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ふとキミに 名前呼ばれた 気がして 振り向いてみる でも もうキミは いないんだ わかってるよ 寂しい夜 誰かいないと 不安で 震えていた キミも 私と同じで 夜1人になること 怯えていたよね だから 寂しくないように 2人抱き合って 夜を過ごしたんだ 最初から 2人の行き着く先は 違うことぐらい 理解してたのに いまは お互い違う闇に 包まれて キミすら見えない また 1人の夜が ひどく怖くて 涙を溢す ねえ? またキミみたいに 抱き締めてくれる人 いるのかな…
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キミのこと忘れるため 携帯のメールを消そう アドレス消してしまおう そう頭で考えてるのに 削除していいですか? って言葉を見てしまうと 勇気だせず決定ボタン 押すことができない私 ずっと一緒がよかった キミのことをしっかりと 見てあげればよかった 今頃気づくなんて遅い 今までのメールを見て 泣きながら私は思った 忘れられなくてごめん たくさん傷つけたのに
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ここでは、サークル内での合作小説を掲示しています。 JOKER
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天上の争いは地上に影響を起こすことはなかった。 だが、賢者たちにとっては都合が悪かった。 賢者たちは天輝石という石で地上の万物の影響を防いでいた。 つまり、賢者たちには地上にある時でさえ何の脅威ではないということである。 だが、それはただの触媒でしかなくてその石は神の力を天上の地から運んでいるだけなのだ。 天上の地が不穏な争いに巻き込まれ、力が無くなってしまったら、 賢者たちはただ、朽ちるのを待つしかない。 だが、そこにばかり囚われ、地上を治められなくなってはいけないのだ。 それが彼らの使命であり、地上に繋がる鎖なのだから。 賢者の住まう塔の一室でエルノーヴァは溜め息をついた。 「天上の地のバランスが崩れるなんて・・・。世界が生まれてはじめてだ。」 エルノーヴァの思考の中で違うのではないかという考えがよぎる。 この世界はただの小さな世界でこの世界の中心はもっと別の場所にあるのではないのかと。 考えに耽るより、目の前のことを先読みすればいいと思い、目を閉じた。 知識の特殊能力、道標。 自分の知識と考えを使い、予知する。 行使中に部屋の扉がノックされる。 意識の世界から引き戻され、扉の方を見る。 「誰ですか?」 すると、扉から、 「私です、ラルノスです。」 光の賢者であることに安堵し、 「入りなさい。」 扉に入ってきたラルノスはひどくオドオドした感じだった。 天上の地では時は存在しないが、成長は存在する。 賢者の中では一番成長がしていないのがラルノスなのだ。 「どうしました?」 「えっと、成長も未熟な者の意見ですが、聞き入れてもらいたくて来たんですが・・・。」 「いいですよ、言ってみなさい。私は貴女の意見には色々と期待がありますし。」 「では、単当直中に言います。この地上を七分にしてはどうでしょう?」 「七分ですか?」 「はい。七つの国を作り、一ずつ賢者が治めるのです。」 「ふむ・・・。」 「聞き入れなくていいですよ!ただ、その方がきちんとした統一が可能かなって・・・。」 「面白そうですね。」 「え!?」 「それでいきましょう。」 「は、はい。」 これがすべての始まり。 争いの舞台は整った。 こうして、七つの国はできたのであった。 これが、今後にどう関わってくるなんて誰も知る由もなかった。
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風が、月が、涙が… 揺れる -------。 要の事を吉祥に報告し、急いで満松屋に向かった 「っ…!」 「ひでぇ…匂いだ」 店の周囲を満たすような血臭 生き物が死んだ時のあの独特の匂い… 「まだ奉行所の奴らはきてねぇな…」 「穏、要を探すぞ」 俺を置き去りにして一人、中に入っていった吉祥 暗がりの中、数回だけ来た事のある店を進んだ 「吉祥…人の気配がしねぇ」 「そうか…なんでまた…」 人の気配を探るが店の中には生き物の気配すらない ため息をついて、先に進む吉祥を追った 庭が見える廊下に出た瞬間 さっきまで全く感じることが出来なかった気配が現れた 「吉祥、進むな…」 「穏…?」 「誰かいる…」 紅蓮に手をかけ、腰を落とす 吉祥も持ってきていた睡蓮を構えた 確かにいる…デカい庭石の上に… 雲に覆われていた月が顔を出した時 心臓が止まるかと思った 「笑えねぇ…冗談はよせ…」 「かな、め…」 「よぉ、久しぶりだな」 月明かりの中浮かび上がったのは輝く金糸の髪に 血で赤黒く染まった着物を纏い、ドスを持って 優しくも冷酷な笑みを浮かべる要がいた 「…てめぇか」 「ねぇ、穏…お前と戦って以来だよ。あんなにゾクゾクしたの…!穏、もっかい遊んでよ!」 人間離れした動きで突っ込んできた要を刀で防ぎ 姿を見てから動かなくなった吉祥を突き飛ばした 「俺の吉祥なんだから大事にしてよ…ね」 「るせぇ…あのまんまだったら俺と一緒に串刺しだったっつーの!」 要をなんとか押し返し間合いを取った。なんつーバカ力… くっそ…まだ痺れてやがる… 「今、俺ね最高に気持ちいいんだ…」 一人ニヤリと笑う要がどうにも人から離れた奴に見えて仕方ない 例えるなら…『夜叉』 あながち間違いないだろう… 何があったかしらねぇが…夜叉のなりかけてってところか もう一度突っ込んで来た要を斬りつける…のはいいが カウンターで顔面に思いっきり蹴りを食らった 「いってー…」 顔をおさえ、もがく いてぇ!アイツ本気で蹴りやがった! つーか斬ったのに平然と立ってんじゃねぇ!! 気を失ってる吉祥を眺めて ゆっくりと近づいてくる要をみて …人生最大のピンチ…? 【状況→絶賛大ピンチ】
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「小沢様!優秀なる我が軍により、現在、日本のおよそ8割を駆逐することに成功いたしました!」 可南子は高々とそびえる小沢の玉座(高さ8mくらい。)に深々とひざまづいて、甲高く申し上げました。 薄暗い小沢の部屋は(小沢は病弱なので、光にあたると芽が出てくる、もやしっ子)とてつもなく広く、中央には、幾度となくその場で処刑された人間たちの血の色と遜色ないレッドカーペットが敷かれていました。 松明が風に揺られて弱く笑う… 「うむ。」 と一言、小沢はうなずきました。 可南子の隣の阿倍さんが何かを言うかと思えば、ずっと口を紡いだまんまで、可南子は急にうれしくなり、にやけました。…なんだ、何も成果を上げていなかったのか! しばらく沈黙が流れました。パチパチと松明だけが広い空間に小さくこだましました。 だが、その沈黙も作者がダラダラ語る気も無いので、急に破られました。いきなり可南子たちの背後の扉が開いたのです。 すると、そこには腰を引きずって歩く、一人の兵士の姿がありました。 阿倍さんはまるで、それを知っていたかのように先の可南子以上のにやけをみせました。 「貴様ごときの階級が、ここに入ることは許していないわ!何があったの!言いなさい!」 可南子は兵士に罵声を浴びせました。 「岡山県を駆逐後、わ…我々は、『白い犬』に襲われました。」 「犬ですって…?」 可南子はワナワナ震える兵士の頭を踏みにじり、紅潮し、親指の爪を噛みました。阿倍さんは、今にも吹き出しそうでした。 そして、小沢は口をゆっくりと開きました。 「可南子に命ずる。その白い犬なる反逆者を駆除してこい。」 まるで可南子を見ていなかったが、その言葉は可南子の胸に突き刺ささりました。 「し…しかし!そ、そうだ!阿倍は何もしていません!彼は最近不審な行動を…」 可南子は行きたくなかった。誰だか見当がついていたからでした。だが、言葉を阿倍が遮りました。 「行きなさいよォ…」 その言葉に拒絶を覚える可南子。 「な!?なぜあなたにそんなことを…!」 「行け!!」 口を大きく開いたのは阿倍でした。 すると可南子はふらつき、瞳を真っ黒にさせ、 「はい。失礼します。」 と泡のような声で答えて扉に向かって歩みだしました。 「いやはや…まっすぐな心を持った人も大変ですねぇ…」 以下、彼の脳みその中で『混声四部合唱曲 Hallelujah!(通称、ハ~レルヤ)が流れていると思いながら、このヘタレ文章をお楽しみください。 ダイゴは鮮やかに彩る数々の花々の咲き誇る野原で一人病気にかかった犬のように狂い踊り駈けずりまわりました。 遠くで大きな木がじっくりと彼を見つめていることに気付きました。 その木の根元には、小さな水たまりができていました。 そして、空には美しい七色の輝きを放つ虹が橋を造っていました。それで、ようやくダイゴは先ほど雨が降ったのだと気付きました。その鮮やかな花々の水滴が太陽の光を大地にまで輝かせました。 そして、一滴、水たまりに木の葉の先から弱弱しく零れおちていきました。小さな波紋を立てて、人間では作りえないとても美しい音色を奏でました。 それは、十数メートルの地下に自分のウ○コが、今までたまってきた山に落っこちた音でした。静かに…やがて悲しい音色が大きく地下で響き渡る…ウ○コウ○コウ○コ… その水のはじける音に驚いて色とりどりの花という花から、驚いて飛び立つ黄色、白、青…限りを知らない色をもつ蝶々の群れ… それは、ウ○コの山に巣食っていた、ハエの大群が、ドッスン便所の穴から飛び出してきたものでした。数匹がダイゴの尻にこびりついたウ○コの残骸にしがみつきました。 「エデン…っすね。」 ダイゴには未だに花園に身をおろしていました。 ダイゴは光が淡く差し込む天井を見上げました。 そこには、「噴」という文字が…「なんすかね?」ダイゴは頭をひねりましたが、だが、すぐに尻をひねったほうがよさそうだと気付きました。 壁は何故か扉と同じ材質の分厚い鉄壁が冷たく訴えました。 ダイゴは、その尻も拭かずにパンツを上げました。影木の家では、女のみが尻を拭けるというかくもまったく理解できぬ風習があったので、それがクセになっていたのです。 腰を上げて、穴を覗き込むと、ウ○コの山の頭が見えました。 十数メートルあるにも関わらず、です。 ダイゴはなぜか「ヨッシャ!」とガッツポーズをして、扉を開きました。 そして、ダイゴは気づいたのです! 素晴らしき朝食の匂いに! これは誰かが自分のために用意したに違いないと思い、ダイゴはその匂いのするほうへ足をせかしました。 ダイゴはボリボリ尻を掻きました。 「お待ちしていましたよ。」 そこには、チンパンジーが指を組み、いかにもフフフ…と言いそうな眼をのぞかせました。 「フフフ…まぁ座りなさい。」 やはり、「フフフ…」と言いました。 壁には数々の歴代モー娘。のポスターがびっしり貼られていました。ですが、それ以上に気になったのは、ところせましに並べられたショーウィンドウ… 中央の四角いテーブルの目の前に、そのチンパンジーがフフフ…ってました。 右隣りには、沈んだ顔をしている白い犬。黒人は、まだ外で屯っているのでしょうか、不明です。 ダイゴは、待たれたので、とりあえず、チンパンジーの向かい側に座ろうとしました。 しかし!あわててチンパンジーは高級そうな椅子から立ち上がり、これを阻止します。 「全く、そこの犬といい、なんてことを考えているのですか。あなたの席は右の椅子です…見えませんかね!そこには既に矢口タンが座っているのですよ!」 何やら理解不能なことを、誰も座っていないその席を指差し紅潮して取り乱して言います。 ダイゴはそう言われると、しょうがないので、右の椅子に座りました。 「さて、駒は揃いましたね…」 黒人は蚊帳の外でした。かといって、犬すらも呼びに行く気はないようです。犬は、それよりも憂鬱そうな顔つきをしていました。その顔をチンパンジーは見計らい、粘っこい口を開きます。 「どうやら、そこのワンちゃんが、『気』によって、敵が近付いていることに気づいたようでしてね。まぁ、この『人』は、来るまで、黙っているつもりでしたが?…たった2人だそうですが、それがワンちゃんにとって、『できれば戦いたくない敵』だそうでしてね…」 ダイゴは、あせりました。敵が近付いていることに… しかし、それ以上に違和感を覚えました。 なぜ、敵が来るのを犬は黙っているのだろうか…いや、このチンパンジーはどうやって『犬が敵2人が近付いていることを知ったのか?』 「あんた、ナニ…」 ダイゴの言葉をチンパンジーが遮ります。 「あんた、ナニモンですか…?ですか。読みやすいのも困りものですね。フフ…今のあなた方では彼らには勝てません…犬が戦えないのであれば…もっとも、私が仲間になってもいいんですよ?『コレ』を貸してくれればですがね。」 そうして、チンパンンジーはオモムロに『きび団子』を取り出しました。 「真っ黒な心の中に、光ってホントに差し込むのかな…?」 空っぽな世界…虚ろな自分…本当に自分は、ここにあるべきなのだろうか…? 疑問というとりとめの無いものが、空白に汚く彩っていく…これって美しいの?醜いの? 胸が痛いんだ…どこまでもどこまでも底が見えないから、とめどなく痛い… 慣れることなんてないんだ。永遠に。それは螺旋のように永遠に登りつめ、それはメビウスのように永遠にループを繰り返す。 空白の中で男が一人。 自分がだれかもわからない。 それが自分であることに気づいたのは数分経ってからだった。 「匿さん…俺、マジ怖いっすよ…チビりそうっすよ…」 ダイゴは泣きました。 むしろ敬語基本で、20th を書き忘れて、今頃になって、こんな駄文を書いている、私。ルンシィ泣きたいですぅ!!! 途方もなく、白とも黒ともグレーとも似つかないその空虚という無機質な色の中をさまよいました。 無事心の外に解き放たれたと思ったら そこには目を閉じたくなるような色がある眩しい世界… 「ゲホッ!…ッ!」 阿倍さんは玉座の前で咳こみました。手のひらには3適の不規則な形の血痕が数を減らしていき、大きな血の池を手のひらに作りました。 「クク…僕たちィ…どこまでつながってるんだろうね…あのメスブタは、僕の眼にウットリしてる…夫のことなんて、ただのカカシ同然…」 阿倍さんは、体勢を立て直し、自分に酔いしれました。 「でもぉ、やっぱり、あの子は生きていてほしいなぁ…あ、殺さないっていうプログラムをメスブタに入れ込むの忘れたかも…困ったなぁ…」 阿倍さんはしばらく考え込みました。 「ああ!そうかァ!彼女、メスブタのくせに子供がいたんだっけ?ああ、彩って子だっけ?ウックック…彩タンを上手く仕込めば、容易く、『僕とダイゴのランデブー』ができちゃうわけだ!」 阿倍さんはさめざめとした眼で笑いました。魔王小沢はどこを見ているのか、目の前ばかり見ています。 「ねぇ、小沢さぁん、ちょっと可南子の娘、弄ってきてもいいかなァ?」 阿倍さんは眼は見上げているものの、明らかに見下した口調で、小沢に意見しました。 小沢は首を下げて、 「うむ。阿倍よ、好きにするがいい。」 と一言、そう言うと小沢は再び焦点の合わない先に目を向け始めました。
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そして あれは結局夢だったのか。 もしくは現実か。 今となっては分からないけど、しかし―― +++ 彼女は収穫祭の宴会のために、とびっきりの料理を作っていたはずだった。 鍋から出る煙に思わず目を瞑り――まぶたを開いたその瞬間までは。 「……あ、れ?」 わたし、どうしたのかしら。 一瞬だけ意識が飛んだ気がしたような気がするけど……此処は? 彼女は両手で自分自身を触り、一応己が無傷だということを確認し辺りを見渡す――が、一面が黒。または、闇。 何も見えない。 何も聞えない。 何も感じない。 まるで夢の中にいるような浮遊感。 しかし同時に、現実にいるような己の確固たる存在感を感じる此処とは? ――否。 何でしょうか、この、空間は。 「――っ、はあ?!」 と、背後で低いテノール――しかし、とても聞きなれた声。 わたしの好きな声。 彼女はその声の主を確認するために振り向き、黒いタキシードに包まれたその姿――背景が黒いので、周りに溶け込んで同化して見えなくなりそうだった――を捉える。 「……レオナルド、なの?」 「――っ?!」 彼女の顔をみた瞬間、彼――レオナルドは一歩後方に後ずさり。余程驚いたようすだったので、思わず彼女も身を引いていた。 「貴方、レオナルドなの?」 もう一度、彼女は問う。 すると、レオナルドは決心したように彼女の顔を見下すように見つめた。 「オレ様は――レオナルドじゃないぜ? フォルテ、だ。今度から間違えんなよ?」 彼の名前が……フォルテですって? 彼が自分から自信を持って、しかもあんな態度で言ったのですから、真実なのでしょうけど。 そでにしたって。 どこからどうみても、それにさっきの反応からしても、わたしの目の前で仁王立ちをするこの人は――。 「あの、貴方本当は――」 「それ以上言うんじゃねえぞ? お前の言いたいことは、分かってる」 彼、もとい、レオナルド、もとい――フォルテはそして、今までの不機嫌そうな表情を変えて、見るからにしょうがねえなと言わんばかりのそれに変え、倒れるように――いつの間に現れたものだが、空気を読んだ彼女はそれに関して問うことは無かった――背後にある赤いソファに座る。 「……なあ、フレア」 と、至極当然のように彼女の名前を言ってのけたフォルテ。 彼女――フレア自信も、言った相手が相手なので、 「はい」 と、いつもどおりに返事をした。 「オレ様は誰だ」 「……えっと、レオナルド、よね?」 「違ぇよ、フォルテだ。何回も言わせるな。それにしつこいようだが……此処ではその名前で呼ばなよ? オレ様は今お前を救うために、レオナルドの名前は棄てたんだ」 「…………?」 フレアはフォルテのどこか悲しげな言葉に首を傾げる。が、それも当然の反応といえばそうなのだろう。彼女がこの空間――フォルテにとっては異常空間と言ったところか――の存在意義を知るのは、まだまだ先のことなのだから。 「じゃあ――フォルテ。貴方は何でそんな格好をしているの?」 「さあな」 と、彼は短く答え。 そして――嘘を、吐く。 「差し詰め――『これ』がお前の夢だからじゃないのか?」 言うと同時に。 本当に夢なら良かったのにな。 と、心の中で唱える。 勿論、言葉にも表情にも口調にも、出さなかった。 そんなことを――彼が言うべきではないのだから。 この時フォルテは――否、レオナルドは。 胸が締め付けるように、痛かった。 今更ながら、今まで耐えてきた現状が――『フォルテ』であることが辛くなる。 何故、何故、今になって、己の愛する人が目の前に? 「夢……かしら。何だか、違う気もするの」 フレア、フレア、フレア。 「だけど、貴方があんな可笑しなことを言いましたからね。案外そうなのかもしれないわ」 オレ様は、今、無性に。 「きっとこれは夢なのよ」 お前と、音楽に、酔いたい。 そう思ったから。 だから、彼は。 言うのだ。 「なあ、フレア。オレ様と一曲、踊るか?」 これが正真正銘最後の――私的空間での己自信のための、音楽。 つまりそれは――二人で紡ぐ、円舞曲であった。 +++ 「馬っ鹿野郎。んな動きは踊りでも何でも無いぜ?」 「こ、これでも、努力はしている、つもりよ?」 「はっ、それがお前の最高の踊りだっていうのか。まるで雨乞いの儀式だな」 「しょ、しょうがないじゃない。経験も何も無いのに――リズムなんてとれるわけないじゃない」 フレアはぼやき、ぎくしゃくした動きでステップを踏む。 対して。 フォルテは笑い、慣れたような動きでステップを踏む。 さすがは彼の私的空間――否、さすがは天才。 まあ、あくまでも自称だが。 天才は強引に片手でフレアをターンさせると、「じゃあよ」と前置きをして。 「下手なワルツをするお前に合わせて見事に踊っているオレ様は何だっていうんだ?」 「知らないわよ!」 少し起こり気味のフレアである。 だがそれを無視するように(実際に無視をしているのだろうが)、ファルテは「よっ」と声を出しながら、フレアの身体を支えて、無理矢理彼女の上半身を倒した。 「ちょっと、あ、危ないじゃない!」 「おいおい、そうかっかすんなよフレア」 「かっか、て……」 そして。 フレアの上半身を反らしたままという奇妙な体勢にも関わらず、フォルテは金髪がかかったフレアの顔に、顔を近づける。 「れ、れおなる――」 「しっ……黙っとけ」 フォルテは指を口につけたポーズで言うと、目を瞑った。 その横では、黒い蓄音機が鳴る。 円舞曲を、演奏し。 円舞曲を、間奏し。 円舞曲を――終了し。 後は無音が響くのみの空間。 ファルテは唇と唇が触れる直前で、その行為を止めた。 「…………チッ」 舌打ち。 そして――抱擁。 フレアを優しく抱きしめる。 「え、な、何なのよ?」 完璧に、キスをするかと思っていたフレアは、赤かった顔をますます赤くしている。フォルテは至って無表情。 否。 とても、とても――惜しむような嘆くような哀れむような悲しそうな、表情であった。 「オレ様は決めた」 「へ?」 「オレ様が帰ったらまず最初に――お前との結婚式を挙げてやる」 それまでキスはお預けだ。 後半の言葉は、心の中に留めるフォルテ。 「れ……フォルテ、帰るってどういう――」 「とにかくお前は、聴いていろ。オレ様の歌を、そのまま」 その時。 フォルテの眼には――流れることの無い涙が在った。 彼は言う。 「オレ様の音楽に酔いしれろ」 +++ 「おい、フレア」 と、茶色を貴重とした服の上に腰に巻く白いエプロンを着た女性――フレアに声を掛ける男が居た。 「ん……あれ?」 フレアはぼやけた視界と脳裏を覚醒すると、振り向き、己の婚約者を見つけた。 「おいおいおい、馬鹿みてえに何つったってんだよ」 と、婚約者――つまりは少し長い黒髪を後頭部で結び、目にはうっすらとくまができている男性は腕を組んだ。 「レオナルド……さっきまで夢を見ていた気がするの」 「ほお、お前は立ったまま寝るのか?」 「違うわよ……だけど、きっと、気のせいね」 フレアはそして、レオナルドに向かい、 「それで、わたしに何か用なの?」 「よく察してくれたな。実はよ、見に覚えの無い理由で悪人に追われているんだが――オレ様が店先の樽に隠れる間、守ってくれねえか?」
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誰の為に 憂い泣く 雨模様 蒼い傘差し 抱き締めて 君に居場所を この胸に 君は雨宿り 誰の為を 想い咲く 花模様 色鮮やかに 抱き締めて 此処に居場所を その胸に 僕は根を張る 誰の為と 誇り逝く 夢模様 頬はくれない 抱き締めた 夢は居場所を その胸が 時間を止める どうして? どうして? それは数学的で どうして? どうして? それは非科学的で 公式に 当てはまる愛 その全ては 献身で
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イヤホン 耳に当て 音楽鑑賞しながらの 絵チャ とても愉快で 楽しくて 思わずPCの前で くすりと笑う おかしくないかな? けど仕方ない このひと時が 私の幸せなのだから
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隣に誰かいた ただそれだけ たった「それだけ」 私はその「それだけ」に気付かなかった 当たり前過ぎた日常 何度も繰り返す日々 でも 「それだけ」を失った時 当たり前を失った現実は 恐怖だった 何故そんな事に気付かなかったのだろうか?