約 593,080 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/330.html
ご注意 ※一部独自解釈を含みます。 ※今回はあまりゆっくりを虐待していません。 それでも宜しければ、お楽しみ頂ければ幸いです。 魔法の森からそう遠くないとある丘の一角に、人間の里を見下ろすように立つ屋敷 そこにはちょっと変った男と、ちょっと変ったゆっくり達が住んでいました。 そしてその屋敷の扉には、こう書かれた看板が下がっていました。 「ゆっくり改造工房 ここだけでしか手に入らないゆっくり、お作りいたします 品種改良から整形、改造、インテリア、能力強化まで」 マイスタ ゆっくり改造職人のお話 「ちんちーん」 一番鳥が鳴く声で男は目を覚ました。ゆっくり職人の朝は早い。 しかし何時聞いても酷い鳴き声だな……声の質自体は良いんだけれど。 ブツブツ呟きながら洗顔と支度を済ませて居間に下りると、既に彼の助手が食事の支度を終えた所だった。特徴的な耳がゆらゆら揺れている。 「あ、師匠、おはようございます」 「おはよう。あのゆっくり目覚ましの声、なんとかならないの?朝っぱらから卑猥なんですが」 「改造したの貴方でしょうに……ゆっくりみすちーなんか素材に使うからですよ」 「アイディアは良かったと思うんだけどなぁ」 苦笑する助手と漫才しつつ食事を取る。 「そういえば、この前作った試作型四足歩行まりさですが」 「おお、アレは跳躍行動を止めさせるのにえらく苦労したっけなぁ。行動半径が広がったから野外牧場に移してたが、どうだ調子は?」 「全員死んでました。機動力を生かして夜のうちに柵を飛び越えて逃げようとしてたはいいものの、着地を考えておらず 地面に激突して骨折した所をそのまま野生動物の餌になったようです」 「Oh…………」 食事が終わると、助手とともに多目的ゆっくり飼育場の様子を見に行く。 「むっきゅ~~!親方、おはようございますなの!」 「むっきゅ~~!今日もお仕事がんばりますなの!!」 「おはよう、もう他のゆっくり共の朝の餌やりは済んでいるな?じゃミーティング始めるぞ」 出迎えたのは10匹のゆっくりパチュリーだった。一般的にゆっくりパチュリーは体が弱い脆弱種となっているはずだが ここにいるパチュリーは全員が野生種の数倍体が大きく、血行の良いなんとも精悍な体つきをしている。 話す言葉も聡明であり、腰?には反抗的なゆっくりを制裁する為の警棒、帽子には彼女等の地位と権力を示すバッジがつけてあった。 彼女たちは男が、飼育所管理用に特別調教したエリート達である。 ゆっくり改造には、生きた状態の大量多種類のゆっくりが必要となる。 改造のメインボディーとなるゆっくりだけではなく、パーツ移植用、練習用、研究用に体質変化の為の飼料用など、膨大な数のゆっくりが使われるからだ。 それら全ての世話を、彼と助手だけで行うのは時間的に厳しく、かといって沢山人を雇う余裕も無い。 そこで考えたのが、ゆっくり種の中でも体は弱いが比較的頭がよく、雑務を命令するのに適したゆっくりぱちゅりーの教育であった。 まずは薬物と手術で強制的に巨大化、長命化させたゆっくりぱちゅりーを使い子供を大量に養殖、 そして生まれた数多の子供の中でも特に知性が高く従順なものを選び抜き、特別訓練を施す。 特別な栄養を与え、筋トレをさせ、ゆっくり飼育場に必要な多種多様の知識、特に他のゆっくり命令を出す為の帝王学を学習させる。 その中でノルマを達成すればよい食事を与え可愛がり、成績が悪ければ拷問を、命令に従わないものには死を与えることで、主人への一層の依存と忠誠心を植えつけた。 それが終わるといよいよ最終試験として、訓練済みぱちゅりー達を当時の収容所……もといゆっくり飼育場に放り込み、彼女等以外の全ゆっくりを完全に命令に従う状態にするよう命じた。 当然ゆっくりたちは猛然な反発をし、ぱちゅりー側にも相当な犠牲が出たが 訓練済みパチュリーたちは強い団結とナチス顔負けの恐怖政治で反対勢力を無力化し、とうとう飼育場を完全にその支配下に置くことに成功した。 こうして飼育場は修羅場を潜り抜けた歴戦のパチュリーたちによって管理され、労働力の問題はようやく解決されたのである。 「じゃぁ今日の仕事を伝えます。パチュリーA、B、Cは通常通り、部下と一緒に飼育場の清掃と給仕をお願い。 D、Eは農園の管理。最近野菜の数が合わないわよ、犯人を捕まえて見せしめで殺しなさい。適当に下手人を立ててもいいわよ。 F、Gは野外農場と家の周りの清掃。使う労働力は適当に見繕って。 Hは人体実験済みゆっくりの経過記録、Iはロボトミーれみりゃ軍団をつれて森の罠の回収に向かって頂戴 J、貴方は私と一緒に家内の清掃よ。 以上、解散!」 助手の掛け声とともに、パチュリーたちは一斉に持ち場に散っていった。 一通り飼育場を見て周ってから母屋に戻ると、助手が本日最初の依頼者を案内してきた。 見た目は40を過ぎた位の裕福そうな男。話を聞くと町の実業家だそうだ。 「それにしても珍しいですね。ゆっくり加工場にも永遠亭にも属さずに、個人でゆっくりの改造を行っているとは。」 「私は商売人でも研究者でも無く職人ですからね……まぁ半分は自己満足みたいなものです。 予算と時間さえ頂ければ、大抵のゆっくりは作って差し上げますよ。一体どのような改造をお望みですか?」 「それは……」 実業家氏は暫く口篭っていたが、やがて意を決したように言った。 「実は私の愛するゆっくりれみりゃの肉体を、できるだけ人間に近く改造したものが欲しいのです」 「HENTAI目的ですね。わかります。」 慎重に言葉を選んだ実業家の努力を、男は爽やかにブチ壊してくれた。 「い、いやわわたしは何も……」 「そう恥ずかしがることでもありません。実際人間タイプのゆっくりの改造を希望される方は、9割方性行為も視野に入れた愛玩が目的ですからね。 人として自然な欲求ですよ。比較的プラトニックなものから非常にサディスティックなものまで、その程度は様々ですが」 淡々と男は説明する。もっとも彼自身にはそういう趣味は無い。 だが彼のその言葉で、男性の心の殻は必要以上に破れてしまったようだ。 「そ、そうですよね!私は決してアブノーマルなんかじゃ無いですよね!それなのに世間一般の奴等はこぞってそういった趣味の人間を危険人物のように…… 大体少女愛や獣姦は太古から行われてきたことで、そのオルガズムは……」 「(うわ……地雷踏んじまったよ……)」 男の後悔をよそに実業家の熱弁は止まらない。そのまま10分近く演説を聴かされた所で、助手が盆を手に部屋に入ってきた。 「お茶をお持ちしました…………ごゆっくり」 「あ、こりゃどうも……」 罰の悪そうな表情で湯飲みを受け取る実業家。助手は笑顔で二人に一礼すると静かに部屋を出て行った。 「あはは、可愛い方ですな……ひょっとして奥さんですか?」 「ご冗談を、ただの助手ですよ。」 「……私達の会話、聞かれてましたかね?」 「多分」 気まずい空気を振り払うように、二人は改造仕様の具体的な協議に入った。 身長は原型のままでよいか? Aよい。ロリコンこそ正義 体型は? A歳相応に健康的に、だが胸は膨らみかけで 爪の移植は? A無くてよい。爪きりめどいし 髪の色は?顔の輪郭は?足の長さは?etc etc etc…… 大まかな注文が纏まると、男はそれを元に必要予算の見積りを出す。 提示された金額は、依頼者には払えぬほどでは無かったが、幻想郷の物価からすれば相当な高額であった。 「むぅ……少しお高いですな。」 苦言を呈す実業家に、男は反論する。 「お言葉ですが、ゆっくりというのは生物学的に見て、普段我々が思う以上にデリケートで予測困難な存在なのです。その施術の難しさは計り知れません。 単にゆっくりを切り刻み、肉体をくっつけるだけなら子供にでも出来ます。 しかし技術と欠いた手術は術後も傷跡が残ったり、施術した部分が歪んで再生したり、壊死したりと時間の経過につれて問題が噴出します。 そして何より、ゆっくりの潜在的な寿命を大きく縮めてしまうのです。 私が高額の料金を取るのも、そのような悲劇を防ぐ為に入念な下準備をおこない、最高の素材を用いた上で施術を行うからです」 「しかし、実際どの程度劇的な差ができるものかは……」 未だ渋い顔をしている実業家に、男は頷いて言った。 「まぁ言葉だけでは実感が沸かないとは思います……。では、サンプルをお見せしましょう おーい、キモ子!」 手を叩いて助手を呼ぶ。程なくして先程お茶を運んできた少女が、耳をピョコピョコ揺らしながらやってきた。 「お呼びですか師匠?あと次にその名前で呼んだらブン殴ります。Please call me レイセン, OK?」 「いや、かといってその名前は色んな意味で不味い気がするんだが……特に永夜ファン的に…… それはそうと、お客さんがお呼びだぞ」 「いや、私は人間型ゆっくりの改造サンプルを見せていただけると聞いただけで……」 困惑する実業家を前に、レイセンと名乗った少女は自分を指差すとニコニコ笑いながら言った 「でしたら、ここに。お疑いでしたら試しに触ってみてくださいな」 「いやいやいや(サワサワ)……ん(サワサワ)……え………うそぉん!!」 差し出された手を握ったまま、思わずのけぞった実業家を素早く支えつつ、男が話しかけた。 「はい、素晴らしいリアクションをありがとうございます!ええ、間違いなくゆっくりですよ。私の最高傑作です。 元々彼女は超特別製でしてね……迷いの竹林の奥深くにあるとされる永遠亭 そこでしか確認できない希少種『ゆっくりうどんげ』の中の、更なる突然変異『きもんげ』なのです。」 まだ口をパクパクさせている依頼者を横目に、男は説明を続ける。 「突然変異故、生まれつきゆっくりらしからぬ非常に高い知能を持っていたものの その顔面があまりにも、殺人的に、ウザくて不細工だった為に、仲間のゆっくりからも屋敷の住人からもひたすら嫌われ、いぢめられていました。 とうとう拷問の末処分されるというその一歩手前の所を、私が頼み込んで譲って貰ったのですよ。 それから半年程かけて、私の持っていた全ての知識と技術を投入し、整形手術を行い 見事『全米ブサイクな兎コンテスト』優勝候補だった彼女を、美少女として蘇らせることに成功したのです!」 苦笑いしている助手の肩に手をおいて、男は胸を張る。それは手塩にかけた自慢の娘を紹介する父親のようだった。 「しかし信じられない、どう見ても人間そのものだ……」 実業家の言うとおり、少女はどう見てもゆっくりには見えなかった。 身長も体型もゆっくりの胴長短足とは程遠いスレンダーなもの、そのくせ出ている所はしっかり出ている。 顔は睫毛から耳の形まで完全にモデルとなったであろう月兎の美少女を再現しており、実際に肌に触れてみない限り誰もゆっくりとは気付かなかったであろう。 「まぁ家一軒は余裕で建てられるほどの金を費やしましたので……素材も墓からにんg……ゲフンゲフン ともあれ、ダッチワイフもどきに金を捨てたと親族には罵られ、婚約者には逃げられましたが、結果には満足しています。」 苦笑する男、しかしその話を聞いた依頼者の態度は明らかに変わっていた。 「感動しました、貴方は男の夢の体現者だ!是非とも私にもその力をお貸し下さい、お願いします!!」 「解って頂けましたか。」 二人の男は堅い握手を交わし、その後つつがなく商談は成立した。 「……なお、体型等はなるべく其方の要望通りに作らせて頂きますが、顔についてはオリジナルに若干のアレンジを加えさせていただきます あまりに紅魔館の主そっくりに作ってしまいますと、万が一本人の目に留まった場合ほぼ確実に殺されますからね」 「なるほど……承知しました。」 実業家が帰ってしばらくしてやって来たのは、男が暮らす家の一つ隣にある村の村長だった。 「これは村長、いつもお世話になっております。今日はどういったご用件で?」 「いやー、実は……」 村長の話は次のようなものだった。 最近、村の畑をゆっくりの群れが徒党を組んで荒らすようになった。 これまでゆっくりの被害にあったことの無かったその村では、慌てて柵を作ったり罠を張ったりして対策を練ったが そのゆっくり達は長く生きて悪知恵に長けているのか、罠は看破するわ柵は地面を掘って進入するわでまるで効果が無いのだという。 しかも夜更けなど人が畑にいない時間を見計らって襲撃してくる。毎日畑に見張りを出すわけにもいかず、村人全員弱りきっているのだか。 「と、いうわけです。何か良いお知恵はありませんか」 「なるほど。それなら丁度良いモノを作っていた所です」 そう言って、男は村長を飼育場の方に案内した。 「あーー、にんげんだー、こんにちはーー」 「あそんでくれるんだねー、わかるよーー!」 「ゆっくりしていってねー」 村長が案内された飼育場の一角では、数匹のゆっくりちぇんが遊んでいた。 男達を見つけるとぴょんぴょんと飛び跳ね近づいてくる。 元々性格の良い個体が多いゆっくりちぇん種だが、ここで飼育されているちぇんは特に人間への警戒心が薄いようだった。 「ただのゆっくりちぇんじゃないですか……こいつらを番猫にしろとでも?」 「まぁ見ていて下さいな」 落胆する村長を尻目に、男はあるものをちぇんたちの前に放り投げた。 「ゆっ!」 それは一匹のゆっくり霊夢だった 柵の内側に投げ込まれたゆっくり霊夢。最初は男達に文句を言っていたがちぇんたちの姿を見ると笑顔になってすりよっていく。 「ゆっ!おともだちがいるよ!ゆっくりあそぼうね!!」 だが、その姿を見たゆっくりちぇんたちの取った行動は、彼女の期待とは真逆のものであった。 「ゆっ!てきがおちてきたよっ!」 「ころすんだね!わかるよわかるよーーっ!!」 「さっさとしね!むごたらしくしね!!」 突然表れたゆっくりれいむに対して、殺気をむき出しにするちぇんたち 先程まで優しい光をたたえていた双眸は、れいむを睨むと大型肉食獣のごとく吊り上がり 歯を剥き出しにした所を見ると、その口の中にはゆっくりちぇん種には似合わぬ凶悪な牙がズラリと並んでいる。 更には体をぶるぶると震わすと、刹那、その背中からは歪な翼が飛び出してきた。 「「「ゆっくりしねぇ!!!」」」 「どぼちてぇぇぇ!!!gbふぁa」 声をあげると、ちぇんたちは一斉に哀れなゆっくりれいむに飛びかかった。 牙で裂き、翼でえぐり、その体に似合わぬスピードで踏み潰す。 男達の目の前で、れいむはあっという間に原形を留めぬ汚いミンチとなっていった。 「これがわが工房の『高機動ちぇんF型』です。」 唖然としている村長を横目に、男は解説を入れる 「通常、ゆっくり同士の生体間移植は同種でしか成功しません。 種族ごとに、彼らの体を構成する『餡』が異なり、別種のものを入れても拒絶反応を起こして壊死してしまうからです。 しかし例外的に、彼らの皮膚や歯、羽や洋服といったいわゆる『皮』で出来た部分は、組成成分が近いせいか拒絶反応が少なく、移植が成功する場合があります。 これらのちぇんは、まだ拒絶反応が少ない幼少のうちに歯を全て引き抜き、代わってゆっくりふらんの歯と翼を移植したものです。 施術を施したものの多くは拒絶反応によって死にましたが、一部はこうやって生き残りました。 その後も、ゆっくりへの凶暴性を高めるために餌にゆっくりふらんの血肉を混ぜて与え続けたり 餓死寸前になるまで干しておいてから、徐々に他の生きたゆっくり種を餌として与えるなどして 最終的にこのような優秀なハンターとなるまで鍛え上げました。ゆっくり狩りには最適ではないでしょうか。」 その後も男は死亡率を下げるべく切開面を少なくしようといかに工夫したか、翼と背筋餡の接続にいかに苦労したかを延々と語り始めたが、村長は既に聞いていなかった。 呆然としてゆっくりちぇん達を眺める。先程まで殺戮に興じていたちぇんたちは、今は何事も無かったかのように嬉々として助手の少女と戯れていた。 「しかし聞いたところ、一匹のちぇんを強化するにはかなりの労力と費用がかかる様子 元々弱いゆっくりちぇんをわざわざ改造して強くするよりは、れみりゃ種を捕獲して番犬代わりに使った方が良いのでは?」 と、気を取り直して村長が疑問を呈す。 貴方は何も解っていない。魔改造したジムでビグザムの群れを殲滅できるようにするのが男のロマンでしょうが! と、男が独自の美学に基づいて反論しようとする前に、改造ちぇんを抱えてひょっこりと助手が顔を出した。 「それについては、私からご説明させて頂きます。 ゆっくりれみりゃは捕食者としては優秀ですが、いかんせんゆっくりの中では1,2位を争う頭の悪い種族。 散々苦労して仕事を覚えさせても、ある日突然蝶々を追いかけていなくなってしまった、などというのもよくある話です。 一方ゆっくりふらんはれみりゃほど知能は低くないもののプライドが高く躾が難しい、 下手に暴力で言うことを聞かせようとすれば、自殺してしまうことすらあります。 そして何よりこの2種は希少種です。最近養殖モノが出回り始めたとはいえ、未だに一匹辺りの値段は高い。 その点この改造ちぇんなら母体のゆっくりは安価に手に入りますし、移植する羽と翼は一匹のゆっくりふらんからいくらでも手に入ります。性格も良く躾も簡単。 忠誠心と有用性、コストパフォーマンスの全てを備えたこの改造ちぇんこそ、次世代を担う番犬ゆっくりなのです!」 相変らず良く回る口だと、村長に立て板に水のセールストークを続ける助手を見ながら、男は呆れ気味に思った。 助手に迎えてから解ったことだが、この元きもんげは金儲け関連の仕事をさせると抜群に上手い。 彼女に言わせると「人間が金儲けに関して抜けすぎているだけ」だそうだが、本人に商売の素質があることは間違いないだろう。半分詐欺まがいの商売を発案することもあるが…… 職人としてのこだわりから、しばし将来性や採算度外視の仕事に走る男と足して二で割って、丁度良くバランスが取れているといえる。 とか何やら男が考えているうちに、助手と村長の間では 村長の家で暫く試用期間を設けた上で、効果が認められれば村を代表して正式に購入する、という話が纏まったようだった。 「可愛がってあげて下さいね」と手渡された改造ちぇんを大切に胸に抱え、村長は村に帰っていった。 結局その日、新たに職人の下を訪ねてきた客は二人 一人は自分の飼っていたゆっくりが大きくなりすぎたので、餌代節約の為にサイズダウンさせて欲しいという男 もう一人はペット用ゆっくりアリスの避妊を依頼してきた業者で、ダンボール一杯に子アリスを詰めた物を置いていった。 「4件か……まぁ多い方かな。今日は準備だけに留めて、施術は明日から始めるとしよう」 「最近仕事もコンスタントに増えてきていい感じでんなぁ。スケベパワー様々や」 「……その似非方言は止めろと言っているだろ、関西人に失礼だ」 すみません、と助手は舌を出す。たまに偽関西弁が出るのも彼女に言わせると「きもんげの特性」だそうだ。 みっともないから男も注意し、本人も普段は注意しているのだが、たまに気を抜くとつい出てしまうのだとか。 そういえばこの前家計簿をつけさせたときも、札をカウントしながら 「どんだけ中身が薄くても、タイトルに東方ってつけて表紙どんげにすればアホがぎょーさん買うていく。笑いが止まらんわぐっへっへ」 とかなんとか言ってたが、あれは一体何のことだろうか。 「……まぁ、一番手間がかかる施術さえ元々生命力の高いゆっくりれみりゃの改造だ。失敗の可能性は薄いだろう。 コツさえ知っていれば誰にでも出来る、大工仕事だよ……たまには難易度の高いパチュリーの改造等をしてみたいねぇ。」 「そんなこと言っていますが、顔は笑っていますよ?」 美しい顔にニヤニヤ笑いを浮かべて助手は指摘する。この辺の性格は改造前とあまり変っていないな、と男は思った だがまぁその通りだ、なんだかんだと文句を言いつつ、自分は明日の仕事を楽しみにしている。 改造は、楽しい。 子供が粘土で「ぼくだけのかいじゅう」を作るように、男は自分の思うがままにでゆっくりに手を加える。 ゆっくりの命を切り貼りし、肉体を繋ぎ合わせ、醜い部分を削ぎ、綺麗な部品を加え、新たな生命として蘇らせる。 命を媒介にして行う粘土遊び。命を弄ぶ行為、神への冒涜と言われようと、これほど面白い遊びはこの世には無い。 安定した収入を捨て、これを生業に選らんだことで失ったものも多かったが、男は微塵も後悔してはいなかった。 「とりあえず俺はパチュリーどもと夜のミーティングを済ませてくる。お前jは明日使う器具と素材を準備してくれ。それが終わったら飯だ。」 「了解しました、師匠!」 助手と別れて飼育場に向かう男の目は、まるで明日は何をして遊ぼうかと考えている子供のように輝いていた。 後編に続く このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2021.html
※俺設定 ※読みづらそうな部分では、ゆっくりの台詞でも漢字を混ぜてあります 何の変哲もない、ごく普通の部屋でゆっくりれいむは目を覚ました。 ゆーん・・・あれ? ここはどこだろう? 今までのおうちとは違うところだね。 でもここの方が今までのおうちよりゆっくり出来そうだよ! きめたよ! 今日からここをれいむのおうちにしよう! ん? あそこに人間がいるよ。 白い服を着たお姉さんだね。 挨拶しようっと。 「ゆっくりしていってね!」 「・・・・・・」 あれ? こっちを向いたけど何にも言わないよ? よく聞こえなかったのかな。 じゃあもう一度! 「ゆっ! ゆっくりして・・・」 すっ、と、そのお姉さんが部屋の奥を指差した。 なんだろうと思ってそっちを見たら、もう一人ゆっくりがいた。 ゆっ! あれはいつも一緒にいた友達のまりさだよ! まりさもここに来たんだね! 「ゆっくりしていってね!」 「ゆ・・・ゆっ! ゆっくりしていってね!」 まりさとほっぺをすりすりする。 やっぱりまりさとすりすりするのが一番ゆっくりできるよ! これからも一緒にいようね! でも・・・ 「ゆぅ・・・おなかすいてきたね。」 「お姉さんにご飯をもらおうね!」 さっきのお姉さんのところに行って、お姉さんに言う。 「おねえさん! おなかすいちゃったよ!」 「れいむとまりさにごはんを持ってきてね!」 「・・・・・・」 お姉さんは立ち上がって、扉を開けて外に出て行った。 「れいむたちのごはんを取りにいったんだね!」 「それまでゆっくり待とうね!」 お姉さんを待ってる間、どっちが高く跳べるか比べて遊んだ。 きょうはまりさに負けちゃったよ。 でもこの間は勝ったもんね。 明日はれいむが勝つよ! カチャ・・・パタン ゆっ! お姉さんが帰ってきたよ! 「お姉さん! れいむたちのご飯は?」 「・・・これ」 お姉さんが持ってきたのはおっきなつるつるのおまんじゅう。 「ゆっ! おいしそうだね! まりさ!」 「そうだね! いっぱいたべるよ!」 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛ああぁぁぁ!! やめでえ゛え゛え゛ぇぇぇ!!」 「れ゛い゛む゛を゛たべな゛い゛でえ゛え゛え゛ええぇぇぇ!!」 おまんじゅうが何か言ってるけど、どうでもいいね! 「まりさ! まりさにおっきい方のおまんじゅうをあげるね!」 「ゆゆっ! ありがとう、れいむ!」 ぱくっ! 「い゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁ!! い゛だい゛い゛い゛いいいぃぃぃ!!」 「あ゛り゛ずはたべものじゃな゛い゛い゛い゛いいぃぃぃ!!」 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!!」 「むぐむぐむぐ・・・おいしー!!」 甘くてとってもおいしいよ! まりさも満足してるみたい! 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「げふぅ・・・おなかいっぱいだね!」 「ゆっくりやすむよ!」 おなかいっぱいになったらなんだか眠くなってきたよ! 「れいむ! これ! これ!」 まりさが座布団を見つけてきた。 さすがまりさだね! お姉さんの方を見たけど、怒ってないみたいだからこのまま使っちゃうよ! 「まりさ。 おやすみー」 「おやすみー」 まりさとくっついてるとすぐ眠れるね。 やっぱりまりさは一番の親友だよ! 「・・・む。 れいむ! れいむ!!」 ゆ? だれだろう・・・うーん 「れいむうううぅぅぅ! まりさのお帽子がああああぁぁ!!」 「ま、まりさ!?」 たいへんだよ! まりさのお帽子がなくなっちゃってるよ! 早く探さないとゆっくりできないよ! 「おねえさん! まりさのお帽子がなくなっちゃったよ! いっしょにさがしてね!」 「ほぅ? 帽子がなくてもまりさだと分かるのですか」 あれ? お姉さんとは違う方から声がした。 そっちを向くと、お姉さんとは別の人が・・・あれ? 「き・・・きめぇまる!!」 「はい。 清く正しいきめぇ丸です」 「おねえさん! きめぇ丸はゆっくり出来ないよ! 早く追い出してね!」 「おお、悲しい悲しい。 ところで」 「ゆ? なぁに?」 「私は今帽子をかぶっていませんが、私がきめぇ丸だとわかるのですか?」 「ゆっ! あたりまえだよ!ばかにしないでね!」 「帽子のないまりさも認識できた・・・と。 ではあれは?」 「ゆゆ?」 きめぇ丸がお姉さんを指差した。 ゆー? 別に普通のお姉さんだよ? 「お姉さんはお姉さんだよ? なにいってるの?」 「ふぅむ・・・」 「なんなの? なにがいいたいの!?」 「いえいえ、特に何も。 ところで、テーブルの上にあるこれはまりさの帽子ではないですか?」 「ゆー! まりさのおぼうしー!! はやくかえしてね!!」 「返しますよ。 今日のところはね」 まりさのお帽子が戻ってきてよかったぁ でも探し回ったらおなか空いちゃったな。 「おねえさん! おなかすいちゃったからごはん持ってきてね!」 「早く持ってきてね!」 「・・・・・・」 お姉さんはれいむたちのごはんを取りにお部屋から出て行った。 お姉さんは命令すればすぐにごはんを持ってきてくれるね! この人はいろいろ利用できるよ! 今日のごはんは、昨日より小さなおまんじゅうがお皿に山盛りになっていた。 「ゆー! ゆっくちたしゅけてね!」 「ゆっくりさしぇてね!」 「ゆっくち! ゆっくち!」 うるさいなぁ。 うるさいおまんじゅうはこうだよ! 「ゆっく・・・ゆべっ!」 「ゆっぐ・・・どうじでえええええぇぇぇ!!」 「ゆっくぢさしぇてええええぇぇぇぇぇ!!!」 体当たりで動かなくしてからゆっくり食べるよ! 「今日のおまんじゅうは昨日のよりあまいね!」 「おいしいね! むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!!」 「むっちゃ、むっちゃ、べちゃべちゃ・・・」 「げふー、おなかいっぱーい!」 「おいしかったね!」 まりさのほっぺについたあんこを舐めて取ってあげた。 まりさもおんなじことをしてくれたよ! 床も汚れちゃってるけど、どうせお姉さんが綺麗にするかられいむたちはしなくていいんだよ! 「ゆゆー。 おやすみなさーい・・・」 「あしたもゆっくりしようねぇ・・・」 目を覚ましたとき、まりさが隣にいなかった。 「ゆゆ!? まりさ、まりさー! どこー!?」 辺りを見回してもどこにもいないよ! 「ゆっ! おねーさん! きめぇまる! まりさはどこ!?」 「さぁ? 知りませんねぇ」 「・・・知らない」 「しらないじゃないでしょ!? はやくさがしてね!」 「そんな義理はありませんねぇ」 「ゆゆー!! なにいってるの!? きめぇまるはゆっくりしないでさがしてね!」 ガチャ・・・パタン ゆゆ? お姉さんが外に行ったよ! お部屋の外を探してくるんだね! れいむはお部屋の中をゆっくり探すよ! 「おお、必死必死」 「ばかなこといってないではやくさがしてね!」 まりさと一緒じゃないとゆっくりできないよ! 早く出てきてね、まりさ! カチャ・・・パタン 「ゆゆ!? おねえさん! まりさがみつかったの!?」 「ううん。 ・・・はい、これ」 お姉さんは、手に持っていたおまんじゅうをれいむに差し出した。 ゆー・・・まりさを見つけられなかったんだね! 役立たずなお姉さんはゆっくりしなくていいよ! でもおなかがすいてきたから、このおまんじゅうを食べてからまりさを探そうかな! 「れいひゅううううぅぅぅ!! たひゅけてえええええぇぇぇ!!」 「ゆー・・・またうるさいおまんじゅうなんだね!」 たまには静かなおまんじゅうを持ってこれないのかな! 全くお姉さんは気がきかないね! 「れいひゅううううぅぅぅ!! まりひゃだよおおおおおおぉぉぉ!!」 「ゆー・・・うるさいね! なにいってるのかわかんないよ! ゆっくりしねっ!」 「がひゅっ!! ・・・れ゛い゛びゅう゛う゛う゛う゛う゛ぅぅぅぅぅ!!!」 「おや? あのまりさは歯でも抜いてあるんですか?」 「・・・舌を抜いてあるの。」 「おやまぁ・・・」 「ばくっ! むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!!」 「い゛ぎゃあ゛あ゛あ゛ぁぁぁ!! れ゛い゛びゅう゛う゛う゛ぅ!! わ゛がっでえ゛え゛えぇぇぇ!!」 「うるひゃいね! だまってたべられてね!」 あーあ、しゃべったらお口の中のおまんじゅうがちょっとこぼれちゃったよ! でもまだいっぱいあるから大丈夫だね! ゆっくり食べ終わったらまりさを見つけて、またおいしいものを持ってきてもらうよ! 「そろそろではないですか? これ以上やると・・・」 「うん・・・そうだね」 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ・・・」 やっと静かになってきたね! これで静かにゆっくり食べられるよ! そのとき急にからだが浮き上がる感じがした。 わあ、おそらをとんでるみたい! 「・・・よっと」 「ゆべぇっ!」 いた・・・・・・なん・・・・・・ ゆゆ・・・ ここはどこ・・・? さっきのお部屋とは違うところだね。 なんだか前すんでたおうちに似てるよ。 それよりなんだか体中が痛いよ・・・ あのお姉さんが何かしたんだね! 食べ物を持ってくるだけのぶんざいでれいむにこんなひどいことをしたんだね! 絶対に許さないよ! 「う~。 おきたよ~」 「・・・ん。」 ゆっ! いたね! ゆっくりできないお姉さんにはおしおきだよ! 「ゆっくり・・・!」 「はいこれ。」 ドン! おっきな音を立てて板みたいなものがれいむのとなりに置かれた。 ゆ? おっきなおまんじゅうがあるよ! 「いただきま~・・・ゆびゅっ!?」 「・・・よく見て。 それは鏡。」 ゆゆ? これが鏡なわけないよ! だってここに写ってるのは・・・ 写ってるのは・・・・・・・・・!? 「ゆびゃあああああぁぁぁ!? れいむのかみのけはあああああぁぁぁ!?」 「う~♪ れみりゃが抜いたの~」 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁ!!!!」 れいむのきれいな髪の毛が!! れいむの髪飾りが!!! こんなみっともない姿まりさに見せられないよ!! あのれみりゃがやったんだね!! 殺してやる! 殺してやる殺してやる殺してやる!!! あのれみりゃはまだ子供だよ!! れいむでも勝てるよ!! あのれみりゃを殺してまりさと一緒に食べてやる!! 「ところで、これは先程あなたが食べていた"お饅頭"なのですが」 「ゆっ!! いまいそがしいんだよ! きめぇ丸はゆっくり黙っててね!!」 「今でないと困るのですよ。 この帽子を・・・こうします」 れいむの食べかけのおまんじゅうにきめぇ丸がまりさのお帽子をかぶせた・・・・・・? ・・・あれ? あの位置は・・・あの角度は・・・あのお顔は・・・・・・・!!?? 「まっ、まっ、まりざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああぁぁぁぁ!?」 「ゆ゛っ・・・ゆ゛ひゅっ・・・ゆ゛ゆ゛っ・・・・ゆ゛っ・・・」 「ま゛り゛さあああ゛あ゛ぁぁぁ!! おへんじして゛え゛え゛え゛え゛え゛ええぇぇえ!!!!」 ちがう!! 違う違う違う違う違う違う違う違う!!!! れいむはまりさを食べたりなんかしてない! まりさはあのお姉さんとれみりゃに何かされたんだよね!? 一緒にあいつらをやっつけてまた一緒にゆっくりするんだよね!? お返事してよ、まりさあああああぁぁぁぁ!!!! 「ゆ゛・・・ぐ・・・に・・・げ・・・・」 「ゆっくり逃げてね、だそうですよ。 自分を食べた相手に向かってけなげな事ですねぇ」 「う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああぁぁぁ!! ぢがう゛う゛う゛う゛う゛うううぅぅぅ!!!!」 れいむはまりさを食べたりなんかしてない!! れいむがまりさを間違えるはずない!! だってまりさはれいむの一番の・・・・ 「ところで、今のあなたの姿やまりさの姿は、あなた達が今まで食べてきたものに似ていると思いませんか?」 「ゆ・・・ゆあ・・・・・・? ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛ぅぅぅぅぅう!?」 「あなた達は今まで共食いを続けてきていたのですよ。 これはゆっくり出来ませんねぇ。」 「わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁあ!!!!」 嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!!! こいつらは皆うそつきだ!! 早くまりさをたすけてここから逃げるよ!! 早くしないとまりさが・・・ 「まりさあああぁぁぁ!! こっちにきてねええぇぇぇ!! いっしょににげるよおおおお!!!!」 「・・・うん。 これで全部終わった。」 「う~?」 「結果が全部出たの。 だかられみりゃ」 「う~・・・」 「食べてもいいよ」 「う~♪」 れみりゃ!!!! あいつだけは殺してやる!! まりさをこんな風にしてれいむもこんな風にして他のゆっくりもあんな風にしてみんながあんなふうになったのもみんな・・・ 「えーと・・・ここ、だっけ」 「い゛っ!? い゛だあ゛あ゛あ゛ああああぁぁぁぁ!!!」 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!! れいむの中に何か入ってきてる!! 痛いいた・・・あ・・・あれ? なんだかからだにちからがはいらない・・・ 「・・・うん。 正解」 「う~♪」 「ほぅ。 さすがですね」 「つぎは~・・・ここ!」 「ゆ゛ぎっ!?」 痛ああああああ!? もうやだ! おうちかえる! おうちでまりさといっしょにゆっくりする!! あ・・・あれ? めのまえが真っ暗になったよ! こわいよ! まりさ、助けて!! あ・・・あれ? なんだかぼーっとしてきたよ・・・ 「あ、ちがう。 そこ壊しちゃうと一気に・・・」 「う~?」 「おや、死んでしまいましたね」 まりさ・・・・・どこ・・・・・・・ ゆ・・・く・・・・・・・・・・り・・・・・・・・・・・・・ ゆっくり加工場・ゆっくり研究部非繁殖課課長、琥珀様 この度預からせていただきました実験体の結果が出ましたのでご報告させて頂きます。 貴方の提示された"認識能力"、そこから生まれるパートナーとの"絆"に絞り、順を追って結果報告致します。 まず、パートナーに限らず、帽子や髪飾りが無くなった程度では相手の認識が不可能になると言うようなことはないようです。 きめぇ丸、当方で用意した飾り無しゆっくり等も、きちんとその種類まで認識できていました。 しかし、髪を剃ってしまうとゆっくりとは認識できなくなるようです。 髪飾りを髪ごと剃ったゆっくりを"饅頭"として出したところ、言葉を発しているにも拘らずあくまで"饅頭"として捕食していました。 更に、羽を隠し服装を変えたゆっくりフラン(白衣に黒いジーンズ)にも、"人間のお姉さん"として接していました。 何度かゆっくりであることを示唆してみましたが、特に反応は無く、最後まで人間であると認識していたようです。 最後にパートナーへの認識ですが、残念ながらこちらも他のゆっくりとそう変わらなかったようです。 片方の視界の外でもう片方の髪を剃り、発音不明瞭の状態で"饅頭"として出したところ、パートナーの必死の呼びかけにも構わず迷い無く捕食しました。 その後そのゆっくりも髪を剃り、自分の形状を認識させたところ、ようやく今までの"饅頭"がゆっくりであることに気付きました。 ただ、捕食された方が、髪の無いパートナーに向かって「逃げろ」等と言っていたので、条件次第では認識も可能なようです。 そして加害者を明白にし、言葉による挑発をしたところ、ゆっくりには珍しいほどの憤りを見せましたが、それによる身体能力の向上は見受けられませんでした。 実験体はそのまま破棄してよいとのことでしたので、実験が終わり次第当方のゆっくりの餌とさせて頂きました。 当方はまだ時間的余裕がありますので、以前仰っていた溜まっているという研究もこちらに回して頂いて構いません。 草々 追記 貴方が永遠亭の八意様より預かったと言う『緑の日』ですが、危険が大きいので結果を出すのに少々時間を頂けたらと思います。 「う~ん・・・うちのゆっくりじゃまだまだ力不足って事だなぁ・・・」 「そうですか? 条件次第では丸坊主でも相手が分かったんですよ?」 「条件次第で、でしょ? あそこのゆっくりだったらどんな条件だろうが分かるんだよ?」 「ではあちらのゆっくりを借りて実験させてもらっては?」 「う~ん・・・ところできめぇ丸、どうだった? ゆっくり研究所は」 「少なくともここの数倍居心地がよかったですねぇ」 「どうせここは生活しにくい構造だよ・・・」 終わり ************************************************************************************************************ 台詞以外を全てゆっくり視点で書いて見ました。 久しぶりに来たらいろいろ様変わりしててびっくりしました。 チル裏ってここにも出来たんですねぇ・・・そしてドロワ な ん ぞ (゚Д゚) こういうのってよくあるもんなんですかね? まぁ、ドロワの設定等については特に気にしませんので、好きにしてやってください 598 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4760.html
「ゆっくりれいむ」 俺はめったに見かけない、胴付きのゆっくりれいむを飼っている。 理由は、炊事洗濯掃除等をやらせるためだ。一人暮らしなのでやる人間が自分しかいないのだ。 しかし、家のれいむは物臭なゆっくりらしく、洗濯も掃除も余りしようとしない。 毎日やるように言っても、 やらないので何度か、山の奥に捨てに行こうかと思ったが、 今も一緒に暮らしている。 「さーて、今日は風呂に入るぞ」 俺の言葉ににれいむは、びくっと反応した。 「な・な・ななにいってるのおにいさん、れれ・れれれいむはまだきれいだよ」 いくら風呂が嫌いだからって、 どもりすぎだろう。 「知るか、とにかく一緒に入るぞ」 「いやぁぁぁあ!!、おゆさんはゆっくりできないぃぃぃ!!!」 俺は、嫌がるれいむを引きずりながら風呂場に向かった。 一般人にたまに間違えて覚えている人間がいるが、 ゆっくりの全てが、水に溶けるわけではない。 ゆっくりにとりや、ゆっくりすわこ等は、溶けないどころか、 水中で生活できるし、その方が、生存率が高かったりする。 そして、胴付きゆっくりは、水に溶けにくかったりする。 胴付きゆっくりは、 体の表面に数mm程度の特殊な皮が形成されている。 この特殊な皮が耐水性をもっているらしい、 ちなみに、饅頭が人型でも崩れたりしないのもこの皮の為だとか。 だからと言って、毎日胴付きゆっくりを風呂に入れるのはまずい。 水に溶けないので、問題がないように思えるが、 実は、ゆっくりは体が腐らないように、 防虫防腐効果のある、物質を体の表面に分泌しているのである。 風呂に入ると、この物質も汚れと一緒に流してしまうのだ。 ゆっくりんぴーすとかいうゆっくり愛護団体の研究報告によると、 夏場に毎日、胴付きゆっくりを風呂に入れると、 一月で半身が腐ったゆっくりになるんだとか。 そんなわけで、れいむは風呂が嫌いで、 そんなわけで、俺は、れいむを風呂に入れるのは4日に一度にしている。 「あ~~~~、いいゆだよ~~~、ゆっくりできるよ~~~」 とは言え所詮ゆっくり、 風呂に入ってしまえば風呂嫌いを忘れたように風呂でゆっくりする。 「体は洗ってやったんだから、溶ける前に出ろよ」 俺が、れいむと一緒に風呂に入るのは、 そういう趣味があるからではなく、 れいむがゆっくりしすぎて、溶けるのを防ぐためである。 他意はない。 体を洗い終わった俺も、湯船に入った。 「ゆゆんゆ、ゆんゆんゆん、ゆ!ゆゆ~ん」 れいむはご機嫌そうに歌っている。 「ゆゆんゆ・・・ねえおにいさん、これなんなの?」 れいむは、俺のすね毛を掴みながら聞いてきた。 「これは、すね毛って言って、足を守るためにあるんだぞ」 「ゆ!すねげさんがあるとおにいさんはゆっくりできるんだね!!」 少し違う気もしたが、めんどくさいので、 「そうだぞ~、ゆっくりできるぞ~」 と、答えた。 ゆっくりを飼ってよかったことは、早起きになったことか、 朝5:00には、「ゆっくりおなかがへったよぉ」と、起こしにくるのだ。 どこのお年寄りだ。 今日も、朝早くに起こしに来た。 「おにいさんあさだよ。ゆっくりごはんつくってね」 自分で作れよこんちきしょうとは思うが、 もう一年近く同じよう名やり取りをしているので、諦めている。 「あ~まだ眠い」 働きに出るまで、約3時間ある、その分もう少し寝ていたいが、 飯を作るまで、れいむは起こし続けるし、 飯を作ったら、眠気は覚めていたりする。 なので諦めてさっさと起きる。 「ゆっくりおはようおにいさん」 「ん~おはろ~」 起きるとれいむがいつも通りすぐそばにいた。 いつものように、料理作るわけでもないのに、 エプロンをしている。 エプロンを着る時は、なぜか、いつもの巫女装束を着ない。 「はだかエプロンは、おにいさんがゆっくりできるよ!!」 とか、この間理由を聞いてもないのに言っていた。 俺をゆっくりさせるつもりがあるなら、ぜひもっと家事をしてもらいたい。 「さきに、いってまってるからゆっくりしないでごはんつくってね!」 「・・・あ~い」 冷蔵庫の中には、 パンとか調理しないでも食べれるものはいくらでもあるのに、 何でこいつは、わざわざ俺に朝飯を作らせるのだろうか? 台所のテーブルに行くれいむの後姿を見ながら思う。 それにしても、せっかくの裸エプロンも、 こいつでは、魅力は6割減といったところだろう。 あまり、肉付きが良くない体型だし、 ゆっくりだし、なんか表面がテカテカしてるし、 脚にすね毛がびっしり生えてるし、 すね毛? 「ほわぁぁぁぁ!!!!?!」 「ゆひぃ!?どうしたのおにいさん、わるいゆめでもみたの」 「今!現に!悪夢見てるよ!て言うか! お前がどうしたんだよ!こっちの台詞だよ! 何だよそのもっさりした脚!」 「?・・・!すねげさんのことだね! すねげさんがあるとゆっくりできるから、 きのうのよるにすねげのかみさまにおねがいしたんだよ!」 すね毛の神様がんばりすぎだろ、 俺だって誰かに頼られたりしたら、 張り切ってがんばったりもする事もあるさ。 「ゆゆ~んすねげさんとってもゆっくりしてるよ~」 きっとすね毛の神様も、 頼られて張り切っちゃったんだろうな、 何せ、すね毛だ。 『すね毛を生やしてください』 なんて極レアなオーダー、 きっと神生(?)初だろうよ。 今後あるとも思えない。 ダカラ、 レイムニ スネゲハエテモ シカタナイヨネ? 「なんて言うと思ったかこのやろぉぉぉ!!!!」 ブチブチブチブチィ 「ゆぎゃぁぁ!!」 俺は、れいむのすね毛を掴んでそのまま引きちぎった。 「なにするのぉぉぉ!! すねげさんがないと、おにいさんが「ゆっくりできねぇよ!!なんで俺が胴付れいむに、 すね毛が生えてないとゆっくりできない人間になってんだよ!! どんなHENTAIお兄さんだよ!! 上級者通り越して超級者の位置だよ!」 「おらぁ!ゆっくりできないすね毛はゆっくりしないで消えろぉ!」 ブチブチブチブチィ 「ゆぎゃああああ!ゆっくりできないぃいい!」 「ガムテープだぁぁ!まとめて抜けろぉ!」 ブチブチブチブチィブチィ 「れいむのすねげさんがぁぁぁ!!」 「オラオラオラオラ」 ブチブチブチブチブチブチ 「ゆぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ」 「オラ!」 「ユ!」 「」 「すねげさんがないとゆっくりできないよぉぉぉ」 部屋の隅で、泣き喚くれいむ、 部屋中に飛び散るすね毛、 飛び散って張り付いたすね毛まみれのガムテープ 地獄絵図だ。 と、こんなことしている間に、 もうそろそろ家を出ないと会社に間に合わない時間だ。 「れいむ!俺は会社に行ってくるからな!部屋の掃除くらい頼んだぞ」 朝飯は我慢しよう。食ってたら間に合わない。 あ~、疲れた。 朝飯食ってなかったし、 朝っぱらから暴れたので、いつもよりも疲れた。 「ただいま~」 朝、掃除しろと言ったのを、珍しく実行してくれたらしく。 家の中は片付いていた。 「ゆっ、おにいさん、かえってきたんだね」 居間には、巫女服に着替えたれいむがいた。 もうすね毛は生えていない。 すね毛は・・・ 「おにいさんのおかげでぜんぜんゆっくりできなかったよ。 でも、もう気にしてないよ、もっとゆっくりできる、 ふわふわさんがれいむに生えたんだからね!」 「・・・うん、その『ふわふわ』が何なのか一目みてわかったよ。 ありえねぇよ!何だよそれ! その腋毛?気持ち悪いよ! 生えてきたってレベルじゃねぇよ!もっさりしすぎだよ! 自分の頭ぐらいの大きさの腋毛玉なんて始めて見たよ! もっさりしすぎて、さっきから、 『人類は十進法(以下略)』のポーズしか取れてねえじゃねぇか! 俺が会社行ってる間何してたんだよ!腋毛の神様にお願いでもしたのか!」 「なにいってるのおにいさん?わきげさんはかってにはえて 「こないよ!腋毛は勝手に生えてこないよ、そんなには! こっち来い、そんな腋毛修正してやる!」 「やめておにいさん! そんなことしたらおにいさんがゆっくりできなくなるよ!」 どうやら、こいつは 毛が生える=俺がゆっくりできる という式を、確立したらしい。 証明もしてないのに。 だめだこいつ 早く何とかしないと・・・ ~あ~と~が~き~ 初期のゆっくりっぽいものを 書こうとしてたんだ。 書こうとしただけで終わったけど。 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1551.html
ちくたく ちくたく ちくたく ちくたく ちくたく ちくたく 時計の音が薄暗い部屋に静かに漂っている。 休んでも咎めるものはいないのに、それでも時計はちくたくちくたく時間を刻む。 誰も見ていないときにも動いているから、いつ見られても役に立つ。 そう言っているかのような音。 どこか寂しげなその音は、この家の主の枕元から聞こえてくる。 時刻はもうすぐ午前6時に指しかかろうとしている。すると、時計の音が変わった。 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆぅ~ん! かわいいれーむがゆっくり6じをおしらせするよ!!」 文字盤の上に見える顔らしきところから、声が出た。 丸く、ふてぶてしい顔つき。黒と赤の装飾。 ゆっくり霊夢型の時計のようだ。 その時報で、布団がもぞもぞと動きだした。夢の中の住人が身じろぎしているのだ。 「う~んむ」 ちくたく ちくたく ちくたく ちくたく 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆぅ~ん! ゆっくりおきてね! れーむとおしゃべりしてね!!」 「れーむとあそんでね! ゆっくりおきてね! れーむとあそんでね! ゆっくりおきてね!」 時計が続々と言葉をつむぎ出す。目覚し機能のようだ。 本物のゆっくり霊夢と同じ声色、同じ口調でせっついてくる。 「ゆっくりしないでれーむとあそんでびゅぅうんっ!?」 時計が叩かれる。家主が起きたのだ。 むっくりと起き上がると、声を上げて伸びをする。 寝巻きにしている浴衣は乱れており、はだけた胸元から垣間見える肌は透けるようだ。 寝癖でぼさぼさの頭をぽりぽりとかき、寝ぼけ眼をそのままにべちべちと時計を叩いていく。 叩かれるままぶにぶにと柔らかく形を変えるソレは、 「ゆ゛っ! ゆ゛っ! ゆ゛っ! ゆ゛っぐ!? ゆっぐりやべでねっ! ゆっぐりでぎなぃいい!!!」 というように一撃ごとに悲鳴をあげた。 「目は覚めたから、黙ンなさいな」 「ゆ! ゆっぐりわがっだよ!!」 ああ、生きてゐる。 それは本物のゆっくり霊夢だった。 ゆっくり霊夢を生きたまま加工し、時計にしてしまったのだ。なんという恐るべき所業。 時計れいむは涙ぐみ、嗚咽をこらえながらも「ちくたく ちくたく」言いはじめる。 やがて主は出かけてしまい、それを聞くものはもう誰もいなくなった。 しんとした部屋に、時計れいむの声は染み渡るように響いていた。 人里からほど近い場所にその施設はある。 いつもは里の喧騒とは無関係に閑散としているそこは、いまや祭りもかくやと言う程の賑わいを見せていた。 里の子供達だ。10人くらいだろうか、その子供達が思い思いに騒いでいるのだ。 「こら、静かにしないか」 子供達をつれている女性、上白沢慧音は眉をしかめて注意した。 それで一旦は静かになったが、すぐにまた元通りになるだろう。 ほどなくして、柔和な顔つきをした男性が近づいてくる。 「こんにちわ。 お待たせしてすみません。 里の寺子屋から社会科見学の皆さんですね」 「はい。 本日はよろしくお願いします」 「こんにちわ~」 「おねがいしま~っす!!」 慧音の挨拶に、子供達が元気良く続いた。 「はい、こんにちわ。 みんな元気一杯だね! それではこちらへ」 案内の男性に続いて奥へと入っていく。 白い床に白い壁、天井まで真っ白で、清潔だがどこか無機質な感じのする廊下を歩く一同。 見れば壁にはさまざまな写真が掲げられている。 その写真には、ゆっくりたちと人間が仲睦まじく並んでいた。 「さて、ここは育児室です」 男が指す方にはガラスで仕切りのされた部屋があった。そこは見下ろすようにできており、地下に 埋設されているようだ。 外から見えていたのは一階部分で、どうやらこの施設の重要な場所は地下に設置されているのだろう。 「育児室?」 慧音が訝しげにたずねる。 「ええ。 子ゆっくり達をここでゆっくりできるように育てるのです。 素体は健康なほど長持ちしますからね」 「ああ、なるほど。 しかし見たところ成体と言えるようなゆっくりがいませんが?」 「ええ、この部屋はあれらが発情期になるまで育成する部屋ですから、成体は一匹もいません。 発情期になって、つがいを作り、身ごもったらすぐに別の育成室へと移すのです」 「だから育児室という名前なのですね」 慧音は納得した。 育児室の中の大きめのゆっくりたちは、頬をすり合わせてはいるが、それが交尾に繋がっていない。 発情期ではないからだ。 しかし他にも疑問があった。 「どうしてゆっくり霊夢しかいないのです?」 そう。その部屋にはゆっくり霊夢だけがゆっくりしているのだ。 子供達は、思い思いに「まりさはいないの?」「ありすは~?」などと言っている。 「ここはゆっくり霊夢専用の育児室なのですよ。 他にもそれぞれ専用の育児室が用意してあります」 「ほう、専用ですか」 その二十畳ほどの部屋で、多くのゆっくり霊夢がそれぞれ飛び跳ね、歌い、かけっこをし、自由に ゆっくりを満喫していた。リボンの色のみならず、その張りと艶もよく、健康状態は良好であることを 如実に表していた。 肌はぴちぴちとしており、かつ、もちもちとした弾力がある様が見て取れる。競売にかければ、高値 がつくに違いない。 慧音は子供達の声を聞きながら、目を皿のようにしてそれを観察した。 「ゆっくりは他の野生動物と違い、環境の激変でストレスを感じると言うことがありません」 男は育児室に見入る慧音を横目に説明を続ける。 「あれらのストレス要因とは、ずばりゆっくりできないことです。 ゆっくりできさえすれば、他の瑣末な ことにはあまり頓着しないのです」 「……なるほど。 この部屋はあれらにとって、十分にゆっくりできる環境が整えられていると言うことですか」 「もちろんです。 私達人間には聞こえませんが、部屋にはゆっくりが安らげる音楽が常時流されています」 「犬笛みたいなものですか」 「ははっ、わかりやすく言えばそうですね」 「気になっているのですが、どうして部屋には巣にできるようなものがないのですか?」 そう、育児室は床と壁と天井がむき出しなのだ。これで本当にゆっくりできるのだろうか? 「当然の疑問ですね。 ここからでは解かりませんが、部屋の内装は全てゆっくり霊夢の皮で出来ています」 「!」 「ゆっくりしすぎて死んだゆっくり霊夢の皮を剥がし、なめし、繋げて貼り付けてあるのです。 そうですね、洋菓子のミルフィーユをご存知ですか? あの皮のように何層も重ねられていて、一枚一枚の 間に適度な隙間も設けているので、弾力性や保温性は優れていますよ」 「そ、それはまた、手間のかかることですね」 「さらに、先ほども申し上げましたとおり、あれらのストレス要因とはゆっくりできないこと」 「ええ」 「巣というのは、あらゆる外的刺激から身を守るために作るものです。 天候や外敵などですね。 しかし、この部屋は室温や湿度も完璧に制御されており、かつ外敵は存在しません。 水や食事も規則正しく 配給しているので、あれらはむき出しでもゆっくりしているのです。 巣を作るという発想自体、ゆっくり できない環境という証明にほかなりません。 もちろん、子供同士のいさかいなどはありますが、それは じゃれあいなので問題にもなりません。 そして、部屋はゆっくり霊夢の皮で敷き詰められています。 あれらにとって、非常に慣れ親しんだ感触。 夢見心地でゆっくりしていることでしょう」 「……なるほど。 この部屋そのものが巨大な巣、コロニーの役割を果たしていると言うことですね」 「そうですね、その通りです」 納得する慧音。しかし、今自分達がゆっくりしている場所が、同族の死体の皮で出来ていると知ったら ゆっくり霊夢たちはどうなるだろう。慧音の胸がかすかに疼いた。 「そういえば、餌の配給とはどんなものなのです?」 「ゆっくりの死骸です。 それをわからないように潰して混ぜているので、想像すらしていないでしょう」 「ははあ」 慧音はやはりと思った。おそらくは、その餌も全て死んだゆっくり霊夢のものなのだろう。 「他にもゆっくり魔理沙の部屋、ゆっくりアリスの部屋などがありますが、ご覧になりますか? この部屋とあまり大差ありませんが、どうします?」 「いえ、次をお願いします」 「わかりました。 それではみなさん、どうぞこちらへ」 ゆっくり魔理沙は幸せだった。 生まれたときから、とてもゆっくりした仲間と育ち、何不自由なくゆっくりできたからだ。 日がな一日、友と遊び、思うままにゆっくりする。 毎日毎日腹が減る頃には丁度良くご飯を食べることが出来た。 暗くなれば眠り、目を覚ます頃には明るくなっている。 最初は、ご飯を持ってくる「にんげん」というのがよくわからなかった。 その「にんげん」は時折自分の体をくすぐったりしたが、それも心地よかったから気にしなかった。 「にんげん」は、苦痛を訴えればすぐさま原因を取り除き、自分をゆっくりできるようにした。 「にんげん」は、自分に空腹を感じさせないように、いつもご飯を持ってくる。 「にんげん」は、自分の体が汚れたと感じたら、その旨を伝えれば、丁寧に綺麗にした。 やがて、ゆっくり魔理沙にとって、「にんげん」とは自分の言うことを聞くものだという認識に至った。 そうして育ち、立派なゆっくりになった頃、恋をした。 発情期というものだったが、ゆっくり魔理沙にとっては衝撃的な恋であった。 相手は同じゆっくり魔理沙。 二匹は目と目が逢った瞬間、すぐさま恋に落ち、頬と頬とが触れ合った瞬間に運命だと感じた。 やがて、どちらからともなく交尾をし始め、二匹は共に子を宿す事が出来た。 体のなかに現れた異物感。 しかし不快ではなく、むしろ天上の至福を感じることが出来た。 それが愛しい相手との、無二の実りだと確信していたからだ。 以前よりも動き回ることが出来なくなっていたが、二匹は幸福の絶頂にいた。 その後、一度お引越しをしたが、自分達がゆっくりできたので、気にもならなかった。 むしろ、子供が出来たことを理解できない幼子たちに注意を向けないでいられる分、この場所のほうが ゆっくりできると思った。 それに、ご飯を運んでくる「にんげん」も、祝いの言葉をかけてくれたし、より一層ゆっくりできるご飯を 自分達のために用意した。その行為を当然だと思っていたが、感謝もしていた。 お引越しをする前に、仲間たちが祝福してくれたが、同種以外に自分達の子供を祝福してくれる存在は、 純粋に嬉しかったのだ。 可愛い子供が生まれたら、あの「にんげん」にも見せてやろう。きっと一緒に喜んでくれる。 自分達の可愛い子供達に、美味しいご飯を用意してくれるはずだ。 事実、「にんげん」は身重になった自分達に、今までよりも丁重に自分達に接していたのだから。 いつもよりゆっくりできる美味しいご飯。ゆっくりできるお風呂、ゆっくりできる匂い。 そうして、臨月を間近に控えたある日。 ゆっくり魔理沙は目を覚ました。 どこかいつもと違う感触がするので、あたりを見回した。 そこはゆっくり魔理沙が眠る前にいた場所ではなかった。 無機質な光、匂い、音。さらに自分の体がうまく動かせないことに気づいた。なにかががっちりと ゆっくり魔理沙の体を捕えている。冷たくも温かくも無いそれに、ゆっくり魔理沙はぞわりとした。 「ゆ? ここどこ? おねーさんだれ?」 ゆっくり魔理沙の目の前には「にんげん」がいた。 いつも、ゆっくり魔理沙に従っている「にんげん」とは違う「にんげん」だ。 「ゆっくりはなしてね! まりさおこるよ?」 でっぷりとした体を揺らそうとするが、びくともしない。 女はそれを意に介さず、チョークのようなもので、ゆっくり魔理沙の口の下に線を引いた。 「ゆっふふふっふ! くすぐったいよ! やめてね!」 多少歪んでいるが、見事な円形をしたそれにそって、メスでゆっくり魔理沙を裂いた。 「ゆ゛あ゛っ!?」 ざくり。 という歯切れのいい音と共に、鋭い痛みがゆっくり魔理沙を貫いた。その痛みは熱さを伴っており 徐々に激痛がゆっくり魔理沙の体に広がっていく。 「ゆ゛ぎゅぅっ! ゆ゛っう゛う゛うぅ゛ぅ~~~~っ!!?」 女は濁った悲鳴を聞いても、微塵も揺るがずに作業を続けた。 べろりとめくれた皮をそのままに、鉗子で穴を広げて固定する。 「やっ! や゛べろ゛ぉお゛お゛ぉぉお゛~~~!! ま゛り゛ざをはな゛ぜぇえ゛ぇっ!」 みちみちと単発的に弾けるような鋭い痛みと、じぃんじぃんと染み渡るような鈍い痛み。 ゆっくり魔理沙の血走った目からはだくだくと涙が流れている。口からは涎がとめどなく溢れているし、 体は切り裂かれたときから震えているばかりだ。 どおして? なんで魔理沙がこんなことをされているのっ!? これは何かの間違いだよ!! 魔理沙がこんなことをされるわけがないんだもん! そうだッ! これは夢だよ! ゆっくりできない夢に違いないんだよ!! 早く起きろ! 早く起きろ!! 早く起きろ!!! ゆっくりしないで目を覚ませぇっ! 「い゛や゛ぁあ゛ぁぁ!! あ゛り゛ずの゛あ゛がぢゃんがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 必死に念じていたゆっくり魔理沙の身に、悲痛な声が届いた。 はっとしたゆっくり魔理沙は、周りにも自分と同じ状況のゆっくりがいることに気づいた。 自分以外にもこんなことをされている仲間がいるかと思うと、怒りが湧いてきた。 文句を言おうと口を開くが、 「ゆ゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!」 という悲鳴しか上がらなかった。 自身に何かが刺し込まれる激痛。その痛みの場所に目をやると女が手を入れていた。 「い゛っだい゛、な゛に゛を゛じでる゛の゛ぉお゛お゛お゛お゛お゛っ!?」 胎内の何かをつかまれ、引っ張られる感触。 うああ! やめろ! やめろぉ! やめろぉっ!! そこはっ! そこには愛しのまりさとの子供が……っ!! もうすぐ産まれる魔理沙の可愛い可愛い子供がいっ……!!! 中身がくちょくちょと乱される感触。大事なものがいなくなる喪失感。こすれる音と千切れる音。 目の前に引きずり出される、自分に良く似た形。 どこか柔らかさを感じさせるそれ。思わず守ってあげたくなるようなたたずまい。 拘束されたゆっくり魔理沙の意識が揺れる。 そう、それは── 「ゆ゛ぐう゛う゛ぅぅぅう゛う゛ぅぅっ!! ま゛り゛ざの゛あ゛がぢゃぁあ゛あ゛ぁあぁん゛!!!」 女は取り出した赤子を、無造作に横にある金属製のバットに置く。 自身の異常事態に気づいていないのか、赤子はゆぅゆぅと寝息をたてていた。それだけで女が 熟練の腕だと判断することが出来る。 「どおじでぞんなびどいごどずるのぉおおぉぉっ!? がえじでっ! まりざのごどもだよぉおぉぉっ!!!」 「うん。 どこも欠損はないわね。 じゃ、それは持って行って」 「わかりました。 それにしても、いつみても見事な手際ですね」 「そう? ま、切った数が違うからかもね」 女は赤子に異常部位がないことを確認すると、脇に控えていた男に渡した。 「ま゛っでえ゛ぇええぇぇっ!! ま゛り゛ざのあ゛がぢゃんがえ゛じでえ゛え゛え゛ぇぇっ!!!」 赤子はこの後、ナンバリングを施されて育児室へ入れられる。 親が育ったのと同じ、ゆっくり魔理沙だけのコミュニティで、発情期まで何不自由なくゆっくりと育つのだ。 残されたゆっくり魔理沙は、燃えるような眼差しで、女を射抜くように見据えていた。 「ゆ゛っぎゅう゛ぅう゛ぅう゛ぅぅっ!! ゆ゛るざない゛! ぜったい゛! ゆ゛るざないよ゛ぉっ!!!」 怨嗟に燃えるゆっくり魔理沙の慟哭。 だが、女は今までと同じように、黙してただ行動しただけだった。 スプーンでゆっくりと中身をかき出していく。 「ゆ゛ぐっ! ゆ゛ぐっ! ゆ゛ぐっ! ゆ゛ぐっ! ぶぎゅゆっ!!?」 少しずつ減っていく中身。 それに伴い、ゆっくり魔理沙の表情は憤怒から蕩けそうなものへと変貌していく。 さらに、その中からさまざまなものが無くなっていく。 ひび割れそうな意識と、砕けそうな記憶。溶けて流れてしまう感情。 痛い! 痛いよ!! すっごくゆっくりできない!! 魔理沙にこんな事するなんて、絶対に許さない! 絶対に! だよ! 人間なんて酷いことをする奴はゆっくりできなくしてやる!! どうしよう。 まりさとの子供がいなくなっちゃったよぉおお。 人間に持っていかれちゃったの。 すっごく寂しいよ、寒いの! まりさにはなんて言えば良いんだろう? どう説めいすればいいンだろう? せツめい? ……なにヲ? あれぇ? おっかしいな~。 さっきまでそこにミえてたまりさがすっごくとおいよ? あ、まって。 まってよ。 おいていカないで! マりさもいくよ! まりサといっしょにいくよ!! ユっくりしてイってね!!! やだヨ! まってね! ゆっくりまってね! そこでほほえんでるまりさはだぁれ? なにかとってもたいせつだったまりさなきがするよ? アれ? まりさってなにたいせつってどおゆうことよくわかんないや あいなくなっちゃったもっとゆっくりしていってね ……ゆくり? ゆっくり魔理沙は静かになった。 一見すると死んだように思えるが、女はしっかりと限界を見極めていた。 しっかり呼吸もしてるし、ゆるくではあるが震えてもいる。 女が掬い取った中身は、生き物でいう羊水に当たる部分と、感情、記憶を司る部位を少々。 生命活動には問題がない程度だ。 これらの餡子は処理されて、ゆっくり魔理沙の育児室へ餌として送られる。 「ふう」 それでもやはり集中力が必要なのだろう。疲れの色が見えている。 しかし女は手を休めなかった。次々と道具を取り出してテーブルの上に置く。 大小さまざまな歯車と、何本かの針のようなものが見える。 それらをひとつひとつ、ゆっくりと、かつ丁寧にゆっくり魔理沙の体内に配置していく。それらが かみ合うように配置するたびに、中身に引っかかるのが刺激になっているのか 「ゆ゛ふっ! ゆ゛ふっ! ゆ゛ふっ!」 と奇妙なうめき声が、ゆっくり魔理沙の口から涎と共に、断続的に漏れていた。 おおよそ15分後、全ての歯車を配置し終えると、次は文字盤を取り出した。 1から12までの数字が刻印されているそれをかぶせると、仕上げに時針、分針、秒針と繋げていき、 最後に特殊なコーティングを施した蓋をする。 これで「まりさ時計」の体裁が整った。 あとは調律室で時計としての心構えを叩き込めば完成だ。 「これは、なかなか凄いですね」 慧音はごくりと喉を鳴らした。10畳ほどの広さの部屋で、数多くのゆっくりたちが体を開かれ、 子を引きずり出されて、体内に異物を接続され、徐々に時計に仕立て上げられていく。 そのあまりの異様さに戦慄しているのか、利発な美貌はわずかに翳っていた。 「ああ、刺激が強すぎましたか?」 男が慧音や周りの子供たちを心配げに見渡した。 「この加工室には防音措置が施されていますが、人によってはあれらの表情にやられてしまうのですよ」 「いえ、私は大丈夫です」 慧音は気を取り直したように言った。 子供達は、皆一様に目をきらきらさせて、 「すっげー」 「時計ってああやってできてるんだァー」 「うふふ」 「うちの時計はありすなんだぜ!」 などと興奮を隠し切れずにいた。 「……ははは」 慧音の乾いた笑い声。子供達の無邪気な残酷さは、こんなとき大人の思惑をたやすく超えてしまう。 「ねー、おじさーん。 ここぱちゅりーとかいないよー」 「ほんとだー。 れみりゃもいなぁい。 なんでー?」 「こぉら。 どうしてですか?だろう」 「ははは。 かまいませんよ、子供は元気が良すぎるくらいでないとね」 そう言って、男は子供達の頭を軽く撫でる。 「ゆっくりぱちゅりーは虚弱ですからね、あのような大々的な加工をすると容易く死んでしまうのです」 「すると、ここではゆっくりぱちゅりーは扱っていないのですか?」 「あぁ、いえいえ。 そんなことはありませんよ。 ただ、今は研究の段階でしてね」 困ったように頭をかく男。 「今までとは違った形にしたいと言っているので、出回るのはまだ少し先になるでしょうねぇ」 「へ~、ざんねーん。 れみりゃはー?」 「ゆっくりれみりゃはこちらです」 (下)に続く このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/833.html
涼やかな風が、赤色に染まった木々の間を吹き抜けた。 全てを焼き尽くすかのような太陽の熱も鳴りを潜め、夜と月の時間が復活を遂げる。 外の世界も、幻想郷も、四季の移り変わりに変化は無いのだ。 暑かった夏が終わり、季節は秋。 紅葉が風に乗って舞い散る様は、この季節独特の風情を感じさせる。 芸術の秋。 運動の秋。 食欲の秋。 夏の暑さに体力を奪われた者たちも復活し、活動を再開させた。 そしてそれは、人間に限った話ではない。 木陰でじっとしていた動物たちも、秋に生る果実目当てにその姿を見せた。 狐や狸、他にも愛くるしい小動物たちが人々の目に触れる。 同じように、野生に住まうゆっくりたちも、気温の下降と共に元気を取り戻すのだった。 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 澄み渡る秋空に、ゆっくりたちの声が重なり合う。 夏の間は少数だったその声も、秋の始まりと共にその数を少しずつ増やし始め、今では見事なまでの唱和となった。 夏は暑い。 それは人間も妖怪も動物も、そしてゆっくりも基本的に変わらない。 あまりに暑い太陽の日差しは動き回る元気を減少させ、水分の損失を防ぐために日陰でじっとしていることが多くなる。 だがゆっくりはその名前と違って動き回ることが大好きであり(大人になるとじっとしてゆっくりするのも好ましくなるが)、フラストレーションが溜まってしまう。 だから夏が終わり、秋になって涼しくなると、今までの積もり積もったストレスやら何やらを吹き飛ばす勢いではしゃぎまわるのだった。 「むきゅー! みんなたのしそうでいいわね!」 ここにいるゆっくりぱちゅりーも、そんな陽気に誘われたゆっくりの一匹だった。 ぱちゅりー種は知っての通り、ゆっくりという種族の中で身体が極端に弱い。 激しい運動は当たり前として、ちょっとした衝撃や、吃驚するような事態に遭遇しただけでも気分が悪くなったり、疲れて息が切れたり、吐いてしまうことすらある。 そんなぱちゅりーではあるが、動くのが嫌いというわけではなく、むしろ好きである(ゆっくりなのだから当たり前の話ではあるが)。 軽い運動程度ならこなせるので、跳ねることは出来ないがずりずりと歩き回ったり、他のゆっくりたちが元気良くはしゃぎまわっているのを見るだけで、とても幸せな気分になれた。 彼女たち風に言うのなら、とてもゆっくりしている、ということだろう。 夏の暑さに特に参っていたぱちゅりーは、開放感に満ち溢れていた。 「ぱちゅりー! いっしょにどんぐりさがそうよ!」 「ぱちゅりーがいてくれれば、ひゃくにんりきだね!」 と、そこにぱちゅりーの友人である二匹のゆっくりが、ぴょんぴょん飛び跳ねてやって来た。 ゆっくりれいむとゆっくりまりさである。 二匹はぱちゅりーを間に挟んで、親しげに頬を摺り寄せた。 ゆっくり種特有の行動である、親愛の表現だ。ぱちゅりーは嬉しくなって「むきゅー!」と鳴いた。 前述のようにぱちゅりー種は体力が極端に低く、地面に落ちている木の実などを拾ってくることすら辛い作業であり、狩りをするなど論外の域にまで達するほどだ。 だが、ぱちゅりー種が役立たずとして爪弾きにされないのには、理由がある。 ぱちゅりー種は先天的に知能に優れているのである(ただし、ゆっくりとしては、だが)。 ゆっくりは基本的に愚者であるため、餌を効率的に採取する方法や罠の作り方、外敵である捕食種や人間たちからの逃走方法に明るいぱちゅりー種をとても尊敬していた。 だからゆっくりたち――特にまだ若いゆっくりは狩りに出かけるとき、こうしてぱちゅりーを誘うことが多いのだった。 「このきせつなら、どんぐりだけじゃなくておいしいおやさいもたべれるわ!」 「ほんとう!?」 「ゆゆーん♪ やっぱりぱちゅりーをさそってよかったよ!」 嬉しそうな顔を浮かべるれいむとまりさ。既に自分たちが大量の収穫をした後のような気分になっているのだろう。 ぱちゅりーも、二人がそんな顔を見せるのはとても幸せなことだった。 これからも、ずっと一緒にゆっくりしたい…… ぱちゅりーは幸福に満たされながら、そろそろ出発しようと声をかけようとした。 「むきゅ! そろそ」 「ゆ……? なにかきこえない……?」 「ゆゆ……ほんとだ、へんなおとがきこえるね」 「……むきゅ?」 だが、れいむとまりさが不思議そうな顔で周囲を見渡したのに遮られた。 つられて、パチュリーも耳を澄ませてみる。 肉体こそ脆弱だが、感覚器官は他のゆっくりに劣っているわけではない。 程なくぱちゅりーも、地響きのような振動音を感じ取った。 「ぱちゅりー、なんなのこれ?」 「わ、わからないわ……」 分からないが、何だかとても嫌な予感がした。 自分の餡子に眠る、ゆっくりという種族の遺伝子が警告しているような…… 見ればぱちゅりーたちだけではなく、周囲にいた他のゆっくりたちも不安気な様子で騒然としていた。 「ゆゆっ、なんだろうね?」 「これじゃゆっくりできないよ……」 「ゆえーん! おかあしゃーん!」 中には事情も分からぬまま、異様な雰囲気に飲み込まれて泣き出してしまった赤ゆっくりもいた。 比較的落ち着いている年齢を重ねたゆっくりが慌ててあやしているが、その光景はゆっくりたちの不安を増幅させただけだった。 何が起きているのか、分からない。 分からないが、何故かこのままだといけないような気がする。 「ゆっ!? なにかくるよ!?」 と、その時、一匹のゆっくりれいむがある一方を見て叫んだ。 その場にいた全てのゆっくりが、その視線の先に瞳を向ける。 ぱちゅりーは木々の奥に、何かゆらゆらと揺らめく黒い靄のような影を見た。 「むきゅ……? なにかしら、あれ……」 その正体を確かめようと、じっと目を凝らす。 すると。 ほどなく、その影の正体が、判明した。 「いだわっ、がわいいゆっぐりだぢよ゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉぉぉ!!!」 「どがいはのあ゛り゛ずだぢがかわいがってあ゛げる゛わ゛あ゛あ゛あぁ゛ぁぁぁ!!!」 「んほぉぉぉおおぉおぉぉおおぉぉ!!! いっじょにぎもぢよぐなりまじょうね゛え゛え゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇぇぇぇぇ!!!」 それは。 ゆっくりと呼ぶには、あまりにも汚く、醜く、荒々しい。 透き通るような金髪をかき乱し、蝶よ花よと詠われる顔を欲情で真っ赤にさせ。 目を血走らせ、涎を垂らすままに、鬼気迫る表情で歓喜に打ち震えながら疾走する。 発情した、五十匹を超すゆっくりありすの集団だった。 ゆっくりの繁殖は主に春と秋の初めに行われ、冬はもとより夏にもあまり行われない。 その理由は簡単、繁殖のための交尾の後、ゆっくりは酷く水分を消耗するのだ。 人間と同じようにゆっくりたちも生きるために水分を必要とする。 水分がなければ干乾びてしまい、やがて死に至るからだ。 夏の気温はゆっくりたちを消耗させ、汗をかかせる。 その上更に交尾して水分を失ってしまったら、新しい命を紡ぐどころか自らの生命が終わってしまう。 種の存続のため、ゆっくりたちは余程の愚者でもない限り夏の繁殖は避ける傾向にあった。 だが、その為に過度の精神的不可を溜め込んでしまうゆっくりがいた。 ゆっくりありすである。 普段はゆっくりぱちゅりーに次ぐ理知的な存在であり、その美貌で数多のゆっくりの好意を一身に集めるゆっくりありす。 だが、そんなゆっくりありすには呪いとも呼ぶべき恐ろしい本能があった。 性欲である。 一度発情したゆっくりありすは、普段の都会派っぷりはどこへやら、化け物と見紛う恐ろしい形相で誰彼構わずゆっくりに襲い掛かり、強引に繁殖を迫る。 その際、本当にゆっくりなのかと疑いたくなるような身体能力を発揮し、一度捕まってしまったら脱出を許されず、死ぬまで犯されるはめになる。 発情したゆっくりありすの通った後には、茎を大量に生やして黒く朽ち果てたゆっくりの死体と、生まれた瞬間から犯されて死んだ赤ちゃんゆっくりの死体しか残らないとさえ言われているほどだ。 そのため、ゆっくりたちの中にはありす種を徹底的に排除する集落まで存在する。 善良なゆっくりありすにとって迷惑極まりないことではあるが、それほどまでに発情したありすは恐ろしいのだ。 しかしそんなありすも夏の間は自らの発情を抑える傾向にある。 当然だ。いくら何匹のゆっくりでも相手出来る性欲魔人とはいえ、真夏の炎天下で交尾を続けていたら全ての水分を失って干乾びてしまう。 例外こそいくつかあれど、自らの命を守ろうとする本能が、夏の間だけありすの性欲を抑えているのだろう。 しかし夏を過ぎれば、溜まりに溜まった性欲が爆発する。 それが一匹だけならば被害も最小で済むのかもしれないが、何故かゆっくりアリスはこのような状況になった場合、徒党を組む傾向が見られた。 一匹だけでも恐ろしい存在が、無数に襲い掛かる。 ゆっくりたちは恐れ、戸惑い、一気にパニックへと陥った。 「ありすだぁぁぁぁ!!!」 「にげてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 「ゆっくりできなくなるよぉぉぉぉぉぉ!!!」 各自、滅茶苦茶な方向へ逃げ惑う。 懸命にぴょんぴょん飛び跳ねるその姿は、常にゆっくりすることをを是とするゆっくりとは思えないほど必死な表情。 ある意味、ゆっくりれみりゃなどの捕食種と相対したときよりも危機感を感じているのかもしれない。 「おいがげっごなんでじないで、わだしだぢどあいじあいまじょぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 「ゆ、ゆーっ!? どうじでごんなにはやいの゛ぉ゛ぉ゛ぉぉぉぉぉぉ!!?」 だがゆっくりありすは、そんなゆっくりの速度を亀の歩みと言わんばかりの脅威的なスピードを発揮し、回り込んだ。 突然視界にドアップで映る、発情したゆっくりありすの醜い顔。 あまりの恐怖にゆっくりたちは一瞬動きを止めてしまい、その硬直した隙をゆっくりありすは見逃さなかった。 もっとも、発情したゆっくりありすの身体能力ならば、どちらでも結果は同じであっただろうが。 「んほぉぉ゛ぉ゛ぉぉ゛ぉ!!! ありずのあいをうげどっでぇぇぇぇぇぇ!!!」 「ゆ、ゆぎゃぁぁぁ!!? のっかからないでぇぇぇぇぇぇ!!!」 一匹のゆっくりれいむが、ゆっくりありすに圧し掛かられた。 体格は同程度。だが、れいむがどれだけじたばたしても振りほどくことが出来ない。 限界まで餅のように身体を伸ばして逃れようとするが、追いすがるゆっくりありすも同じように身体を伸ばして密着させてきた。 「はぁはぁ、ぞんなにあわでなぐでもちゃんとずっぎりざぜであげるがらぁぁぁぁぁぁ!!!」 「やべでぇぇぇぇぇぇ、ぎもぢわるいぃぃぃぃ!!!」 ゆっくりが交尾の際に分泌される特殊な粘液を背中に感じ、れいむは悲鳴を上げた。 激しく身体を擦られる感触が気持ち悪い。 交尾の経験がないれいむは未知の感覚にひたすら恐怖し、一刻も早くこの状況を打破しようと必死にもがいた。 このれいむは一週間前、ようやく親元から巣立ったばかりのゆっくりだった。 母や妹たちが見送る中、涙を呑んで家族に別れを告げ、少し離れた木の根元に居を構えた。 それから必死に巣の内部を拡張し、食料や生活に必要なもの、綺麗な石などを溜め込み、巣としての体裁が整ったのが三日前。 立派な家持ちのゆっくりとなり、やがて可愛いお嫁さんを見つけて子供を作り、ゆっくりとした幸せな家庭を築くはずだった。 そう信じて疑わなかった。 だが現実は、そんな小さな幸せをも奪った。 「い゛い゛っ、いいわ゛ぁぁぁ!!! はぁはぁはぁ、こども、だぐざんづくりまじょうねぇぇぇぇぇ!!!」 「やだぁぁぁぁ!!! ゆっぐりでぎなぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 涙を諾々と流し、襲い掛かる暴力に抵抗しようとするれいむ。 だが身体はぴくりとも動かず、なすがままにありすの性交を受けてしまっている。 粘液の影響か、感じたくないのに段々と昂ぶっていく自分の心が嫌だった。 体内の水分が表皮に浮かび上がり、足元に水溜りを作る。 自分の身体がふやけ、それに反比例するかのように餡子が干乾びていくのが分かった。 「いいのね、ごごがいいのねっ!!?」 「やべでぇぇぇぇ!!! もうはなれでよぉぉぉぉぉ!!!」 「ぞ、ぞろぞろいぐっ、いぐわっ!!!」 「ゆぎぃぃぃぃぃ!!! だめぇぇぇぇぇぇ!!! ずっぎりじないでぇぇぇぇぇ!!!」 ありすの律動が早まる。そろそろすっきりするという合図だ。 れいむは本能的にそれを悟り、今まで以上に必死の形相で暴れだした。 だが、押さえつけるゆっくりアリスはびくともしない。 快感で見る者の生理的嫌悪感を催すような表情を浮かべながら、独り善がりの快楽を求めて振動を強めた。 「いぎまじょっ、いっじょにいぎまじょう!!!」 「い゛や゛ぁぁぁぁあ゛ああぁ゛ぁあ゛あぁぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁぁ!!!」 「んほおおおおおおおおおおおおおお!!! すっきりいいいぃぃいいいぃぃぃいぃいいぃぃぃぃ!!!」 「ずっぎりい゛や゛ぁ゛ぁ゛ぁぁぁぁぁぁ!!! ゆ゛ぅ゛ぅ゛ぅぅぅう゛うぅ゛ぅぅぅ!!!」 同時に絶叫。 ありすはこの世全ての幸福を手にしたような極上の笑顔で。 れいむは最大の苦痛と快楽を同時に受け、涙や涎でぐちゃぐちゃになった絶望の表情で。 凍り付いたように動きを止めるれいむ、やがてその額から、凄まじい速度で植物の蔦のようなものが生え始めた。 同時に黒澄むれいむの身体。 まだ若いれいむは、子供を生んで無事でいられる身体を持っていなかったのだ。 栄養の全てを蔦に獲られ、れいむは突然の運命を呪いながら、朽ち果てて絶命した。 「ゆっきゅりしちぇいっちぇにぇ!」 「ゆっきゅりしちぇいっちぇにぇ!」 蔦に生った三匹の赤ちゃんゆっくりたちが、声を上げて地面に落下した。 本来はもう少し大きな身体になるまで蔦から離れず、親の栄養を吸収する赤ちゃんゆっくりであるが、親が死んでしまった瞬間、蔦から生まれ出ずる。 既に親が死んでしまっているので栄養の供給が出来ず、少しでも早く餌を食べられるようにしようという生存本能なのだろう。 兎にも角にも、ありすのレイプによって生まれた赤ちゃんゆっくり――全てれいむ種――は、自分たちの親に挨拶しようと周囲を見渡し。 そして、未だ性欲覚めやらないゆっくりありすを視界に納めた。 「ゆっ、おきゃあしゃん?」 「ゆー♪ ゆっきゅりしちぇ」 「ありずのあがぢゃぁぁぁぁぁん!!! いっじょにぎもぢよぐなりまじょうねぇぇぇ!!!」 ゆっくりありすが飛び掛る。 生まれたばかりの赤ちゃんゆっくりたちは、ゆっくりすることを知らないまま、苦しんで死んだ。 「やべでぇぇぇぇ!!! まりざのごどもにひどいごどじないでぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 別の場所では、割と大きな体躯のゆっくりまりさが、数匹のゆっくりありすに圧し掛かられながら滂沱の涙を流していた。 まりさの眼前では、彼女の子供のちびまりさやれいむたちが、同じように子供のゆっくりありすに犯されている。 その傍には、大量の蔦を生やして呻く、ボロボロの身体のゆっくりれいむ。 まりさの番であるれいむは、まだかろうじて生きてはいたものの、瀕死の重傷であった。 「だいじょうびゅよ、ありしゅにまかしぇちぇ♪」 「きょうやっちぇしゅりしゅりしゅると、とっちぇもきみょちいいにょよ♪」 「や、やめちぇにぇ! まりしゃたちをはにゃしちぇにぇ!」 「ゆえーん! おきゃあしゃーん!! たしゅけちぇぇぇぇぇ!!!」 赤ちゃんゆっくりありすに圧し掛かられ、振動を加えられている赤ちゃんゆっくりまりさたち。 皆、一様に悲鳴を上げ、母に助けを求めていた。 ゆっくりまりさはその悲鳴が耳に届くたび、何も出来ない自分の身を呪い、悔しさに心をすり減らす。 今すぐにでも、子供の下に駆けつけたい。 だが、自分を囲んで律動する三匹のゆっくりありすが、それを許すはずもなく。 「まりざぁぁぁぁぁ!!! ありずだぢのてぐにっぐでめろめろにじであげるわぁぁぁぁ!!!」 「はぁはぁ、まりざがわいいぃぃぃぃぃぃ!!! いっじょにずっぎりじまじょうねぇぇぇぇぇぇ!!!」 「さんにんどうじなんで、まりざっだらなんでづみぶがいゆっぐりなのかしらぁぁぁぁぁ!!?」 「やべでぇぇぇ!!! からだすりつけないでぇぇぇ!!!」 左右と後方からの振動に、ただ耐える。 既に何度かすっきりされたのか、額にはいくつかの蔦を生やしていた。 蔦には小さなまりさ種、そして自分を犯したありす種が、すやすやと気持ち良さそうに眠っている。 どうして、こんなことに…… ゆっくりまりさは朦朧とした意識で、過去を思い返す。 まりさとれいむは一ヶ月ほど前、餌を探しに出た森の中で出会った。 まりさが見たのは艶やかな黒髪を持つ美しいゆっくり、れいむが見たのは狩りが上手なかっこいいゆっくり。 二人はすぐに恋に落ち、一緒に暮らし始めた。 すぐにでも交尾したかったが季節は夏、炎天下でのすっきりは死の危険性が付き纏う。 だからまりさは誘惑を我慢し、れいむに手を出すことはしなかった。 そして先日、気温が下がり、秋が近付いたと確信した二匹は、ようやく子作りすることが出来たのだった。 蔦に生えた、愛の結晶。 小さなれいむとまりさが、生まれる日を夢見てゆっくりと眠っている。 れいむは家でおうたを歌ってあげ、まりさは子供の栄養も必要になったれいむのためにいっそう狩りに勤しむこととなった。 大変だったが、幸せに満ちた時間。 ついにその日がやって来て、生まれた子供が自分たちに向かって拙い声で「ゆっくりしていってね!」と言った瞬間、二人は感激の涙を流した。 あの時、二人は確かにゆっくりの絶頂にいたのだった。 「はぁはぁ、みょみょみょ、みょうしゅぐしゅっきりしゅるよ!」 「しゅっきりしゅると、とっちぇもきみょちいいにょよ♪」 「やぁぁぁぁ!!! やだぁぁぁぁぁ!!! しゅっきりちたくにゃいぃぃぃ!!!」 「みゃみゃー! たしゅけちぇ、みゃみゃー!!!」 「どうちてたしゅけちぇくれにゃいのぉぉぉ!!? おきゃあしゃんのばかぁぁぁ!!!」 子供たちの悲鳴が聞こえる。 助けてくれない自分をなじる声がする。 ごめんね、れいむ、まりさ。 まりさの意識は、闇の中へと溶けていった。 ぱちゅりーは、迫り来る暴力から必死に逃げようとしていた。 しかし、ぱちゅりー種は元来体力の低いゆっくり。 跳ねることが出来ず、這いずることしか出来ない速度では、やがて追いつかれてしまうだろう。 「ぱちゅりー、がんばってね!」 「ゆっしょ、ゆっしょ! ここをぬければきっとたすかるよ!」 それを支えるのは、友人のれいむとまりさだった。 二匹は両脇から挟みこむように陣取り、ぱちゅりーの背中を押している。 自分たちの命がかかっている中、このような行動を取るのは、なにも友達想いだからというだけではない。 二匹はぱちゅりーのことが好きだった。 いつか、どちらかを番に選んでもらおうと思っていた。 だからこうして、愛するぱちゅりーを見捨てず、背中を押しているのだった。 「む、むっきゅぅ……ふたりとも、ぱちゅりーをおいてにげて……」 そんな二匹に押されているぱちゅりーは、息も絶え絶えだった。 援護があるとはいえ、普段では到底出すことの出来ないスピードで走っているのだ。 脆弱な肉体は悲鳴を上げ、餡子を吐き出しそうになるのを必死に堪えている。 ありすに捕まりたくは無い。 だが、これ以上肉体に負荷がかかるのも耐えられない。 このままでは、れいむとまりさまで捕まってしまう。 自分が貧弱なぱちゅりー種であることを、ここまで恨んだことはなかった。 「なにいってるの! みんなでいっしょににげるんだよ!」 「そうだよ! がんばってにげて、いっしょにゆっくりしようね!」 だが二匹は元気付けるように微笑んだ。 ぱちゅりーは感極まり、嬉し涙を流す。 れいむとまりさはそれに気付き、そっと舌で涙を舐めとった。 「むきゅー……ありがとう、れいむ、まりさ……」 「さぁ、もうちょっとだよ、がんばろうね!」 「もうそろそろ、ありすたちも」 「いだわぁぁぁぁ!!! ごぉぉぉんなにがわいいゆっぐりだぢがざんびぎもぉぉぉぉ!!!♪」 と。 無情にも、ゆっくりありすが四匹、左手側の草むらから飛び出してきた。 三匹は恐慌し――だがれいむとまりさはすぐにぱちゅりーを庇う位置に立ち、ぷくぅーと威嚇するように頬を膨らませた。 「ぱちゅりー、にげて!」 「む、むきゅー! そんなことできないわ!」 「いいから、はやく!!!」 ありすたちはだれがどのゆっくりを担当するか、相談しているようだ。 その爛々と狂気に満ちた瞳。ゆっくりぱちゅりーの本能的な部分が警鐘を鳴らす。 友達を見捨てたくはなかった。 だけどそれ以上に、ありすに犯し殺されるのは嫌だった。 「ごめんなさい……!」 ぱちゅりーはれいむとまりさに背を向け、必死に這いずって逃げ出した。 後方で、れいむとまりさの悲鳴が上がる。 残酷な運命に、ぱちゅりーは先程とは違う種類の涙を流した。 「ゆっゆっゆー♪ ゆっくりのお歌はどんなもんだーい、と……」 太陽が沈み、月と星々が煌く夜空の下、俺はほろ酔い気分であぜ道を歩いていた。 本日は外界の話を本に纏めたいとかいうことで、俺を含めた村に住む外界の人間が阿求ちゃんの家に集められたのだった。 外界から幻想郷にやってきた人間は大抵妖怪の餌となってしまうが、無事村に辿り着いたものは外の世界へ戻るか、この幻想郷に残るかの選択肢を得られる。 俺たちは戻るのを拒否し、ここで新たな生活を手に入れた組。外の世界のことを知らない村人たちに話をせがまれたりすることもある。 年齢層は様々で、上は三十年も幻想郷で暮らしているというじいちゃん、下はなんと十二歳の子供までいる。 俺が五年前、幻想郷に誘われたのは十五歳のときだった。月日は経つものだなぁ、と少々感慨にふけってみたり。 とにかく、久しぶりに外の世界を懐かしんで話が出来たので、ついつい時間が長引いてしまった。 家で待ってるれいむも、お腹を空かせてしまっていることだろう。 急いで帰って晩御飯を作ってあげないとな。 「――――!」 「ん?」 今なんか、ゆっくりの悲鳴が聞こえたような。 足を止めて、きょろきょろと辺りを見渡す。 電灯のない、月明かりだけの暗闇と、静謐な雰囲気。 気のせいだったのかな? ついゆっくり関係に敏感になってしまう自分に苦笑しながら、耳を澄ませた。 「……こっちの方向か?」 林の中から、確かにゆっくりの声らしきものが聞こえた。 近いとは言えないが、それほど遠いというわけでもない距離のようだ。 うーん。 まぁいいや、見に行こう。 俺は酒の勢いもあり、お気楽気分で林の中へと足を踏み入れた。 「はぁはぁはぁ、い゛いでじょ!? ぎもぢいいでじょぉぉぉ!!?」 「むっぎゅぅぅぅ!!! だずげでぇぇぇぇぇ!!!」 なんか凄い光景が広がっていた。 れいぱーありすに、ゆっくりぱちゅりーが犯されている。 ありすの発情した顔は尋常なものではない。なんであのゆっくりの中でも特に可愛い顔がここまで変化するんだろう、って感じ。 あれだ、言うなれば……ヤマンバ。 一方ぱちゅりーのほうは、苦しそうに呻きながら、逃げ出そうともがいている。 涙を流し、必死な表情のゆっくり…… あ、やべぇ、興奮してきた。 「むぎゅ!? お、おにいざん!!! ぱぢゅりーをだずげでぐだざぃぃぃぃ!!!」 俺の気配に気付いたのか、ぱちゅりーが涙目、いや涙顔で俺に嘆願してくる。 んー。 んんー…… …… 助けてやるか。 俺、実は発情したありすって胴体付きれみりゃの次くらいに嫌いなんだよね。 ゆっくりをいじめる小道具としては好きなんだけど。 これでも俺はゆっくり愛で派なわけで、制裁は好きだけど虐待は嫌いなんだ。 人様に迷惑をかけない、悪いことをしていないゆっくりは、幸福に暮らすべきだと考えている。 だって可愛いもん、ゆっくり。 いやまぁ、このぱちゅりーがゲスではないなんて言い切れないんだけどさ。 とはいえ、今はゆっくりを捕獲出来そうなアイテムを所持していない。 仕方無い、気分悪くなるけどやるしかないのか。 「そら、よっ!」 「んほぉぉぉぉぉぉ!!! すっき……ゆげぇぇぇ!!?」 地面に落ちていた木の枝を広い、至福の顔ですっきりしようとしていたありすの頭を突き刺した。 激痛が走ったのだろう、ありすは悶え苦しみ、突き刺された穴の端からカスタードが少し零れ出る。 んあー、やっぱり肉体を直接攻撃するのは嫌いだなー、俺。 やっぱり攻めるなら精神のほうでしょ。 「むぎゅっ、むぎゅっ……」 ゆっくりぱちゅりーはありすの動きが止まったのを理解すると、なんとかありすの下から這い出した。 だが肉体的に極限状態だったらしく、えれえれと餡子を吐き出してしまう。 うわっ、きったねー。 俺はゆっくりありすの馬鹿力で枝が抜けないよう、もう一本渾身の力を込めて枝をありすに突き刺すと、ぱちゅりーが落ち着くのを待った。 やがてふらふらながらもなんとかしゃべるくらいの元気を取り戻したぱちゅりーが、俺に事情を説明する。 「ふーん、発情ありすの群れがねぇ」 話には聞いていたが、実際そんなことが起こるもんなんだなぁ。 じゃあ、集落一つ分のゆっくりたちが泣いて逃げ惑ったわけで……おっと、想像だけでなんかムラムラしてきた。 極力顔に出さないよう努めながら、俺はぱちゅりーを抱き抱えた。 「じゃあ、すぐ助けに行こうか。もしかしたら友達も救えるかもしれない」 「むきゅ、おねがいするわ……ごほっ、ごほっ!」 「ああほら、無茶すんな。静かに運んでやるから、な?」 「だ、だめよ、いそいで……れいむとまりさが……」 どうやら、友達思いのぱちゅりーらしい。ゲスじゃなくて良かった。 俺は体力を極端に失ったぱちゅりーを疲れさせないよう神経を使いながら、より深く林の奥へと進んでいった。 結論から言うと、生き残ったゆっくりは一匹たりとていなかった。 どのゆっくりも大量の蔦を生やし、黒ずんで朽ち果てていた。 「酷い有様だな、これは……」 あまりの惨状に、ごくりと唾を飲み込む。 こっちのれいむは犯し殺されたあげく、生まれた子供まで犯されたらしい。 あちらのまりさは、目の前で子供が犯される姿を見せ付けられたようだ。 どいつもこいつも、性交後のすっきりとした顔ではなく、怨嗟と憎悪に塗れた悲痛な表情をしている。 それほどまでに、恐ろしい体験をしたのだろう。 人間だろうが妖怪だろうがゆっくりだろうが、『死』というものを嫌悪する俺は眉をしかめた。 ゆっくりありすたちの姿は影も形も見当たらない。 存分にすっきりしたので、新たに生まれた赤ちゃんゆっくりありすを連れてどこかへ去っていったのだろう。 ……もしかしたら、未だ快感が足らず、他の獲物を求めに行ったのかもしれないが。 そうなると、また何処かの集落が同じように襲われ、ここと同じ惨状になるのだろうか。 想像したら気分が悪くなってきた。 「れ、れいむ……まりさぁ……」 ぱちゅりーの友人のれいむとまりさは、少し離れた場所で見つかった。 他のゆっくりと同じように、額から何本もの蔦を生やし、生まれ犯され死んだ子供たちに囲まれて朽ち果てていた。 黒ずんだ顔に光る涙の跡。 見るだけで苦しみが伝わってくるほど、酷い体験だったのだろう。 ぱちゅりーは呆然とした表情でそれを眺めている。 今まで暮らしてきたコミュニティの全滅、そして友達の喪失。 しかもそれはあらかじめ来ると予想されていたものではなく、ある日唐突にやってきた暴力。 ぱちゅりーはぶるぶる震えている。 だがすぐに、体力の限界となったのか、白目を剥いて気絶してしまった。 「あ、おい!?」 慌てて気を確かめようと揺らそうとし、思い留まる。 ぱちゅりー種は体力がない 子供を作ることだけは回避出来たとはいえ、精神的な疲労もあって瀕死状態なのだろう。 このままでは、本当に死んでしまう。 「仕方無い、乗りかかった船だ。家に連れ帰って介抱してやるか……」 万全の状態に回復出来るなんて断言出来ないが、出来る限りのことはしてやろう。 愛で派ですから。 ゆっくりの泣き顔を見るのも好きだけど、ゆっくりしているところを見るのも好きなんです。 「とはいえ、少しくらい役得があってもいいよな?」 俺はぱちゅりーを襲っていたゆっくりありすのところに戻った。 ありすはなんとか突き刺された棒から抜け出そうともがいている。 その度に激痛が襲い掛かるだろうに、大した奴だ。 俺に気付いたのか、ありすは血走った目で叫んだ。 「ぞのぱぢゅりーをよごずのよっ!!! まだあいじだりないわぁぁぁあぁああぁぁぁ!!!」 「……」 開口一番それかよ。 ゆっくりありすの精力、恐るべし! なんか嫌な気配を感じたのか、抱き抱えたぱちゅりーがぶるぶる震えだすし。 はぁ。 まぁいいか。 これから、また楽しくなりそうだ。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5116.html
「「「ゆっくりしていってね!」」」 ドアを開けるとそこには毎度お馴染みのセリフを吐いたゆっくりれいむとまりさの家族が居た、 ―――居間の家具という家具全てを荒らして 「・・・・・・」 余りの惨状に言葉を失い、その場に立ち尽くしてしまった それから何分位経ったろう、足元の饅頭が 「ここはれーむたちのうちだよ!ゆっくりでてってね!」 「ゆっくりできないおじさんはたべものをおいてゆっくりでてくんだぜ!」 などと罵声を浴びせながら俺の脚に体当たりをしている だが、たかが饅頭程度がぶつかってきたところでマッサージにもなりやしない 場違いにもそんなのんきな事が頭の中をよぎった、そしてそれと同時にあるものに気がついた 2年間大切に育ててきたオオクワガタ、いやオオクワガタだったものの頭部がそこに転がっていることに 「!!!!」 我に返り足元の饅頭共を蹴飛ばして駆け寄ると、無残にもオオクワは頭部を残して食い散らかされている。 周りには土が散乱しているので、たぶんこいつらが飼育ケースをひっくり返したのだろう。 しばらくすると背中に少し衝撃を感じた。 また饅頭共が体当たりを始めたようだ、しまいには 「まりさをけとばすなんてゆっくりできないおじさんだぜ!ゆっくりしぬんだぜ!」 「れーむたちをおこらせるなんてばかなおじさんだね!ゆっくりしね!」 ときやがる 普通の人ならばここで全てのゆっくりを踏み潰すだろうが・・・残念ながら俺にそれはできない・・・ なぜなら俺は「虐待お兄さん」だからだ!!ゆっくりをそんなに優しく殺すつもりなど毛頭ない!!! 「ゆ!そろそろおじさんをたおせそうだぜ!」 とかほざいてる子まりさを一匹つまみ上げ・・・・ 「ゆ!おそらをとんでるみた」 思いっきり床に叩き付けてやった 「ゆぶびゅうううううううう!!??」 「おお、まだ生きてたかぁ、力加減間違えたかねーこりゃ」 と言ってもすでに餡子が漏れ出して虫の息だ その一部始終を見ていた母れいむは子まりさにかけより 「れいむのこどぼがあああああああ!!!どうじてこんなことするのおおおお!?」 「あれぇ?母親のクセにそんな事も分からないのぉ?・・・じゃあ子供に聞いてみようか♪」 母れいむを蹴り飛ばし、俺に体当たりをかましていたもう一匹の子れいむをつまみ上げる 「ゆ・・・ゆ・・ゆっくりしていってね!」 声が震えている。俺は笑顔で答えてやった 「さて・・・君たちはここで何をしてたのかな・・・?」 「そんなことよりれいむをはなしt・・・ぷぎいいいいいいいぃ!!!??」 俺の指が子れいむの体に食い込んだ、もちろん死なせない 「もう一度聞こうか・・・ここで何をしてたのかな?」 「ひゅっ・・みんなで、ひゅ、ゆっくりしてたよ・・」 見りゃ分かる 「ところであそこにいる虫さんは君たちが食べたのかな?」 オオクワガタの残骸を指差してみせる 「ゆっ!れーむたちでむーしゃむーしゃしたよ!とってもゆっくりしたあじだったよ!」 なるほど、一匹では勝てないと悟り大勢で仕留めたんだな、 それにしてもこの野郎さっきのは演技か 「そーかそーか、でもあれお兄さんの育てた虫なんだよねー」 「ゆっ!ちがうよ!あれはれーむたちがみつけたむしさんだよ!おじさんばかなの?しぬの?」 ああ、もうさっきまでされてたこと忘れたのか、さすが饅頭 だがまだ聞くことがある 「それよりれいむ達の家族は何人家族かな?」 「ぜんぶでにじゅうくらいいるよ!!みんなゆっくりしてるよ!!」 ここにはいるゆっくりはせいぜい5・6匹、明らかに人数が合わない てことは何匹か他の部屋にいるな。 それにしても二十匹とは・・・虐めがいがある。 「よし!君たちの家族はとてもゆっくりしてるからお兄さんが特別に遊んでやろう!」 そう言うとゆっくり達は目を輝かせながらこちらを向いた 「ゆ!ほんとうなんだぜ!?」 「ああ、本当さ。でも遊ぶ前にご飯を食べないと、虫さんだけじゃ足りないだろ?だから他の子達も呼んで来てくれるかな?」 俺は母れいむに向かってそう言った すると母れいむは目を輝かせて 「ゆゆっ!!わかったよ!ゆっくりごはんをよういしてね!!!」 と言った おお、キモいキモい ていうか本当に忘れてんだな、俺がやったこと 「ゆ!れーむもよびにいくよ!おじさんおろしてね!」 指の食い込んでいる子れいむが言った 「いやいや、君にもう一つ言いたいことがあってね」 「ゆ?」 ちなみに他のゆっくりたちはもうこの部屋からいなくなっている 「どーしたのおじさん!!はやくしてね!!!」 「俺はまだ20代だあああああ!!!」 俺の指が更に食い込む 「ゆびゃああああああぁぁあっがぁっ・・!もっ・・ど・・ゆっく・・りじ」 「言わせるかぁ!!」 子れいむが言うより先に俺は指に力を込め子れいむを握り潰した 「フウッフ~♪すっきりー!!!」 ちなみに今のは俺である 「いやぁ~、ゆっくり虐待はやっぱ最高だな~、心が若返る!!」 そう言いながら厨房に向かう途中、最初に虐待した子まりさが転がっているのを見つけた 「ゆっ・・ゆっ・・・おにいさんたすけてぇ・・・」 「ああ、お前いたのか!それにしてもお兄さんなんて嬉しいなあ、じゃあお礼に助けてあげよう!」 思いっきり踏み潰してやった このゆっくりの断末魔が聞けなかったのが少し残念だがまあそれは気にしないことにする 「なぜならこれからゆっくり達と遊ぶんだからな・・・先に逝けたお前らはラッキーかもしれんぜ?」 俺はそう言うと潰したゆっくりを回収し、料理を始めた ――15分後―― 「おじさんおそいんだぜ!!」 「れーむたちをまたせないでね!!」 おお、本当にこりゃ二十匹位いるなぁ 親れいむと親まりさが1匹ずつ、子れいむが6匹、子まりさが4匹、赤れいむと赤まりさが3匹ずつといったところか 「いやー待たせてごめんねー、はいどうぞ」 俺が出したのはチャーハン、スープ、エビチリと野生のゆっくり達なら一生お目にかかれない中華料理のフルコース 毎日木の実や虫しか食べていないゆっくり達は我先にと料理に飛び掛った 「うっめ!!めっちゃうっめ!!」 「むーしゃ、むーしゃ!ちあわちぇー!!」 あーあ、テーブル汚しちゃって、誰が掃除すると思ってんだ それにしてもあの体によくこの量入るなー・・・おっと、もう完食しやがった 「これでしばりゃくゆっくちできりゅね!」 今のは赤れいむだ 残念、しばらくしたらゆっくりできなくなるんだよ 「おじさん!もっとくれなんだぜ!!」 図々しい奴だ、子供がいなくなったことはどうでもいいのか。 どっちにしろまた餌を与えるつもりはない こんな豪華な料理をゆっくり達に食わせたのは全て次のセリフの為だ 「じゃあおじさんに〝かくれんぼ〟で勝ったゆっくりには毎日今食べたようなご馳走をあげよう」 一瞬で饅頭共の36個の目がこちらを向く そして俺は更に続けた 「しかも君達専用のゆっくりぷれいすを差し上げよう!どうだい?」 ゆっくりという言葉に反応し饅頭共は騒ぎ始めた 「ゆゆゆ!ぜったいおじさんにかってみせるよ!」 「まりさがかってまいにちゆっくりするんだぜ!!」 「ゆゆ~♪みんなでゆっくりするよ~」 よし、そろそろ頃合だな 「でも!お兄さんに負けたゆっくりは・・・ゆっくりできなくします」 一瞬饅頭たちが凍りついた ゆっくりできなくする―――それはゆっくりする為に生きるゆっくり達にとって最も恐れていることだ だが一匹の子れいむは言った 「ゆ!だいじょうぶだよ!れーむたちはにんげんなんかにまけないよ!」 すると次々とゆっくり達がそのゆっくりに集まり始めた。両親のゆっくりが制止したにも関わらず 結局両親ゆっくり達もこのかくれんぼに参加することにしたようだ 「じゃあ決まったみたいだね!」 「ゆっふっふ!いつでもいいよおじさん!!」 「ぜんいんでおじさんにかってまいにちゆっくりするよ!」 ほう、余裕たっぷりといったところか 野生のゆっくりは人間の恐ろしさを知らない、だから好きなんだけどね!!! 「じゃあルールを説明しようか」 「ゆっくりはやくしてね!!」 どっちだよ、と心の中でつぶやきながら続ける 「まずは5分数えるからその間に君達が隠れて、それから3時間経つまでにおじさんが君達を探し出し見つけたゆっくりを片っ端からゆっくりできなくするよ、理解したかな?」 「ゆっくりりかいしたよ!!」 怪しいもんだ、まあせいぜい今の内にゆっくりしてな 「じゃあ始めるよー・・・・」 ゆっくり達はいかにも自信満々って顔だ、俺に見つかった時はどんな顔すんのかねくっくっく・・・ 「スタートッ!!!」 素早く後ろを向いて俺は目覚まし時計を3時間5分後にセットする! あとは待つだけ・・・・ん? 「・・・ここにかくれればみつかんないよ・・・」 「・・・れーむはあたまがいいんだぜ・・・」 おっとっと、これじゃ不公平だね。そういうと俺は目を閉じ耳にティッシュを詰めた そしてあっという間に5分、虐待お兄さん出撃! 「よーしいっくぞー!」 この瞬間だけは童心に帰れる、いやー楽しっ! 「まずは俺の部屋からかな!」 ―――二階 自室――― やっぱりそこも荒らされていた、雑誌はやぶかれ、ごみ箱は漁られ、ハムスターの餌が入った袋もひっくり返してある だが俺は気にしない、なぜなら記念すべきかくれんぼで最初の犠牲者を見つけたからだ だが直ぐには殺さない 「うーんゆっくりたちはかくれるのがうまいなあぜんぜんみつからないよー(棒読み)」 布団が小刻みに震えている、笑っているんだろう 「ここにもいないんじゃーゆっくりはもういないなーほかへいこう(棒読み)」 バタンッ 「・・・やったぜれーむ!」 「にんげんたらほんとにばかだねー、ゆっゆっゆ!!」 「これでまりさたちはまいにちゆっくりできるぜ!ゆっくっく」 布団の中に隠れていたのは子れいむと子まりさの2匹、余程嬉しいんだろう笑いっぱなしだ その会話の様子を虐待お兄さんは扉越しで聞いていた 「はあはあ・・・れ・・れいむっ・・・!」 「まりさぁぁぁ!!」 !この饅頭どもあろうことか人の布団で交尾してやがる! まあ全部想定済みだけどね♪あんな狭いところでくっついて笑ったりしちゃあそうなるわなwww 「れ・・・れいむううううすっぎりずるよおおおおお!!」 今だ!! バタンッ!! 「そーいえばこのへやにわすれものしちゃったなー!!(棒読み)」 「!!」 子れいむと子まりさは驚きで交尾を中断させられた、よりによって絶頂寸前で 「いやーやっぱりわすれてなかったなーほかのへやにいこー(棒読み)」 バタンッ 俺が出て行くのを確認すると、二匹は再び交尾を始めた 「さっぎはじゃまされぢゃったけどごんどはすっぎりさぜるよおおお!」 「いいよおおおばりざあああああ!!」 ほう、無理矢理中断したせいで今度は絶頂が早いようだ だが・・・させん!! バタンッ 「いやーやっぱりわすれものしてたかもお(棒読み)」 「ゆぐっ・・・・!?」 そう・・・これぞ必殺「絶頂寸止め」!! 何度も絶頂を妨げられたゆっくりにとってはたまったもんじゃないだろう!! だからといってすっきりしたらゆっくりできなくなる!! 「ずっぎりざぜでよおおおおおおお!!」 だが14回を超えたあたりで少し飽きてきたのですっきりさせてやることにした 「「はあ・・・はあ・・・すっ・・すっきりーーー!!」」 そしてすかさず バタンッ!! 「ああーふとんがよごれてるーせんたくしなきゃー(棒読み)」 そういうと掛け布団でゆっくりを包み洗濯機の前まで持ってきた、よい子の皆は真似するなよっ? 「ゆ!?くらいよ!せまいよ!」 「ゆあああ!おがあざあああん!!」 「だれがだずげでえええええええ!!」 「もっとゆっぐりぢだいよおおおおお!!」 はい、オール無視ー 「そぉい!!」 洗濯機に掛け布団(+ゆっくり)を放り込みスイッチオン!! 洗濯機がガタガタいいはじめた 「いやー古い洗濯機は音がうるさくて不便だなー」 そういいながら俺は漫画を読み始める 「いやああああ!!だぢでえええええ!!」 「いだいよおお!!れーむのあんこがあああああ!」 「やっぱ古い洗濯機もいいなー、はっはっは」 「おにいざああああん!だじでええええ!!」 「あっ」 何を思ったか俺は洗濯機のスイッチを切りフタを開けた 「いやいや大事なこと忘れてたよ」 「ゆ゛・・・そうだよ!!まりさだちをだずけてね!!!」 「洗剤入れんの忘れてた」 そう言いながらおもむろに取り出した洗濯用洗剤(液体型)をゆっくりにかけてやる 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!じみるよおおおおおお!!!」 「いだいよおお!!おじざんどおぢでこんなことずるのおおおおおおおお!!」 「洗濯開始ー」 スイッチを押し再度漫画を読み始める 「だずげでええええええええ!!」 「もういやああああおうぢがえるうううううう!!!」 「ばりざのかわいいおめめがあああああああ!!」 「おえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「ゆぎゃああああでいぶうううううう!!!」 ――10分後―― 「あーまりさとれいむ見っけー」 俺の指差した先には掛け布団に絡みついた髪の毛と二匹の髪飾りだけがくっついていた 残りゆっくり 16匹 残り時間 2時間35分 もちろん続く ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― こんにちはHILOです。今回がゆ虐SS初投稿なんですが・・・・ 初投稿で続編物なんて少し無謀だったかと今更ながら思っています それと多少修正を加えました この作品はもし自分の家にゆっくりがいたら自分ならどうするか、という視点で作っています お見苦しい点も多々あったと思いますが、どうか暖かい目で見守ってください では、 _,,....,,_ _人人人人人人人人人人人人人人人_-''" `''> ゆっくりしていってね!!! <ヽ  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ | ;ノ´ ̄\ \_,. -‐ァ __ _____ ______ | ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、 rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', ir-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |,' ノ !'" ,___, "' i .レ' L.',. ヽ _ン L」 ノ| .| ( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´ その2 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1472.html
さんさくめ ちょっと ちょうしこきすぎた あいかわらず だぶん だよ by おれまりさ とか よばれたひと 「あ~楽しィ~!マジAQN最高だぜ」 今日もハッピーターンをつまみながらビールを飲んで、某ゆっくりスレを見て1日の疲れを癒す。 そんな私はゆっくり愛好家。壁紙はゆっくり、勿論デスクトップを飾るのはゆっくりデスクトップアクセサリー なぜならゆっくりは特別な存在だからです。 デスクトップ画面には50匹を超えるゆっくりが縦横無尽に飛び跳ねている。 この為にCPUをセレロンからクアッドに変えたのは言うまでもない。 「あ~かぁいいよ~ゆっくり~!俺の大根もおろせる頬でスリスリしたいよ~~!」 悲しいかなこいつらは与えられた画像とルーチンでしか動く事できない デスクトップを見てニヤニヤしてる俺。親が見たら泣くね絶対、まだAV見てる方が救いがあるよねウン しばし至福のゆっくりタイムを満喫してると、辺りが一瞬真っ白い光に包まれに遅れてゴロゴロと言う音が外から響いていた 「結構近いな。落雷で俺のゆっくり画像が消えちまったら困るな。可愛いゆっくりちゃん、少しの間会えないけど我慢しててね」 そう言ってスタートボタンにポインタを合わせた瞬間であった ガラガラガッシャーーン!! 眩い閃光と共に耳をつんざく爆音が俺の部屋を襲った 同時に激しい衝撃で俺の体は吹っ飛ばされ壁に叩きつけられた 「うぉ…いってて、本当に落ちるとは…はっ俺のゆっくり1号カスタムは!?」 自慢のゆっくり専用PCを見やると本体は白煙を上げモニタは真っ暗な画面だけを映していた 「なん…だとっ!?」 何という事だ...給料の3か月分を費やして組み上げたゆっくり専用PCが!? 1年掛けて関連サイトやアップローダを暇さえあれば業務中でも探して集めた画像がッ!? 通勤中に思いついてにやけてしまう程の思いのたけを綴ったゆっくりとの妄想ライフSSががっ!? おきのどくですが ぼうけんのしょは きえてしまいました 3行の文が俺の中を渦巻いていた。 ゆっくりが居なくて何の人生を楽しめようか 目の前が真っ暗になり俺の人生も真っ暗にあんりかけたときであった ビッ ピーー 聞きなれた起動のビープ音がPCから聞こえた 「良かったPCは生きてる!」 後はデータが生きてるの確認するだけ OSのロゴが消えるとと何時もの乱雑なデスクトップ画面が映った 相変わらず暢気にゆっくり達が跳ねまわっている。よし問題ない 後はマイゆっくりフォルダを確認するだけだ。ポインタを置くと目を瞑って祈る思いでクリックする 「…。」 うっすら目を開けると白い背景にいくつものアイコンがいくつも見えた。 良く見ると虫食いの如く所々有る筈のフォルダが消えてる 「ま…PCが生きてるなら儲けものだな、ハハ…」 とりあえず飲み物をとって気を落ちつける事にした。もう流れちまった画像の事を考えると飲まないと涙が零れそうだからだ 「さてと…他の方は…ん?」 可笑しい…さっきまで有った筈のフォルダや画像のアイコンまでが消えている 「ま…まさかウィルス!?」 だがウィルスソフト反応してない。じゃあ一体なぜ?Why? 「ん…なんだこりゃ?」 何故かデスクトップアクセサリーのゆっくりれいむが妙な行動している。 AAでよく見るむーしゃむーしゃと物を咀嚼するアクション。 こんな動きしたか?徐にポインタを近づけてクリック するとれいむが口からアイコンを吐き出した。こ…これは!?タイトル名を見ると私的神画像の1つ!? 「れいむのしょくじをじゃましないでね!」 スピーカーから聞こえる筈のない物が聞こえた。 それだけではない他のゆっくり達を見るとデータにない筈の動きをしている 「これは一体?おまえはだれなんだ!?」 「れいむはれいむだよ。ばかなの?」 いや待て落ち着け……これは夢だ。夢でないとしたら幻覚だ。頬をつねろう 「あだだだだっ!?」 本物だ。じっくり観察してみるとデスクトップ上ではゆっくり達が思い思いに動いていた 数匹で歌を歌ってる者・追いかけっこをする者・フォルダのアイコンに顔を突っ込む者、絵やSSをみて想像するしかなかった光景が今ここに存在している 「フ…フハハハハハ!見ろ全国の『お兄さんども』よ!!俺はゆっくり愛好家達が誰もが羨む夢『ゆっくりと暮らす』をこの手に手に入れた」 「うるさいよ!しょくじちゅうなんだからゆっくりしずかにしててね!それとごはんがたりないからすぐもってきてね!」 「ああ・・・ハイハイゴハンね。ゴハン?お前ら電子データの癖に物が食えるわけないだろ」 「なにいってるの?おっきいおさらのなかにあるのがれいむのごはんだよ!」 よく見たら開いているマイゆっくりフォルダの中に多くのゆっくりが集っている。そいつら一様に何かを咀嚼している。ま…まさか!? 「こいつらファイルを食ってる!?」 何と気づいたらマイゆっくりフォルダの画像やテキストファイルの殆どが消失してる。こいつは不味い! 「ば・・・ばかたれ!今すぐ辞めろ!!」 「これはれいむがみつけたごはんだよ!ゆっくりできないおにいさんはきえてね!」 叫ぼうが一向にゆっくりはやめる気配がない。止めようにも画面の向こうの存在に干渉することなどできやしない。 「そうだ?さっきれいむに…」 フォルダでファイルをむさぼってる一匹のゆっくりをクリックする 「ゆ!?いたいよ!まりさをはなしてね」 ビンゴ!やっぱりそうだ。こいつらはデータなのでPCから操作で干渉できる 「おにーさんまりさをはなしてね!」 そのままドラグしてゴミ箱へドロップ 「ゆ゛ーーー!」 仲間の叫び声に気付いた他のゆっくり達が一斉に振り向く 「ゆっ!おにいさんまりさをかえしてね!」 「ここはれいむたちのおうちだよ!かってにいじらないでね!」 口々に非難の声をあげるれいむたち。 余りの事にこいつらの本質を忘れていた。 自分勝手で頼みもしないのに居着いてまるでそこの主の様に振舞う そして俺はお兄さん ならば成すべき事は一つ… 「おにいさんれいむをむししないで…むっぐ!こんなにごはんいらな゛っ」」 手始めにバックアップ済みの大容量データを放り込んであげた。 3GBもする御馳走を貰ったれいむは歓喜のあまり白目を剥いて気絶してしまようだ 「て゛い゛ふ゛ぅぅぅぅぅ!!」 れいむのつがいらしきまりさの口にはどっかで拾ったゆっくり.zip .exeとかいう何か怪しい香りのするファイルを御馳走させてあげた 「や"めでっ!?むーしゃむーしゃしあわせー♪」 「アレ何ともないのか?」 「ゆ…ゆっくゆっくゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりっくりっくりっくりっくりっくりっくりりりりりり」 「あ…やっぱりヤバいファイルだったか」 まりさは壊れた録音機の如く奇声を発しながら画面上を狂ったように走りまわる 今度は呆気にとられて動けない3匹のゆっくりを範囲指定して圧縮ソフトのアイコンに放り込んであげた するとデスクトップに3匹のゆっくりがいびつに融合した真四角なアイコンがあらわれたではありませんか 「き゛ほ゛「い゛や゛あ゛ぁぁ「は゛な゛れ゛て゛ぇぇぇぇ」ぁぁぁ」ち゛わ゛る゛い゛ぃぃ」 ゾクっとする様な不気味な声を立ててガタガタ動いている しかし本当の悪夢はこれからだ。ゆっくりデスクトップアクセサリの設定画面を起動してRemilaと名の付いたファイルを起動させる。 「うー?」 他のゆっくり達の顔が凍りつく。まさかれみりゃまで出てくるとは思いもしなかったろう 突如出現させられて戸惑っているれみりゃ。だが周囲を見回すと事態を把握したのかにっこりと笑う 「たべちゃうぞー!れみりあ うー!」 ようやく危機を悟り逃げ回る残りのゆっくり達。 「れ゛み゛り゛ゃ゛た゛ぁぁぁぁぁあぁ!!」 「い゛や゛た゛あ゛ち゛に゛た゛く゛な゛い゛ぃぃぃぃ」 半狂乱になって画面を逃げまどうゆっくりの様子は滑稽なものだった。 「ハハハハ!見ろ、人が…じゃなくてゆっくりがゴミの様だ!」 れみりゃに中身を食われてデリートされる物 画面端に逃れようとして将棋倒しになり押しつぶされる物 やけくそになったのか他の仲間を押し倒して性行為に及ぶ者 とにかく隠れようと自分からゴミ箱につっこむ者 宴は空が白むまで続いた。騒動が収まった頃にはデスクトップには数匹のゆっくりがポインタから逃げるように画面端で縮こまっている。 まだ続けたいところだが今日は出勤日、眠い目を擦り身支度を整え朝飯を取る。 今まで起こった事が夢のようだった。だけど現実なんだよこれが 出かけるので電源を消そうとPCの前に行く 「お゛ね゛か゛い゛で゛す゛ゆ゛っく゛り゛さ゛せ゛て゛く゛た゛さ゛い゛…」 その言葉を聞いて電源を切る手を止めた 「そうか帰ったらあそんであげるからそれまでゆっくりしていってね!」 俺は軽い足取りで家から出てゆく。何か聞こえた気がするけど気のせいだろう このSSに出てくる固有名称・団体名・商品名・企業名は実在の物とは無関係です このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3867.html
※人間視点100% ゆっくりが嫌われるまで 作者:古緑 俺がまだ家族と同じ家にいた頃 家族揃っての外食の為に家を開けた夜に ゆっくりが僅かな隙間から家に入り込んでいた事があった。 このゆっくりとはいつの間にか日本に湧いた生き物だが それまで俺の住む地域ではゆっくりなんてほとんど見る機会はなく 年に数回山の近くで迷ってるのを見るぐらいだった(それも直ぐに山に入っていってしまう) なのにどういうワケかあの頃はゆっくりが沢山街に下りて来た。 トンガリ帽子のゆっくりの5匹から成る家族だった。 確か名前はゆっくりまりさとか言ったか。 その大きなゆっくりまりさが一匹と小さなゆっくりまりさが二匹、 短めの金髪に赤い髪飾りを乗せたゆっくり (名前を知らないから赤カチューシャとでも呼ぶ)が大小それぞれ一匹づつ。 ゆっくり達は破いたスコッティのティッシュや新聞紙を床にバラ撒き、 テーブルクロスを引っ張ってその上にあった皿を5枚程割ってくれた。 その際落とした昼の食べ残しの焼そばと観葉植物を食べ散らかし、 俺が家族と共に家に戻った時の居間はまさに惨状。 その時俺は産まれて初めてゆっくりから声を掛けられた。 それによるとここは自分達の家だから出て行って欲しい、だそうだ。 結果から言うと摘み出すという形にはなったが、 両親も俺も最初は話し合いで解決しようとした。 というのも当時俺も家族もこの生物は言葉が通じると知ってたから こちらの正当性を理解してくれると思っていたからだ。 (地球は皆のモノという意見が両方の間で正当性を持つなら話は別だが) それにゆっくりがどんな牙を持っているかもしれず危険だったというのもある。 この家族が例え団地中のどこの家に入っていったとしてもきっと同じ扱いを受けた事だろう。 確かに言葉は通じた。君たちと呼べば何?と答え 出て行って欲しいと言えば、ここはまりさのお家だよと答える。 それが通じたと言えるのかは分からないが 十分近くも様々な言い方で俺等はゆっくりに出て行くよう勧告した。 だがとうとう怒った大きなゆっくりまりさが一言何か叫んだと思うと 一番下の、当時まだ小学生だった弟に体当たりし始めた。 それを見て父親は慌ててゆっくりまりさを蹴りつけた。 どうでもいい事だが、父親は車を用いてレストランまで行くよう 母にせがまれたため酒が飲めなくてイラついてた。 父は子供に悪影響を与える事無くこの問題にケリを付けるきっかけが欲しかったに違いない。 ちなみに体当たりを受けた弟は平然と立っていた。 これもまたどうでもいい話だがゆっくりが居間を汚した事で 弟は驚くより先に腹を立てた事だろう。 何故なら弟は焼きそばが好物だったし、ゲーム機があるのも居間だった。 弟は俺と数日前に買ったばかりの二人で遊べるアクション系のゲームで 早く遊びたくてうずうずしていたのだ。 弟はこの生物を無力だと判断し、持ち前の積極性から 窓を開けて小さなゆっくりまりさを二匹掴むと まるで授業中に消しゴムのカスを同級生の後頭部に投げつけるように 気軽に外に向けて投げ捨て始めた。 それを見て父親も動き出した 蹴られて泣いている大きなゆっくりまりさの長く掴みやすい髪の毛を掴むと 弟のように投げ捨てるのは肩を痛めるかも、と思ったのか玄関まで行って放り捨てた。 母は動かなかったので俺が残った大きな赤カチューシャと 小さい赤カチューシャを捕まえて父親を追って門の外につまみ出した。 この時大きな方の赤カチューシャがゆっくり特有の言葉なのか 「いなかもの」だの「とかいはじゃない」等と連呼していたが未だに意味が分からない。 喚く五匹を外に捨てて玄関をしめ、居間に戻ると 真っ赤な顔をした母が箒とチリトリを持って階段から降りて来たところだった。 昔から母の顔が赤いのは爆発寸前の合図だった。 ゆっくりばかり見ていたから忘れていたが 母は弟とは比べ物にならないぐらい腹を立てている。 楽しみにしている九時からのドラマが始まってもう二十分も過ぎていたのに グダグダと下らない問答を続けていたからだ。そもそも車の中で既にイライラしていた。 それにも関わらず掃除を手伝う気が無さそうに 冷蔵庫からビールを取り出す父に限界を迎えつつあるのだろう。 この時弟はゲーム機の電源をつけた。 俺は母の機嫌を取るためにも手伝うと告げて箒を一つ貸して貰った。 二人でやればこのぐらいすぐだ。 その時 バン!バン!と外からけたたましくプラスチック製の門が鳴るのが聞こえた。 私達の家の門がこんな音を立てた事は今までで二度だけだった。 酔っ払った父が門の前で派手に転んだ時が一度目、 家の前で俺とサッカーボールで遊んでいた弟が誤って 門の方にボールを蹴り飛ばした時が二度目、 記念すべき三度目がゆっくりの体当たり。 まずいと思った。 窓からそれを見た母はヒステリックに床を踏み鳴らしながら 箒を持ったまま外に飛び出して行った。 門が開く音とほとんど同時にさっき聞いたのと同じ類の悲鳴が門の方から聞こえた。 母はあいつ等を殺すかも知れない。 いつか酔っ払った父と口論になった母が同じようにヒステリーを起こして 座っている父の頭に向かって4kgぐらいあるパーティー用のサラダ皿を 振り降ろそうとしたのを止めた時を思い出した。 母を止めるために慌てて外に出た俺が目にしたモノは 眼球のあった場所に箒の柄を突き立てられ転げ回るゆっくりまりさの姿だった。 俺はゆっくりが可哀想と言う感想を述べるより先に こんな夜中に団地中に響きわたりそうな悲鳴を出させているのが 自分の母親だと言うことが問題だと思った。 このままでは近所でよろしくない噂が立つ事だろう。 母に団地での立場を無くさないでほしい。 そう思って母を羽交い締めにして家へと戻そうとしたが手遅れだった。 騒ぎを聞きつけた向かいの○○さん家の奥さんが玄関から出て来たのだ。 目をカッと見開き口に手を当てて驚いている。 母を急いで家に戻したが○○さんはしっかり見ただろう。 どうせ母は話せる状態じゃないだろうし、俺が出来る限りの言い訳をするしかない。 何しろ小動物の眼球を箒で掃除するのを見られたのだ。 半端な言い訳じゃ通じないとは分かっていた。 だが結局俺は話も嘘も下手くそだったのでほとんど本当の事を話してしまった。 (ちなみにこの時ゆっくり達はどこかへ跳ねていった) ○○さんは母の加入している仲良し主婦連盟の一員であり 主婦の多くが噂好きなのと同様に誰かの噂話が大好きな中年女性だ。 この手の中年女性の中には大抵聞いた話にプラスαを加えてから広める癖を持ち どこかの夫婦が喧嘩した事実が離婚したかもという話に変わっていたら 影でこのタイプの女性が動いていると考えて良い。 だが不幸中の幸いだったのは○○さんは噂好きだったが そのプラスαタイプの女性じゃなかった事。 幸運な事に少なくとも母の周りには事実は改竄される事無く伝わった。 (勿論伝わらない方が良かったに決まっているが) そして母は仲良し連盟から『異常なレベルのゆっくり嫌い』と認識された。 でもそれは間違っている。母はドラマを見るのを邪魔する生物が大嫌いなだけだ。 それから仲良し主婦連盟の内の一人は母の『嫌い』の範囲は犬にまで及ぶと思ったのか 犬の散歩の際に母と会った時は母から犬を出来る限り距離を置かせ警戒していた。 当然かも知れない。例え偶然刺さったとしても 小動物の目をエグるような人間は問題有りと見なされる。 この頃は母が友達の家に行く機会は減ったし、友達が家に来るのも減ったように思えた。 それからの暫くの間、家では母の気に障る事を恐れて テレビでゆっくりが出たらさりげなくチャンネルを回していたし 新聞記事にゆっくりが出ても話題には上げなかった。 父もそうしていたし勿論俺だってそうしていた。弟は知らない。 だが、母の友人が置いた距離はそれからの数週間でまた元通り縮まった。 ゆっくりまりさ達が俺達の家から追い出された次の日の夕方 中学校から帰る途中に小学生が3、4人輪になってしゃがんでるのが見えた。 輪の中心から「まりしゃはまりしゃだよ」と声が聞こえてきてから分かった事だが 輪の中にあの忌々しいゆっくりまりさがいるのだろう。 俺はゆっくりに対していいイメージを持てなかったが(なにしろ第一印象がアレだ) 人によっては可愛く見えるのだろう。例え生首のような姿でも。 その小さなゆっくりまりさは俺を見ると口を結んで膨らんだように見えた。 俺はその時初めてこのゆっくりまりさが昨晩のゆっくりと同じだと分かった。 後で友人に教えてもらった事だが膨らむのは家を追い出した俺への威嚇だったらしい。 ここにいたらコイツは俺が家族の目をエグった等と変な誤解を招くような事を言いかねない。 俺は足早にその場所を立ち去った。 その後家の近くで母の仲良し連盟の一員であるお婆さんが俺に話しかけて来た。 この若い人間と喋るのが大好きなお婆さんと三分程お話をしたところ やはり話の中にゆっくりに関する話が出て来た。 俺の家で起きた事件については残念ながらお話し出来なかったが、 突然町に住み始めたゆっくり達は退屈な団地でのいい話題となる。 お婆さんは昼間の間赤いリボンのゆっくりが庭の花を食べていたのを見たが 特に手入れをしてる庭でもないので放っておいたと言う。 俺はお婆さんにそいつはその内家に入ってきて お爺さんの位牌にお供えした焼そばを食い散らかしますよ、 と言いたかったが適当な所で話を切り上げて家に帰った。 ゆっくり達を町で見かけるようになってから暫くはいつもと変わりなかった。 さっきの小学生のように面白がって学校の帰りに鞄に隠していた飴を上げる子もいたし 庭で草を食べていても大抵放っておかれてた。 暫くの間はゆっくり達にとってこの辺は楽園だったに違いない。 それから二週間程経ってゆっくり達を見る頻度はまた少し多くなった。 また山から下りて来たのかと思ったが、 小さなゆっくりが多い事から恐らく子供を産んだのだろう。 ゆっくり達はもうこの辺には慣れたというように 道の隅で這うように歩いていたゆっくり達は道の真ん中を跳ね出し、 小学校の通学路に数匹で飴を貰うために集まっているのを毎日見かけた。 だがゆっくり達はここに住む上で守るべき人間のルールを理解する程賢くなかった。 ある日母親が自治会館での集会から帰って来て言う事には ゆっくりが○○さんの庭にある草花を食べた事が問題になったらしい。 彼女はゆっくりが草花を好んで食べる事を知らなかったのだ。 それを聞いた時俺は庭の草花を食べられるぐらいで問題になったの?と疑問に思ったが ○○さんと言えばガーデニングを趣味に持つオバさんと言う事を思い出して納得した。 おそらく泣きそうになりながら戸締まりに注意するよう皆に呼びかけたのだろう。 庭の無い俺の家には関係無い事だけど 通学路から見られるあの小さくも綺麗な庭から花が消えたのを想像すると 俺はゆっくりの事がまた少し憎くなった。 翌朝俺は登校中に○○さんの庭の様子を見たが(この家には塀も門もなく庭はむき出しだ) 少し高い所にある花は前と変わらなかったが地面の草花はもう全然無かった。 その代わりに庭では赤いカチューシャが二匹寄り添って寝ていた。 ○○さんは一人暮らしだし気が弱くて誰かさんみたいに 小動物の眼球をエグれそうな人じゃない。追い出せなかったのかもしれない。 でも追い出してもゆっくりまりさ家族のように戻ってくるんだろうな。 この前に家に来た赤カチューシャと似てるけど俺にはゆっくりの顔の区別はつかない。 いつまでも見てて遅刻するのも嫌なので放っておいた。 中学校への坂を上っているとまたゆっくりがいた。 今度はゆっくりまりさ、赤カチューシャ、赤リボンの三種類それぞれ一匹づつだ。 驚いた事に三匹並んで車道の真ん中を跳ねている。 この車道は交通量は大した事は無いが制限速度50kmと標識が教える危険な道路であり あんなノロい生物が見通しの悪い頂上付近で 並んで跳ねてたら轢いてくれと言ってるのと同じだ。 「ひろくてゆっくりできるね」等と言ってる場合じゃない、 そう奴等に注意しようと小走りに近づいたその時 直管マフラーのとんでもない騒音バイクが二台坂の下から上がってくるのが聞こえた。 アレは中学に上がってからたまに見るようになった高校生達だ。 この辺じゃ最も関わり合いになりたくない類いの人間である事は 乱れた服装とバイクのステッカーから判断出来る。 珍しく朝早くからの登校なんですね等とは言えないが このままだとあのゆっくり達に躓いて転倒しかねない。 だけど俺は声を張り上げて注意する事はしなかった。怖いから。 ゆっくり達は向かって来る赤と緑のバイクに向かって いつかのゆっくりまりさのようにぷくーっと膨れだした。 あの状況で威嚇とは信じられない行動だがゆっくりなりの最大の防衛手段なのだろう。 高校生達もやっとゆっくりに気がついたのかスピードの乗ったバイクに ブレーキをかけながらゆっくりを避けようとしたが 横に並んで大きく膨れるゆっくりを避ける事が出来ず その内の一匹を轢いてバランスを崩し転倒した。 改造された赤いバイクがガリガリと音を立ててアスファルトに削られていく。 二人のうち一人は無事だったが、 転んだ方は腕を怪我したらしく血を滴らせながら呻いていた。 (この時俺は事故の現場を目撃した事よりアスファルトに花が咲くように広がった ゆっくりの中身を見て、あぁ、本当に餡子で出来てるんだな、とちょっと感動していた) 転んだ時にはもうそれほどのスピードは出ていなかったし大袈裟な怪我じゃない、 救急車を呼ぶなら仲間が呼ぶだろうなと思い、俺はそのまま歩き出した。 直ぐに後ろから絶叫が聴こえたので振り向いたら 緑のバイクを端に停めた太った男がゆっくりを蹴り殺していた。 そんな事より救急車を呼ぶべきですと思ったが、怖いのでやっぱり黙っていた。 当然の事ながらこの事件は直ぐに問題となった。 山から下りて来たゆっくりは交通ルールなんて知らないので狭い道と広い道があったら 当然のように後者を選ぶ。しかも迫って来る車を避けたりしない。 ブレーキが間に合えば威嚇が成功したと勘違いして車道を跳ねる事を止めず、 間に合わなければ潰れて死ぬだけだからだ。 この二点の問題からああいった事件はその後も起こった。 これからは車を運転している時にゆっくりが前にいたら必ず停車して ゆっくりを車道から摘み出さなくてはならない、と夜に父が愚痴っていた。 父は一度その機会に遭遇した時にクラクションを鳴らすことで ゆっくりをどけられないかと考え、実行したが より一層大きく膨れただけだったと言う。変なところで勇敢な生物だ。 ゆっくりはこの辺一帯のドライバーを敵に回したのかも知れない。 この事件を境に段々と町のゆっくりに対する空気が変わり始めた。 翌朝庭を荒らされた○○さんの庭を通り過ぎると 昨日のヤツかは分からないけど大きな赤カチューシャと小さな赤カチューシャが 今度は通学路に飾ってある児童会の子供が植えた花を食べていた。 まだ朝早いとは言え、何人もの生徒がこの二匹を見た筈なのに 誰も止めるように話しかけなかったのだろうか? これを止めるのはゆっくりが生きる為に草花を食うのを否定する事になるが 草花なんてここじゃなくてもその辺にある。とりあえずこの花は食べさせちゃ駄目だ。 オイ、それを食べると人間にとってもお前等にとっても不都合なことが起きるので お前達はあっちの雑草を食べなさい 「なにいってるのおにいさん?くさをたべるなんてとかいはじゃないわ!」 俺はあの夜の下らない問答を繰りかえす事になりそうな気がしたので 無言でこの二匹を摘まみ上げて、まず最初に重い方から道路に放り投げた。 少し痛い目に会えば家に入ったゆっくりみたいに退いてくれるだろう、そう思った次の瞬間 「ごのいながも」ブレーキの間に合わない軽自動車が赤カチューシャを轢き殺した。 俺は車に轢き殺させる為に赤カチューシャを投げたわけじゃない。 小さな方の赤カチューシャは力を無くした左手からぽろりと落ちると 轢き潰された大きな赤カチューシャにふらふらと近づいていった。 俺は車に向かってそのまま通り過ぎていってくれと願い、 足を震わせながらドクドク鳴る胸を押さえ付けていた。 しかし完全に停車し、運転席のドアが開くのを見た俺は怒られるのが怖くなり 通学路とは全く関係のない階段の道に向かって逃げ出した。 この時俺は赤カチューシャの命を奪った事の罪悪感よりも、ずっと、 大人にちょっと怒られる程度の事の恐怖を強く感じていた。 思えばこの事件を通して俺は自分がゆっくりの命について どのように思っているか認識出来たのかもしれない。 毎日どこかで同じような悲鳴を聞いてるうちに流石に慣れたのか、 奴等が所詮饅頭であり、人ではないと分かったからなのか、 言葉は話せるが会話が成り立たない事が多々あるせいなのか、 それとも迷惑な事ばかりする癖に道でデカイ顔して膨れるのが気に食わないのか どれでもいいがそれからと言うものの 俺は町の何処かでゆっくりの悲鳴を聞いても何とも思わなくなったし、 うっかり踏みつぶしても大して罪悪感を感じなくなった。 その日の友人達との帰り道でゆっくりの死体が転がってるのを見つけた。 友人が言うにはゆっくりに通せんぼされたドライバーの中には ゆっくりをどける際に誰も見てなければゆっくりを殺してしまう人も出て来たらしい。 何度も邪魔されれば殺してやりたくもなるかもしれない。 なにしろ脆弱な生物である事は昨日の太った男がゆっくりを 簡単に蹴り殺したのを見てたので知ってる。 右脚を上げて全力で降ろすだけのアクションで殺す事が出来るだろう。 路上にゆっくりの死体があっても友人は驚かなかったが、最近多くて慣れたと言っていた。 家に帰ると暫く顔を見なかった母の友人が三人遊びに来ていた。 その中にはあの夜の母の醜態を見た○○さんもいたが ○○さんの家じゃゆっくりに車のボンネットの上を汚されたらしく、 ゆっくりの話で盛り上がってるようだ。主にゆっくりに対する文句で。 被害者意識を通じて(あの夜の被害者がどっちだったのかは人の判断によるが) 母が友人達とまた元通りの距離感を取り戻す事が出来たのは俺にとっても喜ばしい事だ。 どうやら話にプラスαを加えるのは母だったらしく、皿は二十枚割られた事にしていた。 そんな生活がまた暫く続いて、この町でのゆっくりの暮らしは4週間前とは随分変わり、 ゆっくりに対する人々の態度は段々と冷淡なモノになっていった。 草だけでなく花を食うと知り、庭に入って来たゆっくりを殺す人もいるそうだし、 俺の家のように家に入り込まれた人もやっぱり出て来た。 この辺はそうでもないが少し離れた所では騒音公害も問題になっている。 その上で更に町のゆっくりにとって不都合な事件が起きた。 この事件はゆっくりが絶対に敵に回してはならない子供達と、PTAを敵に回すきっかけとなった。 ゆっくりが小学生の女の子に怪我をさせた事件だ。 ある日の夕方、いつもと同じようにゆっくり達は飴を貰うため女の子を待っていた。 飴を貰えると知って待っているゆっくり達の数は7匹もいたらしい。 飴をくれるのはこの女の子しかいない為頑張って待っていたのだろう。 ゆっくり達が集まる場所の近くに住む友人が言うには ゆっくりは女の子から飴を貰うため一時間も二時間も待ち続けていたらしい。 女の子の姿を見るとゆっくり達は一斉に女の子に集まっていった。 だが、その日女の子は飴の袋を持っていなかった。先生に見つかって没収されていたのだ。 女の子から飴を貰えないと聞いたゆっくりはガッカリしてどこかに帰っていった。 だが帰らないゆっくりがいた。 人間と同様に、ゆっくりの中にも自分中心的な性格を持つゆっくりがいる。 帰らないゆっくりは自己中心的で大きな体格を持つゆっくりまりさだった。 ごめんね、と謝って背を向けた女の子の背中に向かって そのゆっくりまりさは体当たりをした。 前のめりになって倒れ、地面に手をついた女の子は産まれて初めて捻挫という怪我をした。 これでゆっくりは飴さえ貰えなかったもののいくらか気分よく帰れる事だろう。 だがゆっくりにとって都合の悪い事は その女の子は優しくて可愛いクラスの人気者だった事と、 その日は三者面談で女の子は親と一緒に帰っていた事だ。 ついでに人間は人間に怪我をさせたその個体だけを危険視することは無いと言う事。 それからというものゆっくりの姿は減ったように思えた。 女の子の親が駆除申請したのかどうかは知らないが通学路のゆっくりの死体は確実に増えた。 勿論保健所は殺して放置なんてマネはしない。町の人間の仕業だ。 例えば今友人が跨いだ赤いカチューシャのゆっくりだったモノは 汚れ具合から散々蹴られた挙げ句に道の真ん中でさらし者になった事が分かる。 多分小学生だろうな、と思った。 子供達はゆっくりの事を女の子を後ろから攻撃するような生き物だと認識し、 攻撃する事の正当性を得たつもりなのかもしれない。 例えそんな汚い事をするのがあの一匹だけだったとしてもだ。 後ろから来る小学生が今度は赤いリボンのゆっくりを石蹴りの石代わりにしているが 俺も友人もそれを止める事は無かった。 何故ならそもそも俺はゆっくりが好きじゃないし この生き物は町にとって害になる事が分かった。 自分から遊び殺す気にはならないが、 小学生がそれをするのを止める気には全くならない。 きっと友人も俺と近い考えを持っていると思う。 ゴキブリを殺すのと一緒だ あんなの、と。 ゆっくりが家に侵入してきた事件が終わってから丁度5週間経った晴れた休日の朝 ニコニコと機嫌良くコーヒーを入れてくれる母に 溜まったダンボールごみを外に出しておくように頼まれた。 父が酒に酔わず母が上機嫌、ついでに弟が大人しくしてれば家族は幸せだ。 俺はそれを承諾し、玄関にあったダンボールを紐でまとめると 両手にそれらを抱えて門を出た。 門を出てすぐに半ズボンから剥き出しになったふくらはぎに何かがぶつかるのが分かった。 金髪に赤カチューシャ。 きっと俺に親を奪われたゆっくりか、最初に家に侵入してきたゆっくりのどちらかだろう。 みゃみゃにょかちゃきーとかしきりに鳴いていたが意味が分からない。 俺はコレを母が見てあの夜を思い出してまた機嫌が悪くならないように、 スニーカーの底が汚れないように、 抱えていた片方のダンボールを赤いカチューシャに乗せてその上から足で踏み潰した。 車を運転する大人達はゆっくり達を刺し殺す為の細長い棒を 助手席に用意してから運転する人の方が多くなったし、 家の近くをうろつくゆっくりは問題を起こす前に処分される。 特に通学路付近では暫くの間子供達の安全の為、 トングと麻袋を持った父母会の会員が巡回していた。 町は人間のルールを守れなかったゆっくりに対して冷たくなり、 人はゆっくりを踏み潰しても大して心を痛めなくなった。 ゆっくりはこの町じゃ嫌われ者。それが当然になった。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1507.html
『色つきゆっくりの結末』 今日は夏祭りだ。 ゆっくりを使った出店を開こうと朝から加工場に赴いて複数のゆっくりを買ってきた。 買ったのは飼育ルームで食品加工用に育てられていた子ゆっくり達。 箱入りゆっくりなので人の恐怖は知らないし、野生ゆっくりの食べる虫や雑草も「なにそれ、たべものじゃないよ」というお嬢様ぶりだ。 加工場も自分の出身地程度の認識しかなく、箱に詰められて俺に運ばれている時も他のゆっくりプレイスに行けるとしか思っていなかった。 「よし、みんな着いたぞー」 「ゆっくりしていくね!!!」 箱に詰めていたゆっくり達を工房の奥、柵で囲まれた場所に出していく。 ゆっくり達の顔はぎゅうぎゅう詰めから解放されてすっきりーな表情をしている。 三箱分のゆっくりを柵の中に放つと広めにとった柵の中も窮屈になってしまった。ゆっくり達から不満の声が上がる。 「これじゃゆっくりできないよ!」 「もっとひろいところがいいよ!」 「まえのおうちはもっとひろかったよ!!」 俺に向かって60匹近くのゆっくり達が口々に叫んでくる。煩いことこの上ない。 しかし明日の縁日で売り物にする以上この程度は我慢しなければならない。 「みんなゆっくり聞いてね」 「ゆっ!」「なに?」 「ごはんのじかん?」「ゆっくりたべさせてね!!」 加工場の職員にある程度の躾がされているようで俺の言葉を無視しなかった。 野生のゆっくりだったら「そんなことより~してね!」の文法でイライラさせてくれただろう。 「今からみんなの帽子とリボンを綺麗にしてあげるからね。一匹ずつりぼんと帽子を貸してね」 「ゆ!?」 「ぼうしはだめだよ!」 「りぼんもだめだよ!」 「ゆっくりできないよ!!」 さすがに自分の命ぐらい大事な飾りを始めて会った人に渡さないか。 アイデンティティーに関わるから同然と言えば同然だな。 「すぐに返すから大丈夫だよ。それに綺麗な帽子やリボンになったらすごくゆっくりできるよ」 「ゆ…でもいやだよ!」 「そんなことしなくてももともととかいはよ!」 「ゆっ! じゃあまりさのぼうしをかしてあげるよ!!」 「なにいってるのまりさ! ゆっくりできないよ!!」 「だいじょうぶだよ! にんげんはいつもゆっくりさせてくれてたもん!」 「ゆ…」 一匹のまりさの言うことに周りのゆっくり達は押し黙る。 確かに人間に嫌な事をされたことがないのだろう。 野生ゆっくりの嫌がる加工場での規則正しい生活もこのゆっくり達にとっては産まれたときからなので苦ではなかった。 「よし、じゃあまりさから綺麗にしてやるからな」 「ゆっくりきれいにしてね!!」 俺は柵の中から一番に帽子を貸してくれると言ったまりさを取りだすと帽子を借りた。 そしてすぐそこにある絵の具でまりさの帽子を黒から紫に染めていく。 帽子についてる白いリボンは染めないよう予め外してある。 「ゆ! まりさのぼうしになにやってるの!!」 「何って、綺麗にしてるんだよ」 「でもちがういろになってるよ!!」 「ははは、被せてあげるよ」 ご都合物理学によってすっかり紫色に塗り替わった帽子をまりさに返してあげた。 そして鏡で自分の姿を映してあげる。 「ゆっ!? まりさがきれいになったよ!」 「だろう? まりさには紫の帽子がよく似合うよ」 「うふふふふふ。きれいになっちゃった~」 ご満悦のまりさを柵の中に返すと他のゆっくりが紫帽子のまりさを羨望の視線を向けていた。 「ゆ~! いいなまりさ! すごくこせいてきだよ!」 「ゆっくりおしゃれだよ!!」 「な、なかなかとかいはね!」 「むきゅ~、ぱちゅもおしゃれしたいわ」 「うふふふふふ」 まりさは他のゆっくり達にも褒められて嬉しそうだ。 他のゆっくり達は俺の方に向きかえると一斉に綺麗にしてとお願いしてきた。 「ああ、いいとも。皆おしゃれにしてあげるからね」 早速次のゆっくりを柵から取り出して飾りを染めていく。 今日の夕方までにはこいつらの飾りを全部染めてやらないといけないので二匹目以降は黙々と作業を続けた。 ゆっくり達はゆっくり達で、綺麗になった仲間を褒めたり自分の姿に悦になったりしていた。 昼飯も食べずに頑張った結果、夕方までには全部のゆっくりの飾りを染め終えていた。 柵の中には黄色や緑、青に白。様々な色の飾りをしたゆっくり達がどこか誇らしげにゆっくりしていた。 そろそろ出店の準備をしなきゃいけないのでゆっくり達に話しかける。 「それじゃあ外にでかけようか。外の皆におしゃれな姿を見せに行こう」 俺の言葉にゆっくり達は瞳を輝かせた。 「ゆっくりみせにいくよ!!」 「そとのみんなにもきれいなすがたをみせようね!!」 「きっとしっとしちゃうわよね!!」 それにしてもこのゆっくり達ノリノリである。 それもそうだろう。オシャレは他に見せてこそオシャレだ。 ゆっくり達は自分の姿を自慢したくて仕方がないのだろう。 俺はそんなゆっくり達を最初入っていた箱に再び詰めると祭りの会場へと運んでいった。 祭りが始まる頃には俺の出店の準備もほとんど終わった。 最後に「色塗りゆっくり」の看板を取り付け、一匹200円の値札も柵に張り付ける。 後は広い透明な柵に飾りを染めたゆっくり達を放って準備完了だ。 工房の柵に比べてやや広い柵の中でゆっくり達は通りに向かってふんぞり返っていた。 「さぁみんなわたしたちをゆっくりみてね!!」 「おしゃれでうらやましいでしょ!! ゆっくりしっとしてね!!」 「とかいはのほんりょうはっきね!! もでるしょーよ!!」 「しこっていいのよ!!」 しかし目の通る人々は通りがかりに一目視線を向けるだけだ。 飾りの色が変わっただけのゆっくりを褒めるものなどいない。 「ゆっくりできないね!!」 「わたしたちのよさにわからないいなかものなのよ!」 「そうだね! せんすのいいひとはすくないんだね!!」 人をイラつかせるこいつらの言葉に店の前を通る人々は少なからずイラっとしていた。 こいつらを喋らせない方が良かったかな。 なんて考えだした頃、お客第一号が来てくれた。 「すいませ~ん、一匹欲しいんですけど」 「あーい。どのゆっくりが欲しいですか?」 「このれいむと、あとやっぱりまりさもセットで」 「二匹ですね。400円になります」 爽やかなお兄さんの指差したれいむとまりさをそれぞれ透明な箱に入れて渡した。 この様子を見たゆっくり達からは不平が上がる。 「ゆ! どこにつれていくの!!」 「いくらかわいいからってゆうかいしないでね!!」 「おにいさんたすけてあげてよ!!」 煩いゆっくり達に俺は優しく声をかける。 「皆はゆっくり出来る場所に連れて行かれるんだよ。オシャレなゆっくりだから連れて行かれるんだよ?」 その言葉を聞いて喜んだのはお兄さんに買われた二匹だ。 「ゆっ! じゃあれいむがいちばんのおしゃれだったんだね!」 「まりさもおしゃれだからつれていかれるよ!」 「「かわいくてごめんねー!!」」 そんな事をいいながら二匹は連れていかれた。 余談だが、あの二匹を買ったお兄さんの家はいつも餡子の香りがすることで有名だったりする。 残ったゆっくり達はここに来てようやくお互いにライバル心が芽生えたようだ。 「つぎはとかいはのありすがえらばれるにちがいないわ!」 「いいえ! しゅくじょのぱちゅよ!」 「ちがうよ! みんなのあいどる、れいむだよ!!」 「まりさをわすれてこまっちゃこまるぜ!!」 さっきまでは君も綺麗だね、いえいえ貴方こそ…の関係だったというのにね。 でもこっちの方がゆっくりらしくて良いね。 次のお客が来た。 近所の寺小屋に通う女学生だ。 「きゃー、か~わいい~!」 「飾りの色違いとかちょーやばいんですけど!」 「おじさーん、一匹ちょうだい!」 おじさんとはなんだと思いながら女学生の選んだゆっくり達を箱に入れて渡す。 選ばれたのはありすとまりさ、そしてぱちゅりーだ。女学生はそれぞれ自分の見た目に似たゆっくりを選んだようだった。 「やっぱりとかいはのありすがつぎにえらばれたわね!」 「むきゅ、いなかものはそこにいればいいのだわ」 「まりさをえらぶなんてめがたかいぜ!!」 「きゃ~、きも~い!」 「きもいのが許されるのはゆっくりまでだよね~」 「きゃははははは」 女学生らはきもいきもい言いながらゆっくり達を連れていった。 きっと明日には捨てるんだろうなぁ。 次のお客さんは見るからに怪しいお兄さんだった。 色つきゆっくり達を涎を垂らしながら眺めていた。ハァハァと息も荒い。 「あ、あの…どのゆっくりをご希望で?」 冷やかしだったらとっとと帰ってもらおう。 「れいむたんとまりさたん!」 「はぁ」 「どっちも三匹ずつね!」 「1200円になります」 ハァハァ可愛いよれいむ、可愛いよまりさなんて言いながら怪しいお兄さんは去って行った。 後にあのお兄さんが「ゆっくりは俺のオナホール」が信条の男だと聞いた。 買われていったゆっくりも可哀想に。さすがに同情せざるに得ない。 次は着物を着た少女が来た。 「あの。このお金で全部のゆっくりをくれませんか? お釣りはいりません」 確かにお釣りが出るほどのお金。それに全部のゆっくりが一気に売れる。 断る理由はないな。 「それとこの場で叩き潰してもいいですか?」 「…は?」 この目の前の少女はなんといった? 叩き潰す? いや、まさか。こんな可憐な美少女がまさかそんな。 「えっと、よく聞こえなかったからもう一度いいかな?」 「この場でゆっくりを叩き潰してぶちまけていいですよね?」 「すみません何匹かただであげるので帰ってください」 不満そうな顔をしたが半分近くの子を無料であげたら笑顔で去って行ってくれた。 危ないところだった。この子がアッキュンだったのか。 いくら売ったと言っても目の前で虐殺されるのは勘弁だ。 祭りにそんなの見たくないってのもあるし掃除が面倒だしね。 そんな感じで俺の用意したゆっくり達はほとんど連れていかれた。 れいむが一匹残ったが、もうお客もまばらなので諦めて店じまいをすることにした。 というか大半を無料であげて赤字なので残る一匹が売れようが売れまいがどうでもよかった。 「ゆっぅぅ…なんでだれもかってくれないのぉぉ!!! こんなにおしゃれなのにぃぃぃ」 最後のれいむはオシャレなゆっくりから消えると伝えた状況で残ったので泣き叫んでいた。 黒髪に灰色のリボンが余り映えなかったせいだろうなぁ。 色を染めた俺のせいでもあるのでれいむを自由にさせてやることにした。 泣きわめくれいむをゆっくりの住む森へと連れていく。 しかしリボンが灰色のままでは可哀想なので森に向かう前に工房に寄って 最初に売れたれいむと同じ色である黄色にリボンを染めてあげると泣きやんで喜んでくれた。 ゆっくりの森に着くとれいむを地面に置く。 ここなら他のゆっくりもいて存分にゆっくりできるしオシャレも褒めてもらえるだろう。 「さぁ、れいむ。今日からこの森で暮すんだ」 「ゆっゆぅ? ここどこ? ゆっくりできるの?」 「森だよ。他のゆっくりもいるからゆっくりできるはずさ」 「ゆ! れいむはここでくらすよ!!」 「ああ、それじゃあなれいむ」 「ゆ! おにいさんまたね!!」 れいむは元気よく森へと跳ねていった。 きっと幸せになれるさ。あーでも、加工所出身で狩りを知らないんだっけ。 ま、他のゆっくりに教えてもらえるだろう。 俺はれいむの姿が見えなくなるのを確認すると工房へと戻った。 色つきれいむは意気揚揚と森の中を駆け回った。 他のゆっくりはどこだろう。れいむの綺麗な黄色のリボンを見せて自慢してやろう。 そんなことを妄想しながら森を進むとすぐにゆっくりれいむの親子と遭遇した。 まずはいつもの挨拶をしよう。 「ゆっくりしていってね!!」 「「「「ゆっくりしていって…ね?」」」」 「ゆぅ?」 ゆっくり家族の挨拶が途中で詰まったので疑問符を浮かべる色つきれいむ。 「おねーちゃんりぼんへんだよ!!」 「れいむたちみたいにあかくないよ!!」 子れいむ達が色つきれいむの黄色いリボンを見て変だと叫んでくる。 ちがうよ、これがおしゃれなんだよ! と言おうとした時、母れいむが子れいむを背に隠した。 「あんなふりょうみたらだめだよ! ゆっくりできないよ!!」 「ふりょう! それじゃゆっくりできないね!」 「りぼんをそめるなんてとんでもないふりょうだね!!!」 「ちがうよ! ふりょうじゃないよ!! おしゃれなんだよ!?」 「おしゃれだってさ」「おお、ふりょうふりょう」 「かんちがいれいむはさっさとどっかいってね!!!」 「ゆぅぅ…」 体の大きい母れいむに睨みつかれると色つきれいむは何も言えず、涙を流してその場を離れた。 その後も会うゆっくり全てに不良扱いされた。 中には攻撃をしかけてくるものもいた。 色つきれいむは自分がこんなにオシャレなのになんで認められないのだろうと不思議でならなかった。 一緒にオシャレしてもらった仲間達はお互いにオシャレだと褒め合ったのに。 「ここのゆっくりがおくれているんだね! ゆっくりしすぎてくさってるんだよ!」 声に出して自分は間違ってないと自分に呼びかける。 そう、ありす風に言わせればここのゆっくりは田舎者なのだ、と。 そういえば最初のおうちのように綺麗な場所ではないし、そろそろ食事の時間だと思うのに誰も運んできてくれない。 「ゆ! おにいさんはいつになったらしょくじもってくるの! ゆっくりしすぎだよ!!」 食事はおにいさん持ってくるもの。 加工所で生まれ、何不自由ない生活を送ってきた箱入りゆっくりにとってそれは当たり前のこと。 それはこの初めて来た森でも同じだと色つきれいむは思っていた。 しかし誰も食事など持ってくるわけがない。 「ゆっ! もってこないならがまんするよ! ゆっくりねるからね!!」 いつまで待っても食事を持った人間が来ないとイライラしていた色つきれいむだったが、 森を走り回って疲れていたのかその場で眠りについた。 野生のゆっくりが見れば「ばかなの?」と思っただろう。 おうちではなく森の開けた場所で眠るなど自殺行為でしかないのだから。 しかし育つまでは安全な加工場飼育ルームで育った色つきれいむは"外敵"という存在を知らないのだ。 翌朝、運よく何にも襲われなかった色つきれいむは目を覚ました。 即座に色つきれいむを襲うのは空腹感。そういえば昨日から何も食べていない。 「おなかすいたよ!! おにいさんはまだこないの!!?」 場違いなことを言う色つきれいむもしばらくして、待っていても来ないことをようやく悟った。 「ゆっくりしょくじをさがすよ!」 色つきれいむは森を進む。 毛虫や蝶々、お花や木の実も通り過ぎて食べものを探す。 加工場で出されたのは餡子を加工した食べものがほとんどで、後は定期的に果物が出された。 そんなものが森にあるわけもないのだが色つきれいむはひたすら探す。 「ゆぅぅ…なんでどこにもたべものがないのぉ! これじゃゆっくりできないよ!!」 一時間後には疲れてもう動けない色つきれいむの姿があった。結局食べ物は見つけられなかった。 探す途中に他のゆっくりが食事しているのを見て近づいたが昨日と同じで追い出された。 「ゆぅ…ゆっくりできないゆっくりばかりだよ……ゆ?」 空腹でボーっとしていると目の前にゆらゆらと揺れ動く果物が見えた。 あれは確か桃だ。あれの美味しさは今でも鮮明に思い出せる。 「たべものみつけたよ! ももさんまってね!!」 色つきれいむの声に揺れ動く桃は一瞬止まり、今度は近づいてきた。 と同時にガサッと茂みから桃の付いた帽子を被るゆっくりが姿を見せた。 ゆっくりてんこだ。 「ゆっ? ゆっくりしていってね! あと、あたまのももをもらうね!」 「いじめてくれるの!?」 ゆっくりてんこは虐められるのが好きなゆっくりだ。ドMとも言う。 どうやら桃を奪おうとする色つきれいむが自分を苛めてくれるゆっくりだと認識したようだ。 「ゆっくりいじめてね! いっぱいいじめてね!!」 「ゆゆゆゆゆ!? すりよってこないでね!! ほしいのはももだけだよ!!」 「いろつきのおしゃれいむならいっぱいいじめてくれるよね!?」 「ゆゆゆゆー!! こないでぇぇぇ!!!」 色つきれいむはてんこを恐れて逃げようするが、体力が尽きていたのでまともに這いずることもできない。 跳ねることなどもってのほかだ。 てんこのいじめてね攻撃は逃げようとするれいむをよそに激しくなる。 「このきのえだでたたいてね!! ゆっくりさしてもいいよ!!」 「やめでぇぇぇ!! どっかいってえぇぇぇ!!!」 しかしてんこは聞き入れない。今度はそこらに落ちていた小石をれいむの前に置く。 「いしでぶってね!! すきにいじめてね!!」 「いやぁぁぁ!! だれかだすげでぇぇぇ!!」 色つきれいむの助けを求める声。 その声を聞きつけたゆっくりがいた。 「れいむぅぅぅぅぅ!! だすげにきだよぉぉぉぉ!!」 「あ、ありす!! たすけにきてくれたの!?」 「ええ! すっきりさせてあげるぅぅぅぅ!!!」 「…ゆっ?」 現れたのは動く性欲のゆっくりアリスだった。運が悪いことにそのありすは発情モードだった。 ありすはれいむに擦りよって交尾を始めようとする。 「とかいはのてくをあじわわせてあげるぅぅぅ!!」 「ゆやぁぁぁ!! きもちわるいよ! くっつかないでぇぇぇ!!」 「つんでれいむかわいいわ!! いろつきリボンもおしゃれぇぇぇ!!!」 「いまいわれてもうれしくないよぉぉぉぉ!!!」 ありすはれいむの頬をぺろぺろと絶妙な力加減で舐めまわす。 れいむは嫌がりながらも心地よさを感じてしまう。 しかし構ってちゃんのてんこがそれを黙って見ているわけがない。 「れいむ! てんこをちゃんといじめてね!!」 てんこはありすを押しのけてれいむの口に木の枝を咥えさせる。もちろん叩かれるために。 「ゆ! てんこはじゃましないでよね! れいむはありすがすっきりさせるの!!」 「れいむはてんこをいじめるんだよね!!」 ドSとドMに言い寄られる色つきれいむ。れいむはとにかくこの場から逃げたかった。 色つきリボンを褒めてくれるゆっくりと出会えたが、何か違う。 ただ単に褒めてもらって憧れの的になりたいだけだった。 「どうせならてんこをいじめてよね!」 「じゃあてんこですっきりするわよ!!」 いつの間にかてんことありすが熱く絡み合ったようだ。 逃げるなられいむが見えていない今のうちしかない。 色つきれいむは重い体を引きずるようにその場から逃げていく。 「ゆ、ゆぅ…もう、あるけないよ…」 てんことありすからは逃げることに成功したが、色つきれいむは腹ぺこで動けなくなった。 元々燃費の悪いゆっくりであるから、二食抜いただけでもかなり危険だ。 もう体が大きければ数日食べなくても平気だが色つきれいむはまだまだ子供で小さい。 「ゆぅ、ゆぅ…ゆっくりしたいよ……」 視界がぼやけてきた。このまま眠りについたらきっと目が覚めることはないだろう。 お馬鹿な色つきれいむでもそれは分かった。 でも世話してくれる人のいないこの森ではゆっくりできない。 色つきれいむが眠りに着こうとしたとき一匹のまりさが目の前に現れた。 「ゆ! れいむがたおれてるよ!!」 「ゆ…」 このまま死んでもいいやと思っていた色つきれいむの心に火が再び灯る。希望と言う名の灯。 「おなかすいてるの? ちょうどたべものあるからあげるよ!!」 「ゆ…あ、りがと…」 目の前に出されたのは丸々太った芋虫といくつかの木の実だ。 全然食べ物ではなかった。あくまで色つきれいむにとっては。 「ゆ、たべないの? つかれてるんだね! たべさせてあげるよ!」 まりさは親切に芋虫を口に咥えてれいむの口元へ持っていく。 まだ生きているそれが口に近づいてくるのを見て色つきれいむは全身に寒気が走る。 「だめだよ…! そんなきもちわるいのたべられない!」 「ゆ……? いもむしおいしいよ!!」 「ちゃんとしたたべものがほしいよ。あまいくだものがいいよ…」 色つきれいむの言葉を聞いたまりさの顔が途端に険しくなりだした。 「れいむはにんげんにかわれてたんだね! そんなゆっくりとはゆっくりできないよ!!」 「ゆ…?」 「それにリボンのいろもへんだよ! にんげんにちやほやされてたんだね!!」 「ゆ? ゆゆゆ?」 まりさの家族は人間に殺された。それも人間の飼っていたゆっくりれいむによってだ。 まりさは見た。人間の命令に従って笑顔で家族を殺すれいむを見た。その後は人間に褒められて喜んでいた。 それから人間に飼われるゆっくりに、飼われていたゆっくりに対しても敵意を向けるようになったのだ。 「ふつうのゆっくりはむしとかきのみをじぶんでとるんだよ! みんなひっしでいきてるんだよ!! もらうことしかしらないゆっくりはゆっくりしないでしね!!!」 「ゆげぇっ!!?」 まりさは怒りを込めて色つきれいむに体当たりすると唾をれいむに吐きかけてその場を去っていった。 「ゆぅぐ…いだ、ぃぃ…!」 れいむは体当たりされて吹きとんだ拍子に後頭部を切ってしまった。傷口からは餡子が流れ出ている。 だが、れいむにとって深刻なのは心の傷だった。 当たり前のことを言っただけなのになんでこんなことされたんだろう。 芋虫とかいう気持ち悪いものを食べさせようとしたまりさが悪いだけなのに。 「ゆっくりとはゆっくりできないよ……」 色つきれいむは優しいお兄さんのいるおうちへ帰りたいと強く思った。 だがそれが適うことは最初からなかった。 背中の傷に何かが這いまわる感触。口にも何かが入り込んでくる。 今のれいむに近寄ってくれるのはもはや自分を食べようとする虫や小動物のみだった。 「ゆっくり…したかったよ…」 れいむは体が死ぬ前に心が死んだ。 最後に残ったのは黄色いリボンだけだった。 終 by ゆっくりしたい人 祭りで終わるはずだったんですけどね。 書いているうちにあれもしたい、これもしたいで構想より冗長になりました。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3854.html
ゆっくり虐めSS ~YDF~ ゆっくり地球防衛軍2017 前編 その1 【前書き】 これが初SSとなります。 所々改行とかが変な所があったりするでしょうがどうぞよろしくお願いします。 元ネタはPS2、XBOX360の地球防衛軍シリーズです。 [[ゆっくり]]がでかいです、ハイスペックです。 [[ゆっくり]]が人間を捕食します(設定だけです、描写はないです)。 各シリーズのネタが入り乱れてますがそこんとこには目をつぶって下さい。 あるキャラが喋りません、喋るけど喋りません。原作でも喋らないので、台詞を入れるのは無粋だと思い喋らせませんでした。 楽しんで頂ければ幸いです。 《2013年》 異星生命体のものと思われる飛行物体が確認される。 「ゆっくりしていってね!」と奇声を発する異星生命体を「ゆっくり」と呼称 《同年》 ゆっくりへの接触を試みるも彼らは呼びかけに応じず 《2014年》 様々な努力にも関わらずゆっくりについてはすべてが不明もまま 《2015年》 最新鋭の装備を持つ連合地球軍「YDF(Yukkuri Defense Force)」が設立される 《2017年》 ゆっくりの大群が飛来、はたして彼らの目的は・・・ この国の首都、東京に巨大なゆっくりが近づいていた。 私はまだそれの名前を知らないが、後に『まりさ』と呼ばれる種であった。 そのゆっくりは外見こそ通常種のそれであれ普通とは明らかに違っていた。 まず、まりさ種であるのに飛行していた。れみりゃ種やふらん種のように羽もないのに、である。 そして最も異質なのが、遠目からでも分かるその大きさである。何m、とかそういう問題ではない。 一体、何kmはあろうか、大きい、大きすぎるのだ。 私はその馬鹿でかい顔面を眺めながら、昔に観た巨大隕石が地球に落下してくる映画のことを思い出した。 その生首は大きく口を開けてそのサイズに似合った大声でこう言った。 「ドスの名前はドスまりさだよ!ゆっくりしていってね!!」 「「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」」 ドスまりさの後に続いていくつもの重なり合った声で彼らの『挨拶』が聞こえてくる。 そしてドスの帽子から何十匹もの生首が飛び出してくる。 こいつらの大きさはせいぜい5~6メートルだろう、でかいことに変わりはないが。 なんだか明らかに帽子の体積より多い量が出てきているのだが・・・。 ドスはまた大きく口を開け、 「この星さんは強いどすのおうちだよ!!弱くてゆっくりしてない人間さんたちは早くここから出て行ってね!」 「「「そーだよ!!このゆっくりしたほしさんはれいむたちのものだよ!おいしいはっぱさんもみずさんもぜーんぶれいむたちのものだよ!」」」 「「「ゆへへ!そうなんだぜ!よわっちいにんげんはゆっくりしないではやくしぬべきなんだぜ!」」」 「「「むきゅきゅ!よねんかんもようすをみてわかったわ!こいつらはぞくにいう『ざこきゃら』よ!かんたんにたおせるわ!」」」 「「「うふふ!ゆっくりとしたとかいはなありすにふさわしいうつくしいまちね!いなかもののにんげんはわたしたちの『えさ』になってね!」」」 「うー、うーあそことあそこにきれいなごーまかんがあるんだどぉー!おぜうさまのものなんだどぉー!」 「「「うー、うー」」」 「ゆっくりしね!」 「「「しね、しね!」」」 「おぉ・・・」ヒュンヒュン ほとんど同時に喋るから何を言っているのかよく分からないが要するに「死ね、出て行け、地球をよこせ」ということらしい。 「ゆっくりしていってね」と言っているのに早く出て行けとは・・・わけが分からない。 しかしこのままでは地球の危機なのだ、子供の時に毎週観ていた3分間しか変身できないヒーローの番組。 私はヒーローに変身できる主人公ではなく、あれの司令官に憧れていた。まさか現実になるとは思いもせずに。 手元のマイクを握り、『緊急放送』と書かれた赤いボタンに拳を叩き付けた。 「YDF!空軍・ストームチーム・レンジャーチーム攻撃開始せよ!他は第一級警戒態勢をとれ!!」 世界各地にとつぜん現れ、地球を侵略し始めたゆっくりたち、全世界のYDFは総攻撃を開始した。 だがしかし間の抜けた外見とは裏腹に、彼らは極めて恐ろしい戦闘能力を持っていたのだ。 「こちら結城!現在ゆっくりと交戦中!うわっ、何だこれは・・・ゆっくりの体液か?。違う、これは・・・あ、餡だーーーっ!」 「ゆっふっふっふ、よわいにんげんさんはれいむのあんこさんでゆっくりしんでね!」 「ゆぺぇっ、ゆぺぇっ!げらげらげら!またしんだね!」 「隊長がやられた!司令官!応援をください!このままでは・・・うわ、うわぁぁぁぁぁぁぁ!!・・・・・」 「ゆへへ、このゆっくりしたてがらはまりささまのものなんだぜ!ありさんをつぶすのとおんなじなんだぜ」 「なにいってるんだぜ!まりさのほうがおおくころしてるんだぜ!」 「総員、注意しろ!ゆっくりが吐き出すのは強力な酸(を含んだ餡子)だ!」 「早く!早くしろ!囲まれるぞ!」 「隊長!もうだめです!もう囲まれてます!・・・・ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「新入りがやられた!もうもたない!カバーしてくれ!」 「むきゅきゅきゅ、ちてきなぱちゅりーのさくせんのおかげでゆっくりしょうりはまちがいなしね!」 「さすがはどすの『さんぼう』なだけはあるわね、おなじゆっくりぱちゅりーとしてはながたかいわ!」 ある時は単純なはさみうちにかかり、部隊を1つ丸ごと死なせてしまった。 「うわああぁぁぁ う ご け な い!」 「アッハッハッハッ、アーッハッハッハッ 死ぬ、カスタードにまみれて死ぬんだよ!アッハッハッハ!」 「アーマーが溶けるぅ!」 「あらあら、くるっちゃうなんていなかものにもほどがあるわね、ゆっくりしてないからこうなのね」 「ほんとね、ありすほどのとかいはにはうんどうにもならないわ!んんん・・・なんだかからだがあついわね・・・」 「「んんんんん・・・んほぉぉぉぉぉぉ! すっきりーーーーーっ!」」 「敵は油断しているぞ!戦闘開始だ!撃て!撃てっーー!」 「ゆぐっ!なに!?」 「こっちに気づいたぞ!」 「「「「とかいはなすっきりをじゃまするいなかものはしねーーーっ」」」」 「ひるむな!撃ち続けろ!」 「だめだ!敵の数が多すぎる!」 そして何よりも一番恐ろしいのがその数によるごり押しだ。 どれだけ作戦本部が頭を捻った作戦でも圧倒的な数の差をひっくり返すには至らない そして同じころ、空軍も苦戦を強いられていた 「「「「うー、うー」」」」 「左主翼破損!墜落する!」 「ううー!ううー!にぱー!」 「くそっ、動きが読めない!」 「俺がやる!ミサイル発射!」 「うー?う、うがぁぁぁぁぁ」 「やった!撃墜したぞ!これで7匹目だ!」 「流石だな!ん、おい、また来てるぞ!」 「しね、しね!」 「なんだこいつ!、さっきの奴らとはケタちがいに速いぞ!」 質より量でせめてくるれみりゃ(胴なし)、量より質の精鋭ふらん(胴なし) そして・・・ 「こちらバゼラートチーム(戦闘機隊)!ドスまりさを一気に叩く!全機俺に続け!」 「「「「「了解!!」」」」」 「ゆっ?なんだか周りがうるさいよ?」 「むきゅ、あれは『ひこうき』よ。ゆっくりしてないのりものよ。ほっとくとこうげきされていたいいたいされるわよ!」 「ゆ、そうなの?じゃあうるさいはえさんたちはゆっくりつぶすよ!」 「ドスまりさの口内に高エネルギー反応!こっちを向いています!」 「あれはまさか・・・、まずい!離れろ!ドスの側面に回れ!」 「だめです!間に合いません!」 「ドススパーーーク!!」 訂正・・・空軍は壊滅状態に追い込まれた。 「ゆゆっ!全部おちたね!まりさに逆らうからこうなるんだよ、ゆっくり身の程を知ってね」 「むきゅきゅ、このちょうしでいけばこのほしがぱちゅりーたちのおうちになるのもゆっくりじかんのもんだいね!!」 「そうだねみんな!このままばかなにんげんさんをたおしてこのほしをゆっくりまりさたちのおうちにするよ!えいっえいっゆーーーっ!!」 「「「「「えいっえいっゆーーーっ!!」」」」」 「ここはまりさのゆっくりぷれいすだよ、ゆっくりできない人間さんは出て行ってね!!!」 「「「「「ここはれいむのゆっくりぷれいすだよ、ゆっくりできない人間さんは出て行ってね!!」」」」」 「「「「「ここはまりさのゆっくりぷれいすだよ、ゆっくりできない人間さんは出て行ってね!!」」」」」 「「「「「ここはぱちゅりーのゆっくりぷれいすよ、ゆっくりできない人間さんは出て行ってね!!」」」」」 「「「「「ここはありすのゆっくりぷれいすよ、ゆっくりできないいなかものは出て行ってね!!」」」」」 「「「うー!!うー!!」」」 「「「しね!しね!」」」 「・・・」 「「「「「「「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!!!!」」」」」」」 空軍がなくなってしまった今、YDFに残っているのは陸軍のみだ。 陸軍は主に、いくつかのチームに分けられている。 【スカウトチーム】 正式名称「偵察隊スカウトチーム」 主な任務はに偵察、情報収集を目的とした斥候部隊である。彼らは必要最低限の装備しか持たず、戦闘には向かない。 人数は2番目に多い。 【レンジャーチーム】 正式名称「強襲歩兵隊レンジャーチーム」 YDFの中で最も人数が多い。 部隊ごとにアサルトライフル・ショットガン・ロケットランチャー・スナイパーライフル・ミサイル・グレネードランチャーなど 1つの装備で固定されていたり、1つの部隊にさまざまな装備を持った隊員がいたりと最も前線で活躍するチームである。 隊長は赤いヘルメットを、隊員はグレーのヘルメットを着用している 【ストームチーム】 正式名称「特殊遊撃隊ストームチーム」 最も数が少ない、その代わりに精鋭揃いのエリートチームである。 1部隊の人数こそ少ない(たった1人の時もあるのだ!)が、それを補うだけの実力を持っている。 技術部の開発した新兵器の実戦でのテスト使用なども彼らが行っている。 すなわちこの3つのチームこそ、YDFに残された最後の希望である! [スカウトチームによる[[ゆっくり]]のレポート] ゆっくりは雑食で、動物、植物、人間など有機物は大体捕食できるようだ。 人間にとっての毒や劇物などは彼らにとっても有害らしく、食べない(食べた場合餡子を嘔吐し、あまりその量が多いと死に至る)。 攻撃方法は巨体を生かした体当たりと強酸餡子のようである。 ゆっくりの体が何で出来ているかは未だ不明である。 しかし地球上の物質でいうと最も近いのは饅頭の皮と、強酸が含まれていることを除けば餡子とカスタードクリームらしい。 れみりゃ、ふらん種は口から餡子ではなく特殊な光線を発射するようだ。 ロンドンで確認されたティガれみりゃという巨大な個体により、光線が「フヤジョウレッド」という名前だということが分かった。 ふらん種については「死ね!」としか言わないので不明である。 そして、ドスによるおうち宣言の時にのみ確認された、高速で頭(体?)を振り回す個体についてはまだ何も分かっていない。 尚、技術部は戦闘後に彼らの死骸を回収し、新しい武器や防具を開発中とのことである。 [YDFレポート 終] その2に続く