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ミハル=ヤナギカゲ 概要 性別 女性 年齢 32 名前 ミハル=ヤナギカゲ 性格 解説 『島国』『カリベ・サイエンス・テクノロジー社』本社技術本部部長。切れ長で鋭い目付き、儚いながらも凛とした雰囲気を纏う和服姿の女性。 ヤナギカゲ家の血族は特徴として鮮やかな赤系統の瞳を持ち、ミハルもその例に漏れず紅色の瞳をしている。 表情の変化に乏しい上他人に興味というものもなく、必要でなければ顔すら覚えないほど。 ただ、薄情かと言われるとそれは間違いであり実弟であるジンや異母姉妹であるツバキ・カスミなど非常に家族思いな性格。 また見た目に似合わずおっちょこちょいな一面も。 設計士の資格を持っているためオブジェクトや戦闘機など兵器の建造に携わることも多いが本業は研究職であり、現在は作用反作用の法則を無視して動作する推進装置『ディーンドライブ』の開発及び反重力の実現について研究している。 『反重力の実現の可能性について』 疑似科学、病的科学の例として挙げられる『反重力』だが私は実現の可能性は0ではないと言いたい。現実でも重力波の観察には成功している訳ではあるから『波』を引き起こす素粒子、つまりはグラビトンの逆説的な存在証明がなされている。 問題は重力そのものを発生させるには大質量の物質が必要という点。暴論として言えば地球と同じ重力を発生させるには地球並みの質量が必要って訳。でもこれ本末転倒だよね? そんな状況下で私が目を付けたのは私の弟ジン=ヤナギカゲが経営する『ヤナギカゲ重工』が取り扱っていた『侵食弾頭』。 説明によれば炸裂すると周囲の空間の重力子を収縮して強烈な重力波を展開、分子を強烈な圧力により崩壊させて物体を破壊する兵器だけど、これ使えるんじゃなかろうかということで数発を購入、『カリベ・サイエンス・テクノロジー社』で解析したら弾頭内のある金属物質が特定の電流に反応して重力波を大きくする、つまり重力を強める働きを持つことが判明した。弟が扱ってたから直ぐ購入出来てラッキー(^^)v これ研究すれば逆の働き、重力を弱める働きや重力波への干渉方法も見つかるんじゃないかなーと。重力の研究として『情報同盟』のゾフィ=コロネーション女史のレポートを引用……したかったけど難解すぎて(ヾノ・∀・`)です。 問題としては指向性と方向性かな。何でもかんでも吸い寄せるから大事故になるかも。なった。会社の一室吹っ飛んだ。 けど『ディーンドライブ』の開発に必要な犠牲だったということで。給料天引きは勘弁してください。 そんな訳で反重力の実現はこのまま続ければ行けそうだなーって感じなので予算下さい。お願いします。 文責 ミハル=ヤナギカゲ という感じのレポートを送信したいんだけどジン君校正してくれない? あと試料が無くなりそうなので『侵食弾頭』数発お願いします。 【子供の作文か?絵文字を入れるな、個人事情は省け、あと家族を自慢するのは止めろ。マジで止めろ。そんなんだから彼氏にフラれるんだ:ジン=ヤナギカゲ】 【それに触れたら戦争だろうが:ミハル=ヤナギカゲ】 【推敲前のレポートを送らないで下さい。コメントで姉弟喧嘩をするのも止めて下さい。『侵食弾頭』は現在条約で取引禁止です。ジン=ヤナギカゲは至急『7thコア』へ出頭を願います:アシュリー=メルヘンブーケ】
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魔導装置 一般的な《魔導陣》や《魔術礼装》を"部品"とし、 それを幾つも組み合わせることで造られる"マナを動力源とした機械"の総称。 従来、ユグドラシル圏の住人―特にエルフ種―は、機械とそれに関わる技術を "忌まわしき過去の力"として忌避・嫌悪してきたのだが、 第一次文明戦争を通してソレグレイユの強大な軍事力と、それを支える技術力を目の当たりにしたことから、 軍部や軍属の魔術師達を中心に、これに対抗しうる"新たな力"の必要性を感じるようになっていった。 そして、戦時中に鹵獲した兵器や捕虜から引き出した情報を元に、 それらの技術や方法論を自らの魔術に応用、あるいは模倣するという研究が進められ、 その成果として、魔銃やイクシオンといった数々の兵器が誕生することとなった。 特に、ソレグレイユの航空兵器に対抗するために開発された飛翔術式を組み込んだ船―魔導艦―の完成は、 彼らに新たな兵器、そして戦術の可能性を強く印象づけるものとなった。 era2 era3 オールグリーン ユグドラシル 技術
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退魔剣 [解説] 人魔大戦期に作られたアーティファクトの一種。 真聖剣の材料として供与されたオリハルコンを直径1mm、長さ50cmの針金状に加工し、周りをブラッドグレイルで厚く覆ったものを芯として、イシルディン製の剣に埋め込んだ代物。 これにより、真聖剣と比べて相当見劣りはするものの、通常の武器よりも魔族に与えるダメージは大幅に大きく、真聖剣1本分のオリハルコンで100本以上量産出来た事が、この上ないメリットであった。 人魔大戦で大半の退魔剣は失われてしまったが、聖華暦800年代では聖拝機関が17本を所有している。
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作者:月下の人 ◆WXsIGoeOag 【前作】 【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【次作】 「鎌田さん! 大丈夫ですか!?」 「ああ、僕は大丈夫。ちょっと服は破けちゃったけどね」 駆け寄ってきた晶に、破けた服の胸元を弄りながら鎌田は軽い調子で答える。そんな鎌田の様子に、晶はほっと安堵の息を吐いた。 その二人を横目に見ながら、直輝とクロスは小声で話す。 「ナオキ。事務所には行ったか?」 「ああ、これ見せたら一発だった。『機関』の影響力ってすげーのな」 「この程度は当然だ。ひとまずはこれで一安心か……さて」 クロスは直輝の渡した黒いカードを受け取り手早く胸元に納めると、つかつかと宙に浮かぶファングの下へ歩み寄る。 それに気付いた鎌田と晶は、緊張の面持ちでその動きを追う。クロスは腕を組んでファングをじっと眺めて… 「確か君はこいつの心が読めると言ったな。今のこいつは何を考えてるかわかるか?」 突然振り向き話しかけられて、晶は思わず肩をビクリと跳ね上げた。 「さ、さっきと変わってないです。何に対してってわけでもなく、ただ怒り一色で……」 「そうか…ふむ……」 少し考え込み、何か思い出した様子で顔を上げる。 「君は……っと、そういえば君の名前を聞いていなかったな」 「あー、僕は水野晶、ごく普通の中学生です」 「そうかアキラ。私はクロス、ある機関に所属するエージェンt」 「ってオイ! ちょっと待てオイイィ!!」 直輝は慌ててクロスを晶から引き離すと、背を向けて小声でまくしたてた。 「違うだろ!? 俺たち動物園の飼育員だろ!?」 「む? ナオキは飼育員だったのか。それは初耳だったな。だが少なくとも私は飼育員ではないぞ」 「お前が言ったことだろうが! 檻から逃げ出した狼と飼育員って設定だったろ!?」 「その言い訳は無理があると、即座に否定されたものと記憶しているが?」 「ぐっ…! 否定ってそりゃしたけど…したけどなあ!」 「ここまで巻き込んでおいて、今さらそんな作り話で誤魔化しきれるものでもないだろう常識的に考えて」 「常識的とかその口で言うかこんにゃろぉ…」 反論の言葉を失い歯噛みする直輝をよそに、その様子をキョトン見ていた晶と鎌田にクロスは改めて自己紹介をする。 「私はコードネーム『クロス』、ある『機関』に所属するエージェントだ」 「俺の努力を返せよチクショー……」 直輝はげんなりとクロスに抗議を述べるのだった。 「は、はぁ……」 やはり、と言えばやはりか…? 言葉だけ聞くなら眉唾物。マンガやアニメ、あるいは彼らのよく知る厨二病患者の口から出てくるようなトンデモ話。 だが、クロスの言動や超人的な動きを目の当たりにしていた晶と鎌田は、割とあっさりその言葉を受け入れることができた。 あるんだろう、そういう世界も。少なくとも動物園の飼育員よりは信じられる話だった。 自分の向こう側を恐る恐る見る晶の視線に気付き、クロスは背後を振り返りつつ晶に教えてやる。 「安心していい。このケダモノ、ファングは私の能力でほぼ停止状態にある。外からの干渉がなければ一時間以上はこのままだ」 「それで…これからどうするんですか?」 「放っておく」 「え? それで大丈夫なんですか?」 「完全にそうは言えないが仕方あるまい。こいつはナイフで喉を貫いてもあっさり再生するような奴だ。今ある装備で倒すことは不可能だ。 だったら今のうちにこの場から逃げ去るのが良策だろう。すでに規制はしいてある、この周辺に人は残っていない」 「はー、なるほど」 言われてみればその通りだ。何と言っても相手は異常な再生能力を持つ化け物なのだ。 倒せない、言葉も通じないとなれば、結局今は逃げるしかないのだろう。 「しかし、かと言ってこのまま何もせず放置しておくのも癪だし……」 「おいおい、またやんのかよ」 言いながら周囲を見やるクロスに、呆れたように声をかける直輝。その手には、なぜか大型スコップ。 「……乗り気じゃないかナオキ」 「あー…いや、そこに落ちててな…」 「よくわかってるじゃないか。よしやれ」 「へいへい、わかったよ」 面倒くさそうな言葉の割に直輝はどこか楽しげで。顔に疑問を浮かべる晶と鎌田の前で、 手にしたスコップを空中のファングに向けて放り投げると、スコップはその尻にピタリと張り付いた。 「これは…?」 「まあ、地面に触れない限りは、こいつにぶつかった物も同じ状況になるってこと。実際は止まってんじゃなくて超スローになってるんだよ」 説明の間、クロスはどこからか壊れかけた一輪車を転がしてきていた。 言葉を交わすことなく直輝も協力して持ち上げると、躊躇なくファングへ投げつける。その顔面に被さって張り付く一輪車。 それからもクロスと直輝はそこら辺にある物を手に取り、ファングへ適当に投げつけていく。 中身の残った飼料袋、金ダライ、デッキブラシ、折り畳み椅子、古タイヤ、折れた看板、何故か落ちてたダルマ…… 「良し、これで充分だな」 「ふむ。ナオキもなかなかやるじゃないか」 「これはひどい」 「どうしてこうなった」 数分後、満足げに頷くクロスと直輝の前で、ファングは空中に浮かぶ奇妙なオブジェと化していた。 最後に投げつけた掲示板の広告スペースにあった、鳥を模したロゴマークの『 PXA 』なる会社の広告が印象的である。 空中のオブジェはさながら前衛的な企業広告だ。それがどんな会社か知らないが、なんだか気の毒だと鎌田は思うのだった。 「さて、今のうちにとっとと逃げるとしよう。カマタとアキラにはまだいくつか話しておきたいことがある。 もう少し我々と付き合ってもらうぞ。何、悪いようにはしない」 「おいそれ恩人に向ける態度じゃねーだろ!」 憮然とした態度で言うクロスを横に押しのけて、直輝は礼儀正しく頭を下げる。 「クロスが礼儀知らずですまん。君たち二人には大変な迷惑をかけたし、協力には本当に感謝してるんだ。 改めてお礼をしたい。話したいこともある。無理にとは言えないんだが、最後にもう少しだけ付き合ってもらえないだろうか」 直輝の丁寧な頼みを受けて二人は顔を見合わせ、晶が小さく頷く。向き直って答えるのは鎌田。 「わかりました。お付き合いしますよ」 「おお、ありがとう」 「よし決まりだな。ではさっさと行くぞ」 言うなりすたすたと歩き出すクロスの背中に、おい! と文句を言いながら続く直輝。 鎌田は慌てて小さなカマキリに変身すると、地面近くへ差し出された晶の手にピョンと飛び乗る。 晶は最後に少しだけ、背後の空中オブジェの変わっていない様子を確認すると、先を行く二人を小走りで追いかけていった。 「あれ? 鎌田さんは?」 「ときにカマタ」 空中オブジェも見えなくなり、人っ子一人、職員の姿さえ見えない動物園の正門を抜ける頃。 鎌田の姿がないことに気付いた直輝の疑問に答えるかわりに、クロスは少し後ろを歩く晶の、その肩に乗ったカマキリに声をかけた。 そのカマキリ――虫状態の鎌田――は広げた翅を震わせて不思議な響きの言葉を発生させる。 「なんでスか?」 「ってええええええっ!!?」 驚きの声を上げたのは直輝だ。それはそうだ、彼が鎌田のこの姿を見たのはこれが初めてなので。 「え!? え!? 鎌田さんなの!?」 「ア、そっかえんどうさんはハじめてだっタね」 「それなんだがカマタ、君は何故その姿をとっている? 変身の解除はしないのか?」 「ン…えっとそレハですネ……」 言い淀む鎌田を見て、晶が代わって答える。 「あ、鎌田さんは一度変身しちゃうと、昼のうちは人間に戻れないんです」 「アああ、ソうなんですヨ」 「ほう、なるほどな。あのファングの奴と同じような制約があるわけか」 「……え?」 意外な一言に目を丸くする晶。 「ファングって…さっきの…? あれってキメラってやつの一種だったんじゃ…?」 「む、キメラを知っているのか? 一般人にはあまり知りえない情報のはずだが……。 …まあいい。あのファングどう見てもケダモノだがキメラとは違う。奴は我々の敵対組織に所属する変身能力者だ」 「動物じゃないんですか!?」 「あんなナリだが人間だぞ、一応はな。言葉だって前までは通じていた。今回の奴は異常だった」 「そんな…え…だって僕の能力は…」 「読心能力では?」 「動物限定のです。人間の心は読めないはずなんですけど…」 「ふむ…それは……」 クロスは口元に手を当てて少し考え、答える。 「奴は何らかの理由で正気を失っていた。その影響で思考も動物に近いものとなっていたんだろう。 故に君の能力が適用された。そう考えるのが妥当だろうな」 「そう…なんですかね…?」 「まあ、私も専門家ではないからな。これ以上は何とも言えん」 「うーん……」 「それよりもついたぞ。ここだ」 そう言ってクロスが立ち止まった場所は、動物園から歩いて数分の喫茶店だった。 予想外の到着場所に驚く晶たちの前で、クロスは慣れた様子でドアを開ける。コロロンと控えめな音を奏でるドアチャイム。 程良く冷房の効いた店内に客はおらず、コップを磨く初老の店主が一人。目線だけで来客をチラリと確認すると、再びコップに目を落とす。 クロスは迷わずカウンター隣の扉を開け奥へと入っていく。少し戸惑う様子で直輝が続き、晶もそれに続くと、ほんの短い廊下の先にまた扉。 その先にあったのは、テーブルが一つ、椅子が四つ、小さな食器棚と戸棚が並ぶ窓の無い小部屋だった。部屋に入りクロスに促されて扉を閉めた瞬間、 僅かに聞こえていた蝉の声と店内音楽が消え去り、そこは完全に無音の空間となった。 店に入ってから何か声を出すのが憚られるようでずっと黙っていた晶だが、ここにきて口を開く。 「クロスさん、ここは…」 「我々機関の息のかかった施設の一つ。この部屋は今、外部と完全に隔離状態にある。ここは安全だ。ひとまず座ってくれ」 それを聞いて、晶は遠慮がちに手前の椅子に腰かける。鎌田は晶の肩から飛び降りて虫人の姿に戻り、その隣の椅子についた。 直輝はそんな鎌田を見て、おぉ、と小さく感嘆の言葉を漏らし、二人と反対側の椅子に座る。 コーヒーでいいか? というクロスの問いかけに晶と鎌田は、はいと答えた。 クロスは食器棚からティースプーンとソーサーと湯のみ茶碗を取り出して盆に並べ、戸棚からティーパックを取り出して……フリーズ。 手元に並んだものを見つめながら小さく首を傾げる。頭上に浮かぶクエスチョンマークが目に見えるよう。 「っだああもうお前も座ってていいから!」 「む……」 見かねた直輝が立ち上がり、クロスに代わってコーヒーの準備を始める。てきぱき動く直輝を隣でじぃっと見つめるクロス。 「いや座ってろって」 「私のことは気にするな」 「気になるっつの」 「では茶菓子でも出しておくか」 「それ乾パンな。それは普通茶菓子にしないから。こっちだから」 そんな二人の様子を見て、晶はふふっと微笑む。 「ミルクも必要だな? 出しておくぞ」 「それお茶っ葉な。ミルクはこれだから」 「砂糖も必要だな」 「それ爪楊枝! もーいいから座ってろって」 「むぅ……」 この二人の関係はわからない。わからないが、お似合いの二人だ。そんな風に思う晶だった。 <続く> 登場キャラクター 水野晶 鎌田之博 クロス 遠藤直輝 ファング 上へ
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【TOP】【←prev】【Dreamcast】【next→】 魔剣 X タイトル MAKEN X 魔剣 X 機種 ドリームキャスト 型番 T-14401M ジャンル アクションアドベンチャー 発売元 アトラス 発売日 1999-11-25 価格 5800円(税別) 駿河屋で購入 ドリームキャスト
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おひつじ座(牡羊座、Aries) おうし座(牡牛座、Taurus) ふたご座(双子座、Gemini) かに座(蟹座、Cancer) しし座(獅子座、Leo) おとめ座(乙女座、Virgo) てんびん座(天秤座、Libra) さそり座(蠍座、Scorpius) いて座(射手座、Sagittarius) やぎ座(山羊座、Capricornus) みずがめ座(水瓶座、Aquarius) うお座(魚座、Pisces) おひつじ座(牡羊座、Aries) 名前:アリエス 所属 信心組織 世代 第2世代 機体のコンセプト 羊毛による衝撃吸収、静電気による発電、機体の軽量化 機体の特徴 装甲が高密度の羊毛(ウール)で構成されている 弱点など レーザーやプラズマ砲は避けるしかない 【スペック】 全長:70m 最高速度:640km/h 装甲:高密度羊毛 足回り:静電気式 主砲:静電気収束式大口径レールガン 副砲:レールガン メインカラー:鮮やかな金色 エリート 不明 おうし座(牡牛座、Taurus) 名前:ゴズ(牛頭) 所属 『信心組織』 世代 第一世代 機体のコンセプト 敵をオーバーヒートさせて無力化させる 機体の特徴 大量の焼夷弾、ナパームを積んでおり辺りを火の海にし、相手を焼き払うことで高熱の状況下に置くことでオーバーヒートさせ無力化する。 弱点など 自身が先にオーバーヒートしないように取り付けられた機体後部のヒートシンク部分は非常に脆い 【スペック】 全長:110m 最高速度:530km/h 装甲:1cm×1000層+対高熱装甲 足回り:キャタピラ式推進システム 主砲:広範囲拡散焼夷弾頭砲 副砲:対人火炎放射器、ナパーム弾 メインカラー:銅色 エリート 不明 ふたご座(双子座、Gemini) 名前:メタトロン/サンダルフォン 所属 『信心組織』 世代 第二世代 機体のコンセプト 『攻撃』と『防御』の役割分担 機体の特徴 メタトロンは過剰なまでに火器、レーザー類を満載し、サンダルフォンは執拗なまでにオニオン装甲を纏い、更に微弱プラズマ展開装置によりある程度プラズマ砲の威力を減衰させることが可能。 基本的戦術はサンダルフォンが盾になりながらメタトロンが圧倒的攻撃力で敵を殲滅する二機一体での運用。 弱点など お互いに攻撃と防御を依存しているためどちらかが落ちると勝率が非常に下がる。更にメタトロンの攻撃時には邪魔にならないようサンダルフォンの微弱プラズマ展開を切る必要がある 【スペック】 全長:メタトロン・70m サンダルフォン・140m 最高速度:メタトロン・670km/h サンダルフォン・360km/h 装甲:メタトロン・1cm×500層 サンダルフォン・2cm×1000層 足回り:メタトロン・イオンスラスター サンダルフォン・エアクッション 主砲:メタトロン・高出力プラズマ砲、対オニオン装甲貫徹ミサイル、拡散式コイルガン サンダルフォン・なし 副砲:メタトロン・対人機銃、レーザー、コイルガンなど サンダルフォン・微弱プラズマ展開装置、レーザー反射板展開用アームなど メインカラー:メタトロン・白 サンダルフォン・黒 エリート エリッセ=ヒルデブラント(男性名:エルク=ヒルデブラント) エリート スイッセス=ヒルデブラント かに座(蟹座、Cancer) 名前:カルキノス 所属 『信心組織』 世代 第1.5世代 機体のコンセプト 『蟹』らしいオブジェクト 機体の特徴 金属腐食剤を多量に含んだ泡を周囲に展開することでオブジェクトの視界、進路を塞ぐ。またこの泡一つ一つが微弱に光を反射するためレーザーを無効化することも可能。 泡の中に隠れ、泡の領域を広げながら攻撃をするのが基本的戦術。 弱点など 金属腐食剤は自然分解不可能なため広範囲に環境汚染を及ぼしてしまう 【スペック】 全長:95m 最高速度:540km/h 装甲:1cm厚×1000層+対腐食コーティング 足回り:多脚式推進システム 主砲:回転アーム式兵装×6 副砲:コイルガン、下部安定式プラズマ砲など メインカラー:橙色 エリート オービット=イスカラグア しし座(獅子座、Leo) 名前:ナラシンハ 所属 『信心組織』 世代 第一世代 機体のコンセプト 無補給長期戦闘用戦場制圧兵器 機体の特徴 第一世代の基礎コンセプトを元に『一個のオブジェクトがどれだけ長く戦えるか』という課題に挑戦した画期的な機体。機体内部に存在する特殊な加工装置やメンテナンスマシンによって撃破した敵オブジェクトから物資・弾薬を回収し、自身に合う規格の弾頭を生成したり、燃料の補給、剥がれたオニオン装甲の応急処置等が可能。 また弾薬や燃料切れ等を想定して近接格闘用の武装や帰還用の非常用大型バッテリー等も搭載しており、徹底的に無補給状態を想定しての設計となっている。その為正統王国からの適正CNは『スカベンジャー』。勝利し続けることが出来れば、この機体は(理論上は)無限に戦える。 弱点など 機体の性能に明確な欠点は存在しないが、剥離したオニオン装甲に関しては応急処置程度にしか補修出来ないため無傷で勝利し続けなければどんどん防御力が低下していく 【スペック】 全長:90m 最高速度:約620km/h 装甲:1cm×950層 足回り:エアクッション推進+小型イオンスラスター併用推進式 主砲:特殊大型レールガン(多少弾頭の規格が合わなくても問題無く発射できる)×4 副砲:レールガン、コイルガン、レーザービーム、大型ミサイルコンテナ、近接格闘用兼作業用大型アーム×4、回収物資加工用特殊装置、小型自己修理・点検用ドローン メインカラー:装甲が剥離することが前提なので無塗装 エリート レオン=バックスフィズ おとめ座(乙女座、Virgo) 名前:イルマタル 所属 信心組織 世代 第二世代 機体のコンセプト:特殊な薬品による洗脳 機体の特徴 非常に簡潔に言えば単純に言えば、「薬品で急激に興奮させ、精神退行させた上で、自分が母親だと思い込ませる」という狂気のオブジェクト 外部刺激の体内の水分調節、代謝を操作する。利用するのは単純な「水」である。単体では無害な成分を調節し、即興で調合し、空中に散布する。そして、人体に水分と共に触れた場合一気に化合させる。エリートでないのであれば雨などを利用するが、エリートに対しては「汗」をかかせることで化合を促進する。尚、呼吸を行うことや目の粘膜を介してでもある程度薬物の化合は可能 あくまで単体では無害な物質を複数組み合わせていくことで、フィルターを貫通するが、効果が出るまで時間がかかる 取り扱う薬物の効果によって、興奮を刺激する、視野狭窄に陥らせることが可能。そして刷り込み効果を引き起こしす 洗脳用として開発された本オブジェクトの特殊な薬品調合機能だったが、なぜかインプリンティングの際に初恋に近い感情を相手に必然的に与えることが判明した。洗脳の過程で興奮を刺激するため本格的にR18な光景が割と広がることが機体製作後に判明した 尚、エリートを直接狙うというより、敵基地の兵士を操り裏切らせることで敵エリートの士気を大幅に低下させることの方が狙い 弱点など:状況、空調、相手の機体について想定しながら戦闘中に調合を行うためやることが多すぎる状態になり続けている。ぶっちゃけこの機体を操れるエリートな時点で薬品を使わずに直接敵機を殴った方が早い 【スペック】 全長:120m 最高速度:550km/h 装甲:1cm×1000層 足回り:エアクッション 主砲:不純物可変式高圧力ウォーターカッター(薬品を溶け込ませて仕様することが多い) 副砲:薬品散布用雲霧発生装置・薬物散布用ファン、下位プラズマ砲他 メインカラー:水色 エリート 不明 てんびん座(天秤座、Libra) 名前:アストライア 所属 『信心組織』 世代 第二世代 機体のコンセプト 戦場の監視、高高度からの観測手 機体の特徴 敵の攻撃の届かない高硬度から戦場を見下し、『悪』と判断した対象に関するあらゆるデータを味方に送信するサポート重視のオブジェクト。極めて高度なバランサーを搭載しているため台風が直撃しても揺るがない安定感を持つ 弱点など 観測特化なため攻撃手段は非常に乏しい。味方と連携して初めて真価を発揮できるオブジェクト 【スペック】 全長:80m 最高速度:350km/h 装甲:2cm×500層 足回り:斥力フィールド利用反発浮遊機構 非常用ローター飛行×3 主砲:遠距離狙撃用レールガン 副砲:高性能観測用広域レーダー、高性能レドーム、ジャミング装置 メインカラー:白(レーダーステルス仕様) エリート クラウディア=ルビーフィズ さそり座(蠍座、Scorpius) 名前:セルケト 所属 『信心組織』 世代 第二世代 機体のコンセプト 『蠍』らしいオブジェクト 機体の特徴 最たる特徴は装填する特殊弾『多段式炸裂内部送針弾頭』。敵のオニオン装甲に着弾すると一定時間ごとに起爆、効率的にオニオン装甲を破壊しながら最後に弾頭内部に仕込まれたパイルバンカー機構によって内部機構を破壊しながら電子ウイルスを感染させることにより、敵オブジェクトの生殺与奪を手中にする。 更に砂漠での戦闘に特化しており、砂を巻き上げて砲身のみ残して機体を埋もれさせることで奇襲、隠密を行える。 弱点など 特殊弾はとてもデリケートで、一発ずつ丁寧に確認する必要がある。怠ると砲身内部で爆発。 また強い衝撃でも誘爆する危険性あり。 【スペック】 全長:120m 最高速度:560km/h 装甲:1cm×1000層 足回り:多脚式推進システム 主砲:多段式炸裂内部送針弾頭砲 副砲:レーザー、コイルガンなど メインカラー:茶系統の迷彩色 エリート 不明 いて座(射手座、Sagittarius) 名前:ケイローン 所属 『信心組織』 世代 第二世代 機体のコンセプト 全世界を射程に収める超々遠距離狙撃 機体の特徴 『信心組織』本国付近に配置されている迎撃・粛清用オブジェクト。巨大かつ長大な砲身を用いて特殊弾頭を宇宙空間まで射出し、弾頭自体に入力されたデータを元に対象へと内蔵された推進装置で飛翔。狙った標的のみを約マッハ30の速度で空を裂きながら飛ぶ一発の弾丸でスマートかつ迅速に破壊する。 弱点など 地下に複数の動力炉を配置し、かつ反動の問題から本体をガッチガチに固定しているため移動ができない。その上射程こそ長いが観測手が別にいないと狙いはつけられない。その為アストライアとの連携が大前提となる。 また、存在が発覚すると世界中から狙われかねないため本国の首脳陣の許可が無いと動かすことすら許されていない 【スペック】 全長:220m 最高速度:0km/h 装甲:1cm×1200層 足回り:無し 主砲:超々遠距離射撃用特殊仕様弾頭専用多段加速超電磁加速式高射砲《サジタリウス》 副砲:無し メインカラー:空色 エリート ジュリアン=ヘミングウェイ やぎ座(山羊座、Capricornus) 名前:ヘイズルーン 所属 『信心組織』 世代 第二世代 機体のコンセプト 『山羊』らしいオブジェクト 機体の特徴 山岳の絶壁を歩けるように山羊の足裏を参考にした機構が採用されており、これによりほぼ垂直に近い山肌でも柔軟な移動が可能。緊急の機構としてパイルバンカーがあり足裏から射出、機体を固定することも可能。 戦闘の時には高濃度のアルコールの霧を発生させ、敵エリートを泥酔させ判断能力、操縦能力を削ぐことも出来る上、着火して爆破、即席の煙幕を張ることも可能。 弱点など 山肌を移動は出来るがかなり遅いため、かなり足場の悪い環境でなければ優位を保てない。 【スペック】 全長:80m 最高速度:460km/h 装甲:1cm×1000層 足回り:特殊四脚推進システム 主砲:下位安定式プラズマ砲 副砲:高濃度アルコール噴霧装置、レーザー、コイルガンなど メインカラー:茶色 エリート 不明 みずがめ座(水瓶座、Aquarius) 名前:ヴァッサーマン 所属 『信心組織』 世代 第三世代(ダム、浄水施設、人工降水施設の内蔵) 機体のコンセプト 『水瓶』らしいオブジェクト 機体の特徴 大量の水を保存、運搬出来る。戦闘時は超高圧ウォーターカッターで攻撃。 普段は水不足の問題を抱える『安全国』を助ける(ついでに『信心組織』の名声を高める)ために世界中を駆けずり回っている 弱点など 運搬能力にスペックを割り振ったため戦闘力は非常に低い 【スペック】 全長:180m 最高速度:480km/h 装甲:2cm×500層 足回り:エアクッション、静電気式推進システム 主砲:超高圧ウォーターカッター×4 副砲:人工降水、降雪装置 メインカラー:青色 エリート 不明 うお座(魚座、Pisces) 名前:オーケアニス 所属 『信心組織』 世代 第二世代 機体のコンセプト 海戦・水中戦/隠密輸送特化型 機体の特徴 オブジェクトの形状を保ったまま潜水時でもステルス性と静音性を保つための技術試験機。電磁流体制御システム(スマートスキン)を限界まで強化することで無音かつスクリュー無しでの水中移動を実現。副推進装置であるウォータージェットと併用することで(静音性という利点が消えてしまうものの)約170ノット(約300km/h)での水中航行を実現した。 そのステルス性を最大限に利用し、敵に見つからない深度に潜行しての大量の物資輸送を可能とする。また索敵能力も優れており、イルカの持つエコーロケーション能力を参考にした試作型の超音波索敵装置が組み込まれている。これにより極めて正確に障害物や敵の居場所を探知可能。 弱点など 地上での運用は全く想定されていない。万が一地表に打ち上げられたら戻る手段が存在しないためまな板の上の魚と化す。 【スペック】 全長:85m 最高速度:約300km/h 装甲:3cm×450層+特殊ステルス塗装膜 足回り:スマートスキン+ウォータージェット推進 主砲:レーザービーム 副砲:無音魚雷発射管×30、水中用コイルガン、物資コンテナ牽引用装備等 メインカラー:深海を意識したインディゴ エリート 不明
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前へ 先頭ページ 次へ インターバトル4「親友」 その日は朝からずっと吹雪いていた。 このあたりでは珍しく、雪がすねまで降り積もり、なおもそのかさを増そうとしていた。 そんな中を、マスターはコートを着込んで歩いていた。内ポケットの中にアーンヴァル「マイティ」がいる。 今彼らは普段行くことの無い裏通りにいる。 この裏通りは神姫のパーツショップが並び、オーナーたちは「神姫横丁」と呼んでいる。 ここに行けば手に入らないパーツは無い、とまで言われている場所である。 だがそのほとんどが実は違法なパーツを取り扱っており、問題の温床となっていることもまた事実だった。 店の多くは客が来そうに無いこんな天気の下で、律儀に店を開いている。 マスターは適当な店を選んで入ってゆく。 重い音を立てて自動ドアが開く。 「いらっしゃい」 疲れた顔をした細目の店主が、挨拶はしたが雪まみれのマスターを見て露骨に嫌な顔をした。マスターは入り口で雪を落とす。 人一人ぎりぎり通れるかどうかにまで敷き詰められた通路の左右の棚には、神姫のパーツが無造作に並んでいる。足元のダンボールには、ジャンクパーツと言っても差し支えないような、薄汚れた部品が投げ込まれていた。 コートの隙間から、マイティは恐る恐る、店の陳列を見渡す。 棚の一角に手足がばらばらに積まれている。 素体の手足だ。その横にはボディ、だけ。文字通りの素体のばら売り。禁止されているはずだ。どこから仕入れてきたのだろう? コアパーツは無い。が、たぶん言えば出て来そうにマイティに思えた。 マイティは初めて、吐き気と言うものを覚えた。 ここまで神姫が徹底的に「ただのモノ」扱いされていることにである。 すこし奥へ行くとガラスケースがあり、中はまるで特殊パーツの展覧会だった。 どこかで見たパーツも多く入っている。 ドールアイを改造した大出力レーザー発振装置。 超遠距離に正確無比な射撃を叩き込む対物ライフル。 幅広のレーザー刃を展開させる、ほとんどレーザーメスのようなライトセイバー。 間接の馬力を向上させるテフロンディスクに、特殊合金製装甲版。 バッタからそのままもいできたような脚部追加シリンダーもある。これは、かの片足の悪魔が使っていた奴だ。 これを両足に付ければかなりの移動性能向上が見込めるだろう。 超小型イオンエンジンを搭載した推進装置の類もたくさんあった。一つ付けるだけで飛行タイプの運動能力は飛躍的に上昇する。 どれもこれも、違法ぎりぎりの特殊パーツ。魅力的な品ばかりであった。 だが、マスターはケースの前に立ち尽くしたまま、パーツを見下ろすばかりである。 「マスター……」 マイティの呼びかけにも答えようとしない。 「マスター、私は」 そこまで言って、よどんだ。マスターの悩みを、悩みというには大きすぎるが、解消させるには私の言葉がいる。 本当にそれでいいのか? だがマイティはこれ以上、マスターが苦しむのを見ていられなかった。 「私は、構いませ……」 すると唐突に自動ドアが開いた。 「おーっ、ドンピシャ。やっぱりここにいたか」 聞き覚えのある声。 振り返ると、雪まみれのケンがいた。 「なんだいケン、こいつと知り合いか」 客にこいつ呼ばわりは無いだろう、とマスターは思った。 「そうだよ、オレたちゃ親友なんだ」 「そうやって同族以外からダチを作るのが悪い癖だぞ。この前のOLだって」 「いいじゃねえかよ」 二人して笑い会っているのを、マスターとマイティはぽかんとして見ているしかない。 「そうそう、お前ぇに話があるんだ。ちょっと付き合え」 ケンはマスターを無理やり引っ張って店を出る。 権の襟元からハウリン「シエン」が顔を出して、申し訳なさそうにこちらに手をあわせて謝っているのをマイティは見つけた。 ◆ ◆ ◆ 「おやじ、とりあえずビール二つね。あとおでん二人前」 近くの居酒屋に無理やり連れてこられて、気がつけばビールとおでんを注文されていた。 「一体何がしたいんだ」 腹に据えかねてマスターが切り出した。 ケンはシエンをテーブルに置くと、タバコに火をつける。 「吸うか?」 「俺はタバコは吸わん」 マスターもコートを脱ぎ、ポケットからマイティを出してテーブルに座らせた。 「?」 マイティが何かに気がつく。 「どうしたの、マイティ?」 「シエンちゃん、ちょっとごめん」 マイティはシエンの体の臭いをかぎ始める。 「ま、マイティ!?」 シエンは何が起こったのか分からず、慌てた。この子ってこんなに大胆だったかしらん? 「シエンちゃん、なんだかイカみたいなにおいがするよ」 ぎくぅっ!? シエンとケンは揃ってのけぞった。 「なんだ、二人して?」 「あいや、その、さささっきちょっとイカ食っててな。シエンがイカの上にすっ転んだんだよ」 「そうですそうです!」 「ちゃんと体洗っとけっつったろ!」 「すすすすみませんっ」 二人は顔を真っ赤にしてうろたえた。 「???」 「ま、まあいいじゃねえか。それより本題だ」 ゴホン、と咳払いして、ケンは体裁を繕う。 「お前ぇ、特殊装備を使いこなす奴に負けたんだってな」 「どこで聞いた」 「フツーにエルゴの店長に」 ビールとおでんが運ばれてくる。 「そんで、特殊装備も使わないとこの先辛いぜ~、見たいなコトも言われたんだってな」 「そこまで聞いてるのか」 「まあな」 ケンはビールを一口飲んで、続ける。 「で、お前のことだから、横丁で違法スレスレのパーツを漁ってるかと思ったら、案の定、ってやつだ」 「何でもお見通しなんだな」 マスターもビールに口を付けた。 苦い。相変わらずこの味は好きになれない。 神姫たちは二人の会話にはわざと参加せず、黙々とおでんを食べている。 「まあ、それがお前さんの考えなら、オレは止めねえけどよ」 大根を切って、口に入れる。 「それでお前ぇは納得するのか?」 がんもどきをつまもうとしたマスターの手が止まる。 「お前ぇは昔っから頑固だったからな」 がんもどきを奪って、ケンが丸ごと食う。 「ふぁっちちち……。まあ、頑固なら頑固なりに、納得するやり方を素直に選ぶのが、オレは一番いいと思うぜ。あ、おやじ、だし巻き玉子ちょうだい」 マスターは黙っている。箸も動かさず。座ったまま。 「マスター?」 マイティが気付いて心配そうに見上げる。 ふう。 マスターがため息をついた。マイティにはそれが、安心して出したため息に見えた。 彼の顔にはいつもの微笑が浮かんでいたからだ。 自分の分の代金を置いて、立ち上がる。 「ケン、ありがとう」 「いいってことよ」 「マイティ、帰るぞ」 「はい!」 マスターはコートを着て、マイティを内ポケットに入れると、しっかりした足取りで店を出て行った。 「へっ」 ケンは笑って、自分のビールを一気に飲み干すと、マスターの残したビールに手を伸ばした。 「お前も飲むか?」 「アルコールはコアに変な影響があるので飲みません」 「これからはちゃんと体洗えよ」 「…………はい」 了 前へ 先頭ページ 次へ
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安全衛生推進者(または衛生推進者)の職務---- 施設、設備等(安全装置、労働衛生関係設備、保護具等を含む。)の点検及び使用状況の確認並びにこれらの結果に基づく必要な措置に関すること。 作業環境の点検(作業環境測定を含む。)及び作業方法の点検並びにこれらの結果に基づく必要な措置に関すること 健康診断及び健康の保持増進のための措置に関すること 安全衛生教育に関すること 異常な事態における応急措置に関すること 労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること。 安全衛生情報の収集及び労働災害、疾病・休業等の統計に関すること 関係行政機関に対する安全衛生に係る各種報告、届出等に関すること 安全衛生推進者(または衛生推進者)は、安全管理者(または衛生管理者)が安全衛生業務の技術的事項を管理する者であるのに対して、 安全衛生業務について権限と責任を有する者の指揮を受けて当該業務を担当する者である。
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C.E78/5/29、統一地球圏連合政府の90日戦争終結宣言からはや1ヶ月が経過した。 しかし戦場の舞台となった西ユーラシアでは今なお紛争の火種はくすぶり続けており、テロリストによるテロ活動、そして統一連合による掃討作戦が繰り返されている。 90日革命戦争後、西ユーラシア自治区の治安維持は統一連合軍が受け持っているがその大半はオーブ軍か徴兵した地元の軍人で構成されている。それでもオーブが譲歩した形であり、当初の派遣案ではオーブ軍と地元の軍人のみで構成するというものであった。 未だに主権を放棄していない国々にとっては、ここで治安維持をオーブのみ一任されると統一連合の軍事介入後はオーブ軍が受け持つという前例を作り上げられる危険性があった。 それを特に避けなければならないと考えていたのが大西洋連邦で、エターナリストであるカール=レノン大統領の反対を圧倒的多数で押し切り、戦争終結後も派遣することを決定した。 カール=レノンはエターナリストであるが政治的手段として使っているだけで信奉者ではない。 カール=レノンには議会の決定を覆す拒否権があったが世論の70~80%が派遣続行を賛成しており、しかもそれは戦争時に派遣を容易にするために自ら扇動した結果であったこの状況で派遣決定に対して拒否権を行使すれば次の選挙で確実に負ける。そういった心理が働いて拒否権を行使することができなかった。 「なんでこうなっちゃのかな~。戦争が終わった後のごたごたはオーブに任せて、本国に帰れると思ってたのに……。」 「不謹慎だよ、フォスタード。もう1ヶ月たったんだから気を取り直そうよ。」 フォスタードのぼやきにカーディオンは服を着替えながら注意する。 「だってさ~。ここの待遇僕らだけ明らかに悪いじゃん。大西洋連邦から派遣された人だけプレハブ住まいっておかしくない?ルシオルは水に当たって身体壊すし。」 「ここら辺は第二次汎地球圏戦争のときに大西洋連邦の実質的な支配を受けてたから評判が悪いんだよ。かといって表立っては仕返しするわけに行かないから……。それにしても、ルシオル大丈夫かなー。」 「どうだろうね。ところでカーディオン、なんで着替えてるの?」 「ん?ああ、テロを抑えるには事前の情報が必要だからね、現地で情報を集めようと思って。」 「そんなの諜報部に任せればいいのに。」 「そういう訳には行かないよ。伝達系統の都合で僕らのところに情報が届くのは他よりだいぶ遅いし。」 「それって明らかに……」 「おねがい、それ以上は言わないで。わかってるから。それじゃ、行ってくる。」 カーディオンはそういって部屋を出た。 西ユーラシア自治区の酒場で異国の人間であることは確かな3人の男がいた。この光景自体はこの地ではありふれた、普通なことだった。 問題なのは、彼らがC.E77/10/11に大西洋連邦で催された感謝祭を襲撃した首謀者達であることだ。 彼らはあの後、レイヴェンラプター師団と合流しており、C.E78/1/1のホワイトアラクライシスの折にイザークたちによってレイヴェンラプター師団が壊滅した後はその行方が分からなくなっていた。 マーレが酒の入ったグラスをカウンターに叩きつける。酒に酔って荒れているのは明らかだった。 「イザークの野郎、次は絶対につぶす。」 苛立っているマーレとは対照的に「バイオレーター」のコードネームで呼ばれていた男、ヴィオ=エルファンテスは上機嫌であった。すでにかなり出来上がっている。 「まっ、こっちで反乱がおきたおかげで奴らの追撃は緩んだ上にこんな隠れ場所もできたんだ。今のところはロゼクロ様々って事でいいんじゃねえか?もっとも、ロゼクロはとっくにつぶれてるけどな。」 「それより……、これから…どうするんだ……?」 「サイレント」のコードネームで呼ばれていた男、ヴァレリア=Y=ノートンがマーレに問いかける。 実際問題、彼らには後ろ盾となる組織とガルムを含めた部下を失っていた。他の組織に鞍替えしようにもレイヴェンラプター師団のメンバーは周辺の武装組織からも警戒されており、実行部隊であったマーレたちを迎え入れてくれる組織はどこにも無かった。 そのため、政府軍の目から逃れるために無政府状態に近い西ユーラシア自治区まで逃げ込むしかなかったのである。 「とりあえずは再起を図るためにまとまった金が必要だ。前みたいに貨物船でも襲って……」 マーレがイスに寄りかかりながら金策を話そうとしたとき、カウンターに頼んだ覚えの無いつまみが置かれる。 「おい、俺らはこんなの頼んでねえぞ。」 「あちらのお客様からです。」 バーテンダーの示した方を見ると、フードすっぽりと被った男が静かに酒を飲んでいた。 マーレはいぶかしりながらその男に歩み寄る。 「何のつもりだ?顔見せろよ。」 マーレの尊大な態度に男は答える。 「久しぶりだな、マーレ。7年ぶりだったか?」 男はそう言いながらフードを外し、顔をさらす。マーレはその顔を見て息をのんだ。 「てめえは、「怒れる双剣」のトラオム=ウィルケン!!!ヤキンドゥーエ戦の後脱走したとは聞いてたが、生きてたのか!!!」 「おいおい、勝手に殺すな。ちゃんと足だってあるし、心臓も動いてる。」 「なんでテメエがこんなところにいる!?」 「こんなところで話すことじゃないな。場所を変えようか。マスター、彼らの代金も俺が立て替える。」 そう言って金を払うと、トラオムはおもむろに立ち上がって外へと向かう。 「おい!ちょっと待て!勝手に話を進めんな!」 自分を無視して勝手に話を進められているように感じたマーレがトラオムに突っかかる。トラオムは扉の前で一度止まり、マーレたちに告げた。 「話が聞きたかったらついて来い。強制はしない。」 そう言って外へ出て行ったトラオムに、マーレたちもついていく。ただでさえ苛立っているこの状態で自分を無視されたまま勝手にどこかへいかれるのが我慢できなかったからだ。 裏路地に入ってしばらく進んでからトラオムは止まってマーレたちの方へ振り返り、その口を開いた。 「俺がこの地にいる理由だったな。俺はある御方の下で仲間になってくれる者たちを探している。」 「仲間だぁ?」 「そうだ。そして、この地でお前達と出会ったという訳だ。」 「偶々かよ。先に言っとくが、ナチュラルの下に付くのはごめんだぜ。」 マーレにとっては正直なところ相手がどんな組織なのかはどうでもよかった。ただ、ナチュラルがトップに立っている組織だとしたらそんなところに所属することはマーレにとって屈辱であり、耐えられないことだからだ。 そして、もしもトラオムが所属する組織がそうだった場合、トラオムを裏切り者として殺す気でいた。そのために腰の銃をいつでも撃てる体勢を、マーレはとっていた。 「安心しろ。あのお方は純粋なコーディネーターだ。それも、俺達コーディネーターの光となる……な。」 「光?」 「そう。光だ。仲間になるかどうかは一度会ってみてから判断してくれてかまわん。」 やつの言う光が何を意味しているかは深く理解していなかったが、その組織のトップがコーディネーターであるということ。入るかどうかの決定権がこちらに与えられているという優越感。そして、酒による判断能力の低下がマーレの心を固めた。 「まあ、とりあえずは会ってやるか。ヴィオ、ヴァレリア。お前らはどうする。」 「他に…いくところは……無いしな…。」 「O.Kオーケー。」 「だとよ、トラオム。とっとと案内しろ。」 「ああ、分かった。付いてきてくれ。」 トラオムはそう言うと、再び歩き始めた。 「っふー。結局何も収穫は無しか……。」 カーディオンは広場でイスに座り、溜息をついた。そこは所々で未だに戦いの傷跡が残っていたが人々でにぎわっており、復興の兆しを見せている。 だが、カーディオンの心は晴れない。 この広場はかなり復興が進んでいる場所であり、カーディオンが先ほど見てきた場所の中には未だに瓦礫が撤去されず、異臭が発生している場所もちらほらあった。だがそれ以上にカーディオンの心を曇らせているのは、瓦礫に息子の名前を叫び続け、助けを求めている老婆に自分が何もしてやれなかったことだ。 (僕はあの時助けられた。それなのに僕は……) カーディオンがそのときを思い出す。 7年前、ブレイク=ザ=ワールドで崩落した瓦礫に埋まり、死に瀕していた自分を助けてくれたあの人。 名前も、所属も分からなかったけれど服装から大西洋連邦の軍人だということは分かった。 大西洋の人間としては珍しい黒髪黒目ということもカーディオンの脳裏に焼きついている。 あの人に助けられたから今の自分がいる。 あの人にもう1度会いたくて。あの時言えなかったお礼が言いたくて。そして、あの人みたいに何かを守りたくて僕は軍人になった。 それなのに、現実はどうか。 自分はどうすることもできないからと老婆の助けに答えず、あろう事か老婆に気づかれる前にその場を逃げてしまった。 これが自分の本質なのだろうか。命に執着し、他の命を顧みないこの姿が。 自責の念に沈み込んでいくカーディオンの思考は銃声によって打ち破られた。 平穏だった広場に銃声と怒号が響く。 「青き清浄なる世界のために!!!」 「宇宙の化け物どもの媚びる者達に神の裁きを!!!」 10人ほどの男が逃げ惑う人々に向けて無慈悲に銃撃する。 「ブルーコスモス……!」 誰かがそう叫んだのを聞いてカーディオンは目を見開いた。 その言葉は、かつて世界を席捲していたコーディネーター排斥組織「ブルーコスモス」がよく使う言葉であった。最盛期と比べるとその勢力は大幅に衰えているが今なお大規模である。 カーディオンは咄嗟にテーブルを跳ね上げてその銃撃を防いでいた。 (ブルーコスモスが……また!?みんなを…殺すために……!?) テーブルの裏でカーディオンの呼吸は荒くなり、瞳孔が開く。頭に血が上る。その一方でどこに敵がいるのか、どのように倒せばいいか、どうすれば敵を殲滅できるか……。カーディオンの思考にはその方法が鮮明に浮かび上がっていた。 周囲にはブルーコスモスに対して応戦している者もおり、こちらに何かを言っている者がいたが、銃声で聞き取れない。だが、カーディオンにとってそんなことはどうでもよく感じた。 そして、カーディオンは携帯していた拳銃を手に取る。その目から光はなくなっていた。 カーディオンはテーブルから躍り出ると目に映ったブルーコスモスに対して即座に2発撃つ。その弾は正確に相手の胸と頭部を打ち抜き、絶命させる。一人目。 そのまま走り出して近場にいたブルーコスモスを撃って頭を吹き飛ばす。二人目。 さらに先ほど屠った死体を引っ張って盾とし、別のブルーコスモスの銃弾を防ぐ。力の入っていない死体は重かったが今のカーディオンはその程度のことは大したことではないと感じていた。 肉の盾で銃弾を防ぎながら拳銃でまた一人屠り、もう一人に掴んでいる死体をぶつける。 死体が邪魔でなかなか起き上がれないブルーコスモスを死体越しに踏みつけ、拳銃を眉間に当てて引き金を引く。四人目。 ブルーコスモスの一人が物陰から射殺しようと構えたがカーディオンはそちらを見ずに拳銃を数発撃ち、絶命させる。五人目。 ブルーコスモスが他にいないか辺りを見回すが他に立っているものはいない。 (そういえば他にブルーコスモスと応戦してた人がいたっけ。) カーディオンはそのことを失念していた。 殺し合いが終わったことに気が付くと、カーディオンは先ほどまでの自分の行動を思い出し、愕然とする。 (僕は……何を…………!?) やっぱり、これが僕の本質なのか。他人の命を奪うことに何の躊躇も覚えなかった、残虐なあの姿が。 そうしている間にもまだ息の合った2人のブルーコスモスが動かないカーディオンに向けて銃を向けるが、引き金を引く前にそれぞれ頭を撃たれて脳漿をぶちまけた。 カーディオンがその銃声に気が付くと、黒髪に燃える様な赤い目の青年がこちらに近づいて怒鳴った。 「あんた!人の話聞かないで勝手に出たと思ったらぼけっと突っ立って、そんなに死にたいのかよ!!!」 「え…あ…その、……すみません……。」 カーディオンが平謝りしていると、茶髪の女性が後ろからその青年の頭を思いっきり引っ叩いた。 「痛っ!コニール、いったい何すんだよ!」 「シン。あんただってあたしが止めなきゃ真っ先に突っ込んで行ったでしょ。」 「うっ、それは言うなよ……。」 コニールと呼ばれた女性はこっちを見て話しかけてきた。 「それにしても、さっきの動き、凄かったわね。どこで覚えたの?」 「いえ、身体が勝手に……。それに、凄くなんかありませんよ。こんな殺すための力なんて……。」 「そんなこと無いわ。あたし達だけだったら他の人たちがもっと死んでたかもしれなかったし。あんたのおかげで助かった人だっているのよ。もっと自分に自信を持って。」 「えっ!?」 先ほどまで考えていた、どす黒い自分の本質とは全く違う感想を言われてカーディオンは戸惑った。 広場に向かうサイレンが聞こえてくる。 「げっ!今の騒ぎを聞きつけてあいつら来るわ。あんたも早く逃げた方がいいわ。」 コニールはそのまま走り去ろうとしたが思いとどまってカーディオンに再び話しかける。 「そういえば、あんたの名前を聞いてなかったわね。なんて名前なの?」 「え…えっと、カーディオン。カーディオン=ヴォルナットです。」 「そう。良い名前ね。」 「おい、コニール!早くしないと置いてくぞ。」 「ちょっとあんたねえ、一人で勝手に行くんじゃないわよ!それじゃ、カーディオン。また縁があったら会いましょ。」 コニールはそういってシンと一緒にその場を走り去って行った。 本来なら呼び止めるべきなのだろうが、カーディオンはそうしなかった。 「それで、ブルーコスモスのテロはどうなった?」 西ユーラシア自治区の司令室で司令官レーデ准将が蓄えた顎鬚を整えながら部下に聞いた。 「全滅しました。」 「そうか、広場の市民は全滅か。ブルーコスモスが相手ではな。」 部下の報告を受けて笑うのをこらえながら頷く。 「いえ、全滅したのはテロを起こしたブルーコスモスの方で、広場の市民の被害は死者6名、重傷者18名、軽傷者29名となっております。」 部下の返答に顎鬚を整える作業を止める。 「何?どういうことだ。」 「テロの起きた広場に武装していたものが応戦したようです。」 「ほう。」 「また、その場にいあわせた正規の治安維持兵が半数を撃退したようです。」 「治安維持兵?広場周辺に配備した覚えはないんだが。」 「そうやら非番だったようです。外出許可申請も受理されております。」 「そうか、彼らには悪いことをしたかな。まあ良い。当然、他にも応戦したものはいるのだろう?」 「はい。現場から2名ほど離れたものがいたようです。先ほどの治安維持兵は見失ったと証言しております。」 「なら良い。大義名分は立った。もしそのような輩を放置していては、治安を大きく損なってしまうかもしれんからな……。すぐに作戦を立てるぞ。今回はそいつらが逃げた方向にある地域だ。」 大義名分は十分立ったことが分かったレーデ准将の顔はすでに笑っていた。 「准将。治安維持兵の一件はいかがなさいますか。」 「適当に始末書あたり書かせて終わらせろ。」 「了解しました。」 「……………。やっと終わった。」 ブルーコスモスのテロから1日経過した30日に、カーディオンは提出を求められていた始末書をようやく書き終えた。 「カーディオン。そんなに真剣に書かなくても、中身があるように見せるだけで簡単に済むのに。」 「そういうわけにも行かないよ。あの一件で見失った僕に責任があるわけだし。それに、もっと重い罰が下ると思ったらなんでか始末書だけですましてくれたのにそれでまで手を抜くのはよくないよ。」 「はぁ、真面目だねぇ。」 カーディオンの優等生な発言にフォスタードは寝転がりながら答える。 同じように寝転がっていたルシオルを見てカーディオンが聞く。 「ルシオル。調子はもういいの?」 「ああ、大事だ。それより聞いたぜ、カーディオン。なんでもブルコスの連中とやりあったんだってな。なんかMSを殴り壊したとかって聞いたけど本当か?」 明らかに冗談としかいえない噂を聞いてカーディオンは呆れる。 「ルシオル……、どうやったら噂にそんな尾ひれがくっつくの……。」 「ん?やっぱ違うのか。」 「当たり前だ。そのテロではMSの使用は確認されていない。」 ニールが扉を開けながら説明する。どうやら自分達の話を聞いていたようだ。 「でも生身で5人倒したのは本当なんだろ。すげえじぇねえか。」 「凄くなんか無いよ。僕以外にも応戦していた人はいたし、その人たちは見失っちゃうし。それに、あんな殺すための力なんて……」 「それは違うぞ、カーディオン。確かに実行犯は全員死亡したが、結果的には市民への被害を大幅に減らせている。その市民を助けたのもお前の力だ。重要なのはその力をどう使うかだ。」 「それそれ。俺もそれ言いたかったんですよ。よくあるでしょ。力は悪くなくて、使う奴がどう使うかで良いか悪いかが決まるっていう感じの話。」 からそういわれたときにカーディオンは広場でも茶髪の女性が同じようなことを行っていたことを思い出した。 この力は紛れも無く相手を殺す力だ。でも、その力で助けられる力がある。 この力から逃げてちゃ駄目なんだ。ちゃんと向かい合って、コントロールできればそれは助けるための力にもなる。 ただの自己欺瞞なんじゃないのかと思いもしたが、そう考えると心が幾分かは軽くなった。 「隊長、ルシオル。ありがとうございます」 「いや、良いんだ。カーディオン。…フォスタード、お前に話がある。」 カーディオンのお礼の言葉を受け取ると、ニールはフォスタードの方を振り返る。 「えっ、ぼ、僕ですか!?」 「先ほどの会話は始めから聞こえていたぞ。勿論、始末書の件からだ。」 「あ゛……………!!!」 「……減俸辺りは覚悟しておいたほうが良いな。」 「そんな~。勘弁してくださいよ~。」 「口は災いの門ってか。良かったじぇねえか、カーディオン。フォスタードの忠告を聞いてたらお前も一緒に減俸だったぞ。」 フォスタードのヘナヘナとした懇願を聞いてルシオルが笑い飛ばす。 自然とカーディオンの口から笑みがこぼれる。 部屋の空気が和やかになったところでニールに通信が入る。 「……はい。了解しました。今そちらへ向かいます。」 「隊長、何かありましたか?」 「いや、ただ呼ばれただけだ。処分の類ではないだろう。気にするな。」 カーディオンの疑問に軽く答えた後、ニールは部屋を出て行った。 さかのぼること前日のC.E78/5/29 「おい、こんなところにお前のトップはいんのかよ。」 トラオムがつれてきた場所は時代を感じさせる古びた貨物列車の中であった。中にはだいぶ年代を感じさせる骨董品が並べられていたが、マーレは自分が思い描いていたのとだいぶ違い落胆する。 「まあ待て。これはあくまで脱出のためのものだ。本拠地は別の場所にある。あの御方もそこだ。」 「ったく、面倒くせえことすんなー。直接行くって訳にいかねえのか?」 ヴィオが無造作に頭を掻きながらトラオムに聞く。それに答えたのはヴァレリアだった。 「ゲリラにとって…本拠地を悟られるのは…死と…直結する。中継地点を何箇所も…何箇所も…経由して…本拠地を隠すのは…当然のことだ。」 「ふーん。ただの補給地点じゃねえってことか。」 「……そうだ。」 「……話を戻すぞ。ここからの脱出方法についてだが……」 トラオムがマーレ達に説明しようとしたときにトラオムの通信機が通信を受け取る。 「すまないな、ちょっと待ってくれ。……私だ、どうした。……。そうか、…分かった。」 トラオムは眉間に皺を寄せる。その様子を見たヴィオが聞く。 「おい、どうした。トラブルでもあったのか。」 トラオムは通信を終えると返答した。 「ああ。統一連合に忍び込ませている仲間からの報告でな。つい先ほど、ブルーコスモスのテロが広場で起きたそうだ。」 「それがどうしたって言うんだよ。」 「テロを起こしたブルーコスモスは全滅したが、事件を受けて司令官はこの地域への掃討作戦を実施するつもりだそうだ。もっとも、その情報はまだ内部にも伝わっていないが。」 「そうか…。それにしても…何故…この地域に?」 「その話には続きがあってな。ブルーコスモスと応戦していた者がいて、その内2人組がこの地域周辺に逃走したようだ。もっとも、あの虐殺好きの司令官なら場所を適当に決めててもおかしくないがな。」 「頭イカレテルんじゃ無いのか。」 「全くだ。本来なら4日後に出発するこの貨物列車の荷物に紛れ込んで脱出する手はずだったんだが、インフラの類は止められるだろうな。おかげで強行突破せざるを得なくなった。もし自前の機体があったらここまで運んでくれ。運搬用のトレーラはこちらで回す。掃討作戦は3日後の6月1日に開始されるからリミットは明後日の5月31日までだ。」 「ったく、ブルーコスモスの連中。面倒なことしてくれるぜ。」 マーレは毒づいて自らの機体を取りに戻った。 人の口に戸は立てられないもので、近々掃討作戦が行われるという噂は徐々に広まりつつあった。 そして、その話は新しいシグナスの装備を受け取るためにこの地に来ていたシンたちにも届いていた。 「何だって!?統一連合が掃討作戦を行うって、それは本当なのかよ!」 シグナスのメンテナンスの手を止めて、シンはコニールの肩を掴んで揺さぶる。 「落ち着きなさいよ、シン!確かな情報よ。情報屋から裏は取ったわ。」 「なんでこんなこと……。」 「表向きにはあの場を逃走した2人組、つまりはあたし達を燻り出す為に行うそうよ。」 「表向きって……」 「掃討作戦を決定した司令官には、この間の90日革命のときに敵基地の降伏信号を無視して虐殺と破壊の限りを尽くしたっていう黒い噂もあるわ。その様子から潜伏してるローゼンクロイツからは「虐殺指令」って呼ばれてるそうよ。」 「そんな……!」 コニールの話を聞いたシンにとって、その相手を許すことができなかった。 今まで戦ってきた相手の多くは、シンにとって納得できなくても各々に強い信念のようなものがあった。オーブ軍や地球連合軍。あのブルーコスモスにさえである。 だが、己が欲求として殺戮を行うだけのその司令官からはそのようなものを全く感じない。その人物はむしろ己が利益のために戦争を作り上げていたロゴスに近いものを感じた。 「それで、どうするの?」 「え…!?」 頭に血が上っていたシンはコニールの問いかけに答えるのが遅れる。 「まさかあんた、何も考えてないわけ?ここは補給地点や他の組織とコンタクトするときに必要な大事な場所の一つだからただ逃げるって訳にも行かないわよ。それに、大尉達は別件でこっちにこれないから支援も当てにできない。分かった。」 「誰が逃げるもんか!俺がぶっ倒してやる!!!」 「言っとくけど、逃げるわけにいかないからって目立ちすぎないでよ。9月には例の作戦があるんだから。」 「分かってるよ!」 (こりゃ聞いてないわ。) コニールは今までの経験からシンは今、頭に血が上ってろくに人の話を聞いていないことがあっさり分かる。 「……本当に大事かしら。」 ついついコニールの口から不安の言葉がこぼれた。 一人の男のエゴという名の刃が振り下ろされる。そのときが刻一刻と近づきつつあった。
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作者:月下の人 ◆WXsIGoeOag 【前作】 【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【次作】 「………」 「うん。じゃあまたね、ハナ!」 数十分ほど話して、ようやく晶は老象、ハナとの会話を切り上げた。仲間の象の元に歩いていくその後ろ姿を見送って、 満足げに隣に目を向ける。しかし…… 「ごめん待たせた、陽……」 隣にいたはずの背の低い少年は、忽然とその場から姿を消していた。 残っていたのは、手すりの上にちょこんと乗ったカマキリが一匹。カマキリは晶に小さな顔を向けると、その翅を大きく広げて…… 「ヤあ」 喋った。 「あっれ!? 鎌田さんだけ!? 陽太どこ行ったんですか!?」 「ようたくンはその……ぼクにまかせてかえっちゃっタ」 「えええっ!?」 カマキリは翅を小刻みに震わせて、不思議な響きの言葉を発生させる。 その鎌で後頭部をカリカリと擦るその行動は、人間が困ったときにするそれと同じだった。 このカマキリ、その名を鎌田之博という。無論ただのカマキリではなく、これは昼の能力で変身した姿だ。 だが変身を解除すれば人間に戻るのかというと、それも違う。彼は蟷螂人。カマキリと人間の中間というべき姿を持った、異世界の住人である。 長くなるので割愛するが、彼はとある事情により、獣人が一般的に存在する異世界からこのチェンジリング・デイの世界に飛ばされてきてしまったのだ。 現在は縁あって、今はこの場から消えてしまった岬陽太の家に居候させてもらっていた。 「あ…あんの厨二ぃ…!」 「まあまアその、さ。あんマリおこらないデやってよ。あきらクんひとりおいてけぼリニしたわけじゃないんダしさ」 「そうは言っても……」 晶はその場でくるりと周囲を見回し、周辺に人影がないことを確認して、ふぅ…と息を吐いた。 「まあ人に見られてないなら平気っちゃ平気ですけど…」 「あとのコとはつかいまニマかせるってサ」 「つかい…使い魔って……」 鎌田の翅から出た聞き慣れない単語に、晶は思わず顔をしかめる。 「鎌田さん、陽太のことあんまり甘やかしちゃダメですよ。あいつってばもー、ほっとくとすぐ調子乗っちゃうんだから」 「まぁソうはいってモ、ようタくんにはスごくおせわニなってるシね。つかいま、えメラるどまんてぃす。コレくらいしかたナイさ」 そんな鎌田は、仕方ないなんて言葉とは裏腹にどこか楽しげで。 「…あの鎌田さん、使い魔呼ばれるのちゃっかり気に入ってません?」 「エ!? イ、イヤアソンナコトナイサァ!」 「………」 鎌田は異世界の住人で人外の存在。とはいえ、いたってまともな年輩者だ。ヒーロー好きではあるが、厨二的な要素はあまりない現実主義者だ。 そんな鎌田と行動を共にすることで陽太の厨二病も少しはましになるんじゃないかと、晶は密かに期待していたのだ。 だが、このひともこのひとで油断ならない。そう認識を改める晶だった。 「へー、やっぱりぼくのせかいトあんまりかわらなイね」 「え? そうなんですか?」 晶にとっては見慣れた場所で主な用事も済んだので、すぐに帰ってもよかったのだが、鎌田にとっては初めての場所。 せっかくなので客の少ない動物園を見て回る。小さな鎌田の定位置は晶の肩の上である。 「鎌田さんの世界って一般人が獣人…ケモノさんなんですよね?」 「それはそうダけどふつうのどうブつはいるし。けいばだってアる。どうぶつエンだってあるさ」 この翅発音、疲労する上にだんだんと発音が怪しくなるのが欠点だが、小さく音を出す分にはほとんど問題ないらしい。 「っひゃっ!」 「どうしタのあきらくん?」 「…なんでもないです」 ただし極耳元で翅が揺れるため、たまに触れてゾクッとくるのが欠点である。 晶にとって見慣れた動物園より、鎌田の話がとても興味深いものだった。 「あの…例えば檻の中に猪がいて、外には猪のケモノさんがいるんですよね。そういうのって心情的にどうなんですか?」 「うーん、そうだナ……あきらくん、あのさるやマのさるたちヲみて、きみはどウおもう?」 「どう、って……普通に猿だなあとしか……」 「そう。ソれとおなじ」 「えっ…?」 数秒、ポカンとしていた晶だが、やがてハッと気付く。鎌田は小さな頭で頷き、言葉を続けた。 「イノシシかラしんかしタのがイノシシじん。さるカラしんかしたのが、きみタチにんげんダ。 にんげんって、いうなれバさるじゅうじんナんだ。ぼくたちケモノよりほんのいっぽ、さキにしんかしタだけの、ね。 ヒトとケモノ、しゅぞくのちがイはあっても、そのたちばハそうかわりはしないってコト」 「そっか…そういうことなんだ」 「かつて、ケモノがさべつされるカナしいじたいモあった。いまはもうはるかムかしのはなしダ」 「はー…」 思わぬところで考えさせられた。「差別」について。 人種、国籍、地域、男女。この世界では、ほんの些細な違いから差別は容易く発生する。 「種族」という大きな違いを克服することができた鎌田の世界は、やはり素晴らしい世界なんだと晶は思う。 「なんとしても、元の世界に帰らなきゃ、ですね」 「ン? うん、そうだネ。かならズぶじにかえってみせルさ」 ひょんなことから、帰還の意思を再確認する鎌田と晶だった。 「……って、はなしズれてるヨね」 「……ああ、僕もそう思ってました」 「トもかく、しせつモひとのかんガエかたも、ぼくのせかいトなんらかわらないっテこと。 ぼくもこンナなりはしてるけド、ふつうのかまきりにたいシテとくべつナかんじょうはいだかナイ。わリとむしずきだとはオモうけドね」 「なるほどー」 少女とカマキリの不思議な組み合わせは、その姿の違いをまるで感じさせない親しい談笑を交わしながら歩いていくのだった。 園内を一通り見回った後、ふたりは木陰のベンチで一休み。近くの柵の奥の池から、カバが耳と鼻先だけを覗かせている。 晶はペットボトルのお茶を、鎌田はボトルの蓋に注いだお茶を、その鎌で器用に抱えて飲んでいた。 普通サイズの飲み物を買うだけで浴びるほど飲める、というのはなかなか羨ましい能力だと晶は思う。 不意に、思い出したように鎌田が翅を震わせる。 「そウいえばさ、あきらくんはノウりょくでどうぶつのこころガみえるんだヨね。どうぶつえんトカ、ふつうのひとよリたのしめるんじゃない?」 「いやぁ…そうでもないです。ハナみたいに賢い動物なんてそうそういないし、ぼんやりと意思を感じるくらいで。 あと基本的に見たまんまのことしか考えてないんですよね。今なんて時期が時期だから……」 「あー……なるほド、みんなけがわもってるカラねえ。なつはあツくてたいへんだっていうノハよくしっテる。がっこうノたいはんはソうだし……」 「あ、そっか。ケモノさんたちも普通に毛皮持ってるんでしたね」 「ソうなんだよ。たとえバぼくノくらスにいぬがみヒカルっていヌじんがいるんだケドさ、こんなあツイひでモふさふさもっさもさシテてもうね…」 「あはは、そりゃ大変だ」 夕刻が近づき、暑さも幾分か和らいだ午後の動物園。平穏な時間がゆったりと流れていく。 晶はふと思い立って立ち上がり、手すりに触れてカバと向き合ってみる。池の中はなんとも涼しそうだったので、その心に触れてみたくて。 目の前の動物だけに意識を集中。常に感じていた、ざわざわとした意識の喧騒が消えていく。そして残った感情は…… 怒り。 大きく、激しく燃え上がる怒り。そして… 殺意。 正面ではなく、突然背後から叩きつけられた巨大な感情。晶は本能的に迫る危険を察知し、反射的に地を蹴り真横に跳ぶ。 同時に鎌田も変身を解除、晶を突き飛ばそうと蟷螂人の腕を伸ばし、その手は見事に空を切る。晶は既にその場から飛びのいていたので。 直後に飛び込む黒い塊。最初は晶がいた、今は鎌田のいる空間にまっすぐ突っ込んで… 「危なっ!?ぶふぅっ!!!?」 直撃。交通事故のような音で斜め上に吹っ飛ばされる鎌田。 勢いのまま黒い塊がぶつかり派手な音を出してひしゃげる手すり。 「あああああああぁぁぁぁれえええぇぇぇぇ……」 盛大な水音と共に、カバの隣に落下、着水する鎌田。 「かっ鎌田さーーーんっ!?」 晶は叫び、直後に気付いてギクリとする。ひしゃげた手すりに挟まりじっとしていた塊がごそりと動き出している。 それは、黒い毛に覆われた何か。グルルルと低い唸り声を出す何か。 塊から太い腕が現れ、手すりを掴む。鉄の手すりは軋みながら容易く広がり、そこから獣の頭部が現れる。 「っひっ!」 思わず喉から声が漏れた。 晶へと振り向いたそれは、凶暴な牙をむき出し怒りの眼光を湛え、立ち上がればゆうに2メートルを超えるであろう、巨大な体躯を持つ狼だった。 <続く> 登場キャラクター 水野晶 鎌田之博 ファング 上へ