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KON くろかみ F32S10A17I15 ダーカファールの祈祷師 サーター出身?隊商の客としてサーターに向かう。 美人だが巨大なニューギニア的仮面で隠す。 yukuhito ジラソーレ M24S17A15I17 ランカーマイの入信者 サーター出身?隊商の客としてサーターに向かう。 アーナルダ信徒であったが、一念発起し、研究の門を叩く。 ログ 海の季から火の季にさしかかろうとしている時期 二人の若者が冒険者として身を立てようとしている。 第一歩としてパヴィス街道をゆく隊商の護衛を引き受けることになった。 隊商には積荷の他に、合計8人の護衛と3人の客人がいた。 (中略) 隊商は山賊に襲われ、散りぢりに。 護衛の若い二人と客3人は追手をかわしながら、野営をとっていた。 皆、食料もなく、疲労が重なっていた(長期疲労-10)。 火を起こせば追手に見つかるかもしれないが、火の季に入るとはいえ プラックスの夜は寒い。松明に火を灯し、何か燃えるものを探そうとする。 そこに忍び寄る黒い影5体。 エルミアは視力で効果。それが巨大アリであることに気づく。 キャンサーは松明を地面に落とし、それをエルミアが拾う。 戦闘能力のないくろかみを守るように、四人がアリと対峙。 アイオリアが一匹を消沈させ合計二匹を引き受ける。 くろかみは前衛の二人に防護を準備。 キャンサーはグレートソードを振るうが、周りから危ないと言われ、 盾とブロードソードに持ち変える。 エルミアが脚に噛みつかれ、苦戦しつつも、着実に一匹づつ仕留め残りは三匹。 傷ついたエルミアをかばうべく、キャンサーが間に入り、盾受けを試みる。 アリの攻撃はクリティカル、キャンサーの受けは77-77-50 (中略) 昼時間 ある朝、アイオリアは目覚める。 隊商が襲われるという鮮明な夢を見た。 明日は幼馴染のキャンサーと隊商の護衛を引き受けることになっているが、 嫌な予感(確信)がしてならない。 キャンサーに夢の中身を話すが、(当然ながら)信用してもらえない。 どうやら夢?の記憶を持っているのはアイオリアだけらしい。 だが、アイオリアの必死の説得に何かを感じ、馬に乗るのをやめ、 死の呪いを込めた藁人形の予備を用意することにした(POWは入れていない)。 アイオリアも冒険の準備が不足していたことに気づき、食料やら何やらを用意。 途中、オーランス神殿で隊商の客であったエルミアと遭遇。 アイオリア「明日、隊商は全滅するぜ!俺はあんたたちに会ったぜ! 悪いことは言わないぜ。隊商と行くのを止めた方がいいぜ!」 エルミア「はァ?臆病風に吹かれたか?ボーズ?つか何で俺が明日隊商に ついていくことを知ってんだ?」 買い出しの後、晩飯を取っていた二人だったが、飯屋でアイオリアが 隊商の護衛役の一人で、山賊の手引き役であった男(裏切り者)に気づく。 キャンサー「あの男がどうかしたのか?」 アイオリア「アイツが明日山賊を手引きしたから隊商が全滅したんだぜ!」 キャンサー「はァ?」 男は別の誰かと話をしていたが、やがて一人になる。 キャンサー「気になるなら追いかけるか?それともひと思いに・・・」 キャンサーの見たところ、相手は二人よりも手練れの見込み。 アイオリア「いや(証拠もないし)別の方法を探そう・・・。 いっそ、明日の護衛はやめようぜ!」 キャンサー「フマクトの真実にかけて、契約を破棄することはできない! 初めての護衛で緊張するのはわかるが逃げたいなら一人で逃げろ」 何ら有効なアクションを取ることもできず、出発の朝を迎える。 アイオリアは商人に警告を発するが、かえって疑わしい上に 臆病者、狼少年のレッテルを貼られる。 アイオリア「あんた、後で蟻に襲われて足を怪我するぜ?」 ジラソーレ「何いってんの?アンタ?」 アイオリアの言うことは時系列が無茶苦茶で当然信じてもらえない。 アイオリア「俺はあんたの名前だって知ってるんだぜ?」 商人「だってさっき儂が紹介したじゃん」 全員「・・・」 祈祷師のくろかみは嫌な予感がしたのか魔精に命じノームを呪縛する。 そして隊商は何事もなくサーター方面に出発。 3時間ほど進んだところで、夜に備えて休息。 プラックスの夏季は非常に暑いため、熱暑を避けて昼休んで夕方歩く予定。 山間の合間に斜めがけにテントを張り、日光を避ける。 テントの出入り口の両側に一人づつの歩哨。 裏切り者の男が歩哨に立っているため、アイオリアはボロを出させようと 話かけるが、相手ははぐらかしてまともに答えない。 男「おっと、ちょっとションベンしてくるから、代わりに立っててくれよ」 アイオリア「早く戻ってくるんだぜ?」 テントの中で寝ているキャンサーは嫌な予感で目覚める(POWロール01)。 直感的にテントの裏で何かが起きそうな気がして駆け出す。 他の三人も気づきエルミアはテントの逆方向からテント裏へ。 残りの人間は武装。 テントの裏では裏切りものが鏑矢を放とうとしている。 キャンサーが剣を構えて突撃しようとするが、間に合わず矢は放たれる。 「ピ~ヒョロロロロ~」 夜時間 3R アリと戦っている一行。 ※昼時間の一行とは記憶は共有されていないが、昼時間の行動は 反映されている様子。 アリを着実に追い詰めようとするが、しかし、急激に地面が傾き始める。 エルミア他、何人かがジャンプに成功するが、キャンサー他何人かが 地面にこける。倒れたままアリと戦闘するはめに。 昼時間 2R 裏切り者は鏑矢を放った後、二の矢を継ぐ。 エルミアとキャンサーの挟撃の形に。裏切り者はジジィとフマクト少女の 二択問題に迷ったが、フマクト少女に狙いを定める。 キャンサーは一撃は食らう覚悟で盾を胸に構えて突撃。 裏切り者の矢はハズレ、キャンサーの攻撃もハズレ。 エルミアの槍が裏切り者の足先を貫き、男は倒れる。 テント裏の異変に気づいたアイオリアもキャンサーを連れて逃げようと テント裏に駆け出す。 夜時間 4R 地面の傾斜が急角度に。地面が流砂となり流れ出す。 アリは戦意を喪失し逃走。 エルミア、くろかみ、ジラソーレは流れとは逆に駆け出す。 アイオリアとキャンサーは何か捕まるものを探す。 暗闇でよくわからないが、ジラソーレが蟻地獄ではないかと推察。 昼時間 3R エルミアとキャンサーによって裏切り者は瀕死。 アイオリアも合流。 アイオリア「今から30人の山賊が襲ってくるぜ!逃げるんだぜ!」 キャンサー「逃げろと命じられない限り逃げない」 エルミア「おいおい、相手も確認してねーのにこの程度でビビるなよ?」 ジラソーレは隊商の荷物から蟻退治の毒薬的なものを探すが、なかなか 都合よくそんなものは見つからない。 突如、多数の騎馬による襲撃の足音が近づいてくる。 夜時間 5R 流砂はさらに激しく1Rに3D6m吸い込まれる。現在地は流砂の中心地から 20mほどの位置。登攀に成功すれば3m、効果、決定的なら段階に応じ登れる が、明らかに吸い込みのスピードの方が早くどうにもならない。 ただし登攀にー5のペナルティを得ることで、さらに1m上昇することができる。 エルミア、ジラソーレは普通に登攀するもののどうにもならない。 くろかみはノームを召喚し、地中からの脱出を試みる。 ノームの大きさは自分とロバをギリギリ包み込める大きさ。 ノームは1ラウンドに10m進むが期待値とどっこいどっこい。 またくろかみは「第2の目」で相手のPOWを見るがPOW20以上であることが 判明。詳しくみようとするがファンブル「目が目が~」 昼時間 4R めいめい隠れようとしたり、有利な場所に陣取ろうとしたり。 護衛隊長「商人殿?どうしますか?とても勝ち目はないと思いますが 降伏するか、逃げるかご決断を!」 商人「あー・・・うー・・・」 ジラソーレ「なんか殺虫剤みたいなのないですか?」 商人たち「それどころじゃないだろう!」 夜時間 6R 流砂の吸い込み11m。 アイオリア、キャンサーは残り9m 登攀に成功した者は残り12m くろかみは方針を変更、流砂を遡るのではなく、地中に垂直に潜り 遠回りで脱出を試みるが、窒息判定に失敗(00)「モゴモゴ」 エルミアは-75のペナを負い一気に脱出を図るが失敗。 アイオリアは逆に渦の中心に向かい突っ込む。 キャンサーもグレートソードを拾いそれに続く。 キャンサーは一回限りの神剣を発動。 昼時間 5R 商人は迷った挙句、パニックを起こし一番大事そうな荷物にしがみついて ガクブル状態。 護衛隊長「やむを得ん、全員散り散りになって逃げろ!」 全員「えー?今更かよー」 アイオリア「逃げようぜ?」 キャンサー「逃げろと命令されれば仕方がない」 昼時間のフラッシュバックはここで終了 夜時間 6R 流砂の吸い込み6m。 アイオリア、キャンサーは残り3mだったが、こちらから近づいて いったため既に接敵。 蟻地獄はデカい!SIZ50以上。 キャンサーのグレートソードは効果的成功(神剣付32ダメージ)だったが、 蟻地獄の牙をやや傷つけただけ。アイオリアの一撃も通常命中だったため、 コキーンと弾かれる。 全員「ダメだこりゃ」 7R 流砂の吸い込み15m このラウンドで全員吸い込まれる。 蟻地獄に取り込まれた段階でPOW抵抗ロール。 エルミア、ジラソーレは抵抗 アイオリア、キャンサーは失敗。 失敗したものは噛みつかれたイメージで1D6のMP/POWを失う。 MP-3。 魔力を消耗していたアイオリアは気絶。 神性介入を試みるもオーランスには届かず。 吸い込まれた者は、どうやら腹の中? 粘液上の何かに包まれるが、通常どおり呼吸や行動は出来る模様。 ただし真っ暗で何も見えない。 エルミア、槍で手当り次第に突っつく。 幸い壁の近くにいたようだったが、当然コチーンと弾かれる。 キャンサーは周りに何もなさそうだったので、沈んで底に近づこうとする。 蟻地獄はMP/POWを吸収する魔術装置か? 8R MP/POW吸収-4 アイオリアはPOWに浸食。8→4に。 キャンサーの残りMPは3。 何もしないのもどうかと思い、とりあえず空間を斬ってみる。 キャンサーの脳裏にフマクト神陰流開祖の言葉がよぎる 開祖「人と遭えば人を斬り、鬼と遭えば鬼を斬り、神と遭えば神を斬る」 キャンサー「蟻地獄と遭えば蟻地獄を斬る!」 キャンサーのいる位置はギリギリグレートソードが届く距離。 偶然同じ座標にいたジラソーレ「やーめーてー!」 命中は03、相手は無抵抗の物体なのでクリティカルとなる。 32ダメージAP無視。 エルミア「フマクトはただ斬るのみじゃ」 蟻地獄の腹が破れ、全員外に投げ出される。 蟻地獄は消滅し、周りには液体でベトベトになった四人と蟻の死骸。 地面の傾斜は元に戻っている。 ジラソーレ「珍しい液体ですので、集めさせてくださいな」 そのころのくろかみ・・・ 窒息判定連続ファンブルで地面の中・・・ゲフゲフ 一行は命からがらパヴィスへと戻った。 (中略) そしてある朝、アイオリアは目覚める。 キャンサーのどうでもいい裏設定 ※パヴィスに伝わる一子相伝のフマクト暗殺流派「神陰流」の継承者。 卑怯な剣を嫌う正統フマクトとは異なり、不意打ちも行う。 銅貨六枚の報酬で権力者に虐げられた民衆の恨みを晴らす復讐者となる予定。 しまったページタイトルを「短編」にしなければいけなかったんですね・・・ -- (さるきど) 2012-06-04 00 37 33 名前 コメント すべてのコメントを見る
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楽団死亡枠 モーゼス・“インスティゲーター”・マカライネン(担当ブラックボウ) コールアングレの首席奏者(トップ)にして、『楽団』木管楽器グループのリーダー格。 男性。壮年の白人。燕尾服にショートマントを羽織っています。口ひげが素敵なダンディ。 ごつごつとした印象を与えるコールアングレ(イングリッシュホルン)を演奏します。 霊魂を弾丸にして複数の敵を撃ち麻痺させるなどの攻撃が可能です。 また、怨霊を召喚する能力があると考えられますが、戦闘中は一度に数体に限られるようです。その他の詳細能力は不明。 バレットとは仲がよくなさそう? ☆木管楽器 基本的に木で出来た管楽器だが、改良されて金属になったもの(フルート)や元々金属のもの(サックス)もある。 音を出す仕組みが、リコーダーのような笛のもの、サックスのようにリードを振動させるものが木管楽器とされる。 フルート/ピッコロ/クラリネット/オーボエ/サックス/ファゴット(バスーン)/リコーダー/尺八など ●二人の少女 名前は不明。ピッコロを手にしたボブカットとロングへアーの小柄な少女で、 喪服のようなドレスを着込んでいます。攻撃能力は不明 <混沌組曲・破>崩壊都市/Yggdrasill<近畿> <混沌組曲・序>三ッ池公園狂想曲~Jötunheimr <混沌組曲・急>Ragnarøkにて死亡 フィクサード:『官能』エリオ(担当らると) 蝙蝠のビーストハーフの死霊術師。 アルトサックス『sexsax02』 半径数十m内の任意の対象(複数)に物理的な力を持つまでに至った濃い音を絡みつかせ、其の動きを縛る。 移動距離減、速度減、命中減、回避減、攻撃力減 を与える。 ペナルティを与える人数を一人に絞る事も出来、その際のペナルティは更に大きな物となる。 但しこのアーティファクトを演奏には他の能動的行動が一切取れないほどの集中力を必要とする。 フィクサード:『煽情』エルモ(担当らると) 蝙蝠のビーストハーフの死霊術師。 ソプラノサックス『sexsax01』 半径数十m内の任意の対象(複数)の動きを物理的な力を持つまでに至った濃い音で後押しする。 移動距離増、速度増、命中増、回避増加、攻撃力増 を与える。 ステータス増加を与える人数を一人に絞る事も出来、その際のステータス増加は更に大きな物となる。 但しこのアーティファクトを演奏には他の能動的行動が一切取れないほどの集中力を必要とする。 『オルガニスト』エンツォの兄 比較的新顔 得に混沌組曲には興味はなく、体裁のために付き合っている 好敵手と認め楽しんだ場合、邪魔が入るのを嫌がる。リベリスタ側に支援を掛ける利敵行為 ジャズが好き <混沌組曲・序>三ッ池公園狂想曲~オーロクローム <混沌組曲・破>崩壊都市/凶鬼顕ル<近畿> 『弦楽三重奏』ロマーニ(担当らると) 自らの体に死者の腕を縫いつけ、右側面でヴァイオリンを、正面でチェロを、左側面でヴィオラを、たった一人で同時に弾く老人。 ケイオス率いる楽団メンバーの、比較的古参の一人。 死体の精密操作を特に得手としており、彼に操作された死体は生前よりも高性能を発揮すると言われる。 性格は割と陽気。 <三ツ池公園大迎撃>彷徨う者 <混沌組曲・破>崩壊都市/凶鬼顕ル<近畿>にて死亡 『透明ノイズ』エルヴィーノ(担当夕影) フライエンジェ×アンノウン 超ナルシスト フルートを武器とします。音の高さにより、付与するBSが変わります 今回は音楽を奏で、死体を起こすのが主な行動です 絶対音感、集音装置 <三ツ池公園大迎撃>糞みたいな神様に祈れ <混沌組曲・序>轟音クラッシュ×透明ノイズ×闇夜のパーティー <混沌組曲・破>根絶不堪メトロノーム<沖縄>にて死亡 『フラミーニア』(担当麻子) メタルフレーム×アンノウン。楽団所属の調律師。 機械化した喉に組み込まれたチューナーから発せられる声によって調律・死体操作を行います。 歌姫・シアーの古い知り合いであり、彼女への深い愛情を抱き続けています。 死体操作以外には、その声によって共振を起こして内側から敵を破壊するようなスキルも使用するようです。 その他は不明。 <混沌組曲・破>わたしのうたごえはとどかない<東北>にて死亡 ゼベディ・ゲールングルフ(担当商館獣) フライエンジェのアンノウン。外見年齢は50前後。 出身国不詳。痩せぎすでちょび髭な白髪交じりの黒髪の白人。 『ダブルスタンダード』というファゴットアーティファクトを操る『楽団』のフィクサード。 その能力はほとんど不明。ダブルキャストを活性化。 『ダブルスタンダード』の能力の片鱗によって、彼の配下の全ての死体及びゴーストは 『敵のブロックを無視して動ける』という性質を持ちます。 生前の記憶を残したまま操られないようです <混沌組曲・序>三ッ池公園狂想曲~五線の上を駆けよ~ <混沌組曲・破>濁流に逆らえ<北陸>にて死亡 『死を踊る』フェネラル・”フィドラー”・フォルテ(担当pipi) フィドル奏者。強力なネクロマンサーと思われます。 能力など知れたものではありませんが、死体は自在に操っているようです。 自分自身が直接戦うことは嫌うようです。 何らかの強力なアーティファクトやEXスキルも保有しています。 『生を悼む』ラクリマ・”リューテニスト”・ルクレツィア(担当pipi) シルクハット燕尾服の少女。 <混沌組曲・序>Ballare F-F-F <三ツ池公園大迎撃>Crystal Garden <混沌組曲・破>Saltare L-L-L<関東> <混沌組曲・急>Corpus Chaos Carolにて死亡 『調律者』ミオーネ(担当らると) ジーニアスの死霊術師。 両手に音叉を持った女性。其の役割は楽器の調律。 音叉で空気を震わせる広範囲攻撃(物神防無+麻痺)や、音叉の振動で無機物を破壊する事を得意とする。 <混沌組曲・破>崩壊都市/凶鬼顕ル<近畿>にて死亡 『チェレーレ』(担当麻子) 楽団所属のチェリスト。女。フライエンジェ。 ヴィオレンツァの弟子とも言うべき存在です。 彼に従い、より強い死者を得るためにやってきました。 <混沌組曲・序>チェリストは恋を奏でる <混沌組曲・破>解れた運命、血色のスコア<関東>にて死亡 “調律師”フェレス(担当力水) 音叉型のアーティファクトで死体を“調律”し、その時々の戦況に最適化します。 戦闘時は死体達の後方から攻撃します。 使用スキルは「他者付与単体+回復」「音叉による遠距離単体攻撃」。 総合的な能力はアークのリベリスタ達より少し上です。 <混沌組曲・破>トライアングル・ファイト(ノー・アーリー)<東海>にて死亡 『フラミーニア』(担当麻子) メタルフレーム×アンノウン。楽団所属の調律師。 機械化した喉に組み込まれたチューナーから発せられる声によって調律・死体操作を行います。 歌姫・シアーの古い知り合いであり、彼女への深い愛情を抱き続けています。 死体操作以外には、その声によって共振を起こして内側から敵を破壊するようなスキルも使用するようです。 <混沌組曲・破>わたしのうたごえはとどかない<東北>にて死亡 ・ネーロ=ジェメッリ(担当KSK) 『楽団』に属するフライエンジェの少年です。 アークのリベリスタと比べて実力は勝り、『チェネレ・チェネレ』と呼ばれるヴァイオリン型のアーティファクトを所有します。 ・ヴィオーラ=ジェメッリ(担当KSK) 『楽団』に属するフライエンジェの少女です。性格は残酷で兄を敬愛しています。 『ポルヴェーレ・ポルヴェーレ』と呼ばれるヴァイオリン型のアーティファクトを所有しています。 <混沌組曲・序>咎人は天国へ行けない <混沌組曲・破>古の都に明日は無い<近畿>にて死亡 ・『ヴァイオリニスト』チェーザレ・インカンデラ(担当椿しいな) の、三人で構成される『楽団』のメンバーです。 具体的な能力はシアー同様不明ですが、彼女の護衛で結界能力があるようです。 『ピアニスト』のAFであるピアノは小さくしてトランクに入れられるようです。 結界は3人のアーティファクトによって作られている <混沌組曲・序>ある歌姫のためのアルト狂詩曲 <混沌組曲・破>ある歌姫のための夢のあと<中国>にて死亡 ジェルソミーナ・ラヴァネッリ(担当宮橋輝) 『楽団』のユーフォニアム奏者、ジーニアス×アンノウン。 ジェルトルデの実妹で、外見年齢10代半ばの少女。 マーチング・ユーフォニアムのアーティファクトを装備。 (※ユーフォニアムはチューバを一回り小さくした形の金管楽器です) <混沌組曲・破>姉妹が奏でる惨禍奇想曲 ―虎の血潮に染まれ―<北海道> <混沌組曲・急>姉妹が奏でる愛憎円舞曲 ―痛みに焦がれて―にて死亡 『黙したバンドネオン』アデラーイデ(担当八重紅友禅) 病的なまでに寡黙で、アーティファクト『あてどない死』を所有しています。(尚、演奏を止めても意味はありません) 戦闘方法は主に、首無し少女を意のままに動かしたり、死体の残骸を武器にして飛ばしたりといったものです。 <混沌組曲・序>首切連鎖狂想曲 <混沌組曲・急>指鳴りジョージの桃弦郷にて死亡 “男爵(バロン)”ジャン・ブレーメン(担当みちびきいなり) 所持楽器はマレット <混沌組曲・序>ロマンを謳う、密やかに <混沌組曲・破>ロマンを謳う、濃やかに<北陸> <混沌組曲・急>ロマンを謳う、高らかににて死亡 ラッパのオムザック(担当nozoki) 『楽団』の一人で、老紳士風の男性です。落ち着いた喋りをし、周りの人を安心させる雰囲気を持っています。 雰囲気通り、そのラッパは安らかで世界が静止したような気分になると言います。 戦場ではラッパを吹いています。吹きながら霊魂を飛ばして攻撃してくるようです。遠距離神秘攻撃です。 <混沌組曲・序>骨で奏でる音 <混沌組曲・急>開戦のラッパにて死亡 『ハモニカ令嬢』ニコレッタ・ブランジーニ(担当ガンマ) フライエンジェ×ネクロマンサー。 アーティファクトであるハーモニカを携えた令嬢。 演奏で死者を操るが、演奏を止めても死者たちの動きが止まるわけではない。 <混沌組曲・序>したいしたい <混沌組曲・急>したいしたいしたいしたいにて死亡 「一人上手」バルベッテ・ベルベッタ(担当田奈アガサ) 外見からは種族はわかりません。 一人で二人いるようにしゃべります。 アーティファクト「細断コロラトゥーラ」を駆使して、死体を操ります。一度起動してしまえば、演奏の必要はありません。 芸術家なので、肉体労働はしません。 <三ツ池公園大迎撃>搾取するなら、最後まで。 <混沌組曲・序>細断コロラトゥーラ <混沌組曲・破>ケヤキ並木700メートルの攻防<東北> <混沌組曲・急>我らが指揮者殿のためのファンファーレにて死亡 ニナ(担当茶零四) 女性。ジーニアスのネクロマンサー。ケイオス率いる楽団メンバー。クラリネットを使用する。 外見的には十代前半の少女だが、実年齢はもう少し高い。楽団員としても比較的若い模様。 狂っているか否かという点だけではエヴァルドより“マシ”である。 アーティファクト「Applauso del morto(死者の喝采)」を操り、援護重視の姿勢。 Applauso del morto(読:アップラウゾ・デル・モルト) ニナの使うアーティファクト。戦場域の死者の限定部位を大量に操る事が出来る。 今回はOPで使っている通り、無数の「手」を地中から蘇生させ、足止めの役目をしている。 具体的な効果は、 1:【一回の行動内における最大移動距離10m制限】 2:【速度半減】 3:【回避値を対象のレベル分(最大20の値まで)下げる】能力。 この効果は飛行状態で全て無視できる。(低空飛行では無視出来ない) また、敵(楽団員・死者)はこの効果の対象にはならない。 エヴァルド 男性。ジーニアスのネクロマンサー。ケイオス率いる楽団メンバー。クラリネットを使用する。 外見的には30~40代の落ち着いた雰囲気の男性だが、実年齢は遥か上。 今回は死体の蘇生や指示に主眼を置いている。 「死者は起こさず眠らせるべき」という考えと「ケイオス様の命令は絶対」という考えが入り乱れ、 最終的に「起こされた死者が可哀想だから早く眠らせて(救って)やってよ敵さん^^」というトチ狂った思考を持つに至る。 基本的に彼の言動は大真面目である。狂っている事以外は。 『<混沌組曲・序>死者を想いて笑い泣き』 『アリオーソ』(担当椿しいな) 楽団に所属している女ヴァイオリニスト。ヴァンパイア。ジョブ不明。 『ヴィオレンツァ』の恋人であり、深く彼を愛しています。チェリストの彼と奏でる二重奏は彼女の心の中で常に鳴り響いています。 『ベムレクト』(担当椿しいな) 楽団に所属しているヴァイオリニスト。メタルフレーム。ジョブ不明。 アリオーソの友人であり、良き理解者。 遣る事がなく、アリオーソに『フィクサード達を死者にすればいい』と助言を受けています。 <三ツ池公園大迎撃>君が愛するアントニム <混沌組曲・序>ヴァイオリニストは愛を奏でる <混沌組曲・破>橋上のア・バラータ<九州> <混沌組曲・急>ある歌姫のためのオブリガートにて死亡
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前ページ / 気さくな王女 / 次ページ 幕間 普段の壮麗な輝きは鳴りを潜め、黒を基調とする装飾に縁取られたヴェルサルテイル宮殿の前栽を少女が歩く。 喪服に喪章をつけた人間が行きかう中、一人赤いスカートを翻して歩く様は大いに目を引くが、誰も彼女に気を払わない。 二人の門番が談笑する横を抜け、少女はプチ・トロワの入り口をくぐった。 「随分と客が集まるんだろ? まぁた仕事が増えるよなあ」 「まったくだ。娘一人の葬式にご大層なことでよ」 「結局のところよぉ、俺たちゃ死んだ後でもあの女にこき使われるってこった」 「人騒がせな姫さんもいたもんさ」 主を失ったプチ・トロワの中はしんと静まりかえっていた……ということもなく、召使たちが忙しげに立ち働いていた。 ただ、人数が集まれば、一人二人の不心得者は出てくるもの。上役の目を盗み、控え室でおしゃべりに精を出す侍女が二人。 「街で通り魔に殺されたんじゃないかってもっぱらの評判よ」 「最近は毎晩のように出歩かれていたみたいだものねぇ」 「悪い仲間ともつるんでいたみたいだし」 「いざこざがあって刺されたのよ、きっと。いつもシャルロットさまにしている意地悪をやくざものにもやったのよ」 「そうね。宮殿の外に出ても自分の我侭が通って当たり前、って人だったものね」 少女は控え室を通り抜け、来た時と同じように咎められることなくプチトロワを後にした。ここには目当ての人物がいないかったらしい。 グラン・トロワの廊下には東方から買い求めた豪奢な絨毯が敷き詰められている。弾力性に富んだ絨毯の毛に足をとられそうになりながら、少女は一生懸命歩を進める。 遊戯室の扉を開けると、そこには騎士の人形に話しかける美髯の中年男性がいた。 腰高の籐椅子に腰掛け、傍らには表情の無い小姓を控えさせ、物言わぬ人形と嬉しそうにお話しをしている。 「ビダーシャル曰く、悪魔と出会ったのだそうだよ。あのエルフをしてそこまで言わしめるとは……ふふ、わが娘はよほど恐ろしい化け物を召喚していたらしい」 少女は男性の傍に寄り、顔を見上げた。どこかで見たことがあるような気がしたが思い出せず、首を傾げた。 「使い魔君とは一度会っておきたかったが、今となっては詮無きことだ。ミューズ、もう少し先のことを相談しよう、ミューズ」 少女はしばらく男性の顔を見ていたが、やがて飽きたのか、部屋の扉を静かに開いて出ていった。 厨房では噂話に花を咲かせながらコック達が大忙しで働いていた。口を動かしながらも手を休めることはない。 「庭師のハンスがよ、露店で物を買うところを見たってよ」 「そりゃ他人の空似だな。あのヒステリーが自分で買い物なんかするかよ」 「仕入れのオリガはよ、ドロドロに汚れて裏町歩いてたって言ってたぜ」 「そりゃでまかせだ。オリガの言うこといちいち信じてたら身上が潰れちまわあ」 「なあんか怪しい噂が多いよなぁ」 「俺ぁ男関係だと思うね。肌着一枚で宮殿の中うろつくなんざ、そこらの阿婆擦れ年増だってできねえ芸当だぜ」 糖蜜でコーティングされた苺を一つをつまみ食いし、少女は厨房を後にした。 少女はまだ目的の部屋を見つけることができないでいる。 階段を昇り、通路を右に折れ、ドアを開けて中を覗くと、そこでは二人の騎士が密談にふけっていた。 密談なりに施錠の魔法も唱え、それに加えて探知の魔法までかけていたのだが、二人は少女に気づくことなく会話を続けている。 「表向きには、アーハンブラ城で行われた実験が失敗。見学に出向いていた王女もろもとに城が倒壊した……ということになっています」 「表向きの話はどうでもいい。実のところは何が起きたのだ」 「北花壇騎士団の暴走です。私刑にかけるべくシャルロットさまの引渡しを要求したところ、すげなく断られ……」 「実力行使に出た、と。聞きしに勝る傍若無人ぶりだな。簒奪者の娘自ら無法者どもを率いていたのか?」 「はい。防衛を任された王軍と北花壇騎士団特殊部隊が交戦し、激烈な戦闘の末に城が倒壊。王軍は子飼いのエルフや攻城用のガーゴイルまで投入し、なんとか簒奪者の娘を討ち取ったそうです」 「実力の方も聞きしに勝るというわけか。シャルロットさまのご無事は確認した……と言ったな?」 「妃殿下とともにトリステインへ逃れられ、現在はトリステイン魔法学院にて保護されているとのことです」 「王軍と北花壇騎士団の争いに乗じて逃れられたか。簒奪者の内輪揉めも時として役に立つ」 少女はぽん、と手を打った。階上を探してもいない……ということは、階下にいけばいるかもしれない。 下に向かう階段を探すべく、少女は後ろ手で扉を閉めた。 階段を一段降りるごとにぐっと冷え込む。肌を刺す冬の冷気ではなく、地の底の寒気が臓腑の内から滲み出してくる。 扉を開けた先はさらに冷たく、生者の持つ温もりといったものが一切存在しない。 少女は身震い一つなく扉の中へともぐり込み、寒さに頓着しないまま、部屋中央の棺へと歩み寄った。 真っ白い大理石の横腹には季節の花々が彫刻されている。棺の中にも所狭しと花が敷き詰められ、むせ返るような匂いを寒々しい部屋の中に撒き散らす。 色鮮やかな青い髪は、丁寧に梳かれた上で整えられ、どの花にも見劣りしない艶やかな光彩を見せている。 化粧のおかげか、今わの際の表情がそのまま残っているのか、生きていた時にはけして見せることがなかった優しげな表情を浮かべていた。 黄色いボロタオルは無い。懐にナイフを忍ばせていることもないだろう。真っ白なドレスでは露店を冷やかして歩くこともできない。 だが、それでも、王女は微笑んでいた。胸に雪割草のコサージュを乗せ、悔いの無い生を全うした者にのみ許される笑みを浮かべて静かに横たわっていた。 それを見て少女もにっこりと笑った。棺の上に身を乗り出し、肩に手をかけ、ゆさゆさと前後に揺すって呼びかけた。 「お姉ちゃん」 ……誰か呼んだ? おねむのわたしを名指しで呼ぶなんて命知らずもいいところね。いったいどこの馬鹿よ。 ううむ……いて、ててて……うう、節々が痛い。体を起こそうとするだけでかなりの重労働。冬眠直後の熊じゃないってのに。 「お姉ちゃんお姉ちゃん」 随分と惰眠を貪っていたみたいで、なんだか意識がぼんやりしている。勤勉の代名詞とも言うべき鬼畜者がこんなことじゃいけないわ。 「ねえお姉ちゃん」 体を慣らし、また悪事を働けるようになるまで回復しないと……。 「お姉ちゃんってば!」 うるさい! と思ったのと同時に手が出ていた。いいわね、何も入ってない頭って。叩くととてもいい音がする。 「あいたた……起こしてあげようとしただけなのに」 あくまでも反射よ反射、そんな恨みがましい目で見るのはよしなさい。 「うるさいわねえ。耳元でガンガンがなりたてて……お前はわたしの鼓膜に恨みでもあるの?」 「もう。お姉ちゃんってばいっつも寝起きが悪いんだから」 これだけ長い間寝てれば誰だって寝起きが悪くなるわよ。 体が痛くてたまらない……って何よこの硬い寝台は。石? 石の寝台? こんな所でまともに寝られるわけがないじゃない。 おまけにこの花! 匂いはともかく、花粉がバラバラバラバラ……鼻がムズムズするわ。 なんだか寒いし、ジメジメしてるし、景気の悪いことこの上ないわね。どこよここ? 思い出せそうで思い出せない。たしか……。 「……ちょっとずつ思い出してきたわ。ここはヴェルサルテイル宮殿ね?」 「うん」 「てことは戻ってきたのか……シャルロットはどこに行ったの?」 「シルフィちゃんとお母さんと一緒にトリステインってところに行ったよ」 そうね。シャルロットはガリアにいない方が安全でしょうからね。わたしに礼の一つも無しに逃げたことは万死に値するけどね。 「地下水は?」 「一緒に行っちゃったよ。もうこの国にはいられないって」 あいつも相変わらずドライねえ。副団長くらいには取り立ててやってもいいと思っていたのに。 「そういえばお前、一番大事な時にいなかったわね」 「ボクはボクで大変だったんだよー」 「どう大変だったのよ」 「お姉ちゃんがお城を壊すから兵隊さんたちを助けてあげなきゃいけなかったんだよ。エルフのおじさんとボクだけでやったから時間がかかっちゃって」 あ、やっぱりエルフもいたのね。出てこなかったからいなかったのかと思ってた。 なるほど、敵味方に怠け者が一人ずついてバランスがとれてたってわけか。納得いくようないかないような。 ともあれ、幽霊の話を聞き、現状が掴めつつある。この寝台、そして花。じめついた冷たい部屋……おそらくは地下室。 どう考えても父上の嫌がらせ。それ以外の何者でもない。わたしに負けた憂さをこんな形で晴らしているのね。いつまでも子供なんだから。 「起き抜けにすることが決まったわ」 「何をするの?」 「決まってるじゃない。勝者の義務として哀れな負け犬に挨拶するのよ。ユーモアに富んだ皮肉をたっぷりと交えてね」 大きく伸びをして、寝台の上から飛び降りた。うん? 妙に足元がふわふわしていて落ち着かない。こりゃよっぽど体が弱ってるわ。 幽霊に手をひかれ、ふらつく足で一歩一歩階段を昇り、扉を開けると、そこには田園風景が広がっていた。……あれ? 「お姉ちゃん、どうかしたの?」 「ええっと……どうしたんだっけ? いや、どうしたっていうか……んん?」 わたしは自転車を転がして、幽霊がそれに続く。いつものことよね。何もおかしなことなんてない。何がおかしかったんだっけ? ええと……ええと……ううん……あまり悩まない方がよさそうね。すっきりさっぱりいきましょう。 自転車は多少埃っぽくなっていたものの、長旅の疲れを微塵も感じさせず、颯爽としたスマートな佇まいで見る者を魅了する。 さすがはわたしの使い魔、と独りごち、ドレスの裾で旅の汚れを拭ってから跨った。幽霊も続いて後部座席に座り、わたしの腰に両腕を回す。 「お姉ちゃん、今日はどこに行くの?」 「そうねえ……それじゃカレーを食べるための旅に出ましょう」 「やったー! ボク、たっくさん食べる!」 石畳の上を走り、桟橋を通って、青い麦穂に囲まれた街道を走った。見覚えの無い道だけど、だからこそ新鮮味があるってものよ。 自転車のペダルがいつも以上に軽く、背中の幽霊はもちろん、自分の体重すら感じない。力を入れなくても風を切ってすいすい進む。 涼しげな川辺、虫の声でいっぱいの茂み、点々と日が差す森の中、場所を選ばず走り抜けた。ドレスをはためかせ、自転車に任せてハンドルを切る。 「いい天気だねー」 「ふん。鬼畜者に相応しいとはいえないわね」 「お姉ちゃんはホントにひねくれてるなあ」 「余計なお世話よ。……よし、それじゃこの上天気を台無しにするような鬼畜の歌を歌いなさい。いい歌を歌えば昼食がおかわり自由になるわよ」 「ホント!? えっと、えっとね……」 べつに幽霊の歌に期待していたわけじゃない。だからといって期待以下であることを許すつもりもない。 「ひ~ねも~す隠れ~、ひ~ねも~す食らう~……」 こいつ……またこの歌か。レパートリーが貧弱なんてものじゃない。幽霊世界はもう少し芸術に目を向けるべきなんじゃないかしら。 「な~にも~わか~らず~、な~にも~残~さず~……な~にも~、な~にも~……」 「あのね」 「ボクはい~もむし~」 「やめなさい。わたしはね、鬼畜の歌と言ったの。負け犬の歌なんて言ってないの。分かる?」 「なんで負け犬なのさー」 「イモムシなんて存在自体が負け犬なのよ」 「そんなことないよ」 幽霊が心もち強い力でわたしの腰を抱き締めた。 「蝶や蛾になって空をとべるもん」 どうやらこいつの中では蝶も蛾も同じような生き物らしい。世間の評価ってものを考慮してないわね。 「ひらひらひらひら~ってとぶんだ。どこまでもどこまでもとぶんだよ」 「どこまでもねえ」 常識外れではあるものの、なかなかユニークな考え方ではある。蝶も蛾も同じ……か。 幽霊の歌うメロディーに乗って自転車が走った。 ペダルが徐々に軽くなっていく。ペダルだけでなく、自転車そのものが軽い。水鳥の羽よりも、空気よりも、風よりも。 タイヤは地面から離れ、風に乗って太陽を目指す。太陽に近づくにつれ、陽光が強くなっていき、でもその光はけして不快なものじゃない。 光に包まれ、わたしの意識が空に溶けていく。腰に回された幽霊の手が温かい。温かで、どこか懐かしくて……。 前ページ / 気さくな王女 / 次ページ
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6月1日名古屋版朝刊 6月1日 北九州版(福岡県)朝刊 6月1日 福岡版(福岡県)朝刊 6月1日 大阪版(京都)朝刊 6月1日 大阪版(京都)<毎日小学生新聞> 6月1日 高知版 朝刊 関連ページ 6月1日名古屋版朝刊 【核ミサイルの対価は】毎日新聞抗議活動2ch本部245【1兆円】 http //takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1243643525/436-437 1面題字下:三菱UFJフィナンシャルグループ(カラー) 途中:YKKap(カラー) 未病(カラー) 日本製紙(株) 下:(株)宣伝会議 八重洲出版 毎日新聞社 がくぶん総合教育センター 日本創芸学院 マガジンハウス(3段) 2面下:新潮社 実業之日本社(5段) 3面下:悠飛社(5段) 4面下:毎日新聞社 キャッスル・ファミリーコンシェルジェ名古屋(5段) 5面下:日本新聞博物館(5段) 6面下:二木ゴルフ(5段) 7面下:AC(5段) 8面:日本OTC医薬品協会(全) 10面:日本直販(全) 11面下:毎日新聞中部本社(協賛:名古屋ターミナルビル(株))(5段) 12面下:毎日文化センター(5段) 15面下:ドクターシーラボ(5段) 16面途中:毎日新聞社 18面:大正製薬(カラー全) 19面下:名大社 内藤一水社 アド大広名古屋 近鉄タクシー(株) (社)日本広告業協会(3段) 20面下:全労災(5段) 21面:阪急交通社(全) 22面下:クリエイトサウンド(東区) すわっこランド(諏訪市) コンドウ歯科(瑞穂区・インプラント) 途中:(株)MC三河設計 23面下:Newsがわかる(2段) 24面下:名古屋銀行 全日本学生音楽コンクール名古屋大会(後援:NHK)(5段) 途中:毎日新聞社 25面下:八ッ目製薬 毎日新聞中部社会事業団 (株)グランドギャラリー 天華廟 αスポニチ速報(3段) 26面途中:Bridal Collection SPOSA DI MATSUEDA 下:小樽洋菓子舗ルタオ(カラー3段) 6月1日 北九州版(福岡県)朝刊 「日本の母は息子の性処理係」毎日新聞が捏造記事164 http //hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/ms/1243342458/215-217 一面:三菱UFJフィナンシャル・グループ”題字下”,未病.com”記事中” 自由国民社,ベレ出版,秋元書房,1万年堂出版,展望社,徳間書店,七つ森書館,論創社“下5分の1” 二面:文藝春秋の本”下3分の1” 三面:かあちゃん 重松清 講談社“下3分の1” 四面:株式会社阪急交通社(国内旅行) ttp //hankyu-travel.com/fuk-d “下3分の1” 五面:宝ヘルスケア株式会社“下3分の1” 六面:株式会社阪急交通社(国内旅行)“全面白黒” 七面:広告申込先「九州大有社、(株)アド通信社,内藤一水社,西行案内,西部毎日広告社」“下6分の1” 毎日新聞販売開発部 西部本部・福岡本部(新聞販売店 経営者募集)“下6分の1” 八面:株式会社阪急交通社(海外旅行) ttp //hankyu-travel.com/fuk-i “下3分の1” 九面:かんもん海峡・門司港レトロ こども絵画コンクール お問い合わせ/門司港レトロ総合インフォメーション 主催/関門海峡ミュージアム(海峡ドラマシップ) “下3分の1” 十面:毎日新聞社 華族たちの昭和史 保坂正康 ”記事中” 十一面:全国労働者共済生活共同組合連合会(全労済)“下3分の1” 十二面:日本OTC医薬品協会“全面白黒” 十四面:大正製薬“全面カラー” 十六面:日本直販“全面白黒” 十七面:サンマリエ株式会社 “下5分の1” 十八面:杉乃井ホテル“下7分の1” 二十面:毎日通販(毎日福岡会館6階 毎日通販係)“下3分の1” 二十一面:国土研創株式会社 ttp //www.kokudo-k.co.jp ”記事中” 株式会社細井,(株)ハウス倶楽部,株式会社ヤマトホーム,九州電気設備工事(株), 質ココ屋“下4分の1” 二十二面:2009国立ボリショイサーカス お問い合わせ/株式会社福岡スポーツセンター, 新天町パンダロマン・旅行抽選 新天町商店街 ttp //www.shintencho.or.jp/ “下3分の1” 二十三面:司法書士法人Officはまだ ,株式会社グランドギャラリー,毎日メディアサービス, 社団法人 福岡県私学教育振興会 事務局,八ッ目製薬,JARO 社団法人 日本広告審査機構, 九銘ハウジング(株) ttp //www.kyumei-housing.co.jp “下4分の1” 二十四面:毎日文化センター 受講生募集”テレビ欄中” 小樽洋菓子舗ルタオ(株式会社ケイシイシイ)“下5分の1” 6月1日 福岡版(福岡県)朝刊 「日本の母は息子の性処理係」毎日新聞が捏造記事164 http //hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/ms/1243342458/218 一面~四面:北九州版と同じ 五面:アパート経営成功の必読書プレゼント (株)企画情報センター“下3分の1” 六面~二十面:北九州版と同じ 二十一面:福岡の住まいと暮らしのデザインブック 住まいnet福岡 ttp //fukuoka.webnavi.co.jp/ 発行元:株式会社西部毎日広告社 福岡支店内 住まいづくりデザインセンター福岡 二十二面~二十四面:北九州版と同じ 6月1日 大阪版(京都)朝刊 「日本の母は息子の性処理係」毎日新聞が捏造記事164 http //hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/ms/1243342458/243-246 一面:三菱UFJフィナンシャル・グループ ”2色カラー。結構きな臭い合併をなさってたんですねw” YKKap ”2色カラー” 日本製紙 カメラのナニワ ”カラー” 論創社 七つ森書館 ☆ 徳間書店 展望社 1万年堂出版 秋元書房 ベレ出版 自由国民社 (豊島区) 二面:文芸春秋 ”下3分の1” 三面:講談社 ”下3分の1” 四面:エコノミスト ”6分の1”× わかもと製薬 ”6分の1”★ 五面:大江ノ郷自然牧場 ”下3分の1”★ 六面:小林製薬 ”下3分の1” 七面:日本直販 ”下3分の1” 八面:スポニチ × 九面:サントリー SUNTORY ”下3分の1” 十面:<日本OTC医薬品協会 www.jsmi.jp 会員企業→浅田飴、アサヒフードアンドヘルスケア株式会社、 あすか製薬株式会社、天藤製薬株式会社、株式会社アラクス、株式会社アルソア本社、 アルフレッサ ファーマ株式会社、株式会社池田模範堂、イチジク製薬株式会社、エーザイ株式会社、 エスエス製薬株式会社、大杉製薬株式会社、株式会社太田胃散、大塚製薬株式会社、株式会社カイゲン、 花王株式会社、科研製薬株式会社、救心製薬株式会社、杏林製薬株式会社、株式会社金冠堂 グラクソ・スミスクライン株式会社、クラシエ薬品株式会社、健栄製薬株式会社、 株式会社廣貫堂、興和株式会社、小太郎漢方製薬株式会社、小林製薬株式会社、小林薬品工業株式会社、 株式会社再春館製薬所、佐藤製薬株式会社、参天製薬株式会社、三宝製薬株式会社、 ジェーピーエス製薬株式会社、塩野義製薬株式会社、株式会社資生堂、シミック・エスエス・CMO株式会社、 ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社、スノーデン株式会社、ゼリア新薬工業株式会社、 全薬工業株式会社、第一三共ヘルスケア株式会社、大幸薬品株式会社、大正製薬株式会社、 大鵬薬品工業株式会社、武田薬品工業株式会社、田辺三菱製薬株式会社、玉川衛材株式会社、 丹平製薬株式会社、ダンヘルスケア株式会社、株式会社ツムラ、テイカ製薬株式会社、 テイコクファルマケア株式会社、東亜薬品株式会社、常盤薬品工業株式会社、株式会社トクホン、 内外薬品株式会社、ニチバン株式会社、日新薬品工業株式会社、日水製薬株式会社、日東薬品工業株式会社、 日邦薬品工業株式会社、二プロパッチ株式会社、ノバルティス ファーマ株式会社、バイエル薬品株式会社、 久光製薬株式会社、七ふく製薬株式会社、ホーユー株式会社、堀井薬品工業株式会社、ミヤソサン製薬株式会社、 明治製薬株式会社、持田製薬株式会社、株式会社ヤクルト本社、株式会社山崎帝國堂、 ユースキン製薬株式会社、祐徳薬品工業株式会社、養命酒製造株式会社、ライオン株式会社、 株式会社龍角散、レキットベンキーザー・ジャパン株式会社、ロート製薬株式会社、 わかもと製薬株式会社、株式会社和漢薬研究所、湧永製薬株式会社、和光堂株式会社>”全面”☆ 十一面:全日本氷糖工業組合 (名古屋)★ 住友信託銀行 十二面:DMJ企業グループ DMJえがお生活 ”全面” 十三面:メディカルプラザ ★ 十四面:大正製薬 ”全面カラー・大正製薬電話します”★★★★★ 十五面:株式会社ドクターシーラボ ”下3分の1” 十六面:全労済 ”下3分の1” 十八面:いいもの王国 ”全面”★ 十九面:森下仁丹株式会社 ”下3分の1”★★★ 二十面:毎日新聞社 × <求人広告→(株)JSKコンサルタント (大阪北区)、(株)日経サービス、トータル設計(株)(大阪市)、 株式会社青雲荘 (堺市)、医療法人十全会 京都東山老年サナトリウム は~とふる東山 ★、 学校法人樟蔭学園、東大阪山路病院 千寿園 南荘の郷 ★、南海バス株式会社、 プリモハシクラ商会 (高槻市)、(株)スタティック・セキュリティー、阪神給食(株)> Newsがわかる × 国際整体療術学院 ttp //www12.ocn.ne.jp/~roujutsu/jyukoubosyu.html 二十一面:錦水亭 まいまいクラブ × すっぽん ○なべ 大市 すきやき いろは 三崎清々館 京こんぶ ぎぼし 間遠佛具店 い~温泉あわら あわらグランドホテル ゆ楽ホテル ぐらばあ亭 東横イン京都四条大宮 安田念珠店 株式会社イージーウェアズ ≪こっから映画館上映情報です→≫南座 、労演、祇園会館、東方公楽、TOHOシネマズ二条、 新京極シネラリーベⅠ・Ⅱ、 イオンシネマ久御山、京都みなみ会館 、京都シネマ 1・2・3 、MOVIX京都 、 千本日活(☆剃毛と制服☆密会の黒下着☆喪服奉公お通夜の晩に 入場料500円税込み) 二十二面:サンデー毎日 × まいまいクラブ × 大阪府建設組合 www.kenseturengo.com 湯快リゾート ”6分の1” ピアノ卸売センター サンビューロー”6分の1” 二十三面:杉山司法書士事務所 ミナト法務事務所 みまや法律事務所 kodomo-speech.jp 二十四面:毎日フォトバンク × オーバルホール × 香里園住宅展示場 × TBS ”下5分の1” ×→自社広告 ☆→新規企業 ★→広告復活企業 (記憶違いならごめんなさい) 病院の息子さんが就活しようかって時、お父さんに「○林製薬と○○製薬、どっちがいい?」って聞かれたそうですからね。 そんなgdgdなことしてたら、きっついしがらみの百や二百あるんでしょう。 6月1日 大阪版(京都)<毎日小学生新聞> 「日本の母は息子の性処理係」毎日新聞が捏造記事164 http //hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/ms/1243342458/247 1p:こども英会話のミネルヴァ ゼンケンオール株式会社 (新宿区)”下3分の1カラー” 6月1日 高知版 朝刊 「日本の母は息子の性処理係」毎日新聞が捏造記事164 http //hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/ms/1243342458/256 一面:三菱UFJフィナンシャル・グループ、YKKap、日本製紙株式会社、カメラのナニワ 論創社、七つ森書館、徳間書店、展望社、1万年堂出版、秋元書房、自由国民社 二面:文藝春秋“3分の1” 三面:講談社“3分の1” 四面:エコノミスト“3分の1”、わかもと製薬“3分の1” 五面:大江ノ郷自然牧場“3分の1” 六面:小林製薬“3分の1” 七面:日本直販“3分の1” 八面:スポニチ 九面:サントリーウエルネス“3分の1” 十面:日本OTC医薬品協会 www.jsmi.jp/ 「クスリ」が変わります。“全面” 十一面:大和証券グループ(協賛)第67期名人戦 第64期本因坊戦、毎日新聞社 JAAA 日本広告業協会 十二面:DMJえがお生活“3分の1” 十四面:大正製薬“全面カラー” 十五面:ドクターシーラボ“3分の1” 十六面:全労済“3分の1” 十八面:いいもの王国“全面” 十九面:森下仁丹株式会社“3分の1” 二十面:日本新聞協会“3分の1”、毎日小学生新聞“3分の1”、AC 公共広告機構“3分の1” 二十一面:御菓子司 冨士屋 www.saoshika.co.jp/、箕面観光ホテル、関本宗一商店 株式会社スイデン、湯郷温泉 美春閣 二十二面:サンデー毎日、湯郷石橋ゴルフ倶楽部、湯快リゾート“6分の1”、ヒガシマル醤油株式会社 二十三面:全国こども英語スピーチコンテスト 二十四面:毎日フォトバンク、オーバルホール、香里園住宅展示場 積水ハウス、TBS 関連ページ 2009年1月- 6月 毎日新聞に広告を出していた企業 グラクソ・スミスクライン シオノギ製薬 ハウス倶楽部 ヤマトホーム 久光製薬 九州電気設備工事 国土研創 悠飛社 株式会社細井 武田薬品 質ココ屋
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【キャンペーン/短編/20080824/キャンペーン/短編/20000000】 タグ 編集/ 20010804/ 20010811/ 20010818/ 20020824/ 20030329/ 20060812/ 20080824/ 20120602 「初陣」 2012.6.2 新人さん歓迎セッション!(eeffさん) PC eeff アイオリア M16S13I12A14 オーランス ブロードソード、カイトシールド、全身にベザント(薄皮の詰め物)、馬 パヴィス出身のかけだしのオーランスの冒険者 初めて護衛任務を引き受けるが不思議な事件に出会う。 ワイルドな男をめざし、語尾に「~ぜ?」をつける。 さるきど キャンサー F16S12I14A12 フマクト アイオリアの幼馴染、目立たない外見にコンプレックスを抱いている? 背中にグレートソード、ブロードソード、ターゲットシールド、頭と両腕にベザント (他の部位は防具なし)、喪服のような黒いローブ、馬、腰に死のルーンを模った藁人形を ぶら下げている。 加護と制約 集中している間亡者検知、フマクトのカルト精霊呪文しか使ってはならない AZA エルミア M55S15I14A4 オーランスの牧夫の老人 つるっぱげのオーランス信徒。たまに含蓄のあることを言う。 サーター出身、隊商の客としてサーターに向かう 武装:ショートスピア? KON くろかみ F32S10A17I15 ダーカファールの祈祷師 サーター出身?隊商の客としてサーターに向かう。 美人だが巨大なニューギニア的仮面で隠す。 yukuhito ジラソーレ M24S17A15I17 ランカーマイの入信者 サーター出身?隊商の客としてサーターに向かう。 アーナルダ信徒であったが、一念発起し、研究の門を叩く。 ログ 海の季から火の季にさしかかろうとしている時期 二人の若者が冒険者として身を立てようとしている。 第一歩としてパヴィス街道をゆく隊商の護衛を引き受けることになった。 隊商には積荷の他に、合計8人の護衛と3人の客人がいた。 (中略) 隊商は山賊に襲われ、散りぢりに。 護衛の若い二人と客3人は追手をかわしながら、野営をとっていた。 皆、食料もなく、疲労が重なっていた(長期疲労-10)。 火を起こせば追手に見つかるかもしれないが、火の季に入るとはいえ プラックスの夜は寒い。松明に火を灯し、何か燃えるものを探そうとする。 そこに忍び寄る黒い影5体。 エルミアは視力で効果。それが巨大アリであることに気づく。 キャンサーは松明を地面に落とし、それをエルミアが拾う。 戦闘能力のないくろかみを守るように、四人がアリと対峙。 アイオリアが一匹を消沈させ合計二匹を引き受ける。 くろかみは前衛の二人に防護を準備。 キャンサーはグレートソードを振るうが、周りから危ないと言われ、 盾とブロードソードに持ち変える。 エルミアが脚に噛みつかれ、苦戦しつつも、着実に一匹づつ仕留め残りは三匹。 傷ついたエルミアをかばうべく、キャンサーが間に入り、盾受けを試みる。 アリの攻撃はクリティカル、キャンサーの受けは77-77-50 (中略) 昼時間 ある朝、アイオリアは目覚める。 隊商が襲われるという鮮明な夢を見た。 明日は幼馴染のキャンサーと隊商の護衛を引き受けることになっているが、 嫌な予感(確信)がしてならない。 キャンサーに夢の中身を話すが、(当然ながら)信用してもらえない。 どうやら夢?の記憶を持っているのはアイオリアだけらしい。 だが、アイオリアの必死の説得に何かを感じ、馬に乗るのをやめ、 死の呪いを込めた藁人形の予備を用意することにした(POWは入れていない)。 アイオリアも冒険の準備が不足していたことに気づき、食料やら何やらを用意。 途中、オーランス神殿で隊商の客であったエルミアと遭遇。 アイオリア「明日、隊商は全滅するぜ!俺はあんたたちに会ったぜ! 悪いことは言わないぜ。隊商と行くのを止めた方がいいぜ!」 エルミア「はァ?臆病風に吹かれたか?ボーズ?つか何で俺が明日隊商に ついていくことを知ってんだ?」 買い出しの後、晩飯を取っていた二人だったが、飯屋でアイオリアが 隊商の護衛役の一人で、山賊の手引き役であった男(裏切り者)に気づく。 キャンサー「あの男がどうかしたのか?」 アイオリア「アイツが明日山賊を手引きしたから隊商が全滅したんだぜ!」 キャンサー「はァ?」 男は別の誰かと話をしていたが、やがて一人になる。 キャンサー「気になるなら追いかけるか?それともひと思いに・・・」 キャンサーの見たところ、相手は二人よりも手練れの見込み。 アイオリア「いや(証拠もないし)別の方法を探そう・・・。 いっそ、明日の護衛はやめようぜ!」 キャンサー「フマクトの真実にかけて、契約を破棄することはできない! 初めての護衛で緊張するのはわかるが逃げたいなら一人で逃げろ」 何ら有効なアクションを取ることもできず、出発の朝を迎える。 アイオリアは商人に警告を発するが、かえって疑わしい上に 臆病者、狼少年のレッテルを貼られる。 アイオリア「あんた、後で蟻に襲われて足を怪我するぜ?」 ジラソーレ「何いってんの?アンタ?」 アイオリアの言うことは時系列が無茶苦茶で当然信じてもらえない。 アイオリア「俺はあんたの名前だって知ってるんだぜ?」 商人「だってさっき儂が紹介したじゃん」 全員「・・・」 祈祷師のくろかみは嫌な予感がしたのか魔精に命じノームを呪縛する。 そして隊商は何事もなくサーター方面に出発。 3時間ほど進んだところで、夜に備えて休息。 プラックスの夏季は非常に暑いため、熱暑を避けて昼休んで夕方歩く予定。 山間の合間に斜めがけにテントを張り、日光を避ける。 テントの出入り口の両側に一人づつの歩哨。 裏切り者の男が歩哨に立っているため、アイオリアはボロを出させようと 話かけるが、相手ははぐらかしてまともに答えない。 男「おっと、ちょっとションベンしてくるから、代わりに立っててくれよ」 アイオリア「早く戻ってくるんだぜ?」 テントの中で寝ているキャンサーは嫌な予感で目覚める(POWロール01)。 直感的にテントの裏で何かが起きそうな気がして駆け出す。 他の三人も気づきエルミアはテントの逆方向からテント裏へ。 残りの人間は武装。 テントの裏では裏切りものが鏑矢を放とうとしている。 キャンサーが剣を構えて突撃しようとするが、間に合わず矢は放たれる。 「ピ~ヒョロロロロ~」 夜時間 3R アリと戦っている一行。 ※昼時間の一行とは記憶は共有されていないが、昼時間の行動は 反映されている様子。 アリを着実に追い詰めようとするが、しかし、急激に地面が傾き始める。 エルミア他、何人かがジャンプに成功するが、キャンサー他何人かが 地面にこける。倒れたままアリと戦闘するはめに。 昼時間 2R 裏切り者は鏑矢を放った後、二の矢を継ぐ。 エルミアとキャンサーの挟撃の形に。裏切り者はジジィとフマクト少女の 二択問題に迷ったが、フマクト少女に狙いを定める。 キャンサーは一撃は食らう覚悟で盾を胸に構えて突撃。 裏切り者の矢はハズレ、キャンサーの攻撃もハズレ。 エルミアの槍が裏切り者の足先を貫き、男は倒れる。 テント裏の異変に気づいたアイオリアもキャンサーを連れて逃げようと テント裏に駆け出す。 夜時間 4R 地面の傾斜が急角度に。地面が流砂となり流れ出す。 アリは戦意を喪失し逃走。 エルミア、くろかみ、ジラソーレは流れとは逆に駆け出す。 アイオリアとキャンサーは何か捕まるものを探す。 暗闇でよくわからないが、ジラソーレが蟻地獄ではないかと推察。 昼時間 3R エルミアとキャンサーによって裏切り者は瀕死。 アイオリアも合流。 アイオリア「今から30人の山賊が襲ってくるぜ!逃げるんだぜ!」 キャンサー「逃げろと命じられない限り逃げない」 エルミア「おいおい、相手も確認してねーのにこの程度でビビるなよ?」 ジラソーレは隊商の荷物から蟻退治の毒薬的なものを探すが、なかなか 都合よくそんなものは見つからない。 突如、多数の騎馬による襲撃の足音が近づいてくる。 夜時間 5R 流砂はさらに激しく1Rに3D6m吸い込まれる。現在地は流砂の中心地から 20mほどの位置。登攀に成功すれば3m、効果、決定的なら段階に応じ登れる が、明らかに吸い込みのスピードの方が早くどうにもならない。 ただし登攀にー5のペナルティを得ることで、さらに1m上昇することができる。 エルミア、ジラソーレは普通に登攀するもののどうにもならない。 くろかみはノームを召喚し、地中からの脱出を試みる。 ノームの大きさは自分とロバをギリギリ包み込める大きさ。 ノームは1ラウンドに10m進むが期待値とどっこいどっこい。 またくろかみは「第2の目」で相手のPOWを見るがPOW20以上であることが 判明。詳しくみようとするがファンブル「目が目が~」 昼時間 4R めいめい隠れようとしたり、有利な場所に陣取ろうとしたり。 護衛隊長「商人殿?どうしますか?とても勝ち目はないと思いますが 降伏するか、逃げるかご決断を!」 商人「あー・・・うー・・・」 ジラソーレ「なんか殺虫剤みたいなのないですか?」 商人たち「それどころじゃないだろう!」 夜時間 6R 流砂の吸い込み11m。 アイオリア、キャンサーは残り9m 登攀に成功した者は残り12m くろかみは方針を変更、流砂を遡るのではなく、地中に垂直に潜り 遠回りで脱出を試みるが、窒息判定に失敗(00)「モゴモゴ」 エルミアは-75のペナを負い一気に脱出を図るが失敗。 アイオリアは逆に渦の中心に向かい突っ込む。 キャンサーもグレートソードを拾いそれに続く。 キャンサーは一回限りの神剣を発動。 昼時間 5R 商人は迷った挙句、パニックを起こし一番大事そうな荷物にしがみついて ガクブル状態。 護衛隊長「やむを得ん、全員散り散りになって逃げろ!」 全員「えー?今更かよー」 アイオリア「逃げようぜ?」 キャンサー「逃げろと命令されれば仕方がない」 昼時間のフラッシュバックはここで終了 夜時間 6R 流砂の吸い込み6m。 アイオリア、キャンサーは残り3mだったが、こちらから近づいて いったため既に接敵。 蟻地獄はデカい!SIZ50以上。 キャンサーのグレートソードは効果的成功(神剣付32ダメージ)だったが、 蟻地獄の牙をやや傷つけただけ。アイオリアの一撃も通常命中だったため、 コキーンと弾かれる。 全員「ダメだこりゃ」 7R 流砂の吸い込み15m このラウンドで全員吸い込まれる。 蟻地獄に取り込まれた段階でPOW抵抗ロール。 エルミア、ジラソーレは抵抗 アイオリア、キャンサーは失敗。 失敗したものは噛みつかれたイメージで1D6のMP/POWを失う。 MP-3。 魔力を消耗していたアイオリアは気絶。 神性介入を試みるもオーランスには届かず。 吸い込まれた者は、どうやら腹の中? 粘液上の何かに包まれるが、通常どおり呼吸や行動は出来る模様。 ただし真っ暗で何も見えない。 エルミア、槍で手当り次第に突っつく。 幸い壁の近くにいたようだったが、当然コチーンと弾かれる。 キャンサーは周りに何もなさそうだったので、沈んで底に近づこうとする。 蟻地獄はMP/POWを吸収する魔術装置か? 8R MP/POW吸収-4 アイオリアはPOWに浸食。8→4に。 キャンサーの残りMPは3。 何もしないのもどうかと思い、とりあえず空間を斬ってみる。 キャンサーの脳裏にフマクト神陰流開祖の言葉がよぎる 開祖「人と遭えば人を斬り、鬼と遭えば鬼を斬り、神と遭えば神を斬る」 キャンサー「蟻地獄と遭えば蟻地獄を斬る!」 キャンサーのいる位置はギリギリグレートソードが届く距離。 偶然同じ座標にいたジラソーレ「やーめーてー!」 命中は03、相手は無抵抗の物体なのでクリティカルとなる。 32ダメージAP無視。 エルミア「フマクトはただ斬るのみじゃ」 蟻地獄の腹が破れ、全員外に投げ出される。 蟻地獄は消滅し、周りには液体でベトベトになった四人と蟻の死骸。 地面の傾斜は元に戻っている。 ジラソーレ「珍しい液体ですので、集めさせてくださいな」 そのころのくろかみ・・・ 窒息判定連続ファンブルで地面の中・・・ゲフゲフ 一行は命からがらパヴィスへと戻った。 (中略) そしてある朝、アイオリアは目覚める。 キャンサーのどうでもいい裏設定 ※パヴィスに伝わる一子相伝のフマクト暗殺流派「神陰流」の継承者。 卑怯な剣を嫌う正統フマクトとは異なり、不意打ちも行う。 銅貨六枚の報酬で権力者に虐げられた民衆の恨みを晴らす復讐者となる予定。 名前 コメント すべてのコメントを見る
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平田薫をお気に入りに追加 平田薫とは 平田薫の53%は白インクで出来ています。平田薫の22%は鉛で出来ています。平田薫の15%は気の迷いで出来ています。平田薫の5%は時間で出来ています。平田薫の5%は月の光で出来ています。 平田薫@ウィキペディア 平田薫 平田薫の報道 ウズベキスタンと日本の知られざる交流を紹介! 前田敦子と染谷将太が解答者として登場 『世界ふしぎ発見!』 - music.jpニュース 前田敦子が「世界ふしぎ発見!」の解答者に初挑戦『とても“ふしぎ”な感覚』 - ニコニコニュース 2019年6月の演劇テレビ | 演劇ニュース - シアターリーグ 【5月31日付】今週末公開の新作映画 - ナタリー 槙原寛己 Gの“50番トリオ”から“先発三本柱”へ/プロ野球1980年代の名選手 - 野球 - 週刊ベースボールONLINE 贅沢貧乏「みんなよるがこわい」徳島国際映画祭で上演、山田由梨が高校生とトーク - ナタリー 市原隼人、鈴木伸之、飯豊まりえ、齊藤なぎさ主演のオムニバス映画「夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風」メインビジュアル解禁|TVLIFE web - テレビがもっと楽しくなる! - TV LIFE 市原隼人×鈴木伸之×飯豊まりえ×齊藤なぎさ(=LOVE)によるオムニバス映画『夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風』2019年公開(M-ON!Press(エムオンプレス)) - Yahoo!ニュース 市原隼人×鈴木伸之×飯豊まりえ×齊藤なぎさ オムニバス映画で主演 - ドワンゴジェイピーnews 市原隼人×鈴木伸之×飯豊まりえ×齊藤なぎさが主演 “四季”テーマのオムニバス映画公開決定|Real Sound|リアルサウンド 映画部 - リアルサウンド 市原隼人×鈴木伸之×飯豊まりえ×齊藤なぎさ主演のオムニバス映画 4組のアーティスト結集 - 映画.com 「少しブサイクでもいい」少女時代スヨン 30代を目前に世界が広がる(桑畑優香) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 音楽は「初恋」――、少女時代チェ・スヨン 憧れ吉本ばなな作品で映画主演:インタビュー(MusicVoice) - Yahoo!ニュース 【2月15日付】今週末公開の新作映画 - ナタリー 中畑清【前編】どこまでも明るく、“アンチ”も虜にした男/プロ野球1980年代の名選手 - 野球 - 週刊ベースボールONLINE 【12月15日誕生日の芸能人】新木優子、高橋克典、篠井英介…… - RBB TODAY 「銀ブラ」の語源は銀座でブラジルコーヒー?世界ふしぎ発見で物議 - livedoor 中谷美紀が結婚 ドイツ人ビオラ奏者と - デイリースポーツオンライン ミステリーハンター平田薫、同い年の会社員と結婚 「笑いの絶えない毎日」 - デイリースポーツオンライン 勝てば100勝王手!藤井聡太七段、斎藤慎太郎王座と対戦 叡王戦本戦T1回戦 - スポニチアネックス Sponichi Annex 女優平田薫が結婚「友人の紹介」ミステリーハンターも - SANSPO.COM 山田孝之、佐藤健の前髪上げにホレボレ「タケル、かっこいいなぁ」|ORICON NEWS|Web東奥 - 東奥日報 AV販売停止、8カ月で「1635本」…申請理由「出演強要」は6人、顔バレが最多 - ORICON NEWS エリザベスとメアリ…二人の女王の数奇な生涯に迫る! 宿命のライバルが辿った運命とは? 『世界ふしぎ発見!』 - music.jpニュース 【ドラフト会議物語13】長嶋監督の果敢な挑戦。健康不安の篠塚を1位指名【1975年】 - 週刊ベースボールONLINE 【必見】イタズラ男子な神木隆之介にキュンキュンするホーバル動画が公開 / もしルールを破ったら - ガジェット通信 神木隆之介が「イタズラ男子」に グリコ「HOBAL」ウェブ動画公開 - CINRA.NET(シンラドットネット) 浜辺美波、高校最後の夏は“必死に登校” 思い出は「担任の先生」 - ORICON NEWS 吉田羊主演『コールドケース~真実の扉~』Dlifeで7・30スタート!第1話ゲストは吉沢亮|TVLIFE web - テレビがもっと楽しくなる! - TV LIFE 大ヒットドラマ「コールドケース」を吉田羊主演でリメイク!未解決事件の真相究明に奔走するチームを描くクライム・サスペンス - music.jpニュース 吉田羊主演「コールドケース」シーズン1がDlifeで無料初放送スタート | 芸能ニュースならザテレビジョン - webザテレビジョン 吉田羊主演の『コールドケース ~真実の扉~』がDlifeにて無料初放送 - RBB TODAY 「公立志向」に挑む私立生光学園/徳島 - 野球の国から 高校野球編 - 野球コラム - 日刊スポーツ 元少女時代スヨン主演映画『デッドエンドの思い出』 韓日俳出演陣確定 | Joongang Ilbo - 中央日報 大谷に思う米国野球の遊戯性と懐の深さ - 日本経済新聞 現地で安価に、新鮮なホタルイカと鰰 - Lmaga.jp(京阪神エルマガジン社) 【動画】母親視点の佐藤藍子、小田急線脇を歩く高山都、それぞれの「U 時間」 - 鉄道チャンネル AV販売停止の申請窓口設置、女優の「親に顔バレ」「結婚・就職で不都合」などに対応 - ORICON NEWS 元乃木坂46・伊藤寧々、生駒卒業に心境「自分で決めたタイミングがベスト」 - ORICON NEWS 鈴井貴之のOOPARTS最新作「天国への階段」衛星劇場でテレビ初放送 - ステージナタリー 「世界ふしぎ発見!」の元ミステリーハンター 岡田薫さんの現在 - livedoor 鈴井貴之が孤独死を“真面目にポップに”描き出す、OOPARTS新作開幕 - ステージナタリー 目標は“第2の大泉洋”! 北海道出身の元SKE48・東李苑に卒業後初インタビュー! 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雑多な職業、種族、人種でごった返し、世界中から物資や知識が集う、混沌たるアルコ・イリス。 そんな虹の都に存在する七つの大通りの一つ、蜜月の裏通りには、大陸四方山海の怪奇が集う。 闇市ではいかがわしい品が売り買いされ、嘘か真か奇妙奇怪な生き物を曝し売り買う見世物小屋が幾つも存在していた。 見世物という奴は、他の何にもまして流行り廃りの著しい商売である。 様々な奇獣、珍品が市民や旅人の興味を引き、そう間を置かず飽きられてきた。 この頃巷の噂によく上っているのは、流れ者が始めた興行だという『うたう骨』の話。 魔術がかりの品ならば、骨が音を奏でようが歌おうが、そう珍しい話ではないかもしれない。 だが、件の骨は実に見事な声で歌をうたい、聞くものの心をかき乱し揺さぶるのだという。 曰く、ふるさとや離れてしまったひとを思い出すような、なんとも切なく物悲しい歌声であると。 老呉服商人ジェイコブ・ヘンリクセンの趣味は奇物の収集と見世物小屋通いであった。 『うたう骨』の噂は当然彼の耳にも届いていた。 元々北の寒村の生まれであったジェイコブは、出稼ぎに訪れたアルコイリスで、真面目で誠実な働きぶりを雇い主の豪商に気に入られ、婿養子となった。 ジェイコブは店を先代の築いたもの以上に大きくすることはできなかったが、堅実に店を守り続けた。 妻には先立たれたが、子供たちは揃って健康。今では長男が店を継ぎ、立派に盛り立てている。 時折請われて相談に乗ることもあるが、今のジェイコブは悠々自適の楽隠居である。 他の家族や店の迷惑にならない範囲で、物珍しい品を購ったり、あまり見られない変わった生き物の噂を聞いては見物に行くのを老後の楽しみにしていた。 すべてジェイコブの生まれ育った土地では、けして見ること、聞くことのできなかったものばかりである。 虹の都は珍妙奇怪な物、者に事欠かぬ街だ。はじめてアルコ・イリスに来た時の感動を、時のかなたに色褪せたとはいえ、ジェイコブはまだ覚えていた。 こんなにも美しく賑やかで、自由闊達な街がこの世に存在していることが信じられなかった。 初め非登録の市民として、働き暮らしながら、ジェイコブはすっかり虹の街に魅入られていた。 この街を離れたくないと思った。一度街を出れば、最早己のような田舎者は必要とされぬのではないか。そんな不安があった。 そうして、里帰りを逡巡するうち、ジェイコブは永遠に故郷に帰る機会を失ってしまった。 確かな筋から入った情報だった。故郷の村は疫病の流行で滅んでしまったというのだ。 村にはジェイコブの係累は居なかったが、ひとり婚約者が居た。 元々ジェイコブは、土地も富も何もない身から彼女を娶り、養うに足るだけの貯蓄をえるべくアルコ・イリスに来たのだった。 故郷に帰らぬなら、彼女を七虹都市に呼ぶべきだとそう考え始めていた矢先に村の滅亡を聞いた。 せめて生き残りである己が、村のあった場所に戻り皆の弔いをするべきだったのかもしれない。 だが、罪悪感と後ろめたさがあった。己の満足と保身のために、故郷に戻るのを躊躇い続け機会を失った男は、村があった場所に戻ることが恐ろしかった。 そうして苦しんでいたジェイコブを癒してくれたのが、妻になった豪商の娘であった。 故郷を出て数十年。今だジェイコブは、生まれた土地に帰ったことがない。 恋人だった女の最後も知らない。素朴で優しい田舎娘だった。今ではもう顔を思い出すこともできないが。 もし、『うたう骨』がふるさとや離れてしまったひとを思い出させてくれるというなら、彼女のことを想い、偲べるだろうか。 時の流れに恐怖が洗われていけば、残ったのは寂寥の想い。 微かな期待を抱いて、ジェイコブは蜜月の裏通りを目指した。 折りしも霧の懸かる夕べのこと。 日が出ているにも拘らず、宵闇が迫っているかのように薄暗く、視界の危機難い日だった。 細かく入り組み、迷宮のような様相を呈す蜜月裏通り。 まだ浅い地域、夜になればどうにか表通りを走る"虹蛇の導き(ユルングライン)"を窺える辺りに、その広場はある。 "片羽広場"。 見世物小屋や曲芸小屋、それらの見物に訪れる客をターゲットに据えた露天や物乞いで賑わう、少し歪な形状の円形広場。 この辺りが、まっとうな市民が護衛をつけずに入れる限界点だ。 "片羽広場"よりも更に奥深くには、更に珍しく後ろ暗いものを扱う店や小屋があるというが、ジェイコブは流石に其方に向かうほどの度胸はない。 さいわい、『うたう骨』の興行は、"片羽広場"の片隅で行われていた。 「御代は見てからの心付けで結構でございます。さあさ、皆様御覧あれ。『歌い骸骨』もう間も無く開演ですよ」 見世物小屋のお決まりともいえる口上を述べ、客引きをしているのは、背の高い赤髪の男。 周囲でも演目の内容こそことなれど、似たような言葉で客を集めようとしている者の姿がそこかしこに見られる。 フードを目深に被っている為に客引きの容貌は窺い難いが、頭巾の下から覗く顔には皺ひとつなく、声の張りからもまだ若い男と知れた。 容姿を隠したものなど、この辺りではさして目を引かない。見世物小屋の関係者なら尚のこと。 裏通りは傷痍や病気でまっとうに働けなくなった者もよく見かけるし、あるいは見世物になっている者が素性を隠して出歩いていることも珍しくはないのだ。 フードの男が客を呼び込んでいるのは、白く艶やかな髑髏が描かれた看板が入り口に立てかけられた黒い天幕。 口上に含まれている演目からしても、ジェイコブが求める『うたう骨』を見世ているのは此処だろう。 人の流れに乗ってジェイコブは、天幕の入り口へと歩いていった。 垂れ下がっている幕を上げて、天幕内へと足を踏み入れようとした瞬間、ジェイコブは視線を感じて振り返った。 血のように赤い髪をしたフードの男が、ジェイコブの方を向いていた。 形の良い唇を三日月の形に持ち上げて、亀裂のように男は笑った。 「── ご ゆ っ く り 」 唇が紡ぐのは歓迎の言葉であるはずなのに、どうしてか、ジェイコブは肝が芯から冷え込むような心地がした。 赤毛の男は直ぐにジェイコブから、行きかう人込みの方に顔を向けてしまい、中に入りたがっている他の客が迷惑そうにしていたのもあり、ジェイコブの老体は半ば押し流されるように天幕の中へと進んでしまい、底冷えの理由を知ることはできなかった。 天幕内は外よりも更に暗く、外から見るよりも広いようだった。ぽつぽつと客席の合間に置かれた皿に点る蝋燭の明かりだけが、部屋を照らす僅かな光源だった。 鼻腔を擽る、濃厚で甘い香りは、薔薇の香でも焚いているのだろうか。 奥に簡素な木の舞台が形作られ、囲む形で客席が並んでいる。込み入っているかと想ったが、運よく未だ空きがあり、ジェイコブは前にある席に座ることができた。 暫くは人の出入りが続いていたものの、やがて会場が埋まったのか、それも何時しか途絶える。 ざわざわと期待交じりの微かなさざめきが天幕内に満ちていたが、舞台の上に何時の間にか何者かが現れるとそれも止んだ。 何時の間にその人物が舞台上に上がっていたのか。少なくともジェイコブには解からなかった。 瞬きの間に、まるではじめからそこに居たかのように、気配なく、静かに、彼は佇んでいた。 二十歳前後と思しき外見をしているが、それより稚くも老成しても見えて印象の定まらない男性だった。 顔立ちそのものはけして悪くないが、表情と生気のなさのほうが目を引く。 変わった見目の存在が数多いアルコ・イリスでもそうそうお目にかからぬだろう、腰まで流れる青貝色の長髪が特徴的だった。 色合いだけでも奇異であるのに、全体が夜に光る生き物のような奇妙な光沢と燐光を帯びていた。薄闇に満たされた天幕のなかにあっては、ぼんやりと浮かび上がって見える。 さながら、ふわふわと柔らかく弧を描く螺鈿の波。白真珠から青黒い虹へと角度によって色を変える稀有な毛髪を、黒天鵞絨のリボンで一つに纏めていた。 盲いているのか、長い睫毛と隈が縁取る双眸は白く半透明に濁り、乳水晶の細工物を思わせた。痩せぎすの体躯をしているからか、相対的に目が大きく見える。 本に書かれる悪しき死霊術師を連想させる、細い黒銀鎖が複雑に装飾する喪服じみた黒衣と黒外套。対照的に肌は骨のように青白く蝋のように妙に艶めいていた。 ほっそりとした腕にはとても大事そうに、紫紺の絹布に包まれた丸い『何か』を抱いている。 まるでその人物自体が見世物であるかのようでもあった。 異形、異相。普通の人間と「ことなる」という単語が頭に浮かぶ容姿。それこそ純然たる異種族であるのかもしれない。 思わずしげしげと眺めてしまったジェイコブや客たちの前で、白い眼の青年は、布包みを大切に抱いたまま丁寧な礼を一つして、血の気のない唇を開いた。 「紳士淑女の皆々様、此度はようこそ御出で下さいました。これより御目にかけますは、世にも哀れな『歌い骸骨』。浮世の因果に縛られて、彼岸に渡れぬ孤独な魂。愛しい人を待ち侘びて、最早流せぬ涙の代わり。恋し乞いしと歌います」 男の声色は囁くような喋りであるというのに、何故か耳に残る、不思議なものだった。陰鬱な見目からは信じられぬほどにうつくしい響きを伴っている。 滔々と申し述べていきながら、会場全体を引き込み、客の目を己に集めて、そうして抱いていた包みを捧げ持ち、青年は紫紺の絹を解いていく。 衆目に曝されたのは、小ぶりな頭蓋骨であった。古いものであるようだが丁寧に磨かれてでもいるのか、汚くはなかった。 つるりとした見かけから、遠目には出来のいい作り物のようにも見える。 これが件の『うたう骨』なのだろうか。噂は所詮眉唾なのか。ジェイコブが思案するなか、 「……さあ。想い人に届くよう、思う様に口を開いて。おおきな声で歌うといい」 促す声と共に青年は優雅にも見える手つきで、されこうべの頭頂部辺りを優しく撫でた。 するとひとりでに骨が鳴り出す。カタカタと顎が振るえたかと思うと、肺も咽喉もない、肉の欠片も残っていない、頭骨だけの存在、その口から女の声が零れはじめた。 そして、骨は歌い始める。アルコ・イリスのものではない、異国の調べ。どこか遠い土地の民族曲を。 「────!」 骸骨の肉なき唇が紡ぎだす旋律に、ジェイコブは思わず息を呑んだ。その哀愁漂う曲調は、北国の一部でだけ使われる言語で編まれた歌詞は、彼の良く知るものであった。 今はもうどこにもない故郷。ろくに思い出すこともできない土地で、歌い継がれていた曲の一つ。 旅立つひとを見送り、その帰りを待ち続ける。無事を祈願する送別の歌。 消して豊かとは言えぬ土地と、ぽつぽつと佇む古びた家屋たち。黒々と空に枝を伸ばす木々の群れ。冷たい風の中で笑っていた素朴な人たち。 懐かしき調べに呼び起こされ、失ったふるさとの姿が見えた気がした。ジェイコブの目には知らず涙が浮かんでいた。 老境にさししかる男が、外で涙ぐむなどけして褒められた姿ではないが、周りも見えなくなるほどに、ジェイコブは『うたう骨』の歌声に聞き入っていた。 "帰り来よ"とうたう声は、ひどく懐かしくジェイコブの胸を締め付ける。 都会の豊かさに魅惑され、帰れる時に帰らなかった後悔を思い出させる。 ああ、今も、滅んだ村で同郷の人々は、北方の雪風に、白い骨を曝して眠るのだろうか。 かつてジェイコブの愛した女性も、また。 髑髏の歌う声そのものに、ジェイコブは聞き覚えがあった。 古い面影を呼び起こされる。思い出した。長い柔らかな黒髪を。微笑んでいた唇を。緑の瞳の美しさを。 雀斑の浮いた顔は美人とは言えず垢抜けてもいなかった。掌は硬く厚かったが、それは働き者の手だった。 歌の終わりが近づくと、ジェイコブの思い出した光景が遠ざかる。 旋律がが終わる。終わってしまう。終わらないでくれ、まだ。 そうジェイコブは望むが、曲は長いものではない。やがて終止符が打たれる。 「……『彼女』のうた。お気に召されましたか? お客さま」 曲の終焉に伴ってまた薄れていこうとする記憶を必死に繋ぎとめるように足掻いていたジェイコブは、急にかけられた声と色濃く香った薔薇の薫香に弾かれたよう顔を上げた。 《続》
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『Alan Wake』とは、フィンランドのデベロッパー、レメディー・エンターテイメントにより開発されたTPSアクションゲーム。 2010年にマイクロソフトによりオリジナル版が発売され、2021年にはリマスター版がEpic Gamesから発売された。 対応機種はPC、PS、XBOXなど多岐に渡る。 概要 主人公アラン・ウェイクを操作して超自然的な存在と戦うストーリー主導型のサスペンススリラーアクションゲームで、ストーリー分岐等はない。 本作及び本作以降のレメディー作品は「レメディー・コネクテッド・ユニバース(RCU)」という共通の宇宙を舞台としており、ジャンル自体が全く異なるタイトル同士でも密接に繋がりがある。 レメディーの過去作品『マックス・ペイン』と違いグラフィックノベルではなくリアルタイムレンダリングのイベントムービーでストーリーが描かれる。 一方で作中に配置されたテレビに映る架空の番組『ナイトスプリングス』や『ハリー・ギャレット・ショー』、アランの独白を映した映像等は全て実写映像であり、『マックス・ペイン』と同様に一つの作品内でメディアミックスしている。 ストーリーは『マックス・ペイン』と同様に比喩表現を多用する主人公のナレーションと共に進行し、1エピソードごとに連続ドラマのような前回のあらすじとエンディングが挿入される。 スティーブン・キングの作品をはじめとする数々のホラー小説がモチーフとなっている。 アクション面では『マックス・ペイン』と同様にスロー演出が多用され、特に敵の攻撃に合わせてタイミングよくコマンド入力することで発動できる回避アクションはプレイヤーが意図的に起こせるスロー演出である。 本作に登場する敵は闇のシールドを纏っており、懐中電灯で闇を焼き払わなければ銃弾でダメージを与えられない。 『マックス・ペイン』同様に「回避アクション」や入手した物資を惜しまずに多用することが前提の難易度となっており、初見殺しが多い。 総じて、敵が超自然的な存在であることを除けば「強い主人公が一人で強大な敵を倒しながら進む」という『マックス・ペイン』の流れを汲んだゲームと言える。 リマスター版について 2021年に発売されたリマスター版はただグラフィックが向上しただけでなく、キャラクターモデルが改良され、イベントムービーでの表情などもフェイスキャプチャーによりリアルに再現されているなど実質リメイクに近い。 序盤のストーリー 2010年、スランプに陥っていたベストセラー作家のアラン・ウェイクは気分転換の休暇のために妻アリスと共にワシントン州ブライトフォールズへやって来た。 しかし、些細な喧嘩から別行動した一瞬の隙に、何者かによってアリスが誘拐されてしまう。 彼女の行方を追うアランの前に、書いた覚えの無い小説『ディパーチャー』の原稿が現れる。 それは、書かれたことが現実に起きる原稿だった。 果たしてアランは妻を取り戻せるのだろうか…。 登場キャラクター ◇アラン・ウェイク 外見モデル/実写の演者 イルカ・ヴィリ 声 マシュー・ポレッタ 主人公。サイコスリラー小説『アレックス・ケイシー』シリーズの著者として知られるベストセラー作家。 かなり反社会的な性格で、癇癪持ちで暴力的だが一応良心も持ち合わせている。 やたらくどい比喩表現によるナレーションが特徴。 銃の扱いは射的場で経験済みなため得意。 また、身のこなしも軽やかだがスタミナは無く、走り続けているとすぐバテる。 懐中電灯を強く握ると光を強めることができ、光の中にいれば傷を癒せるという超能力をもっており、闇の存在との戦いで活躍する。 突然誘拐された妻を探し、ブライトフォールズを駆け回る。 ◇アリス・ウェイク 演 ブレット・マッデン アランの妻。写真家。 アランを健気に支える、アランにはもったいない奥さん。 何者かによって誘拐された。 ◇バリー・ウィーラー 演者 ブレッド・バーマン アランの親友にして出版エージェント。 アリスが拐われたと聞いてすぐに助けにやって来た。 どんな状況でも陽気な性格でアラン(とプレイヤー)にとっての心の支えとなる。 ◇サラ・ブレーカー 演者 ジェシカ・アレクサンドラ ブライトフォールズの保安官。 父親が超常現象に対処する機密機関、連邦操作局(FBC)の元職員であるため、アランの主張する「闇の存在」を超速理解して協力してくれる。 リマスター版では彼の父親宛のFBCからの手紙が保安官事務所の保安官室にある。 また、彼女が要請した謎の組織「ナイトスプリングス」はFBCのレンジャー部隊のコードネームであり、『Control』への伏線になっている。 ◇フランク・ブレーカー サラの父親である元FBC捜査官。 直接は登場しないが『Control』や『Alan Wake Ⅱ』でも言及される。 本作のエンディング直後を描いた公式コミック『ナイトスプリングス』では主人公として登場するが、2023年までの間に死去している。 ◇グラント 演者 ヘレン・グリーンバーグ 保安官事務所で受付をしている保安官代理。 ◇マリガン ソーントン 演者 ビル・ビューエル ビル・ロビー 保安官代理のコンビ。 『Alan Wake Ⅱ』にも登場する。 ◇ロバート・ナイチンゲール 演者 ティモシー・マクラッケン 酒浸りな元FBI捜査官。 FBI捜査官だと身分詐称してブライトフォールズの保安官代理達を操り、アランを執拗に狙う。 言語版ではアランを様々な作家の名前で呼び、一般人がいる場所で躊躇無く発砲するマジキチ。 ◇ローズ・マリゴールド 演者 ベニータ・ロブレド ブライトフォールズの「オーディア・ダイナー」のウェイトレスにしてアランの熱狂的ファン。 闇の存在にその熱い想いを利用される。 ◇シンシア・ウィーバー 演者 リンダ・クック 古いダムに住むランプおばさん。 光に反応する塗料で様々なメッセージを町のあちこちに書き残し、闇の存在と戦うための物資を隠している。 ◇パット・メイン 演者 RJ・アリソン ブライトフォールズの地元ラジオ番組の司会。 アランがブライトフォールズで最初に出会った人物。 ◇ネルソン 演者 クラーク・ウォーレン ブライトフォールズの出張医。 保安官事務所に保護されたアランを治療した。 ◇ポール・ランドルフ 演者 ポール・クリスティ ローズが住むトレーラーパークの管理人。 ローズに会いに来た余所者のアランを不審がり保安官事務所に通報した結果、保安官の代わりに駆けつけたマジキチナイチンゲールが引き起こした銃撃戦に巻き込まれた可哀想な人。 ◇ウォルター・スナイダー アンダーソン農場の管理人。 友人のダニーに暴行を加えたとして逮捕され保安官事務所に勾留されたが釈放された。 しかしアンダーソン農場に帰ったところをダニーに殺された。 ◇ダニー ウォルターの友人のオーバーオールを着た大男。 闇に支配されウォルターに襲いかかり返り討ちにされた。 後に釈放されたウォルターを執拗に追跡しアンダーソン農場で殺害した。 ◇カール・スタッキー 演者 ゲイリー・スワンソン ブライトフォールズのガソリンスタンドと旅行者向けキャビンのレンタル業を営み、伐採場の管理も行う凄い人。 オーディア・ダイナーでアランにキャビンの鍵を渡すはずだったが闇に支配され体調を崩してトイレに籠っていた。 一週間かけて闇に支配されアランの前に立ちはだかる。 最初のボス。 ◇ラッセル・ジョンストン 演者 ジェフ・ガーナー 愛称 ラスティ。エルダーウッド国立公園のパークレンジャー。 ローズに想いを寄せるが既婚者である。 アランにキャビンを貸し出したが、後に闇に支配されアランの前にボスとして立ち塞がる。 ◇クレイ・スチュワード 演者 ジェフリー・カンター 闇の存在がアランに見せた悪夢の中に現れた人物。 特装版に付属する読み物『アランウェイクファイル』の著者。 なおこの『アランウェイクファイル』、現在は読む手段が限られているにもかかわらず『Control』でも言及される通りRCUに公式で組み込まれているため非常に重要である。 ◇ハリー・ギャレット 演者 エリック・バーグマン 『ハリー・ギャレット・ショー』の司会。 番組内でアランの最新作『サドンストップ』のネタバレをする暴挙に出る。 ◇サム・レイク 演者 サム・レイク マックス・ペインのそっくりさん。 マックスのしかめっ面が持ちネタ。 本作及び全てのレメディー作品で脚本やプロデューサーを担当しているレメディー・エンターテイメントの設立者の一人にして作家。 ◇アレックス・ケイシー 演者 ジェームズ・マカフリー アランの著者『アレックス・ケイシー』シリーズの主人公。 最終作『サドンストップ』で死亡。 権利の都合で名前を出せないマックス・ペインのRCUバージョンで、作中で読める『サドンストップ』の内容を読む限りマックスとほぼ同じ人生を歩んだようである。 コールドロンレイクロッジ ブライトフォールズのカルデラ湖「コールドロンレイク」の側に建つ、精神を病んだ創作家専門のクリニック。 その実態はコールドロンレイクに宿る「創作を現実に変える力」を調べるための実験場であり、看護師達も必要最低限の医療知識しか持たず、患者達は薬漬けにされ判断力を奪われている。 ◇エミル・ハートマン 演者 マーク・ブラム コールドロンレイクロッジの院長。『創作家のジレンマ』という本を出版している。 湖に宿る力に惹かれたマッドサイエンティスト。 ◇ベン・モット ハートマンの手下。元精神病患者であり、ハートマンの治療で回復したため彼に忠誠を誓っているが、ある意味洗脳されているとも言える。 アランの監視を任され、後にアリスを拐った誘拐犯を演じてアランを呼び出すが、闇の存在に襲われ消息不明となった。 本作のエンディングの翌日を描いた公式コミック『サイコスリラー』にて闇に支配された姿で再登場し、ハートマンの命を狙うもマリガンとソーントンに撃ち殺された。 ◇バーチ 演者 アンドリュー・トトロス コールドロンレイクロッジの看護師兼ハートマンのボディーガード。 コールドロンレイクロッジに連れてこられたアランを監視していたが闇に支配されボスとして立ち塞がる。 ◇シンクレア 演者 シャリ・アルバート コールドロンレイクロッジの看護師。 患者のアンダーソン兄弟が起こした反乱により意識を失う。 『サイコスリラー』にて生存が闇に支配されたモットに襲われるも生存する。 ◇トーマス・エマーソン 演者 マイク・ドイル コールドロンレイクロッジの患者。 ゲームの開発者。 『Alan Wake Ⅱ』にも名前が登場する。 ◇ウェンディ・デソール 演者 ケリー・ハリス コールドロンレイクロッジの患者。 ダンサー。 ◇ルドルフ・レイン 演者 ポール・クリスティ コールドロンレイクロッジの患者。 画家。 本作では生き延びるも翌日に『サイコスリラー』にてハートマンの身代わりにされ闇に支配されたモットに殺された。 ◇トール オーディン・アンダーソン兄弟 演者 ロイド・フロイド クリフ・カーペンター コールドロンレイクロッジの患者。 ロックバンド「オールドゴッズオブアースガルズ」の中心メンバーにして、超能力一族であるアンダーソン家の血を引く兄弟。 彼らの歌には次元を超えて現実を改編させる力があり、『Control』や『Alan Wake Ⅱ』でも主人公のジェシー・フェイデンやサーガ・アンダーソンを歌と曲で助けた。 超常現象生命体 余剰次元生命体とも言う。 RCUでの造語で、FBCの専門用語。 現実を変貌させ超自然的な現象を引き起こす特殊な振動、周波数、波形により形成されるエネルギー場「共鳴体」がベースになっている物理的な実体を持たない存在が多いが、実体を持つ者もいる。 ◇トーマス・ゼイン 演者 ジェームズ・マカフリー 光の存在の物理的な実体化であるダイバーにして詩人、映画監督。 本作では白い潜水服を着ているため容貌は不明だが、『Control』にてアランのドッペルゲンガーであることが判明した(声のみ違う)。 作中に登場する「光」の中にいると彼の呼吸音が聞こえることからあらゆる光と感覚を共有できる、次元間の知覚を有しているようである。 アランの数少ない味方。 ◇バーバラ・ジャガー 演者 ケイト・ワイマン 闇の存在の物理的な実体化である喪服を着た女。 飛び散った黒いオイルから闇に汚染される場合もあることから、あらゆる闇と感覚を共有できる、次元間の知覚を有しているようである。 本作のラスボス。 ◇闇に支配された者 闇の存在の眷族にされた生物。 物理的な攻撃を防ぐ闇のシールドを持つ。 ◇ポルターガイスト 闇に支配された非生命体。 空中に浮かんで身を震わせてから突進してくる。 光を浴びせ続けると消滅する。 ◇ミスター・スクラッチ 演者 イルカ・ヴィリ アランの邪悪なドッペルゲンガー。 後に第二の闇の存在にしてアランの宿敵となる。 ◇ラショナル・アラン 演者 イルカ・ヴィリ 声 マシュー・ポレッタ DLC 『シグナル』『小説家』の主人公。 コールドロンレイクの湖面がスレッショルド(入り口)となっている異世界「闇の底」でアランから分離し実体化したアランの理性。 正気を失ったアラン本体を助けるため、闇の底にあるキャビンを目指す。 ◇インセイン・アラン 演者 イルカ・ヴィリ 声 マシュー・ポレッタ 『シグナル』『小説家』に登場するラショナル・アランの宿敵。 闇の底でラショナル・アランと分離し破滅的な狂気に取り憑かれたアラン。 闇の底で再現されたブライトフォールズの至る場所に配置されたテレビ画面に実写で写し出されては「主人公が絶望的な状況に陥る物語の一節」を読み上げて敵を召喚し、ラショナル・アランを妨害する。 『シグナル』ではテレビのポルターガイストの姿をしたラスボスとなる。 『小説家』でも引き続き登場しラショナル・アランを苦しめるが、最後はラショナル・アランと融合して正気を取り戻した。 ◇イマジナリー・バリー 演者 ブレッド・バーマン 『シグナル』『小説家』に登場するアランの想像上のバリー。 ゼインと共にラショナル・アランを助けるが最後はインセイン・アランによって闇に支配された者となり『小説家』のラスボスとなる。 追記、修正は数多の世界の主になってからお願いします。
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「ゆうぅ・・・・・・ゆぐっ・・・・・・ゆぅぅぅ・・・・・」 お歌を歌い終え、力無く泣いているまりさに、女がいつものように オレンジジュースと水溶き小麦粉で補修を施している。 お歌が終わった後は、透明な箱に戻され、 お歌を歌わなかった子のご飯とは違う、 少し美味しいご飯とあまあまを与えられ、それでお終い。 お姉さんが部屋から出ていき、部屋は元の真っ暗闇。 だが、今日はそれが違っていた。 女は補修を終えたまりさを抱えて、再びソファに腰を下ろした。 「ゆ・・・・・?」 今日二度目の、いつもと違う事に、まりさがまだ涙を流したまま、 お姉さんの顔を見上げる。 その瞳に、お姉さんの優しい笑顔が写る。 まりさに向かって、お姉さんが口を開いた。 「ねえ、まりさ。まりさ、赤ちゃんを産みたくない?」 「ゆ・・・・・あか・・・ちゃん・・・・・・」 赤ちゃん。 小さくて、可愛くて、とってもゆっくりできる、ゆっくりの赤ちゃん。 まりさの妹のれいむも、とっても可愛くて、ゆっくりできた。 赤ちゃんがいれば、ここの苦しくて痛くて、ゆっくりできない生活も、 少しはゆっくりできるかも。 ううん、きっと、ゆっくりとした、可愛い赤ちゃんを見れば、 お姉さんも、ゆっくりしてくれるかもしれない。 そうだ。きっとそうだ。そうに決まっている。 そして、昔の、優しいお姉さんに戻ってくれる。 赤ちゃんと、お姉さんと、まりさで、いっぱい、いっぱい、ゆっくりできる。 「ゆっ!!ほしいよ!!まりさ、あかちゃんほしいよ!!! うみたい!!あかちゃん、うみたい!!!」 何度も裏切られたであろうに、垂らされた細い糸に縋ろうと、 必死で懇願をするまりさ。 「そう。じゃあ、行きましょうか。」 柔らかい笑顔でそう応えて、お姉さんがまりさを抱えて立ち上がり、歩き出す。 いつもの、壁の透明な箱にではなく、入り口の扉に向かって。 その光景に、部屋の他のゆっくり達がざわめく。 声を出すことなく、空気がざわめく。 羨むような視線で、まりさを目で追ってゆくもの、 選ばれたのが自分ではなかった事を悔やみ、落胆の表情を見せているもの、 どこか安堵を浮かべた表情でまりさをみつめているもの、 まりさに向かって人をも殺せそうな嫉妬の視線を送るもの、 ただ虚空を見つめているもの。 「・・・ゆっ!!まりさなんかより、れいむをたすけてね!! れいむはこそだてとくいだよ!! まりさなんかより、ずっとずっと、かわいいあかちゃんうむよ!!」 耐えきれず、一匹のれいむが声を張り上げた。 禁を犯して。 女がそのれいむの方を振り返る。 その顔には、まりさに向けていた笑顔は貼り付いていない。 「ゆひぃっっ・・?!」 向けられた、魂すらも凍えそうな冷たい視線に、 れいむは己が取り返しのつかない過ちを犯したことを知った。 こうして、まりさは、"仲間"達からの様々な視線に見送られ、 数ヶ月ぶりに、その部屋の外に出た。 -------------------------------- 「ゆっ!まりさ、がんばって、かわいいあかちゃんうむよ!」 誰もいない部屋で、一人楽しそうに笑顔を浮かべながら、 まりさが語っている。 ゆっくりできない部屋から出されたまりさは、 昔、お姉さんによく遊んでもらったお部屋に連れてこられた。 「お姉さん、少し出かけてくるから留守番しててね。」 「ゆん!まりさ、いいこでまってるよ!おねえさん!!」 そう言って外出したお姉さんの帰りをそわそわとしながら待つ。 しばらくすると、お姉さんが戻ってきた。 「ただいま~ごめんね、まりさ、待ちくたびれちゃった?」 「ゆゆん!だいじょうぶだよ!まりさ、いいこで・・・ゆっ!?ゆゆぅ~!!」 お姉さんが抱えていた、成体のれいむに、まりさは目を奪われる。 どこかの飼いゆっくりか、或いは、ペット用として売られているものか、 きちんとした身なりをした、とても綺麗な美れいむであった。 「まりさのお友達になってくれる、れいむよ。仲良くしてあげてね。」 微笑みながら、お姉さんが、れいむをまりさの横に置く。 「「ゆっくりしていってね!!」」 二匹が同時に挨拶を交わす。 「ゆぅぅ~~!れいむはとってもゆっくりしてるね!!」 「ゆっ!まりさもゆっくりしてるよ!!」 お姉さんは、仲良く会話を始めた二匹に美味しいあまあまを出してくれた後、 二匹を残して部屋から出て行った。 「れいむ゛ぅぅぅぅぅ!!!まりざ、ずっぎりじぢゃうぅぅぅ!!!」 「まりざぁぁっ!!れいむ゛ぼっ!!れいむ゛もぉぉぉぉぉぉ!!」 「「すっきりぃぃぃぃぃーーーー!!!!!!!!!」」 お互いの事を気に入って楽しそうにはしゃいでいた二匹であったが、 やがて、あまあまに混ぜてあった少量のゆっくり用媚薬の効果もあり、 いい雰囲気になって、すっきりを交わした。 目論み通り、にょきにょきと、 まりさの帽子を押し上げて蔦が伸びるのを確認してから、 女はその光景を覗いていた扉の隙間を閉じた。 -------------------------------- 「ゆぅん・・・・・・ゆ・・・・ゆっ!?れいむは?」 部屋の窓から差し込む赤い夕日の中で、 すっきりーの疲れから眠りに落ちていたまりさが目を覚まし、 パートナーとなったれいむの姿を探して、辺りを見回す。 だが、その部屋にいるのは、お姉さんと、まりさだけだった。 「ゆ・・・おねえさん・・・・」 「あら?まりさ、起きたの?ゆっくり眠れた?」 「うん・・・ねえ、れいむは・・・?」 「れいむはね、初めて来るお家で、緊張して疲れちゃったみたいだから、 他の部屋で眠ってるわ。明日には起きてくるんじゃないかしら?」 「ゆっ?そうなの?」 「ええ、そうよ。・・・まりさの赤ちゃん、早く生まれてくるといいわね。」 お姉さんが、そう言って、まりさの頭から生えた蔦を ちょんと突いて揺らす。 「ゆ・・・ゆゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・・・!!!!」 その言葉に初めて、新たな命を得た、まりさの赤ちゃん、 実ゆっくりの存在に気づく。 まだ、完全なゆっくりの形を形成しきっていないが、 目や口らしき物ができはじめている。 それが、10匹。 「ゆぅぅぅぅ・・・!!まりさのあかちゃん!!かわいいよぉぉぉ・・・ あかちゃんたち!!ゆっくりうまれてね!!!」 顔ができあがっていない実ゆっくりでも、赤ちゃんの顔の判別がつくのか、 嬉しそうに、まりさがはしゃぐ。 勿論、まだお口が完全にできていない実ゆっくり達は、返事を返さないが、 それでも微かに笑っているように見えた。 「おねえさん!みて!みて!まりさのあかちゃんだよ!! とってもかわいいよぉぉ!!」 「そうね。とてもゆっくりとした可愛い赤ちゃんね・・・ 見てるだけで、お姉さんもゆっくりしてきちゃう。」 お姉さんの優しい微笑みに、 まりさの今までの辛く、苦しい思い出が洗い流されてゆく。 とっても痛かったけど、とっても苦しかったけど、 でも、もう忘れよう。 お姉さんは、やっぱり、優しいお姉さんだった。 昔の優しいお姉さんに戻ってくれた。 これからは、皆でゆっくりしよう。 お姉さんと、赤ちゃん達と、れいむと。 ポロポロと、辛い記憶と共に、まりさの目から涙が流れ落ちる。 「・・・まりさ、お腹空いたでしょ?晩ご飯、何が食べたい? 何でも好きな物作ってあげる。」 「ゆ・・・ゆぅぅ・・・・!ゆぐっ・・・!まりさ、しちゅーがたべたい!! おねえさんがつくってくれた、 あったかい、しちゅーがたべたいよぉぉ・・・!!」 まりさが泣きながら、そう答える。 初めてこのお家に来たとき、お姉さんが食べさせてくれた、 とてもおいしくて、冷え切った餡子があったかくなった「しちゅー」。 今の季節は既に春。 ポカポカと暖かい日だったが、 辛く苦しい地獄のような生活を送っていたまりさの心は、 その温かいご馳走を何よりも渇望した。 「はいはい、シチューね。いいわよ。お姉さん、腕によりをかけて作るわね。」 その晩は、まりさは、お姉さんと一緒に 暖かくて美味しい「しちゅー」を一杯食べ、 デザートの、甘くて美味しい餡蜜を食べ、 それから、可愛い赤ちゃんを一緒に眺めたり、呼びかけたりしながら過ごし、 やがて、幸せな眠りに落ちていった。 -------------------------------- 翌日の昼近く、まりさが目を覚ます。 「ゆぅん・・・・・ゆっ!ゆっくりおきたよ!!」 そして、頭上の赤ちゃん達を見やる。 親の栄養が十分に伝わり、すくすくと大きく育った、実ゆっくり達。 既に目も口も飾りもしっかりと形成されている。 赤れいむが5匹に、赤まりさが5匹。 もう程なく、生まれ落ちることだろう。 「ゆぅ・・・まりさのあかちゃん・・・!まちどおしいよぉぉ・・・!」 芽生えたばかりの母性に満ちた瞳で赤ゆっくりを見つめる。 その時、部屋の扉が開いて、お姉さんが入ってきた。 「まりさ、おはよう。もう起きた?」 「ゆっ!おねえさん、おはよう!!ゆっくりしていってね!」 「はい。ゆっくりしていってね。」 まりさに返事をしてから、赤ゆっくりに視線を移す。 「あら・・・もう少しで産まれそうね。急がなきゃ・・・」 そう呟くと、慌ただしく部屋を出て行ってしまった。 「ゆ・・・・・?」 少し寂しそうに疑問の表情を浮かべたまりさだったが、 すぐにお姉さんは戻ってきた。 何かの道具が入った箱を持って。 「ゆぅぅぅ・・・・・おねえさん、まりさのあかちゃんになにしてるの・・・?」 少しだけ不安そうな声色で、まりさがお姉さんに疑問の声を投げかける。 「これはね、赤ちゃんの体をとっても丈夫にしてくれるお薬なのよ。 赤ちゃんのお体はとっても弱いでしょ? でも、このお薬を塗ると、赤ちゃんの体が頑丈になって、 簡単には、傷ついて餡子を出しちゃったりしなくなるのよ。」 お姉さんは、まだ茎に繋がった実ゆっくりを、一匹一匹、順番に 透明な液体の入った小さなコップに浸している。 その粘性の高いドロリとした液体が、実ゆっくりの肌に厚い層を形作る。 「ゆぅぅぅ・・・!じょうぶにぃ・・・!?すごい!?すごいね!!お姉さん!」 お姉さんの作業を邪魔しないよう、嬉しくて飛び跳ねたい気持ちを抑えて、 プルプル震えながら、まりさがはしゃぐ。 「そう。凄いでしょう。 これはね、死んじゃったお姉さんのお友達のお兄さんが考えてくれたのよ。」 今度は、ドロリとした液体に包まれた実ゆっくりを、別のコップに浸す。 すると、たちまちドロリとした液体は硬化を始め、 実ゆっくりをすっぽりと包んだ状態で固まった。 「ゆぅぅ・・・そうなんだぁ・・・! きっと、そのおにいさんは、あかちゃんがだいすきだったんだね!!」 「ふふふ・・・ええ、そうね。とっても赤ちゃんゆっくりが大好きだったわ。」 お姉さんは、さも可笑しそうに笑った。 女は何一つ嘘は言っていない。 男は赤ちゃんゆっくりが大好きだった。 赤ちゃんゆっくりを潰すのが大好きだった。 己の命と引き替えにする程にまで。 その男が、己の欲求を満足させるために考えた虐待方法。 赤ゆを弾力性のあるゴムで包み込み、 力一杯踏み潰しても容易にゆっくりの命の源である餡子を漏らさないようにする。 踏み潰され、体がひしゃげ、たわむ、 その苦しさに悲鳴をあげる赤ゆっくりの命を奪うことなく、 何度も何度も踏み潰して悲鳴を聞く事を繰り返せるように。 男の亡骸の周りに散らばっていた、ゴムで包まれた無数の 赤ゆっくりの死骸から、虐待仲間達は、男がやっていたであろう、 その虐待の内容を知ることになった。 そして、男の死出の旅立ちを送るため、仲間達は、銘々、 ゴムで包んだ赤ゆを用意することを申し合わせていたのだ。 だから、女は、このまりさの赤ゆを男に送ることにした。 男が何らかの関わりを持ったであろう一家の、このまりさの赤ちゃんを。 -------------------------------- 「ゆぅん♪ゆゆ~ん♪まりさのあかちゃん♪」 それから、まりさは、一時間ほど、赤ゆっくりを嬉しそうに眺めていた。 不意に、一匹の赤まりさが、閉じていた目を初めて開いた。 「ゅ・・・ゆっきゅりしてっちぇにぇ!!」 母であるまりさの姿を目にすると、元気良く、 最初のゆっくりしていってね!を口にする。 「ゆぅぅ・・・あかちゃぁん・・・!ゆっくりしていってね!!」 初めての赤ちゃんの誕生に、感動に身を震わせながら、 まりさがご挨拶を返す。 本来なら、蔦から落ちた後で、喋り始めることが多い赤ゆっくりであるが、 この赤ちゃん達の場合、蔦の付け根の部分まで、 ゴムで覆われ、しっかりと蔦に固定された状態だったため、 蔦から落ちることができなかったのだ。 赤まりさと母まりさの声に反応するかのように、 他の赤ゆっくり達も次々に目を開ける。 「ゆっきゅりしちぇっちぇね!!」 「ゆっきゅりしてっちぇね!!」 「ゆっきゅりしちぇっちぇにぇ!!」 母まりさとご挨拶を交わしてゆく、赤ゆっくり達。 すぐに部屋の中は、 ゆ~♪、おきゃーしゃん♪、ゆんゆん♪、ゆっきゅりしてっちぇにぇ♪ と言った、赤ゆの声で賑やかになる。 「まりさー・・・あら?生まれたのね?」 部屋に戻ってきたお姉さんが、赤ゆっくりの声に気づく。 「ゆっ!うまれたよ!みんな、げんきなあかちゃんだよ! あかちゃんたち!まりさのおねえさんに、げんきよくあいさつしてね!!」 「「「おねえしゃん!ゆっきゅりしてっちぇにぇ!!」」」 綺麗に揃った、ご挨拶をする赤ゆっくり達。 お母さんよりも大きな、人間のお姉さんをゆわわぁぁぁ~♪と 瞳を煌めかせながら見上げている。 「ふふふ、ゆっくりしていってね。」 お姉さんも笑顔で答える。 そして、赤ちゃんが繋がったままのまりさを、ひょいと抱え上げた。 「ゆ?」 「まりさ、お姉さんと一緒にお出かけしましょう。赤ちゃん達も一緒よ。」 「ゆ・・・おでかけ・・・・ゆっ!おそとにいくの!? まりさ、おでけかするよ!あかちゃんたちも、おでかけしようね!」 この家に来て以来、一度も外に出された事が無かったまりさが喜びの声を上げる。 「ゆぅ~・・・おじぇかけ・・・?」 「そうだよ!おそとにいくんだよ! おそとはとってもひろくて、ゆっくりできるよ!」 「ゆゅ!ゆっきゅりできりゅのぉ~?!」 「れいみゅも!れいみゅもおじぇかけしゅるよ!」 「ゆゆん♪おかあしゃんとおじぇかけぇ♪」 赤ゆっくり達も、まだ見ぬお外の光景にそれぞれに夢を膨らませて、はしゃぐ。 「ゆゆ?」 お出かけのため、玄関口で靴を履いているお姉さんの姿が いつもと違うことにまりさが気づく。 「ゆっ・・・!おねえさんのおようふく、まりさとおそろいだね!!」 「え・・・おそろい・・・?ああ、ホントね。お揃いね。」 一瞬疑問の声を上げたお姉さんだが、すぐにまりさの言わんとしている事に気づく。 自分の黒いお帽子とお揃いの黒いお洋服、ワンピースの喪服、に身を包んだ、 いつもよりもちょっと綺麗なお姉さんを、 まりさはキラキラと賞賛と憧れが籠もった目で見上げている。 「さあ、行きましょうか。まりさ。」 「ゆぅん♪おでかけ♪おねえさんとおそろいでおでかけ♪」 靴を履き終えたお姉さんに抱きかかえられ、 まりさは子ゆっくりのように嬉しそうにはしゃいでいた。 -------------------------------- 遠くに見える雄大な山々、 どこまでも広がる青い空とふわふわと浮かぶ白い雲、 一面に広がる緑の田畑。 そんな光景を眺めながら、まりさと赤ゆっくり達は、 ゆんゆん♪と賑やかに談笑しながら、お姉さんに抱かれて行った。 そして、目的地、葬儀場に辿り着く。 そこにいたのは、お姉さんと同じ黒の喪服に身を包んだ男女。 その顔は、皆一様に、悲しみに包まれている。 「ゆぅ・・・みんな、ゆっくりしてないね・・・どうしたのかな・・・?」 人間達の悲しみが伝染したか、まりさも少し悲しそうにお姉さんに尋ねる。 「・・・ここはね、死んじゃったお兄さんをお見送りする所なの。 だから、みんな、お兄さんの事を思い出して悲しい気持ちになっているのよ。」 そう答えるお姉さんの表情も、どこか悲しそうであった。 「ゆぅん・・・・・・」 「だから、まりさもちょっとの間だけ、静かにしててね。赤ちゃん達もね。」 「ゆっ!まりさ、ゆっくり、りかいしたよ! あかちゃんたちも、しー、だよ!」 「「「ちー、ぢゃよ!!」」」 漠然とだが、死者への追悼の気持ちを感じ取ったか、 素直に言うことを聞くまりさ。 赤ゆっくり達は、流石に理解できていないだろうが、 素直な赤ゆっくり達なので、お母さんの言いつけをしっかり守ろうとする。 -------------------------------- 控えの間で葬儀が始まるの待っている間、 まりさは、お姉さんの膝の上に抱かれていた。 不謹慎かもしれないと思ったが、まりさは幸せを噛みしめていた。 お姉さんが、優しいお姉さんに戻ってくれたことが。 可愛い赤ちゃんができたことが。 まりさは、幸せの絶頂にあった。 だから、お姉さんが、ハンドバッグから、針と糸を取り出した時も、 その様子を楽しそうに眺めていた。 それで、まりさのお口を縫い合わせ始めた時も、 痛かったけど、じっと我慢していた。 いたいよぉ・・・おねえさん。 そんなことしなくても、まりさ、ちゃんとしずかにしてるよ! まりさはいいこだよ!まりさ、もう、おかあさんなんだもん! 少し涙が出てしまったけど、それでも、まりさはにこにこしていた。 そうしていないと、今の幸せが逃げてしまうような気がして。 お口を完全に縫いつけられるまで、にこにこしていた。 -------------------------------- やがて葬儀が始まる。 時折、人々の嗚咽が流れる、しめやかな空気の中、厳かに儀式は進んでゆく。 そして、納棺。 席を立ち、棺に向かって歩くお姉さんに抱えられたまりさ。 目の前に集まった人間さん達は、みんな、何かを持っている。 あれは・・・赤ちゃんだ。ゆっくりの赤ちゃんだ。 可愛い赤ちゃんだけど、何人か、泣いている子もいる。 「・・・・・・・・・?」 お口を開けないので、お姉さんに視線で訴えかける。 お姉さんは、その視線に気づく。 いや、その視線が向くのを、待っていた。 そして、まりさの耳元に小さな声で囁く。 「あれはね・・・死んだ人と一緒にね、その人の好きだったものを入れて、 一緒に埋めてあげるの。死んでからもゆっくりできるようにね。」 お姉さんが、棺の横に立つ。 「ゆぇぇぇん!はなしちぇぇ!!」 「やめちぇぇ!だしちぇぇ!」 「れいみゅを つぶしゃないぢぇ!つぶしゃないぢぇ!」 「ゆっ!つぶしゅのは、れいみゅだけに しゅるんだじえ! まりしゃは ゆっきゅり にがちてにぇ!」 「どぉぉちちぇ ちょんなこちょ ゆぅにょぉぉぉぉ!?」 何人かの人間さんが、持っていた赤ちゃん達を、 眠っている人間さんが入った箱の中に落としている。 赤ちゃんが入ってるよ? まりさがお姉さんに、目で語りかける。 入ってるわね。 とでも答えるかのように、お姉さんが優しい笑顔を返す。 死んだ人と一緒に その人の好きだったもの ゆっくりの赤ちゃんが大好きだったお姉さんのお友達 一緒に埋めてあげる 死んじゃったお姉さんのお友達 箱に入れられてる知らない赤ちゃん達 …まりさの赤ちゃん 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ!!!!!!!!」 それらの言葉が繋がった時、まりさは開かない口で絶叫を放った。 「うちのゆっくりに今朝作らせたばかりの赤ちゃんよ・・・ 向こうで沢山可愛がってあげてね。」 女は、そう言いながら、暴れようとしているまりさを 左手でしっかりと抱きかかえ、 まりさの頭に伸びた蔦から、ゴムで包まれたまりさの赤ちゃん達を プチプチと毟り取り、棺に落としてゆく。 「おきゃーしゃーん・・・」 「ゆゆ、れいみゅおしょらをゆべっ」 「ゆっ?おきゃあしゃん、どきょいくの?・・・ゆぴゅっ!」 母親と離される事を悲しんだり、 ゆっくりできるお遊びと思ってはしゃいだり、 何も状況がわからず、ぽかーんとしていたり、 様々な反応を見せながら、赤ゆっくり達が棺に飲み込まれてゆく。 女の瞳から涙が零れ落ちる。 まりさも、次々に棺に収められてゆく可愛い我が子を呆然と見つめながら、 ブルブルと震えて涙を流している。 糸で結わえ付けられた口が千切れそうになる程、 何かを叫ぼうとしているが、それすらも叶わない。 10匹の赤ゆを棺に納めると、女が一歩退く。 遠ざかる、可愛い赤ちゃん達。 「ゆぁぁぁん!おきゃーしゃん!ぢょこいくのぉぉ!?」 「おいちぇかないじぇぇぇ!?」 「ゆぇぇぇん!!ゆぇぇぇぇん!!」 遠ざかる、可愛い赤ちゃん達の泣き声。 「さようなら。」 女が、永遠の別れの言葉を告げた。 「はぁ・・・はぁ・・・間に合ったか。ほらよ、三途の川の渡し賃代わりだ。」 息を荒くしながら、駆け込んできた体格のいい男が、 女と入れ替わるようにして、棺の横に立つと、 ザラザラと音を立てながら、背中に背負っていた籠から 百個以上の赤れいむと赤まりさが詰まったゴムボールを棺に流し込んだ。 もう、まりさの赤ちゃん達の姿は見えない。 「楽しかったぜ、ゆっくり共の群れにレイパーありす十匹けしかけてやったんだ。 ハッハッ、あの時のあいつらの顔って言ったら・・・ …どうして死んじまうんだよ・・・まだ・・・これからじゃねーかよ・・・・」 男が嗚咽を漏らす。 よく見ると、ボールの中には栄養不足で赤ゆっくりになれず、 黒ずんで朽ちた実も混ざっていた。 -------------------------------- 「・・・死んでるのも混ざってたじゃない。」 自席に座った女が、隣席に座った先程の男にハンカチを差し出しながら、 咎めるような口調で、ヒソヒソと言った。 死んだ男は、悲鳴を上げて潰れてゆく、赤ゆっくりが好きだった。 物言わぬ赤ゆっくりの残骸など、何の興味も無いだろう。 ましてや、赤ゆっくりになる前に朽ち果てた実ゆっくりなど。 「いや・・・そうなんだけどさ・・・あいつらの親が・・・」 女の言葉の意図を理解して、ハンカチで涙を拭いながら答える。 「親・・・?」 「ああ・・・あいつらを生やしてた、れいむ・・・ 頭に鉄杭を打ち付けられてたんだ。」 れいぱーありすをけしかけた、ゆっくりの群れ。 その群れの生息地帯の外れにある森の中の洞穴で、 男は朽ちたれいむを見つけた。 その、何かから解放されたような安らかな死に顔を思い起こしながら、 男が答える。 「珍しくないじゃない。そんなもの。」 女が冷たく返す。 娯楽の少ない田舎故か、この近辺には、虐待お兄さん&お姉さん人口が多い。 森の中で、人の手が入った被虐ゆっくりが見つかることなど、 さして珍しいことではなかった。 「その杭に、コイツがぶら下がってたんだ。」 言って、男は懐から、ある物を取り出した。 「う・・・・・」 醜悪なソレに、女が思わず呻く。それから、 「ああ・・・・そういう事ね・・・」 と得心した様子で言った。 ジャラ ソレからは、錆びた鎖が垂れ下がっている。 その鎖に繋がれた物は、ゴムで包まれた、赤ゆっくり・・・なのだろうか。 ただし、饅頭皮は無い。 少し腐敗し、崩れかかった黒い餡子の塊。 その中に無造作に浮かぶ、剥きだしの二つの眼球だったもの。 剥きだしのピンク色の歯茎と、そこについている白い歯が、 眼球と眼球の間に浮いている。 そして、それを包む透明なゴムは、黄色く変色していた。 女や、他の仲間達が持参した赤ゆっくりを包むゴムとは違う。 明らかに、加工後、数ヶ月は経過している、ゴムの饅頭皮。 これを作る事ができた者は、恐らく一人しかいないだろう。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ?! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ!!!!!」 まりさが、陸に打ち上げられた魚のように、突如として、 体がグネグネと曲がるほどに、ビクビクと跳ね出す。 まりさの体を力を込めて押さえつけながら、女が口を開く。 「ねえ、コレ、私に貰えないかしら?」 「ん・・・?別にいいけど、どうすんだ?こんなもの?」 女はまりさの金髪を撫でながら、笑みを浮かべて答えた。 「妹なのよ。この子の。」 -------------------------------- 「ゆ゛びりぎげぇぇっっ!?ぎっぐゆ゛っげっげっぎゆ゛ぎょげぇぇ!! ゆぎぎぃっ!!ゆ゛びゃりゃべぇぇ!?ゆ゛ぎがぁぁぁぁ!!!」 今日も、まりさは歌う。 まりさのおうたを。 母を想い、姉妹を想い、そして、赤ちゃんを想い。 揺れているまりさの三つ編みには、まりさの"妹"のまりさが、 しっかりと、結びつけられていた。 まりさのおうたの中で、この"妹"へは、どんな想いが込められているのだろうか? 女が、ソファに座り、まりさの歌声を聞きながら本のページを捲っている。 不意に、ページを捲ろうとした、その白い指が止まる。 「・・・・・・あら・・・」 何かに気づいたように、声を漏らし、 そして、満面の笑みを浮かべた。心から、嬉しそうに。 「まりさ、また、お歌上手になったわね。」 おわり -------------------------------- あとがき ちょっと自分で突っ込みどころなど。 「うちのゆっくりに今朝作らせたばかりの赤ちゃん」 →実際に仕込んで蔦が生えたのは前日ですが、 赤ちゃんの形になったのが当日ということで、強引に解釈してください。 この部分まで書いて、前々作の葬儀の場面に繋げた時点で、 「やべ、赤ゆ作ったの当日にしてた。」と気づきました。 赤ゆがはえてきてお姉さんもゆっくりできるよ!→晩ご飯はしちゅー の流れに変わる話を考える気力が出なかったので、妥協してしまいました。 まあ、新参空気の空気SSですし、誰も気にしませんよね? 「スーパー赤ゆっくりボール」から繋がるお話はこれでお終いにします。 暗めのお話で二本書いたので、今度は楽しいのを書いてみたいです。 短いやつを。 短いやつを。 by ゆっくりボールマン2世 このSSに感想をつける
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ラノでよむ ※一部不快な表現と描写ががあります。ご了承ください。 夜道を歩いていると、黒いセーラー服姿の女の子がゴスロリファッションの女の子を殺していた。 ぼくはその横を、アイスを舐めながら通り過ぎる。 やっぱりガリガリくんはソーダ味に限るね。夏になるとやはりガリガリくんが恋しくなる。でも案外コーラ味も悪くない。冷たい感触が口の中に広がって、ソーダの清々しい味わいが爽やかだ。 サンダルをつっかけながら、こうして虫の音を聞きながら夜の道を歩くのは案外気持ちがいいものだ。だけど頬を撫でる風は生暖かく、汗でシャツがベタベタする。 どうにも今日は夜になっても暑さは引かず、姉がどうしてもと駄々をこねたので、ぼくはコンビニまでアイスを買いに出かけさせられた。ぼくと姉はほかの兄弟たちと違い、一緒のアパートに住んでいる。姉が家事をこなしているため、こうした雑用などはぼくの担当になっていた。 まったく、こんな夜更けにアイスなんて食べたら太ると言ったのだけれど、一度駄々をこね始めた姉は子供よりも性質《たち》が悪い。逆らって機嫌を悪くされても面倒なので、仕方なく姉の大好きなピノを買ってきた。ついでに朝食用の牛乳とパンも変えたし、ちょうど良かったかもしれない。 歩きだとコンビニまで少し距離があるので、いい具合に疲れた。家に帰ったらお風呂に入ってもう寝よう。きっと暑さも気にせずよく眠れるに違いない。 「ちょ、ちょっと待ちなさいよそこのあんた!」 後ろから女の子の叫ぶ声が聞こえてきた。多分きっとおそらくぼくのことじゃないだろう。呼びとめられるようなこともしていないし、振り返るのもめんどくさい。 「待てって言ってるでしょ!」 そんな声が真後ろから聞こえてきて、ぼくのほっぺたにちょっとした痛みが走った。なんだろうと思っていると、赤い液体が地面にポタポタと落ちている。大量の血がぼくの頬から流れているのだ。火傷でもしたかのように頬が熱く、ジンジンと少しずつ痛みが増大していく。 「なにするんだよ。痛いじゃないか」 ぼくはポケットからハンカチを取り出して、自分の頬に当てる。そのハンカチはピンク生地にウサギの刺繍の入ったやつで、どう見ても姉のだ。可愛いピンク色がどんどん赤黒く染まっていく。どうやらまた間違えて持ってきてしまったようだ。恥ずかしいなぁ。 「痛い、じゃないわ。あんた、見たでしょ!」 そんなことを言われ、ぼくはようやく目の前の女の子に視線を向ける。 そこには可愛らしい女の子が顔を真っ赤にして立っていた。それだけなら逆ナンかしらん? と思ったかもしれない。だけどその女の子の手には、ずいぶんととがっている攻撃的なデザインのナイフが握られていた。 女の子は震える手でナイフをぼくの首筋に突きつけ、まるで親の仇と対峙しているかのような怖い目で睨んでいる。 彼女がそうするように、ぼくも彼女を観察する。 歳は中学生くらいだろうか、茶色いセミロングの髪の毛に、整った目鼻。健康状態を気にしたくなるほどに細い体を、血に塗れた黒いセーラー服が包んでいた。それはまるで喪服のようだ、なんてどうでもいい感想を抱いてしまう。 その女の子の足元に視線を落とすと、やはりそこにはもう一人の女の子が死んでいた。いや、違う。殺されているのだ。 犯人はこの中にいる。 犯人はぼく以外だ。 つまり、 「きみがその女の子を殺したの?」 ぼくがその死体を指差すと、セーラー服の女の子はびくっと一瞬体を震わせた。その死体はその女の子と同じくらいの年齢だ。ゴスロリファッションに身を包んで、顔には派手な化粧がなされている。だけど体中のあちこちが赤く染まっている。それは紛れもなく血だ。 腹部からは臓物がはみ出、四肢は損壊され、右の目玉はえぐり出されている。吐き気をもよおすような死臭がぼくの鼻をツンと刺激する。蒸し暑さもあってか、その匂いは強烈なものになっていた。やれやれ、しばらく肉を食えなさそうだ。 セーラー服の女の子のナイフには血が付いている。誰が見ても彼女が殺したのだと思うだろう。いや、それ以前にぼくは彼女がこのゴスロリ子(仮名)を殺している瞬間を見てるんだけどね。これで事件は解決。|証明終了《Q.E.D》。めでたしめでたし。 「そうだよ。あたしが殺したんだ。悪いか」 ピノが溶けちゃうからもう帰りたいなぁと思っていると、女の子は目をそらしながらそう言った。今更犯人の自白だ。 「そりゃあ、人を殺すのは悪いことなんじゃないのかな。ゴミのポイ捨ての次くらいには罪深いことだと思うよ」 「安心しなさい。こいつはこの双葉区には存在しないことになっている人間なのよ。死体さえ始末しちゃえば警察だって騒ぎはしないの」 「ふうん」 聞いてもいないのに、セーラー服の女の子はペラペラと喋り始めた。まるで口を動かしていないとどうかなってしまいそうな感じを受ける。 「こ、こいつは傭兵集団、“|少女地獄《ステーシーズ》”の一人なの。あたしの商売敵なのよ。だから殺した。文句ある!?」 「別にないよ。つまり君も殺し屋ってこと?」 ぼくがそう尋ねると、なぜか彼女は誇らしげに鼻をふふんと鳴らした。ちょっと照れたように笑い、その顔はただの女の子にしか見えない。顔も体も血塗れということを除けばだけど。 「そうよ、あたしはフリーの殺し屋。“殺戮凶刃《ジェノサイドカッター》”の野村《のむら》千波《ちなみ》とはあたしのことだ!」 「ふうん。それじゃあ千波ちゃんって呼ぶよ。それで千波ちゃん。殺し屋がそんなほいほい本名を名乗っていいの?」 「あっ! 駄目だ。忘れなさい」 「うん。わかった。忘れたよ千波ちゃん」 「よろしい」 セーラー服姿の女の子改め、千波ちゃんはそう頷いて納得してくれた。うん。これでようやくぼくも帰れる。コンビニの袋の中のピノが溶けだして、箱がぐじゅぐじゅになっちゃってるし、ぼくのガリガリくんももうすでに地面を這うアリさんたちのごちそうと化している。まったくついてないなぁ。まあいいや、帰って早くお風呂に入ろう。たまには姉と入るのも悪くないかもしれない。 「じゃあね千波ちゃん。おやすみ」 「はーい。おやすみー」 そうして手を振ってから帰路につこうとしばらく歩いていると、後ろから猛ダッシュしてくる音が聞こえた。 「おやすみ、じゃないわよこの野郎!」 千波ちゃんはぼくを蹴り飛ばして、転んでしまったぼくの上に馬乗りになる。文句を言う前に千波ちゃんはナイフの切っ先をぼくの鼻先に向けた。 なんだよまったく。まだお喋りしたいのかなぁ。少しは空気を読んでほしい。 「どうしたの千波ちゃん。忘れ物?」 「ふざけないで! あたしはお前を殺すの! 殺し屋が殺しの現場を見られて放っておくわけないでしょ!」 「ああ、なるほど。納得した」 そりゃあ、千波ちゃんが怒るのも無理ないだろう。 「大丈夫だよ。ぼくは警察にも学園の風紀委員にも誰にも喋らないから」 「そ、そんなこと信用できるもんか。死体を片づける手間が倍になっちゃったけど、あたしはお前を殺す。プロの殺し屋として殺してやる」 「何言ってるんだよ千波ちゃん。本当のプロはこんな目立つ殺し方しないし、こうやって喋る前にもう殺しは完了してるよ。えっとなんだっけ? 『ブッ殺すと心の中で思ったならッ! その時既に行動は終わっているんだッ!』だっけ? なんか昔読んだ漫画でそんな事を言ってたよ。それに保身のための、依頼なき殺人なんて、それじゃただの殺人鬼だ。ぼくの兄と一緒だ」 「う、ううううるさい。殺す。殺すんだ!」 そう言う千波ちゃんの小さな肩は震えている。どうやら彼女はまだ殺しに慣れていないようだ。あのゴスロリ子ちゃんだって、おそらく慣れない殺人に高揚して、あんな無意味に死体を破損させているんだろう。まるで初めてのお使いでもする幼稚園児のようだ。可愛いなぁ。 しかしこのまま殺されるのは簡便だ。姉がお腹をすかしてアパートで待ってるんだからね。 仕方ない。 「『大丈夫。安心して。ぼくはきみの味方だ。誰にも喋らないよ。約束する』」 ぼくは言葉に魔力を込めた。その言葉を聞き、千波ちゃんの強張った顔が一変し、ナイフを地面に落とす。 「ほ、本当? 信用していいの?」 千波ちゃんは信頼できる友人と話しているかのようにどっと安堵の表情になる。これが僕の持つ異能だ。嘘を相手に信じ込ませる能力。ぼくの言葉に疑いをもつものはこの世に存在しない。ぼくが白と言えば黒でも白になる。 「『ああ、本当だよ。千波ちゃんは可愛いなぁ。こんな可愛い女の子を裏切る男なんていないよ。さあ安心してよ』」 「うん!」 千波ちゃんはさっと離れ、ぼくの手を取って起き上がらせてくれた。よかった、単純な子で。 「さて、それじゃあ今度こそぼくはサヨナラさせてもらうよ」 じゃあ、と手を挙げてさっさと退散しようとするが、千波ちゃんはぼくの腕をつかんだまま放さない。女の子とは言え、やはり殺し屋なのか、その力は強くて振りほどくことができなかった。 「なんだい」 「ねえ、あたしの味方ならこの死体処分するの手伝ってよ」 なんてことを言い出すんだろうか。これ以上面倒なことをぼくにやらせるのか。千波ちゃんには困ったものだ。 「あのね千波ちゃん。自分のお仕事なんだから、事後処理まできちんと自分ひとりでやらないとだめだよ。そんなんじゃ立派な殺し屋になれないよ」 ぼくは千波ちゃんの肩にぽんと手を置いてそう諭すが、彼女はイヤイヤと首を横に振り、目に涙を浮かべてぼくの目を見た。その上目遣いはなんともあざといものだ。だけどこんな顔されては何も言えなくなってしまう。 「だって、だって。本当はあたし一人でちゃんと処理できたはずなのよ。お師匠様から譲り受けた“屍喰い猫”がいれば死体の始末なんて簡単なんだから」 「しぐいねこ?」 聞きなれない言葉に首をかしげる。それはいったい何なんだろう。 「そう、屍喰い猫。死体を食べる猫ちゃんよ。殺し屋稼業には欠かせない相棒なんだけど、ここに来る途中で逃げられちゃったの」 死体を食べる猫。そんな気持ち悪い猫なんて聞いたこともない。だとするとその猫はラルヴァか何かだろうか。 「なるほどね。その猫がいなくなったのに人を殺しちゃったから困ってるわけだ」 「そうよ。このゴスロリ女と戦ってる時に、ケージから逃げ出しちゃったの。だからね、死体の後始末を手伝ってとは言わないわ。せめて屍喰い猫を探すのを手伝ってよ!」 「いやだよめんどくさい」 「断るならやっぱり殺す。百回殺すー!」 そう言ってまたもやナイフをぼくのほうに向けてきた。まったく、最近の子供はキレやすいというのは本当だよ。非常識極まりないね。 まあ、ようするに迷子のペット探しだ。ぼくが所属する探偵部としてもそういう依頼を受けたことは多くある。迷子のペットをこのくそ広い双葉区で探すだけの簡単なお仕事です。 「いいよ。手伝ってあげる。でも報酬はもらうよ。ぼくはタダで人助けするほど善人じゃないからね」 「報酬? エ、エッチなのは駄目だからね! 脱ぎたてのパンツ頂戴とか言わないでよ!」 千波ちゃんは顔を赤くし、スカートを押さえた。いったいどんな妄想をしているんだろうか。困ったものだ。 「女子中学生のパンツなんて興味ないよ。報酬はそうだな、コンビニのアイスでいいよ」 「え? そんなのでいいの?」 「ああ。姉のピノもぼくのガリガリくんも溶けちゃったからね」 生憎アイスを一個ずつ買う金しか持ってなかった。アイスを買って帰らなかったら姉の機嫌が悪くなってしまう。なんとしてもアイスは買って帰らなければ。 「ありがとう! じゃあちゃんと屍喰い猫を見つけられたいっぱいアイス奢ってあげる……えっと、そう言えばまだあんたの名前を聞いてなかったよね?」 「『ぼくの名前はアンドロメダクリスティーヌ三世だよ』」 「へーそうなんだ。素敵な前だね!」 異能を使って偽名を名乗ったけど、どうにも変な名前で呼ばれるのはしっくりこない。別に本名を知られても困ることはないので、やっぱり名前を名乗ることにしよう。 「ごめん。今のはナシ。嘘」 「えーなんで嘘つくのよー」 からかわれたと思ったのか千波ちゃんはぷりぷりと怒っている。ぼくは自分の名前を彼女に告げた。 「ぼくの名前は中也《ちゅうや》。夏目《なつめ》中也だ」 後編につづく トップに戻る 作品保管庫に戻る