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『面白そうだから引き受けたが、一応アンタには話を通しておこうかと思ってよ』 サイパスの私室に来客が訪れたのは、とっくに日付が変わり夜の住民も寝静まろうかと言うほどの深かい時刻の事だった。 もっとも来客と言ってもアポイントメントがないどころか、ノックすらせず扉を開くような礼儀知らずではあるのだが。 勿論、鍵は閉めていたはずなのだが、この男にとってそんなものは在って無いようなものらしい。 ニヤつきながら扉を開いたのは、組織の最強戦力と評される男だった。 男は挨拶もそこそこに我が物顔で部屋の中央を突っ切ると、壁際にあるアンティーク調の食器棚を開いて、そこからグラスを勝手に二つ取り出した。 それをテーブルに並べて腰を下ろすと、男は持参したウォッカの栓を抜き宝石のようなカットデザインのグラスに注ぎ一方をサイパスの方へとすいと差し出す。 今更この男の勝手など咎める気にもならないのか、部屋の主は呆れたように頭を振りながらもその対面に腰かけた。 『それで、なんの用だヴァイザー?』 差し出されたウオッカに口を付けるでもなく、サイパスは来訪の理由を問いただした。 用もなく互いの私室を訪れるなど、この組織内ではそうある事ではない。 その中でも近寄りがたい立ち位置にあるサイパスの部屋を訪れる者など殆どいなかった。 そのサイパスの部屋をわざわざ人目を避けるような時間に訪れたからには、相応の要件があるはずである。 『イヴァンのガキが俺に依頼してきたぜ、アヴァンの旦那を殺せってな』 何か愉しげな報告でもするように、ヴァイザーは酒を片手にそう言った。 それを聞いたサイパスは表情を変えず、いつも通りの険しい表情のままグラスを傾ける。 『組織内での殺し合いはご法度のはずだが?』 『正当な理由がなければ、だろ? 後はバレなければか』 イヴァンはこっち狙いみたいだけどな、と付け足して下卑た嗤いを浮かべた。 サイパスはそのふざけた態度に取り合わず先を促す。 『それで、その理由とはなんだ?』 ヴァイザーが透明な液体をゆるりと口に運びグラスを空にする。 強めのアルコールに火を噴くように焼やかれた喉から、一瞬で酒気を帯びた息を吐いた。 『かぁーっ。アンタに合わせてキツめのウォッカにしたがキクなぁこりゃ』 話を進めようとしないヴァイザーにサイパスが眼を細めギロリと睨みを効かせる。 放たれる殺気に本気の色が混じりつつあるなと、敏感に感じたヴァイザーは肩をすくめて取り出した何かを空のグラスの横に放った。 それは資料の束だった。 『これは…………?』 『イヴァンは今回の事は秘密裏にやるつもりらしいが、こいつはイザ発覚して問い詰められたときのための保険らしい。 ま、でっち上げもあるだろうが、ここまでご丁寧に証拠を集められちゃこっちも納得せざる負えねえさ。 ったく。慎重と言うか、臆病と言うか。殺しは下手なくせにこういうことは徹底してやがる』 何がそんなに楽しいのか、獰猛な野生動物のような攻撃的な笑みを浮かべた。 資料を手に取り、目を通すサイパスの表情が徐々に普段以上に険しいものになってゆく。 『そこに書かれてる通り旦那は組織の情報を流してたらしい、ここ最近仕事がし辛くなってたのはそのせいだ。 ま、今のところ死者は出ていねぇが、この辺が差し止め所だろう。 しかも、野郎の脱出の手引きをしてのも旦那らしい』 野郎とは先日組織から離脱を果たしたルカの事だろう。 確かに単独では不可能なほど鮮やかな離脱劇だった。 何より、組織内で生まれ育ったルカが外部に頼る当てを持っているとも思えない。 協力者がいると言うのは考えてみれば当然だろう。 『これは重大な、組織に対する裏切り行為だぜ』 忠誠心なんてさらさらないであろう男が裏切り者を非難した。 それはきっと、本心ではなく言っているだけなのだろうけれど。 ざっと目を目を通しただけで動かしようのないような裏切りの証拠がいくつも出てきた。 成程。対外的な役割を果たしていたアヴァンならば情報を流すくらいは容易かろう。 『ま、そう言う意味じゃ、当のイヴァンの野郎も怪しくなってくるがな』 言って。ケケケと下卑た嗤いを零した。 彼にとってはアヴァンの裏切りもイヴァンが裏切っている可能性もどうでもいい事なのだろう。 『で、どうするよ。アンタがやめろってんなら止めておくが?』 ヴァイザーの問いにサイパスはつまらなさ気に深く息を吐くと、資料を読む手を止めヴァイザーに向かって投げ返した。 『それを何故俺に問う。正当な理由があるのならやればいい。 粛清を秘密裏に行おうと言うのは気に喰わないが、裏切り者を処断するのは間違いではない』 そう言うとサイパスはこれまで手を付けていなかったウオッカを呷り、机に乾いた音を響かせた。 ヴァイザーは愉しげ唇をゆがめると、空になったサイパスのグラスに新たにウォッカを注いだ。 『そりゃ問うさ。古い付き合いなんだろ、そいつを殺ろうってんだから話は通しとくのが人としての筋ってもんだろう?』 散々自分勝手に人の命を喰らい尽くしてきた殺人鬼がどの口で人の筋など説くのか。 そもそもまともな人間は人など殺さない。 致命的に人としてずれている。 『別に昔馴染みというのなら俺に限った話でもあるまい、筋と言うのならボスに通すのが筋だろう』 その言葉にヴァイザーは珍しく困ったように、あー、と呻いて視線を泳がせた。 元よりヴァイザーは真面目に報告義務を果たすような奴でもない。 面白そうだからという理由だけで秘匿する事もあるだろう。 それを許されるのは圧倒的な実績というサイパスを上回る程の発言力があるからだ。 だが、本気で秘匿するつもりならば、こうしてサイパスにわざわざ言いに来る必要はないし、公にしたいのならばサイパスではなく上に通すべきだ。 イヴァンがこの件を秘密裏に進めたい意図は分かる。 アヴァンの後釜狙いの犯行だろう、自らそれを進めたとなればいらぬ角が立つ。 そのために親殺しを行ったともなればなおさらだ。 だがヴァイザーには理由がない。 『ボスは――――ありゃダメだろ。あの人に言っても意味がない』 『どういう意味だ』 『俺の話なんか聞きゃしないって事さ、いや俺だけじゃあない。 あの人にまともに話を通せるのはもうアンタとサミュエルの旦那とアヴァンの旦那の三人だけだ』 その言葉は否定できない。 病床に伏した今のボスの精神は非常にデリケートだ。 扱いには細心の注意を必要とされ、長い付き合いで機微を理解した者でなければ、機嫌を損ねて殺されかねない。 『ならば、俺から話を通せという事か?』 『そうじゃないさ。ま、アンタがイヴァンの悪だくみをチクるのは自由だがね。 けど止めといた方がいい。事が大きくなってややこしい事になるだけだ。 どうせ答えも決まり切ってる、聞くだけ無駄ってもんだ。ボスに興奮されても困るだろ』 先日ルカの件があったばかりだ。 その時の激昂した反応を考えれば、あのボスが誰であろうと裏切り者など許すはずがない。 今のボスの容態を考えれば、確かに無駄に刺激することは避けたいところである。 『お前にボスの体調を気遣う心があるとは思わなかったよ』 『おいおい、今もこうしてアンタを気遣ってるじゃないか。 それに俺は面倒になるから止めとけといってるだけで、あの人の体調なんて気にしちゃいねぇよ』 それはボス自体がどうでもいいと言うよりも、ボスは心配いらないと言った風な言い方だった。 『俺からしてみれば他の連中がボスが死ぬだの騒いでんのか不思議でしょうがないね。あの人がそう簡単に死ぬものか。 ありゃ正真正銘の怪物だ。俺の見立てじゃ骨と皮だけになっても後20年は生きるだろうよ』 余命1年という闇医者の宣告を、命を扱う殺し屋は否定する。 それは暗に、後継者争いに精を出すイヴァンや後継者探しに躍起になるサイパス達の動きを、徒労だと嘲る言葉でもあった。 だからこそ彼はイヴァンの依頼を受けたのだろう。 『だからさ、俺はアンタに聞いてるんだ。 ボスでもなく、サミュエルの旦那でもない。アンタだから話したんだ』 ヴァイザーが話を引き戻す。 相手を逃がさない執拗な蛇のように、答えを出さず逃れることなど、この男は許さない。 『…………何故、俺に拘る?』 『忘れたのか? 俺はアンタが誘ったからここにいるんだぜ、アンタじゃなければここには来なかった。 解かるか? その敬愛しているアンタだから聞くんだ。なあ、どうなんだサイパスさんよ。殺していいのか? 悪いのか? それとも――――』 言葉とは裏腹にこの男からは敬意なんて微塵も感じられない。 愉しむように試すように、誘うように手を広げて最強の死神は問う。 『――――自分の手で殺したいか?』 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「はっ。死んだのかあのガキ」 吐き捨てるようにして、イヴァン・デ・ベルナルディはそう笑った。 今しがた放送によりアザレアの死が伝えられた。 ヴァイザーの死に比べれば意外な結果でもなんでもない。 平時から後先というものを考えず、生き残ると言う当たり前の思考が抜け落ちた鉄砲玉のような娘だった。 殺せば終わりの仕事と違って、生き残りゲームで死ぬのは当然の結果と言える。 所詮、愛らしい容姿と殺しの才能から組織内でちやほやされていたが、生き残れる器じゃなかったのだ、このイヴァン・デ・ベルナルディと違って。 どちらにせよ組織の連中は全てここで切り捨てるつもりだった。 無駄な手間を省いてくれたのだから、あの生意気なだけのクソガキが初めて役に立ったと言えるだろう。 イヴァンにとって死んだ殺し屋だけがいい殺し屋だ。 だが、何事にも例外はある。 「そうか、そう言えばお前もいたんだったな」 近寄ってきた影のような人物を認めて、イヴァンは幸運を噛み締めるように嬉しげに口元を吊り上げた。 殺し屋という下賤で破棄するべき奴等の中にもイヴァンの為に大いに働いてくれる利用価値のある者はいる。 ここでその唯一にして最強のカードを引き当てるとは、やはり、運命はイヴァンを愛している。 「よう、サイパス。お前と無事合流出来て何よりだ」 サイパス・キルラ。 肉体の全盛期はとうに超えているにも拘らず、未だヴァイザーという稀代の殺人鬼以外には譲らぬ、組織内でも随一の実力者だ。 そして忠実なる組織の駒。組織のためなら命すら投げ出す事を躊躇わない男である。 この場においても決して逆らうことなくイヴァンに付き従うことだろう。 そのサイパスをもってしてもこの舞台は一筋縄ではいかなかったのか、だいぶダメージを負っている様だが。 それでも五体満足で合流は果たせたのは上々だろう。 「サイパス。貴様には俺の護衛を命じる。それと余ってる銃かトカレフの弾丸があるならこっちに寄越せ」 この二人の関係性において、互いの無事を喜び合うなどと言う無駄な作業は発生しない。 指示を出す者と出される者。 この二人にあるのはそれだけである。 「護衛を務めろというのなら従おう。だが、まともな銃は一つしかないのでな、護衛を任される以上これは私が持つべきだろう」 「ちっ。仕方あるまい。なら護身用でいい、何か武器はないのか?」 「熱で銃身の歪んだミリポリならあるが、一応整備はしてみたが使えるかも怪しいぞ?」 「それで構わん、無いよりはましだ」 そう言ってサイパスの手からひったくる様にS WM10を受け取ると、パーツを解体して自分の手で検証と整備を始めた サイパスが確認したとはいえ、自分の手で確認するまで信用しないイヴァンらしい行動である。 「ちっ。確かにほんの僅かだが銃身に歪みがあるな、撃てない事もないだろうが、これじゃ狙いをつけるのは無理だな」 舌を打ちながら、解き慣れたパズルでも作る様に解体した拳銃を組み立ててゆく。 元より銃の射程と言うのはそれほど長くはない。 実戦で動く的相手に使えるのはせいぜい5~10m程度。 卓越したプロならばその限りではないのだろうが、少なくともイヴァンが扱うには致命的だ。 だが、今のイヴァンには銃以上のサイパスと言う武器がある、手持ちの武器などは最低限で十分だろう。 「まあいい、脅しや牽制くらいには使える。 それで、ここまでで俺以外の組織の連中とは出会えたか?」 何か錠剤をのみ込みながらイヴァンが問いかけた。 護衛を任されたサイパスは周囲に目を配り警戒をしながら、その質問に応じる。 「いや、ここで出会えたのはお前が初めてだ。 どうするのだ? お前を護るのはいいとして、ピーターたちとの合流を目指すのか? それとも俺たちだけで脱出を、」 サイパスが言葉を最後まで発することなく途切れさせ、あり得ない光景を見て目を見開く。 予想外の銃声が響き、サイパス・キルラは凶弾に撃ち抜かれた。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 『やぁ、サイパス。珍しいね君が僕を訪ねるなんて』 突然の来訪に怒るでも驚くでもなく。 暴力事などとは一生縁のないような優男は穏やかに微笑み、旧友を迎え入れた。 迎え入れられたサイパスは何も言わず睨みつけるようにアヴァンを見つめる。 その様子を見て、アヴァンはふっと穏やかに笑って全てを察した。 『そうか。君が僕の死神か、サイパス』 『違うな。それはヴァイザーの仕事だ』 最凶の死神の名を聞き逃げても無駄だと悟ったのか、アヴァンは驚くほど落ち着いた様子でソファーへと腰を下ろした。 それとも、逃げるつもりなど最初から無かったのだろうか。 『昔からの誼みだ一応言い分くらいは聞いておこうか?』 向かいに腰かけたサイパスは、躊躇うように僅かな間をおいて言葉を吐いた。 『………………何故裏切った』 『裏切ってなどいないさ。僕は君たちを裏切ってなどいない』 『惚けるな、証拠はそろっている。ルカの脱走を手引きしたのも貴様だろう』 突きつけられた明確な罪状を否定するでもなく、アヴァンは首を縦に振った。 『ああ、そうだ。ルカは新たな希望を見出した、僕はその手助けをしただけだ』 『手助け? ふざけるな、それが裏切りじゃなくてなんだと言うんだ!?』 バンと机を叩いて、サイパスが珍しく声を荒げた。 一般人なら気絶しかねないような迫力の恫喝にもアヴァンは動じるでもなくあくまで冷静に応じる。 『俺が護りたいのは『組織』じゃない。俺が護りたいのは『お前たち』だ』 『……どういう意味だ?』 サイパスが眉をひそめる。 サイパスにとってその二つに違いはない。 アヴァンにとっては違うというのだろうか。 『あの日から、カイザルはうまくやった……いや、彼はうまくやりすぎた。 組織は大きくなりすぎた、それこそ僕らの手に余るほどに』 サイパスも薄々は感じていた事なのだろう。 アヴァンの言葉を否定できなかった。 この組織は社会不適合者の集まりだ。 それぞれが勝手な行動で問題行動を起こすものは少なくない。 その中でも派閥が生まれ、組織内での亀裂も走りつつある。 ヴァイザーと言う組織の手に余る怪物も生み出した。 表面的には力をつけて潤沢になったように見えるだろうが、その実、このまま進めば立ち行かなくなるのは目に見えていた。 『だからどうしたと言うのだ。そんなものは幾らでも立て直せる。 その程度の事で、お前は組織に見切りをつけようと言うのか』 そんな事で組織は終わらない。 立ち行かなくなると言うのなら、立ち行けるようにすればいい。 これまでだってそうしてきた、これからだってそうだ。 『違う。組織は立て直すべきじゃないんだサイパス』 だが、同じ道を歩んできたはずの戦友は別の結論を出していた。 『組織は、アンナのホームに集まっていたあの頃とはもう違ってしまった。 皆を護るはずの組織が、新たな歪みを生み出している』 アヴァンは後悔と哀愁が入り混じった呟きを漏らす。 彼らを救うはずだったホームは彼らを歪める災厄と化していた。 例えばアザレア。 あの少女は間違いなく組織という歪みが生み出した怪物だ。。 組織ではなく一般家庭に拾われていたならば、ごく普通の少女として当たり前の幸せを掴めていたのかもしれない。 アヴァンの息子であるイヴァンだってそうだ。 殺し屋などでなければ、その才覚を正しく生かせる場所もあっただろう。 それは彼らだけの話ではない。 他の皆も、何か別の可能性はあったのかもしれない。 サイパスだって。 『…………だから壊そうと言うのか、他でもないお前の手で』 外部から無残に破壊される前に、ビル破壊の様に適切な手段で解体してゆく。 そうすることで組織ではなく、組織の面々を護るために。 『壊してどうなる。たとえお前の目論見通りに組織が解体されたとしても、寄る辺を失えば、俺たちは生きていけない』 『なぜそう思う』 サイパスが苛立ちを堪えるように強く奥歯を噛んだ。 『なぜ? 決まってるだろ、俺たちは所詮、溝の底でしか生きられない塵屑だ! ドブ川の底に生まれ落ちた以上、そこで生きていくしかない! そこで生きていくのならばこの組織以上の環境などない! 組織と言う庇護を失えば食い物にされるか野垂れ死ぬだけだ!』 清らかな水では息の仕方も分からない、汚れた川でしか泳げない魚もいる。 だから、そんな奴等の目にせめて泳ぎやすい世界を用意してやるのが組織の役目だ。 そのためにサイパスはこれまで尽力してきたのだから。 『それが無理だとなぜ決めつける。なぜ泥の底から這い上がろうとしない!? 俺たちの生き方が血塗られた道だけだとなぜ決めつける!?』 ここに居てはいつまでも地の底から這い出れない。 はた迷惑で排他的な享楽に浸るだけで、血塗られた生き方を増長するだけだ。 ルカの様に、日のあたる世界を歩める者もいるかもしれない。 そのために組織はもう足かせにしかならない。 『それをお前が言うのか……! 今もこうして暗闇の底を彷徨ってるお前が!』 『そうだ。僕たちはその暗闇の中で出会えたじゃないか。彼女に』 『…………ッ!?』 あの出会い。 あのホームで過ごした日々は、先も見えない暗闇の世界であり得ない奇跡だった。 そんな奇跡が、彼らにも訪れると言うのだろうか。 そんな訳が、ない。 『黙れ! 下らない理想を語るなよアヴァン! 俺達はここでしか生きられない! この組織だけが、俺たちが自由に生きていくための唯一の寄る辺なのだ!!』 どれほど足掻こうとも蛾は蝶にはなれない。 蝶になれずとも蛾は蛾なりの幸せがあるはずだ。 不幸の形が数多にある様に、幸せの形も一つではない。 世界から見捨てられた、誰からも選ばれなかった、天上に昇れぬ外れた連中の地底の幸福を追求する。 それがこの組織の在り方だ。 『理想を語っているのは、お前の方じゃないのかサイパス……?』 『…………なに?』 サイパスの表情が歪む。 さまざなな感情が入り混じった泣き笑いのような顔だった。 『その理想は誰の理想だ? 君の理想か? それとも――――アンナの理想をなぞっているだけなのか?』 『……貴様』 周囲が歪む程の黒い殺気がサイパスから膨れ上がる。 抵抗する力などなく、ともすれば1秒後に縊り殺されるような状況で、それでもアヴァンは一切怯む様子もなくサイパスから目を逸らさなかった。 アヴァンは誰よりも弱く、戦う力などなかったけれど、誰が相手だろうとも己の意思を変えたことなど一度もなかった。 あのホームにいた連中は、誰も彼もが変わり者で、生き方を変えることのできない不器用な連中ばかりだった。 『お前もカイザルも同じだ。カイザルは組織そのものにアンナを重ねて、お前はその理想を受け継ぐことでアンナを生かそうとしている』 『…………黙れ』 懐から抜かれた拳銃が突きつけられた。 最後通告である。 それでも、アヴァンは止めなかった。 『――――もう夢から醒める頃合いだ。『アンナの亡霊(そしき)』に囚われるのは終わりにしよう。サイパス』 決別を告げるように銃声が小さな部屋に鳴り響いた。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 弾丸は右腰を直撃した。 サイパスを撃ったのはイヴァンだった。 歪んだ銃であろうと、射手の腕が悪かろうと1メートルにも満たない距離で止まった的を狙うのならば、弾さえ出れば問題はない だが、それだけではサイパスを仕留めるに至らず。 撃ち抜かれた腰元から血の線を宙に引きながらサイパスは後方に飛び退た。 着地した瞬間を狙った追撃の弾丸が放たれるが、痛みを感じさせぬ機敏な動きでサイパスが翻る。 ピンボールのような動きで瞬時に間合いを詰めたサイパスは、両足ごとへし折る勢いの足払いでイヴァンの体を宙に浮かせると、顔面を鷲掴みにして地面に叩きつける。 後頭部が固い地面にぶつかり、脳が揺さぶられイヴァンの意識が一瞬飛んだ。 そのまま仰向けに倒れこんだイヴァンの肩関節を靴の踵で踏みつけると、ゴリィという骨が外れる鈍い音が鳴った。 痛みにイヴァンの意識は覚醒し、その口から悲鳴のような呻きが漏れる。 「やるじゃあないか、イヴァン。お前にこんな才能があるとは思わなかったよ」 打ち抜かれた脇腹を押さえて、今の一撃は見事の不意打ちだったと評価する。 イヴァン・デ・ベルナルディという男をよく知るからこそ油断した。 まずは保身を考え、まだ利用価値のあるサイパスをここで切るようなことをするはずがない。 最後にサイパスを切るとは思っていたが、動くなら勝利の見えた最終局面だと思い込んでいた。 その思い込みが反応を遅らせた、サイパスの油断を見事についてきた。 だが、褒め称えるような言葉とは裏腹に、その顔に浮かぶのは見るものを凍りつかせるような残忍な笑みである。 「ち、違うんだ!」 「何が違う? 褒めてるんだぜ俺は?」 言いながら肩を踏みつけた足をグリグリと動かし、そのまま眉間に突き付けるように銃口を向ける。 いかにイヴァンと言えど、ただ銃口を向けられた程度で怯えるような生き方はしていない。 だが今銃口よりも恐ろしいのは、静かな殺意を湛えているこの男の存在そのものである。 「昔からの誼みだ一応理由を聞いておこうか? ここで撃って来るなんて、らしくないじゃないかイヴァン」 何故撃ったのか? イヴァンはその理由を自問する。 だが思い浮かぶ理由など大したものではない。 自分では決して勝てない相手だと思ったから殺せるときに殺さなくてはと思ったから撃った。 実際サイパスの不意を突けたのだから千載一遇の勝機ではあったのは確かだろう。 ただ、冷静に考えれば余りにも短絡的な思考であることは否めない。 長期的に考えれば、まだ利用価値のあるサイパスをここで切るのは明らかに損である。 堪え性のないガキじゃあるまいし、損得勘定を見誤るなどイヴァン・デ・ベルナルディらしくないというのならば確かにその通りだ。 それを理解していながら、撃たずにはいられなかった。 それは何故か、 「そうだ…………そうだ! マーダー病だ!」 「マーダー病?」 普段の自分ではあり得ない行動をとった自身の状況と、アサシンから得た情報を照らし合わせて。 あの時、アサシンに傷つけられて体内に潜伏した病原菌がようやく発症したのだと、ようやく思い至った。 サイパスに問い詰められるここに至るまで、自身に違和感すら感じる事すらできない。 その事実に薄ら寒いものを感じるが、彼は気付けた。 「そ、そうだ。病気なんだ、病気のせいだ、俺の意思じゃない!」 「おいおい。口の立つお前にしちゃあ、ずいぶんと杜撰な言い訳じゃないか」 イヴァンとサイパスの付きあいは昨日今日の話ではない。それこそ生まれた時から知っている間柄だ。 持病などないことは当然の様に把握しているし、人を殺したくなるなんてそんな奇病はこの業界でも聞いた事すらない。 「アサシンの野郎だ! アイツにやられたんだ! あいつの持ってるナイフに斬られちまうと、マーダー病ってイカレタ殺人鬼になっちまう病気をうつされちまうんだよ!」 「アサシンの……ナイフ」 それに関してはサイパスにも心当たりがある。 確かにサイパスの出会ったアサシンはナイフを持って怪しい動きをしていた。 「だが、何故奴がそんな病気を広める必要がある? ナイフがあるなら手っ取り早く殺せばいいだろう」 あのアサシンがイヴァン程度の相手を仕留めきれないとも思えない。 それとも一人で70名以上を殺害するのは無理と判断して、単純に手駒が欲しかったのか。 それにしたって殺しの駒ならイヴァンよりももっといい駒がいるだろう。 「……アイツはワールドオーダーから依頼を受けたと言っていた」 「成程」 何人か仕込みがいるとは思っていたがアサシンがそれか。 アサシンは性格には難があるが、暗殺者としては間違いなく最高峰だ。 それを雇うというのは確かに悪い選択ではない。 「話は分かった。仮にその病気が事実だとして、だ」 銃口を額に押し付けながら、驚くほど穏やかな声でサイパスが問いかける。 「なぁイヴァン。俺は本気でお前がボスになっても構わないと思っていたよ。 だからお前に付き従ってきた、どうしてだと思う?」 何故この場面でそんな事を問うのか。 その問いの意図をくみ取れず、イヴァンは素直に答える事にした。 「お、俺が一番組織を巧く運営できるから?」 「そうだ。お前は個人としては愚かだが、小賢しさとその臆病さは集団を率いる者としては悪くない。 少なくとも、立ち行かなくなりつつある今の組織をどのような形であれ持ち直す事はできるだろう」 人には適性があり、集団をまとめ組織を運営してゆくにはそれに応じた才覚が必要だ。 アサシンや今のボスのような殺しも運営もこなせるような万能の天才などそうそういるモノではない。 殺し屋ばかりを集めた組織の中にその適性を持つ者は少なく、イヴァンにはそれがある。 それ故に、イヴァンは組織の中で唯一無二の存在と言えた。 「だがなイヴァン。憐れなイヴァンよ。お前何か勘違いしてないか? 誰彼かまわず殺しまわるようなイカれた殺人鬼になっちまったお前に、俺が大事な組織を任せると思うのか? 俺がお前に付き従っていたのは、お前が組織にとって有用だったからだ。 組織を率いると言う役目を失ったお前に、俺が素直に付き従うと思うのか?」 イヴァンは自分が散々見下してきた組織の殺し屋たちと同じステージに落ちたのだ。 つまりこの状況は、イヴァンがこれまで殺し屋たちを切り捨てたように、イヴァンが切り捨てられようとしている。 「違う、治る! 治るんだこの病気は!」 「ほぅ。どうやって?」 問い返されて言葉に詰まる。 「…………い、意志を強く持つとか、聖者に治療してもらうとか」 妖刀の説明に書いてあった条件を思い返して口にするが。 自身の口から語る程、何ともバカバカしい事のように思えてしまった。 殺し屋が信じるのは己だけ。 殺し屋は意思なんて曖昧ものに頼らないし。 殺し屋が聖者に祈るだなんて笑い話にしかならない。 それは聞いているサイパスも同じ感想だったのか、バカにするように鼻で笑う。 「ハッ。意志? 聖者? おいおい、笑わせるなよイヴァン。お前の冗談で笑ったのは初めてだぜ。なぁイヴァン――――笑えよ」 「ひッ!?」 溶けた鉛のような息ができない程の重圧。 暗黒の化身のような男がくつくつと喉を鳴らす。 「そら、俺を納得させる言い分を持って来いよ。得意だろとういうの? そうじゃなければ俺に敵対したお前を生かす理由が無くなるぜ?」 殺される。 生き残るに足る理由を用意できなければ、この男に楯突いた以上、イヴァンは確実に殺される。 「…………だ、だいたい、俺を殺してどうする!? まともな後継者がいなければボスが死んだら本当に終わるぞ!? 俺じゃなければいったい誰が組織を導いて行けると言うんだ!?」 組織にいるのは運営どころか足し算すらできないような学のない殺人狂の集まりだ。 マーダー病というマイナスを差し引いても、イヴァンの価値はまだあるはずである。 「そうだな今のお前には任せるくらいなら、ピーターにでも任せるさ」 「ピー、ター…………?」 ピーター・セヴェール。何故ここであんな奴の名がサイパスの口から出るのかイヴァンには理解できなかった。 奴は取るに足らない、一殺し屋に過ぎないはずである。 だが、サイパスの評価は違う。 女専門の食人鬼という特殊性癖に目が行きがちだが。 サイパスがピーターを評価しているのは、そのクレバーさと危機に関するバランス感覚だ。 「まあ、本人にやる気がないのが問題だがな。だから俺はお前の野心を買ってやってたんだが」 イヴァンはマーダー病を患っており、ピーターは己の欲求以外にやる気を見せない。 双方にマイナスはあるが、ピーターのケツを叩く方が幾分かましだとサイパス判断したのだろう。 つまり、これで本当にイヴァンの唯一性は失われた。 凡百の殺し屋でかなくなったイヴァンなど、いつ背を撃つかもわからない危険物でしかない。 そんな相手を生かしておく価値はないだろう。 イヴァンは頭の中で生き残りの算段を立てる。 もう、この死の運命に抗うには、サイパスと戦うしかない。 事前に飲んでおいた現象解消薬の効果により脱臼は既に完治している。 相手が既に破壊し動かないと踏んでいる右手を使えば、上手く出し抜くことができるかもしれない。 勝てなくてもいい。ただ一太刀、魔剣天翔で傷つけることさえ出来れば。 「…………っ! ぁぁぁあ…………!!」 「誰が動いていいと言った?」 隠し持ったナイフを取るべく細心の注意を払って動かしたはずの右手の甲が撃ち抜かれた。 油断など、この男に微塵程もあるはずがない。 「く……くす、薬…………ッ」 反射的にイヴァンは現象解消薬を飲もうとするがそれは無意味な事だ。 この薬は飲んだ時点の状態を再現するものだ、後から薬を飲んだところでもうこの傷は治らない。 「ぅああ……っ! くぅ……っ!」 「おいおいイヴァン。お前は人の話を聞けないのか?」 だが、それ以前に、薬を取り出そうとした左手も打ち抜かれ薬を取り出す事すらできなかった。 イヴァンが呼吸を荒くし、風通しがよくなった赤く染まる両手を震わせる。 燃え上がるような両腕の痛みの中でイヴァンは思い出す。 組織に入った者は真っ先に教育係であるこの男に対する恐怖を植え込まれる。 組織で生まれ育ったイヴァンにとってもそれは同じ、いや他の者以上にそれを叩きこまれていたはずなのに。 父を殺して、その後釜に収まり幹部となって、全てを従えた気になって、忘れていた。 忘れてはならない、絶対的な恐怖を。 「ぁあああぁぁああぁあああああああああ!!!」 イヴァンの絶叫。 それを断ち切る様に銃声が鳴り響いた。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 『お前の始末はヴァイザーの仕事だ。あとは勝手に死ね』 サイパスとアヴァンの話し合いは、壁に穴を一つ増やしただけで、結局何一つ分かり合うことなく決裂した。 今更そんな結論になるのは解かり切っていた事なのに。 決して譲り合う事なく、分かり合う事もない。そんな連中の集まりだったのだ。 意見が割れた以上こうなるしかない。 それを仲裁できたのは、後にも先にもただ一人だけだった。 『なぁサイパス』 もはや語ることはないと立ち去ろうとしたサイパスの背を止める声があった。 これ以上何があるのかと怪訝そうな顔をしながらも、最期の言葉でも残すのかと思いサイパスが振り返る。 だがしかし、問われたのは別れの言葉に相応しくない、予想外の内容だった。 『ホームにいた、ジョン・スミスという男を覚えているか?』 ジョン・スミス。アメリカで最もありふれた姓名を組み合わせた名だ。 確かに、言われてみればそんな名を名乗った男が一時期アンナを中心とした集まりであるホームにいた気がする。 『……細かい事まで覚えているわけではないが。 ふざけた偽名だったからな、そんな奴がいたという事だけは薄らと憶えているが、それがどうした?』 覚えていると言ってもハッキリ言って印象は薄い。 何しろ古い話だ。存在と名前は思い出せても靄がかかったように顔は思い出せない 脛に傷を持った連中の集まりで偽名を名乗る輩は珍しくもなかったし、中には本当に名前がない奴すらいた。 偽名を名乗った程度では大した印象には残りようがない。 そういえば奴はどうしたのだったか。 気付けばいなくなったような、どうにも曖昧だ。 それも仕方ない事だ、これだけは覚えている事だが、アンナが死んだのは奴が現れたその直後だったはずである。 たしかカボネのアジト襲撃のメンバーにはいなかったはずだ。 いや、奴がどうなろうとも、旧友との最期の別れ際に話すようなことのようには思えないが。 『あの日、僕たちの情報をカボネの連中に売ったのはそいつだ』 『――――――』 サイパスは言葉を失った。 赤く染まる白い雪。 華のように摘まれた少女の死体。 あの雪の日が脳裏をよぎり目眩がする。 よろめいて壁に手を付いた。 それはつまり。 あの事件を引き起こしたその元凶が、あの男だったという事か。 一瞬。何者かの歪んだ口元がフラッシュバックしたような気がした。 『僕が突きとめられたのはそこまでだ。 それ以上は霞がかかったように捉えられなかった』 彼に無理だったと言うのなら、組織内の誰にも無理だろう。 『別にこの情報をどうこうしてくれという訳じゃあないんだ、ただ知っておいて欲しかったと言うだけだ』 そう言ってアヴァンはいつものように力なく笑った。 『それじゃあサイパス。カイザルとサミュエルによろしく言っておいてくれ。 僕はバルトロとアンナにお先に会いに行くよ』 重い扉が閉じる音だけが響く。 それがアヴァンとサイパスが最後に交わした言葉だった。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 引きずるような思い足取りで、腰元を押さえた初老の男が灯台の足元を一人歩いていた。 男の押さえている腰元からは圧迫により止血がなされているが今だ血が溢れている。 その顔には紅い飛沫化粧が塗られていた。 自身の物ではない、おそらくは返り血か何かだろう。 男――サイパス・キルラは足を止めると、一先ず狙撃などの襲撃のリスクの低い灯台の影に隠れ身を休めた。 イヴァンとの合流と言う第一目標は破綻した。 早急に次の目標を定め行動しなくてはならない。 サイパスが動くのはあくまで組織のためである。 生き残りを目指すのも自身の命恋しさと言うよりも、自身と言う存在が組織のために必要だから生かすと言った意味合いが強い。 彼の全ての行動はその観点で定められる。 後継者候補は必要だ。 まずはピーターとの合流を目指すべきか。 だがしかし慎重なサイパスの性格だ。 組織の存続のかかった案件だ、イヴァンのみならず仮にこの場でピーターが死んでもいいように二重三重の保険はかけてある。 次善策を進めるにはサイパスが生き残った方が進めやすい。 となると生き残りを優先した方がいいのか。 その前にイヴァンに撃たれた傷も治療せねばならない。 圧迫していれば出血多量に至ることはないだろうが、戦闘に支障をきたす。 今後の方針を幾つか頭の中で取捨選択して行き、その結論が出る前にサイパスが深い息を吐いた。 その表情には憂いのような重さが見え、年齢以上の深い哀愁を感じさせる。 それは肉体的な疲労だけではないだろう。 生き急ぐように駆け抜けてきた、その疲れが今になって現れたのかもしれない。 「…………少し、疲れたな」 呟きを残し、重い肉体を引きずる様にしてサイパス・キルラは動き出した。 まだ止まるわけにはいかない。 彼にはまだ、やらなくてはならない事があるのだから。 【イヴァン・デ・ベルナルディ 死亡】 【D-3 灯台付近/日中】 【サイパス・キルラ】 [状態]:疲労(中)、火傷(中)、右肩に傷(止血済み)、左脇腹に穴(止血済み)、右腰に銃痕 [装備]:M92FS(11/15) [道具]:基本支給品一式、9mmパラベラム弾×45、サバイバルナイフ・魔剣天翔 [思考・行動] 基本方針 組織のメンバーを除く参加者を殺す 1 ピーターとの合流を目指す? 2 亦紅、遠山春奈との決着をつける 3 新田拳正を殺す 4 決して油断はしない。全力を以て敵を仕留める。 122.三人寄れば文殊の知恵 投下順で読む 124.第八次世界大戦を越えて 時系列順で読む 俺達のフィールド サイパス・キルラ 夢をみるひと 生と死と イヴァン・デ・ベルナルディ GAME OVER
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SSその2 ◆◆◆◆ 転送前にあれほどいた観客達はいない。 大隈サーバルは周囲を見渡す。 彼女が立つのはアリーナ。それを取り囲む大理石の建造物。 ここはローマの円形闘技場。コロッセオだ。 (観客達はモニターを通してこの試合を見ているのだろう) 「見せつける。私の勝利を」 大隈サーバルは呟き、そして目の前に並び立つ二人の闘士を見た。 一人は獣の頭をした男、ファイヤーラッコ。 もう一人はカンカン帽を被った中華風民族衣装を纏った少女、七月十。 自分は、ジーンズ、キャミソ、ニットセーターのアーバンスタイルの女、大隈サーバル。 一対一対一。これは三つ巴の戦いだ。三つ巴には三つ巴の戦い方がある。 試合開始のゴングはもう鳴っている。 臨戦態勢に移るべく、大隈サーバルは両腕を高く掲げ、片足を上げる。 選択したのは抽象的で捕らえどころのない構え。力に抗するのではなく、先の後を取るための防御の型。 それは父に教わった、大隈流大熊猫の型。 大隈サーバルの構えに呼応するように、七月十が拳を構える。 三者の距離は離れている。それぞれ目測でおよそ13歩。攻撃は届かないだろう。 全員がにらみ合う中、七月十は口を開いた。 「…お前達の願いを言え」 「勝利こそ私の願い。それ以外に求めるものはない」 サーバルは決然と答えた。 瞬間————大隈サーバルの体を黒いモヤが覆う。 能力発動「期待の視線(マスストーカー)」。嘘つきに取り憑き、動きを重くする悪霊。 能力の対象は彼女とて例外ではない。むしろそれが彼女を苛むのだ。 勝利。勝利が欲しい。だが、それが自分の本心でないことは、その言葉を初めて口にした時からとうに分かっていた。 (慌てるな。動きが遅い、体が重いことはデメリットじゃない) 父の言葉を思い出す。ここまでは全て当初の予想から外れていない。 自滅しそうになるサーバルを、ラッコと七月十が心配そうな目で見つめる。 「七月十。私の願いは弟の蘇生なんだ。」 そう答えながら、サーバルは一人で考える。七月十の能力を知った時からずっと考えていた。 おそらく最終的に、自分の本当の願いはそれになるのだろう。 願いを叶える。そんな奇跡が叶うなら、願うことなど人の命以外にありえない。 しかし、だからこそ。 「ならば俺も言っておこう。俺の願いはユーチューバーになり、楽して収入を得ることだ。」 ファイヤーラッコが割り込むが、これを積極的に無視して、サーバルは自分の発言を続ける。 「死んだマーゲイは大切な弟だった。その弟に優勝を約束していてね。だから一人の姉として、お前に殴られるわけにはいかない、というのが私の願いさ」 次の瞬間、七月十が飛びかかる。同意の代わりに拳を交えようというつもりだ。 だが、その拳は意外にもファイヤーラッコが食い止める。 ファイヤーラッコは両腕を十字に構え、七月十の拳を受けていた。山を砕く拳を受け止めるほどの、野生動物の筋力! 「さっきから勝手に話を進められても困るんですけど。これは三つ巴なんだぜ」 サーバルを包む黒いモヤ…悪霊がラッコに視線を送る。だが、ラッコに異変はない。表裏のない正直な発言に、「期待の視線(マスストーカー)」は発動しない。 ラッコを挟んで、七月十とサーバルの視線が交錯する。 「すごいね。弟のために戦うんだ。なら私も手加減はしない」 (違う。結局、私は自分のために戦っているのに) ラッコを挟み、視線が交錯する。 七月十が構えを変えた。姿がおぼろげになり、体が67体のゴリラに分裂する。 「玉龍拳奥義、ゴリラ拳。」 サーバルはこの技を既に知っている。第1回戦の試合映像で七月十が見せたフィニッシュブロー。 その正体は、ゴリラ67体に幻視するほどの67連撃だ。 まさか、構えただけでゴリラに分裂するとは。 七月十も全力でサーバルの弟を復活させるつもりなのだと、サーバル自身が自覚した。 強さは想定以上だ。だが、焦る必要はない。 (試合映像は見た。奴は稚拙なリップサービスを好む) 次の七月十の発言を待つ。サーバルが動かない限り、必ず七月十は次の言葉を放つ。 「かかって来いよ。戦おう、二人まとめて願いを叶えてやる」 「えっ俺も叶えてくれるのか!?すごい!」 七月十の太っ腹にラッコが歓喜する!すごい!そう、とてもすごい! すごい、すごーい! 「私に期待するな」 (私が七月十に願ったのは、あくまで"この試合での勝利") そうだ。何もすごくない。サーバルの体を包む黒い悪霊がゴリラの群れに視線を送る。 瞬間、ゴリラの群れが黒いモヤに包まれる。「期待の視線(マスストーカー)」発動。 サーバルは確信する。七月十は…サーバルの願いを叶える気はない!! (やはりだ。七月十が"私の勝利"を願うはずがない。言葉にすれば、それは嘘となる) サーバルの勝ちたいという願いを跳ね除け、彼女の心の奥底の願望、弟を復活させたい思いに掛けるつもりだ。 なんにしろ、これでもう七月十は動けない。ただの一箇所に集まったゴリラの群れだ。ウホウホ。 「いわばこれは、お前がマーゲイを復活させるか、私が勝利するかの駆け引き。七月十、お前なんかに私の弟は復活させない」 自らの発言を受け、黒いモヤはさらにサーバルを包む。七月十だけではない。サーバルもまた自らの能力の影響下にある。 だが、そんな中で能力の影響を受けていないラッコが一匹。 策は成った。 「目指せ不労所得っ」 ラッコ特有の甲高い鳴き声を上げながら、サーバルを無視して七月十に殴りかかる。その両拳は炎に包まれていた。彼は火炎系のラッコだ。 衝突する。爆炎、、、煙の中から、ラッコとゴリラの群れが姿を現した。 だが、さすがの七月十の筋力。ゴリラ67体のどれひとつとして傷を負っていない。 サーバルは知っている。筋力の前には炎など跳ね除けられると。 「俺はファイヤーラッコ!」 彼はファイヤーラッコ! 「私は七月十!」 彼女は七月十! 挨拶を交わすと、七月十のゴリラがファイヤーラッコの胴体を殴る。しかし、ラッコもまたダメージを負わない。むしろラッコの着ていた服が炎に変化していく。自らの炎を衣服に見せるほどの…火炎系能力者! 最近は火炎系能力者は炎を衣服のように変形させて着こなすのだ。 (口裏は既に合わせてある。それだけではない。私とラッコは、既に組んで戦っている) 安全圏いるサーバルを遠巻きに、ラッコの炎がゴリラ達 67体を包む!「ウホウホ」「ウホ」ゴリラの幻影達は呻き苦しむ! 「七月十、お前みたいな危険人物を一人で相手するわけないだろ。これは三つ巴だぜ?俺たちは事前にタッグを組んでいたんだよ」 ラッコが笑う。サーバルとラッコは、既にタッグを組んでいた。 二対六十七。一見不可思議に思えるが、数の上ではサーバルとラッコが圧倒的優位。これが三つ巴だ。 計算づくで作り出した好機。これを逃す手はない。 サーバルは黒い悪霊に取り憑かれ動けない状態で、ゆっくりと地を踏み鳴らす。 震脚。 「動きが遅い、体が重いことはデメリットじゃない。私は龍気を感得することが得意なフレンズなんだよ」 サーバルの足元が割れ、大地から白い人影が姿を現した。 「大隈流大熊猫の型・龍気(たつき)」 龍気(たつき)、感得(かんとく)。 七月十が驚きを口にしようとするが、高音の炎の中では不可能だ。 「龍気(たつき)、感得(かんとく)」 震脚を極めることで至る武の境地。それはサーバルに取り憑く悪霊と対を成すかのような。白色の幻影。 「私はこの"1年間"で既に龍気(たつき)を感得(かんとく)していたんだよ」 龍気(たつき)を感得(かんとく)するためだけに費やした1年間。 求めるものは勝利。そのためなら手段は選ばない。 続いてサーバルは腰に帯びていた銃を龍気感得(たつきかんとく)に手渡す。 勝つためには手段を選ばない。そのためなら龍気感得(たつきかんとく)に銃すらも握らせる。 武の境地に至ったことで得た、龍気感得(たつきかんとく)が握るごくありふれた普通の銃弾が…ゴリラの群れに炸裂した! ◇◇◇◇ 時は遡る。 第2回戦開始より5日前。大隈サーバルは対戦相手を自らの隠れ家へと招いた。 「私はユーチューバーになるんだ」 サーバルは言い切った。 第1回戦で勝利の美酒を味わったサーバルは、手段を選ばない行動に出た。予め、対戦相手の一人を味方につける作戦に出たのだ。 まずは甘言で惑わす。ラッコの人となりは既に調べてある。このラッコ、実はユーチューバーを目指しているのだ。ならばそれを餌にするのみ。 「私は2回戦にむけての修行風景をユーチューブに流すつもりだ。そこで君に提案がある。第二回戦、私と共闘しろ。ラッコ」 「えっマジで」 寝耳に水といった表情で、ラッコは驚いていた。食いつきは良い。 「第一回戦の試合を見たが、七月十はマトモに戦って勝てる相手では無い。一人では奴に及ばない。」 相手はゴリラに分裂して敵を倒すほどの力量。ゴリラ67体にボコられて生きている者などいない。 共通敵の脅威を煽り、危機感を募らせる。 ラッコは周囲を見渡していた。動物園の檻の中にいるのは初めてなのだろう。近くにいるのは全員が大隈サーバルの協力者達。 フクハラP。父のパンダ。そして…林健四郎。 ラッコはしばし思案したが、やがて結論を出した。 「いいぜ。俺は楽をしたいだけだ。そのためならお前とも協力しよう。具体的な作戦はあるのか?」 「今の私には龍気(たつき)がある。一年で、これを完成させる。」 龍気(たつき)、震脚。震脚を極めた先にある武の境地。 それは同じ大隈流である父ですら至っていない、龍気(たつき)、感得(かんとく)だった。 「ちょっと待て。一年!?長くない?一年も修行すんの?」 ラッコの疑問に、フクハラPが解説を入れる。 「ここに第1回戦でサーバルちゃんが倒した林ケンシロウおじいさんも連れてきてるワ。彼の能力「精神と時と野菜の部屋」は1秒で1年間の修行が出来るの。野菜空間で、三人で修行するのよ。七月十を倒せるレベルまで。その修行風景をユーチューブに流す」 「よろしく」 林健四郎おじいさんが元気よく挨拶しました。 (勝つためにはなんでもする。今度こそ完全なる勝利を得る。他人の命だって掛けてやる。) 「そいつは第一回戦の対戦相手だろ?本当に味方になってくれる保証なんてないだろ」 「安心せい。儂は既に負けておる。いまさら勝者に手を出すはずがない。むしろ儂はたつき感得を見たいのじゃ。だから協力する。ラッコにも一年間の食事と機材を提供してやる」 「ただ飯!?」 目先の欲にラッコが食いついた。彼はこういう感じで釣った方が早いかもしれないとサーバルは感得した。 「もちろん七月十はユーチューブに気づく。奴とて暗殺家系。見逃すほど間抜けではない。じゃが、与える情報は取捨選択する。ラッコの姿も映像に流さない。共闘戦以外にも情報戦がある。これが三つ巴だ」 「待てよ。なら条件がある。俺は楽をしたいラッコ。一年間も修行をするつもりはない」 ラッコは楽して金を得たいだけだ。もちろん、サーバルとてラッコ的モチベーションの低さは想定済み。 しかし、ラッコの身勝手な態度を、サーバルの父のパンダは気に入らなかったようだった。 「なんだと」 「アンタらは黙ってろよ」 何か言おうとしたサーバルの父のパンダを、ラッコは言葉で制した。 「大隈サーバル。お前は随分と周囲にお膳立てしてもらってるんだな?今まで自分で何かを成し遂げたことはあるか?」 「あなたは知らないだろうけど、この子はウチのスターなのよ」 フクハラPが反論する。 「ただ周りの大人の指示に従っただけじゃないか」 「{私は…勝ちたいんだ。勝つためならなんでもする}」 答えたサーバルの周囲を黒いモヤが包む。サーバルは嘘をついている。だが、ラッコはなんの影響もない。嘘つきではないからだ。 (確かに、ラッコの言うことにも一理あるのかもしれない。) サーバルは考える。今の自分に本当に必要なのは何か。 「今のお前に一番必要なのは…不労所得だ。不労所得を得て、経済的に自立するんだ。それが精神的な自立にもつながるんじゃないのか?」 「不労所得」 不労所得。ラッコが不意に口にした不思議と甘美なその響きが、サーバルの脳内に爽やかな鈴の音のように響き渡った。 (すごい。不労所得ってすごいね。今まで考えもしなかった。そもそも不労所得ってなんだろう。) サーバルは…不労所得の虜になった。 「サーバル、なろうぜ!ユーチューバーに!」 ラッコが手を差し伸べる。サーバルは迷わずその手を取った。 「ああ。私はお前のようなバカになることを願っていたのかもしれないな」 いつの間にか、サーバルから黒いモヤが消えていた。 (勝つためには手段を選ばない。そのためならユーチューバーにだってなってやる。) こうしてサーバルとラッコは精神と時と野菜の部屋でユーチューバーになり…1年間を1秒に短縮した圧倒的動画アップにより、龍気(たつき)を感得(かんとく)したのだ。 サーバルが目指すのは、ユーチューバーになって…10万再生を突破!! ◆◆◆◆ 舞台は第2試合会場、コロッセオに立ち戻る。 5日間で1年以上という矛盾した修行を積んだラッコは、ユーチューバーとして歩み始めた自分自身を振り返りながら、第2試合の趨勢を見守っていた。 (やはり、龍気感得(たつきかんとく)は違うな) 銃弾は強い。いかに魔人といえども、銃弾という圧倒的な殺意の前には無力だ。 鈍重なゴリラ67体七月十は、ウホウホと鳴くよりも前に銃弾に貫かれるだろう。 (だが、俺の理想としてはサーバルも相当のダメージを負うこと。ともに1年修行した仲間だが、今は敵。協力するのはあくまで七月十を倒すまで。) 「コォォォオ」 その時、龍気感得が銃を撃とうとしたのと同時に、七月十が一呼吸した。 いや、正確には、火炎に包まれるゴリラの群れの中から確かな少女の息遣いが、ラッコの耳に届いたのだ。 「ぷぅっ!」 肺活量。尋常ならざるただの呼吸が、弾丸にぶち当たる。押し戻され、龍気感得(たつきかんとく)の手に突き刺さる弾丸。 同時に、あまりにも強い息は、ゴリラの群れを覆っていた炎を掻き消す。 「玉龍拳奥義、龍の息吹」 「おいおいおい」 (ダメだ。規格外…過ぎる!!) 即座にラッコは絶望感に襲われた。彼はただ楽をしたいだけで、元よりゴリラの群れに挑むような気概はない。今回はたまたま、サーバルが手伝ってくれると言ったからユーチューバーになっただけだ。 鈍重なゴリラの群れが…ラッコを襲う!かと思われた。 だが、ゴリラの群れの動きが遅い。黒いモヤが纏わりつき、まさにゴリラ・ゴリラ・ゴリラだ。 (そうだ、当たり前だ。今の七月十は「期待の視線」でマトモに動けないではないか) 「千載一遇のチャンス!」 ラッコは筋肉防御を最大限に発揮し、壁の如き隆々たる体格に変化した。火炎を跳ね除けるほどの筋肉があるからこそ可能な…力技だ! 「ちくしょう…楽に勝つには…サーバルが願いを叶えられて、なおかつ七月十が倒される相討ちが理想系だったんだがな。」 (林のじいさん。今頃なにしてるのかな…) 「今だっやれっ!」 ラッコが背後のサーバルに視線を送る。 サーバルは黒い悪霊に覆われ、白い龍気感得(たつきかんとく)に支えられていた。 もうサーバルは、いかにも誰かに助けて欲しそうな、1年間の獣の表情ではない。あの顔がラッコの同情を誘ったのも事実だが、今のサーバルは真っ直ぐな眼をしていた。 「私は勝ちたい。なぜなら弟のために負けたなんて、姉として思われなくたいから。私が使うのは父の技。だが…今の私はユーチューバーだ!」 悪霊とたつき感得がサーバルの肩を持つ。 「行こう。みんな」 サーバルとたつき監督と悪霊の姿が重なる。 三位一体。震脚ピストル弾。 あらゆる獣の命を刈り取る死神(フレンズ)、白と黒の混在したサーバルは、大熊猫のような渾然一体とした姿に変化した。 「三位一体震脚ピストル弾」 ラッコの姿が死角となり、三位一体震脚ピストル弾を放つ。 魔人能力と武の極致がその身に宿った姿から放たれるごく普通の弾丸。あらゆる拳や蹴りよりもよほど殺傷力が高い。 ラッコの姿が影となり、七月十には弾丸の死線を捉えられない。 「私は嘘つきだ」 弾丸よりも速いスピードで、七月十が呟くのをラッコは耳にした。 七月十は嘘つきだ。その言葉は、七月十が正直者であることを意味し———— 「!?」 刹那の交錯。ファイヤーラッコはゴリラの群れを覆っていた黒いモヤが消失していることに気がつく。 (嘘つきの…パラドックス!?えっそんなんありなの) 嘘つきのパラドックス。「私は嘘つき」その言葉は、発言者が正直者であり、嘘つきではないという矛盾を表す。 期待の視線を送るだけの悪霊には、この矛盾を解決する答えは持ち得ない。 システムエラー、悪霊が行動不能に陥る。七月十からモヤが消えている。 「あのさぁ、試合中に、ウダウダ考えてるみたいだけど」 ラッコの視界から、ゴリラの群れが消えている。 ラッコの視界から、七月十が消えている。 「もっと早く行動を起こすべきだったね」 これまでの稚拙なスピードが夢のように、ラッコが振り返った時には、大隈サーバルはゴリラの群れに突撃されていた。 速度で負ける。大隈サーバルは、コロッセオの大理石の壁に埋まった。 (サーバル場外!!) 七月十の拳が、光り輝いている! 「玉龍拳奥義、果報大願成就一念一殺。こいつの願いは叶えたぜ。さあ、お前の願いを言え」 ラッコには七月十の好戦的な笑みが悪魔のように見えていた。 大隈サーバルの願いが、叶えられてしまった!! サーバルの弟が生き返った!これでもう、戦いへのモチベーションを失ったサーバルは戦えない。 大隈サーバル、脱落————!? 試合場に残っているのは、僅かに黒い悪霊と龍気感得(たつきかんとく)だけだ。 (えっあれ?悪霊と龍気感得(たつきかんとく)残ってんの?) サーバルはギリギリで踏みとどまっている。悪霊と龍気感得(たつきかんとく)が試合場に残っている。サーバルはまだ生きている。未だ闘志を失っていない。 生きて喰らい付いている。獲物は逃さない獣の眼をサーバルは瓦礫の中から七月十に送っている。 そしてラッコが生きている限り、未だサーバルの勝利は生きている…! 試合続行!未だ四対六十七に変わりはない。 「へっ…!どうやら時間は俺たちに味方してくれてるみたいだぜ!」 「…?」 勝利を確信したラッコの発言に、ゴリラ67体は一斉に首を傾げた。 「試合開始から10分だ。知ってるか?試合開始から10分が経ったんだぜ?」 そう、あの時も。そしてあの時も。10分という数字は非常に重要な意味を持っていることを、ラッコは既に学習していた。 ◆◆◆◆ 瓦礫の中から瀕死の大隈サーバルが見たのは、突如として痙攣し、白眼を剥いて凶暴化するラッコの姿だった。 (ギリギリ間に合った。これがあるからこそ、第一試合の映像を見た私はラッコを味方に付けたんだ。) 痙攣しながら首を縦に降るラッコ。これは恋?いいえ、これは真実です。ファイヤーラッコ…否、爆発オチ太郎の真実だ!!!! 「田(wiki構文)!というわけで、はい!突然ですがここでオレ様爆発オチ太郎の出番でーす!」 ファイヤーラッコが意味不明の言論を発声する!! いや、今の彼はファイヤーラッコではない。多重人格者ファイヤーラッコの主人格…爆発オチ太郎だ! 「なんっ」 何か言おうとした七月十の顔面に、ファイヤーラッコ、いや、爆発オチ太郎がヒザ蹴りを咬ます! 「爆発オチ太郎は、文字数や時間や気分的な問題や試合で10分が経過することによって自然発生する形而上存在です!!」 「意味が…」 狂人に理屈は通用しない。彼にはこの世全てが第三者視点で見えているらしく、脳内でファイヤーラッコの行動やアマゾンのアフィリエイト、wiki構文などが混在して見えているそうだ。 これは、1年間の授業中、大隈サーバルがファイヤーラッコから聞き出したり悟ったりした確かな事実である。 爆発オチ太郎は、狂っていた。彼は生まれた時は人間の赤ちゃんだったが、幼少時に尊敬する歴史上の偉人、西郷隆盛の人生が、家族が死んだり意外と悲惨だったことを知り、ショックで己の顔面の皮を剥がし、代わりに家にあったラッコの剥製を頭に被って、細胞レベルからラッコ化したのだ。 そしてファイヤーラッコの人格が生まれた。これに義憤を感じた爆発オチ太郎の両親は、いつか彼が本当の西郷隆盛のような器の大きい男になれるようにと、全ての事実を伏せ、おたふく風邪の治療の為にラッコになったと嘘を吐いたのだ。 思えば、全ての伏線は当初より存在した。第一試合の勝利者インタビューで、ラッコだけが謎の爆発で中止になった。 それが、ファイヤーラッコの主人格爆発オチ太郎が今年の大河ドラマ、西郷(せご)どんの録画を観るために欠席したのだと、サーバルは運良く早期に気付いた。 (今年の大河ドラマは西郷隆盛。だから、奴が西郷隆盛を原理に動いているとピンときた。西郷隆盛は私も含めてみんなに慕われる英雄だから) そんなことを考えている間に、爆発オチ太郎の背後に亜空間が出現する。空間すらも焼き尽くし、ワームホールを現出させるほどの、高威力の炎!すべては、自らを形而上存在だと思っている狂人だからこそ通る理屈だ。 「よいサイズの石油コンビナート〜!」 二人の頭上によいサイズの石油コンビナートが出現!このまま引火すれば、三人全員が爆発オチで場外になる可能性が大! 「良いぜ物理上存在…私の拳で願いを叶えてやる!」 「俺は形而上存在だ。誰がなんと言おうと形而上存在なんだ…!」 七月十が爆発オチ太郎を挑発する。爆発オチ太郎は、自らが形而上存在であることを証明するために、物理上のパンチを放つ! 「形而上パンチ!」 「うおおおー!」 強さこそが証明である現代の倫理観からすれば、徒手空拳で形而上存在だと示そうとする爆発オチ太郎の行動を、誰が笑うことなど出来ようか。 サーバルが見たのは、爆発オチ太郎と七月十が拳を交えながら空中を二段ジャンプする光景だ。 「玉龍拳奥義、東京大空襲!」 そしてダイナミックな音が鳴り響く。二人の熱に石油コンビナートが引火し、大爆発を起こしたのだ。 空中で二段ジャンプしていたラッコと七月十は爆発から逃れている。 大隈サーバルは爆発に巻き込まれ、ギリギリ堪えていたが、ついに場外へと吹き飛んで行った。 ◆◆◆◆ 大隈サーバルは場外となったが、悪霊と龍気感得(たつきかんとく)はまだコロッセオに立っていた。 「同じユーチューバーとしてラッコの暴走を見ておくままには出来ない。思い出せ、爆発オチ太郎。いや、ファイヤーラッコ」 悪霊はこの1年間の修行で、ファイヤーラッコに友情を感じていた。その思いが、悪霊を踏みとどまらせたのだ。 その熱い気持ちは龍気感得(たつきかんとく)にも伝わった。白い人影は一層人間らしい造形を深め、今やそこに立っているのは社会的信用のある中年男性だ。 「こうなれば我々が奴を止めるしかない。受け取れっ我々の社会的信用だ」 龍気感得(たつきかんとく)と悪霊が空を飛び、爆発オチ太郎の姿に重なる。ラッコ!パンダ!ベストマッチ!! 悪霊と龍気感得(たつきかんとく)。二人の社会的信用を得た爆発オチ太郎の姿が、人間らしい造形へと変形してゆく。 「馬鹿な…あいつは!」 七月十が驚きの声を出す。今の爆発オチ太郎、いや、ファイヤーラッコ、いや、その男の顔面は…俳優の西田敏行にそっくりだ! 西田敏行の顔をした男は、空中で神々しく目を開いた 「きばれ、せごどん(薩摩弁でがんばりない、西郷隆盛。という意味の挨拶)」 今のファイヤーラッコは…三位一体、西田敏行太郎! 西田敏行は西郷隆盛の大ファンであることは業界でも有名だ。その縁故が、爆発オチ太郎を西田敏行太郎の姿へと導いたのだろう。 「ダメだ、作戦は失敗だ。きっと悪霊の社会的信用が足りないせいだ」 「俺のせいにするなよ」 悪霊は龍気感得(たつきかんとく)に怒りを覚えた。 「おいは、この世すべてのせごどんをきばらせようとする西田敏行太郎でごわす。きばれ!せごどん!」 「ダメだ。暴走が止まらない。七月十、頼む。我々が西郷隆盛のまま…こいつを殺してくれー!!」 龍気感得(たつきかんとく)が悲痛な叫び声を上げる! 「ラッコ!お前の求めた日常は西郷隆盛でもなければ西田敏行でもないはずだ!私にはわかる!私を見ろ!私と戦えー!」 七月十の全力の拳が、西田敏行太郎を貫く。 「玉龍拳奥義!果報!大願成就!一!念!一!殺!」 光り輝く拳が全てを包み込み、そして破壊してゆく…!空中では全ての威力が西田敏行に伝わり、ダメージの逃げ場がない!! ◇◇◇◇ 「見よ。二ヶ月前にアップした動画が13回再生じゃ。精神と時と野菜の部屋では1秒が1年じゃから、相当なペースじゃぞ。」 ファイヤーラッコの記憶の中で、林健四郎おじいさんが嬉しそうに言った。 林健四郎おじいさんの能力、精神と時と野菜の部屋で修行を開始してより十一ヶ月。既に大隈サーバルは龍気の感得に成功し、アフィリエイトの収入も僅かであるが増えていた。 「これは…俺の記憶だ」 自らの精神世界で、ファイヤーラッコは悲しそうに呟く。 次の瞬間、場面は変わり、そこには血を吐いた林健四郎おじいさんが力なく横たわっていた。 「バカヤロー!どうして、どうしてだ、ケンシロウおじいさん…!」 「ぐふっ!この野菜空間では…能力者か、敵が死ぬまで闘い続ける。つまり、儂が死ぬしか、お前とサーバルがここを出る術は無いのじゃよ」 ラッコは怒りに任せ、サーバルの胸ぐらをつかむ。 「サーバル!てめー…このことを知ってやがったな!お前はケンシロウおじいさんを殺してでも、自分だけがユーチューバーとして収入を得ようとしたんだ」 「私は勝つためならなんでもする。たとえ他人の命だって天秤にかけてやる」 そう言ったサーバルの姿が黒いモヤに包まれる。ラッコはやり場の無い怒りを感じていた。 「試合以外で殺人を犯した選手は敗退だ。ラッコよ。私は初めから、ケンシロウおじいさんの死をお前の責任に押し付けて、都合よく私だけが勝ち残るつもりだったのさ」 「嘘だ!なら何故そんな黒いモヤに包まれる!俺はただ楽に収入を得たいだけだったのに…いつの間にかお前に友情すら感じていたんだぜー!」 そして更に場面は変わり、そこには爆発オチ太郎が亜空間から石油コンビナートを出現させる光景が広がっていた。 「あれは、俺だ。俺こそが爆発オチ太郎だったんだ」 「突然ですが、ここでオレ様爆発オチ太郎の出番でーす!」 記憶のラッコが悲しそうに、孤独そうに叫ぶ。 「亜空間…!?そうか、このワームホールから、野菜空間を脱出するんだ!まだ林健四郎おじいさんが助かる見込みはあるぞ、ラッコ!お前は大した奴だよ…!」 サーバルが健四郎おじいさんを背負い、自我を失ったラッコにしがみつきながら、石油コンビナートの爆発を利用して亜空間へ放り出された。 「そうか。俺は自分に都合の悪い記憶を封印していたんだ。」 全てを思い出したラッコは…またもや場面が変わり、目の前にデカくてガタイの良い学生が現れるのを目にした。 「よう、久しぶりだな」 「お前は、第1回戦で死んだ俺の対戦相手のチョコケロッグ太郎」 チョコケロッグ太郎。彼は、ファイヤーラッコが第1回戦で倒した対戦相手だ。 「死んでないけどな。ここはお前の精神世界だから、なんでもアリなのさ」 「そうか。ケンシロウおじいさんが助かって本当に良かった。危うく俺は人を殺すところだった。本物のユーチューバーへの道のりは遠いな」 するとチョコケロッグ太郎は、ラッコに手を差し出した。 「受け取れ、コーンフレークだ」 「ありがとう…日常の象徴。俺はなんでもない普通の日常が欲しかっただけなのかもしれないな」 「行くのか?ラッコ」 「ああ、俺にはまだユーチューブがあるからな。シリアルキル…コンプリート!」 コーンフレークを握りしめ、ラッコは亜空間のワームホールへと足を運ぶ。その穴は、丸くてまるでちくわの穴のようだと少し思った。 ◆◆◆◆ 二度の全力。全てを出し切った七月十が目にしたのは、ファイヤーラッコ、いや、西郷隆盛太郎が全身の筋肉を巧みに用いて、さらなる変貌を遂げる絶望だった。 「ちくわああああ!!」 西田敏行太郎の姿が、穴の空いた練り物…巨大なちくわへと変形してゆく! ちくわ…チューブ…ユーチューブ。これが本物のユーチューバーだ!! 「ちくわああああ!!」 「えっちくわ」 一瞬の油断。七月十がちくわに食われる!!食われる七月十。これが自然界の掟だ 「一緒に10万再生を目指そうぜ?」 七月十を食われたゴリラ67体の幻影たちは、慌てふためき逃げ惑う。大将を破られた軍の末路などこんなものだ。 そのゴリラの群れを、ちくわは次々と捕食してゆく。すべては10万再生を達成するために。 圧倒的破壊。もはや試合会場にはちくわしか残っていない。だが、七月十はただ食われただけで、生死不明なのでまだ試合は終わっていないよね。 そして、さらなる異変。ゴリラの力を取り込んだちくわが、黒く変色してゆく。まるでゴリラの体毛のように。 ちくわゴリラホイール。 そこには、一体の巨大なタイヤが宙に浮かんでいた… 「奴はどこまで進化するんだ」 場外になったサーバルは、敗北を確信して尚戦う意思を失っていなかった。場外の領域から、コロッセオのちくわゴリラホイールに向け、無意味な大量のたつき感得を放つ。一体、二体…大量だ。 「ラッコ…日常に戻るんだ」 サーバルは苦しそうに叫ぶ。今のちくわゴリラホイールはいわばラッコと七月十が融合した存在とみなされ、両者健在の扱いのまま試合は続行している。 「こんな形の勝利は…私たちの求める勝利ではない!」 サーバルが、叫ぶ!その声はちくわに届く! 「なれ…ラッコ。本物のユーチューバーに、なれーーーっ!!」 心からの言葉!サーバルを包み込んでいた黒いモヤが、晴れてゆく…! 「お姉ちゃん、カッコいい」 不意に弟の声が聞こえたような気がした。 反射的に振り返るサーバル。 そこには、いた。最愛の弟が。マーゲイが。元気に立って、サーバルを応援していた。 「とりあえず生き返ったんだ。お姉ちゃん。ありがとう。七月十が殴った時に僕は生き返ったんだよ」 「マーゲイ!」 サーバルは最愛の弟に抱きつく。 「もう離さない!もう離さないからな!」 「あはっ痛いよ、お姉ちゃん」 マーゲイが嬉しそうに言う。サーバルが抱くその背中には、奇妙にも小さなタイヤが一つくっついている。 「えっタイヤ」 「お姉ちゃん。もう人類は自分たちの足で歩く必要は無くなったんだよ」 マーゲイが虚ろな目をして微笑む。 ちくわがケロッグコーンフロスティをばらまきながら爆炎を上げる。コロッセオから全世界へ放たれたケロッグコーンフロスティは、世界中の人間に取り憑き、背中にタイヤを生やすという奇跡を起こしたのだ。 「せごどん、きばれ(薩摩弁で、背中にタイヤを生やしなさい西郷隆盛。という意味の挨拶)」 絶望は終わらない。これは、キメラ存在に七月十の願いの力が悪い方向に働き、西田敏行太郎の願いを叶えてしまった結果に違いない。 弟が背中にタイヤが装着され、仰向けになってコロッセオ周辺を高速でドライブし始めた。 「見てお姉ちゃん。僕はもう歩く必要なんてない。これで病気も治ったんだよ」 「ああああーっ!神は!神はいないのかーーーっ!」 大隈サーバルは、自分自身もまた仰向けになり背中のタイヤでドライブウェイしていることにも気付かず、天に向かって叫んだ。 ◇◇◇◇ これは、記憶。七月十が戦うための原動力。 「もう…戦いたくない」 暗闇の室内で、一人の少女が呟いた。その表情は暗く、読み取ることができない。 「もう誰も殺したくないの。あなたも殺したくない。逃げて」 「おいおい、俺はなんでもないごく普通の少年だぜ?お前が家族の為に人殺しなんてさせられてるのは知ってるが、ハイかイイエで答えるためだけの正直さなんて、本当の正直さとは言えねーんじゃねーかな」 少年の姿もまた暗闇の中、明確に見ることは出来ない。彼は少女と向かい合い、対峙している。 「なら…どうすればいい。私はあなたを殺すよう命令を受けてる」 「明確な答えなんてないと思うぜ。ただ…こんな人になりてーって人の真似をすれば良いんじゃないかな」 暗闇の中、確かに少年は笑った。 「笑顔になれナナガツジュウ。笑顔の方が素敵だ」 「私の名前は、その読み方ではない。でも私の笑顔を見たいってことは…告白してるってことでいいのよね?とりあえず私の実家に行こうか」 「えっ」 ◇◇◇◇ 試合開始より5日前。七月十はグロリアス・オリュンピア参加者専用のホテルの一室で、ユーチューブの動画を見ていた。 「ねえ七月十お姉さま。まだ再生できないの?」 「なんで勝手に人の部屋にいるの。佐渡ヶ谷さん、悪いけど集中したいから出て行ってくんない」 「酷いわ〜」 「黙って、動画が始まった」 再生された動画には、「白人男性の講座」とタイトルが付けられていた。 「佐渡ヶ谷さん、見て。白人男性だよ」 動画の中の白人男性は、第1回戦で七月十が戦った対戦相手。佐渡ヶ谷真望のタッグパートナーだった男だ。 「SMとは心だ。真のSMに武器は必要ない。七月十。鞭打。鞭の理合を手に表す。近接拷問術は必ず玉龍拳に取り入れられるはずだ。」 白人男性は、ミラノから七月十へアドバイスを送り続けていた。 ◆◆◆◆ 「玉龍拳は…無体ぶりなんだよ!!!」 ちくわゴリラホイールからジャズの名曲whip lushの口笛が聞こえたかと思うと、少女の怒声が内外に響いた。 次の瞬間、ちくわゴリラホイールの穴から飛び出したのは、67体のゴリラと、女王様に鞭を打つ、白人男性達67体の幻影だった。 「おばあちゃんが言っていた。歩くことを止めた人類はやがて高速移動しながら電柱に頭をぶつけるだろうと」 「七月十、生きていたのか」 サーバルが背中のタイヤで高速移動しながらコロッセオ場内に再入場し、七月十に駆け寄る。 「ああ、ちくわには穴があったから、そこから脱出できた」 ————生物学上の盲点!ちくわには穴がある為、捕食されても脱出出来る! ゴリラと女王と白人男性の群れに囲まれた七月十は、沈痛な面持ちで上空を飛翔するちくわを見上げた。 「すげえよアンタラ、たった二人でここまで…お前たちは初めから組んで戦っていたんだな!全部お前達の仕業なんだな。決着をつけよう、サーバル!」 「えっ」 サーバルが素っ頓狂な声を出すが、テンションの上がった七月十には聞こえない。 「まだ試合終了じゃない!戦おう!サーバル!」 「私はもう場外で負けたわ。巻き込まないで!もうやめてー!」 「断る!」 七月十は構えを変える。 次の一撃で決着をつける。ユーチューブの力は強い。倒すことを諦め、白人男性拳で場外狙い。 手刀を天に掲げ、もう片手を地に向ける。これこそがSMの理合を両手で表す、鞭打の型。 続いて大地を破壊しながら平行移動、加速が頂点に達すると同時に空を飛行し、ちくわにタックルした。 「名付けて玉龍拳新奥義、白人男性拳、一気呵成の型。」 手刀を振り抜き、爆発が起こる。ちくわが爆発に巻き込まれて場外。 67体のゴリラと女王様とそれらに鞭を打つ白人男性が大量にばら撒かれ、エネルギーの幻影となって敵を打ち倒す。 ちくわと龍気感得(たつきかんとく)、悪霊、サーバルが苦悶の表情を浮かべたような気がしたが、全部まとめて吹き飛んでいく。 「この技を食らった者はミラノに行きたくなる。てめーらみてーなクソヤローどもは…ミラノまで飛んでっちまいな!」 三大アニマル大決戦。 ユーチューブVS龍気感得(たつきかんとく)VS白人男性の三つ巴の戦いは、白人男性に軍配が上がった。 ◆◆◆◆ 「えっ場外?」 グロリアス・オリュンピア会場、貴賓席にてエプシロン王国の王女、フェム=五十鈴=ヴェッシュ=エプシロンが言った。 「ちくわ殺してないの?えっどうすんのこれ。周辺の被害とか」 「ちくわが場外になった以上、勝利は七月十のものですが、このままでは全人類に被害が及びますね」 侍女のピャーチが冷静に分析する。 その時、試合場を移すモニターが、七月十の発言を捉えた。 「確か戦った後処理は全部フェム王女がやってくれるんだったな…あとは全部任せたぜ!王女様!」 「と、いうことだそうです。元はと言えばあなたが望んだことですよ、フェム様」 ピャーチが無感情に言い放った。その背中にはタイヤが生えており、室内を高速移動していた。 その時、緊急通信の連絡が入り、五賢臣のビデオ電話が映し出された。 「頼む…フェム王女、もはや君しかいない。我々五賢臣の力では…ぐあああああ電柱に頭をぶつけたあああああ」 五賢臣の連絡は途絶えた… 「NOOOOOOO!!!!」 不労所得の恐怖!フェム王女は叫んだ。背中のタイヤで高速移動しながら叫んだ! ◆◆◆◆ 試合決着より数時間後、疲労困憊で倒れているフェム王女が頭にタンコブを膨れさせてコロッセオに寝転がっていた。その傍らには国王が咽び泣いている。なんとかちくわを説得したのだ。 フェム王女は、ユーチューブの金ボタンと浮遊大陸油田の利権、20万円のポケットマネー(エプシロン王国が保有する財産の一割二分五厘)で手を打った。人類は救われたのだ。 その代わり、フェム王女はさすがにこっぴどく父上に怒られたわけだ。 周辺には、倒れている悪霊太郎、たつき監督太郎、サーバル、そして西田敏行太郎がいた。 「お前たち二人は今まで戦った中でもかなり強い部類だった」 七月十はボロボロの状態で、地面にあぐらをかきながらそう言った。 「私に期待しないでくれ」 サーバルは弟を抱きしめながら、照れくさそうに笑った。 瀕死の西田敏行太郎は、天を仰ぎながらゆっくりと口を開く。 「七月十。ひとつだけ頼みがある」 「なんだ」 「俺たちは勝ちにこだわりすぎるあまり、ユーチューバーとしての道を踏み外してしまった。頼む…俺たちの代わりに本物のユーチューバーに…」 「ああ、任せな!」 交通事故の発生件数は年間40万件を超えています。中には死亡も伴う痛ましい事故が3600件も含まれます。法律を守り、適正な運転を心掛けましょう。長時間の運転や、危険な走行ドリフトなど、決して無理はなさらないで下さい。 ◆◆◆◆
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ばかやろう節(2) ◆hqLsjDR84w ◇ ◇ ◇ ギイ・クリストフ・レッシュの脳内にふと蘇ったのは、栗色の髪をした少女の姿であった。 不可解な事態に巻き込まれてなお明るく振舞い、屈託のない笑顔を浮かべていた――井上真由子。 当初、ギイは死した自分が生きている現実に戸惑い、まだ殺し合いに対してどう動くかを決めかねていたのだ。 混乱しながらも、とりあえず武器を確認しようと思い立った。 知らぬうちに背負っていたリュックサックを引っくり返すと、すぐに彼女は現れた。 「だめぇぇーーーーっ!」 と、叫びながら。 自分より動転している相手を見ると、妙に冷静になるものだ。 彼女をどうにか落ち着かせて話を聞いてみると、なんでも支給された刀が妖気を放っているので危険だという。 ギイは内心で疑いながらも口には出さず、同封されていた説明書を確認してみれば、その刀は『八房』という名の妖刀だと記されていた。 その説明書を見せると、真由子は安堵したように大きく息を吐いた。 「ふぅーー……危ないところだったぁぁ~~~。 もし剣を抜いてたらどうなっていたか……なにがあっても、絶対に抜かないでくださいね」 そもそも懸糸傀儡『ジャック・オー・ランタン(略してジャコ)』が入っていた時点で、ギイには刀を使うつもりなどなかった。 だというのに、真由子は他者を案じて走ってきたのだ。 こちらがどういう人間なのかも知らなかったというのに。 相手が相手ならば、そのまま殺されてしまっていたところである。 いかに危険な行動であったかをギイが教えると、なぜか彼女は笑った。 「でもお兄さんは、私を殺さなかったじゃないですか」 最初はなにを言っているのか分からず、聞き返しそうになったほどだ。 数分かけて意味を理解するとどうしようもなくおかしくなり、ギイは自らの名を明かした。 告げられた名前を数回復唱してから「難しい名前ですね」とはにかむと、真由子はハッとしたようにリュックサックを開いた。 「私には使えないんですけど、もしかしてギイさんは使えませんか? あの、私のせいで刀を使えなくなっちゃいましたし……せめて武器をなにか……」 言いながら取り出した蔵王から出てきたのは、視力のいいギイでさえ目を凝らさねば見えぬほど極細のワイヤー。 説明書によれば、『殺鳥(あやとり)』という暗殺術に用いられる逸品だという。 ワイヤーは特殊金属製で、触れた物質をたやすく切断するとのことだ。 専用の手袋があれば糸に触れることができ、それこそあやとりのように糸を操れるらしい。 とはいえ真由子に支給されたのはワイヤーが五本だけであり、安易に触れれば指を欠損しかねない。 ギイは長年マリオネットを操ってきたので、糸捌きには自信がある。 手袋さえあれば多少使えるかもしれない――が、なければさすがに不可能だ。 正直に言いかけて、ギイはやめた。 どうやら真由子は、刀を抜くのを制したことに負い目を感じているらしかった。 話を聞く限りむしろギイは助けられたのだが、そのように説明すれば余計に恐縮してしまうかもしれない。 「使えなくもなさそうだ。ありがたく受け取っておくよ、マユコ」 そんなやり取りをしてから二人で名簿を確認して、ギイは見つけてしまった。 何を捨ててでも守らねばならない、他の誰よりも優先すべき、才賀エレオノールの名前を。 以降、真由子と会話を交わしながらも上の空で、ひたすら思考を巡らせ――決断した。 エレオノールだけを生還させよう、と。 そして、ギイは真由子を裏切ったのだ。 彼女の命を奪った上に、他者から信用を得るためだけに妖刀を抜かせ、さらに。 またしても、だ。 真由子がワイヤーを渡したとき、このような使い方をされるとは思っていなかっただろう。 未だ残る人の心が、ギイ自身を制そうとする。 黒衣(くろご)となる決意をしたというのに。 良心を振り払うように。 くいっ、と。 指を動かし―― ――ギイ・クリストフ・レッシュは糸を引いた。 人形遣いが糸を引けば、果たしてなにが起こるのか。 ――――人形が踊り、劇が動くのだ。 ◇ ◇ ◇ 宮本武蔵は、妖刀の鍔を親指で押した。 鞘から染み出していた妖気は、ほんの少し刀身を露にしただけで外界に噴き出す。 底冷えする気配を肌で感じ取り躊躇しかけるも、武蔵は腹を決める。 宮本武蔵は、伝説の剣豪である。 いくら年老いたといえど、剣一本に怯えてなにが剣豪か。 いざというときに退いてしまうのが伝説であるのならば、そのような伝説は燃やしてしまえ。 相対している憲兵番町は、魔剣を思いのままにしているのだ。 若造が魔を従えて見せたのならば、老いぼれは妖(あやかし)を抑え込んで見せてくれる。 己を奮い立たせ、宮本武蔵は妖刀を抜いた。 柄を強く握り、勢いよく一閃した――つもりであった。 思い切り振るったと同時に、妖刀ごと右腕はあらぬ方向へと飛んで行った。 妖刀を渡される際、ギイの操るジャコが武蔵の周囲を回転していた。 そのときに、ジャコは武蔵の身体に極細のワイヤーを巻き付けていたのだ。 察知できぬほどに緩く纏わりついていたのだが、その状態で居合いを放ってしまった。 自ら、チタン合金をも両断するワイヤーに向かって力をかけたのである。 同じくして――ジャコの体内にある歯車が回転し、軋むような音を上げる。 左手で抱きかかえていた烈火を落下させ、右手に握った巨大鎌を高速振動させる。 烈火は、未だ事態を呑み込めていない。 しかし理解し切っていないながらも、振りかざされた鎌が次にいかなる動きをするのかは分かる。 咄嗟に炎を発現させるようと、人差し指で空中に文字を記す。 選択した火竜は『円』。 憲兵番町の斬撃をも防いだ防護壁ならば、超高速で振動する鎌とて防げるだろう。 だが二画目の半ばまでしか書き終えていないところで、烈火の右手は斬り落とされた。 手首から先が宙を舞うのを目にしながらも、烈火は左の人差し指を伸ばす。 伸ばし切ったところで、左手首を鎌が切断した。 重力に引っ張られていき背を地面にぶつけてから、遅れて激痛が烈火を襲った。 たまらず表情を歪めていると、ジャコは続いて両足首へと鎌を下ろした。 今度は、声を抑えられなかった。 「…………殺鳥、だと?」 絶叫が二つ響くなか、憲兵番町は冷静に武蔵の腕を切断した凶器を見極めた。 得物の元まで這いずろうとしている武蔵を蹴り飛ばし、妖刀を拾い上げる。 刀にくっついていた腕を放り投げて、ギイのほうを向き直る。 うずくまる老剣士にも、のた打ち回る炎術士にも、憲兵番町はもはや興味などなかった。 彼の食指を動かすのは肉ではなく、命なのだから。 「どういうつもりだい、人形遣い……いや糸遣いと改めたほうがいいかな」 「人形遣いで構わない。糸を使ったのは初めてだ」 「そうかい。だけど、そちらは本題じゃなくてね」 妖刀の刃が、ギイへと伸ばされる。 「人の獲物を掻っ攫う君は、どういうつもりなのか。 小生はそれが聞きたくて聞きたくて、たまらないのだよ」 「提案がある」 睨みつけてくる視線の鋭さを意に介さず、ギイは切り出す。 返答次第では憲兵番長が飛びかかってくるのは明らかであったが、ギイは一世紀以上に渡り自動人形(オートマータ)と死闘を繰り広げてきた身だ。 外見こそ青年であるが、殺気を浴びせられたくらいで取り乱すほど若くはない。 憲兵番町の周囲を回るようにジャコを近付かせ、雷神剣を手渡させてから戻す。 「憲兵番町――君、僕と組まないか。 最後の一人になろうにも、八十人近くも一人で殺すのはさすがに骨が折れるのではと思い始めてね」 この言葉には、嘘が含まれている。 エレオノールが生きている現在、ギイ自身には最後の一人となるつもりはない。 もう一つ。 マリオネットが手元にある以上、八十人程度殺害するのはギイにとってたやすい。 二百体もの自動人形を一晩に破壊した実績のある人形破壊者(しろがね)であるのだから。 問題なのは、八十人の詳細である。 ギイがかねてより知っていた名前は、彼を除いて十三個。 うち十二名が、全力で戦わねばならないほどの実力者ばかりだ。 除かれた一名とて自動人形であり、決して気は抜けない。 もちろん十二名のうちエレオノールは殺さないにしても、それでも十一名。 その全員が、使い慣れないジャコでは厳しいかもしれないと思わせる相手である。 フェイスレスに至っては、愛用のマリオネット『オリンピア』をもってしても苦戦は必至だ。 しかも、エレオノールを生還させる上で高い壁となるのは十一名だけではない。 骨董屋前で出くわした氣法師、憲兵番町、花菱烈火、宮本武蔵――と見てきて、ギイは確信した。 出会った五人中四人、全員がかなりの強者である。 いま思えば、真由子の言っていた『法力』うんぬんといった話は真実だったのかもしれない。 だとすれば、五人全員がなにかしら人間の域を超えた力を持っていることになる。 ゆえに、結論を下したのだ。 ギイ・クリストフ・レッシュ一人で殺し尽くせるほど、このプログラムは甘くない。 誰かと手を組まねばならない。 できるだけ強く、人殺しに躊躇のない――そんな参加者と。 そして、憲兵番町を選択した。 最初は言葉の通じぬ狂戦士かとも思ったが、戦闘を見ているうちにすぐ認識を改めた。 思いのほか頭が回り、交渉の余地があるように思えたのだ。 下手をすれば噛み付かれかねないが、危ない橋を渡らねば到底目的を達成できないことは明白だ。 「断ると言ったら?」 「それは困るな。どうしたらいいものか」 「まったく、よく言う」 妖刀を手放すと、憲兵番町は雷神剣を振るわずに電撃を放つ。 青白い火花が刃となって、身体に巻きつけられたワイヤーを切り刻む。 「きちんと考えた上で、保険までかけておいて。 殺鳥を相手にするのは初めてだが、一度見て考慮してなければ危ないところだったな」 「組むに値するかの試験さ」 「やれやれ、人形遣いも糸遣いも相応しくはなかったね。 君はとんだ『道化』だよ。すでに道化の名を冠する者がいるのが残念だ」 絡み付いていたワイヤーを切断したのを確認して、憲兵番町は雷神剣をかざす。 激しい炸裂音とともに、雷光が刃を覆って雷刃を構成していく。 「ところで、なぜ彼の手と足をまず落としたんだい。 小生のように音色を楽しむのならばともかく、殺すつもりなら首や心臓を狙えば終いだったろうに」 「……指が攻撃の起点となっているのは明らかだった。 急所を突いて終わってくれればいいが、死に切らずに竜など呼ばれては困るからね」 当時は話半分であったものの真由子から妖(ばけもの)の話を聞いていたし、ギイ自身もしろがねだ。 死ぬまでに時間のかかる存在を知っているからこそ、まず攻撃手段と足を奪った。 「なるほど、死に至る負傷でも倒れない輩もいるからねえ」 「本当にね。身体が冷たくなっているというのに、気合だけで立つ人種までいる」 「そんな輩を斬るのがたまらないんだけどね」 「そうかい」 「そんな輩でも、君は殺すつもりなのだろう?」 「そうなるな」 「くくっ」 「……ふん」 会話をしている間も、雷神剣は未だ眩く輝いたままである。 本来の刀身の倍以上の長さとなっても、新たな刃を作り出すのをやめようともしない。 平静を装いながらも、ギイはいつでも指を動かせるよう憲兵番町の動きを見据えている。 いざというときは、ジャコに乗って飛び立てばよいだけだ。 ギイの足元でだくだくと血を流して横たわっている烈火と異なり、憲兵番町の攻撃では上空までは届かない。 「いやはや、本当に愉快だ。 信用させてから殺す非道さ、安全のためにより苦しむ攻撃を選ぶ残忍さ、小生相手に罠を仕掛ける大胆さ。 うむ、気に入ったよ。一緒に行動しようじゃないか」 などと言って、憲兵番町は雷神剣を下ろした。 刺すような視線も穏やかなものになり、刀身を覆っていた電撃は霧散している。 予想外の一言に驚愕するしかないギイの背中に、衝撃が走った。 ジャコもろとも吹き飛ばされながら、ギイは自分のいた地点を確認する。 瞳に映ったのは、黒いボディスーツを纏ったモヒカン男。 なぜ、あれほど接近されるまで気が付かなかったのか。 答えは明白だった。 意識が雷神剣に向けられていたからである。 雑貨屋へと突っ込んでいく寸前、どうにか首を動かしたギイが見たのは憲兵番町の笑顔であった。 「別に、提案されてすぐ言ってもよかったのだけどね。 これから組むというのに貸しがあるというのも、どうかと思ったのでね。 小生はとても優しいので、獲物を横取りした分はこれでチャラにしておくよ」 「花菱! オイ花菱! 起きろ、オイッ!!」 朦朧としていた烈火の意識を引き戻したのは、聞き覚えのある声だった。 目を開けるのにやけに時間がかかり、やっと視界に石島土門の姿が飛び込んでくる。 いつもおどけている彼がやけに真剣な表情を浮かべているのは、なんだか滑稽だった。 よく見れば、漫画でしか見たことないような黒光りするボディスーツで全身を包んでいる。 腹を抱えて笑いたかったが、思うように身体が動かなかった 「ンだよ、そのカッコ……頭おかしいんじゃねえの」 「おかしいのはテメェだろうが! なに勝手に死にかけてんだッ、火影の大将だろうが!」 「あぁ、そうだったな……悪い」 「だから俺ァ、前々から戦場で花火なんて打つなって言ってたろうがッ!」 「はん……でもお前、来たじゃねえか」 「うるせえ!!」 声を張り上げながら、土門は烈火の身体を掴んだ。 いつもなら大したことないだろう衝撃で、烈火は吐き気を催してしまう。 「テメェ、柳はまだ誘拐されっぱなんだぞッ! このまま死んでみやがれ、ゼッテー許さねえかんな! オラッ! 早く傷口焼いて血ィ止めろ、このウンコタレ!!」 「厳しいこと言いやがるぜ……」 烈火は火竜を召還できないものの、どうにか形のない炎を生み出す。 火力は極めて弱かったものの、どうにか血は止まった。 もはや炎に触れても熱さを感じないのが明らかになってしまったが、烈火は口に出さない。 土門に余計な心配をさせたくないというよりも、単純に声を出すのが億劫という気持ちが強かった。 「なにボーッとしてやがるッ! 終わったんなら早く掴まれッ、いったん逃げ」 「――できると、思っているのかね?」 憲兵番町の低く冷たい声が割って入る。 「同盟を組んだ相手を殴られて、小生がみすみす逃がすとでも?」 自分を見つめるあまりにも暗い闇色の瞳に、土門は思わず絶句してしまった。 土門の装着しているAMスーツには斬撃を通さないらしいが、彼の携えた青白く光る剣までも防げるかは疑問であった。 「……いったい、どの口で言っているのか」 憲兵番町の隙を窺っているうちに、ギイまで雑貨屋より飛び出してくる。 血を吐いたのか服が汚れているが、人形を動かすのに支障はないらしい。 一人ならばAMスーツのジャンプ力で撹乱できただろうが、二人となればとてもただでは逃げられまい。戦うしかない。 しかしここまで来るうちにAMスーツにはある程度慣れたとはいえ、烈火をここまで追いやる相手に勝てるのだろうか。 土門が取るべき行動を決め切れずにいると、しわがれた声が浴びせられる。 「行けィ! お前のことは烈火から聞いておる! ここは老いぼれに任せて、できるだけ遠くまで逃げるんじゃ!」 あまりに小さすぎて土門の目に入っていなかった老人――宮元武蔵が、両の足で地面を踏みしめていた。 和服の帯を巻きつけることで止血し、その手には憲兵番町が捨てた妖刀『八房』が握られていた。 「驚いたよ。まさか立てるとは」 「ふん、ワシのしぶとさは筋金入りじゃ!」 本当に意外だったようで、憲兵番町は目を丸くしている。 なにか隠し玉がある素振りで、武蔵は含みのある笑みを作った。 「なにをしておるかっ、このボンクラゴリラめ! 早う行け!」 武蔵に引き止められるのは、一人だけだ。 それも、ほんの短い時間であろう。 どうにか相手の興味を引き、時間を稼げればよいが。 そう思っている武蔵の鼓膜を、土門の無念そうな声が震わせた。 「……ジイちゃん、すまねえ。こんなときに新手が来ちまった」 まさかと振り返った武蔵の目に映ったのは、和服を纏ったチョンマゲ頭――佐々木小次郎であった。 「む、武蔵……っ」 こちらを見て漏らした声からも、本人なのは明らかであった。 どうやら小次郎のほうも剣を没収されたらしく、やたら物騒な鞭を携えている。 あれでは他者を殺す気と受け取られても、しようがあるまい。 「安心せい! そやつは佐々木小次郎! しまりのないツラ通りの阿呆じゃが、殺し合えと言われて従うような男ではない! ええい小次郎! 早くそっちの人形遣いを相手にせぬか、このバカタレがっ! 真に不愉快じゃが、肩を並べて戦ってやってもかまわぬ!」 憎まれ口を叩きながらも、顔はほころんでいる。 顔を合わせるたびにいがみ合う相手であるのに、今回ばかりは会えて安堵している自分に武蔵は気付いた。 ――その安堵を覆すような言葉が、土門より発せられる。 「違ぇんだ、ジイちゃん。こいつ、いっぺん俺を襲ってきやがったんだ」 「な、なんじゃと……? バッ、バカな!? まさか小次郎、誰かに操られ」 「違うぞ、武蔵ッ!!」 遮るように、小次郎は宣言する。 「拙者はっ! 拙者自身の意思でっ! 天下一の侍を目指し、最後の一人となるまで人を斬ることを決めたのでござるっ!」 「なるほど」と頷く憲兵番町は納得したようだが、武蔵には信じることができなかった。 天下一を志すのは、剣を持つものとして当然のことだ。 武蔵とて、四百年ほど生きてなお志している。 なかには、自分以外すべて斬ってでも至ろうとするものもいるだろう。 分かってはいても、好敵手たる佐々木小次郎がそうするのは認められなかった。 だいぶ血を流してしまったはずなのに、武蔵は不思議と頭が熱くなって気がした。 「愚か者めっ! これは武術大会などではないんじゃぞ!? 名簿は確認したのか!? 『峰さやか』という名を見たか!? いまからでも目を通すがよい!! 剣の道に行きてきた武士だけならばともかく、力なき少女まで参加させられておるのだぞ!? にもかかわらず――」 武蔵は、言い切ることができなかった。 憲兵番町が振り下ろした刃が、武蔵の腹を撫で切ったのである。 崩れ落ちる最中、傷跡から臓物が零れ落ちるのを感じた。 小次郎を叱咤しようにも、うまく声が声にならない。 それでも、小次郎の声だけはたしかに届いていた。 「そのようなこと……っ! とうに、分かっているでござる! ここまで来る道中でも、すでに少女の亡骸を発見した。骨董屋の前で、まだ幼い少女がもう死んでおった! ふくらはぎの腱への的確な一太刀に、臓器を狙い済ましたかのような胸への刺突! 惨たらしい遺体だったわ!」 「だっ……たら、なぜ」 「拙者が誰もかれも守れるほど強ければ、あの少女は死なずに済んだ! 力が……っ、いまの拙者にはっ! 絶望的に足りんっ! 強くならねばならぬのだっ!」 「こじ、ろう……」 顔を上げることもできず、武蔵には小次郎の表情は見えない。 そのはずなのに、彼が泣き出しそうな顔をしている姿が浮かんでいる。 もはや説得などできなかった。 年が離れているのならばともかく、武蔵と小次郎は同じ時代を生きた人間なのだ。 己の力不足を実感した男を、いったいどうして誰が責められよう。 ゆえに意識が薄れていくなか、武蔵はこう告げるのだった。 「悔い……は、残すでない、ぞ」 パチ、パチ、パチ――と。 手を叩く音が、広がりかけた静寂を破る。 「『強くなりたい』。その気持ち、とてもよく分かるよ。 うむうむ。剣士たるもの、そうでなくてはいけない。痺れたよ」 武蔵を切り伏せた憲兵番町が、白い歯を見せる。 「佐々木小次郎くん、小生たちと組まないかい? ともに剣技を極めようじゃないか」 小次郎は、思わず耳を疑った。 己が天下一に程遠いのだと気付かせてくれたのが、他ならぬ憲兵番町の戦いぶりなのである。 そんな強者からの申し出を受け入れぬ手はない。 小次郎が首肯しようとしたときであった。 憲兵番町がギイに視線を移すと、いかにもふと思い出したように首を傾げる。 「…………はて。 思い出してみれば、君が来たのも小次郎くんと同じ方向だったよねぇ。 殺す前にわざわざ両手足首を斬り落として攻撃も逃亡もできなくした、そこの道化くん。 おやおやよく見てみれば、ずっとつけているそのひょっとこ面はなかなか年季が入っているね。 到底、そこらの量販店で買えるような安物とは思えない。まるで――骨董屋に置いてある品物みたいじゃないか」 小次郎の目が見開かれる。 即座にギイのほうを振り返り、何事かを尋ねようと口を開く。 しかし考えがまとまっていないらしく、うまく言葉になっていない。 そんな小次郎の言わんとすることを理解して、ギイはたしかに言い切る。 「……そうだ。マユコを殺したのは、僕だ」 「なんとなんと。これはまた、意外な繋がりもあったものだ」 憲兵番町は驚いたような口ぶりを作っているが、吊り上った口角は隠せていない。 仮面の下でギイが睨みつけているのに勘付いるのに、素知らぬ顔である。 「道化くんが最後の一人となるべく、小次郎くんが剣技を極めるために、小生が人を斬る音色を聞きたいがゆえ…… そういうことで三人同盟といこうじゃないか」 憲兵番町の言葉を受けても、小次郎は目を見開いたまま微動だにしない。 再び静寂が周囲を支配するなか、隙が生まれるのを待っていた土門が耐え切れず口を開こうとする。 武蔵と小次郎のやり取りは、聞こえていた。 強くなりたいとの叫びには、身につまされるような思いであった。 烈火の惨状を目の当たりにしてしまった土門もまた、まったく同じことを考えていたのだ。 もっと自分が強ければ――と。 だからこそ、気に食わなかった。 少女の死が悔しいのならば、やるべきことは一つだ。 少女を殺したヤツの手を握るくらいなら、そいつをブン殴らなくてはいけない。 そう言ってやろうとして、土門は逆に声を浴びせられた。 「行け、小僧」 「は?」 「早く行かぬかと言っている!!」 小次郎は声を荒げると、せかすように拷問鞭を振るう。 しなやかに宙を踊った鞭は、土門の足元に触れて爆ぜるような音を立てた。 今度は隠そうともせず、憲兵番町は堂々と笑っていた。 「お主との勝負は、こやつらの後にしてやるでござる! せいぜい拙者に感謝して、その怪我人を連れていけっ!!」 「…………いいのかよ」 振り返りもせずに、小次郎は土門の心配を鼻で笑う。 「この超ハイパーウルトラデラックス美形剣士が遅れをとるものか!」 断言して飛び込んでいった背中をしばらく眺めたのち、土門は意識を失っている烈火を担ぐ。 持ち上げる際に呻き声を上げたことに安心して、思い切り地面を蹴った。 遠ざかっていく土門の気配に、小次郎は安堵の息を吐く。 本当のことを言ってしまえば、ギイと憲兵番町の二人を相手に勝つ自信などない。 自分の弱さを思い知り強くならねばならないと分かっていたはずなのに、勝負を挑んでしまったのだ。 彼らと同盟を組めば、侍として成長できるだろうとは思っていた。 憲兵番町の剣術を間近で見られるし、ギイの冷酷さを取り入れることもできたかもしれない。 一皮剥ける機会を得たはずなのに、どうして伸ばされた手を払いのけたのだろう。 なぜかと考えて、小次郎は笑った。 とうに、答えなど分かっている。 正確には、思い出したと言うべきか。 少し、自分を見誤っていたのだ。 天下一になるのが他のすべてより大きな望みである、と。 実際は違った。 別に天下一を目指していないワケではないが、それには理由があったのだ。 ただただ理由もなく、誰より強くなりたかったのではない。 佐々木小次郎は――――女子(おなご)のために、強くありたかったのだ。 なにを勘違いしていたのか。 そういう人間だとよく知っていたはずなのに、不覚にも忘れてしまっていた。 天下一の侍であれば、巷の女子からチヤホヤされること間違いなし。 ただでさえ美形だというのに、さらに天下一の称号など得た日には、それはもう。 世の女子独り占めとて夢ではない。 不純な動機と揶揄されるかもしれないが、知ったことではない。 だって、そうではないか。 佐々木小次郎が天下一の侍であり、世の女子すべてが佐々木小次郎の下に集まれば―― どの女子が泣くことも傷つくことも、絶対にないのだから。 女子に涙を流させぬため。 女子に血を流させぬため。 それこそ、小次郎が天下一を目指す理由であったのだ。 目標ばかり残って、『なぜそうなりたいのか』がすっかり抜けていた。 らしくもなく悩みに悩んで、小次郎はようやく思い出した。 佐々木小次郎が強くなりたかったのは―― 「貴様のような外道が、女子を虐げるからっ! だから拙者のような男が、天下一であらねばならんのだ!!」 声を張り上げて、拷問鞭を振るう。 たやすく抉り取った地面を目くらましにし、ギイの視界を奪う。 その隙に鞭を伸ばして、ジャコの持つ巨大鎌を払い落とす。 千載一遇の好機が生まれた。 鞭を振り上げて、ギイへの距離を詰める。 まだジャコは鎌を拾っていない。 無防備なギイへと鞭が振り下ろされる――より早く、小次郎は爆炎に飲み込まれた。 なにが起こったのか理解できないが、とにかくたまらなく熱かった。 体重を支えることができず、受身も取れないまま倒れ込む。 顔に触れた地面が、小次郎にはやけに冷たく感じた。 混濁した意識のなか、聴覚だけはやけに研ぎ澄まされていた。 足音が、ゆっくりと近付いてくる。 「へえ。その人形、そんなものまで搭載してるんだ」 「…………弾丸には限りがある。極力、使いたくはなかった」 「そいつは残念だったねぇ」 なるほど、との小次郎の思いは声にならない。 不自然な音を立てて、肺の中の息が吐き出されるに終わった。 「どうして追わなかったんだい」 「君たちの戦いが気になってね、『外道』くん。 命を賭した真剣勝負から目を離すなんて、もったいなくてもったいなくて」 「…………」 「それにしても『外道』、ね。 とてもいい響きで、見合った呼び名だと思うのだが……外道もいるのだよなぁ」 結局、できたのは足止めだけらしい。 短い時間だったが、土門ならばすでに追跡できないところにいるだろう。何せ、縮地法の使い手であるのだ。 己に言い聞かせると、小次郎は身体から力を抜いた。 やけに身体が重く、ひどく眠たい。 生き返って以来、ここまでの疲労は初めてかもしれない。 足音がもう一つ接近してくるのが聞こえたが、小次郎は眠気に身を委ねることにした。 ◇ ◇ ◇ 老人型自動人形・シルベストリは、とても落胆を隠すことができなかった。 殺し合いの舞台に打ち上げられた花火は、人間がこのような状況であろうと『群れ』ようとする証である。 だからこそ彼はとてもゆっくりと、本物の老人のような速度で歩んできたのだ。 戦闘が繰り広げられているのは分かっていた。 自動人形の聴覚は、まだ離れた地点でも戦闘音を捉えていた。 それでも、シルベストリは確信していたのだ。 到着したころには、人間たちは群れているはずだと。 だって、そうではないか。 ほんの数十年前に戦争をした国同士にもかかわらず、現在は友好関係を結んでいたりする。 殺し合った相手と、手を結んでいるのだ。 ならばこの場でもそうなるだろうと思っていた。 だというのに、実際はどうだ。 辿りついてみれば、死体が二つ転がっている。 立っている二人のうち片方は人間ではない、人形破壊者だ。仮面で覆い切れていない銀髪とマリオネットで分かる。 もう一人は人間のようだが、一人でいる人間に意味はない。 シルベストリが惹かれるのは、群れている人間だけなのだから。 人間であればため息を吐いていただろうかなどと考えて、シルベストリは携えている菊一文字を構えた。 自動人形と人形破壊者が出会えば戦闘が始まる――はずであった。 事実、シルベストリは刀を抜き、ギイはジャコを前に出している。 だというのに、どちらも硬直してしまっている。 というのは、憲兵番町が割って入ったからである。 目が離せないと言ったはずの真剣勝負に、思い切り水を差している。 「……どういうつもりだ、憲兵」 「剣技相手ならば小生だろう?」 返答とともに、雷神剣が雷刃を纏う。 どうやら自分が戦いたかっただけらしい。 ギイは肩を竦めながらも、ジャコを臨戦態勢のまま保つ。 シルベストリは、自動人形のなかでも強者として有名だ。 戦闘の機会が少なくて済むのならば嬉しいが、今回の相手ばかりは憲兵番町に任せるワケにはいかなかった。 「自動人形相手に剣はまずい。 一目で武器だと分かる得物を持っていると、ヤツらは本来のスペックで暴れまわってしまうからな」 善意からの忠告だったというのに、憲兵番町は雷神剣をかざして駆け出す。 大きく舌を打ったギイへと、振り返らずに言い放つ。 「いい情報をありがとう。同盟を組んだ甲斐があるというものだよ」 刃を交えつつ、シルベストリは怪訝な声を漏らす。 刀身を覆う青白い電撃に、菊一文字の刃が防がれているのだ。 奇妙な武器だなと思うが、と言っても外見があからさまに剣である。 自動人形の黄金律は作動せず、シルベストリは本来の力を出すことができる。 互いに背後に跳んだときを見計らって、疾風じみた速度で距離を詰める。 迫り来るシルベストリを前に、憲兵番町もまた前に出た。 ぎぃん――という鈍い音が、二つの影が交差する瞬間に響いた。 「鮮やか」 振り向いた憲兵番町の制服は、胸元が大きく真一文字に斬られていた。 内臓までは届いていないものの、じんわりと制服が赤黒く染まっている。 「そちらもな」 シルベストリのほうにも、まったく同じ傷がついていた。 黒いロングコートの胸元が切られ、得物を収納するためがらんどうの内部が露になっている。 それを見た憲兵番町が眉をひそめたのち、大きく頷く。 「なるほど……自動人形とは、通り名ではなく真名か」 ひとりごちて、憲兵番町が戦闘態勢を解く。 人を斬る音色が聞けないのならば、戦う理由などないのだ。 「なかなかの腕前だね、気に入った。 小生たちは他の参加者を殺すつもりなのだけど、きみも一緒に来ないかい?」 未だ腰を低く落としたシルベストリに告げると、憲兵番町は回収していた妖刀を放り投げる。 自身の足に触れた刀に少し視線を向けただけで、シルベストリは動かない。 「それを渡そう。妖気を帯びているようだが、音色は所詮一種類。 四色の音色を持つ金糸雀や、無限の鳴き声を秘めた雷神剣とは比べ物になるまい」 返事を待たず、憲兵番町はギイの元へと歩み寄っていく。 「構わないだろう?」 「待て、僕は自動人形と組む気など」 険しい表情を浮かべたギイの反論は、しかし半ばまでしか述べられない。 憲兵番町が目を細めて、耳元で言ったのだ。 「まあ、君たちに何かしら因縁があるのは見て取れたけれど…… 最後の一人になりたいのだろう? ならば方法を選んでいる余裕はあるのかい? 見ず知らずの人間に外道と侮蔑されるようなやり方で、将来があった少女を殺しておいて」 息を呑んだギイへと追い討ちをかけるように。 「――いまさら、えり好みできるのかい?」 ギイには、遠ざかっていく憲兵番長の背中を見ることしかできなかった。 服の下で身体を伝う汗が、やたらと冷たく感じる。 「一つ訊かせてくれ」 「なんだい?」 いままで黙考していたシルベストリが、菊一文字を構えたまま口を開く。 質問の許可を得てもしばらく口を開かず、一分ほど経ってついに尋ねた。 「お前たちは、なぜ群れる」 憲兵番町は、考える素振りすらしない。 「互いの目的が一致したからさ。 彼は最後の一人になりたくて、小生は人を斬りたい。簡単な話だろう?」 その答えは、シルベストリの求めているものではなかった。 生きるために必要な人間関係ではなく、生きるのに不必要なのに築かれている人間関係こそシルベストリの興味を引いているのだ。 期待はずれの解答に失望していると、憲兵番町が近寄ってくる。 「と彼は答えるだろうが、小生の場合は違う」 シルベストリにしか聞こえないほど小声で、耳打ちするように。 「そんなもの、彼といるとおもしろそうだからに決まっている」 またしても黙考したのち、シルベストリは菊一文字を鞘に収めて体内に収納した。 妖刀を拾い上げると、数回上下に振って重さを確認して携える。 「私も造物主様を生き残らせるため、参加者を殺すつもりだ。同行しよう」 一人で殺していく手間を三人で分担できるのだ。理に適っている。 というのが、自動人形と人形破壊者の思考である。 なんの魅力もない、興味も沸かない、合理的な考え方。 しかし『おもしろいそうだから』という憲兵番町の言葉が、シルベストリのなかに引っかかっていた。 思えば、人を斬りたいだけの彼に他者と組むメリットはない。 だというのに、ただ『おもしろい』という感情があるから『群れて』いる。 そこに、長年抱いている疑問の答えがあるような気がした。 ともに行動しているうちに、答えを見出せるのではないかと思った。 ゆえにシルベストリは、伸ばされた手を握ったのだった。 朝であろうと夜であろうと行動に支障のない自動人形でありながら、姿を見せた朝日に不思議と安らぎのようなものを感じた――ような気がした。 【宮本武蔵 死亡確認】 【佐々木小次郎 死亡確認】 【残り65名】 【D-4 商店街/一日目 早朝】 【伊崎剣司(憲兵番長)】 [時間軸]:居合番長との再戦前 [状態]:疲労(大)、胸元に真一文字の傷、制服ちょい焦げ [装備]:雷神剣@YAIBA [道具]:基本支給品一式×2、錫杖@うしおととら、ランダム支給品0~4 [基本方針]:人を斬る。おもしろいのでギイと行動。 【ギイ・クリストフ・レッシュ】 [時間軸]:本編で死亡後 [状態]:背中にダメージ(回復中) [装備]:ジャック・オー・ランターン@からくりサーカス、殺鳥用ワイヤー×3@金剛番長 [道具]:基本支給品一式×3、拷問鞭@金剛番長、ランダム支給品0~6(うち0~2は小次郎から見て武器となるものなし) [基本方針]:他者と組み、エレオノールを優勝させる。 【シルベストリ】 [時間軸]:34巻、勝戦直前 [状態]:健康、服の胸元に真一文字の傷 [装備]:妖刀『八房』@GS美神 [道具]:ランダム支給品2(刀剣類なし、確認済み)、菊一文字@YAIBA [基本方針]:他者と組んでフェイスレスの優勝をサポートしつつ、人間が群れる理由を解き明かす。植木耕助に会う。 投下順で読む 前へ:ばかやろう節(1) 戻る 次へ:ばかやろう節(3) 時系列順で読む 前へ:ばかやろう節(1) 戻る 次へ:ばかやろう節(3) キャラを追って読む 066:ばかやろう節(1) 花菱烈火 066:ばかやろう節(3) 宮本武蔵 GAME OVER ギイ・クリストフ・レッシュ 066:ばかやろう節(3) 伊崎剣司(憲兵番長 佐々木小次郎 GAME OVER 石島土門 066:ばかやろう節(3) アシュタロス シルベストリ マシン番長 ▲
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『借金苦』 31KB いじめ 虐待 野良ゆ 赤ゆ 都会 現代 虐待人間 うんしー 借金怖い。長さの割に、今回も微妙かも? 借金苦 ポマギあき 街の歩道。人が行き交う交差点に、鬼威参は居た。ゆっくりを虐待する為に、散歩をしているのだ。 そうやって道を歩いていると、ゆっくりと出くわした。道端で歌を歌っているのは、れいむ親子。 「ゆっくりのひ~」 「「まっちゃりのひ~」」 親れいむ、赤れいむ、赤まりさの二匹だった。周囲には人はいたが、皆、親子の前を通り過ぎていく。 「ゆゆ! まってね! れいむたちのおうた…ゆぅ…またいっちゃったよ…」 「ゆ…ぢゃれも、れいみゅたちのおうちゃきいちぇにゃいんぢゃにゃい?」 「ゆぅ…まりしゃはきょんなにゆっくちしちぇるにょに…」 三匹は揃って愚痴をこぼした。もっとも、歌声は騒音以外の何物でもないのだが。 鬼威参はそっと親子に近づくと、屈んだ。親子はそれに反応して、騒ぎ出す。 「ゆ! れいむたちのおうたをきいてたんだね! おかねはらってね!」 「はらっちぇにぇ!」 「いっぴゃいぢぇいいよ!」 金を払えと宣う親子に、鬼威参は首を横に振って答えた。 「ダメだね。そんな歌で金はあげられないよ」 「ゆうううううう!!? くそじじいはゆごべっ!」 親れいむは、鬼威参に飛びかかった。しかし、宙を舞った瞬間鬼威参の右手によってはたき落とされた。 親れいむは、地面に突っ伏すとプルプル震えながら起き上がった。 「いだいいいいいいいいいい!! なにずるのおおおおおおおおお!!?」 赤ゆ達も抗議の声を上げる。 「ひぢょいこちょしにゃいぢぇにぇえええええええ!!」 「おきゃにぇはりゃええええええええええ!!」 対して鬼威参は、冷静に言葉を続けた。 「いいか? そんな歌じゃ金は貰えないんだ」 「どぼぢでぞんなごどいうのおおおおおお!!?」 親れいむが鬼威参の言葉に狼狽える。鬼威参は特に気にすることなく、話しを再開した。 「だからな、お前の歌声では人間はゆっくりできないの」 「ゆうううううううううう!!?」 「だから、金は払えない」 「ぞんなあああああああああ!!」 絶望の淵に追いやられる親れいむ。鬼威参はそんな親れいむに優しく言葉を掛けた。 「でもな、貸す事は出来る」 「ゆ?」 目が点になるとはこの事か。親れいむは鬼威参の言葉に目を丸くしていた。 「金を貸す事は出来るんだ。ただし、担保が必要だがね」 「たんぽ…? たんぽってなあに?」 鬼威参は担保の説明を始める。借金をするのに必要なもの。もし、返済できなかった場合はそれらを没収される事。 それらを踏まえた上で、鬼威参は金を借りるかどうかを親れいむに問いかけた。 「どうする? 借りるか?」 「ゆ…で、でも…たんぽなんて…」 鬼威参は親れいむの側で、訳が分からないと云った表情で佇む赤ゆ達を指さした。 「あれを担保にすればいいじゃないか」 「ゆ!?」 驚愕の表情を浮かべる親れいむ。赤ゆ達は自分達が指さされた事に、戸惑っていた。 「ゆぅ? ゆっくちぢぇきるにょ?」 「ゆ? ゆ? なんのこちょ?」 親れいむは狼狽えた。大事な赤ゆを担保にする訳にはいかない。しかし、鬼威参の言葉によってその心は揺らいだ。 「あのな、よく考えてみろ…担保になるって事は、俺の物になるって事だろ?」 「ゆん…」 「俺の物になるって事は、どういう事かよく考えてみろ」 親れいむは目を瞑って考え始める。赤ゆ達が人間の物になるという事。それは、自分の赤ゆを引き渡すという事。 そもそも親れいむはシングルマザーで、育児も大変。そこにゆっくりを担保に金を貸してくれる人間が出てきた。 これは千載一遇のチャンス。人間の物になるという事は、飼われるという事。飼われるという事は、念願の飼いゆっくりになるチャンス。 「ゆ! たんぽにするよ! せめて…おちびちゃんだけでも…ゆ!」 「決まり…だな」 鬼威参はニヤリとした。どうせ、ゆっくりなんて自分にとって都合の良い方向にしか、物事を考えない奴等だ。 騙されたと知った時の絶望した顔。あれは非常にエクスタシーを感じるというもの。 鬼威参は、財布から百円玉を三枚取り出すと、親れいむの目の前に置いた。 「さあ、これが金だ」 「ゆ…お、おかね!」 親れいむは、金をペロペロと舐め始める。そもそも使い方を分かっているのかどうかすら怪しい。 赤ゆ達も目を輝かせながら、百円玉を見ていた。 「ゆわあああああ!! ちょっちぇもゆっくちしちぇるよおおおお!!」 「きょれがありぇば、ゆっくちぢぇきるんぢゃにぇ!」 鬼威参は微笑みながら、それに答えた。 「ああ、でもその代わりお前らは担保として貰っていくからな」 「「ゆ!?」」 赤ゆ達はその餡子の容量のせいか、自分達が担保にされたことを理解していなかったらしい。 鬼威参にとってはそんな物は関係ない。赤ゆ達を引っ掴むと、自分のブルゾンのポケットに仕舞い込んだ。 「ゆ! だしちぇにぇ!」 「くりゃいよ! ゆっくちぢぇきにゃいよ!」 ポケットの中で暴れる赤ゆ達に、鬼威参は親れいむから説明するよう求めた。 「ゆ! あのね! おちびちゃんたちは、たんぽさんになったんだよ!」 「「たんぽっちぇにゃにいいいいいい!!?」」 ポケットの中で狼狽する赤ゆ達に、親れいむは言葉を続ける。 「ゆ! たんぽっていうのはね、とってもゆっくりできるんだよ! かいゆっくりとおなじだよ!」 その言葉を聞いた赤ゆ達は、ピタッと暴れるのを止めた。しばしの沈黙の後、ポケット越しに喋り始める。 「ゆ…やっちゃあああああああ!!」 「ゆわああああああい!!」 喜ぶ赤ゆっくり達に、親れいむも満面の笑顔で答えた。 「よかったねおちびちゃん! これで、ずーっと、いーっぱいゆっくりできるよ!」 「「ゆん!」」 鬼威参はポケットから赤ゆ達が落ちないように、そっと手でポケットを覆った。 そして親れいむに背中を向けて去ろうとした。だが、言い忘れた事があったので迷わず伝えた。 「金を返す気になったら、ここで会おう。利子は一日で、十パーセントだ」 「ゆぅ?」 一体何の事かと訝しげな顔をする親れいむ。 「お前は三百円借りたからな。二十四時間経過する度に、三十円の利子が発生する。明日また、ここにくるから、三百三十円を用意しておけ」 「ゆ? おかねさんかえしたら、おちびちゃんたちどうなるの?」 「勿論、これは担保だ。お前の下に返すさ」 親れいむは全身をブルブルと横に振って、それを否定した。 「だめだよ! おちびちゃんはたんぽなんだよ! おかねはぜったいにかえさないよ!」 その声を聞いて、ポケットの中の赤ゆ達も声を連ねる。 「しょーぢゃしょーぢゃ!」 「まりしゃはたんぽなんぢゃじょー!」 鬼威参はクスッと笑うと、分かったと頷いて家へと帰っていった。 残された親れいむは、満足そうな顔をしていたが、すぐに歌を歌い始めた。 「ゆ~ゆゆ~」 鬼威参は家に帰ると早々に、透明な箱に赤ゆ達を放り込んだ。 「ゆぺっ!」 「ゆべっ!」 透明な箱の底に叩きつけられると、赤ゆ達は奇妙な呻き声を上げた。 そしてムクッと起き上がると、鬼威参に抗議し始めた。 「ゆううううううう!! いちゃいぢぇしょおおおおおお!!」 「もっちょやさしくしちぇにぇええええ!! まりしゃちゃちは、たんぽにゃんぢゃよおおおおおお!!?」 鬼威参はフッと笑うと、担保について説明し始める。 「あのな、担保ってのは俺が好き勝手に出来るって事なんだよ」 人間社会に於いて、実際はそうではない。赤ゆ達は疑問に感じて、問いかけた。 「しゅきかってって…にゃあに?」 「ゆぅ? まりしゃをゆっくちさせちぇくれりゅんぢぇしょ?」 鬼威参は腹を抱えて笑い出した。赤ゆ達はその様子を見て怒り出す。 「ゆううううう!! にゃにがおかちいにょおおおお!!?」 「ゆっくちさせちぇにぇ! いっぴゃいぢぇいいよ! ぷんぷん!」 鬼威参は笑うのを止めると、赤ゆ達に再び説明し始めた。 「あのな、俺はゆっくりさせるなんて一言も言ってない。その上、担保ってのは俺が好き勝手に出来るってことだ。 それはつまり、お前らを好きなように出来ると言う事。つまり…分かるな?」 鬼威参は赤ゆ達に目を向けた。その冷たい目は、赤ゆ達に状況を理解させた。そしてパニックに陥らせた。 「ゆ…ゆわあああああああああああ!! ゆやぢゃあああああああああああ!!」 「ゆっぐぢぢゃぢぇぢぇぐれるんぢゃにゃいにょおおおおおおおおおお!!?」 鬼威参は鼻で笑って答える。 「そんな訳無いだろう」 赤ゆ達は更に絶叫した。 「ゆやああああああああん! うしょつきいいいいいい!!」 「おきゃあしゃんのばきゃああああああああああ!!!」 鬼威参は泣き叫ぶ赤ゆ達を面白く思った。そして、透明な箱にそっと近づくと、語りかける。 「でも大丈夫だ。お前らのお母さんが、明日金を返してくれれば、お前らはお母さんと、またゆっくりできるぞ」 鬼威参の言葉を聞いて、赤ゆ達は安堵した。 「ゆふぅ…しょれなら…」 「だいじょうびゅ…ぢゃね…」 鬼威参は笑顔のままで言葉を続けた。 「でもなぁ、お前らのお母さんは金を返す気が無いって云ってたしなぁ」 「「ゆ!?」」 驚愕の表情を浮かべる赤ゆ達に、鬼威参は更に言葉を続けた。 「それに、お前らは金を貰ったことが実際にあるのか?」 「「ゆ…」」 歌という名前の騒音で金を貰った事は無かった。親子が貰ったものと云えば、罵声と唾ぐらいな物だ。 さすがに赤ゆ達でも、これがどういう状況か理解できた。赤ゆ達は、しくしくと泣き始める。 「ゆぐ…ゆぐ…どぼぢぢぇ…ごんなごぢょに…」 「ゆぐ…まじじゃ…まじじゃのゆっぐぢ…おぎゃあじゃんのぜいぢぇ…」 赤ゆ達は嘆いていた。鬼威参はそっと透明な箱から離れると、リビングでテレビを見始めていた。 下らないバラエティ番組に、鬼威参は腹を抱えて笑い続けた。 やがて夕方になった。赤ゆ達は腹が減っている。しかし、食事の催促をすれば何をされるか分かったものではない。 赤ゆ達は腹の虫が鳴るのを、ジッと堪えていた。それから少しして、なんだか美味そうな匂いが漂ってきた。 「ゆ…おいちちょうなにおい…」 赤れいむが反応した。赤まりさが赤れいむに近寄って、云った。 「きっちょ…きのせいぢゃよ…じぇったいに、きのせいぢゃよ…」 「ゆ…そうぢゃね…おいちいものにゃんか、にゃいよ…そうぢゃよ…」 赤ゆ達は現実逃避を始めた。腹の虫と、漂う美味い匂いに心が張り裂けそうになる。 泣き喚いて、食事をさせてくれと暴れたくなる。しかし、それでは自らがゆっくりできなくなるだろう。 赤ゆ達はそう考えて、この匂いは偽物だ。嘘っぱちだと思い込む事にした。 やがて、美味そうな匂いは段々と強くなってくる。赤ゆ達の我慢が限界に近づく頃、鬼威参がナポリタンスパゲティを持って、透明な箱に近づいた。 「やあやあ、お腹減ったかい」 鬼威参は赤ゆ達の前でスパゲティをボソボソと食べ始めた。赤ゆ達の我慢の糸が、ついに切れた。 「ゆやあああああああああ!! おにゃかへっちゃああああああああああああ!!」 「ちゃべたいよおおおおおおお!! まりちゃにもたべちゃちぇちぇええええええええええ!!」 泣き喚く赤ゆ達を余所に、鬼威参は舌鼓を打ちながら、スパゲティを平らげた。 「ごちそうさまでした」 空っぽの皿を見つめて、涙を流す赤ゆ達。 「ゆぐ…ゆぐ…ごはんしゃん…」 「まじじゃのぉ…まじじゃのなのぉ…」 鬼威参は腹をさすると、満足した顔でリビングに去った。赤ゆ達は涙を流しながら、呻いていた。 翌朝、赤ゆ達はすっかりと衰弱しきっていた。無理もない。赤ゆはエネルギー変換の効率が、著しく悪いのだ。 それは人間とて同じ事。狩りも満足に出来ない小児を保護するのは、親の役目だ。しかし、肝心要の親は側にいない。 親れいむが、担保について大きく勘違いをしていたのが原因だ。そのしわ寄せは真っ先に、赤ゆ達へと来ている。 「ゆぐ…おにゃがへっぢゃよぉ…」 「まじじゃ…あみゃあみゃ…」 鬼威参は昨日とは違う服装で、湯上がりの顔で出てきた。シャワーを浴びてきたのだ。 「あーあ、すっきりした。さて、返済できるか確かめてこようか」 鬼威参は透明な箱から赤ゆ達を取り出すと、昨日のようにブルゾンのポケットに突っ込んだ。 赤ゆ達が逃げ出さないように、そっと手でポケットを押さえるのも昨日と同じだ。 鬼威参は昨日来た、道端へとやってきた。相変わらず親れいむは下手くそな歌を歌っていた。 「ゆ~ゆゆ~」 鬼威参は、そんな親れいむに声を掛けた。 「やあ、金を返す気になったか?」 「ゆ? おにいさん! やだよ! おかねさんはかえせないよ!」 親れいむは微笑みながら答えた。鬼威参も微笑んで切り返した。 「お前のおチビちゃんが、虐待されてもか?」 「ゆ?」 鬼威参はポケットから赤ゆを取り出して、親れいむに見せつけた。 「ゆやああああああああ!! たしゅけちぇええええええええ!!」 「きょのくしょおやあああああああ! まりしゃをだましちゃにゃああああああ!!」 親れいむはキョトンとした顔をしてから、狼狽えた。 「ど、どういうごどなのおおおおおお!!?」 「昨日は何も食べさせなかったよ」 「ど、どぼぢでえええええええええ!!?」 「だって、こいつらは俺の担保だからな。 俺の物は、俺がどうしようと勝手だろう」 「ゆうううううううううううう!!?」 親れいむはここに来て、ようやく担保の意味を理解した。鬼威参は金の返済を求めた。 「さあ、金を返しておくれ」 「ゆ゙…あ、あまあまにつかっちゃったから…」 言葉に詰まる親れいむ。鬼威参は親れいむに問いかけた。赤ゆ達は体を捻って、掌から抜け出そうと奮闘している。 「甘々? 何に使ったんだ?」 「ゆ…ちょこれーとさん…」 驚く事に、親れいむは金をチョコレートに換えていた。ゆっくりを相手に商品を売りつける人間が居る事に、鬼威参は少々驚いた。 そして、その言葉を聞いた赤ゆ達は激昂した。 「なにやっちぇるにょおおおおおおおおおお!!?」 「おきゃねかえしゃなかっちゃら、まりしゃはいじめられちゃうんぢゃよおおおおおお!!?」 親れいむは更に狼狽えた。 「ど、どぼぢでごんなごどに…おがねざんがえずがら! がえずがら、おぢびぢゃんゆっぐじがえじでね!」 鬼威参は答える。 「それは分かってる。最初からそういう約束だからな。で、金はどこだ?」 親れいむは狼狽しつつ云った。 「ぞ、ぞれはあどでがえずがら!」 鬼威参は首を横に振って、それではダメだと答える。 「ど、どぼじでぇ!?」 当然の事だが、親れいむに信頼はない。赤ゆを先に親れいむに返したとしよう。 すぐに逃げるに決まってる。従って、金と赤ゆは同時交換せねばならない。鬼威参は、そのように説明した。 「じんじでよ! れいぶ、ぢゃんどおがねがえずがら!」 「いいや、ダメだ。現時点で無いなら、赤ゆは返せない」 「ど、どぼずればいいのおおおおおお!!?」 「簡単だ。金を稼いで金を返済すればいい。今日は三百三十円…明日は三百六十円だな」 親れいむは金額を聞いて、涙を浮かべた。そもそも、ゆっくりは三の数までしか数えられない。 それ以上は沢山として認識される。沢山が、もっと沢山になっているのだ。今まで稼いできた金額はタカが知れている。 「れ、れいぶがわるがっだでずうううううう!! あやばりばずがら、おぢびぢゃんがえじでぐだざいいいいいい!!」 親れいむは地面に額を擦りつけて、謝罪した。しかし、鬼威参は首を振ってダメだと答える。 よじる赤ゆ達をポケットに戻すと、鬼威参は云った。 「また、明日来る。三百六十円。雁首揃えて用意しておけ。それが無理なら、お前のおチビちゃんは酷い目に会う」 親れいむは待って下さいと云った。鬼威参はそれを無視して、人混みに消えていった。 赤ゆ達の声は張り裂けんばかりの悲鳴であった。 「ゆやあああああああああ!! ゆっくぢぢゃぢぇぢぇえええええええ!!」 「ゆんやあああああ!! おきゃあしゃんのばきゃああああああああ!!」 親れいむは謝った。何度も何度も、目の前に居ない赤ゆ達に対して、何度も謝った。 「ごべんね…ごべんね…ぜっだいに…ぜっだいにだずげであげるがらね…」 絶対に助ける。親れいむは、強い意志を持った。そして、再び歌い始めた。 「ゆ゙~ゆ゙ゆ゙~」 涙声のそれは、人々の興味を誘った。 「さて、どうしようかな」 家に帰った鬼威参は、震える赤ゆ達を透明な箱に入れた。そして、どうやって虐待をしようか考えていた。 目玉を抉る。あんよを焼いて、動きを封じる。単純に針を刺す。或いは熱湯に浸けてやろうか。 様々な考えが浮かんだ。鬼威参はまず、あんよを焼く事にした。 「お前ら喜べ」 「「ゆ…」」 「これから、あんよを焼いてやる」 その言葉を聞いて、赤ゆ達は一瞬だけ沈黙した。そして、泣き喚く。 「ゆやあああああああああああ!! やべぢぇにぇえええええええええ!!」 「ゆやぢゃああああああ!! まじじゃのしゅんそくしゃんぎゃああああああああ!!」 まだ焼かれていないというのに、赤ゆ達は既に焼かれた様な騒ぎになっていた。 鬼威参は二匹を透明な箱から取り出すと、キッチンまで連れて行った。二匹をシンクの上に置く。 「ゆやあああああああああ!! やぢゃやぢゃああああああああ!!」 「ゆっぐぢにげ…どぼぢでにげらりぇにゃいにょおおおおおおおお!!?」 赤ゆにとって、シンクから床までの高さは致命的に高かった。この高度から落下すれば、命はないだろう。 赤ゆ達の中枢餡が警告を発した。そして、鬼威参はマッチ棒を取り出して、それを擦った。 ボスッという音がすると、マッチの先端から火が出た。失禁しながら、怯える赤ゆ達。 鬼威参は赤れいむを持つと、マッチの先端をあんよに近づけた。火が、あんよを覆った。 「ゆぎゃああああああああああああ!! あぢゅいいいいいいいいいいいいいいい!!」 「やべぢぇええええええええ!! れいみゅにひぢょいごぢょじにゃいぢぇえええええええ!!」 あれよあれよという間に、赤れいむのあんよは黒こげになっていった。マッチの長さは半分になっていた。 鬼威参は赤れいむをシンクに置くと、再びマッチを擦って火を灯そうとする。 「ゆ゙っ…!ゆ゙っ…!ゆ゙っ…!」 「れいみゅ! れいみゅ!」 痙攣する赤れいむを、赤まりさは舐めて慰めた。鬼威参はというと、マッチに火を灯すのに苦労している。 中々、火が点かない事にイライラしていると、赤まりさはある決断をする。 ここから飛び降りて、一か八か逃げてやろう。そう思うと、赤まりさは赤れいむを置いてシンクから飛び降りた。 「おしょらとんぢぇぶぎゅっ!」 赤まりさは床に着地した。中枢餡の警告を無視して、飛び降りたのだ。当然、無事であるはずがない。 赤まりさの皮が裂け、餡子が大量に漏れ出ていた。鬼威参はそれを見ると慌てて、冷蔵庫からオレンジジュースを取り出した。 「ゆ゙っ…!ゆ゙っ…!ゆ゙っ…!」 「ゆ゙っ…!ゆ゙っ…!ゆ゙っ…!」 姉妹揃って仲良く痙攣している。しかし、とりわけ赤まりさは深刻な事態だ。 今、赤まりさが死んでもつまらない。鬼威参は、そう思った。 赤まりさは側面に大きな亀裂を作っていた。鬼威参は、それを指で閉じるとオレンジジュースをたっぷりと掛けた。 見る見るうちに赤まりさの傷は塞がっていった。やがて、痙攣も収まってくる。 「ゆっ…! ゆっ…! ゆっ… ど、どぼぢぢぇにげらりぇぢぇにゃいにょおおおおおおお!!?」 赤まりさは絶叫した。前後の記憶がないらしい。鬼威参はオレンジジュースを冷蔵庫にしまうと、今度こそマッチ棒に火を灯した。 赤まりさを手に持ち、赤まりさのあんよをマッチの火で焼いていく。 「ゆぎゃああああああああああああああああ!! あぢゅいよおおおおおおおおおおおお!!!」 しばしの絶叫。マッチが一本、燃え尽きる頃に赤まりさのあんよは黒こげになった。 先程のオレンジジュースが関係のないところまで、回復を促しているかと思うと鬼威参は不快に思った。 「まじしゃのあんよぎゃあ…あんよしゃんぎゃあ…しゅんそくしゃんぎゃあ…」 俊足と自称する赤まりさも、このあんよでは歩く事すらままならない。 鬼威参は痙攣する赤れいむと、狼狽える赤まりさを手に持って透明な箱へと戻した。 直後に、赤れいむが目を覚ました。周囲を確認して、自分のあんよが動かない事に気付くと涙を浮かべた。 「どぼぢぢぇ…どぼぢぢぇ…れいみゅのあんよしゃんうごきゃにゃいにょ…?」 赤れいむの嘆きに、赤まりさが呼応した。 「れいみゅぅ…れいみゅぅ…」 「まりしゃぁ…まりしゃぁ…」 二匹の間に開いた微妙な間隔。僅か十センチにも満たないそれは、今の二匹にとって、とても長い距離だった。 二匹は埋められる事のない距離を埋めるが如く、それぞれの名前をか細い声で呼び続けていた。 「れいみゅ…れいみゅぅ…」 「まりしゃぁ…まりしゃぁ…」 それから昼になった。この頃になると、それぞれの名前を呼び合う体力もないらしい。 赤ゆ達はぐったりとしていた。視線は下を向いており、口をあんぐりと開けている。 「ゆぅ…」 「ゆ…」 時たま放つ言葉は、これだけだった。絶望と悲しみに囚われた声は、鬼威参の心をくすぐった。 鬼威参はキッチンへと向かった。そこから人間には刺せない、尖っていない注射針の付いた注射器を取り出した。 そして、オレンジジュースをコップに移す。コップに注がれたオレンジジュースを注射器で吸い上げると、透明な箱へと向かっていった。 「ゆぅ…ゆぅ…」 「ゆ…ゆ…」 鬼威参は衰弱しきった二匹に近づくと、透明な箱の前で語りかける。 「やあ、元気してるか?」 二匹は返事なのか呻きなのか分からない位に、か細い声で答えた。 「ゆ…」 「ゆぅ…」 鬼威参は満面の笑みを浮かべると、オレンジジュースが入った注射器を二匹に注射した。 「ゆぴゃあああああああああああ!!」 「ゆぴいいいいいいいいいいいい!!」 二匹は刺さった針の痛さで絶叫した。オレンジジュースが注射器から無くなると、二匹の体力はみるみる内に回復していった。 「ゆ…だしちぇにぇ! きょきょからだしちぇにぇ!」 「ゆっくちしにゃいぢぇ、たしゅけちぇにぇ!」 助けろと喚く二匹を、鬼威参は無視した。鬼威参は注射器とオレンジジュース、コップを片付けるとリビングへと向かった。 何度も体をよじったが、全く動かなかった。あんよは役立たずで、透明な箱からは出られそうもない。 その事実を知ると、二匹は静かに涙を流した。ただひたすら、親れいむの助けを待つしかないのだ。 「ゆっぐりのひ~! まっだりの゙ひ~!」 その頃、親れいむは相変わらず路上で歌っていた。何としてでも赤ゆを取り返さねばならない。 愛するわが子を取り戻すべく必死で歌うが、思うように上手く歌えない。涙声でしか歌えないが、それでも必死に歌った。 目を瞑り、愛しの我が子とゆっくりしている未来を想像した。とめどなく涙が溢れ出てくる。 「ゆぐっ…ゆぐっ…ゆぐりのひ~!」 滅茶苦茶な歌を歌っていると、カランと、何かが転がる音がした。親れいむが目を開くと、そこには百円玉が転がっていた。 そしてその先にいるのは、見知らぬ男だった。親れいむは額を擦りつけて、感謝の意を表した。 「あじがどうございばず! あじがどうございばず!」 男は答えた。 「いや、泣きながら歌うゆっくりなんて滅多に見ないからな。これぐらいはいいだろ」 男はそういうと、額を擦り続ける親れいむを背に去っていった。 親れいむは、それからも啜り泣きながら歌い続けていた。何だかんだで、金は集まった。 「それで、たった三百円か?」 翌日になって、鬼威参は赤ゆをポケットに詰めて、親れいむのいる道端までやって来ていた。 親れいむが集めたのはたった三百円。鬼威参が利子とついて、返済を求めているのは三百六十円。 六十円の差は大きかった。親れいむは必死に値切り交渉をした。 「おでがいじばず! これでがんべんじでぐだざい!」 三百円を鬼威参の足下に、舌で押しやって額を擦り続ける親れいむ。鬼威参の手には二匹が握られていた。 「たぢゅげぢぇえええええええええええ!!」 「あんよしゃんうごきゃにゃいにょおおおおおお!!」 親れいむは、そんな赤ゆを眼前に必死に頭を下げ続けていた。 「おでがいじばず! おでがいじばず!」 鬼威参は答える。 「無理だな。三百円を稼いできたのは偉いぞ。しかし、六十円足りない。足りないという事はどういうことか。 それは、赤ゆを返せないという事だ。お前が返さないなら、赤ゆは俺の物であることに変わりはない」 親れいむは涙声で狼狽した。 「ぞ、ぞんなぁ…どぼぢで…」 「じゃあ、そんな訳で、明日は九十円稼いでこいよ」 鬼威参は赤ゆと小銭をポケットに詰めると、その場を後にした。帰宅すると、透明な箱に赤ゆ達を放り込む。 「ゆぴぇっ!」 「ゆぴっ!」 赤ゆ達は痛がった。焼かれたあんよでは、起きるのもやっとなぐらいだ。 二匹はただただ、痛みと恐怖にブルブルと震えていることしかできなかった。 やがてしばらくすると、鬼威参がマイナスドライバーを片手に透明な箱の前にやってきた。 赤れいむを掴み上げると、その右目に突き立てた。素っ頓狂な悲鳴を、赤れいむは上げた。 「ゆっぴゃあああああああああああああああ!!」 赤まりさが突然起きた出来事に、悲鳴を上げた。 「ゆやああああああああああああああああ!!!」 そのままグリグリとマイナスドライバーを、あちこちの方向に動かし続けていた。 目玉は完全に潰れ、抉り取られた。鬼威参はその目玉を口にした。ゴクンと嚥下する音が響いた。 そして絶叫がこだまする。 「ゆっぎゃああああああああああああ!! れいみゅのおびぇびぇぎゃあああああああああああ!!」 「ゆやあああああああああああ!! 」 鬼威参は赤れいむを透明な箱に投げ入れると、今度は赤まりさを掴み上げた。そして右目にマイナスドライバーを刺した。 「ゆっぎょおおおおおおおおおおお!!!」 赤まりさも、赤れいむ同様に痛みに打ちひしがれた。左目があちこちに動く。 涙が鬼威参の手を伝ったが、鬼威参は気にすることなく作業を続けた。そして赤まりさの目玉を抉り取ると、口に頬張った。 「ゆ゙っ…!ゆ゙っ…!ゆ゙っ…! まじじゃの…まじじゃのおびぇびぇぎゃあああああああああああ!!!」 赤まりさの絶叫の後、赤れいむが再び叫んだ。 「ゆんやああああああああ!! もうやぢゃおうちかえりゅうううううううう!! かえりゅっちゃらかえりゅうううううう!!」 鬼威参はそれに答えるかのように話し始めた。 「いいや、ダメだよ。君達のお母さんがお金を返してくれないとね。九十円だぞ? チョコレート一枚ぐらいの価値があるんだ」 二匹は狼狽えた。 「むりにきまっちぇるううううううううう!!」 「もうやべぢぇえええええええ!! どぼぢぢぇぎょんなひぢょいごぢょじゅるにょおおおおおお!!?」 鬼威参は鼻で笑うと、リビングへと行ってしまった。取り残された二匹はというと、何もする事がなかった。 出来る事も無い。出来ると言えば、文句や歌う事ぐらいだ。しかし、そんな事をする余裕は二匹には残されていなかった。 それに、余裕があっても、叫ぼうものならばすぐさま鬼威参に舌を抜かれるだろう。二匹はゾッとした。 鬼威参はリビングでテレビを見ながら、考えていた。 金を借りずに、そのまま頑張って歌っていれば金を稼げたのにと。担保の意味も分からないまま、易々と赤ゆを差し出した事も。 まったく、自分達にとって都合の良い方にしか考えられない。ゆっくりとはお花畑の塊だ。いざ、自分に危機が迫った時にしか、物事を考えられない。 鬼威参は、いつしか眠りに就いていた。気付いた時には夕方を回っていた。 鬼威参は起き上がると、透明な箱へと近づいた。赤ゆ達はブルブルと怯えていた。 「やめ…やめちぇにぇ…」 「きょわいよぉ…きょわいよぉ…」 怯えながら後ずさりしようとする赤ゆ達。しかし、焼かれたあんよは言う事を聞かない。 鬼威参はそれを見ると微笑んだ。やがてキッチンへ向かうと、料理を作り始めた。 美味そうな匂いが、再び漂ってきた。赤ゆ達はグッと堪えて、その日を過ごした。 夜になる頃には、再びオレンジジュースの注射をされた。赤ゆ達の心は、限界だった。 翌朝を迎えて、鬼威参は赤ゆをポケットに詰めた。そして親れいむのいる道端までやってくる。 親れいむは鬼威参を目の当たりにすると、ボロボロと涙を流し始めた。 「おでがいじばず…おでがいじばず…」 鬼威参はそれを無視して、言葉を発した。 「で、いくら儲けたんだ? 九十円は返して貰うぞ?」 親れいむが舌を使ってお兄さんの前に差し出したのは、五十円玉が一枚だけだった。 鬼威参は鼻で笑うと、ポケットから赤ゆを取り出した。 「おきゃあしゃん…たしゅけちぇぇ…」 「おみぇみぇ…みえにゃいよぉ…まじしゃの…まじしゃの…」 親れいむは、愛する子供達の右目が潰れている事に驚愕した。 「ゆううううううううう!!? どぼぢでおぢびぢゃんのおべべがづぶれでるのおおおおおおお!!?」 「丁寧なご解説をどうも。明日は七十円を用意しておけよ」 鬼威参は茶々を入れると、五十円を拾ってとっとと家に帰った。親れいむは自分の不甲斐なさを嘆くように、シクシクと泣いていた。 お兄さんは帰宅すると、手を洗う事もせずに赤ゆをキッチンへと連れて行った。いつもと違う場所に、あんよを焼かれた場所に赤ゆ達は恐怖していた。 「なに…なにしゅるにょおおおおおおお!!?」 「やめちぇにぇええええええええ!!」 鬼威参は赤ゆの悲鳴などお構いなしに、赤ゆの髪の毛を毟り取り始めた。ビリビリと音がする。 毛穴の辺りからは微量の餡子が滲み出ていた。 「ゆっぴゃああああああああああああ!!」 「ゆぎゃぎいいいいいいいいいいいいいい!!」 二匹の悲鳴が張り裂けんばかりに、キッチンに響いた。鬼威参が一通り毟り終えると、二匹はすっかり丸坊主になっていた。 「れいみゅの…れいみゅのしゃらしゃらへあーじゃんぎゃあああああああああ!!」 「まじじゃの…ぶろんぢょへあーしゃんぎゃあああああああああ!!」 鬼威参は赤れいむにだけ、飾りのリボンを結び直した。それはハチマキのように、某アクション映画の俳優を連想させた。 鬼威参は思わず笑ってしまう。赤ゆ達はそれを見て、怒鳴った。 「にゃにぎゃおかちいにょおおおおおおおお!!?」 「どぼぢぢぇぎょんなごぢょしゅるにょおおおおおおお!!?」 鬼威参は笑いながら答える。 「それはだって、君達は担保だから」 鬼威参は、アハハと笑うと赤ゆ達を透明な箱に投げ入れた。そのままリビングに向かって、テレビを点けるとくつろぎ始めた。 赤ゆ達は透明な箱でプルプルと、ブルブルと震えている。 「まりしゃぁ…どうなっちゃうにょ…」 「わきゃらにゃいよ…きっちょ…きっちょおかあしゃんがたしゅけちぇくれりゅよ…」 その願いが果たして叶うかどうか、総ては親れいむの稼ぎに掛かっていた。 「おでがいじばずううううう!!」 この頃になると、親れいむは歌うのを止めて、金をくれと人々にせがんでいた。 人々が親れいむをチラチラとは見る物の、金をくれる人間はいなかった。 「おでがいじばず! おぢびぢゃんをがえじでもらうのにひづようなんでず!」 「詳しく説明してくれないか?」 通りがかった男が、親れいむに声を掛けた。男は屈んで、親れいむの話しに聞き入った。 それなりにゆっくりしていた事。金貸しに酷い目にあっている事を、親れいむは伝えた。 「ぞういうごどなんでず!」 「そういう事なのか…」 男は顎に手をやって考え始めた。 「幾らか分かるかい?」 「わがじばぜん…おがねざん、いっばいひづようなんでず!」 親れいむが狼狽した。男はまたしばらく、考えに耽った。 「まあ、借りるのはいいけど、返せなきゃダメじゃないか。今回は百円をやるよ。それで解決できたらいいけどな」 男が財布から百円玉を取り出した。親れいむの目の前に置かれる。親れいむは額を擦りつけて、感謝の意を表した。 「あじがどうございばず!」 「まあ、いいんだけどさ。きっと、上手くいかないだろうし」 男はそれだけいうと、去ってしまった。上手くいかないとは一体何の事なのか。 親れいむには今の時点では、分からなかった。それよりも、金が入った事で今度こそ返済できるかも知れない。 親れいむは、心の中で赤ゆ達に詫びると同時に、ようやく救えると安堵した。 「ゆっ! ゆっ! ゆっ!」 百円玉を咥えて、植え込みのダンボールまで持って行く。そこにあるのは、食いかけのチョコレートだけだった。 チョコレートは親れいむが、その甘さ、美味さから殆どを食い尽くしてしまっていた。 親れいむは、赤ゆ達と一緒に食べようと考えていた。しかし、いざ食べてみると止まらない。 食べる事を止められなかった。気付けばチョコレートは殆どが無くなっていた。狩りも全くしていない。 親れいむは歌を歌い続け、赤ゆを取り戻す為だから仕方ないと、自分に言い聞かせた。それは赤ゆ達への言い訳でもあった。 「なるほど、よくやったじゃないか」 鬼威参は親れいむのいる道端まで来ていた。無論、ポケットには赤ゆが詰め込まれている。 「おでがいじばず! おぢびぢゃんがえじでぐだざい!」 親れいむが狼狽えながらも、赤ゆを返すように迫った。鬼威参はポケットから赤ゆを取り出して、親れいむの前に置いた。 「はい、返したっと」 親れいむは、その姿に愕然とした。あれほどゆっくりしていた、赤ゆ達。しかし、今は右目を潰され、あんよを焼かれている。 挙げ句には髪の毛を全て毟られて、飾りが申し訳程度に乗せられているだけ。親れいむは叫んだ。 「ゆんやああああああああああ!! どぼぢでおぢびぢゃんがごんなごどにいいいいいいいいい!!?」 親れいむが叫んでいる間に、鬼威参は金を回収した。過払いの金など、返す気は毛頭無い。 「ゆっ…おきゃあしゃん…たしゅけちぇ…」 「まりしゃを…ゆっくちさせちぇ…」 衰弱しきった赤ゆ達。オレンジジュースの注射から大分時間が経っている。このまま放置しておけば、死ぬ事は確実だろう。 「どぼずればいいのおおおおおお!!?」 ダンボールに僅かに残されたチョコレートの事も忘れて、親れいむは叫んだ。 そこに鬼威参が、良い提案があると言葉にした。 「いいていあん…なんなの!? はやぐおじえでねえええええええ!!」 二日後、親れいむは道端でまりさとすっきりしていた。側には赤ゆはいなかった。 「すっきりぃ!」 「…すっきりぃ…」 親れいむは売春をしていた。ニョキニョキと緑々しい茎が、親れいむの額から生えてくる。 「ゆゆ! それじゃあ、まりさはかえるのぜ!」 「ゆん…」 親れいむはそのまま、鬼威参宅へとやって来た。 「ゆっくりただいまだよ…」 鬼威参が出迎えてくれた。玄関付近の透明な箱に、赤ゆ達は入っていた。 「ゆっくちおきゃえりなしゃい…」 「うぎょけにゃいよぉ…ぽんぽんへっちゃよぉ…」 衰弱した赤ゆ達に、親れいむは少し待ってくれと云った。鬼威参は親れいむに近づくと、額に生えた茎を毟り取った。 「ゆぎっ!」 親れいむの若干の悲鳴の後、茎に実った実ゆっくり達の表情は苦しげになる。 鬼威参はそれを透明な箱に放り込んだ。赤ゆ達は茎を、実ゆごと食べ始める。 「むーちゃむーちゃ…ちあわちぇー…」 「ちあわちぇー…」 鬼威参は、それを見て親れいむに言った。 「じゃあ、俺の分もよろしくな」 「ゆ…はい…」 親れいむはトボトボと玄関を出て行った。再び売春をするのだ。 鬼威参の提案とは、売春だった。家賃代わりとして実ゆっくりを、鬼威参に払うよう持ちかけたのだ。 赤ゆ達の食事も実ゆっくり。それは厳しい都会に於いて、オアシスを提供してくれるようなものだった。 雨風は凌げ、寒い思いもしない。れみりゃに襲われる危険性もない。それは動けぬ赤ゆ達にとっては、生き延びる為に必要な環境だった。 鬼威参はそれを提示した。そして、親れいむはそれを呑んだ。今まで棲んでいたダンボールを引き払い、鬼威参宅で暮らす事になったのだ。 暮らすといっても、許されたスペースは玄関脇だけ。それより奥は、鬼威参に蹴飛ばされてしまう。 あまりに酷いようならば、外に追い出すとも云っている。親れいむは売春を続けるしかない。 一つは赤ゆ達の食事の為。そして二つ目は鬼威参への家賃として。 親れいむには未来がなかった。このまま産む機械同然の働きを行って、赤ゆ達をゆっくりさせるしかない。 赤ゆ達は今はゆっくりしてないが、いつしかゆっくり出来る事だろう。親れいむはそう考えていた。 唯一、自分が死んだ後の事は考えていなかった。親れいむが死んだら、一体誰が赤ゆの世話をするのか。一体、誰が家賃を払うのか。 鬼威参は、親れいむの寿命が迫った時に、その事実を伝えるつもりだった。 なぜならば、騙され、裏切られたと知った時のゆっくりの表情は、とってもゆっくりできるから。 終 あとがき 最近あったこと。 医者「ウォッカはやめてください」 俺「安定剤もやめていいですか? 眠くて眠くて…」 医者「分かりましたから、ウォッカはやめてください」 俺「じゃあ、ワインはオッケー?」 医者「……じゃあ、まあ、ワインなら…」 俺「ハラショー!! ウラー!」 医者「飲み過ぎないで下さいね」 俺「うん」 独り言 ハードディスクがカッコンするねん。なんなのねん。本当に心臓に悪いからやめてほしいねん。 お前seagateやろ。seagateやったら、海の男いうイメージあるやろ。そんなにカッコンしてどないすんねん。 新しいHDD買わないとあかんなぁ。
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ソドム 《出典作:ファイナルファイトシリーズ、ストリートファイターZEROシリーズ、アドベンチャークイズカプコンワールド2》 VS. 対アーサー【魔界村シリーズ:CAPCOM】 「HAT QUARTZ SIT EYE!?(訳:おいおい、どういう体質だよそりゃ!?)」※白骨死体 ※投稿・harumond 対アーデルハイド・バーンシュタイン【KOFシリーズ:SNK】 「A LITTLE KILLING GEAR LISTEN!?(訳:路頭に迷っても知らねぇぜ!?)」※アリとキリギリス ※投稿・harumond 対麻宮アテナ【サイコソルジャー:SNK】 「I OBOE TEA MASS CAR!?(訳:日本人なら演歌忘れんなよ!?)」※愛、おぼえていますか ※投稿・管理人 対アッシュ・クリムゾン【KOFシリーズ:SNK】 「OH COMER!(訳:ナヨナヨしたヤロウだぜ!)」※オカマ ※投稿・harumond 対アナカリス【ヴァンパイアシリーズ:CAPCOM】 「TEN PEE BOSSY(訳:そこで干からびてな!)」※天日干し ※投稿・harumond 対アビゲイル【ファイナルファイトシリーズ:CAPCOM】 「MAN IN DEAN SHOCK!(訳:お前の相手はやっぱキツいな!)」※満員電車 ※投稿・管理人 対アブボ・ラオ【レイジ・オブ・ザ・ドラゴンズ:SNK】 「LUIGI FIN KNEE GO CHEWING?(訳:アビゲイルの親戚じゃねぇよな?)」※類似品にご注意 ※投稿・harumond 対アベル【ストⅣシリーズ:CAPCOM】 「SAY JING SEEK!(訳:ヒヨッコが!)」※成人式 ※投稿・管理人 対アリサ・ボスコノビッチ【ストクロ:CAPCOM】 「MIKE…BEAN!?(訳:首が取れただと…どうなってやがる!?)」※舞首 ※投稿・harumond 対アンディ・ボガード【餓狼伝説シリーズ:SNK】 「MERMAID END CUE!?(訳:気合入ってるのはデコだけか!?)」※豆電球 ※投稿・harumond 対アントノフ【KOFシリーズ:SNK】 「OH DOLL!DAMEGE NIN GAIN!(訳:王者は俺だ!お前は家臣だ!)」※踊るダメ人間 ※投稿・harumond 対アンヘル【KOFシリーズ:SNK】 「TUNE DELAY!?(訳:緩急自在かよ!?)」※ツンデレ ※投稿・管理人 対イーグル【ストシリーズ:CAPCOM】 「UNKNOWN SIR…!(訳:やだお前あっちいけって…!)」※あのさぁ… ※投稿・harumond 対一条あかり【月華の剣士シリーズ:SNK】 「DOME AND? 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MAIN!(訳:前を横切るな!縁起が悪い!)」※通行止め ※投稿・harumond 対クロード【サムスピ閃:SNK】 「…OLD ME GO TONNY GOES EYE MASTLE!(訳:…いいセンスじゃねぇか!)」※お美事にございまする ※投稿・harumond 対クローン京【KOF2002シリーズ:SNK】 「ESCIN? DO TIGHTS!(訳:素手でヤレだぁ?やなこった!)」※一心同体 ※投稿・管理人 対K´【KOFシリーズ:SNK】 「WARMER EIGHT NO CAR CHANT DAY BAY SOUL!(訳:親の教育がなってねぇな!)」※お前の母ちゃんデベソ ※投稿・harumond 対源柳斎マキ【ファイナルファイト2:CAPCOM】 「KILLING TO RAY CHUCK SHAKING!(訳:マジメにやれ!)」※起立礼着席 ※投稿・harumond 対剛拳【ストⅣシリーズ:CAPCOM】 「GOING YOUR SUN!(訳:ロートルに構ってる暇はねえ!)」※ご隠居さん ※投稿・harumond 対コーディー【ファイナルファイトシリーズ:CAPCOM】 「…IT S CAR MARCH DAY GOO THEN DEAR TENOR E MY JOHNNY KILL IN NUT NINE DAY?(訳:…やっぱお前はその方が良いぜ?)」※いつか街で偶然出会っても今以上に綺麗になってないで ※投稿・管理人 対ゴッド・ルガール【カプエス2:CAPCOM】 「ARK REAL TIGHT SUN!(訳:いい加減にくたばれ!)」※悪霊退散 ※投稿・harumond 対小早川秀秋【戦国BASARAシリーズ:CAPCOM】 「OAK ARE WALLY!(訳:もっとうまいモン食わせろ!)」※おかわり ※投稿・harumond 対斎祀【KOFⅩⅢシリーズ:SNK】 「LAW SHIRTS KYO!(訳:お前、服ぐらい着とけよ!)」※露出狂 ※投稿・harumond 対真田幸村【戦国BASARAシリーズ:CAPCOM】 「HE KNOW MORE TONE EACH NO TWO WHAT MONO!(訳:お前の武士道、見事だったぜ!)」※日ノ本一の兵(つわもの) ※投稿・月白 対ザナドゥ【KOFⅩⅣ:SNK】 「WHEN NOW OZZY SUN…(訳:コイツマジでイッちまってるぜ…)」※変なおじさん ※投稿・harumond 対ザンギエフ【ストシリーズ:CAPCOM】 「TABUN DOUBLE!?(訳:下らねぇこと言ってんじゃねぇよ!?)」※多分駄文 ※投稿・管理人 対ジェダ・ドーマ【ヴァンパイアシリーズ:CAPCOM】 「SHOW DOWN TEQUILA J CAIN!(訳:なに言ってっか全然分かんねぇんだよ!)」※集団的自衛権 ※投稿・管理人 対シェルミー【KOFシリーズ:SNK】 「SAY CAR Y LINK?(訳:前見えんのか?)」※スイカ割り ※投稿・管理人 対四条雛子【KOFシリーズ:SNK】 「JOSEPH WORD FIONA COLOR ORIENTAL DIE SIDE!(訳:場違いなんだよ! ) 」※ 女性は土俵からおりて下さい ※投稿・管理人 対シュンエイ【KOFシリーズ:SNK】 「ME MEAN NOW SEA HAWK WITCH?(訳:話聞こえんのかソレで?)」※耳なし芳一 ※投稿・harumond 対ショウ【闘神伝2(AC版):CAPCOM】 「EAT ME FOO MAIN!(訳:ワケのわからんゴタク並べんじゃねぇ!)」※意味不明 ※投稿・K131 対ショー・疾風【風雲シリーズ:SNK】 「KING JAW MAID WORK!(訳:声がデケェんだよ!)」※近所迷惑 ※投稿・harumond 対ジョー・ヒガシ【餓狼伝説シリーズ:SNK】 「URBAN REY HEART CHUCK!(訳:手に負えねぇな!)」※暴れはっちゃく ※投稿・管理人 対不知火舞【餓狼伝説シリーズ:SNK】 「CHEEK OH YOU LEI(訳:良い女じゃねぇか)」※近う寄れ ※投稿・管理人 対シルヴィ・ポーラ・ポーラ【KOFシリーズ:SNK】 「HOOK WORD LINE!(訳:その変顔やめろ!)」※福笑い ※投稿・harumond 対神人・豪鬼【カプエス2:CAPCOM】 「SENIOR MONROE GREEN!(訳:ヒヤヒヤさせやがる!)」※死に物狂い ※投稿・管理人 対秦崇雷【餓狼伝説シリーズ:SNK】 「BLADE MORE NO!(訳:口の利き方に気をつけろ!)」※無礼者 ※投稿・harumond 対是空【ストⅤ:CAPCOM】 「TURN MAD TAKE BACK ON!?(訳:どういう術だそりゃあ!?)」※玉手箱 ※投稿・harumond 対セス【ストⅣシリーズ:CAPCOM】 「E SEE SO DIN!(訳:オレの奥義は誰にもマネ出来ねぇ!)」※一子相伝 ※投稿・管理人 対千堂つぐみ【餓狼WA:SNK】 「NEEDLE ZOO CAKE KING SEA!(訳:もう喧嘩売んじゃねぇぞガキ!)」※二度づけ禁止 ※投稿・harumond 対洗脳されたケン【SVCCHAOS:SNK】 「DIME Z I?(訳 どんなドラッグキメやがった?)」※ダメ、ゼッタイ ※投稿・管理人 対千利休【戦国BASARA4皇:CAPCOM】 「WOOL MY MORE IT PIE!(訳:本場の茶は最高だぜ!) 」※美味い、もう一杯 ※投稿・harumond 対ソフィア【闘神伝2(AC版):CAPCOM】 「JOE OH SUMMER!(訳:キツい女は苦手だぜ!)」※女王様 ※投稿・K131 対大門五郎【KOFシリーズ:SNK】 「NIP ON CHUCK’CHUCK’CHUCK!(訳:やっぱいいぜ!)」※日本チャチャチャ ※投稿・管理人 対高嶺響【月華の剣士第二幕:SNK】 「E K ZOO CLEAN!?(訳:俺を刺身にする気か!?)」※活け造り ※投稿・harumond 対タクマ・サカザキ【龍虎の拳2:SNK】 「UN SEE GO LUCY!(訳:チョップが決め手よ!)」※牛殺し ※投稿・管理人 対武田信玄【戦国BASARAシリーズ:CAPCOM】 「OH YEAH CUTTER SUMMER!(訳:アンタが戦国大名ってヤツか!)」※お館様 ※投稿・月白 対竹中半兵衛【戦国BASARAシリーズ:CAPCOM】 「IN MAD CALL MAY!(訳:軍師ってヤツも侮れねえな!)」※今孔明 ※投稿・月白 対ダック・キング【餓狼伝説シリーズ:SNK】 「DAWN GREEN CALL ON CALL ON!(訳:クルクル回ってんじゃねェ!)」※どんぐりころころ ※投稿・harumond 対伊達政宗【戦国BASARAシリーズ:CAPCOM】 「DAY SEEING LEAD SHE GUN!(訳:兄貴と呼ばせてくれ!)」※弟子入り志願 ※投稿・harumond 対ダムド【ファイナルファイトシリーズ:CAPCOM】 「HEART LARK TUKEY NINE DIHIGO ZAIRE?(訳:相変わらず子分頼りか?)」※働きたくないでござる ※投稿・管理人 対ダルシム【ストシリーズ:CAPCOM】 「IT TURN MOMENT!(訳:吹いたら飛んじまいそうだな!)」※一反木綿 ※投稿・harumond 対タン・フー・ルー【餓狼伝説シリーズ:SNK】 「OH SHOW GUTS!(訳:ノンキなジジイだ!)」※お正月 ※投稿・管理人 対チャン&チョイ【カプエス2:CAPCOM】 「OREGON TEA ROYAL!(訳:お前ら俺に付いてこい!)」※奢ってやる ※投稿・管理人 対チョイ・ボンゲ【KOFシリーズ:SNK】 「KICK END GENE BOOTS?(訳:なんで逮捕されねぇんだ?)」※危険人物 ※投稿・harumond 対ツキノヨルオロチノチニクルフイオリ【KOFシリーズ:SNK】 「……KITCHEN GUY(訳:…ヤベェよ)」※キチガイ ※投稿・管理人 対廿楽冴姫【アルカナハートシリーズ】 「KEEMA SIT TOWER…!?(訳:お前そういう趣味があったのかよ…!?)」※キマシタワー ※投稿・harumond 対ディカープリ【ストⅣシリーズ:CAPCOM】 「DO NOT DAY SCAR?(訳:ツラ見せろよ?)」※どなたですか ※投稿・管理人 対ティファニー・ローズ【ジャスティス学園シリーズ:CAPCOM】 「OH TAG I SUMMER!(訳 何だ、お前も日本語が苦手なのか!)」※お互い様 ※投稿・肥後守 対デビロット【サイバーボッツ:CAPCOM】 「GIN KANE SCENE GUY!(訳:やりたい放題かよてめぇら!)」※人権侵害 ※投稿・管理人 対デミトリ・マキシモフ【ヴァンパイアシリーズ:CAPCOM】 「CARTRIDGE SEND COLD!(訳:気安く人様の血ィ吸うな!)」※蚊取り線香 ※投稿・harumond 対デューク・B・ランバート【闘神伝2(AC版):CAPCOM】 「SAY YORK A BREAK?(訳:そんなカッコして恥ずかしくないか?)」※西洋かぶれ ※投稿・K131 対藤堂香澄【龍虎外伝:SNK】 「YEOMAN WORD READ?(声:子供の一人旅は危ないぜ?)」※夜回り ※投稿・harumond 対藤堂竜白【龍虎の拳:SNK】 「ME COKE DION SEA!(訳:ガッカリさせやがる!)」※見かけ倒し ※投稿・管理人 対ドノヴァン・バイン【ヴァンパイアシリーズ:CAPCOM】 「CAR’S LEO CAR ME!(訳:そのチビ連れて帰んな!)」※子連れ狼 ※投稿・管理人 対トレーシー【闘神伝2(AC版):CAPCOM】 「SHE MAT SHOW!(訳:汚職はすんなよ!)」※始末書 ※投稿・K131 対トロン・ボーン【ロックマンDASHシリーズ:CAPCOM】 「GO YO ALERT AMEN!(訳:勝手に人のブツ盗んじゃねえぞ!)」※御用改め ※投稿・harumond 対二階堂紅丸【KOFシリーズ:SNK】 「AUDIO COKE DEATH CAR!(訳:このホウキ頭が!)」※お出掛けですか ※投稿・管理人 対NEO‐DIO【ネオコロ:SNK】 「BOW HERE ON!(訳:この場でおっ死にな!)」※墓標 ※投稿・管理人 対ネカリ【ストⅤ:CAPCOM】 「TURBO BAY NIGHT DAY COOL THAT SIZE!(訳:どっか行けコノヤロウ!)」※食べないでください ※投稿・harumond 対パイロン【ヴァンパイアシリーズ:CAPCOM】 「MARGINAL KEY MOIS IN!?(訳:なんなんだよてめぇは!?)」※マジキモい ※投稿・管理人 対覇王丸【サムスピシリーズ:SNK】 「…CENT ZAIRE INCH GOO!(訳:…会いたかったぜ!)」※千載一遇 ※投稿・管理人 対パックマン【ストクロ:CAPCOM】 「…WHAT CALE GATT WORKER RUN NINE EEYORE?(訳:…なんだコイツ?)」※わけがわからないよ ※投稿・harumond 対ハン・ジュリ【ストシリーズ:CAPCOM】 「WHEN TURN IN!?(訳:なに考えてんだ!?)」※ヘンタイ ※投稿・管理人 対バンデラス・ハットリ【KOFⅩⅣ:SNK】 「TWO KEY AT TAKE THAT SIGN?(訳:一緒に天下獲ろうぜ?)」※付き合ってください ※投稿・harumond 対ビシャモン【ヴァンパイアシリーズ:CAPCOM】 「GUN SACK!(訳:パチモン野郎が!)」※贋作 ※投稿・管理人 対ヒューゴー【ストシリーズ:CAPCOM】 「HE NAME MAT TREE!(訳:オメェらお似合いだよ!)」※ひな祭り ※投稿・管理人 対ビリー・カーン【餓狼伝説シリーズ:SNK】 「HEAT LEAGUE LASSI!(訳:さっさと自立しな!)」※一人暮らし ※投稿・harumond 対フェリシア【ヴァンパイアシリーズ:CAPCOM】 「NAIL CALL MASSIVE GOO LARD!(訳:缶詰でも食べてな!)」※ねこまっしぐら ※投稿・harumond 対風魔小太郎【戦国BASARAシリーズ:CAPCOM】 「GUARD KEY JUMP NAIL!DARK LOS ANGELES!?(訳:なんか喋れ!分かんねえだろ!?) 」※ ガキじゃねえんだからさ ※投稿・管理人 対ブライアン・バトラー【KOFシリーズ:SNK】 「WINDOW CAIN!(訳:マジな勝負がしてぇんだよ!)」※運動会 ※投稿・管理人 対ブライアン・フューリー【ストクロ:CAPCOM】 「BALL SOUL YEAH ROW !(訳:メチャクチャやりやがって!)」※暴走野郎 ※投稿・acrysion 対ベルガー【ファイナルファイトシリーズ:CAPCOM】 「E UMA MILO、YORK!?(訳:アンタはもう、引っ込んでくんな!?)」※良い夢見ろよ ※投稿・管理人 対ポイズン【ファイナルファイトシリーズ:CAPCOM】 「LITCHEE HE GUY!(訳:俺の仲間引き抜くんじゃねぇ!)」※拉致被害 ※投稿・管理人 対ホー・ファイ【闘神伝2(AC版):CAPCOM】 「KEY LOW NO HE!(訳:くたばれ妖怪ジジイ!)」※敬老の日 ※投稿・K131 対北斗丸【餓狼MOW:SNK】 「D UNCLE SEX CAR!(訳:チョコマカするな!)」※電光石火 ※投稿・管理人 対炎を失った庵【KOFシリーズ:SNK】 「SOON NEAR NO CAN KUWAIT NAIL!(訳:てめえの事情なんか知らねぇな!)」※そんなの関係ねぇ ※投稿・管理人 対本願寺顕如【戦国BASARAシリーズ:CAPCOM】 「OH BURN FULL MIND!(訳:気前いいぜ大将!)」※大判振る舞い ※投稿・harumond 対マキシマ【KOFシリーズ:SNK】 「KNEE SOCKS SIMON!(訳:ポンコツヤロウが!)」※二束三文 ※投稿・管理人 対マスター【闘神伝2(AC版):CAPCOM】 「OH TO CALL KNOCK CALL!(訳:男か女かハッキリしな!)」※男の娘 ※投稿・K131 対Mr.カラテ【龍虎の拳:SNK】 「EAT DUCK MOUSE!(訳:その面ヨコセ!)」※いただきます ※投稿・管理人 対明天君【KOFシリーズ:SNK】 「SHOOTING DEATH YAW!(訳:寝てんじゃねぇ!)」※終点ですよ ※投稿・harumond 対メガマン【ストクロ:CAPCOM】 「COOL SUCK WHO COFFEE!?(訳:なんだよそのカッコ!?)」※草不可避 ※投稿・harumond 対モリガン・アーンスランド【ヴァンパイアシリーズ:CAPCOM】 「JUKE HATCH KING!(訳:ホステス呼んだ覚えはねぇ!)」※18禁 ※投稿・管理人 対モンド闘神伝2(AC版):CAPCOM】 「ZEE DIE SACK GO!(訳:最先端のファッションだな!)」※時代錯誤 ※投稿・K131 対八神庵【KOFシリーズ:SNK】 「TEN GUY CODE COOL?(訳:ダチ居ねぇだろ?)」※天涯孤独 ※投稿・管理人 対山崎竜二【餓狼伝説シリーズ:SNK】 「GUNMAN NO GAIN CAIN!(訳:調子に乗るんじゃねぇぞ!)」※我慢の限界 ※投稿・管理人 対ユリアン【ストシリーズ:CAPCOM】 「OH YEAH MANON TYPE SHOW!(訳:所詮その程度ってことよ!)」※お山の大将 ※投稿・harumond 対ユリ・サカザキ【龍虎の拳2:SNK】 「SNAKE CASUARI!(訳:親の顔が見てぇ!)」※スネかじり ※投稿・管理人 対ラスプーチン【ワーヒーシリーズ:SNK(ADK)】 「MARS EAT DEATH YORK!(訳:こっちに寄るんじゃねぇ!)」※まずいですよ ※投稿・harumond 対羅刹丸【サムスピシリーズ:SNK】 「HEAT DAY NOTHING!(訳:バケモノ野郎が!)」※人でなし ※投稿・harumond 対ラッキー・グローバー【KOFシリーズ:SNK】 「HE DARLING TEA WATT’SO L DANKE!(訳:最後が肝心なんだよ!)」※左手は添えるだけ ※投稿・管理人 対ララ・マツダ【ストⅤ:CAPCOM】 「DIE TURN WHO TAKE IT?(訳:少しは慎み持てよ?)」※大胆不敵 ※投稿・harumond 対ラングー・アイアン【闘神伝2(AC版):CAPCOM】 「GAT TEN KEY!(訳:いい体してんな!)」※ガテン系 ※投稿・K131 対リムルル【サムスピシリーズ:SNK】 「TOOL PET TOWER!(訳:コゾウかと思ったぜ!)」※ツルぺタ ※投稿・管理人 対リュウ【ストシリーズ:CAPCOM】 「SAY ROCK HACK CHOOSE!(訳:いい勝負だったぜ、アンタ!)」※勢力伯仲 ※投稿・harumond 対リョウ・サカザキ【龍虎の拳シリーズ:SNK】 「D CHAOS SAY GEAR!(訳:苦労してんな!)」※出稼ぎ ※投稿・管理人 対リリス【ヴァンパイアシリーズ:CAPCOM】 「OH MAMA GOAT!(訳:マセたガキに用はねえ!)」※おままごと ※投稿・harumond 対ルーファス【ストⅣシリーズ:CAPCOM】 「PEACH COW PUNCH’COW!!(訳:ウルセェ!!)」※ピーチクパーチク ※投稿・管理人 対ルガール・バーンシュタイン【KOFシリーズ:SNK】 「IT TAKE YOSSY!(訳:アンタもう潮時だぜ!)」※逝ってよし ※投稿・harumond 対ロック・ハワード【餓狼MOW:SNK】 「JACKIE GUN!?(訳:何に目覚めてんだ!?)」 ※邪気眼 ※投稿・harumond 対ロバート・ガルシア【龍虎の拳シリーズ:SNK】 「MOW CURRY MAT CAR?(訳:まだ本調子じゃねえだろ?)」※儲かりまっか ※投稿・harumond 対若葉ひなた【ジャスティス学園シリーズ:CAPCOM】 「GEN KEY HEARTS RATS!(訳:若いのに大したもんだ!)」※元気溌剌 ※投稿・harumond &. &赤井まほ【どき魔女シリーズ:SNK】 「SHOT SEE…COUNT TAKE TWO!(訳:いつか極めてやるぜ…ジャポニズムを!)」※初志貫徹 『まほも応援します!頑張ってください!(本当は何言ってるか解らないけど…)』 ※投稿・harumond &麻宮アテナ【サイコソルジャー:SNK】 「TIGHTS KANE BURN?(訳:まだ本気出してねぇぞ?)」※体験版 『す、スゴくキャラ立ちしてますね…私も頑張らなきゃ』 ※投稿・管理人 &アドン【ストシリーズ:CAPCOM】 「YOU ROOTS(訳:やる気出ねえよ)」※憂鬱 『こんな素人がなんなく勝つとは、この大会もレベルが知れるな!』 ※投稿・管理人 &アンディ・ボガード【餓狼伝説シリーズ:SNK】 「E JOKE NOTHING(訳:俺ほどジャポニズム探求してる奴は居ねぇ!)」※異状無し 『日本語を覚えるのは難しいんです。私も最初は苦労しましたよ』 ※投稿・管理人 &イーグル【ストシリーズ:CAPCOM】 「KEY TINA ION?!(訳:な、なんだってんだよ?!)」※聞いてないよぉ 『君の強引さには、こう胸が込み上げるのだよ』 ※投稿・管理人 &一文字伐【ジャスティス学園シリーズ:CAPCOM】 「BOLD WHO K FOUR!(訳:俺達の勢いは誰にも止められねぇぜ!)」※暴風警報 『お、おう!何だかわからんけどわかったぜ!!』 ※投稿・harumond &エドモンド・本田【ストシリーズ:CAPCOM】 「E SHIRT MONDAY SNAKE!(訳:そうこなくちゃな!)」※いい質問ですねぇ 『あんたと組めるとは、こりゃ愉快な道中になりそうじゃのう』 ※投稿・管理人 &ガイ【ファイナルファイトシリーズ:CAPCOM】 「TIME AN SHOW BOO!(訳:サシでやったら誰にも負けねぇ!)」※タイマン勝負 『…思えばお主だけは昔から戦場で徒党を組まなかったな』 ※投稿・管理人 &ガイル【ストシリーズ:CAPCOM】 「OWNER TOWER CHEESE GOWN DEATH!?(訳:所詮ザコだな!?)」※あなたとは違うんです 『デタラメなマーシャルアーツに敗れるようではな…』 ※投稿・管理人 &鑑恭介【ジャスティス学園シリーズ:CAPCOM】 「WHAT TIME IS IT NOW!(訳:オレのカブトに触んじゃねぇぞ!)」※掘った芋いじるな 『…今丁度、10時を回ったところですが?』 ※投稿・管理人 &神月かりん【ストZERO3シリーズ:CAPCOM】 「PAMPER NADE!(訳:ブッちぎってやがるな!)」※ハンパねー 『贋が真を越えるか…虚仮の一念、見せて貰いましょう!』 ※投稿・管理人 &ギース・ハワード【餓狼伝説シリーズ:SNK】 「TWO KEY TALK SPAWN!?(訳:ベルガーよりアンタの方がずっといいぜ!?)」※月とスッポン 『…リッパー、ホッパー!……訳せ』 ※投稿・管理人 &キム・カッファン【餓狼伝説シリーズ:SNK】 「MOTHER L NEAR KEY KANE!(訳:韓国じゃなくて日本が好きなんだよ!)」※混ぜるな危険 『はっはっは!言わずとも分かっている。テコンドーこそ№1だ!』 ※投稿・管理人 &キャプテン・アメリカ【マーヴルVSシリーズ:CAPCOM】 「HERO COMPILE!(訳:あーしんどかったぜ!)」※疲労困憊 『ヒーロー…?集める…?詳しく話を聞かせてもらおう』 ※投稿・harumond &キング【龍虎の拳シリーズ:SNK】 「UMA ARAN TANYA ARAN!(訳:ま、こういう事もあらぁな)」※山あり谷あり 『さぁ、負けたらとっとと出直しな!』 ※投稿・管理人 &草薙京【KOFシリーズ:SNK】 「OH MEEK、JING!(訳:おまえの名前はアンラッキー・ワードだ、近寄んな!)」※おみくじ 『…まるで分からねぇな。…ったく、通訳は居ねぇのか?』 ※投稿・管理人 &ケン・マスターズ【ストシリーズ:CAPCOM】 「KITE SHIN GATE KEY!(訳:おりゃおりゃおりゃおりゃ!)」※快進撃 『ツボにハマるとアンタ結構手がつけられねぇな』 ※投稿・管理人 &源柳斎マキ【ファイナルファイト2:CAPCOM】 「SAUTE NO HIGH IN NINE!(訳:そんなこったろうと思ったぜ!)」※想定の範囲内 『そーだ、そーだ。分かんないけどその通り』 ※投稿・管理人 &豪鬼【ストシリーズ:CAPCOM】 「BOO BOO ZOO K DOS A!(訳:とっとと消えろ!)」※ぶぶづけどすえ 『敗者は疾く、去ねぃ!』 ※投稿・管理人 &コーディー【ストシリーズ:CAPCOM】 「JUKE YOU NANA HERE QUENCH!(訳:ヒマならヤキトリ屋手伝え!)」※時給700円 『何言ってっか分かんねえが、やなこった』 ※投稿・管理人 &サガット【ストシリーズ:CAPCOM】 「SUN GINA OOPARTS!(訳:まだまだ甘ぇんだよ!)」※三時のおやつ 『…どうやらただの道化では無いらしいな』 ※投稿・管理人 &ザ・レイス【スーパーマッスルボマー:CAPCOM】 「FOOL HE YAW HEAT GUY!(訳:自分の国が誤解されるようなマネすんなよ!)」※風評被害 『クキキ、言葉の意味は知らんがその言葉…とりあえず貴様に返してやろう』 ※投稿・harumond &ザンギエフ【ストシリーズ:CAPCOM】 「COCK SIM SAW!(訳:最強はこの俺だ!)」※国士無双 『言葉の意味はよく分からんが、とにかく大した自信だな!』 ※投稿・harumond &J.【サムスピ閃:SNK】 「J J J!?(訳:なんて頭してんだ!?)」※じぇじぇじぇ 『いきなりどうしたんだい?あと人の名前は一回言えば十分だぜ?』 ※投稿・harumond &ジャック・ターナー【龍虎の拳シリーズ:SNK】 「GENOME TAKE A!?(訳:俺と組めば怖いモン無しだぜ!?)」※業務提携 『組織名はマッド・キャッツ…?いやブラック・ギアも捨てがたい』 ※投稿・管理人 &ジョー・ヒガシ【餓狼伝説シリーズ:SNK】 「…TURQUOISE ART GAY?(訳:…今の奴らどっか飛んでっちまったな?)」※凧揚げ 『へッ…!俺様のハリケーンと比べっこでもするかぁ?』 ※投稿・管理人 &不知火舞【餓狼伝説シリーズ:SNK】 「AEROSOL KNEE YOU RAIL MEETS GETS NO CURVE NAIL.!?(訳:ゲイシャのアンタにメロメロだぜ!?)」※蒼空に揺れる蜜月の小舟。 『…な、なんか気持ち悪い視線感じるんだけど…!?』 ※投稿・管理人 &セス【ストⅣシリーズ:CAPCOM】 「OFF ANNA ME!(訳:壮観なまでの負けっぷりだな!)」※お花見 『ふ……これでは上質なデータなど期待できんな』 ※投稿・harumond &高嶺響【月華の剣士第二幕:SNK】 「E KEY TOOL CAN!(訳:オレの“ジッテ”は何でもぶっ壊す!)」※一気通貫 『随分とナマクラになっているようですが…研いで差上げましょうか?』 ※投稿・管理人 &ダルシム【ストシリーズ:CAPCOM】 「CAN CHEESE GUY!(訳:お前と居るとヘンジン扱いされちまう!)」※カン違い 『…お主を共にしているとどうも奇異の視線を向けられるな』 ※投稿・管理人 &ダン・ヒビキ【ストシリーズ:CAPCOM】 「…E MAN DAY SHOW!?(訳:…所でてめぇはいつになったら戦るんだ!?)」※今でしょ 『アイテテ…だからよ、この腹痛が収まったらだっての!』 ※投稿・管理人 &春麗【ストシリーズ:CAPCOM】 「CURVE ENDING!?(訳:往生際が悪いんだよ!?)」※壁ドン 『…なんでこんないい加減な戦い方で勝っちゃうのよ?』 ※投稿・管理人 &デッドプール【マヴカプ3シリーズ:CAPCOM】 「charge ○an ken!(訳 とんだキ○ガイ野郎と組んじまったぜ…)」※チャージ○ン研 『あり得ない面子の格闘大会…スクラル星人の仕業に違いない!』 ※投稿・ハッテン♂野郎 &テリー・ボガード【餓狼伝説シリーズ:SNK】 「MAKE GO COLON O KEY MINI!(訳:気合いの入ったイッパツだぜ!)」※まごころを、君に 『O.K!ナイス・フィニッシュだぜ!?』 ※投稿・管理人 &藤堂香澄【龍虎外伝:SNK】 「OCCUR ELLIE WERE ARCH LOUD DEATH! (訳:足手まといは帰んな!)」※お帰りはあちらです 『う…アイアムアガール。ユーアーアオクトパス!』 ※投稿・harumond &藤堂竜白【龍虎の拳:SNK】 「OH TEA HE SHUTTLE RE !?(訳:待った無しだぜ!?)」※王手飛車取り 『確かに強い…が、所詮無手勝流!藤堂流には及ばぬわ!』 ※投稿・管理人 &トロン・ボーン【ロックマンDASHシリーズ:CAPCOM】 「TOM DUTCH IT PIE!(訳:これだけいればもう大丈夫だな!)」※友達いっぱい 『いい、アンタたち?なるべくこの変なオジサンに関わっちゃダメよ?』 ※投稿・harumond &ナコルル【サムスピシリーズ:SNK】 「THREAD CHEAT GUY!(訳:こんな奴らじゃ満足できねぇな!)」※すれ違い 『…ガルフォードさんとなら気が合うかも知れません…』 ※投稿・管理人 &ナッシュ【ストZEROシリーズ:CAPCOM】 「YOU ARE TERRY JAWS!?(訳:巧くしのぎやがったか!?)」※世渡り上手 『…まずは意思の疎通からだが』 ※投稿・管理人 &二階堂紅丸【KOFシリーズ:SNK】 「AUTUMN CORONAS!(訳:アホかてめぇ!)」※オタンコナス 『悪いな。そんな色物のナリをしても一番目立つのが結局俺でさ』 ※投稿・管理人 &バージル【デビルメイクライ3シリーズ:CAPCOM】 「VERGIL TOO FOOL!(訳:てめぇの指図なんか受けねぇな!)」※馬耳東風 『貴様…殺されたいか?』 ※投稿・harumond &覇王丸【サムスピシリーズ:SNK】 「AUTO MURDER CHIN!(訳:オレ達ぁ同志よ!)」※お友達 『あんたみてぇな変わりモン、俺の国にゃ居ねぇよ』 ※投稿・管理人 &バイス【KOFシリーズ:SNK】 「& YOGA JAWS?(訳:まだ立てるかよ?)」※あんよが上手 『まったく壊し甲斐のない連中だねえ?』 ※投稿・管理人 &バルログ【ストシリーズ:CAPCOM】 「CARNEGIE CUFFS SAUTE?(訳:お前らなかなか悪くねぇな?)」※金貸して 『こんな連中と馴れ合おうとはな、これも醜い者同士の共鳴か』 ※投稿・管理人 &ハン・ジュリ【ストシリーズ:CAPCOM】 「DARK Γ MIME MARCH NORM GO MORE CAN SOL STEAK DION TWENTY!(訳:変なヤローばっかしだな!)」※毒蜘蛛も犬も乳飲み子も共存すべきだよと言って 『テメェが一番イカれてンだよ!』 ※投稿・管理人 &ヒューゴー【ストシリーズ:CAPCOM】 「DO KEY NO CYCLE LAN?(訳:お前は魔奴義亜の創設メンバーのハズだろ?)」※同期の桜 『…それ多分ファーティ(父ちゃん)だな』 ※投稿・管理人 &フェイロン【ストシリーズ:CAPCOM】 「ARCHER WATCHER GAIN MY CHARGE?(訳:カラテもケンポーもイケるぜ?)」※あちゃ、おちゃ、玄米茶 『そんなフザケた動きはカンフーとは呼べん!』 ※投稿・管理人 &ブランカ【ストシリーズ:CAPCOM】 「KIRK SUN KEYBOARD ON!?(訳:ワビサビ・マインドも知らねぇのかよ!?)」※拡散希望 『…オマエのごとばヤッパリわがらない…。オレ、オボエがたまちがえた…?』 ※投稿・管理人 &ベガ【ストシリーズ:CAPCOM】 「MURDER TAB TEL DAY SHOW!?(訳:もうおしまいかよ!?)」※まだ食べてるでしょ 『こんな大道芸に良いようにやられるとはな…』 ※投稿・管理人 &マイク・バイソン【ストシリーズ:CAPCOM】 「MAY ZANG MASH Dr. K!(訳:ガツンとイクぜぇ!)」※目覚まし時計 『全っ然足りねぇんだよ!もっと原型留めねえ位ボコれ!』 ※投稿・管理人 &モリガン・アーンスランド【ヴァンパイアシリーズ:CAPCOM】 「MURDER DIE YORK!(訳:ヘバるにはまだ早ぇぜ!)」※まぁだだよ 『お愉しみはこれからだって言うのに…ねぇ?』 ※投稿・管理人 &八神庵【KOFシリーズ:SNK】 「SWIM YEN SO CAR!(訳:おめぇも色々大変だな!)」※四面楚歌 『…今すぐ黙らんと鎧ごと灰にするぞ、貴様!』 ※投稿・harumond &矢吹真吾【KOFシリーズ:SNK】 「E CHALK SO CUTS YUCK SHUT KIND!(訳:やるときゃやるんだよ俺たちは!)」※一億総活躍社会 『…そ、そうッス!俺もソドムさんもまだまだイケますよ!?』 ※投稿・harumond &山崎竜二【餓狼伝説シリーズ:SNK】 「SEARCH MORE WORLD YOU KNOW?(訳:お前、エゲツねぇなぁ?)」※そちも悪よのう 『あ ぁ?アホみてぇなナリしくさって文句あンのかコラァ!?』 ※投稿・管理人 &ユリ・サカザキ【龍虎の拳2:SNK】 「KILL!(訳:これで仕舞いだぜ!)」※斬る 『お!お!?今のはユリにも分かったかも!?……でも十手じゃ斬れないよ』 ※投稿・管理人 &ユン【ストシリーズ:CAPCOM】 「KEY TWIN KEY TURN NINE KEY CHAIN!(訳:割りに合わねぇな!)」※キツい、汚い、危険 『…おい、ヤン!なんか言ってるぞ、お前相手してやれ!』 ※投稿・管理人 &リュウ【ストシリーズ:CAPCOM】 「E SHIN DIN SHIN!(訳:皆まで言うなってこった!)」※以心伝心 『ああ…言葉はわからなくともお前のこぶしが全てを語っていた』 ※投稿・管理人 &リョウ・サカザキ【龍虎の拳シリーズ:SNK】 「EURO SEEK OH NIGGA SEE MOUSE!?(訳:お前ら新生・魔奴義亜に入れてやるぜ!?)」※よろしくお願いします 『まさか勧誘してるのか!?やめとけお前ら!それより極限流はどうだ!?』 ※投稿・管理人 &ルガール・バーンシュタイン【KOFシリーズ:SNK】 「MUG RARE TURN LEAD!?(訳:けっこうアブなかったぜ!?)」※まぐれ当たり 『クックック…低レベルな接戦、ご苦労な事だ!』 ※投稿・管理人 &レインボー・ミカ【ストシリーズ:CAPCOM】 「JANE O TWO!?(訳:その手は食わねぇぜ!?)」※自演乙 『こういう強烈なキャラ性はプロレスでも重要なんスよ!』 ※投稿・管理人 &ロック・ハワード【餓狼MOW:SNK】 「OH TEN HORN!(訳:師匠と呼びな、ボウズ!)」※お手本 『変なオッサンだが結構強ぇんだな。…ま、参考にはならねぇが』 ※投稿・管理人 &ロバート・ガルシア【龍虎の拳シリーズ:SNK】 「HONG G TWO TAKE Q B!(訳:寝てんのかてめぇ!)」※本日定休日 『なんやねんな。何言うてるか全然わからへん』 ※投稿・管理人
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集うは我ら、信頼の絆 依頼主 :ハムジ・ガー(南ザナラーン X23-Y14) 受注条件:レベル50~ 概要 :灰の陣営のハムジ・ガーは、共に至強を目指す戦士として、冒険者にお願いしたいことがあるようだ。 ハムジ・ガー 「強き者よ、我らが一党は至強を求むる! 至強とはすなわち、強きを乗り越えた先にあるもの。 ゆえに無力なる若輩を拐いし者は、打倒すべき宿敵なり! これを完膚なきまでに討ち負かし、拐われし同胞を救出する。 それこそが我らに架せられし宿命と心得よ! 志操堅固、剛毅木訥(ごうきぼくとつ)! 再びヒトの地に赴くならば、相応の準備が必須。 まずは今一度、ヤドヴ・ガーと相見え、 同胞奪回と宿敵打倒の策を練るが肝要。 いずれ機が熟し、我が武を示す時あらば、 この戦鬼、ハムジ・ガーも勇み立ちて貴君の元に馳せ参じよう! 気炎万丈、ことにあたるべし!」 ハムジ・ガー 「ヒトは我らと比するに、脆弱矮小なる躯体の持ち主と思うていた。 されど戦陣の手錬どもを鎧袖一触に伏すほどの傑物がいたとは。 真、これすなわち浅識、拙陋の極み・・・・・・至強の道は遥か遠い!」 ヤドヴ・ガーと話す ヤドヴ・ガー 「冒険者殿、先程は大変お世話になり申した! 聞けばウルダハは獣人排斥を是とする社会の様子。 真、君子危うきに近寄らず、であり申した。 それがしの潜入、拐われし子の奪還に至らねども、 千載一遇、「シルビア」殿という協力者を得たり。 彼女より冒険者殿に託を承っており申す。 何か重要な用件がある様子、会って是非とも話をしたいとの由。 ウルダハの主門にて、お待ち申しておるとのこと。 早速、伺ってみては如何か?」 ???? 「おいおいおい、ちょっと待てよっ! Nikuq!」 ルーン・ガー 「オメェ、せっかく「灰の陣営」に来たってのに、 俺に挨拶もしねぇで帰るつもりかっ!? ちょっと薄情すぎるんじゃねぇか~? ったくよぉ・・・・・・! 話は聞いたぜ! なんだか、すっげぇ強ぇ奴がいるらしいな! 誇り高き戦士として、一度お手合わせ願いてぇもんだ! オメェ、ウルダハに行くんだろ? だったら、俺も行くぜ!」 ヤドヴ・ガー 「ルーン・ガー! 勝手な行動は慎むべし! ヒトの世界は伏魔殿、垂堂之戒(すいどうのいましめ)! 未熟なお主には、荷が重い任務であり申す!」 ルーン・ガー 「いいじゃねぇかよ~! カタいこと言うなって、兄弟! それに俺の心はアマルジャ族だが、ナリは一応、ヒトなんだぜ? ウルダハに潜入するなら、それこそ適任じゃねぇか! よっし! そうと決まれば早速出発だ! いや~、ヒトの街かぁ・・・・・・珍しいモノが沢山あんだろうなぁ! よろしく頼むぜ! Nikuq!」 ヤドヴ・ガー 「・・・・・・跳ねっ返りの未熟者め。 我が長、ハムジ・ガーに知れたら怒髪衝天・・・・・・ 後でキツく折檻されても知らぬぞ。 「シルビア」殿は、ウルダハの「ナル大門」前で、 お待ちしていると言っており申した。 捲土重来、離合集散・・・・・・よろしくお願いし申す!」 ヤドヴ・ガー 「ルーン・ガーめ・・・・・・喜色満面、またまだ子供であり申す。 しかし、あやつは元来、我らとは異なる種族・・・・・・ 故郷の空気を味わわせることも、親心なのかもしれぬ・・・・・・。」 ウルダハのシルビアと話す ルーン・ガー 「うっひょー! ここがウルダハかぁ! 人がいっぺぇいて、なんか高けぇ建物だらけだぜー!」 シルビア 「来てくれてありがとう・・・・・・Nikuq。 アマルジャ族の使いの女の子も、連れてきてくれるなんて・・・・・・ 心強い・・・・・・。 アナタからの情報は、私も確認した。 「黒死の奏者」・・・・・・ナザ・ア・ジャーブを雇った黒幕・・・・・・ これまでの、すべての獣人誘拐事件を仕組んだ張本人・・・・・・。 「自笑堂」(じしょうどう)・・・・・・。 恐らくその商会の主が、事件の黒幕に間違いない。 ついに・・・・・・ついに見つけた・・・・・・! ・・・・・・Nikuq、アナタに告白したいことがある。 そして、会ってほしい人がいるの。 「ザル大門」の近くで待ってる・・・・・・。」 ハムジ・ガー 「知己朋友よ、よくぞ再び此の「灰の陣営」を訪ねてくれた。 敵が悪鬼羅刹の類なりとも、あに遅れをとるべけんや! 光焔万丈、これに当たらん!」 ザル大門付近のシルビアと話す シルビア 「Nikuq、待っていたわ。 ようこそ、私たちのアジトへ。 ここは・・・・・・」 ???? 「「アッシュクラウン商会」の商館! エオルゼアをまたにかけるクリスタル交易商です!」 シャンガ・メシャンガ 「失礼、冒険者さん! どうも、初めまして! 僕は「アッシュクラウン商会」の会長、 シャンガ・メシャンガと言います。 「アッシュクラウン商会」は、 エオルゼア各地の獣人からクリスタルを購入し、 人の社会に流通させる商業組織です。 カッコ良く言えば、獣人と人を取り持つ架け橋となる存在。 もっとも、「正義の味方」を気取るつもりはありませんよ。 我々は、あくまで利益を求める商会ですから。 まぁ、最近は蛮神問題やら何やらで、 取引の市場はめっきり冷え込み、僕たちもすっかり日蔭者。 おおっぴらな商売が難しいご時世になってしまいましたけどね。 ここは商会のウルダハ支部・・・・・・ですが、どうかご内密に。 獣人排斥法が施行されているウルダハでは、 お上に知れたら大事ですから。」 シルビア 「Nikuq・・・・・・。 今まで秘密にしていた、私の素性を告白する。 私は「アッシュクラウン商会」の一員・・・・・・。」 シャンガ・メシャンガ 「そう、彼女は頼もしい商会の仲間です。 そして今回の「獣人連続誘拐事件」の危険な調査任務に、 自ら志願してくれました。 獣人の誘拐事件は、実は以前から断続的に行われていました。 我々商会も由々しき問題として、調査をしていたのです。 しかし、奴らの犯行は巧妙、尻尾さえも掴めなかった・・・・・・。」 シルビア 「・・・・・・許さない・・・・・・! 奴らは・・・・・・私の・・・・・・大切な仲間を・・・・・・殺した・・・・・・。」 シャンガ・メシャンガ 「冒険者さん、貴方は人を含めた、 エオルゼアの代表的な6つの種族の縁を取り持ち、 信頼の絆を築いた、我々にとってかけがえのない存在。 どうか我々「アッシュクラウン商会」も、 貴方の捜査活動に協力をさせてください! 引き続き、ここにいるシルビアをよろしくおねがいします!」 シルビア 「Nikuq・・・・・・今まで黙っていて、ごめんなさい。 力を合わせ、卑劣な獣人連続誘拐犯を捕えましょう・・・・・・! 先程、「クイックサンド」のモモディから、 アナタ宛に伝言があったの・・・・・・。 この事件に関して、話があるみたい・・・・・・。」 ルーン・ガー 「伝言? よぉし、いってみようぜっ! Nikuq!」 シルビア 「・・・・・・今まで黙っていて、ごめんなさい。 商会の存在が知れると、商売ができなくなる。 でも、アナタは信頼できる存在・・・・・・そう確信した。 どうか私たち「アッシュクラウン商会」と力を合わせ、 卑劣な獣人連続誘拐犯を捕えましょう・・・・・・!」 クイックサンドのモモディと話す モモディ 「あらあら、いらっしゃい。 Nikuq、待ってたのよ! ・・・・・・みなさーん、いらしたわよー!」 タタラム 「冒険者さん! お待ちしてました!」 スケートスィス少甲士 「黒渦団スケートスィス少甲士、只今参りました! ともに事件の解決に向け、友軍支援の許可をお願いします! ・・・・・・な~んてね!」 ヴォイス 「ボクも、何か手伝えることがあったらと思いまして・・・・・・ 仮宿の皆さんにお暇をいただき、はりきってやって来ました! 「別にアンタみたいなヘッポコ、 もう帰ってこなくてもいいでふっち? バイバイでふっち!」 ・・・・・・って、本当にお暇になりかねない感じでしたが・・・・・・。」 ルーン・ガー 「おおっ! なんか賑やかな感じで楽しそうだなぁー! こいつら、みんなオメェの仲間かぁ?」 タタラム 「先ほど情報交換をして、状況は把握しています。 「獣人連続誘拐事件」の黒幕は「自笑堂」。 しかし、その組織に対する情報がまだ足りない。 そもそも奴らは、なぜ獣人を誘拐したのか? その目的が・・・・・・謎に包まれている・・・・・・。」 スケートスィス少甲士 「アタシたちが追ってた実行犯・・・・・・ 「黒死の奏者」っていう奴も、まだ行方知れずだしね。」 ヴォイス 「ここは、ボクたち全員で、 手分けして情報を収集するというのはどうでしょう? これだけ仲間がいれば、きっと手掛かりが見つかりますよ!」 タタラム 「では、僕は「ウルダハ・ランディング」で、 あらゆる記録を洗い直し、 「自笑堂」が保有すると思われる飛空艇の行方を探ります。」 スケートスィス少甲士 「アタシは、過去の獣人誘拐事件の犯罪履歴を洗うわ! 獣人の誘拐は、以前から断続的に行われてたんでしょ? だったら、関連する事件の報告書が残ってるかもしれない!」 ヴォイス 「ボクは「自笑堂」の経営実態を調べてみましょう! 「自笑堂」は表向き、錬金素材の卸し売り業。 錬金術師ギルドをあたったら、何か手掛かりがあるはずです。」 ルーン・ガー 「じゃあ、俺は実行犯の「黒死の奏者」っていう奴を探すぜ! きっと、まだこのウルダハにいるはずだ。 草の根分けてでも探し出してやっから、まってろよぉ!」 タタラム 「各自、何か有力な情報があったら、冒険者さんに報告を! エオルゼアの獣人のために、力を合わせがんばりましょう!」 モモディ 「頼もしい仲間がたくさんいて、とてもうらやましいわ。 これもきっと、Nikuqの人柄のおかげね。 皆で力を合わせ、きっと目的を達成してね!」 ウルダハ・ランディングのタタラムと話す タタラム 「ああ、冒険者さん、いいところへ! ウルダハ・ランディングを利用している、 民間飛空艇の入港記録を片っ端から調べてみたのですが・・・・・・。 申請者リストの中に見つけたんです。 「自笑堂」を経営するララフェル族の富豪、 「メメリガ」氏の名前をですよ。 どうやらこの半年の間に、かなり頻繁に、 エオルゼア各地へと飛び回っているようですね。 恐らく目的は「獣人誘拐」に間違いありません! ちなみに「メメリガ」という人物ですが・・・・・・ 非合法組織の類いに、武器やら何やらを売りさばく、 「死の商人」だという黒い噂もあるようです。 恐らく「獣人連続誘拐事件」の黒幕は、 このメメリガという男に間違いはなさそうですね・・・・・・! 奴は今、どこに・・・・・・?」 (最後に話した場合) タタラム 「・・・・・・どうやら、みんなの集めた情報が出そろったようですね。 一度「アッシュクラウン商会」のシルビアさんに報告し、 内容を整理してみてはいかがですか?」 タタラム 「メメリガという男・・・・・・対立する勢力両方に武器を提供したり、 貧民を傭兵にして、奴隷同然に悲惨な戦地に送り込んだり・・・・・・ まさしく「死の商人」! かなり卑劣な輩のようです。」 錬金術師ギルドのヴォイスと話す ヴォイス 「冒険者さん、聞いてください! 錬金術師ギルドの帳簿を洗って、 「自笑堂」との取引記録を調べたんです! 叩いたら、嫌というほど埃が出てきましたよ! 奴ら、かなり怪しい錬金素材を、しかも大量に購入しています。 「妖異の腐肉」に「怪水仙の球根」、「死霊の臓物」・・・・・・。 僕は錬金術については専門外ですが・・・・・・ いずれも取り扱いに、特別な許可がいる品とのことです。 取引資格がある「自笑堂」だからこそ、購入できたようですが。 ちなみに、これらの素材の取引に資格がいるのは、 禁忌とされる「死霊術」に転用可能なためだとか・・・・・・。 「自笑堂」の目的は・・・・・・「死霊術」がらみ? 死霊を生み出す霊薬を、ひそかに開発してたりして・・・・・・。 じゃあ、誘拐された獣人たちは・・・・・・ ま、ま、ま、ま、まさか・・・・・・実験に・・・・・・!? ・・・・・・こ、これは一大事ですよ、冒険者さんっ!」 (最後に話した場合) ヴォイス 「・・・・・・おおっ、みなさんからの情報が集まりましたか!? では、「アッシュクラウン商会」のシルビアさんに報告し、 今後の対策を練りましょう!」 ヴォイス 「でも、人の「ゾンビー」ならともかく、 獣人の死霊だなんて、聞いたことはありません。 も、もしかして・・・・・・霊薬の改良の目的って・・・・・・!?」 不滅隊:作戦本部のスケートスィス少甲士と話す スケートスィス少甲士 「Nikuqさん! 今、不滅隊に依頼し、ここ半年間にウルダハで起きた、 事件の報告書を閲覧させてもらっていたところです。 ふふふ、アタシ、これでも黒渦団特務士官ですから、 それなりに顔がきくんですよ? で、その報告書の内容にひとつ、不審な点が・・・・・・。 「東ザナラーンで謎の蛮族の大量変死体を発見」・・・・・・ どうやら半年前、多数のシルフ族の遺体が、 荒野に遺棄されていたのが発見されたらしいんです。 ・・・・・・被害者が人ではなく、獣人だったので事件性は考慮されず、 捜査は打ち切りになったようですが・・・・・・ ザナラーンでシルフ族の遺体・・・・・・なんだか不自然ですよね? 「シルフ族は外傷はなく、毒殺された模様」・・・・・・。 黒衣森から連れ去られている点を考えると、 誘拐被害者である可能性も否定できないような・・・・・・。 むむむ、謎は深まるばかり・・・・・・。 とりあえず、ほかの皆が集めている情報を待って、 複合的に推理するしかないようです・・・・・・以上、報告終わりっ!」 (最後に話した場合) スケートスィス少甲士 「・・・・・・おっ、どうやらみんなの情報収集が終わったみたいですね。 「アッシュクラウン商会」のシルビアさんに報告して、 今後の対策を練りましょう!」 スケートスィス少甲士 「ザナラーンでシルフ族の遺体・・・・・・。 やはりシルフ族は何者かに誘拐され、 この地で何かの目的のため犠牲になった・・・・・・許せないっ!」 プラチナミラージュのルーン・ガーと話す ルーン・ガー 「Nikuq! いいとこに来てくれたっ! ついに見つけたぜ! その「ナザ・ナントカ」っつー悪者の滞在先をよ! どうやら奴は、この「プラチナミラージュ」っていう、 カジノホテルのスイートルームにいるらしいぜ! なんだかキンピカで、趣味の悪りぃとこだなよなぁ! ・・・・・・それでよぉ、もっと詳しく調べるために、 中に潜入しようとしたんだけどよ。 あの受付のバカ女に止められちまったんだ! 「そのような猥雑な身なりで、 当施設への入場は御遠慮ください」・・・・・・だってよぉ! けっ、お高くとまりやがって! つーか、「猥雑」って何だよっ! 俺の格好のどこが猥雑だってんだよっ!? これは誇り高きアマルジャ族の戦装束だっての! オイ、Nikuq! なんとか中に入る手立てはねぇかなぁ? 服を着替えるつっても、俺、金もってねーしなぁ・・・・・・。」 (最後に話した場合) ルーン・ガー 「・・・・・・おっ、どうやら情報が出そろったみてぇじゃねぇか! だったら頼む! 「アッシュクラウン商会」に行って、 シルビアに「プラチナミラージュ」の入り方を聞いてきてくれ!」 ルーン・ガー 「なぁ、俺のこの格好って、そんなに変か? ・・・・・・身軽だし、戦いやすくて良いと思うんだけどなぁ。」 エシルト 「こちら、カジノホテル「プラチナミラージュ」でございます。 すみませんが、会員でない方、身なりの相応しくないお客様には、 入場をお断りさせていただいております。」 ザル大門付近のシルビアと話す シルビア 「Nikuq、待ってた・・・・・・。 その顔からすると、情報を掴んだのね・・・・・・? 獣人誘拐事件の真相に近づくための情報を・・・・・・。 皆が集めてくれた情報を総合しましょう・・・・・・。 黒幕は「自笑堂」を経営する「メメリガ」なる人物・・・・・・ 彼は「死の商人」という裏の顔を持っていた・・・・・・。 彼の商会は、特別な錬金素材を調達していた・・・・・・ いずれも「死霊術」に関わる危険な品々・・・・・・。 一方、ザナラーンではシルフ族の毒殺体が発見され・・・・・・ 各地では、連続して獣人誘拐事件が発生・・・・・・。 導き出される答えはひとつね・・・・・・。 彼らは、伝承でのみ語られている、 すべての種族を死霊に変える禁忌の霊薬・・・・・・ 「六識の反魂香」を開発しようとしている・・・・・・! ヒトはおろか、獣人までをも死霊と化して操れる霊薬・・・・・・ まさに究極の兵器・・・・・・! ・・・・・・それが・・・・・・奴らの・・・・・・目的・・・・・・! 「黒死の奏者」の居場所を突き止めたのでしょう!? 冒険者さん、乗り込みましょう・・・・・・! 直接、奴の口からメメリガの居場所を聞き出す・・・・・・! 「プラチナミラージュ」の会員証なら、 ウチの会長が持っているから、借りられるはず・・・・・・。 それと、少しでも戦力がほしい・・・・・・。 ルーンさんには、この「高級なドレス」を着て、 同行してもらいましょう・・・・・・。 私も準備が整ったら、すぐに追って駆けつける・・・・・・。 ナザ・ア・ジャーブ・・・・・・待ってなさい・・・・・・! もう・・・・・・前のように、不覚はとらない・・・・・・!!」 シルビア 「「プラチナミラージュ」に入るために、 ルーンさんを、この「高級なドレス」に着替えさせるの・・・・・・。 私もすぐに後から駆けつける・・・・・・。 「黒死の奏者」・・・・・・ナザ・ア・ジャーブ、待ってなさい・・・・・・!」 プラチナミラージュのルーン・ガーに高級なドレスを渡し客室に突入 ルーン・ガー 「よぉ、Nikuq! あれから入口を見張ってるんだが、奴が外出した形跡はないぜ。 まだ部屋にいるってことだ。 そっちはどうだ? 「プラチナミラージュ」に入る算段はついたか?」 (高級なドレスを渡す) ルーン・ガー 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・? ・・・・・・なんだよ、この布っキレは・・・・・・。 ・・・・・・も、もしかして、これを俺に着ろってのかっ!? じ、じ、冗談じゃねぇぞっ!? なんで戦士である俺が、こんな格好しなきゃいけねぇんだっ! こんなオンナみてぇな服着るぐれぇなら、 裸になったほうが、まだマシだぜっ!! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ほ、本当に着なくちゃ・・・・・・ダメか? ほ、本当だな・・・・・・・・・・・・? 本ッ当~に、これしかホテルの中に入る方法はねぇんだな? 嘘ついてたら、ブッ殺すぞっ!? ああああああっ! わ~ったよ! 着りゃいいんだろっ!? 着りゃあっ!! いいか? ゼッテー笑うなよ? ちょっとまってろっ! ジ、ジロジロみるんじゃねぇよっ!! これでいいんだろっ!? これでっ!? ・・・・・・ホラ、さっさとホテルの中に潜入すんぞっ! ・・・・・・なんだよ、まだ何かあんのかよ・・・・・・? ・・・・・・もしかして・・・・・・顔か・・・・・・? いやいやいやいやいや!! こいつは、俺がアマルジャ族の戦士である証! ハムジ・ガーの親父にもらった、大切な仮面なんだぞ!? あ~もう、わかったよ! とるよ、とりゃいいんだろ!? 「至強の戦士が執着するは唯一、強さのみ。 他のあらゆる自尊心を捨てるべし」・・・・・・親父の言葉だ・・・・・・。 この「灰の一党」の戦士ルーン・ガー! 至強を目指すためなら、一時の恥ぐれぇかいてやらぁ! アマルジャ魂、しっかり見とけよっ! これでいいんだろ・・・・・・? ・・・・・・・・・・・・黙れ、何も言うな! 行くぞ! シルビアもそろそろ来るころだ。 ここまで体張ってんだ! 「黒死の奏者」ってヤツをとっちめねぇと気が済まねぇ!」 ルーン・ガー 「ふええ・・・・・・すっげぇなぁ! まるで宮殿だぜ!」 シルビア 「「黒死の奏者」・・・・・・!」 ナザ・ア・ジャーブ 「女を呼んだ憶えはないが・・・・・・。 フゥ、なんて悪趣味なサービスだ。 下衆の節介ほど、気分を害するものはない。」 シルビア 「観念しなさい! もうアナタに逃げ場はない・・・・・・!」 ルーン・ガー 「ぐっ・・・・・・! つ、強えぇ・・・・・・!」 シルビア 「エオルゼア全土で行われた、一連の獣人誘拐事件・・・・・・。 その実行犯である闇社会の冒険者、ナザ・ア・ジャーブ! すべてのネタはあがっています!」 ナザ・ア・ジャーブ 「フゥ・・・・・・そんなくだらないことを言うために、 お前たちはここに来たのか? そして、俺の安息を妨げようというのか?」 シルビア 「くだらない・・・・・・ですって!? 罪も力もない獣人を拐って、その命を弄ぶ・・・・・・。 いくら相手が蛮族といえど・・・・・・。」 ナザ・ア・ジャーブ 「許されない・・・・・・と言いたいのだろう? フフ、そんなことは百も承知だ。 俺は蛮族を軽蔑していない、むしろ敬愛している。 だが、そんなことはどうでもいいんだ・・・・・・ 人も蛮族も、俺にとっては等しく無価値の存在。 俺はただ狂おしいほどの興奮・・・・・・「熱狂」を求めたに過ぎない。」 ルーン・ガー 「ね、熱狂だと・・・・・・!?」 ナザ・ア・ジャーブ 「フフ、そう・・・・・・「熱狂」だ。 この俺、ナザ・ア・ジャーブが生きる目的。 それは決して金や名誉、まして義理や人情でもない。 すべては・・・・・・「熱狂」・・・・・・! 耐えられぬ渇望、内に秘めた快楽への衝動・・・・・・! 甘き死に酔いしれる・・・・・・これほどの「熱狂」があろうか!?」 ルーン・ガー 「けっ・・・・・・ヘドが出るぜ! 手前勝手な性癖で、他人の命を弄ぶたぁ・・・・・・、 なんつーおぞましい・・・・・・蛮族はテメェの方だ!」 ナザ・ア・ジャーブ 「フッ、美を解せぬとは、罪深いお嬢ちゃんだ。 キツくしつけが必要だな・・・・・・。 そして愛でてやろう、物言わぬ美しい屍にして・・・・・・。」 シルビア 「この事件の黒幕は・・・・・・「自笑堂」の「メメリガ」! その正体は、意のままに操れる死霊を生み出し、 不死の軍勢を作ろうとしている死の商人。 しかし、人を死霊化すれば、反発されることは明白! それに奴隷や貧民を誘拐するのにも限度がある・・・・・・。 そこでメメリガは、「蛮族」の存在に目を付けた。 人に仇なす蛮族を操り、不死の兵として戦地に送りこむ。 そして、自らは手を汚さず大金を得る・・・・・・まさに一石三鳥。 なんて卑劣な発想・・・・・・!」 ナザ・ア・ジャーブ 「フフ、見事な推理だ、感服したぞ。 お前はいったい・・・・・・?」 シルビア 「・・・・・・許さない・・・・・・で・・・・・・ふっち・・・・・・。 お前たちは・・・・・・わたぴの大切な仲間たちを・・・・・・殺した・・・・・・! 忘れたとは言わさないでふっち!」 ルーン・ガー 「オ、オメェ、シルフ族だったのか!」 シルビア 「ナザ・ア・ジャーブ! さぁ、白状するでふっち! メメリガは、どこにいるでふっち!?」 ナザ・ア・ジャーブ 「フフ、黙秘させてもらうぞ。 俺は、これでも冒険者・・・・・・相応の報酬を受け取っている。 たとえ下衆な輩だろうと、依頼人は裏切れないのでね。」 タタラム 「・・・・・・では、あなたを雇い直しましょう。 メメリガは、あなたに幾らの報酬を払いました? 僕が今、ここでその倍・・・・・・いや3倍のギルを払います。 支払は現金? それとも宝石や手形がいいですか? ご安心を、ハッタリなんかじゃないですよ。 僕はこう見えて、あの「ハイウィンド飛空社」の御曹司。 お金なら、ウンザリするほど持ってますから。」 ナザ・ア・ジャーブ 「フフフ・・・・・・フハハハハハハハハハ! 面白い! そう、これこそが「熱狂」だ! 気に入ったぞ、お前たち! メメリガは、東ザナラーン「見えざる都」にいる。 今ごろは、誘拐した蛮族を実験台に、 試作した「六識の反魂香」の実験を始めているだろう。」 ヴォイス 「な、なんだってっ!?」 ナザ・ア・ジャーブ 「フフフ、俺が言えるのはそこまでだ。 ・・・・・・もし、メメリガの実験を阻止するつもりなら、 俺も諸君らと剣を交えなくてはならないが、よろしいかな?」 スケートスィス少甲士 「望むところよっ! 憶えておきなさいっ!」 ナザ・ア・ジャーブ 「フフフ、小気味良い答えだ。 せいぜい俺を楽しませてくれ。 めくるめく熱狂の饗宴を・・・・・・期待しているぞ・・・・・・!」 タタラム 「・・・・・・いきましょう、皆さん。」 シルビア 「・・・・・・Nikuq、皆さん、 今まで黙っていてすみません・・・・・・。 先程お見せしたとおり、私の正体はシルフ族・・・・・・でふっち。 わたぴの本当の名前は「シルベシオ」。 この姿は、ヒトの社会に溶け込むための擬態。 シルフ族お得意の「変化のおまぢない」でふっち。 わたぴは元々「シルフの仮宿」に棲んでいたのでふっち。 でも、よりヒトとの交流を深めようと、 仲間とともに仮宿を離れ、ヒトの社会へとやってきたのでふっち。 でも・・・・・・半年前・・・・・・悲劇がおきたのでふっち。 正体がバレたわたぴらは、獣人誘拐犯に狙われ、 そして拉致されたのでふっち。」 スケートスィス少甲士 「そして、「六識の反魂香」の被験体にされた・・・・・・。 ・・・・・・そっか、ザナラーンの荒野に遺棄されていたシルフ族は、 アナタの仲間だったのね・・・・・・。」 シルビア 「わたぴはただひとり、誘拐犯の魔の手から逃れたのでふっち。 命からがら荒野をさまよっていたところを助けてくれたのが、 「アッシュクラウン商会」のシャンガ・メシャンガ会長。 それ以来、わたぴは「変化のおまぢない」で正体を隠し、 仲間のカタキをとるために、 憎き獣人誘拐犯の足取りを追っていたのでふっち・・・・・・。」 タタラム 「獣人を使った実験なんて・・・・・・なんて卑劣な! 冒険者さん、シルビア・・・・・・もとい、シルベシオさんと、 実験場である「見えざる都」に急行してください!」 ルーン・ガー 「・・・・・・でもよぉ。 「見えざる都」って、確か何もねぇ遺跡だぜ。 なんで奴ら、そんなとこをわざわざ実験場にしやがったんだ?」 ヴォイス 「何もない遺跡だからこそ、もってこいなのでしょう。 「六識の反魂香」の成分を吸い込まないように調合するには、 開けた屋外でなければなりませんし・・・・・・。 それに、実験をするにも好都合です。 遺跡なら人目にもつかず、もし死霊化した獣人が暴走しても、 始末、逃亡できる・・・・・・つくづく卑劣な奴らです!」 タタラム 「冒険者さん、僕たちは各々の獣人の拠点に帰り、 それぞれの長に、この緊急事態を報告してきます。 そして必ず、あなたたちを助けに駆けつけます! ・・・・・・それとこれを。 これは「メラメラ燐粉ボム」という秘密兵器です。 仮宿のシルフ族が作った「ゲホゲホ燐粉爆弾」と、 アコライト789 バ・ゴさん特製の「ボム」を、 「エカトル空力団」の技術を借りて、融合させたものです。 いわば、僕たちの絆の結晶! 皆の力を結集したこの秘密兵器で、 悪を吹き飛ばしてやりましょう! では、お願いします!」 見えざる都のシルベシオと話す メメリガ 「ん? 何だお前は!? ええい、今、取り込み中だ! 遺跡に近寄るな!」 シルベシオ 「Nikuq、待ってた・・・・・・。 ここでは人目を気にして姿を変える必要はないから・・・・・・。 魔力の温存のため、元の姿・・・・・・でふっち! それより、見えるでふっち・・・・・・? メメリガの部下たちは、大金で雇われた一流の傭兵。 かなりの死闘になる・・・・・・戦闘の準備はいい・・・・・・でふっち?」 (戦闘の準備はいい・・・・・・でふっち?) (ちょっと待ってでふっち!) (いつでもこいでふっち!) シルベシオ 「頼もしい・・・・・・でふっち! まずは、敵の隙をうかがうでふっち!」 メメリガ 「まだか? まだできんのか!? ええい、ウスノロめっ!」 自笑堂の錬金術師 「へぇ、すんません。 あとは蒸留した薬液を精製すれば、理論上は完成でさぁ。 ・・・・・・恐らくは。」 メメリガ 「恐らくは・・・・・・だと? ふざけるなっ! この新薬開発に、いくら払ってると思ってるんだっ! さっさと誘拐してきた蛮族どもに使うのだっ! くふふ・・・・・・我が不死の蛮兵どもがついに誕生する! この兵力を操ることができれば・・・・・・莫大な金が手に入る! いや、むしろ、この私がエオルゼアの支配者となることも可能!」 熟練の用心棒 「てめぇ! 何者だッ!?」 シルベシオ 「メメリガ! 仲間たちを返すでふっち!」 メメリガ 「・・・・・・貴様、知ってるぞ。 何やらコソコソと私たちのことを嗅ぎまわっていたらしいな。 だが遅かったな、腐れ野菜め! 「六識の反魂香」はすでに完成目前! もはや、私の野望は誰も止めることはできん! おっと、殺すなよ! 生け捕りにしろ! 蛮族ともども、貴様にも反魂香の香りを楽しませてやろう。 そして、永遠に死ぬことのない奴隷となるのだ!」 屈強な用心棒 「むッ!?」 ???? 「大逆無道、悪事千里・・・・・・。 天網恢恢、疎にして漏らさず。 西に悪あらばこれを断ち、東に魔あらばこれを滅す・・・・・・。」 メメリガ 「何者だッ!?」 ハムジ・ガー 「我は「灰の一党」が筆頭・・・・・・。 炎獄の灼風に舞いし一握の灰塵。 戦鬼、ハムジ・ガーと覚えておいていただこう!」 ノォヴ 「同じく、サハギン族の戦士であり父、ノォヴ! 西ラノシアよりまかり来た! フスィーッ!!」 セズル・トトロック 「泣く子も黙るッゥ「エカトル空力団」ッン! セズル・トトロック、推参ッン! バリバリッィ、喧嘩上等ッォ!」 フリクシオ 「ご存知「シルフの仮宿」の長ちゃまこと、フリクシオでぶっち! 冒険者どの、お待たせでぶっち!」 ピックマン789 ギ・グ 「そしーて・・・・・・ついナリユキで 来ちゃったけーど ボクは 特に何もするつもりーはなーい 「第789洞穴団」の ピックマン789 ギ・グ! え えーと・・・・・・コレかーな? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えーい!」 全員 「「六族連盟」、只今、参上!!」 ピックマン789 ギ・グ 「あわわわーわ・・・・・・ ちょっと火力が強すぎたーよ・・・・・・ バ・ゴのヤーツ 頼んだボムを間違えたーよ!」 フリクシオ 「メメリガとやら、観念するでぶっち! 仲間たちを返してもらうでぶっち!」 メメリガ 「ええい! 邪魔をするつもりか、おぞましい蛮族どもめっ!」 セズル・トトロック 「・・・・・・むッゥ!?」 ナザ・ア・ジャーブ 「フフフ・・・・・・素晴らしい・・・・・・ 素晴らしい熱狂の舞台だ!」 ノォヴ 「フスィーッ・・・・・・今度こそ、不覚はとらん。 勝負だ、ヒトの戦士よ・・・・・・!」 メメリガ 「フヒヒヒッ、「黒死の奏者」・・・・・・ナザ・ア・ジャーブよ! 蛮族どもを殺せ! 払った大金分の仕事をするのだっ!」 ナザ・ア・ジャーブ 「フフ・・・・・・このナザ・ア・ジャーブ、下衆の囀りなど聞く耳はもたぬ。 しかし、ここはあえて従おう。 命を削り、しのぎ合う・・・・・・その末に攫み獲る血塗れの勝利! フハハ、これ以上の「熱狂」が、どこにあろう! ・・・・・・さぁ、俺を楽しませてみろ!」 シルベシオ 「わたぴは捕まった仲間を助けるでふっち! Nikuq! アナタはその爆弾で、錬金釜を破壊するでふっち!」 シルベシオ 「捕まった仲間は、わたぴに任せて・・・・・・! アナタはその爆弾で、錬金釜を破壊するでふっち!」 メメリガ 「フヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!! 「六識の反魂香」は、蛮族をゾンビーに変える! 最強不死兵団で、私は億万長者! いや、帝王となるのだぁ!」 妨害を退け自笑堂の錬金釜にメラメラ燐粉ボムを使う メメリガ 「うぎゃあああああああああああっ!! ぜ、全財産をつぎこんだ錬金釜がああああっ! けっ、研究費用っ! ご、5億6000万ギルっ!! ごおくろくせんまんぎるぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」 ナザ・ア・ジャーブ 「フハハハ・・・・・・! いいぞ! そうだ! この熱さだっ! この熱狂こそが・・・・・・我が魂を震わせる最高の瞬間! そして舞台は、諸君らの死をもってついに完成される! さぁ、俺に聞かせてくれ! 甘美なる死の五重奏を! 絶望の嘶きを、その醜い喉から絞り出せっ!」 ノォヴ 「フスィーッ、図に乗るな・・・・・・若造! 我らがチカラ、思い知るがいい!」 ハムジ・ガー 「死中求活! 我、これより死地に入る!」 ナザ・ア・ジャーブ 「・・・・・・甘いなっ! 魔法障壁だとッ!?」 セズル・トトロック 「今だッァ! ノォヴの大将ッォ! オレ様特製の得物を使いやがれッェ!!」 ピックマン789 ギ・グ 「あわーわ い 今だーよ!」 ナザ・ア・ジャーブ 「貴様ら・・・・・・っ・・・・・・よ、よくも・・・・・・ この「黒死の奏者」・・・・・・ナザ・ア・ジャーブをっ! この借りは必ず・・・・・・必ず返すぞっ・・・・・・!!」 メメリガ 「き、貴様っ・・・・・・そ、それは、私の脱出用飛空艇っ! おのれ! う、裏切ったな!」 ナザ・ア・ジャーブ 「ふははは、礼を言うぞ、蛮族ども! この俺に、復讐という新たな目標をあたえてくれたことを! いずれまた会おう! さらなる「熱狂」の中でなっ!」 ピックマン789 ギ・グ 「あーれ ボムちゃんが もういっこ残ってたーよ? ナンダコーレ? ま いーか ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えーい!」 シルベシオ 「メメリガ、観念するでふっち。 お前の悪事は、アッシュクラウン商会を通じて、 ウルダハ政庁に報告済みでふっち。 もう、いくら賄賂を積もうと、 お前の罪は揉み消せないでふっち。 神妙にお縄につくでふっち!」 メメリガ 「う・・・・・・ううううう・・・・・・。 私の・・・・・・金・・・・・・私の・・・・・・計画・・・・・・ ううううううう・・・・・・!」 シルベシオと話す シルベシオ 「Nikuq・・・・・・! ついに・・・・・・ついに、やったでふっち・・・・・・。 メメリガの計画を・・・・・・奴の野望を阻止したでふっち! ううう・・・・・・やっと・・・・・・仲間の仇を・・・・・・討てたでふっち・・・・・・。 ノメシオ・・・・・・フラクシオ・・・・・・見てるでふっち? わたぴは・・・・・・ついに・・・・・・やったでふっち・・・・・・!」 フリクシオ 「見事でぶっち。 よくがんばったでぶっち、シルベシオ!」 シルベシオ 「長ちゃま・・・・・・。 わたぴを憶えて・・・・・・くれていたでふっち・・・・・・?」 フリクシオ 「もちろんでぶっち。 お前さんたちが仮宿を旅立ったときのことを、 昨日のように思い出すでぶっち。 シルベシオ、お前さんは本当に強い子でぶっち。 仲間を殺され、たったひとり、孤独に戦っていたんでぶっち? ・・・・・・よくがんばったでぶっち。 ワチシも、もっと早く手助けができれば・・・・・・ ノメシオも、フラクシオも助けてあげられたのでぶっち。 本当にすまなかったでぶっち。」 シルベシオ 「長ちゃま・・・・・・! もったいないお言葉でふっち。」 フリクシオ 「拐われた者たちは、各々の長が責任をもって連れ帰るでぶっち。 これにて、一件落着でぶっち! 冒険者どの、すべては、お前さんのおかげ。 お前さんへの信頼の絆が、 ワチシらをこの地に呼び寄せたでぶっち。 我ら「六族連盟」、いついかなるときも種族の垣根を越え、 ともに協力し、あらゆる危機に立ち向かう・・・・・・! その絆を、決して忘れないでほしいでぶっち!」 シルベシオ 「冒険者さん・・・・・・ 「アッシュクラウン商会」でお待ちしているでふっち。 改めて・・・・・・お礼を言わせてほしいでふっち!」 ウルダハのシルビアと話す シルビア 「Nikuq、待ってた・・・・・・。 私です、シルベシオ・・・・・・いえ、今は「シルビア」・・・・・・。 ・・・・・・仲間とともに「シルフの仮宿」を去り、 このヒトの社会へとやってきたとき、 私は高い理想と希望に満ちていた・・・・・・。 ヒトと獣人はわかり合える。 様々な問題はあれど、ともに手を取り合い、 このエオルゼアで平和に共存していける・・・・・・と。 しかし、仲間がメメリガに拐われ、そして殺されたとき、 希望はいつしか失望へと変わり、そして絶望となった・・・・・・。 ・・・・・・どんなにヒトを恨んだか。 でも、アナタと知り合い、私は再び希望を取り戻した・・・・・・。 6つの種族が信頼の絆で結ばれ、力を合わせ生きていく・・・・・・。 その可能性を、冒険者さんは私に示してくれた・・・・・・。 私は、アナタからもらった、 その理想と希望の火を消すことなく、受け継いでいく・・・・・・。 「アッシュクラウン商会」の仲間たちと・・・・・・。 さようなら、Nikuq。 そして・・・・・・ありがとうでふっち。 本当に・・・・・・本当に・・・・・・。」 スカーレット少牙士 「無事に「獣人連続誘拐事件」を解決したらしいな。 貴官の活躍に、改めて称賛と謝意を贈らせてほしい。 その偉業、まさに感服の至り!」 ミミオ少闘士 「「獣人連続誘拐事件」における貴方の活躍、感服いたしました! 「武」とは戈を止むと書く・・・・・・。 戦わずして平和を成す、これぞ、まさに「武」です!」 トラッハレート少甲士 「おお、冒険者さん! 話は聞いています。 なんでも「獣人連続誘拐事件」を解決したとか! いやぁ、貴方は本当に凄い! おみそれいたしました!」 ヴォイス 「無事、仮宿に「シルフのゆりかご」が帰ってきました! それもこれも、すべて冒険者さんのおかげ・・・・・・。 本当に、感謝の言葉もありませんっ!」 オルムシオ 「テイコクや悪い子シルフたち、それにユーカイハン・・・・・・。 この仮宿は、一難さってまた一難なのでふっち。 でも、あたぴらは負けないのでふっち!!」 ハムジ・ガー 「此の世界には、まだ見ぬ強敵が跳梁跋扈しておる。 だが、我ら至強の道に一点の曇りなし! 蘭心竹生、天地神明に誓いて、いざゆかん!」 ヤドヴ・ガー 「荒野に吹きすさぶ騒擾も、これにて一件落着。 されど、我ら一党の戦いは、果てしなく続き申す。 用意周到、事にあたるべし!」 ルーン・ガー 「おっ、Nikuqじゃねぇか! よく来たなぁ、どうした?」 (何を聞く?) (近況について) ルーン・ガー 「俺たち「灰の一党」は相変わらずだ。 「炎牙衆」の残党や、ザンラクのアマルジャ族たちと、 日夜戦ってるぜ。 俺も、この間の誘拐事件で、自分の力不足を実感したぜ。 あのミコッテのゲス野郎に、無様にやられちまったからな。 まだまだ修行が足りねぇ・・・・・・。 もっともっと修行して、すげぇ強くなって、 ハムジ・ガーの親父に認めてもらうんだ! んで、もう一度、ウルダハに行って復讐戦だぜっ! ・・・・・・ちなみに、もう二度と、 あんなフリフリのドレスなんか、着ねぇかんな? あっ! オメェ・・・・・・今、笑ったろ! 思い出して笑いやがったなっ!? ・・・・・・この野郎っ! いつか、オメェも超えてやるかんな? 覚悟しとけよ!」 (ここはどんなところだ?) ルーン・ガー 「ここは、オメェもお馴染みの「灰の陣営」。 俺たち「灰の一党」の根城、 ハムジ・ガーの親父を長としたアマルジャ族の集落だ。 軟弱なアマルジャ族どもに愛想をつかせた親父は、 部族の誇りを受け継ぐ者を集め、この集落を作り上げた。 俺たちの目的はただ一つ、唯一至強を求めること! 焔神にすがるような軟弱者なんざ、メじゃねぇぞ!」 ノォヴ 「フスィーッ・・・・・・Nikuq、よくきたな。 お前がどこで何をしていても、私はいつも案じているぞ。 家族とは、そういうものだからな・・・・・・フスィーッ・・・・・・。」 セェウ 「フスィーッ・・・・・・最近、親父に槍の指南を受けてるんだ。 俺はもっと強くならなくちゃいけねぇ。 この育成地の次世代を担うのは、俺たちだからな!」 スケートスィス少甲士 「あっ、Nikuqさん! おつかれさまです! ほかの蛮族集落にいる、みなさんは元気ですか? この採掘地は相変わらず・・・・・・ヒドイ有様ですよ、ふふふ。」 ピックマン789 ギ・グ 「ザナラーンまで出張したかーら ヘトヘトだーよ。 かるーく 10年分くらーい 仕事したーよ? だかーら しばらくおやすーみ 明日から本気出すーよ。」 タタラム 「Nikuqさん、お手柄でしたね! スケートスィスさんや、ヴォイスさん、ルーン・ガーさん、 そしてシルビアさんとも、また会って親交を深めたいですね!」 セズル・トトロック 「姐ちゃんよッォ! オレとオメェーの仲だッァ! 何かあったら、遠慮なく言えよッォ!? ソッコーで若い衆集めてッェ、ブッコんでやっからよッォ!」 高級なドレス:高級な生地で仕立てられたドレス メラメラ燐粉ボム:3種族の技術が融合した秘密兵器。もはや何が何だか解らない
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前ページ次ページゼロの魔王伝 ゼロの魔王伝――20 白々と輝く星と、淡い紅と朧な青の月光だけが光となる夜の闇に、岩礁にぶつかり砕ける波のような銀粉が散った。 三色の光に照らされ、刹那の時だけ眩く輝いた銀粉は、次の瞬間吹いた疾風に掻き乱されて、あえなく消え去る。 闇が衣と変わったようなロングコートの裾を翻す疾風はDという名前を持っていた。 神秘的な青い光を湛えたペンダントが、疾風さえも追い抜くであろう主の動きに乱れ踊る中、Dが一足飛びに跳躍した。 両手で握ったデルフリンガーを大上段に振り上げ、眼下に立つ自分自身同様に闇を傅かせた美貌の青年へと振り下ろす。 夜の帳さえも一太刀で裂くような一撃を、百条に及ぶ魔糸の斬撃の群れが受けた。 光の速さで指先に伝わる斬撃の威力に、魔糸の主である幻十は月輪を思わせる麗貌に氷から削り出したかの如く冷たい表情の仮面を被っていた。一太刀を防ぐために百条の魔糸を切断された幻十は果敢に追撃の手を放った。 刃を打ち合せた態勢で、二瞬ほど動きを停滞させていたDめがけて、前方より波涛の如く襲いかかる銀の光。 縦に放った千分の一ミクロンという細さの突き、無限長に伸びる魔糸を用いての斬撃の無数の組み合わせによって、D目掛けて襲いかかる魔糸総数二十条は、すべてが微細に異なる攻撃方法であった。 Dがデルフリンガーで風を貫きながら突きを放ち、最短距離を飛んできた一条の魔糸を絡め取る。刃毀れや錆の浮いた刃に不可視の魔糸を絡み付かせ、瞬時に手首を回す。 銀色の渦のようにデルフリンガーの刀身に絡み取られた魔糸が、Dの手首の動きに従順に従い、幻十の繊指の支配から逃れた魔糸は、他の魔糸達へと襲いかかり、Dと幻十との直線距離を覆うアーチの様に極細の死神達を追い払う。 絡み取った魔糸を、手首こねる動作で断ち切りながら、Dの足が大地に沈み、猛烈な反発の力を得て駆ける。 幻十は彼方にある木立に巻きつけた魔糸を引き、後方へ十メイル以上の跳躍を行いながら、神速で迫るD目掛け、左手を下方から掬いあげる様に振るった。同時に左手の五指全てが、百分の一ミリ単位で細やかな動きを見せる。 指一つとっても奇跡の産物の様な幻十の左五指は、あまりの動きの速さに霞んで見えた。放たれるはいかなる魔技か。そしてまた、迎え撃つDの剣はいかなる神業か。 Dが黒瞳を周囲に走らせ、上後方、全面百八十度、襲い来る五十以上の魔糸を認めた。 いずれも描く軌跡はこれまでのような、直線や弧ではない。 一本一本が意思を持った生物の様に、まるで一つの群れとなったかのようにDという獲物を駆り立てるべく縦横無尽に、じぐざぐと動き回り、螺旋を描き、多種多様に迫ってくる。 斬撃と数のみならず、描く軌跡と二色の月光のきらめきを利用した催眠効果を与える幻十の必殺を狙った攻撃であった。 Dの瞳が半眼に閉ざされた。視覚から脳髄に忍び入ってくる魔糸の催眠効果を遮断し、迎撃に、視覚を除く五感と直感に命運を委ねた夢想の剣が閃く。 右足を視点にその場で旋回し、それがどれほどの速度で行われたものか、コートの裾は刃の鋭さを得て襲い来る魔糸の幾本かを弾き返し、Dの体に淫らな意思を持った蛇の様に絡み付かんとする魔糸は、例外なくデルフリンガーの刃に迎え撃たれた。 Dの右腕が幻十の指同様に霞んで消える。迫る魔糸を迎え撃つDの剣舞もまた神速の領域へ到達したのだ。 魔糸を迎撃する中、Dは再びコートの内側から取り出した木針を幻十へと投じる。幻十の反応速度から言って、マッハ十前後で投じても迎撃されるのは火を見るよりも明らかであったが、わずかなりとも集中を崩さねば、反撃の一手を放つ切欠さえ掴めない。 魔糸の連続攻撃に神経を割いていた幻十の反応は万分の一秒遅れた。一万五千分の一秒の遅れであったなら、額を貫いた木針に脳漿をぶちまけられていただろう。 魔糸を操る指先はそのままに、体に纏っている防御用の魔糸『糸よろい』を数本外し、燃え走る流星となった木針の縦に両断し、その衝撃で木針はわずかな火の粉となって幻十の冷美な横顔をかすかに照らした。 Dは、思考を伴わぬ剣士としての本能に命運を委ねた夢想剣で、先程とおなじ迎撃手段を取った。 襲い来る魔糸のことごとくに刃を合わせると同時に刀身に巻きつかせ、デルフリンガーへと伸びる銀の筋が五十を越えると同時に、わずかに刀身の角度をずらして巻きとった魔糸を断つ。 「同じ手が二度も通じると思うのか?」 笑う幻十の声と同時、Dがその場上方へと跳躍する。切断し、幻十の指から離れた筈の魔糸が、断たれた事など知らぬとばかりに鎌首をもたげてDへと斬り掛かってきたのだ。 コートの裾を幾本かの魔糸に斬られたDは、空中で幻十の声を聞いた。 「コードレス・コード。糸は断たれても込めた殺意と技は残る」 その技の名を、かつて幻十と争った幼馴染もまた口にしたとは、幻十は知らない。しかし、断たれてなお襲い来る魔糸とはなんたる技か。 無論、幻十の指が直接操作していた時とは違い、単純な動作のみで、一瞬のみの発動とはいえ人間業ではあるまい。 跳躍し、空中の人となったDは、下で待ち受ける魔糸と前後左右から迫る魔糸を見ていた。 落ちるは斬撃地獄、待つも斬撃地獄。 漆黒のロングコートを、天界とのハルマゲドンに赴く魔王の如く広げ、Dがデルフリンガーを右下段に構えて空中でさらに飛翔した。 あろうことか後方から襲い来た魔糸の一本を足場代わりにしたのだ。タイミングを誤ればそのまま体を両断されかねぬ行為を、一瞬の躊躇いもなく行うのが、この青年であった。 そんな中、Dに握られたデルフリンガーは主の苦境とは別に恍惚の中にあった。それは一振りの刀剣としての歓喜であった。主の美しさにではなく、その技量への感動であり、かつてない高揚であった。 魔法によって知性を与えられたとはいえ、デルフリンガーの本質は剣だ。何かを斬り、誰かを斬り、何もかもを斬る道具だ。 道具としての自分の真髄をこの六千年の中で最も引き出し、使いこなし、振るっているのが今の主たるDであった。 刀剣としての自分をここまで完璧に使いこなし、これほどまでに鋭く、早く、重く、軽妙に振るい、壮絶な鬼気さえ纏わせた者は、これまでデルフリンガーを握ってきた者達の中にはいなかった。そう、かつてのガンダールヴでさえ。 なんという僥倖、数百年の退屈の果てにこのような出会いがあるとは、夢にも思わなかった。恐るべき使い手だ。凄さまじい剣士だ。称える言葉が思いつかぬほどの戦士だ。 ならば、そのような使い手に相応しい姿にならねばなるまい。 幻十めがけて跳躍するDの右手の中のデルフリンガーが、幻十の張った防御用の糸を天から地への一閃で斬り散らすのと同時に、デルフリンガーの刀身が目も眩む眩さで輝いた。 たちどころに刀身を覆っていた錆は消え、零れていた刃も欠損を埋めて、瞬く間にデルフリンガーはボロだらけのナマクラ刀から、剣匠の込めた魂の気迫が匂い立つ見事な剣へと変わっていた。 「ああ、そうだ、おれを振るえ、相棒!! このおれが認めてやる、お前さんはハルケギニア六千年の歴史で最強の剣士だ!!」 デルフリンガーの変身の中も目を閉じなかったDは、デルフリンガーの興奮した声を気にも留めず幻十へと目掛けて、右足が地を踏むのと同時に更に飛翔。 低空すれすれを這うように飛ぶ蝙蝠の様な影を月光に落としながら、ついには幻十の姿をその刃圏に収めた。振り下ろし切れば幻十の体を斜めに両断する構えは右下段、切っ先は後方に流れている。 幻十が大きく右手を振るう。万軍に命令を下す覇王の如く。 Dが右手を振るう。巨人の首さえも落とす神話の英雄の如く。 不可視の螺旋衝角――ドリルを形作った無数の魔糸の先端と、真の姿を取り戻したデルフリンガーの刀身とが激突した。 幻十の頭頂まで残り五十サントの位置で鮮やかに煌めく無数の銀粉。天空に輝く淡紅と白みを帯びた青い月光を受けて銀色から変わる光の燐粉は、デルフリンガーの刃に切り裂かれる魔糸の残滓の姿であった。 放たれたDの一刀にどれほどの力と技が込められていたものか、更なる魔糸の一撃を放つ余裕は幻十にはなく、デルフリンガーの刃に徐々に切り込まれる螺旋衝角の維持で手一杯であった。 ぎり、と奥歯を噛み鳴らし、幻十の美貌に初めて余裕以外のモノが翳を過ぎった。 デルフリンガーが魔糸を切り裂くかと思われた瞬間、螺旋が弾けた。さながらホウセンカの果実の様に。 常人には何もないと見える目の前の空間に、無数の糸が乱舞している様が見て取れるDは、デルフリンガーの刀身を縦に構えて自分に迫る魔糸のことごとくを弾く。 睨みつけた獲物を逃さぬ鷹の眼は、幻十の姿が前方上方六メイルの位置にあると認めた。互いに決め手を欠いたまま、今一度、飽く事無く二人の間で透き通った殺意が交差した。 天と地とに分かれて争う美影身を、タバサはただ呆然と見つめていた。 美しいからか? 然り。 恐ろしいからか? 然り。 辺り一帯を埋め尽くす二人の鬼気よ、殺気よ。それは尋常ならざる魔界の地に足を踏み入れたのかと錯覚するほどに濃密で、空を握った掌の内側に結晶の形となってしまいそうだ。 Dと幻十、あの二人で生死を賭けて戦い始めたその瞬間から、ここはただの人間が居てはならぬ異世界へと変わり果てていた。 息を忘れて、漆黒の魔人二人の戦いをタバサは瞳に映し続ける。 天空には双子月と浪蘭幻十。 大地には彼方まで広がる悠久の大地とD。 二組を繋ぐのは夜の世界を渡ってきた風と月光。 二人の戦いは、どちらの方がより美しいかという答えを出す為のものであったかもしれない。 六メイルの高みからDを見下ろしていた幻十が、何度目か必殺の意を万と込めた一撃を放った。Dの頭頂から両断すべく振り下ろされた魔糸。全長は一リーグ≒一キロを越す。 十分な余裕を持って回避できる筈の魔糸を見ていたDの瞳の中で、一条の煌めきは、たちまち一千の閃光と変わった。 千分の一ミクロンの魔糸千本を縒り集めた一ミクロンの魔糸を、敵の頭上で解き、たちまち一筋の斬撃を千の斬撃へと変える。 たった一本を回避する事から、千本にも及ぶ魔糸の斬撃の回避へと行動を変える事は、もはや不可能なタイミングであったろう。幻十の唇がひどく残酷な形に吊り上がる。 目の前で数千の肉塊へと変わる強敵の様を思い描き、サディスティックな愉悦に胸の内をどす黒く焦がそうとしているのだ。 成す術なくDが微塵に斬り裂かれるかと、彼の魂を連れ去るべく待っていた冥府の使い達が目を見開いたその時、動いたのはDの左手であった。降り注いだ魔糸の雨を防いだ時同様に、Dの左手に宿る老人が、死の運命の扉を塞ぐ鍵となったのだ。 左手を掲げるのと同時に老人の声はこう流れた。 「風だけじゃが、なんとかするしかないか」 開かれたDの左手の掌に浮かんだ老人が、再び抜け落ちた歯の目立つ口を、大きく開いた時、その喉の深奥でちろちろと燃える青白い炎があった。Dの左手に宿る老人は、世界を構成する四元素『火』『土』『風』『水』を食らう事で、膨大なエネルギーを生み出す生産プラントでもある。 幻十の放った魔糸を吸い込む時に吸引した風を元にしてエネルギーを生み出し、左手の老人は喉の奥から、青白い炎を一気に噴き出した。 それがどれほどの熱量と勢いを持っていたものか、襲い来る魔糸はすべて蒸発し、炎が舐めた大地はガラス状に解けた断面を晒しているではないか。 幻十が目の前まで迫った炎の舌に、かすかに目を細めたその瞬間、背筋を貫く鬼気の放射に愕然と炎の中から姿を見せた黒影に目を見張った。 自らの左手が生み出した炎の灼熱地獄の中を、右手に握るデルフリンガーで切り裂き、飛翔したD! 紅蓮の海を挟み対峙する両者の間を、白銀の弧月が繋いだ。 デルフリンガーの切っ先を真横へと向けたまま、Dは音もなく地面に着地した。すっくと立ち上がった時には、すでに戦闘の気配を納めている。 幻十の左頸部を狙った一撃が、肌に触れるその寸前、幻十の姿はDの目の前から消えていた。どこか遠くに巻きつけた魔糸を利用して幻十は退いたのだ。 それがどれほどの速度であったものか、発生した突風に千切られた風がはらはらとDの周囲に舞落ち、残っていた炎に燃やされて灰に変わる。実に、幻十が逃亡に用いた魔糸は、彼の体を音速を超えて運んだのである。 左手がやれやれ、と骨の髄まで疲労を溜め込んだ声を出した。 「なんなんじゃ、この世界は? あのメフィストとか言う医師だけでなく、幻十とか抜かすあ奴も大概バケモノときおった。 しかも、戦い始めた時から常に成長しておったぞ? 下手をすれば無限に成長するかもしれん。 ここで首を落とせなんだ事を後で悔やむ様な事にならなければ良いが、それも自業自得というものなのかの。お前があのチビのお嬢ちゃんを庇うとはな。構わなければ止めは刺せずとも深手くらいは負わせられたものを」 Dが真横の突きだしていたデルフリンガーを下げた。Dの一刀を浴びる寸前、幻十がタバサめがけて放った魔糸を防いだデルフリンガーを。 変貌したデルフリンガーの事は露ほども気にする様子はなく、Dは右手に刃を提げたままタバサへと歩み寄った。 タバサは自分に歩み寄るDの姿に、死を覚悟した。いわば自分はDを罠へと誘いだしたのだ。目の前の青年が、そんな相手を許す様な性根の主とは見えない。 両手で握りしめた杖が大きく震えるのを感じながら、タバサは目の前で足を止めたDの顔に見入った。 Dは冷たくタバサを見下ろしている。右手が動いた。デルフリンガーの刃が風を薙いだ。無造作に、草でも刈る様に。そうやって、タバサの首も刈るのだろう。 弁明も言い訳も何も意味を成さないと悟ったタバサは、静かに目を閉じて息を飲んだ。自分と家族の人生を狂わせた男への復讐を果たせず、母の心を取り戻せずに終わる事だけが心残りだった。 シルフィードは泣いてくれるだろう。きっとわんわん泣くに違いない。キュルケやルイズも、自分が死んだら涙を流してくれそうだ。ルイズは自分を斬り殺したDの事を責めるだろう。 本当なら、こんな所では死ねないと、終わるわけには行かないと、地べたを這ってでも生きようと足掻かなければならない。なのに、どうしてもそんな気力が湧いては来なかった。 思ってしまったのだ。目の前に黒衣の青年が立った時に、このまま殺されてもいいと。この美しい青年に、殺されてしまいたいと。自己破滅願望とこの世ならぬ美への恍惚が入り混じった極めて危険な心理に、タバサは陥っていた。 Dの手が振られた。タバサは、自らの体を両断する冷たい感触が流れるのを待った。 「……?」 しかし、待てども訪れぬ感触に、訝しげにタバサが目を開いた時、Dはデルフリンガーを握ったまま人差し指と親指で何かを摘まむような動作をしていた。 訳が分からずDの指を見つめるタバサに、Dが口を開いた。 「目には見えんが、糸がある。あの幻十という男のものだ。これが君の体に巻き付き、あらゆる情報を奴に伝えていたのだ」 「糸?」 「今は斬ったから何を話しても問題はないがな」 Dの告げた幻十の武器の正体に、愕然と眼を見開いてタバサはDの指先を見つめた。目を凝らして凝らしても、何も見えない。 ただ、時折降り注ぐ月光を反射して何かが煌めくのが見えた。それが、Dの言う糸なのだろう。Dはデルフリンガーで斬った魔糸を、左手の口の中にしまい込んだ。 タバサの体に巻きつけられた魔糸は、糸そのものを震わせる振動からその場で行われている会話、巻きついた対象の体温や血流、体内の電気信号などから感情、精神状態までを光の速さで幻十の指に伝えていたのだ。これまでタバサの会話や心は全て幻十の手の内に把握されていたと言っていい。 「知っている相手の様だな。何者だ?」 タバサが身を強張らせた。Dの声は質問に答える以外の言葉を許さぬ冷厳な響きであった。 「彼は、ガリア王ジョゼフの使い魔として呼び出された青年。けど、契約は結んでいない」 「続けろ」 「ジョゼフは、彼に何の命令も下していない、ただ彼の好きにさせているだけ。私は彼に従うように命令を受けた。だから、貴方を呼んだ。彼は貴方に興味がある様だったから」 「また命令が来れば同じ事をするか?」 「……しなければならない理由が、私にはある」 「そうか」 タバサは杖を握る手に力を込めた。つい先ほどまで生を諦めきっていたが、仇敵に従う振りをしてまで果たそうとしている事を思い出し、わずかでも可能性があるならそれに全霊を賭けようという気概が蘇っていた。 もしDが自分を殺そうとするのならば、わずかなりとも抵抗してみせる。 瞳に強い光を取り戻したタバサを見て、Dは何を思ったか、無言で踵を返した。その背に、タバサが声をかけた。 「待って、貴方に頼みがある」 Dが立ち止まってタバサの言葉の続きを待った。かすかな逡巡の後に、タバサが意を決して、言葉を続ける。 「彼を、ロウランゲントを斃して欲しい。貴方なら彼を斃せる。いいえ、貴方にしか斃せない。彼は明言はしていなけれどおそらくジョゼフの味方をする。 私は、どうしてもガリア王ジョゼフを斃さなければならない。私の前にロウランゲントが立ち塞がると思う。もし、ガリア花壇騎士団が全員私の味方になってくれても彼には勝てない。それに、彼はたぶんこの世界に来てはいけなかった人。ゲントの存在は、この大陸にとても良くない事を巻き起こすと思えて仕方が無い」 「おれは殺し屋ではない。吸血鬼ハンターだ」 再び歩み去ろうとするDに、慌ててタバサが声をかけた。浪蘭幻十と対抗しうるおそらく唯一の男を、味方にする千載一遇のチャンスだ。逃すわけには行くまい。 「なら、ゲントと彼の連れている吸血鬼を始末して」 「吸血鬼を従えているのか?」 足を止めて聞き返してきたDの様子に、タバサが安堵の吐息をひとつ吐いた。少なくとも興味を引く事は出来たようだ。しかし、吸血鬼ハンターとは、文字通り吸血鬼を狩る者の事だろうが、ハルケギニアではそう言った者は聞いた事が無い。 目の前の青年がはるか遠方から、それこそハルケギニアの名が伝わっていないほど遠いどこかから呼ばれたのだという噂が、タバサの脳裏に蘇った。だが、今はDの素性を確かめようとするよりもするべき事があった。 「私に払う事の出来る報酬は多いとは言えない。けれど、私が支払えるものであったなら、何でも払う。この体でも命でも構わない。 だから、お願いします。どうか、この世界の為にロウランゲントを斃してください」 深く腰を曲げて頭を下げるタバサを一瞥し、Dは無言のまま背を向けて学院へと歩き始めた。タバサの懇願も、誠実な態度も、まるで知らぬという様に。 顔を上げて離れ行くDの背を見つめていたタバサは、ひたむきな瞳を向けていた。 「どうして、私に何もしないの?」 タバサにとっては、その答えを得られぬ事が、Dの刃の露と消えるよりも辛かったかもしれない。 タバサは、Dの姿が消えるまで、そこに立ち続けた。世界のすべてから忘れ去られたような、ひとりぼっちのまま。 なお、Dの背に戻されたデルフリンガーが、 「相棒、おれが変わった事、気にしないの? ねえ?」 と寂しげに呟いたが、むろん黙殺された。 ルイズの部屋に戻ったDは、なにやら神妙な顔をしてこちらを見つめるルイズと、なぜか部屋に居るギーシュを見た。こんな夜遅くに女の部屋に男の姿がある。争った形跡もないという事は 「ませとるなあ、しかし、よりによって引っ張り込んだのがこいつか。お嬢ちゃん、もうちっと男を見る目を養った方が」 「違うわ。D」 いつもなら簡単にDの左手の挑発に引っかかるはずのルイズが、冷えた声を出した。いつもとはだいぶ違う様子に、左手もふむん? という声を出す。 ギーシュの方も口に薔薇を加えた気障なポーズはともかく、顔つきにはふざけた様子もおどけた調子もない。ルイズ同様に真摯な瞳でDの顔を見つめている。 どんな鈍感な人間でも、これは何かあると分かる二人の様子だ。 ルイズはDの目の前まで歩き、使い魔の顔を見上げた。正面から、逃げる事も恥じる事も何もないと、堂々と胸を張って、主人らしく。 「D、私アルビオンに行く事になったの。明日の朝、出立するわ」 「理由を聞こう」 Dに対して、ルイズは静かに事情を話し始めた。Dが浪蘭幻十と死闘を繰り広げていた時、ルイズはトリステイン王女アンリエッタの訪問を受けていた。 頭巾を取り、素顔を晒したアンリエッタは、膝を突くルイズの手を取って懐かしい友との再会を喜んだ。ルイズは、幼少の頃にアンリエッタの遊び相手を務めていたのだ。 お転婆娘だった小さな頃を懐かしみ、その頃の自由に思いを馳せている間は良かった。Dも特に反応を見せる様子はない。それで終わったなら、そもそもルイズはこんな神妙な顔はしないだろうし、ギーシュが部屋に居る理由も分からない。 雲行きが怪しくなり出したのは、アンリエッタがこのたびゲルマニア皇帝に嫁ぐことになった下りからである。 別段王室同士の婚姻など珍しい話ではない。アンリエッタにもトリステイン王家のみならずアルビオン王家の血が流れている。 では何が問題かと言うと、それはアルビオン王国の政治情勢に一因があった。Dも、下僕というか小間使いにしたフーケから話を聞き、かの浮遊大陸のきな臭い情勢については風聞程度で知っている。 アルビオンの貴族達がどこぞの司教を旗印にして王家に対して反旗を翻し、いまや王家は追い詰められ、始祖ブリミルが授けた三王権のひとつが倒れるのも時間の問題だというのだ。 トリステインは始祖ブリミルの子の血を引く由緒正しい王家であったが、国力で言えば小国と言われても反論できない。 平民といえども領地を購入すれば貴族となる事も出来、国力を増大させたゲルマニアやハルケギニア一の大国であるガリア、宗教的な理由から神聖不可侵な血であるロマリアと違い、トリステインは歴史の古さ位しか取り柄が無いのである。 さて、そこでトリステインとゲルマニアが、いずれアルビオン王家を打倒した反乱軍が、両国いずれかに矛先を向けると考えたのは至極当然であったし、対抗するために同盟関係を結ぼうとするのも自明の理だ。 その為にトリステイン王家の一粒種であるアンリエッタが、親子ほども年の離れたゲルマニア皇帝に嫁ぐのは、両国の関係強化にこれ以上ない方法だったろう。 アンリエッタも望まぬ恋ではあっても、王家に生まれ者の宿命とそこは諦めと共に受け入れてはいる。ここで、いよいよ大問題に差し掛かった。 ルイズが淡々と事実を述べる様に口を開いた。極力私情を交えぬようにと配慮しているらしい。 なんでもアンリエッタとゲルマニア皇帝との婚姻を妨げる材料が存在しているというのだ。よりにもよって戦乱のアルビオン王国に、よりにもよって渦中にあるウェールズ皇太子の手元に、である。 「なにが、王女と皇帝の婚姻を妨げる材料になるのだ?」 「姫様がいぜんしたためたという一通の手紙よ。内容はお教えくださらなかったけど、それが明らかになればゲルマニアの皇室は決してアンリエッタ姫を許さず、婚姻も反故にされるそうよ」 「たった一通の手紙でか?」 「……ええ」 その事を語る時のアンリエッタの様子は、ルイズに手紙の内容を容易に想像させたが、それをDには語らなかった。 「アルビオン王国が反乱軍の汚らわしい手で潰えてしまうのは悔しいけれどもう決定的。であれば来る反乱軍との戦いとの時に、トリステイン一国で相手をするのは……絶望的なのよ」 「では、王女の頼み事は」 いつもより冷たく見えるDの眼差しに、体の内側から冷やされる思いで、ルイズはわずかに息を飲んだ。それでも、一度だけ目を瞑ってから答えた。 「戦乱の只中にあるアルビオンから、その手紙を取り返す事よ」 ルイズはその時のアンリエッタとのやり取りを思い出した。 ルイズの目の前でそれまでの友との再会を喜んでいたアンリエッタが、たちまち顔色を蒼ざめさせて、狼狽しだしたのだ。ルイズはその変化に戸惑いながらもアンリエッタを宥めてその先を促した。 ウェールズ皇太子の元にあるという手紙と、その事を告げた時のアンリエッタの様子から、何を求められているのかは薄々分かっていたが、アンリエッタの口から直接聞きたかった。 「では、姫様、私に頼みたい事とは?」 「無理よ! 無理よルイズ! わたくしったらなんてことでしょう! 混乱しているんでしょう! 考えてみれば貴族と王党派が争いを繰り広げているアルビオンに赴くなんて危険な事、頼めるわけがありませんわ!」 弱々しく首を左右に振り、自分の浅慮を悔いるアンリエッタ。だが、その様子をルイズは不意に遠いモノの様に見ている自分に気づいた。つい先ほどまではアンリエッタ同様に大仰に喜び、芝居がかった言葉を交わしあっていたのに。 ふと脳裏に、今は部屋に居ない――ようやく気付いた――使いの間の姿が過ぎった。彼の影響だろうか? ルイズはそっとアンリエッタの手を両手で包みこんだ。アンリエッタが不意に顔を上げ、涙の粒を眼の端に浮かべた瞳に、慈愛に満ちた顔を浮かべるルイズの顔を見上げた。 ついさっきまで同じ過去を共有する懐かしいおともだちだったのに、今はアンリエッタの知らないルイズがそこにいた。 妹を慈しむ姉の様な、娘を想う母の様なそのルイズの姿に、アンリエッタは身惚れた。 「姫様」 「ルイズ?」 「わたくしは、わたくしをおともだちと言ってくださったことがとてもうれしゅうございました。このルイズ、姫様のおともだちとして、そして家臣としても、貴女様の僕であり、理解者でございます」 「ルイズ、ルイズ・フランソワーズ、貴女はわたくしの知らない間に、こんな立派な貴族になっていたのですね」 感極まって涙ぐむアンリエッタの目元をそっと、取り出したハンカチでぬぐってから、ルイズは膝をつき再び臣下の礼を取った。 「ルイズ?」 「ですが、唯一のわがままをお許しください。姫様、姫様はおともだちとして私にお願いしてくださいました。ですが、どうか、主君としてもご命じくださいませ。私に、命を賭して命を果たせと」 「ルイズ、どうしてそのような事を」 「姫様がご存じかは存じ上げませんが、わたくしはゼロのルイズと呼ばれております。満足に魔法を使えぬ未熟者という意味でございます。そんなわたくしが姫様の命を果たすには身命を賭す以外にありませぬ。 どうかおともだちの為に戦うという事以外にも、このわたくしに勇気を振るい起こすお言葉をお授け下さいませ。おともだちの為に、主君の為にと、勇を振るい起こすお言葉を」 「ああ、ルイズ、わたくしは貴女になんて事を頼んでしまったのでしょう」 かすかに肩を震わせるルイズの様に、アンリエッタは我に返ったように慄いた。ルイズが今、アンリエッタの願った事を果たす為に命を賭ける覚悟を決めている。そして、恐怖を必死に押し殺そうとしている事も分かった。 自分はルイズに死ねと言っているようなものなのではないか? アンリエッタは初めて他人の気持ちを慮るという事を考えていた。 では、自分がおともだちと呼んで泣き付き、頼りにしたこの少女になんというべきか。聞かなかった事にして欲しいと告げ、今宵の出来事を自分もまた忘れるべきか。 それでもルイズの願いどおりにおともだちとして、そして王家の姫君として戦の只中にアルビオンに赴き、手紙を取り戻して来いと、命を賭けて果たせと命じるべきか。 自分の言葉で目の前の少女の運命が変わると、アンリエッタは初めて感じる恐怖に震えた。 「おお、おお、わたくしはなんと浅はかだったのでしょう。懐かしいおともだちであった貴女が、この学院に在籍していると知った時は始祖ブリミルが哀れな私をお見捨てにならなかったなどと思いあがり、貴女を死地に赴かせる事を口にするなど」 打ちひしがれたようにベッドに倒れて手をつくアンリエッタの言葉をルイズはただ待った。アンリエッタの心が決まるのを待った。 震えるアンリエッタの肩が、ようやくおさまった頃、流した涙をそのままにアンリエッタが毅然と顔を挙げた。 少なくとも先程までルイズに泣き崩れていた弱々しい少女の顔ではなかった。 「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ヴァリエール、貴女に命じます。アルビオンに赴き、ウェールズ皇太子よりわたくしがしたためた手紙を取り返してくるのです」 「はい、杖に賭けて」 ルイズもまた凛とした声で答える。人の上に立つという事の責務をようやく実感し出したアンリエッタとルイズだけの部屋に、ノックの音がしたのはちょうどその時であった。 「誰!?」 「失礼する」 ルイズの誰何の声に応える間もなく声の主は静かに扉を開いて入ってきた。フリル付きのシャツに鮮やかな色のスラックス、胸のポケットには薔薇の造花を模した杖が一輪。 ギーシュである。何を聞きとったのかはたまた単なる偶然か、ルイズとアンリエッタの会話を耳にしていたらしい。扉に鍵を賭けていなかったので容易く入ってきたギーシュはそのままアンリエッタに向けて膝を着いて首を垂れた。 「姫殿下、盗賊の如く様子を伺うという下劣な真似をいたしましたご無礼は、どうか、このギーシュ・ド・グラモンがミス・ヴァリエールと共に任務を果たす事でお許しくださいますよう、お願い申しあげます」 「グラモン? あのグラモン元帥のご子息かしら?」 「四男でございます」 涙の跡を拭いたアンリエッタが、やや赤くなった目元をきょとんとして、小首を傾げながらきょとんとした顔で聞き返した。なんともはや、抱きしめて頬に接吻したくなるように可愛らしい。 ギーシュはかすかに頬を赤らめながら、立ちあがって恭しく一礼した。 「ありがとう、あなたも私の力になってくださるというのですね。でも、とても危険な任務なのです。ルイズにも申しましたが、命を失うかもしれないのです」 「姫殿下、わたくしは武門の子です。物心ついた時には、こう教えられ育ちました。命を惜しむな、名を惜しめ。決して表に出るような任務ではないと存じております。 ですが、トリステインの可憐な花たる姫殿下のお心に一時でも私の名を覚えていただければ、それはなによりの名誉なのでございます。父にも母にも兄にも伝える事は出来ずとも、わたしはグラモン家の家訓を守る事が出来るのです」 「ルイズ」 「姫様の御心のままに、お決めくださいまし。ギーシュ、いえミスタ・グラモンにこの任務を任せるか否かは」 「今のわたくしにはその言葉が何よりも重いものなのですよ、ルイズ。……お父上は立派で勇敢な貴族ですが、あなたもその血を受け継いでいるようですね。この愚かで身勝手な姫をお助け下さい、ギーシュさん」 アンリエッタはにっこりと微笑んだ。それは街道の脇を埋める民衆や、城のバルコニーから見下ろす民衆達に向けるいわば営業用のスマイルに近い。ただ決定的に異なるのは、そこに心からの申し訳なさと、それでも縋る他ないやるせなさが宿っている事か。 ギーシュは感動した様子でうっとりと首肯した。 モンモランシーはどうしたのよ? と内心でルイズは呆れていたが、まあ、ギーシュとは最近気心が知れてきたし、ドットメイジの割には優秀なのは分かっていたので、文句は言わずにおいた。 「ルイズ、ギーシュさん、旅は危険に満ちている事でしょう。おそらく反乱軍の手先たちがこのトリステインやゲルマニアに多く放たれている筈。あなたがたの目的を反乱軍が知ったならどんな手段を取ってでも妨害する事は明白。そんな任務に赴かせるわたくしを許してとは申しません。ですが、どうか生きて戻ってきてください、そしてその無事に、始祖への感謝を捧げさせてください」 そう言ってアンリエッタはルイズの机の上に在る羽根ペンと羊皮紙を使って手紙をしたためた。アルビオンの王党派とウェールズ皇太子への、ルイズ達の身分を証明する手紙であろう。 おそらく最後の一文までを綴ったアンリエッタが、羽根ペンを止めて苦悩する様子に、ルイズは自分の思う通りの内容であったのだろうと、アンリエッタの心中を想い胸を痛めた。 だから、耳に届いたアンリエッタの言葉は聞かなかった事にした。それはアンリエッタとウェールズの二人の間のささやかだが、なによりも輝いている秘密だ。それを他人が知ってはいけない気がした。 「始祖ブリミルよ……。この自分勝手な姫をお許しください。でも、国を憂いても、わたくしはやはり、この一文を書かざるを得ないのです……。自分の気持ちに嘘を着く事は出来ないのです……」 熱に浮かされていたようなギーシュも、アンリエッタのひたむきなその横顔に身惚れたかの様に黙っていた。 アンリエッタは新たに加えた一文をじっと見つめていたが、やがて手紙を巻き、杖を振るうやどこかから封蝋が成され、花押が押される。ルイズはその手紙を神妙な気持ちで受け取った。 この手紙と自分達の行動に、これからのトリステインとゲルマニアの両国の命運がかかっているのだ。まさしく、ルイズの命を引き換えにしてでもなさねばならぬと、ルイズは心中の決意をより堅固なものにした。 「ウェールズ皇太子にお会いしたらこの手紙を渡して下さい。すぐに件の手紙を渡してくれるでしょう。それからこれを」 そういって、アンリエッタは右手の薬指にはめていた指輪と革袋をルイズに手渡した。透き通る様に美しい水を宝石にしたように美しい指輪であった。 「母君から頂いた『水のルビー』と私が都合を着ける事の出来たお金です。せめてもの贈り物です。お金が心配になったら売り払ってください。 この任務にはトリステインの未来が掛かっています。母君の指輪が、アルビオンに吹く猛き風から、あなたがたを守りますように。 ルイズ、ちいさいころからのわたくしの一番のおともだち、貴方にこんな事を頼んでおいて、言えた義理ではないかもしれませんが、どうか生きて帰って下さい。貴女だけがわたくしの真実のおともだちなのですか。 そしてギーシュさん、宮廷では貴族とは名ばかりの権利と利益の亡者ばかり。この学院にきて、久しぶりに貴族らしい方とお会いできました。どうか、貴方のその気高さを持ったまま、立派な軍人になってください」 そう言って、アンリエッタは始祖に祈る様にして二人に手を組んだまま頭を垂らした。 以上が、ルイズがDに語った事の顛末であった。黙ってそれを聞いていたDの代わりに左手のしゃがれ声が口を開いた。 「お前ら二人とも死にに行く気か? 内乱真っただ中の外国に子供二人でか。命と精神力がいくらあっても足りんぞ。ずいぶん命が安いらしいの」 「D、確かにあなたにとってはそうかもしれないけれど、私は姫様のお願いを聞いたの。おともだちとして、そして家臣として。どうあろうとも私は任務を果たすわよ」 「任務を果たした所で、ゼロの汚名を返上する事はできんぞ」 若さの中に鋼の響きを交えたDの声であった。一切の嘘を許さないその声に、ルイズはかすかに声を震わせて答えた。 「分かっているわ。言ったでしょう? おともだちとして、家臣として、聞き入れたと。汚名を返上する為ではないの。そうでしょ、ギーシュ」 「……いや、実は、ぼくはちょっとそーいうのも、あるかなあ、と」 「ぬあんですってえ?」 般若も青褪めて逃げ出しそうな顔と声に変わったルイズの形相に、ギーシュはさっと顔色を青く変えた。本気で怒らせた父よりも怖い。 軍の元帥とあって威厳も迫力もたっぷりな父が怒ると、すぐそばに雷が落ちた様に恐怖に震えるのだが、今のルイズは氷の海に突き落とされたように背筋を震わせる恐怖の塊であった。 「いや、あのね、ぼくは四男坊だから家督を継ぐわけでもないし、かといって上の兄達に不幸があればいいなどとは思わないしね。 それにアルビオンの話が本当ならいずれ武勲に恵まれる機会もあるかもしれないけどさ、ほら、姫殿下にぼくの顔と名前を覚えていただくのは損な話じゃないだろう? それに、トリステインでもっとも美しい白百合か白薔薇の如き姫君の為に働ける事は、トリステインの男としてこの上ない名誉だよ。誉れだよ。誰かに口にする事は出来なくとも、生涯自分自身に誇れるからね」 「どいつもこいつも浮かれておるのう。なんじゃ、またわしらにケツを拭いてもらえると期待しておるのか? だとしたら甘い、甘いぞ。なんでそんな危険な真似に付き合わなければならんのだ。いくら使い魔でも限度はあるぞ」 「いいえ。D、今回ばかりは貴方を無理に連れていくとは言いません」 きっぱりと言い切るルイズに、ギーシュがおや? という顔をした。今、ルイズは何と言っただろうか。この中で最大戦力である使い魔を連れていく気はないと言わなかっただろうか? 「D、貴方には本当に良くしてもらっているわ。本当なら、貴方はわたしなんか気に掛ける暇なんてない人なのでしょう。それ位は私も分かるわ。そんな貴方を元の場所へ返すという約束を今も果たせていないけれど、せめて貴方に命の危険を負う様な真似をさせないくらいの事はさせて。フーケの時だってそうだったけれど、今回は比較にならない。 ここに姫様から頂いたお金と貴方から借りた黄金があるわ。節約していれば食べるのに困る事はないでしょう。私に無理に付き合わなくていいのよ、ね?」 「使い魔の契約はどうする?」 「契約が生きている間は新しい使い魔を召喚できないけれど、それだけの事よ。貴方が特に困る事はないはずよ。それに、もしこの任務の最中に私が死ねば、その契約も解けるはずよ」 ギーシュが、はっとした顔に変わった。そうだ、ルイズが死ねばDは使い魔の契約に縛られる事はない。 Dが特に使い魔としての扱いに不平不満を述べた事が無いから疑問に思わなかったが、むしろDにとってはルイズが死んだ方が都合がいいのではないだろうか。 Dを見つめるルイズとギーシュの前で、Dはルイズが机の上に置いた革袋を手に取った。Dが辺境のダラス金貨を溶かして作った黄金と、アンリエッタが用意した宝石や金貨の詰まった革袋だ。 ずしりと手の中に重みが伝わってくる。Dはそれをパウチの中にしまった。まさか、とギーシュが口を開きかけて止めた。誰よりもそう思っているのはルイズ自身だろう。ルイズは唇を固く閉ざしたまま、Dの姿を見ていた。 鳶色の瞳に揺れるのは不安か、恐怖か、口にした言葉への後悔か。それとも、別離への悲しみか。 踵を返し部屋の扉に手をかけたDに、ルイズが声をかけた。震えている。精一杯に押し隠して、それでも抑えきれない声。 「D、今までありがとう」 「達者でな」 それだけを告げて、Dは開いた部屋の扉を閉じた。 前ページ次ページゼロの魔王伝
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■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 「やっぱりサーヴァントって言われても急には実感わかないよな。」 「ですよね、軍曹殿。」 「喚ばれて飛び出てみたら目の前で代行殿死んでんだもん、それで一人だけいた女サーヴァント取り押さえたらやたら弱いし。おっぱいデカイだけかよあのランサー。」 「そうっすね軍曹殿。」 「つーわけで今からお前のケツに銃剣突っ込むわ。」 「なるほどです軍曹殿……え、それは……」 「てめぇ上官に生返事してんじゃねぇぞこの野郎。」 「いやケツはヤバイですって。てか軍曹殿さっきブリッツ中尉を女扱いしてませんでしたよね、首跳ねられますよ。」 「馬鹿野郎言葉の綾だ……さて。傾注!大将殿のお出ましだ!」 手に手に銃を、手榴弾を、弾薬を、火砲を、その他雑多な装備を点検し手早く戦闘体勢を整えていた軍服姿の吸血鬼達が、軍曹殿と呼ばれていた男の声に反応して一斉に敬礼する。 赤い目と牙をギラつかせる最後の大隊を前に、真田幸村は歩み出た。 真田幸村の一喝の後、彼を中心として対カルナの対策が練られた。現在地下の共同溝を往く千手扉間を先頭にしたテレサ、アリシア・メルキオットの三騎は、その先遣隊である。そしてその策とは次のようなものだ。 まず第一陣として隠密行動に自信のある三騎――情報は共有されていなかったが、彼女達はいずれも気配遮断のスキル持ちである――が先んじてカルナに接近、その動向を探る。 次に第二陣として真田幸村、パピヨン、小野寺ユウスケ、そして最後の大隊から降下猟兵を中核とした軽装備の一個中隊、吸血鬼二百余名が別のルートでカルナに接近、半翼包囲後、会敵する。この際、カルナが第二陣の機動を察知した場合、またはホテルへの直接攻撃を試みた場合、第一陣の三騎でカルナを急襲し一時的に拘束する。 そして第三陣の最後の大隊幹部並びに残余の吸血鬼とマスター達は、第一陣と第二陣がカルナの足留めをしている間にホテルを放棄、脱出する。目標は冬木市西部、深山町の翠屋。ここに退却し部隊を再編成、西側のサーヴァントを戦列に加え、新都に転進しカルナを倒しきる。 ホテル内の力学を考慮した結果、第一陣はアリシアが、第二陣は幸村が、第三陣は最後の大隊のゾーリン・ブリッツ中尉が指揮を執ることで合意に達し、この急拵えの作戦は実行に移されることとなった。というか、勢いで幸村が推しきった。既にこの作戦が幸村により立案されたときには、カルナはホテルまで五分の距離にまで迫っており、つまりそれはいつでも敵の宝具がこちらに飛んでくるということである。公園とスーパーでのことを考えるとこのホテルごと蒸発されかねない状況であり、喉元に手をかけられているに等しい有り様であった。はっきりいってカルナがその気になれば即座に全滅するのだ、今こうしてなんの気まぐれか生かされているが、ならその間にできることはやらねばならない。幸村はそう判断すると全員を叱咤した。 「教授殿、ますたぁ達を脱出させるのにどれ程かかる?」 「本音を言えば一時間は欲しいですが、三十分あれば川にまで達せるでしょうな。ここから川までカルナの攻撃が届かないという前提ですが。」 「情けないことを言いますが、十五分でなんとかなりませぬか。」 「地下の共同溝が川へ直通していればできるかもしれませんがね、地図もなにもないので期待はしないで頂きますよ。」 「忝ない。」 出撃準備を整えた吸血鬼達を確認しながら幸村は教授に礼を言った。正直に言えば十五分持たせられるかも怪しいが、泣き言は言っていられない。改めて腹に重いものが感じられるところに、伝令のシュレディンガー准尉が現れた。 「まずいよ、第一陣のおっぱいランサーがやられた。」 「なんとっ……!バラバラに打って出てくるのを待って一人ずつ倒していく気か!」 ぎりと拳を握り締める。いつでもこちらを丸ごと潰せるのにそうしないのは炙り出して虱潰しにする腹か。ならば一刻も早くこちらも戦闘を開始しなければならない。でなければマスター達が退却する時間を稼ぐ間もなくサーヴァントが全滅してしまう。幸村はそう考えると吸血鬼達を急がせた。 「まさかこんなに早く私だけになるとはな。」 「ごめん……なさい……セイバー……」 ところ変わって新都中心部、既に実体化を済ませてアリシアを小脇に抱えたテレサは走る。見るものに残像すら見せるダッシュとステップの併用で混乱するビル街を駆けていく。すぐ脇を熱線が通りすぎた。 アリシア達第一陣はステルス性の高さと同時にレーダー役としての高い能力をもつサーヴァント達で構成されている。そこでカルナの射程距離外を見極めた後にそれぞれ散開、実体化する運びになっていたが、まずその最初の段階で作戦は破綻した。簡単に言えば、カルナの索敵がホテルのサーヴァントの予想よりも遥かに高かったのだ。そしてもうひとつ、ホテル内部の情報が限定的とはいえカルナに漏れていたのだ。 当人達以外は知らないことだが、実はホテル内の美遊とホテル外のカルナの間では、ホテル襲撃についてある程度のコンセンサスがあった。といっても、焦ってバーサーカーにルーラーを殺させたらついでにうっかりそばいにたセイバーのマスターも誤殺するは街が停電になるはで慌てていたために大した会話らしいものはできなかったが、それでも二点だけは取り決めた。即ち、「今日の午前二時にホテルに接近すること」と、「バーサーカーが実体化したらホテルを襲撃すること」、この二点である。ちなみに午前二時にしたことに特に理由はない。ただ単にスマホでメールするのに、はしっこにあって二文字打たなければならない「一」より真ん中にあって一文字の「二」の方がポケットのなかに入れた状態で打ちやすかっただけである。それはともかく、美遊としては深夜にカルナがホテルに接近することが重要であった。万が一、というか十中八九自分がバーサーカーに教会を襲わせたことは露見するだろう。なにせバーサーカーに教会を派手に消し飛ばさせてしまっている。バーサーカー並の感知能力があればこれに気づかぬはずはない。更にセイバーとキャスターに至っては教会から逃走するバーサーカーをバッチリと見ている。マスターを殺したこともあってセイバーはどう考えても自分を追及するだろう。そう考えた美遊はカルナに襲撃させることで場を混乱させようと計ったのだ。もっとも、メールしてから二時より一時の方が良かったとか、まあ万が一の時はバーサーカーを実体化させることで合図になるから大丈夫だとか色々考えたが、どういうわけか苦し紛れでついた「教会の近くで感知できないサーヴァントとカルナに襲われた」という言い訳が信用されてしまった――実はバーサーカーの持つモーフィングパワーでバーサーカーが発した教会周囲の魔力もまとめて消し飛んでいたためはからずも美遊の発言に信憑性が出ていた――ために全部まるっと杞憂になっていたのだが。 さてそんな美遊だが、カルナ接近に際してある程度第一陣のサーヴァントがカルナに接近したであろうタイミングでバーサーカーを実体化されることを選んだ。カルナならば地下にいようとバーサーカーがホテルで実体化したことに気づくだろう。周囲にやたらとサーヴァントがいる状況は当初の想定外ではあったが、魔力の強大さで識別できるはずだ。そう踏んでカルナが第一陣の攻撃を受けるだろう前に実体化させることで合図を送った。あとはカルナの眼力でサーヴァントを見つけ出しレーザーぶっぱである。美遊本人もこれでまさかサーヴァントが仕留められるとはつゆほども思っていないかなり雑な計画であったが、これで第一陣は事実上壊滅することとなった。 まず最初にアリシアが地上で実体化したところを狙われた。咄嗟に身体を捻ったことで心臓への直撃は避けたもののへその辺りで上下に分割されることとなる。扉間に至っては次の一撃でテレサでも感知できないレベルで消し飛ばされた。これで生きていれば大したものだが、それならばぜひ直ぐにでもこちらを援護してもらいたい、テレサはそう思った。 「空飛んで炎出してくる奴にろくなのいないな。」 テレサは膝の力を抜くと地面を滑るように移動する。数瞬前まで首があった辺りをカルナの宝具が通りすぎていった。そのまま縦横無尽に走り続ける。一瞬でも足を止めたら、いや、足を止めようが止めまいがカルナの視界に入れば終わりである。戦闘が始まって十秒ほどでサーヴァントが二騎無力化されたのだ、第二陣到着まであと数分をテレサ一人で持たせなければならない。 もちろんそれで勝てる可能性などゼロに等しいのはわかっているが。 「美遊殿!第一陣の様子は!」 『ランサーとアサシンは反応が感じられない。今はセイバーが一人で逃げ回ってるみたい。』 「真田幸村、こちらはあと一分といったところだ。」 電話越しの声は非常に冷静に戦況を伝えてくる。慣れぬ携帯電話で話しながら幸村は隊列を組みつつある吸血鬼達を見た。 ハイアットホテル地下ではホテル脱出に向けて着々と準備が進んでいた。既にマスター達と教授は、海軍出身の最後の大隊構成員と大尉と呼ばれた男に護衛され川を目指し西進を始めている。しかしだからといって、依然としてカルナの脅威に晒されていることになんら変わりない。それどころか第一陣が余りにも容易に崩壊したために余計ホテルの人間は危機感を感じていた。 カルナの戦闘能力は直接対峙した幸村やテレサの予想よりも明らかに上であった。いくら相手が規格外の太陽神であろうとまさか第一陣の三騎が一分持たずに無力化されるなどとは想定できなかったのだが、現実は何が起こったのかわからぬままに今の有り様だ。まるで隕石かなにかにピンポイントに頭上目掛けて降られたかのような感覚である。そのせいで本来は第一陣と第二陣の合流をもって決戦を挑む予定が戦力を逐次投入する格好となってしまっていた。 ――実際は美遊がもたらした情報には多少の誤りがあるのだが、テレサと扉間の二人から分断されている彼らには知りようのないことである。 ともかく、幸村は第二陣の出撃を急がせる。不幸中の幸いか、カルナの位置はもはやホテルと目の鼻の先だ。戦闘隊形をとった一個中隊を見ると檄を飛ばした。 僅かな隙を見つけたテレサは右手に抱えたアリシアの上半身と左手に抱えたアリシアの下半身を空中に浮かべる。熱線で身体の断面は美しく切断されていた。そしてそこは高温によってこんがりと炭化している。 「ちょっとくすぐったいぞ。」 「え――」 抜刀。 その後納刀。 アリシアが辛うじてその気配をつかんだ時には、アリシアはテレサのクレイモアをその身に受けた後である。 「今……切らなかった?」 「そろそろくっついて貰わないと面倒なんだよ。」 そう言うとテレサは血が噴き出そうとする断面を慎重にくっつける。そのまま断面がずれないように慎重にアリシアを物陰に横たえると――一気に距離をとった。 『アリシア!生きてるのか!返事してくれよ!!』 自分から遠ざかるテレサを見ながら、その姿を見送ることしかできないアリシアの脳内に念話が響く。その声になんとか応えて意識を保つことしかアリシアにできることはなかった。 「あのランサーは置いてきたか。」 「ああ。手加減してくれて礼を言うよ。」 「買い被られたものだな。」 「素直じゃな――おっと!」 アリシアを置いてきてから一分程経ったころ、ホテル近くのビルに陣取り眼光による狙撃という名の砲撃をしてくるカルナに対し、テレサは逃走をやめ闘争を開始していた。 第二陣到着までまだ数分ある、そして戦場を離脱しようにもカルナと一対一を強いられる恐れがある。この詰みに近い戦況で生き残るには、道は一つしかない。即ち、近接戦闘による一騎討ちである。 テレサにとってカルナの一番の厄介な能力は、今も自身目掛けて飛んでくるレーザーだ。ランサーなんだから槍使えよどっちかって言うとランチャーじゃないかなどと愚痴りたくなるほど、その遠距離戦の能力は高い。だが翻って、近接戦闘ならば勝機はあると判断していた。前情報通りカルナは手傷を負っている。あのレーザー頼りの戦法は確かに有効だが、彼が本気ならば公園の時のように極太レーザーで都市区画ごとバラバラに吹き飛ばせるはずだ。だがそれを怪我で出来なくなっていると仮定すれば、あのやたら飛んでくるレーザーだけしか脅威がないとすれば、懐に飛び込めば1か2%ぐらいは生き残る目があるだろう。 (まあそれができないからこうなってるんだけどな。) 霊体化する間もなくビルの窓ガラスをぶち破り、壁や天井を大剣で斬り開きながらスーパーボールのように駆け回る、もとい逃げ回る。カルナまで道一つぶん、といった距離まで接近したところで、あちらの制圧能力とこちらの回避能力が釣り合ってしまっていた。近いぶん適当な狙いでもぶち当たりかねないためここから先は確立の世界である。それも先のかなり都合の良い仮定に乗っ取ってのものでありなんら保証はない。まあ要するに端的に言えばお先真っ暗といったところだ。 (幸村達はあと一……いや、二三分はかかるな。ランサーは、まあ、生きていればいっか。) この状況を打開するには正直テレサだけではどうにもならないというのが率直な見立てである。であれば新たな変数が、つまるところ援軍があれば良いのだが、どうにもあと少しの間は期待できなさそうだ。 幸村達第二陣は漸く隊列を組み始めたところである。ホテルの地下の妖気を見るにそう考えて間違いなかろう。一人当たりの戦力が、いわゆる『クレイモア』で言うところの四十番台だと仮定しても援軍として戦列に加わるには人数的にどうしてもそれぐらいはかかるはずと思っておいた方が良い。 アリシアに至っては身体が真っ二つにされていたのだ、戦力としては到底期待できない。いちおうあの状況でも喋れる生命力に賭けて、断面を『キレイにして』くっつけたておいたが、あれで治るのはそれこそ深淵のものぐらいである。後はカルナよろしくレーザーの一つでも撃てればテレサとしては拍手を送りたいぐらいには彼女について期待していなかった。ぶっちゃけ足手纏いだから置いてきたし。 あとちょっとの間存在を忘れてたがアサシンは死んだのか死んでないのかどっちなんだ、とか思いながら前転、その勢いで跳躍、天井をぶち抜いてくるりと反転、次の天井を蹴破らないように慎重に力を調整して横への力を加えて自由落下、膝を抱え込んで身体を丸める。五秒とかからない一連の動きで五発のレーザーが飛んできた。もう自分がいったい何と戦っているのかすらなんだかテレサにはわからなくなってきた。 (第三陣なんて言ってるけどクロノ達と合流するよりアイツらのサーヴァントを増援に向かせるよう頼んだ方が良かったよな。) 力任せに床を蹴破り階下へ身を投げた所に飛んでくるレーザーを天井に大剣を突き刺してつり輪の要領で回避しながら心中で愚痴る。続く一発を床に身体を投げ出すことでかわすとそのまま四足歩行と見まごう前傾でぬるりぬるりと避けていった。 (戦力の逐次投入がーとか、そもそもクロノ以外は見捨てそうとか、あ、これ考え出したらきりないな――アチッ。) マントの真ん中をレーザーがぱっくりと穴を開けていたのをテレサは窓を突き破りついでにもう一つ窓を突き破って隣のビルを転げ回っている時に気づくが、でも今そんなことはどうだって良いのだ、重要なことではない。遮蔽物にもならない障害物の多い室内をめんどくさくなって壁から壁に走ることで回避運動を取りながら、テレサはホテルの地下へと意識の一部を向ける。待ちに待った援軍は漸く動き出したようだ。テレサの予想よりも行軍スピードが早いのは嬉しい誤算だがそれで息切れしないか少し心配になる。まあ肉の盾が増えるのは大歓迎ではあるが。だがしかし依然としてこちらはあのレーザーの雨の脅威のもとにある以上結局は逃げ回るしかないのだが。 (て、なにいってんだ。) 前言撤回。テレサはレーザーを掠める覚悟を決めてカルナとの距離を詰めにかかる。だがレーザーは来なかった。正確には、第二陣が動き出してからレーザーは止んでいた。それは数秒のインターバルであった。だがその数秒があれば奴には充分だということはテレサにはわかっていたはずなのに。 「やられた……!」 力任せにクレイモアを投擲するも僅かに身動ぎさせるしかない。カルナの目は第二陣へと向けられている。次の瞬間、桁違いの光線がホテルの地下目掛けて照射された。『梵天よ、地を覆え(ブラフマーストラ)』ではなく、『梵天よ、我を呪え(ブラフマーストラ・クンダーラ)』、その一閃がホテルをゆっくりと倒壊させていくのをテレサは見送った。 「なんだ……何が……!」 コンクリとアスファルト、そして土砂を上へと掘り進め、ぬっ、と腕が突き出される。薄く堆積した瓦礫を吹き飛ばしながら土中から現れた真田幸村は、全身を隈無く火傷しながら周囲を見渡した。 張り付いていた瞼を強引に見開いてなんとか視界を確保する。先頭を進んでいたバーサーカーは黒い鎧姿のまま瓦礫にもたれ掛かり、その後ろにいたはずのキャスターは片腕を失い身体の一部を炭化させた姿で横たわっているのが見えた。 後ろを振り返る。土砂に覆われたとはいえ、二百の兵がそこにいた筈だ。数秒、もしくは実は数分前かもしれないが、幸村の後ろには確かにいたはずである。だがそこには鉄屑と化した装備と幾らかの炭と幾ばくかの灰が風に巻かれて光となって消えていくのしか見えなかった。 「まさか、全滅だというのかっ!!」 幸村は吼えた。まさか一撃で、一撃でやられるなど。あってはならない。 だがゆっくりとこちらに向かって倒壊してくる冬木ハイアットホテルはそんな幸村達を待ってはくれない。幸いにも、離脱したとはいえ第三陣の方向ではないが、自分達の頭上に倒れ込んでくる。猶予はなかった。 「……っ!ともかく、せいばぁ殿と合流せねば。」 一瞬後ろを振り返って、生存者が見つけられないのを認めて、幸村はキャスターとバーサーカーを抱えて走り出す。まもなくその姿は粉塵と化したビルに巻き込まれ見えなくなった。 「もうちょっと手加減ってものをしてくれないか?」 「悪いが全力で行かせてもらう。」 「いやホント無理。」 片腕一本に背中の炎をバーニアのように吹かして戦うカルナに、テレサは徒手空拳で食らいつく。カルナの本気の一撃を境に戦いは第二ラウンドへと突入していた。 カルナの魔力放出による炎と眼からのブラフマーストラ、それを妖気探知とフットワークで死角へと回り込みかわす。そうして放たれる突きや蹴りを、あるいは槍で、あるいは炎で、あるいはその身体で弾き牽制しカウンターを仕掛ける。と、距離をとり宝具の発射を試みるカルナにテレサが追い縋る。暴風の様に新都を無茶苦茶に荒らし回る二人の戦いは、いつしかホテルから駅前へと場所を移してきた。 すっかりボロボロになったマントを翻しながら、テレサは常にカルナの槍の間合いの内へ内へと潜り込み続ける。残念ながらカルナの近接戦闘能力はテレサの想像以上であった。しかも槍が破損しているとはいえその分短くなったことで取り回しが良くなってしまっている。大してテレサは得物の大剣をぶん投げて来てしまった。今頃ホテルの瓦礫の下だろう。とてもではないが取りに行く余裕も探しに行く時間もない。 「あー、あれだ、夏だし炎出すのはやめないか。こういうの地球温暖化って言うらしいぞ。」 「地球温暖化の原因は化石燃料を大量に使用したことによる二酸化炭素の増加だ。安心して死んでいけ。」 「お前のその知識絶対聖杯戦争に必要ないだろ。」 言葉と共に顔目掛けて放たれたブラフマーストラを首を九十度曲げてかわす。お返しに放った金的に膝のカウンターが来るのを読むと軌道を変えて首への廻し蹴りにする。喉仏を僅かに掠めた感覚と共に膝を受け止めた両手が痺れた。 この距離だとレーザーより炎が厄介だとテレサはラッシュを続けながら思う。あの炎のせいで関節技とほとんどの投げ技が封じられている。別に効くとは思ってはいないが、やはりメインが剣の自分が打撃オンリーでは到底勝ち目がない。やっぱりクレイモア投げなきゃ良かったなと後悔しながらもカルナが仕掛けてきた足払いに宙返りしながら肋目掛けて蹴りを合わせた。 さてここで選択肢である。今の追い詰めらた展開を打開にするには大きく分けて三つのイベントのどれかが起これば良い。 その1、〈カルナが帰ってくれる〉。ないとは思うがあり得るなら九割方これだろう。なんか事情があってなんか帰ることになった、というかなってほしい。 その2、〈第三陣がクロノ達と間桐達を増援に寄越してくれる〉。五代雄介とアリスのアーチャー以外は太刀打ちできるだろう。できればカルナの宝具を押し返したという安藤も来てもらいたい。これならおよそ存在する全てのサーヴァントがカルナに攻撃することになるのだ、さすがに勝てると思いたいが、まあ先程の選択肢を除いたなかで九割程の可能性か。最良の選択肢だがまず不可能。 そしてその3、〈やられていった奴らが奇跡の復活〉。たぶん1%ぐらいの可能性しかない。しかも三つの選択肢のなかで最も頼りにならない。はっきりいってレーザー数発で沈むような連中だ。アイツらが倍いたところで一分で全滅させられるのが二分で全滅させられるぐらいしか影響はないと考えると、みもふたもない言い方をしてしまえばいてもいなくても同じである。まあそれでもどさくさに紛れて自分一人落ち延びる目は出てくるだけ今より遥かにマシではあるのだが。 さてこの中からどれを選ぶか? (選択肢もなにもないんだけどな。どれもちょっと都合が良すぎる。さて、あとどのくらい持たせられるか……) 「せいばぁ殿ぉぉ!!うおおおおおおおおおおおおお!!!」 「3か……」 3だった。 これにはテレサ、微笑を崩して苦笑である。だが「受け取れえええええ!!」という烈迫の気合いと共に投げられたものを見て今度は失笑した。 まずクレイモアである。確かに投げた方向的にはホテルの方だったがアイツ拾ってたのか。 「■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!???」と、日本刀である。彼女は真名を知らないがデルフリンガーである。拾った彼女と幸村以外には忘れられているかもしれないが大分前にバーサーカーのサイトがカルナと戦った際になんやかんやあってテレサが拾ったアレである。 それがもう笑えない勢いで翔んでくる。ランサーだけあって投げるのも上手いんだななどと感心してしまうが、明らかに受け取れられないスピードでテレサ目掛けて突っ込んできていた。アイツはあれだ、カルナに突き刺してそれを受け取らせる気だ、と一人納得しながらテレサ自身もよくわからない身体の動きで紙一重に二刀をかわすと、それを槍で弾いたカルナの顔面、蹴りをいれてあらぬ方向に飛んでいきかけていた剣と刀を手にした。 (殺す気か。) 二刀流で斬りかかりカルナを押し込めながら文句の一つも言おうとしたが、あいにくこちらも息が上がってきている。それに漸く形勢逆転の好機が訪れたのだ、ここで押しきらねば、と思ったところで後ろから妖力が膨れ上がるのを感じ、咄嗟に跳んだ。 (なんだあのでっかい独楽……) 千載一遇の好機を思わぬ奇襲で逃すはめになった元凶へと視線を向ける。今度こそ文句の一つも言ってやろうと思い直したところにそれは目に入ってきた。 独楽である。 本当にコマである。 コマとしか言いようがない。 テレサさん、困惑。 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉっっ!!!」 雄叫びと共に真田幸村は一つの赤いコマとしてカルナへの攻撃を開始した。 ――さてここでいい加減何が起こっているのかわからなくなってきたので整理しよう。なぜ幸村がコマになっているかについてだ。まず幸村の武器は槍である。この事は真田幸村という戦国武将を知っていれば誰もがわかるだろう。そして槍というのは剣よりも遥かに多彩な用途がある。これは槍術の経験がある方ならばわかると思うが、突きや払いといったもの以外に棒であることをいかした活用法もあるのだ。さて棒といえばポールダンスである。これはポールダンスの経験がある方なら理解できると思うが、ポールダンスは全身の筋肉の総合運動だ。戦国武将が本気でポールダンスをすればもうそれは一大事であろう。以上のことに異論はないだろうが、だがそれでなんで幸村がコマになるのかという疑問を抱く人もいるだろう。確かにその指摘はもっともである。人はコマではない。 だがここに一つの例外がある。 類いまれなる槍術と超人的筋力、それによる遠心力と障害物への抵抗が可能になったとき。 槍を用いた蹴り技は回転数を増す。 一回転が二回転に。二回転に三回転に。 そしてその加速する回転を自立が可能なほどに昇華されたとき。 人は、一つの独楽となる。 これぞ真田幸村の宝具、大紅蓮脚。その加速する速度は、かの奥州筆頭伊達政宗の駆る騎馬よりも早くそして蹴散らすほど。これが幸村が馬を駆らぬ理由である。ライダーとしての適正も持つ幸村がなぜランサーとして召喚されたか、それがわかるであろう。 猛然とカルナ目掛けて突っ込む幸村は、アスファルトを蹴散らしコンクリートを砕き進路上の一切合切を粉微塵にし肉薄する。ブラフマーストラで迎撃を試みたカルナだが、その視線は迫る剣の為にあらぬ方へ向くことなった。「よそ見するなよ」と、刀を振るうテレサの迎撃が最優先である。デルフリンガーがテレサの手に渡ったことにより、カルナは攻めの魔力放出をやめた。あれに炎をやれば喰われることは一度刃を交えたカルナがよく知っている。そして今のカルナに鎧はない。公園の時のように背中で受ければ今度は先にランサーをそうしたように身体を二つに分かたれるだろう。故に二刀の連撃を槍をもって打ち払う。袈裟、逆袈裟、胴、脛、小手、逆袈裟、脛、脛、袈裟、胴、小手、面、まるで元から二刀流であったかのように振るわれるそれを、壊れかけの槍一つで迎え撃ち、押し返す。それは数秒でテレサの首を獲っただろう。だからそれはどうしようもない隙であった。 「来るか。」 「行くさ。」 「参る!!」 それだけで宝具に数えて良いレベルの炎がカルナから幸村へと、燃え盛る焔の竜巻の幸村がカルナへとそれぞれぶち当たった。 「全く、槍から炎出すやつはなんでこうやることが下品なんだ……蝶サイアク!」 一方その頃、二騎のランサーがベイブレードの如く火花を散らすのを遠目に見ながら蝶人パピヨンは無人となったビルの給湯室で顔を洗っていた。片腕になった為かダメージが残っているのかはたまた両方か、すっかり辺りは水浸しになっている。ついでにうがいと洗髪で砂まみれになった体を頭部だけでも清めるとパピヨンマスクが乾いたのを確認して徐に身につけた。 「よし!」 本当は今すぐにでもシャワーを浴びたいところではあるが、さすがに給湯室でシンクに身を沈めるのは貧乏臭いのでやめておく。そんなことを考えながら核金を取り出しつつ念話を送った。 『こっちはセイバーとバーサーカー、それと幸村が戦える。バーサーカーはまだ気絶中だ。あとの二人は知らん。』 『パピ!パピヨン?!突然してくるなよ!!』 『なんだ馬鹿みたいに騒いで。馬鹿が誤魔化せてないぞ。』 『悪い、その……大変だったんだ……』 パピヨンは表情を変えなかったがコーヒーを入れようと沸かしていたヤカンに伸ばした手が一瞬止まった。そう長い付き合いでもないが、その反応は色丞狂介らしからぬものであったからだ。『お前が話すと長くなるから結論から言え』と聞きながら、手は安物のインスタントコーヒーの粉をグラスへ落としていく。温いお湯では溶けそうになさそうで不満げに鼻をならした。 実は、と念話されるのを聞きながらコーヒーを啜る。案の定溶けていない。泥水を飲んでいる気分になって適当に床に放り投げた。 「アサシンか。」 念話を手短に終えるとパピヨンはカルナ達を見る。どうやらこの十数分の間に更に面倒な事態が起こったようだ。さてここでどうするべきか。第三陣へ合流を目指すか、それともカルナ撃破を優先するか。 少し考えて、パピヨンはそのどちらでもない方向へと移動を開始した。体から流れるお湯が点々とその後を追っていくのを見る人間はいなかった。 炎と炎、槍と槍、そのぶち当たった同一存在のダービーは僅かな間の拮抗を経て片方が吹き飛ばされることで呆気なくけりがつく。屋上から地面へと撃墜され片膝をついていたのは、カルナだった。 はっ、と大きく息を吐く。テレサが息が上がってきていたようにカルナもまた疲弊していた。それはつまりカルナとホテルのサーヴァントがようやく同じ土俵に立ったということであり。 「次で決めさせてもらう。」 存在しないはずの勝機が生まれた瞬間だった。 一瞬でカルナに殺到したテレサに驚くも幸村も続く。二騎でかからねばこの蜘蛛の糸が切れてしまうことは二人ともよく理解していた。そしてカルナも。 目に魔力を集め、突貫、フェイントを交えてセイバーに仕掛けたカウンターはすんでのところでかわされる。刹那の交錯の後のポジション争い、三次元の動きのセイバーが優勢、挟まれる。危険。しかし回避不可。よって攻勢。後方の幸村が魔力を再び迸らせる。数秒でやられる、のでその前にセイバーを討たんとカルナは槍を振るう。だがその槍が如く弾かれる。これは知っている。公園で一度凌いだ。高速剣という名は知らずとも、槍が折れていようとも、問題はない。剣を折れば子細ない。 ――その時、セイバーは優しく笑った。 訂正。極めて危険なり。 セイバーの高速剣のスピードも威力も上がっている。カルナはそれを理解した。先程のが5とすればこれは20か。剣を折れるのも厭わず振るってくる。ヒビの入ったクレイモアをこれでもかと縦横に振るう。そしてセイバーの手が止まる。だが斬撃の雨はやまない。セイバーは逆手に持った日本刀――デルフリンガーを振るっていた。剣が持たぬのならば二本用意すればいということか。理に敵っている。早さもつい今のの倍だ。カウンターを試みるのは諦めざるをえない。 「烈火!」 後方から幸村の刺突。対処不能。故に槍を僅かに持ちかえる。セイバーの剣を払う際の槍の引き戻し、それをもって幸村の槍を凌ぐ。急所以外ならゼロに等しい。 「三連高速剣、なんてな。」 「大・烈・火ァ!!」 砕けたデルフリンガーの柄を顔面目掛けて放り投げたのを最後に再び利き手での高速剣が始まる。更に倍する速度、腕が異形へとなる。化生の力に飲まれるのも覚悟の上か。そして後方の幸村からは、カルナの魔力放出に比較しうる爆炎。カルナは知らぬことだが令呪の後押しを受けての宝具、熱血大噴火は、ごく短い時間とはいえ幸村をカルナと同等の次元に引き上げる。ここに技量で食らい付いたテレサと、力で食らい付いた幸村に挟まるカルナという構図が生まれた。 (見誤ったか。) カルナは我が身の不出来を噛み締めブラフマーストラを放つ。確実にセイバーに当てるために随分と時間を必要とした。そのせいで今の自分は十や二十では済まぬ刀傷を負っていた。心臓と頭にだけはなんとか防いだが、満身創痍である。 吹き出る血返吐を飲み下しながら身体の大部分を消滅したセイバーを視界から遠ざけていく。直ぐにでも幸村に向かわねばもう持たない。討ち取られる。その微笑みを目に焼き付けながらもう一撃宝具を放とうとし、その目を青い光に焼かれた。 (――あのときのランサーか。) 目から脳、そして後頭部へと抜けていく光を感じながら残った目が人影をとらえた。青い槍を抱えた女と淀んだ目の男。どちらも先程致命傷を与えたはずの者達だ。それこそ、カルナ自身でも死を覚悟するほどの。 「我が魂ぃぃ――」 「顔向け……」 「――たぎってそうろおおおおおおおおおおおおおおおおおう!!!!!」 「……できんな。」 赤虎絶翔天覇絶槍日輪天墜、赤く閃いた槍さばきに削られた皮と骨と肉が弾け飛び、露になった心臓に幸村の拳と蹴りがめり込んだ。 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 「ここは……ぐっ!」 自分が固いなにかに抱かれていることと、血で張り付いた喉の息苦しさから、真田幸村は意識を取り戻した。 気がついた時には、石造りの天井が見える。なんだこれは、なにが起こっている。状況を探るために首を動かそうにも、身体は微塵も動いてくれない。まとわりつくような倦怠感と疲労感と、最近覚えた魔力不足の感覚が強まるばかりだった。 「お早いお目覚めで真田の大将殿。」 「貴殿は、ぞうりん、殿……それに、ばぁさぁかぁ殿……?しかし、なぜ本隊の殿軍の将である貴殿が……?」 突然かけられた声に目を向けようとするも、やはり身体が動かない。疲労困憊、全身から力が抜けている。なんとか声と気配だけで判断するも、幸村の頭には疑問符ばかり浮かんでいた。 最後の大隊の戦鬼の徒が一人、ゾーリン・ブリッツ中尉。大鎌を携え顔の半分に奇怪な刺青をしたその女は第三陣の指揮を執っていたはずだ。幸村はそう何度も話したことはない。精々、ホテル丸ごと暗示をかけられる女丈夫ぐらいの認識である。故にそんな彼女が何をもって今こうして自分に話しかけているのかの判断材料がなかった。 困惑を深める幸村を余所に、ゾーリンは幸村の視界に現れると、幸村の周りを歩く。そこで始めて、幸村は自分が仰向けになっていることを知る。不思議な重圧感で気づかぬほどに弛んでいたか、と幸村が自戒するのなどお構い無しに話始めた。 「二個中隊にサーヴァント四騎を失っておいてカルナ討伐に失敗、あたら多くの兵を失った背任。」 「カルナと内通し枢軸同盟を襲撃させた外患誘致。」 「ホテルを爆破しマスター四人サーヴァント二騎を暗殺した内乱。」 「以上三件により、マスター・日野茜とランサー・真田幸村を拘束する。」 「…………は?」 冷や水を浴びせられた気がした。 「ぞうりん殿……?」 「いやぁ驚いたよなあ~まさか真田幸村が犯人とは思わなかったよな~。」 どこにいたのか吸血鬼達のあからさまな驚きの声が上がる。だがそんなものは耳に入らない。聞こえた言葉がわからない。 「日本の芸能人は子供だろうと容赦ないな。なかなかできることじゃないよやっぱすげえよクールジャパン。」 「ぞうりん殿ォ!!」 食って掛かろうとするも、身体が動いてくれない。動け、と叱咤しても地面に縫いつけられたかのようだ。 そう思って、そこで初めて、自分が地面に縫いつけられていたことに気づいた。 腹の傷口に、深々と大鎌が突き刺さっている。そしてその傷口も、足も、胴も、腕も、コンクリートで固められている。端から見れば顔以外全て床と一体化した幸村の姿がそこにあった。 「なんだこれは、どういうことだ!」 「さっき言っただろ拘束するって。あ、霊体化すんなよ。お前のマスターの首が飛ぶ。」 「ますたぁに何をした!なぜ我らがそんなことを!」 「落ち着けよ。お前のマスターにはなにもしてない。本当になにもな。」 噛んで含めるようにいったゾーリンのその言葉に、幸村は愕然とした。 「ますたぁは!ますたぁは無事か!」 「何度も同じこと言わせんじゃねえよ、なにもしてないつってんだろ。」 「では、ではますたぁの治療は!」 「治療もなにも、くも膜下出血だっけ?頭開けなきゃできないだろ?」 幸村は拳を握ろうとした。だがコンクリに塗り込められた身体ではそれも叶わなかった。 「安心しろよ、犯人が見つかったら病院だろうがどこだろうが好きに行けばいい。この街で手術できる病院が残ってるかは知らないけどよ。」 ゾーリンの嘲笑に返す拳もなく、幸村は慟哭した。 あのとき、あの爆発のとき、日野茜は脳に甚大なダメージを負っていた。とっさにマイケルが庇ったことで即死は免れたものの、背中など背部への大火傷と頭部を中心とする全身の強打は、その生命維持に支障を来すものだ。ましてや茜は一日ほど前にも頭部を挫傷している。あの時は病院の検査ではさしたる異常が見つからなかったが、本来は丸一日安静にした上で精密検査の必要がある怪我であった。しかし、爆弾騒ぎでそれができなかったのに加えてスーパーで令呪まで使っている。彼女と同等かそれ以上に頑強なナノカですら昏倒したその膨大な魔力の影響が、なぜ彼女には気絶程度で済む道理があろうか。ダメージのあった身体に魔力を流せば、内出血の一つや二つ負って当然なのである。そしてそんな脳出血をしている人間が爆発に巻き込まれればどうなるか。更にそのあとまた令呪を使えばどうなるか。彼女の頭の中の爆弾は火にくべられたも同然である。 「ぞうりん殿ォ!!ますたぁと!ますたぁと合わせて頂く!!!」 「許すわけないだろ?じゃなかったらお前埋めねえだろ。」 爆発の後、茜を診察した教授からくも膜下出血のリスクについて説明されたときから、ずっと幸村の頭には茜の容体が急変しないかという不安と懸念が占めていた。しかしその危惧がこのタイミングで実現してしまうとは。いやもちろん幸村があれだけ魔力を使えば当然なのだが、しかしまさか、こんな展開になるとは。 「んで、どうすんだ大将。認めんのか認めねえのか。」 「ぬっ!?ぐぅうぅぅ!!」 ぼうとする頭が痛みで強制的に覚醒させられる。幸村の視界の端に大鎌が見えた。そして傷口が抉られる感覚。 「無駄に頑丈だな……宝具か?」 「認め、ぬっ!?某も!ますたぁも!誓っ、て!裏切って、いない!」 「そうか。」 「わかっているはずだ!このような真似をしても、下手人が笑うのみ!らいだぁ殿も望まれるはずだあっ!!」 「そうか。」 返答代わりに抉られる感覚が強まる。そして同時に口をなにかで覆われる感覚。鼻の中にコンクリが流れ込んできた。 「霊体化すんなよ。すればその時点でお前もマスターも殺す。」 「てか……なんか勘違いしてませんかぁ?お前言う『らいだぁ殿』はこういうの大好きなんだよ。」 「知ったような口きかれたら困るよなあ!お前ら!」 ゾーリンの声に合わせて吸血鬼達の歓声が沸く。その声も途中からくぐもったものに変わった。 (どこで、間違えた。) 自問自答。体内でマグマのように熱がうねる。しかし行き場がない。どこに向かえばいい。どこに向かえばこんなことにならなかった。自責が重りのように身体を縛り、そのまま歓声の水底に意識が沈んで行こうとしたとき―― 『わたしが……』 ――幸村が待ち望んでいた者の声が聞こえた。 『わたしが……やりました。』 スピーカーを通して、少し変わった感じの、日野茜の声が、その空間に反響した。 『わたしが……わたしが、ホテルにバクダンをしかけて……カルナに、ジョウホウをながして……りんちゃんをころしました……』 何故だ。 何故だなぜだなぜだナゼだナゼだナゼだナゼダナゼダナゼダナゼダ。 「なぜだああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!」 コンクリートの空間に幸村の大音声が響いた。 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
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2013年1月29日、エロゲバイト/エロゲッティの「敗北」が決定的になりました。 自分で言いだした売上に関する「全裸土下座」。逃げに逃げ回った挙げ句ついにその"期日"が訪れたのです。 まずは公約発表やそれ以後の発言の推移からご覧下さい。 初期/「公約」の発表 リトルバスターズ!は放送前から信者が諦めた糞アニメ 537:風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage]:2012/10/11(木) 13 36 24.51 ID 6Gj0SEij0 536 感性狂ってるよお前 ケータイ小説()がギャルゲと肩並べれるほど秀でていたなら、現状退れてないって つーかどんだけ騒ごうがもういいや、絶対売れるし ABも少し不安だったけどあんだけ売れたんだし これが売れない理由が見つからない以上不安要素は0だ 仮に2万下回ったのなら全裸で土下座した写メうpっても構わんくらいには売れるという自負がある リトルバスターズ!は儲が我慢して視聴しろとリフレインする糞アニメ3 11:風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage]:2012/10/28(日) 18 20 41.12 ID Jziy8FXA0 2万売れば文句ないだろ 超えたら黙ってここから消えろ、下回ったらこっちが消える 中期/"不人気"を受けてハードル下げ、期日延期開始 リトルバスターズ!は信者もバスターされた糞アニメ6 318:風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage]:2012/12/06(木) 21 53 40.29 ID 3zglE+zVP 誰かが3000枚でも勝てるとか抜かしやがったしそれでもいいけどな 売り上げで自身の作品の印象が変わるわけではないけど、 お前らには重要みたいだし3000枚に圧倒的な大差をつけて示すのもありかもな 323:風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage]:2012/12/06(木) 22 01 05.21 ID 3zglE+zVP まあいいや2万でも、いけるだろうし ただし一ヶ月くらいの累計でだけどな 初週だけとかは一言も言っていない お前らが負けた場合は二度とアンチスレに書き込まず立ち去ること、 それだけでいいし全裸写メなんかいらん 他人を巻き込むな リトルバスターズ!は原作通りの糞アニメ7 207:風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage]:2012/12/18(火) 00 44 39.22 ID h0jMOlndP ライガーみたいな名作を貶すとかやっぱにわかオタは審美眼おかしいわ それらが支えてるといえどそんなのの評価もらっても箔にはならん 2万というか中二と勝負でいいだろ あっちは所詮オリジナルで薄っぺらいしTARITARIくらいと予想できる 211:風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage]:2012/12/18(火) 00 55 32.61 ID h0jMOlndP お前らが好んで見てる作品を越えればそれでいいと思うんだがな どうせ売っても難癖つけるんなら予め対立候補と争えば余計に心折りやすいし リトルバスターズ!は原作通りの池沼動物園な糞アニメ8 368:風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage]:2012/12/29(土) 17 29 15.66 ID YkANhF/90 別にバイトの人じゃねえし1万だっけか、そんだけ売れれば官軍だろ 普通に番外編できるラインはとうに超えれるだろうしなにが負けなんだか 後期/発売日以降 リトルバスターズ!は原作通り池沼を独善で救う糞アニメ9 518:風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage]:投稿日:2013/01/12 00 08 17 ID DIm401NRO サイコ野郎で結構、俺の嫌いな奴はどんだけ嫌われようが既に精神は摩耗しているのでね さあそのサイコ野郎が来ましたよ 高校の時みたく忌み物扱うみたく教室から出てったらどうなんですかねDQNさん 何度も言うが売り上げの期日は一ヶ月だ 一月二十六日が締めでそのデータの出る翌週で決まる 負けたら当然互いの公約は守ること 初週で1万1000じゃ無理とかいうが、それってある意味逆転フラグにしか見えないんだよな いいよ無視なら無視で 所詮サイコ野郎の独り言だし 次にお前らは「うわ来たよキモ」と言うんだろうな お前らが散々馬鹿にした鍵お家芸の奇跡、その目に見せてやるよ 「土下座日」当日 ID uKCcCI4y0(PC) = ID yUI6zbqPP(P2) = ID vZX8+K1sO(携帯) = エロゲッティ(後の柳田) 128 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[] :投稿日:2013/01/29 17 46 02 ID hQFWum+40 23,029 ガールズ&パンツァー 17,520 中二病でも恋がしたい! 12,674 To LOVEる -とらぶる- ダークネス 11,609 リトルバスターズ! はい、29日時点の数字 基地外鍵信者はとっとと土下座してくださいねー 129 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 18 31 55 ID ornZ92Fj0 まあ土下座して去る、とあれだけ喚いてたからにはな 130 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 18 32 51 ID 69QgNHLeP 全然伸びてなくてワロタw 131 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 18 33 41 ID NBlIj6bl0 初動の数字ついでに貼ってくれ 132 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 18 38 56 ID hQFWum+40 ○中二病でも恋がしたい! 【全7巻】 巻数 初動 2週計 累計 発売日 BD(DVD) BD(DVD) BD(DVD) 01巻 12,573(*1,885) 14,288(**,***) 15,635(**,***) 12.12.19 ※合計 17,520枚 02巻 12,322(*1,799) **,***(**,***) **,***(**,***) 13.01.16 ※合計 **,***枚 ○ガールズ&パンツァー 【全6巻】 巻数 初動 2週計 累計 発売日 01巻 13,550 16,155 23,029 12.12.21 ○To LOVEる -とらぶる- ダークネス 【全6巻】 巻数 初動 2週計 累計 発売日 BD(DVD) BD(DVD) BD(DVD) 01巻 *8,286(*1,928) 10,054(**,***) 10,746(**,***) 12.12.21 ※合計 12,674枚 ○リトルバスターズ! 【全9巻】 巻数 初動 累計 発売日 BD(DVD) BD(DVD) 01巻 8,358(1,757) 9,852(*,***) 12.12.26 ※合計 11,609枚 133 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[] :投稿日:2013/01/29 18 47 50 ID nAjhVIkU0 エロゲバイトさん土下座の時間ですよ? ちゃんとIDつきでお願いしますね 134 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 18 51 07 ID hQFWum+40 エロゲッティが叩いてたガルパンに約2倍の差つけられてるけど 今、どんな気持ち? 135 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 18 52 14 ID lajGxiaY0 仮に2万下回ったのなら全裸で土下座した写メうpっても構わんくらいには売れるという自負がある 『自負』とは自分の仕事に自信を持つこと。つまりこの文の主語は俺でなくアニメの製作者です。 なんて冗談は言うなよな。日本語が不自由なだけだろ。先に釘さしとくぞ。 136 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 18 54 10 ID HbmcStHL0 残り一ヶ月で鍵のお家芸の奇跡を見せてやるよ(キリッ とか言ってたエロゲッティさん 早く奇跡見せてくださいよwwww 137 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 18 57 59 ID 69QgNHLeP グロ画像なんて見たくないって自演もなしの方向でお願いしますね^ ^ これはケジメなんだから 138 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[] :投稿日:2013/01/29 19 08 06 ID wRkVk6Vv0 はっきり言って仮にも良い大人の社会人が 「まだまだ売れないと困る!」とか言うなよ、萎えたわ 139 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 19 10 53 ID gABIPBV00 エロゲッティはアンチにダメージ与えたいんだろ?w 全裸土下座した写メうpすれば確実に画像見たアンチに精神ダメージ与えられるぞw 140 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[] :投稿日:2013/01/29 19 10 53 ID b12WbNj90 ゴミバスはこれから右肩地獄やで 141 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 19 54 07 ID lajGxiaY0 リトバス本編の物語よりもアニメリトバス爆死にいたる物語の方がよっぽど面白い。 10年越しの伏線回収なんてそうそう見られないからな。 今作の爆死はある意味では必然であり、ある意味ではそれこそ奇跡だ。 そんなことも分からず売れると『自負』しちゃうエロゲッティはただのニワカ。 142 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[] :投稿日:2013/01/29 20 08 18 ID 14tJRnyT0 糞バスの売上とかどうでもいいが エロゲッティにはきちんと落とし前 つけてほしいですね^^ 143 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 20 17 26 ID QIsw1vGH0 2万下回ったら全裸土下座て1巻だけの話? 全9巻あるけどw 144 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 20 20 40 ID oriS5sng0 おいエロゲッティ! 143さんが質問しているぞ、答えて差し上げろwww 145 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 20 22 25 ID nAjhVIkU0 わざわざ1巻売上確定の日付指定してるんだから9回してくれるんじゃない? 146 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 20 24 17 ID tQBTrpZE0 「通りすがりだけどそんなん普通全巻合計に決まっとるやん」とか言い出しそう 147 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 20 24 51 ID jkft8ArI0 2巻はiphonで全裸マラソンでも生配信するか?w 148 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 20 25 54 ID tQBTrpZE0 あぁ、巻毎に全裸土下座って意味かw 149 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 20 34 10 ID ornZ92Fj0 今日ダンマリで日付変わったあたりからしれっと自演始める なんてナメたマネはもう出来んからな 出張先のアンチスレでも土下座要求してやるよw 150 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 20 50 09 ID isEgXNwH0 死後の世界で何がいけないのか甚だ疑問 むしろ生前の死ぬシーンも描けて一粒で二度美味しい、キャラの造詣に深みが増す www これ、名言だな。 キャラを殺して深みが増すとかw 能無しを自白しているようなものw 151 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 20 54 54 ID QIsw1vGH0 そうだよな、普通に考えたら各巻毎と捉えるよな 残念ながら1巻は爆死したが、あと8回チャンスあるから頑張って奇跡起こしてねw 152 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 20 59 11 ID jkft8ArI0 アキバに行って全裸で大好きな姉御()の抱き枕を抱えながら買ってくださいと叫んでこいよ あまりにも無様な姿に同情してお情けで買ってくれるかもしれないぞ? 153 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 00 07 ID lajGxiaY0 今のペースだと個別ルートだけで放送終わるだろうから 1クールか2クールか知らんけど完結編が別枠で放送されるんだろ? 全裸土下座チャンスは8回どころじゃねえぞw 154 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 03 15 ID yUI6zbqPP 撮ろうとしたがどうやって撮るんだこれ 155 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 05 18 ID vZX8+K1sO リトバスファンの通りすがり失礼 今日はあと三時間 まだ二万枚達成の奇跡あるかもだろ 以下三時間後のスレ↓ スレ民「うわぁぁぁ。二万枚だぁぁぁぁ。」 スレ民「ごめんなさい神様。奇跡はあったのですね。」 スレ民「浅はかな私に天罰を!」 156 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 08 35 ID yUI6zbqPP 結審 一人じゃ無理 157 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 10 13 ID jkft8ArI0 鏡に自分を写してそれを撮れば? 158 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 12 36 ID yUI6zbqPP そんなでかい鏡は風呂場にもない 他人に撮らせなきゃ無理です 謝罪文で勘弁願いませんか? 159 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 15 54 ID uKCcCI4y0 別にいいけどちゃんとしたのな 謝罪文になってなかったら駄目だ 160 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 16 24 ID nAjhVIkU0 じゃあ他人にとらせろよ 親にでも頼め 161 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 16 33 ID jkft8ArI0 4←既に一度謝罪文ぽいの書いてるじゃない。全く守れてないけど 162 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 16 36 ID ahLvQgZF0 よくねえよ まともな謝罪文なんて書けるはずないだろ 163 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 19 34 ID QIsw1vGH0 いやいや、勘弁願いませんか?じゃなくて、自分で勝手に言い出した事なんだから責任もってやらんと 謝罪文とか楽なほう楽なほうへと行こうとするなよ 164 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 19 57 ID yUI6zbqPP お心遣い痛み入ります 親とは冷戦状態だし頼めないし 165 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 20 24 ID jkft8ArI0 自分の書いたこと一切守ってこなかった人が今更謝罪文書いてなんになるのよ 誰も納得しないでしょ。 一度大恥かきなさいな。他人に頼むのが嫌なら鏡買いなさい 立て鏡なんて1000円出したらそこそこの買えるでしょ 166 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 20 47 ID ahLvQgZF0 はいはい、自演乙 167 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 21 27 ID ornZ92Fj0 謝罪文とかふざけんなって これまで意味不明の糞文何回も書いてるし、書いた内容も守ってねえだろうがよ 168 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 22 57 ID uKCcCI4y0 あとこれ以上ここに書き込まないこと それを絶対条件として約束しろ 169 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 23 22 ID ornZ92Fj0 この期に及んで自演とかクズ過ぎだろこいつ 170 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 24 29 ID ahLvQgZF0 スネかじりでエロゲまでやらせて貰ってるのに親と冷戦とか死ねよ ここで土下座したら親にも土下座してこいや 171 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[] :投稿日:2013/01/29 21 26 09 ID nAjhVIkU0 結局やんねえのかよ。ネタにもならんクズだな 巻毎に土下座アップしたらきっと人気者になれるのに 172 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 26 43 ID 7CEX8Qm+0 まあ親には土下座しなくてもいいがとりあえず約束だけは守れ 鏡買ってきてしっかり写真撮ってうpし、以後二度とこのスレに顔を出さない これが責任と言うものだ 173 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 27 24 ID ornZ92Fj0 おいおいw マジでこの程度の自演で逃げるつもりだったのかよwww ねーよボケ 174 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 27 35 ID jkft8ArI0 つかぐぐったら鏡結構高いな 俺が予想してたサイズで3kもしやがる ドンキで買ったやつ980円だったから安いと思い込んでたわ でも今後も使えるし買っといて損はない 175 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 28 42 ID lajGxiaY0 謝罪文でいいわけねーだろ しかも一人暮らしならともかく、実家暮らしの穀潰しッティーなのに姿見がないとかありえねーよ 自演に嘘に、見苦しい奴だな 176 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 29 41 ID yUI6zbqPP 174 置き場がないです あと今月の携帯既にパケオーバーしてるのでこれ以上は怒られる せめて会見実行日は2/1にしてほしいのだが 177 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 30 33 ID ornZ92Fj0 なんだこいつ 自演用の携帯代、親に払わせてやがるのかよ… 178 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 31 08 ID jkft8ArI0 怒られるってw 携帯代親に払ってもらってるの?w 179 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 32 40 ID ahLvQgZF0 これ以上はってお小遣いでも貰ってんのかよ ニート確定じゃねえか 180 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 32 40 ID nAjhVIkU0 親に頼んで土下座撮影したら一石二鳥じゃん 親にも土下座できるし画像もGETできる 181 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 33 26 ID jkft8ArI0 180 一粒で二度美味しいwwwww 182 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 34 52 ID ornZ92Fj0 あーあ、バイトはじめ全部嘘だったんじゃねえかよw これで2/1なんて言われて誰が信じるんだよ 183 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 35 26 ID yUI6zbqPP 高校からの名義が親だし変えに行ったら親じゃなきゃ無理って言われたし、 冷戦なので頭下げるわけにもいかずずるずるきただけだ 別に払えるけど手続きが出来ないのよ 色々複雑な事情を汲んでもらいちゃんとした謝罪文載せて永遠に消えることで手打ちにしてもらいたいのですが 184 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 35 27 ID 7CEX8Qm+0 携帯代も親に払わせているガキが偉そうにあんなクソッタレた講釈垂れていた訳か… 今更な話だけど酷い時代になったもんだ 185 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 35 28 ID fASe25RG0 釣りじゃないとしたらこんなに痛い奴見た事ねぇ・・・(愕然 186 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 36 23 ID jkft8ArI0 つかさ・・・子供じゃないんだから自分で方法考えてなんとかしなさいよwww それともリトバスのBD叩き割ってアヘ顔片手ピースしながら顔面撮るか?目だけモザかけてさ もちろんID付きで 187 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 36 49 ID ornZ92Fj0 183 見苦しい言い訳は撮る努力してから言えよカスが 188 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 36 56 ID ahLvQgZF0 何が複雑な事情だよ てめえがグダグダ言い訳してるだけだろうが 携帯代だって手渡しくらいできるのになぜしない?カス野郎が 189 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[] :投稿日:2013/01/29 21 38 10 ID nAjhVIkU0 払えるけどって使った分親に渡してれば怒られるわけねーだろwww 一粒で二度美味しい土下座はよ 190 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 39 03 ID uKCcCI4y0 うぜえからはよ謝罪文書いて消えろや 191 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 39 54 ID ornZ92Fj0 いい加減にしろ 192 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 40 52 ID gABIPBV00 三十路過ぎて小遣い貰ってる穀潰しとかw 生きてるだけで迷惑な奴っているんだなw 193 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 41 16 ID 7CEX8Qm+0 まあこれで不用意にデカイ口を叩く事が如何に危険な事かが分かったようで良かったじゃないか これを反省して今後は2chその他では発言に気を付けて慎ましくしていた方がいいよ 勿論、だからと言って約束を反故にしていいと言う訳ではないけどなw 194 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 41 28 ID jkft8ArI0 お前今まで鍵信者の品格下げ続けてきたんだから 最後くらいキッチリけじめ取れさ 195 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 42 59 ID 14tJRnyT0 バイトとはいえスマートに仕事もこなす イケてる俺ちゃんキャラどこいったwww どこの厨房の言い訳だよwww 196 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 45 22 ID yUI6zbqPP 188 昔渡したら他の諸経費諸々も払えといわれトータル20万近く払って 底尽きたことあったし正直会話するのも怖いのよ そんな甘い関係じゃないし色々難しいのです 謝罪文書いてきます 197 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 46 41 ID ahLvQgZF0 何が甘い関係じゃないだよカスが それが甘えだっつってんだよ そういうセリフは自分の責任を果たしてから言えやボケ 土下座しろ。そして働いて家に金入れろクズ野郎 198 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 46 48 ID HbmcStHL0 永遠に消えるなんて宣言しても あの手この手を尽くして散々自演してきた手前、信用性はまるでゼロだしなぁ やっぱり土下座画像うpっていうちゃんと形に残るものでケジメをつけてもらわないと 199 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 47 54 ID HbmcStHL0 196 謝罪文書いてきます。じゃねえよ 誰もOKなんてしてないだろクズ 200 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 49 03 ID jkft8ArI0 お前アンチスレ初期からずっと荒らし続けて勝手に勝負挑んできて こちらに書き込みするなだのなんだの好き放題言っておいて 今更謝罪文で許してくださいとか舐めてるの? 201 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 50 31 ID gABIPBV00 お前の全裸画像でアンチに大ダメージ与えられる千載一遇のチャンスだろw 他アニメ叩くより確実だぞw 202 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[] :投稿日:2013/01/29 21 51 52 ID VeoZybxk0 ここまでクズな大人っているんだね クズの見本・反面教師として小学校にでも晒すくらいしか使い道ないんじゃ あ、もちろんそこでも全裸土下座な 203 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[] :投稿日:2013/01/29 21 53 21 ID nAjhVIkU0 大見得切っといていざとなったら逃げ出す あまつさえその責任を周りに転嫁する だからおまえはいつまでたってもクズなんだよ 鏡もしくはタイマー撮影できるものを用意する。親に頼む。ちょっと考えればできることあんだろうが 204 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 54 44 ID lajGxiaY0 ああ、そういえばガラケーのカメラってたいていタイマーついてるよな 205 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 57 21 ID 7CEX8Qm+0 俺はこのスレを一週間に数回ぐらいしか見ないからそこまで詳しい事情はわからんけど 自分で言い出した事を守れない人間は社会に出たら使えないクズとしてしか見てもらえないよ? そう考えたら鏡の値段で社会勉強が出来て願ったり叶ったりじゃないのw 206 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 21 59 00 ID jkft8ArI0 そうだな。鏡置くと来ないなら使い捨てろ。3kくらい我慢しろ 207 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 22 00 12 ID nAjhVIkU0 まあ本当はできるんだけど言い訳してやらないだけなんだろうな 少し考えりゃできるにきまってる 208 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 22 00 14 ID yUI6zbqPP 謝るのと金払うのは別物だろうに 209 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 22 01 41 ID jkft8ArI0 自分の準備不足を人のせいにすんな 210 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 22 02 15 ID ahLvQgZF0 はぁ?何言ってんだお前。当たり前だろ 迷惑かけてるから謝る。金出させてるから払う そんだけだろうが つか話そらそうとすんなや。さっさと土下座しろクズ 211 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 22 03 51 ID lajGxiaY0 本当に謝罪する気持ちがあるならその気持ちを伝えるための3000円くらい惜しまない つまり謝罪する気持ちがないんだな。そんなんじゃ謝罪文も意味ないな つーわけで全裸土下座はよ 212 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 22 04 54 ID tQBTrpZE0 この期に及んで自演してるくらいだから謝罪する気持ちなんてあるわけないw 213 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 22 12 24 ID HJAor7Bp0 会話するのも怖いからケータイ料金を親に払わせてる? 意味わかんね 何か言い訳ばかりで自分で考えて行動するって事を知らねーんだなコイツ 214 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 22 14 14 ID oriS5sng0 謝罪文()の前に全裸土下座UPな? 誰が強制したわけでもなくお前が自分で言ったことだからな? 215 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 22 14 43 ID jkft8ArI0 会話したくないなら封筒に金入れて置いておけよ 少し考えれば方法なんていくらでもあるだろうに 要は甘えてるだけでしょ 216 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 22 19 18 ID oriS5sng0 口座に振り込むって手もあるぞ? 賢くなってよかったなw 親は老い先短いわけだから、感謝をこめて旅行に連れて行ったり新車を買ってあげるとかさ・・・ 気持ち程度でもいいから小遣いをあげるぐらいしたらどうだ 217 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 22 26 01 ID nAjhVIkU0 そういえば0時ちょうどに書き込みできる(笑)PC中毒っていう設定じゃなかったっけ? 撮影デバイスくらい持ってるんじゃないの? 218 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 22 29 27 ID Qf0nrsAP0 2/1なら絶対全裸土下座出来るのか? 219 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 22 34 41 ID 7CEX8Qm+0 つーかもう逃げたんじゃね? 本当にやる気があるならこんな議論している間にとっとと写真うpして終わってるだろうしなー 最近のガキは本当に口先の勢いだけでその考えは勿論の事、 責務を負う事すらも中途半端で説得力の欠片も無いなw 220 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 22 35 23 ID ahLvQgZF0 219 これでも三十路です 221 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 22 36 47 ID 7CEX8Qm+0 220 マジでw 三十路でコレは…頼む、嘘だと言ってくれw 222 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 22 44 33 ID ornZ92Fj0 あれっ、ちょっと鍋食って帰ってきたらまだ土下座やってねえのかよ 自演で言い出した謝罪文なんぞ要らねえんだよカスが 223 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 22 50 44 ID Qf0nrsAP0 土下座が嫌ならゲームとBDの円盤叩き割って欠片にID書いてうpしろや どうせお布施で複数買いしてるんだろ 224 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 22 53 45 ID HJAor7Bp0 ゴチャゴチャ言い訳して全裸土下座回避しようとするなんざホント往生際悪いよ 写真撮る準備する時間なんていくらでもあったろうにな 225 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[] :投稿日:2013/01/29 22 54 00 ID xEBosJgI0 とっととしろやゴミ 226 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 22 56 01 ID DHAFKDZl0 ここの書き込みってさ、言葉悪いしただの煽りもあるけど割とまっとうな人として当たり前の(でも大事な)こと言ってくれてるのが多いのよ チョーシこいてやり過ぎた後でも普通の頭と心持ってる人間ならその言葉の意味理解したらどちらに非があるか嫌でもわかるっていうね。 でもこのエロゲバ、人を馬鹿にして見下すわ、そのくせやり返されたらヘタレて泣きつくわ、 泣きついて許しを乞うた約束を破るわ嘘をつくわ、面の皮厚いわ、 自業自得なくせに人のせいにして逆恨みするわ、一体何をどうしたらこんな醜い化け物になるわけ? こーゆー精神、モンスターなんちゃらって心理学用語があったような… 227 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 22 56 23 ID ornZ92Fj0 もういい歳なんだからクズに選択肢なんか無い事を今ここで学んどけって いずれ親が死んだら自殺するしか無くなるんだからよ ここで腹括れや 228 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 23 02 56 ID ahLvQgZF0 こうやって何もかもから逃げてきたから今こんなになってしまったんだよな 三十路でエロゲ屋のバイトを妄想して年金も税金も携帯代も払わないアスペニートのキモデブクズ野郎 99%害悪だが反面教師としてなら極僅かでも社会の役に立てるかもな 229 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 23 08 38 ID t2gB3u020 エロゲッティ、土下座もできぬ、糞ニート。 230 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 23 11 41 ID Qf0nrsAP0 エロゲッティ逃げやがったらRewriteアニメ化された際にキチガイ鍵信者のサンプルとして お前の発言を纏めたものを毎回テンプレとして貼り付けてやるからな まぁ1万売れて爆死の鍵アニメの次回作を請けてくれる制作会社があればだが 231 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 23 13 02 ID t2gB3u020 糞ニートの軌跡 エロゲバイト ↓ エロゲッティ ↓ ムショクッティ ↓ ゴルゴンゾーラ←今ココ! ↓ 只野下露(ただのげろ)←予定? 232 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 23 18 33 ID 7CEX8Qm+0 せめて「一万超えは確実」程度に止めておけばここまで大事にならなかったのにな… ま、どうせ「万を超えたから何なの?」って話になるとは思うけどそこは置いておくとしてね 233 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 23 18 56 ID 69QgNHLeP つかタイマー機能の無いケータイなんて無いだろ・・・ 鏡自体いらねぇよ・・・ 本積み上げて丁度いい高さにケータイ固定して撮れよ 234 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 23 31 37 ID 6ZshtPyD0 このダンマリの時間の意味が分からんな さっさとやれよボンクラが 235 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 23 33 15 ID lajGxiaY0 勝手に大口叩いといて、いざ自分が不利になったら 言い訳、嘘、自演、挙句に逃走。 自分から言い出した謝罪文すら書かない。分かっちゃいたけどマジもんのクズだなw 236 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 23 35 02 ID nAjhVIkU0 231 おまえつまんねーわ 233 三十路のデブオタが全裸で携帯片手に土下座撮影を撮り直すとこ想像すると笑えるな ねえねえID変わんの待ってんの?エロゲバ君? 237 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 23 36 26 ID aPrUNUth0 ABがあんだけ売れたのにABより人気のあったリトバスが2万行かないとは思わなかった 238 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 23 39 12 ID 6ZshtPyD0 237 空気読もうか 239 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 23 39 41 ID Qf0nrsAP0 鍵っ子はガチでド屑だな 240 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 23 40 15 ID oriS5sng0 アニプレは売上を捏造してるからなSA○とかいい例 241 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 23 44 01 ID yUI6zbqPP この度はリトバス1巻が二万本越えませんでした こちらの見解と違い実際売れた数が下回ったことを確認し、これを認めます しいてはその代償として書き込みません 当然携帯PCも然りです おそらくなりすましが現れることも予見されますが自分ではありませんので無視してください 写メも2/1までに撮れる環境が整い次第出せるよう善処します 242 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 23 45 03 ID zu4bBxCZO タイマーも鏡もいらねーよ インカメラでシャッター切るときだけ顔伏せりゃいいじゃん さ、はよ撮ろかww 243 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 23 45 52 ID 6ZshtPyD0 241 善処じゃねえよ必ずやるんだ それに一つも謝罪してねえだろうがよオラッ ふざけんじゃねえぞ 244 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 23 46 13 ID Sb71wU/B0 241 何で2/1までなの? 今携帯でIDつけて写真とれるでしょ? お前だって証拠がないんですけど? 245 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 23 48 32 ID lajGxiaY0 241 あ?それで謝罪したつもりなわけ? 書き込まないなんてそんなもん代償にも何にもなってねえよ。 しかも善処しますじゃねーよ。絶対やるって確約しろボケ。 期限を延長するかどうかは100%こっちの好意次第だぞ。 そんな糞みたいな文章で納得できるか。 246 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 23 49 22 ID oriS5sng0 241 おい糞アスぺのパラサイト お前が書いた謝罪文は「俺の予想とちがった、約束通りここにはもう書かない」しか書かれてないっての! そんな事はどうでもいい 肝心の謝罪と土下座はよ 247 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 23 50 13 ID 6ZshtPyD0 こいつマジなめてやがるなw 248 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 23 50 54 ID lajGxiaY0 そうだ。今から外に出てショーウィンドウの前で全裸土下座してこいよ。 鏡が無くてもこの時間ならショーウィンドウに映るだろ。 2/1までなんて誰も待ってやらないよな?www 249 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[] :投稿日:2013/01/29 23 55 19 ID nAjhVIkU0 241 これのどこが謝罪なんだよ。鍵厨の中では丁寧語=謝罪になるのか? それはそれは存じ上げておりませんでした 250 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/29 23 57 42 ID 6ZshtPyD0 結局自演で勝手にハードル下げた謝罪文を書くという事すら履行せず、か どういうことだこれ? 251 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/30 00 02 14 ID Qf0nrsAP0 代償てなんだよ 252 : 風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] :投稿日:2013/01/30 00 03 43 ID HJAor7Bp0 まるで謝罪になってないw 直筆の謝罪文を写真に撮ってUPだろカスが 楽して逃げる気満々だな
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野球はやっぱり素晴らしい ☆ヾ( ̄ー ̄ ) 高校野球の決勝戦が行われた。 大会前のドロー(組み合わせ)を見てズバリ、密かに決勝の顔合わせを「帝京vs広陵」と予想していたワタクシにとって、広陵(広島)の勝ち上がりは予想通りだったが、対する佐賀北はまったく予想外のノーマークだった(恐らくは、ワタクシだけではなかったろう) ともに一回戦から登場した両チームであるが、過去センバツでは3度の優勝、全国大会でも2度の準優勝の名門・広陵が、初戦で昨年まで三年連続で決勝を戦った強豪・駒大苫小牧(北北海道)を九回の逆転劇で破ると、二回戦から準々決勝までの3試合に大勝を重ね、準決勝では春夏連覇を狙う常葉菊川(静岡)を接戦の末に下すなど、優勝候補に相応しい堂々たる勝ち上がりっぷりだった。 一方、佐賀北の方は過去の実績だけでなく、大会前の評判も殆どゼロというところからスタートしたが、開会式直後の第一試合に勝つと二回戦では宇治山田商と、延長15回引き分けの末に再試合を戦った。 実のところ「佐賀北」の名が、一気に浸透したのはここからであったろう。 その勢いに乗ったか、準々決勝では優勝候補の一角・帝京(東東京)と延長13回を戦って、大方の予想を覆す勝利を飾った勢いで、決勝まで駒を進める。 そうして、迎えた決勝。 佐賀北に勢いは感じたものの、実力的にはやはり広陵が上であろうというのが、ワタクシ(のみでなく、恐らくは殆ど)の見方であったろう。 その決勝は予想通りの展開で、7回を終わった時点で4-0というスコアだけでなく、佐賀北は僅かに1安打しか打てずにチャンスらしいチャンスすら、まったく作れない。 (広陵が最も苦しんだ初戦の駒大苫小牧戦や、準決勝の常葉菊川との戦いが、事実上の決勝戦だったんだろうな・・・) と思ったとしても無理はないような、力の差を感じさせるた展開だ。 これで終わっていれば、捻くれもののワタクシがわざわざこの 10ちゃんねる (* ̄― ̄)y-~~~~ で「白球の青春」を採り上げるべくもないが、そのワタクシも(そして、恐らくは誰もが)まったく予想していないドラマが、ここから待ちうけていた。 7回まで、まさに精密機械のように完璧なピッチングを続けていた、広陵の野村投手が突如としてコントロールを乱して満塁として、さらに四球で押し出し。 佐賀北の大応援団で埋め尽くされたスタンドが、唯一の盛り上がりを見せた場面だ。 この日に偶然、休暇をとっていたワタクシは、昨年のような「悪役・駒大苫小牧」に立ち向かう「早実のハンカチ王子・斎藤」に肩入れするような事もなく、平静な気持ちでTV観戦をしていた。 (ここでもう一、二点くらい入れば、決勝らしく盛り上がるのだが・・・) と思っていた矢先の、まさかの満塁ホームランだ ポポポ( ゚д゚)゚д゚)゚д゚)゚д゚)゚д゚)ポカーン… こうして8回に一挙五点を挙げ、絵に描いたような信じられない大逆転劇(5-4)の末、誰も予想しなかった佐賀北が見事な初優勝を飾った。 スポーツを語るにおいて、安っぽい「ドラマ」を軽々しく使いたくはないワタクシと言えども、去年の決勝戦に続いて これだけドラマに満ちた決勝も珍しいのではないか? 野球って、やっぱり素晴らしいスポーツだ! と、思わずにはいられない。 先にも触れたように、初戦に三年連続決勝進出の駒大苫小牧、そして準決勝では春夏連覇を目指した常葉菊川を破って充実ぶりを見せ付けていた広陵は、監督が熱射病で倒れた試合もあった。 対する佐賀北の方は、開幕第一戦に登場して最後の決勝を戦っただけでなく、その間引き分け再試合もあって出場校中ただ一校だけ、炎天下の中で7試合を戦い抜いた、逞しいチームである。 まったく無名のノーマークから急激に力を蓄えて優勝した、佐賀北の劇的な勝負強さこそは、大いに賞賛されるべきである (^-^)ノ∠※PAN!。. * ・ ゚☆。. * ・ ゚★゚ ・ *オメデトウ だが忘れてはならないのが、広陵のエース・野村投手の頑張りだ。 ここまで一人で投げ抜きながら、最後に力尽きたのは残念だったが、7回まで1安打と完璧に封じ込めながら、よもやの満塁弾を喰らっただけでも気の毒な野村投手に、更なる悪夢の追い討ちが待っていようとは。 最終回。 目の前で、味方の走塁死によって同点のチャンスが潰れた後の、最後の打者になってしまったのである。 あれだけ頑張った投手に対して、あまりにも酷な試練が与えられたものだと、これ以上観戦する気分にはなれず、表彰式の始まったTVを消した・・・(-ω-#)y-~~~~- 名前 コメント すべてのコメントを見る 朝青龍を追放せよ(後編) ポイッ (ノ-_-)ノ ~(_□_) 「その後の聴取の結果、またしても無断でのモンゴル帰国が判明するに及び、ここに至って遂に業を煮やした横審委員のナベツネ氏から 『今後このような、横綱としての自覚を著しく欠いた非常識な行動が続くようなら、引退勧告もありうる』 と、遂に最後通牒ともとれる発言が出された・・・」 という経過があった。 ところがご存知の通り、この後も朝青龍の暴走は止まるところを知らず 「勝てばいいんだろ」 とばかりに暴言、放言を繰り返すばかりか、負けた時の八つ当たりといった子供じみた言動のうちはまだしもかわいかったが、遂には八百長疑惑まで噴出し、裁判沙汰に発展して世間を騒がせるという醜態である。 八百長疑惑については、まだ裁判をしている最中であるにもかかわらず、先に行われた名古屋場所で優勝のかかった白鵬との結びの一番でも、明らかに「八百長」としか考えられないような、胡散臭い相撲を取っている(稀勢ノ里に敗れて、優勝を逃した琴光喜が花道で涙を流していたのは、単に優勝を逃した悔しさというだけでなく、あのような疑惑相撲で優勝を掻っ攫われた悔しさであったろうと、ワタクシは密かに推測している) 上記からお分かりの通り、ワタクシが3年以上も前に予言した 『朝青龍は、第二の北尾(双羽黒)になる!』 は決して予見が外れたのではなく、本来ならとっくの昔に追放になっていてしかるべきところが、横綱が一人もいなくなる事に怯えた協会のバカゲタ弱腰のために、運良く命拾いをして来たというに過ぎないのだ。 いつも事が起こった時だけは 「断固たる措置を取る」 と息巻いているのに、結局は殆ど実効性のないペナルティでお茶を濁してきたのが相撲協会であるが、度重なる不祥事には関係各所に抗議の電話等が殺到しているとも言われるだけに、これ以上ファンを愚弄する事は許されない。 「朝青龍の各界追放」を切実に望んでいる声は、多いはずなのである。 それは「朝青龍がモンゴル人(或いは外国人)の横綱だから」では、決してない。 過去にも曙や武蔵丸といったハワイの横綱や、新たに誕生したモンゴルの白鵬ら外国人で頂点を極めた力士はいたが、決してそのような差別はなかったし、今もまったくない。 逆に日本人であっても、横綱の地位を極めながら素行に数々の問題があったため、事実上の廃業に追い込まれた双羽黒(北尾)の例もある。 あるのは、ただ「横綱に相応しい品格と人格」を備えていないという事実のみであり、日本に来て10年も経つ人間が「日本の風習を理解していなかった」では、絶対に許されないのである。 と書いた後に「2場所連続出場停止と減俸30%(4カ月)」という、なんとも中途半端な裁定が下された。 この4ヶ月間は「執行猶予」期間でもあり、期間中に何か問題を起こすような事でもあれば、今度こそは「永久追放」の厳罰で臨んでもらわなければ困る Ψ(ーωー)Ψ 名前 コメント すべてのコメントを見る 朝青龍を追放せよ(前編) ポイッ (ノ-_-)ノ ~(_□_) 横綱・朝青龍の「仮病疑惑」が問題になっている。 「腰の疲労骨折とひざ痛で全治6週間」の診断書を提出した7月25日、母国モンゴルでサッカーに興じている姿が、ニュースで報じられた。 身勝手な行動に、夏巡業開催地でも怒りの声が噴出 というものだ。 朝青龍の暴走は、過去にも数え切れないくらいあった。 ワタクシは2004年に、この 10ちゃんねる (* ̄― ̄)y-~~~~ において 『朝青龍は「第二の北尾(双羽黒)」になる!』 という記事を書いたが、その中のポイントを以下に再録する。 「2003年の暮れに、横綱朝青龍が所属部屋の先代親方の通夜をすっぽかし、故郷のモンゴルに無断で帰国していたという、前代未聞の「事件」が明らかになりました。 朝青龍はこれまでにも、ケンカ紛いの相撲内容そのものや土俵態度の悪さ、或いは先輩力士に対する礼儀を欠いた振る舞いから同郷の先輩との確執など、繰り返し何度にも渡りその言動が問題視されてきたのは、好角家の方々なら既にご存じの通りです。 さて(中略)年明け早々に、まずは「稽古始め」、続いて年頭の大事な行事である「綱打ち」を欠席するという、背信行為が続きます。 「稽古始め」は、いうまでもなく一般人なら「仕事始め」に当たるものですし、また「綱打ち」というのは文字通り横綱の締める綱を若い衆が力を合わせて作る(打つ)もので、朝早くから起きて皆が汗水垂らして一生懸命に拵えている綱は言うまでもなく横綱、つまりは一人しかいないからには総て朝青龍のためのものです。 なによりも、伝統を大切にするのが国技たる大相撲というものであり、その中にあって一年の最初を飾る行事として位置付けられている事からも、その重要性や神聖さは素人目にも一目瞭然でしょう。 その証拠に過去には初場所は休場する事になった横綱でも、この綱打ちには万難を排して駆けつけた例(最近では貴乃花)もあったくらいで、打ち終わった純白の綱を締めて仁王立ちしてみせなければならないハズの、当の主役がトンずらしていたのでは、これほど皆の努力を足蹴にした振る舞いはありません。 しかも 「その間、どこでなにをしていたのか?」 と問われた親方も 「なにも訊いてない・・・ 今までも、一度でも報告した事がないヤツだから・・・」 とは良く言えたもので、まさにこの親方にしてこの弟子あり、と最早空いた口も塞がらぬとはこの事でしょう」 ちなみに今回の件でも、師匠の高砂親方(元大関・朝潮)は 「モンゴルに帰っているとは思わなかった。 そんな状況で、巡業に出られないのはおかしい」 と首をかしげた などと他人事のような暢気な事を言っていたらしく、どうやら事態の深刻さが未だに理解できていないようなのには呆れた ヽ( ̄ー ̄*)ノオテアゲ 名前 コメント すべてのコメントを見る 新横綱の誕生 オオー!!w(*゚o゚*) 「新横綱・白鵬」が誕生した。 しばらくの間続いた朝青龍の一人横綱の時代にピリオドを打つとともに、新しい時代の到来を感じさせるような、スケールの大きな横綱として白鵬への期待は大きい。 あのバカ強かった朝青龍に匹敵するほどまで、すっかり力をつけてきた白鵬であり、同じモンゴル力士とはいえ両者がまったく対照的なタイプである事が、このライバル関係をより一層、興味深いものにしていきそうな期待を持たせる。 まさに、静と動である。 仕切りの時から鬼のような表情で睨みを利かせ、必要以上の威嚇で相手を戦意喪失に追い込んでおくのを身上としているような朝青龍に対し、水が流れるようなゆったりとした仕切りの美しさが白鵬にはある。 立会いから爆発するような、人間離れのした集中力と圧倒的な体幹の強さ、さらには動物的な勘と反射神経で、相手の力を徹底して封じ込めて自分のペースで一気に勝負を決してしまうのが朝青龍であり、対照的に真正面から相手の力を吸収して、相手に合わせてじっくりと構えながら料理をしていくのが白鵬である。 白鵬といえば、必ず出てくるのが次のエピソードだ。 <元々、日本の相撲に興味はあったが、少年時代から仲良しだった保志光が力士になるため日本に渡ってから相撲への想いが一層強くなり、大相撲で活躍していた同じモンゴル出身の旭鷲山を伝手に、2000年10月25日に6人のモンゴル人と共に来日。 大阪の摂津倉庫で、相撲を習っていた。 共に来日した猛虎浪(立浪部屋)、大想源(式秀部屋)、大河(式秀部屋)らの入門が決まるなか、小柄だった白鵬を受け入れてくれる部屋は最後までなかった。 失意の帰国前日、彼を哀れんだ旭鷲山が師匠である大島(元大関・旭國)と会食中に相談し、大島親方は友人であった当時の宮城野親方(元幕内・竹葉山、現・熊ヶ谷)に受け入れを申し入れた> そうした苦労が下地となってか、実際のところはわからないがTVで見ている限り白鵬には殺伐とした某横綱とは違い、人間的な優しさを感じずにはいられない。 勝てば官軍とばかり、土俵の内外を問わず常識から外れた言動が目に余る某横綱とは対照的に、土俵上からも垣間見える相手への気遣いなど、白鵬には「品格力量ともに抜群」という器の大きな横綱になっていただきたいものだと、こっそりと応援したくなる好漢である (= ̄∇ ̄=)ニィ 名前 コメント すべてのコメントを見る G快進撃(後編) (*`▽´*) ウヒョヒョヒョ これだけでも、普通のチームであれば充分に戦える戦力だが、なんといっても最も大きいのは、やはり小笠原の存在感であろう。 これまで、小笠原について「イチローを凌ぐ最高打者」(生涯打率は現在のところ、歴代1位)の称号を耳にする度に (イチローより上なんて、あるわけないだろう・・・) と決め付けていたワタクシだったが、実際に目の当たりにする小笠原の力量は(イチローより上かどうかは、ともかくとして)確かに脅威である。 持ち前の芸術的な打撃センスに加え、一発のパンチ力を秘めているのがイチローとの大きな違いだが、そうしたバッティングの技術だけでなく、あの切れ長の目に代表されるクールさと、時折垣間見せる激しい熱情が同居しているような、不思議な人間性に魅力を感じさせられる選手でもある。 TVで観戦していても、この小笠原の打席だけは一球一球が非常にジリジリするような濃密な時間となっていて、ついつい魅入られてしまうのはワタクシだけではないはずだ。 やはり独特の世界を創る事の出来る、数少ない真のスター選手なのであろうと思う。 さらにここまで、この小笠原にも負けないような抜群の働きを見せているのが、同じFA移籍組の谷だ。 これまでは地味なパリーグという事もあって、また奥方があまりにも偉大すぎるがためか、どうしても「マスオさん」的なイメージが強く付き纏っていた谷であり、また言うまでもなく小笠原に比べれば、当初からの期待感は希薄だったのが正直なところだが、ようやく陽の当たる場所に出てきて(?)、活き活きとして見えるようである。 さらには、まったく期待していなかった8番打者ホリンズが、時折予想外の爆発をみせるなど、どこからでも火が点いて止まらないような強力な布陣が整った・・・と見ても良いのではないだろうか。 ここまでチーム打率2割8分台は、12球団でGだけである。 そればかりかチーム本塁打数、総得点、盗塁数までどれもがリーグトップというから驚くばかりだ。 稀に見るような好スタートの後に、前代未聞の信じられない凋落の醜態を見せ付けられた去年の悪夢が脳裏にあるだけに、まだまだ手放しでの油断は禁物だが、今年は久々にやってくれるのではないか・・・と期待が高まってきているのは事実である (*Φ皿Φ*)ニシシシシ 名前 コメント すべてのコメントを見る G快進撃(前編)(*`▽´*) ウヒョヒョヒョ Gが絶好調である ヽ(・∀・)ノ ワチョーイ 今日まで、34試合を終えて21勝13敗。 単に勝敗だけでなく、投打ともに非常に戦力が充実して来ているのが頼もしく、ファンにとっては待望久しい「強いG」を見る思いである。 投手陣ではまず、なんといっても高橋尚が凄い。 これまで毎年、期待外れが続いて泣かず飛ばずだったあの高橋尚が、今年はナント4月だけで早くも5勝(勿論、無敗)という、予想外の快進撃だ。 この左腕が、今年の開幕ダッシュの最大の立役者である点は、衆目の一致するところだろう。 さらに昨年から成長著しい若い内海に加え、ルーキーの金刃も4月に3勝を上げる活躍は素晴らしい。 また復活して来た木佐貫、さらに中継ぎでは八面六臂の大活躍で売り出し中の会田、抑えの林とどのポジションも戦力が充実して来ており、リーグ唯一の防御率2点台と最小失点である。 ここ数年に渡って「投壊」に悩まされ続けて来たGファンとしては、思ってもみなかった嬉しい誤算を通り越して、実に感慨深いでものがある ´ー`)y─┛~~ ワタクシは、数年前から「クワタ」など名前ばかりでクソの役にも立たない老兵なんぞは、さっさとクビにしてしまえと声高に叫んで来たが、ようやくクワタを追い出してあたかも厄払いが済んだかのように、一気に若返って見事な世代交代が果たせているではないか(ついでに、豊田と前田も居なくなれw) 今や「名ばかりのエース」となりつつある上原がいなくてもこれだけやれるのだから、復帰した上原も今までにない危機感を持って頑張ってくれなければ、最早ローテーションに居場所はないところに追い込まれている。 上原を一層脅かすためにも、久保や真田らにももっともっと頑張ってもらわないといけないと思っていたら、昨日は久保がプロ初完封をやってのけてくれたではないか (≧Д≦)ノ オー!! 一方、野手陣に目を転じると、これまた「絶」まではいかないまでも好調だ。 二岡、シンノスケに加え、トップバッター抜擢については疑問視されたヨシノブが、ここへ来てようやく本来の打撃を取り戻して来ているだけに、相手チームにとっては、さらに脅威が増して来ているはずである。 去年に続いて4番に座っている李の調子がイマイチだが、これから浮上してくるだろう。 これだけでも、普通のチームであれば充分に戦える戦力だが、なんといっても最も大きい存在は・・・(後編へと続く) 名前 コメント すべてのコメントを見る ミキティ、地獄から這い上がる(世界フィギュア観戦記・最終回) オオー!!w(*゚o゚*) 正直なところ、ワタクシ自身は以前から一貫して陽性の浅田贔屓なのだが、これまでの経過と今後の事を考えると、今回は非常に理想的な結果だったのではないか・・・と思う。 国際舞台にデビュー以来、順風満帆で来ながらここへ来てやや壁にぶつかりつつある浅田は、大会前から「200点で金メダル」宣言を繰り返していたように、それだけの自信もあったのだろう。 それが「世界選手権」という真の大舞台で、SP5位というまさかのミスに始まり、フリーで一旦は「大逆転金」の夢を掴み取った・・・と思ったのではないか。 結果的にフリーではトップになったものの、総合点の僅かな差で「金」を逃した事で、改めてSPの重要さや勝負の怖さを、身をもって体験したハズだ。 これからどこまでも伸びて行くような、あの伊藤みどり以来(または、それ以上の)稀に見る素質を持った逸材なのだから、今の色々な経験が総て将来のプラスになっていくはずだ。 インタビューなどを聞いていても、いつもしっかりと自己分析や課題の整理が出来ているだけに、ここでアッサリと逆転の金メダルを掴み取るよりは、寧ろこうした経験の方が今後より大きな財産になって来ると思う。 そして、まさにそのような経験をバネに、見事に復活をして来たのが安藤である。 五輪までの一年は、観るも無残な安藤だった。 ワタクシも、これまで散々に扱き下ろし続けて来た通り、とても国際大会の舞台に立てるような状態ではなく、TV観戦をしていても (もう止めてくれ・・・) と、まるで視聴者の方が拷問を受けているような、長きに渡って醜態を晒し続けていたあの安藤であり、それが同じ選手とは思えないほどに見た目も演技も、急激な変貌を遂げてきたのには、実に恐れ入った。 マスコミから面白半分に好奇の対象にされるという、他の誰よりも過酷な状況に耐えながらも、見えないところで血の滲むような努力を積み上げていたのに違いない。 先にも書いたように今回に関しては、現時点ではまだ実力的に上を行っていると思われる、浅田とキム・ヨナという「16歳コンビの自滅」に助けられた部分は否定できないが、いずれにしても選手にとっては結果が総てだ。 あの屈辱と悔しさを忘れずに、大舞台で見事に「金」という結果に結び付けてきたのは立派の一語に尽きるし、五輪に続いてまた日本に金メダルを齎してくれたという意味からも、今回は安藤には素直に拍手を送りたいものだ (。^〇^。) //パチパチ (。^〇^。)// パチパチ 名前 コメント すべてのコメントを見る 世界水泳観戦記 (`Д´)y-~~ちっ メルボルンで行われていた、世界水泳が終わった。 「観戦記」というタイトルを書いてから、考えてみれば大して観戦していなかったのを思い出した。 時間帯の都合であまり観る事が出来なかったし、スポーツ観戦オタクにして水泳も好きなワタクシとは言え、わざわざビデオに録画してまで観るほどの熱意はない。 結果的には、北島選手の「金」ひとつのみというのだから、日本にとっては「惨敗」だったのではなかろうか? 勿論、金銀を獲った平泳ぎの北島選手を始め、それぞれ銅メダル二つを獲得した自由形の柴田亜衣選手、背泳ぎの中村礼子選手は立派だし、また今回も念願の「金」には届かなかったとはいえ、銀2つと銅4つを獲得したシンクロのチームや選手たちも、(シンクロに興味のないワタクシは、まったく観戦はしなかったが)期待通りの活躍であった事は確かだ。 しかしながら、毎度こうしたスポーツイベントになると、飽きもせずにワケのわからないタレントが出てくる「スタジオ映像」とかいうのは、どうにかならないものか? 特に鬱陶しくて仕方がなかったのが、水泳には何の関係もないマツオカのボンボンである。 異様なまでにテンションが高く、偉そうな事ばかり言っていたが (一体、貴様は何様のつもりなんだ?) と言わずにはいられないくらい、押し付けがましいほどに態度がデカイ ウゼ──(-´д`-)y──┛~~ 言う事と態度のデカさを観ている限りは、あたかも自分はテニス界で頂点にでも立っていたような印象だが、実のところ100位以内をキープするのがやっとの選手だったに過ぎないのである。 「そんなアンタに、なんでメダリストの心境が理解できるのか?」 と、TVの前で毒づいていたのはワタクシだけか? みのもんたを気取って息巻いていたところで、日本のメダルが増えるわけでもなかろうに (゚c_,゚`)プッ さらに何故、解説が田中雅美と萩原智子なのか? にも疑問が沸いた。 シンクロの小谷はまだわかるが、田中も萩原も五輪でメダルを熱望されながら、悉く期待を裏切り続けて来た選手である。 世界トップの心境を最も理解できるのは、間違いなく岩崎恭子であり、また田島寧子といった、五輪でメダルを掴んだ人々に違いないのである。 萩原と田中は、かつて水泳選手としてはそこそこの美形である事から、マスコミに持て囃されていた選手だ(特に田中の方は、実のところ現役時代から、ワタクシの好みではあるがw) こうした人選を見ると、やはり 「TV局は実力ではなく「外見」で、解説者を選んでいるのか?」 などと、疑わしくなってこようというものだ(或いは、岩崎ら本人たちが忙しいのかもしれないが・・・) 結局、TV局の演出の不味さばかりに触れてしまったが、最後のリレーで日本が「銀」を獲ったといって、バカ騒ぎをしていたのには笑ってしまった。 アメリカが失格になったための「銀」であり、実質的にはいつもと同じ「銅」に過ぎないのだが。。。 北島選手が金を獲った200m平泳ぎでは、100mで北島を退けたライバルのハンセン選手との対決を楽しみにしていたが、ハンセンが風邪で欠場したのも実にしまらなかった。 超一流のアスリートが、こんな大事な場面に「たかが風邪で欠場」とは情けない。 これでは「敵前逃亡」と言われても仕方ないであろう。 そしてあれだけの「世界新記録の大安売り」を観せつけられると 競技施設も技術もスポーツ科学も、まったく条件の違う旧世代の人々の記録との単純な比較に、果たしてどれほどの意味があるのだろうか? と虚しくも思えてしまったのだった (´-ω-`)うーん 名前 コメント すべてのコメントを見る ミキティの執念(世界フィギュア観戦記part3) ノ゜ο゜)ノ オオオオォォォォォォ 続いて登場して来た、前回の金メダリスト・マイズナーにミスが出て得点が伸びず、遂に浅田がトップのままで最後の安藤の出番がやって来た。 浅田と安藤・・・ 同じ愛知県の出身(中野も)であり、余談ながらワタクシも愛知の出身である。 かつての絶対的な強さがやや蔭を潜め、追われる苦しみを味わい始めているのがこのところの浅田であり、対するにここ数大会で急激な変貌を遂げて、目覚しい急成長を見せているのが安藤である。 安藤の成長には確かに目を瞠るものがあるが、ワタクシの見るところではまだまだ総合力では、浅田の方が上だと思う。 この5ちゃんねるの「フィギュア観戦記」でも書いて来ているように、フリースケーティングの配点は、様々なエレメンツ(技の要素)の組み合わせによって決まってくるが、現在持っている技の難易度を含めたプログラム構成を見る限り、浅田が自身のプログラムで完璧な演技をこなしたら、他の選手は4回転ジャンプでも成功させない限り追いつかないハズなのだ(これに匹敵する高難度の技を盛り込んだプログラムは、五輪で金メダルを獲った時の荒川くらいである) だから、この時点で安藤が浅田選手を上回って優勝するためには、4回転でも決めるかミスのない完璧な演技をして見せるしかないが、4回転は失敗した場合は一気にメダル圏外に落ちてしまうというリスクが大きすぎるから、この位置でやるはずはない。 さらに安藤には、最終滑走と金メダルが目の前にちらついているという、様々なプレッシャーが伸し掛かってくる事も考え合わせた結果「浅田・金、安藤・銀」と密かに予想していた。 そんな重苦しい状況の中で、予想通り4回転は回避した安藤だったが、五輪の頃とは見違えるような安定感で、堂々たる演技を見せた。 SPは突然の電話で見逃したが、フリーに限って言えばやはりあれだけ観客の心を掴んだ浅田の方が、内容的には上回っていただろう。 結果、フリーの得点は 浅田 133.13 安藤 127.11 そして、SPを併せた総合得点では 安藤 195.09 浅田 194.45 とSPの貯金がものを言い、僅かに安藤が上回った (〃 o )(〃 O ) 名前 コメント すべてのコメントを見る ミラクル・マオの復活(世界フィギュア観戦記part2) ( ̄+ー ̄)キラーン 何より肝心の演技も、途中までは完璧な流れで (こりゃ、キム・ヨナの優勝で決まりか・・・) と思ったほどである。 ところが何度も言っているように、勝負だけはマコトに何が起こるかわからないものだ。 前日から、あの絶対的な安定感を誇っていたキム・ヨナが、まさかの転倒・・・しかも二度も。 TVの実況で言っていたように腰が悪いせいなのか、或いは「SPトップ」のプレッシャーだったのかはわからない。 キム・ヨナには気の毒だが、これで安藤は言うまでもなく、SPで大きく出遅れた浅田にも千載一遇のチャンスが訪れたわけで、嫌が上にも期待は高まった。 浅田の難易度の高いプログラム構成であれば、ミスなくいつも通りの演技が出来れば、SP5位からの逆転金メダルも充分に考えられた。 そして、いよいよその浅田が登場して来たが、キム・ヨナの得点がなかなか表示されない。 リンクでアップをしている浅田の顔が、これまで見た事のないような緊張感に引き攣ったような表情をしているように見えた。 そんな中で演技が始まると、最初はやはり恐る恐るという感じでどことなく動きがぎこちないようだったが、最初の3回転ジャンプをしっかりと決めると、徐々に堅さが解れて来たようだ。 ハンガリー民謡のチャルダッシュに乗って、軽快なスケーティングを見せる浅田だが、前に滑っていたキム・ヨナのしなやかで滑らかなスケーティングに較べると、タイプの違いはあるとはいえ全体的にゴツゴツとして見える感は否めない。 しかしながら浅田には、誰にも負けない技術力の高さがあった。 観客の溜息を誘うようなキム・ヨナの美しさとは違い、観客と一体になって演技を作り上げていくような、天真爛漫な明るさが浅田の最大の人間的魅力である。 ここ数試合の演技と比べ、この日はやや細かいミスこそ目に付いたが、それでも減点になるような大きなミスはなく、結果的にフリーではトップの高い得点を叩き出し、ライバルのキム・ヨナを抜き去ってトップに躍り出た。 個人的には、浅田の才能は最大限に評価しているワタクシだけに、この日の出来(特に、両足での着氷など)にはまだまだ不満があったが、それでも演技終了直後にドッと溢れ出した涙は、彼女自身にしかわからない様々なプレッシャーとの戦いなどが垣間見えた。 16歳の少女が背負っているものの重みを、感じずにはいられない。 そんな興奮醒めやらず涙の止まらぬ少女に、ハイエナのような無神経さで執拗にマイクを突きつけるTV局の浅ましさは、犯罪的な馬鹿さ加減だった(▼皿▼)アホちゃうか? 名前 コメント すべてのコメントを見る 妖精の舞い(世界フィギュア選手権観戦記part1) ヽ(´ー`)ノ 東京で開催された世界フィギュアスケート選手権で、安藤ミキティが優勝した。 ショートプログラム まずは、韓国のキム・ヨナが完璧な演技で71.95という、驚異的な高得点を叩き出す。 いよいよ、注目の安藤選手がリンクに登場して来たところで、間の悪い事に仕事関係の電話が入り、肝心の安藤選手と次の浅田選手の演技を見逃してしまう事に・・・ 40分にも及ぶ長い電話が終わった時は、既に全選手の演技が終わって、SPの結果が出ている時だった。 1.キム・ヨナ71.95 2.ミキティ 67.98 3.コストナー67.15 4.マイズナー64.67 5.浅田 61.32 安藤と浅田に関しては結果しか知らないが、当然ながら浅田のSP5位はまったく予想外で、何か大きなミスを犯した事は明らかである。 この時点では、SPで完璧な演技で観客を魅了したキムが圧倒的に有力であり、安藤があのキムに勝つには 「4回転でも決めるしかないのではないか?」 と思われた。 SPで大きく出遅れた浅田は、キムが余程大きなミスをしない限り優勝は厳しい情勢であり、そしてSPを見る限りはそれが起こる可能性は、極めて低く感じられた。 フリースケーティング この日は、前日のように電話が掛かって来る事もなく、じっくりと観戦。 最終組の6人の練習で、いやが上にも緊張感が高まってくる。 最初に登場したのは、イタリアのコストナーだ。 SPは非常に素晴らしい出来だったが、ジャンプで派手に転倒してしまい、その時点までトップにつけていた、中野よりも下に下がった。 続くアメリカのヒューズも、やはりジャンプで転倒して得点が伸びず、4人を残して依然、中野がトップである。 そして、いよいよ注目のキム・ヨナが登場。 表情を見る限りは緊張感はまったく感じられず、前日同様に完璧な演技をして200点近い高得点を出して、ブッチギリの優勝を掻っ攫っていってもおかしくないような、独特の雰囲気を持っていた。 白い衣装に身を包んで滑っているキムの姿は、まるで妖精のようにも見える。 実のところ、一貫してコリア及びコリア人嫌いのワタクシでさえ、あのバレリーナのようなしなやかで優雅なスケーティングと、顔にも全身にもまだ少女のあどけなさを残しながら、コリア人特有の骨太ではない可憐な感じのプロポーションにも、見惚れざるを得なかった。 名前 コメント すべてのコメントを見る 21 やはり《甲子園》の魔物が暴れだしたぞー \_(-_- 彡 -_-)_/ ~ 2004 虎鷹シリーズ毒舌日記part6 (= ̄∇ ̄=) その後、両チームとも決め手には欠けるものの、この日もやはり終始押し気味にゲームを運んでいるのは、ダイエーです。 このシリーズを通じて、ここまでワタクシの頭に描いたシナリオがズバズバと的中してきているのは何の不思議でもなく、巨人ファンであるワタクシは今年1年間を通じて、散々にこうしたパターンで煮え湯を飲まされ続けてきたからで、これを見過ごして2戦までを見た時点で 「ダイエー圧倒的有利!」 と言い出した評論家諸氏のボンクラ頭加減にはいつもながらといえ、最早愛想がつこうというものです。 そしてやはりいつも通りの、予測の付け難い《甲子園》での摩訶不思議なゲームが展開され、モチャモチャやっているうちに終わってみれば阪神の 《2試合連続サヨナラ勝ち》 といういかにも阪神らしい劇的な幕切れで、あっという間に2勝2敗のタイと縺れ込んでしまいました。 まさにここまではワタクシの読み通りの展開ですが、いよいよ今日の第5戦はシリーズの天王山となりそうです。 阪神としては、福岡ドームで2連勝は至難の業でしょうから今日は何が何でも勝っておき、王手をかけて福岡に乗り込むより他に日本一への道筋は残されていないでしょう。 一方のダイエーは、福岡で2連勝の可能性も残されているとはいえ《甲子園》3連敗で阪神及び阪神ファンを乗せてしまっては到底手が付けられなくなり、一気に4連敗という流れも充分に考えられるだけに、この5戦目はやはりなんとしても勝っておきたい。 何度も言っているように《甲子園》で阪神を倒すのは至難の技ですが、ここで1つ勝っておけば福岡の2試合のうち1つをものにすれば良いわけで、俄然日本一が近づいて来るわけです。 《甲子園》での2試合では、投手交代や代打の出し方のタイミングで王監督の采配に首を傾げざるを得ないところが何度かありましたが、あまりにも鮮やかな2連勝で余裕を持ちすぎたせいでしょうか? よもや阪神を甘く見過ぎたという事はないのでしょうが、些か気になるところではあります (-ω-#)y-~~~~ 名前 コメント すべてのコメントを見る 20 やはり《甲子園》の魔物が暴れだしたぞー \_(-_- 彡 -_-)_/ ~ 2004 虎鷹シリーズ毒舌日記part5 (= ̄∇ ̄=) 《第4戦 阪神6ー5ダイエー(阪神サヨナラ勝ち=10/24up分)》 ダイエー2連勝の後、舞台を《甲子園》に移し阪神が1勝して迎えた第4戦。 内容的には不充分ながらも、とりあえずのサヨナラ勝ちを収めた眠れる虎が、一転して目を醒ますのか? はたまた、ダイエーの強力打線が再び火を噴くのか? 非常に興味深い展開となってきました。 阪神としては福岡に戻って2連勝は殆ど不可能に近いだけに、日本一になるためにはこの《甲子園》で3連勝する道以外には残されていないでしょう。 一方、ダイエーの方は《甲子園》で1つでも勝てば福岡に戻って1勝すればいいだけだから、現時点で圧倒的優位は変わりません。 総合力では、ここまでのところ一段二段は上回って見えるダイエーですが、問題は《甲子園》におけるあのトラキチの醸す強烈なプレッシャーを、先発投手を始めとした投手陣が跳ね除けられるかどうかに掛かっています。 さて、そうして始まった第4戦。 以前からワタクシが再三指摘しているように、やはりこの《甲子園》での試合だけは、どうにも予測不可能な摩訶不思議な事が起こるものです。 4戦目にして、初めて先手を取った阪神。 エース井川の調子も相変わらずイマイチとはいえ、一時は4ー1まで差を広げようやく阪神ペースに流れが一気に傾きかけたと思いきや、さすがは強打のダイエーもすかさず反撃に転じ、なんなく4ー4の同点に追いついてまた振り出しに戻します (´-ω-`)うーん 名前 コメント すべてのコメントを見る 19 阪神ファン幸せやなー (^。^) ~ 2004 虎鷹シリーズ毒舌日記part4 (= ̄∇ ̄=) 《第3戦 阪神2ー1ダイエー(=阪神サヨナラ勝ち=10/23up分)》 が、あまり評判の良くなかったダイエー中継ぎ、リリーフ陣をなかなか攻略できない阪神には、どうも勝てる要素が見当たらない。 シーズン中はあんなにも強かった阪神が、このシリーズでは僅か1勝が出来ずにこんなにももがき苦しんでいます。 繰り返しますが、ワタクシは今年の阪神は嫌いです。 デリカシーに欠けるようなあの阪神ファンも嫌いなら、高校野球のようなダサい応援も嫌いですし、ジェット風船なんぞを飛ばして悦んでいる連中もウザイというほかはありません。 ワタクシの脳裏に、密かに期待した 「阪神4連敗」 のシナリオが着々と現実になりつつあるのをこうして目の当たりにすると、不思議な事に何故かかつての職場の同僚であった大阪からの出向チームの面々やら関西在住の知人、或いは旅先で見かけた誰とはわからぬ関西弁の気の良い兄ちゃんやらオッサンやらの、阪神に寄せる哀切な思いが何故か訴えかけ酔った頭が一瞬、不覚にも阪神ファンに感情移入してしまいました。 そうして我に返ると、まるで日本一を決めたかのようにホームベース上でお祭り騒ぎ繰り広げる、縦じまのユニフォームが無数に小躍りしています。 見上げれば空には色とりどりのゴム風船が、阪神ファンの異様なまでの執念が乗り移っているのか、まるでそれ自体に意思を吹き込まれたかのように空高く、喚起の舞を舞っています。 ようやく出番がやって来たワイ、と言わんばかりのしたり顔で登場した星野が、例によって独演会を始めんばかりの勢いで喋り始めたテレビの画面を眺めながら 「まあ、これで面白くなってよかったじゃないの」 と、何故か妙にホッとしてしまうワタクシでありました (;^。^ 名前 コメント すべてのコメントを見る 18 阪神ファン幸せやなー (^。^) ~ 2004 虎鷹シリーズ毒舌日記part3 (= ̄∇ ̄=) 《第3戦 阪神2ー1ダイエー(=阪神サヨナラ勝ち=10/23up分)》 ダイエーが地元福岡で2連勝して、迎えた第3戦。 舞台は、いよいよトラキチの待ち構える《甲子園》へと移りました。 なにしろ、あの第2戦でのダイエーの圧倒的な打線の物凄さばかりが印象強いだけに、風見鶏の評論家諸氏はここぞとばかり 「ダイエー圧倒的有利」 と言い始めましたが、この《甲子園》でやる野球だけはやってみなければまったく予測が付け難い、とワタクシは前から言っておりました。 そして、ズバリそのワタクシの予言通り、一転して白熱した投手戦となります。 さすがに3戦目ともなると、内容的には過去2戦とは比較にならないほどに密度の濃い攻防が繰り広げられる中、ダイエーがやや押し気味にゲームを進めながらも肝心なところでのあと一本に欠け、ピーンと張り詰めたような緊張感のある投手戦が続き、第1戦に続いて早くも2度目の延長戦に突入します。 これも前から言っていますが、巨人ファンのワタクシにとって阪神は憎い敵であり、ワタクシの応援するのはあくまでダイエーです。 しかしながら、この試合にダイエーが勝てば3連勝となり、シリーズの行方はほぼ決したようなものですから、それではあまりにもつまらないという思いと同時に、万一このままダイエーに一方的にやられるような結果になれば、枕を並べてこの阪神にコテンパンにやられつづけた巨人を始め、中日を除くセリーグ4チームは改めて大恥を掻く羽目となります。 延長に入った時点で (これは阪神得意の展開だな) とある程度、阪神の勝ちは予測できました。 名前 コメント すべてのコメントを見る -