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ロックマン・モデルZX ロックマン・モデルZX 解説 武装ZXバスター通常ショット ダッシュバスター 一段階チャージZXバスター 二段階チャージZXバスター ZXセイバー地上三段斬り 歩き斬り ダッシュ斬り ジャンプ斬り ジャンプ下入れ斬り 壁張り付き斬り チャージZXセイバー 空中回転斬り 備考 特殊能力 解説 モデルZとモデルXのダブルロックオン。 序盤に入手し、バスターとセイバーを使える遠近両用の標準的なモデル。 地上部隊の援助をクリアするとモデルXに代わって使用可能になる。 (隠し要素でモデルXはこのあとも使用可能になる) OISと属性攻撃を持たないが、ライブメタルゲージが存在せず消費無しでチャージ攻撃が使用できる。 武装 デフォルトだとバスターがサブ(R)でセイバーがメイン(Y)になっているが、 メインとサブを入れ換えた方がやりやすいという人や、ダッシュはRの方がいいという人もいる。 せっかくカスタムモードがあるので、自分に合ったキーコンフィグが見つかるまで色々試してみよう。 ZXバスター エネルギー弾を画面上に最大3発まで発射。 立ち・歩き・ダッシュ・ジャンプなどなど、全ての状況で発射可能。 通常ショット 威力値2。 いわゆる豆。歩きながら撃つと高度が少し下がる。 ダッシュバスター 威力値3。 歩きバスターよりもさらに高度が下がる。 一段階チャージZXバスター 威力値:6 若干威力高めのエネルギー弾を発射。 二段階チャージZXバスター 威力値:12×3 周囲に2つの赤い螺旋状のエネルギー弾を伴った青いエネルギー弾を発射する。 (ロックマン・モデルXのダブルチャージバスターニ発目と同じ) フルヒットで36もの威力があるが、 当然、ボスに対しては連鎖値の関係で1ヒット分のダメージしか入らない。 ZXセイバー 状態によってモーションや威力が変わる。 地上三段斬り 威力値:8・8・8 全てバスターでキャンセル可能。微々たる差ではあるが、最も後隙の大きい三段斬りのあとなどに使うのは有効。 二段目以降はモデルOXよりも遅いが、一段目が下まで届く利点はある。 歩き斬り 威力値:6 ゼロと違い、ダッシュでのキャンセルは不可。バスターによるキャンセルは可。 ダッシュ斬り 威力値:10 ジャンプ斬り 威力値:8 ジャンプ下入れ斬り 威力値:10 振りきった後の威力。 ↓押しっぱなしで振り切ったセイバーを着地まで出し続けられる。 ジャンプ斬り後以外にも、空中回転斬りや空中チャージセイバー後でも出せる。 ゼロはセイバー部分にしか判定がなかったため衝突事故が起こりやすかったが、 こちらは真下にも判定があるため、倒しきればぶつからない。 威力という面で、モデルOXに優っている点の一つである。 壁張り付き斬り 威力値:8 ほぼ真横に判定が出る。梯子でも同様。 敵の位置によっては壁蹴りジャンプしてから斬った方が良い場合も。 ゼロと比べると連続での振りが速い。 チャージZXセイバー 威力値:本体10、衝撃波13 基本的に衝撃波を当てるもの。 攻略本には衝撃波の威力が16と書いてあるが間違いである。 かつては威力12と認識されていたが、のちに誤りだと判明。 耐久力18の雑魚をチャージZXセイバー+ダッシュ豆(3ダメージ)+豆(ダメージ2)で ちょうど破壊可能なため、逆算して13だとわかる。 ボス戦では威力が半減されるため、小数点以下切り捨てで ダメージは6しか与えられないので、威力は実質Maxバスターと変わらない。 空中回転斬り 威力値:2×n 「空中で↑+ セイバー」or「空中セイバー二段目」。 連続で攻撃判定が発生するが、一発分の威力は通常の空中セイバーに比べて低い。 連続でヒットし続けるため、ヒット数次第でチャージセイバー並のダメージを与えられるが反面、間合いを誤ると反撃を食らいやすい。 かなり連射が利くが、必死になって連打していると地上セイバーが出てしまうため、結構難しい(1回のジャンプで最高4回を確認)。 イージーモードでは一発あたり威力が+2されているため、絶大な威力を誇る。 (一回のジャンプ中の連続空中回転斬りでボスの体力を1ゲージ以上奪う) 備考 チャージ攻撃はボスに使用した場合はどちらもダメージ量は同じ(6メモリ)だが、雑魚敵に使用した場合は周囲の赤い弾のおかげでチャージバスターのほうが威力が高い。 ロクゼロのゼロと比べるとチャージセイバーからセイバーコンボはつながらなくなったが、チャージショットからセイバー系に限り無敵貫通でつなげることができる。 特殊能力 無し。
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【作品名】 ロックマンエグゼ4.5 リアルオペレーション 【読み方】 ろっくまんえぐぜよんてんご りあるおぺれーしょん 【発売年】 2004年8月6日 【詳細】 『ロックマンエグゼ4』の外伝として発売された作品。 『4』をベースに作られており、当作との通信も可能でありながら、まるで別の作品に仕上がっている。 音楽はオリジナル曲のほかに一部の曲が流用されているほか、『本家ロックマンシリーズ』のアレンジも登場する。 【本作の特徴】 この作品の特徴として、まず大掛かりなストーリーがない点が挙げられる。自分のナビや民間のナビ、オフィシャルのナビとの交流が前面に強く押し出されており、RPGというよりは当時 流行っていたオンラインゲームの様な感じとなっている。(開発者インタビューでも、そういった言及をされている) 主人公の名前が自由に決められる他、個人情報も設定できる(好きな食べ物など)。 内容によって自分のナビの台詞が変わるため、オンラインゲーム要素を楽しむ事が出来る。 ただし、売却する場合はきちんとデータを消しておこう。 また、戦闘は全てオペレーションバトルで行われる。 元々は『4』の一部で初登場したバトル形式だったが、本作はそれを最大限に拡張した。 戦闘の難易度は『4』のオペレーションバトルよりは低い。 詳しいことは、該当記事を参照のこと。 バトルチップは『4』で登場したチップ(シークレット含めすべて)のほかに、本作オリジナルチップが数枚登場する。 本作のプログラムアドバンスは組み合わせが非常に難しいものが多いためあまり活用できない。 このゲームの当面の目標は、『4』のレッドサン・ブルームーントーナメントに相当する「オフィシャルトーナメント」で優勝すること。 ただし、トーナメントの開催はリアル時間の土日であり、通常のプレイでは最速で進めても2週間かかる(時間設定をいじれば短時間でのクリアも可能。ただし、設定する度に所持金がゼロになるデメリットがある)。 「時刻」を設定することになり、時刻や曜日によって出現するウイルスやナビが変わる要素もある。 裏ボスはフォルテが務めるが、そこまで壮大な経緯はない。 また、戦う為には『4』と同様にスタンダードクラスのチップを全て集める必要があるが、本作ではショップの数が少なく、ウイルスのチップ以外はミステリーデータからの入手になり、ランダム性が極めて高い。 【登場人物】 この作品では登場人物のほとんどはナビであり、人間は緑川ケロしか登場しない (厳密には、他にオフィシャルの関係者一人が顔写真のみ登場する)。 主人公が扱えるナビはロックマンのほかに、『4』で登場したソウルナビ12人がいる。 最初から使えるのはロックマン・ロール・ガッツマン・ナンバーマンの4人。オフィシャルトーナメントを制覇することで増えていく。 また、別売のバトルチップゲートでナビデータチップを読み込むことで、『4』以前からのゲストナビ7人+フォルテを扱える。 中でも、『3』以前のグラフィックでしか登場しなかったアイスマンとプラントマンは、『4』に合わせたグラフィックのリメイクが施されており(頭身の低いアイスマンは割とそのままに見えるが、プラントマンは見比べてみると違いが分かる)、 ナパームマン・ナイトマン・シャドーマンは、実質的に『5』よりも先行登場という形になっている。 エレキマンも『6』より先に登場しているが、『1』と『6』のどちらとも異なる攻撃を見ることが出来る。 スターマンに至っては、据え置き機の『トランスミッション』からの参戦であり、携帯機のエグゼ作品ではこの作品でしかグラフィックがお目にかかれない。 何はともあれ、それぞれのナビに固有の性能があるので、使い分けながら進んでいきたい。 (Wii UのVC版では、ナビ選択画面でL+Rを押すことでゲストナビ+フォルテを使えるようになる) ちなみにこのナビ達は自分以外のナビが使われていることを自覚している。 あとグライドは使えません 敵ナビとしては、『4』のトーナメントでソウルが共鳴しなかった6人とダークロイド2人、そしてフォルテが登場する。 また、インターネット上の定位置に曜日によってロックマン以外の19人が登場し、任意でバトルができる (こちらに関してはトーナメントで戦ったことがなければ出現しない。ただこのトーナメントにエブリディトーナメントが含まれるかどうかは不明)。 金曜日にはこのほかに、インターネット各地にノーマルナビ・ヒールナビが現れ、任意でバトルができる。 相手ナビが落すチップはナビチップ3種類だが、ゲストナビは代わりに固有チップ1種類を落とす。 またノーマルナビ・ヒールナビも強力なチップを落とすため、出来るだけ勝負を受けてあげる方が良い。 光熱斗は登場しない。 外伝的な位置づけのため、ロックマンが光彩斗のDNAデータから作られたという設定も無く、 またロールがロックマンのガールフレンドという設定も無い(呼び名が「ロック」ではなく「ロックマン」になっている)。 ネビュラやダークチップ、Dr.リーガルもデューオも登場しない。ロックマンDSも登場しない。 以上の設定から、『4.5』は本編とは違う世界(パラレルワールド)といえる。 【システムの変更点】 フォルダはそれぞれのナビに1つずつ割り当てられるが、一度に複数のフォルダを変更できないのが難点。 『4』と異なり、同一チップはフォルダに3枚までしか入れられない。 バトルではLとRで異なる武器を1つずつ割り当てて使用できる。 基本武器はバスターとシールド、ナビ固有の溜め撃ち攻撃の3種類となるが、各ナビ毎にバスターかシールドが別の溜め撃ち攻撃に設定されている場合もある。 バスターを当てたり溜め撃ち攻撃を発動すると、チップ使用に必要なカスタムゲージが幾らか増加する。 逆に、シールドを発生させたり(*1)サポート能力の溜め撃ちを発動するとカスタムゲージが減る。 ナビカスタマイザー・ダークチップ・ソウルユニゾン・レギュラーチップシステム・ココロウィンドウ・フルシンクロは存在しない。 敵の回復が避けにくく、こちらの火力も全体的に下がっているなど、戦闘の難易度は高め。 代わりとして、以下の対策が計られている。 敵ナビは基本的にV3までしか出現しない(ウラトーナメントには全ナビSPが登場) 敵ナビの攻撃力が低い(ランク3EXのウイルスやSPナビの基本ダメージが120程度なのでドリームオーラ無双。ただし時間切れに注意) カウンターを取る毎にバスティングレベルが無制限に+1されるので、デリートタイムが遅くてもSランクをとりやすい カウンタータイミングが若干長い チップコードがない(全て*扱い) 善チップ・悪チップを関係なしに使える ナビチップSP、DSがナビV3からもらえる ナビチップSPの攻撃力は4における最大値と最小値の中央値(タイム関係なし) メガクラス、ギガクラスをネット商人などから複数枚獲得できる などなど。他にもいろいろあるが、挙げるときりがないので代表的なものを。 重要なのは、このゲームはカウンターゲーだということである。カウンターさえ取れば意外とどうにでもなる。 善悪度が存在しないため、ブラックバリアやポイズンアヌビス、ムラマサブレードやガンデルソル系などの善悪チップを無条件に絡めながら使用できるのは、『4』にも『5』にもない『4.5』独自の魅力といえる。 【その他変更点】 システムが大きく異なっていることから、効果が少し変更されたチップが存在する。 特にフルカスタムはメガクラスであることが災いし、大変 使い勝手の悪いチップとなっている。 チップ容量は定められているが、本作はレギュラーチップシステムがないため全く意味がない。観賞用。 ナビカスが無いせいでほとんどバグは起きないため、ノイズストーム・バグチェーン・バグシュウセイが使いにくい。 チップ使用などで専用武器に依存する傾向が強いため、バスター発射不可・移動でヒビバグ・バトル中HPバグを与えるカースオブバグは対戦でかなりの脅威。 戦闘中にランダムミステリーデータが登場しない。 そのため、バグのかけらはバスティングレベルSをとった際におまけで貰える方式に変更された。 ダークロイドの悪事の内容が、民間のナビを操って悪事を起こさせるというものに変わっている。 リアルと連動した収集要素として、データライブラリのチップアイコンは「バトル中にバトルチップゲートでリアルチップを読み込めば登録される」という仕様になっている。 したがって、ライブラリアイコンのコンプリートにはスタンダード、メガ、ギガの全リアルチップを収集する必要がある。 本作限定のチップも登場しており、リアルチップも存在している。
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233 名前:Irregular s Elegy[] 投稿日:2006/10/14(土) 01 21 27.13 ID KuQRxfiH0 「ゼ………ロ………?」 身体中に痛みが走る。 高密度の爆撃から、どのぐらい経ったのか。あんなにも青かった空は赤みを帯びてきていた。 青いボディの周りには、イレギュラーやハンターであった物が所狭しと転がる。 エックスにもウツボロスであったと云う残骸が乗り掛かっていた。 「起きましたのDEATHか? 愚かな、弱小レプリロイド」 ゆっくりと痛む体を起こすエックスに、痛烈な言葉がかけられる。 「ボスには悪い事しましたのですよ? でも、しょうがないのですよね」 偽りの優しい声色。 声の発生場所に振り向くエックスが見たのは、 「――私の前で、人間を守るなんて言うのだからなぁ!」 耳まで裂けるかと思う程の笑みを浮かべたオクトパルドと、彼女の触手に拘束され吊り上げられるゼロの姿だった。 「………ゼロ!?」 エックスが驚きのあまり、身体の痛みなど忘れて身を乗り出す。しかし、直ぐに甲板に崩れ落ちた。 赤き触手が、ゼロの肢体をまさぐる。爆撃のせいか、少女のせいか、衣類は取り払われていた。 空中で、オクトパルドの『手』が小さな乳房を引き絞り、露になった秘部を無遠慮にかき回した 「あなた達の末路なんて、こんなモノなのですよ。人間に尽くすレプリロイドに、相応しくねぇ!」 「う………く………」 秘芯を擦り上げられ、意識を失いながらも、頬を赤らめ呻くゼロ。 「ゼロを離せ!!」 瞳に殺意をたたえ、倒れ伏すエックスが叫ぶ。 しかし、オクトパルドは陵辱を止めず、目下で無様にもがく青い少年を笑った。 238 名前:Irregular s Elegy[] 投稿日:2006/10/14(土) 01 25 53.54 ID KuQRxfiH0 「エックス。お前は人間はおろか、一人のレプリロイドですら守れない」 壊れたように笑い続けるベレー帽の少女。 その少女に備えられた‘牙’の三本が、ゼロを辱めるのを止め、エックスに銃口を向ける。 「ふふふふ………私と同じですね――違いは、馬鹿か、そうでないかだ!!」 触手の銃口が瞬き、白色のミサイルが嬉々として飛び出す。 「そろそろ、死ね!!」 煙を上げて急襲する凶器がエックスに迫る。 向かう死と、ゼロを捕らえられたという絶望に、エックスは目を閉じた。 爆発は三度。 どれらも到達される前に、グリーンのエネルギー弾で撃ち抜かれた。 「イレギュラー!!」 生き残っていたのか、エックス等に声をかけた、黒きハンターが膝をつきながら硝煙が漂う銃を持つ。 「貴様……!」 処刑の邪魔にオクトパルドは憤慨し、ゼロをデッキの端へ吹き飛ばす。少女の身体は海へと消えた。 そして、ハンターに全ての銃口を向け、ホーミングトーピードを放つ。 追尾するミサイルはハンター付近を爆撃し、漆黒のボディは海へと投げ出された。 ボディの認識証がエックスの足元に飛ぶ。金色のマーカーには『マック』と表記されていた。 「はっはぁ!! ゴミめ!!」 ゴミと呼ばれたハンター。 しかし、彼女が命がけで作り出した隙は大きい。エックスはそれを有り難く使う。 「オクトパルド!!」 損傷を無視、敵を視認、この戦闘に集中。 エックスは憎悪をバスターにこめた。 240 名前:Irregular s Elegy[] 投稿日:2006/10/14(土) 01 28 33.30 ID KuQRxfiH0 <プログラム変更> 触手を纏う少女――ランチャー・オクトパルドにチャージショットを放つ。 彼女はコートをはためかせながら跳躍。足元を通過するエネルギーに侮蔑の笑みを送る。 「さぁ、お前の番だ!! 遠慮なく逝け!!」 宙を舞うオクトパルドが、触手を操作。六本から大量のミサイルが放出される。 エックスは落ち着いてバスターを再チャージする。 広がる弾幕。 「愚かなのは、あなたの方だ!!」 右腕から飛び出す、太陽の怒り。 数十発のミサイルを飲み込みながら、オクトパルドに向かう。 ――交差する生き残った数発のホーミングトーピードと、チャージショット。 オクトパルドは着地と同時に身体を旋回し、コートの端を焼き切られながら回避。 エックスも連続して射撃して、全て撃墜してみせた。 「どこがだ!? 私のどこが間違っている!? 何故、レプリロイドより弱い人間達を守らねばならない!?」 辺りを爆撃しつつ、その煙幕でエックスに迫るオクトパルド。 「レプリロイドより優先される人間の命――おかしいとは思わないか!!」 メットに衝撃。 少女の拳が、頭部を穿った。――倒れこむ身体が吹き飛ぶ。 オクトパルドはその場で回転し、鋭い蹴りを繰り出していた。 「そう、おかしくはない………!! だから、死ね!!」 今度は完全に倒れたエックスに、ホーミングトーピードが追い討ちする。 爆発に翻弄され、何度も甲板に叩きつけられる青いボディ。 245 名前:Irregular s Elegy[] 投稿日:2006/10/14(土) 01 33 50.51 ID KuQRxfiH0 ――本部と同じく、極地部隊の隊員と同じく、人間だ ――人間だが、私は君の味方だよ 自分より小さな背の少女がそう言った。 人間に絶望しかけた少年に、涙をためながらそう言った。 人間は、全てが悪なのだろうか? 「違う………!! やっぱり、あなたはおかしい!!」 バラバラになりそうな身体を横転させ、ミサイルの地獄から抜け出す。 「――人間は……。人間は、みんながみんな悪い奴じゃないんです!!」 バスターを急速チャージ。 そして、すぐさま放つ。 「馬鹿が!! 夢を見ながら、死ね!!」 オクトパルドは笑いを帯びた罵声を吐き、悠然とそれを避けた。 船自体を揺るがす轟音。 雨のようにデッキに降りそそぐ破片と粉塵。 エックスは驚愕し、オクトパルドは慌てて後方を振り向く。 大きな赤の柱に貫通痕。――バスターは船の巨大な煙突に着弾していた。 「ぐっ………!」 「なっ………!!」 その柱が、自身の巨体を甲板に向け唸りをあげながら降って来た。 もう一度轟音。 それは先ほどのよりも遥かに大きく、そして全てを押し潰す。 「な、何故………なのですよ?」 デッキを縦断する巨体。 二人のレプリロイドは奇跡的に生き残っていた。 248 名前:Irregular s Elegy[] 投稿日:2006/10/14(土) 01 37 52.94 ID KuQRxfiH0 「エックス……」 赤い破片で腹部を真っ赤に染めた少年に、オクトパルドは問うた。真横には煙突の巨体。 エックスは衝突寸前で走りこみ、オクトパルドを抱え跳んだのだ。 「……人間は、悪い奴ばかりじゃないんです。良い人だって居ます……」 打ち倒れ、傷口を押さえた。吐血しながらエックスは混乱する少女に語りかける。 くだらない話だろうかと鼻を鳴らし、それを耳に入れながら、オクトパルドは自分の損害を確認した。 「……悲しいでしょう?」 損傷を確認する手が止まる。 オクトパルドにとって意外な言葉だった。 「心が温くて、優しい言葉をかけられて、差別をしない人間――そんな人を知らないまま死ぬなんて」 エックスの顔は自分がそうなのかのように悲哀に満ちていた。 オクトパルドの瞳が何かに揺れる。 「僕は人間の嫌な所を知ってます。汚い所も」 悲しい声。アイシー・ペンギーゴは何故あんな目にあったのだろうか。 「――でも、好きなんです人間が。この世界には、必ず良い人間が居るから」 「……………良い……人間………」 重症を負いながらも、決意が篭められた瞳にオクトパルドは吸い込まれた。 「だから守りたい。こんな馬鹿げた事件から。人間を、そしてレプリロイドも――悲しい貴方も」 エックスは見下ろしてくる少女を見つめる。 「……馬鹿………なんでしょうか……? 最終的な結論は、まだ出てないんですが……」 最後に苦く微笑み、エックスはオクトパルドに手を差し出した。 「だから、一緒にそんな人間を一人でも多く探してみませんか?」 震える少女の身体。華奢な手のひらと、自分の手を見比べ、オクトパルドは沈黙する。 上から轟音。 251 名前:Irregular s Elegy[] 投稿日:2006/10/14(土) 01 44 15.04 ID KuQRxfiH0 「ありがとう、エックス。それは美しい戦略ですね」 オクトパルドは微笑み、手を優しく握る。そして空を仰ぎ、何かに気づいた。 「オクトパルドさん……」 少女は素早く損傷部分を確認。右脚部は完全に破損――回避は出来ない。二人とも。 「だけど、駄目みたいなのですね」 上から轟音。 オクトパルドは再度微笑む。今まで一番、優しい笑顔だった。 「ふふっ。もう少し早く、あなたに会いたかった……」 上から轟音。貫通した煙突がもたらした被害は、大きかったのだ。 ――その後ろにあるもう一つの煙突の取り付けを、致命的に揺るがすぐらいに。 「生きて………あなたのすべき事を成し遂げるのです。私はそれにかけますのですよ」 「オクトパルドさん……?」 細い腕がベレー帽にかけられ、それを取る。赤い帽子はエックスに被せられた。 「さよならエックス。途中で諦めたりしたら、0点なのですよ……?」 涙を溜めながら笑みを送り、そしてミサイルを放つ。 ――衝撃と爆発はエックスを船外に吹き飛ばした。 「――オクトパルドさん!?」 海へと叩き出されたエックスはデッキに、もう一つの赤い巨体が落ちようとしてるのを見た。 二度目の落下は甲板の全てを、今度こそ押しつぶす。 「そんな……そんな!! オクトパルドさん!! そんな!!」 真っ赤な夕日に照らされる旅船は衝撃に耐えられず、沈みかけようとする。 腹部の事は気にせず、エックスは船に向かって泳いだ。 とうとう海中にけたたましい音をたてて瓦解し、沈没する船。 沈没の衝撃破によって形成された波が、泳ぐエックスを無情に飲み込んだ。 568 名前: Irregular s Elegy 2006/10/18(水) 22 59 22.91 ID 1kCBjzAl0 暗転、回復、暗転、回復。 叩きつけるような波は、生まれ、崩れるのを繰り返す。 エックスは、旅船の爆発から発せられた波に流された。 海面に出たと思えば、海中に飲み込まれ、意識もそれに合わせて明滅する。 ――ここはどこか? ――ゼロはどこだ? ――自分はどうなる? 頭の中で様々な思いが、波と同じように暴れる。 巨大な箱舟は小爆発を繰り返しながら、沈み、そして海面を荒らした。 暗転。 「くぅ………」 次に蒼穹色のボディが現れたのは、真っ白な砂の世界だった。 波の音に、意識を目覚めさせたエックスは、辺りを見回す。どこかの海岸――砂浜だった。 立ち上がりながら、揺れる視界と思考を整える。 「………ここは? ……どこなの……」 そして、呻きの次は、疑問が口から漏れた。 答えは誰からも与えられない。付近には少年以外いないようだ。 「――ゼロは!?」 その場で、答えを探している内に、重大な事に気づいた。 571 名前: Irregular s Elegy 2006/10/18(水) 23 01 50.80 ID 1kCBjzAl0 赤き少女――ゼロの姿が見当たらない。エックスは、真っ青になった。 彼女は、オクトパルドに嬲り者にされてから、海中に放り出されたはずだ。 「ゼロ!? ゼロ!? どこなの、ゼロ!!」 少女の消失から、顔を青から白に転じ、エックスは彼女を呼びかけながら探す。 ふらつく身体に鞭打ち、砂浜を駆けるがゼロの姿は見当たらない。 焦燥感に口元を歪ませる少年の顔に、蔭り。 まるで野鳥が大量に羽ばたいた様な音を奏でる、回転翼がエックスの頭上に迫る。 「ハンター………」 お馴染みのハチ型ヘリが、高度を落とし、砂浜に着陸する。 「ご無事でしたか」 大量生産される型番のボディを纏ったハンターが、白い大地を踏みしめた。 その一人が、こちらを見るエックスに、片手をあげて挨拶する。 「あなた方が乗船なさった旅船のシグナルをロストしまして、緊急に、我々が救出に向かいました」 青き少年に、タオルと鎮痛剤が混入されたカンフルを渡しながら、説明する。 他のハンターは、てきぱきと極地基地のように、簡易待機所を作ってゆく。 説明するハンターの声と波だけが、この砂浜の静けさの〝異端〟だった。 「ここまで流されるとは………おい、マックの捜索も範囲を広げろ!」 右手に持った端末で位置を確認しながら、後続のハンター達に命を出す。 「あの、ゼロは見てますか? 一緒に……では、ないのだけど、流されてしまったんです」 エックスは自分の憂慮をハンターに手渡す。 572 名前: Irregular s Elegy 2006/10/18(水) 23 03 28.66 ID 1kCBjzAl0 「あ、はい。彼女なら、先に本部に搬送されています」 「本当ですか!?」 応えは、少年を大変安堵させるものだった。 エックスの顔が喜色に満ち、緊張からの脱却からか、砂浜にへたり込んだ。 「えぇ、ただ損傷の関係で、直ぐにでも治療を受けないと危険な状況らしいですが」 安心は、続けるハンターの言葉で無惨に打ち砕かれる。 自分の意ではなく、顔色がころころと変わるエックス。 「心配でしょう。直ぐにでも本部まで、お送りします。ケイン博士も話があるそうです」 うな垂れる中性的な顔立ちの少年に、ハンターは手を差し伸べ、ヘリを指差す。 地に足をつけるヘリは、再度ローターを回転させた。 散乱する砂。局地的な小さな砂嵐。 迫り来る砂に目を開閉しながら、エックスは頷いた。 「ご苦労だった」 帰還の労いは短い。 いつもは、幹部の画像を映した浮遊ディスプレイが無く、会議室は非常に静かだった。 簡素な部屋で、二人。 Dr.ケインとエックスは、数メートル離れて対峙する。 円卓の真ん中に座るケインは、冷徹な瞳で、前方に立つ少年を見つめた。 イレギュラー事件発生の時とは、大きく違う印象を受ける。 力強さと――憎悪。 574 名前: Irregular s Elegy 2006/10/18(水) 23 05 52.72 ID 1kCBjzAl0 「私から話そうか、それとも君から話すか。私はどちらでも」 自分の皺の寄った顔を、見つめるではなく、睨む少年に問いかける。声はどこまでも冷たい。 「あなたから」 何かの意思を掴んだ光を宿す瞳を、臆す事なくケインにぶつけるエックスが答える。 老人は頷く。 「最初に話すべきことは、情報部の事。――何故、君達に隠し事をするか。何故、協力しないか」 ケインは一拍置く。 「それは、この事件が〝極めてイレギュラー〟な事にあるのだ」 机の上の指がせわしなく動く、常に冷静な老体は何かに焦っていた。 「ハンター本部が取り扱う事件、この世界で起こる事件で、あってはならない事が一つだけ存在する」 焦りは末端部分だけに、顔には出さない。 「レプリロイドが、バグや事故での暴走ではなく、〝自分の意思で事件を引き起こす〟事だ」 「しかも、今回はハンターの職員とくる」 エックスは沈黙する。 アイシー・ペンギーゴ。 ストーム・イーグリード。 ランチャー・オクトパルド。 彼女達は様々な思惑で、暴走と言う道を選び、エックスの前で朽ちた。 「それは、イレギュラーと戦ってきて解りました――それが、釈明ですか?」 らしくない冷たい言葉の刃が、ケインを突き刺す。 575 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/10/18(水) 23 07 15.80 ID yWQxajs80 http //1st.geocities.jp/warosu2kki/web2.0-syndrome.html ↑いくつあてはまる? 576 名前: Irregular s Elegy 2006/10/18(水) 23 07 36.38 ID 1kCBjzAl0 「我々は驕っていた。自分等の力で、今回も解決できると」 聞いているのか、いないのか。 ケインは天井を仰ぎ、目を瞑った。何かへと追憶しているようだ。 「第17精鋭部隊隊長――シグマがこの事件の首謀者だ」 そして唐突に、驚愕の事実をエックスに渡す。 「なっ………!? 隊長が!? そんな、馬鹿な!!」 「本当だ。こんなスキャンダルを嘘や冗談では言わない。――もともと、冗談を私は言わないが」 驚く少年に、首を振り、ケインはその事実を肯定する。 エックスはとても信じられなかった。 ――焦るな、エックス。お前になら出来る 「暴走した謎のイレギュラーを彼女が、鎮圧したのは知っているか?」 ケインが言葉を続け、新たな質問を作った。 少年は、怪訝な顔をしながら、頷く。自分はその討伐には参加していなかった。 「シグマは、そこからおかしくなった――らしい。原因は不明。三週間前の話だ」 忌まわしき過去を掘り起こし、全てを優しき心を持ったレプリロイドに見せる。 身を切られる思いで、ケインは打ち明け続けた。 「それで情報部は………」 敵として、現れた同僚の言葉を思い出す。 ――ある計画が、あるある奴に聞いた ――緑のボディスーツを着たレプリロイド ――ボスの命令だ ――君は強くならなければ、ならないらしい 全ては、自分の上司の残滓だったのだ。 578 名前: Irregular s Elegy 2006/10/18(水) 23 10 53.95 ID 1kCBjzAl0 「だが、それもお終いだ。本部も暴走したのだから――」 腐敗した事実。 「……………………は?」 腐った現実は、エックスの耳にすんなりと入らなかった。 「君は、聞きたい事があるのだろう。…………本部は、彼女達に何をしたか」 聞きたくない。 聞きたくない。 聞きたくない。 「おかしくなった、原因は不明と言っただろう。だが、それを〝どうやって〟調査したと思うかね」 ケインが、初めて感情を顔に出した。 ――大きな絶望。 「そんな………まさか……………」 聞きたくない。 聞きたくない。 聞きたくない。 ――少女のレプリロイドは何故、 「レプリロイドに、多大な不安や、精神的な圧迫をかけ、シグマと同じく〝壊れた〟精神を分析したのだ」 ――イレギュラーとなったのだろう。 579 名前: Irregular s Elegy 2006/10/18(水) 23 12 18.31 ID 1kCBjzAl0 「それを今回の事件に役立たせようとした。――だが結果は、最悪だ!!」 ケインの怒号。 珍しい光景だが、エックスの目には入らない。 「シグマの作戦に便乗した奴も居るが、この事件の半分のイレギュラーは〝私達〟が作り出したのだ!!」 ――絶対たる悪が、彼女達をそそのかしたのでは、なかったのか ――そうであれば話が早い。 ――そうであれば解りやすかった。 ――そうであれば、このバスターを遠慮なく撃てただろう。 「うぉおおおおお!!」 間合いは一瞬にして無に。 獣の咆哮と一緒くたに、ケインの顔に向け、エックスの拳が突き入れられた。 吹き飛ぶ老体。 「許してくれなど………言わない。本部は必死だったのだ。――世界平和という目標に」 憤慨などせず、ケインは唇から血を流しながらも、弁解した。 荒い息を吐くエックス。 「増大するレプリロイドの件で、本部は世界平和と言う単語に過敏になっていた」 世界平和。単語自体は素晴らしい。 「レプリロイドの意思で事件を引き起こす………決して許されない事だったのだろう」 だが、その言葉の中身はどうだろうか。 「シグマで終わらせようとした事が、こんな裏目に出るとは、彼等も思わなかっただろう………」 しかし、事件は起きた。 580 名前: Irregular s Elegy 2006/10/18(水) 23 15 52.95 ID 1kCBjzAl0 「私は止めた。止めたが、ハンターは〝訓練Σ〟と言うお題目で、調査を開始してしまった」 アイシー・ペンギーゴ。 それ以外は知らないが、他のレプリロイドの心にも、そんな影があるのだろう。 訓練Σでは無く、仲間意識の狭間で狂気を選んでしまった、優しきイーグリードという存在も居た。 「その調査で彼女達はイレギュラーになった。本部も彼女達も止められなかった…………すまない」 後悔。 「チップは………そうか、情報部の隠蔽…………」 少年が気づいた、下らない事実。 「確かに滅びるべきだな、人間は。レプリロイドのための世界――悪くない」 自嘲しながら、絶望の答え。 「ふざけるな」 だが、エックスはそれを一言で砕いた。 本当にそんな世界が望まれるべきなのだろうか。 ペンギーゴの最期の言葉。 ゼロとイーグリードの友情。それを持っていたのは、最初は人間ではなかったのではないのか。 ――途中で諦めたりしたら、0点なのですよ……? オクトパルドが持った希望。 582 名前: Irregular s Elegy 2006/10/18(水) 23 18 09.78 ID 1kCBjzAl0 「答えを勝手に出さないで下さい」 純粋な怒り。 「あなた方のやった事は、最低だ。でも、世界中の人間がその罪を背負う必要は無い」 平和を望み続ける心優しいレプリロイドの怒り。 「ハンター本部が、世界平和に焦ったように、隊長もまた〝何か〟に焦ってしまったのでしょう」 俯いていたケインが顔を上げる。 「おそらく、レプリロイドの自由と平和に。その代弁者という重荷に」 二人の瞳がやりきれない思いに、揺れた。 「僕なら解ります。隊長が何故、壊れてしまったのか………」 レプリロイドの述懐。 「僕だって、時々思う――どうして人間はこんなにも傲慢なのか、どうしてレプリロイドを見下すのか」 レプリロイドとして生まれた身の不満。 「でも、人間を守りたいという意思も存在する」 レプリロイドとして生まれた身の思い。 ライト。そして、この世界に必ず存在する優しい人間。 「その二つが、イレギュラー討伐でおかしくなってしまったのでしょう」 「討伐後のシグマは重症だった…………過度の恐怖による〝事故〟………」 調査は無意味だった。 583 名前: Irregular s Elegy 2006/10/18(水) 23 20 01.25 ID 1kCBjzAl0 「馬鹿だ………私達は………。私達は、何故あんな惨い事を…………」 もう、戻れない。 「報いは、博士自身が考えてください。僕には決める権利が無い」 仲間を殺してしまった自分には、と言葉を続け、かかる多大な疲れに、手で顔を覆った。 ――同じくして、二人は、もう戻れない所に立っているのだ。 「殴ってしまって、すいません………」 エックスは、拳に目を落とし、困ったような顔をする。 「僕は、僕の〝報い〟を受けようと思います……」 この事件は終わりにしなければ、ならない。 それが使命。 「すまない………。本当は私も手伝うべきなのだがな」 自分の年季のいった身体を見下ろし、ケインは頭を下げた。 エックスが首を振り、会議室の扉に向かう。 茶色のドアを開き、廊下に出ようとしたところで、声がかかった。 「娘を頼む……………。あの子の悪夢を終わらしてやってくれ」 最後に、ケインが何故自分に打ち明け、こんなにも悲嘆にくれていたのか、やっと解った。
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49 :Irregular s Elegy:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 08 50 49.81 ID Uv2z/sXo0 「約束を果たしに来たぜ、エックス。ついでに、クズの処刑もな!!」 「くっ……!」 ヴァヴァのブーツが床を踏みしめる。 突き刺すように出された指先が、マンドリラーの死を求めた。 悔しさに、口元を歪めるエックス。 「隊長のお遣いか? ご苦労な事だ」 死の宣告の先にいる彼女は、両手に桃色に光る電流を溜める。 ――マンドリル型のボディを着込んでいない状態。 装着時よりかは脆弱な感じを覚えるが、それでも紫電は拳に集まった。 「裏切り以前に、お前のそのしたり顔が気に入らねぇ。死ぬには、充分過ぎる理由だよなぁ……!」 マンドリラーの戦闘の構えに、嬉しそうな顔をしてヴァヴァは両手を広げる。 ジャラジャラと弾丸の帯が鳴り響き、天を向いていた右肩の銃口が向けられた。 そこで廊下側にいた二人も、部屋に踏み込んでくる。 先に入室する一人の頭の位置は、そう高くない背のヴァヴァの腰あたりしかない。 「や、やだな……お、お仕事なんて。ヴァ、ヴァーちゃん……あ、あたしね、観たいアニメがあったんだ……」 か細い声の主――丸びを帯びた装甲に身を包んだ少女が現れる。 肉厚の装甲が全身に宛がわれる、その中身には半裸に近い肢体。 50 :Irregular s Elegy:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 08 52 42.01 ID Uv2z/sXo0 胸元に、全身と同じく滑らかな装甲を貼り付けているが、それ以外は幼い肌が露出していた。 下半身は、湿布のようなテープだけが股間部分を隠す。 布状の物など、頭髪をお団子状に纏めた布きれ以外は、皆無の装いだ。 「だ、だからね……その、か、帰りたいなぁ……って」 おどおど、と足元で不審に動く少女を、ヴァヴァは一睨みで黙らせる。 「ご、ごめんね?」 射る視線に竦みあがるレプリロイド――アーマー・アルマージ。 その様を眺めるエックスは、とても彼女がイレギュラーとは思えなかった。 壁が破砕され、石塊が飛び込んでくる。 巨大な石の礫が、玄関周りの壁や床に突き刺さり、玄関それ自体も完全に破壊された。 アルマージの後に、巨大な質量が突入。 玄関口の許容量を超えた体格のレプリロイドが、頭を天井で擦りながら進み出る。 その姿は象を模していた。 「ナ、ナーちゃん。……あ、あたし、お仕事なんて……や、やだな」 巨体によって作られる蔭りに、顔を曇らせるアルマージが蚊の鳴く声で、不満も漏らす。 象型のレプリロイドは、小柄な少女とは反対に、全く肌を露出していない。 戦車の如き厚みを持つ装甲。 アルマージは装甲自体が円形だったが、こちらは体格自体が丸を形成していた。 52 :Irregular s Elegy:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 08 54 33.81 ID Uv2z/sXo0 エックスは妙な違和感を、象のイレギュラーに覚えた。 しかし、直ぐに非生産的な思考を中止し、彼女等の行動に注意を払う。 闘いは、いつ起きてもおかしくない。 肥満体と言える体に載る象の頭部――取り付けられた狐目のカメラが、上目遣いの少女を睨み付けた。 「ご、ごめんね? も、もう言わないから……もう言わないよぉ……」 謝罪をし、小さな体に恐怖の電流が走るアルマージ。 「こ、怖いよぉ……。ク、クーお姉ちゃんと待機してれば、良かった……」 仲間の二人を見、敵であるエックスとマンドリラーの二人を見て、アルマージは目尻に涙を浮かべる。 「ヴァヴァ……どうするんだな?」 同僚の悲哀を尻目に、機械仕掛けの象――ナウマンダーがしわがれた声で、ヴァヴァに尋ねた。 ヴァヴァは頷き、エックスを指差し、そのまま爪の先をナウマンダーへ。 そして自分に親指を向け、最後にマンドリラーを顎で指し示す。 ナウマンダーは首の無い頭を揺らして、了解の意を表した。 「くっくっくっ……処刑される理由は自分でも解ってるだろ? 遊んで、嬲って、殺してやるよ、マンドリラー」 愉悦の笑いを口角から溢れさせながら、ヴァッヴァが残酷な死刑執行の台詞を言い放つ。 いよいよ、部屋の空気が緊張に張り詰め、エックスとマンドリラーの顔を渋いものに変えた。 54 :Irregular s Elegy:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 08 56 50.33 ID Uv2z/sXo0 「裏切りなんか興味は無いんだなぁ! だが、特Aと戦えるのは願ってもないぞぉお!!」 壁を震わす音量が、象のメットから腹部まで垂れる鼻から発せられる。 ナウマンダーも隣のイレギュラーと同じく、闘いの時に心を躍らせているようだった。 「特に、エックス!! ペンギーゴを倒したお前も、丸焼きにしてみたいんだなぁ!!」 戦闘願望を内包する巨大なボディは、爆発寸前の炉心を思わせた。 「あの馬鹿ペンギンは、チビのくせに強かったんだな! まぐれで勝つのは無理なんだぞぉ!!」 「…………アイちゃん」 闘いたくてしょうがないナウマンダーの心情に合わせ、太い鼻が波立つ。 喜悦を重ねたバーニン・ナウマンダーのプレッシャーが、部屋全体を震動させた。 対するエックスは、思い出させられるアイシー・ペンギーゴへの想いに、心を部屋のように震わせる。 「楽しい一日しようぜぇ、お二人さん。心に残る思い出を作って――あの世に旅立ちな!!」 そして、とうとう落とされる乱戦の火蓋。 ヴァヴァが吼え、右肩から銃弾を撒き散らしながら突進。 拡散する火線が進行方向上の物、全てを貫く。 「やれやれ、昼飯は遅くなりそうだな」 何処かに出かけるような、マンドリラーの軽い言葉。 ヴァヴァとの対立からチャージしていた電撃を、イレギュラーである三人に向かって放つ。 銃弾型のエネルギーの嵐は、扇状に放出された電流によって相殺される。 56 :Irregular s Elegy:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 08 59 38.44 ID Uv2z/sXo0 リビングの中央で爆裂音が、そして衝撃波。 マンドリラーが横に跳び、爆風と煙から突き出るヴァヴァの貫き手を避ける。 「手早く決着をつけよう。忙しい身なんでな」 挑発的に、マンドリラーは手招きした。 「ヒャーッハァッハァ!! 寝酒のバーボンって奴を教えてやるよ!!」 床に指を埋めながら、ヴァヴァは狂声をあげての旋回。 紫色の身体に振り回された蹴りが、綺麗な弧を描く。 首元を狙う回し蹴りを肘で受け、マンドリラーが肩からの体当たりを敢行。 二人はもつれ合い、床に落下――する前にお互いのボディを左右に弾く。 マンドリラーは窓へと身投げ出して、ガラス割りながら外へと飛び出る。 「良いねぇ、マンドリラー。良いねぇ! エックスよりかは楽しめそうだ!!」 本当に楽しそうに顔を緩ませたヴァヴァが、破砕した窓枠に跳躍し、獲物の後を追った。 攻防を眺めていたエックスは、彼女等を追おうと考えたが、目前のイレギュラーがそれを許さない。 「し、仕事じゃ……しょ、しょうがないよね……! ご、ごめんね……お兄ちゃん!!」 背中に挿してあった片刃の剣――刀を引き抜きアルマージが構える。 下段の構えが疾走。 性格に似合わず、エックスの懐へ走りこむ速さは、目も見張るものがあった。 57 :Irregular s Elegy:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 09 01 35.38 ID Uv2z/sXo0 「つ、通信販売で買った日本刀と……つ、通信教育の成果……い、いきます!」 高速で振り下げられる刃が、エックスの青い頭部に迫る。 限界まで体を捻り、切断をもたらす鋼を回避したエックス。 バスターの銃口を、刀を下げた状態のアルマージの頭に向けるが、俊敏に放たれた横薙ぎの斬撃の方が速い。 剣術に心得のある太刀筋で、少年に肉薄する全身装甲の少女。 後ろに飛ぶブルーの脇腹を薄く撫で切り、反す刃がエックスに追い討ちをかけた。 アルマージの袈裟斬りは、太陽のエネルギーに弾かれる。 火を噴くバスター。 闘いに対する嫌悪感に顔を歪めたエックスが、自分の命の為に連続して射撃する。 至近距離の連射は、蜂の巣という死を進呈する攻撃。 ――だが、相手は特A級のハンターだ。 鼻先で発射された光弾を、幼い体をよじりながらの、振り回される刀によって全て弾いてみせた。 「こ、怖いよぉ……!」 言葉とは裏腹に、銃口とエックスの動きに合わせ刃を振った。 アルマージの顔面に喰らいつかんとするエネルギーも、翻る刃によって軌道を変えられる。 跳弾した銃弾が椅子に着弾し、背もたれを消失させた。 連撃で畳みかけながら前進するアルマージと、銃撃しながら後退するエックス。 銀光が、オレンジの軌跡を弾く。 銃撃の間隔を縫って、アルマージは刺突を繰り出した。 61 :Irregular s Elegy:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 09 05 58.49 ID Uv2z/sXo0 煌めきがエックスの頬を撫で、オイルがしぶく。 突きを戻し、再び刺突。 一撃は空を刺す。かろうじて、肩から身を投げたエックスが回避した。 少年の回る視界が背のない椅子を見つけ、それを掴む。 立ち上がながら投擲。 勢いある家具が、アルマージに迫る。が、それも薙がれた刃によって両断された。 刀を振り切る少女は、エックスのバスターが光を収束させている事に気づく。 勝機を見出したエックスが、溜められたエネルギーを解き放った。 全てを貫く必殺の一撃。 「え、えい!!」 ――アルマージの身体に当たると思いきや、意外なものに阻まれた。 激突したのは、頭部の装甲から吐き出される、空色をしたエネルギーの球体だ。 布によって団子にされた髪とメットの間に、大きな銃口が存在していた。 「バスターまで持ってるのか……!」 隠されていた武装に、頬を赤で濡らすエックスの顔が驚きを滲ませる。 性格こそイレギュラーの中で一番子供らしく、度胸もないものだが、戦闘に関しては特Aの名に恥じないものだ。 62 :Irregular s Elegy:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 09 08 59.07 ID Uv2z/sXo0 「狭い所は嫌いなんだなぁ!!」 どう戦うか、悩む少年の横から迸るのは、紅蓮の炎。 静観――というよりもエックスの出方を観ていた、ナウマンダーが繰り広げられる戦闘に加わった。 床を舐め、絨毯を灰燼にしながら、炎の蛇が突き進む。 ナウマンダーの右腕から放射された業火は、近くのアルマージを気にかけていない。 宙を跳ね、慌てて逃げる少年と少女。 「ひ、ひどいよぉ……! ナーちゃぁん……あ、あたし、死んじゃう所だったよぉ……!」 部屋の隅に着地したアルマージが、涙交じりに声を張り上げた。 少女の反対方向に舞いあがるエックスの足は、寝台の上に落ち着く。 乱入する巨体に、少年はバスターを向けた。 「お前の力ぁ!! オデに見せてみるんだなぁ!!」 その姿はナウマンダーを喜ばせる。 感謝の気持ちとして、自分の特殊兵器であるファイヤーウェーブの洗礼を少年に送った。 「ひっ……!」 爆発するように捻り出る火炎は、倒れ伏していたパイロットを焼殺し、ベッドにぶち当たる。 シーツが一瞬にして灰となり、木材で出来た就寝用の家具は、常識を超えた高温に耐え切れず破裂した。 「なんて事を……! ナウマンダー……あなたは!!」 火が付く木片と一緒に、天井すれすれを飛ぶエックスが、同僚の死に怒る。 空中でバスターをチャージし、一拍遅れて発射。 63 :Irregular s Elegy:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 09 12 24.96 ID Uv2z/sXo0 怒気が練られたチャージショットが、投擲された槍のように部屋を横断する。 「うはははは、弱い奴はオデの前から消えろ!!」 亜音速で進むエネルギーに向け、ナウマンダーは哄笑しながら爆炎を振りまく。 銃器の形をした火炎放射器の、数倍の火力を誇るファイヤーウェーブが、エックスの怒りの攻撃を霧散させた。 「エックス、頑張るんだぞぉ!! ――じゃなきゃ、燃え尽きるんだなぁ!!」 銃撃を光の霧に変えたに止まらず、紅蓮は落下するエックスに、その身を差し出す。 少年の肩が嫌な音を立て焼けた。 岩のような頑丈さ持つ筈のボディは高温に負け、黒ずむ。 かわしきれぬナウマンダーの特殊武器に、顎に冷や汗を垂らすエックスは、背中から地面に激突。 反動を利用して、横転すると即座に立ち上がる。 胸を掠める鋼。 隅から疾走したアルマージが、一気に間合いを詰め、刀を振り下ろしたのだ。 「えぇい!!」 「くぅ……!」 少女の掛け声と共に、跳ね上がる刃をガラス製のボウルが弾く。 机に置いてあったのを、エックスが機転を利かし、手にしたものだ。 使用できるのは一度のみ。 刀に砕かれ、残っていた果物とガラスが、花火のように散る。 64 :Irregular s Elegy:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 09 15 34.52 ID Uv2z/sXo0 「うはははははははははは!!」 爆炎。 巨体に秘められた燃料が、主の意思に従い銃口から放流――そして死神となる。 またもアルマージの存在を無視した炎の帯が、周囲を焦がしながらエックスを襲った。 エックスとアルマージよりも先に悲鳴をあげたのは、宿泊所の方だった。 「んあ? ――うおおおおおおお!?」 ――床から鳴り響く轟音。 数トンの質量。そして焼け焦げ、銃撃にさらされた床。 それらが合わさり、この部屋――ナウマンダーの付近の床板が滑落する。 急な落下に銃口がぶれ、エックス等から逸れた迸る炎。 天井を焼きながら巨体は落下した。 消える放火するイレギュラー。 だが、二人は助かった訳ではない。 65 :Irregular s Elegy:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 09 20 14.31 ID Uv2z/sXo0 「うわっ……!」 「……ふ、ふえ? ふぎゃあう!?」 床下から吹き荒れるファイヤーウェーブが、部屋で爆発を引き起こす。 「クソがぁ!! 死ねぇええええええええ!! 丸焼きになれぇぇぇぇ!!」 一階下の部屋から、怒り狂ったナウマンダーが業火を繰り出し続ける。 ボイラーなどが火を噴き、紅蓮自体も炎の破片を拡散させ、凄まじい衝撃波を作り出した。 「ナ、ナーちゃん止めて……! 止めてよぉ……!」 幼き悲鳴。 床を突き破り噴出する火柱が、天まで焦がす。 「うわわ……うわぁ!?」 部屋を駆け回り、エックスは逃げ惑う。 世界は真っ赤となった。 そして、今までで一番の大爆発が吹き起こった。 衝撃が全身を叩く。 エックスの意識と身体はホテルを飛び出して、昼の曇り空を飛んだ。 291 :Irregular s Elegy :佐賀暦2006年,2006/11/07(佐賀県警察) 18 29 05.83 ID eNUGwG2m0 「――そらぁ!!」 紫紺の脚が、女性型の腹部を蹴りあげる。 ヴァヴァは蹴球の遊戯でもするかのように、マンドリラーを蹴り付けた。 力強さに、どこか女らしさを持つボディは宙に浮き、落雷の如く落とされる踵がそれを叩く。 強制的に地面へ落下させられるマンドリラー。 全身を痛みが貫く。苦鳴を漏らさぬよう、噛み締められた唇が痛々しい。 「期待させといて!! オレを期待させといて!! エックスより期待させといて!!」 バネ仕掛けの脚部。 何度も何度も蹴り付けるヴァヴァは、怒りの声をあげるが、そこには笑みを含む。 「くぅっ……!」 下に広がるアスファルトに罅を入れる程、ヴァヴァの凶行は苛烈を極めた。 思わず、マンドリラーは呻いてしまう。 漆黒の自動車道。両端を、高いビルが隣接して立ち並ぶ。 大都市の中心で行われる一方的な暴行。 何故かこの街に人影はまったく無く、閑散とする道路に、肉を打つ音だけが空へと響いた。 293 :Irregular s Elegy :佐賀暦2006年,2006/11/07(佐賀県警察) 18 31 14.02 ID eNUGwG2m0 「このヴァヴァは!! 素晴らしく!! 失望したぜ!!」 リズム良く脚部が送り込まれる。 嫌な音を立て、肋骨をへし折られるマンドリラー。 「どらっ!!」 使用不能となった肋骨は本数を増やし、三本目が砕けた。 そして――ヴァヴァの掛け声と一緒くたに豪風を纏ったつま先が放たれる。 矢となるマンドリラーの身体が、近くの街灯をへし折りながら、洋服店の壁へと突き刺さった。 積み上げられた煉瓦を散らし、そして、長い髪の女は歩道に崩れ落ちる。 「はっはっはっ!! 楽しいねぇ!!」 「……あぐっ!」 桃色の頭髪を掴み、ヴァヴァはすかさず鼻面へと拳を叩き込む。 端整な鼻腔から血が溢れ、赤が顔を汚す。 「ほら、もっと鳴けよ!! ひゃははははは!!」 暴力の快感に、ヴァヴァの哄笑が自然と大きなものになった。 頭部を掴んだまま、マンドリラーを壁へと引きずり、彼女の顔を赤き煉瓦へと叩きつける。 「そら!! ――そらぁ!!」 叩きつけ、引き戻し、叩きつける。 赤を違う赤で染めるマンドリラーは、力の暴風に翻弄された。 295 :Irregular s Elegy :佐賀暦2006年,2006/11/07(佐賀県警察) 18 32 36.32 ID eNUGwG2m0 「人が居ないのは、あなたの命で避難勧告を?」 マンドリラーで遊ぶヴァヴァが立つ歩道。 そこから少し離れた、車道が縦横に横切るのを邪魔する、丸く切り取られた空間。 十字路の中心となる位置に、石作りの小さな噴水が、水を噴出して自分の存在を主張していた。 ちょっとした規模の公園に対峙する二人。 仁王立ちする、緑色のメタリックなボディを装着する影が、上に着込む黒衣を風で揺らす。 強烈な威圧を持つレプリロイド。 漆黒のぼろを羽織った金髪碧眼の女が口を開き、 「――父さん」 こちらを見つめる男を、そう呼んだ。 金に対する銀。 白髪を後ろに流した、整った目鼻立ちの老人が腕を組んでいる。 じっと注がれるケインの視線に、女は顔色を変えない。 思うところがあるのか、鋭い双眸を細め、老人の動きを待つ。 297 :Irregular s Elegy :佐賀暦2006年,2006/11/07(佐賀県警察) 18 35 42.08 ID eNUGwG2m0 「シグマ……私は後悔している」 喪服のようなスーツの上にある、皺の寄った顔が苦渋に歪む。 初老の男は眉間に力を込め、湧き上がる感情を押し殺した。 「お前の事は娘のように思っている。昔から……それは今でもだ」 きらきらと舞う長い髪の女へ向け、自分の腕を差し出す。 「あの時、お前に宿った深い闇。――それに、私は気づく事ができなかった」 ケインは突き出した掌を握り、自分の胸へ引き戻した。 後悔を詰める頭を振るケイン。 「もうやめてくれ、シグマ」 老人の口をつく嘆願が、シグマと呼ぶ女に与えられる。 だが彼女は眉一つ動かさない。 噴水の水より冷たい風が、二人の間を吹き抜いた。 黒衣が翼のように舞い、背広の裾とネクタイが時計の振り子となる。 「人間が愚かな事は解った。お前達の蜂起が、それを浮き彫りにしたよ」 人間を代表し、同じ人間であるケインが頭を下げた。 「いずれハンターは解体し……人間達はその罪を償うだろう」 300 :Irregular s Elegy :佐賀暦2006年,2006/11/07(佐賀県警察) 18 37 37.39 ID eNUGwG2m0 ケインは続け、 「――もう、いいだろう」 起こる悲劇の終結を願った。 沈黙が流れる。 「まだです」 数瞬の時を破る、シグマの言葉。意味するのは悲劇の継続。 「まだ、早い」 噴水を囲むベンチと梢を見回し、老人とは違い、シグマは決意に首を振った。 「シグマ……!」 掠れる声を出すケインは、胸から何かを取り出す。 それは無骨な鉄の塊である、曇り空と同じ色をした自動拳銃だ。 手に収まった、遠き目標を打ち抜く凶器が、女の額をポイントする。 「邪魔をするのなら、父さんでも……」 シグマが黒衣から引き抜いた握りが、拳銃に対する。 そして、白い筒の先から、収束された光が剣の形に集まった。 「あなたは、まだ解っていない」 ビームセイバーを構え、シグマは至極真面目な顔をして言った。 301 :Irregular s Elegy :佐賀暦2006年,2006/11/07(佐賀県警察) 18 40 41.56 ID eNUGwG2m0 雨が降り出す。 暗く淀んだ天から、小雨として雨粒が降り注ぎだした。 「人間が背負わなければならない、十字架を……」 「何を、言って……」 雨霧の帳に光る女の瞳に、初めて感情が宿る。 光刃より鋭い悲哀が、銃を構えるケインを貫いた。 突然の浮遊感を全身に。 意識を飛ばされ、客室から吹き飛ぶエックスの瞳が、雨降る灰色の空を理解した。 空中での再起動。 己の状況を素早く確認すれば、今居たホテルは複数の窓から火炎を吐き出し、半壊していた。 ナウマンダーの姿は見えない。 身体をくの字にする少年の前で、小柄な少女のイレギュラーも、自分と同じく勢いある放物線を描いていた。 尾を引く悲鳴が耳に届いた同時に、破砕音と衝撃。 ホテルの反対側に位置した建造物の窓を、青い背中で割りながら、少年は床に叩きつけられる。 304 :Irregular s Elegy :佐賀暦2006年,2006/11/07(佐賀県警察) 18 44 13.30 ID eNUGwG2m0 「く……」 苦痛の呻きを漏らしながら、周囲へ首を回す。 エックスは、ビルのテナントの一つ――喫茶店に放り出されたようだ。 押しつぶした丸型の机の破片を払い、立ち上がる。 大きな爆発音がし、壁の一部が通りにばら撒かれた。 窓の向こうのホテルは、静まる事なくその身を焦がし続けている。 「ひゃあああうう!?」 甲高い、少女の声と打ち割る音が唱和する。 丸びをおびたフォルムが、横手の窓から吐き出た。 カフェテリアの机をいくつも弾き飛ばし、カウンターに激突する装甲の球体。 頭を逆さまにした少女が、両足をひしゃげたカウンターに投げ出して、気絶していた。 少年は顔をひきつらせ、のびているアルマージに近づく。 女に見えると言われる自分の顔、幼い顔に寄せた。 かち合う両者の瞳。 エックスが考えていたよりも早く、少女は現実へと復帰した。 「う……ひゃあああああああああああああああああ!?」 そして喉から、恐れの感情を迸らせた。 耳を押さえた青い少年は、ぱっ、と彼女から離れる。 305 :Irregular s Elegy :佐賀暦2006年,2006/11/07(佐賀県警察) 18 48 34.24 ID eNUGwG2m0 「お、落ち着いて下さい!! ちょ、ちょっと!!」 腰を低くしたエックスは、アルマージの顔を伺いながら、沈静の言葉をかけるが意味を成さない。 少女は天地を逆にしたまま、悲鳴を連続させる。 エックスは屈める姿勢のまま、おろおろと困り果てる。 そんな姿を尻目に、アルマージは声を張り上げつつ、異常な姿勢を戻した。 「あう!?」 小さな身をかき抱いて立ち上がる少女が、悲鳴とは違う、切羽詰った呻き。 「や……駄目っ!?」 全身を揺らし、同じくがくがくと震わす両足。 一度、びくりとアルマージの身体が震えたかと思うと、股下から白い太ももをつたう液体が溢れた。 「な、何で……いやぁ……」 喫茶店の芝生のような絨毯を、アンモニア臭のする金色の液体が汚し、領域を広げる。 度重なる恐怖が、アルマージを失禁させた。 少女はいやいやと首を振りながら、股間を押さえるが、意図せずの排尿は止まらない。 膀胱に溜められたものは、女性の大事な部分を覆う白いテープを黄色くし、両手から零れる。 「やだぁ……やだよぉ……」 とうとう小さな双眸から涙をこぼすアルマージ。 ぺたりと彼女の膝は座り込むのを境に、黄金の放流は力を失った。 306 :Irregular s Elegy :佐賀暦2006年,2006/11/07(佐賀県警察) 18 51 37.75 ID eNUGwG2m0 「あ……あ……」 開かれた唇から失意を漏らし、さめざめと泣く少女。 ――凄まじい戦闘能力持つレプリロイド。 だが、それ以前に、彼女は年端のいかぬ少女であるのだ。 アルマージを驚愕させた本人であるエックスは、後悔と申し訳なさを胸に広げる。 同時に、自分に微笑むペンギン型の少女を思い出した。 イレギュラー。 その単語の意味、そして範囲が解らなくなるエックス。 どこまでが〝異端〟であり、どこまでが〝真っ当〟なのか。 暴走するレプリロイド、狂気じみた調査をするハンター。 人間の行動に意義を唱えたレプリロイド、種別の違う両者の心を解するケインとライト。 何をもって分類すればいいのか――少年は、嗚咽をあげるアルマージを眺めながら悩んだ。
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【作品名】 ロックマンエグゼ ファントム オブ ネットワーク 【読み方】 ろっくまんえぐぜ ふぁんとむ おぶ ねっとわーく 【配信年】 2004年11月24日配信 【詳細】 2004年11月24日にiアプリで配信されたロックマンエグゼ作品。略称は「P.o.N」。 この作品のデータを引き継いで対戦のみを楽しめる、『ロックマンエグゼ ファントム オブ ネットワーク バトラーズタワー』も存在する。 また、10円の課金で序盤のみプレイできる体験版も配信されていた。 この続編として、『ロックマンエグゼ レジェンド オブ ネットワーク』(通称「L.o.N」)が存在する。 ガラケーことガラパゴス携帯用の作品であるため、今現在プレイするのは非常に困難。 ファンからは、「L.o.N」も含め正式なソフトとしての移植を希望する声が大きい。 【ストーリー】 西暦200X年。科学技術が高度に発達し、あらゆる電子機器がネットワークで制御される時代。便利さが増す一方で、ネット犯罪は増加の一途を辿っていた。 そんな中、人々はネットナビプログラムを操り、ウイルスや悪意あるプログラムに立ち向かうのだった。 秋原町の小学生、光 熱斗もそんなネットバトラーの一人。相棒のロックマンとともに、数々の事件を解決してきた経験を持っている。 そんな二人の元に、新たなる脅威が忍び寄る。過去からよみがえる、悪意の正体とは…! (wikipediaより転載) 時系列としては「4」と「5」の中間にあたる。 ただココロウィンドウは存在せず、代わりにADDが復活している。 ガラケーということで操作性が大幅に違うこともあってか難易度は本編より低め。 演出面もある程度簡略化されている。 バトルシステムとしては、スキルエディターが登場。 ナビカスタマイザーのようにスロットにスキルプログラムを組み込んでいく形式。 いくつかのプログラムには属性が付いており、一番多く組み込んだ属性にロックマンが変化するのが特徴。 【関連項目】 フォルテ データライブラリ:P.o.N スーパーバルカン テントの電脳 アクアクロス系 アイスマン ウインドボックス系 ファイターソード系 ラウンダ系 ファイアマン(チップ) キャノーダム系 スウォーディン系 サンダーボルト系 キャッシュ ランダムメテオ系 スキルエディター ドリルマン ハットトリック バンブーランス ファイアマン カワリミ ウッドマン キャッシュ2nd ジャミングマン シャドーマン(チップ) アタック+系(チップ) エアホッケー系 スーパーキタカゼ ブルース トップウ系 サンクチュアリ スチール系 ガッツマン デンサンシティ エレメントソード エレキショック系 バルカン系 ダーマ系 シャドーマン ドリルマン(チップ) ロール(チップ) 火野ケンイチ フレイムクロス系 穴パネル タワー系 ブーメラン系 アイスマン(チップ) ホウガン系 ラビリー系 フルカスタム キルプラント系 メテマージ系 リュウセイグン ドリームソード系 ハットマン ハットマン(チップ) フォレストボム系 ドリームビット系 フレイムライン系
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Irregular`s Elegy 少女の声を聞きながら、エックスは半身を捻る。 横を、炎の塊が駆け抜けた。 頭上から爆炎の雨――様々な大きさを持つ火弾が、急降下する。 エックスは横転しながら、バスターを放った。 宙で交差するいくつもの赤と、一つの白。 ファイヤーウェーブは空爆するが如く、地面を裂け散らして、エックスを襲う。 切り結んだエックスのバスターが、巨人の大きな胸部に当たるが、ナウマンダーは歯牙にもかけない。 火球の一つが青き腕に命中し、少年の身体は錐もみしてショーウィンドゥに叩きつけられた。 煙を上げる右腕に、苦痛を噛み締めながら、エックスは押し倒したマネキンを蹴飛ばす。 素早く車道に復帰して、直ぐに跳躍。 ナウマンダーの頭と同じ高さを誇る炎の波が、爆進して洒落たブテッィクを押し潰す。 可燃性の物質でもあったのか――赤いウェーブは、木で出来た少女ごと店を灰燼に変え、ビルごと爆破した。 一気に燃え広がり、大型の建物が横に倒壊する。エックスは悲鳴をあげて、前へと受身も考えず飛び込んだ。 ナウマンダーが会心の咆哮をあげる。広がる赤に、巨大な質量が小躍りした。 そして、象型のイレギュラーは全身を震わせて呻く。 それを成したのは、鋭く疾るエレクトリックスパークだった。腹ばいの状態から、エックスは雷撃を撃ち出していたのだ。 『操作システム、異常発生』 紫電が巻き起こり、桃色に纏わりつかれる球体のボディから、電子音が流れた。 間接部分から火花を上げ、ナウマンダーは首の無い頭部をがくがくと揺らす。 エックスの瞳が勝機を見出したかのように輝き、地面を蹴って立ち上がった。 フットパーツが少年のボディを押し上げて、エックスは空中でバスターを――ナウマンダーの後方に向ける。 射撃音が連続し、エネルギーの火線が迸った。 左右の建築物が貫通し、ガラスや壁を破砕させる。飛び散る窓の破片が車道に降り注ぎ、壁片が血潮のようにぶちまけられた。 エックスのバスターによって、商店を内包したビルが蹂躙され、穴だらけとなる。 その向かいの宝石を扱う建物を半壊させ、先の洋服店とは別の店も破壊し尽くした。 「ついに……いかれたか、エックス」 ケインの言葉を背に受けながら、青い身体が反転。 雨より冷たい言葉を放つケインの、後方に建つ遊戯場が入る店を撃つ。 光の奔流がガラスの扉を入り口から引き剥がし、テレビゲームが置かれる店内を爆砕させた。 巨体を揺らすナウマンダーと、目まぐるしく立ち回るエックスを中心に、エネルギーの嵐が吹き荒れる。 周囲のビルを破壊するエックスの銃口が旋回し、電気店に狙いを定めた。 チャージされたバスターが放たれ―― 「……くっ!?」 両脇に大型のテレビを置いた入り口が爆発するのと同時に、小柄な影が車道に飛び出す。 盗難防止用の門とテレビの破片を浴びながら、燃えるような髪を持つ少女が転がった。 「こいつが……」 ケインとエックスの二対の瞳が、橙色をした頭髪の下で赫怒に彩る少女の顔を貫く。 幼い顔立ちの少女は、手術衣のような薄い服装だった。それ以外には何も纏わず、寒空の雨で暗い色に染まる。 寒そうな格好だが、少女は身体を震わすことなく、寧ろ、その白い頬を噴き上がる怒りに赤くした。 彼女の首元で揺れる、小さな金属。エックスが目を凝らすと、それはライターのようだ。 凝らされた目が上を向く。オレンジの髪には赤が混ざっており、本当に炎を思わせた。 伸ばし放題にされている少女の長髪は、薄着の下でラインを描く小さな臀部で揺れる。 「あなたが……ナウマンダーさん、ですね」 エックスの右腕の銃口から上る白煙が、雨に裂かれて千切となった。 自分より年下の少女を見ても、エックスの顔色は変わらない。少女を目にしてから、少年の表情は悲しげなものになっている。 「うはははははは!! エックス、焼いてやるぞ……焼いてやる……うはははははは!!」 残った瞳を明滅させ、巨体が哄笑しながら揺れた。 炎を吐き出す人形――目前の少女が操作する〝ナウマンダー〟が狂ったように笑う。 「エックス……!」 戦闘に高揚する巨人とは違い、少女――バーニン・ナウマンダーは怒りを露に、エックスを睨み付けた。 白い面が、左右のビルで膨れ上がる炎で揺らめく。 対するエックスはバスターを降ろし、その視線のナイフを受け止めた。 「アイちゃんの事なんでしょう……」 エックスが、ぽつりと呟く。 ナウマンダーへの違和感に気付いた時、もう一つ気付いた事実。 小さきペンギン型の少女と、目の前に居るレギュラーが友人であった事だ。 「……戦わなければ、殺される」 エックスと同じ小さな呟きだったが、ナウマンダーのそれは噴火寸前の火山を思わす。 「あたしで実験した奴は、そう言った」 雨が、三者に降り注いだ。 ナウマンダーの怒りは雨に濡れても沈静化せず、エックスは表情を空と同じ色にし、黙するケインは少年の後ろで腕を組む。 「――お前が好きだった馬鹿ペンギンは、そのお前に殺された」 煮えたぎる怒りがぶつけられた。 エックスは両肩を震わし、ケインが目を細める。 「あいつらの言うとおり、この世界は死と隣合わせなんだ」 ナウマンダーの横に位置する巨人は、先ほど哄笑してからは黙ったままだ。雨粒に打たれる巨体の隻眼が、エックスを見下ろす。 ケインは腰を低くし、ナウマンダーの出方を伺った。 今は大人しいものだが、いつ彼女が激昂して、この場を焦土にするかは解らない。シグマに向けた銃の銃杷を、腋に垂れるガンポーチの中で握る。 「僕は……」 「弱い者は虐げられ、強い者がのさばる……!」 言葉は、憤怒に遮られて霧散した。 ナウマンダーが吼えながら、エックスに近づく。小さな背が、小さな腕でエックスの胸倉を掴み、自分の顔に近づけさせた。 「ラボに居た、あたしの友達も殺された! …………だが、あたしは違う!!」 怒れるナウマンダーだが、言葉の端々で歪んだ笑みが浮かんでいる。 エックスは今度は受け止めれず、激怒の炎を宿すナウマンダーの瞳から顔を逸らした。 「馬鹿ペンギンは、小さいから死んだ! 弱いから、〝大きな〟お前に殺された!!」 目前で爆発する、少女の怒り。 ケインは密着しあう両者から忍んで、銃を引き抜く。 「そうさ……そうさ!! 弱い奴は死ぬがいい!! 強い奴が生き残ればいい!!」 噛み付くように言い放ち、ナウマンダーは口の端を歪めた。 腕に力が籠められ、少女の白い鼻とエックスの形の良いそれがぶつかる。 「あたしは違う!! このボディがある!!」 灰色が蠢いた。 ナウマンダーは横目でケインの姿を捉え、エックスの胸を蹴り飛ばす。その反動で、小さな身が後ろに跳ねた。 「……なら、やられる前にやるだけだ!!」 ケインの腕が跳ね上がり、同時に銃弾が発射される。 少女の頭部に向けられた鉛のエネルギーは、迷うことなく目標に突き進み――だが、地面に突き出された巨大な腕で弾かれた。 巨体が動き出し、空洞となった目と明滅するのがケインを睨む。 ナウマンダーの〝半身〟は、着地する少女の手に握られる黒い装置の命を受け、太い右腕を振り上げた。 「人間風情が、オデに勝てる訳がねぇ!! とっとと消えるんだなぁ!!」 「お前は、暴れすぎだ。――そろそろ、停止しろ」 烈火と零下――両極の応酬。 ちろちろと蛇の舌のような火が巨人のバスターで燻ぶり、ケインが構える銃のスライドが引かれた。 「馬鹿ペンギンを殺したお前が、伝説のレプリロイドと呼ばれ……そして世界を救う――」 地面に手を付き、側転するナウマンダーの足元で銃弾が弾ける。 その横で、火花と土塊を吐き出しながら、巨人の腕が銃撃するケインへ薙いだ。 「お前なんか認めない!! お前のような、ふざけた存在なんて!!」 エックスとケインが同時に跳躍し、少年はナウマンダーに向かい、ケインは迫る質量を回避する。 「殺してやる!! このボディなら、怖いものなんか無い!! 研究所だって、吹き飛ばせた!!」 軽い身が宙を舞う。 少女の軌道を銃弾が削り、手術衣の袖が薄青の蝶を生み出した。ひらりと飛ぶ布の欠片も、続く曳光に貫かれる。 空になった弾倉を地に落とし、横っ飛びをしながらケインは新たに給弾した。巨腕がそれを追い、大砲の威力を秘めるストレートが地面を陥没させる。 ぎりぎりで避けながら、ケインが爪先に力を入れて己の身を旋回。 黒い石床が散華する――右手のアスファルトに腕を埋める巨人の顔面に、ケインは鉛弾を連発した。 いくつもの火花が象型で弾けたが、巨人に効果的なダメージを与えた様子は無い。 舌打ちするケインの後方で、エックスとナウマンダーが睨む合う。 エックスの哀愁が漂う黒瞳と、ナウマンダーの赫怒に揺れる金色の瞳が激突した。 「ナウマンダーさん!!」 「殺してやる、エックス!! あたしは、ペンギーゴみたいに――簡単には殺されないんだぞう!!」 二人の隙間を、巨体が押しつぶして埋める。 ケインとの戦闘を切り上げ、とんでもない質量を持つメカニロイドが飛び上がってきたのだ。 水しぶきを伴う衝撃波に、エックスは顔を腕で防ぎ、目を瞑る。 開いた時には、ナウマンダーが巨体に突進し、丸太のような脚部の取っ掛かりを足場にしていた。 少女は、上空へと自身を飛ばす。向かう先は、巨人の肩だ。 鉄色の肩部に着地し、細い首から紐のような物を抜き取る。 「気をつけろ。直接、あのボディを操作するつもりだ」 エックスの背に駆けつけたケインは、細身のコードを巨人の頭部に接続するナウマンダーを目にし、そう言った。 後方の警告へ、エックスが無言で頷く。 相変わらず降水の洗礼を送る灰色の空だが、ここで唸りをあげた。 天が焦げ、じぐざぐな白い線引きが行われる。マンドリラーやエックスのでは無く、自然の雷だ。大雨は、雷雨となる。 「ケイン博士は、手を出さないでください」 呟き。 バスターを撫でながら、エックスは巨人へと歩んだ。 「――決着をつけます。僕、自身を」 ケインは訝しげな顔をするが、青い背から漏れる決意に押し黙る。 雨を切り裂きながら、進むエックス。 「勝負だ!! お前は、世界を救う伝説のレプリロイド!! そうだろ!?」 見下ろすナウマンダーが、少年へ怒りと笑みを混ぜた物を投げかけた。 巨人の放射器から炎が溢れ、エックスのバスターは光を収束させる。 「その未来もお前も、あたしが踏み潰してやる!!」 「オデに、跪くが良い!! 弱者め!! うははははははは!!」 咆哮と、それに負けない少女の怒りの声が響き渡り――爆炎は、大きく膨れ上がった。
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ロックマンX -1- オープニングステージ ロックマンX -2- アイシーペンギーゴ・前編 ロックマンX -3- アイシーペンギーゴ・後編 ロックマンX -4- ストームイーグリード・前編 ロックマンX -5- ストームイーグリード・後編 ロックマンX -6- ブーメルクワンガー・接触 ロックマンX -7- ランチャーオクトパルド・前編 ロックマンX -8- ランチャーオクトパルド・後編 ロックマンX -9- ベルガーダー・接触 ロックマンX -10- シグマその1・前編 ロックマンX -11- シグマその1・後編 ロックマンX -12- エックスVSナウマンダー ロックマンX -13- エックスVSナウマンダーその2 the day シグマとゼロのプロローグ
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525 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/11(水) 23 15 14.19 ID 33MOrt2O0 「太りそうだぜ」 泳ぎ疲れたゼロと、海を見てぼんやりしていたエックスが向かったのは食堂。 大きな窓に囲まれていて、そこからの眺めもデッキと同じく良い。昼の光が、室内に強く差し込む。 二人の目前に広がるのは、沢山の料理だ。 「その分、前にいっぱい動いたから良いんじゃないの?」 様々な料理が皿に盛り付けられ、長机に並べられる。 エックスはその一つのパスタ料理を手に取り、自分の小皿へと移した。 「やれやれ………女を解ってないな、エックスは」 ゼロは言葉とは裏腹に、目に付く物を片っ端から自分の所へ持っていった。 「同じ職場のレプリロイドも居るから、やめて。はしたない」 「良いじゃねぇかよ――あ、これ美味しい。だいたい、なんであいつ等もここに居るんだよ――これも、イケるな」 エックスは説得するのを諦め、自分の食事に取り掛かった。 「ハンターは、ハンターの船に居ろよ。一緒にランチなんかしやがって」 少女の視線の先には黒いボディに包まれた、イレギュラーハンター達がてきぱきと各々に料理をよそっていた。 「食事ぐらいしたって、良いじゃない。それに、中から旅船を守る役目でもあるんでしょ、彼等は」 エックスはそれ以上言葉を重ねず、ゼロの頭を撫で、彼女の言葉を制した。 「ふ……ん」 撫でる手のひらに身を任せながら、ゼロは小馬鹿にしたように鼻を鳴らした。 「嫌いみたいだね。同じハンターなのに」 パスタを食べながら、不思議そうに言った。昨日の夜の事もあり、エックス自身も組織には好感が持てなくなってはいるのだが。 「――なんでかな? 意識はして無いんだけどな。なんとなく、好きにはなれないんだ」 自分でも解らない、とゼロは続けて、他の料理に手を伸ばす。 「なんとなく、ね……」 突然、黒尽くめのハンター達が立ち上がりだした。料理を叩き置き、椅子を蹴散らしながら窓に向かう。 エックスは自分達の言葉で怒りを覚えたのかと思ったが、ハンター達の慌てぶりから、そうではないらしい。 537 名前:Irregular`s Elegy[] 投稿日:2006/10/12(木) 00 02 33.06 ID 25X215nE0 「なんだぁ?」 デザートとして出たケーキのクリームで口元を真っ白にしたゼロが、疑問符を挙げながら立ち上がる。 窓から外を覗くハンター達は何を見たのか獣のように呻いて、腰から銃を引き抜く。 そして食堂から、駆け足で出て行った。 エックスが顔を引き締めながら、窓に近づく。 大きなガラス越しからの海の風景。 空から高速で、客船と貨物船、そしてハンターの船で構成される船団に接近する黒い影を捉えた。 「イレギュラー………!」 黒い影は、いつぞやのハチ型の戦闘ヘリだった。5機が鏃状に展開し、こちらに向かって突き進む。 すぐさま客船は、空飛ぶ襲撃者に囲まれた。 その内の一機のハチ型ヘリから何本ものロープが垂れ下がり、ローターに揺らぎながらいくつもの人影がデッキに降り立つ。 エックスは、通路を走る時間を惜しみ、食堂のガラスを蹴り割って、黒が散らばるデッキへと跳ぶ。 先にガラス片がデッキへ降り注ぎ、遅れて青いレプリロイドが砂埃を上げ着地する。 「――なかなか劇的な登場の仕方です。72点程あげますよ?」 乾いた拍手が鳴った。 皮手袋に包まれた手を持つのは、幼い顔立ちの少女。 斜めに被られる真紅のベレー帽から、蜂蜜色の長い髪がアップに小さくして纏めあげられているのが見える。 上空のローターが、学生用の水着に羽織られた、肩が突っ張った軍用コートの裾をはためかせる。 「こんにちは、初めましてなのです。私、ランチャー・オクトパルドなのです。――よろしくなのですよ?」 コートの裾を両手で掴み、丁寧にお辞儀をする。自分の言葉に自信が無いのか、可愛らしく首を傾げてみせた。 物静かな態度だが、油断は出来ない。クワンガーのような存在が、それを裏付ける。 エックスはオクトパルドから目を離さず、周りを確認する。 自分の目の前でコートをめくる少女と、その周りを囲むメカニロイド。 ヘリから落下してきた、二門のミサイルランチャーを両手にした、コートを着込んだ人影等が円陣を組んでいる。 黒い装いの少女の頭から垂れ下がるコードの先には、豆電球が有り、少女達がアンコウ型のメカニロイドだと解った。 553 名前:Irregular`s Elegy[] 投稿日:2006/10/12(木) 00 44 24.34 ID 25X215nE0 「イレギュラーですよね……?」 バスターを構え、少女の出方を伺う。周りのメカニロイドからは、こちらに手を出す気配は無い。 「はい、そう言われていますのですよ。人間からは」 オクトパルドは人間という単語で、目を鋭くさせるが、すぐに柔和な表情を作り上げる。 「エックスさん、あなたをお迎えにあがってきたのですよ? ボスの所へ、ご招待しに来たのです」 「ボス……というと、この事件を引き起こしてる人物の事ですか?」 眉をひそめ、オクトパルドを見つめる。ローター音が、バタバタと騒々しい。 「さっ、一緒に行きましょうです。ヘリなら、すーぐに付いちゃうのですよ?」 少女はそれには微笑んだだけで答えず、手袋に包まれた片手をエックスに差し出した。 ハチ型ヘリが、二人に向かって高度を下げる。 「この船に居る全ての人間は、もちろん殺すのですよ? レプリロイドは、捕虜にしても良いのです」 ――困惑しながら手を取るエックスの耳に、少女の信じられない声が届いた。 「皆殺しにしたら、100点ですよー」 頷くメカニロイドに、微笑みながら告げるオクトパルドは、やはりイレギュラーだった。 手を勢いよく、振りほどく。 「な、なんですかー? 何か悪い事、私、し、しちゃいましたかー?」 オクトパルドが驚き、困った顔をした。 アンコウ型のレプリロイドも、船室に向かうのをピタリと止めた。 「人間を皆殺しにする……? いったい何を考えてるんですか!?」 泣き出しそうになる少女を気にせず、激昂する。 「ふぇ……何を……って、よ、よく解らないですよ?」 「あなた達がそのつもりなら、僕は行けません。ここで、あなた達と戦います……!」 しどろもどろになる、少女にバスターを再度向け、エックスは決意の声をあげる。 アンコウの少女達はそれに合わせ、ミサイルランチャーの砲門をエックスに向けた。 554 名前:Irregular`s Elegy[] 投稿日:2006/10/12(木) 00 49 27.94 ID 25X215nE0 「…………………………………あ、あぁ」 「………え?」 ローター鳴り響くデッキの上で、オクトパルドが小さく呟く。 「そうなんデスね。あなたも、そうなんデスね……? あはは……そうなんデスね。ククク……そうなんデスね」 「な、何を言ってるんですか……?」 涙を流すのかと思われた少女が笑う。ニタリと、どこか失望したように。 エックスは怒った顔から、反転。頭の中で警鐘が鳴った。 「馬鹿なレプリロイド。愚かなレプリロイド。下らないレプリロイド。守るなんて――人間を守るなんて」 怨嗟の声。今まで、健気にエックスの機嫌を取り成した少女のものとは思えない。 「人間が好きなのデスね? 守りたいのデスね? ――あぁ、そうDEATHか」 オクトパルドが姿勢を低くし、背中から六本の赤き触手がコートを突き破り、一気に飛び出す。 うねる触手の先端に取り付けられた銃口が、驚愕するエックスを睨む。 「喜べ、作戦を変更してあげるのDEATHよ。お前を解体して、海にばら撒いてやる――シュート」 親指で自分の首を薙ぎ、メカニロイドに『殺せ』と命じる。 全方位から、海蛇の形をしたミサイルが迫る。 エックスは地を蹴り、上空へと逃げる。 連鎖する爆発。ミサイル等が大爆発し、デッキを赤とオレンジで蹂躙した。 自由落下しながら、バスターを発射。 煙が晴れ、黒き姿を見せたアンコウ型の少女の頭部を粉砕した。 鉄の破片がぶちまけられる甲板に着地し、横転する。 転がる青いメットの先を、火煙の尾を引く矢が掠めた。 「援護が欲しいな……!」 叫びながら射撃し、横手に居たメカニロイドの胸部を撃ち抜く。 572 名前:Irregular`s Elegy[] 投稿日:2006/10/12(木) 01 49 32.43 ID 25X215nE0 海蛇がどこからともなくエックスを襲う。 右手からやってきた三発のミサイルを撃墜し、お返しにエネルギー弾で目前から攻撃してきた少女を破壊する。 散らばる機器の破片が落ちる前に、青きレプリロイドは素早く上方に射撃した。 戦闘を空から見下ろすハチの頭部――コックピットが弾け、錐揉みしながら海面に激突する。 戦闘ヘリは、デッキに届く程の巨大な水柱をあげて爆発した。目障りな傍観者が消える。 「やるのデスよ、こいつ。あはははははは。――撃ちまくれ!!」 何が彼女を怒らせたのは解らない、ただメカニロイドとの戦闘を離れて傍観する少女の顔は、憎しみに満ちていた。 エックスはバスターを何度も放ち、ランチャーを放つ少女達を地に沈める。 「あの子、AIがおかしいんじゃないのかな……」 呟きながら、バスターで波状に撃ち込まれるミサイルを攻撃。落としきれなかったのは、横に跳んで回避する。 デッキに着弾し、船を大きく揺らす。 ハンター達の船や他の船がどうなっているのか確認したかったが、際限無く迫るミサイルに、自分の事すらままならない。 アンコウのイレギュラーの一人が、突進しながら海蛇を放つ。 尾ひれを激しく振るミサイルがエックスを襲うが、太陽の光で作られた弾がそれを許さない。 アンコウとエックスの間で爆発し、少女の視界が泡立つ様に膨らむ黒煙で失われる。 戦場で目を擦るイレギュラーに無慈悲なバスターが貫く。煙をあげる大穴を胸に作り、アンコウの少女は倒れた。 乱射されるミサイルから、姿勢を低くしながら体勢で合間を縫うように射撃し続ける。 三人のアンコウ型イレギュラーはまとめて撃ち抜かれ、同時に爆発を起こしながら破壊された。 ヘリから舞い降りたアンコウ型はこれで全てだ。 「なかなか美しく戦ってるのは、69点ものなのDEATHよ? ――さっさと殺せ!!」 二人きりになった甲板に、勇ましく腕を組むオクトパルドの賞賛と怒声が響く。 ベチャリと、水が跳ねる音。音源に向くエックスの瞳に映りこむのは、新手のメカニロイドの姿。 魚類を思わすヒレが脛や肘に取り付けられた数人の全裸の少女が、右手のデッキの端から現れる。 ぬめぬめした裸体を晒しながら、鈍い動きで迫る少女達の尻からはカールを巻く尻尾――タツノトシゴのメカニロイドだ。 96 名前:Irregular s Elegy[] 投稿日:2006/10/13(金) 21 08 51.66 ID zwiiOXO20 端整な顔に張り付く長い髪から海水をしたたらせ、シーアタッカーがのろのろと迫る。 「――あなたは戦わないんですね」 数体のタツノオトシゴのイレギュラーを横目で睨みつけながら、エックスは皮肉を吐く。 「0点に近い挑発DEATHね。ボスが最後に戦うのは美しい――あたりまえの事なのですよ?」 オクトパルドは片手を挙げ、この状況でなければ頭でも撫でてあげたいぐらいに、ニッコリと笑う。 そして微笑む少女の両隣から、コートを着込んだ二つの人影が降って来た。 アングラーゲでは無く、首元に大量の棘が生えた首輪を付けたウツボ型メカニロイド――ウツボロスだ。 「愚かなレプリロイドは、どこまで頑張るのですかね。あっけなく死んだら、めーなのですよ?」 挙げた片手を断首台の刃のように降ろし、ウツボロスが身構え、シーアタッカー等が自身をかき抱いた。 横手に飛ぶエックス。身体を丸めたタツノオトシゴの少女達が、高速で横を抜けた。 回避する青い身体に、二人のウツボロスが一気に間合いを詰める。 黒い皮手袋をはめた手刀と、直線の拳がエックスを襲う。 漆黒の一閃を首を傾げて避けるが、右手のウツボロスが放つストレートがまともに腹部に当たった。 宙を自分の意思では無く飛ぶ少年。 初撃を損じたシーアタッカーが再度丸まり、独楽の様に吹き飛ぶエックスに体当たりを敢行する。 オクトパルドが会心の笑みを浮かべた。 追撃する5つの回転する裸の少女達――それが、エネルギーの火線に襲われる。 苦痛を噛み締めながら、エックスは不利な体勢でバスターを放ったのだ。 惜しむ事無く晒していた裸体の一つに穴が空き、爆発しながら落下するシーアタッカー。 連続する射撃が、デッキに存在する敵に向かう。 他のシーアタッカー等も、腕を吹き飛ばされ、脚が消失するなどの被害を受け、硬い甲板に打ち付けられた。 ウツボロスは逸早くジグザグに動きエネルギー弾を回避し、もう一人がオクトパルドを掴み上げ、後ろへ退がる。 106 名前:Irregular s Elegy[] 投稿日:2006/10/13(金) 21 16 43.32 ID zwiiOXO20 損傷に身体をガクガクと振るわせるタツノトシゴが伏せるデッキに着地する。 「おなか、いたい……」 腹部を押さえるエックスは頭を屈め、横に薙がれた黒いブーツを避けた。 ウツボロスの回し蹴りが空を切り裂く。 瞬間的にバスターを放つが、翻る拳にオレンジの弾は打ち砕かれた。 両者の間で太陽のエネルギーが散らばる。エックスは後方へステップ。 メカニロイド特有である無表情な顔を持つ少女の踵が、甲板に穴を空けた。 「エックス!!」 高い声が背中に当たり、デッキから船内を通す扉から赤き少女が飛び出した。 アーマーをクワンガーに破壊されているので、水着の状態でこの戦場に躍り出る。 「あらら。これはゼロさんじゃありませんか。こんな所で、びっくりなのですよ?」 六本の触手を左右に揺らめかしながら、馬鹿にしたように口元を押さえるオクトパルド。 「白々しいんだよ、トリガーハッピー。団体を引き連れやがって……さっさと失せろ、サディスト野郎!!」 ウツボロスに身体を抱えられて挑発する少女に、ゼロは罵倒を吐いた。 エックスがこの隙に、ゼロの隣まで走る。 「――トリガーハッピーにサディスト野郎……0点、いやマイナス物なのですよ」 睨みつける赤きレプリロイドに、負けず劣らず目付きを険しくするイレギュラー。 ウツボロスの腕から飛び降り、赤と青に中指を立てる。 「言葉を慎め、薄汚い猫型レプリロイド!! お前から縊り殺してやるのDEATHよ!?」 海と空を震わす怒声と共に、旅船のデッキの上空に黒い影が集まる。 残りのヘリ――四機のハチ型ヘリだ。 「くっ………!」 呻くゼロと、腹部を押えるエックスに、オクトパルドの忠実なメカニロイドが降下する。 瞬く間にシーアタッカーとアングラーゲの集団に囲まれる二人。 122 名前:Irregular s Elegy[] 投稿日:2006/10/13(金) 22 03 35.32 ID zwiiOXO20 「青いゴミのレプリロイドは嬲り殺しが、100点なのですよ」 アングラーゲ等のミサイルランチャーが二人に向けられ、シーアタッカーが体当たりを準備する。 「薄汚い猫には、お前がレプリロイドである前に、女である事を教えてやるのDEATHよ……!!」 「お前は一度AIのメンテを受けろ。自分が何を言ってるのか、解って無いだろ?」 オクトパルドの触手が怒りに震え、触手の先がその怒りをゼロに向ける。 揺らめく赤と、冷や汗を流す赤。 「自分の性別に絶望しながら、死ね!! それが貴様が生まれてきた『理由』だ!!」 オクトパルドの顔が戦いの興奮か愉悦に歪んだ。 「ゼロ!! 避け――」 「くたばれ、イレギュラー!!」 それに覆いかぶさる野太い声。 マズルフラッシュと轟音の嵐が吹き荒れる。列を成す銃弾が広範囲にばら撒かれた。 ゼロが出てきた扉から、ぞろぞろとハンター組織の隊員が編成を組みデッキに溢れる。 「お待たせしまして、申し訳ありません! 船内に居たイレギュラーを排除するのに手間取りまして」 黒一色のレプリロイドの一人がイレギュラーの集団に銃を放ちながら、声をあげる。 ボディから火花を連続的にあげるメカニロイド達。 撃ち抜かれるというよりは、削り取られる形でバタバタと機能を停止していった。 ハンターの一人が、背中から巨大な黒い筒を外し、空に向けて構える。 ロケットが煙の尻尾を引きながら、ハチ型ヘリ――ビーブレイダーに着弾。 自身を犠牲にして、空中で大きな花火を作りあげる。 イレギュラー集団は一気に押し込まれ、黒のレプリロイド達によって蹴散らされていく。 127 名前:Irregular s Elegy[] 投稿日:2006/10/13(金) 22 08 07.11 ID zwiiOXO20 「………………?」 ゼロとエックスはお互い違和感を感じ、前方に眼を凝らす。 二人のウツボロスが前に立ち、迫りくる銃弾を拳で弾き飛ばしていく――その後方。 ――赤きベレーを被った少女が親指の爪を噛み、薬物中毒者のように自分の小柄な身体を震わしていた。 グリーンの両目には、自分の部下たちが殺戮されてゆく光景が映る。 「駄目なのですよ……隊長。私の部隊が助けを求めているのです……」 ウツボロスが鉄壁の壁として、オクトパルドに向かう銃弾を逸らす。 イレギュラーの集団は、もう数少ない。 「駄目……なのです。どうして、そちらの方を先に救出するのですか……」 操縦席から火を噴きながら、ハチ型のヘリが落下する。海に巨大な水柱。 「私たちが……」 ゼロとエックスの困惑の瞳に見つめられる少女の頭が俯き、幼い顔が泣き出しそうに歪んだ。 ――オクトパルドは『何処』を見ているのか。 「――私たちが、レプリロイドだからなのですか……?」 そして、俯いた顔が跳ね上げられた時には、狂気に引き歪む―――‘あの’笑顔があった。 「人間め! 人間め! 人間めぇぇぇ!!」 回転するウツボロスの両腕越しに、オクトパルドが力の限り吼えた。 「こいつ!! ………エックス!!」 経験豊富、そして卓越した技術を持つゼロの勘なのか、エックスを甲板に押し倒す。 「みんな死ねぇぇええええええええ!!」 エックスが見たのは、覆いかぶさるゼロの貧相な身体。 そして、その後方から、空を隠すかの様に扇状に広がるミサイル群。 連続して爆裂する衝撃と轟音にもまれながら、エックスは意識を失った。 160 名前:Irregular s Elegy[] 投稿日:2006/10/13(金) 23 11 12.41 ID zwiiOXO20 ――どうして、自分達レプリロイドより弱い人間達を守らねばならないのですか 私が疑問を持ったのはいつ頃からだったのだろうか。 「んく……あふ………んんっ……は、はふぅ。……き、気持ちいいのですか……?」 四角く、狭い部屋。私たちの家――戦艦で慰安部員として使われた時から? 男性器に囲まれ、私は教えられた通り、『仲間』を奉仕する。 ニチャニチャと、いやらしい音を出す私の両手。 キスもした事が無い私の唇も、交接する器官でふさがれる。断続的に押し込まれ、喉が苦しい。 ――どうして、人間達を守らねばならないのですか ――私は頑張ってますよ? 人間を守って、イレギュラーと戦って、第6艦隊で一生懸命頑張ってるのですよ? 「………ビクビク……してますのですよ? ふふふ……まだ我慢しなきゃ、めーなのですよ」 教えられた言葉を紡ぐ。 「んにゅう……いっぱいなのですよ? こんなにお相手できて、私は嬉しいのです」 ――レプリロイドと云うだけで……どうして、こんなにも。 私の武装である触手のバックパックは剥ぎ取られ、衣服も破り捨てられてる。 気に入っていた白いパンツだけが、私の足に引っかかてるだけ。私の裸は『仲間』に余す事なく晒された。 「んちゅ……もう、出るのですか? くふぅん……私にちゃんと……はぁ……かけてくれなきゃ、0点なのですよ?」 男の人のモノから真っ白な液体が飛ぶ。人間の種。 顔に、胸へ、体中に大量の精液がかけられた。 「白い海に入ってるみたいです……100点満点ですよ?」 微笑み、私は心にも無い事を言い放つ。 いつから私は、こんな笑顔が上手になったのであろうか? ――妊娠しないからと言う。レプリロイドからと言う。どうしてなのですか? 私、悪い事しましたか? 162 名前:Irregular s Elegy[] 投稿日:2006/10/13(金) 23 12 53.15 ID zwiiOXO20 「隊長! 私の部隊が……!」 「人間の部隊が先だ、オクトパルド。――お前の部隊はレプリロイドで構成されてるのだろう」 「隊長!?」 ――どうして? 「はやく救出を!! 向こうの部隊の被害はまだ軽微です!!」 「くどいな、オクトパルド。私は言ったぞ、お前もお前の部隊も‘レプリロイド’なのだろう」 ――レプリロイド? 助けを求めてるのですよ。悲鳴をあげてるのですよ。人間と同じように。 「やれやれ、損害は少なく済んだな。‘レプリロイド’は全滅したが、人間は20人救出」 「…………酷い。…………酷すぎるのですよ」 「僥倖だな」 ――私の名前を呼びながら、『仲間』は死んだのですよ? 「オクトパルド。第3部隊が呼んでいる――‘あれ’、だそうだ」 ――どうして、自分達レプリロイドより弱い人間達を守らねばならないのですか 私の携帯端末に、大規模なイレギュラー事件が発生したとの情報が入った。 ――レプリロイドのための世界を創造………そのための反乱 私は、あなたたちの道具じゃない。 私は自分を壊した――イレギュラーになるために。 私は人間なんか守らない。………こんなにも弱く、そして汚い人間など。
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総評 60点 【★★★☆☆】 時間 シナリオ 調整 操作 独自 価値 キャラ やり込み グラフィック その他 評価 3 3 4 5 4 4 4 2 4 5 初代ロックマンのリメイク作品。 8大ボスロボットが全てライト博士の作品であるということを生かして、ボスキャラを操作キャラにできるようにしたのは上手い。 ロックマン含め各ロボットとも見た目も動きも性格も非常に可愛らしくデフォルメされており、旧作とは違った良さも出ていた。 クリアしてからが少々繰り返し感・作業感の強すぎる作品ではあるが、よくFC前期の作品をここまで持ってきたものだ、と唸れる一本。 ロックマンに多少なりとも思い入れがあるならばプレイして損は無い。 1:プレイ時間 【★★★☆☆】 横スクロールが苦手でなければ本編1週クリアまでOLD/NEW STYLE共に大体2~3時間でいける。 だが、NEW STYLEの攻略率をMAXにしようとするとそれが9キャラ×難易度3段階=27倍かかる。流石にやれない。 加えてミニゲームとしてノルマクリア型のミッションモード(といっても、大抵はゴールまでいく、が目的)が100問用意されているのだが、これが最初から最後まで結構な難易度を誇っておりかなり骨が折れる。だがALLクリアの報酬がまた魅力的で、つい頑張ってしまうのがゲーマーの悲しい性か。 似た行動の繰り返し(作業)が嫌いな人は長くは遊べないだろう。 2:ストーリー(シナリオ) 【★★★☆☆】 あらすじ: 正義感が強く、誰にでも優しく、思いやりを忘れることのない少年ロボット・ロック。ライト博士によってお手伝いロボットとして作られた彼がある日研究所に戻ると、悪の科学者Dr.ワイリーが研究所を襲っているではないか。「おまえのロボットを頂いて世界を征服することにした」そう言ってロボットたちを連れ去るワイリー。肩を落とすライト博士にロックは言う。「僕を戦闘用に改造してください!」 その日からロックの、いや、ロックマンとなった彼のワイリーとの因縁が幕を開ける―― ストーリーはロックマンの基本、8体のボスを倒してワイリーの野望を打ち砕く、ということになる。 だが、本作にはロックマンの行動目的がその他にもう一つあり、それが「連れて行かれたロボットたちを、ライト博士の元に連れて帰ること」である。従来のロックマンにおいてボスキャラクターは倒すことしかできなかったが、本作ではロックバスターのみで撃破することで相手を爆破させずに、戦闘能力だけ奪うことができる。 そして、見事連れて帰るとそのキャラをライト博士が修理し、自機として操作できるようになるのである。 リデザインと共に声が入り性格付けがなされたキャラたちが生きる流れだ。○。 ただし、後述するがそんなキャラ達が協力して・バトンタッチしながらワイリーに立ちむかう、という話のつくりにしなかったのは残念な点。「数あるライト博士のロボットの中で、ワイリーに連れて行かれなかったがゆえに主人公という位置づけになったロックマン」という設定に目をつけ、もし別のロボットが連れて行かれなかったならば、という話をつくるのは面白い試みでもあるのだが。 如何せん全てのキャラの物語を別ものとするならば、そのまま全キャラクター分やらせては単なる繰り返しの作業になるのは目に見えている。少し工夫が足りなかった。何かもう一つネタが仕込めれば。 3:難易度設定・調整 【★★★★☆】 難易度はNEW/OLD共にFC版に比べ少しマイルドになっており、よりプレイしやすくなっている。 FCの頃特融の理不尽・運ゲーな地点がしっかり残されているのは故意だろう。とはいえNEWでは大分易しくなっており、難易度キツキツ(Hard)にしてようやくFC版に近いレベルになる。 しかし、ボスを操作する時に鬼門となるのが弱点武器を所有するボスとの対戦で、自機になってもしっかり弱点を持っているボスキャラたちで攻略するのは難易度ノーマルでもなかなか骨が折れる。全キャラ分やろうという気を削ぐ一因になっている。 同様に、チャレンジモードの小問集合も一つ一つに手ごたえを与えすぎて、ALLクリアに根気が必要な内容になっていたのも惜しい。特にこのモードに関しては、調整という面では今一歩。 4:操作感(プレイ感覚) 【★★★★★】 NEW STYLEではステージ構成や弱点武器被弾時のダメージなどが調整され、最近のロックマンシリーズに近しいものになっている。新ボスキャラの追加により弱点武器の組み合わせも少しずつ違っているキャラもいたりで、旧来のファンでも新鮮な気分でプレイできる。 だが、それでも昔一度味わった「ここ落ちやすいんだよな」「こいつ避けにくい」「イエローデビルだるいw」「どっちの梯子か迷う」などの感覚を蘇らせてくれる地点が随所にある。○。 一方のOLD STYLEはNEWと同じパーツを使って初代ロックマンを再現しており、多少バランスは調整されているものの、しっかりNEW以上の懐かしさを感じさせてくれる。ボスも6体。 ステージ突入時のボス紹介や、クリア後の入手武器紹介が飛ばせず全部見なきゃいけないのが少しだるいというのがFC版ロックマン全てにわたる感覚なのだが、それらがちゃんとカットできるようになっているのは良い配慮。 5:独自システム 【★★★★☆】 →ボス使用システム 色々書いてきたとおり、面白いシステムだが独立した物語になっているのが×。 仲間とチェンジしながらステージ攻略などできた方がよかったのではないだろうか。 各キャラに限定アクションが用意されており、特定キャラのみ取れるアイテム・行ける通路がちゃんと用意されているのに、一度そのステージを終えて、また別のキャラでそのステージに入って……ということを何度もするのは骨が折れてしまう。 →チャレンジモード 各キャラの限定アクションを生かした小問集合形式が9キャラ各10問ずつ+ボス連戦ミッションが10の合計100問用意されている。一つ一つが結構難しく全てやるのは結構大変。 だが、全てクリアするとあのキャラが使用可能になる。やらずにはいられない。 これも前述の通り面白いが、調整不足感。 →コンストラクションモード 本作の大きな特徴となるシステム。 自分で構成や敵の配置などを決めて、ステージを作成するモード。 いわばニコニコ動画などでよく見かける「自作マリオ」ならぬ「自作ロックマン」を作る環境が提供されているということ。作るのに使うパーツは最初は少なく、本篇NEW STYLEのステージ中に置かれている袋を入手することでどんどん増えてゆく。そしてぬかりなく、作ったものをwebに接続することでUPすること、他の人の作品をDLして挑戦することもできるようにしてある。システムとしてしっかり一つ完成していて◎。 6:価値 【★★★★☆】 管理人の購入価格:1980円 ベスト版も出ており、安価で楽しく遊べる一本。 ただ、作業要素も強めにあるので、遊べる人は十二分に遊べるが遊べない人はあっという間に終わってしまう。それなりに遊ぶ人を選ぶゲームになっているといえる。 ロックマンファンであれば文句無くお勧め。 7:キャラクター 【★★★★☆】 ロックマンや8ボスキャラはいずれも生き生きとしていて、良くキャラ付けされており魅力的。旧来のものとは少し性格が違ったりするが、それはデフォルメの結果であり文句をつけるところではないだろう。 勿体ないのは、そんなキャラ達を感じられるのがほぼボスとの僅かのかけあいしか無い点。 それぞれのボスのエピソードなどあれば文句無かったのだが。 8:やりこみ要素 【★★☆☆☆】 そこかしこに書いている通り、あるにはあるが大体作業メイン。 9:グラフィック・アニメ 【★★★★☆】 3DCGでぷにぷにしたキャラの絵に合った動きがよく再現できている。 浮いたキャラもなく、良い感じ。 10:その他 【★★★★★】 隠しキャラの用意などもありしっかり「一本のゲーム」になっていたかなと。 とはいえシステム上、ワイリー作のロボットがメインになる2以降のボス相手では使えないシステムだ。 続編に期待できないのは勿体ない。
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「シビれさせてやるぜ!!」 【名前】 スパークマン 【読み方】 すぱーくまん 【分類】 ネットナビ 【オペレーター】 上文テルオ 【属性】 電気属性 【所属】 フリー 【登場作品】 『4』 【基本装備】 スパークボール 【ナビチップ】 スパークマン(チップ) 【アニメ版CV】 風間 勇刀 【詳細】 ジョーモン電気の会長の孫の上文テルオが所有するネットナビ。 デンサンバトルトーナメント(シティバトルトーナメント)で対戦相手の1人として登場する。 元ネタは本家ロックマン3に登場する同名のロボット。 デザインは余り変わっていないが、メインカラーが赤からオレンジに変わり、人間っぽかった頭部が完全に人外の顔になった。 オペレートがあまり上手でないテルオのことを信用しておらず、タメ口を使うほかバトルでは自分の力のみで勝とうとする。 また、負けたことを自分のせいにされた時は「う、うう…テルオ…! てめえ…!」とテルオに怒りを覚え、熱斗も「スパークマンに謝れ!」とテルオに怒った。 【戦闘】 スパークボール 胸部から電気属性の機雷を一直線に飛ばして攻撃する。 機雷はロックマンの眼前に来ると停止し、X字に電撃を放つ。 メイクシャドー 電極を模した両腕を接触させて目も眩むような閃光を放ち、ロックマンの影を実体化させて背後からワイドソードで攻撃させる。 メイクシャドーの閃光だけでなく、この影ロックマンのソードにも対インビジ効果がある。 メイクシャドーの前では閃光、影ロックマンのソードともにインビジブルは全く役に立たないため要注意。 もちろん、ヒライシンはメイクシャドーには作用しない。 スパークウェーブ 両腕を接触させ、電撃が縦3マス分を上下に波打ちながらエリア全体を攻撃する。 一見、攻撃速度が速く回避困難のように見えるが、実はユラ系ウイルスなどのそれとは違い、左端から数えて奇数列目は一番下の段から上の段へ、偶数列目は一番上の段から下の段へと、攻撃の方向が毎回ランダムなのではなく完全に固定化されている。 最後列の左上のマスで待機し、1マス右に移動すれば回避しやすい。 ↑↓←↓←□↑↓↑↓↑□↑←↑←↑□ 仮にスパークマンが一番上の段から攻撃しても、下には行かず左に向かう動きをする。 ただ、スパークマン戦で一番厄介なのは「移動」。スパークマンはワープ移動時に消えてから出現するまで一定の間がある。 スパークビー系と似たような特徴だが、そのせいで攻撃できるタイミングが限られてしまう。 スパークボール発射時は出現位置がランダムなうえすぐ消えるため狙いにくい。スパークウェーブやメイクシャドー使用時は長く止まるのでこの間を狙いたい。 また、出現=攻撃のため、カウンター系が決めやすい。 アニメ版 AXESS 第23話「戦慄の超エネルギー」にて、電気を操るダークロイドとして初登場。 初登場のこの回ではこのコンバーターやCFロックマン達を執拗に「ゴミ」呼ばわりしていた。 ネットナビのHP(生命エネルギー)を燃料とするネビュラ製のディメンショナルコンバーターを破壊して証拠隠滅する(*1)ため、ゆりこの手引きによりロックマンにインストールされているファイアウォールの解除キーをコピーし、コンバーターのサイバーワールドに侵入した。 ディメンショナルエリアの中で実体化した後は、コンバーターにHPをほとんど吸収されて消耗していたCFロックマンとCFブルースを圧倒。 連携攻撃の数々を撃ち破りながら、追い打ちをかけるようにメイクシャドーでCFロックマンとCFブルースの二人の分身を実体化させて戦わせ、その間にコンバーターを破壊しようとする。 彼らの不意打ち作戦には奇襲されかけるが、謎の人物の声により阻止。最後はCFブルースを人質にした末にCFロックマンにスパークウェーブでとどめを刺し、そのままコンバーターを破壊して証拠隠滅を達成するという大金星を挙げた。 その後、第27話「決戦! ネビュラ基地」で他のダークロイドと共にシェードマンを裏切り、ダークチップを与えてくれるネビュラへと離反する。 続く第28話「揺れる心」ではゆりことともにモデルのイブ・モレシャンを襲撃して空港の倉庫に監禁したうえ、ウェアブルコンピューターを介してモデル達を洗脳したり、女性型ナビのロールを容赦なく攻撃しようとするなど、女性にも手加減のない悪役振りを見せた。 第39話「列車でGO to hell!?」では、デンサンステーションに多数の列車を集中させ、次に石油を満載したタンク車を貨物列車から切り離して熱斗とチサオが乗った特急電車に連結し、そのままレールジャックしてデンサンステーションへ自爆特攻させるという列車テロを起こす。 この時、特急電車の先頭車両の電脳空間では車掌に変装してロックマンと天敵である木属性のウッドマンを待ち伏せ不意打ちしようとしたが、ウッドマンに見破られる。 正体を表したあとはスパークボールの乱れうちで二人を圧倒し、大量のスパークボールにサンダーボールを放って誘爆させるという攻撃でウッドマンを戦闘不能にするが、ウッドソウルの力を得たロックマンにコガラシで吹き飛ばされた末バンブーソードで敗北。 だが、死に際に運転手を気絶させて道連れにしようとしたが、熱斗がフルブレーキで電車を減速させたことで防がれた。 終盤の第46話「ネット警察大攻防戦!」で他のダークロイド達と共に復活し、コントロールXを破壊すべくネット警察に侵攻を開始する。 フラッシュマンと共にファイアソウルのロックマンを攻撃するも、ウッドソウルにチェンジされたためにダメージを与えられず、反撃のコガラシで二人まとめて吹き飛ばされ、ロールソウルのロールアローで葬り去られた。 Stream 量産型ダークロイドやアステロイドとして登場する。したがって、原作『4』のように上文テルオのナビとなることはなかった。 これは、ボウルマンやバーナーマンも同様。 BEAST 第2話「ビヨンダード」にて、並行世界「ビヨンダード」からファルザー軍のゾアノロイドとして登場。 獣化因子を持っているために獣化を獲得している。 こちらの世界の偵察のため、科学省のサイバーワールドにアタックを仕掛けて熱斗達の世界の防衛システムのレベルを調べていたのだが、それは敵対するグレイガ軍も同じ動きをとっており、同タイミングでグレイガ軍のゾアノプラントマンも現れた。 駆けつけたロックマンとサーチマンに遭遇し、サーチマンからは「スパークマンとはデータに相違があるため別存在」と認識された。 こちらの世界のセキュリティレベルの程度は調べ上げたために撤退し、その直後ゾアノプラントマンの挑発を受け、秋原通信タワーで彼と戦う。 ロックマン達の横槍を受けると獣化して抵抗するが、ゾアノプラントマンが倒されると撤退した。 その後第6話「ネットナビ改造計画」で、グレイガ軍のゾアノファラオマンが誘拐したネットナビを自軍の兵士に改造する場に乱入し、改造されたネットナビ達を棺桶もろとも破壊する。 さらにゾアノファラオマンのピラミッドに内蔵されたカモフラージュシステムをも破壊し、スパークウェーブでゾアノファラオマンを叩き落とすが捕まってしまい、ファルザーの獣化因子をグレイガに書き換えられ、グレイガ軍の戦士となってしまう。(*2) そしてピラミッドへ単身で乗り込んできたロックマンをゾアノファラオマンとともに2VS1で追い詰めるも、グレイガビーストへ獣化したロックマンには手も足も出ず、最後はグレイガのナビエンブレムを引きちぎられてデリートされた。 【余談】 ちなみにスパークマンの電気属性としびれさせる発言に反して、実はマヒ効果ワザはない。 ナビとしても外見がビリー系を彷彿させるため、サンダーボールを装備させる予定だったが中止、もあり得る。 アニメ版でスパークマンを演じる風間 勇刀氏はロックマンゼロシリーズの方のゼロを演じている。