約 1,954,381 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2689.html
第一話:仮装姫 俺の学生としての朝は早い。授業がだいたい、一限目からあるのもそうだが、蒼貴、紫貴のメンテもしなければならないからだ。不本意ではあるが、杉原からそれに関する知識を学んで、それから日課にしている。工業大学所属の俺としては精密機械をいじれるのは授業の助けになっており、非常にプラスに働いている。二人を整備できて成績アップになるのだから苦にはならない。 蒼貴と紫貴とああだこうだ雑談しながらそれを終えたら、大学に行くべく、スマートフォンやら財布やらの常備品や道具を詰めた通学用のカバンを持って、二人に見送られながら部屋を出る。ここからは大学生 尾上辰巳として活動するのだ。 家の外へと出たら、大学へと向かう。通学には電車を使っている。その気になれば時間はかかるものの、自転車でも通えるのだが、電車の方が帰りの飲み会などの時に都合がいいからだ。 「今週の週刊バトルロンドを見たか?」 「ああ。また双姫主の尊がランカーをぶっ倒したらしいぜ? これだけの事をやっていて何で素性を隠すんだろうな?」 「さぁ……? 闇バトルをぶっ潰したこともあるとか、バーグラーに結構、因縁つけられているとか黒い噂もあるからじゃね?」 「ほんと、すげぇよな。憧れるぜ……」 大学へ行くための電車の中で何やら中二病でも患ってそうな残念な二人組が俺の噂をしている。誠に申し訳ないが、実際には学生生活でそれがバレると人間関係上、非常に好ましくない事になるからだし、ランカーとかバーグラーに関しては倒す必要のあったり、止むを得なかったりする相手がたまたまそうだっただけだ。十中八九、お前らのヒーロー像を台無しにするだろう。 内心、軽い謝罪やら、憧れの否定やらが混ぜこぜになった気持ちでそいつらをスルーして大学のある駅を降りる。駅を降りて、徒歩十分の所に俺の大学がある。少しは名の知れた工業大学で中堅に位置するまぁまぁな大学だ。ちなみに男性八割、女性二割のむさ苦しい環境にある。工業大学にはよくある事である。 そうそう、『尾上辰巳』と『尊』の時は髪型のセットを変えたり、伊達眼鏡の有無でかなりの差をつけている。俺を知るヤツでもない限りはバレる事はない。 十分間、通学路を歩いていく。今回も例によって気づかれる事なく、通り過ぎることができた。 「尾上~。授業行こうぜ~」 振り向くとチャラ男のテンプレの様なファッションの男がいた。 樺符 守。それが彼の名前だ。高校時代からの友人で大学でもよく同じ授業を取るため、大学に行くと高い確率で会える奴だ。 「ああ。確か、今日の一限は埴場先生の心理学だったな」 「メンドくせぇんだよな。あの先生の神姫の心理とかの話はよ。神姫なんてキモいだけじゃん。オタクの最新アイテムってだけだしさ」 「そう言うな。授業に出れば単位はもらえる」 「ははっ。それもそうだ。今日も寝てそうだぜ」 この様に神姫はオタクのフィギュアと同列と認識している。神姫には心はあるが、彼の場合は実際の女性と遊ぶことの方が遥かに楽しいし、神姫など所詮はロボットだし、フィギュアの延長線としか思っていない。それが真っ当だと思っているのである。 勘違いしないでほしいが、俺は神姫マスターになっても彼を嫌ってはいない。普段の守は根は優しいし、面倒見はいい。サッカー部ではエースストライカーを任されるほど、しっかり努力をしている。普通の人間としては恰好を除けば極めてまともなのだ。そして、彼の神姫への認識は別に大衆的な観点から言えば、間違っていないのだ。 神姫は確かにオタクが多くもっており、アレな衣装を着せて好き勝手やっている様は野郎がお人形遊びしている様にしか見えないという偏見は少なからずある。そもそも俺もその一人だったのは蒼貴と出会ったばかりの時の通りだ。 彼女と出会う前は工業大学で剣道をしながら、守を初めとする友人達と遊ぶ神姫とは無縁の生活をしていたのである。 「そういや最近、お前は忙しいのか? いや、誘っても頻繁には来なくなったからよ」 「バイトが忙しくなったのと、友達が増えてスケジュールが埋まるからだな。お前も結構、増えたんじゃないか? もう俺達も大学二年の後半だ」 「確かにそうだな。すまねぇな」 「気にするな。プライベートは人それぞれさ」 蒼貴と会ってからは、こうして嘘もついている。大学生活と神姫生活の二重生活のためにな。 後は守と適当な雑談をしながら、教室へと入って席に付く。周りを見てみると神姫たちが見え隠れしているのがわかった。 デブがマリーセレス型と戯れていたり、生きていられるのかと不安になるほどガリガリでビン底の様な度の凄そうな眼鏡をかけた奴は他の人達に目もくれずにラプティアス型とボソボソと話をしていた。 「うっへぇ。相も変わらずってもんだなぁ……」 彼らは極端な例だが、こうした光景を見ると守が気味悪がるのもわからないでもない。こういう光景が珍しくないのが現状の神姫のイメージと思われても仕方のない事のなのかもしれない。城ヶ崎玲子や藤堂亮輔の様な金持ち美人や若い妻帯者が神姫をやっているというのが少しでも見られれば少しは守のイメージは変わるかもしれないが、この場でそういった類の事は……あまり期待できない。 何も返事をすることのできない俺はその言葉を無視して、筆箱やら、ノートを自分の前に出して準備をする。 「お前は本当に真面目だよな。この授業ってテストあるけど、受けていなくても取れるって先輩の話だろ?」 「だからといってやらないのもな。ものは考えようで楽しめるさ」 呆れ半分、感心半分な口調で俺のその行動を守は授業の事を言ってきた。その返事は表側はそう答えたが、本当は埴場先生の神姫を交えた心理学の授業はなかなか興味の持てる内容であり、蒼貴と紫貴に出会って以降、後期の授業で取ろうと決めていたのだ。 「変わってるなぁ。まぁ、いいや。俺は寝るぜ……」 「また、夜遅くまで起きていたのか。よくやるなぁ」 「大学の奴とSkipeでダベっていたら結構な時間になってな……」 「そうか。まぁ、ゆっくり休んどけ」 「おう……」 適当に納得した守はSkipeで寝なかった時間分を補うためにすぐに机に突っ伏して眠りに入った。俺は彼をそっとしておく事として、授業の開始するまでスマートフォンを使った情報収集をする。イリーガルマインド関連の噂、有名なオーナーの噂と色々と調べ物をする。 十分後、教壇に埴場玲太先生が自分の神姫であるクラリスと呼んでいるアルトアイネスと一緒に立った。 「やあ。こんにちは。これから授業を始めるよ。最近、イリーガルマインドの偽物が出回っているらしいから気を付けてね。そういう違法パーツに惹かれる心理というのはだね……」 「教授。必要な事は伝えたんだから授業」 「そうだね。では始めよう」 埴場先生は心理学的な興味から神姫を始めた人で、そこからはまり過ぎてFバトルと呼ばれるライドオンシステム形式のバトルロンドの大会において、F0クラスで上位ランカーになったことがある程の実力を持つほどになったらしい。 ただ、××××という青年がF0にやって来ると、彼は二十位からあっさり先生のランクまでたどり着き、すぐに先生を超えて、一位をかっさらってしまったとの事だ。 ××××は違法DLアプリ事件と謎の連続爆発事件を解決し、長きに渡り、F1チャンピオンだった竹姫葉月をも超えたトップランカーだ。最強の名を欲しいままにする彼はいったいどうしているかはその事件以降はわからない。だが、「お人よし」だの「どんな神姫も認めるマスター」だの様々な言葉で多くの人に認められている彼の事だ。決して迷うことなく、正しいと思う道を行くだろう。 「……この様に相手の都合の悪い秘密を知ってしまうと、ギャップが生じてしまうんだ。簡単に言えばイメージが崩れたとか、こんなのは彼なんかじゃないとかそんな感じだね。あいどるなんかの知らない一面を見たときなんかにそれを感じたことはないかな? 他の人の神姫なんかでもいいかもしれないね」 今回は秘密、隠し事による気持ちの変化の授業であるらしい。皮肉にもそれは俺は大きく該当することになる。もし、守に自分が神姫を持っていることがバレれば、神姫を、そのマスターのイメージを嫌悪している彼はイメージとは違う俺を見て、拒否するかもしれない。 そうなれば、これまでの友情が壊れてしまうだろう。それどころか、噂が広まって大学での自分を見る目を皆は変えてしまうかもしれない。だからこそ、俺は神姫を持っていることを隠し通している。これまでの自分の繋がりを失わないために、な。 全く、何が『双姫主の尊』か。あるのは対戦で勝った事実だけで、大衆のイメージには無力だ。 「それを利用して悪さをする人もいる。脅迫ってヤツだね。そういうのは一度、応じてしまうとそうした人達はもっともっととやるのは映画なんかでもよくあるシチュエーションだ。チョコレートをあげたら今度はケーキをって具合にね」 問題はこういう所だ。必要に応じて選択していく必要があるだろう。当然、金銭やら物品を要求してくるならほっとくか、状況に応じてこちらもバラせない状況を作る。単純なバラす事だけをしたいというなら何かしらの勝負をして黙らせるだけで十分だろう。 もっとも、そういう事が無い様にわざわざ変装をしているのだからそんな状況に陥らないのが一番なのだが。 「さて、これで授業を終わりにしよう。来週は先週言った中間レポート提出があるから忘れないように頼むよ」 クラリスにたしなめられながらの埴場先生の授業が進むと、チャイムが鳴った。そうするとキリの良い所で埴場先生は授業を終わらせ、来週の連絡事項を伝えると教室から出て行く。 「ん……。辰巳、授業は?」 それと同時に周りの人達が雑談を始め、その多くの声で守が目を覚ました。 「もう終わった。来週はレポートらしいから忘れるなよ」 「先週の連絡のか……。わかった……。あ~、ねみぃ……」 「……俺は次の授業に行く。お前も遅刻しない様にな」 「結構、遠いとこの教室だったな。お互い、頑張ろうぜ」 「ああ。またな」 簡単に連絡事項を伝えると、お互い違う授業であるため、俺は守と別れて次の授業へと急ぐことにした。 次の授業はC言語のプログラミングだった。その辺りは蒼貴や紫貴のシステムチェックで覚えた知識が活かせるのでさほど、苦戦する授業ではなかった。 俺は授業以上の事はしなかったが、その手の変態の物となると神姫のオリジナルスキルプログラムを作ったり、他のロボットプログラムを作ったりと多種多様な専門的な話が行き交っていた。 武装神姫を初めとするロボット分野のシステムの幅の広さには内心、驚くものがある。オタクがなんだろうが、こうしてとんでもない技術をもっているのなら、問題はないはずなのだが、彼らは趣味がアレな方向に突っ走っている。そのため、他の人からはちょっと変な目で見られがちだ。バカと天才は紙一重とでもいうのだろうか。 授業が終わると昼休みに入る。俺は食堂で食事を取っていると、神姫関連の噂が飛び交っているのを耳にすることができた。それは狂乱の聖女やイリーガルマインドという実際にあった事例のある噂から、『異邦人(エトランゼ)』や『大魔法少女』といった通り名持ちの有名なオーナーの話まで非常に種類が豊富だ。 神姫オーナーになってみると毎日の様に聞ける訳の分からない単語も理解できるようになってきている。それだけ自分も武装神姫を知ることができているという事か。 食事が終わった後は後半の制作実習を神姫のメンテ技術を活かしてこなす。かなり基礎的なものであり、いつものメンテに比べれば楽な授業だった。 最後は部活だ。剣道部に所属をしていて、子供の頃から祖父の教育で様々な武術を習わされた経験の積み重ねから二年で指導する立場にあった。 「身体全体を使え。身を固くせず、柔らかく、円を描くようにだ」 俺は指導をしながら、後輩の連続攻撃を避ける、いなすと攻撃を見切った上での防御をしてみせる。 「そしてそれを闇雲にやるんじゃない。必中の気持ちでやれ」 後輩の攻撃は直線的であり、あまりフェイントもしてこないため、読みやすい。これでは勝てる試合も勝てない。 「わ、わかりました!」 今度は俺の隙を見計らうつもりか、闇雲に攻撃してこなくなった。いい傾向だ。 しばらく、狙いを定めるかの様に俺をにらみつけた後、面を仕掛けてきた。いい攻撃ではあるが……。 「胴! ……っと」 大振りのそれを素早い胴で切り抜け、一本を取ってみせる。一歩遅れて後輩の面も放たれたが、既に俺のいない場所の空を裂くだけだった。 「良い攻撃だったが、大振りだ。もう少し素振りをして、無駄なく触れるようにするといいだろう」 「はい!」 後輩のアドバイスをすると、彼は自分からそれを実践し始めた。これでこの後輩への指導のキリはいいと考え、別の後輩を捕まえるべく動こうとすると何やら二、三人が固まって議論しているのをみつけた。 「それにしても尾上先輩が神姫に指導をしたらどうなるかなぁ?」 「何かその神姫は化け物になりそうだよね。先輩、教え方上手いし、戦略ゲームを携帯ゲーム機でやってるのを見たことがあったけど、簡単にクリアしてたし」 「戦い方も超厳しいお爺ちゃんから、子供の頃から様々な武術を叩き込まれてて、わかっちゃってるからなぁ。マスターのスペックがそのまま、神姫に反映されたらすさまじいだろうさ」 「ああ。だから、この部活に多く来ているわけじゃないのに、あんなにすごく強いんだなぁ」 半ば本気、半ば冗談で俺が神姫に技を教えたらどうなるかが議題ならしい。 実際に持ったまでは現実になっているが、化け物にはなっているとは到底思えんのだがね。それに神姫で必要なのはパートナーとなる神姫との連携だ。それを幾千幾万通りと考えられる発想力があれば、特に武術やら才能やらがなくても、努力次第で違ってくるはずだ。どっかの雑誌じゃ、努力と友情と勝利という三つのキーワードを掲げているが、割とそんなものなのではないだろうか。 「おい。何話してんだ? 今は稽古中だぞ?」 「あっ!? すいません!!」 「先輩って神姫は知ってますか?」 「……周りで聞く程度にはな」 「それに先輩が戦い方を教えたらすごくなるんじゃないかって話していたんです。先輩、神姫をやってみませんか?」 「すまんが……時間がないから難しいだろうな。それより、稽古だ。ここで話をしている暇があるなら練習するぞ」 せっかくの誘いだが、俺は隠し、断る。それを了承することはない。尊の時もそうだ。こいつらでは尊が俺だと察してしまう。心苦しくはあるが、隠し通すしかなかった。 話題を稽古に無理やり切り替え、後輩達の指導をつづける事、一時間前後。剣道部の稽古が終わり、俺は帰路に付いた。 今日は一旦、家に帰って、蒼貴と紫貴を連れて、真那のバトルロンドの練習に付き合う事になっていた。少々早めに帰る必要があるだろう。あいつは遅れると色々とうるさい。 「ねぇ」 そんな中だった。駅に着く前に突然、肩を叩いて呼び止められる。その声の方を向くと女性がいた。彼女は……確か、弓道の竹櫛鉄子さんだった。 「何だ?」 「君が双姫主の尊君?」 「尊? 誰だか知らんが、人違いだ」 ポーカーフェイスな返事とは裏腹に竹櫛さんの言葉に俺は内心、驚愕した。変装をどうやって見破ったというのだろうか。 「そうなん? 君、『あのイベント』におったでしょ?」 「いや、いなかった」 「ああ、まどろっこしい奴だな。鉄子ちゃんよぉ。写メ見せてやんなよ」 突然、カバンからキツネ耳が特徴的な確か……レラカムイ型の神姫が出てきた。そいつは確か、コタマと遠野のイベントでは呼ばれていたのを聞いたことがある。 そして、彼女に促され、鉄子が携帯の画像を俺に見せてきた。 ……そこには俺がVRマシンで対戦をしている様子が写されていた。 動かぬ証拠だった。確かにこれだけしっかり撮れていれば、こうして偶然見つけたらわかってしまうだろう。ここまでの物を撮られているとは予想していなかった。いや、気づかれないと高をくくっていた自分の油断だったのかもしれない。 いずれにせよ。これ以上は言い逃れはできそうになかった。 「……場所を変えようか」 これ以上の正体バレを防ぐため、俺は彼女を別の場所……通学路から大きく外れた喫茶店へと誘う事にした。 それに対してコタマは少々不服そうだったが、二人は了承し、俺に付いて来てくれた。現状はこれでこの二人だけが知っていることになると考えられる。その後はこいつらとどう話を付けるかだ。 これは……面倒なことになった。 トップへ 次へ
https://w.atwiki.jp/battler/pages/10595.html
なりきりバトルロイヤル/なりきりログ/なりきりログ1 なりきりバトルロイヤル/なりきりログ/なりきりログ2 なりきりバトルロイヤル/なりきりログ/なりきりログ3 なりきりバトルロイヤル/なりきりログ/なりきりログ4 なりきりバトルロイヤル/なりきりログ/なりきりログ5?
https://w.atwiki.jp/soulknightprequel_jp/pages/22.html
目次 バトルロードの詳細 スキル一覧 バトルロード使ってる人お願いします🙇 ◯◯ ✕✕ △△ ☆☆ ♪♪ □□ ▼▼ バトルロードの詳細 ベースのクラス 戦士と衛兵の複合クラス 主に上げるべきステータス 筋力に全部振る スキル一覧 ○○ ✕✕ △△ ☆☆ ♪♪ □□ ▼▼
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/3564.html
作者・◆Vj6e1anjAc氏 趣味で選んだ作品でバトルロワイアル本編 趣味で選んだ作品でバトルロワイアル本編SS目次・時系列順 趣味で選んだ作品でバトルロワイアル本編SS目次・投下順 趣味で選んだ作品でバトルロワイアルキャラ別SS表 ◆Vj6e1anjAc氏の参加者名簿 ◆Vj6e1anjAc氏のルール・マップ ◆Vj6e1anjAc氏の死亡者リスト ◆Vj6e1anjAc氏の支給品一覧
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2377.html
「・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・」 東都大学の敷地内にある剣道場。そこの稽古場の真ん中で御堂春香と彼女の神姫である無頼が座禅を組んでいた。二人とも剣道着を着、傍らに木刀を置いている。 「はっ・・・!」 「せぇい・・・!」 そして同時に眼を見開き、木刀を手にとって横薙ぎに振るう。切っ先が美しい弧を描き、乾いた風切り音を立てる。 「そう言えば無頼。お前を起動させてからそろそろ1年近く経つな」 一通りの稽古を終え、春香と無頼は縁側でお茶を飲んでいた。 「うむ・・・。あの頃の主殿と比べれば、今は随分と明るくなられた」 「同時に、『アイツ』が『死んだ』のも、今ぐらいだったな・・・・・・」 ―――――― 土曜の夜は大盛り上がりするのはどのご時世でも変わることはない。この港湾地区にある古い倉庫もまた、そんな場所の例外ではない。 金網で囲われた闘技場。ステージ名は『コロッセオ・改』。ここで行われているのはリアルバトル。オーナーは互いの神姫とプライドを、そして観客は金品を・・・・・・。 もちろん、神姫バトルだけでなくありとあらゆる娯楽はきちんと認められたカジノ以外での賭博は禁じられている。つまり、ここで行われているのはれっきとした違法試合なのだ。 その金網の中で2体の神姫が戦っていた。 片方はデフォルト装備の上からリアクティブアーマーを身に纏ったストラーフ。もう片方は鉢金とフブキの胸当て、そして肩当てを着け、袴と草履を履いたハウリンだった。 ストラーフが両手にグリップしたアルファ・ピストルとヴズルイフを同時に発砲する。 ハウリンはそれを信じられないほどの反応速度で握られた黒光りする太刀で銃弾を捌いていき、見る見る内に距離を詰めていく。 そして両者がすれ違い、ハウリンは太刀を振るうとそれをゆっくりと鞘に納める。パチンという音と共にストラーフは真っ二つとなり、その場に倒れ伏す。 『Winner、無頼!!』 実況が無頼の勝利を伝え、観客席から歓声が上がる。 「よくやったぞ、無頼」 カウンター席で春香はハウリン―無頼を誉めていた。 「いえ、主殿の采配有ってこそ。自分はまだ、あまりにも未熟」 「謙遜も過ぎると、嫌味にしか聞こえないぞ」 すると、一人の中年の男が彼女の隣に座った。 「よう。最近有名な剣豪神姫のマスターはアンタかい?」 「?」 「俺のことは『ディーラー』とでも呼んでくれ」 「『中立主義者』か・・・。それで、そのディーラーが何の用かな?」 「『聖女』がアンタとの仕合を望んでいる。賭けるのは互いの『プライド』、でどうだ?」 「・・・・・・。裏バトルのチャンプと一度戦ってみたかったところだ。無頼も異存はないな?」 「問題ない。問題はないのですが・・・・・・嫌な予感しかしません」 「どうした?」 珍しくバトルを躊躇う無頼に、春香は怪訝そうな顔をする。 「あの『聖女』とか言う女、不可思議な術を使うと聞いています。何でも、相手の攻撃は全て奴を素通りするとか・・・・・・」 「そう思ってかかる相手に限って、杞憂だったりするんだ。恐れることはない。無頼ならやれると、私は信じているぞ」 「主殿・・・。委細承知!」 「その意気だ。さて、待たせてすまなかったな。『聖女』との仕合、受けて立とう」 しかし、この時春香は知らなかった。何故『彼女』が『聖女』と呼ばれるかを・・・・・・。 ――――― 《さあ、今夜は今までにないビッグゲームだぜ野郎共!!まずは赤コーナー!彼女を倒せる女は、いや神姫オーナーは無し!!通算100連勝中のチャンピオン!!“狂乱の聖女”、桐島あおい!!!》 肩までウェーブがかかった髪に目の覚めるような美しい顔立ち。むさ苦しい倉庫の中では明らかに浮いている。 (あれが“狂乱の聖女”とか言う奴か・・・・・・) 《続いて青コーナー!ここに参加してから僅か三ヶ月で積み上げた勝利は優に60!立ち塞がる者は斬り散らすのみ!“疾風の牙”こと、御堂春香!!》 「顔を会わせるのは、初めてだな。お互い、良いバトルにするとしよう。今宵の私は血に飢えているのでな」 「御託はいい。さっさとかかってこい」 早速無頼とあおいの神姫―マグダレーナはにらみ合いを始めている。彼女の声は、まるで老人のようにしわがれていた。 《おっと、レディを待たせちゃいけねえな。それじゃあ両者スタンバイ!》 二人は互いの神姫をフィールドに立たせ、マスターシートに座る。 《バトルロンド、セットアップ!レディー・・・ゴー!!》 試合開始の合図と同時に無頼は腰にマウントした太刀を抜き放ち、正眼に構える。 「一意専心、いざ参る!!」 無頼は摺り足で距離を詰め、マグダレーナを袈裟懸けで斬りつける。相手もナイフで応戦しようとするが、渾身の一閃でナイフごと両断されるかに見えた。しかし・・・ 「何っ!?」 真っ二つになったのはナイフのみで、マグダレーナ本人は無傷だった。 「どうした?私はここだぞ?」 「くっ・・・!チェストォオ!!」 無頼は今度は大上段から太刀を振り下ろす。だが、今度はマグダレーナの髪を何本か切り裂いただけ。 「『剣豪神姫』と言うのもハッタリか?だとすると、滑稽だな」 「見切りは大した物だな。だが、その程度で私に勝ったと思うな!!」 袈裟懸け、切り払い、突き、切り上げ。無頼は次々と必殺の斬撃を繰り出す。 普通の神姫だったら三枚下ろしどころか、なます斬りになってもおかしくはないレベルだ。しかし、その刃の一つ一つは狂乱の聖女に届くことなく、全てが虚しく空を斬る。 「バカな・・・!一度ならず、二度までも・・・!」 「どうした?それで終わりか?なら、次はこちらの番だ」 そう言ってマグダレーナは右手にライフルをグリップして撃つ。それはぶれることなく無頼の肩当てを弾き飛ばす。 「これしきのことで!!」 「ふっ・・・。甘いな」 「!?」 再び無頼は斬りかかる。しかし、マグダレーナは今度は歓迎した。無数の銃弾で。 無頼はギリギリで見切りはするものの、まるで狙ったかのように彼女の体の自由を奪っていく。 右手のライフルは左腕をもぎ取り、背中のレールガンは両脚を砕き、左手のショットガンは無頼自身を吹っ飛ばす。 「ぐっ・・・まだだ・・・。まだ右腕が使えるなら・・・!」 太刀を杖代わりにして彼女は立ち上がろうとするが、ショットガンで受けたダメージはひどく、それはできなかった。 「どの程度かと思っていたけど、まさかこんなものとはね・・・・・・。マグダレーナ、後は煮るなり焼くなり好きにして」 「了解した。さて・・・どうしてくれようか?この状態で男性型ロボの群れに放り込んでも良いのだがな・・・?」 「ふざけるな・・・!」 「?」 「辱めを受けるくらいなら・・・恥を晒すくらいなら・・・私は・・・!」 「よせ!無頼!!」 「主殿。不甲斐ない私を・・・弱き私を、お許しください・・・。御免!!」 春香の止める声も聞かず、無頼は太刀を自らの胸に突き立てる。そして、地面に倒れ、動かなくなった。 「自刃するとは・・・古風な神姫も居たものだ。ふっふっふ・・・はっはっは!!」 ――――― 「あの時の私は、私自身が許せなかった。強さを求め、裏バトルにまで手を出したツケは大きかった・・・」 「主殿・・・」 「だが、それがあったから心に決めたことがある。もし、私と同じ道を辿ろうとする者がいたら思いとどまらせ、踏み込んでしまった者は救い出すと・・・!」 春香は立ち上がり、無頼を見て言った。 「だから、これからも頼むぞ、無頼!」 「承知!!」 『武士道』、それは死の先にある『何か』を見つける方法を説いたものかもしれない・・・・・・。 とっぷへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/949.html
何日経っただろうか 神浦琥珀言う所の『食事と排泄』というのを少なくとも30セットは繰り返したのではないか その度にエルギールかニビルが代わる代わる来ていた様な気がするが、何を言っていたかはさっぱりわからなかった 灰色の時間が流れていた 最早マスターの事を夢に見る事すら無くなっていた マスターを失った神姫は壊れてしまう事もあるという 私はもう 壊れているのかも知れなかった 「アクロの丘」 華墨の扱いは奇妙だった 専門のクリニックがこんな片田舎にあった事にも驚いたが、最も異質だったのは、華墨の身にあの準決勝で起きた事が、まるきり隠蔽されてしまった事だった 当事者のランカー達にすら、何も知らされず、準決勝の結果は後日発表という事になったらしい 不満を抱く者も居たが、大概のランカーは最早今回の闘いに対する興味を失っていた 華墨とニビル、そしてヌルの三人の研究に必要な資料はもう充分得られたからだ 華墨の健闘は、ランカー達の油断と慢心を一掃し、クイントスの演説で闘志を刺激された者達は、『今自分が体験出来る闘い』をより良いものとすべく、戦闘に没頭し始めていた 鳳凰杯への参加を表明する者も続出していた 『モア』は帰って来た それでも、「バニシングフォー」は「バニシングファイブ」になった 佐鳴武士が行方不明になったからである 『クイントス』は何も言わなかった 彼女の行為は本来、殺人以外の何者でもない だが、現場で『ヌル』の口を封じる事も、悪びれる事もなく、平気な顔で川原正紀のもとに戻り、鳳凰杯に向けてのスペシャルトレーニングに没頭し始めていた その態度に、ヌル自身も、奇妙な歯車の「ずれ」を感じながらも、自分の中に湧き上がるどす黒い感情に沈み、思考が麻痺していた 最近華墨にニビルが掛かりきりなのが、彼女にとっては全く気に喰わなかったのだ 華墨が壊れず、あまつさえ構造的に武装神姫ではあり得ない何者かになってしまった事を知っているのは、神浦琥珀と『エルギール』そして『ニビル』の三人だけだった (・・・人間一人が消えてしまっても何も言わせず、警察の捜査もかわしたのか・・・やはり尋常でない何かが動いている) 琥珀は監視の目を感じていた 無論彼女はスパイでも無ければ、そういった事に対する訓練を受けた訳ではない が、今回、鳳凰杯への出展に際して奇妙な圧力が掛かってきたのは判った 皆川彰人が随伴すると言うのも、明らかに彼女の外出を警戒しての事だった (それでいて華墨のオーナーには居てもらわないと困るみたいだな・・・やっぱり華墨のあの変化には何かがあるんだ) 琥珀は手の中に硬質の刃物を握り締めた 準決勝の後日、クイントスが武器の注文に来た時に、川原正紀から渡されたものだった 正紀は明らかに、それに対して何かを知っていた なんとなくだが、その時の彼の様子から琥珀は、これから帰れぬ戦いに望む悲壮な決意を見出していた (今の僕に出来る事・・・) 琥珀は工房に篭る事を決めた 武士の家から二匹の愉快な同居人が消えたのは、その同日であった 「・・・またあいつの所に行くの?」 「そうよ」 「姉さま!あいつは病院で、姉さまはぴんぴんしてる!あの勝負は姉さまが勝ったで良いじゃない!あいつに拘るのはもうやめて!!」 「!!」 「・・・御免・・・聞き分けなくて御免・・・でも姉さま」 黙ってヌルを抱きしめるニビル 「謝るのは私の方・・・浮気性で御免なさい・・・でも」 「私もすっきりしないのは厭なの・・・お願いヌル。華墨と闘う為に、もう少し私の我侭を許して」 ヌルはこの時、ニビルを置いて鳳凰杯に付いて行く事を決めた 風には春の香りが濃厚だ そんなある日に、ニビルが私の元へやってきていた 最近エルギールは来ない 「まだ、私と闘ってはくれないの?」 ここ数日繰り返された問い それに対する私の答えは常に一つだった 「もう良いんだ・・・私にはもう闘う理由が無い・・・」 ニビルは、ニビルには闘う理由があるようだった ヌルはニビルへの愛の為、ホークウインドは自分の可能性を試す為、ウインダムは自分の理想に近付く為 そしてクイントス・・・彼女にも ニビルは怒らなかった 代わりに、「うそつき」とだけ呟いて、テレビの電源を入れた そこには、十六人の武装神姫とそのオーナーが映し出され、画面下にはそれぞれの名前が表示されていた 「・・・グループA優出、『ミュリエル』。グループB、『レイア』。グループC、『ミチル』。グループD、『クイントス』。グループE、『ミカエル』。グループF、『燐』。グループG、『ハンゾー』。グループH、『ロッテ』。グループI、『花乃』。グループJ、『弁慶』。グループK、『ジル』。グループL、『エル』。グループM、『ルシフェル』。グループN、『ウインダム』。グループO、『アーサー』。グループP、『リュミエ』・・・か」 発表された決勝戦進出神姫の名を読んで、私は興奮と嫉妬、羨望と渇望を覚えていた 『れでぃ~~すえんどじぇんとるめん!!ようこそ盛大なる戦姫の祭りへ』 『さて皆さん、今ここに集いしは過酷な試練を超えた十六組の小さな姫とそのパートナー達であります。まずは苦難の道を勝ち抜いた彼らに賞賛の言葉を送りたいと思います…』 どっと沸く会場・・・もしかしたら私もあそこに居られたかも知れない・・・という想いが胸を締め付ける 順番に表示されていく優出神姫とそのマスターの顔写真 その中に『クイントス』『ウインダム』を見つけた時に、私は思わず跳ね上がった 「・・・っ!!」 だが、いかなる感情も仮定も、体を蝕むこの苦痛の前には無意味だった 『しかし、彼ら彼女らに待ち構えるは今までよりもさらに厳しい王者への道。己の名を広き世界へ轟かせる勝鬨を上げるものは誰なのか、しかと彼女らの放つ熱き輝きを目に焼き付けて欲しい。諸君に『五色の翼の杯』……聖杯の加護があらんことを……』 結局私は、医療クレイドルに身を横たえ、歯軋りしながらテレビで闘いを見守るしかないのだった・・・ 『それでは皆さんご一緒に!! 武装神姫バトル! れでぃ~~~~っ……』 「やめてくれ!!」 乱暴に電源を落とす ニビルは無表情だった 「何故?闘う理由が無いなら辛くなど無いでしょう?」 「私は・・・っ!!」 「そうやって壊れたフリをし続けるのが貴女のマスターの願いなの?」 「お前に何が判るッ!!」 「貴女が闘志を失って無い事位判るわよォ!!!」 恐ろしい程の絶叫 叫んだ後、ニビルは半分泣き顔だった 「待ってるから・・・」 古風な 本当に古風な手紙を残して、彼女は出て行った ラブレターじみた可愛い入れ物に入ったそれは 案の定筆書きの『果たし状』だった 至る所の字が間違いまくって、とても読みづらかった 「・・・私は・・・」 ふたりだけの鳳凰杯をしましょう わたしとあなた ふたりだけの 自分がこういう行動を取る事を、ニビルは考えた事も無かった 自分が華墨の事を気に掛ける程に、華墨が自分の事を気に掛けていないという思いがあった また、ヌルに指摘されるまで、華墨の事を自分が意識しているという自覚すらしていなかった だが今、こうして丘の上で華墨を待っている それは華墨の為を思っての行動なのか、自分の為なのか、ニビルには判別しかねた ・・・ニビルは知らないが、クイントスのそれと同じく、『ギガンティック』に対する拘りでないとする保障さえなかった・・・ だが、そういう動機が曖昧な行動を自分が取れる事自体が、ある意味で誇らしかった 自分はただの機械的な知能ではないと思えるからだ 華墨がクイントスの魔性に捕まって、闘う機械になるのは厭だった だからといって、闘えない華墨も厭だった 来て欲しかった (かつて私に、闘う事を宣言した時の様に、闘志を漲らせて、もう一度私の前に立ちなさい華墨!せめてあともう一度・・・!!) 砂埃を巻き上げる風に、マントがはためく 腰に差した拳銃はダブルアクションのリボルバー・・・いつでも抜き放ち、発砲する事は出来る (来て、来て、来て来て来て・・・華墨!!) 紅い・・・ 甲冑姿が剣を履いて現れる 草もまばらなむき出しの地面に その姿は異様に映えた 「・・・待たせたな・・・装備を探すのに手間取った」 ニビルは感情を顔に表さなかった 襟が口元を隠す・・・同じ風で、華墨のポニーテールも流れた 「始めようか・・・私達の勝負を」 今ようやく 二人の戦いは幕を開けた・・・・・・! 第一部完 剣は紅い花の誇り 前へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2514.html
不良娘と放課後のディスカッション 世の中はオセロのような物だ。 片やが立てば片やは減り続ける、そうして四隅を取られて敗北を待つ。 コマを回収するときを静かに待ち続けるしかないんだ。 負けてたまるか、諦めてたまるか そう思い続けた日々は無意味と帰して… 「そうして哀れ私はこうして肉体労働に準じるしかないのね…よよよ」 「おい神奈、余計な口を動かしとランでこっちの資料もいらないから縛って置いてくれ あとそれからそこの教材と此処の参考書ももういらないから棄てるように。それから…」 「は~いはいはい、私の手は何本に見えます?二本ですよ!」 少女は無意味なモノローグを途中で切られた事にムッとして、半ば剥げた教員に文句を返す。 少女は特徴的なウェーブのかかった長髪をしており 流行りの小ぶりなバイオメタルフレームの眼鏡をかけていて それが逆にスタイリッシュなファッションとなっている…所謂美少女である。 しかしその手には軍手、そして首にはタオルをかけておりやや埃にまみれたその姿はアシンメトリーな違和感を感じさせた。 「今これゴミに出すんでもうちょっと待ってくださいよっと…急かす男性は幾つになってもモテませんよん♪」 余計な御世話だ!!という怒号を背に聞き終える前に扉を脚で閉める。 そして重い荷物を両手に木造の渡り廊下を歩く。 珍しい?確かにこんなご時世だ、そう感じるのも無理は無いだろう。 戸叶第三高校…通称戸叶三校。 都内におけるごく有り触れた3流高校であり、未だ木造の校舎が残っていると言う奇特な学校である。 なんでも21世紀初頭にごく一部で古き良き建築方式を残そうという運動があったらしく 当時の新技術であった圧縮技術によってできた強化木材によって最新のバイオセラミックに勝らずとも劣らない強度と頑丈さを兼ね備えているのだとか。 しかし所詮木材は木材、腐食菌達の30年間にわたる努力の甲斐あって、強固な木材もやがては腐食する運命を辿る事の証明に細菌どもは成功したのである。 それがどうしたと言われるだろうが此処からが問題で、雨が降ったりすると雨漏りが結構酷いのだ。 そして彼女、神奈 流の回収したテスト用紙に丁度狙い澄ましたかのように雨漏りが降り注いで来た事によって素敵なまでに答えが消えてしまったのだ。 通常は、ここで再試験の申し揉みを出せば先生はもれなくOKサインを出すだろう。 しかし彼女の場合は勝手が違った、授業の抜け出しに授業中の居眠りなど常習犯 果ては成績の良さとそれに寄り学校の平均偏差値をあげているのも彼女なのだからか堂々とそれらを行うのだから教員としては腹立たしい問題児の中の問題児 それが神奈 流の教員たちによる評価である。 つまり再試験していい代わりに、雑用だけでもやってもらうぞと言う事だ。 ちなみに再試験は既に終了しており教師も真っ青になる程の好成績を叩きだしている。 「しっかし何でまたゴミ捨てかしらねぇ~、こんなの男子にでもやらせりゃいいのに… まったく、私みたいにガッツのある野郎はいないのか嘆かわしい」 実際昨今のスポーツ事情から言っても、社会の中での男性の立場の崩落は未だ大きい物である。 何故ならば男子の運動離れと、筋肉や中身を磨くより外観を磨こうという努力にばかり目が行く者や 20世紀末から繁殖を始めたゲームやパソコンオタクと言った分化系の大量発生―といっても著者や神奈自身はそれを否定する事は無いが― パッと見ではそうそう問題ではないが、男子の体育離れ…即ちなよなよしい男子を大量生産するようなご時世と言う事だ。 しかし…そんなこのご時世でも奇特な人間と言うのは居るもので 「よう、手伝おうか?」 通りかかった部室の前に腰かけた男が神奈に話しかける。 ツンツン頭で如何にも前世紀では漫画の主人公のような頭をしている男はただ神奈を見かけただけなのだろう、それがどんな状態に有るかも知る由もない 彼がそんなお人よしである上に外見に見合わずそれなりに筋肉のついている男だと言う事も神奈は知っていた。 なぜなら彼は神奈が所属する部の部長だからである。 「頼むわ、ちょっと数学のあのハゲの準備室で教材とか色々あるからねん♡」 「え”…わ、わかった。男に二言はねぇ!!」 一瞬固まった、それ程に数学教師の階戸教員はなかなかに面倒くさい人間と言う事が知れ渡っているからだ。 しかし男はガッツポーズをとってその場から数学準備室へと足を運ぼうとする。 それこそがなんでも気合と根性とごり押しで物事を解決する男、元サッカー部主将にして武装神姫部部長の蘆田 阿頼耶である。 明らかに生まれる時代を間違えているこの男。 ふと神奈は蘆田を呼びとめた、もちろん頼んだ事を中止する気は無い。聴きたい事があったからだ。 「蘆田部長ー、部長の神姫はどったの~?」 「んん?今丁度部室内の掃除中だ、丁度部屋から追い出されちまった所だよ」 神姫…それは2041年現在、あまりにも当たり前に人々の日常に溶け込んだ汎用人型フィギュアサイズロボットである。 身長15センチ程度のボディにCSCシステムに寄る人工的な感情と魂をほぼ完全に再現した最新の人工知能を搭載 またボディに汎用的なパーツを搭載する事でほぼ無限とも言える多機能性を見せる―これを武装とも言い、後述の名の由来にもなっている― まさに、人類が生み出した理想的なパートナーと言えるだろう。 そして一部の人々はその神姫に思い思いの文字通り武装―武器や鎧、あるいは技術をありったけ積み込んだ超小型軽量化バトルモービルもしくは同左パワードスーツ等々前述の通り種類は無限である― を装備させ、あるものは自らが司令塔となって、或いは神姫と一つになって、小さなサイズの戦いを繰り広げる遊びが流行していた。 それを神姫バトル、そして主人と共にその戦いに身を投じる神姫達を人々は武装神姫と呼んだ。 「しかし…当たり前に浸透してるって言う割にはバカ高いのよねぇ」 「仕方ないさ、俺だってバイトの退職金と兄貴の残した神姫ポイントがなけりゃ二体も買えなかったしな」 流石元運動部員と言うか、もう神奈に追いついてきた蘆田と学校外の歩道を、荷物運びをしながら受け答えする。 ため息をついてゴミ捨て場へとたどり着く。古い学校だから景観を壊したくないという理由でゴミ回収場所も後者から結構遠い道の端なのだ。 「あぁもう、今日は私だってバイトの予定もキャンセルしたのよ!!なんだってこんな金にもならないボランティアをする為に…くっそう、21世紀初頭の活動団体を呪いたいいぃ!!」 「一体何を言ってんだお前は…」 ため息をつきながら蘆田は神奈に振り向く。 「そういえば、神奈はそろそろ神姫買う予定なのか?」 「いや全然?」 蘆田は意外な事にすっぱりと切り捨てられる問いに顔をしかめる。 それもその筈、神奈は神姫に対する知識が非常に深い。 本人は詳しい武装紳士・淑女で無くとも神姫ヲタならだれでも知っている事というが 実際戸叶三高神姫部の神姫達の武装は殆ど神奈がチューンナップしているのだ。 深いなんてものじゃない、明らかに何か経験を積んだのだろう。 しかし、その辺の事は蘆田は深く聞き出すつもりは無い、お互い過去は無意味なことと知っているからだ。 「まぁ部長だってサッカー部全員が女にうつつを抜かしててる中、極度の初心なもんだから凄く居づらくなったんで、せめて女性恐怖症を治すために神姫始めたんでしょ♪」 「ぐ!!それは今関係ないだろうが!!」 まぁ彼の過去の場合、もう殆ど払しょくできているから伏線にする必要もないのだが… やがてようやくゴミ捨て場へとたどり着いた二人はどさどさとゴミを置く。 「しかし何でだ、普段からお前うちの神姫達ともよく関わってるし神姫が嫌いな訳でもないんだろう?それこそうちの部費で買ったっていいんだ、金の事なんてそんなに気にする事でもないだろう?」 「…整理がつかないのよね、気持ちの問題と言うかね…なかなかどうして、私に共感できる子が欲しくてね」 そりゃ無理だ、と蘆田は正直にため息をついた。 神奈程の変人は中々居ない、神奈と関わった者ならだれでもそう思うし神奈本人もそう思うだろう。 しかし…ふと神奈は其処に捨ててあった赤い光を偶然視界に入れた。 「…………あぁ、前言撤回するわ」 「・・・は?」 神奈の突然の意趣返しに蘆田は戸惑いの声を上げる。 すると神奈は粗大ごみの中から伸びる『手』を握って、ずるりと引き上げた。 千切れたコードが絡まり、埃で汚れ、力無く手脚をぶら提げた身長15センチ程度の少女が神奈の掌に乗せられた。 「部長、ちょっと部室のクレイドルとパソコン借りるわよ」 「お、おい?」 「私はこの子の思い出を育ててみたいのよ♪」 トップ 続き
https://w.atwiki.jp/battleconductor/pages/123.html
登場人物(NPC神姫)OPムービーのアーンヴァルMk.2 てん 謎のエーデルワイス型 大型バグ・オメガ 闇神姫 種村ジュビ子 黒種ジュビ美 ミラージュ・シリーズ ハナ イバラ ユメ ドロシー ストラ 悪神姫 鎧原フォスター 剣崎フェスター 甲季 刀華 ノララーフ ジル ラズちゃむ エウエウ 藤田フブルン コメント 登場人物(NPC神姫) 本作に登場しているNPC神姫です。 多くの場合は、レイドボスバトルで登場する人物となります。 OPムービーのアーンヴァルMk.2 稼動当初から登場している、見ての通りの天使型アーンヴァルMk.2。個体名は不明だが、少なくともてんとは別個体。 とあるギタリストの動きを完全再現出来る程にギター演奏が得意。 ベイビーラズ「あたしも実装された事だし、そろそろ混ぜて欲しいじゃん…」 てん 天使型アーンヴァルMk.2。神姫ショップ神姫(SSS)の称号と、同型機よりも多いアホ毛を持つ。 公式コミックではほぼレギュラーだが、ゲーム本編には姿を見せていない…訳ではない。 実は、本作稼動当初はバトル終了後の神姫お迎え画面で登場している。「入荷した神姫にすぐちゅーする」悪癖のせいでかずっと研修中の身だったが、シーズン2では神姫ショップのアイテム購入画面へと「異動」させられたのと引き換えに(?)晴れて正社員へと昇格した。 どちらにせよ、単にモデリングの都合上アホ毛が見られないので分かりにくいというだけなのである。 謎のエーデルワイス型 「それはバグの仕業よ!」 猟兵型エーデルワイス。レイドボスバトル(第一回)~(第二回)、復刻(第六回/前半)、(第十一回)に登場。 どうやら「武装神姫R」がリリースされた世界線の存在であるらしく、かの世界から出現したバグを追ってこの世界に来訪し、プレイヤー側の神姫達と共闘する。 なお、現存するエーデルワイス型との関係は一切不明。 大型バグ・オメガ レイドボスバトル(バグ編:第一回~第二回)に登場したレイドボス。 メタルギア・シリーズの核搭載二足歩行戦車「メタルギアREX」またはグラディウス・シリーズの歩行型対空ロボ「ダッカー」のような姿をしている。 巨大な体躯で明らかに神姫ではないためか、部位破壊要素(弱点要素つき)が存在する。 なお復刻レイド(第六回および第十回、第十一回)にも登場しているが、これが残存していた個体なのかバグの性能を再現したエラーなのかは判然としていない。 (様々な状況証拠から後者である蓋然性は高いが、絶対とは言い切れない) 闇神姫 レイドボスバトル(第二回)に登場したレイドボス。 謎のエーデルワイス型曰く「いまだ目的も正体も不明な、マスターを持たない神姫」。バグを増殖させて「武装神姫R」の世界に悪影響を及ぼす存在との事。 悪影響を及ぼしたのはあちらの世界だけではなかったようで、後に第八回においてレイドボスの剣崎が「闇堕ち」した原因のひとつとも考えられている。 ちなみに、その後の復刻(第六回)には出現していない(大型バグ・オメガは登場し、これを倒すと闇神姫の装備をドロップした)が、復刻(第十回)において「小型/中型バグと同型のエラー達」を引き連れて久々の再登場を果たし、復刻(第十一回)にも引き続き登場する。 種村ジュビ子 種型ジュビジー。レイドボスバトル(第三回)に登場した、神姫NET管理局環境農業課所属の「お役所神姫」。 飛び道具が対エラー特効を持っている事が多く、また防御力にも優れるため雑魚戦では活躍してくれるが、その分対ボス戦では決め手に欠ける。 その後もスポット参戦ながら、第七回・第八回ついでに復刻(第六回/後半)&復刻(第十回)と度々エラー退治に駆り出されまくっているが、そもそもお仕事が大好きなので全然平気らしい。 黒種ジュビ美 種型ジュビジー(リペイント)。レイドボスバトル(第三回)および復刻(第六回)に登場したレイドボスで、種村ジュビ子の同僚。 元々周辺が見えなくなりやすい性格だった事もあり、ワーカホリックを拗らせた結果エラーに付け込まれ暴走してしまった(公式コミックでの示唆によれば、どうやら昇進したかったらしい)。 経緯が経緯だけに悪神姫に分類されたりする事はなく、事件後無事に夏休みを取れた様子。 ミラージュ・シリーズ レイドボスバトル(エラー編)に登場するレイドボス。エラー達を束ねる存在。 Naked素体をベースに数多の神姫用武装を寄せ集め、さながら阿修羅像のような外見に構築した武装を携える。 複数種の個体が存在し、それぞれカラーリングや手持ち武装等、果てはアクティブスキルに至るまで微妙な差異を持つ。 ホワイトミラージュ(第三回/第六回前半) ブラックミラージュ(第三回レア枠/第四回/第六回前半) ナイトミラージュ(第四回レア枠/第五回) サマーミラージュ(第五回レア枠/第六回後半/第七回レア枠) オータムミラージュ(第七回/第八回レア枠) バニーミラージュ(第八回/第九回レア枠) フレッシュミラージュ(第九回) なおサマーミラージュ以後、スタンする毎に武装を少しずつ除装していくようになったが、総合戦闘力の変化は一切ない。 ハナ 花型ジルダリア。レイドボスバトル(第四回)に登場した、花屋のアルバイト神姫。 本当は自分もサボりたかったらしいが、迫り来るエラーを前にプレイヤー側の神姫達と共闘する。 ちなみに公式コミックでは同型の「ジル」が存在するが、ゲーム中には出てこない。 イバラ 花型ジルダリア(リペイント)。レイドボスバトル(第四回)および復刻(第六回)に登場したレイドボスで、ハナのバイト仲間。 「仕事を全力でサボりたい」というだけの理由で、エラーと結託していた困った神姫。 その後こってり絞られ、かつハナやプレイヤーの神姫達とゲーセンでたっぷり遊んだ事で、エラーとは手を切れたようだ。 ユメ 悪魔夢魔型ヴァローナ。レイドボスバトル(第五回)に登場した、ご近所神友マスターの神姫。 アラーム機能の不調を解決すべく、迫り来るエラーを前にプレイヤー側の神姫達と共闘する。 ドロシー 悪魔夢魔型ヴァローナ(リペイント)。レイドボスバトル(第五回)および復刻(第六回)に登場したレイドボス。 お寝坊なマスターのためご近所神姫達のアラーム機能に干渉し、エラーと結託していた困った神姫。 その後神姫管理委員会に厳重注意を受け、マスター共々早起きすると共にエラーとも手を切った模様。 ストラ 天使コマンド型ウェルクストラ(リペイント)。なにげに共闘するNPC神姫達の中では初のリペイント神姫である。 レイドボスバトル(第七回)に登場し、オフラインレイドストーリーの4戦目では行き掛かり上レイドボスも務めた。 (当初は記憶を失った状態でプレイヤーたちに保護されたのだが、当該バトルでは悪神姫にコントロールされてエラーと共に暴れ回ってしまったため) ちなみに本来のマスターはコーヒーを好むキャンパーであるらしく、コーヒーを淹れるのが得意だという事を思い出したのをキッカケとして無事記憶が戻った。 悪神姫 天使コマンド型ウェルクストラ(リペイント)。レイドボスバトル(第七回)に登場したレイドボス。 ストラと同型機なので分かりにくいが、当該オフラインレイドストーリーの9~10戦目及びオンラインでのボスはこちらの方である。 悪いマスターの下でエラーを利用してはぐれ神姫を操り不法に働かせていた他、神姫誘拐にも手を染めていた。 ただし、その「悪事」の詳細および倒された後の処遇、そして個体名は一切不明。 鎧原フォスター 騎士型サイフォス。レイドボスバトル(第八回)および第九回に登場した、神姫NET管理局ネットワーク課のネットワーク担当神姫。 日頃からハードワークが多い職務に身を置いているためか、非常に強く頼れる存在だが、対ボス戦では手数不足に陥りやすい。 ちなみに本名は2023/04/01の公式キャンペーン「エルプリルフール特別号」で、剣崎のそれ共々判明した。 剣崎フェスター 騎士型サイフォス(リペイント)。レイドボスバトル(第八回)に登場した、鎧原の姉にしてレイドボス。 嘗ては神姫NET管理局品質管理課に所属し、ネットワーク品質を管理。その過程で種村ジュビ子の仕事を手伝ったり、闇神姫事件においても最前線で戦ったり…と真面目に働いていたのだが、いつしか悪堕ち。事件解決後は神姫NET管理局に連行されていった。 バリバリの武闘派な一方でうさぎ好きという一面もあり、その立場を利用して入手したミラージュ・シリーズのデータからバニーミラージュを造り上げた可能性が指摘されている。 ちなみに第九回でも懲りずに脱走、「漆黒の戦姫」副長として悪事の片棒を担いでいる。 ちなみに「剣崎」といえば特撮作品「仮面ライダー剣」の主人公の苗字だが、ルラギラレる方だったあちらとは逆に此方はルラギる方である。 甲季 侍型紅緒。レイドボスバトル(第九回)に登場。神姫NET管理局のエラー討伐アルバイト神姫。 ジェムバトルランキングの上位チーム「漆黒の戦姫」に入る事を志しており、そのための鍛錬目的でエラーを討伐している。 プレイヤー神姫の助けを得つつ、入団試験を受ける事になるのだが…… その「漆黒の戦姫」こそは、一連の事件を引き起こす「悪神姫」達の巣窟であった、というオチがついてしまった。 刀華 武士型紅緒(リペイント)。レイドボスバトル(第九回)に登場した、ジェムバトルランキング上位チーム「漆黒の戦姫」リーダーにしてレイドボス。 実は剣崎と結託し、はぐれ神姫を積極的にメンバーに加えて勢力拡大を図っていた。これは悪神姫を増やす結果になるらしいのだが、当の彼女達自身は純粋かつ真面目に「はぐれ神姫の保護」を謳っているので、なお始末が悪い。 事件終結後は、剣崎共々「悪神姫」として神姫NET管理局に連行されていった。 ノララーフ 悪魔型ストラーフMk.2。公式コミックでは常連だがゲームには出てこない。 てんの店に良く遊びに来る、ポーカーフェイスでハードボイルドなノラ神姫。 大体のトラブルを解決してくれるらしい。 ジル 花型ジルダリア。公式コミックにのみ登場(ゲーム中には別個体ことハナが登場している)。 ブタグッズ、特に「神姫をダメにするブタクッション」を愛用しているらしい。 ちなみにこの名前、巷ではジールベルンにも付けられている事が多い。 ラズちゃむ エレキギター型ベイビーラズ。公式コミックにのみ登場。てんの被害者 とはいえ、ほとんどが起動前で寝ている状態での出番だった…。 エウエウ セイレーン型エウクランテ。公式コミックにのみ登場。 いつも元気一杯だが、何らかの(おそらくはノララーフ絡み?)復讐心に燃えているらしい。 ちなみにシーズン1の頃、ジェムバトルにおいて「なぜか緑CPUの復讐心が高い」と言う現象が稼動当初から確認されており、修正を重ねてもなかなか収まらなかった…という経緯があったり。 藤田フブルン 忍者型フブキ。初出は2022年4月1日の「エルプリルフール」告知で、ポニーテールに白ビキニにて魅惑の姿を披露した。 その後毎年04/01の同告知で、サブモニターにメッセージを出していた様子(開催されなかった2024年も含む)。 果たして、ゲーム本編に現れる事はあるのだろうか……? コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2215.html
ウサギのナミダ 番外編 水中機動戦術論 ~前編~ □ 「ねえ、クイーンとアクアの一戦、結局どんな試合だったの?」 向かいに座る久住さんが、突如そんなことを言い出した。 俺の隣に座る大城が血相を変える。 「ア、アクアって、あの『K水族館の人魚姫』のアクアかよ!?」 「まあ、そうだけど……」 俺は気のない返事をする。 大城はさらにヒートアップした。 「なんだそりゃ!? アクアといえば、水族館での活躍も有名だけど、昔はこのあたりじゃ名の知れた武装神姫だったんだぜ!? 『シードラゴン』のアクアって言えば、古株の神姫プレイヤーなら誰でも知ってる。 その伝説の『シードラゴン』と『アーンヴァル・クイーン』の対戦だとぅ!? なんで呼ばなかったんだよおおおぉぉ……」 さすがに有名プレイヤーに精通した大城だ。 海藤たちの昔の二つ名も知っているとは、感心する。 「しかもね、大城くん。クイーンが大敗したんですって」 「なにっ!」 「気になるわよね」 「当然だ!」 そこで久住さんは、頬に手を当てると、わざとらしくため息をついた。 「でも、遠野くんったら……その試合のこと教えてくれないのよ」 「遠野! てめえは、俺たちに内緒でオイシイ試合観戦しておいて、報告もなしか、ええ!?」 大城はいきなり、俺の胸ぐらをつかみ上げた。 「やめろ、大城! 食事中だろうが……!」 まわりの客の視線が痛い。 土曜日の昼過ぎ、いきつけのファミレスはほぼ満席だ。 俺たちのテーブルの上にも、まだ手を着けて半ばの皿が並んでいる。 さすがに大城も周囲の視線に気がついたのか、愛想笑いを浮かべながら、ゆっくりと手を離した。 俺は一つ咳払いをすると、あらためてハンバーグステーキセットに向き直る。 「……君らが想像しているようなバトルではなかったんだ。話すのも難しくて、な」 「それでも聞きたいわ。だって、観客は遠野くんだけだったんでしょう?」 そう言って久住さんは、たらこの和風スパゲティを口元に運ぶ。 まあ、確かに、見てたのは俺とティアだけだったんだけど……。 「もったいぶってないで話せよ。どんなしょっぱい試合だったとしても、かまわねぇから」 トンカツ定食をつついていた大城の箸が、俺を指す。 俺は困って、テーブルの上のパートナーに視線を向けた。 すると、ティアもちょうど俺に、困った顔で視線を送ってくるところだった。 どうやらティアも、ミスティと虎実に同じことで質問責めにあっていたらしい。 俺たちは目を合わせて苦笑する。 そして、二人に向き直って言った。 「わかった、わかった。説明する。 まあ、普通のバトルではないことは確かだったんだ……」 久住さんと大城、ミスティと虎実の視線が俺に集まった。 別にバトルの内容を内緒にしなくてはならないわけではない。 ただ、ちょっと説明するのが難しくて面倒なだけだ。 俺は四人に向かって、ゆっくりと話し始めた。 □ 改札を通り抜けてくる高村に、俺は小さく手を振った。 すでに気がついている高村はまっすぐに近づいてくる。 「やあ、高村」 「おはよう、遠野くん。今日はお招きいただいて、ありがとう」 彼はいつものように笑っている。 その肩で輝くばかりの存在感を放つのは、美しい銀髪の神姫。 「マスター遠野。あなたに感謝します。アクアとの対戦が実現したのは、あなたのおかげです」 「光栄だな、クイーン」 「それと……ティア、こんにちは」 その言葉に、ティアが俺の胸ポケットから顔を出す。 随分と恐縮した様子だ。 「こ、こんにちは……雪華さん」 「また会えて嬉しいですよ」 「……わたしもです」 二人の神姫は微笑みあう。 そんななごやかな光景に、俺も表情をゆるませた。 「さあ、行こうか」 俺たちは連れだって、歩き出す。 目的地はK水族館だ。 今日は水曜日。平日の午前中ともなれば、最寄り駅の人影もまばらだ。 こんな平日の日中から、なぜ高村と水族館に行くのかと言えば、今日の対戦相手である海藤の指定だったからだ。 海藤は、アクアと雪華の対戦を渋々了承したが、条件を付けてきた。 水曜日の日中、水族館でリアルバトル、というのがそれだ。 ただし、武装はいっさい持ち込まない。武器は海藤の方で用意するが、バトルでダメージを負うことはないという。 それを聞いた高村と雪華は、二つ返事で了解した。 俺と高村は大学生だが、今日ばかりは大学の講義をさぼることにして、水族館の最寄り駅で待ち合わせたという次第だ。 ちなみに海藤はすでに単位が足りないことが決まっているようだが、気にとめた様子はない。 「しかし……良かったのか?」 「何がです?」 「今週末はセカンドリーグの全国大会だろう。 それなのにリアルバトルなんて……大会明けでも良かったんじゃないか?」 俺の疑問に、雪華はきっぱりと即答した。 「あの『K水族館の人魚姫』が相手をしてくれるというのです。 全国大会に向けた調整よりも、ずっと重要です」 雪華の考えは独特だ。 ただの草バトルを、来るべき全国大会の直前にも関わらず、最優先にする。 実際、俺からの連絡に、できるだけ早い時期のセッティングを望んだのは雪華だった。 彼女は、目の前の全国大会さえ、通過地点としか考えていないようだ。 さらに先を見据えた上で、このバトルが重要と位置づけている。 やがて、水族館の入り口に到着する。 施設は締め切られており、入り口には『休館日』の看板が掛かっていた。 それは承知の上だ。 水族館の施設を利用するために、海藤はわざわざ休館日を指定してきたのだ。 俺たちは、建物の裏に回り、関係者の通用口にやってくる。 そこで警備員に話を通そうとしたところで、海藤がやってきた。 「やあ、よく来たね」 海藤はいつものようにそう言うと、警備員に何事か話し、俺たちを水族館の中に招き入れた。 俺たちは連なって、飾り気のない水族館の関係者用通路を歩いていく。 海藤の肩にアクアはいない。 「昔の装備を引っ張り出してきて、普通のバーチャルバトルしても、たぶんクイーンが望んでいるものは見られないんだ。 だから、今日はご足労願ったというわけなんだけど」 「いえいえ。こちらの申し出を受けてもらえるとは思っていませんでしたから、むしろ喜んで来たくらいですよ」 すまなそうに言う海藤に、高村は相変わらず人の良さそうな笑みを浮かべて答えた。 そして、雪華がさらに言う。 「気に病むことはありません、マスター海藤。水族館でのバトルというのもまた一興です」 だが、つまらないバトルなら、すぐにでもゲームセンターでバトルロンドだ、という意味が裏に隠されている気がしてならない。 俺たちはやがて、大きな水槽の前にたどり着いた。 高さは俺たちの背丈以上もある大きな水槽だ。 中には、何もいない。水だけが入っている。 水槽の前には、折り畳み式の長机と、パイプ椅子が三脚。 長机の上には、メモのようなものが置いてある。 「いらっしゃいませ」 鈴の音のような声が俺たちを出迎えた。 アクアはその長机の上にいる。 「……あなたがアクアですね?」 「はい。アーンヴァル・クイーンをお迎えできて光栄です」 「雪華、でかまいません。聞けばあなたは、我が友・ティアの友であり、恩人であるとか。ならば、あなたは私にとっても友です」 くそ真面目な顔をして言う雪華に、アクアはにっこりと笑いかけた。 海藤は長机に近寄ると、そこにあったものを手にとって、高村に差し出した。 「それじゃあ、早速始めよう。 雪華にそれを装備させて」 俺は、高村の手をのぞき込む。 海藤が手渡したのは、何か小さな装備だった。 腰位置のジョイントと、Cのような形状からして、神姫の腰に装備するものと思われる。 装備の表面はなめらかで、特に何かギミックが仕込まれている様子はない。 「なんだ、これ?」 「バラストだよ。ノーマルのアーンヴァルの乾燥重量で調整してあるから。 それから、これ」 ペンケースのようなものから、長さ一〇cmほどの細い棒を取り出した。 こちらは、両端にゴムのようなものが付いているだけの、本当になんの変哲もない棒だ。 「こっちはなんだ?」 「今回の武器。雪華もアクアも同じ武器で戦う」 俺の二度の質問に答える海藤に、変わった様子は見られない。 どうも大真面目のようだった。 「つまり、水中で棍を使った模擬戦をする……と?」 高村の言葉に、海藤は頷いた。 「そう。ルールは簡単。棒で相手に一撃決めたら一点。時間は無制限……というか、雪華が納得するまでやる。その時までに得点が多い方が勝ちだ」 俺にはさっぱり分からない。 わざわざ水族館の大きな水槽を借りて、武装も使わずに、剣道まがいの模擬戦を水中でやるなんて……なんの意味があるというのだろう。 しかし、雪華は渡されたバラストパーツを装備し、棒を握って、やる気満々の様子だ。 これも面白い体験だ、くらいに思っているに違いない。 アクアも海藤から渡された模擬戦用の棍を握る。 彼女は海藤の意図を理解しているらしい。クイーンを前にしても、気後れした様子さえ見せない。 「試合のジャッジとモニタリングは、ティアにお願いしたいんだけど」 「……ええっ!? わ、わたしですか!?」 海藤の不意の言葉に、ティアが驚く。 「そうだよ。神姫の目なら、棍の動きも正確に追えるだろうし。PCを使えばリプレイも見られるしね」 「なるほどな……」 海藤の言葉を聞いて、俺はデイバッグからいつものモバイルPCを取り出した。 ティアは困った顔をして呟く。 「責任重大です……」 それでも、ティアに与えられた仕事は大したことではない。 相手の無防備な部分に攻撃が当たったことを見極めて、雪華の攻撃なら右手、アクアなら左手を挙げる。 点数のカウントは、俺が紙の上に「正」の字を書くという、これまた原始的な方法だ。 海藤と高村も、神姫のモニタリングのため、モバイルPCを開く。 準備が終わり、水槽の上から、二人の神姫が沈められる。 水槽の半ばほどで、向かい合って静止する。彼女たちを支えるものは水の浮力のみだ。 棍を構えて、静かに向かい合う。 「それじゃあ、始めよう」 海藤ののんびりとした声で、この不思議なバトルは始まった。 □ 「……そもそも、なんでお前と『シードラゴン』のマスターが知り合いなんだ?」 「高校からの友人だよ。俺が神姫のオーナーになったきっかけも、海藤の影響だ」 「なんでそれを今まで言わなかった!?」 「聞かれてないし」 「うおー! むかつく!!」 一人でエキサイトしている大城を無視し、俺は食後のコーヒーを口に運んだ。 すでに食器は片づけられ、各自の前には、ドリンクバーの飲み物が並んでいる。 そもそも、海藤はバトルロンドからは退いている。 復帰させたい気はあるが、それまでは表立って吹聴することでもない。 海藤本人に復帰する気がないのなら、そっとしておくつもりだった。 「それで……試合はどうなったの?」 久住さんは落ち着いた様子で、ハーブティーを一口飲む。 俺はカップを置くと、話を続けた。 □ 二人の神姫は、お互いに棍を構え、水中で静止している。 さぐり合うような静寂。 雪華とアクアの様子に気負いは見られない。 しかし、静かだったのはほんの数瞬だった。 動いたのは雪華。 中段に構えていた棍を上段に振りかぶり、身体を伸ばして打ちかかる。 だが。 「……っ!」 雪華は眉をひそめ、険しい表情になる。 足場のない水中で、しかも推進器もない素体状態での攻撃。 一連の身体の動きは見事と言うほかない。 並の神姫であれば、アクアを打ちにかかることさえ、かなわなかったろう。 しかし、雪華の一撃は、俺の想像したものよりもなお、緩いものだった。 アクアは、棍の先で雪華の初撃を悠々と受け流すと、数倍鋭い一撃を雪華の左肩に見舞った。 「くっ……」 したたかに打たれ、美貌をゆがめる雪華。 だが、ダメージはないようだ。 ティアの左手がゆっくり上がる。 「アクアさん、一本」 俺はボールペンを走らせて、黒い線を一本、短く書き込む。 再び、二人の神姫は間合いを取って静止する。 雪華は構えを変えた。腕を引き、棍を水平に構える。 「突きか……」 俺の呟きに、高村が頷く。 確かに、今の時点で思いつく攻撃としては、それが一番有効に思える。 たった一合で、有効な攻撃方法を模索して切り替える。さすがは雪華といったところか。 □ 「……えっと、よくわからないんだけれど」 「何が?」 「この場合、なんで突きが有効な攻撃なの?」 「え?」 首を傾げる久住さんに、俺の方がきょとんとしてしまう。 「いや、このときの雪華の立場なら、突きを試すだろう?」 「そうなのか?」 不思議そうな大城の言葉。 ……おい。 どうも、俺が当たり前に考えていたことを、この二人は思い至ってもいなかったらしい。 あの場にいた海藤も高村も、俺と同様に思考していたはずだ。 だから、あの場ではあまり長い会話はなかった。 俺は、大きく一つ、ため息をつく。 「あのな……この水族館でのバトルのポイントはわかってるよな?」 「うーん……棍を使った模擬戦ってこと?」 「あれだろ、装備なしでの力比べだろ」 俺は本気でずっこけた。 これが本当に、『エトランゼ』の異名を取る神姫マスターと、ゲーセンのランキングバトルに君臨するバトルロンドプレイヤーの解答だろうか。 さすがの俺でも、口調が激しくならざるを得ない。 「ちがうっ! 水の抵抗だろっ! 水中に推進器なし、足場なしで対峙してるんだから、水の抵抗をいかに減らし、いかに利用するか。そういう戦いなんだよっ!」 大前提である。 俺の口調にしゅん、として、身を縮めた二人の様子に、俺は頭を振る。 テーブルの上を見れば、同じようにミスティと虎実も肩をすくめていた。 ……おまえらもか。 この二人に勝てなくて悔しがっている三強に、本気で同情したくなってきた。 それでも、俺は咳払い一つで気を取り直し、話を続ける。 「……で、雪華がなぜ突きを試すかというと……こう、上から棍を振るよりも、突く方が抵抗が少ないだろ」 抵抗の大きさは、動いてる物体の面積の広さで増大する。 だとすれば、水の抵抗を少なくするには、その面を少なくすればいい。 だから、棍の先だけが抵抗の面となる、突きを選択するわけだ。 雪華もはじめから突きで行くのかと思ったが、水中での動きの加減などを計るために、まずは普通に打ったのだ。 ……という俺の説明に、ほほーう、と感心することしきりの久住さんと大城。 頭が痛くなってきた。 俺はこめかみを押さえながら、話を続ける。 □ 雪華は間合いを計ると、再び自ら打って出た。 予想通りの、突き。 しかも二段突きだ。 最初の攻撃に比べ、格段に速い。 だが、雪華はまたしても顔をしかめる。 その表情が、本来のパフォーマンスを出し切れていないことを物語る。 水の抵抗がかかるのは棍だけではない。棍を握り、突き出そうとするその腕、ひねりを利かせる身体、水を蹴って前に出ようとする脚にも負担をかける。 逆にアクアは、水中であることを感じさせない動きを見せる。 身を翻し、一段目の突きをかわす。 二段目は、自分の棍の先ではじき、雪華の突きを上にそらす。 すぐさま棍を回し、逆の先端を下から繰り出す。 「くっ……」 雪華は右の脇をしたたかに打たれた。 「アクアさん、一本」 またティアの左手が上がる。 雪華は一瞬その手に視線を送り、再びアクアに向き直った。 また、構えが変わる。 今度は、棍を少し短めに持ち、先端を上げ気味にして構えた。 顎を引き、アクアを静かに見つめる。 待ちの姿勢。 雪華はアクアに「打ってこい」と言っているのだ。 だが、いくら守りに徹したとしても、水中でのアクアの攻撃を防ぎきれるとは思えない。 それは雪華も承知のはずだし、そんな消極的な考えは彼女の気性に合わない。 ならばなぜ打たせようと言うのか。 理由は一つだ。 雪華は、アクアに打たせることで、水中での動きを見極めようとしている。 アクアの水中機動の秘密を探るためなら、この一点捨てる覚悟。 それがこの雪華の構えに現れている。 アクアは首を傾げ、優しげに微笑んだ。 次の瞬間、地を蹴るがごとき速度で間合いを詰めると、雪華に向かって攻め込んだ。 構えは先ほどの雪華と同じ、中段突きの構え。 間合いに飛び込むと同時、鋭い突きが繰り出される。 それになんとか対応し、立てた棍で突きをそらす。 しかし、アクアは自分の棍を素早く擦りあげると、雪華の頭上に打ち下ろした。 早業だった。 激しい打撃が雪華を襲う……と思われたが、アクアは棍が接触する直前で止めて見せた。 そして、軽く、雪華の頭に棍の先を当てる。 「アクアさん、一本」 ティアの審判。 今の寸止めは、アクアの配慮だ。 雪華はセカンドリーグ全国大会を週末に控えている。 無駄なダメージを与えないように、注意を払っているのだ。 それは雪華もわかっているはずだ。 だが、雪華は水を蹴って間合いを開くと、棍を猛然と構えた。 「……おい」 負けず嫌いにもほどがある。 手を抜かれたのが我慢ならない、という面もちだ。 雪華は、構えたまま、身体の細部を細かく動かしている。 今見たアクアの動きを自分に最適化する作業。 数秒後、雪華の構えは先ほどとは違って見えた。 どこが違う、と具体的に言えるほどに大きな変化ではない。 あえて言うならば、アクア同様の構えになった、と言ったところだろうか。 アクアの表情が変わった。 優しげな微笑みを引っ込め、真面目な顔で雪華を見据える。 アクアは雪華の構えから、次の攻撃は片手間でかわせるものではない、と判断したようだ。 それでも、アクアは待ちの構え。 あくまで雪華に打たせるようだ。 このときにはもう、俺にもわかっていた。 この試合はバトルじゃない。レクチャーだということに。 □ 「って……はあ?」 「レクチャー?」 大城と久住さんは、そろって疑問を俺にぶつけてくる。 「そう。海藤とアクアはバトルしてたんじゃない。雪華にレクチャーしていたんだ」 「何を?」 「水中での機動方法を」 つまり、水中を自在に動く秘密を、海藤は雪華に教え込んでいたのだ。 模擬戦という形式で、戦いの中から学び取る。 そもそも、高村たちがあちこちの神姫センターやゲームセンターに出かけて武者修行しているのは、大会出場神姫ではありえない戦い方を学ぶためだ。 クイーンの実戦における学習能力は並外れている。 そこで海藤は、アクアの水中機動が際だつ形での模擬戦をセッティングしたというわけだ。 海藤には、普通のバトルロンドをするにはまだ抵抗があったのだろうか。 「だから、勝敗なんて意味がない。どっちが何ポイントかなんて、目安にもならない。せいぜい、雪華のモチベーションを保つくらいの役割しかなかったんじゃないかな」 「……なるほどね。確かに、一言で説明しにくいわね……」 久住さんは腕を組んで唸った。 大城があきれたような顔で、頭の後ろで手を組んだ。 「だけどまあ……確かに地味な試合だわな。見てる方は退屈だったろ」 「そうでもない。確かに派手さには欠けるけど、そこからのアクアはすごかった」 俺はその時の光景を思い浮かべながら、みんなに話を続ける。 後編へ> Topに戻る>
https://w.atwiki.jp/busou_bm/pages/42.html
F3クラス F2クラス F1クラス F3クラス 優勝賞金 1000spt 優勝賞品 スーパーシルバーストーン 出場するには以下3試合のクリアが必要 F3予選① F3予選② F3出場権獲得バトル ランク マスター 神姫 入手物 備考 20 - - - - 19 - - - - 18 - - - - 17 - - - - 16 - - - - F2クラス 優勝賞金 3000spt 優勝賞品 スタンロッド 出場するには以下5試合のクリアが必要 F2予選① F2予選② F2予選③ F2予選遠距離攻撃バトル F2予選出場権獲得バトル ランク マスター 神姫 入手物 備考 19 吉川素子 アローズ 360spt - 18 猪苗代孝実 ふゆなぎ - - 17 双蜂 ベル - - 16 小早川千歳 リリス - - F1クラス 優勝賞金 5000spt 優勝賞品 Zel ガトリングキャノン+SK 出場するには以下7試合のクリアが必要 F1予選① 制限時間 300秒 優勝賞金 2015spt 優勝賞品 九鉤刀 マスター 神姫 ステージ 偉吹玲人 まお 廃墟2 山中日向 葵 砂漠 音黒野美子 クロミ 滝 F1予選② 制限時間 300秒 優勝賞金 2015spt 優勝賞品 LC3レーザーライフル マスター 神姫 ステージ 給料シーフ シルファ 滝 得川義文 葛葉 廃墟2 ドグラ・モグラ 菊花 コロシアム F1予選③ F1予選④ F1予選武器制限タッグ F1予選火器属性タッグ F1出場権獲得バトル 制限タッグ戦は各タッグバトルをクリアしないと出ないので注意 前提終了後にヴァルハラ関連のイベントを消化するまで大会に参加できません (葉月との会話後に自宅でイベントがあるので要確認)