約 2,183,796 件
https://w.atwiki.jp/medadictionary/pages/1164.html
ガルキュート メダロット一覧 ⇒ か行 - 5 カモメ型メダロット(SMW) 登場作品 5 ガルキュート 機体説明 関連機体 使用メダロッターメダロット5 機体性能メダロット5 機体説明 防御不能からの特攻サクリファイスを仕掛けるカモメ型メダロット。 モチーフからはわからない凶悪性を秘めているが、ジャングルフィールドで登場するので攻撃する前にやられている不遇な機体。 メダロット4とメダロット5の機体のほとんどはTAGRO氏がデザインしたと言われているが、 もしかしたら同氏の手でカモメ型を4・5と2回デザインした可能性もある。 (ウィンターガルはどちらだろうか) もしそれが本当なら、2体ともまったく性能が違うものとなっているのは面白い。 ▲ページ上部へ▲ 関連機体 SMW型一覧 ウィンターガル 海原へ向かって回復カモメ ガルキュート 海原へ向かって特攻カモメ コチドリ系メダル対応型一覧 スモールチドリー コチドリ ガルキュート カモメ ドーンオブクロウ カラス ホワイトキグナス ハクチョウ フェイザント キジ スキルタッカー タカ ▲ページ上部へ▲ 使用メダロッター メダロット5 おんなせんせい? 機体性能 メダロット5 「ガルキュート」(女) 頭部 ガルヘッド SMW-01CH 装甲 成功 威力 回数 スキル 属性 行動 効果 コンボ 25 39 0 4 20 防御 ぼうがい 防御不能 チョキ 右腕 ガルハンド SMW-02CH 装甲 成功 威力 充填 放熱 スキル 属性 行動 効果 コンボ 10 10 46◎ 22 12 8 防御 ねらいうち サクリファイス グー 左腕 ガルアーム SMW-03CH 装甲 成功 威力 充填 放熱 スキル 属性 行動 効果 コンボ 10 10 63◎ 22 12 8 防御 ねらいうち サクリファイス グー 脚部 ユリガルー SMW-04CH 装甲 推進 機動 防御 近接 遠隔 属性 タイプ 15 68 55 35 7 28 防御 飛行 ▲ページ上部へ▲ メダロット一覧 ⇒ か行 - 5
https://w.atwiki.jp/yugio/pages/17181.html
ローゲの焔(OCG) 永続罠 (1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在し、自分フィールドに「ワルキューレ」モンスターが存在する限り、 攻撃力2000以下の相手モンスターは攻撃できない。 (2):このカードが相手の効果で破壊された場合に発動できる。 手札・[[デッキ]]からレベル5以上の「ワルキューレ」モンスター1体を特殊召喚する。 リクルート ワルキューレ補助 永続 罠 行動制限 同名カード ローゲの焔(アニメ)
https://w.atwiki.jp/dimensionzero/pages/1299.html
赤銅の大槍の乙女(しゃくどうのおおやりのおとめ) 赤銅の大槍の乙女 ユニット- ワルキューレ 使用コスト:赤1無7 移動コスト:赤2無1 パワー:8000 スマッシュ:2 タイミング クイック [このカードをフリーズする]《ノーマル》 あなたはこのカードと同じラインのスクエアにある対象のユニットを1枚選ぶ。 このカードとそのユニットは、それぞれのパワーと等しい値のダメージをもう一方のユニットに与える。 相手を指名してサシで決闘するユニット。 このパワーを以ってすれば、大抵のユニットを槍玉に挙げることができる。 純粋な力比べになるが、赤のワルキューレによる種族支援があれば多少パンプアップされても押し切れる。 イラストはギルティギアシリーズの石渡 太輔氏が担当されている。 フレーバーテキスト 燃える穂先は乙女のときめき。 収録セット サード・センチュリー エキスパンション 敵陣を貫く疾風(011/100 レア/ゴールドレア) イラストレーター 石渡 太輔 関連リンク 赤のワルキューレ 熱い眼差しの乙女 熱い抱擁の乙女? 赤銅の大剣の乙女 赤銅の大槍の乙女 種族 ワルキューレ(赤) 参考外部リンク
https://w.atwiki.jp/namxcap/pages/140.html
ワルキューレ 行動開始時 「行きます」 「参ります」 「任せて♪」 「戦います」 「頑張ります!」 攻撃時 開始「貴方を倒さねばなりません」 「今はただ、戦い抜くだけです」 「永遠の剣よ…私に勝利を!」 「乙女の騎士の名に懸けて、勝利を!」 「先手は取らせてもらいます」 「この戦いもまた必然なのですね」 「立ち塞がるならば、それも良いでしょう」 「戦いは虚しいものです。ですが、今は…」 「女神イシターよ、私に力を!」 「悪しき者を野放しにはできません!」 「悪しき者よ、私の前から去りなさい!」 「剣をとらねばならぬ時なのですね」 「私は戦い…進むことしかできません!」 「使命を果たすために…進むのみです!」 「斬らねばなりません…行きます!」 「心安らかに逝きなさい」 「一人の戦士として戦うだけです!」 「守るべき世界の為に…参ります!」 「ワルキューレ、いざ…参ります!」 「行きます!手加減は…できません!」(体力:中傷時) 「平和の為に…今は戦いましょう!」(体力:中傷時) 「私は…あなたを倒さねばなりません!」(体力:中傷時~瀕死時) 「おどきなさい!時間がありません!」(体力:瀕死時) 未撃破「貴方の実力、理解しました」 「最後には私が…勝ちます!」 「去りなさい。今ならば間に合います」 「去るのならば、追いはしません」 「勝負はお預けということにしましょう」 「攻め切れなかった私の責任ですね…」 「苦しめるつもりはなかったのですが…」 「急所を上手く守ったようですね」 「決着を着けたかったですね…」 「まだ私も、心の修行が足りません」 「まだ戦いを続けるのですか」 「これからです。私の本当の戦いは」 「ここからが佳境(かきょう)という事ですか…」 「体力には自信がおありのようですね」 「まだ終わりではないようですね」 「私にこれ以上、剣を振るわせないで」 「私の腕が未熟なばかりに…」 「仕方ありません、次は倒します」 「この剣にかけて、次は討ちます」 撃破「争いは絶えないのですね…」 「未だ大局は見えぬままですか…」 「こうやって歩むしかないのです」 「この戦い、ここで幕引きですね」 「この戦いが正しかったと信じます」 「ごめんなさい…先を急ぎます」 「勝負ありましたね。私の勝ちです」 「戦い続けるしかないのでしょうか…」 「悪は滅びる運命(さだめ)にあるのです」 「戦いの虚しさ…慣れないものです」 「次も勝ち抜けるかどうか…」 「次の戦いに参ります」 「女神イシターよ、祝福に感謝します」 「女神イシターよ、この勝利に感謝します」 「勝利を喜ぶ時間はないようですね」 「手心を加えることは出来ませんでした…」 「どうやら決着がついたようですね」 「どんな戦いにも、終わりはあります」 「女神イシターよ、この勝利に感謝します」 「私の戦いは、世界の平穏のために…」 「今は静かに…お眠りなさい」(体力:瀕死時) 「一歩…また一歩…前に進むだけです」(体力:瀕死時) 防御時 開始「無意味な戦いだと気付きませんか?」 「受けましょう…ですが、敗れはしません!」 「退いては…くれないようですね」 「この盾と鎧は、貫けません!」 「私に狙いを定めましたか…」 「来るようですね…いいでしょう」 「これは負けられない戦いなのです」 「私を…?かまいません、さあ!」 「後退するわけにはいきません!」 「この勝負、お受けします!」 「焦らなくとも、私は逃げませんよ」 「いつでもどうぞ。私はここです」 「どうしました?来ないのですか?」 「行きたくば、私を倒していくことです」 「これは戦い…仕方のないことです」 「さあ、私の準備はできています!」 「貴方の全て…受けましょう!」(体力:中傷時) 「この先には行かせはしません!」(体力:中傷時~瀕死時) 「この試練…甘んじて受けましょう!」(体力:中傷時~瀕死時) 「私も騎士です。お相手します」(体力:中傷時~瀕死時) 軽傷「心無き一撃では、私は討たれません!」 「この盾が無ければ危なかった…」 「どうしたのです!?私は立っていますよ!」 「この傷は、戒めとして刻んでおきます」 「貴方に勝利はありません!」 「これで私が屈するとお思いですか!」 「その一撃では、私は倒せませんよ」 「幸運に恵まれていたようです」 「致命傷は避けられたようです」 中傷「今は耐える時なのでしょうね」 「兜を割られるところでした」 「私の戦いは、これからなのです!」 「くっ…心に油断があったと」 「悪意の力には、絶対に屈しません!」 「まだ大丈夫。反撃しなければ」 「禍々しい力…ですが、負けません!」 「ここまで傷を受けるとは…未熟ですね」 瀕死「まだ消えるわけには…いかないのです!」 「この痛みが…生きている証拠です」 「ふぅ…生き延びたようですね」 「覚悟ならば…既にしています!」 「敗北は…許されていないのです!」 戦闘不能「きゃああああ!」 撤退「すみません…!」 技使用時 スキル「花の術」使用時「花の術っ!」 「これで大丈夫」 スキル「鏡の術」使用時「鏡の術っ!」 「勝負!」 「鏡よ・・・鏡!!」 必殺技「ワルキュリアセイバー」使用時「はぁぁぁ! 在るべき世界に帰りなさい」「はぁ!やぁ!たぁッ!ワルキュリアセイバー!」 MA攻撃「女神降臨」使用時(戦闘前)ワルキューレ「クリノ、サビーヌ…いいですか?」クリノ「オイラはいつでも。ワルキューレ様」サビーヌ「とっととやろう、ワルキューレ」ワルキューレ「では、いきます…!」(戦闘中)ワルキューレ「竜巻の術!」クリノ「てええぇいっ!」サビーヌ「燃えとけっ!」ワルキューレ「永遠の剣よ…今こそその力を解放します…!」(戦果表示)ワルキューレ「ありがとう、二人とも」クリノ「お礼なんて、そんな…」サビーヌ「…これで、よく息が合うよな」 カウンタースキル「ガードインパクト」使用時(戦闘中)「ガードインパクト!」 (戦闘中)「こういう手もあります!」 (戦闘中)「この盾ならば…!」 カウンタースキル「飛翔突き」使用時(戦闘中)「受けなさい!」 アイテム入手時「見つけました!」 掛け合い・名セリフ プロローグ4 死神ワルキューレ「おどきなさい…!私の前に立つならば…容赦はできません!」 プロローグ4 メイジ or ブラックスライムワルキューレ「…間違いなくドルアーガの手の者!」ワルキューレ「想像以上に…事態は悪化している…!」 21話「鋼の冒険心」(二人のクリノ(ドッペル)を目にして) ワルキューレ「クリノ!? な、何か悪いものでも・・・」 小牟「いや、何食っても増えんわ!」 「あっ!」 「くうっ!」 「ああっ!」 「ああっ!」 「ああっ!」 「きゃあああっ!」
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/998.html
「決闘だ」 デルフリンガーを買いに行ってサボった事をコルッパゲに怒られた翌日。 朝の食堂でギーシュが億泰に言ってきた言葉がコレだった。 それを聞いてにわかに周囲は白熱しだし、ルイズとシエスタが頭を抱える。 「よし!散れ!散れ!散れ!散れ!散れ!散れ!」 「残れ!残れ!残れ!残れ!残れ!残れ!残れ!三日だけ!」 「たかだか平民に決闘て……常識的に考えろよギーシュ」 「いやいや、ここは貴族が上!平民が下!を植えつけるべきだろ」 「おとなしくナンパしてろギーシュ」 一方、億泰とデルフリンガーは訳の分からない、という顔をしていた。 「なんでだ?」 「いきなりなんでぇ、貴族の坊主」 一斉に全員がコケた。 「な、なんでもないだろう! 昨日僕を気持ち良くなる位に清々しくボコボコにしておいて! 魔法さえ使えずに負けたのは僕のプライドが許さない、だから正々堂々決闘だ!」 「はぁ……まーいーけどよ」 「よし、ならばヴェストリの広場で待っている!すぐに来るんだ!」 そう言うなりギーシュはさっさと出て行った。 「ワザワザ売られた喧嘩買ってどうすんのよこのバカ! あー、もう!剣は確かに買ってあげたけどね。 しなくていいならしない方選びなさいよ!」 「ほんと、本当です!バカです億泰さん!」 「確かにオレは頭悪いけどよォ~~、『罪』ってのはよぉ~そうなるような事をしてりゃあよぉ~ どっかから廻りまわって『罰』がやって来る物だからなぁ~ オレのした事の結果なら受けてやるのが道理ってもんよ」 そう言うと、唖然とする二人を置いて 決闘の見物へ行こうとする集団について億泰も歩き出す。 その背中に、ルイズは一言だけ声をかけた。 「貴族の決闘は杖を落とした方が負けよ。 完全に倒す必要なんて無いんだから」 「あの……ミス・ヴァリエール?」 「なに?」 「億泰さんって本当にただの平民なんですか?」 「私にもわかんない……」 「そうですか……」 やがて通路を曲がって億泰の姿が消えたころ、二人はそう言葉を交わした。 「さあ諸君!決闘だ!」 いつの間にか集まってきた群集でごった返すヴェストリの広場にギーシュの声が響く。 普段は閑散としたこの広場だが、今は一種の熱気に満ちている。 「決闘っていうか雪辱戦?」 「復讐?」 が、決闘の挨拶で湧き上がる歓声には幾分疑問の声が混じっている。 白熱というには随分と足りないようだ。 だが、ギーシュはそんなのは聞いていない事にした。聞きたくなかった。 「よく来てくれたね……感謝するよ。 今度は魔法を使わせて貰う、もう負けはしないさ。 さあ、君も剣を抜きたまえ」 華麗にスルーする事に成功したギーシュは薔薇の造花を振るい、花びらを一枚地面に落とす。 舞う花びらは地面に落ちると、甲冑を着た女戦士の像へと変わった。 朝日を受けて青銅でできたその体がきらめいている。 「別にオレはこのままでいーぜ? さっさとかかってきなよ」 「いや、相棒!抜けよ!抜いてくれよ!使ってくれよ!」 一方、対峙する億泰は余裕の表情だった。 むしろ武器のデルフリンガーの方が余裕が無いくらいだ。 本来貴族のギーシュが浮かべるべき表情に、ギーシュは何故か一抹の不安を覚える。 「強がりかい? 僕は昨日の負けを清算できればいいんだ。 二つ名『青銅』の名の通り、青銅のゴーレム『ワルキューレ』でお相手しよう」 女戦士のゴーレムが、億泰へと突っ込んでくる。 その右手を振り上げ、まさに鉄槌のごとく腕を振り下ろす……! 「『ザ・ハンド』!」 億泰がその名を呼ぶやいなや、どんな腕よりも恐ろしい右腕がワルキューレを抉りとった。 独特の音が辺りに響き、右腕から胸を通り、反対側まで『削り取られた』ワルキューレが静かに倒れる。 「オメーもマジならよォー、こっちもマジにやらねーと失礼ってモンだよな? だから、マジになるぜェ~~~~!」 億泰の声が、その様子に静まった広場に響く。 それを皮切りに観衆がざわめきはじめる。 「な、なんだあの平民!?何を?」 「まさか、魔法を!」 「いや、杖どころかたった一言しか言ってなかったぞ!?」 「先住魔法か!?」 「いや、でもあの平民から出てる『もや』みたいなのは一体!?」 ギーシュは混乱していた。 当初の予定では一体のワルキューレで適当に翻弄して土下座して謝らせるだけで終わらせるつもりだった。 そんでもってその勢いでモンモランシーとよりを戻すつもりでさえいた。 平民だというのに何の遠慮もなくブン殴ってきた億泰の性格に、少なからず好感も持っていた。 貴族と平民の間の絶対的な差も考えの根底に根ざしていた。 しかし、アレはなんなのだ。 億泰から出ている『もや』のような何か。 人型をとっているらしいが、何故か空気のゆらぎ程度にしか見る事のできない何か。 それが、一発でワルキューレを『切り裂いた』。 そうとしか思えなかった。 「一体何をしたんだ使い魔!? その『もや』みたいな物は何なんだ!」 「そうだぜ相棒!オメー一体何を!?」 億泰は最初から全く変わらないポーズでギーシュへと目を向ける。 デルフリンガーについては後で説明すればいいかな、と思ってあえて無視した。 「ほー、完全じゃあねーみてーだが見えてンのか。 世界が違うからなのかなー、中途半端みてーだけど。 ま!考えると頭痛くなるしやめとくぜ」 「見え……? だ、だからその正体は一体!?」 「『魔法じゃあねえ』。そこまでだ。それ以上親切に教えるバカはいねーよ。 そんなくれーで自分から吹っかけた喧嘩中断するってーのか? ほら、近づいてきなよ」 「わ、ワルキューレ!」 一歩踏み出した億泰に、あわててギーシュが薔薇を振る。 花びらが溢れ、六体のワルキューレが現れた。 そして、地面から更に錬金された武器を手に掴む。 もう余裕とかちょいととかいうのは無しだ。 目の前に居るのはただの平民ではない。 メイジ、それも自分よりも格上を相手にするつもりでも良いのかもしれない。 「やれ、ワルキューレ!」 二体のワルキューレが左右から億泰へと切りかかる。 タイミングも完全に同時、避ける事も受け止めることもできない威力で振り下ろされる剣。 しかし、ほれっという億泰の声と共に片方の頭が消え去り、もう一体が物凄い力で倒される。 倒されたワルキューレの顔には足の形が深々とつけられていて、蹴られたのだと分かった。 「ん~、金属の塊にしちゃー予想外のスピードだけどよォ~~~。 承太郎さんの『スタープラチナ』やクソッタレの『チリ・ペッパー』はおろか…… 俺の『ザ・ハンド』や康一の『act3』よりもおせえよ」 そう言うのと同時に『もや』が倒されたワルキューレの頭を踏み砕く。 「そういやよー、オメーシエスタにまだ謝ってなかったよな? 傷ついたレディが二人とか言ってたけどよォー、 どー見てもあの時一番傷ついてたのはシエスタだよなー! 俺が勝ったらちゃんと謝ってもらうぜェー!」 「っ!」 ギーシュが杖を振り、砕かれたワルキューレの破片を『レビテーション』で持ち上げる。 それを億泰の方へと勢いを付けて放り、更に四体のワルキューレで同時攻撃を仕掛けた! 「真正面から何体来ても無駄だぜェ~! 削り取ってやる!」 「フ、ただ真正面から突っ込むだけだとでも思ったのかい! 『錬金』を食らえ!」 ギーシュの本命はワルキューレによる攻撃ではなく、『破片』の方だった。 ワルキューレが三体破壊された所に、青銅の塊が『錬金』されて砂の塊に変わり億泰の顔へと襲い掛かる! 「う……イデェェエェ!」 思いっきり引っかぶった億泰は目を瞑ったまま『ザ・ハンド』の腕を振り下ろす。 しかし、その腕が最後の敵を削り取ることはできなかった。 ただ、舞う砂を削って空間を作っただけだ。 それを見てギーシュはニヤリと笑みを浮かべる。 「そして!この砂で理解ができた! 君のその力!大体人の姿をしているがどうやら殆ど遠くへは行けないな! 行けるならば最初から僕を攻撃していた! そして、右腕にさえ気をつければ怖くないようだ!」 『ザ・ハンド』の右腕を逃れたワルキューレが億泰へと剣を突き立てようとする。 「空振りした所ならこの剣は避けられまい!勝った! アホの使い魔、完!」 喜びながら電波を受信したギーシュだったが、その喜びは億泰の余裕タップリの声に中断される。 「五十点って所だなァ。 甘いぜオメーは。空振りしたって『空間を削っている』んだぜ! そしてェ、削った空間は閉じ……オメーは最初から全く動いてね~~~」 「何を言って……ハッ!」 その瞬間、ギーシュの腕から杖がすっぽ抜け、億泰の手に収まった。 同時に、ワルキューレの動きが止まり、不自然な姿勢のワルキューレはバランスを崩して横へ倒れる。 「瞬間移動って奴さァ~~~」 その様子を見て観衆は沸いた。 急に広場がざわめきだす。 「へ、平民が杖を奪ったぞ!?」 「って事はギーシュの負けか!」 「俺……ひょっとして要らない子か?」 デルフリンガーの嘆きはそっと広場の騒ぎに掻き消えた。
https://w.atwiki.jp/msl-wiki/pages/189.html
シグルーン(木) スターモンリーグ考察 ジュエル考察 似たスキルの組み合わせを持つスターモン ストーリーワルキューレ グランドワルキューレ シグルーン シグルーン(木) シグルーン レアリティ:☆5 アイコン 属性 ステータス レベル50(60) 入手方法 孵化ワルキューレ→グランドワルキューレ→シグルーン バトルタイプ 系 HP () ノーマルスキル エーテルストライク 攻撃力 () アクティブスキル ヴァルハラの呼び声(全体攻撃) 防御力 () スーパースキル なし 回復力 () 亜種スキル ファイティングスピリット(40~45%:限定無し) ブティック 休暇コレクション スキル レベル1 レベル2 レベル3 レベル4 レベル5 スキル名(☆3) %.ターン スキル名(☆5) %.ターン スターモンリーグ考察 通常リーグ 特別リーグ(攻撃側:リーダーSP最大、防衛側:隠しSP最大) チャンピオンリーグ 相性のいいスターモン スターモン名(属性) 対策 スターモン名(属性) ジュエル考察 似たスキルの組み合わせを持つスターモン ストーリー ワルキューレ ラテシアには多くのスターモンがいる。だが、その中で王や女王の称号を与えられているものはほんの一握りにすぎない。そのようなスターモンは圧倒的な力を誇り、神格をその身に宿している。本質的に神に近いという者もいる。もちろん、”王”や”女王”は人間が作り出した称号であり、彼らは”ただのスターモン”にすぎないという反論もある。だが、実際に彼らに接すれば、彼らを”ただのスターモン”とは呼べなくなるだろう。 グランドワルキューレ こうした”王”や”女王”の起源は知られていないが、星々の強力なエネルギーの放出と関連があると推測されている。そのような現象が観測されるのはごくまれだが、観測された後には必ず”王”や”女王”が出現している。すべての物事が記録されている場所があり、記録の管理者はあらゆるものの上に立つという話がはるか昔から語り継がれている。ラテシアの女神たちの存在に鑑みて、ばかげた話だと笑い飛ばすのは簡単だが、言い伝えが真実だとしたら、さらに興味深い仮設を組み立てることができる…」 異界のマスターの記録P.63より シグルーン 一般に”王”や”女王”はマスターを選ばず、自身の天命に従おうとする。だが、きわめて特殊な例として、行動を共にするマスターを選ぶことがある。そのような例は非常に珍しいため、ラテシアの正史をすべて紐解いてもごくわずかな記録しか見つからない。もちろん、王や女王から選ばれることが、薔薇色の未来を約束するわけではない。実際にはほとんどのマスターがその重圧に押しつぶされて人生を棒に振り、悲劇的な最期を迎えている。最も有名なのは、グランソンというマスターと”イバラの女王”として知られる木属性のワルキューレの物語だ。いまだに広く語り継がれており、この物語を脚色した劇が毎年のようにドラメムノン祭りで上演されている。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/3206.html
才人は、自分でも驚く程の憤りを感じていた。 彼は、自身には理解し難い価値観に基づく講釈を続けている金髪の少年、ギーシュの顔を眺める。 熱心に語る様は、成る程同性の才人から見ても美少年という範疇に収まるものだろう。自分と比べれば、どちらがそのカテゴリーに属するかと言えば、ギーシュであると認めざるを得ない。 しかし、才人にとっては、ギーシュもまた自分の主のように、鼻持ちならない傲慢な、不愉快な他人でしかない。 人の話を聞かず自分の我ばかりを押し通す。不満があれば無関係な者にも当り散らす。 それだけなら、まだ才人も我慢はできていた。まだこの世界にやって来て1日しか経っていない自分としては、最大限の譲歩がそれを受け入れるというものだったのだから。 何をどうしても元の世界に帰る事は出来ず、また自分がこの世界では平民と呼ばれる人間である以上、その立場に甘んじて行き続けるしかない。 それに不満がないと言えば嘘になる。しかし、受け入れる努力はすべきだと自分の中の、冷静な部分がそう囁いた。主人であるルイズのように、癇癪を起こすだけなら才人にだって出来る。文句なんて未だに星の数ほど言える自信がある。不本意だが、ルイズを脅して帰れるというのなら、それだってやってやれるのだ。 それでも、それらに意味が無いから受け入れるべきだと考えた。 なのに、何故自分はこうも怒っていて、しなくても良い喧嘩をしているのか。 自分の中の冷静な部分はこの世界に順応しろと囁いているが、生来持ち合わせている気の強さや反骨心、更にこの世界や現在の境遇に対する反発心が、冷静な自分を押え付けたのだろう。 なんだ、と我ながらあまりの単純さに呆れてため息しか出てこない。 要するに、単に我慢の限界が来ただけだ。 「ごちゃごちゃ御託が多すぎるんだよ、てめえ」 少なくとも、自分からギーシュに頭を垂れる事などあり得ない。 貴族の価値観も、彼の家の事も、メイジも貴族も平民も、かつてない程の憤りの中にある才人には、一切の意味を持たない。 「貴族貴族貴族ってどいつもこいつもアホじゃねえのかクソが。 てめえだって、結局はただのガキじゃねえかよ。 自分のした事の始末もつけられないような奴はな、どこの世界でも只のクソ野郎ってんだ」 しかし、怒りに震えているのは、才人だけではない。 「よかろう! かける温情もこれまでだ。 ここまで言って分からないと言うなら、その生意気な口を胴体から切り離して差し上げよう!」 ヴェストリの広場にて対峙していた2人は、その言葉と共に距離を取り、才人は記憶の中から漫画で見た出鱈目なボクシングスタイルの構えを取り、ギーシュはバラの花を模した杖を片手に構える。 開始の合図も無い決闘は、あくまでも余裕の態度を崩さないギーシュに向かって、才人が全速力で駆ける事が始まりの合図となった。 「予め言っておくが」 10メイル程度の距離を駆け抜ける才人に向けて、ギーシュが片手に持った杖を一振りする。 薔薇から1枚の花弁が散ると、何も無かった大地から戦乙女を模した青銅の像が生まれた。 「僕はメイジだ、だから魔法で戦う。よもや文句はあるまいね」 目の前で突如生まれた像に対し、目を丸くして驚いた才人だったがギーシュの言葉に再び戦意が沸いたのか、手槍を持つ戦乙女の銅像の横を素通りし、ギーシュの目の前で大きく振りかぶり、拳を彼の顔面に叩き込むべく、痛いくらいに拳を握りこんだ。 ルールに従うなら、才人は杖を持つギーシュの手を狙うべきだった。杖を奪うだけなら、そこで動きを止めてまで振りかぶる必要もない。そのまま駆け抜けて体当たりをするだけでも良かったのだ。 だが、興奮状態にあった才人はルールの事など頭になく、とにかくこのギーシュという男の事を殴ってやるという事だけが、頭にあった。 「無粋だね君。 乙女の名乗りには耳を傾けて差し上げるのがマナーというものだろう?」 だから、手槍をを構えた戦乙女が、大きく腕を振りかぶっていた才人に向けて体当たりをし彼を5メイル程吹き飛ばすまで、その戦乙女の能力というものに対して、自分が何も考えていない事に気付けなかった。 「さあ起き給え平民くん。 君には僕の、青銅のギーシュの魔法。ゴーレムのワルキューレが全力をもってお相手しよう!!」 ルイズが、アティや他の補習を受けていた生徒達とヴェストリの広場に着くと、そこには生徒達の人山が築かれていた。 貴族同士の決闘はご法度であり、絵物語でしかそれを知らない生徒達にとって、どうやら2人の決闘は良い見世物のようだ。ワルキューレの拳に才人が打たれる度、立ち上がる度に小さなどよめきが辺りに響く。 「ギーシュ!」 ルイズはそんな中、肩を震わせながら2人の間に割って入り、よく通る声でギーシュを怒鳴りつけた。 「おや、ルイズじゃないか。悪いね、少し君の使い魔を借りているよ」 「ふざけないで!」 「おお怖い。だがねルイズ、この決闘は両者同意の元で行われている正当なものだよ」 「禁止されているものに正当なんてないに決まってるでしょう!」 それは貴族の間だけだ、と抗弁するルイズをぴしゃりと跳ね除けると、再び立ち上がった才人を打ち倒すべく、ワルキューレに命令を送る。 「済まないがねルイズ。邪魔をしないでくれたまえ」 強かに打ち付けられた才人は、それでも不適な笑みを浮かべ再び立ち上がる。 「彼も、まだまだ元気なのだしね」 ルイズを跳ね除け、再び突進を始めた才人の姿に生徒達の歓声がひときわ大きくなった。その中に、この決闘を止めようという意思を持つものは居ないようだ。数名の生徒は呆れたようにそれを見詰めていたが、ただそれだけだった。 「ルイズさん」 そんなルイズに、先程からずっと彼女の側に立ち、この決闘を見詰めていたアティが声をかけた。 「ミス・アティ! お願いします。あの2人を止めて下さい!」 「何故、ですか? ギーシュくんもサイトくんも同意の上でしたら問題ないはずです。 勿論命に関わるような事になれば止めますが、2人とも今止められる事を望んでいないのは明白です」 穏やかで優しい印象のアティは、あくまでもその印象を保ったまま、信じられない事を口にした。ルイズも、側にいたキュルケや他の生徒達も、目を丸くしてアティを見詰めている。 「私は、どんなものでも信念に基く行動を最大限尊重します。 確かに今止める簡単ですし、実際に私も止めたいと思っています。けど、今私が教師という目上の立場で横槍を入れれば、確実に禍根が残ってしまいます。 だから、私は2人の意志を尊重します。 尊重した上で、暴走するようなら絶対に止めます。それが最大限の譲歩です」 でも、と反論をしようとするルイズを制して、アティは続ける。 「だから、止めたいと願うなら貴女がやるしかないんです。ルイズさん」 「私が…?」 「ルイズさん、どうしてサイトくんは、こんな決闘をしているか、考えられますか?」 俯いたルイズは、アティの問いに首を横に振って答えた。 「きっと、サイトくんも分かっているんです。自分がどうしても帰れない事も、この国が貴族本位の国である事も。自分が平民である事も全部。 でも」 「でも?」 「譲れない何かに、きっと触れられたんだと思います。 どんな些細な問題でも、そういったものって、きっと誰にでもありますから」 だから、と重ねてアティはルイズに尋ねる。 「貴女は、どうしたいのですか。ルイズさん」 「わ、私は……」 ルイズの頭を、たった1日しか共に過ごしていない、才人に対する思いが駆け巡る。 平民の癖に貴族を敬わない。命令しても文句ばかりで、碌に洗濯もできないような無能で、主人である自分を差し置いて使用人如きと意気投合し、自分の知らない所で使用人と交流を深め、あまつさえ今現在彼は必死になってやめてと叫ぶ自分を無視してまで、ギーシュと戦っている。 やっと、やっと成功させた魔法で手に入れた、自分だけの魔法の成果なのに。 「それでも、私はあんな風に傷付いて欲しいだなんて思わない! あいつは、サイトは私の使い魔です!」 顔を上げたルイズの頭を撫でて、アティはポケットからサモナイト石を取り出し、祈るように胸の前で両手を合わせていたルイズの手に、それを手渡した。 「それなら、きっと貴女には出来る事があるはずです。 誰かを思いやる真摯な願いは、きっとどんな世界にも響きます」 サモナイト石を手にしたルイズの背を押し、今も必死にワルキューレと戦いを続けている才人へ、アティは声を張って教える。 この不器用な少女が、決して彼の事を嫌っている訳ではないのだと。 1人で戦う必要はないのだと。 「サイト君! 距離をとって!」 極度の興奮と緊張、そして疲労の極地にあった才人がアティの言葉に反応したのは、穏やかな印象ばかりのアティから鋭い言葉がかかったからだ。 手槍を突き込んでくるワルキューレから逃れ、一時でもワルキューレの動きを止めようと、足元の石をギーシュに向けて放る。放物線を描いてゆっくりと放られた石には、ギーシュの身体を傷つけるような威力は無い。精々服に汚す程度の事しかできないだろうが、ギーシュはわざわざワルキューレを呼び戻し、その石を手槍で叩き落させた。 才人を追いまわし、執拗に肉薄し続けていたワルキューレが、彼の側を離れる。 「お願い、サイトを助けて……私の願いに、応えて!」 サモナイト石と杖を持った両の手が熱を帯び、ルイズの身体を再び説明し難い感覚が襲う。緊張から視界は狭まり、ルイズの目には、才人から離れ小石を叩き落したワルキューレの姿だけが、やけにはっきりを映って見えた。 お願い! と心の中で強く願うと、両の手の熱はその熱量を光に変える。 その色は、どこまでも白い光だった。 「召喚!」 言葉と共に、手元の光はルイズの掌を抜けて頭上へ延び、さらにその輝きを強め周囲の生徒達がその眩さに目を細めた瞬間。 4本の光り輝く剣がワルキューレの頭上に現れ、瞬く間にワルキューレの身体を貫き、青銅で構成されたその身体を地面に縫い付けた。 「なっ、何だこれは!?」 それに最も驚いたのは、ワルキューレを破壊されたギーシュだ。 突如として現れた剣は、決して周囲の誰かが投げ入れたものではなく、確かにその場で現れたものだ。魔法で作られた氷の刃でも、錬金で作られたものでもない。 彼が、ルイズやキュルケ達のようにアティの補習を受けていたのなら、それがシャイン・セイバーと呼ばれる召喚術であると理解できたかもしれないが、その存在を知らないギーシュは、慌てて杖を振り、隠し玉を登場させる。 落ちた花びら6片が、速やかにワルキューレとなる。 「あらギーシュったら、平民如きに本気になったのね」 態度を一変させたルイズは、堂々とワルキューレと才人の間に立ち言った。 その言葉から、ギーシュは先程の剣を呼び出したのがルイズである事を直感し、怒りの矛先をルイズに向ける。 「さすが、ゼロのルイズには貴族の誇りがないようだね。 貴族の決闘に横槍をいれるなんてね!」 「あらギーシュ、それは貴族の決闘でしょう? 貴方も言ってたじゃない。才人は平民、それもわたしの使い魔。 ねえギーシュ、それなら私、貴方のモグラを今の剣で突付いて遊んで良いのかしら?」 嗜虐的な笑みを浮かべるルイズに、高圧的な態度を取り続けていたギーシュの動きが止まる。 しかし、そんなルイズの顔を見ていない才人は、突然乱入したルイズの肩を引くと、彼女を守るように両手を広げた。 「勝手な事、言ってんじゃねえよ。 これは、俺とあいつのケンカだ。お前には関係ない」 「ルイズよ」 背中に投げかけられた言葉に、才人は目を丸くする。 「は?」 「シャイン・セイバーがまだ残ってるから、好きにすれば良いわ。 でも忘れないでね。私どんな勝負でも負けるのが大っ嫌いなの。だから、私の使い魔にも負けは許さないわ。 頑張って……サイト」 「……おう。お前の使い魔だからな、負ける訳にはいかないだろうがよ、ルイズ!」 言葉と共に、才人は地面に縫い付けられたワルキューレに向かって走り出した。 距離的にはさほどの時間もない場所だが、その間にはギーシュの生み出したワルキューレが6体、内1対はギーシュの側を守っているので計5体が、突如動き出したサイトに反応し、それぞれの武器を手に才人の元に殺到する。 才人は、5体のワルキューレが自分の元に辿り着けないのを確信していた。 初めて心を通わせる事の出来た彼女が、ルイズが勝てと言ったのだ。そして自分は勝つと言ったのだ。 「だから、負ける訳がねえっつんだ!!!」 突き刺さった剣は4本。その内1本、ワルキューレの足を貫いていた両刃の長剣を手にし、振り返りざまに後方から殺到するワルキューレに全力で斬りかかる。 まずは、また距離を取らなくてはいけないと考えていた才人は、その1戟はあくまで牽制のつもりで振ったものだった。 しかし、その一振りは才人に最も近づいていたワルキューレの手槍を捕らえると、まるでバターを裂くように、手槍共々ワルキューレの体を両断していた。 あっさりとワルキューレを倒されたギーシュは目を見開くが、彼に背を向けている才人はそんなギーシュの驚愕を知る事はない。 ルイズの召喚した剣の力か、淡い白い光を放つ剣を持っていると、あれだけ苦戦し続けていた筈のワルキューレを相手にしても、全く負ける気がしなかった。 風のように動く体が、淀みのない動きで剣を操る。 袈裟懸けに斬りつけて、1体。 手首を返し、返す剣で逆袈裟に斬り、2体。 剣から毀れる光を伴う才人の太刀捌きは、見る者を魅了し、対峙する者を威圧する。まるで華麗な舞のような才人の動きに、それまで唯の野次馬だった生徒達は、徐々に才人に向けて歓声を送る。 側面から突き込まれた手槍を避け、横薙ぎに胴体を両断し、3体。 未だにギーシュに背を向けてワルキューレを倒し続ける才人に、ギーシュは声を上げる事無く杖を振り、自身を守る為に側に置いていた、虎の子のワルキューレを突進させ、前後から挟み撃ちにする。 「サイト! 後ろ!!」 ルイズの言葉に反応し、才人は大きく跳躍し目の前のワルキューレの頭上を越えた。振り返ると挟み撃ちには失敗したが、合流したワルキューレ2体が、左右に分かれて才人に向かって同時に槍を構えながら突進する姿が見えた。 才人は、しかし冷静に判断し、まずは左から向かってくるワルキューレに狙いを定め、それまでの最大速度で肉薄した。才人の素早さに反応しきれないワルキューレは、手槍を構えた状態のまま、手足を斬られ、鈍い音を立てて地面に転がった。 最後の1体が、ギーシュを守るべくその元へ向かっているが、その姿は誰の目にも、敗北を恐れ逃走する敗残兵の姿にしか見えなかった。 「これで! ラスト! だああああ!!」 頭頂から股間まで1本の線が走ると、その線に沿ってワルキューレが両断される。ゆっくりと崩れるワルキューレの影から、剣を構える才人の姿を見たギーシュは、腰を抜かしてその場に座り込んでしまった。 そして、剣の切っ先がギーシュの眼前に迫った時、彼は杖を地面に放り、敗北を宣言した。 「僕の負けだ……」 「……そしたら、ちゃんと、謝れよ。二股してた女の子と、あと、シエスタにも」 「ああ、約束するよ。貴族の誇りにかけても、ね」 どこか晴々した表情でいうギーシュを見ていると、才人もまた、決闘以前に感じていた憤りが綺麗に消失しているのを感じた。体中が痛いのに気分はとても晴れやかで、疲労が無ければギーシュと肩を組んでお互いの健闘を称え合いたいとすら思えた。 しかし、そろそろ限界だ。 がくがくと、もう少しでも立っていたくないと主張する足を踏ん張り、腰を落としたままのギーシュに握手を求めようとしたが、満身創痍な自分と比べて、傷一つ付いてないギーシュの顔を見ると、やはりほんの少し憤りを感じた才人は、伸ばした手を握りゆっくりと、ギーシュに向けて拳を下ろした。 「でもな、やっぱり1発殴らせろ」 力の篭らない拳がギーシュの頬を捉えると、才人は速やかに意識を手放しその場に崩れ落ちた。 彼を助けたルイズの剣は、彼が意識を手放すと同時に、その姿を消していた。
https://w.atwiki.jp/planetquestjp/pages/27.html
連邦イントロ 連邦ストーリー01 - 「送信者:リー社長代理人 連邦のワルキューレのサン・ア」 連邦ストーリー02 - 「送信者:リー社長代理人 連邦のワルキューレのサン・ア」 連邦ストーリー03 - 「送信者:リー社長代理人 連邦のワルキューレのサン・ア」 連邦ストーリー04 - 「送信者:VasTech社 COO ビクター・ハックスレー」 連邦ストーリー05 - 「送信者:VasTech社COOビクターのアシスタント アナ」 連邦ストーリー06 - 「送信者:リー大統領府第二事務官カルバン・チェイス」
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5765.html
前ページ次ページゼロと波動 「行け!ワルキューレ!!」 ギーシュが薔薇の造花を振るとともに、ワルキューレがリュウに飛び掛る。 青銅製の右の拳がリュウを襲う。 「ふんっ!」 襲い掛かるワルキューレの右の肘の辺りを左手で内側に払いのける。 力の方向を変えられたワルキューレの拳は虚しく空を切り、その勢いで身体も内側に半回転する。 リュウが左足を半歩前にずらし、重心を前に移すだけでワルキューレはリュウに対して完全に横を向いた状態になってしまった。 リュウはすかさず右の拳でワルキューレの腹を、弧を描くように打ち据える。 ボゴンッ!! 尋常でない大きな音と共にワルキューレの腹にめり込む拳。 目にも留まらぬ速さで拳を引き抜くと、続けざまに左の拳を、同じく弧を描くようにワルキューレの背中に打ち込む。 ドゴンッ!! 再び大音響と共に背中にめり込む拳。 左手も引き抜くと、右手でワルキューレを押して距離を作りながら右の爪先を軸にして踵を前に出す。 「ふんっ!!」 左足が大きな円を描きながらワルキューレの首を背後から捉える。 ギチャッ!! 激しい音と共にワルキューレがもんどりうって倒れる。 一連の動作が終わるまでに一呼吸の間さえなかった。 目で追うことすらままならない雷光の攻撃。 先ほどまで口々に騒いでいた野次馬たちは一瞬で静まり返り、倒れたゴーレムに視線を落とす。 倒れて動かなくなったゴーレムを見てみると腹と背中が大きくへこんでいるし、首から上もおかしな方向に曲がっている。 「嘘だろ・・・いくら青銅が硬くはないとはいえ、金属には違いないんだ・・・殴っただけでこんなになるものなのか?」 野次馬の誰かが呟いた。 中が空洞のゴーレムとはいえ、装甲自体もそれなりに厚さはある。 人間が殴ったところで、へこむはずがないのだ。 静寂の中、リュウが告げる。 「もう一度言う。本気でかかってきたほうがいい」 リュウは拳を握り締めた。 「何よ、メチャクチャ強いじゃない・・・」 拍子抜けしたように杖をしまうキュルケ。 リュウが本格的に危なくなったら援護しようと思い、親友のタバサを無理やり引き連れて身構えていたのだが、どうやら徒労だったようだ。 「全然本気だしてない・・・」 タバサが呟く。 先ほどまでは本から一切目を離さなかったタバサだが、リュウが身構えてからはずっとリュウを凝視している。 「あなたが本以外に興味を示すなんて珍しいわね」 ルイズよりも更に小柄な青い髪に青い瞳の少女――タバサは決闘が始まってからじっとリュウを観察していた。 「あの人・・・強い・・・」 「くっ!」 あっさりと倒されたワルキューレを見て、慌てて次のワルキューレを練成するための呪文を唱える。 「ならば、これでどうだっ!」 今度のワルキューレは2体。それも、それぞれ手に青銅製の長剣を携えている。 「続けっ!ワルキューレ!!」 号令と共に同時に襲いかかる。 自分の頭めがけて長剣を振り下ろしてくるワルキューレの懐に一瞬で潜り込むと、振り下ろされる剣を持つ腕を掴むリュウ。 太い腕が更に膨れ上がり、血管が浮かびあがる。 同時にミチミチッという鈍い音と共に指が青銅に食い込んでいく。 ワルキューレは腕を振りほどこうともがくがリュウの腕は微動だにしない。 リュウは身を沈めると、腕を掴んだまま自分の肘をワルキューレの脇の下にあてがい、背中に担いでもう一方のワルキューレに向けて投げつけた。 ガチィンッ!! 青銅同士がぶつかる激しい音と共に、2体のワルキューレは互いを潰しあう形になり、またもや動かなくなってしまった。 リュウは静かに構え直すと、再びギーシュを見据える。 ギーシュを射抜くその瞳には、激しく、熱く、眩しいほどに強い光が浮かんでいた。 「そんな・・・馬鹿な・・・」 がっくりうなだれるギーシュ。 力なく降ろされる杖。 目の前で起こったことが信じられなかった。 青銅製のゴーレム3体を苦戦すらせずに、それも素手であっさり破壊するという信じられない光景にギーシュは取り乱しそうになる。 が、なんとか正気を保ち必死で思考を巡らした。 相手は魔法も使えない、ただの平民じゃないか・・・ その平民相手に何で貴族の僕が苦戦しなければならないんだ。 ・・・いや、違う。 貴族とか平民とか、そんなことは関係ないな。 間違いない、彼は強い。 それも、信じられない程に、強い。 多分、自分が何体ワルキューレを練成しようとも、正面からでは彼には勝てない。 しかも、今の僕の実力で練成できるワルキューレは後4体だけ。 4体だけで勝てるか? いや、勝てるワケがない。 ならば降参するか? ・・・いや、諦めるな。 僕は軍人の家系、グラモン家の人間なんだ・・・ 負ける訳にはいかない。 勝たなければならない。 それは相手が平民だからではない。 僕がグラモン家の人間だから・・・いや、それすら違うな・・・ 一人の男として、あの尋常ではなく強い男に出来得る限りの力をぶつけてみたい。 そして、勝ちたい。 いや、勝ってみせる・・・!! この4体であの化け物のような男をなんとかするんだ。 なんとかしなければならない。 ならば考えるんだ。 きっと策はある。 ・・・考えろ・・・考えるんだ僕・・・ ギーシュの顔つきが変わった。 瞳にはこれまでとは違う、強い意志の光が浮かぶ。 それは今までのような相手を小馬鹿にした、見下ろすような目ではなく、 自分よりも遥かに巨大なものに挑む者の目。 挑戦者の目だった。 一度は力なく降ろした杖を再び構え直すと、油断なくリュウを睨みすえる。 ・・・良い面構えじゃないか・・・ リュウは穏やかな気持ちでギーシュの変化を見つめていた。 甘やかされて育った、傲慢で我侭な子供だった顔はそこにはもうない。 一人の戦士の顔が、そこにあった。 そういえばオロの爺さんが言ってたが・・・ 俺には、相手に知らず知らずのうちに100%以上の力を引き出させる力があるんだっけな・・・ リュウは決めた。 「手加減はせんぞ」 真紅のハチマキを締め直すと宣言する。 本物の戦士相手に手加減するなど、侮辱以外の何物でもない。 一方ギーシュはそんなリュウの一挙手一投足を細かに観察し、必死に考えていた。 なんでもいい、とにかく、少しでも情報を得て、戦果に繋げてやる。 そして、認められたい。 この途轍もなく大きくて強い男に、認めてもらいたい・・・ 「この俺を、倒してみろ」 新たに構え直すと、リュウの雰囲気がこれまでと明らかに変わった。 全身から目に見えない圧力――プレッシャー――のようなものが溢れ出し、ギーシュを圧倒する。 ともすれば押し潰され、気を失いそうになる。 ギーシュはその途方もないプレッシャーに必死で耐え、リュウを中心にじりじりと円を描くように回る。 リュウを中心に半円ほど回ったあと、突如ギーシュがリュウに向かって走り出した。 どんどんリュウに近づく。 リュウから発せられるただならぬ圧力と、それにも関わらずリュウに向かって走っていくギーシュに 周りの野次馬たちから「やめるんだ!」とか「殺されるぞ!」と静止の声が飛ぶ。 だがギーシュは止まらない。 もうあの男の射程圏内かも知れない。 今あの男が青銅すら軽く粉砕する拳を振れば、僕の身体には簡単に風穴が開くだろう。 顔を殴られたらあまりいい死に顔ではなくなるな・・・ いや、それ以前に首から上が消し飛ぶかな。 まるで他人事のようなことを考えながらリュウに向かってただひたすら走る。 まだ止まらない。 もう少し・・・もう少しなんだ・・・ ギーシュは必死に走る。 そして、走りながら呪文を唱えるとリュウの目の前でついに薔薇の造花を振った。 「ワルキューレよ!!」 ・・・・・・ だが、リュウの目の前には何も現れない。 ギーシュの杖が、ただリュウを指すだけ。 「そんな・・・走りながらで呪文を間違えたのか!?」 愕然とするギーシュ。 「闘いの最中に慌てるのは良くないな・・・」 リュウが拳を固め、ギーシュに狙いを定める。 そのとき、リュウの背後から青銅の剣が振り下ろされた。 ワルキューレは練成できていたのだ。 ただし、リュウの真後ろに。 ギーシュは自分の作戦が成功したと悟った。 リュウの視界の中にいたのではワルキューレに勝ち目はない。 だが、後ろからならば流石にかわせまい。 後ろから不意に切りかかるなど多少卑怯な気がしないでもないが、今の自分にこれ以上の策は思いつかない。 ただ、その為にはリュウに近づかなければならなかった。 錬金は自分の目の前でしかできないのだ。 そのために、まず自分の足元に花びらを1枚落としてからリュウの反対側まで移動した。 そしてリュウに近づく。 リュウの後ろにワルキューレを練成できるギリギリの距離まで走った。 桁外れた殺傷能力を誇る上にただならぬ圧力を撒き散らすリュウに近づくのは正直生きた心地がしなかったが、 勝てる可能性があるのはこの方法だけに思えた。 もし失敗して死んでしまったとしても、まあ仕方ないか。 ぐらいにまで覚悟はできていた。 だが、その覚悟は功を奏し、今、リュウ目掛けて剣が振り下ろされている。 しかし、リュウはまるで最初から解っていたかのように身体をずらして剣を避けると後ろに向かって蹴りを放った。 ――ギーシュが造花を振るとき、俺の目の前ではなく、俺の背後を見ていた。 先ほどの3体は常にギーシュの視線の先に出現していた。 つまり、次に出現するのは自分の後ろ。―― そしてギーシュの瞳に歓喜の色が浮かぶ。 今、まさに銅像は自分を襲っているはずだ。 そこに右の足刀を叩き込む。 ガボンッ!! 大音響と共に右足がワルキューレの胴体を貫く。 が、ワルキューレは自分の胴体が貫かれたまま自分の両腕両脚を使ってリュウにしがみつく。 「今だ!!行け!!ワルキューレたち!!」 ギーシュは叫ぶと再び杖を振った。 杖に残っていた3枚の花びらが、リュウの目の前でワルキューレとなり出現する。 しがみつかれて咄嗟に身動きの取れないリュウに襲い掛かる3体のワルキューレ。 2段構えの策だった。 最悪、後ろからの攻撃を避けられてもその1体でなんとかリュウの動きを封じることさえできれば、残り3体のワルキューレで一斉攻撃ができる。 そしてリュウは都合よくワルキューレを足でぶち抜いてくれたのだ。 ここまで密着してくれれば、いくら人間離れした力とはいえ、ほんの少しの間ぐらいなら動きを封じることも不可能ではない。 「勝った!!あの男に勝ったぞ!!」 ワルキューレたちの剣が今まさにリュウに届かんとした刹那・・・ ―――― 滅 ―――― 突如、リュウの身体からこれまでとは比較にならないほどのプレッシャーが噴き出した。 それはあまりにも明確な殺気。 遍く全てを死に至らしめる負の波動。 自分が目指す”真の格闘家”への道の上で、最大の壁であった ”拳を極めし者”がその身に纏っていた”殺意の波動”と呼ばれるもの。 その入り口程度までならなんとか飼いならせるようになった、悪鬼羅刹のごとき力。 あまりにも濃厚な禍々しい殺気にリュウの周りが一瞬暗くなったような錯覚を覚える。 自由に身動きできなかったはずのリュウが、しがみついているワルキューレを何事もなかったかのように自分の身体から剥ぎ取る。 紙のように簡単に破り裂かれる青銅製のゴーレム。 そして、迫りくる3体のワルキューレに向けて刹那の間に放たれる無数の拳。 ――― 一瞬千撃 ――― 何十とも何百とも知れない無数の拳を受けた3体のワルキューレは最早人形の形すらしていなかった。 そして最後の一発がギーシュの目の前、鼻先1サントで止められる。 と、同時に辺りを支配していた暴風雨の如き殺気も霧散する。 「おおおおおっっ!!」 静まり返っていたギャラリーたちから大歓声が起こる。 「平民が勝ちやがった!!」 「ギーシュ!情けないぞ!」 「じゃあお前ならあの平民に勝てるのか?」 「勝てるに決まってるだろ!相手は平民だぞ!」 「そうかな?僕には勝てる気がしないなぁ」 平民に負けたギーシュを非難するものもいれば、 多少理性のあるものはギーシュでなくともあの平民に勝つのは至難の技だと知り、ギーシュを庇う者もいる。 キュルケやタバサも後者だった。 もっとも、ギーシュを庇うようなことは言わないし、思いもしないが。 「タバサ・・・今の最後の見た?」 「見た」 「貴女ならあれが何か解る?」 「・・・解らない」 ふるふると首を振るタバサ。 幼くして数多の死線を乗り越えてきたタバサにも、今しがた何が起こったのか理解できなかった。 ただ、尋常ではない殺気が突然あの男から膨れ上がった。 あの殺気は常軌を逸したものである。 解ったのはそれだけ。 「気になる・・・」 誰ともなく呟いたタバサはしばしリュウを見つめたあと、再び本に視線を落とした。 再び本を読みふけりだしたタバサを見て、これ以上何を聞いても無駄だと思ったキュルケは肩をすくめるのだった。 本当に一瞬の出来事だった。 ギーシュには何がおこったのか全く解らない。 ただ自分の作戦はまったく通用しなかったのだということは理解できた。 「ま・・・参った・・・降参だ・・・」 花びらを全て失った杖を手放し、がっくりと項垂れるギーシュ。 真剣だった。 生まれて初めて、心の底から勝ちたいと願い、その為ならどんな犠牲を払っても、 たとえ死んでも構わないとまで思った。 だけど・・・ 「ここまで次元が違うと、もう悔しくもないね・・・」 顔を上げると、笑顔で努めて明るい口調で語った。だが顔は蒼いし、目には涙が滲んでいる。 「いや、そんなことはない。いい勝負だった ”殺意の波動”を使わなければ危なかったかもしれないしな。あれはいい作戦だった。」 優しく声をかけるリュウ。 ”かも”ね・・・ 苦笑いしながらそれを聞き、同時に疑問も浮かぶ。 「サツイノハドウ??」 まだ蒼い顔をしたまま首をかしげるギーシュ。 「ああ、最後に使ったやつのことだ。俺の取って置きの技みたいなもんだ。 使うつもりはなかったんだがな、そうも言っていられなかった」 「そうか・・・僕は君・・・いや、貴方にほんの少しぐらいは本気を出させることができたんだね・・・」 リュウの言葉が自分を思いやってのものだとは判っていたが、それでも多少は救われる。 きっと、本当は”サツイノハドウ”など使わなくとも勝てたのだろう。 死ぬことすら覚悟して戦ってみて実感した。 この男の強さは常軌を逸している。 自分がドットメイジだからとか、そういう問題ではない。 なんというか、人間の範疇を超えているとしか表現のしようがないのだ。 それほどまでの強さを持ちながら、それでもわざわざ”サツイノハドウ”とやらを使ってくれたのだ。 リュウの心遣いが嬉しかった。 「今はまだ俺の方が強いかもしれないが、君は若いし、それに戦う男の顔をしている。そのうち追いつくさ」 リュウは笑顔で右手を差し出し、付け加えた。 「少しずつ強くなっていく、それがいいんだ」 ギーシュも右手を出そうとして・・・汗でドロドロの自分の右手に気づくと、自分のド派手なシャツが汚れることも気にせずゴシゴシと拭いてからリュウの右手を握った。 そして、全てを包み込むようなリュウの右手に、ギーシュは一生かかっても 強さ共々、この男の大きさには追いつけないと思うのだった。 「ちょっと!!どういうこと!?」 ルイズが半べそで叫びながらリュウに駆け寄る。 「何がだ?」 「ドットとはいえ、ギーシュはメイジなのよ?それなのにあんなにアッサリ勝っちゃうなんて、アンタ何者なの!?」 先ほどまではちょっと変わったただの平民だと思っていた。 だからギーシュに殺されると思い、本気で心配したのだ。 いざとなったら無理矢理にでも間に入って決闘を阻止するつもりだった。 それが蓋を開けてみればどうだ、あの強さは・・・戦う様などまるで鬼神ではないか。 「ただの格闘家さ」 涼しい顔で答えるリュウ。 「答えになってないわよ!!」 「ええと・・・ちょっといいかな」 ギーシュが遠慮がちに二人の間に割って入る。 「何よ!?まだなんか文句あるわけ!?」 「文句だなんて滅相もない、キミのことをゼロと罵ったことを謝ろうと思ってね・・・」 「え?」 「それに、君の使い魔をみすぼらしい物乞いだなどと蔑んでしまった。心底、自分を恥ずかしいと思うよ。本当にすまなかった。この通りだ」 「え?え?」 深々と頭を下げるギーシュに困惑するルイズ。 いつまでも頭を下げているギーシュ。 それにどう声をかけていいのかわからないでいるルイズだったが、リュウに背中を優しく押されて慌てて口を開く。 「べ・・・別にいいわよ。そんなこと。今度からは気をつけてよね!」 「そうかい、ありがとう。早々だけどこれで失礼するよ。あと3人に謝らないといけないからね」 恥ずかしそうに告げるとギーシュはその場を後にした 滅多に見れない一大イベントも終わり、野次馬たちも徐々に去っていく。 貴族の前に出ることなど出来るはずもなく、それまで後ろの方でハラハラしながら見ていたシエスタはようやくリュウのそばに辿り着くと、そのまま抱きついた。 「リュウさん!すごい!!すごい!リュウさん!!」 満面の笑顔でリュウの胸板に顔を擦り付けるシエスタ。 彼女の大きな胸も否応なしにリュウに押し付けられる。 どうしていいかわからず、苦笑いを浮かべるリュウ。 「なっ!?」 ルイズの額に青筋が浮かぶ。 「ちょぉぉぉっっっとぉぉぉっ!何してんのよっっ!」 リュウからシエスタを引き剥がそうとするがびくともしない。 「だって!リュウさんが無事で嬉しいんですもんっ!」 怪力メイドパワー全開のシエスタを引き剥がすには、ルイズはあまりに非力過ぎた。 さっきも思ったけど、何?使用人って皆こんなに力が強いものなの!? 毎日肉体労働やってるのは伊達じゃないってわけね・・・ そもそもコイツ、わたしがさっきから引き剥がそうとしてることに気づいてるのかしら? ・・・行動で解らないなら言って解らすまで。 「アンタ!!貴族に逆らう気っ!?」 貴族という言葉を聞いて「はっ」とするシエスタ。 慌ててリュウから離れる。 「も・・・申し訳ありません!!その・・・あまりに嬉しくてつい・・・」 ひたすら頭を下げるシエスタ。 「まあ、リュウを心配してくれてたみたいだから、今回は見逃してあげるわ。でも、次はないから覚えときなさい」 ゼェゼェと肩で息をしながら告げる。 シエスタは「ありがとうございます!」と嬉しそうに言うと、深くお辞儀をしてからパタパタと走り去っていった。 あ・・・今あのメイド、スキップした・・・ ルイズはなんとも複雑な気持ちでメイドを見送るのだった。 騒動も一段落し、授業を受けるため、教室に向かうリュウとルイズ。 「あのメイドとはどういう関係なの!?やけに仲良さそうじゃない!っていうか、いつ知り合ったのよ!」 「ああ、洗濯する場所を教えてもらったり、飯を都合つけてくれたりな。 彼女にはいろいろと世話になりっぱなしだ。何か、彼女の力になれればいいんだけどな」 飯の都合・・・思い出した! 決闘騒ぎで完全に頭から離れていたが、自分はリュウを怒らせたのだった。 謝らなければ・・・でも本人も怒ってないみたいだし、何もなかったように振舞っても・・・ いや、それはダメだ。 これはケジメなんだ、ちゃんと謝らないと。 「ちょ・・・ちょっと、リュウ?」 「なんだ?」 爽やかな笑顔を向けるリュウ。 うう・・・謝りづらい・・・ 元々人に頭を下げるなど殆どしたことのないルイズにとって、謝るという作業はなかなかに難しいものだった。 「あ・・・あのね!ご・・・ご・・・ごごごごめごめごめゴメ」 ダメだ・・・たった一言ゴメンナサイと言うだけなのに、言葉が出ない。 「ん?」 ルイズの発する謎の呪文にいぶかしむリュウ。 「ご・・・ゴメス!!」 「誰だよ・・・」 何言ってるんだわたし!?リュウが気味悪がってるじゃない! 「じゃなくて!ご・・・ごご・・・合格よ」 「ん?」 「わわわわたしの使い魔として、ごごご合格って言ってるの。ご主人様を守るには、十分ってことよ!」 だあああああっ!違う!言いたいのはそんなことじゃない!! 心の中でブンブンブンと頭を振る。 「そうか。それは何よりだ」 リュウは優しい。メイジをものともしないほど強いのに怒るでもなく、わたしを受け入れてくれる。 わたしもそれに応えなければ・・・ ルイズは意を決した。 「・・・それと・・・めん・・・さい・・・」 消え入りそうなルイズの声。 「ん?」 聞き返すリュウ。 「ごめんなさい・・・次からは、食事のとき、ちゃんと私の隣に席を用意するから・・・」 下を向いて弱々しく謝るルイズ。 「そうか」 リュウは笑顔でルイズの頭に手をおき、桃色の髪をクシャクシャと撫で回した。 先ほどの恐ろしいまでの破壊力を秘めた手と同じとはとても思えない、大きくて暖かな手だった。 前ページ次ページゼロと波動
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/3915.html
前ページ次ページゼロの騎士 なにが起こった? トリステイン魔法学校二年ギーシュ・ド・グラモンは焦っていた ギーシュは二股がばれ メイドに罵声をあびせ そのメイドを庇った男と決闘をすることになった 娯楽に飢えていた貴族の子弟達にとって恰好のイベントとなり、集まった人だかりの前で高らかに決闘を宣言 ところが相手は杖を使わないという 男がメイジではなかったことにギーシュは安堵した 決闘開始と共に一体の青銅でできたゴーレムを作り出す それに対し男が困惑の反応をみせる 自分の魔法に男が怯んだと思い余裕を見せていたギーシュだったが、次の瞬間ゴーレムが目の前で弾け飛んだ 男が地面に向かい拳を打ち付けていた ……………………… 久しぶりの戦闘だ イヴァリースではチョコボの森にいたのだが、チョコボは懐いていたし、森には他の魔物がいなかったためなかなか戦う機会がなかった だが一度体に叩き込んだ技はそうそう忘れるものではない …まぁ多少さびついているかもしれないが それにこちらの魔法を見てみたいという気もあった なにしろ未体験な事が多すぎる 情報はいくらあっても困ることはないのだ 広場につくと既に人だかりができていた 決闘を挑んできた彼は<青銅>のギーシュ・ド・グラモンというらしい ながながと口上をたれた後決闘は開始された こちらが出方を伺っていると、ギーシュはなにかつぶやきながら手に持つ薔薇の造花をふり、落ちた花弁が地についた瞬間、おそらく青銅で出来ているであろう女騎士の象が現れた 見たことのない技だ 未知の技法に警戒しつつ、小手調べにこちらから手を出してみた 「大地の怒りがこの腕を伝う! 防御あたわず! 疾風、地裂斬!」 青銅の象<ワルキューレ>はたった一撃で動かなくなってしまった あっけにとられているギーシュ 神界の戦乙女の名を冠する割に、たいしたことはなかった それがラムザの感想だった だが敵を侮り油断するほどラムザは愚かではない そうでなければ先の獅子戦争を生き残ることなんてできなかった しかしあの耐久性じゃ…牛鬼一体倒せないな… ギーシュが再び薔薇をふると、今度は7体のワルキューレが現れた 「すこしばかり…君を見くびっていたよ。だが、これで終わりだ!」 ギーシュはそう叫ぶと、ワルキューレに陣形をとらせた 二体を自分の守りとし、あとの五体が近寄ってくる 守りの内一体が剣、一体が槍 残りの五体は内二体が剣、一体が槍、残り二体がハルバードだ ラムザは数を見て即座に呪文を唱える 「たゆたう光よ、見えざる鎧となりて、小さき命を守れ... プロテス!」 ラムザの体がほのかな光に包まれる それを見たギーシュは即座にワルキューレを走らせた 槍とハルバードをもつワルキューレが少し間を開けて取り囲み、剣をもつ二体が接近してくる ラムザはワルキューレの射程圏に入る前に剣の一体に拳を放つ 「渦巻く怒りが熱くする! これが咆哮の臨界! 波動撃!」 拳の波動を受けたワルキューレは身をひしゃげさせたままつっこんでくる それを軽くいなし瞬時に十数発の拳を打ち込んだ、ワルキューレは轟音をたて吹き飛ぶ 「な、なんなんだよぉ!」 焦るギーシュは続く四体を突撃させる 「ひるがえりて来たれ、幾重にも その身を刻め... ヘイスト!」 ラムザの周りに先程とは違う光が現れた それが消えると、その場にいたはずのものが……いない ………………… 「消えた? またあの移動術?」 先程まで見ていたはずのラムザがいない 食堂で騒ぎを起こし、そのまま広場で決闘をするというラムザとギーシュをみていたキュルケだったが、突然の事にあっけにとられていた 「違う、今度のは…」 「…! 速い!」 さき程まで本に向かい興味を示さなかったタバサも、未知の事象に目を奪われていた 得体の知れない…魔法? しかしギーシュのワルキューレをほふっているのは魔法ではない、しかも武器を使っているわけではない、ただの拳だ その拳でもう一体の剣をもつワルキューレを地に伏せさせた 三体のワルキューレによる刺突をよけたラムザは、的確に、比較的弱い関節部を狙いまた一体行動不能にした 残りのワルキューレはあと四体 ………………… 「なんと…」 ラムザとギーシュの戦いを見ていたのは、広場にいた生徒達だけではなかった 教師からの報告を受けたオスマンと、そこに居合わせたコルベールも、遠隔地を覗く魔法 遠見の鏡でそれを見ていたのだ 「ガンダールヴとは…あらゆる武器を使いこなすのではなかったかね?」 「私が聞いたのはその通りです、オールドオスマン」 「しかし、彼は武器を使っていないようだのう」 「そうですね…いや、オールドオスマン、ラムザ君が剣に手をかけましたよ!」 …………………… なんだ? ラムザは自分が倒したワルキューレの持っていた剣に手をかけた その瞬間左手のルーンがほのかに光ったかと思うと、体が軽くなるのを感じた 突然の事に驚くラムザに、ワルキューレがハルバードを振り下ろす ラムザは一旦考えるのをやめ、最小限の動きでその一閃を避けワルキューレにきりかかる 同じ青銅同士がぶつかりあったのだ 普通ならどちらも使い物にならなくなるだろう しかし、ラムザの予想を裏切られた ワルキューレは真っ二つに引き裂かれたにもかかわらず、ラムザの持つ剣はその状態を変える事はなかった その事にも驚かされたが今は後回しにし、ラムザは返すひとふりでもう一体のワルキューレも地に沈めた ワルキューレ、残り二体 ………………… ルイズは開いた口を閉じることができなかった 確かに自分の召喚した人間は強い なんとなくだがそう感じていた しかし、これほどまでとは… 確かにギーシュはドットクラスのメイジだ メイジのランクで言えば最下級になる とはいえ、メイジに対して素手で太刀打ちできるかと聞かれれば、答えはNOだ しかし目の前で起きていることは現実だ メイジを素手で圧倒している 最初は途中で止めに入る気だったルイズだが、もうそんな気はおきなかった ただ見ていることしかできなかったのだ ラムザは残りの二体のワルキューレも斬り伏せる …もうギーシュを守るものは何もなかった 「これで終わりかな…?」 ラムザによる降伏勧告がなされる 「うあぁぁああああああ!」 追いつめられたギーシュが薔薇をふり再びワルキューレを呼び出す その瞬間その薔薇をラムザが切り落とす 「この薔薇から魔力を放出していたのか、それがないと魔法は使えないみたいだね」 杖が切り落とされた瞬間、錬成されかけていたワルキューレは中途半端な状態で止まってしまった 「こ、降参だ……」 膝をつくギーシュ 「僕の負けだよ…」 「じゃあ勝者として僕から要求させてもらってもいいかな?」 「あぁ…敗者である僕に断れる理由はないよ」 「まず最初に…シエスタに対して謝ってもらおう、そして平民に対してあまり差別的な行動をしないよう気をつけてほしい 二つ目に君の二人の彼女に対する謝罪と誠意ある行動 二股だなんて紳士のすることじゃない 三つ目に、君はルイズをバカにしてるようだね?それをやめてもらおう、あと僕は使い魔じゃない、ルイズを守る騎士だ」 「わ、わかった。あのメイド君にも二人にもルイズにも謝ろう」 「最後に…」 「ま、まだあるのかい!?」 「いや、これは僕からのお願いだ」 「お願い?」 ラムザの言葉にギーシュは顔を曇らせた 「僕と友達にならないか? これは僕からのお願いだから僕のことが気にくわないなら断ってくれてもいい」 「友達?」 「あぁ、どうだろう?」 ギーシュは戸惑っていた まさかそんなことを言われるとはおもっていなかったからだ だが、ギーシュはラムザに対して一種の憧れのような感情を抱いていた それは決闘に負けた悔しさや惨めさに隠されギーシュ自身気付いていなかったものだが、ラムザの誇りだかさ、騎士としての強さ、男としての器量に確かに惹かれていたのだ 数秒の間をおいてギーシュが話し出す 「まさか決闘の相手にそんやことを言われるとはね…。いいだろう、今日から僕達は友達さ、むしろこっちこら頼みたいくらいだ!」 そう言ったギーシュに対してラムザが手を伸ばし、立つ手助けをした そして二人は握手をして言葉を交わす 「ありがとう、改めて紹介させてもらおう、僕はグラモン家の三男、ギーシュ・ド・グラモンだ」 「僕はラムザ、ラムザ・ベオルブだ。僕も三男なんだよ、奇遇だね」 それまで電撃的な速さで進む戦いに静まり返っていた観衆がざわめきだした そこに予鈴のチャイムの音が聞こえた為一部の生徒達が授業に向かい、残った観衆も熱をもちながらもしぶしぶといった感じでそれぞれの場所に散っていった そんな中でラムザはたくさんの声をかけられた 中には平民がドットを倒したくらいで粋がるなだとか非難めいたものもあったが、大半はラムザの戦いぶりを讃えるものだった いくら貴族といっても、若い彼らの心をうつだけの力がラムザにはあった そこにシエスタが走ってきた 「ラ、ラムザさん。だ、大丈夫ですか!? お怪我とかありませんか? あぁミスタグラモン私のせいで申し訳ありません!」 顔に涙を浮かべながら救急箱をもってきていた どうやらラムザが決闘に負けて怪我をしたと思っていたようだが、怪我のないラムザとギーシュの様子に混乱しているようだ そこにルイズが歩いてきた 「薬箱は必要ないのよ、えーっと…」 「あぁ、シエスタですミスヴァリエール」 「あぁメイド君、先ほどはすまなかったね、紳士としてあるまじき態度だった、グラモン家のものとして女性にあのような態度をとった事は恥ずべき事だ、許してほしいミスシエスタ」 「いえ、あの、え、えええ!? 顔を上げてくださいミスタグラモン!」 頭を下げるギーシュを慌てて止めるシエスタ 「許すだなんてとんでもない! わ、私がですか!?」 「あぁそうさシエスタ君、それにルイズ、君にも謝ろう、すまない」 「な、なによ、あんた私になにかしたっていうの? 」 「君の使い…いや、君の騎士に迷惑をかけたからね」 「別に問題ないわ、むしろ私の言うことを聞かないラムザの方が問題だわ!」 「すまない、今後気をつけよう」 ルイズの言葉に苦笑するラムザ 「そろそろ行かないと授業に遅刻するわ! もう行くわね。ラムザ、行きましょう」 そう言ってルイズは歩いていく ギーシュも授業に向かうようだ シエスタから後で伺うという旨を聞き、ルイズの後を追うラムザ 「授業は僕も出ないといけないのかい?僕は調べ物がしたいんだけど…図書室でもあればそこにいきたい」 「図書室は貴族専用だからあなたが入れるよう先生にお願いしておくわ、今はとりあえず授業に一緒にでてちょうだい」 「そうか…わかったよ」 ルイズの言葉を聞いたラムザはそう返事すると、ルイズについて教室にむかった ………………… 「むぅ…」 学長室でオスマンがうなる 「あれは剣と本人を強化したんでしょうか?」 「いやぁ…あれは剣自体にはなにもなかったのじゃろう、剣の扱いに長けた物は一刀の下に全てを両断すると聞く。あれは彼の技術…もしくはガンダールヴに付加される技術なのかのう」 かなりの年を重ね見た目は老人であるが、やはり学長になるだけの人物だ 見ているところは見ている 「しかし決闘相手に対して友達になろうとは…のう、面白い奴だのう、コルベール君」 「いや、本当に。あれにはルーンによる干渉が影響しているのでしょうか?」 「いや、きっと彼の本来の気質じゃろう。そうじゃコルベール君、君授業はいいのかね?」 「おお! 忘れていました! でわオールドオスマン、また後で来ます!」 そう言うとコルベールは早足で部屋を出て行った 「ガンダールヴか…」 学長室の中、一人になったオスマンの声が静寂の中に消えていった 第四話end 前ページ次ページゼロの騎士