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「では皆さん、早速聞きますがあなた達は魔術のどこまで知ってますか?ハイそこの巫女さん!!」 いきなりビシィ!!と指を指される姫神は。 「最初から私。これは用が終わったら。退場」 「ならt」 なんかこの子放っておこうおこうと思ったレッサーはチェンジしようと考えたが。 「すいません。出番をください」 「そんなのどうでもいいですから、さっさとあなたの知ってる魔術のことを教えてください」 「魔術は。知らない」 そんじゃ何しにきたんだこの子はとまたほうって置こうとしたら。 「ごめんなさい。ちゃんと。ちゃんと言います」 「はぁ、さっさと教えてください」 この言葉を聞いた瞬間、姫神はレッサーにそっと耳打ちした。 「アウレオルス=イザードが完成させた。『黄金練成(アルス=マグナ)』の発動の仕方について」 姫神から黄金錬成(アルス=マグナ)の説明を受け、アウレオウス=イザードと行動を共にしていた事実を聞かされたレッサーは驚きを隠せない。 「じゃ、じゃあ、あなたはあのアウレオウスと知り合いだったというんですか?」 「知り合いというか。協力関係。でも。その関係も御破算になって。殺されかけた」 「殺されかけたってことは誰かに助けられたんですか? そもそもあのアウレオウスと戦って勝った人がいるのも信じられません。でも確か行方不明で……」 錬金術師として名を馳せたアウレオウスと戦って生き残った人物が居ることが信じられないレッサーは混乱状態に。 そんなレッサーの疑問を解消させたのは姫神ではなく、当事者の一人でもあるステイルだった。 「彼女の言うことは全て事実さ。彼を倒したのはほとんど上条当麻で行方不明なのも本当だ。その戦いで記憶を失った彼を僕が顔を変えて野に放ったからね」 「私の。見せ場。ごっそり奪われた」 「あなたがそう言うのなら信じるより他にありませんね、ステイル=マグヌス。しかしアウレオウスを倒すなんて素敵です、上条さん!」 (*1) レッサーは同じ魔術師のステイルの言を受けて、ようやく信用することに(姫神の呟きは二人揃って無視)。 ステイルが当麻の『竜王の顎(ドラゴンストライク)』について話さなかったのは必要性を感じなかったことと、この能力はあまり公にしたくないという彼なりの配慮だ。 当麻に対して好意を隠そうとしないレッサーをステイルと姫神は当麻のフラグ体質、レッサーの態度に呆れるばかりだった。 「最後に質問です、巫女さん。あなたはオルソラの乱の時、何をしてましたか?」 「そんな乱は。私は知らない。それと私の名前は姫神秋沙。巫女さんは。やめて欲しい」 「そうですか。ご協力感謝します、姫神さん」 姫神を自分の捜し求めてる本命の人物ではないと判断したレッサーは、すぐさま次の人物への聴取を開始する。 しかし一人づつというのは面倒なので次は二人同時に聴取しようと考え、直感で指を差した。 「じゃあ次はそこのあなた達です!」 「あァン? 人に向かって指差すたァ礼儀がなってねェガキだなァ、オイ」 「落ち着きなさいよ一方通行。そんな怖い顔で睨んだらその子、トラウマになっちゃうわよ」 (い、いきなり怖そうな人たちに当たっちゃったーーーーーーーーーーーーーーっ!!) レッサーが指差した相手は不幸なことに一方通行、そして結標だった。 二人が一緒に居た理由、それはエツァリの件についてだったりする。 一方通行に睨まれて固まってしまったレッサー、そんな彼女を助けたのはあの男だった。 「そう睨むのではないのである。初対面の人間にその態度は失礼なのである」 聖人の中の聖人、後方のアックアことウィリアム=オルウェルである。 (だー!!助かったー!!ありがとうございます聖人様ぁぁぁああああああああああああああああ!!) 「ンなこと言ってもよォ俺は元からこういう目つきだァ……ン?テメェどっかで会った事ネェかァ?」 「そんな事………ってあの時の堕天使ぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」 何故忘れていたのだろうか?ロシアで上条と共に打倒フィアンマの時いきなり襲ってきた黒い翼を持つ堕天使である。 「堕天使だァ?俺の生き方はンナモンだがいきなりそりゃネェだろォ?」 どうやら一方通行は覚えてないらしい。だがレッサーは更に脅えるばかりだ。 「何か因縁でもあるわけ?」 「ンなババァ覚えちゃいネェよ」 「ば、ばばぁですとぉ!?まだピッチピチ、ピッチピチですよぉ!?」 「ウルセェ、お前みたいなヤツはババァだ」 「それがロ………ごめんなさいそんな殺気を私にむけないで、本当に死んじゃうわ」 「で、では!!話を戻してあなた達がどんな風に魔術の存在を知ったんですか?」 とりあえず空気を和ませようと話を戻すレッサー。 「同僚が魔術だの何だのふざけた事言ってんだよォ」 「私もだけど?」 「学園都市の仕事に何故魔術師?………ああ、そういう仕事ですか」 レッサーは何か納得していたが、どういう事を考えていたのかはここにいる誰にもわからない。 「じゃあ最後にお二人に質問です。オルソラの乱はご存知ですか?」 「ご存知も何もそのふざけた乱を起こした連中とやり合ったぞ。ついでにその首謀者には……クソッ、ロクな思い出がねェ」 「私もこいつと同じく。土御門に呼び出されてそのまま戦闘よ。全く人使いが荒いんだから」 「そうですか。ご協力感謝します」 一方通行と結標が二人揃って前線で戦っていたことを察したレッサーは、二人が影で動いているという線は無いと踏んだ。 次にレッサーが指名したのは浜滝だが、ちょっとした問題が起きることに。 「では次は浜面さんと滝壺さんです。お二人はどうやって魔術を知ったんですか?」 「いや、レッサーちゃん、そのことなんだけどさ……」 「はい? どうかしましたか?」 「「魔術って……何?」」 そう、浜滝はウィリアムに助けられこそすれ、魔術の存在とかは全く知らなかったのだ。 浜滝は思い出す、絹旗がウィリアムの能力、つまり魔術について説明するからここに呼ばれたことを。 しかしその時、レッサーはその話を聞いていなかったのでどうしたものかと本気で悩み始める。 「え~、この場合、魔術についての説明をした方がいいんでしょうか?」 「それならば我に任せよ。この二人とは縁が深い、ゆえに我が説明をするのが当然なのである」 ウィリアムの今までの行動に、最初に会った頃の警戒心は殆ど抜けつつあるレッサー。 ならばとウィリアムに浜滝への魔術説明を頼むレッサーだが、そこに待ったがかかる。 「ちょーっと待つぜよレッサー。あの二人にウィリアムの説明は堅っ苦しくて上手く伝わらないにゃー。ここは俺がカミやんでも分かる魔術講座を開いてやるぜい」 「な、なぁ美琴。今、さりげなく土御門にバカにされた気がするんだけど?」 「気のせいじゃない? それに私は当麻がバカでも当麻のこと、ずーっと愛してるから♪」 上琴クラスのバカップルになると、どんなことでもいちゃつく切っ掛けにしかならないようだ。 そんなバカップルを無視して、ウィリアムは突然割って入ってきた土御門に抗議する。 「待つのである。あの二人を魔術で助けた我が説明をするのが筋というもの。ここは我に任せて欲しいのである」 「滝壺だけならあんたに任せるにゃー。けどな、浜面はカミやんレベルのオツムぜよ。あんたの小難しい説明じゃ知恵熱出して倒れちまうぜい」 「上条当麻クラスの賢さか……成程な。ではお主に彼らへの説明は任せるのである」 「感謝するぜい♪ つーわけでレッサー、悪いけど2分時間をくれるかにゃー? 2分であの二人に魔術の説明、するからさ」 ウィリアムに代わって浜滝に魔術の説明を請け負った土御門、二分だけ時間をくれるようにレッサーに頼むと快く了承してくれた。 こうして土御門先生による『カミやんでも分かる魔術講座:二分版』が浜滝に行われることに。 「魔術と言うのはまさに超能力と反対に位置する不思議な現象(チカラ)ぜよ。 例えば昔の文字を刻んで炎の化身を呼び出したり、術式を作って家をぶっ飛ばしたり、黒曜石のナイフで人間の皮を剥ぎ、その皮被って変装したり、更には氷でできたドデカイ船なんてあるにゃー。 更に更に、魔道書何てしろものがあれば一冊でもあれはそんな常識を軽く越えて、神に匹敵する最強のチカラを手に入れることができる。 まあ天使の魔術だったらいつでも地球を破壊できるんだけでにゃー。」 「天使なんているのか?」 浜面が恐る恐るてを挙げながら聞いてみるが、土御門はあっさり、 「普通にいるぜい、俺とかみやんとねーちん何か実物を拝めた事があるにゃー」 その言葉に初春、魔術側の人間も驚いていた。 「て、てててててっ天使って本当に居るんですか!?」 「ええ、しかしあれはあまりおすすめ出来ませんね……」 そこで今回の解説人の土御門元春がにょきっと神裂と初春の間に出てきてた。 「そう、ねーちんの言う通り天使何かいいものじゃないにゃー。あれは科学で言えば神に従うロボット、感情もヘッタクレもないにゃー。 まあそのぶん人間を容赦なく殺れるんだろうけどにゃー」 「じゃあつちみかど、人間にその魔術はつかえるの?」 土御門はピカーン!!とサングラスを光らせ、滝壺に近寄る。 「流石滝壺ちゃん、いい質問だにゃー。でも答えは“分からない”かにゃー?」 そう言う今度はインデックスに近づき、頭をポンポンと叩く。 「こいつの頭の中には十万三千冊の魔道書がつまってるにゃー。そいつの中に天使の術式を書かれたと言われているものもいくつかある。 普通の魔術師じゃなくて、この十万三千冊の魔道書があれは可能かも知れない……俺達魔術師はそいつの事を魔神何て呼んでるけどにゃー。」 「と言うことは、普通の人間に魔術何て扱えないのか……」 そんなことを呟いた浜面に土御門はビシッとカッコよく指をさした。(白雪談) 「それは違う!!魔術は才能のない人間が使うとっておきだ!!逆に言えば超能力者は魔術何て使えないにゃー。 何故使えないかって?それは魔術と超能力の“回路”が違う。 もし強引に超能力者が魔術を使おうとしたら血管マジでち切れるにゃー。」 「じゃあ能力開発を受けても、何の能力も使えない無能力者はどうなんだ?」 「浜面……お前がチカラをつけたい気持ちは分かるけどそれも同じだにゃー。」 「そうか……」 「はまづら、はまづらが何のチカラも無くても、私ははまづらを愛してる……」 「滝壺……ありがとよ!!」 浜面はいかなりガバッと滝壺に抱きついた。ここにもバカップルがいた。 「まっ、基本的にこんなモンぜよ」 「ちなみにウィリアムさんは聖人と呼ばれる、世界に20人程度しかいない特別な人なんです。火織お姉ちゃんもそうなんですよ♪」 「世界中で20人だけしかいねーのかよ! というか聖人ってどんな人達なんだ?」 「えっと、神の子に似た身体的特徴や魔術的記号を持った人達のことです。浜面さんの理論で言うなら色々と人間を超えた人達ですね。ウィリアムさんはさらに例外ですけど」 「ういはる、うぃりあむが例外ってどうゆうこと?」 土御門に代わってウィリアムについての説明を始めた初春に、魔術側の人間はちょっと感心していた。 「ウィリアムさんは神の子と親子関係の聖母の身体的特徴も持ってるんです。神の子と聖母、両方の力を兼ね備えた二重聖人なんですよ」 「つまりだ、ウィリアムのおっさんは超レアってことでいいんだな?」 「浜面さんの考えで言うならそうですね。これでいいですよね? 土御門さん、火織お姉ちゃん」 「上出来ぜよ。むしろ聖人の説明は出来て、天使の存在に驚いてたことにビックリしたにゃー。ねーちん、教育が偏りすぎてないか?」 「飾利は天草式魔術と私のような聖人についての説明から入りましたからあれでいいんです。それにしても一生懸命魔術の説明をする飾利、立派でした!」 神裂は科学側の人間で義妹の初春が魔術側の説明をしていたことに感動し、迷わず彼女をハグする。 どうやらこの聖人サマ、自分がシスコンだということを隠す気はさらさら無いようである。 ちなみに神裂のハグに反応したシェリーと建宮が動こうとしたが、先の一方通行の件もあって焼きもち全開で見守ることに。 「少し時間が取られちまったけどこれで二人への説明は終わりぜよ、レッサー」 「あ、ありがとうございます! ではお二人が魔術の存在を正しく知ったのは今日ということで。念の為に聞きます、オルソラの乱は知ってますか?」 「わたしはみさかと一緒におるそら達の人質になった。でもはまづらがカッコよくわたしを助けてくれたよ」 「当然、俺達は魔術の存在を知らなかったぞ! いやー、人生ってのは生きてるだけで何とかなるもんだな!」 浜滝を見ててレッサーは思った、この二人は見た目と違いかなりの大物なのではと。 これで残るのは月夜、初春、木山なのだがレッサーは一番早く片付けられそうな初春に視線を移す。 「じゃあ次は私ですね。私は」 「あなたにはそんなに聞く気はありません。大方、神裂火織の血の繋がらない妹で魔術のことも彼女に説明を受けた、こんな所でしょう」 「えっ? あ、あの……」 「マスコットっぽいあなたがオルソラの乱なんて物騒な件に関わってるわけありませんからこれで質問は以上です、ありがとうございました」 最初から初春が本命ではないと思っているレッサー、自分独自の見解で手早く初春の聴取を終了させる。 「まさかここまで君を軽視してるなんてね……。君としては思う壺なんだろうけどちょっとは不満じゃないのかい? 初春」 「いや、まあ、軽く見られるのは分かりきってましたけど、まさかあそこまでとは……」 「知らない人間から見たら初春ちゃんが何をやってるのかなんて分かるはずもないぜよ。それゆえのアドバンテージと思ってればいいんだにゃー」 レッサーの態度にステイル、初春、土御門は若干呆れていた。 そんな場合でも神裂は初春を姉として可愛がることを忘れず、土御門に対してあのワードをぶつける。 「飾利の良さを分からないとは嘆かわしい魔術師ですね。それにしても土御門、私はあなたを馬鹿にしていた自分が恥ずかしいです。シスコンとはいいものですね♪」 「ちょ! ねーちん! その単語を俺に当てはめるような言い方は止めるぜグオッ!」 土御門が言い終わる寸前に、彼の頭に氷の短剣が思いっきり突き刺さる、犯人は当然ながら月夜である。 顔を血で真っ赤に染めながら、倒れた土御門に周囲がざわつく中、レッサーはそれを行った当事者の月夜と相対することに。 「あ、あの、し、白雪さん……。い、いいんですか?」 「イイも悪いも無いよ。それよりレッサーちゃん、私にも聞くんでしょ? じゃあ早くしようよ♪」 「は、はい……(こ、怖い! さっきの白い人やサラシの人よりも白雪さんの方が怖いです!)」 レッサーは目の前の月夜に恐怖しつつも、自分の目的を果たす為に彼女にも魔術と関わった切っ掛けを尋ねるのだった。 「……魔術を知ったきっかけは何ですか?」 「元春を愛してるから……でいい?」 「いや、それ理由になってませんよ!?」 「いやー、だって本当にそんな感じで元春に教えてもらったからなー……」 白雪はうそは言っていないのだが、なぜか説得力がない。 それもそのはず、その愛する彼氏を容赦なく短剣突き刺すってどうゆうことだ。 「いやー、それはね?新感覚短剣つっこみアクションってやつだよ。元春すぐに起き上がるし」 「その通りぜよ」 土御門がいきなり起き上がり、そして顔にまいてる包帯をバサッと取り。サングラスをかける土御門。 「土御門元春様、復活ぜよ!!」 「きゃー!!元春カッコいい!!」 いや、この状況ではあまりかっこよくないぞ。 「え~と………ではオルソラの乱では何をしていましたか?」 目の前にいるヤンデレか何デレか分からない白雪に恐る恐るレッサーに聞いてみる。 「確か……すみっこで静かにゆっくり暴れてたよ?」 「それ支離滅裂ですから!!じゃあ次はそこの白衣の人お願いします。」 順番では木山なのだが、また何かの研究をしているらしく、徹夜の為か眠そうに答えた。 「私か?私は魔術なんてものに深入りした覚えはないが、きっかけは偶然だ。」 「偶然ですか……ではオルソラの乱では何か知っていますか?」 「残念ながら何も知らないな」 そう木山が答えるとレッサーは何故か楽しそうに口笛をふいた。 (まあ確かにただの科学者で情報操作何て出来ないとはどこかで思ってましたが……これは面白いことになりました。) その頃、打ち止めの子守りを任された上琴はと言うと。 「ねーねーもうミサカ飽きちゃったからどこか遊びに行こうよーってミサカはミサカはパパとママにおねだりしてみる」 「それもそうだな。レッサー、もういいよな? そっちの事情聴取は終ったんだろ? だったら俺達の引越し、手伝えよ」 「ええ。ただし、土御門さんに聞くべきことを聞いてからです!」 「俺? どうしてまた俺をご指名なんだにゃー?」 土御門を指名したレッサー、その表情には自信が満ち溢れていた。 しかしここからはまさに驚きの事実がレッサーの続々と襲い掛かることに。 「オルソラの乱で情報操作を行っていた人物、私はそれを科学側の人間と決め付けていました。しかし! それは大きな間違いでした!」 「つまりレッサー、お前さんは学園都市に潜入している魔術師の俺なら可能だって思ったのか?」 「その通りです! しかしまさか魔術師が、しかも有名所がたくさん居るとは予想外でしたけど」 レッサーの自信満々の推理(?)を聞いていた他の面々はただただ呆気に取られた、というより呆れていた。 そこへレッサーが本当に捜し求めた人物から声が掛かる。 「土御門さんにはそんなことは出来ませんよ。だって本人も前線で戦ってましたから♪」 「……へっ?」 「それにしてもレッサーさん達『新たなる光』の情報収集能力もまだまだです。ネセサリウスの魔術師が学園都市に土御門さんだけしか居ない情報を信じ込んでるようでは」 自分がこの子だけは絶対に無いと決め付けていた初春の登場にレッサーは呆然とするより他に無かった。 「信じられないようならちょっとした証拠を提示しますね。空港での5000人の魔術師強襲は日本とイギリスの合同演習、廃病院倒壊は大晦日の建設会社のイベントに」 「え? え?」 「さらにオルソラの乱に参加した魔術師とシスターの数は5251名。別目的の名目で来日したシェリーさん、潜り込んでいたインデックスさんとステイルさんは除いた数です」 「か、数まで正確に……ということはま、まさか、あ、あなたが……」 突きつけられた情報にようやくレッサーが現実を受け入れると、初春は照れくさそうに頭をかきながら宣言した。 「恥ずかしながら私です。オルソラの乱の時だけじゃなく、魔術師の皆さんが動きやすいように情報操作などのサポートもさせてもらってます♪」 「そ、そんな……。こ、こんな、あ、頭でガーデニングしてるようなアホっぽい子が……」 レッサーがショックで打ちひしがれている所に初春がそっと囁く。 ちなみにレッサーの悪意の無い暴言に神裂、シェリー、建宮が襲い掛かろうとしたがウィリアムと一方通行と当麻で見事阻止することに。 「それと私、王室派に引き抜かれる気はありませんから。私が目指すのはあくまで魔術と科学の共生、それだけですから」 「うっ……。こちらの目的もズバッと言い当てるなんて、どうやら認めるより他に無いようですね……」 レッサーの依頼主は王室派の人間(エリザードは関与していない)で、魔術側の為の情報操作を行った科学側の人間なら味方に引き入れたいと思ったのだ。 しかし敵になるようなら抹殺、そんなことを言われていたレッサーだが目の前の少女にそんな意思は全く感じなかったので抹殺は行わないことに。 「ちなみに土御門さんしかネセサリウスの魔術師が学園都市に居ないように情報操作したのは、当麻お兄ちゃんを狙う魔術師を誘い込む為です。当麻お兄ちゃんには秘密ですよ?」 「……あなた、本当に見かけによらずえげつないこと考えますね。あ、でも確か私達の掴んだ情報に協力者にあなたを示唆するようなデータが……」 当麻の命を狙う魔術師達の撃退はネセサリウス学園都市支部(天草式学園都市支部も含む)の魔術師が行っているが当麻はそのことを知らない。 レッサーは、というか『新たなる光』のメンバーは簡単に掴めた情報の中に初春らしき人物がいることを思い出したが全員が全員、ガセだと思っていたのだ。 そこで更に初春から衝撃の事実がもたらされることに。 「それは私を囮に魔術と科学の共生を望まない魔術師や能力者を誘き出す為です♪ 私もそれなりに命を張ってるということですよ。実際、死に掛けてますし」 「は、はは……。ひ、人を見た目で判断してはいけないということですか……。なんかもう言葉にならないです……」 初春を前にしたレッサーは、この先ずーっと目の前の少女には勝てそうに無い、漠然とそんなことを思っていた。 内緒話が終ったと思った初春は顔を上げて、ヴィリアンを手招きで呼び寄せる。 「あ、あの初春。じ、実は私もあなたに大切なお話があるのですが、まだ、こ、心の準備が……」 「は、はぁ……。じゃあそれは後でちゃんと聞かせてもらいますね。それよりもレッサーさん、一つお願いがあります」 「いいですよ、別に。それにヴィリアン様の御前ですし」 「じゃあ早速。レッサーさん、というか『新たなる光』の皆さんにヴィリアンさんの直属になってもらいたいんですけどどうでしょうか」 初春の提案にヴィリアン、レッサー、魔術師達はかなり驚かされることに。 そんな中、異を唱えたのはヴィリアンの恋人にして彼女のガーディアンとも呼べるウィリアムだった。 「そのようなことは不要なのである。ヴィリアンには我が付いている」 「お気持ちは分かりますけど、ウィリアムさんは『神の右席』です。『神の右席』としての用事でローマ正教に赴くのに英国王女のヴィリアンさんを連れて行くんですか?」 「ぬぅ……。た、確かにそのようなことは避けたいのである。しかしだな……」 悩めるウィリアムを初春は真っ直ぐな瞳で彼を見つめながら、嘘偽りない言葉で宣言する。 「大丈夫です! 『新たなる光』は英国の為に動いている結社予備軍です。第三王女のヴィリアンさんの力に必ずなってくれます! ですよね? レッサーさん」 「と、当然です! 私達『新たなる光』、必ずやヴィリアン様のお力になることを今ここに宣言します!」 「えっとレッサー、それはつまり、私の為に働いてくれるということですか? も、もちろん私としても嬉しい申し出なのですが……」 「悩む必要は無いのである、ヴィリアン。彼女達の厚意を嬉しく思うのなら素直に受け入れるのだ」 迷うヴィリアンの後押しをしたのは初春の言葉、レッサーの真摯な眼差しに偽りが無いと判断したウィリアムだった。 ウィリアムの後押しで迷いを吹っ切ったヴィリアンはレッサーと誓いの言葉を交わす。 「レッサー、それに『新たなる光』。これから先、私の力となって下さい。あなた方の上に立つに相応しい者になれるように私も努力しますから」 「ありがたき幸せです。私達『新たなる光』、主たるヴィリアン様の力となることをここに誓います」 ヴィリアン、学園都市にて『新たなる光』という自分にとっての唯一無二の力を手にすることに。
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とある部屋のひな祭り 今日は3月3日、雛祭りだ。当日にもかかわらず仲むつまじく雛人形を飾りつけている2人組がいる。「だ~か~ら~そこじゃないって言ってんでしょ!」「もうこの際どこでもいいだろ!」ここは上条の部屋。美琴が持ってきた(実際は配達してもらった)雛人形を飾りつけようと悪戦苦闘している。なぜ美琴の部屋ではないのかというと規則の厳しい寮であるということと相部屋ということが理由だ。まあ常盤台の寮だと上条が入れず2人で作業ができないというのが1番の理由だが…飾ろうと言い出したのはもちろん美琴。だが飾ることは建て前で本音は誰にも邪魔されずに上条とすごしたいだけである。もっとぶっちゃければいちゃいちゃしたいだけだ。バレンタインで付き合い始めて早数週間。2人の仲はそれほど進展していなかった。これまで何度かデートをしたが黒子の妨害や上条のフラグ体質のため2人でゆっくり過ごせたことはほぼない。また上条は美琴がまだ中学生だという理由で消極的になりがちだった。だから雛人形を飾りひな祭りということでいい雰囲気をもっと距離を縮めようという作戦である。もう日が暮れようとしている時間になりようやく完成。「やっとできたわね…予想以上に時間かかったわ…」「だからやめようって言ったのに…」「なによかわいい彼女のお願いがいやだったってわけ?」「いやそういうわけじゃないけどこれすぐ片付けるとなるとなんかむなしいっていうか…」などと言い争いを始める2人。しかし疲れていたのかすぐに静かになった。上条は完成したばかりの雛人形に目をやる。「しっかしほんといろんな種類があんだなこれ。」「まあね。…こうやって2人して並んで見てると私達もお内裏様とお雛様みたいね///」「…お前かわいいこと言うな…」先ほどの雰囲気が嘘のように一気に桃色空間に切り替わる。2人の顔はどんどん赤くなっていく。いい雰囲気になったのにもかかわらずさっきの発言の恥ずかしさのあまり美琴は慌てて話題を変える。「じゃ、じゃあさ!五人囃子を誰かにたとえると?」「五人囃子か………五人囃子って男だよな?」「一応現代で言う美少年って設定らしいわよ。」「っていうと…………土御門とか青ピ?」「あの2人か……ってか5人言いなさいよ。」「5人…」上条は考える。しかし意外と思いつかない。思いつかないためあれ?おれって男子の友達少ない?とか考えて少し落ち込む。そこで学校内以外の人物もいれて考えてみる。そこでまず思いついたのが「そうだ!一方通行!」「…なんだかお内裏様とお雛様を攻撃しそうなんだけど…楽器持ってる姿も想像できないし。」そこで上条は一方通行の五人囃子姿を想像してみる。…いろんな意味で恐ろしい……次に思いついたのが「天草式のメンバーだ!建宮とかぴったりだろ!」「あのクワガタか…服装は似合うかもしれないけど少年じゃなくない?」「そういわれるとそうか…他の天草式もほとんど少年ではないな…」「一応聞くけど他には?」う~ん、と唸る上条。イギリス精教でだれか考えてみる。すぐに思いついたのが不良神父ステイル=マグヌス(あいつ年齢的には少年だしな…意外といけるかも)イギリス精教ではステイルしか思いつかなかったため次にローマ正教を考える。ローマ正教で男といえば“神の右席”の三人。テッラ、アックア、フィアンマを思い浮かべる。(あいつらが五人囃子だったら怖すぎるだろ…)もっともな意見である。まあそれ以前に少年ですらないのだが。「つーか何が楽しくてひな祭りに“神の右席”を思い出さにゃならんのだ…」「誰か思いついたの?」「いや…あんまり…てか美琴は誰か思いつかないのかよ。」「え?えーと…」一応先ほどから考えていたがあまり思いつかない。男の知り合いはやはり少ない。しいて言うならば「……海原光貴?」「あいつか…まあなくもないような…って美琴だって1人しか言えないじゃないか!」「だって男子の知り合いなんてあんまりいないし…それに…」「それに?」「男子の知り合いは当麻さえいれば私は満足だし…ね…///」再び桃色空間に突入。顔を赤くしモジモジしながら話す美琴。最後のほうは声が小さくなり聞き取りずらかった。だがそれがたまらなくかわいい。上条にとってストライクだった。「確かに…美琴が俺以外の男と話してるのはいやだな…」「と、当麻ったら意外と独占欲が強いのね。///」「そ、そりゃお前は俺の彼女なんだから独占したくもなるさ。///」「当麻…」「美琴…」2人は見つめあう。そして徐々に近づき、距離はゼロに―――「上やーん!!ちょっと飯わけてくれないかにゃー!!」ならなかった。突如部屋に入ってきたのは隣の部屋の土御門。インターホンすら鳴らさず突撃してきた。いい雰囲気を邪魔されたことに対し怒りのドロップキックをくらわす上条。くらった土御門はそのまま通路へ吹っ飛んでいく。いきなり何するんだにゃー!とか叫ばれたがそんなことは気にしない。さらに数発けりをいれ思いっ切りドアを閉め鍵をかける。なぜ鍵をかけなかったと悔やむがいくら悔やんでも時間は戻らない。当然のごとく桃色空間は消滅。むしろ気まずい空間が生まれる。「……え~と…そ、そうだ!三人官女を誰かにたとえると!?」あまりの気まずさに上条が強引に話題をふる。「さ、三人官女ね…やっぱ黒子、初春さん、佐天さんかな。」「おー、あの3人か。」なんとか気まずい雰囲気は消え去った。上条はほっとするがこの話題は致命的な弱点があるということに気がつかない。「固法先輩もいいと思うけどね。当麻は誰か思い浮ぶ?」「3人っていうと…姫神、吹寄、雲川先輩あたりか?」「なるほどね~。」「天草式だと神裂、五和と対馬?だっけ。この3人とかいいんじゃね?」五人囃子の時と違いどんどん名前を挙げていく上条。その勢いはとどまるところを知らない。「あとは…小萌先生、黄泉川先生、親船先生の先生による三人官女もありか。」「え?ねえちょっと…」「風斬も似合いそうだよな~。」「お~い…」「日本以外だとアニェーゼ、ルチア、アンジェレネの3人とかもありだろ。」「……」「イギリス精教ならオルソラ、シェリー、インデックスがいるな。」「あの、さ…」「リメエア、キャーリサ、ヴィリアンの王女の三人官女なんてのは豪華だな。」「いいかげんに…」「あ!御坂妹、番外固体、打ち止めの三人官女もいいんじゃ―――」「せんかコラーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!」そう叫ぶと同時に大覇星祭の時のような鉄拳を放つ。今回は横腹にだが。ちなみに電撃ではないのは電化製品を考慮してのことだ。…たぶん上条に物理的ダメージを与えたかったわけではない…はずだ。そしてその場にうずくまる上条。「アンタね…なんで五人囃子の時と違ってスラスラと名前が出てくんのよ…」「ちょ…今のは……きついって…」「5、6人ならともかく多すぎるでしょ!それにまだまだ言えそうだったじゃない!!!」「ゴホッゴホッ……あ、いや、すいません…」「なにが先生とか王女による三人官女よ!挙句の果てに妹達までもってくるし!!!!」「み、美琴…ちょっと落ち着いて…」「こ・れ・が……落ち着いていられるかぁぁぁぁぁああーーーーーー!!!!!!!」「だぁーーー!!!電撃は止めて!家電が死んじゃう!!」「アンタが死んでその女癖を治してこいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!!!」美琴は帯電しながら暴れようとする。上条はそれを決死の覚悟で止める。さっきじゃなくて今こいよ土御門、とか思ったがくる気配はない。もはやどうしようもないのでとりあえず右手で美琴の腕をつかむ。帯電していた電気は一瞬で消え去り怒りくるっている美琴が残る。そして上条はその怒りをも消す。方法は簡単、そのまま抱きしめたのだ。「ふえ!?ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと当麻!?」“幻想殺し”もビックリなくらい瞬時に美琴の怒りは消え去る。抱きしめたまま数分が経過。美琴はさっきまで怒っていたのが嘘のようにおとなしくなり目はトロンとしている。「…落ち着いたか?」「うん……ふにゅ…」「じゃ、いつまでも立ってるのもなんだし座ろうぜ。」そう言うと上条は抱きしめている美琴と共にベッドに腰を掛ける。美琴の顔は緩みきっていた。上条は抱きしめるのをやめていたが美琴が抱きついている。この状況が数分続いたあと、完全に落ち着いたためか美琴の表情が悲しげなものに変わる。「当麻…ごめんね、殴ったり死ねなんて言っちゃったりして…彼女失格だよね…」不安なのか抱きつく力が強くなる。「そのうえ暴れようとして…嫌われても当然…うう…ほんとにごめんね…」美琴は今にも泣き出しそうだった。それを見た上条は美琴の頭をなでる。「嫌いになんかなるわけないだろ?俺は美琴にデレデレなんだからさ。」「…ほんとに?今日も無理やり手伝わせたのに?」「全然気にしてないって、俺はお前といるだけで楽しいしな。」「そっか…楽しいんだ……よかった。」「それと…さっきはごめんな、お前の気持ちを考えてなくて。」「ううん、いいのよ。あれは当麻には女の人の知り合いが以上に多いからちょっと不安だったから…」「まあ確かに多いな……でも安心してくれ。」「?」「たとえどれだけ多くの女の人と知り合いになろうと俺のお雛様は美琴だけだからさ。」「!!…えへへ、嬉しいな~。も、もちろん私にとってのお内裏様は当麻だけだからね!」お互い顔が赤くなっていることがわかる。恥ずかしいため2人は少しは離れたが今この2人を邪魔するものは何もない。部屋には西日が射しており壁に2人の影が映し出されている。その影の距離は近くなり、そして―――1つになった。数秒後影は2つに戻った。美琴はゆっくり上条に寄り添う。西日が射しているためベッドは赤く染まって見える。そのベッドの上に座っている2人はお雛様とお内裏様のようだった。
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とある世にもな舞台裏話 とある世にもな奇妙物語 の舞台裏です。 ~佐天「地球の裏側からでも初春のスカートをめくれる能力かぁ…」収録後~佐天 「いやー! お疲れ様でしたー!」初春 「お疲れ様…じゃないですよ!! 私何回スカートめくられなきゃならないんですか!!」佐天 「いやだって、全国のお茶の間の皆さんにも、初春の下着を見せてあげたいじゃん? 『初春の下着を食い入るように凝視し隊』の隊長としては」初春 「滅べばいいですよそんな隊!!!」美琴 「あはは…」白井 「一つ気になる事があるのですが、あのオチの後は結局どうなりましたの?」佐天 「さぁ? 多分死んじゃったんじゃないんですかね」初春 「さぁって……」佐天 「脚本、その場のノリで書いちゃいましたから。詳しい事はあたしにもよく分かんないです」白井 「そんな適当な……」佐天 「まぁまぁ、あたしの事はいいじゃないですか! それより次も御坂さん、出演す【で】るんですよね。 どんな役なんですか?」美琴 「それがまだ、脚本できてないみたいなのよね」初春 「大丈夫なんですかそれ? もうギリギリですけど……」美琴 「まぁ待つしか―――」舞夏 「おーいみさかー! 脚本上がったぞー!」美琴 「土御門!? えっ、アンタが書いたの!?」舞夏 「私じゃないぞー。 私の兄貴だー」白井 「ずいぶん遅かったようですが、貴方のお兄様は今まで何をなさっておりましたの?」舞夏 「一応弁護するとだなー、土壇場になって書き直したみたいだぞー」初春 「それで、どんな内容なんですか?」舞夏 「ふっふっふ……読めば分かるぞー!」美琴 「へぇ、どれど…れ……?」佐天 「おおう! これは♪」初春 「わ、わぁ~///」美琴 「な! な! なな、な、ななな、なな!!!///」白井 「なんじゃあああああああこりゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」土御門 「おうカミやん、脚本できたぜい」上条 「遅ぇよ! 台詞の暗記時間ほとんど無ぇじゃねーか! 上条さんの頭の悪さなめんなよ!?」土御門 「自分で言ってて悲しくならないか? だがまぁ遅れたのは事実だにゃー。 すまんかった。けどオレにも事情があるんだぜい?」上条 「何だよ事情って」土御門 「今回、10コのエピソードが作られる訳だろ? なのに9番目のエピソードまで、一個も『上琴話』がなかったんだにゃー! 制作が『上琴推進委員会』なのにそれはマズイ!」上条 「それでギリギリになって書き直したのか?」土御門 「そういう事。オレだって本当は、没になったこの 『オレは妹に恋をするにゃー』の脚本でやりたかったぜい……」上条 「どっかで聞いたタイトルだな… ところで前から気になってたんだけどさ」土御門 「あん?」上条 「………『上琴』って…何?」土御門 「………………ググれカスやん」 ~デレデレールガン収録前~上条 「なぁ、土御門。 一応聞いとくけど、この話に出るのって、俺と美琴とお前だけだよな?」土御門 「それがどうかしたか?」上条 「いや、なんつーか……観覧希望者【やじうま】多くね? ざっと300人位いるんだけど。スタジオギッチギチなんだけど」土御門 「入りきらなかったお客さんは、スタジオの外から見学してるぜい」上条 「まだいんのかよ!」美琴 「あ、あば、あばばばばばば!!!///」上条 「そんで美琴【おまえ】はどうしたん!? まず落ち着いて日本語を喋ろうか!」~デレデレールガン収録開始~上条 『ぇぇぇええええええ!!? み、美琴ぉぉぉぉ!!!?』美琴 「…………………」上条 (…あれ? 次は美琴が起きて『おはよう』って台詞を―――)美琴 「……ふにゃー」上条 「すみませーん! 女優さんが気絶してまーす!」土御門 「カットーーー!!!」美琴 『いいいい今更何言ってんのよ!!! つつ、つ、付き合いはじゃめきゃりゃずとくおぼじゃぎゃらい!!!』上条 「最後何て!? 噛みすぎて文字化けみたいになってんぞ!」土御門 「カーーーット!」佐天 「御坂さんファイトです!」初春 「ちなみに白井さんは、邪魔できないように寮監さんに見張ってもらっているのでご安心を!」舞夏 「容赦ないなー」上条 『しょ、将来……って…?』美琴 『だ! だから! いつか、け、けけ、けこ、け、けこ、けっこ、け、っこ、こけっこここ……///』上条 「ニワトリか!!!」土御門 「カットカットカット!」打ち止め 「お姉様頑張れー! ってミサカはミサカは応援してみる!」番外個体 「おねーたまもっとテンパれー、ってミサカは茶々を入れてあげる。ギャッハ☆」御坂妹 「お姉様爆発しろ、とミサカは舌打ちをします」上条 「なぁ土御門…この後、問題の【キス】シーンがあんだけど」美琴 「だっ!!! だだだ大丈夫よ!!! ほらアレだし!!! 所詮は撮影だし!!! じょ、女優魂っていうの? 私そういうのあるし!!! 歯もめっちゃ磨いてきたし!!! フリスク3ケース食べてきたし!!! シャ、シャワーも浴びてきたし(?)!!!///」上条 「このように美琴センセーが極限状態な訳で、っていうか色々マズイだろ。 だからそれぞれ後で別撮りして、CG加工すればいいんじゃねーか?」土御門 「まぁ…学園都市の技術なら簡単だけどにゃー」佐天 「ブーブー!」フレメア 「にゃあにゃあ!」黄泉川 「じゃんじゃん!」浜面「…すげぇブーイングだな。つーかブーイングか? これ」美琴 『お、おお、おはようのチュウよ/// こ、こ、これがなかっふにゃー』上条 「はい、本日17回目のふにゃー頂きましたー!」土御門 「カットカーーーット!!! 全っ然進まないぜい!」削板 「弱音を吐くな! 根性が足りんぞ!」食蜂 「根性じゃなくて、演技力が足りないんじゃなぁい? 御坂さんのねぇ」美琴 『あ、ああ、あ、あーん///』上条 『は、恥ずかしいし!!』美琴 『わ、私だって恥ずかしいわよ!! でで、でも仕方ないでしょ!? 台本にそう書いてあるんだから!!!』上条 『いやいやいや、俺だって台本通りに言っただけなんですが?』土御門 「はいカット! グッズグズか!!」姫神 「ポテチ。開けていい?」インデックス 「あっ! 私も食べたいかも!」風斬 「あ、あの…見ないんですか…?」 上条 「なぁ土御門…この後、問題の【ゆびをアマガミする】シーンがあんだけど」土御門 「さすがにもう、CG【インチキ】は使えないぜい?」上条 「いや、でもさ……」美琴 「すぅぅ………はぁぁ………すぅぅ………はぁぁ………」上条 「美琴がかれこれ10分近く深呼吸してるけど、全然終わる気配がないんだが……」土御門 「…もうちょっと待ってやれ」木山 「そういう時は、『ひっひっふう』の方が良いのではないかな」小萌 「…それはラマーズ法なのです……」神裂 「緊張をほぐしたい時は、死んだふりをするのが効果的と聞いたことがあります」小萌 「…それは熊に遭遇した時の対処法…しかも間違った方法なのです……」上条 「なぁ土御門…この後、問題の【みことがよこからだきつく】シーンがあんだけど」土御門 「…いや、言いたいことは分かるぜい、カミやん」美琴 「ひっひっふう……ひっひっふう……」上条 「あの娘何で15分近くも死んだふりしながら、ラマーズ法の呼吸してんの!?」土御門 「知るか! 俺が聞きたいぜよ!!」一方通行 「悪ィがここでベクトル逆流【かくめい】だァ」麦野 「マジかよ! 私『2』ぃ3枚も持ってたのに!」垣根 『あっ、私はパス1で』上条 「飽きてるよ! レベル5の方々、飽きて大富豪やっちゃってるよ! 帰れよ!!」美琴 『そ、そろそろ……あの………ア…ア…アッチのほにゃー』上条 「何回NG出してんのぉぉぉぉぉ!!?」土御門 「カットカットカーットーーー!!! 進まねぇぇぇぇぇ!!!」トール 「暇だし、スマブラやらねーか?」円周 「うん、うん、分かってるよ数多おじちゃん。スマブラなら断然DXだよね」アックア 「ここは敢えて、弱キャラのミュウツーを使うである」青髪 「ボクは女の子以外使う気になれへんな。やっぱピーチたんかなぁ。 いや、サムスたんやゼルダたんも捨てがたい!」上条 「だから飽きたんなら帰れって! スマブラ始めてねーで! つかメンバーカオスだな!!!」上条 『ああ! いつの間にか好きにな―――』美琴 「ふにゃー」上条 『ってたy………』土御門 「………カット」絹旗 「あれ!? ナルトの31巻どこですか!? 超無いんですけど!!」黒夜 「あァ、私が読ンでる」美琴 『わわわ、私、は、どんな世界にい、い、ても、 絶対かかか、かみ、かみ、「上条当麻」をす、すす、好き…に…にゃる……///』上条 「うおー! よーし! ふにゃーせずに、よく(?)言ったぞ美琴ーーー!!!」土御門 「カットー!!! 折角うまく(?)いったのに、お前がNG出してどうすんだカミやん!!!」上条 「あ…悪い……」オルソラ 「カレーライスが出来たのでございますよ」建宮 「おー! 流石はオルソラ嬢! すごく美味そうなのよ!」インデックス 「んぐんぐんぐ! おかわりなんだよ!」ステイル 「もっと良く噛んで食べた方がよくないかい?」土御門 「とうとうメシ食い始めたぜい……」上条 「ホントもう帰ってくれないか?」~デレデレールガン収録後~上条 「お、終わった……」土御門 「まさかこんな短いドラマ撮るのに、丸三日もかかるとは思わなかったぜい……」美琴 「あ、あの……またこういう機会があったら…その……よ、よろしくね……///」上条&土御門 「「絶対やだよ!!!」」美琴 「何で!!?」 ~おまけ・CM集~「まだまだ足りないんだよ!」「何故だ!? 彼女はあきらかに、自分の体積以上の食料を食べている!!」「まだまだ足りないんだよ!!」「そんな! 世界中の食料を食べ尽くすつもりですか!!」底なし胃袋 脚本 : 上条当麻「まだまだ足りないんだよ!!!」「こんな…こんな実験って!!!」「今更何言ってやがる。テメェも加害者側だろォが!」「あなたは…オリジナルなのね?」「その呼び方で呼ばないで!」試験管シスター 脚本 : 打ち止め「はじめましてお姉様、とミサカは挨拶をします」「何を言っているの? あなたは。初めから一人だった」「そ、そんな事はないんだよ!」「確かに名前は聞いたことがあるわ。でも誰もその姿を知らないのよ」「そんなの……そんなの嘘なんだよ!」カザキリ ヒョウカ 脚本 : 月詠小萌「じゃあ…じゃあ! ずっと私と一緒にいた、あの女の子は誰だったのかな!!!」「もはやズンドコは時代は終わったである。これからはベロンチョが世界を席巻するのである!」(ズンドコ? ベロンチョ? 一体何の話だ?)「私は、ズンドコ派最後の一人になっても戦うわよ。あなたもそうでしょう? フィアンマ」(だから何なんだ! ズンドコとかベロンチョって!)ズンドコを下位に、ベロンチョを上位に 脚本 : テッラ「俺様が創り変えてやる。ズンドコもベロンチョもない、平和な世界に」「……このテーブル、何か違和感が無いか?」「気のせいだろ? ベルシは神経質だな」「サンドリヨンがいない?」『ガタゴト…ガタゴト…』人肉テーブル 脚本 : マリアン=スリンゲナイヤー「まさか…生きているのか!?」「キャー!!!」「すごいよ初春! まさか深海からでも使えるなんて!」「キャー!!!」「すごいよ初春! まさか宇宙からでも使えるなんて!」佐天「地球の裏側からでも初春のスカートをめくれる能力かぁ…」 脚本 : 佐天涙子「じゃあ今度は、天国からでも使えるのか試してみるね!」「ぇぇぇええええええ!!? み、美琴ぉぉぉぉ!!!?」「あ…おはよう当麻、良く眠れた?」『どうやら今のカミやんは、パラレルワールドから来たみたいだぜい』「パラ…って、マンガとかゲームによく出てくるあの!?」デレデレールガン 脚本 : 土御門元春「ありがとう美琴。お前を好きになって良かった」
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体育館から出てきたところへ土御門と白雪が声をかけてきた。 「アクセラー、そっちは終わったかにゃー?」 「アン、土御門どもか。ああァこっちは終わったぜェ、この状況を見りゃ一目瞭然だろうがァ!」 「たしかににゃー、新入生たちが気絶者の山になってんだもんにゃー」 「でも体育館の中でこっちを見ながら座り込んでる心理掌握がいるけど、大丈夫なの?それに少し顔が赤いような?」 「にゃ?顔が赤い?・・・アクセラ、キスでもかましたのかにゃー」 「ナァ、なに言ってやがるゥそんなわけあるかァ!」 「じょうだん、冗談にゃー!だからベクトル操作しないでにゃーーーァ!って月夜?何処に電話しようとしてるぜよ?」 「何処って、初春ちゃんにだよ。憶測で何か言うよりなにがあったか状況確認できるほうが行き当たりばったりより良いと思って♪それに魔術師の動向も判るしね♪」 「それは一理あるんだが、とりあえず今はアクセラを止めてくれにゃー!」 「今のは元春が悪いと思うよ♪だから制裁を受けなさーい♪」 「フン、白雪の許可も下りたことだしィ覚悟はできたか土御門ォ?」 「にゃ~穏便に頼むにゃ~」 ドガン!!! そして土御門は一方通行の力で体育館の壁にめり込んでしまった、涙を流しながら。 「もしもし、初春ちゃん?」 『は~い初春ですけど、その声は白雪さんですか?ウヒャ、って火織お姉ちゃん!電話中にハグしないで下さい!』 『ですが飾利、ゴスロリのあなたを見ているとどうしても抱きつきたくなるんです』 『だからといって電話中なんですから、自重して下さい!』 「初春ちゃ~ん、大丈夫なのかな?」 『は、はい、大丈夫です。それでどのような用件ですか?』 「うん、私たちの学校で魔術による爆発があったから動向を教えてもらおうと思って。後それと、つい今しがた体育館で一方通行と心理掌握の間でなにがあったか調べて欲しいけどできる?」 『はい、できますよ♪映像データを探しますね。それと魔術師ですが女性の方は私たちがいる協会を調べていたんですが即座に立ち去っていて、男性のほうは、すでに友愛高校の敷地内に入ってまだ出た形跡はありません。あ~それと建宮さんからの知らせで時限術式が当麻お兄ちゃんたちの家にひとつ仕掛けられてたそうです。もちろん解除は終えてますよ。っと、映像探し終えましたからそちらに送りますね。』 「あ、ありがとう初春ちゃん。何かあったら知らせてね。」 『は~い。ってステイルさん大丈夫ですか!?鼻血がものすごく出て』 ブチ、ツーツーツー 制裁を終えて気分が少し晴れた一方通行と壁から出てすでに回復が終わった元春が心配そうに話しかけた。 「どォしたァ白雪ィ?真っ青だぞォ?」 「どうしたんだにゃ月夜!いったい何があったにゃー?」 電話の向こうの状況がすごく気になる白雪。だが、今は一番聞きたくなかった事であるが真っ先に対処しなければいけない事柄を二人に教えるのであった。 「時限術式が上条君たちの家に仕掛けられていたって、解除は終えたそうだけど・・・」 「「ナニィーーーーイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイーーーーーーーーーーーーーーーーー」」 言うまでもないことだが、この二人は上条宅に時限術式が仕掛けられたことに驚いたのではない つまり(*1) という恐怖である。 そしてその恐怖の元凶は… 「「どこに何が仕掛けられたって?」」 後ろにいた。 顔は笑っていて、疑問形で話してはいるが その実(*2)) 「ねえ当麻?そいつらにちょっときついお灸据えてもいいよね?」 「奇遇だな、上条さんもそう思っていたところですよ♪」 3人は思った おお、神よ 哀れなバカ二人(魔術師)を御救いください。バカとはいえ文字通り星になるのはかわいそうだし ここに 魔術師二人の悲劇が始まる 怒りの上琴と一緒に魔術師を片付けることを決意した土白と一方通行、その際、土御門は月夜から初春との会話内容を聞き出した。 「一人はまだ校内、一人は教会から立ち去った。となると教会から立ち去った魔術師がこっちの魔術師と合流する可能性は高そうだぜい」 「じゃあ裏門にでも行ってみっかァ。合流するにしても校門から堂々と入るバカなンざいねェからな」 「魔術師は私達がどうにかするとして新入生達の方は大丈夫なの?」 「心配無用ぜよ。あいつらの頭の心理掌握はあの有様、残りもそろそろ少なくなってる頃だ。他の奴らで何とかなるはずだにゃー」 浜面達で残りの新入生達は何とかなりそうだと判断した一方通行と土白、先頭を歩く上琴に付いて行く形で裏門を目指すのだった。 こちらは上琴とは別行動になってしまった青黒と浦上、校内へと戻ったのだが随分前に倒した新入生達が復活して襲ってきたことに辟易していた。 このままでは同じことの繰り返しだと思っていた黒子だが、先程から暇を持て余していた浦上が一歩前に出る。 「あ、あの、浦上様、一体何を?」 「うん、ちょっと完全に大人しくさせる方法を思いついたからそれをやってみようってね♪ 黒子ちゃんは気絶させる方をお願いね」 前に出てきた浦上を見た新入生男子は構わず彼女を攻撃するが、新入生女子は元・常盤台生徒なので浦上の存在に萎縮してしまう。 多数のレベル4、数字的に見たら浦上が不利に見えるが彼女の最大のアドバンテージ、それはこのようなお遊びではない本当の戦闘を多く潜り抜けて来た経験の差である。 そして浦上は彼らの攻撃を多少は喰らいながらも自分の間合いまで詰めると、ドレスソードを振るいながら新入生達の群れを通り過ぎると、 「キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」×新入生達 「ふうっ、つまらないものを切っちゃった。それにしても男の子までキャーって叫ぶのってどうなのかしら? さあ後は……あれ?」 新入生達の制服を素っ裸、とまではいかなくても恥ずかしくて歩けないほどにまでは切り刻んでみせた。 これはあくまで再び復活してもまともに動けないようにする為の手段で、浦上は決してふざけてはいない。 「片やむっさい男の半裸、片や全員が可愛くてスタイルも良い女の子のセミヌード。何やねん、この地獄か天国か分からん現状は!」 「○○様しっかりなさいませ! ○○様にはスタイルも色気も発展途上の黒子がいるではありませんか! ええいっ! こうなれば今ここで黒子の新たなエロステクニッどぅふっ!」 自分のしたことで青黒がパニックになったことを反省した浦上(黒子への制裁は反省していない)、仕方なく一人で新入生達を残さず気絶させた。 浦上は青黒が元通りになるのを落ち着いた態度で待つことにした、なんだかんだでここの階の新入生達は全滅しているのだから。 その頃の浜滝と半郭、新入生達と戦いながら移動していると滝壺が自分の能力で麦野の存在を感じ取っていた。 麦野が来れば混乱は必至と考え、目的であろう浜面を連れて半郭に軽く説明をした後で麦野の所へと向かった。 「……いいか、麦野相手に加減しようと思うな。殺さないとダメだ」 「まてまて、学校で殺しは不味いだろう」 「でもむぎのははまづらが何回殺しても生き返って襲ってくるの」 「……滝壺氏、それは現実の話ですか?」 「マジでだ。何回殺っても何回殺っても殺せない。それが麦野だ」 「「化け物だ……」」 「レベル5何てほとんど化け物だ。今まで四人あったことあるけど普通じゃかった」 「えっと、一方通行氏、御坂氏、それと今回の麦野氏……あれ?一人足りなくないですか?」 「細けえ事はいいんだよ……いた」 浜面は窓から麦野をみつけると、浜面達はさささっと隠れた。 「で?どうするんですか浜面氏?」 「どうやって殺すんだ。浜面?」 「はまづら、私にも出来ることある?」 皆期待した目で浜面を見ている。その浜面は迷うことなく答える。 「まったく思いつかん!!」 潔い、しかし期待はずれもいいとこな浜面の回答に滝壺、半郭もガッカリな視線を送る。 「お前な、あれだけ自信持ってて答えがそれかよ……」 「浜面氏に少しでも期待した私がバカでした」 「大丈夫、どんなにはまづらが頼りにならなくても私の愛は変わらない」 「しょーがねーじゃん! 相手はあの麦野なんだぞ! それに俺だって本気で死んで欲しいなんて思ってねぇん…………ッ!!!」 浜面が言葉を失くして固まってしまったことを不思議に思った滝壺、半郭は彼の視線の先を追いかけて、浜面同様に固まった。 四人の視線の先には閃光のアームを伸ばして地上から上って来た麦野の笑顔が確かにあった。 そして麦野は笑顔のまま、窓を蹴破って校内に入るとすぐさま浜面に抱きつこうとするが、 「あ~~~ん、会いたかったあ~~~~~、は・ま・づ・らぁ♪ 今日はいつもより小さいっていうか女臭いっていうか……って滝壺!」 「そう簡単にはまづらは抱きしめさせない」 滝壺が間に割って入ったことで浜面をハグすることは叶わなかった。 麦野は滝壺から離れると、再度浜面に抱きつこうとするが例のごとく新入生達が乱入する。 「今度こそてめぇらをブッ倒して……な、なんだありゃあ! あんな妖怪がいるなんて聞いてねぇぞ!」 「おいおい右目は抉れてるし左腕は奇妙な形してんぞ。クリーチャーか何かか?」 「もしかしたら学園都市の最新型の生物兵器かも知れねぇぞ。みんな、まずはあの危険そうな化け物から倒そうぜ」 妖怪、クリーチャー、生物兵器、化け物、言いたい放題な新入生達に我慢の限界が来た麦野、本気でグズグズに溶かそうかと思っていた。 しかしそこへ浜面が麦野にとっては嬉しい言葉、滝壺にとっては複雑な言葉を口にする。 「てめぇらいい加減にしやがれ! 麦野は見た目こんなんでもれっきとした女なんだぞ! 性格はちょっとアレだけどな、それでも麦野はうわわわっ!」 「はーまづらぁ、嬉しいこと言ってくれるじゃないの♪ 私のことを分かってくれるのはやっぱりアンタだけだね」 「はまづら、今のむぎのをかばう言葉はカッコよかった。でもむぎのがその気になったのはちょっと嫌」 滝壺と麦野、両者から抱きつかれた浜面だが二人同時ということもあって下手に鼻の下を伸ばせないので少しばかり困っていた。 一方の新入生達、姿形が人間離れした女性が麦野だと分かると第四位を倒して名を上げようという愚かな功名心が生まれる。 「こいつぁラッキーだぜ! あの化け物女が第四位だとはな! 浜面たちと纏めて倒せば…………はぁ?」 「さっきからさえずってるそこのガキ共。誰に対して暴言を吐いたか、誰にとっての大切な奴らに手を出そうとしたか、その身を以って味わいなさい」 新入生達は揃って呆然としていた、何せ目の前には廊下を埋め尽くすほどに巨大化した閃光のアームがあったのだから。 そして麦野の言葉が終わると同時に巨大化した閃光のアームが新入生達を一人残さず押し潰した。 「感謝なさい。本来ならあんたら全員グズグズに溶けてる所だけど壁画になる程度で済ませてやるわ。さてっと、イキましょう浜面♪」 「イクじゃなくて行くの間違いだよな! さらっとそーゆうこと言えるお前にゾッとするわ! って滝壺、何で麦野と一緒に俺をホールドするんだ?」 「何だかむぎのには負けたくないから。大丈夫、はまづらが気持ちいい思いをするのは変わらないから。むぎの、体育館裏に行こう。あそこなら滅多に人は来ないから」 滝壺も提案に「オッケー♪」と返事を返した麦野、浜面に抱きついてる滝壺もろとも絶妙な加減で閃光のアームで捕獲、そのまま体育館裏へ向かう為に窓から飛び降りた。 取り残された半郭、この階の新入生は麦野のお陰で全滅したので一先ず移動することを決意するのだった。 その頃、クレイウーマンは友愛高校に到着していた、ただし正門から堂々と。 実は単に正門と裏門を間違えただけのクレイウーマン、しかし裏門を探すのも手間だと思い、とりあえずハイドマンを連絡を取ることにした。
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一方こちらは『喰わせ殺し』の地下にある多目的ホール、エリハル弐号機のインパクトで巻き起こった叫び声も小康状態に。 しかし次の驚き、エリハル弐号機が浜面の肩を砕き、滝壺がシェリーをぶん殴るシーンへと突入する。 「チッ、思い出したくないもん見ちまったね……」 「しょうがないですよ、恋する者は強いんですから。」 「飾利がそう言うなら~」 「さりげなく飾利に触らないでください。」 今更だとは思うが実はこの二人、同性愛者である。 神裂はその昔、インデックスにゾッコンだったが皆さんのご存知の通り色々あって諦めることに、 だが、それと同時に異性であこがれる存在ができた。羞恥プレイやその他モロモロ頑張ったのだが、恋人がいることを知り諦めるしかなかった。 そしてそんなところに自分の年齢をズバッとあてる初春にあってしまいそっちにゾッコンに… シェリーも似たようなものである。 「うわー怖いよー!!ってミサカは、ミサカはー!!」 「はいはい、怖くありませんよ」 ヴィリアン王女は怖がる打ち止めを見て母性が疼いたのだろう。 すっかりお姉ちゃん気取りである。 打ち止めが羨ましい……そんな事を思う正真正銘のロリコン、ウィリアムがそこにいたのだった……。 エリハル弐号機VS当麻達の最終決戦に入り、観客達も色々と盛り上がっていた。 「浜面が肩を超砕かれて滝壺さんが超殴る! そしてあの土御門モドキとお兄ちゃん達の超総力戦! 燃える、超燃えます!」 「いっけー当麻兄さーんっ! そこだっ! 一気に倒しちゃえーーーっ!!」 佐天と絹旗は最初と同じで純粋にこの映像を楽しんでいた。 (人間らしい思考で行動すうだけでなく、人語を解するとは魔術というのは本当に奥深いものだな) 木山は科学者として、知的好奇心の塊としてエリハル弐号機の性能に惹かれていた。 「オラ行けよ! よし今だ! あーっもうじれってーなー! 一気にぶっ倒しちまえよ!」 「あーあー、もう真昼ちゃんったらしょうがないなー。……おまけに真夜君は私の胸が背中に思いっきり当たってるのにも気付いてないし」 (凄いな、みんな。俺もいつかあれくらい強くなりたいなぁ) 形は違えど、映画に夢中になってしまった井ノ原ツインズを赤音は微笑ましく思っていた。 ただ、真夜が自分の胸に全く無反応(サイズは87のD)なことは少し残念に思っていたりする。 「なんか、本当に凄いですわね、どちらも……」 「せやな。こんな人らがボクらの友達やなんてちょっと信じられへん気分やわ」 エリハル弐号機が現れてからようやく映像に見入り始めた青黒は、目の前の光景に驚きを隠せない。 「俺らはこの辺りから生で見てたけど浜面の奴、あんなの喰らって肩砕けたのか……。それでも最後まで意識失わずにいたってのは驚きだぜ」 「そうですね。浜面氏があそこまで凄い人物になっていたとは思いもよりませんでした。私、今度から浜面氏をちょっと尊敬しようと思いました」 半郭は自分達がよく知ってる浜面の奮闘ぶりに驚きと敬意を抱くことに。 「ううっ、み、みんな、ここまで、立派に、ひぐっ、な、なっちゃって、せ、先生は、えぐっ、う、うれしいです~~~~」 「ほ、ほら先生、泣かないで下さい。僕のハンカチを貸しますからとりあえずそれで拭いて下さい」 当麻達の頑張りに感極まった小萌が号泣したのを見て、ステイルはさり気なくハンカチを差し出す。 その後で鼻を思いっきりかみ、大量の涙を拭ったハンカチを見て、最初はすぐに返してもらおうかと思ったが、洗ってもらおうか真剣に悩むことに。 「「素敵ですわーーーーーーっ! 月夜お姉さまーーーーーーーーっ!!」」 泡浮と湾内、華麗に空を駆け、美しく戦う(あくまで彼女達の感覚で)月夜に乙女のあこがれを抱くことになる。 (あの殿方、あれだけ女性達にイチャイチャされながらも無反応で真剣に映像を観ているなんて……。すごい忍耐力ですわ。わたくし、あの方を誤解してましたわね。あとで謝罪をせねばなりませんわ) 映像と真夜、交互に見比べている婚后はこの罰ゲーム上映会後のことで頭が一杯に。 (それにしても普段仲は良くても戦闘のコンビネーションは別物。それをあそこまで連携が取れるとは侮れないのよな。我ら天草式学園都市支部も負けてはおれんのよ!) 建宮は土御門を司令塔としたコンビネーションの良さに対抗心が芽生え、珍しく真面目に自分達の連携の組み立ても考える決意をする。 そして4時間が経過し、ここに罰ゲーム上映会は無事に幕を下ろすのだった。 上映が終了したと同時に打ち止めを迎えに来た一方通行、最後まで上映会には参加せず、お腹一杯になったので地下へ降りてきたインデックスが現れた。 一方通行はヴィリアンに抱かれながら、泣き疲れたせいもあって眠っている打ち止めの事情をヴィリアンに尋ねることに。 「アーそうゆう事ですかァ……ンじゃ、あの情けない大人も持っていかないと行けねェのかァ……ハァ」 「ウィリアム、あの二人を運んであげて下さい。私はこの子を運びますので」 「ウム、分かったのである。」 一方通行は打ち止めは自分が運ぶと言ったが、杖つきの人間に運ばせるのは危ない、 それとヴィリアンが呟いた「不敬罪」と言う言葉で家までの道案内をする事に、 その頃、特訓している月夜とは言うと、 「あー!!何で美琴ちゃんみたいにうまくいかないの!!」 「それはだにゃー、超電磁砲の場合は強力な磁力によって弾き出される為に体重とか関係ないんだぜい。 まあイメージ的には、一方通行の反射を思い浮かべるといいぜい」 「ううっ、全然私には出来ない話だ……。技のヒントにすらならない……」 「それじゃあ二つの技を一気に使うって言うのはどうかにゃー?」 「それどう言うこと?」 「例えばだにゃー、月夜が一直線に高速で飛ぶ、ほんでもって同じ速さで『氷結光線』を打ち出せれば、 月夜は空中に止まってるだけでふっ飛ばさずにすむにゃー!!」 「それ最初に言ってよ!!」「今思い付いたんだからしょうがないにゃー」 「しょうがない、それでやってみるか!!」 と言うと、白雪は氷の翼を出し高速で飛び、その速さのまま『氷結光線』を放った。 「とりゃ!!」 すると、白雪は『氷結光線』を放ったが、自分が吹っ飛ばずにすんだ。 「元春、吹っ飛ばされなかったよ!」 「月夜、やっと吹っ飛ばされずにすんだにゃ。」 「そうだね。でも、これってなかなか同じ速さを出すのって大変だよ。」 「でも、それはコツを掴まむしかないにゃ。」 「そうだね。じゃあ頑張ってみるよ。」 この後、白雪は『氷結光線』の速さと同じ速さを出すために何度が『氷結光線』を放っていた。 その頃、上琴は家具を選んでいるときにある人物と会ってしまった。 「珍しいじゃない、こんな所で会うなんて」 「大晦日以来だな、二人とも。エツァリが時々迷惑をかけているようで申し訳ない」 そこに居たのは結標とショチトルという珍しい組み合わせだった。 「二人こそ何でここにいるんだよ? まさか結標、小萌先生の所から出てくのか?」 「何でそうなるのよ。私はショチトルに頼まれて海原……エツァリの方ね。あいつと暮らす部屋に置く家具を見てくれって頼まれたのよ」 「ホントに! ようやくあいつも諦めてあなたと一緒になるって決めたのね! おめでとう! 私、心から祝福するわ」 「残念だがそうではない。あのバカを大人しくさせるには強引な手を使うのも已む無しと判断したんだ。徐々に追い込んでいかないとあいつは止まらんからな。では失礼する」 そう言うショチトルの顔はかなり本気で、これには上琴もちょっとだけ海原に同情した。 結標も上琴に別れを告げてショチトルを追いかけていくのを見送った後で上琴は買い物を再開させる。 「よし、これで買い物は終わりだな。あ、そういえば後で飾利とヴィリアン王女が来るんだったっけ」 「すっかり忘れてたわ……って飾利からメール?」 美琴が初春から貰ったメールは以下のようなものだった。 【今日は私もヴィリアンさんも行けそうにありません。後日、日を改めて伺うことにします。今日は二人っきりの時間を楽しんでください】 気付けば時刻は夕方で、ヴィリアンは一方通行達と行動を共にすることになったので今日は無理だと判断した初春のメールだった。 「何か飾利もヴィリアン王女も来られなくなったって。それでさ、新居引越し一日目は二人っきりで楽しんでくれって書いてあった」 「それは助かるなー。引越し初日は二人っきりでのんびりしたいなーって思ってたし。あの二人はともかく、他の連中がなぁ……」 「……言わないで当麻。飾利とヴィリアン王女は来なくても黒子達が来そうな予感がするから」 上琴は嫌な予感を忘れるように、上琴新居二号へと帰るのだった。 一方こちらは『喰わせ殺し』、すでに初春達は全員会計を済ませて各々の家へと帰って行った。 泡浮と湾内に先に帰ってもらうように促すと、婚后は悔しそうな顔をしながらも真夜に助けてもらったお礼を素直に言う。 「さっきはわたくしも大人げなかったですわ。あの時助けてくれたこと、本当に感謝してますわ。どうもありがとうございました」 「いいって別に」 「それではこの婚后光子の気が済みませんの! この借りはいつか必ず返しますので覚悟してくださいまし!」 最後ま婚后節を発揮する目の前の女子中学生に苦笑しながらも真夜は婚后の言葉を受け入れた。 去り際に婚后が真夜にとってちょっとだけ迷惑な言葉を残すことに。 「あなた確か真夜さんと呼ばれてましたわね。わたくし、あなたをこの婚后光子の新しいライバルとして認めて差し上げます! 光栄でしょう?」 「え?」 「いつか戦うことがあるならその時は覚悟するのですね。それまであなたの恋人、大切にするのですよ。わたくしもあなたより遥かに素晴らしい殿方を見つけますから! ではごきげんよう」 婚后に勝手にライバル宣言された真夜は訳も分からず立ち尽くしていた。 そこへ彼を待っていた真昼が駆けつけ、話の内容が気になったのか婚后の『感情のベクトル』を視認することに。 「なんだ、ただの友達ってだけか。てっきり俺は真夜が上条みたいに妙なフラグを立てたって思ったけど安心したぜ」 「友達? 勝手にライバルにされて宣戦布告されて? 何か最近の中学生って難しいなぁ……」 「人の考えは十人十色、価値観も違って当たり前。いいんじゃない? 私達みたいな関係もあれば、あの子みたいな考えもあるってことで」 真昼より少し遅れてやってきた赤音の言葉を聞いて、真夜は頷くと二人と一緒に帰って行った。 「黒子はん、寮まで送ってくで」 「ありがとうございます○○様。きっとお姉様もわたくしの帰りを待っていることでしょうから急ぎましょう」 黒子は知らない、美琴が上琴新居二号に引越しを済ませていたことに。 そして青ピに送られて、自分達の部屋に帰った黒子が寮中に響き渡るような大声で絶叫する。
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある不幸な都市伝説 4日目 佐天+その他大勢編 その2 「あ、あの…時間は無いってどういう意味なんですか?」 「その前に確認しておきますが、何を見ても気丈でいられる自信はありますか?」 「え…あ、はい……」 「……ではこれを見てください。」 海原は土御門から送られてきたメールを佐天に見せる。 それは明らかに、上条が御坂を押し倒し、強引に唇を奪っている(ように見える)写真であった。 「こ…れは……」 佐天はギュッとこぶしを握った。 何が出てくるかある程度覚悟はしていた。 だがそれは予想をはるかに上回るものだった。 「……まぁ、彼の事ですから何かしらのハプニングでしょう。 この写真自体はさほど問題じゃありません。」 「えっと……十分問題だと思いますけど……」 「確かに、この写真が、自分ひとりに送られてきたものならそうでしょう。 しかし、そうではないのです。」 「? すみません、意味がよく……」 「順を追って説明しましょう。 このメールを送信してきた男、昔の…まぁバイト仲間みたいな者なのですが、 自分と彼はさほど親しい訳ではありません。こんなプライベートなメールをやり取りするような間柄ではないんですよ。」 「はぁ。」 「つまり、このメールは不特定多数の人間に、片っ端から一斉送信している可能性が高いのです。 (まぁ、自分にイヤガラセする為に送ってきた可能性も、無くは無いですが……)」 「それって何か問題があるんですか?」 「大アリです。 この男は顔が広いですから、不特定多数ということは、多くの女性がこのメールに目を通したというわけです。 すると何が起こるか分かりますか?」 「分…かりません…」 「……戦争です。」 「せ……ぇえ~~~!!? この前、第三次世界大戦が終結したばかりですよ!?」 「あぁ、すみません。 自分が言ったのはそういう軍事的なものではなく、 もっとこう……昼ドラ的なものです。」 「昼ドラ…ですか?」 「はい。 例えば、そうですね……貴方はこの写真を見てどう感じましたか? 正直にお願いします。」 「……ちょっと…辛いです………」 「と同時に、『自分も彼とこうなりたい』とは思いませんでしたか?」 「えっ!? あの…それは…まぁ………はい………」 「それと同じ事を思った女性が、数多くいるということです。 そして水面下で牽制しあっていた彼女達が、今回の件を引き金に、爆発することでしょう。 それこそが、自分が戦争と言った意味なのです。」 「ば、爆発ですか!! 上条さんてそんなにモテるんですか!?」 「それはもう。 きっと産まれてくる世界が違っていれば、 ある星の第3王女に、ハーレム計画を立てられていたことでしょう。」 「…もしくは女性にしか反応しない兵器に、男性で唯一、乗れたかもしれませんね。」 もしくは伝説の樹の下で……これは少し違うか。 それにしても、佐天はかなり驚いた事だろう。 都市伝説「不幸な王子様」の内容を知っている佐天としては、上条が女性に人気があることは分かっていた。 しかし、まさかここまで大事になる程とは、流石に予想はできなかったようだ。 まぁ、上条がこれまでしてきた事を考えれば、当然といえば当然かもしれないが、 それを想像だけで予想できれば、佐天は立派な予知能力者である。 「それで、どうしますか?」 「ど、どうって…何がですか?」 「『上条当麻争奪戦』、貴方は参戦しますか?」 「!!! あ、あたしは―――」 海原が懸念していた通り、世界のあちこちで上条当麻争奪戦に名乗りを上げる者達がいた。 それは正に、大海賊時代の幕開けにも似た、時代の変わり目であった…というのはさすがに大袈裟である。 「まったく! 上条ちゃんはまったく!!」 「…小萌はどうなの? この人の事好きなの?」 「な! ななな何を言っているのですか!! あくまで先生と生徒さんの関係であって、先生は上条ちゃんにそのような――」 「小萌がその気なら、私は全力で応援するわよ?」 「…ぅ……ほ、本当なのですか?」 「小萌には何かと、お世話になってるしね。 それくらいのことならするわよ。」 「じゃ、じゃあその……お願い…するのですよ………」 (ま、私は彼とそこまで繋がり無いしね。 キズが浅いうちに諦めよう……) 上条当麻ファンクラブ「そげ部」 会員番号00135 不老長寿の生体サンプル 月詠小萌 参戦決定 会員番号ナシ(未登録) ショタコン座標移動 結標淡希 リタイア 「明日は覚えてなさいよ上条! …って何でこんなにイライラしてるのかしら…… きっとカルシウムが足りてないんだわ!! ムサシノ牛乳買ってこよう!」 会員番号ナシ 対カミジョー属性最終兵器 吹寄制理 参戦決定 「………いつまでも。ショックを受けてる場合じゃない。もう。なりふり構ってはいられない。」 会員番号00001(会長) 影が薄い魔法使い 姫神秋沙 参戦決定 「…たしかに不愉快ではあるけど……」 『?』 「こうでなくちゃ面白くないけど!!」 『そ、そうか。 よくは分からんが、頑張れ高校生。』 会員番号00008 謎が謎を呼ぶ謎だらけの謎の先輩 雲川芹亜 参戦決定 「こうなったら、直接彼の元へ行って確かめてきます!」 「おいおい…そこまですることか? つーかオルソラはどうすんの?」 「少々、お茶が熱かったようでございますね。淹れ直してくるのでございますよ。」 「また話が戻ってるよ! お茶はいいから!」 「あ、ではフーフーしてみてはいかがでございましょう?」 「いやだから! お茶のことはもういいって!!」 「では私も神裂さんとともに日本へ行くのでございますよ。」 「話があっちこっち忙しいなあ、もう! いつまでたってもコイツとの会話は慣れないわね……」 「では今すぐ出立の準備をしましょう!」 「はい。なのでございます。」 会員番号00777 かんざきさんじゅうはっさい 神裂火織 会員番号00500 お婆ちゃん オルソラ=アクィナス 以上二名 参戦決定 「あー…ちょっと待って……」 「? 何ですか?」 「……まぁ…なんだ……私も行こっかな~ なんて………」 「シェ、シェリーもですか!!?」 追加メンバー 会員番号01150 ゴスロリライオン シェリー=クロムウェル 参戦決定 「どうするのですか。 おそらくオルソラ=アクィナス達はもう動き出してますよ。」 「そ、そうですよ! もたもたしてたら取られちゃいますよ!?」 「あーもう、やかましいですね! 分かりましたよ!! 行きゃあいいんでしょう、行きゃあ!!」 「それでこそ、シスター・アニェーゼです。」 「頑張ってくださいね! 応援してます!」 会員番号02520 赤毛の江戸っ子 アニェーゼ=サンクティス 参戦決定 「えーと、五和…さん? もう落ち着いたのよな?」 「なんれすかぁ……建宮さんまれ諦めろって言うんれすか……… 諦められるモンなら諦めてまふよ……でも…でもそんな…簡単に……ぐすっ…あきらめ……」 「いやいや、泣くのはちょっと待ってほしいのよ。 よく考えてみろ。 そもそもアイツがこんな大胆な事すると、本気でそう思っているのか?」 「!!!」 「これにはとてつもなくのっぴきならない事情があるか、もしくはただの事故だと俺は思うわけなのよ。 (まぁ、おそらく後者だろうけどな)」 「そ、そうれすよね!! 何か変らと思ってたんれふよ~!!」 「けど、それを確かめる為にはヤツに話を聞く必要があるのよ。 ただし! 電話じゃダメだ!」 「……ってことは…」 「そう! 直接会いに行ってくるのよ!!」 「!!! わ、分っかりまひた!! 不肖五和! 日本に行ってまいりまふ!!」 「おう! ただその前に、まずは酔いを醒ますのよ!!」 「了解でありやす!!」 (これは、とんでもなく面白くなってきたのよな!) 会員番号00002 隠れてない巨乳 五和 参戦決定 「キャーリサ、どこへ行くんだい?」 「…ただの散歩だし。」 「ふむふむ、なるほど。 わざわざ自家用ジェットで日本まで散歩か。 ご苦労なことだねぇ。」 「は、母上には関係無いことだし!!」 会員番号09000 次元刀使いの第二王女 キャーリサ 参戦決定 「こうなったら直に学園都市に行ってやりますよ!! そんでもって大人のみりきで、彼をメロメロメロウで石にしてやりますとも!!」 「(みりき?)大人のって…レッサーって彼より年下だよね。」 「精神的には年上です!」 (そうかなぁ…) 会員番号ナシ スカートの中は直パンツ レッサー 参戦決定 『では学園都市に残っている個体だけが彼と接触する、という結論でよろしいですか、 とミサカ12053号はインドにいることを悔やみながら確認します。』 『インドですか。体が伸びるヨガマスターにヨロシク伝えてください、とミサカ10039号は勝者の余裕を見せます。』 『大勢で押しかけても彼に迷惑をかけるだけだから仕方ありません。 あと10039号はちょっと黙れ、とミサカ11111号はかなりイラッとします。』 『では「逆ラブラビッツ」のメンバーは、 10032号、10039号、13577号、19090号の四名に決定しました、 とミサカ10032号は学園都市に残っていて本当に良かったと実感します。』 『逆ラブラビッツ……やはり10032号はネーミングセンスの塊ですね、とミサカ12345号は関係無いところで脱帽します。』 『それでは逆ラブラビッツの皆さんは、妹達を代表して頑張ってきてください、 とミサカ19800号は一応エールを送ります。』 『が、頑張ります!とミサカ19090号は緊張しながらそれに応えます!」 会員番号00032 最近やっとあのヒヨコがお菓子だと分かりました ミサカ10032号(御坂妹) 会員番号00199 一人でこっそりダイエット ミサカ19090号 その他 ミサカ10039号 ミサカ13577号 以上四名 参戦決定 一方、佐天はというと。 「あたしは…やっぱりいいです。」 「……そう、ですか。」 「…一つだけ、聞いてもいいですか?」 「どうぞ。」 「どうしてそこまでして、あたしと上条さんを?」 「単純な理由ですよ。 実は先程言っていた自分の好きな人、その写真に写っているんです。」 それを聞いて、佐天は少し身を引いてこう言った。 「…え……海原さんも上条さんのことを? うん、でも悪いことじゃないですよね、はい。」 「いや、ちょっと、何かとんでもない誤解をしてませんか?」 予想外の佐天の反応に、珍しく慌てる海原。 上条×海原とかそんな誰得展開、こちらとしても望んでいない。 「残念ながら自分にBL属性はありません。 もう一人写っているでしょう?」 「えっ!? じゃ、じゃあ……」 「はい。 自分の好きな人というのは御坂さんです。」 「それであたしに……」 「ええまぁ、貴方と彼が恋人同士になれば、自分にもチャンスが巡って来るかなと、そんな下心もあったわけです。 ですがそれとは別に、経験者から一言だけ言わせてもらいますが、 好きな人に想いを告げずに諦める、というのは、想像以上に辛いものですよ?」 そう言って海原は去っていった。 佐天は段々小さくなっていく海原の背中を見つめながら、ぽつりと呟いた。 「……分かってますよ。それくらい……………」 会員番号ナシ 柵川中学校一年 佐天涙子 リタイア――? 魔術師、能力者、原石、聖人、妹達…… あらゆる女性達が、ここ学園都市に集結する。 写真の真相を聞き出し、あわよくば上条といい関係になろうとするその為に。 ただ当の本人達はといえば、 上条は姫神から貰った大量のハンバーガーを、インデックスと奪い合い、 御坂は姫神のサイトで、着替え途中で半裸の上条の写真に釘付けになっている。 二人とものんきなものだ。 翌日から、いままでの日常が大きく変わってしまうというのに…… 科学と魔術が交差するとき、上条当麻を巡る乙女達の戦いが始まる――― 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある不幸な都市伝説
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/Daily Life インデックスの乱入もといモーニングコールにより、慌ただしい朝が始まった。 「まったくとうまは。気を利かせて一晩帰らなかったらこれなんだよ」 「上条さんが悪いんですかね?」 インデックスはぷんぷんと頬を膨らませながらお茶を飲んでいる。 上条は朝ごはんの準備としてキッチンで仕事をしており、美琴はインデックスの横で未だにぽーっとしていた。 「みこともみことなんだよ。とうまと仲良くするのはいいけど、私の前であれはあんまりかも」 「っ!?わたた私も、そんなつもりはなかったって言うか、事故って言うか……」 「いいわけするんだね?」 「ごめんなさい」 美琴が諦めたように頭を下げるのを見て、インデックスは溜息をつく。 「で、とうま。今日はどうする予定なの?」 「どうって、飯食ったら空港行ってお前ら見送るんじゃねぇか」 上条はテキパキと手を動かして卵焼きを焼いている。 「その後なんだよ。みこととデートするんじゃないの?」 「デート、っつってもなんも考えてねぇ」 「ノープランなんだね」 昨日の夜に決まったところだからな、と上条は言いながら味噌汁を注いでいる。 「美琴、どっか行きたいところとかあるか?」 「んな、私にふるの?そこは男がエスコートするもんでしょうが」 美琴はビリビリと頭の周りに飛ばしながら叫ぶ。顔を赤くしていたり上条にも分かるくらいに照れていた。 「行きたいところっつてもなぁ……思いつかんのですよ」 「アンタが……ど………いっん」 「はぁ?そんな小せぇ声じゃ聞こえねぇよ」 「アンタが……当麻が行きたい所なら、どこでも、いい」 美琴は上条に背を向けると、ぶつぶつと何かを呟いてる。隣にいるインデックスは勝手にしてくれとでも言いたげな顔だ。 「………んー。と言われましても、上条さんは寧ろ家でゆっくりしていたいと言いますか何と言いますか…」 上条が卵焼きの乗った皿を運んで行くと、美琴は肩を落としてブルーになっており、インデックスはその肩をぽんぽんと叩いている。 「あれ、美琴?インデックス?どうした?」 どうしてそんなにブルーなんですか、と上条が言うと2人は大きく溜息をつく。インデックスにいたってはやれやれと首をふっている。 「これからも苦労しそうだね、みこと」 「私、選ぶ相手間違ったかな………」 「悩みができたらいつでもで連絡していいから」 「ありがとう、インデックス」 2人はひしっと抱き合う。上条はガラステーブルに朝ごはんを用意して固まっていた。 「お前ら、本当に仲良くなったよな。つか、そもそもどうやって仲良くなったんだよ?」 「ん?それは、ね」 そう言うと、インデックスはぽつぽつと語り始めた。 2人の馴れ初めは、美琴が上条宅に通う事になった2回目の月曜日である。 女同士で話があると言って上条を部屋から追い出し、ガラステーブルで向き合って話し合ったのだったのだ。 「ねぇ、短髪。短髪ととうまはどういう関係なの?」 「それはコッチのセリフよ。アンタこそあの馬鹿とどういう関係なのよ?」 「私はとうまに助けてもらって、それからここで住ませてもらってるんだよ」 「なんだ、アンタも助けてもらったってやつか」 美琴は上条の相変わらずの部分に呆れて肩をすくめる。美琴の言葉にインデックスも察したようで同じような顔をしていた。 「そういう短髪もとうまに助けてもらった人?」 「そうなるわね。頼んでもないのに首を突っ込んできて一方的に助けてもらった感じかな」 「むぅ。やっぱりとうまはとうまなんだね」 「そ、アイツは誰にでもあんな奴なのよ」 2人はさっき外に追い出した上条の性格を思い出し、もう一度溜息をつく。全く同じタイミングに出た溜息に2人は見つめあう。 「ぷっ、はははっ……アンタも大変よね」 「あはははっ……短髪も苦労してるんだね」 あの馬鹿のせいよね、と言いながら2人は笑いあう。同じ苦労を知る者として通じる部分があったのだろう。 「で、さ……1つ聞いてもいい?」 「なにかな、短髪」 「アンタも、その………なんていうかな……」 美琴は目線を合わせないまでも、チラチラとインデックスを見る。 「短髪、言いたいことはハッキリ言わないと分からないんだよ」 「そうね………」 美琴は大きく深呼吸をすると、両頬を手で叩く。 「アンタも、アイツの事、好きなの?」 「………うん」 「そっか………」 「短髪も?」 「………うん」 最初のトゲトゲした空気から一転、恋する乙女2人によるむず痒い空気が部屋に広がっていた。 「私たちは、ライバルってやつなんだね」 「そうね、恋敵ともいうわね」 「負けないんだよ」 「もちろん。私だってそう簡単に譲るつもりはないわ」 インデックスは小さな両手をぐっと握りしめ、美琴は両腕を組むとふんっと鼻を鳴らす。 「じゃぁ、仲良くしないとだね」 「はぁ?」 インデックスは右手をスッと出すと美琴を見る。握手を求めているようだ。 「……ライバルじゃないの?」 「ライバルは友達になるもんなんだよ」 インデックスは可愛らしく笑うと、無理矢理に美琴の手を取って握手をする。 「アンタに教えられるとはね。私もまだまだだわ……………でも、友達でも容赦はしないわよ?」 「望むところなんだよ。恨みっこはなしだからね」 美琴はインデックスの手を握り返すと、目の前で微笑むシスターに笑い返す。 「じゃぁ、まずは名前で呼んでよ。短髪じゃなくてさ………美琴、って」 「わかったよ、みこと。私の事もインデックスって呼ぶんだよ」 「んっ、よろしくね、インデックス!」 「こちらこそなんだよ」 「なるほど、そんなことがあったんですね」 「結局、私は負けちゃったけどね。だから、とうま、みことを泣かせたら許さないんだよ」 「はいはい、わかってますよー。上条さんは、すでに1万人近くと同じ約束してます」 3人は上条の用意した朝食を食べ終えて空港に向かう準備をしている。インデックスの持ち物はあまりないため、それほどバタバタすることもない。 「みこと、元気ないね。どうしたの?」 「んー、アンタと仲良くなれてあんまり経ってないのにもうお別れか、と思ってさ」 「むむむ。そう言われるとなんか急に寂しくなってきたんだよ」 インデックスは荷造りの手を休めてぺたんと座りこむ。 「このベランダでとうまと出会ってから……まだ半年くらいなんだよね」 色んな事があったからもっと長く感じるんだよ、と振り返る。本当に色んなことがありすぎた。 「毎回毎回、とうまは無茶するし、私を頼ってくれないし。心配もいっぱいしたんだよ!」 「それに関しては言い訳のしようもねぇ……」 インデックスに睨まれ、上条は頭を掻く。美琴はそんな2人を見ると微笑ましいような、羨ましいような不思議な気分になった。 「ほんと、アンタら仲いいわね。ちょっと妬けるわ」 「むー。それは私へのあてつけかもしれないんだよ」 インデックスは頬を膨らませながら美琴の背中をぽかぽかと叩く。 「ごめんごめんっ、そんなつもりじゃないって」 いたいいたい。もんどうむようなんだよ。と仲良し姉妹のようにじゃれあう2人を見て、上条は頬を緩ませた。 「なんかさ、俺は家族で過ごした記憶ってのが無いわけだけど……」 上条は呟く。『竜王の殺息』によって失った、家族との記憶。それは上条にとって想像すらできない。 「こんな感じなんかな、って思うんだよな。お前らを見てると仲良しの妹2人を見る兄貴みたいな気分だ」 微笑ましいものを見る目をしている上条に、じゃれあっていた2人は白い目を送る。 「な、なんだよ、その目は」 「………アンタが兄貴ってのもなんだわね」 「ちょっと頼りないかも」 「あ、あんまりだ………」 上条はずーんと肩を落とし、いじいじと床にのの字を書く。 (ちょっと良い事言ったつもりだったのに………不幸だ) 「ねぇ、とうま。私にも家族っていうのがどんなのか分からないけどね」 インデックスは上条の隣まで来ると、ちょこんと座る。 「それでも、とうまのことは家族だと思ってるよ。お兄ちゃんとは呼べないけどね」 インデックスは悪戯っぽく舌を出すと、荷造りに戻っていった。 「じゃぁ、私とも家族になるわね。インデックス」 美琴は頬を染めつつ、荷造りをするインデックスの背に呼び掛ける。インデックスは『友達じゃなくて?』とかいた顔だけ美琴に向ける。 「そそそ、そりゃ、あれよ………わたっ、私と、当麻が……けけ結婚すればそう、なるでしょうよ」 「…………」 「…………」 顔を真っ赤にしている美琴を、2人の無表情な視線が突き刺さる。美琴の顔はその間もどんどんと赤くなっていく。 「み、美琴?今のはプロポーズでせうか?」 「こんなに惚気るなんて、とうまよりもみことの方が厄介かもしれないんだよ」 「だぁぁぁぁっ!!今のは忘れなさい!!」 顔を真っ赤にした美琴が帯電を始める。上条はその頭に右手を置き、インデックスに荷造りが済んだことを確認する。 「あとはスフィンクスを持つだけだよ」 「じゃぁ、そろそろ行きますか。美琴、ビリビリしてねぇでキャリーバック持ってくれ。」 上条は腰を上げると、インデックスの荷物を持ち玄関に向かう。顔を赤くしたままの美琴が持っているネコ用キャリーバックの主であるスフィンクスはインデックスの手の中だ。 「ここに来るのも最後かな?」 「何言ってんだ、いつでも遊びに帰ってこい」 「そうよ。私もアンタと一緒に遊んでみたいしね」 「うん。ありがとう、とうま、みこと」 3人は玄関を出ると仲良く空港に向かう。本当の家族のように。 第23学区。学園都市の空港がある学区だ。 上条たちはその空港で出発時間まで待っているところだ。 「搭乗手続きも終わったし、あとはのんびり待ってるだけだな」 「そうねー、アンタ、他の人には挨拶しなくていいの?」 飛行機の見える待合室の椅子に上条と美琴は隣り合って座っている。インデックスは神裂らとお土産を物色中だ。 「挨拶って言ってもな……ずっと一緒だったインデックスは別として、他の奴らは有事でしかあってねぇし」 「ふーん。アンタのことだから仲の良い女の子だらけかと思ってたけど」 「上条さんをどんな人間だと思ってるんですか?」 「別に、なんでもないわ」 美琴は上条の鈍感さに呆れ、なんとなく目線を背ける。いつか見た二重まぶたの少女がこっちを見ている。 「ねぇ、当麻。あの子、ほっといていいの?」 「あん?…………五和か、どうしたんだろ」 こっちきたらいいのに、と呟く上条に、美琴はもう何度目かわからない溜息をつく。 (この鈍感さは、もはや罪ね。苦労しそうだわ) 美琴はもう1度こっちを窺っている少女に目を向ける。ちらちらと上条と美琴に向けている顔には色んな感情が見て取れた。 美琴は上条の手を取って立たせると、キョトンとしている上条の背中をパシンと叩く。 「いってぇな、いきなりなんだってんだよ?」 「行ってあげなさい」 「で、でもよ……お前を置いてくわけは……」 「いいから。行って、話を聞いてあげなさい」 上条はしぶしぶとした顔で五和の方へと歩いて行く。美琴はもう一度溜息をついた。 (なんで私がフォローしなきゃいけないのよ) 美琴は上条が自分を気にしてくれていた事に喜びながら、何かを話している2人を見る。 頬を染めながら何かを話している少女。その目は明らかに恋する乙女のそれだ。 五和は傍から見ても一発で分かるような初心な反応を示しているのに、上条は気にする様子もない。 美琴が頬杖をつきながら見ていると、走り回っていた子供が上条にぶつかった。子供は特に気にする様子もなく走り去ったが、問題はぶつかられた上条である。 上条の顔が五和の特大オレンジに突っ込んでいた。いつかも見たような光景だ。 (あの、馬鹿っ) 自分でも帯電しているのがわかる。雷撃の槍をぶっ放しそうになるのを必死に堪える。近くにいた人がびっくりしていた。 慌てて離れて謝り倒す上条に、顔を真っ赤にした五和はぶんぶんと首を振っていた。 (あーあ、あんなに鼻の下を伸ばして……やっぱり大きい方がいいのかしら) 美琴は自分の胸を見てボリュームの少なさに落胆する。 (ちょっと癪だけど、聞いてみようかしら) 自分の母のプロポーションを思い出し、相談してみようかと考える。 そんなことをすれば『そんなの上条くんに揉んでもらえばいいのよ。美琴ちゃんがお願いすれば聞いてくれるって』とか言うに決まっている。 (まぁ、私としては……別にアイツに揉まれるのは……って何考えてんのよ) 美琴は妄想で顔を真っ赤にした。実はそんな事件は今日中に起こりうるんじゃないか、とかも思っていたりする。 因みに、この胸のコンプレックスを解消しようと、美琴は色々と努力を積んでいる。 某風紀委員の先輩の飲んでいる牛乳も飲んでみたし、某警備員みたいに肉まんを沢山食べてみたりもした。 半年前と比べたら少しは大きくなった気もしたが、その分体重も増えた。減量を試みると真っ先に胸が犠牲になったりもした。 自分で胸を触ってみる。オレンジみたいな大きさのは触ったことが無いが、自分のみたいに可愛らしい感触ではないだろう。 (あいつも大きいのがいいのかな) ほぅ、と溜息をつく。そういえば、上条の周りには胸の大きい人が多い気がする。 「お前、なにやってんだ?」 「にょわああああああああぁぁっ!?」 いつの間にか上条が隣に戻ってきていた。美琴は驚きのあまり、さっき我慢した雷撃を打ちこむ。もちろん打ち消されてしまうのだが。 「アアアアアアアアアアンタ、いつのまにぃぃぃ!?」 「いや、戻ってきたら美琴が自分の胸見て溜息ついてたとこで戻ってきたんだけど……見られたらまずい事でもしてたのか?」 目を丸くしたまま困り顔の上条は美琴の隣に座る。美琴は『うわぁぁぁ』とか言いながら頭を抱えている。 そんな様子を見て、上条は首を傾げるしかできなかった。 「あー、美琴さん?大丈夫でせうか?」 「…………」 「美琴さん?」 美琴は頭を抱えたまま固まっている。上条はどうしたもんか、腕を組んで悩む。 「………………ねぇ、当麻。1つ、聞いていい?」 「なんだよ?」 「当麻は、胸が大きい方が好き?」 上条はぶぅっ、と吹き出し一気に顔を赤くする。お茶を飲んでいなくて良かった、と上条は思った。 「んなっ、いきなりなんだ?どっから沸いた疑問だ、そりゃ?」 「…………」 美琴は答えない。答えられない、と言った方が正しいのか、きゅっと口を閉めて上条を見ている。 「………美琴?」 「……………」 何も答えない美琴の両頬に手をやり、上条はむにぃと引っ張る。 「っ!?にゃにふんにょよ」 「くっだらねぇ事で悩んでんじゃねぇよ」 上条は両手を離すと、今度は右手で美琴の頭をわしゃわしゃと撫でる。 「俺は御坂美琴が大好きだって言ったじゃねぇか。それじゃダメなんかよ?」 「………」 「そりゃ、あれですよ。上条さんも年頃の男の子ですから女の子のそういう部分に興味が無いわけではないです。むしろアリアリですけどね」 「………」 「でも、そんなもん全部無視して、俺は美琴が好きなんだよ。むしろ、美琴の胸が好きっ!?」 全てを言いきる前に、美琴の拳が上条の胸に突き刺さる。上条はいってぇと言いながら微笑んでいた。 「元気でたかよ?」 「………ばか」 美琴は頭を撫でられながら、どこか満足そうに微笑み返す。 上条はそんな美琴から手を離すと腕を組んでニヤニヤとした顔で美琴を見る。 「ったく、美琴せんせーもそんなこと気にするんですねぇ」 上条の手が離れて少し名残惜しそうな美琴はほんのりと涙を浮かべている。ぷぅと膨れている表情も可愛くて仕方がない。 「アンタが悪いのよ」 「俺が?」 「アンタがあの子の胸に飛び込んでニヤニヤしてるから悪いんでしょーがっ!!」 ビリビリィ、と至近距離で電撃を飛ばされ、上条は慌てて右手をかざす。 「いきなりはやめてくれ、ほんと。間に合わなかったら痺れるんですよ?」 「ふんっ、アンタの行い次第ね。で、さっきの話はなんだったのよ?」 美琴はプイと顔を背ける。相変わらず素直になれない美琴であるが、実のところ上条が五和と何を話していたのか気になって仕方なかったのだ。 「別に大した話はしてねぇよ」 「嘘ね。どうせまた告白でもされたんでしょ?」 「な、なんでわかったでせうか?」 上条は『なんだってぇぇっ』くらいに大げさに驚く。 (ほんと、なんでここまで鈍感なのかしら。見てたら誰でもわかるでしょ) ネタでやってるんじゃないかと思うくらいの鈍感さに呆れを通り越して物も言えない。 「で、なんて答えたのよ?」 「言わなきゃいけませんか?」 美琴は何も言わずにじっと睨みつける。上条は暫く悩んだ後、諦めたように口を開く。 「まず初めに『あの人とはどのような関係ですか?』って聞かれてな。恋人だ、って答えた」 「うん」 「で、『それでも私があなたを好きなのは変わりません』って言われちまってよ」 「そんで鼻の下伸ばしてたの?」 「馬鹿野郎、んなわけねぇだろ。気持ちは嬉しいけど、俺は美琴のことしか想えねぇって言ったよ、ハッキリな」 上条は顔を背ける。珍しく耳まで赤くなっている。 (本人前にして言う様なセリフじゃねぇぞ) 本人を前にしなくても十二分に恥ずかしいセリフなのだが、美琴中毒気味の上条は気付きもしない。 「ふ、ふ」 「ふ?」 「ふにゃぁぁぁ」 「またこの展開か、こんにゃろぉぉぉぉぉっ!!」 ぴんぽんぱんぽーん、と小気味いい音が館内に響く。 『11時45分発、イギリス行きの搭乗時刻となりました。お忘れ物の内容にご搭乗お願いします』 アナウンスが流れる。とうとう時間となった。 「とうま、みこと、それじゃぁ一旦お別れなんだよ」 「あぁ、あんまし迷惑かけんじゃねぇぞ」 「イギリスに行っても元気でね」 搭乗ゲートの前で上条はインデックスに荷物を渡す。 「インデックス、私が持ちましょうか?」 「ううん、自分で持つよ。ありがとうね、かおり」 そうですか、と神裂は自分の荷物を抱える。相変わらずの格好であるが、『七天七刀』を袋に入れてあるだけマシだろうか。 「神裂も元気でな。あんまりエロい格好で出歩くなよ、お前なら襲われても負けねぇとは思うが……」 「んなっ!?べ、別にエロい格好などしていません!最後に言うのがそれというのはあんまりではないですか、上条当麻」 「はははっ、気にすんなよ。俺としては最後ってつもりもねぇし。会えなくなるわけじゃねぇだろう?」 それはそうですが、と歯切れの悪い神裂に後ろから建宮がボソボソと何かを言っている。 みるみる内に神裂が赤くなり、聖人の力をフルに利用した拳が建宮の顔面に突き刺さる。ものすごい勢いでゲートをくぐり、搭乗タラップに飛んで行った。 「ねぇ、インデックス、あの人大丈夫なの?」 「いつものことだから気にしなくてもいいんだよ。むしろ、かおりの力に驚かないみことが凄いと思う」 「ツッコミどころが多すぎるわ、アンタら」 世界は広いわね、と美琴は目を丸くしてぷんぷんとゲートをくぐっていく神裂を見ていた。 天草式のメンバーもゲートをくぐり終え、残るはインデックスとステイルのみである。 「ステイル、インデックスの世話、しっかり頼むぜ」 「まったく君はこの子を馬鹿にしすぎじゃないかな?1人でも色々と出来るようになったんだろう?」 「そうだよ。掃除もご飯もだいぶ出来るようになったよ」 あとは洗濯だけだもん、とインデックスが膨れる。 「そうだな、悪い。インデックス、ステイルの世話、しっかり頼むぜ」 「任せるんだよ!」 「っ!インデックス、君まで僕を馬鹿にするのか?」 ステイルは生活能力が無いと馬鹿にされた事を憤る。まさかインデックスにまで馬鹿にされるとは思わなかったのであろう、心なしか悲しそうだ。 「ステイル、全部私が教えてあげるんだよ。洗濯は修業しなきゃだけどね」 「……むむむ」 インデックスににっこりと笑いかけられ、ステイルは何も言い返せずに搭乗ゲートをくぐって行った。 「もう、お別れだね」 「インデックス、いつでも帰ってきなさいよ」 美琴はインデックスの手を握るとぶんぶんと振る。強がった口調とは裏腹に2人の目には涙が浮かんでいる。 「さっきも神裂に言ったけどよ、会えなくなるわけじゃねぇんだし。お前が困った時はいつでも飛んで行ってやるからよ」 学園都市の超音速旅客機に乗れば一瞬だしな、と上条は続ける。 「そんときは私も駆けつけてあげるから」 うん、とインデックスは頷く。搭乗タラップから神裂の『もう時間ですよ』という声が聞こえてくる。 「じゃあね、とうま、みこと。バイバイ」 「うん。バイバイ、インデックス」 「………違う」 「とうま?」 「どしたの、当麻?」 インデックスと美琴は心配そうに上条の顔を覗き込む。 「違うぞ、インデックス。ここは『行ってきます』って言うところだろ」 家族が出かけるんだからな、と上条は言う。キョトンとしたインデックスの横で美琴はくすっと笑うと、上条の言葉に続ける。 「そうね。アンタはちょっとお出かけするだけなんだから、私も言い直さないとね。行ってらっしゃい、インデックス」 「……今度帰ってきたら、『ただいま』って言うんだぞ!行ってらっしゃい、インデックス」 上条と美琴は、涙を浮かべながらインデックスの手を握る。インデックスはそれに応じるかのように微笑んだ。 「うん。行ってきます、みこと、とうま。結婚式には呼んでくれないと怒るんだよ!」 ぎゅっと手を握り返すと、インデックスは搭乗口に駆けて行った。 上条と美琴は空港の展望ブリッジにいる。インデックス達を乗せた旅客機はその高度をあげ、どんどんと小さくなっていく。 「行っちゃった、ね」 「あぁ」 美琴と上条は小さくなる機影を眺めている。さっきまで目の前にあった旅客機は既に豆粒のサイズになっている。 「寂しくなるわね」 「そうだな」 機影が完全に見えなくなり、青い空には雲だけが浮かんでいる。 「さ、美琴せんせー。しんみりとした空気もここまでだ!デート行くぞ―」 「ちょっと、アンタ!そんな大声で言わないでよ」 行くぞ―、と上条は美琴の腕を掴むとずんずんと歩いて行く。 美琴はそんな積極的というか、自暴自棄にも見える上条の隣まで追いつくと、その腕に思いっきり抱きつく。 「っっ!?」 「あらぁ?そんなに驚いてどうしたのかなぁ?」 美琴は流し目で上条を見る。上条としては腕にあたる柔らかい感触にドギマギしているところだ。 「みみみ、美琴さん?色々と当たってるんですど?」 「当麻は大好きなんでしょ?私の胸」 ニヤリと不敵な笑みを浮かべる。上条はちくしょう、と歯噛みしなるべく腕を意識しないように歩く。 傍から見れば初々しいバカップルにしか見えず、クリスマスでもなければ呪い殺されそうだ。 「で、結局、何処に行くのよ?」 「あー、どうすっかなぁ……」 上条は何気なく観光案内の掲示板を見る。外部からやってきた人用に掲示されている物だが、中の人が見ても困ることはない。 むしろ、行き先に困っている上条達にはおあつらえ向きと言ったところか。 「んー、どうせならクリスマス限定、みたいなところがいいよな」 「そうね……夕食も美味しいとこ予約は、間に合わないかなぁ」 「電話するだけしてみりゃいいだろ」 上条はレストランリストの紙を取ると美琴に手渡す。迷うには十分の量がリストアップされていた。 「んー、よし。こことかいい感じだな」 上条は掲示されたポスターを見ながらデートプランを考えると、レストランリストに目を通している美琴を促し空港を出る。 「取りあえず、夜まではその辺を歩くか。クリスマスプレゼントも用意してねぇし、見に行くか」 そうね、と言い美琴は上条の右腕に抱きつく。 「でも、行くとこ決まったんじゃないの?」 「夜中のイベントなんですよー。晩飯食ってからだな」 「私には門限あること忘れてない?」 「守る気もねぇんだろ?」 上条は美琴が見ていたリストを眺めながら駅を目指す。別の学区に移動しなければ、23学区には空港くらいしかない。 「あーあ、優秀な美琴ちゃんが当麻のせいで悪い子になりますよー」 「じゃぁ、デートはやめて帰るか?送ってくぞ?」 なんなら一緒に寮監さんに謝ってやる、と上条が言うのを聞き流し、美琴は上条に身体を寄せる。 「ううん。言ったでしょ、インデックスが羨むくらい思いっきり楽しんであげましょ」 美琴は満面の笑みを浮かべると、上条の腕を引くように駅へと向かった。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/Daily Life
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どこの国の何処とも知れぬ、路地裏の暗がりに、雰囲気にそぐわない軽快な声が吹き抜ける。 「ッハッ、ハッ、ヒー! そりゃー傑作だぜい! で、オレからのプレゼントの方はお気に召したかにゃー?」 『やかましい!! 君とあの婆のせいでこの忙しい時期にいらん苦労を背負いこんでるんだぞ僕は!!』 耳元から携帯電話を遠ざけて、怒鳴り声に対処する金髪グラサンアロハシャツの大男――土御門元春は電話相手の怒りを意にも介さずのたまう。 「そいつは残念。十年前とは比べ物にならんインデックスの肢体にあのサイズ小さめに見積もったメイド服はさぞかし……」 『OK、現在地を教えろ。ピンポイントでルーンを郵送してやる』 相変らず冗談が通じないヤツだ、と苦笑しつついまやイギリス清教のブレーンを務める男は薄暗い路地を抜け、人気の多い市場へ出る。 土御門の現在のねぐらはすぐ近くだ。 「オレの仕事、わかってるのかにゃー? 秘匿回線とはいえおいそれと喋るわけにはいかないぜよ」 『……つまり、だ。使者の到着までにイギリスに戻ってくる、ということはないんだね?』 電話の声のトーンが変わる。こちらが本題、ということだろう。 現在イギリス清教は最大主教の交代という難しい時期にある。そこにけっして友好的とは言えないローマ正教がいち早く『祝い』の使者を送りこんできたのだ。 現ローマ教皇、ペテロ=ヨグディスがどのような思惑だったとしても、外交交渉にも長けたブレーン役、土御門元春も本来その場に同席すべきなのである。 しかしは彼は現在イギリスからはるか大西洋を越えた地に潜伏して、今回の件に関わる気はないという。訝しむ相手に向けて土御門は声色を変えずに軽く返す。 「まあ、深刻な事態になることはないと思うからそう気張らずにいることだぜい?」 『クソッ……何か知ってるな? 土御門』 「にゃっはは。まあ繰り返すが、おまえが心配するようなことにはならない。到着してからのお楽しみってことだにゃー」 はぁ……と向こう側から最近お馴染みの溜め息が聞える。 苦労性というか、とある『病気』がここのところとみに顕著になってきている青年にむけて一つ、確認しておく。 「それから……舞夏は元気か?」 『ああ、元気さ。神裂も気をかけてくれるが、立場というものがある。かなり彼女にも助けられているよ』 少なくとも電話先の相手には決して見せないような表情に緩めてそうか、と返す。 土御門の元義妹は現在、最大主教の世話係として学園都市からイギリスに移り済んでいる。 最大主教とは気心の知れた仲ゆえに、環境の激しい移り変わりに対する清涼剤となっているらしい。 『とはいえ、たまには帰ってきたらどうなんだ。口には出さないが、最大主教は寂しさを堪えているのでは、と言っていたぞ』 「…………まあ、いずれ、な。」 土御門の現在の仕事はやや私情が絡むとはいえ、教会の利益につながる立派な「裏のお仕事」である。 中途半端に済ませて世界一大事な妻を巻き込むわけにはいかない。 そうこうしていると、寝泊まりしているボロアパートが眼前に現れる。 溜まった郵便物を無造作に抜き取るとドアを開け、しばらくぶりの清潔、 とは言い難いが少なくとも硝煙や血痕の染み付いていない寝床に飛び込む。 「じゃあそろそろ切るぜい。オレは久方ぶりの惰眠をこれから貪るんですたい」 『……ん、そうかい。わかった、それではよい夢路を』 初っ端の剣幕からは考えられないほど穏やかな声が耳に入ると、ブツッと通話が切れた。 土御門は怪訝に思いつつも、会話には滲ませなかった疲労に負けてとりあえずは睡魔に身をゆだねることにした。 と、その時。放りだした郵便物の中に見覚えのある筆跡と名前を見つけた。見つけてしまった。 常識も国境も通用しない未元速達便――「土御門元春様へ ステイル=マグヌスより哀をこめて」。 「にゃ、なんでこの場所が……」 慌てて跳ね起きた時にはすでに遅い。中に仕込まれたルーンカードが「土御門がギリギリ死なない威力」で発動した。 「ふっ、不幸だにゃーーーーーっ!!!!」 いや、自業自得である。 イン「なにかありて、ステイル? いやにすがすがしい顔をしてつきにけりなのよな」 ステ「いや、とりあえず溜飲が下がった。…………?」 イン「どうかしたるのよな?」 ステ「いや、なにか……おかしい。更に、一段と、おかしくなっているような……」 イン「おかしき!? かような馬鹿なことがありにけるのよ? 矯正はさいじが手伝ひてくれたのよな」 ステ「建宮ァーーッ!! お前もかァァーーーーッ!!!!」 イギリス 聖ジョージ大聖堂 ステ「クソッ、結局天草式には逃げられ、馬鹿口調も全く矯正できず、 僕がやったのはあのふざけた露出度のメイド服を片っ端から焼き捨てることだけか……!」※予備が五十着ほどありました イン「まあしょうがなきにつき! それよりいよいよご使者が着きてきたるのよな!」 ステ「正直そこが一番の不安材料なんだが……(土御門の口ぶりからすると誰なのか知ってる風だったが……?)」 コンコン ローマセイキョウカラノゴシシャガゴトウチャクシタゾー イン(つ、ついに最大主教デビューの時がきたのよな……!) ステ(一体何者が………………) 扉「ギギギギィ」 フィアンマ「俺様だ」ドヤッ イン「」 ステ「」 フィ「?」 イン「すいませんチェンジで」 フィ「!?」 フィ「全く失礼な奴らだな」プンスカ ステ(普通にキモイ) イン「まさかローマ正教があなたを送りけるとは……意外といふべきか、大胆といふべきかなのよな」 ステ「というか、面識あったっけ……」※原作未確認 フィ「こまけぇことは気にするな、ステイル=マグヌス」 ステ「……いやいや、待て。僕と……最大主教と貴様の間には全く細かくない事情があるだろう」ボウッ イン「ステイル、かように前に立ちふさがりてはロクに会話できぬのよな?」 フィ「そうだぞ、そう恐ろしい顔をせずとも『聖なる右』のない今の俺様では貴様に勝てんよ。場所も場所だしな」 ステ「よく言う。だいたい本人の口からいけしゃあしゃあとそんなことを言われて、納得できると思うのか?」 フィ「あの金髪グラサンから聞いてないのか? 奴は俺様の事情を断片的にだが知っている」 ステ「(……あ・の・シスコンがッ……!)……確かに、土御門は「心配ない」と言ったが」 イン「そもそも、なぜにもとはるとフィアンマに面識がありけることよな?」 フィ「世界を流離っている最中に、な。あの男のおかげで俺様の世界も少し拡がった」 ステ(おかしな方向に拡がってないだろうな……) フィ「いまの俺様はメイド喫茶『お客様は神様~右席に失礼しますご主人様』のCEOとして布教活動を」 ステ「土御門ォォォーーーーーーッ!!!!」 イン「そろそろパターン化してきにけり。しかしそうなるとおもてなしには『神にご奉仕☆メイド風あーくびしょっぷ』が やはり必要なりけるのよ!幸いここにあと一着……」 フィ「!! ほう……これは!」 ステ「それはっ、土御門のっ、罠だァァァァーーーーーーーッ!!!!! というか気に入ってたのかぁ!!!」イノケンティウス!!! イン&フィ「「あぁっ、もったいない!」」 ステ「もったいなくありません!! もう持っていないでしょうね!!」 フィ「フフッ、それで上手いこと言ったつmウボァーーーーーーッ!!!」ジュゥゥゥウウ イン「肉の焼けたるいい匂ひなのよな」ジュルリ ステ「なんというか……しらけたな」 フィ「さて、いい加減に仕事をしなければな」シューシュー ステ(もう少しヴェルダンにしておくべきだったか) イン「そうだったのよ! さにあれども、私の初仕事を遂行しけるべきよな!」 ステ(そういえばこの口調は完全にスルーされてるな……) フィ「エッヘンオッホン! ……それではイギリス清教最大主教、Index-Librorum-Prohibitorum殿。 こたびは最大主教への昇叙、厚くお慶び申し上げたる」 ステ(……?) イン「ありがたきことよな。非才の身にあれど、主の教えに従ひて研鑽を積み、人々の救いの手となりぬのよ」 フィ「……わがローマとイギリスは長らく友好関係とは言ひ難かった。」 フィ「が、教皇聖下は万民の心の安寧を願っておられる。宗派の違いなどなにほどのことがあろうか、ということだ」 イン「それこそ主の望みと私も考えたり。ローマとイギリス、否、 世界の人々の求める『救い』を丁寧に拾いてゆきてこその『救済』なりしよな」 フィ「……フフッ」 イン「?」 フィ「なぜ『お前たち』の周りに多くの善意があるのか。それが今よくわかった」 ステ(……『お前たち』か……) フィ「俺様がこの場に来たのは、祝福のためだけではない。十年越しの、謝罪のためでもある」 ステ「……」 イン「……」 「十年、経ってしまったのはひとえに俺様の――俺の身勝手な願望ゆえだ」 「あの男に諭されて、世界を見た。なにものも通すことなく、この眼で」 「醜かった。歪んでいた。しかし、」 「美しかった」 「善は確かに、この世にあった。作り出すまでもなく、今の世界に」 「それを確かめてようやく、俺は自分の過ちと向き合えた」 「自分が間違っていたと、認められた。だから、いくら遅くなったとしても頭を下げよう」 「済まなかった」 「顔をあげてください」 「人には、口があります」 「目があって、耳があって、鼻があって、手があって」 「心があります」 「話し合うために、笑いあうために、手を取りあうために神様がくれたもの」 「私はそう思ってます」 「だから、取り戻しましょう?」 「どんなに長い時間がかかっても、一生だったとしても」 「取り返しのつかないことを取り戻そうとしている人を、私は知っているから」 「あなたにも、あきらめないでほしいから」 「私は、あなたを許します」 「ありがとう、最大主教――いや」 「シスター・インデックス」 ステイルには、言葉はなかった。口を真一文字に結んで、眼前の『救い』から目ではなく、心を背けた。 まるで天上の、この世ならざる光景を見ているかのようで、そしてなにより―― 自分が愛したままの『インデックス』がそこにいたから。 自分以外を愛した『インデックス』がそこにいるから。 どんな瞬間よりも強く、その隙間を思い知らされてしまっていたから―― なにも、言えなかった。 フィ「それでは、時間も時間だ。そろそろお暇しようか」 ステ「ローマに戻るのか? それとも……」 フィ「今度は、贖罪の旅ということになるな。今回のことは、前教皇の計らいで実現したることだ」 イン「マタイ前聖下はお元気でありて?」 フィ「りうまち、だったかをこじらせてな。歳も歳、万全とはいかぬが……」 フィ「学園都市の医者を誰かに紹介されたらしくな、どうやら快復にむかっているそうだ」 イン「それはよきことよな!」 フィ「まったくいつまで経てども頭が上がりそうにない……」 ステ(とか言いつつ微妙に嬉しそうだな) ステ(…………? やはりなにか、違和感が) フィ「ではな、最大主教、ステイル=マグヌス」 イン「……我らをして御身にならいて、常に天主に忠実ならしめ、その御旨を尊み、その御戒めを守るを得しめ給え」ニコッ ステ「(へえ……)かくして我ら相共に天国において天主の御栄えを仰ぐに至らんことを」ヤレヤレ フィ「……御身の御取次によりて天主に願い奉る、アーメン」フフッ スタ、スタ、スタ……ギィッ 「…………さらばだ」 フィ「機会がありければまた会いたし。主の加護があらんことよな!」 ステ「なんかうつってるーーーーー!!!??」ガビーーーーン! ステ「どうするんだあれ……」 イン「気にすることなしよな!」 ステ「なくてたまるか! アイツこれからあの口調で地球一周謝罪行脚するんですよ!?」 ピラッ イン「あれ? なにか紙切れが落ちたるのよ? なになに……」 フィ『そうそう言い忘れた、俺様の旅は「お客様は神様(以下略)」の宣伝も兼ねているのだが』 ステ「……いや、いつ書いたんだこんなもん」 フィ『先ほどちらりとだが見せてもらった「神にご奉仕☆(以下略)」には実に感銘を受けた。 そちらが良ければ俺様の城、略称「ベツヘレムの星」の制服として採用したいと思う。というか採用する。答えは聞いてない』 イン「!!」 ステ「!?」 フィ『現物はないが俺様の「聖なる右脳」にかかれば再現など容易い。 「あのイギリス清教最大主教も絶賛着用中!」のキャッチコピーで商品展開も考えているので楽しみにしt』ボウッ! イン「す、すている!? 何故にまたイノケンティウスを顕現させたるのよな!?」 ステ「ふ、ふぃ、っ、」 イン「ふぃ?」 ステ「フィアンマァァァァァァーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!」 鬼のような形相で『魔女狩りの王』を引き連れたステイルが大聖堂を飛び出す。通行人がびっくらこいて何人か腰を抜かした。 乳母車の赤ん坊がキャッキャと笑いだし、何故だか手慣れた感のあるホームレスがありがたやと暖を取りに群がる。 しかし本日四度目となった絶叫の元凶はすでにどこにも見えず、青青く晴れ渡る空に五度目の絶叫が響いて抜けた。 「不幸だぁぁーーーーーーーっ!!!!!」 続きますん
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少年の手術を担当していた冥土帰しが首を横に振る。 それは、もう無理だという、単純かつ分かりやすいサインだった。 まず、銀髪碧眼の少女が泣き崩れる。 次に、赤い髪の少年が天を仰ぐ。 金髪アロハの少年はその場を立ち去り、 吸血殺しはその場に倒れこむ。 少年に救われた者たち、元ローマ正教のシスター4人や、 とある日に、少年と出会ったことのあるロシア成教のシスターも、 何かしらで顔を拭っていた。 そんな中、常盤台中学のエース、超能力者の御坂美琴だけは、 動くこともできずに、ただ、茫然と立ちすくんでいた。 (嘘よね。う、嘘なのよね?) 「お姉さま……」 状態を把握し、現実を受け入れた者から、その場を立ち去って行った。 まずは、赤髪の神父が立ち去る。その眼に見えたのは、涙。 次に、五人のシスターたち。三人は涙で前が見えないようで、水着のような服を着たシスターと一番身長のあるシスターが他を支えながら出ていった。 吸血殺しと銀髪碧眼の少女は、身長の低い教師に引き取られていった。 そんな中、御坂美琴を迎えに来た白井黒子は、涙で頬を濡らす美琴の姿を見てしまった。 その表情は、あの少年以外には見せたことのないものだった。 (よほど、あの殿方の死がショックだったのでしょうね) 白井黒子は考えた。 美琴との(行き過ぎた)スキンシップの時に、一番目障りだった少年が消えたのに、何故こんなに釈然としないのか。 美琴の悲しげな表情を見たからだろうか。 いや、違う。今までの白井なら、「代わりにわたくしが」などと言って美琴とのスキンシップを取りに行っていただろう。 それなのに、この感情は何なのか。白井にはわからなかった。 その場に居合わせた佐天涙子は白井以上に驚愕していた。 美琴が涙を流している。 それは、佐天があこがれる美琴のイメージとかけ離れていた。 どんなにつらいことがあっても、美琴はその場では泣かないと思っていた。 裏では涙を流しているかもしれないが、表には絶対に出さないと思っていた。 というか、それ以上に、美琴の想い人らしき少年の姿を見て、佐天は驚いていた。 (と、当麻さん?) 佐天が驚いたのにはわけがあった。 同じ無能力者同士、その少年と佐天との間にはいろいろと交友関係があったのだ。 それが、友人関係であろうと。それ以上の恋人関係であろうと。 最近、佐天はその少年と連絡が取れないことに、不信感を抱いていた。 それが、美琴と一緒に居たからだと考えると、自然と胸が苦しくなった。 (今の私に、御坂さんに合わせる顔は、ない) 佐天涙子は走りだす。 ここが病院だということも忘れて。 誰もが幻想殺しの死を知った。 名前は伏せられて、ニュースにもなったほどだった。 ただし、「上条当麻」が死んだのではなく、「学園都市最大の防御壁」が無くなった、と。 ローマ正教との戦争、そしてつい先月の「0930」事件。 上条当麻の死は、学園都市の防御力をガクンと下げてしまった。 「……というわけなのって、ミサカはミサカは10032号からの連絡を包み隠さず伝えてみたり」 打ち止め、と呼ばれる見た目10歳の少女が、白髪の少年に伝えた。 その横には黄泉川愛穂と芳川桔梗もいる。 ここは、黄泉川の家のリビングだ。 「ああ、それで小萌先生がここ最近、ずっと休暇を取ってるじゃん?」 黄泉川は納得したように言うと、うつむいてしまった。 「あの少年とは、9月の初めに地下街で戦ったじゃん。正直、死んだなんて信じられないじゃん」 黄泉川はそう言ったあと、黙った。 「あンだ?そういやオマエ、アイツが死ンだって言ってから、色々と司令みたいなンを出してっけどよォ。そりゃなンでだ?」 「そ、それは……」 打ち止めは黙った。しばらく無言の状態が続く。 「……彼の死に、妹達が精神的ショックを受けて、暴走をし始めちゃったから止めてるだけだよってミサカはミサカは強がってみたり」 「はァ?」 白髪の少年は黙った。 彼がこの生活を手に入れたのは、何を隠そう上条当麻のおかげだ。 上条がこの白髪の少年に勝たなければ、この生活はなかった。 そして、今暴走し始めている妹達の命もなかった。 その場がまた、無言になる。 (俺には、何もできない……) 白髪の少年は、自分の悲しみを悟られないように、静かにリビングを後にした。 「まさか」 神裂火織は上条当麻の部屋で座り込んでいた。 (上条当麻が、亡くなるとは……) イギリスのローラが出した指令は、「治療部隊を派遣する」ということだった。 (間に合う訳が、ないのに……) 神裂は自らの頬を伝う、水滴に気付いた。 (涙……) 自分も相当なショックを受けていることを、神裂は悟った。 止めようと思っても、止まらない。 (お礼を、言い損ねましたね…) 神裂は天を仰ぐ。 (流石に、失礼なことをしてしまいました) それ以上に、神裂は思う。 (私は、この魔法名を名乗っていてよいのでしょうか) 救われぬものに、救いの手を。 魔法名に従うなら、今しかない。 でも、神裂にはどうすることもできなかった。 余談だがその頃、天草では、五和が自殺しようとしているのを建宮が必死に止めている最中だった。 上条刀夜、同じく詩菜、そして竜神乙姫の3人は学園都市の入口に立っていた。 上条当麻の、亡骸を見るために。 「当麻……」 声を出せたのは刀夜だけだった。 詩菜はずっと泣き続け、乙姫に関しては、泣き疲れて寝てしまった。 そんな3人の前を、身長の高い一人の少年が走っていく。 「これで、第一段階は成功や。あとは、西に逃げ切れば……」 青い髪でピアスを付けた少年は走っていってしまった。 しかし、3人にそれを気にする余裕はなかった。 その時、 「すみません。学園都市って、ここであってますよね?」 上条と同い年ぐらいの少年が、刀夜たちに尋ねた。 「そうですが……何かご用でも?」 刀夜が尋ねると、少年は頭をかきながら、 「いやあ、インターネットで知り合った友達が学園都市に居るって言ってて、今日会う予定なんですよ」 「そうなんですか……」 少年は刀夜の言葉に対して、こういった。 「まあ、ウチのクラブのサイトにコメントを残してくれてた人なんですけど、何度かメールで愚痴りあってたんですよ。んで、会おうってことになって」 刀夜は言う。 「でも、最近学園都市では、色々な現象が起こってるらしいですよ。気を付けてくださいね」 「ご忠告、ありがとうございます」 少年は、最後にこう言った。 「色々な現象、か。アイツが喜びそうな街みたいだな」 「ううぅぅ、白井さんがさぼったぁぁぁ」 パソコンのキーボードをカタカタと鳴らしながら、風紀委員の初春飾利が言う。 初春も、ショッピングモールで上条に助けてもらった経験があるが、名前を知らない初春は「上条当麻」がその少年だということを知らない。 「こういう時に限って、仕事は多いんですよぅぅぅぅ」 もう、半泣き状態の初春は「もう、いいですっ」と言って、仕事を一旦止め、とあるサイトにアクセスした。 (そういえば、今日はここの人と会うんだったなぁ) 仕事を終わらさないことには、後で固法の痛いお仕置きが待っている。 「ふぇぇぇ、あと一時間で終わらさないと……」 初春はキーボードを打ち続ける。 約束の時間に間に合わせるために。 待ち合わせは第七学区の常盤台中学の前。 時間まで、あと1時間ちょっとだ。 「では、青髪ちゃんが犯人なんですね?」 「はい。そうなります」 親船が上条の担任である月詠小萌に告げた。 美人のエゴだろうか、彼女にはとても情報が集まっている。 「その青髪って子は学園都市を抜け出して、現在逃亡中だそうです」 親船がそういうと、小萌はさらに落ち込んでしまう。 自分の教え子が殺人を犯したのだから、当然だ。 ましてや、被害者も自分の教え子なのである。 「とりあえず、クラスのみんなにはまだ、告げないほうがいいと思います。みなさん、ショックを受けると思うので」 親船が言ったことは、最善の事だろう。 しかし、小萌は首を横に振る。 「そんなこと、できるわけないじゃないです。私、涙を抑えるのが一番苦手なのですよ。すぐにバレてしまいます」 「そういうことじゃありません」 親船はしっかりとした目つきで小萌に告げた。 「死んだ人を生き返らせる能力。そんな能力だってあるんです」 「ふむ、興味深いねそれは」 ステイル=マグヌスはとあるビルの屋上でタバコをふかしながら座り込んでいた。 ちなみにこれは親船と小萌の会話を聞いて出た言葉だ。 (アークショップは、そのことを知っているから、言わなかったのだろう) カエル顔の医者は、上条がまだ死んでも生き返らせる人間がいると、イギリス清教側にだけ伝えていたのだ。 (そうでなければ、インデックスはイギリスに連れていかれてただろうしね) ステイルは上条当麻が死ぬことで、あの少女の周りの世界が失われることが、何よりも恐かった。 (あの子の悲しい顔は、もう見たくない) ステイルは横に居る神裂、そして土御門のほうを向いた。 「……ま、まだ完全に死んでいないのですか?」 「神裂、まさかアークビショップからの電報をまだ見ていないのか?」 ステイルは呆れたように自分の同僚を見た。 「だって……あの時は気が動転してて…………」 「そ、そーだぜ、ねーちん。き、気づいてなかったのかよ」 「お前もだろ、土御門」 冷静になれていたのはステイルただ一人だった。 (もう、僕は知らん) あとは、上条当麻の生命力にかけるだけだ、と。 ステイルは十字架を握った。 第七学区の常盤台中学の寮の前、頭に髪飾りを付けた少女、初春飾利はある人を待っていた。 もとはと言えば、友人である佐天涙子に進められて一度、観覧したブログに何度か出入りしていた時に、そこのブログ主がコメントの返事をくれたことが始まりだった。 その相手は、文の使い方からして男だと推測した初春は、ブログ主に会いたいと思っていた。 美琴に想い人がいるのはわかってるし、(百合な黒子は除外)佐天にも恋人が出来たようで、初春は取り残された感があったのだ。 それに、遠距離恋愛になれたら素敵だな、というメルヘンチックな思考回路を持つ彼女にとって、外部の人との恋には、興味があったようだ。 そして、待ち人と同い年ぐらいの人が目の前を通り過ぎていこうとした。 その男性は、初春が知っている美琴の想い人に似ていた。 「えっと、そうだ。カミジョーさんだ。すみませーん」 初春は白井の言葉を思い出し、とっさにその言葉が出た。 しかし、その男性は、 「えっ、俺?俺は上条じゃないんだけど……」 と困惑しきった様子だった。 ちなみに初春は名前が出てきているのに、美琴や白井が風紀委員の仕事に来ないのが、まだわからない。 「あっ、人違いでした。すみません」 「いえいえ、いいですよ。ってうわあぁぁ、猫じゃねえか」 その男性は猫を見たとたんに逃げ出した。 「うーん、見たところ猫にトラウマがあるのでしょうか……」 まあいいです、と初春は正面を向く。 「あっ、初春さんですね」 やっと初春が待っていた男性が来たようだが、その男性の様子がおかしい。 「何も聞かないで。一緒に逃げてください」 「はは、はいぃぃぃぃ?」 初春は手をひかれて走り出す。 「やはりこの街に来ていたのですか。厄介なことにしてくれましたね。貴方がここに来ることで、彼女が超能力者の存在を知ってしまった場合、我々の世界にも超能力者が現れてしまうでしょう。もっとも、彼女が退屈することはないと思いますが」 一方通行、超電磁砲。二人の超能力者が戦意を失った今、ローマ正教およびロシア成教からすると、攻撃のチャンスとなる。 そしてロシア成教先鋒部隊が学園都市のすぐそこまで迫っていた。 その中の一人、サーシャ・クロイツェフは複雑な思いに心を奪われていた。 (私は、ロシア成教のエージェント) 先鋒部隊のエース。 (学園都市とイギリス清教は敵) もう、戦争へと突入してもおかしくない状況である。 (ローマ正教が神の右席を失ったように、学園都市も幻想殺しを失った) 彼女は幻想殺しを復活させるために、学園都市内の再生能力を持つ人間を集めに集めていることを知らない。 (ロシア、ローマ側からすると。いや、ロシア側からするとこれはチャンス) 第二部隊は現在、日本では北方領土と呼ばれているあたりで待機中だ。 (しかし、問題はイギリス清教がどう動くかでしょう) おそらく、まだ動いては来ないと思われる。 (先制攻撃でたたみかけるなら、今がチャンス) 幻想殺しの治療に最大の力を注ぐ学園都市は、警備員や風紀委員の救護係までを幻想殺しの治療へと向かわせた。 ここを逃せば、またあの鉄壁の守備で食い止められてしまう。 なのに、 (ためらってしまう、この感情は何なのでしょう)ミーシャは悩む。 まだ13歳のお年頃な女の子にとってそれは何という感情なのか。 エージェントの彼女にはわからなかった。 「あのバカ。本当に周りを考えずに動くんだから」 「で、でも熱中しすぎてた私たちにも非があると思うんですが……」 「…………私は、そうは思わない……………………」 「あーもう、行くわよ」 女性三人組。ロシア成教先鋒部隊を通り越して、学園都市へと向かう。
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もくじ テンプレート1 2 推奨事項 一人称表 テンプレート 1 上条さんと美琴のSSをじゃんじゃん投下していくスレです!別に上条さんと美琴だけが出てくるスレじゃありません。上条さんと美琴が最終的にいちゃいちゃしていればいいので、ほかのキャラを出してもいいです。そこを勘違いしないようにお願いします!◇このスレの心得・原作の話は有りなのでアニメ組の人はネタバレに注意してください。・美琴×俺の考えの人は戻るを押してください。・このスレはsage進行です。レスする際には必ずメール欄に半角で『sage』と入力しましょう。・レスする前に一度スレを更新してみましょう。誰かが投下中だったりすると被ります。・次スレは 970ぐらいの人にお願いします。◇投稿時の注意・フラゲネタはもちろんNG。・キャラを必要以上に貶めるなど、あからさまに不快な表現は自重しましょう。・自分が知らないキャラは出さないように(原作読んでないのに五和を出す等)。・明らかにR-18なものは専用スレがあるみたいなのでそちらにどうぞ。・流れが速い時は宣言してから書き込むと被ったりしないです。投稿終了の目印もあるとさらに◎。・創作しながらの投稿はスレを独占することになりますので、書き溜めてから投稿することをお勧めします。・このスレはsage進行です。レスする際には必ずメール欄に半角で『sage』と入力しましょう。・以前に投稿したことがある人は、その旨記述してあるとまとめの人が喜びます。・ちなみに1レスの制限は約4096byte(全角約2000文字)、行数制限は無い模様。◇その他の注意・参考・基本マターリ進行で。特に作品及び職人への過度なツッコミや批判は止めましょう。・このスレはsage進行です。レスする際には必ずメール欄に半角で『sage』と入力しましょう。・クレクレ(こうゆうのを書いてください)等はやりすぎに注意。・読んだらできれば職人にレスしてあげましょう。職人の投稿するモチベーションを維持できます。・誰か投下した直後の投下はできれば控えめに。・倫理的にグレーな動画サイト、共有関係の話題はもちろんNG。・書きたいけど文才無いから書けないよ! →スレの趣旨的にそれでも構いません。妄想と勢いでカバー(ネタを提案する程度でも)。◇初心者(書き手)大歓迎!◇前スレ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part29ttp //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/6947/1449489675/まとめページとある魔術の禁書目録 自作ss保管庫 / 上条さんと美琴のいちゃいちゃSSttp //www31.atwiki.jp/kinsho_second/pages/81.htmlまとめページの編集方針ttp //www31.atwiki.jp/kinsho_second/pages/213.htmlスレ立て用テンプレttp //www31.atwiki.jp/kinsho_second/pages/82.html 2 ■過去スレ上条さんと美琴のいちゃいちゃSSttp //jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1256470292.html上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part2ttp //jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1262324574.html上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part3ttp //jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1264418842.html上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part4ttp //jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1265444488.html上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part5ttp //jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1266691337.html上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part6ttp //jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1268223546.html上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part7ttp //jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1269624588.html上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part8ttp //jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1271074384.html上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part9ttp //jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1272858535.html上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part10ttp //jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1274888702.html上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part11ttp //jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1278386624.html上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part12ttp //jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1281121326.html上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part13ttp //jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1287267786.html上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part14ttp //jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1294570263.html上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part15ttp //jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1297888034.html上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part16ttp //jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1301665322.html上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part17ttp //jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1306158834.html上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part18ttp //jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1313080264.html上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part19ttp //jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1319498239.html上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part20ttp //jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1327581934.html上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part21ttp //jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1335861860.html上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part22ttp //jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1352112151.html上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part23ttp //jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1360844502.html上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part24ttp //jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1363802594.html上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part25ttp //jbbs.shitaraba.net/movie/6947/storage/1369269992.html上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part26ttp //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/6947/1381415914/上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part27ttp //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/6947/1395680118/上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part28ttp //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/6947/1415780549/上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part29ttp //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/6947/1449489675/■関連ページとある魔術の禁書目録 自作ss保管庫ttp //www31.atwiki.jp/kinsho_second/とある魔術の禁書目録 Indexttp //www12.atwiki.jp/index-index/御坂美琴まとめ Wikittp //wikiwiki.jp/misakamikoto/■関連スレ上条当麻×御坂美琴 専用雑談スレ 追いかけっこ13日目(感想スレ)ttp //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/6947/1394592431/とある魔術の禁書目録 自作SS保管庫スレttp //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/6947/1263738759/とあるSSの禁書目録 PART11ttp //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/6947/1318073465/上条さんと○○のいちゃいちSSttp //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/6947/1269574273/【とある魔術の禁書目録】上条当麻の巡り行く世界39周目 ttp //ikura.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1399215818/【とある魔術の禁書目録 超電磁砲】御坂美琴の抱擁爆発236ttp //ikura.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1400336226/■関連スレ(R-18)上条当麻×御坂美琴 いちゃエロスレ4ttp //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/6947/1322814818/禁書でエロばなしttp //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/6947/1137215857/【とある魔術の禁書目録】鎌地和馬総合39フラグ目ttp //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1389942201/ 推奨事項 傍点は範囲を引用符“”で閉じて代用すると良いかも? ルビは振りにくいので括弧()で。 沈黙や間は三点リーダ…で。中黒・の連続だと字数嵩むし隙間開くし見目麗しくないですよ。 ダッシュ―は2つ以上重ねるべし。 横書きなので漢数字(〇・一・二・三…)はなるべく使わない。 以前に投稿したことがある人は、その旨記述してあると編集人が管理しやすくなります。 一人称表 オリジナルはここ。作者さんGJ! 【俺】 上条[上条さん]/一方通行/建宮/木原/浜面/駒場/垣根/半蔵/旅掛/オッレルス 【私】(男/他) アウレオルス/火野/天井/闇咲/アレイスター/刀夜[父さん]/ビアージオ/アックア/テッラ/騎士団長/ローマ教皇 【私】(女) 美琴/禁書/神裂/小萌[先生]/姫神/乙姫/舞夏/風斬/シェリー/オルソラ/アニェーゼ/初春/結標/詩菜/美鈴/オリアナ[お姉さん]/リドヴィア/ルチア/アンジェレネ/黄泉川/ヴェント/素甘/最中/五和/麦野/滝壺/絹旗/フレ/ンダ/ショチトル/心理定規/エリザード/リメエア/キャーリサ/ヴィリアン/ベイロープ/レッサー/シルビア/木山/固法/布束 【わたくし】 黒子/婚后/湾内/泡浮 【その他】 芳川/ローラ:わたし,妹達/打ち止め:ミサカ,土御門:オレ,吹寄/佐天:あたし,ステイル/爆弾魔:僕,青髪:ボク,海原(エツァリ):自分,フィアンマ:俺様 _______