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「ふたば系ゆっくりいじめ 715 下拵え/コメントログ」 わーい ゴミがゴミになったよ -- 2010-06-28 02 34 48 ありす喰いたい -- 2010-07-03 18 56 41 子ゆの悲鳴はゆっくりできます。 -- 2010-07-25 11 19 36 ゲスじゃなくても超ウザい これぞ赤ゆクオリティ -- 2010-07-29 22 21 55 子ゆうぜぇ~! でも、食べてみたいな -- 2010-07-30 00 48 02 ゆ虐は何気に腹が減るSSが多くて困るぜw 食べてみたいなー -- 2010-10-01 06 47 46 街中のゆっくりなんか何食ってるかわかんないし食いたくないな。 加工所では、食用に品種改良とかしてるのかなー? -- 2010-10-28 16 32 42 おもしかったです! でもゴミ食ってる野良の子ゆなんか食べたくないよw -- 2011-06-29 06 42 13 子ゆを捜してる親ゆの姿にとてもゆっくり出来た -- 2011-07-03 17 10 24
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滋賀県知事に下記URLからメールを送ることができます。 今回の陰惨な事件は風化させてはいけません。 他殺の可能性も疑われおり、大津市の弁護士が、 「何時何分にいじめがあったか証明しろ、どうすればいじめは回避できたか策を提示しろ」とぬかしている今、 真相を究明すべく、滋賀知事に陳情を。 http //www.pref.shiga.jp/chiji/tegami.html
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※俺設定があります。 ※他SS様の設定が混じっている可能性があります。 ※多少の矛盾な点はありますが、気にしないでいただけると助かります。 『実力のない話』 ゆっくりからしたら、野菜なんてものは勝手に生えてくるものであり、人間はそれを独り占めする悪い奴なのだそうだ。 「ゆっ! はやくここからだしてまりさをゆっくりさせるんだぜ! はやくするんだぜ!」 「ごはんちょうだいね! そこのおやさいでもいいよ! ゆっくりしてないでさっさとゆっくりちょうだいね!」 「おやさいをひとりじめするじじいがわるいのよ! これだからいなかものはまなーがなってないわ!」 「むきゅー……」 毎度おなじみゆっくりまりさ(だぜ口調)、ゆっくりれいむ(喋ってること矛盾してるぞオイ)、ゆっくりありす(まなー、ねぇ)、ゆっくりぱちゅりー(相変わらずひ弱そうである)の四種である。 ちょうどウチの畑を狙ってたようなので、ぱぱっと捕まえて毎度おなじみ透明の箱の中にそれぞれ入れてみました。 「ならば聞こう。野菜は勝手に生えてくるのか?」 無駄であろうが一応聞いてみる。が、結果は言わずもがな。 「ゆ? あたりまえでしょ? だからさっさとおやさいちょうだいね!」 「なにばかなこといってるんだぜ? ばかなこといってないでさっさとまりささまをここからだすんだぜ!」 「まりさ! きっとこのにんげんはばかだからありすたちのいってることをりかいできないのよ!」 「むきゅー……」 上かられいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりーである。 れいむ、まりさ、ありすは完璧に野菜は勝手に生えるものだと思い込んでいるようだ。だが、ぱちゅりーの反応だけは他のと異なっている。 さすがゆっくりの中でも頭のいいぱちゅりー種、野菜は勝手に生えるものではないと理解しているようだ。 俺はぱちゅりーを除いた三体に問うた。 「じゃあなんで『勝手に生えてくる野菜』が、人間の畑でしか見ることができない?」 「にんげんがひとりじめしてるからでしょお!?」 「ゆっへっへ、やっぱりこのにんげんばかだぜ! なあれいむ!」 「そうだよ! ばーかばーか!」 「そうよそうよ! このいなかものー!」 「むきゅー……」 ぱちゅりー、さっきから同じセリフしか言ってないよ。 ふむ、この一団の力関係が見えてきた。まずれいむがいて、まりさはそのれいむに気がある。そのまりさにありすは好意を抱いている、といったところか? れいむはあまり頭がよくないようだが、他の三体よりやや体が大きいところをみると、この四体の中では一番強いのかもしれない。 まりさはとにかく自己中心的。あとキミ、他人のことバカバカ言ってるとしっぺがえしが恐ろしいことになるよ。 ありすはまりさに依存しているようである。ありすがまりさに気があるのならば、もしかするとまりさはガキ大将的な立場なのだろうか。それでれいむとありすを引っ張っている? ということは、ぱちゅりーは他の三体に無理やりつれまわされてるいじめられっこ的な立場ということか。 少し読めてきた。 ここの近くにはドスまりさの率いる群れがいるらしい。この四体はその群れでドスの言いつけを守らずに人間の畑を襲おうとした、若い連中だろう。 ぱちゅりーはドスの言いつけを理解していながらも、他の三体に無理やり連れてこられた、といったところか? 自分の意見を言えるほどの度胸もなく、付いていかなかったことで仲間はずれにされることも怖がる。 そして他の個体よりなまじ知恵があるから罪悪感を、いや、死への恐怖を感じて泣いている。 そう、ぱちゅりーは泣いていた。他の三体は俺に罵声を浴びせることに夢中で気付いていないようだが。 「ぱちゅりーは理解しているんだな」 「むきゅ……」 俺がぱちゅりーに話しかけると、ぱちゅりーは縮こまった。俺怖がられてるなぁ、まぁ仕方ないか。 しかし他の三体は一斉にぱちゅりーの方を向き、何故か罵倒し始めた。 「ゆゆっ!? ぱちゅりー、どういうことなんだぜ!? まさかまりさたちをうらぎったのかだぜ!?」 「どうしてれいむたちをうらぎったのぉ!? ばかなの!? しぬの!?」 「とかいはのありすたちをだますなんてぱちゅりーはとんだいなかものね!」 いやいや待て待て、ぱちゅりーが何をどう騙して裏切ったんだよ。……とツッコミをいれたいが、どうせ無駄なので黙っておく。 他の三体からいわれもない裏切りの罪を問われるぱちゅりーはというと、静かに涙を流していた。多分、こんな経験は一度や二度ではないのだろう。 「ないてないでどういうことかせつめいしてね、ぱちゅりー!」 「ないてすむんならどすはいらないんだぜ!」 「ほんとうにぱちゅりーはいなかものよね!」 ああ喧しい。五月の蝿みたいだ。 あとありす、おまえいなかものいなかもの連呼しすぎ。おまえは新しい言葉を知って喜んでそれを連呼する子供か。……ああ、子供以下の知能だっけか。 「よし、ぱちゅりーは解放してあげることにしよう!」 「むきゅ!?」 「ゆ゛っ!? どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉぉぉぉ!?」 「ゆっ! やっぱりぱちゅりーがうらぎったんだぜ! うらぎりものはぜったいにゆるさないんだぜ!」 「おにーさんそんないなかものぱちゅりーよりもとかいはなありすたちをかいほーしてね!」 うん、予想通りの反応……だが、ぱちゅりーを解放すると言ったのにそのぱちゅりーがガタガタ震えてるのはどういうことだ。 「ぱちゅりーは群れに戻りたくないのかい?」 「むきゅ……もどりたいけど……」 他の三体のほうをチラリと見る。なるほど、ここで一人だけ戻ったら、後でこの三体にいじめられるんじゃないかと恐れてるわけか。饅頭社会も世知辛い。 しかし俺はそんなゆっくりの事情なんか知らないね。ぱちゅりーを透明箱から出してやり、地面に置く。 「ほら、さっさと帰りなさい」 「むきゅ……むきゅぅ……」 おー困ってる困ってる。他の三体は相変わらず罵倒を続けてるし、ぱちゅりーは今にもクリームを吐き出してしまいそうだ。 しかしここで、俺はぱちゅりーだけに聞こえるように囁いてあげた。何がなんでも帰らなくてはいけなくなる魔法の呪文である。 「もたもたしてると、れいむとまりさとありすを殺しちゃうよ?」 「むきゅ!?」 「ドスを呼ぶといい。ドスがここに来たら、この三体を無事に帰してあげよう。もちろん君がいじめられることはない。さぁ、早くいきなさい」 殺す、という言葉に青ざめたぱちゅりーは慌てて森の方へぽよぽよと跳ねていった。体の弱いぱちゅりーだ、ゆっくりの中でもそのスピードは特に遅い。それでもぱちゅりーの必死さはここからでもよく見える。 しかし残念なことに、俺は嘘吐きなのである。 ぱちゅりーがもたもたしていてもしていなくてもこの三体が死ぬことに変わりはないし、ぱちゅりーがいじめられることにも変わりはない。 何より、ドスが俺の家に来ることはできない。 ぱちゅりー、君が理解していようと、ゲスなゆっくりに無理やり連れてこられたのであろうと、畑を襲おうとしたことは事実なんだよ。その報いは、受けなければならないんだ。 逃げ出したぱちゅりーを罵りながら騒ぐ三体を無視して俺は隣人の家に行き、その家にいる『彼ら』に合図を送った。 これでドスの群れが一つ全滅するだろう。『彼ら』はゆっくりと全力で跳ねていくぱちゅりーをゆっくりと追跡し始めた。 こっちはこれでいい。俺はゆっくりを三つ得たのだ、かねてから行おうとしていた実験ができるからそれでいい。 必死のぱちゅりーをゆっくり追いかけていく虐待お兄さんたちを眺めながら、俺は自分の家に入った。 早速畑を囲む柵を確認する。この柵によってゆっくりは畑に侵入することはできず、畑の中のゆっくりは逆に外には出られない。 うーパックによる侵入に対してはなすすべもないが、このあたりにうーパックが出没したという話は聞かないのでまだこのままでもいいだろう。 もちろん柵はドスまりさでもなければ壊すことはできない。 俺は部屋に入って、飼っているゆっくりゆうかを呼んだ。 「おーい、ゆうかー」 「ゆー……、おにーさんなんのよう?」 昼寝していたところを起こされたからか、少し機嫌が悪そうだ。 普通ゆっくりの間で異端とされるゆっくり種は、時々人間に飼われることがある。 捕食種であり、ゆっくりを餌とするゆっくりれみりゃやゆっくりフラン。 畑の番人として使われるゆっくりめーりん。 ゆっくりを嫌い、ゆっくりをゆっくりさせないことに全力を注ぐきめぇ丸。 そして農耕の知識を持つゆっくりゆうか。 ウチで飼ってるゆうかは何ヶ月か前に怪我していたところを拾い、それから畑の野菜を育てるのを手伝ってもらっている。 最初は俺のことを警戒していたが、今はそこそこの仲だ。 「ゆうか、畑の大根の収穫は明日だよな」 「うん、そうだよ。それがどうかしたの?」 「明日収穫したら、ゆうかにもう一度働いてもらいたい」 「……なんで?」 「身の程知らずアンド野菜が勝手に生えると勘違いしている連中に思い知らせてあげようと思うのですよ、ゆうかりん」 そう言いながら例の三体の入った箱を指すと、ゆうかの口が吊りあがった。 あまり知られてないことだが、ゆうかは捕食種だ。それも、他のゆっくりを虐めることが大好きなドSゆっくりである。 特にこのゆうかは、かつて自分の畑を他の無知なゆっくりに食い尽くされたことでゆっくりへの憎悪が一割り増しの素敵なゆうかである。 「ゆ、わかったよおにいさん。ゆうかりんがんばるね」 「がんばってくださいねー、と」 まずは例のゆっくりトリオの箱を畑の前に置いた。 ゆうかや俺の愛(?)がこもった畑に広がる大根に、ゆっくりがまた騒ぎ出す。 「ゆゆっ、すごいね! おじさんはやくれいむにそこにはえてるおやさいちょうだいね! ぜんぶくれてもいいよ!」 やっぱりこのれいむ、頭悪いねぇ。まぁこれがゆっくりのスタンダートなんだから仕方が無い。しかし全部よこせとは図々しい。 「おじさん! このいだいなるまりささまにおやさいをよこすんだぜ! そしたらゆるしてあげないこともないんだぜ!」 ゆっくりに赦されてもなぁ。ありがたみが感じられない。 「いなかもののおじさんはさっさとありすたちにとかいはなおやさいをちょうだいね!」 都会派な野菜ってなんだよ。 ううむ、どうやらこの三体はどうも頭がよくない個体のようだ。 体は成体に近いが、どうやら体が大きいだけでまだ子供の域を出ていないようである。 多分妊娠型出産での誕生で、生まれてまもなくに狩りを成功させた感じだろう。確認のために聞いてみる。 「ところでおまえら、群れの中じゃ狩りはうまいほうなのか?」 「ゆ? そんなことはいいからおやさいを──」 「答えたらそこに生えてる大根を一本くれてやる」 「ゆゆっ! れいむもまりさもありすも、かりはだいとくいだよ!」 「ゆっへん! むれのなかでもまりさたちのかりのうでまえはおとなかおまけなんだぜ!」 「とかいはのありすたちにかかればらくしょーよ!」 あっさりと釣れた。 狩りを行うゆっくりはまず体力が必要になる。そして食物を口の中に溜め込むために、必然的に体の方も大きくなろうとする。 狩りをしている途中でつまみ喰いとかしていれば、自然に他のゆっくりよりも成長は早くなるだろう。 もうひとつ、妊娠型出産は植物型出産とは違い、親の記憶を多く受け継ぐ。それによって狩りに必要な知識を受け継げば、早いうちから狩りを行うこともできるだろう。 「ということは、おまえらは群れの中じゃリーダーに近い位置にいたのか」 「ゆっ! りーだー? りーだーはどすだよ?」 「ゆゆっ、たしかにどすはりーだーだけど、まりささまのほうがよっぽどりーだーにふさわしいぜ!」 「そうよ! れいむもありすもぱちゅりーも、ちぇんもみょんもみんなまりさがりーだーとみとめてるわ!」 「ゆっ、そうだね! りーだーはまりさだね!」 「ゆっへん!」 なるほど、他の個体よりも狩りのうまいこの三体はやはりガキ大将のような立場だったようだ。 ……無謀なだけのこのだぜまりさがドスより優れているとは思えないが。 さて、約束通り大根を一本持ってきて、三体の目の前に転がしてやった。虫に食われたやつだが、ゆっくりからしたらこんなくず野菜でもご馳走だろう。 箱から三体を出してやると、あっという間に大根に群がり、ほぼ一瞬で大根が消えた。物凄い食欲である。 「おじさんもっとちょうだいね! こんなんじゃぜんぜんたりないよ!」 「もっとおやさいをよこすんだぜ! いたいめみたくなかったらさっさとよこすんだぜ!」 約束は大根一本なので無視。約束は破ってはいけません。 が、ここでありすがとんでもない発言をしやがった。 「ゆっ! なにいってるのふたりとも! おやさいならめのまえにたくさんあるじゃない!」 「ゆゆっ? そういえばそうだったね!」 「きがつかなかったんだぜ! さすがありすだぜ!」 おいこらキミタチ、その畑の持ち主の目の前でなんつーことを。足蹴にされて潰されても文句は言えないぞ。 というわけでぱぱっと再び透明箱の中に戻してやる。 「ゆーっ! ここじゃゆっくりできないよ!」 「はやくまりささまをだすんだぜ!」 「こんなのとかいはじゃないわ!」 無視。 「はーい静粛に。君たちには特別に大根をプレゼントしよう」 ゆっくりどもがまた何かわめくが、完全無視でルールを押し付けてやる。 「ただし、その大根はおまえらが自分で育てること。あるヒトに譲ってもらった特別な種で、三日間大事に育てればそれはもう立派な大根が出来上がる。 ちゃんと水を与え、肥料を与え、愛を込めればとても美味しい大根になる。 で、だ。おまえらとは別の畑で、ゆうかが同時に同じ種を育てる。参考にするといい」 ゆうかがぽよんぽよんとはねてくる。その姿を三体の前に晒した途端、三体がまた喚き出した。 「ゆっ! ゆうか!?」 「ゆゆっ! おはなをひとりじめするわるいゆっくりだぜ!」 「ぜんぜんとかいはじゃないわ!」 「おまえらの隣で、このゆうかがおまえらとまったくの同条件で大根を育てることになる。理解した?」 「ひとりじめするゆうかはゆっくりしね!」 「おはなをぜんぶまりささまたちによこすんだぜ!」 「いなかもののゆうかはゆっくりしんでね!」 理解してくれないようです。 どうしようかとゆうかの方を見ると、ゆうかは三体を鼻で笑った。 「ゆううーっ! いまれいむたちのことばかにしたでしょ! ゆうかのくせにぃぃぃぃ!」 「あやまってもゆるさないんだぜ! このまりささまのちからでじきじきにころしてやるんだぜ!」 「とかいはのありすのぜつみょうなてくにっくでしぬまでいかせてあげるんだから!」 うわー、こいつらあっさりとゆうかの挑発にひっかかっちゃったよ。冷静さが足りてないな。若い。 本来感情に任せやすいれいむ、まりさ種をたしなめる役の頭がいいぱちゅりーはいないし、冷静であるべきはずのありすはレイパーの片鱗を見せてしまっている。 そんな三体の罵詈雑言をやっぱり無視して、ゆうかは部屋に戻っていった。 ゆっくりを相手にするときの一番の手段は、無視することである。 俺もゆっくりどもを無視して部屋に戻った。暇な時間は読書で潰してしまおう。 翌日、早速大根を収穫した。普通の農家の人の畑に比べたら狭いが、それでもゆうかのおかげでなかなか品質のいい大根を収穫することができた。 俺の大切な収入源である。昨日から同じ場所に置いておいた三体のようなゆっくりに食わせる大根なんて無い。 「ゆゆっ! みてみんな、じじいがありすたちのだいこんをもっていこうとしてるわ!」 「ゆっ! ほんとうなんだぜ! おいじじい! なにかってにまりささまのだいこんをもっていこうとしてるんだぜ!」 「ゆーっ! むししてないでこたえてね!」 ついにじじいに格下げのようだ。あとこの大根はもともと俺のだ。 収穫し終わった野菜をまとめて蔵に入れ、戻ってくると、ゆうかが三体に向かって再度ルール説明をしていた。 「れいむ、まりさ、ありす。あなたたちはだいこんをつくってもらうわ」 「ゆゆ? なにいってるの? だいこんさんはかってに──」 「だまれ。ゆうかりんのはなしをきけ」 「ゆっ!?」 「ひるむんじゃないぜれいむ! ゆうかなんてさいきょーのまりささまにかかればいちころなんだぜ!」 「そうよ! きっとありすたちよりよわいから、こんなはこのなかにとじこめてるのよ!」 「ゆっ、そうだったんだね! ゆうかはよわかったんだね!」 何度も言うようだが、ゆうかは捕食種である。当然一般種じゃ相手にならない。ただ狩りをしてはねているだけのゆっくりとは違う。 一日に何度も水場と自分の畑を往復する運動量、外敵から畑を守らなければならないという必要な進化、それらによってゆうかはかなりの強靭な種となった。 1vs3程度の戦いなど、ゆうかにとっては普通種狩りと同然である。さすがにドスや他の捕食種が群れで襲ってきたらひとたまりもないが。 力量の差を見抜けない三体に哀れな視線を向けながら、ゆうかは続けた。 「たねをつちにうめればみっかでだいこんになるよ。でもちゃんとみずをやって、ひりょうをあげないと、だいこんにはならないよ。ちゃんとそだててね」 そこまで言うと、ゆうかは畑に飛び降り、俺の方を見た。 早速俺はこの日のために加工場から譲ってもらったものを持ってきた。 とても大きな、透明な板である。廃棄処分になっていたものを、俺がそこそこの値段で買い取った。 これを畑を分断するように地面に垂直に設置し、向かって右側にゆうか、左側に例の三体を置いた。 「よーしおまえら、今から種をやろう」 三体とゆうかにそれぞれ、かの大妖怪、風見幽香女史にお願いして譲ってもらった特殊な種の入った包みを渡す(この種を使う目的を話したら、意外とあっさりとくれた。意外といいヒト?)。 ゆうかは包みをもらうと早速口でくわえて、自分の畑の真ん中に持っていった。 三体の方はというと、包みを不思議そうに眺めている。 「なんで人間の畑でしか野菜がとれないと思う?」 「ゆ? だからそれはにんげんがひとりじめしてるからでしょ? そんなこともわからないの? ばかなの?」 馬鹿はおまえだろとは突っ込まない。 「理由を教えてやろう。おまえら、花の種くらいは見たことあるだろ」 「ゆっ?」 「ゆゆっ、ありすはみたことあるわ! どすのそっきんのぱちゅりーがいってたよ、はなのたねをじめんにうえておけば、はながさくんだって!」 「ゆっ、ほんとうかだぜ! さすがありすだぜ!」 「その通りだ。つまり、人間の畑にしか野菜が無いのはな、野菜の種を人間が持っているからなんだよ」 「「「ゆゆゆっ?」」」 「で、その包みの中に小さな粒があるだろ。それが野菜の種だ。それを土に埋めて、水をかけて、肥料をやれば野菜ができる」 物凄くアバウト。だが、三体はこれだけで理解してくれたようだ。 「ゆっ! じゃあそのたねをうえればおやさいになるんだね! じゃあはやくたねをちょうだいね!」 「れいむ! このくろいのがたねみたいだぜ!」 「ゆゆ? じゃあそのたねをゆっくりとうめようね! おやさいがたべほうだいだよ!」 「とかいはね!」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 畑の前に水の入った桶を置いてやる。その隣に肥料を団子状にしたものも置く。 「肥料はこれだ。これを種と一緒に埋めれば、よく育つ。あとは定期的に水をかけてやるといい。その種は特別製で、すぐに水を吸い取っちまうからな」 一番重要なことをさらりと言ってみたが、案の定三体とも聞いてない。 それどころか、ゆうかに攻撃しようとする始末である。 「ゆゆっ! あのゆうかもおやさいのたねをもってるよ!」 「ねぇまりさ! ゆうかのたねももらっちゃいましょうよ! いなかもののゆうかがたねをもってるひつようなんてないわ!」 「ゆっ! そのとおりなんだぜ! おいゆうか! そのたねよこすんだぜ!」 ゆうかはまりさの言葉を無視して、大根の種を埋める作業をしている。 「ゆううーっ! むしするなだぜ! ゆぎゃっ!?」 あっ、飛び掛った。でも透明板のおかげで体当たりをしようとしたまりさのほうがダメージを受けている。 「ゆうっ! まりさ、ここにみえないかべがあるよ!」 「ゆゆっ! ほんとうなんだぜ! しゃらくさいんだぜ!」 「ぜんぜんとかいはじゃないかべね!」 しかし今ので学習してくれたのか、透明板に攻撃するような真似はしなくなった。畑から家の中には入れないようにしてあし、しばらくはこのままでも大丈夫だろう。 俺は昨日の戦果を聞くために、隣人の家へ向かった。 隣人の家で昨日の戦果であるゆっくりたちを見せてもらい、その足で上白沢先生に報告しに行き、ゆっくり羊羹を買って、我が家に帰った頃には既に日が大分傾いていた。 畑のほうを除くと、ゆうかが種を植えた場所に口に含んだ水をかけており、ゆうかの方は順調のようだ。 で、三体の方はというと。 「おいじじい! なんでここにはくさしかはえていないんだぜ!? はやくたべものをもってくるんだぜ!」 「おなかすいたわ! はやくとかいはのありすたちにでぃなーをもってきてちょうだいね!」 「かわいいれいむたちがおなかすかせてるっていうのになんにもださないなんてばかなの!? しぬの!?」 「……おいおまえら、隣のゆうかを見てみろ。ゆうかは何か食べたか?」 「ゆうかにはたべものをださなくてもいいよ! ゆっくりとしんでね!」 「そうだぜ! ゆうかみたいなくずにたべものをやるなんてもったいないんだぜ! まりささまがぜんぶたべてやるからはやくもってくるんだぜ!」 「いなかもののゆうかにだすたべものはないわ!」 「なんだおまえら、ゆうかにも出来る程度のことがおまえらは出来ないのか。おまえら全然ゆっくりしてねぇな」 「ゆっ!? れいむたちはゆっくりしてるよ! ばかなこといわないでね!」 「そうだぜ! これほどゆっくりしてるゆっくりはまりささまやれいむやありすいがいにありえないんだぜ!」 「だからゆっくりできないいなかもののじしいはたべものをありすたちによこして、ゆっくりとしね!」 「黙れ饅頭。ゆうかもそこらに生えてる雑草で我慢してるんだ。おまえらは大根育てて、それを食ってればいいんだよ」 見ると、畑のほんの一箇所だけ水分が枯れ果てている。……水遣りを忘れたな。それに一箇所に種を集中して埋めてしまっている。こんなんじゃまともな大根は育たない。 ゆうかのほうを見ると、しっかりと間隔をとって種を植えて、十分に水を与えているようだ。これならば三日後には立派な大根になるだろう。 二日目、ゆうかの畑に芽が出た。 三体は自分たちの畑のどこに種を植えたか忘れたようで、やがてお互いをののしりだした。 「どうしてわすれちゃったのぉぉぉぉぉぉぉ!!?」 「ふん! うめたのはれいむとありすだぜ! まりささまはわるくないんだぜ!」 「なにいってるのよぉぉぉぉぉぉ! うめたのはまりさじゃないのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」 うわぁ醜い。 その後いつの間にか三体の意見は「じぶんたちをうらぎったぱちゅりーと、おやさいをひとりじめするゆうかがわるい」ということになったらしい。なんでだ。 三日目。ちゃんと育てれば今日の昼ごろに収穫できるはずだが。 「おー、ちゃんと育ってるな」 ゆうかの畑にはそれはもう見事な大根が並んでいる。ゆうかもこんなに早く成長したことに驚いているようだ。 で、例の三体の畑はというと、枯れた部分は一日目とまったく変わらず、もう駄目だろう。三体はというとそれでもぱちゅりーとゆうかを罵り続けていた。元気だなぁ。 「なんだよおまえら、ちゃんと育てなかったのか」 三体に呼びかけてやると、一斉に矛先をこっちに向けてきた。 「なんでうそついたのぉぉぉぉぉぉぉ!?」 「何がだよ」 「ありすたちのおやさいがはえなかったわよ! なのになんでゆうかのところはおやさいはえてるのよぉぉぉぉぉぉ!」 「だって水やらなかったじゃん」 「そんなのしらないよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! だったらじじいがみずあげればよかったんでしょおおおおおおおお!?」 聞く耳持ってくれねぇ。ああ畜生、失敗だ。 もっと計画を練るべきだった。本当は野菜は勝手に生えるものじゃないことをちゃんと理解させつつ、餓死させようとしたのに。 他のベテランはもっとうまいやり方を思いつくんだろうか。畜生、種をくれた幽香女史に申し訳が立たない。 ああ畜生、この未熟者め。 思いっきり、れいむを蹴飛ばしていた。 一瞬で砕けた歯。足は口を蹂躙し、あっさりと餡子を貫き、柵まで吹き飛び、破裂する。 「──ゆ?」 「……ゆ?」 「……おにーさん、おちつきなよ」 一瞬の出来事に固まるありす。何が起きたのか理解できないまりさ。 呆れたように俺に言葉をかけてくれるゆうか。うん、落ち着いた。 「やっぱりさぁ、大した実力も無い奴が大掛かりなことしようとしてもさぁ、無駄だよな。そう思わない?」 「あ……あああ…………!!」 「れ、れいむが、れいむが」 「だから」 魚のように口をパクパクさせているありすを鷲掴みにして透明箱に詰める。畑を隔てていた透明板も片付ける。 「やっぱり」 ゆうかの畑の大根も全部収穫する。 「こうしようか」 ありすのカチューシャを奪って踏み砕き、まりさの帽子を奪ってビリビリに破いた。 「や゛へ゛て゛えええええええええええええ!!!」 「ま゛り゛さ゛の゛ほ゛う゛し゛か゛あああああああああああああああああッ!!!」 「はいこれで君らは群れには戻れなくなりました」 「こ゛ろ゛し゛て゛や゛る゛!!! こ゛ろ゛し゛て゛や゛る゛ううううううううううううううう!!!」 今まで呆然としていたまりさがようやく動き出した。 全身をバネに、俺の脚に体当たりする。だが、多少の重みを感じるだけで、ダメージはまったくのゼロだ。 弱い。さすが饅頭、清々しいまでの弱さである。 「まぁ落ち着けよ。おまえの帽子、戻してやらんこともない」 「ゆ゛うっ!?」 「簡単だ、そこのゆうかに勝てばいい」 「ゆうかはゆっくりとしね! まりささまのちからでぎったぎたにしてやるんだぜ!」 うおお、さすが餡脳、ここまで切り替えが早いとは思わなかった。しかもゆうかが帽子を破ったことになってるし。 さて、俺はありすをいじりながら、ゆっくりとまりさvsゆうかを眺めることにしようか。 とはいっても、一方的すぎるけど。 「ゆうかはしねぇぇぇぇ!」 「おそい」 「ゆびぃ!?」 早速渾身の体当たりをかわされた上に、横から思いっきりゆうかに体当たりされて吹っ飛ぶまりさ。 まぁ、ゆっくりだしね。遅いのも無理はない。 「まりさぁぁぁぁぁぁぁ!? どうしてええええ!?」 「それはね、弱いからだよ」 「いだいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 ありすの髪の毛を一本ずつ引っこ抜きながら、まりさがゆうかにフルボッコされている姿を眺める。 おっと、まりさは俺の「弱い」という言葉に反応したようだ。 「まりざざまはぁ……よわぐなんが、ないんだぜぇぇぇ……! まりざざまはぁ……さいきょうで、てんさいの、むれのりーだーなんだぜぇぇぇぇ……!」 「よわいよ。ものすごくよわい。しかもあたまわるいし。『ちるの』いかだよ」 「ゆぎいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!? ていせいするんだぜぇぇぇ! いだいなるまりささまがあのまるきゅーちるのいかなんてありえないんだぜええええ!!」 「というか、ちるののほうがまりさよりよっぽどつよいし、あたまがいいよ。ばかでよわいまりさのほうがまるきゅーにふさわしいよ」 「ゆがあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 ゆっくりちるの。俺は見たことがないが、ほんの僅かだが氷を操る力を有すゆっくりらしい。 なんでも一般ゆっくり種はちるのは弱くて馬鹿であるという認識で、ゆっくりめーりんと同等に差別されているため、希少種扱いされているそうだ。 そのゆっくりちるの以下と言われたら、そりゃ怒るだろうな。人間だって、ゆっくり以下とか言われたくはない。 「それにりーだー? りーだーはどすじゃないの?」 「ふん! いつもすのおくでめいれいだけしてるどすなんてりーだーのうつわじゃないぜ!」 「まりさもりーだーのうつわじゃあないね。よわいし、ばかだし、ゆっくりできてないし。そんなのでよくいきてこられたね」 「まりささまはよわくなんかないんだぜぇぇぇぇぇ!!」 「じゃあなんでゆうかにもかてないの? いっておくけど、ゆうかよりつよいゆっくりはたくさんいるよ。よくそいつらにであわなかったね」 「ゆ゛ぅっ!?」 「そしてゆうかりんはどすまりさにはかてないわ。ねぇまりさ、どすにはかてるの? どすにかてないのに、ゆうかりんにかてるとおもってたの? ……ばかだね」 「ゆぎぃぃぃぃ……!!」 さすがゆうか、言葉責めである。まりさは今にも怒りのあまり憤死しそうだ。 「ああ、ちなみに君らの群れのドスはもう死んだよ」 横槍補足。ありすは髪の毛を毟られる痛みを忘れて呆然とし、まりさも驚きのあまり白目を剥いた。 「そして君らが連れてきたあのぱちゅりーだがね、踏み潰されて死んだそうだ」 「ど……」 「ん?」 「どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおおおおおおおおお!!?」 半狂乱で叫ぶありす。俺はため息を吐いた。 「おまえらが」 「ゆぎぃぃぃぃぃぃ!?」 ありすの髪の最後の一房をまとめて引っこ抜いた。禿げ饅頭の完成である。 「じぶんのじつりょくもりかいしないで」 「ゆげぇっ!」 ゆうかがまりさを一気に体当たりで吹っ飛ばした。あのまりさはそろそろ精神的に限界がくるだろう。 無根拠な自信は、実力とは不相応な自信は、壊されたほうがいい。 「……人間に勝てると思ったからだよ」 「ゆうかりんにかてるとおもったからだよ」 何故ゆっくりはこうも愚かなのだろう? 俺はふと考える。 ただの生ける饅頭なのに、自然を蹂躙し世界に生き延びようとした人間に勝てると豪語する。 すべてが無限であるわけがないのに、植物はひとりでに生えてくるものと思い込んで貪り尽くす。 結果、人間に殺される。餌が足りなくて餓死する。 獣ですら自らより強いものには敬意を払い、食物を底が付くまで食い散らかしたりはしないというのに。 ……いや、こいつらはただの饅頭。獣と同等などありえないことだ。 ごめん、森の獣たちよ。 俺の計画はあっさりと失敗した。 そのことを手土産と一緒に幽香女史に報告しようと人里に来ると、幽香女史は花屋にいた。 「あら。種はどうだったかしら」 「申し訳ありません、失敗してしまいました」 「そう」 「お詫びといっちゃなんですけど、これをどうぞ」 「……あら」 『ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!』 木箱に入っているのは、ありす種とゆうか種の赤ゆっくりがそれぞれ五体ずつである。 あの後、ありすの安いプライドをぶち壊すために、発情させた禿げありすをゆうかに向かわせた。 ゆうかはかつてレイパーありすの群れに襲われかけたことがあるらしい。その時と比べると今の禿げありすは何も感じないに等しいとのことで、逆にありすの方をにんっしんさせてしまった。 植物型妊娠で子を宿したありすはレイパーとしての自信も砕かれたまま黒ずんで朽ち、ありす種を五、ゆうか種を七ほど成して死んだ。 ゆうかは「あかちゃんはふたりがげんかいだよ。のこりは……ゆうかのあかちゃんをゆっくりさせてくれるひとに、おねがい」と言っていた。 本当なら七体とも(ありす種は勘定に含まれていない)育てたかっただろう。しかし、子育て経験の無いゆうかは七体もいっぺんに育てるのは難しいことを理解していた。 そんなわけで、幽香女史である。ゆうか種は草花を育てるゆっくり、彼女のお気に召すと信じることにしよう。ありす種はおまけだ。 少しびくびくしながら木箱を渡すと、幽香女史は花のような微笑を見せた。 「それじゃあ、有難く頂戴するわ。また何か必要になったら言いなさい」 幽香女史、意外といいヒトだ。 ……後に彼女の妖怪としての恐ろしさを知るのは、ゆっくりとは関係ないまったく別のお話。 * * * * * * 時間は少しさかのぼる。 木々の生える道を一体のぱちゅりーがはねていた。 そう、例の三体に無理やり連れられた気弱なぱちゅりーである。 彼女は急いでいた。早くドスを連れてこないと、あの三体を死なせてしまう。 人間の足なら十分もかからない道を、ぱちゅりーは一時間近くかけてたどり着いた。それでもゆっくりの移動速度、特にぱちゅりーの病弱さから考えると驚異的である。 「むきゅっ……ゲホッ、ようやくさとがみえてきたわ……」 彼女の視界の先には、ぱちゅりーたちが暮らすドスの里が見えていた。さぁ、もうひとふんばり。 ぱちゅりーは気力を込めて、跳ねようとした が、人間の足が、思考する時間も、痛みを感じる暇も与えず、ぱちゅりーを踏み潰していた。 「残念だったねぇ」 深く広く掘られた洞窟、その最奥でドスは群れの巣が全て完成したことをゆっくりたちと喜び合っていた。 「むきゅ! これでようやくゆっくりできるわ!」 「かりでたくさんたべものをとってこれたし、ここはほんとうにゆっくりぷれいすだね!」 『明日には人間さんのところにいって協定を結んでもらうよ! これで本当にゆっくりとできるね!』 「むきゅ! がんばりましょーね!」 「「「「「「「「ゆっくりしようね!!!」」」」」」」」 この群れは一週間ほど前、この人里近い森の中に移動してきた。 以前いた場所は草木や昆虫を食い潰し、何もかも無くなってしまったのだ。もちろんそれは後先考えずにゆっくりした結果である。 しかも悪いことに、このドスは体が大きいだけであまり頭がよくなかった。前の森が荒れ果てたのが自分たちのせいだという自覚を持っていなかった。 実質この群れを仕切っていたのは側近のぱちゅりーであるが、それでも前の森が荒れ果てたのは仕方が無いという考えの持ち主であった。 側近ぱちゅりーはこの群れのドスが知らなかった、ドスの群れが人間たちと結ぶ不可侵協定を知っており、それでドスの側近に選ばれたのである。 まぁ、そんなぱちゅりーの裏話も、ほとんど意味を成さなくなるのだが。 そう、この巣に近づく虐待お兄さんの集団によって、意味は剥奪される。 「……ゆ! にんげんだよ!」 『ゆ? 人間さん?』 数十人の男性が洞窟に入ってくる。 先頭に立つ、みょんな雰囲気を漂わせる男が囁くように言った。 「ドスまりさ君。こんな話を知っているか?」 『ゆゆ?』 突然問われて、不思議がるドス。まわりのゆっくりたちは心配そうだ。 「荒れ果てた森の中を、一人の男が歩いておった。その男の名は──」 男たちが、一斉に思い思いの武器を取り出した。 あるものは竹槍、あるものはトンカチ、あるものはスプーン、あるものは鍬、あるものはパチンコ、あるものは包丁、あるものは己の拳、あるものは── ゆっくりたちは戦慄というものを生まれて初めて味わうことになった。 彼らの武器、衣服にこびりついているあれは、あれは、あれは、 「虐待お兄さん!」 ゆっくりたちの、中身ではないか。 「ゆひぃっ!?」 「ゆゆゆゆゆゆゆ……」 「な、なんてこと……」 『ゆぎぃっ……!』 「虐待お兄さんの右手には黒い武器、その先に突き刺さりたるゆっくりもまた黒く……、 …………何が面白いのかね」 あんただよ。というツッコミはなかった。 胡散臭い男は続けた。 「虐待お兄さんの諸君、足に根っこがついておるんじゃないのか? ……追跡は終わった。これからは── ────虐待 ライブ だ」 「「「「「「「「ヒャア! 虐待だぁ!」」」」」」」」 男たちに攻撃を仕掛けようと飛び掛るゆっくりたちは一瞬で潰され、先ほどまで巣が完成したことを喜んでいたゆっくりたちはパチンコの弾丸に潰されていく。 側近のぱちゅりーはある男に捕まり、別の男によってドスが何事か言う前に、何かを注射する。 あまりにも唐突な出来事に思考が追いつかないドスは、追いつかないまま、意識を失った。 ドスが目を覚ますと、洞窟の中には何もなかった。 『……ゆ?』 側近のぱちゅりーもいない。みんなどこにいったんだろう? ふと、洞窟の入り口に誰か立っていることに気付いた。 「ボンソワール、マドモワゼル。そんな浮かない顔をして、何事かお悩みかな?」 その男は。その男は。 その男の靴には、ゆっくりの中身がこびりついて── 『ゆがあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?』 「はぁっはっはっはっはっはっ! はぁっはっはっはっはっはっ!」 高笑いする男。こびりついた餡子。 頭の悪いドスでも理解できた。「ゆっくりできない」。「みんなゆっくりできなかった」。 『どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!?』 ドスが叫ぶ。男は途端に哀しそうに目を伏せた。 そして、囁くようにドスに語りかける。 「ドスよ、私は悲しい。君ならば虐待の真意が理解できると思っていたのだがね。 ……まあよい。人間を従わせられると思い上がっているのなら、いつでもかかっておいでなさい。 はぁっはっはっはっはっ! 聞こえないのか。 我々を歓喜へと導くあの声が!」 ドスは、聞こえてしまった。 「ゆがああああああああああああ!!」 「でいぶのあがぢゃんがああああああああああ!!」 「ま゛り゛ざの゛ぼう゛じも゛や゛ざな゛い゛でええええええええええ!!」 「おがあぢゃんをいじめないでええええええええ!!」 「ちぇえええええええええええええええええええん!!」 「い゛や゛あああああああああ! も゛う゛ずっぎり゛じだぐな゛い゛いいいいいいい!! すっきりー!」 「あ゛り゛ずの゛べにべにがあっあああっ!!」 「べに゛ずううううううううううううううううううううう!?」 「も……っと、ゆっくり、したかったよ……」「ゆっくりしてたけっかがこれだよ……」 「たすけてどすぅぅぅぅぅぅ!! ぷげゃっ!?」 「ゆっきゅりしちぇいっちぶっ!?」 「むきゅうううううううううううん!!」 『ゆぎいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!! ……どぼじでうごげないのおおおおおおおおおおおおおおお!!?』 底面を満遍なく燃やされて焦げたドスの体は、もはや動くことは叶わない。 舌に隠してあるキノコも既に没収され、ドスパークを放つこともできない。 弱者は強者に屠られる。残酷な真理は当然ゆっくりにも適用されるのだ。 確実な死を強制的に与えられたドスの叫びは、それはそれは虚しいものであった。 このSSに感想を付ける
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「ふたば系ゆっくりいじめ 1157 学校:春/コメントログ」 いや、たとえゆっくり相手でも暴言吐きまくって虐待するのはよくないだろ これがゴキブリでもそのまま殺すのはともかく暴言吐いて虐待しまくるのは人格疑うべきだろ -- 2010-04-23 15 09 57 ははwまさに生殺しw夏、秋、冬と続くのかな楽しみだぜ。 -- 2010-05-07 01 06 40 紫ちゃんをババァ呼ばわりした男子だけは絶対に許さないよ -- 2010-06-17 04 26 00 不幸極まりない赤ゆってほんと最高だわ。 -- 2010-06-25 23 05 34 ゲス以外を虐待するのは・・・・ 子供は、皆こんな感じではあるがねぇー -- 2010-07-01 01 25 56 続きはまだか。いや、まだですか。これすごい楽しみにしてるのぜ。 -- 2010-07-06 02 35 35 早く続きを!続きをおおおおおおおおおっっっっ!!!! -- 2010-07-08 09 03 07 身の程を弁えないクソゴミの扱いなんてこれが正しいよね -- 2010-07-10 00 42 51 このれいむにはとてつもなく不幸になってもらいたい -- 2010-07-18 15 18 40 続きお願いします!!! 幸福なのは勘弁してください。 -- 2010-07-25 21 51 21 先生の成長に期待する。上白沢の名を冠しているのだからしっかりして欲しい。 男子が「女子に精神的苦痛を与えるためにゆ虐をしている」という点をスルーして ゆっくりは加虐されても仕方ないみたいなこと言ってるのが教育者として残念。 男子の「ゆ虐を使った間接的な女子イジメ」にお墨付きを与えるみたいなもんじゃねーか。 -- 2010-07-25 22 18 37 今のままでも十分むかつくが子れいむがゲスな性格だとこのSSもっと楽しめるな 動物を虐待することはできないが、ゆっくりに対しては虐待したいという感情しか湧き上がってこない -- 2010-07-26 22 11 41 虐待パートはまさに年頃の悪ガキのしそうな感じで凄く笑った、面白い 男子生徒が先生に宿題を忘れてしまった罰を受けた時に 「ゆゆーん!! れーみゅにひじょいことしゅりゅからだよっ! りきゃいできりゅ?!」 勘違いして付け上がってこんな事言うから余計に怒りを買う羽目になったっつうの出来損ない糞袋 まず自分の身の程を理解しろって -- 2010-07-26 23 23 43 女子の皆さんに提案。 虐待から守る為に、女子が交代制で子れいむを家に連れて帰るというのはいかが? -- 2010-08-02 20 54 26 最後まで子れいむに対しての不幸さをキープもしくはエスカレートさせてほしい。生まれなきゃ良かったと思うくらい不幸にしてやってほしい。 -- 2010-08-05 15 18 36 とかいはの餡小話anko2158で「学校 夏」が発表されたよ! この作品、原作キャラのパロディで普通の人間として登場させるところがいいね 妖怪が出てくると、人間が圧倒的な力でゆっくりを恐怖に陥れる構図に水を差してしまう気がする -- 2010-08-09 19 36 30 私もanko2158見たけど…。 れいむよ…それはマズいぞ…非常にマズい…! -- 2010-08-10 08 52 41 どうでも良いけど男子側に散野(チルノ)居たぞw -- 2010-08-30 23 33 39 ちくしょー!!なんで餡庫にアクセスできなくなっちゃったんだよー!!続き見てえーー!!! -- 2010-09-01 09 53 58 子れいむを家で預かることは、全員の親が反対していたため このSSの世界でゆっくりがどう扱われてるかがわかるな 先生も愛で派でも虐待派でも無いのにゆっくりの扱いを心得てるし 「人語を話し少し知能がある分色々と厄介なナマモノ」ってのがこのSSの世界で広く浸透してる認識なんだろう 増長してゲス化したゆっくりの酷さを知らないのは子供の生徒のみか -- 2010-09-21 11 07 09 ttp //www26.atwiki.jp/ankoss/ ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー で餡小話のバックナンバー全部見られるよ -- 2010-09-26 12 22 46 anko2589 学校:秋(前編)が公表されたよ れいむの末路がどうなるか気になるね -- 2010-11-11 23 22 54 冬編も公表されたね!れいむざまあ!な内容でとてもゆっくりできたよ! -- 2011-02-28 03 06 10 ゆっくりよりも男子をいじめたくなってしまった…… -- 2011-03-01 14 13 55 ゆっくりよりも女子をいじめたくなってしまった -- 2011-03-26 06 25 32 「この世界において、ゆっくりは最底辺の存在である。せいぜい生ごみか害虫ぐらいにしか扱われていない」ってあるけど 生ごみは捨てるモノ、害虫は駆除するモノでしょう そんなものを飼うというのは意味が分かりませんでした 虐待内容はとてもゆっくりできました!歌わせるのが特に面白かったです -- 2011-10-05 21 49 05 男子や女子を虐めてぇだってぇ? こいつはいけねぇ、やっぱステキあきたる俺がゆ虐タイダーシリーズ書いて、そういう事言ってるHENTAI怪人をタイダーが排除して子供を助けるって場面を作らなきゃな。 このままじゃアンチ虐待派に子供虐め願望ログをいろんな所に提出されてゆ虐サイドの寿命がマッハだぜ。 -- 2011-10-06 07 57 24 ゆ虐を理解できない女子は氏ね -- 2012-07-06 18 46 55 このれいむ絶対ゲス化するだろ -- 2012-08-22 15 01 12 このれいむゲロ以下の臭いがプンプンするぜぇーbyスピードれいむ -- 2013-04-01 19 29 18 神作品 -- 2013-12-24 01 25 55 こんなクソ甘ったれたクソチビ汁饅頭はブチ殺すに限る ゆっくりは饅頭だゴミだウジ虫以下の存在だ殺しても犯罪にはならない -- 2015-07-13 14 47 11 人を殺してみたかった=犯罪でアウト、ゆっくりを殺してみたかった=合法でOK -- 2015-07-13 14 48 49 ゆ虐大好きなのに久しぶりにこれ胸糞悪かった だけど中学や高校になれば男女の立場が逆転しそ うだなもしかしたらゆ虐やる側も…。 -- 2016-03-29 07 07 11 なんだこれ胸糞悪りぃ -- 2023-03-04 19 00 47
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直接的な虐待はありません 愛でられたゆっくりについてはまったく知りません ドスまりさが出ます ちょろっとあにゃる ここは加工所にあるゆっくり養殖場、ここでは名の通りゆっくりを養殖しそれを実験等に使っている。 ここで生まれてくるゆっくりは四種、れいむ、まりさ、ぱちゅにありす。どれも植物型にんっしんで生まれてくる 食用にされる事は無く、ドスのいる群れゆっくりとしてなるべく野生に近く育てられる。 必要に応じ赤ゆっくり、子ゆっくり、時には成体ゆっくりを繁殖飼育させていた。 そんなある日いつものようにゆっくり収穫作業をしていた加工所の職員は思った。 (ここで育つゆっくりや野性ゆっくりはほとんどがゆっくり出来ずに死んでいく。愛でられた飼いゆっくりは人の手でゆっくりさせられたものだし、野生に近い状態で最後の最後までゆっくりさせ続けたらどうなるのか?) 思い立ったが吉日、職員は上司に掛け合いまだ実の状態の赤れいむをそれはそれはゆっくりと育てる事にした。 「ゆっきゅりちていってね!」 「「ゆー!!この赤ちゃんれいむはとってもきれいおかざりをしてるよ!」」 この赤れいむは生まれた瞬間からとてもゆっくりしていた。 ここでは固体識別のため、実の状態からそれぞれの飾りにタグが付けられている。職員がれいむのそれを特別綺麗なものにしたので 大好きな母れいむと父まりさがこの特別なれいむの誕生を一番喜んでくれたのだ。 れいむは五匹姉妹の真ん中、姉も妹もとっても褒めてくれた。 赤れいむはとてもゆっくりしていた。 おかーさんは初めてのご飯のときれいむにだけ口移しでくれた。 おとーさんはれいむに一番長くすーりすーりしてくれた。 皆と一緒にドスにあいさつしに行ったときドスと補佐役のぱちゅりーは群れで生まれた赤ちゃんの中で一番気に入ってくれた。 この赤れいむが子れいむになるときにはとてもゆっくり出来る友達が出来た。 狩りが得意なまりさ、れいむもびっくりするほど綺麗で上品なありす、おとーさんおかーさんより物知りなぱちゅりー。 いっつも四匹で遊んでいた、時々群れの広場から離れて冒険したときは必ずあまあまさんを見つけた。 れいむに嫉妬しいじめるゆっくりは何故か次の日になると居なくなっていた。 れいむが成体近くになる頃、まりさとぱちゅは次のドスと補佐役と言われるほどになった。 友達がそれ程になるのはれいむにとっても嬉しかったし自慢になったけれど とっても綺麗で皆に優しいありすにけっこんしましょうと言われた事がれいむにとって一番だった。 おとーさんおかーさんが居なくなった時、群れの子供や赤ちゃんが突然消えたとき、ドスやぱちゅが引退すると言ったとき とても悲しかったけど、その都度ありすやドスとなったまりさ、たくさんの言葉で慰めてくれたぱちゅやありすと育てた子供達がいたおかげで立ち直れた。 それかられいむはとてもとてもゆっくりと過ごした・・・ そしてれいむにとって最後の日 その日は群れ総出でれいむの最後を見守った。 「ゆぅ…れいむはもうたくさんゆっくりできたよ…みんなのおかげだよ」 「でいぶうううう!ありずをおいてかないでええええ!!」 「おがーざあああんゆっぐりじでよおおおおお!!!」 「むきゅ…ありすにこどもたち、かなしんじゃだめ。れいむをみて、いまとってもゆっくりしているわ、これはゆー往生といってとくべつなものなのよ」 「ゆー往生?ぱちゅ!ドスにそれをおしえてね!」 「とてもゆっくりしたゆっくりだけがたどりつけるさいごのことよ、れいむもみんなもゆっくりできるの」 「でもれいむはゆっくりしてないよ!れいむ!ゆっくりして!」 「ゆ…こどもたち…ゆっくりしたおとなになってね。まりさにぱちゅ、これからも皆をゆっくりさせてね」 「ありす、れいむひとりになるのがこわいよ・・・さみしい・・・よ」 「「「「ゆううううう!!!れいむうううううう!!!!」」」 「ご、こどもだぢ!おがあざんにずーりずーりじまじょうね!!」 「おがあざん!ずーりずーり!だいずぎだよおおおお!!!」 ゆー往生って何だ、それより何も起きないのかとモニタ越しに見ていた職員が思ったその瞬間 「ありずはでいぶとずっといっいっいっんほおおおおおお!」 突然発情したかと思えばありすの目、口、あにゃるからカスタードがゆっくり目で見て致死量だと分かるほど漏れ出す。 「ゆ、ゆぎゃああああおどおざああああゆっぐ、ぐるじ・・・ゆっゆっあぶっゆ゙っ!」 ありすの異変に駆け寄ろうとした子供達はなんと爆裂してしまった 「ぱちゅ!こ、これはいったいどういうこと!?ありすとこどもたちががしんじゃったよ!」 「むきゅうううううん!わからないわ!なんでごっ!!ぶっ・・・ぶぎゅう!」 続いてぱちゅりーも、そしてまわりで見ていたゆっくりたちも 「ゆー!どうなっでぐっぐぅ・・・」 「おかーしゃんどうちたの?ゆっ!ゆううううう・・・」 「ゆうう・・・こわいのけどなんだかすっきっきっきゆ゙っゆ゙っ」 「ま、まりさはとにかくにげゆばっっ!!」 「ごんなのどがいばじゃなびっ!!」 「むきゅっきゅっゆっゆっゆっ」 「みっみんなゆっくりしてね!ぱちゅはおへんじしてね!ドスどうすればいいかわかんないよ!」 どういうことだ、ありすの死を皮切りにほとんどのゆっくりが死んでいく。 ゆー往生、今わの際にゆっくりが餡の底からゆっくり出来たと思って初めて起こる・・・だっけか。 うーん、恐らくそれを見てゆっくりしたら中身を漏らして昇天、ゆっくりできなかったら爆発。 多少取り乱したが常々冷静にと言われていたドスと無関心だったゆっくりだけ免れたのか こいつらはとことんゆっくりできない運命にあるんだな・・・ 地獄を見た後さっさと帰ってしまったゆっくり、オロオロしているドス、男の心配を他所に れいむはとてもとてもゆっくりしていた。
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「ふたば系ゆっくりいじめ 91 四つ目ゆっくり/コメントログ」 微妙である -- 2010-11-02 15 51 18 ぱちゅりーすごいw -- 2011-12-23 10 36 33
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プラネット・ゆース 11KB 観察 パロディ 捕食種 自然界 創作亜種 うーぱっく すぃー 愛で寄り 日頃の御愛顧、ありがとうございます。二行です。 この時間は、『YHKスペシャル プラネット・ゆース』をお送りします。 ゆっくりの知られざる生態を、独自の設定に基づき、ご紹介致します。 脳内デジタル放送による鮮明な映像を、どうぞお楽しみ下さい。 なお、当局は、虐待専門チャンネルではありません。 とにかく、ゆ虐を楽しみたい方は、ゆナッフTV等の専門チャンネルをご利用下さい。 『YHKスペシャル プラネット・ゆース ~うーぱっく&すぃー 誕生の瞬間をカメラがとらえた~』 ここはある森の中。 初めに登場するのは、れみりゃの親子です。 胴付きの成体がうつ伏せに横たわり、顔だけの子供達がそれに群がっています。 「うー、おがあざーん。しっかりするんだどー」 母親は、動きません。 既に顔が潰れ、絶命しているのです。 しかし、頭のお飾りと、胴体部分は無傷。 ここから、新たなる物語が始まります。 子供達が諦めて、どこかへ立ち去っていきます。 時間を、少し進めましょう。 変化が始まりました。 帽子のようなお飾りがひとりでに外れ、地面に転がります。 その姿はまるで、台所に置いてあるボウルのよう。 ゆらゆら揺れながら形を変え、やがて長方形の箱型になっていきます。 そして、片面に、れみりゃの顔のようなものが浮かんできます。 全体の色が、薄いピンクから、茶色に変わっていきます。 メラニン色素が生成され、表皮が丈夫なものに変化しているのです。 サイド部分から、耳のようなものが生えてきました 段々と伸びて、やがてパタパタと動くようになります。 これは、翼です。 ゆっくり、ゆっくりと、お飾りだったものが浮上します。 まるで蓋の開いた段ボールのような外観。 そして、生前を思わせる、ユーモラスな顔。 「うー☆!」 鳴きました。 うーぱっくの誕生です。 うーぱっく誕生のメカニズムは、どうなっているのでしょうか。 その前に、ゆっくりの生態について、興味深い新説をご紹介したいと思います。 ゆっくりのお飾りは、本体と成長を共にすることは、よく知られています。 これは、人間でいうところの神経が、本体からの成長信号を伝達しているためです。 この神経は、餡子を包む皮の中にも、不可視の状態で張り巡らされています。 お飾り部分は、この外皮と同じ構造を持つと考えられています。 違うのは、着脱が可能である、ということです。 取り外した状態の時は、一時的に信号伝達が閉ざされると考えられています。 ゆっくりが死滅する時、お飾りだけが残る場合と、そうでない場合があります。 たとえば、突然の豪雨に遭った時。 あるまりさは、お帽子ごと溶けてしまったのに、隣りにいた同種は、お飾りだけが残る。 この不可解な現象も、信号伝達の阻害、という言葉で説明が付きます。 前者は死滅信号がお飾りまで行き届き、生成組織が崩壊。 後者は、何らかの原因で信号が届かず、お飾り部の崩壊を免れているのです。 『ゆっくりは、思い込みの生物』といわれる所以です。 冒頭に出てきたれみりゃも、死滅信号が、正しく伝達されませんでした。 状況から考えて、死因は、高所からの落下。 恐らく、中枢部に強い衝撃を受け、即死だったのでしょう。 激突時の衝撃により、神経結合は容易に外れます。 だからこそ、お飾りと胴体部分は、崩壊を免れて得るのです。 それでは何故、れみりゃ種のお飾りが、うーぱっくになるのでしょうか。 ゆっくりには元々、『誰かをゆっくりさせたい』という本能があります。 それは、時代の経過と共に、大きな変化を見せていきました。 誰か、という不特定多数から、幼体や、自分自身へと対象が移り変わっていったのです。 この性質の変化が、いわゆるゲス行為などの原因ともなっています。 種の存続を無意識に求めた結果が、これだ、と言われています。 「ゆっくりしていってね!!!」 しかし、この鳴き声にも現れている通り、根底には他者への思いも残されています。 死の間際で、驚く程の改心を見せるゲスゆ。 一方で、簡単に増長する善良ゆ。 自己愛と奉仕の狭間で揺れ動きながら、短いゆん生は過ぎていくのです。 そしてうーぱっくは、基本的に、他者のためにだけ行動します。 脆弱かつ不自由なゆっくりのために、運搬に似た活動を行います。 代償はほとんど求めず、自らは僅かな餌で生命を繋ぎます。 あまりにも、他のゆっくりとはかけ離れた生態です。 ある研究者は、これは無意識の解放によるものだと、考えました。 生前、生き延びるために抑制されていた奉仕の本能。 それが、意識の消滅により解き放たれ、一人歩きしているのだ、と。 しかしそれだけでは、れみりゃ種だけ、という説明が付きません。 研究者は、こう説明しています。 うーぱっくに必要なのは、空を飛ぶ能力。 それを持っているのは、れみりゃやふらん、きめぇ丸等、限られた個体です。 飛行能力を持つゆっくりの中で、最も奉仕に似た感情を保つもの。 それが、れみりゃである、というのです。 確かにれみりゃ種は、他の飛行ゆっくりと比べて、子育てに熱心です。 加えて、さくや種などには、種を越えた愛着を示します。 ともあれ、まだうーぱっくの大部分は謎に包まれている、というのが現状です。 カメラを戻します。 高く飛び立つ、うーぱっく。 どこへ行くのというのでしょう。 その行方を追う前に、れみりゃの胴体部分を観察します。 ここからは、世界初の映像となります。 頭と首から下が、ぷちりと外れました。 映像の速度を速めると、頭部が激しく腐敗していく様子が、見て取れます。 しかし、胴体部は、全く違った変化を見せます。 まず手足がピーンと張り、「土」の字を書くように平行に広がります。 死後硬直のようですが、それだけではありません。 40時間が経過しました。 伸びた四肢が、今度は徐々に根元へとめり込んでいきます。 圧縮された四肢は、密度の高まりと共に、黒く変色していきます。 それと対照的に、胴体部は鮮やかなピンク色へと姿を変えます。 これは、表皮の融解と再構築による変化だとされています。 色だけではなく、造形も、完成に近付いてきました。 縮んだ四肢は円形に収まり、胴体部は、ゆっくりと平べったくなっていきます。 それはまるで、ハンドルの付いてない台車のようです。 れみりゃの死から、3日が経過しました。 頭部はくすんだ土塊と化し、代わりに、色鮮やかなものが生まれました。 ゆっくりの乗り物、すぃーです。 しかしこのままでは、すぃーは一歩も動くこともできません。 乗り物である以上、運転手が必要なのです。 「ゆ? あれは、すぃーなんだぜ?」 早速、野生のまりさが見つけたようです。 「まりさがみつけたのぜ! ゆっくりしないで、いただくのぜ!」 ピョンと、まりさが乗ります。 途端に、すぃーは動き出します。 「すごいのぜ! すぃーは、ゆっくりできるのぜ!」 ゆっくりにあるまじき速度で、森を駆け抜けるまりさ。 まさかあの乗り物が、れみりゃだったなんて、知る由もありません。 すぃーに関して、私たちが最も抱く疑問。 それは、すぃーはどうやって動いているのか、ということです。 すぃーは、れみりゃの胴体から生まれました。 いわゆる胴付きゆっくりの胴体部は、表皮と全く同じ構造になっています。 いわば、胴体とは、ゆっくりにとってたんこぶのようなものです。 こぶとはいえ、神経が通っている以上、自在に動かすことができます。 実は、胴付きゆっくりのの手足とは、手足のように使えるこぶに他ならないのです。 その手足的なものを動かそうとするのは、本体の働きであり、意識です。 ここで思い出して頂きたいのは、先ほどのうーぱっくに関する研究。 中でも、『無意識の解放』についてです。 うーぱっくは、抑制された奉仕の本能が解き放たれた姿です。 そして胴付きの胴体とは、ある意味では頭部に仕える奴隷、奉仕そのものです。 自我を本体に依存し、命じられるままに、運動を行います。 元々の主人から解放された胴体。 しかしその後も、新たなる主・意識を求め、変態を行うものがいます。 それが、すぃーです。 すぃーの上にゆっくりが乗ると、神経がリンクされるといわれています。 あたかも、その時だけ、胴付きゆっくりになるように。 だからこそ、発進、加速、減速、停止などが思いのままになるのです。 ここで再び沸き上がる疑問。 何故、れみりゃ種なのか。 現在確認されているすぃーは、全てれみりゃ種から生まれたものです。 研究者の中では、様々な憶測が飛び交っています。 巨大種であるティガれみりゃからは、ドス種が乗る、どすぃーが発生する。 他の胴付きからも、すぃーは生まれるはずだ、等々。 ある人は、胴付きまりさの胴体から、箒型のすぃーが生まれたと主張します。 しかも別のまりさが、その箒すぃーに乗って、はしゃいでいたと。 「びゅーん、びゅびゅーん」(CGによる想像図で喜ぶまりさ) うーぱっく同様、すぃーの解明も、まだ端緒に着いたばかり。 そもそも何故、車のような形になるのか。 説明できる者は、まだ、いません。 ここからは、追跡型カメラに切り替えます。 うーぱっく・すぃーと共に生きるゆっくり達を、躍動感溢れる映像と共にご覧下さい。 「れ、れみりゃだぁぁぁ!」 先程、すぃーを手に入れたまりさです。 どうやら、捕食種に襲われてるようです。 「うー☆」 「あまあま、まつんだどー」 こちらも、冒頭に登場した子れみりゃのようです。 この付近では、木々が鬱蒼と生い茂っていて、日光が遮られています。 夜行性であるれみりゃも、存分に活動できる空間なのです。 「は、は、はしるのぜ! ゆっくりしたら、えいえんにゆっくりしちゃうのぜ!」 「れみりゃさまからは、にげられないんだどー」 「ばん、ごはん、うー☆」 軽快にすぃーが走り、まりさの逃走を助けます。 もし乗り物がなければ、あっというまに捕食されていたでしょう。 草むらを抜け、石ころを避け、土肌を車輪が切り裂きます。 れみりゃも負けじと、高度を上げ下げし、追いすがります。 迫力のチェイス。 勝つのは、どちらでしょうか。 「うー。つばさが、いたいんだどー」 「しっかりするんだど! あまあま、たべそこなうんだどー!」 「にげるのぜ! まりさは、いきのびるんだぜ!」 距離が、離れていきます。 すぃーには、意識はありません。 つまり、疲労という概念そのものが、存在しないのです。 れみりゃは生き物です。しかも、まだ幼体に近い。 当然、息切れを起こします。 「もう、だめなんだどー・・・」 「うー★・・・」 落葉のように、れみりゃがヒラヒラと落下します。 「ややや、やったのぜー! まりさは、ゆっくりするのぜぇぇぇぇ」 遠ざかるまりさと、すぃー。 2匹のれみりゃは、歯を食いしばって悔しそうです。 「うんんんぎいいい、だどー」 「とびすぎて、おなかぺこぺこだどー」 「このままだど、えいえんに、ゆっくりするんだどぉ」 「ざくやぁ・・・」 遠くから、激しい羽音が聞こえます。 別のれみりゃ。 または、ふらんでしょうか。 だとすれば、子れみりゃの生命はありません。 「うっうー☆」 うーぱっくです。 上空より、舞い降りてきました。 体が少し膨れ上がっています。 何かを、中に詰め込んでいるようです。 「なんなんだど?」 「もしかして、うーぱっく、なんだど?」 「うー☆」 うーぱっくが、地面スレスレにまで高度を下げます。 そして、底を、パカッと開きます。 ドサドサッと、中身が落ちます。 「のいちご、なんだどー!」 「まっかな、あまあまだどー!」 「うっうう、うー☆」 「たべて、いいんだど?」 「うーうー☆」 「あ、あ、ありがとだどー!」 「うーぱっくは、さくやなんだど!」 「うー☆」 2匹のれみりゃは、木の実に貪り付きます。 口の周りを真赤にして、まるで、吸血鬼のようです。 それを見て、満足そうに、うーぱっくは飛び立っていきます。 餌を取り逃がす原因となった、すぃー。 餌を与えてくれた心優しき、うーぱっく。 そのどちらも、子れみりゃの母の、成れの果てなのです。 なんという、皮肉なことなのでしょうか。 そういえば、あのすぃーに乗ったまりさは、どうなったのでしょうか。 別のカメラが、追いかけていました。 大きな木の根元。 そこに、顔面をめり込ませて沈黙しているゆっくりがいます。 あの、まりさです。 傍らには、惰性で動く、すぃー。 どうやらまりさは、暴走した挙句、木に激突してゆん生を終えてしまったようです。 緩やかな傾斜で、すぃーが動きます。 そこに通りかかったのは、これまた、まりさ。 「ゆっ! これはゆっくりした、すぃーなのぜ!」 そういって飛び乗ると、そのまま森の奥へと消えていきました。 同種の死骸には、気付くこともなく。 うーぱっくと、すぃー。 れみりゃから生まれたそれは、ゆっくりとはかけ離れた姿になってしまいました。 それでも2匹は、誰かをゆっくりさせるために、日夜、生きています。 或いは彼らこそ、最もゆっくりの名に相応しい生き物なのかもしれません。 『YHKスペシャル プラネット・ゆース ~うーぱっく&すぃー 誕生の瞬間をカメラがとらえた~』 製作: YHK(ゆっくり放送協会) カメラ: 脳内 音楽: 脳内 脚本・語り: 二行 収録: 餡小話 Wiki 今回の『プラネット・ゆース 第一夜』、いかがでしたでしょうか。 次回は、『ヒマラヤを飛び越える、きめぇ丸の群れ』をお送りします。 お楽しみに。 (終) 【過去作】 ふたば系ゆっくりいじめ 379 れいむ・マスト・ダイ(前編) ふたば系ゆっくりいじめ 402 れいむ・マスト・ダイ(後編) ふたば系ゆっくりいじめ 428 はげの行進 ふたば系ゆっくりいじめ 453 空から降る100万のぷくー ふたば系ゆっくりいじめ 497 DYC ふたば系ゆっくりいじめ 560 なずーりんに祝福を nue009 「ブラックペーパー・チャイルド」 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る これまでほとんど考察されることがなかったすぃーとうーぱっく、そしてゆっくりが溶けても飾りだけが残ることの理由。 これらについての独自の設定を見事なまでに完成させている。 極めて意欲的で、発展的だ。素晴らしい作品だ。 -- 2012-08-04 15 30 14 すぃまりさは食物連鎖の理に逆らったのが原因だと言う仮説を立てるww -- 2012-01-11 18 15 29 Ω ΩΩ<な、なんだってー!? -- 2011-09-18 11 01 02 な、なんだってー!? 確かにうーぱっくのみょんな形状は不思議だったしな。面白いアイディアだww -- 2010-10-17 22 50 47 面白いwww -- 2010-06-22 13 00 27 すぃーまりさザマァwww -- 2010-06-17 17 03 03 な、なんだってー! -- 2010-06-17 06 36 04
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天井に近い所 8KB 小ネタ 現代 独自設定 虐待成分皆無、お気をつけ下さい。気分転換にちょっと小ネタ。 男は少し前に飼いゆっくりを亡くした。 今回死んだのは、やんちゃなれいむだった。とても良い子だった。 久しぶりに家にゆっくりがいない状態になったが、しばらく休日に予定が入り忙しくなった。 しかし、久しぶりに予定の無い休日。 男はそこでれいむの事を思い出したのだ。 特に趣味のない男はゆっくりにつきっきりで休日を終えることが多かった。 襲いかかる虚無感。 男は溜息をついて、ゆっくりの相手をするのが趣味なのだなと、あらためて納得した。 一人暮らしのアパートの部屋をあらためて見る。 れいむの使っていた道具がいくつも転がっている。 男の物は、ほとんど無い。 がらんどうだ。物が多くても使っていたゆっくりはもういない。 空虚な空気に男は悲しくなった。 この間までここで遊んでいたれいむは本当に良い子だった。 「ゆっくりショップに、いってみるか」 自分に言い聞かせるように言って、男は部屋を出る。 - 男は駅前の馴染みのショップに入り、ケージのあるエリアへ行く。 ゆっくり自体がいるケージのエリアには、男は行った事がなかった。 男の飼っていたゆっくりは、ほとんどが家に迷い込んできたものや外で拾ったものだ。 ショップには飼い始めてから、ゆっくりの為の物を買いに来るだけだった。 「ずいぶんいるな。想像以上だ」 言葉通りその数に圧倒されてつい独り言をもらす。 値段はそれこそ幅広い様だが今いるところは高額なエリアのようだ。 一番上の空のケージに貼ってある「売り切れました」の貼り紙の下の値段を見て驚愕する。 れいむ種、躾済。 よほどの個体だったのか強気にも程がある値段が書いてあった。しかし売れている。 男はあんな物を買うのはどんな金持ちかと唸る。どこぞのお嬢様のおねだりだろうか。 流行っている内はステータスで買う人もいるものだ。 自分の月給と書いてある値段を比べて溜息をついた。 少し疲れた男は真逆の一番安いエリアへ移動する。 まとめて大きいケージに放り込まれて投げ売りされている奴らは論外なので、個別ケージの一番安い所へ。 男はしばらく眺める。 値段は問題ないが、やはりあのれいむの事が忘れられない。 やはり買うのはやめようかと男が踵を返そうとした時、目についた値札があった。 何度も上書きされた値札。 中を見ると静かに眠るちぇん種がいた。 周りにいる元気そうに跳ねているちぇん種に比べるとずいぶん安い。 札を見てみると、あまり賢くない個体の様だ。 素直で元気だが知能の発達が宜しくなく、語彙に乏しくて会話は余り楽しめない、との事。 やはり話せる事が一番の売りなのだろう。それだけでずいぶんな値下げだ。 男はちぇんは飼ったことが無いなと、店員に幾つかこのちぇんの事を質問する。 回答は得られ、問題ないと判断した男は早速購入した。 新しい生活が始まった。 - まずは家に馴染ませて信頼を得る事から始める。 れいむが使っていた道具を全て片付けて、掃除をして場所を空けた。 しばらく一緒に過ごしたが、猫っぽい外見に違わず端々で実家で飼っていた猫を思い出す行動をしていた。 だが素直で行動に気紛れさが少なく、 基本的に猫ではなく、ゆっくりはゆっくりなのだな、と、当たり前のことに男は納得した。 何故かどんくさくて、よく物にぶつかるちぇん。 その辺は猫には程遠い。ちぇん種は敏捷いと言うイメージがあったが、このちぇんが特殊だからだろうか。 「わかるよー」 口癖にも慣れた。しかし大体わかってないことが多い。 このちぇんに関しては特に、相槌程度に思っておいた方が良さそうだ。 後は会話の前後で理解度を確かめるしか無い。 - 次の休日。 未だ悠々と過ごすちぇん。男は椅子に座って部屋をうろうろするちぇんを眺めている。 猫っぽい行動。 男は時々ちぇんが、天井の方や壁をじっと見ていることに気づいた。 再び実家にいた猫を思い出す。 よく見えないものがいて猫はそれを見ている、なんて話がある。 ふと、男はちぇんなら聞けばわかるのではと思いつき、訊ねる。 「ちぇん、何を見てるんだ?」 ちぇんは上を見たまま答えた。 「なにかいるよー」 寒気がした。 思いつきでした事に軽く後悔する。 まさかとは思うが古い噂の様に、霊的な何かがいるのだろうか。 壁には何も、と、思ったがちぇんが見ている所にはヒロインが大写しになった映画のポスターが貼ってある。 視線が定かではないがポスターを見ているとも思える。 「ちぇん、ポスターのおねえさんか?」 まさかの下らないオチかと男が訊ねる。 「わかるよー。おねえさんがいるよー」 男はふっと力を抜く。 下らない、と男は息をはいた。 「ちぇん、おいで。おやつをあげるよ」 言って男は冷蔵庫へ向かう。 ちぇんは嬉しそうについていった。 - 数日後、そんな出来事を忘れかけた日。 男が帰宅して玄関を開けた時に、真っ暗な部屋の中でちぇんが言う。 「わからないよー」 暗いままだと大抵眠っているちぇんが一人で何かを言っている。 電気をつけて挨拶をする。 「ただいまちぇん。何がわからないって?」 他愛の無い独り言にも近い言葉をちぇんに投げる。 冷蔵庫の中に食材をしまっているとちぇんが答えた。 「うえにいるれいむたちがへんじしないんだよー」 男は理解しかねた。 ここはアパートの二階だ。三階はない。 隣の部屋はずいぶん前に越して行ってからはもうしばらくの間、無人のままだ。 「上ってどこだ?どこかで友達でもできたのか」 部屋飼いの上に二階なのでありえないはずだが。 ちぇんは相変わらずのぼんやりした眼差しでいう。 「おねえさんのうえだよー」 男は硬直した。 瞬時に数日前の事を思い出す。 「おねえさんってこれのことか」 恐る恐るポスターを指す。 「そうだよー」 男は背中に嫌な汗をかいた。 ポスターと天井の間には何も無い。 部屋の上にゆっくりの霊でもうろついているというのか。 男には心当たりが、有り過ぎる程に有る。 「なあちぇん、何かの間違いじゃないか。前にはお姉さんがいるとしか言ってなかったじゃないか」 ちぇんは引かない。 「いまはわかるよー。いるよー」 男は震えが止まらない。 いるのか、と考える。 その思考に返答するようにちぇんが言う。 「たくさんいるよー」 ちぇんのその言葉で男は飛び上がりそうになる。 どうしてこんなのんびりした言葉に恐怖しているのか。 「や、やめてくれちぇん、いないんだよ。なにもいないって」 ちぇんは少し強い語気に押されて黙る。 男は少し狼狽えてちぇんに言う。 「もうそんなこというなよ。いい加減にしてくれ」 ちぇんは寂しそうに言う。 「わかったよー」 - ちぇんが来てから二週間は過ぎたが男はちぇんに行動を起こすことはなかった。 いるわけがないと思ってもやはり気になる。 あの出来事以来、男の趣味は鳴りを潜めたままだ。 今日も結局部屋でうろうろするちぇんを眺めている。 ふと、また、天井に近い所をちぇんが凝視する。 男の心拍数が跳ねあがる。 訊いてはいけないと、自制する。 あの時は狼狽えたが今は幾分落ち着いているつもりの男。 耐えられない。 「ちぇん、なにかいるのか」 ちぇんは困ったようにこっちを見た。 「わからないよー」 いない、と言う意味だろうか。 以前した注意を憶えているほど賢くないと思っていた。 だがこういう時は普通に会話出来る程度の知能があることを、男はもう理解していた。 「いないよー、だろ」 男は止まらない。 「わからないよー」 ちぇんはやはり困った顔だ。それを見て、あの注意を憶えているのだと解釈した。 「ちぇん、こないだの事なら忘れて良い。正直に言ってくれ」 男は一旦切って息を飲んで続ける。 「そこに、なにかいるのか」 天井に近い所を指さして男は問う。 ちぇんは答えた。 「いるよー」 - 数日後、事の真相は解明された。 男は躍起になって解明に勤しんだ。 ヒステリックに暴れた後、どんな結末でも良いからと真相を調べた。 ショップに行って躾を担当した店員などに話を聞いたりして調べる内に、からくりが解けた。 このちぇんは、知能と共に目にも障害があり、ほとんど見えてなかったと言うことがわかったのだ。 担当者は気づいていたが黙っていた。下手をすると廃棄処分になってしまうからだ。 しかし情が移っただけではなく、 このちぇんは匂いで物事を判断する能力が優れている事に気づいたから、と言う理由もあった。 れいむ種やまりさ種の違い、更には親しくなった個体の識別。 匂いだけで群れでのコミュニケーションに問題ないほどの識別能力を持っていた。 ちぇんがいる、と感じたのは匂い。 男が過去殺してきた数多のゆっくり達の匂いだった。 気分が高まると隣人が越してしまう程に、激しく壁にぶつけ、床に叩きつけ、潰した。 ゆっくりは同族の死臭を嫌うため、男は部屋の掃除は怠らなかった。 しかし天井近い壁はほとんど拭くこともなく目立った汚れも付かなかったので放置された。 せいぜい埃をはたく程度。 かくして、ちぇんは運良く、殺されることなく生き延びた。 - 優しく接して信頼を得てから虐待という、スタンダードな虐待を好む男は毒気を抜かれていた。 いつも通り椅子に座って、部屋をうろうろするちぇんを見ている。 男は匂いなんてそんなに残るものだろうか、とも考えた。 しかし実際に丁寧に拭き掃除をした後は、ちぇんも存在を感じなくなったようだ。 そういう事にしておこうと男は折り合いをつける。 これで終わりなんだと納得する。 あの時のちぇんとの出来事を考えると、虐待をする気が失せる。 ちぇんを見る。 動きまわるだけで楽しいのか笑顔でうろうろする。 余計な事はしない。 このちぇんに加虐心を煽られる事は、到底なさそうだ。 男はとりあえず、このちぇんが天寿を全うするまで飼ってみようと思った。 「ちぇん、ゆっくりしていってね」 過去作 ふたば系ゆっくりいじめ 1119 本当ですよ ふたば系ゆっくりいじめ 1102 ゆっくりサスペンス劇場 ふたば系ゆっくりいじめ 1008 つまらない ふたば系ゆっくりいじめ 988 不愉快 挿絵 by儚いあき トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ゆっくりにしか分からない死臭、遠くのあまあまの匂い、嗅覚は何か特殊なんだろうな~ ただ、お飾り(の匂い?)で個体識別してるから、視力は悪く顔での識別は出来ないのだな。 -- 2018-01-06 13 28 44 ちぇんかわゆい。 -- 2017-06-23 23 14 57 少年失神中 -- 2015-12-30 02 30 34 死んだゆっくりが見えただと…? -- 2012-08-16 20 21 56 ・・・こえええ・・・ 匂いで良かった・・ -- 2012-08-03 22 15 48 おそろしーしー漏らした 最後のオチは好き -- 2012-07-23 22 21 50 こんな時間にちょっと怖い思いしたじゃねーかwwwというか虐待さんだったんだなww虐待していなと思ってたが怖くなったよ(−_−;)まぁ虐待するとしてもゲスだけだけどなそれに怨まれる理由ないしな -- 2012-07-03 03 26 58 正直ビビった、冷や汗出ちゃったよ。 -- 2011-12-03 01 20 58 「男は少し前に飼いゆっくりを亡くした。」 「久しぶりに家にゆっくりが い な い 状態になったが」 行方不明?「やんちゃなれいむ」好奇心旺盛で天井裏へ。ってことか? -- 2011-11-15 23 56 51 ↓誰か立ってるか浮いてるかしてるからじゃね? -- 2011-10-25 21 23 39 ↓じゃあ、ウチの猫三匹が口を開けずにそろって部屋のすみを見つめるはなんなんだ -- 2011-10-02 07 42 14 ↓宙を見ている時にアホみたいに口半開きにしていたら、それはたぶん匂いを嗅いでいる。猫は口の中にも匂いを感じ取る器官があるから それはともかく、おねえさんのことはよく覚えていたなこのちぇん -- 2011-01-24 23 06 34 ゾクリ、としたな。 うちの猫も宙を見てるときは吃驚する。 ホラーっぽくてゆっくりできたよー -- 2010-12-20 20 29 29 ↓↓↓ ぼんやりと人影のようなものが見える、という感じなんだろう -- 2010-12-12 15 59 19 近所迷惑なお兄さんはゆっくりできないよ -- 2010-11-01 16 03 54 そうか。ホラーにするには語彙の少ないちぇんが適任だったんだな わかるよー -- 2010-10-13 01 06 02 でもこれ、お姉さんのポスターも見えてないんじゃない? だとすると女性の霊がいるのかもね。 -- 2010-10-04 02 14 03 最初れいむの死因が書かれてなかったからたぶん飼って虐待なんだろうなーと思ったら少しホラーになっていた -- 2010-09-19 17 25 01 こういうサスペンスみたいなのも面白いね。虐待お兄さんもピンキリなんだね。自分が虐待死させたゆっくりが亡霊になって、自分の周囲にいる可能性が出たとたんに、あんなに怯えたり取り乱したり。「ヒャッハーゆっくりは幽霊でも虐待だー!」って塩撒いたりお経を唱えたりしそうな筋金入りから、ただの弱い者イジメの延長みたいな腰抜けまで色々だね。 -- 2010-07-18 02 32 40 猫って不思議だよね。飼いたいなぁ -- 2010-07-09 22 30 44
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「ふたば系ゆっくりいじめ 969 純情な感情/コメントログ」 はいすぺっくれいぱーありすwww -- 2010-06-08 13 09 56 なんだこりゃあ -- 2010-07-12 08 47 07 つまんね。 -- 2010-07-26 03 54 58 町でおうた歌えば金貰えそうだな -- 2010-08-09 11 50 15 確かにwww -- 2010-08-21 17 46 46 歌うめぇwww -- 2011-10-12 11 28 33 唐突すぎて正直訳が分からんかった。 -- 2012-01-29 03 41 56 途中で飽きた -- 2012-08-25 02 59 35
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「ふたば系ゆっくりいじめ 754 みょんの間/コメントログ」 胴付きみょん、欲しい。 -- 2010-06-27 23 12 53 めーりんを下さい -- 2010-10-04 00 04 57 非合法とはいえゆっくりに職を追われるのも可哀想な話だ -- 2010-11-21 04 19 37 フランは俺がもらった -- 2011-02-14 05 14 45 黙認されているということは、ゲスや野良が中心なんだろうな 誘拐(窃盗?)の被害にあった善良でないならどうでもいい -- 2018-01-09 23 07 57