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惚れ薬を飲ませて自分を意のままにしようとした彼女をギーシュは振った。 「さよなら、香水のモンモランシー、君と関わっていたらいつか毒殺されてしまうよ」 「ああ、燠火のケティ、マロンの様な愛らしさを持つ愛しの君よ」 そうしてモンモランシーは振られた。 ルイズが惚れ薬を飲んだ翌日の夜、俺はモンモランシーを詰問していた。 居なくなると泣くルイズを寝かしつけて、ここまでやって来たが 「解除薬が出来ないだって?」 ギロリとモンモランシーを睨みつける 「解除薬に必要な秘薬が売り切れなんだもん!」 「どうするんだよ」 「入荷が絶望的じゃしょうがないじゃない!」 「なんだよそれ」 「いいじゃない、あなたルイズが好きなのでしょ! 今なら何でも出来るじゃない!」 「おまえな、自分が何を言ってるのか分かっているのか?」 「五月蝿いわよ、平民風情が貴族に逆らうんじゃない」 俺の中で何かが弾け、彼女に襲いかかっていた。 「や、やめてぇ!!」 空気を切り裂くようなモンモランシーの叫び声が、俺の鼓膜を奮わせる。 「駄目だ、責任を取れ!惚れ薬なんか作りやがって」 俺は彼女の体を自分の腰の上に乗せ、今まさに硬くそそり立った肉棒を挿入しようとしているのだ。 「い、痛いっ…」 先端が乙女の隙間を広げ、ピンク色の粘膜の谷間に少しだけ隠れる様子が発揮にと見える。 「くぅ」 彼女の幼さが残るその色合いは、俺の被虐心を煽るのに十分であった。 「うぅっ・・・いやぁ。」 ほんの少しずつであるが確実に彼女の中へと、肉棒が挿入されていく。 その深さが増すたびに、彼女の瞳から涙が零れ落ちてゆく。 「見るんだよ…これは命令だ!」 「痛いっっっ。」 彼女は弓のように背中をそらして、自分の芯を貫く痛みを逃がそうとしているようである。 あまり大きくない乳房が桜色に染まり、その谷間に俺の唾液と彼女の汗がテラテラと部屋の光に 反射している。 「はあはぁはあ…痛い、ゆ、許して、抜いてよぉ。」 まだ半分ほどしか挿入していないのに、モンモランシーは俺へ哀願の眼差しを向ける。 だが、俺はこの甘美な行為を途中でやめるほど、人間ができてはいない。 「馬鹿野郎、止めるわけないだろ」 「た、助けて…ギーシュ」 「ギーシュは、来ねえよ振られたんだよ、お前は!」 どうしようもない現実が分かったのだろう、彼女は再び目をぎゅっと閉じると、 苦痛に対する準備を始めたようだ。 「うっ…も、もうそれ以上は入らないわ」 痛みで神経が興奮しているせいか、乳房の先端がツンと突起している。 よく見ると蕾の周りを彩る部分までがいやらしく盛り上がっていた。 それを見ると我慢が出来なくなり、噛み付くようにしゃぶりつく 「あっっう、い、痛い、痛いっ。」 さらに肉の谷間が内側へめり込むようにして裂ける。 「きっきつい」 彼女の膜壁は俺の肉棒を圧迫しながら、その侵入者を外へ外へと追い出そうとする。 「あっあっ…」 モンモランシーの花弁はポーション効果でぐっしょり濡れている。 「く、動かすぞ」 「いやぁああ・・・」 それでもギシギシと軋むような感じで粘膜同士が摩擦し、いくら他人事とはいえ 彼女の苦痛が伝わってくるのが分かった。 「痛いっっ…ぅうっ」 あまり大きくない乳房が目の前で揺れている。俺はその乳房を眺めながら腰に入れていた 力を少しだけ緩めた。 「っっ…。」 ホッとしたのか彼女の身体から力が抜ける。 その瞬間に俺は肉棒の根本を自らの手で持ちグルグルと中をかき回すようにしてやる。 「こ、こんなのいやぁああ」 腰が合わさる場所からネチネチと厭らしい音が響く。 モンモランシーはまるで身体をかき回されるような感じなのか、腰の動きに合わせて身をよじらせた。 「くぅ…ぅうん」 鼻に抜けるような甘い声を吐き、モンモランシーはそのままイヤイヤとする。 「も、もぅ…」 そこまで彼女が言いかけた時、俺は言葉を遮るかのように、再び腰へぐっと力を入れてやった。 その瞬間、彼女は身体を縮めるようにして悶える。 「いたぃ、だ、大嫌い。」 普通なら不快感を覚えるその言葉も、今の俺にとっては心地よい響きですらある。 今の俺にとって大事なのは、自分の快楽を求める為に行われる肉と肉の摩擦のみだけだ。 「も、もう許して…」 徐々に腰の動きが、速くなる。 押し出されるような感じであそこからは蜜が溢れ、お互いの腰をぐっしょり濡らす。 「はあはあはあ…も、裂けそうぅ」 性的に未開発な身体をケダモノのように犯しているのだからモンモランシーの言葉も当然である。 「ああっ…ううぅ」 俺の腰の動きはさらに加速し、モンモランシーの中を激しく突き上げた。 「痛いぃ…」 肉圧が強くなり、なま暖かい膣壁が肉棒全体を包み込む。 そして先端だけに感じていた甘い感覚は、やがて四散するように身体へ広がり始めた。 「もう!!」 叫び声とほぼ同時に、俺のモノがぎゅっと締め付けられる。 「だ、だめ…中あっ。」 体液が自分の身体の中で広がるのを感じたのだろうか、 モンモランシーは不安と驚きが混じったような表情で俺の顔を見た。 「ああ…ど、どうして中で…あぁ」 ぼーっとして、涙目のモンモランシーがベットでへたり込む 「・・・平民に純潔を奪われてしまったわ…もうお嫁に行けない身体なのね…なんて屈辱・・・」 自虐的に放つその言葉を愛しく感じ思わず抱きしめ、 背後から乳房をゆっくりゆっくり揉みはじめる。 「もう十分でしょ・・・?」 再起動し始めたアレがモンモランシーの震える肌に触れる。 「これ以上何をしようって言うの…?」
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前ページ次ページ魔法少女リリカルルイズ その日の午後の授業は使い魔とのコミュニケーションのために休講となっている。 学園の庭では二年生達は使い魔と思い思いに過ごしている。 その中でギーシュは自分の使い魔のジャイアントモールのヴェルダンデがいかに素晴らしいかをテーブルの向かいに座っているモンモランシーに熱く、そして暑苦しく語っていた。 知的な瞳だとか、官能的なさわり心地といったギーシュにしか解らないようなモグラの魅力を聞かされたモンモランシーはうんざりしていたが、 「君の使い魔もキュートなところが君にそっくりだよ」 などと言われると悪い気は全くしなかった。 「相変わらずお上手ね」 と、全部わかっているように言うのもギーシュの次のお世辞を引き出すためだ。 「僕は君の瞳には嘘はつけないよ」 定番の麗句を聞いたモンモランシーは気になることを思い出す。 本当だろうか、と思って問いただすことにした。 「でも、最近一年生ともつきあってるって噂を聞いたんだけど」 ぎく。 あからさまにギーシュの体と声が硬くなる。 「バカなことを、君への思いに裏表なんて……」 モンモランシーの脳細胞がその言葉の裏にあるものを察知し目がつり上がる直前、ギーシュとモンモランシーの間にある机が轟音を立て、破片と土煙を周囲にぶちまけた。 ついでにモンモランシーの頭からは自分がなにを察知したかが吹っ飛んでしまった。 ギーシュとモンモランシーの間にあった机だったものは周囲の生徒と使い魔の注目を集めることとなった。 土煙が立ちこめる中、皆が無責任にそこでなにが起こったか想像を始める。 隕石が落ちたのか? いや、地下から怪物出現か? いやいや、ギーシュに怒ったモンモランシーが香水で破壊したのか? どんな香水かは不明だが。 だが煙が晴れるとその場にいた全員が納得することとなった。 「いったーい」 そこにはルイズがいたからだ。 ルイズと言えば爆発。爆発と言えばルイズ。 なので、ここで爆発が起こったのは何ら不思議ではないと言うわけだ。 ユーノを肩に乗せながらテーブルの残骸を杖に腰をさすって立ち上がったルイズは、近くの見知ったメイドであるところのシエスタを見つけた。 「そこのあなた」 「は、はい」 「湿布持ってきて。腰、打っちゃたのよ。いたた」 あわてて走っていくシエスタを見送ったルイズはやっとテーブルだった残骸を手放し、自分の足で立ち上がった。 そこでやっとその場にいる全員がルイズを注目しているのに気づく。 周りを見回したルイズは手を組んで少し考え、一言言った。 「ちょっと失敗しちゃった」 周りの生徒達は一斉に叫んだ。 「どういう失敗だ!!」 ほとんどのものはそれですませたが、ギーシュはそれでは収まらない。 驚いてそばに来ているモンモランシーの肩を抱いて、かっこいいと思っている角度でルイズに顔を向ける。 「だいたい、そこで君はなにをしていたんだね」 「ちょっと魔法の練習をしていたのよ」 モンモランシーが不安げに自分の方を見ている……と思い込んだギーシュはルイズに次の言葉をぶつける。 「君が魔法の練習を?よしたまえ。爆発を起こすだけじゃないか。見たまえ。モンモランシーもおびえている」 今のセリフはかっこいい……と思ったギーシュが後を続けようとしたができなかった。 ルイズをはさんだ向かい側にバスケットを持ったケティがいたからだ。 「ギーシュ様……その方……一体……せっかく」 「こ、これは……いや、その」 あわてるギーシュにモンモランシーが追い打ちをかける。 「ギーシュ……さっきの噂、やっぱり」 モンモランシーは頭から吹っ飛んだはずのことを思い出していた。 「ギーシュ様酷い……そんな方がおられたなんて……私だけって言ったのに」 それを聞いたモンモランシーはギーシュを睨みつけた。逃げたくなるような目つきで。 「あなた、さっき、私に同じようなこと言ってたわね」 「そんな、この方にも?嘘ですよね?ギーシュ様」 ルイズのことなど、すでにもうどうでもよくなった二人がギーシュをさらに追い詰める。 「落ち着いてくれたまえ。二人とも。これにはわけが……」 あるはずがない。 「うそつきっ」「うそつきっ」 二人は同時にギーシュの頬に手のひらを見舞った。 モンモランシーは右に。 ケティは左に。 ギーシュの両頬に微妙に形の違う赤い手形が2つできた。 「ふんっ」「ふんっ」 呆然とするギーシュを置いて、二人は近づきたくない雰囲気を纏いどこかに行ってしまう。 「ま、待ってくれたまえっ」 ようやく気づいたギーシュは青い石を中心に置いた薔薇を着けた杖を振り回しながら二人を追いかけていった。 状況において行かれたルイズは走っていくギーシュを見ていた。 次第に視線が一点に集まっていく。 ギーシュの振り回している杖の先についた薔薇。 その中心にある青い石に。 「あーーーーーっ」「あーーーーーっ」 ユーノは思わず声を出す。 あわててルイズがユーノの口を押さえて周りの生徒を見る。 どうやら誰も気づいていないようだ。 (ルイズ、今の) 気づかれないように今度は念話を使う。 (わかってるわ。あれって、ジュエルシードよね) (うん、間違いない) ルイズは走り出す。 「ちょっと、ギーシュ!待ちなさいよ!!」 ルイズもいなくなってしまった。 そこにいる生徒達は状況が読めていなかった。 そして、その中にはキュルケもいた。 「なによ、あの四人」 とりあえず状況を整理するが何が何だかよくわからない。 悩むキュルケに話しかける者がいた。 「あの、ミス・ヴァリエールがどこに行かれたか、ご存じありませんか?」 キュルケは名前は知らないがシエスタだ。 「あー、あの娘ならさっきあっちに走っていったわよ」 「ありがとうございます」 シエスタは一礼してルイズを追っていった。 「ふーん」 キュルケは考える。 恋のもつれでどこかに行ったモンモランシーとケティ。 それを追って行ったギーシュ。 さらに、そのギーシュを追って行ったルイズ。 さらにさらに、ルイズを追いかけていったメイド。 なにが起こっているのかさっぱり解らなかったが1つ解ることがあった。 「なにか面白そうじゃない」 キュルケは一言つぶやいて口の両端をあげると、メイドを追っていった。 他の生徒達も考える。 そしてキュルケと同じように笑うと、キュルケを追って走って行った。 「ギーシュ!ちょっと待ちなさい!」 ギーシュは自分を呼び止めるルイズの声を無視した。 「待ちなさいよ!」 待っていられるはずがない。 角をいくつか曲がっているうちにケティを見失ってしまった。 今、ギーシュが追いかけているのはモンモランシーだ。 走って追いかけてヴェストリの広場まで来てしまった。 「待ってって言ってるでしょ!聞こえないの?」 ヴェストリの広場は昼間でも人が少なく、今は誰もない。 おかげでルイズの声がよく響く。 「いいかげん止まりなさいよ!ギーシュ・ド・グラモン !!!」 あまりにうるさいのでとうとう振り向くことにした。 「ええい、いったい何のようなんだね。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!」 立ち止まったギーシュにルイズが走って追いつく。 「貴族たるもの、マントを振り乱して大声を出すものじゃない。それに僕は今忙しいんだ。後にしてくれたまえ」 だがルイズはそんなことは聞かない。 「あなたの杖の先についているそれ!」 呼吸を落ち着かせてすかさず話し始める。 「この薔薇かい?」 「ちがうわ。その薔薇の中に入れている青い石。それ返して!」 「この石を?」 「そうよ!早く返して」 「ふむ」 公爵家の娘の持ち物にしてはみすぼらしい気もするが、そんなものをここまで追いかけてくると言うことはルイズの持ち物なのかも知れない。 それに、どうせ拾ったものだ。 気に入ってはいるが無理に自分のものにするほどの物でもない。 「いいだろう。ただし……」 授業では爆発に見舞われた。 さっきはルイズにモンモランシーとの会話をぶちこわされた。 少しくらい意地の悪いことをしてもいいだろう。 そう考えたギーシュは杖を振る。 「僕のワルキューレと話し合ってからにするといい」 一枚の花びらと青い石が宙を舞った。 前ページ次ページ魔法少女リリカルルイズ
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ガブリエル(5) フランスのモンモランシー公の系譜に登場する人物。 関連: アンヌドモンモランシー (アンヌ・ド・モンモランシー、父) マドレーヌドサヴォワ (マドレーヌ・ド・サヴォワ、母)
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第四話 ギーシュ君の運命 前編 あーた~らしーいあーさが来たッきぼーのあーさーだ。 はいよっこらしょっと。 僕はベットから立ち上がり鏡を手のとる。今日もいい男だ。僕ほど薔薇が似合う男もそうそう いない。否ッ!僕以外にはいないィィ~~♪ なぜか上機嫌なギーシュ君。鼻歌交じりに支度を済ませ朝食に向かう。 「おはよう僕のモンモランシー。今日も君は一段と美しいねぇ…食堂までご一緒してもいいかい?」 「…………フン」 あれ?怒ってる?なんで怒ってるんだい。生理? 「何を怒ってるんだいモンモランシー。君の美しい顔が台無しじゃあないか」 「…アナタ。昨日何したか覚えてないの?」 「昨日?昨日は確か…何もなかったと思うよモンモランシー」 「フ~ン…それじゃアナタが私とケティに二股かけてたことがバレている事も忘れてるわけねえぇ…」 そ、そんなに怖い声で言わないでおくれモンモランシー。ってなんでバレタァ!?昨日は 確か酔っ払って。ルイズに暴力をふるって……ルイズに暴力?馬鹿な。僕は紳士さ。女性に暴力なんてとんでもない。 「アンタ。昨日のヘビに噛まれたことまで忘れたんじゃないでしょうね。」 ヘビ…ヘビだって!? ヘビというキーワードで頭の中の記憶が鮮明にフラッシュバックしていく。 僕は昨日の朝に酔っ払った勢いでルイズに暴行し、そのルイズの使い魔の平民に皿を投げつけられて かつ決闘を挑み挑む前にアソコにヘビを喰らってあえなく敗北しました♪ヤッベ冷汗出てきた。 ああ、そうかッ!その時の香水のせいで二股ばれたんだっけ。あっはっは。やだなぼくったら~。 「思い出したようねぇ。じゃあ今からアナタがすることを言いなさい。ちなみに間違ったら殺すわよ。」 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ! DIO様も真っ青なこの迫力ッ!黄金のオーラがギュインギュインいってるッ! なんていうことだ。モンモランシーは殺すといったら殺す。スゴ味があるッ!ヤ、ヤバイ 「モ、モンモランシー。あ。あの… ル、ルイズにちゃんと謝ります…」 モンモランシーの目が今赤く光ったッ!気のせいじゃないよねっ!? 「それだけぇ?なんか物凄く大事なもの忘れてないかしらぁ。」 だがグラモン家に伝わる戦い方(正確にはギーシュにだけ)をモンモランシーは知らない。それは『土下座』! 「ゆるしてくださいあぁーいッモンモランシー様ーーーーーーーッ!改心しますひれ伏します 靴もなめます悪いことしましたァ!殴っても蹴ってもいいですゥ!でも!命だけが助けて くださいイイイイイィいいいい!!モンモランシー様~~~~~~」 やれやれ。土下座しながらここまで言われるとさすがに罪悪感沸くわよ。まったく。 「ギーシュ。顔を上げて。」 「は、はひぃ!」 涙まで流しているギーシュを抱き寄せて 「ギーシュ。あなたは昨日貴族としてやってはいけないことをしたわ。最低の行為よ。 でもね、アナタが昨日あの平民にやられて死に掛けた時ホントに心配したんだから。もう二度とあんなこと はしないで。それに浮気ももうしないこと。浮気分かった時悲しかったんだから。」 「モンモランシー……」 昨日ルイズを君も散々責めていなかったかい? この言葉は口に出さずしまっておこう。今言ったらまたキレるだろう。 「ありがとう。浮気なんてもうしないよ。モンモランシー…」 「ギーシュ……」 食堂前の通路で二人だけの世界を作っている。しかしこのカップル。ノリノリである。 ルイズは上機嫌だった。 昨日の事件もあって影でボソボソ言われてるもの表だって ルイズのことを馬鹿にするものはいない。もちろん昨日の朝食のギーシュ事件の せいである。その時からジョルノの事をタダの平民だと思う者はいなくなった。 ルイズが呼んだのは先住魔法を使う蛇使い。悪魔。魔人。いろいろな憶測がた飛び交い ジョルノは影でそんな風に呼ばれていた。ルイズを馬鹿にするとあの男が毒蛇を呼んでくる。 ジョルノ自身はルイズが馬鹿にされたぐらいではなんとも思ったりなどはしないのだが。 とまあこんな感じのうわさのせいで平民?が貴族用食堂で食事しているのを咎める者はいなかった。 「ダーリンッ。アーンしてぇ~」 「一人で食べれます。邪魔ですよ」 「つれないわねぇ。そんな所がまたソソるわぁ。」 「ちょっとキュルケ!嫌がってるでしょ!やめなさい」 ルイズとキュルケがギャアギャア言ってる所に昨日の酔っ払い。あのギーシュという少年がやってきた。何のつもりだ? 「ルイズ。後で話したいことがあるんだ。その、授業前にちょっといいかな。」 「……何のつもりよ。私正直に言えばあなたの顔も見たくないんだけど。」 「怒る気持ちはもっともだ。でも、僕は君に謝りたい。」 コイツは昨日こんな性格だったか?やはりルイズに暴行したのは泥酔したせいらしい。別人だな。 「……わかったわ。後でね。」 「ありがとう…ルイズ。」 それだけ言うとギーシュは食堂を出て行った。しぶしぶ承諾したようだ。この場で殴ってやればいいのに。 「ルイズ。この場で謝罪させればよかったのでは?」 「アイツにもメンツがあるわ。それに反省しているみたいだしいいわよ。」 あそこまでやっておいてもはやメンツなんてないと思うけどな。 まあいい。もうちょっと食事を楽しもう。 「あら?ダーリンワインが飲みたいの?お酌してあげるぅ。」 「どうも。でも次からは結構です」 「キュルケ!いい加減にしなさいよッ」 食事を済ませたルイズはギーシュのいる廊下に来ていた。 「で、話って何?昨日のことならアンタがジョルノに土下座して謝った事聞いたわよ。」 「それでも、それでも直接僕は君に謝りたいんだ…僕は女性に。暴力を振るってしまった…」 その様子を廊下の端っこから二人を覗く影が三人。ジョルノとキュルケとモンモランシーだ。 「なんだかんだでダーリンも心配なんじゃないのぉ」 「それはアナタもですよキュルケ。ところでそこのロールケーキはギーシュの彼女ですか?」 「ロールケーキじゃないッ!!モンモランシーだ!オンモランシーでもモンモラシーでもないッ!」 そんなことまで聞いちゃいない。おや。ギーシュが土下座を始めたみたいだ。 「ルイズ!僕は最低なことをしてしまったんだッ!だから僕を……僕を!」 「僕を………踏んで来ださい…」 「「「「え?」」」」 to be continued
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ウォオオオオオオオオオオオオーーーーーーーム!!!!! 『動物は危険を感じたり、怪我などをすると副腎髄質という内臓器からアドレナリン という物質を分泌し、体を緊張させるッ! このアドレナリンの量を脳に寄生する「バオー」が感知し………………………… 「寄生虫バオー」は宿主である橋沢育郎を、生命の危険から守るべく 無敵の肉体に変身させるのだッ!』 こ れ が ッ ! アームド・フェノメノン 『 バ オ ー 武 装 現 象 』 だ ッ !! 異形の咆哮が終わり、呆然としていた回りの生徒達が騒ぎ出す。 「あいつ、亜人だったのか!」 「傷がふさがってるぞ?」 「ひょっとして先住魔法か!?」 『視覚も、聴覚も、嗅覚も「バオー」には関係ない! 感覚はすべて頭部の触覚でまかなう! 「バオー」はギーシュの発する敵意のにおいを触覚で感じ…… そ の に お い が 大 嫌 い だ っ た ! 「バオー」は思った……… こ い つ の に お い を 消 し て や る ッ !』 「あーあ、せっかく黙ってたってのによー」 「なななななななななななな!?」 「落ち着けよ、娘っ子」 「なんなのあれ!?あいつ亜人だったの?何で人間の真似してたの?傷治ってない?」 取り乱したルイズがデルフリンガーに次々と質問をぶつける。 「安心しな娘っ子、相棒は人間だよ」 「じゃあの姿は!?あれだけの変身魔法なんて、先住魔法でもなきゃ…」 「魔法じゃねーって」 「魔法じゃないなら何なのよ!?」 「そう言われてもなー、なんつえば良いんだろ?」 何か良い言い方は無いかと、デルフリンガーが考え込む。 「おーそうだ!あれだ蝶々も元は芋虫だろ?相棒があんな格好になっても不思議じゃ」 「不思議にきまってるじゃない!?」 「まーあれだ、娘っ子はあっちの相棒は初めてだろ?俺もだけどさ。 こうなったらしゃ-ねー。せっかくだからじっくり見とこうじゃねーか」 「………あっちの?」 「ぼ、僕のゴーレムが…」 背後に立つ、己に槍の一撃を放ったワルキューレの顔を、バオーは無造作に掴んだ。 「と…溶けてるぅぅぅぅぅ!!!」 ギーシュが叫んだ通りだった。 青銅で出来たゴーレムが、見る見るうちに溶けていく。 『バオー・メルティッディン・パルム・フェノメノン 手のひらからでる特別な液で物質を溶かす、「バオー」が持つ武装現象の一つ』 「あ…あぁ…」 僅か数秒の間、ワルキューレが青銅の塊になるのをギーシュは呆然と見ていた。 そしてバオーがギーシュに向かって一歩踏み出した時、あまりの出来事に 思考を止めていた彼の脳が、やっと動き出す。 「わ、ワルキューレぇ!」 後ずさりながら、目の前の異形に向かって、震える声で青銅の戦乙女達に攻撃の 指令を出す。 まず近くにいたワルキューレ二体が、バオーに向かって槍を持って突撃した。 バオーは近づいてくるワルキューレの方を向いただけで、避けようともしない。 そして両者が交差したと見えた次の瞬間、ワルキューレは無残に両断されていた。 見ればバオーの腕には、いつの間にか刃のような物が生えている。 『バオー・リスキニハーデン・セイバー・フェノメノン 手首の皮膚を鋭く硬質化させ、刃となし敵を切り裂く』 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!」 残るゴーレム、先程の四体そろっての突撃を避けられ、マリコルヌを押しつぶしていた ワルキューレ達に武装をさせ、再びバオーに向かって突進させる。 バルバルバルバルバルバル!!! バオーの咆哮と共に、凄まじい音と光がその体から発せられた。 そして、轟音と共に雷撃がワルキューレ達に襲い掛かかる。 『バオー・ブレイク・ダーク・サンダー・フェノメノン 細胞間を流れる微弱な電流を直列につなぐ事で、体内に高圧電流が生まれる現象』 崩れ落ちるワルキューレ達、もうギーシュにはワルキューレを作り出す魔力は無い。 それを知っている彼の友人達は、根は怖がりであるギーシュが、すぐに降参すると 思っていた。 「く、来るな………ッ!」 しかしギーシュは後ろにさがりこそすれ、バオーから目をそらさず、降参するような そぶりを見せない。あまつさえ、なけなしの精神力で、まだ呪文を唱えようとしている。 ギーシュだけが理解していたのだ。 この生き物に降伏も、そして逃走すら無意味だという事を。 ギーシュが魔法を唱え終ったのと、バオーの髪が蠢いたのは同時だった。 魔法の効果によって、瞬時にギーシュの目の前に土の壁が作り出され、そして 「ヒィッ!」 土の壁を貫いて、ギーシュの目前に針のようなものが現れる。 『バオー・シューティング・ビースス・スティンガー・フェノメノン 髪の毛が針のように硬質化する現象。刺さった髪がぬけると体温により自然発火する』 からくも目前で止まったものの、後一瞬魔法の発動が遅れていれば自分はこの針に 貫かれていただろう。その事実に恐怖すると共に、一瞬の安堵が生まれる。 だが次の瞬間、ギーシュは胸に何かの衝撃を感じた。 「え?…あ………れ?」 胸が焼け付くように熱い、ふと目の前の、自分の作り出した壁を見ると穴が開いている。 「ああああああああああッ!!」 土の壁が崩れてバオーが姿を見せる、その片方の腕に生えていた刃がなくなっている。 ギーシュは自分の胸を恐る恐る見た、そこにはバオーの腕から無くなった刃が 深々と突き刺さっている。 「ウソ……だろ?」 その言葉と共に血が勢いよく噴出し、それと共に視界がどんどん暗くなっていく。 「…………シュ!!!」 誰かが自分を呼んでいる。 その声は涙で震えているような気がした。 「…モンモランシー?」 その言葉は、もう口から発する事ができなかった。 混乱し、薄れていく意識の中、最後にギーシュが思ったのは、 『モンモランシーが泣いているのは悲しいな』 そんな事だった… ギーシュが倒れるのと同時に、観戦していた生徒達から悲鳴が上がる。 決闘に命を懸けたのは昔の時代である。今や決闘で死ぬ事など、事故以外そうはない。 学生ならなおさらだ。貴族といってもまだまだ子供である。ほとんどが親の庇護の元、 何一つ苦労も無く育ってきた者達なのだ。目の前の『殺人』という異常事態に 対応できるわけも無かった。 しかも殺したのは先住魔法を操る得体の知れない亜人…いや、化け物だ。 何人かの生徒は逃げ出したが、ほとんどは呆然と倒れたギーシュとバオーを何もせずに 眺めている。それは橋沢育郎の主であるルイズも同じだった。 「ギーシュ!」 そんな中、真っ先に動いたのはモンモランシーだった。 倒れたギーシュに駆け寄り、治癒の魔法をかける。だが触媒の秘薬も無しに、いや、 例え秘薬があろうとも、これ程の重症ではもう助からないだろう。 それでも彼女は魔法を止めない。 「ギーシュ、お願い目を開けて!ギーシュ!」 泣きながらギーシュの名前を呼ぶが、目覚めるはずも無い。 それでもモンモランシーは精神力がきれ、気絶するまでギーシュの名を呼び、 治癒の魔法をかけ続けた。 『闘い終えた「バオー」は、変身から少年へ戻っていった』 「これは!?」 育郎の意識が覚醒し、最初に目に入ったのは、倒れるギーシュにすがりつき、 涙を流しながら魔法をかけているモンモランシーの姿だった。 その光景に、自分が何をしてしまったのか悟る。 あの『力」が! 僕の中の化け物の『力』が彼を!? あの時は自分の意思でコントロールできたのに! ドレスとの最後の闘いの時、自分はあの力を制御していた。 だからこそ、最悪あの姿になっても誰かを傷つける事はないと思っていた。 「僕のせいだ…ッ!」 自分に対する怒りがわいてくる。 しかし次の瞬間、ギーシュから、あの『におい』が発せられている事に気付いた。 感じる!かすかだが、まだ彼の生命の『におい』を! 今ならバオーの血で助ける事が出来る、だがコントロールできるのか!? 一瞬の戸惑い。 だが魔法をかけていたモンモランシーが倒れこむのを見たとき、 育郎は決心した。 迷っている暇は無い、コントロールするのだ! でなければ彼が死んでしまう! 目覚めるんだ、僕の中に眠る『力』よ! 『脳に寄生する「バオー」が、橋沢育郎の意思を感知した……… 「バオー」はその意思に従い、宿主である育郎を再び変化させる!』 ウォォォォォォォォム!バルバルバルバル!!! 『宿主の命に危険があるわけではない、だが「バオー」は育郎の意思に従う。 それは宿主のための行動であり、そして「バオー」の意思でもあるのだ!』 「あれ?」 ギーシュが目を覚まして考えたのは、何故自分が地面に寝ているのだろう? という事だった。そしてその自分に、誰かが倒れこんでいることに気付く。 「…モンモランシー?」 一瞬モンモランシーに何かあったのかと思ったが、ただ寝ているだけだと気付き、 安心すると、倒れこんでいる事によって、モンモランシーの胸の感触を味わえている という事実をギーシュは発見した。 こ、これは……なんだかわかんないけどラッキー! 「う…うん……ギーシュ?」 そんなことを考えていると、モンモランシーが目を覚ました。 身持ちの硬いモンモランシーの性格を思い出し、顔が青くなる。 「いや、違うんだモンモランシー!これはその」 「ギーシュ!!!」 「へ?」 モンモランシーがギーシュに抱きついて泣き出した。 「ギーシュ、生きてるのね!?良かった、本当に良かった!ああ、ギーシュ……」 おおおおおお!さらに胸が!おっぱいがいっぱいであります! って『生きてる』? 「あああああッ!!!!」 思い出した。 自分はあのルイズの使い魔に… 傷のあった場所を見てみると、服は汚れているがもう血は止まっている。 それにモンモランシーの胸が当たっているのに、全然痛くない。 というか気持ちいい。 「おお、愛しのモンモランシー!君が治してくれたのかい?」 涙をぬぐったモンモランシーが、ギーシュを見て首を振る。 「わからない…治癒の魔法は懸けてたけど、秘薬もないのにあんな傷…」 「『彼』が君に何かを飲ませたんだ…そしたら君が生き返った」 何故かボロボロになっているマリコルヌが、いつの間にか傍に来ていた。 「『彼』って…ルイズの使い魔の?ど、どうして?」 「わからない……けど、すまなさそうしてたよ、彼は…」 「そうか…教えてくれてありがとう、マリーベル」 「マリコルヌ!風上のマリコルヌだよ!?」 マリコルヌの抗議の声を聞きながしながら、モンモランシーを見ていると ふと、思い出すことがあった。 「も、モンモランシー…」 「なぁに、ギーシュ?」 非常に心苦しいが言わなければならない。 「負けちゃってごめん…いや、その…僕が代わりにあのメイドに謝ってこようか?」 それを聞いたモンモランシーは呆れた顔をした後、笑顔になり 「本当に…馬鹿なんだから…」 もう一度ギーシュに抱きついて、泣いた。 ギーシュは泣いているモンモランシーをなだめながら思った。 それにしても…良いにおいだな モンモランシーの二つ名を思い出す 『香水』のモンモランシー やっぱりモンモランシーの香水はいいな… いや、モンモランシーがつけてるから良いのかな? なんだか幸せな気分になってくる。 でも、やっぱりモンモランシーは笑ってるほうがいいや。 そう思ったが、ギーシュは、なんだか世界で一番自分が幸福のような、 そんな気分になっていた。
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エルヴェ(2) フランス王の系譜に登場する人物。 サン=マルタン・ド・モンモランシー修道院長。 関連: マチューイッセイドモンモランシー (マチュー1世・ド・モンモランシー、父) アリスフィッツロイ (アリス・フィッツロイ、母)
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アンヌ(13) フランスのモンモランシー公の系譜に登場する人物。 カーンのサント=トリニテ女子修道院長。 関連: アンヌドモンモランシー (アンヌ・ド・モンモランシー、父) マドレーヌドサヴォワ (マドレーヌ・ド・サヴォワ、母)
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ルイーズ(13) フランスのモンモランシー公の系譜に登場する人物。 ジェルシー女子修道院長。 関連: アンヌドモンモランシー (アンヌ・ド・モンモランシー、父) マドレーヌドサヴォワ (マドレーヌ・ド・サヴォワ、母)
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「ほら、朝だよ」 育郎がベッドの中で丸くなっているルイズを揺さぶる。 「うにゅ~もうちょっとー」 「もうそろそろ準備しないと遅れるよ」 「むー」 仕方なくベッドから離れるルイズ 「ほら、顔を洗って。着替えはいつも通りそこにあるから」 「ふぁ~い」 「着替えはおわったね、はい鞄」 「うん」 「それじゃあ行こうか…ど、どうかしたのかい!?」 見るとルイズが頭を抱えてうずくまっている。 ルイズは先日の一件で色々考えた結果、もう育郎を召使のように扱うのはやめようと 決心したのであった。それは単純に、育郎の境遇に同情したと言うだけではないのだが、 とにかく、今日からはそれまでのように、自分のことは自分でしようと、 そう考えていたのである。 ち、ちがう…こんなはずじゃなかったのに! 平民に何もかもやらせる事は、貴族を人間的にどんどん駄目にしてるのかも… ルイズは生まれて初めてそんな事を思った。 食堂に入ると、自分達に視線が集まるのを感じる。 なんとなく、使い魔を連れての初めての授業を思い出すが、その時とは視線の質が 明らかに違う。ある生徒達はこちらを見ながら、小声で囁き合い、ある生徒は露骨に 脅えた顔をこちらに向ける。中にはルイズを見て、涙を流す女生徒までいた。 昨日何故か部屋にやってきたキュルケから、育郎が悪魔だのなんだの好き勝手に 噂されているとは聞いていたのだが… 「…予想していたとはいえ、ここまでとはね」 溜息をつくルイズ。育郎を見ると複雑な表情をしている。 幸いな事に、先生達はチラリとこちらを見る事はあっても、基本的にそれぐらいで、 特に変わった反応はしない。一応オールド・オスマンの説明を信じているようだ。 そのオールド・オスマンの姿も見えたが、ミス・ロングビルにアッパーを喰らって 宙を舞っていた。これはどうでもいい。 あ、浮いたオールド・オスマンにさらにストレートを叩き込んでる。 とはいえ、どうでもいい事にはかわらないけど。 「ところでルイズ…僕の食事だけど、本当に良いのかい?」 育郎がルイズの隣に並べられた、食事を指差して聞く。 「いいのよ!その、えーと、ほらあれよあれ!た、ただの平民よりはこう、 使い魔として役にじゃなくて…とにかくいいの!」 そう言って隣の席を指差す。 「でも、座る席は決まって…いや、やっぱりいい」 ルイズの席の周りは誰も座っていなかった。ついでに料理もルイズと育郎の分以外は、 かなり離れた場所に置かれていた。 よく見れば平民のメイド達も、調理場からチラチラとこちらを伺っている。 「…まあ、気持ちはわかるけど、何日かすればいつも通りになるわよ。たぶん」 脅えながらこちらを伺うメイド達の中に、黒髪の少女を見つけ、育郎の顔が曇る。 育郎は昨日の決闘が終わり、ミス・ロングビルに連れられていく時に、シエスタと 思わしき黒髪が、その場を離れていくのを見ていた。となると、変身した姿も 見ていたと思って良いだろう。脅えるのも仕方が無い。 そう考えていると、自分が見ているのに気付いたメイド達が、 調理場へ引っ込んでいった。 「………外で食べてこようか?」 「い…いいわよ…」 と言ってみたものも、とても食べにくい。 こちらが気になるのは分かるのだが、そんなに凝視されると、その…困る。 「あらルイズ、大人気ね」 「キュルケ!」 「キュルケさん」 食堂に入ってきたキュルケがこちらに気付き、気付かない方がおかしい気もするが、 こちらに手を振って近寄ってくる。 正直いつもなら嫌な顔をして、追い返そうとする所だが、今日に限っては普段通り 語りかけてくるキュルケがありがたかった。 「キュルケでいいわよ、えっとイチローだっけ?」 「イクローです、キュルケさん…」 「だからキュルケで良いって」 とりあえず、昨夜で誤解は解けた(何を誤解していたのかはよくわからないが) キュルケは、育郎が噂のような危険な人物ではないと、納得してくれたようだ。 たまに熱っぽい視線を送るのも、何時もの悪い病気なのだろう。 じゅるり 何時もの悪い病気なのだろう。 「あ、そうそう貴方達タバサ見なかった?」 「タバサ?えっと、授業中いつも貴方の隣に座る、青い髪の子?」 「そう、その子。朝から姿が見えないんだけど、知らないかなって」 「まだ寝てるんじゃないの?」 「う~ん、あの子に限ってそんなことは無いと思うんだけど…」 「その…ちょっと良いかな?」 何時の間にかモンモランシーと腕を組んだギーシュが、三人の傍まで近づいていた。 「君は…その…大丈夫かい?」 育郎が席を立って、ギーシュに近づこうとするが 「………!!!」 「モンモランシー…」 組んだ腕に力を込め、育郎を睨み付けるモンモランシーをギーシュはなだめる。 「その、怪我なら大丈夫さ。君のおかげだよ…」 「ギーシュ!貴方はこいつの」 「あら、最初に決闘を申し込んだのはギーシュのほうじゃない。 傷を治したことを感謝こそすれ、恨むのは筋違いでなくてモンモランシー?」 「…ッ!」 今度はキュルケを睨み付けるモンモランシー、 「モンモランシー、いいんだ。彼女の言うとおりだよ…」 「でも!」 「モンモランシー、君が僕のことを心配してくれるのは本当に嬉しいんだけど…」 「………わかったわ」 さすがに簡単には納得できないのか、不満そうな顔をするが、素直にギーシュの いう事を聞くモンモランシー。 「それで…何の用なのよ?」 ルイズの不機嫌そうな声に、ギーシュが躊躇いながら口を開く。 「その…約束通りあのメイドには謝っておいたよ。 ちゃんとモンモランシーにも頭を下げさせたから…」 「そうか、ありがとう…」 「いや、貴族として当然の…な、なんだい君たち。そんな変な顔して?」 口をポカンと開けているキュルケとルイズに、ギーシュが気付く。 「その、ギーシュならともかく…モンモランシーも!?」 ルイズが驚いた声をあげて、モンモランシーを見る。 「な、何よ…悪い?」 「へー貴方がねぇ…」 キュルケが世にも珍しいという目でモンモランシーとギーシュを見比べる。 「だ、だってその…じゃないとギーシュの名誉が傷つくし… そ、それに言う通りにしないと、そいつが何かするかわからないじゃない!」 「おお!モンモランシー、僕の為に!」 「あ、貴方の為じゃなくて…もう…」 「それでもありがとうと言わせてくれ、愛しいモンモランシー」 顔を真っ赤にしたモンモランシーを、感極まった様子でギーシュが抱きしめる。 「相棒、このバカップルに何か言ってやれ」 「そんな、邪魔するのは悪いよ…」 「なんか、ますます食事がしにくくなったわね…」 「アタシ、タバサの部屋を見て来るわ…」 どうでも良いが、抱き合う二人を『死ねば良いのに』という目でマリコルヌが見ていた。
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フランソワサンセイドラトゥールドーヴェルニュ(フランソワ3世・ド・ラ・トゥール・ドーヴェルニュ) フランスのスダン公の系譜に登場する人物。 テュレンヌ子爵。 関連: エレオノールドモンモランシー (エレオノール・ド・モンモランシー、妻) アンリドラトゥールドーヴェルニュ (アンリ・ド・ラ・トゥール・ドーヴェルニュ、息子) マルグリートドラトゥールドーヴェルニュ (マルグリート・ド・ラ・トゥール・ドーヴェルニュ、娘)