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キャラクター一覧・ハ は ハヌイ・ノワ ハンナ・ノワ ふ フェノミナ・ハニーセクト ブラオベーレ・ハイデル フランシーヌ・ルージュ・トランシュヴァリエ フロルド・リーフ フレイヤ・アマテラス ほ ポリアンナ・ポリネシア ユリア・エルウィンド YULEAR ELLEWIND 風は全てを知っています。 肩書き: 種族:リーフィア 性別:女 年齢:16歳 誕生日:5月10日 宝月の星:緑柱星 血液型:P型 身長:167㎝ 体重:50㎏ 3サイズ:B W H 一人称:私 二人称:貴方、皆さん 呼称:~さん 家族: 出身地:エルウィンド王国 職業:ワルキューレ 武器:槍、弓 防具:ジェネラルワルキューレドレス 能力:風の声を聞く 好きなもの:平和 嫌いなもの:不真面目な人 好きな食べ物: 嫌いな食べ物: 趣味:空の観察 将来の夢: 人里離れた山脈にあるエルウィンド王国の王女。 そして女性戦士ワルキューレの部隊「風の姫百合」の若き将軍。 年相応の少女のあどけなさがあるもの、大人びた雰囲気と冷静さを持ち合わせており、部隊をしっかりと率いる将軍としての責任感も強い。 礼儀正しく誰にでも敬語で話すが年少の子供にはタメ口で話す。 長い間山脈で吹く風に触れながら育った為風の声を聞く不思議な力を持つ。 それを聞く事で山脈の周辺に危険が無いかを調べたり、世界で起こっている事件などを知る事が出来る。 今から4年前イリスは、前の将軍であった母親(リーフィア)が任務中の事故で足が動かなくなった事で引退し、新たな将軍へと就任する。 若干12歳での就任だった。 イリスにはエリサ(イーブイ)と言う5歳年下の妹がいた。 イリスが13歳の時である。 エリサと山脈で遊んでいた時、突如現れた山賊の襲われエリサを誘拐されてしまう。 イリスはエリサを助け様と挑んだが力の強さで圧倒され敗北。 イリスはエリサの無事を祈って行方を追う為旅立った。 部隊は副将軍のゼラ(ミミロップ)に任せている。
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ケロテレビ年間音楽BD/DVDランキング2018 年間 | シングル | アルバム | CDシングル | DLシングル | BD/DVD特典CD | トータルセールス | 作品・シリーズ別 | ジャンル別 1-45 + 【ランキング動画を見る】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm34287606 http //www.nicovideo.jp/watch/sm34287606 順位 CD名 アーティスト タイアップ 発売日 年間売上 1 THE IDOLM@STER SideM 3rdLIVE TOUR ~GLORIOUS ST@GE!~ Side MAKUHARI - THE IDOLM@STER SideM 11/7 32326 2 Aqours 2nd LoveLive! HAPPY PARTY TRAIN TOUR Memorial BOX Aqours ラブライブ! サンシャイン!! 4/25 29277 3 THE IDOLM@STER SideM GREETING TOUR 2017 ~BEYOND THE DREAM~ - THE IDOLM@STER SideM 4/25 24763 4 A3! FIRST Blooming FESTIVAL - A3! 4/25 23950 5 あんさんぶるスターズ! DREAM LIVE 1st Tour “Morning Star!" - あんさんぶるスターズ! 6/13 20874 6 シンフォギア ライブ2018 - 戦姫絶唱シンフォギア 8/29 19662 7 ワルキューレ LIVE2018 ワルキューレは裏切らない ワルキューレ マクロスΔ 10/24 18995 8 NANA MIZUKI LIVE GATE 水樹奈々 - 6/20 17795 9 Saint Snow PRESENTS LOVELIVE! SUNSHINE!! HAKODATE UNIT CARNIVAL Memorial BOX - ラブライブ! サンシャイン!! 10/24 15707 10 MAMORU MIYANO LIVE TOUR 2017 ~LOVING!~ 宮野真守 - 3/21 14768 11 あんさんぶるスターズ! Starry Stage 1st - あんさんぶるスターズ! 10/5 13982 12 THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 5thLIVE TOUR Serendipity Parade!!! @OSAKA - THE IDOLM@STER シンデレラガールズ 6/27 13553 13 THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 5thLIVE TOUR Serendipity Parade!!! @ISHIKAWA - THE IDOLM@STER シンデレラガールズ 6/13 13459 14 THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 5thLIVE TOUR Serendipity Parade!!! @MIYAGI - THE IDOLM@STER シンデレラガールズ 5/30 13357 15 THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 5thLIVE TOUR Serendipity Parade!!! @FUKUOKA - THE IDOLM@STER シンデレラガールズ 8/8 13164 16 THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 5thLIVE TOUR Serendipity Parade!!! @SAITAMA - THE IDOLM@STER シンデレラガールズ 8/29 13152 17 THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 5thLIVE TOUR Serendipity Parade!!! @SHIZUOKA - THE IDOLM@STER シンデレラガールズ 7/11 12574 18 THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 5thLIVE TOUR Serendipity Parade!!! @MAKUHARI - THE IDOLM@STER シンデレラガールズ 7/25 12305 19 林原めぐみ 1st LIVE -あなたに会いに来て- 林原めぐみ - 17/12/13 12099 20 THE IDOLM@STER SideM Five-St@r Party!! - THE IDOLM@STER SideM 9/26 11852 21 Inori Minase LIVE TOUR 2018 BLUE COMPASS 水瀬いのり - 10/17 11602 22 Inori Minase 1st LIVE Ready Steady Go! 水瀬いのり - 4/4 11174 23 THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 4thLIVE TH@NK YOU for SMILE! - THE IDOLM@STER ミリオンライブ! 1/17 10835 24 Animelo Summer Live 2017-THE CARD- 8.27 - アニサマ 3/28 10814 25 Animelo Summer Live 2017-THE CARD- 8.25 - アニサマ 3/28 10300 26 ユーリ!!! on CONCERT - ユーリ!!! on ICE 4/27 9979 27 Poppin Party 2015-2017 LIVE BEST Poppin Party BanG Dream! 5/30 9035 28 Animelo Summer Live 2017-THE CARD- 8.26 - アニサマ 3/28 8412 29 Kalafina 10th Anniversary LIVE 2018 Kalafina - 6/13 8382 30 Kiramune Music Festival 2018 - - 11/28 8332 31 TrySail Second Live Tour"The Travels of TrySail" TrySail - 9/26 7974 32 S.Q.P -SQ PARTY 2017 SUMMER- - ツキプロ 17/12/22 7217 33 Original Entertainment Paradise -おれパラ- 2017 ~ORE!!SUMMER~ - おれパラ 8/8 7214 34 田村ゆかり Love Live *Crescendo Carol* 田村ゆかり - 5/23 7150 35 THE IDOLM@STER 765 MILLIONSTARS HOTCHPOTCH FESTIV@L!! 765 MILLION ALLSTARS THE IDOLM@STER ミリオンライブ! 11/21 7069 36 君の名は。 オーケストラコンサート RADWIMPS 君の名は。 4/18 6007 37 蒼井翔太 LIVE 2017 WONDER lab.0 蒼井翔太 - 6/27 5945 38 小倉唯 LIVE Cherry×Airline 小倉唯 - 9/12 5033 39 夢色キャスト DREAM☆SHOW 2017 夢色キャスト 夢色キャスト 9/12 4943 40 ワルキューレ LIVE2017 ワルキューレがとまらない ワルキューレ マクロスΔ 17/5/31 4520 41 THE IDOLM@STER SideM 1st STAGE ~ST@RTING!~ - THE IDOLM@STER SideM 16/7/13 4192 42 Mimori Suzuko Live 2017 Tropical Paradise 三森すずこ - 17/12/20 4028 43 遠藤ゆりか FINAL LIVE -Emotional Daybreak- 遠藤ゆりか - 10/31 3993 44 A.L.P -ALIVE PARTY 2017 SUMMER- - - 1/26 3840 45 KING OF PRISM SUPER LIVE MUSIC READY SPARKING! - KING OF PRISM 3/30 3793 年間 | シングル | アルバム | CDシングル | DLシングル | BD/DVD特典CD | トータルセールス | 作品・シリーズ別 | ジャンル別
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「…フンッ なんか知らないが! 知恵をつけたサルのように自信を持ったものだなァ――使い魔君ッ」 血だらけなのにひるむ様子を見せない仗助にすこしたじろいだギーシュだったが 自らの勝ちは揺らぐまい! その確信は変わらなかった 「…やってみろよぉ――『レビテーション』をよ…グラモンさんよ…」 「そうか反省したいか! ならばくらえ『レビテーション』ッ」 ギーシュは杖を振り上げて自ら編み出した必勝パターンに再びハメようとした …はずだった! たしかに奴に魔法はかけた 浮き上がるレビテーションの魔法をだ そしてたしかに浮かび上がっていった… 事実だけ見ればその通りだった 一瞬、浮かび上がったのをギーシュも確かに目撃した だが次の瞬間 仗助はそこにいなかった 何があったか、すぐに検討のついたギーシュだったが! 「…バカなッ」 キュルケとの戦いであれだけ何度もやっていたのだ あの対策も含めてのレビテーション殺法である やつのアレは精密性には欠けていたのではなかったか? だから身体を不安定に浮かせてやれば無力化できるはずではないのか? それが…なんだ? なんだ、あの『ゴーレム』は? ドドッ ギュンッ ギュンッ 飛び始めたが一直線! モノスゴイ速さで遠ざかっていく 壁に向かって! そして壁を蹴り地面を蹴り ジグザグ走行で迫ってくるッ 土煙をまきちらしながら! 今ようやくわかった 『見えない拳』はあの『ゴーレム』だ やつが身体の中に飼っているアレが第二の手足のように殴ったり蹴ったりしていたのだ どうして今いきなり見えるようになったかは知らないが そんなことはどうでもいいッ 右ッ! 左ッ! やつは視界を外れながら接近してくる いくら魔法でも「見ていない」ものを飛ばすことなんぞできない 仮に見えても速すぎる なんてこと 対策されてしまったッ 「だが決定打をぶち込むにはッ 近づいてくるしかないよなぁ――ッ!! ぼくのワルキューレの獲物はランス…」 「ドラァ!」 ドゴワ メココォ ベキッ 「ふぐげぇ――ッ」 ドシャアッ 側面から軽快なステップで飛んできた仗助から飛び出す『ゴーレム』の拳は ワルキューレの顔面と右腕と脇をしたたかにえぐり ギーシュもろとも殴り飛ばした 鼻血噴出! 鼻(ハガ)の骨(フニ)が折れた (…そっかぁー ぼくはバカかァ―――? ぼくにまっすぐ向かってくるしかなかったからこそのランスだったわけでぇ――) 必死で魔法を繰り、ワルキューレを立ち上がらせ 武器を構えさせたギーシュは絶望する 「取り回しが悪すぎるッ どうにもならない!」 「ドラドラァ」 メシ ビキビシッ グシァ みっともなく尻で後じさっている目前でワルキューレがクズ鉄と化してゆく 一撃でバラバラにぶっ飛ばしてしまうほどのパワーはないようだが なんという数を打ち込んでくるのだ 全身へこみヒビ割れだらけの青銅人形にもはや戦闘能力は無いッ だがギーシュはこれに頼るしかない なぜなら… (こんなブザマをさらすとは思わなかったが! 必殺のカードは未だ! ぼくの背後に伏せられている――― カウントダウンして待ちかまえてやろう そうだ、そのまま…来い) あまりの逆転劇にボーゼンとしているのはルイズ 使い魔から現れたゴーレム(?)がギーシュのワルキューレをぶちのめしていく 自分のゲンコツにもピリピリひびいてくるようだ 青銅を殴る音響と反動が… 「いたたっ…」 はずれた右腕の間接にもさわって、つらい わたしでこうなら、あんな血まみれで戦ってるあいつは… 旗色がよくなったのは喜んでやってもいいけど、このままじゃ死んでしまうわ もーまったく! どこまで手間かけさせる気なのよッ こんなの絶対おかしいわよ どーして呼び出した使い魔にここまで困らされなきゃいけないの? 理不尽じゃないッ 野次馬こいてるクラスメートたちの方へヨタヨタと駆け出すルイズはこの瞬間 内職倍増が決定していた そこに目ざとくやってきたのはキュルケ…なによそのウレシそうな顔は? 「あら、なかなか絵になるカッコじゃない」 「っるさいわね! イヤミなんか聞いてるヒマないのよッ」 「またお金貸しなさいって? フフフ」 「このままじゃ、そのっ…元も子もなくなっちゃうじゃない あんたも、わたしもッ」 「いいけど… ちゃんと返しなさいね、でないと」 「くどいのよ!」 期日までに返せなければ わたしの使い魔はツェルプストーにとられる そういう約束でお金を貸されたのだ ハイと言うしかなかった 使い魔が起こした騒ぎの賠償金でわたしの財布はスッカラカンになり 治療に使えるお金が残らなかったのだ 屈辱だわ ムカツクわッ そう 治療にはお金がいるのよ だからまた借りるのよ 考えてみればプライドなんかとっくの昔に売り飛ばしてたわね ああまったく! さっさと他のみんなに終わった後の治療を頼んで回らなきゃ わたしじゃどうにもならないってわかりきってるもの あああ くやしい くやしい くやしい 痛いけど泣いてやらない バカにされたくないものッ 「…どこ行くの? タバサ」 キュルケの声に振り返ってみた 一番いそうにない野次馬がいたことに今、気がついた タバサ…何を考えているかワカンナイやつ 聞いた話だとシュヴァリエ…騎士の称号を持っているらしいけど めったに口をきかないから、わたし自身は全然知らない でも、そのあとの言葉は軽く扱えなかった 「決闘が汚されている」 「え?」 「だまし討ちで殺すつもりなら、これは決闘じゃない」 タバサは杖を引き抜いた 「…クッ、ハハハ、見事だね使い魔君 実力を隠していたか」 「知らねぇーよ テメーにゃプッツンしてるッスからなぁー それだけか? 自慢のワルキューレさんはよォォ――」 「さあね、フフフ…右かな? 左かな? まだまだ土の中に隠れているかもしれないぜ?」 「そーっすかァ― だったら今すぐテメーを秒殺すりゃー問題ねーって話だなぁ――」 「やれるものならきたまえよ! きたない鳥の巣頭君!」 プププッチ――ン 「クレイジー・ダイヤモンド!」 「ワルキュゥゥーレッ!」 仗助の身体からクレイジー・ダイヤモンドが飛び出す 天の平たい兜 筋骨隆々の肢体にハート状のプレート装甲! 全身の姿がギーシュに襲いかかっていく そこへ割り込む半壊したワルキューレに向かって十数発の鉄拳がめり込んだ 「ドララァァ―――ッ」 バキ ワシャ メコ グラシャア! 今度は耐えきれなかった バラバラに砕け散るワルキューレ その後ろをギーシュは魔法で滑空していく むろん仗助はすかさず追いかけた クレイジー・ダイヤモンドの脚力で真正面へダッシュ! ぶちキレたなら細かいことは考えない 胸ぐらつかみ上げてレビテーション封じてやる そのはずだったがヤツの目前! ふみこんだ瞬間足が沈む! 「こ こいつはッ」 「ハハハッハァ――― キミという男は進歩がないィィィ―――ッ!! すでにヴェルダンデに掘らせておいたのだッ」 浅く掘った落とし穴! あのときと同じでハマッたものの足首をあっさりへし折る! 「そして死ね!! ワルキューレはぼくの背後、六体いたッ!!」 ズボボ ガシャ シャ ギシャ 土から顔を出した六体のワルキューレが頭上に思い思いの武器を突きだし槍ブスマを形成! ギーシュが横にチョイとかわせば つんのめった仗助はメッタ刺し! だがすぐにわかること…考えが甘かったのは そう、真に考えが甘かったのは! 「ドラァ!!」 バギ メシャア 仗助にはギーシュの顔面をぶん殴ることしか頭になかった 最初から! クレイジー・ダイヤモンドで四、五発殴って 結果的に反動で前のめりを回避! そして、脱出しかけたところをぶっ飛ばされたギーシュは 「ふん、が、ぐっぐ…おげぇ」 自分で用意した槍ブスマに背中から突っ込んでいた 左肩、右胸、下腹を剣や槍が貫通! あわれ右足に至っては切断されて向こう側に飛んでいっていた 勝負ありだったが野次馬もわくどころではない 誰も、こんなものを見に来たわけではないのだから… 「なんつー、えげつねぇものを…まじに殺す気だったのか? てめぇ…」 またも折れた足首を引きずって 仗助はずりずりとギーシュに向かう 警官である祖父に聞いたことがあった ひどいケガをした人間は死ぬ間際、全身が痙攣(けいれん)すると… すでに、それが始まろうとしているのだ 一歩間違えば、今ああなっていたのはオレだった こいつはそういうことをやらかした 自業自得ってやつだ 「…でも、オレはイヤだね」 クレイジー・ダイヤモンドは壊れたものをなおす能力 さわるだけでこいつを助けることができる… 這いずって、やっと、さわれた 身体から槍や剣が抜け落ちて、ふっ飛んだ足も血溜まりも元の通り、何ごともない これでよし 仗助はその場にばったりと倒れ伏した なんか、今までみなぎってた力が一気にぬけてくみてぇだ …だれか、駆け寄ってくるな? 「お、おまえ…使えるんじゃない、治癒の魔法!」 「ああ、おめーかよ」 「バカじゃないの? どうして自分に使わないのよ、死ぬわよ、おまえッ」 イテテテッ、ムリヤリ頭を起こすな 身体ひっくり返すな そんでもって耳元で怒鳴るな! キズにひびくじゃねーか… 腹の中で不平をタレまくりながらも仗助はちゃんと答えてやる 「…オレの力は、自分自身には使えない よくわかんねーけど、そういうルールらしい」 「っ…だったら、だったで! どうしてこんなヤツを助けるのに使うのよ! おまえをだまし討ちで殺そうとしたサイテーのヤツじゃない」 「オレは人殺しはイヤだね! …それによ」 ギーシュの方へガンバって首を向けてみる仗助 「死んだら反省できねーだろーがよ、こいつ」 …あ、いつの間にか これっていわゆるヒザマクラ? ルイズに首を向け直す最中 ふと仗助は気づいてしまった そういやこいつ さっき片腕壊してたっけ オレをかばってよ… まあいいや 役得、役得 ザマミロ! ヤワラケー! タマンネー! ゴスン なにか伝わってしまったらしい 一気にムスッとしたルイズは仗助の頭を地面に落っことし 今度は左腕を肩に回そうとしてきた 「このドスケベ使い魔」 「イテテ…ンだよ、オレは使い魔じゃねぇーぞ」 「黙んなさい、これからおまえを治療しなきゃいけないのよ …重い~ 自分でも立ちなさいよッ」 「ムチャ言うな、折れてんだよ…」 文句は言うがよ、今はこいつの肩でも借りるしかないな… 仗助の右腕もまた、ルイズの背にかかっていた :東方仗助 この後ルイズのクラスメート達からの集中治療で応急手当完了 翌日、騒ぎを聞きつけた教員から全員そろって怒られた上でちゃんとした治療を受けた 全身包帯まみれに逆戻り :ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール 仗助とともに治療を受け、翌日一緒に怒られる かなり不本意だったが、ここはご主人様の情け深さを示してやることに :ルイズのクラスメートたち 治療代を請求したものは誰もいなかった :キュルケ・フォン・ツェルプストー ルイズの借金が増えなかったことに苦笑混じりの舌打ち 怒られる最中も終始楽しそうだった :ギーシュ・ド・グラモン 翌日の昼食時にはすでにひとりだった 彼のまわりには誰一人近寄らなかった :タバサ 「………」 出る幕はなかった 杖をしまって引き返す ドット以下とはいえ 治療する人数があれだけいるのだ 自分があえて出て行って目立つ必要もない… 目立ちたくもないのに助太刀などしようと思ったのは なんのことはない 相手を下に見て虐げるやり口に吐き気を感じただけだった 「あの女」の趣味とまるで一緒のこぎたない企みをにぎりつぶしてやるのに 大してリスクを感じなかったからである そう…ギーシュの用意した、あの槍ブスマ あれはルイズの使い魔に『拳と槍の勝負』を持ちかけたときに使うはずだったものだ だました上で冷静さを奪い、バカ正直に突っ込んできたところを串刺し! それが悪いとは言わないが、何が名誉をかけた決闘だ 単におまえは相手の生命をオモチャにして遊んでいるだけだろうがッ そんなやつが勝利する高笑いを想像したらムカついた 自力でそれをひっくり返してみせた、あのルイズの使い魔は ずいぶん久しぶりに『痛快』な気分というのを思い出させてくれたが…問題はその後だ 「癒しの…力…あれほどの 死人さえも生き返しかねない…」 「…?」 物陰から見ていたコルベールに、たった今気がつく はからずも自分の考え事と同じようだった 「…あなたもいたのですか、こんな時間に… はやく寝なさい… 叱るのは明日にしますから」 ぶつくさ言いながら去っていくコルベールに背を向け タバサはむやみに歩調を強めた おぼれる者のつかむ藁を得たのだ! (あの力だったら…もしかしたら) 青銅のギーシュの巻(完)
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ディアボロは歩きながら先程までの会話を思い出す 食事中突然苦しくなったと思ったら目の前にあの小娘だ 「“こんな目に遭いたくなければ使い魔としての立場をわきまえることね”だと、小娘め」 憤然としながら歩いていた為、何かを踏み砕いた事に気が付かなかった (気付いたとしても気にも留めなかっただろうが) 「待ちたまえ」 金の巻き毛をした少年がこちらに向かって声を掛けてきた 「何だ、小僧」 「キミが今踏み付けた壜から足をどけたまえ」 「壜だと」 確かに足の下には砕けた壜の欠片が見える ディアボロはそれを踏み躙りながら言った 「これがどうかしたか」 「足をどけろと言ったのだ、それはモンモラシーから貰った大切な物だ どけなければ彼女と僕を侮辱しているものと受け取るぞ!」 それを聞き一旦は足を持ち上げた、そして思い切り踏み下ろした 顔に向かって手袋が投げ付けられる 「ヴェストリ広場だ!そこで待つ!」 (ふん、決闘というわけか、青っちょろい小僧如きが まあいい、メイジとやらの実力を測るいい機会だ) 手袋を広げながらそう考えたディアボロは近くの人間に場所を聞き、ヴェストリ広場に歩を進めた 一連の様子を影から見ていたルイズはほくそえんだ ディアボロとギーシュの決闘 普通の人間なら大慌てで止めに走るだろうが、止める気は微塵も無い いい機会なのだ 自分が呼び出した使い魔が只の平民等では無い事示すいい機会 ギーシュはドットクラスだがれっきとしたメイジだ それを圧倒したともなれば、召喚したルイズの評価も変わるであろうというものだ 不思議な事にルイズはディアボロがギーシュに負けるとは微塵も考えていないらしい 実力的に隔絶していたとしても勝てるとは限らないのは何度も見ている筈なのにも関わらずである 「ヴェストリ広場」 日中でも余り日が差さぬ中庭で、そうであるが故に決闘がたびたび行われている場所でもある (現在では貴族同士の決闘は禁じられている為、いいとこ生徒同士の小競り合いといった具合だが) 決闘があると聞きつけた生徒達が大挙として押し掛け、広場を取り巻いている その中心で二人の男が対峙していた 「ここに居る全員が立会人だ、君が負けたなら先程の侮辱を頭を下げて謝罪して貰おう!」 「やってみろ、お前の様なマンモーニに出来るものならな」 ディアボロの言葉に激したギーシュは薔薇の花を振るい、一枚の花弁を落とした 花弁から現れた甲冑姿の女性を模した彫像に命じる 「ワルキューレ、あの男を叩きのめせッ!」 ギーシュの声と共に彫像-ワルキューレがディアボロに向かって突進する (ほう、ゴーレムという奴か、だがその程度では話にもならんわ) 「キング・クリムゾンっ!!」 観衆の中に紛れていたルイズはディアボロの傍に立つ異様な人影を見た 身長はディアボロと同じ位、金網状の模様が全身を覆い、額には小さな顔がもう一つ付いている ギーシュも観衆も誰も目を向けてはいない 誰も気付いていない?見えていないのか? ルイズははたと気付いた、 あれこそがあの不可視の人影こそがディアボロの自身の源、自分が感じたディアボロの力なのだと ワルキューレがディアボロに向かって突進する ディアボロがワルキューレに向かって突っ込む 両者の距離が5メートルを切った時 「!? な、何だ、身体が重い! 立っていられないだと! はッ!」 両者がぶつかった鈍い音が広場に響き渡り、気まずい沈黙だけが後に残った ■今回のボスの死因 転んだところにギーシュのゴーレムがぶつかり頚椎骨折で死亡
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学院長室は本塔の最上階にある。トリステイン魔法学院の学院長を務めるオスマン氏は、白い口ひげと髪を揺らし、重厚なつくりのセコイアのテーブルにひじをつきながら、ミスタ・コルベールの報告をさもめんどくさそうに聞いていた。 「オールド・オスマン。あの『ロハン』という平民。私は危険だと考えます」 「彼は『不思議な能力』を持っています。どうやら、召喚時にミス・ヴァリエールの記憶を読んでいたように思えます」 「どういうことじゃ?」オスマンの目に、よぼよぼの年寄りとは思えない光がやどった。 このじじい、もとい、この老魔法使いはやるときはやるのである。 やらないときはミス・ロングビル相手のセクハラしかしないが。 「はい、彼が召喚されたとき、彼は空中に『人影のようなもの』を出現させていました。それを見たミス・ヴァリエールは、顔の部分が本のようにぱらぱらとめくれるようになって気絶していました。それをロハンが興奮したように読んでいました」 「おそらく、彼が出現させた『人影のようなもの』を見たら自分の記憶が体に書き込まれた本の状態になり、気絶するような能力なのでしょう」 「他の生徒に被害は?」 「いえ、生徒たちは遠巻きに見ていたので被害はありませんでした。私はとっさに目の前に炎を作り出して、炎を通した、『ゆがんだ人影の像』しかみていないので術にかかりませんでした」 「おぬしのことなんぞ聞いてないわい」 「…そして彼に浮かび上がったルーンですが、このルーンが現れました」 コルベールは『始祖ブリミルの使い魔たち』という本の挿絵のひとつをオスマン氏に指し示した。 「ふむ…『ガンダールブ』か。これはやっかいじゃのう」 ドアがノックされた。 「誰じゃ?」 扉の向こうから、ミス・ロングビルの声が聞こえてきた 「私です。オールド・オスマン」 「なんじゃ?」 「ヴェストリの広場で、決闘をしている生徒たちがいます。 止めに入った教師がいましたが、生徒たちに邪魔されて止められないようです」 「まったく、暇をもてあました貴族ほどタチの悪い生き物はおらんわい。で、だれが暴れておるんだね?」 「一人は、ギーシュ・グラモン」 「相手は?」 「それがメイジではありません。ミス・ヴァリエールの使い魔のようです」 オスマン氏とコルベールが顔を見合わせる。 「ミス・ヴァリエールには使い魔が二人いたはずじゃが、いったいどちらかね?」 「ブチャラティと名乗る青年のほうです。教師たちは、決闘を止めるために『眠りの鐘』の使用許可を求めております」 「アホか。たかが子供のけんかを止めるのに、秘宝を使ってどうするんじゃ。ほうっておきなさい」 「わかりました」 ミス・ロングビルが去っていく音が聞こえてきた。 コルベールはつばを飲み込んで、オスマン氏を促した。 「オールド・オスマン。彼の方も何か『能力』を持っている可能性があります」 「うむ」 オスマン氏が杖を振ると、壁にかかった大きな鏡に、 ヴェストリ広場の様子が映し出された。 「怪我したくなかったら、謝ってきなさい。今なら許してくれるかもよ」 ブチャラティに追いついたルイズが話しかける。 「いや、俺はこの『決闘』を受ける」 「なんでよ!あのね?平民は絶対メイジに勝てないし、あんたは怪我するわ。いえ、殺されてしまうわ!」 「大丈夫だルイズ。奴はオレを『殺そう』とは思っていない。 痛めつけるついでに『死んでしまってもかまわない』とは思っているようだが。 この差は大きい」 「それにだ。彼のような生意気なガキは一度痛い目を見なければならない。でないとゲスのような精神を持った大人になってしまう…」 ブチャラティは、まるで自分が必ず勝つかのように話している。 「そして、メイジに魔法の能力があるように、オレにも『スタンド』という能力がある。オレが完全敗北する可能性は非常に低いだろう」 「『スタ…ンド?』なんだねそれは…いったい」 ルイズがボケをかましている間にブチャラティは群集の環を通り抜けてギーシュと正対してしまっていた。 「もう!あんたなんて知らない!」 「とりあえず、逃げずにきたことは誉めてやろうじゃないか」 ギーシュは堂々と正対する男を見下すように言った。 (平民のくせに!僕の彼女を!そのルックスもイケメンな顔でぎろうなんてよ~~~!! こいつはメチャゆるさんよなぁぁぁ~~!!) ブチャラティのルックスがイケメンかどうかは意見の分かれるところだが、とにかくギーシュはこの『決闘』に貴族らしく勝つことで、モンモランシーに「ギーシュ様素敵!」と、再度自分にホレさせようとしていた。 「まずは名乗らせていただこう。僕はギーシュ・ド・グラモン。二つ名は『青銅』。 青銅のグラモンだ。従って、青銅のゴーレム『ワルキューレ』でお相手するよ」 そういいながらギーシュが右手に持つバラの造花を振った。 花びらが一枚、中に待ったかと思うと、人間と同じくらいの甲冑に変化し、ギーシュとブチャラティの間に出現した。 「そして予告しよう!君は僕の『ワルキューレ』にボコボコにされ、剣をのど元に突きつけられた状態で『参った』という!」 ゴーレムをブチャラティに突進させる。 「まった」 ブチャラティの言葉にあわせて、ピタリとワルキューレを停止させる。 「なんだ?もう怖気づいたのか?フッ!これだから平民は!」 「いや違う。俺も名乗らせていただこう」 「オレはブローノブチャラティ。二つ名はない。 だからただ『ブチャラティ』と呼んでもらって結構だ」 なにを余裕ブッこいているんだ?この状況で?イカれてるのか? いや、それよりも彼の隣に立つ亜人はいったいなんだ?いつからそこにいた? 「スタンドが見えるようだな…そしてオレも宣言しておこう!」 次の言葉で、ヴェストリの広場全体の雰囲気が凍りついた。 「決闘にはオレのスタンド『スティッキィ・フィンガーズ』が相手する。 こいつの能力は射程距離内ならばいくらでも開閉可能な『ジッパー』が取り付けられる。 それを利用して物を『切断』することも可能だ」 「そして、オレはこの『能力』で君の杖を右腕ごと切断し、『再起不能』…いや、魔法による『戦闘』を不可能にする!」 広場内が静まり返っている。 すでに最初に作ったワルキューレはバラバラにされ、破片が中に散乱している。 ゼィ…ゼィ…ハァ…ハァ 自分の呼吸がとても大きく聞こえる。 あの平民、なんと言った?『ジッパー』を取り付けられる?切断も可能? そんなのアリかよ?反則だ! 「どうした?何もしてこないならこちらからいくぞ?」 突如『スティッキィ・フィンガーズ』が左手で僕に向かって一発ジャブを放った。 僕と『スティッキィ・フィンガーズ』(スタンドといってたな)は十歩ほどの距離が開いている。 通常ならば彼のスタンドのこぶしは僕にはヒットしない。…通常ならば、だ。 だが僕は見た!ジャブの瞬間、スタンドの右手が左腕の上腕二等筋をたたいたのを! 飛んでくる左腕!これは怖い!ケティ他生徒数名が失神しているのが目の端に映った。 大丈夫なのか?走りよって無事を確かめたいが… 今はこの『飛んでくる腕』を何とかしなければ! 「ウオォ!ワルキューレ!僕を防御しろ!」 目の前に二体目を召還する。腕は止まって地面に落ちたが、ワルキューレは胴体をきれいに真っぷたつにされていた。 「人間のような気配がほとんどないのがやっかいだが、オレの敵じゃあないな」 「まだ続けるか?マンモーニ?」 お…恐ろしいッ 僕は恐ろしい!! 何が怖いって、『貴族』の僕が平然と『平民』に向かって命乞いしそうなことだ! むしろそうするべきだと心の声が叫んでいる! 「ま…」 参ったと叫びかけたとき、ふとモンモランシーの姿が目に映った。 彼女はハラハラした表情で見つめている。今にも倒れそうな表情だ。とても心配している。 ブチャラティでなく。『僕』をだ。 もし僕がここで降参したら、彼女はおそらく僕を幻滅するだろう。 そんなことよりも! 彼女自身に『男を見る目がない』ことを証明することになってしまう! わがグラモン家には一人たりとも女性を不幸にしないのがわが家訓! 「わかったよ父上!『命を惜しむな、名を惜しめ』という言葉が! 『言葉』でなく『心』で理解できた!」 女性の名誉は!グラモン家にとって!命を張るほど重要なのだ! 「『ま…』、何だ?待ってほしいのか?」 ブチャラティが話しかけてくる。 「ああ。君のスタンド、『スティッキィ・フィンガーズ』といったっけな? 今の攻撃方法から見て、わかったことが二つある」 がんばれ、僕。声を震わせないように必死に努力する。 「一つ目は手の部分で触れないと『ジッパー』は取り付けられない。 そして、そいつの『射程距離』はかなり短い。 そうだな、2メイルか3メイルってところだろう」 「…なるほど、よく見ているな。だが、それがわかったところで勝算があるのか?」 「ああ、君を倒す方法を思いついた。やはり勝利するのはこの僕だ!」 ブチャラティに『左腕』を投げ返す。 「なかなかいい目をするようになったな…」 「僕の魔力では『ワルキューレ』は合計で7体しか作れないといったら、信じるか?」 「本当なんだ…君に2体ぶっ壊されたからあと『5体』しか召還できない」 「余裕のつもりか?ギーシュ?」 「『まさか』だろ?戦いの実力は君のほうが圧倒的に上だ」 「この宣言は賭けだ!自分をもっと追い込むための賭けだ!『死中の活』ってやつさ!」 「行くぞッ!ブチャラティ!」 今度は3体同時に召還する。 3体目をブチャラティの右に! 4体目をブチャラティの左に! そして5体目を正面に! それらを同時に攻撃させる! 「なかなかいい『覚悟』だが…実力が足りないな」 3体のワルキューレが、同時に『解体』されてゆく… 「こんなものか?これなら5体同時に召還すべきだな」 「いやッ、まだだ!」 正面のワルキューレの影から僕自身が突っ込む! 右手に杖を、左手に練成した剣を持ち、『フライ』の魔法で距離をつめる!二刀流だ! 「『ワルキューレ』はおとりか?」 「『スティッキィ・フィンガーズ』!」 アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ 僕が突きの形で押し込んでくる剣を、スタンドが細切れにしていく。 「ここまで近づいたぞッ!出ろッ『ワルキューレ』!」 「だが、遅い」 ギーシュの杖は、振り上げた右腕ごと、地面に落下した。 「これで、君は残りの2体も召還できなくなったわけだな」 『スティッキィ・フィンガーズ』の左足で、僕の右腕を踏みつけながら、ブチャラティが淡々と語りかけてきた。 「これは『賭け』だったんだ」 それに対して、ぼくはこう答える。 「『ワルキューレ』を作り出す準備は終わっていた。 『杖を振り下ろす動作』のほかはね…」 「そして、『腕ごと振り落としても魔法は発動するか』なんて誰も試したことはなかったからな…だが、僕は『賭けに勝った』ようだ」 「何だと?」 「『囮』は僕自身だッ!」 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド 6体目と、7体目。 ブチャラティとスティッキィ・フィンガーズ。 彼らの真後ろに発現させた『ワルキューレ』は、それぞれ、目標ののど元にレイピアを突きつけていた。 全魔法力を使い切ったせいか、意識が薄れてゆく… バカな!決闘中だというのにッ… 「いや、『参った。』君のその根性。 正直見損なっていたよ。マジに恐れ入った…君は…」 なんだって?最後まで聞き取れずに、僕は無意識の底へと沈んでいった。 「ハッ!」 僕はベッドの上で気がついた。 「大丈夫?あなた気絶していたのよ?」 モンモランシーが傍らに座って僕の切断されたはずの右手を握っている。 「僕のケガはどうなったんだ?それに『決闘』はどうなった?」 「あなたの傷はブチャラティが完璧に直していたわ。 ううん、直したというより『元どおりにくっつけた』感じだったけど… そして『決闘』は終わったわ。あの平民が『参った』といったの。 あなたはあの化け物使い魔に勝ったのよ!」 「違うな。モンモランシー。勝ったのは彼だ」 「彼は決闘直前に『スティッキィ・フィンガーズが相手する』といった… そして、気がつかなかったのか?彼自身は決闘中『まったく動いてないんだ』… 彼は、最後まで『自分の決闘のルール』で闘った…」 「おそらく、ルール無用の『殺し合い』では僕はあっという間に殺されていただろう… 彼こそ貴族にふさわしい… いや、平民とか貴族とかを超越する、何か『黄金の精神』を感じる…」 「モンモランシー…僕は彼のような「偉大な精神を持つ男」になれるだろうか…」 「ええ…あなたならきっとなれるわ」 「ところで…」 「なんだい?モンモランシー?」 「私の聞き違いかしら?教室のところで、 『ギーシュはケティと付き合っている』ような言葉が聞こえたのだけれど?」 なんというか、モンモン。君の笑顔はステキだけど、なんだか張り付いたようになっているのは気のせいかい? 「僕は君一筋だよ。モンモランシー」 「そんなことはわかっているわ。私のギーシュ」 パァン。僕の頬に紅葉模様ができる。 「ほかに浮気相手はいるの?」 「ちょっと。笑顔でたたくのはやめておくれよ」 パァン。「ほかに浮気相手はいるの?」 「ちょっと…」 パァン。「ほかに浮気相手はいるの?」 「ちょっ…」 パァン。「ほかに浮気相手はいるの?」 「ち」 パァン。「ほかに浮気相手はいるの?」 …… … ルイズとブチャラティは昼食をとりに『アルヴィーズの食堂』に向かっていた。 「ケガがなかったのはよかったけど!せっかくなら勝ちなさいよね!」 ルイズは安心したのか、とたんに怒鳴りつけてくる。 「そんなに怒るなよ… やつは思ったよりも根性のあるやつだったし… 何よりも少年をバラすのはオレの流儀に反するんでね…」 「何なのよまったく… でもドットメイジとはいえあそこまで健闘したのは誉めてあげる。 今度町に行ったとき何かご褒美を買ってあげるわ」 「それはありがたい…」 アルヴィーズの食堂に二人ではいる。 「お疲れ様ですMr.ブチャラティ!」 …ギーシュがいた。背筋を伸ばしてこちらを見ている。 「さ、Mr.ブチャラティ、こちらへどうぞ!僕の隣へお座りください!」 「な、なんなのよ!人の使い魔にちょっかい出さないで! 彼のご飯は別に用意しているんだから!」 「ひょっとしてあの床においてある小汚しいのかい?ふざけるな! Mr.ブチャラティを侮辱することはこのギーシュ・ド・グラモンが許さん!『決闘』だ!」 「まあまあ、落ち着け。二人とも」 争いを止めながらブチャラティは思った。 (な…なんだ?これは…展開が読めない…) そのころ、大破した教室内では… 「……」 「なにッ!本名シャルロット!?北花壇警護騎士団!?スゴイぞこの子はッ」 きゅいきゅい!(お姉さまたちなにしてるの? 私もまぜてー) 掃除はゼェーンゼンはかどっていなかった。 「ところで、ギーシュ。君のワルキューレは杖がなくても動かせるのか?」 「!」 「ハハハ…動かせませんね…」 「詰めの甘いやつだな…」 勝敗の行方 当事者がどちらとも「自身の敗北」を主張したため、 「引き分け」との見方が広がる。 ルイズ ブチャラティを見直す。が、露伴に洗濯を『だが断るッ』されてヘコむ。 ブチャラティ なぜか貴族の食事をGetする。 キュルケ 『私のダーリン』がブチャラティに確定。 ギーシュ ルイズとの決闘は取りやめに。 いやな顔をされたので呼び方を「ブチャラティさん」に改める。 モンモランシー ギーシュとよりを戻す。バカップルL5発動中。 ケティ ブチャラティにちょっとだけときめく タバサ 岸辺露伴に友情を抱いている。本にされたこと自体は気づいていない。 岸辺露伴 短編集『ブルーライトの少女』を執筆中。 マリコルヌ 知らね。 To Be Continued... 戻る 味も見ておく使い魔-3に戻る
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│ステータス│入手方法|詳細情報|性能|性能比較│その他│コメント│ 神鉄の盾 No.818 礼装名 神鉄の盾 初期最大 Rare 4 LV 80 Cost 9 HP 100 タイプ 絆礼装 ATK 100 ワルキューレ(ランサー)装備時のみ、自身がフィールドにいる間、味方全体のNP獲得量をアップ 10% &クリティカル威力をアップ 10% 詳細情報 イラストレーター たつよ 解説 ……はい。 この盾は神鉄で形成されています。 大神オーディンが、私たちに下賜されたもの。 現代ではその製法は失われている、と私の頭脳には 記録されています。 これは、私たちの誇りでもあります。 すなわち決してひび割れず、砕けることがなく、 如何なる力にも屈しない。 私たち戦乙女の誇りが永遠であるように、 この神鉄の盾もまた、永遠であるのです。 入手方法 ワルキューレの絆レベル10達成報酬 要155万ポイント 性能 コメント これがマシュの手に渡れば形状的にもキャプテンマシュに… - 名無しさん (2018-07-19 00 22 07) キャプテンカルデア……最近はどっちかって言うとケーブルっぽいがw - 名無しさん (2018-07-26 22 51 37) 名前 すべてのコメントを見る
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SF イキガミ いばらの王 仮面ライダーSPIRITS ガンスリンガー・ガール キカイ探偵 暗号名はBF ファイト一発! 充電ちゃん!! パンプキン・シザーズ 未来日記 妄想戦記ロボット残党兵 もやしもん ワールドエンブリオ わがまま戦隊ブルームハート! ファンタジー キルウィザード クレイモア ドロテア~魔女の鉄槌~ 魔砲使い黒姫 闇に恋したひつじちゃん ワルキューレの降誕
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前ページ次ページTALES OF ZERO 午後からは授業はなく、生徒達はそれぞれ自由に時間を過ごしていた 昼食を終え、ルイズと合流したクラースは彼女に個人授業を行っている 「良いか、落ち着いてやるんだ…魔法を使うのに必要なのは精神力と集中力だからな。」 「解ってるわよ、それくらい。」 解りきった事を言われて、ルイズはクラースに向かって怒鳴る 二人から離れて、才人とタバサが見学していた…最も、タバサは本を読んでいるが 「何であの子まで一緒にいるのよ…先生はさっきまであの子と一体何を…。」 「ほらほら、文句は後で聞いてやるから…まずは、目の前の事に集中するんだ。」 クラースの言葉に話はそこまでにして、ルイズは目の前の標的に目をやった それは、魔法練習の為にクラースが作った藁人形だ 「さあ、ルイズ…ファイアーボールを唱えてみるんだ。」 軽く頷くと、ルイズはルーンを唱えだした…落ち着いて、落ち着いて…と、心の中でも唱えている そして、ルーンを唱え終え、目標に向かって杖を振るった 直後に爆音が響き、目標となっていた藁人形は木っ端微塵に吹き飛んだ 「おお、人形が吹っ飛んだ……で、あれってファイアーボールなのか?」 「違う。」 確かに魔法は発動し、藁人形に命中した…が、あれはファイアーボールではない その名の通り火球を飛ばす魔法なのだから…決して爆発する魔法ではない 「ああ、もう…どうして成功しないのよ!!」 失敗した事に腹を立て、地団駄するルイズ…クラースは爆破された藁人形を見て、口を開いた 「そうだな…まあ、今のは10点といった所だな。」 クラースの評価を聞いて、ルイズは目を丸くさせた まさか、これくらいで得点がもらえると思わなかったからだ 「確かに、ファイアーボールは発動しなかったが、目標には当たったからな…努力点というやつだ。」 今までのルイズの魔法は、目標とは見当違いの場所が爆発を起こしていた 木だったり、壁だったり、噴水だったり…今だって、周辺の土が抉られている 今のは珍しくも目標に当たった…それを評価しての10点である 「そう…ま、まあ、慰めぐらいで受け取っておくわよ。」 初めて魔法の事で褒められたのに、素直に嬉しいと言えないルイズ ふと、ルイズはクラースの召喚術の事で疑問を浮かべた 「ねぇ、クラース先生…先生が使える魔法ってあの妖精みたいなやつだけなの?」 「シルフだ…まあ、前に話したように今はオパールの指輪しかないからな。シルフしか呼び出せん。」 召喚術の話を始めたので、興味を持ったタバサは二人に歩みよった 才人もその後へと続き、クラースは続きを話す 「精霊は多種多様に存在する…地水火風、分子、闇、光、月、そして根源を司るもの、様々だ。」 「そんなに…先生って、それを全部使役してたの!?」 「まあな…しかし、私が精霊達と契約出来たのは仲間達がいたからこそだ。」 クレス達と出会ったからこそ、彼は偉大な召喚士としてその名を残す事が出来たのだ 出会わなければ、その名が知られるどころか、召喚術が完成していたのかどうかさえ危い 「ふーん…ねぇ、私でも先生の召喚術が使えたり出来るの?」 「どうかな。私も数々の手順を踏んで使えるようになったし…簡単に使えるのはエルフぐらいだな。」 実質、前にハーフエルフであるアーチェは自分が契約した精霊を簡単に召喚してみせた しかも三体同時召喚まで…あの時ほど、エルフとの差を実感して涙目になりそうだった事はない 「そう…なら、良いわ。先生みたいにそんな悪趣味な刺青と格好はしたくないし。」 「またそんな事を…良いか、これは私が研究に研究を重ねた末に考案した召喚士の…。」 「失礼するよ。」 そんな時、彼等の耳にキザったらしい声が聞こえてきた 振り返ると、そこにはギーシュの姿があった 「ギーシュ、何であんたが…。」 「僕はミスタ・レスターに呼ばれて来たんだ…君の力を貸して欲しいってね。」 「ああ、もうそんな時間か…じゃあ才人、始めるか。」 突然、自分が名指しされた事に驚く才人…クラースは道具袋に手を伸ばした 一体何を…そう聞く前に、クラースはロングソードを取り出した 「さあ…剣の稽古の時間だ。」 「だ、大丈夫なのかな…俺。」 ロングソードを両手で持ち、才人は目の前の相手を見つめる そこには、ギーシュが作り出したワルキューレが一体佇んでいる 「準備は良いか……よし、始めてくれギーシュ君。」 「解りました…行くよ、才人。」 クラースの言葉に、ギーシュはワルキューレを操りはじめた 剣を構え、ワルキューレは才人に接近する 「わっ、来た!?」 向かってくるワルキューレ…一気に間合いをつめ、剣を振り下ろしてくる 咄嗟に才人は剣を構え、ワルキューレの攻撃を受け止めた 「くっ…このっ!!」 左手のルーンが輝く…受け止めた剣を弾き返し、バックステップで才人は後ろに下がった そして、反射的に決闘の時に見せたあの技を繰り出す 「魔神剣!!!」 剣を振り払うと、剣圧がワルキューレに向かって地面をかけていく その一撃を受けたワルキューレは、ごとんと地面に倒れこんだ 「おおっ、あれだ…あの時、僕のワルキューレを吹き飛ばした…。」 ギーシュはまたあの技を見て驚いていた…それはルイズも同じである 「あれって、一体どういう仕組みで放てるの?魔法?」 「そうだな…解りやすくいえば闘気と言う、人間の中にあるエネルギーを剣に集中させ、剣圧として飛ばしているんだ。」 解るような、解らないような…とりあえず、魔法とは違う事は理解した その間に才人はワルキューレに接近すると、続けて技を繰り出す 「飛燕連脚!!!」 二連撃の蹴りと剣による突き…その攻撃に、ワルキューレは破壊される 「ああ、僕のワルキューレが…。」 「はぁ、はぁ、はぁ…ふぅ。」 落ち込むギーシュに対し、才人は呼吸を整えて剣を振るう 一度、二度…と剣を振り回し、最後はくるりと回して高々と掲げる 「それにしても…まさか、僕のワルキューレを使って剣の稽古とはね。」 そう、ギーシュが此処に呼ばれたのは、才人に剣の稽古をさせる為だった クラースが帰ってきた時に、彼は彼らしい長い謝罪を行った その全てを振り返ると長くなるので省略すると、彼は何でもすると言ったのだ 自分に出来る事でお詫びがしたいと…その結果がこれである 「ほぼ実戦に近い状況で才人を鍛えられるからな…今後の為に鍛錬は必要だ。」 この未知の世界にある脅威…それに備える為に いざという時は、才人は自分自身でその身を守らねばならないから 「さて…ギーシュ、次を出してくれ。」 「解りました…今度は負けないよ、サイト。」 再びギーシュは才人に向かって薔薇の杖を振った 花びらが一枚、地面に落ちて新たなワルキューレを生み出す 「次か…よし、こい!!」 一体倒して自信がついたのか、剣を構えなおして才人は新たなワルキューレに挑む 相手の攻撃をかわし、慣れているかのように剣技を繰り出す 「(あの剣技、やはりアルべイン流…動きも、何処となくクレスに似ているな。)」 そんな才人の動きを見ながら、クラースは考えを巡らせる 今の彼は剣を持った事のない、素人とは思えない動きを見せている 「(まともに剣を振るえなかった彼がああなるとは…伝説のルーンの力とは凄いな。)」 クラースは左手の甲を見る…そこには、才人と同じルーンが刻まれている 同時に、オスマンから聞かされた話を思い出した 『ガンダールヴ?』 『そうじゃ、お主らの手に刻まれしルーンはかつて、伝説の使い魔に刻まれしルーンなのじゃ。』 帰って来た後、クラースはコルベール経由でオスマンに呼び出された そこで、自分と才人に刻まれたルーンが伝説の使い魔のものである事を知らされた 『そのルーンを宿した使い魔は、ありとあらゆる武器を使いこなしたという伝説があるでな。』 『成る程、コルベール教授が言っていたのはそれか…それなら、才人の事もある程度納得出来る。』 決闘の時に見せた才人の力の源を、クラースはようやく理解した が、すぐに新たな疑問が生まれる 『そんな使い魔のルーンが刻まれたのは…ルイズが召喚したからですか?』 『解らん…その辺の事は全く解らんのじゃ。何故ミス・ヴァリエールなのか…』 うーむ、とオスマンが唸る中、クラースはその答えの手掛かりについて考えた 爆発しか起こらない魔法、異世界人である自分達を召喚した… そして、伝説の使い魔のルーン…彼女は他のメイジとは違った、特殊なメイジなのかもしれない 『兎に角、お主だけには伝えておこうと思ってな…じゃが、くれぐれも…。』 『解っています…時がくるまでは誰にも言うな、ですね。』 『うむ、これが公になれば色々と不味い事になるからの…当然君達もじゃ。』 この事は、ルイズと才人にも秘密にしておいた方が良いだろう 話した所で、今はまだその事実を受け止めきれないだろうから 『ところで…ミスタ・レスター、お主等は一体何処から来たのじゃ?』 『何処と言われても…私は貴方達が言うロバ・アル・カリイエから来たのですが…。』 建前上の、本来自分達の出身地ではない東の国の名を口にする 『では、君がグラモン家の息子と決闘した際に見せたあれ…あれは一体何なのじゃ?』 『あれは…東で生み出された新たな魔法のようなものです。事情により詳しい事は言えませんが。』 召喚術の詳細を言えず、そういう事で誤魔化そうとする だが、オスマンはそれで納得したようではなく、鋭い眼差しを向け続けている 『そうなのかのぅ…ワシにはあれは魔法とは思えんのじゃがなぁ。』 『………。』 クラースは思った…この老人に、本当の事を話すかどうかを しかし、彼は学院の最高責任者で国との繋がりもある…迂闊に話さない方がいいのではないか そう思考を巡らせていた時、ノックの音が室内に響いた 『む、誰じゃ?』 『私です、オールド・オスマン。』 ドアが開き、ミス・ロングビルが学院長室に入ってくる 『王宮の勅使、ジュール・ド・モット伯が御出でになられたのでお伝えに来たのですが…。』 『おお、そう言えば今日じゃったな…忘れておったわい。』 そう言うと、改めてオスマンはクラースの方を見る 『すまんな、王宮からの使いが来たようでな…話はこれくらいにしようかの。』 『はい…では、これで…。』 取りあえず話が終わったので、クラースはすぐに退室しようとする その際、ミス・ロングビルがジッと見つめている事に気付いた 『ん、何か?』 『あっ、いえ…素敵な指輪をされていると思ったので…。』 指輪…とは、クラースが嵌めているオパールの指輪の事である 唯一の契約の指輪なのでなくさないよう、クラースは肌身離さず身につけている 『これか…これは、私が魔法を使う上で重要な術具なのでね。』 『そうですか…でしたら、さぞ貴重な品なのでしょうね。』 そう言ったロングビルの目が、一瞬獲物を狙う獣のように見えた 瞬きすると、そこには普段彼女がする美しい表情があった 『ふむ……では、オールド・オスマン、それにミス・ロングビルも…失礼。』 気のせいだと思い、二人に一礼するとクラースは学院長室を退室した しばらくして一息入れると、後ろを振り返る 『(オールド・オスマン…流石この学院の学院長をしているだけあって、鋭いな。)』 それに、普通の人とは違うオーラと言う者を纏っているような気もする 侮れない…そう思った時、扉の向こうから大きな音が響いた 『あだっ、ミス・ロングビル、年寄りをもっといたわらんかい。』 『オールド・オスマン、今回ばかりは我慢の限界です。貴方は何度セクハラすれば……。』 ロングビルの怒声とオスマンの情けない声が聞こえてくる…そこに先程の威厳は微塵も無かった 自分の勘違いだったか…等と考えつつ、クラースはその場を後にするのだった 「…生、クラース先生!!」 ルイズの声が聞こえ、クラースはそこで回想を中断して顔を上げた 「どうしたの?何か考え事してたみたいだけど…。」 「ルイズ…いや、何でもない。さて、才人の方は…。」 彼女の質問をはぐらかして才人の方を見ると、彼の周りにワルキューレの残骸が点在していた クラースが回想している間に、既に6体のワルキューレを倒していたのだ そして、七体目のワルキューレとの模擬戦も終わりを告げようとしていた 「魔神飛燕脚!!!」 魔神剣と飛燕連脚を組み合わせた奥義…それが、最後のワルキューレに炸裂する 前回同様、ワルキューレは奥義を受けて粉々に砕けちった 「ま、負けた……こうまであっさり倒されると、僕は自信をなくしそうだよ。」 今自分が作れる7体全てを倒された事に、ギーシュは軽くショックを受ける 「へへ、楽勝だ…ぜ?」 得意げになる才人だが、突然彼の身体を疲労感が襲ってきた 自身を立たせる事が出来ず、地面に尻餅をつく 「サイト、大丈夫?」 ルイズが心配そうに声を掛けるが、前のように気絶はしなかった 立ち上がろうにも身体が上手く動かせず、地面に座りこんだままになる 「な、何か急に疲労感が…何で?」 「無理をしたな…まだ十分な鍛錬もしていないのに、奥義なんか使うからだ。」 クラースはアップルグミを取り出して、才人に渡した グミを頬張る才人…疲労感もある程度なくなり、立ち上がる 「あ、ありがとうございます……で、それってどういう事ですか?」 「そもそも奥義とは、元となる特技を極限まで鍛えた上で初めて使えるものだ。」 「だから、まだ鍛錬の足りない貴方にはそれを使いこなす事が出来ない…。」 クラースの言葉を理解したタバサが補足する…その補足が正しい事を、クラースは頷いて答える 「極限までって…どれくらい鍛えれば良いんですか?」 「そりゃあ、使用率100%にすれば良いんじゃないかい?」 身も蓋もない言い方をすれば、ギーシュの言うとおりである 「まあ、君に奥義はまだ早い…鍛錬を続けるんだな。」 「はーい…まあ、こうやって剣を使うのも何か楽しいし。」 剣を振るう事に楽しさを覚えた才人は、剣を振り回す 素人に比べれば上なのは確かだが、クレスに比べるとまだまだ動きが雑である 今はまだ見習い剣士…しかし、今後も鍛えればそれなりに上達するだろう 「ああ、此処でしたか。」 そんな時、本塔の方からコルベールが此方に向かってやってきた 「コルベール先生、どうして此処に?」 「いえ、ミスタ・レスターが此処にいると聞きましてね…それにしてもこれは?」 眼鏡を掛けなおしながら、コルベールは散乱するワルキューレの残骸を見る 「ああ、才人の鍛錬にとね…彼のワルキューレを使わせてもらった。」 「結果は、僕のワルキューレが前回同様全部やられましたけどね。」 「ほほう、それはすごい。流石はガンダー…モガッ!?」 危うくガンダールヴの事を話しそうになったコルベールの口を、クラースが止める 「えっ、何?ガンダー…。」 「気にしなくて良い、こっちの話だ。そんな事より…コルベール教授、私に何か用かな?」 「モガモガ…は、はい、今日もミスタ・レスターの話を伺いたいと思いまして…。」 一言一言を強調した言い方に、自分の失態に気付いたコルベールは本題に移った 彼は時折、クラースから色々と故郷の事について話を聞きにやってくる 情報交換の為、故郷の事をはぐらかしながら彼との交流を行っていった 「そうか…皆、今日は此処までだ。私はコルベール教授の所に行ってくる。」 「解ったわ…でも、この前みたいに夜遅くまでにはならないでよ。」 了解…と答えると、クラースはコルベールと一緒に彼の部屋へと向かっていく そしてこの場がお開きになったので、4人もそれぞれの場所に帰っていった 「うーむ……遅くならないようにとは言ったんだがな。」 その日の夜、そろそろ学院の者達が眠りに着く時間…… 女子寮へ向かって歩きながら、クラースは呟く コルベール教授と話しているうちに、すっかり夜が更けてしまった 「色々興味深い話は聞けたが…これでは、またルイズに説教されてしまうな。」 頭の中で自分が説教される姿を浮かべ、苦笑するクラース そろそろ女子寮が見える…そんな時、ドサッという音が聞こえた 「ん、何だ?」 それは女子寮から聞こえ、気になったクラースは足を速める その間にも、小さな悲鳴と共に再び落下音が聞こえてきた 「まただ…一体何が…。」 ようやく女子寮が見え…クラースはジッと暗闇の先を見てみた すると、女子寮の前で男が二人、黒焦げになって倒れていた 服装からして、学院の男子生徒のようである 「これは…まさか、何者かが学院に…。」 一瞬、そう思ったクラースだったが…… 「キュルケ、そいつは誰なんだ!恋人はいないっていってたじゃないか!!」 突然、上空から声が聞こえ…クラースは上を見上げた 女子寮の三階付近…ある一角で三人の男子生徒が浮かんでいる 「なんだ、あれは…一体何をしているんだ?」 まさか、覗き…だとしたら、何て大胆な その間にも押し合い圧し合いしながら何か叫ぶ彼等だが、突如炎が彼らを襲う 炎に飲まれ、魔法を維持できなくなった彼等は地面に落下した 「おおっ、落ちた…大丈夫なのか、彼等は?」 放っておく事も出来ず、取りあえず彼等の元へと駆け寄ってみる 焼かれて三階から落ちたにも関わらず、一応彼等は生きていた ピクピクと動く5つの物体…その一つにクラースは近づく 「おい…大丈夫か?」 「畜生、キュルケの奴…やっぱり俺の事は遊びだったんだな。」 クラースの言葉が聞こえてないのか、生徒は独り言を呟く キュルケの名が彼の口から出たので、他の四人を見てみる 「よく見れば…全員キュルケの取り巻きの男子生徒達だな。」 恋多き女性を自称するキュルケが、何人もの男子生徒をキープしているのを知っている 此処にいるのは、よく授業や食事の時などに彼女とよくいる美青年達だ 「んん…あっ、お前はゼロのルイズの使い魔!?」 その時、倒れていた生徒がようやくクラースの存在を認知した 「ようやく、私に気付いたようだな…大丈夫か?」 「くそぉ…あんたももう一人の使い魔みたいにキュルケとよろしくやるつもりなんだろ?」 「もう一人の使い魔…才人の事か?彼がどうしたんだ?」 「とぼけるなよ、さっきもう一人の使い魔がキュルケと一緒にいるのを見たんだぞ。」 彼の話から察するに、今キュルケの部屋には彼女と才人がいるらしい こんな夜遅くに、歳若い少年少女が一緒とは… 「教育上良くないな…ルイズとの事もあるし、見過ごすわけにはいかんな。」 キュルケとルイズの家の関係を思い出し、女子寮の中へ入ろうとする その前に、此処に倒れた五人を放っておくのは忍びない 「そうだ…君、彼等にこれを食べさせてやってくれ。」 クラースは道具袋からアップルグミを取り出し、五つ分を彼に渡す 「それを食べれば元気になる…君の分もあるからな。」 じゃあな、と後の事をその生徒に任して女子寮の中へと入っていった この少年がギムリである事をクラースが知るのは、まだ先の話である 「さて…此処に才人がいると言われて来てみれば…。」 女子寮に入り、三階に上がってキュルケの部屋の前にクラースはやってきた 中に入ると、際どい下着をつけたキュルケ、その彼女に押し倒されている才人がいる 「あら、ミスタ・レスターじゃありませんか。」 「く、クラースさん…助けて……。」 キュルケの胸に埋もれながら、クラースに助けを求める才人 そんな彼の姿に、クラースはため息を吐いた 「まったく…見損なったぞ、才人。まさか君がそんなに節操がない男だったとは…。」 「ち、違いますよ。俺はただ、帰りが遅いクラースさんを迎えに行こうと思って…そしたら…。」 キュルケのサラマンダーに捕まり、此処に連れ込まれてしまった… そう言おうとした時、キュルケが更に胸を押し付けた 「見ての通り、私達は取り込み中ですの…何でしたら、ミスターも一緒に如何ですか?」 「悪いが遠慮させてもらうよ。それに才人にとっても教育上良くないから連れ帰らせて貰う。」 即答すると、クラースは二人に歩み寄ってあまり乱暴にならないように引き剥がした 「さあ、帰るぞ才人…こんな所ルイズに見つかったらどやされるぞ。」 「は、はい…でも、どやされる前に手と足が出そうですけど。」 彼女が怒ると言葉より先に手と足が出る事は、才人自身が身をもって経験している 違いないな、そう言って二人はキュルケの部屋から立ち去ろうとする 「ちょっと、お待ちになって…ミスタ・レスターは読書がお好きなのですよね。」 帰ろうとする二人を呼び止めると、キュルケは近くにあった箱に手を伸ばした がさごそと中身を探し、その中からあるものを取り出す 「でしたら、これを差し上げますわ…私には不要な物ですので。」 「ん、それは?」 「これは『召喚されし書物』と言って、我が家の家宝ですの。」 そう言って、手に持っている本をクラースに差し出す 気になったクラースはそれを受け取ると、どんなものかと見てみる 「召喚されし書物って…どういう本なんだよ。」 「何でも、魔法の実験中に偶然召喚された物だそうよ…それを、私のおじい様が買い取ったの。」 「……これは鍵が掛かっているな。」 よく見ると、これはケースになっていて問題の本はこの中に入っているようだ だが、クラースの言うとおり鍵が掛かっているのでケースは開かない 「鍵なら此処にありますわよ。」 何時の間に忍ばせていたのか、胸の谷間からケースの鍵を取り出す わざわざ本体と鍵を分けたという事は、単にプレゼントするというわけではないらしい 「成る程、本体はくれると言っても鍵までとは言ってないな…で、交換条件は?」 「察しが良いですわね。今宵私と付き合っていただければこの鍵を差し上げますわ。」 キュルケとしては、クラースを自分の男にしたいとの魂胆である 周囲の男子生徒や教師とは違うその知的な所と魔法、そして大人の雰囲気に惹かれたからだ えっ、俺は…等と呟く才人を他所に、クラースは本をキュルケに突き出す 「そういうのならお断りだ…これは返す。」 キュルケに本を押し付けると、才人を連れて出て行こうとする 断られると思わなかったのか、彼女は目を丸くして驚く 「えっ、ちょっと…ミスターはこの本が欲しくないの?」 「気にはなるが、そうまでして欲しくはないな…それに、後が怖い。」 女の怒りと恨みは恐ろしい事を、クラースは32年の人生から熟知している それでも諦めきれないキュルケは、自身の胸をクラースに押し付ける 「そう仰らずに…私、ミスターに十分すぎるほどの興味を持っておりますの。」 「だから、私は……ん?」 しつこいキュルケを一喝しようと、クラースは振り返る だが、その時初めて彼女が指輪をしている事に気づいた 「キュルケ、その指輪は?」 「これですか?これはこの本と同じく我が家の家宝の一つ、炎のガーネットですわ。」 そう言って、彼女は指に嵌めたガーネットの指輪を二人に見せる 蝋燭の炎に照らされ、宝石は淡い輝きを放っていた 「炎のガーネット?それって唯の指輪じゃないの?」 「ええ、火の魔法の効果を高める作用があるの。普段はおめかし位にしか使ってないけど。」 自分の魔法には自信があるから…ドーピングのような真似はしたくないらしい ふーんと何でもないように見つめる才人に対し、クラースはジッと指輪を見つめている 「それは…そのガーネットの指輪は……すまん、ちょっと見せてくれ。」 急にクラースは態度を一変させ、指輪をよく見ようと近づいた だが、そんなクラースにキュルケは抱きつき、顔を近づける 「ただでは見せられませんわ…ねぇ、ミスター?」 「いや、だからその指輪を……。」 クラースの喰い付きに、ここぞとばかりに色気を振りまくキュルケ 先程のように振りほどこうとせず、クラースは戸惑いを見せている 「クラースさん、どうしたんですか?その指輪が一体……。」 才人が尋ねようとした時、後ろのドアが突然開いた 誰だろう…と、才人が振り返り、それを見て驚いた 「る、ルイズ!?」 入ってきたのは、ルイズだった…しかし、それだけで才人が驚いたわけではない 彼女は今、誰から見ても解る様に、どす黒いオーラを身にまとっている クラースもキュルケも、ルイズが入ってきた事に気づいて振り返る 「ルイズ、丁度良かった。実は彼女が……。」 クラースが何か言おうとしたが、彼女の気を察知して何も言えなくなった その間に、ルイズがずかずかと二人に近づいていく 「クラース先生…この馬鹿犬なら兎も角、まさか貴方がツェルプストーの色香に惑わされるなんて。」 「ま、待てルイズ、私は唯彼女の指輪が……。」 「物につられたってわけ!!!」 更に怒り出すルイズ…普段人の話を聞かない彼女は、怒ると更に話を聞かなくなる 取りあえずキュルケから離れると、才人に話を振った 「才人、キュルケの指輪に見覚えがないか?」 「ええっ、ちょっと…何も俺に話振らなくても。」 「そうじゃない、よく見てみろ。」 そう言われて、才人はジッとキュルケの指にはめられた指輪を見る 蝋燭の火によって淡い輝きを見せるガーネットに、才人も気付いた事があった 「あっ、そう言われると何処かで見た事が………ひょっとして!?」 「ああ、間違いないと思う…まさか、こんな近くにあったとは。」 二人の会話にキュルケは疑問を浮かべるが、相変わらずルイズは怒ったままだ 「ちょっと、サイトも先生も…この期に及んで言い逃れする気?」 「ルイズ、昼間話しただろう。私の召喚術は契約の指輪を使って行うものだと…。」 「それと今の状況が何の関係があるのよ!!」 怒っているルイズには、クラースの言葉を理解する事が出来なかった 仕方なしに、才人がルイズに解りやすく伝える 「だから、今キュルケがしてんのがクラースさんの契約の指輪かもしれないって事だって。」 「それがどうしたって……えっ、ええ~~~~~!!!!!!」 才人の言葉に、ようやくルイズも理解できたらしく、大きな声を上げる 三人の視線がガーネットの指輪に集い、キュルケ自身もそれを見つめる 「これが、ミスタ・レスターの?でも、これって先祖代々から続く品だと聞いていますけど?」 「まあ、似ているだけかもしれんが…ちょっと貸してみてくれないか?」 手を差し出し、クラースはガーネットの指輪を渡すよう頼む だが、キュルケはそんなクラースの手から指輪をはめた手を遠ざける 「構いませんけど…タダで、というのも味気ないですわね。」 「ツェルプストー、あんた…。」 ルイズの反応を見て笑みを浮かべながら、彼女は少し考える しばらくして、「そうだわ」という声と共に、ある考えが彼女の脳裏に閃いた 「私のお願い事を聞いて下されば、この指輪を貸してあげますわ…何、簡単な事ですから。」 「お願い事?」 「そう、明日は虚無の曜日、つまりお休みだから……フフフ。」 三人に向けて、キュルケは微笑む…蝋燭の火に照らされたその微笑は、とても艶美なものだった 前ページ次ページTALES OF ZERO
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前ページ次ページ約束は次元を超えて わたしは今、上空からヴェストリの広場の様子を窺っている。 上空と言っても浮いているわけじゃなくて、タバサの使い魔のシルフィードに乗っているのだ。 フィアースがヴェストリの広場に向かってしまったあと。 わたしはすぐに追いかけようとしたのだけど、そこでタバサがシルフィードの背中から見ようと提案してきた。 何かがあった時には駆けつけて決闘をやめさせないといけないし、その申し出はありがたかったのでシルフィードに乗せてもらったのだけれども。 「だけどわたし、あなたとそんなに親交があったとは思えないんだけど」 疑問をそのままタバサに投げかけてみる。 すると、小さな声で答えが返ってきた。 「さっきの授業の時、彼は立っていたのに傷一つ無かった」 「授業って、あのルイズが爆発させちゃった授業よね?」 キュルケの言葉にタバサは小さく頷く。 「立ったまま、爆風を受け流した」 「うそ!そんなことできるわけないじゃない」 まずい。 タバサの話から察するに、フィアースのレジストブロックを見られてしまったようだ。 「彼の技に、興味がある」 何かしらを瞳の奥に隠して、小さく、しかし力強くタバサがつぶやく。 丁度その時、視界の隅の方で何かが光った。 これは、昨日の。 「何、今の」 「わからない」 恐らくフィアースは、この決闘に丁度いいクラスに変更したのだろう。 何も話さないわたしの方に疑問の視線を向ける、キュルケとタバサ。 でも、言えるはずが無い。 「あ、始まるわよ!」 キュルケのその言葉で、二人の視線はとりあえず広場に移ってくれた。 ◇◆◇ 「諸君!決闘だ!」 生徒の少年に案内されて、ヴェストリの広場に着いた。 普段は閑静な中庭なのだろうが、噂を聞きつけた生徒とギーシュの煽りによりそこは半ばお祭り騒ぎだった。 「ギーシュの決闘相手が来たぞ!ルイズの平民だ!」 なるほど、めったに見ない取り合わせであることは想像に難くない。 こういった学院での生活では、格好の娯楽なのだろう。 「とりあえず、逃げずに来たことは、褒めてやろうじゃないか」 先ほどの声を聞き、やっとこちらに気がついたかのようにギーシュが振り返る。 挑発に乗る必要はない。俺は静かに相手を窺う。 その様子が気に食わなかったか、苛立ち混じりにギーシュが言葉を続ける。 「チッ……勝利条件は相手が戦闘不能になることだよ。負けた方は勝った方の言うことを聞くこと。 あぁそうだ。僕は寛大だから、平民の君でも勝てるように条件を付け加えてあげよう。僕のこの杖を落とせたら君の勝ちでいい」 その言葉に一つ頷く。 「僕はメイジだ。だから魔法で戦う。よもや文句はあるまいね?」 「あぁ、構わない」 「そして僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。従って」 そこで一旦言葉を切り、手に持った薔薇の花を振った。 その花びらが一枚宙に舞うと、見る見るうちに甲冑を着込んだ女戦士へと変貌した。 「青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお相手しよう」 そうなると、エレメントやルイズの魔法のような遠隔攻撃は無いと見ていいか。 「分かった。ではこちらも準備をしよう……スタンドアップ・コード」 ARMを取り出してクラスチェンジを行う。 セットするクラスには、状況から鑑みて近接戦闘戦になると判断したことと、手元に武器がない状況を踏まえてウォーヘッドを選択。 スキルセットは、遠隔攻撃のために『戟闘』、唯一の防具を装備するために『アックスバトラー装備』。 そして物理攻撃戦なので、ダメージ軽減と回避強化のために『守備強化 DFE+25% 』と『回避集中 PRY+25% 』をセット。 こちらの行動を素早くするための『アクセラレイト』に加えて、相手の行動を阻害するために『ディセラレイト』。 さらに、もしもの時の保険として、緊急時に割り込んで行動する『レッドゾーン』をセットした。 少し大人気ないほどの準備かもしれないと思ったが、相手の実力は未知数だ。舐めてかかって痛手を負うよりはいいだろう。 「これでいい。相手となろう」 「そ、そんなこけおどしが通用するか!光っただけで何も変わってないじゃないか。行け、ワルキューレ!」 ギーシュの命令にワルキューレが素手で殴りかかってくる。 さぁ、構想が巧く行けばいいが。 先ずは回避に専念する。未知の相手と戦うには、相手の戦闘力を測るのが一番だ。 しばらくやってみた所感としては、余裕を残したままでも何とかできそうと言ったところか。 ワルキューレの動きは決して遅くないが、共に戦った仲間であるレヴィンとは比べるべくも無い。 ログナーのようにトリッキーな行動をしてくるわけでもないし、アイゼンのように力で圧してくるわけでも無い。 それに、攻撃は単調だ。恐らく操っているギーシュが攻撃をする動きをイメージしきれていないのだろう。 殴りかかってくるワルキューレの攻撃をよく見て、かわし、捌き、受け流す。 「クッ……」 とはいえ、全体が金属でできているのであろう。捌こうにも巧く行かないこともあるし、その一撃は重い。 受け流し損ねた拳の重い衝撃を、歯を食いしばってやり過ごす。 「いつまでそうやって、逃げてばかりいるつもりだい?」 いつまで経っても当たり切らない攻撃に苛ついてきたか、ギーシュの挑発が聞こえる。 だがそれに付き合うつもりはない。俺は俺のペースでやらせてもらおう。 さらに数分そうしていただろうか?しばらく様子を見て、大体のところは分かった。 そろそろ仕掛けるか。 俺は次の攻撃に狙いを定めた。 そして、ワルキューレが拳を振るった、その直後。 ガゴン!と言う音と共に、攻撃を仕掛けたはずのワルキューレの方が弾き飛ばされる。 突如響いた金属的な音と弾き飛ばされたワルキューレの様子に、ギャラリーがどよめく。 「な、何が起こったんだ……?」 呆然とした声でギーシュが呟くのが聞こえた。 ウォーヘッドの技能である『ウェポンブロック』で受け流した物理攻撃の衝撃を、そのまま相手へと叩きつける『リタリエイション』。 その威力が思ったよりも大きかったのか相手の装甲が意外に柔らかかったのか、ワルキューレがべっこりと凹んでいる。 この様子では、もうそれほど速度も出せまい。 一旦間合いを外す。 もちろんワルキューレは追ってくるが、先ほどのスピードは微塵も見えない。 容易く距離をとることができた。 そして。 「ウェポンボルト!」 追いすがってくるワルキューレに、止めの一撃をお見舞いした。 ◇◆◇ 「な、なに、今の。タバサ、あなた見えた?」 「見えたけど、わからない」 キュルケとタバサが呆然としている。 わたしだって、どうやったかなんて分からなかった。 ギーシュのゴーレムを凹ませた技もよく分からないし、止めを刺した技も同じ。 大体、何で武器もなしに青銅のゴーレムを凹ませたり倒したりできるのよ!? それに最後の一撃なんて、明らかにおかしかったわ。 雷のように青銅のゴーレムを切り裂く光なんて。 混乱したままぐるぐると考えをめぐらせていると、キュルケの焦ったような声が聞こえてきた。 「ちょっ、それはやりすぎよギーシュ!」 その声に再び意識を広場へ向けると、今度は武器を持ったワルキューレが六体現れていた。 その武器も、直剣、懐刀、槍、細剣、メイス、長柄の戦斧とさまざまだ。 「フィアース!ちょっとタバサ!見てないで降ろして!」 「大丈夫」 「何が大丈夫なのよ!?」 「本気、出してない。それに、何か探っている」 そう言われても、フィアースはわたしの使い魔なのよ! さっきは巧く行っても、武器を持ったゴーレム相手なんてムリよ! そう言い返そうと思ってタバサを見たら、彼女はフィアースの方を見ていた。 「大丈夫」 その不思議に力強い声に、わたしは何も言えなくなってしまった。 でも、これだけは言っておかないと。 「大事になる前には止めに入りたいんだから、その時はすぐに降ろしてよね」 「わかった」 ◇◆◇ どうやら先ほどの一体は様子見だったようだ。 今度は武器を持ったのが六体……これはさすがに厳しいか。 だが、逆に言えば武器の動きはある程度限定されるし、ギーシュの言葉に間違いがなければ、あれは青銅。 幾多の戦いを共に潜り抜けたガントレット『アガートラームB/V』ならば、ほとんどダメージは通らないはずだ。 衝撃の重いメイスもあるが、あれにさえ注意しておけば何とかなるだろう。 それに、もう一つ。 俺の愛用しているポールアームに近い武器を持った個体がいる。 あれを奪うことができれば、あるいは。 「な、何を考えているか知らないけど、この状況で勝てるとでも思っているのかい?」 「戦いとは抗い続けること……まだ決着はついていない」 その言葉に、動揺よりも怒りが引き起こされたようだ。侮辱されたとでも受け取ったか。 「やれッ、ワルキューレ!」 号令一下、今度は武装したワルキューレたちが襲い掛かってくる。 武器を持っている分、当然対処は先ほどよりも難しくなる。 攻撃方法も違うし、武器の形状も様々。なにより素手とは威力が段違いだ。 だが、俺にできることはさほど変わらない。 武器を手に入れるまでは、持ちこたえるしかできないのだ。 少しくらいの手傷は構っていられないな。 正面から振り下ろされた直剣を半身になってかわし、横なぎに振るわれた懐刀をガントレットで受け止め、跳ね除ける。 胴を突いてきた槍と細剣は、間合いを変えることで直撃を避ける。 そこを狙って振り下ろされるメイスは何とかバックステップでかわし、長柄のなぎ払いにガントレットを当てる。 「ぐッ」 重い。 俺は衝撃を殺しきれずに、弾かれるまま後退を余儀なくされた。 そしてまた直剣が、懐刀が振るわれる。 「はぁ、はぁ」 「よく持ってると思うけど、さすがに息が上がってきたようだね」 さすがに、一対多数は厳しい。 息もつかせぬよう、連続で振るわれる武器は、確かに脅威だ。 しかし、やはりギーシュ自身が戦い慣れていないためだろう。状況に合わせた攻撃をしきれていない。 頭に血が上っているか状況に酔いしれているのか、それぞれが順番に攻撃を仕掛けてくるだけだ。 惜しいな。 対象を取り囲んだ状態で連携を取ることは効果を上げる手っ取り早い方法の一つなのだが、それを思いつくことができないようだ。 ……これは相手の未熟に助けられたか。 だが、だからと言って負けてやるつもりはない。 かわし、捌ききれなかった攻撃でできた手傷も、重症につながるものはないがどんどん体力を奪っていく。 もうそろそろ仕掛けないと、さすがに拙いか。 幸いこの順番なら、そろそろ件のポールアーム持ちのワルキューレの出番だ。 丁度いい。仕掛けるならば。 「ここだッ!」 先ほどと同じく『リタリエイション』でポールアームを持ったワルキューレの打撃を返す。 それによりワルキューレが行動不能になると同時に武器を奪取。 再び周囲からどよめきが上がる。 そして、目の前に並んでいる三体を『ウェポンスイング』でなぎ倒す。 ギーシュとの直線上にいない二体は置き去りに、ギーシュへと駆け寄る。 やけに体が軽い。アクセラレイトがよく効いているのだろうか? 「おおおおおおッ」 俺は勢いをそのままにあっけに取られているギーシュに肉薄し、気迫と共にポールアームを振るった。 ◇◆◇ 「危ないッ!」 やりすぎよフィアース!そんな刃物で切りつけるなんて! 流石に危ないと思ったのか、タバサも止めに入るためにシルフィードを急降下させる。 でも、フィアースが速過ぎる。間に合わない! 「ディザームッ!」 その声と共に、ギーシュの薔薇の杖はフィアースの武器に絡め取られ、はじき飛ばされていた。 杖だけを狙ったのだろう。ギーシュ自身には、傷一つない。刃がかすめた前髪が少し落ちた程度みたい。 何それ、一体どんな離れ業よ。 「ま、まいった……」 一瞬の出来事に腰が抜けたのかストンと尻餅をつき、呆然としたギーシュの声と共に、観衆からどよめき混じりの歓声が上がった。 ヴェストリの広場に降り立ちはしたものの、現状を把握しきれず呆然とフィアースを見ている。 フィアースは今しがた決闘に勝利した相手のギーシュに、声をかけながら手を貸して引っ張り起こしていた。 ……なんかムカついてきた。 「フィアース!」 思わず声が大きくなる。 その声に彼は一度こちらを振り向くと、わたしには聞こえなかったけどギーシュに向かってさらに何事かを話しかけた。 それに頷くのを見てから、こちらへ歩いてきた。 「何で勝手なことしたのよ!」 「すまない。だが、俺にも譲れないものがある。引けない時は闘う」 「譲れないもの、ってなんなのよ?」 その問いかけには、目を閉じて答えない。 あぁもう、イライラする。 そうこうしていると、コルベール先生が現れた。 「ミス・ヴァリエールとフィアース君、すまないが学院長がお呼びだ。学院長室まで来てもらえるか」 学院長先生が?なんだろう。 「ルイズ、どうする?」 「どうするも何も、行くしかないでしょ」 「では、付いて来なさい」 コルベール先生の先導に、不安ながらも付いていく。 一体何がどうなってるのよ……。 ◇◆◇ コンコン。 「オールド・オスマン、コルベールです。ミス・ヴァリエールとその使い魔をつれて参りました」 「うむ、入りなさい」 部屋の中からの許可の返答を聞くと、コルベールは学院長室のドアを開けた。 ルイズは少し恐縮していたようだが、部屋に入る。それについて、俺もドアをくぐった。 「ミス・ロングビル。少し席を外してもらえるかな」 「はい、分かりました」 俺たちが教室に入ると、入れ替わりで緑色の髪をした女性が部屋を出た。秘書だろうか。 「わざわざすまんの、ミス・ヴァリエール」 「いえ」 短く返答をするルイズ。 「さて、おぬしらを呼び出した用件なのじゃが」 そこで一つ息を入れる。 「先ほどの決闘、見させてもらった」 ここからでは建物の影になって、直接は見えないはずだが? 俺の疑問の表情に、学院長は悪戯っぽい表情を浮かべて答えてくれた。 「なに、学院内のことならこの遠見の鏡を使えば問題ないわい。一部の地域は見られんようになっておるのが残念じゃがのぅ」 一部の地域? 「が、学院長先生!」 その声に少し顔を赤くして声を上げるルイズ。 ……あぁ、なるほど。 「ご、ゴホン。それはともかくじゃ。まずは、おぬしに礼を言っておこう。よく穏便に終わらせてくれた」 俺に向かって、礼を述べる。 「いえ」 「じゃが」 まだ話は終わってない、とばかりに言葉を続ける老人。 「正直、どうやって勝ったのか皆目検討も付かん。ちょっとばかり、おぬしの話を聞かせてもらえんかのう?」 言葉と共に、俺に鋭い視線を向けてくる。 この老人、老いて見えても相当の実力者と見た。 目だけで見ると、ドアはコルベールが固めている。 なるほど。危険な輩であれば実力での排除も辞さない、ということか。 「ルイズ」 「えぇ、学院長先生なら心配しなくても大丈夫でしょう」 ルイズの許可も下りた。 「では、俺の話をしよう」 俺は、俺がファルガイアから召喚されたこと、その世界の技術でギーシュと戦ったこと、ルイズに仕えることに異論はないこと、この世界の平穏を乱すつもりはないことを語った。 証明のついでにとスキルセットを『戟闘』から『退魔』へと変え、『ヒール』で傷を治したのには大層驚かれてしまったが。 「ふむ……なるほどのぅ。聞いただけでは信じられん話じゃが、あんなものを見せられては信じざるを得まい」 オスマン老が呟く。 「よし、あい分かった。とりあえずおぬしの言葉を信じよう」 「ありがとうございます」 礼を述べる。 「じゃが、その力はハルケギニアでは異端の物じゃから、他言無用にするのがよかろうて」 「はい、お心遣いありがとうございます、オールド・オスマン。それでは、わたしたちはこれで」 ルイズがそう言って部屋を辞そうとしたが、 「あぁ、ミス・ヴァリエール。すまんがもう少し彼と話をさせてもらえんかの?」 と、なぜか俺だけを引き止めた。 「え……あ、わ、分かりました。それでは、失礼します」 そう言うと、先に戻ってるわと俺に残してルイズは学院長室を出た。 コルベールが再びドアを閉める。 「さて、おぬしに残ってもらったのは、少し確認したいことがあったからじゃ」 「確認したいこと?」 さて、他に語ることは無かったと思うのだが。 「おぬしの左手のルーンを、少々調べさせてもらった」 左手の……あぁ、コルベールがスケッチしていたな。 「それが、何か?」 「先ほどの決闘の際、おぬしは武器を持ったとたんに動きが速くなったの?」 そう言われてみれば、確かにポールアームを奪ってからやけに体が軽かった。 アクセラレイトの影響だけではなかったのか。 「手持ちのスキルには、素早く次の行動に移るためのものもある。その効果かと思っていたのだが」 「ふむ……それでは、可能性の一つとして聞いてくれ」 そうして一拍置く。 「それは、ガンダールヴのルーン。曰く、始祖ブリミルの使い魔としてあらゆる武器を使いこなしその主を守ったという、伝説の使い魔のものじゃ」 伝説の使い魔の印? 「なぜそれが俺に?」 「分からぬ。じゃが、それがガンダールヴのルーンであることは、できる限り隠しておいてもらいたいのじゃ。できればミス・ヴァリエールにも、の」 「ルイズにも?」 「かの伝説は有名すぎるほどに有名なものですからな。嗅ぎつけた何者かが悪用しないとも限りませんゆえ」 なるほど。 「分かった。幸いこの格好であればそうそう見えることはないだろう」 いつも着けているわけではないが、愛用している防具は手を隠すのに丁度いい。 「うむ。無用なゴタゴタは無いに限るからの。よろしく頼むぞ。ミス・ヴァリエールを助けてやってくれ」 「あぁ」 そう返すと、俺は部屋を出た。 ◇◆◇ 引き止められたフィアースをその場で待っていても仕方がないから、わたしはいったん自室に戻ることにした。 戻ることにしたのだけど、部屋の前でキュルケとタバサが待ち構えていた。 「はぁい」 「何よ?」 「そんなに邪険にしないの。今回用事があるのはあたしじゃなくてタバサよ」 タバサが? 何の話かしら。う~ん、嫌な予感しかしないわね。 「彼は?」 「フィアースなら学院長先生が話があるって、学院長室に残ってるわ」 「そう」 そこで一旦言葉を区切り、そしてわたしの目を見て問いかけてきた。 「彼は何者?」 あぁ、やっぱりそういう話になるわよね。 「戦い方を見ていたけど、全然分からなかった」 わたしも一緒に見てたけどね。 それはともかく、フィアースのやったことはハルケギニアではありえないことだったのはよく分かるつもり。 ドットとは言えメイジであるギーシュを相手に、平民は絶対に貴族には勝てないという常識を覆してしまったのだから。 だけど。 「そ、それを知って、あなたはどうするの?」 何とか誤魔化さなきゃ。 質問に質問で返すのはちょっとアレだと思うけど、フィアースのことをまともに話すわけにはいかないわ。学院長先生にも釘をさされたばかりだし。 わたしの問い返しにしばらく逡巡した後に、タバサは答えた。 「強くなりたい」 あ~、この娘にはごまかしは効かないタイプっぽいわ。どうしよう。 「と、とりあえず、部屋の前で話し込むのも何だし、部屋に入りましょ」 二人を部屋に招き入れる。 もし話すにしても、こっちの方が誰かに聞かれる心配も多少は減らせるでしょうし。 とは言え、本当にフィアースのことを話してしまっても大丈夫なのかしら。 タバサは沈黙を保ったまま、わたしをじっと見ている。 うぅ、こういうのが一番やりづらいわ。 「さて……と言いたいところだけど、フィアースが戻ってからにしましょう。わたしじゃ説明し切れないだろうし」 その言葉に、タバサは頷いてくれた。 本当にフィアースのことを話してしまっても大丈夫かどうか、やはり不安がぬぐえなかったからだ。 それに、説明し切れないというのも本当だし。 わたしだって、まだ何がなんだかよく分かってないのに。 ああもう。一体どうしたらいいのよ、この状況! 前ページ次ページ約束は次元を超えて
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サクセスキューレ