欲しい気もするけれど遊びでやる気はねーよ」 柊は少しだけ真剣な眼差しでアンゼロットを見つめた。 戦いに遊びは無い。 見世物にされるなど両方共真っ平ごめんだった。 バトルマニアでもない魔剣の担い手二人共が拒絶すると、アンゼロットはあらあらと困ったような顔をして、けれどもどこか意地悪な顔を浮かべた。 「でも、若いウィザードたちに可能性を見せてあげるのはよい行いではないのでしょうか?」 そう告げて、アンゼロットが指し示すと、そこには期待に胸を膨らませた候補生達の熱い視線があった。 うっと柊が呻き声を上げて、安藤は怯まずにただ沈黙する。 「柊~、こうなったらアンゼロットさん、絶対に意見を曲げないよ?」 「ひ、柊先輩、それに安藤さんも頑張ってください!」 「お二方の戦いぶりを見れるとは、酷く光栄なことです」 三者三様の言葉。 それに加えて無数の言葉が二人の背を押し、外堀を埋めていく。 逃げるのは不可能か。 そう悟ったのは奇しくも同じ瞬間だった。 二人の魔剣使いが視線を上げて、同時に視線があった。 「……安藤さんだったよな、いつぞやの約束叶えてもらってもいいか?」 「いいだろう。あの時からどれほど成長したのか、見せてもらおう」 にやりと世界屈指の剣士は獰猛なる笑みを初めて見せると、微かに、そう本当に微かに手を振るわせた。 武者震いである。 (私が喜んでいるのか) 安藤は僅かに動揺し、それを上回る予感に心を沈めた。 剣に見入られ、剣に狂うた心が鎌首をもたげて、囁くのだ。 愉しみだと。 前ページ次ページ天へと捧げる一刀
https://w.atwiki.jp/nrks/pages/593.html
——————————————〝柔〟よく〝剛〟を制す。 概要 基礎技能柔身法 保有する技/業詳細 『雨』の型構え 『技』 『業』 『月』の型『技』 『業』 概要 読みは「ウゲツイットウリュウ」。夜の国、一部櫻の国に伝わる古武術。ただし前者は継承者不承のため昔日に廃れてしまっており、事実上道場を置くのは夜の国のみ。その道場も師範代が死亡し、唯一の継承者である如月 氷雨が旅に出ているため、本流派の存在を知る者は少ない。 体躯に恵まれない小さな者や力の無い非力な者が如何に効果的に大きな者を倒すか、ということを追求しており、『柔身法』と呼ばれる合理的な体の運用により体格体力に関係なく「小よく大を制する」ことが特徴。当時隆盛を極めていた多くの剣術流派が攻撃偏重である事に対し、雨月流は真っ向からその傾向に逆行し、堅牢な防御を主とする。 そのため、一対一、多対一に関わらずほぼ全ての型が「返し技」として機能しており、斬り合いの際は相手の動作に合わせた、もしくは相手の力を利用した徹底的なカウンターを主戦法とする。 無駄な力を使わず効率良く相手を制する雨月流独特の剣術「雨」、身体術を「月」と表現し、これを会得することにより、また同時に〝柔〟の体の運用・体捌きを用いて〝相手の力と争わず〟に相手の攻撃を無力化し、年齢や性別・体格体力に関係なく、かつ最小の力で勝負を制することが可能。 初動で相手の攻撃線をかわすと同時に、相手の死角に直線的に踏み込んで行く「瞬転」や、相手の攻撃を円く捌き同方向へ導き流し無力化する「円転」など、相手の動きを利用し自分有利の位置と体勢を確保する。 また、「精神的な境地が技に現れる」とされており、他武道に比べ精神性が重視される。この延長上が〝気〟(後述)の操作に通じている。 『柔よく剛を制す』こそが雨月一刀流の強み。なお鍛錬の際は〝気〟の操作のため自己の内部/外部両方を強く鍛え抜く傾向にある。 基礎技能 柔身法 この項目では、特徴的な雨月流剣士の身体挙動を述べる。なお、一部『月』の型と似るところもあるが、あちらは主に体術としての身体操作。こちらは基盤となる総合的な身体能力の面に視点をおく。 どのような強力な技であっても効果的な身体捌きを行えないと扱えず、逆に身体捌きが安定していればさらに強力な技を繰り出すことが可能となるため、この鍛錬を怠っては雨月流を修めることはできない。 『柔身法』とは雨月流剣士が会得するべき特徴的な身体操作のことである。簡単に言えば『相手の力を利用するために最適な』身体を作ることであり、捌き、いなし、崩し、逆襲など、カウンターを行うためのありとあらゆる効率的な身体裁きを極限までに追求する。雨月一刀流が後の先の剣であるため、その基盤となる柔身法がいかに相手の攻撃力を殺さずに利用できるかに重点を置くことは言うまでもない。 他の剣術流派にも返し技の理論として似たような技術が無いこともないが、これと比べても柔身法は特化的なものとなる。本来戦闘に必要不可欠な攻撃力、防御力、筋力など、ありとあらゆるものを犠牲にして、唯一無二と言えるほど柔の動きを追求する。 その特異とも言える身体捌き、体系ゆえ柔身法を会得した剣士は逆に攻撃力や防御力が劣化すると言われるほどであり、体格などの見た目で分かる表面的な身体能力はむしろ低下する。 部分的に見てみると、筋力、走力などのステータスは低くなるものの、反面動体視力と反射神経は高くなる。これは単純に技を見切るためにはまず目でその物体を捉え、すぐさま身体が反応しなければならないからであり、技術というよりは柔身法会得の鍛錬を行っていれば意図せずとも得られる結果に近い。 柔身法の全ての動きは『回転』を中心に考慮されており、ありとあらゆる動きを円運動(球体運動)で行う。遠心力と向心力の釣り合いにより、独楽のような回転の動きが物体が保持した力を最も殺さないという理論の元で成り立ち、腰の回転を中心として、相手の技を丸く捌いてゆく。 円滑な球形運動を実現する為、特に『脱力』ということが推奨される。外部からの力の接触の瞬間まで力を抜いておき、直撃の『瞬間』にだけ持ちうる『最大』の力を加えることで、攻撃に超高次元の『キレ』を生み出すことが可能となり、技に鋭さと速度を持たせることが可能。 筋力由来の持続的な力を加えてはならない(後述の〝気〟についても同じことが言える。)ため、柔身法を以てして扱う剣撃には能動的な攻撃力は皆無となる。返し技を打ち込めば相手の力に自分の力が加わり脅威とすることができるが、『自分から』能動的に同じ技を繰り出した場合、その威力は極めて軽いものになってしまう。相手の力を利用して相乗的に自分の攻撃力を底上げするため、利用する力の度合いが低ければ強攻撃を放つことができない。 相手の力を利用する性質上、人体の急所を的確に知ることも必要となる。これは低威力な攻撃でも急所を狙うと擬似的に高威力となり、対象に高いダメージを与えられ、前述の攻撃力の低さを補うためのものでもある。 主に人体の経絡(血や代謝の通り道)を利用した体術のような方法であり、効果的に用いれば相手の『急所』を見抜き自分の弱点を隠せ、『見切り』の能力が著しく増大する。 さらに応用し痛みに弱い点を刺激することで軽い力で激痛を与えたり、苦手とする角度、点を重点的に攻めたりなどと言った非常にテクニカルな挙動を持ち味とする。 以上のような術理を身体に染み込ませることにより、受けにくい攻撃や読みにくい攻撃を見切り、相手が避けにくいカウンター、及び受け身を取りにくい投げ技などを高次元に放つことができるなど、どのような体勢でも、一切の力の減少なく、相手の攻撃を『そのまま』返すことが可能となる。 以下は柔身法の技術の中でも特に重要なもの。 名前 詳細 備考 合気 体の一部分を接触点として、そこから力のベクトルを変更、自分の力を上乗せして敵に返すこと。全攻撃の要であり、柔身法の基本の基本にして最も難しい技術。軽度の崩し効果もあり、如月は徒手にのみならず刀の切っ先で行う事も。 多用 崩し(小) 安土 力を『地面に』受け流す技法。相手は大地と戦うことになる。爪先から力を受け流す性質上、両足が地面に接していないと発動できない。 多用 瞬転『陰』 相手の攻撃と同時に繰り出す移動術。攻撃を躱す、もしくはその瞬間に左右どちらかの死角に踏み込み、相手の視界から自分を隠す。回転挙動の基点となる腰から動かし、次に右足→左足と体軸のずれないように移動しなければならず、基本ながらも難易度は高い。成功すればまるでその場から消えたように錯覚することに。直後の『陽』の動きとセットになる。 多用 瞬転『陽』 踵を送りその足を中心に逆の足を180度回す。『陰』の後に素早く相手を自分の正面に送るため歩法であり、普通に振り返るより数倍速い。事前の『陰』の動きと呼応。 多用 円転『表』 時計回りの回転挙動を利用し、触れた物体の接触点をずらすことで威力を無力化するいなしの技。主に自身の左方向、正面よりの攻撃を無力化するために用いる。 多用 円転『裏』 逆時計回りの円転。自身の右方向の攻撃を無効化しやすい。 多用 無間 行動を瞬時に静止させる技術。自分の力を一切使わない柔身法だからこその技術であり、脱力の緩急を無くし、動作/静止の切り替えを0ー100で行う。牽制やフェイント、咄嗟の回避のための高速の刃の緊急停止など、その応用性は高い。 多用 縮地 直線方向への高速移動術。最大で三間程度。他流派のように脚力で直進するのではなく、急激な重心移動と脱力からの力の緩急を用いる。 保有する技/業 雨月流剣士はその特異なの性質上、通常の流派とは異なるいくつかの特徴的な技術がある。 一般にカウンターを主戦法とするため、自ら能動的に攻撃する技が一切存在していない。これは中途半端に攻撃技を体得するよりも、持ちうる総てを防御に回し、ここぞというときに必殺の一撃を「返す」ことに専念した方が、総合的な勝率が増加するという考えからくる。 主に「月」の動きを用いた対象との接触点を通して、相手に呼吸を合わせて距離が離れぬよう保ちつつ、「円の動き・螺旋の動き」など「回転」を利用して、相手の重心・体勢を崩れる方向に導いて行く。 このとき無駄な力や不都合な筋肉が付いていると、相手の反射的な抵抗を誘発し、接触点が外れる、力がぶつかって動きを止められる等の不具合が生じ、力を受け流す事が出来ない。技の流れを阻害する。 そのため四肢に無駄な力を込めず、〝気〟を利用した「脱力」ということが特に推奨される。また脱力により、効果的に返し技を放てる自由性や、相手の力に「乗る」事が可能となる。 また相手の側背面などの死角から相手に正対し、かつ自分の正中線上(正面)に相手を補足することにより、最小の力で相手の重心(中心軸)・体勢を容易にコントロールし導き崩す。これにより自らの力で「攻める」のではなく、自分の力に相手の力を乗せて「逆襲する」ことができ、高いレベルでの柔の動きを実現する。 詳細 個別の技の詳細。 なお、表記方法が「技」と「業」の二種類があるが、「技」は比較的低威力で小回りのきく術理の総称。乱発も可能となる。 「業」は繰り出すのに高い技術と経験が必要な術理の総称。使いどころを選ぶ癖の強い物が多いが、反面高速高威力となる。 『雨』の型 刀一振りを用いた雨月流の剣技。自分から攻撃する技/業は一つもなく、全て後の先を狙い繰り出す。 斬り合いにおいてまずメインとなる、あるいは決定打となる技を多く、接近戦において攻撃の要となる事が多い。反面防御や超近距離における攻防は手薄になりがちで、そちらは体術である月の型で補う。 同じ技でも対近距離系、中距離系、遠距離系で微妙にその出頭が異なるものの基本は相手の攻撃を受け流し、そこで崩れた体勢に付け込む形式。安定して威力の高い技は殆どないため、その本質的な「攻撃力」の面においては相手の力に左右される。 すなわち相手の技が高い威力を有していた場合、それを返すこちらの技も高威力になり、威力が低い場合、こちらからのダメージもあまり期待できない。 実践においてはさらにその前段階として「相手を動かして勝つ」というのが基本であり、全ての剣技はこの考えを中心に構成されている。 構え 名前 詳細 備考 入梅 刀を正面に向け、切っ先を相手の鼻先に向けた構え。青眼と似るが、あちらよりも腰が高く、力の溜めやすさを犠牲に機動力を確保する。攻防ともに優れた構えであり、使用率も高い。 時雨 八双をさらに崩し、刀身を首の後ろまで回す構え。峰が肩に当たるため正面から見るとまるで刀を担いでいるかのように見える。胴への攻撃を誘発する型であり、中段返しの返し技はこの構えから最も多く放たれる。 地雨 右足を引き体を右斜めに向け刀を右脇に取り、剣先を後ろに下げた構え方。相手から見て、こちらの刀身の長さを正確に確認出来ない様に構える。間合いを狂わせる事が可能。頭部を中心とした上段への攻撃を誘発する。 天雨 頭上に刀身を掲げ、切っ先を空へ向ける構え。所謂大上段。下段への攻撃を誘発、およびそこへの縦軌道の返し技を放つ構え。 雨隠し 居合い専用の構え。右足を出し左足を下げ、重心を落とし左手を鞘元に、右手を柄元に置く。如月はさらに腰を落とし、刀を全身で覆い隠すように構える癖がある。両半身への攻撃を誘発する。読みは『あまかくし』。 居合い専用 『技』 名前 詳細 備考 村雨 中段返し。相手の攻撃を十六夜で受け流し、その隙にすれ違いつつ斬りつける。一瞬の攻防で剣光が乱反射する様が、玉となった水滴が散る様子に似る。 間合い小 肘笠雨 中段返し。気で体全体を加速させた刺突。安定した威力を誇るが点の攻撃であるため回避されやすい。 威力(中) 吹き飛ばし効果(中) 斬り雨 上段返し。刀身に纏わせた気を分割させ、一振りで対象を二度切る技。一撃一撃の威力は低いが、複合すると脅威となる。 威力(微小) 五月雨 上段返し。手首を返し相手の利き腕を狙う。対武器使いならその際巻き込むように自分の刀を武器に絡め叩き落としたり、同じことを腕に行い追撃することも。 五風十雨 相手の返し技をカウンターする返し技。一閃で技の逸らし、あるいは弾き、一回転しながら間合いに入り低空から切り上げる。 叢時雨 中段返し。「時雨」の構えより繰り出す横一閃。それだけだと通常の薙ぎ払いと同等だが、直撃の瞬間に力を込めることで普通よりも「重い」斬撃となる。 居合い・秋霖 右側面返し。親指で力を溜め、鞘内で圧縮し爆発させ突破力と高速度を得た抜き打ち。前傾し相手の攻撃を回避しながら放つため予想よりも前へ伸びる。 間合い(大) 居合い・双雨 両半身返し。秋霖を放った後一回転し、さらに斬りつける多段抜刀術。〝明けの月〟を用いて一撃目の居合いと同時に放つ事もある。 『業』 名前 詳細 備考 篠突く雨 フェンシングのような構えから打ち出す連続の刺突。〝篠〟とは群生する先の細い竹のこと。 威力(大)貫通力(大) 笠落とし雨 下段返し。相手の頭上に飛び上がり低空の攻撃を躱し、強力な兜割りを見舞う。威力も高いが隙も大きく、対処されると次の攻撃への対応が極めて困難になる。読みは『かおとしあめ』 隙(大) 逆巻きの雨 軸足を切り替え、通常とは逆に回転し後回しに打ち込む村雨。回り込んで斬撃が飛んでくるため、村雨の範囲を凌駕する。 十文字 中段返し。低威力の斬撃を縦横同時に繰り出す技。威力よりも速さに特化しており、全力で放てば横一閃と縦一閃どちらが一刀目か分からないほど高速となる。 威力(低) 卯の花崩し 武器破壊、及び自身と同等以上の硬さを突破するための術理。寸勁の理論で全身の加速を一瞬で完了させ、至近距離から極めて狭い範囲で強力な衝撃を加える。刃の部分で行うと刃毀れしてしまうため、主に頑丈な鍔や柄尻で行う。その性質上、強烈な吹き飛ばし効果を伴う。 吹き飛ばし(大) 狐の嫁入り 『地雨』の構えから繰り出す上段への返し技。屈みながら低く両足を薙ぎ払う。 居合い・四音の雨 居合い返し。対剣士に特化した技。相手の抜刀に一手遅れて斬撃を四度放ち、二撃で相手の居合いを相殺し、残る二撃でその隙をつく。名前の由来は鞘走りの音が立て続けに四度響く様から。 疲労(大) 居合い・遣らずの雨 中段返し。刃筋に剣気を集中させて繰り出す居合い抜き。切れ味に特化しており、自然現象や斬撃耐性のある物質も紙のように切り裂く。唯一無形の魔力や異能の類いにも刃を入れ斬り込む事が出来、範囲攻撃を突破する際や不可視の能力に対抗する際に重宝する。鞘から加速させて引き抜かなければならないため、乱発できないのと軌道を読まれやすいのが難点。 居合い・車軸の雨 中段返し。『遣らずの雨』が切れ味特化ならこちらは速度特化の居合抜き、すなわち極限まで意識を集中して繰り出す超神速の一閃。柔身法独特の脱力を利用して打ち出すため、模倣されにくく、またそもそも速いため単純に強力で対策されにくいのが長所。短所としては斬撃の範囲が小さいことと軌道の見切りやすさ。鞘の方向と足の向きからどこをどう斬り込むかすぐに分かる(反面、予備動作まで犠牲にしてまでも高速を追求しているとも言える) 多用不可 『月』の型 補助的な面で外す事の出来ない体術、および身体捌き。 雨の型に繋ぐための防御技から、それ単体で高い威力を誇る当て身技まで様々である。基本的に打撃技は少なく、持ち味は当て身やそこから派生する投げ技。自分を中心とした回転の動きで相手の力を蓄え、相手を中心とした円運動でそれを打ち出す変則的なカウンターを旨とする。 また、柔身法を組み合わせた身体操作性能から使い手に高い動体視力と反射神経を要求する事が多く、このスキルが高ければ高いほどより多くの技が使え、必然的に多くの攻撃を返す事が可能となる。 体術に共通する理念としては、「力に力で対抗しない」こと。これは柔身法〟の項目でも記載した通り、筋力が効果的な返し技の邪魔になるためである。「相手を動かす」雨の型で対象似何らかの動作をさせ、その動きを崩すための術理が月の型には込められる。 この「崩し」で攻撃を無力化、あるいは吸着するためには自分の体操作を知る事はもちろんの事、相手の動きも逐一補足する事が求められる。弱点や癖、はたまた呼吸に至るまで、一連の動きを気の流れとし、それを掌握する事で掛けるべき技を選択する事が出来るということになる。 なお、「どの体勢からでも雨の型に繋ぐ」ということを目標としているため、構えは存在しない。 『技』 名前 詳細 備考 崩月 身体の柔らかな弾性と梃子の原理を応用した当て身。ダメージを与えるためではなく相手の体勢を崩すために用いる。技をかける前/かけた後、使用する場面が多い。 多用 月読み 意識を集中させ相手の攻撃を先読みする補助の技。「予知」ではなくあくまでも「読む」だけであるため、予想外の挙動には対処できない。 多用 十六夜 手首の柔らかいしなりを用いた当て身技。単体としての威力も優秀で、高い汎用性を誇る。 十六夜『居待ち』 十六夜の派生技。相手に意表をつく両半身返しの技であり、居合いを放つと見せかけて十六夜を打ち込む。その際片手で握り込んだ拳を押さえる事で力を「溜め」ることができ、十六夜を超える速度を実現する。 朔天地 相手の攻撃をいなしながら、その回転に乗じて放つ後ろ回し蹴り。高威力だがその反面、外したり対処されたりすると身体が浮く死に体となり、大きな隙を晒してしまう。 隙(大) 『業』 名前 詳細 備考 円月 下段返し。片足で相手の踵を掬い、両手で体重をかけて地面に叩き付ける投げ技。背面から強く地に打ち付ける事が出来るため、追撃に繋ぐ事も可能。 フィールドにダメージが依存 新月 対斬撃、打撃特化の上段返し。打ち込んできた相手の手首、もしくは得物を握り、肩越しに投げて地面に叩き付ける技。左右どちらかの肩先を支点とする。 残月 側面投げ。取った手首を逆方向に曲げながら自身はかがみ、相手の体重を利用して投げ捨てる。成功すればその場で一回転し、稀に腕の骨を折ることも。 朧月 技を回避し縮地で相手の懐に飛び込み、『明けの月』で切り払う技。及び中距離から間合いを詰めるために使用。 月光 いわゆる鎧通し。月の光が暗闇を照らす様から。身体の外部ではなく内部にしつこく響く打撃の総称。範囲を点にまで絞って放つため、極端に間合いが狭い。 間合い(小) 月光返し 背面投げ。襟を取り背を向け懐に飛び込み、逆手の肘で「月光」を放ち同時に背負い投げる技。月光同様に範囲が狭く使い道を選ぶが、成功すれば相手の外部と内部両方にダメージを与える事が出来る。 疲労(大) 抱月 高い動体視力を利用した真剣白刃取り。此れ自体に特に攻撃力はなく、投げや当て身に繋ぐための補助技である。(汎用性の高さと難易度から「業」に分類)
https://w.atwiki.jp/nyaruko/pages/240.html
折り返し まんた亜種(少年マガジン風) 作者AA+リーゼント。右上の「!?」は週刊少年マガジンで連載されていたヤンキー漫画『疾風(かぜ)伝説 特攻(ぶっこみ)の拓』で多用された写植。『GTO』や『金田一少年の事件簿』などマガジンに連載されていた他の作品でも使われていた。 序 -Prologue-(3p) 「《戒める筋(ドローミ)》」(6p13行目) (承前)「革の戒め」レージングでは大地揺るがす巨狼の捕縛はならず、古の神々が次に用意した「筋の戒め」を意味する鎖。強度はレージングの二倍。でもやっぱりダメだった。 右手に馬を、左手に君を -CaValla Vergine Appassionati-(12p) 邦題は皆川ゆかの小説『新機動戦記ガンダムW外伝 右手に鎌を左手に君を』から。文字通りガンダムWの小説だが、時系列的に本編との整合性が取られていないため正史ではなくパラレル扱いとなっている。 英題は、辻仁成と江國香織の恋愛小説、およびそれの映画化『冷静と情熱のあいだ』のイタリア語題『Calmi Cuori Appassionati』のもじり。 ベルグ・バウ(17p11行目) 『第3次スーパーロボット大戦α -終焉の銀河へ-』のリアル系男主人公機「ベルグバウ」から。デザインはアトラスの悪魔絵師こと金子一馬氏が担当している。だからどうした、と一瞬でも思ったならば、彼の名前を右から読んでみること。馬 子さんが、言い間違え一つにも随分とヒネリを利かせているのがご理解頂けよう。 たまたま知り合った魔人アシュタロスさんです(18p17行目) 平坂読『僕は友達が少ない』より、主人公の妹・羽瀬川小鳩が好きなアニメに登場する悪の馬人、もとい魔人。 人は誰でも安心を得るために生きている、とカリスマ溢れる誰かが言っていたような気がする。(20p5行目) 「ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダーズ」のラスボスDIOの事。 「あはー。馬子ちゃんは~ 激マジにラヴっています!」(21p9行目) 「這いよれ!ニャル子さん」4巻にて似たような流れがあった。 「私は生きて理樹殿と添い遂げると決めたのです」(21p13行目) 『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』主人公のシロ-・アマダ魂の告白。「俺は…生きる!生きてアイナと添い遂げる!!」 「やったねりっきー、おかずが増えるよ」(23p10行目) カワディMAXの漫画「コロちゃん」の1コマより。これ以上は詮索も検索もせぬこと。わかったら早くメシ作れや。そのあと掃除だ。ゴミは捨てとけよ 日常茶飯事(チャメシ・インシデント)(23p13行目) 『ニンジャスレイヤー』に登場する単語。意味的には字のまま。 ギムレット、もといお中元には早すぎるはずだが。(24p16・17行目) レイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説『長いお別れ(LONG GOODBYE)』より。「ギムレットには早すぎるようだね」と彼は言った(訳:清水俊二)。 ソイレントファーム(25p7行目) 大本の元ネタは1973年公開の映画『ソイレント・グリーン』から。暗澹たる未来社会を描いたディストピアもの。 知名度でいえば、ゲーム『ゼノギアス』の「ソイレントシステム」を想起する人も多いだろう。みんなのトラウマ。そのため、ここでは子細は記さない。検索に際しては、細心の注意を払って欲しい。 ちなみに、2013年には『ソイレント』なる粉末栄養食品が実際に開発されている。 「いいですともっ!」(31p11行目) 『ファイナルファンタジー4』で、ゴルベーザとフースーヤが共同でWメテオを放ったときのやりとり。「いまじゃ!パワーをメテオに!!」「いいですとも!!」 その不自然なまでにゆっくりとした足の運びは、~即座に倍返しされそうな、完璧な歩みだった。(41p12・13行目) 『グラップラー刃牙』第57話にて、範馬勇次郎が披露した琉球王家秘伝「御殿手(うどんで)」。最大の特徴である歩法は天下無敵と言われ……正中線を維持したまま左右の揺れは一切なく…!ゆえに打ち込む隙は皆無! 敵は無謀な攻撃を強いられることとなる!!! 「倍返し」は2013年のドラマ「半沢直樹」から。流行語大賞にもなった。 理樹が悲しみの向こうへ逝ってしまう時期だろうか。(41p15行目) 何度かネタにされているが『SCHOOL DAYS』のエンディング曲の一つ「悲しみの向こうへ」Nice boat. さすがに理樹に隠し腕なんてものは搭載されていない。(44p7行目) 『ガンダム』シリーズにおいて幾つかのMSが持つ、兵装運用の為のサブ・マニュピレーター。代表格は『機動戦士Ζガンダム』のPMX-003ジ・O。 生きるって事は、おいしいって事だし。(46p2行目) 『劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4』より、津上翔一が氷川誠に語った人生観。「死を背負い生きる」事を「ナンか嘘臭い」と言い、翔一はこう続ける。翔一「生きるってことは、美味しいってことじゃないですか」氷川「美味しい?」翔一「ハイ。キャベツを食べても、ダイコンを食べても美味しいです。もしかしたら、何も食べなくても美味しいです。死を背負ったりしたら、不味くなります」 「エキサイティング」(46p9行目) 『仮面ライダーウィザード』第30・31話に登場した敵怪人ファントム・レギオン(生前の名は内藤)の口癖。「…エキサイティング!」 ゲートの絶望そっちのけで、ただ「美しい心をズタズタに引き裂く」事にのみ無上の愉悦を感じるというサイコ野郎であった。 「このサイズが普通だと思っていまし――あっ」「何でわたしを見て察した顔をするんですかっ!」(47p7・8行目) いわゆる「淫夢」発祥の定番ネタフレーズ「あっ・・・(察し)」 逆さ鱗を刺激されたらしく (47p9行目) アニメ『戦姫絶唱シンフォギア』より、フィーネの台詞「逆さ鱗に触れたのだ」 原作・脚本の金子彰史氏による独特の言い回しで、出演者にも「金子語録」と呼ばれている。 修正が必要になった。(50p5行目) 『仮面ライダー龍騎』第28話にて、龍騎たちの前に姿を現した「13人目の仮面ライダー」オーディンの台詞。「少し修正が必要になった」 実の母親だけど愛さえあれば関係ないよね。(50p16行目) 鈴木大輔のラノベ、およびそれを原作としたアニメ『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』から。 ゆあーんゆよーんゆやゆよん。(51p3行目) 中原中也の詩「サーカス」の一節。サーカスのブランコが揺れる擬態語。 押し付けられるそのバストは豊満だった。(51p4行目) 『ニンジャスレイヤー』でよく使われる言い回し。豊満重点。 背徳めいたアトモスフィア(52p7行目) これも『ニンジャスレイヤー』で使われる言い回し。使われる頻度はそれほど高くない。 その瞳孔は渦を巻いていて(58p5行目) 石川賢作品名物、通称「グルグル目」。狂気とバイオレンスに満ちた描写。 「私も理樹殿とお肌の触れ合い会話したい」(60p7行目) 『機動戦士ガンダム』シリーズで使われる、宇宙空間での直接接触による通信。人間はヘルメットのバイザー同士の接触、モビルスーツなら有線通信。言ってしまえばハイテクな糸電話である。 確実性、秘匿性は通常の無線とは比べものにならないため、内緒話などによく使われていた。 「いかんぞ仮免許~」(67p17行目) 漫画「南国少年パプワくん」に登場する台詞「同性愛はいかんぞ非生産的な」から。ちなみに、ニャル子さんの4巻でも使われていた。 駆り立てるのは下心と欲情 -The Catcher in the Zoo-(p70) 1995年発売のSFCゲーム「タクティクスオウガ」の第3章のチャプタータイトル「駆り立てるのは野心と欲望 横たわるのは豚と犬」より。 英題はJ・D・サリンジャーの小説『ライ麦畑でつかまえて(原題:The Catcher in the Rye)』より。 仄暗い水の底から(70p1行目) 鈴木光司のホラー短編集、およびその映画化作品。英語で言うとダーク・ウォーター。 黄昏よりも昏い瞳で。(74p12行目) 神坂一『スレイヤーズ』シリーズより、主人公リナ・インバースの十八番である黒魔法「竜破斬(ドラグ・スレイブ)」の詠唱の始めの部分。黄昏よりも昏きもの 血の流れより紅きもの 嫉妬心フェル子の心に嫉妬心(77p5~7行目) 『仮面ライダー剣』第6話、ラテ欄タイトル「カリスの正体」より、ダディャーナザン心の俳句。恐怖心俺の心に恐怖心 「へー、馬肉。私、缶詰でしか食べた事ないかも。ほら、あの台形の」(80p10行目)「はいはい、馬肉も入ってますよね」(同11行目) ニューコンミートの事。昔は「ニューコンビーフ」の名で売られていたが、2005年のJAS法改正でコンビーフと呼べるのは牛肉100%の物のみとなり、馬肉と牛肉を併用、かつ牛肉の重量が20%以上の物に限ってニューコンミートの品名記載が許可されているのだトカ何トカ。漫画『孤独のグルメ』第15話にて主人公の井之頭五郎曰く「やっぱり馬肉入りが俺の知っているコンビーフだ」…だ、そうなのだが、何故かその時ゴローちゃんが手にしていたのは牛肉100%の方だったりして。 デートして、デレさせる。(85p12行目) 『デートアライブ』より、精霊への対処法その2ちなみに、ニャル子二期と同時期にアニメが放映されていた。 これは古事記にも書いてある由緒正しき女性の攻略法だ(85p13行目) 「古事記にも書いてある~」は『ニンジャスレイヤー』でよく使われる言い回し。大抵どこか間違っている。サツバツ! 市内の動物園(86p7行目) 札幌市の円山動物園のこと。北海道ネタ。文の通り胡坐をかいていたらリニューアルした旭川市の旭山動物園に客と話題を掻っ攫われた動物園である。 「あれ絶対入ってますよね」(96p10行目) 今となっては懐かしい『VOW』の定番キャプション「『これ、絶対入ってるよね』byみうらじゅん」。 「そうです、息抜きはとっても大事です!」「お前は休暇の合間に仕事をするタイプではないのか」(98p4・5行目) 『究極超人あ~る』の「剛腕との対決 の巻」より、鳥坂センパイと曲垣剛とのやりとり。「怒るな曲垣。人生には息抜きというものが必要だぞ。」「あんたたちは、息抜きのあいまに人生やってるんだろう!!」「うまいことをいう。」「皮肉の通じない連中だな。」 「《泥偶人(メックルカルフィ)》!?」(102p2行目) モックルカールヴィ(Mökkurkalfe)。霜の巨人たちが作り出した粘土造りの巨人。巨体に合ったサイズが無いからと雌馬の心臓なんぞはめ込んだばっかりに、雷神トールの姿を見るなりビビリ上がって、小の方を漏らしてしまったと言うのだから失禁を笑じ、もとい失笑を禁じ得ない。 シャァベッタァァァァァァァ!(105p2行目) マクドナルド・ハッピーセットのCM「スポンジボブ ハチャメチャびっくり編」にて、ボブのストローが喋り出したことに対する子供のリアクション。\キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!!/ その常軌を逸したオーバーテンションぶりがネタにされ、挙げ句ニコ動等では「ハッキョーセット」などというタグまで作られた。 ーやってしまってください。(108p7行目)ー合点承知。(108p9行目) 『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY R』でのロウとプロフェッサーのやりとり。この場面のロウはとってもいい笑顔である。 そうして瞬く間に~何となく赤く塗りたい。(109p11~13行目) 描写から、『機動戦士ガンダム』の指揮官用ザクII。赤く塗ったらシャア専用ザク。 人の心の光を信じたかった(112p14行目) 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』より、アムロの台詞。 「な、何をするか!仮免許が何をするのか!」(115p17行目) 『機動戦士ガンダム』より、ギレンのガルマ追悼演説を聞いたブライト艦長の反応。「何を言うか!ザビ家の独裁を目論む男が、何を言うのか!」 射手/不審/前兆 -THE ARROW OF DESTINY-(124p) 英題は『スーパーロボット大戦』シリーズのBGM「THE ARROW OF DESTINY」から。そのさらに元は『超時空要塞マクロス』のTV版オープニングテーマの一節。 邦題は『仮面ライダークウガ』の8、13、14話のサブタイトルより。 関節技(サブミッション)こそ王者の格闘技と古事記にも書いてあったが(130p2行目) 『ニンジャスレイヤー』でよく使われる(ry 前半は大和田秀樹の漫画『大魔法峠』の「打撃系など花拳繍腿!関節技(サブミッション)こそ王者の技よ」より。花拳繍腿(かけんしゅうたい)とは派手なだけで実践的ではない武術という意味。魔法の国から来た王女である主人公・田中ぷにえが、えげつない関節技で敵対者を葬るバイオレンスコメディーである。 「だって、好きなものは好きだからしょうがなくない?」(132p7行目) 18禁BLアドベンチャーゲーム『好きなものは好きだからしょうがない!!(2000年/プラチナれーべる)』から。 「みょんな事を始めるー」(133p17行目) 東方シリーズより、魂魄妖夢の口癖。 「あなたじゃありません座っててください」(133p15・134p1行目) 『あずまんが大王』より。卒業式にて、最優秀の成績を修めた生徒に金蘭賞が贈られると聞いて席を立った滝野智(ボンクラ)に対する水原暦のツッコミ。「おまえじゃねぇ すわってろ」 元始、女性は太陽であった(139p6・7行目) BY平塚雷鳥。文藝誌『青鞜』発刊に寄せて。 「ん、あたしのいとこに~妖怪スピーカー女」(143p16~144p1行目) 万太先生『這いよれ!ニャル子さん』の暮井珠緒のこと。 「……魚の吐息の神威(ケニング)です」(148p17行目) これと一巻第四章で触れられていた「猫の足音」、さらにあと四つの物は「あるもの」作成の素材に使われた為、この世に存在しなくなったと云う。 「射止めませい(エイワズ)――《閃輝櫟弓(イチイバル)》」(158p3行目) 前半部分のルビ「エイワズ」はイチイの木を意味するルーン文字。アルファベットでは「y」に相当。かの魔術師アレイスター・クロウリーに託宣を授けたと云われる、守護天使エイワスとは関係ないので悪しからず。 後半のルビ「イチイバル」の大元は、北欧神話の狩猟神・ウルが所持していた「イチイの弓」。ファイアーエムブレム聖戦の系譜、および戦姫絶唱シンフォギアで用いられた造語である(イチイは日本語)。 戦乙女と君と放課後で -Just the Way You Are-(177p) 英題はビリー・ジョエルの楽曲「素顔のままで」の原題。 邦題はゲーム『機動戦士ガンダムSEED 友と君と戦場(ここ)で。』から。 とんだ機械仕掛けの神だ(184p16行目) ラテン語で言うとデウス・エクス・マキナ(Deus ex machina)。 意外に思う方もいるかもしれないが本来は演劇用語。収拾不可能になった演劇やシナリオを強制終了させるための演出および舞台装置。ぶっちゃけていえばご都合主義、あるいは超展開。古代ギリシャの演劇は演者のアドリブ上等で収拾がつかなくなる事が多かったため、この手法がよく使われたとされる。決して巨大ロボットの事ではない。というかこういう解釈をしてるのはおそらく日本ぐらいである。 ヴァルトラウテ(206p15行目) 例によってオペラ『ニーベルングの指環』に登場する戦乙女。 「切り結べ(テイワズ)」(209p2行目) ルビの「テイワズ」は軍神テュールを意味するルーン文字。アルファベットの「t」に当たる。 「《死体を飲み込む者(フレースヴェルグ)》!」(209p17行目) 世界樹ユグドラシルの天辺に留まる、巨大鷲の姿をした巨人。世界のあらゆる事件を知り、すべての風はこの鷲が吹かせるとも言われる。 1巻序章に登場した例の性悪リスの所為で、根っこを齧る大蛇ニーズヘッグとは凄まじく仲が悪い。 メガテニストの方々には馴染みも深かろう。『真・女神転生』を初出とし、以降種族カテゴリ「凶鳥」で常に高位をキープしているあのトリさんである。 「わたしはしょうきにもどりました」(218p13行目) もはや説明不要、『ファイナルファンタジー4』でカインが裏切るときの台詞。「おれはしょうきにもどった!」 黄昏の魔弾 -Double Action-(224p) 邦題は『機動戦士ガンダムSEED MSV』に登場するミゲル・アイマンの異名。演じたのはT.M.Revolutionこと西川貴教氏。氏の楽曲に「魔弾 Der Freischutz」がある事から付けられたものと思われる。 どんな時でも、理樹は一人じゃない。(240p4行目) 『WILDARMS 2nd IGNITION』OP主題歌「どんなときでも、ひとりじゃない」。 「あれの体表面は絶えず強い風が対流していて、攻撃を遮ってしまうんです」(243p15行目) 『モンスターハンター』シリーズに登場する古龍種モンスター、「風翔龍」クシャルダオラの固有能力「風ガード」。 生半可な射撃は弾き返され、不用意に斬りかかれば尻餅をつかされる。ただし閃光玉や毒投げナイフには滅法弱い。また、角を破壊する事で解除できる。 その足を、がっしりとファーヴニルに摑まれる。(248p12行目)挙げ句、ぶんぶんと振り回された。(同13行目)フェルスズの小さな身体を弾丸のように投げ飛ばす。(249p1・2行目) この一連の動きに合致しているのは、『劇場版 仮面ライダーオーズ WONDERFUL 将軍と21のコアメダル』にて仮面ライダーオーズと仮面ライダーフォーゼが即興で放った連携技「ライダースイングバイ」。馬子さんが「せいっやぁぁぁぁッ!」(250p8行目)と叫んでるのが何よりの証左。「トドメは譲るぜッ、オーズ! ライダースイングバーイ!!」「ハヤブサでもないし~!!!」 『私立ジャスティス学園』で、ジャスティス学園学園長・忌野雷蔵をパートナーにした時の愛と友情のツープラトン「人間大砲」も結構それっぽくはあるものの。 「起きてください(ウィアド)」(249p7行目) ルビの「ウィアド」に対応するルーン文字は無い。ルーン占いにおいてブランクルーンと呼ばれるものである。ただし文字には対応しておらずとも意味はあり、それは「宿命」。 空の王者(249p11行目) 『モンスターハンター』シリーズに登場する飛竜種モンスター、「天翔るチキン野郎」ヘタレウス「火竜」リオレウスの別名。 「ちょこまかと! バッタかお前は!」(252p6行目) 『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』第8話「策謀の宙域」より、ガンダム試作1号機フルバーニアンの機動性を目の当たりにしたシーマ・ガラハウ中佐の驚愕。「何だいありゃ! バッタか!?」 終 -Epilogue-(271p)
https://w.atwiki.jp/pokerowa/pages/54.html
▼ 目と目が合ったときにはもう、 ▼ 眼が合った。 「…… !」 「……フハァー……」 少女――バトルガールのアゲハは呼吸を忘れて目を見開いた。 片手を前に構え、もう片手を背中に回しながら、 唾を呑みこみ、眉間にしわをよせ、ともかく周りの状況の把握に努めた。 ここははいきょの町の入り口だ。 そう、主催に反抗するため、まずは手持ちポケモンと絆を深めたアゲハは、 次に志を同じくする人を探して、人の集まりそうな場所へ向かった。 高台から建築物を探し、一番近いはいきょの町に辿り着き、 さびれたビルが立ち並ぶ目の前の土地へ入ろうとして、ふと思いついてポケッチを操作した。 つうしんサーチャー。 近くにいるトレーナーをサーチする機能だという。 有効範囲は不明だが、人探しならこれを定期的に使用すれば早いだろう、と思い使った。 結果的に、アゲハの命を間一髪で救ったのはそんな思考だった。すぐ近くにトレーナーの反応があった。 そっちを見たら。 殺気を漲らせた隻眼の男と、眼が合った。 「……マジかよ」 「運がいいな小娘ェー……いやある意味悪いのか……。 シャバババ、もう2歩ほど。いやもう1歩。 このからておうのガンマが近寄るまで気付かなければ、苦しまず楽に死ねたものを!」 「……いつから……アタイがこの距離で……気付けなかった……?」 「王者は常にベストの選択肢を取って弱者を狩るもの。 “カエンジシはミミロルを狩るのにも全力を尽くす”という諺もあろう。 そのためには先ず圧倒的な力が要るが……どんな盤面にも対応できるスキルも重要。 歩法や気の操作による隠密技能など、一流の格闘家なら得ていて当然!」 「分かるようで分からねぇ話だな……!」 「分からぬならば貴様も所詮二流ということよ! フゥー、シャバババ……さて、手を打つ前に気付かれたのは想定外だが――」 顎をさすりながら、髪を逆立て胴着を片側はだけ、「からておう」の男は悠然と近づいてくる。 「――眼と眼が合えば闘う運命(さだめ)」 「……!」 「貴様もトレーナーならば、その掟は知っているな? 私と目が合った次点で、貴様の死はもう運命られた! さあ! 殺戮を始めるぞーーっ!!」 ごう、と。 得体の知れない圧を感じ、アゲハはその隻眼から目を逸らせずにいた。 逸らしたら、死ぬ。その確信がアゲハにはあった。 アゲハもひとかどの格闘家。つうしんサーチャーを使わずとも、周りの闘気には敏感な自負がある。 それなのにこの男、からておうのガンマは、 彼我距離にしておよそ20歩の位置までアゲハの触覚を躱しながら近づいてきていたのだ。 だだもれの殺気を、隠そうともしていないのに。よほど気配を消すすべに長けていなければこうはならない。 すなわち、アゲハより格闘家として格上。ということ。 「……勝手に運命決められてもらっちゃ困るんだけどなァ」 大口を叩くも冷や汗は流れる。 前準備なしでの対峙/相手は超乗り気な上情報も少なく/格闘家としてはこちらが格下 なかなかに最悪の条件での戦闘だ――いや、こちらは殺したくなんてないが、これは殺し合いだ。 何が起こるか、どう手を打つべきか、どうする、どうする、“アタイはどう動けばいい――”。 緊張で呼吸は早くなる。吸い込む空気が、喉にざらつく。 ざらつく? ――気が付けば、アゲハの周りの空気の色が変わっていた。砂色。 「こ、れはッ」 「1歩遅い! 貴様はすでに私の技の、確殺圏内よーーっ!」 「んなっ」 色は渦巻く。徐々にその色密度を増やしながら、アゲハとガンマを包み込むように。 すなあらし、だ。 現象確認のためにアゲハは一瞬辺りを見回した。 その隙に、目を離したその刹那に、ガンマはアゲハとの距離を詰めていた。 踏み切り、跳び上がり、足を流麗な動きで前へ、体勢を整えての――飛び蹴り!! 「さあ、先手必勝だーーーっ!!! 死ねぇーーーーッ!!」 ▼ 目と目が合ったときにはもう、戦いは始まっている。 ▼ 「くっ、そォ!」 「ム……!?」 からておうのガンマが飛び蹴りをいまにも決めようとした瞬間、アゲハの背中からアゲハの羽根が広がった。 黒地に青黄赤の紋様が入った鮮やかなそれは、 眼と眼が合ったあと、すぐ背中に回した手に握っていたモンスターボールから外に出ていて、 アゲハの意思を感じ取ってこの瞬間まで閉じられていたアゲハのアゲハントの羽根だ。 「飛べ、アゲハント!!」 アゲハントがアゲハの身体を掴み、飛びあがる。 アゲハントはそらをとぶを覚えない。上空まで人を運び、保ち続けることまではできない、 それでも小さなアゲハの身体を数メートル浮かすことくらいは可能だ。 ガンマの飛び蹴りは不発に終わる。素早く着地し空の少女を睨むガンマ。 そして笑み。 「背中に蝶を負うか! シャバババーッやるではないか小娘、だがなーッ……」 「ああ、まだ終わりじゃないんだろッ……! 分かってんだよ! バシャーモ!!」 『ヴゥルシャーモ!!』 ガンマの余裕ある笑みに対して、アゲハは挑発的に言葉を返す。 アゲハの目は空中に浮いたいくつもの鋭い岩――ステルスロックが地面に作る影を確認していた。 砂嵐に紛れてあらかじめ放たれていたその暗器はただでさえ視認が難しい。 単純にこのままアゲハントで宙を舞って逃げていれば、アゲハの身体に次々と突き刺さってしまっただろう。 「アタイを踏み台にしろッ!! “とびひざげり”!!」 『シャー……バシャーモ!!』 このフィールド全体を使った殺戮岩包囲網に対し、 アゲハは続けてボールから出したバシャーモをバレーボールのトスめいた手の動きで高く空へと打ち上げる。 舞い上がるバシャーモへ、命じたわざは“とびひざげり”。 「ほう……」 綺麗な連携にガンマが感嘆の声を漏らす。 バシャーモは膝を高く上げながら上空へ、上空へ。 ステルスロックの岩を破壊しながら跳ぶ。そしてそれはクリアリングの役割も兼ねている。 続いてアゲハは空中で、地面に水平に仰向けに寝転ぶような態勢を取った。 「アゲハント! “おいかぜ”!」 『アゲハ~ント!!』 指示したわざは、おいかぜ。 アゲハの背中のアゲハントの、さらに背後から――つまり地面のほうから上空へ、 吹きすさぶ超自然のおいかぜが、アゲハントの足りない飛行能力を補完する。 ついでに砂嵐も一時的に振り払いつつ、風に乗ってアゲハは上昇。 バシャーモがすでに通った軌跡をなぞるように飛ぶ。 その軌道上にだけはステルスロックはまだ移動しきっていない。 ぐんぐんと、上へ――しだいに視界の砂色が薄まっていく。 フィールド影響わざはそれを起こしたポケモンを中心にした一定範囲にだけ現れる。 とにもかくにも、最優先はその範囲から離脱することだ。 塵粒が体を引っ掻く痛みに耐えながら、アゲハは祈るような気持ちで高度を上げた。 砂が晴れる。バシャーモが跳躍の頂点で彼女を待っていた。 「よし……バシャーモ! アタイを掴んで“ブレイズキック”だ!」 『シャモ?』 「あっちのビルに移るぞ!」 『……ヴゥル! シャー……シャーモ!!』 ひとまずの安堵と、しかし間髪入れずアゲハはバシャーモに次なる指示を送った。 落下しゆくバシャーモはアゲハの意図を理解するのに少しかかったが、 合点がいくとすぐにアゲハの手を取った。 同時においかぜが切れる。浮力が足りなくなり、アゲハもバシャーモも地面へとゆっくり下がる。 再度おいかぜを発動してもいいが、それではバシャーモまでは運べない。 かといって再度すなあらしに突入するのもありえない。 ならばバシャーモに運ばせる。 バシャーモは両手を背後へ。そして、手首から思い切り炎を吹き出す。 本来は蹴りの精度を高めるための姿勢制御に使うが、今回は方向制御だ。 足にも焔を纏ったバシャーモは、点火されたロケットのような軌道で――火槍となって宙を割いた。 ブレイズキック。アゲハたちは全員の落下軌道を斜め下へと方向転換する。 はいきょのまちの入り口付近にあった高いビルの屋上へと、こうして彼女たちは逃げ降りた。 転がるように受け身をとる。さびれたコンクリートの地面が視界に現れては消えた。 回転がようやく止まり、身を起こすもアゲハがよろめく。平衡感覚にダメージがいっていた。 「く……っいたた……」 『シャー?』 「あ、りがと……くっそ、あのオッサン、本気でヤバいぞ……」 バシャーモに手を差し伸べられて、どうにかふらつきながらも立ち上がろうとする。 「アタイを飛び蹴りで蹴り飛ばして、ステロで刺し殺すつもりだったんだ……。 飛ぶのが一瞬遅かったら……殺されてた。躊躇ってもんが何一つねぇじゃねーかよ。 さすがにここまで逃げれば追ってくるのに時間かかるだろうし、とりあえず仕切り直しだけど……」 『ア、アゲハント!』 「大丈夫だって、このくらい……にしても、すなあらしもステロも相手は指示してなかったな。 すなあらしは特性だとして、バンギかカバだろ……どっちもステロは撒けるけど、 あらかじめ指示してあったか――あるいはもう、すでに一戦して“慣れた”行動か……」 『シャーモ!』 「なんにせよ、今のアタイじゃ手が足りない……こっちの手持ちも見せちまったし、 おいかぜの札も切っちまった、ここは逃げるしか……どうした? お前ら、さっきから」 『『……!!』』 「何だよ、何が……」 アゲハが顔を上げる。 眼が合った。 「――――シャバババーーッ」 ▼ 目と目が合ったときにはもう、戦いは始まっている。 だから、 ▼ 「知らんのか小娘……トレーナー戦からは、降参しないかぎり逃げられないことを」 隻眼の男が浮いていた。ビルの屋上に立ったアゲハを見下ろすように。 でんじふゆうで浮いていた。 逆立った髪を結ぶハチマキの余り布さえも重力に逆立って、まるで鬼の二対の角だ。 実際に男――ガンマから放たれるオーラもまた、鬼の形をしている。 「私の攻撃を前に、焦らずポケモンを出せたところまでは褒めよう……だがそれで取る選択肢が“逃げ”など言語道断よ! “逃げ出すケーシィは何も得ることはできない”という諺を知らんか? 私に向かってこない時点で、結局は貴様も、こうして見下される下等トレーナーにすぎん!!」 頭上にマグネットパワーを放つコイルを従え、 ガンマは腕組みをしてしっかりとアゲハの眼を見つめている。 その言葉は確かにアゲハに刺さるものだった。 初手。ガンマの飛び蹴りに対し、 アゲハントで逃げずに、バシャーモでぶつかり合う手も……今思えばあった。 いかな強者と言えどかくとうポケモンとぶつかって無事ではすまない。 そうなれば、視界も精神も削られる砂嵐の中にあっても、戦いを進められたのではないか。 ではなぜそうしなかったのか。それは簡単な話だ。アゲハには覚悟が足りなかった。 ――ポケモンで人間を傷つける覚悟。 「こぶしとこぶしをつきあわせる」だけでは終わらない、殺し合いに、対峙する覚悟。 「……知ってるさ。ケーシィは、すぐテレポートで逃げっから、捕まえにくいポケモン。 それはケーシィの側から見ても、すぐ逃げるって行為を繰り返せば、経験値を得られないってことだ。 確かに……アンタの言うとおりだ。アタイはアンタに怖気づいて、逃げた」 逃げては何も得られない。 「認めたなら死ぬか?」 「そいつは出来ない相談だ。アタイはまだまだ、戦いたい」 アゲハは眼を閉じ、息を吐いて体の力を抜いた。気持ちを改め、再度眼を開く。 からておうのガンマに向かって眼を合わせる。 自分から眼を合わせていく行為。それは覚悟だ。トレーナーとして、戦いに挑む覚悟。 アゲハはガンマに、自己紹介をした。 「アタイの名前はアゲハ……サワラビ道場の、バトルガールのアゲハ。 こっちはバシャーモと、アゲハント。さっき仲良くなったばっかの自慢の仲間だ。 さっきは悪かった。もうアタイは、アンタから逃げない。アンタがアタイを殺そうとするなら」 構えて叫ぶ。 「アタイは――アタイたちは、アンタを倒すッ!!」 バシャーモとアゲハントもまた、威嚇的に構えをとってガンマを見上げた! 見上げられたガンマは、楽しそうに、アゲハのまっすぐな覚悟を嗤う。 からておうのガンマは動じない。彼は相手がどんな心境で居ようとやることは同じ。 「シャバババ、いい威勢だ。だが一歩遅い。 私の安い“ちょうはつ”ごときに踊らされるようでは、サワラビのジジイも泣くぞ?」 「な……ジジイを知ってんのか?」 「その質問も“一歩遅い”なァーー小娘。私がどうしてすなあらしと共にステロをノー指示で撒けたのか、 悠長に飛んでいる最中に考えたことはなかったか? シャババ……ならばもう一手、先を行くぞ?」 「!」 突如、ビルの屋上が揺れる。地盤が揺らぐほどの大きな揺れ。 これは、“じしん”! ビルを崩すほどの、強力な――地震、 そういえば――すなおこしを起こした相手のポケモンはこの場にはいない――! 先の会話が、その意図が。アゲハをここへ張りつけるための、ものだとしたら! 「アゲハント! アゲハ……!?」 『ン……ト……』 再度飛ばなければ、とアゲハがアゲハントの方を見る。 ――アゲハントの片羽にステルスロックが刺さっている。 「な、」 「シャバババーーっ! 動いていないのになぜステロが刺さるか? そう思っているな? なんてことはない、マグネットパワーのちょっとした応用よッ! 名付けて、“ステルス・ストーンエッジ”!」 疑問は遮られ答えだけが残った。見ればその岩に、微量の砂が付着している。 さらに、そこから砂の鎖ともいうべき微細な砂色の帯が伸び、ガンマの頭上のコイルへと繋がっていた。 でんじふゆう――電磁力で自分を浮かせる、わざ。 その“自分”とはすなわち自分に繋がっているすべてのものを含む。 砂の鎖により、コイルは自分だけでなくガンマを、そしてステルスロックをも浮かせ、自在に操っているのだ! 「アゲハント! くそっ、まずい、HPが……」 今だ続く地震に足元をおぼつかせながらもアゲハはポケッチを確認する。 ポケモンリストのアプリでは手持ちの今のHPが確認できる。むし・ひこうのアゲハントはステロを喰らい、 すなあらしをくぐってきた。HPはすでに半分を割っている。飛行能力も一時的に奪われた! 『バ、バシャーモ!』 「!?」 「シャババ、カウンターの構えか」 地に落ちかけたアゲハントを受け止めたアゲハの前に、バシャーモが入り込んで構える。 アゲハがそちらを振り向くと、揺れる屋上へ降り立ったガンマがふたたびアゲハに近寄ってきていた。 ガンマの攻撃を遮るような位置へとバシャーモは自ら動いたのだ。 だが、飛び蹴りを警戒したカウンターの構えは――不発。ガンマの思考は、自らすらも囮。 「忠犬もとい忠鶏じつにけっこう! だがバシャーモ、貴様もまだまだ遅いなァ……まったくもって、」 彼の本命は、自分の存在に注意を引きつけてからの、 「“あくび”がでるほどのノロノロ具合よーーっ!!」 後ろから屋上へ降り立ったカバルドンによる、アゲハを殺し切るための補助わざ! ▼ 目と目が合ったときにはもう、戦いは始まっている。 だから、逃げるな。 戦いは常に――先に動いたものが有利になるのだから。 ▼ 音がした。大柄なポケモンの、あくびの音。 アゲハはアゲハントを抱えながら、思わずそちらを見た。 眼が合った。 カバルドンのあくびが、アゲハへと向いていた。 「……ふぁ……あ……!」 おんなのこらしい声でアゲハが間の抜けたもらい欠伸をしてしまう。 ガンマがそれを見て、懐かしそうに言葉を漏らす。 「その黒い胴着。ポケモンの近くで共に戦い、共に高め合うスタイル……。 いずれはポケモンとの共鳴が、ゼロ指示でのわざの発動すら可能にする、流派。 シャババ、思い出すだけで反吐が出る。苦肉にも、あやつの教えは私の中で今も根付いている」 憎々しげにつぶやくガンマは、包帯に隠したもう片方の眼を手で押さえながら、続けた。 「だがサワラビよ。“私の片目を奪った男”よ――貴様の便利なその技術は、 たった今、貴様のかわいい愛弟子を殺すために、私に使われているぞ……?」 シャババババ、と高笑いが高度三十メートルのビルの屋上に響く。 頭の中に泥のように重くのしかかってきた眠気に思考を乱されながら、アゲハはそれを聞いて思い出した。 サワラビ道場――アゲハが通っていた道場には、かつて稀代の天才と呼ばれた優秀な弟子がいた。 だが闘いに対する考え方の違いでその男は師範と仲違いし、 道場を壊すほどの大立ち回りの果てに破門となって、世間から姿を消したという。 「くっそ……ってことは、“兄弟子”かよ……アタイもびびる、わけだよな……」 片膝をつき、状況を確認。 前方にガンマ。後方にカバルドン。 こちらは手負い、動けない。しかし粘っても睡眠殺。稽古なら降参してもおかしくない状況だ。 「だけど、まだ……“負け”じゃねぇ……ッ!!」 それでもアゲハは眼を合わせ続ける。 それは反抗だ。わるあがきにも似た、アゲハの“むしのていこう”だ。 小さくたって、弱くたって。魂までは屈しない。心だけでも、戦い続ける。 アゲハは認めない。相手を殺すまで戦い合うこんな実験を――絶対に認めない! 「アゲハント!!」 『……アゲハ~ント……ッ!!』 叫びにとうそうしんを刺激されたのか、アゲハントが幾分か戦気を取り戻している。 アゲハは指示を出す。アイコンタクトでアゲハントは理解した。 使ったのは、“しびれごな”。 あくびされてから眠るまでの間に他の状態異常になれば、ねむり状態になるのを防げる。 「さあて……やろうぜ、続き……ッ!」 「シャバババ、面白い。どこまでその羽根でもがけるか……この私が試してやろう!!」 巨大にそびえたつ岩の猛攻を前に、黒揚羽は羽ばたき続けることを選んだ。 痺れ、感覚が薄くなった身体でなおも立ち向かうアゲハのバッグの中で、 不思議な力を持った石がほのかに光を発していた。 まだ、至るには足りない。そして、それがあるいは逆転の鍵になりうることを、アゲハは知らない。 それでも確かにそこにある。 メガシンカへと至る鍵、 バシャーモナイトとメガバングルは、アゲハに確かに、支給されている。 【B-2/はいきょのまちその2 さびれたビル/一日目/午後】 【からておうのガンマ 生存確認】 [ステータス]:良好 [バッグ]:基本支給品一式、タウリン [行動方針]基本:パロロワ団諸共ド下等トレーナー共の粛清 1:目の前のバトルガールを粛正する ▽手持ちポケモン ◆【コイル/Lv1】 とくせい:がんじょう もちもの:きのみジュース HP:■■■■■■■■ 能力値:無振り 《もっているわざ》 どくどく まもる リサイクル でんじふゆう ◆【カバルドン♂/Lv50】 とくせい:すなおこし もちもの:ゴツゴツメット HP:■■■■■■■■ 能力値:HP、防御振り 《もっているわざ》 あくび ステルスロック じしん じわれ 【バトルガールのアゲハ 生存確認】 [ステータス]:状態:まひ、肋骨軽傷、服がぼろぼろ [バッグ]:基本支給品一式、ランダム支給品×1~2、バシャーモナイト [行動方針]対主催 1:この実験を殴りに行く 2:からておうのガンマを倒す ◆【バシャーモ♂/Lv50】 とくせい:もうか もちもの:なし HP:■■■■■□□□ 能力値:AS振り 《もっているわざ》 とびひざげり ブレイズキック ストーンエッジ カウンター ◆【アゲハント♂/Lv50】 とくせい:とうそうしん もちもの:??? HP:■■■□□□□□ 能力値:CS振り 《もっているわざ》 おいかぜ しびれごな メロメロ むしのさざめき ※電磁ステロにより「うちおとす」された状態です 第30話 The Biggest Dreamer 第31話 「!」 第32話 悪魔の証明