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翌日の朝。俺は懐かしい早朝ハイキングコースを歩いて学校へと向かっていた。 とは言っても、向こうの世界じゃ毎日のように往復していたけどな。 北高に入り、下駄箱で靴を履き替えていると、 「おっ。キョンくん。おはようっさ。今日もめがっさ元気かい?」 「キョンくん、おはようございます」 鶴屋さんの元気な声と朝からエンジェル降臨・朝比奈さんの可憐なボイスが俺を出迎えてくれた。 何か向こうの世界じゃ何度も聞いていたのに、帰ってきたという実感があるだけで凄く懐かしい気分になるのはなぜだろう? 靴を履き替え終わった頃、長門が昇降口に入ってきた。 「よう、今日も元気か?」 「問題ない」 声をかけてやったが、やっぱり帰ってきたのは最低限の言葉だけだ。ただし、全身から発しているオーラを見る限り 今日の朝は気分はそこそこみたいだな。 階段を上がっている途中で、なぜか生徒会長と共にいる古泉に遭遇する。 「やあ、これはおはようございます――どうしました? 何かいつもと雰囲気がちょっと違うように見えますが」 「朝からお前と遭遇して、せっかくの良い気分がぶちこわしになっただけだ」 「これは手厳しい」 ふと、俺はあることを思い出し、古泉と生徒会長を交互に見渡して、 「とりあえずご苦労さんとだけ言っておく」 「はい?」 俺の台詞の意味がわからず、呆然とする古泉と生徒会長を尻目に俺は自分の教室へと向かった。 そして、教室に入ってみれば、ハルヒのしかめっ面が俺をお出迎えだ。 少しはこっちの気分を読んで欲しいぞ、全く。 「遅い! せっかく良いもの見つけたから、朝ご飯食べながら学校に走ってきたのに!」 「お前の都合でどうこう言われても困るぞ」 団長様のありがたい怒声を聞きつつ、俺は自分の席に座る。 見ればハルヒは机の上にチラシを沢山並べていた。どうやら何かの催しの案内らしいな。今度は何だ。 全米川下り選手権にでも丸太に乗って参加するつもりか? 「ほら見てよ、これって凄くおもしろそうじゃない? ついでにSOS団のアピールもバッチリだわ! これは――」 意気揚々と語り始めるハルヒ。俺はそれを耳から垂れ流しつつ、ちょっとした考え事に入る。 最初に言っておくが、これは昨日の夜家に帰って風呂に入りながら考えた俺の妄想だ。 俺はずっと向こう側の世界に行って、SOS団を作り上げるまで試行錯誤しまくってきたわけだが、 実際のところ不可解な点もたくさんあるのが実情だ。 特に情報統合思念体については明らかに矛盾している点がある。連中は長門によるハルヒの力の使用は二度あって、 一度はハルヒのリセットで隠蔽、もう一つは直前で阻止したようだったが、今俺が帰ってきた世界の長門の世界改変分が カウントされていないのはなぜだ? 最初に聞かされた話じゃ、ここの連中とあっちの連中も結局は同じもののはずだからな。 そう考えれば、俺の知る限り長門による力の行使は三回あったはず。これはあきらかに矛盾している。 じゃあ、実はハルヒの勘違いで、こことあっちの連中は実は別物と言う可能性はどうだろうか? 一応パラレルワールドみたいなものだし、 その分だけ情報統合思念体が存在していてもおかしくはない。が、それはそれで矛盾がある。見たところ同じような考えを持った 存在だったことを考えれば、この世界で長門が世界改変を実施したら、同じように長門の初期化、さらにハルヒの排除という 流れになるんじゃないだろうか。向こうの連中は過剰反応しただけで済ませるにはどうにも腑に落ちない。 まあ、なんだ。前置きが長くなったが言いたいことはこういうことだ。 俺が去った後にリセットされてやり直されている世界――それが今俺のいる世界なんじゃないかってね。 つまり俺はずっとここに至るまでの軌跡をずっと描き続けてきたってことだ。 情報統合思念体にも実は俺たちとは違うが時間の流れみたいなものがあって、あの交渉の結果、 この世界では長門の世界改変がスルーされた。約束通りに。 それだといろいろつじつまの合うことも多い。 ハルヒがどうして宇宙人(長門)・未来人(朝比奈さん)・超能力者(古泉)・異世界人(俺)がいることを望んでいたのか。 それは最初からSOS団を作るために、探していたんじゃないだろうか。だからこそ、不思議なことを探してはいるものの、 全員そろっている現状に密かに満足しているのではないのか。それだと唯一いないと言われている異世界人は、俺だし。 それに…… ―――― ―――― ―――― なーんてな。考えすぎにもほどがある。本当にそうなら、今目の前にいるハルヒは自分が神的変態パワーを持っていることを 自覚していることになっちまうが、それなら最初に世界を作り替えようとしてしまったこととか、元祖エンドレスサマーとかの 説明が全くつかなくなってしまう。自覚してあんなデリケートな性格になっているんだから、あえてやるわけがない。 普段の素振りを見ても、そんな風にはとても見えないしな。自覚しているハルヒを知っている身としては。 ……ただし。 ――あんたの世界のあたしがうらやましい。何も知らずにただみんなと一緒に遊んでいられるんだから―― この言葉が少々引っかかるが。 まあ、どっちにしろ凡人たる俺にそんなことがわかるわけもない。一々確認するのも億劫だし、面倒だ。 現状のSOS団に満足しているのに、わざわざヤブを突っつく必要なんてあるまい。 俺の妄想が本当かどうかはその内わかるさ――その内な。この世界も別の神とか宇宙的勢力とか出てきて、 まだまだ騒がしい非日常が続いて行きそうな臭いがプンプンしているし。 「ちょっとキョン! ちゃんと聞いているの!?」 突然ハルヒが俺のネクタイを引っ張ってきた。やれやれ、妄想もここまでにしておくか。 俺はハルヒの手をふりほどきつつ、 「で、次はどこに連れて行ってくれるんだ?」 その問いかけにハルヒはふふんと腕を組み、実に楽しそうな100W笑顔を浮かべて、 「聞いて驚きなさい。次はね――」 ~涼宮ハルヒの軌跡 完~
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ボスモンスター ボスモンスターについて ボスモンスター詳細リスト ボスモンスター ボスモンスターについて 重力場のある部屋の前に必ずいる。 動かないので重力場を破壊するためには、討伐しなくてはいけない。 重力場がない場合も、ボスモンスターはいる。 元々重力場のない妖魔王城では、隠し財宝のある部屋の前にいることが多い。 ボスモンスターの前には必ずセーブポイントがあるため、 地図を持っている場合、容易に場所を見つけることができる。 MAP上にシンボルとして配置されており、シンボルに接近し、 ○ボタンを押すと戦闘となる。(接触しても戦闘にならない) ボスモンスター詳細リスト モンスター名 出現場所 ドロップソウル ドロップ 備考 カニ魔人 妖魔王城 レベル1:試しの門 モンスターソウル 犬牙鉱石 闘鬼 妖魔王城 レベル2:幽怪通路 モンスターソウル メテオライト原石 イカ星人 妖魔王城 レベル3:洗礼回廊 モンスターソウル 妖孤の炎玉 エレキルエース 妖魔王城 レベル4:妖部屋 モンスターソウル ラフィルストーン ワーズウォーム 妖魔王城 レベル5:妖ノ城裏門 コーラルソウル 超銀河鉄鉱石 ハチミツ特攻隊長 妖魔王城 レベル6:首切り審門 コーラルソウル 砕けないにんじん スーパーヴィルパル 妖魔王城 レベル7:裏切りの階 コーラルソウル 伝説のガラクタ フラワースピリット 妖魔王城 レベル8:中央門 コーラルソウル 常世の布 半魚人 妖魔王城 レベル9:魔導天守 ラブリーソウル セレナイアン鉱石 ケンタウロス 妖魔王城 レベル10:魔城門 ラブリーソウル 魔真鉄 私立武楽苦保緒緒流学園 校長迷路 バーニングソウル 超魔王の禁書目録、あの日の思い出、轟きホイスル 漂流スペース学園 旧準備室 漂流スペース学園 新旧融合校舎 ヨムンガルド 妖魔王城 レベル11:魔界廊 ラブリーソウル フルカラーパレット 古代の遺跡 古代隠し通路 エクスソウル 宝石炭、天元の刃、白金の天文盤 天文の古代遺跡 北の遺跡 アルテミス 妖魔王城 レベル12:魔王道 ラブリーソウル イガダケ ユニコーンドルフィン 妖魔王城 レベル13:魔王城 ラブリーソウル 妖魔鉱石 空の浮遊庭園 大空中神殿 コーラルソウル サンライズ、天奉石、ライトホタル 星くず展望公園 流れ星の神殿 妖魔龍・東極門 妖魔王城 魔王城城門 ドラグーンソウル 護身龍玉、カナタの冒険帳、ネコの髭 妖魔王城 秘密の抜け道 妖魔龍・西極門 妖魔王城 隠し通路 ドラグーンソウル 幻の炊き込みご飯、燈幻鏡、ツバキのウソ手帳 妖魔龍・南極門 妖魔王城 魔王城宝物庫 ドラグーンソウル 真紅の種火、スザクの小遣い帳、朱雀の羽 妖魔龍・北極門 妖魔王城 朱雀への道・壱 ドラグーンソウル シュテンの閻魔帳、魔王の証、秘蔵酒「悪徳甘美」 妖魔王城 朱雀への道・弐 妖魔王城 朱雀への道・参 妖魔王城 朱雀への道・四 妖魔王城 魔王の部屋 妖魔王城 魔王城隠し部屋 理科実験植物 私立武楽苦保緒緒流学園 昇降口 バーニングソウル 極細麻酔針、職員室の鍵、鬼教官の録音ボイス 漂流スペース学院 下駄箱 飼育ウサギ 私立武楽苦保緒緒流学園 教室回廊 バーニングソウル 調合薬「鎖丹」、ヒーリングオルゴール、超消しゴム「消炭」 漂流スペース学園 旧校舎教室 給食エビフライ 私立武楽苦保緒緒流学園 2階学習室 バーニングソウル 伝説の黒いチョーク、マイソングオルゴール、究極の焼きそばパン 漂流スペース学園 旧校舎廊下 グレイトボーン 漂流図書館 魔界図書館受付 ギガソウル 光の記憶、司書の秘密日記、武道の紋章 天文魔法の資料館 資料館入口 ウルトラサーペント 漂流図書館 魔界資料室 ギガソウル 秘伝の巻物、魔導核、背徳の紋章 天文魔法の資料館 書籍閲覧室 ティアマット 漂流図書館 魔界書庫 ギガソウル 王者の魂、シュテンの手紙、白虎の紋章 天文魔法の資料館 迷路文書館 闇ヴァルキリー 漂流図書館 魔怪宝物書庫 ギガソウル 宇宙魔界歴史書、涅槃寂静、王家の紋章 漂流図書館 漂流図書館 天文魔法の資料館 天文資料書庫 海鮮クラブ 魔界大海賊船 宇宙砲撃室 コーラルソウル 研ぎ澄まされた曲刀、蓮の矢、諸刃の刀身 ギャラクシーコスモ号 コスモ号入口 半魚人海賊 魔界大海賊船 海賊船操作室 コーラルソウル 大弾丸、バイキングの心得、巨大な刀身 ギャラクシーコスモ号 船内通路 イッカクイルカ 魔界大海賊船 海賊船中央通路 コーラルソウル 氷刃、誓いの酒、薄氷の白刃 ギャラクシーコスモ号 コスモ号管理室 コスモオクトパス 魔界大海賊船 宇宙海賊司令室 コーラルソウル 理想幻惑のトラップ、波打つ赤刀、血のついた宝剣 何度でもブレイクできる ギャラクシーコスモ号 銀河司令室 トラベル・キメラ 漂う宇宙流霊船 幽霊船入口 ギガソウル 漆黒の呪印、後悔の魂、浅黒い塊 ニャンダー幽霊船 猫の幽霊船 戦慄の絶叫 漂う宇宙流霊船 幽霊の中央道 ギガソウル 懺悔の言葉、死の螺旋、憤怒の鎚 ニャンダー幽霊船 秘密の談話室 アープティアマト 漂う宇宙流霊船 秘密の宝物庫 ギガソウル 呪痕、闇の弾丸、怨恨の心 ニャンダー幽霊船 嘆きの廊下 キングティーアマット 漂う宇宙流霊船 幽霊船長の部屋 ギガソウル 死者の囁き、殺意の宝玉、ブラックソウル 漂う宇宙流霊船 宇宙の流霊船 ニャンダー幽霊船 幽霊の部屋 迎撃システム・ガンマ 大銀河旅団船 宇宙船勝手口 ギガントソウル バーニングレッド、ブースターユニット、フォローシーカー MK・Ⅲ MK・Ⅲ入口 迎撃システム・オメガ 大銀河旅団船 プラントルーム ギガントソウル ユナイトスコープ、コア・エナジー、変形模型ヤジロン MK・Ⅲ バトルルーム 星間星人ヴァイパー 大銀河旅団船 アロマルーム ギガントソウル ガイガークリーナー、コロニー模型、スプリングバレル MK・Ⅲ テストルーム メインシステム 大銀河旅団船 銀河解析室 ギガントソウル 銀河警備隊機密文書、デュアルフレーム、マトリクス・コア 大銀河旅団船 大銀河旅団船 MK・Ⅲ MK・Ⅲ司令室 守護精霊 古代の遺跡 古代遺跡入口 エクスソウル 不思議なオーパーツ、炎の魔石、水溶水晶 天文の古代遺跡 東の遺跡 遺跡荒らし 古代の遺跡 遺跡中央部 エクスソウル 魔石の結晶、ダイヤモンドどくろ、青龍の瞳 天文の古代遺跡 西の遺跡 大蛇ファラク 古代の遺跡 遺跡最奥地 エクスソウル 神仙器、重力水晶、純金の歯車 天文の古代遺跡 南の遺跡 ドルフィン 空の浮遊庭園 空中庭園入口 コーラルソウル ムーンウォーター、流星光、一輝通環 星くず展望公園 星の公園入口 月ウサギ 空の浮遊庭園 空の展望台 コーラルソウル 風宝玉、浄化の炎、鎮逸石 星くず展望公園 星空展望台 星龍アストロドラゴン 空の浮遊庭園 空の広場 コーラルソウル 黄昏の木の実、聖女の涙、崇安香 星くず展望公園 星座広場 バーミリオン 漂流空間 漂流危険地域 プリンセスブラッド、異世界の宝玉、光の結晶 銀河トラベラー UFO強奪 カオスソウル リフレッシュハーブ、リフレッシュハーブ
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『祭りの余韻』 薔薇学園三大祭りのひとつ――バレンタインデー だんじり祭りにも例えられる過激なイベントは、さしたる大事故もなく、 終わりを迎えた。 例年、流血の惨事が起きていただけに、教員の安堵もひとしおだろう。 本命から貰えた者。縋り付いて義理チョコを掴んだ者。全く貰えなかった者。 悲喜こもごも織り交ぜ、喧噪に沸いた学園は静寂を取り戻していく。 夕日射す校舎の屋上で、水銀燈は独り、フェンスに背をもたせ掛けていた。 別に、待ち合わせの約束をしていた訳ではない。 正確に言えば、呼び出されたのだ。 『部活が終わったら、屋上に来てください』 玄関で靴を履き替えようとした時、下駄箱から零れ落ちた一通の手紙。 女の子っぽい丸文字の筆跡には、ところどころに堅さが見えた。 よほど緊張して書いたらしい。 (誰かしらぁ? 殆どの人には上げたし、もらってもいるわよねぇ) 面倒見の良さからか、水銀燈は女子からも人気があり、 蒼星石ともども少なからぬ量のチョコレートを貰うことが恒例となっていた。 「これから寄りたい場所が有ったんだけどなぁ」 そもそも、こちらの都合を無視した無礼な行為だ。行かずとも問題はない。 しかし、それで逆恨みされるのも気分が悪かった。 仕方なく屋上に来てみたものの誰も居らず、もう三十分近くが過ぎていた。 「呼び出しておいて遅刻だなんて、失礼ねぇ。帰っちゃおうかしらぁ」 冷えてきた風に身を震わせて、水銀燈が階段へと歩き出した矢先、 扉が開いて一人の女生徒が姿を現した。 颯爽と登場したのは、プラチナブロンドの同級生。 「待たせたわね、水銀燈」 「真紅? まさか、呼び出したのって、貴女なのぉ?」 ハッキリ言って予想外だった。この展開は全く考えていなかった。 確かに、小学生の頃には友達同士としてチョコレートを交換していたりもした。 だが、その習慣も中学に進んで以降、どちらからともなく止めてしまった。 「珍しいわねぇ。貴女が、わざわざ私を呼び出すなんてぇ。 もしかして、私に手作りチョコレートをくれるのかしらぁ?」 「貴女に上げるチョコなんて無いわ」 「あぁら、残念。昔みたいに、何かくれるのかと期待しちゃったわぁ」 「そうね。昔みたいに――」 真紅は水銀燈の側に歩み寄ると、彼女の手を取り、 奇麗にラッピングされた小さな箱を掌に乗せた。ずっしりと、重い感触。 チロルチョコの詰め合わせだろうか? 「? なぁに、これぇ」 「開けてみて」 「え、ええ……それじゃあ」 小箱に掛けられたリボンを解き、蓋を開ける。 すると、更に中から桐の小箱が出てきた。随分と厳重に梱包されている。 チョコレートの類ではなさそうだ。 水銀燈は何故か緊張しつつ、箱の蓋を押し上げた。 中に収められていたのは―― 「これって……銀のイヤリングじゃないのぉ。これを、私に?」 驚く水銀燈に、真紅は無垢な微笑みを向けて、頷いた。 「久しぶりに、昔を思い出しただけよ。他意は無いわ」 「ふふっ…………ありがとう、真紅ぅ。大切にするわねぇ」 「安物よ。大切にする必要なんかないわ」 「ううん。私にとっては、とても素敵な宝物よぅ」 水銀燈は小箱の蓋を閉じると、しっかりと両手で包み込んだ。 五年ぶりに貰った、真紅からのプレゼント。 今日一日、チョコは勿論、花束やハンカチなど様々な贈り物をされたけれど、 他のどんな物よりも輝いて見えた。 そして……何故だか無性に嬉しかった。 小学校を卒業して以来、どうして止めていたのだろう。 こんなにも嬉しくて……心が温かくなることなのに。 年を経て異性との交友関係が拡がるにつれ、 多くの時間をそちらに取られていたからだろうか。 女の子同士という気恥ずかしさも、有ったのかも知れない。 「でも、奇遇ねぇ」 「なにが?」 「実は私も、帰りがけに真紅の家へ寄ろうと思っていたのよぉ」 「そうなの? どうして?」 「私もねぇ、久しぶりに……昔を思い出したからぁ」 そう言うと、水銀燈は鞄の中から小さな箱を取り出し、真紅に手渡した。 真紅がプレゼントしたのと、同じくらいの大きさ。 それに、ラッピングの仕方も酷似している。全く同じと言ってもいい程だ。 「開けても……いいのかしら?」 「勿論。受け取ってもらえないなら私、泣いちゃうわよぅ」 「そう。だったら、受け取れないわ。こんな物」 「………………うう…………ぐすっ」 「ちょっ――本当に泣かないでよ。冗談も解らないの?」 「今の口調、絶対に本気だったわ。恨んでやるぅ」 「解ったわよ。今、開けるから――」 リボンを解いて箱を開けると、出てきたのは、やはり同じ様な桐の小箱。 どうやら同じ店で買ったアクセサリーらしい。 真紅が小箱を開けると、シンプルなデザインながら品の良いシルバーリングが収められていた。 似た者同士の二人。 やることなすこと、こうも類似すると奇妙を過ぎて愉快ですらある。 二人は顔を見合わせて、小学生に還った様に、無邪気な笑みを浮かべた。 「本当に奇遇ね。ここ数年、すっかり止めていたのに」 「真紅はもう、忘れていると思ってたんだけどねぇ」 「それは、私の台詞なのだわ。 水銀燈には、沢山の人がプレゼントをくれるんだもの。 私が贈るまでもないと思っていたわ」 「お互い、遠慮してただけなのね。私達って、おばぁかさん」 「……失礼ね。馬鹿なのは貴女だけだわ」 口を開けば言い争い――けれど、互いを嫌っている訳じゃない。 寧ろ、気心が知れているからこそ、気兼ねなく毒舌を振るう事ができるのだ。 口喧嘩など、親友同士のコミニュケーションにすぎない。 「まあ……その、なに。これからも……よろしく頼むのだわ」 「うふふっ。こちらこそ、よろしくぅ。幼馴染の親友さん♪」 二人は並んで階段へと歩を進めながら、掛け合いを愉しんだ。 「来年もまた、待ち合わせ……する?」 「お互い、彼氏ができてなかったらの話ねぇ」 「それなら、貴女の都合は着きそうね」 「あぁら。真紅こそ、今から約束してても大丈夫でしょう?」 バレンタインSS祭りの即興SS。
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新地で暮らそう-目次- ここらへんのゴミの出し方ってどうなってるの? 駅まで自転車・オートバイで通いたいのですが・・・ 銭湯に入りたい! このあたりにプールってある? Q.ここらへんのゴミの出し方ってどうなってるの? A.川崎市高津区、二子新地周辺(※)のゴミ出しのルールは、以下の通りです。 ※北見方、下野毛、諏訪、瀬田、二子、溝口を想定。その他の地域は下記とは異なります。 出し方、分類の仕方など、詳しくは川崎市のホームページを確認して下さい。 収集日の詳細なカレンダーも載っています。※2007年4月1日から、ごみ収集スケジュールが大幅に変更されました。 種類 収集日 出し方 普通ゴミ 月・水・金 透明・半透明のゴミ袋(指定なし)に入れるか、フタ付きポリ容器に入れて出す。生ゴミ、プラスチック製品も普通ゴミ。雑誌・新聞は業者の資源回収へ。 ガラス、陶器、電球などは厚紙に包み、「危険」と表記する。 資源ゴミ 溝口…火 北見方、下野毛、 諏訪、二子…木 びん、缶、ペットボトル、電池(ボタン電池・充電式電池を除く)を指定の集積所へ出す。 粗大ゴミ 第1・3水曜日 30cm以上の金属製品や、50cm以上の家具類など。ゴミのサイズに応じて、1つにつき200~1000円かかる。事前(土日祝を除く3日前まで)に電話かインターネットで申し込みの上、郵便局やコンビニなどで「粗大ごみ処理券」を購入し、券を掲示して出す。 小物金属 第1・3水曜日 申し込み不要、無料。30cm未満の金属製品と傘、ハンガー類 川崎市は、他の自治体に比べて分別の基準が甘く、ゴミが出しやすいです♪しかし、ゴミ出しのマナーはきちんと守りましょう! ■カラス対策・・・生ゴミはフタ付きの容器に入れましょう。(ネットはあまり効果なし) 深夜や早朝などに、そのまま置かれたゴミ袋が、カラスに荒らされて周りの迷惑になっています。 ■粗大ゴミ、資源ゴミは回収日以外に出さないようにしましょう。 Q.駅まで自転車・オートバイで通いたいのですが・・・ A.駅前に駐輪場があります。が・・・ 駅のすぐ前に駐輪場があります。月極でも臨時でも使えますが、月極は予約がいっぱいです。 2年待ちとも3年待ちとも言われています。(なぜそんなに待たされるかというと、家族で長期的に使用している人が多いのと、契約を解約せずに知人に受け継いでいる人がいるからだと思われます。) 臨時だと自転車が150円/日で少し割高ですが、朝なら比較的空いているので、停められます。 多摩川の堤防沿いに停めている自転車がたくさんありますが危険&迷惑ですし頻繁に車両撤去しているので停めない方が賢明です。車両を保管所まで取りに行かないといけない上に、撤去料金を2000円ぐらいとられます。経験談です(^_^;) 参考:駐輪場の利用料 / 月極 一日利用 自転車 2100円 150円 オートバイ(~250cc) 2625円 300円 Q.銭湯に入りたい! A.商店街に1軒あります。 銭湯は、駅の商店街に湯プラザウェルネスがあります。少し歩きますが、高津駅付近に二子浴場と高津湯があります。 ※銭湯名をクリックすると地図が表示されます。 営業時間 定休日 料金 詳細 湯プラザ ウェルネス (平)14 00~23 30 (土)14 00~24 00 (日)10 30~23 30 無休 大人430円 (サウナ込み950円) 綺麗な銭湯。駐車場(100円/20分)完備 サウナ(別料金)露天風呂(古代檜風呂)あり。 待合場所で食事 可 おでん100円。生ビール有り。 二子浴場 16 00~23 00 金曜 大人430円 ※ 残念ながら、平成18年12月に 閉館いたしました。 超シンプルサウナ無しTV無し年期入ってます。が、扉は全て自動ドア!お金払うときは一歩中に入らないと扉が開きっぱなしになります。飲み物は機械はあったが売ってない。。とにかく静かです。入り口正面の入れ物は「傘入れ」です。これは見事な造りしてます。 高津湯 15 00~24 00 不定 大人430円 ほのぼの銭湯(笑) サウナ無し。常連多し。下駄箱に風情が。。 しかしトイレは冬寒く、ちと怖い。 関連リンク 川崎市観光データベース つかさの銭湯日記・・・湯プラザウェルネスのレビュー/高津湯のレビュー 044STYLE川崎BLOG・・・川崎市の銭湯マップ Q.このあたりにプールってある? A.この近所にはありません。詳しくは以下を参考に 3,4キロほど離れますが、砧公園そばの世田谷区総合運動場 温水プールが抜群にお勧めです。 最大のメリットは長水路(50m)であること。25mプールと幼児用プール、おまけにジャグジーまでついています。夏季は屋外にも出られます。 広々とした空間で、築10年と新しく、水もきれい。 料金は2時間400円(冬季、時間無制限)、1時間200円、子供150円です。 泳ぎに自信ののある方は、長距離コース(100m)で、邪魔されることもなく伸び伸びと水泳を楽しむことが出来ます。http //www.city.setagaya.tokyo.jp/030/d00004057.html 車・自転車を使わない方には、二子玉川駅からバスが出ています。 一時間に3~4本。 時刻表:http //www.nikotama-kun.jp/bus_seiiku_time.htm 『成育医療センター』行き バス停『区立運動総合場』下車 過去ログhttp //tkt.enohana.net/log/1048175383.html辺りから 264 名前: 神奈さん 投稿日:2003/05/12(月)14 02ID bE8agkws 二子新地に住んでいる人はプールどこにいっていますか? 265 名前: 神奈さん 投稿日: 2003/05/12(月) 16 15 ID F3Xl2Lzc 264 室内だと 市民プラザ、ヨネッティ王禅寺、セントラルフィットネス、コナミなど 屋外だと 等々力、鷺沼プール(閉鎖になってしまいました)など でしょうか? 関連リンク セントラルフィットネスクラブ溝ノ口 川崎市民プラザ ヨネッティー王禅寺 コナミスポーツクラブ二子玉川 等々力緑地
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なぜか小さいころから下駄が好きで、 下駄を履いては近所で遊んでいることが多かったです。 理由はよく分かりませんが、素足で履くと気持ちがいいからかもしれません。 今でも下駄は好きで、和服を着るわけでもないのに持っていたりします。 ちょっとしたサンダル代わりに、家で主に利用しています。 素足に下駄は、長時間向きではないですが、 短時間なら心地よく履くことができます。 最近は下駄も安価で手に入りますし、デザインもかわいらしいものが増えましたね。 しばらく前に購入したものを、主に夏に履いていますが、 毎年目移りはしてしまいます。 今年の夏も、下駄のシーズンを楽しみたいですね。
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ミサコちゃん / ミサコちゃん 【ミサコちゃん】 ポップンミュージック20 fantasiaで初登場したキャラクター。 WE LOVE ポップンミュージック みんなでつくって20 ~アーティストはキミだっ!~のキャラクターデザイン部門で採用されたキャラクターの1人で、原案者はずずも氏。 ミサコちゃん / ミサコちゃん 誕生日 担当曲 ポップン20 アクション キャラクターポップ 台詞 ネット対戦 関連キャラ、用語リンク 出身地 魔界 趣味など マネキン集め。日記(見ちゃダメ!) すきなもの 真っ赤なイチゴとあの子 きらいなもの 覗き見・・・呪う・・・ このキャラクターが採用された楽曲では、当初は「Des-ROW」というアーティスト以外は全く無い形で募集がされた。 その結果、枠にとらわれない個性的なイラストのキャラクターが集まったが、その中で一見ポップンらしかぬブキミさとかわいさの同居した独特なキャラ造詣に加え、オカルトっぽさのある設定のインパクトでスタッフ、ユーザー共に強烈な印象を与え、見事採用された。 担当曲のアーティスト名にもあるように、キャラクターのイメージから楽曲を作っていることがわかるので、まさに企画から生まれたキャラクターといっても過言ではない。 誕生日 8月2日 パンツの日に由来。アクションの一部でパンツがモロ見えするので、その影響だろうか? 担当曲 呪エモ? [ミサコの告白(みーつけたっ♥)] [POP TEAM EPIC] [ド屑]#? ポップン20 スカートをぬけると そこは 魔界であった ポップン20公募企画で採用されたキャラクター。 作者の好きな少女・中二の要素を設定に取り込んでいる。 作曲者のDes-ROW的には、口の曲がり具合と左目が赤いのがポイントとのこと。 セーラー服とロングヘアーという学生ルックだが、青白い体に左右で形と色の違うオッドアイを持つ不気味な容姿の少女。 外見としては一見、「さよなら絶望先生」(久米田康治)の 木津千里 (きつちり)を髣髴させる。 しかし、その正体は魔界のプリンセス。 立派な魔界の王女になるために、勉強と偵察を兼ねて人間界へやって来たのだ。 年齢は人間界単位で17歳、魔界では秘密。 スカートの内側の空間が魔界と繋がっており、脇腹に収納された拡声器を取り出し、スカートの内側から飛び出してきた魔界の魔物たちを操る。 赤い下着が好み。 履いている靴のローファーは5mmほど浮いている。 普段は無表情だが、怒ったときは般若のような顔になり拡声器で発狂する。 こんなプリンセスでも恋する魔界乙女でもあり、下駄箱にお人形とか部屋にマネキンとかを苺を添えてそっと置く、といった愛情表現をすることも。 放課後の教室や理科室、近所の病院で魔界の住民たちと世間話をするのが日課。 標本や注射器が好きで、爆音中毒。 以下のようなこんなこともしている。 知らない人の隣で体操座り 鏡や写真にうつりこむ 屋上で日記を書く。日記は見てはいけない。 原案イラスト(pixiv) 採用者描きおろしイラスト(pixiv) ニュートラルのアクションを控えめにして、他のアクションとのギャップを出すことを意識したアニメーションである。 動きのアイデアがほぼそのままアニメーション(アクション)に生かされている。 最優秀賞として採用されたこのキャラクター以外では、アクションの一部でノミネートされたユーザーの作品の一部やキャラクターを生かしている。 特にWIN・FEVERWINではカラーによって全く異なったアクションになっているのも特徴。 2Pカラーは黄色・青のセーラー服とオレンジの髪となっている。 ポップンミュージックカードの【ミサコちゃんがいっぱい】に記載されているラッキーコードで出現するカラーは、赤をベースとした配色になっており、このカラーでしか出てこないノミネートのキャラクターが出てくるアクションがある。 やはり下着の色は3Pでも変わっていない。 アクション アクションの一部は、ノミネートされたキャラクターの原案を基にしている。 NEUTRAL 瞳を閉じて首をコキコキ。 GOOD スカートから黒い何かが出てくる。 GREAT 拡声器で魔物を呼び出す。●1P・2P:ホアード(川辺美々氏の案)とせんべい丸(ミクルク氏の案)●3P:しゃお(ねこめし氏の案) FEVER 青黒く色が反転した状態で、画面に背を向けてしばらく歩く。1Pカラーでは単独だが、2P・3Pだと連れているキャラクターも。●2P:のぞみ(くろはね氏の案)を連れている。●3P:河流(みどり氏の案)を連れている。 MISS スカートがめくれ上がって、パンツが丸見えに。さらに顔(や手)が赤くなる。そのときの顔はめくれたスカートで隠される。同時に魔界のしもべも溢れ出てくる。しもべはG.D.P(百氏の案)、なすびーむくん(ぱるぷ氏の案)、ポテマル(虹色帝国氏の案) JAM 下記と基本的に同じなので参照。 DANCE 拡声器で様々なしもべを呼び出す。ミサコちゃん自体は固定だが、しもべの現れ方が視界をさえぎるように突然現れるタイプ(しもべは半透明)。やや全体難。しもべはホアード、せんべい丸、ポテマル、喪助(むし氏の案)、カミツキオオカミ(umiu氏の案)。さらに3Pカラーではジャンシー(皿氏の案)も登場 WIN スカートの中から出てくる魔界からの宅急便(箱)で魔界のドレスを着て、プリンセスに変身。持っているものや出てくるしもべがカラーによって変わる。●1P:SPD(ユズコ症氏の案)のアイテム。●2P:BOX BOY(ほたて氏の案)という箱に加えて、持っているものがDGG(+-0氏の案)のアイテムである、先端が鎌の形をしたギター。●3P:くろはね氏の案のアイテムの箱が出てきて、エドワード(K氏の案)も現れる。 FEVERWIN 「魔界のプリンセス……?」のセリフの後に笑っている。 LOSE 雷が落ちて顔が般若化。ずずも氏の案。 キャラクターポップ 下段が黒、上段がオレンジの色違いタイプ。 お邪魔背景・ダーク背景に下段のオブジェが溶け込みやすい。 台詞 ネット対戦 攻撃 出ておいで! ダメージ の…のろい GOOD チラ… BAD パンツ!! WIN イヒウフフ… LOSE ビシャーン! 公募キャラ3人はpm20のカード第2弾でレアカード化しているが、このキャラクターはpm20のカード第3弾「【キラキラ★SUMMER★BEACH】」にもさりげなく描かれている。 関連キャラ、用語リンク 雷蔵 キャッスル WE LOVE ポップンミュージック みんなでつくって20 ~アーティストはキミだっ!~ このキャラクターが描かれているレアカード 【病み闇!?ガールのキノコなサバト★】 【ミサコちゃんがいっぱい】 【キラキラ★SUMMER★BEACH】 キャラクター一覧/ポップンミュージック20 fantasia
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天城 真琴 あまぎ まこと 天城 真琴データ システムデータ 容姿に関する設定 設定 データ 名前:天城 真琴(あまぎ まこと) 年齢:17歳 性別:女 身長:166cm 体重:55kg スリーサイズ:B86/W62/H88 髪:黒色 肌:白色 瞳:黒色 誕生日:4月19日 所属クラブ: 図書委員 クラス: 1人称:私 システムデータ スタイル:◎チャクラ・●エグゼグ・エグゼグ 一般技能:メルクーア、売買 容姿に関する設定 漆黒のストレートロングに、切れ長の目が特徴的で、ぱっと見はきつめの美人、という印象。非常に上品で落ち着いたところがあるので、大人な雰囲気がある。 お金持ちのお嬢様で美人、成績優秀で運動神経も抜群、人当たりもいいと来て、どんだけチートなんだよ!って感じの女子だったんだよねぇ。 女子の間ではやっかみもあるにはあったから敵もそれなりに多かったけど、なにしろ素直な子だったから味方もそれなりにいてトントンって感じ。 難点をいうなら、何があったのかえらい男嫌いでねー。夏休み前辺りなんて相当ひどかったんだけど、夏休みがあけた頃にはなんだかマシになってたんだよね。 噂によると超イケメンの彼氏ができたとか何とか……なんというお嬢様の大冒険によるひと夏の経験!でも、なんだか表情も柔らかくなってきたし、そんなに彼氏ができるってのはいいものなのかねぇ……く、くそう、羨ましくなんてないんだからね!(新聞部調べ 設定 天城 真琴はいわゆるお嬢様である。父親はメルクーアの重役であり、母親は早くに亡くなってしまいはしたが、何不自由なく生きてきた。 大人しそうな外見に反して、意外に活発で移り気なところがあり、習い事の類はあまり続かなかった。が、一つだけ長く続いたものがあった。 小学校の頃、同級生の家で遊んだゲームの登場人物がかっこよかったので、父親に頼んで始めたジークンドーである。父親の方も護身術になるだろうと、反対はしなかった。 アメリカから招かれた先生に習い、真琴は瞬く間に実力をつけていった。先生はしっかりとした基礎固めを終えると契約満了で去っていったが、その後も真琴はあきる事無く練習を続けていた。 やがて成長した真琴は父親の勧めに従って高天原学園へと入学した。父親としては娘にセイバーの片鱗を見ていた、というのが高天原を勧めた理由ではあるのだが、これが結果的に悪かったと後に大幅な後悔をする事になる。 中学の時もそうではあったが、高校に入ると真琴は多数の男子から告白を受ける事になった。 小説や漫画で読む分にはいいが、自分にはそういうのはむいてない、と思っていた真琴は端からその告白を断った。 その多数の中の誰かだったのか、あるいはそれ以外の誰かなのか。 真琴は地味な嫌がらせを受けるようになった。 最初はものを隠されたり、盗まれたりする程度だったが、だんだんとエスカレートし、やがて彼女しか知りえないつまらない秘密(昨日家で読んでいた本や計った体重等)を前提とした脅迫まがいの手紙が下駄箱に入れられる事態にまで至った。 いわゆるストーカー被害であったが、真琴は誰にも相談しなかった。父親に心配はかけたくなかったし、やはり相談者に塁が及ぶのを恐れた。 だが、精神的なストレスは尋常ではなく、それは理屈もない『犯人は男子の誰か』という思い込みから男子への攻撃性として現れた。 高校に入り、1年1学期の間の真琴は非常に男嫌いで有名になるに至り、学校に通うのにも支障が出始める寸前あたりで夏休みになった。 夏休み中も散発的に嫌がらせは続いていたが、図書館で偶然出会った男性がその運命をあっさりと変えてくれた。 高いところの本をとろうとして難儀していたところ助けてくれた、という実にありふれた出会いではあったが、出会った男性はありふれていなかった。 この時期になると病的なレベルに達した男性嫌いがまともな対応を許すはずもなく、真琴は非常にきつい口調と態度をその男性にぶつけてしまった。 だが、彼は「ああ、つかれてるんですね、かわいそうに」と一言だけ返すと、いきなり手をあげた。 反射的に真琴は彼の急所へと一撃を入れた。続けてきたジークンドーは間違いなく彼女の身になっていた訳だが、一撃を受けると同時に彼は真琴の首筋あたりから何かを引きずり出した。 首筋を押さえ、わが目を疑う真琴に「これは古い蟲の一種ですね。誰かにのぞかれてる様な気がしたりしてませんでしたか?」と前かがみになりながら彼は言った。 彼の中性的な顔立ちが良かったのか、得体の知れぬ蟲が思考を麻痺させたのか、あるいは人の良さそうな感じがよかったのか、ともあれ真琴は彼と話を聞く事にした。半信半疑ではあったが、一番最初に謝罪をしてからだが。 真琴は何者かが放った蟲を介してのぞき見され、それを元にストーカー行為を受けていた、という事がわかった。何をどうすればいいのかもわからなかったが、彼が対応してくれるとの事だった。 結論からいくなら真琴の身の周りにあった蟲はすべて彼の手によって排除され、真琴は数か月ぶりの平穏を得る事ができた。 犯人はわからなかったが、ともかくこれ以上ストーカー行為を受ける事がないというのが本当に嬉しかった。 どうして助けてくれたのか、もちろん真琴は尋ねたが、本当かどうかはわからないが彼はただ放っておけなかったとだけ答えるのみだった。 お礼をして、図書館で会って話して、なんて事を繰り返しているうちに、自然と真琴は彼に心を奪われていった。 それに気付いた真琴の対応は早かった。自由に会える夏休みが終わる前に真琴は告白したのだった。 そして2学期が始まり、真琴の告白断り文句には「好きな人がいますんで」という文言が追加される事になった。 なお、迷う事なく真琴は防人になる道を選び、ジークンドーをベースにした格闘戦の実力をいかんなく発揮している。 告白の結果は彼女が語らないため何とも言えないが、いずれにせよ今の彼女の原動力になっているのは間違いない。 ストーカー犯人は未だ知れず、火種はいくばくか残ってはいるのだが、少なくとも真琴は今、前を向いて歩き続けている。
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季節の変わり目は風邪にかかりやすいというが、本当らしい。のっちのクラスでも、ぽつぽつと空席が出るようになっていった。 クラスが違うあ〜ちゃんとの連絡は、殆どがメールである。急用の際に、たまに電話を使用する程度で、メールが多い。朝は、あ〜ちゃんはバスで、のっちは自転車で登校するから会うことはない。だから実際あ〜ちゃんとのっちが一緒に過ごす時間は、昼休みと放課後のみである。 そんなあ〜ちゃんから珍しく早朝にメールが届いていた。不思議に思いながらもメールを開くと、『ごめん、風邪引いてしもたけえ、今日学校休むわ。』と書いてあった。のっちは凹んだ。がくりと肩を落として朝ごはんもろくに食べないでいたら、母親に「遅刻するから早く学校行きなさい。」と言われてしぶしぶ家を出た。 学校に着いてからも一向にテンションは上がらなかった。捻くれ者ののっちは、あ〜ちゃんがいない学校なんて行かないほうがマシだ、と登校中何度も引き返そうとしたが、のっちが学校に行ってないことをあ〜ちゃんが知ったら、きっとのっちを叱る。叱られて「何で学校行かんかったの。」なんて聞かれたら、その理由を答えられない。だからのっちは学校に行くことにした。 4限目までの授業を全て睡眠学習し、昼休みになるとすぐさま教室を出た。何だか今日はとても居心地が悪い。行く当てもなかったので、廊下で立ち止まって携帯電話を開く。朝はバタバタしてメールの返事を返せなかった。のっちはあ〜ちゃんに返信する。 『大丈夫? 熱はないの? 今日はゆっくり休んでね。』 昼休みの隠れ家だった屋上も、あ〜ちゃんがいなければ入ることは出来ない。何だかのっちは自分の無力さ、あ〜ちゃんがいなければ何も出来ない自分に呆れた。 ふと、寂しくなった。恋しさのあまり、知り合いを探した。まだお弁当も食べていない。のっちは、とにかく人気のなさそうな場所でお昼ご飯を食べることにした。階段を降りて下駄箱に降りたら、その先の廊下の保健室からゆかが出てきた。ヒト恋しかったのっちは、何も考えることなくゆかの元へ駆けていく。 「ゆかちゃん!」 「あれ? のっちじゃん。どしたの?」 「あ〜ちゃんがね、今日休みで、のっち暇なんだ。」 「じゃあ一緒にご飯食べる?」 「うん!」 誘われて尻尾を振る犬のように大きく頷いた。ジュースを買いに行くゆかの後ろにのっちはついていく。嬉しさが滲み出る。ジュースを買いに行って、裏庭の人気のないベンチで2人は昼食をとることに決めた。すると、ゆかは突然尋ねる。 「のっちさあー、いつからあ〜ちゃんのこと好きなの?」 「えっ…と、中学2年の、冬、とか?」 突然の質問に思わず口に入れたばかりのたまご焼きが、喉に詰まりそうになった。そんなのっちの様子をかわすかのように、ゆかの質問は続く。 「どこが好きなん?」 「か、かわいいし、やさしいし。いい子だし。うーん…よくわからんけど、好きなんよねー…」 自然とのっちの表情は、変わる。目を細めて嬉しそうにゆかに話す。するとゆかは、視線をスッと落として言った。 「てゆうか、付き合ってないの?」 今度こそのっちの喉は、から揚げで封鎖された。ゲホッゲホッ、鈍い咳をしながら首を押さえるのっちを、慌ててゆかは背中を擦って心配そうに見る。やっとのことで喉を通ったまだ大きいままのから揚げが、食道を下っていくのがわかってのっちは少し気持ち悪くなった。 「んなわけ、ないっしょ!」 「なんで? めちゃくちゃ仲いーでしょ。」 「…あ〜ちゃんは、女の子を好きにならんよ、きっと。」 それらしきことは言われたことがあった。 のっちがいちばん好きだよー、とか、のっちが恋人だったらいいのになー、とか。その度にのっちの胸は、素直に弾けて飛び跳ねるのに。肝心なことは何一つないまま3年目の片想いをしている。 「ゆかはてっきり2人は付き合ってるもんだと思ってた。」 「そう見えた?」 「うん、見えた。」 食べ終わったコンビニのパンの袋を手に、ぶらぶらしているゆかの足を無駄にのっちは見ていた。ゆかの視線も同じように落とされて、ぶらぶらしているゆか自身の足を見ている。 「告白しないの?」 「しないよ。」 「何で?」 「…あ〜ちゃんに嫌われるのが、怖い。」 視線を落として、切なげに目を細めるのっちをゆかはちらりと見て、質問を止めた。そっか、と小さく呟いて沈黙だけが2人の時間を進めていった。 放課後になってのっちは、初めてあ〜ちゃん以外のヒトと帰る約束をした。ゆかだ。 自転車置場でゆかが来るのを待っていると、ゆかが短いスカートをひらひらさせながらのっちの元へやってきた。 初めて、のっちはあ〜ちゃん以外のひとを自転車のうしろに乗せた。あ〜ちゃんの専用席だったそこを簡単に誰かに譲ってしまうなんて自分でも驚いた。 あ〜ちゃんは、いつも横向きに座ってのっちの腰に腕を巻きつけて乗る。一方ゆかは、その短いスカートから今にもショーツが見えそうになるのにも関わらず、うしろに立って乗った。のっちの肩にしっかりと捕まって自転車が走り出すと、あ〜ちゃんとは違う香りが空気を舞った。レモンのような少し甘酸っぱい爽やかな香り。ゆかに香りのことを尋ねると、「グリーンティーの香水つけとるんよ。」と答えた。のっちはこの匂いをあまりにも気に入った為、銘柄とかビンの形だとかを詳しくゆかから聞き出した。 「ねえー、のっち。」 人通りの少ない路地を走っているとき、ゆかがのっちの名を呼んだ。 「なに?」 「あのね、」 「うん。」 「ゆかの好きな子も、女の子なんだ。」 いつもなら、驚いたはずだった。 この間、あ〜ちゃんから稲垣くんに告白されたと聞かされたときと同じように、振り向きたくてたまらなくて、自転車を止めてしまいたくてたまらなくなるはずなのに。のっちの気持ちは穏やかだった。ひとと同じ時間を共有して、こんなにも落ち着いたのは初めてだった。 「そうなんじゃ。」 「じゃけえ、のっちといっしょ。」 振り向きはしないけれど、のっちには容易くゆかの表情が想像出来た。のっちは勝手に切ない顔をしてるんだろうな、と考えていた。 夕日に紅く照らされた2人。その影が長く伸びていて、哀愁漂っていた。
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芽比木市(めひきし) 人口15万人ほどの中堅都市。旧城下町。 盆地にあたり、西にある「端前山(はなさきやま)」から東一帯に広がる平地120平方キロメートルを占める。 「端前山」のふもとには城跡が残り、南北に貫く国道59号線と、それに並走する鉄道で通過の際、常にその姿を目に留めることが出来る。 国道と鉄道は街の中心を南南東から北北西に貫くように直線で築かれている。鉄道が西側、国道が東側にそれぞれ配置されている。 芽比木駅はちょうど城跡の直線上に作られ、駅から東西一直線に伸びている市のメインストリートは、東西の山のふもとまで伸びている。 市内に5つの高校、7つの中学、10の小学校があり、高校はうち2校が私立校である。 芽比木市は旧比木市(ひきし)と旧芽前村(めさきむら)が合併し新設された都市である。 旧芽前村は端前山一帯に広がっていた山村だったが、1999年に大規模な山火事が発生、村民約700人のほとんどが死亡、行方不明となり、旧比木市民の一部にも被害をもたらす大惨事となった。 旧比木市、及び政府は翌2000年、合併による復興に着手、芽比木市を新設。2009年現在は惨事の碑を置くと共に、同山を桜の観光名所としてPRしている。 また同市は災害に対する意識を高めるため、児童施設、養護施設、災害体験施設の布設を行うなど、福祉関係の政策を積極的に行っていることで知られている。 星住高等学校(公立) 葉留と歩鳥が通う市内の公立高校。普通科と理数科が存在する。 フラワーショップNii 芽比木駅東口商店街から北に一本入った先にある、市内では数少ない園芸店。暮崎夕子が経営している。2005年オープン。 芽比木駅の内部にも園芸店が敷設されているため客足はあまり多くないが、地域住民や墓参に訪れる客を主なターゲットとしている。 特に盆と彼岸はかきいれ時で、普段は開店休業状態の店先もこの時ばかりは大忙しだとか。 店周辺は住宅街が並んでおり、人気も多くない。駅から墓参に向かう途中必ず通る道であるため、立地条件としては良い。 「Nii」の名は故・暮崎昭良が名づけたもので、「くれさき」に「い」と「に」を足すと「きれいにさく」になる。 営業時間 年中無休 10:00~20:00 (繁忙期) 9:00~19:00 公立災害児童福祉施設「芽ばえ」 1976年施工。最大収容人数75人(児童50人、常駐職員25人) 2000年の合併後の政策により、一部改修、増築がされた。 2009年9月現在、16名の児童と4名の常駐職員が生活し、2名の非常勤職員が勤務している。 寝室は児童用二人部屋が20室、一人部屋が10室、常駐職員用が15室、宿直室が5室、非常勤職員用仮眠室が5室。 二階建てで、児童の使用する設備は全て一階に集中しており、児童が二階にあがることは通常ない。さらに一階と二階とを繋げる階段は院長室と玄関口の間にあり、階段の手前にドアが作られ施錠されている。 施設は全て一つに繋がっており、上から見るとやや歪な「エ」の字になる。 門をくぐり玄関を開けると、4畳半程度の横に広い下駄箱の配置された玄関口が広がっており、児童職員はそこで履物を換える。 玄関口を中心に十字路になり、正面は通路と大広間、大食堂が通路の左右に配置されている。右側は児童用寝室(6歳~12歳)、左側は職員室、院長室、医療室、ボイラー室、大浴室、職員用宿直室がある。 正面の通路を突き当たりまで行くと再び左右に通路。「エ」の上部横線にあたる。右は6~12歳、左は12~18歳用二人部屋寝室と、15~18歳用一人部屋寝室がある。 各通路ごとに男女トイレ、小談話室が用意されている。 二階には常駐職員用の寝室、給湯室、談話スペース、非常勤職員用仮眠室がある。 現在は、16名の児童の内6歳~12歳の12名で3グループ、13歳~18歳の4名の1グループと、部屋割りごとに4グループに振り分けられている。 施設全体でのイベントや催事の際は施設中央の大広間で、グループごとに行われるイベントは通路ごとに用意された談話室にて行われることになっている。 (例.クリスマス会、誕生会、歓送迎会など→大広間/映画や紙芝居などの鑑賞会など→談話室) * 児童用寝室 児童用は二人部屋、一人部屋共に10畳ワンルームの洋室、フローリング敷。二人部屋の角部屋が8室、一人部屋が4室あり、角部屋は共通のベランダ窓の他に出窓がある。ドアは内開き。 二人部屋には二段ベッド、勉強机が二つと、衣類収納用のタンスが2セットあるのみで、テレビやゲームなどは談話室で行う決まりになっている。 なお携帯ゲームも自室ですることは禁止されていて、しばしば自室に持ち込んで遊んでいるところを職員に見つかり没収、ということがあるとか。 それ以外の私物の持込は、日用品や消耗品を除いて、購入する場合職員の許可を得る必要がある。 (家具、1万円以上のもの、ペット、大きな音を発するもの、電子機器など) 15歳以上で、尚且つ学校での素行に問題がない児童に限り、一人部屋の利用とある程度の自由が認められている。 一人部屋はベッドにナイトランプがつき、少々タンスのサイズが大きくなるだけで、他は二人部屋とは差がない。 起床時刻は全員一律6時半。職員は5時半。消灯時刻は年齢、学年によって変動する。 6-8歳(小1-小3):20時半 9-12歳(小4-小6):21時 13-15歳(中1-中3):22時 16-18歳(高1-高3):24時 また、20時半以降は原則として児童は談話室と自室、大浴室以外の出入りが禁止されている。 * 大広間 大居間とも。児童の間では「おいま」と呼ばれている。24畳。 平日の夕方から夕食前まで、休日の日中から夕食前まで開放されていて、主に小学生の児童が走り回れる空間としてあてがわれている。 * 大食堂 大広間と対になる部屋。24畳あるが、人数が少ない為現在は半分をスライド式の壁で遮り、物置になっている。 12畳のうち4畳が台所、残る8畳に16人がひしめくせいで、時折物置を片付けてくれと要望が来るとか。
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side nocchi 学園祭10日前。 「のっち、おはよっ。」 下駄箱で朝からゆかちゃんに遭遇。ラッキー。いつもながら髪の毛サラサラでいいねぇ。 「おはよー!あれ?あ~ちゃんは?」 「うん、それなんだけど。」 そう言うとゆかちゃんは素早くあたしの制服のリボンを引っ張って体を寄せた。 いい匂いだぁ... うっとりしちゃうよ。 「のっち、あんたあ~ちゃんに何したん?不機嫌っぽいよ。」 耳元で囁くゆかちゃんの声は、いつもの甘さの中に刺を含んでいた。なんか怖いんですけども。 ...って あたし何もしとらんよねぇ?昨日も上機嫌で別れたし。 「何もしとらんよ? あたしの所為っぽかったん?」 「いや、分かんないけど。あれはのっちの事考えてるときの顔じゃった。」 えぇっ!?こういうときのゆかちゃんのカンはまず外れてない。何したんよ、あたし! ゆかちゃんはあたしを離すと、さっきまでのふわふわな声に戻っていた。 「じゃあ、後で教室でねぇ。」 「あぁ、うん...」 思い当たるところが無い。何だ? その時ケータイがポケットの中で震えた。一件のメール。 「なんだ、クーポンか。レンタル新作半額じゃ!ラッキー!」 ん?メール? 昨日あ~ちゃんとメールしてたよね。昨日のメールの内容確認。 8時半頃からやりとりが始まって...11時であたしが寝て... ヤバい。最後返信してない。最後の内容なんだっけ?急いで最後のメールを開く。 「のっちアタシの事嫌いになったん?」 はぃ!? 寝ぼけてたからその前後の内容が思い出せない。 しかもなぜかそれの前のメールがすべて消去されていた。 これに返信しないってヤバすぎる。 あたしは教室に駆け込んで、ダッシュでゆかちゃんのところに行った。 「のっち、心当たり見つけた?」 既に笑顔がコワい。悪魔の微笑になってる。 あたしは事の一部始終を説明した。 「はぁ... 本物のアホじゃね。どーやったらそんな深刻な話忘れるん?」 ゆかちゃんは本気であきれてるみたい。そりゃそうか。 「後であ~ちゃんに謝りんさい。許してくれると思うけど... 前後の話が分からんからねぇ。」 そして噂をすればなんとやら。あ~ちゃん登場。あたしを睨みつけるようにして横を通過。 最高の笑顔で振り返ってくれた、と思ったら、 「ゆかちゃんおはよっ!」 無視ですか。 「あ~ちゃんおはよ~。」 ゆかちゃんもまたフツーに笑顔で返しちゃう。 「ゆかちゃん、ヒドい。のっちの味方してよ。」 「悪いのはアンタじゃろ。後でなんとかあ~ちゃんに言ってみるけぇ我慢しなさい。」 流石! 「ありがと!やっぱゆかちゃんはいい人だねぇ。」 あたしがゆかちゃんの所を離れて自分の席に着くと、早速ゆかちゃんはあ~ちゃんの所に行った。 なにか話してる。どんどんゆかちゃんの表情が曇っていく。何だ!? 二人の会話は終わったみたいだけど、こっちを見るゆかちゃんの笑顔がコワい。 とりあえずホームルームが終わって、あたしはゆかちゃんのところへ。 ゆかちゃんの冷たい目があたしを見据える。 「のっち、あんた昨日のメールの内容ホントに覚えてないん?」 「うん、ホントに覚えてない。」 ゆかちゃんからここでトドメの一撃。 「あんた、サイテーじゃ。」 なっ... 本気で凹んだ。でもこのまま引き下がるワケにも行かない。 「あたしが何したのか教えてください。お願いします。」 本気でビックリしてる。あたしは知らずにあ~ちゃんを傷つけたかもしれない。 答えを待っていると、ゆかちゃんはゆっくりと話し始めてくれた。 「のっちは昨日あ~ちゃんとダンスの話しとったんよ。学園祭の。 そこからあたしの話になったって。忙しそうだとか、保健室通ってるとか。 それで、あ~ちゃんがふざけて、あ~ちゃんとあたしが同時に具合悪くなったらどっちを 先に保健室に運ぶかってメールしたら、即答であたしって送ったって。 んで、のっちが最後に見たメールに続いたみたい。 のっちが寝ちゃったこととかは一応説明しといたけぇ、あとは自分で何とかしんさい。」 あたし、なんて事を。バカだ。ある意味本音だけど、絶対に二人とも一緒に助けるのに。 「ゆかちゃん、ありがと。」 あたしは走り出していた。移動教室で、体育館から教室に向かおうとするあ~ちゃん。 廊下を人目を気にせずに走り抜けた。後ろから腕を掴んで強引に引き寄せる。 「ちょっ、 何すんのよ!?」 じたばた暴れるあ~ちゃんを思い切り引っ張って、トイレに連れ込んだ。 少し息を整えて、あ~ちゃんの目をきちんと見る。 あ~ちゃんの視線は揺れている。絶対にあたしの目を見ないようにしてるのがわかった。 「で、何よ?」 あたしは勢い良く頭を下げた。出来る限り深く、少しでも届くように。 「ごめん!あ~ちゃんの事すごい傷つけた。無責任にメール返してゴメン。 もし二人が一緒に倒れたらいっぺんに二人とも担いで助ける。二人とも同じぐらい大切じゃ。 嫌いになんてなるワケないじゃん。大好きだから。許して...」 しばらくしてあ~ちゃんはやっとあたしを見た。穏やかな、菩薩みたいな目で。 その瞬間あたしは下げた頭に優しい温もりを感じた。あ~ちゃんの手の温度。 「許す。」 そっと上を見ると、半分泣き笑い状態のあ~ちゃんの顔。 「ありがと。」 あたしとあ~ちゃんは顔を見合わせて笑った。最高にキラキラした笑顔で。 「しっかし、まぁ、ホントに手のかかるコ達じゃね。」 樫野有香にしてみれば、自分がネタになっていたのは気になるが、子供のケンカみたいな物。 二人ともまだまだじゃね。 制服を綺麗に畳むと、二人のところへ向かった。 帰りのホームルーム。 「さっ!終わったら水野先生にしごかれに行くよ!」 元気のいい、いつものあ~ちゃん。 「その前にちゃんと提出するものしなきゃ。」 ゆかちゃんはやっぱりしっかりしてる。 二人の後についていくのがやっぱり一番しっくりくる。あたしのポジションはここ。 いい位置にいるとつくづく思います。幸せモンだなぁ、あたし。 って... ん?プリントって... 「あぁ!プリントが!弁当のドレッシングでメチャメチャになっとる!」 あ~ちゃん爆笑、ゆかちゃん苦笑。 「やっぱりのっちはオチ担当じゃ。」 「そうそう、もーちょっとしっかりしてもらわにゃ。」 「先生に謝ってくる!」 あたしは猛ダッシュで中田先生に謝りに行った。 冷めた中田先生の反応。沸く教室。やっぱりあたしはオチ担当なのか。 大本彩乃。まだまだ成長が必要そうです。学園祭までにもーちょっとレベル上げ頑張ります!