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知里 愛しても
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アンポンタンな展開(いきなり爆発)をやらかした俺のせい。 よって、俺も死ぬ。 ズガン 私は死んだ。野比玉子(笑) 【一日目・/日本のどこか】 【俺@現実 死亡確認】 死因;自害
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トクトクと、ティーカップに水が注がれていく。 グラスの半分ぐらいまで注がれたその水は一瞬盛り上がるかのように動くと、やがて表面張力により静かに平穏を取り戻した。 と、次の瞬間に水面が波を立て始めた。 辺りには風もなく、またカップ自体が動いたわけでもない。 ではなぜ波が立ったのだろうか? それは、そのティーカップを持っている男に秘密があった。 カラフルな色彩の派手なシルクハットをかぶり、口元には綺麗に整えられた口ひげを蓄えたその紳士の名はウィル・A・ツェペリ。 彼には常人にはない、とある『能力』を持っていた。 それは、『波紋法』というもの。 東洋に古くから伝わる呼吸法により、その身体の血液エネルギーを蓄積させ、生命エネルギーを活性化させる特殊な力であった。 それによって生まれるエネルギーは太陽の波動と同じ力を持っており、強い波紋エネルギーは吸血鬼や屍生人といった怪物を倒す事が出来る。 また、その活性化したエネルギーを持って病人を治療したりすることもできる、極めて優れた能力であった。 手にしたティーカップの水面が揺れるのも、『波紋』によるもの。 この波の動きは周りの生体エネルギーを察知し、それを伝えるレーダーとなる。 深淵の闇に閉ざされた見ず知らずの場所に置いても、ツェペリはこの場にいる何者かの存在に気づいていた。 今ツェペリがいるその場は地図で言うところのB-8に存在する、サンモリッツ廃ホテルだった。 当初はその暗闇と不気味な佇まいに困惑したものの、段々と目が慣れてきた今は探索をしている。 『波紋法』の達人であるツェペリにはこのような芸当は朝飯前であった。 (この感じからして、恐らく吸血鬼や屍生人ではなさそうだのう……男、それも青年、数は一人…といったところかな。) 水面の波の動きが示すままに、ツェペリが向かった先は使われなくなってどのくらいたったのかはもう分からない厨房だった。 明かりもついておらず、暗闇が支配するその場には人がいるとは到底思えなかった。 しかしツェペリの手の中にあるティーカップは、静かに波を描いていた。 「誰かおらんか?私はウィル・A・ツェペリ男爵と言う者だ。この殺し合いなんかには乗る気は毛頭ないからここにいる者、出てきてくれないかな?」 暗闇に向かって声をかけると、少しの間ののちに闇が少し動いたかのように見えた。 「……本当デスカ?」 「ああ、本当だとも。」 「……ソウデスカ。それナラ」 その言葉ののちに、闇の中から白い影が現れた。 よくよく眼を凝らしてみると、どうやらその人物は純白のコック服を着た青年であった。 怯えてはいるが、錯乱はしていないようであった。 「…私ノ名はトニオ、トニオ・トラサルディーと言いマス。」 「そうか、君はこの殺し合いには……」 「エエ、乗る気ハ有りまセン。」 「そうかそうか、じゃあよろしく頼むな、トニオくん。」 右手を差し出したツェペリに対して、トニオはその右手をじっと見つめていた。 「…どうしたのかね?トニオくん、ちゃんと洗ってあるぞ。」 「ツェペリサン……貴方……」 差し出された掌をしげしげと眺めるその様は、ツェペリでなくとも少々不思議に見えただろう。 だがそんなツェペリをよそにトニオはツェペリの掌を見ていた。 「あ、あのー、トニオくん?」 「素晴ラシイ!貴方のヨウナ『健康』ナ人に出会ッタのは初めてデス!」 「…は?」 突然のトニオの発言に、ツェペリは一瞬呆然となってしまった。 「…あ、スイマセン……実ハ私、掌デその人ガ『健康』かドウか分かるんデス。」 「ほほう。」 「イヤハヤ、正直驚きマシタ。貴方ニハ是非私の料理ヲ食べて頂きたいデス。」 「それは楽しみだ……だがトニオくん、一ついいかね?」 「何でショウ?」 ツェペリは何も言わずに、トニオに手に持ったティーカップを見せた。 その中にある水面は、まだ波を立てていた。 その様子にトニオは不思議そうな表情を見せたが、そんなトニオにツェペリはそっと囁いた。 (……この建物の中に『誰か』が入ってきたようだ。) ビリ、と空気が震えたような感覚を二人は覚えた。 【B-8 サンモリッツ廃ホテル・1日目深夜】 【ウィル・A・ツェペリ】 [能力] 『波紋法』 [時間軸] ジョナサンと出会う前。 [状態] 健康 [装備] ウェストウッドのティーカップ(水が少量入っている) [道具] 基本支給品(水微量消費)、不明支給品×1(確認済) [思考・状況] 基本行動方針:主催者の打倒 1.入ってきた何ものかを警戒。 2.吸血鬼や屍生人が相手なら倒す。 3.協力者を探し、主催者を打倒する。 【トニオ・トラサルディー】 [能力] 『パール・ジャム』 [時間軸] 杉本鈴美を見送った直後 [状態] 健康 [装備] なし [道具] 基本支給品、不明支給品×1~2(確認済) [思考・状況] 基本行動方針:殺し合いから脱出したい。 1.入ってきた何ものかを警戒。 2.ツェペリサンを信頼、いずれ彼に料理をふるまいたい。 [備考] 何者かがサンモリッツ廃ホテルに入ってきました。 投下順で読む 前へ 戻る 次へ 時系列順で読む 前へ 戻る 次へ キャラを追って読む 前話 登場キャラクター 次話 GAME START ウィル・A・ツェペリ 48 虚言者の宴 GAME START トニオ・トラサルディー 48 虚言者の宴
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佐藤ひろし…つまり俺は最近よく疑問に思う事がある。 と言っても、考える事はいつも同じだし、これもいつもの事ながら答えは出ない。 それは俺が無学だからかもしれないし、答えその物が無いのかもしれない。 ともかく、その問題というのは、時間についてだ。 更に細かく言うのなら『何故一日は二十四時間しかないのか』という事。 そんな独り言を授業中に桜庭先生に聞かれて、特別授業を受けたりもした。 貴重な放課後を潰してまで受けただけの事があって、タメにはなった。 難しい言葉の意味を調べたり、生物学的考察を聞かされたり。 実に解放されるまでの時間は三時間。 結果、かがみさんと帰れないという不幸に見舞われたが、 まあ、特別授業の内容は興味を引かれるモノだったし、別にいいんだけど。 ただ、後から気付いた大きな問題がある。 俺は学術的な意味で、“時間”に疑問を持った訳ではないのだ。 私生活や、仕事、どんな事でもいいのだが、 充実していると時間を足りないと感じたりしないだろうか。 くどくどと話したんだけど、言いたい事は簡単。 要するに、 「一日がもっと長ければいいのに」 こういう事なのだ。 ……なんか近頃こんな事ばっか考えてるないか? 俺。 休みの日こそ、定番の場所へデートに行ったり、一日中電話したり。 とてもいい方向に充実していると言える。 だけど、平日は休み時間の短い時間しか会えないし、皆が居る中でイチャイチャする訳にも行かない。 誤解が無いように言っておくけど、皆が居る事に不満は無い。 一緒に居るのは楽しいし、そうしているのも好きだ。 皆が気を使ってくれて、昼休みを二人で過ごす日もある。 冬真っ只中なだけあって人の居ない屋上で、まったりとイチャイチャしたり。 初めて提案された日は、イチャつく二人の姿を覗かれていて、恥ずかしい思いをしたけれど。 それも良い思い出という事で、片付ける事も出来る。 そして、今日もまた楽しい思い出が増える。 なんと! かがみさんが我が家に泊まりに来るのだ。 理由は簡単。うちの両親から頼まれたからだ。 うちの両親が親戚の集まりで留守にするからと、かがみさんに頼み込んだのだ。 ちなみに佐藤家と柊家は家族ぐるみの付き合いになりつつある。 という事で、かがみさんの家族からの了承も得ているのだ。 あ、補足すると、家族ぐるみの付き合いになったのは、 つかささんから向こうの家の人に伝わって、急遽ご挨拶に行ったのだ。 お父さんからは娘を宜しく頼むよ、と優しくも熱くお願いされてしまった。 ご夫婦揃って孫の話をされたり、ね。 その時はかがみさん共々、真っ赤になって、固まってしまったが。 それにしても、もうこんな時間か。 なんだか心配になってきた。 迎えに行こうか、どうせやる事もないし。 ごめん。 ホントは俺が早く会いたいだけなんです。 とりあえず電話してみようかな。 携帯を手に取り、か行を開いて、かがみさんに電話をかける。 ちなみに『ひ』には、柊家が登録してある。 だから、『か』で登録してあるのだ。 数コール間があって、かがみさんが電話に出る。 「もしもし。ひろし君? どうしたの?」 「聞いてた時間より遅くて心配でさ」 「あ、ごめんね。 買い物してたら遅くなっちゃって」 確かに、それを示すようにガサガサとビニール袋の音がしている。 音から察するに結構な量がありそうだけど。 「大丈夫? なんなら今から迎えに行くよ」 「別にそこまでしなくてもいいわよ。もうひろしくんの家に着くし」 「…わかった。 待ってるよ」 「うん、じゃあ切るわね」 プツリと電話が切れる。 …ううん、やっぱり迎えに行けばよかったかなぁ。 心配だ。 十分もしない内に、インターホンが鳴った。 お客が映る画面を見ると、そこには買い物袋を提げたかがみさんの姿。 鍵は開いてるからと言葉をかけて、玄関に向かう。 「いらっしゃい」 「おっす」 「荷物、持つよ」 「ありがと」 手渡された荷物は、割とズシリと来た。 女の子がこれを持って歩くのって、結構辛いんじゃないだろうか。 「これ結構重いね。 手、大丈夫?」 「駅前のスーパーで買ってきたから大丈夫よ」 等と言いながら、自然に手を繋ぐ。 今日のメニューや、こなたさんに会った事とか。 そんな他愛のない会話しながらリビングへ。 こなたさんに会った時は相当焦ってしまって、 悟られないようになんともない風を装うも、すぐにバレて大変だったらしい。 ちなみに、今日のメニューはご飯と味噌汁に、肉じゃがとぶりの照り焼きだと言っていた。 毎日つかささんや、みきさんに習っている成果を見せると張り切ってる姿に感動。 自分の為に頑張ってくれてると思うと、言葉で表しきれないモノがある。 「思ったんだけど、俺、今世界で一番幸せ者かも」 「お、大袈裟よ。 でも…そのありがとね」 お礼、と頬にキスされる。 ほっぺにチューだけで真っ赤になってるかがみ萌え~と、こなたさん風に言ってみたり。 ヤバイ、最近毒されてきてるなぁ。 「そういえば、ご両親はもう行っちゃったの?」 肩をすくめた俺を見て、苦笑するかがみさん。 「まあ、それだけ信頼されてるって事じゃないの?」 「どっちかっていうと、かがみさんの方が信頼されてるかも」 「え?」 「かがみさんが居れば安心、とか言われたし」 「なんで?」 それは家のお嫁さん候補だからじゃない?というと、 かがみさんは顔を真っ赤にして、からかわないでよと言いながら身を寄せてくる。 どちらともなくキスをして、抱き合う。 くぅ~ …お、おお? 腹の虫が猛っているようだ。 だが、困った事に俺のモノではなく、かがみさんの、なんだけど。 視線を落として、かがみさんの顔を覗き込むと、赤くなった顔を胸に埋めてくる。 ていうか、かがみさん、全身真っ赤っ赤だ。 「あ…う……そのぉ…折角いいムードだったのに…ごめんね」 「いいよ。 かがみさんはお腹の音も可愛いってわかったし」 「か、からかわないでよ」 「だって、事実だしさ」 そう言って頭を撫でると、ポカポカと胸の辺りを叩いてくる。 といっても、全然力なんか入ってなくて、すぐに照れ隠しだって事がわかるけど。 「なんかあんた、こなたに似てきた気がするわ…」 「う、自重する」 それからある程度イチャついて、かがみさんは料理を始めた。 手伝おうか?と声をかけたのだけど、いいからいいからと、リビングに戻された。 テレビでも見ててという言葉に従って、テレビを見ているが内容なんて頭に入ってない。 キッチンから美味しそうな匂いがしていて、それ所ではないから。 先程から、ぐぎゅるるぅと腹の虫が絶賛大暴れ中だ。 美味しそうな匂いは随分前からしているし、もうすぐ準備出来る頃かな? 「ねえ、食器ってどこにあるの?」 「あ、今出すよ。 待ってて」 食器を出して、並べていく。 そこに、肉じゃがと、ぶり大根が盛られていく。 ご飯と味噌汁を用意して、コップにお茶を注いで準備完了だ。 俺とかがみさんは向かい合って座る。 「お待たせ。 じゃ、食べましょう」 「うん。 頂きます」 初めの頃に比べて、本当に上手になったと思う。 見た目も然る事ながら、味の方も上達の具合は素晴らしい。 愛情込め込め補正もあるかもしれないが、それを抜きにしても美味い。 ていうか、かがみさん、俺の方をじーっと見ないで。 照れてしまうし、とても食べ辛いです。 感想が聞きたいのはわかるんだけどね。 「うん、美味しい!」 「そう? なら、良かったわ」 そう言うと、安心した様子で漸く食べ始める。 かがみさん的にも上出来だったようで、ご機嫌だ。 かがみさんが笑っていると、どうも自分の頬まで緩んでくるから困る。 「ねえ」 「ん? どうしたのかがみさん?」 「隣…行っていい?」 「勿論。 どうぞ」 控え目にお願いしてきた態度に、つい意地悪したくなる。 そうだ、こなたさんに借りたゲームにあった羨ましいシチュエーションをやってみよう。 おいでと声をかけて、ぽんぽんと膝を叩く。 うん…と顔を赤くしながら、お茶碗を持って俺の隣に腰を下ろす。 ぴったりと体がくっ付いているのは、最早いつもの事。 けど、今日ばかりはそれだけじゃ済まないのです。 「かがみさん、そこじゃないよ」 「え?」 ココと、膝の上を叩く。 その意図を理解したのか、一瞬でゆでだこが出来上がる。 「ちょっ、何言って!」 「本気も本気。 ほら、早く」 「だ、大体なんでいきなり膝の上なのよ!?」 今まで通り隣り合わせでいいじゃないと、至極当然の事を言う。 だが、それではあまりにも面白くないと思うんです。 けれど、そんな事は言わないし、言えない。 怒られるからね。 反対される事を予想していた俺は孔明先生も舌を巻くに違いない手段に出た! 「俺がかがみさんとそうしたいから」 俺は真顔で、そんな事を言ってのけた。 そのセリフを聞いたかがみさんは、顔を赤くしながら考えるような仕草をしている。 二言三言呟いて俺の膝の上に腰を下ろしてから、 『仕方ないわねぇ、ひろし君は』と、お決まりのセリフ。……って待て待て。 「かがみ様、ご存知で?」 「様って言うな! ていうか、何の事よ?」 「いやいやなんでも」 まだ少し顔は赤いが、ツッコミが返ってきたのは軽く開き直ったからなのだろうか。 そして、反応から見るに元ネタは知らないらしい。 ここまで来れば後はもう進むだけ。 肉じゃがを軽く崩して箸で持ち上げ、かがみさんの口元へ。 「はい、あーん」 「ええっ!? ま、待ってよ!」 箸を置いて、どうしたの?と声をかける。 「そういう事するのは心の準備が……って、そうじゃなくて! なんでいきなりあーんなのよ!?」 「俺がそうしたいから…じゃ、ダメ?」 がああっと吠えながら振り返り俺の顔を見つめる。 目が合った瞬間に顔の赤さが増して、すぐに視線を軽く逸らされたけど。 「ダメじゃない……けど、自分で食べられるし……それに…恥ずかしいわよ…」 「それならいいじゃない。 こうすればもっと美味しくなるかもしれないしさ」 「きっ、緊張して味なんてわかりゃしないって!」 「…その…でも、ね? ひろし君がそうしたいなら……いい…よ?」 「かがみさん…」 今のセリフ、キュンと来た。 いつもの強気なかがみさんもいいけど、やっぱり可愛い女の子なのだ。 日下部さんは乙女っぽいのは似合わないって言うけど、 本当はこっちがかがみさんの本質じゃないだろうか。 それを知ってるのは一部の人だけかもしれない。 でも、それでいい。 これはただの自惚れかもしれないけど、 かがみさんがそういう部分を知る事を心の中で許してくれてると思えるから。 ……あー、なんか恥ずかしい事を言ったけど、本当は独り占めしたいだけかも。 と、長い事、かがみさんのセリフに浸っていた俺の服の袖が、くいくいと引かれる。 「ごめんごめん。 どうしたの?」 「に…肉じゃが」 「肉じゃが…?」 「た、食べたいのっ」 「うん。 じゃ、あーん」 「やっぱ言わなきゃだめなのね…うぅ…あ、あーん」 じゃがいもを崩してから、かがみさんの口元に運ぶと、真っ赤になりながらパクリと咥えた。 何も言う事なく、黙々とじゃがいもを咀嚼している。 「美味しい?」 「…うう…やっぱり恥ずかしいだけだわ…」 初めこそ、そんな事を言っていたが、空腹が後押ししたのだろう。 十五分もすると、割と食事を楽しんでいた。 後半は食べさせ合いっこになったから、時間がかかったけど。 俺とかがみさんは二人で皿洗いをして、一息ついた所だ。 風呂に湯を落とし始めてから十分程経った。 そろそろ湯が溜まる頃だ。 「かがみさん、先にお風呂入る?」 「あ……えと…どうしようか?」 俺が先に入って徹底的に掃除してから出るか? 逆は…拙いよな。 色んな意味で拙い。 ていうか、なんだこの気恥ずかしさは! ココはひとつ、冗談でも言って空気緩和でも図ろう。 「ひとつ提案があるんだけど、一緒に入ってみる?」 「なっ!……あっ、あんた……」 言うまでもないが、瞬時に赤くなって、それを言ったっきり俯いて震えだす。 無謀な冗談だけど、それでいつもの空気に近付くなら安いモノだ。 多分。 「バ…バ…バ…」 「バンレタインデー! 次、デだよかがみさん!」 「デストロイ!」 右腕がブレるのが見えて、すぐに左頬に衝撃。 物凄く痛い! ていうか、ちゃんとしりとりで返してくれたかがみさんに感動した! 「じょ、冗談なのに…」 「冗談でもそういう事は言わない! だっ、大体ね! ソーユーのは卒業してからって決めたでしょ!」 「だから冗談…」 「言い訳しない!」 お湯が溜まった事を報せる音楽が聞こえる。 かがみさんは、覗かないように!と俺に釘を刺して、着替えを抱えて、そそくさと風呂場へと向かった。 それからそれから! という訳で、就寝時だ。 ちなみにお風呂上がったかがみさんは上機嫌だった。 安堵しながら風呂場へ向かおうとしたら、かがみさんに腕を掴まれた。 なんだろうと振り返ってみれば、変な事を考えないようにと、二度目の釘を刺された。 まあ、そんな事を言われたから逆に意識してしまって、ほぼカラスの行水状態だったけど。 で、俺が風呂から上がると完全にいつも通りのかがみさんが居た。 そこからはテレビを見たり、格闘ゲームをして、かがみさんの強さに驚いたり。 十二時を過ぎた頃、遊び疲れた俺とかがみさんは眠る事にした。 そんなこんなで、今、隣には髪をおろしたかがみさんが寝転んでいる。 同じ部屋で、別の布団の予定だったのだけど、かがみさんから提案でこうなった。 何かするのはダメだけど、出来るだけ近くがいいからと言われて、あっけなく陥落。 自分の弱さに嘆くと同時に、かがみさんへの愛しさが溢れた。 一緒にいるだけ。 それだけで幸せだから。 抱き合って囁き合って、時々触れるだけの、子供のようなキスをする。 そして、気が付けば、かがみさんは眠っていた。 今日も今日とて色々あったし、疲れているのだろう。 俺に出来る事といえば、優しく抱きしめてあげる事くらい。 苦しくないように抱きしめて、髪を撫でる。 おやすみ。 かがみさん。 いい夢でも見ているのだろう。 柔らかな笑みを浮かべているかがみさんの頬にキスをして、俺も眠りについた。 その日の夜、夢を見た。 こなたさんやつかささんにみゆきさん、皆が涙ぐんだり笑ったりしていて、 純白のウエディングドレスを着ているかがみさんが、俺に微笑んでいて、 丘の上の小さな教会で、みんなが祝福してくれる中、永遠の愛を口付けで誓う。 そんな、幸せな夢を見た。 次の日の朝、俺が目を覚ますと、かがみさんが俺の寝顔を覗き込んでいた。 「あ…おはよ」 「ん、おはよ」 そう言って微笑んだ顔が、夢の中に出てきたかがみさんに似ていて、胸が高鳴る。 「昨日の夜、夢を見たわ」 「偶然だね。 俺も見た」 「へぇ、どんな夢を見たの?」 「みんなが祝福してくれてる中で、俺とかがみさんが結婚する夢」 「え……それ…ホント?」 「ホントだよ」 答えを聞いて、声も無く驚いているかがみさん。 そんなに驚くような内容だろうか? いや、こんなプロポーズみたいなセリフ、驚くかもしれないけどさ。 「わ、私も同じ夢を見たかも」 「ん? 結婚する夢ってこと?」 「それも、かなり似てるかも」 「じゃあ、一緒に場所を言ってみる?」 「う、うん」 「「丘の上の小さな教会で…」」 静かに瞳を閉じたかがみさんに俺は、そっと口付けた。 次の日、夢の話をしていたかがみさんと俺の会話を聞かれて、こなたさんから質問攻めにされた。 なんとも乙女ちっくな奇跡に感動しているつかささんとみゆきさんを余所に、 こなたさんには『愛だね、愛』と、からかわれてしまった。 だが、この日だけはいつもと違った。 「う、うっさい!……まあ…でも、その通りだけど…ね」 かがみさんが顔を赤くしながら腕に抱き付いて、肩に頭を預けてくる。 俺もまあね、なんて言いながらかがみさんの髪を撫でる。 そんな俺達を見ながら、他の三人が三様に感想を漏らす。 「ご馳走さま、というやつですね」 「でも、お姉ちゃん幸せそうで良かったぁ」 「バカップルにならなければいいけどねぇ」 気を付けないと際限無くイチャついてしまいそうだ。 なんて思っている俺の頬を突付いてくるかがみさん。 ん?と顔を向けると、目を瞑ってキスをねだっているであろうかがみさんの顔が近くに。 思わず応えてしまった俺に、こなたさん達が驚きの声を上げる。 「ちょ!? ひろし君!?」 「ええええ!?」 「あ、あの! えっとぉ…きゅう…」 大声に反応して、クラス中の視線がこちらに向いている。 慌てて離れようとすると、頭を掴まれて、いつも以上に熱烈なキスをされてしまった。 そして、満足したのか、ゆっくり顔を離して、呆然としている俺に、こう言った。 「大好きよ」 数分後、黒井先生のおかげで、正気を取り戻したクラスメイト達の絶叫が、学校中に響き渡った。 それから数年後、俺とかがみさんは夢で見た教会に居た。 長年連れ添った親友の門出に、涙ぐんだり、笑っていたり。 かがみさんがウエディングドレスを着て、俺に微笑みかけていて。 あの時に見た光景と、何もかも同じ。 ふたりで待ち望み、待ち続けた光景。 きっと、俺はこれからの時間を、かがみさんと歩み続けるのだろう。 嬉しい時も、悲しい時も、どんな時でも隣を見れば、かがみさんが居て、 一緒に喜んで、一緒に泣いて、色々な事を二人で分かち合って生きていく。 それは幸せなだけでは、ないかもしれない。 時にはケンカして、沢山の傷付け合って、それでも最後は笑い合って。 そうやって、二人で生きていきたいと、真剣に思う。 この気持ちは、とても言葉では表し切れない。 けれど、それでも伝えたいと思った。 だから、この言葉を送ろう。 「かがみ、愛してるよ」 「ばか…私だって愛してるわよ」
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あいしてはいけない【登録タグ IA VOCALOID あ コウ 曲 殿堂入り】 作詞:コウ 作曲:コウ 編曲:コウ 唄:IA 曲紹介 絶望接種 第五章 『愛してはいけない』 『レインの絵画』の少女と神父の物語です。(投稿者コメントより引用) ピアノ:Sasanomaly、絵:orie 歌詞 どうして僕は生きている 安いこの人生の踏切で 今 一歩踏み出した 誰も止めなかった あなた以外は ねぇ愛してはいけない? ガラクタのまま壊れてもいい ねぇ愛してはいけない? あなたを作るネジでいいからさ どうして僕は誰よりも 遠い場所でそれを見ているの そう 幸せは不幸の前触れだってずっと 思ってたんだ ねぇ愛してはいけない? 僕らを作る世界を全て ねぇ愛してはいけない? あなたがここにいるなら 何回だって繋ごう 何回だって紡ごう 過去など知らない振りして そのあなたの腕が冷たくても 体温ごと結って 眠ろう ねぇ愛しても全部 曲がらず先に届かないんだろう? ねぇ愛したあなたを愛せないなら “魔法”を一つかけよう 悪魔になってあなたを喰らって 全て知る前の二人で でもそこにいるの いつものあなたがよく知る僕だ コメント 少し時間がたってしまいましたが。この曲、この物語たちに会えて本当に、心からよかったと思っています -- 名無しさん (2022-01-03 18 08 26) 大好き。な泣けた、 -- 匿名の虚無 (2022-01-03 18 19 35) 名前 コメント
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繰り返し一粒 くりかえしひとつぶ【登録タグ く デュエット 初音ミク 猫虫P 結魂者 踊り子】 nana-music.com 楽曲データ 作詞 猫虫P? 作曲 猫虫P? 編曲 猫虫P? 唄 初音ミク? 歌唱キャラクター 【サバイバー】 踊り子 【ハンター】 結魂者 歌詞 (2人) 都合よく映されてた錯覚 意味を失った言葉と自覚 ぽっかり空いたこの穴は二度と 返してと泣き迷った路頭 【(踊り子)もういらないからいると邪魔だから 言いはしないけど聞こえてる この気持ちが理解できますか もう嫌だ (結魂者)もういらないのここに居られないの 取り替えられない壊れた本のページ 裏も表も綺麗なとげ 揺れ動く】 (結魂者)ずっとずっと続けばいいな進む先の甘い幻想 ガラス越しのかすかな光 絡まって溶ける吐息 (踊り子)深い深い眠りに落ちた腕の中で描き続けた これが最初で最後の夢 無くなった私の場所 (2人)だって (結魂者)信じてたんだ本気で (踊り子)疑うなんて嫌で 離れていくような気がしたんだ (2人)だけど (結魂者)初めから全部嘘近づいてなんかない (踊り子)こんなに舞い上がってバカみたい (2人)『愛してる』そう伝えたのは釣り上げるためのエサですか 玩具箱の中詰められて 飽きたら捨てられるんですか
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『伝えたい言葉』 7KB 小ネタ 誤解 野良ゆ 現代 独自設定 ご好評いただいていたあの人が帰ってまいりました ※俺設定注意 ※作、長月です ※善良なゆっくりがひどい目に遭います 今まで書いた作品はこちらに http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/393.html 「・・・ありがと・・う・・おねえさん・・・ありが・・とう・・・」 とあるマンションの一室。一匹のれいむがしわがれた声で「ありがとう」とつぶやき続けていた。 「ありがとう・・・ごほごほっ・・」 それはとぎれとぎれでれいむ自身声を出すたびにつらそうに咳き込んでいる。しかし、れいむはやめようとしない。 れいむには伝えたい言葉があるのだ。 自分の命の恩人であるお姉さんへ「ありがとう」という感謝の言葉を。 伝えたい言葉 それは数日前のこと。まだれいむが野良ゆとして路地裏に住んでいた時だった。 「やべてぇええええれいむのおうちこわさないでぇええええ!!!」 路地裏のダンボールハウスでお歌を歌っていたところを悪ガキどもに襲われたのだ。 「やべてぇえええ!!!れいむのおりぼんさんかえしてぇええええ!!!」 「返すわけねーだろ、バーカ。ほーれびーりびり。」 「ゆんやぁああああああ!!!!!!」 目の前で必死で作ったおうちを壊され、命の次に大事なリボンを破られてもれいむはただ泣き叫ぶことしか出来ない。 「うるせーよこのうんうん饅頭が!!これでも喰らえ!!」 プシュゥウウウウウウ 「ゆげぇええええ!!!!!」 少年の一人がむりやりれいむの口をこじ開け、催涙スプレーを噴射した。 「ゆぐぇ!!げほっ、げほっ、げえっ!!」 唐辛子エキス入りの薬剤にのたうち回るれいむ。口内の焼けるような痛みに激しく咳き込む。 「なー、そろそろ飽きてきたんだけど俺・・」 「もう終わりににしねーか?」 「そうだな。ゲーセンでも行くか。」 少年達はまだ咳き込んでいるれいむを放置しそのまま帰っていってしまった。 彼らにとってれいむはただの暇つぶしの道具でしかない。飽きればポイ、れいむのその後なんて知ったこっちゃないのだ。 「(うう・・・どぼじで・・どぼじでこんなことに・・・)」 残されたれいむは絶望感に打ちひしがれる。 実際れいむのありさまはひどいものだった。 お飾りもなくわさわさも両方引きちぎられ体中傷だらけ。 おまけに唐辛子エキスのせいで喉が焼かれたように痛く体も痺れて全く声も出せない。 もう駄目だ。このまま自分は死ぬのだ・・・ そう覚悟した時、奇跡が起こった。 「あら・・・これって・・・」 一人の若い女性が路地裏のれいむを見つけたのだ。 「まぁ大変。怪我してるじゃない。早く手当てしないと。」 朦朧とした意識の中で、抱きかかえてくれたお姉さんをれいむは天使様に見えた。 そして今れいむは天国にいる。 何もしなくても出てくるごはんさんやあまあま。しかもそれが今までとは比べ物にならないほど美味しい。 もうゲスやれいぱー、加工所におびえる事もない。れいむは飼いゆっくりになったのだから。 少年達にやられた傷もオレンジジュースで回復し今では痕もなくなった。 お飾りがないのがゆっくりできないけど、それもいずれお姉さんが新しいのを用意してくれるだろう。 どうせ難癖つけてれいむを苛めるようなゲスゆっくりはここには入ってこれないのだ。気長に待とう。 それよりれいむには伝えたい言葉があった。 それはお姉さんに対する「ありがとう」という感謝の気持ち。 自分を助けてくれてありがとう、そしてこれからもゆっくりさせてくれてありがとうという感謝の言葉。 唐辛子の後遺症でまだ体の痺れと喉の痛みは取れないが今日になってなんとか声が出るようになってきた。 いずれ喉が治ったら得意のお歌を歌ってお姉さんをゆっくりさせたい。そうれいむは思っていた。 「ただいまー元気にしてたー?」 その時お姉さんが帰ってきた。れいむはそれをずーりずりと這いながら玄関へ出迎える。 よし昼間の練習どおり頑張ろう。れいむは腹に力をこめる。 「ありがとう・・おねえさん・・・れいむおかげで・・げんきになれたよ・・・」 やった!!声がかすれてとてもゆっくりできたものではなかったけどちゃんとお礼を言えた。 れいむはうれしかった。 恩人であるお姉さんに感謝の思いを伝えることが出来たのだから。 「・・・・え?」 お姉さんが怪訝な顔をするのを見るまでは。 「どぼじで・・・どぼじで・・・」 掠れる声でれいむは泣き続ける。 今れいむが居るのはお姉さんのマンションではない。元々れいむの住んでいたビジネス街の路地裏だ。 あの後お姉さんは急によそよそしくなり、れいむを見る目も冷たいものになった。 あげく今日の朝、「頑張って生きてね」と一言いい残して、この路地裏に放置されたのだ。 頑張って生きてね、なんて言われてもれいむにはもうどうしようもない。 お飾りのないゆっくりはゆっくりできないと迫害を受ける。もうれいむに味方をしてくるゆっくりなどいない。それどころかいつゲスゆ達にゆっくりできないと因縁をつけられ嬲り殺しにされるか。 それに唐辛子の後遺症の残る体では狩りなどできない。 仮に出来たとしてもこの数日ですっかり舌の肥えてしまったれいむには生ゴミや雑草はもう食べられないだろう。無理やり飲み込んでもそれ以上の餡子を吐き戻すのが関の山だろう。 奇跡にかけて人間に物乞いしようにも喉が痛くてろくに声が出ない。これでは気づかれもせず踏み潰されるのがオチだ。 どう考えても八方ふさがり。れいむに残された未来、それは絶望しかない。 昨日まで希望とゆっくりにあふれたいたのに・・・なぜ・・なぜこんな事に。 これならいっそあの日そのまま死なせて欲しかった。それならまだ楽に死ねたものを。 「どうじで・・・どうじで・・・」 れいむの今にも消えそうなしわがれたすすり泣きが路地裏にいつまでも響いていた。 その頃れいむを捨てた張本人はと言うと 「えー本当それー。知らなかったー。」 ソファに寝そべりながら携帯で会社の友人とだべっていた。れいむの気も知らずに呑気なものである。 『あー、そう言えばさ、こないだあんたゆっくりてるよ拾ったって言ってたじゃん。あれどうなったの?』 「それが聞いてよ。あの子てるよじゃなくてれいむだったのよー。」 不満げに口を尖らせるお姉さん。 実はこのお姉さん、リボンとわさわさのないれいむをゆっくりてるよと勘違いしていたのだ。 まぁ唐辛子のせいで喉がやられ喋ることもできず、ほとんど動くこともできないれいむはてるよに見えないこともない。 普通は希少種が路地裏にいるはずないと分かりそうなものなのだが。 『えー、じゃあまたそのれいむ捨てちゃったの?かわいそうに。ゆっくりって飾りのない奴は苛められるっていうし、そのれいむやばいんじゃないの?』 「捨てるだなんて人聞きが悪い事言わないでよ・・・ただ野良ゆっくりを手当てして元の場所に返しただけなんだから。それに大家さんに一応聞いてみたけど、豆ゆならともかく、れいむなんて飼ったら絶対追い出すって言われたし。」 なんともバツの悪そうにお姉さんは友人に弁解する。 おねえさんが住むこのマンション、基本的にペットは禁止だ。 しかし例外がないわけではない。 例えば鳥かごや水槽で飼えるインコや熱帯魚などは許され、お姉さんが以前飼っていた豆ゆなどもOKだ。 またほとんど動かず声を出すこともないゆっくりてるよなども飼っていいペットのひとつである。 逆にマンションなどの集合住宅で大家にもっとも嫌がられるゆっくりがれいむ種だ。 「おうた」と称して近所迷惑な騒音を撒き散らす上、勝手に子供を作ることも多く、その赤ゆ達もギャーギャーうるさいときているのでご近所トラブルが絶えないからである。 ゆっくりOKのマンションでも「ただしれいむ種お断り」の注意書きがされているところもあるくらいなのだ。 「まぁ元々私が助けなきゃ、あそこで死んでたのよあの子。だったら感謝されこそすれ、非難なんて筋合いなんてないでしょ?・・・それに大丈夫。あの子ならきっとお飾りなんてなくても生きていけるわ・・・多分。」 なんとも無責任な物言いである。大丈夫なんて言ってるが勿論根拠は何もない。 ただ自分の良心の呵責をごまかそうとしているだけにすぎないのだ。 『アハハ、何それひどーい。ところで今度の日曜、渋谷の1⑨(イチマルキュー)で秋物のバーゲンがあるんだけどさ・・・』 「えーっホント?いくいく。じゃあ10時に駅前のめーりん像前集合って事で・・・」 電話で話し込むお姉さん。どうやら次の休みの予定について友達と盛り上がっているらしい。 熱心にファッション雑誌をめくるその顔は、もうれいむのことなど欠けらも覚えてはいなかった。 後書き 偽善お姉さん久しぶりの登場。去年のクリスマスから全く成長しておりませんねこの人・・・ ご意見、ご感想、ご要望は感想用掲示板(長月用スレ)でおねがいします。URLは下にある通りです。 ふたば系ゆっくりSS感想用掲示板(長月用スレ) http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1274852907/ 今まで書いた作品はこちらに http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/393.html
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伝えたい想い Q06-032/END E カード名:《伝えたい想い》(つたえたいおもい) キャラ名:「芳野葛 利劍」(よしのかずら りけん) LPリミット:70 キャラクターシンボル:ダイヤ 属性:軍人 END:END-N カードテキスト 【メインかパートナーがキャラ名「薄蛍」の時】あなたは自分の手札を3枚選び、アルバムに置くことで、自分のLPを15%アップする。 利劍「別れじゃない…いつか、お前を…」
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【検索用 たいおんてあいして 登録タグ VOCALOID comic u160(ういろー丸P) た ひとで。 初音ミク 曲 】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:u160(ういろー丸P) 作曲:u160(ういろー丸P) 編曲:u160(ういろー丸P) リミックス:comic イラスト:ひとで。 唄:初音ミク 曲紹介 曲名:『体温で愛して』(たいおんであいして) u160(ういろー丸P)氏、3作品目。 歌詞 昨日の夢もあんまりよくない 最近 いい夢をみれていない 君との夢はすでにここにない 退屈すぎて死にたくない 愛想笑いのzipをうpして 解凍したらみんなに配布だ 慣れた手つきにふっと気づいて バカバカしくて泣きたくない 「泣いたことなんて 笑って忘れろ」 それができるなら 苦労はしないよ ときめきを抱きしめ 体温で愛して 「めんどくさい」なんて 言わないで つながりを感じて 体温で愛して 「愛は怖い」なんて 言わないで 「冷めた愛ならば レンジでチンしろ」 それができるなら 苦労はしないよ 僕のこと許して 体温で愛して 「愛はくさい」なんて 言わないで 君のこと許して 体温で愛して 「愛はツライ」なんて 言わないで コメント せ、せ、切ないぞぉぉ(•^•) -- **mina** (2009-12-05 23 15 15) 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
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愛してくれて、愛して暮れて~プロローグ~から 最初こそ戸惑っていた満員電車にも慣れ、いつもの様に人混みと電車の振動に揺られながら俺は大学へ向かっていた。 慣れた、と言っても何でまたこんな時間の講義を取ってしまったのかと思う程度にはこの人混みはつらいもので、毎朝続けると思うとこれなら北校の坂道のほうがまだマシだと思ってしまうのは隠せない心境である。 聞き慣れたアナウンスを聞いて、自分が降りるべき駅で人混みを掻き分ける。前まで音楽を聞きながら通学していた俺なのだが、自分が降車する際イヤホンをつけた奴はなかなか退いてくれないことを経験し、それ以来音楽は聴かないようにしていた。 早足に道を行く人々に飲まれるようにエスカレーターを上り、改札を抜けたところで俺は息を吐いた。 「……うへぇ」 乗車から降車までの約20分、駅をでてようやく出来た脱力。 どうやら、俺は自分で思っている以上に満員電車には慣れていないらしい。 「やぁ、キョン。おはよう」 「…おぉ、国木田か」 声をかけてきたのは男にしては少し可愛らしい服を着た同級生、国木田だった。 一体何の縁なのか、コイツも俺と同じ大学、同じ学部に通っていたりする。俺より遥かに良い成績を採っていた筈なのだが、高校選び同様に何かしら国木田なりのこだわりがあるのかもしれない。 「今日は何だか暑いよね。電車通いには辛い気候だよ」 その意見には賛同するが、そう涼しそうな顔で言われてもイマイチ説得力がないぜ? 「そうかなぁ?僕はこれでも暑がってるんだけど」 ……だとしたら、俺の眼が異常なのかね? 「あー……、そうだね。確かに、ある意味キョンの目は節穴と言っても過言じゃないと思うな」 おやおや。 「……まさか国木田にそんな辛辣な言葉を貰うとはな。少しばかり意外だ」 「そう?僕は言わないだけで常日頃からそう思ってるんだけど」 常日頃から思ってるのかよ。 ……。 ……常日頃から思ってるかよ!? 俺の問いに国木田は冗談さ、と笑って横断歩道の先の一角を指差した。 「ところでキョン。あっちに結構おいしいベーカリーがあるんだけど、ちょっと寄っていかないかい?」 腕時計を見やれば、まだ講義には十分間に合う時間だった。時間が余るのも毎朝のことなのだが、俺は大概コンビニで暇をつぶしている。 それに比べたら、こうして友人と個人ミシュランに勤しむのも悪くはない。 俺は国木田に返事をすると、横断歩道を渡った。 「……ほう、これは中々」 店内に備え付けられたテーブルに席を取って、向かい合うようにして俺はクロワッサン、国木田がサンドウィッチを食べていた。 「だろう?僕としてもそのクロワッサンは結構オススメなんだよね。ああモチロン、このサンドウィッチもだけど」 シナモンのふんわりとした香りもさることながら、焼き加減が絶にして妙、表面に撒くようにしてかかっている白い砂糖が程よいアクセントになっている。 普段はご飯派の俺ではあるが、このクロワッサンは確かに人に勧めたくなる味だ。 「…しかしよくこんな店を知ってるな、お前」 俺がそう尋ねると、国木田は咀嚼中のサンドウィッチを飲み込んでから答えた。 「あぁ、それはね」 「僕が教えたからさ、キョン」 ―――が、それは第三者の声によって遮られ、しかしそれは結果として俺の疑問に対する回答だった。 第三者と言っても赤の他人というわけでもなく、俺の良く知っている顔だった。 ソイツは俺の隣に腰を下ろし、尚も説明を続ける。 「先日そこの駅前で国木田と会ってね。中学以来の同級生に挨拶の一つも無し、だなんて無体なことは僕にはとても出来ない。よってコーヒーでも飲みながらとココを紹介したのさ」 まぁもっとも、とソイツは一息置いてから言った。 「何処かの誰かは僕ですら旧交を温めようとしたというのに、親友と呼べる存在にこの3年間電話の一本も寄越さなかったわけだが。それについてキミは僕に対して何か言うことがるんじゃないかな?」 「…えーと」 相変わらずの饒舌。古泉を除けば、コイツより長ったらしくしゃべる奴―――まぁ、ハルヒは置いといて―――は一人しか心当たりがなくて、しかもソイツは目の前にいるわけなんだが。 「おやおや、キミはこの再開に関してそんな感動詞一つでケリをつけるつもりかい?まぁ、字面だけ見れば感動詞とは感動の詞(ことば)であるからそれ程悲しむことでもない気がするが―――やはり、寂寥の念は隠せないね」 「……わかったよ。ちゃんと言えばいいんだろう?」 チラリと国木田を見れば、何やらニヤニヤとしていた。 ……おいおい、その微笑みキャラは古泉一人でお腹一杯、アイムフルなんだぜ? 俺は目線を隣に戻してから、3年分の時間を返すように言った。 「……久しぶりだな、佐々木」