約 579,026 件
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/528.html
*「ねぇ、ククール…ほんとに、なんだか…変なの…」「わかってるわかってる。今オレが楽にしてやるからな」「え、ちょ…っ!」とても色男とは思えないほど目尻を限界まで下げきって、震えるゼシカにククールは突然の口付けを与えた。怒りたいのになぜかまったく体に力が入らず、ゼシカは抵抗する指をぐずぐずと萎えさせていく。壁際に押しつけられ、露出過多の素肌を優しく撫でまわされると背筋をゾクリと震わせた。「ん、んふぅ………っアッ、や、やだ…」コリ、と、なにげない動作でククールの指先が極端に短いビスチェの上から乳首を摘まむと、ゼシカはビクリと反応してしまう。何も施されずとも、すでにそこは固く張っていたからだ。「やだ、ぁ…」「おかしいな…?なんでもうこんなに硬くなってるんだ、ゼシカ?」「わ、わかんない…っ!ねぇ、なんとかしてくれる、って………ッん!!」「わかんない?それは大変だ。じゃあ、もしかして…」決してビスチェは脱がさないまま、聞こえないふりをしたククールの片手は下半身へも伸びる。何のために存在するのかわからないスケスケの布地をかいくぐって下着部分に到達する。ショーツ部分はそれはそれで、爪先でピンッと簡単に切れてしまいそうな細い紐だけが申し訳程度に局部を隠す小さな布を繋ぎとめている様は、むやみに男の劣情を煽るためとしか思えない。そこにそっと触れると、それだけでゼシカは敏感に体を跳ねさせた。「…やっぱり、ココもエッチな気分になってる?」ククールのほくそ笑みに気づく余裕もなく、ゼシカは火照った顔を切なげに歪ませた。「…ぅ…っ…やだ、もう…っ。…た、多分、この装備の…せい」「このエロいビスチェのせい?…確かに異常にヤラシイよな。胸も尻も丸出し。こんなの着て一人で興奮しちゃったんだ、ゼシカは?」そう言われ、さらにゼシカは頬を赤らめる。確かに妙にいやらしいかな、とは思った。けど、ククールにそう言われると、まるで自分が望んで恥ずかしい恰好をしているような気になって…「だ、だって…装備だから…!着てみなきゃって…!」「だったらすぐ脱ぎゃよかったのに、なんでわざわざオレに見せに来たんだよ…?」指がショーツの上から割れ目に食い込み、きっともう震えながら主張しているであろう小さな芽をグリと刺激すると、ゼシカは耐えきれず高い声をあげてしまう。そしてもちろん下着はすでに、小さくない染みで濡れていた。「だってぇ…ッ、っあ、あ…」「だって、なに?」「…く、ククに…見てほしかった、の…」いたずらな指先がピタリと止まった。おや、という男の顔がゼシカをのぞきこむ。「なんで?」「…ほめて、くれるかな、って…いつも…新しい装備見て、…喜んでくれる、から…」快感よりも乙女としての恥じらいに頬を染めるゼシカに、ククールはキュンキュンしてしまうわけで。そしてこんな棚ボタ展開を、見逃すわけもなく。甘い声のささやきを耳元に吹き込み、さらにゼシカを自分の虜にしてしまおうと。「……最高だよ。よく似合ってる。さすが、オレのゼシカ」「ほ、ほんと…?」「最高に…魅力的だ」「魅力的…?」しかしその賛美に少しの不満をのぞかせて見上げてきた視線に、ククールは苦笑して訂正した。「あぁ…。―――かわいいよ、ゼシカ」 同時に再び、薄手のビスチェの上から胸を大きくもみしだく。「かわいいゼシカ…ほんとにかわいい」 「んっ…や、ま、待って…ックク…!」「かわいい…ゼシカ…」首筋に歯を立てられて、ゼシカは身をすくめる。気持ちの高揚が体にも直結して、彼の手が触れる全ての肌が熱を持って火照る。もう、体中が…体の奥の奥から、熱い。「だ、ダメ…!お願い、これ以上はホントに…おかしくなっちゃうから…ッ」「なっていいよ」「ダメ、だから…ッねぇ、おねが、い、これ…脱がせて…ッ!」「ダーメ」「なんでよぉ…ッ!!バカ…ッア!」ゼシカにしてみれば、この状態はまるで拷問。薄皮一枚のように肌に張り付くこの装備が、頼みもしないのに勝手に体温を上げ、欲に飢えさせ、ゼシカの思考を麻痺させる。少しずつ恥ずかしい期待に浸食されていく脳内にあらがう意識は残っているのだから、それがまたツライ。羞恥を捨てて快楽に没頭することもできない。ククールの愛撫と、さらにもう一つの何かが、二重になってゼシカを追い詰める。要するに布を皮膚に押しつけられるだけでも、何だかムズムズしてたまらないのだ。体の奥の方から、何かを強引にかき回される気がして…頭がクラクラする…「お…おねが…やだ、んぅぅ…っクク―ル…!」確かに今夜のゼシカの感じ方は普通じゃなかった。服の上から撫でるだけで、過度に反応して鳥肌を立てる。火照った体をビクビクと跳ねさせるその様子は、どう見ても据え膳としか思えない。片方の太ももを持ち上げ撫でさすりそのスベスベの感触を楽しみながら、ククールはニヤリと笑った。「…わかった。じゃあ脱がせる前に、もう一度オレによく見せてほしい」「え…っ」「後ろ向いて」「え!?…や、やだ」「他の男の前でなんか死んでも着させない。でも、オレの前でだけは…いいだろ?」「いやだ…、恥ずかしい…っ」「ゼシカのかわいい姿が見たいんだ」ククールの言葉は、ゼシカにとって文字通り殺し文句だ。確実に急所を狙って、絶対に逃げられないところにかいしんの一撃を当ててくる。セリフだけじゃなく、艶っぽい声も、すがるように真剣な瞳も…ゼシカは口唇を噛んでうつむいて、真っ赤な顔で逡巡する。やがてノロノロと、壁にそっと手を当ててククールに背中を向けた。 ゼシカの肉体をこれでもかと魅せつけるばかりの、圧倒的エロスに満ちた姿が無防備に晒けだされる。思わずククールの喉が鳴ったが、必死なゼシカは気付かない。ククールだけが知る白くすべらかで完璧な裸体は、細い布と細いヒモ一本でキュッと縛られ、まるで彼女を拘束しているかのようだ。黒革のブーツがまた妙にいかがわしく見えるのは気のせいか。やわらかいお尻に食い込むT字型のラインが、否も応もなく男の雄を刺激する。似合っていなければ、まだよかった。しかしこの危険な装備は、これ以上ないほどゼシカに似合ってしまっているからタチが悪い。―――この強烈なフェロモンに抗える男などいるだろうか?もう止まれるわけがない。もちろんはじめから止まるつもりなどなかったけれど。気配を消して忍び寄り、何が起こるのかと怯える彼女の肩にいきなり噛みついた。「ひゃっ…!」「ゼシカ…お前、エロイ」「あああっっ…!!」うしろから手を回し胸をいじりながら、お尻を鷲づかみにして割れ目に指を滑り込ませ、キワドい部分を行き来しくすぐる。ゼシカは体をくの字に折り曲げて抵抗するが、それはお尻をさらにククールに向けて突き出すことにしかならない。立ったまま丁寧な愛撫を施され、それでも尚、ククールはその装備を完全に脱がしはしなかった。ビスチェから硬く色づいた乳首はとうにさらけ出され、ショーツの裾から何本もの指を忍び込ませて中をグチャグチャにかき回したくせに、中途半端に着衣させた布は未だゼシカの体にまとわりついたまま。当然装備がもたらす効能も、肌に触れている限り変わらずゼシカをさいなむ。体中がむず痒いような、皮膚のすべてが鋭敏になって、ほんの少しの刺激が過剰な快感になる。ジリジリと追い詰められる重い快感がじっとりと与えられて、どんどん体の奥に溜まっていく。サラリと垂れ下った透けた布が腰のあたりをくすぐるその感触にすら、背筋が震えて。立っているのもやっと。快楽も、火照りも、もう限界。発散させなければ、おかしくなる…!「ククール…ッ!!!おねがい、脱がせて…ッ」「…へぇ?ゼシカやらしいな。自分から脱がせてなんて」「…ッだ、だって」「裸にしてほしいんだ…?」正面を向かせるとゼシカは羞恥に視線をそらしたが、否定はしない。できない。どんなにいじめられても、この装備を脱がせてくれるのなら我慢するしかないと、すでに知っている表情。ククールはゆるい愛撫を続けながらゾッとするような怜悧な笑みで囁く。「…言ってみろよ。ハダカにして、って」ほら。やっぱり。自分をいじめる時、彼はいつもこんな風に笑う。全身がさらに熱くなる。こんな時、自分が罠から抜け出せたためしはない。いつだって彼の思うままにいじめられ、羞恥と屈辱に犯される…ゼシカは震えながらゆっくりと口唇を開いた。顔を真っ赤に染めて、彼の望む言葉を、望むままに。それを聞き届け、ククールは満足げに口元を歪める。前置きは終わった、とばかり。 ベッドに横たえられ、ゼシカは戸惑いがちにククールを見上げた。事態をあきらめかけていたゼシカは、頭の片隅であのまま後ろから挿れられるのかと思っていた。それを体が期待してもいた…だから存外に優しい彼の所作に、少しだけ驚く。「………ク、ク……」「かわいいよ…ゼシカ」チュッと音を立ててキスすると、ククールは体を起こして上からゼシカをじっくりと見下ろした。彼の視線は、それだけで凶器だ。それは戦闘だけで生かされるわけじゃない。肌をゆっくりと、卑猥に、なめらかに辿ってゆく妖艶な視線は、限りなく本当に「目で犯して」いる。その視線を追って、ゼシカは咄嗟に胸を隠した。ビスチェからはみだした大きく柔らかい乳房を自らで押さえつける様は、かえって淫らで男を煽る。透明な布を押し上げて、腹を、腰をさらし、胸下からブーツまで伸びる一本の革ひもを戯れにピンと弾くと、白い体がビクンと跳ねる。それだけでも彼女には堪らない刺激なのだ。ククールは笑い、未だ脱がせないままの下着の横ヒモに指をかけ、思わせぶりに引っ張った。「…脱がせてほしい?」ゼシカは目をつむって必死に頷く。ククールはどうしようもなく濡れそぼって色を変えた布の上から、割れ目を深くえぐった。「――やぁっ!!!」「ホントよく濡らしたな、今夜は」「あっあっアッ…!!やめ、て…ッ」「もう使いもんにならないんじゃねぇ?この装備…」グチグチと。卑猥な音を嫌がらせのように響かせながら、それでも脱がそうとしない。ゼシカは焦れた。もうさっきから何度か絶頂を味合わされていて、身体はすでにたった一つのモノしか求めていない。最後の、最高の快楽を与えてくれる、浅ましい期待だけを。乳首に歯を立てられた時、ついにゼシカは我を忘れて泣きながら叫んでいた。「やだぁっ!!もう…っ…ぅ…脱がせ、て…っ!早くしてよぉ…!!!」「そんなにキモチイイかよ、エロスのビスチェは。だったら脱がさない方がお前イイんじゃねぇの?」急に口調の変わったククールとその言葉にゼシカはぎょっとした。そして抗う間もなく膝の裏に手を差し入れ、両足を大きく開かされて小さな悲鳴をあげる。ククールの指がショーツの股部分を思い切り横にずらし、履かせたままで秘部をあらわにした。赤く火照り、開き、トロリと蜜をしたたらせて、布の間からあからさまに男を誘う。その淫らな眺めに、ゼシカは驚愕し、ククールは悪い笑みを浮かべた。「…エッロ…」「やっ…!!…ッヤメ、テ…そんな」彼の意図を悟り、ゼシカは激しく動揺した。むやみやたらに性感を煽るこの装備を身に付けたままで行為に及んだら、どんなことになるのか。もうすでに快楽に狂いそうになっている自分が、どうなってしまうのか。「――――わかるだろ?裸じゃなくても、セックスはできるんだぜ」ククールがトドメとばかりにニヤリ笑ってそう言った。心臓が壊れそうに激しく打っている。ゼシカは知っている。これは期待。背徳に堕ちるあの心地よさを、自分はもうイヤというほど味わっている。「…クク…ル」ゼシカは快楽の涙を流しながら、決して拒絶ではない声音で男を呼んだ。それに応じ、微笑むククールの表情には、嗜虐の悦が確かにただよう。「―――火照ってるんだろ?……ラクにしてやるよ……」2人がようやく何度目かのセックスを終える頃には、件のビスチェはとうに脱ぎ捨てられていた。結局その後一度たりとも、ゼシカがその装備を着て人前に出ることはなかったという。 *
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/205.html
。 377 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/10/09(火) 13 13 00 ID LsLsHkNK0 昨日、ククール単体スレで、ククールはおてんばより、おしとやかが好きそうだから、 ゼシカは好みじゃないのでは? と話題になってたけど、自分的にはお互いに 相手は好みのタイプじゃない方が萌える口。 「おかしい…オレはおしとやかなレディが好きなはずなのに、どうしてあんなハネっかえりを」 と考え込むククールとか 「変だわ…あんなヤツ、サーベルト兄さんとは似ても似つかないのに、どうしても気になる」 と頭を抱えるゼシカを想像して、勝手に身もだえしてる。 373にも全面同意で、多分序盤だったら、絶対にゼシカはククールのエスコートは受けないだろうし、 ククールも兄貴の事で頭が一杯になって、ゼシカを気遣わなかった気もする。 あの時点でククールにとっては ゼシカ>マルチェロ になってたんだといいな。 あ、ちなみに私も女です。 378 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/10/10(水) 00 47 55 ID vS3kdizh0 これまでの377スレを読み返すに、男いない気がする。気のせいかもだけど 377 わかる。そんで必死で恋心ごまかそうとする内心の混乱ぷりに萌えるんだw 「かっこいくないかっこいくない!!そんなわけないでしょゼシカ!!」 「オレ今何考えた!?かわいいわけあるかあんなじゃじゃ馬娘が!!」 とか二人して大混乱。否定しようとすればするほどお互い意識してしまう…という 違ったらごめんw 379 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/10/10(水) 12 41 33 ID b6HGMhiSO うんうん。分かる! クク「俺は姫みたいな淑やかな女性が好きなはずだ! アイツが怒るとすぐ火の玉が飛んでくるし、ムーンサルトの威力は俺よりすげぇと思う時あるし‥」 ゼシ「ありえない、ありえないわ!あんなケーハク男‥なんでドキッとするのよ、私のバカ!」 最初はお互い認めないんだろうね。 でも自分の気持ちに気付いてからは、ククの方から素直になっていく気がする。 380 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/10/11(木) 00 42 21 ID L2LkfEOM0 「ハイハイ…わかったよ、降参。オレの負け」 「何言ってんの?」 「いや、こっちのこと」 …こんな感じですかわかりま萌えー ゼシカは相当ニブいためいつ気付くことやら 381 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/10/13(土) 23 32 13 ID RqA8F1hq0 379 自分はゼシカの方から素直になっていくと思うんだけどなあ。 このカプはすごい短期間でお互いの気持ちに気付いても萌えだし やたら長いこと気付かなくても萌えだとは思う。 382 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/10/14(日) 20 25 05 ID k09kQcZc0 ゼシカの方が強く好きで嫉妬して、ククが軽くあしらう感じが好み 383 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/10/15(月) 21 10 28 ID w828sSSp0 ククールは、ゼシカが主人公を好きだと思い込んでて、自分がゼシカを好きだって自覚は ちゃんとあるんだけど、身を引こうとして、主人公との仲を応援してしまう。 ゼシカも、ククールが好きなんだけど、はっきり言い切れる自信は無く、それでも 自分と主人公の仲を後押ししようとするククールの態度が、どうしようもなく悲しい。 もちろん最後は、誤解が解けてハッピーエンド。 なんてマニアックなシチュに萌えるのは、自分だけですか? 前にエロパロ板でも、そういう感じの設定があったんですが……。 384 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/10/16(火) 12 42 43 ID IUJchxEh0 383 君だけじゃ、ない。 ナンデスカソレ萌えす!!!! 誰か~書いてください~…自分では到底無理…
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/13.html
アルバート家はご先祖に偉大なる賢者兼彫刻家を持ち、また、このリーザス村と港町ポルトリンクを興した名士の家系で、近隣にその名が響く由緒あるオウチです。 私は大沢家政婦紹介所から派遣されて、ここ、リーザスの名士、アルバート家でメイドをしているナナシーといいます。 趣味は他人の家の秘密を暴くこと…なんて、そんなワケないじゃない~ホホ…。 この家にはお子様が二人いらして---上のぼっちゃまはサーベルト様、下のお嬢様はゼシカ様というお名前なんだけれど---それはもう、見目麗しくも仲の良いご兄妹だったわ。 サーベルト様は外見の美しさもさることながら、武術や魔法にも優れ、社交的で私達みたいな使用人に対しても人当たりが良くて、それこそ村中の人間から尊敬と愛情を一身に受けていたの。 一方のゼシカ様もお兄様に負けず劣らずの綺麗な方だったんだけど、気が強い上に人見知りの激しい、ガードの固い子でね。 サーベルト様と村の子供以外は、男であろうと女であろうと、決して寄せ付けないようにしていたわ。 お母様に対してさえそうだったんだから、ブラコンとしては筋金入りよね。 当然そういうのを面白くない、と感じる人は---特に女は、何人もいたわ。 いつもニコリともしないで淡々と接してくる美人って、どうしても嫌われちゃうのよ。 本当は愛くるしく笑う女の子だって皆知っていただけにね。 かく言う私も正直、ゼシカ様のことはあんまり好きじゃなかったのよ。相手に寄り態度を変えるあのコはなんなのよって思ってた。 サーベルト様が亡くなったあの日までは、ね。 リーザス塔でサーベルト様が亡くなられて、村中の人間が嘆き悲しんだわ。 あそこは私達にとっては聖地だったのに、今や魔物の巣窟になっているんだって…。 しかもそれが変死だったものだから、いつまでも皆の心にやりきれない影を落としていてね。 それは時間が解決してくれる様な類の不幸ではなかったのよね。 私達ですらそうだったんだから、ゼシカ様の悲しみたるや、想像するにあまりあるものだったわ。 サーベルト様の存在って、彼女にとっては世界そのものだったんでしょうね。 彼女は明かりもつけず、食事もとらず、ずっと部屋に閉じこもっていたの。 そりゃあ、同情したわ。このコはこのまま悲しみの余り死んじゃうんじゃないかって、心配だった。 ところが彼女は単身、リーザス塔に向かったの。それこそ死ぬ覚悟で。サーベルト様の死に納得のいく理由が一つでも欲しかったんでしょうね。 結論を言うと、ゼシカ様は無事にリーザス村に帰ってきた。---妙な二人組に助けられたって事だったけど…。 彼女の顔からは少しも曇りがとれていなかったけれど、目には本来の強さが戻っていて、何かしら決意を感じさせるものがみなぎっていた。 そして彼女は初めてこの村を出ていったの。兄の仇を討つのだといって。 それから何ヵ月も経って、ゼシカ様はリーザスに帰ってきた。三人も仲間を連れて。 お帰りなさい、と私が言うと、自分はまだ旅の途中で、七賢者のオーブを集めていて、これからラプソーンを倒すのだと言って笑いかけてくれた。 七賢者とかラプソーンとかワケがわからなかったけど、私はとにかく嬉しくてね。ゼシカ様が自分の足でしっかりと地を踏んでいるって感じがしたからね。それに、ゼシカ様がすごく綺麗になっていたからさ。こんな風に零れるように笑う彼女を見るのは初めてだった。 あのブラコンのお嬢様が、仇も討たないうちに、憑き物が落ちたかのように晴れやかな顔をしている。これはどうしたことだろうと、ゼシカ様の視線を追っている内に、ピンときた。 たぶんあの人のおかげなんだろうな。 ゼシカ様が連れて来た仲間のひとり、赤い騎士用の服を着た、プラチナブロンドの恐ろしく綺麗なあの男の人。 その人は綺麗な顔に似合わず、皮肉めいた事や品の無いことを言ったり、メイドを口説いたりしては、ゼシカ様につっこまれたり叱られたりしていた。 赤くなったり青くなったり慌てたり怒鳴ったりしてるゼシカ様。今までの流麗で孤高なイメージは壊れそうだけれど、 私はそんなゼシカ様の方が好感がもてた。 ---恋、なのかしら? 私の元来の好奇心が頭をもたげてきて、ゼシカ様と、あのひとクセもふたクセもありそうな紳士---ククール様の今後の動向が、ものすごく気になってきちゃった。 そんなわけで、持ち前の覗き家政婦根性を総動員して時々皆さんにご報告したいと思います。
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/190.html
127 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/03/13(火) 13 09 35 ID P050R/SX0 ククゼシ好きな人って 自分の繊細な本質を上手く出せず、幸福になることに臆病なククールをしっかり者のゼシカに幸せにしてやってほしい派 一番の理解者だった兄を失い、その代わりにリーザス村を支えていかなきゃならないゼシカをククールに支えてほしい派 どっちが多いんだろ? 自分は後者なんだけど、もしかして少数派かな? ククールってあれで、すごく健全な精神構造してるから、意外と一人でも大丈夫そうだけど、 ゼシカにはリーザス村は狭すぎて、でも捨てて出て行くことも出来ないって感じで足かせがあるみたいで、 その辺を気遣い上手なククールにフォローしてやってほしいと思うんだ。 128 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/03/13(火) 21 37 15 ID 3J/2XjQh0 127 両者の混合かなぁ。 前にもあったけど、それぞれ大人の部分・強い部分が違うんじゃないかと思ってる。 ククールは非常に苦労してるから世の中の酸いも甘いも色々知っていて、 その点では断然彼の方が大人と言えるんだけど、 自己肯定感はゼシカの方が強そうだなーと考えてまつ。 129 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/03/13(火) 22 46 25 ID ZzliAp+L0 127 様々な面において暴走癖のあるゼシカを抑えられるのは、ククールぐらい な気がするので後者かな。 ゼシカは超タフだけどお世辞にもしっかり者とはいえないと思う。どち らかというとうっかり者の類だと。 乱闘の時にアルコール扱ってる場所なのにもかかわらずメラとか、家に来 ている主人公に気づかずに「何故待っててくれなかかった」の的発言とか… 130 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/03/14(水) 01 35 34 ID MGf+cimz0 127 後者だけどゼシカ本人にはその自覚がないのがいいです。 無意識にククールを頼っているという感じ。ククはそのことに気付いてるんだけど 敢えて口には出さず彼女が必要とする時にはさりげなく自然に傍にいてあげる感じ。 ゼシカは彼に守られていること、彼に本当は支えられていることにはなかなか気付かない ククは別にそれでもいい。そーいう彼女が好きだから。なんかポエムみたいになった…恥ずかし 131 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/03/15(木) 07 43 22 ID /BSu7Zvg0 ちなみに、127の前者は、対・今までつきあってきた女性のパターンかなぁ。 言い寄ってくるおねーさんみたいなのにゴロニャンしてたかも。 132 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/03/16(金) 00 18 59 ID zXXiWs300 もし2人がくっつくとしたら、好意を抱くのはどちらが先かな? また、相手の気持ちに気づくのはどちらが先かな? それぞれどっちが似合い・流れ的に上手くいきそうだと思いますか? 133 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/03/16(金) 01 29 26 ID FdeNQBKC0 本気で惚れるのはククが先。 ゼシカはマジ告白されるくらい直球じゃないと一生気付かない。 アホでバカでたらしでいーかげんで信用ならない男が突然見せた自分に対する「本気」 それ見てはじめてドキッとする。 134 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/03/16(金) 09 24 22 ID Ik6PaC/K0 先に惚れてしまうのはゼシカが先の方が面白いかなぁと。 ククールはたくさんの人間と会ってきたから、意外とゼシカみたいなタイプにも出会ってきたと思うけど、 リーザス村とポルトリンクが世界の全てだったゼシカには、ククールは完全に未知の世界の住人だったと思う。 勝手に高嶺の花扱いされて、対等に恋愛しようとしてくれる人もいなかっただろうし、 (ラグサットは婚約者だって立場に慢心して馴れ馴れしさ全開だったろうけど) どうしても意識してしまったんじゃないかな。 だけど、恋愛したことないから、本人自覚全く無し。 ゼシカに自覚が無いから、ククールも気づけない。 だから、いつまで経っても進展しないw それでも敢えていうなら、ククールが気づくかな。 そして「自分を本当に愛してくれる人間なんていない」と心のどこかで思ってたのに、 あのゼシカが自分を好きになってくれたと知って本当に嬉しくて、ゼシカ一筋になるって感じだといいな。 135 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/03/18(日) 01 28 27 ID UET8CaiV0 134 いいね。私も先にほれるのは案外ゼシカじゃないかと想定してた。 けど…よく設定などで見るんだけど、俺を本気で愛する奴なんて居ない…と 彼が思うって言うのはどうなんだろうかな? 見た目じゃなくて中身を好きになった女性も絶対いたと思うんだけどね…。 136 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/03/18(日) 01 50 58 ID gs6LT9oV0 135 俺を本気で愛する奴なんて居ない って二次創作設定は確かに良く見るよね。自分はそれに違和感感じ るタチだけど。 137 134[sage]2007/03/18(日) 08 53 22 ID xerlzJVT0 うん、もちろんククールを中身で好きになった女性はたくさんいたと思うけど、 それは彼には伝わってなかったんじゃないかとも思ったもので。 海賊の洞窟での「昔、二股かけてた」発言とか、 オークニスでメディばあさんが殺された後の 「オークニスにはグラッドを待つ人間がいるんだから、早く立ち直ってほしい、 あんな風に誰かに必要とされるなんて、オレに言わせれば羨ましい」 辺りの発言を見ると、付き合ってきた女性たちの気持ちは信じてなかったんだろうなって感じたんだよね。 相手が本気だと感じられてたら、二股かけるようなマネするイヤな男ではないと思いたい願望もあるけど。 138 135[sage]2007/03/19(月) 01 33 09 ID Zo83fpty0 136 そう。自分もちょっと違和感を感じるクチだ。 彼に好意を寄せてくる女性達の全部が顔で近づいてきたとも思えず 中には内面的な所を気に入って好いてた女性も結構いるんじゃなかったかと思う。 敏感で鋭そうな彼もそれに気づけないような奴ではないんじゃないかと思うんだけど 137のセリフ見ると確かに、彼にそれが伝わってなかったのかも、とも十分思えるね。 女好きを装っていながら、実は不信感が強かったのかな…。 で、じゃあゼシカの場合は今までと何が違ったのか、を上手く考えるのが ククゼシ好きの醍醐味な訳だね。 …にしても、ククゼシでここまで熱く語れる自分に呆れ感心する。w
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/97.html
嫌な夢を、見た。 ここ……煉獄島に送り込まれて間もない頃に。 黒犬を倒した後の、あまりに理不尽なこの展開。 法皇の館からここまでの一連の筋書きを作ったのは、他ならぬ兄。 極度の混乱によって暫くの間は眠ることすらできず、半ば倒れるような状態で眠りに陥った時の夢だった。 緊張の糸が切れたように傍らで倒れてしまった法皇様。 悦に入った表情で一瞥をよこした兄。 混乱の中で放置してきてしまった、あの杖。 それらの衝撃的な記憶がもたらした悪夢だとばかり思っていた。 あまりに凄惨な図だったために、口に出すこと自体が憚られた。 そんな夢を見てしまったことで底なしの罪悪感に苛まれていた。 (杖を聖地に近づけてはならぬ……。決して、聖地には……!!) ククールの夢に現れ悲痛な叫びを残した法皇の胸には、ぽっかりと穴が空いていたのだ。 地上の大ニュースが、日々繰り返される看守交代の折に煉獄島へともたらされた。 法皇が亡くなったと看守は言った。しかもひと月ほど前のことだと言う。 そのニュースに牢内も一時騒然となり、それが収まった頃に囚人の一人である修道僧が、震えながら小さな声で絞り出すように語った。 「そう。あれはちょうどひと月前。法皇様が夢枕に立ち、私にこう告げたのです。杖を聖地に近づけてはならぬ……と。胸に何かを突き刺されたような、大きな穴の空いた、おいたわしいお姿でした」 ガチャッ!!と、派手な金属音が牢内に響いた。 床に腰を下ろしていたククールが修道僧の側に向き直った際に、その勢いのあまりに装備していた剣がたてた音だった。 ククールの顔は驚愕で歪み、その瞳は修道僧を凝視していた。 その様子を見て、近くにいた全員がククールに注目する。 「あんた……法皇様に会ったことがあるのか?杖って何だ!?」 「い、いえ!お目にかかったことはありませんし、杖も分かりません」 尋常ならざるククールの迫力に、修道僧はたじろぎなからも言葉を続けた。 「ですが不思議なことに、夢に出た方が法皇様だということだけは確信が持てたのです」 ククールと他の面々の視線が、今度は修道僧に向けられる。 「そして、法皇様をあのようなお姿で夢に見てしまった自分は何と罰当たりなのだろうと思い、あの日以来懺悔をしておりました」 そう言うと修道僧は俯き、十字を切ってから祈りを捧げ始めた。 ククールは修道僧の姿を凝視したまま、しばらくの間凍りついたように動かなかった。 そしてようやく開かれたその口から出された言葉は、それを耳にした者全員を凍りつかせることとなる。 「オレも、あんたと同じ夢を見た……」 静まり返った中、ククールは沈痛な面持ちで語り始めた。 「多分、法皇様はその姿で亡くなったんだ。そして最後の力で世界中の僧侶の心に呼び掛けたんだろう」 全員が固唾を呑んでククールの話に耳を傾ける。 「……あの杖のことを。しっかし、滑稽なもんだよな」 ククールは立ち上がり、かぶりを振って苦笑した。 傍目には苦笑に映るククールの表情を見た仲間たちは愕然とする。 いつもの彼のそれとは違う、その奥に見え隠れするやり場のない怒りや絶望……。 それらが綯い交ぜになった、凄絶としか言いようのないものを垣間見てしまったからだ。 「あのじいさまが法皇様でなけりゃ……。お告げを受け取ったのが僧侶でなけりゃ……。最後の最後で、法皇様が生涯を捧げて教えを説いた信仰ってやつが邪魔しやがったのさ……」 寄せられる視線から逃れるようにククールは皆に背を向けると、その胸中に溜まっていたものを一気に吐き出した。 「たった今真実を知らされるまで!誰もお告げだと気付こうともしなかったんだ!あんたも!オレも!!」 そして振り上げた左手の拳を壁に打ちつけた。何度も、何度も。 「何が懺悔だ!?笑わせんじゃねえよ!それで悪戯にひと月も無駄に……ちくしょう……!!」 「もういいから!やめてよっ!!」 壁に打ちつけ続けられるククールの左手を、ゼシカは駆け寄って後ろから両手で掴み制止しようとした。 しかしククールの手加減無しの腕力を華奢なゼシカが受け止められるはずもなく、最後の一回はゼシカの手もろとも壁に打ちつけられることとなってしまった。 「痛…っ」 自らの左腕にしがみついたまま眉間に皺を寄せるゼシカを見て、ククールはようやく恐慌から抜け出す。 「…ゼシカ……」 「ククールもこの人も悪くないわ。悪くない……」 ククールの左腕から力が抜けてゆくのを感じたゼシカは、拳を労るように両手で包み込んでから話を続けた。 「誰だってそんな夢を見たら胸の内に留めるわよ。だから、そんなに自分を責めないで」 「…………」 しばらく時間をおいた後、ゼシカは未だ呆然と立ち尽くすククールの顔を覗き込む。 「ね?」 ゼシカと目が合ってしまったククールはバツが悪そうに目を逸らし、今の騒動でゼシカの手にできてしまった擦り傷に、泳がせた視線を落とした。 「……すまない」 ククールはぽつりと一言呟いてから、半ば条件反射的にゼシカの手の傷にホイミを施す。 「ありがとう……」 ゼシカはククールが平静を取り戻しつつあることを認め、微笑みを返した。 再び床に腰を下ろしたククールは、微動だにせず自らの足許に視線を落としていた。 ゼシカはそのすぐ隣に腰を下ろし、静かにククールを見守っていた。 そんな状態でどのくらいの時間が経っただろうか。 ククールがぽつりと呟いた。 「……だらしねぇなあ、あいつ」 「ん?」 ゼシカは小さく一言だけを返した。 ちゃんと聞いているからね、というサインだった。 「マルチェロの奴、まんまと暗黒神に乗っ取られやがって。ざまぁねぇや。…………ほんと…頭くるね。マルチェロも、ラプソーンもさ。ほんとに……」 ククールはゆっくりと一言一言を噛み締めるように呟いた。 ゼシカはその言葉を聞いて、改めてククールの抱える苦悩の大きさを思い知らされる。 そうだった。 自分たちは杖……ラプソーンの動向だけを案じていたが、ククールにはそれに加えてマルチェロのこともあったのだ。 そして法皇様の死も、自分たちとは違った辛さがあるのだろう。法皇様の死……。 (あれ……?) ゼシカはひとつの疑問に突き当たった。 「ねえ、あれからひと月過ぎてるのに、大ニュースが法皇様の訃報だけって変じゃない?」 「……何で?」 「法皇様が亡くなったってことは、最後の封印を継ぐ賢者の末裔も死んじゃったわけで、それで杖の封印は全て解けたってことでしょ?でも暗黒神が現れたっていうニュースは無い」 「そう…だな……」 ゼシカの言葉の勢いに思考が追い付かないのか、ククールの返答はゆっくりとしたものだった。 「あの時は法皇様が倒れられてしまったから、しばらくの間は誰も杖に触らなかったんでしょうね。だけど、その後ずっと部屋に放っておかれたとも思えないの」 「…………」 「でね。私も杖を拾ったのはマルチェロだと思ってる」 ゼシカの耳が微かな金属音を捉える。 マルチェロの名を聞いて、ククールが身じろぎをしたようだった。 「……それが館の警護を任された聖堂騎士団長の仕事でしょうからね」 「よりによって……だよな」 ククールの声音には絶望的な響きが含まれていた。 それを聞いたゼシカは首を横に振る。 緋の髪が大きくなびいているのが、ゼシカに視線を向けずともククールには認められた。 「ううん。不幸中の幸いだわ」 その言い様に驚いて顔を上げたククールは、ゼシカの瞳に宿る強い光に貫かれた。不覚にも背筋に衝撃が走る。 「今確実に言えることは、私たちにはチャンスが残されてるってことよ」 「チャンスったってなぁ……。ここからじゃ何も」 「うん。まずはここから逃げ出さないとね」 ゼシカは大きくため息をついた。 世情を冷静に判断して微かな希望の光を見出したゼシカも、こと脱走に関しては良策が浮かんでいないようだった。 「それにあのマルチェロだしな。どうせロクなこと考えてねえぜ」 ゼシカは苦笑する。 「相変わらずな言い方ね。まぁ分からないでもないけど。でも、今に限ってはマルチェロに感謝してるわ、私」 「感謝だって?」 途端にククールの顔に不機嫌の色が現れた。 言うに事欠いてマルチェロに感謝とはどういうことだ?しかも直前の言い分と矛盾してはいないか? 「マルチェロが何を考えているかなんて私には分からない。だけど今、マルチェロは確実に杖の要求を抑え込んでくれてる。他の人だったら多分できないわ。そのことに感謝してるの」 「……そうか」 「それがどれだけ大変なことか、私には分かるわ。私の時は、サザンビークに戻った日の晩から杖の望む行動をさせられたんだもの」 ビクッ、と、ククールが身を強張らせた。 ククールの脳裏に、リブルアーチでの出来事が鮮明に甦る。 二度と思い出したくもない、ゼシカと刃を交えたあの悪夢のような出来事。 それを今度は兄で経験することになるのか? 考えたくはなかったが、その可能性は極めて高い。 そして、ゼシカの時とは決定的に違うことが二つあった。 ハワードの結界が無いことと、杖の封印が完全に解け、その魔力が格段に上がっていることだ。 それが意味すること……それで可能性が上がってしまうことは……。 押し黙ってしまったククールを見たゼシカの表情が、にわかにかき曇った。 ゼシカの目に映ったククールは、普段の彼からは全く想像もつかない、不安や恐怖に苛まれ、それを隠すこともままならない姿だったからだ。 「……これからのことを考えると、辛いわよね」 ゼシカは立ち上がり、スカートの裾についた土埃を払った。 「でも、ククールは私の何倍も辛いんだと思う」 そしてククールの背後に歩み寄る。 「私はククールみたいにホイミはできないけど……」 ゼシカは両腕を広げると腰を屈め、後ろからククールをそっと抱きしめた。 「……ゼシカ?」 「こうすると、辛い思いを和らげられることは知ってるわ」 そしてククールを抱きしめたまま、ゼシカはゆっくりと立て膝の姿勢に変えた。 「子供の頃、恐い夢を見て眠れなくなった時にこうしてもらったの」 まぁ、子供を抱く時とは姿勢が違うけどね、と、照れくさそうにゼシカは付け加える。 予想外のゼシカの行動に驚いていたククールだったが、やがて強張っていた表情を緩ませ、目を伏せると身体の力を抜き、背中を軽くゼシカに預けた。 徐々にその背中にゼシカの温もりが伝わってくる。そして、鼓動や息づかいも。 「こうしてると安心できるでしょ?一人じゃないって……」 そう言いながらゼシカは、額をククールの後頭部にコツンとあてた。 「全部一人で抱え込もうとしないで。さっきも今も……心が悲鳴を上げてたわ」 抱きしめる両腕に少し力が入る。 「話せば楽になることもあるし、何かいい考えが浮かぶかもしれないし」 ゼシカの言葉はそこで途切れ、静寂が二人の周囲を支配した。 あの日……初めてマルチェロに会った日以来、ククールは無意識のうちに他人に救いを求めることを避けるようになってしまっていた。 最初から救いを求めなければ、それをはね返されて心に傷を負う苦痛を味わうこともない。 そんな、哀しいまでの自己防衛の手段だった。 マルチェロのことをこぼした時も、傍に居たゼシカのみならず、誰の返答をも期待していたわけではなかった。 言葉を口に含むことで自分自身に無理矢理納得をさせる、独り言の延長線上のようなもののつもりだった。 しかし、ゼシカはそれを心の悲鳴だと言った。 ゼシカの返してきた言葉は、ククールの想像の範疇を越えていた。 決して絵空事ではない解釈をもってして、それまでがんじがらめになっていたククールの心を、いとも簡単に解きほぐしてくれたのだ。 そして両の手を大きく広げて、負の感情が放つ棘から心を守るように包み込んでくれた。 それは久しく存在を忘れていた、心の片隅に残る遠い過去の記憶と重なるもの……。 これからやらねばならないことを考えると、そのあまりの恐ろしさに身も心も押し潰されそうになる。 しかしゼシカとのやり取りを経て、彼女の言う通りに幾分かはそれも和らいだ感じがした。 マルチェロが暗黒神ではなくマルチェロのまま対峙することになれば、その先に光明を見出すことも叶わぬ夢ではないように思えてきた。 ゼシカの胸に背を預け目を伏せたままのククールの顔に、いつの間にか微笑が浮かんでいた。 それはまるで母の膝の上で微睡む幼子のように、安らぎに満たされたものだった。 ふっ、と、ゼシカの腕から力が抜け、ククールの胸前で組まれていたその手が解かれた。 ゆっくりと背後に戻されようとするゼシカの手を、ククールは名残惜しそうに手を伸ばし、眼前で捕らえる。 見るとその手の甲には、僅かばかりの擦り傷の跡が残っていた。 いずれ跡形もなく消えるであろうそれは、ゼシカから差しのべられた紛うことなき救いの証……。 その傷跡に、ククールは気付かぬうちに口づけをしていた。 一瞬の後、自身の行動に戸惑いながら握る手の力を緩め、背後に去り行くゼシカの手をククールはこの言葉で見送った。 「……ありがとう」 「どういたしまして」 ほんの小さな声で短く交わされた、互いの言葉の内に宿るものの大きさは、計り知れなかった。 ~ 終 ~
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/148.html
どうしてこう、肝心な時にキメられないんだろうな、オレは。 今度こそ守るって誓ったばかりだってのに、もう少しで雪崩なんかで死なせちまうところだった。 おまけに目を覚ましてすぐ、ベッドから転げ落ちるってオマケ付きだ。みっともねえったら、ありゃしねえ。 女性をベッドで組み敷くなんて、慣れてる行為のはずなのに、オレとしたことが何てザマだ。一瞬、理性がぶっとびそうになった。 ゼシカ、色気ありすぎ。 そもそも、思いっきり寝ぼけちまったのがまずかった。 目が覚めたら腕の中にゼシカがいて、心配そうな顔でオレのことを見上げてて。つい愛おしさが込み上げて、抱き締めちまった。 思えば、よく殴られなかったもんだ。 邪まな気持ちが無かったのはわかってもらえたのかな。何にしても助かった。 ここ数日、ゼシカのことが可愛くて仕方ない。 悩み事を、エイトやヤンガスでもトロデ王でもなく、真っ先にオレに打ち明けてくれるようになって、信頼してくれてるんだっていうのが、はっきり伝わってきた。 だからついうっかり、キレちまったんだ。未だにゼシカの一番の心の支えが『サーベルト兄さん』だってことに。 『ブラコン』呼ばわりはマズかったよなぁ。揺るぎようのない事実だけど。 真実ほど、人を怒らせるもんだ。ゼシカはすっかりスネちまって、その後、口をきいてくれなくなった。なさけないことに、それが結構キツい。 謝るしかねぇんだよな、結局は。・・・こうしてても仕方ない、そろそろ上へ行くか。 一応、エイトとヤンガスの状態は確認する。 二人とも特にケガはしてない、頑丈なヤツらだ。脈も安定してる。目を覚まさないのは体温が下がってるからだな。この部屋は充分に暖かいから、ほっとけば自然に目を覚ますだろう。 階段を上がると、まず目に入ったのはトロデ王の顔だった。結構目に痛い色だよな、緑とオレンジの組み合わせ。目を引くって点ではオレも他人のことは言えないんだが・・・。 ゼシカはその隣に座り、何やら険しい表情でトロデ王に何か言っていた。 「おお、ククール、ちょうど良かった、助けてくれ。ゼシカがひどいんじゃ」 ゼシカがトロデ王を睨みつける。 ・・・さわらぬゼシカにメラミなし。ほっとこう。 「ちょうど薬湯が出来たところですよ。どうぞ暖炉の前におかけなさい」 声のした方を振り返ると、メディばあさんが小さな身体で、大きな鍋の中のものをかき回していた。釜戸の前まで行き、ちょっと毒々しい色の液体が入った器を受け取る。 「親切にありがとう、メディさん。あなたに神の祝福があらんことを」 感謝を込めて手の甲にキスを贈る。ちょっとばかり年はくっちゃいるが、レディであることに変わりはないからな。 「あら、いやですよ、こんな年よりからかって」 オレのような美男子にキスされても、この余裕。初めて見た時から感じてはいたが、やっぱりこのばあさん、ただ者じゃあないな。やけに胆がすわってる。さっき剣を抜こうとしてたオレを見ても微動だにしなかった。いったい何者なんだ? 「こりゃあ、ククール! ワシを無視するんじゃない! 誰がこの家に助けを呼びに来てやったと思っとるんじゃ。ワシへの感謝はどうしたんじゃ」 うるせえおっさんだな。 「何だよ、アンタもキスしてほしいのか?」 「誰もそんなこと言っとらんわ」 頼まれても、しねえけどよ。・・・しまった、想像しただけで気色わるい。 もらった薬湯を一口すする。ちょっと辛口で、なかなかイケる。身体もあったまりそうだし、こういう土地にはピッタリだな。 「それにしても、体力自慢の二人よりもお主らの方が早く目が覚めるということは、やはり雪山で遭難した男女は人肌で暖め合うのが一番ということじゃな」 思わず薬湯を吹き出しそうになった。 ・・・このおっさん、ほんとに王様なのかね。いや、もう疑っちゃいねえけどよ。はたして呪いを解いて元の姿に戻してやることは、世の中のためになるんだろうか。 「だから、そういうこと言わないでって、さっきから言ってるじゃない。ほんとに覚えたてのベギラゴン、お見舞いしちゃうわよ」 ゼシカがうろたえてる。 「何が悪いんじゃ。ククール、黙って見てないで助けんか。そもそもお前がゼシカのことを離そうとしないから、二人一緒に運ぶハメになったんじゃぞ。どれだけ苦労したと思っとるんじゃ」 「ゼシカ、やる時は一声かけてくれ。ディバインスペルで援護してやるから」 「な、何じゃい、二人して・・・」 トロデ王はスネて、ぶつぶつ言い出した。 「寒くないのか? 火のそばに座ればいいのに」 もうトロデ王は無視して、ゼシカに声をかける。 「いいの、寒くはないから。それにトロデ王が変なこと言うの止めたくて・・・」 なるほど、そういう理由か。オレはゼシカの向かいの椅子に座る。とりあえず口はきいてくれるようになったらしい。 「ごめんなさい、昨夜のこと」 いきなりゼシカの方から謝られ、予想外のことにちょっと驚く。 「私、考えたの。ククールは私の悩み聞いてくれてたのに、兄さんの話を出すなんて良くなかったって、気づいたわ」 気づいたって、何にだ? 「ククールのところは兄弟仲がアレなのに、私と兄さんとの楽しい思い出話なんて聞かされたら、面白くないわよね。本当にごめんなさい」 ・・・そう解釈したか。 オレ、すげぇ器の小さい男と思われてるんだな。それどころじゃなかったから、マルチェロのことなんて、ここんとこ思い出しもしなかったってのに。でも、サーベルトにつまらない嫉妬したのがバレるのと、どっちがマシなんだろう。 おまけに、兄弟仲『アレ』ってイヤな言い回しだよな。いっそ、険悪とか、最悪とか言ってくれた方が、まだ救いがある気がする。 「いや、昨日のことはオレが悪かったよ。ゼシカの大切な思い出にケチつけるようなこと言って、ごめんな」 まあいいか。とりあえずは怒りをおさめてくれたんだからな。 「それと、雪崩からかばってくれて、ありがとう。いつも守ってもらうばっかりね」 「いや、かばえなかったってのが正しいだろ。出来たことは、仲良く雪に閉じ込められただけなんだから」 ほんとに情けなくなる。守りたいって気持ちだけ先走って、まだまだ実力が伴ってない。 「そんなことないわよ。もしククールがいてくれなかったら、今頃大ケガしてたかもしれないもの」 「そうじゃぞ、人肌で暖めあってなければ今頃、凍死して・・・」 「マヒャドも付けてほしいようね」 やけに嬉しそうなトロデ王の言葉は、その声だけで凍りつきそうなゼシカの言葉に遮られた。このおっさんも、いいかげん懲りろよな。 「トロデ王って、ほんとにしょうがないわね。そこがカワイイんだけど」 カワイイ? このおっさんが? ゼシカってもしかして、趣味悪いのか? 「なんじゃ、今度はバカにしとるのか?」 「違うわよ、そういうとこ好きだって言いたいの」 ゼシカはほんとにストレートだ。何でも思ったまま口に出す。 「おお、そうか。お前もとうとうワシのプリティさに気づいたか」 それで喜ぶトロデ王も、たいがい素直だよな。オレだったら、どう受け取るだろう。 「ククールのこともね」 「へ?」 心でも読まれたのかと思うタイミングの良さに、思わずマヌケな声を上げてしまった。 「暗黒神を追うのを付き合うって言ってくれたこと、感謝してる。忘れてるわけじゃないのよ、ククールには直接関係ないことだって。だから、ありがとう」 ・・・まいった。トロデ王と同列に並べられたってのに、結構嬉しいぞ。オレって自分で思ってるより単純なのかも。 「・・・別に付き合ってるだけってわけじゃないさ。暗黒神のヤロウは、初めから気にいらねえと思ってた。かわいいゼシカを泣かせやがったんだ、その落とし前はつけさせねえとな・・・。レディの敵はオレの敵ってことだ」 「大変でがす! 兄貴が目を覚ましてくれねえでがすよ!」 ああ、うるせえ。ヤンガスがドタバタと階段を駆け上がってきた。脂肪がある分、体温が戻るのが早かったみたいだな。 状況とオレの診断を説明してやると、わりとアッサリ、ヤンガスは落ち着いた。 「それなら一安心だ。あれ? ゼシカのねえちゃんどうしたでげすか? 顔が赤いでがすよ」 ヤンガスに言われて見てみると、確かにゼシカの顔が赤くなってる。 「ほんとだな、どうしたんだ? 熱でも出てきたのか?」 代わりに返事をしてきたのはトロデ王だった。 「何じゃ、ククール、お前も鈍いのう。さっきお前が、かわ、ぃ、ぐむっ・・・」 そこまで言ったところで、ゼシカがトロデ王の口をガッチリ両手で押さえ付けた。 「だからやめてってば! ほんとに次はないからね! 何でもない、本当に何でもないんだから、気にしないで!」 オレが何だって? 何かしたっけ? そんなゼシカをうろたえさせることした覚えは無いんだけどな。『かわ』がどうとかって、川? 革? ・・・ダメだ、サッパリわかんねえや。 <終> 赤-前編
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/163.html
暗黒魔城都市での戦いで一度死んでしまったククールさんは、ゼシカ嬢との共同作業のザオリクのおかげで、無事に生き返ることが出来ました。 だけどそのダメージは大きく、せっかくゼシカ嬢が抱き着いてきてくれたのに、それを支え切れず、彼女共々引っ繰り返ってしまいました。 死者蘇生呪文ザオリクを使ったゼシカ嬢も消耗が激しく、中々起き上がれません。 隣の部屋にはザオラルの使い過ぎでダウンしたエイト君と、一人だけ元気なヤンガス氏がいるのですが、彼らはククールさんとゼシカ嬢の二人きりの時間の邪魔をするほどの野暮ではありませんでした。 助けは期待できないので、二人は何とか自力で立ち上がって、ソファにたどり着きます。 「こりゃあ、すぐにラプソーンをぶちのめすってわけにはいかねえな」 ククールさんはいつになく、元気のない声で呟きました。 「・・・トロデ王が言うにはオレは完全に死んでたらしいな。・・・だけど、どうしてだかゼシカが何度も呼ぶ声だけは聞こえてきた。そうしたら『死にたくない』と思った。本当に心の底から・・・。そしてオレは戻ってこられた」 そう話す表情は、何か苦いものでも飲んだようでした。 「もしも他の時に、同じだけの真剣さがあったら・・・。誰か一人ぐらいは助けられてたかもしれないのに」 ククールさんは、一度限りの死者蘇生呪文を、自分のために使ってしまったことに引け目を感じてしまっているようです。 普段は軽口ばかり叩いていても、やる時は真面目にやってるククールさんだということは誰よりも理解しているゼシカ嬢。その姿が痛々しくて胸が締め付けられるようでした。 ククールさんの首に腕を回し、ギュッと抱き締めます。 「何言ってるのよ。助けてくれたじゃない、私のこと」 言った後で、気休めにすらなってないんじゃないかと不安になるゼシカ嬢でしたが、ククールさんにとって、それは一番嬉しい言葉でした。少し心が軽くなったようです。 「・・・そっか。それなら上出来かな」 ゼシカ嬢の身体に腕を回し、そっと抱き返しました。 静かな時間が流れます。 しかし、それが不運の始まりだったのです。 ククールさんが、何やら落ちつかなげな様子を見せ始めました。 「ゼシカ、そろそろ横になった方がいいぜ? 風邪ひくぞ」 ゼシカ嬢もククールさんも、薄手の部屋着姿です。時刻は真夜中。その状況でゼシカ嬢のようなダイナマイトバディの美女に密着されていたら、ククールさんのように健全な男子は不健全な気分になるのも無理ありません。 でもゼシカ嬢、全くわかってません。 「眠くないし、寒くないわよ」 「いや、そういう問題じゃなくてだな・・・」 ゼシカ嬢に遠回しに物を言っても時間の無駄だと判断したククールさん。はっきり言うことにしました。 「これ以上は理性を保つ自信がない」 怒られるのは覚悟の上でした。しかしゼシカ嬢、ククールさんが何だかんだ言っても紳士だと信じていました。後にそれは、かいかぶりだと知ることになるのですが・・・。 「・・・もうちょっと」 ククールさんの首に回す腕に更に力を込めます。 しっかりしているようで、ゼシカ嬢はお嬢様育ちの兄さんっ子。根底の部分が甘えっこなのです。 それにこうして触れ合っていないと、今この瞬間が夢ではないということに自信が持てず、不安だったのです。 「襲うぞ、コラ」 ククールさんが脅しても、平気な顔してます。 「でもククール、体、動かないのよね?」 見事な小悪魔ぶりです。 ちょっと頭にきたククールさん、ゼシカ嬢を抱く腕に力を込めます。 「そうか、動けるならいいってことだな」 その声の響きにゼシカ嬢、身の危険を感じました。慌てて離れようとしますが、ビクともしません。確かにククールさんも弱っていますが、自分も負けずに弱っていることを計算に入れていなかったのです。 「腕はそれなりに動くって気づいてたか? アツ~いキスで目を覚まさせてくれた礼だ。今夜は寝かさないからな」 「・・・っ。何で、そのことっ!」 ククールさんが全くキスの件に触れないので、知られていないと思っていたゼシカ嬢。慌てふためきます。 「トロデ王が見てたんだぜ? あのおっさんがそれを話さずにいられると思うか?」 ゼシカ嬢、その話をするトロデ王の嬉しそうな顔が目に浮かぶようでした。 「男を甘く見るなって、今まで何度も忠告してきたよな? どうやらお仕置きが必要みたいだな。・・・覚悟しろよ」 耳にかかる声と息に、ゼシカ嬢、身を竦ませました。 「ねえ、もうやめて。私が悪かったから・・・」 目に涙を浮かべ、苦しい息の下からゼシカ嬢は懇願します。しかしククールさん、全く聞き入れるつもりはありません。 「お願い、許してっ・・・。これ以上は頭がおかしくなっちゃう」 ゼシカ嬢、身を捩ってククールさんの腕から逃れようとしますが、身体に力が入りません。ククールさんの攻撃が再開されます。 「『ドニで遊ぶのはほどほどに』『海竜の舌が赤い理由』」 「もうやめてーっ! いたたた、おなか痛い。明日絶対、腹筋筋肉痛だわ」 ゼシカ嬢、目に涙を浮かべて大爆笑です。 もちろん、オディロ院長作の駄洒落がおかしいんじゃありません。 この頭がおかしくなりそうな程くだらない駄洒落を耳元で、まるで愛の言葉でも囁くように甘く低い声で並べ立てるククールさんがおかしくて、ツボにはまってしまったのです。 「『毒針を今度配ります』『バンダナをした彼の出番だな』・・・こんなつまらない駄洒落でよくそんなに笑えるな。オディロ院長が生きてたなら、喜んだだろうに」 そういうククールさん。オディロ院長が存命の頃、つまらない駄洒落でも笑ってあげようとしてはいたのですが、冷たい笑みにならないようにするので精一杯だったそうです。 「ち、違うわ。あんまりくだらなすぎて・・・。それにそれを真顔で言うククールが・・・ああ、もうダメ」 笑いすぎで苦しいゼシカ嬢ですが、これが夢じゃないことは確信できて気持ちは安らかでした。 こんなくだらない駄洒落。それを真顔で囁くククールさん。たとえ夢の中だろうと、ゼシカ嬢には到底考えつくことではないからです。紛れもない現実だとしか思えません。 天国からその様子を見ていたサーベルト兄さんとオディロ院長は深いため息を吐きます。 「ククールめ。私の駄洒落百連発をお仕置きと称するとは何事だ。・・・私の駄洒落は、そんなにくだらないかのう?」 「ゼシカときたら、せっかく夢の中まで訪ねていって大事なことを教えてやったのに、すっかり忘れて『ククール、ククール』って。まあ兄妹なんて、結局こんなものなのかも」 ・・・えーっと。まあ、あれです。とりあえず今は、生きてる二人が楽しそうならそれでいいということで。・・・かなり強引だけど。 メデタシメデタシ。
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/274.html
932 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/04/12(土) 22 19 34 ID DV5rwba5O 8の着せ替え3D機能は本当に美味しい 同意!! 本当よくつけてくれたと思う。 バニーガールゼシカを先頭にカジノに行って、 男達の視線を集めるゼシカをククールが後ろではらはらしながら見ているなんて 脳内妄想をした遠い日々が懐かしい…… ククールとかにも着せ替え機能つけて欲しかったな。 ククールの普段着とかがあればその格好でリーザス村に行って、 ED後ゼシカの元を訪れたorゼシカと結婚し リーザス村で暮らしているククールなんかを妄想する… 933 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/04/12(土) 23 20 44 ID lTZI6Fnw0 ククールの普段着いいなそれw 普段着姿のククールにリーザス村をぷらぷら歩かせたいw 8がリメイクされるって事はないのかな。 あるとしたらDSとかになってしまいそうだけど… 934 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/04/13(日) 01 02 12 ID miBtAgj10 ひかりのドレス+黄金のティアラの清楚なゼシカに思わず見入ってしまい言葉を失ったり、 スパンコールドレスのアダルティなゼシカに例の口笛を吹きつつ内心ドキドキだったり みずのはごろものいつもと違う雰囲気のゼシカに思わず押し倒してしまry しかし逆に考えると、ゼシカが思わずときめきそうなククの装備がないなぁ 関係ないけど、天使のローブとかドラゴンローブとかしあわせのぼうしwとか、 ククゼシのみ装備可能なものって、お揃いで着てるとこ想像すると微笑ましくて萌えないか? 935 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/04/13(日) 18 25 01 ID 2Ak+emCbO ククールとのお揃い装備は始めゼシカが抵抗しそうだw でも仲間達にあれこれと言い包められて結局お揃いの格好になり 立ち寄った街で恋人と間違われ、嬉々としてすかさず肯定するククールと 顔を真っ赤にし猛烈否定するゼシカ。…なんて電波を受信した。 936 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/04/13(日) 18 45 44 ID VeZy2kLu0 神秘のビスチェお揃い装備… 937 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/04/13(日) 19 59 13 ID XYKvJ7qoO 936 ちょwww 思わずビスチェ姿のククを想像してしまったではないかw 938 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/04/13(日) 21 54 04 ID 7lHWCZKf0 934 みずのはごろものいつもと違う雰囲気のゼシカに思わず押し倒してしまry みずのはごろもを着たゼシカにぼーっと見惚れていたら 半ば無意識にゼシカの腕を掴み自分の方へ引き寄せ押し倒してしまうクク。 「…ちょっと、どういうつもりよ…。ククール」と、 驚きつつも不機嫌そうに言うゼシカにようやくククも我に返って、 途中まで本気だった事を隠し、体勢はそのままにわざとおどけた口調で 「いや、美しく着飾ったレディを組み敷くのは騎士として当然の礼儀かな、と…」と言った所で ゼシカの指先に火の玉が渦巻いている事に気づく。 「…んな訳ないでしょ…!バカッ」 「ちょ、メラミはやめろ、メラミは!宿が燃える!」 なんてアホなやり取りを展開してそうなw 939 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/04/13(日) 23 04 15 ID +KsQSf5sO 934のレスで激しく萌えた直後に 936という落し穴が… 940 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/04/13(日) 23 21 11 ID aHX1vQsvO 確かダンシングメイルはククール装備出来たはず。 とってもセクシーなんだけど、どうしてだろ? イメージすればする程笑ってしまう。 ククールにも3D着せ替え機能があればと強く思う今日このごろ。 941 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/04/14(月) 00 17 03 ID MJ8isWAP0 ククの装備で見たいのはファントムマスク一択。 おしゃれなベストとかどこがおしゃれだよw 940 しかも攻略本には「身に付けたまま踊れるように作られた装備。装備者は鮮やかなステップで攻撃をかわせる」 という本気で言ってんのか、と言いたくなる説明が載ってる 軽やかステップで攻撃を交わしてみせるククを見てゼシカが言葉もなく沈黙してる絵しか浮かばない 942 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/04/14(月) 00 30 46 ID +BljnSPhO 終始踊るようにして攻撃を避け続けたククがゼシカを振り返り 「どうだいハニー、俺の軽やかなステップ見てくれた?」と さわやかに笑ってみせたところでゼシカがぶち切れる。 946 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/04/14(月) 11 49 04 ID 2oCJ89CPO 天使のローブ着用のククールは見てみたい(個人サイト様で描いてる人が居そうだな)。 今から10年位経って、年齢を経て丸くなったククールはああいうのを日常的に着そうな気がするんだ。 そういえば、うちのククールとゼシカはドラゴンローブを共用してたな。 947 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/04/14(月) 13 20 21 ID +qGppDTV0 ドラゴンローブとか、女神の盾とか、二人しか装備出来ない、かつ一店ものの防具を 譲り合ってケンカする二人を妄想してニヤニヤしてしまう。 「レディーファーストなんだから、ゼシカが装備しろ」 「何言ってんの、回復役が死んだら後が大変なんだから、ククールが装備しなさいよ」 と、お互いに相手を思いやってケンカばかりしてるイメージがある。 949 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/04/14(月) 21 26 17 ID EpzosCbtO 947 譲り合い喧嘩するククゼシを想像すると萌え和むw 道具の兼用もいいなぁ… いつまでも平行線な二人を見兼ねて主人公とかが「順番に使えば?」と提案 自分が使った後に相手に受け渡す時の様子を色んなパターンで妄想できそうだw 950 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/04/14(月) 22 40 59 ID Fj1Lsn6R0 947 女神の盾をお互い相手に使わせようと喧嘩のようなやり取りを交わした後に ゼシカはククールに少しでも安全でいて欲しいがために色々考えて 「…あんたは私だけを守る騎士なんでしょ…。だったらその盾で、私の事守ってよ」と言う。 ククールは少し目を見開いた後にっと微笑んで、「…OK、ハニー」と答え盾を装備する。 そんで戦闘中、敵の攻撃がゼシカに直撃しそうになった時に ククールが盾を構えながらゼシカの前に躍り出て見事守ってみせる。 驚いてククールを唖然と見つめてしまうゼシカに、 「守るって約束しただろ」と振り向きざまウインクするククール…。
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/509.html
「おかしなくすり3」途中からの別パターンです。正直納得いってない出来だったので、当初「ククに余裕がありすぎる」という理由で没になった展開を元に再構築してみた。しつこくてすみません。自己満を喜んでいただけてるだけで本当に感謝。そしてどなたか続きを…ッ ☆☆☆ククールはピッタリと閉じ合わされたゼシカの膝を左右に強引に割った。ゼシカが混乱しつつも羞恥におののくのがわかる。何もかもが隠すことを許されず剥き出しで、男の視界に晒される。性感を得るのもはじめてなはずなのに、異常とも言えるほど濡れそぼっている身体の中心。ゼシカは足を広げられ、はじめてそれを実感させられた。卑猥な音すらさせて蠢くソコが、なぜこんなに濡れているのか理解できない。―――ただ、晒されたこの場所を意識した瞬間、欲望の根源をそこにはっきりと感じた。「―――ッッ!!!!ククール…ッッ!!!!」「触って、ちゃんとオレに教えて」すがる声は残酷に跳ね返される。体中を狂ったように駆ける欲に羞恥心が一瞬の抵抗を試みる、が。ゼシカが躊躇した時間はほとんどなかった。それほどに高められた性欲は強烈にゼシカを追い立てた。やがてブルブルと震える指先が自らの下半身に伸び、「なぜか」水を零したように濡れているその箇所に、下着の上からおそるおそる触れた。といっても、羽根が落ちるほどそっとであるが。湿った感触と冷たさがリアルに伝わり、ゼシカはわけがわからず困惑の極限に達する。「やっ、だ、ナニコレ、やだ、もう、わかんな…ッ!ねぇおねがいクク…わたし、ここ… ここが、……ッッ! ねぇおねが…おねがい…ッ、ククール…!!」ここに さわって、と。ハァハァと激しく繰り返される息の合間に囁かれたあからさまな「おねがい」。これだけの大きさを誇りながら桁外れに高い感度を擁し、中途半端に脱がされた上着から溢れんばかりに零れて主張している両の乳房は、ククールが散々施した愛撫によって濡れ、光り、硬く膨れて切なげに揺れている。片手は頭の横に突かれたククールの腕にからみ、もう片手は怯えるように自らの秘部に触れ。そして自分を蹂躙している男に、さらに淫らな行為をねだり…―――これだけの痴態をさらしても、ゼシカの表情は完全なる処女のそれだった。感じすぎる快楽を苦痛にすら感じ、顰められる眉。はじめての性感に戸惑い泣きぬれる瞳。開きっぱなしで、もはや喘ぎも唾液も飲み込むことのできない小さな口唇からは、何度 たすけて、と聞いただろう。常に指先はすがるようにククールにしがみつき。――――――今なら引き返せるぜククールの脳内をほんの刹那、そんな言葉がかすめた。――――――黙れその一言で、わずかに残っていた罪の意識を、ククールは完全に脳内から締め出す。ここまできて。ここまでしておいて、今さら引き返せるものか。ただの女じゃない。「ゼシカ」だ。歯止めなんか、きくわけがない。おかしくなってるのはゼシカだけじゃない。オレだってもう、狂いそうなんだ。普通じゃないんだ。オレも、ゼシカも。何かがおかしいんだ。だから…そんな免罪符が浮かんで、消えた。 ククールはゼシカの指先に自分の指を重ね、濡れそぼり透き通っている布の上から、柔らかくふくらむその中心に互いの指をグッと埋めた。「イヤァッ!!!」「おま…濡れすぎ…」ククールはゴクリと唾を飲み込みながら、口唇を歪めた。待っていたように泉がさらに湧き出すのがわかる。触れるのもはじめてのその場所に襲い来るはじめての感覚に、ゼシカは小さな頂点を何度も迎えてしまう。「ああっ!!!はっ…あっ、アッ、アッ…!!!!」布の隙間から指を忍び込ませ直接触れるが、もうゼシカにはそんなことを意識している余裕などまったくない。ククールはもはや邪魔なだけの下着を思わず力任せに破り取ってしまった。そこに再びゼシカ自身の指を触れさせると、ビクッと硬直する。「…ッ、………触れよ…好きなだけ」耳元で囁くとキツく閉じられた瞳から涙がこぼれた。それでも、拒否しない。白い指先はこわごわと赤くなった入口を行き来するだけだが、ゼシカ自身もククールも、それだけで十分すぎるほど興奮した。ククールの指が一向に動き出さないことに、ゼシカが再びねだる甘い声をあげる。「ねぇ…っ、クク、クク、も…ッ、おねがい、ククール、も…」「…オレ、も?」「こんなんじゃイヤ…ぜんぜん…たりな…」「…どうして、ほしい?」「さわって…」睦言を交わしながら徐々に身をかがめ、ククールはゼシカの口唇をふさいだ。指先は、望みどおりに奥深くへと侵入しながら。蠢く内壁は狭く、それでも生まれてはじめての異物を取り込もうと貪欲に収縮を繰り返す。中を探りながらすでに主張している突起も嬲りその都度、ふさがれた口唇の間でゼシカが喘ぎを押し殺すのがわかる。エロいキス。はじめてのくせになんて妖艶に男を誘うエロい舌。無意識のくせになんてエロい。ククールは自分がもう完全に彼女の虜になっていることを自覚した。こんなゼシカを誰が知るだろうか?オレだけだ。この世でオレだけが知っている淫乱なゼシカの正体。絶対に、誰にも教えない。他の男になんて死んでも見せるものか。今夜、オレの前でだけ、その本性をすべてさらけ出せばいい。 指を3本にまで増やして突き上げながら、顔をわずかに離して溶けきっている表情をうかがう。「…ゼシカ」「はぁ…ぅん、あん、あ…ん、ククール…」「ゼシカ…」その無垢で淫乱なかわいい顔に、逆らえず吸い込まれるようにまた口づけ。「足りる…?」「んふ、ん、クク、あ、アッ、あ…」ゼシカは喘ぎながら、首をプルプルと小さく横に振る。「たりな…ッ、だめ、まだ、わたし…こんなんじゃ、たりないの…っっ!!」どうしたらいいの、と問う瞳は、際限のない快楽への恐怖。与えられても与えられても、まったく満たされることのない耐えられないほどの疼き。今、ゼシカにとって自分を助けてくれるのはククールだけだった。ククールなら私を救ってくれる。絶対に。だから、羞恥など投げ捨てて心のままに縋りつける。――――――どうにかして、と「ククール…おねがい…」ゼシカは泣いた。満たされない欲望に対する徹底的なナニカが欲しくて。「も…っと…」「…もっと?」「もっと…して…」「…なにを?」「わか、んな…ッ」いじわるしないで。そんなめでみつめないで。「もっと、して…もっと、もっと、もっと…」――――――ククールの好きなようにしてそれがきっとわたしのよくぼうでもあるから次の瞬間、ゼシカの両足は高く持ち上げられさらに開かされ、それにゼシカが身構える間もなくあまりにも性急に、ククールは潤みきったその場所に己を一度に埋めた。尾を引くのは苦痛ではなく、むしろ苦痛に勝さる快感に喘ぐ高い悲鳴。優しさや気遣いのない激しい突き上げにも、ゼシカの身体は悦び、さらに もっと、と求めた。完全に箍のはずれたククールに、その囁きはまさに媚薬だった。今この瞬間、お互いが満たされるためだけに行われたこの行為が、どれほど罪深いものなのか。少なくとも男にはわかっていた。しかし、留まることなど、もう互いにできるはずもなかった。―――――自分の本当の気持ちに気づいてしまったから
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/78.html
「何やってんのよあんたはぁっっっっ!!」 「な、何ごと?」 凄まじい怒声に、杓子を持ちつつ様子を見に来たエイトが目にしたものは、 ククールと、顔を真っ赤にして怒るゼシカであった。 (ゼシカのあの構えってもしかして…) 「って、わあああっ! ストップストップ! ゼシカ、落ち着いて!」 「止めないでエイト。今日という今日はマダンテ撃たなきゃ気がすまないわっ!」 「ゼシカ、こんな所でマダンテ撃ったら僕たち心中だよ。その上森林破壊だよ。 とにかく落ち着いて!」 結局エイトだけでは抑えきれず、ヤンガスの加勢がやって来るまで、 ゼシカを落ち着かせるのに数十分かかった。 朝食作りの途中だったエイトは少しの間ヤンガスに任せて、真っ直ぐ二人に切り出した。 「あのさ、ククール。僕はゼシカを起こして来るよう頼んだはずなんだけど。 一体何したのさ?」 「それは二人だけのヒミツ。 な、ゼシカ?」 「…殺すわよ?」 茶化すククールにゼシカの氷山のような視線が突き刺さる。 往生際が悪いククールは、それでも自分の否を認識しようとせず、全く反省してい ない様子で言った。 「ゼシカがなかなか起きないのが悪い。声掛けても、鼻摘んでも、耳元で囁いても 起きないんだもんなー。」 「…私が寝てる間に何したって……?」 ゼシカはこみ上げる怒りを抑えて、眉をぴくぴく吊り上げながら声を絞り出した。 エイトは深くため息をついた。 同時に、何かとてもくだらない予感がした。 「だから、ここは王子様のキスしかないと思ったわけよ。」 「…は?」 「どういう理屈でそうなるのよ!」 「現に直ぐ起きたじゃん、お前」 「そういう問題じゃない!! 私のファーストキスを返せ!」 「んな大袈裟な…。おでこにちょこっとしただけだろ? いいじゃねえか、減るもんじゃなし。」 「なんですってえ!」 「オレみたいな美形のキスで起こされたんだからラッキーだろ? それに、あんなのはキスのうちに入らねっての。 ど?本当のキスってのを教えて やろうか?」 「…ゼシカ。ヒャド系なら構わないよ。」 「エイト、てめえっ!」 (………ばかばかしい) 呆れたエイトは言い争う声を遠くに聞きながら、その場を後にした。 「変わるよ、ヤンちゃん」 そういいながら、ヤンガスから杓子を取ると、朝食を器用に小皿に移していく。 「ここまで聞こえてきたでがす。まったく、痴話げんかでがすか?」 「そうみたいだね。」 苦笑いしながらエイトは答えた。 「でも今日は兄貴、大人しいでがすね。いつもなら『レディの寝込みを襲うな!』 ってギガスラッシュしそうなものなのに…。」 「まあ、ゼシカもまんざらじゃないみたいだしね」 「そうでがすか? …あっしにはよく分からないでげすよ。」 「あはは。 でも、女癖の悪さを治すまではうちのゼシカはやれないなぁ」 エイトは冗談混じりに笑うと、移し終えた小皿を綺麗に並べた。 「そろそろ終わったかな? 朝食できたし、呼びに行ってくるよ。」 「やれやれ、全く兄貴も過保護でげすな。」 空は高く、澄み渡っている。 今日も一行は、世界を救うべく歩き出すのだった。