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二つ名:人形の勇者 名前: 詳細: 人形遣いで、ちいさな劇場を持っていた。かわいい魔物とかはついついとどめを刺せずに返り討ちに合うことがよくある。いつか魔王討伐を終えてもう少し大きい劇場を持つのが夢。 その他:
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二つ名:上騰の勇者 名前: 詳細: ある日女神に神託を受け、憧れの勇者になったが、周囲がいままで通りに扱ってくれなくなるのを恐れ正体を隠して活躍している。が、実は知り合いにはバレていることを彼は知らない その他:
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勇者の相方セブナル レア ヒューマノイド コスト5 パワー1000 火 ■バトルゾーンに「とある勇者」がいるとき、このクリーチャーはQ.ブレイカーを得る。 ■スピード・アタッカー (F)とある勇者の相方だぜ! セブナル 作者 FOW はじめましてFOWです。よろしくお願いします。 柳さんの「とある勇者」に惹かれて作ってみました。どうでしょうか柳さん?改善するところはありますか? 評価 はじめましてー。ここの管理人やってます。MorGです。どうぞよろしく。 柳さんは最近来ないようですね・・・。戻ってくることを期待しましょう! とりあえずとある勇者がどんなんかさっぱりわからんことには・・・。 式神セイメイ・・・はいわんことにしますか・・・。 MorG これパワー低くないですか。それよかとある勇者の能力がないから評価のしようが…。 テキスト少し修正させていただきました。 柳さん明けたのに戻ってこない。 shinofu はじめまして。「とある勇者」作者の柳です。そうですね・・・「とある勇者」はまだ完成してないので何もいえないのですが・・・あえて言えばもうちょっとパワーを上げて、もう少し能力を追加しては・・・? 柳
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第二十六章-第一幕- 真なる恐怖、迫る 第二十五章-第三幕- 第二十六章-第二幕- グラード・シティから強引な撤退を決行した勇者軍は、 魔神軍メインメンバーである、ノーラとも共闘したものの、 結局は別れ別れになり、現在兵器工場をまともに稼動させている 数少ない拠点である、港町ヴェール・シティへ移動した。 兵器工場にお邪魔して、通信施設も借りて アーム城と通信を取っている。 こういう時のウォルフ王子は本当に忙しそうである。 「アーム城と通信、繋がりましたね…… こちらウォルフ。通信兵、いますね?」 「はっ、こちらアーム城通信施設。現在浮遊中、 高度千五百メートル付近に滞空中。回線、良好です」 「例のマスターハード搭載型人工衛星の稼働状況を報告して下さい」 「はい。予定通り本日、正午から稼動開始します。 ……っと、そろそろじゃないですかね。 端末にリアルタイム送信可能にしてありますので、 アップデートのインストールをしておいて下さい」 「了解。避難させた民間人達の様子はどうです?」 「至極落ち着いている素振りを見せてはいますが、 やはり地上の様子が気になっているようです。 イグジスター情報はリアルタイムで伝わりますので……」 「……了解。では、そのまま警戒を密に」 「はっ」 通信が切られる。 「…………よし、アップデート完了。来ますよ、データ」 全員が端末を握り、世界地図をじっと見つめる。 すると、異様な数のイグジスター反応が世界中に表示される。 まったくいないのは、海中とか、よほど小さな離島ぐらいだろうか。 「なっ!?」 エリックがまず驚愕する。ご丁寧に推定されるイグジスターの 数量をカウントする機能を見て驚いたのだ。 「一億二千五百八十万……!?」 なんと、せいぜい数千万程度だと思っていたイグジスターが、 既に一億を突破して世界中をじわじわと侵食しているのだ。 「ぐっ……まさか、奴等の勢力伸張がこれ程とは……!」 エリックが歯噛みするが、ウォルフ王子はあくまで冷静だ。 「それでも、宇宙の各コロニーでは膠着状態を保っていますし、 機械に対して極端に弱いなど、弱点も露呈しています。 擬態さえ抑制し続ければ、いつかは殲滅も……可能です。 そのためには兵器工場を出来るだけ守り抜きたいですが……!」 「いや、もう一つ対策があるぜ」 ロバートが対策を打ち出した。 「!?」 突然の発言に驚愕する一同。 「グラード・シティで俺達が敗走した時、 海岸沿いの都市であるにも関わらず、 水中から現れたのはセイレーン・イグジスター一匹だけだっただろ? それに世界地図を見ろ。水中に反応が一切無いのも逆に不自然だ。 仮に擬態して知性を得て、船を操り出す、と仮定したところで、 擬態そのものを阻止し続ければ、 一方的に攻撃するのも可能かもしれん」 「なるほど……!」 ローザとエナが一際びっくりした。まったくの盲点だったからだ。 「となると、退避先としての最適解はどうなる、ウォルフ?」 「船舶、艦艇、ないし潜水艦による水中、水上での行動、ですね?」 「だったら、今取るべき行動は何だ?」 「カイトさんをここに呼びましょう。あの潜水艦、 ブルー・ワイズマンMk-Ⅰであれば、兵器を組み立てたりする 設備にも事欠きませんし、簡易工場代わりにも出来ます。 また潜水艦からの一方的ミサイル攻撃も可能でしょうね」 「だったらやれよ」 「はい」 ウォルフ王子は通信施設を用いて、アドレスコードを検索し、 カイト=ワイズマンを呼び出した。 「ああ、こちらカイト。現在海中から策敵中。 暗号通信とはいえ、若干穏やかではないね」 「それどころじゃありませんよ、カイトさん。 あなたの艦が、対イグジスター戦においての 決定的戦力の一つになるかもしれないんですから?」 「そうとは思えないんだけどね。以前、この艦は イグジスターの侵入を許しているしね」 「ですがそれは係留時の話のはず。 それとも、海中や海上にいる時に奇襲でも受けましたか? つまり、そういう事だ、とロブは言っていますよ」 しばらく熟考してから、カイトは答えを出す。 「なるほど、言われれば隊長の言う通りだね。 つまりイグジスターは、擬態でもしない限り、 水中への攻撃、及び進行手段を持ち得ない、と?」 「そうなります。となると世界中の船舶、艦艇、潜水艦を結集し、 民間人の退避所として利用するのが最適解でしょう。 その上で離島などに避難し、 敵が手出し出来ない状況に持ち込んで、 離島に兵器工場を建造するのが無難かと思います」 「今までの君達の理屈でいうと、制空権と制海権は、 未だ人類のものだと断言して構わないわけだね。 ならば急ぎ、あらゆるネットワークを駆使して 各国家、各自治体に通達。兵器工場を離島に建造して 一気に反攻の準備を行わないといけないみたいだ」 「お願いできますか?」 「やってみる。ちょっとヴェール・シティからは 遠い位置にいるので合流までの時間をフルに使わせてもらう。 なので合流に最適なポイントをこちらで指定するので、 すぐに移動を始めてもらいたいところだ」 「はい、指定をどうぞ」 「ヴェール・シティから南西方向に向かう道を進めば到着出来るね。 リプトール・タウンという小さな港町だ。この潜水艦も かろうじて係留可能、という程度の町だが、 この際、目立たない方向で話を進めたいからね。 イグジスターに察知されると本当に厄介だし」 「はい、じゃあそのつもりでこちらも移動します!」 カイトはすぐに通信を切った。不必要な通信の継続は 魔神軍に察知される可能性も高く、妨害を受ける危険があった。 彼等と交渉の余地はあっても、現状は対立関係なのでしょうがない。 「リプトール・タウン付近にイグジスターの反応はあるか?」 ローザがぶつぶつ言いながら、端末をいじると、 リプトール・タウンの周辺に少数ながらも反応がある。 といっても前の戦いの三十万という数に比べて、というだけの話で、 実際その周辺には数万単位のイグジスターが辺りを策敵していた。 情報履歴を見てみれば、リプトール・タウンは人口も少数で ほとんど無視されている状況にあるようだったが、 何か起こればいつでも襲える、という態勢と見るべきだろう。 すなわち勇者軍が来る、という重大事態が発生した場合、 イグジスターが集団で到来する可能性がかなり高い。 それを覚悟の上で、リプトール・タウンでの合流を目指すのである。 局地戦での犠牲は覚悟してでも大局の上で勝たねばならない。 いざと言う時は、民間人をシェルターに封じる必要があるだろう。 それらの覚悟を決めて、勇者軍はリプトール・タウンに向かう。 かすかな希望を求めての流転と敗戦の繰り返しが、 またもリプトール・タウンで勇者軍を待ち受けているのであった…… <第二十六章-第二幕- へ続く>
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5年目の勇者部 安芸真鈴 CV 田澤 茉純 ステータス ※ステータスの数値は初期値になります。 型 属性 レア度 HP ATK 巫女 赤 SSR 540 1350 アビリティ この裁判は無効よ!閉廷っ! 発動条件 効果 開幕 開幕時、仲間全員の獲得する昇段EXP+10% 神花・覚醒 神花/覚醒時 獲得精霊 初回神花 二回目回神花 SR輪入道(赤) 一定覚醒値報酬 必要覚醒値 5 SSR輪入道(赤) 神花解放 段階 必要コイン 必要属性結晶 上限Lv30 8,000 赤の欠片x7 上限Lv50 - - 上限Lv70 - - 上限Lv99 - - ボイス 1 - 2 - 入手方法 イベント2022年「6月 5年目の勇者部」交換所ラインナップ(5周年記念メダル・金20000個) 5周年イベント10連チケットガチャ 名前
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第十四章-第二幕- 見せ場泥棒再び 第十四章-第一幕- 第十四章-第三幕- 高速戦闘戦艦、レッド・ワイズマンMk-Ⅱの船上にある 勇者軍主力部隊は穏やかな状態を維持していた。 疲労状態にあった者達も、ようやく回復を見せ始め、 コンディションも好調に近付いてきたのであった。 「ふぁ~」 バスクが甲板上でのんびり欠伸をしていると、コンラッドが嗜める。 「気を抜くんじゃねぇぞ。こういう時が一番危ねぇんだ」 「分かってるよ、コンラッド。気を付ける」 「分かってねぇよ。俺が敵ならこういう時を狙うぞ」 ずどん! 「どわっ!?」 砲弾らしきものが船体の近くに着弾する。 運良く直撃はしなかったようだ。 だが振動でコンラッドがよろけて倒れる。 馬上のバスクはなんとか持ち堪えた。 「ほら見ろ! お前がそういう事言うから敵が来たんだ!」 「って俺のせいかよっ!? ええい、全員起きろ起きろ! 敵襲だ!」 コンラッドが抗議しながらも、即座に応戦態勢を取らせる。 『そこの高速戦闘艦、止まれ! 我々はネイチャー・ファンダメンタル! 速やかに降伏しなければ問答無用に撃沈させるぞ!!』 強気な物言いのネイチャー・ファンダメンタル艦の艦長。 通信からもその威勢の良さは充分に伝わった。 キョウカ王妃が通信室から応答する。 「一体誰に向かってものを言っているのですか? 勇者軍と知っての行いであれば、無謀なのは否定出来ませんわ」 『知った事か! 応じる気が無いなら沈める!』 その相手の態度が腹に据えかねたのか、 キョウカ王妃から通信機を奪い取ってコンラッドが叫ぶ。 「やれるモンならやってみやがれ! 最終的に沈没するのが 手前ェ等だって事を身をもって教えてやるぜ!」 『ひっ!』 何故か引きつる相手の指揮官らしき声。艦長とは違う人物だ。 「これしきの宣戦布告程度に 怯えるぐらいなら戦場に出てくんじゃねぇ! とっとと帰ってメシ食って寝てやがれ!!」 『駄目だ……怖い、怖いよ、艦長! 僕は戦いたくない!』 『しっかりしなされ、キートン指揮官殿! あなたが指揮官なのですぞ!』 何故か向こうで謎の内輪揉めが始まっている。 「敵の様子がおかしい。みんな、攻撃するのはちょっと待て!」 その様子に、流石に不審に思ってか、 今にも敵艦に乗り込もうとしていた フローベール達を制止する指示を出させるコンラッド。 「おかしいって、何が!?」 慌ててソニアを筆頭に、 警戒要員にと立ったゼクウを除いて大勢が入ってくる。 「通信を聞けば分かる。こっちは何も手を出していないのに 勝手に敵が内輪揉めを始めているんだ。ワケ分からん」 「はぁ?」 ほぼ全員が同音異口に疑問を口にしたところで 通信機を通して聞こえてきた。通信を切る余裕も無いらしい。 片方はキートンと呼ばれた指揮官、 もう一人はさっき艦長と呼ばれた人物だ。 『僕は怖い、僕は怖い。 こんな……こんな武器を持ってるから攻撃されるんだ。 そうやって酷い時には暴発して 僕は死んでいくしかないんだ……』 『何を仰られる! 攻撃を仕掛けているのは我々の側ですぞ!』 『そうだ! 弾を全て撃ち尽くしてしまおう! そうすれば敵も沈んで、暴発の心配も無くなる。 僕等は安全だ、きっとそうに決まってる……!』 『し、指揮官殿!?』 『撃ってくれ! 弾丸全てを撃ち尽くしてしまえばいい! そうだ、そうに決まってる! ふふふ、はははは……!』 『りょ、了解しました、撃て、撃てーッ!!』 ずどんずどんずどん!! 凄まじい勢いで砲弾が着弾し始めた。 一発ほど船尾をかすめた模様だ。 「何よ、結局攻撃してくるんじゃない!」 またも慌ててソニアが飛び出し、次いで他の者も飛び出していく。 しかしコンラッドは慌てず騒がず、むしろ冷静に推論する。 「あれは被害妄想の類か。説得は通じなさそうだ。厄介だな」 「攻撃してこなければ、こちらも何もしませんのに……」 どこか哀しげにキョウカ王妃が呟く。 「だが、王妃。現実問題として向こうが撃ってきた以上は応戦だ。 でなければ、アーム城に向かうことさえ出来なくなる。 それでは困るんだ。俺も、みんなも。あんたもだ」 「はい……」 しかし、コンラッドが悠長に構えている間に事態は深刻化していた。 なんと敵の高速戦闘艦は6隻も存在しているのだ。 戦艦同士で1対6では常識から言って勝ち目は無い。 キートン指揮官なる人物の乗っている旗艦が真っ向から猛攻撃を 仕掛けたのにつられて、他の艦まで一斉に撃ってきた。 「うーわー!」 バスクが思い切り逃げ回るが、逃げ場などどこにも無い。 闇雲に撃っているためコントロールがでたらめで、 ほとんどの砲弾はレッド・ワイズマンMk-Ⅱの船体を かすめもしないのだが、何発か、稀に直撃コースのものもあった。 しかし、ここからが勇者軍の力の見せ所でもあった。 「せいッ!」 ソニアが放物線を描いて飛んでくる砲弾を強引にレシーブする。 それも並みのレシーブではない。 砲弾にヒビが入るような力の入れようだ。 砲弾は更にもう一度放物線を描き、どこへともなく落ちていった。 更にソニアはこれを繰り返し、直撃コースへ飛んでくる砲弾を ことごとく叩き落としてみせる。 「バスク、ルシア、手伝いなさい!」 ドルカスはこの間にデリバリー・ランチャーの 準備に入るのであった。 「よし、今のうちに行くぞ!」 ヴァジェスがまず両翼に近付きつつあったうちの 左翼の1艦目に向かって飛翔する。 次いでメイベルが左翼の2艦目、フローベールが3艦目に突貫した。 残るは右翼3艦。先程通信を飛ばしてきた旗艦もこちら側だ。 「デリバリー・ランチャー、射出!」 ゼクウとジルベルトを搭載した砲弾が曲線を描く。 ゼクウの意図に応じ、ジルベルトはゼクウに掴まっている。 そのゼクウは途中で手を放し、 ムササビの術と呼ばれる飛行術を披露。 上手く風に乗ったゼクウは、 右翼の3艦目上空を通過しざまにジルベルトを投下。 次いでゼクウは敵の旗艦である 2艦目を勢い余って通過してしまったため、 1艦目に何とか不時着する事に成功する。 だが、敵1艦につき1名。これが限界だ。人手が足りない。 戻って来れない事を承知の上で 残りの人数を飛ばすわけにもいかなかったし、 いくら勇者軍メンバーとはいえ、 数秒そこいらで敵艦を轟沈させられはしない。 手詰まりになったルシア、ソニア、ドルカス、バスクは 飛んでくる砲弾を何とか捌く事で精一杯になってしまった。 その状況を遠くから見ていた 各艦の制圧要員は歯痒い思いをしながらも、 とりあえず目の前の敵を制圧するために奮闘するしかなかった。 一方で敵旗艦の火力は凄まじく、全員の防衛力をもってしても、 レッド・ワイズマンMk-Ⅱ側の砲門がかなりの数破壊されていた。 「まずいわね……打つ手無しなの!?」 「お姉ちゃん、まだ早い! 敵の弾丸がそれこそ無くなるまで、 徹底的に叩き落してやればいいだけじゃない!」 ルシアをソニアが叱咤する。 「だが、いつまで保ってくれるかは分からん、急げ……みんな!」 すると、ジルベルトの乗り込んだ艦から煙が出始めた。 機関部に致命的な損傷を加えた模様である。 もはや動けないようだった。 「やった、流石はジルベルト君、やるぅ!」 にこやかにサムズ・アップを行うソニアだったが、 事態は更に緊迫化した。なんと沈没し始めたのだ。 敵船員達がさっさと脱出艇で脱出していく中、 非常にドン臭い事にジルベルトは置いてけぼりを食らったのだ。 (あんな長距離、泳げるかな……) ジルベルトとて泳げないわけではなかったが、高速で動く船に 追いつけるはずもないのは先刻承知だった。 「困っているようですね、ジルベルト」 と、突如海の方から声。しかも嫌というほど聞き慣れた声。 (この声――まさか!?) 慌ててジルベルトが甲板から見下ろすと、そこには―― 「勇者軍総帥エリシャ=ストレンジャーの夫にして 現筆頭ジルベルトの父、ノエル=ラネージュ! 今ここに激参つかまつります!!」 なんと、父親ではないか。 暢気に手を振るジルベルトを引っ張り出し、 乗ってきたイルカに同乗させるノエル。 「父上、なんでここにいるのー?」 「エリシャの付き添いです。 ですが主力部隊が海上移動と聞いて気になって 様子を見に来てみればこれです。 アレは敵で間違いないのですね?」 こくり、とジルベルトは頷く。 「苦節二十年! まさか海洋戦力としての能力を発揮できる日が 来ようなどとは望外の喜び! 今ここに我が真の力が試されます。 ジルベルト! 父の雄姿を見ているのですよ!?」 そう言うとノエルのイルカは更に加速し、 一気に敵の旗艦へ追いつく。 「帰りもお願いしますね」 と、イルカの頭を撫で、自らはジルベルトをおぶったまま跳躍。 一気に甲板へと取り付いた。 「うおおおおおおおおおおおおおッ!」 息子の見ている前だからなのか、 凄まじくテンションの上がっているノエルが、 槍の一閃だけで、敵の砲台をあっさり二門も叩き斬る。 それにつられて、慌ててジルベルトも攻撃を開始し、 敵艦の副砲を根元からすっぱりと叩き割る。 「ぎ、ぎぇぇぇぇえぇええ!」 さっき通信から聞こえたのとまったく同じ声の悲鳴が聞こえた。 ジルベルトは黙って指を指してやる。 「ジルベルト……あれが指揮官だと言うのですか?」 ジルベルトはただ黙ってこくりと頷くのみ。 「臆病な指揮官もいたものですね。戦場で恥を晒すおつもりか?」 「ててて敵だよ、敵! みんな攻撃して!」 しかし敵兵は大混乱に陥り、結構な数の人員が 戦いもせずに脱出を始めた。 「ここ、これだから僕以外の人間なんて信用ならないんだ! もう怖いよ、助けてよ、ジモンさーん!!」 そう言いながらキートンと呼ばれた指揮官は銃を乱射する。 何発かは直撃コースを取っているが、 ノエルの盾にあっさり阻まれる。 「凄い大きな音、凄い反動、怖いよ、銃は怖い。 信用出来ないよこんなの! 弾が無くなれば安全なんだ! だから撃てばいい、撃てば!!」 しつこく乱射するが、またもノエルの盾がそれを阻む。 「へへ……弾が無くなった……あんぜ……ん……じゃない! 敵が、敵が敵が来るよ! リロード、リロード!!」 またも無様に対応を始めるキートン。 そんな悠長な事をしている間に、主砲がジルベルトを狙うが、 ジルベルトは慌てず騒がず、 主砲の弾を身体一つで強引にキャッチすると、 身体をそのまま時計回りに一回転させ、 撃たれた砲弾を主砲へ投げ返す。 ずどがん! かなり致命的な損傷を受けたらしく、大いに船が傾く。 「わわわ! もう怖いよ、やだよぉ!!」 情けない事をのたまうキートンだったが、 その恐怖が力を与えるのか、次第にその射撃が 凄まじく精密性をを帯びてジルベルトを襲う。 「むー」 かろうじてかわしたが、明らかに不機嫌になるジルベルト。 ごすっ! いきなりキートンに向けて方向転換し、 乱暴にその銃を蹴り飛ばす。 「うわぁぁぁん! もう駄目だぁ! 撤退するよ! ジモンさん、許してぇ~!!」 最後まで情けない事に、キートンはとっとと脱出していった。 間もなく船はエンジンが停止し、 自力での航行能力を失ったようだ。 「ジルベルト、乗りなさい」 ノエルに言われるまま、 ジルベルトはイルカへと再度同乗し、帰還する。 その途中で、水蜘蛛の術で ゆっくりと帰ってくるゼクウも同乗させた。 イルカは大変だが、まあ何とかなるレベルらしい。 「ふぃー、危なかったぁぁ。しかし、これだけの 大規模海上戦闘やらかしたんだ。 もう敵に海上戦力はろくすっぽ残ってないだろ。 ありがとうな、えーと……?」 礼を言うコンラッド。 「ノエル。ノエル=ラネージュです。ジルベルトの父親ですよ」 「見せ場泥棒のノエルは相変わらずか」 と、ヴァジェスが前に出る。ジルベルトとキョウカを除いて、 この場でノエルと面識があるのは彼だけだ。 それに、ソニアも前に出る。 「あ、あの。ジルベルト君のお父様ですか。 私、ソニア=メーベルヴァーゲンです。 ジルベルト君と日頃から仲良くさせてもらってます、 よろしくお願いします!」 「息子から聞いていますよ。父親としてこの子をお願いしますね。 では、私は再度エリシャと合流しなければなりませんので」 「ジルベルト君のお母様……総帥も惑星アースに?」 「ええ、これほどの大規模な敵組織だと知っていれば、 この子も最初からストレンジャーソードを 持ってきていたでしょうが、これは仕方有りません。 なのでエリシャの手で、ジルベルトの元に ストレンジャーソードを運びます。その日が来るまで、 上手く持ちこたえるのですよ、ジルベルト」 『分かったの。シエルとか見かけたらよろしく言って欲しいの』 「分かっていますよ。では、これにて!!」 ノエルはまたしてもイルカに乗ると、 凄まじい勢いで水平線の向こうへ去っていった。 ジルベルトは彼が見えなくなるまで手を振っていたようだった。 「ノエルと知り合って20年来の仲になるが、 あいつがドルフィンナイトとして戦うの、 俺……初めて見たぞ……」 と、ぽつりとヴァジェスが呟いているが、 それは他人は聞かぬが華であろうか。 ともあれ、海上戦力の脅威は当面の間除かれた。 壊された砲門の修理はワイズマン・ファミリーに任せるとして、 とりあえず勇者軍主力部隊は、ザン共和王国の大離島にある 離島都市、雪の降るチルド・シティへと到着するに至った。 なお、ここからはコンラッドも本格的に同行する事になり、 更に戦力を結集した勇者軍主力部隊は、 一つの節目を迎えようとしていた。 <第十四章-第三幕-へと続く>
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登録日:2020/07/18 Sat 21 40 00 更新日:2024/03/14 Thu 20 04 06NEW! 所要時間:約 9 分で読めます ▽タグ一覧 70年代テレビアニメ NETテレビ おれは洸だ アニメ オカルト ゴッドバード ゴッドバードアタック ゴッドボイス サッカー部 サンライズ スパロボ スパロボ参戦作 テレビ朝日 ムー大陸 ライディーン ラライラーイライララーイ ロボット ロボットアニメ ロボットガールズZ 何故かなかなか立たなかった項目 勇者 勇者シリーズ←ではない 勇者ライディーン 妖魔帝国 富野由悠季 旧世紀エヴァンゲリオン 東北新社 歌いなさい 長浜ロマンロボ第0作 長浜忠夫 眩しい空を 輝く海を 渡せるもんか 悪魔の手には 『勇者ライディーン』とは、1975年にNET(現:テレビ朝日)系列で放送されたテレビアニメである。 企画は東北新社、アニメーション制作は創映社(現:サンライズ)。 ▲概要 岸本吉功や山浦栄二ら元虫プロスタッフが知己の東北新社の出資を得て立ち上げたアニメーション製作会社「創映社」初のロボットアニメでもある。 企画に当たっては東映の『マジンガーZ』を強く意識し、同時に差別化のため当時としては珍しい「オカルト・神秘性」をテーマに扱った。 またロボットアニメとしては初めて「変形」という要素を取り入れており、これは『仮面ライダー』を参考に「機械的な強さだけではない超人性」という二面性あるキャラクターをロボットに持たせる意図があったとか。 ただし、オカルト要素に関してはNETの親会社である朝日新聞社が否定的だったこともあり、放送中に現場やスポンサーなどを巻き込んでのいらぬトラブルや対立が巻き起こることになってしまった。 このいざこざで富野喜幸氏は総監督を降板されてしまったが、その後新たに総監督に就任したのが後に『コン・バトラーV』『ボルテスV』『ダイモス』などの名作を生み出した長浜忠夫氏である。 なお、長浜氏は富野氏の技量を高く評価しており、彼が監督を降板させられてしまうことを最後まで惜しんでいたという。 タイトルに「勇者」とあって制作会社も現サンライズであるが勇者シリーズとは無関係である。 ライディーンの版権を持ってるのは東北新社だしスポンサーはバンダイ傘下のポピーだし。 ▲あらすじ 1万2千年前にムー大陸の帝王ラ・ムーにより封印されていた悪の帝国、妖魔帝国が現代に復活。「悪魔の時代の完成」を目指し活動を開始する。 考古学者の祖父と父を持つ快活な少年ひびき洸は謎の声に導かれ、古代ムー帝国が残した巨大ロボットライディーンに搭乗。 妖魔帝国の魔の手から世界を守るため、そして囚われた家族を救うため戦うことを決意したのであった。 今、神の力と悪魔の力がぶつかる! 負けるな僕らのライディーン!! ▲登場人物 ☆ムトロポリス ひびき洸(あきら) CV 神谷明 主人公にしてライディーンのパイロット。15歳の中学3年生。じゃあバイク乗れねえじゃん 考古学者の父・一郎とムー帝国の血を引く母・玲子を持つ。 サッカー部のキャプテンも務める熱血な2枚目美少年だが、天然ボケな一面も。 桜野マリ CV 高坂真琴→芝田清子 ヒロイン。サッカー部のマネージャーで、洸とは相思相愛で、彼が麗と接近していると嫉妬する一面も。 後に自身もコープランダー隊して洸のサポートに回る。 父親である東山博士と名字が違うことが時折あれこれと憶測を呼んだこともあったが、DVD-BOX特典の資料集に博士とは養子関係と記述されて長年の謎に決着がついた。 神宮寺力 CV 井上真樹夫 コープランダー隊に所属するブルーガーのパイロット。通称「ミスター」。孤高でクールな性格だが、実際は洸同様熱血感で無鉄砲な一面も持つ。 ネタバレ 終盤圧倒的な強さでライディーンを追い詰める大魔獣バラゴーンを倒すため、大量のミサイルを搭載したブルーガーでバラゴーンの体内に突撃。 命と引き替えに逆転のきっかけを作った。 荒磯ダン CV 山下啓介 洸の親友でサッカー部の副キャプテンを務める大柄な少年。後にスクラップロボボインダーを作り、ライディーンのサポートに回る。 明日香麗 CV 江川菜子 霊感持ちの超能力少女。元暴走族で元シスターという多くの属性持ちなんともややこしい過去を持つ。 マリからは恋敵として見られていたものの、当の麗自身は洸を恋愛対象としては見ておらず、あくまでも仲の良い友達止まりだった。 実は冷凍睡眠から遅れて目覚めた洸の伯母という設定があった(*1)が、本編ではボツになっている。 猿丸太郎 CV 西川幾雄 ムトロポリス所属の天才少年。通称「大先生」。ライディーンを解析して強化のための封印を見つけ出したり、スクラップからボインダーを作り上げたり等、要所要所で活躍している。 ひびき玲子 CV 日比野美佐子 洸の母。正体は1万2千年前のムー帝国の王ラ・ムーの娘レムリア。バラオ復活を予見していたラ・ムーにより冷凍睡眠装置で現代まで眠っていた。 現在は行方不明となっているが、実際にはラ・ムーの星を探すための放浪の旅に出ていた。 ☆妖魔帝国 プリンス・シャーキン CV 市川治 妖魔帝国の悪魔王バラオに仕える悪魔人の王子。 「普段は仮面を付けているがその下は美形」という後の作品にもよく見られる美形悪役キャラクターの元祖。洸のライバル的存在となる。 実はラ・ムーの血を引いている(具体的な血縁関係は不明)のだが、それを知ること無くライディーンと戦い、一騎打ちの末敗北。 最後は妖魔帝国を称えつつ自ら切腹して果てた。 最後まで悪役ではあったものの、洸からは「もし味方だったなら」とその死を悼ばれた。 漫画『ゴッドバード』では 映像作品では描かれなかったラ・ムーとの関係、並びに妖魔帝国に心を売ったその経緯などが具体的に描写された。 シャーキンは元々ラ・ムーの妾の子供の一人であり、洸の母親である玲子=レムリアとは異母兄弟であったが、 溺愛する実弟アズナル(名前の由来はこの人)を皇帝にするためバラオに魂を売って悪魔人となったと、その出自が補完されている。 妖魔帝国の滅亡からから35年後、バラオらと共に復活を果たし、黒いカラーをした「月のライディーン」を駆ってスーパーロボット軍団と敵対するが、 主人公・囀晶がアズナルの実娘にして自身の姪であるという事実を紆余曲折を経て知ってしまい…… 祭官ベロスタン CV 肝付兼太 妖魔帝国の祭祀長。化石獣復活を担当している。 「い~の~ち~さ~ず~け~よ~」 豪雷巨烈 CV 加藤精三 復活したバラオがヒマラヤから蘇らせた側近。狡猾な頭脳派で、弟とは後継者を巡って争っていることもあり仲は悪い。 しかし激怒巨烈がライディーンに敗れた際には仇討ちに燃えるなど、なんやかんやで憎からず思っていた模様。 最期は自らを巨烈獣バンガーに変貌させムー遺跡での決戦に臨み、残る巨烈獣を総動員した大攻勢の果てにライディーンをあと一歩のところまで追い詰めるも 唯一の弱点であった目を射抜かれた隙に起死回生のゴッドバードを被弾。ラ・ムーの星を目前に無念の死を遂げた。 激怒巨烈 CV 飯塚昭三 復活したバラオがゴビ砂漠から蘇らせた側近。好戦的な肉体派で、兄とは仲が悪く互いの足を引っ張り合うことすらあった。 ちなみに巨烈獣の出撃前の決闘の対戦成績は激怒巨烈の方が多かったりする(*2)。 兄への妨害や無断出撃を度々やらかしてバラオから苛烈な制裁を受けたことも。 なお、そういったやらかしの一つが、後に『ラーゼフォン』屈指の鬱回「ブルーフレンド」の原案となった巨烈獣マダンガーにまつわる一件である。 妖魔大帝バラオ CV 滝口順平 妖魔帝国の帝王。当初はバラオ像に封印されており、ベロスタンの呪文に呼応して化石獣を産みだしているだけだった。 後にシャーキンの死とベロスタンの最後の祈りを受け復活。 敵拠点である妖魔島そのものでもあり、胸から上だけで180m、異形の下半身を含めれば全長800mという巨体の持ち主。 ▲巨大戦力 フェード、フェード…フェード……! んんん……はぁぁぁぁぁっ!! ライディィィィン! フェェェーーード・イン!! ラァァァイディィィィィン!! ○ライディーン 1万2千年前に古代ムー帝国で作り上げられた巨大ロボット。 普段は人面岩の内部に格納されており、洸が搭乗(フェード・イン)することで、彼の念動力がキーとなって稼働する。身長52m、体重350トン。軽いな。 動力は神秘のエネルギームートロン。洸とは命を共有しており、ライディーンが破壊されると洸も死んでしまう(逆に言えばライディーンが復活すれば洸も蘇生する)。 フェード・インする際には頭部分から入り込み、そこから内部シャフトを降りてコックピット(人間の心臓部分)まで降下させる。 ちなみに飛び込む前に乗り捨てたスパーカー(バイク)はしっかり格納してくれる親切仕様。 様々な武装を内蔵しており、一部封印されていた武器も存在する。ちなみに人間が作った武器を後付けで内蔵することは不可能(*3)。 モチーフはツタンカーメンのマスクとベルボトムのジーンズ。 外見が日本の侍の鎧兜に似ているのは、マジンガーZが西洋の鎧に似ているから「なら和風だ!」という発想らしい。 名前の由来は、江戸時代に圧倒的な巨体で活躍し伝説となった実在の力士「雷電為衛門(らいでんためえもん)」から。 玩具展開では通常版のほか、1977年にDX超合金よりリリースされたブラックバージョン(通称:ブラックライディーン)の存在がマニアの間では有名であり、 所謂玩具展開における色替えアナザーバージョンの始祖とも言われている。 漫画『ゴッドバード』では、このブラックバージョンをモチーフにした、黒いカラーリングの月のライディーン(*4)が作中に登場している。 ☆主な武装 ゴッドミサイル 腹部に格納されているミサイル。 ゴッドゴーガン 左腕を弓の形状に変形させ、背中から出した矢を放つ。封印解除後は剣のように使う「ゴーガンソード」にもなる。 射出時に矢へエネルギー場を纏わせる際の効果音が大変にファンシーだと一部で評判。 ゴッドブロック 右腕のプレートを円形に変形させて盾にする。封印解除後は高速回転して防御力を上げる「ゴッドブロック・ビッグスピン」にもなる。 ゴッドブーメラン 右腕のプレートを三日月型に変形させ投擲する。封印解除後はブースターで射出される「ジェットブーメラン」にもなる。 ゴッドブレイカー 右腕のプレートから刃を伸ばし剣として使用する。封印解除後はエネルギーの刃を発生させることも可能となった。 念動光線ゴッドアルファ 全身からエネルギー光線を放つ。初期は洸の体力を大きく消耗させていたが、後に克服した模様。 ゴッドバード 鳥を模した飛行形態へと変形する。この状態で敵に突撃・粉砕する「ゴッドバードアタック」がライディーンの必殺技。 封印解除後は頭部を分離させて射出する「ヘッドカッター」も使用可能になった。 ちなみに分離した胴体は新たに巨大な刃を展開して突撃する。 ゴッドボイス 封印されていた強化武器の一つで、ライディーンの最強技。胸から強烈な超音波を放ち、あらゆる物体を粉砕する。洸の体力も大きく消耗する諸刃の剣。 真の威力を発揮させるには「ゴッド・ラ・ムー」と叫ばねばならず、普通に使った場合はガラスすら破壊できない。 実は完全無欠の破壊兵器というわけではなく、一部の巨烈獣に凌がれてしまったこともある(*5)。 ちなみに番組冒頭で提示されたライディーンの図解に「ゴッドボイスの機構が存在してない」のは一部で有名な話。 この矛盾は漫画『ゴッドバード』にて上手く伏線回収されている。 ラ・ムーの星 ライディーンのエネルギー源であるムートロンの増幅装置であり、海底に眠るムー遺跡の中枢部分。 その増幅能力たるや尋常ではなく、全長52mのライディーンを300m近くの巨体に変貌させ(*6)、バラオとの最終決戦に重要な役割を果たした。 しかし能力の発動には大量の念動力を注ぎ込む必要があり、単身での起動を図ったレムリアは我が子の前でその命を散らしてしまう。 ○ブルーガー コープランダー隊の重戦闘機で、ライディーンの支援を行う。上部には分離して単独行動できる小型戦闘機「スピットファイター」が格納されている。 スパロボあるあるだが、原作では補給装置や修理装置にあたるような描写は無い。 ○ボインダー ダン率いるサッカー部の部員達が操縦するガラクタメカ。設計・開発したのは猿丸。 ボスボロット的なムードメーカーで、基本役立たずだがたまに予期せぬ大活躍をすることも。 名前の由来は胸部に仕込んだバネ仕掛けのパンチンググラブ二基から連想されるもの。可愛さやエロさの欠片も無い外観だけど 動力は石炭。そのため劇中では燃料切れを起こした際に服を脱いで炉にくべて動かしているシーンもある。※マリもしっかり剥ぎ取られました ○ドローメ 集団で出てくるタコクラゲのような外見の下級の妖魔獣。もっぱらブルーガーのメインの相手orライディーンの前哨戦役。 殆どのスパロボ作品では気力上げのエサとして認識されているような雑魚で、フォルムも特徴的なためライディーンの敵キャラと言えばドローメかガンテかと言うほど有名だが、 一部では、ライディーンの準最強の必殺技である「ゴッドバードでドローメが落ちないほど硬い」と別な意味でも有名だったりする。 というのも、その作品では全体的に火力が低めであることと、ライディーンはむしろ便利な機体であり、強化改造も良い意味で後回しにされがちなため、この様な事態が起こりやすかった。 ぶっちゃけ、ゴッドバードで落ちない=他の機体でも落とすのに難儀するほど硬いというだけなのだが。ドローメごときで全体がそれってなおさら異常じゃねぇか!と言われるとぐうの音も出ない ○化石獣 前半における妖魔帝国の主戦力。ベロスタンが儀式を行なって隆起した岩塊を素体とし、バラオ像から放たれた怪光線によって活動する。 生物的な物や機械的な物など外観も様々で、ライディーンそっくりのギルディーンなども存在する。 ○巨烈獣 後半の主戦力で、豪雷巨烈&激怒巨烈が作り出す戦闘兵器。 化石獣と比べものにならない巨大な力を持っており、一度はライディーンと洸を死に追いやっている(*7)。 初期の頃はそれぞれの巨烈獣を対決させ、勝った方がライディーンと戦っていた。後にバラオの手でそれぞれの巨烈獣を合体させた「合体獣」も現れるようになった。 漫画『ゴッドバード』では巨烈獣同士を戦わせるデモンストレーションは「負けた方の魂をバラオに捧げる儀式」として解釈されている。 ▲関連作品 ここまで何度も触れている漫画『ゴッドバード』は、現実の年代(当時2010年)に合わせて本作の35年後を舞台とした作品で、時を超えた洸らやライディーンも登場する。 多くのロボット漫画を手掛けた長谷川裕一による作品で、過去作である長浜ロマンロボ3作のクロス作品『超電磁大戦ビクトリーファイブ』の続編も兼ねていることでこの3作とさらには『ダルタニアス』が出演するというちょっとしたスパロボと化していた。 『超者ライディーン』『REIDEEN』は本作を元に作られたアニメだが、いずれもストーリー的なつながりは全く無く、ほぼ名前だけと言ってよい。 この内『REIDEEN』は、2014年に『勇者ライディーン』とコラボしたパチスロ作品として『CRダブルライディーン』が発表されている。 『ラーゼフォン』は本作をオマージュしたと明言されているアニメだが、あくまでリスペクト程度で極端に似通っているわけではない。エヴァっぽい印象の方が強い。 『僕のライディーン』というタイトルの漫画もあるが、これは本当に無関係。 ▲外部作出演 スーパーロボット大戦シリーズには『第3次スーパーロボット大戦』に初参戦。その後も合計14作品に参戦している。ただし近年はご無沙汰でソシャゲの『DD』が久しぶりのまともな参戦。 参戦当初は「悪魔帝国」と誤植されるわ、とりあえずシャーキン倒したら全く再現されなくなるわ、ゴッドボイスを10回以上使うと最終決戦に参加できないわと散々な扱いだった。 ゴッドバードを放つとき、「照準セット!」と叫んでいるにもかかわらずそれでも外すのを覚えている人も多いだろう(*8)。 その後は徐々にオリジナル系含めた他作品とのクロスオーバー方面で存在感を発揮し始め、 「念動力」がオリジナル系の根幹設定に採用され、ライディーン自身の意識とリンクを図って宇宙怪獣の情報を入手しようとする大実験(*9)が行われたり(αシリーズ)、 12000年前にムーを襲撃した者達が妖魔帝国ではなく外宇宙の侵略者(IMPACT)という設定になったりとファンタジー寄り設定を活かした作劇がされていく。 中でも一番印象的なのは『MX』における立ち回りだろう。原作終了後扱いではあるが、同時参戦の関連作『ラーゼフォン』との絡みを軸としており、 原作終了後である事を逆手にとってラ・ムーの星の存在を重要アイテムとして起用。「制御方法が確立されている無限力」として地球内外を問わない様々な勢力がこれを狙っており、終盤は実質ラ・ムーの星を巡る争いでもある…という厚遇ぶり。 『ラーゼフォン』も本筋の中核を担うポジションになっているため、そこと密接な立場である洸とライディーンも当然存在感を示す。 特に美嶋玲香(『ラーゼフォン』の重要人物)がライディーンに声を掛ける完全オリジナルのボイス付イベントは多くのファンを驚かせた。 「いつか、地に永遠(とわ)の光を与えるために…」 『MX』設定ではラーゼフォンともども古代ムー帝国で建造された存在だったが、ラーゼフォンはバーベム卿(*10)が自身の目指す「世界の調律」のためにあらぬ方向へと作り替えられていき、結果バーベムの追放とともに破棄されてライディーンは単身でムーの外敵と戦う羽目になった。 いわばラーゼフォンとライディーンは生き別れた兄弟のようなもので、ラーゼフォンの魂というべき存在の玲香がライディーンと洸に度々接触を取ろうとするのはこのため(*11)。 玲香…ラーゼフォンの願いはライディーンによって調律を「停止」させること。 調律とは大まかに説明すると世界を一度解体して純粋なリソースに戻し、そこから新世界の創造を再開する行い。 バーベムは2体の真聖ラーゼフォンを並び立たせ互いを破壊しあうことでこれを完遂しようとしていた(*12)。 『ラーゼフォン』の原作ではアニメ・映画ともども調律を止めること自体は出来ず、 綾人が調律に干渉して穏便な形で新世界創造を行うという決着を迎えていたが(*13)、 『MX』の世界状況では創造の前の破壊を行った時点で隣接する並行世界にリソースを吸収されかねない状態であり、調律自体を停止させなければならなかった。 そしてついに迎えた最終局面。黒い月とリリスの降臨、並び立つ2体の真聖ラーゼフォンという人類史終焉の瀬戸際でついにラ・ムーの星が発動。 真の力を解き放つライディーンは綾人と並びたち、調律の歌にゴッドボイス…ライディーンの歌を重ねていく(*14)。 大いなる二重唱が終わった時、調律は停止した。 世界を変える神の歌に人々を守る勇者の歌が加わり、今の世界を守る歌に変わった瞬間であった… 調律と補完が停止し、ゼーレが残した最後の悪意を退けたMX一行を後に、ラーゼフォンは単身並行世界の維持管理を担うべく世界の壁の向こうへ去っていく。 調律のために生み出された宿命として、「人々と共に歩む」事が許されないラーゼフォンは人と共に歩む「勇者」に何を思ったのだろうか… 『ロボットガールズZ ONLINE』では、東映が一切関わっていないにもかかわらず擬人化キャラ「ライディ」として期間限定で登場(敵も一部登場)。 やはり長浜ロマンロボ第0作だからであろうか。 ▲その他パロディ・オマージュ 音楽グループ・YMOの代表曲『RYDEEN』は、本作に因んで名づけられたもの。スペルが違うが(*15)、これは商標に引っ掛かることを防ぐため。元々為衛門に因んで「雷電」と名付けた曲だったが(*16)、『勇者ライディーン』の評判が(当時彼らが活動拠点にしていた)アメリカにも伝わってきたことを受けて、急遽このタイトルにしたそうである。 『機動戦士ガンダム』42話では、モブとしてダイターン3と共に地球連邦軍のジム軍団に交じって登場している。 『新世紀エヴァンゲリオン』に登場するヒロインの名前はライディーンのキャラに因んでいるという説がある(「あすか・れい」、「さくらの・まり」)。だから『スパロボMX』であんなに絡んだのだろうか? なぜだろう なぜだろう 心が燃える 追記しろと 修正しろと 誰かが叫ぶ 書くぞライディーン 待っているwikiが ライライライライラーイ おれは洸だ きみの仲間だ △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ちなみに東宝チャンピオンまつりで唯一上映された巨大ロボットアニメでもある -- 名無しさん (2020-07-18 21 54 16) OPがクレヨンしんちゃんでパロディされたことでも有名。個人的にはその印象の方が強い -- 名無しさん (2020-07-18 22 06 41) スパロボやってると、普段は割と高めの声で喋る洸が唐突にドスの利いた声で「ゴォォッドぉ↓…」とか喋り出すので笑ってしまいそうになるが、アレはそれぞれ『洸としての声』『ライディーンとしての声』という設定なんだっけ? -- 名無しさん (2020-07-18 22 07 35) 東映アニメーション&永井豪作品でないけど此れやコンバトラーV以降の東映ロボットアニメもインフィニティー風のアレンジを加えた物が有っても良いのでは! -- 名無しさん (2020-07-19 12 51 44) 主役ロボの武装がシステマチックでいかす -- 名無しさん (2020-07-19 18 33 56) 勇者が覚える呪文のライデインとか餓狼伝説の楽曲の勇者雷電あたりもパロディ? -- 名無しさん (2020-07-19 19 09 39) もう慣れたけど初めてゴーガンのSE聞いた時は魔法少女モノかと思ったわ。 -- 名無しさん (2020-07-20 12 41 42) パチでRYDEENと一緒にwライディーンで作られたな、クオリティは高い -- 名無しさん (2020-07-20 13 25 13) ボインダーってこの項目見て初めて知ったんだけどスパロボ出演は1回も無いの? -- 名無しさん (2020-07-20 14 07 58) ↑ 無いねー GBA~DS頃の携帯機スパロボにはそういうレアなキャラも参戦してたんだけど、ライディーンはWSにしか出てなかったし… -- 名無しさん (2020-07-20 14 57 37) ↑携帯機はボイス無しだから出てるかとも思ったが残念だな。とはいえブルーガーの扱いも良い方で、ミスター・マリ・麗も優秀だから追加でボインダー出したところでアイデンティティ無さそうだから仕方ないか。 -- 名無しさん (2020-07-20 15 52 49) FFVIの召喚獣ライディーンの元ネタもこの作品だろうか -- 名無しさん (2020-07-21 00 28 12) 同時攻撃システムのあるMXで洸のゴッドボイスと真聖綾人の調律の歌の同時攻撃はマイクのエコーが凄まじくカオス -- 名無しさん (2020-07-21 18 00 56) 一部のスパロボでは洸が念動力の技能を持つため、サイズLのライディーンでもザコの攻撃をあっさり回避できたりする -- 名無しさん (2021-04-11 19 44 08) 電気グルーヴが「YMOの『RYDEEN』に因んで『ガンダム』というアルバムタイトルにしよう」と考えていたものの、著作権上の問題で使用許可が下りず『KARATEKA』というタイトルに落ち着いた……という逸話があるそうな -- 名無しさん (2021-04-11 20 44 46) 鉄人28号、アストロガンガー、マジンガー系、ゲッターロボ系に続く五番目の巨大ロボットフォーマットなわけで、後年のリメイクやあやかり作品の多さも頷けるというもの -- 名無しさん (2022-05-11 13 22 07) スパロボZシリーズには出てくれなかったな…真マジンガーやアクエリオンとクロスオーバーできそうだったのに -- 名無しさん (2023-07-09 17 51 08) 祝、スパロボDDにて復活 -- 名無しさん (2023-09-10 16 43 40) 実はスパロボでの第一話の再現はDDが初という -- 名無しさん (2023-09-10 17 19 40) ↑11 そもそもの荒磯やレッド団が未登場だしね(新スパロボで予定はあったのかグラフィックが残ってたみたいだが) -- 名無しさん (2023-09-10 17 37 06) エヴァのヒロインと名前が一緒なのは、アスカとレイについては偶然だったのだけど、庵野監督は友人でライディーンファンの出淵裕氏に元ネタじゃないんだ、とガッカリされたのが心残りだったそうで、新劇場版で新たにヒロインを増やすことになって今度はちゃんとライディーンから取ってマリにした、と「破」の全記録全集のインタビューにある。 -- 名無しさん (2023-09-10 20 10 43) ↑てことは「鈴原サクラ」も「さくらの・まり」から来てるのか -- 名無しさん (2024-03-14 11 26 15) 名前 コメント
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第七章-第一幕- 地下特訓 第七章-第一幕-その1 第七章-第二幕- 勇者軍主力部隊はアイリーン・マフィアの好意で、 地下施設による特訓を開始するべく、地下通路へと入った。 「オリハルコニウムセラミカルチタンゲート、開放!」 ケヴィンの声と共に地下通路へのゲートが開放されると、 暗く、狭い通路が出てきた。 「あの……すみません、いいですか?」 といきなり挙手したのはライナスであった。 ケヴィンが怪訝な顔をする。 「どうした、ライナス?」 「もうちょっと広くなりませんかね、これ。 ちょっと事情があって、狭い場所は苦手なもので……」 「それならこうしよう。隔壁オープン!」 すると、壁という壁の大半以上が地下へと沈んでいく。 どうやら制御できるように作られているらしい。 「助かります。お恥ずかしい話ですが、小さい頃、悪戯が過ぎて よく母に閉じ込められてからというものの、 どうも狭い場所は苦手で」 と、ライナスは苦笑する。 「母親、か。やはりロゼッタなのか?」 「はい?」 「いや、いい。聞かなかった事にしてくれ」 「はあ……母がロゼッタなのは間違いないからいいんですけど」 ケヴィンが懸念したのは、ジーニアス家の血統を継いだこの男が、 あるいは祖父ユリシーズ=ジーニアスの クローンではないか、という点だった。 母であるはずのロゼッタはあまり恋愛に 興味がありそうでもなかったし、 そもそも消息を基本的に絶っていたので、いまいち真実が見えない。 勇者軍軍規によれば、子孫が残せない場合は、 クローン培養もやむなし、というのが勇者軍の基本方針故に、 ケヴィンが疑うのも無理からぬ話ではあった。 自分が妻と結ばれ、メイベルを儲けたのも、すべからく僥倖である。 その事を嫌という程ケヴィンは理解しているのだ。 現総帥エリシャ=ストレンジャーの実弟であるが故に。 「さあ、特訓を開始しようぜ、何する!?」 やたら張り切っているコンラッドだったが、リゼルは冷静だった。 「では、午前中は各自、新必殺技…… というよりは奥技の訓練をしましょう。 で、午後からは基本的に乱戦による訓練が必要かと思います」 (乱戦の訓練?) ジルベルトがまったく理解できておらず、 大福を抱きながら首をかしげる。 その姿に無駄に愛嬌があったりするが、緊張感はいまいち無い。 「はい、隊長。スプレッダー幼生体や成体はともかく、 僕の乏しい経験から言うと、ウィルスユーザーズとの戦いでは 大半以上が乱戦になると思います。そこで多くの敵に包囲されても 適切に対処出来るように、乱戦の訓練をするんです」 「おー」 と、ソニアも拍手する。 「ですから具体的にアイディアは二つあります。 文字通りバトルロイヤル的に 味方も敵も識別を無くしてから模擬戦闘を行う、もしくは……」 「チームを二つに分けて対抗戦、というところか」 「ジークさん、ご名答です。これも実戦的と言えるでしょう。 判断は……そうですね、レイリアさんに委ねてみましょう」 「あたし?」 突然名指しされてレイリアがびっくりする。しかし彼女は冷静だった。 「うーん、そうだね。あたしだったら前者かな。乱戦っぽいし」 しかしそれに異を挟んだのはエイリアだった。小芝居も忘れない。 「いやちょっと待ってよ。それは確かに正論かもしれないけれど、 勇者軍はあくまで集団戦闘を是とする団体なのよ? 乱戦と言っても、そこまで統制を失うのは危険だわ」 「何をー! 妹のくせに生意気ー!!」 「姉さんこそ私情で軍の行動を決めないで!」 きー、きーと喚きながら喧嘩が始まると、リゼルは遠くで笑っていた。 「あはは、収拾が付かなくなっちゃいましたね」 「笑ってる場合かッ!?」 即座にテディのツッコミが入る。 「というわけなので予想通り収拾が付かなそうなので、 メイベルさん、どうぞ」 と、リゼルの無茶振りがメイベルに飛ぶ。 「わ……たしですか?」 コンラッドの陰に隠れてしまったメイベルではあったが、 一応考えてはいたのか一分後、きっちりと答えを出してきた。 「私はチームを分ける方がいい……と……思います……」 それだけ言うと、今度は恥ずかしそうにシエルの陰に隠れた。 「……だそうだけど?」 と半眼でシエルが言ったので、 レイリアとエイリアの喧嘩は止まった。 「仕方ないね。どうせ隊長もそうなんでしょ?」 「さもありなん、だな」 エイリアは早速化けの皮が剥がれているが、 ジルベルトは特に気にする事もなく、頷いた。 それから五日間もの間、猛訓練は続いた。 午前中には予定通り奥技の訓練、午後はチームを分けての訓練。 ただしバトルロイヤル案との折衷のため、チームは三つとなった。 チーム・A(アルファ)にジルベルト、ユイナ姫、レイリア、ソニア。 チーム・B(ブラボー)にライナス、エイリア、コンラッド、メイベル。 チーム・C(チャーリー)にテディ、リゼル、シエル、ジーク。 午前中の特訓が終わった後、昼食の席にて、ジルベルトは 自らの手製によるお弁当を広げた。 (ソニアさん、食べて) と、ソニアに差し出してやる。 「えっ、いいの!? 私に?」 (前、食べたいって言ったの) その中身は、ソニアの大好きなハンバーグだった。 「嬉しい……ありがとう!」 ぱくり、と一口。 母親の味のようだ。見事と認めるほかない。 ソニア自身も料理はそれなりにこなすが、この味は格別だ。 「おいしい……!」 それを聞いたときのジルベルトの笑顔の何と輝かしい事か。 しかしユイナ姫も黙ってはいなかった。 彼女も料理は比較的上手な方だ。 アーム王家には珍しいことではあるが。 「ジル君、お弁当作ったの、食べて」 おいしそうな匂いにつられて、ジルベルトはそちらへと向かう。 色香より食欲。実にシンプルな男であった。 (おいしぃー) 「うふふ」 それをにこやかに眺めるユイナ姫だったが、 ソニアは内心面白くなかった。大事な人を取られた気分だ。 「やるわね、ユイナ姫……負けないわよ……あ、やっぱおいしい」 とジルベルト作の弁当をパクつきながら呟くソニアであった。 午後からの特訓は苛烈を極めた。 乱戦では騎兵の能力がフル活用される。ユイナ姫が大暴れし、 チームBは非常に大混乱した。 かと思えばリゼルの広範囲魔法が場を撹乱し、 ライナスの駿足が更に訓練場を混乱させる。 メインメンバーが一人しかおらず、しかも鈍足メンバーが多い チームCは非常にいい面の皮という他ない。 しかしチームCには回復要員のシエルがいる。 彼女がやたらと回復呪文を乱発するせいで、 タフさ加減では随一のものがあるチームCは、次第に 体力面で劣るチームAを圧倒する一面もあった。 しかし、一番の被害者は間違いなくメイベルだろう。 図抜けた鈍重さのせいでよく袋叩きに遭うわ、 状況によっては味方に盾扱いされているのだから。 「でぇいッ!」 銃を乱射するレイリア(もちろん訓練弾)の銃弾が、ライナスを襲う。 ライナスはメイベルの陰に隠れて、彼女を盾代わりに使う。 「甘い! 秘技、メイベルシールド!」 「ひぇッ!?」 全弾浴びるが、メイベルの真紅のアーマーはほとんど無傷だ。 ライナスは怯えまくりのメイベルからすぐに離れるが、 更に鈍重なメイベルへとソニア、ジークがそれぞれ襲い掛かる。 ごん! がきん! ばこん! どがっ! 鉄拳と斧の乱舞がメイベルへとことごとく叩き込まれる。 メイベルは中でふるふる震えているが、まったく効いていない。 しまいには殴り疲れて二人とも肩で息をするほどだ。 呼吸を整えた二人は、メイベルを無視してお互いを攻撃し始めた。 だがメイベルに安息の暇は無かった。続けてユイナ姫と テディによる乱闘に巻き込まれたのだ。 槍が、槌がメイベルへと叩き込まれる。凄まじい技の冴えだった。 それがメイベルの恐怖心を一層刺激し、そして彼女は――キレた。 「ふぇぇん!」 泣きながらブースターを一閃、 続けてアフターバーナーまで吹かして再加速。 がごっ!! がらがらがらがらずざざーッ!! 「ふがッ!」 (メイベル!?) 「きゃあぁッ!!」 自重の五倍は軽くあるアーマーによる超高速突撃は、 予想だにしない方向からの攻撃(?)に慌てるしかなかった コンラッド(味方)、ジルベルト(敵だけど親類)、 シエル(敵だけど親類)を、まとめて薙ぎ倒し、 大きく転倒する結果となったのだった。 それを呆然と見ていた監督役のグスタフだったが、 なんとなく呟いてみた。 「ふむ。アフターバーナーを使いこなしたか。 少々大胆に過ぎるが、奥技と捉えられなくもないな」 「ふぇぇん……えぇぇん……」 と。その一言で、奥技体得者一番乗りは、 意外にもメイベルとなった。それは特注アーマーの性能を 最大限に引き出したのに等しかったのだ。 まあ当の本人は恐怖に耐え切れず完全に泣いてはいたが。 あまりにもグダグダになったので、その日の訓練はそこまでとなった。 ズタボロに傷付いたジルベルト、シエル、コンラッドを残して。 その後、更に特訓は十日間にも及び、 合計にして半月近くを特訓に費やす 勇者軍主力部隊。その間に主だったスプレッダー幼生体は 各国連合軍、そしてウィルスユーザーズの手によって あらかた駆逐されつつあったが、本人達はそれを知る由も無かった。 時は大きく動き、十日後から再び始まろうとしていた―― <第七章-第二幕- へと続く>
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第三十章-第一幕- 質の脅威、量の恐怖 第二十九章-第三幕- 第三十章-第二幕- ストレンジャー・タウン近郊のサイレン砂丘にて、 兵器をやたらとばら撒き、一定以上の領域を確保した 生命連合は、勇者軍を筆頭に、魔神軍や他種族の者が出撃、 後詰めの増援として、更に神族、亜人族が控える中、 いよいよ白兵戦を始めようとしていた。 「さあ、攻撃開始ね」 武器を構えて、いくらか敵を蹴散らすイノ。 「隊長に続くぞ! 総員、攻撃!!」 レイビーの指示で、魔神軍全員が各々に攻撃を開始する。 態勢を崩した味方をかばいつつ、極限まで損害を抑える戦法だ。 「おわ、先に手ぇ出しやがった! ちきしょう、負けてられねぇ!」 ロバートも負けじとエネミーイーターの呪縛をマリーの手で解き放ち、 一度力で捻じ伏せて、また強引に屈服させる。 「うっしゃ、行け、エネミーイーター!」 反逆暴牙剣エネミーイーターはイグジスターを取り込んだ剣だ。 なので、その特性を利用し、イグジスターを逆に捕食出来る。 まさにこの作戦にうってつけの剣だと言って良い。 「さて、フォローを開始するとするか」 「ふん、妖精族の同胞を丸呑みした借りは返させてもらう」 怪物王ドラキュラと妖精王ヴァルキリーが指示を出す。 怪物族、精霊族、妖精族も各々に攻撃を開始した。 ただし精霊族のみは直接攻撃をやや不得手とするため、 属性強化などで他の種族の補助にかかっている。 「さあ、晩餐の始まりだ。気が済むまで喰らい尽くせい!」 「いただきます!」 何故か無駄に行儀良く手を合わせてから、 魔王サタンの指示で魔族一同がイグジスターを追い回し、 逃げ惑うのを構いもせずに片端から食いまくる。 「ふん、皆、やはり腹を空かせてから来たようだな。 良い食いっぷりだ。では、我もいただくとしよう」 魔王自身も余程腹を空かしていたらしく、 イグジスターを一番多く貪り食らっていた。 「生け造りに出来ないものかな? 味が単調だ」 「知るか、そんな事!?」 ある魔族のぼやきに、ローザがツッコミを入れていたりする。 まあ『わざわざ』ローザに訊く辺り、確かに始末が悪いが。 ライブチャージャーを小出しにしながらでは、そんな余裕は無い。 「よし、兵器群も順調に稼動しているね。 では、イグジスターの侵入を防ごう。 各艦、帰りのエネルギーを残して再度、任意に全力疾走。 人の少ないところだけ見繕ってイグジスターを轢き潰そう!」 「了解!」 艦体の指揮を任せられたカイトの指示で、ローラー戦艦が また巨大ローラーで疾走し、イグジスターを潰していく。 「ブルー・ワイズマン。聞こえるかい?」 『はっ!』 「手数はいくらあってもいい。例の温存兵器を試そう」 『座標修正は!?』 「僕が任意でやる。アンリ姫も協力を頼むよ」 「分かったのじゃ! ミーム!!」 「みー」 アンリ姫の持つ怪球ミームの力で戦術思考共有が実現する。 これで射撃兵器や布陣、援護の精度は極めて上昇する。 『全弾、スタンバイOK! いつでもいけます!』 「コール・クラスターミサイル!!」 カイトの指揮で、拡散弾頭を搭載した特殊ミサイルが 戦場に叩き込まれる。最終軌道修正はカイト自らが行う。 「インパクト!」 ずばぁぁぁぁぁぁぁぁぁん! 拡散弾頭が該当範囲のイグジスターに降り注ぐ死をもたらす。 「エネルギー残量、あまり余裕がありません!」 オペレータが警告してくる。 「イグジスターの侵入は避けよう……一旦浮上! まだ爆雷ぐらいなら残っているはず。それで支援だ!」 「浮上、開始! 爆雷投下準備!」 多くのイグジスターが群がってくるが、それを無視して浮上する。 「よっし、わらわも行くのじゃ!」 「参りましょう、姫」 アイゼンカグラと共にアンリ姫も浮上中の船から飛び出し、 即座に勇者軍主力部隊に合流する。 「うにゃーっ!」 「きゃん、きゃん!」 唯一愛玩動物として参戦しているポメとクロも大奮闘中だ。 互いをライバル視して奮起しているようにも見える。 「ポメちゃん、クロちゃん、無理しちゃダメですよ!?」 二匹をフォローしつつ、エナはソーサー十五枚を全展開する。 そのエナの背後から数体のイグジスターが迫る。 「隠密忍法・蜘蛛の巣……!」 エナの周囲に張り巡らされたリールが、 擬態イグジスターの行く手を阻み、更に拘束する。 「……消えろ!」 クロカゲの投げる手裏剣が、エナを狙う敵を射抜く。 「すみません、クロカゲさん!」 「礼、無用……猫、犬……共に仲間……! 我……守る!」 「はい!」 エナもソーサーを動かすのを緩めず、答える。 「はああああッ!」 ニノンの翼を展開するエリックの一撃がイグジスターを狙う。 ずささっ! が、イグジスターはいきなり後退し、間合いを外された。 「何ッ!?」 今まで好戦的に攻めてきていたイグジスターが、急に動きを止め、 組織的に間合いを取り始めたのだ。だからと言って、 擬態イグジスター以外には遠距離攻撃の方法も無いはず。 だからこそ、人類は今まで生きてこられたのだから。 「攻撃、止めい! 何かする気なのか……!?」 レイビーの指示に従い、全員攻撃と捕食を止める。 イグジスターはしばらく放置すると、ぷるぷる震え始める。 まるでいいようにされて、屈辱と怒りに打ち震えるように。 まったく何がしたいのかさっぱり分からない。 それが、生命連合の不安を煽る。 「数の脅威に任せて攻めてくるほうが恐ろしいだろうに、 一体何をするつもりなんだろう……!?」 ウォルフ王子も訝る。エリミノイドも一旦止めて、 様子を見たほうがいいのだろうか。判断材料が乏しい。 「……このまま押しきった方がよろしいでござるか? どうせこの区域から駆逐し尽すのが目的でござろう? 動かないのなら、今が好機にござる」 ゲイルの至極もっともな指摘に、 一同待ちきれず、動く準備をする。 「おっと、一体何だYO! 逃げ始めたのかYO!?」 ラケルが指摘するように、後退を知らないはずのイグジスターが 距離を引き剥がしにかかった。どうやら他地区のイグジスターと 合流するつもりなのだろうか。 「深追いするな! 確実に数は減らしている!!」 レイビーの指示に、何とか踏み留まる生命連合一同。 生命連合一同が敢えて追ってこないと分かると、 ひたすら震えながら何かを待つイグジスター達。 やはりそれは、一種の苛立ちのように見えた。 これだけ圧倒的な兵力差を誇っていながら、 未だに人類を滅ぼせない苛立ちであるかのように。 少し様子を見守っていたが、二十分もすると 他地区からイグジスターがまた集まってきた。 「やはり増援を呼んでいたか! 無理は禁物だ、退けい!」 レイビーの指示に従い、いつでも発進出来るよう、 格納庫に入った状態で、全員待機した。 するとイグジスターは更に数を増して集まり、 一気に融合しにかかる。その姿は巨大な化け物となり、 まさにイグジスターのボスという感じの風格になった。 全長は百メートル級という具合だが、とにかく占拠する面積も広い。 密度も異様に高く、その体躯でありながら伸縮自在に変形し、 大陸から大陸への移動すら変形によって可能と思わせた。 「あれが、イグジスターの質の恐怖……!?」 マリーが戦慄する。 更に擬態イグジスターをも取り込み、知性や技能を我が物とする。 数の暴力そのものであるその本質までも犠牲にして、 生命連合を殲滅し、離島へ直接攻撃を仕掛けるつもりなのだ。 カイトとレイビーはそう理解した。分布図を見れば、 更に各地のイグジスターが寄り集まり、同様の個体を編成して、 異様なスピードでこのサイレン砂丘へと迫りつつある。 「出るぞ……!」 ロバートが再び戦艦を飛び出す。 「ロブ、どうしようと言うのです!?」 「アレが本気を出せば離島にだって来るぞ! 数が減ったなら幸いだ! ことごとく叩き潰して、ここで禍根を根こそぎ始末してやるぁ!」 「隊長の言い分は正しい。どうやら退けない戦いのようだね」 カイトも賛成し、状況を理解した勇者軍が再度出撃する。 「どうやら持久戦が決戦になってしまいそうだな。 我々も出るぞ、イノ、ラケル、ノーラ、ゲイル、レオナ」 「分かってる」 魔神軍も飛び出す。 「あれもまたイグジスターの本質……まさに究極形ですか。 イグジステンスサッカーと呼び直した方がいいかもしれませんね」 ウォルフ王子は対応を考えながらも、ぼやく。 巨大化したイグジスター改め、イグジステンスサッカーは じわり、じわりと勇者軍と魔神軍ににじり寄り始める。 それでもなお、周囲に多数の護衛としての通常イグジスターを残して。 質と量を兼ね備えた究極の悪意のロジックが、 今、生命連合を襲う準備を着々と進めているのだった。 決戦が、始まる。サイレン砂丘にて。 他のイグジステンスサッカーも、この地に集まる事により…… <第三十章-第二幕- へ続く>
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二つ名:激成の勇者 名前: 詳細: 自己を強化する術が得意な勇者。人間相手のときは多少の強化で済んでいたものが魔王相手になってから通用しなくなり過剰な強化を始めた結果黒かった髪は色が落ちはじめ左目は赤く変わってしまった その他: