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SF イキガミ いばらの王 仮面ライダーSPIRITS ガンスリンガー・ガール キカイ探偵 暗号名はBF ファイト一発! 充電ちゃん!! パンプキン・シザーズ 未来日記 妄想戦記ロボット残党兵 もやしもん ワールドエンブリオ わがまま戦隊ブルームハート! ファンタジー キルウィザード クレイモア ドロテア~魔女の鉄槌~ 魔砲使い黒姫 闇に恋したひつじちゃん ワルキューレの降誕
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アイディアをここに書き込んでください エーテルと怪獣のサイクル考察 エーテルは生物が死を迎えた時に放出される元素で、魂が輪廻に向かう際に削ぎ落とされた余分なもの(記憶とか?)から作られる エーテルは自然環境の調整や生物の生命活動に使われる 消費されたエーテルは汚染エーテルに変化する 怪獣はエーテル総量が増えすぎないようにエーテルを喰らうほか、汚染エーテルを浄化できる 怪獣はエーテル生命体の一種でエーテルの状態で性質が変わる(綺麗なほど大人しく小さい) 仮案 五元歴 紀元前歴史案 紀元前1万-3000年頃:ヒューマン、ライカンは劣等種で、エルフ、ワルキューレといったより上位の種族の奴隷的な立場であった、エルフやワルキューレは魔法を使い、彼らを使役する立場であった。 紀元前3000年頃:エルフの中にヒューマンに対して友好的に接するものが現れ魔法の技術を教える、ヒューマンの中にも魔法が使えるものが現れ始め、エルフ、ワルキューレの支配から脱し、リーダーとなり他のヒューマンを率いるようになる。またライカンはヒューマンの盟友として協力しお互いに現状の立場を変えていこうとする。 紀元前3000年~1000年頃:ヒューマン、ライカンは魔法を得たリーダーの元に集団で生活するようになり、数を増やし、エルフ、ワルキューレ達の国に対しても攻撃をするようになり、彼らを数的優位で圧倒し立場を対等なものへと高めていく。 紀元前1000年頃:生息域を拡大させ世界の強者になったヒューマンとライカンであったが、かつての盟友であった彼らが争いあう人獣戦争が起き大規模な争いになり、この争いでヒューマンは友であったライカンすらも服従させ、覇権を握ることになる。 紀元前300年頃:敵のいなくなったヒューマン同士の中で争いが起きる、この中でヒューマンの魔術師達がそれぞれのコミュニティを率いぶつかりあったことから魔術師戦争と呼ばれている。 紀元1年頃:エーテルが発見され、魔術師としての素養がないものも魔術が行使できる可能性が生まれ始める。 連合王国の英雄キャラ案 名前:セシル・エルディラト 種族:ヒューマンとエルフの混血 性別:男性 所属:エーテル資源および技術の共有を目的とした連合王国 (連合王国) 初代国王 容姿:翡翠色の髪と琥珀色の眼の優男 服装:ローブ風の服/マント付きの宮廷服(国王時代) 詳細:幻影戦争終結の立役者にして連合王国初代国王として知られる男性。 自由都市ラフリード(現在の連合王都ラフリード)貴族の父とエルフの母の間に生まれた。 かなりの研究者気質であり、古代文明の遺物を見ると目を輝かせて興奮するという筋金入りのもの。 その出自から差別されることもあったが、努力と研究結果で押し退けてきた努力人。また、コミュ力も高く、性格も大らかで気さくなためか知人・友人も多かった。 幻影軍勢との戦いにおいて父親の人脈と持ち前のコミュ力を使い、各地の国家・地域に連合軍の結成を働きかけて実現に漕ぎ着けた。 連合軍の結成後は将軍として指揮にあたり、多数の被害を末に幻影軍勢を追い返すことに成功した。 その功績を持って、当時は貴族たちによる合議制であったラフリードおよび幻影戦争後に建国された連合王国の王として擁立された。 しかし、本人的には王にされるのが不本意であったのか、国王時代は真面目に公務をしていたものの、実子が成人すると王位を譲り本人は政治の道から退く。 その後は古代文明に関する研究で数多くの論文を執筆・発表するなど研究者として名を上げる。 第1回エリアV調査団に古代文明研究のために参加するが、血の大河で原生生物の襲撃に会う。原生生物を3体討伐するが、《見えざる牙》からの不意討ちを受け死亡する。享年68歳。
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身長:139cm 体重:36kg スリーサイズ:B67/W48/H69 属性:中立・善 性別:女性 CV:井上麻里奈 レア度:SR 初期HP/最大HP:1877/11667 初期ATK/最大ATK:1521/9122 入手方法:イベントクリア報酬 「槍兵」のサーヴァント。外見に似合わず大人びた言動が目立つ少女。 真名はスクルド。ブリュンヒルデ同様、ワルキューレのうちの一人であり、「未来」を意味する名を持つ。身長139cmと小柄だが、ワルキューレとしてはすでに「完成」している。「無駄」「余計な情」を極端に嫌う性格で、愛によって身の破滅を招いてしまったブリュンヒルデのことを「馬鹿なヤツ」と見下している。得物は魔銀(ミスリル)で精製された全長180cmにもなる槍で、葉を全て取り去った細い樹のような形状をしている。 宝具は「明日を夢見る貴方に死あれ(スクルド・フィーチャリティ)」。 パラメータ:筋力:B+ 耐久:C 敏捷:B 魔力:B 幸運:A 宝具:B+ 保有スキル:対魔力:B 騎乗:A 天昇の魁:A+ 黄金律(体):B+ 神性:C
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ネタページ:他作品ネタ(TOD) ソウルエッジ漆黒の翼 北斗の拳PS版でのモリュウ領の衛兵隊長の台詞 ドルアーガの塔PS版での隠しダンジョン 鉄拳平六の家(PS版) ドラゴンスピリットあおきりゅう(PS版) スレイヤーズPS版でのリオンの台詞 魁!!男塾APWでのコングマンの台詞 実在の人物女神アタモニ ゴルゴ13バック・スナイパー ワルキューレの伝説ビッグ(PS版) 源平討魔伝毒状態付与時の演出(PS版) ソウルエッジ 漆黒の翼 今ではすっかりテイルズおなじみなトリオ名、名前の元ネタはソウルエッジ及びソウルキャリバーVに登場する盗賊団『シュヴァルツヴィント(黒き風)』と思われる。ちなみにグリッドの自称「音速の貴公子」はアイルトン・セナのオマージュと思われる。 例外的にアライズの漆黒の翼はトリオではなく、ミハグサールの抵抗組織の名前となっている。 北斗の拳 PS版でのモリュウ領の衛兵隊長の台詞 「んー、何も聞こえんなぁ」 元ネタはウイグル獄長の「あ〜、聞こえんな!!」。やはり削除されている。 ドルアーガの塔 PS版での隠しダンジョン 伝説や解き方もオリジナルそのまま。なりきりダンジョン系にも登場。 鉄拳 平六の家(PS版) 鉄拳の三島平八に外見がそっくり。 ドラゴンスピリット あおきりゅう(PS版) リリスは「グルメ」と呼んでいるが、攻略本によると本名は主人公「アムル」と名前が同じ。ちなみにヒロインはアリーシャ姫。TOZの同名キャラも姫である。 スレイヤーズ PS版でのリオンの台詞 「悪人に人権は無い。実力行使だ!」 スレイヤーズのリナ=インバースが元ネタ?過激だったためかリメイクで削除された。 魁!!男塾 APWでのコングマンの台詞 「何言ってやがる。おめぇは十分強いぜ。ただ俺様が強すぎるだけだ」 魁!!男塾の伊達臣人の「気にするな お前が弱いんじゃねえ 俺が強過ぎるんだ」が元ネタ?例のごとくリメイクで削除された。 実在の人物 女神アタモニ アタモニをローマ字表記にして逆から読む。atamoni→inomata→いのまた。たしかにデスティニーキャラにとって女神である。 ゴルゴ13 バック・スナイパー 「俺の背後に立つんじゃねえ!」 ゴルゴ13は凄腕のスナイパーであり、背後に立たれるのを嫌う。 ワルキューレの伝説 ビッグ(PS版) 主人公のワルキューレやサンドラの使う「BIGの術」。 源平討魔伝 毒状態付与時の演出(PS版) 中ボスの琵琶法師が放つウサギとカエルを剣で振り払うと毒キノコになり、これに触れると「毒」という文字が浮かび上がりダメージを受ける。
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発売日 2013年10月25日 ブランド Ricotta タグ 2013年10月ゲーム 2013年ゲーム Ricotta キャスト さくらはづき(龍造寺茜),AIRI(ベルティーユ・アルチュセール),苺原コズエ(柊木綾子),川梛珱(カイル・L・オルブライト),茉田部里依紗(希咲美桜),島原蘭(ノエル・マーレス・アスコット),かわしまりの(スィーリア・クマーニ・エイントリー),夏野こおり(リサ・エオストレ),村崎紫(エマ),光子さん(アン),天野小鳥(フィオナ・ベックフォード),長谷川夏紀(玲奈・F・エイヴァリー),三代眞子(東雲さん),ほうでん亭ブリスケ(ユリアーヌス・クマーニ・エイントリー),宮川夕華(ミレイユ・マーレス・アスコット),山田葵(ジェイムス・アスムッセン),表参道千代(龍造寺五月),イチゴイチエ(アリス・ヴァインベルク),外苑舞(エリミヤ・ティレット),沢村かすみ(龍造寺早苗),子太明(龍造寺晃),筧良子(龍造寺久美),須賀紀哉(クライド・ハーディング) その他:越雪光,片岡一郎,夏村伊介,小次狼,鳥居紅子,杉原茉莉,榛名れん,白月かなめ,HONOKA スタッフ 原作・原案:Ricotta シナリオ統括:北川晴 キャラクターデザイン・原画:こもりけい 原画:ひづき夜宵 シナリオ:たにかわたかみ,なたけ グラフィックチーフ:あさば グラフィック:御影ひろ,山本,f*cla,長月,こふきいも,しろぬこ,松永 スクリプトエンジン:QLIE.net(ワームスエンタテイメント) システムスクリプト・アニメーション:Ko-Ta 演出統括:MG スクリプト・演出:MG,Fumi,はっしぃ,Brother24,もひみみつむぎ デバッグ:Ricottaオールスタッフ ムービー制作:藤村沙紀 背景美術:studio outline 音声収録:クラッシャー,SORA 音響編集:じぇりす 音響制作担当:いそこ 音響制作・キャスティング協力:有限会社ロックンバナナ サウンドディレクター:虻川治 音楽:junya,Tanatoshi,shono,morikawa 営業・宣伝:おーひ 広報:小柴 アシスタントディレクター:ゆーき☆パンサー デザイン:CLASSLABEL DESIGN LIMITED 制作協力:株式会社ワームスエンタテイメント スペシャルサンクス:かわの,assult,おくとぱす,すくわっと@,鶴,たつき,TOMIZOU55 ディレクター:ZeP プロデューサー:コージ 制作:Ricotta オープニング主題歌 「Paint A Future」 歌:NANA 作詞:SugarLover 作編曲:宝野聡史 エンディング主題歌 「コイノウタ」 歌:しほり 作詞:SugarLover 作編曲:斎藤悠弥 イメージ挿入歌 「My Spring」 歌:しほり 作詞:SugarLover 作編曲:皆見アキヒト
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前ページ次ページラスボスだった使い魔 「う゛~~~~……」 ルイズは部屋の中で一人、唸り声を上げていた。 「う゛う゛う゛~~~~~……」 納得いかない。 どうしていきなり長姉がやって来て、自分の使い魔を強引に連れて行ってしまうのか。 どうしてあの馬鹿は、それに対して抵抗らしい抵抗もせず、ただ黙ってついて行ったのか。 姉が自分に対して命令口調で説明を行っている時、銀髪の男が黙って部屋の中を掃除していた記憶が頭をよぎる。 最近になって、自分の中で使い魔に対しての羞恥心が猛烈に湧き上がってきたので、洗濯や身の回りの世話はルイズが自分でやるようになっていた。 なので、使い魔の仕事が朝起こすことと髪を梳くこと、それと掃除くらいしかなくなってしまったのだ。 とは言え、残ったそれらの仕事に関しても、ルイズは微妙な気恥ずかしさを感じていたりするのだが……。 閑話休題。 ……あの無表情を思い出すと、ムカついてくる。 いや、まあ、長姉に逆らえないのは自分も同じだし、苦手意識がかなり深いところに根付いてしまっているから、思わず『は、はい』と言ってしまったけれども。 よくよく思い返してみれば、あの馬鹿からも……なんだか諦めてるような空気が出てたけれども。 それにしたって、どうして姉はよりによって自分の使い魔なんかを連れて行ったのだろうか。 確かに『研究者』としては……優秀、だろう。 実はこっそり使い魔の書いたレポートを読んでみたことがあるのだが、なんとも斬新な―――と言うか、珍妙な視点からハルケギニアの魔法についての考察を重ねていた。しかも、それがいちいち的を射ているのである。 あれなら、エレオノールが一目置くのも分かる。 では、『戦う人間』としては……そんなに強くもない、とは思うのだが……。 (仮にもワルドに勝ったらしいし……) 自分がその光景を見たわけではないし、どうせ奇をてらった戦いをして不意打ちに近い勝ち方をしたのだろうが、少なくとも『弱い』ということはないだろう。 「……………」 こうして考えてみると、なんだか自分の使い魔ってけっこう凄いのでは? という気がしてきた。 「いやいや、ちょっと待ちなさいルイズ」 その能力は高くても、人間的に問題がかなりある。 無愛想だし。 いちいち理屈っぽいし。 何を考えてるのかよく分かんないし。 生意気だし。 そもそも貴族に……って言うか、御主人様に対する敬意もないし。 必要以上の会話をしようとしないし。 同じ部屋で寝なくなったし。 なんだか最近、わたしにかまってくれてないような気がするし。 「う゛う゛う゛う゛う゛~~~~~~~…………!」 また唸り始めるルイズ。 本当は差し迫るアンリエッタの結婚式に向けて、詔(ミコトノリ)を考えなくてはならないのだが……こんな正体不明のモヤモヤした気分を抱えたままでは、とても出来そうにない。 「う゛~~~~……」 でもやらなきゃいけないことなので、取りあえず机に向かって、ボンヤリと詔に関係あることないことを考えたりするルイズなのであった。 数十年の時を経て、荒れ果ててしまった寺院跡。 かつて開拓されかけ、しかし『ある理由』からその開拓を途中で放棄されてしまった場所である。 その寺院跡に、一人の男が立っていた。 男の狙いは、かつての寺院の司祭がこの地から離れる際に置き去りにしてしまった『秘宝』にあったのだが、それを手に入れるには1つの……しかし強大な障害を解決しなくてはならない。 ここでこうして立っている分には、平和でのどかな平原でしかないこの場所に、一体どのような障害があると言うのか? 男はその『障害』に思いを馳せ、身震いした。 後方では、自分をサポートするために仲間が控えている。イザとなれば、必ずや自分を助けてくれるだろう。助けてくれるはずだ。助けてくれるに決まっている。助けてくれないと困る。 そして、何故に自分がこのような場所にいるのかを考える。 (……気が付いたらここにいた、ということしか分からない……) あの高慢でプライドばかり高そうで、そして胸がほとんどない金髪眼鏡の女性は、さも当然とばかりに自分に命令を下す。 くそう、家が名門だからってそんなに偉いのかよう。 ……偉いんだよなぁ。 そうして男は―――ギーシュ・ド・グラモンは、ガックリと肩を落としたのだった。 「って言うか、何で僕が前衛なんだ!?」 普通に考えれば、ユーゼスが前衛で、自分はワルキューレなどで後方支援、そしてほとんど攻撃魔法が使えないエレオノールが物陰からちょこちょこサポートをする……となるはずだ。 なのにユーゼスが前衛だったのは最初の戦闘くらいで、以降は全部この自分が前衛なのである。 ギーシュも1~2回目くらいまでは『まあ、ユーゼスもワルキューレで色々と試してみたいことがあるんだろうな』と快く引き受けていたのだが、さすがに6回目ともなると不満が爆発してしまう。 そりゃあ、最初から最後までずっと孤立無援というわけではないし、ユーゼスも本当に危なくなった場合は援護してくれた(エレオノールは本当に何もしなかったが)。 ……しかしユーゼスに関しては、秘宝が目当てではなくて『実験』の方が重要なんじゃいかと思っている。 人の魔法を使って実験なんかしないでくれ、と言いたい気持ちもあるにはあるが、何だかんだ言って役に立っているのは事実なので、そう大っぴらに文句も言えない。 「ぐぬぅ……。……っ!?」 そんな感じにギーシュが悩んでいると、いきなり爆発音が響いた。 自分が先日『錬金』で作った爆発物が、エレオノールの『着火』によって爆発したのである。 ……その爆発音によって、この村跡が打ち捨てられてしまった『ある理由』が飛び出してきた。 「ふぎぃ! ぴぎっ! あぎっ! んぐぃぃいいいいいッ!!」 オーク鬼の群れである。 あんなのが大挙して押し寄せて来ては、開拓民たちも逃げ出すしかないだろう。開拓民たちはオーク退治を領主に訴えたらしいが、その訴えは却下されたらしい。ハルケギニアでは、そんな話はよくあることだった。 そして自分はオーク鬼の群れから逃げ出したいけど、逃げられない。ギーシュはエレオノールに逃亡と今回の宝物の探索の取り止めを何度も訴えたが、その訴えは却下された。毎回そんな感じであった。 「ええい、くそっ……!」 バラの造花を振り、その花びらからマントを羽織ったゴーレム……ワルキューレを5体ほど造り上げる。 敵の総数は……目測で20よりは少ない。 ギーシュはまずワルキューレを1体だけ前に出し、ユーゼスが言っていた『実験技』を繰り出してみることにした。 この『実験技』は当たりもあればハズレもある、半分バクチのようなものなのだが、今回はどうなることか……。 「……!」 考えている間にも、オーク鬼の群れは迫ってくる。 とにかく、やってみないことにはどうにもならないので、実行に移す。 ワルキューレに拳を作らせ、その腕を前方に突き出し、拳を対象にして更に『錬金』をかける。 どうにも自分のセンスからは外れている技の名称だが、イメージがしやすいのでギーシュは技の名称を叫んだ。 「無限パーーーーンチ!!」 突き出した拳に『錬金』がかけられ、その拳が変化して新しい手首となる。 新しい手首の先には、また拳がついていた。 そしてその拳に、更に『錬金』をかけ……これを延々と繰り返す。 伸びていった腕は、見る見る内に敵であるオーク鬼へと伸びて行き……、やがてその中の1体に、ゴガン、とぶつかった。 「よ、よし……!」 ユーゼスが言うには、このまま拳で持ち上げて、更に地面に叩き付けるのだとか。 取りあえず言われた通りにやってみるか、と手首の角度を変えて体長2メイルほどもあるオーク鬼の身体を持ち上げようとして……。 ベキリ、とワルキューレの腕が途中で折れた。 「ええっ!?」 ギーシュが仰天していると、更にバランスを崩したワルキューレが伸びた腕の重みで転倒してしまう。 「何だそりゃああああ!?」 唖然とするギーシュだったが、攻撃されたオーク鬼たちの方は激怒し、興奮し、いきり立った。 おまけに厚い皮と脂肪を鎧としているオーク鬼には、生半可な拳の打撃など大して効果がないらしい。 つまり結果だけ見ると、精神力を無駄遣いしてオーク鬼を怒らせただけだった。 「ああもう、何でこうなるんだぁ~!!」 転倒したワルキューレの腕にもう一度『錬金』をかけ、伸びた腕を切り離して普通の長さに戻す。 しかし、オーク鬼十数匹に対して、こちらの戦力は装甲が厚めのワルキューレ5体、プラス自分。 1体分の精神力は無限パンチで使い果たしてしまったし、『最後の手段』のためにラスト1体分の精神力はキープしておかねばならない。 何とも、心もとない布陣である。 そして剣や槍で武装したワルキューレたちは、真正面からオーク鬼にぶつかったが……。 「よ、弱い……」 それなりに善戦はしているのだが、やはりオーク鬼にはちょっとやそっとの切り傷など何もしていないのと同じである。 ワルド戦で使った『ディスタント・クラッシャー』を使えばそれなりにダメージを与えられはするのだが、あくまで『それなりのダメージ』であって致命傷には至らない。奴らを戦闘不能に追い込むためには、最低でも2発は食らわせる必要があるようだ。 だが、ワルキューレの『ディスタント・クラッシャー』は火薬を仕込んだ単発武器。そしてワルキューレの腕は2本だけで、場に出しているのは5体。 ……オーク鬼を4体ほど倒した時点で、ワルキューレたちに打つ手はなくなってしまった。 あとは個々の能力と、何よりも数が物を言わせ―――それでも1体だけオーク鬼を倒したが―――ワルキューレは全滅してしまう。 「あ、あわわ、あわわわわわわ……!」 もはや丸裸同然のギーシュは、ガクガク震えながらたった1人で10匹前後のオーク鬼と対峙する。 そして、ギーシュの頭脳はこれまでの17年間の知識を総動員しながらフル回転し、ある1つの行動を主人に導き出した。 逃げよう。 ダッ、と全速力で後ろへと駆け出すギーシュ。 当たり前だが、オーク鬼たちは怒り狂って追いかけてくる。 (お、追いつかれたら、死ぬ……!) 『命を惜しむな、名を惜しめ』という父の言葉が一瞬だけ頭をよぎったが、こんな戦いに名誉も誇りもあったもんじゃない。だから今は命を最優先だ。 しかしオーク鬼のスピードは、人間よりも明らかに速かった。 逃げ惑うギーシュへと迫り来るオーク鬼の棍棒。その大きさは人間1人分ほどもある。当たれば良くて大怪我、普通で即死、悪ければ苦しんだ末に死ぬだろう。 「ひっ……!」 オーク鬼の荒い息遣いが聞こえ、黒い影が自分を覆う。 ギーシュは必死の逃亡もむなしくオーク鬼に追いつかれ、棍棒に強打されてその短い人生を閉じようとしていた。 (も、) もうダメだ、と思う間もなく棍棒は振り下ろされ、 赤い血が草原を染め、 ギーシュはまだ走っていて、 僕は死んでるはずなのに何でまだ走ってるんだ、と思ったギーシュがふと右を見ると、 銀髪の男が遠くから鞭を振るっている光景が見えた。 「……やはり駄目だったか」 長い鞭を飛ばしてオーク鬼の首をはね飛ばしたユーゼスは、ポツリと呟いた。 ワルキューレに転用が出来そうな攻撃方法はないものか……と、クロスゲート・パラダイム・システムを使って様々な次元世界を覗いてみたのだが、『無限拳』は無理があったようだ。 そもそもアレは『アクエリオン』というロボットだからこそ可能な技であって、外見だけ真似できるからといってそうそう上手くいくわけがないのである。 しかし出来ないと99.9%理解していても、残りの0.1%を検証せずにはいられないのが研究者や科学者という種類の人間なのであった。 ……ギーシュに聞かれたら殴られても文句が言えないが、言うつもりなど全くないので特に問題はない。 それに、このトレジャーハントの旅の途中で、ワルキューレについては色々と試した。 成功例としては、ワルキューレの腕を弓にした『ゴーガン』(弓を武器にも転用出来たので採用された)や、身体の一部を始めから刃にしておいて戦闘時に取り外して武器にする『スラッガー』などがあった。 他にも『ディスタント・クラッシャー』の時に使う鎖を、『ディスタント・クラッシャー』に使わずにそのまま敵の動きを束縛するのに使ったり、その鎖の先に鉄球を付けて武器にしたりした。 また、目くらましや動きをさえぎるカーテン程度にしか役に立たないと思っていた『マントを羽織らせる』というアイディアはギーシュがえらく気に入ったようだ。何でも見栄えがグッと良くなるらしい。 ……アイディアの元は海賊のガンダムから頂いたことは、黙っておこう。 ワルキューレの足に車輪を付けてみる、というアイディアもあったのだが、これはスムーズに動けるようになるまで少し習熟期間を要するため、保留となっている。 そして、成功例があれば失敗例も数多くあった。 ワルキューレの身体を一度バラバラにして、もう一度合体して再構成を――― とギーシュに話したら『無茶を言うな』と言われてしまった。やはりゴーレムに飛行機能が付加出来ない以上、『手の平サイズで空を飛ぶ』ことが大前提のビット兵器のようなものは無理らしい。 ……では他の方法で飛行する方法はないものか、と考えはしたのだが……。 極限まで軽量化して、鳥の骨格を模して飛ばせるのはギーシュが鳥について徹底的に熟知する必要があるので無理。 背中にジェットやロケットのような物を付属させるのは、ワルキューレが弾丸になるだけなので駄目(これはこれで良い攻撃方法ではあったが)。 それなら詳しくは知らないが『LFO』という機体のようにボードに乗せてみてはどうかと一瞬思ったが、よくよく調べてみたらあれはトラパー粒子とやらが存在しないと飛べないと判明したので口には出していない。 結論、ワルキューレを飛行させることは不可能である。 ……他にもワルキューレを人型から獣形態に『錬金』を使わずに変形させようとしたが、人型形態か獣形態のどっちかが、どうしてもイビツになってしまうので駄目だった。 ならば始めから獣形態ならどうか……と、ユニコーン型、ライオン型、ヘビ型、竜型、イノシシ型、牡牛型の6種類のゴーレムを作らせてみたのだが、『やっぱり人型の方が動きのイメージがしやすい』ということで没。 上半身が人型のままで、下半身を馬のような四足歩行にした『パーンサロイド』も試してみたが、やはり違和感を感じるらしい。 だったらこれはどうだ、と複数体のワルキューレを物理的に合体させようとしたが、変形と同じ理由で駄目だった。 結論、ワルキューレは人型で単体のままが一番。 ……ワルキューレそのもののバージョンアップがこれ以上無理なら、使わせる武器を考えようともした。 まず最初に『ドリル』を付けようとしたのだが、あのスパイラル状の形状はともかくとして、『回転させる』機構を『錬金』のワンアクションで再現するのは無理だ、と言われたので断念。 ワルキューレの全長を上回るほどの巨大な斧や、巨大な剣……『使い勝手が悪すぎる』と不評だったので断念。 ワルキューレに銃や大砲を付けてみる……ドリルと同じく機構の再現が出来なかったので断念。 両手に剣を持たせ、高速で横回転させて攻撃する『シュトゥルム・ウント・ドランク』はどうかと思ったが、『高速で横回転』がどうしても『ただ踊っているだけ』に留まってしまうため断念。 やはり機体の能力はともかくとして、ガンダムファイターの『技』を再現させるのは不可能であった。 結論、普通の武器で普通に戦った方が良い。 と言うか、ここまで来るとワルキューレの運用方法よりも、ギーシュの『操り方』の強化をした方が良いのではないだろうか? そんなことを回想しつつ考えながら、ギーシュがオーク鬼から逃げる光景を眺めていると……。 「……む」 ギーシュが逃げる方向をこっちに向けた。 (あれでは私も巻き添えを食ってしまうな) そんなことはご免こうむるので、とっとと逃げ出すことにする。 するとギーシュは、物凄い形相で何かを叫びながら自分を追いかけてきた。 (足止めをしたいのならば、青銅のトラップでも仕掛ければ良いだろうに……) そう思いはしたが、錯乱しかけているギーシュにそんなことを言っても無駄だろう……と結論づけて、ともかくユーゼスは逃げる。 ……取りあえずはモグラのヴェルダンデが掘った穴まで、あのオーク鬼たちを誘導しなければなるまい。 「も、もう、もう嫌だぁぁあああああああ……!!」 『戦利品』である真鍮製のネックレスやイヤリングを見て、ギーシュが嘆く。 ……あの後、どうにかこうにかオーク鬼たちを迎撃しつつ落とし穴まで誘導し、落としたオーク鬼たちに用意しておいた油を浴びせ、更に火薬を満載させた最後のワルキューレを1体放り込んで『自爆』させて事なきを得た。 結果としてオーク鬼たちは全滅し、ユーゼスは『自爆させるくらいなら、頭や下半身をミサイルのように飛ばせば……』などと考えたりしていたが、ギーシュの精神はかなり参っていた。 ギーシュは切実かつ切迫した様子でユーゼスに訴える。 「……も、もう、もう魔法学院に帰ろう!? そもそも、僕たち3人だけでこんな危険なことをするってこと自体が間違いだったんだよぉ……!!」 「確かに3人で、というのは少々厳しかったな」 出発する直前、他について来てくれそうなメンバーに声をかけようとはした。 最初にキュルケの所に行こうとしたのだが、『ミス・ツェル―――』と言いかけた時点でエレオノールに物凄い形相で睨まれた。そう言えばヴァリエール家とツェルプストー家は物凄く仲が悪かった、と思い出してキュルケは諦めた。 次にタバサに声をかけようとしたが、部屋まで行ってノックしても返事がない。どうやらどこかに出掛けているらしく、何でもタバサはたまにこうやって学院からいなくなることが多いそうだ。 ではダメ元でモンモランシーはどうかという話になり、『ならば僕に任せてくれたまえ』と自信満々でギーシュが向かったが、10分後に頬に赤い手形をつけて戻って来た。 他にも色々と声はかけてみたのだが、返事は全てNO。 まあ、あるかどうかも分からない宝を探して、大怪我どころか命すら危ない道中に身を投じるために授業をサボタージュするような酔狂な人間はそういるまい。 しかも実際に命が危なくなったのだから、ギーシュが嫌になるのも無理はなかった。 「大体、直接的な戦闘に向いている人間が一人もいないって時点で……!」 と、必死になってユーゼスに帰還を呼びかけるギーシュだったが、今回の宝探しの『そもそもの元凶』の出現によってその口は閉ざされる。 「……泣き言を言うのはそれまでにしておきなさい。それでも元帥の息子?」 「ミ、ミス・ヴァリエール……!」 苦手意識どころか、もはや軽い怯えすら見せてエレオノールから後ずさるギーシュ。 『もうやめましょう』、『もう帰りましょう』、『もう諦めましょう』と言う度に徹底的に言い負かされ、自分の意思を無視され、そして強引に……と言うか無理矢理にここまで付き合わせた女性である。 なお、このエレオノールとの一件によってギーシュには『年上の女性』が少々トラウマになりつつあるのだが、本筋とは関係がないので割愛する。 そんなギーシュはなけなしの勇気を振り絞って、エレオノールに上申した。 「ミス・ヴァリエール、もう7件目です! この1週間……いえ、もうそろそろ10日になりますが、あなたがどこからか手に入れた地図を頼りに行ってみても、見つかるのはせいぜい銅貨が数枚! 地図の注釈に書かれた『秘宝』なんて、カケラもないじゃないですか!」 「フン、最初から失敗を恐れてるようじゃ、成功は望めないわよ」 「限度がありますよ!! いくら何でも!!」 (……確かにな) ユーゼスは道中でのエレオノールの言動や行動を見るに、彼女は『宝探し』よりも別に目的があると考えていた。 特に先ほどのような戦闘中は、自分に視線が向けられていることを感じる。 (目的は……『私』か?) ガンダールヴの能力の見極めか、あるいは自分という人間を判断するためか。 妹を預けるような形になっている以上、心配することは理解が出来ないでもないが……。 ともあれ、さすがに10日間というのは長い。 「その辺りにしておけ、ミス・ヴァリエール」 「……何よ、ユーゼス。あなたも文句があるの?」 ジロリとこちらに視線を向けるエレオノール。 ちなみに一週間を越える時間を経て、彼女のユーゼスに対する呼び方は単なる『ルイズの使い魔』とか『平民』から、『ユーゼス』に変わっていた。 「持って来た保存食料も底をつき始めた。それに夜具やテントも使い込んで調子が悪くなりつつあるからな、いい加減に切り上げ時だろう」 「……むう」 確かに、一理ある。 体力も辛くなってきたし。 そろそろテント生活が耐えられなくなってきたし。 何より、肌がどんどん荒れてきたし。 「…………なら、最後にあと1件だけ行ってみて、それで終わりにしましょう」 そのエレオノールの言葉を聞いて、ギーシュの顔がパッと明るくなった。しかし直後に『まだあと1件あるのか……』と落ち込み始める。浮き沈みの激しい男である。 「最後の1件か。……どのような場所にある、どのような宝なのだ?」 「場所は……ラ・ロシェールの向こうにあるタルブって村ね。名前は……『銀の方舟』だとか」 「……『銀の方舟』?」 聞き覚えのある名前だった。 アレは確か……。 「話は道中でも出来るでしょう。それじゃ、早速出発するわよ」 ユーゼスが思い出している途中だったが、それに構わずエレオノールは馬車に乗り込む。 (出来ればアレは放置しておきたかったのだが……) 口でエレオノールに勝てるとはとても思えないし、他の人間ならともかくこの女性に対して嘘をつき通せる自信もない。 取りあえず『現物』を見てから考えよう、とユーゼスはギーシュを引っ張って馬車に乗り込んだのだった。 その日の夜。 街道の脇で馬車を止めて、一行は野宿することにした。 近くには手頃な村もないので、こうするしかないのである。 馬車を操る御者はその馬車の中で休んでおり、ギーシュは自分の使い魔のヴェルダンデと抱き合いながらテントの中で眠っていた。 ユーゼスは転がっていた丸太に座って焚き火の見張りをしながら、何をするでもなく星を眺めていたのだが――― 「……雰囲気の暗い男ね。そうして火に照らされていると、危ない人間にしか見えないわよ?」 エレオノールが横に置いてあるもう一つの丸太に布を敷いて、その上に腰掛ける。 そんな彼女を一瞥すると、ユーゼスはぞんざいな口調で『それで構わん』と呟いた。 ……暗い人間だとか、危ない人間だとか言う評価など、別に問題ではない。 むしろ、自分を的確に表現していると言えるだろう。 しかし、言われた彼女の方は自分の言葉に納得がいかないようだった。 「この道中、あなたとはそれなりに関わってきたけど―――何だかあなた、人とあまり関わろうとしていないのね」 「ふむ」 少し驚く。 ただ頭ごなしに命令するだけかと思っていたが、意外と人のことを良く見ているものだ。 ……いや、自分の観察に重きを置いていたようだったから、その程度のことは分かって当然か。 「いかにもその通りだ。……私は、人との関わりを避けている」 「……………」 「どうした、そんな驚いた顔をして。お前の見立ては間違いではなかったのだぞ?」 「……いえ、普通はそこで『そんなことはない』って言うんじゃないの?」 「否定しても意味がないだろう。同様に、人と積極的に関わることも意味がない」 意味のないことは、極力しない主義だ。 それにこの女性は自分と話をしたいようであるし、ここで否定しては話が途切れると考えたので、あえて肯定してみた。 まあ、無意味と言うのなら、この会話こそが無意味ではあるが。 「『無意味なことに意味がある』……なんて哲学的なことを言うつもりはないけど。あんまりそうやって効率を重視したり簡潔すぎたりすると、息苦しくなるわよ?」 「特に問題はないな。息苦しさなど、昔からずっと感じていたことだ」 「……………」 呆れた視線でエレオノールはユーゼスを見る。 ……そんな目を向けられても、自分の人生はこれまでずっと息苦しさを覚えるようなものでしかなかったのだから、仕方がない。 ずっと何かに追い立てられていた。 ずっと何かに焦っていた。 ずっと何かに苦しんでいた。 ずっと何かを求めていた。 ずっと……何かと戦っていた。 今となってはその『何か』の正体も分からないが、そんな状況で息苦しくないわけがない。 ユーゼスにとって、『息苦しさ』とはもはや日常であった。 「しかし、『息苦しい』と言うのならば……」 そうしてユーゼスは、ゆっくりとエレオノールを見つめる。 「……何よ?」 いぶかしげな様子で、今度は自身がユーゼスの視線を受け止めるエレオノール。 だが次に彼が放った言葉によって、彼女の表情は固まった。 「いや、『息苦しさ』ならば、お前も感じているのではないか?」 「…………な」 『そんなことはない』、と否定しようとして―――だが、エレオノールはその言葉を否定しきれない。 貴族として。名門ヴァリエール家の長女として。アカデミーの主席研究員として。 物心がついた時から両親には厳しく躾けられ、常にトップであることを義務づけられ、なまじ才能があったばかりに――― 「……っ」 強引に思考を打ち切る。 このことについて、深く考えては駄目だ。 止めないと……何かが、止まらなくなる。 エレオノールは少しわざとらしく咳払いをして、話題を転換した。 「……そんな抽象的な話はともかく……」 「お前から話を振ってきたはずだが」 「うるさいわね! ……ともかく、もうこの話はやめましょう。それこそ息苦しくなってくるんだから」 「そうだな」 転がっていた小枝を薪として焚き火に放りながら、ユーゼスは同意する。 ……ある程度の期間を一緒に過ごして分かったのだが、どうにもこの男には『主体性』というものが見えにくかった。 とにかく受動的と言うか、意志の強さが感じられないと言うか……。 あのグラモン家の四男のゴーレムにあれこれ注文を付けている時は、そんなものも見え隠れしていたが、一旦『研究』から離れるとすぐ元に戻ってしまう。 まるで人生全てを諦めているような、あるいは人生でやるべきことを全てやり尽くしてしまった後のような、そんな印象をエレオノールは感じていた。 (見た目は若いわよね……) どう見ても自分と同年代程度にしか見えないこの男が、そんな密度の濃い人生を送っているとも思えない。 何かの呪いか、あるいは魔法で不老にでもなったのかしら―――とも思ったが、それなら『ディテクト・マジック』に何らかの反応があるはずである。 ……そこまで考えると、この銀髪の男が妹に召喚される前のことが気になった。 よくよく思い返してみれば魔法学院の生徒や、主人であるルイズですらユーゼスの過去は知らないようであるし。 興味本位でそれを尋ねてみると、 「……人に語って聞かせるような、立派なものではない」 アッサリと、そう返された。 そして逆に尋ねられる。 「では、お前のこれまでの経歴はどうだ? 人に物を尋ねるのであれば、まずは自分から語るのが道理だろう?」 「え……」 そう言われても……それこそ、語って聞かせるようなものではないような気がする。 だが、まあ、立て続けに自分から話を振っておいて、自分で話を打ち切るのはどうかと思ったので、簡単にではあるが『自分の経歴』をユーゼスに話した。 ヴァリエール家の長女に生まれたこと。 幼い頃から『立派な貴族であるように』と、さまざまな教育を受けたこと。 トリステインの魔法学院に入学し、優秀な成績を残し続け、首席で卒業したこと。 卒業後はアカデミーに鳴り物入りで入所し、以後は様々な業績を残して主席研究員にまで登りつめ、現在に至ること。 「……………」 ユーゼスは、黙ってエレオノールの話を聞いていた。 「……まあ、こんな所かしら」 語り終わって、何だかむなしくなった。 何と言うか―――意外に早く、自分の経歴を語り終えてしまったのである。 もちろん細部には色々なエピソードがあるし、努力もしたし、壁にぶつかったことも一度や二度ではない。 プライドの問題があるため言わなかったが、恋だって少なからず経験がある。……全部破れたが。 だが、こうして簡潔にまとめてみると……『簡潔にまとめてしまえる』ことに、何だか落ち込んでしまう。 「ふむ、なるほど」 自分の話を聞いていた銀髪の男はそう言って頷くと、 「私もそれと大差がないな」 唐突に自分のことを語り始めた。 おそらくエレオノールが過去を語ったので、自分も語る気になったのだろう。 ユーゼスは『子供の頃など、もはや全く覚えていないので省くが』と前置きした上で、自分の過去を語り始めた。 「……学術機関に在籍していたのは、そちらと同じだ。そこで自分の決めた研究テーマに打ち込み、それなりに結果も出した」 「研究テーマ? ……どんなことを研究してたのよ?」 「汚染された大気や自然環境の浄化、だな」 「?」 何よそれ、とばかりにエレオノールは首を傾げる。 無理もない。 このハルケギニアでは『環境汚染』などという概念は、あまり馴染みがないのだから。 「……何と説明すれば良いか―――そうだな、『空気や水を通して世界中に広がる毒』を除去する、とでも考えてくれ」 「はあ……」 まだ得心がいかない様子のエレオノールだったが、ユーゼスは概要はおぼろげながら理解したと判断して話を進める。 「その後は……あまり多くは語りたくないのだが」 「何よ、気になる言い方ね」 「そうかね? ともあれ詳細は隠させてもらうが、分不相応な野望を抱いて、それに破れた。破れた直後は何をするでもなく一人でいたが、そうしている内に御主人様に召喚され……後は知っての通りだ」 「……肝心なところが隠されてるから、いまいち要領を得ないけど……。その『野望』って言うのは何なの?」 「語りたくない、と言っただろう?」 「それは気になる言い方だ、とも言ったわね」 「……………」 「……………」 沈黙する二人。 そのまま少しの間、そうしていたが―――やがて焚き火の中の枝がパチンと弾け、ラチが明かないか、とユーゼスは根負けしたように自分から口を開く。 「……笑われるか呆れられるかされることを、覚悟で言うが」 「言ってくれなきゃ、反応のしようもないでしょう」 そしてユーゼスは、さも言いたくなさそうに、まるで『自分の恥部』を告白するかのように、言った。 「神になろうとした」 「…………え? 何ですって?」 思わず聞き返すエレオノール。 よく聞き取れなかった……と言うか今、この男の口から凄い言葉が出たような気がする。 主人から『無愛想で何を考えているのかよく分からない』と評された使い魔は、ハルケギニアに召喚されてから初めて苦々しげな表情を浮かべ、もう一度その言葉を口にした。 「……神になろうとした、と言ったのだ」 「…………神ぃ?」 エレオノールは唖然とした。 神? この理屈や理論を何よりも重視し、不確かな存在など一切認めないとでも言わんばかりの、このユーゼス・ゴッツォが? 『実際には神とは違うのだが……』などとブツブツ言ってはいるが、例え話にしても『神』とは……。 「何と言うか……」 吐息と共に、言葉が漏れる。 それを聞いたユーゼスは額を指で小突きながら、 「……だから言いたくなかったのだ」 と、深い溜息と共に小声で言うのだった。 「ふぅん……。まあ、確かに壮大すぎると言うか、身の程知らずと言うか、馬鹿みたいな考えねぇ……」 「……………」 やはり言うのではなかった、と後悔してももう遅い。 これ以降、この話を元に自分が散々からかわれたり馬鹿にされたりする光景を思い浮かべて、ユーゼスは少し落ち込んだ。 ……落ち込むような精神がまだ自分に残っていた……いや、そんな精神が新たに芽生えていたことに、驚きも感じていたが。 そしてエレオノールは、ユーゼスに蔑みやあざけりの言葉を、 「でもまあ、それも良いんじゃないの?」 「?」 ……そんな言葉は、放たなかった。 まさかそのようなリアクションが返って来るとは思わなかったので、思わずユーゼスは疑問を顔に浮かべる。 その疑問に、エレオノールは答えた。 「何だか安心したわよ。……悪いけど、私は今まであなたに対して『人間味』みたいなのをあまり感じてなかったから、そういう『願望』みたいなのがあったって分かるとね」 「そういうものか?」 ユーゼスとしては、どうにも信じがたい理屈である。 「そういうものよ。たまにあなたのこと、ゴーレムかガーゴイルかって思うこともあったし。 ……その内容はいただけないけど、でも……」 エレオノールは、軽く笑みを浮かべた。 「あなたもちゃんと『人間』なんだって、安心した」 「……………」 「……何よ、その絶滅したはずの幻獣を見たような顔は?」 「…………お前が笑っている所など、初めて見た」 ユーゼスが言った言葉に、カチンと来るエレオノール。 その言い方では、まるで自分が笑い方を知らないようではないか。……いや、確かに他人に笑顔などを見せるのは随分と久し振りなような気がするが。 「悪い? 人間なんだから、怒りもすれば笑いもするわよ」 って言うか、笑わないのはそっちも同じじゃないの……と、拗ねたような顔をして、ユーゼスに言う。 そして次の瞬間、今度はエレオノールが驚いた。 「フッ……、そうだな。結局、私は―――どこにいようと、どこまで行こうと、どれだけ時が経とうと、人間でしかない……」 「……………」 「……何だ、そのありえない現象を目撃したような顔は?」 「…………あなたが笑ってる所、初めて見たわ」 その言葉を聞いて、ユーゼスは自分の顔を右手でペタペタと触る。 だがすぐに気を取り直すと、エレオノールに向けて反論を開始した。 「悪いか? 人間なのだから、怒りもすれば笑いもするだろう」 金髪の女性は、銀髪の男の言葉にキョトンとして――― 「……フフ、そうね」 ―――もう一度、軽く笑う。 つられたユーゼスもまた、もう一度軽く笑った。 「それじゃあ、もう寝ましょうか。明日も早いんだし、もしまた何かの亜人や幻獣がいたら寝不足じゃ対応しきれないわよ?」 「そうだな」 ユーゼスはギーシュと同じテントに、エレオノールは専用の少し豪華なテントに向かう。 意味があるのか無いのか、よく分からない話はこれで終わりだ。 明日には、最後の秘宝があるというタルブ村に着くだろう。 それに備えて、睡眠をとらなくてはならない。 「朝にはちゃんと起こしなさいよ?」 「起こしたのならば、きちんと目覚めることだ」 就寝のあいさつ代わりに、言葉を交わす。 二人はそれぞれ違う場所で毛布を被り――― (……そう言えば……) (……あれ以前に最後に笑ったのは、いつのことだったか……) ―――全く同じことを考え始める。 しかし記憶を漁ることに疲れ始めると途中で切り上げ、やはり二人ともほぼ同じタイミングで眠りに入ったのだった。 前ページ次ページラスボスだった使い魔
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「……………………」 本日の授業の終わりとともに、終業のチャイムが鳴り響く。 クラスメイト達は各々別れの挨拶を交わしながら、部活に向かったり下校したり。 その少女もまた、自身に向けられた挨拶や、投げかけられた雑談に答えていく。 話題は他愛のないものから、興味を惹かれるものまで様々だ。 だがあまり同年代の人物と接したことのない少女にとって、そういった会話は、それ自体がとても新鮮なものだった。 ……しかし雑談が終わり、クラスメイトが去って一人になると、少女は物鬱げに窓から外へと視線を向けた。 窓の向こうに見える校庭では、部活に勤しむ学生たちの姿がうかがえる。 その光景に感じたのは、寂寥感か、疎外感か。それは少女自身にもわからなかった。 わかるのは、自分がこの世界にとって異物であり、そして異物を招いたのがこの世界自体だということだけだ。 少女の名は、アリーシャ。 この総合教育施設「アカデミー」に遊学中の、ディパン公国の第一王女/というロールを与えられたマスターの一人である。 (私は、なぜまだ生きていて、そしてここにいるのでしょう……) 外の景色を茫洋と眺めながら、少女は一人そう思う。 全てを終わらせ、消滅したはずだった。 邪欲によって世界を歪め、神を超えた神にならんとした魔術師を倒すため、その身を捧げた代償。 輪廻に従い転生を果たすならまだしも、今の自分を保ったまま生き延びる道理などないはずだった。 だというのに、気がつけばこの世界に招かれ、訳も分からぬうちにマスターとして選ばれていたのだ。 聖杯戦争。 自分が元居た世界からは想像もつかない程の発展を遂げた街並みと、そこで生きるNPCたち。 その中で、自分と同じマスターとサーヴァントたちを探し出し、聖杯を巡って争わなければならない。 そんなものに、死んだはずの自分が参加している。 ……まるで、悪い夢でも見ているような気分だった。 「あら、アリーシャ様。まだこちらにいらしたのですね」 「あ、ゼルダ様」 不意にかけられた声。 アリーシャがそちらへと振り返れば、そこには一人の女性。 自分と同じく遊学中の、ハイラル王国の王女/という設定のNPCであるゼルダ姫がいた。 同じ遊学中の王女ということで、何かと気にかけてくれているらしい。 「浮かない顔をされていましたが、何かあったのですか?」 「いえ、そういうわけではないのですが……」 (ただ、どうしたらいいのか、わからなくて……) 魔術師レザード・ヴァレスとの戦いでは、恐怖はあっても迷いはなかった。 なぜなら世界を守るという大義があったからだ。 レザードを倒すことで守れるものがあったから身命を捧げることができた。 だが、アリーシャには聖杯戦争に対する迷いがあった。 この聖杯戦争は、自らの願いのために行われる戦いだ。 マスターとして選ばれた以上、アリーシャにも願いはある。 レザードを倒し世界を守るために断念した願い。想い人――ルーファスと共に生きる明日。 もし願うことが許されるのなら、彼のもとへと帰り、共に未来を歩みたかった。 ―――けれど。 (それは、レザードがやろうとしたことと何が違うの?) レザードは自らの異常な偏愛のもと、彼の世界の女神と一つになるために世界を歪め創造神に成り替わろうとした。 そして聖杯戦争の勝者は、自らの『理』を以て世界を改変し、結果として己が願いを叶える。 勝者次第で善悪の違いが生じるのかもしれないが、どちらも世界を意のままにしようとしていることに変わりはない。 世界を守るために戦った自分が、自身の願いのために世界を変える意義――つまり聖杯戦争で戦う理由を、アリーシャには見つけられなかった。 「――やはり、ディパン公国のことが心配ですか?」 「っ………!」 そこに差し込まれる、ゼルダ姫の声。 その一言に、アリーシャは思わず息を呑んだ。 「公国は今、情勢がひどく不安定になっていると聞きます。 アリーシャ様がこの街に遊学されたのも、それが理由だとか」 「それ、は……」 アリーシャは、言葉が出なかった。 思いもよらなかった一言に、煩悶していた思考が停止している。 そんなこと、考えもしなかった。 ……いや、それとも、無意識のうちに考えないようにしていたのか。 けれど、ゼルダ姫の言葉で、気づいてしまったのだ。 (ああ、そうなのね……聖杯があれば、救えてしまうのね……。 ディパンを………お父様と、お母様を…………) 聖杯が願いを叶えるという、その意味に。 - § - 「……………………」 あれからアリーシャは、ゼルダ姫と別れ、現在住んでいる施設への帰路に就いていた。 夕日に照らされた街並みは、実際にその通りを歩けば、アカデミーの教室から眺めた時とは違った姿を見せる。 ……だがその光景は、今のアリーシャの目には、何一つとして映っていなかった。 心ここにあらず。 あの後、ゼルダ姫とどんな会話をして、どう別れたかも覚えていない。 今彼女の心にあるのは、彼女の故郷であるディパン公国と、そして両親のことだ。 設定としてだけ存在するこの世界のそれとは違う、アリーシャの世界にあった本物の、そして……すでに滅びた故郷のことだ。 「………………」 アリーシャの世界のディパン公国は、戦乙女アーリィの手によって滅ぼされた。 彼女の内に居たシルメリアを連れ戻すために、主神オーディンに利用されたのだ。 もともと過去の悲劇から神々への不信を抱き、対抗するための研究をしていたことも拍車をかけた。 結果として、国王であった父は処刑・斬首され、王妃であった母はその後を追って自決した。 そしてアリーシャには、先に為さなければならないことがあったがゆえに、王位を継ぐことはできなかった。 無論、アリーシャが王位を継いでいれば、ディパンを復興させることもできたかもしれない。 だがアリーシャは、世界を守るために戦い、そして死んだ。 つまり、世界最大の繁栄を見せたディパン公国は、その日に滅びたのだ。 けれど――。 (聖杯があれば、ディパンを救える? お父様もお母様も蘇えらせることができて……いいえ、そもそも、あの出来事自体を、なかったことに出来る……?) それが事実だとすれば、きっと望まずにはいられない。 父に軟禁された城から旅立った最初の理由。 叶えることのできなかったその願いを、叶えられるかもしれないのだから、 けれど―――。 (聖杯は、世界の『理』を書き換えて願いを叶える。 世界を、手にした人の思う儘にする力がある……) それは、レザードの行おうとしたことと何が違うのか。 それを防ぐために戦ってきたのに、その自分が、自分の願いのために世界を歪めるのか。 そんな私を見た時、ルーファスはいったい何を思うのか。 もし彼に嫌われてしまったらと思うと、私にはとても耐えられない。 けれど――――。 (マスターは、私だけじゃない。 聖杯を欲しがる人は、きっと間違いなくいる) もしオーディンやレザードのような人物が聖杯を手にしてしまえば、きっとためらわずに聖杯を使う。 私と違って迷うことなどなく、自分の『理』で世界を塗り潰す。 なら……彼らみたいな人に聖杯を使われてしまうくらいなら、いっそ自分で使った方がいいのではないか? ――――――けれど。 けれど、けれど、けれど―――。 答えは出ない。 アリーシャの思考は、そんなふうに堂々巡りを繰り返す。 そうして行きつくのは結局、 (こんな時、ルーファスならどうするの……?) なんていう、想い人に縋るような、そんな考えだ。 けれど、ここにルーファスはいない。 自分の半身ともいえるシルメリアも、彼女と共に在ったエインフェリアさえいない。 元の世界でアリーシャが頼りとした者は、ここには誰一人としていないのだ。 故に、今のアリーシャが頼れるものはただ“一つ”。 「あなたたちは、どう思いますか? ―――“ワルキューレ”」 マスターとして自身が召喚した存在、サーヴァントしかいなかった。 「聖杯は……『理』を書き換えて願いを叶えることは、正しいものだと思いますか?」 『……その質問は、おそらく意味がありません』 アリーシャの“内”から響いた声は、彼女の質問にそう答える。 「意味が、ない……?」 『はい。すでに説明された通り、聖杯は勝者となった人物の『理』に従って願いを叶えます。 言い換えれば、それがどれだけ強い願いだったとしても、その『理』と矛盾した願いは叶えられません』 つまり、勝者が『死者蘇生』を願ったとしても、その人物の『理』が『死者蘇生』という事象そのものを否定するのなら、どうあっても願いはかなえられず、死者は蘇えらないということだ。 「で、でも、それだと――」 『だからこその聖杯戦争です。その願いは、『理』の矛盾を覆す程に強いものなのか。そのことを聖杯は、敵マスターを倒す以上に問いかけているのです。 故にもし、勝者が自らの矛盾を覆せないままに聖杯に至ったのであれば、聖杯は暴走し、この聖杯戦争は勝者なしと見做されるでしょう』 「………………」 そうなった時、この仮想世界がどうなるかはわからない。 暴走に巻き込まれ諸共に消滅するのか、あるいは、何事もなかったかのように聖杯戦争がやり直されるのか。 少なくとも、その時のマスターたちは無事では済まないだろう。 『それにテクスチャ――『理』テクスチャの書き換え自体、あたしたちの世界だとそう珍しいものじゃないしね』 「『理』の書き換えが、珍しくない?」 『うん、そう。と言っても、もちろん滅多に起こることじゃないけどね』 内から響く、先ほどとは違う二人目の声。 『あたしたちの世界では、神々が自らの力として世界の法則――『理』を定めていたの。 でも、それもかつての話。 時代が進むにつれて、人間は神々が定めた『理』を解明し、物理法則と名付けて利用していった。同時に神々は『理』(その力)を失っていった。 当然だよね。どんな力だって無限じゃない。人間が物『理』法則を見つけて使うたびに、神々が使える『理』(力)は減っていくんだから。 最終的に、世界の『理』はそのほとんどが物理法則置き換わっていって、その法則から外れた神々は世界にいられなくなった。 マスターにわかりやすく言えば、神々でさえ行き来できないほどに、ミッドガルドとヴァルハラが遠くなったって感じかな。 そうして神々が人間を支配していた時代は、神代と呼ばれる過去になった。 つまり、神々の定めていた『理』が、人間の定めた『理』に上書きされたってわけ』 だから、『理』が上書きされることにも、特別思うことはないと二人目のワルキューレは語る。 アリーシャにとってそれは、思ってもみない話だった。 神々を直接打ち倒すのではなく、その力を理解し自分たちの物にすることで、『理』を奪い神々と決別したのだ。 ミッドガルドを救うためには、オーディンを倒すしかないと思っていた自分たちとは全然違う。 それだけ神々と人間が近かった、ということなのだろうが、力に頼らないやり方もあったのかと驚いた。 もちろん自分たちと彼女たちでは世界そのものが違うし、神々と決別するまでにどれだけの時間と犠牲が必要かもわからない。 だから、どちらが正しい方法だったのか、と決めることはできないのだけれど。 そう、どちらが正しいかなど決められない。 故に。 『マスターが考えるべきは、その願いがどれだけ強いものなのか。 『理』を書き換えることの是非ではなく、『理』を書き換えてでも叶えたい願いなのかかどうか、です』 三人目のワルキューレがそう告げる。 ――その願いが、『理』を書き換えてでも叶えたいものなのか。 自らの『理』を曲げてでも、あなたはそれを望むのか。 その意味で言うのならレザードの願い(欲望)は確かに“強い”ものだった。それこそ、世界を歪めてしまうほどに。 (なら、わたしは……?) あの戦いの時、レザードの願いを上回るほどの強い“何か”を、私は持っていたのだろうか。 私はいったい何のために、ミッドガルドを救おうと戦ったのだったか。 ディパンのような悲劇を繰り返させないため? もちろんその通りだ。 けどそれは大義であり、前提の話だ。彼の欲望が悲劇を齎すから戦った、というだけのこと。 ならば、悲劇さえ起きないのなら、私は彼の行いを許容したの? 悲劇さえ起きないのなら、世界を……『理』を好きに変えてもいいというの? 聖杯……担い手の望みを叶える願望器……。 『理』を書き換えることで、望んだ未来を齎すもの……。 なら……私が望んだ未来って……なに……? 「………あなたたちには、何か願いがあるのですか?」 アリーシャは自身のサーヴァントへと問いかける。 『ワルキューレとしては、ありません』 サーヴァントは自身のマスターへと答える。 『確かに私たちにとっても、聖杯の存在は大変興味深いものです』 『けどそれは、聖杯を巡る戦いで新たな勇士が発生しやすくなるからなんだ』 『つまり、勇士さえ発生するのなら、聖杯そのものには興味がない、と言い換えることもできるでしょう』 それは、つまり。 聖杯戦争において望むものが、“聖杯”ではなく、“戦争”であるということに他ならない。 なるほど、戦乙女。 彼女たちの真名であるワルキューレと、アリーシャの世界のヴァルキリーは、同じ言葉の言い換えに過ぎない。 勇士というものも、アリーシャにとってのエインフェリアと同じ意味の言葉だ。 たとえ世界が違っても、彼女たちは本質的同じ存在なのだ。 けど、だというのなら……。 「あなたたちは死神とどこが違うの?」 エインフェリアを集めやすくするためにミッドガルドに戦乱を齎した、私たちの世界の主神オーディンと何が違うのか。 そう思わず口にして、すぐに自分で否定する。 「……ごめんなさい。あなたたちは、何も悪くないのに」 彼女たちはヴァルキリー……シルメリアと同じ存在だ。オーディンとは違う。 シルメリアたちヴァルキリーがそうだったように、ただ自分の役目を果たしているにすぎないのだ。 『こちらこそ申し訳ありません、マスター。 マスターの世界における大神オーディンが、人間にとって酷く横暴な神であったと聞いていましたのに』 『私たちにとって勇士を探すことは本能みたいなものだから、どうしてもね』 『それに、ワルキューレとしてではなく、私たち個人としての願いも、ないわけではありません』 「あなたたち個人の願い?」 『はい。 ……マスター。もし、正しい歴史を歩んだ世界と、それとはまったく異なる歴史を歩んだ世界の二つがあったとして、そのどちらか一方しか残れないとしたら、マスターはどうしますか?』 「それは……」 いったいどういう意味なのか。 『マスターが魔術師レザードのせいで歪んだ世界から来たみたいに、あたちも本来の歴史からは外れた存在だってこと』 『とは言っても、サーヴァントとして召喚されるにあたり調律されていますので、命令の実行に支障はありませんが』 「そう……あなたたちに問題がないのならいいけれど……」 アリーシャはそう曖昧に頷く。 異なる歴史、二つの世界。 きっと彼女たちにも、彼女たちの事情があるのだ。 それが何なのかは、まだわからないけど。 『いずれにせよ、マスター。私たちはマスターの命令に従って戦います。 確かに私たちは、マスターの能力によって大きなアドバンテージを得ています』 『マテリアライズ能力による、一つの霊基からの三騎同時召喚と、半受肉による魔力消費の軽減。 召喚の方はあたしたちが本質的には同じ存在だからなんだろうけど……』 『ですが、もしマスターの命令に迷いがあれば、私たちの行動にも迷いが生じます。 そして迷いは戦いにおいて、大きなディスアドバンテージとなります。 もし聖杯戦争を戦うのであれば、そのことを忘れないでください』 「それは、わかっています」 あれほどの戦いを経験したのだ。 迷いがあっては、勝てる戦いも勝てなくなることくらい、理解している。 それでも。 視線を上げ、仮初の世界を見渡す。 街は夕日によって茜色に染まり、黄昏の空は燃えるように紅く揺らめいている。 ……ヴァルキリーの次女、レナスの言葉を思い出す。 “―――時の流れは絶えず揺らいでいる。 未来が変化する事に異存はないが、一人の人間に歪められる道理はない” 私が未来を望むことは、一人の人間によって、『理』が歪められる、ということではないのか? 「ルーファス……あなたに、会いたい……」 アリーシャは、左手の指にはめられた指輪を見つめ、そう呟く。 それは、彼女にとっての幸運のお守り。 けれど幸運は訪れず、心の迷いは、いまだに晴れそうになかった。 【サーヴァント】 【CLASS】 ランサー 【真名】 ワルキューレ@Fate/Grand Order 【出典】 Fate/Grand Order 【性別】 女性 【ステータス】 筋力B 耐久B 敏捷B 魔力A+ 幸運E 宝具B 【属性】 秩序・善 【クラス別能力】 対魔力:B 詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。 【保有スキル】 神性:A 北欧神話の大神オーディンの娘であるワルキューレは半神とも呼べる存在であり、きわめて高い神霊適性を有している。 しかし恋に落ちる、自身の存在や行為に疑問を抱く、等の強い感情を得てしまうとこのスキルは1ランクずつ低下し、Eランクにまで落ちた時点で在り方が完全に変化(人間に近い性質に)してしまう。 原初のルーン 北欧の魔術刻印であるルーン(大神のオリジナル)を有している。 ワルキューレはこのスキルによって、ランサークラスでありながら様々な戦闘補助の魔術を行使する。 攻撃魔術の行使も可能だが、戦いの勲は魔術ではなく肉体と武器によるものという考えから、あまり使用しない。 運命の機織り:B 『ニャールのサガ』に曰く、ときにワルキューレたちは恐るべき機織り機を操るという。 織られた布を引き裂くことで、彼女たちは戦場の勝敗を決めた。 詳細不明。このロワにおいては、戦場において有利な状態・状況を発生させる効果として現れる。 【宝具】 『偽・大神宣言(グングニル)』 ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:5~40 最大補足:20人 大神オーディンから授かった武具。大神宣言(グングニル)の劣化複製版。 真名開放して投擲すれば必中機能が発動するが、FGOでは基本的に真名開放は行われず、通常武器として使用される。 『終末幻想・少女降臨(ラグナロク・リーヴスラシル)』 ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:0~40 最大補足:100人 完全に同期した自分たち─── 複数のワルキューレたちが一堂に集い、ヴァルハラへと至る勇者の魂を導くための機能のすべてをより合わせ、手にした宝具『偽・大神宣言』を一斉に投げつける。 対象に槍の投擲ダメージを与えると同時に、効果範囲に一種の結界を展開。あらゆる清浄な魂を慈しみ、同時に、正しき生命ならざる存在を否定する。 サーヴァントや使い魔といった存在や、術式、幻想種、吸血種、等々の魔術や魔力に類する存在を退散させる空間を作り出すのである(抵抗判定に失敗した個体を退散させる)。 『白鳥礼装(スヴァンフヴィート)』 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:‐ 最大補足:自身 大神オーディンから授かった白鳥の衣。 これを纏うことでワルキューレは飛行能力を有し、高速機動を可能とする。天馬に騎乗していない状態ではこの宝具に機動性の大半を依存していると言っても過言ではない。 しかし、この宝具の真価は飛行能力ではない。 北欧神話の最高存在である大神オーディンによる加護こそがこの宝具の真の効果であり、これによりワルキューレの精神と肉体には絶対性が保たれる。 精神に影響を与える魔術や能力の類をシャットアウトし、肉体はBランク以下の物理攻撃を弾き、カロリーを大量に摂取しても体型は変化しない。 【weapon】 「偽・大神宣言(グングニル)」 光で形成されたかのような投槍。姉妹それぞれで穂先の形状が異なる。 「神鉄の盾」 オーディンから賜った金色のラウンドシールド。 【人物背景】 鎧に身を包んだ戦乙女。 大神オーディンの娘たち。 数多の戦場の空を覆い、戦死した勇者を選定し、ヴァルハラへとその魂を連れていく、ワルキューレたちの個体にして総体。 アリーシャに召喚されたのは、『スルーズ』『ヒルド』『オルトリンデ』の三騎。 ただし、彼女たちは本質的に同質の存在であり、真名はいずれも『ワルキューレ』となる。 つまり、異なる三騎のサーヴァントが召喚されたのではなく、一騎のサーヴァントの異なる側面が三つ同時に召喚された形となる。 そのため彼女たちは一つの霊基を共有しており、三人で一騎のサーヴァントという扱いとなる。 これはFGOにおける、「霊基再臨ごとに別個体のワルキューレが代替召喚される」という特殊性が、マスターであるアリーシャの能力・特殊性に合わせて調整されたもの。 三人同時の実体化は魔力消費などに無理が出るため、通常であれば戦闘時には行われず、戦闘は一人で行われる。 しかし今回の召喚においては、実体化をマスターのマテリアライズ能力によって行うことでその負担を軽減し、三人同時での戦闘を可能としている。 ただしそれは、実体化の意思をマスターに委ねるということでもあるため、マスターが先頭不能となった状態でのマテリアライズによる実体化の実行・維持は不可能となる(通常の実体化は可能)。 今回召喚されたのは、FGOの主人公が召喚する「汎人類史のワルキューレ」ではなく、大二部二章にて登場した三人の記憶・記録を有する「異聞帯のワルキューレ」。 これはマスターであるアリーシャが、魔術師レザードによって歪められた歴史の人物であることに由来する。 【サーヴァントとしての願い】 “ワルキューレとしては、”聖杯そのものではなく、それを巡る戦いによって現れる(あるいは生まれる)であろう勇士に興味がある。 ただし、個人としては……。 【方針】 マスターの命令に従う。 【把握作品】 ゲーム「Fate/Grand Order」をご参照ください。 【マスター】 アリーシャ@ヴァルキリープロファイル2 -シルメリア- 【出典】 ヴァルキリープロファイル2 -シルメリア- 【性別】 女性 【能力・技能】 片手剣による剣技と一部の魔法、戦乙女ヴァルキリー(シルメリア・ヴァルキュリア)に由来する能力を行使可能。 ○光子 聖なる光を放ち、命中した対象を一時的に封印する。 ただし封印はごく短時間だけであり、また対象及びその状態によっては封印が出来ないこともある。 光子は地形に当たると反射し、また封印中の対象に中てることで互いの位置を入れ替えることも可能。 ○マテリアライズ 遺物を媒体に、自身のうちに存在するエインフェリアにDME(ディバイン・マテリアライズ・エナジー)を与え実体化させる。 ヴァルキリーが倒れればDMEの供給も途切れるため、他のエインフェリアたちも実体が維持できなくなってしまう。 この聖杯戦争におけるアリーシャの場合、セイントグラフを媒体にしてワルキューレたちを実体化させている。 ○ニーベルン・ヴァレスティ 奥義。自身の戦乙女としての力を最大発揮し、ヴァルキリーの神技を再現する。 疑似再現版と完全再現版の二種類あり、完全再現版には三つの段階が存在する。 疑似再現版では剣技によって敵を打ち上げたのち、光子によって敵を封印・互いを入れ替え、高高度からの一撃を叩き込む。 完全再現版では同じく剣技て敵を打ち上げた後、マテリアライズによって生成した槍で敵を貫く。 第一段階では三本の槍で串刺しにし、第二段階では更に全力の槍投げによる追撃が加わり、第三段階では聖なる力の爆発による止めが加わる。 さらにこれらを超えた神技も存在するが、現在のアリーシャには使用不可能。 【weapon】 「クレストエストック」 刺突攻撃に特化した細身の刀剣。ディパン王族の紋章が刻まれている。 「アリーシャのローブ」 アリーシャが身に着けているローブ。高価な素材で編まれている。 「ルーファスの指輪」 アリーシャの指にはめられたぶかぶかの指輪。彼女にとっての幸運のお守り。 【人物背景】 ミッドガルドの北方に位置するディパン公国の第一王女。 その身にはヴァルキリーであるシルメリアの魂までも宿っており、二つの人格を持って生きる運命を強いられた。 更にシルメリア由来の特異な能力を発動させるようになったため、父王バルバロッサにより死んだものとされ、物語開始まで、遠方の地で軟禁に近い生活を送っていた。 物語の中盤、神々によって故国ディパンが滅ぼされ、常に共にあったシルメリアとも引き裂かれ、心が折れそうになりながらも、ディパンのような悲劇を二度と繰り返してはいけないという想いから、ミッドガルドを救おうと決意する。 そして終盤、自身が偏愛するヴァルキリーの次女レナスを支配するために世界を歪め、新たな創造神とならんとした魔術師レザードを倒すため、ヴァルキリー三姉妹の魂と融合し、『真なるヴァルキリー』となってこれを倒した。 運命の三女神と融合した影響により、その人格は最早アリーシャとは異なるものとなっており、また体型も変化している。 さらに三つもの神の魂との融合は人間の肉体に耐えられるものではなく、レザードを倒した後、ヴァルキリーとなったアリーシャは消滅した。 【マスターとしての願い】 ルーファスと再開し、故国であるディパンを復興させたい。でも……。 【方針】 不明。『理』を書き換えて願いを叶えるという行為そのものに対して迷っている。 【ロール】 総合教育「アカデミー」に遊学中のディパン公国の第一王女。 【令呪の形・位置】 (筆者注:書かなくても大丈夫です) 【把握作品】 ゲーム「ヴァルキリープロファイル2 -シルメリア-」をご参照ください。
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ウォオオオオオオオオオオオオーーーーーーーム!!!!! 『動物は危険を感じたり、怪我などをすると副腎髄質という内臓器からアドレナリン という物質を分泌し、体を緊張させるッ! このアドレナリンの量を脳に寄生する「バオー」が感知し………………………… 「寄生虫バオー」は宿主である橋沢育郎を、生命の危険から守るべく 無敵の肉体に変身させるのだッ!』 こ れ が ッ ! アームド・フェノメノン 『 バ オ ー 武 装 現 象 』 だ ッ !! 異形の咆哮が終わり、呆然としていた回りの生徒達が騒ぎ出す。 「あいつ、亜人だったのか!」 「傷がふさがってるぞ?」 「ひょっとして先住魔法か!?」 『視覚も、聴覚も、嗅覚も「バオー」には関係ない! 感覚はすべて頭部の触覚でまかなう! 「バオー」はギーシュの発する敵意のにおいを触覚で感じ…… そ の に お い が 大 嫌 い だ っ た ! 「バオー」は思った……… こ い つ の に お い を 消 し て や る ッ !』 「あーあ、せっかく黙ってたってのによー」 「なななななななななななな!?」 「落ち着けよ、娘っ子」 「なんなのあれ!?あいつ亜人だったの?何で人間の真似してたの?傷治ってない?」 取り乱したルイズがデルフリンガーに次々と質問をぶつける。 「安心しな娘っ子、相棒は人間だよ」 「じゃあの姿は!?あれだけの変身魔法なんて、先住魔法でもなきゃ…」 「魔法じゃねーって」 「魔法じゃないなら何なのよ!?」 「そう言われてもなー、なんつえば良いんだろ?」 何か良い言い方は無いかと、デルフリンガーが考え込む。 「おーそうだ!あれだ蝶々も元は芋虫だろ?相棒があんな格好になっても不思議じゃ」 「不思議にきまってるじゃない!?」 「まーあれだ、娘っ子はあっちの相棒は初めてだろ?俺もだけどさ。 こうなったらしゃ-ねー。せっかくだからじっくり見とこうじゃねーか」 「………あっちの?」 「ぼ、僕のゴーレムが…」 背後に立つ、己に槍の一撃を放ったワルキューレの顔を、バオーは無造作に掴んだ。 「と…溶けてるぅぅぅぅぅ!!!」 ギーシュが叫んだ通りだった。 青銅で出来たゴーレムが、見る見るうちに溶けていく。 『バオー・メルティッディン・パルム・フェノメノン 手のひらからでる特別な液で物質を溶かす、「バオー」が持つ武装現象の一つ』 「あ…あぁ…」 僅か数秒の間、ワルキューレが青銅の塊になるのをギーシュは呆然と見ていた。 そしてバオーがギーシュに向かって一歩踏み出した時、あまりの出来事に 思考を止めていた彼の脳が、やっと動き出す。 「わ、ワルキューレぇ!」 後ずさりながら、目の前の異形に向かって、震える声で青銅の戦乙女達に攻撃の 指令を出す。 まず近くにいたワルキューレ二体が、バオーに向かって槍を持って突撃した。 バオーは近づいてくるワルキューレの方を向いただけで、避けようともしない。 そして両者が交差したと見えた次の瞬間、ワルキューレは無残に両断されていた。 見ればバオーの腕には、いつの間にか刃のような物が生えている。 『バオー・リスキニハーデン・セイバー・フェノメノン 手首の皮膚を鋭く硬質化させ、刃となし敵を切り裂く』 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!」 残るゴーレム、先程の四体そろっての突撃を避けられ、マリコルヌを押しつぶしていた ワルキューレ達に武装をさせ、再びバオーに向かって突進させる。 バルバルバルバルバルバル!!! バオーの咆哮と共に、凄まじい音と光がその体から発せられた。 そして、轟音と共に雷撃がワルキューレ達に襲い掛かかる。 『バオー・ブレイク・ダーク・サンダー・フェノメノン 細胞間を流れる微弱な電流を直列につなぐ事で、体内に高圧電流が生まれる現象』 崩れ落ちるワルキューレ達、もうギーシュにはワルキューレを作り出す魔力は無い。 それを知っている彼の友人達は、根は怖がりであるギーシュが、すぐに降参すると 思っていた。 「く、来るな………ッ!」 しかしギーシュは後ろにさがりこそすれ、バオーから目をそらさず、降参するような そぶりを見せない。あまつさえ、なけなしの精神力で、まだ呪文を唱えようとしている。 ギーシュだけが理解していたのだ。 この生き物に降伏も、そして逃走すら無意味だという事を。 ギーシュが魔法を唱え終ったのと、バオーの髪が蠢いたのは同時だった。 魔法の効果によって、瞬時にギーシュの目の前に土の壁が作り出され、そして 「ヒィッ!」 土の壁を貫いて、ギーシュの目前に針のようなものが現れる。 『バオー・シューティング・ビースス・スティンガー・フェノメノン 髪の毛が針のように硬質化する現象。刺さった髪がぬけると体温により自然発火する』 からくも目前で止まったものの、後一瞬魔法の発動が遅れていれば自分はこの針に 貫かれていただろう。その事実に恐怖すると共に、一瞬の安堵が生まれる。 だが次の瞬間、ギーシュは胸に何かの衝撃を感じた。 「え?…あ………れ?」 胸が焼け付くように熱い、ふと目の前の、自分の作り出した壁を見ると穴が開いている。 「ああああああああああッ!!」 土の壁が崩れてバオーが姿を見せる、その片方の腕に生えていた刃がなくなっている。 ギーシュは自分の胸を恐る恐る見た、そこにはバオーの腕から無くなった刃が 深々と突き刺さっている。 「ウソ……だろ?」 その言葉と共に血が勢いよく噴出し、それと共に視界がどんどん暗くなっていく。 「…………シュ!!!」 誰かが自分を呼んでいる。 その声は涙で震えているような気がした。 「…モンモランシー?」 その言葉は、もう口から発する事ができなかった。 混乱し、薄れていく意識の中、最後にギーシュが思ったのは、 『モンモランシーが泣いているのは悲しいな』 そんな事だった… ギーシュが倒れるのと同時に、観戦していた生徒達から悲鳴が上がる。 決闘に命を懸けたのは昔の時代である。今や決闘で死ぬ事など、事故以外そうはない。 学生ならなおさらだ。貴族といってもまだまだ子供である。ほとんどが親の庇護の元、 何一つ苦労も無く育ってきた者達なのだ。目の前の『殺人』という異常事態に 対応できるわけも無かった。 しかも殺したのは先住魔法を操る得体の知れない亜人…いや、化け物だ。 何人かの生徒は逃げ出したが、ほとんどは呆然と倒れたギーシュとバオーを何もせずに 眺めている。それは橋沢育郎の主であるルイズも同じだった。 「ギーシュ!」 そんな中、真っ先に動いたのはモンモランシーだった。 倒れたギーシュに駆け寄り、治癒の魔法をかける。だが触媒の秘薬も無しに、いや、 例え秘薬があろうとも、これ程の重症ではもう助からないだろう。 それでも彼女は魔法を止めない。 「ギーシュ、お願い目を開けて!ギーシュ!」 泣きながらギーシュの名前を呼ぶが、目覚めるはずも無い。 それでもモンモランシーは精神力がきれ、気絶するまでギーシュの名を呼び、 治癒の魔法をかけ続けた。 『闘い終えた「バオー」は、変身から少年へ戻っていった』 「これは!?」 育郎の意識が覚醒し、最初に目に入ったのは、倒れるギーシュにすがりつき、 涙を流しながら魔法をかけているモンモランシーの姿だった。 その光景に、自分が何をしてしまったのか悟る。 あの『力」が! 僕の中の化け物の『力』が彼を!? あの時は自分の意思でコントロールできたのに! ドレスとの最後の闘いの時、自分はあの力を制御していた。 だからこそ、最悪あの姿になっても誰かを傷つける事はないと思っていた。 「僕のせいだ…ッ!」 自分に対する怒りがわいてくる。 しかし次の瞬間、ギーシュから、あの『におい』が発せられている事に気付いた。 感じる!かすかだが、まだ彼の生命の『におい』を! 今ならバオーの血で助ける事が出来る、だがコントロールできるのか!? 一瞬の戸惑い。 だが魔法をかけていたモンモランシーが倒れこむのを見たとき、 育郎は決心した。 迷っている暇は無い、コントロールするのだ! でなければ彼が死んでしまう! 目覚めるんだ、僕の中に眠る『力』よ! 『脳に寄生する「バオー」が、橋沢育郎の意思を感知した……… 「バオー」はその意思に従い、宿主である育郎を再び変化させる!』 ウォォォォォォォォム!バルバルバルバル!!! 『宿主の命に危険があるわけではない、だが「バオー」は育郎の意思に従う。 それは宿主のための行動であり、そして「バオー」の意思でもあるのだ!』 「あれ?」 ギーシュが目を覚まして考えたのは、何故自分が地面に寝ているのだろう? という事だった。そしてその自分に、誰かが倒れこんでいることに気付く。 「…モンモランシー?」 一瞬モンモランシーに何かあったのかと思ったが、ただ寝ているだけだと気付き、 安心すると、倒れこんでいる事によって、モンモランシーの胸の感触を味わえている という事実をギーシュは発見した。 こ、これは……なんだかわかんないけどラッキー! 「う…うん……ギーシュ?」 そんなことを考えていると、モンモランシーが目を覚ました。 身持ちの硬いモンモランシーの性格を思い出し、顔が青くなる。 「いや、違うんだモンモランシー!これはその」 「ギーシュ!!!」 「へ?」 モンモランシーがギーシュに抱きついて泣き出した。 「ギーシュ、生きてるのね!?良かった、本当に良かった!ああ、ギーシュ……」 おおおおおお!さらに胸が!おっぱいがいっぱいであります! って『生きてる』? 「あああああッ!!!!」 思い出した。 自分はあのルイズの使い魔に… 傷のあった場所を見てみると、服は汚れているがもう血は止まっている。 それにモンモランシーの胸が当たっているのに、全然痛くない。 というか気持ちいい。 「おお、愛しのモンモランシー!君が治してくれたのかい?」 涙をぬぐったモンモランシーが、ギーシュを見て首を振る。 「わからない…治癒の魔法は懸けてたけど、秘薬もないのにあんな傷…」 「『彼』が君に何かを飲ませたんだ…そしたら君が生き返った」 何故かボロボロになっているマリコルヌが、いつの間にか傍に来ていた。 「『彼』って…ルイズの使い魔の?ど、どうして?」 「わからない……けど、すまなさそうしてたよ、彼は…」 「そうか…教えてくれてありがとう、マリーベル」 「マリコルヌ!風上のマリコルヌだよ!?」 マリコルヌの抗議の声を聞きながしながら、モンモランシーを見ていると ふと、思い出すことがあった。 「も、モンモランシー…」 「なぁに、ギーシュ?」 非常に心苦しいが言わなければならない。 「負けちゃってごめん…いや、その…僕が代わりにあのメイドに謝ってこようか?」 それを聞いたモンモランシーは呆れた顔をした後、笑顔になり 「本当に…馬鹿なんだから…」 もう一度ギーシュに抱きついて、泣いた。 ギーシュは泣いているモンモランシーをなだめながら思った。 それにしても…良いにおいだな モンモランシーの二つ名を思い出す 『香水』のモンモランシー やっぱりモンモランシーの香水はいいな… いや、モンモランシーがつけてるから良いのかな? なんだか幸せな気分になってくる。 でも、やっぱりモンモランシーは笑ってるほうがいいや。 そう思ったが、ギーシュは、なんだか世界で一番自分が幸福のような、 そんな気分になっていた。
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エイル・ミード - Eir mjöd 「だいじょうぶ、もう泣かないよ」 年齢:9 / 身長:130cm / 体重:27kg スリーサイズ:細め(ちゃんと測ったことなし) 地域:スウェーデン 属性:秩序・善 / 性別:女 / 血液型:A型 誕生日:8月11日 イメージカラー:蜂蜜色 一人称:わたし / 二人称:~~さま 特技:なし(しいて言うなら夜目が利く) 好きなもの:龍靭おじさま、ワルキューレ / 苦手なもの:狭い部屋、ワルキューレ 天敵:特になし 起源:戦乙女 魔術属性:戦乙女 魔術系統:なし(魔術師ではない) 魔術特性:戦乙女 魔術回路・質:B / 魔術回路・量:A++ / 魔術回路・編成:変質(彼女の魔術回路は現代の人間にはありえない) +20の質問 質問1 名前と年齢と性別を教えてください 「」 質問2 身長と体重を教えてください 「」 質問3 血液型と誕生日を教えてください 「」 質問4 好きな色、自分を象徴するような色はありますか 「」 質問5 特技はなんですか 「」 質問6 好きなものはなんですか 「」 質問7 嫌いなものはなんですか 「」 質問8 天敵とかいますか 「」 質問9 属性について教えてください 「」 質問10 所属勢力はどこですか 「」 質問11 令呪はどこにありますか、どのような形ですか 「」 質問12 貴方の外見について自由に話してください 「」 質問13 ざっくりとあなたの性格を教えてください 「」 質問14 どのように生まれて、今までどんなことがありましたか 「」 質問15 聖杯戦争中はどのようなことをしますか、使う武器や魔術なども自由に話してください 「」 質問16 聖杯にかける望み、あるいは聖杯戦争参加の経緯を教えてください 「」 質問17 親しい人間について自由に話してください、空欄でも構いません 「」 質問18 自分のサーヴァントをどう思いますか、空欄でも構いません 「」 質問19 自分にモチーフなどはありますか 「」 質問20 なにかこちらに質問はありますか 「」 今回はありがとうございました。あなたの望みが叶うことを願います 略歴 北欧に隠れ住む『蜜酒を注ぐもの』たちの里の少女。 その正体は現代に神話の残滓である『戦乙女の因子』を残すために品種改良された現代の戦乙女である。 『蜜酒を注ぐもの』は戦乙女の完全なる再現、そして戦乙女による『エインヘリヤルの鋳造』の神秘の再現を目的としている。 エイルはその長い研究の果てに生まれた、正真正銘の戦乙女の血を受け継ぐ少女である。 存在そのものが宝具に等しい神秘であり、全貌は秘匿されている。 人物 蜂蜜色の髪を持つ、おどおどした性格の少女。 生まれてからたった二人の人間しか見たことがない籠の鳥であった。 すぐにうつむく癖があり、それは自己防衛本能から来るものである。 汐江での聖杯戦争後、ランサー・ワルキューレの影響ですこし強くなった。泣くより笑うことが増えた。 能力 魔術の類は一切学んでいない。 彼女の特筆すべき点はその『血』である。『蜜酒を注ぐもの』によって生み出された現代に生まれた『戦乙女』、それが彼女である。 血脈励起により、自身を触媒として奇跡を起こすそのあり方は幻想種に近しい。 ただし、『蜜酒を注ぐもの』の目指す『エインヘリヤルの鋳造』には至っていない。 ※『エインヘリヤルの鋳造』とは、英雄たる人物の魂をエインヘリヤルという鋳型に押し込み、生まれ変わらせる力とされている。 関連人物 ランサー・ワルキューレ エイルを『蜜酒を注ぐもの』の里から連れ出したサーヴァント。彼女の血が触媒となり召喚された。 汐江で開催された聖杯戦争で共に戦い、自身を犠牲としてエイルの暴走を止め、彼女につかの間の自由を与えた。 龍靭 汐江の聖杯戦争で出会ったおじさま。 敵同士であったが、ランサーの願いでエイルの後見人になった恩人。
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追加アイテム ポリンコイン ポリン、ドロップス、ポポリン、マーリン、サンタポリン等 ゴブリンコイン ゴブリン兄弟 騎士コイン レイドリック、レイドリックアーチャー、タムラン、彷徨う者等 ○○の骸骨 イベント用 S天使の羽耳 スロット追加 S悪魔の羽耳 スロット追加 Sタバコ スロット追加 S闇の目隠し スロット追加 S真理の目隠し スロット追加 悪魔の羽 攻撃速度+5% 猫鈴 オートスペルエンジェラス 耳リボン Mdef+5 装飾用爆炎 火属性耐性+5% 水属性耐性-15% FBLv5 FWLv7使用可能 漆黒の剣 Def+3 赤の大刀 Def+3 ワルキューレの兜(青) ステータス+1 ワルキューレの兜(赤) ステータス+1 スペルリング Matk+10% ゴシックリボン Mdef+5 時計ウサギの帽子 水銀燈のヘッドドレス マルデュークの頭巾 火属性耐性+10% Mdef+3 黒薔薇のチョーカー オートスペルイムポシティオマヌス 賢者の帽子 Dex+3 妖精の羽 移動速度+10% 紳士の羽根帽子 スカイヘッドギア Str+2 呪われた英雄の兜 Str+3 移動速度-10% 聖闘士ヘッドギア SP+100 フロストノヴァLv8使用可能 赤飛虎の兜 移動速度+5% 攻撃速度+5% 双子ウサギの髪留め Luk+2 お座りパンダ 占い師のフード Int+2 処刑人の頭巾 Agi+2 流魂の守護 HP+1000 SP+100 ○○の煌き 流魂の守護と一緒に使う事によって特殊効果(未実装)