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あきいち あっとぅー 石田マン エクサス おいてか かずたか かももん くれいもあ(タコソン) くろす(Cross、962) げんきママ けんじ こまてる しょぺたん&みずなし&ばろこ すみれ だいず タケミ ダンくん チルン テレみ なぎさ ばろこ(林 あい) バニラス ひなえもん フィンファンネル フェンリル マサト マサト&かなクリ まつもとひとし link_anchor plugin error 画像もしくは文字列を必ずどちらかを入力してください。 みくちん ミト みなこり メジロマックイーン メロン ゆうな ゆうへい ゆったん らいね&メロン らおこ るにお れいむ ろってん Dεvιλωιng G3&725 Haarp J boy NOBUO Pua tewi Wyvern 4rin 50%裏オフ会 本スレオフ会 725 あきいち あっとぅー 石田マン エクサス おいてか かずたか かももん くれいもあ(タコソン) くろす(Cross、962) げんきママ けんじ こまてる しょぺたん&みずなし&ばろこ すみれ だいず タケミ ダンくん チルン テレみ なぎさ ばろこ(林 あい) バニラス ひなえもん フィンファンネル フェンリル imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (fen4.jpg) マサト マサト&かなクリ まつもとひとし imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (matsumoto.jpg) imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (まつもと2.jpg) みくちん ミト みなこり メジロマックイーン メロン ゆうな ゆうへい ゆったん らいね&メロン らおこ るにお れいむ imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (reimu.jpg) ろってん Dεvιλωιng G3&725 Haarp J boy NOBUO Pua tewi Wyvern 4rin 50%裏オフ会 本スレオフ会 725
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「一匹のゆっくりを振り返ってみる。」 知られてはいないが、ゆっくりの寿命は短い 大概は事故、縄張り争い、捕食によって命を失ってしまい気づかれないからだ 【春】 お母さんに見送られて、一匹の子れいむが巣から顔を出した 赤ちゃんの頃からずっと今まで、巣の中で暮らしてきた子れいむには 外の世界はとても眩しく感じられた 暖かいお日様 草の匂い 頬を撫でる風 今日はお父さんまりさが外で一緒に遊んでくれるという 「れいむ! ゆっくりしないでおとうさんについておいで!」 「ゆゆ!? おとーさん まって! ゆっくりしてね! まってぇえええ!」 こてん 転がってしまった 狭い巣の中では大きく跳ねる必要もなく 体全体を使うような経験がなかったからだ 転んでいるうちにお父さんの姿はどんどん小さくなる 「いじゃいよぉお あんよが ひりひり ずるのおぉおおお」 「…」 お父さんまりさは子れいむに振り返るが、すぐにきびすを返して跳ね始めた 「ゆ!?」 お父さんに助けてもらえると思っていた子れいむは 思いがけない対応に驚く 「おとうさん もういくからね! れいむも はやくきてね!」 「ゆぅううう! おどーじゃあん! まっでよぉおお!」 初めて見た見知らぬ草原 子供頃、親とはぐれ迷子になった時の恐怖を覚えているだろうか? しかもココは野生の子れいむにとって、何の目印もないのっぺらぼうな大草原だ 「ゆっく! ゆぅ… ゆっ! ゆっ! ゆっ!」 お父さんが助けてくれない事をゆっくり理解すると、子れいむは体を起こして跳ね始めた するとどうだろう 自分でも思いもかけなかった力が体からあふれてくる 今まで泣きじゃくっていたれいむは悲しいことも忘れて より遠くへ より高く 自分の跳ねる力に楽しさを覚えていた 何度か転ぶ事もあったが、力いっぱい跳ねられる楽しさに比べたらなんてことはない 「ゆっ! ゆっ! ゆっ!」 「おー やっときたね! れいむは ぴょんぴょんが じょうずだね」 「ゆへへぇ///」 これが子ゆっくりを巣の外に連れ出した時、初めて覚えさせる事の一つだ ゆっくりがなによりも大切なジャンプ 移動・狩り・逃げる・採集・加工 全ての場面で必要とされる重要な事だ これでお父さんまりさの一つの役目が終わった 「ゆ! れいむ! ちょうちょうさんだよ!」 「ほんとうだ! ちょうちょさんだね! ゆっくりしていってね!」 黄色い蝶々が子れいむの鼻をかすめ、気ままに春風の中を泳いでいる 「れいむ! ちょうちょうさんは かわいいけど おとうさんたちの ごはんでも あるんだよ!」 「ゆ! れいむ しってるよ! でも れいむが しってる ちょうちょさんは こんなにゆっくりしてなくなかったよ! すごいちょうちょさんだね!」 「ほんとうのちょうちょうさんは ゆっくりしてなくて すごいんだよ! さあ いまから ごはんの じかんだよ!」 「ゆゆーん! きょうの ごはんは ちょうちょさん なんだね! 」 子れいむは黄色い蝶々に目を輝かせていた 「…」 「…」 「…」 「おとうさん ちょうちょさん たべたいよ!」 「そうだね ちょうちょうさんは おいしそうだね! おとうさんは おとうさんで つかまえるから れいむも すきなちょうちょさんを つかまえてね!」 「ゆ!?」 蝶々といえば、ご飯に出てくる羽のついた可愛い虫 いつもみる蝶々はふるふると震えて、ご飯のはっぱの上にいた しかし巣の外で見る蝶々の元気の良さにれいむは驚嘆した お父さんは蝶々を昼食にするといっているが、いつまでたってもれいむに運んできてくれない なんと自分で蝶々さんを食べろというのだ 子れいむは、とにかくお口を開けて蝶々さんを追いかけるが ひらひらと子れいむを馬鹿にするように飛んでいる 「おとうさん! ちょうちょさんが ゆっくりしてくれないよ!」 「そうだね! ちょうちょさんも たべられたくないんだね! だから ゆっくりしないで つかまえてね! おとうさんは てつだわないよ!」 「ゆぅぅううう???? なんで おとうさんは れいむを いじめるのぉおおお!?」 大好きなお父さんの言葉に子れいむは涙を浮かべてしまった 「れいむ! おとうさんは いつまでも れいむの そばには いられないんだよ?」 「ゆー?」 「おとうさんの そばには いま おとうさんのおとうさんが いないでしょう? れいむも いつか ひとりになることがあるんだよ」 「ゆぅ…」 「だから れいむは おとうさんが はずかしくないような りっぱな ゆっくりになってね!」 「………ゆ! おとうさんのために! れいむ がんばるよ!」 なんとなく理解した子れいむは、蝶々に近づく ひらひらと軌道の読めない蝶々に苦戦して 子れいむは子一時間ほど格闘するとやっと捕まえることができた 「ゆー♪ つかまえたよ! おとーさん! れいむが つかまえたよ!」 「すごいよ れいむ! れいむは ちょうちょうとりの たつじんだね!」 「ゆぅー///」 「ほら たべてごらん?」 「ゆ…ちょうちょさん ごめんね! むーしゃ むーしゃ ?! しあわせーーーーー☆」 狩りの訓練 動く生き物を狩る難しさ 自分で採ったご飯の美味しさ そして先ほど獲得した自分の跳ねる能力を ここで発揮し理解して自信をつける事ができる これで子れいむは一人でも巣の近くでご飯を採れるだろう 「ゆぅー ちょうちょさん だけだと つまんないよ…」 「じゃあ おとうさんに ついてきてね! おやさいを たべようね!」 「ゆ! れいむ きのこさんも わらびさんも ぜんまいさんも だいすきだよ!」 森にやってきた 巣の中とは違う意味で薄暗く、そして複雑な地形に 子れいむは怖がってしまっていた 「お、おとうさん! れいむは こんなところに はいりたくないよ!」 「だいじょうぶだよ れいむ もりさんは とてもゆっくりできるところだよ!」 しかし森には子れいむの背を遥かに越える草むらや とてもとても大きい木々が立ち並んでいる まるで巨人の国に来たみたいだ 「ほら! あそこに きのこさんがあるよ!」 「ゆ! しいたけさんだね! ゆっ!ゆっ!ゆっ!」 そんな恐怖も、ご飯を目にすると飛んでしまい 子れいむはお父さんが見つけたきのこに跳ねて行った 「ちょっとまってね!」 かぶりつこうとしていた子れいむにお父さんが待ったをかける 「これは たべられない きのこさんだね!」 「これは しいたけさんだよ?」 しいたけはしゃくしゃくとした歯ごたえで、子れいむが大好物の一つなのだ 「よくみてごらん? ここのかたちが しいたけさんと ちがうんだよ!」 「ほんとうだ! ちょっとだけ かたちが ちがうよ! おとーさん すごい!」 「これは しいたけさんに すごい にてるけど ぜんぜんゆっくりできない きのこさん なんだよ!」 「そうなの? れいむは どんなきのこさんでも すきだよ!」 「じゃあ れいむ ちょっとだけ このしいたけさんを なめてごらん? ちょっとだけだよ?」 「ゆっゆ~♪」 ぺろ 「!? ゆげぇえええええええ へんなあしがするよ!!! したが ひりひりするよ!!!」 「そうだよ! これは しいたけさんに とてもにてるけど ゆっくりできない きのこさんだよ!」 「ぺっ! ぺっ! ゆげぇええ! にぎゃいよおおお!」 どんなきのこも好きだと言っていた子れいむだったが ゆっくりできないきのこをひと舐めしただけで 小さいな舌をべーっと出しながら瞳を潤ませている 「こんなものを みつけて すぐにたべたら ぽんぽんが いたくなるからね! ちゃんと たべられる きのこさんか! しらべるんだよ!」 「ゆげぇ! わがっだよ! れいむは ぼう ごんな ぎのござん だべないよ!」 この後 とても綺麗な山菜に見えるけど苦い草花や 美味しい木の実があるけれど虫がたくさんいて痛い所 冷たいお水さんがあるところでは水浴びをしてふやけてしまったりもした そして獣道に生える野いちごをつまみ食いしたり 森を抜けた小高い丘でお昼寝をしたりもした 身をもって森の豊かさと危険を勉強する子れいむだっだ 【夏】 梅雨や日照りのある季節だ 水に弱く乾燥も命取りなゆっくりにとって、冬と共に危険な季節だ 「ゆぅ~ あついよ~」 お父さんから狩りを教えてもらった子れいむも更に大きくなっていた 「れいむ! なつというのは あついだけじゃ ないからね!」 「ゆゆ? おとーさん なつは あついんでしょ! れいむも わかるよ!」 「あついあついといっても あつくないときがあるんだよ」 「???」 お父さんの言うことがまったく理解できない子れいむ 「だから これから そのあつくないときの ための じゅんびをするよ?」 「…ゆ?」 すんごい暑いのに 暑くない時の準備をする、子れいむにはさっぱり意味がわからなかった まずは子れいむを連れて森に行くと 花や山菜などをさけて、虫・木の実など硬くてパサパサしたご飯を集め始めた ある程度頬袋に溜めて終えると、これは今日のご飯じゃないというお父さんまりさ へとへとに疲れて必要以上の量を採ってきたのに これは食べないだなんて、子れいむは全然納得ができなかった 「ぷくぅ~! れいむが せっかく がんばって かりをしたのに! どうして たべないの!」 「これは あとで たべるためのものなんだよ れいむ」 「はやくたべないと おはなさんみたいに くちゃくちゃに なっちゃうよ!」 「ちがうよ れいむ このきのみさんや ちいさいむしさんはね しばらくほっておいても ゆっくりしているんだよ!」 「ゆぅ~???」 ぽかーんとしている子れいむをそのままに 今度はおうちの改造だという 「おとーさん! なんで おうちのいりぐちを ふさいでいるの? こんな かたちだと れいむが ころんじゃうよ?」 「これでいいんだよ いりぐちと じめんさんに やまを つくっておくんだよ」 「こんなことすると おうちにはいりにくいよ! どうして こんなことするの!?」 「だいじょうだよ! おとうさんのおとうさんも このいえに こうしてきたんだよ ずっとむかしからね!」 なんだかわけのわからない事ばかりやらされる子れいむ 「もう! れいむは こんなこと やりたくないよ! おとーさんだけ やればいいよ! れいむは ゆっくりする!」 「れ、れいむ!?」 そういうと子れいむは 巣の中に引っ込もうとした 「ゆっくりまってね!」 べしっ あわてて止めようとしたお父さんまりさは、子れいむを突き飛ばしてしまった 「ゆぅ…………ゆぅえええええええええええええええん!!!!! ゆえええええええええん!」 「…」 子れいむはお父さんまりさの横をすり抜けると泣きながら巣に入ってしまった しかしお父さんまりさは、子れいむを追いかける事はせずに土いじりを再開した 「ゆえええええん!ゆええええん!おどーーざんのばがぁああ!れいむは わるいごどじでないのにぃぃい!」 巣の中で大声で泣きじゃくる子れいむ 「おちびちゃん」 藁のベッドに飛び込むと お母さんれいむは、そっと子れいむにすりすりしてあげた 「おがぁあじゃあああん! おどーざんが れいむに いじわるずるんだよぉおおお!」 「おちびちゃん おちびちゃんは いいこだよ」 すりすりしてくれね大きいお母さんれいむの暖かさに、やっと子れいむは落ち着いた 「ゆぅ…」 「おちびちゃん おとうさんは おちびちゃんに いじわるをしてるわけじゃないんだよ」 「ゆ…」 「おかあさんがすき?」 「…すき」 「なら あかあさんがだいすきな おとうさんが おちびちゃんに いじわるするわけないよね?」 「…ゆ」 「おとうさんは どのゆっくりよりも おちびちゃんに ゆっくりしてほしいんだよ」 「…」 「おちびちゃんは おかあさんの たからものの なかで いちばんのたからものなんだよ?」 「きれいな いしさんより?」 「そうだよ」 「かわいい おはなさんより?」 「もちろん」 子れいむの涙は乾いており、お母さんからぽよん離れると そのまま藁のベットを飛び降りて入り口へ向かって跳ねていった 「…おかーさん」 「ゆ?」 「おとーさんに あやまってくる」 「ゆ! いってらっしゃい」 子ゆっくりは 入り口へ向かうと お父さんは土いじりを終えて空を見上げていた 入り口は高く盛り上げられ、よじ登らないとお外に出れない がんばって段差を乗り越えると子れいむはお父さんの前に来た 「ゆっ………おとーさん、あのね…」 「れいむ? おとーさんは その…」 ザァーーーーーーーーーーーーーーーー 突然の豪雨が襲ってきた! 今まで見たことのない まるでたくさんの小石が降ってきたような光景に 子れいむは硬直してしまった みるみるうちに髪飾りは湿気り、皮は透けて中の餡子が見えそうだ 「ゆっ! れいむ!」 お父さんまりさは 溶けかけている子れいむを帽子にツバでひっかけながら 新しく出来た入り口の段差を乗り越えて、巣の中に一緒に逃げた 「だいじょうぶ? れいむ?」 「ゅ…ゅ…………ゆ!?」 濡れた皮がやっと乾くと子れいむは目を見開き 「おとーさん! すごいあめさんが ふってきたよ! どうしよう! すごいおおきな みずたまりができちゃうよ! みんな かわさんになって ながれてくるよ! どうしよう!どうしよう!」 どうしようと連呼する子れいむにお父さんまりさは 「おちついて れいむ」 「おちついて ゆっくりなんかできないよ! おとーさん あめさんみてたの? はやくしないと おうちのなかにも あめさんが いっぱいはいってくるよ!」 「そうだね あめさんは すごいね でもね れいむ いりぐちをみてごらん」 「…ゆ?」 先ほどお父さんまりさがやっていたのは 巣の入り口に防波堤を作り 外が多少ぬかるんだり増水しても、水が流れ込んでこないようにしているのだ 「す、す、すごいよ! おとうさん! おとうさんは てんさいだね!」 「いやいや そんなことはないよ これは おとうさんのおとうさんに おしえてもらったんだよ!」 「おとうさんのおとうさんて すごいね! だから おとうさんも すごいんだよ!」 「ゆっはっはっ」 とんちんかんな賞賛をして興奮する子れいむ 「さあ れいむ! おうちのなかにはいろうね いつまでたっても あめさんは やまないよ」 「ゆ!? いつまでたっても!?」 「そんなに ながくは ないけど おつきさまが なんかいも ぐるぐるしないと やまないかもね!」 「ゆーーーーーー!? そんなに あめさんふっていたら おそとに かりに いけないよ!」 「れいむ? きょうは なにをがんばったのかな?」 「ゆ! いっぱい ごはんをとって………ゆっ!?」 「そういうことだよ さあ あめさんが やむまで しばらくおうちで ゆっくりしようね」 そう言い聞かせるとお父さんまりさは、子れいむの背中を押してお母さんれいむの所へうながせた 「あのね おとうさん…」 「ゆ?」 「うんとね…」 「…」 「…」 「…」 「…め……い…」 「…?」 「…ごめんなさい」 「れいむは―」 お父さんに叱れるのを覚悟していた子れいむは、身を硬くして待った 「れいむは いいこだよ おとうさんの『たからもの』だよ」 梅雨の準備は万全だった 笑顔の子れいむと ちょっと涙ぐんでるお父さんまりさが おうちの中に並んで跳ねていく れいむが昼間集めた木の実を、お母さんれいむが擦りつぶして団子にしてくれた しばらくは木の実や虫さんとか味気ないものばかりだけど お母さんとお父さんと一緒にいられると思うと ちっとも嫌じゃないと思う宝物の子れいむだった 【秋】 実りの秋 春の時と同じように子れいむは巣の外に顔を出した 今度はお母さんも外にいる 「…」 春の時は目を輝かせてお外を見ていた子れいむだったが 表情は陰り、はっぱで作られた荷物を抱えている 「おちびちゃん きをつけてね! つらくなったら もどってくるんだよ!」 「だめだよ! もうすぐ さむいさむい ふゆが くるから そのとき かおを みせてね!」 「おかーさん おとーさん! れいむは さびしくないよ! ちゃんと ひとりで ゆっくりできるよ!」 子れいむはいまや、成れいむだ 春夏と過ごした巣は成体三匹では手狭となっている 今まで"おとうさんやおかあさん"の"おとうさんやおかあさん"をみたことはない うすうす成れいむは、大きくなったら一人で暮らさなくてはいけない事をわかっていた 「れいむ ほんとうに おおきくなったね! おとーさんはうれしいよ!」 お父さんまりさは、自分と同じくらい大きく育った成れいむを嬉しがっていた 「おとーさんの おかげだよ! れいむなら どんな かりでも できるよ!」 お母さんれいむは、自分と同じくらい賢く育ったに成れいむを喜んでいた 「おちびちゃん! ふゆになるまえに ごはんをあつめるんだよ!」 「もう おちびちゃんじゃないよ おかーさん! れいむは おかーさんにならった りょうりで いつも おいしいごはんを つくれるよ!」 「…」 「…」 「…」 「ゆわぁああああああああん」 「れいむぅぅ!」 「おちびちゃああああん!」 この数ヶ月で、両親から受け継いだ狩りや自然の知識を学び 子れいむは一人前のゆっくりとなった もう自分一人の力で生きていかなくてはならない ひとしきり別れを惜しんですりすりし終えると 何度も何度も両親を振り返りつつ、成れいむは遠い山の向こうを目指した 秋の山は食べ物にあふれている いろんな芳しい匂いに釣られるが ちゃんと食べられるもの ゆっくりできないものを吟味していく 保存の効くものは、頬袋やはっぱの荷物入れにしまう まだ巣の中しか知らない幼い頃 閉ざされた入り口の隙間からは、冷たい風が入り込み 藁の敷いていないおうちの地面はとても冷たかった しばらくしてお父さんが入り口を空けて 子れいむを帽子の上に乗せて散歩した時も 春には蝶々がたくさん飛んでいた原っぱも 野いちごが生るはずの森もシンと静まり返っていた とても寒く、他にはなんにもない それが冬なのだ もりさんも たいようさんも ゆっくりしなくなる その冬が来る前に、寒さを凌げるおうちや 冬を乗り越えるご飯を探さなくてはならない 「これはたべられるものだね! これはたべられない! あれは すぐにだめになっちゃうから いまたべちゃおう!」 れいむが食べ物を探して散策していると なんとゆっくりが一匹いたのだ 「ゆ!?」 家族以外のゆっくりと会うのは、実は成れいむにとって初めてだった 「…?!……ゅ…ゅ………ゆっくりしていってね!」 初めての挨拶をかけるが 「…」 反応がない 初めての挨拶に戸惑い恥ずかしがると しぶしぶと相手の様子を見た 「!」 相手のゆっくりが返事を返してくれないのも無理もない なんと倒れこんで苦しがっている! 「ゆゆ!? だいじょうぶ? ゆっくりしてね! れいむが ゆっくりさせてあげるよ!」 「…ゅ…ぃ…」 あたふたと成れいむが、体をしらべるてみると 苦しがるゆっくりの下から 派手な色に染まったきのこがたくさん出てきた 「ゆ! これは ゆっくりできない きのこさんだね! まっててね! いま おくすりを だすからね!」 荷物から葉っぱに来るんだ薬を出すと 倒れたゆっくりに差し出した 「これをのんでね! そうすれば ゆっくりできるよ!」 「…ゅ…ゅ…」 薬を飲むどころではない 額には汗がびっしり浮きでており ぎゅっとつぶった目からは涙が流れている このままでは毒にあたって死んでしまうだろう 「どうしよう! どうしよう! どうしよう!」 「…ゅ…ゅ…」 毒に犯されたゆっくりの息は更に激しくなり、もう後がない 「そうだ! ゆっくりわかったよ!」 成れいむは 葉っぱから薬を取り出すと 口に含んでゴリゴリとすり合わせた 「…ゆぐ…」 「…ゅ…ん…」 成れいむは むかし病気にかかって、ご飯が食べれない時 お母さんに口移しで食べさせてもらった時の事を思い出したのだ 「…ゅ…んぐ………………………ゆ?…」 「ゆ! げんきになったね! よかったよ! ゆっくりしていってね!」 「ゆ? ゆゅ! ありがとう! すごく ゆっくりできるよ!」 成れいむは介抱したゆっくりを抱き起こすとびっくりした 「お、おとうさん?」 「? まりさは まりさだよ!」 その姿は成れいむの父親と同じ まりさ種だったのだ しかしよく見ればお父さんとは違うところがいくつかあり 体の大きさは成れいむより一回り小さく 逆に髪の毛はふわふわで飾りはキラキラで、まるで綺麗な自分のお母さんのようだった 「ゆ…////」 いまさら成れいむは綺麗なまりさと口付けをしてしまったことに照れていた 命を救ってもらったまりさは、そんなれいむの同様には気付かず 「ほんとうにありがとう れいむ!」 「ゆ…えっと ああいう きのこさんは たべたら だめなんだよ! しらなかったの!」 「ごめんなさい まりさは もりの かりが にがてなんだよ…」 「それなら しょうがないね! れいむが いっしょにごはんを さがしてあげるよ!」 「ありがとう れいむ!」 れいむは頼りないまりさを手助けする程度のつもりだったが 自分が綺麗なまりさに惹かれているなんてのは気づきもしなかった 後編
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『投稿しよう 起・承』 「~♪」 時刻は夜9時。仕事帰りの1人の青年が改札口を出た。少し早歩きだ。 「ただいまー」 帰宅すると夕食や風呂を済ませスナック菓子を片手にパソコンの前に座った。 「今月号はどうなるのかなぁ……」 彼がカバンから取り出したのはDVDだ。"月刊ゆ虐天"…DVDのタイトルだ。……エロ本じゃないよ。似たような名前だけど。 ゆっくりが出現してから様々な商品が生まれた。その中の1つでゆっくりを虐待する様子を収めた本が創刊された。 購読者は毎月増えていった。ゆっくりを虐待する人が増加したのもあるが怖いもの見たさに買う人もいる。 そのうち写真や文章だけでは満足できないと映像化を望む声が高まりついにDVD化された。毎月発売されている。 「ぉ、始まった始まった」 DVDの内容は相当濃いとの評判だ。しかも時間も結構長い。DVDの値段は2000円。それに見合うだけのボリュームだ。 「おわっ…スゲェ…」 菓子を食いつつ映像に釘付けになった。 「いやぁ…今月号も凄かった」 一気に終わりまで見てしまった。時計の針は午前2時を指していた。 「俺も…投稿しようかな…」 元々"ゆ虐天"は読者からの投稿雑誌だった。現在も投稿作品がDVDに収録されているがメインは変更となった。 メインは超高画質&様々な視点から撮影されたゆっくり虐待だ。視聴者のアイデアから優秀なものを選びそれを映像化するのだ。 費用、舞台、設備、ゆっくり等全て発行元の加工所が用意してくれる。採用されれば賞金も貰えるし撮影に参加も出来るのだ。 元々は一般的な家庭で出来る虐待には限度があるために設けられたコーナーだった。賞金も微々たるものだった。 だが全国の虐待お兄さんのハートに火を点けてしまったようで練りに練った虐待計画が山のように送られてきてしまった。 どれも数時間で完結するような生易しいものではない。何日も苦痛を与える地獄のようなシナリオだった。 いつしかそれがメインとなりそのためDVDの収録時間も伸びた。賞金額も大きくなった。 「さて…どんな内容にするかだな……」 深夜ではあるが日付が変わって今日は土曜日。会社はお休み。心置きなくアイデアを練ることが出来る。 「うーむ……」 実は大方アイデアは出ていた。後は肉付けだ。ゆっくりの反応を予想しそこからどう叩き落してやろうか…。 「うーん……。いや、これじゃ甘いな…」 文章の構成、起承転結。"承""転"はさくさくと進むのだ。だが"結"がどうも弱い。"起"は楽だ。虐待する理由は言うまでもないからだ。 「出ねぇ…。布団に入るか」 布団の中でも少し考える。あるあるネタだが眠りに着く直前にラジオや漫画のネタが思いつくことがよくあるのだ。 「………………」 そのまま眠ってしまった。結局アイデアは浮かばなかった。 次の日も中々アイデアが浮かばなかった。 「とりあえず書けるところまでシナリオ書いてみるか」 書いているうちにふといいアイデアが浮かぶこともある。パソコンを起動させた。 「え~っと……」 ……………… ……… 『ここからだしてね!れいむはおこるとつよいんだよ!!』 『おちびぢゃんをかえじでね!!ありすのとかいはなおちびちゃんをつれてきてね!!』 『やい!くそどれい!!まりささまをおこらせるとこわいんだぜ!!こうさんするならいまのうちなんだぜ!!』 ゆっくりがごちゃごちゃと煩い。 『ままぁ!!ままぁ!!』 『おきゃあしゃあぁぁん!!!!おちょうしゃあぁん!!!どきょにいるのぉ!!?きょわいよぉ!!』 『あっちからおかあさんのこえがするよ!!おかあぁさん!!!れいむはここだよぉ!!!!』 子ゆっくりや赤ゆっくりもピーピー叫んで煩い。 『ゆ!おちびちゃんのこえがしたよ!!』 『ゆあっ!!こっちくるんだぜ!!』 『むきゅ!!ぱちぇのおちびちゃんがあそこにいるわ!!』 『ちびぢゃあぁあん!!!!おかあさんはここだよぉぉ!!』 親ゆっくり達はすぐにでも我が子の所へ行きたかった。だが目の前に透明な壁が立ち塞がっており前に進めなかった。 『おかあさあぁん!!!ゆっくりしないでこっちにきてよぉ!!』 『みゃみゃとしゅりしゅりしちゃいよ!ありちゅのところにきちぇにぇ!!』 子ゆっくりや赤ゆっくり達の目線は斜め上を向いていた。ここで少し今ゆっくり達がいる場所について解説しよう。 ここは野外ではない。四角い大きな部屋の中だ。高さ1m50cm程の透明なアクリル板で部屋は3つに仕切られている。 上から見ると"円"という文字の底部に線がひかれた感じだ。"田"という字の真ん中の縦棒の下半分が無くなったようにも見える。 小さい四角の区画に成体ゆっくりが、その隣の小さい四角の区角には子ゆっくりと赤ゆっくりが入っていた。 成体ゆっくりは15匹程、子ゆっくりと赤ゆっくりは併せて30匹程いる。 もう1つの大きな四角の区画には何も無かった。そして成体ゆっくりがいる区画にだけ50cm程の高さの土が敷かれていた。 このため子ゆっくりや赤ゆっくりは斜め上を向いているのだ。崖の上に親がいるといった感じなのだろう。 逆に親ゆっくり達にとっては崖下に我が子がいるといった感じで見下ろしていた。 『どぼじでおちびぢゃんのどごろにいげないのぉぉぉ!!!』 『まりさにいじわるしないでね!!あっちにいかせてね!!』 親ゆっくり達はアクリル板に体当たりをして隣へ行こうとした。 『この!この!かべさんこわれてね!!』 『ゆっくりできないかべさんなんかこうだ!!』 だがアクリル板はびくともしない。次第に泣き出す子ゆっくりや赤ゆっくりが出てきた。 『ゆえぇえぇえぇん!!!!おがあざんにあいだいよおぉ!!!』 『どぼじでごっぢぎでぐれないのぉぉ!!?』 『みゃみゃぁ!しゃみしぃいよぉ!!!!ゆえぇえぇえぇん!!!』 と、親ゆっくりがいる区画のドアが開いた。ちなみにドアは3つの区画に1つずつ設置されている。 『…………』 やってきたのは1人の男性だった。 『ゆ!?だ…だれ!!?』 『ありすをここにとじこめたのはおじさんね!!ゆっくりしないでここからだしなさい!!』 『やい!!じじい!!まりささまをここからだすんだぜ!!おちびちゃんにもあわせるんだぜえ!!!!』 彼は騒ぎ出すゆっくりを無視し1匹のまりさのもとへ歩いた。この中では一番大きいゆっくりだ。 『ゆ!?な…なんなのぜ!!?まりささまになんのようなんだぜ!!!!?』 まりさは息を吸い込み膨らんで威嚇した。 『りーだー!!ゆっくりできないにんげんさんをやっつけてね!!』 『りーだーだったらいちころなんだぜ!!』 『おとうさん!!やっつけてね!!!』 『おじしゃんだっだりゃらくしょうだよ!!!』 このまりさがこの中で一番強いゆっくりなのだろう。ちなみにこのゆっくり達はとある群れから連れ出したゆっくりだ。 『まりささまはつよいんだぜ!!!こうさんするならいまのうちなんだぜ!!!』 男は膨れるまりさの帽子を取り上げた。 『ゆあああ!!!!なにずるんだぜ!!!それはまりささまのおぼ…ゆびょおぉっ!!!!』 まりさを軽く蹴飛ばした。 『な…なかなかやるん……ゆああああああああ!!!!なにじでるのおおぉ!!!!』 男は帽子をぐぢゃぐぢゃに破いていた。地面に帽子の切れ端がひらひらと落ちていった。 『ばりざのゆっぐりじだおぼうじがあああ!!!よぐぼやっだなああ!!!!』 まりさが泣きながら突進してきた。男はひらりとかわした。まりさは地面に顔からダイブした。 『ゆびぇえぇ!!…っぐ…よげるなあぁ!!!がえぜえええ!!!ぼうじがえぜええ!!!!』 まりさは起き上がると男を睨み付けた。男はまりさの前に立ち塞がっていた。 『じねえええ!!!!じじいはじねええ!!!!ゆっぐりじないでじ……ゅぎゃあああああああああああ!!!!』 男はまりさの口を思いっきり蹴飛ばした。まりさは吹っ飛ばされた。まりさの砕けた歯が辺りに飛び散った。 『…っひゅ…っぎ……っひ…』 さっきまでの威勢の良さは無い。口の一部が抉れ大半の歯が折れていた。男はまりさのもとへ歩き出した。 『ま…まりざああああ!!!!どぼじでまげぢゃうのお!??』 『りーだーがあああ!!!なんでがでないのおお!!!??』 『いやああああ!!!!ごっぢぐるなあああ!!!』 『わがだないよぉぉ!!!!?』 『きょわいよぉ……おきゃあしゃぁぁん…』 周りのゆっくりが悲鳴を上げた。隣の子ゆっくりや赤ゆっくりは構造上まりさがどうなったのか見えなかったが親達の悲鳴に怯えだした。 『うあああああああ!!!!!ひぃぎゃあああああああ!!!!!!』 男はまりさの髪を掴むと思いっきり引っ張った。髪は頭皮ごと抜けた。中の餡子が丸見えだ。 『ぼうやべでえええ!!!ばりざがじんじゃうううう!!』 『ごごがらだじでえええ!!!ゆっぐりざぜでよおお!!!!』 『ぼういやだああ!!!おうぢがえるうう!!!!』 男の腕は止まらない。髪の毛を全て毟り取った。今度は殴る蹴るの暴行を加えた。 『うぼおお!!!!!!!やびぇ…ぎゃあああ!!!じぬううう!!!じぬうう!!!!いじゃいい!!!…ぎゃああ!!!』 殴る度に餡子が飛び出た。口や傷口から餡子が垂れ流しだ。 『……ゅ…っ………ゅ…………』 まりさはぐぢゃぐぢゃに潰されて死んでしまった。男は立ち上がり隅っこで固まってぶるぶる震えているゆっくり達に視線をやった。 『じにだぐない……ゆっぐぢぢだいよぉ…』 『むぎゅ……むぎゅうぅぅ……』 『こんなの…とがいはじゃないわ……ひぃぃ…』 『ごっぢごないでよ……ごないでぇ…』 男はパチンと指を鳴らした。 『うっうー!』 『ゆっくりしね!』 『おぜうさまなんだどぅ~』 今まで誰もいなかった区画のドアが開きれみりゃとふらんが入ってきた。その数合わせて20匹程。これだけの数が1ヵ所にいるのも珍しい。 『れみりゃだああ!!!!』 『どぼじでふらんがいるのおお!!!』 突然の天敵の登場に親ゆっくりも子ゆっくりも赤ゆっくりも慌てふためいた。 『きょわいよおお!!!!』 『だべないでええ!!!』 『ごっぢぐるなあああ!!!!ゆあああああ!!!』 れみりゃとふらんはアクリル板を飛び越え親ゆっくりのいる区画へやってきた。 『さて…今からお前らには働いてもらう』 漸く男が言葉を発した。 『お…おしごと…?』 『ゆっぐぢさせでええ!!!ゆああああ!!!ごっぢぐるなあああ!!!』 『だずげでよおぉ!!!!だずげでえええ!!!』 『れみりゃ、ふらん。落としてやれ』 彼の指図でれみりゃとふらんが地面に何かを落とした。 『な…なに?』 『なにずるのおお!!??ゆっぐぢできないのはいやだよぉ!!!』 『今からお前らには穴を掘ってもらう。それだけだ。大きな穴を掘れ』 『どぼじでぞんなごどじなぐぢゃならないのおお!!!??』 『そうだよぉ!!!!れいむはしんぐるまざーなんだよ!!そんなごどでぎるわけないでじょおぉぉ!!!!』 『へぇ…どこにお前の餓鬼がいるんだ?』 『れいむのぽんぽんさんにゆっくりしたあかちゃんがいるんだよ!!にんぷさんはたいせつにしなくちゃならないんだよ!!』 男はしんぐるまざー(笑)のれいむを持ち上げた。確かに腹の辺りが大きい。 『しんぐるまざーだから働かないんだって?』 『そ…そうだよ!!!しんぐるまざーなんだからたいせつにしなくちゃいけないんだよ!!だからあまあまさんもってきてね!!!』 れいむはどうだとばかり腹を突き出した。 『じゃあしんぐるまざーじゃなければ働くってことだよね』 彼はれいむのまむまむの辺りを鷲掴み思いっきり引き千切った。 『ゆぎゃあああ!!!!でいぶのぽんぽんがああ!!!!いだいいい!!!!なにずるのおお!!!』 皮が破れ餡子が見えるとれいむの腹の中に腕を突っ込んだ。 『ゆぎょおおお!!!!ぐ…ぐるいじいいいい!!!やべでええ!!!!どぼじでぞんなごどずるのおお!!!』 彼の腕がれいむの腹の中で蠢いている。 『ゅっく………ぃ……ぇ…』 『ぁ…ゃ…ゅ…………ょ』 『…ゃ…ゅ…きゃ……ゃ…に………ゃ…ょ…』 腹の中の赤ゆっくりの声が微かに聞こえた。彼の手が柔らかい球体に触れた。 『あがぢゃぁぁん!!!でいぶのゆっぐりじだあがぢゃんがじんじゃううう!!!!ぼうやべでええ!!!!』 彼の手が赤ゆっくりを掴んだ。彼は手に力を込めた。 『ゆぎゃああああ!!!!!!つぶれだあああ!!!!あがぢゃんがあああ!!!!あがぢゃんがああ!!!!!』 れいむが煩くて赤ゆっくりの断末魔が聞こえなかった。だがれいむにはちゃんと聞こえていた。 『よっと』 彼は握り拳のままれいむの腹から腕を引っこ抜いた。餡子がこびり付いた拳をれいむに向けそっと拳を開いた。 『…っ…ゅ…ぎゅ……』 最期の言葉を言うために生まれたようなものだ。飾りから赤れいむだったようだ。ぐちゃぁっと潰れていた。 握り潰された拍子に飛び出たのだろうか目玉が無く餡子色の涙がだらりと流れていた。 『で…でいぶのゆっぐりじだあがぢゃんがあああああ!!!!どぼじでえええ!!!!どぼじでごろじだのおぉ!!!!』 楽しみにしていた我が子との挨拶やゆっくりした生活が一瞬にして崩れた。更に悲劇は続く。 『れみりゃ、こっち来て』 男はれみりゃを呼んだ。 『おにいさん、なんだどぅ~?』 れみりゃが彼の傍まで降りてきた。 『今から美味しい饅頭をご馳走してあげるね』 『うっうー!うれしいんだどぅ~。ありがとうだどぅ~』 『おねえさまだけずる~い!!ふらんにもちょうだい!!』 ふらんも彼の傍まで降りてきた。 『いやあああ!!!!!でみりゃはいやああ!!!!ふだんもいやあああ!!!!!あっぢいっでえええ!!!!』 れいむが叫んだ。 『じゃあ今から何が出てくるか当てた方にあげるね』 彼は再びぽっかりと空いたれいむの腹部の穴に腕を突っ込んだ。 『ゆんぎゃあああ!!!!!ぐるじいい!!!!ぼうやべでええ!!!!あがぢゃんにひどいごどじないでえええ!!!』 彼の手が柔らかい球体に触れた。 『れみりゃ、ふらん。何だと思う?』 『あかいやつだどぅ~』 『くろいの!!くろいの!!』 彼は腕を引っこ抜いた。 『ゆっくちちちぇいっちぇね!!まりちゃはまりちゃだよ!!』 彼の手の上で赤まりさが元気良く挨拶した。 『あ…あがぢゃああああん!!!!にげでええ!!!!にぎぇでえええええ!!!!』 れいむに挨拶を返す余裕は無く必死に叫んだ。 『どびょじでしょんなこちょいうにょおおお!!??まりちゃがきゃわいきゅないにょ!!?』 生まれて最初の挨拶に応えてくれないことに泣き出す赤まりさ。 『ゆえぇえぇぇん!!!!おぎゃあじゃんのばきゃ…ゆ?おしょらをういちぇりゅよ!!』 赤まりさへ手が伸び持ち上げられた。 『正解はふらんだったね。じゃあ食べていいよ』 赤まりさを摘み上げたのはふらんだった。ふらんは赤まりさを銜えた。 『ゆぎゃああああ!!!!いじゃいよおお!!!!かばにゃいでえええ!!!!おがぁ…おがあじゃあああん!!!!』 『ぼうゆるじでえええ!!!!あがぢゃんだずげぢぇあげでよおお!!!!いやあああ!!!!いやああああ!!!!!!』 ふらんは美味しそうに赤まりさの中身を吸い上げていた。 『うー。おいしい!!』 『ゆぴゃああ!!!!ずわりぇりゅうう!!!!いじゃいい!!!いじゃいいい!!!!ゆっくぢさせぢぇえええ!!』 赤まりさはどんどん萎み最後はペラペラの皮だけになってれいむの前に捨てられた。 『あがぢゃぁぁん…ゆっぐ…ゆっぐぢぢだがっだよぉ……すりずり…じだがっだのにぃ……』 持ち主のいない小さな帽子を見ながられいむはすすり泣いていた。 『うー!!ずるいんだどぅ!!!おぜうさまにもあまあま!!!あまあま!!!』 れみりゃが文句を言い出した。 『分かった分かった。まだ残ってたらあげるから』 彼は再度れいむの腹に腕を突っ込んだ。 『ゆぎぇえええ!!!!ぼ…ぼうやべでええええ!!!!!じゅうぶんでじょおおお!!!!あがぢゃんみんなじんじゃっだああ!!!』 彼の手がごそごそと動いていたがついに最後の1匹を探り当てた。 『お!あった!れみりゃ、良かったな』 『うー!!!』 彼の腕が引っこ抜かれた。 『ぼういやだああああ!!!!あがぢゃんみだぐないいいい!!!!!』 れいむは目を瞑った。どうせ食べられるのなら我が子を見たくないのだろう。何故なら愛情が沸いてしまうから。 『ゆっきゅりしちぇいってにぇ!!!れいみゅはれいみゅだよ!!』 取り出されたのは赤れいむだ。元気良く挨拶したが母親からの返事は無い。 『…おきゃあしゃん?ゆ…ゆっくちちていっちぇね!!ゆっきゅりちえいってにぇ!!!……へんじじでよおお!!!!』 期待していた母親からの挨拶が来ない。赤れいむは泣き出した。 『おきゃあしゃああん!!!!おぎゃあじゃああん!!!!どびょじでなにもはなじぢぇぐれないにょおお!!!??』 『ぅぅ………ゅぐぐ……ぅぅぅぅぅ……』 れいむは涙を流しながら目をぎゅっと瞑り唸っていた。 『もっと挨拶しろよ。そしたら応えてくれるかもしれないぞ』 面白いものが見れそうだと彼は赤れいむに囁いた。れみりゃは早く食べたいようで腕を伸ばしたが彼はそれを制した。 『ゆ…ゆっくちちていっちぇね!!ゆっくちちていっちぇね!!!おきゃあしゃん!!!ゆっくちちようにぇ!!!ゆっくち!ゆっくち!』 しかしれいむは目を瞑ったままだ。彼は少し唸ったが名案を思いついた。 『お母さんのところに行ってすりすりしてきなさい。そしたらきっと…』 赤れいむにそう囁いてれいむの隣にそっと置いた。 『おきゃあしゃん!!!!れいみゅとしゅりしゅりしようにぇ!!しゅりしゅり~しゅりしゅり~』 赤れいむはれいむに頬擦りをした。ゆっくりにとって頬擦りは親愛の証。何よりもゆっくりできるのだ。 『ぅぅ……ぉ…ぉちび…ちゃん…』 ついにれいむの情が動いた。今すぐにでも我が子とゆっくりしたいのだ。 『おきゃあしゃん!!!りぇいみゅだよ!!!りぇいみゅはりぇいみゅだよ!!ゆっくりしちぇいっちぇね!!』 赤れいむが必死に呼びかける。そんな光景をニヤニヤ笑いながら見ていた彼はれみりゃにそっと何かを囁いた。 『おきゃあしゃん!!ゆっくちちたいよ!!!……りぇいみゅのことはきりゃいなの?』 『ゅ…ゅ………ゆあああああ!!!!おちびぢゃああああん!!!!おちびぢゃああああああん!!!!!』 ついにれいむの目が開いた。我が子が嫌いなものか。我が子が嫌いな親がどこにいるのだろうか。 『おちびぢゃあああああん!!!おがあざんだよおおお!!!!れいむが!!!れいむがおが……』 目を開けたれいむが固まった。れいむの目線の先にはれみりゃに摘み上げられる赤れいむ。 『おしょらをういちぇるよ!!おきゃあしゃん!!』 はしゃぐ赤れいむ。そして赤れいむはれみりゃの口元へ。 『ゆぎゃあああああ!!!!だべえええ!!!だべえええ!!だべぢゃだべええええ!!!!がえじでえええ!!!がえじでええ!!!』 れみりゃの鋭い犬歯が赤れいむに突き刺さった。 『ゆぴゃあああ!!!?いじゃいい!!!いじゃいよおお!!!!おぎゃあじゃああん!!!おぎゃあじゃああん!!!』 泣き叫ぶ赤れいむ。れみりゃは笑顔で赤れいむを味わっていた。 『美味いか?れみりゃ』 『うー!!』 赤れいむがどんどん萎んでいく。 『どびょじで!!!どびょじでだずぎぇでぐでにゃいのおお!!!!???ゆっぐぢぢだぎゃっだあ!!!ゆっぐぢぢだがっだあああ!!』 皮だけになった赤れいむが投げ捨てられた。結局挨拶も会話も何も出来なかった。 『ど…どぼじで…どぼじでええ!!!どぼじでごんなごどずるのおおおおお!!!!???』 れいむが叫んだ。 『だってしんぐるまざーなんでしょ。しんぐるまざーじゃ仕事が出来ないからしんぐるまざーじゃなくしたんだよ。良かったね』 周りのゆっくり達はこの光景にぶるぶる震えていた。天敵が頭上を舞っているのも怖かった。 『ひぃぃぃぃ……ゆっぐぢ……ゆっぐぢぃ…』 『ころさないで…じぬはいやだぁ……』 『らんじゃばぁ……わがらないよぉ……』 彼に攻撃的なゆっくりは1匹もいない。 『さ~て、他にしんぐるまざーはいないかな?いたら返事してね』 彼はゆっくりを見回した。 『君かな?』 『ちがいまずううう!!!ありずはおがあざんじゃないでずうぅ!!!!』 『まりさ?』 『ゆああああ!!!!まりざはちがうよおお!!!!まりざはちがううう!!!!!』 彼と目線が合ったゆっくりは泣き叫びながら否定した。 『君はそうでしょ』 『れいぶはしんぐるまざーじゃないよおお!!!!!いやあああ!!!!やべでええええ!!!いだいのはいやあああ!!!!!』 彼はれいむを持ち上げた。 『だって君のお腹すっごい大きいよ。隠さないでよ。ホントはこの中にどっさり入ってるんだろ?』 れいむの腹をぽんぽんと叩いた。 『ちがいまずうう!!!!あがぢゃんなんがいないよおぉ!!!!いないっでばああああ!!!!』 『じゃあ何でこんなに大きいの?この中には何が入ってるの?』 『で…でぶだがらでずう!!!!れいぶはでぶなゆっぐりだがらでず!!!!でぶだがらあああああ!!!!!』 『デブなんだ。だったら丁度いい。お仕事して痩せようね』 彼はれいむを降ろした。 『じゃあもう一度言うよ。今から大きな穴を掘るんだ。さっきれみりゃとふらんが棒を落としただろ。それ使っていいよ』 れみりゃとふらんが落としたのは割り箸だった。ゆっくりが穴を掘るには2つ方法がある。1つはあぐあぐと土を齧って吐き出すのだ。 だがゆっくりの歯は砂糖菓子で出来ているため長時間続けてしまうと歯が折れてしまう。そこで2つ目の方法、棒を使うのだ。 適当な棒を拾い棒を使って土を穿るのだ。こうしてゆっくりは穴を掘り巣を作るのだ。 『分かった?』 『ゆ…ゆ…ゆ……』 『どうじで…ぞんなごど…じなぐぢゃいげないの………』 『ゆっぐぢじだいよぉ……ゆっぐぢさせでぇ…』 『おちびぢゃん……おちびぢゃんにあわぜでぇ…』 ぶつぶつとゆっくりが文句を呟いた。 『分かったなら返事しようね。それともリーダーみたいになりたいのは誰?』 彼は傍にいたまりさの帽子をひょいっと摘み上げた。 『ゆあああああ!!!!やりまずう!!!やりまずがらああ!!!ぼうじがえじでえええ!!!ごろざないでええ!!!やりばずう!!!』 『『『はいい!!!はいいい!!!!』』』 『『『わがりまじだあああ!!!!ほりまずううう!!!!!』』』 ゆっくりは我先にと割り箸を咥え地面を掘り始めた。 『ゆ……っぐ…あがぢゃぁ……あがぢゃぁぁん…』 我が子を食い殺されたしんぐるまざーのれいむだけ散らばった飾りを集めていた。 『うー!!!はたらくんだどぅ!!』 れみりゃはれいむを持ち上げると放り投げた。 『ゆびぇぇ!!!……いだい…いだいよぉ…』 『ああそうだ。怠けたられみりゃとふらんがお仕置きするから。ちゃんと働けよ』 れみりゃとふらんは親ゆっくりがいる区画と子ゆっくり、赤ゆっくりがいる区画を飛び回っていた。 『うー!!ちゃんとはたらくんだどぅ!!!おぜうさまはきびしいんだどぅ!!』 『わがりまじだああ!!!!はだらぎまずがらああ!!!』 『ふらんのめはごまかせないわよ!!なまけるならゆっくりしね!!!ゆっくりしね!!』 『ごっぢごないでえええ!!!ほっでまずう!!!ほっでまずうう!!!』 れみりゃとふらんのお仕事はゆっくりの監視。といってもゆっくりで遊んでいるといった方が正しい。 『うー!!』 『ゆああああ!!!おぞらどんでるうう!!!!どぼじでえ!!!ぢゃんどはだらいでるのにいい!!!』 手当たり次第ゆっくりを持ち上げては地面に落として遊んでいた。 『くらえ!!!』 『ゆわっ!!!!っぺっぺ!!!!い…いじわるじないでえええ!!!ゆぎゃああ!!!いだいいい!!!!』 土をゆっくりに投げて遊ぶのもいた。 『うっうー!いくんだどぅ~』 子ゆっくりと赤ゆっくりがいる区画にもれみりゃとふらんがいる。こちらは監視ではなく遊びだ。 『おにぇえじゃああん!!!おろちちぇええ!!!!ちんじゃううう!!ちぬはいやあああ!!!!』 れみりゃが赤れいむをふらんに向けて投げた。 『おねえさま!ないすぼーる!!つぎはふらんがなげるばんよ!!』 赤ゆっくりはボールとして遊ばれていた。 『うー!!!ごーるはあっちなんだどぅ~』 『ぱすなんだどぅ~』 子ゆっくりもボールだ。蹴られて遊ばれていた。 『いだいい!!!げらないでええ!!!ゆぎぇえええ!!!ぼ…ぼうやじゃああああ!!!おうぢいい!!!おうぢい!!!!』 『おがああざああん!!!だずげでええええ!!!どぼじでだずげでぐれないのおお!!!』 子ゆっくりや赤ゆっくりの悲鳴を聞きながら親ゆっくり達は涙を流しながら地面を掘っていた。 『おちび…ぢゃん……。っぐ…ごべんね…ごべんねぇ…』 『どぼじでごんなごどにぃ……ごんなの…どがいはじゃないわ……』 『ごろざない…で……でいぶの…おちびぢゃん…ゆっぐぢじだい……』 『うー!!!!くちをうごかすまえにはたらきなさい!!!』 『おぜうさまのめはふしあなじゃないんだどぅ!!!!はたらくんだどぅ!!!!』 親ゆっくり達は我が子の姿を見たいが為に我が子との再会を阻むアクリル板の周りを掘っていた。これでいい。 親ゆっくり達は必死に地面を掘るが人間と違いそんなに早く進まない。まだまだ穴とは言えない。 ……………… ……… 「とりあえず最初はこんなもんかな…」 頭の中で思い浮かべたシーンを元にシナリオを半分書き上げた。 「ゆっくりはどうにでもなるだろう。問題は場所だよなぁ……。加工所の空いてる場所とかどっか適当な場所があればいいけど…」 あまりにも実写化が難しいシナリオは弾かれてしまう。ちゃんとリアリティがなくては採用されない。 「ちゃんとあの辺りを掘ってくれるかな?…まぁ変なところ掘ってたられみりゃにお仕置きさせればいいか」 お茶を注いだ。 「大丈夫…いける」 軽くお茶を飲んでから再びシナリオを書き始めた。 『投稿しよう 転・結』へ続く by エルダーあき
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すらいむ P氏の麻雀メンバーであったが,その後の話の流れで,末広フォルダ道場の「ぷよ&テトリス」に参加し始め,さらにM.P.G.misc.に登場するようになった。 テトリスの腕前は半端ではない。コーディング技術も支配人の数段上を行っていると思われる。 メンバーID名が,本人の申告によるというレアケースである(笑)。 出場種目 ぷよ&ぷよテト M.P.G.Misc. メンバとプロパティ クラスメンバ 種別 解説 値(プロパティ),引数設定・返り値(メソッド) origin プロパティ 名前の由来 本人による。 straight メソッド 直線スペア 7番でも10番でも真っ直ぐの球でスペア。一見の価値有り。
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「ゆゆっ!! ここはどこ?」 一匹のゆっくりれいむは見知らぬ場所で目を覚ました。記憶にはない場所だ。 けっこうな広さを誇ってはいるものの、四方八方は真っ白な壁に囲まれていて、一つだけ部屋と部屋を行き来する扉があるが、ゆっくりに抜け出せる軽い扉ではない。 自分はゆっくりたちが大勢暮らす森の中でゆっくりしていたのに、なぜこんな所に一人でいるのだろう? 自身の大半を占める餡をひねり出して、考えを纏めようとする。 そういえば、微かだが数時間前の記憶が浮かんでくる。 見知らぬ男にお菓子をあげるから家に来ないかと招待され、断ったらかわいそうだからと、れいむは特別に来てあげたのだ。 男の家につくと、その家が気に入ったから、特別にれいむの物にすることにして、召使いとしてれいむの家においてあげることにした男にお菓子を持ってくるよう命令した。 しかし愚図な男はなかなかお菓子を持ってくることはなく、いつの間にか待つことに疲れ、眠ってしまったのだ。 「ゆー!! こんなかわいれいむをまたせるなんて、やっぱりにんげんはばかだね!! さっさとれいむにおかしをもってこなくちゃならないのに!!」 誰ともなしに呟くれいむ。 いつの間にか自身がいた部屋と違う広く何もない場所にいるのだが、お菓子で頭がいっぱいのれいむにそんなことは考えもつかなかった。 自分の境遇を理解することなく、未だお菓子のことを考えている当たり、所詮はゆっくりと言ったところか。 しばらくは大人しく待っていたのだが、男は全く来ることがなく、いい加減れいむは待つのも飽きたと、バカな人間がお菓子を持ってくるまで遊ぶことにした。 しかし、四方八方を壁に囲まれたこの部屋にはなんの家具も道具も置いてなく、窓すらついていない。 「れいむがいるのになんにもあそびどうぐをおいていないなんて、ほんとあたまがわるいね。ぷんぷん!!」 れいむはおかんむりで頬を膨らましていると、部屋のドアが開いて男が入ってきた。 れいむはそれに気付くと、男に寄っていく。 「おじさん、ゆっくりしすぎだよ!! さっさとおかしをちょうだ……」 れいむのことばが途中で途切れる。 男が変なことをしたわけではない。男の後ろから、れいむをここに連れてきた男の他に、たくさんの人間が入ってきたのだ。 別に多くの人間に恐れ、言葉を詰まらせたわけじゃない。 ただ、男一人だけしかいないと思っていたのに、たくさんの人間がいたことに驚いたことと、れいむの家に勝手に入ってきたことに腹が立ったのだ。 れいむを連れてきた男はれいむの召使いなので問題ないが、他の人間を自分の家に招待した覚えはない。 「ここはれいむのおうちだよ!! しらないにんげんはゆっくりでていってね!!」 れいむが人間を威嚇する。 しかし、愚図な人間たちはれいむの言葉を理解できないのか、いっこうに出て行こうとしない。 「ゆー!! 聞こえなかったの? ばかなにんげんはれいむのおうちからゆっくりでていってね!!」 何度言っても出て行く気配のない人間たちは、れいむの言葉を無視するばかりか、れいむを中心に囲んで床の上にどっしりと腰をおろす。 その数、総勢20人。しかし、れいむは3以上の数を数えられないのでたくさんの人間としか感じない。 そんなたくさんの人間に対し、「さっさとお菓子を持ってきたら出て行け」と言おうとしたら、突然男たちは全員奇妙な行動を取り始めた。 「ゆゆっ!?」 れいむは男たちが何をしているのか分からなく、躊躇い声を上げる。 れいむが躊躇ったのも無理はない。 男たちは何故か知らないが、ゆっくりと右手を挙げると、人差し指を立て、れいむを指してきたのだ。 「ゆ!? なんでれいむをゆびさしてるの? そんなことよりさっさとおかしをもってきてね!!」 れいむは初めは戸惑った。 しかし、すぐに男たちが何もしてこないことが分かると、どういう意図でれいむを指さしているかは分からないが、特に危険はないと判断し、男たちに繰り返しお菓子を要求する。 そんなれいむに、男たちはいっこうに口を開くことはなく、ただただれいむを注視し、ひたすら全員でれいむを指さしている。 この部屋に入ってから男たちは一度として口を開いてない。 「ゆー!! きこえなかったの? それともばかだからわからないの? れいむはさっさとおかしをもってきてねっていってるんだよ!!」 今までの最高の声量で叫ぶも何の反応もなく、男たちは何の言葉も返さない。 まるで石像のようだ。 なんどもなんども繰り返し叫ぶれいむ。しかし、いっこうに男たちからの返事は帰ってこない。 いかにゆっくりとはいえ、さすがに男たちの行動が気になりだしたようだ。 何となく指を指されることに嫌気を感じ、男たちが指を指している場所から動く。 すると、つられて男たちの視線と指もれいむを追いかける。 「ゆゆっ!! なんでれいむをおいかけるの? ゆびささないで、さっさとおかしをもってきてね!!」 男たちに叫ぶれいむ。しかし、状況は変わらない。 男たちは表情を変えない。眉一つ動かさない。 例外は、れいむが動いたときに釣られて動く、視線と右腕だけだ。 何かされるわけではないが、なにも喋らず、ひたすられいむを注視し、指を指してくる男たちが、さすがに気持ち悪くなってきたのだろう。 「いいかげんゆびをさすのはやめてね!! あとちゃんとれいむにへんじをしてね!!!」 れいむの口からついにお菓子という言葉が消えた。 それだけれいむは妙な圧迫感を感じていた。 しかし、男たちは変わらない。 れいむはここの男たちは全員馬鹿なのだと考え、一人の男に的を絞って対応することにした。 無論、男とはここにれいむを連れてきた男、れいむの召使いだ。 唯一、この人間たちの中でれいむと会話をしたことがある男。 おかしを上げると言った男。ここをれいむの家にすると言ったら喜んでくれた男。召使いにすると言ったら喜んでなるといった男。 そんな男にれいむは近づいていく。全員の視線と指をお供に。 「おじさん、こんなことさっさとやめてね!! あとほかのおじさんにもやめさせてね!!」 正座した男の膝に乗りかかり、男に文句を言う。 しかし、れいむを連れてきた男はなぜか口を開かない。 無表情でれいむを見つめ、れいむの顔先すぐでれいむを指している。 「おじさん!! なんではなさないの? ばかなの? れいむはやめてっていってるんだよ!! いまならゆるしてあげるよ!! しつこいとおこるよ!!」 しかし、男は(ry 「なんでれいむをむしするの? おじさんがはなせるのしってるんだよ!! ちゃんとへんじしてね!!」 しかし(ry 「もういいよ!! れいむ、もりにかえるよ!! れいむをしかんするおやじたちはゆっくりしね!!」 ついにこの状況に耐えきれなくなったのだろう。 れいむはもうお菓子のことなど忘れ、一刻も早くこの気持ち悪い空間から出ることだけを考えていた。 「おじさん、れいむかえるからゆっくりどいてね!!」 男たちは全員正座し、また体を密着させているのでれいむが出る隙間が全くない。 男たちに命令するが、退けてくれない。 「ゆゆっ!! はやくどかないとおじさんをやっつけるからね!!」 それでも動かない。 痺れを切らしたれいむは、一人の男に向けて体当たりを食らわせる。 しかし、男は揺らぐことすらなく、逆にれいむが男に跳ね返される始末。 なんどもなんども体当たりをするれいむ。その度に男の肉の壁に阻まれて戻される。 この男は頑丈だからと、一番背の小さい男を標的にするが、なぜかその男もれいむの渾身の一撃が通じない。 れいむは再度標的をかえる。しかし、男は動じない。 さらに標的をかえる。しかし(ry 全員に体当たりをしたれいむ、再び男たちの輪の真ん中に跳ね返される。 大きく肩で息をするれいむ。体当たりの連続ですっかり疲れ切っていた。 そういえば、朝から何にも食べていないことを思い出す。 しかし、男たちは依然顔色を変えず、れいむを見つめ、指を指す。 さすがに傲慢で恐れ知らずなれいむもこの異常空間に恐怖を感じ始めていた。 「……おじさん。れいむをささないでね。ゆっくりやめてね……」 れいむが誰にともなく呟く。 今までとは違い、声に張りがない。 れいむは今まで人間に出会ったことがない。そのため、人間の恐ろしさを知らない。 れいむは森の中で狩りの名手として有名だった。 たとえ鋭い鎌を持つカマキリも、羽根に目玉が付いてる怖い蛾も、強靱な角を持つカブトムシもれいむにかかれば、ただの餌だった。 友達たちは、皆れいむを賞賛した。 だから人間の存在は知りつつも、人間ですら自分には叶わないと錯覚していた。 しかし、今まさにその幻想は崩れ去った。 れいむの渾身の一撃を物ともしない人間。それがなんと20人もれいむを囲んでいるのだ。 見つめ、指をさし、何らこちらに対して攻撃してこない男たち。しかし、それが逆にれいむの恐怖心を炎上させる。 これで友達がいればまだましだっただろう。仲間と共にバカなことをしている人間を、「おー、ばかだばかだ!!」と馬鹿にしてやるのだが、あいにくここにはれいむしかいない。 さらにはこの殺風景な部屋もれいむを憔悴させることに一役買っていた。 窓もなく、一面真っ白。時間も分からなく、外の様子も窺い知れない。 男たちとれいむ以外何もないこの部屋は、そんなれいむの恐怖を煽るのにも一役買っていた。 ここにきてようやく、れいむはもしかしたら自分は悪いことをしたのかと考えていた。 かつて、まだ母が健在だったころ、れいむは悪いことをして、しばらくの間、母に口をきいてもらえなくなったことがあった。 それと状況は違うが、もしかしたられいむがちょっとだけ悪いことをしたからこのおじさんたちは怒ってれいむと口をきいてくれないのではないか? そんな考えが頭をよぎる。 れいむは餡を捻りだし、自分の行動を振り返った。 しかし、何にも悪いことをした記憶はない。むしろれいむは男に感謝されてもいいはずだ。 何しろ、れいむの家に男をおいてあげた上に、可愛いれいむの召使いにまでしてあげたのだ。 その時の男の喜びようを、れいむはしっかりと覚えている。 自分が悪いことをした記憶はない。 しかし、ならなぜこんなことをされるのか理解できないれいむは、悪いことはしていないと思いつつも、この状況を終わらせるため、仕方なく男たちに謝罪をする。 「おじさん、れいむがわるいことしたならいってね。とくべつにあやまってあげるよ」 れいむは嫌々といった感じで謝罪する。しかし男たちは動かない。変わらない。れいむを見て、指をさす。 れいむは疲れてきた。 ただでさえ、燃費の悪いゆっくりだ。朝から何も食べてなく、何度も体当たりをしたせいで、体力は相当落ちている。 さらに男たちのせいで相当神経もすり減らしている。寧ろ、肉体的なことより酷い。 正直、眠くて溜まらない。しかし、眠れない。 今は何もしてこないが、もしれいむが寝たら、その指をれいむに突き刺してくるかもしれない。 そう思うと恐怖眠気が吹っ飛んでしまうのだ。 何分経っただろうか。ほんの30分くらいのはずだが、れいむには何時間、何十時間、何日にも感じられた長い間、れいむは幾度となく男たちに呼びかける。 「……おねがいだからしゃべってね」 しかし、相変わらず返事はない。 もしかしたら、もう死んでるのではと思っても、れいむが少し動くと視線と指が追ってくる。 それでもれいむは男たちに呼びかける。 罵られても言い。馬鹿にされても言い。寛大なれいむは何を言われてもすべてを許す。だから、喋ってよ。 れいむがそんなことを考えていると、一向に変化のなかったこの空間にようやくある変化が生じた。 不意に半数の男が一斉に立ち上がる。もう半数は依然座ったままだ。 れいむは嬉しかった。 帰れると思ったからではない。寝られると思ったからではない。お菓子が食べられると思ったからではない。 ただ男たちが違うことをしたことが嬉しかったのだ。 依然、れいむの言葉に返事を返してくれないものの、助かったわけではないものの、そんなことですら助けになるほど、今のれいむの精神は摩耗しきっていた。 しかし、そんなれいむのささやかな安息の時間は、次の男たちの行動で完全に壊された。 なんと座っていた10人の男たちが再び輪を作ろうとしているではないか!! れいむは慌てて男たちの輪の中から逃げようとしたが、それよりはやく10人の男たちはれいむを囲んでぴっちり隙間を埋める。 そしてれいむを見つめ、一斉に指を差し始めた。 輪が縮まったため、男たちの指は先ほどの時よりれいむのすぐそばにあった。 れいむの動ける範囲はさらに狭まった。 追い打ちをかけるように、立って後方に下がった男たちが、座る男たちの輪の後ろで広い円陣を組むと、なんとれいむの上方かられいむに指を指してくるではないか!! れいむは一転どん底に落とされた。 さっきも地獄であったが、これよりはましだ。 10人に減ったことで、座りながら指を指す男たちは、もう少し手を伸ばせば、れいむに触れることが出来るようになっている。 自然とれいむは輪の中央から動けなくなった。 二次元からしか指を指されなかったのに対し、三次元の場所からも視線と指が突き刺さる。 東西南北上、どこを向いてもれいむを指す指と、総数40にもなる無感情な視線。 「ゆ、ゆっくりやめてね……」 懇願するれいむ。 しかし、男たちは答えない。動かない。喋らない。 れいむの恐怖は終わらない。 このSSに感想を付ける
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「ゆ?れいむはおねーさんのことしらないよ」 れいむは私を見つめながらそう言った。 とてもとても透き通った眼で私を見つめている… 私はれいむを掴むと無言で地面に叩きつけた。 「ゆべっ!」 奇妙な声をあげて形がひしゃげる。 私は痛みのためかひくひくと痙攣しているそれを拾うと 何度も何度も地面にたたきつけた。 「ゆぶ!なんでれいむに、ゆべっ!ひどいことす…ぶべっ!」 私がそのゆっくりと出会ったのはとても晴れた天気のいい日だった。 3日間も雨が続いていたのが嘘のように雲ひとつ無く晴れ渡っている。 その日私はいつもの空き地に来ていた。 ここは市街地からはやや離れており子供はおろか人もめったに通りかからない。 「はあ…」 私は今日のことを思い出してため息をついた。 嫌なことがあるとついここに来てしまう…いい加減もうこないようにしないと。 「おかーしゃーーん!」 その時草むらの影から女の子の声が聞こえてきた。 何か事故でもあったのか?私は恐る恐る声のするほうに近づいていった。 そこでは喋る生首と別の生首を食べている子犬がいた。 私は一瞬ぎょっとしたが、その生首がゆっくりといわれる生き物?であることに気づいた。 数年前から突然現れた知性を持つ饅頭、それがゆっくりだ。 田舎のほうではよく見かけるらしいがこのあたりではあまり見かけることは無く、 私もペットショップくらいでしか見かけたことは無かった。 犬に食べられている方のゆっくりはバレーボール大の大きさだったようだが すでに犬に体の1/3近くを食べられている。 すぐ側で泣いているのはまだ子供なのかソフトボール程度の大きさだ。 先ほどの台詞から察するに親子なのだろう。 「おかーしゃんからはなれろ!」 子ゆっくりは子犬に体当たりをしだした。 だが饅頭でできたゆっくりの体当たりでは犬にダメージを与えることはできない。 ダメージこそなかったものの興味を持ったのか子犬は子ゆっくりに向き直った。 「ゆ、ゆっ!こっちにこないでね」 獲物を見つけた獣の目をしている… 『お願い、彩ちゃん私の靴返して!』 『返して欲しかったら自分で取れば?』 がんばってとりかえそうとするけど彩ちゃんは私の頭を押さえつけ 私の靴を持った逆の手は高く掲げており靴を取り返すことができない。 私は子犬に向けて落ちていた小石をいくつも投げつけた。 ゆっくりを助けたかったからじゃない、子犬の目を見ていたら なんだが胸のあたりがむかむかしてきて嫌な気分になったからだ。 子犬は小石が痛かったのかキャンと小さく吠えるとすごすごと逃げていった。 私はしばらく呆然としていたがふと気がつくと子ゆっくりは親ゆっくりの側で泣いている。 「おかあしゃあああぁぁぁん!しんじゃいやだあああぁぁぁ!」 親ゆっくりはぴくりとも動かない。体の破損具合からしても明らかに手遅れだろう。 なんだか居たたまれない気持ちになり、私は子ゆっくりの涙をハンカチで拭いてやる。 「おねーしゃん…さっきはたすけてくれてありがとう」 しばらくしてやっとれいむは泣き止んだがその表情は暗い。 「これからどうするの?」 私はゆっくりに聞く。 「れいむは…れいむはひとりでいきていくよ。おかーしゃんのぶんまで」 私はこの子が放っておけなくなってしまった。 後から考えて見ればこのれいむを助けることで自分を助けたかったのかもしれない。 「わ、わたしが友達になってあげるよだから元気出して」 私はゆっくりの頭を撫でた。ゆっくりはくすぐったいような表情をする。 「ありがとうおねーしゃん、れいむのなまえはれいむっていうのよろしくね」 この日私とれいむは友達になった。 『冷たいよ!なんでこんなことするの!』 彩ちゃんは私に水をかける。逃げたいけどここはトイレの個室。逃げられない。 『あなたの臭いにおいを洗い流してあげるのよ』 彩ちゃんは獲物を見るような眼で私を見つめている… それから私は毎日空き地に来るようになった。 れいむは最初は落ち込んでいたようだがすぐに元気を取り戻し やがて私を笑顔で迎えてくれるようになる。 「こんにちは」 「ゆっくりしていってね!」 私の挨拶にれいむは笑顔で挨拶を返す。 とても澄んだ綺麗な眼。れいむの瞳を見つめていると嫌なことを全部忘れることができた。 れいむは友達だった。多分私が中学生になってからはじめての友達だったと思う。 「おねーさんみてみて!」 ある日れいむに会いに行くと頭から蔓が生えていた。本で見たことがあるがこれは妊娠の前兆らしい。 ゆっくりが妊娠すると植物のように頭から蔓が生えそこから子供がなるらしい。 れいむに恋人ができたらしいことは前に聞いていたがそんな仲にまで発展していたとは。 今度相手を紹介してもらおう。 「多分明後日くらいにはれいむの赤ちゃん生まれるよ」 れいむは嬉しそうに話す。 「その時はおねーさんに最初にみせてあげるね」 れいむはとても澄んだ眼で私を見つめていた。 空き地をでてすぐのところで女性とすれ違う。制服からして近所の高校生だろうか? 「あのゆっくりはあなたのペット?」 女性は私に向けてそう言った。どうやられいむと遊んでいたのを見られていたらしい。 「飼っているわけではないのでペットではないですけど…れいむは私の友達です」 友達という言葉を聞くと女性は哀れむような、蔑むような目で私を見つめた。 「ゆっくりと人間は友達にはなれないのよ」 「そんなことはありません!れいむは私の友達です!」 女性の態度にむっとした私は女性を睨みながら答えた。 すると女性は今度は悲しい目をしながら私に言う。 「ゆっくりはね、とても記憶力が悪いの。 ゆっくりは生まれてくる時、親から生きるために必要なことや 大切な記憶を受け継ぐことができる。 それら受け継いだ記憶は一生忘れることは無いわ。 でも自分で経験した記憶を覚えることはできなくて せいぜい3日くらいしか覚えておくことができないの」 『わ、私のせいじゃないわよ!あなたが私に逆らおうとするのが悪いのよ!』 翌日から1週間、私はれいむのところへいくことができなかった。 足を怪我してしまいうまく歩くことができなかったからだ。 放課後すぐにれいむのいる空き地へ向かう。 いきなりこなくなってれいむは怒っているだろうか? もしかしたら心配で泣いているかもしれない。 自然と空き地に向かう足が速まる。 空き地に入ってすぐ、私はれいむの後姿を発見した。 「れいむ!」 私の言葉にれいむは振り向く。 「ゆっくりしていってね!」 ぴょんぴょんと跳ねながられいむは私に近づいてきた。 「れいむごめんね、しばらくこれなくて」 だがれいむは私の言葉に首をかしげる。 「ゆ?おねーさん何をいってるの?れいむはおねーさんことしらないよ」 背筋に冷たいものが走った。そして先週出会った女性の話を思い出す。 『でも自分で経験した記憶を覚えることはできなくて せいぜい3日くらいしか覚えておくことができないの』 私も記憶力はあまり良いほうではない、でも大切な友達のことを忘れたりはしない。 「おねーさんはゆっくりできるひと?」 れいむは私を見つめながらそう言った。 とてもとても透き通った眼で私を見つめている… いつも私を見つめていた時と同じだが、その時の私には 作り物の人形のような目に見えた。 「ゆ?なんでへんじをしてくれないの?」 ショックのあまり固まっている私に対し、れいむは一方的に話しかけてくる。 「ここはれいむのゆっくりぷれいすだよ。ゆっくりしたいのならたべるものちょうだい!」 私はれいむを掴むと無言で地面に叩きつけた。 「ゆべっ!」 奇妙な声をあげて形がひしゃげる。 「これでも…思い出さない?」 「れ、れいむはゆっくりできないおねーさんなんかしらないよ!はやくきえてね!」 私は痛みのためかひくひくと痙攣しているれいむを拾うと 何度も何度も地面にたたきつけた。 「ゆぶ!なんでれいむに、ゆべっ!ひどいことす…ぶべっ!」 何度か繰り返し少し頭も冷めてきたので手を止めてやる。 「ご、ごべん゛な゛ざい゛い゛い゛…でい゛ぶがわ゛る゛い゛ごどじだの゛な゛ら゛あ゛や゛ま゛り゛ま゛ぶ… だがら゛ゆ゛る゛じでぐだざい゛い゛…」 どうやら完全に私のことを忘れてしまったらしい。忘れてしまったのならまた覚えさせれば良い。 今度は二度と忘れないようにしっかりと…! 私はれいむを家に連れて帰った。 れいむを教育するために使う道具を集め自分の部屋に戻った。 れいむは帰宅途中に買ったゆっくり飼育用透明ケースに入てあり、ぐぅぐぅといびきをかいている。 軽く頭を叩くとれいむは目を覚ました。 「ゆっ?ここはれいむのゆっくりぷれいすだよ、ゆっくりしていってね!」 こいつもうさっきのことを忘れてやがる…私はれいむの口のやや下部に金属でできた道具を差し込む 「ぐげげごご…ふひーっ!ふひーっ!」 これはゆっくり虐待用の道具でゆっくりの声帯をつぶし喋れなくするものだ。 虐待家の中にもアパートやマンション暮らしの人もいるので ゆっくりの悲鳴で回りに迷惑をかけないようにするためのものらしい。 両親にれいむのことが見つかるとめんどうなのでれいむには黙ってもらうことにした。 「ふひーっ!ふひーっ!」 れいむはがんばって喋ろうとするが空気が漏れる音がするだけで言葉は出ない。 私はとりあえずれいむの髪飾りを取り上げてやった。髪飾りの無いゆっくりは他のゆっくりから嫌われ攻撃されるらしい。 「ふひーっ!ふひーっ!」(ゆっ!それはれいむのかみかざりだよ、ゆっくりはやくかえしてね!) れいむは私から髪飾りを取り返そうとぴょんぴょん跳ねる。 私はれいむを右手で押さえつけ動けなくし、髪飾りを持った左手をれいむの目の前にちらつかせる。 「返して欲しかったら自分で取れば?」 れいむは私の手から抜け出そうとするが人間の力にはかなわず抜け出すことができない。 飽きてきたのでライターを取り出すとれいむの髪飾りを燃やしてやった。 「ふひーっ!ふひーっ!」(でい゛ぶの゛がみ゛がざり゛があ゛あ゛あ゛!どぼじでぞん゛な゛ごどずる゛の゛お゛お゛お゛お゛!) これでれいむは野生に帰れなくなった。もう私の側でしか生きることはできないだろう。 ふとれいむの体が汚れていることに気づく。今まで野生で暮らしていたので風呂に入ったことは無いだろうし 泥や色々な汚れがついていてもおかしくない。私はれいむを洗ってあげることにした。 れいむをゆっくり飼育用透明ケース(小)に移してやり蓋をした。 ぎりぎりれいむが入る程度の大きさだったのでれいむは窮屈そうだ。 私は蓋の隙間から水を入れてやる。れいむのからだは徐々に水の中に沈んでいった。 「ふひーっ!ふひーっ!」(もうやめてよ!れいむおぼれちゃうよ!) 口のすぐ下まで水が溜まったところで水を入れるのをやめてやる。 私はれいむの入った箱を両手で持って円を描くようにぐるぐる回す。 洗濯機をイメージしてもらえばわかりやすいだろう。 「ぶげぎょぶれ!」(お゛、お゛ぼでち゛ゃ゛…う゛…よ゛…) 汚れも落ちたのでれいむを箱から出してやった。ちょっと皮がふやけているが生きているようだ。 だがさすがにダメージが大きいのか目を回して気絶している。 これ以上やると死にそうなので今日はこれくらいにしておこう。 「これからしっかり私のこと覚えさせてあげるからね…」 私はれいむを最初の飼育用ケース戻してやる。 これかられいむにすることを考えると背筋がゾクゾクしてきた。 数日後、私はまたあの空き地へ来ていた。待っている人は誰もいないのだがついここに来てしまう。 しばらくぼーっとしているとすぐ横かられいむの声が聞こえた。 「ゆゆっ!おねーさんこんにちは、ゆっくりしていってね!」 れいむは家にいるはず!それに喋れないようにしたのになんで!? 良く見るとそのれいむはまだ小さい赤ちゃんゆっくりだった。 「おねーさんとあうのはじめてだね。でもれいむはおねーしゃんのことしっているよ」 会ったこともないのになぜ?ふといつか聞いた言葉を思い出す。 『ゆっくりは生まれてくる時、親から生きるために必要なことや大切な記憶を受け継ぐことができる。』 私は自分の間違いに気づいた。私はれいむにとって大切な存在だったんだ。 だから赤ちゃんれいむに私の情報を移す事ができた。 れいむが私のことを忘れたのも新しい記憶を保持できないゆっくりだからしょうがないことなんだ。 私は泣いていた。彩ちゃんにいじめられても泣かなかったのに久しぶりに大声を出して泣いていた。 「ゆゆっ?おねーさんなんでないているの?れいむがともだちになってあげるからげんきだしちぇ」 私は赤れいむを連れて帰路に着いた。家についたられいむをうんと可愛がってあげよう、そう思って… れいむの体がから金属の器具をはずしてやるとれいむは喋れるようになった。 「ゆっくりしていってね!」 れいむは久しぶりに喋れてうれしいのか嬉しそうに跳ね回る。私はれいむに赤れいむを見せた。 髪飾りがないので心配だったが赤れいむはちゃんとれいむを親だと認識したようだ。 「ゆゆっ!おかーしゃんひさしぶり!ゆっくりしていこうにぇ!」 嬉しそうにれいむにすりすりする赤れいむ。だがれいむは怪訝な表情をしている。 「ゆゆっ!おちびちゃんだれ?しょたいめんなのになれなれしくしないでね。 ここはれいむのゆっくりぷれいすなんだからはやくどこかいってよね!」 れいむは体当たりで子れいむを突き飛ばす 「ふえええ!おかーしゃんなんてことするのおおお!」 「…」 私は無言でれいむを掴むと窓かられいむを投げ捨てた。ゆ゛ぶえ゛え゛え゛え゛え゛!と汚い悲鳴を上げながら庭に落ちる。 「子れいむ、わたしがお母さん代わりにになってあげるからあんな薄情なお母さんのことは忘れようね」 それから子れいむは私の家で飼うことになった。今度はちゃんとれいむの分までやさしくしてあげている。 れいむはあれからどうなったのかわからない。ただれいむを捨てた翌日、庭のほうから 「かざりのないゆっくりはしねえええ!」 「い゛ぎや゛あ゛あ゛あ゛あ゛!でい゛ぶの゛お゛め゛め゛があ゛あ゛あ゛!」 という叫び声が聞こえていたが気にせず学校へ向かった。 保存方法が間違っていたようなので3102を修正しました。 3日で忘れるとか大事な記憶を引き継ぐ~のくだりは話の都合上追加した俺設定ですがスルーしてください。 過去の作品 ゆっくり転生(fuku3037.txt~fuku3039.txt) ゆっくりくえすと(fuku3068.txt) このSSに感想を付ける
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冬の足音が聞こえてきた秋の昼時、枯れ木の根元に出来た穴から小さな影が4つ現れました。 「きょうはなにちてあしょぼーか!」 「おいかけっこ!」 「ゆ~それじゃゆっくちできないよ!」 「じゃあかくれんぼ!」 仲良く遊び始めたのはゆっくりれいむと呼ばれる最近になってあらわれたナマモノです。 ゆっくりれいむは紅いリボンと黒髪がトレードマークのもっとも多くいるゆっくりでした。 遊んでいるれいむたちは人間で言う子供で大きさは野球ボールぐらいでした。 まだ生まれて1年も経ってない4匹は仲良くかくれんぼを始めます。 最初ということで一番大きいおねーちゃんれいむがオニになりました。 残りの3匹は思い思いに隠れ場所を探しに行きます。 「も~い~かい!」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆ~・・・いーち!にー!さーん!だー!らーぶ!・・・」 「ゆゆっ、ここはれいむがかくれちぇるよ!べつのところにいってね!」 「ゆ!わかっちゃよ!」 「れいみゅはこっちにいくよ!」 「じゃあれーむはむこうにいくね!」 一匹のれいむは石の影にかくれました。 もう一匹は枯葉の下に。 「もーいーかい!」 「ゆっくりできたよ!」 「じゃあいくよー!」 石に隠れたれいむも枯葉にかくれたれいむはすぐに見つかってしまいます。 「次はれいみゅのばんだよ!」 「ゆゆ・・・まだれぃむがのこっちぇるよ!」 「みゅ~さっさとみちゅけるよ!」 しかし、残り一匹はなかなか見つかりません。 それもそのはず、最後の一匹はかくれる場所を探して今も移動していたのです。 「ゆ~、なかなかみちゅからない・・・」 この子れいむは遊びということも忘れてゆっくり出来そうな場所を探していました。 やがて、今まで来たこともない遠い場所に来てしまいます。 「ゆー・・・ゆっ!ここどきょ!」 れいむは知らない場所でいることに不安を感じます。 「おねーちゃああああ!れぃむはここだよおおおおおお!」 しかし、叫んでも叫んでも返事は返ってきません。 姉れいむとは子れいむが思っていたよりも離れていました。 子れいむはもときた道を思い出して戻ろうとします。 しかし、隠れ場所を探しながら来たのでどこを通ったか覚えていませんでした。 もう少し大きくなっていれば巣に戻るための方法を親れいむから教えてもらっていたはずでした。 もう少ししたら、きっとお姉ちゃん達が来てくれる。 そう信じて子れいむは木の近くで姉達をじっと待つことにしました。 子れいむが木に寄り添うようにゆっくりし始めると、美味しそうな匂いがどこからか漂ってきます。 「ゆゆ!おいしそうなにおひ!」 子れいむは匂いに引き寄せられます。 匂いの元はある木の根元に生えているたくさんのキノコでした。 「ゆ~!おいしそうなきにょこ!」 子れいむはキノコに飛び込んでいきました。 姉れいむたちは探しても探しても見つからないれぃむを心配になり、巣にいた母れいむを呼びに戻りました。 子の訴えを聞いた母れいむはすぐに巣の周りを探し始めました。 姉れいむ達は危ないからと巣でお留守番です。 母れいむは危険そうな場所を一つずつ調べていきます。 しかし、れぃむはどこにもいません。 母れいむはあきらめずに探し回りました。 やがて、普段は来ない森の奥に足を踏み入れます。 「れいむのかわいいれぃむー!どこにいるのー!」 母れいむは懸命に叫びました。 「ゆっ?」 子れいむがお腹を膨らませてゆっくりしていたころ、どこからか母親の声が聞こえました。 「おかーしゃああああああああん!」 先ほどまでキノコを食べることに夢中で自分が迷っていることを忘れていたれぃむは母親の声で自分のおかれている状況を思い出しました。 そして、母親に見つけてもらおうと声を張り上げます。 先ほど食べたキノコのおかげで大分大きな声が出せました。 大きな声は森に響き、とうとう母親の耳に入ります。 「ゆゆ!れぃむのこえだよ!」 「おかああさああああぁぁぁぁあぁん・・・」 「いまいくよ!そこでゆっくりしててね!」 母れいむは子れいむの声に耳を澄まして位置を探ります。 森の中では声が反射し場所がわかりにくかったですが、子への愛なのか母れいむは迷わずに足を進めていきました。 やがて、一つの木の下で泣き叫んでいる子れいむを見つけました。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていっちぇね!・・・おかーしゃん!」 「だいじょうぶだった?けがしてない?」 「れぃむはごたいまんぞくだよ!」 母れいむは子れいむの声を聞き、自分の目で確かめて子の無事を確認します。 「だいじょうぶそうだね!」 「おかーしゃんごわがっだよおおおおおおおお!」 「もうひとりでこんなとおくまできちゃだめだよ!」 「ゆぅうううう、おかーしゃんごめんなさい・・・」 「わかればいいよ!もうくらくなるからはやくかえろうね!」 「ゆっ!そうだ!おかーしゃん!れいむきのこみちゅけたよ!」 「ゆゆっ!きのこ!?」 「しょーだよ!このうらにいっぱいはえちぇるよ!」 子れいむはそういって木の裏へと跳ねていきます。母れいむは道に迷わないように確認してから子れいむの後を追いました。 「このさきにきのこあるよ!!」 「ゆっゆ!・・・しゅご~い!」 「いっぱいあるからおねーちゃんたちにもあげりぇるよ!」 「そうだね!ぜんぶもってかえろうね!」 いそいそと口にキノコを含んでいく母れいむ。 子れいむはどんどん口に入っていくキノコを見て目をきらきらと輝かせました。 「おかーしゃんのいぶくろはうちゅうだね!」 「ゆふん!」 子れいむの声援に答えるように母れいむはキノコを口に含みます。 やがていっぱいになると母れいむは子れいむと共に巣に戻りました。 巣では帰りの遅い母れいむを残った子れいむが心配していました。 「おかーしゃんおかえりなさい!」 「ゆゆっ!おかーしゃんおおきくなっちぇる!」 子れいむが驚いていると母れいむは口から大量のキノコを吐き出しました。 「ゆゆゆ!おいしそう!」 「おかーしゃんどうしたの!」 「れぃむがみちゅけたんだよ!」 そういって母れいむの腋から現れた妹れいむに子供達はさらに驚きます。 「さすがれーむのいもうとだね!」 「でもしんぱいしたんだよ!」 「そうだよ!おかーさんがいないのにとおくにいかないでね!」 「うん、もうひちょりでそとにはいかにゃいよ!」 「れーむたちもきをつけるよ!」 母親と一番上の姉れいむに注意され、もう二度と勝手に遠くに行かないと子れいむ達は誓いました。 そんな子供達への説教が終わると、眼の前のキノコに話が移ります。 「これならしばらくだいじょうぶだね!」 「おかーしゃんがとりにいかなくてもへいきだね!」 「ゆ!そうだね!しばらくは巣でいっしょにゆっくりできるよ!」 「やっちゃね!」 「れぃむといっちょにいようね!」 突然降って湧いた幸運にれいむ達はうれしくてたまりませんでした。 それからしばらく、このれいむ家族は一度も巣から出ることなく、巣の中でゆっくりとしていました。 食べ物が無くなったらまたキノコを採りに行けば良い。母れいむは久しぶりにゆっくり出来たので上機嫌です。 子供達もそんな母親の様子を見てうれしくなり、母親に擦り寄って遊びました。 れいむ家族はずっとゆっくり出来ると思っていました。 しかし、四季の変わり目はもうすぐそこまで来ています。 巣からあまり出なくなったれいむ家族にはそれが分かりませんでした。 「まったく、れいむたちはなにをやってるのかしら!」 風が冷たく感じ始めたころ、一匹のゆっくりありすがれいむの巣に向かっていました。 このゆっくりありすは母れいむの友達で冬篭りの準備が出来てもやってこない母れいむに痺れを切らしてやってきたのでした。 巣の前までやってくるとありすは中にいるであろうれいむ達に声をかけます。 「ゆっくりしていってね!」 しかし、待てども待てども返事が返ってきません。 このまま待っていても埒が明かないので、ありすは巣に入りました。 中ではれいむ達がキノコを食べてとてもゆっくりしていました。 「ゆっ!おいしそうなきのこね!」 「ゆゆっ!ありす!」 いきなり現れたありすに子供達は母れいむの後ろにかくれました。 「こわがらなくていいよ!このありすはれいむのともだちだよ!」 「そうよ!さっきからよんだのにへんじがなかったわ!だからとかいてきじゃないけどあがらせてもらったわ!」 「ゆ~ありすごめんね!」 ありすの声に気付かずゆっくりしていたれいむはありすに申し訳無さそうに謝りました。 ありすはそれで少しだけ悪かった機嫌を直して笑顔を見せます。 「ありすはきにしてないわよ!・・・ってそうじゃないわ!」 「ゆゆっ、どうしたのありす!」 「れいむたちがふゆごもりにこないからよびにきたのよ!」 「ふゆごもり?」 聞いたことのない単語に子れいむが不思議がります。 母れいむは子れいむに教えようとしましたが、時間がないのかありすが急かしました。 「いまはじかんがないわ!すぐにじゅんびしてゆっくりすぽっとにむかってね!」 「ゆ!わかったよ!」 「じゃあありすはもういくわ!れいむもゆっくりしないでね!」 ありすは言いたいことを言うとすぐにれいむの巣を離れました。 れいむ達が住む地域は冬にはかなり冷え込み、ゆっくり家族だけでは越冬できませんでした。 なので、ゆっくりスポットと呼ばれる大きな洞窟などに集まって身を寄せ合って眠り春を待つようになっていました。 ゆっくりスポットにはゆっくり制限があり、主にぱちゅりーの判断で入れるゆっくりの数を制限していました。 ありすが急いでいたのはゆっくり制限で入れなくなってしまうのを恐れたからです。 母れいむも一度ゆっくりスポットで越冬を経験していたのですぐに準備を始めようとします。 「おかーしゃんふゆごもりってなーに?」 「ゆーっとね、もうすぐここじゃゆっくりできなくなるんだよ」 「ゆゆゆゆ!?」 「だから、みんなのいるばしょにあつまらないといけないの!」 「そーなのかー!」 「れーむたちもじゅんびしてね!すぐここをでるよ!」 母れいむはすぐにゆっくりスポットに行く準備を始めました。 母れいむは子れいむもすぐに準備してくれると思っていました。 なので、れぃむが反対したのに驚きました。 「やだ!れぃむはまだうごきたきゅないよ!」 「どおおおしてええええ!はやくうごかないとゆっくりできなくなるよ!」 「でもきのこしゃんまだいっぱいあるよ!」 「ゆゆゆ・・・」 冬篭りには食料は必要ありません。 だから巣に残っている食料はすべて捨てる必要がありました。 れぃむは自分が見つけた食べ物を残していくことが不満だったのです。 「まだあっちゃかいよ!きのこたべてからでもまにあうよ!」 「ゆゆゆ・・・」 れぃむの発言に母れいむは困ってしまいます。 これを見た他の子れいむは相談してれぃむの方に回ります。 この子れいむ達もキノコに不思議な魅力を感じていたのでした。 「きのこちゃべちぇからいこうよ!」 「そうだよ!」 「もっちょゆっくりしちゃいよ!」 「ゆっくち!ゆっくちぇ!ゆっくりょ!」 母れいむは子れいむの反論に去年の冬篭りの記憶を思い出そうとしました。 母れいむが入ったゆっくりスポットはまだ時期が早かったので洞窟の中はすかすかでした。 母れいむは仲間が集まる間スポットの周りの食べ物を食べたり、他のゆっくりと話したりして冬眠まで過ごしたのを思い出します。 今回もまだまだ空きがあるだろう。母れいむはそう結論付けました。 「わかったよ!きのこがなくなるまでここでゆっくりしようね!」 「おかーしゃんだいちゅきー!」 「ゆっくりしようね!」 母れいむが賛成してくれて子供達は大喜びです。 そんな姿を見て母れいむも反対しなければ良かったと思いました。 こうして、ありすの忠告も無視して母れいむは巣でゆっくりし続けました。 今は友達よりも子供達のほうが大事でした。 母れいむはしばらく巣から出てないことも忘れて、巣で子供達と仲良くゆっくりとしていました。 「ゆ~、とうとうさいごのきのこだね!」 「これをたべたらゆっくりすぽっとにむかおうね!」 「とうみんたのちみ!」 「しゅっごいゆっくりできそうだよ!」 「ゆっくちできりゅといいね!」 あれからもキノコを食べ続けて3日後、とうとうキノコがなくなりました。 キノコ以外の食べ物も残っていたので残さず食べました。 もう巣には食べ物は残っていません。 れいむ達は巣を枯葉と枝で上手に隠して外に出ました。 「ゆ~、しゃ、しゃぶいいいいいいいい!」 「ゆっくりできないいいいいいいい!」 「ゆぐぐぐぐぐぐう!」 「ぐるじお・・・」 保温効果のあった土の中からみて外の世界は極寒です。 震えてる子れいむに母れいむは用意していた白いもこもことした綿を被せました。 「これでさむくないよ!」 「ゆ・・・ほんちょだ!さみゅくないよ!」 「ぽかぽかー!」 「これならゆっくりできるよ!」 「ゆぅ~ん」 母れいむの用意していた綿は子れいむ達をすっぽり覆いました。 上手に穴を開けているので動きを妨げることもありません。 元気になった子供達を連れて母れいむは記憶の中で一番近いぱちゅりーの巣に向かいました。 ゆっくりスポットはぱちゅりーが管理してることがほとんどです。 ぱちゅりーの巣の近くには必ずと言っていいほどゆっくりスポットがありました。 れいむ達がゆっくりスポットにつくと、スポットは冬眠のために入り口を閉じている最中でした。 れいむ達は急いで中に入れてもらおうと指揮をとっているパチュリーのところに向かいます。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「ぱちゅりー!れいむたちもなかにいれてね!」 「「「「いれちぇね!」」」」 れいむ達はすぐに中に入れてもらえると思い巣の入り口に向かいました。 しかし、ぱちゅりーが行く手を塞ぎます。 「ゆゆっ、ぱちゅりーじゃましないでね!」 「れいみゅたちはさむさでこごえしょうだよ!」 「はやくいれちぇね!」 母れいむの抗議に子れいむも声を重ねます。 それでもぱちゅりーは動きません。 ぱちゅりーは言い聞かせるようにれいむ達に話しました。 「ざんねんだけどもうゆっくりせいげんよ」 「ゆ!?」 母れいむは驚きます。 「そんなわけないよ!まだいっぱいあきがあるはずだよ!」 「あなたたちはくるのがおそすぎたのよ!こんなじきじゃあいてるわけないわ!」 「ゆぐぐぐぐ・・・」 何とか入ろうと穴の辺りを見ましたがこちらをまりさとみょんが見ていました。 ぱちゅりーだけならどうにでもできましたが、まりさとみょんが一緒では勝てません。 「もういいよ!いじわるなぱちゅりーのとこなんかいかないよ!やさしいぱちゅりーをさがすよ!」 「いじわるー!」 「ゆっくりちね!ゆっくりちね!」 れいむ達は別のゆっくりスポットに向かいます。 罵声を受けたぱちゅりーは怒るわけでもなく、どうしようもなかったのだと自分に言い聞かせ、スポットの入り口を防ぎに戻りました。 「どおしてどこもあいてないのおおおおおおおお!」 「「「「ゆわああああああああん!」」」」 あれからいくつかのゆっくりスポットを巡りましたがどこも入れてもらえませんでした。 思いつく限りの場所に向かいますが、制限になっていたり、もう既に冬眠していたりしていました。 最初は強気であったれいむ達も辺りが暗くなるころにはこのまま入れないのではないかと不安げな表情を隠せなくなっていました。 「おかーしゃん・・・」 「ゆっ、だいじょうぶだよ!きっとはいれるところがあるよ!」 「しょ、しょうだね!」 「ゆうううう・・・」 子れいむの不安を母れいむは必死に宥めます。 そんな中キノコを見つけたれぃむがみんなに向かいました。 目には涙が溜まっています。 「おかーしゃん、おねーしゃんごめんにゃさい!」 「ゆゆゆ、どーしたの!?」 「れぃむのせいでこんなことになっちゃから・・・」 「れぃむ・・・」 子れいむは自分のせいだと責任を感じていました。 母れいむも姉れいむも何も言えません。キノコのとき一緒に賛成したことを忘れていませんでした。 母れいむはそんな子れいむににっこりと微笑みました。 「つぎのすぽっとはぜったいあいてるからだいじょうぶだよ!」 「おかーさんほんとう?」 「ほんとうだよ!あそこはいちばんおおきいからね!」 母れいむの自身に満ちた顔に子れいむは涙を止めました。 他の子れいむにも元気が戻ります。 母れいむは嘘を付いていました。 しかし、今は元気であってほしいと母れいむはばれない様に懸命に演技しました。 次のスポットが母れいむの知る最後のスポットです。 ここに入れなかったられいむ達は死ぬしかありませんでした。 「ゆゆっ、ここだよ!」 「ゆ~、おおきいね!」 れいむ達は大きそうに見える洞窟の前にいました。 幸い、入り口にぱちゅりーが見えました。 まだ冬眠してはいないようです。 れいむは今度こそと自分に気合をいれ、ぱちゅりーに向かいました。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「れいむたちをいれてください!」 頭を下げてぱちゅりーに頼み込みます。 子れいむはその様子を心配そうに見つめていました。 「ゆぅ・・・もういっぱいだったかしら・・・」 「だいじょうぶだよ!れいむたちはいれるよ!」 制限に来ているか考えるぱちゅりーをみてれいむは入れてもらおうと必死に食らい尽きます。 ぱちゅりーが難しい顔をしているとれいむ達のしった顔が現れました。 「あら!れいむたちじゃないの!?」 「ありす!」 友達の顔を見てれいむは笑顔を取り戻します。 「あなたたちどこもはいれなかったの!?」 「ゆぅ・・・」 「だからゆっくりしないでっていったのよ・・・」 ありすでも制限はどうしようもありません。 れいむが再び不安な顔になろうとした時、奥から二匹のゆっくりが現れました。 「わかるよー、はいりたいんだねー」 「そこのおおきいれいむだけならはいれるんだぜ!」 奥からやってきたのはゆっくりちぇんとゆっくりまりさでした。 ちぇんが入り口の騒ぎに気付き、まりさと一緒に数を調べてくれていたのです。 やっと掴んだ一匹の空き。しかし、れいむ達は4匹。 「おかーしゃんれーむたちははいりぇないの?」 「おかーしゃん・・・」 「ゆぐぅ・・・」 母れいむに置いていかれるのではないかと子れいむは急に不安になりました。 母れいむよりそって離れたくないと頬をむにゅっと引っ付けます。 困った母れいむにまりさは提案しました。 「いっぴきぶんのあきだけどちびたちなら4ひきいけるんだぜ!」 「かなしいのはわかるよー、でもどっちかしかはいれないよー」 「れいむ・・・」 母れいむは決断を迫られました。 答えはもう決まっていましたが。 「じゃあこどもたちをおねがいするよ!」 「わかるよー、かなしいけつだんだねー」 「わかったんだぜ!こどもたちはまりさがかならずせわするぜ!」 「れいむ、ほかにあてはあるの? れいむの決断にちぇんが同情し、まりさが子供を置いていくれいむに心配させないように話しかけ、ありすはれいむの心配をしました。 「だいじょうぶだよ!まだすぽっとはあるよ!」 「そう、ならいいわ!いそいでむかったほうがいいわよ!」 れいむの自信満々な顔にありすも納得し、れいむに激励を送りました。 「むきゅー。きまったようね」 「こどもたちをおねがいね!」 「わかったわ。じゃあここもしめるわね。」 母れいむを置いてゆっくりスポットの入り口が閉まりだします。 子れいむは徐々に見えなくなる母れいむに向かって飛び跳ねていきます。 母れいむは心配そうな子れいむを安心させるように微笑みました。 「ニヤ・・・」 「ユッ!?」 その母れいむの表情は子れいむ達の動きを止めました。 とうとう入り口が完全に閉まってしまいます。 もう子れいむではどうすることも出来ませんでした。 「おかーしゃん・・・」 「だいじょうぶだぜ!ほかのばしょにきっといけるんだぜ!」 「そうよ!それよりはるにおかーさんにあえるようにとうみんするのよ!」 子れいむ達はスポットの奥に向かいます。 初めて入ったゆっくりスポットには様々なゆっくりが犇めいていました。 「ゆ~、なんだかあかるいね!」 「ほんちょだ!おうちはこんにゃにあかるくなかっちゃよ!」 「どこかあいてるのかな?」 「ゆぅぅうん・・・」 子れいむ達はみょんに明るいスポットを不思議そうに思い、辺りを見回します。 やがて空中に浮いている白い物体を見つけました。 「あれだよ!あれがあかりゅいんだよ!」 「あれなんだろ?」 れいむの質問にまりさが答えます。 「あれはみょんのはんれいってやつだぜ!」 「はんれい?」 「よくわからないんだぜ!でもだいじなものらしいぜ!」 「ゆゆっ!」 だいじなものと聞いてれいむは自分のリボンを思い浮かべます。 「あいつがみょんだぜ!」 「ちーんぽ!」 「ゆっくりしていってね!」 初めて会ったみょんは変な泣き声でしたが子れいむ達は不思議と挨拶していました。 他にも様々なゆっくりと会った後、まりさの言っていた空きにつきました。 「ここだぜ!ちょっとまわりにうごいてもらってありすとちぇんもはいれるようにしたんだぜ!」 「さすがまりさね!」 そこには藁が敷かれていました。 これなら暖かそうです。 「わかるよー、ちょっとすくないよねー」 「さすがちぇんだぜ!」 いつの間にかいなくなっていたちぇんが戻ってきました。 子れいむ達からはまりさに隠れて見えませんでしたが、すぐに口に藁を咥えたちぇんが見えました。 「きみたちはそれじゃたりないよー」 ちぇんはそういい、子れいむ達の周りに藁を積んでいきます。 「ぽかぽか~」 「ちあわちぇ~」 子れいむは母れいむとちぇんの用意してくれた藁と綿でぬくぬくです。 しかし、まりさたちの顔はまだ晴れていませんでした。 「ゆぅぅ、これじゃたりないんだぜ・・・」 「こまったわ・・・」 「もうわらはなかったよー・・・」 悩んだ結果、まりさが防止を脱ぎだしました。 「まりさどうしたの!?」 「このぼうしをかぶせばあったかくなるんだぜ!」 「わかるよー!それならじゅうぶんだよー!」 まりさは子れいむの上に帽子を置きます。 「ゆ~、なんだかねみゅくなっちぇきた・・・」 「れーむも・・・」 「ゆぅ・・・ゆぅ・・・」 「ゆゆゆゆ・・・」 子れいむ達は冬眠のための眠気で船を漕いでいました。 「もうだいじょうぶだぜ、まりさたちもいっしょにねるんだぜ」 「またはるにあいましょうね」 「わかるよー、ぜったいだよー」 既に眠っている子れいむを見ながら3匹はゆっくりと眠りにつきました。 「ざ、ざぶいいいいいいいいいい!」 木枯らし吹き荒れる森に母れいむの悲鳴が響きます。 母れいむは必死にスポットを探しました。 しかし、開いている場所を見つけれず、辺りは暗くなっていました。 さらに追い討ちをかける物が空から降り始めます。 「ゆゆっ!?ゆきだあああああああ!」 母れいむには死の雪でした。 たまらずれいむは近くにあった木の根元の穴に逃げ込みます。 雪は降り止む気配を見せませんでした。 「ゆ~、もうつかれたからあしたさがすよ!」 れいむは独り言を呟いて眠り始めました。 一日中飛び跳ねていたれいむはぐっすりと眠ってしまいます。 雪はれいむのことなど気付かないかのように世界を白く変えていきました・・・ 「ゆゆっ・・・すっきりー!」 母れいむは十分な睡眠を取り、元気に目を覚ましました。 そして穴から外に元気よく飛び跳ねます。 そんなれいむの飛込みを白い地面はしっかりと受け止めました。 「ゆ?ゆゆゆゆううううう!」 森は姿を変えていました。 白くなった地面はれいむのとんだあとを綺麗に残していました。 れいむは気付いてしまいました。 もう開いているゆっくりスポットはないのだと。 それでもれいむは探すしかありませんでした。 ちっぽけなれいむなど白い世界では唯の点です。 「ゆーしょ!ゆーしょ!」 「ゆ~、しろくてどこかわがらないいいいいいいい!」 「ゆぅ、なんだかちからがはいらないよ・・・」 「れいむのあかちゃんたちだいじょうぶかな・・・」 「ゆっ、れいむもがんばりゃないt・・・」 ちっぽけな点はやがて見えなくなってしまいました。 「おきるんだぜ!はるがきたんだぜ!」 まりさがまわりのゆっくりを起こし始めます。 その声で周りのゆっくりが目を覚まし始めました。 あれからなにも起きず、スポットの住人は無事春を迎えることが出来ました。 「「「「ゆ~、しゅっきりー!」」」」 子れいむ達4匹も初めての越冬を無事乗り越えれたようでした。 「まりしゃおねーちゃんありがと!」 「しゅっごいあたたかかっちゃよ!」 「それはよかったんだぜ!まりさもうれしいぜ!」 まりさは帽子を被りなおしました。 そこに入り口を開けにいっていたありすとちぇんが戻ってきます。 「いりぐちがあいたわよ!」 「そとははるだよー」 「わかったんだぜ!」 三匹は子れいむに向かい問いかけます。 「れいむたちはどうするんだぜ?」 「れいむはまだきてないみたいね・・・」 「わかるよー、まだおきてないんだよー」 子れいむの返事は決まっていました。 「「「「おうちでゆっくりまちゅよ!」」」」 「わかったよー!ならこれもっていってねー」 「それがあればしばらくもつんだぜ!」 「れいむがもどったらもっとおいしいものをもらいなさい!」 三匹が渡したのは巣の近くで取った植物や虫をまとめたものでした。 「ありがちょー!」 「おいししょー!」 「ちょっとたべちゃいよ!」 「だめだよ!おかーしゃんがかえるまでゆっくちたべるよ!」 それぞれ食べ物を抱えたれいむ達は3匹とぱちゅりーに見送られてこれまで暮らしていた巣に戻りました。 「ひしゃしぶり~!」 「やっぱりここはゆっくちできるね!」 「おねーちゃんゆっくちちていっちぇね!」 「れぃむもゆっくちしていってね!」 巣には食べるものは何もありませんでしたが、それ以外は何も代わりがありませんでした 貰った食べ物を置き、4匹の子れいむは母れいむの帰ってくるのを待ちました。 いつまでもいつまでも待ちました。 それでも母れいむは帰ってきません。 もう貰った食べ物は食べ尽くしてしまいました。 「おねーしゃん、おにゃかすいた・・・」 「もうすぐおかーしゃんがもどってくるからゆっくちまとうね・・・」 子れいむ達はもう食べ物をとりにいく元気は残っていませんでした。 話しているのも二匹だけで、もう二匹は既にうつろな目で上を見つめています。 それでも子れいむ達は母れいむの帰りを信じていました。 子れいむ達の巣の外では、冬を乗り越えた生き物が元気よく動き回っていました。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/376.html
冬の足音が聞こえてきた秋の昼時、枯れ木の根元に出来た穴から小さな影が4つ現れました。 「きょうはなにちてあしょぼーか!」 「おいかけっこ!」 「ゆ~それじゃゆっくちできないよ!」 「じゃあかくれんぼ!」 仲良く遊び始めたのはゆっくりれいむと呼ばれる最近になってあらわれたナマモノです。 ゆっくりれいむは紅いリボンと黒髪がトレードマークのもっとも多くいるゆっくりでした。 遊んでいるれいむたちは人間で言う子供で大きさは野球ボールぐらいでした。 まだ生まれて1年も経ってない4匹は仲良くかくれんぼを始めます。 最初ということで一番大きいおねーちゃんれいむがオニになりました。 残りの3匹は思い思いに隠れ場所を探しに行きます。 「も~い~かい!」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆ~・・・いーち!にー!さーん!だー!らーぶ!・・・」 「ゆゆっ、ここはれいむがかくれちぇるよ!べつのところにいってね!」 「ゆ!わかっちゃよ!」 「れいみゅはこっちにいくよ!」 「じゃあれーむはむこうにいくね!」 一匹のれいむは石の影にかくれました。 もう一匹は枯葉の下に。 「もーいーかい!」 「ゆっくりできたよ!」 「じゃあいくよー!」 石に隠れたれいむも枯葉にかくれたれいむはすぐに見つかってしまいます。 「次はれいみゅのばんだよ!」 「ゆゆ・・・まだれぃむがのこっちぇるよ!」 「みゅ~さっさとみちゅけるよ!」 しかし、残り一匹はなかなか見つかりません。 それもそのはず、最後の一匹はかくれる場所を探して今も移動していたのです。 「ゆ~、なかなかみちゅからない・・・」 この子れいむは遊びということも忘れてゆっくり出来そうな場所を探していました。 やがて、今まで来たこともない遠い場所に来てしまいます。 「ゆー・・・ゆっ!ここどきょ!」 れいむは知らない場所でいることに不安を感じます。 「おねーちゃああああ!れぃむはここだよおおおおおお!」 しかし、叫んでも叫んでも返事は返ってきません。 姉れいむとは子れいむが思っていたよりも離れていました。 子れいむはもときた道を思い出して戻ろうとします。 しかし、隠れ場所を探しながら来たのでどこを通ったか覚えていませんでした。 もう少し大きくなっていれば巣に戻るための方法を親れいむから教えてもらっていたはずでした。 もう少ししたら、きっとお姉ちゃん達が来てくれる。 そう信じて子れいむは木の近くで姉達をじっと待つことにしました。 子れいむが木に寄り添うようにゆっくりし始めると、美味しそうな匂いがどこからか漂ってきます。 「ゆゆ!おいしそうなにおひ!」 子れいむは匂いに引き寄せられます。 匂いの元はある木の根元に生えているたくさんのキノコでした。 「ゆ~!おいしそうなきにょこ!」 子れいむはキノコに飛び込んでいきました。 姉れいむたちは探しても探しても見つからないれぃむを心配になり、巣にいた母れいむを呼びに戻りました。 子の訴えを聞いた母れいむはすぐに巣の周りを探し始めました。 姉れいむ達は危ないからと巣でお留守番です。 母れいむは危険そうな場所を一つずつ調べていきます。 しかし、れぃむはどこにもいません。 母れいむはあきらめずに探し回りました。 やがて、普段は来ない森の奥に足を踏み入れます。 「れいむのかわいいれぃむー!どこにいるのー!」 母れいむは懸命に叫びました。 「ゆっ?」 子れいむがお腹を膨らませてゆっくりしていたころ、どこからか母親の声が聞こえました。 「おかーしゃああああああああん!」 先ほどまでキノコを食べることに夢中で自分が迷っていることを忘れていたれぃむは母親の声で自分のおかれている状況を思い出しました。 そして、母親に見つけてもらおうと声を張り上げます。 先ほど食べたキノコのおかげで大分大きな声が出せました。 大きな声は森に響き、とうとう母親の耳に入ります。 「ゆゆ!れぃむのこえだよ!」 「おかああさああああぁぁぁぁあぁん・・・」 「いまいくよ!そこでゆっくりしててね!」 母れいむは子れいむの声に耳を澄まして位置を探ります。 森の中では声が反射し場所がわかりにくかったですが、子への愛なのか母れいむは迷わずに足を進めていきました。 やがて、一つの木の下で泣き叫んでいる子れいむを見つけました。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていっちぇね!・・・おかーしゃん!」 「だいじょうぶだった?けがしてない?」 「れぃむはごたいまんぞくだよ!」 母れいむは子れいむの声を聞き、自分の目で確かめて子の無事を確認します。 「だいじょうぶそうだね!」 「おかーしゃんごわがっだよおおおおおおおお!」 「もうひとりでこんなとおくまできちゃだめだよ!」 「ゆぅうううう、おかーしゃんごめんなさい・・・」 「わかればいいよ!もうくらくなるからはやくかえろうね!」 「ゆっ!そうだ!おかーしゃん!れいむきのこみちゅけたよ!」 「ゆゆっ!きのこ!?」 「しょーだよ!このうらにいっぱいはえちぇるよ!」 子れいむはそういって木の裏へと跳ねていきます。母れいむは道に迷わないように確認してから子れいむの後を追いました。 「このさきにきのこあるよ!!」 「ゆっゆ!・・・しゅご~い!」 「いっぱいあるからおねーちゃんたちにもあげりぇるよ!」 「そうだね!ぜんぶもってかえろうね!」 いそいそと口にキノコを含んでいく母れいむ。 子れいむはどんどん口に入っていくキノコを見て目をきらきらと輝かせました。 「おかーしゃんのいぶくろはうちゅうだね!」 「ゆふん!」 子れいむの声援に答えるように母れいむはキノコを口に含みます。 やがていっぱいになると母れいむは子れいむと共に巣に戻りました。 巣では帰りの遅い母れいむを残った子れいむが心配していました。 「おかーしゃんおかえりなさい!」 「ゆゆっ!おかーしゃんおおきくなっちぇる!」 子れいむが驚いていると母れいむは口から大量のキノコを吐き出しました。 「ゆゆゆ!おいしそう!」 「おかーしゃんどうしたの!」 「れぃむがみちゅけたんだよ!」 そういって母れいむの腋から現れた妹れいむに子供達はさらに驚きます。 「さすがれーむのいもうとだね!」 「でもしんぱいしたんだよ!」 「そうだよ!おかーさんがいないのにとおくにいかないでね!」 「うん、もうひちょりでそとにはいかにゃいよ!」 「れーむたちもきをつけるよ!」 母親と一番上の姉れいむに注意され、もう二度と勝手に遠くに行かないと子れいむ達は誓いました。 そんな子供達への説教が終わると、眼の前のキノコに話が移ります。 「これならしばらくだいじょうぶだね!」 「おかーしゃんがとりにいかなくてもへいきだね!」 「ゆ!そうだね!しばらくは巣でいっしょにゆっくりできるよ!」 「やっちゃね!」 「れぃむといっちょにいようね!」 突然降って湧いた幸運にれいむ達はうれしくてたまりませんでした。 それからしばらく、このれいむ家族は一度も巣から出ることなく、巣の中でゆっくりとしていました。 食べ物が無くなったらまたキノコを採りに行けば良い。母れいむは久しぶりにゆっくり出来たので上機嫌です。 子供達もそんな母親の様子を見てうれしくなり、母親に擦り寄って遊びました。 れいむ家族はずっとゆっくり出来ると思っていました。 しかし、四季の変わり目はもうすぐそこまで来ています。 巣からあまり出なくなったれいむ家族にはそれが分かりませんでした。 「まったく、れいむたちはなにをやってるのかしら!」 風が冷たく感じ始めたころ、一匹のゆっくりありすがれいむの巣に向かっていました。 このゆっくりありすは母れいむの友達で冬篭りの準備が出来てもやってこない母れいむに痺れを切らしてやってきたのでした。 巣の前までやってくるとありすは中にいるであろうれいむ達に声をかけます。 「ゆっくりしていってね!」 しかし、待てども待てども返事が返ってきません。 このまま待っていても埒が明かないので、ありすは巣に入りました。 中ではれいむ達がキノコを食べてとてもゆっくりしていました。 「ゆっ!おいしそうなきのこね!」 「ゆゆっ!ありす!」 いきなり現れたありすに子供達は母れいむの後ろにかくれました。 「こわがらなくていいよ!このありすはれいむのともだちだよ!」 「そうよ!さっきからよんだのにへんじがなかったわ!だからとかいてきじゃないけどあがらせてもらったわ!」 「ゆ~ありすごめんね!」 ありすの声に気付かずゆっくりしていたれいむはありすに申し訳無さそうに謝りました。 ありすはそれで少しだけ悪かった機嫌を直して笑顔を見せます。 「ありすはきにしてないわよ!・・・ってそうじゃないわ!」 「ゆゆっ、どうしたのありす!」 「れいむたちがふゆごもりにこないからよびにきたのよ!」 「ふゆごもり?」 聞いたことのない単語に子れいむが不思議がります。 母れいむは子れいむに教えようとしましたが、時間がないのかありすが急かしました。 「いまはじかんがないわ!すぐにじゅんびしてゆっくりすぽっとにむかってね!」 「ゆ!わかったよ!」 「じゃあありすはもういくわ!れいむもゆっくりしないでね!」 ありすは言いたいことを言うとすぐにれいむの巣を離れました。 れいむ達が住む地域は冬にはかなり冷え込み、ゆっくり家族だけでは越冬できませんでした。 なので、ゆっくりスポットと呼ばれる大きな洞窟などに集まって身を寄せ合って眠り春を待つようになっていました。 ゆっくりスポットにはゆっくり制限があり、主にぱちゅりーの判断で入れるゆっくりの数を制限していました。 ありすが急いでいたのはゆっくり制限で入れなくなってしまうのを恐れたからです。 母れいむも一度ゆっくりスポットで越冬を経験していたのですぐに準備を始めようとします。 「おかーしゃんふゆごもりってなーに?」 「ゆーっとね、もうすぐここじゃゆっくりできなくなるんだよ」 「ゆゆゆゆ!?」 「だから、みんなのいるばしょにあつまらないといけないの!」 「そーなのかー!」 「れーむたちもじゅんびしてね!すぐここをでるよ!」 母れいむはすぐにゆっくりスポットに行く準備を始めました。 母れいむは子れいむもすぐに準備してくれると思っていました。 なので、れぃむが反対したのに驚きました。 「やだ!れぃむはまだうごきたきゅないよ!」 「どおおおしてええええ!はやくうごかないとゆっくりできなくなるよ!」 「でもきのこしゃんまだいっぱいあるよ!」 「ゆゆゆ・・・」 冬篭りには食料は必要ありません。 だから巣に残っている食料はすべて捨てる必要がありました。 れぃむは自分が見つけた食べ物を残していくことが不満だったのです。 「まだあっちゃかいよ!きのこたべてからでもまにあうよ!」 「ゆゆゆ・・・」 れぃむの発言に母れいむは困ってしまいます。 これを見た他の子れいむは相談してれぃむの方に回ります。 この子れいむ達もキノコに不思議な魅力を感じていたのでした。 「きのこちゃべちぇからいこうよ!」 「そうだよ!」 「もっちょゆっくりしちゃいよ!」 「ゆっくち!ゆっくちぇ!ゆっくりょ!」 母れいむは子れいむの反論に去年の冬篭りの記憶を思い出そうとしました。 母れいむが入ったゆっくりスポットはまだ時期が早かったので洞窟の中はすかすかでした。 母れいむは仲間が集まる間スポットの周りの食べ物を食べたり、他のゆっくりと話したりして冬眠まで過ごしたのを思い出します。 今回もまだまだ空きがあるだろう。母れいむはそう結論付けました。 「わかったよ!きのこがなくなるまでここでゆっくりしようね!」 「おかーしゃんだいちゅきー!」 「ゆっくりしようね!」 母れいむが賛成してくれて子供達は大喜びです。 そんな姿を見て母れいむも反対しなければ良かったと思いました。 こうして、ありすの忠告も無視して母れいむは巣でゆっくりし続けました。 今は友達よりも子供達のほうが大事でした。 母れいむはしばらく巣から出てないことも忘れて、巣で子供達と仲良くゆっくりとしていました。 「ゆ~、とうとうさいごのきのこだね!」 「これをたべたらゆっくりすぽっとにむかおうね!」 「とうみんたのちみ!」 「しゅっごいゆっくりできそうだよ!」 「ゆっくちできりゅといいね!」 あれからもキノコを食べ続けて3日後、とうとうキノコがなくなりました。 キノコ以外の食べ物も残っていたので残さず食べました。 もう巣には食べ物は残っていません。 れいむ達は巣を枯葉と枝で上手に隠して外に出ました。 「ゆ~、しゃ、しゃぶいいいいいいいい!」 「ゆっくりできないいいいいいいい!」 「ゆぐぐぐぐぐぐう!」 「ぐるじお・・・」 保温効果のあった土の中からみて外の世界は極寒です。 震えてる子れいむに母れいむは用意していた白いもこもことした綿を被せました。 「これでさむくないよ!」 「ゆ・・・ほんちょだ!さみゅくないよ!」 「ぽかぽかー!」 「これならゆっくりできるよ!」 「ゆぅ~ん」 母れいむの用意していた綿は子れいむ達をすっぽり覆いました。 上手に穴を開けているので動きを妨げることもありません。 元気になった子供達を連れて母れいむは記憶の中で一番近いぱちゅりーの巣に向かいました。 ゆっくりスポットはぱちゅりーが管理してることがほとんどです。 ぱちゅりーの巣の近くには必ずと言っていいほどゆっくりスポットがありました。 れいむ達がゆっくりスポットにつくと、スポットは冬眠のために入り口を閉じている最中でした。 れいむ達は急いで中に入れてもらおうと指揮をとっているパチュリーのところに向かいます。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「ぱちゅりー!れいむたちもなかにいれてね!」 「「「「いれちぇね!」」」」 れいむ達はすぐに中に入れてもらえると思い巣の入り口に向かいました。 しかし、ぱちゅりーが行く手を塞ぎます。 「ゆゆっ、ぱちゅりーじゃましないでね!」 「れいみゅたちはさむさでこごえしょうだよ!」 「はやくいれちぇね!」 母れいむの抗議に子れいむも声を重ねます。 それでもぱちゅりーは動きません。 ぱちゅりーは言い聞かせるようにれいむ達に話しました。 「ざんねんだけどもうゆっくりせいげんよ」 「ゆ!?」 母れいむは驚きます。 「そんなわけないよ!まだいっぱいあきがあるはずだよ!」 「あなたたちはくるのがおそすぎたのよ!こんなじきじゃあいてるわけないわ!」 「ゆぐぐぐぐ・・・」 何とか入ろうと穴の辺りを見ましたがこちらをまりさとみょんが見ていました。 ぱちゅりーだけならどうにでもできましたが、まりさとみょんが一緒では勝てません。 「もういいよ!いじわるなぱちゅりーのとこなんかいかないよ!やさしいぱちゅりーをさがすよ!」 「いじわるー!」 「ゆっくりちね!ゆっくりちね!」 れいむ達は別のゆっくりスポットに向かいます。 罵声を受けたぱちゅりーは怒るわけでもなく、どうしようもなかったのだと自分に言い聞かせ、スポットの入り口を防ぎに戻りました。 「どおしてどこもあいてないのおおおおおおおお!」 「「「「ゆわああああああああん!」」」」 あれからいくつかのゆっくりスポットを巡りましたがどこも入れてもらえませんでした。 思いつく限りの場所に向かいますが、制限になっていたり、もう既に冬眠していたりしていました。 最初は強気であったれいむ達も辺りが暗くなるころにはこのまま入れないのではないかと不安げな表情を隠せなくなっていました。 「おかーしゃん・・・」 「ゆっ、だいじょうぶだよ!きっとはいれるところがあるよ!」 「しょ、しょうだね!」 「ゆうううう・・・」 子れいむの不安を母れいむは必死に宥めます。 そんな中キノコを見つけたれぃむがみんなに向かいました。 目には涙が溜まっています。 「おかーしゃん、おねーしゃんごめんにゃさい!」 「ゆゆゆ、どーしたの!?」 「れぃむのせいでこんなことになっちゃから・・・」 「れぃむ・・・」 子れいむは自分のせいだと責任を感じていました。 母れいむも姉れいむも何も言えません。キノコのとき一緒に賛成したことを忘れていませんでした。 母れいむはそんな子れいむににっこりと微笑みました。 「つぎのすぽっとはぜったいあいてるからだいじょうぶだよ!」 「おかーさんほんとう?」 「ほんとうだよ!あそこはいちばんおおきいからね!」 母れいむの自身に満ちた顔に子れいむは涙を止めました。 他の子れいむにも元気が戻ります。 母れいむは嘘を付いていました。 しかし、今は元気であってほしいと母れいむはばれない様に懸命に演技しました。 次のスポットが母れいむの知る最後のスポットです。 ここに入れなかったられいむ達は死ぬしかありませんでした。 「ゆゆっ、ここだよ!」 「ゆ~、おおきいね!」 れいむ達は大きそうに見える洞窟の前にいました。 幸い、入り口にぱちゅりーが見えました。 まだ冬眠してはいないようです。 れいむは今度こそと自分に気合をいれ、ぱちゅりーに向かいました。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「れいむたちをいれてください!」 頭を下げてぱちゅりーに頼み込みます。 子れいむはその様子を心配そうに見つめていました。 「ゆぅ・・・もういっぱいだったかしら・・・」 「だいじょうぶだよ!れいむたちはいれるよ!」 制限に来ているか考えるぱちゅりーをみてれいむは入れてもらおうと必死に食らい尽きます。 ぱちゅりーが難しい顔をしているとれいむ達のしった顔が現れました。 「あら!れいむたちじゃないの!?」 「ありす!」 友達の顔を見てれいむは笑顔を取り戻します。 「あなたたちどこもはいれなかったの!?」 「ゆぅ・・・」 「だからゆっくりしないでっていったのよ・・・」 ありすでも制限はどうしようもありません。 れいむが再び不安な顔になろうとした時、奥から二匹のゆっくりが現れました。 「わかるよー、はいりたいんだねー」 「そこのおおきいれいむだけならはいれるんだぜ!」 奥からやってきたのはゆっくりちぇんとゆっくりまりさでした。 ちぇんが入り口の騒ぎに気付き、まりさと一緒に数を調べてくれていたのです。 やっと掴んだ一匹の空き。しかし、れいむ達は4匹。 「おかーしゃんれーむたちははいりぇないの?」 「おかーしゃん・・・」 「ゆぐぅ・・・」 母れいむに置いていかれるのではないかと子れいむは急に不安になりました。 母れいむよりそって離れたくないと頬をむにゅっと引っ付けます。 困った母れいむにまりさは提案しました。 「いっぴきぶんのあきだけどちびたちなら4ひきいけるんだぜ!」 「かなしいのはわかるよー、でもどっちかしかはいれないよー」 「れいむ・・・」 母れいむは決断を迫られました。 答えはもう決まっていましたが。 「じゃあこどもたちをおねがいするよ!」 「わかるよー、かなしいけつだんだねー」 「わかったんだぜ!こどもたちはまりさがかならずせわするぜ!」 「れいむ、ほかにあてはあるの? れいむの決断にちぇんが同情し、まりさが子供を置いていくれいむに心配させないように話しかけ、ありすはれいむの心配をしました。 「だいじょうぶだよ!まだすぽっとはあるよ!」 「そう、ならいいわ!いそいでむかったほうがいいわよ!」 れいむの自信満々な顔にありすも納得し、れいむに激励を送りました。 「むきゅー。きまったようね」 「こどもたちをおねがいね!」 「わかったわ。じゃあここもしめるわね。」 母れいむを置いてゆっくりスポットの入り口が閉まりだします。 子れいむは徐々に見えなくなる母れいむに向かって飛び跳ねていきます。 母れいむは心配そうな子れいむを安心させるように微笑みました。 「ニヤ・・・」 「ユッ!?」 その母れいむの表情は子れいむ達の動きを止めました。 とうとう入り口が完全に閉まってしまいます。 もう子れいむではどうすることも出来ませんでした。 「おかーしゃん・・・」 「だいじょうぶだぜ!ほかのばしょにきっといけるんだぜ!」 「そうよ!それよりはるにおかーさんにあえるようにとうみんするのよ!」 子れいむ達はスポットの奥に向かいます。 初めて入ったゆっくりスポットには様々なゆっくりが犇めいていました。 「ゆ~、なんだかあかるいね!」 「ほんちょだ!おうちはこんにゃにあかるくなかっちゃよ!」 「どこかあいてるのかな?」 「ゆぅぅうん・・・」 子れいむ達はみょんに明るいスポットを不思議そうに思い、辺りを見回します。 やがて空中に浮いている白い物体を見つけました。 「あれだよ!あれがあかりゅいんだよ!」 「あれなんだろ?」 れいむの質問にまりさが答えます。 「あれはみょんのはんれいってやつだぜ!」 「はんれい?」 「よくわからないんだぜ!でもだいじなものらしいぜ!」 「ゆゆっ!」 だいじなものと聞いてれいむは自分のリボンを思い浮かべます。 「あいつがみょんだぜ!」 「ちーんぽ!」 「ゆっくりしていってね!」 初めて会ったみょんは変な泣き声でしたが子れいむ達は不思議と挨拶していました。 他にも様々なゆっくりと会った後、まりさの言っていた空きにつきました。 「ここだぜ!ちょっとまわりにうごいてもらってありすとちぇんもはいれるようにしたんだぜ!」 「さすがまりさね!」 そこには藁が敷かれていました。 これなら暖かそうです。 「わかるよー、ちょっとすくないよねー」 「さすがちぇんだぜ!」 いつの間にかいなくなっていたちぇんが戻ってきました。 子れいむ達からはまりさに隠れて見えませんでしたが、すぐに口に藁を咥えたちぇんが見えました。 「きみたちはそれじゃたりないよー」 ちぇんはそういい、子れいむ達の周りに藁を積んでいきます。 「ぽかぽか~」 「ちあわちぇ~」 子れいむは母れいむとちぇんの用意してくれた藁と綿でぬくぬくです。 しかし、まりさたちの顔はまだ晴れていませんでした。 「ゆぅぅ、これじゃたりないんだぜ・・・」 「こまったわ・・・」 「もうわらはなかったよー・・・」 悩んだ結果、まりさが防止を脱ぎだしました。 「まりさどうしたの!?」 「このぼうしをかぶせばあったかくなるんだぜ!」 「わかるよー!それならじゅうぶんだよー!」 まりさは子れいむの上に帽子を置きます。 「ゆ~、なんだかねみゅくなっちぇきた・・・」 「れーむも・・・」 「ゆぅ・・・ゆぅ・・・」 「ゆゆゆゆ・・・」 子れいむ達は冬眠のための眠気で船を漕いでいました。 「もうだいじょうぶだぜ、まりさたちもいっしょにねるんだぜ」 「またはるにあいましょうね」 「わかるよー、ぜったいだよー」 既に眠っている子れいむを見ながら3匹はゆっくりと眠りにつきました。 「ざ、ざぶいいいいいいいいいい!」 木枯らし吹き荒れる森に母れいむの悲鳴が響きます。 母れいむは必死にスポットを探しました。 しかし、開いている場所を見つけれず、辺りは暗くなっていました。 さらに追い討ちをかける物が空から降り始めます。 「ゆゆっ!?ゆきだあああああああ!」 母れいむには死の雪でした。 たまらずれいむは近くにあった木の根元の穴に逃げ込みます。 雪は降り止む気配を見せませんでした。 「ゆ~、もうつかれたからあしたさがすよ!」 れいむは独り言を呟いて眠り始めました。 一日中飛び跳ねていたれいむはぐっすりと眠ってしまいます。 雪はれいむのことなど気付かないかのように世界を白く変えていきました・・・ 「ゆゆっ・・・すっきりー!」 母れいむは十分な睡眠を取り、元気に目を覚ましました。 そして穴から外に元気よく飛び跳ねます。 そんなれいむの飛込みを白い地面はしっかりと受け止めました。 「ゆ?ゆゆゆゆううううう!」 森は姿を変えていました。 白くなった地面はれいむのとんだあとを綺麗に残していました。 れいむは気付いてしまいました。 もう開いているゆっくりスポットはないのだと。 それでもれいむは探すしかありませんでした。 ちっぽけなれいむなど白い世界では唯の点です。 「ゆーしょ!ゆーしょ!」 「ゆ~、しろくてどこかわがらないいいいいいいい!」 「ゆぅ、なんだかちからがはいらないよ・・・」 「れいむのあかちゃんたちだいじょうぶかな・・・」 「ゆっ、れいむもがんばりゃないt・・・」 ちっぽけな点はやがて見えなくなってしまいました。 「おきるんだぜ!はるがきたんだぜ!」 まりさがまわりのゆっくりを起こし始めます。 その声で周りのゆっくりが目を覚まし始めました。 あれからなにも起きず、スポットの住人は無事春を迎えることが出来ました。 「「「「ゆ~、しゅっきりー!」」」」 子れいむ達4匹も初めての越冬を無事乗り越えれたようでした。 「まりしゃおねーちゃんありがと!」 「しゅっごいあたたかかっちゃよ!」 「それはよかったんだぜ!まりさもうれしいぜ!」 まりさは帽子を被りなおしました。 そこに入り口を開けにいっていたありすとちぇんが戻ってきます。 「いりぐちがあいたわよ!」 「そとははるだよー」 「わかったんだぜ!」 三匹は子れいむに向かい問いかけます。 「れいむたちはどうするんだぜ?」 「れいむはまだきてないみたいね・・・」 「わかるよー、まだおきてないんだよー」 子れいむの返事は決まっていました。 「「「「おうちでゆっくりまちゅよ!」」」」 「わかったよー!ならこれもっていってねー」 「それがあればしばらくもつんだぜ!」 「れいむがもどったらもっとおいしいものをもらいなさい!」 三匹が渡したのは巣の近くで取った植物や虫をまとめたものでした。 「ありがちょー!」 「おいししょー!」 「ちょっとたべちゃいよ!」 「だめだよ!おかーしゃんがかえるまでゆっくちたべるよ!」 それぞれ食べ物を抱えたれいむ達は3匹とぱちゅりーに見送られてこれまで暮らしていた巣に戻りました。 「ひしゃしぶり~!」 「やっぱりここはゆっくちできるね!」 「おねーちゃんゆっくちちていっちぇね!」 「れぃむもゆっくちしていってね!」 巣には食べるものは何もありませんでしたが、それ以外は何も代わりがありませんでした 貰った食べ物を置き、4匹の子れいむは母れいむの帰ってくるのを待ちました。 いつまでもいつまでも待ちました。 それでも母れいむは帰ってきません。 もう貰った食べ物は食べ尽くしてしまいました。 「おねーしゃん、おにゃかすいた・・・」 「もうすぐおかーしゃんがもどってくるからゆっくちまとうね・・・」 子れいむ達はもう食べ物をとりにいく元気は残っていませんでした。 話しているのも二匹だけで、もう二匹は既にうつろな目で上を見つめています。 それでも子れいむ達は母れいむの帰りを信じていました。 子れいむ達の巣の外では、冬を乗り越えた生き物が元気よく動き回っていました。 このSSに感想を付ける
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冬の足音が聞こえてきた秋の昼時、枯れ木の根元に出来た穴から小さな影が4つ現れました。 「きょうはなにちてあしょぼーか!」 「おいかけっこ!」 「ゆ~それじゃゆっくちできないよ!」 「じゃあかくれんぼ!」 仲良く遊び始めたのはゆっくりれいむと呼ばれる最近になってあらわれたナマモノです。 ゆっくりれいむは紅いリボンと黒髪がトレードマークのもっとも多くいるゆっくりでした。 遊んでいるれいむたちは人間で言う子供で大きさは野球ボールぐらいでした。 まだ生まれて1年も経ってない4匹は仲良くかくれんぼを始めます。 最初ということで一番大きいおねーちゃんれいむがオニになりました。 残りの3匹は思い思いに隠れ場所を探しに行きます。 「も~い~かい!」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆ~・・・いーち!にー!さーん!だー!らーぶ!・・・」 「ゆゆっ、ここはれいむがかくれちぇるよ!べつのところにいってね!」 「ゆ!わかっちゃよ!」 「れいみゅはこっちにいくよ!」 「じゃあれーむはむこうにいくね!」 一匹のれいむは石の影にかくれました。 もう一匹は枯葉の下に。 「もーいーかい!」 「ゆっくりできたよ!」 「じゃあいくよー!」 石に隠れたれいむも枯葉にかくれたれいむはすぐに見つかってしまいます。 「次はれいみゅのばんだよ!」 「ゆゆ・・・まだれぃむがのこっちぇるよ!」 「みゅ~さっさとみちゅけるよ!」 しかし、残り一匹はなかなか見つかりません。 それもそのはず、最後の一匹はかくれる場所を探して今も移動していたのです。 「ゆ~、なかなかみちゅからない・・・」 この子れいむは遊びということも忘れてゆっくり出来そうな場所を探していました。 やがて、今まで来たこともない遠い場所に来てしまいます。 「ゆー・・・ゆっ!ここどきょ!」 れいむは知らない場所でいることに不安を感じます。 「おねーちゃああああ!れぃむはここだよおおおおおお!」 しかし、叫んでも叫んでも返事は返ってきません。 姉れいむとは子れいむが思っていたよりも離れていました。 子れいむはもときた道を思い出して戻ろうとします。 しかし、隠れ場所を探しながら来たのでどこを通ったか覚えていませんでした。 もう少し大きくなっていれば巣に戻るための方法を親れいむから教えてもらっていたはずでした。 もう少ししたら、きっとお姉ちゃん達が来てくれる。 そう信じて子れいむは木の近くで姉達をじっと待つことにしました。 子れいむが木に寄り添うようにゆっくりし始めると、美味しそうな匂いがどこからか漂ってきます。 「ゆゆ!おいしそうなにおひ!」 子れいむは匂いに引き寄せられます。 匂いの元はある木の根元に生えているたくさんのキノコでした。 「ゆ~!おいしそうなきにょこ!」 子れいむはキノコに飛び込んでいきました。 姉れいむたちは探しても探しても見つからないれぃむを心配になり、巣にいた母れいむを呼びに戻りました。 子の訴えを聞いた母れいむはすぐに巣の周りを探し始めました。 姉れいむ達は危ないからと巣でお留守番です。 母れいむは危険そうな場所を一つずつ調べていきます。 しかし、れぃむはどこにもいません。 母れいむはあきらめずに探し回りました。 やがて、普段は来ない森の奥に足を踏み入れます。 「れいむのかわいいれぃむー!どこにいるのー!」 母れいむは懸命に叫びました。 「ゆっ?」 子れいむがお腹を膨らませてゆっくりしていたころ、どこからか母親の声が聞こえました。 「おかーしゃああああああああん!」 先ほどまでキノコを食べることに夢中で自分が迷っていることを忘れていたれぃむは母親の声で自分のおかれている状況を思い出しました。 そして、母親に見つけてもらおうと声を張り上げます。 先ほど食べたキノコのおかげで大分大きな声が出せました。 大きな声は森に響き、とうとう母親の耳に入ります。 「ゆゆ!れぃむのこえだよ!」 「おかああさああああぁぁぁぁあぁん・・・」 「いまいくよ!そこでゆっくりしててね!」 母れいむは子れいむの声に耳を澄まして位置を探ります。 森の中では声が反射し場所がわかりにくかったですが、子への愛なのか母れいむは迷わずに足を進めていきました。 やがて、一つの木の下で泣き叫んでいる子れいむを見つけました。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていっちぇね!・・・おかーしゃん!」 「だいじょうぶだった?けがしてない?」 「れぃむはごたいまんぞくだよ!」 母れいむは子れいむの声を聞き、自分の目で確かめて子の無事を確認します。 「だいじょうぶそうだね!」 「おかーしゃんごわがっだよおおおおおおおお!」 「もうひとりでこんなとおくまできちゃだめだよ!」 「ゆぅうううう、おかーしゃんごめんなさい・・・」 「わかればいいよ!もうくらくなるからはやくかえろうね!」 「ゆっ!そうだ!おかーしゃん!れいむきのこみちゅけたよ!」 「ゆゆっ!きのこ!?」 「しょーだよ!このうらにいっぱいはえちぇるよ!」 子れいむはそういって木の裏へと跳ねていきます。母れいむは道に迷わないように確認してから子れいむの後を追いました。 「このさきにきのこあるよ!!」 「ゆっゆ!・・・しゅご~い!」 「いっぱいあるからおねーちゃんたちにもあげりぇるよ!」 「そうだね!ぜんぶもってかえろうね!」 いそいそと口にキノコを含んでいく母れいむ。 子れいむはどんどん口に入っていくキノコを見て目をきらきらと輝かせました。 「おかーしゃんのいぶくろはうちゅうだね!」 「ゆふん!」 子れいむの声援に答えるように母れいむはキノコを口に含みます。 やがていっぱいになると母れいむは子れいむと共に巣に戻りました。 巣では帰りの遅い母れいむを残った子れいむが心配していました。 「おかーしゃんおかえりなさい!」 「ゆゆっ!おかーしゃんおおきくなっちぇる!」 子れいむが驚いていると母れいむは口から大量のキノコを吐き出しました。 「ゆゆゆ!おいしそう!」 「おかーしゃんどうしたの!」 「れぃむがみちゅけたんだよ!」 そういって母れいむの腋から現れた妹れいむに子供達はさらに驚きます。 「さすがれーむのいもうとだね!」 「でもしんぱいしたんだよ!」 「そうだよ!おかーさんがいないのにとおくにいかないでね!」 「うん、もうひちょりでそとにはいかにゃいよ!」 「れーむたちもきをつけるよ!」 母親と一番上の姉れいむに注意され、もう二度と勝手に遠くに行かないと子れいむ達は誓いました。 そんな子供達への説教が終わると、眼の前のキノコに話が移ります。 「これならしばらくだいじょうぶだね!」 「おかーしゃんがとりにいかなくてもへいきだね!」 「ゆ!そうだね!しばらくは巣でいっしょにゆっくりできるよ!」 「やっちゃね!」 「れぃむといっちょにいようね!」 突然降って湧いた幸運にれいむ達はうれしくてたまりませんでした。 それからしばらく、このれいむ家族は一度も巣から出ることなく、巣の中でゆっくりとしていました。 食べ物が無くなったらまたキノコを採りに行けば良い。母れいむは久しぶりにゆっくり出来たので上機嫌です。 子供達もそんな母親の様子を見てうれしくなり、母親に擦り寄って遊びました。 れいむ家族はずっとゆっくり出来ると思っていました。 しかし、四季の変わり目はもうすぐそこまで来ています。 巣からあまり出なくなったれいむ家族にはそれが分かりませんでした。 「まったく、れいむたちはなにをやってるのかしら!」 風が冷たく感じ始めたころ、一匹のゆっくりありすがれいむの巣に向かっていました。 このゆっくりありすは母れいむの友達で冬篭りの準備が出来てもやってこない母れいむに痺れを切らしてやってきたのでした。 巣の前までやってくるとありすは中にいるであろうれいむ達に声をかけます。 「ゆっくりしていってね!」 しかし、待てども待てども返事が返ってきません。 このまま待っていても埒が明かないので、ありすは巣に入りました。 中ではれいむ達がキノコを食べてとてもゆっくりしていました。 「ゆっ!おいしそうなきのこね!」 「ゆゆっ!ありす!」 いきなり現れたありすに子供達は母れいむの後ろにかくれました。 「こわがらなくていいよ!このありすはれいむのともだちだよ!」 「そうよ!さっきからよんだのにへんじがなかったわ!だからとかいてきじゃないけどあがらせてもらったわ!」 「ゆ~ありすごめんね!」 ありすの声に気付かずゆっくりしていたれいむはありすに申し訳無さそうに謝りました。 ありすはそれで少しだけ悪かった機嫌を直して笑顔を見せます。 「ありすはきにしてないわよ!・・・ってそうじゃないわ!」 「ゆゆっ、どうしたのありす!」 「れいむたちがふゆごもりにこないからよびにきたのよ!」 「ふゆごもり?」 聞いたことのない単語に子れいむが不思議がります。 母れいむは子れいむに教えようとしましたが、時間がないのかありすが急かしました。 「いまはじかんがないわ!すぐにじゅんびしてゆっくりすぽっとにむかってね!」 「ゆ!わかったよ!」 「じゃあありすはもういくわ!れいむもゆっくりしないでね!」 ありすは言いたいことを言うとすぐにれいむの巣を離れました。 れいむ達が住む地域は冬にはかなり冷え込み、ゆっくり家族だけでは越冬できませんでした。 なので、ゆっくりスポットと呼ばれる大きな洞窟などに集まって身を寄せ合って眠り春を待つようになっていました。 ゆっくりスポットにはゆっくり制限があり、主にぱちゅりーの判断で入れるゆっくりの数を制限していました。 ありすが急いでいたのはゆっくり制限で入れなくなってしまうのを恐れたからです。 母れいむも一度ゆっくりスポットで越冬を経験していたのですぐに準備を始めようとします。 「おかーしゃんふゆごもりってなーに?」 「ゆーっとね、もうすぐここじゃゆっくりできなくなるんだよ」 「ゆゆゆゆ!?」 「だから、みんなのいるばしょにあつまらないといけないの!」 「そーなのかー!」 「れーむたちもじゅんびしてね!すぐここをでるよ!」 母れいむはすぐにゆっくりスポットに行く準備を始めました。 母れいむは子れいむもすぐに準備してくれると思っていました。 なので、れぃむが反対したのに驚きました。 「やだ!れぃむはまだうごきたきゅないよ!」 「どおおおしてええええ!はやくうごかないとゆっくりできなくなるよ!」 「でもきのこしゃんまだいっぱいあるよ!」 「ゆゆゆ・・・」 冬篭りには食料は必要ありません。 だから巣に残っている食料はすべて捨てる必要がありました。 れぃむは自分が見つけた食べ物を残していくことが不満だったのです。 「まだあっちゃかいよ!きのこたべてからでもまにあうよ!」 「ゆゆゆ・・・」 れぃむの発言に母れいむは困ってしまいます。 これを見た他の子れいむは相談してれぃむの方に回ります。 この子れいむ達もキノコに不思議な魅力を感じていたのでした。 「きのこちゃべちぇからいこうよ!」 「そうだよ!」 「もっちょゆっくりしちゃいよ!」 「ゆっくち!ゆっくちぇ!ゆっくりょ!」 母れいむは子れいむの反論に去年の冬篭りの記憶を思い出そうとしました。 母れいむが入ったゆっくりスポットはまだ時期が早かったので洞窟の中はすかすかでした。 母れいむは仲間が集まる間スポットの周りの食べ物を食べたり、他のゆっくりと話したりして冬眠まで過ごしたのを思い出します。 今回もまだまだ空きがあるだろう。母れいむはそう結論付けました。 「わかったよ!きのこがなくなるまでここでゆっくりしようね!」 「おかーしゃんだいちゅきー!」 「ゆっくりしようね!」 母れいむが賛成してくれて子供達は大喜びです。 そんな姿を見て母れいむも反対しなければ良かったと思いました。 こうして、ありすの忠告も無視して母れいむは巣でゆっくりし続けました。 今は友達よりも子供達のほうが大事でした。 母れいむはしばらく巣から出てないことも忘れて、巣で子供達と仲良くゆっくりとしていました。 「ゆ~、とうとうさいごのきのこだね!」 「これをたべたらゆっくりすぽっとにむかおうね!」 「とうみんたのちみ!」 「しゅっごいゆっくりできそうだよ!」 「ゆっくちできりゅといいね!」 あれからもキノコを食べ続けて3日後、とうとうキノコがなくなりました。 キノコ以外の食べ物も残っていたので残さず食べました。 もう巣には食べ物は残っていません。 れいむ達は巣を枯葉と枝で上手に隠して外に出ました。 「ゆ~、しゃ、しゃぶいいいいいいいい!」 「ゆっくりできないいいいいいいい!」 「ゆぐぐぐぐぐぐう!」 「ぐるじお・・・」 保温効果のあった土の中からみて外の世界は極寒です。 震えてる子れいむに母れいむは用意していた白いもこもことした綿を被せました。 「これでさむくないよ!」 「ゆ・・・ほんちょだ!さみゅくないよ!」 「ぽかぽかー!」 「これならゆっくりできるよ!」 「ゆぅ~ん」 母れいむの用意していた綿は子れいむ達をすっぽり覆いました。 上手に穴を開けているので動きを妨げることもありません。 元気になった子供達を連れて母れいむは記憶の中で一番近いぱちゅりーの巣に向かいました。 ゆっくりスポットはぱちゅりーが管理してることがほとんどです。 ぱちゅりーの巣の近くには必ずと言っていいほどゆっくりスポットがありました。 れいむ達がゆっくりスポットにつくと、スポットは冬眠のために入り口を閉じている最中でした。 れいむ達は急いで中に入れてもらおうと指揮をとっているパチュリーのところに向かいます。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「ぱちゅりー!れいむたちもなかにいれてね!」 「「「「いれちぇね!」」」」 れいむ達はすぐに中に入れてもらえると思い巣の入り口に向かいました。 しかし、ぱちゅりーが行く手を塞ぎます。 「ゆゆっ、ぱちゅりーじゃましないでね!」 「れいみゅたちはさむさでこごえしょうだよ!」 「はやくいれちぇね!」 母れいむの抗議に子れいむも声を重ねます。 それでもぱちゅりーは動きません。 ぱちゅりーは言い聞かせるようにれいむ達に話しました。 「ざんねんだけどもうゆっくりせいげんよ」 「ゆ!?」 母れいむは驚きます。 「そんなわけないよ!まだいっぱいあきがあるはずだよ!」 「あなたたちはくるのがおそすぎたのよ!こんなじきじゃあいてるわけないわ!」 「ゆぐぐぐぐ・・・」 何とか入ろうと穴の辺りを見ましたがこちらをまりさとみょんが見ていました。 ぱちゅりーだけならどうにでもできましたが、まりさとみょんが一緒では勝てません。 「もういいよ!いじわるなぱちゅりーのとこなんかいかないよ!やさしいぱちゅりーをさがすよ!」 「いじわるー!」 「ゆっくりちね!ゆっくりちね!」 れいむ達は別のゆっくりスポットに向かいます。 罵声を受けたぱちゅりーは怒るわけでもなく、どうしようもなかったのだと自分に言い聞かせ、スポットの入り口を防ぎに戻りました。 「どおしてどこもあいてないのおおおおおおおお!」 「「「「ゆわああああああああん!」」」」 あれからいくつかのゆっくりスポットを巡りましたがどこも入れてもらえませんでした。 思いつく限りの場所に向かいますが、制限になっていたり、もう既に冬眠していたりしていました。 最初は強気であったれいむ達も辺りが暗くなるころにはこのまま入れないのではないかと不安げな表情を隠せなくなっていました。 「おかーしゃん・・・」 「ゆっ、だいじょうぶだよ!きっとはいれるところがあるよ!」 「しょ、しょうだね!」 「ゆうううう・・・」 子れいむの不安を母れいむは必死に宥めます。 そんな中キノコを見つけたれぃむがみんなに向かいました。 目には涙が溜まっています。 「おかーしゃん、おねーしゃんごめんにゃさい!」 「ゆゆゆ、どーしたの!?」 「れぃむのせいでこんなことになっちゃから・・・」 「れぃむ・・・」 子れいむは自分のせいだと責任を感じていました。 母れいむも姉れいむも何も言えません。キノコのとき一緒に賛成したことを忘れていませんでした。 母れいむはそんな子れいむににっこりと微笑みました。 「つぎのすぽっとはぜったいあいてるからだいじょうぶだよ!」 「おかーさんほんとう?」 「ほんとうだよ!あそこはいちばんおおきいからね!」 母れいむの自身に満ちた顔に子れいむは涙を止めました。 他の子れいむにも元気が戻ります。 母れいむは嘘を付いていました。 しかし、今は元気であってほしいと母れいむはばれない様に懸命に演技しました。 次のスポットが母れいむの知る最後のスポットです。 ここに入れなかったられいむ達は死ぬしかありませんでした。 「ゆゆっ、ここだよ!」 「ゆ~、おおきいね!」 れいむ達は大きそうに見える洞窟の前にいました。 幸い、入り口にぱちゅりーが見えました。 まだ冬眠してはいないようです。 れいむは今度こそと自分に気合をいれ、ぱちゅりーに向かいました。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「れいむたちをいれてください!」 頭を下げてぱちゅりーに頼み込みます。 子れいむはその様子を心配そうに見つめていました。 「ゆぅ・・・もういっぱいだったかしら・・・」 「だいじょうぶだよ!れいむたちはいれるよ!」 制限に来ているか考えるぱちゅりーをみてれいむは入れてもらおうと必死に食らい尽きます。 ぱちゅりーが難しい顔をしているとれいむ達のしった顔が現れました。 「あら!れいむたちじゃないの!?」 「ありす!」 友達の顔を見てれいむは笑顔を取り戻します。 「あなたたちどこもはいれなかったの!?」 「ゆぅ・・・」 「だからゆっくりしないでっていったのよ・・・」 ありすでも制限はどうしようもありません。 れいむが再び不安な顔になろうとした時、奥から二匹のゆっくりが現れました。 「わかるよー、はいりたいんだねー」 「そこのおおきいれいむだけならはいれるんだぜ!」 奥からやってきたのはゆっくりちぇんとゆっくりまりさでした。 ちぇんが入り口の騒ぎに気付き、まりさと一緒に数を調べてくれていたのです。 やっと掴んだ一匹の空き。しかし、れいむ達は4匹。 「おかーしゃんれーむたちははいりぇないの?」 「おかーしゃん・・・」 「ゆぐぅ・・・」 母れいむに置いていかれるのではないかと子れいむは急に不安になりました。 母れいむよりそって離れたくないと頬をむにゅっと引っ付けます。 困った母れいむにまりさは提案しました。 「いっぴきぶんのあきだけどちびたちなら4ひきいけるんだぜ!」 「かなしいのはわかるよー、でもどっちかしかはいれないよー」 「れいむ・・・」 母れいむは決断を迫られました。 答えはもう決まっていましたが。 「じゃあこどもたちをおねがいするよ!」 「わかるよー、かなしいけつだんだねー」 「わかったんだぜ!こどもたちはまりさがかならずせわするぜ!」 「れいむ、ほかにあてはあるの? れいむの決断にちぇんが同情し、まりさが子供を置いていくれいむに心配させないように話しかけ、ありすはれいむの心配をしました。 「だいじょうぶだよ!まだすぽっとはあるよ!」 「そう、ならいいわ!いそいでむかったほうがいいわよ!」 れいむの自信満々な顔にありすも納得し、れいむに激励を送りました。 「むきゅー。きまったようね」 「こどもたちをおねがいね!」 「わかったわ。じゃあここもしめるわね。」 母れいむを置いてゆっくりスポットの入り口が閉まりだします。 子れいむは徐々に見えなくなる母れいむに向かって飛び跳ねていきます。 母れいむは心配そうな子れいむを安心させるように微笑みました。 「ニヤ・・・」 「ユッ!?」 その母れいむの表情は子れいむ達の動きを止めました。 とうとう入り口が完全に閉まってしまいます。 もう子れいむではどうすることも出来ませんでした。 「おかーしゃん・・・」 「だいじょうぶだぜ!ほかのばしょにきっといけるんだぜ!」 「そうよ!それよりはるにおかーさんにあえるようにとうみんするのよ!」 子れいむ達はスポットの奥に向かいます。 初めて入ったゆっくりスポットには様々なゆっくりが犇めいていました。 「ゆ~、なんだかあかるいね!」 「ほんちょだ!おうちはこんにゃにあかるくなかっちゃよ!」 「どこかあいてるのかな?」 「ゆぅぅうん・・・」 子れいむ達はみょんに明るいスポットを不思議そうに思い、辺りを見回します。 やがて空中に浮いている白い物体を見つけました。 「あれだよ!あれがあかりゅいんだよ!」 「あれなんだろ?」 れいむの質問にまりさが答えます。 「あれはみょんのはんれいってやつだぜ!」 「はんれい?」 「よくわからないんだぜ!でもだいじなものらしいぜ!」 「ゆゆっ!」 だいじなものと聞いてれいむは自分のリボンを思い浮かべます。 「あいつがみょんだぜ!」 「ちーんぽ!」 「ゆっくりしていってね!」 初めて会ったみょんは変な泣き声でしたが子れいむ達は不思議と挨拶していました。 他にも様々なゆっくりと会った後、まりさの言っていた空きにつきました。 「ここだぜ!ちょっとまわりにうごいてもらってありすとちぇんもはいれるようにしたんだぜ!」 「さすがまりさね!」 そこには藁が敷かれていました。 これなら暖かそうです。 「わかるよー、ちょっとすくないよねー」 「さすがちぇんだぜ!」 いつの間にかいなくなっていたちぇんが戻ってきました。 子れいむ達からはまりさに隠れて見えませんでしたが、すぐに口に藁を咥えたちぇんが見えました。 「きみたちはそれじゃたりないよー」 ちぇんはそういい、子れいむ達の周りに藁を積んでいきます。 「ぽかぽか~」 「ちあわちぇ~」 子れいむは母れいむとちぇんの用意してくれた藁と綿でぬくぬくです。 しかし、まりさたちの顔はまだ晴れていませんでした。 「ゆぅぅ、これじゃたりないんだぜ・・・」 「こまったわ・・・」 「もうわらはなかったよー・・・」 悩んだ結果、まりさが防止を脱ぎだしました。 「まりさどうしたの!?」 「このぼうしをかぶせばあったかくなるんだぜ!」 「わかるよー!それならじゅうぶんだよー!」 まりさは子れいむの上に帽子を置きます。 「ゆ~、なんだかねみゅくなっちぇきた・・・」 「れーむも・・・」 「ゆぅ・・・ゆぅ・・・」 「ゆゆゆゆ・・・」 子れいむ達は冬眠のための眠気で船を漕いでいました。 「もうだいじょうぶだぜ、まりさたちもいっしょにねるんだぜ」 「またはるにあいましょうね」 「わかるよー、ぜったいだよー」 既に眠っている子れいむを見ながら3匹はゆっくりと眠りにつきました。 「ざ、ざぶいいいいいいいいいい!」 木枯らし吹き荒れる森に母れいむの悲鳴が響きます。 母れいむは必死にスポットを探しました。 しかし、開いている場所を見つけれず、辺りは暗くなっていました。 さらに追い討ちをかける物が空から降り始めます。 「ゆゆっ!?ゆきだあああああああ!」 母れいむには死の雪でした。 たまらずれいむは近くにあった木の根元の穴に逃げ込みます。 雪は降り止む気配を見せませんでした。 「ゆ~、もうつかれたからあしたさがすよ!」 れいむは独り言を呟いて眠り始めました。 一日中飛び跳ねていたれいむはぐっすりと眠ってしまいます。 雪はれいむのことなど気付かないかのように世界を白く変えていきました・・・ 「ゆゆっ・・・すっきりー!」 母れいむは十分な睡眠を取り、元気に目を覚ましました。 そして穴から外に元気よく飛び跳ねます。 そんなれいむの飛込みを白い地面はしっかりと受け止めました。 「ゆ?ゆゆゆゆううううう!」 森は姿を変えていました。 白くなった地面はれいむのとんだあとを綺麗に残していました。 れいむは気付いてしまいました。 もう開いているゆっくりスポットはないのだと。 それでもれいむは探すしかありませんでした。 ちっぽけなれいむなど白い世界では唯の点です。 「ゆーしょ!ゆーしょ!」 「ゆ~、しろくてどこかわがらないいいいいいいい!」 「ゆぅ、なんだかちからがはいらないよ・・・」 「れいむのあかちゃんたちだいじょうぶかな・・・」 「ゆっ、れいむもがんばりゃないt・・・」 ちっぽけな点はやがて見えなくなってしまいました。 「おきるんだぜ!はるがきたんだぜ!」 まりさがまわりのゆっくりを起こし始めます。 その声で周りのゆっくりが目を覚まし始めました。 あれからなにも起きず、スポットの住人は無事春を迎えることが出来ました。 「「「「ゆ~、しゅっきりー!」」」」 子れいむ達4匹も初めての越冬を無事乗り越えれたようでした。 「まりしゃおねーちゃんありがと!」 「しゅっごいあたたかかっちゃよ!」 「それはよかったんだぜ!まりさもうれしいぜ!」 まりさは帽子を被りなおしました。 そこに入り口を開けにいっていたありすとちぇんが戻ってきます。 「いりぐちがあいたわよ!」 「そとははるだよー」 「わかったんだぜ!」 三匹は子れいむに向かい問いかけます。 「れいむたちはどうするんだぜ?」 「れいむはまだきてないみたいね・・・」 「わかるよー、まだおきてないんだよー」 子れいむの返事は決まっていました。 「「「「おうちでゆっくりまちゅよ!」」」」 「わかったよー!ならこれもっていってねー」 「それがあればしばらくもつんだぜ!」 「れいむがもどったらもっとおいしいものをもらいなさい!」 三匹が渡したのは巣の近くで取った植物や虫をまとめたものでした。 「ありがちょー!」 「おいししょー!」 「ちょっとたべちゃいよ!」 「だめだよ!おかーしゃんがかえるまでゆっくちたべるよ!」 それぞれ食べ物を抱えたれいむ達は3匹とぱちゅりーに見送られてこれまで暮らしていた巣に戻りました。 「ひしゃしぶり~!」 「やっぱりここはゆっくちできるね!」 「おねーちゃんゆっくちちていっちぇね!」 「れぃむもゆっくちしていってね!」 巣には食べるものは何もありませんでしたが、それ以外は何も代わりがありませんでした 貰った食べ物を置き、4匹の子れいむは母れいむの帰ってくるのを待ちました。 いつまでもいつまでも待ちました。 それでも母れいむは帰ってきません。 もう貰った食べ物は食べ尽くしてしまいました。 「おねーしゃん、おにゃかすいた・・・」 「もうすぐおかーしゃんがもどってくるからゆっくちまとうね・・・」 子れいむ達はもう食べ物をとりにいく元気は残っていませんでした。 話しているのも二匹だけで、もう二匹は既にうつろな目で上を見つめています。 それでも子れいむ達は母れいむの帰りを信じていました。 子れいむ達の巣の外では、冬を乗り越えた生き物が元気よく動き回っていました。 このSSに感想を付ける
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投稿しよう 起・承 21KB 『投稿しよう 起・承』 「~♪」 時刻は夜9時。仕事帰りの1人の青年が改札口を出た。少し早歩きだ。 「ただいまー」 帰宅すると夕食や風呂を済ませスナック菓子を片手にパソコンの前に座った。 「今月号はどうなるのかなぁ……」 彼がカバンから取り出したのはDVDだ。"月刊ゆ虐天"…DVDのタイトルだ。……エロ本じゃないよ。似たような名前だけど。 ゆっくりが出現してから様々な商品が生まれた。その中の1つでゆっくりを虐待する様子を収めた本が創刊された。 購読者は毎月増えていった。ゆっくりを虐待する人が増加したのもあるが怖いもの見たさに買う人もいる。 そのうち写真や文章だけでは満足できないと映像化を望む声が高まりついにDVD化された。毎月発売されている。 「ぉ、始まった始まった」 DVDの内容は相当濃いとの評判だ。しかも時間も結構長い。DVDの値段は2000円。それに見合うだけのボリュームだ。 「おわっ…スゲェ…」 菓子を食いつつ映像に釘付けになった。 「いやぁ…今月号も凄かった」 一気に終わりまで見てしまった。時計の針は午前2時を指していた。 「俺も…投稿しようかな…」 元々"ゆ虐天"は読者からの投稿雑誌だった。現在も投稿作品がDVDに収録されているがメインは変更となった。 メインは超高画質&様々な視点から撮影されたゆっくり虐待だ。視聴者のアイデアから優秀なものを選びそれを映像化するのだ。 費用、舞台、設備、ゆっくり等全て発行元の加工所が用意してくれる。採用されれば賞金も貰えるし撮影に参加も出来るのだ。 元々は一般的な家庭で出来る虐待には限度があるために設けられたコーナーだった。賞金も微々たるものだった。 だが全国の虐待お兄さんのハートに火を点けてしまったようで練りに練った虐待計画が山のように送られてきてしまった。 どれも数時間で完結するような生易しいものではない。何日も苦痛を与える地獄のようなシナリオだった。 いつしかそれがメインとなりそのためDVDの収録時間も伸びた。賞金額も大きくなった。 「さて…どんな内容にするかだな……」 深夜ではあるが日付が変わって今日は土曜日。会社はお休み。心置きなくアイデアを練ることが出来る。 「うーむ……」 実は大方アイデアは出ていた。後は肉付けだ。ゆっくりの反応を予想しそこからどう叩き落してやろうか…。 「うーん……。いや、これじゃ甘いな…」 文章の構成、起承転結。"承""転"はさくさくと進むのだ。だが"結"がどうも弱い。"起"は楽だ。虐待する理由は言うまでもないからだ。 「出ねぇ…。布団に入るか」 布団の中でも少し考える。あるあるネタだが眠りに着く直前にラジオや漫画のネタが思いつくことがよくあるのだ。 「………………」 そのまま眠ってしまった。結局アイデアは浮かばなかった。 次の日も中々アイデアが浮かばなかった。 「とりあえず書けるところまでシナリオ書いてみるか」 書いているうちにふといいアイデアが浮かぶこともある。パソコンを起動させた。 「え~っと……」 ……………… ……… 『ここからだしてね!れいむはおこるとつよいんだよ!!』 『おちびぢゃんをかえじでね!!ありすのとかいはなおちびちゃんをつれてきてね!!』 『やい!くそどれい!!まりささまをおこらせるとこわいんだぜ!!こうさんするならいまのうちなんだぜ!!』 ゆっくりがごちゃごちゃと煩い。 『ままぁ!!ままぁ!!』 『おきゃあしゃあぁぁん!!!!おちょうしゃあぁん!!!どきょにいるのぉ!!?きょわいよぉ!!』 『あっちからおかあさんのこえがするよ!!おかあぁさん!!!れいむはここだよぉ!!!!』 子ゆっくりや赤ゆっくりもピーピー叫んで煩い。 『ゆ!おちびちゃんのこえがしたよ!!』 『ゆあっ!!こっちくるんだぜ!!』 『むきゅ!!ぱちぇのおちびちゃんがあそこにいるわ!!』 『ちびぢゃあぁあん!!!!おかあさんはここだよぉぉ!!』 親ゆっくり達はすぐにでも我が子の所へ行きたかった。だが目の前に透明な壁が立ち塞がっており前に進めなかった。 『おかあさあぁん!!!ゆっくりしないでこっちにきてよぉ!!』 『みゃみゃとしゅりしゅりしちゃいよ!ありちゅのところにきちぇにぇ!!』 子ゆっくりや赤ゆっくり達の目線は斜め上を向いていた。ここで少し今ゆっくり達がいる場所について解説しよう。 ここは野外ではない。四角い大きな部屋の中だ。高さ1m50cm程の透明なアクリル板で部屋は3つに仕切られている。 上から見ると"円"という文字の底部に線がひかれた感じだ。"田"という字の真ん中の縦棒の下半分が無くなったようにも見える。 小さい四角の区画に成体ゆっくりが、その隣の小さい四角の区角には子ゆっくりと赤ゆっくりが入っていた。 成体ゆっくりは15匹程、子ゆっくりと赤ゆっくりは併せて30匹程いる。 もう1つの大きな四角の区画には何も無かった。そして成体ゆっくりがいる区画にだけ50cm程の高さの土が敷かれていた。 このため子ゆっくりや赤ゆっくりは斜め上を向いているのだ。崖の上に親がいるといった感じなのだろう。 逆に親ゆっくり達にとっては崖下に我が子がいるといった感じで見下ろしていた。 『どぼじでおちびぢゃんのどごろにいげないのぉぉぉ!!!』 『まりさにいじわるしないでね!!あっちにいかせてね!!』 親ゆっくり達はアクリル板に体当たりをして隣へ行こうとした。 『この!この!かべさんこわれてね!!』 『ゆっくりできないかべさんなんかこうだ!!』 だがアクリル板はびくともしない。次第に泣き出す子ゆっくりや赤ゆっくりが出てきた。 『ゆえぇえぇえぇん!!!!おがあざんにあいだいよおぉ!!!』 『どぼじでごっぢぎでぐれないのぉぉ!!?』 『みゃみゃぁ!しゃみしぃいよぉ!!!!ゆえぇえぇえぇん!!!』 と、親ゆっくりがいる区画のドアが開いた。ちなみにドアは3つの区画に1つずつ設置されている。 『…………』 やってきたのは1人の男性だった。 『ゆ!?だ…だれ!!?』 『ありすをここにとじこめたのはおじさんね!!ゆっくりしないでここからだしなさい!!』 『やい!!じじい!!まりささまをここからだすんだぜ!!おちびちゃんにもあわせるんだぜえ!!!!』 彼は騒ぎ出すゆっくりを無視し1匹のまりさのもとへ歩いた。この中では一番大きいゆっくりだ。 『ゆ!?な…なんなのぜ!!?まりささまになんのようなんだぜ!!!!?』 まりさは息を吸い込み膨らんで威嚇した。 『りーだー!!ゆっくりできないにんげんさんをやっつけてね!!』 『りーだーだったらいちころなんだぜ!!』 『おとうさん!!やっつけてね!!!』 『おじしゃんだっだりゃらくしょうだよ!!!』 このまりさがこの中で一番強いゆっくりなのだろう。ちなみにこのゆっくり達はとある群れから連れ出したゆっくりだ。 『まりささまはつよいんだぜ!!!こうさんするならいまのうちなんだぜ!!!』 男は膨れるまりさの帽子を取り上げた。 『ゆあああ!!!!なにずるんだぜ!!!それはまりささまのおぼ…ゆびょおぉっ!!!!』 まりさを軽く蹴飛ばした。 『な…なかなかやるん……ゆああああああああ!!!!なにじでるのおおぉ!!!!』 男は帽子をぐぢゃぐぢゃに破いていた。地面に帽子の切れ端がひらひらと落ちていった。 『ばりざのゆっぐりじだおぼうじがあああ!!!よぐぼやっだなああ!!!!』 まりさが泣きながら突進してきた。男はひらりとかわした。まりさは地面に顔からダイブした。 『ゆびぇえぇ!!…っぐ…よげるなあぁ!!!がえぜえええ!!!ぼうじがえぜええ!!!!』 まりさは起き上がると男を睨み付けた。男はまりさの前に立ち塞がっていた。 『じねえええ!!!!じじいはじねええ!!!!ゆっぐりじないでじ……ゅぎゃあああああああああああ!!!!』 男はまりさの口を思いっきり蹴飛ばした。まりさは吹っ飛ばされた。まりさの砕けた歯が辺りに飛び散った。 『…っひゅ…っぎ……っひ…』 さっきまでの威勢の良さは無い。口の一部が抉れ大半の歯が折れていた。男はまりさのもとへ歩き出した。 『ま…まりざああああ!!!!どぼじでまげぢゃうのお!??』 『りーだーがあああ!!!なんでがでないのおお!!!??』 『いやああああ!!!!ごっぢぐるなあああ!!!』 『わがだないよぉぉ!!!!?』 『きょわいよぉ……おきゃあしゃぁぁん…』 周りのゆっくりが悲鳴を上げた。隣の子ゆっくりや赤ゆっくりは構造上まりさがどうなったのか見えなかったが親達の悲鳴に怯えだした。 『うあああああああ!!!!!ひぃぎゃあああああああ!!!!!!』 男はまりさの髪を掴むと思いっきり引っ張った。髪は頭皮ごと抜けた。中の餡子が丸見えだ。 『ぼうやべでえええ!!!ばりざがじんじゃうううう!!』 『ごごがらだじでえええ!!!ゆっぐりざぜでよおお!!!!』 『ぼういやだああ!!!おうぢがえるうう!!!!』 男の腕は止まらない。髪の毛を全て毟り取った。今度は殴る蹴るの暴行を加えた。 『うぼおお!!!!!!!やびぇ…ぎゃあああ!!!じぬううう!!!じぬうう!!!!いじゃいい!!!…ぎゃああ!!!』 殴る度に餡子が飛び出た。口や傷口から餡子が垂れ流しだ。 『……ゅ…っ………ゅ…………』 まりさはぐぢゃぐぢゃに潰されて死んでしまった。男は立ち上がり隅っこで固まってぶるぶる震えているゆっくり達に視線をやった。 『じにだぐない……ゆっぐぢぢだいよぉ…』 『むぎゅ……むぎゅうぅぅ……』 『こんなの…とがいはじゃないわ……ひぃぃ…』 『ごっぢごないでよ……ごないでぇ…』 男はパチンと指を鳴らした。 『うっうー!』 『ゆっくりしね!』 『おぜうさまなんだどぅ~』 今まで誰もいなかった区画のドアが開きれみりゃとふらんが入ってきた。その数合わせて20匹程。これだけの数が1ヵ所にいるのも珍しい。 『れみりゃだああ!!!!』 『どぼじでふらんがいるのおお!!!』 突然の天敵の登場に親ゆっくりも子ゆっくりも赤ゆっくりも慌てふためいた。 『きょわいよおお!!!!』 『だべないでええ!!!』 『ごっぢぐるなあああ!!!!ゆあああああ!!!』 れみりゃとふらんはアクリル板を飛び越え親ゆっくりのいる区画へやってきた。 『さて…今からお前らには働いてもらう』 漸く男が言葉を発した。 『お…おしごと…?』 『ゆっぐぢさせでええ!!!ゆああああ!!!ごっぢぐるなあああ!!!』 『だずげでよおぉ!!!!だずげでえええ!!!』 『れみりゃ、ふらん。落としてやれ』 彼の指図でれみりゃとふらんが地面に何かを落とした。 『な…なに?』 『なにずるのおお!!??ゆっぐぢできないのはいやだよぉ!!!』 『今からお前らには穴を掘ってもらう。それだけだ。大きな穴を掘れ』 『どぼじでぞんなごどじなぐぢゃならないのおお!!!??』 『そうだよぉ!!!!れいむはしんぐるまざーなんだよ!!そんなごどでぎるわけないでじょおぉぉ!!!!』 『へぇ…どこにお前の餓鬼がいるんだ?』 『れいむのぽんぽんさんにゆっくりしたあかちゃんがいるんだよ!!にんぷさんはたいせつにしなくちゃならないんだよ!!』 男はしんぐるまざー(笑)のれいむを持ち上げた。確かに腹の辺りが大きい。 『しんぐるまざーだから働かないんだって?』 『そ…そうだよ!!!しんぐるまざーなんだからたいせつにしなくちゃいけないんだよ!!だからあまあまさんもってきてね!!!』 れいむはどうだとばかり腹を突き出した。 『じゃあしんぐるまざーじゃなければ働くってことだよね』 彼はれいむのまむまむの辺りを鷲掴み思いっきり引き千切った。 『ゆぎゃあああ!!!!でいぶのぽんぽんがああ!!!!いだいいい!!!!なにずるのおお!!!』 皮が破れ餡子が見えるとれいむの腹の中に腕を突っ込んだ。 『ゆぎょおおお!!!!ぐ…ぐるいじいいいい!!!やべでええ!!!!どぼじでぞんなごどずるのおお!!!』 彼の腕がれいむの腹の中で蠢いている。 『ゅっく………ぃ……ぇ…』 『ぁ…ゃ…ゅ…………ょ』 『…ゃ…ゅ…きゃ……ゃ…に………ゃ…ょ…』 腹の中の赤ゆっくりの声が微かに聞こえた。彼の手が柔らかい球体に触れた。 『あがぢゃぁぁん!!!でいぶのゆっぐりじだあがぢゃんがじんじゃううう!!!!ぼうやべでええ!!!!』 彼の手が赤ゆっくりを掴んだ。彼は手に力を込めた。 『ゆぎゃああああ!!!!!!つぶれだあああ!!!!あがぢゃんがあああ!!!!あがぢゃんがああ!!!!!』 れいむが煩くて赤ゆっくりの断末魔が聞こえなかった。だがれいむにはちゃんと聞こえていた。 『よっと』 彼は握り拳のままれいむの腹から腕を引っこ抜いた。餡子がこびり付いた拳をれいむに向けそっと拳を開いた。 『…っ…ゅ…ぎゅ……』 最期の言葉を言うために生まれたようなものだ。飾りから赤れいむだったようだ。ぐちゃぁっと潰れていた。 握り潰された拍子に飛び出たのだろうか目玉が無く餡子色の涙がだらりと流れていた。 『で…でいぶのゆっぐりじだあがぢゃんがあああああ!!!!どぼじでえええ!!!!どぼじでごろじだのおぉ!!!!』 楽しみにしていた我が子との挨拶やゆっくりした生活が一瞬にして崩れた。更に悲劇は続く。 『れみりゃ、こっち来て』 男はれみりゃを呼んだ。 『おにいさん、なんだどぅ~?』 れみりゃが彼の傍まで降りてきた。 『今から美味しい饅頭をご馳走してあげるね』 『うっうー!うれしいんだどぅ~。ありがとうだどぅ~』 『おねえさまだけずる~い!!ふらんにもちょうだい!!』 ふらんも彼の傍まで降りてきた。 『いやあああ!!!!!でみりゃはいやああ!!!!ふだんもいやあああ!!!!!あっぢいっでえええ!!!!』 れいむが叫んだ。 『じゃあ今から何が出てくるか当てた方にあげるね』 彼は再びぽっかりと空いたれいむの腹部の穴に腕を突っ込んだ。 『ゆんぎゃあああ!!!!!ぐるじいい!!!!ぼうやべでええ!!!!あがぢゃんにひどいごどじないでえええ!!!』 彼の手が柔らかい球体に触れた。 『れみりゃ、ふらん。何だと思う?』 『あかいやつだどぅ~』 『くろいの!!くろいの!!』 彼は腕を引っこ抜いた。 『ゆっくちちちぇいっちぇね!!まりちゃはまりちゃだよ!!』 彼の手の上で赤まりさが元気良く挨拶した。 『あ…あがぢゃああああん!!!!にげでええ!!!!にぎぇでえええええ!!!!』 れいむに挨拶を返す余裕は無く必死に叫んだ。 『どびょじでしょんなこちょいうにょおおお!!??まりちゃがきゃわいきゅないにょ!!?』 生まれて最初の挨拶に応えてくれないことに泣き出す赤まりさ。 『ゆえぇえぇぇん!!!!おぎゃあじゃんのばきゃ…ゆ?おしょらをういちぇりゅよ!!』 赤まりさへ手が伸び持ち上げられた。 『正解はふらんだったね。じゃあ食べていいよ』 赤まりさを摘み上げたのはふらんだった。ふらんは赤まりさを銜えた。 『ゆぎゃああああ!!!!いじゃいよおお!!!!かばにゃいでえええ!!!!おがぁ…おがあじゃあああん!!!!』 『ぼうゆるじでえええ!!!!あがぢゃんだずげぢぇあげでよおお!!!!いやあああ!!!!いやああああ!!!!!!』 ふらんは美味しそうに赤まりさの中身を吸い上げていた。 『うー。おいしい!!』 『ゆぴゃああ!!!!ずわりぇりゅうう!!!!いじゃいい!!!いじゃいいい!!!!ゆっくぢさせぢぇえええ!!』 赤まりさはどんどん萎み最後はペラペラの皮だけになってれいむの前に捨てられた。 『あがぢゃぁぁん…ゆっぐ…ゆっぐぢぢだがっだよぉ……すりずり…じだがっだのにぃ……』 持ち主のいない小さな帽子を見ながられいむはすすり泣いていた。 『うー!!ずるいんだどぅ!!!おぜうさまにもあまあま!!!あまあま!!!』 れみりゃが文句を言い出した。 『分かった分かった。まだ残ってたらあげるから』 彼は再度れいむの腹に腕を突っ込んだ。 『ゆぎぇえええ!!!!ぼ…ぼうやべでええええ!!!!!じゅうぶんでじょおおお!!!!あがぢゃんみんなじんじゃっだああ!!!』 彼の手がごそごそと動いていたがついに最後の1匹を探り当てた。 『お!あった!れみりゃ、良かったな』 『うー!!!』 彼の腕が引っこ抜かれた。 『ぼういやだああああ!!!!あがぢゃんみだぐないいいい!!!!!』 れいむは目を瞑った。どうせ食べられるのなら我が子を見たくないのだろう。何故なら愛情が沸いてしまうから。 『ゆっきゅりしちぇいってにぇ!!!れいみゅはれいみゅだよ!!』 取り出されたのは赤れいむだ。元気良く挨拶したが母親からの返事は無い。 『…おきゃあしゃん?ゆ…ゆっくちちていっちぇね!!ゆっきゅりちえいってにぇ!!!……へんじじでよおお!!!!』 期待していた母親からの挨拶が来ない。赤れいむは泣き出した。 『おきゃあしゃああん!!!!おぎゃあじゃああん!!!!どびょじでなにもはなじぢぇぐれないにょおお!!!??』 『ぅぅ………ゅぐぐ……ぅぅぅぅぅ……』 れいむは涙を流しながら目をぎゅっと瞑り唸っていた。 『もっと挨拶しろよ。そしたら応えてくれるかもしれないぞ』 面白いものが見れそうだと彼は赤れいむに囁いた。れみりゃは早く食べたいようで腕を伸ばしたが彼はそれを制した。 『ゆ…ゆっくちちていっちぇね!!ゆっくちちていっちぇね!!!おきゃあしゃん!!!ゆっくちちようにぇ!!!ゆっくち!ゆっくち!』 しかしれいむは目を瞑ったままだ。彼は少し唸ったが名案を思いついた。 『お母さんのところに行ってすりすりしてきなさい。そしたらきっと…』 赤れいむにそう囁いてれいむの隣にそっと置いた。 『おきゃあしゃん!!!!れいみゅとしゅりしゅりしようにぇ!!しゅりしゅり~しゅりしゅり~』 赤れいむはれいむに頬擦りをした。ゆっくりにとって頬擦りは親愛の証。何よりもゆっくりできるのだ。 『ぅぅ……ぉ…ぉちび…ちゃん…』 ついにれいむの情が動いた。今すぐにでも我が子とゆっくりしたいのだ。 『おきゃあしゃん!!!りぇいみゅだよ!!!りぇいみゅはりぇいみゅだよ!!ゆっくりしちぇいっちぇね!!』 赤れいむが必死に呼びかける。そんな光景をニヤニヤ笑いながら見ていた彼はれみりゃにそっと何かを囁いた。 『おきゃあしゃん!!ゆっくちちたいよ!!!……りぇいみゅのことはきりゃいなの?』 『ゅ…ゅ………ゆあああああ!!!!おちびぢゃああああん!!!!おちびぢゃああああああん!!!!!』 ついにれいむの目が開いた。我が子が嫌いなものか。我が子が嫌いな親がどこにいるのだろうか。 『おちびぢゃあああああん!!!おがあざんだよおおお!!!!れいむが!!!れいむがおが……』 目を開けたれいむが固まった。れいむの目線の先にはれみりゃに摘み上げられる赤れいむ。 『おしょらをういちぇるよ!!おきゃあしゃん!!』 はしゃぐ赤れいむ。そして赤れいむはれみりゃの口元へ。 『ゆぎゃあああああ!!!!だべえええ!!!だべえええ!!だべぢゃだべええええ!!!!がえじでえええ!!!がえじでええ!!!』 れみりゃの鋭い犬歯が赤れいむに突き刺さった。 『ゆぴゃあああ!!!?いじゃいい!!!いじゃいよおお!!!!おぎゃあじゃああん!!!おぎゃあじゃああん!!!』 泣き叫ぶ赤れいむ。れみりゃは笑顔で赤れいむを味わっていた。 『美味いか?れみりゃ』 『うー!!』 赤れいむがどんどん萎んでいく。 『どびょじで!!!どびょじでだずぎぇでぐでにゃいのおお!!!!???ゆっぐぢぢだぎゃっだあ!!!ゆっぐぢぢだがっだあああ!!』 皮だけになった赤れいむが投げ捨てられた。結局挨拶も会話も何も出来なかった。 『ど…どぼじで…どぼじでええ!!!どぼじでごんなごどずるのおおおおお!!!!???』 れいむが叫んだ。 『だってしんぐるまざーなんでしょ。しんぐるまざーじゃ仕事が出来ないからしんぐるまざーじゃなくしたんだよ。良かったね』 周りのゆっくり達はこの光景にぶるぶる震えていた。天敵が頭上を舞っているのも怖かった。 『ひぃぃぃぃ……ゆっぐぢ……ゆっぐぢぃ…』 『ころさないで…じぬはいやだぁ……』 『らんじゃばぁ……わがらないよぉ……』 彼に攻撃的なゆっくりは1匹もいない。 『さ~て、他にしんぐるまざーはいないかな?いたら返事してね』 彼はゆっくりを見回した。 『君かな?』 『ちがいまずううう!!!ありずはおがあざんじゃないでずうぅ!!!!』 『まりさ?』 『ゆああああ!!!!まりざはちがうよおお!!!!まりざはちがううう!!!!!』 彼と目線が合ったゆっくりは泣き叫びながら否定した。 『君はそうでしょ』 『れいぶはしんぐるまざーじゃないよおお!!!!!いやあああ!!!!やべでええええ!!!いだいのはいやあああ!!!!!』 彼はれいむを持ち上げた。 『だって君のお腹すっごい大きいよ。隠さないでよ。ホントはこの中にどっさり入ってるんだろ?』 れいむの腹をぽんぽんと叩いた。 『ちがいまずうう!!!!あがぢゃんなんがいないよおぉ!!!!いないっでばああああ!!!!』 『じゃあ何でこんなに大きいの?この中には何が入ってるの?』 『で…でぶだがらでずう!!!!れいぶはでぶなゆっぐりだがらでず!!!!でぶだがらあああああ!!!!!』 『デブなんだ。だったら丁度いい。お仕事して痩せようね』 彼はれいむを降ろした。 『じゃあもう一度言うよ。今から大きな穴を掘るんだ。さっきれみりゃとふらんが棒を落としただろ。それ使っていいよ』 れみりゃとふらんが落としたのは割り箸だった。ゆっくりが穴を掘るには2つ方法がある。1つはあぐあぐと土を齧って吐き出すのだ。 だがゆっくりの歯は砂糖菓子で出来ているため長時間続けてしまうと歯が折れてしまう。そこで2つ目の方法、棒を使うのだ。 適当な棒を拾い棒を使って土を穿るのだ。こうしてゆっくりは穴を掘り巣を作るのだ。 『分かった?』 『ゆ…ゆ…ゆ……』 『どうじで…ぞんなごど…じなぐぢゃいげないの………』 『ゆっぐぢじだいよぉ……ゆっぐぢさせでぇ…』 『おちびぢゃん……おちびぢゃんにあわぜでぇ…』 ぶつぶつとゆっくりが文句を呟いた。 『分かったなら返事しようね。それともリーダーみたいになりたいのは誰?』 彼は傍にいたまりさの帽子をひょいっと摘み上げた。 『ゆあああああ!!!!やりまずう!!!やりまずがらああ!!!ぼうじがえじでえええ!!!ごろざないでええ!!!やりばずう!!!』 『『『はいい!!!はいいい!!!!』』』 『『『わがりまじだあああ!!!!ほりまずううう!!!!!』』』 ゆっくりは我先にと割り箸を咥え地面を掘り始めた。 『ゆ……っぐ…あがぢゃぁ……あがぢゃぁぁん…』 我が子を食い殺されたしんぐるまざーのれいむだけ散らばった飾りを集めていた。 『うー!!!はたらくんだどぅ!!』 れみりゃはれいむを持ち上げると放り投げた。 『ゆびぇぇ!!!……いだい…いだいよぉ…』 『ああそうだ。怠けたられみりゃとふらんがお仕置きするから。ちゃんと働けよ』 れみりゃとふらんは親ゆっくりがいる区画と子ゆっくり、赤ゆっくりがいる区画を飛び回っていた。 『うー!!ちゃんとはたらくんだどぅ!!!おぜうさまはきびしいんだどぅ!!』 『わがりまじだああ!!!!はだらぎまずがらああ!!!』 『ふらんのめはごまかせないわよ!!なまけるならゆっくりしね!!!ゆっくりしね!!』 『ごっぢごないでえええ!!!ほっでまずう!!!ほっでまずうう!!!』 れみりゃとふらんのお仕事はゆっくりの監視。といってもゆっくりで遊んでいるといった方が正しい。 『うー!!』 『ゆああああ!!!おぞらどんでるうう!!!!どぼじでえ!!!ぢゃんどはだらいでるのにいい!!!』 手当たり次第ゆっくりを持ち上げては地面に落として遊んでいた。 『くらえ!!!』 『ゆわっ!!!!っぺっぺ!!!!い…いじわるじないでえええ!!!ゆぎゃああ!!!いだいいい!!!!』 土をゆっくりに投げて遊ぶのもいた。 『うっうー!いくんだどぅ~』 子ゆっくりと赤ゆっくりがいる区画にもれみりゃとふらんがいる。こちらは監視ではなく遊びだ。 『おにぇえじゃああん!!!おろちちぇええ!!!!ちんじゃううう!!ちぬはいやあああ!!!!』 れみりゃが赤れいむをふらんに向けて投げた。 『おねえさま!ないすぼーる!!つぎはふらんがなげるばんよ!!』 赤ゆっくりはボールとして遊ばれていた。 『うー!!!ごーるはあっちなんだどぅ~』 『ぱすなんだどぅ~』 子ゆっくりもボールだ。蹴られて遊ばれていた。 『いだいい!!!げらないでええ!!!ゆぎぇえええ!!!ぼ…ぼうやじゃああああ!!!おうぢいい!!!おうぢい!!!!』 『おがああざああん!!!だずげでええええ!!!どぼじでだずげでぐれないのおお!!!』 子ゆっくりや赤ゆっくりの悲鳴を聞きながら親ゆっくり達は涙を流しながら地面を掘っていた。 『おちび…ぢゃん……。っぐ…ごべんね…ごべんねぇ…』 『どぼじでごんなごどにぃ……ごんなの…どがいはじゃないわ……』 『ごろざない…で……でいぶの…おちびぢゃん…ゆっぐぢじだい……』 『うー!!!!くちをうごかすまえにはたらきなさい!!!』 『おぜうさまのめはふしあなじゃないんだどぅ!!!!はたらくんだどぅ!!!!』 親ゆっくり達は我が子の姿を見たいが為に我が子との再会を阻むアクリル板の周りを掘っていた。これでいい。 親ゆっくり達は必死に地面を掘るが人間と違いそんなに早く進まない。まだまだ穴とは言えない。 ……………… ……… 「とりあえず最初はこんなもんかな…」 頭の中で思い浮かべたシーンを元にシナリオを半分書き上げた。 「ゆっくりはどうにでもなるだろう。問題は場所だよなぁ……。加工所の空いてる場所とかどっか適当な場所があればいいけど…」 あまりにも実写化が難しいシナリオは弾かれてしまう。ちゃんとリアリティがなくては採用されない。 「ちゃんとあの辺りを掘ってくれるかな?…まぁ変なところ掘ってたられみりゃにお仕置きさせればいいか」 お茶を注いだ。 「大丈夫…いける」 軽くお茶を飲んでから再びシナリオを書き始めた。 『投稿しよう 転・結』へ続く by エルダーあき エルダーあきの作品集 このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! ◆感想スレ ※書き込む時はSSのタイトルを書いて下さい。 コレをコピーしてから飛びましょう→『431 投稿しよう 起・承』 エルダーあき感想スレ ◆wiki内感想 感想 すべてのコメントを見る トップページに戻る