約 19,734 件
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3139.html
597 :影響を受ける人:2015/01/04(日) 21 50 29 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第四十三話 ―墜ちる空Ⅴ― 余裕が出来た二日は、あっと言う間に過ぎ去った。 翌朝0500 襲撃は再開し、各部隊は・・・最前線の将兵いずれも口をそろえて言う“地獄の一週間”が始まった。 最初に出行くのは元北郷隊こと現下田隊だ。 現在この基地には、 狐火隊 六名 狸釜隊 六名 水蛇隊 六名 淵猿隊 六名 下田隊A 六名 下田隊B 六名 旗本隊 七名 特務隊 四名 前下田隊は元々十六人と言う大所帯。 それを隊長がA部隊、副隊長がB部隊として運用していた。 同時出撃する事で二つに分かれることはめったになく、ここに来てからもそのように運用される事が決定している 二部隊ずつ、朝昼晩と運用し、夜戦はベテランで固めた旗本隊が抑える。 久々の早朝出撃となったが、もはや慣れていた徹子等はすぐに飛び起きて、駆け足で格納庫に駆け込む。 前線で戦う若本徹子・竹井醇子・飯島凛はいつもの装備。 山田里子は主に大久保小毬の護衛をするので術符を大目に持って行く。 小毬も下田隊のベテラン運搬者と相談し、弾薬運搬箱の弾薬量を調整し終わっているので素早く背負う。 それを横目で見ながら扶桑刀を背中に差す。 一応北郷章香から資料を渡され、個人的な話をしているので人となりはわかっているつもりだ。 (あの人も大変ね。) 資料を見るまで普通の学兵だと思っていた。 だが・・・ (飯島凛は分家とはいえ華族出身。 竹井醇子は、かの有名な竹井家の御息女。 大久保小毬も大きくは無いけれど、古くから続く軍人の家系。 更に坂本美緒はまれにみる高性能な“魔眼”使い。) 山田里子は唯一普通の家庭からきているが、覚醒型ウィッチとしては中々優秀な分類。 これは気軽に解散など言えない。 最も実力のある北郷章香に預けられるのも頷ける話だ。 しかし、資料を見て一番気になっているのは・・・ (なぜ・・・あの子の能力欄だけ、塗りつぶされているの?) 視線は、凛と軽い言い争いをしている徹子の方を向いていた。 徹子の資料だけ、能力欄が黒く塗りつぶされているのだ。 能力が無いなら最初から書かなくていい。 そこがわからない。 (能力はある・・・はず。 北郷、総隊長も調べたらしいけど、結局わからずじまい。) 階級が上の、かなりやり手の人物ですらわからなかった事が自分にわかるはずもない。 昨晩に軽い挨拶しかしていないので、かなり不安ではあるが出撃するしかない。 気持ちを切り替え、ストライカーが追いてある場所に急いで向かう。 598 :影響を受ける人:2015/01/04(日) 21 51 07 ――――― 全員発射台に固定されているストライカーを履き、そのまま外に出ていく。 後ろにはフォークリフトがあり、それで持ち上げて運搬しているのだ。 今までいた場所はウィッチ専門の飛行場であったので、こうして通常戦闘機隊と共に運用される基地と言うのは初めてであった。 既に戦闘機部隊は出撃していて、空に舞い上がっている。次は彼女達だ。 「よし。準備は良いな!!」 「「「「「「はい!」」」」」」 全員から良い声で返答が帰ってくる。 三人ずつ運ばれ、進路上に並ぶ。 すぐに管制塔から発信許可が出た。 主機の出力を上げて右端の下田隊長から順次発進していき、加速が十分ついたところで浮き上がっていく。 全てを終えたフォークリフトはすぐに脇に移動し、第二陣を運搬するフォークリフトが進み出る。 この発進風景を美緒は待機所から見ていた。 視線に気が付いたのか、二番手の醇子が手を振ると里子と小毬も手を振った。 美緒も手を大きく振って答える。 しかし発進してしまうと、心にどうしようもない空白が生まれてしまう。 こうして離れるのは初めてではない。 それでも慣れるものではなかった。 寂しそうに空を見上げていると、席に座っていたミチルが横に並んだ。 「どうした?」 「えっと・・・」 「まぁ・・・なんもしないで待つ。と言うのは、私も苦手だよ。」 苦笑すると、美緒も少しだけ微笑む。 肩を軽く叩いてそのまま待機所に戻った。 待機所と言っても部屋ではなく、長椅子とテーブルが置いてあるだけの簡素なものだ。 一応お茶とお菓子が置いてあるくらい。 「さて、確認しておこうか。」 先に座るや否やミチルは全員の顔を順繰りに見る。 狐火隊で弾薬運搬係をやって居た学兵が手を上げる。 「その前に良いかしら?」 「なにか?」 「貴方が隊長という事だけれど・・・大丈夫なの?」 空気が、張り詰めた。 「何が言いたい。」 「部隊を全滅させた張本人が、指揮をして大丈夫なのかってことよ。」 私はまだ死にたくないと彼女は言う。 それを、同じく弾薬係だった狸釜隊の学兵が咎めるように睨んだ。 「それに関して私も抗議を入れた。が、却下された。」 「ふ~ん。」 元狐火隊学兵は半目にになって、ジッとミチルを見続ける。 変化した雰囲気に美緒は何もできず、アワアワとするだけ。 ミチルの同僚の学兵が声を上げようと前に乗り出したところで、元狐火隊学兵が大きく溜息を吐いた。 「真面目すぎるわ。アンタ。」 「それが取り柄だ。」 「ホント、穴吹隊長が言った通りだわ。」 頭を乱暴に掻き毟った後、乱れた髪を手櫛で整える。 「噂がどうあれ、しばらくあなたを見ていた。 その経験を信じるわ。」 「ありがとう。」 「むぅ。お堅い。」 599 :影響を受ける人:2015/01/04(日) 21 51 42 半目のままミチルを睨みつつ、美緒ともう一人に詫びを入れた。 全員もう一度席に座りなおして話を進める。 「我々の目標は“アホウドリ”だけ。これはいいな?」 「あの話は本当なの? いまだに信じられないんだけど・・・」 「本当だ。他の基地から情報が回ってきて、確実に核の位置が変わっていると見られている。」 実際“アホウドリ”はあの襲撃までは機首部に核があったことは確認されている。 何度か自分の目でも確認していた事があるので、にわかには信じられていない。 「後は、各戦線に出没する“アホウドリ”を優先して調べる事・・・か。」 「それに関しても確認をとっている。味方が苦戦していても、次の“アホウドリ”に向かう事が義務付けられている。」 話をジッと聞いていた美緒は、昨晩の事を思い出しつつもおずおずと聞く。 「・・・援護しちゃ。ダメなんですよね?」 「坂本、気に病むのは仕方がないが、疎かにしてはいけない。」 「弾薬運搬箱さえあればなぁ。」 特務隊の特性と、人数の少なさから補給は出来ない。 危ない場所に突っ込んでいくため、危険極まりない火薬庫を背負って行くのは自殺行為だ。 その為、みんな自分が持って行ける弾薬しか分量が無い。 「一撃離脱。これしかないだろう。」 「大まかに調べて、後はおまかせ~・・・あんまり良い気分じゃないわね。」 「それはここにいる誰もが思っている事だから、言わないで。」 「わかっているわよ。」 そう言って元狐火隊学兵は御茶を流し込む。 「それで、坂本。聞きたいんだが・・・いいか?」 「なんでしょうか?」 「魔眼を使用して、どのくらいで核が見えるんだ?」 「そ、そうですね・・・遠視も使えますし。 大まかに見るだけなら5秒、極限まで集中出来る状況なら2秒もあれば・・・」 自信なく言うと、三人ともポカンとした。 何か不味い事を言ったのだろうか?と慌てると、そうじゃないという。 「普通の魔眼解析能力時間って何秒だっけ?」 「平均20秒から30秒だな。」 「それが2秒?」 「「「信じられない。」」」 ちょっとショックを受ける美緒に、慌てて三人が駆け寄って諌めた。 「うう・・・」 「済まない。普通におおろいたんだ。」 「そうですか・・・ あ、そうだ。 先輩、今思いついたんですけど・・・・・・」 「む、なんだ?」 彼女達が出撃したのは、下田隊が出撃して一時間後の事だった。 以上です。 美緒ちゃんと、ミチルの絡みをおおく取り入れていきたい。 あとは、元狐火隊学兵と元狸釜隊学兵の二人の名前を考えないと・・・ この二人、ただのモブ扱いだったはずなのになぁ・・・
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3078.html
935 :影響を受ける人:2014/04/06(日) 22 41 05 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第四話 ―勇気か、無謀かⅡ― 「え・・・ネウロイが、こっちにくる?!」 美緒の叫びにその場にいた全員が絶句し、静寂がつつんだ。 次の瞬間には悲鳴が壕の中を満たす。 「落ち着きなさいな!」 騒ぎ始めた生徒を、凛が一括して押しとどめる。 「ワタクシ達は何のために志願したのですの!これくらいで騒ぐなんて、みっともないですわ!!」 「そうだぜ!それに基地には防御専門の結界士もいる。大丈夫さ!」 二人の自信あふれる言葉に、次第に落ち着いてきた生徒達は思い思いに座り始める。 自分の叫びに皆が反応し、あわや大騒動が起きる寸前になってしまい、顔が蒼くなってしまった美緒に凛が話しかける。 「坂本さん、そろそろきついのではなくて?」 「あ、うん・・・えっと・・・」 「責任を感じているのは良い事ですけど、思いつめるのは良くありませんわ。」 それにと言うと、そそくさとその場から去ろうとしていた里子の襟をむんずとつかんで、強引に引き寄せる。 「ヒィィィ!お嬢、許して欲しいっす!」 「駄目ですわ。貴方が煽っていたのも原因ですのよ。」 そう言って説教を開始した。 その光景を見つつ少しだけ心が軽くなった美緒は、親友二人からも励まされて少しだけ深呼吸をする。 そして未だ戦い続けているだろう。先生の安否を心配して、天井で見えぬ空を見上げた。 ――――― 少しだけ時間は遡る。 「よし、一機撃墜!」 『こちらツルミ一番、二番と共に共同撃墜した。次に向かう!!』 海上で入り乱れての戦闘は、どちらが主導権をとっているのかわからない。 ただ、章香が出撃したのは予想よりも早い段階だった。 生徒達を壕に避難させて、相棒と共に待機場に滑り込んだ時にはもう、第一陣迎撃隊が突破されていた。 何故こんなに早く! 驚いたが現実は受け入れなければならない。 そして知るのは彼等の進撃進路だ。ネウロイは大きな迂回ルートで進撃してきていた。 主にオラーシャ・大モンゴル帝国・扶桑国三国で管理している元中華方面大陸だが、資源採掘地帯・数少ないオアシス以外は人が住まない荒野等の不毛地帯だ。 その全てを管理しきる事などできない。そこを突かれたのだ。 しかし疑問に思う事もある。なぜ彼等は舞鶴に来たのかと言う問題だ。 まぁ、その辺は大本営の頭脳を使う連中に任せればいい。 「隊長、数がなかなか減りませんねぇ。」 「馬鹿言うな、少しは減っているぞ。それより手を動かせ!」 防護符を撒き、シールドを強化して防ぎつつ、僚機の愚痴を叱責して反撃に銃撃して撃墜する。 936 :影響を受ける人:2014/04/06(日) 22 41 44 「ふぅ・・・」 「しかし、新型の高速型・・・“スズメバチ”がいなくてよかったですねぇ。」 「ああ、“クマバチ”なら容易に撃墜可能だ。だがなぁ・・・」 「数が多いですよねぇ。」 そう、問題は数だ。 第一陣が引きつけられた数は二十数機、こちらに来たのも二十数機。 第二陣となる陸軍機は今までは海上飛行を苦手としていたが、最近の軍改革で海上飛行も義務付けられていて頼もしい。 だがそれでも突破された。 そして最終防衛ラインと言える自分達が出張っているのだが・・・戦況はよろしくない。 何とか一息つき、空になった銃弾層を仕舞い込んで新しいのを取り出す。 「ばら撒き過ぎたな。これが最後か・・・」 「右に同じく、鮫島がいないのがきついですねぇ。」 「そうだな。【装甲車】がいないのはきつい。」 「・・・鮫島が聞いたら泣きますよぉ。」 「事実d『緊急、緊急!』どうした!」 突然入ってきた連絡に、二人は周囲を警戒しつつ耳に手を当てる。 それは章香に焦りを生み出すものだった。 『低高度を進撃する敵機発見!こちらじゃ迎撃できない!誰かいけない!』 「・・・っ!!」 海上を見渡すが、海の色とかぶっているのでよく見えない。 何とか見つけようと必死に探していると、梨奈が肩を叩いた。 「あそこ、あそこだ!」 振り向くと海面スレスレを飛行するウィッチが見える。その先に目標はいた。 「“スズメバチ”!」 「報告にはいなかったのに!」 最悪の敵が突き進んでいた。慌てて自分達も追いかけようとするが、別のネウロイが妨害してくる。 「邪魔をするなぁぁァァァ!」 目の前に飛び込んできたネウロイを刀で両断するが、今までの戦闘で強敵と判断されたのか、更に妨害に来るネウロイを相手にしないといけなくなってしまった。 焦りと焦燥が章香を襲う。 ――――― 壕の中で大人しく待機していた生徒達だが、まだ不安なのか美緒に、しきりに外の様子を聞いてくる。 それを魔眼連続使用による疲労と言って断っているが、不安を募らせる事になっているので心苦しい。 「ふぅ・・・」 「美緒ちゃん、お疲れ。」 「ありがとう。」 疲労自体は本当なので眉間をほぐして誤魔化していると、醇子が濡らしたタオルを持ってきてくれた。 有り難く頂いてメガネを置き、顔を拭いて目の上に乗せる。 冷たい水の感覚が気持ち良い。 「まるで夫婦漫才だな。」 「そうっすね。」 「「ブフッ!」」 「二人とも、不謹慎ですわ・・・」 二人のやり取りを対面から見ていた三人が、思い思いに感想を述べた。 思わず噴き出した美緒と醇子はアワアワとして周囲を和ませてくれる。 そんな空気の中、壕の扉が叩かれた。 何だろうと思い、扉についている窓を開ける。 そこにいたのは、この基地の兵士だった。 「すまない。ここにウィッチがいると聞いたのだが・・・」 「そうですけど、なにか?」 「ああ、結界を張れるウィッチの待機人員が少なくてね。何とか手伝ってもらえないかと・・・」 「それだけ、ですか?」 「・・・実は呪歌使いも欲しい。近隣の住民が避難してきてね。落ち着けるためにいてほしいんだ。 この基地の呪歌使いは一人しかいなくて、頼めるかい?」 937 :影響を受ける人:2014/04/06(日) 22 42 23 思わぬお願いに、皆顔を見合わせる。 出来れば手伝いたい。しかし・・・ 「無理にとは言わない。正直言えば、自分は来てほしくない。」 「え・・・?」 「年ゆかない子を、戦場になるかもしれない場所に連れ出そうとしているんだ。 本当なら、大人である自分達がどうにかしなければならないのに・・・ 基地司令も、無理強いはしていない。」 「いくz「行きまわすわ。」おい、俺を遮るな!!」 勢いよく返事をしようとした徹子を邪魔するように凛が前に出た。 そして振り返る。 「別に戦闘に出るわけではありませんわ。この中に防御が得な子と、呪歌が得意な子はおりますの?」 「私、シールドが張れるし。いくらか結界もわかるよ。」 「呪歌は中の下だけど・・・出来る。」 「私は結界かな。」 人数を確認してみると呪歌使い見習いが一人、結界要員が五人いた。それを伝えると兵士はもう一度意思確認をしてから開けてもらう。 六人だけでは不安と思い、徹子は彼女等と仲の良かった三名もつけて送り出す。 兵士は残った生徒達に「必ず返す」と約束して出て行った。 「貴方にしては、考えましたわね。」 「おう!・・・って、“貴方には”は余計だ!!」 そう言って怒鳴る様子に、残ったメンバーは少しだけ笑った。 笑いが収まり一息ついた時、衝撃が壕を襲った。 以上です。 いやっふぅ! 何とか書き上げたぜ!そして今回も憂鬱成分が無いぜ!! 次回が終わったら、丸々憂鬱成分入れるんだぁ・・・ ちょっとした解説 鮫島トミ 北郷隊の弾薬補給係。銃撃は下手で、近接戦闘もダメダメな子だが、シールドが凄まじく硬く展開できる。それを生かして弾薬運搬係をしていた。 時には壁役として前線に出て、皆を守る事もある。 あだ名の【装甲車】は勢い余ってネウロイを正面からシールドで跳ね飛ばして、無傷だったことから由来している。 現在は別の隊にいる。 “クマバチ” 旧小型ネウロイのネーム。小型種は主に虫系の名前が付く。 “スズメバチ” 新小型ネウロイのネーム。速力上昇と攻撃力強化したタイプ。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/6972.html
766: 635 :2021/03/07(日) 17 42 46 HOST 119-171-231-231.rev.home.ne.jp 銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようです二十九 「柏木さん、まさか本当に伊耶那美命を蘇らせてしまうとは…。」 総理官邸で二藤部達政府閣僚とゼル通信で一緒に見ているティ連首脳に関係国大使はゼル造成された空間モニターから目が離せない。 そこに映るのは神話を覆しこの場に立つ伊耶那美命。 対馬の地に集った神々と共に嘆きの姫と対峙し、おとぎ話の如く子らを救うため奮戦しようとしていた。 日本人達は最も古く、最も新しい神話をこの目で見て、いや神話の一部と成っているのだ。 「羨ましいですな…。」 隣で同じく映像に見入るヴェルデオが寂しそうに呟く。 「我々が失ったもの(神話)、我々が手放さざるを得なかったもの(神々)が未だこの国にはある…。」 「ヴェルデオ大使、それは違いますぜ。」 三島は人好きする笑顔で言う。 「柏木先生が言ってたけどよ、先生だけじゃ召喚出来ないそうだぜ。フェルさんとナヨ様、それからティ連の援軍なけりゃな…。」 「そうですね…、最早あの方々は日本だけの神話の範疇に収まる存在ではありませんね。 それに天照大御神はおっしゃいました、『星の海を渡ってきた新たなる我が子』と…。」 新たなる我が子、フェルがそうであるならばティ連の人々もまた日ノ本の神々を奉ずるのならば我が子なのだろうと二藤部は言う。 既にイゼイラには東郷神社が存在し信仰している者もいる、日本や神崎島にいる者は言わずもがな。 そしてゼルモニターの向こうで一緒に見ていたサイヴァルとマリヘイルは話を始めた。 『フフフ、我が子にして頂くためにイゼイラ各地、いえティ連各国に創造主イザナミ様を始め、 日本の創造主、神を祀る神社を建立しなければなりませんね…サイヴァル。』 『日本全ての始祖たるイザナミ様を祀るのだから都市一つ分、いや浮遊大陸一つを使うぐらいしないと…。』 『それよりもティ連各国国民が参れるように移動可能な亜惑星機動要塞一つ使うのはどうかしら?』 二人の話を聞いて二藤部達の脳裏には宇宙を往く亜惑星サイズの巨大な神社の姿が浮かんだ。 そんなことをしていると駐日合衆国大使ドノバンは溜息を吐く。 「フゥ、しかし映像は流れていますがどの様に報告すべきでしょうかね…?」 「あるがままに話すしかないんじゃねえか?嵐の後に鳩がフェルさんのトコにやって来てオリーブを渡し、そして虹が架かった。」 自分はバチカンにそのまま伝えるつもりだと三島はドノバンに言う。 767: 635 :2021/03/07(日) 17 43 38 HOST 119-171-231-231.rev.home.ne.jp 「彼女は"キリスト教徒"で"人間"ではないにも関わらず"オリーブ"を渡され"奇跡"が起きた…。」 「直接オリーブの"油を注がれた"って訳でもないのに煩いのがいるのかい…?あれはかつての"方舟の契約"の証だろ?」 三島は疑問を呈する。 「まだいるのですよ、差別だ権利だ自由だと口にするのに他者を害するするインテリが。」 「どこぞの赤軍みたいな話ですね…。」 「フェルさん風に言うならアタマデッカチの石頭と言った所でしょうか?」 ドノバンの言葉を聞き呟く二藤部にドノバンは冗談めかして言う。 『ファーダドノバン案ずることはありません。』 「マリヘイル閣下?」 『貴女方の信じる創造主は正しき行いをしようとする方たちの味方なのでしょう…。ならば信じた道を行けば良いのでは?』 それは示されたのだからとマリヘイルは言う。 「フフ、マリヘイル閣下みたいな異星人に信仰について問われるとは…そうですね、そうしましょう。」 白木の流している動画で電子の海の至る所で祭りが行われている。 それは電子的な意味で祭りであり祭祀でもあった。 名前:名無しの提督 投稿日:~ ヤマト復活編か… 名前:名無しの提督 投稿日:~ それだとうちう戦艦の方になってしまうがな 名前:名無しの提督 投稿日:~ あまり違わなくね? 名前:名無しの提督 投稿日:~ あれは宇宙戦艦ではなく霧の超戦艦では?ボブは訝しんだ 名前:名無しの提督 投稿日:~ いやあの大和の姿、全体的なイメージは霧の艦隊ぽいく第三艦橋あって宇宙戦艦ぽくティ連艦の推進システムぽいのあるわ ハイブリッド型じゃね? 名前:名無しの提督 投稿日:~ まあ神の戦艦だろ?(思考放棄) 名前:名無しの提督 投稿日:~ 神憑ってるもんな文字通り 名前:名無しの提督 投稿日:~ つまり神戦艦大和? 名前:名無しの提督 投稿日:~ 新戦艦高千穂みたいやな 名前:名無しの提督 投稿日:~ まあとにかくイザナミ様日本頼みます(-人-) 名前:名無しの提督 投稿日:~ (-人-) 名前:名無しの提督 投稿日:~ (-人-) 768: 635 :2021/03/07(日) 17 46 22 HOST 119-171-231-231.rev.home.ne.jp 空中に浮かぶ戦艦大和、其の元に神々が集い、眩い光が対馬の海を覆う。 クエビコの音声が白木の流している動画に流される。 ――――加護の発動を確認、人類言語に置換―――― ――――泉門塞之大神及び菊理媛命、千曳の巌の召喚及び生死の結界の展開を確認―――― ――――熊野大神の加護、羅針盤始め全センサー・感覚系障害耐性強化―――― ――――アルテミスの加護、精神干渉波への耐性強化―――― ――――蛭子命の加護、夜海への身体・躯体、防壁に大幅な耐性付与―――― ――――天照大御神の加護、全艦底及び機動兵器、能力低下解除及び能力大幅向上―――― ――――太母伊耶那美命の加護、呪詛・死の概念攻撃を無効化―――― ――――慈母伊耶那美大神の加護、全艦艇、機動兵器の損傷を回復、全喪失機復帰―――― ――――慈母伊邪那美大神、千曳の巌による黄泉比良坂の再封印…完了を確認―――― 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ ヤベエよこれ!艦これじゃない、艦これ/グランドオーダーや!! 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ 特異点なのか異聞帯なのか…いやイベントか? 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ 海域名的には神機呪詛海域対馬とか? 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ 現場の味方神様の数ではバビロニアもオリュンポスも上回ってるけどな!鯖がおりませんが… 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ その分生身の人間や靖国的な意味な英霊が頑張っとりますがな 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ 降臨したイザナミ様は安全と安心のバビロニアで猛威奮ったティアマトと同格やぞ! アマテラス様は主神だしな!! 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ しかしネロちゃま触媒に呼び出した月女神が汎人類史鯖仕様とは思わなかった 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ この世界は人理崩壊中だった? 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ 否定できねえ 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ でもなんでネロちゃまなんかで呼べたん?関係あったけ? 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ 叔父がカリギュラだし辿るとマルス、オリュンポス十二神のアレスまで行き着くからなあ 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ その上で月繋がりで月夜見命祀っとる巡洋艦の最上とかぐや姫なナヨ様であのアルテミス似の艦娘に誘導召喚したんじゃね? 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ そういえばあのアルテミス似の艦娘、何というか端末ちゃんぽくなかった? 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ 中の人だがあの艦娘は釜山吹き飛ばした機動砲艦アルテミスの艦娘やぞ? 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ 769: 635 :2021/03/07(日) 17 46 54 HOST 119-171-231-231.rev.home.ne.jp 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ 軌道上からルナティックビームモドキで釜山一撃で吹き飛ばしたあの神代巨神海洋の機神ぽいの? 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ うむ、艦の名前は報道で流れてないけど極秘でないからな?姿は極秘だったけどここまでの状況なので先程解除された。 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ 先生!月女神様は艦娘の顕現艦つかえるんすか? 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ イザナミ様降ろしてる大和が出来るんだから出来んじゃね? 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ まさかの中身汎人類史の機神かよ!? 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ あの絶望が味方となって現実に現れるとは思わなかった… 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ 正に事実は小説より奇なりだな! 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ とりあえずアルテミス様世界を頼んます(-人-) 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ ギリシャ神話の神様に神頼みで大丈夫なんか…? 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ 今回は八百万の神々の一柱、日本の神様扱いだから鎮めて崇め奉ればだいじょうやろ? 本人今回は日本の神様だって言ってたし、日本基準やろな 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ 日本の神様何人呼び出したり、アルテミスまで日本の神様になるとか日本はホント魔境やな!! 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ いや神域やろ? 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ ネタにマジレスはどうよ?というかお前ら祈れ!世界がどうなっても知らんぞ!! 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ 神様、仏様、熊野観音様、ナムナム(-人-) 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ アマ公これを つ(幸) 名前:名無しのぐだーズ 投稿日:~ ケロちゃんみんなを御守り下さい(-人-) 770: 635 :2021/03/07(日) 17 47 44 HOST 119-171-231-231.rev.home.ne.jp 以上になります。転載はご自由にどうぞ。 しかし昨今のワープ研究ではウラシマ効果無視できるのがあるとか
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3103.html
898 :影響を受ける人:2014/08/24(日) 22 15 08 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第二十五話 ―乙女の休日Ⅷ― 一晩明け、北郷隊一同は旅館前の門にいた。 軽いジョギングで汗を流して温泉に入り、少し遅めの朝食を食べ終えている。 そして今から自由行動だ。 「諸君らはまだ学生と言う年齢であるが、軍に志願している以上軍属でもある。」 「「「「「「はいっ!」」」」」」 「軍人の名に恥じぬように行動する事。」 「「「「「「はいっ!」」」」」」 真面目な顔で訓示をする章香に、元気よく、規律よく答える学兵達。 しかし、真面目な顔もここまでだ。 表情を緩めてほほ笑む。 「今日まで皆よく頑張ったな。私は隊長として嬉しいよ。 さて、夕方までは自由行動だ。皆、英気を養ってくれ!」 「「「「「「は~い」」」」」」 昨夜、気が滅入る様な話した。 だが目の前の子達はそんな事も忘れたかのように、どこへ行こうか話し合っている。 いや、忘れてはいないだろう。 むしろ心配させないように、振舞っている可能性もある。 取りあえず楽しそうな様子に安心していると、サエが前に出た。 「・・・その前に確認だ。」 「え、なんのですか?」 醇子と話していた美緒がキョトンとしてサエを見る。 「・・・使用金額はいくらだ?」 「4円(現在価格12,000円)ですわ。」 素直に答えたのを見て全員に財布を出す様に言う。 無論、素直に従う四人・・・四人? 皆の視線が徹子と里子に向いた。 「えっと、ハィ・・・」 皆の視線に押されて里子は渋々財布を出す。 どう見ても指定金額以上入っている。 それを見た徹子も諦めて、里子と同じような財布を出した。 「・・・なぜ多い。」 「パアッと使いたいから・・・じゃダメッスか?」 「存分に遊びにたい!」 問うと、二人らしい回答に苦笑する章香だが、サエは無言で拳骨を落とす。 鈍く響いた音に皆ビビり、落とされた二人は頭を抱えてうずくまった。 しかしサエは財布の没収だけはせずに後ろに下がる。 どうやら拳骨だけで大目に見てくれるらしい。 「・・・その金はお前たちが稼いだ金だ。 ・・・如何こうは言わん。」 「は、ははは・・・」 軽く溜息を吐いて言うが、皆ビビって渇いた笑いしかできない。 そんな微妙な雰囲気を払拭するべく、章香は手を大きく叩いた。 「さぁ! たっぷり遊んできてくれ!」 899 :影響を受ける人:2014/08/24(日) 22 15 40 ――――― 学兵達は二つのグループに分かれて行動する事になった。 美緒・醇子・徹子 の導術士学校組と、 凛・里子・小毬 の法術士学校組とだ。 無難で、問題なさそうな組み合わせ方である。 隊長と副隊長は、午前中と昼食は一緒だが午後は別れて行動するらしい。 視点は法術士学校組を映す。 ――――― 凛を先頭に進む一行は有る場所に向かっていた。 彼女たっての希望で、ウラジオにある白尾神社にお参りに行くのだ。 昔災害にあったという彼女の祖先は、白い九尾に命を救われてからと言うモノ、ずっと信仰の対象として白天九尾を祀っている。 実家の庭に専用の神社があるという徹底ぶり。 初めて招待された里子もびっくりの信仰だった。 一応基地にも、神棚の横に九尾の神棚を設置してある。 しかし・・・やはり凛としては、ちゃんとした場所にお祈りしたかった。 ちなみに白い九尾を祭る神社は多い。 そしてその土地にはそれぞれ逸話が残っているのだが、大抵は災害に会って救いに来たのが中心だ。 事前に警告もする事もあったらしい。 そんな関係で、白い九尾の神社は無事故・無災害が主なご利益があると言われている。 鳥居をくぐると、狛犬ではなく八尾狐が迎えるのも特徴の一つだろう。 「申し訳ありませんわね。」 「いえ、私もお祈りしたかったですし。」 凛があまり関係のない小毬に謝っている横で、里子はさっさと手を洗う。 「それにしても・・・同じ学校なのに、よく顔をあわせなかったッスよね~」 「そう言えばそうですわね。クラスはどちらに?」 「“と組”です。凛さんと里子さんは一緒ですよね?」 「そうッスね。寮も一緒ッス。」 「ワタクシ達は“い組”ですから・・・合わないのも無理ないですわね。」 苦笑しつつ凛と小毬も洗い終えて、本殿に歩いていく。 戦時中という事だからなのか、少し人が多く感じられる。 石畳を踏みしめながら話を再開した。 「寮は“犬の三番館”でしたけど・・・」 「うわぁ・・・アタイ等は“猫の一番館”・・・・・・」 「寮まで反対とは・・・奇妙な運ですわね?」 「そうですね。」 小毬はクスリと笑い、「でも。」と続けた。 「こうして皆さんに出会えましたから♪」 キョトンとして小毬の言った事が解らなかった二人だが、理解すると二人とも笑い始めた。 「そうですわね。こうして志願しなければ会えませんでしたわ。」 「アタイの場合、お嬢といないと学校にもいられなかったかもしれないッスからね!」 里子は、元々ウィッチの証明となる使い魔を保持していなかった。 それどころか魔力がなかった。 しかし高魔力保持者と暮らすことで、確率は低いが魔力を得る事が出来るという説があった。 一緒に住む候補として選ばれたのが飯島凛だ。 そして里子の賭けは成功する。 「“空が飛びたいから”と言ってやってきたのに、間違えて法術士学校に入学してしまったッス。」 「ワタクシも、最初は導術士学校入学を希望していましたわ。」 900 :影響を受ける人:2014/08/24(日) 22 16 27 二人で苦笑しつつ歩いていると、賽銭箱の前に到着した。 それぞれお金を取り出すが、里子はだいぶ多い。 「今までの感謝の気持ちを込めるッス!」 力強くも、ちょっと未練がありそうな視線を向けたままお賽銭を投入する。 まず、最初に二回鈴を鳴らす。 次に二回叩いて、二回お辞儀。 また一回叩いて一回お辞儀をして、鈴を一回鳴らす。 これが関東に伝わる白尾神社の、参拝の仕方だ。 それぞれお祈りを済ませると、もう一度手を洗って神社を後にした。 つぎにお店を回ってみる。 いくのは・・・置物屋。 これは小毬のお願いだった。 彼女の家は軍人の家系であるが、それほど地位があるわけではない。 しかし海軍である父は、必ずお土産を買ってきてくれた。 中でも多いのは縁起物の狐。 なんでも、渡航技術の術を教えたのが九尾の狐らしい。 扶桑で作られた船舶にはどこかしらに、九尾の狐を紋章とした印が入っているという。 そんなわけなので、今度は自分が家に送りたいと思っているらしいのだ。 神社近くのお店に入ってみると、さすがに関連するものが数多く並べられていた。 「うわぁ・・・さすがにこれは・・・」 「たくさんありますわね。あ、これ箸置きですわ。」 「いいんッスかね? それ・・・」 ちょっと罰当たりに見えるお土産に、冷や汗を垂らす二人を尻目に小毬は品物を吟味する。 どうせならば、アッと言うモノを送りたい。 時折驚かせてくる父親を見返したと思っているのだ。 そうして吟味しつつも会話を楽しむ。 買い物は女の子にとって、一つの遊びともいえる。 最終的に小毬は、手招き九尾と言う御着物を買って送る事とした。 そのチョイスに微妙な感じになってしまう。 まぁ、本人が嬉しそうだから良しとする。 さて・・・そろそろ昼食だ。 「里子さん、頼みましたわよ。」 「任せて欲しいッス! あの宿の食事よりかは落ちるでしょうけど・・・」 「あははははは・・・・・・」 以上です。 オリキャラなのに焦点が合っていなかった三人を中心に書いてみました。 後、この世界独自の文化(?)も紹介してみましたが、如何でしょうか? こっちの日常編を書き終わったら、基地の日常編を書こう。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/6331.html
410: 194 :2020/08/23(日) 22 45 30 HOST ai126162148238.56.access-internet.ne.jp 短編ネタ 現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件その4 かの国は如何にして考えるのを止めて、手の込んだ自殺をするに至ったのか 第二次日本海海戦前日譚 韓国軍、釜山近郊に戦力を集結中! 偵察衛星から齎された情報に、困惑する日本政府の人間達。日本政府は閣僚及びアドバイザーとして夢幻会のメンバー達を招集。対応策を協議する事となった。 三島「さて、奴さん達はこのクソ忙しい時に何をやらかそうとしているのかね?」 新見「外務省は二つの見解に分かれています」 二藤部「二つとは?」 新見「はい。一つは竹島の領有権の正当化をアピールする為のデモンストレーション、そしてもう一つは・・・考えたくないですが、武力による竹島奪回かと」 春日「は?武力による奪回!?・・・・・正気なんですか?」 新見「はい。偵察衛星による情報によると、韓国陸軍及び海兵隊の車両や各種物資の積み込み。それに近隣の空軍基地には多数の戦闘機の機影が確認されているとの事です」 二藤部「なんと・・・」 新見「あくまで個人的な見解ですが・・・ただのデモンストレーションで此処までする必要は有りません。おそらく、本気で奪回を狙っているかもしれません」 三島「ふーむ・・・・・。辻さんに東条さん。あなた方の見立ては?」 辻「私は新見さんの見解と同じですね」 東条「同じく」 二藤部「・・・根拠は?」 辻「自己紹介の時にも言いましたが、私達はかつて多くの世界線で、日本を裏から導いて行く仕事をこなして来ました。そして当然ながら、色んな世界線でかの国とも関わる事にもなりました」 三島「いわゆる転生者って奴かい?まだちょっと信じられんが・・・。で、関わってきた経験で言うと?」 東条「かの国は聞き分けの無い子供その物、という事です」 春日「・・・これはまた、手厳しいですなw」 東条「此方の世界にやってきた後に読んだ、史実・・・失礼、超大陸化する前の戦後日本が朝鮮戦争に参戦するという架空戦記本で、かのマッカーサー元帥がかの民族の事でこう述べているのですよ」 三島「一体、何と?」 東条「『終戦時の日本人の精神年齢を十二歳とするなら、彼等の精神年齢は漸く乳離れが済んだ三歳児に過ぎない』とまで言ってるんですよ」 二藤部「其処まで言いますか」 東条「理由としては、『彼等はまず自己主張すれば、物事の善悪すら自分の思い通りに出来ると考えている。欲しい物が有れば泣きわめく。酷い目に遭って、相手が守ってくれるのであれば、どの様な相手にも笑顔を見せる。 相手が強ければ形振り構わず逃げる。相手が弱ければ、善悪の概念無く痛めつける。そこには克己の精神や矜持といった物は欠片も無い』と言っています」 新見「辛辣ですね」 東条「これまでの経験等を見るに、全く正しい意見だと納得しましたね。というか、私が同じ立場でもそう言ったでしょう」 辻「つまり連中は、自分の思い通りにならないで泣き喚いている子供その物です。自制心を期待する方が間違っている。更に言うと、彼等の言う独島という言葉は特別な意味を持っています。その島を 奪われたままで我慢出来る程、連中は大人では無いという事です。なので・・・・・、必ず来ます」 411: 194 :2020/08/23(日) 22 46 00 HOST ai126162148238.56.access-internet.ne.jp 二藤部「成程、お二人の意見は分かりました。・・・・・血が流れる事態は、避けれそうに有りませんか」 辻「老婆心から言わせてもらいますが・・・。世の中は綺麗事だけでは済ませられません。時には手を汚す事も、国と国民達を守る為に必要な事です」 二藤部「・・・・・」 東条「今回の超大陸化で、我々は膨大な軍事力を手にしました。しかし、肝心な時にそれを振るえない様ならば、それは張子の虎と同じ。それに、いざと言う時に国家や国民を守ろうとしない政治家に、果たして誰が 付いて行きますか?」 二藤部「・・・・・・・」 辻「確かにこの世界の日本は、過去に国を焼く過ちを犯しました。それは、『百年兵を養うは一朝有事の為』。この原則を忘れ、暴走してしまった結果でも有ります。ですが・・・、今回の事態はまさに今言った通りの 事となっているんです。ここで立たなければ、経緯は違えど国民を守れなかったかつての軍部と、同じになってしまいますぞ」 二藤部「・・・・・・・」 三島「二藤部さん・・・・・」 皆が見守る中、二藤部は深々と溜息を吐く。 二藤部「・・・・・分かりました。私も覚悟を決めましょう」 春日「総理・・・・・」 二藤部「全ての責任は私が取ります。防衛出動の準備を。国家と国民を脅かす存在を、打ち破って下さい」 辻「・・・・・良く決断なさいました」 東条「流石は、岸さんのお孫さんだ。腹が据わっていますな」 二藤部「・・・一度は腹を痛めて、退陣する羽目になりましたけどね?」 二藤部のジョークに、クスクスと笑うメンバー達。 かくして、日本の方針そして覚悟が、今この瞬間決まったのである。 412: 194 :2020/08/23(日) 22 46 30 HOST ai126162148238.56.access-internet.ne.jp 一方、神崎提督達は慰霊の為に、菊水組のメンバー達と共に沖縄へとやって来ていた。 献花を行い、粛々と鎮魂の儀をこなしていく彼女達。そんな所に、韓国軍の戦力集結の一報が齎された。 大和「提督、政府から連絡が」 神崎「何々・・・・・これは!?」 矢矧「一体何と?」 神崎「・・・・・韓国軍が竹島奪回を目論み、戦力を集結させつつあるとの事だ」 磯風「何だと!?連中は正気か?こんだけ馬鹿でかくなった日本に喧嘩を売るとは・・・・・」 大和「・・・提督」 神崎「何だ?大和」 大和「私達を行かせて下さい!」 神崎「何だと!?」 大和「現在鎮守府に居る皆の内、少なくない娘達が現代化改装や整備等の為、動く事が難しい状態です。直ぐに出れるとしたら、私達位しか居ません」 神崎「確かにそうだが・・・」 大和「かつて私達は・・・・・沖縄の人々を救うべく戦いましたが、遂に果たす事が出来ないまま沈む事となりました。そして今また、守るべき人々が理不尽な脅威に晒されようとしています」 神崎「・・・・・」 大和「もう・・・あの様な想いをするのはたくさんなんです!今度こそ、守るべき人々を守りたい。私だけじゃない。ここにいる娘達全員、同じ想いなんです!!」 矢矧「私も同じ気持ちです!提督、行かせて下さい!!」 雪風「しれぇ!雪風も頑張ります!!今度こそ、誰も沈めはしません!!」 一同「「「「「「「「「提督(司令)!!!」」」」」」」」」 神崎「・・・お前達の覚悟は分かった。私も気持ちは同じだ」 矢矧「!・・・それでは!!」 神崎「ただし、一つだけ懸念がある。それが解消出来なければ、出す事は難しい」 磯風「何故だ!?」 神崎「多くの娘達が動けないというが、お前達もまだ、現代化改修が済んでいない。対して、相手は腐っても現代兵器を装備する韓国軍だ」 霞「でも!!」 神崎「特に対艦ミサイルによる攻撃は、大和の様な大型艦艇はまだしも、矢矧達中小艦艇にとっては脅威そのものだ」 朝霜「・・・・・」 神崎「お前達は確かに、戦う為に生まれてきた存在だ。だが、同時に私にとって大切な妻達でもある。提督として、夫として、無策で死地に飛び込ませる訳にはいかないんだ」 浜風「提督・・・」 413: 194 :2020/08/23(日) 22 47 00 HOST ai126162148238.56.access-internet.ne.jp ??「大丈夫デスヨ!!」 大和「フェルさん!?」 いつの間にやらやって来ていたフェルと柏木の二人の姿に、驚くメンバー達。 フェル「韓国軍からの攻撃ハ、私達ヤルバーンが全力で迎撃するノデス!だから、安心して戦うデスヨ!!」 神崎「フェルフェリアさん・・・」 柏木「まぁプロである神崎さんにこんな事を言うのも何ですが・・・覚悟を決めたのなら、上司として夫として、信じて送り出してあげましょうや」 神崎「柏木さん・・・・・。やれやれ、柄にもなく弱気になってしまってたか」 柏木「神崎さんの言い分も分かりますよ。夫の心境としては、全く正しいですし」 柏木のセリフに、思わず苦笑する神崎提督。 次の瞬間、表情を改めると共に彼女達へと向き合う。 神崎「・・・それでは、改めて皆に命令する。国防空海軍と合同で出撃。驕敵を撃滅せよ!!」 神崎提督の指令に敬礼を返す大和達。その彼女達に、神崎提督も返礼する。 その後、彼女達は急遽派遣された蒼空に乗り、迎撃準備を整える「やまと」「しょうかく」が所属する第一機動艦隊の待つ舞鶴へと向かう。 新旧「大和」が揃い踏みするという奇跡の光景と共に、日神合同艦隊は竹島を襲おうとする韓国軍を撃滅すべく出撃したのだった。 414: 194 :2020/08/23(日) 22 47 30 HOST ai126162148238.56.access-internet.ne.jp 以上です。今回は、戦いにおける日神双方の覚悟を描写してみました。あと、何より新旧大和揃い踏みの光景を書きたかったので(苦笑) 普段のギャグ的な展開とは全く違う展開の描写には、随分と苦労する羽目となりました。こういうのをスラスラと書ける人達が本当に羨ましい・・・。 この手のネタは初めてという事も有り、拙い部分も多々有るとは思いますが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。 wiki掲載は、自由です。 430: 194 :2020/08/24(月) 04 58 32 HOST ai126162148238.56.access-internet.ne.jp おはようございます。 誤字・・・というか消し忘れが有ったので訂正をorz 412 誤 神崎「お前達は確かに、戦う為に生まれてきた存在だ。だが、同時に私にとって大切な妻達でもある。提督として、夫として、無策で柏木の姿に死地に飛び込ませる訳にはいかないんだ」 正 神崎「お前達は確かに、戦う為に生まれてきた存在だ。だが、同時に私にとって大切な妻達でもある。提督として、夫として、無策で死地に飛び込ませる訳にはいかないんだ」 wiki掲載時に、修正をお願いします。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/4855.html
780: 194 :2017/09/11(月) 22 45 58 注意書きについて 銀河連合日本×神崎島支援?ネタ番外編 ~絶対に笑ってはいけない鎮守府24時~ その二 をご覧ください(手抜き) 銀河連合日本×神崎島支援?ネタ番外編 ~絶対に笑ってはいけない鎮守府24時~ エピローグ ※本編中に銀連キャラは出てきません。辛うじて、本編後に極稀に書かれるおまけのみに出る程度です 大淀「はい。これにて「絶対に笑ってはいけない鎮守府24時」の任務、終了です」 5人「「「「「や、やっと終わった・・・」」」」」 大淀「さて、ここまでやってみてどうでしたか?長門さん」 長門「む、私か?」 大和「リーダーですからね、皆の代表として言ってください」 長門「そうだな・・・・・、まぁ総じて、キツイ事だらけだったのは確かだな。だがそういう状況だったからこそ、皆で頑張って乗り越えられたという 達成感があるのも、また確かだ」 大和「長門さん・・・」 長門「それとこの企画を成功させる為に、普段では見られない一面を見せてくれた皆(刺客の方たち)もよく頑張ったと、そういう風にも思っている」 金剛「長門・・・」 扶桑「長門さん・・・」 長門「今回の事を生かして、神崎島の住人達が日本国やティ連の人達とより良き関係を構築していく礎となるのなら、それに勝る喜びはない」 日向「・・・まぁ、とは言ってもやはり、二度はやりたくないとも思うが」 4人「「「「デスヨネー」」」」 781: 194 :2017/09/11(月) 22 46 32 大淀「素晴らしいコメント、有難う御座います。それでは皆さんに、”ある方”からメッセージを預かってきております。それを皆さんにお聞かせしましょう」 5人「「「「「・・・?」」」」」 そう言って大淀が取り出したのは、一台のノートパソコン。そこに映し出された映像は・・・。 神崎『皆、よくやってくれた』 5人「「「「「提督!?」」」」」 神崎『この映像を見ている頃には、皆全部が終わった事だと思う。まぁとにかく長門、大和、金剛、日向、扶桑、24時間本当にお疲れ様!よく頑張ってくれた!!』 長門「提督・・・」 神崎『大変な事ばかりだったと思うが、私は皆が力を合わせて、どんな試練をも一緒に乗り越える物と信じている。何といっても皆は私の大切な部下であり戦友であり、 そして・・・誰よりも大事な私の妻達なのだから』 大和「提督・・・」 神崎『今回の突然の試練も、色々ありながらも無事に乗り越え、成功へと導けたと確信している。本当にお疲れ様!全員に特別に三日間の休暇を与えるので、しっかりと 体を休めて、その上で皆の話を色々と話を聞かせて欲しい』 金剛「提督・・・」ウルウル 神崎『色々と大変な目に合わせてしまった事は、本当にすまなかった。だが、それでも今回の試練を乗り越えた事を、私は上司として戦友として、そして・・・夫として 本当に誇りに思っている』 日向「提督・・・」 扶桑「グスッ・・・、とても素敵なVTRです・・・。提督、有難う御座います」 神崎『何はともあれ、本当にお疲れ様!皆の話、楽しみにしているぞ』 5人「「「「「・・・提督」」」」」(涙) 神崎『・・・追伸』 5人「「「「「・・・ん?」」」」」 神崎『えーとだ、最後にどうしても言う様にとの事だから言うぞ?・・・コホン。えー、長門、大和、金剛、日向、扶桑・・・・・、 全員、アウトー!』 \デデーン/ 全員、アウトー! 782: 194 :2017/09/11(月) 22 47 08 5人「「「「「ちょっと待てえええええええええええええええええええええええええ!!!!」」」」」 長門「大淀おおおおおおおおお!!!!これはどういう事だああああああああああ!!!!!」 大淀「あ、言ってませんでしたね。任務終了とは言いましたが、「罰ゲーム終了」とは一言も言ってませんので」 5人「「「「「なんじゃそりゃああああああああああああ!!!」」」」」 大淀「という訳ですので・・・最後の罰ゲーム、キッチリと受けてくださいね」 5人「「「「「そんなの有りかああああああああああああああああああ!!!!!」」」」」 長門「納得いかーーーーーーーーーーん!!」スパーン 大和「最後の最後まで理不尽過ぎますよーーーーーーーーーー!!」スパーン 金剛「提督ーーー!!帰ったらお仕置きネーーーーーーーーーー!!」スパーン 日向「無下にするのも大概にしろおおおおおおおおおおおお!!」スパーン 扶桑「余りにも酷過ぎますううううううううううううううううう」スパーン 大淀「えー、という訳で皆さん。最後までお付き合い頂きありがとうございました。また機会がございましたら、その時は宜しくお願いします。お疲れ様でした!!」 長門「・・・・・」 大和「・・・行っちゃいましたね」 金剛「・・・私達も帰るネー」 日向「・・・帰るとするか」 扶桑「・・・そうですね」 こうして、彼女達の長い長い試練は幕を閉じたのだった・・・。 大淀「あ、この企画が好評でしたら、また皆さんに頑張ってもらう事になるかと思いますので、そのつもりで」 5人「「「「「流石に勘弁してくれ!!!!!」」」」」 銀河連合日本×神崎島支援?ネタ番外編 ~絶対に笑ってはいけない鎮守府24時~ 完 お仕置き回数 長門 121回(+タイキック4回+呂ーキック1回) 大和 127回(+タイキック2回) 金剛 126回(+タイキック2回+アイス呂ーキックチャレンジ1回) 日向 129回(+タイキック2回) 扶桑 95回(+タイキック2回+アイス呂ーキックチャレンジ1回+ビンタ2回) 783: 194 :2017/09/11(月) 22 47 39 替え歌ED 「海色」(笑ってはいけない鎮守府Ver) 唄:神崎 鳳翔 ※替え歌は後日未公開カットとして放映されます 罰ゲーム執行役の皆様 ※登場順 ケツバットの妖精さん エーレル・神崎(レ級elite:キャラ作成者・陣龍氏) ロー・神崎(呂500) 捕まってはいけないの鬼役の妖精さん(スリッパ・軍人精神注入棒・ビンタ・パンダ・パイ・風林火山・ハネムーン・日高昆布・ バズーカ・胸揉み・※危険) 神崎 澤海(輸送ワ級) 784: 194 :2017/09/11(月) 22 48 11 刺客・進行役等の皆様 ※登場順 二度目以降は割愛 総指揮役 神崎 大淀 「バス内」 神崎 赤城 神崎 加賀 神崎 北上 神崎 大井 神崎 北美(キタミ・北上さん似の妖精さん) 神崎 大花(オオカ・大井さん似の妖精さん) 乗客の妖精さん 神崎 秋雲 神崎 巻雲 「鎮守府内」 神崎 博之提督 神崎 阿武隈 神崎 暁 神崎 響 神崎 雷 神崎 電(神崎 武蔵) 神崎 霞 女性憲兵の妖精さん 神崎 曙 神崎 不知火 神崎 叢雲 神崎 青葉 神崎 村雨 神崎 夕立 神崎 春雨 神崎 五月雨 神崎 那珂 神崎 イク(伊19) 神崎 電 神崎 明鈴(ミンリン・集積地棲姫) 神崎 明石 神崎 伊勢 神崎 霧島 神崎 吹雪 785: 194 :2017/09/11(月) 22 48 45 捕まってはいけない:助っ人 神崎 龍驤 神崎 熊野 神崎 鳥海 DVD映像内 神崎 山城 神崎 加古 神崎 足柄 ザラ・神崎 神崎 龍田 神崎 天龍 神崎 瑞鳳 神崎 まるゆ 神崎 木曾 神崎 ゴーヤ(伊58) 神崎 榛名 神崎 比叡 ジャマイカからやってきた金剛型1番艦(の姿形をした妖精さん)ジャンゴウさん 神崎 飛鷹 神崎 隼鷹 神崎 香取 神崎 葛城 神崎 カヲル(ヲ級空母改flagship) 神崎 瑞鶴 786: 194 :2017/09/11(月) 22 49 15 以上です。色々あった拙作ですが、漸く本編完結となりました。 制作中、体調不良やネタの枯渇・スレが荒れたり原作者様に知らぬ間に飛び火してたりと、様々なトラブルに見舞われるハメとなってしまった拙作ですが、見て下さった様々な人達のご意見・ご感想が制作の何よりの励みになりました。特にネタの提供は本当に感謝の極みです(あれが無ければ、最悪そこで連載が止まっていた可能性すらありましたので(滝汗)) いずれにせよ多くの人達の助けの元、色々と書きたかったネタをやり切れて感無量です(まぁ替え歌の件(EDも含めて)が心残りですが、事情が事情ゆえに、止む無しかと(涙)) 元ネタ制作者の第三帝国様。ご迷惑をお掛けしてしまったにも拘らず咎めるどころか激励すらいただいた原作者様。そして、見て下さった全ての人達に感謝しつつ、一旦筆を置こうかと思います。 今後の予定ですが、不定期で笑ってはいけない鎮守府シリーズの制作裏話みたいなのを投稿できればと考えております。刺客の皆様へのインタビューやネタに関する裏話等を書いていければと、漠然とですが考えております。投稿時期は未定ですが、もし投稿する事になりましたら、お付き合いしていただければ幸いです。 それでは皆様、今まで本当にありがとうございました。
https://w.atwiki.jp/poke_ss/pages/1912.html
20ページ目 ――1220 女「さて、艤装もしっかり適合したみたいだし、お披露目といきましょう」 潮「どんな人なんでしょう……?」 女「会ってみてからのお楽しみよ」 女「ほら、出てらっしゃい」 北上「あたしは軽巡“北上”。まーよろしく」 漣「ダウナー系ktkr!」 曙「は……なんともやる気なさげ……」 潮「そ、そういうこと言うのは駄目だよぉ……」 那珂「那珂ちゃんスマイル!」 北上「……提督」 女「はいはい」 北上「……左遷?」 女「よくぞ見抜いた」 北上「キャラが濃いですねー」 女「まぁね。個性豊か、って言ってもらいたいかな」 北上「同じじゃんか」 女「ニュアンスよ、ニュアンス」 北上「うへー」 女「貴方も十分キャラが濃いと思うんだけど」 北上「マイペースが一番ですよ、マイペースが」 北上「あ、味噌汁は薄い」 女「分かる」 次へ トップへ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4978.html
前ページ次ページゼロな提督 夜の聖地。 千年前なら立派なオアシス都市があったかもしれない場所だが、今は巨大クレーターが 広がるのみ。 クレーター中心にある召喚ゲートは、今日も光を放ち続けている。人一人がくぐれる程 度の大きさで、10km彼方の土手からだと、小さな光点にしか見えない。クレーター外周の 土手にはエルフの各部族から派遣された人々がいる。 だが今、その中に何人もの耳が短い人、エルフが蛮人と呼ぶハルケギニア人が混じって いた。 彼等は皆、クレーター中心へ視線を向けている。 金髪の蛮人女性がイライラした様子で懐中時計を取り出し、舌打ちをした。 「まったく、連中と来たら…いつまで待たせる気なのかしら!?」 一人のエルフが隣の別な蛮人女性に話しかける 「遅いですね。予定では今夜のハズなんですけど…もうすぐ夜が明けますよ」 「そうだねぇ。随分と遅れてるんじゃないかい?」 そう言って蛮人の女は右腕を顔の前に持ってくる。その右手首にはデジタル表示の腕時 計が文字盤の光を放っている。 女の横に立っていたエルフの男も腕時計を覗き込む。 「かなり遅れているようだな。何かトラブルが起きたなら連絡があるはずだが」 そういってエルフの男は胸元から手の平サイズの機械を取り出してパカッと開き、中の 画面を見ながらスイッチを押す。 「ふむ…特に連絡は入っていない。今は待つしかないな」 ほとんどの蛮人はエルフ達と、普段と何の変わりもなく言葉をかわしている。だが、中 にはエルフ達へ近寄ろうとしない蛮人の男もいた。 「はぁ…あのお方の言うとおり、確かに聖地は何もなかった…。しかし、これがエルフ達 の仕業ではなく、始祖の力が暴走した結果だ、などと言われても」 「私達の言葉が信じられない、と?」 隣に立つ蛮人の女が、怯えて縮こまる男を睨み付ける。すると男は更に小さく縮こまっ た。 「い、いえ!滅相もない!ミス、私は常にあのお方とミスのご加護を受けてきました。あ の酒場で出会って以来、私のような小物の『王になってみたい』という願いを叶え続けて 下さいました。 ですが私とて、かつては始祖の教えにこの身の全てを捧げていたのです。果たして、一 体どちらを信じればいいのか、もう、どうすればいいのやら・・・」 縮こまった男は頭を抱え、さらに小さくなってしまう。隣の女は、そんな男に目を向け ようとはしない。ただ淡々と言い放つ。 「別に強制はしないわ。これから起きる事を見て、その上で自分で考えなさい。これから は、あんたは自分一人で考えなきゃいけなくなるんだから」 そう言って女は聖地の中央をじっと見つめ続ける。 そんな話をしていると、少し離れた所に立っていた蛮人の痩せた男が、ゲートを指さし 声を上げた。 「見よ!始まったようだ」 その言葉に話をしていた人々も聖地中心を見つめなおす。 そこには、聖地の門がある。人一人がくぐれる程度の大きさだったはずの門が。 だが今は、徐々に光点が大きくなっていくのが遠目にも分かる。それはゆっくりと、確 実に巨大化していく。沢山のエルフと数人の蛮人が見守る中、それはかつて多くの観測機 や無人機を吐き出した時と同じか、それ以上の大きさへと成長していく。そして今回は、 大地や風の精霊は全く動きを見せない。 風が吹きすさぶ荒れ果てた荒野の中、輝く門は更に大きくなっていく――― 第30話 狂宴は終わる 調印式当日、朝。 いくつもの雲が浮かぶ空の下、シャン・ド・マルス錬兵場は、熱気に包まれていた。 式典会場は、一人でも多くの人が連邦設立宣言書への調印を目に出来るようにと、城で はなく広い錬兵上が選ばれた。 いま、トリスタニア全体がトリステイン・ゲルマニア両軍による厳戒態勢下にある。特 に式典会場は上空の竜騎士隊に加え、地上にも魔法衛士隊のグリフォン・マンティコア・ ヒポグリフ隊が、調印式に訪れた人々への監視を続けている。 数万人が演習可能な錬兵上の座席は、既にすべて貴族たちによって占められている。彼 らはトリステイン・ゲルマニアのみならず、ガリア・ロマリア・アルビオンからすら来た 貴族たちだ。もちろん舞台のすぐ近く、最前列から後ろ数列は各国の要人が占めている。 他の席とは異なる豪華な作りの椅子が並び、王族もかくやという立派なマントやドレスの 紳士淑女が並ぶ。 錬兵場の外側は、会場に入りきらなかった平民たちが、遠くにわずかに見える式典を見 ようとしていた。少しでも中が見渡せる高い木の上、屋根の上等にも人が鈴なりになって いる。 錬兵上の入り口から一番奥には、一段高くなった舞台が設置されている。白い布に覆わ れた舞台の上には幾つもの豪華な椅子が、さほど大きくはないが立派な机を中心に並べら れている。舞台の背には二枚の大きな布、トリステインとゲルマニアの旗が下げられてい た。 そして、既に各席はそれぞれの主によって占められている。トリステイン女王マリアン ヌ、その背後に立つは宰相ヴァリエール公爵。ゲルマニア皇帝アルブレヒト三世と、後ろ のカイゼル髯がトレードマークのハルデンベルグ侯爵。アルビオンからは皇帝クロムウェ ルと背後に控える秘書のシェフィールド。ガリアからジョゼフ王と隣に立つ王女イザベラ が参列していた。 各王の警備陣は、壇上下から目立たないよう周囲と相互への警戒を怠っていない。 会場内で着席している貴族たちの間から、もうすぐ始まる式典を待ちわびながらも、囁 き声が漏れてくる。 「なぁ、宰相や将軍が後ろにいるのはともかく、アルビオンの秘書もいいとして、なんで ガリア王は王女が控えてるんだろう?」 「いや、舞台へ上るお付の方は一名のみ、人選は自由になってるから」 「社交界へのお披露目、のつもりかな?」 「多分な。今回は単に調印の証人という儀礼的なものだし、ガリア王女として各国要人へ 印象付けるには丁度いいだろう」 各国の支配者と同じく王冠を戴いた頭に前髪を納め、ツヤツヤした額に陽光を反射させ るイザベラは、静かにジョゼフの横で立っていた。 別の場所からも囁き声が聞こえてくる。ただし、それは壇上ではなく、貴族席の一部を 占める若い貴族たち、トリステイン魔法学院生徒達の席を見つめながら、ヒソヒソと囁か れていた。 「なぁ、おい。見ろよ、あの娘」 「あれは、間違いない。例の『虚無』のルイズだよ。ヴァリエール家の」 「その左右に座ってるのは、噂の平民使い魔の夫婦だな。夫のほうは何でも遥か遠方の異 国、ガリアすらも軽く凌駕する大国の将軍らしいぞ。衛士隊からの話では、恐るべき策士 らしい」 「ああ、噂は聞いてるぜ。ヴァリエール家のお抱え軍師で、異国の船で飛び回ってるって な。最近は主と一緒にトリステインを離れていたって話だったが、もう帰って来てたんだ な」 彼らが目立たないように指差す先には、確かにルイズがいる。その左右にはヤンとフレ デリカも、同盟の軍服を着て静かに着席している。三人とも黙って調印式の進行を見つめ ている。 彼らの周りにはオスマンを先頭に、ギトーやコルベールといった教師達はもちろんギー シュ・モンモランシ-・マリコルヌ、といった生徒たちも大人しく着席し、この歴史的儀 式を眺めていた。 そんな政治談議もそこそこに、長いマリアンヌとアルブレヒト三世の演説が始まった。 ふくよかで優しげな女王と、野心の塊を絵に描いたような四十男の皇帝が、長い長い演説 をする。 権威と儀礼に満ちた二人の演説がようやく終わり、いよいよ調印の儀が執り行われる。 上空は甲冑姿で警護する竜騎士が綺麗に隊列を組んで旋回し、周囲の騎士達も整列。視線 だけは周囲への監視を怠らない。 濃い紫色の神官服に、高い円筒状の帽子を身につけた人物が現れた。ロマリアの教皇聖 エイジス三十二世が、幾人もの神官を従えて舞台へと進んでいく。とたんに会場の人々は 聖杖を手にした美しき教皇へ目を奪われ、恭しく頭をたれる。会場の外から祈りの声が聞 こえてくる。 ヴィットーリオは壇上に上がりつつ、観客席を見渡す。 会場内にいる小さなピンクの髪の少女、その左右の異邦人を見つける。次に壇上へ視線 を戻し、ガリア王と目を合わす。ジョゼフはニヤリと笑ってから、フードで顔半分を隠す シェフィールドへ視線を送る。真の主からの視線に、ミョズニトニルンは僅かに頷いた。 その様子に教皇も小さく頷く。 壇上に上がった教皇は、調印内容が記された用紙の広げられた机を前に立つ。軽く用紙 へ視線を落としてから、ヴィっトーリオは仰々しく両手を広げた。 「マリアンヌ女王と、皇帝アルブレヒト三世は、ここへ」 若き聖者の声に導かれるように、二人は優雅に立ち上がり、机の左右に立つ。二人は最 初に教皇へ、次に壇上の彼らを見守る貴族たちへ礼をした。 会場は、しん…と静まりかえった。 教皇は一瞬視線を下げて、机の上に置かれた調印用紙の内容を確認し、それを高らかに 読み上げた。 「・・・今ここに、トリステイン・ゲルマニア両国は過去のわだかまりを捨て、互いの手 を取り合い新たな時代を作るべく、ゲルマニア=トリステイン連邦を成立することを誓う か?」 「誓おう」 アルブレヒト三世が力強く頷く。 「誓いますわ」 マリアンヌも微笑みと共に頷く。 そして教皇も頷き、調印書を指し示した。 「では、異存なければ、両者ともここにサインを」 二人とも杖を取り出し、書面上に自らの名を記していく その姿を教皇は黙って静かに眺め続けた。 数多くの観衆も、固唾を飲んで歴史的瞬間を見守っている。 全ての視線が新国家設立の瞬間へ向けられている。 二人はサインを終え、書面から一歩下がる。 教皇は書面のサインを確認してから、観客席へと向き直る。 聖杖を手にした手を大きく広げ、賛美歌を歌うような透き通った声を響かせた。 「今ここに、トリステインの女王マリアンヌと、ゲルマニアの皇帝アルブレヒト三世は、 ゲルマニア=トリステイン連邦成立宣言書に名を記した。 よって私は、ここに・・・」 教皇は半身を引き、壇上の机を前に立つ両者へ向き直る。 そして、右手に握る聖杖を、二人へ突きつけた。 「両者を、邪教に基づく国家を設立せんとした背教の咎により、火刑に処す!」 瞬間、ヴィットーリオは壇上から飛び降りた。 シェフィールドも観客席へ向けて駆け出した。 ジョゼフは一瞬で席を跳ね、舞台の下へ飛び降りた。 舞台を見守る人々は、警備の騎士達も含めて、何が起きたのか分からなかった。 それでも騎士達は反射的に杖を引き抜き、舞台へ向けようとした。 だが、杖を向けた時には、既に舞台が無かった。 壇上には、各国の支配者がいたはずの場所には、紅蓮の炎があった。 一騎の火竜が壇上の直上に舞い降りていた。 その、大きく開かれた口からは、赤い鱗と同じ色の炎が吐き出されていたのだ。 その炎は一瞬で、壇上に残っていた世俗支配者と、その付き人達を消し炭にした。 上空警備の竜騎士隊、その内の一騎が隊列を突然離れ、壇上へ急降下していたのだ。 そして壇上から飛び降りた三人は、教皇お付きの神官達が作り出した氷の壁『アイス・ ウォール』によって炎の熱から守られていた。 眼前で起きた突然の事態に、人々は動く事が出来なかった。各国から来た警護の騎士達 も、一瞬で杖を引き抜いたはいいが思考が停止していた。無論、血を吐くほどの訓練を積 んできた騎士達ゆえ、思考停止は一瞬でしかなかった。即座に『ジャベリン』等の水や氷 のルーンを唱えようと口を開く。 だが、その空白の一瞬を教皇は逃さない。澄み渡る声が会場に響く。 「全ブリミル教徒へ告ぐ!」 世俗支配者達を上回る権威を持つ教皇の言葉。なおかつ、「火刑宣告」の説明をするであ ろう言葉。 行動停止に陥った客席の貴族達だけでなく、警護の騎士達までもルーン詠唱を中止して 次の言葉を待ってしまう。燃えさかる炎を背にした教皇へ視線を集中させたまま動けなく なる。 教皇は静まりかえった会場を優雅に見渡す。 その横に、舞台を焼き払い支配者達を抹殺した火竜騎士が着陸する。極めて気性が荒く 気難しいため、自分が認めた乗り手しか乗せないはずの火竜は、大人しく教皇へ頭を垂れ る。そして、まるで当然のように翼を下げ、自らの背を教皇にしめす。教皇は火竜の背へ 軽やかに上がる。 赤き火竜の背に上がり赤い炎を背にするその姿は、伝説や御伽噺が本から飛び出てきた かのように神秘的で神々しい。騎士達のルーンは既に完成していたが、すぐにも消火して 主を救いたいが、目も意識も奪われてしまい、呪文を放つ機会を失してしまった。 そして若き教皇は、高らかに語り始めた。 「トリステイン女王マリアンヌと、帝政ゲルマニア皇帝アルブレヒト三世。彼等はヴァリ エール公爵が捏造した『聖地消失』『エルフによる世界の守護』という、神をも恐れぬ讒言 をもとに、邪教の国を打ち立てんと企てました! 始祖と教会に背き、ハルケギニア全ての民を謀ったのです!この地を闇に堕とさんと邪 心を抱いていたのです!」 会場にどよめきが走る。突然の教皇からの糾弾に、トリステイン・ゲルマニア両国の貴 族達に動揺が広がる。 「加えてオリヴァー・クロムウェル! 彼は教会に属し始祖の教えを守るべき司教の地位にありながら、始祖の教えに背きまし た。始祖より授けられし神聖なる王権を滅ぼし、皇帝の地位を僭称するという簒奪を行っ たのです!」 アルビオンからやってきた貴族・騎士達にも動揺が走る。その点については彼等も考え ないではなかった。だが聖地奪還という旗印の下、教皇は皇帝への即位を承認すると思い こんでいた。 しかし、確かに教皇の承認を得ておらず、かつ司教として始祖より授けられた王権に背 く事は重大なる罪。その事を今さらに思い出したのだ。 「よって、私は教皇聖エイジス三十二世の名の下に、この場を借りて宗教裁判を行いまし た。判決は、火刑!裁判と刑の執行が終了した事を、ここに宣言致します!」 教皇は聖杖を高々と掲げ、居並ぶ貴族達へ宣言した。 いきなり教皇から宣言された貴族達は、言葉が出ない。目を白黒させ、口は酸欠の魚の 如くパクパクと虚しく開閉するばかり。練兵場にいる数万の貴族達が揃って沈黙してしま う。 「なお、ヴァリエール公爵の捏造した讒言につき、それを語る証人も既に呼び寄せてあり ます。 今、ここに集う全てのブリミル教徒達に、証言してくれます。今回の調印式がほんの一 握りの、私欲に駆られて神の教えに背いた、哀れなる悪鬼による狂言であったという真実 を!」 教皇は、高く掲げていた聖杖を観客席へ向ける。 その聖杖の先には、小柄なピンクの髪の少女、ルイズがいた。彼女は目の前で父を焼き 殺されたというのに、何の感情も表していない。いや、聖杖を向けた教皇へ、爽やかな微 笑みを返した。 「ヴァリエール家の息女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール よ!父たるヴァリエール公爵に脅され、此度の陰謀に利用された事実、今ここで証言しな さい!」 人々は、一体どういう事なのかと訝しみ、ざわめきが広がる。 そんな中、ルイズは淡々と立ち上がる。左右のヤンとフレデリカも無表情なまま後に続 く。三人は学院生徒達の間を抜け、前に進み出ようとした。 だが、出来なかった。 さらなる突然の出来事に、練兵場の人々は再び言葉を失った。 ただし、今回は教皇と、お付きの神官達までもが目を見開いて驚愕した。 いきなりルイズの首が宙を舞った。 さらにヤンの胸から杖が生えた。 フレデリカは上半身が斜めにずり落ちた。 マリコルヌの杖が、ルイズの首を切り落としていた。 ギーシュの杖が、ヤンの心臓を背後から貫通していた。 さらには彼等の同級生男子がフレデリカの前に立ち塞がり、杖で袈裟切りにした。 「やった…ヴィリエ、ギーシュ。やったよぉ!僕ら、やったんだよ!」 マリコルヌが、感動に震える拳で杖を掲げた。 ヴィリエと呼ばれた男子生徒がマリコルヌに抱きついた。 「そうだ!やったぞ!僕たちはやったのだ!トリステインを狙う侵略者共を、貴族を軽ん じる身の程知らずの平民を、討伐したのだ!」 ギーシュの震える手は、造花の杖を取り落とした。そして、マントの中から円筒状のも のを取り出した。 「姫殿下、見て頂けましたか!?僕はやりました!姫殿下を害し、トリステインを異国へ 売り渡そうとした悪党共を、切り伏せたのです! あの中央広場、サン・レミ聖堂前で姫殿下に誓った言葉を、今ここに果たしました!必 ずや姫殿下の無念を晴らすと。ヤンによって地に堕とされた姫殿下の名誉を回復するとい う誓いを! あの日、あの時から、すぐに僕達は山へ籠もりました。竜をも倒す銃を持つ悪党共を倒 すため、厳しい修行を積んだのです!今、この瞬間のために!」 叫びながらギーシュは、取り出した円筒状のものに頬ずりをしていた。 それは液体の詰まった瓶。液体の中には、細長い肉塊が漂っている。 中央広場でヤンとシエスタの銃撃により千切れ飛んだ、アンリエッタの右腕だ。 三人は、歓喜の叫びを上げ続けた。 呆気に取られた貴族達の視線が集まる中、彼等は手を取り合い、肩を叩いて喜びを分か ち合っていた。 「ちぃっ!」 ジョゼフが舌打ちした。 「くっ!せっかく指輪で洗脳したのに。ガキ共が、余計な事を!」 火竜の横で、ミョズニトニルンも呪詛を呟く。 その言葉に、教皇が我に返った。即座に横にいる甲冑姿の竜騎士へ目配せする。 一瞬教皇と目があった竜騎士は、その意図を瞬時に理解した。火竜を飛び降り、ミョズ ニトニルンの首へ剣を振るった。 彼女の首は、頭を覆っていたフードごと宙を舞った。 さらに竜騎士は剣を翻す。ミョズニトニルンの横にいたジョゼフの分厚い胸板を、正面 から易々と貫いた。 「貴様…!?」 「洗脳が不要なら、あなた方も用無しですよ。無能王」 ジョゼフの目の前には、兜の隙間から竜騎士の月目が見えていた。 月目の目にも、ジョゼフの目が見えていた。 満面の笑みを浮かべる目が。 「そうだな、確かに俺は用無しの無能王だ!」 胸板を剣で貫かれているジョゼフが、笑顔で陽気に断末魔の笑い声を発した。 同時にジョゼフの体は消えた。跡形もなく一瞬で消え失せた。 「なにっ!?」 月目の竜騎士は周囲を見渡す。ついで足下を見る。 「これは…人形!?」 地面の上には、一体の小さな人形が転がっていた。 慌てて月目がミョズニトニルンが立っていた地面を見る。 そこにも首がもげた人形が転がっていた。 会場の彼方、ルイズ達が襲撃された辺りから、少年達の悲鳴が上がった。それはマリコ ルヌとギーシュとヴィリエの悲鳴。 「うわあーっ!な、何だこれはー!」 「に、人形!?これは、アルヴィー(小魔法人形)だ!」 「ガーゴイルの身代わり!?しまった…やられたぁーっ!」 ガヤガヤとどよめきが上がる会場の一角。ただし、先ほどとは異なる性質のどよめき。 今回の連邦設立の立役者が暗殺された驚きではなく、彼等が襲撃を予測して逃走済みだっ たという驚きの声だ。 その中心には、ちっぽけな人形が三個、壊れて地面に転がっていた。 《はーはっはっはっはっ!いやはや、これは参った!》 突如、声が響き渡った。 それはジョゼフの笑い声。 《教皇よ、俺は宗教裁判の被告人じゃないぞ。何故俺まで殺すのか説明しろ!》 その声はどこから聞こえてくるのかと、人々は周囲を見渡す。 だが、どこから聞こえてくるのか分からない。いや、周囲の全方位、四方八方から聞こ えてくるとしか思えない。 その声は会場外の平民達にすら聞こえていた。 銀髪を持つ初老の貴族が、最前列に座るリッシュモンが気が付いた。自分の尻の下から 声が響いてくる事に。彼は慌てて身を屈め、自分の席の下を覗き込む。 「なんだ…これは?声を伝えるという、風魔法の魔道具か?」 彼は自分が座る椅子の下に、ちっぽけな黒いものが張り付いているのに気が付いた。手 を伸ばしてそれを指先につまんでみる。 《どうした?言えんのか?》 「うわっ!?」 リッシュモンは驚いて黒く小さな塊を地面に放り出してしまった。 《お前は教皇なのだろう、ブリミルとかいう神の代弁者なのだろう。さぁ、神の言葉 を口にしろ。俺を殺す理由を、神の言葉で語ってみせろ!》 高等法院長の周囲に座っていた貴族達も、ジョゼフの言葉を吐き出し続ける黒いものに 気が付いた。彼等は一体それが何なのか、分からなかった。 ただ、その黒いものの裏には見た事も無い文字、「Mini Speaker」と書いてあった。 教皇の乗る火竜が首を巡らす。背後の、焼け落ちかけた舞台の方へと牙をむける。 教皇も肩越しに後ろをみやる。 「そういえば、あなたへの判決を言ってませんでしたね」 この不可解な状況にあって、抹殺したはずの男の声が響く中でも、涼やかな声でヴィッ トーリオは語り出す。 《おいおい、死刑を執行してから死刑判決を下す気か?》 会場外の、木に登って会場を眺めていた少年が気が付いた。自分の真上の枝に小さくて 黒いものから声が響いてくるのを。 《昔から、死刑囚が死刑執行を受けても死ななかったら無罪放免、だろうが。俺も無 罪って事で良いだろう。神のお慈悲で見逃してくれよ》 会場から遠く離れた、『魅惑の妖精亭』でも、店長のスカロンが気が付いた。店の軒先に ひっついた機械から声が響いてくるのを。 「あらやだ。これってオイゲンのひいジーサマが言ってた『すぴーかあ』てヤツね。とい うことは、ヤンさんが付けたのかしら?」 長身のスカロンはヒョイッと腕を伸ばし、マイクロスピーカーと書かれた物体を取り外 し、しげしげと眺めた。それから周囲をキョロキョロと見渡す。 「…随分と沢山つけてまわったのねぇ」 ジョゼフの声は、街のそこら中からも響いてきていた。 トリスタニア各所から生じた声が、街全体を包む。 月目の少年はニヤリと口の端を釣り上げる。そしてジュリオは舞台の後ろへ剣を突きつ けた。 「お戯れはおよし下さい。さぁ、被告人は証言台へ」 舞台がガラガラと焼け落ちた。火の粉と煙の向こう側に人影が見える。 《やれやれ、やっぱり神の法は厳しいな。まぁいい、それじゃ出るとしよう》 ズンッ…と地響きが鳴る。 焼け残った舞台の残骸が、鋭い爪を持つ前足に踏みつぶされた。 そこにいるのは魔法人形だ。黄色く光る眼、禍々しい牙をのぞかせる口、鋭い爪を生や した手、長い鞭のような尾、そして長大な羽を持つ、巨大なガーゴイル。 どこからか現れた巨大ガーゴイルの頭上に、ジョゼフがあぐらをかいて座っていた。そ の後ろには、フードを外して美貌を露わにしたミョズニトニルンが立っていた。 ジョゼフはニヤニヤといやらしい笑みを浮かべながら、ハルケギニアの最高権威である 教皇聖エイジス三十二世を見下ろしている。 「さて、出てきてやったぞ! では、検察官にして裁判官たる教皇聖下よ。俺への宗教裁判をやってもらおうか!」 被告人は叫んだ。傲然と、悠々と。 見下ろしてくる被告人から裁判を要求された教皇は、爽やかな微笑みを浮かべつつ、判 決文をそらんじた。 「ガリア王、ジョゼフよ。 あなたがエルフと通じた件、ガリア東薔薇騎士団団員より証言を得ました。また、エル フから技術供与を受けんがため、彼等に様々な便宜を図っていた事についても証拠を揃え てあります。 よって、他の者と同様に火刑を宣告します」 高らかに宣言した教皇は、聖杖を天へ掲げる。 そして、ジョゼフへ向けて振り下ろした。 刹那、炎の嵐が巻き起こった。 それは火竜のブレス。しかし、教皇が乗る火竜は口を開いていない。空中から炎の豪雨 が降り注いだのだ。ジョゼフとミョズニトニルン、そして二人が乗るガーゴイルへ向けて 真紅の巨大な竜巻が落ちてきたのだ。 上空を旋回していたはずの竜騎士全てが、急降下してきていた。騎乗して竜を操ってい るはずの騎士を無視し、彼等を振り落とさんばかりの勢いで。いや、既に何騎もの竜が、 乗り手無しで飛来していた。そしてジョゼフ達へ向けてブレスを放ったのだ。岩をも溶か す火竜達の炎が束ね上げられ、竜巻と化し、大地ごと全てを溶かそうと吐きかけられたの だ。 ジョゼフ達へ剣を向けていたジュリオ。彼の右手甲の隙間から、激しい光が漏れだして いる。 「…やった」 月目に勝利の光が浮かぶ。 《・・・あちっ!あちちぃっ!ええい、熱いじゃないか!まったく、ヴィンダールヴ は手加減を知らんなぁ!》 「なぁ!?」 教皇が初めて動揺を見せた。驚きの叫びを上げた。 全ての火竜を操っていた月目のヴィンダールヴも、驚愕で目を見開く。 会場の人々も、紅蓮の嵐が焼き尽くさんとする舞台を凝視する。 そこには、大きな土の山があった。 土の山は、表面こそ確かに灼熱に溶けている。だが地面から脈打つようにわき上がる土 と岩が、溶岩と化した土を速やかに地中へ流し去っていた。 そして、土山の頂上部分がススス…と下がっていく。そこには、相変わらずガーゴイル の頭上であぐらをかくジョゼフがいた。 その後ろではミョズニトニルンが主へ向けてパタパタと団扇を仰いでいる。 「あー、熱かった。今のは死ぬかと思ったぞ」 服の胸元を開き、分厚い胸板を晒しながら、ノンビリとガリア王は呟いた。 そして教皇とジュリオを見下ろす。 「そうか、お前も俺やルイズと同じ『虚無』の系統だったわけか?あらゆる獣を操るヴィ ンダールヴの力、大したものだ」 王の眼光はジュリオの右手、手甲から漏れる光を睨んでいる。 教皇は『虚無の系統』と言われても否定する事なく、ジョゼフを睨み上げる。 ガリア王の口から飛び出した『虚無』の言葉。それはトリスタニア全域に響き渡った。 会場には、もはや何度目かも分からないどよめきが広がる。 教皇はルイズを『虚無を騙る偽物』と断じた。だがガリア王は教皇もルイズも、彼自身 も『虚無の系統』だと言う。 教皇の頭上では火竜の群れが旋回を続けている。足下の火竜も恭しく傅いている。エル フと並ぶ恐怖と力の象徴たる竜が、尽く教皇の号令に従い意のままに動いている。それは 誰の目にも明らかな奇跡。 では、教皇の奇跡を易々と退けるジョゼフは何なのか?本当に『虚無の系統』なのか、 それともエルフと通じる異端なのか。 人々の目は、もはや釘付けだ。彼等は言葉もなく眼前へ、自ら異端審問を行う教皇と、 被告人たるガリア王へ視線を向けたまま動けない。 月目の少年が口を開いた。鈴のように澄んだ声が響き渡る。 「その土の壁、先住魔法ですか。エルフと通じている点に疑う余地はないですね」 ふんっ、と王は少年の詰問を鼻で笑った。 「その件については、俺も証人を呼んでおいた。証言台に上がってもらうとしよう。教皇 よ、異存はないな?」 「当然です。被告人には自分に有利な証言をする証人を呼ぶ権利があります」 教皇も一時の動揺は既に無く、むしろうっすらと笑顔をすら浮かべている。 ガーゴイルを覆っていた巨大な土のドームが大地へ戻っていく。 すると、巨大ガーゴイルの足下に数人が立っていた。その先頭に立つ男は薄茶色のロー ブをまとい羽付の帽子を被った長身。帽子の隙間から垂れる金色の髪が、腰まで伸びてい る。他には、やはり金髪を垂らしたローブの女性らしき人が、頭をすっぽり覆うような帽 子を被っている。ぶかぶかのローブを羽織って全身を隠す人、その隣に立つ痩せた緑の服 の少年など。 「お初にお目にかかる、ロマリアの教皇よ。そして、ハルケギニアの貴族達よ。 私の名はビダーシャル。サハラに暮らすエルフの一部族「ネフテス」の一員であり、老 評議会の議員をしている。 『大いなる意思』と、少々の悪戯心に導かれた今日の出逢いに感謝を」 そう言って先頭の男が帽子を取って礼をした。彼の金髪から突き出た長い耳に、全ての 双眸が集中する。そして同じように金髪女性も帽子を脱ぎ、エルフの象徴たる長い耳を衆 目に晒した。 ビダーシャルの後ろにいる人物は、隣に立つ痩せた少年の手を借りて、ぶかぶかのロー ブを脱ぐ。そこに現れたのは、背に持つ大きな翼をローブの下で窮屈そうに畳んでいた人 間。長い亜麻色の髪が美しい亜人、翼人の女だ。 妖精のように美しい女性は、背の翼を大きく広げた。 「は…初めまして、皆さん。私はガリアの、エンギハイム村で人間達と共に暮らす翼人、 アイーシャです」 今度は唐突に現れた翼人の翼に視線が集中する。 隣に立つ痩せた少年も、小刻みに肩を震わせながら小さな声を絞り出した。その小さな 声もマイクを通じて街全体に響き渡る。 「あ、あの…貴族の皆さん、はじめ、まして…」 少年はカチカチになりながらも、必死で深々と頭を下げた。隣の翼人女性もペコリと頭 を下げる。 「お、俺は、いえ、僕は、エンギハイム村の村長の息子で、ヨシアと言います。妻の、ア イーシャと共に、来ました。僕らの王様、ジョゼフ様が、人間と仲良くしている亜人の助 けがいる、ということで…」 たどたどしい夫の言葉を、妻が受けて続ける。 「私達の村は、ジョゼフ様が派遣して下さった騎士様のおかげで、人間と翼人が仲良く暮 らせるようになりました。私達も結婚する事が出来たのです。 このご恩に報いようと、こちらのエルフの方々と共に、この地の精霊と契約しました。 皆様が先住魔法と呼ぶ『精霊の力』で、あちらにおられる王様を守りました。精霊達に感 謝致します」 そう言ってアイーシャは腕を伸ばす。彼女が恩返しすると言った、傲慢に眼下の人々を 見下す男へ向けて。 「はーっはっはっはっはっ!」 妖精の様な美女に指し示されたジョゼフは、剛胆な笑い声を響かせた。 「と、言うわけで、だ…教皇よ。証人は証言してくれたぞ。 俺がエルフを含め、様々な亜人達と手を組んで先住魔法を我が物とする、見まごう事な き背教徒である、とな!」 王の後ろで団扇を仰いでいたミョズニトニルンが、白々しく呟く。 「ジョゼフ様、被告人側の証人が証言したら、かえって不利になったように思います」 「おお、そういえばそうだ。これはいかん、うっかりしていた。やっぱり俺は火刑に処さ れてしまうぞ!」 そういってジョゼフは、さらに大笑いしだした。腹の底から響く爆笑はトリスタニアを 揺るがすほどだ。 教皇の美貌から笑顔が消えた。 凍り付いた眼光が王を射抜く。 「では、あなたは自分が有罪である事を認め、火刑の判決を受け入れるわけですね。 それとも、まさか、この状況で今さら懺悔し、神に許しを請う、とでも?」 「くっくっく…俺を火刑に、だと?出来もしない事を偉そうに。刑を執行出来ない法など 寝言に過ぎん」 さも楽しげに笑う王を睨みながら、再び教皇は聖杖を掲げた。ジュリオの手甲から漏れ る輝きも光量を増す。 「出来ますよ。例え先住魔法がどれほどのものであろうと、あなたは刑を免れません。何 故なら、上空にいる火竜だけでなく、この会場にいる幻獣全てが始祖の御言葉にひれ伏し ていますから」 教皇の言葉通り、魔法衛士隊が引き連れるマンティコア・グリフォン・ヒポグリフ全て もジョゼフに向けて牙をむき、唸りを上げ始めていた。騎士達が、突然に手綱を離れて勝 手に戦闘態勢に入り出した幻獣を押さえ込もうとするが、全く制御が効かない。 会場を警備していた幻獣達全てもジョゼフを包囲し、じわじわと間合いを詰め始める。 だが、それでもジョゼフとミョズニトニルンは悠々とガーゴイルの頭の上に居座ったま ま動かない。 「ああ、違う違う」 王はいきなり手をヒラヒラと顔の前で振り、教皇の間違いを指摘した。 「違う、とは?」 ヴィットーリオは、聖杖を掲げ油断無くジョゼフを睨んだまま、それでも落ち着いて尋 ねる。 「刑とは、罪があってこそ下されるものだ。ゆえに、罪なくば罪を贖罪させる刑も無い。 刑は執行されぬ、されてはならぬ」 「ほう?どういうことですか…まるで、己の背教が罪ではない、とでも言いたげですね」 「その通りだ。そこのエルフと仲良くして、何が悪い?」 堂々と言い放って王はエルフの男へ視線を向ける。 ビダーシャルは、ちょっと困った顔で笑った。 「ジョゼフよ、いい加減にしろ。悪ふざけにも程があるぞ」 エルフに名を呼び捨てにされて諫められたガリア王だが、詫びれる様子は全くない。 くははははは…と相変わらず楽しげに笑うばかり。 シュンッと風を切る音と共に、ジュリオの剣がジョゼフへ突きつけられた。 「戯れは止めてもらいたい!一体、あなたは何がしたいのですか!?聖地奪還を阻む始祖 の仇敵、エルフと手を結ぶ事が背教の罪でないとは、ロマリアを、教会を愚弄するにも程 がある!」 突きつけられたジョゼフは、ようやく笑いをおさめた。そしてポンと膝を打つ。 「いやあ、すまんすまん。ちょっとからかうだけのつもりだったんだが、ついつい面白く なってな。 それでは、そろそろ全てを明らかにしようか。実は、俺はな…」 よっこらせ、という感じで立ち上がった王は、これでもかと尊大にふんぞり返り、高ら かに宣言した。 「連邦派なのだっ!」 腰に手を当てて断言した。 教皇もジュリオも、会場の内外全ての人が、何を言われたか分からなかった。 一瞬の間の後「ああ、そういえばここはゲルマニア=トリステイン連邦設立調印式典会 場で、さっきまで調印式の真っ最中だった」と、思い出した。 思い出したからって、ガリア王の連邦派宣言に、今さら何の意味があるのかは分からな かった。 人々の疑問には構わず、ガリア王は語り続けた。 「俺は、ここに宣言する!俺と同じ『虚無の系統』たるルイズの言葉に従い、地に平和を もらたす、と! 『聖地』などという、千年前に消失した幻想から目を覚まし、千年にわたり世界を守り 続けたエルフ達への誤解を解く時が来たのだ!ガリア王としてゲルマニア=トリステイン 連邦と共に、そしてエルフや翼人など、全ての知恵ある者達と共に新時代を築く事を、こ こに宣言する!」 その自信と威厳に満ちた言葉は、ミニスピーカーを通じてトリスタニア全体に響き渡っ た。 《ありがとうございます、ガリア王ジョゼフ一世よ。私達もあなたの宣言に賛同しま すわ》 それは、マリアンヌの優しい声。 《うむ、ゲルマニア=トリステイン連邦初代皇帝アルブレヒト三世として、ガリア王 からの連邦設立承認と和平の申し入れに感謝する。共に、地に平和をもたらそう》 それは、アルブレヒト三世の張りのある声。 突如、女王と皇帝の二人が当然の様に感謝の声を発した。 と同時に、何か甲高い音が空から響いてくる。 人々が音のする方向、遙か東の空を見ると、雲の彼方に何か小さな点が二つ見えた。 その点は、徐々に大きくなっていく。甲高い音も轟音と言えるほどに大きくなる。 あっという間に、それは会場上空へ飛来した。いかなる艦よりも、風竜よりも遙かに速 く。三角の翼を持つ鉄の塊の様なものが二つ、火竜の群れの更に上を飛んでいた。 それは、銀河帝国の強襲降下艇。 二機の降下艇は黒々とした腹側をトリスタニアの人々に見せつけながら、甲高い音と共 に降下してくる。飛び回る火竜を気にする様子もなく、その群れの中を貫いて高度を下げ る。そして、ガリア王とミョズニトニルンが乗る巨大ガーゴイルの横に着陸した。 前ページ次ページゼロな提督
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3081.html
32 :影響を受ける人:2014/05/06(火) 22 15 26 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第八話 ―真実・現実 弐― 大海原を超えてきた学兵達は、一旦浦塩に立ち寄り最後の英気を養った。 ここから先は想像できない最前線。 一泊したのだが、誰も彼も緊張で眠れず。 少々眠たげの出発になった。 「旭川、元気でな。」 「隊長、今生の別れの様に言わないでくださいよぉ。」 「あ、ああ・・・すまん。」 ポリポリと頭を掻いて詫びる。 元々気にしていない梨奈はケラケラと笑うと、荷物を運搬するトラックの助手席に乗車して、荷台に彼女と行動を共にする学兵等が乗り込む。 それを見送るために、最近五人で移動するようになった美緒達が声をかける。 「お前ら、がんばれよ!」 「旭川隊長の足を引っ張らないよう。しっかりお勤めなさいな。」 「元気で!」 「えっと・・・ちゃんと食べてね!」 「いや、おかっさんじゃないんだから・・・」 里子のツッコミに、醇子の顔が赤くなると同時に皆は笑った。 ひとしきり笑うとトラックは出発していく。 旭川梨奈は新しい副隊長を加え、六名の学兵を部下にして戦場に向かう。 走り去るトラックを、何時までも見送りたかった章香であるが、次は自分達だ。 「よし、跨乗せよ!」 「「「「「「はい!」」」」」」 元気よく返事をした学兵達は、一番トラックに北郷章香・竹井醇子・若本徹子・飯島凛が乗り込む。 二番トラックには元北郷隊隊員、旗本サエ・坂本美緒・山田里子・大久保小毬(おおくぼこまり)が乗り込んだ。 「出してくれ。」 運転席の兵士に声をかけると、運転手は頷いて車を出発させた。 ――――― ガタゴトと、あまり舗装されていない道をトラック荷台が走っていく。 載せている荷物は食料品、整備用部品、手紙などだ。 今回は更に学兵を乗せている。 兵士としては苦々しい事だ。 彼は子持ちで、彼女達よりも年上の息子がいる。 子持ちの親として、故郷に残した家族を守るためにここにいる。 だというのに自分は輜重部隊にいる。 銃を持てば陸戦ウィッチと共に戦うのに、戦車に乗せてもらえれば獅子奮迅に働くのに・・・ だが今はこの荷物を待ち望んでいる前線部隊がいる。 それを確実に届けるのも大事な事だ。 隣には顔見知りであるサエが座っている。 そして荷台からは、前線の凄惨さを知らない、ウィッチの玉子達の会話が耳に入ってくる 「大久保さんはシールドが強いのか。」 「はい。防御術符を使えばもっと強く展開できます。」 「はぁ・・・ええなぁ。アタイ、このメンバーの仲じゃ普通ッスよ?」 「そんな事は無いと思うけど・・・」 「ミーちゃんは優しいなぁ。」 「ミーちゃんって言わないで下さい・・・」 明るく笑う声が聞こえてくる。 33 :影響を受ける人:2014/05/06(火) 22 16 06 「大尉、彼女等は大丈夫なのでありましょうか?」 「・・・わからん。」 運転手の突然の質問に、北郷隊で元々寡黙な人物だったサエは手短に答える。 「飛行時間は足りているのでしょうか?」 「・・・足りん。」 「政府は、いったい何を考えているのでしょうか・・・」 「・・・知らん・・・ただ。」 「ただ・・・なんでしょうか?」 視線だけを彼女に合わせると、外の景色を見ていた筈の 「・・・自分は軍人だ。ただ敵をねじ伏せるだけ・・・それだけだ。」 「しかし・・・」 「・・・軍人は戦い、“守る”のが仕事だ。」 「はい・・・」 鉄皮面であるために内心がわからないが、言ったことは実行する人だ。 隊内でからかわれた時も、本気で実行に移そうとして必死に止められたと聞く。 それでも若いウィッチ達を戦場に出すことは、納得できそうもない。 ――――― 「補充要員が来るって聞いたけど?」 江藤敏子が執務室で書類整理をしていると、唐突に同僚がやってきた。 「ええ、北郷少佐が戻ってくるらしいわ。ここに。」 「へぇ・・・戻ってこれたんだ。こりゃ、楽しみね♪」 本当にうれしそうに笑うが、その笑みは獰猛なオオカミの様に見える。 「穴吹中尉・・・演習が出来ると思っているの?」 「思ってないけど・・・それでも今の実力は図りたいし。」 ケラケラ笑いながら出ていく姿を見て、大きくため息をつく。 この基地には名前は無いが、第201飛行騎兵部隊駐屯基地と便宜上呼ばれている。 別名【狐狸部隊】。内約は以下の通り。 大隊長 江藤敏子:中佐 狐火隊隊長 穴吹智子:大尉 副隊長 加東圭子:中尉 部下四人:上等兵(内学兵一人) 狸釜隊隊長 加藤武子:大尉 副隊長 黒江綾香:中尉 部下四人:上等兵(内学兵二人) これが今基地いるウィッチ全員だ。 書類整理に戻って頭を悩ませているとどんどん時間が過ぎていく。 すると、微妙な空気の振動が感じられた。 気になって外を見ると、ちょうどトラックが来たようだ。 トラックはそのまま建物の横を通り、格納庫近くに停車した トラックが駐屯基地に到着すると、さっそく整備員達が群がってくる。 荷物を素早くおろして、トラックに故障したストライカーを乗せるためだ。 後は手紙などを届けてもらう。報告書も送るので、纏めておいたものもって立ち上がると、外が騒がしくなった。 何だろうと窓からのぞいてみる。 「何かしら・・・新武装でも来たの?」 だとしたら厄介だ。 亦新しい報告書を書かないといけなくなる。 正直めんどくさい。 だが・・・どうも様子がおかしい。 戸惑いを感じるような気がするのだ。 気になったので急いで外に出てみる事にした。 靴を履いて出ていくと、整備員達は苦虫を潰した顔で、積み下ろし作業にあたっている。 その様子をチラリと見てからトラックの方を見て・・・理解した。 「章香、久しぶりね。その子達が例の志願学兵?」 「ああ、そうだ。」 34 :影響を受ける人:2014/05/06(火) 22 18 59 荷卸しを手伝っていた北郷隊長に声をかけ、近寄っていき。章香も顔見知りが来てくれたことに安堵して、手を差し出す。 軽く握手すると、手を離して私物だけ持った学兵達の方を振り返った。 「この子達を宿舎に案内したいのだが・・・」 「それなら問題ない。穴吹大尉!」 大声を出して呼びかけると、物陰にいた人物が渋々顔を出した。 トラックが到着した直後に出ていったのだが、驚かそうと隠れていたのだ。 すねた子供の様にトボトボと智子歩く。 「なんでしょうか・・・」 「貴方暇よね?そうよね?書類作りを加東副隊長に任せているくらいだもの、暇よね?」 「は、はい・・・」 「なら、ちょうどいいわ。この玉子さん達を案内して、それくらいできるわよね?」 「はい・・・」 怒涛の毒を含んだ口撃に、あっさり打ちのめされてしまう。 その様子を見ていた学兵達は唖然とするしかない。 目の前の人物は有名なエースで、本土でもプロマイドが溢れているくらいなのだから。 子ども様な態度をする人物だとは思ってもみなかった。 敏子と章香は話があると言って、その場を去っていく。取り残された七人は智子が溜息をついて頭を掻いてついてくるように言う。 「事情は知っているけど貴方達、飛行時間どのくらい?」 先頭に立ち、歩きながら気になる事があったので、そのまま聞いてみるが帰ってきた答えは眉間に皺を寄せるのに十分だった。 「短い・・・」 「そりゃ、知っているけどさ。俺t「なんだ、足手まといが来たのか?」なっ! だれだ!!」 智子の発言に、徹子は同意しつつも気込みを言おうとして・・・目の前から歩いてきたウィッチが徹子たちを冷めた目で見て言い放った。 気分を害した徹子は食って掛かろうとして足を止める。 そのウィッチの、あまりにも冷たい視線が、彼女を射ぬいていた。 これが、坂本美緒達が忘れられない人物・・・狸釜隊隊員 早良ミチル 上等兵との出会いだった。 以上です。 今回新キャラがさらに増えました。 大久保小毬 法術士学校出身 軍人の家系で、自ら志願した。 親としては志願してほしくなかったようだが、本人の強い意志により実現した。 戦闘はお世辞にもうまくないので、弾薬を運ぶ係に任命されている。 旗本サエ 25歳 中尉 元北郷隊隊員。 北郷章香と出会った時から寡黙な人物。 叩き上げの古参兵であるが、良く負傷して何度も後方に下がるため、なかなか階級が上がらない。 章香に戦場のなんたるかを教えた人物だが、実力は中の中と言ったところ。 特徴的な固有能力は無いが、歴戦の勘は頼りになる。 許婚が本土にいる・・・らしい。 早良ミチル 15歳 上等兵 導術士学校出身 坂本美緒達の前に志願した学徒兵。 元々海軍に行くつもりであったので志願した。 射撃が得意だが、近接戦闘も出来なくはない。 実力は上の下と言う感じ。美緒達に対して冷たく当たる。 です。 北郷隊が徐々にできていくぜ! そして運命の人です。彼女の行く末は・・・ さぁ・・・次は・・・どうするべ(汗
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3117.html
915 :影響を受ける人:2014/12/07(日) 22 25 08 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第三十九話 ―墜ちる空― 交流会から二日後、北郷隊と狐狸部隊は本拠地を、別の場所に移し終えたばかりだった。 これは元から考えられた事である。防衛戦が下がると、自分達も下がるのは当然だ。 教えられていた美緒達もすぐに新しい基地に移動していく。 整備員や機材は交流会の間に運び込んでおり、あとは自分達の荷物だけだった。 新しい基地に来て、ちょっとウキウキしながら荷物を運び入れる。 ある程度荷物を開き終わると基地を回ってみることにし、そこでちょっとした驚きがあった。 同時期に志願した何人の学兵と再会できたのだ。 無事な姿を見て喜んだ彼女等は、一室に他の学兵も集め、女の子らしい話に花を咲かせる。。 自分達の部隊長の話。 初実戦の緊張。 他部隊の人達。 日常とは違う戦場の空気。 失敗と成功。 明るい話もあれば暗い話もある。 自分を庇って負傷し、後ろに・・・本土に戻る先輩。 初めての負傷で塞ぎこんだ事。 目の前で撃ち落とされた戦闘機。 降り立った地上で見た惨劇。 昨日まで隣の部隊で戦っていた友達が、翌日死んだことを聞かされた時。 話は弾み、夜分遅くまで話し込んでいたが、それぞれの上司に怒られしまった。 渋々彼女等は「この基地にいる限り、また話せる。」と思い直し、部屋に戻って睡眠に着く。 そして、翌日早朝からサイレンで叩き起こされた。 「なんだ、なんだ!!」 「敵襲ですわ!」 「委員長、それは分かっているって!」 「それならつべこべ言わずに動きなさい!」 いつもの二人罵り合いをBGMに、ほか四人は着替えて大急ぎで部屋を出て行く。 すでに通路には、昨日再会した仲間がすでに走って会議室に向かっていた。 その顔はもうすでに戦士だ。 そして美緒達も同じように真剣な顔で走っていく。 しかし・・・ 「ああ、くそ! 朝飯食えないじゃん!!」 「御握りぐらいは大丈夫なはずですわ。」 「味噌汁がないと、俺、だめなんだ。」 「贅沢言わないで下さいませ!」 この二人のやり取りが、皆の緊張をほぐしてくれる。 それに続いて里子が話しに加わる。 「アタイは沢庵があれば良いッスね。」 「自分は梅干です。醇子さんは?」 「鰹節・・・かな?」 「醤油「「「「「無いな。」ッス。」ですわ。」です。」よ。美緒ちゃん。」み、皆ひどい!!」 そうして皆が続いて喋るのが、いつもの光景だ。 それを上の階から降りて来たミチルが、呆れて首を振るのも何時もの事。 「お前たち、元気だな・・・」 「あ、先輩。おはようございます!」 「「「「「おはようございま~す。」ッス。」ますわ。」す。」」 「若本、あくびをしながら言うな。」 「叩き起こされたので。」 916 :影響を受ける人:2014/12/07(日) 22 25 39 シレッと言う後輩にまた頭を痛める。 しかし動きによどみは無い。 寝て、いきなり叩き起こされるのは何時もの事。 それに慣れるのが兵士だ。 それはそうとして、宿舎の窓から整備員が大慌てで動き回るのが見える。 基地の規模は前よりも大きい。 いくつかの航空部隊が同居しているというのもあるが、通常の戦闘機を抱えているのもあって、設備はかなり良い。 屋根あり、壁ありのお風呂には入れたのは一番うれしかった。(前はドラム缶風呂で、交代制) 話を戻す。美緒の目線の先では、待機していた戦闘機部隊が滑走路を駆け上がっていくのが見えていた。 「それにしても、かなりの大騒ぎですね。 敵の規模・・・大きいのでしょうか?」 「わからん。だが、久しぶりの大規模戦闘なのは分かる。」 基地の空気を感じ取っているのはミチルだけではない、美緒達だって感じているはずだ。 しかしそれでも、いつもの事をしていられる度胸はついている。 頼もしさもあるが、この年齢でこういうことに慣れるのは・・・とも思う。 いや、世界を見れば普通だろう。 世界のウィッチの寿命は短い。 大体20歳くらいが良い所、がんばれば25歳までいけるかもしれないが、シールドの強度が心配になる。 対して扶桑のウィッチは長寿命だ。 30~40歳くらいが終わりごろで、50歳までいければ良い。 血統により、魔力切れが無いのもあったりする。 とはいえ世界視点で見れば、異常なほど長いのが特徴といえるのだ。 それはこの国の制度がかかわっている。 少し大きい村や町になると、魔力検査の水晶が必ずおいてある。 一定年齢に達した女子はそれに触れて検査するのが義務となっており、反応すれば導術士学校・法術士学校に推薦入学することができるのだ。 その教育費用殆どを国が受け持つ。 戦闘技術も大切だが、庶民の生活に役に立つのも大切なこと。 医療技術、天候操作技術、未来占術等々・・・ そして彼女等にはある一つの義務が化せられた。 血統を薄くしないための・・・政略結婚だ。 と、いっても強制は無い。 恋愛による結婚も推奨されている。 後ろ暗い話だが、それなりに濃い血筋を作り続けることで、昔とほぼ変わらないウィッチの寿命を作り上げていた。 さらに言えば、大陸とは違って平和な時代が長く続いたのも、一つの要因といえる。 色々考え込んで急に黙り込んだミチルを、後ろを走っていたリンが横に並んで覗き込む。 「早良先輩、どうかなさいましたか?」 「え、ぁ・・・いや。なんでもない。」 急に現実に引き戻され、目をパチクリさせる。 内心では慌てつつ、外面は静かに受け答えをした。 もう会議室は目の前にあった。 ――――― その日、北郷隊と狐狸部隊の出撃は昼を跨いだ戦闘となった。 幸いにして敵新型とはかち合う事は無かったのだが、基地に帰ってきても引切り無しに飛び出していく味方に不安を覚えた。 休憩をとりつつも銃の点検をする傍ら、戦況の話を聞くが芳しくない。 すでに地上戦線はボロボロだと言う。 帰ってくる戦闘機も翼端が解け落ちていたり、大きな弾痕がついていたりしていた。 この基地には爆撃機隊はいないが、出撃ができない状態だと聞く。 そしてわずかな休憩時間で再出撃。 ミチルは美緒達の再出撃に反対したが、手が足りないという現状に黙るしかなかった。 夜中になっても戦闘は続き、敵がようやく引き上げたのは翌朝の、朝日が地平線から覗いたときだった。 917 :影響を受ける人:2014/12/07(日) 22 26 11 ――――― 「・・・お疲れ様。」 「ああ・・・」 宛がわれた執務室で、章香と敏子が倒れ付すように机の上に、身を投げ出していた。 周りには、まだ整理していない書類などが散らばっている。 しかしそれを片付ける気力も無い。 慣れない夜間戦闘までこなした両部隊の隊員達は疲れ切り、食欲も失せていたが軽く固形物を食した後、風呂にも入らずに寝に入っている。 窓の外を見れば、スズメがチュンチュン鳴いている。 憎たらしい。 「・・・・・・こうしても、いられんな。」 「・・・・・・・やり、ましょうか。」 疲れがにじみ出ている。 それでも身を起こすと、戸を叩く音が聞こえた。 「どうぞ?」 「・・・入る。」 物静かな声の後、扉を開いてサエが食事を持ってきた。 お茶碗が三杯だけ・・・後、大きな急須が一つ。 しかしよくよく見れば、真ん中に大きな梅干がある。 「・・・戦闘食の、ニギリ飯があった。」 「お茶漬けですか。いいですね。」 「汁物・・・それなら胃に入りそう。」 書類に手を付けず、いそいそと真ん中の応接テーブルに上にある邪魔物を、二人係で片付ける。 そして席に座ると、それぞれの前に茶碗がおかれ、熱々のお茶が振りかけられた。 ひたひたにお茶に漬かった白米が、水分を吸収して少しだけ膨らみ、ほろほろと結合が解けていく。 持ち上げて最初は熱いお茶を飲む。 旨い・・・ お茶の渋みと、梅干の酸味が口一杯に広がり唾が出てくる。 そのまま嚥下し、次にお茶とご飯をかき込む。 「はぁ・・・」 「五臓六腑に染み渡る・・・」 「・・・実家の梅干は旨い。」 「「え!! これ旗本さんの、実家の梅干なんですか!?」」 「・・・うむ。」 驚く二人を尻目に、梅干を端でつまみあげて食べる。 程よく暖められた梅干の酸味が口いっぱいに広がり、さらにご飯をお茶と共にかき込む。 酸味とご飯の甘味、そしてお茶の渋みが調和して幸せな気持ちを作り出す。 敏子は黙々と食べるサエを見つつ呟いた。 「ウチも、有能な副隊長抱え込もうかな。」 「今更寄越してくれるのか?」 「ですよね~・・・」 泣きたかった。 以上です。 最初の大攻勢は何とかかわした彼女達、しかし厳しい現実が待ち受けることになる。 昨日千葉に行って、航空博物館に行ってきました! 離着陸の光景を見れてよかった~ 今年最後の小旅行、楽しかった・・・ 皆も楽しもうぜ!! 美緒ちゃん達は地獄だけどな!