約 25,197 件
https://w.atwiki.jp/herikutu/
――この物語はどうせ幻想に決まってます。 うみねこ本編と関係あるはずもありません――。 このwikiは同人ゲーム板の【うみねこのなく頃に】屁理屈推理合戦スレのまとめwikiです。 屁理屈推理合戦は、ゲーム「うみねこのなく頃に」から派生した推理ゲームです。 うみねこ本編に登場した【赤字】&『青字』の概念を使って、 独自の問題を作成したり、それに挑んだりしています。 初めての方はこちら→屁理屈推理合戦とは? 過去の問題を見たい方はこちら→過去のゲーム盤 実際に問題を作りたい方はこちら→出題してみよう 初めての方は、過去ログを読んで流れをつかんでから参加することをおすすめします。 宣伝・告知用ページを作成しました。新しくゲーム盤を始める方は、よろしければご活用ください。 本スレが落ちてしまったので、現在は外部版にて行われています。 うみねこ屁理屈推理合戦スレ 外部板 外部版の現行スレッド 外部板用ゲーム盤スレ 第七の晩 ※このwikiはまだまだ不完全です。wikiは誰でも編集可能なので、皆でどんどん改良しましょう。 てすと -- てすと (2009-04-14 02 48 08) 過去の盤、赤字はいいけど他は少し読みにくいね。なんかうまいまとめ方はないものか -- 名無しさん (2009-04-14 22 56 35) 出題側のレスはまとめて、よりそれぞれの書き込みに対しての方が見やすいかもしれませんね。 編集面倒そうですが。 -- 名無しさん (2009-04-14 23 01 20) 森の魔女の話、単純に字の色変えてUPしてみました。より見やすい方法があれば編集願います。統一感なくしちゃってごめん。 -- 名無しさん (2009-04-15 00 37 54) 管理人様>タイトル、森の魔女の話1にしたいです。。あと、間違えたファイル2つあげちゃいました。すみませんが削除してください。 -- 名無しさん (2009-04-15 00 41 36) 了解ですー。直しておきました。 -- 管理人 (2009-04-15 08 23 42) 魔女がいなくて暇だったので過去のゲーム盤追加しました。また暇な時に残りをやります。 -- 名無しさん (2009-04-30 23 49 54) タイトルを適当につけちゃったのですが解を見ると「鍛冶屋の話」となってますね…管理人さん訂正お願いします。 -- 名無しさん (2009-06-18 19 11 25) とりあえず「亡国の王女」の第一の晩まで。本スレの流れが速すぎて追いつけない…。 -- 名無しさん (2009-07-24 01 02 13) もっと更新しようぜ -- 名無しさん (2009-08-20 14 46 02) みなはばとらかわらわのどちを信じるのかのう・・・ -- ベアトリーチェ (2009-08-23 14 12 08) 絶対追いつかないけど更新しとく…一人じゃ無理だって; -- 名無しさん (2009-08-27 18 44 48) 大海の魔女1を字の色を変えて編集しようとしましたが50000バイト超えで断念…いいところで次に移ってるので削るのも申し分無いし… -- 名無しさん (2009-09-12 02 30 46) 申し分←申し訳 -- 名無しさん (2009-09-12 02 33 23) 過去のゲーム盤追加編集してくれた人、ありがとう 現在「幸せの国へ番外編」編集中です-- 名無しさん (2009-09-24 22 01 40) 過去ログを見たいのですが、datファイルが開けません。どうすればいいんでしょうか -- 名無しさん (2010-01-06 22 17 52) ↑2ちゃんビューアを使うか、Dat2htmlというツールで変換すべし -- 名無しさん (2010-01-07 23 24 09) 見れるようになりました。ありがとうございます -- 名無しさん (2010-01-10 00 22 02) リアルタイム用に一通りの着色ができるReplaceStr.txt(JaneStyle用)書いたんですけど必要ですか? -- 名無しさん (2010-01-24 04 05 40) 急におもいつたので、とりあえずメモ。人狼とかだと魔女の仲間がいるわけで、ミスリード役のプレイヤーが一人ぐらいいてもいいんじゃないか。運用としてはミスリード役やその他のプレイヤーの『』に魔女は[ ]で答えればよく、【】を出す義務はない。[ ]の内容はミスリード役以外には【】と同じ真実を、ミスリード役にはブラフで答えれば良い。 どうでしょうか? -- 名無しさん (2010-03-15 23 54 08) ウミガメのスープの20の扉で、一個だけ嘘を答えていいとか、赤字に一つだけ嘘を混ぜてもいい、というルールに近いかなあ。面白そうだけど、異常に複雑になりそう -- 名無しさん (2010-04-08 16 30 33) しばらく更新がなかったようなので過去のゲーム盤追加してみました。 -- 名無しさん (2010-09-08 16 21 52) 管理人様>過去のゲーム盤を編集したのですが、幸せの国へEP2 1とすべきところを幸せの国EP2と誤編集してしまいました。申し訳ありませんが、訂正お願いします。 -- 名無しさん (2011-01-01 22 10 31) 質問なのですが、外部板の分は載せないのですか? -- 名無しさん (2011-01-20 22 32 47) 取り敢えず、サイトトップを更新しました。 -- 一つ上の名無しさん(だから何 (2011-01-29 10 33 04) 外部板は手が回っていませんが、そのうち載せたいなあと -- 名無しさん (2011-09-23 12 03 44) 本スレ落ちちゃったなぁ…と来ました。寂しいですね… -- 名無しさん (2015-08-29 22 49 59) 初見の方のために「屁理屈推理合戦とは?」「出題時の注意等」のページを作成しました。スレは落ちちゃってますが、新規さんが増えることを願ってます。 -- 名無しさん (2016-02-15 08 35 02) 動画で初めて存在を知ったわ。果てしない出遅れだ・・・残念。 -- 名無しさん (2016-03-02 20 40 35) 新しくゲームをやりたかったら、スレを立てるのと外部版でやるのどっちがいいんだろうか? -- 名無しさん (2016-07-05 15 46 53) 新しいゲームは是非やりたいけど、人が集まるかな?っていうのと、スレが落ちない頻度で問題を投下してかなきゃいけないのがネックだよね。スレ立てるなら自分も参加するつもりだけど、外部版とどっちがいいかは自分もわからないや、ごめん。 -- 名無しさん (2016-07-08 21 56 54) やっぱり外部版のほうがアンパイかな……人集まりそうにないけど -- 名無しさん (2016-07-13 09 02 49) したらばの方にも書き込みをしました。14日の日曜日のお昼ぐらいからゲームを開始したいと考えています。よろしかったら参加して下しあ -- 名無しさん (2016-08-05 15 26 45) よろしかったら参加してください -- 名無しさん (2016-08-05 15 27 13) 14日のゲームですが外部版の方で行います。 -- 名無しさん (2016-08-07 22 26 30) 勝手に用語集を作ってみました。独断と偏見によるものなので、おかしい所があったらどんどん加筆・修正をお願いします。 -- 名無しさん (2016-11-02 03 39 29) 用語集追加乙です。ふくろうについてはスペルカードとかの若干の違いはあるかも? -- 名無しさん (2016-11-07 19 00 58) 外部板第六の盤スレッドで新たなゲームを開始しました。ちょっと大人向けな内容ですが、興味のある方はぜひご参加ください。 -- 名無しさん (2017-07-23 23 52 06) 外部版第六の盤スレで新しいゲームを今夜の9 30から10 00ぐらいに開始します。初心者ですがよければ参加してみて下さい -- 名無しさん (2017-08-23 12 39 26) 外部版第六の盤スレで今晩の9 00から9 30の間に新しい盤を開始します -- 名無しさん (2017-10-03 12 28 26) 途中でした、よろしければぜひご参加下さい -- 名無しさん (2017-10-03 12 29 04) 新スレに移行していたので、トップページと告知用ページの現行スレのリンクを貼り直しました。 -- 名無しさん (2017-12-12 00 07 09) 用語集のページにふくろうについて追記してくださって乙なのですが、 発案者の方が「棋譜についてまとめるのはやめてほしい」と仰ってるので ふくろうについての記述は削った方がいいのでは?と感じました。 -- 名無しさん (2018-04-16 01 48 51) 「過去のゲーム盤」に、外部板に最近投稿された盤を少しずつ保管していきます。タイトルのない盤は勝手に仮題をつけさせていただきました。また、読みやすいようにいくつか改行を加えています。問題がありましたらご報告、修正をお願いします。 -- 名無しさん (2018-04-17 05 44 50) 過去ログをどなたか更新していただけませんか? -- 名無しさん (2018-04-28 05 26 19) 「屁理屈推理合戦とは?」のページを、わかりやすいように実例を交えて加筆しました。また、出題者向けに「出題してみよう」「出題時の注意等」を編集しました。 -- 名無しさん (2018-11-24 20 55 29) 予告通り外部ゲーム盤スレ第七の盤にてゲームを投下いたしました。良ければご覧ください -- 悲恋の魔女 (2021-03-19 22 31 13) 最近掲示板に人いないな… -- 名無しさん (2023-08-29 00 31 05) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/orealn/pages/84.html
「推理の女王」でクォン・サンウがチェ・ガンヒを救った。 6日午後、韓国で放送されたKBS 2TV水木ドラマ「推理の女王 DVD 」(脚本:イ・ソンミン、演出:キムジヌ) では、危機に面したユ・ソルオク(チェ・ガンヒ) を助けるハ・ワンスン(クォン・サンウ) の様子が収められた。 ワンスンはこの日、チャン・ドジャン(ヤン・イクチュン) を捕まえようと市場の路地に向かうとそこでソルオクを目撃する運命のように君を愛してる DVD 。ドジャンは刃物を持ち、振りかざした瞬間ワンスンが中に入って来た。 ソルオクに向かったドジャンの刃物を体で守ったワンスン。エマージェンシーカップル DVD お陰でソルオクの命は助かり、ドジャンとワンスンは殴り合いを始めた。 倒れたソルオクを見たワンスンは、以前のトラウマを思い出すオクニョ DVD 。そしてソルオクを抱いて走り出すワンスンの眼差しは切なかった。 その後、目を覚ましたソルオクとワンスンはああだこうだと言いながら180度異なる雰囲気を演出し、ドラマに面白さを付け加えた。
https://w.atwiki.jp/mekameka/pages/1804.html
SIMPLE1500 シリーズ Vol.59 THE 推理 ~IT探偵:18の事件簿~ D3PUBLISHER 2001/4/26 PS.PSN"GA" IT探偵の名の通りインターネットで得られる情報を元に様々な事件を推理していくADV THE 推理シリーズの1作目 短編ながら18話のお話しを収録している 関連 SIMPLE DSシリーズ Vol.27 THE 密室からの脱出 ~THE推理番外編~ SIMPLE2000シリーズ Vol.91 THE ALL★STAR格闘祭 続編 SIMPLE2000シリーズ Vol.17 THE 推理 ~新たなる20の事件簿~ SIMPLE2000シリーズ Vol.67 THE 推理 ~そして誰もいなくなった~ SIMPLE2500シリーズ Portable!! Vol.3 THE どこでも推理 ~IT探偵 全68の事件簿~ SIMPLE DSシリーズ Vol.47 THE推理 ~新章2009~
https://w.atwiki.jp/orealn/pages/106.html
「推理の女王」チェ・ガンヒが長い間憧れていたプロファイラーパク・ビョンウンに会った。 4日韓国で放送されたKBS 2TV水木ドラマ「推理の女王 DVD 」第10話では、ウ警官(パク・ビョンウン) と彼のファンであるユ・ソルオク(チェ・ガンヒ) が会い、会話した。 この日、ソルオクは姑と小姑の洗濯物をクリーニング屋に預けるために、洗濯物をいっぱい持ってクリーニング屋に向かった名前のない女 DVD 。その途中で不動産屋に行って部屋を探していたウ警官に出くわした。 ウ警官は過去に自身が主催したイベントに来たソルオクを思い出し、ソルオクと楽しく会話した。ソルオクは自身を覚えていてくれたウ警官に感動した訓長オスンナム DVD 。 ウ警官は洗濯物だけを見てプロファイリングし、姑と小姑、夫の性格や職業まで完璧に当て、ソルオクを驚かせた。
https://w.atwiki.jp/mekameka/pages/1809.html
SIMPLE2000シリーズ Vol.67 THE 推理 ~そして誰もいなくなった~ D3PUBLISHER 2004/11/11 PS2 THE 推理シリーズの3作目。ショート物の謎解きADV 新作20作と、SIMPLE1500シリーズ Vol.59 THE 推理 ~IT探偵:18の事件簿~のお話も全部収録している 関連 SIMPLE2000シリーズ Vol.17 THE 推理 ~新たなる20の事件簿~ 前作 SIMPLE2500シリーズ Portable!! Vol.3 THE どこでも推理 ~IT探偵 全68の事件簿~
https://w.atwiki.jp/jaclagame/pages/82.html
#blognavi meganessさんにテストプレーをしてもらいましたが、 クリア早っ なのでフラグ立てを複雑にしたいと思います。 主人公たちはただの大学生で、推理作家でも探偵でもないのだしね。 そもそも私は小説で推理ものは書いたことがございません。 読んだ経験も少ないのです。 ミステリーとかサスペンス苦手で… そうもいってられないので研究するかなぁ… カテゴリ [サウンドノベル] - trackback- 2005年09月26日 22 08 16 名前 コメント #blognavi
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/62.html
2010年5月24日 2009年(正確には、2008年12月~2009年11月)に韓国で刊行された日本の推理小説全98作品について、韓国ネット書店にリンクを貼りました。自分のひいきの作家さんが翻訳されているか、また、どんな表紙絵で刊行されているのか、興味がありましたらどうぞ見ていってください。 韓国推理作家協会編のミステリ専門誌『季刊ミステリ』(年4回刊行)は、毎年冬号で、1年間の推理小説の刊行状況を振り返る特集を組み、その1年間に刊行された推理小説の全リストを掲載しています(正確にいうと、対象期間は前年の12月から当年の11月まで、以下同じ)。 『季刊ミステリ』26号(2009年冬号)(奥付けは2009年12月、実際は遅れて2010年4月刊行)によると、韓国でのミステリの刊行状況は以下の通りです。 ■最近4年間の韓国でのミステリ刊行状況 2006年 147(韓国オリジナル20、英語77、日本語32、その他18) 2007年 235(韓国オリジナル17、英語111、日本語72、その他35) 2008年 267(韓国オリジナル27、英語103、日本語96、その他41) 2009年 294(韓国オリジナル38、英語125、日本語98、その他33) 基本的に、英語圏からの翻訳が最も多く、日本からの翻訳が約3分の1を占めるという状況が続いています。 2006年と比べると、その後のミステリの刊行冊数が急激に増えていて、特に日本からの翻訳が2006年と比べると現在は約3倍になっているというのが分かります。しかし一方で、韓国オリジナル作品はまだ少ないようです。 ■2009年(2008年12月~2009年11月)の刊行作品数ランキング 9作品 東野圭吾 5作品 宮部みゆき 4作品 恩田陸、津原泰水、(米 ジョン・ディクスン・カー、マイクル・コナリー、ディーン・クーンツ、パトリシア・ハイスミス) 3作品 石田衣良、石持浅海、乙一、貫井徳郎、(米 アン・ライス、チェルシー・ケイン、スティーヴン・キング)、(韓国 キム・スンオプ) 数え方が難しいのですが、松本清張も7冊刊行されています。 7冊 松本清張(『点と線』、短編集『黒い画集』(日本での初刊行時と同じ3分冊)、『松本清張傑作短篇コレクション』(全3巻)) 以下で、『季刊ミステリ』26号で日本の「推理小説」(の翻訳)とされている98作品(作家でいうと58人+1アンソロジー)を挙げます。「広い意味での推理小説」とされており、日本ではあまりミステリだとみなされていない作品も一部あります。 韓国語のタイトルが大幅に変わっている場合は、その直訳も示す。 【初訳】と書いたものは、その作者の韓国での最初の単行本。(ただし、それ以前に雑誌掲載などはあったかもしれない) 前年12月発売のものにはその旨注記した(6冊)。 ミステリ以外の作品が期間内に翻訳されている場合はなるべく注記したが、すべては網羅していない。 あ行 赤川次郎『セーラー服と機関銃』(1978) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8957091440 芦原すなお『カワセミの森で』(2007) (→韓国語タイトル『カワセミの森殺人事件』) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8975279049 我孫子武丸『人形はこたつで推理する』(1990) (→韓国語タイトル『人形、探偵になる』) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8925824833 ↑『殺戮にいたる病』(2006年訳)、『弥勒の掌』(2007年訳)に続く3作品目の翻訳。とてもかわいらしい表紙だが、一方で『殺戮にいたる病』は19禁に指定されている。 有栖川有栖<2作品> 『46番目の密室』(1992) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8925824825 『絶叫城殺人事件』(2001) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8925811278 伊坂幸太郎『モダンタイムス』(2008) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8901099314 石田衣良<3作品> (この年にはミステリ以外に、小説3冊、エッセイ1冊が訳されている) 『電子の星 池袋ウエストゲートパーク4』(2003) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8960172332 『反自殺クラブ 池袋ウエストゲートパーク5』(2005) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=8960172340 『灰色のピーターパン 池袋ウエストゲートパーク6』(2006) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=8960172359 石持浅海<3作品> 『扉は閉ざされたまま』(2005)【初訳】 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8952212029 『月の扉』(2003) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8993208484 『耳をふさいで夜を走る』(2008) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8993208417 乾くるみ<2作品> 『イニシエーション・ラブ』(2004)【初訳】 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8991931472 『リピート』(2004) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8991931588 江戸川乱歩『江戸川乱歩全短篇2』(1998年、ちくま文庫) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=899252417X ↑全3巻。1と3は2008年に刊行されている。 大崎梢『配達あかずきん-成風堂書店事件メモ-』(2006)【初訳】 (→韓国語タイトル『名探偵ホームズガール1 -名探偵ホームズガールの書棚』) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8963700690 ↑大幅なタイトル変更。「名探偵ホームズガール」のタイトルで3巻(2010年2月)まで刊行されている。 大沢在昌『新宿鮫』(1990) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8901098423 太田忠司『奇談蒐集家』(2008) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=898945610X 荻原浩『噂』(2001) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8959133825 奥田英朗『邪魔』(3分冊)(2001) (→韓国語タイトル『妨害者』) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8993480044 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8993480052 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8993480060 乙一<3作品> 『天帝妖狐』(1998) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8963860353 『失踪HOLIDAY』(2000) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8925811332 『暗いところで待ち合わせ』(2002) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8925811243 (12月) (なお、『GOTH リストカット事件』は19禁) 小野不由美『魔性の子』(1991) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8991931537 折原一<2作品> 『倒錯の死角』(1988) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8959752088 『行方不明者』(2006) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8993094233 恩田陸<4作品> 『まひるの月を追いかけて』(2003) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8992036884 『朝日のようにさわやかに』(2007) (→韓国語タイトルは、別の短編からとって『一千一秒殺人事件』) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8949192152 『いのちのパレード』(2007) (→韓国語タイトルは、別の短編の一部からとって『蝶』) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8901093197 『きのうの世界』(2008) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8937832534 か行 門井慶喜『天才たちの値段』(2006)【初訳】 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8979199104 川端裕人『リスクテイカー』(1999)【初訳】 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8983945362 貴志祐介『十三番目の人格(ペルソナ)―ISOLA』(1996) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8979199279 北村薫『紙魚家崩壊 九つの謎』(2006) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=896386037X 木下半太<2作品> 『悪夢のエレベーター』(2006)【初訳】 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8952211235 『悪夢の観覧車』(2008) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=8952212037 京極夏彦『巷説百物語』(1999) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8992036922 桐野夏生『魂萌え!』(2005) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8960171859 (12月) 小酒井不木『恋愛曲線』(1931)【初訳】 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=8993212104 ↑怪しすぎる表紙……。クラシックなミステリには見えない。 近藤史恵『サクリファイス』(2007) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8952755200 ↑2008年の『凍える島』に続いて翻訳2作目。 今野敏『隠蔽捜査』(2005)【初訳】 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=8901096048 さ行 坂木司『シンデレラ・ティース』(2006) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8901091186 (12月) 桜庭一樹<2作品> 『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』(2004) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8925244438 『私の男』(2007) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8990982308 (12月) 佐々木譲<2作品> 『警官の血』(上下巻)(2007)【初訳】 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=8992036760 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=8992036779 『エトロフ発緊急電』(1989) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8901101572 島田荘司『斜め屋敷の犯罪』(1982) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8952754603 朱川湊人『水銀虫』(2006) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8901094924 真保裕一『追伸』(2007) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8984971294 た行 高野和明『6時間後に君は死ぬ』(2007) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=896017193x 津原泰水<4作品> 『ルピナス探偵団の当惑』(2004)【初訳】 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8925824884 『蘆屋家の崩壊』(1999) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8992036868 『赤い竪琴』(2005) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8901100061 『ルピナス探偵団の憂愁』(2007) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8925824906 (「津原泰水」名義の作品では『当惑』が初訳だが、1997年に「津原やすみ」名義のルピナス探偵団シリーズが1冊翻訳されている。) な行 中井英夫『虚無への供物』(1964)【初訳】 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=8949705419 ↑三大奇書はこれですべて刊行。『匣の中の失楽』は未訳。 (韓国版『黒死館殺人事件』(2005年訳) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=8949702878 韓国版『ドグラ・マグラ』(2008年訳) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8992723385 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8992723393 ) 中島らも<2作品> 『人体模型の夜』(1991) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8991931499 『今夜、すべてのバーで』(1991) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8991931529 西尾維新『新本格魔法少女りすか』(2004) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=8925800446 貫井徳郎<3作品。すべて2009年5月刊> 『失踪症候群』(1995) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8963700011 『誘拐症候群』(1998) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=896370002x 『殺人症候群』(上下巻)(2002) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=8963700046 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=8963700054 乃南アサ『6月19日の花嫁』(1991) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8995820489 は行 服部真澄『エクサバイト』(2008)【初訳】 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8960172227 原尞『私が殺した少女』(1989) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8992036892 東野圭吾<9作品> 『卒業―雪月花殺人ゲーム』(1986) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8972754366 『眠りの森』(1989) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8972754374 『犯人のいない殺人の夜』(1990) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8925532174 『怪しい人びと』(1994) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8925533308 『どちらかが彼女を殺した』(1996) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8972754382 『私が彼を殺した』(1999) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8972754390 『嘘をもうひとつだけ』(2000) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8972754404 『予知夢』(2000) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8990982316 『流星の絆』(2分冊)(2008) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8972754285 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8972754293 平山夢明『他人事』(2007) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8991909167 船戸与一<2作品> 『虹の谷の五月』(2000)【初訳】 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8901090287 (12月) 『伝説なき地』(2分冊)(1988) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8901095912 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8901095920 ま行 松本清張<7冊> 『点と線』(1958)(注:2003年にも別の訳者で韓国語訳が出ている) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8927200519 『黒い画集』全3巻(1960) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=8984973920 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=8984973939 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=8984973947 『松本清張傑作短篇コレクション』上中下巻(2004年、宮部みゆき編) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8991931510 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8991931545 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8991931596 道尾秀介『向日葵の咲かない夏』(2005) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8975278395 皆川博子『死の泉』(1997)【初訳】 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8901098547 湊かなえ『告白』(2008)【初訳】 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8992036965 宮部みゆき<5作品> 『パーフェクト・ブルー』(1989) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8963860310 『震える岩 霊験お初捕物控』(1993) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8991931480 (12月) 『鳩笛草』(1995) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=899193160X 『クロスファイア』(1998) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8925533154 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=8925533162 『あかんべえ』(2002) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=899193157x 森見登美彦『きつねのはなし』(2006) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8983923261 や行 薬丸岳『天使のナイフ』(2005)【初訳】 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8960171190 柳広司『漱石先生の事件簿―猫の巻』(2007)【初訳】 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8975279057 山口雅也『生ける屍の死』(1989)【初訳】 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8952756843 山本文緒『ブラック・ティー』(1995) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8979199120 横溝正史『悪魔が来りて笛を吹く』(1950) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8952755537 わ行 若竹七海<2作品> 『依頼人は死んだ』(2000) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8937832607 『死んでも治らない―大道寺圭の事件簿』(2002) (→韓国語タイトル『大道寺圭の事件簿』) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8901091348 アンソロジー 芥川龍之介ほか『日本ホラー傑作選』(韓国オリジナル編集) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8970137300 以下の収録作品は、韓国語のタイトルから推定。直訳の場合は明確だが、タイトルが少々変更されている場合があり、誤った推定をしているものもあるかもしれない。 岡本綺堂「幽霊花火」 小泉八雲「幽霊滝の伝説」 坂口安吾「桜の森の満開の下」 夢野久作「(死を呼ぶ新聞)???」 宮沢賢治「注文の多い料理店」 夏目漱石「(悪霊の音)???」 都賀庭鐘「黒川源太主山に入ツて道を得たる話」 芥川龍之介「地獄変」 上田秋成「吉備津の釜」 泉鏡花「春昼」 関連記事 2009年に台湾で刊行された日本の推理小説 2009年に中国で刊行された日本の推理小説 韓国ミステリ紹介 目次へ
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/137.html
2011年5月9日-23日 ※未完成 レフ・シェイニン (Лев Романович Шейнин, 1906-1967, ロシア語版Wikipedia(1言語)) 短編「婦人探偵の推理眼 =うっとうしい事件=」 「ミスター・グローバーの恋」 「狩猟ナイフ」 「セメンチューク事件」 言及渡辺1947、キム第三信1957、袋1957、飯田1965 日本での紹介 第13回土曜会(1947年6月21日)東震太郎「中国の探偵小説界」 渡辺三樹男「ソ聯の探偵小説界」 次いで、木々氏の紹介を受けて、毎日新聞記者渡辺三樹男氏は、五ヶ年に亘った興味深いソ聯滞留の思い出話の後、「ソ聯の探偵小説界」について左の如く語られた。 「ソ聯にも探偵小説は少い。自分の見聞では、こゝ数年間にわずか二篇、それも一つは脚本である。これは原作が発表されて、上演の後、更に映画化された。「決闘」と題するものである。(改段落)作者は軽い読物で売れているトウール兄弟とシエーニン検事の合作である。ソ聯にはかゝる合作物が多い。上演したのは、二流所の「レーニン・コムソモール名称劇場」であった。スパイ防止の宣伝を内容とするもので、この作の筋はモスコー - 独ソ前線 - ルーマニアのブカレストを結ぶ国際舞台を背景に、飛行機設計者レオニチェフをめぐる、G.P.U.とスパイとの対戦を描いた活劇である。今一つはチェッコの秘密結社の活躍を内容とするものであった。かくの如く、ソ聯の探偵小説界は、取立てゝ云うほどのものを示していないが、昨年、共産党大会の後、プラウダ紙が、「探偵小説振興論(デテクティーブニュイ・ロマン)」と題する評論を掲げ、大いに斯界の奮起を促したことは注目される。」 「決闘」は、原題『Военная тайна(軍事機密)』、1944年に『Поединок(決闘)』(ロシア語版Wikipedia)のタイトルで映画化。 トゥール兄弟(Братья Тур, ロシア語版Wikipedia)レオニード・トゥール(Леонид Давидович Тур, 1905-1961, ロシア語版Wikipedia) ピョートル・トゥール(Пётр Львович Тур, 1908-1978, ロシア語版Wikipedia) レフ・シェイニン(Лев Романович Шейнин, 1906-1967, ロシア語版Wikipedia) 渡辺三樹男氏の講演で名前が出てきた「シエーニン検事」とは、レフ・シェイニンのことである。 シェイニンの作品が初めて翻訳されたのはこの第13回土曜会の10年後の1957年で、『探偵倶楽部』1957年11月号に「婦人探偵の推理眼 =うっとうしい事件=」(訳:袋一平)が載っている。この直前に発行された『探偵作家クラブ会報120号』で袋一平氏がこの作品を含むレフ・シェイニンの短編集を紹介している。それを見た編集者から、早速翻訳の依頼が来たのだろうか。 「婦人探偵の推理眼」に付された著者紹介 これは「シエイニン選集」ソヴエト作家社、モスクワ、一九五五年版より紹介したもので、シエイニンはもと予審判事、一九二〇年代未期(ママ)から、その手記を新聞雑誌に発表、作家としての経験を積んで、後に探偵小説専門作家となった。長篇には「軍事秘密」「お礼参り」短篇には「カリルの経歴」「狼群」などが有名である。 「婦人探偵の推理眼」の作者名は目次では「レフ・シェイトフ」となっているが、「レフ・シェイニン」が正しい。『探偵倶楽部』は後述するように、ソ連ミステリ紹介の先鞭を付けた雑誌だったが、1959年に廃刊になってしまい、シェイニンの作品の掲載はこの1回だけだった。 その後、『ミステリマガジン』に短編が3度(重複があるので作品数でいうと2作品)訳載されている。 レフ・シェイニン「狩猟ナイフ」(永井淳訳、『ミステリマガジン』1965年11月号) レフ・シェイニン「狩猟ナイフ」(稲垣晴美訳、『ミステリマガジン』1972年1月号) レフ・シェイニン「セメンチューク事件」(深見弾訳、『ミステリマガジン』1978年3月号) ソ連のミステリと言うと、一番有名なのはハヤカワ・ポケット・ミステリで1965年に刊行されたユリアン・セミョーノフ『ペトロフカ、38』だろう。その宣伝の役割を果たすためか、『ミステリマガジン』1965年4月号には、飯田規和「ソ連の探偵小説」というコラムが掲載されている。このコラムでレフ・シェイニン「狩猟ナイフ」が取り上げられているので、同年11月号に「狩猟ナイフ」が訳載されたのは、コラムを読んだ読者の期待にこたえるためかと思う。ちなみに、このコラムでは、シェイニンは以下のように紹介されている。 飯田規和「ソ連の探偵小説」『エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン』1965年4月号 ソ連の推理小説界の第一人者で、ソ連の推理小説の歴史に新しい道標を築いたのは、何と言っても、レフ・シェイニンであろう。ソ連では彼ほど人気のある作家はほかにはいないと言われている。 約6年後の1972年1月号にもう一度「狩猟ナイフ」が、今度は別の翻訳者の訳で掲載されている。実際に該当号を確認してみたが、掲載に関して何の説明もなく(著者紹介すらない)、なぜ同じ作品が再び訳されることになったのかは分からない。1972年にはユリアン・セミョーノフ『ペトロフカ、38』が再録された『世界ミステリ全集12』が出ているので、それとの関連で、なにかソ連の短編ミステリを掲載しようということになったのかもしれないが、それにしてもなぜ同一作品をわざわざ新訳で掲載したのかは不明である。なお、掲載ページ冒頭で著者名が「エル・シェイニン」となっているが、これは誤りではなく、「レフ・シェイニン」の名前をイニシャル表記にして「Л・シェイニン」とし、「Л(エル)」をカタカナ表記にしたものである。このような表記は、ソ連/ロシアの作家名を挙げるときにはよく使われる。 1978年3月号には、レフ・シェイニン「セメンチューク事件」が掲載されている。訳者は、ソ連・東欧のSFの翻訳で名高い深見弾氏である。この短編は隔月でソ連・東欧ミステリの短編翻訳と長編の要約紹介を掲載する企画「ソ連・東欧ミステリ紹介」の第1回の翻訳短編として掲載された。もっとも、企画「ソ連・東欧ミステリ紹介」は、長編の要約紹介の方は第6回まで掲載されたが、短編の翻訳は残念ながらこの一度きりで終わっている。 (奇妙なことに、深見氏は1991年にベスーグロフ「予審判事の捜査記録」を『ミステリマガジン』1991年12月号に訳載したときに、「ここに紹介する短篇「予審判事の捜査記録」は、おそらく本誌に登場する最初のソ連ミステリではなかろうか。」と述べている。その13年前にご自身ですでにソ連ミステリを翻訳していたことは失念してしまっていたのだろうか) レフ・シェイニン作品の邦訳はほかに、ノーボスチ通信社編『りんご漬け 現代ソビエト短編集』(ソビエト社会主義共和国連邦大使館公報課、1963年)に収録の短編「ミスター・グローバーの恋」があるようだが、実物は確認できていない。 http //ps04.aucfan.com/aucview/yahoo/w60262894/ http //www.bk1.jp/product/454288 http //www.naritasanlib.org/042/142/2122744.html 1947年には数少ないソ連の探偵劇の原作者として早くも日本にその名前が伝えられ、後述する江戸川乱歩とロマン・キムの文通でもその名前が出てきている、「ソ連の推理小説界の第一人者」(飯田規和)のレフ・シェイニンだったが、結局彼の作品が日本では単行本として刊行されることがなかったためか、現在の日本では忘れられた作家となってしまっている。 ソ連/ロシア推理小説翻訳史 目次に戻る
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/55.html
2010年6月5日作成 2012年2月11日大幅更新 日本の推理小説(を含む広義のエンターテインメント小説)の独訳本のリスト。 Amazon.deで適当に日本の作家名を検索し、そこから「この商品を買った人はこの商品も買っています」をたどっていくことでリストを作っている。そのため、ドイツで刊行された日本のミステリを網羅する完全なリストではない。 また、まず作家で選んで、それぞれの作家について翻訳状況を書いているので、なかにはミステリではない作品も含まれる。 Amazon.co.jp内に作成したリスト(ドイツ語版の表紙をざっと一覧できます) ドイツ語訳された日本のミステリ 2012年2月11日追記 雑誌『ミステリーズ!』のドイツミステリ特集号が刊行されたのを機に、今まで中途半端な形で公開していたリストを整理した。また、ページ最下部にドイツミステリ関連文献の一覧を付した。 Index あ行赤川次郎 (Jiro Akagawa) 江戸川乱歩 (Edogawa Rampo) 大沢在昌 (Arimasa Osawa) 奥田英朗 (Hideo Okuda) 小野不由美 (Fuyumi Ono) か行桐野夏生 (Natsuo Kirino) 栗本薫 (Kaoru Kurimoto) さ行桜庭一樹 (Kazuki Sakuraba) 鈴木光司 (Koji Suzuki) た行高橋克彦 (Katsuhiko Takahashi) 高見広春 (Koushun Takami) 戸川昌子 (Masako Togawa) な行夏樹静子 (Shizuko Natsuki) 西尾維新 (Nisioisin) 西村京太郎 (Kyotaro Nishimura) は行東野圭吾 (Keigo Higashino) ま行松本清張 (Seicho Matsumoto) 水上勉 (Tsutomu Mizukami) 宮部みゆき (Miyuki Miyabe) や行結城昌治 (Shoji Yuki) 漫画の翻訳のみ石田衣良 (Ira Ishida) 乙一 (Otsuichi) 山田風太郎 (Futaro Yamada) アンソロジー・その他 リンク ドイツ語圏のミステリについて ※ISBNをクリックするとAmazon.deの該当ページが開くようになっています。 あ行 赤川次郎 (Jiro Akagawa) (ドイツ語版Wikipedia) Japanischer Alltag. Kurzgeschichten Japanisch-Deutsch 1 - Wie Lügen anfangen (嘘の発端) 2 - Falsch verbunden! (まちがい電話) 3 - Der Unlust-Index 79 (不快指数79) 4 - Die Braut ist erst achtzehn (十八歳の花嫁) 5 - Das Erfrischungstuch war zu heiß (熱すぎたおしぼり) 6 - Ich zeige dir mal, wie man richtig Urlaub macht (正しい休日の過し方教えます) 7 - Ausgerechnet unsere Tochter - Ein Schulaufsatz (わが子の作文) 8 - Das Gerücht (うわさ) ISBN 3875485386 (2009年10月) 見開きの左ページに日本語の原文、右ページにそのドイツ語訳文を配置した、日本語学習者向けの日独対訳本。赤川次郎のショートショート集『散歩道』(27編収録)から8編を収録。赤川次郎作品は、英訳は『三姉妹探偵団』と短編集『真夜中のための組曲』、フランス語訳は『マリオネットの罠』と『ひまつぶしの殺人』がある。 江戸川乱歩 (Edogawa Rampo) (ドイツ語版Wikipedia) Spiegelhölle. Acht Erzählungen / 短編集『鏡地獄』 Zwei Versehrte (二癈人) Zwillinge (双生児) Der psychologische Test (心理試験) Das Rote Zimmer (赤い部屋) Der Sesselmann (人間椅子) Spiegelhölle (鏡地獄) Die Raupe (芋虫) Auf der Klippe (断崖) ISBN 3929010976 (2004年11月) 乱歩がジェームズ・B・ハリスと協力して作成した英訳本『Japanese Tales of Mystery Imagination』(1956年)には9短編が収録されているが、ドイツ語版短編集はそのうち「押絵と旅する男」を除いた8編の収録となっている。 英訳やフランス語訳はそれぞれ数冊ずつ出ているが、ドイツでの単行本はこの1冊のみのようである。 大沢在昌 (Arimasa Osawa) Der Hai von Shinjuku / 『新宿鮫』(1990) ISBN 3980902226 (2005年2月) Der Hai von Shinjuku Rache auf chinesisch. / 『毒猿 新宿鮫II』(1991) - ドイツ語タイトルの直訳は『新宿鮫 中国人の復讐』 ISBN 3980902234 (2007年11月) 大沢作品の英訳はドイツ語訳と同じでこの2作のみ。フランス語訳はない。 奥田英朗 (Hideo Okuda) (ドイツ語版Wikipedia) Die japanische Couch Neue Geschichten aus der Praxis des Dr. Irabu / 『イン・ザ・プール』(2002) ISBN 3442737656(2008年6月) Die seltsamen Methoden des Dr. Irabu / 『空中ブランコ』(2004) ISBN 3442736021(2007年1月) Die merkwürdigen Fälle des Dr. Irabu / 『町長選挙』(2006) ISBN 3442740606(2010年8月) 精神科医・伊良部シリーズの全作品(短編集3冊)が翻訳されている。このシリーズは英訳は『イン・ザ・プール』のみ。奥田作品の英訳はほかに『ララピポ』がある。奥田作品のフランス語訳はない。 小野不由美 (Fuyumi Ono) 『十二国記』が4冊翻訳出版されている(第1巻)。(『十二国記』は英訳もフランス語訳もある) か行 桐野夏生 (Natsuo Kirino) (ドイツ語版Wikipedia) Die Umarmung des Todes / 『OUT』(1997) - ドイツ語タイトルの直訳は『死の抱擁』 ISBN 3442309174(2003年5月) ISBN 3442458528(2005年1月) Teufelskind / 『I m sorry, mama.』(2004) ISBN 3442311659(2008年11月) ISBN 3442473918(2010年10月) Grotesk / 『グロテスク』(2003) ISBN 3442301300(2010年5月) 英訳:『OUT』、『グロテスク』、『リアルワールド』 フランス語訳:『OUT』、『グロテスク』、『リアルワールド』、『柔らかな頬』 イタリア語訳:『OUT』、『グロテスク』、『リアルワールド』、『柔らかな頬』、『東京島』 『OUT』は2004年にアメリカ探偵作家クラブ(MWA)・エドガー賞最優秀長編賞の候補になったこともあり、世界中で翻訳されている。英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語以外に、オランダ語、スペイン語、ポルトガル語(ブラジルで出版)、ロシア語、ポーランド語、スロベニア語、アイスランド語、ノルウェー語、スウェーデン語、デンマーク語、ヘブライ語、ハンガリー語、中国語、韓国語、タイ語、インドネシア語などにも翻訳されている。 栗本薫 (Kaoru Kurimoto) 『グイン・サーガ』が6冊翻訳出版されている(第1巻2005年版、第1巻2010年版)。なお英訳は5冊、フランス語訳は6冊、イタリア語訳は3冊。 さ行 桜庭一樹 (Kazuki Sakuraba) Gosick / 『GOSICK』 第1巻 ISBN 3865809162 (2006年11月) 第2巻 ISBN 3865809170 (2007年3月) 第3巻 ISBN 3865809189 (2007年6月) 第4巻 ISBN 3865809197 (2007年10月) 第5巻 ISBN 3865809200 (2008年2月) 第6巻 ISBN 3867195579 (2008年11月) 英訳は第2巻まで。フランス語訳はない(フランスでは天乃咲哉による漫画版『GOSICK』が第4巻まで出版されている)。 桜庭作品のドイツ語訳はほかに、漫画版『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』(上巻、下巻)がある。漫画版『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』は英訳なし。フランス語訳あり。 鈴木光司 (Koji Suzuki) (ドイツ語版Wikipedia) The Ring / 『リング』(1991) ISBN 3453866797 (2003年2月) Spiral - The Ring 2 / 『らせん』(1995) ISBN 3453873866 (2003年12月) Loop - The Ring 3 / 『ループ』(1998) ISBN 3453878051 (2004年6月) The Ring 0 birthday / 『バースデイ』(1999) ISBN 3453431324 (2006年5月) Dark Water / 『仄暗い水の底から』(1996) ISBN 3453565002 (2004年12月) Der Graben / 『エッジ』 ISBN 3453437446 (2014年1月) 英訳:『リング』、『らせん』、『ループ』、『バースデイ』、『仄暗い水の底から』、『楽園』、『神々のプロムナード』、『エッジ』 フランス語訳:『リング』、『らせん』、『ループ』、『バースデイ』、『仄暗い水の底から』 イタリア語訳:『リング』、『らせん』、『ループ』、『仄暗い水の底から』 『リング』は日本のエンターテインメント小説として世界で成功した作品である。ほかにスペイン語、ルーマニア語、ポーランド語、ブルガリア語、リトアニア語、中国語、韓国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、トルコ語などに翻訳されている。タイでは現在、日本の推理小説が韓国や台湾、中国につぐペースで翻訳されているが、タイで日本のエンターテインメント小説(ミステリ含む)の翻訳ブームが起こったのは『リング』の翻訳出版がきっかけだったという。 た行 高橋克彦 (Katsuhiko Takahashi) Auf der Suche nach Sharaku / 『写楽殺人事件』(1983) ISBN 3861249189 (2013年3月) 江戸川乱歩賞受賞作。文化庁の「現代日本文学の翻訳・普及事業」(JLPP)で選定・翻訳された。 高見広春 (Koushun Takami) Battle Royale / 『バトル・ロワイアル』(1999) ISBN 3453675193 (2006年8月) ドイツ語のほか、英語、フランス語、イタリア語、ノルウェー語、中国語、韓国語などに翻訳されている。 戸川昌子 (Masako Togawa) (ドイツ語版Wikipedia) Der Kuss des Feuers / 『火の接吻』 ISBN 3442051142(1996年7月) Der Hauptschlüssel / 『大いなる幻影』 (江戸川乱歩賞受賞作) ISBN 3886195104(1997年11月) ISBN 3293202926(2004年2月) Trübe Wasser in Tokio / 『深い失速』 ISBN 3596139414(1998年) ISBN 3293202527(2003年2月) Schwestern der Nacht / 『猟人日記』 - ドイツ語タイトルの直訳は『夜の姉妹』 ISBN 3293202462(2002年9月) ISBN 3293204473(2009年2月) 英訳:『火の接吻』、『大いなる幻影』、『猟人日記』、『深い失速』 フランス語訳:『火の接吻』 イタリア語訳:『火の接吻』、『大いなる幻影』、『猟人日記』 スペイン語訳:『火の接吻』、『大いなる幻影』、『猟人日記』 『猟人日記』はほかにオランダ語、ノルウェー語、スウェーデン語、デンマーク語などにも翻訳されている。 1987年に国際推理作家協会の第1回理事会が開かれた際、戸川昌子は協会からの指名で日本代表の理事となっている。その時期、戸川昌子は欧米でそれなりの知名度があったようだ。 な行 夏樹静子 (Shizuko Natsuki) Zwei Fremde in der Dunkelheit / 『第三の女』 ISBN 3442051436 (1994年11月) Mord am Fujiyama / 『Wの悲劇』 ISBN 3442051487 (1995年11月) ISBN 3442458684 (2005年) 『Wの悲劇』のドイツ語タイトルは英題と同じく『富士山の殺人』となっている。 『第三の女』は1987年に英訳、1988年にイタリア語訳が出ており、1989年にはフランス語訳が刊行された。このフランス語訳は同年、フランス冒険小説大賞を受賞している。 長編の英訳は6作品、フランス語訳は5作品、イタリア語訳は2作品。 夏樹静子は1981年5月、スウェーデン・ストックホルムで開催された第3回世界推理作家会議に日本推理作家協会代表として参加し、日本の推理小説事情に関して講演を行っている。1988年5月にアメリカ合衆国・ニューヨークで開催された第4回世界推理作家会議にも参加している。 西尾維新 (Nisioisin) Death Note Another Note / 『DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件』(2006) ISBN 3867193711 (2008年5月) この作品は英訳もある。西尾作品で英訳があるのはほかに『クビキリサイクル』、『クビシメロマンチスト』、『xxxHOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル』。 『DEATH NOTE アナザーノート』は密室殺人を扱った作品で、不可能犯罪へのこだわりで知られるアメリカの本格ミステリ作家ハル・ホワイトも読んでいるらしい(参照)。 西村京太郎 (Kyotaro Nishimura) Das klatschende Äffchen /『南神威島(みなみかむいとう)』 - ドイツ語タイトルは「手を拍く猿」 ISBN 3936018839 (2012年2月) 表紙写真は「こちら」で見られる。おそらく西村京太郎の初のドイツ語単行本。「手を拍く猿」と「南神威島」が収録されているようなので、短編集『南神威島』(収録作:「南神威島」、「幻想の夏」、「手を拍く猿」、「カードの城」、「刑事」)の翻訳だろう。 西村京太郎作品の英訳は『ミステリー列車が消えた』のみ。イタリア語訳も同じく『ミステリー列車が消えた』のみ。フランス語訳は『ミステリー列車が消えた』を含め4作品ほどが刊行されている。 は行 東野圭吾 (Keigo Higashino) (ドイツ語版Wikipedia) Mord am See / 『レイクサイド』 ISBN 398090220X (2003年7月) Verdächtige Geliebte / 『容疑者Xの献身』 ISBN 3608939660 (2012年11月) Heilige Mörderin / 『聖女の救済』 ISBN 3608980121 (2014年2月) ほかに、東野圭吾原案・間瀬元朗作画の『HEADS』全4巻が翻訳出版されている(第1巻)。 東野圭吾の作品の欧米諸言語への翻訳は2000年刊行のイタリア語版『白馬山荘殺人事件』が最初で、次がドイツ語版『レイクサイド』である。 『容疑者Xの献身』は英語、フランス語、スペイン語、カタルーニャ語(スペイン東部で話されている言語)、ロシア語、中国語、韓国語、タイ語、ベトナム語などに翻訳されている。ドイツ語訳はそれらよりもやや遅れて、2012年11月の刊行である。なお『容疑者Xの献身』のドイツ語への翻訳は国際交流基金より助成金を受けている(参照:国際交流基金 > 文化芸術交流 > 映像・出版 > 出版分野の支援 > 助成事業一覧 平成24(2012)年度 出版・翻訳) 関連記事 東野圭吾作品の欧米での翻訳出版について (2012年1月22日) ま行 松本清張 (Seicho Matsumoto) (ドイツ語版Wikipedia) Spiel mit dem Fahrplan / 『点と線』 B0000BSJUX、B006XV9NQM (1969年) ISBN 3596282306 (1991年5月) Mord am Amagi-Paß / 『天城越え』 B00273WMZE、B005MGDKGS (1983年) ISBN 3596281865 (1991年1月) 「天城越え」は短編なのでドイツ語版『天城越え』はもちろん短編集だろうが、収録作は分からない。 桐野夏生『OUT』がエドガー賞の候補になるまで、世界で(特に欧米で)最も有名な日本のミステリ作家といえば松本清張だっただろう。松本清張の作品は欧米主要言語は言うに及ばず、チェコ語、ブルガリア語、クロアチア語、ギリシャ語、フィンランド語、エストニア語、さらにはグルジア語やアルメニア語などにも翻訳されている。 水上勉 (Tsutomu Mizukami) (ドイツ語版Wikipedia) Im Tempel der Wildgänse / 『雁の寺』 ISBN 3861249049 (2008年2月) 『雁の寺』は英訳やフランス語訳もある。 宮部みゆき (Miyuki Miyabe) (ドイツ語版Wikipedia) Feuerwagen / 『火車』(1992) ISBN 386124912X (2011年10月) 英訳:『火車』、『クロスファイア』、『R.P.G.』、『魔術はささやく』、『龍は眠る』 ファンタジー作品『ブレイブ・ストーリー』、『英雄の書』 フランス語訳:『火車』、『クロスファイア』、『R.P.G.』、『淋しい狩人』 ファンタジー作品『ブレイブ・ストーリー』 イタリア語訳:『火車』 2011年になってやっと初のドイツ語単行本が出た。『火車』はスペイン語訳やギリシャ語訳もある。 や行 結城昌治 (Shoji Yuki) Ich bin kein Hund / 『ぼく、イヌじゃないよ』(1985) ISBN 3876275067 (1997年2月) 河出書房新社の叢書《メルヘンの森》(全6巻)の1冊として刊行された絵本。 漫画の翻訳のみ 石田衣良 (Ira Ishida) 漫画版『池袋ウエストゲートパーク』が刊行されている(第1巻)。 乙一 (Otsuichi) 清原紘による漫画版『傷』、『失踪Holiday』、『きみにしか聞こえない』 大岩ケンヂによる漫画版『GOTH』 都筑せつりによる漫画版『きみにしか聞こえない』 山田風太郎 (Futaro Yamada) 漫画版『柳生忍法帖』(第1巻)および『バジリスク』(第1巻)が刊行されている。 アンソロジー・その他 アンソロジーについては、国際交流基金の「日本文学翻訳書誌検索」を参考にした。 Japanische Kriminalgeschichten (エラリー・クイーン編、Ullstein、1983年)『Ellery Queen s Japanese Golden Dozen』(1978年)のドイツ語版。 収録作:石沢英太郎「噂を集め過ぎた男」、松本清張「奇妙な被告」、三好徹「死者の便り」、森村誠一「魔少年」、夏樹静子「断崖からの声」(Schrei von der Klippe)、西村京太郎「優しい脅迫者」、佐野洋「証拠なし」、笹沢左保「海からの招待状」、草野唯雄「復顔」、戸川昌子「黄色い吸血鬼」(Der Vampir)、土屋隆夫「加えて、消した」、筒井康隆「如菩薩団」 Japanische Kriminalgeschichten (Ingrid Schuster編、Reclam、1985年)上記と同タイトルだが別の本。谷崎潤一郎「私」、江戸川乱歩「赤い部屋」、松本清張「証言」、戸川昌子「黄色い吸血鬼」(Blutsauger)を収録 Die drei Metamorphosen der Tsuruko (Iudicium、2002年)泡坂妻夫「鶴の三変」が表題作となっている日本小説のアンソロジー。全15編収録。 ほかの収録作は山村美紗「高齢の使用人」、森岡浩之「普通の子ども」、星新一「うるさい上役」、高村薫「棕櫚とトカゲ」、山口洋子「花烏賊のころ」、内田春菊「夜の足音」、田辺聖子「三日月」、皆川博子「川」、黒井千次「家の中の扉」、阿刀田高「愛のすみか」、山田正紀「死蝋」、内海隆一郎「帰郷」、北野勇作「ペットを飼うヒト」、大槻ケンジ「のの子の復讐ジグジグ」 Ellery Queen's Kriminal Magazin 75松本清張作品掲載? リンク PDF Japan Forum, Vol.137 / Aug. 2006 特集「Krimis aus Japan」(日本の推理小説)在デュッセルドルフ日本国総領事館の発行。バックナンバー。 ドイツ語圏のミステリについて ドイツ語圏ミステリの邦訳状況については「ドイツ語圏ミステリ邦訳一覧」をご覧ください。 ドイツ語圏ミステリを知るための文献一覧は「ヨーロッパの推理小説#ドイツ語圏」をご覧ください。 「日本ミステリの海外刊行」に戻る
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/109.html
2011年11月8日 「韓国ミステリ史」は、20世紀初頭から現代(2011年)までの韓国の探偵小説/推理小説/ミステリの歴史を、第一章から第五章(+特別編2ページ)の全7ページに分けて紹介するものである。 『韓国ミステリ史 第一章』では、そのうち20世紀初頭から1930年代までを扱っている。 目次 はじめに 第一章 20世紀初頭~1930年代:韓国ミステリ草創期第一節 韓国初の創作探偵小説は何か 第二節 イ・ヘジョ(李海朝)による韓国初の創作探偵小説『双玉笛(そう ぎょくてき)』 第三節 探偵小説専門作家不在の時代(1)黒岩涙香の翻案小説を再翻案した韓国の翻案小説 (2)その他の翻訳・翻案探偵小説 (3)1920年代~1930年代の創作探偵小説 第四節 邦訳された20世紀初頭~1930年代の韓国探偵小説 参考文献 はじめに 今から約10年前、早川書房の『ミステリマガジン』2000年10月号は「コリアン・ミステリ・ナウ」と題する韓国ミステリの特集を組んだ。その特集ページの扉に書かれた文を引用する。 かつては“近くて遠い国”といわれた韓国も、近年では映画「シュリ」(Wikipedia)が日本でも大ヒットしたり、日本のアイドルが韓国で人気を博すなど、しだいに身近な存在になりつつあります。しかし、ことミステリに関しては、日本の作品がいくつか輸出されているだけで、彼の地の現状はまだまだ未知数。そこで今月号は、ミステリを中心に、SF、映画、文学など、韓国の最新文化事情について探ってみます。(中略)これが日韓友好のささやかな一歩となりますように。 それから10年。引用中では「日本の作品がいくつか輸出されているだけ」とされているが、いまや韓国では日本のミステリが年間100タイトル近く翻訳刊行されている。しかし一方で、いまだに日本に住む多くの人にとって韓国ミステリ界は未知のものである。 このページでは、韓国で唯一のミステリ専門誌『季刊ミステリ』の編集長を務めるパク・クァンギュ(朴光奎/박광규)氏が書いたいくつかの記事を基礎資料として、韓国推理小説の100年の歴史を紹介する。 【注】 人名の表記について ここ数年は、韓国の人物の名前は【1】漢字で表記して現地の読みで振り仮名を振るか、または【2】漢字を使用せずに発音通りカタカナで書くかのどちらかが普通である。「読む」ということだけを考えればどちらでも問題ないが、「入力する」というときに前者は大いに問題になる。たとえば、2009年に邦訳が出ている韓国の推理作家に李垠(イ・ウン)がいる。仮に何かの紙媒体で彼の名前を見掛けて、気になってネット上で検索してみようとした時に、「垠」は読み方が分からないので入力できない(入力が面倒)という問題が発生する。ほかにも、韓国のミステリ作家の名前を見ていると、白恷、黄世鳶、鄭建燮、柳禹提など、入力の仕方が分からない文字が頻発する。 そのためこのページでは、作家の名前は基本的に現地の発音通りでカタカナ書きとし、補助的に後ろに漢字を付けることにする。ただし、日本ですでに漢字表記で知られている作家名についてはその限りではない。 第一章 20世紀初頭~1930年代:韓国ミステリ草創期 第一節 韓国初の創作探偵小説は何か 韓国ミステリの草創期については韓国でもまだ研究の途上にあり、ここ10年でも「韓国初の創作探偵小説」とされる作品は何度か変わっている。2011年現在、日本語で書かれた韓国ミステリ概説としてもっとも詳しいと考えられる3つの資料を見てみよう。 鄭泰原(チョン・テウォン)「韓国ミステリ事情」(早川書房『ミステリマガジン』2000年10月号) 金容権(キム・ヨングォン)「現代の韓国ミステリー事情」(光文社『ジャーロ』4号(2001年夏号)) 米津篤八「韓国ミステリー百年の現在」(李垠(イ・ウン)『アジア本格リーグ3 美術館の鼠』講談社、2009年11月、巻末解説) この中では、金容権(キム・ヨングォン)「現代の韓国ミステリー事情」(2001)が「韓国の推理小説は金来成(キム・ネソン)に始まる」という韓国での通説を紹介している。金来成(キム・ネソン)は1935年に日本の探偵雑誌『ぷろふいる』(Wikipedia)でデビューし、1937年からは韓国(朝鮮)で推理作家として活躍した人物である。単に紙幅の関係でそれ以前の歴史を省略しただけかもしれないが、この通説は、「韓国で最初に探偵小説を書いたのは金来成だ」と誤って拡大解釈される場合があるので注意が必要である。金来成(キム・ネソン)は日本でいえば江戸川乱歩に相当する人物であり、江戸川乱歩以前に黒岩涙香らの先達がいるのと同じように、金来成(キム・ネソン)以前にも推理小説を書いていた人物はいた。近年日本で刊行された『近代朝鮮文学日本語作品集』では、金来成が『ぷろふいる』で発表したデビュー作(日本語作品)「楕円形の鏡」(1935)が「朝鮮で最初の探偵小説である」(1901-1938 創作篇 第5巻)、「朝鮮人による最初の探偵小説である」(1901-1938 評論・随筆篇 第3巻)とされているが、これは誤りである。 次に、韓国推理作家協会の鄭泰原(チョン・テウォン)氏による「韓国ミステリ事情」(2000)を見てみよう。これは韓国でも屈指のミステリ評論家・翻訳家・収集家である氏の手によるものなので信頼が置けるが、これによれば韓国初の創作探偵小説は純文学作家のチェ・マンシク(蔡萬植)がソ・ドンサン(徐東山)という筆名で書いた1934年の新聞連載作品『艶魔(えんま)』だという。 上で見た2つの資料は2001年以前のものだが、その後2002年に韓国の新聞『中央日報』に「韓国初の推理小説『血の袈裟』発見」(2002年10月15日付け、リンク先韓国語)という記事が載っている。この記事では、1926年にパク・ピョンホ(朴秉鎬)(박병호)が発表した『血の袈裟』(原題漢字表記:『血袈裟』)という作品が発見されたと報じられている。これはチェ・マンシクの『艶魔』(1934)や、それ以前の初の探偵小説だとする議論が当時あったチェ・ドッキョン(최독견)の『死刑囚』(1931)よりもさらに古いことになる。この『血の袈裟』は、韓国唯一のミステリ専門誌『季刊ミステリ』に全文復刻されたが、中央日報にすぐさま別の説が提出されるなど、韓国初の創作探偵小説をめぐる議論は紛糾した(中央日報2002年10月23日付け記事「最初の推理小説 「迷宮」にはまる」(リンク先韓国語))。 東アジアのミステリは、中国を起源に日本や韓国などに広まった「裁判小説」にその源流の一端があり、それを基層にして欧米の「探偵小説」を受容することで東アジアの探偵小説が誕生した。そのため、韓国初の創作探偵小説を探る場合にも、作品が「裁判小説」の単なる発展形なのか、それとも欧米探偵小説の影響下に生まれた「探偵小説」なのかが議論になる。上記の記事「最初の推理小説 「迷宮」にはまる」では、イ・ヘジョ(李海朝)(1869-1927)が1908年末から1909年初めにかけて新聞連載した『双玉笛(そう ぎょくてき)』が最初の「探偵小説」と呼べるか否かが議論になっている。 そして2011年現在では、米津篤八「韓国ミステリー百年の現在」(2009)等で示されているように、この『双玉笛(そう ぎょくてき)』を韓国初の創作探偵小説だとするのが一般的のようである。 第二節 イ・ヘジョ(李海朝)による韓国初の創作探偵小説『双玉笛(そう ぎょくてき)』 韓国では「新小説」(Wikipedia)の担い手として知られるイ・ヘジョ(李海朝)(이해조)(韓国語版Wikipedia)は1869年生まれ(比較のために示すと、コナン・ドイルが1859年生まれ、黒岩涙香が1862年生まれである)。1907年に帝国新聞に入社し『帝国新聞』(제국신문)紙上で小説を次々と発表。1908年末から1909年初めにかけて、韓国初の探偵小説とされる『双玉笛(そう ぎょくてき)』(サン オクチョク/쌍옥적/雙玉笛)(写真)を連載した。鄭(チョン)刑事が、笛のうまい兄弟の強盗殺人犯を追うというストーリーの作品である。裁判小説の流れをくむものだが、「犯罪の発生 - 事件の捜査 - 解決」という構成を備えており、また探偵役が偶然ではない証拠と推理で事件を解決することから、韓国初の創作探偵小説だとされる。またこの作品は、タイトルの角書きとして「偵探小説」(정탐소설、偵探小說)ということばが添えられているので、そのことからも、この作品が従来の「裁判小説」とは一線を画す「探偵小説」として書かれたことが分かる。 イ・ヘジョはその後、1910年には毎日新報に入社し、『毎日新報』紙上で小説を発表。1912年には、探偵小説『九疑山』(きゅうぎ さん)(구의산)を連載している。新婚初夜、花嫁が目をさましてみると夫の首がなくなっている。妻は復讐を誓い男装の探偵となって犯人を捜索する――というストーリーである。 なおイ・ヘジョは、1908年、ジュール・ヴェルヌのSF小説"Les 500 Millions de la Bégum"(1879)(現在の邦題:インド王妃の遺産)の日本語訳(または中国語訳)を韓国語に翻案した『鉄世界』を発表しており、韓国でのSF小説の紹介にも貢献している。(1907年にヴェルヌの『海底二万里』が韓国語になっており、これが韓国に紹介された最初のSF小説とされている) 韓国を含む東アジアのミステリの源流の一つである裁判小説については、簡単にではあるが「東アジアミステリの源流」にまとめている。 韓国での最初のSF受容については、「韓国SFに関するネット上の2つの基本文献について」でごく簡単に紹介している。 同時代のアジアの動向 日本では、須藤南翠「殺人犯」(1888年)、または黒岩涙香「無惨」(1889年)が初の創作探偵小説だとされる。 中国では、1885年発行と推定される知非子「冤獄縁(えんごくえん)」が初の創作探偵小説だとされている。ただし、中国に初めて欧米の探偵小説が翻訳されるのよりも11年も早いことから、その発行年に関しては議論がある。 第三節 探偵小説専門作家不在の時代 前述の通り韓国ではイ・ヘジョが先駆的に創作探偵小説を発表したが、この時期にはまだ欧米の探偵小説の韓国語への翻訳はなされていなかった。その後、1910年代以降、欧米の探偵小説の韓国語への翻訳が少しずつ進み、創作探偵小説も次第に増えていく。 (1)黒岩涙香の翻案小説を再翻案した韓国の翻案小説 韓国(朝鮮)では1910年代から1920年代にかけて、日本の小説(翻案小説含む)を翻案した作品が人気を博していた。黒岩涙香の翻案小説もいくつか再翻案されている。主なものを以下に示す。 ※原著のタイトルおよび初出年、黒岩涙香の作品の初出年については、今のところWikipediaでざっと調べただけです。後に調べなおします。 再翻案 黒岩涙香による翻案 原著 ミン・テウォン 『哀史』(1910)(2008年版) 黒岩涙香 『噫無情(ああむじょう)』(1902) ヴィクトル・ユーゴー 『レ・ミゼラブル』(1862) イ・サンヒョプ 『貞婦怨』(1914)(2007年版 上巻、下巻) 黒岩涙香 『捨小舟』(1894) メアリー・エリザベス・ブラッドン 『Diavola』(1866) イ・サンヒョプ 『海王星』(1916)(2007年版 上巻、中巻、下巻) 黒岩涙香 『巌窟王』(1901) アレクサンドル・デュマ 『モンテクリスト伯』(1844) ミン・テウォン 『鉄仮面』(1922)(2008年版 上巻、下巻) 黒岩涙香 『鉄仮面』(1892) フォルチュネ・デュ・ボアゴベ 『サンマール氏の二羽のつぐみ』(1878) 以上の4作品は、2007年から2008年にかけて韓国で刊行された叢書「韓国の翻案小説」(한국의 번안 소설)(全10巻(6作品))で刊行されている【注1】。19世紀末から20世紀初頭にかけて、黒岩涙香の作品はほかに中国語にも翻訳されていた。この当時、黒岩涙香は日本のみならず東アジア中を席捲していたのである。 注1:同叢書で刊行された残りの2作品は、尾崎紅葉の『金色夜叉』を翻案したチョ・ジュンファン『長恨夢』(1913)(2007年版)と、菊池幽芳の『己が罪』(1899)を翻案したチョ・ジュンファン『双玉涙』(1910年代?)(2007年版)である。『金色夜叉』の登場人物「貫一とお宮」は有名だが、その翻案作品『長恨夢』の登場人物「イ・スイルとシム・スネ」(이수일 と 심순애)も、韓国では知らない人がいないぐらいの有名なキャラクターであるらしい。また、『金色夜叉』は未完作品だが、その翻案作品『長恨夢』はハッピーエンドで終わるとのこと。 (2)その他の翻訳・翻案探偵小説 初めて韓国語になった欧米の探偵小説は、1918年に『泰西(テソ)文芸新報』(태서문예신보)に掲載された「忠僕」(충복)だとされる。これはコナン・ドイルのホームズ物の短編"The Adventure of the Three Students"(邦題:三人の学生)の翻案である。ホームズの韓国での受容については、パク・チニョン(박진영)氏がブログの記事でまとめている。 셜록 홈스 시리즈 한국어 번역 연표(シャーロック・ホームズシリーズ韓国語翻訳年表)(2009年9月30日) この当時に紹介された欧米の探偵小説は、主に日本から入ってきたドイル、ポー、ルブラン、ヴァン・ダインなどだった。翻訳者にはヤン・ジュドン(梁柱東/양주동)(韓国語版Wikipedia)、キム・ユジョン(金裕貞/김유정)(Wikipedia)(『ベンスン殺人事件』を『도둑맞은 보석』として翻訳、死後に雑誌連載された)、ヨム・サンソプ(廉想渉/염상섭)(Wikipedia)など純文学界で活動していた人も見られる。 パク・チュンピョ(朴埈杓)(박준표)は1923年には探偵小説『飛行の美人』(비행의 미인)(韓興書林)を出している。これはパリを舞台にした「ジゴマもの」だという(李建志1994)。パク・チュンピョは1926年には探偵小説『黒い箱』(原題『黒箱子』(흑상자))(デジタルハングルミュージアム)を出した。この原作者はアメリカのFred Jacksonだというが、何者なのかはよく分からない。『飛行の美人』の方もおそらく翻案だろう。 この時期の韓国の翻訳・翻案小説についての研究にパク・チニョン(박진영)氏の『翻訳と翻案の時代』(번역과 번안의 시대)(2011年8月)があるが、未見。パク・チニョン氏は上で示した叢書「韓国の翻案小説」の編者でもある。 (3)1920年代~1930年代の創作探偵小説 この時期の探偵小説は翻訳・翻案が主流だったが、1920年代半ばから再び創作探偵小説が登場する。1926年にパク・ピョンホ(朴秉鎬)(박병호)が『血の袈裟』(血袈裟、혈가사)を刊行(最初の発表は雑誌で、1920年ごろ。ウルサン新聞2010年1月6日記事「韓国最初の探偵小説「血の袈裟」」(韓国語)参照)。しかしこれは警察にすぐに押収されてしまい、世に知られず埋もれてしまった。 児童文学作家のパン・ジョンファン(方定煥)(방정환)(1899-1931)(韓国語版Wikipedia)は、児童向けの探偵小説『妹を探しに』(동생을 찾으러)(1925)(2009年9月版)、『チルチル団の秘密』(칠칠단의 비밀)(1926)(1999年版、2002年版、2010年5月版、2010年8月版)、『少年三台星』(소년삼태성)、『少年四天王』(소년사천왕)を発表した。また、「怪男女二人組」(괴남녀 이인조)というコミカルな短編や、外国の短編を訳した「誰の罪?」(누구의 죄?)などの作品が大衆雑誌に掲載されている。探偵小説を発表する際には北極星(북극성)という筆名を使っている。 1930年代に入ると、1931年にチェ・ドッキョン(최독견)が『死刑囚』(사형수)を連載、1933年にはキム・ウンジョン(김운정)が『怪人』(괴인)を発表(連載??)している。 特筆すべきは、純文学作家として知られるチェ・マンシク(蔡萬植)(채만식)(1902 - 1950)(Wikipedia)がソ・ドンサン(徐東山)という筆名で、1934年に『朝鮮日報』に探偵小説『艶魔』(염마)(1987年の『채만식 전집 1 - 인형의 집을 나와서/염마』等に収録)を連載していることである。チェ・マンシクは早稲田大学英文科中退の純文学作家で、当時は『朝鮮日報』の記者。『艶魔』の連載当時、著者のソ・ドンサンがチェ・マンシクと同一人物だと知っていたのは一部の関係者だけで、この事実は1987年に初めて公になった。『艶魔』には名探偵ペク・ヨンホ(백영호)が登場。27歳の独身男性で、シャーロック・ホームズを思わせる設定がなされているという。 またほかに、キム・ドンイン(金東仁)(김동인)(1900-1951)(Wikipedia)などの韓国を代表する文学作家もペンネームでスパイ小説に近い作品を発表している。 最近の韓国では、今まで忘れ去られていた探偵作家の発掘が進んでいる。韓国のミステリ雑誌『季刊ミステリ』2010年秋号(第29号)の特集「戦前の忘れられた二人の作家」では、シン・ギョンスン(신경순)とチェ・ユボム(최유범)が取り上げられている。この号は入手できていないので詳細は分からないが、シン・ギョンスンには推理短編「巌窟の血闘」(암굴의 혈투)、「ミカドの地下室」(미까도의 지하실)、「血塗れの手帳」(피묻은 수첩)、「第二の密室」(제2의 밀실)、チェ・ユボムには推理短編「スナ惨殺事件」(순아 참살사건)、「嫉妬する悪魔」(질투하는 악마)(1933)、「K博士の名案」(K박사의 명안)、「婚約者の魔性」(약혼녀의 악마성)(1934)、「誰が殺したか!」(누가 죽였느냐!)がある。(チェ・ユボムについては http //churi4u.tistory.com/3 も参照) 1937年には金来成(キム・ネソン)が登場し、初の探偵小説専業作家として活躍を始める。金来成については別のページでまとめた。 韓国ミステリ史 特別編 - 金来成(キム・ネソン)(1909-1957)【1】 韓国ミステリ史 特別編 - 金来成(キム・ネソン)(1909-1957)【2】 戦前の韓国推理小説については、日本語の文献としては李建志(り けんじ)氏の東京大学大学院修士論文『京城の探偵小説』(1994)があるが、未見。また韓国語の文献では、オ・ヘジン(오혜진)氏の『1930年代韓国推理小説研究』(2009年)があるが、未見。 第四節 邦訳された20世紀初頭~1930年代の韓国探偵小説 この時期の韓国探偵小説で、一般流通の書籍・雑誌等に訳載された作品は見当たらない。金来成が韓国語で発表した短編変格探偵小説「霧魔」(1939)は拙い訳ではあるが当サイトで公開している。 金来成「霧魔」 (韓国語から翻訳) 金来成が日本語で発表した探偵小説2編を読む方法については、「韓国ミステリ史 特別編 - 金来成 第四章 読書案内」を参照のこと。なお、金来成が日本語で発表したユーモア掌編「綺譚・恋文往来」(1935)は当サイトで公開している。 金来成「綺譚・恋文往来」 (日本語作品) 参考文献 韓国ミステリ史 参考文献 (新しいウィンドウで開きます) 『韓国ミステリ史 第一章』(20世紀初頭~1930年代) ←今見ているページ 『韓国ミステリ史 特別編 - 金来成(キム・ネソン)(1909-1957)【1】』 『韓国ミステリ史 特別編 - 金来成(キム・ネソン)(1909-1957)【2】』 『韓国ミステリ史 第二章』(1940年代~1960年代) 『韓国ミステリ史 第三章』(1970年代) 『韓国ミステリ史 第四章』(1980年代~20世紀末) 『韓国ミステリ史 第五章』(1990年代末~21世紀初頭)(未公開) 『読書案内』