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キャラクター-パンツァークエスト- Lv99時点でのステータス キャラクター詳細スイ(パンツマニア16歳) ステラ(お嬢様15歳) レイラ(三番隊副隊長16歳) フェイ(三番隊隊長17歳) ルン(メイドさん18歳) カリン(魔法少女13歳) アーニャ(迷子の達人16歳) ティナ(パンツ屋さん17歳) サニア(正義の味方19歳) ユーノ(竜玉の番犬年齢不明) ケイ(スイの妹16歳) クレス(騎士団長19歳) 十五夜(クインズ様年齢不明) 咲っち(悪夢の住人年齢不明)※イベントキャラ スピンオフでの仲間加入場所※要反転 Lv99時点でのステータス 装備なし、無職 ステ合計 ステータス(攻撃力/守備力/精神力/敏捷性)を単純に足し合わせた値 青文字は、最大値 名前 HP MP 攻撃力 守備力 精神力 敏捷性 ステ合計 備考 スイ 450 400 230 200 180 200 810 ステラ 380 450 170 170 230 220 790 レイラ 460 270 240 210 140 170 760 フェイ 390 480 220 190 240 210 860 ルン 490 320 250 210 220 240 920 カリン 450 999 140 150 250 200 740 アーニャ 470 250 240 220 130 230 820 ティナ 370 260 210 250 210 250 920 サニア 510 210 250 240 120 165 775 ユーノ 450 220 240 180 140 230 790 ケイ 450 380 240 220 220 240 920 クレス 470 200 250 200 150 220 820 十五夜 950 850 300 300 300 300 1200 スピンオフ後 咲っち 800 750 351 300 255 255 1161 Lv?イベントキャラ キャラクター詳細 スイ(パンツマニア16歳) LV HP MP 攻撃力 守備力 精神力 敏捷性 初期職 1 40 30 23 24 18 20 無職 パンツを盗む事ができる 初期装備 布の服 ステラ(お嬢様15歳) LV HP MP 攻撃力 守備力 精神力 敏捷性 初期職 1 34 49 18 23 25 22 僧侶Rank0 レベルが上がりやすい 初期装備 護身用ナイフ、冒険者の服 レイラ(三番隊副隊長16歳) LV HP MP 攻撃力 守備力 精神力 敏捷性 初期職 2 57 26 42 31 14 19 冒険家Rank0 最初から「火炎斬り」を習得済み 初期装備 銅の剣、冒険者の服 フェイ(三番隊隊長17歳) LV HP MP 攻撃力 守備力 精神力 敏捷性 初期職 16 99 184 82 72 121 47 魔法使いRank8 初期装備 基盤の杖、魔導士のローブ ルン(メイドさん18歳) LV HP MP 攻撃力 守備力 精神力 敏捷性 初期職 30 288 149 237 158 110 130 パラディンRank0 最初から、「ケアラル」「ケアラルク」「リフレ」「真空波」「稲妻」習得済み 初期装備 光の剣、メイド服 カリン(魔法少女13歳) LV HP MP 攻撃力 守備力 精神力 敏捷性 初期職 18 84 228 38 73 127 41 魔法使いRank7 最初から、「フレイアム」を習得済み Lv80で「デバインバスター」を習得 初期装備 魔法の杖、魔女の帽子、魔導師のローブ アーニャ(迷子の達人16歳) LV HP MP 攻撃力 守備力 精神力 敏捷性 初期職 5 87 35 96 64 29 35 魔法戦士Rank1 最初から、戦士Rank8 最初から、「パワフ」「フレイア」を習得済み 初期装備 遊撃の剣、鋼鉄の鎧 ティナ(パンツ屋さん17歳) LV HP MP 攻撃力 守備力 精神力 敏捷性 初期職 4 50 30 36 38 23 46 盗賊Rank5 初期装備 護身用ナイフ、布の服 サニア(正義の味方19歳) ラビリズ南西の神殿クリアまで一時加入時 LV HP MP 攻撃力 守備力 精神力 敏捷性 初期職 20 274 23 164 103 10 59 デュエリストRank1 本加入時 LV HP MP 攻撃力 守備力 精神力 敏捷性 初期職 35 409 34 224 143 16 89 デュエリストRank1 最初から、「癒しの陣」「正拳突き」を習得済み 初期装備 猛獣の爪、武道着 ユーノ(竜玉の番犬年齢不明) LV HP MP 攻撃力 守備力 精神力 敏捷性 初期職 24 202 34 151 96 22 119 武道家Rank7 初期装備 猛獣の爪、毛皮のマント ケイ(スイの妹16歳) LV HP MP 攻撃力 守備力 精神力 敏捷性 初期職 30 243 152 192 157 94 186 アサシンRank0 最初から、「フリザルム」「ダクネス」「火炎連続斬り」「回転剣舞」を習得済み 初期装備 アサシンダガー、戦装束 クレス(騎士団長19歳) LV HP MP 攻撃力 守備力 精神力 敏捷性 初期職 35 348 41 250 173 30 73 戦士Rank8 最初から、武道家Rank8 初期装備 ダイヤの剣、ダイヤの鎧 十五夜(クインズ様年齢不明) LV HP MP 攻撃力 守備力 精神力 敏捷性 初期職 1 336 272 277 168 144 176 殲滅天使Rank0 最初から、「フレイアム×2」「双鬼神斬り」習得済み Lv70でアマテラスを覚える。 初期装備 光の剣、冒険者の服 咲っち(悪夢の住人年齢不明)※イベントキャラ LV HP MP 攻撃力 守備力 精神力 敏捷性 ? 800 750 351 300 255 255 装備の変更が出来ない。 レベルが上がらない(?固定) 「ケアラル」「ケアラルク」「リフレ」「リバイラ」「ダクネロス」「ファントムペイン」習得済み 初期職 無職 初期装備 草薙の剣、メイド服 スピンオフでの仲間加入場所※要反転 スイ 秘密の花園B ステラ ユーリの町 レイラ ウィルアの街 フェイ ウィルアの街 ルン 秘密の花園B アーニャ 秘密の花園A ティナ ティナの店 サニア ネッス湖 ケイ ユーリの町 クレス 王都レティシア 十五夜:女神の神殿
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深夜。 アスランはベッドに入って目を瞑っていた。 寝ているのではない、実際本人に意識はある。 ベッドに入るまでは眠気があったはずなのに、何故か今ではまったくといっていいほど眠くない。 目を瞑っていればその内寝るだろうと思っていたのだが、この状態ですでに二時間ほど経過している。 (……参ったな) 観念し、目を開けるアスラン。頭上に広がる天井。 つい一月ほど前からこの部屋に住んでいるアスランにとって、それはすでに見慣れない天井ではなくなっていた。 (……まさか、戦争の途中で異世界に迷い込んで、さながら魔法使いになってましたなんて、な) 一体誰が信じるだろうか。 イザークがこの話を聞いたら「はぁ?貴様何を寝言を言っている?」とか言いそうだ。 だが、今自分はこの世界で魔法を使っている。 自分を助けてくれた魔法使いの少女と使い魔と共にジュエルシードを集めている。 全ては、少女の母親の願いを叶える為に。 その為に、この世界でまた親友と刃を交える事となった。 キラ・ヤマト。 幼少時の自分の親友。父親の都合でプラントに渡る事になり離別したが、 再会は、二人が想像しなかった形で邂逅した。 ――倒すべき、敵として。 そして、彼とは幾度となく刃を交えた。 その中、自分の同僚がキラに殺された。 アスランは悔やんだ。キラを討てない自分の甘さが、彼を死なせてしまったと。 次に会った時は、お互い本気で殺す気で戦った。 その時の二人は、悔しさと悲しさ、そして、憎しみが支配していた。 その最中、爆発の影響でアスランはこの異世界に迷い込んだ。 そして魔法使いの少女に助けてもらい、そのお礼として手伝いをすることになった。 そうしてジュエルシードを集めている最中、キラと再会した。 ――また、敵として。 だが、今の俺はザフトのアスラン・ザラじゃない。 軍の命令も何もない。あるのは、ただ己の意思。 やると決めたのは自分の言葉。助けたいと思ったのは自分の気持ち。 そして……キラを殺したくはないのも、また事実。 ――俺は甘すぎるのかな、ニコル。 今は亡き友へと言葉を送るように外を見る。 ――だけど、俺は……負ける訳にはいかない。 この身に託された思いと、絆を結ぶ為に……。 思考を巡らしていたが、いつしかアスランの意識は深い闇の中へと消えていた。 同刻。 時空航行船・アースラ内。 現在は航行を停止しており、クルーの皆は現在ブリッジの中央テーブルに集まっている。 そして中央の一番奥に、艦長であるリンディが座っており口を開く。 「……という訳で、本日零時を持って本艦全クルーの任務はロストロギア、ジュエルシードの捜索と回収に変更になります。 また本件においては特例として、問題のロストロギアの発見者であり、結界魔導師でもあるこちら」 ガタ。と椅子から立ち上がるユーノ。 「はい、ユーノ・スクライアです」 「それから、彼の協力者でもある現地の魔導師の」 はっと自分が呼ばれた事に気付き立ち上がるなのは。 「た、高町なのはです」 「そして、異世界より迷い込んだ魔導師の」 カタ。と席を立つキラ。 「キラ・ヤマトです」 ペコと小さく頭を下げる。 「以上三名が臨時局員の扱いで事態に当たってくれます」 「「「よろしくお願いします」」」 三人が同時に頭を下げる。 「こちらこそ、よろしく」 「よろしく」 局員の皆が三人へと返事を送る。 その様子を見て微笑むリンディ。 アースラ・ブリッジ。 それぞれの持ち場へと戻った局員。そして三人はリンディの後ろへと控えていた。 「じゃあここからはジュエルシードの位置特定はこちらでするわ。場所が分かったら現地に向かってもらいます」 自分達の事だと理解した三人は少し姿勢を正し、 「「「はい」」」と返事をする。 「艦長、お茶です」 エイミィがお茶とその他を乗せたお盆を持ってくる。 「ありがとう」 そしてリンディはスプーンを持ち、砂糖をかなり多めにすくい、『湯』と書かれた陶器へと入れる。 それも二杯。しかもその後にミルクと思わしき液体を混入した。 "それ"をリンディは何事も無かったかのように陶器に口をつけ飲む。 「はぁ……」 おまけに飲んでいる本人はかなりご満悦のようだった。 その光景を見ていたなのはは、 (うわぁ……)と言葉には出さないが、言葉通りの表情を浮かべていた。 キラに関しては口を抑えて「うぷ……」と見ているだけで胸焼けを起こす勢いだ。 「そういえばなのはさん、学校の方は大丈夫なの?」 「あ、はい。家族と友達には説明してありますので……」 学校に関しては家庭の事情という事でしばらくお休みすることになっていた。 そして学校ではなのはの代わりのノート等はアリサが自分から進んで引き受けていた。 その様子をみて微笑むすずか。そして空を見上げ、思う。 (なのはちゃん……元気でやってるかな……) 某所・結界内 「クェェェェェェェッ!!!」 悲痛の叫びを上げる橙色の鳥。その身体に巻きつく緑色の鎖。 その鎖から逃げようとして暴れるが、外れる事はない。 「捕まえた、なのは!」 「うん!」 ユーノの言葉に反応するなのは。 『Sealing mode, setup.』 鳥へと突き刺さる桜色の閃光。そして浮かび上がるジュエルシードのシリアルナンバー。 『Stand by ready.』 「リリカル・マジカル……ジュエルシード、シリアルⅧ、封印!」 『Sealing』 そして幾つもの閃光が突き刺さり、鳥はその形状を保持できなくなり消滅する。 地上に着地し、レイジングハートを構えるなのは。 鳥の跡に残ったジュエルシードがゆっくりと降下し、レイジングハートのコアへと封印される。 『Receipt number Ⅷ.』 アースラ・ブリッジ。 「状況終了です。ナンバーⅧ無事確保。お疲れ様、なのはちゃん、ユーノ君」 局員の一人がディスプレイの向こうの二人へと話す。 「ゲートを作るね、そこで待ってて」 「さて、こっちはどうなってるかな……」 クロノがディスプレイを切り替える。 某所・結界内。 「はあああああああっ!!!!」 空中から、ソードジャケットを身に纏ったキラがシュベルトゲベールを振り下ろす。 振り下ろした先にはジュエルシードの影響で具現化した馬のようなモノがいた。 だが、振り下ろしたシュベルトゲベールは空を切り、地上スレスレで止まる。 「くっ!早いっ!!」 だったら、相手の動きを止めれば!! 左肩にマウントされたブーメランを引き抜く。 『マイダスメッサー』 そして目の前の目標に向かって投げる。 弧を描くように左後方から馬へと向かっていく。 「!!」 それに気付いた馬は急遽進路を変更する。だが、 「ストライク!!」 『パンツァーアイゼン』 左手の甲のシールドから発射されるロケットアンカー、その先端のクローが馬の足へと絡みつく。 最初のマイダスメッサーは囮、本当の狙いはパンツァーアイゼンで足止めをする事だったのだ。 案の定、マイダスメッサーに気付いた馬は進路を変更せざるをえない状況になり、その一瞬の止まる隙をキラは見逃さなかった。 そしてパンツァーアイゼンのコードが収縮し、そのまま馬へと迫る。 「うおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」 そして両手に構えたシュベルトゲベールを振りかぶり、縦一閃。 「ヒィィィィィィィィィィィン…………!!」 断末魔の悲鳴を上げ、馬の具現が消滅していく。 そして現れたジュエルシード、その中央には『Ⅸ』のシリアルナンバーに刻まれている。 シュベルトゲベールを構えるキラ。その大剣へと吸い込まれるように消えていくジュエルシード。 『Sealing. receipt number Ⅸ.』 「ふう……」 戦闘が終わり一息つくキラ。 直後眼前の空間に現れる画面。 『お疲れ様、キラ君』 そこにはアースラの局員が映っていた。 「あ、はい」 『それじゃそっちにもゲートを開くからちょっと待ってて』 数分後、足元に魔方陣が発生し、直後に転移する。 アースラ・転移ポート前。 目を開けると、隣にはなのはとユーノがいた。 どうやら同時に転移してきたみたいだ。 「お疲れ様、キラ君」「お疲れ様です」 「うん、二人ともお疲れ様」 互いの労いの言葉を掛け合う三人。 廊下を歩いてる最中、ふとなのはが言葉を漏らす。 「……フェイトちゃん、現れないね……」 「うん、こっちとは別にジュエルシードを集めていってるみたいだけど……」 「うん……」 「……だけど、いつかはぶつかることになる……それまでは、僕達も頑張ろう」 「うん」 返事をしたなのはの表情は、どこか曇り気味であった。 湖。 「……だめだ、空振りみたいだ」 「……そう」 アルフの残念そうな言葉にフェイトは表情一つ変えずに返事をする。 流れる風が彼女の長い髪をしならせ、靡く。 「やっぱ、向こうに見つからないように隠れて探すのはなかなか難しいよ……」 「うん……でも、もう少し頑張ろう」 そして空中より現れる紅い影。 「アスラン」 「どうだった?」 「すまない、俺が行った時にはすでに……」 気配を感じたアスランが単独で向かったのだが、すでに事は終了していたようだった。 「これで、向こうにまた一つ回収されてしまった……」 アスランの表情には悔しさがにじみ出ていた。 「アスランのせいじゃないよ……だからそんなに気負わないで」 「……すまない」 その言葉で少し気が軽くなったのか、表情が微笑むアスラン。 「これで……残りはあと6つ」 「次こそは、向こうよりも先に……!」 「うん」 シュルゥッ!!とフェイトの腕に巻かれた包帯が風に乗り、空へと舞い上がっていった。 翌日。 アースラ・食堂。 「はぁ……今日も空振りだったね」 皿の上のクッキーを手に取るなのは。 「うん。もしかしたら結構長くかかるかも……なのは、ごめんね」 「へ?」 突然のユーノの謝罪に手を止めるなのは。 「寂しくない?」 「別に、ちっとも寂しくないよ。ユーノ君やキラ君と一緒だし。一人ぼっちでも結構平気。 ちっちゃい頃はよく一人だったから」 「え? どうして……?」 キラはその言葉に疑問を覚えた。 あの優しい高町家の人達がなのはを一人にしておくことなどあるわけがないと思ったのだ。 そしてなのはの口から語られる過去。 なのはの幼少時に、仕事で大怪我をした士郎、翠屋の経営に追われる桃子と恭也、士郎の看病をする美由希。 だから、家には一人でいることがほとんどだったという。 「そう、だったんだ……ごめんね、なのはちゃん」 「ふぇ? キラ君が謝ることないよ~」 「でも……」 申し訳なさそうな表情のキラ。そこで話題を変えるべくなのはが口を開く。 「そういえば私、ユーノ君やキラ君の家族の事とかってほとんど知らないね」 「ああ、僕は元々一人だったから……」 「え? そうなの?」 「両親はいなかったんだけど、部族のみんなに育ててもらったから、だからスクライアの一族みんなが僕の家族なんだ」 「僕は……父さんと母さんの三人家族かな」 「え? キラ君って一人っ子だったんだ」 「うん。だから両親が仕事でいない時は僕も結構一人でいることが多かったかな」 「そっか……」 サクッとクッキーを食べるキラ。 「……色々片付いたら、もっとたくさん色んなお話したいね」 「うん、そうだね」 微笑みを交わす三人。その中、キラはある事を考えていた。 ――事件が終わって、C.E.の世界が見つかったら……僕は……僕達は―― ふとそんな考えが頭をよぎる。が、今は忘れることにしてクッキーを口へと運ぶキラ。 刹那。 鳴り響く警報。 「「「!!!」」」 柱のディスプレイには紅く『Emergency』と表示され点滅している。 『操作区域の海上にて大型の魔力反応を感知!!』 スピーカーから流れるそれを聞いた三人はすぐに駆け出していた。 海鳴市・海上。 海の上に浮かぶ巨大な魔方陣。 フェイトはその中心で詠唱を始める。 「……アルカス・クルタス・エイギアス……煌めきたる天神よ。今導きのもと、降りきたれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル」 ピシャアンッ!! 魔方陣から海へと目掛けて放たれる幾つもの雷。 天候もそれに応じ、雲から雨が降りそそぐ。 (ジュエルシードは多分海の中、だから海に電気の魔力を叩き込んで強制発動させて位置を特定する。 そのプランは間違ってないけど……フェイト……!!) 「撃つは雷、響くは轟雷。アルカス・クルタス・エイギアス……!」 フェイトの頭上に浮かび上がる複数の光の玉。 それらが共鳴し合い、反応するように電流が迸る。 「はああああああああっ!!!!」 バルディッシュを掲げ、海へと振り下ろし魔方陣が作動する。 頭上の玉から海へと打ち込まれる複数の電撃。先程とは違い、かなり高出力の魔力が叩き込まれる。 そして、 「!!」 その魔力で発動するジュエルシード。光の柱が海から天へと駆け上るように突き上がる。 その数は……4つ。 「はぁ、はぁ、はぁ……見つけた……」 (こんだけの魔力を打ち込んで、さらに全てを封印して……こんなのフェイトの魔力でも絶対に限界越えだ!) アルフがそう考えているとフェイトが振り返りこちらを見る。 「アルフ、空間結界のサポートをお願い」 「ああ、任せといて!」 (だから、誰が来ようが何が起ころうが、あたしが絶対に護ってやる!!) そして、発動したジュエルシードが光の柱に海水を巻き込み、竜巻のように暴れ始める。 「行くよ、バルディッシュ……頑張ろう」 自分の相棒を構え、4つの竜巻へと向かっていくフェイト。 アースラ・ブリッジ。 ディスプレイに映る海の様子はまるで台風が来た時のように荒れていた。 「なんともあきれた無茶をする子だわ!」 不安そうな表情で見つめるリンディ。 「無謀ですね。間違いなく自滅します。あれは、個人の成せる魔力の限界を超えている!」 同じ様にディスプレイを見つめるクロノ。だが、こちらは冷静に判断している。 「フェイトちゃん!!」 ブリッジへ飛び込んでくるなのはとキラ。 「あの、私急いで現場に!」 「その必要はないよ、放っておけばあの子は自滅する」 「「!!」」 クロノの言葉に動きが止まる二人。 「仮に自滅しなかったとしても、力を使い果たした所を叩けばいい」 「でも……」「そんな……」 「今の内に捕獲の準備を」 「了解」 「しかし、残るジュエルシードは6つ、あの子が発動させたのが4つ、残り2つはどこに……?」 「……あれ?」 なのはと同じようにディスプレイを見つめていたキラが疑問を感じた。 「どうしたの?キラ君」 「……アスランがいない」 「そういえば……」 おかしい。状況的に不利な今の彼女を見捨てるような彼じゃない。 だとしたら……なぜ…………まさか……! キラは階段を駆け下り、クロノへと駆け寄る。 「クロノ!ここ以外の魔力反応は!?」 「な、なんだ突然!?」 「いいから早く!!」 「わ、わかった!」 キラの突然の行動と言動に押されたクロノは局員にコンソールを打ち込ませる。 「……!! 反応あり!湖にて魔力感知!今画面に出します!!」 パッと複数あるディスプレイの内の一つが切り替わる。 その画面に映るのは、一面に広がる湖。そしてその中央に浮かぶ一つの影。 「……アスラン!」 紅いバリアジャケットに身を包んだアスラン・ザラがはっきりと映っていた。 そしてそのかざした右手には魔力が集まっており、次の瞬間。 魔力は湖へと放たれた。
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深夜。 アスランはベッドに入って目を瞑っていた。 寝ているのではない、実際本人に意識はある。 ベッドに入るまでは眠気があったはずなのに、何故か今ではまったくといっていいほど眠くない。 目を瞑っていればその内寝るだろうと思っていたのだが、この状態ですでに二時間ほど経過している。 (……参ったな) 観念し、目を開けるアスラン。頭上に広がる天井。 つい一月ほど前からこの部屋に住んでいるアスランにとって、それはすでに見慣れない天井ではなくなっていた。 (……まさか、戦争の途中で異世界に迷い込んで、さながら魔法使いになってましたなんて、な) 一体誰が信じるだろうか。 イザークがこの話を聞いたら「はぁ?貴様何を寝言を言っている?」とか言いそうだ。 だが、今自分はこの世界で魔法を使っている。 自分を助けてくれた魔法使いの少女と使い魔と共にジュエルシードを集めている。 全ては、少女の母親の願いを叶える為に。 その為に、この世界でまた親友と刃を交える事となった。 キラ・ヤマト。 幼少時の自分の親友。父親の都合でプラントに渡る事になり離別したが、 再会は、二人が想像しなかった形で邂逅した。 ――倒すべき、敵として。 そして、彼とは幾度となく刃を交えた。 その中、自分の同僚がキラに殺された。 アスランは悔やんだ。キラを討てない自分の甘さが、彼を死なせてしまったと。 次に会った時は、お互い本気で殺す気で戦った。 その時の二人は、悔しさと悲しさ、そして、憎しみが支配していた。 その最中、爆発の影響でアスランはこの異世界に迷い込んだ。 そして魔法使いの少女に助けてもらい、そのお礼として手伝いをすることになった。 そうしてジュエルシードを集めている最中、キラと再会した。 ――また、敵として。 だが、今の俺はザフトのアスラン・ザラじゃない。 軍の命令も何もない。あるのは、ただ己の意思。 やると決めたのは自分の言葉。助けたいと思ったのは自分の気持ち。 そして……キラを殺したくはないのも、また事実。 ――俺は甘すぎるのかな、ニコル。 今は亡き友へと言葉を送るように外を見る。 ――だけど、俺は……負ける訳にはいかない。 この身に託された思いと、絆を結ぶ為に……。 思考を巡らしていたが、いつしかアスランの意識は深い闇の中へと消えていた。 同刻。 時空航行船・アースラ内。 現在は航行を停止しており、クルーの皆は現在ブリッジの中央テーブルに集まっている。 そして中央の一番奥に、艦長であるリンディが座っており口を開く。 「……という訳で、本日零時を持って本艦全クルーの任務はロストロギア、ジュエルシードの捜索と回収に変更になります。 また本件においては特例として、問題のロストロギアの発見者であり、結界魔導師でもあるこちら」 ガタ。と椅子から立ち上がるユーノ。 「はい、ユーノ・スクライアです」 「それから、彼の協力者でもある現地の魔導師の」 はっと自分が呼ばれた事に気付き立ち上がるなのは。 「た、高町なのはです」 「そして、異世界より迷い込んだ魔導師の」 カタ。と席を立つキラ。 「キラ・ヤマトです」 ペコと小さく頭を下げる。 「以上三名が臨時局員の扱いで事態に当たってくれます」 「「「よろしくお願いします」」」 三人が同時に頭を下げる。 「こちらこそ、よろしく」 「よろしく」 局員の皆が三人へと返事を送る。 その様子を見て微笑むリンディ。 アースラ・ブリッジ。 それぞれの持ち場へと戻った局員。そして三人はリンディの後ろへと控えていた。 「じゃあここからはジュエルシードの位置特定はこちらでするわ。場所が分かったら現地に向かってもらいます」 自分達の事だと理解した三人は少し姿勢を正し、 「「「はい」」」と返事をする。 「艦長、お茶です」 エイミィがお茶とその他を乗せたお盆を持ってくる。 「ありがとう」 そしてリンディはスプーンを持ち、砂糖をかなり多めにすくい、『湯』と書かれた陶器へと入れる。 それも二杯。しかもその後にミルクと思わしき液体を混入した。 "それ"をリンディは何事も無かったかのように陶器に口をつけ飲む。 「はぁ……」 おまけに飲んでいる本人はかなりご満悦のようだった。 その光景を見ていたなのはは、 (うわぁ……)と言葉には出さないが、言葉通りの表情を浮かべていた。 キラに関しては口を抑えて「うぷ……」と見ているだけで胸焼けを起こす勢いだ。 「そういえばなのはさん、学校の方は大丈夫なの?」 「あ、はい。家族と友達には説明してありますので……」 学校に関しては家庭の事情という事でしばらくお休みすることになっていた。 そして学校ではなのはの代わりのノート等はアリサが自分から進んで引き受けていた。 その様子をみて微笑むすずか。そして空を見上げ、思う。 (なのはちゃん……元気でやってるかな……) 某所・結界内 「クェェェェェェェッ!!!」 悲痛の叫びを上げる橙色の鳥。その身体に巻きつく緑色の鎖。 その鎖から逃げようとして暴れるが、外れる事はない。 「捕まえた、なのは!」 「うん!」 ユーノの言葉に反応するなのは。 『Sealing mode, setup.』 鳥へと突き刺さる桜色の閃光。そして浮かび上がるジュエルシードのシリアルナンバー。 『Stand by ready.』 「リリカル・マジカル……ジュエルシード、シリアルⅧ、封印!」 『Sealing』 そして幾つもの閃光が突き刺さり、鳥はその形状を保持できなくなり消滅する。 地上に着地し、レイジングハートを構えるなのは。 鳥の跡に残ったジュエルシードがゆっくりと降下し、レイジングハートのコアへと封印される。 『Receipt number Ⅷ.』 アースラ・ブリッジ。 「状況終了です。ナンバーⅧ無事確保。お疲れ様、なのはちゃん、ユーノ君」 局員の一人がディスプレイの向こうの二人へと話す。 「ゲートを作るね、そこで待ってて」 「さて、こっちはどうなってるかな……」 クロノがディスプレイを切り替える。 某所・結界内。 「はあああああああっ!!!!」 空中から、ソードジャケットを身に纏ったキラがシュベルトゲベールを振り下ろす。 振り下ろした先にはジュエルシードの影響で具現化した馬のようなモノがいた。 だが、振り下ろしたシュベルトゲベールは空を切り、地上スレスレで止まる。 「くっ!早いっ!!」 だったら、相手の動きを止めれば!! 左肩にマウントされたブーメランを引き抜く。 『マイダスメッサー』 そして目の前の目標に向かって投げる。 弧を描くように左後方から馬へと向かっていく。 「!!」 それに気付いた馬は急遽進路を変更する。だが、 「ストライク!!」 『パンツァーアイゼン』 左手の甲のシールドから発射されるロケットアンカー、その先端のクローが馬の足へと絡みつく。 最初のマイダスメッサーは囮、本当の狙いはパンツァーアイゼンで足止めをする事だったのだ。 案の定、マイダスメッサーに気付いた馬は進路を変更せざるをえない状況になり、その一瞬の止まる隙をキラは見逃さなかった。 そしてパンツァーアイゼンのコードが収縮し、そのまま馬へと迫る。 「うおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」 そして両手に構えたシュベルトゲベールを振りかぶり、縦一閃。 「ヒィィィィィィィィィィィン…………!!」 断末魔の悲鳴を上げ、馬の具現が消滅していく。 そして現れたジュエルシード、その中央には『Ⅸ』のシリアルナンバーに刻まれている。 シュベルトゲベールを構えるキラ。その大剣へと吸い込まれるように消えていくジュエルシード。 『Sealing. receipt number Ⅸ.』 「ふう……」 戦闘が終わり一息つくキラ。 直後眼前の空間に現れる画面。 『お疲れ様、キラ君』 そこにはアースラの局員が映っていた。 「あ、はい」 『それじゃそっちにもゲートを開くからちょっと待ってて』 数分後、足元に魔方陣が発生し、直後に転移する。 アースラ・転移ポート前。 目を開けると、隣にはなのはとユーノがいた。 どうやら同時に転移してきたみたいだ。 「お疲れ様、キラ君」「お疲れ様です」 「うん、二人ともお疲れ様」 互いの労いの言葉を掛け合う三人。 廊下を歩いてる最中、ふとなのはが言葉を漏らす。 「……フェイトちゃん、現れないね……」 「うん、こっちとは別にジュエルシードを集めていってるみたいだけど……」 「うん……」 「……だけど、いつかはぶつかることになる……それまでは、僕達も頑張ろう」 「うん」 返事をしたなのはの表情は、どこか曇り気味であった。 湖。 「……だめだ、空振りみたいだ」 「……そう」 アルフの残念そうな言葉にフェイトは表情一つ変えずに返事をする。 流れる風が彼女の長い髪をしならせ、靡く。 「やっぱ、向こうに見つからないように隠れて探すのはなかなか難しいよ……」 「うん……でも、もう少し頑張ろう」 そして空中より現れる紅い影。 「アスラン」 「どうだった?」 「すまない、俺が行った時にはすでに……」 気配を感じたアスランが単独で向かったのだが、すでに事は終了していたようだった。 「これで、向こうにまた一つ回収されてしまった……」 アスランの表情には悔しさがにじみ出ていた。 「アスランのせいじゃないよ……だからそんなに気負わないで」 「……すまない」 その言葉で少し気が軽くなったのか、表情が微笑むアスラン。 「これで……残りはあと6つ」 「次こそは、向こうよりも先に……!」 「うん」 シュルゥッ!!とフェイトの腕に巻かれた包帯が風に乗り、空へと舞い上がっていった。 翌日。 アースラ・食堂。 「はぁ……今日も空振りだったね」 皿の上のクッキーを手に取るなのは。 「うん。もしかしたら結構長くかかるかも……なのは、ごめんね」 「へ?」 突然のユーノの謝罪に手を止めるなのは。 「寂しくない?」 「別に、ちっとも寂しくないよ。ユーノ君やキラ君と一緒だし。一人ぼっちでも結構平気。 ちっちゃい頃はよく一人だったから」 「え? どうして……?」 キラはその言葉に疑問を覚えた。 あの優しい高町家の人達がなのはを一人にしておくことなどあるわけがないと思ったのだ。 そしてなのはの口から語られる過去。 なのはの幼少時に、仕事で大怪我をした士郎、翠屋の経営に追われる桃子と恭也、士郎の看病をする美由希。 だから、家には一人でいることがほとんどだったという。 「そう、だったんだ……ごめんね、なのはちゃん」 「ふぇ? キラ君が謝ることないよ~」 「でも……」 申し訳なさそうな表情のキラ。そこで話題を変えるべくなのはが口を開く。 「そういえば私、ユーノ君やキラ君の家族の事とかってほとんど知らないね」 「ああ、僕は元々一人だったから……」 「え? そうなの?」 「両親はいなかったんだけど、部族のみんなに育ててもらったから、だからスクライアの一族みんなが僕の家族なんだ」 「僕は……父さんと母さんの三人家族かな」 「え? キラ君って一人っ子だったんだ」 「うん。だから両親が仕事でいない時は僕も結構一人でいることが多かったかな」 「そっか……」 サクッとクッキーを食べるキラ。 「……色々片付いたら、もっとたくさん色んなお話したいね」 「うん、そうだね」 微笑みを交わす三人。その中、キラはある事を考えていた。 ――事件が終わって、C.E.の世界が見つかったら……僕は……僕達は―― ふとそんな考えが頭をよぎる。が、今は忘れることにしてクッキーを口へと運ぶキラ。 刹那。 鳴り響く警報。 「「「!!!」」」 柱のディスプレイには紅く『Emergency』と表示され点滅している。 『操作区域の海上にて大型の魔力反応を感知!!』 スピーカーから流れるそれを聞いた三人はすぐに駆け出していた。 海鳴市・海上。 海の上に浮かぶ巨大な魔方陣。 フェイトはその中心で詠唱を始める。 「……アルカス・クルタス・エイギアス……煌めきたる天神よ。今導きのもと、降りきたれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル」 ピシャアンッ!! 魔方陣から海へと目掛けて放たれる幾つもの雷。 天候もそれに応じ、雲から雨が降りそそぐ。 (ジュエルシードは多分海の中、だから海に電気の魔力を叩き込んで強制発動させて位置を特定する。 そのプランは間違ってないけど……フェイト……!!) 「撃つは雷、響くは轟雷。アルカス・クルタス・エイギアス……!」 フェイトの頭上に浮かび上がる複数の光の玉。 それらが共鳴し合い、反応するように電流が迸る。 「はああああああああっ!!!!」 バルディッシュを掲げ、海へと振り下ろし魔方陣が作動する。 頭上の玉から海へと打ち込まれる複数の電撃。先程とは違い、かなり高出力の魔力が叩き込まれる。 そして、 「!!」 その魔力で発動するジュエルシード。光の柱が海から天へと駆け上るように突き上がる。 その数は……4つ。 「はぁ、はぁ、はぁ……見つけた……」 (こんだけの魔力を打ち込んで、さらに全てを封印して……こんなのフェイトの魔力でも絶対に限界越えだ!) アルフがそう考えているとフェイトが振り返りこちらを見る。 「アルフ、空間結界のサポートをお願い」 「ああ、任せといて!」 (だから、誰が来ようが何が起ころうが、あたしが絶対に護ってやる!!) そして、発動したジュエルシードが光の柱に海水を巻き込み、竜巻のように暴れ始める。 「行くよ、バルディッシュ……頑張ろう」 自分の相棒を構え、4つの竜巻へと向かっていくフェイト。 アースラ・ブリッジ。 ディスプレイに映る海の様子はまるで台風が来た時のように荒れていた。 「なんともあきれた無茶をする子だわ!」 不安そうな表情で見つめるリンディ。 「無謀ですね。間違いなく自滅します。あれは、個人の成せる魔力の限界を超えている!」 同じ様にディスプレイを見つめるクロノ。だが、こちらは冷静に判断している。 「フェイトちゃん!!」 ブリッジへ飛び込んでくるなのはとキラ。 「あの、私急いで現場に!」 「その必要はないよ、放っておけばあの子は自滅する」 「「!!」」 クロノの言葉に動きが止まる二人。 「仮に自滅しなかったとしても、力を使い果たした所を叩けばいい」 「でも……」「そんな……」 「今の内に捕獲の準備を」 「了解」 「しかし、残るジュエルシードは6つ、あの子が発動させたのが4つ、残り2つはどこに……?」 「……あれ?」 なのはと同じようにディスプレイを見つめていたキラが疑問を感じた。 「どうしたの?キラ君」 「……アスランがいない」 「そういえば……」 おかしい。状況的に不利な今の彼女を見捨てるような彼じゃない。 だとしたら……なぜ…………まさか……! キラは階段を駆け下り、クロノへと駆け寄る。 「クロノ!ここ以外の魔力反応は!?」 「な、なんだ突然!?」 「いいから早く!!」 「わ、わかった!」 キラの突然の行動と言動に押されたクロノは局員にコンソールを打ち込ませる。 「……!! 反応あり!湖にて魔力感知!今画面に出します!!」 パッと複数あるディスプレイの内の一つが切り替わる。 その画面に映るのは、一面に広がる湖。そしてその中央に浮かぶ一つの影。 「……アスラン!」 紅いバリアジャケットに身を包んだアスラン・ザラがはっきりと映っていた。 そしてそのかざした右手には魔力が集まっており、次の瞬間。 魔力は湖へと放たれた。
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第14話 砕かれる友 リインが再び倒れて2日が経った。命に別状は無いがリインは目を覚まさない。 ヴェロッサは目を覚まさないリインに付っきりになって、ろくに食事も取っていなかった。 そんなヴェロッサにヴィヴィオ達は心配して色々世話をしようとするもヴェロッサは「後でいい」などと言って、他の事をしようとしなかった。 「身体的には問題はないわ。意識が戻らないのは精神的ショックが原因ね。現実を恐れてるのね」 シャマルが廊下でクロノと二人で話し合う。 「しかし、このままの状態が続くとリインや他の子達の状態も……」 クロノの言う通り。クロノが窓から外を見てみると、外ではスバルとティアナが少し思い雰囲気で座り込んでいた。 「なのはさんのせいなの?」 「そうは言ってないよ。でもなのはさんはよくわかってないんだよ。何気なくやったことがどれだけ相手に影響を与えるか…」 「なのはさんはなのはさんなりにやったんじゃ…」 「だから余計に許さない。自分のものさしで考えてたから……」 スバルの顔に怒りが少しにじみ出る。 「ニコニコしてて、いい事してるつもりでも、ズレてるの。なのはさんは痛いってことがわからないのかな?」 スバルがそう思っていた頃、なのはは庭でユーノと話していた。 「ねえ、ユーノ君」 「何?」 「私間違ってのかな?」 なのはもなのはなりに落ち込んでいた。 「小学1年生の頃、アリサちゃんがすずかちゃんとからかってたのを見て、私思わず手を出した事があるんだ」 なのははふと過去の事を思い出す。なのはが魔法と出会う何年も前、1年生の頃同級生であったアリサ・バニングスが同じクラスの月村すずかのリボンを取ってからかっていた時、 なのははそれを見てみぬ振りが出来ず、なのはは思わずアリサに平手を打ちをかました。 なのははその時、アリサにこう言った。 (痛い? 私だって痛いよ。でもそれ以上にあの子が痛いんだよ!) その言葉でなのはとアリサがケンカしかけたが、それをとめたのがいじめられていたすずかであった。 それ以降3人は仲良くなり、なのはが魔法と出会ってしばらく経つまでは3人はよき友達として仲良く過ごしていた。 「今の私を見たら、アリサちゃんなんて言うんだろう……」 「僕にはよくわからないけど、なのはが間違ってるとは思ってないよ」 「ユーノ君」 なのはが改まってユーノの方を見る。 「ただ少しやり方が違っただけ。僕はそう思うよ。だってなのはは本当は優しい子だって僕は知ってる」 なのはが魔法と出会うきっかけを作ったのはユーノである。魔法と出会って以降なのははユーノをよきパートナーでよき友達として接していた。 そしてもう一人なのはを支えてくれた人がいる。 「なのはーーーーー、なのはーーーーーーー」 フェイトが走ってなのはの下に駆け寄る。 そうもう一人とはフェイト・テスタロッサである。 「フェイトちゃん」 「なのはここにいたの」 「フェイトちゃん……私……」 「私はなのはを責めるつもりは無いよ」 「フェイトちゃん」 「なのはは少し不器用なだけだよ。私にはわかる。だってなのはは私の大事な友達だもん」 なのはは泣きかけていた涙を拭いて笑顔で礼を言う。 「……ありがとう、ユーノ君、フェイトちゃん」 そんな時ゼラバイア急襲の警報が鳴り響く! 「行かなきゃ…」 「なのは、無理しないでね」 「うん」 司令室に向かうシャーリー達の前に既にヴェロッサが司令室にいた。 「ヴェロッサさん、いいんですか?」 「リインのそばにいなくても…」 「確かにリインの事は気になるけど今はゼラバイアの方が優先しないと…」 「……、わかりました」 シャーリー達はヴェロッサの事を心配しつつもオペレートに入る。 「ゼラバイアは廃棄されたダムの上に着陸した模様」 「ジャミングが展開されて、これ以上は状況がわかりません」 「ヴェロッサさん、GシャドウとGストライカーにファントムシステムの搭載が完了したそうです」 「ロッサ、グランナイツの動揺があるようだが本当に戦えるのか?」 クロノが心配そうにヴェロッサに尋ねた。 「だがこれしか道は無い」 グランナイツの方も皆集合して、それぞれ自分の機体に乗り込もうとすると……。 「スバル」 「はい?」 「今日はグランカイザー、私が乗りたいけどいいかな?」 「なのはさん」 なのはは少しでも罪滅ぼしがしたいのか、スバルは少し考えた末答えを出す。 「わかりました。今日はなのはさんが乗ってください。あたしはGアタッカーにします」 「スバル……、ありがとう」 なのははスバルに礼を言ってグランカイザーに乗り込み、スバルもGアタッカーに乗ってそれぞれ発進した。 「現場の状況は不明。ゼラバイアの分析が終わるまで無理な行動はしないでくれ」 『了解』 皆が現場に着く。現場に着いた途端ゼラバイアはグランディーヴァを攻撃する。 「いきなりか…、早く合神しましょう」 「確か2機は無人よね」 「このまま合神したらグラヴィオンの出力61%、かなりのリスクになる」 「合神はもう少し様子を見てからの方がいいかも……」 フェイトの忠告を受けたのか、なのはは合神を控えようとする。 「各員で攻撃」 なのはがそう言うとグランカイザーは敵に突っ込んでいく。 グランカイザーのパンチでは相手の固い装甲を壊す事は出来ない。しかし相手はその固い装甲をパージさせ、いくつもの小さなゼラバイアへと分離させた。 「増えた!」 「きゃああああ!」 「スバル!」 なのははゼラバイアの攻撃を受けているGアタッカーをすぐに救援した。 「なのはさん!」 「合神します!」 「…わかった」 なのはがヴェロッサに承認を求め、ヴェロッサも承認する。しかしなのはとヴェロッサはどこか焦っているようでもあった。 「グランナイツの諸君、合神せよ!」 「エルゴ、フォーーーーーム!!」 ヴェロッサの承認を受け、なのはが叫びグランカイザーからエルゴフィールドが発せられいつものように合神使用としたその時、 突然モニターにゆがみが生じる。それは分離したゼラバイアがエルゴフィールドに侵入。グランカイザーと強制合体したのだ。 「うううう、ああああああああ!」 なのはは苦しむ。そして合体を邪魔されたため、各グランディーヴァは吹き飛ばされた。 その様子はジャミングが無くなった司令室でも確認されていた。 「こんなやり方、卑怯よ!」 「合神の瞬間を狙って、グランカイザーを封じるとは……!」 「……、まさか!?」 ヴェロッサには嫌な予感がした。その影にカリムの存在を見た。 「ゼラバイア、グランカイザーに侵食していきます」 グランカイザーに取り付いたゼラバイアはなのはの意思に関係なくグランカイザーを操る。 「きゃあああああああああああ!!」 「「なのはさん!」」 「なのは!」 スバル、ティアナ、フェイトがなのはの身を案じる。 「ゼラバイア、グランカイザーの重力子エネルギーを吸収しています」 「このままだとパイロットが付加に耐え切れません」 「なのはさーーーーーーん!」 「グランカイザーを食いつくそうって言うのね。だったら左右から攻撃してなのはさんから離すけどいい?」 「「わかった」」 フェイトとティアナが了解して、合神の為分離していたGドリラーを合体させて空からGアタッカーと共同で攻撃しようとする。 しかしグランカイザーからグラヴィトンアークに似た技がゼラバイアの部分から放たれ、Gアタッカーをかすめる。 「うわああああああ!」 「スバル! 動いてよ! 私の言うとおりに動いてよ! グランカイザーーーーーーーー!!」 なのはは叫ぶがその叫びは届かず、グランカイザーはゼラバイアの思い通りに動く。 「ダメです、これ以上近づけません!」 「でもこのままだとなのはが……」 Gドリラーが近づこうとするもグランカイザーからエネルギー波が連射されてうかつに近づけない。 そのうちの一つがGドリラーの前に放たれ、Gドリラーは吹き飛ばされる。 「ティアナ、フェイトちゃん!」 グランカイザーは暴れ続ける。 「お願い! もうやめて! もうやめてよ! グランカイザー!」 なのははその時、前に見たグランΣが世界を壊した時の映像を思い出し、皆に告げる。 「私を殺して」 『え!?』 「このままじゃ、グランカイザーが完全暴走して、この世界がランビアスみたいに…、パイロットがいなくなればグランカイザーは止まるはず、 もう嫌! 私のせいで誰かが傷つくのはもう嫌!」 「なのは……」 「何言ってるんですか!? あなたは!」 スバルは怒る。 「そんな事したらヴィヴィオや他の人が悲しむだけです! 絶対あたし達で助けます、なのはさん!!」 「私には人を守るなんて出来ないんだ。もういいの、お願い早く殺して……」 「なのは、今僕が行く!」 ヴェロッサが指令室を出ようとするとなのはが呼び止める。 「ヴェロッサ、私約束を守れなかった…」 「なのは!!」 その時、フェイトが覚悟を決めた顔でGドリラーを分離させようとした。 「フェイトさん! 何を!?」 「ゼラバイアはグランカイザーから重力子エネルギーを吸収している。 その真上に接触して、引き出されたエネルギーをGドリラーの重力子巡回システムに介して増幅させれば、グランカイザーを…、なのはを救い出せるかもしれない」 「そんな事出来るんですか?」 ティアナが不安そうに聞くとフェイトは手を胸の前にして手と手の間に何か光るものを出す。 「私ならできる。私は母さんに作られた『プロトグランディーヴァ』だから……」 「え!?」 「『プロトグランディーヴァ』? どう言う事ですか?」 「フェイトちゃん」 「ヴェロッサがミッドチルダに来て少し経った頃にプレシア母さんと会って、ヴェロッサの技術と母さんの科学者としての力で生み出されたのが私、フェイト・テスタロッサ」 フェイトが光りだすのは司令室でもわかっていた。 「フェイトさんがプロトグランディーヴァ……」 「フェイトさんがプロトグランディーヴァモードに移行します!」 「遮断して!」 「ダメです! 全グランディーヴァ制御不能。機能を全部フェイトさんに抑えられてます」 全グランディーヴァがフェイトの支配下に置かれ、フェイトは単身グランカイザーに突っ込んでいく。 「ダメ、フェイトちゃーーーーーーーーーーん!!!」 フェイトの乗るGドリラーに向かってエネルギー波が放たれ、Gドリラーに直撃する。 「きゃあ!」 「フェイトちゃん!!」 「はああああああああ!!」 それでもフェイトは負けじとGドリラーを突っ込ませた! 「フェイトさん!」 「フェイトさん! 戻って! エリオやキャロやルーテシアが悲しみます!」 エリオとキャロもまた元々は浮浪児だったのをフェイトが拾い、聖王教会に住まわせたのだ。 ルーテシアはいなくなった母の代わりをフェイトが務めていたのだ。 (私が死んでも……、代わりが……) フェイトの強気、想いがGドリラーに届いたのかGドリラーの先端がゼラバイアの部分を貫こうとし、ゼラバイアにひびが入る。 「生きてね………、なのは………」 しかしGドリラーはエネルギー波をまともに受けていたが為に、ゼラバイアがバラバラになったのと同時にGドリラーは砕けちり大爆発した。 「ああああああああ、フェイトちゃゃゃーーーーーーーーーーーーーーーん!!!」 現場からはものすごい爆音が鳴り響く。エリオ、キャロ、ルーテシア、ヴィヴィオも司令室に入ってくる。 エリオはあまりの出来事にひざをつき、キャロは顔を手で覆い隠す。 「そんな……」 「フェイトさん……」 ルーテシアもヴィヴィオもその様子をただ見ているだけだった。 『フェイトさん……』 皆がフェイトの死を悼む。その大爆発の中、金色の光が空に向かって飛んでいった事を誰も気付かないほどに…。 「嘘ですよね……」 スバルやなのはも信じられないという顔をし続ける。 しかしまだ戦いは終わっていなかった。バラバラになったゼラバイアは再度合体し、今度はグランカイザーに似た形態へと変化していた。 「まだ……!」 「なのはさん、逃げてください!」 ティアナの忠告よりも先にゼラバイアの攻撃の方が早かった。ゼラバイアの伸びる腕がグランカイザーを襲うが、その前にティアナの乗るGドリラーがそれを阻む。 しかし分離しているGドリラーでは明らかにパワー不足。Gドリラーの後ろからわずかに火の手が上がる。 「ああ、ああああああああ!!」 「ティアアアアアアアアアア!!」 ティアナはGドリラーの中で気絶したままGドリラーはダムの中に入っていった。 「Gドリラーレフトコックピット反応消失。パイロット……応答ありません」 「そんな……」 「もう嫌だよ」 皆が現実から背を向けたかったがゼラバイアはそんな事お構いなしに攻撃する。 「あああああああああああ!!!」 ゼラバイアの足がグランカイザーの胸部分に刺さり、トドメを刺そうと腕を斧に変化させ、その斧を振り下ろそうとしたその時! 突然ゼラバイアの腕が吹き飛んだのだ! 「な、何!?」 スバルは突然の事で驚く。それはゼラバイアも同じだった。 ゼラバイアは何者かと思い、後ろを振り向く。そこには先ほど自分の腕を吹き飛ばしたブーメランがその持ち主の下へと帰って行き、その持ち主は山の上に立つ謎のロボットだった。 「グラヴィオン、いや違う……」 その謎のロボットグラントルーパーにはヴィータが乗っていた。 「行くぜ、野郎共!」 その隣には他にも4機ものグラントルーパーがあった。 「アタックフォーメーションV」 『了解!』 5機の機体はヴィータの機体を先頭にして、後ろに並び3機は横に並ぶ。 そしてヴィータの機体の胸が展開される。 「ライトニング、デトネイターーーーーーーーー!!」 その叫びとともに胸に集まった魔力砲がゼラバイアに直撃し、ゼラバイアは爆散した。 この様子を見ていたクロノはつぶやく。 「地上本部は量産型グラヴィオンを完成さえたのか」 「ドゥーエ……、これが君の求めたものか」 ヴェロッサの言う通り、これはドゥーエのもたらしたものだが、それがドゥーエの求めたものかはわからない。 「グランカイザー……、何と言う事だ」 グランカイザーのボロボロの姿を別のグラントルーパーに乗っているヴァイスは悲しんだ。 「帰還するぞ」 ヴィータの指示通り、グラントルーパー全機がその場を離れた。 なのははボロボロのグランカイザーのコックピットで涙を流しながらこうつぶやいた。 「空っぽだね」 前へ 目次へ 次へ
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第十三話「悪あがき」 12月14日 0910時 ??? 今、海鳴市で一番怒っている人は誰か?と問われたら八神さん家のヴィータちゃんと答えるだろう。 それも、まあ仕方の無いことではある。 今日の朝になって、あの傀儡兵を使うこの世界の傭兵と共同戦線を張ることになったと ヴォルケンリッターのリーダーたるシグナムから、いきなり告げられたのだ。 アタシは何にも聞いてないぞ!と突っかかってもシグナムは、さらりと受け流すだけだった。 (アタシだけハブられてたのかよ!?) 話を聞いていくうちにシャマルやザフィーラもこの件について知っていたらしい。 まさか、自分が仲間から隠し事をされるとは夢にも思っていなかったヴィータの怒りは最高潮に達していたのだが はやてがいる前で言うわけにもいかず、そのまま家を飛び出してしまったのだった。 さて、今ヴィータの回りは闇に包まれている。 かといって、落ち込んで雰囲気が暗くなっているわけではない。 物理的に光が入ってこないだけなのだ。 (シグナムやシャマルを騙せてもアタシは騙せないぜ) 重度のバトルマニアである烈火の将や、どこかうっかりとした所がある泉の騎士が 騙されているのだということはすでに紅の鉄騎の頭の中では決定事項であった。 (必ずシッポを掴んでやるぜ・・・あ、イテッ) グッと拳を握り締めるヴィータ だが、その直後ヴィータのいる所がガクンと縦に揺れ、ヴィータは頭を強く打ってしまう。 その衝撃に涙目になりながらも、ヴィータは証拠を掴む為にここに潜伏し続ける。 そう、宗介が運転する車のトランクの中に・・・・ さて、何故ヴィータが宗介たちの車のトランクに乗っているのか? 時間は少し前に遡る。 宗介が出発の準備を終え、泉川に向けて発進しようとした時に うっかり自分の部屋の鍵をセーフハウスに置きっぱなしにしているのを思い出したのだった。 幸いにして出発前に思い出したので、ドアを爆破して部屋に入るなどということは回避されたのだが 宗介は自分らしくないと自戒しながら鍵を取りに行くためにクルツたちがいるビルに戻った。 そして、その光景を見ていた一つの小さな影・・・ た ま た ま、この道を 散 歩 していたヴィータは宗介が帰ってくる前に車に近寄り遠隔操作でトランクのロックを開け、中に入ろうとする。 しかしトランクの中には大量の火器が入っており、ヴィータは思わずウゲっと顔を歪めるのだが エレベーターが動き出したのを見て、慌てて銃器の隙間に体を押し込めトランクを閉める。 それと同時にエレベーターのドアが開くのだが、まさにタッチの差でトランクが閉まるところは宗介の目に入らなかった。 宗介自身も、まさか武器が満載しているトランクの中に護衛対象が隠れているなど夢にも思っていなかった。 12月14日 1356時 時空管理局無限書庫 あれからレティ提督に管理局の制服を無理やり着替えさせられ無限書庫に連行された。 なんだか提督の目が異様に輝いていたが、気付かないふりをすることにした。 「あの~」 「なあに、ユーノ君?」 大量の書類を捌きながら、無限書庫の古文書を読むユーノは作業の手を休めてレティ提督に声をかける。 「なんで管理局の制服に着替えさせられたんですか?」 「仮にも管理局の内部文書に目を通すのよ?一般人に見せれるわけないじゃない」 もちろん知る権利を行使すれば管理局に資料請求してある程度の書類に目を通すことはできる。 しかし、時空管理局は混沌とした次元世界に睨みを利かせている軍事組織としての一面も持っている。 機密の二文字の元に目を通すことを阻まれる書類もたくさんあったりする。 ユーノが目を通しているのはそういう物だ。 「それは理解できるんですけど・・・あ、この書類とこの書類の数字が一致してない」 何か言いたそうになるがうまく言葉にならず、作業を再開するユーノは書類の不備を発見する。 のちにこの数字の食い違いから、巨大横領事件が発覚するのだがそれはまた別の話である。 「スクライア一族って、みんなこんなに優秀なのかしら?うちの部署にもうニ、三人ほしいわ」 「僕の一族は論文を読むか書く以外で机に座るのが苦手なんですよ だから多分、勧誘しても無理だと思いますよ?」 スクライアは遺跡から遺跡へと渡り歩く流浪の一族 一箇所に落ち着くということを全くと言っていいほど考えていないのだ。 「それならユーノ君はスクライアの中でも変わり者の部類に入るのかしら?」 「そうかもしれません」 苦笑いしながらユーノはレティ提督の意地悪な言葉に答え、新しい古文書に手を伸ばす。 分厚い古文書を僅か十数分で読み終えることができる検索魔法と速読魔法 スクライア一族の門外不出の秘術である。 「僕からもいいですか?」 「なあに?できる限り答えるわよ?」 「今回の事件で、身内を疑ってるんですよね?」 古文書から目を離し真っ直ぐ提督を見据えるユーノ 「・・・念話に切り替えましょう」 無限書庫は無人だが、どこに人の耳があるか分からない こうして分かりやすいように調査しているのだから、後ろ暗い奴が一人や二人が監視してる可能性もある (じゃあ、話すわね。身内といっても管理局にも派閥はあるのよ。穏健派に武闘派、海と陸その他諸々・・・ 今、海は穏健派がイニシアチブを握ってるけど、それをよく思わない連中は無視できない程度にはいるの) (その人たちが、『闇の書』を手に入れようとしていると?) (それはまだ分からないわ。でも、魔法文化のない第97管理外世界の軍人が結界内に侵入できるのは 何者かの手引きがあるんじゃないかって、私やクロノ君は考えてるの) (でも、それでなんで身内を疑うことになるんです?) (あまりにうまく行き過ぎてるからよ。こんなに見事な術式の改竄なんて見たことないわ。 だから管理局の手口を一番よく知っている連中が絡んでるんじゃないかと思ったの) 管理局が捜査の手口、人避けの結界を張って当たり一帯を封鎖するなどなど これらの手法を一番よく理解してるのは、誰であろう管理局をおいて他にない。 「まあ、そうでなければ一番いいんだけど。私の仕事は身内を疑うことだから」 運用部と監査部を統括するレティは少し悲しそうにため息をつき、机の上に置いてある紅茶を啜った。 12月14日 1516時 セーフハウス 宗介はラジオを聞きながら自分のリビングに並んだ火器と睨めっこしている。 どの武器が、あの非常識の塊に対して有効であるかを考えていた。 M9の戦闘記録を見る限り、チェーンガンレベルなら問題なく奴らの装甲を抜くことができそうだ。 ゆえに同じ12.7㎜弾を使う対物ライフルは持っていくことを決めていたのだが サイドアーム関連も真剣に考えとくべきだ。 「あの黒衣の魔導師相手・・・シャマルが言うには執務官とやらにサブマシンガンの弾は利かなかった。 しかし、不意打ちで貫通力の優れた武器ならばあるいは・・・・」 そういって100メートル先にあるボディアーマーを貫くことができるとされるベルギー製の自動拳銃を拾い上げケースに収める。 その他にもC4爆薬やクレイモア地雷、グレネードランチャーなど色々な武器を見繕っていく。 「単純に大火力で相手をねじ伏せるのも、一つの手だが・・・」 12.7㎜弾を使う重機関銃は歩兵が持って撃てるものではない。 反動や火器そのものの重さなど、様々な問題点があるのだ。 「俺たちも奴らのようにバリアジャケトなるものでもあればな」 いや実際ASは乗る兵器ではなく着る兵器、つまり強化服のようなものなのだ いわば、こちら側のバリアジャケットがASという考えもあながち間違っていない気もする。 「AS、強化服・・・・・」 あるではないか、ASのパワーアシスト機能と高い防弾性を兼ね備える装備品が 宗介は手をポンと叩き、近くの貸し倉庫に眠っているとある売れ残り商品を引っ張り出す必要が出てきた。 ちょうどそのとき、ラジオからあるニュースが流れてきた。 どこぞの国で開かれている国際会議で、とある兵器を廃絶する為の条約が結ばれるようだ。 その兵器は広い範囲の敵を殲滅するのに非常に有用だが、不発弾となる割合が多く 民間人に被害が出るため非人道的だというのが理由らしい。 「排除されるべきもの・・・」 では、『闇の書』はどうなのだろう。 12日に起きた戦闘で自分達は『闇の書』力の一端を見た。 あの魔力爆撃での物理的被害はなかったが、シャマルに言わせればそういう風に設定したからだそうだ。 つまり、物理的被害も出そうと思えば出せると言うことだ。 しかもまだ『闇の書』は完成していない もし完成した時どれほどの破壊力を発揮するのか宗介には想像もできなかった。 「忘れろ。俺は最後まで任務を果たすしかない」 頭を振り、必死にそのことを頭から消そうとしたが脳裏にこびり付いたそれを忘れるのことは無理だった。 ピリリリ・・・ピリリリ…ピリリリ 着信音、自分の携帯が鳴っていることに気付いた。 「相良だ」 『ソースケ?私』 もう二週間以上聞いていない声だが、それが誰であるか宗介はすぐに分かった。 「千鳥か。どうかしたのか?」 『いや、どうかしたのか聞きたいのはこっちよ』 かなめの言葉に首をかしげながら、宗介は話を聞く。 なんでも今日の学校に自分とクルツの写真を持った男が来たらしく この人達のこと何か知らないか?とかなめに聞いてきたという。 『一応、曖昧にとぼけといたけど』 「賢明な判断だ。それでその男はどうした?」 『さあ?そのまま帰っちゃったけど』 不機嫌な声が携帯の向こうから聞こえてくる。 どうやら、ハイジャック事件での嫌な記憶が蘇ったらしい。 「それについては謝罪する。すまなかった」 「・・・もういいわよ。特に変な事されたわけでもないし それより、あんた今度は何したのよ?」 宗介はしばらく押し黙った。 任務内容は話せない。 当然だ。情報漏洩になる上に、どこに耳があるとも知れない。 だが―――――――――――― 「千鳥・・・俺は今、護衛任務についている」 俺は何をしている?こんなことを千鳥に話しても何になるというのだ? それにこれは重大な機密漏洩をしているのだぞ。これではプロ失格ではないか。 だが、それでも宗介は喋らずにはいられなかった。 それから宗介は自分が今していることを、かなめに話しはじめた。 その護衛対象達が所有している物が危険なものであること 過去、何度もそれのせいで被害が出たらしいということ しかし、それを完成させなければ一つの命が失われてしまうということ そのために護衛対象のうちの数人が、東奔西走しているということ 細かい説明は省いている上に、言ってることは滅茶苦茶だということは承知だ。 それでもかなめは黙って、話を聞いてくれている。 「今までの俺なら、何の疑問もなく護衛対象からその危険物を奪取して破壊しただろう。 だが、今回はどうしてもそれができなかった。こんなことは初めてだ」 一、二分の沈黙の後、かなめはそっと話し始めた。 『・・・あたしには深い事情がよく分からないし、あんまり要領を得ないけど ソースケは、あたしを殺したいと思ったことはある?』 「何を馬鹿なことを、俺が君を殺そうなど・・・」 かなめの問いに宗介は、即座に否定の言葉を返す。 北朝鮮の山中で確かに自分たちを置いて一人で行かなければ殺すと言ったが それは彼女に行動を促すための脅しの部分が多かった。 『でもね、ソースケ。あたしはウィスパードなんだよ』 ウィスパード―――ラムダドライバなどを支えているブラック・テクノロジーの源泉 その技術を欲しがる連中から自分は千鳥を守るためにミスリルから派遣されたのだった。 『実感はないけど、あたしの中にも、それがあるわ。 その知識が悪用すれば、どんな酷いことも起こせる・・・』 そう例えば、西太平洋戦隊が運用している強襲揚陸潜水艦は、あの米海軍ですら探知できない。 それはつまりテッサがその気になれば世界中のありとあらゆる都市や基地を 誰にも気付かれずに消滅させることが可能ということだ。 冷戦を灼熱の最終戦争に変えることもできるだろう。 『あたしはその人達のことをよく知らないけど、結局は使う人によるんだと思うの。 ・・・それにそういうことはソースケが一番よく分かってると思ってたんだけど?』 その言葉にハッする。 そうだ。自分は戦場でその様な光景を幾度も見てきたではないか。 危険性? 確かにそれはいつでも付きまとう。 そう、いつだって何にだって付きまとうのだ。 『って、なに偉そうに言ってんだろ、あたし。ゴメン、今のは忘れて』 「いや・・・・」 千鳥と話して自分が何に迷っていたのか分かった。自分は、あの騎士達と自分を重ねて見ていたのだ。 どんなことをしても、どんな困難に遭おうとも大切な人を守りたいと思うその姿に自分もこうありたいと、思っていたのだ。 だから、彼女達から『闇の書』を奪うということに迷った。 それをしてしまえば自分と千鳥も同じような運命を辿るのではないか。そう漠然とした思いに自分は圧迫されていた。 「いや、千鳥。ありがとう」 どうやら自分は諦めが良すぎたようだ。全く、北朝鮮の山中や香港で一体、何を学んだのか。 確かに『闇の書』は危険なものかもしれない。 だが、それはそういう風に使おうとする意思があってこそだ。 ならば自分達は、彼女たちが『闇の書』を使わなくていいような環境になるまで つまり『闇の書』が完成するまで、今の任務を続ければいい。 それでも不安なら大佐殿に自分達が海鳴を去った後でも情報部が彼女たちを護衛、監視できるように頼めばいい。 もしくは自分達が手引きをしてミスリルの庇護下に入ってもらうか・・・これは相手の同意が必要だが。 とにかく打てる手は、まだまだたくさんある。諦めるには早すぎる。 ならば自分は続けるべきだ、悪あがきを・・・・ 『そう?まあ、あんまりクヨクヨ迷ってるのはソースケらしくないもん。 いつもみたいに、問題ないって感じにしてればいいのよ。 あ、あと早めに帰ってきなさいよ。追試を合格しなくちゃ一緒に3年に上がれないんだからね?』 その言葉に宗介はフッと笑い、かなめの注文どおりこう答えた。 「問題ない」 前へ 目次へ 次へ
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封印完全クリアに必要なユニット ロイ リリーナ(8章←ロイ)…8章外伝 エルフィン(11章)…12章外伝(+20ターン内に制圧。ララム加入時は死んでもよし) ソフィーヤ(14章)…14章外伝(+25ターン以内に制圧) ダグラス(16章)…16章外伝 ┌ユーノ(イリア20章←ゼロット)・ゼロット(7章←トレック or ノア)…20章外伝(+25ターン以内に制圧) └スー(6章)・シン(9章←フィル←ノア)・ダヤン(サカ20章)…20章外伝(+25ターン以内に制圧) ミレディ(13章)・ツァイス(16章←ミレディ)…21章外伝(+30ターン以内に制圧) 22章終了後、全ての神将器が揃っていてかつ壊れていなければ、第23章 ベルンの亡霊に分岐。 外伝に進んで神将器をとってしまえば、それ以降ユニットが死んでも構わない。
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【第1回放送までの本編SS】 【オープニング】 No. タイトル 作者 登場人物 000 それは最悪の始まりなの ◆UOleKa/vQo 高町なのは(A s)、クロノ・ハラオウン、プレシア・テスタロッサ、アリサ・バニングス 【深夜】 No. タイトル 作者 登場人物 002 Wolkenritter ◆9L.gxDzakI シャマル、シグナム 003 武人と魔女 ◆yZGDumU3WM ゼスト・グランガイツ、C.C. 001 少女の泣く頃に〜神流し編〜 ◆WslPJpzlnU エネル、シャーリー・フェネット 010 特別捜査、開始 ◆9L.gxDzakI ギンガ・ナカジマ、インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング 006 なごり雪 ◆Qpd0JbP8YI 八神はやて(A s)、セフィロス 004 オタクと吸血鬼とレバ剣と ◆UOleKa/vQo アーカード、泉こなた、スバル・ナカジマ 005 反逆の探偵 ◆ga/ayzh9y. L、ザフィーラ 007 二人の兄と召喚士 ◆jiPkKgmerY ミリオンズ・ナイブズ、殺生丸、キャロ・ル・ルシエ 008 駆け抜ける不協和音 ◆gFOqjEuBs6 浅倉威、矢車想、ヴィヴィオ、エネル 009 Heart of Iron ◆WMc1TGFkQk エリオ・モンディアル、シェルビー・M・ペンウッド、柊かがみ 011 悪魔とテロリスト ◆Qpd0JbP8YI 高町なのは(A s)、チンク、カレン・シュタットフェルト 012 Railway Track ◆9L.gxDzakI ルルーシュ・ランペルージ、ディエチ 013 少女、その想い ◆UOleKa/vQo フェイト・T・ハラオウン(A s)、早乙女レイ 014 CROSS CHANNEL ◆WMc1TGFkQk クアットロ、アレクサンド・アンデルセン、アンジール・ヒューレー 015 狂奔する正義 ◆Qpd0JbP8YI 八神はやて(StS) 016 非常食? ◆9L.gxDzakI 武蔵坊弁慶、アグモン 017 勇気の選択 ◆Qpd0JbP8YI クロノ・ハラオウン 018 家族(前編)家族(後編) ◆gFOqjEuBs6 ヴィータ、キング、ギルモン、八神はやて(StS) 019 ギブアンドテイクの契約 ◆9L.gxDzakI ゼスト・グランガイツ、C.C. 020 不思議な出会いⅡ ◆Qpd0JbP8YI ユーノ・スクライア、ルーテシア・アルピーノ 021 柊つかさは殺し合いの夢を見るか? ◆Qpd0JbP8YI 遊城十代、柊つかさ 022 火神——マーズ—— ◆Qpd0JbP8YI アレックス、シグナム、ティアナ・ランスター 024 SWORD DANCER meet TYPOON ◆jiPkKgmerY アレクサンド・アンデルセン、ヴァッシュ・ザ・スタンピード 025 君想フ声 ◆9L.gxDzakI フェイト・T・ハラオウン(StS) 026 残る命、散った命(前編)残る命、散った命(中編)残る命、散った命(後編) ◆gFOqjEuBs6 高町なのは(StS)、シェルビー・M・ペンウッド、金居、柊かがみ 027 楽園への小道 ◆Qpd0JbP8YI ギンガ・ナカジマ、インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング 028 誰がために彼の者は行く ◆RsQVcxRr96 天道総司、相川始、シャーリー・フェネット 029 舞い降りた翼 ◆9L.gxDzakI 八神はやて(A s)、セフィロス、アレックス、シグナム 031 最初からクライマックスなのか!? ◆WslPJpzlnU 相川始 032 仮面の告白 ◆Qpd0JbP8YI 八神はやて(StS)、キング、ヴィータ 033 コピーベントの罠! ナンバーⅤ危うし(前編)コピーベントの罠! ナンバーⅤ危うし(後編) ◆9L.gxDzakI 万丈目準、チンク、天上院明日香 034 空への翼 ◆WslPJpzlnU 新庄・運切 035 魔獣~ジャバウォック~ ◆RsQVcxRr96 神崎優衣、キース・レッド 037 クロノは大変な超人達を集めていきました ◆jiPkKgmerY 武蔵坊弁慶、アグモン、ヒビノ・ミライ、アーカード 【黎明】 No. タイトル 作者 登場人物 023 アイズ ◆Qpd0JbP8YI L、ザフィーラ 030 童子切丸は砕けない(前編)童子切丸は砕けない(後編) ◆jiPkKgmerY インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング、ギンガ・ナカジマ、殺生丸、ミリオンズ・ナイブズ、キャロ・ル・ルシエ、高町なのは(A s)、カレン・シュタットフェルト 036 シャーリーと爆砕牙 ◆Qpd0JbP8YI 天道総司、シャーリー・フェネット 038 夢・オ・チでリセット! ◆RsQVcxRr96 フェイト・T・ハラオウン(StS)、柊つかさ、遊城十代 039 幻惑の銀幕 ◆RsQVcxRr96 アンジール・ヒューレー、クアットロ、シャマル 040 大食漢走る 巨人の鼓動 ◆yZGDumU3WM 武蔵坊弁慶、ゼスト・グランガイツ、C.C. 041 Little Wish(前編)Little Wish(後編) ◆Qpd0JbP8YI 八神はやて(A s)、セフィロス、シグナム、アレックス、柊かがみ 042 盟友(前編)盟友(後編) ◆WslPJpzlnU ヒビノ・ミライ、アグモン、ヴィータ、アーカード、クロノ・ハラオウン 043 切なくていとおしいほど、想いは時空を越えて ◆9L.gxDzakI ルルーシュ・ランペルージ、ディエチ、泉こなた、スバル・ナカジマ 044 意思の証 ◆RsQVcxRr96 ブレンヒルト・シルト 045 虚 ◆9L.gxDzakI 八神はやて(A s)、セフィロス、遊城十代 047 遠い声、遠い出会い ◆Qpd0JbP8YI ユーノ・スクライア、ルーテシア・アルピーノ 048 GUNMAN×CHAPEL×BLADE ◆9L.gxDzakI ヴァッシュ・ザ・スタンピード、アレクサンド・アンデルセン、アンジール・ヒューレー 054 Fate/cross dawn ◆RsQVcxRr96 早乙女レイ、フェイト・T・ハラオウン(A s)、新庄・運切 056 されど嘘吐きは救済を望む(前編)されど嘘吐きは救済を望む(後編) ◆WslPJpzlnU チンク、天上院明日香 060 敵か味方か? ◆RsQVcxRr96 高町なのは(StS)、シェルビー・M・ペンウッド、金居、武蔵坊弁慶 062 闇とリングとデッキの決闘者 ◆7pf62HiyTE 万丈目準 【早朝】 No. タイトル 作者 登場人物 046 残酷な神々のテーゼ(前編)残酷な神々のテーゼ(後編) ◆RsQVcxRr96 相川始、矢車想、エネル、インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング、ギンガ・ナカジマ、キャロ・ル・ルシエ 049 光が紡ぐ物語 ◆jiPkKgmerY L、ザフィーラ、アレックス、柊かがみ 050 あの蒼穹に磔刑にしてくれたまえ ◆9L.gxDzakI アーカード 051 ちぎれたEndless Chain ◆jiPkKgmerY ミリオンズ・ナイブズ、高町なのは(A s)、カレン・シュタットフェルト、キース・レッド 052 勇気のアイテム(前編)勇気のアイテム(後編) ◆gFOqjEuBs6 天道総司、シャーリー・フェネット、浅倉威、ヴィヴィオ、キャロ・ル・ルシエ 053 Shooting Bullet(前編)Shooting Bullet(後編) ◆9L.gxDzakI ルルーシュ・ランペルージ、ディエチ、泉こなた、スバル・ナカジマ、ミリオンズ・ナイブズ 055 それでも台風は微笑う。そして奔る ◆jiPkKgmerY アンジール・ヒューレー、アレクサンド・アンデルセン、ヴァッシュ・ザ・スタンピード 057 Subaru s Adventures in Parallel world ◆7pf62HiyTE ルルーシュ・ランペルージ、スバル・ナカジマ、泉こなた、早乙女レイ 058 やわらかな温もりに瞳閉じ ◆C1.qFoQXNw フェイト・T・ハラオウン(StS)、柊つかさ 059 ユーノ・スクライア司書長の女難 ◆9L.gxDzakI チンク、天上院明日香、ユーノ・スクライア、ルーテシア・アルピーノ 061 戦いの嵐、再びなん? ◆Qpd0JbP8YI セフィロス、八神はやて(A s)、アーカード 063 不屈の心、無双の龍 ◆9L.gxDzakI 高町なのは(StS)、シェルビー・M・ペンウッド、金居、武蔵坊弁慶 064 ピカレスク ◆9L.gxDzakI ディエチ、ミリオンズ・ナイブズ 065 クアットロがもってった!セーラーふく(前編)クアットロがもってった!セーラーふく(後編) ◆7pf62HiyTE クアットロ、シャマル、遊城十代 066 パンドラの箱は王の手に ◆jiPkKgmerY 八神はやて(StS)、キング、ヒビノ・ミライ、ヴィータ、天道総司、キャロ・ル・ルシエ 067 孤独の王 ◆RsQVcxRr96 ミリオンズ・ナイブズ、キース・レッド 【第一回放送】 No. タイトル 作者 登場人物 068 第一回放送 ◆RsQVcxRr96 プレシア・テスタロッサ、リニス、アリサ・バニングス
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桜花とスバルはなおも大量のガジェットから逃げ回っていた。 そして四方八方から飛び交うガジェットのビーム砲が雨の様に降り注ぎ、 二人はその雨の中を縫うように走っていた。 確かにこれが普段なら弾丸の雨を物ともせずに強行突破可能な力を桜花は持っている。 だが今は前述の様に無傷で持ち帰らねばならない食材を抱えた状態である。 故にその様な事をしてしまえば食材に傷が付いて本末転倒な結果に終わってしまう。 しかしガジェットの数は多い。と言うかむしろどんどん増えてるんじゃないかってくらいに多い。 単純に戦うだけならこれでも構わないが、やはり食材の防衛こそが第一である為、 不利な点は否めなかった。が… 「とぉ!!」 その時、ガジェット軍団の一団がまとめて両断され、爆発四散した。 「え?」 突然の乱入者に桜花とスバルは呆気に取られていたが、爆煙が晴れた時、 そこにはなんとしっとレディの姿があったでは無いか。 「お…お前はこの間の変態覆面!」 「あの~…フェイトさんそんなヘンテコなマスク被って何やってるんですか?」 周知の通り、しっとレディの正体はフェイトである。しかもただしっとマスクから貰った マスクをフェイトが被っただけで、首から下は何時も通りなので、冷静に見れば正体はバレバレ。 (そのくせなのはには気付かれてなかったけど…) 「私はしっとレディだ! 断じてフェイト=T=ハラオウンなどでは無い!」 「うわ~自分で正体ばらしちゃってるよこの人…。」 スバルはもう完全に呆れてしまっていたが、しっとレディは手近のガジェットを バルディッシュで切り裂きながら叫ぶ。 「いいからここは私に任せて逃げろ!」 「分かった。だがこれだけは聞かせて欲しい。お前…何故私を助ける…。」 桜花はしっとレディを睨み付けながらそう訪ねるが、しっとレディはなおもガジェットを斬りながら答えた。 「それは…お前を破壊するのは私だからだ。」 「そうか…今日はご厚意に甘えて逃げてやるが…次は相手に立ってやる。」 桜花はそう言ってスバルと共に逃走を開始した。ちなみに、何故フェイトが フェイト=T=ハラオウンとしてでは無く、しっとレディとして助けに入ったのかと言うと、 フェイトとして桜花を助けると言う行為自体が恥かしかったからに他ならない。 フェイト=しっとレディの乱入は後方からガジェットを操っていたナンバーズを驚かせていた。 「うわ! なんだあのキモイ変態マスク女は! しかも強いぞ! あんな奴がいたなんて…。」 「しかも桜花とやらはまた逃げ出したぞ! これじゃあ威力偵察にならない!」 ナンバーズは大騒ぎだったが、その中の一人が舌打ちをしながら前に出ていた。 「チッ! 所詮ガジェットはここまで…。私は直接アイツをぶん殴りに行かせてもらう!」 「ノーヴェ!」 ナンバーズNo.9のノーヴェは皆の制止を振り切って桜花へ向けて突撃を開始した。 しっとレディの協力もあって桜花とスバルはガジェットの包囲網を突破していた。 「やっとあのがぜっととか言う無人兵器を撒けましたね!」 「がぜっとじゃなくてガジェットね…。」 相変わらず外来語関係が上手く発音出来ない桜花にスバルも少々呆れ気味だったが、 とりあえずガジェットの方はしっとレディが食い止めてくれているのか 追手の気配は感じられなかった。後は機動六課までダッシュで帰るのみ…だったが… 「おっと! 逃がさんよ!」 「何!?」 突如壁を突き破ってノーヴェが桜花の眼前に出現した。 そして右腕に装着したガンナックルを持って桜花の顔面目掛けて殴りかかる。 「くっ! 伏兵か!?」 とっさに桜花は右腕で防御して受け止め、鈍い金属音が響き渡った。 「重い! なんと重い手ごたえだ! 貴様…一体体重どの位まであると言うんだ!?」 ナンバーズは戦闘機人として改造され、通常の人間を遥かに凌ぐ運動能力を持つ。 その中でも特に接近戦に秀でたノーヴェが本気で殴っても桜花を動かせなかった。 それどころかまるで重金属の塊を殴り付けた様な重い手ごたえを感じさせていたのである。 「女の子に体重を聞くのは失礼ってもんだろ!?」 スバルは叫ぶが、桜花は意外にも答えるつもりだった。が… 「私の体重は七百五十貫だ!」 「そんな聞いた事も無い単位言われてもどの位重いのか分かんねーよ!」 貫と言うのは重さの単位なのだが、元々貫と言う概念の存在しないミッドチルダはもとより 97管理外世界でも使われなくなって久しい単位なので良く分からない者もいるだろうが、 とりあえず説明させていただくと、七百五十貫とはすなわち2.8トンと言う事である。 「マジでぇ!? あんなちっこい身体で何で2.8トンもあるの!? どんな材質で出来てんだよ!!」 桜花の体重の余りの重さにスバルもノーヴェもビビりまくっていたが、その強固な機体構造や 超小型高性能原子炉に裏打ちされた強力な出力がある為、桜花にとっては2.8トンと言う 自重など何でも無かった。 「邪魔だ! 退けぇ!」 今度は桜花の右拳がノーヴェに襲い掛かる。機動力と言う点はノーヴェの方が上だったらしく、 その拳は回避されてしまったが、それでもノーヴェは若干の驚きを見せていた。 「人間を改造したワケでは無く、フルメカニック式のロボットのくせになんて 滑らかで素早い動きだ! なるほど…ドクターが欲しくなる気持ちも分かる…か…? だが! そんな事されてしまえばこっちが困るんでな! 破壊させてもらう!」 出力は原子力稼動の桜花が遥かに上。しかし機動性運動性はノーヴェが勝っている。 だからこそそれを生かし、一発一発を確実にヒットさせて行こうとした。 「させるものか!」 スバルが二人の間に割って入り、ノーヴェの拳を受け止めた。 「昴さん!」 「桜花! 私の事は良いから今の内に! それと私は昴じゃなくてスバルね!」 「わ…分かりました!」 桜花の持つ食材に傷を付けさせてはならない。だからこそスバルが桜花を庇って 代わりにノーヴェの相手に立ったのであるが… 「悪いが今日は貴様に用は無い!」 「何!?」 ノーヴェはジェットエッジを全開させてスバルから高速離脱、すぐさまに桜花への追跡に入った。 「させるものか!」 だがスバルもマッハキャリバーを全開にさせてノーヴェを追う。そのスピードは尋常な物では 無かったが、ノーヴェも速い。だからこそ差が縮まない。そして二人より遥かに速力の劣る 桜花は忽ちノーヴェの接近を許してしまうのである。 「喰らえぇぇぇ!」 ノーヴェは拳を大きく振りかぶり、桜花に一撃喰らわせようとした。が… 「させないぃぃ!!」 「何ぃ!?」 またもスバルが二人の間に割って入り、ノーヴェの拳を桜花の代わりに受けていた。 「くはぁぁぁ!」 ノーヴェの拳をモロに喰らってしまったスバルは吹っ飛び、壁に強く叩き付けられて倒れ込んだ。 「昴さん!」 桜花は逃げる事を忘れスバルに走り寄った。 「大丈夫ですか昴さんって…ええ!?」 桜花は見た。スバルのダメージを受けた部分から内部のメカニックが剥き出しになっていた事を… 「す…昴さん…もしかして貴女は…。」 「そ…そうだよ…。私の身体も機械で出来てる。もっとも…私の場合は元々生身の人間だったのを 無理矢理機械組み込んでこんな身体にしたらしいんだけどね…。ちなみに私は昴じゃなくてスバルね。」 スバルは実は戦闘機人の実検体として作られた者の一人である。それが管理局の魔導師に 保護され、養子として育てられて今に至るのだが、ここで桜花は理解した。 何故自分がスバルに対し親近感を感じられたのかが…。 「と…とにかく私の事は放っておいて…逃げて…早く…。」 「そんな事は出来ません! 私が貴女をおぶりますから一緒に逃げましょう!」 桜花は大急ぎでスバルを抱き上げようとしていたが…次の瞬間ノーヴェの拳が二人を叩き飛ばしていた。 「だから逃がさないと言っているだろう!?」 「くっ!」 派手に地面に叩き付けられる桜花だが元々頑丈な為にダメージは薄い。 そして素早く立ち上がっていたのだが、ここでまたある事に気付く。 「あああああ!!」 桜花がそれまで何としても守り通して来た食材…それが先程のノーヴェの拳によって グチャグチャにされてしまっていたのである。 「そんな…そんな…。」 「何だ? 大事そうにしてるから何かと思えばただの魚や野菜じゃなか。別に高級な物でも 無い何処の店にもおいてそうなもんだし? 笑わせるな!」 ノーヴェは地面に落ちていた食材を踏み潰していた。 「…………………!!」 その時、桜花の中で何かが切れた… 確かにそれはただの食材。何処の店にもおいてあるただの食材。しかしそれは桜花の慕うなのはに とっての大切な人の一人であるユーノの為の料理を作る為の掛け替えの無い食材だった。 それを無情にも踏み潰された桜花の怒りは…想像を絶する物だった。 次の瞬間桜花の全身の装甲が開くと共に大量の水蒸気が噴出し、超小型高性能原子炉が唸りを上げ、 頭部兜の日の丸がまばゆい光を放った。 「全ての力を解放して熱線を放つ…威力は通常の50倍になるぞ!」 「何を言うか! そんなこけおどしに引っかかる私じゃない!」 ノーヴェは桜花へ向けて再び拳を放とうとした…が… 「跡形も無く消し飛べぇぇぇぇ!!」 「何ぃぃぃぃ!?」 桜花の頭部から超極太の熱線が放たれ…射線上にある全ての物を飲み込んで行った… しかも…遥か後方で戦っていたしっとレディやガジェット軍団も丸ごとに… 「おひょぉぉぉぉぉぉぉ!!」 桜花の50倍熱線に飲み込まれたしっとレディは断末魔の叫びをあげながら 誰にも知られる事無く寂しく消滅して行った… 「はぁ…せっかく買った材料が全部駄目になっちゃいました…。」 「過ぎた事は仕方が無いよ…二人で素直に謝ろう?」 桜花とスバルはヨロヨロと元気無さそうに機動六課に帰って来た。 無理も無い。戦闘による疲労とダメージ、さらに食材がダメにされてしまった事による 精神的なダメージが二人を心身ともに萎えさせていたのである。そして二人で 一緒に謝ろうとしていたのだが…そこでは美味しそうに食事をするユーノの姿があった。 「いや~やっぱりなのはの手料理は最高だよ。」 「どういたしまして、ユーノ君♥」 「あれ…?」 余りにも予想外な展開過ぎて二人は何が起こったのか良く分からなかったが、 どうやらなのはが作った料理がユーノの狂った味覚を修正してくれていた様子だった。 「え? 何? じゃあ私達の苦労って何だったの?」 「もう良いよ…あんたら結婚しろ…。」 見てて痛い程仲良さげななのはとユーノの姿に二人は呆れながら 精根尽き果ててその場に倒れ込むしか無かった。 そして…あれ? 消滅したんじゃなかったの? って言う突っ込みさえ物ともせずに 帰還したフェイトは恨めしそうな目でユーノを睨み付けていたという。 「殺したい…フェレット男を今すぐに殺したい…でもそんな事したら…なのはに嫌われる…。 でもフェレット男を殺したい…でもそんな事したらなのはに嫌われる…でも(以下無限ループ)」 ナンバーズが桜花に嫉妬しました 編 完 前へ 目次へ 次へ
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私だけかもしれませんが、8ページ目で原稿が途切れている?ように感じました。ページ設定上、フッターを付けるのは難しいかも知れませんが、付けた方が批評もしやすい(○○ページの~がetc.)ように思うので、私個人としてはページ数表記を入れて欲しいと思いました。 内容は魔法バトルモノということで、臨場感に溢れる描写が多く、是非そのセンスを分けてくだs……ゲフンゲフン 3章終わりの繰り返し部分はユーノの精神に欠陥が生まれたのを絶望感と共に表しているように感じられました。その後に崩壊した周辺の情景描写を入れるともっと引き立つのではないかと思います。 2Pの「仕事は無傷で済ませない」というのは「済ませなさい」の誤植……でしょうか? ともあれ、次回作も楽しみにしています。 コメント
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【Fateシリーズ】 【セイバー】2 10 でっていうwwwwwwww ◆rkP4Nu/XBM 42 検事と妖怪とセーラー服と二丁拳銃と時々騎士王 ◆a2zhksM50w 【アーチャー】2 17 今日の教訓・「運も実力の内」 ◆L3QzSEXyBI 38 弓と水晶と誤解フラグ ◆Z9iNYeY9a2 【キャスター(EXTRA)】3 18 空は黒く風は嗤う ◆7eXksgQP86 23 少女らは愛しき人の夢を見るか ◆a2zhksM50w 38 弓と水晶と誤解フラグ ◆Z9iNYeY9a2 【魔法少女リリカルなのはシリーズ】 【高町なのは】1 29 バトロワでも、なのははリリカルマジカルなようです ◆FbzPVNOXDo 【ユーノ・スクライア】1 15 グリーン・グリーン ◆NIKUcB1AGw 【星光の殲滅者】1 22 RUN!RUN!RUN! ◆raKlsc2Jzo