約 2,231,786 件
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/222.html
総括所見:スペイン(第3~4回・2010年) 第1回(1994年)/第2回(2002年)OPAC(2007年)/OPSC(2007年) CRC総括所見日本語訳(国別)/CRC総括所見日本語訳(会期順) CRC/C/ESP/CO/3-4(2010年11月3日) 原文:英語(平野裕二仮訳) 原文は国連人権高等弁務官事務所のサイト(国別情報のページまたはCRC会期一覧ページ)を参照。 1.委員会は、2010年9月15日に開かれた第1548回および第1550回会合においてスペインの第3回・第4回統合定期報告書(CRC/C/ESP/3-4)を検討し、2010年10月1日に開かれた第1583回会合において以下の総括所見を採択した。 A.序 2.委員会は、締約国の状況に関する理解を向上させてくれた、締約国の第3回・第4回統合定期報告書および事前質問事項(CRC/C/Q/ESP/3-4)に対する文書回答の提出を歓迎する。委員会は、部門横断型の代表団の出席、および、代表団との間に持たれた率直なかつ開かれた対話について評価の意を表明するものである。 3.委員会は、締約国に対し、この総括所見は、2007年10月17日に採択された、子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する選択議定書(CRC/C/OPSC/ESP/CO/1)および武力紛争への子どもの関与に関する選択議定書(CRC/C/OPAC/ESP/CO/1)についての締約国の第1回報告書に関する総括所見とあわせて読まれるべきであることを想起するよう求める。 4.委員会は、子どもの売買、児童買春および児童ポルノならびに武力紛争への子どもの関与に関する両選択議定書の実施についての最新情報が締約国報告書に記載されていなかったことを遺憾に思う。委員会は、締約国に対し、各選択議定書の第12条2項および第8条2項にしたがい、包括的な第1回報告書の提出後は、締約国は、条約第44条にしたがって委員会に提出する報告書に、各議定書の実施に関するさらなる情報があればそれを記載するものとされていることを想起するよう、求めるものである。 B.締約国によりとられたフォローアップ措置および達成された進展 5.委員会は、条約の実施に関連した前向きな進展に、評価の意とともに留意する。これには、とくに以下の計画および法律の採択が含まれる。 (a) 子どもと青少年のための第1次国家戦略計画(2006~2009年)。 (b) 子どもと青少年の商業的性的搾取に反対する第2次国家行動計画(2006~2009年)。 (c) 市民権と統合に関する戦略計画(2007~2010年)。 (d) 児童ポルノ犯罪の範囲を拡大し、かつインターネット上のセクシュアルハラスメント犯罪の定義を定めた、刑法を改正する6月22日の組織法第5/2010号。 (e) 女性性器切除(FGM)犯罪の定義を定めた、公の安全、ドメスティックバイオレンスおよび外国人の社会的統合についての具体的措置に関する9月29日の組織法第11/2003号、および、FGMの域外訴追について定めた組織法第3/2005号。 6.委員会は、障害のある人の権利に関する条約およびその選択議定書(2007年12月)、人身取引と闘う行動に関する欧州評議会条約(2009年4月)ならびに性的搾取および性的虐待からの子どもの保護に関する欧州評議会条約(2010年8月)の批准を歓迎する。 C.主要な懸念領域および勧告 1.実施に関する一般的措置(条約第4条、第42条および第44条6項) 委員会の前回の勧告 7.委員会は、締約国の第2回定期報告書に関する委員会の総括所見(CRC/C/15/Add.185)を実施するために締約国が行なった努力を歓迎するものの、そこに掲げられた勧告の一部について十分な対応が行なわれていないことに留意する。委員会は、これらの懸念表明および勧告がこの文書でもあらためて行なわれていることに留意するものである。 8.委員会は、締約国に対し、第2回定期報告書に関する総括所見の勧告のうちまだ十分に実施されていないもの(とくに、調整、データ収集、差別、移民の子ども、保護者のいない外国籍の子どもおよび自由を奪われた子どもに関するものを含む)に対応するため、あらゆる必要な措置をとるよう促す。この文脈において、委員会は、子どもの権利条約の実施に関する一般的措置についての委員会の一般的意見5号(2004年〔ママ〕)に対して締約国の注意を喚起するものである。 立法 9.法律を条約の原則および規定と調和させようとする締約国の努力は歓迎しながらも、委員会は、自治州で適用される法令が異なっており、かつ重要な分野(危険な状況に置かれた、ネグレクトされているもしくは里親養護を受けている子どもの保護または保護者のいない外国籍の子どもの取扱いなど)で必ずしも条約と一致していないことに、留意する。 10.委員会は、締約国が、すべての自治州の法律および行政規則が条約および2つの選択議定書の原則および規定に全面的に一致することを確保するため、あらゆる必要な措置をとるよう勧告する。 調整 11.委員会は、子どもの権利の促進および保護のためにさまざまな自治州がとった措置および行動を歓迎する。委員会は、社会問題部門会議(Conferencia Sectorial de Asuntos Sociales)、自治州間子ども担当局長委員会および子どものための監視機関など、中央政府と自治州間の協力および連携のための現行機構について締約国から提供された情報には留意しつつも、子どもの権利に関する国レベルの調整機構が存在しないことを懸念するものである。 12.委員会は、締約国が、前回勧告したとおり、子どもの〔権利の〕促進および保護のための政策の実施における効果的かつ十分な調整システムを中央行政機構においても自治州間でも増進させるための努力を継続するよう、勧告する。 子どものための国家的行動計画 13.委員会は、子どもと青少年のための国家戦略計画に代表される進展を認識するとともに、諸機関および社会団体が幅広く参加したその作成プロセスを高く評価する。しかしながら委員会は、2008年に実施された部分的評価により、いくつかの構造上および手法上の弱点(計画されている措置を実施するための追加的かつ具体的な経済的資源が存在しないこと、ならびに、目標および措置との関連で具体的な到達目標および期限が定められていないことを含む)が明らかになったことに留意するものである。 14.委員会は、今後の子どもと青少年のための国家戦略計画に、計画の効果的実施を増進させるために必要な資源(人的資源および物的資源の双方)が含まれるべきことを勧告する。これには、目標および措置をより戦略的に選択すること、到達目標、期限および効果指標を定めること、ならびに、計画の作成、監視および評価に子どもおよび市民社会が参加するためのプロセスを改善することも含まれる。 資源配分 15.委員会は、2008年までの段階で社会部門活動(子どもおよび青少年の権利に対応する政策およびプログラムを含む)への予算配分が増額傾向にあることを歓迎する。しかしながら委員会は、国家予算における子どものための具体的配分額を明らかにするうえでの困難が引き続き存在することに留意するものである。委員会は、締約国に深い影響を及ぼしている現在の危機(失業率が約20%に達し、かつ子どもの25%が貧困下にありまたは貧困の危険にさらされている)に対応するために締約国が作成した諸計画および予算において、子どもに特化した項目が設けられていないことに、懸念を表明する。さらに委員会は、自治州が子どものために配分している予算額についての情報が存在しないことを引き続き懸念するものである。 16.委員会は、締約国に対し、「子どもの権利のための資源配分――国の責任」に関する一般的討議(2007年)後に採択された委員会の勧告(CRC/C/46/3参照)を考慮しながら、以下の措置をとるよう促す。 (a) 予算全体を通じて子どものための資源がどのように配分されかつ使用されているかを追跡するためのシステムを実施し、もって子どもに対する投資を目に見えるものとすることによって、国および自治州の予算の策定に際して子どもの権利アプローチを活用すること。委員会は、子どもに関する支出の効果および影響を評価する目的で、国、自治州および地方のレベルにおける子ども関連の支出額およびその割合を明らかにする、子ども予算の開発を勧告するものである。 (b) 子どもに関する優先的予算科目が、全体的な予算的優先順位における資源水準の変化から保護されること、および、より具体的には、必要とする子どものための社会的な積極的差別是正措置に言及した予算科目が、たとえ危機の時期にあっても保護されることを、確保すること。 データ収集 17.調査研究、データの分析および収集の分野で子どものための監視機関が果たしている重要な役割は認識しながらも、委員会は、データ収集に対する断片的アプローチ(データ収集が条約で対象とされているすべての分野を網羅しておらず、かつ国および広域行政圏のレベルで不均一に行なわれている)について懸念を覚える。 18.前回の勧告(CRC/C/15/Add. 185)にしたがい、委員会は、締約国に対し、ロマの子ども、移民の子ども、保護者のいない外国籍の子どもならびに経済的および社会的に不利な立場に置かれた世帯の子どもをとくに重視しながら、条約が対象とするすべての分野について、18歳未満のすべての子どもに関するデータ(とくに年齢、性別および民族的背景ごとに細分化されたもの)を体系的に収集しかつ分析する機構を強化するよう、勧告する。 普及および意識啓発 19.委員会は、子どもの権利に関する公衆の教育および公衆への情報提供のためにスペインで行なわれている努力に、評価の意とともに留意する。委員会は、初等中等教育のカリキュラム(「市民性教育」の科目)に人権関連の内容を含めた、教育に関する5月3日の組織法第2/2006号を通じて達成された進展を歓迎するものである。 20.委員会は、締約国が、条約のすべての規定がおとなによっても子どもによっても同様に広く知られかつ理解されることを確保するための努力を継続するよう、勧告する。これとの関連で、委員会は、締約国に対し、公衆一般、子ども、家族および子どもとともに働く専門家(裁判官、弁護士、法執行官、教員、保健従事者およびソーシャルワーカーを含む)を対象とした、条約の原則および規定に関する体系的な教育プログラムを実施するよう、奨励するものである。 国際協力 21.委員会は、国際協力に貢献しようとする締約国の力強い努力を歓迎する。委員会は、スペイン協力基本計画(2009~2012年)に、複数部門にまたがる優先事項として子どもが含まれていることに、評価の意とともに留意するものである。委員会はまた、人権高等弁務官事務所に対する締約国の拠出額が増えていることにも評価の意を表明する。 22.委員会は、締約国に対し、国際協力の水準を維持し、かつ可能であれば高めるよう、奨励する。委員会は、締約国に対し、二国間協力に際して、両選択議定書、当該国に関する総括所見および当該国について委員会が行なった勧告に特段の注意を払うよう、奨励するものである。委員会は、締約国に対し、「子どもの権利のための資源配分――国の責任」に関する一般的討議を受けて行なわれた勧告(2007年)を考慮するよう、慫慂する。 2.子どもの定義(条約第1条) 23.委員会は、締約国における婚姻適齢が18歳であることに留意する。しかしながら委員会は、裁判官が、例外的事情がある場合に14歳という低年齢での婚姻を認可できることに対する懸念を、あらためて表明するものである。 24.委員会は、締約国が、裁判官の許可がある場合の例外的な最低婚姻年齢を16歳に引き上げる目的で法律を見直すとともに、その適用は例外的事案に限られることを明示的に定めるよう、勧告する。 3.一般原則(条約第2条、第3条、第6条および第12条) 差別の禁止 25.委員会は、領域内における差別、とくにロマ系の子ども、移住労働者の子ども、保護者のいない外国籍の子どもおよび障害のある子どもに関わる差別と闘うために締約国が行なっている努力を歓迎する。委員会は、移民生徒による義務的教育へのアクセスを保障することおよび教育制度への統合を促進することを目的とした、市民権と統合に関する戦略計画(2007~2010年)の承認を歓迎するものである。しかしながら委員会は、非正規な状況にある外国人の子どもが教育サービスおよび保健サービスにおいて遭遇している障壁について、依然として懸念を覚える。 26.委員会は、締約国が、現行法の枠組みにも関わらず差別に直面し続けている前掲集団に属する子どもの状況を引き続き監視するとともに、このような監視の結果に基づき、あらゆる形態の差別の解消を目的とした、具体的かつ十分に的を絞った行動を掲げる包括的戦略を策定するよう、勧告する。 子どもの最善の利益 27.委員会は、子どもの最善の利益の原則が法律に含まれており、かつ子どもに影響を与える決定において裁判官が当該原則を活用していることを歓迎する。しかしながら委員会は、何が子どもの最善の利益であるかを判断するための統一手続が設けられておらず、かつ、この原則の理解および適用に関して、とくに保護者のいない外国籍の子ども、送還および養子縁組に関わる事案との関連で、各自治州における実務の違いが根強く残っていることを、依然として懸念するものである。 28.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 子どもの最善の利益の原則が、法規定に関わる中央政府および自治政府のすべての行動および決定、ならびに、子どもに影響を与える司法上および行政上の決定において指針とされることを確保するため、あらゆる適当な措置をとること。 (b) 何が「最善の利益」であるかについての政府自身の理解および指針性を高める目的で、政府の行動および決定が子どもの最善の利益に及ぼした影響について評価を実施するとともに、意思決定に携わるすべての者(とくに裁判官、公務員、立法機関を含む)を対象とする研修を行なうこと。 子どもの意見の尊重 29.委員会は、意見を聴かれる子どもの権利その他の子どもの参加権がスペイン法で認められていることを歓迎する。しかしながら委員会は、一定の状況下で、とくに子どもに影響を与える司法上および行政上の手続において、子どもが法定後見人から独立して出廷する権利を承認してもらうために上級裁判所に訴える必要がいまなおあることを、懸念するものである。 30.委員会は、締約国が、条約第12条を全面的に実施するための努力を継続しかつ強化するとともに、行政上および司法上の手続(子どもの監護権に関する審判を含む)、出入国管理事案および社会一般においていかなる年齢の子どもの意見も正当に尊重されることを促進するよう、勧告する。委員会はまた、締約国が、子どもの参加を促進し、この権利の効果的行使の便宜を図り、かつ、家庭、学校またはその他の現場、コミュニティ、国の政策立案、ならびに、計画、プログラムおよび政策の実施および評価において、子どもに関わるすべての事柄についてその意見が正当に重視されることを確保するようにも、勧告するものである。委員会は、締約国が、2009年に採択された、意見を聴かれる子どもの権利についての委員会の一般的意見12号(CRC/C/CG/12)を考慮するよう勧告する。 4.市民的権利および自由(条約第7条、第8条、第13~17条および第37条(a)) 適切な情報へのアクセス 31.委員会は、子どもの身体的、精神的または道徳的発達を損なうおそれがある内容についての制限を掲げた、視聴覚通信に関する一般法の採択(2010年3月)を歓迎する。委員会はまた、官民のテレビ放送事業者が、少年視聴者の保護の増進に関するいくつかの基準について定めた、テレビの放送内容と子どもに関する自主規制規範(Codigo de Autorregulacion sobre los Contenidos Televisions e Infancia)に調印したこと(2005年3月)にも、評価の意とともに留意するものである。このようなさまざまな努力にも関わらず、委員会は、公共および民間のテレビ局が、子どもにふさわしい十分な番組を子どもの「高視聴時間帯」に提供せず、むしろ、子どもの発達にとって好ましくない場合がある内容を放送していることを懸念する。 32.委員会は、子どもが新たな技術に容易にアクセスできることには肯定的および否定的な影響の両方があること、ならびに、子どもおよびその養育者が虐待防止のための手段をまったく利用できない場合、子どもがとくに脆弱な状況に置かれる可能性があることを、認める。 33.委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 子どものデジタルリテラシーに貢献する良質なメディアの存在を促進するため、引き続き努力を行なうこと。 (b) 公共テレビ局が主導しかつリーダーシップを発揮しながら、経済的利益ではなく子どもの発達を優先させる、子どもの高視聴時間帯における責任ある番組編成(子ども向け番組の制作、内容および立案に子どもたちの参加を得ることも含む)が進められることを確保すること。 (c) インターネット部門で操業する企業に対し、十分な行動規範を採択するよう奨励すること。 (d) 子どもおよびおとなを対象とした、インターネット上の安全なブラウジングに関する研修を奨励すること。 体罰 34.委員会は、委員会の前回の勧告(CRC/C/15/Add. 185)にしたがって体罰に関する民法第154条が改正されたことにより、親はその子を合理的にかつ適度に矯正することができると定めた規定が削除され、かつ、親の権威は、子の人格にしたがい、かつ「子の身体的および心理的不可侵性を尊重しながら」、常に子どもの利益のために行使されなければならないと定める規定が導入されたことを、大いに歓迎する。委員会はさらに、積極的かつ非暴力的なしつけを促進するために「しつけは叩くことじゃない」(Corregir no es pegar)のような啓発キャンペーンを通じて行なわれている努力を歓迎するものの、とくに家庭における体罰が社会的に受け入れられ続けているという懸念をあらためて表明するものである。 35.委員会は、積極的かつ非暴力的な形態のしつけが、子どもの人間の尊厳と一致する方法で、条約(とくに第28条2項)にしたがい、かつ体罰その他の残虐なまたは品位を傷つける形態の罰から保護される子どもの権利についての委員会の一般的意見8号(2006年)を正当に考慮しながら用いられることを確保するため、締約国が、意識啓発キャンペーンおよび親教育プログラムを通じて行なっている努力を継続するよう勧告する。 子どもに対する暴力に関する国連研究のフォローアップ 36.委員会は、子どもに対する暴力に関する国連研究の勧告をフォローアップするために締約国がとった措置に、評価の意とともに留意する。委員会は、子どもに対する暴力と闘うための目標および措置に言及している、子どもと青少年のための第1次国家戦略計画(2006~2009年)を歓迎するものである。 37.委員会は、締約国が、子どもに対する暴力に関する国連研究の勧告を実施するためにあらゆる必要な措置をとるよう勧告する。とくに委員会は、締約国が、防止の優先、非暴力的価値の促進および意識啓発、回復および社会的再統合のためのサービスの提供、ならびに、子ども参加の確保に関する勧告に特段の注意を払うよう、勧告するものである。 38.委員会はさらに、異なる自治州における子どもの権利の回復および最低注意水準を保障する、ジェンダーおよびドメスティックバイオレンスに関する法律と同様の、子どもに対する暴力に関する統合法を承認するよう勧告する。 5.家庭環境および代替的養護(条約第5条、第18条(1~2項)、第9~11条、第19~21条、第25条、第27条(4項)および第39条) 家庭環境 39.家族のための広範な社会サービスは歓迎しながらも、委員会は、子どもの養育責任を遂行するにあたって適当な援助をいまなお得られていない家族が多いこと(とくに貧困、十分な住居の欠如または別居を理由として危機的状況にある家族)を懸念する。委員会は、現在の経済的危機の影響を受けていて社会的な積極的差別是正措置を必要としている家族(とくに外国出身の家族)およびひとり親家族の子どもの状況について、特段の懸念を覚えるものである。 40.委員会は、締約国が、親および法定保護者(とくにとくに貧困、十分な住居の欠如または別居を理由として危機的状況にある家族)が子どもの養育責任を遂行するにあたって適当な援助を与えるための努力を強化するよう、勧告する。委員会はさらに、締約国が、すべての子どものニーズが満たされることを確保するとともに、いかなる集団の子どもも貧困線以下の生活を送ることがないようにするためにあらゆる必要な措置をとるよう、勧告するものである。委員会はさらに、締約国が、親および子ども一般を支援するための家族給付および子ども手当の制度を強化するとともに、ひとり親家族、多子家族および(または)失業中の親に対して追加的支援を提供するよう、勧告する。 家庭環境を奪われた子ども 41.委員会は、子どもと青少年のための国家戦略計画において、施設養護よりも家族養護が優先されていることを歓迎する。委員会は、資金は行政が支出しているものの運営は民間が行なっている特別センターに措置された、行為障害を有する子どもの状況について懸念を表明するものである。これらの特別センターでは、高度に制限的なものから、社会化のためのより開放的な取り組みまで、子どもを対象とする多種多様な介入プログラムが行なわれている。委員会はまた、子どもをこれらのセンターに付託するための基準および手続が不十分であることも懸念するものである。委員会はさらに、これらの特別センターが自由剥奪の一形態となる可能性があることを懸念する。 42.委員会は、締約国が、行動障害を有する子どもおよび(または)社会的に危険な状況に置かれた子どもに対して与えられるケアの範囲および基準を定めるための規範および標準要綱、ならびに、これらの民間センターへの付託に関する基準を策定するよう、勧告する。委員会は、締約国に対し、子どもの権利が全面的に保障されることを確保するよう促すものである。とくに、委員会は以下のことを勧告する。 (a) これらのセンターへの子どもの付託は、最後の手段として例外的に行なわれるべきであること。 (b) センターへの子どもの措置は、意見を聴かれる子どもの権利を尊重した後に裁判所による許可を受けなければ行なってはならないこと。 (c) センターにおける措置の環境を監視し、かつセンターに措置された子どもによる苦情を受理しかつ処理するための独立機関が設置されるべきであること。 (d) 定期的評価が実施され、かつ収容期間は可能なもっとも短い期間に厳格に制限されるべきであること。 (e) 行動障害を有する子どもをこれらのセンターに付託するのではなく、心理社会的支援プログラム(放課後のレクリエーション、ボランティア活動、メンタリング・プログラム、親・教員向けの研修およびコミュニケーションの改善を含む)、ならびに、家族会議、コミュニティ会議および認知行動療法治療が提供されるべきであること。また、親が困難に対処し、かつ子どもを自宅で養育することを援助するための支援プログラムおよびレスパイト・プログラムが提供されるべきであること。 43.委員会は、締約国が、2009年11月の総会で採択された子どもの代替的養護に関する国連指針を考慮しながら、養護の質を向上させるための努力を強化するよう勧告する。委員会はさらに、条約第25条で求められているとおり、施設への措置が定期的に再審査されるべきことを勧告するものである。 養子縁組 44.委員会は、子どもの権利および利益が遵守されることを確保するための明確な規則を定めることによって国際養子縁組手続に関する保障を強化した、国際養子縁組に関する12月28日の法律第54/2007号を歓迎する。しかしながら委員会は、ハーグ養子縁組条約の適用上の中央当局が23機関存在し、かつ、公的認可を受けた民間養子縁組斡旋機関および国際養子縁組団体(Entidades Colaboradores de Adopcion Internacional (ECAIS))が存在することにより、統制、評価およびフォローアップが複雑化していること、ならびに、その有効性は国の支援、研修、監督および統制次第であることを、懸念するものである。 45.委員会は、締約国が、国際養子縁組手続のさまざまな段階(子どもの出身国におけるものも含む)で子どもの権利の尊重を保障するための努力を引き続き行なうよう、勧告する。そのための第一歩は、国際養子縁組が、国際的な養子縁組に関する子の保護および協力に関するハーグ条約(1993年)の批准国以外とは行なわれないことを確保することである。委員会はまた、「外国人未成年者一時受け入れプログラム」(Programas de acogida temporal a menores extranjeros)のような社会プログラム、ならびに、国際養子縁組送り出し国の家庭、家族およびコミュニティへの支援を目的とした国際協力プログラムを、国際養子縁組手続とは明確に区別することも勧告する。締約国の法律で違法な養子縁組が処罰の対象とされていることには留意しながらも、委員会は、子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する選択議定書第3条に掲げられた犯罪がスペイン刑法で全面的に網羅されるべきことを勧告するものである。 6.基礎保健および福祉(条約第6条、第18条(3項)、第23条、第24条、第26条、第27条(1~3項)) 障害のある子ども 46.委員会は、障害のある人のために締約国がとった措置、とくに第1次国家アクセシビリティ計画(2004~2012年)に評価の意を表明するとともに、障害のある人の機会均等、差別の禁止およびユニバーサルなアクセシビリティに関する12月2日の組織法第51/2003号、ならびに、個人の自律の促進および依存状態である人のケアに関する12月14日の法律第39/2006号を歓迎する。委員会は、子どもと青少年のための国家戦略計画の目的のひとつが障害のある子どもへの注意の促進であることに、評価の意とともに留意するものである。委員会は、障害のある子どもが経験する暴力の水準に関する情報が不足していることに留意する。 47.委員会は、締約国に対し、障害のある子どもの権利に関する委員会の一般的意見9号(2006年)を考慮にいれながら、障害のある子どもの権利を促進かつ保護する努力を継続しかつ強化するよう奨励するとともに、障害のある子どもに対する暴力についての研究を行なうよう勧告する。 健康および保健サービス 48.委員会は、子どもの健康を確保しかつ保障するために締約国がとった措置を歓迎するとともに、医療制度に児童青少年精神科が設置されたことに評価の意を表明する。しかしながら委員会は、情緒障害および心理社会的障害が広く蔓延していることに関わる問題への対応が十分でないことを懸念するものである。委員会はまた、ADHDと診断された子どもに対する精神刺激薬の処方が短期間に増加していることを示す情報があることにも、懸念を表明する。 49.委員会は、締約国が、国家的な児童精神保健政策を策定するよう勧告する。これには、精神的健康および情緒的ウェルビーイングの促進、ならびに、一般的に見られる精神保健上の問題の学校における予防、プライマリーヘルスケアにおける治療、ならびに、外来および入院によるサービスを必要とする子どもに対応する専任の児童精神保健専門家チームの整備が含まれるべきである。委員会はさらに、精神保健および精神障害の社会的決定因子にとくに焦点を当てた、児童精神医学分野における調査研究を奨励する。委員会は、締約国が、子どもに対する薬の過剰処方の現象について慎重な検討を行なうとともに、ADHDその他の行動障害と診断された子どもならびにその親および教員に対し、広範な心理上および教育上の措置および治療を提供するための取り組みを進めるよう、勧告するものである。 思春期の健康 50.委員会は、青少年の間で有害物質の使用が行なわれており、かつ締約国で子どもおよび青少年の肥満が増えていることを懸念する。 51.委員会は、締約国が、条約の文脈における思春期の健康と発達についての委員会の一般的意見4号(2003年)を考慮にいれながら、青少年による有害物質の使用と闘い、子どもの肥満に対応し、かつ子どもおよび青少年の健康を注視するための努力を継続しかつ強化するよう、勧告する。委員会は、締約国が、有害物質の使用を防止するためにあらゆる必要な措置をとるよう勧告するものである。 生活水準 52.委員会は、子どもと青少年のための国家戦略計画およびスペインにおける社会的包摂のための数次の行動計画(2006~2008年および2008~2011年)を通じ、子どもの貧困の問題に対応するために行なわれている努力に留意する。しかしながら委員会は、4人に1人近くの子どもが貧困リスク基準所得以下の世界で暮らしていること、子どもの貧困が限られた形でしか重視されていないこと、ならびに、さまざまな環境における子どもの貧困と闘うための政策および戦略の調整が不十分であることから、子どもの全面的発達が危機にさらされていることを懸念するものである。 53.委員会は、とくに子どもの貧困の問題に対応するための公共政策を立案するとともに、具体的かつ測定可能な目標、明確な指標、期限ならびに十分な経済的および財政的支援をともない、かつ子どもの排除に対抗するための優先的行動を明らかにする一貫した枠組みを確立する、子どもの貧困と闘うための国家的計画を作成するよう、勧告する。当該計画は、地方、国および広域行政圏のレベル、ならびに、子どもについて具体的に責任を負うさまざまな分野(とくに経済、保健ケア、住宅、社会政策および教育)における行動の効果的調整について定めるとともに、女子および男子の必要な参加を含むものでなければならない。 7.教育、余暇および文化的活動(条約第28条、第29条および第31条) 教育(職業訓練および職業指導を含む) 54.委員会は、初等中等教育のカリキュラム(「市民性教育」の科目)に人権関連の内容を含めた、教育に関する5月3日の組織法第2/2006号の採択を歓迎する。委員会はさらに、締約国から提供された、2010~2011年度には教育制度が過去最高の就学率を達成する見込みである旨の情報に評価の意とともに留意し、かつ、教員が増員されたこと、ならびに、教育水準(とくに教育面で不利な立場に置かれている生徒および外国人生徒の教育水準)を向上させるための強化、指導および支援の計画が策定されたことを、歓迎するものである。にもかかわらず、委員会は、時機尚早な学校中退の率が引き続ききわめて高いことに関する締約国の懸念を共有する。委員会はまた、学校における子どもおよび青少年の参加が低調であることも懸念するとともに、生徒参加がいまなお十分に発展しておらず、かつ中等教育から開始される学校評議会に限定されていることに留意するものである。 55.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 時機尚早な学校中退の率を減少させるための努力を強化するとともに、子どもが学校教育を修了することを確保するために必要な措置(学校教育の未修了の背景にある理由に具体的行動を通じて対処することも含む)をとること。 (b) 修了証書を取得せずに学校を離れた子どもを対象とする職業教育および職業訓練を拡大することにより、このような子どもが就労機会を高めるための能力およびスキルを獲得できるようにすること。 (c) 不利な立場に置かれた集団、周縁化された集団および学校までの距離が遠い集団の子どものために〔教育に対する権利の〕全面的享受を確保する、真にインクルーシブな教育に対するすべての子どもの権利を確保すること。 (d) 学校環境に参加する子どもの権利を初等学校段階から確保すること。 56.委員会は、学校における共生の促進および向上のための行動計画ならびに共生および学校安全向上のための基本計画等を通じて行なわれている、学校における暴力と闘うための努力を歓迎するとともに、締約国に対し、学校におけるいじめと闘うための努力を継続し、かつ、これらの有害な行動を減少させかつ解消するための努力への子どもたちの参加を促すよう、奨励する。 8.特別な保護措置(条約第22条、第30条、第32~36条、第37条(b)~(d)ならびに第38~40条) 子どもの庇護希望者/難民ならびに保護者のいない外国籍の子ども 57.委員会は、国際的保護を必要とする子どもの特別な状況、および、これらの子どもに対して異なる取扱いを保障する必要性についての規定を掲げた、庇護および補完的保護に関する新たな法律(10月30日の法律第12/2009号)が採択されたことを歓迎する。しかしながら委員会は、当該新法が、EU国民でない者および無国籍の子どもによる国際的保護の申請および享受についてのみ定めており、したがって締約国において庇護を求める権利の対象からEU市民を除外していることに留意するものである。 58.委員会は、国籍に関わらずすべての子どもに対して十分な保護が与えられることを確保する目的で、締約国が、国際基準にしたがい、新庇護法の適用範囲を拡大するよう勧告する。 59.委員会は、保護者のいない子どもの登録部局が警察庁に創設されたこと(12月30日の国王令第2393/2004号参照)を含む締約国がとった措置、および、保護者のいない子どもに関して子どものための監視機関が策定した標準要綱に留意する。保護者のいない子どもの送還がここ数年減少していることには留意しながらも、委員会は、以下のような報告があることを引き続き懸念するものである。 (a) 保護者のいない子どもの年齢鑑別のために、州によって異なる可能性があり、かつ、子どもの身体的および心理的発育に影響する可能性がある栄養習慣のような問題を必ずしも考慮に入れない手法が用いられていること。 (b) 出身国への強制的なまたは非自発的な送還の際、保護者のいない子どもに対する不当な取扱いが警察によって行なわれており、かつ、子どもが必要な保障(弁護士へのアクセス、通訳サービス、子どもの最善の利益の考慮および意見を聴かれる子どもの権利の遵守など)を受けられないまま送還される場合があること。 (c) 保護者のいない子ども(とくにモロッコ国籍の子ども)が、出身国の社会サービス機関ではなく国境管理当局に引き渡されており、出身国の治安部隊および国境管理当局による虐待および拘禁の被害を受ける可能性があること。 (d) 社会福祉局による申請の遅れを理由として、当局が、保護者のいない子どもに対して法律で権利が認められている合法的な一時滞在資格を与えていないこと。 (e) カナリア諸島(とくにテネリフェ島のラ・エスペランサ)およびスペイン飛地領(とくにセウタ)の緊急収容センターにおける収容環境が水準以下であり、かつネグレクトが行なわれていること。 60.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 保護者のいない外国籍の子どもの追放における不正規な手続を防止するためにあらゆる必要な措置をとること。 (b) 収容されている子どもからの苦情を受理しかつこれに対応する効果的機構を備えた、子どもにやさしい子ども用受け入れセンターを設置するとともに、子どもの不当な取扱いが報告された事案を効果的に調査すること。 (c) 子どもがその養育に積極的な家族構成員または適切な社会サービス機関のもとに送還されることを確保するため、出身国(とくにモロッコ)政府との調整を図ること。 (d) 年齢鑑別手法に関する統一要綱を策定するとともに、年齢鑑別が、子どもの身体的不可侵性が侵害されるいかなるおそれも回避しながら、安全な、科学的な、子どもであることおよびジェンダーに配慮した、かつ公正なやり方で実施されることを確保すること。 (e) 保護者のいない子どもの特定後、子どもの最善の利益および意見を聴かれる子どもの権利を念頭に置きながら、その子どもの個別の事情の分析が行なわれることを保障すること。 (f) 保護者のいない外国籍の子どもに対し、スペイン法および国際法上の権利(庇護を申請する権利も含む)についての情報を提供すること。 (g) 中央、広域行政圏および地方の行政機関間および治安部隊との間で、管轄地に関わる十分な調整を確保すること。 (h) カナリア諸島およびスペイン飛地領における緊急収容センターの環境の質の状況に対応すること。 (i) 保護者のいない子どもに対応する要員(保護を必要とする子どもに最初に接触する者となる可能性がある庇護担当官、国境警察官および公務員を含む)を対象として、庇護に関わる問題および子どもの特有のニーズに関する研修(保護者のいない子どもおよび養育者から分離された子どもの状況、人身取引に関わる問題ならびにトラウマを負った子どもの治療に関するものを含む)を実施すること。 (j) 出身国外にあって保護者のいない子どもおよび養育者から分離された子どもの取扱いに関する委員会の一般的意見6号(2005年)を考慮すること。 性的搾取および虐待 61.委員会は、商業的性的搾取および虐待と闘うために締約国が行なっている努力、とくに子どもと青少年の商業的性的搾取に反対する第2次国家行動計画(2006~2009年)を歓迎する。委員会はさらに、司法機関の活動を支え、かつスペインの登録システムと欧州連合との間の連絡を容易にする、事前警戒措置、嘱託手続および非拘束的判決の登録簿が始動したことを歓迎するものである。しかしながら委員会は、性的搾取および虐待(その一部はインターネットの利用の急速な増加と関連している)の被害者数の増加に関して締約国から影響された情報について懸念を覚える。委員会はまた、子どもの性的虐待および搾取の事件に関する中央登録システムが設けられていないことから、性的虐待に関するデータの調整について課題が生じていることに、懸念とともに留意するものである。 62.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 子どもの性的搾取および虐待の規模に関するデータ収集の努力を強化するとともに、これらの現象への十分な対応策を作成し、かつこれらの現象と闘うために必要不可欠な手段として、国家行動計画にしたがって子どもの性的搾取に関する詳細な研究を行なうこと。 (b) 子どもの性的虐待および搾取の事件に関する中央登録システムを設置すること。 (c) ストックホルム(1996年)、横浜(2001年)およびリオデジャネイロ(2008年)で開催された子どもの〔商業的〕性的搾取に反対する世界会議で採択された宣言および行動綱領ならびにグローバルコミットメント、ならびに、この問題に関するその他の国際会議の成果文書にしたがい、防止、被害を受けた子どもの回復および社会的再統合のための適切なプログラムおよび政策を引き続き実施すること。 (d) 手続の際に被害者およびその家族の十分な保護を保障し、かつトラウマ的経験を悪化させないよう努めることにより、司法手続の際の子どもの再被害を回避すること。 少年司法の運営 63.委員会は、少年司法制度に配分される人的資源および財源が増加したこと(子ども裁判所の数が増えたことを含む)を歓迎する。委員会はまた、少年司法制度に従事している専門家を対象として子どもの問題に関する研修を実施するために締約国が行なっている努力にも、評価の意とともに留意するものである。しかしながら委員会は、立法上の発展が、重大な犯罪を行なった子どもに対する厳罰化につながっていることを懸念する。 64.委員会は、締約国が法律を見直し、たとえ重大な犯罪についてであっても、子どもに対する厳格な刑を最低限に抑えるよう勧告する。委員会は、締約国が、少年司法に関する国際基準、とくに条約第37条(b)、第40条および第39条、ならびに、少年司法の運営に関する国連最低基準規則(北京規則)、少年非行の防止に関する国連指針(リャド・ガイドライン)および自由を奪われた少年の保護に関する国連規則(ハバナ規則)が全面的に実施されることを確保するよう、勧告するものである。とくに委員会は、締約国に対し、少年司法の運営に関する委員会の一般的意見10号(CRC/C/GC/10、2007年)を考慮にいれ、かつ以下の措置をとるよう促す。 (a) 子どもが刑事司法制度と関わりを持つことにつながる社会的条件の解消の一助とするため、家族およびコミュニティの役割を支援することのような防止措置を強化するとともに、スティグマを回避するためにあらゆる可能な措置をとること。 (b) 罪を犯した少年の自由の剥奪が最後の手段としてのみ用いられることを確保するとともに、自由の剥奪に代わる措置(調停、保護観察、カウンセリングおよび地域奉仕活動など)の活用を奨励し、かつこの点に関して家族およびコミュニティの役割を強化すること。 (c) 社会サービス機関および教育サービス機関との緊密な調整を図りながら、自由の剥奪の結果、子どもの再統合を目的とした個別のフォローアップ計画が作成されることを保障すること。 (d) 刑事司法制度に従事するすべての専門家を対象とする、関連の国際基準に関する研修プログラムを向上させること。 (e) 性的攻撃を行なった少年犯罪者に関わる専門的介入を増加させること。 9.国際人権条約の批准 65.委員会は、締約国が、すべての移住労働者およびその家族構成員の権利の保護に関する国際条約を批准するよう勧告する。 10.フォローアップおよび普及 フォローアップ 66.委員会は、とくにこれらの勧告を国家元首、最高裁判所、議会、関連省庁および地方当局に送付して適切な検討およびさらなる行動を求めることにより、これらの勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。 普及 67.委員会はさらに、条約、その実施および監視に関する議論および意識を喚起する目的で、締約国が提出した第2回〔ママ〕定期報告書および文書回答ならびに委員会が採択した関連の勧告(総括所見)を、インターネット等を通じ(ただしこれに限るものではない)、公衆一般、市民社会組織、若者グループ、専門家グループおよび子どもが同国の言語で広く入手できるようにすることを勧告する。 11.次回報告書 68.委員会は、締約国に対し、次回の第5回・第6回統合定期報告書を2015年10月1日までに提出するよう慫慂する。委員会は、委員会が2010年10月1日に採択した条約別調和化報告ガイドライン(CRC/C/58/Rev.2)に対して注意を喚起するとともに、締約国が、今後の報告書は当該ガイドラインにしたがうべきであり、かつ60ページを超えるべきではないことを想起するよう求めるものである。委員会は、締約国に対し、報告ガイドラインにしたがった報告書を提出するよう促す。ページの制限を超えた報告書が提出された場合、締約国は、前掲ガイドラインにしたがって報告書を見直し、かつ再提出するよう求められることになる。委員会は、締約国に対し、報告書を見直しかつ再提出することができないときは、条約機関による審査のための報告書の翻訳は保障できないことを想起するよう、求めるものである。 69.委員会はまた、締約国に対し、2006年6月の第5回人権条約機関委員会間会合で承認された統一報告ガイドライン(HRI/MC/2006/3)に掲げられた共通コア・ドキュメントについての要件にしたがい、最新のコア・ドキュメントを提出するよう求める。条約別報告書および共通コア・ドキュメントは、一体となって、子どもの権利条約に基づく調和化された報告義務を構成するものである。 更新履歴:ページ作成(2012年11月26日)。
https://w.atwiki.jp/kodomoteate/pages/54.html
「現金」支給であること -- (名無しさん) 2010-03-22 18 19 27
https://w.atwiki.jp/kodomoteate/pages/52.html
2010年度の実施を踏まえての2011年度の「検討事項」が多すぎる点(2010年度の制度不備はしょがない???) -- (名無しさん) 2010-03-22 17 32 19
https://w.atwiki.jp/choubuncomedian/pages/5.html
あ R2A IQ209 IGP アイススケート アウターリミッツ 青西瓜 あかぎ浅井 アカネ2重奏 アカボシ AkiVa・K あきんど アクティブビレッジ アシュア アタフタ君? アダムス・ストークス あさぴ~ あっちょん アスパラMAX ASIAN KONG-FU GENERATION アットマーク アバババ アップスタート 網走刑務所 アポカリプス 奄美大島 亜米利缶 ALIVE アリビア アルテマ7/523 アレックス あんかけ アンクシャス あんちも。 あんてぃーく い イカ喫茶ラファエロ イカぽっぽ いけだっち 1989 いつも岡友実から青空 いつもスヌから青空 いつもそこから君とここから いっぱいいっぱい イチロースワン いぬふぐり いの イノセント 今中マサムネ イワトビペンギン インパク×インパク インパクツ 隕石 インポッシブル う ウインドミル ウェッティーズ 丑三つ選抜ライダー 丑三つ西高サーキットライダー ウズマキガンキョウ うた∞かた 海烏 梅桜 うめぼしサイダー ウィークガーゴイル ウェットホットパンツ ウルトラマシン! UNCO 運搬玉子 え エア エアロブラスト エイジアンエイジアン エイリアンズ エルドラド SFF エクスプレス Sコンビ エゾウグイ エレファントラン ENDGREEN お 桜華蘭満 王国騎士団 O型Tラック 大北マサ オークロック OGⅡオールスター 大城 オーソドックス オーディン お~と・ふぉーかす オードブル∞オードブル 大虎キング overバンプブーブーs オールナイトテクテク O-25 O-25手土産サウザンズ 岡友美 岡友美須藤理恵で青空? 沖縄原人2001? 沖縄原人2002? 沖縄原人2004? オクトパス おぽん オフ・コース 親子丼 俺と僕 か ガイガーカウンター 怪盗紳士 ガトリングマスターズ 柏倉清彦 賀須井健史 かただたつや かつ丼 カテキン 鏑木商店街 家宝を寝て待つ かぼちゃ 神風とくやこうや カミキリムシ カミングアウト 紙一重 カルマ 神無月はづき☆ KAN 顔黒でも無い 元祖どら ガンダム占いではG-3 き キーマカレーズ キシリトール 奇術剣士 究極の鬼コーチ 牛タン 喜怒哀楽 木のコットン ギブコン 九兵衛 ぎりぎりバスター 麒麟145 麒麟なひとたち 禁断の果実 キングバトラー(ズ) 金ちゃん 銀メダル く クイーンキングス KUON クオン… 糞アニプレゼンツ-朝比奈みるくの冒険 くそったれ 国の華幼稚園 くま夫 クラシック グランディ グラン・バガン クリスタル・サファイア グリーンウォーターズ GREEN EDGE グリーンタイプ CRYSTALS グリンサダーズ Cloock-Clock 黒沢カズト クロックV グングニル 軍兵Z け KKジハード ケースバイケース K也 劇団ヴァージニティー 劇団・秘密結社 けまる けるる~しょうわ K+E=N 源氏 げんげんと誰か けんた 源平合戦 こ 小泉トム 小泉成仁 強引Going! GO!!Q! コースター 合田 広大 河内長門守 コークスクリュー GO!GO!トレイン 氷った炎 凍った炎 コーラ&ソーダ 越谷 啓 越松軍 こたつ コダックワワワ 言霊連盟 5.5℃ ごむチーム ごめんあそばせ 子守唄と祭囃子 KOYOMI コリアンチャイナ コリンビール ゴロゴロにゃー 黒雀 コンソメパンチ コンパス さ THE☆YEPRONS サイキッカー サイドハンド・ボーラーズ ザ・カントリー サクサク 佐々木のページ 佐々木ヒデタカ ザθーズ? 佐藤俊雄 ザトペック高島 ザトペック豊田 幸川K太? サモハン? ザユウノメイ? サヨナラ? サラブレッド? ザ・リンガーズ? サロク? QQQ サンザンヒーローズ 3.14KB 353号線? SUNRISE? し JI? sea right? 潮江軍団? 時空探偵こりん? 時空の章 柴田大輔? シベリア派遣部隊 者小売五里川田? 沙羅双樹? じゃん? 19名? シュールストロム シュガーポッド? ジュンブライド? 瞬間接着剤 彰吾と宏? しょうき・ゆうき? ショートコント劇団? 湘南海岸 ♂♀? 昭和小町? ジョン・レノン? シンガーソングライターミック桑原の憂鬱? 神宮やまとはやと? シングルデビル? 信健ブラザーズ? シンナーズ 新中野? す 水素爆弾? 水槽の一日? スカイモンキ? スカルジャッカー? スクリューコミカル スクリュー・ドライヴ・ツイスター? 鈴木以外数人? suternova? スチムソン? ストライプ ストレングス・シーファイターズ? snow flake? cerist et lune? スパルタニック・ロッカーズ? スピッカート? スペクタクルズ? スペランカー? スリーサイズ? slowly? スワッガー? せ 聖マリアンヌ学院分身部? SECOND STYLE? 赤色102号? 石凍絶破? 関根・大越ペア? 星聖樹? 摂河泉? Z-MIND? 雪月花? ゼネラルマシンガン? SEVEN-OH? セブンセブンス? セルフィッシュ? 洗剤ズ? そ 賊? そらネコ堂? ソネックス? ソロスク? S.O.N? た たー? ダービッツ? ダイアモンドダスト? タイク委員? だいなな? 対左投手×? 第魔王? たいまつぎょうれつ? 大量生産? ダインヌ? たかとんび? 高浪 リニア? 高山流水? 宝島の地図? tky11? 打撃妨害? タケムラサモン? たたお? 舘Me? T.A.C? ダブルアクセル? WM(仮)? ダブルガン? ダブるクリック? ダブルダンク? ダブルデビル? ダブルバブル? たみ? たろま? danke.s? ダンディーS.T? ダンデライオン? 短ネタマン? たんぼ~いず? ち ちへいせん? 魑魅魍魎? チャピ1号×チャピ2号? チャンバラ戦争? チュッパチャップス? 超低視力? 超4番? chonpei? つ TSU? TWOTOP? TWO MOONS? ツインツ? て ディアタロ? T&G? DS1500? 低気圧 D-サイド? T少年? Deep Blue Sea? TETTE? 帝虎? デブガリ デブガリズム? テポドン? デモン=スレイヤー? デュアル? てん? 電撃? 天体観測? テンバリズム? 天和? と 20th Century Boys? TWINS? 唐辛子? 東急ハンズ? 東京セネターズ。? 道化師? 豆板醤? ドュンチキン? 都市計画? 灯風? TOPPERES? どっぴいかん? トップアスリート? ドーピングホリデー? Domino? TOM? 朋広明大? 土曜日の冒険団? ドライバー? ドラGO!? 虎舞楼? 虎丸球児? どらべえす? トラベル? Drum roll? ドランクドラモン? Dream Land ドリームキングダム? トリプルカラー? とりま~? トリロジーファーガー? トルネード? トロイデ? ドロップス? 丼もの? な NIKE? NOW ON SALE? 中田 浩介? ながのくん? 中山さくら? 中村諭史? 中村 純? ナショナルズ? ナッシング? 七色スタンガンズ? 79%? 生肉? 並木ジャンクション? ナルカナ? ナルクロス? ナロウカーブ? 南條さん? に 弐式? にっちもさっちも♪? 日本愛? ニューウェーブ? ニュースマイル? 二遊間? 肉まん? 人形劇団うんこ? 人間クロス? ね ネクロホース ねじまき鳥クロニクル? の ノーサウンズ? ノーセンス NOT FIX MENBERS? 野々田 聖? は バーソロミュー教団 灰島風雅? ハイプレッシャーDE神楽坂? HIGH-POP? ハガー? 馬鹿の俺? 馬鹿の俺+フーリッシュ劇団? バケガク? ~蓮の葉~? 旗用句? 八分目? はっこうビルディング はっこうビルディングand青春ロンリネス? はっちゃけイオン? バッファロー? はてな村長? パトリオット? 花いちもめん? HONEY×TRASH? パニック×パニック? ハバネロハヤシライス? パピーゲバ ハムスターボール? バリアフリーダム? ハリガネドッグ? ハローモード内山? 板東ж隆? パンクダフト? ハンバーグ? パンプキンズ ひ BLT? BLB? HERO? ぴこれーん? ビジョンアーツ? びたーすいーと? ピタゴラス? ビッグノース? BIGHEALTHIES 日下照実? 百姓一揆ーず? 100点満点!? ←or→? 広崎将和? 広島少年? ビンコイロモオ? PINGPONGDASH? ふ ファルシオン? ファンタジスタ? Philosopher? フェイススタート? ふーみん? 覆面ズ? 二人劇団? ブラウン? ブラックスケルトン? ブラックホスピタル? ブラックキャット? ブラックワンピース? ブラック☆モンキー? プラネタリゥム? blanc? プリキュアリ? Blizz×Wizz? フリダシニモドル? Frigg? ブルーコーン? ブルートリオ? ブループール フルダブル? ブレイクスプ~ン? ブレイクたいむ? プレストラップ? フレンド? フローライト? 分身マスター? へ 八十八? 平楽? べーりん? ヘッドライサー? ヘルプ? ペンギン・ブラザーズ? ほ ポイズン? ポイソン? ボイラー室の主? 暴走機関車? 放浪役者? ボーイ&ガール? ホーク・チーム? ボーナスポイント? 北龍? ホゲの味? ポコスカウォーズ? 北海道人? VOX? ほどよく隔月間長門? ホレンジャー? whitewhite? 本間 大輝? 次へ
https://w.atwiki.jp/emyunet/pages/23.html
ネットプレイ方法(PCE) 当wikiが推奨するOpen Kailleraにはclient方式とP2P方式でのネットプレイができます。 今回は、client方式でのネットプレイの解説を行います。 P2P方式については、kaillera解説にて行ってますのでそちらを御覧ください。 kaillera client基本設定(PCE) まず、ExtからkailleraChatWindowにチェックを入れます。 ※すでにチェックが入ってる場合は無視してOK 次に、Extからkailleraを選んでkailleraを起動させます。 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (nnnesterJ011.png) 1 左上にあるユーザー名に適当な名前を入れる。 2 右上にある接続速度をExcelent(30pack/s)にする。 ※同期ずれ防止のためExcellent(30keyframes/s)で統一する。 3 右上にあるモードチェンジを2.CLientにする。 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (nnnesterJ012.png) ネットプレイ~サーバーリストを取得する編~(PCE) kaillera client基本設定が終わったら、下にあるサーバーリストを取得する(A)を選んでください。 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (nnnesterJ013.png) 左下の更新をクリックすると、リストに世界中のサーバー一覧が表示されるので、入りたいサーバーをクリックすれば入れます。 一覧の他にも、参加者募集中のゲームリストをクリックすると募集中のゲームリストが出てくるので、入りたいサーバーをクリックすれば入れます。 ※サーバーが存在してなかったり、ping制限で弾かれて入れない場合もあるので注意しましょう。 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (nnnesterJ014.png) ①のチャット欄を使えばサーバー内チャットができます。 ②は既存のゲーム部屋です。ゲーム部屋の状態が待機中の時にクリックで部屋に入れます。 ③の所(空白)で右クリックをすると、ゲームタイトル一覧が出てくるので、一覧からやりたいゲームを選べば、選んだゲームの部屋を作ることができます。 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (nnnesterJ016.png) ①のチャット欄を使えばサーバー内チャットができます。 ②のチャット欄を使えばゲーム部屋内チャットができます。 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (nnnesterJ017.png) ネットプレイ~IPを入力して接続編~(PCE) kaillera client基本設定が終わったら、左下にあるIPを入力して接続(C)を選んでください。 IP入力ウィンドウが出てきたら、IPを入力して接続をクリックすれば入れます。 ※サーバーが存在してなかったり、ping制限で弾かれて入れない場合もあるので注意しましょう。 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (nnnesterJ015.png) ①のチャット欄を使えばサーバー内チャットができます。 ②は既存のゲーム部屋です。ゲーム部屋の状態が待機中の時にクリックで部屋に入れます。 ③の所(空白)で右クリックをすると、ゲームタイトル一覧が出てくるので、一覧からやりたいゲームを選べば、選んだゲームの部屋を作ることができます。 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (nnnesterJ016.png) ①のチャット欄を使えばサーバー内チャットができます。 ②のチャット欄を使えばゲーム部屋内チャットができます。 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (nnnesterJ017.png)
https://w.atwiki.jp/kodomoteate/pages/1841.html
ばらまき政策は反対!子供が安心して勉強出来る様に義務教育を全て無償化にすれば良い!だから現金支給は断固反対 -- (名無し) 2010-10-23 00 33 17
https://w.atwiki.jp/kodomoteate/pages/62.html
音ズレ対策がうまくできない。。。だれか支援をおねがいします(泣 -- (管理人) 2010-03-29 02 31 17
https://w.atwiki.jp/kodomoteate/pages/898.html
こども手当には国籍条項を設けるべきです。 -- (名無しさん) 2010-04-06 21 45 38
https://w.atwiki.jp/ketsueki/pages/2.html
メニュー トップページ メニュー 右メニュー ●推薦図書全般 <推薦図書分野別> ・レジデントマニュアル系 ・教科書系 ・骨髄穿刺を読みたい ・凝固を理解したい ・感染症 ・画像 <呼吸器内科> ●コラム ●リンク ・循環器内科@wiki ・リウマチ・膠原病@wiki ・腎臓内科@wiki ・研修医におすすめの本・教科書@wiki ●免責事項 wikiの編集方法についてはこちら 左メニューの編集方法についてはこちら ここを編集
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/283.html
総括所見:ニュージーランド(OPSC・2016年) 第1回(1997年)/第2回(2003年)/第3回・第4回(2011年)/第5回(2016年)OPAC(2003年) CRC総括所見日本語訳(国別)/CRC総括所見日本語訳(会期順) CRC/C/OPSC/NZL/CO/1(2016年10月25日)/第73会期 原文:英語(平野裕二仮訳) 原文は国連人権高等弁務官事務所のサイト(国別情報のページまたはCRC会期一覧ページ)を参照。 1.委員会は、2016年9月16日に開かれた第2140回会合(CRC/C/SR.2140参照)においてニュージーランドの第1回報告書(CRC/C/OPSC/NZL/1)を検討し、2016年9月30日に開かれた第2160回会合(CRC/C/SR.2160参照)において以下の総括所見を採択した。 I.序 2.委員会は、締約国の第1回報告書および事前質問事項に対する文書回答(CRC/C/OPSC/NZL/Q/1/Add.1)の提出を歓迎する。委員会は、ハイレベルなかつ多部門から構成された締約国代表団との間に持たれた建設的対話を評価するものである。 3.委員会は、締約国に対し、この総括所見は、子どもの権利条約に基づく締約国の第5回定期報告書に関する総括所見(CRC/C/NZL/CO/5、2016年9月30日採択)および武力紛争への子どもの関与に関する締約国の第1回報告書に関する総括所見(CRC/C/OPAC/CO/2003/NZL、2003年10月3日採択)とあわせて読まれるべきであることを想起するよう求める。 II.一般的所見 積極的側面 4.委員会は、選択議定書の実施に関連する分野で締約国がとった、以下の法律の採択を含むさまざまな措置を歓迎する。 (a) 国内人身取引および勧誘の諸側面の犯罪化を目的とした2015年の犯罪改正法、ならびに、性的搾取、身体部位の摘出および強制労働での使役のための子どもの取引の犯罪化を目的とした2005年の同改正法。 (b) 子どもの労働力全体で一貫した安全確認を行なうために何をするべきかを明確に定めた、被害を受けやすい立場に置かれた子ども法(2014年)。 (c) 被害者の権利改正法、保護観察改正法および量刑改正法(いずれも2014年)ならびに子ども、若者およびその家族改正法(2016年)。 (d) 1955年養子縁組法に第27条(A)~(D)を挿入し、かつ、子どもの養子縁組に関する同意を不適切なやり方で引き出すことを犯罪とした、養子縁組改正法(2011年)。 5.委員会はさらに、「子ども行動計画」が2012年に採択されたことを歓迎する。これは、『被害を受けやすい状況に置かれた子ども白書』に対応し、かつ、保健部門、教育部門および社会サービス部門の専門家を一堂に会させて、被害を受けやすい状況に置かれた子どもを特定し、支援しかつ保護するための単一の対応計画を策定する「子どもチーム」を地方に設置するものである。 III.データ データ収集 6.委員会は、「被害を受けやすい状況に置かれた子どものための公的サービス改善に向けた承認情報共有協定」および「被害を受けやすい状況に置かれた子ども情報システム」の確立を通じ、虐待またはネグレクトを受けるおそれがある子どもの特定を向上させるためにデータ収集を改善しようとして締約国が行なっている努力を歓迎する。しかしながら委員会は、選択議定書で対象とされている分野(とくに子どもの売買および児童買春)に関する細分化されたデータを収集する包括的システムが存在しないため、選択議定書上のこれらの犯罪の監視および評価を行なう締約国の能力が限定されていることに、懸念を表明するものである。委員会はさらに、適正な捜査が行なわれた事件数、および、訴追され、かつ犯罪の重大性に相応する制裁を科された加害者の人数に関する情報がないことを懸念する。 7.委員会は、締約国が、選択議定書が対象とするすべての分野(子どもの売買および児童買春を含む)についてデータ収集、分析、監視および影響評価を行なう包括的な、調整のとれた、かつ効果的な機構を発展させかつ実施するための努力を引き続き行なうよう、勧告する。データは、選択議定書上の犯罪の被害を受けるおそれがある子どもに特段の注意を払いながら、とくに性別、年齢、国民的および民族的出身、地域ならびに社会経済的地位別に細分化されるべきである。犯罪の性質によって細分化された、訴追件数および制裁件数についてのデータ収集も求められる。 IV.一般的実施措置 立法 8.委員会は、性的搾取、身体部位の摘出および強制労働での使役のための子どもの取引を禁じる犯罪改正法(2005年)、映画、ビデオおよび出版物等級審査改正法(2005年)および買売春改正法(2003年)の採択を歓迎する。しかしながら委員会は、国内法が、選択議定書で対象とされているすべての犯罪を全面的に編入しているわけではなく、かつ、とくに定義および用語法との関連で第2条および第3条との調和が図られていないことを懸念するものである。 9.委員会は、締約国に対し、国内法を選択議定書に調和させるための努力を継続するよう促す。とくに委員会は、締約国が、選択議定書第2条および第3条に基づく義務にしたがい、子どもの売買、児童買春および児童ポルノのあらゆる事案(これらのいずれかの行為の未遂および共犯を含む)を定義しかつ禁止するよう勧告するものである。 包括的な政策および戦略 10.委員会は、「子ども行動計画」、「人身取引防止のための国家行動計画」および「子どもの商業的性的搾取に対する国家行動計画」の採択を歓迎する。しかしながら委員会は、選択議定書で対象とされているすべての問題を包摂した、子どもに関する包括的な政策および行動計画が依然として採択されていないことを懸念するものである。 11.条約に基づく総括所見(CRC/C/NZL/CO/5、パラ7)を参照しながら、委員会は、締約国が、選択議定書で対象とされているすべての問題に対応する包括的政策およびそれに対応する国家的行動計画を採択するとともに、その実施のために十分な人的資源、技術的資源および財源を提供するよう勧告する。その際、締約国は、1996年、2001年および2008年にそれぞれストックホルム、横浜(日本)およびリオデジャネイロ(ブラジル)で開催された第1回、第2回および第3回子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議で採択された宣言および行動綱領ならびにグローバル・コミットメントを考慮に入れながら、選択議定書のすべての規定の実施に注意を払うべきである。 委員会はまた、締約国に対し、このような政策および戦略の定期的評価が実施されることも確保するよう奨励する。 調整および評価 12.委員会は、条約およびその選択議定書の実施に関する調整機構として社会部門関連次官級委員会が設置されたこと、および、同委員会が子どもの権利条約モニタリンググループと連携していることに、評価の意とともに留意する。しかしながら委員会は、同委員会の人的資源、技術的資源および財源、ならびに、選択議定書の実施に関連するすべての活動を調整する同委員会の権限に関する情報が不十分であることを懸念するものである。 13.条約に基づく総括所見(CRC/C/NZL/CO/5、パラ8)を参照しながら、委員会は、締約国が、社会部門関連次官級委員会に対し、その効果的運用のために必要な人的資源、技術的資源および財源、ならびに、さまざまな部門を横断して、かつ国、地方および地域のレベルで条約およびその選択議定書の実施に関連する活動を調整するための十分な権限が与えられることを確保するよう、勧告する。 監視 14.委員会は、国家人権委員会が、選択議定書に関連する人権侵害(とくに子どもの性的搾取)に対応する明示的権限を有していないこと、および、子どもコミッショナーが意識啓発および促進を行なうべきとされているのは条約だけであって選択議定書は対象とされていないことを懸念する。 15.委員会は、締約国が、子どもコミッショナーに対して選択議定書の実施を促進しかつ監視する明示的な任務が与えられ、かつそのための十分な人的資源、技術的資源および財源が提供されることを確保するよう勧告する。締約国はまた、国家人権委員会が、選択議定書で対象とされている犯罪について子どもから申し立てられた苦情を受理し、調査しかつこれに対処できることも確保するべきである。 普及および意識啓発 16.委員会は、人身取引ならびに子どもの性的虐待および性暴力に関する知識および意識を高めるために締約国が行なっている努力を歓迎する。しかしながら委員会は、締約国が、事前質問事項に対する文書回答(CRC/C/NZL/Q/5/Add.1、パラ12)のなかで認めているように、選択議定書に関する意識を高めるためのプログラムを実施しておらず、そのために一般公衆、子ども、その家族およびコミュニティならびに子どもとともにおよび(または)子どものために働く専門家集団の間における、選択議定書に関する理解および意識の水準の低さが助長されていることを懸念するものである。 17.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 関連の政府機関、市民社会組織、メディア、民間セクター、コミュニティおよび子どもたちと緊密に協力しながら、選択議定書で対象とされているすべての問題およびそのような慣行への対策として国内法で定められている保護措置に関する意識啓発プログラムを発展させること。 (b) 選択議定書の規定を、子ども(子どもにやさしい方法による)、その家族およびコミュニティを含む公衆一般ならびに子どもとともにおよび(または)子どものために働く専門家集団に対して体系的に周知すること。 研修 18.委員会は、現場スタッフ、難民、保護、保健および安全に関わる問題の担当官ならびに労働査察官を対象として、人身取引被害者の発見および調査実務に関して実施されている、また被害を受けた子どもとともに働く司法職員を対象として実施されているさまざまな研修プログラムに、肯定的対応として留意するものである。しかしながら委員会は、子どもとともにおよび(または)子どものために働く専門家(とくに裁判官、検察官、法執行官、教育専門家および保健専門家ならびにソーシャルワーカー)を対象として十な研修を実施する努力が体系的ではなく、かつ、選択議定書で対象とされているすべての分野が含まれているわけではないことを懸念するものである。 19.委員会は、締約国が、研修活動を拡大しかつ強化するとともに、このような活動が体系的かつ学際的であること、選択議定書で対象とされているすべての分野を含んでいることならびに子どもとともにおよび子どものために働くすべての関連の専門家(とくにあらゆるレベルの裁判官、検察官、ソーシャルワーカー、法執行官および出入国管理官)を対象として実施されることを確保するよう、勧告する。委員会はまた、締約国が、議定書に関して実施されるすべての研修プログラムに関して、その効果および妥当性を増進させる目的で体系的評価が行なわれることを確保するようにも勧告するものである。 資源配分 20.委員会は、締約国が、選択議定書の実施のためにとくに配分される予算についての十分な情報を提供していないことを懸念する。 21.委員会は、締約国が、国、地方および地域のレベルにおける選択議定書の効果的実施のために十分なかつ対象を明確化した資源を配分するよう勧告する。 V.子どもの売買、児童買春および児童ポルノの防止(第9条(1)および(2)) 議定書で禁じられた犯罪を防止するためにとられた措置 22.委員会は、「子ども行動計画」において、被害を受けやすい状況に置かれた子どもに影響を与える諸要因の累積効果が取り上げられていることに、評価の意とともに留意する。委員会は、選択議定書で対象とされている犯罪の被害者となるおそれがある、被害を受けやすい状況に置かれた集団の子ども(とくに、ドメスティックバイオレンスの被害者である子ども、適切な監督を受けない状態でインターネットを利用している子ども、子どもの難民および庇護希望者ならびに非正規な移民状況にある子ども)の特定およびモニタリングに焦点を当てた、教育および意識啓発のための措置およびプログラムを歓迎するものである。しかしながら委員会は、選択議定書上の特定の犯罪に関する防止措置が依然として不十分であることを遺憾に思う。さらに委員会は、選択議定書上の犯罪の根底にある根本的原因(貧困など)への対応が十分でないことを懸念するものである。 23.委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう奨励する。 (a) リスクのある状況に置かれた子どもを特定し、かつ問題の規模を評価する目的で、子どもの性的搾取(とくに児童買春および児童ポルノ)の性質および根本的原因に関する調査研究を実施すること。 (b) 対象を明確化した防止措置(とくにインターネット上の搾取に対するもの)を実施するとともに、選択議定書で対象とされているすべての分野における意識啓発キャンペーンの実施に関して国際的な政府間機関および非政府組織と協力すること。 (c) 選択議定書で定義されているあらゆる形態の搾取の防止のために適切な形で財源を配分することなども通じて、社会的および経済的開発プログラムならびに貧困削減戦略の実施にさらに注意を向けること。 児童セックスツーリズム 24.委員会は、子どもの搾取に焦点を当てた東南アジア法執行能力構築プロジェクトにニュージーランド警察が関与していること、および、締約国の国民または外国人在留者が他国で犯した児童セックスツーリズム事件の通知のための機構が設置されたことなど、児童セックスツーリズムを防止するために締約国がとった措置を歓迎する。しかしながら委員会は、効果的な規制の枠組みが存在せず、かつ、国外における児童セックスツーリズムの防止およびこれとの闘いを効果的に進めるためにとられた措置が不十分であることを懸念するものである。 25.委員会は、締約国に対し、児童セックスツーリズムの有害な影響に関する観光業界へのアドボカシーキャンペーンを実施し、旅行代理店および観光業者の間で世界観光機関の世界観光倫理規範を広く普及し、かつ、これらの企業に対し、「旅行・観光業における性的搾取から子どもを保護するための行動規範」への署名を奨励するよう、勧告する。 特定の手段を対象とするプログラム 26.委員会は、選択議定書で対象とされている多くの分野について、インターネット上の安全に焦点を当てながら児童生徒の意識啓発および防止授業を行なうためにニュージーランド警察と事故補償公社が開発したさまざまなプログラムに、評価の意とともに留意する。しかしながら委員会は、これらのプログラムが、子どもの性的搾取の防止を盛りこんだものにはなっておらず、かつ、しばしば地方レベルで行なわれていてすべての学校で実施されていないことを懸念するものである。 27.委員会は、締約国が、ニュージーランドのすべての学校およびすべての地方を網羅することを目的として、子どもの性的搾取に関する意識啓発およびその防止のためのキャンペーンを実施するよう勧告する。 VI.子どもの売買、児童ポルノおよび児童買春の禁止ならびに関連の事項(第3条、第4条(2)および(3)ならびに第5条~7条) 現行刑事法令 28.犯罪改正法(2015年)において国内人身取引および搾取目的の人身取引が犯罪化されたことには留意しながらも、委員会は、国内法で、選択議定書で対象とされている子どもの売買の文脈で行なわれるすべての行為が明示的に定義されかつ犯罪化されているわけではないことを懸念する。 29.委員会は、締約国が、選択議定書第2条および第3条にしたがい、子どもの売買の文脈で行なわれるすべての犯罪を明示的に定義しかつ犯罪化するよう勧告する。 30.委員会は、権力の濫用もしくは脆弱な立場の悪用または他人を支配下に置く者の同意を得る目的で行なう金銭もしくは利益の授受の手段を用いて行なわれる人身取引への誘導が、いまなお、国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する、人(とくに女性および子ども)の取引を防止し、抑止しおよび処罰するための議定書(パレルモ議定書)で要求されているとおりに犯罪化されていないことを懸念する。委員会はまた、犯罪改正法(2015年)で、一または複数の威迫行為または欺罔行為が行なわれたことの要件が子どもの人身取引の状況においても例外とされておらず、これらの行為の存在が量刑の決定における加重要因のひとつとして定められているにすぎないことも懸念するものである。 31.委員会は、権力の濫用もしくは脆弱な立場の悪用または他人を支配下に置く者の同意を得る目的で行なう金銭もしくは利益の授受の手段を用いて人身取引に誘導する行為を犯罪化し、かつ、たとえ威迫、欺罔またはその他の権力の濫用が手段として用いられない場合でも子どもの人身取引は犯罪とする目的で犯罪改正法(2015年)を改正する等の手段により、締約国が、パレルモ議定書の遵守を確保するための努力を引き続き行なうよう勧告する。 32.買売春改正法(2003年)で18歳未満の者を買売春のために用いることが禁止されていることには留意しながらも、委員会は、選択議定書第2条(b)にのっとった児童買春の定義が定められていないことを懸念する。委員会はまた、選択議定書第3条第1項(b)に掲げられた行為の一部が買売春改正法(2003年)に適正に反映されておらず、かつ、児童買春の未遂または共犯が明示的に犯罪化されていないことも懸念するものである。 33.委員会は、締約国が、買売春改正法(2003年)を見直して選択議定書第2条および第3条と全面的に一致させるとともに、選択議定書第3条第2項にのっとり、児童買春の未遂または共犯を明示的に犯罪化するよう勧告する。 34.委員会は、映画、ビデオおよび出版物等級審査改正法(2005年)が、域外裁判権との関係においてしか児童ポルノを定義していないことを懸念する。さらに、児童ポルノの製造、売買または所持の重罰化を目的とした不快な出版物およびわいせつ法案が作成されていることには留意しながらも、委員会は、児童ポルノに関わる行為の未遂または共犯が明示的に犯罪化されていないことを懸念するものである。 35.委員会は、締約国が、映画、ビデオおよび出版物等級審査改正法(2005年)を見直すことにより、児童ポルノの定義の適用範囲を同法全体に適用し、かつ、選択議定書第3条第2項にのっとって児童ポルノに関わる行為の未遂または共犯を明示的に犯罪化するよう勧告する。 36.委員会は、勧誘の諸側面を犯罪化した犯罪改正法(2015年)で、ポルノ的文書にさらされることから保護されるのが16歳未満の子どもだけであることを懸念する。 37.委員会は、締約国が、犯罪改正法(2015年)によって、ポルノ的文書にさらされることから18歳未満のすべての子どもが全面的に保護されることを確保するよう勧告する。 法人の責任 38.委員会は、子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関連した作為または不作為についての法人(企業を含む)の責任を限定された形でしか問えないことに、懸念とともに留意する。とくに委員会は、性犯罪であるかその他の犯罪であるかを問わず、法律上の文言または犯罪の性質により、企業に対して主犯としての責任を負わせることができない場合がありうることを懸念するものである。 39.委員会は、選択議定書第3条第4項に一致する形で、選択議定書に関連するすべての犯罪について企業を含むすべての法人の責任を問えることを確保するため、締約国が法律を改正するよう勧告する。 域外裁判権 40.委員会は、締約国が、被害者がニュージーランド国民である場合には犯罪法第7A条に基づく域外裁判権を有しないことを懸念する。 41.委員会は、締約国が、国内法において、選択議定書で対象とされているすべての犯罪について、そのような犯罪が締約国の市民に対して行なわれた場合であっても域外裁判権を設定しかつ行使できることを確保するために、あらゆる必要な措置をとるよう勧告する。 犯罪人引渡し 42.委員会は、犯罪人引渡しについて、双方可罰性要件が満たされており、かつ被請求国および請求国の双方で刑罰が12月以上の収監とされている犯罪であることが条件とされていることに留意する。 43.委員会は、締約国が、選択議定書上の犯罪についての犯罪人引渡しの制限(とくに双方可罰性要件および国内法上の最低刑罰要件)を廃止するとともに、犯罪人引渡し条約が締結されていない場合の犯罪人引渡しの法的根拠として選択議定書を用いることを検討するよう、勧告する。 VII.被害を受けた子どもの権利の保護(第8条ならびに第9条(3)および(4)) 選択議定書で禁じられた犯罪の被害を受けた子どもの権利および利益を保護するためにとられた措置 44.委員会は、子ども、若者およびその家族法(1989年)の2016年改正において、危害、不当な取扱いもしくは虐待を受けておりもしくは深刻な剥奪状況にある子どもおよび若者またはその可能性がある子どもおよび若者のケアおよび保護についての規定が置かれるようになったことに留意する。しかしながら委員会は、刑事手続における被害者の権利および役割の増進ならびに犯罪被害者に対する政府機関の対応の改善を目的とした被害者の権利改正法(2014年)において、選択議定書第8条で要求されている、被害を受けた子どもの特別な保護が定められていないことを懸念するものである。委員会はまた、犯罪が地方裁判所または高等裁判所で処理される場合に、犯罪の被害を受けた子どものための被害者アドバイザーが、裁判所に対して控訴が提起された後にしか任命されないことも懸念する。 45.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 被害を受けた子どもの脆弱性を認識し、かつ、その被害者および(または)証人としての特別なニーズに対応する手続を用意すること。 (b) 選択議定書で禁じられた犯罪の被害を受けた子どもの早期発見および特定のための機構および手続を確立すること。 (c) 被害を受けた子どもが、申立てを行なった日から被害者支援サービスを利用できることを確保するため、被害者の権利改正法(2014年)を見直すこと。 刑事司法制度における保護措置 46.委員会は、証拠法(2006年)および「子ども保護対応要綱」の採択、若年証人を対象とする法廷教育の提供、ならびに、子どもの被害者および(または)証人とともに働く者を対象とした司法省による指針の作成をはじめ、刑事手続全体を通じて子どもの被害者および(または)証人の法的保護および秘密保持を保障するために締約国がとった措置に、肯定的対応として留意する。にもかかわらず、委員会は以下のことを懸念するものである。 (a) 検察官が、いまなお、子どもの被害者の証言方法について裁判所に指示を求めることを要求されていること。 (b) 子どもの被害者および(または)証人とともに働く者が現行の法律および手続を遵守することを確保するための、監視および説明責任の確保を目的とした適切な機構が設けられていないこと。 47.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 犯罪の被害を受けたまたは犯罪の証人であるすべての子どもに対して選択議定書で要求されている保護が提供されることを、十分な法律上の規定および規則を通じて確保すること。 (b) 子どもの被害者および(または)証人が、閉鎖回路テレビまたは事情聴取中の証言のビデオ録画などの代替的方法を通じて証言でき、かつ、反証がなければ証言を真実とみなすという法律上の推定に基づいて証言を行なう際に支援者にアクセスできるようにするため、証拠改正法案を速やかに成立させること。 (c) 法的手続を進める際の子どもの安全確保および専門的支援の提供の要件が適正に満たされることを保障するため、「子ども保護対応要綱」の効果的実施を確保すること。 (d) 裁判官、検察官、警察、ソーシャルワーカー、医療スタッフならびに子どもの被害者および証人とともに働くその他の専門家が、刑事手続および司法手続のすべての段階における子どもにやさしい接し方に関する研修を受けることを確保すること。締約国は、この点に関して、子どもの犯罪被害者および証人が関わる事案における司法についての指針(経済社会理事会決議2005/20付属文書)を指針とするべきである。 (e) 子どもの被害者および(または)証人が、刑事手続における自己の権利および役割ならびに当該手続の時期および進捗について告知されることを確保すること。 (f) 子どもの被害者および(または)証人が、とくに自己の利益に影響がある場合に、刑事司法手続の際に自己の懸念、意見およびニーズを表明できること、ならびに、これらの子どもに対して適切な支援および援助がしかるべく与えられることを確保すること。 (g) 刑事司法手続全体を通じて子どもの身元およびプライバシー権が保護されることを確保すること。 (h) 子どもの被害者および(または)証人とともに働く者が現行の立法上および手続的措置を遵守することを確保するための、監視および説明責任の確保を目的とした適切な機構を設置すること。 被害者の回復および再統合 48.委員会は、犯罪およびトラウマの影響を受けている子ども(性的搾取の被害者を含む)が、締約国の領域全体で、24時間提供されている無償の被害者支援サービスの援助にアクセスできることに、評価の意とともに留意する。委員会はさらに、ニュージーランド事故補償公社が、性的虐待または性暴力の結果として精神的外傷を受けた可能性のある子どもおよび若者に対する支援、カウンセリングおよびその他の処遇、ならびに、一定の条件が満たされる場合の医療ケア、リハビリテーションサービスおよび金銭給付の資金を拠出していることに、留意するものである。しかしながら委員会は以下のことを懸念する。 (a) 選択議定書上のすべての犯罪の被害者の回復および再統合のための措置が依然として不十分であること。 (b) 性的搾取の被害を受けた子どもが、事故補償公社のサービス(これは通常、性的虐待または性暴力の被害者のための選択肢として広報されるのみである)の受給資格について知らされていないこと。 (c) 事故補償公社が救済の付与の可否について決定できるよう、被害を受けた子どもが、同公社の登録カウンセラーを最高で4回訪問しなければならないこと。 (d) 被害を受けた子どもが加害者または事故補償公社に対して補償を求めるための十分な手続が設けられていないこと。 49.委員会は、締約国に対し、選択議定書上のすべての犯罪の被害者に対する適切な援助(被害者の全面的な社会的再統合ならびに身体的および心理的回復のための援助を含む)を確保するための措置をさらに強化するよう促す。委員会はとくに、締約国が以下の措置をとるよう勧告するものである。 (a) 選択議定書上の犯罪の被害を受けた子どもに短期的、中期的および長期的支援を提供するためのプログラムを発展させかつ実施するとともに、十分な人的資源、技術的資源および財源の配分を確保すること。 (b) 被害を受けたすべての子ども(性的搾取の被害者を含む)に対し、事故補償公社のサービスにアクセスする権利についての適正な告知が行なわれることを確保すること。 (c) 事故補償公社の登録カウンセラーへの義務的訪問の回数を減らし、または身体検査の要件をなくす等の手段により、同公社に対してリハビリテーションの援助を求める子どもが負うトラウマを最小限に抑えるためにあらゆる必要な措置をとること。 (d) 選択議定書第9条第4項にしたがい、被害を受けたすべての子ども(締約国の国民または在留者でない子どもを含む)が、法的に責任のある者に対して差別なく被害賠償を求める十分な手続にアクセスできることを保障するとともに、被害者が加害者から賠償を得られない場合のために被害者補償基金の設置を検討すること。 VIII.国際的な援助および協力(第10条) 多国間、二国間および地域間の取り決め 50.選択議定書第10条1項に照らし、委員会は、締約国に対し、選択議定書が対象とするすべての犯罪について防止、摘発、捜査ならびに当該犯罪に責任を負う者の訴追および処罰を向上させる目的で、とくに近隣諸国との多国間、地域間および二国間の取り決めを通じ、引き続き国際協力を強化する(当該取り決めの実施を調整するための手続および機構を強化することによるものも含む)よう、奨励する。 IX.フォローアップおよび普及 フォローアップ 51.委員会は、締約国が、とくにこの総括所見に掲げられた勧告を関連政府省庁、議会ならびに国および地方の公的機関に送付して適切な検討およびさらなる行動を求めることにより、これらの勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。 総括所見の普及 52.委員会は、選択議定書、その実施および監視に関する議論および意識を喚起する目的で、締約国が提出した報告書および文書回答ならびにこの総括所見を、インターネット等も通じ(ただしこれに限るものではない)、公衆一般、市民社会組織、若者グループ、専門家グループおよび子どもが広く入手できるようにすることを勧告する。 X.次回報告書 53.選択議定書第12条第2項にしたがい、委員会は、締約国に対し、選択議定書の実施に関するさらなる情報を、子どもの権利条約条約第44条にしたがって提出される、条約に基づく次回の定期報告書に記載するよう要請する。 更新履歴:ページ作成(2017年2月3日)。