約 8,428 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6104.html
第十六章【ステルスは捨てるっす!! お願い私を見て!】 アフター ゆみ「それでな、須賀の奴はスタバでの注文がなんたるかを」 智美「ワハハー。その話はこれで三十二回目だぞー」 ゆみ「そうだったか? いや、嬉しすぎてつい……//」カァ 睦月「だいぶ仲がが進んでるようですね」 佳織「いいなぁ」 智美「これじゃ付き合うのも秒読みだなー。どうするモモー?」ワハハ 桃子「……いいんじゃないっすか?」 ゆみ「え?」 桃子「アイツ、そんなに悪い奴には見えないっす」 智美「隕石が降るぞー」ガタガタ 睦月「遺書を書かなきゃ」ゾクゾク 佳織「新作を書き上げてないのに……」ブルブル 桃子「どういう反応っすか!」プンプン ゆみ「……! モモ、まさかお前――」ティン! 桃子「!」ドキッ ゆみ「そう……か。それで、いいのか?」 桃子「……」コクコク ゆみ「……なら、私が口を挟む問題じゃないな」 桃子「私は、別に」 ゆみ「だが、それはあくまで先輩としての話だ。女としての私の意見は違う」 桃子「!!」 ゆみ「私の惚れた男だ。侮るなよ」ジッ 桃子「……」 智美「(侮るな? 認めたからこそ、邪魔をしないんじゃないのかー?)」 佳織「(どういう意味だろう?)」 睦月「(なんだか分からないけど、分かったフリをしておこう)」ウム 桃子「……それでも、私は!」キッ / / / / / ハ ! ハ. / / / /! / / ! ! , | ! /! / / .! | ;'! i .! ! , | ! /_!ハ |_,、! ! ! ! ! _j ハ ! !... j | イ ! _ヽ!-、!ハ | ! ! リ`´/`´! | | i ハ | ,,イ行心ヽ ヽ !ル' ィ行心ヽ! | | / /! ! r ' r } r ' r }l ト ! ! / ! | r‐、 _ V 乂 _ r‐、 ! | , / ハ | `"//// ////`l !, ! ! / , ' l ! !. , / ハ // , ., / 、 ´ ̄` ィ/ | ! i i ;イ ! ` -,.. __ <! / ! i | | /! ! ! _| _.ト; l / ハ! | ハ | | l ト、イ`''ー 、.rハ´ ヽ! / / / | l' ! | ト、 ト、,ィ´! | ハ__Y__ハ /ハ / / / .j 桃子「先輩に、私の気持ちは分からないっすよ!!」ダダダダッ ゆみ「モモ!!」 バタン ゆみ「……歯がゆいな」クッ 今はまだッッッ!! 慌てるような時間じゃないッッッ!!!
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/703.html
ぽかぽか時間 ◆aCs8nMeMRg D-5エリア、政庁7階の情報管理室。 魔術師──荒耶宗蓮と、剣士の英霊──セイバーとの戦いによって滅茶苦茶になったその部屋で、 東横桃子とルルーシュ・ランペルージは、名簿や筆記用具などを取り出し、桃子が聞いたという放送の内容を確認していた。 「……っと、放送の内容は以上っすね。こんな感じで大丈夫っすか?」 桃子の話は、声色などの細かいニュアンスが伝わらないのは致し方ないが、ルルーシュに放送内容を理解させるには十分だった。 「ああ、荒耶の事と言い、よくやった桃子」 あの黒い魔術師は、通常取り得る手段ではルルーシュ達に情報を与えることなど無かっただろう。 情報を入手するためにはルルーシュが持つ絶対遵守の力、ギアスを使う必要があった。 しかし、情報を聞きたいがためにギアスを温存し、その結果自分達が死んでしまっては元も子もない。 左腕を切り落とされてなお魔術を使用してきたその時点で、ルルーシュは作戦を生け捕りから抹殺に切り替え、 一人に対して一回しか効かないギアスの使用を決断したのだ。 その後の桃子が取った行動は、ルルーシュの意図通りであったとも言える。 (またそのセリフっすか……でも、今度は真面目な顔っすね) 桃子はタワーで車のパスワードを当てた時にも同じようなセリフで褒められた。 その時はルルーシュが胡散臭いほどの爽やかな笑顔だったため、かえって信用できないと思ったが、 今回はルルーシュが考え事をしながらであったが故に、その言葉は真剣な表情で発せられ、以前と違う印象を桃子に与えたのだ。 それはともかく、桃子は放送の中でも特に気になっていた部分に関して、ルルーシュの意見を聞いてみる事にした。 「えーっと、今回の新ルールっすけど、ルルさんはどう思うっすか?」 「そうだな……」 ゲーム開始時からこれまで、一度も思考を止めていなかったルルーシュの頭の中では、既に主催者についての考察は数十種に及び、脱出プランも十種類近くを検討していた。 今は、その中から今回の放送内容と合わせて、可能性が高そうなもの選別したりしているところだ。 その考察の内容自体は、桃子に語ってもいいのだが……。 (……魔術とやらを、直に見せられたからな) ルルーシュは最初から、音声などは首輪を通して主催者側に筒抜け、なお且つ監視カメラ等による映像情報も主催者側は得ているだろうと予想していた。 島全体が、ブリタニアの機密情報局に監視されていたころのアッシュフォード学園のような状態だ。 しかし、本物の魔術を目の当たりにしたおかげで、それ以外の可能性も考慮せざるを得なくなった。 遠藤という男が最初に言っていた「魔法」について気にはなっていたが、内容があまりにも不明瞭だったため、 これまで実在するかどうかは半信半疑だったのだが、これからは、魔術による監視、 すなわち、透視や千里眼のような力で監視されている可能性も考えなくてはならない。 盗聴や監視カメラに対する対策なら幾つか思いつくルルーシュだが、魔術に関してはフィクションの物しか知らず、 現存する魔術に対して、どういった対策を取ればいいのかは分からない。 細かい文字での筆談すら無効の可能性も否定はできないのだ。 先ほどの戦闘で見た限りでは、おとぎ話のような万能の力というわけでもなさそうだったが。 (……その辺りも、荒耶から聞き出したいところだったな) 無論、脱出を企てる参加者がいることなどは主催者側も想定しているはず。 プロフィールなども把握されているなら、ルルーシュなどはゲームに反逆するであろうことも主催者側は予想済みだろう。 だからこそ、ルルーシュは自身の言動から主催者への敵対心を隠さない。 むしろ、ルルーシュが脱出できるかどうかさえ、賭けの対象にでもなっているかもしれない。 だが、あまりにも真に迫った言動を見せすぎると、さすがに主催者から警戒はされるだろう。 何せ、ルルーシュの考えではこの主催者は……。 「恐らく、帝愛とやらがこんなゲームを主催するのは、今回が初めてか精々1,2度ある程度なのだろう。 ゲームのルールや運営方法を模索中と考えれば、辻褄も合う」 とりあえずルルーシュは、桃子でも予想のつきそうな範囲で推論を話した。 今までの主催者側の言動から、このゲームが回数を重ねて成熟された物であるとは考えにくい。 参加者の思考をそちら側へ誘導するためである可能性も考えられなくはないが、わざわざそんな事をしても主催者側のメリットは少ないはずだ。 だから付け入る隙はあると言った事や、首輪の解除に関してはとりあえず触れずに、ルルーシュはそこで一旦言葉を切った。 (もっとも、帝愛の裏にいる者に関しては、まだ情報が少なすぎて分からないが……) ルルーシュは、帝愛の他にこのゲームに関わる者が裏にいることを確信していたが、その事をここで話す事はしなかった。 桃子も、それ以上主催者側の意図に興味は無いらしく、二つの首輪を取り出して話題を変えにかかった。 「それでこの首輪、どうするっすか?」 「フム、少し見てもいいか? 汚れの無い方がセイバーのものだな?」 桃子が取りだした二つの首輪。 一つは荒耶宗蓮の首輪。 拭ってはあるが、七天七刀で荒耶から切り取って一度血塗れになったため、多少の汚れは残っていた。 もう一つはセイバーの首輪。 こちらは、セイバーの死と共に彼女の体が消滅したため、血糊が付く事も無く綺麗だった。 ルルーシュはその二つの首輪を持ち上げ、回し、裏側を覗いたりして首輪の構造を確かめていった。 (やはり、荒耶の首輪の方が少し軽いか) ルルーシュの思った通り、持ち上げてみると荒耶の血で汚れた首輪の方が、セイバーの首輪よりも若干軽く感じた。 これは、主催者側の人間である荒耶の首輪が、爆破機構などが付いていないダミーである為と推測できる。 逆に、正規の参加者である者の首輪にはそういった機構が搭載されていることの証明にもなる訳だ。 「換金した方がいいっすかね?」 「いや」 ルルーシュは首輪をコトッと置くと、桃子に視線を移して答えた。 ルルーシュとしては、今後首輪を解除するためにも、解析用に首輪のサンプルは確保しておきたいところだ。 ダミーの方も、爆発を心配しなくて済む分、本命の首輪を解析するための手掛かりになるかも知れない。 しかし、優勝を目指している桃子にそれを言っても納得はしないだろう。 他の理由が必要だった。 「結論は交換機とやらに用意されているラインナップ次第だが、武器なら元々持っていた他に、 荒耶とセイバーから回収した分もある」 そう言ってルルーシュは、自分が目を覚ますまでに桃子が調べていた支給品の数々を眺めた。 「それに、時間経過で商品が追加されるのなら、今から焦って交換する事も無いだろう。 島の各所に交換ボックスがあるのだから、それまでは首輪の状態で持っていた方が何かと都合もいい」 「でも、武器は多いに越したこと無いんじゃないっすか?」 桃子は、デイパックにはいくらでも物が入るのだから、多すぎて困ることは無いと反論した。 「そうでもない。確かに、武装が豊富ならば戦いを有利に進めることは出来るだろう……」 「それなら」 話の途中で口を開いた桃子を、ルルーシュはまあ待てとなだめる様なジェスチャーで制する。 「だが、もし何かの理由で敵対する者にデイパックを奪われたら、今度はそれが大きな脅威となる」 相手の武器やKMFを奪うのは、ゼロとしてブリタニアと戦っていた頃からルルーシュの常套手段だったし、 兄であるシュナイゼルとの決戦では、それまで自分の部下であった黒の騎士団に苦戦したという経験もある。 そんなルルーシュだから、武器を奪われたときの危険性も重々承知していた。 「んー、分かったっす」 桃子としても、自分が荒耶のようにビームサイズで両断されるようなことになるのは御免だ。 その後も多少の問答はあったが、とりあえず作戦を考えるのはルルーシュに任せ、桃子は首輪をルルーシュに預けることにした。 そうして首輪の話がまとまったところで、どこからか別の人物の声が聞こえてきた。 『ザザッ──もしもし、聞こえますか?』 「ん?」 桃子は少し驚いたようで、辺りをキョロキョロと見回していたが、ルルーシュが慣れた手つきで通信機を装着するのを見て、 そういう事かと、ルルーシュにならって通信機を取り出す。 今のは平沢憂の声だ。阿良々木暦の死体を確認しに下へ行っていたはずだが、向こうで何かあったのだろうか? 「憂か、どうした?」 『あ、ルルーシュさん。目が覚めたんですね。あの、桃子ちゃんは……』 ルルーシュが応答した瞬間は、通じた事に安心した為か明るい様子だったが、すぐにその声色は曇った。 「はい、なんすか?」 ルルーシュと同じ様に通信機を装着し終えた桃子が、憂の声に答えた。 『えっと、阿良々木さんは窓から落っこちたんだよね?』 「そうっすよ」 桃子の返答にしばしの沈黙の後、再び通信機を通して憂の困ったような声が聞こえてきた。 「いないの。……阿良々木さんが何処にも」 「何?」 「……はい?」 それを聞いて初めて、ルルーシュと桃子は阿良々木暦が突き破った窓を覗き込み、下の様子を確認した。 確かに、阿良々木の死体らしきものは、ルルーシュと桃子からは見えない。 憂の乗った大きな蟹がのそのそと動く、どこかシュールな光景が見えるだけだ。 その蟹の様子が困惑しているように見えるのは、操っている憂の心情を反映しているのかも知れない。 「憂、地面には何か無いか? 血の跡や、何かが落ちたような痕跡は?」 『えっと、割れたガラスの破片だけです。他には何も……場所は合っていますよね?』 そう言って、憂はそれまで地面に向けていた視線を上げ、窓から突き出ているルルーシュ達の頭を見て手を振った。 「憂、ともかく一度戻って来い」 『え、でも……』 ルルーシュの言葉に、憂は不満気な声を上げた。 この距離では表情は分からないが、阿良々木を捜したいという意思はありありと見てとれる。 「あまり独りで外にいるのは危険だ。敵は阿良々木だけでは無いのだぞ」 『あ…、はい』 ルルーシュに言われ、憂は阿良々木に拘るあまり失念していた、自分が殺し合いの舞台におり、 何時、誰に狙われるのか分からないという事を思い出し、そそくさと政庁の中へ戻って行った。 「一体……、どういう事っすか?」 「その話は憂が戻ってからだ。まずは支給品を片付けるぞ」 一方、桃子も阿良々木の死体が無い事に動揺しているようだったが、ルルーシュはそんな桃子を軽くなだめると、 ひとまず、出しっぱなしだった支給品を片付けだした。 その際、ルルーシュは破壊されたPCのパネルやフレームなども一部回収していたようだ。 そうして、荒耶の支給品はルルーシュが、セイバーの支給品は桃子が、それぞれ自分のデイパックに入れ終えたところで、 おもし蟹に乗った憂が情報管理室に戻って来た。 「ただいまでーす」 そして、三人は消えた阿良々木について話し合う。 「まず、阿良々木がこの窓から落ちたのは間違いない。そうだな?」 「はい、間違いないっす」 ルルーシュの問いに、桃子が頷く。 「だが、下には阿良々木の死体どころか、痕跡すら無かった……」 「はい。ああもう! 阿良々木さんは何処に行ったんですか!?」 今度は憂がルルーシュに答え、更にイライラした様子で感情をむき出しにしていた。 (ん? 阿良々木に何かされたのか?) ただ取り逃がしただけにしては、憂の反応は感情的すぎる気がしたルルーシュは、内心首を捻った。 「空でも飛んだっすかね?」 「状況から考えると、その通りかも知れないな」 「空……」 桃子が何気なく発した一言に、ルルーシュは割と真剣に答え、憂は窓から空を見上げた。 「阿良々木自身がそういった能力を持っていたか、あるいは何らかの道具を持っていたのか……」 「飛んで行ったとしたら、あっちですよね!?」 唐突に憂が窓の外を指さしてそう言ったかと思うと、返答も待たずおもし蟹に飛び乗り、部屋から出て行った。 どうやらかなりイライラが募っていたようで、大人しく議論などしていられなくなったのだろう。 「おい、待て憂!」 「ちょっと、どこ行くっすかー」 ルルーシュと桃子も制止を呼び掛けながら部屋を出たが、憂は二人の声などまるで聞こえないかのように、 おもし蟹を操ってズンズンと進んでいく。 「チッ」 ルルーシュは右腕を押さえながらその後を追ったが、少し追いかけて追い付きそうにないと判断すると、 一つ舌打ちをして、荒耶の持っていた支給品からS W M10 “ミリタリー&ポリス”を取り出した。 「え、ちょっとルルさん?」 後を追いかけてきた桃子がそれに驚くのを横目に、ルルーシュは手にしたリボルバーの引き金を引き絞る。 パン! 乾いた音が、廊下に鳴り響いた。 「きゃ!?」 この音には憂も肩をビクッとさせて驚き、走らせていたおもし蟹を止めて後ろを振り返った。 そうして憂が目にしたのは、自分に対し拳銃を向けているルルーシュの姿だった。 「あ……」 その姿に、ルルーシュと初めて出会った時、いきなり機関銃で撃たれた記憶が憂の脳裏に蘇り、憂の身体が竦み上がった。 それまで襲う側だった憂にとって、あれはかなり応えたのだ。 もっとも、ルルーシュが今手にしているのは、その時の機関銃とは比べ物にならないほどチャチな拳銃だったが、 ルルーシュが──自分に──銃を向けている、というこの状況だけで、憂にとっては十分だった。 「やめて…!撃たないで……!」 色々な事が吹っ切れた今の憂でも、その時と同じ様にか弱く抗議をするのが精いっぱいのようだ。 「蟹から降りろ」 そんな憂に対し、ルルーシュは冷たい瞳と低く抑えられた声で威圧する。 「は、はい」 憂はルルーシュの言う通りにするしか無く、慌てて手綱から手を放し、おもし蟹から降りた。 「蟹を仕舞え」 次のルルーシュの命令に、憂はあたふたとおもし蟹をデイパックに入れると、 そのデイパックを足元に置いて両手を上げて、懸命に抵抗する意思が無い事を示そうとした。 「あ、あ、あの……」 しかし、何か言おうとして口を開いてもうまく言葉にならず、憂はハンズアップの姿勢のままその場で固まってしまった。 「お前は二度、阿良々木と戦い、そして二度敗れた。これが現実だ、受け入れろ」 「でもあれは、ちょっと油断し、て……」 言い終わらない内にルルーシュが、銃を構えたままツカツカと歩み寄って来るのを見て、憂はしまったと思った。 何とか銃を下ろしてもらいたかったのに、阿良々木の名前を出され、つい反応してしまったのだ。 この状況でルルーシュに反抗しても、何もいい事など無いのは分かっていたのに。 「…憂」 「……っ!」 とうとう、手を伸ばせば届く距離にまでルルーシュが近づいて来て、憂は体の姿勢はそのままに顔を背け、ギュッと目を瞑る。 そんな憂の前に立ったルルーシュは、構えていた拳銃を下ろし、口を開いた。 「すまなかった」 ルルーシュの口から出てきたのは謝罪の言葉だった。 「ごめんなさい!!……え?」 撃たれはしなくとも、殴られるくらいは覚悟していた憂にとって、完全に予想外の展開だ。 「今回の事は、それだけの装備があれば策など不要と阿良々木を侮り、何の作戦も無しにお前を行かせた俺のミスだ」 「そ、そんな。ルルーシュさんのせいじゃありません!」 銃をしまい、申し訳なさそうに自分の非を説明するルルーシュに、憂は今まで上げていた手を顔の前でブンブンと交差させ、フルフルと首を振った。 「あれは私が悪かったんです。何度も殺すチャンスはあったのに、油断して……本当にごめんなさい!!」 改めて振り返ると自分がとても愚かだったように思え、憂は深々と頭を下げる。 そんな憂に対し、ルルーシュはこれまでから一転、優しげな声を発した。 「顔を上げろ、憂。もしまた阿良々木と出会ったら、次は俺からももっと指示を出す。 大丈夫だ、悪いようにはしない。…………ぐっ!」 言い終わると、ルルーシュは骨折している右腕を押さえ、顔を歪めて苦悶の声を上げた。 「ルルーシュさん? もしかして腕が……」 「ああ、折れている。手当てがしたいんだが、手伝ってくれるか?」 「あ、はい!」 そんなルルーシュの言葉に、憂の表情がパァっと明るくなり、勢いよく頷いた。 「やれやれっすね」 ルルーシュが発砲してからずっと黙って一歩引き、成り行きを見守っていた桃子が、 そんな二人のやり取りを見て、小声でつぶやいた。 (ルルさんって、すごい女ったらしなんじゃないっすかね?) 桃子がそんな事を考えながら、先ほどルルーシュが撃って空いた天井の穴を見上げていると、 ルルーシュが桃子に振り返った。 「どうした、桃子。行くぞ」 「あ、はいっす」 名前を呼ばれて桃子は、落ち着ける場所で手当てをするために歩き出していた二人の後を追いかけた。 そうして三人は近くにあった、テーブルや椅子、ソファ、観葉植物などが置かれた休憩室のような部屋に入ると、 ルルーシュと憂はテーブルの上に応急処置セットや現地調達の医薬品を出し、ルルーシュの腕の応急処置を始めた。 ルルーシュが先ほど回収したPCのパネルやフレームの中から、ちょうど良い大きさの物を選んで添え木代わりにする。 「よし、まずはこっちを結んでくれ……そうだ。次は…………」 「はい、こうですか…………」 その間、桃子はソファに座ってセイバーの支給品にあったデバイスのような端末を調べることにした。 これには説明書が附属されており、さらに阿良々木達が作ったと思われるメモも添えられていた。 (表示されるのは……死んだ人と、その瞬間に最も近くにいた生存者の写真っすか) 一通り説明書に目を通し、端末に目を移すと、画面には【1日目午前6:00~正午12:00】との表示。 そして次に画面が切り替わると、【死亡者】にあの黒衣の魔術師、荒耶宗蓮の写真が、 【おくりびと】には桃子自身の顔写真が表示された。 (あ……これは誰かに渡っちゃうと、私の顔が割れちゃうっすかね) そんな事を思いつつ、桃子は死亡者・おくりびと表示端末の確認を続けた。 【死亡者】/【おくりびと】 荒耶宗蓮/桃子 カチューシャをしたショートヘアの少女/長い黒髪の少女 鎧兜の巨漢武者/黒肌の巨漢(メモによるとバーサーカー) 耳の尖った女性/長い白髪の男 次に表示されたのが、金髪さん(セイバー)/桃子、だった。 (どうも、表示される順番はバラバラみたいっすね) 時間的には立て続けに死んだ事になる荒耶とセイバーの順番がこれだけ離れるのは、時系列順ではあり得ないだろうし、 名簿の順番というわけでも無いようだ。 【死亡者】/【おくりびと】 セイバー/桃子 白髪混じりの男性/鼻や顎の尖った青年 赤いバンダナとジャケットの青年/紫がかった長い髪の少女 眼光の鋭い青年/黒肌の巨漢(バーサーカー) 眼鏡をかけた優男風の青年/長い白髪の男 髪を二つに纏めた少女(メモによると八九寺真宵)/白髪混じりの男性 クチビルさん(船井譲次)/眉毛さん(琴吹紬) 桃髪の外国人少女/黒肌の巨漢(バーサーカー) 眉毛さん(琴吹紬)/長い白髪の男 (これで、13人っすね) ここまでで、今回の放送に登場した13人の死者とそのおくりびとを確認した事になる。 (クチビルさんのところに居た人以外で、私に分かる人はいないっすね。 後で、ルルさんとゴスロリさんにも見てもらわないと) そう考えながら、桃子は更に端末の確認を進める。 次に画面に表示されたのは【1日目午前0:00~午前6:00】の文字だった。 どうやら、ここからは第1回の放送時に呼ばれた死者と、そのおくりびとが表示されるようだ。 という事は、これから死亡者側に加治木ゆみが表示される瞬間がやって来るという事だ。 桃子は、バクバクと心臓が高鳴るのを感じながらメモを片手に、端末の表示に目を通していった。 (先輩!!) 果たして、加治木ゆみの写真はすぐに端末の画面に表示された。 おくりびと側に映っている少女は、メモによると千石撫子と言うらしい。 しかし、そんな事は桃子にはどうでもよかった。 (ああ…先輩、……加治木先輩!!) 画面に加治木ゆみの写真が表示された瞬間、桃子の感情が爆発したのだ。 自分を欲しいと言ってくれた先輩。 自分の事を一番だと言ってくれた先輩。 デートをしてくれた先輩。 一緒に温泉に入ってくれた先輩。 一緒に旅行に行った先輩。 (先輩……私、人を殺してしまいました) 心の中で、桃子は加治木ゆみに報告する。 それと同時に手足が震えだし、体が芯から急速に冷えて行くような感覚が桃子を襲った。 それなのに目頭ばかり熱くて、涙がぽろぽろと零れる。 (なんで、こんな……) 「…はい、こんな感じで良いですか?」 「ああ、ありがとう、憂」 「いえ、そんな……」 どうやらルルーシュと憂の方は、ルルーシュの腕の手当てが終わったらしい。 今の自分の状態を見られたくなかった桃子は、嗚咽を押さえてフラフラと立ち上がり、休憩室を出て行こうとした。 しかし、休憩室の扉を開けようとしたところで後ろから腕を掴まれ、止められてしまった。 「桃子」 「ひあ!?」 自分から人の腕(主に加治木ゆみだが)を掴むことはあっても、自分が人から腕を掴まれるなどという経験のほとんど無い桃子は、変な悲鳴を上げて驚いた。 桃子が振り向くと、右腕を三角巾で釣ったルルーシュが、左手で桃子の腕を掴んでいた。 「どこへ行く?」 「放してください! ちょっと独りになりたいんすよ!」 「駄目だ。阿良々木がどこに行ったのかも分からないんだ。独りにはさせられない」 顔を伏せて独りになりたいと言う桃子を、ルルーシュが掴んだ腕を放さずに引きとめる。 桃子は何とか振りほどこうとするが、さすがにルルーシュも単純な握力や腕力で桃子に負けているわけではないので、 片手といえどもそう簡単には振りほどかれない。 「桃子ちゃん」 二人がもみ合いになりかけたその時、憂が後ろから桃子にパフッと抱き付いた。 そして「いい子いい子~」と、桃子の頭を撫でる。 「憂、そんなことで収まるわけが……」 「はぁぁ……」 「って、収まった!?」 見ると、桃子は今までで一番緩んだ表情でため息をついていた。 「ま、まあ、落ち着いたのなら良かった」 そう言いながら、ルルーシュは桃子顔にある涙の跡を拭ってやった。 「ん、すみません、取り乱したっす…………あ、あれ?」 「も、桃子ちゃん?」 恥ずかしそうに謝罪の言葉を述べ、落ち着きを取り戻したかに見えた桃子だったが、 今度はその場で膝から崩れ落ちそうになり、まだ抱きついていた憂が何とか脇から桃子の体を支えた。 「どうしたの?」 「いや、ちょっと、疲れたっすかね?」 ともかく桃子をソファで休ませることにし、憂が左脇で桃子の体を支え、ルルーシュが桃子の右手を引いて、 二人は桃子を部屋のほぼ中央にある大きなソファまで連れて行き、座らせた。 そのまま憂とルルーシュも桃子の両脇に座り、様子を伺う。 「何かあったのか?」 「いえ、えっと、その」 ルルーシュの問いに何か答えようとする桃子だが、その声は明らかに震えている。 「いや、いいんだ。無理に言わなくていい」 ルルーシュは、落ち着くまで待った方がいいと判断すると、そう言って立ちあがろうとし、軽く手を引かれた。 桃子の手を引いてここまで連れてきたときのまま、手が繋ぎっぱなしだったのだ。 反対側の憂も、桃子の体を支えていた時の状態とほとんど変わらず、桃子の左腕を抱いている。 「…………」 ルルーシュは立ちあがるのを止め、そのまま無言で座り直す。 「…………」 「…………」 「…………」 そのまましばらく、三人は無言でソファに座っていた。 「……私、孤独っすかね?」 「孤独? この状況、傍から見たら全く逆に見えるんじゃないか?」 「孤独なんかじゃないよ。こんなに近くに友達がいるんだから」 そんな中、桃子がポツリと発した言葉に、ルルーシュが逆の状況だと返せば、憂も友達だと続いた。 「と、友達っすか?」 「え、違うの?」 「うーん、良く分からないんすよ。私、同い年の友達いないんで」 桃子は、加治木ゆみ以外でも麻雀部のメンバーとはそれなりに仲良くなったと言ってもいいかもしれないが、 鶴賀学園麻雀部は桃子以外全員上級生であり、桃子に同い年の友達と呼べる相手はいなかった。 「どうしたら友達ってことになるんすか?」 「簡単だよ。名前を呼んで」 「え?」 「桃子ちゃん、まだ私の名前呼んでくれてないでしょ。憂って、名前で呼んで」 「えっと……」 戸惑う桃子だったが、自分が振った話の流れの中でのことであり、呼ばないわけにはいかなかった。 「う、憂さん、で良いっすか?」 「うーん、憂ちゃんでも良いよ」 「そ、それは勘弁して欲しいっす。こういうの慣れてないんすよ」 少し不満そうな表情を作った憂だったが、次の瞬間にはニッコリと笑顔になった。 「うん、それじゃあよろしくね。桃子ちゃん」 そういって、憂は頬ずりするほどピッタリと桃子に体を密着させる。 「う、憂さん?」 「へへっ、暖かいでしょ」 「……そうっすね」 そのまましばらくジッとしていると、いつしか桃子はすぅすぅと寝息をたて始めた。 「眠ったか」 「そうみたいです」 ルルーシュと憂が桃子を挟み、小声で確認し合うと、ルルーシュはそっと桃子の手を放し、憂に預けた。 そして、身に着けていたマントを脱ぐと、それを桃子の肩に掛ける。 「ルルーシュさん?」 「憂も疲れただろう? 休んでいいぞ」 ルルーシュはそう言いながら、デイパックの中から自分が最初に着ていた皇帝の衣装のマント取り出し、桃子と同様に憂にもそれを掛けてやった。 桃子も、憂も、二人ともこれまでの人生で殺し合いなどの経験が無い、ただの高校一年生だ。 それが、この島に来てから12時間余り、今までずっと張りつめていたはずなのだ。 ルルーシュと合流してからは、ルルーシュが多少はその辺りも気を使って緩急をつけてきたつもりだったが、 それも、もう限界だった。 そろそろ休ませないと、肝心な時に使い物にならなくなる。 「あ、はい。そうしていいですか? 実は私もさっきから眠くて……」 そんなルルーシュの意図など知らない憂が、しかしルルーシュの意図通りそう言って目を閉じるのを確認し、 ソファを離れようとしたルルーシュを、一度だけ憂の声が引きとめた。 「あの、ルルーシュさん、さっきの話なんですけど」 「ん? 何だ?」 ルルーシュが首だけ振り返り返事をする。 「次に阿良々木さんと会ったらルルーシュさんの指示通りにしますけど、止めは私にやらせてくれませんか?」 「そのことか。分かった、なるべく憂が止めを刺せるように考慮しよう」 「えへへ、ありがとうございます」 それだけ言うと、憂は再び目を閉じた。 その後、ルルーシュは桃子が落していた死亡者・おくりびと表示端末を拾い上げ、 別の椅子に腰かけると、同じく落ちていたメモと説明書を見ながら内容を確認した。 「フム、おくりびと、か。憂にも見せて確認する必要はあるが……」 憂は眠りについたばかりだ。今はやめておこう。 次に、ルルーシュは荒耶の持っていたパソコンと、ホールで手に入れたUSBメモリを取り出した。 パソコン自体の中身も確認する必要はあるだろうが、まずはUSBメモリの内容確認から取りかかることにする。 あのようにホールに置いてあったのだ。まさか単純にパソコンを壊すウイルスが入っているわけでもあるまい。 「地図か」 そうして確認できたUSBメモリの中身は、この島の地図だった。 しかし、ただ単純に支給品の中にもある地図の画像データが入っているわけではない。 地図をズームしていくと、どんどん表示が詳細になって行き、支給品の地図では確認できない細かい路地なども一目瞭然となる。 「ほう、これは……」 さらに、ある程度ズームしてから地図上の建物をクリックすると、その建物の図面が表示されるようだ。 ルルーシュは、試しに今いる政庁を画面上でクリックし、政庁の図面を表示させる。 そうして表示されたその図は、ルルーシュがこれまで見てきた政庁の構造と綺麗に合致する。 どうやら、信用に足るデータのようだ。 なるほど、これは使えそうだと、他の場所も確認してみる。 建物の図面は、支給品の地図に記載されている施設だけでなく、建物であればどの建物の図面でも見ることが出来るようだ。 このUSBメモリには、島全体の設計図が入っているようなものなのかも知れない。 (さて、もう少し見たいところだが……) それが分かったところで、ルルーシュはいったん手を止めた。 残念ながら、いつまでもこのパソコンばかり見ているわけにはいかない。 桃子と憂が眠ってしまった今、この政庁がセイバーや荒耶並の者に襲撃されたときのことを考え、 何か備えを施しておく必要があるし、この政庁で荒耶が何をしていたのかも、まだ調査できていない。 やることは山積みなのだ。 D-6の駅に向かったと見られるスザクも気になるが、その場所が禁止エリアに指定されてしまった今、いつまでも留まってはいないだろう。 放送で名前が呼ばれなかったのだから無事ではあるらしいが、スザクがどこに居るのか分からない以上、 スザクに関しては、ルルーシュが今打てる手は無い。 (ふぅ) さすがにルルーシュも多少の疲労を感じ、ソファで寝息を立てている二人を横目でチラッと見て呟いた。 「まったく、手間がかかる駒達だ」 【D-5/政庁7階休憩室/1日目/日中】 【東横桃子@咲-Saki-】 [状態]:ステルス解除、疲労(小)、睡眠中 [服装]:鶴賀学園女子制服(冬服)、ポンチョのようなマント@オリジナル(現地調達) [装備]:FN ブローニング・ハイパワー(自動拳銃/弾数15/15/予備30発)@現実、果物ナイフ@現実(現地調達) [道具]:デイパック、基本支給品×2(-水1本)、FENDER JAPAN JB62/LH/3TS Jazz Bass@けいおん! 蒲原智美のワゴン車@咲-Saki-(現地調達)、小型ビームサイズ@オリジナル(現地調達) 七天七刀@とある魔術の禁書目録、通信機@コードギアス反逆のルルーシュ、不明支給品(0~1)、 [思考] 基本:加治木ゆみを蘇生させる。 1:ルルーシュを利用し(利用され)、優勝する。 2:もう、人を殺すことを厭わない。 3:覚悟完了。ステルスを使う時は麻雀で対局相手の当り牌を切る時の感覚を大事にする。 4:先輩が好きだ。それだけは譲らない。 5:う…憂さん。 [備考] ※登場時期は最終話終了後。 ※カギ爪の男からレイに宛てて書かれた手紙は中身を確認せずに破り捨てました。 ※荒耶宗蓮が主催者側の魔術師である事を知りました。 ※自分の起源を知りました。 【平沢憂@けいおん!】 [状態]:拳に傷、重みを消失、ぽかぽか時間、睡眠中 [服装]:ゴスロリ@現実、皇帝ルルーシュのマント [装備]:ギミックヨーヨー@ガンソード、騎英の手綱@Fate/stay night、拳の包帯、おもし蟹@化物語 [道具]:基本支給品一式、日記(羽ペン付き)@現実、桜が丘高校女子制服、カメオ@ガン×ソード、 COLT M16A1/M203(突撃銃・グレネードランチャー/(20/20)(1/1/)発/予備40・10発)@現実、 包帯と消毒液@逆境無頼カイジ Ultimate Survivor、双眼鏡@現実(現地調達) 通信機@コードギアス反逆のルルーシュ、遠坂凛の魔力入り宝石@Fate/stay night×10個、洗濯紐 [思考] 基本:ルルーシュとバンドを組みたい。皆を殺す。阿良々木さんはもう絶対殺す。 1:ルルーシュさんの作戦、言う事は聞く。お姉ちゃんは無理には殺さない。 2:桃子ちゃんは友達。 3:阿良々木さんをブチ殺して、お姉ちゃんのギー太を返して貰う。 [備考] ※ルルーシュの「俺を裏切るなよ」というギアスをかけられました。 ※中野梓についていた「おもし蟹」と行き遭いました。姉である平沢唯に対する『思い』を失っています。 ※第2回放送をほとんど把握していません。 【ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス反逆のルルーシュR2】 [状態]:疲労(中)、右腕の骨折 [服装]:歩く教会@とある魔術の禁書目録、 [装備]:イヤホン@現地制作、S W M10 “ミリタリー&ポリス”(6/6) [道具]:基本支給品一式×2、ゼロの剣@コードギアス反逆のルルーシュR2、ミニミ軽機関銃(183/200)@現実 ゼロのマント@コードギアス 反逆のルルーシュR2、“狐”“泥眼”“夜叉”の面@現実 サクラダイト爆弾(小)×9、サクラダイト爆弾(灯油のポリタンク)×2@コードギアス反逆のルルーシュR2 盗聴機、発信機×9@現地制作、単三電池×大量@現実、通信機×5@コードギアス反逆のルルーシュ アッシュフォード学園男子制服@コードギアス反逆のルルーシュR2、USBメモリ@現実(現地調達)、阿良々木暦のMTB@化物語 パソコン、ククリナイフ@現実、.38spl弾×52、ゼロスイッチ(仮)@コードギアス反逆のルルーシュR2、 CDプレイヤー型受信端末、リモコン、鉈@現実、首輪、首輪(ダミー) 死亡者・おくりびと表示端末、【第1回放送までのおくりびと】のメモ、不明支給品(0~1) [思考] 基本思考:枢木スザクは何としても生還させる 1:政庁で襲撃に備える。 2:政庁を調べて、荒耶宗蓮が何をしていたか調べる。 3:東横桃子、平沢憂と行動を共にする。 4:殺しも厭わない。東横桃子、平沢憂、スザク、C.C.、ユフィ以外は敵=駒。利用できる物は利用する。 5:スザク、C.C.、ユフィと合流したい。 6:偽ゼロの放送を利用して、混乱を起こし戦いを助長させる。 7:“金で魔法を買った”というキーワードが気になる。 8:首輪の解除方法の調査、施設群Xを調査する? [備考] ※R2の25話、スザクに刺されて台から落ちてきてナナリーと言葉を交わした直後からの参戦です。 死の直前に主催者に助けられ、治療を受けたうえでゲームに参加しています。 ※参加者が異なる時間平面、平行世界から集められている可能性を考察しています。 ※モモから咲の世界の情報を得ました。主要メンバーの打ち筋、スタイルなどを把握しました。 ※自分のギアスも含めて能力者には制限が掛っていると考えています。 ※おもい蟹が怪異たる力を全てルルーシュに預けました。どんな力を使うかは後の人にお任せします。 ※モデルガン@現実、手紙×2、遺書、カギ爪@ガン×ソード、ミサイル×4発@コードギアス反逆のルルーシュ シティサイクル(自転車)、ジャージ(上下黒)、鏡×大量、キャンプ用の折り畳み椅子、消化器、ロープ、カセットコンロ、 混ぜるな危険と書かれた風呂用洗剤×大量、ダイバーセット、その他医薬品・食料品・雑貨など多数@ALL現実 揚陸艇のミサイル発射管2発×2機、皇帝ルルーシュの衣装(マント無し)@コードギアス反逆のルルーシュR2、 現在支給品バッグに入れています。 ※揚陸艇の燃料…残り10キロ分 (E-5に放置されています) ※荒耶宗蓮が主催者側の魔術師である事を知りました。 ※Fー7ホールの平和の広間にてUSBメモリを入手しました。 ※第2回放送を聞き逃しましたが、桃子によって補完されました。 【死亡者・おくりびと表示端末@オリジナル】 死亡者とその死亡者の死亡した瞬間、最も近くにいた人物【おくりびと】の顔写真のみが並んで表示される。 第2回放送の死亡者、おくりびとの対応、表示順番は以下の通り。 死亡者/おくりびと 荒耶宗蓮/東横桃子 田井中律/秋山澪 本多忠勝/バーサーカー キャスター/明智光秀 セイバー/東横桃子 利根川幸雄/伊藤開司 真田幸村/浅上藤乃 刹那・F・セイエイ/バーサーカー 黒桐幹也/明智光秀 八九寺真宵/利根川幸雄 船井譲次/琴吹紬 アーニャ・アールストレイム/バーサーカー 琴吹紬/明智光秀 第1回放送までの死亡者、おくりびとの対応、表示順番は以下の通り。 死亡者/おくりびと 竹井久/中野梓 リリーナ・ドーリアン/バーサーカー 加治木ゆみ/千石撫子 プリシラ/一方通行 片倉小十郎/ライダー 池田華菜/平沢憂 中野梓/荒耶宗蓮 カギ爪の男/安藤守 玄霧皐月/田井中律 月詠小萌/バーサーカー 安藤守/平沢憂 兵藤和尊/八九寺真宵 御坂美琴/C.C. 千石撫子/琴吹紬 時系列順で読む Back secret faces Next The Hollow Shrine(前編) 投下順で読む Back secret faces Next The Hollow Shrine(前編) 177 状況説明と亀甲縛りの構造に関する考察 平沢憂 197 受け継がれる想い/あるいは霊長の抑止力 177 状況説明と亀甲縛りの構造に関する考察 ルルーシュ・ランペルージ 197 受け継がれる想い/あるいは霊長の抑止力 177 状況説明と亀甲縛りの構造に関する考察 東横桃子 197 受け継がれる想い/あるいは霊長の抑止力
https://w.atwiki.jp/yajikumaazu/pages/24.html
業務の終わりも近づいた頃、急遽として熊井に接待役が回ってきた。 相手は金融庁幹部の立川という人物で、これといった面識は無かったが、 直々の指名を拒む理由も無い為、秘書から伝言を受け取ると即座に返答した。 帰りが遅くなるので夕飯は要らない、又先に寝て構わない、等といった旨のメールを妻へ送信した。 これで、2夜連続、愛妻の手料理が食べられない。夫が食さぬ時の茉麻の飯は簡単になるそうで、 父としては少し娘達を不憫に思ったが、仕事だから致し方がない。 熊井側が歓待する場所は、立川行き付けの会員制高級クラブで、これも相手側の指定だった。 席に着くなり、立川から見覚えのある顔のホステスを紹介された。 桃子である。 ドレスやアクセサリーで着飾ってはいるが、熊井にはすぐに誰なのか判った。 事態を呑みこむのに時間はかかったものの、どうやら桃子が立川に依頼し、 店へ誘い出したのだという事を知った。 しかし、得意客、それも官僚を利用してまで自分に会おうとする桃子の執念は理解し難い。 こんな使われ方をした立川に、不快ではないか訊ねても、彼は鷹揚に構えている。 「君に粗相があったからっていうんで、お詫びをしたいそうだよ」と、立川がわざわざ上席を譲る。 洋酒も薦められたので一口飲む。熊井は桃子を見た。 「どうしてここまでする?」 「お召し上がりになって」 熊井を無視するかのようにワインを注ぐ桃子。 不意に立川が帰る準備を始めた。 「立川さん、どちらへ」呼びとめる熊井。 「桃子は君に貸すよ」と告げる立川は笑顔だ。 「そんな」 熊井は困惑を隠せない。 「さ、立川様もああ仰って下さってますから」 桃子は初めから立川と仕組んでいた。 嵌められた、と思いながら、熊井は桃子に向き直した。 「夜はまだ始まったばかりですよ」 そう言って、桃子は微笑むのだった。 ←前のページ 次のページ→
https://w.atwiki.jp/kyo3nen/pages/184.html
京太郎「ふわぁ……」 ハギヨシ「おはようございます」 京太郎「おはようございます……」 ハギヨシ「昨晩はお楽しみでしたね」 京太郎「とんだ死亡遊戯でしたよ……精神的な意味で」 ハギヨシ「それだけ慕われているということでは?」 京太郎「だとしたら、きっとやつらは慕い方を間違えてますね」 ハギヨシ「さて、私は朝風呂に行ってきますが、京太郎くんは?」 京太郎「あ、俺も行きます」 京太郎「うーん、いまいち疲れが取れない」 京太郎「やっぱり昨日のアレがきつかったんだな……」フゥ ゆみ「なんだ、随分お疲れのようだが」 京太郎「ああ、加治木か」 ゆみ「昨日はどうも」 京太郎「おかげで俺は地獄を見たよ」 ゆみ「そう言わないでくれ。あんな機会はめったにないと思うぞ?」 京太郎「レアだからっていいってわけじゃないからな?」 ゆみ「はは、私も自分がやれと言われたら逃げ出したくなるな」 京太郎「それより練習はいいのか?」 ゆみ「今はちょうど休憩時間なんだ」 京太郎「そういえばそんな時間か」 ゆみ「せっかくだし、うちの部屋に来ないか?」 京太郎「鶴賀のってことだよな」 ゆみ「忙しいなら無理強いはしないが」 京太郎「いや、ちょうど暇だ。遊びに行くよ」 ゆみ「ここだ、入ってくれ」 京太郎「おじゃましまーす」 智美「おお、ユミちんがボーイハントを」 ゆみ「馬鹿なことを言うな。モモと睦月は?」 智美「ムッキーはジャンケンに負けて飲み物買いに行ってる」 佳織「桃子さんはその、お花摘みです」 ゆみ「そうか、わかった」 ゆみ「二人とも顔は見たことがあるとは思うが紹介しておく」 京太郎「清澄の須賀京太郎だ。よろしく」 智美「わはは、つまりはユミちんのボーイフレンド――」 ゆみ「蒲原、口は災いの元という言葉を知らないのか?」ギリギリ 智美「いたいいたいこめかみはいたいっ」 京太郎「加治木もあんなことするんだな……」 佳織「あの、清澄のマネージャーさんですよねっ?」 京太郎「ああ、うん。言いたいことはわかるけどマネージャーではないから」 佳織「え、ええ!? 執事さんと一緒に働いてたし、てっきりそうなのかと……」 京太郎「ですよねー」 智美「す、須賀くん、助けてくれ……このままじゃユミちんに……」 ゆみ「人聞きの悪いことを言うな」 京太郎「なんつーか、仲良しだな」 智美「だろー? ユミちんは私にぞっこんで――」 ゆみ「叩こうか?」ベシッ 智美「事後承諾の愛がいたいぞっ」 佳織「せ、先輩……そこらへんで勘弁してあげてください」 ゆみ「そうだな……すまない、見苦しいところを見せた」 京太郎「いや、楽しそうなとこでなによりだ」 智美「ふぅ……愛ゆえの攻撃……これがヤンデレというやつか」ウンウン 加治木「蒲原?」 智美「わはは、冗談冗談」 ゆみ「というわけで、須賀とは中学の頃の知り合いなんだ」 佳織「私たちと会う前からお友達だったんですね」 智美「なんだ、元カレじゃないのかー」 ゆみ「残念ながらな」 京太郎「てか、たった数度会っただけで恋人とか進展早いな」 智美「わはは、百戦錬磨っぽい須賀くんだったらきっと大丈夫だぞ」 京太郎「人を見た目で判断するのはやめなさい」 智美「じゃあ試しにかおりんに迫って、どうぞ」 佳織「ふぇ?」 京太郎「なんでそうなるかな」 智美「いいからいいから」グイグイ ゆみ「ほどほどにしておけよ?」ハァ 京太郎「ああもう、しょうがないな……」 京太郎(まあ、向こうも遊びだってわかってると思うし、多少ふざけても大丈夫か) 京太郎(チャラ男チャラ男、俺はチャラ男……よし) 京太郎「妹尾さん、ちょっといいかな?」 佳織「なんですか?」 京太郎「君のこと、よく知りたくてさ」ギュッ 佳織「ひゃっ」 京太郎「ほら、俺、前から妹尾さんのこと気になってたんだよね」 佳織「あ、あわわわっ」プシュー 京太郎「あのさ、佳織って呼んでもいい?」 佳織「お、おおおおおっ」カァァ 佳織「お友達からでっ!」ダッ 京太郎「……」 智美「……」 ゆみ「……」 智美「わはは、予想以上だったぞ」 京太郎「なぁ、あれって振られたってことでいいのか?」 ゆみ「知るか」 桃子「ただいまーっす」 ゆみ「おかえり」 京太郎「お邪魔してるぜ」 桃子「金髪さんもいたんすね」 智美「わはは、私もいるぞー」ブラーン 桃子「……なんで吊るされてるんすかね?」 智美「まったく、モモも酷い仕打ちだと思うだろ?」 ゆみ「蒲原、まだ自分の悪ふざけを反省していないようだな」 智美「わ、わはは……」 京太郎「まぁ、そろそろいいんじゃないか? 俺もふざけすぎたのは確かだし」 智美「す、須賀くん……」ジーン ゆみ「ふぅ、君がそう言うなら仕方ないな」 桃子「そういえばかおりん先輩は……」 睦月「た、ただいま……ジュース重かったぁ」 桃子「あ、むっちゃん先輩」 智美「遅かったなー」 睦月「すいません、ちょっとカードの話題で盛り上がっちゃって」 ゆみ「まさか、レアカードが当たったのか?」 睦月「あ、今日開けた分は藤田プロだけでした」 智美「わはは、やっぱ偏ってるんじゃないか?」 京太郎「カードってプロ麻雀カードか……」ピピッ 京太郎「そんじゃ、もうそろ行こうかな」 桃子「もう行っちゃうんすか?」 京太郎「呼び出しくらった。ほれ」 優希『昼前のタコスを所望! というか遊んでほしいじぇ』 睦月「お昼前なのにタコスって」 ゆみ「わかった、じゃあまた後でだな」 智美「かおりんに会ったらよろしくー」 京太郎「多分だけど、俺が声かけたらパニくるんじゃないか?」 桃子「だから一体何があったんすかね?」 智美「簡単にまとめるとだなー、須賀くんがかおりんをもてあそんだ……みたいな?」 桃子「えっ」 睦月「まさか」 京太郎「違うからな? たしかに胸の大きい子は好みだけど、今回はこいつにそそのかされただけだから」 桃子「ちょっ」サッ 京太郎「だから違うつってるだろーが。警戒してんじゃねえよ」 智美「わはは、今度はモモを口説いてみるかー?」 京太郎「あのさ、こいつもっぺん吊るしてもいいかな?」 ゆみ「好きにしてくれ」ハァ 優希「今日の晩御飯もおいしくて万々歳だじぇ」 咲「でも昨日のとはなんかちょっと違う感じがしたんだけど」 久「それね、単純に作ってる人が違うのよ」 和「板前さんが変わったんですか?」 久「ヒント、格安料金の理由の一つ」 優希「うーむ、どういうことだじぇ?」 咲「あの、もしかしてそれって」 久「ああ、ダメダメ。すぐわかっちゃったらつまらないし」 まこ「いいから早う教えてやりんさい」 久「えー?」 和「萩原さんたちが作ったということでいいんですか?」 まこ「あと、うちの副部長と風越のキャプテンもな」 優希「おお、なるほど!」 久「もう、ネタばらし早すぎ」 和「あれを先輩が……」 久「萩原さんもいたから美穂子とイチャイチャしてたってことはないと思うわよ?」 まこ「多分気にしとるのはそこではないじゃろ」 優希「それにしても、先輩が嫁に欲しいじぇ」 和「ゆーき!?」 咲「ええっ!?」 優希「そしたら、毎日美味しいタコスとご飯にありつけるんだじょ?」 和「ダメですダメです! お嫁さんは私です!」 咲「け、結婚なんて許さないんだからっ」 久「あいつは主夫なんてやりたがらないと思うんだけどね」 まこ「そうかの?」 久「世話焼きだけど、家でおとなしくしてるのは絶対嫌がるでしょうね」 まこ「たしかにの……しかし、今までのサポートの立場には不満はなかったんじゃろうか?」 久「ま、あいつもじっとしてたわけじゃないしね……それに、負い目もあるだろうし」 まこ「負い目、ね」 久「言い換えたら私への愛ってとこかな?」 まこ「あー、はいはい」 久「あいつ、今はなにしてるのかいらね?」 まこ「片付けも終わったけぇ、休んどるんじゃろ」 久「ま、そうよね」 京太郎「いやー、好評でしたね」 ハギヨシ「和食を作るのは新鮮ですね」 京太郎「確かにあの屋敷で和食が出てくるところは想像し難い」 ハギヨシ「正直、その点で福路さんの助力はありがたかった……あらためてお礼を申し上げます」 美穂子「そんな……私の力なんて微々たるものですし」 京太郎「謙遜すんなって、いつでもお嫁に行けるってか?」 美穂子「お、お嫁」カァァ 京太郎「そうそう、みほっちゃんならいいお嫁さんになれると思うぜ」 美穂子「もう、またからかって……!」 京太郎「はは、可愛いなぁ」 美穂子「~~っ、し、失礼します!」 ハギヨシ「……私は君の将来が心配ですね」 京太郎「まぁ、進路に迷ってるのは本当ですけどね」 ハギヨシ「痴情のもつれで刺されたとテレビで見ないことを祈りましょう」 京太郎「いやいや、そんなまさか」 京太郎「それよりこの後、どうします?」 ハギヨシ「お風呂をいただくのもいいですが……」チラッ 京太郎「お、あれは……」 ハギヨシ「久しぶりに腕が疼きますね……どうですか?」 京太郎「やっちゃいます?」 ハギヨシ「決まりですね」 京太郎「じゃあ、一汗かきますか」 純「7-6、ハギヨシさんリード」 京太郎「取られた!」 ハギヨシ「まだまだ、全力には程遠いですよ」 京太郎「くそ、俺のスピードが通用しないなんて……!」 一「……ねぇ、あれなにやってるのかな?」 智紀「見ての通り卓球」 一「ちょっとボクが知ってるのとは違うような……」 智紀「若干テニヌ臭がするのは確か」 純「7-7、次、須賀のサービス」 京太郎「っしゃ! 長野のスピードスターをなめないでくださいよ」 ハギヨシ「やりますね……では、私のとっておきを披露しましょう」 京太郎「なっ、球が静止して……!?」 ハギヨシ「これが『ブラックホール』です」 一「球が空中で止まるってどういうことなのさ?」 智紀「あれは強烈なスイングで空間そのものを削り取って球を止めている」 一「ごめん、意味がわからない」 純「10-7、ハギヨシさんリーチね」 ハギヨシ「これまでですね」 京太郎「……まだ勝ち誇るには早いんじゃないですか?」ゴト ハギヨシ「パワーアンクル……そんなものを付けてあれほどのスピードを」 京太郎「さぁ、ここからが本番だ!」 一「あんなもの普段付けてたっけ?」 智紀「少なくとも私は見たことない」 一「だよねぇ」 純「10ー10、デュースね」 京太郎「いきますよ……!」 ハギヨシ「ふっ、どうやら私も本気を出さなければいけないようだ」 京太郎「望むところだ!」 一「なんだか長くなりそうだね」 智紀「二人とも熱くなってる」 純「なぁ、どっちか代わる気ない?」 一「え、それはちょっと」 智紀「私も遠慮する」 純「マジかぁ」 京太郎「あー、気持ちいー」 ハギヨシ「ふぅ」 京太郎「なんか貸切っぽくていいですね」 ハギヨシ「丁度シーズンの直前だからでしょうね」 京太郎「でなきゃこんな大人数で部屋は取れないか」 ハギヨシ「さて、私はサウナにいってきます。京太郎くんは?」 京太郎「あ、俺はもっかい露天の方に入ってきます」 ハギヨシ「では、また後で」 京太郎「上がったら一緒にコーヒー牛乳ってことで」 京太郎「やっぱいい眺めだな」 京太郎「温泉も夜空も独り占めってか?」 京太郎「ま、女子の露天風呂に人がいるかもだけど」 『やっぱり広いっすねー』 『は、走ったら危ないよ』 京太郎「ん? だれか来たのか?」 桃子「やっぱり広いっすねー」 佳織「は、走ったら危ないよ」 桃子「かおりん先輩も早く来るっすよ」グイッ 佳織「わわっ」 佳織「ふぅ、気持ちいいねぇ」 桃子「先輩たちがいないのは残念っすけどね」 佳織「加治木先輩と智美ちゃんとでお勉強だっけ?」 桃子「すっごい悲しげな目で見られたっすね」 佳織「あはは……」 智紀「お邪魔する」 佳織「あ、沢村さん」 智紀「さっきはよくもやってくれた」 桃子「なんかあったんすか?」 佳織「えっと、一緒に麻雀したんだけどね……」 智紀「見事に緑一色をかまされた」 桃子「かおりん大砲炸裂っすか」 佳織「ぐ、偶然だよぉ」 智紀「正直、腸が煮えくり返って仕方ない」 佳織「ひぇっ」 智紀「冗談。でもリベンジはするつもり」 佳織「あの、お手柔らかにお願いします」 和「今度また料理の話、教えてください」 美穂子「ええ、私でよければ」 桃子「あ、おっぱいさんと風越のキャプテンさん」 美穂子「お邪魔しますね」 和「だからその呼び方は……」 智紀「おっぱいさんだとこの場にいるみんなが該当する」ポヨン 佳織「そんな、私はその……」ポヨン 美穂子「意識したことはないのだけど……」ポヨン 桃子「む、たしかに……じゃあピンクのおっぱいさんってことで」ポヨン 和「ピンクって……なんだかその、いやらしくありません?」ポヨン 京太郎「……そういや、壁一枚隔てて女風呂か」 京太郎「やっぱり結構聞こえるな」 京太郎「出てった方がいいかな?」 京太郎「……まぁいいか」 京太郎「聞き流してりゃいいんだよな」 京太郎「どうせ俺がいることは知らないだろうし」 京太郎「言わぬが花、知らぬが仏ってね」 桃子「ところで、ピンクのおっぱいさんと風越のおっぱいさんは、なんの話をしてたんすかね?」 和「あの、もとの呼び方で結構です」 桃子「そうっすか?」 和「そうです」 美穂子「私もその呼ばれ方はちょっと」 桃子「わかったっす」 智紀「ちなみに私は?」 桃子「龍門渕のおっぱいさん、もといメガネさんっすね」 智紀「なるほど、安直」 桃子「いやぁ、それほどでも」 智紀「褒めてない」 佳織「じゃ、じゃあ私はどう呼ばれてたのかな?」 桃子「かおりん先輩はかおりん先輩っすよ?」 佳織「ええっ」 桃子「で、話を戻すっすけど」 佳織「なんの話だったっけ?」 智紀「そこの二人がしていた話の内容」 美穂子「あ、そうだったわね」 和「別に、大した話ではないんですけど……」 桃子「つまりあれっすね」 智紀「気になる男が自分より料理が上手だから、同じく料理が上手い人に話を聞いてたと」 桃子「ああ、勝手にまとめられたっ」 和「私も料理が苦手というわけじゃないんですけど、比べたらその……」 美穂子「大丈夫よ。その人のことを思って作ったらきっと」 和「そうでしょうか?」 佳織「そうですよ!」 桃子「わ、かおりん先輩が食いついたっす」 佳織「少しぐらい不出来だって心がこもってれば想いが伝わるって――」 佳織「その、漫画でも、言ってました……」カァァ 智紀「なんで照れてるの?」 佳織「あうぅ……」 桃子「さては……気になる人がいるとか!」 佳織「違う違う違うっ、誤解だよぉ!」 桃子「これは……」 智紀「確実に黒」 和「実は私もちょっとだけ恥ずかしいんですけど……」 美穂子「気になる人がいるのは普通のことなんだから、恥ずかしがる必要なんてないわ」 佳織「だから違いますってばぁ」 桃子「ここまで来たらすっごい気になるっすねぇ」 智紀「私はそれほどでも」 桃子「じゃあ、ここは女子会らしく恋バナでもどうすかね?」 和「恋バナ、ですか」 美穂子「……いいんじゃないかしら? せっかくだから仲良くしましょう」 智紀「私はどうでも」 佳織「は、恥ずかしいよぉ……」 桃子「みんなが話すから大丈夫っすよ」 佳織「それなら、いいかな?」 桃子「決定っすね」 『違う違う違うっ、誤解だよぉ!』 京太郎「おーおー、盛り上がってるなぁ」 京太郎「それに対して男湯の静けさよ」 京太郎「ま、独占ってのも悪い気分じゃないけどさ」 京太郎「ふわぁ……もう少しゆっくりしてくか」 美穂子「――私の話は以上ね」 桃子「恋のライバルに、三角関係っすか」 佳織「わぁ……ロマンチックですね」キラキラ 智紀「それこそ漫画みたいな話」 和「……」 和(今の話って……この人もやっぱり) 桃子「おっぱいさんとキャプテンさんの話は終わりっすね」 智紀「じゃあ次はあなた。言いだしっぺなんだからいい加減話すべき」 桃子「それもそうっすね。まぁ、私の場合はそこまで色っぽい話ではないんすけど」 桃子「私のことを見失わない人がいるっす」 桃子「ほら、私って黙ってたら常時ステルス状態っすから」 桃子「最初はいきなり胸に触ってくるわ……最悪の印象だったんすけどね」 桃子「でも普通に声かけてくるし、かくれんぼでも見つけてくるし」 桃子「そうしてるうちに打ち解けちゃった、みたいな感じっすね」 佳織「いつも自分を見つけてくれる人かぁ」 美穂子「素敵な出会いだったのね」 和「私としては、見失うというのがよくわからないんですけど」 桃子「そこらへんはおっぱいさんも特別っすね」 智紀「ひとつ聞くけど、それって恋バナなの?」 桃子「さぁ、よくわからないっすね」 桃子「さぁさぁ、次行くっすよ」ビシッ 智紀「……私?」 桃子「そうっすよ。メインディッシュは最後っす」 佳織「え、メインディッシュって私なの?」 智紀「とは言っても、特に話すことがない」 桃子「えー? なにかないんすか? 身近な男性の話でもいいっすから」 智紀「それなら……」 智紀「まず、身近な男その一」 智紀「完璧超人、隙がない」 桃子「……え、それだけっすか?」 和「というか、今の人って執事さんですよね?」 美穂子「ああ、萩原さんのことだったのね」 佳織「な、なにか恋バナっぽいエピソードは……」 智紀「ない。あの人は誰にでも優しくて穏やかだけど、そのぶん心の壁が分厚い」 智紀(約一人、そんなのお構いなしに付き合ってる人がいるけど) 智紀「じゃあ次、身近な男その二」 智紀「軽薄、お調子者、そのくせ仕事はできて雇い主からも気に入られてる……一回どついてやりたい」 美穂子「……あらあら」 和「……これはなんというか」 桃子「負の感情がこもり気味っすねぇ」 佳織「でも、そういう悪印象って好意に転じやすいって――」 智紀「なに?」ギロッ 佳織「ま、漫画で言ってたような……」 桃子「ま、まぁ、メガネさんの話はこれぐらいにするっすよ」 智紀「ふぅ」 桃子「じゃあ、いよいよメインディッシュっすね!」 佳織「は、はいっ」 和「実は、私もちょっと気になってたりします」 美穂子「ふふ、どんなお話が聞けるのかしら?」 桃子「じゃあかおりん先輩、お願いします……っす」 佳織「えっと、ほんとそんなちょっと気になってるだけっていうか……」 佳織「まだ知り合って間もないし、全然相手のこと知らないというか……」 佳織「でも向こうは私のこと気になってたって言ってて、もっとよく知りたいって言ってて……」 佳織「それに、名前で呼んでもいいかって……」カァァ 佳織「わ、私、男の人にそういう風に言われたのも、アプローチされたのも初めてで……」 佳織「と、とにかくっ、私の話はおしまいです!」 智紀「きっとその男はチャラ男」 美穂子「頑張って、きっとうまくいくわ」 和「私も応援しますっ」 佳織「あ、ありがとうございます」 桃子「……」 智美『簡単にまとめるとだなー、須賀くんがかおりんをもてあそんだ……みたいな?』 桃子(あれー? なんかこれ、まずいことになってないっすかね?) ――バシャンッ 佳織「――っ」 美穂子「……あら?」 和「何の音でしょうか?」 智紀「多分、隣」 桃子「男湯の方ってことっすか?」 佳織「ど、どうしよう、今の話筒抜けだったんじゃ……」オロオロ 桃子「む~……あ、この壁、穴が空いてるっすね。どれどれ……」 京太郎「――zzz……ゴボゴボ」 京太郎「……ぶはっ!」バシャンッ 京太郎「あっぶね、寝落ちしかけてた……」 京太郎「……なんか静かだな。隣の人たちはもう上がったのか?」 京太郎「俺も上がるかな。ハギヨシさん待たせてるだろうし」ザパッ 京太郎「……」 京太郎「なんだろう、見られてる気がする」 京太郎「こっちか……?」 桃子「き、金髪さんが隣に……!」 佳織「き、金髪さんって?」 桃子「もとい須賀京太郎さんっすよ!」 美穂子「え、じゃあもしかして」 和「今までの話は……」 佳織「全部聞かれてた?」 智紀「みたい」 美穂子「――っ」カァァ 和「――っ」カァァ 佳織「あうぅ……」カァァ 桃子「ちょっ、押さないでほしいっす……! ああっ!」バターン! 智紀「……あーあ」 京太郎「……」 美穂子「……」 和「……」 佳織「……」 桃子「……」 智紀「……ふぅ」ヤレヤレ 京太郎(ありのままに今起こったことを話すぜ) 京太郎(視線を感じたから近づいてみたら、いきなり壁が倒れて見知った顔が全裸で倒れ込んできた) 京太郎(もちろんガン見なんてしてない。即座に顔をそらしたさ) 京太郎(むしろ一瞬で網膜に焼きついてしまった) 京太郎(一人だけバスタオルを装備していたが、まさに天国のような光景であることには違いない) 京太郎(さて、あとは相手がどれだけ冷静に話を聞いてくれるかだ) 京太郎「先に言っておくけど、俺はさっきまで寝てたから何も知らないし、一瞬で目をそらしたから何も見ていない」 美穂子「ほ、本当になにも聞いてないんですか?」 京太郎「ああ、そこは女神さまに誓ったっていい」 和「わかりました……先輩がそう言うなら」 桃子「かおりん先輩、聞かれてなかったみたいっすよ」 佳織「よ、よかったぁ」ホッ 智紀「そもそも、向こうを覗こうとした時点で悪いのはこっちだから」 桃子「うっ、それは置いとくっすよ」 京太郎(よかった……比較的話が通じるやつらばかりで) 京太郎(あとはこのまま穏便に撤退を願うだけだ) 京太郎「なぁ、とりあえず――」 久「……なにこれ」 京太郎「その声……まさか久ちゃんか?」 久「私は、この状況の説明を求めてるんだけど?」 京太郎(やばい、雲行きが怪しくなってきた) 京太郎(ここでしくじれば天国が天獄になるのは明白だ) 美穂子「あのね、これには事情があって」 京太郎(でもみほっちゃんが味方についてくれるなら――) 透華「す、が、きょ、う、た、ろ、う!」 智紀「あ、透華」 透華「このようなハレンチな行為、殿方の風上にも置けませんわ……!」 京太郎(おいおい! よりにもよってなタイミングで話を聞かない奴が現れちゃったよ!) 京太郎「待て! まずは落ち着いて話すべきだ!」 透華「問答無用!」 華菜「――そうだし!」 華菜「この機に乗じてキャプテンの裸を舐めまわすように見てたんだろ!」 京太郎「なんでお前までくるかなぁ!?」 美穂子「な、舐めまわすようにって……」カァァ 京太郎「見てないって言ったろ!?」 華菜「今日こそ年貢の納め時だしっ!」 透華「その腐った性根、叩き直してやりますわ!」 京太郎「あーもう! てめぇら少しは人の話を聞けっ!!」 久「えーと、これは私が手を下さなくてもいいってこと?」 まこ「助けてやったほうがいいと思うがの」 『ぬわーーっっ!!』 ハギヨシ「今の声は……京太郎くん?」 ハギヨシ「……どうか、せめて安らかに」 久「さ、帰るわよー」 京太郎「……」ボロッ 咲「……ねぇ、なんか京ちゃんボロボロじゃない?」ヒソヒソ 優希「きっと、昨日私たちが寝てるあいだにパーティーがあったんだじぇ」ヒソヒソ 和「……」カァァ 久「あんたね、いつまで辛気臭い顔してるのよ」 京太郎「別に、世の理不尽さを儚んでただけだよ」 久「私とまことで弁護してあげたでしょ」 京太郎「散々ボコボコにされた後でな」 久「うっ、確かに助けに入るのが遅れたのは認めるけど……」 京太郎「ふぅ、冗談だよ。正直助かった。ありがとな」 久「なによ、このひねくれもの」 京太郎「久ちゃんには言われたくないかな」 まこ「すまんすまん、土産を選ぶのに手間取った」 優希「はーい、私の分はありますか」 まこ「あほう、うちの常連さんの分じゃ」 優希「ぶーぶー!」 久「まこも来たし、そろそろ出発ね」 京太郎「だな、行くか」 久「……ねぇ?」 京太郎「ん?」 久「今回もその、色々押し付けちゃったけど……」 京太郎「ああ、気にすんな。いやってほど打ったし」 久「じゃあ……楽しかった?」 京太郎「うん、まぁ……天獄と地獄?」 久「……ねぇ、なんかそれ良い意味で言ってなくない?」 京太郎「まぁ気にすんな。帰ろうぜ」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6312.html
番外編 桃子とイチャイチャ 京太郎「何してんだ?」 桃子「京太郎に抱きついてるっす」おんぶ 京太郎「いや、それはわかってるけどゆみ先輩に叱られるぞ」 桃子「そこは大丈夫っす!今の私はステルス全開っすから!」 京太郎「ステルスモモか」 桃子「はい!こうやって京太郎とイチャイチャできるなら存在感が薄くても悪くないと思うっす」 京太郎「は、恥ずかしいからそう言う事言うなよ!」 桃子「顔真っ赤っすよ、京太郎」 京太郎「き、気のせいだ!」 佳織「仲いいね、あの二人」 ゆみ「そうだな…まあ、モモがステルス状態じゃ無い事は少しの間黙っておこう」 智美「あとで京太郎をからかうつもりだな」ワハハ ゆみ「蒲原、それはお前がするつもりだろ」 智美「なんの事かわからんな」ワハハ カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6470.html
7月30日 114日目・朝- 京太郎「ふぇ、あぁ夜更かししたもんなぁ」ググッ 京太郎「昼はどうすっかなぁ」 京太郎「さて、なにか買ってこないとなぁ」 京太郎「ないない、ノーウェイノーウェイ……とりあえず弁当でも買って帰るかなー」 昼過ぎ- 京太郎「ふぅ、食べた食べた……さてと、どうするかなぁ」 京太郎「誰かに電話してみるかなぁ」 京太郎「恭子さんに電話してみるかな!」 プルルルルッ 恭子『もしもし?』 京太郎「あぁ恭子さん、今大丈夫ですか?」 恭子『うん、暇やからね』 京太郎「練習とかいいんですか?」 恭子『もうすぐ東京やからね、ちょっと休み入れんと』 京太郎「なるほど、また全員集合ですねー」 恭子『そやねー、最近はなんか疲れてるから』 京太郎「インハイまでに体調直してくださいね、うちもそうじゃないと勝った気しませんし」フッ 恭子『ほぉ、言うやん、楽しみやなぁ』 京太郎「そうですね、それじゃまた!」 恭子『うん、それじゃ!』 プツッ 京太郎「よし、頑張ろう……俺関係ないけど!」 夕方- 京太郎「ん~いい天気だなぁ」 京太郎「どっか行くかなぁ」 京太郎「適当にふらつくかなぁ」 京太郎「ん、優希じゃないか」 優希「ん、また京太郎だじょ!」 京太郎「またってなんだよ……」 優希「東京行っても元気でやれよ」 京太郎「引っ越さねぇよ!?」 優希「はははっ、まぁあたしも行くけどな!」 京太郎「ん、そうなのか?」 優希「のどちゃんと向こうで会う約束してるしなぁ」 京太郎「あぁ、納得」 優希「まぁとりあえず、あっちでもまた会おうじぇ」 京太郎「おう」 優希「あぁあと、お前のタコスおいしかったからまた作ってくれ」グッ 京太郎「任せとけ」ハハッ 夕方2- 京太郎「ん、どうするかな」 京太郎「もうちょっとな」 京太郎「あれ、竹井さん」 久「あら須賀君、偶然ね」 京太郎「そうですね、前はありがとうございました」 久「気にしないで、そう言えば前の買い物のお礼はどうなるのかしら?」フフッ 京太郎「ん、また今度ですかねぇ」 久「なるべく東京に行く前が嬉しいんだけどねぇ、私も行くけど」 京太郎(結局行くんですか!) 京太郎「ん~」 京太郎「晩御飯でもどうですか、お礼もかねて」 久「あら、ナンパ?」 京太郎「嫌ならいいですけど」 久「嘘嘘、行きましょ!」 京太郎「どこ行きますかぁ」 久「あそこのレストランとか」 京太郎「学生が行ける値段じゃないですね、適当にステーキハウスとかにしときましょう、安い」 久「えー」 京太郎「えーじゃありません、行きますよ」 久「まぁいっか」フフッ 京太郎「待ちますかぁ」 久「そうねぇ……須賀君はこうやって女の子を手籠めにしてるわけね」 京太郎「ひ、人聞きが悪いですね」 久「でも美穂子も咲もでしょ、それにあの三尋木プロも須賀君を見る目が違ったし」フフッ 京太郎「色々わかるんですね」ハハッ 久「へぇ、そうだったんだ」 京太郎「鎌かけましたね」 久「まぁね、須賀君と話てると楽しいわぁ」 京太郎「弄ばれてる気がしますけどね」ハァッ 久「あら、御飯来たわよ」 京太郎「清澄ってメンバーギリギリでしたよね、そう言えば」 久「そうね、私が卒業すれば三人だけど……来年には四人目が来ることは確定してるし団体戦に出るならあと一人」 京太郎(ん、負けたから転校することになったらしいしなぁ) 久「……気にしすぎよ」フフッ 京太郎「えっ、いや!」 久「顔に出てるわよ」 京太郎「あ、ははっ……わかりやすいですか?」 久「かなりね、まぁホントただの優男って感じねぇ、なんで咲や美穂子が好きになったかわからないわ」 京太郎「余計なお世話ですよ」 久「冗談よぉ」フフッ 京太郎(遊ばれてるなぁ) 久「でも須賀君みたいな人、結構好きよ」 京太郎「だから遊ばないでくださいって!」 久「あははっ」 夜- 自宅- 京太郎「さて、どうすっかなぁ」 京太郎「電話するかぁ」 京太郎「照ちゃんに電話してみるかぁ」 プルルルルッ 照『もしもし、京ちゃん?』 京太郎「あぁ、なんとなく電話してみたんだけどさ」 照『ん、もうすぐ東京で会えるのに』 京太郎「まぁまぁ、東京にいるうちになんか奢るからさ」 照『ほんと!?』 京太郎「おう」 照『早く来てね!』 京太郎「せめてインハイが終わってからなぁ」 照『インハイ終わった後じゃ京ちゃん落ち込んじゃうんじゃない?』 京太郎「はぁ、言うなぁ」 照『まぁね、私たちが勝つから』フフッ 京太郎「はいはい、それじゃ、良い時間潰しになったよありがとう」 照『うぅん、またね』 京太郎「おう、またなー」プツッ 京太郎「ん、メールか?」 京太郎「誰からだろ?」 京太郎「淡からだ」 差出人:淡 本文『夢で会えるだけじゃ寂しいぞ!』 京太郎「めっちゃ電波!」 本文『おう、悪い悪い、東京行ったらなんか奢ってやるから、照ちゃんと一緒に行こうぜ』 差出人:淡 本文『ゲスだね』 京太郎「なんで!?」 本文『わけわかんねぇよ』 差出人:淡 本文『照に私も一緒に行くこと言っといてね』 京太郎「ん?」 本文『おう』 差出人:淡 本文『それじゃ東京でね、おやすみ!』 京太郎「おう、おやすみっと……ん、メールって透華からか」 差出人:透華 本文『いつ頃から東京入りしますの、こちらは準備はできているので京太郎しだいでしてよ』 京太郎「ん、俺に合わせてくれるのか……」 京太郎「二日に行こうぜっと」 京太郎「さて、寝るかなー」パチンッ 京太郎「カピー……?」ボソッ 京太郎「……寝るかぁ」 114日目終了- ?- 京太郎「今日もかぁ」 「落ち込んでるな」ククッ 京太郎「うっせぇよ」 「ほらよ」パチンッ 京太郎(やな奴……・) 京太郎「恭子さんのとこに行くかなぁ」 「最近お気に入りか?」 京太郎「嫌な言い方すんなよ」ギィッ 「まぁ、あいつも役立たず候補だからな……丁度良さそうだぞ」ククッ バタンッ 京太郎「どうも恭子さん!」 恭子「ん、京太郎君」ニコッ 京太郎「調子はどうですか?」 恭子「うん、悪くはないけど絶好調でも無いんよ」 京太郎「迷惑でした?」 恭子「大丈夫やよ」ニコッ 京太郎「姫松、どうですか?」 恭子「あぁ、主将がご機嫌やったらしいよ」 京太郎「へぇ、なら良かった」 恭子「……ちゃんと自分のこと好きになった相手のこと考えたりや?」 京太郎「はい、そうですねぇ」 恭子(……やっぱ私はおさえとこ) 京太郎「どうかしましたか?」 恭子「うぅん、なんでもあらへんよ」ニコッ 7月31日 ※あと2日 115日目・朝- 京太郎「ん、今日は早く起きれたなぁ」 京太郎「誰にするかなぁ」 京太郎「胡桃さんにメールしてみるか」 本文『もうすぐインハイですけど、いつ頃現地着くつもりですか?』 差出人:胡桃 本文『三日に着く予定だよ』 京太郎「じゃあ一日違いかぁ」 本文『なるほど、東京で会える日が楽しみですね』 差出人:胡桃 本文『京ちゃんのおかげでだいぶ楽になったからね』 京太郎「能力取りに行ったしなぁ」 本文『そりゃ良かったです、また今度打ちましょうね!』 差出人:胡桃 本文『うん、それじゃそろそろ出かけるから、またね!』 京太郎「またっと……」 昼前- 京太郎「ん、どうすっかなぁ」 京太郎「よし、食べに行こう!」グッ 京太郎「さすがに一人は寂しいよなぁ」 京太郎「たまにはモモでも誘うかぁ」 プルルルルッ 桃子『もしもし京さん!貴方の隣のステルスモモっすよ!』 京太郎「おうおう、昼でも一緒にどうだ?」 桃子『すぐ行くッす!どこですか!?』 京太郎「あぁ、えっと」 京太郎「じゃあファミレスあたりにしとくか」 桃子『了解っす!すぐ行くっすよ!』 京太郎「俺も今から行くからゆっくりでいいからな」 桃子『はいっす!』 京太郎「じゃ、また後でな~」プツッ 京太郎「さて、行くかぁ」 ファミレス- 京太郎「えっと、俺の方が先だな良かった」 桃子「丁度良かったっすね!」グッ 京太郎「そっか、じゃあ入ろうぜ」 桃子「はい!」 店員「ではお二人様どうぞ」スッ 京太郎「!?」 桃子「ふふふっ、私も進化してるっすよ……意識してないけどまた消えますけど」 京太郎「大変だなぁ」 京太郎「さて、注文もしたしドリンクバーも行ってきたし……なんでお前隣座るんだよ」 桃子「数少ない同学年じゃないっすかぁ~」 京太郎「いや、そういう問題じゃないだろ」 桃子「そうっすか?」 京太郎「そうだよ……まぁ良いけどさ」 桃子「京さん大好きっすよ~」ギュゥー 京太郎(おもちがおもちだよ、おもちぃ!) 桃子「ふふふっ、当ててるっすよぉ」ニコニコッ 京太郎(話をそらさんと!) 京太郎「オンオフが前より楽になったなら色々と変わったか?」 桃子「いえ特にって感じっすねぇ、特に変えたいとも思ってないせいかもしれないっすけど」 京太郎「そうなのか?」 桃子「京さんに見つけてもらって、先輩や部長さんたちにも見つけてもらって……私は満足っすよ」 京太郎「……んなことで満足してんじゃねぇよ」ナデナデ 桃子「へ?」 京太郎「お前はこれからもっと光れる、俺が保障する!」グッ 桃子「……えへへ、やっぱり京さんは京さんっすね」 京太郎「は?」 桃子「なんでもないっすよ」ニコニコ 昼過ぎ- 桃子「この後はどうするっすか?」 京太郎「ん、そうだなぁ」 京太郎(とりあえず桃子と別れるかこのままどっか行くかだなぁ) 京太郎「デートでもするか!」ニッ 桃子「え、今日デートしてもいいんすか!?」 京太郎「あぁ、どこでも良いぞ」 桃子「やったっす!」 桃子「遊園地行きましょう!デートっぽく!」 京太郎(前も行ったけど) 京太郎「オッケーだぜ!」グッ 遊園地- 京太郎「混んでるなぁ」 桃子「土曜っすからね!」 京太郎「はぐれないように手ぐらい繋ぐか」ギュッ 桃子「!」パァッ 京太郎(ま、前ので少し慣れたァッ!!) 桃子「きゃーっ♪」ギュゥッ 京太郎(おもちに耐性は一生つかんぞ!)ビクッ 桃子(京さんったら冷静で、カッコいい!) 夕方- 京太郎「次はどうするかぁ」 桃子「ポップコーンがおいしいっす!」 京太郎「食べ終わってからなにか乗ろうな」ナデナデ 桃子「あはは、もっと回すっすよー!」グルグル 京太郎「やめろモモ!これ以上はっ!」ウッ 桃子「さっき食べたポップコーンがっ……」ウッ ※諸事情によりカットさせていただきます 京太郎「……ははは」 桃子「ごめんなさぃ~」エグエグッ 京太郎「大丈夫だぞ~」ナデナデ レイプメ 夕方2- 京太郎「次はなに乗るか!」 桃子「どれにするか迷うっすね!」 京太郎(お化け屋敷も前言ったしなぁ) 桃子「うぅ、怖いっすよ~」 京太郎「大丈夫だからなモモ」ナデナデ 桃子(まったくビビッてない!さすが京さんっす~)キュン 京太郎(おもちがやばい) 桃子(頼りになるっす!)ギュゥッ 京太郎(ピィッ!?) 夜- 京太郎「さて、あと一個ぐらい乗って帰るかぁ」 桃子「そうっすね!」グッ 桃子「やっぱ最後は観覧車っすよねぇー」 京太郎「いや、そうかもしれんけど、こんな密着しなくても良いだろ……」 桃子「えぇ、なんでっすかぁ?」ムギュッ 京太郎「……」カァッ 桃子「えへへ、京さんを落とすための必殺武器っすからね!」 京太郎「おもちは武器じゃない」キリッ 桃子「へぇ、じゃあ平気っすよね~?」ニコニコ 京太郎(ど、どうする!?) 京太郎「モモッ……」 桃子「京さんのこと好きなんっすよ?」 京太郎「そりゃ、俺もだよ……」 桃子「へ?」 京太郎「俺も好きだよ、これからずっと一緒にいたいぐらいには、好きだ……」 桃子「ほ、本当っすか?」 京太郎「嘘は言わねぇよ」 桃子「え、えへへっ……京さんっ!」ギュッ 京太郎「!?」 桃子「大好きっす!」 京太郎「俺もだよ」ハハッ 東横桃子ED2 桃子「やっぱ最後は観覧車っすよねぇー」 京太郎「いや、そうかもしれんけど、こんな密着しなくても良いだろ……」 桃子「えぇ、なんでっすかぁ?」ムギュッ 京太郎「……」カァッ 桃子「えへへ、京さんを落とすための必殺武器っすからね!」 京太郎「おもちは武器じゃない」キリッ 桃子「へぇ、じゃあ平気っすよね~?」ニコニコ 京太郎(ど、どうする!?) 桃子「京さぁ~ん」ムギュッ 京太郎「」プツンッ 京太郎「も、モモ!」グィッ 桃子「ひゃっ、か、観覧車ではまずいっすよっ!」 ガタンッ 桃子「へ?」 『大変申し訳ありませんお客様方、不具合のため止めさせていただきました、しばらくお待ちください!』プツッ 桃子「えへへ、しょうがないっすねぇ」スッ 桃子「こんなこともあろうかと用意はしてきてあるっすよ~まぁ三つあれば平気っすよね」ニコッ 京太郎「すまん」 桃子「どうぞ、京さん♪」グィッ 一年後- ゆみ「そう言えば、桃子だがな」 智美「ん、京太郎と結婚したよな、しかもデキ婚」ワハハ ゆみ「さらに胸が成長したらしい」 智美「ワハ!」ガタッ! 咲「」ガタッ ゆみ「いつ来た宮永」 京太郎「お待たせしました~」 桃子「先輩たち久しぶりっす~」 咲「と、東横さんが抱いてるのって!」 透華「間違いなく京太郎との子供!」 ゆみ「いつからいた龍門渕」 美穂子「あらあら」ニコニコ ゆみ「福路もか」 京太郎「うちの可愛い息子ですよー」 桃子「京さんに似て可愛いっす」 京太郎「桃子に似た可愛い子に育てよぉ」 美穂子「あらあら、私たちの前に来て」 咲「そんなにいちゃつくんだぁ?」 京太郎「おっと失礼」 桃子「ついついいつもの乗りで、京さんったらあまり家に帰らないからぁ」 京太郎「いやぁ、プロもつらいよ」 桃子「でももうすぐで二人目も作れるっすよ」 京太郎「よし、頑張ろう!」 桃子「楽しみにしてるっすよ、あなた♪」 ゆみ「誰か止めてくれ」 京太郎「どうしましたゆみさん!?」ガタッ 桃子「どうしたっすか先輩!?」ガタッ ゆみ「うん、もう放っておいてくれ……お前たちが今幸せなら何でもいいから、野球チーム作れるぐらい頑張れ」 京桃「はい!」ニコッ 桃子「んふふ、私たちの子づくりはこれからっすよ!」 京太郎「あぁ!」グッ 桃子「大好きっすよあなた~!」 京太郎「俺も二人が大好きだぞー!」ギュッ 東横桃子ED1 桃子「やっぱ最後は観覧車っすよねぇー」 京太郎「いや、そうかもしれんけど、こんな密着しなくても良いだろ……」 桃子「えぇ、なんでっすかぁ?」ムギュッ 京太郎「……」カァッ 桃子「えへへ、京さんを落とすための必殺武器っすからね!」 京太郎「おもちは武器じゃない」キリッ 桃子「へぇ、じゃあ平気っすよね~?」ニコニコ 京太郎(ど、どうする!?) 京太郎(とっさに撫でてみたら) 桃子「えへへ~」ニコニコ 京太郎(押し付けてこなくなったから良しとしよ―――) ガコンッ 京太郎「ん?」 『大変申し訳ありませんお客様方、不具合のため止めさせていただきました、しばらくお待ちください!』プツッ 京太郎「面倒なことになったなぁ」 桃子「京さんとこうして同じ場所にいられるなら嬉しいっすよ♪」 京太郎(かわいい) 桃子「それにしてもここからの景色は綺麗っすねー」 京太郎「もうすぐてっぺんだったんだけどなぁ」 桃子「てっぺんで止まればロマンチックだったんすけどねぇ」 京太郎「ははっ……」 桃子「えへへ」ギュッ 京太郎(だからくっつくな、とは言えないよなぁ)ナデナデ 桃子「えへへ……」 桃子「えへへ~♪」 京太郎(かわいい) 桃子「ん~♪」スリスリ 京太郎(エロい) 京太郎「ふぅ、予期せぬハプニングに巻き込まれたがなんとかなったな」グッ 桃子「あのままでも良かったっすけど」ニコッ 京太郎「勘弁してくれ」ハハッ 桃子「ん、そろそろお別れっすねー」 京太郎「だなぁ……」 京太郎「モモ……これからもさ、こうやってずっとお前とくっついてたい」 桃子「へ?」 京太郎「ほら、お前を一番最初に見つけた立場としてはやっぱりお前とずっと一緒に居たいって言うかさ……」ポリポリ 桃子「えっと、それってつまり……」 京太郎「だから、俺と付きあ」 桃子「結婚っすね!」 京太郎「早い!早すぎる!たとえるなら名古屋から東京まで1時間!」 桃子「じゃ、じゃあ子作りっすか!?」ポッ 京太郎「まだ早い!御徒町から新宿間3分!」 桃子「じゃあ、つ、つまり……」 京太郎「だから、お前のことが好きだって言ってるんだよ……」 桃子「ほ、本当っすか?」 京太郎「あぁ、本当だよ」 桃子「や、やったす!」ギュゥッ 京太郎「も、モモっ!?」 桃子「良かったっすよ~」ポロポロ 京太郎「……ははっ、泣くなよ」ナデナデ 桃子「嬉しいんだからしょうがないっす~」ボロボロ 京太郎「ははっ」ナデナデ 3年後・雀荘『龍門渕』- 京太郎「だから卒業してからで良いだろうに」 桃子「いえ!今すぐ書いてもらわないと心配っす!」 京太郎「いや、ほらあと二ヶ月で卒業だからそれと同時に」 桃子「京さんモテモテすぎっすー!ほら、ちゃんと京さんのお義父さんとお義母さんにも許可もらって、私のお父さんとおお母さんにも許可もらったじゃないっすか!」 京太郎「いや、お前のご両親が泣いて喜んでた時は俺もくるものがあったけどな……けど、早いって!お前は!」 桃子「この世の理はスピードっすよ!」 ゆみ「またやってるのかあの二人は」 智美「OGとして身に来たらこれだ」ワハハ 睦月「らしいと言えばらしいんですけどね」 一「いや、見に来てあれはちょっと」 佳織「け、喧嘩してるよ!」 衣「犬も食わんぞ」 智紀「二人は食いあっt」 純「言わせねぇよ!?」 透華「私をさしおいて目立ってますわ!」 後輩「せ、先輩方すみません!」ペコペコ 後輩2「放っておいてあげてください!」ペコペコ 京太郎「俺が信用できないのか?」 桃子「そ、そんなわけないっす」 京太郎「ならさ、ほら……指輪ももう用意してあるんだぞ」スッ 桃子「きょ、京さんっ」パァッ 京太郎「だから、な?もう少しだけ我慢してくれ」 桃子「……はいっす!」ニコッ 京太郎「良い子だ」ナデナデ 京太郎「さてみんな、練習はじめるか!」 みんな「」タンッ タンッ 桃子「どうしたんっすかね?」 京太郎「どうしたんだろうな?」 桃子「み、みんなが見てない今ならキスぐらいっ」バッ 京太郎「まったくしょうがないな」ニコッ 二人は幸せなキスをして――― 東横桃子EXED 京太郎「ふぅ、予期せぬハプニングに巻き込まれたがなんとかなったな」グッ 桃子「あのままでも良かったっすけど」ニコッ 京太郎「勘弁してくれ」ハハッ 桃子「ん、そろそろお別れっすねー」 京太郎「だなぁ……」 京太郎(胸ばっか押し付けるモモにいたずらしてやろう、そうだ!) ムニュッ 桃子「へ?」 京太郎「良いさわり心地だ」ムニュムニュッ 桃子「ひゃんっ!」ビクッ 京太郎(いや、俺なにやってんだ、もれなく犯罪だろ)スッ 京太郎「すまんモモ」 桃子「ぜ、全然平気っすよ!」 京太郎「この借りはいずれ返す、すまぁぁぁぁん!」ダッダッダッ 桃子「えへへ、京さんならもっとしても……って京さん!?」イナイ! 深夜- 自宅- 京太郎「若干自己嫌悪だが、たまらんかったな」ニヘラ 京太郎「ネトマをしよう!」 一人目 のどっち 二人目 とよねー 三人目 かまぼこ 京太郎「よし、やるぞ!って原村さん!?」 のどっち:よろしくお願いします とよねー:のどっちだー!よろしくねー♪ かまぼこ:ワハハ、でっかい胸を借りるつもりでやるぞー キョータロ:それじゃ、よろしくお願いします! 京太郎「さて、楽しむとするか!」 トップ 京太郎 二着 のどっち 三着 かまぼこ ラス とよねー のどっち:さすがですね とよねー:相変わらずつよいよーのどっちも強かった! かまぼこ:ワハハ、やっぱり勝手が違うなぁ キョータロ:ネトマですからね のどっち:私はネトマの方が調子が良いのですけれど 京太郎「だろうなぁ」 京太郎「あれ、豊音さんからだ」 とよねー:今度東京に行くんだよ! キョータロ:俺もですって とよねー:うん、一杯遊ぼうね! キョータロ:はやりんとか小鍛冶プロとかも紹介しますよ とよねー:ありがとーちょー楽しみだよー!サイン色紙一杯もっていかなきゃ! キョータロ:じゃあ、また今度! とよねー:うん!おやすみー 京太郎「ん、ログアウトした」 京太郎「ん、原村さんからか」 のどっち:お久しぶりです キョータロ:久しぶり、東京に行く前以来だな のどっち:はい、結局帰ってきてしまいました キョータロ:良いんだよ、自分のやりたいことをやれば……まだ子供なんだしな のどっち:おもしろい言い回しですね(笑) キョータロ:確かにちょっとおかしかったかも(笑) のどっち:でも、不思議と心に響きました キョータロ:そりゃよかったよ のどっち:また、一緒に打ちましょう キョータロ:あぁ、またな! 京太郎「ログアウトしたか」 京太郎「寝るかぁ……カピー、もう帰ってこないのか?」パチンッ 115日目終了- ?- 京太郎「よし、今日は誰に会いに行くかな!」 「なんだ、ずいぶんご機嫌だな」ククッ 京太郎「うっせぇ」 「ふん」パチンッ 京太郎「さて、どうするかな!」 京太郎「シロに会いに行くかな」 「行ってこい」 京太郎「珍しいな」ギィッ バタンッ 「……特に言うことがないからな」フッ 京太郎「ようシロ!」 白望「ん、京太郎?」 京太郎「おう、相変わらずぐてってるなぁ」 白望「ダルい……」 京太郎「そうだなぁ」 京太郎「宮守ってどうだ?」 白望「みんな会いたがってるよ」 京太郎「東京にいったら会いに行くよ、一日そっちのが遅いみたいだけどさ」 白望「うん、ついたらメールするね」 京太郎「おう、楽しみにしてるよ」ニコ 白望「……うん」コクリ 京太郎「どうした?」 白望「京ってモテるよね」 京太郎「お、おう?」 8月1日 116日目・昼前- 京太郎「ん、昼前かぁ……」アァ 京太郎「昼飯どうするかー」 京太郎「よし、食べに行くかな!」グッ 京太郎「よし、誰誘うかなぁ」 京太郎「妹尾さんを誘ってみよう」 プルルルッ 佳織『も、もしもし!?』 京太郎「あぁ妹尾さん、一緒にお昼でもどうかなって……平気ですか?」 佳織『うん、全然大丈夫だよ!』 京太郎「そりゃ良かった、じゃあ……」 京太郎「じゃあ喫茶店にしましょう」 佳織『うん、それじゃまた後でね!』 京太郎「それじゃまた後で!」プツッ 喫茶店- 佳織「お待たせ京太郎君!」 京太郎「いえ、大丈夫ですよ妹尾さん」 佳織「だから佳織で良いって」ニコッ 京太郎「そうでしたね、佳織さん」ニコッ 佳織(きゃー!デートっぽい!)グッ 京太郎「とりあえず」 佳織「アイスコーヒーかな、食べ物はまた決めてからで」 京太郎「じゃあアイスコーヒー二つ!」 京太郎「インターハイに向けてどうですか?」 佳織「次鋒だからね、頑張らないと」 京太郎「みなさんずいぶん強くなってましたらかね、しかも本気じゃなかったみたいですし」 佳織「私はいつも本気なんだけどねー、ゆみ先輩と智美ちゃんと睦月ちゃんはなんだか余裕があるみたいで」 京太郎「あぁ、別格に強くなりましたよねあの三人……」 佳織「うんインターハイもこれで頑張れるよ!」グッ 京太郎「決勝で会いたいですね」 佳織「そうだね!」ニコッ 昼過ぎ- 佳織「このあとどうするの?」 京太郎「ん、そうですね」 京太郎(どうしようかな、佳織さん誘ってどこか行くか……ていうか来てくれるか?) 京太郎「それじゃ、一緒に出かけませんか?」 佳織「うん!」 京太郎「それじゃどこ行きますかぁ」 佳織「動物園行こうよ!」 京太郎「じゃあ行きますかぁ」 佳織「そうだね!」 佳織(デート!人生初デート!) 京太郎「うお、なんか懐かしい感じ」 佳織「そうだね、久しぶりだよねぇ」 京太郎「どこ行きます?」 京太郎「やっぱり動物園っていえばここですね!」 佳織「へ、蛇だよ蛇!」 京太郎「いやぁ、じめじめしてますけど楽しそうでなによりです」 佳織「ほらイグアナ!舌びよーんって伸びる!」 京太郎「あはは、それはカメレオンです」 佳織「うわぁ、すごいなぁ~じめじめしてるけど」 京太郎「そうですね、なぜか蛇とかイグアナって水族館でも見ますよね」 佳織「そういえばそうだね、飼いやすいのかな?」 京太郎「そうなんですかねー」 京太郎「じめじめしましたね」 佳織「でもおもしろかったよ」ニコッ 京太郎「なら良かった」 京太郎「メガネザルですよ、あんま動かないですね」 佳織「そうだね、動かないねぇ」 京太郎「まぁ動物園の動物ってそうですよねぇ」 佳織「うん、眠くなってくるね」 京太郎「ほら、ネズミですよノネズミ、こっちはプレーリードック」 佳織「わぁ可愛い!!」ユサッ 京太郎(かわいい) 夕方- 京太郎「なんか疲れましたねぇ」 佳織「色々歩き回ってるからね」 京太郎「ほら、ゾウですって」 佳織「歩いてるだけだね」 京太郎「動物ですからねぇ、あっちはトラ」 佳織「ホワイトタイガーいないかな?」 京太郎「いないですねぇ、お、ライオン」 佳織「そういえばライオンのオスって可哀そうだよねぇ」 京太郎「そうなんですか?」 佳織「うん、一夫多妻制なんだけどね」 京太郎「へぇ」 佳織「あっ、ま、まぁここから先は」カァッ 京太郎「へ?はい……?」 夕方2- 京太郎「あとは、どこ見ましょうか」 佳織「そうだねぇ」 京太郎「おぉ、カピバラですね」 佳織「本当だぁ」 京太郎(……カピー) 佳織「あ、ヤギだよヤギ!」タッタッタッ 京太郎「佳織さん、あんまりそいつらに近づくと!」 ヤギ「んめぇぇぇぇ!」ガブッ 佳織「きゃぁぁっ、服がぁっ!」 京太郎「言わんこっちゃうない!」バッ ヤギ「んめぇぇぇぇぇ!?」 京太郎「……」ゴゴゴゴゴゴッ ヤギ「んめぇぇぇぇぇ!?」タッタッタッ 佳織「こわかったよー」ウェーン 京太郎「おぉ、可哀そうに」ナデナデ 夜- 京太郎「閉園ですって」 佳織「楽しかったぁ~」 京太郎「俺もですよ」 佳織「さ、帰ろうか♪」ギュッ 京太郎「そうですね」ギュッ 佳織(す、好きかもっ!)カァッ 京太郎「それじゃまた」バッ 佳織「うんまたね!」ギュッ 京太郎(さすが鶴賀!おもちがっ!) 佳織「今度は東京で会おうね♪」タッタッタッ 京太郎(可愛い!) 深夜- 自宅- 京太郎「ふぅ、どうするかなぁ」ググッ 京太郎「誰かに電話してみるか!」 『咲』 京太郎「咲に電話してみるか」 プルルルルッ プルルルルルッ プルルルルッ 京太郎(出ないな……) プルルルルッ プルルルルッ プルルルルッ 京太郎「……?」 『留守番電話サービス』 京太郎「ダメか……留守電入れる必要はないよな」プツッ 京太郎「ん~残念だ」 京太郎「それにしても明日から東京だしさっさと寝るか!」ウシ 京太郎「東京から帰ったらカピーが帰ってきてますように」パチンッ 116日目終了- ?- 京太郎「さて、明日から東京だ!」 「終わりも近いな」ククッ 京太郎「は、終わり?」 「あぁ、終わりの始まりだ」パチンッ 京太郎「ドローソースだな」 京太郎「よし、この扉だ!」 「忘れるくせに」 京太郎「無駄じゃないだろ?」 「まぁな」 京太郎「よし!」ギィッ 「さぁ、終わりが近い」 バタンッ ?「久しぶり」 京太郎「ん、久しぶり」 ?「ごめん」 京太郎「なにが?」 ?「いや、色々とね……とりあえずなにか聞きたいことがあって来たんでしょ?」 ?「5日目以降の朝の決戦に出るかどうかの安価によって出るかどうか決まるわけだが決戦をすればその時点でその週は終了と思っていい、あとはエピローグが待ってる」 ?「だからと言ってこの週での好感度やら立場やらを惜しんでいるとろくなことにならないとだけは伝えておく」 ?「まぁそこまで緊迫した雰囲気が漂うわけではないから安心しといて」 ?「5日からできることはいつもとそれほど変わりないから、とりあえず好きにしといてね」フフッ ?「あと、明日を最後に夜は強制的にあたしと一緒だから覚えておくように」ビシッ 8月2日 117日目・朝- 京太郎「ふぁ~」 ハギヨシ「おはようございます京太郎君」 京太郎「おはよう、ハギヨシさん!」 ハギヨシ「ではどうぞ」 京太郎「お邪魔しまーす、おはよー」 透華「おはようございますわ!」 衣「都入りだぞ!」 京太郎「楽しみだな!」 純「行こうぜ京太郎!」グッ 智紀「データは沢山ある」クィッ 一「ボクらが優勝するんだから!」 歩「精一杯頑張ろう!」 京太郎「よし、行こうぜ!」 昼- 東京- 京太郎「いやぁ、東京だなぁ!」 透華「東京ですわね!」 衣「一年ぶりだ!」 歩「私は初めてです」 純「前回は京太郎も歩も連れてこれなかったからなぁ」 衣「昼時だぞ、あれだ!」 智紀「そう、あれだね」 一「あははは、行くんだ」 透華「もちろんですわ!」 京太郎「なにが?」 透華「ファミレスですわよ、このファミレスのプロ龍門渕透華、ファミレッサーとお呼びなさい!」 京太郎「それはちょっと……」ドンビキ ハギヨシ「では私は車の方で」 京太郎「行きましょうよハギヨシさん」グイッ ハギヨシ「おっと?」 京太郎「ね?」 ハギヨシ「……」 衣「行くぞハギヨシ!」ニコッ 透華「さぁ、行きますわよ!ハギヨシ!」 ハギヨシ「……はい」フッ ファミレス- 京太郎「なるほど、そんなことが」 歩「なんだか、良いですね」 純「あぁ、なんか良いよなぁ」 智紀「うん、良いね……」 京太郎「……本当に普通のファミレスなんだなぁ」 透華「当然でしてよ!」 一「透華、店内では静かに」 透華「むっ、そうですわね」スッ 衣「わーい、エビフライだ……また、タルタルソースが少ないぞ」シュン 京太郎「」ブチッ 透華「」ブチッ 一「すみませーん!」バッ ハギヨシ(危うくお二人が激怒なさるところでしたね)フッ 衣「皆のも来たな!」 京太郎「さて、食うか!」 透華「ん、ハギヨシや京太郎の足もとにもおよびませんが、なんとも言い難し美味!」 京太郎(ぜんぜんファミレッサーじゃねぇじゃん) 一「ん~久しぶりの味」 純「ん、結構いけるな!」 智紀「……」モグモグ 歩「メイド服でこさせられなくて本当に良かった!」 京太郎(一の服で目立たないんだったらメイド服程度目立たないと思うけどなぁ) 衣「でも、来年で最後かもしれないな」 京太郎「毎年来ることになるだろ、なぁ歩?」 歩「そうですよ、卒業してもその一年後には行くことになりますし、毎年来れるんだから」 純「……そうか」ハハッ 透華「できればインターハイのついでに来たいですわねぇ?」 歩「お、おまかせください!」 智紀「頑張ってね」 一「期待してるよー」 ハギヨシ「……期待してますよ?」 京太郎「誰に言ってるんですか、これでもハギヨシさんに勝ったんですから」エッヘン ハギヨシ「フッ、頼もしいですね」 夕方- 京太郎「そういや泊まるところって?」 透華「どんな場所だと思いますの?」 京太郎(たぶん会場からそんな離れた場所ではないよなぁ……)ウム 京太郎「ホテルか?」 透華「まぁそうですわね」 京太郎「おい、なんでつまんなそうな顔するんだよ、正解だろ」 透華「まぁそうなのですけれど、ほら着きますわよー」 京太郎「今日はとりあえず休むのか?」 透華「それが一番ですわねー」 夕方2- ホテル・自室- 京太郎「さて、暇だなぁ」ハァッ 京太郎(ハギヨシさんは隣の部屋なんだよなぁ) 京太郎「とりあえずどうするかなぁ」 京太郎「出かけるかな」スクッ 京太郎(どこ行くよ?) 京太郎(夜御飯までには戻らなきゃならないからなぁ) 京太郎(連絡も完了したし) 京太郎「さて……」 歩「お待たせ!」 京太郎「なんで着替えてるんだ?」 歩「べ、別に良いでしょ」フィッ 京太郎「あぁ、そうだよなぁ……」 歩「さ、買い物行こ!」 京太郎「おぉ、東京の服屋……」 歩「長野の服屋とそれほど変わらないね」 京太郎「商品が違うだろ、ほれ買ってやるから」 歩「え、ほんと?」 京太郎「ほんとほんと」 歩「ありがと!」ニコッ 夜- ホテル- 京太郎「うん、美味いな!」 透華「美味しくなかったら訴えてますわ」 京太郎「そりゃ怖い」 一「本当、おいしいね」 純「量もあるしな!」 智紀「……さすがに、食べきれないかも」 衣「衣が全部食ってやる!」 京太郎(無理だろうなぁ) 京太郎「ふぅ、風呂も入ってさっぱりしたし……どうするかな」 京太郎「誰かに電話してみるかぁ~」 京太郎「新子さんに電話してみるかな」 プルルルルルッ 憧『もしもし、京太郎?』 京太郎「ん、おう憧、今東京なんだが阿知賀はもう来てるのか?」 憧『うぅん、明日そっちに着く予定よ』 京太郎「やっぱ基本的に三日かぁ」 憧『四日に抽選と開会式だから当然ね』 京太郎「じゃあ、当たっても悔いなくやろうぜ」 憧『やるのはあんたじゃないでしょ?』 京太郎「まぁそうなんだけどさ」ハハッ 憧『それじゃまたね!』 京太郎「あぁ、また!」 京太郎「ん、メールが来てる?」 京太郎「誰からだろ?」 京太郎「あれ、健夜さんから?」 差出人:健夜 本文『もう東京にいるのかな?』 京太郎「おぉ」 本文『はい、もういますよ、他校は明日からくるとか言ってましたけど』 差出人:健夜 本文『私も解説で出るから東京にいるんだけど、会いたくなったらいつでも連絡してね!』 京太郎「優しいなぁ健夜さんは」 本文『はい、会いたくなったら連絡させてもらいます!』 差出人:健夜 本文『うん、また今度 おやすみ!』 京太郎「おやすみなさいっと……はやりさんだ」 差出人:はやり 本文『京ちゃん、明日の夜にみんな集合ね!』 京太郎「へ?」 本文『どういうことですか?』 差出人:はやり 本文『集合しないと大変なことになっちゃうゾ☆』 京太郎「……」 本文『わかりました、場所は?』 差出人:はやり 本文『また明日にでも送るよ、それじゃあまた明日ね! おやすみ♪』 京太郎「ふぅ」 本文『では、また明日 おやすみなさい!』 ホテル・自室- 京太郎「さて、寝るかなぁ」パチンッ 京太郎「眠い……」zzz 117日目終了- ?- 京太郎「明日みんな来るらしいよなぁ」 「もうすぐだぞ」ククッ 京太郎「だからなんだって」 「好きに考えろ」パチンッ 京太郎「わけわからん」 京太郎「池田に会いに行ってみるかなぁ」 「あぁ、好きにしろ」 京太郎「珍しいな」ギィ 「どうなるにしろ、最後かもしれないからな」 バタンッ 京太郎「よう池田」 華菜「ん、須賀ァ……いい加減後輩だって自覚ぐらい持てし!」 京太郎「前までに比べればお前元気になったよな」 華菜「そうだな、大分回復したし!今度は個人戦でも華菜ちゃん大勝利だし!」 京太郎「おう、頑張れ頑張れ」ポンポン 華菜「や、やめろし」カァッ 京太郎「なんだか、おかしいんだよ」 華菜「おかしいって?」 京太郎「俺がこうしてお前たちのところに来るときにさ、必ず俺の恰好をした奴が出てくるんだけどそいつが終わりが始まるって言ってたんだ」 華菜「……お前病気だし」 京太郎「そうじゃねぇよ!」 華菜「そうじゃないって、どういうことだし?」 京太郎「だから、なにかあるんじゃないかって、あいつが言うってことは俺たちに関係あることが」 華菜「安心しろし」 京太郎「?」 華菜「あたしが助けてやるし、アホな後輩のためだからしかたないな」ハハッ 京太郎「……ありがとな」 華菜「おう、お前のピンチはあたしのピンチだし……きょ、京太郎」ニコッ 京太郎「……ありがとうな、華菜」ニッ
https://w.atwiki.jp/sakiyuriyuri/pages/128.html
851 :名無しさん@秘密の花園:2009/08/08(土) 10 04 09 ID ek17cYrR 595です。 モモかじゅ続きを書いてみた。 ほぼ全編エロのくせに相変わらず貧弱な描写なので各自脳内補正ヨロ。 かじゅ先輩は変態から乙女へとジョブチェンジした模様です。 三人称は「ゆみ」に変更。 長くなりすぎたかなー…。 自分の下で真っ赤になって羞恥に震えるゆみの姿は、酷く桃子を興奮させた。 固くなるゆみの緊張を解そうと、色情を含まない手つきで肌を撫で、唇を落とし、言葉を紡ぐ。 話題は煽るものではなく、日常の延長を選んだ。 「先輩、初めてっすか?」 「あ、ああ…」 「意外っす。 先輩ってかなりモテるのに」 「そうか? 自分ではよくわからないが…」 「そうっすよ」 現実に、鶴賀には『加治木ゆみファンクラブ』まがいのものまで存在している。 余談だが、最近度を越え出したファンクラブ(仮)会員たちは次々と謎の闇討ちにあっているとかいないとか。 誰も姿を見たことがないため、未だ犯人の特定には至っていない。 「先輩は格好良くて、優しくて凛々しくて。 でもこんなに可愛くて。 好きにならないわけないっす」 「私は、モモに好いてもらえたならそれで良い」 「…すぐそういうこと言うからモテるっす」 少し面白くなくて、ゆるゆると右手を胸元へ伸ばし軽く持ち上げるように揉むと、ゆみは小さく声を漏らした。 その声に気をよくして、固くしこった先端を舌で一周し歯を当てる。 口腔へ誘い入れ赤子のように吸い上げると、蕩けた甘い声を上げて桃子の頭を抱えた。 ぎゅうっと抱き寄せられるのが愛おしく、桃子は一層舌を駆使し胸へとキスを続ける。 「こ、こんなこと、普段から言うわけないだろ」 「…私だけっすか?」 「モモだけだ。 ……あまり恥ずかしいことを言わせるな…」 真っ赤な顔のまま恥ずかしそうに視線を逸らすゆみに、頬の筋肉がだらしなく緩むのを止められなかった。 無駄な肉のない細い腰に口付け、今度は明確な意図を持ってくすぐるように指で辿る。 くねる腰は尿意を耐える幼児のそれに似て、幼児には到底真似の出来ない恐ろしいまでの色香と艶を含んでいた。 自身の鼓動の速まる音が聞こえ、桃子は生唾を飲んだ。 ゆみは耳まで朱に染め、期待と不安に瞳を潤ませている。 視線を合わせ「…モモ?」と小首を傾げられ、自制心を保つどころではない。 荒くなりがちな呼吸を最後の理性でどうにか整え、大きく深呼吸する。 焦って嫌われてはいけない。 獲物は目の前にいて逃げも隠れもしないのだから、あくまでクールに。 「先輩があんまり可愛いんで、心臓が持ちそうにないっす」 わざと明るく振る舞って声をかけ膝に割り入ろうとするが、恥ずかしがったゆみは中々力を抜こうとしなかった。 桃子は掌をぴったり閉じた内股へ滑らせ、文字通り下腹部へと置く。 「怖いことなんかないっす。 先輩がしてくれたみたいに、ちゃんと出来るかはわかんないっすけど、頑張るっす」 出来るだけ優しい声で囁くと、ゆみは少しバツの悪そうな顔をした後無言で腕を伸ばし、桃子の背中へ回した。 肩甲骨辺りを探ったかと思うと「モモも」と蚊の鳴くような声でねだる。 「抱っこっすか? 先輩の甘えたさん」 からかうような言葉にも「ん」と小さく返しただけで、しがみついたまま放そうとしない。 まるで子供のような態度に桃子は嬉しさ半分苦笑する。 そこには二つも年上の先輩ではなく、一人の可愛い女の子がいた。 「いつもとキャラ違い過ぎっす…」 「…嫌か?」 「大丈夫、可愛いっすよ。 大好きっす」 返事も聞かないまま唇を重ねた。 薄く開いた隙間から舌を差し込み丁寧に絡めると、ゆみの体から力が抜けていく。 それでも焦らず肌を撫で続け、自然と膝の開くのを待ってから身体を滑り込ませた。 もう陽もほとんど落ちかけ気の早い星のいくつかは瞬いているが、それでも部室はやや明るい。 普段自分でも見ないような場所を無防備に晒され、ゆみはどこか居心地悪そうに姿勢を直そうとするが、足の間に桃子がいて上手くいかなかった。 「モモ…?あの、恥ずかしいんだが…」 「先輩はもっとすごいことしたっす。 汚いって言ったのに私のここを、それはもう犬のように舐」 「あー!すまない!私が悪かったな! だからそれ以上言うな!!」 真っ赤になって叫ぶゆみの姿は、先刻まで桃子を攻めていたのと同一人物とは思えない。 桃子は「冗談っす」と話を切り上げると、膝から内股へ、内股から核心へと、そろそろと手を伸ばす。 小さな水音が、ゆみの高ぶりを如実に表していた。 「聞こえたっすか?」 「…知らない、聞こえない」 「じゃ、聞こえるまで」 冗談とも本気とも取れることを言うと、今度はわざと音を上げて嬲った。 花弁を柔らかく開き、指に付いた蜜を秘芯の根元から絡ませ、一気に刺激を与え過ぎないよう留意する。 「っあ…!」 花芯を親指で押し込むと、一際高い声が上がった。 普段ハスキーだからか高い声は少し掠れ、それが想像以上に甘美なもので桃子に脳天直下の衝撃を与える。 (可愛い、可愛い、可愛いっす!) 意思を無視して指が暴れ出しゆみは更に甘い声を漏らしたが、すぐさま両手でしっかり口を覆ってしまった。 桃子がさっきと同じことをしても返ってくるのは荒い吐息だけで、正中線を突き抜けるような先程の衝撃とは比べるまでもない。 「せーんぱい」 声を出すよう名を呼んでも、真っ赤な顔で首を何度も横に振られる。 涙目で耐える姿はいじらしいが、背筋を揺らしたあの声をもっと聞きたいし、何より背中から手が離れたのも面白くなかった。 面白くないついでに、思いつきで少し意地悪をしてみる。 覆いかぶさるようにして抱いていた左腕を伸ばし、密着していた肌に隙間をあける。 近いは近いが、これでゆみの求めた『抱っこ』は解消されてしまった。 突然のことに困惑したゆみへ、桃子は悪戯っぽく告げる。 「先輩がちゃんと抱いててくれないと、抱っこしないっすよ?」 「え?」 「抱っこしながらするのって意外と難しいんっすよね。 先輩がいらないって言うなら別に」 最後まで言い切らないうちに手は戻ってきた。 ただし左手だけ。 右手は相変わらず涙目の下、口元にある。 「そっちのは先輩の手じゃないんっすか?」 「あー…モモ…?」 「駄目っす」 「………」 「………」 静寂の中暫し二人は見つめ合ったが、桃子が折れなさそうなのを悟るとゆみは渋々右手も背中へと戻した。 それを合図に桃子は再びゆみを抱き、指の動きを再開する。 「はっ、あぅ…ん!」 「先輩、加治木先輩。大好きっす」 興奮と愛情とが乗った指はもう止まらない。 同じく我慢の限界だったゆみの声も止められなかった。 抱きしめあっているために桃子の耳元へ直接喘いでいるような格好になってしまい、恥ずかしいことこの上ない。 「可愛いっす…」 けれど、ゆみが恥ずかしい声を出せば出すほど桃子は嬉しそうだ。 普段全く言われない『可愛い』を連発し、わざと羞恥心を刺激するような言動でゆみの心を掻き乱す。 ただ、その全ては『好き』に基づいて行われ、ゆみ自身桃子に抱かれているのは途方もない幸福でもあった。 視線が合うと、二人は求めあうまま貪るようにキスをした。 その間も桃子は快楽を与え続けるが、行き場を失った声はくぐもって恥ずかしいくらい高い音が聞こえない。 そのことに気がついたゆみは、桃子と僅かな息継ぎの間隔だけしか離れようとしなかった。 桃子は唇を重ねながら十分に解れてきたことを確認すると、ゆみの中へ指を入れた。 熱いほどの粘膜は、まるで元々そこにあったかのように易々と桃子を受け入れた。 繋がった唇はくぐもった嬌声を吸い込み、卑猥な水音だけが部室に響く。 桃子はゆみが何を考えてキスを続けるかわかっていたが、どんな理由であれ自分から求めてくれるのはたまらなく嬉しいものであったし、目くじらを立てるほどのことでもない。 声が聞けないのは残念だったが、離れようとすると嫌がってキスを深くしてくるというのもまた捨てがたいものだった。 本当はしたいことはまだ山ほどあったが、初めてでこれ以上焦らすわけにもいかない。 桃子は必死に絡んでくるゆみの舌を甘噛みしながら、ラストスパートをかけた。 それ程深くない半ばがいいらしい、とあたりをつけ、中指を押し上げる。 素早くリズムをつけて追い込むと、背中に鋭い痛み、指に強い収縮を与えてゆみは達した。 その二つだけで、桃子は軽くイったような気さえした。 この背の痛みは、きっと一生忘れない。 おまけ 「モモ、悪かったな」 「何がっすか?」 「背中。痛かっただろう? あ、結構大きいな」 「先輩も爪長くないし、そんなでもないっすよ。 舐めとけば治るっす」 「そうか。…ん? 背中なんでどうやって舐めるんだ?」 「それは…んー…先輩が?」 …第3R?
https://w.atwiki.jp/kyo3nen/pages/116.html
「暇っすねぇ」 「まだ私の出番には早いし、いっそかおりん先輩がどこか飛ばしてくれないっすかね」 ゆみ「無茶を言うな、モモ」 ゆみ「いくら運の要素が強いとはいえ、それに頼りきりではいけないだろう?」 「先輩は勝てると思うっすか?」 ゆみ「さてな……だが、やるからには勝つぞ」 「了解っす。あ、かおりん先輩が……」 ゆみ「……本当に飛ばしてしまったな」 「どうするっすか?」 ゆみ「そうだな……とりあえず今日のMVPにご褒美を買っていこうか」 「え、このシュークリーム私にですか?」 ゆみ「ちょうど出ている最中に試合が終わったから、ついでに買ってきたんだ」 「なんか申し訳ないですよっ」 「じゃあ間をとって私がもらうぞー」 ゆみ「待て、どことどこの間をとった」 「わはは、細かいことは気にしない方向で」 「先輩、そういえば桃子は?」 ゆみ「ああ、途中でトイレに行ったよ。もうすぐ戻ってくるんじゃないか?」 「……ところでユミちん、本当に一個しかないのか?」 ゆみ「ふぅ……そう言うと思って人数分買ってきたよ」 「おお、さすが」 京太郎「さーて、迷子も何とかしたことだし、戻るかね」 京太郎「でも……」 「……」 京太郎「なーんか見られてるような気がする」 京太郎「一年くらい前にもこんなことがあったような……」 京太郎「でもパッと見だと誰もいないか」 京太郎「池田だったら頭隠しても尻隠さずだしな」 京太郎「気のせいだったらそれにこしたことはないけど……」 (前を歩いてるのは、清澄の金髪さん) (加治木先輩の……なんなんすかね?) (いかにもワケありな感じで少し気に入らないっす) (……ちょっとだけイタズラしてみるっすかね) (そーっと、そーっと後ろから近づいて……) 京太郎「……ん?」 (――っ、気づかれたっすか!?) (いや、そんなはずは……) 京太郎「なんかが俺のレーダーに引っ掛かったような……」 京太郎「でもやっぱ誰もいない、か」 (レーダーってなんすか!? うちの部長さんみたいなもんすか!?) (でも見えてないのはたしかだし……) 京太郎「ま、いっか」 (今っす!) (油断して背を向けたこの隙に……) (髪の毛を引っ張ってやるっす!) 京太郎「――そこだっ」クルッ 「ふぇっ?」フニョン 京太郎「……あれ?」モミモミ 「……」プルプル 京太郎「その制服、たしか鶴賀の――」 「うっきゃぁぁあああっ!」バチコーン! 京太郎「おうふっ」 「絶対、絶対許さないっす!」 京太郎「ちょっ、君は――」 「うわぁぁぁん! 汚されたー!」ダダダダッ 京太郎「……えー」 咲「……なに、やってるんですか?」 京太郎「もう俺にもさっぱり。そういうお前は?」 咲「これから控え室に戻るとこです」 京太郎「そうか……じゃあ一緒に行くか」 咲「え?」ドキッ 京太郎「だってお前、迷子になりそうだし」 咲「……ならないもん」ムッ 京太郎「ん、これは?」 咲「お財布?」 京太郎「さっきの子のかな……どれ」ゴソゴソ 『東横桃子』 京太郎「東横、ね」 咲「すぐ届けてあげたほうがいいんじゃ……」 京太郎「とりあえずお前を送り届けたあとだ」 咲「むっ」 桃子「もう最低っす!」 「桃子さん、どうかしたのかな?」オロオロ 「あれだけ騒いでるといるのがはっきりとわかる」 「わはは」 ゆみ「なんだ、どうかしたのか?」 「おおユミちん、どこいってたんだ?」 ゆみ「ああ、届け物があると連絡を受けてな」 「お財布、ですか?」 ゆみ「モモがどこかで落としたらしいんだ」 「当の本人はあの状態ですが」 桃子「あぁー、もうっ!」ダンダン ゆみ「……随分荒れているな」 「帰ってくる途中でなにかあったみたいです」 「てなわけで何とかして欲しいぞ」 ゆみ「仕方ない……モモ」 桃子「先輩……先輩っ」 ゆみ「大丈夫か?」 桃子「私は大丈夫っす。なにがあっても負けないっすから!」 ゆみ「そうか……ほら、落し物だ」 桃子「あ……私の財布」 ゆみ「さっき届けてもらったんだ。須賀京太郎……中学の頃の知人だが、モモも一度見たことがあるはずだ」 桃子「……あの金髪さんっすか」 ゆみ「なにかあったのか?」 桃子「特になにもないっす」 桃子(須賀京太郎……女の子の胸を揉む最低野郎っす) 桃子(先輩とワケアリっぽいのも気に入らないっす) 桃子(でも……) 京太郎『――そこだっ』 桃子(私をあんなにはっきりと、見つけてくれた……?) 桃子「……きっと何かの間違いに決まってるっす」ボソッ ゆみ「モモ、やっぱり調子が悪いんじゃ……」 桃子「平気っすよ。だってきっと気のせいっすから」
https://w.atwiki.jp/yurirowa/pages/36.html
良き時も、悪き時も。 富める時も、貧しき時も。 病める時も、健やかなる時も。 共に歩み、他の者に依らず、愛を誓い、 貴女のみに添うことを誓います。 死がふたりを分かつまで―― ▼ ▼ ▼ 波止場のコンクリートを叩く靴音が、やけに大きく響いて聞こえる。 内藤桃子は、その靴音の主である女性を、信じられない思いで見つめていた。 「久しぶりね、桃子」 「先生……?」 その女性、隼砥教子(はやと・きょうこ)は、桃子が最後に見た時より元気そうに見えた。 モデルみたいな長身とすらりとしたプロポーションのおかげで、 昔から籠目女学校の生徒達には人気があった彼女。 そのくせ性格は無邪気で奔放、ちょっとしたことではしゃいだと思えば、 ちょっとしたことですぐ拗ねて、自分より十も年上とはとても思えない。 ついでに貯蓄下手の浪費家で、私生活はだらしないし、まるで手が掛かる子供のようだ。 それでいて意外と傷つきやすくて繊細かと思えば、時おり年上らしい顔をしたりして。 そして、自分にとっては確かに大切な存在だった、と思う。 彼女は一時期とはいえ、確かに自分、内藤桃子の恋人だったのだから。 でも、彼女はやはり、桃子と付き合っていた頃とは違うように見える。 正直なところ、出会い頭に抱きついてくるんじゃないかとさえ思ったのだ。 いつも桃子のことを振り回して、困らせて。そんなところも嫌いではなかったが。 その子供じみた様子が息を潜めている理由は、言うまでもなく。 「私ね、ずっと桃子に会いたかった。たとえこんな時でも」 「……私は、会いたくありませんでした。出来ればこんな時には」 自分が、自分達が巻き込まれたこのバトルロワイアル。 最後に生き残れるのは唯一人の、狂気じみた殺人ゲーム。 どうしてこんなことになっているのか、桃子の頭の中では未だ整理が付いていない。 自分は少なくともそういう血腥い事柄からは無縁の人生を送っていると思っていたのに。 そして、そんな状況での彼女との再会。 どうしてそれが素直に喜べるというのだろうか。 それなのに、彼女はそれでも嬉しいと言う。いつもの明るさは翳りを見せてはいるが、それでも。 人の気も知らないで。 「それにしても桃子、前に会った時よりちょっと太ったんじゃない?」 「むっ……それを言うなら先生だって、」 少し痩せ過ぎなんじゃないですか、と思わず言いそうになって、咄嗟に口を噤んだ。 彼女、隼砥教子は、あの日突然ベッドで血を吐いた。 それが重い病気だと分かって、教職も辞めなければならなくなって。 遠い病院で療養するために、彼女は桃子のそばから離れていった。 桃子の世界から、いなくなってしまった。 そんな彼女に体のことで冗談を言うなんて、桃子にはできなかった。 そういえば、ドナーは見つかったのだろうか。病気は快方に向かっているのだろうか。 それを訊こうとして、今度は別の理由で言いとどまる。 (なんで私、今になるまで訊かなかったんだろう) あの日、二人の関係は限りなく自然消滅に近い形で終わりを迎えた。 別れの言葉がなかったわけではない。 それでも後味が良かったかというと、それは別の話で。 そもそも桃子が教子と付き合うに至った過程にも、後ろめたさは少なからずある。 桃子は当時、単なる同級生だと思っていた藩田思信から告白されて。 自分の中の気持ちを、どう整理していいのか分からなくて。 そんな時に教子と付き合い始めたのは、ある意味では思信への当て付けでもあったが、 人とどう接していいか分からなくなっていた当時の桃子にとって、 彼女の存在が心の拠り所として都合がよかったからではなかっただろうか? そういう罪悪感めいた実体の無い感情に決着をつけられないまま、ここまで来てしまった。 それを精算できる機会が、よりによって今だなんて。 唇をぎゅっと噛み締める。 今こうして二人で話している事自体が、どうしようもない絶望だというのに。 「私ね、あの時からずっと桃子に言いたかったことがあって」 なのに先生は、あえて明るい声を出そうとしているようで。 それが締め付けられるぐらいに歯がゆくて。 そんな世間話がしたいんじゃない。そんな状況じゃないことは分かっているはずなのに。 何か場違いなことを言おうとし始めている彼女を制止スべく桃子は口を開いて、 「私、隼砥教子は、内藤桃子と、ずっと一緒に生きていきたい。 病める時も健やかなる時も、苦しい時も楽しい時も、一緒にいたいって」 そのまま開いた口が塞がらなかった。 こんな時に言うことがそれなのかとか、それはもうプロポーズなんじゃないかとか、 ごちゃごちゃした感情が綯い交ぜになって言語化出来ない。 そんな桃子の様子を見た教子のほうまでもが、何故だかあたふたし始めた。 「あ、あれ、私なにか変なこと言った!? カッコ悪かった!?」 「全部変ですよ全部っ!」 「ええーーっ……」 いっそ清々しいぐらいのしょげっぷりを見せる教子。 一方の桃子はまだ突然の告白の真意を掴めないでいた。 「先生はいつもそうやって……だいたいなんで今、こんな時に」 そうだ。なんでこんな時にそんなことを。 生き残れるのは一人。それは教子自身も理解しているのだろうに。 この状況で永遠の愛を誓ったって何の意味も……。 ずきり、と胸の奥に楔が打ち込まれたような痛みが走る。 恐らくは、二人揃ってこの地を離れることはない。 その事実を改めて自覚して、桃子は底無し沼のような絶望感に襲われた。 恐らくは表情まで悲痛さを増していたのだろう、教子はそんな桃子の顔をまじまじと見、 それからふと、寂しげに微笑んでこう言った。 「だって、今言わないと、もう次はないかもしれないじゃない」 ハッとした。 危機感がないのではない。彼女は、隼砥教子は既に観念してしまっている。 自分がこの殺し合いで最後の一人になれはしないだろうということも、 恐らくは、生きるためにに桃子を殺すことなど出来ないだろうということも。 「……なんでそんな時だけ、大人なんですか」 絞り出した言葉は、桃子自身も驚くぐらい小さかった。 自分は、そういうところで達観できるほど十分には生きていない。 だから桃子には、彼女の語る言葉を、ただ聞いていることしか出来なかった。 「あのね、私、ちゃんと倹約するよ。無駄遣いしないし、新しいマンションも安いところにする。 なんなら車も手放してもいいかなって……最近、あんまり乗れてないし」 もしかしたら有り得たかもしれない、幸せな生活。 「料理も頑張るから。いっつも桃子に任せっきりだといけないし…… あっ、桃子の作るご飯が美味しくないってことじゃないからね!?」 それを語る彼女の横顔は、本当に幸せそうで。 「一緒に朝ご飯食べて、一緒に学校に行って、家に帰ってからも一緒で。 何が起こるわけでもなく、ただ一緒に生きていくのが嬉しいような、そんな生活」 自分もそんな幸せな夢を、一緒に見てしまいたくなる。 「……そんな日々が、本当に来なくてもいい。でも、答えだけは訊いておきたいの。 それさえ聞かせてもらえれば、私、きっと何があっても後悔しない」 真っ直ぐに自分を見据える視線。 しかし桃子は、彼女の言葉に答えることに躊躇した。 こんなに想いをぶつけられて、嬉しくないはずがない。 それでも勢いに乗せられて頷いてしまうのは、あまりにも不誠実な気がした。 ようやく、思信への想いを自覚し始めたというのに。 その想いに蓋をしてしまうのは、自分にも教子にも裏切りだ。 かといって、教子の願いを無碍にしたくない気持ちは同じぐらい強い。 叶うかも分からない想いよりも、今眼の前にいる彼女を大事にすべきではないのか? 「死がふたりを分かつまで、私と共にあることを誓いますか……どうかな、桃子?」 頭の中がぐちゃぐちゃになって考えがまとまらない。 それでも何か、何かを彼女に伝えないといけないと思って、桃子は。 考えるより先に、口を開いて。 「先生、私――――――――」 後にして思えば。 状況を理解していなかったのは桃子の方かもしれない。 夢を見ている限り、時間は永遠。 だけど夢から覚めるときは、一瞬なのだと。 そのことをちゃんと理解していれば、こんなことには。 桃子が口を開いたその時、100m遠方から放たれた一発の5.56×45mmNATO弾が隼砥教子の左側頭部に着弾した。 それは彼女の側頭葉から小脳・間脳・脳幹までを破壊し撹拌しつつ右頭部へと貫通し、 直後に血と肉と脳髄とリンパ液の離乳食めいた混合物を間欠泉のように噴出させた。 教子の体はマリオネットめいてビクリと一回痙攣し、そのまま重力に任せて崩れるように倒れた。 月光を反射して妖しくぬらめく赤黒い血溜まりが、瞬く間に広がっていく。 まるで赤いベルベットの寝具に横たわっているようにすら見える。 そう、その光景は、あまりにも、冒涜的なまでに現実感がなくて。 そのせいで、桃子はその時、悲しみも、絶望も、原始的な恐怖すら感じなかった。 ただ、自分にとって大事なものが欠け落ちた、そのことだけを頭の何処かで理解していた。 ▼ ▼ ▼ 鳰旦蕗と書いて、にお・あさふき、と読む。 僅かに数十分ばかり時間を遡って、改めて彼女、旦蕗の話をしよう。 「こんな、こんなことって……!」 波止場に積み重ねられたコンテナの上で、旦蕗は両肩を抱いて震えていた。 傍らには一丁の銃。M-16スナイパーカスタム、狙撃仕様に改造された突撃銃だ。 決して狙撃向きの銃でない反面、パーツの取り外しで白兵戦にも対応できる。 ちなみにとある劇画に登場することで有名な銃だが、旦蕗の知るところではない。 ともかくこのバトルロワイアルに於いて狙撃が可能な銃は、その精度を別として、 それだけで充分以上のアドバンテージを確保しうるものである。 ならば彼女は、それを理解した上で、この優位性を的確に運用すべく 拠点として高所を確保した上で狙撃を敢行しようとしているのか。 あいにく、それは全くの的外れだ。 そもそも鳰旦蕗という高校三年生の少女に、そのような発想は相応しくない。 むしろ、彼女の考えは真逆。自分の支給品が狙撃銃であると理解した瞬間、 彼女は「自分もどこかから狙われているかもしれない」という事実を、 確かに実感できる恐怖として思い知った。 このコンテナ群に紛れれば、少なくともぼんやり歩いているよりは安心なはず。 身長170センチの恵まれた体格に似合わない彼女の小心で慎重な部分が、 結果として狙撃に適したポイントを確保させたというだけに過ぎなかった。 「死にたくない……死にたくないよ……」 もはや譫言めいて繰り返される言葉は、しかし切実な願いに違いない。 元より旦蕗は、決して積極的な性格ではないのだ。 限りなく逃避に近い行動に出たとして、それだけで責められるべきではないだろう。 幸いと言うべきか、M-16のオプション装備には暗視スコープもあった。 赤外線を光学的に変換して緑と黒の二色で表示するこの装置は、 意外なほど鮮明に夜の闇を千里眼めいて見通してくれる。 もっとも、この波止場の開けた空間では元々月光を遮るものは少なく、 視界が全く確保できないなどということは有り得ないのだが、 不安な時ほど文明の利器に頼りたがるのは現代人の性である。 旦蕗はコンテナの上で潮風に震えながら、何か物音や気配を感じるたびに 慌てて暗視スコープを覗き、何事も無いことに安堵すると共に、 また新たに込み上げてくる孤独に怯えるということを繰り返していた。 そんなことを続けてどれくらいの時間が経っただろうか。 旦蕗はその緑黒ツートンの視界に、初めて自分以外の人間の姿を捉えた。 「ひっ……! い、嫌……」 脳裏にあの教室での惨劇がフラッシュバックし、旦蕗は反射的に全身を強ばらせた。 しかし、視線の先の人物の足取りには、どこか既視感のようなものがあった。 旦蕗はその理由に思い当たると同時に、危うく叫び声を上げるところだった。 「(内藤ちゃん……!?)」 内藤桃子。 現在三年生の鳰旦蕗の一つ下、二年生の風紀委員で、旦蕗と同じ寮に住んでいた少女。 住んでいた、というのは、少し前に校内で暴力事件を起こして、彼女は転校してしまったからだ。 しかしそれまでの時間、旦蕗はずっと桃子のことを見つめてきた。 彼女のことは何だって知っている。香水の種類も、好みのリップも。 だからこうして離れていても、緑色のスコープを通して見ても、彼女のことはすぐに分かる。 その事実に、旦蕗はこの状況からはおよそ場違いな誇らしさすら感じた。 ああ、自分が秘め続けた恋心が、こうして二人を巡り合わせてくれた。 自分が抱き続けた恋心は、決して無価値なものではなかったのだ、と。 彼女が転校するまで、旦蕗は結局なにひとつ言い出すことは出来なかった。 自分の想いは届くことなく朽ちていくんだと、諦めもした。 それでもこうしてまた会えた。そのことがただ嬉しくて、旦蕗は荷物を抱え立ち上がろうとして、 そのまま全身を凍らせた。 (私は、いったい、どうするつもりだったの……?) 今に至って、ようやく旦蕗は、現実の何たるかを思い出したのである。 今、自分達は、殺し合いを強制されている。 自分、鳰旦蕗と、彼女、内藤桃子は、殺し合わなければならない間柄なのだ。 それなのに「内藤ちゃん、久しぶりー!元気してた?」なんて軽々しく出て行って、 どうして信用してもらえると思えるというのか? もちろん、旦蕗は桃子のことを、軽々しく人殺しに走るような人間ではないと信じている。 だが、その信頼が一方通行なものではないと、どうして言い切れる? 確かに桃子は旦蕗にとって、数年来の想い人だ。 だが桃子にとっては、彼女は同じ寮で生活している先輩の一人にすぎない。 かつて桃子が同じ学校の教師である隼砥教子と付き合い始めた時も、 藩田思信を巡るトラブルで転校せざるを得なくなった時だって、 旦蕗はついぞ彼女に向かって自分の想いを打ち明けることが出来なかった。 そんな自分を、彼女がどうして受け入れてくれると言うんだろうか。 (嫌……内藤ちゃんに拒絶されるのだけは、絶対に嫌……!) そう考えてしまうと、もはや旦蕗は身動きが取れなかった。 転校してもう二度と会えないかもしれないという状況に至ってなお、 告白する勇気が持てなかった旦蕗だ。 この場面で自分から姿を晒すなど、出来るわけがない。 今までずっとそうだったように、今の旦蕗に出来るのもまた、手をこまねいていることだけだ。 しかし幸か不幸か、その諦め混じりの傍観は長くは続かなかった。 桃子に近付く人影を確認した瞬間、旦蕗の全身にアラートが駆け巡ったのだから。 この方角と位置関係ではスコープで拡大しても顔は確認できないが、 長身の女性ということは十分に分かった。 あの教室で見たような軍人めいた服装ではなく、どこにでもいるような姿だ。 何か桃子と話しているようだが、こちらには集音器などという物はない以上、 何を話しているかなど旦蕗には分かるはずもない。 ただ、桃子が何か困惑しているような仕草を見せているのが気に掛かる。 何か酷いことを言われているのだろうか。それとも口八丁で丸め込まれている? あるいは初めから危害を加える目的で、信頼させようとしてるとか…… 旦蕗の中をいくつもの嫌な考えが駆け巡る。 一度指向性を与えられた想像はもはや止まらず、それどころか更なる加速を持って 彼女自身のネガティブな部分を刺激していった。 もしも、桃子がこのままあの女に傷つけられるとしたら。 いや、傷つけられるなど生ぬるい。死んでしまう。殺されてしまう。 嫌だ。それだけは絶対に嫌だ。 想いが伝わらなくてもいい。片思いのままでもいい。 それでも、目の前で彼女を失うのだけは、絶対に嫌――! 「守らなきゃ……私が内藤ちゃんを……私が!」 口に出した言葉に、自分自身がドキッとした。 しかし、その意志を行動に移すまでにはそう長い時間は必要ではなかった。 M-16の銃把を固く握り締める。無機質なその硬質さが、今は頼もしくすらある。 当たらなくていい。すぐ近くを撃てば追い払うぐらい簡単なはずだ。 そう、自分になら出来る。いや、今は自分にしか出来ないのだ。 「出来る……ううん、やらなきゃ……!」 コンテナの上に寝そべり、見よう見まねの狙撃体勢を取る。 それから改めてスコープを覗き込んで、すぐ近くを掠めるように狙いをつけた。 銃爪に指を掛けるに至っても、彼女は抵抗感はおろか高揚すら感じていた。 その時の旦蕗を突き動かしていたのはある種崇高な使命感であると同時に、 自分が桃子にとってのヒーローになるんだという子供じみた英雄願望でもあったのだから。 そして、悲劇は起こる。 そもそも彼女の狙撃体勢は昔見たサスペンス映画の物真似に過ぎず、 銃身の微妙なぶれを抑えようとかそういう初歩的な配慮などまるでなかったし、 だいたいにして体勢自体がひどく不恰好で非能率的なものだった。 自分の手が緊張と恐怖とで小刻みに震えていることを自覚していないのもいけなかったし、 引き金を引く時に反射的に目をつぶってしまったのは致命的だった。 最も拙かったのは、銃爪を引くことに対する彼女自身の軽率さに外ならないのだが。 ただ、放たれた銃弾は隼砥教子の頭部を貫通し即死に至らしめた。 それだけが事実であり、偶然か必然かを論じるのは無意味かもしれない。 かくして何の心の備えも無しに突然殺人者になった旦蕗は、 その事実を目の当たりにした瞬間、数瞬ほど思考ごと全身を停止した。 それからゆっくりと現実を認識し、慄然し、狼狽し、怯懦し、恐慌した。 「嘘、違うっ、私、そんなつもりじゃ」 それは誰に対しての言い訳なのか。 桃子か、死者か、それとも自分自身か。 こんなはずじゃなかった。ただ追い払うだけのつもりだった。 そう弁解したところで、人一人を物言わぬタンパク質の塊に貶めた事実は揺るがない。 己の手を血に染める覚悟すらなしに、命を辱めた事実は変わらない。 「あ、ああ、ああぁ……」 鼓動が速い。体内の血が、彼女自身を責め苛むように全身を駆け巡る。 呼吸が荒い。自分自身を落ち着かせなければいけないことは、分かっているのに。 思考が重い。認識しなければならない事実を、精神の全てが拒否したがっているのだ。 ほとんど錯乱寸前の旦蕗を前に、しかし現実はなおも残酷だった。 旦蕗の視線の先で、桃子がよろよろと歩き出した。 歩みを進める先は、血の海に横たわる女性の骸。 それをスコープ越しに確認した瞬間、旦蕗の全身が総毛立った。 なぜなら桃子の心ここにあらずな様子はまるで、目の前で大切な人を失ったような―― 「やめて、やめてよ内藤ちゃん。私、貴女を助けたくて……!」 震えで合わない口元から、必死の願いが漏れる。 その一方で、旦蕗の冷静な部分がこう告げる。 自分は本当に、本当に、本当に、取り返しのつかないことをしてしまったのではないか? もしも桃子に迫っていたのが非情な殺人狂だったとしたら、 旦蕗の勇気ある行いが想い人を襲う残虐なる運命を打ち破ったのだとしたら、 彼女を襲う責め苦は幾分和らぎ、あるいは誇りにすら変わったかもしれない。 しかし歯車は願い通りには噛み合わず、どこまでも空転するばかり。 暗視スコープが映すのは、死体の傍に辿り着くやいなや膝をついてへたり込む桃子の姿。 そこから僅かに視界をずらせば、旦蕗が射殺した人間の顔が見えるはず。 見てはいけないと分かっているのに、引き返せなくなるだけと知っているのに、 鳰旦蕗は、結局、自分を抑えることが出来ず、スコープをそちらへ僅かに動かした。 そして彼女自身も知る女性を、桃子にとってどういう存在かも知っている女性を、 その成れの果てを、自分自身が終わらせた現実を、その視界に収めた。 「――――――――――――――――――――――ッ!!!!」 今度こそ旦蕗の精神は臨界を迎えた。 彼女は自失の様相の桃子からも自分が射殺した桃子のかつての想い人からも目を背け、 コンテナの端から上体を乗り出すと、そのまま全身をよじって嘔吐した。 ▼ ▼ ▼ 「先生……先生っ……!」 桃子は必死だった。 こんなところに先生を置いて行ったら、また撃たれてしまう。 早く先生を、安全なところに連れて行かないと。 でも動かない。教子の体は、土嚢のように地面にしがみついて動かない。 彼女の細い体が、こんなにも重たいはずはないのに。 「どうして……動いて、動いてよ……!」 力任せに引っ張った両手が、生ぬるい血で滑ってすっぽ抜け、 桃子はその場で尻餅をついた。 その痛みが、いつもの冷静さを失っていた桃子を冷たい現実へと引き戻した。 桃子はよろめきながら立ち上がり、転がるように段ボール箱の山の陰に身を隠した。 無造作に積み上げられたそれの陰なら、襲撃者から撃たれることもないだろう。 だが、教子は置いてきてしまった。連れてこようと思っていたのに。 だって気付いてしまったのだ。気付きたくなかったことに。 もう、桃子の言葉は、彼女に届くことはない。 彼女は、隼砥教子は、最後に託したたったひとつの願いすら叶えられることなく、 今度は永遠に、桃子の元を去っていってしまった。 もう二度と、二度と、二度と帰っては来ない。 「う、うう、あああっ……うあぁぁ――――――――」 そのことを理解して初めて、ようやく、内藤桃子は声を殺して慟哭した。 【隼砥教子@少女セクト 死亡】 【一日目・深夜】 【F-3/波止場・ダンボールの山のそば】 【内藤桃子@少女セクト】 【状態】健康、強い精神的ショック、後悔と喪失感 【装備】なし 【所持品】基本支給品、ランダム支給品1~2 【思考・状況】 1.死にたくない 2.先生を置いて行きたくない ※思信の存在には気付いていません。 ※具体的な行動指針はまだ決まっていません。 【F-3/波止場・コンテナ群】 【鳰旦蕗@少女セクト】 【状態】健康、強い精神的ショック、パニック寸前 【装備】M-16スナイパーカスタム(暗視スコープ装備)@現実 【所持品】基本支給品、光学スコープ 【思考・状況】 1.人殺しなんてしたくなかった 2.内藤ちゃんだけは死なせたくない ※雪華の存在には気付いていません。 ※支給品はM-16スナイパーカスタム一式のみです。 ※隼砥教子の支給品一式は、死体のそばに放置されています。 011 へべれけさんと知りたがりの道化 投下順 013:Two moons and two results. 011 へべれけさんと知りたがりの道化 時系列順 013:Two moons and two results. GAME START 内藤桃子 [[]] GAME START 鳰旦蕗 [[]]
https://w.atwiki.jp/ml-story/pages/157.html
MILLION LIVE WORKING☆~アイドル節分パニック!&紅梅白梅ファッションショー~Day1 Day2 Day3 Day4 原作イベント その他イベント開催期間 前後のイベントコミュ MILLION LIVE WORKING☆~アイドル節分パニック!&紅梅白梅ファッションショー~ Day1 話数 タイトル 登場アイドル 第1話 昔々あるところに…… 秋月律子、高槻やよい、ジュリア 第2話 待ち構えるモノ達 秋月律子、高槻やよい、ジュリア 第3話 桃子姫、鬼ヶ島に起つ 周防桃子、天海春香 第4話 妹は私が守る! 百瀬莉緒、天海春香 第5話 討伐隊の末路(協力・天空騎士団) 周防桃子、天空橋朋花 Day2 話数 タイトル 登場アイドル 第6話 援軍到着!? 周防桃子、天空橋朋花 第7話 鬼退治の行方 周防桃子、天空橋朋花、高槻やよい 第8話 戦いの後の宴 周防桃子、百瀬莉緒、天空橋朋花 第9話 桃子の決意! 周防桃子、天空橋朋花 Day3 話数 タイトル 登場アイドル 第10話 紅白対決 高山紗代子、真壁瑞希、星井美希 第11話 紅組の意気込み! 高山紗代子、双海真美、星井美希 第12話 一方、白組は? 最上静香、田中琴葉、真壁瑞希 第13話 羞じらいの舞台 田中琴葉、双海真美 第14話 のどかな庭園の中で 高山紗代子、真壁瑞希、星井美希 Day4 話数 タイトル 登場アイドル 第15話 足りない何か 最上静香、高山紗代子 第16話 ウグイスハンター 最上静香、真壁瑞希、島原エレナ 第17話 紅白を超えて 最上静香、星井美希 第18話 春蘭秋菊 最上静香、双海真美、島原エレナ 原作イベント 鬼だらけ!アイドル節分パニック(ミリオンライブWikiへ飛びます) 繚乱!紅梅白梅ファッションショー(ミリオンライブWikiへ飛びます) その他 イベント開催期間 2019年1月29日~2019年2月1日 前後のイベントコミュ 前:だってあなたはプリンセス(Charlotte・Charlotte) 次:成長Chu→LOVER!! 名前 コメント すべてのコメントを見る