約 1,234,687 件
https://w.atwiki.jp/kubinasi774/pages/66.html
チームFATEの副リーダーかつアイドル、別名『ファニーヴァンプ』。 元は超有名で売れっ子のアイドルだった、が…… まあ今でもアイドルである。熱狂的なファン(ジュライ)もいれば、ラジオ番組とか持ってるぞ! 戦闘時の扱い 火力の応援しても良し、妨害の要や連携してもよし!全体的に素早く、攻撃・補助・妨害が可能な小回りの利く副リーダー! 状況に合わせて手薄になりそうなところを穴埋めさせるのがベストだ! 但し、防御力は無く補正頼りなので素の高防力のかち合いは弱く、弱点を突かれると一気に崩れるのでヘイトを稼がない様に注意!縁の下の力持ちだ!アイドルなのに! 要するに、戦闘での役割は敵の攪乱・味方の火力支援。戦闘を安定させて有利な状況を作る。癖のある万能型ではあるが、単騎タイプではない。 同じアイドルでも、エリザとは逆に目立つと弱いタイプである。 _( ̄ ̄ \ / -― '/ ,、 ヽ ( ヽ、 /ヽ. (_ `丶. // {^ 、 ,..-..,= / `ヽ.,′ `ー. ´ `ヽ/( ̄/`ヽ. \___ / / ,.′ _.ノ} / , ._ ,. -,  ̄ ¨ / \ l 、 / { 〈 { ∠. -.' / /_ /ヽ/ /! /____)j 〉、 / ,..-‐.'| j } , -‐,. { /.´.込._/ // . i / \  ̄ / iヽ´ / | / .|/ / 人 { / ゞ-’´/_ ノ/{ . .\ {`ヽ | / j / { ,′ / \ { ´ ̄ ´_,、ノ ノ} .`ー′ i .! / , -―― ′ i /\. . ∧ 、 ' `ゝ=ノ { | { \ nn { /{ {、 } 人 { 、 ー / } .!. \ } } } } ∩ .|' \ __`ー_ノ/`、ソ ー- ―‐ / .ノ .ト、_)/ { } {. } } _ {,.´ ̄ /´ ,ヘ/ ´ /i } r――― '´{ /´ /人 i  ̄ {/7\{ { / { _,/ ,j / { {. / ヽ}_ヽ. | ./ ´ ̄ - ' } / { L_` \_」 } r―‐ ′ __,/__ヒ'.ヽ._/_ ソ´} ヽ、 ′ _ノ / └- 、`ヽ ( / i / _....-‐ /`ヽ´ {____,ノヘ、ソ´ ̄`ヽ ̄ .\ ` ) | { /  ̄ ̄`ヽ / / } ノ_j {_ヘ/ / j ,ゝ_ ,{_ _」 ヽ、丶._/ ./ / i |  ̄ ̄ / .{ (び~个〈. `ヽノヽ、 / ̄ / {ヽ| |. / ヽ┌─────────────────────────────────────────│レミリア・スカーレット└─────────────────────────────────────────■────■│重要語句│■────■≪表層≫【邪気】【傲慢】【偶像】≪深層≫【悪魔】【幻影】【???】■──■│能力│■──■【手動】【-】≪レミリア・ハートブレイク≫【攻撃力に究極の補正】【防御力補正ある程度無効化の可能性有】【次ターンまで槍使用不可】 槍にオーラを纏わせ一直線に放つ大技、真祖の武器でのみ可能な投擲だが放った後槍が実体に戻るまで時間が掛かる 【初手で放つほど威力が高くなり】【ターン終了に近い程補正が掛からなくなる】【補助】【攻撃】【一部手動】【-】≪バッドレミィスクランブル≫【攻撃力に極限の補正】【任意で爆破し辺りに霧が漂う】【追加で攻撃力に補正発生の可能性有】 発動時、対象に突き進む赤い霧で作られた分身を飛ばす、そのままぶつけても中々に強いが 本体の任意のタイミングで爆破させ辺りに赤い霧を一瞬漂わせてのワープが真骨頂 又、≪濃霧の吸血鬼≫が発動した際に出た霧を集めた場合分身の数が増える 【手動内容】:爆破のタイミング【攻撃】【補助】 レッド レミィ≪紅い悪魔≫【攻撃力に極限の補正】【行動割り込みの可能性有】【地形無効】 槍若しくは拳での攻撃、早い話飛びながら行う近接攻撃方法全般である。特徴としては一発では無く連打する方が得意【手動】【魔/闇】【-】 レ ミ リ ア≪サーヴァントフライヤー≫【攻撃力に大幅な補正】【飛び道具相殺の可能性有】【三つまでセット可能】 空中に魔法陣をセットし、指を鳴らした瞬間セットした【全ての】魔法陣から蝙蝠型の魔弾が飛ぶ 魔弾は余り速く無く威力も無いが指定した相手や技へ追尾する、妨害や連携用の設置型魔術 【手動内容】:セットする場所と個数と撃つタイミング■──■│補正│■──■【+】≪ファニーヴァンプ≫【同士討ちを誘う可能性有】【ボス戦の場合体力消費で行動を成功にする可能性有】 その言葉は他者を誘惑し、その名を出せば命令に従わざるを得ないカリスマを持つ【特殊】【+】【-】≪濃霧の吸血鬼≫【生み出した赤い霧が漂っている場所にワープ可能】【実体を伴った攻撃無効化の可能性高】【水系ダメージに弱い】 その身体はときに赤い霧となりそして霧に実体を飛ばすこともできる、しかし流水に弱い 実体とは【素手で掴めない】という意【+】≪ミレニアムの吸血鬼≫【味方の確率発動系補正発動率上昇の可能性有】 又の名を『運命を操る程度の能力』だが、別にそんな大それた能力ではない為自重して改名した が、ミレニアムも生きて無いのでやっぱり誇大名称【+】【-】≪吸血鬼≫【味方ダメージ時体力回復の可能性高】【自身が敵を倒した場合確定回復】【戦闘終了後体力大幅回復】 【通常回復する【道具】及び【光術】でダメージ発生】【【道具】による復活不可能】【光系ダメージに弱い】 上級吸血鬼は血では無く生命力を啜る為、血液の有無では無く死へ近づく瞬間に溢れる精気を吸収する 故に活性化させる道具や光術で体調に悪影響を及ぼす■──■│装備│■──■腕1=≪レミィ・ザ・グングニル≫【攻撃力に極限の補正】【稀に防御力補正にマイナス補正付与の可能性有】腕2=≪紅霧の腕≫【攻撃力に極限の補正】体=≪紅色の世界≫【防御力に大幅な補正】【体力低下によるマイナス補正無効】【地形マイナス補正無効】装飾品1=≪玩具のマイク≫【自分の行動成功時に自動行動発生の可能性有】【変更不可】装飾品2=≪とまとじゅーす≫【体力回復の可能性有】 能力についての追及 +≪レミリア・ハートブレイク≫ ≪レミリア・ハートブレイク≫ 能力について補足 投げた槍が凄い技なので、投げずに使うことはできない 出の早さを重視する場合、力込めない分早いというより崩して出すイメージで使うことも可能 この能力を使わなくても普通に槍の投擲は可能だが、もちろん投げた回収までにラグはある レミリア自身、筋力はあるし、投げることはまぁ得意 出来る事/出来た事 出来なかった事/まだ出来ない事 これからしたい事 +≪バッドレミィスクランブル≫ ≪バッドレミィスクランブル≫ 能力について補足 【ぶつかった時に攻撃してる】のであって、爆破は【霧を巻き散らかす手段】のため、【爆破で攻撃することはできない】 何処に自分の赤い霧があるかは自分で感知できるし、自分から見えないところに赤い霧があってもワープはできる。ただし、目視していない場合、移動した先がどうなっているかは分からない 直線以外のルートで撃つこともできるが(曲射)、あまり複雑なルートは無理。 囮に使うにはクォリティが低いため、知能低い異形なら兎も角、人間相手などになるとデコイとしての利用は極めて困難(≪ファニーヴァンプ≫発動かつ体力15%消費) 出来る事/出来た事 出来なかった事/まだ出来ない事 基本的に「飛ばす」技のため、走らせたりその場に静止させたりは体力5%消費するぐらいの厳しさ これからしたい事 +≪紅い悪魔≫ ≪紅い悪魔≫ 能力について補足 ≪指銃≫のように硬化とセットではないので素手で硬いもの(例:頑丈な装甲)を殴ると逆にこちらがダメージを受けたりする 出来る事/出来た事 出来なかった事/まだ出来ない事 これからしたい事 +≪濃霧の吸血鬼≫ ≪濃霧の吸血鬼≫ 能力について補足 本体攻撃時は実体攻撃無効化の可能性が下がる 出来る事/出来た事 出来なかった事/まだ出来ない事 これからしたい事 +... 能力について補足 出来る事/出来た事 出来なかった事/まだ出来ない事 これからしたい事 フラグ・考察等 +... [フラグ] フェイカー曰く『色んな人と楽しいこと悲しいこと、喜び・感動を共有出来る方』、いわばFATEの外交官らしい 200歳以下。吸血鬼、それも真祖でこの歳は非常に低年齢だそうな。同じ真祖であるエヴァンジェリンとそんなに接点は無い。 実は36歳。何気に王妃やアリスと同い年である。 鍵と錠が盗まれていたとき、杏子をFATEにスカウトしていた。 [考察] [備考] 吸血鬼という存在に対する一般的イメージとアイドルの知名度を概念として自らに付与して強化しているため、吸血鬼特有の弱点には特別弱い。 吸血鬼らしくなっている分、【弱点はさらに弱く】、【特殊能力は更に強く】なっている弱点が多いため、単騎不向き。例えば今代の近衛師団団長全員に対して相性負けするとか。 本来、吸血鬼は光術に弱いのは共通だが、流水とかにまで弱いかはまちまちらしい。 小食。
https://w.atwiki.jp/star247/pages/21.html
レミリア・スカーレット 絵師 ミヤスリサ ストック 1 ゲージ速度 遅め 発動タイミング 自摸時 効果 手牌の中から1~4枚をランダムに赤ドラ牌に変化させる。 使いやすさ★★★★★ コメント 初心者向け。単純に火力を伸ばすことに特化した能力。 ちなみに元々赤い牌も変化の対象に入ってしまうため、霧雨魔法店は相対的に苦手とする。 赤ドラに変化させる枚数はランダムとされながらも、実際には3枚以上変化する確率は低い。 具体的には1枚だけ変化する確率が40%と高く、以下30%、20%、10%と枚数に応じ低くなっていく。 期待値に換算して大体2枚だが、体感としてはもう少し低いかもしれない。 同じ赤ドラ変化の魔理沙にゲージ速度とストックの差で劣るのも痛い所だが、まぁどちらを使うかはお好みで。
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/653.html
レミリア14 Megalith 2012/05/21 ここのレミリアは好感度MAXです ふ~ん...金環日食ねぇ・・・ そう。今日は約900年ぶりの金環日食である。 「で、その手に持っている変な眼鏡はなんなのかしら?」 「これは日光を見る特別な眼鏡ですわ」 「なんで咲夜が?」 「人里で配っていましたよ。肉眼で見ると目に悪いとのことなので」 ふふ~ん... とちょっと興味があるような目で眼鏡を見つめていた。 「ちょっとその眼鏡貸して」 咲夜は、レミリアに眼鏡を渡した。 「うわ なにこれ、何にも見えないんだけど」 「紫外線を遮断するために、強力なフィルターが貼られているので普段使用しないでください... と説明書に書かれてありますわ」 「へぇ...」 「でもお嬢様は見れないのが残念ですね」 「パチェが言ってたんだけど、日食は太陽の力が下がるらしいのよ。もしかしたら見れるかもしれないわ!」 「...大丈夫でしょうか」 咲夜は心配そうな顔でレミリアは見ていた。 そして、レミリアの飲んでいたカップから紅茶が無くなった。 「紅茶が無くなったから、例の新しい紅茶を飲みたいわ」 「かしこまりました」 そう言うと瞬間移動をしたかのように、レミリアの目の前からいなくなった。 と同時にドアからノックの音が聞こえた。 コンコン 「ん?誰かしら」 というとドアが開いた。 「あら。○○」 「やぁ。レミィ、今日は金環日食みたいだね」 「知ってるわ。眼鏡もあるから見てみようと思うの」 「危ないんじゃない?」 「太陽の力が弱ってるから大丈夫よ....たぶん」 「たぶんかい」 とりあえず立って会話するのもアレと思った○○は椅子に腰掛けた。 するとレミリアは○○の膝に座った。 「?」 「いいじゃない。ここが一番座り心地がいいのよ」 ○○はレミリアの髪を撫でて遊んでいた。 「くすぐったいわ」 ちょっとだけ時間がたつと紅茶を持っている咲夜が現れた。 「新しい紅茶ですわ。○○さんの分も持ってきました」 「流石咲夜。気が利くわね」 「メイド長ですから。そしてお邪魔のようなのでこれにて、また用があれば呼んでください」 「ん...」 咲夜が去った後、いい香りのする紅茶を飲んだ。 「こういう紅茶もいいわね。咲夜が変なのをいれなきゃだけど」 「美味しいね... そういえば言い忘れたけど、今もう見えるらしいよ日食」 「そうね。この紅茶が飲み終わったら行きましょうか」 しばらく時間がたって、○○とレミリアはベランダに行った。 「さぁて...見ようじゃないこの眼鏡で」 「大丈夫かなぁ...」 そう言うとレミリアは眼鏡をかけて日の当たるところに立って太陽を見た。 「ん大丈夫...シューシュー やっぱり熱い!ダメ!」 「やっぱり駄目だよね」 ○○は苦笑した。 「残念だわ。太陽は弱っても太陽だったね」 「無茶しないほうがいいよ」 残念がりながら日陰にあるベランダの椅子にレミリアと○○は座った。 「○○は見えたの?」 「ちょっと端っこが欠けているだけだったけどね。もうちょっと早く見たらいいのがみえたかも」 会話しているとまたレミリアは○○の膝の上に座った。 「レミィここに座るの好きだよね」 「ここが一番いいのよ」 「ふふ...可愛いな」 「ありがと」 照れながら振り返り、レミリアは○○の唇を奪った。 「ん...んん」 少しだけさっき飲んだ紅茶がした。 「んちゅ...はぁ...ん」 レミリアの唇はちょっと潤っていて蕩けていた。 「ん...は...」 口付けをやめた後、どちらもぼうっとしていた。 するとレミリアが言った。 「日食が見れなくても○○が私の太陽だから問題ないわ」 「あらあら...じゃあレミィは自分にとっては月だね」 恥ずかしい台詞を言ったせいか、キスをしたせいかわからないが どちらも顔が赤くなっていた。 初めての投稿なので、誤字脱字、日本語がおかしいかもしれませんが多めに見てね! 追記<『大目に見る』でしたねw あと気づいた脱字を直しました。 Megaith 2013/03/11 「――とまあ、たまにはそんなのもいいかな、と思うわけよ」 「はいはいごちそうさま。それで、レミィ? 私は何をすればいいのかしら?」 「さすが、パチェは話が早いわね。またあれを作って欲しいのよ。あの出発前に飲むやつ」 「咲夜に手伝ってもらえばすぐできるからいいけど…… でもあなたや私ならともかく、ただの人間が飲むには少しきついわよ?」 「その辺は私がなんとかするわ。それじゃあ、お願いね」 夜の闇はいよいよ深く、紅魔館は最も活気づく時間を迎えていた。 「ふふ、なかなか上達したじゃない」 真っ赤な絨毯が敷き詰められた紅魔館の一室では、 オルゴールめいた魔法の箱が奏でる軽快な音楽に乗って、一組の男女がくるくると踊っていた。 「おかげさまで」 頬を寄せて囁くレミリアに答えた○○の声は、あくまで控えめだ。 たしなみとして教えてもらったダンスだが、上達しているのかどうか、自分では今ひとつわからない。 確かに目に見えて失敗するといったことはないが、 それは身長差を補うためにレミリアが浮かんでいるおかげで足を踏まずに済んでいるからではないか、と内心思う。 絡めた手や抱いた腰から愛する彼女の温もりが伝わってくるのは、確かに幸せなのだが。 「自信を持ちなさいな。それに今日はちょっとした趣向を用意してあるから、 ○○にももっと楽しんでもらえると思うわ」 演奏がさわやかなフィナーレでしめくくられる。一呼吸置いてノックの音が響いた。 「入りなさい」 音もなくドアを開けて、咲夜が部屋に足を踏み入れた。 手に持っていた盆を置き、うやうやしく一礼する。 盆の上には、黄金色で満ちた精緻な水晶細工のゴブレットが一対載っていた。 「お気をつけて行ってらっしゃいませ、お嬢様」 「ん、食事までには戻るわね」 軽く手を挙げ、退室する咲夜を見送る。 ドアが閉じられると、レミリアはゴブレットの片方を取り上げた。 輝く液体が、形のよい小さな唇に吸い込まれていく。 「……ふぅ。効くわね」 「それは?」 「ちょっとした下準備、ってところかしらね ――ああ、直接飲んじゃだめよ。そのままだと刺激が強すぎるから」 伸ばした手を止められてとまどう○○の前で、レミリアが残りの一方に口を付ける。 見る間に杯を干すと、楽しそうに端をつりあげたまま、その唇が○○の唇に重ねられた。 「ん……」 「んぐ……くっ……」 レミリア自身を器として流しこまれた液体を、○○は驚きながらも受け入れ、飲み込んだ。 滋味豊かな蜂蜜の甘さを追いかけて、焼けるような熱さがのどを下りていく。 「ぷはっ……い、今のは」 「これを飲んでおかないと、息ができないからね」 せかすように○○の手を引き、レミリアは部屋の中央へ進む。 つないでいない方の手を無造作に振ると、宙空から姿を現した槍がその中に滑り込んだ。 「それじゃ……いくわよっ!」 石突で勢いよく床を衝いたのを合図に、ほのかな紅い光の魔法陣が床に浮かび、視界が暗転し―― 初めは真っ暗闇だと思っていたが、次第に目が慣れてくる。 「うわぁ……」 ○○は思わず感嘆の声を上げた。 前後、左右、頭の上、足の下。宝石をちりばめたかのように、星々がひしめきあっていた。 「星間宇宙でのデートというのも、乙なものかと思ったのよ。気に入ってくれたかしら?」 力を込めてうなずく○○に、レミリアが嬉しそうに微笑む。 「良かった。それじゃ――」 レミリアはつないでいた手をそっと離し、改めて柔らかに差し出す。 二人の為の演奏が、新たな趣向で始まろうとしている。 「もう一曲、踊っていただけるかしら?」 「はい、喜んで」 ○○は身をかがめると、愛しい吸血鬼の手をうやうやしく取った。 星の海に浮かぶ、一片の花のような魔法陣の上。 一組の男女が、くるくると踊っていた。
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/642.html
レミリア3 3スレ目 154 「レミリア! 俺と結婚してくれ!」 「・・・そう。ならば吸血鬼の『花嫁』にしてやろう」 「本当か?! よっしゃ・・・え、花y(ぢぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」 「不味いわ。咲夜、どこかに捨ててきて」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 463 レミリアお嬢様に献血のため部屋に行く。 「あら、やっと来たわね。でも、最近ずっと首筋からしかもらっていないから、少し飽きてきたのよ。 たまには趣向を変えて、ほかの場所からもらってみるのもいいわね。どこがいいかしら。言ってみなさい?」 1・手首 2・耳たぶ 3・指 4・唇 4を選んだ場合 「……いいわよ。言うようになったわね。でも、私とあなたじゃ背の高さが違いすぎね。 ……私を抱き上げなさい。あなたの唇から、奪ってあげる」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 596 「レミリア、好きだ」 「100年早い」 「そうか・・・残念だな。俺は100年は生きてられない・・・」 「ならば私の眷属になればいい。・・・100年間、待っていてやろう」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 728 「あれ? お嬢様、お出かけですか? お酒持ってどちらに?」 「ちょっとそこまで、ね。サボるんじゃないわよ、美鈴」 「判ってますよ。ナイフは嫌ですから」 ――キュポン。 「久しぶり。数年ぶり、かしら? 最近来てあげられなくてご免なさいね。アレ、なかなか手に入らなくって」 「……」 「怒ってるの? 心配しなくても貴方の事は忘れやしないわ」 「……」 「でも、貴方も悪いのよ? 貴方があんな無茶な注文してくれるから」 ――ダバダバ。 「そ、アレ。貴方、コレが大好きだったでしょ?」 「……」 「そうそう。一度無理矢理私に飲ませようとして大変なことになったわよね。あの時のパチュの青い顔ったらなかったわ」 「……」 ――ダバダバ。 「この前言ってた人間? ああ、咲夜の事? ええ。とっても出来た従者よ。あの子にもいつか貴方のことを紹介してあげるわね」 「……」 「ふふっ、そうね。あの子、きっと吃驚するわ」 ――ちょろちょろ。 「最近あった面白いこと? そうね……フランに友達が出来たわ。それも人間の魔法使いの」 「……」 「白黒の変な奴よ。図書館から色々くすねてるってパチェがぼやいてたわ」 「……」 ――ぴちゃん。 「……さて、と。咲夜が心配するといけないから帰るわね。丁度お酒も切れちゃったし。次が何時になるかは判らないけど」 「……」 「じゃ、またね。――私が大好きだった人」 ――俺の事はあの酒が手に入った時にでも、思い出してくれればいいから。 ――馬鹿ね。忘れないわ。ずっと、これからも。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 898 「突然だけど」 「なんだ」 「私はあなたが好きよ」 「そうかい」 「何よその反応、もう少し喜んでよ」 「……悪いが」 「俺は突然夜中に家に押し入って眠い俺を外に叩き出した挙句、 不夜城レッドで俺の大切な新築ログハウスを破壊するほどのデストロイヤーな吸血鬼から好きと言われて喜べるほど頭は春じゃない」 「つまりは?」 「嫌いってことだ」 「そう。で、今日はどうやって生きるつもり?」 「お前が破壊したんだろ……」 「そうね、責任は取るわ」 「……お前の口からそんな言葉が出るとは意外だよ」 「失礼ね」 「ああ、失礼だ」 「まあ、兎も角。うちは広いから住んでも別にいいわよ」 「無論そのつもりだ、俺が新しい家を建てるまでな」 「決まりね」 「ところで」 「なに?」 「あのぐらいのでっかい洋館なんだから空き部屋の一つぐらいあるよな?」 「無いわよ」 「……じゃあ俺は何処で寝ろと?」 「私の部屋」 「……断る」 「じゃあフランのところで寝泊りする?」 「すみませんでした貴方様の部屋で寝泊りさせて頂きます」 「あ、そうそう。さっきの話だけど」 「なんだ」 「あなたが今嫌いでも、きっと好きにしてみせるから」 「……俺としてはあんまりレミリアと関わりたくは無いんだが」 「ふふふ、そのうちその言葉も言えなくしてあげるわよ」 「それはそれで物騒だな」 一蹴されるのが有りならするのも有りなのかなって思って書いてみた。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 4スレ目 23 レミリアへ ぼく以外の血を吸わないで ─────────────────────────────────────────────────────────── 避難所 50(うpろだ0027) 「……俺は何しようとしてたんだ?」 ドアノブに手をかけたところで俺はふと思った。 っていうかそれ以前の記憶が無い。 ……記憶喪失か? だとしたら大惨事だ。 行くとしたら妹様のところか永遠亭だな。 「……あー、そうだ。外に行こうとしたんだっけ」 しかし、少し考えてすぐに思いつく。 いやはやド忘れなんてことは俺には無いと思っていたが……世の中は広い。 ついでに言っておくが、今は夜でここは紅魔館の内側だ。 この時間帯はレミリアが起きているのでメイドたちも大変らしい。 まぁそんなことは俺には関係ない。 で、なんで外に出ようとしたんだっけ。 ……お、思いだせん。 「まぁ、少ししたら思い出すだろう」 と楽天的に考えてドアを開けようと押すが――― 「あ、開かないっ!?」 開かなかった。 力いっぱい押してもナチュラルな人間である俺に扉をぶち破るほどの力は無い。 「ま、まさか閉じ込められた!?」 やばい、食料とかためてないぞ? 水は? 暖は? えーと他には…… 「そのドアは引くて開けるのよ?」 狼狽している俺の後ろから呆れた声がしたので慌てて振り向くと、そこにはまぁちっさい吸血鬼が立っていた。 小さすぎて俺の今までの焦りが嘘の様に消えたほどぐらい。 「悪かったわね、ちいさくて。というか、教えてあげたんだから感謝しなさい」 勿論発狂している妹のほうではなくて、傍若無人のレミリアのほうだ。 「あはははは、そうだっけ。このドア押すんじゃなくて引くんだったんだなぁ」 とうとうボケが始まったか。 畜生、まだ若いのに……。 とりあえず気を取り直して、本来を目的を達成させるために引いてみようとするが――― 「うお! 開かないっ!?」 これまたどんだけ力を入れて引いてもびくともしません先生っ! もしや鍵が必要とか!? それかレミリアが嘘ついたかなのかっ!? お、落ち着け。もちつけ。そういえば餅食べてないなー。 ……って、違う違う。落ち着くんだ。 とりあえず辺りを見まわしてみよう、もしかしたらヒントがあるかも試練。 左よーし。 右よーs…………元凶発見。 そしてその極悪な元凶ちゃんはドアが開かない様にドアによりかかってこちらを見ていた。 「なにやってんだお主は……」 「あなたの邪魔」 「……何故?」 レミリアの理不尽は初めてではないがやっぱり訊きたくなる。 っていうか理不尽なまますごすごと帰ってたまるか。 「妖怪を舐めちゃ駄目よ。あなたなんてすぐ食べられるわね」 成る程、俺の身を心配してくれるのか。 初めて俺に気を使ってくれた気がする。 「食べられたらあなたの血が飲めなくなるもの」 前言撤回。 やっぱりコイツは自分勝手な我侭お嬢様だ。 しかし、どうせ無理やり行こうとしてもレミリアと俺の力の差なんて火を見るより明らかだ。 この状況は普通に変えるのが得策。 「はいはい解りましたよ」 外に出る理由も忘れちまったしな。 俺は踵を返して自分の部屋に戻ろうとした。 「待ちなさい」 が、やっぱりこうなるとは思っていたがレミリアに呼びとめられた。 勿論振り向かないのは礼儀的に咲夜さんに殺されるので、仕方が無く振り向いて問う。 「なんで?」 「私が外に出たいから付き合いなさい」 「一人で行け」 「一人じゃつまらないわ」 「じゃあメイド長と一緒に出りゃ良いだろう」 「咲夜は今忙しいらしいわ」 「じゃあ――」 「五月蝿い黙れさっさと行くわよ」 他の案を出そうとしたら凄い剣幕で止められた。 そして俺に反撃の隙を与えずに外に出てしまった。 ……我侭だなぁ。 散歩なんだけどレミリアと一緒に外に行くのが主流なのか? 正直困るだろ。 俺はそのまま帰ってやろうかとドアに手をかけかけて――― 「行くわよ!!」 本気で怒鳴られた。 ってな事でレミリアに無理やりに散歩に参加させられた。 ちなみに湖を越えるときは(強制的に)レミリアに運ばせてもらった どんな運び方だったかは教えられない。死んでも教えねぇ。 とりあえず現在は現在は森の中を歩いている。 なんでかって言うと、空を飛べない俺に配慮してかもしれない。 まぁ、飛べない奴置いて空飛ぶほど非情じゃなさそうだしな……。 森の中といえば妖怪がうじゃうじゃいると思うが、レミリアのお陰か妖怪は寄り付きさえしない。 それでも四方八方木ばっかりで俺としては薄気味悪い。 話をしようにも話題がなければ声も出ず、結局は無言で歩いている状況だ。 そしてなんとなく気まずい雰囲気があたりを支配する。 何が悲しくてこんな吸血鬼と薄気味悪い森の中を歩かなければいけないんだ……。 日ごろの行いが悪いせいか? いやいや神様。俺は普通に悪い事なんてせずにゆったり生きていますよ。 天罰下すなら目の前の吸血鬼にしてくれ。一応悪魔なんだし。 歩いていて気付いたが、結構蒸し暑い事に気付く。 まぁ夏だしな、仕方がないか。 「○○」 「な、なんだっ?」 突然の呼びかけにビックリしてしまって5mmくらい浮遊してしまった。 その上若干上ずって返答してしまった。ああ、なんか笑いの種になりそう。 「今日は何日か知ってるかしら?」 「何日かだって?」 なんでこの吸血鬼はそんな事を聞くのだろう。 しかしながら俺もここに来てからというもの年月とかは忘れてしまったので解らないと素直に答えた。 「そう。いいわ、別に期待してなかったし」 何気ない一言が俺の心を傷つける。 幻想郷に来てから何回心を傷つけられただろう。結構荒んでいる気がする。 そんな事もお構いなしだから困る。 「毎年この時期になると見えるのよ」 「何が?」 「上を見てみなさい」 と、いわれたので仕方が無く上を見てみると――― 「木だな」 暗いから良く解らないけど日が出てきたら青々とした木と枝が見える事が大いに予想がつく。 「そうじゃなくて…………ああもう、ここからじゃ見えないわね」 そう言ったレミリアは俺の手首を掴んで一気にスピードを上げて前に進んだ。 前に言った通り、俺は普通の人間だ。 そんな普通の人間が吸血鬼のスピードに絶えられるわけが無く、つまりは――― 「痛い痛いもげ、もげるからレミリアさん聞こえているけど無視してどんどん速度上げてるでしょてめぇこら止まれぇぇぇぇぇぇ!!!」 俺の腕が千切れそうになったとさ。 「はい、着いたわよ。上見て」 着いた場所はなだらかな斜面の草原が広がる一種の丘だった。 なんでレミリアはこんなところを知っていたのだろうか。 それよりもこの腕の痛みはなんとかならないのかな。 「し、死ぬ、千切れる。……てめぇ、絶対殺す……」 俺がブツブツと呪詛を呟きながらレミリアの支持通り上を見ると――― 「……うぉ」 それまでの怒りやらなんやらが吹っ飛ぶぐらい綺麗な――― 「凄いでしょ?」 俺の元いた場所では想像できないほど綺麗な星空と天の川だった。 「……ああ」 久しぶりに天の川。 これを見てぎゃーぎゃー騒いでたのが前の俺なんだよな今の俺は家に引きこもってるから困る。 少し俺の心が洗われた景色だった。 「まぁあなたの事だからこの時期でさえ空が見えないところで寝ていたんでしょうけどね」 そして洗われた部分をさらっと傷つけるのがここの吸血鬼だ。 「成る程、レミリアが散歩しようとした理由がわかった」 「……っていうか、私が運んでいるときには見なかったのかしら?」 「怖くて下ばっかり見てましたが何か? 上見たら負けかなぁなんて思ってた」 「そうね、多分あなたが上を見たら思いっきり下に投げてたわ」 そんなことで人間版スカーレットシュートしないでくださいな。 血が吸えなくなるから外に出るなっていったのは誰だよ。 「で、俺を強制的に外に連れ出したのはこれが理由か?」 「咲夜には結構見せたからね。どうせあなた見てないと思ってたし」 「失敬な、ガキの頃は見たぞ」 「ってことは最近は見てないって事でしょ」 なんて他愛な話を座って空を見つづけながら言い合う。 こんな雰囲気が続いたら良いなーって思っている俺がいた。 適当に喋って、嫌だけどまたあの運び方で紅魔館に戻って、また明日って感じで。 「○○」 けれど、ゆったりムードの雰囲気もそう長くは続かなかった。 原因は別にパララッチな天狗でもナイフが怖いメイド長でも俺の歌を聞けーな夜雀でもなんでも無い。 すぐ近くにいる吸血鬼だ。 突如視界が吹っ飛んだと思うとドスッという鈍い音と共に背中と頭に痛みが走り、目の前に写る景色が突如変わった。 その景色とは、レミリアの顔だった。当然目線が合ってしまう。 肩にはレミリアの手がかなりの力で乗っているため、俺は置きあがれずに逃げ場が無くなってしまった。 良く見ると普段青白い顔が若干紅いような気がする。 「前から思っていたんだけどね……」 そう言ってレミリアは一旦言葉を噤んだ。 その一瞬で俺の心臓の鼓動がかなり早くなった。 なんで俺が緊張せねばいかんのだ。 「私はあなたに前から興味を持っていたの。食料以外でね」 「……興味?」 思わず聞き返してしまう。 ああ、なんか言いたい事が解ってしまうと顔が赤くなるな。 視線を逸らしたいけど逸らしたら何言われるかわからないからそのまま固定。 「それで、何故かと色々と考えをめぐらしていたら答えについたのよ」 俺の質問を無視するのは故意ではなくて気に出来ないほど緊張しているからだとは思う。 思いたい。思いつめたい。小一時間思いつめたい。 「○○。私はあなたが好きみたい」 言いやがった、この吸血鬼。 心臓がかなり早いスピードで脈を打っているのが解る。 慣れてない事はどうしても駄目だね。 「あなたは私の事をどう思っているのかしら?」 うおぃ、返答聞かれちゃったよ! なんて答えれば良いんだ? いや、自分に正直になればいいんじゃないのか? 正直に答えるとなると…… 『……我侭で傍若無人、とりあえずはかかわり合いたくない相手』 ってなるじゃないか! し、死亡グラフ確定!? 却下! でも嘘ついても見破られる気がしないでもない……。 「ちなみに恋心としてだから。解ってるわね!?」 どうやら考えている事を読まれしまったらしく若干怒り気味で言われた。 はて、恋心? そう言えばそんなの生死の境を毎回いったりきたりの毎日じゃそんなこと考えられんわ。 さて今は安全なので考えてみよう。 気付いたら傍にいるのは誰だ? ふとした時に思い出すのは誰だ? ……決まってるじゃないか。半強制的だがな。 「恋心かどうかはわからないが……、気付いたらレミリアと一緒にいて気付いたらレミリアのことを考えている事が多い。 多分、お前の事を意識しているとは思う」 「なんか微妙な言い方ね……。まぁ、あなたが何時も憎まれ口を叩いているのもわかるけどね」 そいつは驚きだった。また別の意味で心臓の鼓動が早まる。 ついでに冷や汗も。 「だって言うじゃない? 嫌よ嫌よも好きのうちってね」 いや、そうなのか? 俺にそれは適用されるのか? ファンだ。違う、不安だ。 「でもね、そんな曖昧な言い方じゃ駄目」 結局却下されちゃったみたいですわ奥さん。 はいはい解りましたよ。薄々は俺も気付いていたし、曖昧な答え方でなんとかなるかなって思ったけど駄目みたいですね。 「レミリアが好き……みたいだ」 最後の言葉は俺の精一杯の抵抗。 でないと心臓が破裂してあたり一帯がスカーレットな状況になってしまう。 「また曖昧だけど大体解るから許してあげるわ」 ……ひょっとして、俺に好きと言わせるまで何回も訂正させる気だったのか? そういえばこんな大胆なレミリアは初めて見るな。気付くのが遅すぎるか? 「……そういえば。なんで七夕を選んで、しかも俺をここまで連れていってまでしようとしたんだ?」 「ここなら多分見つからないと思うし、織姫と彦星が一年に一回会える時期、妖怪と人間の境界も越えられるかもって思ったのよ」 おうおう、ロマンチストだな吸血鬼よ。 まぁ関係無いけど粋な計らいだ。 「じゃあ誓いの……」 なんか色々吹っ飛んでいる気がするんですけど先生ー。 いきなり誓いのうぎぎなんて早すぎる。 ちょ、今ここで? ってか逃げられんっ! 別に嫌じゃないけど助けてっ! 「吸血を」 ……まぁそうだろうと思ってたさ。 なんか泣ける。 仕方が無い、せめてもの抵抗でもしてやろうか。どうせ無理だろうとは思うけどさ。 「ちょっと待て、今やる気か? 帰ってるときに血が無くなったらどうするんだお前はー!? うわ、無視かっ! 非情だっ!」 なんて抵抗も空しくレミリアは首筋に顔を近づけたその時――― 「あははははははっ!!! だ、駄目死ぬわっ! これはっ!!」 凄まじく場違いな笑い声がした。 気付いたら俺はレミリアの部屋で机に突っ伏していたわけだが、そこに居たのは――― 「だ、駄目ですよお嬢様。○○が起きてしまいますわ」 けっこう顔が引きつっている咲夜さんと――― 「いいえ、もう手遅れの様ね。……プッ」 最後のほうでたまらず噴出してしまったパチュリーと――― 「もう、ちょ、っと、見れるかと、お、もったん、ですけ、どね」 笑いを堪えているのかで途切れがおかしくなっている小悪魔と――― 「あははははは! あははははははは!」 無茶苦茶に笑い転げているレミリアが居た。 ……はい? 状況が掴めませんが、俺は先程吸血されそうになったはずじゃないのか? キョトンとしていると引きつったままのパチュリーが答えを教えてくれた。 「こ、紅茶を飲んだのは、覚えているかしら?」 「紅茶?」 えーっと、紅茶なんて飲んだかなぁ……。 過去を振り返ろう、どうせ浅い時間だろう。 紅茶……確かに飲んだな。その後……の記憶が無いんだが。 「アレは睡眠薬入りの紅茶よ。私特性の」 思いっきり引きつっている顔のままパチュリーがまたもや教えてくれた。 ってぇことは? 「あなたはずっと夢を見ていたわけ。それを私の水晶球でウォッチしていたの。勿論内面描写もろもろね」 「あははははは!」 成る程、どうりでレミリアがいつもより変だと思った。 っておい、内面描写って事はだ、俺が夢の中で見ていたことやらなんやらが全部? 包み隠さず? ここの面々に見られたわけで? ああなるほど、だーから皆笑っているわけかぁ。 成る程成る程。 どうやら解ってきた俺を見て更に全員それぞれに横を向いて口を抑えたり、余計引きつったり、余計に笑い転げたりしていた。 くあっ! 首吊りてぇっ! 「首吊ってくる!!」 有限実行とはこのことだね。俺ってば素晴らしい。 なんて焦りながら自分を褒め称える。 「まぁまぁ落ち着いて」 「これが落ち着いてられるかっ! 今から俺はここにいる全員を根絶やしにするか幻想郷から出たりしない限り俺の安眠は無い!」 自殺が駄目なら外に漏らさなければ良い。 そう考えた俺は、そこらへんに偶然あった新鮮な長ネギを二本持って謎のフィンランド語の歌を口ずさみつつ身構えた。 「レミィが無意味にこんな事をすると思う?」 「思う!!」 「……レミィ、彼からの信頼無いわね」 「あははははは! だって、からかうのが、面白すぎて、あははははは!」 「オーケー、今から閻魔のところまでぶっ飛ぶがいい」 「落ち着きなさい。今の状況でもあなたがレミィと戦って勝てる見込みは無いわよ?」 「…………う」 そりゃそうか、吸血鬼と人間だしねぇ。 しかし長ネギは下ろさずに構える。その気になれば誰か一人くらいは……無理だけど、とりあえず下ろさない。 「レミィは私に聞いてきたのよ。効率良くあなたの気持ちを知れないかって」 「……仮にその話が本当だとしても、レミリアが俺の気持ちを知ろうとする理由が思い当たらないが」 「……呆れた」 引きつった顔のまま言われても困る。 ちなみにレミリアは未だに笑いつづけている。 時折俺の内面描写の一部をブツブツと言った後また笑ったレミリアを見ると、やっぱりコイツは極悪だなと解る。 「ついでに私はこう答えたわ。他人の気持ちを知るならばまず最初に自分の気持ちを言うべきだってね。 でもね、レミィはそれを聞いたときに自分からは言えないって言ったわけ。で……」 「この作戦が採用されたわけか」 「そう」 なんか卑怯な気がする。自分で言えってのに……。 「拒否されるときにレミィはどう対応すればいいかとか解らなかったんじゃないかしら?」 さらっというあたりさすが友人だ。 レミリアが居るにもかかわらず言ってのけるところ、笑いで状況判断ができなくなったのだろうか。 と、今更ながらある事を思いつく。 「ってことは、レミリアが夢で言った事は?」 「若干捏造はしたけど大体は本当よ」 うへぁ! そいつは知らなかった。 いや、知らなくて当然か。今言われたし。 そういえばここはレミリアの部屋だな、うん。 なんで呼び出されたんだっけか。たしか、重大な話があるっていってたっけ。 ……なんとなく、未来がわかった気がする。 ここで俺がやることは一つ、逃げねば。 「く、国に帰らせていただきます!!」 そう言ってダッシュはしないにしろ早歩きでドアへと向かう。 そしてドアノブを捻って思いっきり押したが――― 「あ、開かないっ!?」 夢の続きかっ!? 押しても引いても開かないってどう言う事ですか先生っ!! もしや思って振り向くと、レミリア以外の三人が居ないじゃないか。 ……閉じ込められた? 部屋には俺とレミリアだけが取り残された。 レミリアがもう笑っていないせいか俺が喋ってないせいかはたまた両方か、部屋が物凄い静寂に包まれていた。 「○○」 と、レミリアが突然話しかけてきた。 少々ビックリしたので声が上ずってしまわない様黙る。 「私はあなたのことが……好きよ。あなた、は?」 真っ赤になって答えるレミリアがそれほど近くない距離からでも解る。 元が青白いからそのぶん変かがわかりやすいって事だな。 で、質問の答えだが。もう言ったはずだ。 まぁ言わなければいけないんだろう、しょうがないから言ってやろうじゃないか。 「俺は……レミリアが好き、みたいだ」 夢と似たような答えにレミリアは少し笑って夢と同じ答え方をした。 「また曖昧だけど大体解るから許してあげるわ」 どうせなら俺も乗ってやることにする。 「……そういえば。なんで七夕を選んで、しかも俺をここまでやってまで確かめようとしたんだ?」 「織姫と彦星が一年に一回会える時期、妖怪と人間の境界も越えられるかもって思ったのよ」 本当なのだろうか、まぁ捏造込みって言ってたし。嘘かも。 「じゃあ誓いの……」 と言った瞬間ベッドに投げ飛ばされてしまった。 ……ちょいまち、この状況ってことはこうなるわけで? 「吸血を……」 「うおい! ここまで再現する気なのかっ!? それともなにか、俺が見たのは予知夢だったのか!?」 「ふふふ、どうかしらね」 「話せば解るっ!」 「嫌よ嫌よも好きのうち、でしょ?」 「それはお前が言った事だろ! お、鬼! 悪魔!」 「私は吸血『鬼』で悪魔よ」 「じゃあ豆は弱点だなっ!」 と、まぁよくわからんことをグダグダ言っている間に月明かりや天の川やらに照らされて出来た二人の影は変わった形で重なり合いましたとさ。 ちなみに、俺の夢については他言したら撲滅とレミリアと俺で決めた。 ……いやはや世の中はどうなるかわかりませんねぇ。 彦星と織姫みたいな関係にはなりたくないけど、こちらもどうだか。 「なんか言った?」 いや、なんにも。 なんでお前なんかを好きになったのかなーなんてこれっぽっちも思ってないよ。 「……ふうん。どうやら現実でもう一度、今度は全員の前でやる必要があるようね……」 おうち、つい調子に乗って本音を言ってしまった! レミリアストーップ! 話せば解る! だからアレは勘弁! 絶対止めて! 頼むから! お姫様抱っこは死んでもやめてくれっ!! Hoppy End? ─────────────────────────────────────────────────────────── 4スレ目 652 窓から一条の光が差し込む薄暗い部屋 彼女はその光に腕を差し出し その深紅の瞳で俺の眼を射抜いていた。 「吸いなさい。それだけで貴方は永遠の命を得ることが出来る」 「私と共に歩んでいく命を得ることが出来る」 「でも、それは何よりも深い闇の道を歩むと言うこと」 「死よりも辛い時間という流れを歩むと言うこと」 「それでも、私を愛していると言うのなら」 「私を求めると言うのなら」 「今ここにその覚悟を示しなさい!」 「人を捨て、光を捨て、私を手に入れて見なさい!」 何と言うか・・・ 私の願望?というか、こんな事をレミリアに言われてみたいな~とか 思っていたら出来上がってしまった妄想文です。 もう一つ、弱いレミリアVerを考えているんですが 投稿しようかどうか迷っています。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 4スレ目 696 「まぁ……お前が運命を操るとかいう以前に、俺はお前が好きだったって ことなんだろうな」→レミリア ─────────────────────────────────────────────────────────── 4スレ目 844 いつのまにか、自分は家の窓から満月が映える空を見上げていた。 どうも、自分は寝ぼけているようだ。頭がすっきりしないし、今まで何をしていたのか思い出せない。 ただ、気付いたら満月をずっと眺めていた。 まぁ、これも暑さと暇な所為だろう。そう思って、その晩は結局そのまま床についた。 しかし、翌日になっても、この不思議というより、困った記憶の感覚はひきずったままだった。 昨日の事がさっぱり思い出せない。いや、それだけではない。昨日より前の日の出来事も所々忘れているようだ。 どこか出かけた事は覚えていても、どこに向かったのか、何をしたのか、誰と会ったのかが抜け落ちている。 深く考え込みながら過ごしているうちに、今日も夜が来た。窓から見上げた月は少し欠けていた。 ふと、視線を周辺の木々へと移すと、そこに見慣れない人の影があった。よくは見えなかったが、 月明かりによって見えた姿は、大きなリボンのついた帽子を被り、髪は長く青みがかった銀髪の少女だった。 その直後、自分は幻想のようなものを見た。一人の男と、さきの少女のような人が話をしている。 けれど、その二人の表情はよく分からなかったが、どこか悲しそうであった。そして、少女は目元に光を残して去っていった。 同時に幻想はゆっくり、うっすらと消えていった。現実に戻った自分の目の前に、あの少女は居なかった。 あの夢のような、幻は何だったのだろう。ただ、この光景は知っているような気がした。そして、胸が押しつぶされそうな感覚を受けた。 思わず顔を俯かせる。すると、自分の手のひらに涙がこぼれ落ちた。そして、一言口にした。 「君は・・・誰?」 ───────────────────────────────────────────────────────────
https://w.atwiki.jp/pcwars/pages/43.html
属性:飛行 種族:鬼 価格:20000P 移動力:9 射程:1 攻撃力:11 防御力:6 最大SP:60 備考:敵ユニット破壊時体力回復 生産可能ショーグン:レミリア、パチュリー、咲夜、霊夢、アリス、チルノ、美鈴、萃香、文、 早苗、橙、藍、紫、うどんげ、輝夜、フランドール、香霖 紅魔郷6面ボス。 移動力、攻撃力、防御力どれもが高レベル。元ネタでいうところの重戦車と戦闘機を足したような優秀なユニット。 近接か飛行ユニットなら大抵は先手を取ればほとんど反撃ダメージを受けない程度には強い。20000P払う価値は十分にある。 前線で暴れさせるなり後方を奇襲したりと活躍の場は広い。ただし弾幕攻撃には弱いのでその点にだけは注意。 固定砲台系に張り付いて削るのは良いが、反撃可能な移動後攻撃弾幕ユニットには思わぬダメージを受けることがある。 v0.7で最大SPが-10と微減した。 DX版からは敵ユニットを倒したとき、HPが回復するようになった。
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/650.html
レミリア11 新ろだ232 暖炉の火がパチパチと音を立てる、紅魔館の大広間。 「クリスマスの予定?」 クリスマスの数日前、夕食に呼ばれて来ていた僕の質問に、レミリアさんは目を丸くした。 何も予定がないなら一緒にどこかへ、と思い、思い切って聞いてみたのだが。 「何を言ってるの、クリスマスは我が家で家族と過ごすものでしょう。 私の場合は、紅魔館で咲夜やパチェと」 がっくりと肩を落とした僕に、レミリアさんは楽しそうに笑いながら言葉を続ける。 「だから○○、貴方もイブからいらっしゃい。私の大切な想い人だもの、家族も同然よ」 「……レミィったら、またずいぶん見せつけてくれるわね」 二人きりでいたいという気持ちよりも、それだけ受け入れてもらえていることの嬉しさが勝った。 「まあ、どこぞの大工の誕生日を祝う義理もないけれどね。季節の祭りとして楽しむには悪くないわ」 不敵に微笑むその顔は、まさしく悪魔だ。 美しく、威厳に満ちた、幼い悪魔。僕は彼女に畏敬の念を感じるとともに、すっかり惹きつけられている。 「ところでお姉さま、今年もサンタさん来てくれるかな?」 フランちゃんがわくわくしてしかたないといった顔でレミリアさんに尋ねる。 「そうね、きっと来てくれるわ。フランはもう手紙は書いたの?」 「うん、お姉さまは?」 ああ、お姉さんしてるなあ。僕はいつごろまでサンタクロースを信じていただろうか。 「ええ、私も書いたわ。咲夜、メイド達には手紙を書かせたかしら?」 「はい、既に回収してありますわ」 「それは何よりね。当主の不手際でサンタさんに来てもらえないメイドがいては紅魔館の沽券に関わるもの。 ……ところで咲夜、私の手紙読んでないでしょうね?」 「読んでませんとも。ちゃんと届けておきますから、ご安心ください」 ……何だか違和感が。 サンタについて話しているレミリアさんの雰囲気は、 フランちゃんに気付かせないように、という感じではない。 それにしては目がきらきらしている。 「○○は人間だから……もうサンタさんが来てくれる歳ではないかしら?」 ふと我に返ったようにこちらを見たレミリアさんが問いかけてくる。 どう答えたものかと思案する僕に、咲夜さんがそっと目配せした。 お茶を濁すような答えしか思い浮かばなかったけれど、慌てて口を開く。 「……そうですね、さすがに僕はもう」 「残念ね。生きた年月だけなら私の方がずっと上なのだけれど」 心から気の毒そうに、レミリアさんが言った。 「サンタクロースって幻想入りしてたんですか」 「そんなわけないでしょう」 一蹴された。まあ、そうだよな。 「……咲夜がここへ来てしばらく経った頃だったかしらね、レミィがサンタについて知ったのは」 帰り際に寄った図書館で、僕は咲夜さんとパチュリーさんに話を聞いていた。 「『私のところには来たことがない』と仰ったお嬢様があんまり悲しそうだったから、 『きっと手紙を出してなかったからですよ、今からでも出してみては』って言ってしまって」 「私もつい『レミィは吸血鬼としてはまだ幼いんだから大丈夫じゃないの?』って」 「私やパチュリー様、美鈴はもうサンタが来ないぐらい大きくなったから、ということで納得していただいたのだけれど」 「メイドさん達の分は用意することになったわけですか」 さっきの会話を思い出し、合いの手を入れる。 「そう。妖精メイド達もなんだかんだで信じてはいるようだから、緘口令を敷く必要はないけど…… お嬢様と妹様と、住み込みのメイド山ほどのプレゼント、毎年眠ったところを見計らって、時間を止めて配っているわ」 「……お疲れ様です」 外の世界にいて、まだ小さかった頃、僕の両親もこんな苦労をしたのだろうか。 「それでね、○○。貴方にはクリスマス特別任務を与えるわ」 パチュリーさんが意を決したように口を開く。 どうも愉快犯的なところがある気もするけれど、 ちゃんとあれこれ動いているあたり、友達思いなのだなと思う。 「特別任務、ですか」 「咲夜の苦労を少しでも軽減するために、それと私からもレミィにプレゼント、かしらね」 「無理に付き添ってくれなくてもいいのよ○○」 「いえ、僕もサンタに会ったことがないので、ここで待ってれば会えるかな、と」 イブの夜。僕はレミリアさんの部屋にいた。 吸血鬼であるレミリアさんにとっては、普段ならこれからが活発に動く時間帯だ。 だがサンタというのは寝ている子のところに夜プレゼントを置いていくものだ、と聞いているらしく、 ふかふかした冬用のパジャマを着たレミリアさんは、既にベッドに入っている。 とはいえ、普段起きている時間になかなか寝付けるものではない。 去年までは眠れるまで咲夜さんが付き添っていたそうだが、それではなかなかプレゼントを配ることができない。 どのみち時間を止めるとはいえ、余裕を持ってプレゼントを配れるように、今年は僕がレミリアさんに付き添うことになったのだ。 「それに……」 「?」 「二人っきりで過ごせるのも、ちょっといいかなと思って」 「……そうね」 後者については本心からの気持ちだ。 寝室に二人でいるからといって、別に何をするわけでもない。 ベッドサイドに腰掛けて、布団の中のレミリアさんと他愛もない話をしながら、レミリアさんが眠れるのを待つだけだ。 ベッドの支柱を見ると、ずいぶん大きな靴下がぶら下げてある。いったい何をお願いしたんだろう。 「じゃあ、私が眠っている間にサンタさんが来たら、よくお礼を言っておいてちょうだい。 フランやメイドたちの分も含めて、毎年苦労をかけていると思うから」 「わかりました、無事会えたら伝えておきます」 咲夜さんに、になるが、後でちゃんと伝えておくことにしよう。 「ねえ○○……」 「なんですか」 そろそろ眠気が差してきたらしく、小さくあくびをしながらレミリアさんが言う。 「今すぐそうなってくれ、というわけではないけれど…… いつか私がサンタさんからプレゼントをもらえないくらいまで大きくなって…… その時も、貴方は私の側にいてくれるかしら?」 その言葉の意味するところをしっかりと理解した上で、肯く。 何しろ五百歳で今の姿なのだ。 ただの人間のままなら、レミリアさんが成長する頃には僕はもうこの世にいないだろう。 「許してもらえるのなら、ずっと、ずっと側にいたいです」 ただの人間をやめてでも。ただの人間として生き、死んでいくことがどんなに尊ばれていても。 「……そう」 レミリアさんは満足そうに笑うと、布団の中から優しく手を差し出した。 「私が眠るまで、手を握っていてくれるかしら」 差し出された手を、両手でそっと包み込む。 目を閉じたレミリアさんは、しばらくして寝息を立て始めた。 ふと我に返る。窓のない部屋なので朝日が差し込んでくるわけではないが、 おそらくは朝だ。どうやら僕も寝てしまったらしい。 レミリアさんはまだ眠っているらしく、静かな寝息が聞こえてくる。 傍らの靴下には結構な大きさのプレゼント箱が入っている。 咲夜さん、いい仕事してますね。 「んー……○○、サンタさんは?」 「……すみません、僕も寝てしまいました」 「そう……残念ね」 「はい、でもプレゼントはちゃんと届いてるみたいですよ」 その言葉を聞いて靴下に目をやったレミリアさんの表情は、ぱっと輝いた。 「開けてみたらどうですか?」 「そうね……ああ、ちゃんと頼んだとおりのものだわ」 「日傘、ですか?」 箱から出てきたのは、日傘だった。普段外出の時に使っているものよりも幾分大きい。 「ええ。昼間に貴方と外に出る時に、少し大きめの日傘があるといいかと思って。 ほら、その……相合傘、とか」 頬を染めてこちらを上目遣いに見るレミリアさんを見て、何だか胸が熱くなるのを感じる。 と、いけない、渡し忘れるところだった。 「あの……これ、僕からです」 小さな箱を取り出す。サンタクロースにはかなわないけれど、せっかくクリスマスなのだから。 「……開けてもいいかしら」 「どうぞ、ささやかなものですが」 笑みを浮かべながら、レミリアさんは箱の中身を取り出した。 「これは……ブローチね」 香霖堂で綺麗な紅い石を見つけたので、つてを頼って細工してもらったブローチ。 価値、とかはわからないけれど、それでも何かプレゼントを贈りたかった。 「ありがとう、大切にするわ。 ……ところで○○、ベッドの下に袋が置いてあるから取り出してくれる?」 「はい、これですね……よいしょ、と」 何か色々と入っているらしいその白い袋はずいぶんと大きく、まるでサンタクロースが背負っているような…… 「咲夜達にはもうサンタさんが来ないから。代わりに当主の私からプレゼントをあげるのよ。 今年は貴方にも手伝ってもらおうと思って」 ベッドから降りたレミリアさんは、ドアの方に向かった。 袋を担いで後に続く。 「咲夜に、パチェと小悪魔に、美鈴に……」 指折り数えていたレミリアさんは、不意に大輪の花のような笑顔で振り向いた。 「○○、ちゃんと貴方の分もあるからね」 「……ありがとうございます」 「さあ、出発しましょう」 幻想郷に来て初めてのクリスマスの朝。 愛しいサンタクロースに付き従い、プレゼントを配りに行くのはなかなか幸せな気持ちだった。 ─────────────────────────────────────────────────────────── れみりあといっしょ 或いは『夢見る少女じゃいられない』(新ろだ239) ふと。 手に触れた冷たい感触に、少年は目を覚ます。 いつもと同じ暗いばかりの夢から目覚めても、そこはやはり闇。ただ違うのは、窓から差し込む半月の飛沫に包まれた、柔らかい闇だった。 自分の左手があるはずの方向へ、胡乱な意識のまま頭を巡らせる。 飛び込んできたのは、白磁の肌に、蒼白の髪、そして爛と輝く、紅玉の瞳。 「……お嬢様、どうかしたんですか」 視界に結ばれた見知った少女の像に、少年は声をかけた。 少女は──レミリア・スカーレットは何も言わず、彼の手の平を自分の頬に宛がっていた。 レミリアの体温は人のそれより遥かに低く、だが冬の夜気よりは幾許か優しい。 「──夢を」 うっすらと開けた目を夢見るように泳がせながら、レミリアは言う。 「夢を、見たの」 今ここにいるレミリアを、少年は知らない。 少年にとってレミリア・スカーレットという少女は──少女の姿をした吸血鬼は、傲岸不遜で高潔で、しかしどこか子供じみた仕草を見せる、そういう人物だった。 けれども。今の彼女は、孤高なる狼の王というよりも、今すぐにでも霧になって消えてしまいそうに弱々しく見える。 「お前が死ぬ夢だったわ。お前はまるで眠っているかのように死んでいたの。 腐ることも枯れることもなく、ただ真っ白な部屋の中で真っ白なシルクの上に横たわっていた。 そこには私とお前しかいなくて、私はお前に薔薇を捧げた。真っ赤な真っ赤な血の色をした薔薇を捧げた。 けれどもお前ときたら、まるで冬の月のように真っ白な肌をして、目を覚まそうとはしなかった。 とてもおかしな話。そこでは、私とお前は同じ温度をしていたのに、私だけが動いていて、お前は死んでしまっていたの」 歌うようなレミリアに、少年は返す言葉を持たなかった。 それは、夢語りをするレミリアの姿が、彼の知るレミリアからあまりにかけ離れていたからだった。 「お嬢様……」 そう言葉を搾り出しても、続く言葉が出てこない。 何より、どう言葉をかけて良いのかも、まだ幼い彼には分からなかった。 怖い夢を見ることくらい、誰にだってあることだろう。ただそれは、彼の中のレミリア・スカーレットと、どうしても結びつかない。 悪夢ゆえに、こうして夜中に人の部屋を訪れることも。 吸血鬼である彼女が、少年が死ぬことに恐怖するという、それ自体にも。 「どうして、ここに?」 それが少年が出せた問いだった。 少年は、レミリアの『私物』として紅魔館にいる。 記憶も何もかもを喪っていて、湖畔に浮かんでいたところを拾われ、とても珍しい血液型の持ち主として、レミリアの舌を満足させるためにいる。 拾われてから、つい昨日、一年が経った。 その時間の中で彼が知ったレミリア・スカーレットという人物は、少なくとも、人前で弱音を吐くような性格ではなかったと思う。 レミリアもまたそれを自覚しているのか、くすくすと笑った。 「そうね、どうかしているわ。お前程度死んだところで、私の何が変わるというわけでもないのに」 少年は、この幼い吸血鬼のモノだ。その事実は変わらない。 それは両者が正しく認識している。普通の人間なら到底受け入れられる関係ではないが、生憎と少年には何もない。 産んでくれた母親も、十と少しの歳月を過ごした環境もあるはずだが、それらは全て彼の中から喪われた。 だから少年にとって、自分と同じ背丈のこの真白い吸血鬼こそが、世界の中心だった。 一年間生きてきて、色んなことを学び、それでもなお。 ここがまともな人間の住む場所ではないと知って、それでもなお。 どうしてかと言えば、それはきっと──とても簡単な、一つの理由。 「でもね、夢を見て、目覚めて──どうしても、お前の顔を見たくなった。 お前がまだ生きていることを確かめたかった。 ついでに、この喉の渇きを癒そうと思って、ね?」 ツゥと伸ばされた手が、少年の寝巻きのボタンを弾き、首筋を露出させる。 そこには二つの小さな傷痕が残っている。レミリアが少年の血を飲むときに、いつも牙を突き立てる場所だった。 「ああ、でも、どうしたことかしら」 傷痕を、ゆっくりと、優しく──まるで愛でるように、レミリアは愛撫した。 「今はもう、お前の味が、全然美味しそうだとは思えないの」 そう口にする吸血鬼は、笑っていながら泣いていて、喜びながら悔やんでいて、その全てを押し殺すように、表情を歪めた。 何にかは分からないけれど、苦しんでいるのだと、少年は思った。 だからどうにかして、それを取り除いてやりたいと思った。 「うまく、言えないと思いますけど、いいですか?」 「良いわ、言いなさい」 許可を得て、はい、と頷いてから、 「あの、僕は──咲夜さんもですけど──人間だから、きっとそのうち死んじゃうと思うんです」 「……そうね」 「それは仕方のないことで……えーっと、その前に、僕って、死んでもどうでもいい存在ですか?」 「……だったら私はここに来ていないわ」 少し憮然とした表情で、レミリアは応えた。心外だ、と言わんばかりに。 しかしそこまで言ったところで、はたと何かに気づいたように表情を変え、 「ええ、でもそうだということは、そうなんでしょうね。どうでもよくは、ないのよ、もう」 「あ、それはありがとうございます」 「いえいえ」 少年に釣られるようにレミリアまでもが頭を下げてから、 「いやそういうことじゃなくってですね」 「ええ、そういう話ではなかったと思うわ」 仕切り直し。 「えっと。僕は多分、そのうち死にます。 絶対に、ってわけじゃないですけど。死ぬのを、ずっと先にすることだってできると思いますし」 「そうね」 レミリアは吸血鬼だ。人の血を吸い、自らの眷属とすることができる。 そうして生まれた吸血鬼は、既に五百年を生きたレミリアと同様、途方もない長寿を得ることができるだろう。 「……私の眷属になるつもりは、ないの?」 そう、レミリアは口にした。 それを言うことは、彼女が本音を吐き出したのと同義だった。 ヒトである少年を、自らと同じ存在にしてまで生かそうとしているのだから。 咲夜にも以前、同じようなことを言ったことがある。そのときは断られ、レミリアも受け入れた。 それが自分と咲夜の最も正しい関係であると、レミリアが思ったからだ。 でも、今はどうだろう。 「ええ、そうよ、きっと怖いんだわ、私」 レミリアは少年の手を離し、代わりに両手で包み込むように頬に触れた。 「お前がいなくなるのが怖いの。私の時間の五百分の一しかないお前がいなくなるのが、とても怖いのよ。 どうしてだかは分からない。でも今は、眠るのが怖い。またあの夢を見てしまうのが、怖い」 少年は、ただの少年だ。珍しい血液型という以外には、何の変哲もない。 この感情の名を、レミリアは知らない。ただ、とても大切にしたくて、だから、喪われてしまうのが怖い。 「お前は私と同じ時間を生きてくれる? 私の永遠に近い旅路についてきてくれるの?」 声は哀願するようであり、強制するようでもあった。 普段ならば、少年がレミリアの頼みを拒むことはない。彼は彼女の所有物だから。 でも、今は。 「……僕はまだ、人間でいたいです」 真っ直ぐにレミリアの瞳を見つめて、そう返した。レミリアは、まるで最初から分かっていたとばかりに「そう」とだけ答え目を細めた 「でも」 「でも?」 「お嬢様とは、ずっと一緒にいたいです。……今は、それじゃダメですか?」 『まだ』は、『いずれは』と言い換えることもできる。 この一年、少年は一言も館の外に出たいとは言わなかった。ただレミリアの所有物であることを望み続けた。 それは彼が記憶を失くしていたからという事情もあったのだろう。 だが、最も大きな衝動は、彼がここで目覚めてから初めて見た、少女の姿。 横たわった自分を見下ろすレミリア・スカーレットを、『綺麗だ』と思ったから。 単に、鳥の雛の刷り込みのようなものだったのかもしれない。正常な触れ合いで獲得した感情ではなかったかもしれない。 けれども、彼はその理由だけで全てが足りているのだ。 「……そう」 今度は、レミリアは微笑んだ。処女雪のように柔らかな笑顔だった。 「そうね。あなたは人間で、いつか死んでしまう人間で、でもまだ生きている人間だものね。 ええ、そうね──仕方がないから、今はそれで満足してあげるわ」 そう言いながら、レミリアは顔を近づけていく。 血を吸われるときと同じ動作だったので、少年はなすがままそれを受け入れた。 だがいつまで待っても、皮膚を食い破る鋭い痛みはなく──代わりに、そっと唇に何かが触れる。 「…………」 何が起きたか理解できていない彼に、レミリアは悪戯っぽく微笑みかけてから、ベッドから飛び降りた。 「おやすみなさい」 そして返事を待たずに部屋を出て行く。 月光の薄明かりに浮かぶ顔には、心なしか、朱が差しているように少年には見えた。 と、そんなことがあったのが十年前。 「あの頃はまだ、あんな可愛い子供だったのにねぇ」 そう言いながらレミリアは、もう少年ではなくなった彼の肩に頭を寄せた。 時間が経つのは、早い。吸血鬼であるレミリアはそうでもないが、少年はおとなになった。 「ああ、そんなこともありましたね。今と同じような季節でしたか」 月明かりの差す窓辺で、二人は並んで椅子に座っていた。 何をするでもないこの時間を、たまらなく幸福だと、レミリアは思う。 「それで、目処は立ちそうなの?」 「ええまぁ、二、三年内にはなんとかしたいところですね」 「本当かしらね? もう少しパチェをつっついておくべきかな」 彼は現在、パチュリーの教えを受け、少しずつ魔法を学んでいる。 今はまだ『職業:見習い魔法使い』だが、いずれは捨虫の魔法を使って『種族:魔法使い』になるつもりでいた。 「そんなことしなくても、言えばいつでも眷族にしてあげるのにねぇ」 「まぁ、半ば意地みたいなものですけど。やっぱり、お嬢様と一緒にいるなら、自分で努力して並び立ちたいなって」 「別にいいけれどね。でも、本当に早くしてよ? 不老不死になったよぼよぼのおじいちゃんなんて、嫌よ、私」 「……いや、流石にそこまではないと思いますけど」 苦笑し、レミリアを抱き寄せた。 「大丈夫ですよ。パチュリー様も、ちゃんと教えてくれてますし。だから僕が魔法使いになったら、そのときは」 「ええ、そのときは」 手を、重ね合わせる。レミリアの左手薬指には、銀の指輪が光っていた。 鍍金とか錫入りとかそんなことはなく、純銀製だ。 「こんな、つけてるだけで痛いものまで嵌めてあげてるんだから……約束破ったら殺すわよ?」 「破りませんよ。でも結婚したら、もっと大きいのプレゼントしますからね」 「……意外と攻め手なのね、貴方」 言いながら苦笑しつつ、でも、とレミリアは空いている右手で、自分の下腹部をゆっくりと撫でた。 「本当、急いでもらわないと、どっちが先になるか分からないわ」 「滅多にあることじゃないと思うんですけどね……今までだって大丈夫だったんですし」 「どうかしらね? 何となく、そろそろかなぁって思うのだけれど」 「運命の糸が見える人が言うと、洒落にならないですよ、それ」 そうしてまた、二人で笑い合った。 紅魔館が上へ下への大騒ぎになるのは、これよりもうちょっと後の話。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 新ろだ319 「こんばんは、○○。まだ少し寒いけどいい夜ね」 「あぁレミリア、確かにいい夜だな。これで家の一部が吹き飛ばされてなければ暖かくいもっといい夜なんだが」 バレンタインだというのに仕事が入ってへとへとになってようやく寝ようといていた矢先、いきなり空より飛来した巨大な紅い槍に住居の半分が持っていかれた。 どうしてくれる、これでも建築にはえらく手間と金がかかってるんだぞ。 「じゃあ紅魔館に住めばいいじゃない。門番よりはマシな待遇をするわよ」 「遠慮しておくから我が家を直してくれ。つか何のようだ」 これでなんもないとか弾幕ごっこがしたいとかいいだしたら紅魔館のカーテンを全部奪ってやる。 「何もないわ。強いて言えば弾幕ごっこしにきただけかしら」 「よし、言いやがったなこのロリっ娘悪魔め。明日から朝日が拝めるようにしてやる」 「フフフ、冗談よ」 まるで悪戯が成功した子供のように笑うレミリア。まんまだな。 「1つ私のお願い事をきくか、死ぬか、どちから選びなさい。○○」 「えらく物騒な選択だな。というかどっち選んでも死亡しかなさそうなんだが?」 お願い事ときいてもロクでもない事が起こる予感しかない。 実際、何回か同じ様な事をきいて死にかけたり眷属にされそうになったり、嫌な記憶しかない。 「いいえ、今回は簡単なお願いよ。ね?いいじゃない」 「ね?って言われてもなぁ。まぁとりあえず内容は?」 なんだかんだ言ってもお願いを断らないのは俺の心が広いからだ。 決して、「ね?」の所でのレミリアのウィンクがかわいかったからではない。断じてない。 「流石○○、話がわかるわね・・・じゃあ目を閉じて?」 「えぇ~何する気だよ」 「いいから・・・お願い聞いてくれるんでしょ?」 はぁ・・・仕方がない。 「これでいいか?」 「・・・・・・・・・」 返事がない。ただの屍のようだ・・・って違うか。 「おーい、どうしたー?」 これってまさか新種の放置プレイですかー? ――――――――メキッ!! 「wwwwwwwwwwww!!!!」 「え?」 「・・・・・・痛いwww」 「あれ?あれれ??」 「レミリア・・・貴様・・・俺を亡き者に・・・する気か・・・」 顔になんか思いっきり刺さったぞ、しかも嫌な効果音つきで・・・。 「・・・・・・・・・」 おいおい、まただんまりかよ・・・。 一体何が刺さったのかのか気になり目を空けた。 「・・・なんだこれ?」 辺りに散らばった小さな茶色の破片。この甘い匂いは・・・。 「・・・チょコ・・・レーと・・・」 「はい?」 「○・・・○の・・・ために・・・・・・作って・・・咲夜に・・・教わって・・・」 ところどころ何を言っているのかはわからないが、大体の事情はわかった。 どうもバレンタインという事で俺にチョコを作ってきてくれたのはいいが、口に放り込もうとして加減間違って俺の顔面にぶち当てたらしい。 そして当のレミリアはさっきまでの笑った顔ではなく、ただ少女のように泣き出した。 「はぁ・・・」 全く、泣き顔は苦手だって前に泣き落としを使ってきた時に言っただろうに・・・しゃーないな。 ―――ポンポン、ヒョイ 下に落ちたからってほとんど土もついてないし大丈夫だろ、3秒ルールってある。 何より惚れてる相手が自分のために作ってきてくれたものをこのままにはできないな。 「ん~」 「・・・えっ?○・・・○?」 チョコレート独特の甘さが口に拡がる。 「うん、うまいうまい。やっぱり疲れている時には甘いものだな。ありがとうレミリア」 「ホント?ホントにおいしい?」 「嘘言ってどうすんだよ」 「だって・・・こんなになってるのに・・・」 またしゅんとなるレミリア。あぁもうまどろっこしい! 「なぁレミリア」 「何?○ま――――」 ――――――――チュ 「んんん~~~~!!???」 くちゅ・・・じゅる・・・ぶぢゅ・・・ 「$%&’()=~!!!???」 「―――――ふぅ、どうだ。これでも信用できないか?」 「え、ちょ、な、何をするの!!」 「あ?口で言っても信用しないから直接的に味あわせてやろうかと思ってな」 まさか奥義・口移しを使われるとは思わなかったようだな。 さっきまでの俯いた顔もどこへやら、これでもういつものレミリアだ。 ただし思いっ切り顔を紅くしているのを除けばだが。 「う、う~」 涙目になってこっちを睨んでくるが、怖くない。むしろかわいいもんだ。 「さてと、で、どうすんだ?帰るのか?」 「えっ・・・」 あ~もう、そこで寂しそうな顔するなっての。 「はぁ・・・じゃあ吹半分吹き飛ばされた我が家でよければ寄ってくか?ちょうどお茶受けももらったしな」 「えぇ!是非に!朝まで居させてもらうわ」 「りょーかい。こんな家でよければ、いつまででもどうぞ」 「じゃあ咲夜達も呼んで一生暮らそうかしら」 「おいおい、勘弁してくれ」 そんな事を言いつつも、きっと俺は断れないのだろうと思う。 ただ、いつかの日にここが第2の紅魔館と言われない事を願いたい。 まぁでも、この願いがどうなるかは今目の前で微笑む愛しき悪魔のみが知るんだろう。 「あっ、ねぇ○○」 「なんだー?」 「またさっきみたいにチョコ食べさせてね?」 「・・・・・・」 こりゃ今度から大変だ。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 新ろだ339 様々な調理器具が並ぶキッチン、いつもなら料理担当のメイド妖精がいるはずなのだがその日は違った。 何故かキッチンには包丁を握った少女が一人。そしてそれを不安そうに見つめる男が一人。 事の発端は今から数刻程前に遡る、館に居候させている人間でもある○○が釣りから戻ってきた。 いつもなら坊主でした等と言って笑っているのだが、この日は珍しく入れ食いだったようでバケツ一杯の魚を抱えて戻ってきたのだ。 館に住んでから○○の釣りの成果でこれ程の成果が出た事は無い。それだけに館のメイド達も引き篭もりがちの魔女もそれを喜んでいた。 中でも一際喜んでいたのは館の主であるレミリア・スカーレットであった。 ○○を館に住まわせているのもレミリアの判断である。 その理由を聞くと珍しい血液型をしているとの事であるが、彼がレミリアのお気に入りなのが本当の理由である。 「それじゃお夕飯はこの魚でフルコースで決まりね」 バケツの中の魚を見てメイド長の十六夜咲夜がそう言う。 「良いわね、楽しみにしてるわよ咲夜」 魔女のパチュリーは言いながら図書館へと戻って行ったが、声には期待の色が混じっていた。 バケツを運ぶようにメイド長が指示を出し、彼女もキッチンへと向かおうとした時だろうか。 「私が料理するわ」 ふいにレミリアからそんな事を言った。 その場にいた全員が唖然としていた。主人がおもだって行動する事などは極々一部に限られ、増してやそれが料理ともなれば尚更である。 「お嬢様、それはちょっと無理でしょう…」 「気まぐれでそういうのは止めておいた方が良いんじゃないかな、レミリア」 ○○と咲夜、二人から止めるようにと声があがる。 「気まぐれなんかじゃないわ、それとも貴方達は主人の命に逆らうのかしら?」 こう言われてしまうと二人ともこれ以上何も言う事は出来ない。 それに彼女が料理をすると言ったのも単なる気まぐれでは無い。 ○○が珍しく釣ってきた魚、この機を逃すと次に彼に手料理を振舞う機会など分からなくなる。 その気持ちが彼女を不得手な料理へと走らせたのだ。 「…分かりました。私は仕事をしていますので、何かあればいつでも聞きに来てください」 やれやれといった具合に咲夜がそう言い仕事へと戻っていった。 「じゃあ僕が手伝おうか」 「必要ないわ、私一人で出来るもの」 ○○の申し出を蹴るとレミリアはバケツを持ってキッチンへと向かった。 これがここまでに至る経緯である。 いざ包丁を握ってみたのは良いが、どうすればいいのか途方に暮れるレミリアがキッチンにいた。 気の遠くなる年月を過ごした彼女であるが料理経験などは一度も無い。吸血鬼であるからする必要が無いのも一つだが、従者が有能すぎるのも一つである。 「まずはこうかしら?」 そう言い、レミリアが包丁をまな板上の魚へと思い切り振り下ろした。 豪快な音と共に魚が豪快に飛び散る。 返り血やら肉片やらがレミリアを赤く生臭く染め上げていた。 入り口からそわそわと不安そうに見つめていた○○であったが、今ので不安が頂点に達してしまったらしく 「ああもう!レミリア怖くて見てられないよ」 そう言いレミリアへと○○が向かっていった。 「貴方、どうしてここにいるのよ!」 当然今まで見られていたなど分かっているはずも無くレミリアは驚いた。 「不安だったから、様子を後ろから見てたのさ。」 「ほら包丁の握り方がおかしいよ」 言うと同時に彼はレミリアの手を握り、包丁の握り方を教えた。 「え、あ、ちょっと…体が…それに手も」 「陣羽織みたいだけどこっちの方が分かりやすいだろ?」 ほんのりだが彼女の顔が赤くなっていることを○○は知らない。 「左手は猫の手にする」 「ね、猫の手?こうかしら?」 「違うよ、猫の手はこうするんだよ」 「知ってたわよ…そのくらい」 予定は大きく狂ってしまったが、彼女はこちらの方が幸せだと感じていた。 夕飯の時間までたっぷり時間はある。 レミリアの幸せな時間はまだまだ続きそうである。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 新ろだ340 「ふい~、今日はまあまあだったな。やっぱりこの時期は流入河川まわりを攻めると型物でるな」 魚篭を除きながら外界では生息地の田沢湖に温泉水を入れられ滅んだ、かつては将軍家に奉納されてたほどの味のクニマスが入っている。 絶滅ギリギリで幻想入りできたのであろう彼らは元の生息地と環境が似ている霧の湖を最後の安住の地としたのだろう 俺の名は○○。釣りをしているうちに幻想郷にまよいこんだ所を紅魔館に拾われた。 そしてこの地で最愛の彼女レミィことレミリア・スカーレットと出会った 外の世界よりも自然が残っており釣り環境にも恵まれ、レミィもいるこの環境が気に入り俺はこの地に骨を埋めることにした。 「○○、おかえり~。どうだった?」 「まあまあかな、さてと捌いて刺身にでもするかな、あまりは咲夜さんに頼んで料理してもらうか」 「私がやるわ」 「へ?」 「私が全部やるといってるの」 えーと、このお嬢さまは何をおっしゃってるのかな? 「だからね、○○が釣ってきた魚で私の手料理を作ってあげるといっているのよ」 にっこりと微笑みながらレミィは魚篭ごと釣れた魚たちを持って台所にいってしまった。 「というわけなんですよ、咲夜さん」 「お嬢さまが料理なんて、心配だわ」 「ですよねー」 「台所が阿鼻叫喚の図にならなければいいのだけど」 心配事はそっちですか、そうですか。 あてにならない咲夜さんに見切りをつけとりあえず台所を覗きに行ってみる。 「うーん、とりあえず○○は刺身を食べたがっていたわね。なら三枚に下さないと。でも、どうやるのかしら?」 まじまじと魚を見つめる 「ま、適当にやればできるでしょ、夜の王の私に出来ないことは無いわ!!」 ドン!!と豪快に振り下ろされる包丁、胴体が少し残ったままの頭が壁にぶつかり砕け散る 「やだ、少し強すぎたかしら?まあ、気にしない、気にしない。次、行ってみよー!!」 無事(?)頭を落とされた魚は次は身と骨に分けなければいけない。 「えーっと、ここらへんに骨があるからここらへんを包丁で切ればいいのね」 「えいっ、ああ、骨まできっちゃった。なんか身もボロボロになって来ちゃった、どうしよう・・・」 なんとか三枚に下したが慣れない手つきで触りすぎたために身はボロボロ、骨が残ったり逆に骨に身が残っている。 要は失敗である。身がクタクタになりとても刺身では食べれない。 「ど、どうしよう、○○が、○○がせっ、せっかく持ってきたのに…うっ……ひくっ…」 「どうしたんだ、レミィ?」 「○○っ!?、みちゃダメ!!」 「あー、案の定クタクタのボロボロにしちゃったのかw」 「お、怒らないの?」 「だって捌いたことないレミィが一人で、それも柔らかくてモタモタしてるとすぐへたる鱒系やろうとしたら結果は、ねぇ?」 「でも、失敗しちゃったのが…」 「そんなの鍋に入れればいいさ、刺身じゃ無理だが鍋なら食べれる。鱒鍋だ」 「うぐっ…○○、ごめんなさい…、ひぐっ……」 「あやまらなくてもいいよ、レミィは俺に手料理を食べさせようとしてくれた、その事実だけで十分俺は幸せ者だ、な?」 「うん…」 「よし、釣れた魚はまだある、やり方教えるからレミィの切った刺身が食べたいな」 「…うん!!」 あとがき 言いだしっぺの法則で生まれて初めて書いてみた 下手糞とか分かってるから石とか投げないで 多分読んで分かるかと思いますが釣り好きです なんかそっち系の要素かなりはいってます。ごめんなさい ちなみに霧の湖は絶対カルデラ湖でクニマスが泳いでるに違いないと俺の中では結論付けられています たぶん流入河川からのサクラマスやアメマスなんかと一緒に泳いでると思う 新ろだ691 「本当にいいのかしら?」 「はい、レミリアお嬢様」 一人の青年が、幼い吸血鬼の前に跪いている。 「……何故私に血を吸って欲しい、などと?」 「咲夜さ、いえ、メイド長に拾われて、お嬢様に助けられてから ずっとお嬢様にお仕えしようと」 「それなら前にも聞いた」 青年の声をピシャリと止めるようにして、彼女が言う。 「わかってるのかしら? 吸血鬼に血を吸われる、ということは」 吸われた人間も吸血鬼になるということだ。 そして彼は幼い吸血鬼の眷属になる。 普通の人間であれば、そんなことは考えもしないだろう。 「後戻りできなくなるわよ。 本当に――」 「覚悟は、しております」 もう何も聞くつもりはございません、と言わんばかりの口調で その青年は答えた。 彼女は小さくため息をつき、彼の元に近づく。 彼は顔を伏せ、跪いたままピクリとも動かない。 「高いわ、もう少し屈みなさい」 彼女は首元に顔を寄せたが、すこし届かなかったようだ。 しかし彼は動かない。 彼女は再度声をかけようとした時に気づいた。 彼が、震えていることに。 吸血により痛みに対する恐怖か、あるいは 人ならざる物へとなることへの恐怖か。 「…やめにしましょう」 「え、そんな!?」 「嘘をついているでしょう。 あなたは。 本当は、人間でありたい。 だからあなたは震えていた。 ――従者であるあなたが、主の私に嘘をつくのは許さないわ」 青年は落胆した様子でうな垂れる。 彼女は一息つけて、彼に言った。 「その代わり、今ここで誓いなさい。 あなたはこれから死ぬまで、私に仕えると」 青年は夜更けに相応しくない大声で、 「はい!」 とてもうれしそうな声でそう言った。 「ところで、悪魔の『契約』にはいろんなものが必要よね。 変なものだったり、血生臭いものだったり」 「まぁ、今用意しろと言っても無理はあるし…」 「仕方ないわね。 『接吻』で我慢するわ」 「あの、お嬢様、それってつまり、その、キスってことですか?」 一人で勝手に話を進められて呆気に取られる青年を無視して 幼い吸血鬼は、彼の前に立ち 彼女の言う『契約』を今か今かと待っている。 「早くしなさい、今ここで出来なかったら 明日にはあなたを朝食の一部にするわよ」 この言葉は冗談でもなんでもない。 青年は意を決して、彼女の唇と自分の唇を重ねる。 一瞬のはずの時間が、何倍にも感じられた。 「これでいいわ。 明日からは私の正式な従者として働きなさい。 ……人間は夜遅くまで起きると体に良くないのでしょう? 早く休みなさい」 「はい、では、失礼しました」 初めてのキスというものは、予想以上に胸が高鳴るものだった。 こうなる運命だと知っていたはずなのに。
https://w.atwiki.jp/touhoukeitai/pages/37.html
Eレミリア うんめいをあやつる ことのできる えいえんに あかい おさなき つき。 タイプ 悪/飛行 特性 いかく/プレッシャー 分布 種族値 HP 95 すばやさ 120 こうげき 120 とくこう 95 ぼうぎょ 60 とくぼう 60 進化系統 ちびレミィLv22でレミリアLv38でEレミリア レベルアップで覚える技 Lv01 きゅうけつ Lv06 にらみつける Lv12 かみつく Lv18 ナイトダンス Lv24 ポイズンクロー Lv28 つばさでうつ Lv33 みらいよち Lv41 かみくだく Lv50 しっこくのかぜ Lv59 つきのひかり 覚える秘伝マシン 01 いあいぎり 02 そらをとぶ 04 かいりき 06 いわくだき 倒すと獲得できる努力値 すばやさ +3 育成例
https://w.atwiki.jp/nicostory/pages/54.html
あなたは今まで食べてきたパンの枚数を覚えてるの? レミリア・スカーレット 性別 職業 弱点 耐性 特性 女 魔術師 水、神聖 大地 物理攻撃を25%の確率で回避 LV50時ステータスデータ(未ドーピング) (詳しくはキャラ別能力早見表へ) MHP MMP 攻撃力 防御力 精神力 敏捷 400 400 200 170 300 400 装備 (詳しくはアイテム一覧へ) 部位 名称 性能 説明 鎧 普段着 防+10,物理攻撃回避アップ 帽子に合わせたピンクの普段着。寝間着じゃないよ? 兜 ナイトキャップ 防+10 いわゆるZUN帽。ドアノブのような見た目をしている 習得技 『スペカ』(詳しくは全特技一覧へ) レベルアップもしくは固定イベントで習得 技名 習得Lv 消費MP 効果 属性 単/全 備考 弾幕 2 10 攻撃 -- 全体 防御無視 頭突き 2 10 攻撃 -- 単体 よろめきの追加効果 吸血 2 50 攻撃 -- 単体 HP吸収 スピア・ザ・グングニル 2 100 攻撃 3倍 単体 防御無視 紅符「不夜城レッド」 2 100 攻撃 魔2倍 全体 防御無視 番外編メンバーでは一番高い敏捷性を持つ。何気に攻撃力も標準程度にある。HPは魔術師らしく低め。 頭突きでシンと同じように敵の足止めが出来るほか、単体攻撃のスピア・ザ・グングニルと全体攻撃の紅符「不夜城レッド」が強力。 レミリアの成長に伴いその威力は上がっていく。 MP消費が激しいので、デニッシュの残量に注意。 水属性を弱点に持つので、隊長の水竜剣であっさり沈む。一方大地耐性を持ち、隊長の大地斬やキングベヒんもスの地ならしのダメージを全く受けない。ダメージを受けないので地ならしの敏捷性低下も受けず、キングベヒんもス相手にかなり優位に立ちまわることが出来る。 アイテム使用で習得 技名 アイテム 消費MP 効果 属性 単/全 備考 光天使ブックス! 光天使ブックス 30 攻撃 神聖 単体 防御無視、爆笑の追加効果 ティロ・フィナーレ テンガロン紳士のハット 0 攻撃 単体 混乱の追加効果 ミクルビーム ジュラルコンタクト 28 攻撃 魔 全体 秘孔治療 水影心の書・兵 38 治療 -- 単体 麻痺、束縛の治療 破れた破壊の書 ニュークリアⅢ 97 攻撃 全体 防御無視 かめはめ波 亀仙流の極意書 69 攻撃 3倍 単体 防御無視 邪気眼 中二眼 19 補助 単体 敵を麻痺させる ショットガンアイス アイスショットガン 20 攻撃 冷気 単体 凍結の追加効果 ハンマー状態 ハンマー 120 攻撃 3倍 単体 防御無視 ウィッチタイム アンブラの痴女の書 50 補助 -- 全体 敵全体を減速させる 死者蘇生 死者蘇生 20 復活 単体 味方を蘇生させる マグロ マグロ 45 回復 単体 HP中回復 魔法再生 魔法再生 250 回復 単体 MP200回復 リザレクション 鳳凰座の青銅聖衣 60 回復 自分 HP全回復・戦闘不能を除く全状態を治療 キャラクター概要 東方Projectのキャラクター。初出は東方紅魔郷6面(最終面)ボス。それ以降の複数の作品にも登場。 運命を操る程度の能力。種族は吸血鬼。 二つ名は「永遠に紅い幼き月」。 東方紅魔郷の舞台、紅魔館の主で、約500年以上の歳月を生きてきた吸血鬼の少女。 フランドール・スカーレットという5歳下の妹がいる。 吸血鬼としては少食で、人間から多量の血が吸えない。また、吸い切れない血液をこぼして服を真っ赤に染めるため「スカーレットデビル(紅い悪魔)」と呼ばれている。 また、幻想郷では億単位の年齢である八意永琳や(推定)170万歳以上の因幡てゐを始めとし1000歳や500歳を軽く超える妖怪たちがザラに居るため、500歳を数える彼女はお子様扱いされることもある。 呼び名としてはレミリアが一般的。 身内では友人のパチュリー・ノーレッジからはレミィと愛称で呼ばれるほか、部下で館のメイド長十六夜咲夜、同じく部下で館の門番を勤める紅美鈴からはお嬢様と呼ばれている。 妹のフランドール・スカーレットからは「お姉様」と呼ばれているが、陰で「あいつ」呼ばわりされることもある。 東方紅魔郷の異変である「紅霧異変」の原因。 永夜抄エンディングではロケットを製造して月へ行くことを目論んでおり、文花帖ではそのための材料を咲夜に集めさせようとしていたことが明らかになった。 このときは製造に至らなかったが、儚月抄では八雲紫から八雲藍を通して月の都へ忍び込む計画を持ち出されたことで「月」への憧れが再燃。この提案には同調しなかったもののこれとは別に自力で月の都に向かうことを計画し、咲夜にロケットに関する資料を集めさせ、パチュリーにはロケット本体を製造させた。 紅魔郷6面初登場時、その赤い月をバックにしたステージ演出と魅力的な台詞回しで高い人気を獲得した。だが、それ以降再登場する度に幼い性格を露見してしまうことがあり、そのカリスマ性の急暴落ぶりは俗に「カリスマブレイク」と呼ばれる。 ただし彼女のカリスマは本人の人格ではなく吸血鬼という種族に対する畏怖の面が強いため、その意味ではカリスマを失うことにはならない。 眼にも止まらぬスピード、岩をも砕くパワー、思い通り悪魔を操る魔法力と言った反則的な身体能力を持ち、小手先のテクニックを無視する。 日光に弱くても、肉体も非常に頑丈に出来ており、蝙蝠一匹分でも残れば、いつでも再生可能である。 運命を操る程度の能力とのことだが、文花帖によれば"周りにいると数奇な運命を辿るようになり、一声掛けられただけで、そこを境に生活が大きく変化することもある"と言い、珍しいものに出会う率が高くなるらしい。 怪我をして倒れていた者を紅魔館の誰かが助けたことがあったらしいが、この場合は"のたれ死ぬ筈の運命を、別の運命に変えられた可能性もある"とされている(変えられた運命次第では、人妖になってしまう事もあるという)。 このように、「運命」などという実体のない不確定要素を任されたためか、この能力を自力で行使できない可能性が高い。 ニコニコストーリーでは22話で初登場。 シンに率いられ、黒咲、ホル・ホースとともにアレックス達の救出に向かう。 番外編にも登場。シンのクラスメイトであり、夜のパトロールにシン、宗介を誘う。 この事がきっかけとなり、シン、レミリア、宗介はジョーカーとの戦いに身を投じる事になる。 そして何度もピンチに陥りながらも3人はギリギリ生還した。 これも運命を操る能力のなせる技か。 エンディングでは博麗神社で開かれた宴に参加。 マクシームを紅魔館の執事に迎え入れており、宴にも連れてきている。 当のマクシームは幻想郷の強者との手合わせの方に胸を躍らせていたが。 主なニコニコ動画出演作品 東方燃曲メドレー 【前半戦】 レミリアのテーマ曲「亡き王女のためのセプテット」 れみりあうーってなんなんだー?(繰り返し可) カリスマ溢れるおぜうさまはこんなにも月が紅くてついれみ☆りあ☆うーしちゃうの 基本AA ,ヘ/L──- 、 Lニ)r_」=== イ ,ヘ、i ノノλノハノヘ ,' `(ハリ ゚ ヮ゚ノi) ', .i 〈(つ,i!と) i vヘγk´_/___i,ゝヘノ `゙r_,ィ_ァ゙´ 「'T ー-- 、_ ,. -――‐- 、_ _ _/ l \ \ゝ、 , </ // / ――ヽ彡≠=辷=- 、 `ヽ , </ / | / { 彳ゝ-'´ ̄ ̄`'ー--'\ヽ ,ハ , < ./ / l \ ,-<ノ. / /l / | .l ヽ l ヽ\ l'´ / / \_ ' / l / /_ |、 } |_ | / ヽy } `'; / / (、 / , l l イテ _l`ヽ/イテ_ _lヽl lゝ / /`, / ¨{ / l .| i ヒソ ヒソ i // |ヘ/ / ∨ , -‐'´ ̄∧|ヽ ヽ| { ' / / ,.-、 / //  ̄l l、 | l ヽ、 - ,./ ./´ ` i ̄`ヽ、// |、ヽ、 |/l / }‐`> - <-l/l }''´ i'`\ \-'--、 `ヽ、ニ∧l /ヽ、\ // /'i /--'´ >`ヽ ヽ , - 、 / ∨!、 ヽ,二/ /ノ / i' __ / ̄⌒´ `' `´{ l^_, ヽ/ }/ ̄'〈 |´ `'´ 'ゞ-‐''¨´,、_ノ /l /_,ノ ,. -‐'´/ヽ_,.</、_____,/-l=ゝ  ̄ ̄ヽ /´ / /ヽ,-、⊥_T'ソ \ / / / \ / l \ / / / \ヽ l i ヽ / / / ` l. l / / l l、 / / /f } / / __ /`ヽ/Tソ. / /辷┬Tゞ⊥ソ_/lヽ、 ,. - 、__ /ヾTf≠ソ
https://w.atwiki.jp/orz1414/pages/418.html
■レミリア7 「こんばんは、○○。まだ少し寒いけどいい夜ね」 「あぁレミリア、確かにいい夜だな。これで家の一部が吹き飛ばされてなければ暖かくいもっといい夜なんだが」 バレンタインだというのに仕事が入ってへとへとになってようやく寝ようといていた矢先、いきなり空より飛来した巨大な紅い槍に住居の半分が持っていかれた。 どうしてくれる、これでも建築にはえらく手間と金がかかってるんだぞ。 「じゃあ紅魔館に住めばいいじゃない。門番よりはマシな待遇をするわよ」 「遠慮しておくから我が家を直してくれ。つか何のようだ」 これでなんもないとか弾幕ごっこがしたいとかいいだしたら紅魔館のカーテンを全部奪ってやる。 「何もないわ。強いて言えば弾幕ごっこしにきただけかしら」 「よし、言いやがったなこのロリっ娘悪魔め。明日から朝日が拝めるようにしてやる」 「フフフ、冗談よ」 まるで悪戯が成功した子供のように笑うレミリア。まんまだな。 「1つ私のお願い事をきくか、死ぬか、どちから選びなさい。○○」 「えらく物騒な選択だな。というかどっち選んでも死亡しかなさそうなんだが?」 お願い事ときいてもロクでもない事が起こる予感しかない。 実際、何回か同じ様な事をきいて死にかけたり眷属にされそうになったり、嫌な記憶しかない。 「いいえ、今回は簡単なお願いよ。ね?いいじゃない」 「ね?って言われてもなぁ。まぁとりあえず内容は?」 なんだかんだ言ってもお願いを断らないのは俺の心が広いからだ。 決して、「ね?」の所でのレミリアのウィンクがかわいかったからではない。断じてない。 「流石○○、話がわかるわね・・・じゃあ目を閉じて?」 「えぇ~何する気だよ」 「いいから・・・お願い聞いてくれるんでしょ?」 はぁ・・・仕方がない。 「これでいいか?」 「・・・・・・・・・」 返事がない。ただの屍のようだ・・・って違うか。 「おーい、どうしたー?」 これってまさか新種の放置プレイですかー? ――――――――メキッ!! 「wwwwwwwwwwww!!!!」 「え?」 「・・・・・・痛いwww」 「あれ?あれれ??」 「レミリア・・・貴様・・・俺を亡き者に・・・する気か・・・」 顔になんか思いっきり刺さったぞ、しかも嫌な効果音つきで・・・。 「・・・・・・・・・」 おいおい、まただんまりかよ・・・。 一体何が刺さったのかのか気になり目を空けた。 「・・・なんだこれ?」 辺りに散らばった小さな茶色の破片。この甘い匂いは・・・。 「・・・チょコ・・・レーと・・・」 「はい?」 「○・・・○の・・・ために・・・・・・作って・・・咲夜に・・・教わって・・・」 ところどころ何を言っているのかはわからないが、大体の事情はわかった。 どうもバレンタインという事で俺にチョコを作ってきてくれたのはいいが、口に放り込もうとして加減間違って俺の顔面にぶち当てたらしい。 そして当のレミリアはさっきまでの笑った顔ではなく、ただ少女のように泣き出した。 「はぁ・・・」 全く、泣き顔は苦手だって前に泣き落としを使ってきた時に言っただろうに・・・しゃーないな。 ―――ポンポン、ヒョイ 下に落ちたからってほとんど土もついてないし大丈夫だろ、3秒ルールってある。 何より惚れてる相手が自分のために作ってきてくれたものをこのままにはできないな。 「ん~」 「・・・えっ?○・・・○?」 チョコレート独特の甘さが口に拡がる。 「うん、うまいうまい。やっぱり疲れている時には甘いものだな。ありがとうレミリア」 「ホント?ホントにおいしい?」 「嘘言ってどうすんだよ」 「だって・・・こんなになってるのに・・・」 またしゅんとなるレミリア。あぁもうまどろっこしい! 「なぁレミリア」 「何?○ま――――」 ――――――――チュ 「んんん~~~~!!???」 くちゅ・・・じゅる・・・ぶぢゅ・・・ 「$%&’()=~!!!???」 「―――――ふぅ、どうだ。これでも信用できないか?」 「え、ちょ、な、何をするの!!」 「あ?口で言っても信用しないから直接的に味あわせてやろうかと思ってな」 まさか奥義・口移しを使われるとは思わなかったようだな。 さっきまでの俯いた顔もどこへやら、これでもういつものレミリアだ。 ただし思いっ切り顔を紅くしているのを除けばだが。 「う、う~」 涙目になってこっちを睨んでくるが、怖くない。むしろかわいいもんだ。 「さてと、で、どうすんだ?帰るのか?」 「えっ・・・」 あ~もう、そこで寂しそうな顔するなっての。 「はぁ・・・じゃあ吹半分吹き飛ばされた我が家でよければ寄ってくか?ちょうどお茶受けももらったしな」 「えぇ!是非に!朝まで居させてもらうわ」 「りょーかい。こんな家でよければ、いつまででもどうぞ」 「じゃあ咲夜達も呼んで一生暮らそうかしら」 「おいおい、勘弁してくれ」 そんな事を言いつつも、きっと俺は断れないのだろうと思う。 ただ、いつかの日にここが第2の紅魔館と言われない事を願いたい。 まぁでも、この願いがどうなるかは今目の前で微笑む愛しき悪魔のみが知るんだろう。 「あっ、ねぇ○○」 「なんだー?」 「またさっきみたいにチョコ食べさせてね?」 「・・・・・・」 こりゃ今度から大変だ。 新ろだ319 ─────────────────────────────────────────────────────────── 様々な調理器具が並ぶキッチン、いつもなら料理担当のメイド妖精がいるはずなのだがその日は違った。 何故かキッチンには包丁を握った少女が一人。そしてそれを不安そうに見つめる男が一人。 事の発端は今から数刻程前に遡る、館に居候させている人間でもある○○が釣りから戻ってきた。 いつもなら坊主でした等と言って笑っているのだが、この日は珍しく入れ食いだったようでバケツ一杯の魚を抱えて戻ってきたのだ。 館に住んでから○○の釣りの成果でこれ程の成果が出た事は無い。それだけに館のメイド達も引き篭もりがちの魔女もそれを喜んでいた。 中でも一際喜んでいたのは館の主であるレミリア・スカーレットであった。 ○○を館に住まわせているのもレミリアの判断である。 その理由を聞くと珍しい血液型をしているとの事であるが、彼がレミリアのお気に入りなのが本当の理由である。 「それじゃお夕飯はこの魚でフルコースで決まりね」 バケツの中の魚を見てメイド長の十六夜咲夜がそう言う。 「良いわね、楽しみにしてるわよ咲夜」 魔女のパチュリーは言いながら図書館へと戻って行ったが、声には期待の色が混じっていた。 バケツを運ぶようにメイド長が指示を出し、彼女もキッチンへと向かおうとした時だろうか。 「私が料理するわ」 ふいにレミリアからそんな事を言った。 その場にいた全員が唖然としていた。主人がおもだって行動する事などは極々一部に限られ、増してやそれが料理ともなれば尚更である。 「お嬢様、それはちょっと無理でしょう…」 「気まぐれでそういうのは止めておいた方が良いんじゃないかな、レミリア」 ○○と咲夜、二人から止めるようにと声があがる。 「気まぐれなんかじゃないわ、それとも貴方達は主人の命に逆らうのかしら?」 こう言われてしまうと二人ともこれ以上何も言う事は出来ない。 それに彼女が料理をすると言ったのも単なる気まぐれでは無い。 ○○が珍しく釣ってきた魚、この機を逃すと次に彼に手料理を振舞う機会など分からなくなる。 その気持ちが彼女を不得手な料理へと走らせたのだ。 「…分かりました。私は仕事をしていますので、何かあればいつでも聞きに来てください」 やれやれといった具合に咲夜がそう言い仕事へと戻っていった。 「じゃあ僕が手伝おうか」 「必要ないわ、私一人で出来るもの」 ○○の申し出を蹴るとレミリアはバケツを持ってキッチンへと向かった。 これがここまでに至る経緯である。 いざ包丁を握ってみたのは良いが、どうすればいいのか途方に暮れるレミリアがキッチンにいた。 気の遠くなる年月を過ごした彼女であるが料理経験などは一度も無い。吸血鬼であるからする必要が無いのも一つだが、従者が有能すぎるのも一つである。 「まずはこうかしら?」 そう言い、レミリアが包丁をまな板上の魚へと思い切り振り下ろした。 豪快な音と共に魚が豪快に飛び散る。 返り血やら肉片やらがレミリアを赤く生臭く染め上げていた。 入り口からそわそわと不安そうに見つめていた○○であったが、今ので不安が頂点に達してしまったらしく 「ああもう!レミリア怖くて見てられないよ」 そう言いレミリアへと○○が向かっていった。 「貴方、どうしてここにいるのよ!」 当然今まで見られていたなど分かっているはずも無くレミリアは驚いた。 「不安だったから、様子を後ろから見てたのさ。」 「ほら包丁の握り方がおかしいよ」 言うと同時に彼はレミリアの手を握り、包丁の握り方を教えた。 「え、あ、ちょっと…体が…それに手も」 「陣羽織みたいだけどこっちの方が分かりやすいだろ?」 ほんのりだが彼女の顔が赤くなっていることを○○は知らない。 「左手は猫の手にする」 「ね、猫の手?こうかしら?」 「違うよ、猫の手はこうするんだよ」 「知ってたわよ…そのくらい」 予定は大きく狂ってしまったが、彼女はこちらの方が幸せだと感じていた。 夕飯の時間までたっぷり時間はある。 レミリアの幸せな時間はまだまだ続きそうである。 新ろだ339 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「ふい~、今日はまあまあだったな。やっぱりこの時期は流入河川まわりを攻めると型物でるな」 魚篭を除きながら外界では生息地の田沢湖に温泉水を入れられ滅んだ、かつては将軍家に奉納されてたほどの味のクニマスが入っている。 絶滅ギリギリで幻想入りできたのであろう彼らは元の生息地と環境が似ている霧の湖を最後の安住の地としたのだろう 俺の名は○○。釣りをしているうちに幻想郷にまよいこんだ所を紅魔館に拾われた。 そしてこの地で最愛の彼女レミィことレミリア・スカーレットと出会った 外の世界よりも自然が残っており釣り環境にも恵まれ、レミィもいるこの環境が気に入り俺はこの地に骨を埋めることにした。 「○○、おかえり~。どうだった?」 「まあまあかな、さてと捌いて刺身にでもするかな、あまりは咲夜さんに頼んで料理してもらうか」 「私がやるわ」 「へ?」 「私が全部やるといってるの」 えーと、このお嬢さまは何をおっしゃってるのかな? 「だからね、○○が釣ってきた魚で私の手料理を作ってあげるといっているのよ」 にっこりと微笑みながらレミィは魚篭ごと釣れた魚たちを持って台所にいってしまった。 「というわけなんですよ、咲夜さん」 「お嬢さまが料理なんて、心配だわ」 「ですよねー」 「台所が阿鼻叫喚の図にならなければいいのだけど」 心配事はそっちですか、そうですか。 あてにならない咲夜さんに見切りをつけとりあえず台所を覗きに行ってみる。 「うーん、とりあえず○○は刺身を食べたがっていたわね。なら三枚に下さないと。でも、どうやるのかしら?」 まじまじと魚を見つめる 「ま、適当にやればできるでしょ、夜の王の私に出来ないことは無いわ!!」 ドン!!と豪快に振り下ろされる包丁、胴体が少し残ったままの頭が壁にぶつかり砕け散る 「やだ、少し強すぎたかしら?まあ、気にしない、気にしない。次、行ってみよー!!」 無事(?)頭を落とされた魚は次は身と骨に分けなければいけない。 「えーっと、ここらへんに骨があるからここらへんを包丁で切ればいいのね」 「えいっ、ああ、骨まできっちゃった。なんか身もボロボロになって来ちゃった、どうしよう・・・」 なんとか三枚に下したが慣れない手つきで触りすぎたために身はボロボロ、骨が残ったり逆に骨に身が残っている。 要は失敗である。身がクタクタになりとても刺身では食べれない。 「ど、どうしよう、○○が、○○がせっ、せっかく持ってきたのに…うっ……ひくっ…」 「どうしたんだ、レミィ?」 「○○っ!?、みちゃダメ!!」 「あー、案の定クタクタのボロボロにしちゃったのかw」 「お、怒らないの?」 「だって捌いたことないレミィが一人で、それも柔らかくてモタモタしてるとすぐへたる鱒系やろうとしたら結果は、ねぇ?」 「でも、失敗しちゃったのが…」 「そんなの鍋に入れればいいさ、刺身じゃ無理だが鍋なら食べれる。鱒鍋だ」 「うぐっ…○○、ごめんなさい…、ひぐっ……」 「あやまらなくてもいいよ、レミィは俺に手料理を食べさせようとしてくれた、その事実だけで十分俺は幸せ者だ、な?」 「うん…」 「よし、釣れた魚はまだある、やり方教えるからレミィの切った刺身が食べたいな」 「…うん!!」 あとがき 言いだしっぺの法則で生まれて初めて書いてみた 下手糞とか分かってるから石とか投げないで 多分読んで分かるかと思いますが釣り好きです なんかそっち系の要素かなりはいってます。ごめんなさい ちなみに霧の湖は絶対カルデラ湖でクニマスが泳いでるに違いないと俺の中では結論付けられています たぶん流入河川からのサクラマスやアメマスなんかと一緒に泳いでると思う 新ろだ340 ───────────────────────────────────────────────────────────
https://w.atwiki.jp/orz1414/pages/126.html
■レミリア2 たまには違う路線で… ○○「う…くそっ…」 レミリア「ほらどうした?さっきまでの勢いはどこに行ったのかしら?」 ○○「くっ…うおおおおおおおおっ!」 懇親の力を込め剣を振るうが…それは届かない。 代わりに鋭利な刃物を思わせる爪が俺の首筋へ当てられる ○○「うぐっ…」 レミリア「はぁ…全然ダメね…やる気はあるのかしら?」 ○○「ははは…はぁ…」 そう、今俺はレミリアお嬢様直々に武術の稽古をつけてもらっている。 わざわざ直々に教えてくれるその理由…まぁ、お嬢様の気まぐれってヤツだそうだ。 レミリア「まったく…貴方は見込みがあると思ったんだけどねぇ…」 ○○「過大評価じゃないんですか?」 レミリア「私が言うのよ、間違いないわ。貴方の運命は私の護衛として活躍することなのよ」 ○○「そりゃまた明るい未来ですね…」 レミリア「それも白黒や亡霊の姫なんて簡単に退けられるような…私が運命を見違えるなんて無いのに…」 ○○「いやいや…俺は白黒や亡霊の姫なんて以ての外ですよ…湖の氷精にやっと勝てるかな?ってレベルなんですから…」 レミリア「…貴方は自分を過小評価しすぎてない?」 ○○「ご冗談を…」 レミリア「…まぁいいわ。さ、再開しましょう」 ○○「押忍!」 まぁ、最近はお嬢様に攻め込まれることは無くなってきた。 …未だに一撃も入れられないが… しかし…一撃入れてしまったらメイド長の報復が…ガクブル ~回想~ 咲夜「いい?もしお嬢様を傷つけたら…一万本じゃ済まないから」 ○○「は、はぁ…」 ~回想~ …やりずらいなぁ… レミリア「ほらっ!何をボーっとしてるのかしら?」 ○○「っと!すいません…」 レミリア「ほらほらほら!脇が甘いわよ!(連続斬撃)」 ○○「ぬっ、くっ、はっ、うわっ!(剣を弾き飛ばされる)」 レミリア「…貴方ねぇ…全然進歩してないじゃないの…(爪を首筋に当て)」 ○○「す、すみません…」 レミリア「…一回血を流してみたほうがいいかしら…(少し首を切る)」 ○○「うっ…勘弁してくださいよ…」 レミリア「まぁ…冗談よ…ぺろっ(血が出ている部分を舐める)」 ○○「ひあっ!お、お嬢様…お戯れは程々にお願いします…」 レミリア「…貴方の血は美味しいわね…」 ○○「…きょ、恐縮です…」 レミリア「まだ晩餐の時間には早いけど…(迫る)」 ○○「お、お嬢様…?ま、まさか…(後ずさり)」 レミリア「ふふふ…少し、飲ませてもらうわ…(○○の首に手を廻して)」 ○○「マジすか…(滝汗)」 レミリア「大マジ♪かぷっ(首筋に噛み付き)」 ○○「ッ!!」 レミリア「ごきゅっ、ごきゅっ、ちゅるるるるっ」 ○○「はぁ…あぁ…うぅ…(意識朦朧)」 レミリア「ふぅ…なかなか美味しい血だったわ…○○?」 ○○「きゅ~…(気絶)」 レミリア「…貧血かしら…」 ============================================================== うう… か、体が重い… 特に首筋の辺りが… でも…なんだかひんやりしてて…気持ちいい… …ひんやり? ○○「(目を覚まし)…あれ?俺はいったい…なんでベッドで寝てるんだ?」 レミリア「むぅーっ…○○五月蝿いわよ。寝てるんだから静かに…zzz」 ○○「あらら…申し訳ございませんお嬢様…って、ん?何でお嬢様がここで寝てるんだ?ってかここって…お嬢様の寝室じゃあ…」 レミリア「zzz」 ○○「状況把握しよう…ここはお嬢様の寝室、お嬢様はベッドで寝ている。で、何故か俺も同じベッドで寝ている…これの意味することは…」 レミリア「うーん…」 ○○「…俺とお嬢様が…添い寝したってことに…(赤面)」 レミリア「…さっきから五月蝿いわね…貴方も一緒に寝なさい(布団に引きずり込む)」 ○○「えっ?ちょっ…お嬢様…(引きずり込まれ)あぅ~…」 咲夜「お嬢様、就寝されたのですか?…○○?」 ○○「メ、メイド長?」 咲夜「お嬢様と一緒に寝るなんて…(ギリピキィ)何を考えてるかは知らないけど…白玉楼に行く準備は出来たかしら?(ナイフ構え)」 ○○「い、いえ…いやちょっと…勘弁してくださいって!」 レミリア「○○は私が連れ込んだのよ。咲夜は口出ししないで頂戴」 咲夜「お、お嬢様?し、しかし…」 レミリア「いい?貴女は私の従者。逆らうことは…」 咲夜「・・・わかりました」 …命は助かったようだが… レミリア「むー…(抱きつき)」 ○○「理性のほうが飛びそうだな…」 レミリア「○○…温かい…ん~…(すりすり)」 ○○「…この状態で寝ろって方が難しい…お嬢様ぁ…勘弁してくださいよぉ…」 レミリア「ん~…だめよ…○○…」 ○○「はぅ~…」 結局○○はレミリアに抱きつかれた状態で昼間を過ごすことになった… ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ これはひょっとして後書きなのか!?(ぇ ども、"音速駄作製造機"の107です。 今回は…レミリアと添い寝できたらいいなぁ…という授業中の妄想(爆)からこの話が生まれました。 …だって世界史の授業は…正直つまらない…(ぇ なんだか文章が変になってる部分もありますが、ご愛嬌だと思って「ははは、こやつめ!」見たいな感じで流してください(ぉぃ …世界史のノートの裏表紙… えー…I先生、授業中に妄想なんぞして本当にすみませんでした… …ここまで… 449 ─────────────────────────────────────────────────────────── 寒くて寒くて仕方が無いって昨日今日なのに、僕の部屋の窓をぶちやぶって レミリアお嬢様が入ってきた。 でも吸血鬼が部屋に入ってくる作法は、どの映画を見てもそう言うものだったな と記憶しているので、北風がめちゃくちゃ寒く吹き込んで来ても、僕は怒らない。 そして、逆らっても無駄なのでぼーっとしていると、案の定血を吸われた。 でも彼女は小食なので、全部吸われない事が解っているから、僕は余裕だ。 小さくて柔らかいクチビルと、首筋にピリッと奔る痛み、そして愛らしい 鼻からこぼれる短い吐息、その全てを逆に愉しんでしまうくらいだ。 事実、お乳を飲む赤子のように、一生懸命に血を吸うレミリア様はとても 愛らしいのである。 しばらくして、献血注射一本分くらいの血を吸ってしまうと、案の定彼女は 満足して顔を上げてしまった。 「なかなか美味しい血だったわ、お持ち帰り決定ね」 身に余る光栄です。 僕は、この迷信深い日本にB型として生まれた事を始めて感謝した。 「では、ご用意させて頂きます」 メイドさんが突然現れて、そう言った。 紅魔館への引越しの準備でも手伝ってくれるのかな? 彼女は手に、大きなポリ製のタンクとナイフを持っていた。 3スレ目 111 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「レミリア! 俺と結婚してくれ!」 「・・・そう。ならば吸血鬼の『花嫁』にしてやろう」 「本当か?! よっしゃ・・・え、花y(ぢぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」 「不味いわ。咲夜、どこかに捨ててきて」 3スレ目 154 ─────────────────────────────────────────────────────────── レミリアお嬢様に献血のため部屋に行く。 「あら、やっと来たわね。でも、最近ずっと首筋からしかもらっていないから、少し飽きてきたのよ。 たまには趣向を変えて、ほかの場所からもらってみるのもいいわね。どこがいいかしら。言ってみなさい?」 1・手首 2・耳たぶ 3・指 4・唇 4を選んだ場合 「……いいわよ。言うようになったわね。でも、私とあなたじゃ背の高さが違いすぎね。 ……私を抱き上げなさい。あなたの唇から、奪ってあげる」 3スレ目 463 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「レミリア、好きだ」 「100年早い」 「そうか・・・残念だな。俺は100年は生きてられない・・・」 「ならば私の眷属になればいい。・・・100年間、待っていてやろう」 3スレ目 596 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「あれ? お嬢様、お出かけですか? お酒持ってどちらに?」 「ちょっとそこまで、ね。サボるんじゃないわよ、美鈴」 「判ってますよ。ナイフは嫌ですから」 ――キュポン。 「久しぶり。数年ぶり、かしら? 最近来てあげられなくてご免なさいね。アレ、なかなか手に入らなくって」 「……」 「怒ってるの? 心配しなくても貴方の事は忘れやしないわ」 「……」 「でも、貴方も悪いのよ? 貴方があんな無茶な注文してくれるから」 ――ダバダバ。 「そ、アレ。貴方、コレが大好きだったでしょ?」 「……」 「そうそう。一度無理矢理私に飲ませようとして大変なことになったわよね。あの時のパチュの青い顔ったらなかったわ」 「……」 ――ダバダバ。 「この前言ってた人間? ああ、咲夜の事? ええ。とっても出来た従者よ。あの子にもいつか貴方のことを紹介してあげるわね」 「……」 「ふふっ、そうね。あの子、きっと吃驚するわ」 ――ちょろちょろ。 「最近あった面白いこと? そうね……フランに友達が出来たわ。それも人間の魔法使いの」 「……」 「白黒の変な奴よ。図書館から色々くすねてるってパチェがぼやいてたわ」 「……」 ――ぴちゃん。 「……さて、と。咲夜が心配するといけないから帰るわね。丁度お酒も切れちゃったし。次が何時になるかは判らないけど」 「……」 「じゃ、またね。――私が大好きだった人」 ――俺の事はあの酒が手に入った時にでも、思い出してくれればいいから。 ――馬鹿ね。忘れないわ。ずっと、これからも。 3スレ目 728 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「突然だけど」 「なんだ」 「私はあなたが好きよ」 「そうかい」 「何よその反応、もう少し喜んでよ」 「……悪いが」 「俺は突然夜中に家に押し入って眠い俺を外に叩き出した挙句、 不夜城レッドで俺の大切な新築ログハウスを破壊するほどのデストロイヤーな吸血鬼から好きと言われて喜べるほど頭は春じゃない」 「つまりは?」 「嫌いってことだ」 「そう。で、今日はどうやって生きるつもり?」 「お前が破壊したんだろ……」 「そうね、責任は取るわ」 「……お前の口からそんな言葉が出るとは意外だよ」 「失礼ね」 「ああ、失礼だ」 「まあ、兎も角。うちは広いから住んでも別にいいわよ」 「無論そのつもりだ、俺が新しい家を建てるまでな」 「決まりね」 「ところで」 「なに?」 「あのぐらいのでっかい洋館なんだから空き部屋の一つぐらいあるよな?」 「無いわよ」 「……じゃあ俺は何処で寝ろと?」 「私の部屋」 「……断る」 「じゃあフランのところで寝泊りする?」 「すみませんでした貴方様の部屋で寝泊りさせて頂きます」 「あ、そうそう。さっきの話だけど」 「なんだ」 「あなたが今嫌いでも、きっと好きにしてみせるから」 「……俺としてはあんまりレミリアと関わりたくは無いんだが」 「ふふふ、そのうちその言葉も言えなくしてあげるわよ」 「それはそれで物騒だな」 一蹴されるのが有りならするのも有りなのかなって思って書いてみた。 3スレ目 898 ─────────────────────────────────────────────────────────── レミリアへ ぼく以外の血を吸わないで 4スレ目 23 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「……俺は何しようとしてたんだ?」 ドアノブに手をかけたところで俺はふと思った。 っていうかそれ以前の記憶が無い。 ……記憶喪失か? だとしたら大惨事だ。 行くとしたら妹様のところか永遠亭だな。 「……あー、そうだ。外に行こうとしたんだっけ」 しかし、少し考えてすぐに思いつく。 いやはやド忘れなんてことは俺には無いと思っていたが……世の中は広い。 ついでに言っておくが、今は夜でここは紅魔館の内側だ。 この時間帯はレミリアが起きているのでメイドたちも大変らしい。 まぁそんなことは俺には関係ない。 で、なんで外に出ようとしたんだっけ。 ……お、思いだせん。 「まぁ、少ししたら思い出すだろう」 と楽天的に考えてドアを開けようと押すが――― 「あ、開かないっ!?」 開かなかった。 力いっぱい押してもナチュラルな人間である俺に扉をぶち破るほどの力は無い。 「ま、まさか閉じ込められた!?」 やばい、食料とかためてないぞ? 水は? 暖は? えーと他には…… 「そのドアは引くて開けるのよ?」 狼狽している俺の後ろから呆れた声がしたので慌てて振り向くと、そこにはまぁちっさい吸血鬼が立っていた。 小さすぎて俺の今までの焦りが嘘の様に消えたほどぐらい。 「悪かったわね、ちいさくて。というか、教えてあげたんだから感謝しなさい」 勿論発狂している妹のほうではなくて、傍若無人のレミリアのほうだ。 「あはははは、そうだっけ。このドア押すんじゃなくて引くんだったんだなぁ」 とうとうボケが始まったか。 畜生、まだ若いのに……。 とりあえず気を取り直して、本来を目的を達成させるために引いてみようとするが――― 「うお! 開かないっ!?」 これまたどんだけ力を入れて引いてもびくともしません先生っ! もしや鍵が必要とか!? それかレミリアが嘘ついたかなのかっ!? お、落ち着け。もちつけ。そういえば餅食べてないなー。 ……って、違う違う。落ち着くんだ。 とりあえず辺りを見まわしてみよう、もしかしたらヒントがあるかも試練。 左よーし。 右よーs…………元凶発見。 そしてその極悪な元凶ちゃんはドアが開かない様にドアによりかかってこちらを見ていた。 「なにやってんだお主は……」 「あなたの邪魔」 「……何故?」 レミリアの理不尽は初めてではないがやっぱり訊きたくなる。 っていうか理不尽なまますごすごと帰ってたまるか。 「妖怪を舐めちゃ駄目よ。あなたなんてすぐ食べられるわね」 成る程、俺の身を心配してくれるのか。 初めて俺に気を使ってくれた気がする。 「食べられたらあなたの血が飲めなくなるもの」 前言撤回。 やっぱりコイツは自分勝手な我侭お嬢様だ。 しかし、どうせ無理やり行こうとしてもレミリアと俺の力の差なんて火を見るより明らかだ。 この状況は普通に変えるのが得策。 「はいはい解りましたよ」 外に出る理由も忘れちまったしな。 俺は踵を返して自分の部屋に戻ろうとした。 「待ちなさい」 が、やっぱりこうなるとは思っていたがレミリアに呼びとめられた。 勿論振り向かないのは礼儀的に咲夜さんに殺されるので、仕方が無く振り向いて問う。 「なんで?」 「私が外に出たいから付き合いなさい」 「一人で行け」 「一人じゃつまらないわ」 「じゃあメイド長と一緒に出りゃ良いだろう」 「咲夜は今忙しいらしいわ」 「じゃあ――」 「五月蝿い黙れさっさと行くわよ」 他の案を出そうとしたら凄い剣幕で止められた。 そして俺に反撃の隙を与えずに外に出てしまった。 ……我侭だなぁ。 散歩なんだけどレミリアと一緒に外に行くのが主流なのか? 正直困るだろ。 俺はそのまま帰ってやろうかとドアに手をかけかけて――― 「行くわよ!!」 本気で怒鳴られた。 ってな事でレミリアに無理やりに散歩に参加させられた。 ちなみに湖を越えるときは(強制的に)レミリアに運ばせてもらった どんな運び方だったかは教えられない。死んでも教えねぇ。 とりあえず現在は現在は森の中を歩いている。 なんでかって言うと、空を飛べない俺に配慮してかもしれない。 まぁ、飛べない奴置いて空飛ぶほど非情じゃなさそうだしな……。 森の中といえば妖怪がうじゃうじゃいると思うが、レミリアのお陰か妖怪は寄り付きさえしない。 それでも四方八方木ばっかりで俺としては薄気味悪い。 話をしようにも話題がなければ声も出ず、結局は無言で歩いている状況だ。 そしてなんとなく気まずい雰囲気があたりを支配する。 何が悲しくてこんな吸血鬼と薄気味悪い森の中を歩かなければいけないんだ……。 日ごろの行いが悪いせいか? いやいや神様。俺は普通に悪い事なんてせずにゆったり生きていますよ。 天罰下すなら目の前の吸血鬼にしてくれ。一応悪魔なんだし。 歩いていて気付いたが、結構蒸し暑い事に気付く。 まぁ夏だしな、仕方がないか。 「○○」 「な、なんだっ?」 突然の呼びかけにビックリしてしまって5mmくらい浮遊してしまった。 その上若干上ずって返答してしまった。ああ、なんか笑いの種になりそう。 「今日は何日か知ってるかしら?」 「何日かだって?」 なんでこの吸血鬼はそんな事を聞くのだろう。 しかしながら俺もここに来てからというもの年月とかは忘れてしまったので解らないと素直に答えた。 「そう。いいわ、別に期待してなかったし」 何気ない一言が俺の心を傷つける。 幻想郷に来てから何回心を傷つけられただろう。結構荒んでいる気がする。 そんな事もお構いなしだから困る。 「毎年この時期になると見えるのよ」 「何が?」 「上を見てみなさい」 と、いわれたので仕方が無く上を見てみると――― 「木だな」 暗いから良く解らないけど日が出てきたら青々とした木と枝が見える事が大いに予想がつく。 「そうじゃなくて…………ああもう、ここからじゃ見えないわね」 そう言ったレミリアは俺の手首を掴んで一気にスピードを上げて前に進んだ。 前に言った通り、俺は普通の人間だ。 そんな普通の人間が吸血鬼のスピードに絶えられるわけが無く、つまりは――― 「痛い痛いもげ、もげるからレミリアさん聞こえているけど無視してどんどん速度上げてるでしょてめぇこら止まれぇぇぇぇぇぇ!!!」 俺の腕が千切れそうになったとさ。 「はい、着いたわよ。上見て」 着いた場所はなだらかな斜面の草原が広がる一種の丘だった。 なんでレミリアはこんなところを知っていたのだろうか。 それよりもこの腕の痛みはなんとかならないのかな。 「し、死ぬ、千切れる。……てめぇ、絶対殺す……」 俺がブツブツと呪詛を呟きながらレミリアの支持通り上を見ると――― 「……うぉ」 それまでの怒りやらなんやらが吹っ飛ぶぐらい綺麗な――― 「凄いでしょ?」 俺の元いた場所では想像できないほど綺麗な星空と天の川だった。 「……ああ」 久しぶりに天の川。 これを見てぎゃーぎゃー騒いでたのが前の俺なんだよな今の俺は家に引きこもってるから困る。 少し俺の心が洗われた景色だった。 「まぁあなたの事だからこの時期でさえ空が見えないところで寝ていたんでしょうけどね」 そして洗われた部分をさらっと傷つけるのがここの吸血鬼だ。 「成る程、レミリアが散歩しようとした理由がわかった」 「……っていうか、私が運んでいるときには見なかったのかしら?」 「怖くて下ばっかり見てましたが何か? 上見たら負けかなぁなんて思ってた」 「そうね、多分あなたが上を見たら思いっきり下に投げてたわ」 そんなことで人間版スカーレットシュートしないでくださいな。 血が吸えなくなるから外に出るなっていったのは誰だよ。 「で、俺を強制的に外に連れ出したのはこれが理由か?」 「咲夜には結構見せたからね。どうせあなた見てないと思ってたし」 「失敬な、ガキの頃は見たぞ」 「ってことは最近は見てないって事でしょ」 なんて他愛な話を座って空を見つづけながら言い合う。 こんな雰囲気が続いたら良いなーって思っている俺がいた。 適当に喋って、嫌だけどまたあの運び方で紅魔館に戻って、また明日って感じで。 「○○」 けれど、ゆったりムードの雰囲気もそう長くは続かなかった。 原因は別にパララッチな天狗でもナイフが怖いメイド長でも俺の歌を聞けーな夜雀でもなんでも無い。 すぐ近くにいる吸血鬼だ。 突如視界が吹っ飛んだと思うとドスッという鈍い音と共に背中と頭に痛みが走り、目の前に写る景色が突如変わった。 その景色とは、レミリアの顔だった。当然目線が合ってしまう。 肩にはレミリアの手がかなりの力で乗っているため、俺は置きあがれずに逃げ場が無くなってしまった。 良く見ると普段青白い顔が若干紅いような気がする。 「前から思っていたんだけどね……」 そう言ってレミリアは一旦言葉を噤んだ。 その一瞬で俺の心臓の鼓動がかなり早くなった。 なんで俺が緊張せねばいかんのだ。 「私はあなたに前から興味を持っていたの。食料以外でね」 「……興味?」 思わず聞き返してしまう。 ああ、なんか言いたい事が解ってしまうと顔が赤くなるな。 視線を逸らしたいけど逸らしたら何言われるかわからないからそのまま固定。 「それで、何故かと色々と考えをめぐらしていたら答えについたのよ」 俺の質問を無視するのは故意ではなくて気に出来ないほど緊張しているからだとは思う。 思いたい。思いつめたい。小一時間思いつめたい。 「○○。私はあなたが好きみたい」 言いやがった、この吸血鬼。 心臓がかなり早いスピードで脈を打っているのが解る。 慣れてない事はどうしても駄目だね。 「あなたは私の事をどう思っているのかしら?」 うおぃ、返答聞かれちゃったよ! なんて答えれば良いんだ? いや、自分に正直になればいいんじゃないのか? 正直に答えるとなると…… 『……我侭で傍若無人、とりあえずはかかわり合いたくない相手』 ってなるじゃないか! し、死亡グラフ確定!? 却下! でも嘘ついても見破られる気がしないでもない……。 「ちなみに恋心としてだから。解ってるわね!?」 どうやら考えている事を読まれしまったらしく若干怒り気味で言われた。 はて、恋心? そう言えばそんなの生死の境を毎回いったりきたりの毎日じゃそんなこと考えられんわ。 さて今は安全なので考えてみよう。 気付いたら傍にいるのは誰だ? ふとした時に思い出すのは誰だ? ……決まってるじゃないか。半強制的だがな。 「恋心かどうかはわからないが……、気付いたらレミリアと一緒にいて気付いたらレミリアのことを考えている事が多い。 多分、お前の事を意識しているとは思う」 「なんか微妙な言い方ね……。まぁ、あなたが何時も憎まれ口を叩いているのもわかるけどね」 そいつは驚きだった。また別の意味で心臓の鼓動が早まる。 ついでに冷や汗も。 「だって言うじゃない? 嫌よ嫌よも好きのうちってね」 いや、そうなのか? 俺にそれは適用されるのか? ファンだ。違う、不安だ。 「でもね、そんな曖昧な言い方じゃ駄目」 結局却下されちゃったみたいですわ奥さん。 はいはい解りましたよ。薄々は俺も気付いていたし、曖昧な答え方でなんとかなるかなって思ったけど駄目みたいですね。 「レミリアが好き……みたいだ」 最後の言葉は俺の精一杯の抵抗。 でないと心臓が破裂してあたり一帯がスカーレットな状況になってしまう。 「また曖昧だけど大体解るから許してあげるわ」 ……ひょっとして、俺に好きと言わせるまで何回も訂正させる気だったのか? そういえばこんな大胆なレミリアは初めて見るな。気付くのが遅すぎるか? 「……そういえば。なんで七夕を選んで、しかも俺をここまで連れていってまでしようとしたんだ?」 「ここなら多分見つからないと思うし、織姫と彦星が一年に一回会える時期、妖怪と人間の境界も越えられるかもって思ったのよ」 おうおう、ロマンチストだな吸血鬼よ。 まぁ関係無いけど粋な計らいだ。 「じゃあ誓いの……」 なんか色々吹っ飛んでいる気がするんですけど先生ー。 いきなり誓いのうぎぎなんて早すぎる。 ちょ、今ここで? ってか逃げられんっ! 別に嫌じゃないけど助けてっ! 「吸血を」 ……まぁそうだろうと思ってたさ。 なんか泣ける。 仕方が無い、せめてもの抵抗でもしてやろうか。どうせ無理だろうとは思うけどさ。 「ちょっと待て、今やる気か? 帰ってるときに血が無くなったらどうするんだお前はー!? うわ、無視かっ! 非情だっ!」 なんて抵抗も空しくレミリアは首筋に顔を近づけたその時――― 「あははははははっ!!! だ、駄目死ぬわっ! これはっ!!」 凄まじく場違いな笑い声がした。 気付いたら俺はレミリアの部屋で机に突っ伏していたわけだが、そこに居たのは――― 「だ、駄目ですよお嬢様。○○が起きてしまいますわ」 けっこう顔が引きつっている咲夜さんと――― 「いいえ、もう手遅れの様ね。……プッ」 最後のほうでたまらず噴出してしまったパチュリーと――― 「もう、ちょ、っと、見れるかと、お、もったん、ですけ、どね」 笑いを堪えているのかで途切れがおかしくなっている小悪魔と――― 「あははははは! あははははははは!」 無茶苦茶に笑い転げているレミリアが居た。 ……はい? 状況が掴めませんが、俺は先程吸血されそうになったはずじゃないのか? キョトンとしていると引きつったままのパチュリーが答えを教えてくれた。 「こ、紅茶を飲んだのは、覚えているかしら?」 「紅茶?」 えーっと、紅茶なんて飲んだかなぁ……。 過去を振り返ろう、どうせ浅い時間だろう。 紅茶……確かに飲んだな。その後……の記憶が無いんだが。 「アレは睡眠薬入りの紅茶よ。私特性の」 思いっきり引きつっている顔のままパチュリーがまたもや教えてくれた。 ってぇことは? 「あなたはずっと夢を見ていたわけ。それを私の水晶球でウォッチしていたの。勿論内面描写もろもろね」 「あははははは!」 成る程、どうりでレミリアがいつもより変だと思った。 っておい、内面描写って事はだ、俺が夢の中で見ていたことやらなんやらが全部? 包み隠さず? ここの面々に見られたわけで? ああなるほど、だーから皆笑っているわけかぁ。 成る程成る程。 どうやら解ってきた俺を見て更に全員それぞれに横を向いて口を抑えたり、余計引きつったり、余計に笑い転げたりしていた。 くあっ! 首吊りてぇっ! 「首吊ってくる!!」 有限実行とはこのことだね。俺ってば素晴らしい。 なんて焦りながら自分を褒め称える。 「まぁまぁ落ち着いて」 「これが落ち着いてられるかっ! 今から俺はここにいる全員を根絶やしにするか幻想郷から出たりしない限り俺の安眠は無い!」 自殺が駄目なら外に漏らさなければ良い。 そう考えた俺は、そこらへんに偶然あった新鮮な長ネギを二本持って謎のフィンランド語の歌を口ずさみつつ身構えた。 「レミィが無意味にこんな事をすると思う?」 「思う!!」 「……レミィ、彼からの信頼無いわね」 「あははははは! だって、からかうのが、面白すぎて、あははははは!」 「オーケー、今から閻魔のところまでぶっ飛ぶがいい」 「落ち着きなさい。今の状況でもあなたがレミィと戦って勝てる見込みは無いわよ?」 「…………う」 そりゃそうか、吸血鬼と人間だしねぇ。 しかし長ネギは下ろさずに構える。その気になれば誰か一人くらいは……無理だけど、とりあえず下ろさない。 「レミィは私に聞いてきたのよ。効率良くあなたの気持ちを知れないかって」 「……仮にその話が本当だとしても、レミリアが俺の気持ちを知ろうとする理由が思い当たらないが」 「……呆れた」 引きつった顔のまま言われても困る。 ちなみにレミリアは未だに笑いつづけている。 時折俺の内面描写の一部をブツブツと言った後また笑ったレミリアを見ると、やっぱりコイツは極悪だなと解る。 「ついでに私はこう答えたわ。他人の気持ちを知るならばまず最初に自分の気持ちを言うべきだってね。 でもね、レミィはそれを聞いたときに自分からは言えないって言ったわけ。で……」 「この作戦が採用されたわけか」 「そう」 なんか卑怯な気がする。自分で言えってのに……。 「拒否されるときにレミィはどう対応すればいいかとか解らなかったんじゃないかしら?」 さらっというあたりさすが友人だ。 レミリアが居るにもかかわらず言ってのけるところ、笑いで状況判断ができなくなったのだろうか。 と、今更ながらある事を思いつく。 「ってことは、レミリアが夢で言った事は?」 「若干捏造はしたけど大体は本当よ」 うへぁ! そいつは知らなかった。 いや、知らなくて当然か。今言われたし。 そういえばここはレミリアの部屋だな、うん。 なんで呼び出されたんだっけか。たしか、重大な話があるっていってたっけ。 ……なんとなく、未来がわかった気がする。 ここで俺がやることは一つ、逃げねば。 「く、国に帰らせていただきます!!」 そう言ってダッシュはしないにしろ早歩きでドアへと向かう。 そしてドアノブを捻って思いっきり押したが――― 「あ、開かないっ!?」 夢の続きかっ!? 押しても引いても開かないってどう言う事ですか先生っ!! もしや思って振り向くと、レミリア以外の三人が居ないじゃないか。 ……閉じ込められた? 部屋には俺とレミリアだけが取り残された。 レミリアがもう笑っていないせいか俺が喋ってないせいかはたまた両方か、部屋が物凄い静寂に包まれていた。 「○○」 と、レミリアが突然話しかけてきた。 少々ビックリしたので声が上ずってしまわない様黙る。 「私はあなたのことが……好きよ。あなた、は?」 真っ赤になって答えるレミリアがそれほど近くない距離からでも解る。 元が青白いからそのぶん変かがわかりやすいって事だな。 で、質問の答えだが。もう言ったはずだ。 まぁ言わなければいけないんだろう、しょうがないから言ってやろうじゃないか。 「俺は……レミリアが好き、みたいだ」 夢と似たような答えにレミリアは少し笑って夢と同じ答え方をした。 「また曖昧だけど大体解るから許してあげるわ」 どうせなら俺も乗ってやることにする。 「……そういえば。なんで七夕を選んで、しかも俺をここまでやってまで確かめようとしたんだ?」 「織姫と彦星が一年に一回会える時期、妖怪と人間の境界も越えられるかもって思ったのよ」 本当なのだろうか、まぁ捏造込みって言ってたし。嘘かも。 「じゃあ誓いの……」 と言った瞬間ベッドに投げ飛ばされてしまった。 ……ちょいまち、この状況ってことはこうなるわけで? 「吸血を……」 「うおい! ここまで再現する気なのかっ!? それともなにか、俺が見たのは予知夢だったのか!?」 「ふふふ、どうかしらね」 「話せば解るっ!」 「嫌よ嫌よも好きのうち、でしょ?」 「それはお前が言った事だろ! お、鬼! 悪魔!」 「私は吸血『鬼』で悪魔よ」 「じゃあ豆は弱点だなっ!」 と、まぁよくわからんことをグダグダ言っている間に月明かりや天の川やらに照らされて出来た二人の影は変わった形で重なり合いましたとさ。 ちなみに、俺の夢については他言したら撲滅とレミリアと俺で決めた。 ……いやはや世の中はどうなるかわかりませんねぇ。 彦星と織姫みたいな関係にはなりたくないけど、こちらもどうだか。 「なんか言った?」 いや、なんにも。 なんでお前なんかを好きになったのかなーなんてこれっぽっちも思ってないよ。 「……ふうん。どうやら現実でもう一度、今度は全員の前でやる必要があるようね……」 おうち、つい調子に乗って本音を言ってしまった! レミリアストーップ! 話せば解る! だからアレは勘弁! 絶対止めて! 頼むから! お姫様抱っこは死んでもやめてくれっ!! Hoppy End? 避難所 50(うpろだ0027) ─────────────────────────────────────────────────────────── 窓から一条の光が差し込む薄暗い部屋 彼女はその光に腕を差し出し その深紅の瞳で俺の眼を射抜いていた。 「吸いなさい。それだけで貴方は永遠の命を得ることが出来る」 「私と共に歩んでいく命を得ることが出来る」 「でも、それは何よりも深い闇の道を歩むと言うこと」 「死よりも辛い時間という流れを歩むと言うこと」 「それでも、私を愛していると言うのなら」 「私を求めると言うのなら」 「今ここにその覚悟を示しなさい!」 「人を捨て、光を捨て、私を手に入れて見なさい!」 何と言うか・・・ 私の願望?というか、こんな事をレミリアに言われてみたいな~とか 思っていたら出来上がってしまった妄想文です。 もう一つ、弱いレミリアVerを考えているんですが 投稿しようかどうか迷っています。 4スレ目 652 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「まぁ……お前が運命を操るとかいう以前に、俺はお前が好きだったって ことなんだろうな」→レミリア 4スレ目 696 ─────────────────────────────────────────────────────────── いつのまにか、自分は家の窓から満月が映える空を見上げていた。 どうも、自分は寝ぼけているようだ。頭がすっきりしないし、今まで何をしていたのか思い出せない。 ただ、気付いたら満月をずっと眺めていた。 まぁ、これも暑さと暇な所為だろう。そう思って、その晩は結局そのまま床についた。 しかし、翌日になっても、この不思議というより、困った記憶の感覚はひきずったままだった。 昨日の事がさっぱり思い出せない。いや、それだけではない。昨日より前の日の出来事も所々忘れているようだ。 どこか出かけた事は覚えていても、どこに向かったのか、何をしたのか、誰と会ったのかが抜け落ちている。 深く考え込みながら過ごしているうちに、今日も夜が来た。窓から見上げた月は少し欠けていた。 ふと、視線を周辺の木々へと移すと、そこに見慣れない人の影があった。よくは見えなかったが、 月明かりによって見えた姿は、大きなリボンのついた帽子を被り、髪は長く青みがかった銀髪の少女だった。 その直後、自分は幻想のようなものを見た。一人の男と、さきの少女のような人が話をしている。 けれど、その二人の表情はよく分からなかったが、どこか悲しそうであった。そして、少女は目元に光を残して去っていった。 同時に幻想はゆっくり、うっすらと消えていった。現実に戻った自分の目の前に、あの少女は居なかった。 あの夢のような、幻は何だったのだろう。ただ、この光景は知っているような気がした。そして、胸が押しつぶされそうな感覚を受けた。 思わず顔を俯かせる。すると、自分の手のひらに涙がこぼれ落ちた。そして、一言口にした。 「君は・・・誰?」 4スレ目 844 ─────────────────────────────────────────────────────────── ---------------------------------------------------------------------------------------------------- 「なあ慧音。明日辺りじゃなかったっけ? ほら、彼」 「ん? ……あぁ、そうか。もうそんなに経つのか。早いものだな」 ――んじゃ、よろしくお願いします。 ――なんでそこまでする必要がある? ――恥ずかしいんですよ、俺が。 「――扉?」 見回りと掃除を兼ねた仕事中、私は此処に来てから一度も見た事のない扉を発見した。 完全で瀟洒なメイド長である私が把握していない部屋など無い筈なのだが……。 随分放置されてきたのか、相当にボロい。なんとなく気になり、おもむろに扉を開ける。 ――ガチャリ。 さび付いている筈の扉は、いとも簡単に開いた。 そして、中に入り、何があるのか確かめようとしたのだが、 「……え?」 ――その瞬間、世界が、空気が、変わった。 たった今まで日が出ていたのにこの部屋は夜。月が部屋を照らし出す。 知らない部屋、知らない匂い、知らない感覚。 知らないけれど、私はこの感覚を識っている。 ここは紅魔館であって紅魔館じゃない。 時間を操作できる私だから判る。ここだけ時の流れから取り残されたかのような感覚。 本来色を持たない筈の大気はセピア色に染まり、私は外界から断絶される。 ここはさながら壊れて止まった時計の中。紅魔館の中にありながら、紅魔館からその存在を忘れ去られた場所。 警戒する私の前には、知らない男性。 ……誰かしら。この部屋の住人? ――誰が見てるかは知りませんが、お久しぶりです。もしくは初めまして? その場合はさっさと回れ右してください。面白いもんでもないんで。 その言葉で即座に理解する。 この部屋と彼は私と同じ時間軸に存在していない、という事を。 ――そこにレミリアは……いないよな? もしいたら今すぐ出てけ。 つーか今更お前に話す事は無い。お前に話すべき事は全部昨日話した。 ――コホン。見苦しい所をお見せしました。えー、知ってる人は殆どいないでしょうが、なんでも俺はあと1~2日の命だそうです。この映像撮ってる時から。 つまり、名も知らぬアナタがコレを見てる時には、俺はとっくにお陀仏してます。 ――出来れば、皆に直接会って言えればれば良かったんですが、諸々の事情と時間の都合によりそれは無理なんで、この映像を此処の住人への遺言? みたいな形で残します。 ――ちなみに、あんまり早く出しても俺が恥ずかしいんで、俺が死んだ後、とある人に50年ほどこの部屋を隠してもらう予定です。 とりあえず ここに住んでる魔女とか妖怪の皆なら、50年くらい大したことない時間だろうし。あ、死人が恥ずかしがるなとか言わないで下さい。男心は複雑なのです。 ――でももし、コレを見てるのが俺のことを知らない人だったり、紅魔館の住人じゃなかったら……もう一度いいます。今すぐこの部屋から回れ右して、この部屋に入ってからの一切の記憶を消去してください。 その際、紅魔館の住人にはこの部屋の存在については何も言わないで下さい。もう一度いいますが、男心は複雑なのです。 ――いいですか? ……んじゃ、始めますね。 少しの間を置いて、彼は訥々と語り始めた。 ――結果を言えば、ほんの少しの好奇心を持って聞いていたソレを、私は心から後悔する事になるのだが。 ――まず死因ですが、寿命です。この前の満月の日、妹様がちょーっと興奮しすぎちゃって、大変な事になりましたね? その時、ちょいとピンチに陥ってたレミリアを庇ったら下半身と右腕を吹っ飛ばされました(笑)。 死ぬほど痛かったです。死にましたが(笑)。やっぱ人間慣れない荒事はするもんじゃないですね。レミリアは無事だったんでよかったですが。 どうやら当時の彼はその場で死んだらしい。じゃあ彼は今、幽霊なのかしら? それにしても妹様の前に立つとか、命知らずにも程があるわね。むしろアホだわ。 でも、彼は「後二日の命」と言った。矛盾してるわね。 ――すぐさまパチュリーさんが回復に当たったしたらしいのですが、当然間に合わず、俺は9割9分死んだそうです。 ソレを聞いたとき、俺は妹様の圧倒的な破壊の力の中にほんの少しの優しさを感じました(笑)。 なるほど、蘇生したのね。妹様の直撃を食らって蘇生する、ってだけでも人間にしては随分頑丈みたいだけど……。 ――殆ど死んでた俺は詳しい事は知りませんが、それでも色々頑張ってくれたみたいで、俺は今ここにいます。 が、これから先の命の殆どを使っての蘇生だったんで、その分の寿命を持っていかれた。と言う顛末です。 流石人間。妖怪とは寿命も身体の作りも違います(笑)。 まあ、そんなものよね。所詮人間だし。 ――さて、本題ですが、俺が紅魔館で過ごした日々は、二十台の半分にも満たない俺の人生でしたが、その中で一番楽しく、充実した時間でした。 ――そんなわけで、俺がここでお世話になった方々に、一言ずつ言っていきたいと思います。 ――まず美鈴。いつもお仕事お疲れ様。カレーパンを渡した時、君に泣いて喜ばれたのは俺と君だけの秘密です(笑)。 ――次、パチュリーさん。偶には外に出ましょう。この前帽子に茸が生えてましたよ。 ――小悪魔こと、こぁ。悪戯は程ほどに。立派なレディーになる事をお兄さんは祈ってます。 ――メイド隊の皆さん。あんまり長い間じゃなかったけど、俺みたいな若輩者に付いてきてくれてありがとう。 ――最後に、妹様。……なにとぞレミリアと仲良くしてやってください。ああ見えて意外と寂しがりやなんで。 ――皆さん、俺は今、本当に幸せです。本当にありがとうございました。……そして、さよならです。 ……なーんて言うと、ちょっとカッコイイ感じがしませんか? ……それじゃ、本当に、さようなら。 どうやらこれでお終いらしい。大して面白いものでもなかったわね。本人も言ってたけど。 しかし、お嬢様を呼び捨てにしたり、何様なのかしらね。ここにいたら即ハリネズミにする所だわ。今度冥界にでも行こうかしら。 ……それにしても映像、終わんないわね。 目線を外して、やれやれと溜息をつく彼の姿。まだ映写機が動いてるのに気付いてないのかしら? ――はあぃ○○。 ――幽香か。空気読んで待っててくれたのはありがたいけど、とりあえず窓から入ってくんな。……って、このやりとりも、もう最後か。 これって……あの花の妖怪? なんで彼女が紅魔館に侵入してるのかしら。それも普通に窓から。いや、窓からは普通じゃないけど。 ――で、どうした? 風の噂でも聞いたのか? それとも天狗か? ――そんな所よ。……でもほんと残念。貴方と遊ぶのは楽しかったんだけど。……この際吸血鬼にでもなったら? とりあえず死なないわよ。日光とかは駄目になるだろうけど。 ――吸血鬼、ね。 ――嫌なの? やっぱり人間として死にたいとか? ――いやさ、今の遺言には入れてないけど、実は俺ってとっくに吸血鬼らしいよ? 蘇生の時、人間の命じゃ全然足りなくて、レミリアが俺を眷族にしたらしい。それでもこの有様さ。げに恐ろしきは妹様の破壊の力。ってね。 なにがおかしいのか、からからと笑う。 それにしても、お嬢様が眷属に? 彼、よっぽどのお気に入りだったのかしら。 あら? でも、もしそうなら……? ――……眷属になったんなら、主が死ななきゃ大丈夫なんじゃないの? ――そうなんだけど、俺の場合肉体じゃなくて、魂が死ぬんだってさ。パチュリーさんが言ってた。 ――…………。 「…………」 私の疑問と同様の質問をする彼女に、彼はとんでもない事を言ってのけた。 魂の死。それは消滅。何も無い。行き着く先は本当の闇。 冥界に行く事も無く、閻魔に裁かれる事も無い。 それは、とてもとても恐ろしい事。勿論その事も彼女も知っているのだろう。 彼は……怖くなかったのだろうか? ――ふうっ。……あーあ、死にたくねえなー。 ――っ! 「――っ!」 私の思考を読んだかのような一言に、思わず息を呑んでしまう。そんな事、ある筈が無いのに。 不意に、天井を見上げ、苦笑しながら、諦め気味にそう呟いた名も知らぬ彼。 飾り気も何も無い、思った事をそのまま口に出したのであろうその言葉は、これ以上無い諦観に溢れていた。 本当に、死にたくはないけれど。もう、彼は知っていたのだ。もう自分がどうにもならない事を。 ――あー、なんつーか、悪い。誰かがいると、どうも弱音を聞いてほしくなる。 ――…………っ。 ――どした? ……なんだおい。お前泣いてんのか? 自称最強の妖怪がたかが人間一人のために泣いてんのか? ――当たり前、でしょ……。たった一人の……大切な、……友達、……なんだから。 ――……そっか。さんきゅ。ま、皆と仲良くしろよ。無理っぽそうだけどな。 ――ぶつっ。 そこで映像は途切れた。 私の目の前にはボロボロの部屋。 映像の部屋の面影は、ほんの一欠片も無い。 心に一つだけ抱き、私はその部屋を後にした……。 ――――。 「お嬢様」 「何? 珍しく険しい顔して」 時間は巡り、今は夜。 私が部屋に付く頃には既にお嬢様は起きていた。 「お聞きしたい事があります」 「珍しい事もあるものね。……まあいいわ。今日は特別な日だし、なんでも答えてあげる」 「今日、とある部屋を見つけました」 「へえ?」 クツクツと面白そうに笑う。 お嬢様の事だ。大方私が何を言いたいのかも知っているのだろう。 ならばこれ以上無駄な前振りも必要ない。 「率直に聞きます。一体彼は何者なのですか?」 お嬢様が笑うのを止める。 その澄んだ瞳に移る感情は、私には読み取れない。 「……以前の執事長よ」 「執事長?」 予想外だった。 てっきり客かなにかと思っていたのだが……。 「そして、私が唯一大切にしたい、と心から思った人間でもある」 「……!?」 「ふふっ。やっぱり驚いたわね……。ほら」 私の驚きっぷりが予想通りだったのか、嬉しそうに何かの紙を投げて寄こすお嬢様。 音も無く私の目の前に落ちたそれを拾う。 「……」 それは、一枚の写真だった。 場所は……紅魔館のどこかだろう。 中心には満面の笑みを浮かべる例の彼と、赤い顔で膨れっ面をした、ウェディングドレスを着たお嬢様。お姫様だっこで抱きかかえられている。 横には手作りの粗末なブーケを持った、今とは違う幼い小悪魔と思わしき誰か。 その反対には美鈴と、彼女の頭の上に乗った妹様と、相変わらず本を読んでいるパチュリー様。 そして周囲には私の知らないメイド隊。 ……考えるまでも無い。昔の紅魔館の集合写真だ。 「……これは?」 「昔、小悪魔にせがまれてやった結婚式ごっこよ。まま事みたいなものだったけど、楽しかったわ。彼も、私も、皆も」 「……」 「……あの数年間は幸せだったわ。本当に」 そう月を見ながら微笑むお嬢様の手には、何時の間にかワインボトルと二つのグラス。 「咲夜。少し飲むわ。付き合いなさい」 「……かしこまりました」 私はそれ以上何も聞く事は無かった。聞きたい事はとうに聞いてしまったのだから。 因みに、そのワイン、普段私やお譲様が飲むモノと比べるととてもではないがいいものではなかった。 お嬢様曰く、今の幻想郷では滅多に手に入らない貴重品で、彼が事のほか好んだのだと言う……。 ─────────────────────────────────────────────────────────── ――50年だ。それ以上は待てない。 ――それで十分。あ、お前は偶に来てくれてもいいぞ? ただしあの酒が手に入った時だけな。 あの数日後、私は突然お嬢様に呼び出された。 「咲夜。出るわよ」 「……今日はどちらへ?」 「内緒、よ」 疑問を投げかける私にそう妖しく笑う。 その笑みが激しく気になるが、まあお嬢様の気紛れは今に始まった事でもないので何も言わない。 主の意向にそぐわないメイドなど、完全で瀟洒な従者の名が泣くというものだ。 とりあえず今日は晴れ。日傘を用意しなくては。 「……遅い」 「まあまあ」 門に差し掛かった私達を待っていたのは二つの影。 いつもは図書館に篭りっきりのパチュリー様と小悪魔だった。小悪魔はともかく、珍しい事もあるものだ。 そして何時の間にか、門の周りには知らない妖怪達が十数匹。……いや、私はその顔ぶれを知っている? 「小悪魔、フランは?」 「妹様は……どうしても行けないと」 「……そう」 残念そうに深い溜息をつくお嬢様。 今日出かける所には妹様も関係があるのだろうか? 「じゃ、美鈴。行ってくるわ。後よろしく」 「行ってらっしゃいませ」 珍しくお嬢様が門番に声をかける。私の知る限り、これが初めてじゃないだろうか? その時の門番は、いつものヘタレている彼女と違う、これもやはり私が初めて見る、真面目な表情をしていた。 そして何時の間にか、あんなにいた妖怪達はいなくなっていた。 ――――。 四人は行ってしまった。 私も一緒に行きたくはなかったと言えば嘘になる。 だけど、私には私の仕事がある。そう易々とここを動くわけにはいかない。 「よしよし。行ったな……」 「……」 やっぱり来た。白黒だ。 大方皆が出て行くのを見計らっていたのだろう。 私も随分と舐められたものだ。……いつもの事だし、仕方ないと言えば仕方ないが。 「よう中国。今日も通してもらうぜ」 「……他の日ならいざ知らず、今日は、今日だけは、何があってもここを通すワケにはいかないんですよねー。咲夜さんも行っちゃいましたし」 「はっ! 冗談。こんなチャンスを逃すほど私は人が良くないんでね。そっちの都合なんか知ったこっちゃない」 勿論そんな事は判っている。そんな事で引き返してくれるなら苦労はしない。 そして、彼女を打ち倒す事がそう簡単でない事も。 しかし、今日、お嬢様は私に後の全てを任せた。 ならば、私は持てる全力を超えてでも、お嬢様の信頼に応えなくてはならない――! 「それくらい、こっちも承知の上。だから……」 ――スッ。 「んなっ!?」 私が腕を上げるのと同時に、音も無く魔理沙を囲む私の昔の同僚達。 皆、最後に会った時から何も変わっていない。 今日この日、誰一人欠ける事無く集まってきた事を、私は心から喜ばしく思う。 ――彼は、弱かった。今の紅魔館を束ねる咲夜さんや目の前の白黒、紅白と比べると、彼女達が同じ人間なのか、と疑わしい程に。 ――だから、彼は自身を中心に私達の力を連携によって最大限に発揮し、生かす術を実践した。 ――結果は上々。あの妹様を相手にしてもお嬢様とパチュリー様が到着するまでの数分は持ちこたえられる、という驚異的なものだった。 ――そしてその日から、妹様相手に死者は出なくなった。 ――仕事仲間が誰一人欠ける事の無くなった、という事実に、彼は心から喜んだ。私達も、また同様に。 ――幾度となく繰り返した戦いの果てに手に入れたもの。それは、仲間という名の掛け替えの無い力であり、信頼という絆だった。 「いつも通り頭数揃えて、私に勝てると思ってるのか?」 「いつも通りの、面子なら、無理、でしょうね……」 (こいつ、泣いてる……?) 懐かしく、心地いい空気。 思わず溢れた涙に視界が滲む。 そしてそれに呼応するかのごとく、退屈な日常に色褪せた筈の私の魂が、本来の色を取り戻す。 本来その中心にあるべき彼はもういないけれど。決してあの時には戻れないけど。 彼からもらった仲間への信頼を胸に。力を拳に、弾幕に。私は、皆は、ただ込める。 楽しかった思い出の日々の体現に囲まれて、私はあの時の私に還っていく。 今日の敗北は絶対に許されないのだ。そう。大事な人々の信頼と、私自身の誇りにかけて。 皆と目を合わせる。覚悟と準備は万端。さあ、始めよう。 「……私は紅魔館が門番、紅美鈴!」 「あーあー、派手に口上なんか垂れちゃって」 「美鈴、慣れない事はするもんじゃないわよー」 ……茶化された。にも係わらず、それが心地いいと感じる自分がいる。 彼女達とは、彼を喪って以来会っていないのだから。 もし、彼女達が残っていたら……いや、詮無きことか。 「んじゃ、久々にお仕事と行きますか?」 「狼藉者を追い返す、素敵で野蛮なお仕事をねっ――!」 ――――。 紅魔館から飛ぶ事十数分。 到着したのは小高い丘。そこにあるのは粗末な石が只一つ。 そしてその前には……。 「向日葵?」 「……アイツも来てた? いや、来てるのか」 墓前に咲いた一輪の向日葵を見、感情を込めずに呟くお嬢様。 探ってみれば周囲には一つの気配。あの花の妖怪だ。 彼女ほどの猛者、とうに私達に気付いているだろうに、その場から動こうともしない。 「お嬢様。どうします?」 「どうもしないわ。彼女は彼の一番の友人なんだから。彼女は私の知らない彼を知っている。ふふっ……少し妬けるわね」 ――当たり前、でしょ……。たった一人の……大切な、……友達、……なんだから。 ――……そっか。さんきゅ。ま、皆と仲良くしろよ。無理っぽそうだけどな。 「……」 私はここにきてようやく合点がいった。 この前の彼だ。私が生まれるずっと前に私のポジションにいたという、お嬢様の恋人。 ということは、ここは彼の――。 「やっと気付いたわね、咲夜」 「レミィ。この子、彼の事知ってるの?」 「ええ。最近まで消失してた彼の部屋を見つけたのが咲夜よ」 「……そう。なら話は早いわね。今日は彼がこの世に生を受けた日であり」 「ここは50年前の今日、彼が私を置いて消えて逝った場所」 謳うように言葉を紡ぎながら、お嬢様はあのワインを石にかける。 私の横からは小悪魔の嗚咽。 あーあ、可愛い顔が涙でグチョグチョじゃない。 ――捧げしワインには去りし彼への慕情を。 ――かける言葉には万感の思いを。 「……誕生日、おめでとう」 ─────────────────────────────────────────────────────────── ――夢を見ている。 ――懐かしくて、楽しくて、そして……切ない夢。 さて、今日は此処ね。 湖の畔にある館、人呼んで「紅魔館」。 当主が吸血鬼だかなんだか知らないが、とりあえず気に入らないので虐めに来たのだ。 (誰だか知らないけど門番はザルね。裏からだと余裕じゃない。まあ私なら表でも余裕だけど) とかそんなどうでもいい事を考えていたら、裏玄関から誰かの声が聞こえてきた。 「……! ……!」 なにやら怒鳴っている。 甲高い声が耳にうるさい事この上ない。 (先客かしら?) 慌てて木の上に身を潜める。 って、何で私が隠れる必要があるのよ。今更出て行くつもりも無いけど。 覗く先に映るのは、一匹の氷精と、一人の人間。 「今日こそアタイはアンタ達に勝ってみせるわ!」 「お嬢様は只今お休みの時間ですが」 「だーかーらー! アンタ達だって言ってるでしょ!?」 そう言えば今は昼。確かに吸血鬼の時間ではない。 そんな事を忘れるとは、私も遂にヤキが回ったのだろうか? 「何がなんでも戦うと?」 「勿論! 今日こそギャフンと言わせてやるわ!」 「どうしても?」 「どうしても!」 ヘラヘラと張り付いた愛想笑いを浮かべる男。 ……そのすました顔、気に入らないわね。瞳に感情が無い分、余計に。 「では、ご要望にお応えして、僭越ながら私達がお相手仕ります……皆! 仕事の時間だ!」 ――パチン。 音高く指を鳴らす。それと同時に、何処からともなく十数の影が彼の周囲に現れる。 ……少しは出来るみたいね。勿論私には遠く及ばないけど。 そして気が付けば、その内の一人、赤い、そして長い髪をしたチャイナメイド(?)が氷精を睨んでいる。 他のとは明らかに違うあの服を見るに、彼女がリーダーなのかしら。で、皆の代表として何か言う、と? それにしても彼女、胸……大きいわね。 ――その時の私は、どんな青臭い罵声(例えば、この屋敷とお嬢様は私達が護る、とかそんなの)を浴びせるのかと楽しみにしていたのだが、 そのメイド(後に彼女が門番だと知る)の口から出てきた言葉は、そんな私の予想の遥か斜め上を行くものだった。 ――ぷっ。 「あは、あはははははは! ねえちょっと聞いた? “皆! 仕事の時間だ!”だって! しかも指パッチン! お、お腹いたい!! 死ぬ、これはいろんな意味で死ぬ!!」 「聞いた聞いた! そ、それにしても、隊長の言葉遣い違和感ありすぎ! 聞いてて鳥肌が立っちゃった!」 場は一瞬で爆笑に包まれた。緊張感も何も無い。 きっと今の私は、実に形容しがたい表情をしている事だろう。 しかし、隊長? 彼が? この中で一番弱いであろう、人間の彼が隊長? 「うおい! 折角人がかっこよくキメたっつーのに、お前らのせいで台無しじゃねーか!」 「今更かっこいいもないでしょうに。隊長はむしろヘタレキャラで行きましょうよ。"や、やるのか!?"とか"俺のメイド部隊が全滅だと!?"みたいな」 「ま、私達は隊長のモノじゃありませんがねー」 ……なんだろう、これは。 まさか、私ともあろうものが来る場所を間違えたのだろうか? 「ちょっとアンタ達! アタイをバカにしてるの!?」 「おっと、毎度の事ながら悪いね。どうにも緊張感が無くって」 なーんて軽く現実逃避を始めていたら、氷精が癇癪を起こした。気持ちは判らないでもない。 そして、そんな彼女に苦笑交じりに向き直る彼は、本当に、普通の、人間だった。 「……へぇ」 ――弾幕ごっこが、始まった。 ――彼はひたすらメイド達に指示を出し、自身は決して弾幕は張らない。寧ろ張れないというべきだろうか? ――そして、一際目を引くのは、彼女達メイドのやる気のあるのか無いのか判らない態度だった。 「隊長! 残業手当として今日も夜雀の屋台で奢りヨロシク!」 「あ、じゃあ私は香霖堂で!」 「こっ、の極道メイド共が! 俺の財政状況を知らんわけでもあるまい! 赤字も赤字、まっかっかだぞ! つーかまだ通常勤務だ!」 「またまたぁ! そんなつれない事言っちゃって! でもお優しい○○は結局奢ってくれるんでしょ? だから、好、き、で、す、よ!」 ――ちゅっ そんな事を言いながら、あの最初のチャイナが弾幕をギリギリで避けながら彼に投げキッス。 余裕綽々にも程がある。……あ、氷が頭に当たった。きっと彼女はヘタレね。間違いない。 「あははっ! 美鈴、隊長誘惑してるとお嬢様に怒られちゃうわよ? “いい度胸だ。気に入った! 中国、地下室で妹をFU○Kしてきていいぞ!”とか言われて」 「うっわ、それはイヤ。絶対死ぬ(笑)」 中国……なるほど。言いえて妙ね。 てかメイドがFU○Kとか言うの止めなさいよ。イメージってもんがあるでしょうが、イメージってもんが。 「ば、ばかにすんなー!」 あ、氷精がキレた。 まあ、殆どシカトに近い扱いだったしね。怒りもするか。 ――にやり。 「隙あり! ぽちっとな」 そこに彼が嫌な笑みを浮かべ、屋敷のブロックの一つを押す。 だが、その発動音声はボタンの場合だと私は声を大にして言いたい。隠れている手前言わないが。 ――ガンッ!! 「ジェロニモッ!?」 超高速で氷精の頭に直撃したのは、かなり大きめの金ダライ。 ……ていうかここ、屋外よね。今のどこから降ってきたのかしら? 視線を戻す。氷精はと言えば、あの一撃に見事にKOされていた。まあ、相当な速度だったし無理もないか。 「さーて、今日も完勝、大妖精さん呼ぶか……」 「ちょっと! アタイは……! まだ、負けてないわよ!」 「今日はお終い、また今度な。次はお前がすっごく強くなった時に相手してやるよ。主に美鈴とコイツらが」 「ちょ! 隊長! 次こそは自分だけでやってくださいよ! 門番の美鈴はともかく、私達は仕事があるんですからね!」 「無茶言うな! 俺が出来る事はメイド隊という名のファンネルの操作だけだ! それに仕事があるのは俺だって同じだっつーの!」 「またこの人はワケのわかんない事を!」 意味の無い会話を交わし、笑い合っている。 彼自身にはなんの力もないくせに、彼女達妖怪から慕われていることがよく判る。 ……うん。面白い。少し興味が沸いた。 後で彼の部屋に遊びに行ってみよう。ついでに死なない程度に虐めに……。 ――――。 「……寝ちゃってた、か」 起きるのと同時に伸びをし、目を擦る。 時刻は夕方になろうかという所だろうか。 例の吸血鬼とそのご一行さまは、数分間墓に話しかけたりした後、帰っていった。 で、その後つい日差しが気持ちよくって寝てしまったという所だろう。どうせ風邪なんか引かないので問題ないが。 「ちょっと、聞いてんの? アタイ、ちゃーんと覚えてたわよ? 最後に会った時、強くなったらまた来いって言ったでしょ?」 「……」 そして丁度そこに新たな声と気配。今度は……あの氷精、と大妖精とかいう奴? そういや、夢の中でもそんな事言ってたわね。 結局あれから、彼は死ぬまで毎回同じ事言ってたみたいだけど。 「アタイ、すっごく強くなったんだから! この前なんて、閻魔にだって勝ったのよ! もう最強よね!」 「でね、死神と閻魔にアンタの事聞いたの。でも、二人とも、そんな人間は知らないって。あの世には来てないって……っ!」 「チルノちゃん……」 「っ……! 勝ち逃げ、なんて……、絶対許さないんだから……!」 「チルノちゃん! ……って行っちゃった。じゃあ、○○さん。また、来年も来ますね」 氷精は凄い速度で飛んでいってしまった。そしてすぐさまそれを追いかける大妖精。 それにしても今の言葉を聞くに毎年来てるとか? 律儀ねぇ。 近くに花畑がある関係で、此処には結構な頻度で来てるけど、今初めて知ったわ。 ――胸に抱きし想いに気付けども、貴方は当に消えてしまい。 ――ただ一つの逢瀬が叶いしその場所は、遥か遠き夢の中。 「……なんてね」 感傷に浸るなど私らしくないが、たまにはこういう日があってもいいだろう。 なにせ今日は、この私の友達の誕生日なのだから……。 ――了。 「ちょっと、あんた達……ナマってんじゃないの……? ズタボロじゃない……」 「そういう美鈴だって……体力落ちたんじゃない……? とっくの昔に引退した私たちはともかく、アンタは現役でしょうが……」 「うるっさいわね……門番ってキツイのよ……。一日一食に減ったし……。しかも昔と違って今はサボるとナイフ飛んでくるし……」 「まったく……隊長が今のアンタ見たら、きっと泣いて指差して笑うわよ……? “赤貧の俺から散々集った罰だ! ざまーみろばーか!”とか“俺のありがたみが判ったか!”とか大人気無い事言って……」 「あぁ……それ、凄くわかる……。ありがたみも……」 ――(今度こそ本当に)了。 6スレ目 199 ───────────────────────────────────────────────────────────