約 1,234,738 件
https://w.atwiki.jp/yukaihan/pages/32.html
職業データ レミリア・スカーレット 「物部布都」をマスター。 「永遠に紅い幼き月」をダーマ神殿にて使用。 転アイ素材:「亡き王女の為のセプテット」 専用武器名:「スピア・ザ・グングニル」 HP MP AT DF AG 9 9 9 9 9 備考 ・六面の凄さを思い知る?・とはいってもこれはまだ入口。 習得スキル 名前 習得SP 消費MP 攻撃側/防御側 備考 必殺「ハートブレイク」 10000 1500 回数攻撃 無し 運命「ミゼラブルフェイト」 20000 1500 HP、MP回復 無し 紅符「スカーレットマイスタ」 30000 3000 鼻 無し 魔符「全世界ナイトメア」 40000 3000 召喚 無し 「紅色の幻想郷」 50000 3000 回数攻撃 無し 神槍「スピア・ザ・グングニル」 70000 6000 カリスマモード!!! 無し 「スカーレットディスティニー」 0 0 回数攻撃 カリスマモードにて発動可能 日鬼「デイウォーカー」 0 0 回数攻撃 カリスマモードにて、かつ専用武器装備時発動可能 超つかいづれぇよ。おぜうさま。
https://w.atwiki.jp/orz1414/pages/126.html
■レミリア2 たまには違う路線で… ○○「う…くそっ…」 レミリア「ほらどうした?さっきまでの勢いはどこに行ったのかしら?」 ○○「くっ…うおおおおおおおおっ!」 懇親の力を込め剣を振るうが…それは届かない。 代わりに鋭利な刃物を思わせる爪が俺の首筋へ当てられる ○○「うぐっ…」 レミリア「はぁ…全然ダメね…やる気はあるのかしら?」 ○○「ははは…はぁ…」 そう、今俺はレミリアお嬢様直々に武術の稽古をつけてもらっている。 わざわざ直々に教えてくれるその理由…まぁ、お嬢様の気まぐれってヤツだそうだ。 レミリア「まったく…貴方は見込みがあると思ったんだけどねぇ…」 ○○「過大評価じゃないんですか?」 レミリア「私が言うのよ、間違いないわ。貴方の運命は私の護衛として活躍することなのよ」 ○○「そりゃまた明るい未来ですね…」 レミリア「それも白黒や亡霊の姫なんて簡単に退けられるような…私が運命を見違えるなんて無いのに…」 ○○「いやいや…俺は白黒や亡霊の姫なんて以ての外ですよ…湖の氷精にやっと勝てるかな?ってレベルなんですから…」 レミリア「…貴方は自分を過小評価しすぎてない?」 ○○「ご冗談を…」 レミリア「…まぁいいわ。さ、再開しましょう」 ○○「押忍!」 まぁ、最近はお嬢様に攻め込まれることは無くなってきた。 …未だに一撃も入れられないが… しかし…一撃入れてしまったらメイド長の報復が…ガクブル ~回想~ 咲夜「いい?もしお嬢様を傷つけたら…一万本じゃ済まないから」 ○○「は、はぁ…」 ~回想~ …やりずらいなぁ… レミリア「ほらっ!何をボーっとしてるのかしら?」 ○○「っと!すいません…」 レミリア「ほらほらほら!脇が甘いわよ!(連続斬撃)」 ○○「ぬっ、くっ、はっ、うわっ!(剣を弾き飛ばされる)」 レミリア「…貴方ねぇ…全然進歩してないじゃないの…(爪を首筋に当て)」 ○○「す、すみません…」 レミリア「…一回血を流してみたほうがいいかしら…(少し首を切る)」 ○○「うっ…勘弁してくださいよ…」 レミリア「まぁ…冗談よ…ぺろっ(血が出ている部分を舐める)」 ○○「ひあっ!お、お嬢様…お戯れは程々にお願いします…」 レミリア「…貴方の血は美味しいわね…」 ○○「…きょ、恐縮です…」 レミリア「まだ晩餐の時間には早いけど…(迫る)」 ○○「お、お嬢様…?ま、まさか…(後ずさり)」 レミリア「ふふふ…少し、飲ませてもらうわ…(○○の首に手を廻して)」 ○○「マジすか…(滝汗)」 レミリア「大マジ♪かぷっ(首筋に噛み付き)」 ○○「ッ!!」 レミリア「ごきゅっ、ごきゅっ、ちゅるるるるっ」 ○○「はぁ…あぁ…うぅ…(意識朦朧)」 レミリア「ふぅ…なかなか美味しい血だったわ…○○?」 ○○「きゅ~…(気絶)」 レミリア「…貧血かしら…」 ============================================================== うう… か、体が重い… 特に首筋の辺りが… でも…なんだかひんやりしてて…気持ちいい… …ひんやり? ○○「(目を覚まし)…あれ?俺はいったい…なんでベッドで寝てるんだ?」 レミリア「むぅーっ…○○五月蝿いわよ。寝てるんだから静かに…zzz」 ○○「あらら…申し訳ございませんお嬢様…って、ん?何でお嬢様がここで寝てるんだ?ってかここって…お嬢様の寝室じゃあ…」 レミリア「zzz」 ○○「状況把握しよう…ここはお嬢様の寝室、お嬢様はベッドで寝ている。で、何故か俺も同じベッドで寝ている…これの意味することは…」 レミリア「うーん…」 ○○「…俺とお嬢様が…添い寝したってことに…(赤面)」 レミリア「…さっきから五月蝿いわね…貴方も一緒に寝なさい(布団に引きずり込む)」 ○○「えっ?ちょっ…お嬢様…(引きずり込まれ)あぅ~…」 咲夜「お嬢様、就寝されたのですか?…○○?」 ○○「メ、メイド長?」 咲夜「お嬢様と一緒に寝るなんて…(ギリピキィ)何を考えてるかは知らないけど…白玉楼に行く準備は出来たかしら?(ナイフ構え)」 ○○「い、いえ…いやちょっと…勘弁してくださいって!」 レミリア「○○は私が連れ込んだのよ。咲夜は口出ししないで頂戴」 咲夜「お、お嬢様?し、しかし…」 レミリア「いい?貴女は私の従者。逆らうことは…」 咲夜「・・・わかりました」 …命は助かったようだが… レミリア「むー…(抱きつき)」 ○○「理性のほうが飛びそうだな…」 レミリア「○○…温かい…ん~…(すりすり)」 ○○「…この状態で寝ろって方が難しい…お嬢様ぁ…勘弁してくださいよぉ…」 レミリア「ん~…だめよ…○○…」 ○○「はぅ~…」 結局○○はレミリアに抱きつかれた状態で昼間を過ごすことになった… ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ これはひょっとして後書きなのか!?(ぇ ども、"音速駄作製造機"の107です。 今回は…レミリアと添い寝できたらいいなぁ…という授業中の妄想(爆)からこの話が生まれました。 …だって世界史の授業は…正直つまらない…(ぇ なんだか文章が変になってる部分もありますが、ご愛嬌だと思って「ははは、こやつめ!」見たいな感じで流してください(ぉぃ …世界史のノートの裏表紙… えー…I先生、授業中に妄想なんぞして本当にすみませんでした… …ここまで… 449 ─────────────────────────────────────────────────────────── 寒くて寒くて仕方が無いって昨日今日なのに、僕の部屋の窓をぶちやぶって レミリアお嬢様が入ってきた。 でも吸血鬼が部屋に入ってくる作法は、どの映画を見てもそう言うものだったな と記憶しているので、北風がめちゃくちゃ寒く吹き込んで来ても、僕は怒らない。 そして、逆らっても無駄なのでぼーっとしていると、案の定血を吸われた。 でも彼女は小食なので、全部吸われない事が解っているから、僕は余裕だ。 小さくて柔らかいクチビルと、首筋にピリッと奔る痛み、そして愛らしい 鼻からこぼれる短い吐息、その全てを逆に愉しんでしまうくらいだ。 事実、お乳を飲む赤子のように、一生懸命に血を吸うレミリア様はとても 愛らしいのである。 しばらくして、献血注射一本分くらいの血を吸ってしまうと、案の定彼女は 満足して顔を上げてしまった。 「なかなか美味しい血だったわ、お持ち帰り決定ね」 身に余る光栄です。 僕は、この迷信深い日本にB型として生まれた事を始めて感謝した。 「では、ご用意させて頂きます」 メイドさんが突然現れて、そう言った。 紅魔館への引越しの準備でも手伝ってくれるのかな? 彼女は手に、大きなポリ製のタンクとナイフを持っていた。 3スレ目 111 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「レミリア! 俺と結婚してくれ!」 「・・・そう。ならば吸血鬼の『花嫁』にしてやろう」 「本当か?! よっしゃ・・・え、花y(ぢぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」 「不味いわ。咲夜、どこかに捨ててきて」 3スレ目 154 ─────────────────────────────────────────────────────────── レミリアお嬢様に献血のため部屋に行く。 「あら、やっと来たわね。でも、最近ずっと首筋からしかもらっていないから、少し飽きてきたのよ。 たまには趣向を変えて、ほかの場所からもらってみるのもいいわね。どこがいいかしら。言ってみなさい?」 1・手首 2・耳たぶ 3・指 4・唇 4を選んだ場合 「……いいわよ。言うようになったわね。でも、私とあなたじゃ背の高さが違いすぎね。 ……私を抱き上げなさい。あなたの唇から、奪ってあげる」 3スレ目 463 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「レミリア、好きだ」 「100年早い」 「そうか・・・残念だな。俺は100年は生きてられない・・・」 「ならば私の眷属になればいい。・・・100年間、待っていてやろう」 3スレ目 596 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「あれ? お嬢様、お出かけですか? お酒持ってどちらに?」 「ちょっとそこまで、ね。サボるんじゃないわよ、美鈴」 「判ってますよ。ナイフは嫌ですから」 ――キュポン。 「久しぶり。数年ぶり、かしら? 最近来てあげられなくてご免なさいね。アレ、なかなか手に入らなくって」 「……」 「怒ってるの? 心配しなくても貴方の事は忘れやしないわ」 「……」 「でも、貴方も悪いのよ? 貴方があんな無茶な注文してくれるから」 ――ダバダバ。 「そ、アレ。貴方、コレが大好きだったでしょ?」 「……」 「そうそう。一度無理矢理私に飲ませようとして大変なことになったわよね。あの時のパチュの青い顔ったらなかったわ」 「……」 ――ダバダバ。 「この前言ってた人間? ああ、咲夜の事? ええ。とっても出来た従者よ。あの子にもいつか貴方のことを紹介してあげるわね」 「……」 「ふふっ、そうね。あの子、きっと吃驚するわ」 ――ちょろちょろ。 「最近あった面白いこと? そうね……フランに友達が出来たわ。それも人間の魔法使いの」 「……」 「白黒の変な奴よ。図書館から色々くすねてるってパチェがぼやいてたわ」 「……」 ――ぴちゃん。 「……さて、と。咲夜が心配するといけないから帰るわね。丁度お酒も切れちゃったし。次が何時になるかは判らないけど」 「……」 「じゃ、またね。――私が大好きだった人」 ――俺の事はあの酒が手に入った時にでも、思い出してくれればいいから。 ――馬鹿ね。忘れないわ。ずっと、これからも。 3スレ目 728 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「突然だけど」 「なんだ」 「私はあなたが好きよ」 「そうかい」 「何よその反応、もう少し喜んでよ」 「……悪いが」 「俺は突然夜中に家に押し入って眠い俺を外に叩き出した挙句、 不夜城レッドで俺の大切な新築ログハウスを破壊するほどのデストロイヤーな吸血鬼から好きと言われて喜べるほど頭は春じゃない」 「つまりは?」 「嫌いってことだ」 「そう。で、今日はどうやって生きるつもり?」 「お前が破壊したんだろ……」 「そうね、責任は取るわ」 「……お前の口からそんな言葉が出るとは意外だよ」 「失礼ね」 「ああ、失礼だ」 「まあ、兎も角。うちは広いから住んでも別にいいわよ」 「無論そのつもりだ、俺が新しい家を建てるまでな」 「決まりね」 「ところで」 「なに?」 「あのぐらいのでっかい洋館なんだから空き部屋の一つぐらいあるよな?」 「無いわよ」 「……じゃあ俺は何処で寝ろと?」 「私の部屋」 「……断る」 「じゃあフランのところで寝泊りする?」 「すみませんでした貴方様の部屋で寝泊りさせて頂きます」 「あ、そうそう。さっきの話だけど」 「なんだ」 「あなたが今嫌いでも、きっと好きにしてみせるから」 「……俺としてはあんまりレミリアと関わりたくは無いんだが」 「ふふふ、そのうちその言葉も言えなくしてあげるわよ」 「それはそれで物騒だな」 一蹴されるのが有りならするのも有りなのかなって思って書いてみた。 3スレ目 898 ─────────────────────────────────────────────────────────── レミリアへ ぼく以外の血を吸わないで 4スレ目 23 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「……俺は何しようとしてたんだ?」 ドアノブに手をかけたところで俺はふと思った。 っていうかそれ以前の記憶が無い。 ……記憶喪失か? だとしたら大惨事だ。 行くとしたら妹様のところか永遠亭だな。 「……あー、そうだ。外に行こうとしたんだっけ」 しかし、少し考えてすぐに思いつく。 いやはやド忘れなんてことは俺には無いと思っていたが……世の中は広い。 ついでに言っておくが、今は夜でここは紅魔館の内側だ。 この時間帯はレミリアが起きているのでメイドたちも大変らしい。 まぁそんなことは俺には関係ない。 で、なんで外に出ようとしたんだっけ。 ……お、思いだせん。 「まぁ、少ししたら思い出すだろう」 と楽天的に考えてドアを開けようと押すが――― 「あ、開かないっ!?」 開かなかった。 力いっぱい押してもナチュラルな人間である俺に扉をぶち破るほどの力は無い。 「ま、まさか閉じ込められた!?」 やばい、食料とかためてないぞ? 水は? 暖は? えーと他には…… 「そのドアは引くて開けるのよ?」 狼狽している俺の後ろから呆れた声がしたので慌てて振り向くと、そこにはまぁちっさい吸血鬼が立っていた。 小さすぎて俺の今までの焦りが嘘の様に消えたほどぐらい。 「悪かったわね、ちいさくて。というか、教えてあげたんだから感謝しなさい」 勿論発狂している妹のほうではなくて、傍若無人のレミリアのほうだ。 「あはははは、そうだっけ。このドア押すんじゃなくて引くんだったんだなぁ」 とうとうボケが始まったか。 畜生、まだ若いのに……。 とりあえず気を取り直して、本来を目的を達成させるために引いてみようとするが――― 「うお! 開かないっ!?」 これまたどんだけ力を入れて引いてもびくともしません先生っ! もしや鍵が必要とか!? それかレミリアが嘘ついたかなのかっ!? お、落ち着け。もちつけ。そういえば餅食べてないなー。 ……って、違う違う。落ち着くんだ。 とりあえず辺りを見まわしてみよう、もしかしたらヒントがあるかも試練。 左よーし。 右よーs…………元凶発見。 そしてその極悪な元凶ちゃんはドアが開かない様にドアによりかかってこちらを見ていた。 「なにやってんだお主は……」 「あなたの邪魔」 「……何故?」 レミリアの理不尽は初めてではないがやっぱり訊きたくなる。 っていうか理不尽なまますごすごと帰ってたまるか。 「妖怪を舐めちゃ駄目よ。あなたなんてすぐ食べられるわね」 成る程、俺の身を心配してくれるのか。 初めて俺に気を使ってくれた気がする。 「食べられたらあなたの血が飲めなくなるもの」 前言撤回。 やっぱりコイツは自分勝手な我侭お嬢様だ。 しかし、どうせ無理やり行こうとしてもレミリアと俺の力の差なんて火を見るより明らかだ。 この状況は普通に変えるのが得策。 「はいはい解りましたよ」 外に出る理由も忘れちまったしな。 俺は踵を返して自分の部屋に戻ろうとした。 「待ちなさい」 が、やっぱりこうなるとは思っていたがレミリアに呼びとめられた。 勿論振り向かないのは礼儀的に咲夜さんに殺されるので、仕方が無く振り向いて問う。 「なんで?」 「私が外に出たいから付き合いなさい」 「一人で行け」 「一人じゃつまらないわ」 「じゃあメイド長と一緒に出りゃ良いだろう」 「咲夜は今忙しいらしいわ」 「じゃあ――」 「五月蝿い黙れさっさと行くわよ」 他の案を出そうとしたら凄い剣幕で止められた。 そして俺に反撃の隙を与えずに外に出てしまった。 ……我侭だなぁ。 散歩なんだけどレミリアと一緒に外に行くのが主流なのか? 正直困るだろ。 俺はそのまま帰ってやろうかとドアに手をかけかけて――― 「行くわよ!!」 本気で怒鳴られた。 ってな事でレミリアに無理やりに散歩に参加させられた。 ちなみに湖を越えるときは(強制的に)レミリアに運ばせてもらった どんな運び方だったかは教えられない。死んでも教えねぇ。 とりあえず現在は現在は森の中を歩いている。 なんでかって言うと、空を飛べない俺に配慮してかもしれない。 まぁ、飛べない奴置いて空飛ぶほど非情じゃなさそうだしな……。 森の中といえば妖怪がうじゃうじゃいると思うが、レミリアのお陰か妖怪は寄り付きさえしない。 それでも四方八方木ばっかりで俺としては薄気味悪い。 話をしようにも話題がなければ声も出ず、結局は無言で歩いている状況だ。 そしてなんとなく気まずい雰囲気があたりを支配する。 何が悲しくてこんな吸血鬼と薄気味悪い森の中を歩かなければいけないんだ……。 日ごろの行いが悪いせいか? いやいや神様。俺は普通に悪い事なんてせずにゆったり生きていますよ。 天罰下すなら目の前の吸血鬼にしてくれ。一応悪魔なんだし。 歩いていて気付いたが、結構蒸し暑い事に気付く。 まぁ夏だしな、仕方がないか。 「○○」 「な、なんだっ?」 突然の呼びかけにビックリしてしまって5mmくらい浮遊してしまった。 その上若干上ずって返答してしまった。ああ、なんか笑いの種になりそう。 「今日は何日か知ってるかしら?」 「何日かだって?」 なんでこの吸血鬼はそんな事を聞くのだろう。 しかしながら俺もここに来てからというもの年月とかは忘れてしまったので解らないと素直に答えた。 「そう。いいわ、別に期待してなかったし」 何気ない一言が俺の心を傷つける。 幻想郷に来てから何回心を傷つけられただろう。結構荒んでいる気がする。 そんな事もお構いなしだから困る。 「毎年この時期になると見えるのよ」 「何が?」 「上を見てみなさい」 と、いわれたので仕方が無く上を見てみると――― 「木だな」 暗いから良く解らないけど日が出てきたら青々とした木と枝が見える事が大いに予想がつく。 「そうじゃなくて…………ああもう、ここからじゃ見えないわね」 そう言ったレミリアは俺の手首を掴んで一気にスピードを上げて前に進んだ。 前に言った通り、俺は普通の人間だ。 そんな普通の人間が吸血鬼のスピードに絶えられるわけが無く、つまりは――― 「痛い痛いもげ、もげるからレミリアさん聞こえているけど無視してどんどん速度上げてるでしょてめぇこら止まれぇぇぇぇぇぇ!!!」 俺の腕が千切れそうになったとさ。 「はい、着いたわよ。上見て」 着いた場所はなだらかな斜面の草原が広がる一種の丘だった。 なんでレミリアはこんなところを知っていたのだろうか。 それよりもこの腕の痛みはなんとかならないのかな。 「し、死ぬ、千切れる。……てめぇ、絶対殺す……」 俺がブツブツと呪詛を呟きながらレミリアの支持通り上を見ると――― 「……うぉ」 それまでの怒りやらなんやらが吹っ飛ぶぐらい綺麗な――― 「凄いでしょ?」 俺の元いた場所では想像できないほど綺麗な星空と天の川だった。 「……ああ」 久しぶりに天の川。 これを見てぎゃーぎゃー騒いでたのが前の俺なんだよな今の俺は家に引きこもってるから困る。 少し俺の心が洗われた景色だった。 「まぁあなたの事だからこの時期でさえ空が見えないところで寝ていたんでしょうけどね」 そして洗われた部分をさらっと傷つけるのがここの吸血鬼だ。 「成る程、レミリアが散歩しようとした理由がわかった」 「……っていうか、私が運んでいるときには見なかったのかしら?」 「怖くて下ばっかり見てましたが何か? 上見たら負けかなぁなんて思ってた」 「そうね、多分あなたが上を見たら思いっきり下に投げてたわ」 そんなことで人間版スカーレットシュートしないでくださいな。 血が吸えなくなるから外に出るなっていったのは誰だよ。 「で、俺を強制的に外に連れ出したのはこれが理由か?」 「咲夜には結構見せたからね。どうせあなた見てないと思ってたし」 「失敬な、ガキの頃は見たぞ」 「ってことは最近は見てないって事でしょ」 なんて他愛な話を座って空を見つづけながら言い合う。 こんな雰囲気が続いたら良いなーって思っている俺がいた。 適当に喋って、嫌だけどまたあの運び方で紅魔館に戻って、また明日って感じで。 「○○」 けれど、ゆったりムードの雰囲気もそう長くは続かなかった。 原因は別にパララッチな天狗でもナイフが怖いメイド長でも俺の歌を聞けーな夜雀でもなんでも無い。 すぐ近くにいる吸血鬼だ。 突如視界が吹っ飛んだと思うとドスッという鈍い音と共に背中と頭に痛みが走り、目の前に写る景色が突如変わった。 その景色とは、レミリアの顔だった。当然目線が合ってしまう。 肩にはレミリアの手がかなりの力で乗っているため、俺は置きあがれずに逃げ場が無くなってしまった。 良く見ると普段青白い顔が若干紅いような気がする。 「前から思っていたんだけどね……」 そう言ってレミリアは一旦言葉を噤んだ。 その一瞬で俺の心臓の鼓動がかなり早くなった。 なんで俺が緊張せねばいかんのだ。 「私はあなたに前から興味を持っていたの。食料以外でね」 「……興味?」 思わず聞き返してしまう。 ああ、なんか言いたい事が解ってしまうと顔が赤くなるな。 視線を逸らしたいけど逸らしたら何言われるかわからないからそのまま固定。 「それで、何故かと色々と考えをめぐらしていたら答えについたのよ」 俺の質問を無視するのは故意ではなくて気に出来ないほど緊張しているからだとは思う。 思いたい。思いつめたい。小一時間思いつめたい。 「○○。私はあなたが好きみたい」 言いやがった、この吸血鬼。 心臓がかなり早いスピードで脈を打っているのが解る。 慣れてない事はどうしても駄目だね。 「あなたは私の事をどう思っているのかしら?」 うおぃ、返答聞かれちゃったよ! なんて答えれば良いんだ? いや、自分に正直になればいいんじゃないのか? 正直に答えるとなると…… 『……我侭で傍若無人、とりあえずはかかわり合いたくない相手』 ってなるじゃないか! し、死亡グラフ確定!? 却下! でも嘘ついても見破られる気がしないでもない……。 「ちなみに恋心としてだから。解ってるわね!?」 どうやら考えている事を読まれしまったらしく若干怒り気味で言われた。 はて、恋心? そう言えばそんなの生死の境を毎回いったりきたりの毎日じゃそんなこと考えられんわ。 さて今は安全なので考えてみよう。 気付いたら傍にいるのは誰だ? ふとした時に思い出すのは誰だ? ……決まってるじゃないか。半強制的だがな。 「恋心かどうかはわからないが……、気付いたらレミリアと一緒にいて気付いたらレミリアのことを考えている事が多い。 多分、お前の事を意識しているとは思う」 「なんか微妙な言い方ね……。まぁ、あなたが何時も憎まれ口を叩いているのもわかるけどね」 そいつは驚きだった。また別の意味で心臓の鼓動が早まる。 ついでに冷や汗も。 「だって言うじゃない? 嫌よ嫌よも好きのうちってね」 いや、そうなのか? 俺にそれは適用されるのか? ファンだ。違う、不安だ。 「でもね、そんな曖昧な言い方じゃ駄目」 結局却下されちゃったみたいですわ奥さん。 はいはい解りましたよ。薄々は俺も気付いていたし、曖昧な答え方でなんとかなるかなって思ったけど駄目みたいですね。 「レミリアが好き……みたいだ」 最後の言葉は俺の精一杯の抵抗。 でないと心臓が破裂してあたり一帯がスカーレットな状況になってしまう。 「また曖昧だけど大体解るから許してあげるわ」 ……ひょっとして、俺に好きと言わせるまで何回も訂正させる気だったのか? そういえばこんな大胆なレミリアは初めて見るな。気付くのが遅すぎるか? 「……そういえば。なんで七夕を選んで、しかも俺をここまで連れていってまでしようとしたんだ?」 「ここなら多分見つからないと思うし、織姫と彦星が一年に一回会える時期、妖怪と人間の境界も越えられるかもって思ったのよ」 おうおう、ロマンチストだな吸血鬼よ。 まぁ関係無いけど粋な計らいだ。 「じゃあ誓いの……」 なんか色々吹っ飛んでいる気がするんですけど先生ー。 いきなり誓いのうぎぎなんて早すぎる。 ちょ、今ここで? ってか逃げられんっ! 別に嫌じゃないけど助けてっ! 「吸血を」 ……まぁそうだろうと思ってたさ。 なんか泣ける。 仕方が無い、せめてもの抵抗でもしてやろうか。どうせ無理だろうとは思うけどさ。 「ちょっと待て、今やる気か? 帰ってるときに血が無くなったらどうするんだお前はー!? うわ、無視かっ! 非情だっ!」 なんて抵抗も空しくレミリアは首筋に顔を近づけたその時――― 「あははははははっ!!! だ、駄目死ぬわっ! これはっ!!」 凄まじく場違いな笑い声がした。 気付いたら俺はレミリアの部屋で机に突っ伏していたわけだが、そこに居たのは――― 「だ、駄目ですよお嬢様。○○が起きてしまいますわ」 けっこう顔が引きつっている咲夜さんと――― 「いいえ、もう手遅れの様ね。……プッ」 最後のほうでたまらず噴出してしまったパチュリーと――― 「もう、ちょ、っと、見れるかと、お、もったん、ですけ、どね」 笑いを堪えているのかで途切れがおかしくなっている小悪魔と――― 「あははははは! あははははははは!」 無茶苦茶に笑い転げているレミリアが居た。 ……はい? 状況が掴めませんが、俺は先程吸血されそうになったはずじゃないのか? キョトンとしていると引きつったままのパチュリーが答えを教えてくれた。 「こ、紅茶を飲んだのは、覚えているかしら?」 「紅茶?」 えーっと、紅茶なんて飲んだかなぁ……。 過去を振り返ろう、どうせ浅い時間だろう。 紅茶……確かに飲んだな。その後……の記憶が無いんだが。 「アレは睡眠薬入りの紅茶よ。私特性の」 思いっきり引きつっている顔のままパチュリーがまたもや教えてくれた。 ってぇことは? 「あなたはずっと夢を見ていたわけ。それを私の水晶球でウォッチしていたの。勿論内面描写もろもろね」 「あははははは!」 成る程、どうりでレミリアがいつもより変だと思った。 っておい、内面描写って事はだ、俺が夢の中で見ていたことやらなんやらが全部? 包み隠さず? ここの面々に見られたわけで? ああなるほど、だーから皆笑っているわけかぁ。 成る程成る程。 どうやら解ってきた俺を見て更に全員それぞれに横を向いて口を抑えたり、余計引きつったり、余計に笑い転げたりしていた。 くあっ! 首吊りてぇっ! 「首吊ってくる!!」 有限実行とはこのことだね。俺ってば素晴らしい。 なんて焦りながら自分を褒め称える。 「まぁまぁ落ち着いて」 「これが落ち着いてられるかっ! 今から俺はここにいる全員を根絶やしにするか幻想郷から出たりしない限り俺の安眠は無い!」 自殺が駄目なら外に漏らさなければ良い。 そう考えた俺は、そこらへんに偶然あった新鮮な長ネギを二本持って謎のフィンランド語の歌を口ずさみつつ身構えた。 「レミィが無意味にこんな事をすると思う?」 「思う!!」 「……レミィ、彼からの信頼無いわね」 「あははははは! だって、からかうのが、面白すぎて、あははははは!」 「オーケー、今から閻魔のところまでぶっ飛ぶがいい」 「落ち着きなさい。今の状況でもあなたがレミィと戦って勝てる見込みは無いわよ?」 「…………う」 そりゃそうか、吸血鬼と人間だしねぇ。 しかし長ネギは下ろさずに構える。その気になれば誰か一人くらいは……無理だけど、とりあえず下ろさない。 「レミィは私に聞いてきたのよ。効率良くあなたの気持ちを知れないかって」 「……仮にその話が本当だとしても、レミリアが俺の気持ちを知ろうとする理由が思い当たらないが」 「……呆れた」 引きつった顔のまま言われても困る。 ちなみにレミリアは未だに笑いつづけている。 時折俺の内面描写の一部をブツブツと言った後また笑ったレミリアを見ると、やっぱりコイツは極悪だなと解る。 「ついでに私はこう答えたわ。他人の気持ちを知るならばまず最初に自分の気持ちを言うべきだってね。 でもね、レミィはそれを聞いたときに自分からは言えないって言ったわけ。で……」 「この作戦が採用されたわけか」 「そう」 なんか卑怯な気がする。自分で言えってのに……。 「拒否されるときにレミィはどう対応すればいいかとか解らなかったんじゃないかしら?」 さらっというあたりさすが友人だ。 レミリアが居るにもかかわらず言ってのけるところ、笑いで状況判断ができなくなったのだろうか。 と、今更ながらある事を思いつく。 「ってことは、レミリアが夢で言った事は?」 「若干捏造はしたけど大体は本当よ」 うへぁ! そいつは知らなかった。 いや、知らなくて当然か。今言われたし。 そういえばここはレミリアの部屋だな、うん。 なんで呼び出されたんだっけか。たしか、重大な話があるっていってたっけ。 ……なんとなく、未来がわかった気がする。 ここで俺がやることは一つ、逃げねば。 「く、国に帰らせていただきます!!」 そう言ってダッシュはしないにしろ早歩きでドアへと向かう。 そしてドアノブを捻って思いっきり押したが――― 「あ、開かないっ!?」 夢の続きかっ!? 押しても引いても開かないってどう言う事ですか先生っ!! もしや思って振り向くと、レミリア以外の三人が居ないじゃないか。 ……閉じ込められた? 部屋には俺とレミリアだけが取り残された。 レミリアがもう笑っていないせいか俺が喋ってないせいかはたまた両方か、部屋が物凄い静寂に包まれていた。 「○○」 と、レミリアが突然話しかけてきた。 少々ビックリしたので声が上ずってしまわない様黙る。 「私はあなたのことが……好きよ。あなた、は?」 真っ赤になって答えるレミリアがそれほど近くない距離からでも解る。 元が青白いからそのぶん変かがわかりやすいって事だな。 で、質問の答えだが。もう言ったはずだ。 まぁ言わなければいけないんだろう、しょうがないから言ってやろうじゃないか。 「俺は……レミリアが好き、みたいだ」 夢と似たような答えにレミリアは少し笑って夢と同じ答え方をした。 「また曖昧だけど大体解るから許してあげるわ」 どうせなら俺も乗ってやることにする。 「……そういえば。なんで七夕を選んで、しかも俺をここまでやってまで確かめようとしたんだ?」 「織姫と彦星が一年に一回会える時期、妖怪と人間の境界も越えられるかもって思ったのよ」 本当なのだろうか、まぁ捏造込みって言ってたし。嘘かも。 「じゃあ誓いの……」 と言った瞬間ベッドに投げ飛ばされてしまった。 ……ちょいまち、この状況ってことはこうなるわけで? 「吸血を……」 「うおい! ここまで再現する気なのかっ!? それともなにか、俺が見たのは予知夢だったのか!?」 「ふふふ、どうかしらね」 「話せば解るっ!」 「嫌よ嫌よも好きのうち、でしょ?」 「それはお前が言った事だろ! お、鬼! 悪魔!」 「私は吸血『鬼』で悪魔よ」 「じゃあ豆は弱点だなっ!」 と、まぁよくわからんことをグダグダ言っている間に月明かりや天の川やらに照らされて出来た二人の影は変わった形で重なり合いましたとさ。 ちなみに、俺の夢については他言したら撲滅とレミリアと俺で決めた。 ……いやはや世の中はどうなるかわかりませんねぇ。 彦星と織姫みたいな関係にはなりたくないけど、こちらもどうだか。 「なんか言った?」 いや、なんにも。 なんでお前なんかを好きになったのかなーなんてこれっぽっちも思ってないよ。 「……ふうん。どうやら現実でもう一度、今度は全員の前でやる必要があるようね……」 おうち、つい調子に乗って本音を言ってしまった! レミリアストーップ! 話せば解る! だからアレは勘弁! 絶対止めて! 頼むから! お姫様抱っこは死んでもやめてくれっ!! Hoppy End? 避難所 50(うpろだ0027) ─────────────────────────────────────────────────────────── 窓から一条の光が差し込む薄暗い部屋 彼女はその光に腕を差し出し その深紅の瞳で俺の眼を射抜いていた。 「吸いなさい。それだけで貴方は永遠の命を得ることが出来る」 「私と共に歩んでいく命を得ることが出来る」 「でも、それは何よりも深い闇の道を歩むと言うこと」 「死よりも辛い時間という流れを歩むと言うこと」 「それでも、私を愛していると言うのなら」 「私を求めると言うのなら」 「今ここにその覚悟を示しなさい!」 「人を捨て、光を捨て、私を手に入れて見なさい!」 何と言うか・・・ 私の願望?というか、こんな事をレミリアに言われてみたいな~とか 思っていたら出来上がってしまった妄想文です。 もう一つ、弱いレミリアVerを考えているんですが 投稿しようかどうか迷っています。 4スレ目 652 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「まぁ……お前が運命を操るとかいう以前に、俺はお前が好きだったって ことなんだろうな」→レミリア 4スレ目 696 ─────────────────────────────────────────────────────────── いつのまにか、自分は家の窓から満月が映える空を見上げていた。 どうも、自分は寝ぼけているようだ。頭がすっきりしないし、今まで何をしていたのか思い出せない。 ただ、気付いたら満月をずっと眺めていた。 まぁ、これも暑さと暇な所為だろう。そう思って、その晩は結局そのまま床についた。 しかし、翌日になっても、この不思議というより、困った記憶の感覚はひきずったままだった。 昨日の事がさっぱり思い出せない。いや、それだけではない。昨日より前の日の出来事も所々忘れているようだ。 どこか出かけた事は覚えていても、どこに向かったのか、何をしたのか、誰と会ったのかが抜け落ちている。 深く考え込みながら過ごしているうちに、今日も夜が来た。窓から見上げた月は少し欠けていた。 ふと、視線を周辺の木々へと移すと、そこに見慣れない人の影があった。よくは見えなかったが、 月明かりによって見えた姿は、大きなリボンのついた帽子を被り、髪は長く青みがかった銀髪の少女だった。 その直後、自分は幻想のようなものを見た。一人の男と、さきの少女のような人が話をしている。 けれど、その二人の表情はよく分からなかったが、どこか悲しそうであった。そして、少女は目元に光を残して去っていった。 同時に幻想はゆっくり、うっすらと消えていった。現実に戻った自分の目の前に、あの少女は居なかった。 あの夢のような、幻は何だったのだろう。ただ、この光景は知っているような気がした。そして、胸が押しつぶされそうな感覚を受けた。 思わず顔を俯かせる。すると、自分の手のひらに涙がこぼれ落ちた。そして、一言口にした。 「君は・・・誰?」 4スレ目 844 ─────────────────────────────────────────────────────────── ---------------------------------------------------------------------------------------------------- 「なあ慧音。明日辺りじゃなかったっけ? ほら、彼」 「ん? ……あぁ、そうか。もうそんなに経つのか。早いものだな」 ――んじゃ、よろしくお願いします。 ――なんでそこまでする必要がある? ――恥ずかしいんですよ、俺が。 「――扉?」 見回りと掃除を兼ねた仕事中、私は此処に来てから一度も見た事のない扉を発見した。 完全で瀟洒なメイド長である私が把握していない部屋など無い筈なのだが……。 随分放置されてきたのか、相当にボロい。なんとなく気になり、おもむろに扉を開ける。 ――ガチャリ。 さび付いている筈の扉は、いとも簡単に開いた。 そして、中に入り、何があるのか確かめようとしたのだが、 「……え?」 ――その瞬間、世界が、空気が、変わった。 たった今まで日が出ていたのにこの部屋は夜。月が部屋を照らし出す。 知らない部屋、知らない匂い、知らない感覚。 知らないけれど、私はこの感覚を識っている。 ここは紅魔館であって紅魔館じゃない。 時間を操作できる私だから判る。ここだけ時の流れから取り残されたかのような感覚。 本来色を持たない筈の大気はセピア色に染まり、私は外界から断絶される。 ここはさながら壊れて止まった時計の中。紅魔館の中にありながら、紅魔館からその存在を忘れ去られた場所。 警戒する私の前には、知らない男性。 ……誰かしら。この部屋の住人? ――誰が見てるかは知りませんが、お久しぶりです。もしくは初めまして? その場合はさっさと回れ右してください。面白いもんでもないんで。 その言葉で即座に理解する。 この部屋と彼は私と同じ時間軸に存在していない、という事を。 ――そこにレミリアは……いないよな? もしいたら今すぐ出てけ。 つーか今更お前に話す事は無い。お前に話すべき事は全部昨日話した。 ――コホン。見苦しい所をお見せしました。えー、知ってる人は殆どいないでしょうが、なんでも俺はあと1~2日の命だそうです。この映像撮ってる時から。 つまり、名も知らぬアナタがコレを見てる時には、俺はとっくにお陀仏してます。 ――出来れば、皆に直接会って言えればれば良かったんですが、諸々の事情と時間の都合によりそれは無理なんで、この映像を此処の住人への遺言? みたいな形で残します。 ――ちなみに、あんまり早く出しても俺が恥ずかしいんで、俺が死んだ後、とある人に50年ほどこの部屋を隠してもらう予定です。 とりあえず ここに住んでる魔女とか妖怪の皆なら、50年くらい大したことない時間だろうし。あ、死人が恥ずかしがるなとか言わないで下さい。男心は複雑なのです。 ――でももし、コレを見てるのが俺のことを知らない人だったり、紅魔館の住人じゃなかったら……もう一度いいます。今すぐこの部屋から回れ右して、この部屋に入ってからの一切の記憶を消去してください。 その際、紅魔館の住人にはこの部屋の存在については何も言わないで下さい。もう一度いいますが、男心は複雑なのです。 ――いいですか? ……んじゃ、始めますね。 少しの間を置いて、彼は訥々と語り始めた。 ――結果を言えば、ほんの少しの好奇心を持って聞いていたソレを、私は心から後悔する事になるのだが。 ――まず死因ですが、寿命です。この前の満月の日、妹様がちょーっと興奮しすぎちゃって、大変な事になりましたね? その時、ちょいとピンチに陥ってたレミリアを庇ったら下半身と右腕を吹っ飛ばされました(笑)。 死ぬほど痛かったです。死にましたが(笑)。やっぱ人間慣れない荒事はするもんじゃないですね。レミリアは無事だったんでよかったですが。 どうやら当時の彼はその場で死んだらしい。じゃあ彼は今、幽霊なのかしら? それにしても妹様の前に立つとか、命知らずにも程があるわね。むしろアホだわ。 でも、彼は「後二日の命」と言った。矛盾してるわね。 ――すぐさまパチュリーさんが回復に当たったしたらしいのですが、当然間に合わず、俺は9割9分死んだそうです。 ソレを聞いたとき、俺は妹様の圧倒的な破壊の力の中にほんの少しの優しさを感じました(笑)。 なるほど、蘇生したのね。妹様の直撃を食らって蘇生する、ってだけでも人間にしては随分頑丈みたいだけど……。 ――殆ど死んでた俺は詳しい事は知りませんが、それでも色々頑張ってくれたみたいで、俺は今ここにいます。 が、これから先の命の殆どを使っての蘇生だったんで、その分の寿命を持っていかれた。と言う顛末です。 流石人間。妖怪とは寿命も身体の作りも違います(笑)。 まあ、そんなものよね。所詮人間だし。 ――さて、本題ですが、俺が紅魔館で過ごした日々は、二十台の半分にも満たない俺の人生でしたが、その中で一番楽しく、充実した時間でした。 ――そんなわけで、俺がここでお世話になった方々に、一言ずつ言っていきたいと思います。 ――まず美鈴。いつもお仕事お疲れ様。カレーパンを渡した時、君に泣いて喜ばれたのは俺と君だけの秘密です(笑)。 ――次、パチュリーさん。偶には外に出ましょう。この前帽子に茸が生えてましたよ。 ――小悪魔こと、こぁ。悪戯は程ほどに。立派なレディーになる事をお兄さんは祈ってます。 ――メイド隊の皆さん。あんまり長い間じゃなかったけど、俺みたいな若輩者に付いてきてくれてありがとう。 ――最後に、妹様。……なにとぞレミリアと仲良くしてやってください。ああ見えて意外と寂しがりやなんで。 ――皆さん、俺は今、本当に幸せです。本当にありがとうございました。……そして、さよならです。 ……なーんて言うと、ちょっとカッコイイ感じがしませんか? ……それじゃ、本当に、さようなら。 どうやらこれでお終いらしい。大して面白いものでもなかったわね。本人も言ってたけど。 しかし、お嬢様を呼び捨てにしたり、何様なのかしらね。ここにいたら即ハリネズミにする所だわ。今度冥界にでも行こうかしら。 ……それにしても映像、終わんないわね。 目線を外して、やれやれと溜息をつく彼の姿。まだ映写機が動いてるのに気付いてないのかしら? ――はあぃ○○。 ――幽香か。空気読んで待っててくれたのはありがたいけど、とりあえず窓から入ってくんな。……って、このやりとりも、もう最後か。 これって……あの花の妖怪? なんで彼女が紅魔館に侵入してるのかしら。それも普通に窓から。いや、窓からは普通じゃないけど。 ――で、どうした? 風の噂でも聞いたのか? それとも天狗か? ――そんな所よ。……でもほんと残念。貴方と遊ぶのは楽しかったんだけど。……この際吸血鬼にでもなったら? とりあえず死なないわよ。日光とかは駄目になるだろうけど。 ――吸血鬼、ね。 ――嫌なの? やっぱり人間として死にたいとか? ――いやさ、今の遺言には入れてないけど、実は俺ってとっくに吸血鬼らしいよ? 蘇生の時、人間の命じゃ全然足りなくて、レミリアが俺を眷族にしたらしい。それでもこの有様さ。げに恐ろしきは妹様の破壊の力。ってね。 なにがおかしいのか、からからと笑う。 それにしても、お嬢様が眷属に? 彼、よっぽどのお気に入りだったのかしら。 あら? でも、もしそうなら……? ――……眷属になったんなら、主が死ななきゃ大丈夫なんじゃないの? ――そうなんだけど、俺の場合肉体じゃなくて、魂が死ぬんだってさ。パチュリーさんが言ってた。 ――…………。 「…………」 私の疑問と同様の質問をする彼女に、彼はとんでもない事を言ってのけた。 魂の死。それは消滅。何も無い。行き着く先は本当の闇。 冥界に行く事も無く、閻魔に裁かれる事も無い。 それは、とてもとても恐ろしい事。勿論その事も彼女も知っているのだろう。 彼は……怖くなかったのだろうか? ――ふうっ。……あーあ、死にたくねえなー。 ――っ! 「――っ!」 私の思考を読んだかのような一言に、思わず息を呑んでしまう。そんな事、ある筈が無いのに。 不意に、天井を見上げ、苦笑しながら、諦め気味にそう呟いた名も知らぬ彼。 飾り気も何も無い、思った事をそのまま口に出したのであろうその言葉は、これ以上無い諦観に溢れていた。 本当に、死にたくはないけれど。もう、彼は知っていたのだ。もう自分がどうにもならない事を。 ――あー、なんつーか、悪い。誰かがいると、どうも弱音を聞いてほしくなる。 ――…………っ。 ――どした? ……なんだおい。お前泣いてんのか? 自称最強の妖怪がたかが人間一人のために泣いてんのか? ――当たり前、でしょ……。たった一人の……大切な、……友達、……なんだから。 ――……そっか。さんきゅ。ま、皆と仲良くしろよ。無理っぽそうだけどな。 ――ぶつっ。 そこで映像は途切れた。 私の目の前にはボロボロの部屋。 映像の部屋の面影は、ほんの一欠片も無い。 心に一つだけ抱き、私はその部屋を後にした……。 ――――。 「お嬢様」 「何? 珍しく険しい顔して」 時間は巡り、今は夜。 私が部屋に付く頃には既にお嬢様は起きていた。 「お聞きしたい事があります」 「珍しい事もあるものね。……まあいいわ。今日は特別な日だし、なんでも答えてあげる」 「今日、とある部屋を見つけました」 「へえ?」 クツクツと面白そうに笑う。 お嬢様の事だ。大方私が何を言いたいのかも知っているのだろう。 ならばこれ以上無駄な前振りも必要ない。 「率直に聞きます。一体彼は何者なのですか?」 お嬢様が笑うのを止める。 その澄んだ瞳に移る感情は、私には読み取れない。 「……以前の執事長よ」 「執事長?」 予想外だった。 てっきり客かなにかと思っていたのだが……。 「そして、私が唯一大切にしたい、と心から思った人間でもある」 「……!?」 「ふふっ。やっぱり驚いたわね……。ほら」 私の驚きっぷりが予想通りだったのか、嬉しそうに何かの紙を投げて寄こすお嬢様。 音も無く私の目の前に落ちたそれを拾う。 「……」 それは、一枚の写真だった。 場所は……紅魔館のどこかだろう。 中心には満面の笑みを浮かべる例の彼と、赤い顔で膨れっ面をした、ウェディングドレスを着たお嬢様。お姫様だっこで抱きかかえられている。 横には手作りの粗末なブーケを持った、今とは違う幼い小悪魔と思わしき誰か。 その反対には美鈴と、彼女の頭の上に乗った妹様と、相変わらず本を読んでいるパチュリー様。 そして周囲には私の知らないメイド隊。 ……考えるまでも無い。昔の紅魔館の集合写真だ。 「……これは?」 「昔、小悪魔にせがまれてやった結婚式ごっこよ。まま事みたいなものだったけど、楽しかったわ。彼も、私も、皆も」 「……」 「……あの数年間は幸せだったわ。本当に」 そう月を見ながら微笑むお嬢様の手には、何時の間にかワインボトルと二つのグラス。 「咲夜。少し飲むわ。付き合いなさい」 「……かしこまりました」 私はそれ以上何も聞く事は無かった。聞きたい事はとうに聞いてしまったのだから。 因みに、そのワイン、普段私やお譲様が飲むモノと比べるととてもではないがいいものではなかった。 お嬢様曰く、今の幻想郷では滅多に手に入らない貴重品で、彼が事のほか好んだのだと言う……。 ─────────────────────────────────────────────────────────── ――50年だ。それ以上は待てない。 ――それで十分。あ、お前は偶に来てくれてもいいぞ? ただしあの酒が手に入った時だけな。 あの数日後、私は突然お嬢様に呼び出された。 「咲夜。出るわよ」 「……今日はどちらへ?」 「内緒、よ」 疑問を投げかける私にそう妖しく笑う。 その笑みが激しく気になるが、まあお嬢様の気紛れは今に始まった事でもないので何も言わない。 主の意向にそぐわないメイドなど、完全で瀟洒な従者の名が泣くというものだ。 とりあえず今日は晴れ。日傘を用意しなくては。 「……遅い」 「まあまあ」 門に差し掛かった私達を待っていたのは二つの影。 いつもは図書館に篭りっきりのパチュリー様と小悪魔だった。小悪魔はともかく、珍しい事もあるものだ。 そして何時の間にか、門の周りには知らない妖怪達が十数匹。……いや、私はその顔ぶれを知っている? 「小悪魔、フランは?」 「妹様は……どうしても行けないと」 「……そう」 残念そうに深い溜息をつくお嬢様。 今日出かける所には妹様も関係があるのだろうか? 「じゃ、美鈴。行ってくるわ。後よろしく」 「行ってらっしゃいませ」 珍しくお嬢様が門番に声をかける。私の知る限り、これが初めてじゃないだろうか? その時の門番は、いつものヘタレている彼女と違う、これもやはり私が初めて見る、真面目な表情をしていた。 そして何時の間にか、あんなにいた妖怪達はいなくなっていた。 ――――。 四人は行ってしまった。 私も一緒に行きたくはなかったと言えば嘘になる。 だけど、私には私の仕事がある。そう易々とここを動くわけにはいかない。 「よしよし。行ったな……」 「……」 やっぱり来た。白黒だ。 大方皆が出て行くのを見計らっていたのだろう。 私も随分と舐められたものだ。……いつもの事だし、仕方ないと言えば仕方ないが。 「よう中国。今日も通してもらうぜ」 「……他の日ならいざ知らず、今日は、今日だけは、何があってもここを通すワケにはいかないんですよねー。咲夜さんも行っちゃいましたし」 「はっ! 冗談。こんなチャンスを逃すほど私は人が良くないんでね。そっちの都合なんか知ったこっちゃない」 勿論そんな事は判っている。そんな事で引き返してくれるなら苦労はしない。 そして、彼女を打ち倒す事がそう簡単でない事も。 しかし、今日、お嬢様は私に後の全てを任せた。 ならば、私は持てる全力を超えてでも、お嬢様の信頼に応えなくてはならない――! 「それくらい、こっちも承知の上。だから……」 ――スッ。 「んなっ!?」 私が腕を上げるのと同時に、音も無く魔理沙を囲む私の昔の同僚達。 皆、最後に会った時から何も変わっていない。 今日この日、誰一人欠ける事無く集まってきた事を、私は心から喜ばしく思う。 ――彼は、弱かった。今の紅魔館を束ねる咲夜さんや目の前の白黒、紅白と比べると、彼女達が同じ人間なのか、と疑わしい程に。 ――だから、彼は自身を中心に私達の力を連携によって最大限に発揮し、生かす術を実践した。 ――結果は上々。あの妹様を相手にしてもお嬢様とパチュリー様が到着するまでの数分は持ちこたえられる、という驚異的なものだった。 ――そしてその日から、妹様相手に死者は出なくなった。 ――仕事仲間が誰一人欠ける事の無くなった、という事実に、彼は心から喜んだ。私達も、また同様に。 ――幾度となく繰り返した戦いの果てに手に入れたもの。それは、仲間という名の掛け替えの無い力であり、信頼という絆だった。 「いつも通り頭数揃えて、私に勝てると思ってるのか?」 「いつも通りの、面子なら、無理、でしょうね……」 (こいつ、泣いてる……?) 懐かしく、心地いい空気。 思わず溢れた涙に視界が滲む。 そしてそれに呼応するかのごとく、退屈な日常に色褪せた筈の私の魂が、本来の色を取り戻す。 本来その中心にあるべき彼はもういないけれど。決してあの時には戻れないけど。 彼からもらった仲間への信頼を胸に。力を拳に、弾幕に。私は、皆は、ただ込める。 楽しかった思い出の日々の体現に囲まれて、私はあの時の私に還っていく。 今日の敗北は絶対に許されないのだ。そう。大事な人々の信頼と、私自身の誇りにかけて。 皆と目を合わせる。覚悟と準備は万端。さあ、始めよう。 「……私は紅魔館が門番、紅美鈴!」 「あーあー、派手に口上なんか垂れちゃって」 「美鈴、慣れない事はするもんじゃないわよー」 ……茶化された。にも係わらず、それが心地いいと感じる自分がいる。 彼女達とは、彼を喪って以来会っていないのだから。 もし、彼女達が残っていたら……いや、詮無きことか。 「んじゃ、久々にお仕事と行きますか?」 「狼藉者を追い返す、素敵で野蛮なお仕事をねっ――!」 ――――。 紅魔館から飛ぶ事十数分。 到着したのは小高い丘。そこにあるのは粗末な石が只一つ。 そしてその前には……。 「向日葵?」 「……アイツも来てた? いや、来てるのか」 墓前に咲いた一輪の向日葵を見、感情を込めずに呟くお嬢様。 探ってみれば周囲には一つの気配。あの花の妖怪だ。 彼女ほどの猛者、とうに私達に気付いているだろうに、その場から動こうともしない。 「お嬢様。どうします?」 「どうもしないわ。彼女は彼の一番の友人なんだから。彼女は私の知らない彼を知っている。ふふっ……少し妬けるわね」 ――当たり前、でしょ……。たった一人の……大切な、……友達、……なんだから。 ――……そっか。さんきゅ。ま、皆と仲良くしろよ。無理っぽそうだけどな。 「……」 私はここにきてようやく合点がいった。 この前の彼だ。私が生まれるずっと前に私のポジションにいたという、お嬢様の恋人。 ということは、ここは彼の――。 「やっと気付いたわね、咲夜」 「レミィ。この子、彼の事知ってるの?」 「ええ。最近まで消失してた彼の部屋を見つけたのが咲夜よ」 「……そう。なら話は早いわね。今日は彼がこの世に生を受けた日であり」 「ここは50年前の今日、彼が私を置いて消えて逝った場所」 謳うように言葉を紡ぎながら、お嬢様はあのワインを石にかける。 私の横からは小悪魔の嗚咽。 あーあ、可愛い顔が涙でグチョグチョじゃない。 ――捧げしワインには去りし彼への慕情を。 ――かける言葉には万感の思いを。 「……誕生日、おめでとう」 ─────────────────────────────────────────────────────────── ――夢を見ている。 ――懐かしくて、楽しくて、そして……切ない夢。 さて、今日は此処ね。 湖の畔にある館、人呼んで「紅魔館」。 当主が吸血鬼だかなんだか知らないが、とりあえず気に入らないので虐めに来たのだ。 (誰だか知らないけど門番はザルね。裏からだと余裕じゃない。まあ私なら表でも余裕だけど) とかそんなどうでもいい事を考えていたら、裏玄関から誰かの声が聞こえてきた。 「……! ……!」 なにやら怒鳴っている。 甲高い声が耳にうるさい事この上ない。 (先客かしら?) 慌てて木の上に身を潜める。 って、何で私が隠れる必要があるのよ。今更出て行くつもりも無いけど。 覗く先に映るのは、一匹の氷精と、一人の人間。 「今日こそアタイはアンタ達に勝ってみせるわ!」 「お嬢様は只今お休みの時間ですが」 「だーかーらー! アンタ達だって言ってるでしょ!?」 そう言えば今は昼。確かに吸血鬼の時間ではない。 そんな事を忘れるとは、私も遂にヤキが回ったのだろうか? 「何がなんでも戦うと?」 「勿論! 今日こそギャフンと言わせてやるわ!」 「どうしても?」 「どうしても!」 ヘラヘラと張り付いた愛想笑いを浮かべる男。 ……そのすました顔、気に入らないわね。瞳に感情が無い分、余計に。 「では、ご要望にお応えして、僭越ながら私達がお相手仕ります……皆! 仕事の時間だ!」 ――パチン。 音高く指を鳴らす。それと同時に、何処からともなく十数の影が彼の周囲に現れる。 ……少しは出来るみたいね。勿論私には遠く及ばないけど。 そして気が付けば、その内の一人、赤い、そして長い髪をしたチャイナメイド(?)が氷精を睨んでいる。 他のとは明らかに違うあの服を見るに、彼女がリーダーなのかしら。で、皆の代表として何か言う、と? それにしても彼女、胸……大きいわね。 ――その時の私は、どんな青臭い罵声(例えば、この屋敷とお嬢様は私達が護る、とかそんなの)を浴びせるのかと楽しみにしていたのだが、 そのメイド(後に彼女が門番だと知る)の口から出てきた言葉は、そんな私の予想の遥か斜め上を行くものだった。 ――ぷっ。 「あは、あはははははは! ねえちょっと聞いた? “皆! 仕事の時間だ!”だって! しかも指パッチン! お、お腹いたい!! 死ぬ、これはいろんな意味で死ぬ!!」 「聞いた聞いた! そ、それにしても、隊長の言葉遣い違和感ありすぎ! 聞いてて鳥肌が立っちゃった!」 場は一瞬で爆笑に包まれた。緊張感も何も無い。 きっと今の私は、実に形容しがたい表情をしている事だろう。 しかし、隊長? 彼が? この中で一番弱いであろう、人間の彼が隊長? 「うおい! 折角人がかっこよくキメたっつーのに、お前らのせいで台無しじゃねーか!」 「今更かっこいいもないでしょうに。隊長はむしろヘタレキャラで行きましょうよ。"や、やるのか!?"とか"俺のメイド部隊が全滅だと!?"みたいな」 「ま、私達は隊長のモノじゃありませんがねー」 ……なんだろう、これは。 まさか、私ともあろうものが来る場所を間違えたのだろうか? 「ちょっとアンタ達! アタイをバカにしてるの!?」 「おっと、毎度の事ながら悪いね。どうにも緊張感が無くって」 なーんて軽く現実逃避を始めていたら、氷精が癇癪を起こした。気持ちは判らないでもない。 そして、そんな彼女に苦笑交じりに向き直る彼は、本当に、普通の、人間だった。 「……へぇ」 ――弾幕ごっこが、始まった。 ――彼はひたすらメイド達に指示を出し、自身は決して弾幕は張らない。寧ろ張れないというべきだろうか? ――そして、一際目を引くのは、彼女達メイドのやる気のあるのか無いのか判らない態度だった。 「隊長! 残業手当として今日も夜雀の屋台で奢りヨロシク!」 「あ、じゃあ私は香霖堂で!」 「こっ、の極道メイド共が! 俺の財政状況を知らんわけでもあるまい! 赤字も赤字、まっかっかだぞ! つーかまだ通常勤務だ!」 「またまたぁ! そんなつれない事言っちゃって! でもお優しい○○は結局奢ってくれるんでしょ? だから、好、き、で、す、よ!」 ――ちゅっ そんな事を言いながら、あの最初のチャイナが弾幕をギリギリで避けながら彼に投げキッス。 余裕綽々にも程がある。……あ、氷が頭に当たった。きっと彼女はヘタレね。間違いない。 「あははっ! 美鈴、隊長誘惑してるとお嬢様に怒られちゃうわよ? “いい度胸だ。気に入った! 中国、地下室で妹をFU○Kしてきていいぞ!”とか言われて」 「うっわ、それはイヤ。絶対死ぬ(笑)」 中国……なるほど。言いえて妙ね。 てかメイドがFU○Kとか言うの止めなさいよ。イメージってもんがあるでしょうが、イメージってもんが。 「ば、ばかにすんなー!」 あ、氷精がキレた。 まあ、殆どシカトに近い扱いだったしね。怒りもするか。 ――にやり。 「隙あり! ぽちっとな」 そこに彼が嫌な笑みを浮かべ、屋敷のブロックの一つを押す。 だが、その発動音声はボタンの場合だと私は声を大にして言いたい。隠れている手前言わないが。 ――ガンッ!! 「ジェロニモッ!?」 超高速で氷精の頭に直撃したのは、かなり大きめの金ダライ。 ……ていうかここ、屋外よね。今のどこから降ってきたのかしら? 視線を戻す。氷精はと言えば、あの一撃に見事にKOされていた。まあ、相当な速度だったし無理もないか。 「さーて、今日も完勝、大妖精さん呼ぶか……」 「ちょっと! アタイは……! まだ、負けてないわよ!」 「今日はお終い、また今度な。次はお前がすっごく強くなった時に相手してやるよ。主に美鈴とコイツらが」 「ちょ! 隊長! 次こそは自分だけでやってくださいよ! 門番の美鈴はともかく、私達は仕事があるんですからね!」 「無茶言うな! 俺が出来る事はメイド隊という名のファンネルの操作だけだ! それに仕事があるのは俺だって同じだっつーの!」 「またこの人はワケのわかんない事を!」 意味の無い会話を交わし、笑い合っている。 彼自身にはなんの力もないくせに、彼女達妖怪から慕われていることがよく判る。 ……うん。面白い。少し興味が沸いた。 後で彼の部屋に遊びに行ってみよう。ついでに死なない程度に虐めに……。 ――――。 「……寝ちゃってた、か」 起きるのと同時に伸びをし、目を擦る。 時刻は夕方になろうかという所だろうか。 例の吸血鬼とそのご一行さまは、数分間墓に話しかけたりした後、帰っていった。 で、その後つい日差しが気持ちよくって寝てしまったという所だろう。どうせ風邪なんか引かないので問題ないが。 「ちょっと、聞いてんの? アタイ、ちゃーんと覚えてたわよ? 最後に会った時、強くなったらまた来いって言ったでしょ?」 「……」 そして丁度そこに新たな声と気配。今度は……あの氷精、と大妖精とかいう奴? そういや、夢の中でもそんな事言ってたわね。 結局あれから、彼は死ぬまで毎回同じ事言ってたみたいだけど。 「アタイ、すっごく強くなったんだから! この前なんて、閻魔にだって勝ったのよ! もう最強よね!」 「でね、死神と閻魔にアンタの事聞いたの。でも、二人とも、そんな人間は知らないって。あの世には来てないって……っ!」 「チルノちゃん……」 「っ……! 勝ち逃げ、なんて……、絶対許さないんだから……!」 「チルノちゃん! ……って行っちゃった。じゃあ、○○さん。また、来年も来ますね」 氷精は凄い速度で飛んでいってしまった。そしてすぐさまそれを追いかける大妖精。 それにしても今の言葉を聞くに毎年来てるとか? 律儀ねぇ。 近くに花畑がある関係で、此処には結構な頻度で来てるけど、今初めて知ったわ。 ――胸に抱きし想いに気付けども、貴方は当に消えてしまい。 ――ただ一つの逢瀬が叶いしその場所は、遥か遠き夢の中。 「……なんてね」 感傷に浸るなど私らしくないが、たまにはこういう日があってもいいだろう。 なにせ今日は、この私の友達の誕生日なのだから……。 ――了。 「ちょっと、あんた達……ナマってんじゃないの……? ズタボロじゃない……」 「そういう美鈴だって……体力落ちたんじゃない……? とっくの昔に引退した私たちはともかく、アンタは現役でしょうが……」 「うるっさいわね……門番ってキツイのよ……。一日一食に減ったし……。しかも昔と違って今はサボるとナイフ飛んでくるし……」 「まったく……隊長が今のアンタ見たら、きっと泣いて指差して笑うわよ……? “赤貧の俺から散々集った罰だ! ざまーみろばーか!”とか“俺のありがたみが判ったか!”とか大人気無い事言って……」 「あぁ……それ、凄くわかる……。ありがたみも……」 ――(今度こそ本当に)了。 6スレ目 199 ───────────────────────────────────────────────────────────
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/640.html
レミリア1 1スレ目 60 「僕を、眷属にしてください」 夜の紅魔館の私室で、僕は彼女にそう言った。 吸血鬼の少女――レミリア=スカーレットは微かに考える仕草をして こう言った。 「なぜ?」 それは当然の疑問だろう。 わざわざ、自分から眷属になりたい人間なんて 居るはずがない。 だが、僕には確固たる目的があった。 それは―― 「僕は…レミリア様が好きです。 一生居たいと思ってます。だから 僕と一緒に居たいとお考えなら、僕を眷属にして下さい」 人間と吸血鬼の寿命は一と無限の差だ。 それを埋めるには、同じ不老不死の人外に成らざるを得ない。 「…ありがとう」 彼女はそう言って微笑みながら近づき、僕の首筋に唇を押さえる。 そして、ほんの少しの痛みと共に――僕の意識は急速になくなっていった。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 92 あなたの槍で僕の心は串刺しです。 もちろんこの後は僕はハートブレイクさっ! ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 149 幽「あら、あなた新入りね。そんな若い身空でどうして死んだりしたの?」 俺「はい、それが……」 ↓ 俺「ああお美しい吸血姫レミリア様、俺と結婚してください」 レ「そうね。咲夜に聞いてみて。咲夜がいいっていったら結婚してあげる」 咲「絶っっっっっ対に許しませんっ!お嬢様につく悪い虫はことごとく潰すのみです」 (メイド弾幕中・夜霧の幻影殺人鬼) ↓ 俺「ということだったんですよ(´・ω・`)」 幽「あらあら大変ね」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 244 「ついてないわね、あなた。 たまたま急に血が必要になったときに、たまたま出くわすなんて。 …何か、言い残すことはある?」 あるべき循環から離れた血液は、すでに致死量。 死の冷たさが蝕む身体は、既に痛みさえ伝達しない。 『吸血鬼』の強力な感染呪詛も、わずかばかりの延命でしかなく。 ―――月が、こんなにも赤いから。 焦点の合わない視線の先には、白いドレスを血に染めた少女。 魔瞳に浮かぶは、弱者への軽蔑。…そして、わずかばかりの憐憫。 なぜか、伝え聞いた古の悪魔を連想した。 ―――こんなにも、月が明(あか)いから。 呼吸は弱い。…言葉を紡ぐに、不自由するほど。 脈は微か。…盛られた毒に、時折跳ねる。 生命は、…あとどれだけ? ―――こんなにも、貴女が紅いから。 「そう。無いならそれでいいわ。 さよなら。…永遠に」 笑みと皮肉と、僅かな無念。 嫌味と侮蔑と、大きな落胆。 無垢で邪悪な、子供の表情。 どこまでも赤い紅い緋い明い赫い――― ―――永遠を、見た。 「…時よ止まれ、貴女は美しい」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 338 白んできた夜空を見上げる。 「幻想郷で見る最後の空が朝日ってのも、おつなもんだよな」 紅魔館の裏庭、花で作られたミステリーサークルの側に俺はいる。 「外界へのスキマ、開けてあげるのは三日後。朝日の出る時間にここにいらっしゃい」 それから三日は楽しくも慌ただしい日々だった。 妹様は大泣きするし、パチュリー様は図書館を迷路化して出さないようにするし、美鈴はなにかとコッペパンくれるし……。 咲夜さんは表向き普段どおりだったけど、妹様を宥めてくれたり、図書館から出してくれたりと気を使ってくれた。 レミリアお嬢様は……。 いや、考えるのはもう止めよう。全部未練だ、未練。 今頃、魔理沙の企画したお別れ宴会で飲み潰れているはずだ。 やっぱり、いざという時に泣かれると心が揺らぐから。 「ふうん、本当に帰るんだな」 ……!! 慌てて声の方向に振り向く。 「レミリアお嬢様……」 「でっきり皆を驚かす嘘だと思っていたんだが……」 「みんなを驚かすのに、こんな性質の悪い嘘はつきませんよ」 訪れる短い沈黙。 「……どうしても、か」 足元からこちらを見上げてくるレミリア様。 「……どうしても、です」 頷きたい衝動を無理矢理押さえつける。 「また……」 くるりと背を向け、 「ええ、きっと。何年何十年かかろうと、レミリア様に会いに戻ってきます」 「その言葉に嘘偽りはないな?」 「当たり前です。それと、戻ってきた時は、またレミリア様の側にいさせてもらえますか?」 「もちろんだとも。その時の為に私の隣の椅子は空けておくよ」 使用人としてではなく、隣の椅子に座る相手として。 それはとどのつまり、そういうわけで。 「そのかわり、待たせた年月は十倍二十倍で返してもらうぞ?」 「いいですよ。レミリア様の傍にいられるなら、その百倍千倍の年月がかかろうとも返済してみせますよ」 「ふふ……。期待しないで待っているとしよう」 そういって、紅い悪魔とは思えぬ笑顔で笑う。 天使のような笑顔で笑う。 その顔を再び見るために、必ず戻ってこよう。 時間も博麗大結界も越えて。 必ずここに。 というわけで、へたれ警報真っ只中のレミリア様BAD? レミリア様は甘々よりかっこよくいきたいなぁ ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 362 ひぃひぃ言いながら自転車で夜中の海岸沿いの坂道を昇っている。 「遅いわ。もうちょっと機敏にこげないものか」 ごつんと後頭部に鈍痛。傘でぶっ叩かれたのだ。日傘。なんと頑丈な傘だろうか。 なお機敏にこげと言うが無理と言うものだと言う事を言いたい。 何しろ坂道で後部座席にお嬢様が乗っているのだから。 なんでこんな事になっているのかを深く語ると言うことはしない。あまり 意味がないから。 一先ず、今はこの坂道を乗り切ることが重要なのだ。 「早くしなさい。何の為に着いてきたのか解らなくなるわ」 坂を上る。自転車で。流石は紅い悪魔。後部座席に直立不動で立っているとは。 夜の空。紫色に変化し始めた所で、後部座席から傘の開く音。 レミリアお嬢様が唐突に朝日を見たいといったのだ。もちろん咲夜さんは全面不許可。 その他、紅魔舘全ての住人も勿論不許可だった。 たしか自分も不許可した筈だったが何故にこんな事になっているのか。 それはきっと、多分だけど。 坂の頂上から海を見ている。オレンジを通り越えた壮絶な光。 傘の下に居る限り、レミリアお嬢様に日光は通じない。 それを知ってはいるが、やはり緊張の瞬間だろう。 「美しいな。これが朝日。まるで弾幕を一点に集めたかのような壮絶さね」 お嬢様らしい喩えと思う。自分は弾幕はするほうではなく見守る方だ。 応援しては流れ弾に当たっているから間違えない。 そろそろ帰らねば、咲夜さん方が大騒ぎする頃だろうと思い、踵を返そうとした時。 視線の端に、お嬢様が傘の端から手を出しているのに気付いた。 赤い霧。曰く、日の光に当たった彼女の霧を吸い込むと永遠の命を得れるという。 その赤い霧になってしまった指先が、ゆっくり、こっちへと差し出された。 「吸いなさい。それだけで、貴方は完全に私のもの。白玉楼へ行く事もなくなる」 赤い霧が鼻先に触れる。吸い込むだけで、共にお嬢様と歩んでいける。 そう思うと迷いなど無い様にも感じた。 一生一緒。そんな事を紅魔舘でいったら大笑いされた事を思い出す。 でも、まぁ。 「帰りましょうか」 笑って言って、その手をとって、傘の中へ戻した。 直ぐに元通りになる白い肌の手。お嬢様の顔は、何時もどおりの不敵な笑み。 「――そう。時間はたっぷりあるわ。咲夜のお陰でね」 自転車の後部座席に腰掛けて、お嬢様は早く帰るように促す。 応じてこぎ出す。風が心地よい朝。最愛の人、いや、最愛の方を背中に、行く。 何故吸わなかったのか。何時か後悔するだろうか。 彼女より、彼女たちより早く死んでいくこの体を。 でも、ソレでいいと思う。 限りがあるから愛せたと思うから。 終わりがあるから、その終わりに向けていけると思ったから。 たとえ、何時かは終わっていくだけの命だったとしても。 長く長く、彼女を愛せたのなら、それ以上の事はないと思いたいから―― 追伸 紅魔舘に帰ったら一週間門番と、一ヶ月図書館整理を咲夜さんから言い渡されました れみりゃ様と誰かですよ。 一生一緒もいいけど、つかの間の一緒の方が貴重なような気がするんですが、如何なもんでしょ(滝汗 と言うか、プロポーズじゃないしorz ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 797 獣道を書き分けて進む。 草や枝を鉈で切り落とす。 人里を離れて二日。ひたすら山を越えてきた。 目的地はもうすぐのはずだった。 目指す場所は博麗神社。人界と幻想郷、両方に存在する場所。 あの日、俺は幻想郷から戻ってきた。 そのまま居ついてもよかったのだが、家族や色々な事が気になり戻ってきたのだ。 家族にはどこへ行っていたのかと問い詰められた。が、記憶喪失で押し通し、最後には神隠しということで落ち着いた。 ほとぼりが冷めると、俺はすぐに幻想郷に行く方法を探し始めた。 古文書や口伝でしか伝わっていない伝承。行方不明者の足取りまで追った。 「幻想郷に戻ってこれるわ。あなたの頑張り次第で、ね」 幻想郷からの帰り際、スキマ妖怪の言ったその言葉だけが頼りだった。 そして、やっと博麗神社と思わしき伝承を探り当てたのだ。 そして、今草を掻き分け博麗神社へと向かっている。 「はぁ…はぁ…さすがに…きつい…なぁ。」 二日も山を越えてきたのだ。疲れないはずはない。 しかし、幻想郷への想いが体を動かした。 急に視界がひらけた。 だだっぴろい草原。しかし、その場所には見覚えがあった。 「これは…、確か慧音さんが住んでた村…。」 家や田んぼ、道がなくてもわかる。 紅い屋敷のメイドに連れられ、何度も買出しに行かされた。 そのまま置いて行かれ、歩いて屋敷まで戻ったのも良い思い出だ。 「となると、博麗神社はあっちの方向か。」 ここにきて、急に現実味を帯びてくる。 行動に移したとはいえ、正直半信半疑ではあったのだ。 だが、覚えのある景色に出会ったことで信憑性が増してきたのだ。 「ここからなら、夜までには着けるか。」 疲労困憊の体に鞭打ち、歩き出す。 この気持ちが折れないうちにたどり着かねば。 そして、それは本当にそこにあった。 石段とかすかに判別できる階段を上り、へし折れた鳥居をくぐったその先に。 「……。」 喜びのあたり、言葉はでなかった。 草は伸び放題、本堂の屋根からは木が生え、びっしりと苔に覆われた石畳。 それでも、そこが博麗神社だとわかった。 あれから三日 本堂の中、今にも抜けそうな床に座り込んでいる。 持ってきた食料はとうに底を尽いていた。 「参ったなぁ……。」 そう都合よく行かないとは思っていたが……。 「やっぱあんなうさんくさいスキマ妖怪を最後の希望にしたのが間違いだったかなぁ……。」 博麗神社からどうやって幻想郷へ行くのか。 結界の要石とかないのか、どこかに結界の綻びはないかと探し回ったのだが見つからない。 ここに来るまでに三日。食料はもうない。 今から戻っても遭難するのは確実だろう。 山登りが堪えたのだろう。リウマチの発作が起こってきた。 「ここで死んだら、白玉楼へ行けるかな……。あー、でもそうすると紅魔館へはいけないよなぁ。」 そんなことを考えつつ、意識は薄れていった。 「玲夢ー。本堂の掃除はどうしたのよ!」 「おばあちゃんの馬鹿ー!そんな面倒くさいことやってらんないわよ!」 そういってレミリアの後ろに隠れるのは十四代目博麗の巫女。 「レミリアおねえちゃん!やっつけちゃって!」 生まれた時から一緒なせいか、どうも年上に対して敬意というものが足りない。 容姿が変わらないからかしらね、とレミリアは思う。 「おばあちゃんの言うことは聞かなきゃだめよ?老い先短いんだから。」 「そこ、一言多いわよ。」 老いてもいまだ壮健なりし、博麗 霊夢。 「仕方ないわね。本堂は私が掃除してきてあげるわ。」 「あら、いいの?っていうか、あなたも丸くなったわね。」 「肝心の容姿は変わらないからいいのよ。それよりも、娘の躾はちゃんとしときなさい。」 「うわーん!レミリアお姉ちゃんに売られたー!」 喧騒を聞き流し、日傘をまわしながら予感を胸に本堂へ向かう。 能力で未来がわかっていても、楽しみなものは楽しみなのだ。 「ほら、起きなさいな。人間はちゃんと朝には起きるんでしょ?」 なんだ、幻聴かこれは。 「この私が直々に起こしてるんだから、起きなさい。」 ゆっくりと目を開けると、あの頃からまったく変わらない愛しい人の顔。 「レミリア様……?」 「随分しわくちゃになって……。苦労したみたいね。」 優しく微笑みながら頬をさすってくれる。 「ええ……、ほんとに苦労しました……。」 そのまま軽く抱きしめてくれるレミリア様。 「紅魔館は随分散らかってしまったわ。これからはもっと苦労するわよ?」 「レミリア様といられるならそれもいいですね……。」 首筋に軽い痛み。自分の体が変質していく違和感。 「もう、嫌だといっても逃げられないわよ。」 そんなつもりは毛頭ない。 やっと再び会うことが出来たんだ。これからは会えなかった分の隙間を埋めていこう。 時間はたっぷりできたのだから。 ─────────────────────────────────────────────────────────── th2_0218.txtより 「親愛なるレミリア・スカーレット様。 貴女様にとってわたくしが親愛に値する相手であるかどうかを、死ぬ前に知りたいと、筆を執りながら思います。 いいえ、存じております。わたくしは翼折られた籠の鳥。貴女様の無聊を慰めるためにのみ生かされておりました。 それを踏まえた上で、どうかこれから記す事を信じてください。わたくしは、この生涯に満足しております。 我が永遠にして唯一の主、レミリア・スカーレット様。 貴女様に手折られたあの夜こそ我が婚儀。貴女様が牢獄と呼ぶこの部屋こそ、わたくしの愛の巣。 わたくしの首筋には今も牙の痕。姿見に映すと、わたくしの目には婚儀の指輪のようにも見えるのです。 この期に及んでこのような手紙を遺すのは、心残り故ではない事をどうか心得てくださいませ。 わたくしは、この生涯に満足して逝くのです。天国でも地獄でもなく、他ならぬ貴女様の血となる事を願って。 わたくしも存じております。最後の数ヶ月、貴女様はわたくしをあまり伽に呼ばなくなりました。 たまにおいでくださる時も、どこか憂いだお顔をなされていた事を、わたくしはずっと心配しておりました。 存じております。貴女様はもはや醜く老いさらばえた卑俗なわたくしの姿など、もはや見たくないのですね。 どうかお許しくださいませ、我が主。悪魔ならぬ身のこの私には、貴女様の慰みになるにも限度があったのです。 いつでしたでしょうか、レミリア様。貴女様は閨の場でわたくしに問われた事がありました。 『お前もやがて、老いて死んでいくのだな』と。わたくしが慄然とした事を覚えておりますでしょうか。 人の生に絶望が横たわる事を、わたくしはその言葉によって初めて知ったのです。 存じております。存じておりました。わたくしもやがて、何の慰みにもならぬ腐った血袋になる夜を迎える事を。 それが今夜である事を、わたくしは今夜になって悟りました。真実から目を背ける臆病者にどうか御慈悲を。 許されるならば、わたくしは貴女様に血を吸われて死にたい。 それが叶わぬならば、せめてこの牢で先任達が零した血のように、床の染みになりたい。 あるいは亡霊となって貴女様の傍らに控え、永遠に仕え続ける事ができたならどれほど良い事か。 寵愛の豊かなりし頃、貴女様はよく職人に作らせた贈り物を届けてくださいましたが、 失礼を承知で言わせていただけば、わたくしは貴女様の事さえ考えられば他になにも必要でなかったのです。 今も思い出のよすがに品々を眺めています。この陶製の茶器など、眺めてばかりで未だ湯も入れておりません。 レミリア様。わたくしは今気付きましたが、なぜかこの期に及んで心穏やかです。 心の臓は高鳴って止まぬというのに、心は頭上の赤い月のように隠然として凪のよう。 希望を見つけたのです。本当にご迷惑でしょうけれど、わたくしは貴女様に添い遂げる事ができる。 わたくしが死んだ後も永遠に、吸血鬼幻想の終わる夜まで、貴女様は夜を渡り続けるでしょう。 ですがどうかご記憶に留めてください。私の血も、我が主と同じくして、翼を広げ永遠を歩むのです。 貴女様に献上したこの肢体には、命の液体が流れています。何度も夕餉に饗したあの血潮です。 それは確かに貴女様と源を同じくする命。貴女様がご存命であられる限り、永劫に夜を生きる希望なのです。 全ての誠実さと愛を、高鳴る心の臓から血に込めて」 そう書かれた遺書を、側仕えの従者が主の私室で戯れていて偶然から見つけた。 その従者は無礼を承知でそれを読み進め、少しだけ黙祷して思いを馳せ、元に戻した。 表情と言わず全身が、羞恥と、悔恨と、呆れに彩られていた。嘲笑にも見えるだろう。 しかしよく見れば、その奥に、彼女の持ち得る全ての誠実さと愛を読み取れただろう。 「あら、それを見たのね」 「……お嬢様? いえ、その。失礼いたしました」 「いいのよ。お前は見るべきだと思う」 レミリアはどこか寂しげに笑って、言った。 「彼女の遺言どおり、血は、命なのよ。そして命は運命なの。 彼女の運命の全てを、私が受け容れた。何も喪われてはいないわ」 従者は問うた。この遺書を書いた娘は幸せに死ねたのでしょうか、と。吸血鬼は答えた。 「お前は答えを知っているはずよ、私の血から産まれたサーヴァント・フライヤー。 お前を構成する血には―――全ての誠実さと愛が、確かに受け継がれているのだから」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 930 ……辺りは暗く、その中で今見えるのは炎。それと、人影。 ――やめろ。 二つの人影のうち、一つは倒れ、地に伏している。最後の一つ、それは……子供。 暗銀の髪は炎に照らされ、赤く染まっている。 ――やめろ! 子供の両の腕も赤く染まっていて、まるで手袋をはめたようだ。 そして、こちらを向いて……にやりと笑う。唇から牙が覗いていた。 「……やめろぉぉっ!!」 ガバリと跳ね起きる。息が荒く、心臓の音もうるさい。 周りを見渡し、もう一度ベッドに倒れた。 「また、あの夢か……」 あの時から大人になるまでずっと見つづけてきた悪夢。 ――あいつは、絶対に許せない。 自分からすべてを奪ったあの悪魔を…… 「レミリア=スカーレット……ッ!」 少年だったころの悪夢。己の父、母を殺された事。 その少年は愕然とし、そして殺した者に復習を誓った。 成長した今の自分をなおも苦しめる存在の名は、『レミリア』。 人の姿をした魔物……吸血鬼。 その悪夢を壊すため、親の敵を打つために、方々を探し回りようやく見つけた。 ……そこは、あまりにも空気が柔らかかった。ただ立っているだけで安らぎを感じる。 こここそが幻想郷。……これから自分の成し遂げる事が似合わない位に穏やかだ。 だが、やらねばならない。それが自分の存在意義だから。 一歩踏み出す。体が軽かった。まずはどこにいるかを知らないと。 まずは町や村へといき、レミリアの存在を確かめる。 思った以上に反応は良く、簡単に聞きだすことが出来た。 「大きな湖の真ん中、ぽつんとある島の上の館。そこが紅魔館、スカーレットの住む館。」 大きな湖。それを目印に進み、ようやく見つけた。そして、ここからはどうするか。 まあ、そんなこともあろうかと用意はしてある。ただずっと呆けてただけじゃない。 荷物から一枚の大きな革布を取り出し、それを地面に敷く。それの上に乗り、短い呪を口ずさむ。 そうすれば革布が浮き上がり、移動を開始する。 水面などを移動するための簡易『魔法のじゅうたん』。これはレミリアを倒すために鍛えていたときに見つけたものだ。 ……そう。己を鍛え、奴の喉を食い破る牙や爪を磨いていたのだ。 だから、絶対に勝たなければいけない。 島に到着してからは慎重に行動しなければいけなかった。まず、門番らしき女性を眠らせ、中へ入る。 なるべく戦闘を避けながら進み、速やかにレミリアを倒…… 「あら、侵入者ね。」 言葉とともにナイフが目の前に現れた。紙一重でかわしたが、どこから放たれたのか…… 「まったく、あの門番は役立たずね……後でお仕置きしないと。」 二度目のナイフ。一度目とは違う方向から放たれている。 ちっ。こうなったら次が勝負か。……いや、違う。直感がそう告げた。次に来るのは…… 今度のナイフは切りつけるように動いた。その動きの根元……ナイフの本体だろうそこを狙って拳を一撃。 手ごたえはあった。……だが、そこには誰もいない。 しまった!そう思ったときにはもう遅かった。全身がナイフで貫かれてしまう。 「……ふう。ネズミにしては良くやるほうだったわ。白黒ほどじゃないけど、ね。」 かつ、かつ、靴の音が響く。姿を現したのは……メイド。 右手にはナイフを持っている。これは全て彼女がやったらしい。 まったく、人間離れしてるよな。……同じ人間なのに。 「さて。掃除掃除っと。」 こちらに近寄り、ナイフを抜き取っている。……貧乏性か? そして、ナイフを全て抜き取った瞬間、すばやく後ろに回り込んだ。 「な……っ!」 ドゴッ、と音を立て床に頭をめり込ませる。……軽く頭蓋骨にヒビ入っただろうが、許してくれ。 ……脈確認。……よし、生きてる。さすがに目標以外を殺すのは寝覚めが悪い。 廊下の隅に横たえ、また詮索をはじめた。……しかし、あまりいい方法でもないな。 なぜあれだけやられて死んでないのか種明かしをすると。体と心に一度だけ死んでも生き返れる呪術を施してあったのだ。 実際にはレミリア戦まで取っておくつもりだったが……今からもう一度術をかけられるほど時間も設備も無い。 本番一発勝負。それしか道は無かった。 詮索を再開してから少し経って、ようやくそれらしき場所を見つけた。 いかにも敵役が好みそうな大広間。扉をまっすぐ進んだ先に、あいつはいた。 「あら、人間のお客様。こちらにどのようなご用件でいらっしゃったのかしら?」 「ふたりで話をしようと思ってな。……久しぶりだな、レミリア=スカーレット。」 レミリアに言葉を返す。その声を聞き、羽がピクリと動いた。 「貴方は……もしかして……」 「覚えていたのか。俺は、あのときに出会った子供だ。」 かつて、俺は良家の子供だった。両親も一人息子の俺をしっかり育て、家は安泰にすごせるはずだった。 あの親子が来るまでは。 突然家に訪問してきた母親と娘。彼女らはスカーレットと名乗り、少しの間この家に匿ってほしいと申し出た。 両親は二つ返事で承諾し、彼女達を受け入れた。 その後、数ヶ月が経って最初の異変は起こった。 我が家の近くに住む人達が少しずつ、少しずつ減っていき、数年経つころにはもう誰もいなくなっていた。 そして、数年後のあの日の夜に事件が起こった。 まだ幼かった俺が両親を探していると、スカーレットの娘に会った。 一緒に両親を探してくれと頼み、歩き回っていると、ようやく父に会えた。 ……そう思った瞬間。何が起こったのかは覚えていない。 覚えているのはその後、父が倒れていて、スカーレットの娘がその前に立っていた事。 彼女の両腕は血に塗れていて、父の腹部辺りからは赤い水たまりができていた。 父は、殺された。その後、どうやら俺は逃げたらしいが記憶が抜け落ちている。 あの時から、ずっと俺の頭の中にはあの場面が残っていた。 「おまえを探して、ようやくここまで来たんだ。逃げるなんて真似はしないでくれよ。」 言葉を終わらせる直前に懐からあるものを引き抜き、それを向けた。 それは、幾何学模様が刻まれた小型グレネードランチャー。そのトリガーを引く。 魔力弾が発射され、レミリアに当た……らなかった。 「不意射ちだなんて、ひどい人。今のは危なかったわ。」 「フン、ほざいてろ!」 立て続けに魔力弾を発射するが、そのことごとくを空を飛んでかわし、着地する。 その後、こちらに視線を向けてこうつぶやいた。 「……悪いけど、今の貴方には私は殺せないわ。おとなしく下がりなさい。」 その一言は、俺の怒りを爆発させるには十分なものだった。 「……ふっ、ざけんなぁぁぁ!」 ホールド(持ち方)をシングルからダブルへ。レミリアに照準を会わせ固定。 向こうは平気だと思っているのかまったく動かない。 「マナ、エクシード(魔力充填)……レヴ・ファイブ!ブラスト(発射)!」 膨大な魔力を込め、魔力弾……いや、魔力塊を放つ。まだ動かない。 やがて放たれた魔力塊がレミリアに当たりそうになったとき。次の言葉を唱える。 「ブレイケンシリア(弾けて捕らえろ)!」 それを合図に魔力塊は分裂し、レミリアを封じる。 それでも封印を振り解こうとはしない。ただじっと立つのみ。 「ようやく、ようやく父の敵が討てるんだ。」 ランチャーをブレイクオープンし、唯一の弾を込める。内部に銀の粒弾を詰め込んだ特製弾だ。 これをレミリアに撃てば、悪夢が終わる。 「これで終わりだ。……あばよ。」 固定されたレミリアの胸元にマズルを押し付け、トリガーを、 『この、悪魔が!』 引いた。 …………これで、終わったはずなのに。 「な、なぜだ?」 後はトリガーを引くだけなのに。 「何で、何で……」 引くだけなのに…… 「なんで、指が動かないんだ……!?」 指はトリガーにかかったまま。動くことはない。……違う。 指を動かせないのだ。 ――この、悪魔が! もう一度、さっきの言葉が繰り返され…… 違う。この声は俺じゃない。この声は…… 「やっぱり、あの時の記憶を失っていたのね。全ての記憶を……」 レミリアの顔に表情が浮かぶ。悲しみ、そして…… その顔を見た瞬間、意識が吹っ飛んだ。 ――どこだ?ここはどこなんだ? 真っ暗闇の中、俺は佇んでいた。周りに何も無い、暗闇の中。 情景が浮かぶ。それは、在りし日の俺。それと……レミリア。 ――ああ、あの時の光景か。 レミリアと一緒に父を探していた時。……そして、あの事件が起こったとき。 「お父さん見つからないねぇ……」 「……ねえ、こっちじゃないかしら?」 ふたりが行く先には確かに父が見える。……あれ? 「あ、お父さん。探し――」 「早く、その娘から離れろ!」 ……ああ。そうだ。だんだん思い出してきた。 「え、何で……?」 「いいから。はやく離れなさい!」 ――あの時の全てを。 「……いいの。もう隠せないことだしね。」 「隠せない……?」 「――ごめんなさい。」 あの時も、レミリアは悲しげな顔をした。そして…… 「村の人間を食い荒らしたのはお前達だな!?」 「ええ、でもそれは……」 「『仕方ないこと』、で済むと思うか!あの女もそう言っていたぞ!」 「……母を殺したのね。」 「ああ。お前も神の名の下に地獄へ落ちろ!」 「……この、悪魔が!」 そうか、そうだったのか。俺は……景色が血に染まる。レミリアが父の命を奪った。 「……ごめんなさい。私、人間じゃないの。」 「……あ、あああ……」 「人の命を糧にする化け物。だから、定期的に人間の血を吸わなければいけない。」 「ああああああああああああ……」 「貴方だけにはばれてほしくなかった。……でも、仕方ないよね。」 彼女は……笑った。涙を流して、引きつった笑みを。 「私達は、相容れないもの達なんだから……」 俺は……昔の俺は叫んだ。声にならない慟哭。そして、彼女の言葉による悲しみを。 「は、ははは……は……」 父は殺された。でも、それはレミリアが自分を守るため。 レミリアは笑った。でも、それは悲しみをごまかすため。 「そっか。そうだったのか……」 俺はどうすればいい。生きるための目的をなくした俺はどうすればいい? 全て俺の勘違い。笑えるじゃないか。こんな阿呆を生かしておくのか? 答えは、NO。――ランチャーをこめかみに当てる。 「悪かったな。お前を殺すとか言って。……じゃあ、な。」 もう生きることは無い。簡単さ。トリガーを引いて…… その瞬間は訪れなかった。 封印とランチャーは弾き飛ばされ、俺はレミリアに殴られていた。 「冗談じゃないわ……あれだけ悲しませておいて死んでしまうなんて。そんなの絶対に許さない。」 「そうは言ってもな、俺にはもう生きる意味は無い。……素直に死なせてくれ。」 また、殴られる。 「もう一度言ってみなさい、貴方を……」 「殺してくれよ。あの時みたいにさ。」 父を殺した時みたいに、その手で俺の心臓を…… 「……そんな事、出来るわけ無いじゃない……ッ!」 こちらを睨むレミリアは、泣いていた。 「貴方は私を殺せない。私も貴方を殺せないのよ。だって……」 俺のほうに近づき、そして…… 「貴方がずっと、好きだったんだから……」 俺の胸に倒れこんだ。 そうだ。ようやくあの時の涙の理由がわかった。 俺に自分の事を打ち明けるのが辛くて、悲しかったんだ。それほどに俺を好きだったんだ。 でも俺は……どうなんだ?今まで憎むべき対象だったレミリアを好きになれるのか? ……昔の記憶をたぐる。今だったら全てのことが話せる気がしたから。 最初の頃は客人ということで気を使っていたけれど、何週間もするうちに打ち解けていった。 相手は女の子だというのに気が利かず、いっつも彼女を振り回していた。 大抵は俺が馬鹿をやってそれに巻き込まれたり、たまに彼女自身にいたずらを仕掛けたり。 ……その辺は過去の嫌な部分なのでたぐるのをやめた。 でも、それはやっぱり。 「俺も、どうやら好きだったらしいな。」 「えっ?」 「今はわからないけど、昔の俺はお前に惚れていたみたいだ。」 異性に触れる機会はめったに無く、だからこそレミリアに惹かれていった。 ……だからこそ、あの時の叫びにあったのだろう。……失恋の悲しみが。 「……ねえ?貴方、生きる意味が無いって言ったわよね。」 「そりゃな。結局無駄な苦労で終わったから……」 突然のレミリアの言葉。 「なら、私が貴方の『生きる意味』になるわ。……いえ、『一生の伴侶』、かしらね。」 俺は唖然とし、少し経ってからようやく言葉を出せた。 「それ、実際には男が言う台詞……」 殴られた。……真剣なときのより痛い。 「だったらっ、貴方が言いなさい貴方が!」 「……はいはいわかったよ。」 「――レミリア、出来ることなら一生を俺とともに歩んでくれ。」 *** *** *** 何か無理矢理まとめた感あり。(ぇー 小型グレネードランチャーに関しては某エルフィンナイツさんの「27mmG・L・S」を参考にしていただければ。 (もしくはカンプピストルでも) ─────────────────────────────────────────────────────────── 2スレ目 141-142 ここは幻想郷の湖のほとりの紅魔館。 外の世界から迷い込んできた俺は、妖怪に襲われそうになった所を たまたま通りがかった中国風妖怪に保護――拉致とも言う――され、それ以来この館で働いています。 職種は『おやつ』です。ありえねえよぅちくしょう、人権無視も甚だしい。とメイド長の咲夜さんにつらつらと 話してみた所、 「あら、本来だったらここで働いている妖怪達の晩御飯になるはずだったんだから、自分の幸運に感謝しなさい。 それに、血を提供するだけで身の安全を保障できるのだからそう悪くは無いでしょう?と言うか何貴方あんな 羨ましい境遇に置かれているくせに何か文句があるの?刺していいかしら?ああ、お嬢様の破滅的でいろいろ 浄化されそうなほどに可愛らしい顔がその首にその首にその首にぃぃぃうぎぎぎぎぎ」 「咲夜さんそれ極意っ!!デフレ世界は俺には無理だからっ!!無理なのっ!!しかもどう見ても博麗さんに 使ってた時より弾幕濃いよなにやってんの!!ぎゃあああああナイフ迫ってきたああああ!?」 …まあつまる所はそんなとこだ。食料として運ばれてきた俺は、ここの主であり吸血鬼であるレミリアお嬢様の 気まぐれで血を味見されたのだ。テイスティングの結果、俺の血はお嬢様の好みド真ん中だったらしい。 なんでも蕩けそうなほど甘いのだとか。まさかあれか、外の世界で甘党だった俺の血は既に血糖値がやばい値に なってたりするのだろうか。糖尿病(未遂)に命を救われる俺。笑えねー。それ救われて裏切られるし。 そんな訳でここでの生活も既に一月。実際血を吸われる以外は待遇もよく、図書館に足を向けたり、メイドたち を手伝ったり、お嬢様にお茶会に呼ばれたり、俺の首筋に噛み付くお嬢様の横の咲夜さんに凄まじい貌(かお) で睨まれたりしている内に俺もすっかり馴染んだ。人間って凄いや。 と、言う訳で。図書館で本を読んでいると、突然お呼びがかかるのもいつもの日課という事で。 「○○、お嬢様が呼んでるわ。来なさい」 呼びに来たのはメイド長たる咲夜さん。今日も胸には違和感が無い。 完璧な着こなし、いや、着けこなしは実に瀟洒だ。香霖堂から仕入れていると噂される品物自体もかなり 精巧に作られているに違「何考えてるのかしら?」目が赤くて恐いですごめんなさい。 普段は人当たりの良い咲夜さんだが、お嬢様か胸が絡むと修羅と化す。 お嬢様の自室の前に着く。 「お嬢様、○○をお連れしました」 「入りなさい」 ドアを開けるとお嬢様が微笑んで立っていた。そしてそのままとことこと寄ってくる。 パタパタ動く羽を見るに、どうやら機嫌が良さそうだ。 「遅かったのね、○○。待ちくたびれたわ」 「そうですか?普段通りだと思いますけど」 「貴方もこの幻想郷で生きていくのならせめて飛ぶ術くらいは覚えておいた方が良いわよ」 そのままとりとめも無く雑談する。外の世界の事や、幻想郷の中の事。館のメイド達の勤務態度等々。 ほぼ毎日三時頃――ちなみに今は深夜――に顔を会わせてればそりゃあそれなりに親しくもなる。 ただまあ、時間も時間なので小一時間も話すとそろそろ眠くなってきた。 「お嬢様、そろそろ眠いっす。今日は血はいらないんですか?」 「もう眠るの?だらしないわね」 「人間は夜行性じゃないですから」 お嬢様は不満そうだったがやがて納得したのか、しぶしぶといった顔で。 「分かったわ。じゃあ指を出しなさい」 「指?」 「首は血が止まり難くて困ると言ったのは貴方じゃない」 そういえば昨日そんな事も言ったような。こちらとしても願ったり叶ったりなので素直に右人差し指を差し出す。 お嬢様がそれを口に含むと、指先に微かな痛みが刺さる。 「ん……ちゅ………ちゅる……ん…」 お嬢様が満足げな顔で俺の血を啜っている。普段は白く透き通った顔が今はほんのり赤い。きっと俺も赤面 している事だろう。あとお嬢様の後ろで鼻血を噴出させながら息を乱している咲夜さん。その何を想像したか 分かりやすすぎる瀟洒な想像力には戦慄を禁じ得ない。 と、俺の動揺が伝わったのか、お嬢様が上目遣いでこちらを伺ってくる。 「ん……どうかしたの?」 「うひゃあ可愛いなあもうっ!!」 「は?」 いかんいかん、思わず本音がエクスプロージョンした。 なんとか平静を取り繕って誤魔化していると、お嬢様が俺の指を解放した。 「ふう、今日も美味しかったわ。ご馳走様」 お粗末様でした、と俺は重くなった目蓋を擦ろうとして人差し指が目に映った。 解放されたばかりの指はまだ血が止まっていない。そういえば実際自分の血を味わってみた事はなかった。 お嬢様は美味しいと言うが、自分が飲んでも美味しいのだろうか。味覚に違いがあるわけではなさそうだけど。 と、とりとめのない思考をしながらその指を口に含んでみた。…うわまず。 するとそれを見たお嬢様の顔がきょとんとした表情のままどんどん赤くなっていく。 あ、臨界突破。 「なっ、あ、貴方、何してるのよ!?」 「へ? いや、お嬢様があんまり美味しそうに舐めるもんだから、つい」 「ぅ、うー、だって、それ、かんせつ……」 「?」 そっぽを向いて言われた最後の言葉は良く聞き取れなかった。 「…良いわ。おやすみなさい、○○」 「あ、はい。おやすみなさいお嬢様。それと、また明日」 お嬢様はそのまま俺が出て行くまでそっぽを向いたままだったけど。 ちらりと見えた顔が耳まで真っ赤だったのと、羽が忙しなくパタパタ動いていたのが印象的だった。 懺悔室 お目汚しでごめんなさい、長くなってごめんなさい、咲夜さんごめんなさい、 なんとなく卑猥でごめんなさい、プロポーズしてなくてごめんなさいorz 俺の願いは一つだけだったんです。ただ、 お 嬢 様 に 指 チ ュ パ さ れ た い はははははー首吊ってくるぜー ───────────────────────────────────────────────────────────
https://w.atwiki.jp/open_deal/pages/288.html
レミリア ,..、 r-、// ヽ { // \ ,. ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ` 、 ヽ{/_ 、 ヽ' \ | -, ll \ ∧ ヽ } | || >--、- 、_l´ ̄ ̄ヽ  ̄`ヽ / / / /´ / ヽ | , ⌒ヽ |= 、_ .  ̄ ,-、_{ , 乂__|/ / | `ヽィ-、 } { }_」_/ / /{ イ / /ー '´ \ | ; | ' / ! \∨ / ィ,ム斗 | | }、__/ニニニ、 ,.ィチニニニ ̄{_ / / { .下≧、{ / ,.ィr ; ォァ / ; | / \〉ニニニ \ /ニニニニ /ニニ,.イ 从 {弋ソ , 込zソ / イ 、___/イニニニニニ /ニニニニニ/ニニ / イ / { ト、 、__, / {/ |ニニ} /ニニニニニ . // ̄ ̄ヽ、ニ/ニニニニ\{ 从 }>.`二´イ /-、从!ニニ|'ニニニニニ / ∨ニニニニ二/}' リ{ ∨//{ / }ニニニ/ニニニニニ ´ ̄ ̄r、/ ̄ / ∨{ }イノ{ `ヽ`ヽ´/ ̄ ̄ ̄`ヽ {/ } ヽ { /-、} 乂,.--、- 、 ∨.r -、__r 、__r、,_......._/ 乂∧ | /三=ミ| /__/^}__/_)〉 `ー 、 乂| . . . . .}-' ; /}_/} ̄; `T ̄ ` / | | / /}---'乂}------ ' _ / /r,___/r、_.}.. }__ /7.r, r { /⌒\ }\ /乂} . . . }__) |///\./ ,'{ |{ |ゝ' r--' `! ∨ /}ノ-r-'_ノ----- '/////\ー' }' ´ // ,( { 、、 ム_ `ヽ \/////////\ {/ /_\ ー`ー' \ \ \/////////} 「/ / `}\ } } ̄`ヽ\| ̄ ̄ ̄┏┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┓┗┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┛【レミリア】■────────────────────■│ HP:11/11 得意距離:- 苦手距離:- │■────────────────────■ 【技】 0.《威圧》 ダメージ:- 射程:- / 【メイン/判定:7】この技を使用した時、判定を行う。判定に成功した場合、次ラウンドの間相手に『行動ポイント-1』を与える。 1.《スカーレットシュート》 ダメージ:2 射程:遠 / 【常時/判定:-】相手の移動ポイントが1以下である場合、この技は〈射程:遠・中〉になる。 2.《ヴァンパイアクロウ》 ダメージ:4 射程:近 / 【メイン/判定:10】この技が命中した時、判定を行う。判定に成功した場合、次ラウンドの間『行動ポイント+1』を得る。 3.《ミゼラブルフェイト》 ダメージ:5 射程:中 / 【メイン/判定:7】この技が命中した時、判定を行う。判定に成功した場合、次ラウンドの間相手に『行動ポイント-2』を与える。 4.《スターオブダビデ》 ダメージ:5 射程:遠 /【メイン/判定:9】この技が命中した時、判定を行う。2ラウンド後のクリンナッププロセスまで相手を[盲目]状態にする。 5.《スピア・ザ・グングニル》 ダメージ:6 射程:近 / 【常時/判定:-】この技の〈射程〉と間合いが一致している場合、この技は回避されない。 この技のダメージは防御ポイント以外で軽減されない。 6.《紅色の幻想郷》 ダメージ:7 射程:遠 / 【メイン/判定:7】この技が命中した時、判定を行う。判定に成功した場合、以降この技の〈射程〉に任意の距離を追加する。 この効果は相手が交代するとリセットされる。 【スキル】 《運命を操る程度の能力》 常時 / 自身の技の〈ダメージ〉を1d2nに変更する。(n=該当する技の元の〈ダメージ〉)【HP最大値-1】 《紅い悪魔》 常時 / 自身が相手を戦闘不能にした時、HP+[相手の残りHP]。【HP最大値+3】 《ラッキーワン》 宣言 / 自身がダイスを振って1が出た時、宣言して使用する。そのダイスを振り直し、出目に+1する。この効果は1ラウンドに1回のみ使用できる【HP最大値+1】 《ブラド・ツェペシュの呪い》 宣言 / 自身の技が命中する時、宣言して使用する。自身のHPを-3して、そのダメージ計算終了まで『与ダメージ+2』を得る。【HP最大値-2】 ※盲目……自身の技に『【メイン/判定:7】この技を使用した時、判定を行う。判定に失敗した場合、この技は失敗する』を与える。 参考:レミリア(募集) 戻る
https://w.atwiki.jp/todoyourself/pages/42.html
霊夢 対 レミリア 霊夢側 レミリア側 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/uraita/pages/23.html
かりすま 突如うらいたに現れた、某ランバト上位入賞者 以前はうらいたに居たらしいが、緋想天スレが立った初期のころはうらいたを離れていたらしい レミリアのほかに、文、優曇華などを使用する 現在レミリアで出場した試合は全て優勝しているが 自重氏が出場した大会には1度(キャラは共に文)しかなく直接対決が無いため待ち望む声も少なくない ギルティギアプレイヤーのカリスマ氏とは別人らしい 「たまには頂点を決めてみてもいいじゃない杯」では1回目の予選で通過し本戦でも全勝で優勝したが その後のエキシビジョンマッチで自重氏の屋上セレナによって惜しくも破れてしまった しかしその高い実力は配信を見ていた全員に知れ渡る事となった 置き2Aの精度に定評があり、気がついたら当たっているということもザラ 中禅寺豚彦 「リーチ行くッス!!」 通称「豚さん」 毎日の様にカツサンド食いたいと言い続けた結果、豚と呼ばれるようになったらしい 大会時に名前を変えていることが多いが、うらいたにレミリアが少ないことからさごう氏に簡単に特定されている 得意技は、JA 不夜城レッド 状況確認能力に優れ、届かないときはレッドを打たない 半角氏の身内らしく、ホストをしていた豚氏に半角氏が入ったところ「入ってくるな」と恫喝した事件もあった 寺生まれである可能性もあり、「破ぁ!」と叫んでいる姿が度々目撃されている 第1回ハンゲ麻雀大会では華麗にぶっ飛び「飛べない豚は、ただの豚さ・・・」という名言を残した パチュリーマウスパッドの所持者であり、満足気な表情である部分を揉みしだいていた 英語が苦手 うらいたで大会を仕切っていた、「トニー」の正体でもある 全一たかみね使いになるその日を我々は待っている 肉球 何を隠そうギルティギアのトッププレイヤーである肉球氏、その人である うらいたには、彼のスレが存在することから知名度の高さも伺える 丁寧で、固めでは数多くのバリエーションを持っていることから、一度捕まえると離さない立ち回り また見てからJAを刺すのが非常にうまく大きな隙を晒す技を空振りすることは許されない 体力回復やスペル増幅といった癖のあるカードも使いこなす 最近は、ギルティギアやブレイブルーのためあまりプレイしていない様子 ポート番号が特殊なため判別は容易 廃糞 いわゆるシネ様
https://w.atwiki.jp/orz1414/pages/125.html
「僕を、眷属にしてください」 夜の紅魔館の私室で、僕は彼女にそう言った。 吸血鬼の少女――レミリア=スカーレットは微かに考える仕草をして こう言った。 「なぜ?」 それは当然の疑問だろう。 わざわざ、自分から眷属になりたい人間なんて 居るはずがない。 だが、僕には確固たる目的があった。 それは―― 「僕は…レミリア様が好きです。 一生居たいと思ってます。だから 僕と一緒に居たいとお考えなら、僕を眷属にして下さい」 人間と吸血鬼の寿命は一と無限の差だ。 それを埋めるには、同じ不老不死の人外に成らざるを得ない。 「…ありがとう」 彼女はそう言って微笑みながら近づき、僕の首筋に唇を押さえる。 そして、ほんの少しの痛みと共に――僕の意識は急速になくなっていった。 1スレ目 60 ─────────────────────────────────────────────────────────── あなたの槍で僕の心は串刺しです。 もちろんこの後は僕はハートブレイクさっ! 1スレ目 92 ─────────────────────────────────────────────────────────── 幽「あら、あなた新入りね。そんな若い身空でどうして死んだりしたの?」 俺「はい、それが……」 ↓ 俺「ああお美しい吸血姫レミリア様、俺と結婚してください」 レ「そうね。咲夜に聞いてみて。咲夜がいいっていったら結婚してあげる」 咲「絶っっっっっ対に許しませんっ!お嬢様につく悪い虫はことごとく潰すのみです」 (メイド弾幕中・夜霧の幻影殺人鬼) ↓ 俺「ということだったんですよ(´・ω・`)」 幽「あらあら大変ね」 1スレ目 149 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「ついてないわね、あなた。 たまたま急に血が必要になったときに、たまたま出くわすなんて。 …何か、言い残すことはある?」 あるべき循環から離れた血液は、すでに致死量。 死の冷たさが蝕む身体は、既に痛みさえ伝達しない。 『吸血鬼』の強力な感染呪詛も、わずかばかりの延命でしかなく。 ―――月が、こんなにも赤いから。 焦点の合わない視線の先には、白いドレスを血に染めた少女。 魔瞳に浮かぶは、弱者への軽蔑。…そして、わずかばかりの憐憫。 なぜか、伝え聞いた古の悪魔を連想した。 ―――こんなにも、月が明(あか)いから。 呼吸は弱い。…言葉を紡ぐに、不自由するほど。 脈は微か。…盛られた毒に、時折跳ねる。 生命は、…あとどれだけ? ―――こんなにも、貴女が紅いから。 「そう。無いならそれでいいわ。 さよなら。…永遠に」 笑みと皮肉と、僅かな無念。 嫌味と侮蔑と、大きな落胆。 無垢で邪悪な、子供の表情。 どこまでも赤い紅い緋い明い赫い――― ―――永遠を、見た。 「…時よ止まれ、貴女は美しい」 1スレ目 244 ─────────────────────────────────────────────────────────── 白んできた夜空を見上げる。 「幻想郷で見る最後の空が朝日ってのも、おつなもんだよな」 紅魔館の裏庭、花で作られたミステリーサークルの側に俺はいる。 「外界へのスキマ、開けてあげるのは三日後。朝日の出る時間にここにいらっしゃい」 それから三日は楽しくも慌ただしい日々だった。 妹様は大泣きするし、パチュリー様は図書館を迷路化して出さないようにするし、美鈴はなにかとコッペパンくれるし……。 咲夜さんは表向き普段どおりだったけど、妹様を宥めてくれたり、図書館から出してくれたりと気を使ってくれた。 レミリアお嬢様は……。 いや、考えるのはもう止めよう。全部未練だ、未練。 今頃、魔理沙の企画したお別れ宴会で飲み潰れているはずだ。 やっぱり、いざという時に泣かれると心が揺らぐから。 「ふうん、本当に帰るんだな」 ……!! 慌てて声の方向に振り向く。 「レミリアお嬢様……」 「でっきり皆を驚かす嘘だと思っていたんだが……」 「みんなを驚かすのに、こんな性質の悪い嘘はつきませんよ」 訪れる短い沈黙。 「……どうしても、か」 足元からこちらを見上げてくるレミリア様。 「……どうしても、です」 頷きたい衝動を無理矢理押さえつける。 「また……」 くるりと背を向け、 「ええ、きっと。何年何十年かかろうと、レミリア様に会いに戻ってきます」 「その言葉に嘘偽りはないな?」 「当たり前です。それと、戻ってきた時は、またレミリア様の側にいさせてもらえますか?」 「もちろんだとも。その時の為に私の隣の椅子は空けておくよ」 使用人としてではなく、隣の椅子に座る相手として。 それはとどのつまり、そういうわけで。 「そのかわり、待たせた年月は十倍二十倍で返してもらうぞ?」 「いいですよ。レミリア様の傍にいられるなら、その百倍千倍の年月がかかろうとも返済してみせますよ」 「ふふ……。期待しないで待っているとしよう」 そういって、紅い悪魔とは思えぬ笑顔で笑う。 天使のような笑顔で笑う。 その顔を再び見るために、必ず戻ってこよう。 時間も博麗大結界も越えて。 必ずここに。 というわけで、へたれ警報真っ只中のレミリア様BAD? レミリア様は甘々よりかっこよくいきたいなぁ 1スレ目 338 ─────────────────────────────────────────────────────────── ひぃひぃ言いながら自転車で夜中の海岸沿いの坂道を昇っている。 「遅いわ。もうちょっと機敏にこげないものか」 ごつんと後頭部に鈍痛。傘でぶっ叩かれたのだ。日傘。なんと頑丈な傘だろうか。 なお機敏にこげと言うが無理と言うものだと言う事を言いたい。 何しろ坂道で後部座席にお嬢様が乗っているのだから。 なんでこんな事になっているのかを深く語ると言うことはしない。あまり 意味がないから。 一先ず、今はこの坂道を乗り切ることが重要なのだ。 「早くしなさい。何の為に着いてきたのか解らなくなるわ」 坂を上る。自転車で。流石は紅い悪魔。後部座席に直立不動で立っているとは。 夜の空。紫色に変化し始めた所で、後部座席から傘の開く音。 レミリアお嬢様が唐突に朝日を見たいといったのだ。もちろん咲夜さんは全面不許可。 その他、紅魔舘全ての住人も勿論不許可だった。 たしか自分も不許可した筈だったが何故にこんな事になっているのか。 それはきっと、多分だけど。 坂の頂上から海を見ている。オレンジを通り越えた壮絶な光。 傘の下に居る限り、レミリアお嬢様に日光は通じない。 それを知ってはいるが、やはり緊張の瞬間だろう。 「美しいな。これが朝日。まるで弾幕を一点に集めたかのような壮絶さね」 お嬢様らしい喩えと思う。自分は弾幕はするほうではなく見守る方だ。 応援しては流れ弾に当たっているから間違えない。 そろそろ帰らねば、咲夜さん方が大騒ぎする頃だろうと思い、踵を返そうとした時。 視線の端に、お嬢様が傘の端から手を出しているのに気付いた。 赤い霧。曰く、日の光に当たった彼女の霧を吸い込むと永遠の命を得れるという。 その赤い霧になってしまった指先が、ゆっくり、こっちへと差し出された。 「吸いなさい。それだけで、貴方は完全に私のもの。白玉楼へ行く事もなくなる」 赤い霧が鼻先に触れる。吸い込むだけで、共にお嬢様と歩んでいける。 そう思うと迷いなど無い様にも感じた。 一生一緒。そんな事を紅魔舘でいったら大笑いされた事を思い出す。 でも、まぁ。 「帰りましょうか」 笑って言って、その手をとって、傘の中へ戻した。 直ぐに元通りになる白い肌の手。お嬢様の顔は、何時もどおりの不敵な笑み。 「――そう。時間はたっぷりあるわ。咲夜のお陰でね」 自転車の後部座席に腰掛けて、お嬢様は早く帰るように促す。 応じてこぎ出す。風が心地よい朝。最愛の人、いや、最愛の方を背中に、行く。 何故吸わなかったのか。何時か後悔するだろうか。 彼女より、彼女たちより早く死んでいくこの体を。 でも、ソレでいいと思う。 限りがあるから愛せたと思うから。 終わりがあるから、その終わりに向けていけると思ったから。 たとえ、何時かは終わっていくだけの命だったとしても。 長く長く、彼女を愛せたのなら、それ以上の事はないと思いたいから―― 追伸 紅魔舘に帰ったら一週間門番と、一ヶ月図書館整理を咲夜さんから言い渡されました れみりゃ様と誰かですよ。 一生一緒もいいけど、つかの間の一緒の方が貴重なような気がするんですが、如何なもんでしょ(滝汗 と言うか、プロポーズじゃないしorz 1スレ目 362 ─────────────────────────────────────────────────────────── 獣道を書き分けて進む。 草や枝を鉈で切り落とす。 人里を離れて二日。ひたすら山を越えてきた。 目的地はもうすぐのはずだった。 目指す場所は博麗神社。人界と幻想郷、両方に存在する場所。 あの日、俺は幻想郷から戻ってきた。 そのまま居ついてもよかったのだが、家族や色々な事が気になり戻ってきたのだ。 家族にはどこへ行っていたのかと問い詰められた。が、記憶喪失で押し通し、最後には神隠しということで落ち着いた。 ほとぼりが冷めると、俺はすぐに幻想郷に行く方法を探し始めた。 古文書や口伝でしか伝わっていない伝承。行方不明者の足取りまで追った。 「幻想郷に戻ってこれるわ。あなたの頑張り次第で、ね」 幻想郷からの帰り際、スキマ妖怪の言ったその言葉だけが頼りだった。 そして、やっと博麗神社と思わしき伝承を探り当てたのだ。 そして、今草を掻き分け博麗神社へと向かっている。 「はぁ…はぁ…さすがに…きつい…なぁ。」 二日も山を越えてきたのだ。疲れないはずはない。 しかし、幻想郷への想いが体を動かした。 急に視界がひらけた。 だだっぴろい草原。しかし、その場所には見覚えがあった。 「これは…、確か慧音さんが住んでた村…。」 家や田んぼ、道がなくてもわかる。 紅い屋敷のメイドに連れられ、何度も買出しに行かされた。 そのまま置いて行かれ、歩いて屋敷まで戻ったのも良い思い出だ。 「となると、博麗神社はあっちの方向か。」 ここにきて、急に現実味を帯びてくる。 行動に移したとはいえ、正直半信半疑ではあったのだ。 だが、覚えのある景色に出会ったことで信憑性が増してきたのだ。 「ここからなら、夜までには着けるか。」 疲労困憊の体に鞭打ち、歩き出す。 この気持ちが折れないうちにたどり着かねば。 そして、それは本当にそこにあった。 石段とかすかに判別できる階段を上り、へし折れた鳥居をくぐったその先に。 「……。」 喜びのあたり、言葉はでなかった。 草は伸び放題、本堂の屋根からは木が生え、びっしりと苔に覆われた石畳。 それでも、そこが博麗神社だとわかった。 あれから三日 本堂の中、今にも抜けそうな床に座り込んでいる。 持ってきた食料はとうに底を尽いていた。 「参ったなぁ……。」 そう都合よく行かないとは思っていたが……。 「やっぱあんなうさんくさいスキマ妖怪を最後の希望にしたのが間違いだったかなぁ……。」 博麗神社からどうやって幻想郷へ行くのか。 結界の要石とかないのか、どこかに結界の綻びはないかと探し回ったのだが見つからない。 ここに来るまでに三日。食料はもうない。 今から戻っても遭難するのは確実だろう。 山登りが堪えたのだろう。リウマチの発作が起こってきた。 「ここで死んだら、白玉楼へ行けるかな……。あー、でもそうすると紅魔館へはいけないよなぁ。」 そんなことを考えつつ、意識は薄れていった。 「玲夢ー。本堂の掃除はどうしたのよ!」 「おばあちゃんの馬鹿ー!そんな面倒くさいことやってらんないわよ!」 そういってレミリアの後ろに隠れるのは十四代目博麗の巫女。 「レミリアおねえちゃん!やっつけちゃって!」 生まれた時から一緒なせいか、どうも年上に対して敬意というものが足りない。 容姿が変わらないからかしらね、とレミリアは思う。 「おばあちゃんの言うことは聞かなきゃだめよ?老い先短いんだから。」 「そこ、一言多いわよ。」 老いてもいまだ壮健なりし、博麗 霊夢。 「仕方ないわね。本堂は私が掃除してきてあげるわ。」 「あら、いいの?っていうか、あなたも丸くなったわね。」 「肝心の容姿は変わらないからいいのよ。それよりも、娘の躾はちゃんとしときなさい。」 「うわーん!レミリアお姉ちゃんに売られたー!」 喧騒を聞き流し、日傘をまわしながら予感を胸に本堂へ向かう。 能力で未来がわかっていても、楽しみなものは楽しみなのだ。 「ほら、起きなさいな。人間はちゃんと朝には起きるんでしょ?」 なんだ、幻聴かこれは。 「この私が直々に起こしてるんだから、起きなさい。」 ゆっくりと目を開けると、あの頃からまったく変わらない愛しい人の顔。 「レミリア様……?」 「随分しわくちゃになって……。苦労したみたいね。」 優しく微笑みながら頬をさすってくれる。 「ええ……、ほんとに苦労しました……。」 そのまま軽く抱きしめてくれるレミリア様。 「紅魔館は随分散らかってしまったわ。これからはもっと苦労するわよ?」 「レミリア様といられるならそれもいいですね……。」 首筋に軽い痛み。自分の体が変質していく違和感。 「もう、嫌だといっても逃げられないわよ。」 そんなつもりは毛頭ない。 やっと再び会うことが出来たんだ。これからは会えなかった分の隙間を埋めていこう。 時間はたっぷりできたのだから。 1スレ目 797 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「親愛なるレミリア・スカーレット様。 貴女様にとってわたくしが親愛に値する相手であるかどうかを、死ぬ前に知りたいと、筆を執りながら思います。 いいえ、存じております。わたくしは翼折られた籠の鳥。貴女様の無聊を慰めるためにのみ生かされておりました。 それを踏まえた上で、どうかこれから記す事を信じてください。わたくしは、この生涯に満足しております。 我が永遠にして唯一の主、レミリア・スカーレット様。 貴女様に手折られたあの夜こそ我が婚儀。貴女様が牢獄と呼ぶこの部屋こそ、わたくしの愛の巣。 わたくしの首筋には今も牙の痕。姿見に映すと、わたくしの目には婚儀の指輪のようにも見えるのです。 この期に及んでこのような手紙を遺すのは、心残り故ではない事をどうか心得てくださいませ。 わたくしは、この生涯に満足して逝くのです。天国でも地獄でもなく、他ならぬ貴女様の血となる事を願って。 わたくしも存じております。最後の数ヶ月、貴女様はわたくしをあまり伽に呼ばなくなりました。 たまにおいでくださる時も、どこか憂いだお顔をなされていた事を、わたくしはずっと心配しておりました。 存じております。貴女様はもはや醜く老いさらばえた卑俗なわたくしの姿など、もはや見たくないのですね。 どうかお許しくださいませ、我が主。悪魔ならぬ身のこの私には、貴女様の慰みになるにも限度があったのです。 いつでしたでしょうか、レミリア様。貴女様は閨の場でわたくしに問われた事がありました。 『お前もやがて、老いて死んでいくのだな』と。わたくしが慄然とした事を覚えておりますでしょうか。 人の生に絶望が横たわる事を、わたくしはその言葉によって初めて知ったのです。 存じております。存じておりました。わたくしもやがて、何の慰みにもならぬ腐った血袋になる夜を迎える事を。 それが今夜である事を、わたくしは今夜になって悟りました。真実から目を背ける臆病者にどうか御慈悲を。 許されるならば、わたくしは貴女様に血を吸われて死にたい。 それが叶わぬならば、せめてこの牢で先任達が零した血のように、床の染みになりたい。 あるいは亡霊となって貴女様の傍らに控え、永遠に仕え続ける事ができたならどれほど良い事か。 寵愛の豊かなりし頃、貴女様はよく職人に作らせた贈り物を届けてくださいましたが、 失礼を承知で言わせていただけば、わたくしは貴女様の事さえ考えられば他になにも必要でなかったのです。 今も思い出のよすがに品々を眺めています。この陶製の茶器など、眺めてばかりで未だ湯も入れておりません。 レミリア様。わたくしは今気付きましたが、なぜかこの期に及んで心穏やかです。 心の臓は高鳴って止まぬというのに、心は頭上の赤い月のように隠然として凪のよう。 希望を見つけたのです。本当にご迷惑でしょうけれど、わたくしは貴女様に添い遂げる事ができる。 わたくしが死んだ後も永遠に、吸血鬼幻想の終わる夜まで、貴女様は夜を渡り続けるでしょう。 ですがどうかご記憶に留めてください。私の血も、我が主と同じくして、翼を広げ永遠を歩むのです。 貴女様に献上したこの肢体には、命の液体が流れています。何度も夕餉に饗したあの血潮です。 それは確かに貴女様と源を同じくする命。貴女様がご存命であられる限り、永劫に夜を生きる希望なのです。 全ての誠実さと愛を、高鳴る心の臓から血に込めて」 そう書かれた遺書を、側仕えの従者が主の私室で戯れていて偶然から見つけた。 その従者は無礼を承知でそれを読み進め、少しだけ黙祷して思いを馳せ、元に戻した。 表情と言わず全身が、羞恥と、悔恨と、呆れに彩られていた。嘲笑にも見えるだろう。 しかしよく見れば、その奥に、彼女の持ち得る全ての誠実さと愛を読み取れただろう。 「あら、それを見たのね」 「……お嬢様? いえ、その。失礼いたしました」 「いいのよ。お前は見るべきだと思う」 レミリアはどこか寂しげに笑って、言った。 「彼女の遺言どおり、血は、命なのよ。そして命は運命なの。 彼女の運命の全てを、私が受け容れた。何も喪われてはいないわ」 従者は問うた。この遺書を書いた娘は幸せに死ねたのでしょうか、と。吸血鬼は答えた。 「お前は答えを知っているはずよ、私の血から産まれたサーヴァント・フライヤー。 お前を構成する血には―――全ての誠実さと愛が、確かに受け継がれているのだから」 th2_0218.txtより。 ─────────────────────────────────────────────────────────── ……辺りは暗く、その中で今見えるのは炎。それと、人影。 ――やめろ。 二つの人影のうち、一つは倒れ、地に伏している。最後の一つ、それは……子供。 暗銀の髪は炎に照らされ、赤く染まっている。 ――やめろ! 子供の両の腕も赤く染まっていて、まるで手袋をはめたようだ。 そして、こちらを向いて……にやりと笑う。唇から牙が覗いていた。 「……やめろぉぉっ!!」 ガバリと跳ね起きる。息が荒く、心臓の音もうるさい。 周りを見渡し、もう一度ベッドに倒れた。 「また、あの夢か……」 あの時から大人になるまでずっと見つづけてきた悪夢。 ――あいつは、絶対に許せない。 自分からすべてを奪ったあの悪魔を…… 「レミリア=スカーレット……ッ!」 少年だったころの悪夢。己の父、母を殺された事。 その少年は愕然とし、そして殺した者に復習を誓った。 成長した今の自分をなおも苦しめる存在の名は、『レミリア』。 人の姿をした魔物……吸血鬼。 その悪夢を壊すため、親の敵を打つために、方々を探し回りようやく見つけた。 ……そこは、あまりにも空気が柔らかかった。ただ立っているだけで安らぎを感じる。 こここそが幻想郷。……これから自分の成し遂げる事が似合わない位に穏やかだ。 だが、やらねばならない。それが自分の存在意義だから。 一歩踏み出す。体が軽かった。まずはどこにいるかを知らないと。 まずは町や村へといき、レミリアの存在を確かめる。 思った以上に反応は良く、簡単に聞きだすことが出来た。 「大きな湖の真ん中、ぽつんとある島の上の館。そこが紅魔館、スカーレットの住む館。」 大きな湖。それを目印に進み、ようやく見つけた。そして、ここからはどうするか。 まあ、そんなこともあろうかと用意はしてある。ただずっと呆けてただけじゃない。 荷物から一枚の大きな革布を取り出し、それを地面に敷く。それの上に乗り、短い呪を口ずさむ。 そうすれば革布が浮き上がり、移動を開始する。 水面などを移動するための簡易『魔法のじゅうたん』。これはレミリアを倒すために鍛えていたときに見つけたものだ。 ……そう。己を鍛え、奴の喉を食い破る牙や爪を磨いていたのだ。 だから、絶対に勝たなければいけない。 島に到着してからは慎重に行動しなければいけなかった。まず、門番らしき女性を眠らせ、中へ入る。 なるべく戦闘を避けながら進み、速やかにレミリアを倒…… 「あら、侵入者ね。」 言葉とともにナイフが目の前に現れた。紙一重でかわしたが、どこから放たれたのか…… 「まったく、あの門番は役立たずね……後でお仕置きしないと。」 二度目のナイフ。一度目とは違う方向から放たれている。 ちっ。こうなったら次が勝負か。……いや、違う。直感がそう告げた。次に来るのは…… 今度のナイフは切りつけるように動いた。その動きの根元……ナイフの本体だろうそこを狙って拳を一撃。 手ごたえはあった。……だが、そこには誰もいない。 しまった!そう思ったときにはもう遅かった。全身がナイフで貫かれてしまう。 「……ふう。ネズミにしては良くやるほうだったわ。白黒ほどじゃないけど、ね。」 かつ、かつ、靴の音が響く。姿を現したのは……メイド。 右手にはナイフを持っている。これは全て彼女がやったらしい。 まったく、人間離れしてるよな。……同じ人間なのに。 「さて。掃除掃除っと。」 こちらに近寄り、ナイフを抜き取っている。……貧乏性か? そして、ナイフを全て抜き取った瞬間、すばやく後ろに回り込んだ。 「な……っ!」 ドゴッ、と音を立て床に頭をめり込ませる。……軽く頭蓋骨にヒビ入っただろうが、許してくれ。 ……脈確認。……よし、生きてる。さすがに目標以外を殺すのは寝覚めが悪い。 廊下の隅に横たえ、また詮索をはじめた。……しかし、あまりいい方法でもないな。 なぜあれだけやられて死んでないのか種明かしをすると。体と心に一度だけ死んでも生き返れる呪術を施してあったのだ。 実際にはレミリア戦まで取っておくつもりだったが……今からもう一度術をかけられるほど時間も設備も無い。 本番一発勝負。それしか道は無かった。 詮索を再開してから少し経って、ようやくそれらしき場所を見つけた。 いかにも敵役が好みそうな大広間。扉をまっすぐ進んだ先に、あいつはいた。 「あら、人間のお客様。こちらにどのようなご用件でいらっしゃったのかしら?」 「ふたりで話をしようと思ってな。……久しぶりだな、レミリア=スカーレット。」 レミリアに言葉を返す。その声を聞き、羽がピクリと動いた。 「貴方は……もしかして……」 「覚えていたのか。俺は、あのときに出会った子供だ。」 かつて、俺は良家の子供だった。両親も一人息子の俺をしっかり育て、家は安泰にすごせるはずだった。 あの親子が来るまでは。 突然家に訪問してきた母親と娘。彼女らはスカーレットと名乗り、少しの間この家に匿ってほしいと申し出た。 両親は二つ返事で承諾し、彼女達を受け入れた。 その後、数ヶ月が経って最初の異変は起こった。 我が家の近くに住む人達が少しずつ、少しずつ減っていき、数年経つころにはもう誰もいなくなっていた。 そして、数年後のあの日の夜に事件が起こった。 まだ幼かった俺が両親を探していると、スカーレットの娘に会った。 一緒に両親を探してくれと頼み、歩き回っていると、ようやく父に会えた。 ……そう思った瞬間。何が起こったのかは覚えていない。 覚えているのはその後、父が倒れていて、スカーレットの娘がその前に立っていた事。 彼女の両腕は血に塗れていて、父の腹部辺りからは赤い水たまりができていた。 父は、殺された。その後、どうやら俺は逃げたらしいが記憶が抜け落ちている。 あの時から、ずっと俺の頭の中にはあの場面が残っていた。 「おまえを探して、ようやくここまで来たんだ。逃げるなんて真似はしないでくれよ。」 言葉を終わらせる直前に懐からあるものを引き抜き、それを向けた。 それは、幾何学模様が刻まれた小型グレネードランチャー。そのトリガーを引く。 魔力弾が発射され、レミリアに当た……らなかった。 「不意射ちだなんて、ひどい人。今のは危なかったわ。」 「フン、ほざいてろ!」 立て続けに魔力弾を発射するが、そのことごとくを空を飛んでかわし、着地する。 その後、こちらに視線を向けてこうつぶやいた。 「……悪いけど、今の貴方には私は殺せないわ。おとなしく下がりなさい。」 その一言は、俺の怒りを爆発させるには十分なものだった。 「……ふっ、ざけんなぁぁぁ!」 ホールド(持ち方)をシングルからダブルへ。レミリアに照準を会わせ固定。 向こうは平気だと思っているのかまったく動かない。 「マナ、エクシード(魔力充填)……レヴ・ファイブ!ブラスト(発射)!」 膨大な魔力を込め、魔力弾……いや、魔力塊を放つ。まだ動かない。 やがて放たれた魔力塊がレミリアに当たりそうになったとき。次の言葉を唱える。 「ブレイケンシリア(弾けて捕らえろ)!」 それを合図に魔力塊は分裂し、レミリアを封じる。 それでも封印を振り解こうとはしない。ただじっと立つのみ。 「ようやく、ようやく父の敵が討てるんだ。」 ランチャーをブレイクオープンし、唯一の弾を込める。内部に銀の粒弾を詰め込んだ特製弾だ。 これをレミリアに撃てば、悪夢が終わる。 「これで終わりだ。……あばよ。」 固定されたレミリアの胸元にマズルを押し付け、トリガーを、 『この、悪魔が!』 引いた。 …………これで、終わったはずなのに。 「な、なぜだ?」 後はトリガーを引くだけなのに。 「何で、何で……」 引くだけなのに…… 「なんで、指が動かないんだ……!?」 指はトリガーにかかったまま。動くことはない。……違う。 指を動かせないのだ。 ――この、悪魔が! もう一度、さっきの言葉が繰り返され…… 違う。この声は俺じゃない。この声は…… 「やっぱり、あの時の記憶を失っていたのね。全ての記憶を……」 レミリアの顔に表情が浮かぶ。悲しみ、そして…… その顔を見た瞬間、意識が吹っ飛んだ。 ――どこだ?ここはどこなんだ? 真っ暗闇の中、俺は佇んでいた。周りに何も無い、暗闇の中。 情景が浮かぶ。それは、在りし日の俺。それと……レミリア。 ――ああ、あの時の光景か。 レミリアと一緒に父を探していた時。……そして、あの事件が起こったとき。 「お父さん見つからないねぇ……」 「……ねえ、こっちじゃないかしら?」 ふたりが行く先には確かに父が見える。……あれ? 「あ、お父さん。探し――」 「早く、その娘から離れろ!」 ……ああ。そうだ。だんだん思い出してきた。 「え、何で……?」 「いいから。はやく離れなさい!」 ――あの時の全てを。 「……いいの。もう隠せないことだしね。」 「隠せない……?」 「――ごめんなさい。」 あの時も、レミリアは悲しげな顔をした。そして…… 「村の人間を食い荒らしたのはお前達だな!?」 「ええ、でもそれは……」 「『仕方ないこと』、で済むと思うか!あの女もそう言っていたぞ!」 「……母を殺したのね。」 「ああ。お前も神の名の下に地獄へ落ちろ!」 「……この、悪魔が!」 そうか、そうだったのか。俺は……景色が血に染まる。レミリアが父の命を奪った。 「……ごめんなさい。私、人間じゃないの。」 「……あ、あああ……」 「人の命を糧にする化け物。だから、定期的に人間の血を吸わなければいけない。」 「ああああああああああああ……」 「貴方だけにはばれてほしくなかった。……でも、仕方ないよね。」 彼女は……笑った。涙を流して、引きつった笑みを。 「私達は、相容れないもの達なんだから……」 俺は……昔の俺は叫んだ。声にならない慟哭。そして、彼女の言葉による悲しみを。 「は、ははは……は……」 父は殺された。でも、それはレミリアが自分を守るため。 レミリアは笑った。でも、それは悲しみをごまかすため。 「そっか。そうだったのか……」 俺はどうすればいい。生きるための目的をなくした俺はどうすればいい? 全て俺の勘違い。笑えるじゃないか。こんな阿呆を生かしておくのか? 答えは、NO。――ランチャーをこめかみに当てる。 「悪かったな。お前を殺すとか言って。……じゃあ、な。」 もう生きることは無い。簡単さ。トリガーを引いて…… その瞬間は訪れなかった。 封印とランチャーは弾き飛ばされ、俺はレミリアに殴られていた。 「冗談じゃないわ……あれだけ悲しませておいて死んでしまうなんて。そんなの絶対に許さない。」 「そうは言ってもな、俺にはもう生きる意味は無い。……素直に死なせてくれ。」 また、殴られる。 「もう一度言ってみなさい、貴方を……」 「殺してくれよ。あの時みたいにさ。」 父を殺した時みたいに、その手で俺の心臓を…… 「……そんな事、出来るわけ無いじゃない……ッ!」 こちらを睨むレミリアは、泣いていた。 「貴方は私を殺せない。私も貴方を殺せないのよ。だって……」 俺のほうに近づき、そして…… 「貴方がずっと、好きだったんだから……」 俺の胸に倒れこんだ。 そうだ。ようやくあの時の涙の理由がわかった。 俺に自分の事を打ち明けるのが辛くて、悲しかったんだ。それほどに俺を好きだったんだ。 でも俺は……どうなんだ?今まで憎むべき対象だったレミリアを好きになれるのか? ……昔の記憶をたぐる。今だったら全てのことが話せる気がしたから。 最初の頃は客人ということで気を使っていたけれど、何週間もするうちに打ち解けていった。 相手は女の子だというのに気が利かず、いっつも彼女を振り回していた。 大抵は俺が馬鹿をやってそれに巻き込まれたり、たまに彼女自身にいたずらを仕掛けたり。 ……その辺は過去の嫌な部分なのでたぐるのをやめた。 でも、それはやっぱり。 「俺も、どうやら好きだったらしいな。」 「えっ?」 「今はわからないけど、昔の俺はお前に惚れていたみたいだ。」 異性に触れる機会はめったに無く、だからこそレミリアに惹かれていった。 ……だからこそ、あの時の叫びにあったのだろう。……失恋の悲しみが。 「……ねえ?貴方、生きる意味が無いって言ったわよね。」 「そりゃな。結局無駄な苦労で終わったから……」 突然のレミリアの言葉。 「なら、私が貴方の『生きる意味』になるわ。……いえ、『一生の伴侶』、かしらね。」 俺は唖然とし、少し経ってからようやく言葉を出せた。 「それ、実際には男が言う台詞……」 殴られた。……真剣なときのより痛い。 「だったらっ、貴方が言いなさい貴方が!」 「……はいはいわかったよ。」 「――レミリア、出来ることなら一生を俺とともに歩んでくれ。」 *** *** *** 何か無理矢理まとめた感あり。(ぇー 小型グレネードランチャーに関しては某エルフィンナイツさんの「27mmG・L・S」を参考にしていただければ。 (もしくはカンプピストルでも) 1スレ目 930 ─────────────────────────────────────────────────────────── ここは幻想郷の湖のほとりの紅魔館。 外の世界から迷い込んできた俺は、妖怪に襲われそうになった所を たまたま通りがかった中国風妖怪に保護――拉致とも言う――され、それ以来この館で働いています。 職種は『おやつ』です。ありえねえよぅちくしょう、人権無視も甚だしい。とメイド長の咲夜さんにつらつらと 話してみた所、 「あら、本来だったらここで働いている妖怪達の晩御飯になるはずだったんだから、自分の幸運に感謝しなさい。 それに、血を提供するだけで身の安全を保障できるのだからそう悪くは無いでしょう?と言うか何貴方あんな 羨ましい境遇に置かれているくせに何か文句があるの?刺していいかしら?ああ、お嬢様の破滅的でいろいろ 浄化されそうなほどに可愛らしい顔がその首にその首にその首にぃぃぃうぎぎぎぎぎ」 「咲夜さんそれ極意っ!!デフレ世界は俺には無理だからっ!!無理なのっ!!しかもどう見ても博麗さんに 使ってた時より弾幕濃いよなにやってんの!!ぎゃあああああナイフ迫ってきたああああ!?」 …まあつまる所はそんなとこだ。食料として運ばれてきた俺は、ここの主であり吸血鬼であるレミリアお嬢様の 気まぐれで血を味見されたのだ。テイスティングの結果、俺の血はお嬢様の好みド真ん中だったらしい。 なんでも蕩けそうなほど甘いのだとか。まさかあれか、外の世界で甘党だった俺の血は既に血糖値がやばい値に なってたりするのだろうか。糖尿病(未遂)に命を救われる俺。笑えねー。それ救われて裏切られるし。 そんな訳でここでの生活も既に一月。実際血を吸われる以外は待遇もよく、図書館に足を向けたり、メイドたち を手伝ったり、お嬢様にお茶会に呼ばれたり、俺の首筋に噛み付くお嬢様の横の咲夜さんに凄まじい貌(かお) で睨まれたりしている内に俺もすっかり馴染んだ。人間って凄いや。 と、言う訳で。図書館で本を読んでいると、突然お呼びがかかるのもいつもの日課という事で。 「○○、お嬢様が呼んでるわ。来なさい」 呼びに来たのはメイド長たる咲夜さん。今日も胸には違和感が無い。 完璧な着こなし、いや、着けこなしは実に瀟洒だ。香霖堂から仕入れていると噂される品物自体もかなり 精巧に作られているに違「何考えてるのかしら?」目が赤くて恐いですごめんなさい。 普段は人当たりの良い咲夜さんだが、お嬢様か胸が絡むと修羅と化す。 お嬢様の自室の前に着く。 「お嬢様、○○をお連れしました」 「入りなさい」 ドアを開けるとお嬢様が微笑んで立っていた。そしてそのままとことこと寄ってくる。 パタパタ動く羽を見るに、どうやら機嫌が良さそうだ。 「遅かったのね、○○。待ちくたびれたわ」 「そうですか?普段通りだと思いますけど」 「貴方もこの幻想郷で生きていくのならせめて飛ぶ術くらいは覚えておいた方が良いわよ」 そのままとりとめも無く雑談する。外の世界の事や、幻想郷の中の事。館のメイド達の勤務態度等々。 ほぼ毎日三時頃――ちなみに今は深夜――に顔を会わせてればそりゃあそれなりに親しくもなる。 ただまあ、時間も時間なので小一時間も話すとそろそろ眠くなってきた。 「お嬢様、そろそろ眠いっす。今日は血はいらないんですか?」 「もう眠るの?だらしないわね」 「人間は夜行性じゃないですから」 お嬢様は不満そうだったがやがて納得したのか、しぶしぶといった顔で。 「分かったわ。じゃあ指を出しなさい」 「指?」 「首は血が止まり難くて困ると言ったのは貴方じゃない」 そういえば昨日そんな事も言ったような。こちらとしても願ったり叶ったりなので素直に右人差し指を差し出す。 お嬢様がそれを口に含むと、指先に微かな痛みが刺さる。 「ん……ちゅ………ちゅる……ん…」 お嬢様が満足げな顔で俺の血を啜っている。普段は白く透き通った顔が今はほんのり赤い。きっと俺も赤面 している事だろう。あとお嬢様の後ろで鼻血を噴出させながら息を乱している咲夜さん。その何を想像したか 分かりやすすぎる瀟洒な想像力には戦慄を禁じ得ない。 と、俺の動揺が伝わったのか、お嬢様が上目遣いでこちらを伺ってくる。 「ん……どうかしたの?」 「うひゃあ可愛いなあもうっ!!」 「は?」 いかんいかん、思わず本音がエクスプロージョンした。 なんとか平静を取り繕って誤魔化していると、お嬢様が俺の指を解放した。 「ふう、今日も美味しかったわ。ご馳走様」 お粗末様でした、と俺は重くなった目蓋を擦ろうとして人差し指が目に映った。 解放されたばかりの指はまだ血が止まっていない。そういえば実際自分の血を味わってみた事はなかった。 お嬢様は美味しいと言うが、自分が飲んでも美味しいのだろうか。味覚に違いがあるわけではなさそうだけど。 と、とりとめのない思考をしながらその指を口に含んでみた。…うわまず。 するとそれを見たお嬢様の顔がきょとんとした表情のままどんどん赤くなっていく。 あ、臨界突破。 「なっ、あ、貴方、何してるのよ!?」 「へ? いや、お嬢様があんまり美味しそうに舐めるもんだから、つい」 「ぅ、うー、だって、それ、かんせつ……」 「?」 そっぽを向いて言われた最後の言葉は良く聞き取れなかった。 「…良いわ。おやすみなさい、○○」 「あ、はい。おやすみなさいお嬢様。それと、また明日」 お嬢様はそのまま俺が出て行くまでそっぽを向いたままだったけど。 ちらりと見えた顔が耳まで真っ赤だったのと、羽が忙しなくパタパタ動いていたのが印象的だった。 懺悔室 お目汚しでごめんなさい、長くなってごめんなさい、咲夜さんごめんなさい、 なんとなく卑猥でごめんなさい、プロポーズしてなくてごめんなさいorz 俺の願いは一つだけだったんです。ただ、 お 嬢 様 に 指 チ ュ パ さ れ た い はははははー首吊ってくるぜー 2スレ目 141-142 ─────────────────────────────────────────────────────────── 覚えのない森の中に仰向けで寝ていた。 (確か家で寝てて…あ、そっか。俺、夢を見ているのか) ためしにそこにあった木に頭をぶつけてみた。 ごんっ! …痛いだけだった。 「……やっぱ漫画じゃあるまいしこんな方法で夢から覚めるわけないか」 しかし、どうやったら夢から覚めるのかすらわからないので、困ってしまった。 「とりあえず人を探すか…」 幸い、すぐに広い街道を見つけることができたのでそこに沿って歩くことにした。 しばらく街道を歩いていると、メイド服を着た女性と悪魔の翼を生やした少女を見かけた。 (…明らかに話しかけたらやばいよな、あれ…) しかし、その二人はすでに自分のことを見ていたため、仕方なく話しかけることにした。 「すいません、お聞きしたいことが…」 「咲夜、今日の食事はあれでいいわ」 「ええ、かしこまりました、お嬢様」 あれ?どうして俺のこと指さして…って俺かっ!? 「ちょっ、いきなり何をっ!?」 「ごめんなさいね、おとなしくしていればすぐ終わるから」 笑顔でそういうと、いきなりナイフを投げつけてきた。…ぎりぎりで回避できたが。 「あら?見た目以上にすばやいのね?」 「こ、こわ……」 「次はそううまくいかないわよっ!」 次々とナイフを投げてくる…が、なぜかうまくかわすことができた。 「あれ?どうして俺こんな回避できるんだ?」 「くっ…いい加減諦めてお嬢様の食事になりなさいっ」 さらにナイフの量が増え、軌道まで変えてきている。 …が、俺の頭の中に回避のパターンが作られ先ほどより楽に避けることができている。 「おお、俺すげぇっ!!」 「何自分を褒めているのよっ!…こうなったら…!」 『時を操る能力』…?頭の中に情報が流れてきた。 「時を止めるって、それ反則…っ!」 「うるさいわ、私の名誉のためにも…!」 「というかすでに目的が変わっているっ!?」 だが、このときすでに頭に回避パターン…というよりチェックメイトのパターンが作られていた。 時を止めて回り込むこのメイドに対し、先を読んで落ちていたナイフを拾い喉元に突きつけた。 「う、うそ……」 「すげぇ…俺…!」 「……」 後ろの方で観戦していたお嬢様が興味深そうに俺を見つめ、 「へぇ、珍しいね、急に能力に目覚める人間なんて。」 『運命を操る能力』…俺の頭の中にそうインプットされたこの少女。…いや、悪魔といったほうがいいのか。 その少女が俺に向かってそう言葉を発した。 「能力に目覚めるって…?」 俺が疑問を投げかけると少し放心していたメイドが、 「お、お嬢様…それで、こいつの能力は…!」 「いやまて、俺の質問が先だろっ!」 「なに、またナイフで追いかけられたいのっ!?」 はいはい、二人とも落ち着いて、と少女が笑顔でたしなめる。 「まず能力とは…そうね、一人の人間や妖怪が持つ他人にはできないこと、と言えばいいかしら。例えば、この咲夜は時を操る能力。そして私は…」 「運命を操る能力…ですね?」 「えっ!?」 「ふふ、よくわかったわね。まあ貴方の能力ならすぐにわかるでしょうけど」 笑顔でそう答え、そのまま続けた。 「貴方の能力は…他人の行動、能力を読み取る能力かしらね。ほら、さっき先読みされていたでしょ、咲夜」 「な、なるほど…だから私は負けた、と」 (…まあ、正直あのままいってたら運動能力の方がもたなかっただろうけど…というかこっちの少女には勝てる気がしない…) そう思っていると、悪魔の少女は俺に近づいて、 「私はレミリア・スカーレット…吸血鬼よ。レミリアって呼んでもらってかまわないわ。ほら、咲夜。貴女も自己紹介」 そういうとしぶしぶと俺の前に向き直り、 「私は十六夜咲夜。この先の紅魔館…レミリアお嬢様の館なんだけど…そこでメイド長をしているわ」 「俺は○○。…それで、ちょっと聞きたいことが…」 「ええ、わかっているわ。…あなたはこの世界の人間じゃない。で、途方に暮れてさまよっていたら私たちに出会った…そうでしょう?」 「えっ!?」 (この女の子…一体…?) 俺が驚いていると、隣から咲夜が、 「外の世界から来た…霊夢の結界が弱くなったのでしょうか?」 「霊夢?」 「博麗霊夢。この世界の結界を張っているやつよ。…正直、あまりそう思わないのだけど」 咲夜がため息をつきながらそう答えた。…おそらく苦手なのだろう。するとレミリアは、 「いや、多分紫のせいね。…おそらくこうなることがわかっていたわね、あのスキマ妖怪」 「また懲らしめにいく必要がありそうね……」 「紫?」 「八雲紫。境目を操る妖怪とでもいっておけばいいのかしらね。…あまり近づかないことをお勧めするわ」 はぁとため息をつきながら二人はそう答えた。レミリアですらため息をつくほどかなり迷惑な妖怪なのだろう。 「あの、それで…」 「私の館に住ませて欲しい、でしょ?いいわよ、あなた、結構面白そうだし♪」 「お、お嬢様っ!?」 「ほんとかっ!いや、マジで助かる!」 心の中でガッツポーズをしながら、レミリアに感謝をした。 「さて、二人とも。そろそろ帰りましょ?夜も明けるわ。」 「はぁ、わかりましたよ、お嬢様…」 半ば呆れながら…しかし、笑顔を見せながら咲夜は俺についてくるように促した。 「あ、そういえば、二人とも歳はどのくらいなんだ?」 紅魔館に行く途中、俺が不意にそうたずねると 「歳?…ああ、生きている年のことね。500よ」 「500ね…って500っ!?」 「失礼ね…何その驚き方。年齢なんて関係あるのは人間だけ。妖怪や吸血鬼は年齢で判断することなんか不可能よ?」 「いやまあ、それはそうだけど…あ、咲夜は人間だよな?」 「ええ、そうよ。私は…大体18くらいかしらね」 「お、同じくらいじゃないか。俺もそのくらいなんだよな♪…にしては胸ちいs」 ばちーんっ!!ととても響き渡る音でビンタを喰らった。 「いって!冗談だろ…って、いやまてまてまて、とりあえずナイフしまえ。いやマジでしまってください、お願いします」 殺気が尋常じゃなかったので土下座して謝ることにした。 「今度この話題だしたら本当に殺すわよ?」 …今度から気をつけよう…目、赤くなってるし… 紅魔館、と呼ばれているらしい。…なんともまあわかりやすい名前で。 「あ、お嬢様、咲夜さん」 「あら、レミィ、咲夜。戻ったのね」 ずいぶん雰囲気の違う二人の女性が声をかけてきた。 一人は頭に人民帽をかぶっている。…中国人だろうか? 能力は…『気を使うほどの能力』らしい。 もう一人は魔女みたいな…パジャマ…かな? 能力は…『火水木金土を扱うほどの能力』…うわ、全属性だし。 「あら、美鈴。今日は侵入者いなかったわよね?」 咲夜が笑顔でそう尋ねると少し罰の悪そうな顔をして、 「え、えーっと…え、ええ、もちろ……」 「今日もまた黒白に本を持ってかれたわ」 「減給。コッペパン一つ減らすわね」 「えぇぇ!?そ、そんな殺生なっ!?」 「大丈夫よ、コッペパンが一つくらい減っても死にはしないから」 「うぅぅぅ……今月もうストックないんですよ~っ!」 …目の前でおかしな給料の話がされているがあえてスルーしておこう。 「この中国っぽいのは中国。一応覚えておきなさい」 「なるほど…すごいわかりやすいなm「中国じゃありませんっ!」……」 ものすごい大声で中国?が叫んだ。…しかもかなり顔が必死だ。 「私の名前は紅美鈴。中国でも本みりんでもくれないみすずでもないですから気をつけてくださいね♪」 「あ、ああ…わかった。ホンメイリン…でいいんだよな?」 圧倒されてつい普通に答えてしまった。…というか、この状態で冗談を言うほど俺は人間できていなかったらしい。 「そうです!…ああ、私感激です…」 いや、目の前で恍惚な表情されると非常に困るんだけど… というか、そんなに間違えられるのか、この人…? 「まったく、いきなり圧倒させるなんて、客人に対して失礼よ?」 レミリアがそう制すと、礼儀正しく向き返って、 「あ、ええと…失礼しました。貴方のお名前を聞いてもよろしいですか?」 さっきとは別人のように動きが滑らかだ。…さすがは『気を使うほどの能力』なだけはある。 「俺は○○。…まあ、よろしくお願いするよ」 「○○さんですね…ええ、よろしくお願いしますね♪」 この人はいい人そうだ。今度コッペパンを手に入れたらこの人に恵むことにしよう。 そしてもう一人の女性、こっちに興味がないのか、すでに本を読んでいる。 「………」 …あの、すごい話しかけにくいのですが… 「す、すいません…あの、お名前は…?」 「パチュリー・ノーリッジ。日陰の魔女よ…珍しい、魔女は?」 「は、はい…魔女って本とかでしか見たことなかったので…」 「そう。…私も、レミィに食事以外でつれてこられる男って初めてみたわよ?」 「…へ、へぇ…そうですか」 生きている心地がしないのはなぜでしょう…と、パチュリーさんが俺をじろじろ見て、 「それに…結構男前じゃない。レミィもなかなか隅におけないわね」 「しかもなかなか面白い男なのよ?…ふふ、私が可愛がってあげるんだから♪」 ……あなたたちがそういうと冗談に聞こえませんからマジで…。 「あ、それなら魔理沙は今いるのかしら?」 「いえ、ちょっと前に帰られましたよ~」 「次はもっと高性能なネズミ捕りを置いておかなきゃ…」 「あらそう…どうせだから○○を紹介したかったんだけど」 「まあいいわ。それじゃあ、咲夜。この人を客室に案内して?私は…そろそろ寝るわ」 レミリアは少しうつらうつらとしている。…どうみても500歳の吸血鬼とは思えないしぐさだ。 というかかなり可愛い…俺ロリっ気はなかったと思ったんだが…。 「ええ、お任せください、お嬢様。…さぁ、行くわ……って、何お嬢様に見とれているのよ?」 「え、あ、いや、しぐさが可愛いなあ~って…」 「ぇ?」 あ、ヤバイ。つい本音を言ってしまった。 「…はいはい、お嬢様が可愛いのはわかったから部屋に行きましょう」 「わかった、おいっ!耳引っ張るな!!って、いた、いたたたたたたたた!!!!?」 咲夜は俺の耳をかなりの勢いで引っ張りながらレミリアから離れていった。 「わあ~…咲夜さん気合入ってますね~」 「…私はレミィを応援するわ」 二人に気づかず、レミリアは嬉しそうにくすくす笑いながら二人の様子を見ていた。 「これから楽しくなりそうね♪」 それからしばらくの間、俺は紅魔館で時を過ごした。 ある時は減給された美鈴さんにコッペパンの差し入れをいれ、涙を流して喜ばれ(結局咲夜に見つかり、没収となってしまった時の美鈴さんの顔を俺は忘れない) ある時はヴワル図書館で自分の世界に帰る方法を探したり(結局見つからなかったが)、パチュリーさんに簡単な魔法の使い方を教えてもらったり、 ある時は咲夜に稽古をつけてもらったり、幻想郷を案内してもらったり(意外と広いんだよな、この世界…) ある時はレミリアに妹であるフランドールの世話を頼まれ、死に掛けたり(まあ、フランドールとも仲良くなったからよしとしたが…) とまあ、結構楽しい日々を送った。…生命の危機は多数あったが。 ある日、博麗神社にて宴会があると聞いたので俺もついていくことにした。 そこまではよかったのだが… 「あの、二人ともいい加減に腕を離してもらえませんか…?」 「いやだ。だって、○○の腕ってなかなか触り心地がいいし♪」←レミィ 「お嬢様だけ腕をつかんでいるのはなんとなく腹立ちますし」←咲夜 …両手に華、とは普通このことを言うのだがこういう事態に慣れていない俺はかなり緊張している。 「帰ってから思う存分触ってもらってかまわないので…」 こういう反論にも、 「私に触ってもらうのが嫌なの?」←レミィ 「私、そんなに魅力ないのかしら…?」←咲夜 とW上目遣いで返されるのでどうしようもないのである。 「誰かに見られたら誤解されますよ…」 「何を誤解するのかしら?」(にやにやしながら)←レミィ 「見られても仲のいい兄妹+従者に見られますよ」(笑顔で)←咲夜 と、見られる気満々である。するとそこに、 「これはこれは…あ、そのままストップしてくださいね~」 「ちょっと待て!!とりあえずそこのエセ新聞記者天狗、カメラさげ…」 「えへへ、どんどん撮っていいよ♪」(腕をさらにぎゅっとする)←レミィ 「私、離れましょうか?」(笑顔で脅迫)←咲夜 「離れたら俺は明日からロリコンって呼ばれるから離れるな…というかそこー、写真撮るなーー!!」 こうしてどたばたしている間に宴会場についたのだが… 「へぇ…あのレミリア&咲夜に腕組まれてる男なんて初めて見たわ…」←弾幕少女 「おお、これぞまさに両手に華だな?そこの兄ちゃん」←普通の魔法使い 「幽々子様…なんか、あの人疲れてません?」←半霊 「それくらいに幸せなのよ、きっと♪」←ゆゆさま 「…ふふ、やっぱり私の見込みは外れてなかったわね♪」←ゆあきん 「これから始まる恋のトライアングルリレイションは~♪」←みすちー&騒霊三姉妹 「そこ、変な歌歌わないっ!っていうか英語わかってるのっ!?」←影薄い人形使い 「うわ~…お似合いですね~♪」←ちゅうご…もとい美鈴 「ふふふ…そうね…端からこっそり覗き込むといい眺めね」←パチェ萌え 「宴会まだ始まらないわけ?」←⑨、鬼 「今はこの珍しいスリーショットをカメラにベストアングルで収めるのが先ですっ!」←新聞記者天狗 「どう?お似合いの三人でしょう♪」←レミィ 「お嬢様がそういうのなら、そうなのでしょう♪」←咲夜 「 ち ょ っ と 待 っ た !俺に釈明の余地は…」 「「「「「「「「ない」」」」」」」」 「あ、さいですか…」 ここまできたら諦めるしかない。そう覚悟を決めて席に座った。 そして宴会は始まった。 最初はみんな俺たちのことをからかいに来ていたが、そのうち酒が入ってくると俺たちのことなんかお構いなしに騒ぎ始めた。 …人間(+妖怪)って、酔うとここまで人格変わるものなんですね、お父さん…。 ちなみに、俺は隣の咲夜とレミリアが気になってあまり酒を飲めなかった。 レミリアは酒に強いらしく、けろっとしていた。咲夜はというと…猫みたいに丸くなっていた。 そのうち、宴会も終わりに差し掛かるところで、レミリアに呼び出された。…咲夜はすでに潰れていたため、その場に寝かせておいた。 「どう?幻想郷流の宴会は」 「自分の世界の宴会なんか目じゃないくらいみんな変わるな。特に悪い意味で…」 「ふふ、でも楽しいよね♪」 「まあ、それは…そうだな」 自然と微笑が湧き上がった。確かに、途中からは俺も結構楽しんでたし。 「…ねぇ、今でも自分の世界に帰りたいって思ってる?」 「え?」 表情はちょっと悪戯交じりの顔で、しかし、声に不安の色が混じっているのがわかってしまった。 こういうときには嫌だよな、俺の能力。 「いや、正直もうどうでもよくなってきた。…たとえ自分の世界に帰る方法が見つかっても、ここの世界が魅力的だから俺はここにいたい。…まあ、レミリアの館くらいしか泊まる場所ないけどさ」 自分の精一杯の優しい笑顔でそう答えた。 「うん、私の館でよかったらいつまでも使っていいよ♪…それでさ、あなた、吸血鬼になる気…ない?」 「え?…そ、それはどういう…」 不意に、唇にやわらかいものが当たった。…それがレミリアにキスされたと気づくのに数秒かかったが。 「え、あ、う、はあ!?」 「こういう意味よ?…私の婿になりなさい♪」 「いや、だけどな、レミリアっ」 顔を真っ赤にして必死に言葉を作ろうとするが、頭の中が真っ白で何も考えられない。…あるのはさっきの唇の感触だけだ。 「始めは…本当に単純な興味本位だったのよ。でもね、あなたと一緒にいると…こう胸がぎゅって締め付けられる感じになって…パチェに相談したらそれが恋よって…」 ちょっと赤面しながら想いをぶつけてくるレミリア。ちくしょうかなり可愛いぞコノヤロウ!って、だから最近にやにやしながらパチュリーさんが俺を見ていたのかっ! 「で、でも不意打ちは卑怯だぞ!」 「ならもう一回したい?」 「ぜひお願いします」 即答。…そして再び合わさる唇。レモン味とは行かなかったが、甘くとろけるような味には違いなかった。 「…ねぇ…それで、吸血鬼になる気…」 「…こんな弱い俺でよかったらぜひお願いするよ。…よろしくな、…レミィ」 再び影が重なった。…後ろでカメラの音がしたが気にしないことにした。 宴会が終わり、咲夜を抱きかかえて紅魔館まで戻ってきた。宴会にはあと二人くらいいた気がするが気にしないことにした。 とりあえず、咲夜を部屋に送って寝かし、レミィの部屋まで一緒に歩くことにした。 「あそこで断られたら、強引に吸血鬼にして従えようと思ってた」 「断らなくってよかった、俺…」 まあ、元から断る気なんかなかったけど。 「相手の気持ちがわからないって、すごい不安だよ?…咲夜とか、中国とか、パチェの気持ちはわかっても、あなたの気持ちは全然わからなかったの」 「まあ、異性の気持ちはわかりにくいからな」 俺の能力も相手の気持ちまでわかるものじゃないからな。 「でも、あなたの気持ちもわかって今とっても幸せなの♪…あ、部屋着いたわね」 「俺もレミィと想いが通じて幸せだぞ♪…じゃあ、またあしt「それじゃ、一緒に寝るわよ♪」 ……… 「…あの今なんと?」 「一緒に寝ようって言ったの。…嫌?」 上目遣いは反則だと何度言ったらっ!! 「いや、だからその…」 「……じ~…」 「わかった、一緒に寝よう…」 「わーい♪」 判定、レミィの上目遣いの一発KO勝ち。俺よわいな…。 「…じゃあ、早速♪」 「だーっ!わかったからいきなり抱きつくなー!!」 …まあ、こんな調子で朝までじゃれあってたとさ。…結局やましいことは何もなかったのが男として悲しいところだ。 次の日、ものすごい殺気で目覚めた俺がいた。…目覚ましより効果的だな、この殺気。 どうやら昨日の告白の現場をあの天狗に撮られて、早速新聞に載っていたらしい。 で、それを見たメイド長が俺の部屋に行って聞こうと思ったらもぬけの殻で、俺はレミィの部屋にいたと。 …あの天狗、次に会ったら羽の一枚ももぎ取ってやろうと思った。 とりあえず、レミィと一緒の布団で寝てたことの釈明は理解を得られた。…情けねえ、俺…。 「…まあ、お嬢様の気持ちはわかってたしね…おめでとう。お嬢様を泣かしたら殺人ドール+ザ・ワールドのダブルスペルを放つわよ?」 笑顔でそう言ってくれる咲夜。本当にお嬢様想いのメイドだ。…でももう少し俺にも優しくしてくれ、頼むから…。 咲夜が入り口にみんないるから早くきなさいよ、と言って部屋を後にした。 ……俺のあだ名がロリコンになりませんように… 「○○~……すー…すー…」 「…ほんと可愛いなぁ、レミィ……」 すいません、もうどうみてもロリコンです。 レミィがあまりにも可愛いのでほっぺたをつついてやった。 「んん…っ…くすぐったい~……」 …これ、起きてるんじゃないか? 「まあ、いいか。これからもよろしくな、レミィ」 その可愛いほっぺたにキスをして部屋を後にした。 さあ、今日は腹をくくろうか…! 「○○……えへへ、どこまでもずっと一緒だよ♪」 ~~~~後日談~~~~ 結局、ロリコンのあだ名は生涯消えることなく続いたとか。 まあ、本人はまんざらでなかったみたいだしいいんじゃないか? 愛の前に人は何にでもなれるからとりあえず石投げとけって幻想郷のみんな(特にメイド長)が言ってた。 ____________________________________________________________________________________________________________________________________ はい、どうみても初心者の文です。ありがとうございました。 というわけで、ちょっとハーレム気分+れみりゃ入ってるよこれみたいな感じの自分×レミィでした。 前半の部分役に立ってねぇ……(汗) 今度はもうちょっと文を推敲してからかこうと思います。 …また東方キャラが夢に出てきたらの話ですがw ではでは… 2スレ目 134 173 ─────────────────────────────────────────────────────────── 141-142の続き 夜中の三時。 お嬢様の部屋へ行くのは仕事であったり日課であったり楽しい交友であったり。 (血が)お嬢様のお気に入りの俺は今日も変わらず慰み者。 「…とか考えるとそこはかとなく卑猥な響きがあるなあ」 そんな訳でただひたすらに廊下を歩く。 今日は咲夜さんの案内は無い。珍しい事もあるもんだ。いつも俺とお嬢様を二人きりにさせるのを嫌うのに。 仕事が忙しいのだろうか。まあきっとそうだろう。切にそう願う。 図書館から爆音が響いているのは関係ない。 ノーレッジ女史に召喚魔法のなんたるかについて熱く語って聞かせた事なんて関係ない。 女史の創る魔方陣を嬉々として手伝ったことなんて関係ない。 魔方陣からバ○ムートが出てきたことなんか関係……ごめんなさい本当に召喚るとは思わなかったんです。 て言うかすげえなスク○ェア!!おじさん感動したよ。そして勇者って本当に偉大。 つらつらと考え事をしながら歩くうちに、お嬢様の部屋のドアが見えた。 ふう、正直疲れたな。 咲夜さんが同伴しないおかげで、捻じ曲げられたままの空間を歩くはめになったのだ。 自業自得って言わないで。今だって罪悪感で圧し潰されそうなの。ホントだよ? 「はあ、こりゃ本格的に空の飛び方とか覚えた方が良いかな」 特別外に帰りたいとも思わないし。 旅をしてたら居心地の良い場所を見つけて住み着く。そんな感じ。 異郷の地で大切な人、大切な物ができる事だってあるのだ。 …っと、散々時間かかったんだから、お嬢様も待ってるよな。こんな所で油売ってないで、早く入らないと。 ドアに近づき、ノックする。 「お嬢様、お待ちかねのおやつが到着しましたよー」 「えっ!? ○○!? す、少し待ちなさい!」 おや、珍しい。お嬢様が慌てているでござる。ここは拙者、ぜひとも蛮勇を奮うべきでござろうか。 ① はい、わかりましたー ② お嬢様! 御身体に何か!? とドアを開け放つ ③ 行くぞ英雄王、武器の貯蔵は十分か? よし、行くぜ!! ②でファイナルアンサー!! 「ってんなわけあるかぁ!!自ら死亡フラグ立ててどうすんじゃい!!」 全力でストップをかけた理性に従い①を選択。ありがとう理性。君は永遠の心友だ。ときどき無視するけど許してね? と言うか③訳解らん。いや、分かるけど。 そうこうしている内に向こうは準備が出来た様で。 「○○、入って良いわ」 「はい、それでは遠慮無く失礼します」 「…なんだかとても失礼をする様に聞こえるわね、それ」 部屋に入ってお嬢様と向き合う。うむ、いつもながらに可愛らしい。 「どうしたんですか? さっき」 「え、ええ。ちょっと本を読んでたの。パチェに借りた」 「春本ですか?」 お嬢様の羽が流線型に引きつる。あれは戦闘態勢だ。デンジャーデンジャー。デンジャーと電子ジャーってちょっと似てる。 平謝りすると、羽の位置が戻った。お嬢様の機嫌は羽を見れば大体分かるのだ。いいなアレ。俺も欲しい。 「あら?咲夜は居ないのかしら?」 「あー、はい。なんと言うかその…忙しいようで」 「…そう」 お嬢様がほっとしたような顔をする。 なんだろ。今日のお嬢様はどこかおかしい。顔もどことなく赤いし。 ベッドに座ってるお嬢様の隣へ行き、額をこつんと当てて熱を計る。…冷たい。流石吸血鬼。 額は冷たいままなのだが、お嬢様の顔が一瞬で真っ赤になる。 「なっ、なななな……」 「いや、風邪か何かかと思って」 何を、と聞こうとした所に答えを返されたからか、お嬢様は目を白黒させた後、一拍置いて溜息をつく。 「吸血鬼が風邪なんてひくわけないじゃない」 「あ、やっぱりそうなんですか。でも、大丈夫ですか?今日はどこか様子がおかしいですよ」 「大丈夫よ。それより、早く血を貰っても良いかしら?もう朝の五時よ」 確かにそれはこっちの不手際だ。来るのが遅れたせいでおやつの時間を大幅にオーバーしてしまった。 お嬢様の口元に指を差し出す。 一週間ほど前からは首ではなくここから血を吸うのがスタンダードになった。 だが、お嬢様は首を振る。可愛らしい顔が何故か耳まで赤い。 「流石にずっと同じ場所からだと飽きるわ。今日は別の所から吸わせなさい」 吸血鬼と言えば首から吸うのが常道だと思ってたけど。飽きたりする物なのだろうか。 まあ本人がそう言うのだからそうなのだろう。 「はあ、まあ良いですけど。お嬢様はどこが所望ですか?」 と、お嬢様の方を振り向く。 あれ?恥ずかしそうに真っ赤に染まったお嬢様の顔が、やけに近―――――― 「ん―――――――――」 唇に触れたやわらかい感触に、思考が停止する。 そしてお嬢様によって歯先まで引き出された舌に、小さな、ほんの小さな痛み。 「ん、ん―――――――ちゅ、ちゅるっ」 そして口の中に広がる、甘い、甘いお嬢様の味。 成る程、もしかしたら俺の血を美味しいと言うお嬢様も同じような感覚なのかもしれない。 ほんの数秒間そうした後、お嬢様は口を放した。 かつて無いほどに顔を真っ赤にして、ばつが悪そうにそっぽを向いている。 外見は幼いが、今のお嬢様はとてつもなく艶っぽい。 「…美味しかったわ。それじゃ、私はもう寝るわね」 空気に耐え切れなくなったのか、足早にベッドへと歩いていく。 「ああ、お嬢様」 「…な、何かしら?」 少し振り向いたお嬢様の表情には、ほんのわずかな不安が見て取れる。 ここでフォローしなければ漢が廃ると言おうものだ。 「俺も美味しかったですよ」 お嬢様は数秒固まった後、突然ドラキュラクレイドルをぶちかまして遙か彼方へ吶喊していった。 まああの方向だったら外に飛び出すことは無いだろう。 舌を確かめてみると出血は微々たるものだった。これではほとんど血を吸えはしなかっただろう。 俺は口の中の余韻に浸りながら、お嬢様の部屋を後にした。 後日 「そういやパチュリーさん、お嬢様に何の本を貸してたんですか?」 「ある意味春本よ」 懺悔室 牧師「カミニユルシヲコイナサーイ」 「本当は今度こそプロポーズやろうと思ったんです萃香で。 萃香可愛いよ萃香ごめんなさいこっち書いちゃいました。 あと前よりさらに春度が高くなってごめんなさい 指チュパやったらこれしかないと思った反省はあまり」 牧師「カミハアナタヲユルシマセーンジゴクヘオチロボケガ!!」 「!?」 2スレ目 219-220 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「お嬢様、客人を連れてきました」 「入りなさい」 「失礼します」 ─咲夜さんの言った”お嬢様”は…幼かった。 「お嬢様、こちらが外の世界の住人の○○です」 ─多分小学生か、それの少し上程度の年齢だろう。 「ご苦労様。下がっていいわよ」 ─だがその姿とは裏腹に。 「はい」 ─いや、むしろそんな容姿だからこそ。 「紅魔館へようこそ。私はレミリア・スカーレット」 ─僕は、溢れんばかりのカリスマと、その似合わぬ言葉遣いに慄いた。 「は…はじめまして。○○です」 ───はずだったんだけど…。 ※ ※ 「そしたらね、なんて言ったと思う? 中国ったら『名前で呼んで下さいよーーー!!』って。 もう凄いったらありゃしなかったわよ。鼓膜が破れるくらい大きな声で叫んで… なんであんなに必死になるのかしらねえ。あ、必死っていえばこの館の前の湖に住んでる…」 僕がここへ来た経緯を話してから、彼女はずっと喋っている。 自分が吸血鬼であること。500年ほど生きていること。小食であること。そして、最近体験したこと。 「…ねえ○○、聞いてる?」 「う、うん。聞いているよ」 「そう、よかった。聞いてなかったら…吸うわよ」 「ははは…」 先ほどのプレッシャーは何処へ行ったのか。夢だったのではないか、と考えてしまうくらいだ。 「ねえレミリア。その湖はここから見える?」 「ええ、こっちへいらっしゃい」 ※ ※ 「へえ、すごいもんだ…」 スイートルームから夜景を見るのはこんな感じ…いいや、こっちの方が上かな? 「湖に月が…今夜は満月か」 「あら、満月?」 「うん、とても綺麗だよ。レミリアも見てみなよ」 「まん、げ…つ…?」 「…レミリア?」 「……………」 「レミリア? レミリア!?」 「りゃー」 …え゙? 「みー、りゃー」 レミリア、レミリアァァァァァァァァ!! どどど、どうなってるんだこれは!? 待て、まず落ち着くんだ…まずは状況を把握するんだ…。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ─満月を見たら、幼女がもっと幼女になった─ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …ごめんレミリア、僕にはこれが限界みたいだ( A`) 「…そうだッ!」 僕にはどうすることもできない。 それでも咲夜さんなら…咲夜さんならきっと何とかしてくれる…。 扉を開けて、僕は叫んだ。 ※ ※ 「咲夜さ~ん咲夜さ~ん、咲夜さーん、Cleaning stop! お嬢様が幼女なんです! レミリアお嬢様が幼女なんです!! 咲夜さ~ん咲夜さ~ん、Cleaning stop! Room cleaning stooooo「刺すぞコラ」 「ヒィッ!」 い…いったい……何が起こったのだ… 背後に回られたのか……う…動けない…… 一瞬にして背後に回られた…!? なぜ!? なぜ足音もなく…服のすれる音もなく気配もなく「僕の背後」に回って 喉元にナイフを突きつけることができたのか? なぜ…? 少しの気配もなく…背後に回ってナイフを突きつけるという一連の行動の時間差もなく…時間差…時間 ┣゙ ┣゙ ┣゙ ┣゙ ┣゙ ┣゙ わ…………わかった………ぞ… な…なんてことだ……… それしか考えられない………… 「時間」だ……… 咲夜さん…は…「時」を止められるのだ……… 「それで、なんなのよ。変なこと叫んでおいて何も無かったら本当に刺すわよ」 「そうだ! 大変なんだ!! レミリアが…」 「ゥゥお嬢様がァァァァ!? 貴ッ様ァァ! お嬢様にナニをしたァァァ!?」 「ちょ、咲夜さん、痛いから!!」 「吐ケェェ! 吐カナケレバ殺ス!!」 「吐くから! 吐くから落ち着いて!!!」 ※ ※ 「お嬢様が…幼女に!?」 「さっきそう言ったじゃないですか…ところでそのナイフはなんです?」 「やっぱ殺すわ」 「本当なんですよ! 見てみればわかりますから!!」 「第一お嬢様があれ以上幼くなったらたいへべれけぇ!?」 「りゃー」 「おおおおおおお嬢様!?」 「みー、りゃー」 「○○! ここここれはどういうこと!?」 「僕が聞きたいですよ! …って、何処へ行くんですか?」 「自室にテイクアウトよ!(自室にテイクアウトよ!)」 「心の声も同じにしないで下さいよ!!」 「りゃー、りゃー」 「嗚呼お嬢様なんて可愛らしい…」 「咲夜さん、鼻血…」 鼻血が滝のように流れるのは漫画の話。 そんなふうに考えていた時期が僕にもありました。 だが咲夜さんは、僕ができない(と思っていた)事を平然とやってのけるッ! そこにシビレるッ! アコガレるぅッ! 「りゃー」 ぺったん。ふにふに。 「おふッ!!?」 ぺったんこ。まるで少年のような触り心地!! 「お嬢様っ! そこはくぁwせdrftgyふじこ」 「みー…」 「お嬢様、何故お手を止めるのです!?」 「りゃー(ぷいっ)」 「おぉぉぉ嬢様ぁぁぁぁ~~~!?」 あー、飽きられた…のかな? 「ん…?」 「みー、りゃー(トコトコ)」 「どうしたんだレミリア?」 「りゃー♪(ぴょんっ)」 「おわっと!」 「みー、りゃー♪(すりすり)」 んー…懐かれたってことで良いのかな? ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ いや、良くないような気がする…。 「○゙・○゙・ゥ~~~!!」 ほ、ほらね? 「ひ、ひぇぇ」 ○○(つまり僕):ナイフが刺さって痛かった。パチュリーさんの治癒魔法のおかげで、今はなんともない。 レミリア:幼女化したけど、朝には元に戻った。記憶は無いらしい。 咲夜さん:僕を見る目つきが変わった。目が合うとすごく睨まれる。 パチュリーさん:呆れていた。まあ、理由はわかるけど。 美鈴さん:何故かコッペパンが二回りほど小さくなったそうだ。 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/あとがき_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 収拾がつかないまま終了しちゃいました。すいませんすいまs(ry 小悪魔と紅魔館メイドも出そうかと思ってたんですが…思ってただけです。 ああ、それとマジカル☆さくやちゃn(殺人ドール 告白? なんですそれ? 美味しいものですか? _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 249
https://w.atwiki.jp/sagastar/pages/55.html
レミリア 肩書き 種族 閃き コマンダー行動 陣形 得意術 盗み適性 吸血鬼 妖怪・悪魔・アンデッド 槍 物理と術 インペリアルクロス 朱鳥 6 LP 腕力 器用さ 素早さ 体力 魔力 意志力 魅力 10 20 12 20 16 16 21 19 HP 斬LV 打LV 突LV 射LV 体術LV 地術LV 天術LV 増幅LV 145+ 1 2 7+ 1 2+ 0 0 5+ 武器1 武器2 武器3 武器4 防具1 防具2 防具3 防具4 アーメントゥーム 精霊石 高級傷薬 日傘 ロードアーマー 革のブーツ - - 技1 技2 技3 技4 術1 術2 術3 術4 スペルカード 二段突き 足払い - - 吸血 - - - スピアザグングニル HP成長 SP成長 WP成長 斬成長 打成長 突成長 射成長 体術成長 2 3 3 1 0 3 0 2 蒼龍成長 朱鳥成長 白虎成長 玄武成長 太陽成長 月成長 増幅成長 消費軽減 0 1 0 0 0 2 5 - 新しいロアーヌ候となった少女。幼い容姿のわりに落ち着いていて結構的確な判断を下す。 とはいえ中身はまだまだ子供。ゴドウィン男爵にも心配されている。初期がめつさは6。 フラン共々、吸血は対象が敵に変わっている。パラメーターは突出して高くないものの、吸血鬼らしく高めの身体能力である。 マスコンの指揮官だけに増幅成長は凄いので、コマンダーにするのがいいかも。 初期装備の良さや開発といった領主特権をうまく使いたい。
https://w.atwiki.jp/11992345/pages/40.html
_ - ━ - _ 、_______ イ{ ` _ - ゜  ̄ ‐ _ /,  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ / 。  ̄ ー _ // , ――= ニ = - // . / ヽ // / , ´ ̄ ニ = - /_ / } . ( / /. . __ _ . l! // / / ニ = - / \ { j_,/ ̄ ̄ ヽ寸ニフ''´( \_{_ // / / ニ = - ./ \,/ { 。 --( _,-―⌒ヽ ) >、 ./ / / ニ = - ./ ∠''⌒ ̄)/ i 、_`¨´ l )_|_j \( {_ .ハ // /, ニ =- /{ー / _,廴, イ匕八 \ヽ l/ }/ `ヽ `ー┘∨/ ./ // ニ= - / `\__/ /_j厶==ミ、ヽ)ノ〝ィ‐㌃㍉j ! } | i j/ ノ//' /ニ = - /__/ /メ{癶'┴ ' ⌒` { ´ ̄``゙ }/ / / / _ //,/, ニ= - / j / \_, 〉 ´ | { 从 |{ ∨// , ニ = - / { `ヾ  ̄`ヽ ___ _、 | レ ヽレ′ }/, / ニ = - 人 八 \ { 八Ⅳ´ ̄ ̄V/ / / i i l /'// _ -―…- \ / )ノ / 丶∧___,/ / / / /レ /'// /_ 八 ´ i 0o。 _ `こ´ ィ =彡'/ / _r厶冖〈_ { 〉 `ヽ |ー‐ ,_ーr_' ̄_∧ { / _ ノ ´  ̄ `ヽヾ(_`¨¨¨)ノ人/ ̄`¨ ー ミ、、| l厂l【 寸ゝ/ ̄/ Ⅵ ト、). ⌒´/ }\_;l!⌒ヾ丿と イ /. |r )} |V入, -‐ '´ ; ∨)ゝ| / _ -' / { /⌒ / 寸 \ { V⌒'J / _... 7 ,={ | {<´__,ノ \ | . } ∨ / / ノヾ| |、 ',⌒'ヽ ` _ ヾ . ' レ / ̄/ / } ! j | ∧/∧ ヽ、 丶/ ⌒ /`V ̄. ノ ' し′{ / ∧ ',__ / j レ' {_/゚ }/ヽ{_‘, ,\ ー{ /ー=彡 / } |!\_j ヽ } 鮮血の間の吸血鬼でアーカードの娘の1人 運命干渉と言うスキルにより未来予知など強力な力を持つ吸血鬼であるが 生まれて間もない時にアルクェイドの悪ノリで飲まされた中年の脂ぎった血がトラウマになり血を飲むことができなかった また父親であるアーカードに対して強い憧れと尊敬、妹であるフランドールの吸血鬼としての力の強大さなどの思いから 血を飲む事ができない自分に強いコンプレックスを抱いていた その反動か吸血鬼としてのカッコ良さなどに拘り中二病を拗らせていたが 潜入15日目にデキルオの活躍もあり、アーカードと本音を語ってコンプレックスから脱し家族仲が良くなった しかし、その直後にアーカードから自室に入られて黒歴史を全て見られた上に真面目に評価されてそのまま反抗期に突入した それからは家出先としてデキルオ達の館でデキルオのサポートとして活躍を見せている 地下研究所から救ったアリスとは何かと弄られているがかつての交流の少なさは解消されて来ている 潜入20日目に極炎の間の魔王夫妻の血を飲み、蒼星石達の結婚式の約束や初SEXなどいろいろやらかした 『レミリア』 種族:吸血鬼【体力:60】 (人間の限界は20)【スキル】・運命干渉・・・・現状では運命を見る事と一時的に”引き寄せる”ことが出来る ┃ ┗未来予知・・・近い未来を予知する事ができる ┃ ┗過去の軌跡・・・その場所で何があったのかある程度なら理解できる ┃ ┗握運・・・1日1回だけランダムで提示された運命を選択できる ┃ ただし全ての選択肢が良いものとは限らない ┃ ┗運命の先送り・・・1日1回のみ使用可能(アイテム「運命の砂時計」を所持が必要) 今回のダイス結果を次の自身の判定結果に使用しダイス判定をやり直す・「スピア・ザ・グングニル」・・・自身の血と魔力によって構成された槍を高速で撃ち出す 戦闘判定に+2・「聖者貫く盲人の槍<ロンギヌス>」・・・・レミリアの血とできる夫の泥、 そして二人の魔力で構成された槍を撃ち出す 「力」の流れを破壊し、相手のスキルを使えなくする さらに大きなダメージを与えることが可能 「大成功」以上で相手に大幅なマイナス補正・「レッド・ザ・ミスト」・・・自身の身体を赤い霧にする事ができる この霧は非常に有毒であるため長時間の吸収は危険である 霧を散らされ過ぎると自身の肉体にダメージとなるので注意・不夜城レッド・・・広範囲にエネルギー波を十字架のように放出する 接近戦で絶大な威力を持ち、防御にも使用できる・吸血・・・成功する度に判定を常時+1する、「大成功」以上で常時+2(最高+3まで)・血のトラウマ(ほぼ克服)・・・幼少の頃のトラウマが少し残っている 美味な血なら問題なく飲めるようになった・再生・・・負傷によるペナルティを回復する(3回まで) 吸血に成功した場合に判定+する代わりにこのスキルの回数を増やせる・弱点「太陽」・・・太陽または太陽に似たエネルギーを受けると判定-3される・夜の住人・・・夜に戦闘すると判定+2・運命の砂時計(アイテム)・・・スキル「運命干渉」の補助となる礼装
https://w.atwiki.jp/touhoupuppetshow2/pages/67.html
Dレミリア No.320 タイプ:あんこく 特性:プレッシャー(相手の技のPPの減りが1増える) メロメロボディ(触れるとメロメロにすることがある) HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 70 100 100 80 100 100 ばつぐん(4倍) --- ばつぐん(2倍) はがね/しんとう/こころ いまひとつ(1/2) ゆめ/あんこく/げんそう いまひとつ(1/4) --- こうかなし おばけ コスト:150(コスト技の威力:100) Dレミリア 解説 習得技レベルアップ 卵技 技マシン 解説 カリスマガードのポーズが印象的なレミリア系統の中でも耐久に優れた子 防御・攻撃ともにバランスが取れているが器用貧乏になりがちな上耐久に秀でたといってもタイプはあんこく単体。はがね・しんとう・こころと高火力の技が多いタイプが弱点。 利点は強いていえば馬鹿力や破壊光線の少ないPPをプレッシャーによってより減らしつつ受けれることだろうか。 メロメロボディはうまく絡まれば強力だが特性は基本的にプレッシャーだろう。 HPもそこまでない上にD系としては防御・特防ともに低め。積み技も丸くなる程度しかない。よってこのカケラを使うには相当な工夫がいるだろう。 グラフィックは可愛い タイプや技による挙動の違いを無視するのであれば、数値上はすばやくなった代わりに耐久能力の落ちたゆうかともいえる しかし、その技の部分が非常に辛い 自己回復技としてフェザーダンス(卵)を持つのだが、自己耐久力強化技・状態異常技を一切扱えないため出来ることが非常に狭い 支援として使うには技が足らず、アタッカーとしては火力不足の印象は否めない 耐久力が比較的高めのS100であるというのは利点であり強みだが、この速度の前後は優秀なカケラが多く陰に隠れがち ど忘れが扱えるので一応特殊相手には強め 習得技 レベルアップ ちびレミィ Dレミリア 1 きゅうけつ 5 にらみつける 10 かみつく 15 だましうち 20 ちょうはつ 25 つばさでうつ 30 いあつ 35 ハートブレイク 1 かみなりパンチ 1 でんこうせっか 1 ほのおのパンチ 1 ばかぢから 1 エアスラッシュ 1 うそなき 1 きりさく 1 げきりん 39 まるくなる 42 あくのはどう 45 ドわすれ 48 いちゃもん 52 エアスラッシュ 56 うそなき 60 きりさく 64 げきりん 卵技 フェザーダンス バインドボイス ほのおのうず いちゃもん わるだくみ 技マシン 02 ハートブレイク 05 ほえる 07 かまいたち 10 どくづき 12 ちょうはつ 17 みきり 19 ギガドレイン 27 おんがえし 30 シャドーボール 31 かわらわり 32 かげぶんしん 37 サイコカッター 40 いばる 43 ひみつのちから 44 ねむる 45 メロメロ 46 どろぼう 47 はがねのつばさ 49 よこどり 秘01 いあいぎり 秘02 そらをとぶ 秘04 かいりき 秘06 いわくだき