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うちで飼ってる赤ちゃんタブンネ、最近耳の触覚で心や体調を読むことを覚えました それがすごく楽しいらしく散歩の時に人やポケモンに出会うと誰にでも触覚をくっつけようとします 私の胸に触覚をくっ付けてミッミッと楽しそうに笑う赤ちゃんタブンネ これ以上ないくらい無垢で可愛らしく、見ている私も優しい気持ちになります 「チィチィ!」 今日もお外でお散歩です。前から歩いてくる人を見つけるとタブンネは嬉しそうに駆け寄りました 「おっ、タブンネだ」 「ミッミッ!」 その人は背が高くてちょっとかっこいい男の人で、白いスーツと帽子という格好でした 私は挨拶をしてそのタブンネは触覚を相手に触れて心を読むのが好きなんですと話すと その人は微笑みながら手慣れた様子でタブンネを抱っこしました 「どれ、僕の心も読んでくれるかな?」 タブンネはミッミッと嬉しそうに男の人の胸に触覚を押し当てました 最初はニコニコ笑っていたタブンネでしたがすぐに今まで見せたことのないこわばった表情になりました そしてどんどん青ざめていきガクガクと震えだしてしまいました 「アグヴォアオゴアアアアアアーー!!!!!ギビィィィィィィィィ!!!!!」 タブンネは大声で叫びながら男の人の腕から飛び出し、私に駆け寄ってきて抱きついて来ました 「あらら、嫌われちゃったみたいね。ボク、タブンネは大好きなんだけど、なぜかタブンネには嫌われるんだよなぁ」 男の人はそう言い残すと、どこかにいってしまいました タブンネを抱き上げてみると、絶叫して白眼を剥いてガクガク震えながらおしっこを漏らしてしまいました 私は急いで家に帰りってお気に入りのお菓子やベッドでタブンネを落ち着かせようとしましたが 叫んで泡を吹きながら震えながら暴れるばかりで良くなる事はありませんでした その日からタブンネはすっかり変わってしまいました 一日中部屋の隅っこでブルブル震えていて 触ったり声をかけたりしたら大声で悲鳴をあげながら逃げ回り、壁にぶつかったり物を壊したりしてしまいます ご飯もお菓子も食べなくなってふっくらしてた体はガリガリに痩せこけ、 寝ることもできなくなったみたいで目の下に巨大な隈ができています 結局私には手に負えずポケモンセンターに入院させる事にしました ジョーイさんの見立てでは「私たちには想像できないほど強すぎる精神的ショック」 簡単に言えばタブンネはすごく怖い物を見たり聞いたりしたとの事です ものすごく怖いもの、あの白いスーツの男の心がそうなのでしょうか あの可愛かったタブンネをこんなになるまで怖がらせる。そんな心がこの世に存在するのでしょうか? タブンネはベッドにベルトで縛り付けられ、腕に何本もの点滴が繋がれてなんとか命を繋いでいます 数日してジョーイさん様子を聞いてみると、 震えが止まらず、夜も昼もなく血を吐きながら叫び続けているとの事です、 数ヶ月たち、タブンネの事も忘れかけてテレビを見ているとあの白いスーツの男が映っていました その番組によって男の正体が判明し、驚愕するとともに納得もできました あの白いスーツの男は、タブンネ虐待愛好会の会長だったのです
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826:名無しさん、君に決めた! 2010/12/23(木) 10 20 53 ???0 タブンネ「今日は楽しいクリスマス。よい子にプレゼントを届けにいこう!」ジングルベール タブンネ「あそこの煙突から中に入ろう!早くプレゼントあげたいなぁ」ズルズル ~煙突の中~ タブンネ「あれ?おなかが引っかかって動けないよ!」アタフタ ~家の中~ 俺「寒いから暖炉に火を点けよう」パッ パチパチ 俺「うー暖っけー」ヌクヌク ~煙突の中~ モクモク タブンネ「ゴホゴホ!煙がくるしいよ…息がで…きな…」 数時間後、おいしいタブンネの燻製ができあがりましたとさ めでたしめでたし 872:名無しさん、君に決めた! 2010/12/23(木) 17 45 23 ???0 タブンネ「今日も人間いっぱいからかえたな~♪」 タブンネ「そういえば明日はクリスマスだなぁ…サンタさん来てくれるかな」 翌日 タブンネ「ふあぁ…プレゼントあるかな…?」 タブンネ「何これ!?何かの内臓が入ってる…サンタさんひどいよぉ…」 悪い子の家にはサンタじゃなくてクネループヒトヒネがくるかもよ? 934:名無しさん、君に決めた! 2010/12/24(金) 00 56 59 ???0 手持ちのPTで盛大にクリスマスパーティをするけどタブンネちゃんだけハブる 外から部屋の様子を覗いて寂しそうにしているタブンネちゃん 暫くしてからタブンネちゃん呼び出すと、嬉しそうに駆け寄ってくる そこで買い物のパシリを命令すると、パーティに混ぜてくれると思ったタブンネちゃんは涙目 でも容赦なく蹴りを入れて部屋から追い出す 誰もいない夜の道で号泣するタブンネちゃん可愛い 自らをプレゼント(燻製)にするタブンネサンタ可愛い。悪い子だったので悪い子へのプレゼント(まさか同族の内臓?多分ね)しかもらえなかった子タブンネちゃん可愛い。そしてパーティーからハブられてクリスマスの夜道でミイミイと泣き崩れるタブンネちゃんが一番可愛い -- (名無しさん) 2012-12-24 20 38 18 名前 コメント すべてのコメントを見る
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「ほら、タブンネ。食っていいぞ」 「フュッフィ~♪」 特売で買った大量のオボンの実。 果物ナイフで細かく切って皿に山盛りにして、タブンネの前に置く。 笑顔のタブンネが目を輝かせながら鳴き声を上げる。 耳を大きく広げ、尻尾をバタバタと振り、全身で喜びを表現している。 「うまいか?」 「フィッフィッ♪」 小さく切られたオボンの実を、タブンネは1つ1つ口の中に入れていく。 口の中でコロコロと転がし、久しぶりのオボンをしっかりと味わってから飲み込む。 笑顔でほっぺたを押さえる仕草を見ていると、こっちの気分もウキウキしてくるというものだ。 「たくさんあるからな。腹いっぱい食っていいぞ」 「ヒャフュ~♪」 よっぽど嬉しかったんだろうな。食べてる間ずっと、嬉しそうに「フィィ♪」って鳴いてやがる。 ……ん? タブンネなのになんで「ミィミィ」って鳴き声じゃないのかって? ああ、しょうがないだろう? だって、こいつの口の中には 「歯が1本もない」んだから。 歯がないせいでこんな間の抜けた鳴き声しか出せないんだ。 飼い主である俺としてもタブンネ本来の「ミィミィ」って鳴き声が聞きたいさ。 でもまあ、これはこれで個性ってやつだろうし、こんな鳴き声しか出せないこいつを結構かわいいと思ってるんだ。 親バカならぬ、飼い主バカってやつかね。 それから1時間近くかけて、タブンネは皿の上のオボンの実を食べきった。 俺が皿を片付けている間、タブンネはタブンネ用のタオルマットの上でうつぶせになってテレビを見ている。 なにか面白い番組でもやっているのか、パタパタと揺れる尻尾にあわせて「フィッフィッ♪」という楽しげな鳴き声が聞こえてくる。 足の裏にある、ピンク色のハートの形をした肉球が俺の方を向いている。 ……やばい、ムラムラしてきた。 オボンの実を向くのに使った果物ナイフを丁寧に洗う。 汚れひとつ、曇りひとつ残さないように、何度も何度も洗う。 きれいになったナイフを、清潔な乾いたタオルで丁寧に拭き上げると、まるで鏡のように俺の顔がうつる。 いい笑顔をしている。これから起こることに隠しきれない期待が浮かんでいるのがわかる。 テレビに夢中で完全にリラックスしている状態のタブンネ。俺に対して何の警戒心も抱いていないのだ。 無防備に俺に向けられた足の裏。その中心にあるぷっくりとしたピンク色の肉球。 果物ナイフを逆手に持ち替え、愛らしいハートのど真ん中に思いっきり突き立てる。 「フィッ!? ……ファァ゛ァァァァ゛ァァ――ッ!」 ナイフを刺した瞬間、タブンネが一瞬だけ驚き、それから一拍遅れて絶叫が部屋の中に響き渡る。 全身を使って力いっぱいもがき、短い手足を必死に動かして何とか今の状況から逃れようとする。 タブンネと言えど、やはりポケモン。本気で暴れられたらかなり面倒だ。おとなしくしてくれるなら楽だったんだが。 「わかってんのか? 歯はもう残ってないんだぞ?」 「フィヒッ……」 俺の言葉にタブンネの動きが止まる。どうやら脅しが効いたようだ。 今まではタブンネが抵抗するたびに歯を1本1本奪ってきた。 金槌で力まかせにたたき折る。ペンチでねじるように引き抜く。ナイフで歯茎を切り裂いて根元からはずす。 やすりでゴリゴリと削っていったときは、こちらが耳を塞ぎたくなるような悲痛な叫び声を上げた。 歯がすべてなくなっている以上、つぎは耳か尻尾、もしくは触覚を奪わなければならない。 しかし、俺としては大好きなタブンネの体を必要以上に傷つけたくはないのだ。 歯を奪ったのだって、タブンネが抵抗するからしかたなくやっただけだ。 そもそも俺の目的はタブンネを痛めつけることではない。 「肉球だけでいいんだよ。そしたら何も痛いことはしないから。だから大人しくしててくれよ。な?」 「フィッ……ヒィ。フィィィ……」 俺の言葉にタブンネが暴れるのをやめる。 目をギュッと閉じ、小さな指を必死に握り込んで痛みに耐えている。よし、いい子だ。 タブンネが抵抗するつもりがないのを確認し、果物ナイフを握り直す。 果物ナイフをいっそう深く突き刺し、切っ先を中心にして、円を描くようにして傷口を広げていく。 ナイフを引き抜いて、ハート形のラインに沿ってナイフを動かし、肉球のふちに赤い溝をつくる。 できた赤い淵に指を強引に突っ込み、無理やり引っ張るとプチリプチリと音を立てながら、裂け目が徐々に大きくなっていく。 新しい傷が増えるたびに、タブンネの体がぶるっと震え、それに合わせて「フィッ、フィッ」という鳴き声が上がる。 これが俺の目的。タブンネの肉球を傷つけることだ。 俺はタブンネの肉球を見ると、それを滅茶苦茶にしてやりたいという衝動に襲われてしまうのだ。 普段は極力見ないようにしているのだが、今日のように偶然視界に入ってしまうこともある。 そんなときはこうやって、タブンネの肉球を存分に傷つけることにしているのだ。 我慢すればいいじゃないかと思う人もいるかもしれない。 しかし、あまりにも我慢してしまった結果、前に飼っていたタブンネを死ぬまで殴り続けたことがある。 俺はタブンネの肉球をどうこうしたいだけで、別にタブンネをどうにかするつもりはないのだ。 なので、衝動に襲われた場合は、我慢することなくタブンネの肉球を傷つけることにしているのだ。死体を埋めるも面倒だし。 さて、タブンネの肉球を抉りつづけること数十分。 あれほどにかわいらしかったハートはグチャグチャになり、タブンネの足の裏は真っ赤な血に染まっている。 あまりの痛みにタブンネが漏らした尿が、タブンネの体の下のタオルマットを濡らしている。 タブンネの血で血まみれになっているのだ。どうせ処分するのだからいくら汚してもかまわない。 「ごめんなタブンネ。」 「フフィッ……フフィッ……」 謝りながらタブンネの足の裏に「すごい傷薬」を塗り、その上から包帯を巻いてやる。 タブンネは再生力という特性を持っている。こうすることで、グチャグチャになった肉球も一晩で元通りになるのだ。 青色吐息のタブンネを寝床にしている毛布まで引きずっていく。 自力では動けないタブンネの体を、毛布で優しく丁寧にくるむ。 頭を優しくなでてやると、弱々しい笑顔で「フィ……」と返してきた。 うむ、嫌われてはいないな。おやすみタブンネ。 「じゃあ言ってくるよ、タブンネ」 「フィッフィッ♪」 朝になり、仕事に出ていく俺を、笑顔のタブンネが手を振りながら見送ってくれる。 昨日ズタズタにされた肉球はすっかり回復したようで、玄関まで歩いて見送りに来てくれた。 あれだけのことをされても俺のことを嫌わないのだから、本当に人間……いや、ポケモンができている。 「……タブンネ、ちょっといいか?」 「ヒュヒィ?」 タブンネを座らせて、包帯ごしに足の裏の肉球を触る。 タブンネの体がビクッと竦み、不安そうな表情を浮かべるが、俺が肉球を触っているだけだとわかると途端に笑顔になる。 楽しそうに「フィフィ♪」と歌うような鳴き声まで上げている。 タブンネの肉球の感触を楽しんで、今度こそ家を出る。これ以上触っていたら遅刻してしまう。 タブンネが手を振る様子を見ながら、俺も手を振りながらドアを閉めて鍵をかけて仕事に急ぐ。 道すがら、さっきまでのタブンネの肉球の様子を思い出す。 肉球はプニプニとした感触で、痛みもないようだった。完全に回復したのだろう。 昨日の夜の謝罪の意味も込めて、またオボンの実を買ってやるか。 そう考えながら、俺は急いで仕事に向かった。 (おしまい)
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おかあしゃあん!おなかしゅいたあ!まんまぁ!おちちちょうらい! 「はいはい、みんな仲良くね。」 チュパ…チュパ… おいちい!おちちおいちいよ!…げぷう! もうおなかいっぱい…おひるねしよう! わたしタブンネ!おかあさんときょうだいたちとなかよくくらしてるの! うふふ、おとなりのあかちゃんみてたらちっちゃいころをおもいだしちゃった。ほんのちょっとまえのことだけど。おとなりのあのこはもうおはなしもできるからおちちはそつぎょうね。それともおちちがすきなのかな?あまえんぼさん! わたしはもうおちちはそつぎょうしたの。いまはおかあさんとおんなじごはんをたべて、おはなしもばっちりできるようになったの。きょうだいでいちばんはやかったんだから!えらいでしょ! チリンチリーン… あ!いつものスズのコがきた。やさしいおとでわたしたちをいやしてくれるいいコなの!だからニコッ!ってタブンネのかわいいえがおをみせてあげるんだ!スズのコはゴキゲンそうなかおでフワフワうかんでいっちゃう。いちどいっしょにあそんでみたいなあ。 わーい、ごはんがきたよ!タブンネ、ごはんだいすき!いつもニンゲンさんとポケモンさんがもってきてくれるんだ!でもニンゲンさんたちはだれにごはんをもらってるのかな? ごはんをおなかいっぱいたべたらおかあさんときょうだいとあそぶの。いちばんちっちゃいおとうともごはんをたべられるようになったの!おとうとはあまえんぼさん。でもみんなもおかあさんにあまえたいから、みんなおかあさんにべったりくっついてねるの。やわらかくてあったかくて、とくんとくんってやさしいおとがして、すっごくしあわせなきもちになるの! そんな…おかあさんとおわかれなんて…。とつぜんニンゲンさんたちがやってきて、わたしたちをべつのところにつれていこうとしたの!。 いやだ!いやだよう!おかあさーん! でも、おかあさんはかなしそうなかおをして 「うう…ごめんね…りっぱにそだってね…かわいいおちびちゃんたち…!」 っていったの…。おかあさんもじぶんのおかあさんとはなればなれになったのかな…。 タブンネたちがつれていかれたところにはたくさんちいさなタブンネさんがいたの。みんなおかあさんとはなればなれにされたこどもみたい。 ニンゲンさんたちはみんなにおいしいごはんをたくさんくれたの。タブンネたちもあんしんしてごはんをたくさんたべたの。 みんなさびしそうにしてるけど、タブンネはおねえさんなんだもん、くよくよしちゃだめ! よるになってどこからかタブンネたちにふしぎなこえがきこえてきたの! 「可愛い可愛い子タブンネ達…心配することはありません。貴方達タブンネはお母様のもとを離れ、立派な大人になるべくここでみんなで暮らすのです。沢山ご飯を食べてすくすく育ってくださいね。私も応援していますよ…。」 やさしいこえ…。タブンネたち、ここでくらすんだ!おうえんされてるんだ!…よおし!タブンネ、りっぱなおとなになってたくさんこどもうむ!それだけじゃない!こどもとしあわせにくらして、みんながりっぱなおとなになるまでそだてるんだ!タブンネはじぶんのこどもはじぶんでそだてるもん!そんなタブンネがいたっていいはずだもん! それからタブンネはいっしょうけんめいごはんをたべたの。みんなもタブンネにまけないくらいたくさんたべてたよ。がんばってたべて、おそとにだしてもらったときはみんなでたのしくあそんで、またがんばってたべて…。 これならみんなりっぱなおとなになれるはず!だってがんばってるんだもん! 「おねえちゃーん!おねえちゃーん!いやあ!おねえちゃんもつれてってー!」 なんで!?なんでタブンネだけみんなといっしょにいけないの? おとうとたちもないてるよ…。みんなががんばっておおきくなってきたから、もっといいところにつれていってもらえるとおもったのに…なんでタブンネだけのこされるの…?ひどい…。 でもそのときあのふしぎなこえがきこえたの!やさしいこえが…。 「落ち着いて下さい…可愛い可愛い子タブンネ達…。心配は要りません。貴方達はこれから最高のタブンネとなるために旅立つのです。多くの生き物を幸せにするために。皆さんが幸せになるために。…覚えておいて下さい。私はいつでも貴方達を応援していますよ…。」 「ぼくたちもっとしあわせになれるんだ!」 「やったあ!」 「もっとごはんがたくさんたべたい!」 え!?じゃあタブンネはどうなるの?タブンネはしあわせになれないの? 「わたしたちは…?」 あ、タブンネのほかにもつれていってもらえないコがいたのね。 「おねえちゃん!おねえちゃーん!!おねえちゃああ…あ………くう……すう……」 あれ?みんなねちゃった…。…あっ、みんながいっちゃう!まって、まってえ!! 「待ちなさい。」 え?またあのこえだ…。 「貴女達は選ばれたタブンネなのですよ。寂しいでしょうが気を落とさないで。」 えらばれた…? 「貴女達は彼等とは違う生き方ができると見なされた、素晴らしいタブンネなのです。胸を張って下さい。勿論、私は貴女達のことも応援していますからね…。」 タブンネたち、すごいタブンネなの?がんばってたくさんごはんをたべたから「えらばれた」のかな? 「やったあ!わたしたちトクベツなんだ!」 「あたしもっとごはんいっぱいたべたい!ごはんたくさんもらえるかな?」 そうだよね!タブンネたち、すごいタブンネなんだ!タブンネはぜったいぜったいこどもをたくさんうんでしあわせになる!しあわせなおかあさんになるの!だからみんなもしあわせになってね…! わたしはタブンネ!からだはまだまだお母さんより小さいけど、それでもだいぶ大きくなったよ。 チリンチリーン…チリンチリーン… タブンネはお耳がとってもいいの。だからスズのコのいやしの音もとおくからきこえるのよ!すごいでしょ! きょうもたくさんごはんを食べよう!たくさん食べてげんきなこどもをうまなくちゃ! きょうはごはんを食べたあとタブンネたちはちがうばしょに連れていかれたの。どうしてだろう? そしたら、なつかしい声がきこえたの。わすれるわけがない、あのふしぎな声…。 「御機嫌よう…選ばれたタブンネ達。いよいよ貴女達が役目を果たす時が来ましたね。」 やくめ?やくめって? タブンネは声にきこうとしたんだけど、なんだか急にねむくなっちゃった…。 うふふ!タブンネ、もうすぐおかあさんになれるの!タブンネのおなかの中にはタマゴがあるんだ! …それはうれしいんだけど…なんでタブンネつながれてるんだろう…。またおそとを走りまわりたいよお…。 …だめだめ!タブンネはもうすぐおかあさんになるんだから、くらいきもちじゃだめ!そうだ!こどもをうんだらみんなでおそとであそぼう!きっとすっごく楽しいはず!…ふふ!かんがえただけでえがおになっちゃう!はやくうまれてきてね、タブンネのあかちゃん! うーん、うう~ん… …やったあ!タブンネのタマゴ、これで5コもうまれたよ!タブンネ、やっとおかあさんになれるんだ! …あれ?タマゴがない…あああ!!タマゴがおくのほうにころがっていっちゃってる!やああ、タブンネ、つながれててとどかないよう!タマゴぉ、タブンネのタマゴ、タブンネのあかちゃん、タブンネのなのぉ!タマゴ、タマゴ、タマゴぉ!おねがい、だれかタブンネのタマゴとってえ!!タブンネ、こどもがほしいよぉ! うわあああん…だれかぁ…! ザッザッ… だ…だれ!?ああっ!いつものニンゲンさんだ!やったあ!ニンゲンさあん、タブンネのタマゴとってぇ! …えっ!?…いやあああああああああ!!やめてええええ!!タマゴもっていかないでええ!!なんで、なんでえ!!なんでタブンネのタマゴもっていっちゃうの!?タブンネのタマゴなのよう!!おねがい、かえして、かえして、かえしてええええええ!! タブンネ、こどもたちとずっとしあわせにくらすのがゆめなの!初めてのタマゴ、やさしくあっためてかえしてあげたいの!あかちゃんがうまれたら、ぺろぺろってからだをなめてキレイにしてあげたいの!おいしいおちちをあかちゃんにあげたいのぉ!ふわふわのあかちゃんといっしょにぐっすりねむりたいのぉ!おねがいぃ!タブンネのタマゴおお!! まって、まってえ!いかないでええええ!!タブンネの…タブンネのかわいいあかちゃあああん、あかちゃあああああああん!!いやあああああああああん!! タマゴぉ、タマゴぉ…!あかちゃん…あかちゃあああん……う…ううう……うわああああああん……………ひどいよお………初めての…タブンネの初めてのタマゴぉ………ぐすん……………。 「あたしのタマゴがあぁ…なんで……」 「あかちゃん…あかちゃん……わたしの…初めてのあかちゃああん……」 みんな…みんなタマゴ、とられちゃったの…?そんな…どうしてタブンネたちがこんな目にあうの…?えらばれたのに…なんにもわるいことしてないのに…。 「御機嫌よう…選ばれたタブンネ達。なかなかにいい仕事でしたよ。マスターもご機嫌のようでした。」 ふしぎな声だ!…それってどういうこと?…ひょっとして、タブンネたちのタマゴがほしいの…? 「おや、貴女はタブンネにしては賢いのですね、…ああ、マスターが目を付けたタブンネでしたか。」 タブンネの目のまえに、ときどきタブンネにごはんをもってきてくれたりしてたみどりと白のキレイなポケモンさんがあらわれたの!まさか…ふしぎな声はこのポケモンさんだったの!?…そんなことより、タブンネたちはこれからどうなるの? 「フフ…そこまでは教えてあげません。辛いでしょうが、今は身体を休めて…。覚えておいて下さい。私はいつでも貴女達を応援していますよ…。」 おうえん…?なんなの?タブンネたちはどうなっちゃうの…?ニンゲンさんとポケモンさんはごはんをくれて、おそとであそばせてくれて、でもタマゴはとりあげて……うう……あかちゃん……もうタブンネつかれたよ……。 …ごめんね…あかちゃん…。 タブンネのおなかにまたタマゴができたよ! でも……ううん、だめだめ!こんどこそタブンネはおかあさんになるんだから!ぜったい!ぜったい! いやああ、くさりじゃまあ!タマゴおさえきれないよお!タマゴまってえ! ううう…けっきょく1コしかとれなかった…。 い…いやあ……あとの4コもタブンネのタマゴ、タブンネのあかちゃんなのぉ!ぜんぶタブンネがそだてるのお! こうなったら…こんな…くさりぃ……タブンネがこわすもん!ぜったい…おかあさんに…なるもん…! んぎぃ…んぐう…!あかちゃん…!タブンネのあかちゃん…! コロコロ… …!!ああああああああ!!タ…タマゴぉぉ!! たった1コ…たった1コだけタブンネの手にのこったタマゴ…!初めての…ほんとうに初めてのあかちゃんになるはずの…。 ザッザッ… あ…ああ……あしおと……やめて……やめてええぇ………。 そのあとのこと…タブンネはよくおぼえてないの…みんなのさけび声がすごかったことしか… いちどは手にはいったのに…まもったのにぃ……タマゴ……あかちゃん……。 こんどこそ…こんどこそ…タマゴ、まもってみせるもん…! こんどは2コまもってるもん…!…ごめんね…タブンネにはぜんぶのタマゴはまもれないの…。ゆるしてね…まもれなかったあかちゃん…。 ザッザッ… ニンゲンさんがきた…タブンネは、タブンネはぜったいぜったいこどもをそだてる!この2コのタマゴはわたさないから!なにがあっても! あっ…声のポケモンさんもいっしょ…タブンネのおうちのまえにきた…。なにするの…?た…たすけて…くれる…? 「今回もありがとう。」 スッ… ええっ!?タブンネのタマゴがきゅうにうごいておくのほうに…。 い…いやああああ!!やっと、やっと、やっとタブンネ、おかあさんになれるとおもったのに!やめて、やめてぇ、やめてええええ!やめてよおおおおお!! なんでタマゴとりあげるのおおおおお…!なんでずっととりあげるのおおおおおおお…! なんでタブンネはこんなひどいことされるのおおおおおおおおぉぉぉ………。 うっぐ…なんで…なん…でぇ…。 「いつでも応援していますよ…。貴女達の立派な働きをね…。」 タブンネはタマゴがかえるところ…見られないの…?かわいいあかちゃんのかお…見られないの…? いや…いやだぁ…いやあだあぁぁ……………。 ねそべってタマゴをおなかの下にかくせばぜったいにとられないもん…! タブンネ、あきらめない…ほかのみんなとはちがうもん! タブンネはぜったいあきらめないもん…!あかちゃんとくらすんだもん…ぜったいにしあわせになるもん…! ググッ… い…いぎゃあ…!く…くるしいよお…おもいよお……。これ…ポケモンさんのふしぎなチカラなの…? や…め…てえ…タブン…ネの…から…だ…こ…わ…れちゃ…う…。 ビシィ…ベキバキ…グチッ… …あ……あ…あああ……!あああああ……!! グシャ…グチャア…バチビチビチ… い゙やあああああ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!やめでえ゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙!!! もう…たった1コでいい…たった1コでいいから…じぶんの手とあしでかかえてまもりきるんだ…! ザッザッ… ひぃっ…こわいよお…からだがふるえるよお…でも、タブンネはたたかうもん…!タマゴをまもるもん… こんどはニンゲンさんだけ…ならなんとか、なんとか…!わたしの初めてのあかちゃん…! ガッガッ! いたい!いたいよう!つつくのやめてよお!やあん!ゆるして、ゆるしてえ! タブンネ、おかあさんになりたいだけなのよう!ニンゲンさんにひどいことしたいんじゃないのよう! らんぼうしないでえ!おねがいよぉ! 「健気で本当に可愛いねえ君は。今回も美味しそうなタマゴをありがとう。 お礼にこれからも食べ物や安全な寝床をしっかり用意してあげるから…ね!」 ドスッ! いたあい!…あっ…。 「タマゴ、ありがとね。ちゃんとご飯、食べるんだよ。」 ……………いびゃあああああああ…!!いじわるううううゔゔゔゔ… がえじでええええ゙え゙え゙え゙!だぶんねのだまごおおおおお゙お゙お゙ぉ゙ぉ゙……!! 「おかあさん…なんでぼくたちをまもってくれないの…。」 「たべられちゃった…くるしいよお…おかあさん…。」 『おかあさん…おかあさん…おかあさん… おかあさん…おかあさあああああん………』 いやあああああ……ごめんなさい…ゆるしてええええ……。 おかあさん…こんどはぜったいに…ダマゴかえしてあげるからぁ…あああ……。 タブンネ、かしこいってポケモンさんに言われたから、いっしょうけんめいかんがえたよ。 タマゴを1コかかえて、もう1コはうしろにくさと土でなんとかかくしたの。かかえたタマゴがまもれなくても、うしろのには気づかないはず…! かわいそうだけど、かかえたタマゴをはなせばつつくのだってやめてくれる!きっと! いたあっ!いたい!いたい!やめてぇ、いたいよお!いやあん、おなかやめてよう…。 ああっ…かかえてたタマゴがあ……。 はあ…はあ…うしろのタマゴ…なんとかかくしとおせたよ…。やった…!ぜったいにこのタマゴ、かえしてみせるんだ! くさと土でおおってタブンネのからだでかくしてあればばれないはず…! 「フフ…いつもタマゴをありがとう。」 「いやあああ……!!」 「やあああん…!」 うう…1コのタマゴをかくそうとしたらほかのタマゴがかくせないよ…。 …だめよタブンネ!たった1ぴきでもタブンネのだいじなだいじなはじめてあかちゃんなんだから、くらいかおはだめ! とびきりのえがおでむかえてあげなくちゃ! 早く…早くうまれてきてちょうだい…。かわいいかわいいタブンネのあかちゃん…。 カタ…カタ… ああ…タマゴの中からおとがきこえてくる…! もうすぐ…もうすぐ…タブンネ、おかあさんになれるんだ…!うふふ…おもわずえがおになっちゃう! ね、ね、あかちゃん、うまれたらおかあさんがたくさんたくさんかわいがって、いっしょにおねんねして、おいしいおちち、おなかいっぱいのませてあげるからね! だからがんばって、タマゴのからをげんきにやぶってうまれてきてちょうだいね!おねがいよ! タブンネがそう言ったら、タマゴからカタカタってへんじがきたの! あああ…タブンネさいこうにしあわせ…これがおかあさんなんだ…!あかちゃん、ありがとう…ありがとう…! ぜったいにしあわせになろうね! ザッザッ… いけない!ニンゲンさんだ!タマゴをかくさなきゃ! …あっ、ポケモンさんもいっしょだ…。でもこんどはぜったいにかくしきる!あかちゃんのかわいいおかおを見るの! ザッザッ… やった…こっちを見ただけでとおりすぎていったよ…! あしたにはあかちゃんうまれるはず…!あかちゃん、早くかわいいおかおを見せて…ね! ふああ…なんだかもうねむくなっちゃった…。じゃああかちゃん、おやすみ…。 カタカタ…カタカタ… ……!たいへん!今にもうまれそう!タマゴタマゴ…。あれ?タマゴはどこ? ………あああああ!!タマゴがおくのほうにうごいてるぅ!なんでぇぇ!? いやあああああ!!ニンゲンさんたちにばれちゃううう!タマゴぉ、おねがいぃ、こっちにきてえ! 「御機嫌よう。もうすぐタマゴが孵るのですね。」 ポ、ポケモンさん…。おねがい…おねがい!みのがして!タブンネのゆめなの!1ぴき…1ぴきだけでいいからあかちゃんをそだてたいの…!おねがいぃ…。 「いいですよ。見逃しましょう。」 え…いいの?ありがとう…ありがとう…!ありがとうポケモンさん…! 「それより、今まさにタマゴが孵ろうとしていますよ。」 えっ…? ピキ…ピシピシ… あっ…。 ピシピシ…パキ… ああっ…あああ…! パキパキパキッ… 「ちぃぃ…。」 ああああ…!タマゴの中からちっちゃくてかわいいあかちゃんタブンネが出てこようとしてる…!早くなめてあげなくちゃ…! ポケモンさん、タマゴとってちょうだ… フッ… ひゃああ!え…えええええ!ニ…ニンゲンさん!?なんでぇ!?いきなりでてきたよ!? あああああ!!だめえええ!それはタブンネのあかちゃんなのぉ!! 「てゅああ……!」 いやああ、あかちゃんいじめないでえ!おねがいおねがいおねがい…! 「ちびぅ…みぶう!みぴいぃ…まぶぅ…。」 やあああん…!あかちゃんさくにしばりつけないでよぉ…!タブンネ、あかちゃんだっこしたいよぉ! べとべとのあかちゃん、ぺろぺろしてきれいにしてあげたいのよぅ…!おちちあげて、あかちゃんがおいしそうにのむのを… …あれ?これじゃあタブンネ、あかちゃんにおちちあげられない…? …いやああああああ!!まって、まって、あかちゃんをはなしてぇぇぇぇぇ!! このままじゃあかちゃん、おなかすかせて、しんじゃううう!!やだあ、やだあやだあやだあやだあやだああああああああ!! ポケモンさあああん!たすけてよおおおおおお!!みのがしてくれるっていったのにぃぃ…!! 「…子供の顔が見たかったのでしょう?見放題ですよ。ただし貴女はタマゴを産むことが最優先、 よって期間限定です。…それと、マスターは最初から貴女のタマゴのことに気付いていました。 私が見逃す見逃さないの問題ではないのですよ。それでは。」 いやああ…まってよぉ…。 「応援していますよ…。貴女達がタマゴを沢山産んでくれることを…ね…。」 ……………。 なんで……。なんでタブンネはずっと……ずっとずっと……。 ・ ・ ・ あかちゃんは水はもらえてるけど、おなかがすいてずっとないてるよ…。 「あぶう……び…うびぁ…。びうう…。」 もうなくげんきもあんまりないみたい…。 このままじゃあかちゃんしんじゃうよう…。 でもまだあかちゃんはタブンネのおちちしかのめない…。どうすればいいの…? 「みゃ……うぎゅ…ぐぴいぃ…。」 あかちゃん…くるしそう…。 だれか…だれでもいいからたすけてよお…。 タブンネじゃああかちゃんをそだてられないよお…。 「うるさい!じぶんだけこどもうんでおいてないてるんじゃないわよ!」 「いいきみ!あーあ、ずるいママのせいでおなかがすいてしんじゃうなんてかわいそうなあかちゃん!」 う…う…。なんでみんなタブンネをいじめるの…。 なんでタブンネはしあわせになれないの…。 ひどい…ぐすん…ひどいよおぉ……。 「びゃう…ぴゅいぃ……ばぶ…ぶう…。」 やめてえ…。そんなくるしそうなおかおでタブンネを見ないでぇ…。 タブンネ、あかちゃんのこんなおかおが見たかったんじゃないのに…。 うう…うえええええええん………。 「ばび……ぴ…。」 いやああん!あかちゃんしんじゃうよおぉ! あたらしいタマゴなんかうんでるばあいじゃないのよう! 「タマゴを貰いに来ましたよ。」 ポケモンさあん、おねがい…たすけてぇ…たすけてぇ…。 あかちゃんくるしそうだよう…。 くるしそうなあかちゃんなんて見たくないでしょう…? 「フフ…タマゴありがとう。」 きいてよお゙お゙お゙!!だすげでよお゙お゙お゙お゙…!! 「うるさいのよ!さっさとあきらめなさいよ! わたしたちにこどもなんてむりなのよ!…うう…。」 いやだもん…タブンネ、こどもそだてるもん…! タブンネの、タブンネだけのかわいいこども…。 ゆうがたになったらもうあかちゃん、ぜんぜんなかないよ…。 やああああ…おねがいだれかあ…。 「ふぃ…ぉ…」 …あかちゃん…? 「…おぢ……ぢ……。」 あかちゃん…!おちち…?おちちほしいの? まってね…!おかあさん…がすぐ…に…こんな…くさり…こわ…し…て…うぐう…。 おち…ち…おなか…いっぱい…のませて…。 「………。」 もう少し…もう少しだけがんばって…あかちゃん…! うぎい…もうあさになっちゃったけど…タブンネ…あきらめ…ない…もん…。 はあ…はあ…あかちゃん…。 ザッザッ… ニンゲンさんとポケモンさんがきたけど、かんけいないもん…! タブンネはあかちゃんをたすけるんだもん…! プチッ ポイッ ニンゲンさん!?あかちゃん、かえしてくれるの? や…やった…!あかちゃん、あかちゃん、あかちゃん…! つめたい…さむかったの?さあおかあさんのおちち、いっぱいのんで!ね! 「………。」 あかちゃん…?どうしたの?おかあさんのおちち、おいしいよ? …ね?おねがい…ね?おちちのんでちょうだい? 「………。」 …あかちゃん…?ねえあかちゃん、へんじしてよう! かわいい声、おかあさんにきかせて!おねがい! 「………。」 え…あかちゃん…?タブンネの耳にはなにもきこえないよ…? うそだよね…?げんきがないだけだよね…? タブンネはじまんのしょっ角をあかちゃんにおそるおそるあててみたの…。 でもあかちゃんからはなんにもかんじない…。 うそ、うそ…。あかちゃんのとくんとくんっていのちの音…。 タブンネがおかあさんにぎゅーってくっついて、 やさしいきもちがつたわっていつもあんしんしてたあの音…。 「………。」 ……!!……あ…ああ…。うそ…うそ…うそ…。 …うびゃああああああ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙……………!!! ゆめ…タブンネのゆめ… あかちゃんにかこまれていっしょにねんねして、 おちちせがまれたらじゅんばんよってやさしくなでて、 おなかいっぱいになったあかちゃんがにぱってわらって…。 タブンネ…の……ゆ…め…。 ………。 まだ…あき…ら…め……。 「………。」 あかちゃあん、どうしたの?おなかすいたの? よしよし…。ほうら、おかあさんのおちちだよ! おなかいっぱいになるまでのんでね! 「………。」 あかちゃんおなかいっぱい? うふふ、いっぱいのんでえらいよ!なでなでしてあげる! おなかいっぱいになったらおかあさんといっしょにおねんねしようね! ぎゅうーっておかあさんとくっつくと、すっごくあったかいよ! おかあさんのむねのところから「とくんとくん」って音がするでしょ? おかあさんがげんきであかちゃんのそばにいるってことなの。 おかあさんはずっといっしょにいてあげるからね。 ずーっとしあわせにくらそうね!タブンネのかわいいかわいいあかちゃん…! 「………。」 ………。あさになったけど…あかちゃん…やっぱりうごかない…。 あかちゃん…ほんとにしんじゃったんだ…。 タブンネ…しあわせになんかなれないんだ…。 もう…いやあ…。 ザッザッ… タマゴ、またとられちゃった……。 タブンネはこれからもずっとずうっと、タマゴをとられるだけなんだ…。 あかちゃんをそだてるなんて…はじめからむりだったんだ…。 ひどい…。 ひどい…ひどい…。 ……………ひどい…………。 わたしはタブンネ。この家に入れられてからずうっと タマゴを産まされては取り上げられ、産まされては取り上げられを繰り返しているの…。 いやあああ…またタマゴが産まれそう…。 産みたくないよぉ…。辛いよぉ…苦しいよぉ…。うぐうぅ………。 「やあああああ!いやああああん…!」 「タマゴいやああああ!いやよおおおお…!産みたくないのぉ…!」 タマゴは産まれたら必ずニンゲンさんやポケモンさんが来て持って行っちゃうの…。 タブンネ、自分の赤ちゃん一匹しか見たことないよ…。 その赤ちゃんも…タブンネの目の前で…お乳も飲めずに…。 …最後に「おちち…」って…。 うううう…。お腹が空いて苦しかったんだよね…。 ごめんね…。ごめんね…! ここのタブンネは絶対にお母さんになんかなれないの…。 タブンネには分かっちゃった… タブンネ達のタマゴを外のニンゲンさん達はみんなで美味しく食べてるのよ…。 でもタブンネにはどうしようもないの…。ずっとここにいるしかないのよう…。 「いやああ!タマゴ、出て来ないでぇ!」 「うぎいいいいい!!はあっ…はあっ…、助けて…助けてえええ…!」 うええええん…うぐうぅ…。ひぃ…ひぃ…。 タマゴなんか産みたくないよおおお……。 うぐ……ひっく…ひぎっ……。あ…ああ…タマゴが産まれちゃう…。 やああ…やああ…ううっ…うああ…うぐううああああ゙ぁ゙ぁ゙…! ……うう…全部で5コ産まれちゃった…。 また持って行かれちゃう…。 みんな叫んでも意味がないってとっくに分かってるけど、 それでも泣いたり叫んだりするの…泣くしかないの…。 しかもタマゴを側に置いておくと苛められるから もう誰もタマゴを守ろうとしないの…。 タブンネも…もう、いや…。 今日もタマゴ取られちゃった…。 うっ…ぐす…。ポケモンさんがゴキゲンそうな顔してる…。 なんで、なんでタブンネ達はこんな目にあうの…? なんにも悪いことした覚えないのに…。 誰かこのかわいそうなタブンネに幸せを下さい…。 ガチャン! 夜になって、突然タブンネの鎖が外れて目が覚めたの!どういうこと…? ギィ… えっ…?扉が開いた…、外に出られる…?タブンネ、自由になれるチャンス…? ザッザッ… あっ…向こうからニンゲンさんが来ちゃう…!早くあっちに逃げないと…! ドテッ いたあい! うう…ずっと走ってなかったから体が重いよお…。 早く、早く逃げなきゃ…。 ゾワッ… ひぃっ!?なに?今の…。 ひゃ…ひゃあああ…黒い目が暗闇からタブンネを見てるよ…。怖いよう…怖いよう…。 グググ… うぎゃああ…!頭…締め付けられて痛いよお…! なにこれぇ…!体もつぶされちゃう…! …そうだ…思い出したよ…確かこれはあのポケモン…さんの… パアン!パアン!パアン! ぎゃあああ!!痛い!痛い!なにか飛んできたよう! やめてぇ、やめてえ!!血がいっぱい出ちゃうう!タブンネ、ボロボロになっちゃうよお!! びゃあああ!ごめんなさい…!ごめんなさ…びぎっ!ぐぎぃ!!うぎゃあっ…! …うぎいぃ…もう…限界……。タブンネ…ここで死んじゃうんだ…。 うう…ううう……おかあさん…おとうとたち……あかちゃん……。 ザッザッ… 「コイツか…。」 ニンゲン…さん……?いつものニンゲンさんじゃ…ない…みたい…。 「~~~。」 た…たす…け……。 ………。 続く(第一章終了) 第二章
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①子タブンネを数日間絶食させて糞抜きをしておき、母タブンネとオーブンの中で感動の再開をさせます ②オーブンの扉を閉めしっかりと施錠、火力を最大に設定します ③母タブンネ子タブンネを炎から庇おうと、体を丸めて子タブンネを覆うように抱き抱えていたら成功です ④母タブンネが黒こげになったら火を止め、中の親子タブンネを取り出します ⑤子供を庇う体勢のまま黒こげになった母タブンネを壊すと、 いい具合に蒸し焼きになった子タブンネが出てきます⑥子タブンネを切り分け、お皿に盛り付けてハーブソルトをかけると「子タブンネの愛情焼き」の完成です 母タブンネの母性が足りないと失敗してしまう難しい料理ですが、 とても美味しいのでぜひ連休などに挑戦してみましょう 母タブンネの足を切り落とし動けなくしてから シャンデラやブーバーンなどの高火力ポケモンの火炎放射を浴びせ続けるという裏技もあります
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皆覚えているだろうか、あのタブンネ狩り大会を・・・あの大会要項にはなぜか生け捕りの方が得点が高く設定されていた。 そうすれば当然参加者は生きたままタブンネを捕獲する。何故生け捕りにするのか?捕えられたタブンネは一体どうなるのだろうか? 今日は大会後のタブンネの処遇について見ていこう。 「大会中」 捕えられたタブンネはどんどん本部へと送られ得点に換算される。どのタブンネも不安の表情でいっぱいだ。 計算の終わったタブンネはタマゴと一部反抗的なものを除き大きな檻へと入れられ、ある建物へ連れていかれる。 その屋内には大きなスクリーンがあり、タブンネが集まるとある映像が流される。 それは一匹のタブンネが捕らえられた後、街へと行きとても幸せな生活を送るというものだ。 映像内のタブンネはオボンを頬いっぱい頬張り、寝たい時に寝て、何かあればすぐ人間が駆けつけて世話をしてくれる。 さらに特殊な訓練を受けてバトルに出れば百戦百勝のまさにタブンネにとって夢のような生活をしていた。 当然捕われたタブンネは自分にもそのような未来が待ち受けていると思い込み、 それまでの不安顔から一転いつものニヤケ顔に変わる。この一見無駄なような作業も、この後タブンネの反応を楽しむためには必須だという。 「大会後」 結果発表が終わり、優勝者が決定すると大会も閉幕だ。次の大会は秋なので、それまで今回狩られたタブンネは生き長らえる。 当のタブンネはこれからの甘い生活を確信して、狩られた直後は一言も発しなかったくせにあの映像を見た後ではあらゆる檻からから 「ミッミッ♪」「ミィミィ♪」という媚びた声が聞こえてくる。ここまで来ると滑稽を通り越して可哀想である。 後片付けが終わるとタブンネたちは多数のトラックに分載され街へと向かう、無論トラックの中でも「ミィミィ♪」の大合唱、 街が見えてくるとその声は一段と大きくなる。しかし皆知っているようにタブンネが幸せになることはない、 いや、なってはならないのだ。 トラックは街の直前、つまり郊外で停まる。そこには周りの広大な土地に不釣合な鉄筋コンクリートの建物が数十棟に分かれて建っており、 タブンネは檻から出された後、建物群の入り口で数列に並ばされる。 列の先頭ではタブンネが次々と振り分けられ、どの棟に入るか指定される。実はこのグループ分けが後々重要な意味を持つのだがタブンネ達は知る由もない。 タブンネたちが振り分けられた棟へと入っていく、先程のグループ分けだが、どうやら棟によってばらつきがある。 数百匹いるところもあれば、数匹しかいないところもある。また子タブンネや赤ちゃんタブンネのみの棟もある。 タブンネたちはこのような場所に連れてこられたことに疑問を持ちながらも、まだあの映像のことを信じていた。 太陽はとっくに沈み、見える明かりは各棟の照明ぐらいである。タブンネたちにはオボンのみが与えられ、 軽い洗浄の後就寝となる。数が多いので雑魚寝だが、昨日までは野生のタブンネ、そんなことは気にならない。 さて夜が明けると各棟ごとに活動が始まるのだが、先述したとおりここには多くの棟が偏在しており、 グループも数多である。よって便宜上ここからタブンネのいる棟及びグループをAやBというふうに記述して、個別に末路を見ていく。 けいとん編 「A棟」 A棟は200匹ほどで成る大規模グループである。Aグループはこの敷地内の馬場のような場所へ行き、 朝から晩まで走らされる。走ると言ってもマラソンではなく、各10匹ほど集まってかけっこをする。 かけっこで1位のタブンネにはオボンのみが与えられるので、それが競争意識を高める。しかしタブンネは短足である。 たしかに努力しているのはわかる。1位をとろうとする気迫も伝わる。だがあのピンクの塊がトテトテ走っている姿を遠目から見るとつい笑ってしまう。 それでも走ることに向いていない種族であるタブンネたちは、オボンによるアメと途中から追加されたビリに対する罰走のムチによって、 他のタブンネと比べて非常に足が速くなった。 そんなうちに秋となった。タブンネ狩り大会の季節である。A棟のタブンネたちは競技場の外にあるイベント会場へと連れていかれる。 半年前まで住んでいた場所を見てタブンネたちも「ミッミッ♪」とはしゃいでいる。タブンネたちの載ったトラックは大きな運動場のようなところへ入っていった。 その入口には「タブンネ競豚」と書いてある看板が・・・ついにA棟のタブンネたちがこれまでずっと走ってきた意味が明かされる。 時間が来て大会が始まったが、多数の見物客が競技場ではなくこの運動場へと入っていく、彼らの目的は狩りではなく同時開催される前回狩られたタブンネを使った興行である。 そしてここではタブンネ競豚が行われる・・・。 運動場内のタブンネは、8匹ごとに分けられ、色の違うゼッケンを着せられる。ゼッケンには番号が書いてあり、 指示が受けたらその番号のゲートに入るよう命令される。タブンネは観客がたくさんいるという、いつもと違う雰囲気に戸惑っていたが、 今回の賞品である山のように積まれたオボンを見るや、今か今かと待ちきれない様子になった。 「タブンネ競豚場、第1レースタブンネ記念、芝500、右回り、天候晴れ」 出走豚一覧 1白タブンネ 今回は厳しいか 2黒タブンネ 芝は苦手 3赤タブンネ 逃げ豚の本領発揮か △ 4青タブンネ この距離では・・・ 5黄タブンネ 調子上々 ○ 6緑タブンネ 実力上位 ◎ 7橙タブンネ 冷静になれない 8桃タブンネ 出遅れなければ ▲ タブンネ達がゲートに入り、ファンファーレが鳴る。そして観客の歓声と共にゲートが一斉オープン! タブンネ競豚第1レースは、スタート直後はもつれたが、そのあと黄と緑のゼッケンを着たタブンネ2匹が抜け出し 200メートル時点で他に8豚身の差をつけ圧倒的リード、下馬評通りこの二匹の勝負となると思いきや、残り100メートルで緑が転倒! これで誰もが黄の勝利だと思った。しかしそうはいかないのがこの競豚、緑の転倒を見た黄が突如Uターンして緑に近づくと、 なんと足をくじいて動けない緑の肩を持ち一緒に歩き始めたではないか!結局ゴールするまでに他のタブンネに抜かれ最下位となったが、 タブンネ同士の厚い友情物語に我々も感動・・・・・・・・・するわけがねえだろ。 確定結果 1青タブンネ 2桃タブンネ 3白タブンネ なんという大番狂わせ、しかしレース結果などどうでもいい、ここからがこのレースの醍醐味なのだから。 1位のタブンネにオボンが渡される間、運動場内にそれ以外のタブンネが集合させられる。どのタブンネも状況がわからず 「ミィミィ?」とあたりを見回している。そのタブンネたちの前に運ばれてくる7つのミキサー。もうお解りだろう、負けたタブンネがどうなるのかが。 係員によってミキサー内に入れられるタブンネ、まだ判っていないようで、「ミッミッ♪」とミキサー内でガラスにペチペチと手や触覚を当てて興味津々だ。 そんなタブンネに構わず係員がボタンをひとつ押した。 「ミブャァァァァァくぁwせdrftgyふじこlp・・・・」 ギュイーンという起動音と共に起こる一匹のタブンネの悲鳴、下半身から溶けるようにペースト状になっていき、悲鳴が消えたと思うと、 ミキサー内はタブンネだったもので満ちていた。この瞬間観客席のボルテージは最高潮、逆に残ったミキサー内のタブンネと次のレースの準備をしていたタブンネ、 あと1位となってミキサーから逃れたタブンネがこの光景に体を硬直させた。特にミキサー内のタブンネは次は自分だとやっと悟り、渾身の力を込めてミキサーからの脱出を図った。 「ミギャアアァァァァ!!!」「ミグアアァァァァ!!」 しかし間に合うわけがない、次々とペースト状になっていくタブンネ達、一斉にではなく順番にやっていくのがなんとも心憎い、最後の一匹となるともう茫然自失となり悲鳴も挙げずに散っていった。 だがこれで終わりではない、係員たちはミキサーを1位だったタブンネの周りに並べ、あたかもシャンパンファイトのように頭から浴びせかけた。これが勝者の権利である。 「ミギュアアアアァァァァ!!」 1位タブンネはかつての仲間のペーストをかぶると、発狂したように暴れだした。まだ次のレースがあるというのにここで無駄な体力を使っていいのだろうか? 第2レースは開幕と違い16頭立てで行われたがハプニング発生、ゲージが開いてもタブンネたちが出てこない。全員座り込んで「ミィィィ・・・・」と呟いている。 成程、レースが終われば誰かが死ぬ、ならばそのレースを全員でボイコットすればいいということか。 タブンネにしてはよく考えた方だが、甘い、甘すぎる。何年もこの競技を続けてきた本部がこんなハプニングを予測していないとも思っているのか、 その証拠に誰一人慌てていない、ただ時が過ぎるのを待っている。タブンネたちの本性が現れるその時を・・・ そして10分後、ついにその時が訪れた。 「ミッ!!」 突然一匹のタブンネが抜け駆けを図った!そう、いくら示し合わせたとは言え、どのタブンネも極限状態、とても信じあえる心理ではない。 互いに疑心暗鬼となっている中、一匹のタブンネがその重圧に耐えられず仲間を蹴落してでもこの地獄から抜け出すことを選んだのだ。 もちろんこの展開を読んでいた観客たちは大爆笑、観客席の雰囲気と必死に仲間を見捨ててトテトテ走るタブンネとのギャップは見事である。 さてまだゲージ内に残っていたタブンネたちは仲間のまさかの裏切りに呆然としていたが、やがて事態の重大さに気づき慌てて裏切りタブンネを追いかけ始めた。 しかし時すでに遅し、コースの中ほどに来たときにはとっくに裏切りンネはゴール板を過ぎていた。 「ミィ・・・・・・・ミィヤーーーーー!!」 悲鳴と共にコース上に倒れるタブンネたち、ピンクの体がブルブル震えていた。 その後タブンネたちは係員にミキサーに押し込まれる時も、そしてピンクのペーストになる時も一言も発しなかった。 代わりにただ只管裏切ったタブンネをものすごい形相で睨みつけていた。 裏切ったタブンネは最初顔を背けていたが、係員によって顔をミキサーに向けられたときに、 今まさにすりつぶされる瞬間のタブンネと目を合わせてしまい、「ミヒッ!」と一言鳴いた後動かなくなってしまった。 ペーストによるシャンパンファイトにも反応なし、どうやら精神がイカれてしまったらしい、 この分では次のレースでこのタブンネも仲間のところへ行けるだろう。その時謝ればいいじゃないか、良かったな。 その後残りのレースも順調に進められ、多くのタブンネが原型を留めず死んでいった。 競豚に敗者は要らない、敗者から天に召されるまさに命がけのレース、この地獄から抜け出すには裏切りンネのように 他者を蹴落さなければならない、それも一度ではなく最後の勝者が決まるまで。 そうして200匹の頂点に立ったタブンネだけが、ミキサーではなくみんなのサンドバックとして生涯を終えることができるのである。 タブンネ競豚編 終 ダンスダンスタブンネ編 「B棟」 B棟30匹ほどの少数グループ。このタブンネたちは最初棟内で一日中ポケモンミュージカルの映像を見せられる。 するとどうだろう、なんとタブンネたちがミュージカルの真似事をし始めた。まあ娯楽がこれしかないから当然だろうが、 それにしても酷い、全くダンスというものではない、ただ贅肉を見せびらかしているだけである。しかしそんな肉踊りも3ヶ月の間インストラクターの指導や、 ドレディア等による移動公演見学などによってだいぶ上達したようだ。ここで私はあることに気がついた。タブンネの顔が違う、 ダンスが少しうまくなっただけで自信に満ち溢れている。練習が終わると観ていた私に対して「ミッミッ!」と手を振って来る。 その時のタブンネたちの顔は俗にいうドヤンネ顔なのだろう。なるほど勘違い此処に極まりか・・・ そんなこんなで秋、タブンネたちは自信満々の顔で特別に用意されたバスへと乗り込む。他のタブンネは皆トラックなので、ここでも優越感を感じるのである。 会場は大きなホール、タブンネたちはそれぞれ綺羅びやかな衣装をつけ、入念にリハーサルを行う、どのタブンネも頭の中で今まで観てきた映像のように、 大観衆から拍手喝采を浴びる自分を想像しているのだろう。いや、現にムシャーナがそう見せてくれた。 とうとう開演である。会場内は満員、タブンネたちは舞台裏で円陣を組み「ミッ!!」と気合を入れると、インストラクターに一匹ずつ背中を押され、笑顔で観客の前に飛び出した。 「ミッ♪ミッ♪」 音楽に合わせて今までの練習の成果を見せるタブンネたち、しかし観客席は水を打ったように静まり返っている。 それもダンスに見入っているわけではなく、何かをずっと待っているようだ。 「ミッ♪・・・・・・ミィ?」 それでも精一杯踊るタブンネ、だがそろそろクライマックスだというのに全くダンスに集中していない観客たちを見て、 さすがのタブンネも疑問に思って来たらしい。 「ミィ・・・・・」 とうとう全演目が終わったが、観客席からは拍手ひとつ起きない、何故?どうして誰も拍手しないの?ドレディアなんかダンスが 終わったら花がたくさん投げ入れられていたのに・・・ 自分の予想とは真逆の展開に、タブンネたちは上のセリフでも言いたそうな表情で「ミィミィ・・・」 とうなだれている。その時!突然観客席から何かが投げ込まれた! 「ミギャ!」 それは見事にタブンネに命中し、タブンネのピンクの体を黒く汚した。タブンネが恐る恐る投げられたものを確かめる・・・・・・・泥だ。 「ワアーーーー!!」 それが合図だったらしく、今まで沈黙していた観客席から鬨の声が上がり、次々とものが投げられ舞台上のタブンネを襲った。 「ミギャーーーー!!」 泣きながら必死に逃げ惑うタブンネたち、投げられているものは泥、石、ゴルフボール、ゴミ、パチンコ玉、黒い鉄球・・・おそらく観客にカイリキーがいるな・・・。 「ミブッ!」「ミビャッ!」 それらは面白いようにタブンネたちに当たっていく、これは最初不思議に思ったがすぐに分かった。タブンネの背中にいかりのこなが付けられている。だが一体いつ付いたのだろう。 「ミナブッ!」 衣装も体もボロボロにしたタブンネが転んだ。見るといつの間にか舞台上に水が撒かれている。いや、その水からは鼻をつくような強烈な臭いが放たれている・・・ガソリンだ。 最前列の客が撒いたらしいガソリンはタブンネたちを滑らせては体の毛に染みこんでいく、そして全てのタブンネがガソリンまみれになったと思うと、何か光ったものが舞台へと飛んでいったのが見えた。 「ミビャアアア!ミヤアアアア!!」 よく見るとそれはロケット花火、これもいかりのこなの効果でタブンネめがけて一直線に飛んでいく、 いつもはちょっと危険なだけの夏の風物詩も、ガソリンが染み込んだタブンネにとっては死神同然である。 「ミグバァァァァァ!!!!」 ついに一匹のタブンネに命中し、そのタブンネは炎に包まれた。これはほのおタイプのデルタ種か? 「ミガガガガ・・・・・・・・」バタッ 違った。ただのタブンネだった。炎によって黒焦げになったタブンネが息絶え倒れこむと、体からは香ばしい匂いが立ち込めた。 「ミィィィギャアアアァァァァアア!!!」「ミニャアアァァァァ!!!」 死んだタブンネに続けとばかりに、続々炎を身に纏うタブンネたち、床に残っていたガソリンにも引火し舞台は一瞬にして業火のステージとなった。 「ミビャアァァァァアアァアア!!!」 タブンネたちは体と床の炎から逃れようと身をよじったり、スッテプを踏んだりしている。はっきり言って、先程の肉踊りよりもこちらのほうが格段に面白い。 バタリバタリと図ったかのように一匹ずつ倒れていくタブンネたち、とうとう最後の一匹が「ビィィィ・・・」と言って旅立ち、 舞台に30匹分のステーキが出来上がると会場内は拍手喝采。これこそタブンネたちが夢見てきたものではないのか、しかし哀しいかな、 そのタブンネたちはもういない、あるのは黒焦げの中にほどよくレアになった肉が覗ける死体が30体のみだった。このダンスダンスタブンネに出るタブンネは、 数ヶ月の練習の成果は認めてもらえないものの、己の命を張った即興ダンスは高く評価してもらえるので、 他のタブンネよりも幾分ましである。まあどうせ死ぬのでタブンネにとっては同じかもしれないが。 「ダンスダンスタブンネ編」 終 希望を持たせてから絶望に叩き落とすのが最高だなwタブンネちゃんが出来る事なんてストレス解消の道具にされるか、お肉として食べられる事だけだよ! -- (名無しさん) 2012-12-18 09 30 34 子タブンネちゃんやベビンネちゃん達だけの棟はまさかもうみんな立派なフードにされているのでは… -- (名無しさん) 2013-02-10 06 03 05 名前 コメント すべてのコメントを見る
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回復の薬と自身のさいせいりょくで回復したタブンネは癒えない心の傷を感じつつも辺りを見回した。するとさっきまで三種類あったタブンネへの視線は二種類に減っていた。 タブンネへの明らかな軽蔑の視線を向けるものとタブンネ等興味がないと言わんばかりに無関心なものの二種類だ。 自己紹介が終わって解散し、各自思いのままに過ごしているがタブンネは誰にも話しかけられなかった。タブンネが近付こうとするとまるで汚物でも見るかのような目で見られるか、タブンネ等そこに存在しないかのように全く気にも留められないかの二種類しかない。 どうすれば良いのか分からないタブンネにボーマンダが話しかけてきた「(イリュージョンすら警戒しない軽率な判断、悪の波動一撃で沈められる貧弱な肉体、下級のドラゴンすら落とせそうに無いひ弱な技・・・よくもまあ今まで生きていけたものだ。その天運に感謝するがいい)」 そう言うだけ言ってボーマンダは去っていった。タブンネは悔しく思った。ボーマンダに冷凍ビームの一撃でも放ってやりたいと。 だがそれが出来ない事はタブンネ自身がわかっていた。自分が冷凍ビームを撃とうとするよりも早くボーマンダの逆鱗がタブンネを引き裂であろうと。タブンネから視線を外してはいても、殺気は常に向けられているのだ。 タブンネが立ちすくんでいるとトレーナーが全員集合するように呼びかけた。これから試合があるのでメンバー3名を指名するとの事だ。 どうせ自分は選ばれないだろうと考えていたタブンネだが、どう言う訳かメンバーに選ばれてしまった。後の2名はあのバンギラスとガブリアスで、タブンネは先鋒で可能な限り敵を消耗させると言う役割らしい。トレーナーが気合の襷を渡してタブンネにそう言説明した。 周りのポケモン達は意外にも反対する気配が無い。タブンネにはそれが何故なのか分からなかった。自分が弱くても後の2名でカバーできると言う事なのだろうか?何れにせよ断る事は出来ない。タブンネは何にせよ自分の役割を果そうと意気込むのだった。 目的地までの移動中ははモンスターボールの中で過ごす。しばらくすると、どうやら目的地に着いたらしく、双方同意の下、試合が始まったようだ。タブンネは予告どおり先鋒として呼び出される。 相手方のポケモンは頭部から炎を燃やし、腰には金の装飾品のような物を付けている猿のようなポケモン、ゴウカザルだった。俊敏性に優れ、物理特殊問わず高い攻撃力且つ豊富な技のレパートリーを誇り、その器用万能さから多くのポケモンの立場を失わせている罪作りな存在でもある。 ゴウカザルの手札は豊富で何をやって来るのか分かり難い、そしてそれが強みでもある。だがタブンネは大方ゴウカザルの手を予測出来ていた。格闘タイプ最高峰の技であるインファイトが来るだろうと。 ポケモンの技にはタイプ一致と言うものがある。餅は餅屋と言う言葉があるように、ポケモンと技のタイプが同じなら威力が上がる仕組みだ。タブンネは耐久力には優れているが、流石にタイプ一致の弱点を受けるとひとたまりも無い。故にゴウカザルはタブンネにインファイトを撃って来るだろうと言うのがタブンネの予想だ。 そこでタブンネは電磁波を使う事にした、自分は気合の襷を持っているので一発は耐えれるだろう、そこで相手を麻痺させてゴウカザルの利点の一つである機動力を低下させておこうと言う判断だ。 素早さが勝るゴウカザルは当然の如くタブンネの先手を取る。そして拳には凄まじい勢いが付いていた。予想通りのインファイトだった。 タブンネは思わず目をつぶりそうになるが、引かなかった。自分には気合の襷がある。大ダメージを受けようとも倒れる事は無いだろう。一発耐えてせめて電磁波だけでも叩き込もう。そう思い、タブンネは攻撃を受ける。 次の瞬間ゴウカザルの拳がタブンネの腹部を直撃、ふっくらした肉に拳がめり込み、タブンネに激しい痛みが襲う。だがタブンネは必至に踏み止まろうとする。「(きあいのタスキがあるのよ。一発は耐えれる筈)」 そう信じていたタブンネだがどう言う訳か踏み止まる事が出来ない。「(え・・・なん・・・で・・・?)」自身の状況が理解できないタブンネ。きあいのタスキを持っている筈なのに、耐える事が出来ず、意識が遠のいていく。 錐揉み回転しながら吹き飛ばされるタブンネにトレーナーの顔が視界に入る。その顔は笑いを堪えるのに必死だった。 タブンネはようやく理解した。気合の襷と言うのは、ポケモンが攻撃を耐えると、破壊されてしまう物だ。だがこの襷は破壊される気配が無い。タブンネは偽者を掴まされていたのだった。 タブンネが意識を取り戻すと、既にトレーナーの家だった。試合はトレーナー曰くタブンネが倒れた後、バンギラスが砂を起こしつつゴウカザルを麻痺させ、その後ガブリアスが相手のポケモン全員を倒してしまったのだとか。 目が覚めたタブンネは自分に偽者の気合の襷を掴ませたトレーナーへの怒りなどよりも、サポートすら出来なかった事への激しい罪悪感に襲われ、思わずバンギラスとガブリアスの元へ急ぎ、謝罪する事に決めた。幸いにも二人はまだ寝ておらず、戦利品なのか木の実を食べていた。「ミィ・・・ミィミィ(ごめんなさい・・・私何の役にも立てませんでした。)」そう言って頭を下げるタブンネ。試合に勝ったとは言え、自分は明らかに足を引っ張ってしまった。また袋叩きにされても文句は言えないだろう。 そう思っていたタブンネだが、意外にもバンギラス達が攻撃してくる気配は無い。タブンネが顔を見上げるとバンギラスは今にも吹き出しそうな顔をしていた。「(いやw・・・別にお前になんか期待していなかったしw・・・なあ相棒?)」そう言ってガブリアスの方を向く。 「(・・・・・・)」ガブリアスは黙ったままタブンネを見つめている。そしてふとタブンネに詰め寄ってこう言った。「(・・・気にするなこれがプロとアマの差だ。)」 そう言ってガブリアスは去っていった。その後にバンギラスも続く。タブンネは最早戦闘用ポケモンとすら見られていなかったのだった。
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第一章はこちら 第二章 さあて、今日も仕事っと。 俺はとあるタブンネ農場の経営者。タブンネの肉やタマゴを出荷している。 タブンネの苛められたときの反応を楽しむという趣味も満たせる素晴らしい職業だ。 そんな俺だが、一つ特技がある。 「チィ~チュイ!テュアア!」 (わーい、ごはんがきたよ!タブンネ、ごはんだいすき!) 俺はいわゆるサイキッカー、いくつか超能力が使えるのだ。 昔からこの能力があった俺は例に漏れず超霊ポケモンと波長が合い、 トレーナーとしての実力もそれなりにあると自負している。 余談だがポケモンとナチュラルに会話ができる人がいるなんて話を聞いた。 世の中色んな人がいるもんだ。 まあそれはともかく、俺はテレパシーが得意で人間以外の生物と意思疎通ができる。 つまりタブンネのリアクションも二倍楽しめるという訳だ。つくづく得したなあと思う。 「チィ…チャアッチュイ?」 (ニンゲンさんたちはだれにごはんをもらってるのかな?) ここのきょうだい達の中で一番上の姉ベビンネだ。 タブンネ自体は知能は高くないが、コイツはその中ではなかなか賢そうだ。 ここのママンネ達は食用タブンネの生産用、 ベビンネ達も基本的にはいずれ出荷されるのだが…これは期待できるかも。 「ビッギャアアアアアアガッギビィィギギィ゙ィ゙!!!」 タブンネとは思えない叫び。♂ベビンネの去勢だ。 麻酔無しで直接睾丸を切り取るという拷問、悲鳴も最高だ。 もっとも、意思も感情もあったものじゃなく、完全に翻訳不可能だが。 いやあこの暴れるベビンネの凄まじい形相、ホント良いなあ。 なお当然だが後続のベビンネは仲間の悲鳴に曝される訳で…。 「ピヒィ!ビピィィィィィ!!」 はい、次キミね。 「ヂィィィィィィ!!ヂュビャアアアアアアア!!」 はいグサッとな。 「…ッッギッビュアッアアア゙ア゙ア゙ッギヂィィィィ゙ィ゙ィ゙!!!」 うーん楽しいなあ~。この作業は本当に楽しい。 まあ結構疲れるが、色々な意味でやりがいのある仕事だ。 「ミィィン…。ミヒィン…ミィィィィィン…!」 (うう…ごめんね…りっぱにそだってね…かわいいおちびちゃんたち…!) 「チィィィ!チヒィィン!」 (おかあさあん!いやだよう!) 「チュィィィン…ピィィィ…ピィィ…!」 (おかあしゃあん…やあん…やああん…!) やっぱり母子引き離しは良いなあ。 ママンネはもう止めることはできないと分かっているが、 それに対してベビンネ達の必死な声が実に可愛い。 これからベビンネ達には立派な食肉になってもらうために快適な暮らしをしてもらう。 ここで俺のサーナイトの出番。 彼女は慈愛に満ちた励ましでベビンネ達に生きる活力を与えるのだ。 話が終わるとベビンネ達は寂しさよりも期待と希望の表情を見せた。 まあ暮らしが快適になればベビンネは親のことなんて大抵どうでもよくなるものだ。 さて、姉ンネはどうかな? …子供を沢山産んで幸せに暮らしたい。子供が一人前になるまで自分で育てたい…。 期待通り…!苛めがいがありそうじゃないか…! (フフ…楽しみですね…) ああ…。 それからベビンネ達は沢山の飼料や放牧など快適な環境の中ですくすく育つ。 美味しいお肉になってくれそうだ。外に出てはしゃぐベビンネ達も見ていて和む。 こうして数ヶ月が経ち、ベビンネ達がある程度大きくなると出荷される。 実は飼育費などの関係上、ある程度大きくなったらさっさと出荷する方が得なのだ。 「ミィ!ミィィ!ミィィィン!」 (おねえちゃあん!おねえちゃあん!わああああん!) 「ミィィ…ミィィィィ…!」 (おねがい…おねえちゃあんもいっしょがいいよう…!) いよいよ出荷の時期だ。こいつらは加工工場に運ばれたり、 別のグループは生きたまま店に出されたり…。まあ末路は変わらない。 サーナイト達がさいみんじゅつで眠らせタブンネ達は出荷された。 そして姉ンネを含む一部の♀タブンネはタマゴ生産用にする。 望み通り沢山タマゴを産ませてあげるよ、姉ンネちゃん…。 『ミッミッ!ミッミッ!ミッミッミッ…』 (トクベツなんだ!)(あたしもっとごはんがたくさんたべたい!)(わたしも!) (やったあ!)(おねえちゃん、わたしりっぱになるよ…) ふんふん、良い反応だ。 「ミミッ!ミッミィィ!」 (こどもうむ!ぜったいしあわせになるんだ!) 姉ンネちゃん、君は本当に立派な子だよ…。 さて、姉ンネ達にもそろそろタマゴを作ってもらうかな。 という訳で姉ンネ達をタマゴ生産用の建物の檻に移す。 檻はタマゴが勝手に転がって繋がれたタブンネ達(繋いでおくと色々やりやすい)の 届かない手前側にくるようになっているのだ。 (マスター、終ーわったよー!) チリーン、お疲れ様。 チリーンの役目はいやしのすずやいやしのはどうによるタブンネ達のケアだ。 いやしのすずを聴かせてまわるだけでもタブンネ達はかなり体調を崩しにくくなる。 繋がれたものもいるから体調には気を配らなくては。商売だからね。 タブンネには人工受精で妊娠してもらう。 ♂に襲わせてみたりすることもあるが、こっちの方が色々と楽だ。 眠らせる手段は多いし。でもまだ若い♀が成体♂に襲われた時の 「ミビャア!ミビヒィ!ミヒッ!ミヒッ!ミヒッ!ミヒッ!ミヒッ!ミヒヒィィン!ミュヒイイイ!!」 って悲鳴は最高だったなあ。またいつかやりたいな。 閑話休題。姉ンネ達はしっかり妊娠したようだ。 サーナイトの「応援」もそうだが、コイツらには自分達が幸せ者だと思ってもらわなくては。 幸せなタブンネは苛めがいもあるし、何より大事な商品だ。優しく飼育は行う。 「ミィミッ、ミィミミュイ!」 (はやくうまれてきてね、タブンネのあかちゃん!) 姉ンネちゃんも自分のお腹をさすって嬉しそうだ。いやあ良かった良かった。 「ミィーーーーーーーーーーーーーー!!」 「ミィミィミィ!ミィィ!ミィィ!ミィミィミィミィィィィィィ!」 「ミュビィィィィ!テュィィイイイ!ミビュイイイイイイイイイ!!」 「ミィィッ!ミィィィィッ!ミ!ミ!ミ!ミ!ミ!ミ!ミ!ミ!ミ!ミィッ!ミィッ!ミィッ!ミィィッ!」 「ミヒッミヒッ!ミヒィミヒィッ!ミヒイミヒイ!ミヒイイ!ミヒ…ミビィィィィィィィィ!!」 「ミィィン……ミィィィィン……ミャフッ…ミフウ…ミアアアアアアアアアン……。」 「…ッンミギィッ!ミギュィィ!ミビィィィ…!ミッギ…ミギィーーーーーー!!」 「ミヒィィィィ……ミビィィィィィィィィィィィ!!ミャミュィィィィイイイ!!」 「…ミャフウ!ミィ…ミィィ!ギュイイイ!ンミィィィィィ! ミィ、ンミィ、ンミビヒィッ!ンミュビュイアアアアア!!…………ミィッ、ミヒ…ミヒィィ……。」 ……キターーーーーー!!阿鼻叫喚!やっぱ初めては良いなあ!よっしゃ、仕事仕事ォ! 姉ンネちゃんの様子はどうかな? 「ミィ、ミィィン、ミィィィン!ミュィィ…ミュヒィィィィィ…!ミィィィミヒィィィィィ…ミィィィィィィィィン…!」 (タマゴ、タマゴぉ、タマゴぉぉ!だれかあああ…タブンネのタマゴとってえ…! タブンネこどもほしいよう…おかあさんになりたいよおぉ…!) 「ミィ!ミッ!ミィィィン!ミィミィミィィィィィ…」 (ニンゲンさあん!おねがい!タブンネのタマゴとってえ!タブンネ、タマゴじぶんじゃとれないよお…。) お、(予想通り)助けを求められてしまった。となれば当然… 「ミアアアアア!ミィィィィ!ミィィミヒィィ!ミヒャアアアアン! ミィィィン、ミィィィィ!ミィィ、ミィィ!ミビィィィィィ!」 (いやあああああ!やめてえええええ!タブンネのタマゴもっていかないでええええええ!タブンネのタマゴなのよう! タブンネ、こどもたちとくらすのがゆめなの!おねがい、かえして、かえしてええええええ!) 姉ンネちゃん期待通りの反応!最高だなあ! 君達のタマゴはみんなが美味しく食べてくれるよ!良かったね! しかしまた最初は全滅か。まあ産卵のために仰向けになると産んだタマゴは見にくいだろうし、 ぽっちゃりお腹や短い首と手足では仕方ないのかもな。 このあたりに野生のタブンネの生存率の低さのカラクリがある気がする。 サーナイトによると、やはり姉ンネは他のタブンネよりは賢いようだ。ますます期待大だな。 実は、最初は良いなあと言ったが、むしろこれからが本番なのだ。 いきなりでは仕方ない…では二度目以降、タブンネ達はどうするのか、どう反応するのか、そこが面白い所なのだ。 姉ンネのようなちょっと(だけ)賢いタブンネがいるとより面白くなる。次も楽しみだ。 そしてタブンネ達の反応をカメラで録画して後で見るのが最高の娯楽になる。 さあてまた姉ンネ達が妊娠したぞ。 カメラの映像を別室で見ると、姉ンネは1コだけながらタマゴの確保に成功したようだ。やるじゃないか。 しかし届かない位置にある残り4コのタマゴに向かってミィミィ喚いている。 ぜんぶタブンネのタマゴなのぉ!といったところか。 だが残念、君のタマゴから命まで全て俺の手の中です…申し訳ない! …あっ!姉ンネちゃんやらかした!鎖に無駄な抵抗をしてる間に確保したタマゴが転がって行っちゃった! 「ン゙ミ゙ィィィィィィィィィィィィ!!」 絶望の叫び声!さてすぐに回収に行かないとな! 近くで姉ンネの顔を見ようと思ったのだが、タマゴを回収したら気絶してしまった。 この時の目を見開き涙を垂れ流し、口をあんぐりと開けて硬直した姉ンネの顔! 勿論即写真を撮った。タブンネの定番の表情だが、姉ンネちゃんのは格別だなあ。よっぽど子供が欲しいんだな。 さて、次はどんな行動に出るかな?姉ンネちゃん。まだまだ楽しませてもらうよ。 ほう、今回は2コ手元に残せたんだね、偉いね。 だけどサーナイトが念力で取り上げるからね。 「ミギュイイイイイ!ミィィン…ミギャアミュビャアアアアアア!」 (なんでタブンネのタマゴとりあげるのおおおお!いやああああん!タブンネのタマゴかえしてよおおおお!) さて、他のタブンネ達からもっと。 「ミィアアア!ミビアアア…!」 (やああああ!やめてええ…!) 「ビグウ!ビギュィィ!ミギィィィ!」 (かえして!あたしのタマゴかえしなさいよおおお!) うんうん、威勢のいいコも居ていいね。 でも姉ンネちゃんは2コ手元に残せたのに、君達は良くて1コ!だらしないぞ~! 口ばかり喧しい子にはお仕置きだ! 「ミギィィ…ミヒッ!?ミビャッ!ミギアアアア!ミギィ!ミギィ!ミヤア!ミヤア!」 (タマゴぉ…みひゃあ!?いたあ!いたあい!いだいいだい!やめてやめてえ!) 念力で左の触覚を引っ張って…そうだ!結び目をつけちゃおう! そして最後にもう一度ギューッと引っ張って…。 「ンミュギュア゙ア゙ア゙ア゙!ッビィイイイイ!!」 (いだいよお゙お゙お゙お゙!っぎゃぁああああ!!) ブチッ あっ…。 「ッ…!イッビャアアア゙ア゙アガッアアア゙ア゙ア゙!!」 あーあ、触覚が千切れてしまった。まあ想定内だけど。 まあコイツはさいせいりょくだし、日を置けば触覚でも治るだろう。 「…ビヒッ!…ミ゙…ミバッ…!…カヒッ…カヒ…。」 しかし今にも死にそうな痙攣具合だな。これは触覚プレイの道が開けるかも? …キタ!来たぞ!姉ンネちゃん、寝そべってお腹の下にタマゴを隠してる! あの「キリッ」って感じの表情!前回も大絶叫だったのにまだまだ希望を捨てていないようだな! 素晴らしい!…が、君は最悪の方法を選んだ!サーナイト! ググッ… 「ンミ!?ギュ…ギュミ…ミ…ミュ…ビィアア…ンビ…!」 ビシィ…ベキバキ…グチッ… 「…ミッ…ミヒ……ビィ…ンビヒィ…!」 ビシィ…ベキバキ…グチッ… 「ビビャアアアアア!ギュギャアアアッアアア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」 最高だよ姉ンネちゃん!特に大事な大事なタマゴにヒビが入り始めたときの表情! 自分のお腹に直に伝わってくる感触はどうなんだろうなあ~。 自分で赤ちゃんを殺したという罪悪感はどれほどなんだろうなあ~。 これで姉ンネちゃんも限界かな?別に精神がどうなろうとタマゴを産んでくれればいいんだけどね。 …なん…だと…? 姉ンネちゃん、タマゴをしっかり抱えて守っている!おお、あれでも折れないかあ。 しかも正面からタマゴを守るつもりのようだ。その意気や良し!たっぷり苛めてあげよう! 「ミッ…ミヒッ…ミヒィィ…。ミ…ミィ…!ミィミィミィィ…!」 (ひっ…ひぃぃ…こわいよぉ…。…でも、タマゴはぜったいにまもるもん…!) 恐怖で震えながらも我が子のために敵に立ち向かう…か。うん、徹底的に苛めたくなるんだ、すまない。 ガッガッ! 「ンミヒャア!ミギュッ!ンビィ!ミュギッ!ビヒィミュギヒィッ!」 (やあん!いやあ!ゆるしてえ!うぎゃっ!いたいいたいいたい!) 健気で本当に可愛いねえ君は。今回も美味しそうなタマゴをありがとう。 お礼にこれからも食べ物や安全な寝床をしっかり用意してあげるから…ね! ドスッ 「ミギュイッ!…ミッ…。…ミッビャアアアアアア!」 (いたあい!…あっ…。…いびゃああああああ!) タマゴ、ありがとね。ちゃんとご飯、食べるんだよ。 「ンッギュミ゙ィィイイイイ!ミ゙ィ゙ィ゙ィ゙ィ゙イ゙イ゙イ゙イ゙!!」 いじわるぅ!とか喚いてる。…俺の声は届いてなさそうだな…。 姉ンネちゃんもいよいよ精神がヤバいか。よおし…。 「ミグィィ…。ミギュウウゥ……。」 (よーし、ハマったな…ケケケ…。) ゲンガー、お疲れ。姉ンネちゃん、素敵な“あくむ”を楽しんでいるようだね。果たして再起できるかな? あれ、姉ンネちゃんまた1コキープしてるだけ?まあいいか。 んじゃドスドスつついて…はい没収!お疲れ様で~す。 …なんて気付かないとでも思ってるのかね? 姉ンネに限ったことじゃないが、タマゴを隠したのバレバレもいいとこだよまったく。 …でもその足掻きに免じて特別サービスをあげよう。タマゴ、大事にしてくれよ? そろそろタマゴが孵る頃合だな。姉ンネも幸せそうにタマゴにミィミィ話しかけている。 しかしカメラでの監視云々の前に態度が違い過ぎてタマゴの存在がやっぱりバレバレ。 というか生まれた後どうするつもりなんだ?流石にそこまで考えは及ばないか。 でも本当に幸せそうだなあ。タマゴから返事が返ってきて最高に幸せだそうだ。 ではその幸せをズタボロに壊して差し上げよう! 夜、チリーンが可愛らしいあくびでタブンネ達の眠気を誘う。 姉ンネはタマゴに神経を使っていた反動か、もうすぐタマゴが孵る安心感か、ぐっすりだ。 さいみんじゅつで操っても面白そう…いやいや!姉ンネへの仕打ちはもう決まっている。 タマゴをこっちに寄せて…さあ、明日が楽しみだ。 「ミヒィィン!ミビィィィン!」 キタキタキタ!俺は待機して…さあサーナイト、姉ンネちゃんに僅かな希望を抱かせるんだ。 …OKOK、いいよいいよ。おっ、タマゴが孵るぞ姉ンネちゃん! 「ミィ…ミュヒ…!ミアア…!ミッ!ミィミィミィ!」 赤ちゃんを舐めてあげたいんだね、でも残念だけど君の幸せな時間はここで終了です!ネイティオ、テレポート! (…了解ダヨ。) 「ミッヒィアアア!?ミンミャア!?」 なんでぇ!?だって。驚いてる驚いてる。 さて、ベビンネちゃんは柵に縛りつけて、すぐには死なないように水を用意して…と。 「ミィィ!ビィィィ!ミィミィミィィ!ンミギィィ!ミュビィ!ミギャアアア!」 赤ちゃんの末路に気付いた姉ンネちゃんが喚く喚く。タブンネは“さわぐ”なんか使えたっけ? とにかく姉ンネちゃん、念願の赤ちゃんと楽しく過ごしてね! じゃサーナイト、そっちはよろしく。 「ミィィ…。ミュィィ…ミィィィン…。」 姉ンネちゃんはずっとベビンネに届かない手を伸ばしている。 ベビンネが空腹で弱ってきてからはより一層訴えるように鳴いているが…。 「ミギィ!ミィミィィッ!ミグウゥ…!」 「ミフッ!ミィッ!ミヒィミィィィ!」 他のタブンネ達からうるさい!いい気味!などと罵られてしまった。まあなんでアイツだけ…って思うよな。 「チヒ…ヂィ…。」 一方のベビンネは弱々しく母親に向かって鳴いている。 目の前の母親に触れることもできずに、空腹の苦しみの中短い生涯を終えることになるのだ。 悪いけど、君は姉ンネちゃんの心にトドメを刺す為に生まれてもらったんだ。自分の運の悪さを恨むんだね。 夕方。恐らくベビンネはそろそろ限界だろう。殆ど鳴かず、水も飲んでいない。 姉ンネちゃん、いよいよだよ。 「…ヂィ……ヂ……。」 (…おぢ……ぢ……。) あ、最後にお母さんにお乳をねだれたんだね、偉い偉い。でもこれが遺言になっちゃったね。 …?姉ンネは何をしてるんだ?今まさに自分の子供が事切れたというのに、必死で鎖から逃れようとしている。 まさかまだ気付いてないのか?…暫く放っておくか。いつ気付いて泣き叫んでくれるかな。 なんと姉ンネは朝になっても鎖と格闘していた。タブンネに壊せるような鎖ではないが。 それより、哀れな姉ンネちゃんに現実を教えてあげないと。 さあ、すっかり冷たくなった可愛い可愛いベビンネちゃんだよ。ようやく念願の赤ちゃんを抱けるよ。 「ミッミッ!ミィィ~♪ミィミィ!…ンミィ?ミィ!ミィ!ミィィ!」 おいおい、冷たくなってても気付かないのかよ。それ程赤ちゃんへの想いが強かったのか。 でも流石に無反応のベビンネにはおかしいと思ったようだな。触覚で心臓の音を聞いて生きているかを確かめている。 「ミ…ミッ…ミグッ……ミビャアアアアア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙……!」 哀れ姉ンネちゃん、ようやくベビンネの死を理解したようだ。 目を付けたタブンネを撮影した映像は資料という名のコレクションにしている。 姉ンネちゃんは泣き声が特にイイ。楽しませてくれてありがとう姉ンネちゃん! 「ミギウウウウウゥゥゥ…ビイィィィィィ゙ィ゙ィ゙ィ゙…!」 「ミィミ、ミュイ!ミィミィ♪」 姉ンネちゃん…君という子は本当に… 姉ンネはどうやら我が子の死を受け入れられないようだ。ベビンネの死体を幸せそうな笑顔で可愛がっている。 本気で哀れになってくる…のだがやっぱり死体を可愛がる姉ンネの姿を見ると呆れから笑いが出てきてしまう。 タブンネにはこの様に我が子の悲惨な死を受け入れられず、暫くの間親が死んだ子供を世話するということが稀にある。 それを狙って子タブンネを目の前で惨たらしく死なせる連中もいるらしい。 (無惨で理不尽な死に方が重要で、毒殺が効果的だとか) 他人のことを言えた身ではないが、まったく良い趣味をしている。 「ミンミ、ミィッミィ!ミィア~ミィィ!」 ずーっと幸せに暮らそう…か。まあ現実逃避する権利くらいはあげよう。 結局、姉ンネはベビンネの死体を大事に大事に抱きしめて幸せな顔で眠りについたのだった。 翌朝。姉ンネは我が子の死をやっと受け入れたらしく、ベビンネの死体を放り出して 虚ろな表情でミ…と弱々しい声を出していた。 どうやら遂に、遂に姉ンネちゃんの心は完全に砕けたようだ。 おめでとう!君は母親になんかなれない、ただの産卵マシーンだ! やっとそのことを分かってくれたんだね。じゃあこれからもしっかり働いてくれよ。 「ミ……ミ…………ミィ…………。」 …ふう、今日も仕事終わりっと。 プルルルルル… ん、電話…おや、アイツからか。また「新調」するのかな?もしもし…。 よーし、身を隠して…。 ガチャン!ギィ… 念力であの姉ンネの鎖と柵の鍵を外してやった。姉ンネちゃん、ここから逃げるなら今だよ! ポテポテポテポテ… 本当に足遅いな…あっ、コケた。はあ…まあいいか、始めよう。ブラッキー、くろいまなざし。 (間抜けめ…。ビビれ!) ゾワッ… 「ミピィ!ミ…ピヒャアア……。」 姉ンネはもう逃げられない。じゃあいつものようにやるか。サーナイト、ルカリオ。 グググ… 「ギュ…グピ…ャア……ンビ……。」 パアン!パアン! 「ミ゙ュギィ!ビュィッ……ヂュビャア!ビッ…ギャッ…!ビヒィ!ビヒィ!ビヒュイァ!」 サーナイトが念力で拘束し、ルカリオがしんくうはの連射でボロボロになるまで痛めつける。 もう何度もやった連携だ。無力な姉ンネにできることなど許しを請うくらいだろう。 そして姉ンネが限界というところでいつものようにアイツに合図をして…。 ザッザッ… 「コイツか…。」 「……ミ゙………ミ゙…ィ……。」 「んじゃ、貰っていくぞ。」 ポン! 姉ンネはボールに入れられた。…ってコラコラ!金金! 「おっとそうだった。…ほらよっと。んじゃ、ありがとさん。」 はいはい。姉ンネちゃんを「可愛がって」あげてね! 「分かってるよ、フッフッフ…。」 (マスター、良かったのですか?) ルカリオ。…そうだな、ちょっと惜しいかな。 ま、アイツの所にやるならもう苛め尽くした今の姉ンネが一番良かっただろうし、 触覚を弄ったタブンネの観察も進んでるし、別に良いさ。さあ、寝よう寝よう。 (あの娘はあの方の所で夢が叶うと良いですね。ウフフフ…。) サーナイト…(全く、ホント父親に似てゴーストタイプじみた奴だなあ…)。 …でもまあ、確かにそうだな。頑張れ、姉ンネちゃん! 終わり 名前 コメント すべてのコメントを見る
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タブンネのプレゼント 「みっ!みっ!」 「ん?どうしたタブンネ・・・・・・これは」 タブンネが差し出したのはオボンのみだった。 あまり上手とは言えないが、リボンが巻いてあり結び目には小さな花まで差してある。 「もしかして俺にくれるのか?」 「みぃ」 タブンネがその小さな手で一生懸命木の実にリボンを巻いている姿を想像してみた。大変だっただろうに。 それにこの季節に野生で咲いている花を探すのだって一苦労だ。 「ありがとな、タブンネ」 俺はそのプレゼントをありがたく受け取ると、リボンを引きちぎって木の実を床に叩きつけた。 鈍い音がして木の実が砕ける。俺は更にそれを上から何度も思い切り踏みつけた。 「・・・・・・みっ・・・?」 「こんなものを貰って嬉しい人間がいると思ったのか?家畜の分際で調子にのるなよ」 怒鳴りながら手に持っていたリボンを暖炉に放り投げた。 タブンネはというとまだ呆けた顔をして、ぐちゃぐちゃになった木の実の残骸を見つめている。 その顔がイラついたので俺はタブンネの顔をぶん殴った。タブンネはよろめいて壁際に倒れこんだ。 「何だその目は」 俺は思い切り腹を蹴り上げる。 荒い呼吸で血を吐き出しているタブンネの耳を掴んで、先程のオボンの残骸に体重をかけて鼻面をすりつけてやった。 「げっ・・・ごふっ!がふっ!・・・うぐ・・・」 「よかったじゃないか、これで元気になったな」 スカッとしたのでおまけでもう一発力いっぱい腹を踏みつけた。今日はいい日だ。メリークリスマス。 糞ずきタブンネ 普段ボックスに預けっぱなしのタブンネが勝手にでてきてた。 そのタブンネは手を背にやっている。 きっとクリスマスプレゼントだろう。 あいつはボックスに預けているときも、じゃれてきたからな。プレゼントは壊し、勝手に出てきたからおしおきしてやろう。 なんて考えていたらやはりタブンネは何かを差し出した。 ねばねばこやし。しかも直接。 俺はそのタブンネを無言で焚き火の火に押し込んだ。
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野生のタブンネの両親から生まれる、5匹兄弟の3女であった ある日、父親タブンネがトレーナーに捕まる、 一家が手に入れる餌が半分以下になり、毎日餌を巡って兄弟喧嘩、一番体の小さい弟が餓死した 母親タブンネは食料の多い所に移住することを決意 しかし長い旅の途中、一番上の兄タブンネがデンチュラの巣に引っ掛かり食べられてしまう しかも助けようとした母タブンネは電撃を浴び、神経が焼き切れて右手が動かなくなってしまった 母タブンネが満足に動けなくなったのでさらに餌不足に陥る 普通なら絶対に食べなかった生ゴミも食べるようになった 空腹と秋の終わりの寒さに寒さに震えていると母親タブンネがボロボロになって帰ってきた 冬の到来に焦りを感じた母親タブンネはチラーミィの巣に木の実を盗みに入るが、 ゴミの臭いが染み付いていたのでチラーミィに即座にばれ、 満足に戦うこともできず十数匹のチラーミィからスイープビンタを喰らい命からがら逃げ出してきたらしい そして翌日の朝、母親タブンネは事切れていた しかし幼いタブンネは母親の死が理解できなかった。 生き残った姉と弟と共に腐っていくのも気にせず母親の亡骸に寄り添っていた しかしどこからともなくバルジーナが飛んできて母親タブンネの亡骸を突っつきはじめる タブンネ達は怯え、物陰に隠れて母親が皮を剥がされ、肉を啄まれるのを見ているしかなかった 優しかった顔はビリビリに破かれ、頭蓋骨があらわに 暖かかったお腹は引き裂かれ、はらわたを引っ張り出されている ピンクでふわふわの毛皮は血にまみれ、ゴミのように打ち捨てられている バルジーナはひとしきり食べ尽くすと気に入った頭蓋骨だったのか亡骸の首をねじ切り、飛んでいってしまった タブンネ達は母親にすがって泣いた、 ズタズタの首なし死体であっても、幼いタブンネ達にとっては母親だったのだろう しかし3日たつと空腹で死にそうなタブンネ達はバルジーナの真似をする事になった 母親の骨に残ったわずかな肉を貪るタブンネ達、 生きる本能がそうさせたのだろうか、タブンネ達は自分たちだけで餌を探すようになった しかし小さなタブンネに餌を集める事は不可能に近かった 木の実を拾おうとしてもミネズミやチラーミィなどに先を越され、食べられそうな柔らかい草はシママが先に食べてしまう 比較的安全であるはずの生ゴミあさりで事件は起こった 姉タブンネがゴミ箱に潜んでいたヤブクロンに毒液を吹き掛けられてしまったのだ 普通のタブンネなら毒はモモンのみやリフレッシュで治してしまうのだがまだ幼いタブンネにそんな事ができるはずもなく… 結局姉タブンネは、一週間毒に苦しみ、息絶えた とうとうタブンネの家族はまだ幼い下の弟だけになってしまった 寒さに震え、小さな洞穴に隠れていると、ヒトモシが洞穴に入ってきた ヒトモシの炎は暖かく、久しぶりにぐっすり眠る事ができた しかし、朝になり、目が覚めると、ヒトモシがいなくなっていた その日はいつまでたっても弟が起きない、揺らしても叩いても起きない 弟は二度と目を覚ますことは無かった とうとうひとりぼっちになってしまったタブンネ、 当てもなく草むらを歩いているとキリキリという音に囲まれている事に気づいた するとコマタナが草むらから飛び出し、タブンネに抱きついたのだ 全身に突き刺さる痛みにタブンネは悲鳴をあげた、 それを皮切りに2匹、3匹と襲いかかってくるコマタナの群れ 振りほどく事もできずに悶え苦しみ、泣き叫ぶタブンネ そして現れる群れのボス、キリキザン タブンネはコマタナたちに押さえつけられ、キリキザンを見上げる 自分の喉元を狙う鋭い手刀、太陽を背にしたそいつはそれを思い切り降り下ろし… 「ミィッ!」 静かな草むらに小さな断末魔が響く 首が胴体から離れ、意識が消えるまでの間タブンネは幸せだった頃の夢を見ていた 沢山のきのみ、大勢の兄弟たち、お父さんとお母さん、 しかしその夢は何かに吸い込まれるように闇の中へと消え去った 近くを通りかかったムンナが食べちゃったのだ ~おわり~