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トリップ申込の注意点 申込むトリップはならべく1つにしよう。 この店の店長はルールを守らない人をかなり嫌っています。 ジンロハウスでのトリップ受渡の為、自分のトリップのキーには平仮名、片仮名、漢字、特殊記号等を入れないこと。 ●★■▼◆トリップ申込書◆●★■▼ 欲しいトリップの番号【】 ちゃんと注意点読んだ?【】 注意点守れる?【】 ●★■▼◆トリップ申込書◆●★■▼
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「DIOの館へ向かいましょう」 それがトリッシュの選択した答えだった。彼女は自分だけに聞こえてきたルーシーの声に従ったのだ。 『教会カラ北ヘ…………DIOノ館ヘ、私ヲ助ケテ…………トリッシュ!!』 ルーシーはまだ生きている。その彼女からのSOSを、無視するにはいかなかった。 もしこれが何らかのスタンドによる通達だとすれば、見過ごすわけにはいかない。 トリッシュは地図を見せながら二人に説明した。 「ここから、こう、サン・ジョルジョ・マジョーレ教会を通った先のDIOの館に……ルーシーがいるの。 ルーシー・スティール。彼女のことはジョニィ・ジョースターから聞いたでしょう? 彼女が助けを求めてる……だから、その、一緒にそこへ行こうと思うの。どうかしら」 「…………」 「…………」 ナランチャと玉美の答えは沈黙だった。それはトリッシュにとっては意外な反応。 いつもの玉美なら『はい喜んでトリッシュ様!』と舌を出して喜びそうなものなのに。 ナランチャにしてもそうだ。彼はシンプルに行動する。基本的に反論をするタイプではない。 「トリッシュ様。自分は反対です」 「どうして? あたしの命令が聞けないっていうの? 」 「トリッシュ様には従いやす。しかしこの小林玉美、そのルーシーという女に従っているわけではありません。 トリッシュ様のお知り合いとはいえ、見ず知らずの女まで助ける義理はございません」 「……ナランチャ、あなたは? 」 「お、俺はトリッシュを守りたい……トリッシュを守るのが俺の任務だ。 DIOの館で助けを待ってる人がいるなら助けたいさ。 でも、ということはDIOの館は今、危険な場所になっているんだろ? 俺はトリッシュを危険な目に合わせたくない。戻ろうぜ。さっきの俺達の根城によ。 それに……どうして今になってそんな事を言ったんだ? 」 二人は思いのほか冷静だった。どちらの言い分にも確かに一理ある。 「それは……あたしにもわからない。でも、確かに聞こえた気がしたのよ。ルーシーの声が」 トリッシュは素直に答えるしかない。彼女が聞いたルーシーのテレパシーは、紛れもなく事実なのだから。 「トリッシュ様。まずは一度、さっきまで我々がいた民家に戻りやしょう。まだ疲れが残っているのかも」 「……そ、そうだぜ。あまり賛成したかねーが玉美の言うとおりだ。 ルーシーを助けに行くならフーゴ達を探してからでも遅くはないと思う」 ナランチャ達も素直に提案するしかない。彼らのトリッシュを想う気持ちは本物なのだから。 「――わかったわ。DIOの館に行くのはその後で、ね? 」 トリッシュはふーっと一息吐くと、踵を返した。 「トリッシュ様、そんなことよりコイツでも食べて元気出してください。 "ローストビーフサンドイッチ"。オニオンと卵も入ってやすぜ! 」 「あ、玉美てめーいつの間に! それ俺の支給品じゃねーか! 勝手にギってんじゃねー! 」 「うるせーダボが! この玉美さまが有効活用してやるってんだからありがたく思え!」 「なんだとクソチビ! あ、やっぱりもう一つの支給品だった"防弾チョッキ"もバッグに入ってねー! この盗人野郎! いつの間に着やがったな!」 「どーせお前には強いスタンドがあるから不必要なものだろうが! 俺様は弱いから着る権利があるのよん」 喧噪を始める二人をよそに、トリッシュはもう一度、ルーシーの声について考えていた。 あれは幻聴ではなく、確かにルーシーの声だったのだ。 だとすれば、なぜ聞こえてきたのか。何かのスタンド攻撃を受けたのか。 しかし他の二人にはルーシーの声は聞こえていないようだ……この謎を解明するのは骨が折れそうだった。 (ルーシー、どうか無事でいて) トリッシュにはそう願うしかなかった。 自分の体に聖人の遺体が入っているとも知らずに。 「トリッシュ、レーダーに反応ありだッ! 反応はひとつッ! こちらに向かってくる。 フーゴかもしれねぇ。どうする? 接触するか!? 」 そんなトリッシュの思考を遮るナランチャの一声。 「落ち着いていきましょう。相手がフーゴ達ならそれでいいし、見知らぬ他の誰かだったら慎重に行きましょう。 極端な話、相手がもし危険人物だと判断したら即座に逃げる準備を。それでいい? 」 相手は誰だ。神か悪魔か。それとも―― 「ジョ……ジョナサンンンンンーッ!!」 トリッシュたちが根城にしていたE-4の民家のすぐ傍で、ナランチャのレーダーが捕らえたもの。 それは、パンナコッタ・フーゴではなかった。 それは、ナルシソ・アナスイではなかった。 それは、ジョニィ・ジョースターではなかった。 それは、一筋の希望。ジョナサン・ジョースターだった。 「みんな、無事で何よりだ」 エア・サプレーナ島で目を覚ましたジョナサンはその場で充分な時間を取り、負傷を波紋で癒して英気を養っていた。 そして、島を後にしたジョナサン・ジョースターが選んだ道は北西だった。 F-5の橋を渡り、F-4のティベレ川の川沿いの道を歩き、E-4へと探索していた。 ここまで誰にも会えずにいたこと、そして第三回放送を聞き逃してしまったこと。 これらがジョナサンの精神に焦りを生んだが、トリッシュ達と情報交換したことで、その不安も解消された。 そのかわり、師のツェペリの訃報はジョナサンにとっては辛い現実として圧し掛かった。 「あたしたちはフーゴ達を探しているの。ジョナサン、彼らには会った? 」 「わからない。この辺りを散策した限り、彼は見当たらなかった」 「そう……それならもう、この辺りにいる理由は無いのかもね……」 トリッシュはチラリと自分の後ろに立っている二人を見る。 「……わ、わかったよトリッシュ! トリッシュがそこまでして行きたいのなら行こうぜ」 「トリッシュ様が、どーーーーしてもって言うのなら、俺も止めやせん。お供しやす。 もしかしたら、ここからDIOの館へ行く途中で、フーゴたちと遭遇するかもしれない」 ナランチャと玉美は、トリッシュに根負けしたのか、地図とペンを取り出す。 二人はジョナサンに、これから自分たちが目指すべき場所とルートを提示した。 それはE-4からE-3に進み、E-3からD-3へ北上し、C-3のDIOの館を目指すというものであった。 「わかった。僕も同行しよう」 ジョナサンは三人の提案を快く引き受けた。 こうしてトリッシュ一行は共に進軍することとなった。 ★ そして、舞台は彼らがE-3北西部のティベレ川沿いの橋の付近を歩いていた時に移る。 「トリッシュ! またレーダーに反応あり。相手は一人だけ。橋の向こうからこっちへ向かって進んでいる。 すげえスピードで進んでるみたいだ……速すぎるぜッ! このままだと、遅かれ早かれ俺たちと遭遇するぞッ! 」 「あっ! アイツかッ! あの走っている奴かッ! 何者だありゃ!? 」 玉美が橋の向こう岸にいる人物に指をさす。その存在はとてつもないスピードで走っていた。 そしてその影は橋を渡り、橋の反対側にいるトリッシュたちの場所まで走ってきた。 「フーゴじゃあねーみてーだな」 「見りゃわかるだろボケナス」 「とりあえず、彼に話を聞いてみるだけでもいいんじゃあないかな? 」 三者三様の反応をよそにトリッシュは、その男に対し警戒を抱かずにはいられなかった。 「何かしら……すごく……引かれあうのものを持っている気がするのだけれど……」 男が急ブレーキを掛けて立ち止まる。 トリッシュ達との距離、その差は数メートル。男はスタンドの射程距離に入った。 「……危険な予感も何となくするのよね……」 その男の得体の知れなさが、トリッシュの警戒心を解かせなかった。 「情報をよこせ」 誰でもない。わからない。その男は悠然でいてそれでいて壮大だった。 男はトリッシュ達を確認するやいなや、橋を渡ってきた。 橋を背に向けてたたずむ男は、月明かりに照らされて美しさすら感じられた。 そして高圧的な一言。大半の人間なら不快感を示すであろう第一印象。 「ああ!?それが人にものを頼む態度か? 」 「玉美うっさい。あたしはトリッシュ・ウナ。こっちはナランチャ・ギルガと小林玉美とジョナサン・ジョースター」 袖をまくり上げてまくしたてる玉美をなだめながら、トリッシュは自己紹介をした。 今まで会った事のない男。どの情報にも合致しない姿形と佇まい。 しかしこちらにいきなり襲いかかってくるわけでもない。 相手の素性がわからない以上、トリッシュは恐る恐る言葉を選びながら交渉する事にした。 「情報はあるわ。信じてもらえないでしょうけど。あたしたちは違う時代から集められたの、ご存じ? ここにいる三人は全員違う時代からこの世界に呼び寄せられたの。あなたもそうなのかしら? 」 「それを聞いて何になる」 「何になる、って……大事なことでしょう! 敵は自在に時空を超えられるスタンド使いかもしれないのよ!? 」 トリッシュは動揺するしかなかった。 これまで自分たちが散々頭を悩ませていた議論に、冷や水をぶっかけられたからだ。 「貴様らは物事の本質とやらが見えていない」 そう言うと男は初めてニヤリと笑い、自分の首輪をちょんちょんと指さした。 その仕草にトリッシュはハッとする。当たり前すぎて、身近にいすぎた存在。 「時空を超えられる者の存在をどうこう考える前に、足元……いや首元をよく見ることだな」 沈黙。トリッシュもナランチャも玉美もジョナサンも、自分の首元を無意識に触っていた。 特にジョナサン以外の三人は先ほど禁止エリアを調査していたわけで、首輪の事が全く頭になかったわけではない。 しかし、この男の言う通りだった。 『時空を超える存在』に勝つ為には、『首輪も解除』しなければ。主催者たちに一矢報いることができない。 「もう情報は無いか?」 男は再度尋ねる。トリッシュは慌てて言葉を返した。 「あたしたちは仲間を探している……フーゴ、ジョニィ、アナスイ。彼らに会ったことは? あなたが信用に足る相手かどうかまだ判断しかねるけれど……あたしたちはこれから仲間を探して合流する。 そしてある目的地に行くわ……」 緊張が走る。トリッシュは咄嗟に『DIOの館に行く』とは言えなかった。 この男の素性がわからぬ内は迂闊な発言はルーシーを危険に招くと判断したからだ。 「それだけか? 」 男はもう一度尋ねる。 トリッシュは内心ため息をついた。 この男の反応は、フーゴたちのことを知らないと言っているように見えたからだ。 「無いわ」 トリッシュは正直に答えた。それ以上の言葉は無かった。 詳しい考察は、フーゴたちと合流してから議論するべきだ。 「ならば貴様らには今ここで死んでもらうか」 男が豹変したのは、その直後だった! 両腕から大きな二つの刃をむき出しにする。 「――『エアロスミス』ッ! 」 しかしナランチャ達に恐怖はなかった。 むしろ警戒していた"かい"があったというもの。 お返しとばかりにエアロスミスの弾丸を男に叩き込む。 「ボラボラボラボラボラボラ!! 」 男はエアロスミスの銃撃の衝撃で、そのまま勢いよく飛び跳ね、地面に叩きつけられた。 その様を睨みつけながら、ナランチャと玉美は吐き捨て、ジョナサンは呼吸を整える。 「「敵だなてめー」」 「ならば殲滅すべしッ! 」 常人ならばこの時点で最悪死に至る。相手が人間ならば、の話だが。 「……フフフ。聞いたぞ……確かに聞いた、この耳で!『エアロスミス』と! なるほど……『憶えた』ぞ! 貴様のスタンドの名をッ!」 男がゆっくりと立ち上がる。 玉美は驚きトリッシュの後ろに隠れ、ジョナサンは構えた。 あれだけの弾丸を浴びせたはずなのに、男はまるで意に介していないように見えた。 それは明らかに異常! これだけのタフネスさは伊達や酔狂ではない。 「ジョナサンッ!玉美ッ! トリッシュの警護を頼むぜッ! 」 ナランチャには、確実にこの男を始末するために、もう一度エアロスミスの弾丸をぶっ放した。 しかしどういうことだろう。エアロスミスの弾丸は、男の体を貫くどころか反れていってしまった。 それもそのはずである。弾丸はすべて、男の腕から生えた刃によって全て弾かれてしまったからだ。 「どうした? さっきまでの威勢は。貴様らの顔色から察するに、大方『恐怖』に身を包まされたか」 「……ひるむ………と!思うのか……これしきの………これしきの事でよォォォオオオオ! まさかてめーが、ジョナサンが言ってた屍生人か吸血鬼だなッ! 」 ナランチャは思い出していた。それは今から数時間前にジョナサン・ジョースターから聞いた話を。 この世には異様なまでの不死身さを持つ化け物がいるということを。 「屍生人? 吸血鬼ィ? 」 だがナランチャはその考えを即座に否定せざるをえなかった。 「フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」 その理由は、この男の高笑いを聞いてしまったからだ! この人を小馬鹿にしたような態度! まるでTVのホームドラマで流れるようなわざとらしい笑い! 『それは違うよ』と言わんばかりの嘲り! 蔑みと哀れみが混じったどす黒い声! 「この柱の男カーズも舐められたものよ」 「ナランチャッ! おそらくこいつは吸血鬼や屍生人のそれとは違うッ! 気をつけるんだ! 」 そしてナランチャ達は知った!この男の名はカーズ!言葉の意味はわからないが、自称・柱の男! 腕から刃を生やすことができ、ボコボコに撃たれてもびくともしない耐久力を持つ! すべてが規格外!すべてが超越!すべてがカウンターストップ! 「三人とも、耳を押さえろーーーーッ! 」 だからこそナランチャには迷いが無かった! ナランチャは、エアロスミスに装備されている爆弾をカーズ目がけて投下した。 爆弾はカーズに着弾し、大きく炎と爆風と轟音を巻き起こす。 「GUAAAAAAAAAッ!」 たまらずカーズが両腕で顔を隠しながら、爆風の中から飛び出してきた。 ナランチャはその隙を見逃さなかった。相手が不死身ならば、戦わなければよい。 「俺たちはよォ……この状況を……何事もなく…みんなで脱出するぜ。それじゃあな……」 ナランチャはエアロスミスをカーズに体当たりさせる! エアロスミスはそのままカーズの身体を宙に浮かせることに成功した。 「ボラボラボラボラボラボラボラボラッ!……ボラーレ・ヴィ―ア(飛んで行きな)」 そしてエアロスミスは両翼の機銃をカーズの身体に直接叩き込んだ 空中に浮いたカーズは、余すことなくエアロスミスの銃撃を胸部で受け止めざるを得ない。 そしてカーズはエアロスミスによって吹き飛ばされ、橋から投げ出され今にも川へと落ちそうであった。 「MUUUUUUUUUUUUAAAAAA!! 」 たがカーズはッ!なんとカーズはッ!そのまま川から落ちずッ! 逆にエアロスミスにしがみついたのだッ! そして両腕に力を込めて万力のようにエアロスミスを締め付けあげたのだ。 ベキベキと翼は折れ、プロペラはひしゃげ、機体がぐしゃぐしゃに潰れ、最後には――爆発した。 その爆発と共にカーズは川へダイブ。火花の爆音、水の激しい衝突音が夜の街並みにこだました。 「や……………………殺ってねえ……………………………」 ナランチャはゆっくりと地面に膝をつきながら、口から大量の血を噴出した。 スタンドがダメージを受ければ、当然本体のナランチャもダメージを受ける。 カーズはスタンド大辞典を読破していた為に、この知識を頭に叩き込んでいた。 勿論ナランチャの『エアロスミス』のことも、エアロスミスの対処法も! 「ナランチャアーーーーーーーーーーーッ!!」 たまらずジョナサンがナランチャに駆け寄り、突き伏しかけたナランチャを支えた。 ナランチャは力が抜けたかのようにダラリとトリッシュにもたれかかる。 ジョナサンは、ナランチャを背負い上げると、大きく叫びながら走り出した。 「みんな逃げるんだァー! 奴は川へ落ちた! 相手の得体が知れない以上、ここは逃げるのが得策ッ! 」 ジョナサンが声を掛けるまでもなく、トリッシュと玉美はたまらず北へ走り出した。 ★ 川辺から飛び出すひとつの影。それはずぶ濡れになったカーズであった。 カーズは陸地に上り立つと、自分の髪の毛をぎゅうぎゅうに締め上げて水分を落とした。 あたりを見回してみる。周りには人っ子一人いない。静寂が流れているだけだ。 どうやらまんまと逃げられてしまったらしい。さっきの集団は見失ってしまったようだ。 「フン。まあいい」 カーズは鼻息を鳴らすと、天を仰いだ。当然誰もいない。鳥も飛行機もエアロスミスも。 カーズは思い出す。数時間前に聞こえた謎の言葉を。 『心が迷ったなら……やめなさい。ここで立ち止まるのは……カーズ、貴方にとって敗北ではない』 あの声は一体誰の者であったのか。自分の空耳ではないことは確かであった。 しかしその声に"あえて"唆されるのも悪くはないと、カーズは考えていた。 「奴らの顔は『憶えた』のだからな」 カーズは、きっと表情を強張らされると、その場を後にした。 ★ エリアC-3とD-3の境目。ティベレ川のほとり。息も絶え絶えの三人が飛び出してきた。 ジョナサン、トリッシュ、玉美は無事にカーズから逃げ切ったのであった。 「ここまで逃げれば大丈夫だろう」 ジョナサンはそう言うと、背負っていたナランチャを床に降ろし波紋の治療を開始した。 体中の傷を塞ぎ、ひびの入った骨を整骨し、痛めた内臓の傷を修復した。 「ナランチャ?」 しかし……ナランチャは静かに両目を閉じたままだ。 ジョナサンはナランチャの口に手を当てる。呼吸がない。 ジョナサンは更にナランチャの胸に耳を当てる。鼓動がない。 「ナランチャ……!? 」 ジョナサンの額から汗が流れる。これは焦りの汗。治療は完全に施したはずなのに。 ナランチャは目を覚まさない。これだけ完璧に波紋の治療を行ったというのに。 「………『空洞』………なのよ………」 トリッシュがナランチャの肉体に触れる。 ジョナサンには、一体何が起こっているのかまだ理解できていなかった。 「前に皆で話したでしょう?『スタンド』は魂のビジョン……魂の化身なの……。 そして……スタンドのダメージは本体のダメージになる……そしてスタンドの破壊は……本体の死に繋がる……」 「そんなッ! ナランチャの肉体には体温があるッ! まだ温もりがあるじゃあないか! 」 だがすでにいなかった。ナランチャの肉体はどこにも『空っぽ』だった。 魂は!行ってしまった……もういない。どうやってももう駄目だった。 トリッシュは思い出していた。かつてナランチャがローマでディアボロに暗殺された時のことを。 あの時ジョルノが放った言葉を、トリッシュは思わず呟いてしまっていた。 「そんな…………」 ジョナサンがガックリと項垂れる。あまりにも突然の衝撃。あまりにも突然の別れ あまりもあっけなさすぎる結末。ナランチャは殺されたのだ。あの恐るべき存在、柱の男・カーズに。 「…………トリッシュ様……着きやした……DIOの館です」 小林玉美がトリッシュの肩に手を置く。 トリッシュは玉美のナランチャに対する無機質な反応に、頬を引っ叩いてやりたくなった。 しかし、寸での所でトリッシュはそれを止めた。玉美の顔は明らかに沈痛の思いに包まれていたからだ。 短い時間であったが、彼もまたナランチャに仲間意識を抱いていたのだろう。 「あの川を渡れば……DIOの館です」 玉美の右親指が指し示す通り、確かにそれはエリアC-3のDIOの館であった。 DIOの館では、あのルーシー・スティールが助けを求めている。 (ナランチャが私達を『守ってくれた』ように……私もルーシーを『守れる』のかしら……) トリッシュは、ナランチャの肉体をそっと抱きしめながら、左手で自身の涙を拭いた。 【ナランチャ・ギルガ 死亡】 戻る
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ハァ・・・ハァ・・・・・・・・ハァ・・・・・・・・ハァ・・・・・・・・・・ 闇の中を一人の女性が走っている。 彼女は誰にも追われているわけではない。 彼女はこの世界に飛ばされてから誰とも会ってはいない。 なのに、何故彼女は走っているのか。 その答えは――『恐怖』 「そんな・・・・・・どうしてなの・・・?何で・・・・・・あいつがいるの!?」 全て終わったはずだった… 先ほどから走っている女性、トリッシュ・ウナは先ほどまで教会の中で「彼」 の姿があったことに 目を疑わずにいられなかった。 あの時、ジョルノのゴールド・エクスペリエンスのラッシュが炸裂し、 「彼」 がティレベ川の中へ真っ逆さまに落ちていったのを確かにこの目で見た。 私は死体は見なかったものの、ジョルノはその必要はないと言ってた。 「彼」はもう『真実』には辿り着けないって・・・ でも、あの薄暗い教会の中で私は「彼」・・・私の父さんのディアボロの『もう一人の姿』のドッピオをこの目で見た。 彼はあの戦いの後、生きていたのであろうか・・・ まさか・・・ジョルノが私とミスタに嘘を・・・いいえ、考えられない。 彼がもし、あいつを逃したとしたらその後も徹底的に探し出すはず・・・ じゃあ、あのドッピオは・・・?彼は・・・ディアボロは一体・・・。 トリッシュは走りながら頭の中で数々の考えを巡らす。 しかし、いくら考えても答えは出なかった。 とにかくここにいてはいけない。移動しなければ・・・・・・ という思いだけがトリッシュの頭の中を永遠と巡っていた。 「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・ちょっと、走りすぎたみたい・・・・・・」 トリッシュは足をとめ、その場で小休止をする。 息は荒く、顔には汗が滝のように流れていた。 胸の辺りも走りすぎで痛む。 どこまで移動しただろうか?広がるのは川辺と民家のみ―― トリッシュはその場に座り、デイバックの中の支給品を確認してみた。 中には主な支給品と、白い皿にのせられたプリンが入っていた。 「これは・・・・・・プリン?食料かしら?もしもの時のために取っておくべきね」 次にトリッシュは名簿を見て、知っている人物がいるかどうか確認することにした。 それを見た彼女は自分の知っている意外な人物がこのゲームにいることに気づいたのだ。 「・・・・・・ブチャラティ!ナランチャ!それにポルナレフさんッ!暗殺チームに、セッコもいるわッ! 確か、ナランチャ、暗殺チーム、セッコは死んだはずじゃ・・・・・・」 トリッシュは思考を巡らす。 死んだ者は魂を戻さない限り生き返らない。 私の場合、ジョルノのゴールド・エスクペリエンス・レクイエムが発動したから元に戻れたけど、 彼らの魂は、もう体から完全に抜けて戻らないはず。となると・・・・・・ 彼女の頭の中にあの教会内の奥にいたモナ・リザのような顔が浮かび上がる。 あいつ、アラキ・・・・・・イロイコ・・・って言ってたけ?まさか、彼の「能力」で ナランチャ達の魂を連れ戻した、ってこと? あいつの今までの有り得ない「力」を考えれば、不可能なことじゃあないわね。 いずれにせよ暗殺チームとディアボロ達は、私を血眼になって捜しているッ! この闘いは私達組織の問題・・・。組織の外の人たちを巻きこむわけにはいかないわッ! そうと決まれば早く、ジョルノたちと合流しないと・・・! そう思ったトリッシュは立ち上がり、走り始めようとした時―― 「シニョリーナ、こんな夜道にどこへ行こうというんだい?」 トリッシュの背後にバンダナをつけた男が立っていた。 「誰なの?もしかして、このゲームに乗ってるってわけ?」 トリッシュは振り向き、突然の来訪者を警戒する。 「まさか!もし、俺がゲームに乗っていたとしたら君に声をかけずにそのまま襲ってるさ。 ま、最も俺は女には手を上げるなんていうゲス野郎みたいな行動はもってのほかだと思っているがな。 それで、シニョリーナ。君は走り出そうとしているように見えたんだが・・・こんな暗い夜道君一人じゃあ危険だ 俺も一緒に行こう。君の力になりたい」 「気持ちは嬉しいけど・・・その気持ちだけ受け取っておくわ。私一人で大丈夫よ。 自分の身を守る術を持っているし、これ以上足手まといは必要無いわ」 トリッシュは彼を軽くあしらおうとする。しかし、男は諦めるどころかさらにトリッシュに説得を続けようとした。 「俺が足手まといだって!?そりゃあないぜ。シニョリーナ!だが仮に俺が君の足手まといになったとしても 君を見捨てることは絶対にしたくないんだッ! このまま君を見捨てたとしたら俺は、自分の魂を汚してしまうこととなるッ! 俺のやり方に反しているんだッ!だから、シニョリーナ!君に嫌われようとも 自分の筋を通して、君を守ってやりたいんだッ!」 ・・・妙な男ね。このまま断っても絶対に諦めてくれなさそうね。 ジョルノたちと一刻でも早く会わないといけないし・・・。 ここは一緒に行動しかなさそうね。 「・・・・・・仕方が無いわね。そんなに着いていきたかったら勝手にすれば?」 「ということはオーケーってことだな、シニョリーナ・・・おっと! 君の名前をまだ聞いてないな。教えてくれるかい?」 「・・・トリッシュ。トリッシュ・ウナよ」 「トリッシュか。いい名前だ。俺の名はシーザー。シーザー・アントニオ・ツェペリだッ!」 「とりあえず、地図に書いてある東の方の橋を渡って真ん中の街を目指すわ」 「分かったよ、トリッシュ。」 ――トリッシュは知る由もなかった。自分の仲間の一人が『闇』に向かおうとしていることを ――シーザーもまた知る由もなかった。彼女を、トリッシュを包み込もうとする『闇』の深さを 果たして、シーザーは彼女を照らす光となるのであろうか。 答えは依然、闇の中・・・・・・・・・ 【エッレ・イタリアーノ シニョーラ エ シニョリーナ】 【川沿いの道(J-05))/一日目/深夜】 【トリッシュ・ウナ】 [スタンド] 『スパイスガール』 [時間軸] ディアボロ撃破時 [状態] 軽度の疲労、心に不安 [装備] なし [道具] 支給品一式、トニオのプリン [思考・状況] 1)ジョルノ、ブチャラティ、ナランチャと合流(ジョルノにはディアボロの一件の真相を聞こうと思っている) 2)ジョルノ達と合流した後、ゲームから脱出 3)シーザーを自分の組織の抗争に巻き込んでしまわないか心配 【シーザー・アントニオ・ツェペリ】 [能力] 波紋法 [時間軸] ゲスラーのホテルへ突入直後 [状態] 女性と話したことで少し興奮、それ以外は健康 [装備] なし [道具] 支給品一式(ランダムアイテムはまだ未確認) [思考・状況] 1)トリッシュを守る 2)ワムウと決着をつける 3)ジョセフ、リサリサと合流する (でも、ホテルに突入したことについての口論が再発しそうなのであんまり会いたくない) 4)ゲームからの脱出 投下順で読む 前へ 戻る 次へ 時系列順で読む 前へ 戻る 次へ キャラを追って読む トリッシュ・ウナ 44 ブラックホールによろしく シーザー・アントニオ・ツェペリ 44 ブラックホールによろしく
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サン・マルコ広場は赤く、燃えていた。 カーテン越しに辺りを見渡し、誰もいないことを確認するとナランチャは顔を引っ込める。 エアロスミスを呼び出し、スタンドでも辺りを確認する。 酸素を排出するものなし。肉眼で確認できるスタンドなし。今のところは安全、といったところだろうか。 「アイツ、本当に行っちまいやがったな……」 同時にそれはジョニィがナランチャたちの元を去ってしまったことを意味している。 行きずりの関係だったとは言え、気分のいいものではない。 なにより戦力が足りない。今ここにいるのはナランチャと、いまいち信用のならない小林玉美、そして…… 「仕方のないことよ、ナランチャ。 それだけジョニィにとっては切実なことだったんでしょう。 それに……」 ソファに寝転び、青い顔をしたトリッシュ・ウナだけなのだから。 トリッシュの元に駆け寄るとナランチャは顔をしかめ、ブランケットを彼女の顎の下まで引っ張り上げた。 「足を引っ張っているのは私の方……」 ジョニィと分かれてすぐ、トリッシュが体調を崩したのだ。 急に目眩がし、気分が悪くなったトリッシュを男たちは近くの民家まで運び込んだ。 額に浮かんだ汗で前髪が張り付いている。こんな弱気なトリッシュを見るのは初めてのことだった。 「トリッシュ殿~、多めにブランケット持ってきましたぜ~。 さ、さ! これで体でも温めてくださいよ~」 「……ありがとう」 「あまり持ち場を離れるんじゃあねェよォ、玉美~! いつ、誰が襲ってくるかわかんねェんだからよ!」 ナランチャの怒声に、玉美は何も言わず肩をすくめただけだった。 トリッシュがそっとナランチャの肩に手をおいた。 待ち続けるのはひどく疲れることだ。まだ少年とも言える年のナランチャならば、その辛さはなおさらだった。 事態は遅々として進まない。この18時間、ナランチャは幸か不幸か、戦闘らしい戦闘を行っていなかった。 確かに戦いはした。だがそれは覚悟のある戦いでなかった。望んだものでない、覚悟のない戦い。 ナランチャにとって少なくとも、彼の日常はもっと騒がしく、もっと殺伐としたものだった。 安全がもどかしい。目的が見えないことが不安だった。 (ブチャラティがいてくれれば……) 貧乏ゆすりを繰り返し、親指の爪を強くかんだ。 いま自分が何をすればいいのかがわからない。何もしていないように思える自分が、惨めに思える。 アバッキオも、ブチャラティも ――― 信じたくはないが、逝ってしまった。 フーゴは離れ、ミスタもジョルノも行方不明。 (俺が、俺が守らなきゃいけないんだ……! 任務はこの俺にかかっているッ!) それがなんと重たいことか。いままで自分はどれだけ他人に頼っていたことか。 なにか明確となる指針が欲しかった。 例えそれこそが、自分の意志で作り出さなければいけないものだと理解していても……。 (あの時ブチャラティは『お前には向いていない』と言った。確かにそうかもしれねェ……俺にはわからねぇよ、ブチャラティ) 皆それぞれ目指すことがある。成し遂げたいことがある。 だがナランチャにはそれが見当たらなかった。命を賭してまで成し遂げたい、男の道が。 隣で蹲るトリッシュの息は荒い。そう、トリッシュも自分と一緒だ。 巻き込まれ漂流し、引きずり出された。たまたま貧乏くじを引かされただけの女の子だ。 だからこそ彼女だけは守りたいッ! トリッシュは俺なんだ、ナランチャは彼女にも聞こえない声で小さく言った。 「う……」 「トリッシュ」 トリッシュの呻き声がナランチャの考えを遮った。 「大丈夫、ちょっと……急に目眩がしただけ。私、気分が―――良くないわ」 「トリッシュ……! お、あんた、え……?」 「どうした、何があった!?」 ナランチャはソファから飛び上がると足元に広がっていく波紋を馬鹿みたいに見つめた。 となりで玉美がぽかんと口を開け、目の前の光景に釘づけになっていた。 トリッシュを中心として絨毯がうごめいていく。シワが重なり、図形が浮かび上がっていく。 そこに浮かび上がったのは地図だった。横二メートル、縦一メートルと半分ほどの地図。 北西にはカイロ市街があり、西の果てにはヴァチカン市国。 東には杜王住宅街が広がりその北に砂漠地帯。 そして……散らばるように広がる「星」が意味するものは ―――。 【E-4 サン・マルコ広場脇民家/一日目 夕方】 【小林玉美】 [スタンド]:『錠前(ザ・ロック)』 [時間軸]:広瀬康一を慕うようになった以降 [状態]:健康 [装備]:H K MARK23(0/12、予備弾0) [道具]:なし [思考・状況] 基本行動方針:トリッシュを守る。 0.??? 1.トリッシュ殿は拙者が守るでござる。 【ナランチャ・ギルガ】 [スタンド] 『エアロスミス』 [時間軸] アバッキオ死亡直後 [状態] 健康 [装備] なし [道具] 基本支給品(食料1、水ボトル少し消費) 不明支給品1~2(確認済、波紋に役立つアイテムなし) [思考・状況] 基本行動方針 主催者をブッ飛ばす! 0.これは……なんだ? 1.フーゴとジョナサンを追う 【トリッシュ・ウナ】 [スタンド] 『スパイス・ガール』 [時間軸] 『恥知らずのパープルヘイズ』ラジオ番組に出演する直前 [状態] 目眩、倦怠感 [装備] 吉良吉影のスカしたジャケット、ウェイトレスの服、遺体の胴体 [道具] 基本支給品×4 [思考・状況] 基本行動方針:打倒大統領。殺し合いを止め、ここから脱出する。 1.フーゴとジョナサンを追う 2.ルーシーが心配 3.地図の中心へ向かうように移動し協力できるような人物を探していく [備考] ※ブチャラティの最後の支給品が「遺体の胴体」でした。 ※トリッシュを中心とした地図は他の遺体の点在箇所を示しています。 具体的に何個で、どの遺体の居場所を示しているかはお任せします。 投下順で読む 前へ 戻る 次へ 時系列順で読む 前へ 戻る 次へ キャラを追って読む 前話 登場キャラクター 次話 169 トリニティ・ブラッド -カルマ- 小林玉美 186 ブレイブ・ワン 169 トリニティ・ブラッド -カルマ- ナランチャ・ギルガ 186 ブレイブ・ワン 169 トリニティ・ブラッド -カルマ- トリッシュ・ウナ 186 ブレイブ・ワン
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6~10文字の依頼はこちら zeus -- (zeus) 2009-03-31 17 06 11 ORAORAがつけばなんでもいいです。 お願いします。 -- (ノシ) 2009-06-11 19 01 48 46sanがつくのお願いします -- (名無しさん) 2009-06-17 01 10 55 HOYAがついてるのがいいよ -- (名無しさん) 2009-07-02 23 11 14 SEIHAと付いてたら何でもいいです お願いします -- (seiha) 2009-07-21 12 52 14 先頭に「RASEN」がついているといいです。 -- (匿名) 2009-07-29 22 50 07 先頭に「R13/」をつけたいので よろしくお願いします -- (秘密主義) 2009-10-04 18 07 42 sayaと入っててほしいです。 大文字・小文字関係ないです! -- (sa) 2009-11-03 21 37 47 トリップにjaRyuと入っていればいいです 出来たら、↑のような文字で書いてください! 無理なのであれば大文字小文字関係ありません -- (お願いですm(_ _)m) 2009-11-16 21 26 14 あっ さっきのミスったのでもう一度 トリップに9169jaRyuでお願いします! -- (お願いですm(_ _)m) 2009-11-16 21 27 43 9169jaRyuが難しいのでしたらjsRyuと付いていればいいです こんなにいってゴメンナサイm(_ _)m -- (お願いですm(_ _)m) 2009-11-16 22 58 00 「WAKAYAMA」が付く、トリップをお願いします -- (お願いします) 2010-03-09 16 42 00 3939lovelyとかLoveMikuとか出来たらお願いします -- (すいか) 2013-10-08 22 26 43 ナリされないトリップお願いします -- (彩美里) 2014-01-11 11 09 56 「hancyou」がつくトリップお願いします -- (匿名) 2014-01-25 13 45 06 SIMEが付くトリップお願いします。 -- (〆) 2014-05-03 22 06 50 KANRININ←御願い申し上げる -- (豆) 2018-05-18 19 46 44 Kanadeがつくトリップください -- (かなで) 2020-03-09 20 31 08 名前 コメント すべてのコメントを見る
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概要 だいじなものの1つ。 ある計画のために 大使リッシュウが したためた手紙 ver1.3限定クエストクエスト【揺らぎはじめる世界】で、カミハルムイ大使館にいる【大使リッシュウ】?から、【風の町アズラン】にいる【案内係アサギ】?に宛てた手紙。 急だったせいか、慌てた字で書かれているようだ。 渡した時のアサギの反応から、【アストルニウム】?の手配の依頼、そしてアサギがリッシュウに好意を寄せている事が分かる。 案内係は【旅のお供にコンシェルジュ】以来、ほぼ同じ営業用台詞しか聞く事が無かったため、一瞬とはいえ普通の町人のような反応がある珍しいシーンと言えるかもしれない。
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+ もくじ ウノリッシュとは?誤用の傾向(1)語意・慣用句の誤り (2)わざわざ一般的でない単語を使う(その結果誤用につながる) (3)文字数を稼ごうとしている (4)文法を理解していない (5)オリジナルの用語を考えたつもりのようだが、既存の日本語と被っている (6)漫画・本・アニメ・ゲームなどで見た単語を、意味を調べずに使う (7)方針・ルールの不統一 力量不足が誤用の原因となっているケース(1)重言 (2)意味不明 (3)表現力に乏しく(語彙が少なく)、多くの場面で同じような表現を多用する (4)「キャラクターごとに知識量が異なる」ということをわかっていない (5)自分の好きなパターンのやり取りしか書かない (6)物を知らなすぎる/勉強しない (7)間違いを指摘されても(きちんと)直さない (8)意味を書き換える コメント ウノリッシュとは? PSO2メインシナリオライター「宇野涼平」の作品全般の特徴を指した言葉です。 スクウェア・エニックス第一開発室の野村哲也氏をトップとしたグループの特徴、通称「ノムリッシュ」にならい、このように呼ばれています。 「ノムリッシュ」は独特な造語を大量に用いて「設定を読み込まなければついていけない」「話はつながっているが突飛」「複雑な物語のように思わせて実は単純」という類のもので、 多くの作品に共通する特徴を「野村的作風(ノムリッシュ)」とカテゴライズしたことが始まりと言われています。 物語の展開が「『今ある世界は偽りのもの、自分たちが望む世界を取り戻す』という反体制側であること」「『交渉』という解決手段を持たず実力行使しかできないこと」うひ 「根回しや周辺から崩すような戦略的思考ができず、正面衝突しかできないこと」「本筋と関係ないエピソードを突然挟んでかさ増しを多用すること」「登場人物の行動に整合性・妥当性がない」 といった多数の作品で見られるワンパターンな作風が「ノムリッシュ」と似ていることからも『直接ノムリッシュとウノリッシュに関連性はない』にもかかわらず だいたい同じようなものとして「ウノリッシュ」という名称が生まれました。 また、作風とは関係ありませんが、ノムリッシュとウノリッシュには『既存シリーズを改変して自身の独自解釈・新解釈で上書きする』ことや 『過去シリーズを私物化し、人気キャラクターを貶めて自身のキャラクターを極端に厚遇・優遇する』という悪質な共通点があります。 このクリエイターとしても問題のある行動から、一部シリーズファンからは非常に嫌われているという特徴もあって、通称というよりは蔑称として定着してしまっています。 加えてウノリッシュでは世界観や前後の関係なく突然メタ発言を挟む、クライマックスでギャグを挟んで盛り下げる、有名作品からパクる、過去作からの流用などの問題行動も多くみられます。 特にパクりと過去作の流用は顕著で、まずどこからか持ってきたもので作品を作り、その作品で用いられた設定や物語展開を別の作品に流用する傾向が多々あります。もちろんその都度何かしらのパクリをやらかします。 結果、出来上がったものは流用とパクリでいびつにツギハギされた作品となってしまい、特に長く続いているPSO2では修正不可能なほどに設定の齟齬や物語展開の不自然さが浮き彫りになっています。 ※このページでは不自然なテキスト「ウノリッシュ」について扱っています。 シナリオの個別問題点やストーリー展開の不備についてはこのページではなく、「ここが変だよPSO2」以下にお願いします。 誤用の傾向 基本的に宇野の作品で用いられる誤用は、大抵の場合は辞書を引いたりすれば避けられる(鹵獲、戒厳令など)ものばかりである。 このため、逆説的に「自分の記憶している意味が正しいと信じ、辞書や類語辞典を使っていない」のではないか、と言われている。 「待てよ? 今書いた○○という単語は、本当にこれであっているのか?」「俺が思っている通りの意味なのか?」と考えて調べれば避けられるミスである。 「ことば」自体は時代や世代によって用いられ方が異なっていたり変化していくものなので、「辞書以外は絶対にNO」ということは決してない。 また、誤りは誰にでもあることで、それ自体は「よくあること」と言ってもいい。 一事が万事辞書を引いていけというのはあまりにも荒唐無稽。 加えて「その道のプロ」ほど「自分はプロだから間違うはずがない」という自負が先入観となってしまい、「本当にそうかな?」と自身を顧みることの邪魔になってしまうこともある。 そのうえ宇野氏の悪癖のひとつでもある「無理に一般的でない語を使おうとする」ために状況によっては不自然であったり、無理のある表現になってしまうことも多々ある。 悪意的な表現を用いるのであれば「厨ニ病」の発露であるが、ライトノベル出身の作家としては別に珍しいことではなく、むしろそうした「厨ニ病」力が求められるものなのでそれ自体は問題ではなく、 受け手の感性にも左右される点であることは付記しておく。 宇野氏の作品が特に酷評を受けるのはこうした誤用や不自然な表現ががあまりにも多く、 そのうえ物語の展開が唐突であったり登場人物の行動に整合性がなかったりする作風も相まって作品に没頭する妨げとなっているからだ。 宇野氏は単なる誤用というよりは「もともとある語の意味を書き換えたり、新たな定義を加えようとする」ことが非常に多い。 受け手は一般的に用いられているであろう語の意味で理解しようとするため「解釈のギャップ」が生じ、意味不明な内容に感じられてしまう。 そして何より宇野氏はこうした「誤用」を直さない点が最も問題視されている。 もちろんちょっとした「てにをは」や誤変換、誤用もそのものも問題がないわけではないが、 このwikiではそうした明確な語の誤りや「言葉の汚染」を指摘していくものである。 (1)語意・慣用句の誤り 「老体に鞭打たせる」「耳に穴が開くほど聞かされる」などの慣用句のフレーズ自体を覚え間違えているケース慣用句を間違えて覚えており、使う際に覚えているものをそのまま用いる。「通りかかった船(乗りかかった船or渡りに船)」「老体に鞭打たせる(老骨に鞭打つ)」「身の丈に見合った(身の丈にあった)」「血走った真似(血迷った真似)」など枚挙に暇がない 「老体に鞭打たせる(※正しくは、老骨に鞭打つ)」「乗りかかった船」などの、慣用句の意味を理解していないケースその慣用句を使う適切な場面も把握していない(突然現れて「乗りかかった船」、相手がやった仕打ちに「老体に鞭打たせる(老骨に鞭打つ)」 慣用句やことわざをあえてアレンジして世界観を作る技法はあるが、どう考えても誤用、覚え間違いというものが多い。 「戒厳令」「必要十分数」「華美」「隻眼」などの、単語の意味を理解していないケース「華美(はなやかすぎて不相応なさま)」を単なる「はなやか」の意味で使う、「痛々しい(可哀想)」を「痛そう」と取り違えるなど。ただし華美は辞書によっては単なるはなやかと示す場合がある。要検証。 (2)わざわざ一般的でない単語を使う(その結果誤用につながる) 素人にありがちな「難しい単語・画数の多い字を使いたがる」という傾向がある。ただしその「難しい単語」の意味は調べていないのか、おかしな文章になっている「強くなる」ことを「列強な存在となる(列強となる)」と書いたり「単眼」を「隻眼」と書いたりなど、意味が違ってしまっているケース 「周辺の万物を吹き飛ばす」など、規模がおかしなことになっているケース 一般的ではない単語を使うということは一般的に判りづらい問題もある。 (3)文字数を稼ごうとしている 説明の説明をし、文字数を(意味もなく)増やしているケース「日傘」と書けば済むものを「強い日差しを避ける為の道具」と書くなど。小説作法においては悪手とされている。○「素敵な日傘ですね」×「素敵な強い日差しを避ける為の道具ですね」 必要の無い読点や接続詞を多用するケースあらすじ、イベント概要、設定資料集の用語集など。長文になるほど顕著に読みにくくなる。 世知辛い話だが、ライターの仕事にはテキストの容量(≒文字数)に稿料が支払われることもある。そのため文字数を稼ぐために冗長な表現を多用するケースも散見される。宇野氏がそうであるという意味ではないが、あるいはそうした背景が関係しているという可能性はありうる。 (4)文法を理解していない 形容詞、形容動詞、動詞などの品詞を理解していない。繋がる単語とそうでないものの区別がついていない。例 迫力をしている、偏見をする、強化軽量を行う、発令を行う(何にでも「○○をする」「を行う」とつなげる)など。 「てにをは」に代表される助詞や、「だから、けれども、しかし、さらに、ところが」などの接続詞の使い方もおかしい。 あらすじ(EP1)や武器説明文では主語が省略されるケースもちらほら。 (5)オリジナルの用語を考えたつもりのようだが、既存の日本語と被っている 例:紫斑、コ・レラその言葉が既に存在している可能性を考え、調べることをしない後者に至っては過去作品からの引用のせいで既存の言葉に(しかも悪い意味で) (6)漫画・本・アニメ・ゲームなどで見た単語を、意味を調べずに使う 例:衝角「衝角」を見たから「とがったもの、ドリルのカッコイイ漢字表記」と勘違いしたまま使っている。 これはPSO2では特に顕著で、宇野の説明文や台詞回しは基本的に冗長。どことなく収まりのいい語句はたいていどこからか持ってきたものである。何となく見栄えのいい語句の上っ面だけをなぞっているだけでPSO2世界になじまず、基礎設定やプロットを立てていない方針と相まって、ほとんどのケースで曖昧、不自然なものになっている。 (7)方針・ルールの不統一 「基本設定を作り込まない」「プロットを立てない」という事にも起因するのだが、テキスト間での統一感が無く、世界観が分からない。顕著な例が「メタ要素のぼかし方」。SF/異世界系の作品では、現実世界との違いを明確にするために固有名詞やその世界に存在しなさそうなものをわざと説明的に表現する手法が多用される。PSO2でももちろん見られるのだが、ビアンコパラソーレでは「強い日差しを遮断する道具」と「傘」をぼかしていたのに「マダムノアマガサ」や「カラカサジコミ」は当然のように存在する。 「儀礼的なデザイン」などと書いて「巫女」「司祭」といった語を頑なに使わないが、「シデ」や「火消し」は何の説明もなく使われている。 全てのテキストを記憶して齟齬が無いようにしろ、というのは無理難題ではあるが、テキスト間での食い違いは世界観を理解不能にし、没入感を損なってしまう。「傘」を例に取れば、「アークスシップは天候がコントロールされているので傘は絶滅している」「コントロール下でも雨を振らせため健在」など、世界設定を作ってあればどちらかに統一することは容易ではないか。「遊戯具を模した〜麻雀牌」(*MJ国士無双)「頭に角を生やした想像上の怪物〜鬼」(ワイルドオウガ)など1つのアイテムでもぼかすのかぼかさないのか食い違っているものもある。 コスチュームでは「フォトンを吸収するデザイン」について、肌の露出、肌に密着、布を舞わせる、平面的など多数の手法が示され意味不明になっている。 潜在能力はクラススキルと対応した法則があるようだが、突然それに外れるネーミングがあり、名前から能力が想像しにくくなってている。 力量不足が誤用の原因となっているケース ライターが自分の力を過信し「優れた文章テクニック」を披露しようとした結果自爆しているケース。 操者、熱量変換など。 (1)重言 小説や作詞のテクニックに「韻を踏む」「対句」というものがあり、それを意識したようなテキストがある。しかし、韻を踏んでいるのではなく「頭の頭痛が痛い」のような重言になってしまっている。例:「折れにくく壊れにくい頑丈な短杖」「強化が施され、より扱いやすくそして強力になったアッパーモデル」「ひとつの季、ひとつの節」等 「大きな大剣」「巨大大剣」のように漢字すらかぶっている重言もある PSO2に限定すれば「大剣」はソードという武器のカテゴリ名でもあるため「(刀身の)大きなソード」「巨大ソード」とすれば問題は起きない。しかし文字数制限の問題もあるのだろうが、宇野氏はやたら漢字表記にこだわるきらいがあり、重言よりも「こだわり」を優先してこのようになっているケースは少なくない。 (2)意味不明 韻を踏んでいるつもりで「音」を優先して単語を選んだ結果、意味の通らない文章になってしまっているケース例:「不測の予測」 (3)表現力に乏しく(語彙が少なく)、多くの場面で同じような表現を多用する ○○だが△△、○○ながら△△等の修飾を重ねる表現を多用する 「装者」「操者」「圧倒的」「~とばかりに」を多用する (4)「キャラクターごとに知識量が異なる」ということをわかっていない 創作物に登場するキャラクターは同一人物ではないため、それぞれ語彙も違えば喋り方も違うハズである。しかし、PSO2のNPCは語彙の差があまりなく、猫も杓子も同じような「無意味に難しい言い回し」をする例:「慮る」「傅く」「揶揄」「鞭撻」「留意」(全て別のキャラクターの使う言葉。頭脳派、肉体派等の個性は関係無い) 例:皆、口頭なのに文章語を多用する。「知己」「研鑽」「磐石」など(全て2人以上のキャラクターが使っている言葉) 例:皆、慣用句や四字熟語を使う。「○○○○ということだな」 例:巡廻警備のことを全キャラ一様に「警ら」という。(巡廻、見回り、警備、チェックなど色々考えられる) これらは「俺はこんな難しい単語を知っているんだぜ?」というライターの自己満足と思われる(あくまで推測であり事実ではないので注意) キャラクターが似たり寄ったりで個性が無いのも問題。これは上記の例にある通り、キャラクターごとの知識量がすべて宇野の知識量で統一されているために起きている。この差がないことでキャラクターの性格付けや特徴づけが極端に弱くなり、行動原理に説得力が生まれなくなっている。本来であればもっと力押しであったり、もっと慎重であったり、あるいは猪突猛進、あるいは遠慮策謀、様々な方法で問題に相対するはず。しかしこれらがなく、全員が何者かの意志に導かれるように同じ方向だけを見ている。洗脳されている人々の自我のない人形劇を見ているようなストーリーは、物語そのものの破綻よりもこうした登場人物の無味乾燥な薄さも無関係ではないだろう。 (5)自分の好きなパターンのやり取りしか書かない 「キャラが何かをけなしながら語る」というパターンばかり「悠長なエコー」⇔「ゼノの馬鹿」 「フォースは駄目だ」⇔「ハンターは嫌い」 「ま、私には関係ないけど」(一応興味を示す場合もある) 「この馬鹿姉」「不肖の姉が」 「シーナァ!」 「最近の若い者は……」 「ライト君」 親愛の表現が「馬鹿馬鹿!」しかない まるで言葉遣いが2ちゃんねるのように雑 (6)物を知らなすぎる/勉強しない 政治、軍隊、社会、倫理など、ゲーム中のテキストを書く上で必要な知識がことごとく欠落しているため、的確な用語を知らず、これらの関連語は誤用だらけである。「戒厳令」や「緊急事態発令」など おまけに、サービス開始から1年以上経つにもかかわらず銃のグリップ部分を「取っ手」と表現するなど、勉強する気も全くない。 さすがにこれだけ知識不足ならば、宇野自身も手探りでしか書けない歯痒さを覚え、知識不足を痛感しているはずだが、にもかかわらず得意気に誤った用語を使いたがるままである。 「物を知らなくても、知ってるように見せ掛けられればいい」とでも思っているのだろうか。だとしたら、それは全く成功していないと伝えるべきである。 (7)間違いを指摘されても(きちんと)直さない アップデートで誤字脱字や誤用を修正しようとするが、「間違いを別の間違いに置き換えただけ」という修正が多く、修正する意味がない通りかかった船→乗りかかった船、必要十分量→必要十分数など特に後者は「必要十分量という表現は間違いである」という指摘に対して、「量」が間違いで「必要十分」は問題無い、と考えてしまっているものと考えられる 音声付きの台詞を修正したり、音声なしの台詞に声を付けたりもするが、元がひどい台詞に声をつけても無意味どころか、余計違和感が増幅される。(EP1序章の)戒厳令→厳戒令、DF緊急前のオペレーターの台詞など 覚え違いそのものは人間なので仕方ない。が……一般的な出版物はそれを減らす、あるいは無くすために編集者を通し、校正によるチェックを経て完成される。誰でもわかる数多くの誤用を放置しているということは、そのようなチェック機構を通していないということ。「たかがゲーム」とはいえず、会社全体のモラルを疑う所業である。仮に本当に辞書や類語辞典を使っていないのであれば、もはや論外である。 (8)意味を書き換える 宇野氏の誤用は枚挙に暇がないものの、本人は誤用と指摘されること自体は一応気にしているらしい。誤用というよりはもともとある語を自分の解釈でアレンジすることも多々あり、そのため本来の語の意味を知っている我々と宇野氏との認識にズレが生じてしまっている。我々はそれを「誤用」と解釈しているが、実際は宇野氏によるミーム汚染の可能性もある。フォトンやキャスト、テクニックの設定などのもともとあったものを改変して、それらの存在を「ウノリッシュに」書き換えてしまうことが悪質。こうして書き換えられたものは以後はウノリッシュの上に積み上げられていくことになってしまい、宇野の汚染前後で別物になってしまう。 PSO2ではダーカーなる存在が登場する。あらゆるものに寄生し、あらゆるものを汚染していくという恐るべき人類の敵なのだが、これは翻って宇野氏自身を表しているのでは……? コメント コメントページの参照 全部読めてないけどマザーデウス連戦のクエスト名、母なる神もおかしい - 名無しさん (2018-07-27 18 32 52) 久しぶりに5chスレを探したら無くなってて、何やら他社のソシャゲの「シナリオディレクター」とやらに収まってるようですが、浦島太郎の俺にも進行中の事態の概略がわかる項目を作ってください。 - 名無しさん (2018-08-20 18 57 20) ネットスラングのバトルドームはSEGAが昔ツクダオリジナルと提携してたからいいと思うんだが - 名無しさん (2018-10-03 10 07 35) パクリどうこうという話でなく、SFものでメタネタをやられるとサムいって話なのでェ…… - 名無しさん (2018-10-03 11 14 49) それがOKならアークシステムワークスはセガサミーの子会社だったからEP5のアルマがいろいろアレ(詳細はEP5のページ見てくれ)なのはOKということでよろしいか?そんなわけないだろ。 - 名無しさん (2018-10-03 12 16 08) なんだ、ダグラムの時代からアニメ界でバンザイ特攻しか書けない「富田祐弘」みたいなもんか。 - 名無しさん (2019-01-25 14 58 13) アニヒレート>アナイアレートはヘビメタ好きならバンド「アナイアレーター」の読み方論争で卒業済やで - 名無しさん (2019-01-25 15 01 39) 説明なしの造語連発は富野由悠季もやるが、あれは映像付きで丁寧に繰り返し刷り込んでいくメソッドだからな - 名無しさん (2019-01-25 15 05 26) 後付け・後出し・設定の変更なんかは別にそんな珍しいことじゃないんだけど、PSO2はその後付けでそれまでの展開と整合性が取れない、慌てて繕ったら別のところでほころびが出て、最終的には何もかも整合性が取れなくなってるから批判されてるわけだからね・・・ - 名無しさん (2019-01-27 00 28 59) 宇野大先生の新天地だった「世紀末デイズ」が僅か半年足らずで実質的なサ終宣言というべきアップデート終了を発表。文法の破綻したキャラ紹介文や浅薄な世界設定などの貴重なウノリッシュ文書の供給先が潰えてしまった。 - 名無しさん (2019-01-27 04 54 44) 「フォトンを吸収するデザイン」について、肌の露出、肌に密着、布を舞わせる、平面的など多数の手法が示され意味不明になっている。ってあるけど、複数の方法があると問題があるの?暑さを和らげるために薄着する、白い服を着る、素材を工夫する…みたいな物じゃない? - 名無しさん (2020-09-11 19 43 50) 表題の通り効果の統一性がないという話でしょう。ある服では肌を露出させた方が良いと書かれて、ある服では体に密着する生地を多く用いた方がいいと書かれていてはプレイヤーが混乱するのも道理。もしかしたら基本は薄着の方がいいけど特殊な素材の服を着る時は厚着の方がいい、という設定があるのかもしれんけどそれならそう説明すべきでしょうね。 - 名無しさん (2020-09-12 21 06 01) ところで今度セガでサービスが始まる、真のRPGが宇野執筆の可能性が高い - 名無しさん (2021-11-02 22 41 46) シン・クロニクルはチェインクロニクルの後継で第一開発室がやってるから可能性は低い。確かにシナリオは低評価の嵐だし、宇野がずっとファンタジーをやりたいと言っていたのでありえない話ではないけれど、セガを退社している宇野が専属の第一開発室に招聘されるとは考えにくい。 - 名無しさん (2021-11-03 08 47 49) 宇野先生なら音楽がモチーフのソシャゲやってるらしいよ - ななしさん (2022-08-13 01 41 16) 名前
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書いてある検索時間の目安は最新のPCだった場合です。 3文字完全一致トリップ 超お手軽な文字数。10秒かからないだろう。 4文字完全一致トリップ 初心者の登竜門とも言える文字数。1分くらいで見つかる。 5文字完全一致トリップ 慣れてきたら挑む文字数。1時間くらいで見つかる。 6文字完全一致トリップ 初長期戦となる文字数。1日ぐらいで見つかる。 7文字完全一致トリップ ここらから難易度があがる文字数。1ヶ月ぐらいで見つかる。 8文字完全一致トリップ …もうダメぽ…な文字数。5年ぐらいで見つかる。 9文字完全一致トリップ 上級検索人でも避けたい文字数。100年ぐらいで見つかる。 10文字完全一致トリップ 神の領域、まだ誰も発見できていない文字数。4500年ぐらいで見つかる。
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生き残りたい まだ生きていたい 君を愛している 本気のココロ見せつけるまで 私 眠らない ☆ ☆ ☆ 「あったわブチャラティ! 貴方の左腕と両脚よ!」 意識の朦朧とするブチャラティに代わり、戦闘中に捨ててきた彼の手足を拾い集める。 あの自動車の爆発は凄かったけれど、この手足が巻き込まれていなかったのは幸運だった。 元通りにとは行かないかもしれないけど、ある程度動けるようにはなるはず。 ジョルノがいれば、破損した部位も纏めて治してくれるのに……なんてことを考えていても仕方ないわね。 ブチャラティに拾ってきた手足を渡す。 彼は能力でそれらをつなぎ合わせ、見た目だけは元の無事な姿へと戻った。 腕をブルンブルンまわし、脚も動かして具合を確かめている。 そんな彼の様子を見ながらも、あたしの内心は不安でいっぱいだった。 手足の切断部からは、わずかに出血が始まっていた。 精神力に限界が来て、ジッパーの能力が失われてきたからだろう。 そう。つまり、彼の身体は普通に身体を切断されたに近い状況まで陥っていた。 にも関わらず、出血は"わずか"だった。 普通なら、もっと滝のようにドバドバ血が出るものじゃないのだろうか? 『スティッキィ・フィンガーズ』での切断部はいつもこんなものだっただろうか? 列車で戦った時のブチャラティはどうだっただろう? あの時戦っていた釣竿の男はどうやって死んだのだっただろう? 気になっている事は、まだある。 「………調子はどう? ブチャラティ…… 体の方は―――?」 「ん……。ま、問題はない。腕も脚も、いつもと変わらない。ありがとう、トリッシュ。おかげで助かった」 神妙な声で問うあたしに対し、ごまかすように笑うブチャラティ。 すかさず、あたしは彼の左手を握り、掴み上げた。 「ここ……… 凍傷を起こしているわよ」 それはブチャラティが石柱に掴まっていたとき、ギアッチョのスタンドに凍らされた部位。 指摘された瞬間、ブチャラティの顔色が暗くなる。 気がついて、いなかったの……? 「………ああ。だが、あの男と戦って、この程度の傷で済んだのならば御の字だろう。この程度の怪我ならば、"いつもと変わらない"からな」 またそうやって誤魔化し、そして手を放してしまった。 彼の手は、とても冷たかった。 比喩ではない。 本当に、氷のように冷たかったのだ。 凍傷を起こしたから? 氷のスタンド使いが暴れまわったから? 興奮したあたしの体温が高くなっているから? ここが地下だから? それとも――――――? あなたの体温は、どうしてそんなに低いままなの? 「いやあいやあ、お二人さん。ご無事で何より」 よそから声をかけられ、そちらを振り返る。 げ。"変態"―――――― コイツ、生きてたの? 「トリッシュちゃんと、そちらはミスター・ブチャラティだっけ? いやいや、この前は俺もちょっとワケわかんなくなっちゃっててさ…… でも大丈夫もう乱暴したりしないし、これからは力を合わせて……」 !? 「だめえぇぇぇぇぇぇ!!!」 気が付いたら、あたしは"変態"の方へ向かって全力疾走していた。 ☆ ☆ ☆ 「おーおー好き勝手やりなさる」 薄目で目を開け、大丈夫そうだったので起き上がった。 ん、オレが誰かって? 玉美だよ、コ・バ・ヤ・シ・タ・マ・ミ! いままでブチャラティたちと敵との戦いをじっと見守っていたんだが、彼らが勝利したのでこうして激励をだな…… あの大爆発にはビビったが、あれはブチャラティが起こしたものだったんだな。 あいつは強い。そして、なんだか頼りになりそうだ。 このゲームで、生き残るために『強さ』が必要なのはよくわかった。 これからはあのブチャラティにうまく取り入って、ついて回れば安心だろう。 自動車の方を見る。 今もまだ爆炎を挙げて、原型もない。 あんなのに巻き込まれちゃあ、命はないわな。 敵とは言えかわいそうに、ご愁傷様。 自動車の残骸に背中を向けると、真反対にはブチャラティと、愛しのトリッシュちゃん。 うん、ウェイトレスの衣装も、よく似合っていてプリティだ。 グヘヘヘヘ さっそく声を掛けてみよう。 「いやあいやあ、お二人さん。ご無事で何より」 あからさまに嫌な顔をされたが、気にしない。 「トリッシュちゃんと、そちらはミスター・ブチャラティだっけ? いやいや、この前は俺もちょっとワケわかんなくなっちゃっててさ…… でも大丈夫もう乱暴したりしないし、これからは力を合わせて……」 そのあたりで、トリッシュちゃんの顔つきが急に厳しくなる。 もしかして、オレまた履き忘れてたか? いや、パンツもズボンも履き直したし、大丈夫だよな? そんなことを考えていると、トリッシュちゃんが何か叫びながらこちらに走ってくる。 なんだかわからんが、とにかくすげえ。 めっちゃオッパイが揺れてて、フヒッ すげえ柔らかそ――――― 『ホワイト・アルバム』ッ!!! ☆ 「え?」 小林玉美が感嘆の声を漏らす。 何が起こったのかわからない。 突然、トリッシュに突き飛ばされて、自分はすっ飛ばされて転んで。 そしてトリッシュは、身体の半分を氷づけにされて動けなくなっていたッ!! 「ギアッチョ!!」 ブチャラティが叫ぶ。彼は――― ギアッチョはまだ死んではいなかった。 小林玉美の後方、爆破した自動車の残骸から這い出たギアッチョが、再び攻撃を仕掛けてきたのだ。 「このクソカスどもがァァァァァ!!! どいつもこいつも皆殺しにしてやるッ!!!」 完全なる誤算だった。 『ホワイト・アルバム』というスタンド能力は、ブチャラティの想像をはるかに超えていた。 この能力は、ギアッチョがその気になれば爆走する機関車だろうが止められる。荒まく海だろうと止められる。 そして今回は、ついに大爆発を起こした自動車まで止めてみせたッ! スーツの中、ギアッチョは頭から出血している。 それすらも凍らせて止血している。 普通ならば立ち上がれないほどのダメージは受けているだろうが、それもスーツ型のスタンド能力で痛みを矯正して補っている。 『爆弾』や『火炎』のスタンド使いが有効という、ブチャラティの考え方は間違ってはいない。 なぜなら過去、この世界とは別の物語でギアッチョと戦ったのは、その『爆弾』や『火炎』を操る者だったのだ。 だが、それではギアッチョを倒しきることはできない。 ギアッチョは、そのどちらの戦いでも『相打ち』という結末に持ち込んでいた。 この火では倒せない。 ギアッチョに炎で勝利するには、彼ら以上のパワーが必要となる。 「あ…… あぁぁあああ…………!」 悲鳴を漏らし、みっともなく腰を抜かしてしまった玉美。 見れば、情けのないことにズボンを濡らしてしまっているではないか。 「何してるの"変態"!! さっさと逃げろバカ!!!」 そんな玉美を覚醒させたのは、自分を助けたトリッシュ・ウナの叫び声。 自分の身に何が起こったのかを理解した玉美は、一目散にどこかへ逃げ出した。 「あんなカスの"変態ヤロー"のために、ずいぶん間抜けなことをしたなトリッシュ!!」 「くっ!」 トリッシュは拳銃を抜きギアッチョに向けようとするが、素早く平手で叩かれ、拳銃は遠くへ飛ばされてしまう。 (くそっ! ホントにコイツの言う通りよ!! なんであたしがあんなレイプ魔の"変態"を助けて、こんな目に合わないといけないのよッ!!) トリッシュは自問するが、答えは出ない。 考えるより先に、身体が動いてしまったのだ。 『助ける相手がだれか』という事よりも、『助けなければ』という気持ちが、先に生まれてしまったのだ。 ギアッチョが右腕を高く掲げ、トリッシュの頭上で手刀の構えを作る。 「もう、ボスの娘も、ボスの秘密も関係ねえ! 順番に粉々にしてぶっ殺してやるッ!! まずは自動車爆発の引き金を引いた貴様からだ! トリッシュ・ウナァァァァァ!!」 今にも振り下ろされんとする氷の手刀。 そこへ、雄たけびをあげながら特攻する一人の男、ブローノ・ブチャラティ。 「うおおおおおおおお!!」 ニヤリ 「かかったなダボが」 「ギアッチョォォォォォ!!!」 ブチャラティが『ホワイト・アルバム』の射程に入った瞬間、ギアッチョはトリッシュを蹴り捨てる。 ギアッチョの狙いはあくまでブチャラティだった。 「殺すぞ」と脅すより、実際に殺しのアクションを見せつける方が、挑発として時には有効だ。 トリッシュの死という餌に釣られ、ブチャラティはまんまとギアッチョの射程距離に入ってしまった。 「だめぇ! ブチャラティ!!」 トリッシュが叫ぶ。 勝てっこない。このギアッチョには勝ち目はない。 せめて自分一人が犠牲になれば――― ブチャラティもあの"変態"のように逃げてくれればよかったのに。 もう、何もかも遅い。 「この距離では回避不能!! 氷のスタンドは防御不能!! そして弱ったお前のスタンドのパワーではこの装甲は突破不能!! これで終わりだブローノ・ブチャラティ!!」 「『スティッキィ・フィンガ―ズ』ッ!」 二つの影がぶつかり合った。 ブチャラティの顔が、激痛に歪む。 ギアッチョのスーツへと伸びた右腕から肩口にかけて、彼の身体は冷たい氷で覆われていた。 そして、ギアッチョは――― 「ごふッ―――」 『スティッキィ・フィンガーズ』の右腕に腹を貫かれ、血の塊を吐き出した。 「嘘っ……」 トリッシュが思わず声を漏らす。 戦いの展開は、彼女にとって意外な方向へ転んだ。 「だが―――――― お前への攻撃は、『可』能だ―――ッ!」 自動車をぶつける作戦の前から、ブチャラティにはギアッチョを倒す一つの『策』があった。 その『策』とは、あきれるほどに単純明快。 『右ストレートでぶっとばす』 『まっすぐ行ってぶっ飛ばす』 それだけだ。 もちろん、ただの右ストレートでは、ギアッチョの『ホワイト・アルバム』の装甲を破ることはできない。 せいぜいヒビを入れさせる程度で、逆に殴ったところから凍らされて、それでおしまいだ。 だが、『スティッキィ・フィンガーズ』にも能力がある。 殴ったところにジッパーを取り付けるというとても強力な能力が。 装甲を破れないならば、ジッパーで開いてしまえばいい。 ジッパーで穴を開けてしまえば、どんな堅牢な鎧だろうが、それは紙切れと同じようなものだ。 しかし、この『策』には大きな欠点がある。 それはこの攻撃では「腹」以外の場所を狙えないため、相手を即死させることができない。 そして、過去に戦った暗殺チームのスタンド使いは――― いったん食らいついたスタンドは、腕や脚の一本や二本失おうとも決して『スタンド能力』はを解除しない――― そんな男だった。 「これしきの事で、このオレがくたばるとでも思っているのか! ブチャラティイイイ!!!」 『ホワイト・アルバム』の冷凍能力、全開放。 「ぐあああああああ―――――ッ!!」 いったん弱まりかけたスタンド能力が、さらに強力なものになりつつあった。 腹のジッパーの口から全身にかけて、ギアッチョに組み付いたままの姿で、ブチャラティの氷像がまるまる一体造られようとしている。 ブチャラティの『策』の欠点。 それは、この男が死亡しスタンド能力が解除されるまで、この冷凍化攻撃を耐え続けねばならないこと。 自分で突っ込んだ腕はギアッチョの体に固定され、もう動けない。 全身が奴の身体と接触しているため、どこかを部分的に捨てて逃げることもできない。 『相打ち覚悟』でないと、このギアッチョは倒せない。 そう判断したからこそ、ブチャラティはこの特攻を行った。 「ぐがっ―――― がががががっ――――――――」 体内に入り込んだブチャラティの腕がギアッチョの内臓を掻き回し、少しでも死期を早めようとする。 ギアッチョの死は、もう免れないだろう。 問題は、ブチャラティの体力がそれまでもつかどうか。 最期の力を振り絞り、ギアッチョは絡み付いたブチャラティの両肩を、両腕で覆うように挟み込んだ。 無論、ブチャラティの全身はすでに氷の塊となっている。 「て……めえも…… 道連れだ……… ブチ―――割れな――――――」 『ホワイト・アルバム』の最期の力を振り絞り、凍りついたブチャラティの身体を押しつぶした。 だが、ブチャラティの身体はその力に逆らわない! まるで『ゴム毬』のようにグニャリと変形して、破壊を免れた―――ッ! 「な―――ッ!?」 『『柔ラカイ』トイウ事ハ『ダイヤモンド』ヨリモ壊レナイッ!!』 トリッシュ・ウナのスタンド能力『スパイス・ガール』! 能力は、触れた物質を『柔らかく』する事! 柔らかいということはダイヤモンドよりも壊れない! 今、凍らされたブチャラティの身体を柔らかくした! ギアッチョがいくら力を加えたところで、柔らかい氷がブチ割れることは決してない!! 「クソ―――が――――――」 ここらで、ギアッチョにも限界が訪れたようだった。 冷凍能力が弱まっていく。 氷像と化したブチャラティの身体がみるみる元通りに戻っていく。 スタンドによる氷なのだ。 能力が解除されれば、解凍速度は冷凍の比ではない。 そして暗殺チームであるギアッチョのスタンドが解除されたいうことは、それは彼の死と同義であった。 (リーダー……… オレ…… オレたちは―――――― 間違って―――― なかったよな――――――?) するすると力が抜け、ギアッチョの身体は地面に倒れる。 それと同時にブチャラティも膝をつき、そのまま地面に倒れこむ。 「ブチャラティ! 大丈夫ッ!?」 そんな酷い有様のブチャラティを、トリッシュが抱き留めた。 「ハァ……… ハァ…… ハァ… トリッシュ――――――」 全身を完全に凍らされたといってもほんの数秒のことだ。 痛みは酷いが、命は無事だった。 氷をブチ割られていたら、命はなかった。 あと一歩のところでブチャラティはトリッシュに命を救われた。 彼女のおかげで、今度こそ相打ちとはならなかった。 「――――――勝ったぞ!」 【ギアッチョ 死亡】 【残り 68人】 ☆ ☆ ☆ はあ…… はあ…… はあ…… 逃げろ、逃げるんだ。 誰も、何者も追ってこない、遠い場所まで。 ただその一心で駆け抜けた、長い通路。 光が見えてきた。出口だ。 二度と見ることはできないと思っていた、太陽の光だ。 「はぁ…… はぁ……」 息が上がっている。 ここは、真実の口。入ってくるときは、トリッシュたちと3人だった。 今、小林玉美は、1人でその入り口の前で転げている。 「なんで………」 思い返すのは、つい先ほどの出来事。 彼は、トリッシュに庇われて、命を救われた。 彼女は、自分の身代わりとなって、敵スタンドの攻撃を受けてしまった。 「なんで、オレなんかを………」 自分が彼女の仲間だというのなら、納得もいく。 見ず知らずの相手だったとしても、まだ分からなくはない。 問題は、その相手が『自分』だったことだ。 自分は、彼女に間違いなく嫌われている。 恨まれているといってもいい。 当然だ。 自分は、彼女を、ただ自分の欲望のためだけにレイプしようとした。 女性にとっての一生モノの傷を、自分勝手に追わせようとした最低の変態のクズなのだ。 そんな自分を、彼女は助けた。 自分の危険などかまわずに………… 「なんで、オレなんかを助けたんだ!! トリッシュ・ウナァァァァァ!!!」 小林玉美は慟哭する。 唯一、彼を見守る真実の口は、その問いに答えてはくれなかった。 ☆ ☆ ☆ 足元で伏せて絶命したギアッチョの死体を、トリッシュが蹴り飛ばす。 ブチャラティは、自分がまだ生きていることが奇跡に思えた。 「よかった――― ブチャラティ…………」 トリッシュが涙を流して喜ぶ。 彼女がいなければ、ブチャラティは生きてはいなかった。 「間違いなく、今度こそ間違いなく、奴は死んだ」 呼吸は止まっている。 心臓も動いていない。 間違いなく死んでいる。 遺跡内の気温が少しずつ上がってきた。 奴のスタンドエネルギーが完全に消滅したという証拠だろう。 「ブチャラティ、大丈夫? 動ける?」 「ああ、凍傷は酷いが、死ぬほどヤバいってほどでもない。スタンドの氷だからか、能力が解除されてから温度が戻るまでの速さが速かった。 おかげで、後に引きずるような重傷ではないようだ」 「ほんとにっ? ああ、よかった―――」 そして何となしに会話が途切れ、少し思いつめた顔をしたブチャラティが、口を開いた。 「やはり、聞いておいたほうがよさそうだな」 そう前置きし、トリッシュがドキリとする。 その反応を伺いながら、ブチャラティはずっと頭の片隅で気になっていた疑問を問いかけた。 「トリッシュ…… 君の未来で、"俺"は一体何をしている?」 ドキリとする。 トリッシュは一瞬目をそむけ、そして何でもないかのように装いながら笑って話し始める。 「だ……だから、みんなでボスを倒して、平和に暮らしているに決まってるじゃないッ! もちろん貴方は組織の幹部よ。 ジョルノが組織を乗っ取ってボスになって、当然あなたは彼の右腕、ナンバー2よ。ポルナレフさんが3番で、ミスタが4―――――じゃなくて、えっと、そうそう。 4はナランチャで、ミスタは5で………」 突然饒舌になったトリッシュ。 言っていることも何一つまとまっていない。 それでもしゃべり続け、次第に聞いていないことまで話し始めたトリッシュ ブチャラティは彼女の手を取り、無理やりに中断させる。 「もういい、トリッシュ。もういいんだ―――」 「――――――ッ!!!」 トリッシュの表情が蒼白する。 ブチャラティの手は、まだ冷たかった。 氷のように。いや、"死体"のように―――。 「トリッシュ。君はここで俺と初めに出会ったとき、まるで幽霊にでも出会ったかのように驚いていた。突然、俺と『再会』した、とも……… 自分の事だ。なんとなく、わかっている」 『トリッシュの世界にいた自分』が『今の自分』と全く同じ状態だったとするならば、今はサルディニアでアバッキオの死体を看取った6時間後――― ならば、ちょうどローマでボスの親衛隊とやらと戦っていたという頃だ。 さっきのギアッチョとの戦いの最中から、ちょくちょく感覚が鈍ってきている。 体温も、ゲーム開始直後から比べてどんどん下がってきた。 「トリッシュ…… 俺は―――」 「言わないでッ―――!!」 トリッシュは目に涙を浮かべ、顔を伏せてしまった。 泣かせるつもりはなかった。彼女には笑っていて欲しい、ブチャラティは心からそう思う。 「大丈夫だ。心配するな、トリッシュ。俺の身体は、まだ動く。まだ、あと少しだけならば大丈夫だ。 皆で笑ってゲームを脱出するまで、俺は死なない。―――君は、俺が必ず守る!」 さっきは言えなかったこの言葉。 トリッシュはきっと笑ってくれる。そう思っての心からの言葉だった。 だが―――、トリッシュの反応は。 「嘘……… でしょ………?」 彼女の反応は、ブチャラティの想像とは違っていた。 トリッシュは声を震わせ、その表情は絶望に満ちてゆく。 「どう… した………? トリ………… シュ………」 「ブチャラティ……… それ……… 何―――?」 トリッシュに示されて、ようやく気が付いた。 ブチャラティの胸から、鋭いナイフのような刃の束が2本伸びていた。 「な………」 ブチャラティの身体が引き裂かれる 腹から小腸の一部を掻き出し、いくつかの骨と血管を引き裂いた。 2本の腕から伸びた鋭い爪から血が滴り落ちる。 「ギィィアアアァァァァァア――――――ッ!!!!!」 ブチャラティの背後では、割れたメガネを掛けた肉食恐竜が前足の爪に付いたブチャラティの血液を舐めまわしていた。 「そんな――― 嘘よォ!」 (バカな―――! このタイミングで恐竜だとッ!?) ギアッチョの死体がどこにもないッ! いや、この恐竜自体がギアッチョなのだ! (そんなバカなッ! 俺に殺されて死んだギアッチョが、再び恐竜と化して襲い掛かってきたというのかッ!?) ☆ ☆ ☆ 「なあ、Dio。お前の『スケアリー・モンスターズ』の恐竜化、オレにはかけられねえのか? 死体である必要は無ェんだろ?」 「出来なくはない。だが、今回の作戦では必要がない。恐竜化したお前より、今のお前の方がよっぽど強いからだ」 「何故だ? 『恐竜』だぜ。パワーもスピードも、人間と比べりゃあ段違いだ。オレだって、生身で恐竜とケンカしたら勝てる気がしねえぜ」 「それは当たり前だ。何故なら、恐竜はスタンド能力がつかえない。もしくは、使えたとしても、非常に微力な能力なのだ。 スタンドは精神のエネルギー。恐竜の精神力が低いからかは分からんが、ともかく恐竜化した人間は、たとえ元がスタンド使いであったとしても、能力を使えたことはなかっ た」 「あぁ―――。なるほどな。そのンドゥールがあの『水のスタンド』でオレとコンボを組めない理由はそういうワケか。ケッ、でも仕方ねえか。 確か恐竜って氷河期で絶滅したって聞くし、『氷のスタンド能力』を使って戦うんじゃあ、笑い話にもなりやしねえぜ」 「…いや。だが、『お前を恐竜化させる』というのは、悪くない考えだ。例えば、お前がブチャラティと戦って殺された場合―――」 「オイ! どういうことだ? オレがブチャラティの野郎に負けるとでも思っているのかッ!?」 「仮の話だ。つまり、保険だ。仮にブチャラティの奴にお前が殺された場合でも、安心した隙をついて恐竜化すれば、お前は一矢報いて相打ちの形になる」 「――だがよ、お前の『スケアリー・モンスターズ』の恐竜化って、お前かお前の恐竜が近くにいないと発動できない筈だよな? 作戦ではオレとお前は別行動だし、仮にオレが死んだとしても、オレの死体へ恐竜を近づけるようなヘマ、ブチャラティの野郎がするとは思えねえが」 「ニヤリ。それについては考えがある」 ☆ 「それに、良かったじゃないか。俺に殺されずにすんで」 ゲームが始まって以降、Dioたちと交戦し敗れ去った盲目の戦士、ンドゥール。 彼の死に立ち会った時、Dioは自らのスタンド能力について新たに気づくことがあった。 「君と仲間になることは、出来そうもない。残念ながらな。―――だが、『奴隷』としてなら別だ」 『スケアリー・モンスターズ』ッ!! 死にゆくンドゥールの身体に、『恐竜化』を感染させる!! と、同時に、どこか別の場所でンドゥールのスタンド『ゲブ神』の形をした氷像が砕け落ちた。 「君の身体が今凍っているのは、凍った『スタンド』のダメージが君にフィードバックしているためだ。だから君が『スタンド能力』を使えなくなってしまえば、ダメージは 君へ届かない。 今!君を恐竜化させた。 スタンドの使えない恐竜となった今、君は粉々になること『だけ』は免れた。もっとも―――」 ンドゥールの身体を覆っていた氷の殻が壮大な音を立てて崩壊する。 覆いかぶさるようにンドゥールの死体が地面に崩れ落ちた。 「―――君の命までは、間に合わなかったようだがね」 そして地に伏せるンドゥールの死体を観察するDio。 1秒、2秒、3秒―――10秒が立ち、それでもDioの望む変化は見られなかった。 (チッ――― 少し遅すぎたか……?) ンドゥールの死体の『恐竜化』が完成しない。 死体が損傷されすぎたか? 粉々に砕かれる直前だったせいで、皮膚の表面に多数の裂傷を負っている。 肉体が、恐竜として活動するに堪えきれぬダメージを負ってしまったという事だろうか。 (仕方ない――― ギアッチョの元へ合流するか) 人間と恐竜の中間のような中途半端な存在となったンドゥールに見切りをつける。 踵を返して歩き始めるDio。 部屋の外へ一歩踏み出そうとして、背後で動く気配を感じた。 「―――どういう事だ?」 背後でノソノソと身を起こす、生まれたばかりの奴隷恐竜。 ンドゥールの恐竜化は完成していた。 だが、何故だ? いつもならば、感染させてからものの数秒で恐竜化は完成しているというのに。 この、恐竜化が果たされるまでに生じた『時間差』はなんだ? Dioが室内を見渡し、その異常の原因を探る。 肉体の損傷が原因でないとすれば―――――― 「『温度』か―――?」 ンドゥールを死に至らしめた、ギアッチョの『スタンド氷』。 『スケアリー・モンスターズ』を発動した時には彼の遺体を覆っていた。 そして恐竜化が完成した今、その氷は粉々に粉砕され、蒸発して消えてなくなっていた。 ☆ Dioがンドゥールの死に立ち会い新たに気づいた事。 それは、氷の地面の上で生物を恐竜化させることはできないという事だ。 すでに恐竜化した生物が氷の上を走り回る方は問題ないが、凍った大地の上で『新しい恐竜』を生み出すことはできないのだ。 恐竜が氷河期で絶滅したという説があるせいなのか、それとも単にマイナス100℃の中で生まれる『生物』はいないからなのか。 ともかく、Dioの『スケアリー・モンスターズ』の発動には『温度』が必要だった。 襲撃前、前もってギアッチョに『恐竜化』を感染させる。 そして恐竜に自我を奪われる前に、『ホワイト・アルバム』で身を包み、恐竜化を制止させる。 このようにすれば、『ホワイト・アルバム』の能力を解除しない限り、ギアッチョの恐竜化は始まらない。 そしてギアッチョが死に、"スタンド能力が解除され"れば、ギアッチョはその瞬間、獰猛な恐竜へと姿を変えるのだ。 『なにが……俺たちにとって、勝利なのか……よく……考えろ……』 (リーダー……… オレ……………) 例え、腕や脚の一本や二本、失おうとも――― 腹をぶち抜かれて内臓をグリグリ抉りまわされようとも――― いったん食らいついた『スタンド能力』は、決して解除はしない。 そして―――――― たとえぶっ殺されて、食らいついたスタンド能力を"解除させられ"ようとも―――――― 『ブッ殺す』と心で思った相手は、間違いなく殺して、殺しつくす。 最期まで決して諦めず、たとえ命尽き果てようとも、かならずやり遂げてみせる。 『……誇りを…………』 それが、彼らリゾットチームの誇り。 そうだよな? (オレたちは―――――― 間違って―――― なかったよな――――――?) この戦い。 あえて勝者を決めるとするならば、それはブローノ・ブチャラティではない。 それはリゾットと、その仲間たちの執念の勝利である。 ☆ ☆ ☆ 「うわあああああああ!!! 『スパイス・ガ―――』 「ギャバシャァァァァ――――!!」 ギアッチョ恐竜の頭を振り回すだけの頭突きでさえ、トリッシュはなすすべもない。 いったん左腕両足を切り離し、全身凍傷を負ったブチャラティよりはマシだとはいえ、トリッシュも既に満身創痍だ。 ンドゥール恐竜に痛めつけられ、一度ギアッチョにも身体半分を凍らされている。 『スパイス・ガール』を繰り出すも難なく弾き飛ばされ、地面に叩き付けられる。 「くは――――ッ」 トリッシュが吐血した。 激しい打撃を食らい、どこか内臓を痛めたのだろう。 「そ―――――んな――――――」 一方のブチャラティは、もっと酷い。 身体を爪で引き裂かれ、動くこともできない。 いや、それ以前から、ブチャラティの身体にはすでに限界が訪れていた。 ディアボロに殺され、一度は命を落とした身。 ジョルノの能力で現世に繋ぎとめられたが、確実に肉体の方が消耗され、体力は底を尽きていた。 立ち上がろうと、地面に左脚を立てる。すると、左脚は根元から外れ、転んでしまった。 続いて右脚と、左腕。これも、地面に立てた瞬間にねじ折れ、身体はバラバラになった。 まだ、完全に接合されていなかったからだ。 自身のスタンドパワーが、完全に失われつつあるからだ。 後ろで恐竜が動いていることにも気が付かなかった。 自分が刺されたことすら、トリッシュに指摘されるまで気が付いていなかった。 感覚は、既に無いに等しい。 ブチャラティはもはや、自分で動くことすらできない。 ひたひたと、トリッシュに忍び寄るギアッチョ恐竜。 今のギアッチョはただの野生動物。そのはずなのに、ギアッチョは本能に逆らった明らかな殺意を持ち、トリッシュを攻撃しようとしている。 恐竜となった玉美は、変態だった。 恐竜となったンドゥールは、盲目の戦士だった。 恐竜となったドノヴァンは、身軽なコマンドーだった。 そして、恐竜となったギアッチョは、だれよりも彼らに殺意を抱いていた。 彼女に勝ち目はない。 ブチャラティは心の中で慟哭する。 (そんな――――――トリッシュが―――――― 殺されてしまう―――ッ! たった今、彼女と約束したのだ。『俺が守る』と約束したのだ――――ッ!! そんな約束すら、俺は守ってやることができんのか――――――! 誰か…… 誰か、彼女を―――――) 「ギャオオォォォォ――――――ン」 恐竜が牙を剥いて、トリッシュに襲い掛かった。 (誰か――― 彼女を護ってやってくれ―――――――) ダァン! 突然の銃声とともに、恐竜の攻撃が止まった。 恐竜の皮膚には生々しい弾痕が刻まれ、痛々しい出血が始まった。 ダァン! 「ギャギャッ!」 銃声がもう一発。 今度は恐竜の首筋に命中し、恐竜も悲鳴を上げて苦しむ。 「死ねッ! 死ねッ! 死ねェッ! 」 ダァン! ダァン! ダァン! 拳銃の連射は続く。 一発でも食らってしまえば、たとえ恐竜でも、もうンドゥールの時のように回避し続けることはできなかった。 「死ねッ! 死ねッ! 死ねッ! 死ねッ! 死ねッ!」 レパートリーの少ない殺しの文句を叫びながら、銃を乱射する男。 トリッシュは彼の顔を確認して、呆然とする。 白馬に乗った王子様には程遠い。 だが彼が来なければ、間違いなくトリッシュ・ウナは死んでいた。 最後の最後に現れて、おいしいところだけかっさらっていっただけであることは間違いない。 だがそれでも、彼が地獄に現れたHEROであることには変わりはない。 トリッシュが、思わず名前を口にする。 その救世主の名は―――――― 「"変態"―――――!」 ――――――否、 小 林 玉 美。 「死ねェェェェッ!」 弾丸が恐竜の脳天を打ち抜き、吹き飛ばす。 恐竜は次第に生命力を失い、そして変身が解け、元のギアッチョの姿へ戻っていった。 カチリカチリと拳銃を打ち鳴らす玉美。 やがてそれが拳銃の弾切れによる不発音だと気が付き、そして恐竜が沈黙したことから腰を抜かして倒れこんだ。 そして、呆気にとられて自分の方を眺めているトリッシュに向かって、叫んだ。 「な、なんでオレなんかを助けれるたんだるおおお!!?」 盛大に噛んだ。 それほどまでに、彼は混乱し、ワケが分からなくなっていた。 自分が犯そうとした女の子に、逆に命を助けられた。 そして、ワケも分からず逃げ出して、二度と見ることのないと思っていた太陽の光を浴びて、何が何だか分からなくなってしまった。 気が付いたら、足が勝手にこの場所へ引き返していた。 見ると、自分を助けてくれた女の子へ、恐竜が牙を剥いてジリジリと迫っていた。 いつの間にか、足元に転がっている一丁の拳銃を手に取っていたのだ。 「はぁ……… はぁ……… はあ………」 激しく息を切らして呼吸をする玉美。 そんな彼に大して、トリッシュは小さな声で囁いた。 「………ありがと」 その言葉に、一気に顔を赤らめる玉美。 初めて出会った時の、衝動的な気持ちは既に無かった。 強く、凛々しく、美しく、そして優しい彼女に、小林玉美はこの時、本気で惚れていた。 そしてトリッシュは、ブチャラティの元へ向かう。 もう確認する必要すらないほどに…… ブチャラティは、もう助かりようのない姿となっていた。 彼は右腕以外の四肢を失い、胸からは血を流し、瞳孔も開いていた。 トリッシュは、瞳いっぱいに涙を浮かべる。 「ブチャラティ……… こんな事って………」 「そんな…… 顔をするな、トリッシュ。綺麗な顔が、台無しだ」 実際には、既にトリッシュの顔はブチャラティには見えていない。 ブチャラティの視力は、既にゼロだった。 だが、わかる。 たった数日の付き合いだが、それでも、トリッシュのさまざまな顔を見てきたブチャラティだ。 彼女のことなど、声を聴けば分かる。 「気にすることはない。俺はどのみち、こうなる運命だった、そうなのだろう? 例えボスを倒したとしても、その未来の"彼ら"の中に、俺の姿はいなかった。だろう?」 「…………………」 嗚咽がひどく、トリッシュは首を小さく上下させるだけで応えた。 ブチャラティには、わかっていた。自分がもう長くないことをを。 ボスを裏切った時点で、ブチャラティは”既に死んでいた”のだということを。 このバトル・ロワイアルの是非に関わらず、自分の身体が動いていられる時間はもう長くないということを。 すべて理解して、覚悟していた。 そして、運命を受け入れて、それを享受した。そのつもりだった。 トリッシュはそれを認めたくはなかった。だから嘘をついていたのだ だが、今トリッシュが泣いているのには別な理由もあった。 「ヒグ………エグ…………ウウゥ――――――」 トリッシュのすすり泣く声が、大きくなっていく。 何かを訴えかけるかのように、ただただ涙を溢れさせる。 ズシリ 「話したほうがいいぜ、トリッシュ……ちゃん。何か、言いたいことがあるんだろ?」 いつの間にか、トリッシュの隣には小林玉美が立っていた。 そして、トリッシュの胸には小さな『錠前』が付けられていた。 トリッシュは、心臓が締め付けられたような気がした。 "変態"なんかに、自分の心のうちを言い当てられてしまい、ついカッとなってしまい―――― 「何を―――っ そんな事――――」 強く否定しようとしたトリッシュの顔に、ブチャラティの指が伸びる。 唯一残された右手の人差し指が彼女の眼尻に伸びていき、涙をぬぐい取り…… そしてそのまま、ブチャラティは指先に付いた水滴を、自分の口元まで運んで行った。 「この…… 『涙』の味は……… 嘘をついている味だぜ…… トリッシュ!」 そう言ってニコリと笑うブチャラティ。 その笑顔を見て、トリッシュはもう我慢できなかった。 「うあ……… うあああぁああああぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」 大声で泣き叫ぶトリッシュ。 彼女が恐れていたのは、もう一度ブチャラティを失う事だった。 あの日。運命に打ち勝ち、組織のボスである父を消滅させ、日常に平和が戻ったあの日の夜。 自宅のベッドに帰ったトリッシュは、ブチャラティが死んだことを知り、朝まで泣き明かした。 護衛される日々の中で。 何度も恐ろしい目に会い、何度も助けてもらっている中で。 トリッシュ・ウナの中で、ブローノ・ブチャラティの存在は、いつの間にか大きな存在になっていた。 『大丈夫かって、気にかけてもらいたかったわけ?』 『君はこれからブチャラティの事がわかりたくってしょうがないってわけだ』 『あとでゆっくり自分の気持ちに気づくんだね』 いつか、ナランチャが言っていた言葉。 あの時は、自分でも意味が分からなかった。 気が付いた時には、すべてが終わっていたのだ。 今、言わないといけない。 ―――でないと、きっと後悔する。 「――――――好゛ぎでずッ!」 涙声のまぎれてで、トリッシュがそう叫んだ。 僅かな静寂の時間が流れる。 トリッシュは涙を必死で堪えて、そして顔を赤らめながら俯いている。 小林玉美は目をつぶり、静かに行く末を見守っている。 ブチャラティが、返す言葉に困っている。 すると、涙をふき取り気持ちを落ち着かせ、今度ははっきりとした声で、もう一度トリッシュが言った。 「私は――― トリッシュ・ウナは、ブローノ・ブチャラティが大好きです。」 一世一代の大告白だ。 「好きでした」と、過去形は使わなかった。 未来がどうなろうと、今は考えたくなかった。 今、この瞬間だけは、目の前にいる男性を好きでいたかった。 「トリッシュ………」 涙を溢れさせ、呼吸を必死に落ち着かせながらも、まっすぐ自分を見つめる彼女へ、ブチャラティは返事をする。 「俺はまだ、君がどんな音楽が好みなのかも知らない。 だから――――――」 トリッシュが俯き、自らの拳を握りしめる。 そんな彼女に、ブチャラティは優しく微笑みかけた。 どんな返事をしても、それは彼女にとって残酷な結果を与えてしまう。 だからブチャラティは、こう彼女に頼むことにした。 「君の歌を、聞かせてはくれないか?」 ☆ 石段を何段か上っただけの、何もないステージ。 服装は、まだよれよれのウェイトレスの衣装のまま。 小林玉美は空気を読んで脇へどき、トリッシュの目の前にいる観客は、ブチャラティただひとり。 漏れ出る嗚咽を堪え、トリッシュ・ウナのソロライブが始まった。 歌うのは、彼女がプロデューサーに無理を言って書かせてもらった、彼女の曲だ。 彼女が、ブローノ・ブチャラティを想って作った一曲。 神様に 恋をしてた頃は こんな別れが 来るとは思ってなかったよ もう二度と 触れられないなら せめて最後に もう一度抱きしめて欲しかったよ It s long long good-bye... さよなら さよなら 何度だって 自分に 無情に 言い聞かせて 手を振るのは優しさだよね? 今 強さが欲しい 貴方に出逢いSTAR輝いて アタシが生まれて 愛すればこそ iあればこそ 希望のない奇跡を待って どうなるの? 涙に滲む 惑星の瞬きは gone... トリッシュは、強く、逞しく、そして美しくなった。 自分にはもったいない、できた少女だ。 歌声から、ブチャラティはそれを感じ取る。 伴奏もない。 ライトアップもない。 暗く汚い地下の遺跡のステージで、彼女の歌も、泣き声と混ざり合い掠れている。 それでもブチャラティにとっては、どんな有名人のライブステージよりも素晴らしいものに思えた。 (泣いてくれても……いい…… でも…君は… 生きなくては…ならない……) チームの仲間たちは、まだ誰一人として名前を呼ばれてはいない。 誰でもいい。彼らを頼れ。 そして、死ぬなトリッシュ。何があっても、最後まで絶対にあきらめるんじゃあない。 (幸……せ……に………… トリッシュ………) もし生まれ変わって また巡り会えるなら その時もきっと アタシを見つけ出して もう二度と離さないで 捕まえてて ひとりじゃないと 囁いてほしい planet... ☆ トリッシュが歌を歌い終わったとき、ブチャラティは既に息絶えていた。 彼の死に顔は、驚くほどに綺麗な笑顔だった。 あれほど流れていたトリッシュの涙は、何故か途端に止んでいた。 これから自分は、前へ進めるだろうか? 分からない。でも、行かなければならない。 自分はブチャラティに、全てをもらった。 救われたのは、自分の方だった。 パチ パチ パチ ステージの隅から、乾いた拍手が聞こえてくる。 "変態"だ。 「感動しました。とても」 慣れない敬語が気持ち悪い。 というか、キャラ変しすぎて何か不気味だった。 "変態"はトリッシュの前に跪き、そして胸に手を当てて話し始めた。 「以前の無礼をお詫びします。そして、役不足かもしれませんが、私にあなたと共に戦う許可を頂きたい。 トリッシュちゃん。いや―――――― トリッシュ"様"。この小林玉美、命に代えても、あなたをお守りしたい所存であります」 パンチパーマを当てたチビのオッサンが、年下の少女にひれ伏している。 武士を気取っているらしい妙な口調もどこかずれているし、しっかりと『役不足』も誤用している。 はたから見れば滑稽な図なのだが、彼は至って真剣なのだからタチが悪い。 (あたしが想い人を失った直後で傷心しているのはわかってるだろうに、正気なのかしら?) 見るからに惚れっぽそうな男、小林玉美。 まさにその通りなのだが、本気の"恋"はこれが初めてだった。 いや、これは恋愛感情ではないのかもしれない。 その証拠に、トリッシュの大告白を聞かされても大してショックは受けなかった。 元の世界で、広瀬康一につかえていた時のような気持ち。 小林玉美は純粋にトリッシュ・ウナに憧れ、忠誠を誓ったのかもしれなかった。 (やれやれだわ……) 荷物を纏め、何事もなかったかのようにスタスタと歩いていくトリッシュ。 「言っとくけど、あんたのやったことを許すつもりはないからね」 跪いた玉美に向き合わず、彼の横をすれ違うさまに、キツい口調で吐き捨てるようにそう言った。 玉美は黙ったまま、俯きじっとしている。 トリッシュは無視して、遺跡の北のトンネルへ向けて歩き始めた。 ウェカピポとルーシーたちのことも心配だが、追いかけようにも、どこへ行ってしまったかもわからない。 ならば、目的地は、その前の作戦会議で決まった場所。 地図の中心付近。人が集まる場所で、仲間を探すのだ。 遺跡の出口に差し掛かり、トリッシュは後ろを振り返る。 玉美はすれ違った時のまま、こちらに背を向けしゃがみ込んだまま動いていなかった。 (ハァ…… ほんとに、めんどくさいオッサンね) 「何してるの"玉美"! 置いていくわよっ!!」 「は…… ハッ!!」 初めて『名前』を呼ばれ、心底嬉しそうに叫び、敬礼して走り寄る玉美。 今度は武士は辞めて、女士官に傅く従兵にでもなったつもりだろうか。 まったく忙しい男だ。 (変な奴も一緒だけれど、でも、私ももう少し頑張ってみる。貴方にもらったこの命で、最後まであがいて見せるから………) もう、涙は流さなかった。 (だから、見守っていてね) バイバイ、ブチャラティ。 本当にありがとう。 【ブローノ・ブチャラティ 死亡】 【残り 67人】 【F-6 地下 コロッセオ地下遺跡 1日目 朝】 【トリッシュ・ウナ】 [スタンド] 『スパイス・ガール』 [時間軸] 『恥知らずのパープルヘイズ』ラジオ番組に出演する直前 [状態] 肉体的疲労(大)、全身に凍傷(軽傷だが無視はできないレベル)、失恋直後 [装備] 吉良吉影のスカしたジャケット、ウェイトレスの服 [道具] 基本支給品×4、破られた服、ブローノ・ブチャラティの不明支給品0~1 [思考・状況] 基本行動方針:打倒大統領。殺し合いを止め、ここから脱出する。 1.ありがとう、ブチャラティ。さようなら。 2.ウェカピポとルーシーが心配だが、探しようもないのでとりあえず地図の中心へ。 3.ジョルノ、ミスタ、ナランチャ、アバッキオ、フーゴ、ジャイロ、ジョニィを筆頭に協力できそうな人物を探す。 ……玉美? あんな"変態"の事など思考にないわ。 [参考] トリッシュの着ていた服は破り捨てられました。現在はレストランで調達したウェイトレスの服を着て、その上に吉良のジャケットを羽織っています。 ブチャラティ、ウェカピポ、ルーシーらと、『組織のこと』、『SBRレースのこと』、『大統領のこと』などの情報を交換しました。 ブチャラティの支給品の一つはベアリングの弾でした。 ジャック・ザ・リパーの支給品はアメリカン・クラッカーでした。 そのいずれもがウェカピポに譲渡されました。 トリッシュの歌った歌は、アニメ「マクロスF」の主題歌「ダイアモンド・クレバス」に似た何かでした。 トリッシュが作詞したことになっていますが、実際に作詞されたのはhalさん、作曲は菅野よう子さん、歌っているのはMay nさんです。 こちらのCDなどに収録されています。 http //www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0015DQFP0/kasi-22/ref=nosim 【小林玉美】 [スタンド]:『錠前(ザ・ロック)』 [時間軸]:広瀬康一を慕うようになった以降 [状態]:全身打撲(ダメージ小)。興奮(大)。 [装備]:H K MARK23(0/12、予備弾0) [道具]:なし [思考・状況] 基本行動方針:トリッシュを守る。 1.トリッシュ殿は拙者が守るでござる。 2.とりあえずトリッシュ様に従って犬のように付いて行く。 [備考] どうしようもなくバカなうえ変態です。 拳銃の弾は無くなりました。 ※コロッセオの地下遺跡内にギアッチョ、ンドゥールの遺体と、爆破した自動車の残骸が放置されています。 ブチャラティの遺体はどこか目立たないところに安置されています。 ☆ ☆ ☆ 恐竜化したドノヴァンが腹をすかせ、肉を喰い漁っていた。 喰われているのは、彼の元友人であるケインとブラッディである。 このゲームに参加して以降、彼らはドノヴァンのよき友であった。 初めての獲物である花京院典明を襲撃し、返り討ちに合って仲良く殺された3人組だった。 だが、今のドノヴァンは獰猛な絶滅動物。 昔の友など、今の彼にとってはただの上手そうな餌であり、肉の塊でしかない。 ディエゴ・ブランドーに従う、忠実な奴隷恐竜ドノヴァン。 恐竜化する人間はスタンド使いである必要はない。 むしろ、生身での身体能力に優れた人物の方が優秀な戦士となる。 抜群の身軽さと格闘術を併せ持つナチス兵親衛隊の一人ドノヴァン。 そういった意味で、このドノヴァンはディエゴ・ブランドーにとってもお気に入りの恐竜の一体だった。 「よう、戻ったか」 ウェカピポの荷物の中から手に入れた地下地図を眺めながら、ディエゴ・ブランドーは帰還した別の恐竜を迎え入れる。 こいつはドノヴァンやその他の恐竜化した人間たちよりもずっと小型のタイプだ。 カエルを恐竜化させたニワトリサイズの小型恐竜。 今回の攻撃では一番初めに玉美を恐竜化させ、そのあとは遺跡の隅に隠れ、誰にも気づかれぬよう事の顛末を見届けていた。 「なるほど、ギアッチョがくたばったのか。それも、ブローノ・ブチャラティと相打ちか。フフフ、いいじゃあないか。もっともいいパターンだッ!」 ギアッチョは手を結びはしたが、いずれはどこかで切り捨てるつもりでいた男だ。 奴の『ホワイト・アルバム』は強い。まともに戦っても、勝てるかどうかわからない。 それを、体良く始末できたと言ってもいいだろう。 それも、確実に自分と敵対することになるブローノ・ブチャラティを巻き込んで。 ギアッチョは最期まで自分の意志で戦い、そして暗殺チームの誇りを掛けてブローノ・ブチャラティとの死闘を繰り広げ、相打ちに持ち込んだつもりだった。 しかし、ディエゴ・ブランドーに言わせれば、自分のために都合よく動いてくれた駒でしかなかった。 うまくディエゴの口車に乗せられ、恐竜と同じように使われたただの兵士の一人。 (トリッシュ・ウナと"変態"を仕留めそこなったのは癪だが、それでも上出来の結果と言えるだろう。 俺の方もウェカピポを始末できたし、なにより最高の収穫があった) そして、Dioの膝に頭を乗せて眠る少女。 彼女が目を覚ましたならば、この屈辱的状況をどう思うだろう。 恐竜化したドノヴァンの頭を撫でながら、Dioは彼女に語りかける。 「なあ? ルーシー・スティールよ」 ウェカピポは死んだ。 ギアッチョは死んだ。 ブチャラティも死んだ。 そしてルーシー・スティールの身柄すらも確保した。 この長い長い戦い。 蓋を開けてみれば、結果はディエゴ・ブランドーの一人勝ちに終わっていた。 【E-5 タイガーバームガーデン / 1日目 朝】 【ディエゴ・ブランドー】 [スタンド] 『スケアリー・モンスターズ』 [時間軸] 大統領を追って線路に落ち真っ二つになった後 [状態] 健康、人間状態、疲労(小) [装備] ディオのマント [道具] 基本支給品×4、ランダム支給品1~4(内0~1は確認済み) 、地下地図、鉈 [思考・状況] 基本的思考:『基本世界』に帰る 1.ルーシーから情報を聞き出す。たとえ拷問してでも。 2.ギアッチョの他の使える駒を探す。だが、正直恐竜を使っている方が捗る気がしてきた。 3.あの見えない敵には会いたくないな。 4.別の世界の「DIO」……? [備考] ギアッチョから『暗殺チーム』、『ブチャラティチーム』、『ボス』、『組織』について情報を得ました。 ウェカピポとルーシーの装備をすべて回収しました。(ウェカピポの不明支給品0~1含む) 現在従えている恐竜はカエルとドノヴァンの2体です。ンドゥール、ケイン、ブラッディの遺体はもう恐竜としては扱えそうもありません。 ディエゴの支給品の一つは【ディオのマント@Part1】でした。 【ルーシー・スティール】 [時間軸] SBRレースゴール地点のトリニティ教会でディエゴを待っていたところ [状態] 健康、気絶中 [装備] なし [道具] なし [思考・状況] 基本行動方針:スティーブンに会う、会いたい 1.気絶中。 [備考] ブチャラティ、ウェカピポ、トリッシュらと、『組織のこと』、『SBRレースのこと』、『大統領のこと』などの情報を交換しました。 ※ タイガーバームガーデンにウェカピポ、ケイン、ブラッディの遺体と、ジャイロの鉄球、ベアリングの弾、アメリカン・クラッカー×2が放置されています。 投下順で読む 前へ 戻る 次へ 時系列順で読む 前へ 戻る 次へ キャラを追って読む 前話 登場キャラクター 次話 099 単純 小林玉美 141 判断 099 単純 ブローノ・ブチャラティ GAME OVER 099 単純 トリッシュ・ウナ 141 判断 099 単純 ギアッチョ GAME OVER 099 単純 ウェカピポ GAME OVER 099 単純 ルーシー・スティール 137 音もない砂漠に沈む (前編) 099 単純 ディエゴ・ブランドー 137 音もない砂漠に沈む (前編)
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スタイリッシュ・カフス : 価格6マイル こちらは「L:データのみ」の商品となります。 #ちなみに、「モデルの依頼(イベント)」を取得された方には Tdmよりモデルの依頼を打診させて頂く予定です(笑)。 【前のページへ戻る】 < スタイリッシュ・カフス L:データ > L:スタイリッシュ・カフス = { t:名称 = スタイリッシュ・カフス(アイテム) t:要点 = 袖口を繋ぐ,カットクリスタル,洗練されたデザイン t:周辺環境 = カフリンクスケース t:評価 = なし t:特殊 = { *スタイリッシュ・カフスのアイテムカテゴリ = ,,,着用型アイテム。 *スタイリッシュ・カフスの位置づけ = ,,,{おしゃれ用品,ショップアイテム}。 *スタイリッシュ・カフスの取り扱い = ,,,The distortion moon。 *スタイリッシュ・カフスの販売価格 = ,,,6マイル。 *スタイリッシュ・カフスの着用箇所 = ,,,その他(シャツの袖口)。 *スタイリッシュ・カフスの形状 = ,,,カフリンクス(カフスボタン)。 *スタイリッシュ・カフスの使用制限 = ,,,この装飾品は、ドレスシャツ・スーツに類するものと組み合わせた場合にしか印象の変化は起こらない。この時、ドレスシャツ・スーツは設定的なものでも構わない。 *スタイリッシュ・カフスの特殊能力1 = ,,,男性でも女性でも使用できる。 *スタイリッシュ・カフスの特殊能力2 = ,,,袖口に使用する間、モダンにドレスアップしている印象を周囲に与える。 } t:→次のアイドレス = モデルの依頼(イベント),デザイナーズスーツ(アイテム) } topへ▲