約 3,755,911 件
https://w.atwiki.jp/meidaibungei/pages/138.html
2006年03月26日(日)00時19分-元月組 そのころ、我らが主人公雨宮水知とヒロイン光原ハルは結構困っていた。 「いつの間に……。っていうか早っ!」 地下風水盤に向かうべくプールを訪れた彼らを待っていたのは、ごく普通の――普通な状態のプールだった。 そう、先日の雨衣の攻撃によって破壊されたはずのプールが、ものの見事に修復されていたのである。 「ねえ、水っち。本当にこの下にあるの? それっぽいのは何にも無いんだけど」 「いや、ここで間違いない。プールの底に入り口があったんだ」 「底? 何にもないけど?」 「もっと下、プールの床の下さ。僕が来たときには床が根こそぎひっくり返されてたんだけど……」 「でも別に工事とかしてなかったよね」 「そうなんだよな」 今回のプールの破損について、誰か――無論、とある部活の連中だが――が動いているという話を水知は知らない。授業に出ていない、というかまともに学校に行っていないから聞く機会がなかったのかも、とも考えたが、ハルも知らないということはそれも違うだろう。だったらどうして、と水知が不思議に思っていると、ハルが分かったといわんばかりにポンッと手を打った。 「そっか! これが噂のMIKかぁ」 「えむあいけえ?」 「知らないの水っち? メンインカーペンター、天晴高校七不思議の一つだよ。誰もが手におえないような大規模な破壊が起きたとき、その身をスーツに包み、頭にはねじり鉢巻、七種の大工道具を自由自在に操る男の人たちが現れて、誰にも気付かれずにそれを修理し、そして去っていくっていう感じの。ちなみにその人たちを見てしまった人は記憶を消されるとか」 「なんか七不思議のくせに都市伝説っぽいんだけど。ていうかそんな痕跡がありありと残ってる七不思議なんてあり!?」 「あと、土木部の部室に祀られてるって話も」 「しかも信仰の対象ぉ!?」 変だ変だとは思ってきたがもう本気を通り越してどうでもいいくらい変だこの学校、と水知が頭を抱えそうになっていると、 「そんなところで何をしているんだい、後継者」 「!? 誰だ!」 「フフフフフ。イヤッホーーーーイ!」 人影が更衣室の屋根から飛び降りた。そして、よくわからないポーズを決めながら水知たちの目の前に華麗に着地する。 「俺の名は――」 「いや言わなくていいですよ。だいたい掛け声の時点で丸解りですし」 「なるほど。けど後ろの娘とは初対面のはずだぜ」 「知ってますよ。富士森先輩、ですよね? 生徒会会計の」 「へえ、結構有名なんだ、俺って」 ((そりゃあんな奇声発してれば有名にもなるって)) 「それで晴天同盟の人が何の用ですか」 「おいおい、そんな怖い顔するな。別にアンタたちに用があるわけじゃない。むしろ余計な戦いは避けたいぐらいさ」 「だったらなんで更衣室の上なんかに……」 「それは男の面子の問題だ。登場の仕方っていうのは常に意味ありげで格好良くなければいけないだぜ。後継者」 そう言う富士森に敵意は見られなかった。戦う気がないのは本当のようだ。だったら何でここに、と水知が口にするより早く、今度は富士森が言った。 「で、アンタたちはどうして授業にも出ずにこんなところに?」 「えーとですね。私たち地下ふが」 馬鹿正直に答えようとしたハルの口を水知は慌てて塞いだ。 もしここで自分たちが風水盤に向かっていることを知れば、富士森と戦うことになるかもしれない。余計な戦いを避けたいというのはこちらも同じなのだ。 ふがふがと不服を示してくる彼女に黙っているようにとジェスチャーで伝える。そして、ばれていないことを祈りながら水知は富士森を見た。 「地下……? ひょっとして地下迷宮か?」 「そ、それはその、えーと」 しっかり聞こえていたらしい。どう誤魔化そうか水知は必死になって考える。地下、とつく言葉で無難なもの。地下道、地下室、地下洞窟。そういえば富士森は地下迷宮とか言っていた。そんなものまであるのかこの学校という名の魔境には。 混乱し始めた水知に向けて、突然富士森が歩み寄った。思わず傘を握る手に力が入る。富士森は目と鼻の距離ほどに近づくと、水知へと手を伸ばし――空いている左手を握った。 「そうか、アンタも助太刀してくれるのか。流石は強敵(とも)」 「へ?」 「そうかそうか。そうとわかればさっさと会長たちに追いつかねえとな。いくぜぇ、イィヤッホーーーーイ!!」 「え、ちょっとま――うああああぁぁぁぁ!?」 「あ、水っち」 そして、何が何だかわからないままの水知を引きずりながら、富士森はいつものように駆けて行ったのであった。 44皆既日食 ずりずりと引きずられていった先は―― 「・・・監視台?」 プールのすみっこにある、何の変哲もない監視台だった。 「そうさ、この監視台こそプールの司令塔。漢の浪漫を搭載した夢の素敵機関だ!」 よっこいせ、と妙に古風な掛け声とともに、富士森が監視台をよじ登る。 そして登りきると座るのではなく、その腰掛に雄雄しくそそり立つ。 左手は腰に。 両足は軽く開き、必要以上に胸をそらしさわやかな笑顔を顔に貼り付け、 『快男児』と朱で書かれた黄金のホイッスルを力の限り吹き鳴らす。 しかし音は出なかった! 「故障かよ!」 「待て後継者、確かに今音は鳴った。そしてコトは成った」 「いやそんなうまいこと言わなくてもいいから!」 ぎゅいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい。 怪しげな駆動音とともに、プールの中からエレベーター(らしきもの)が出現する。 「・・・そんな」 目を点にしてハルがつぶやく。 「プール、壊されたばっかりなのに・・・なんでこんなものが」 「地下風水盤に対して、生徒会も何もしてこなかったわけじゃないのさ」 誇らしげに富士森が言う。 「MIKに頼んでエレベーターを設置してもらったのさ!濡れるのヤだし!!」 「いやそれより先になんか対処するべきものがあるだろ!?」 恐るべし生徒会。信仰の対象にまで昇華されたMIKにまでパイプを持っているとは。 否、真に恐るべきはただのホイッスルを犬笛に加工し、それをスイッチに動く隠しエレベーターを考案してしかもその案を通した富士森なのであった。 もはや何処から予算を捻出したのかもわからぬ。この漢、会計としては超がつくほど優秀である。 「さあいざ行かん地下迷宮へ!イィヤッホーーーーーーーーーイ!!!!!」 水知とハルを両手にひっつかんでエレベーターに飛び乗る。 「時間的にこの工事は無理があるだろー!」 「いやああああああああああ!?」 エレベーターは、富士森コウの趣味によって遊園地のフリーフォール並みの速度で地下へと下っていった。 ◆45(穂永) 地下を歩く三人の男女。一人は元気溌剌、一人は涙を浮かべて腰をさすり、もう一人は呆れ顔。 「うぅ……お尻をしたたか打っちゃったよぅ」 「ハハハ、あのエレベータは二人乗りってのを忘れてたぜ。過負荷のせいでケーブルが切れて落っこちたっぽい」 「しっかりしてよ、先輩。私のお尻が平らになっちゃう」 「イヤイヤ、それ以上小さくなりようがないんじゃないかな」 この言葉にかちんときた光原ハル、回し蹴りで富士森コウの後頭部を打ち砕こうとたくらんだが、腰を打った痛みのために足が上がらない。やむなく回し蹴りは諦め、唐竹割チョップで勘弁しておくことにした。すると富士森は頭をぽりぽりと掻いて笑った。 「フハハハハーッ! そんな攻撃、我には通じぬわ!」 「くっ、貴様ッ……!」 このテンションについていけない我らが主人公は、呆れつつも少し富士森を羨ましく思いつつ、早く風水盤のところに到着しないかと念じていた。その願いはなかなかかなわず、水知は無言で『露草』を撫でた。 ようやくというか、しばらく歩いていくと、あの祭壇とあの風水盤が眼前に姿を現した。風水盤の上には今なお『雨月』が突き立ち、その長い柄からは一道の蒼光が地を貫き天へと奔っていた。 「しかし、なんなんだろうな、これは一体……」水知がつぶやいた。「水落衣織や志藤会長は、これについて何を知っているんだろう」 「ハハァ、それを本人に尋ねようってわけだな、我が強敵(とも)」やたらと勘の鋭い富士森が看破した。 「富士森先輩は、これについてなんか知ってたりします?」ハルが尋ねる。 「いや全然。気象学や化学は俺の専門外だぜ、イェイ」 「自慢になってないっす」 二人の声を背景に、水知はつかつかと祭壇を登っていく。 ――ここで衣織と戦った。 ふと見下ろせば血痕が一つ。これは衣織のものか。はたまた自分のか。 祭壇の上はすぐそこなのに、なぜか遠かった。どれだけ登っても、永遠にたどり着かないような気がした。足が痺れてきた。気分が悪くなった。膝を突いた。 「あっ、水っち!」 慌ててハルが駆け寄る。 「いや……大丈夫、急にめまいがして。うん、もう良くなったみたいだ」 強がりではなかった。ハルが近づいて、身体の調子は戻ったらしい。 ――風水盤の影響? いや、まさか……。 気を取り直して、水知は祭壇を登る。間もなく風水盤へ。水知は『雨月』の柄に手をかけた。 「……ッ!」 弾かれて、水知はしりもちをついた。ハルがまた駆け上がってきて、水知の隣に立った。 「水っち、ホントに大丈夫?」 「いや、なんていうか……伝説の武器に拒まれる脇役戦士みたいな?」 テレビゲーム世代にしかわからない比喩を言うと、水知は起き上がってもう一度『雨月』の柄を掴んだ。掴むことはできた。が、手が焼けるように熱い。引き抜こうとするが、力が入らない。十秒ばかりのあいだ引き抜こうと試みたが、やがてまた手を離した。 ――さっきは触れもしなかったけど、今度はしばらく掴んでいられた……それにさっきのめまいもハルが側に来たら治った……やっぱり何かあるのか? そう考えた水知は、 「光原、どうも上手く抜けないから、手を貸してくれる?」 「ん? いいよ?」 タイミングを合わせ、二人で同時に『雨月』に手をかける。今までの抵抗感がない。二人はそのまま、おもむろに『雨月』を引き抜いた。『雨月』はするりと抜けた。 その時、どこかで「ぴしり」と何かが裂ける音がした。 水知は瞬時、警戒をはしらせたが、周囲には何の異常もなかった。 手の中には『雨月』。 「ようやく取り返せたなあ……」 「じゃ、あとは水落先輩を探すだけだね」 二人揃って階段を下りると、富士森は地面に鼻をつけてなにやら嗅ぎまわっている。 「……富士森、何やってんだ、と僕は聞くべきなのか?」 「是非とも」と富士森は顔を上げずに言った。 「富士森、何やってんだ?」 「……会長の追跡。そのために、臭いを追ってる」 水知も、さすがにハルも絶句した。 「このあたり、確かに会長と副会長の臭いがする。どうやら二人とも通ってったらしい。が、気になるのは会長たちの側にもう二人いること。それに、別のグループが通ってったような臭いもあることだ」 二の句が告げない水知たちに構わず、富士森は続けた。 「会長たちの側の二人のうち一人は……どうも水落衣織みたいな感じがするな。なんで同行してるんだ……?」 この名を聞いてようやく二つ目の目的を思い出した水知。 「ともかく、志藤会長の跡を追うべきじゃないか?」 「おう、そのとおりだぜ強敵。さあ行くぞ、さあさあ」 壁のランプが、迷宮の中を照らしていた。時折、道の端の方をネズミやクモが走り抜けていった。 「しかしえらく複雑な道筋だな。化学実験地下室ってのはこんな深部にあるのか?」蜃楼が思わずつぶやいた。 「ええ……雫ちゃんに聞いたところによれば、かつて極秘裏に地下核実験を行うために作られたものらしいですから」と葉露。「深さと強度は折紙つきです」 「風水盤と迷宮の次は核ときたわね」マクブライト教授が言った。「もう何があっても驚きそうにないわ」 「どうでしょう、まだろくでもないことがありそうな気がしますが」と鷹名。 嵯峨がごくりと唾を飲み込む。 「心配性だね、二人とも」と万花。「大丈夫大丈夫、いざとなれば守ってあげるって。ハツユが」 「え、私ですか?」 「守って……くれるよね?」万花は眼をきらめかせる。 「ね、と言われても……まあ、最大限努力はしますよ」 そう言いつつも、葉露は味方を決して失うまいと決意してはいた。 「まあこちらには『仙医』もいるし」安道に目配せしつつ、蜃楼が言った。「死なない限りは大丈夫さ」 「無責任ですよ、蜃楼先輩」と安道。「医術など、使わないにこしたことはないのですから」 「でもまあ――」マクブライトが言った。「これだけ手だれが集まってれば、心強いけどね」 花月葉露、蜃楼遥、万花湖子、嵯峨清香、安道然、鷹名晴嵐。この顔ぶれが相手となれば、どんな勢力も軽々しく戦闘を仕掛けてきはしないだろう。だが実際にはみな病み上がりばかりで、長期戦や多人数相手の戦いは危険だ。 ――罠に気をつけないと。バラバラにされたり、囲まれたりしないように……。 葉露はそう考え、周囲に一層の警戒を働かせた。 「カチリ」 「今、誰か何か言った?」と万花。 「機械の音のように聞こえましたけど……」と嵯峨。 足元に違和感を感じたマクブライトがそろりと足を上げる。ドクロマークのついたスイッチがそこにあった。 葉露たちは一斉にそれを見た。 「あはは……」マクブライトは笑った。 「ははっ……」蜃楼たちもみな笑った。 背後から地響きが迫った。葉露たちは一目散に駆け出した。 「教授!」万花が走りながらマクブライトを睨んだ。 「仕方ないでしょ、化学者ってのはドジっ娘っていう法則があるんだから!」とマクブライトが意味不明な言い訳をした。 「どんな法則!?」 音を響かせながら巨大な岩が追いかけてきた。 「創造力の乏しい奴め!」蜃楼がやり場のない怒りを迷宮の設計者にぶつけた。「こんな古典的な罠を!」 「私たち、ここでおしまいですか……!?」嵯峨が目に涙を浮かべながら言った。 「つぶれても大丈夫だよ、ゼンがいるから!」万花が難題を下級生に押し付けた。 「風船じゃないんだから、平らなのを膨らませたりできませんよ!」と安道。 葉露は最後尾を守りながら思案した。自分の傘技で、この岩を破壊できないか。あるいは――。 「わき道があるぞ!」蜃楼が目ざとく見つけて叫んだ。「飛び込め!」 蜃楼、万花、安道が次々に飛び込む。が、彼らより前を走っていた嵯峨、鷹名、マクブライトは機を逸してわき道に入り損ねた。彼女らのことが気になり、葉露もやはり飛び込めなかった。 葉露ら四人はやがて下り坂の一番下の丁字路にたどり着いた。 が、葉露はここでまたしてもミスを犯す。丁字路のどちら側へ逃れるか指示し忘れたのだ。このため四人は、マクブライトと嵯峨、葉露と鷹名の二人ずつに分かれることになってしまった。 「聞こえる、ハツユ?」大岩の向こうからマクブライトの声が聞こえた。 「聞こえます、教授。嵯峨さんは無事ですか?」 「なんとか怪我をせずにすみました」と嵯峨の声。「そちらは?」 「私も晴嵐さんも無傷です。でも……」 「心配無用、私がいるから」とマクブライト。「途中で別れた三人組も、シンロウ・ハルカがいるから大丈夫でしょ。今は余計なことは考えず、合流できる場所と、シュウスイ・シズクたちの場所を探したほうがいいわ」 「分かりました、くれぐれもお気をつけて」 マクブライトと嵯峨のかすかな足音が遠ざかると、葉露は頭をかかえた。 「また失敗してしまった……!」 「会長、ですが誰も怪我をしてはいません」 「慰めは無用です。――迷宮内で少人数行動。蛟丸に各個撃破の機会を与えてしまうなんて……」 ――衣織先輩か雫ちゃんがいてくれれば。葉露はそう思わずにはいられなかった。 気を取り直して迷宮を進んでいくと、奇妙なことに壁に植物が繁茂していた。これほど大量の植物がどうやって持ち込まれたのだろうか。しかもこの植物は強力な繁殖力と堅牢な性質を持つらしく、場所によっては壁の形を歪めてさえいる。 「これ」鷹名が言った。「どこかで見覚えがあるんですが」 「ええ」葉露はうなずいた。「これは多分……」 「カラソノ・ミドリの植物?」マクブライトが聞いた。 「はい」嵯峨が答えた。「唐園さんの菜園で見たことがあります。でもあまりに繁殖力が強く、成長が早く、他の植物にからみついて枯らしたり、建物を歪めたりするんで、すぐに栽培をやめてしまったみたいですが」 「これがここにあるということは……」 「唐園と秋水がいない!?」翼は声を荒げた。「どういうことだ?」 「グロテスクな植物が扉を捻り潰してたんですよ」香勝が答えた。「唐園緑が、隠し持っていた種をこの数日で育てたのでしょう。身体検査をちゃんとしなかったのは失敗でしたね」 翼は目の前の管制盤を見上げた。盤上には迷宮の地図が詳細に展開され、青い点と赤い点があちこちで光っている。青い点は味方、赤い点はトラップを指す。一つだけ点滅している赤は、転がる巨岩のトラップ。四つの点滅する青は、交戦中の味方を示している。 雲原豪姫から、蜃楼遥らと交戦中との連絡が入っていた。味方は豪姫、勇姫と海公兄弟。四対三、まずは味方有利の展開だった。 「まずいな。目立つ武器は取り上げたとはいえ、唐園・秋水の戦闘力は決して侮れるものではない。嵩宮雨水さまさえ、花月葉露に勝てるとは限らんというのに、彼ら二人に加わられたら……」 「まさか今日この日に脱出されるとは、最悪のタイミングですね。どうしたものですか」 「俺が見回りに行く」 「ここはこれから加速度的に忙しくなりますが」 「力負けしてしまうようでは作戦などと言っておれなくなる。戦況の把握と各所への指示はおまえ一人でなんとかしてくれ」 「――もし唐園・秋水に遭遇したとき、貴方一人で戦うことができるのですか?」 「できるのではない、するだけだ」 香勝は翼の黒い眼をじっと見た。――これほど頼れる男がいるだろうか。 「……分かりました。ここは責任を持って引き受けますので、余念なく戦ってください」 翼はうなずき、管制室を去った。 青い点がひとつ、管制室を離れていった。 やがてあちこちで青と赤が点滅を始めた。香勝は誤った指示を下すまいと、注意深く管制盤を見つめた。 ◆名無し只今反省中 全ての絆において血の繋がりを最たるものだとする者がいる。 間違ってはいまい。ただ、それ以外で勝ちうることもある。 例えば、友情。 「まったく・・・役立たずだなお前らは」 「何だと豪姫! 勇姫様の姉だからとはいえ――」 「血を分かつ姉だとはいえ、侮辱することは許さん!」 あきれたような豪姫の言葉に、素早く海公兄弟が返した。 「もー! 三人ともやめてもらえる? 仲間割れしたら敵の思う壺でしょうが!!」 「それもそうだな・・・」 「「申し訳ありません、勇姫様」」 双子×2のコントのような状況ではあるが、戦いは緊迫していた。 「やはり仲間割れは難しそうですね」 「誰だよ! 急ごしらえのタッグだから身内争いさせようって言ったヤツぁ!!」 お前だろ――そう言いたいのをグッと堪えつつ(椅子を持った万花にそんなことを言ったら今度はこっちが仲間割れしかねない)、蜃楼は油断無く海公兄弟を見た。第七衣『星針』こと海公津波、第八衣『闇針』こと海公小波――第四衣である自分と、第五衣である万花であたれば苦戦する相手でもない。 だが、打ち破れない。追い詰め、追い込み、無駄に時間を食っているというのに、まだ相手は戦力を残している。こちらにも第十衣『仙医』こと安道然がいるのだが、彼は今後の戦いのためにも力を浪費させてはならない。 「ともかく、上衣の我々をここまで梃子摺らせたことは褒めなければなるまいな、海公兄弟」 「「我らは二身にして一心、故に同心で臨めば貴方であれそう簡単に負けはしない!!」」 「・・・そこで“勝つ”と素直に言ってくれればカッコいい所を見せられたのにな・・・」 上衣相手に勝つ見込みなど無いですってば――と言い訳がましく口を開く双子を見遣りながら、豪姫はパラソルを握り締めた。 「そろそろ僕らも――」 「ンだぁ!? ようやっとお偉いサマの参戦ってか、高みの見物決め込みやがって!」 ぶぅんと大きく椅子を振り回す万花に、豪姫は意外にもあっさりこう答えた。 「引こう」 「「「了解」」」 待て――お決まりのそんな言葉も虚しく、四人はパッと虚空へ消え去った。 「にゃろう・・・得意のイリュージョンってか? 負け犬は遠吠えと逃げ足には自信があるらしいなぁ、おい!」 だがその時、蜃楼の姿は無かった。 『空蝉』たる所以のその素早さ――そして、仲間のためにも負けるわけにはいかないという気迫が、勝機を掴み取ろうとしていた。 「月針! お前さえ倒せば我らの勝ちだッ!!」 神速の移動で勇姫の姿を捉えた蜃楼は勝ち誇った――四人を繋いでいるのはこの少女ただ一人、よって彼女がいなくなれば残された三人は空中分解を起こす。 勝つ! 仲間のために。 人間には素晴らしい機能が生まれつき備わっている。それは情報を無意識のうちに選別し、加工することである。それによって、注意を払うことの無い事象を簡単かつ的確に踏まえることが出来るのである。 だが反面、大変な失態を犯すことがある。 それは――思い込み。 自動的に行われる機能に依存するが故に、情報が歪められ、正しくその姿を捉えられない事態が起こりうる。 万花は己の目を疑った。 第六衣『月針』といえば、非力ではあるがそのリーチを生かした遠方攻撃を得意とする戦士であったはずだ。いかに蜃楼が力よりもスピードに長けているとはいえ、超接近戦において力押しで負けるはずは無い。 だが、その蜃楼は万花の後方に吹き飛んでおり、安道が救急手当てを行っているところなのである。 「な・・・なんだってんだ!?」 「僕には触れない、というか、僕に接近戦で勝とうなど10年早い」 顔にかかる髪の毛を宝塚風に払いながら、“勇姫”がそう答える。その立ち振る舞いは、まるで別人だ。 今まで戦っていたのは海公兄弟、雲原姉妹はその後ろで隠れていた――少なくとも、そう見えていた。 だが、本当の目的はただ戦闘を回避するためだけではなかったのだ。 「貴方がた・・・入れ替わっていますね」 「ま、ネタばらしすると、そーゆーことよね」 三人の要が勇姫であることは、何よりも彼ら自身が一番よく知っている。そこで策を考えたのだ。 「姿を消す時に僕が服装を変えただけ・・・誰でも気付く、トリックとも言えない稚拙なものだけど、まさか成功するとはね。ま、多少は役に立ったな、津波、小波」 「うわ、気持ち悪い。声が変」 「うわ、似合わない。見慣れない」 「ちょっとねー、津波、“似合わない”はまだしも“気持ち悪い”はないでしょ!」 「・・・まるで、もう勝ったような、馬鹿騒ぎだな、ランベ・リューア諸君・・・」 ふらついた足取りで蜃楼は立ち上がると、武器を構えた。と同時に、四方を大勢の蜃楼が取り囲んだ。 「負けるわけにはいかん! 皆のためにも、絶対に負けん! 我が最大奥義、『分け身の術・天』にて策などことごとく打ち破る!!」 だが、囲まれているというのに、四人はまったく動揺の色を見せなかった。むしろ余裕の表情だ。 「あらあら、今度は遥が“負けない”になっちゃったのね」 「・・・ならば、遠慮無く勝ちに行くか。津波、小波、今すぐ消されたくなかったら本気で戦え」 「豪姫、勘違いするなよ。あんたの脅しじゃなく」 「そう、勇姫様へのこの想いのため――」 「「愛のため、完全勝利を捧げます!!」」 「大声で叫ぶのヤメテ。恥ずかしい」 「殺意すら覚えるな」 「だ~か~らぁ~!! 天然コントは勝った後にやれ~ッ!!」×大勢 狭い場所に大勢の蜃楼の声がワンワンと木霊すのをゴングに、死闘が始まった。椅子を引っつかみ、万花もこれに応じた。 だが、これはいけなかった。 結果として、残りの戦力のために戦闘回避を命じられた安道が姿を消した後、偶然にもこの場所を訪れた水知によって見たものは、術を破られ、武器を奪われ、戦意こそ失ってはいなかったが、それでも戦力にならないほど叩きのめされた蜃楼と万花の姿だったのである。 他方、ランベ・リューアの被害も少ないとはいえなかったが、深手を負ったのは豪姫ただ一人。そしてその彼女も、『決戦』の門にヤツらが辿り着くまでには、戦えるまでに回復しているだろうとのことだ。これは薄れ行く意識の中、万花が聞いた言葉だ。 策謀を得てとする蛟丸が、回復役が足りないことを放っておくわけが無い。彼が呼び寄せたのは、安藤全――安道然の義理の兄である。 ともかく、この一戦はランベ・リューアの勝利に終わったかのように見えた。 だが、それも誤りである。 たとえ戦力にならなくなったとはいえ、戦士は戦意を失わぬ限り、戦士であり続ける。そんな戦士が、救世主と呼ばれる男とあまりにも早い邂逅を果たしたこと――それこそが、嵩宮蛟丸の、大きな見落としであった。 <おまけ?> 分身vs双子 「数じゃ不利よ! 何この数ってかキモッ! デカ顔がどっちを向いてもミッチリ詰まってるなんて・・・」 「「確かに」」 「なな何だときき貴様ららぁ! こここの蜃楼遥かかのささ最終奥義ぎぎをキキモイイで済ませるる気かかぁ~!」×大勢 「エコーして何言ってるか聞き取りづれぇんだよッ!!」 「というか、むしろキモイのはお前自身だ、蜃楼」 「!!」×大勢 「あぁもぉッ! ウゼェ心理攻撃に引っ掛かってんじゃねぇよ、遥!! 誰でもいい、一人ずつ潰せ!!」 「だだだが、そそうするとおおお前がが」×大勢 「もう喋るな! さっさと潰せばオレが三人も相手する時間が減るだろが!! こっちだってなぁ、必殺技の一つや二つはあんだよッ!!」 ――というわけで。 ≪蜃楼vs豪姫≫ 「なるほど、この僕を倒すつもりらしい」 「そその通りりりぃ! ははははぁはははぁは、いいくら貴様とててこここの数を相手にににどどどこまででたた戦えるかなななぁああぁあ~~~?」×大勢 「だから何を言っているのかわからないとあれ程・・・」 この後、大勢の蜃楼と女子制服姿の豪姫という妙な組み合わせで死闘が行われていたが、蜃楼が口を開くたびに無駄にエコーするので、以降はエコー割愛。 「後ろを取ったぞ!」×少数 「これで技が出せまい」×大勢 「別に困らないが」(普通に傘を振り回して攻撃) 「ぐはっ」×少数 「はっはっは、ただ振り回すだけとは無様どば」×2~3体 「くっ、柄を伸ばすとは卑怯な・・・」×大勢 「伸ばす(グハッ)以外にも、増やしたり(グワッ)飛ばしたり(グフッ)消したり(ウワッ)出したり(ギャッ)出来るけど・・・ああ、だいぶ減ってきたか」 「クッ、敵ながら見事な技だとしか・・・」×大勢 「修練したからな」 「こっちだって包帯グルグル巻きから復帰したんだ! なめるな!! 秘義・全方山風刻み!!」×大勢 「(かかった!)この時を待っていたぞ・・・!」 「な、なんだとッ!?」×大勢 豪姫、姿を消す。 「ど、どこに・・・?」×大勢(密集中) 「分身の術、見破ったぞ! トリック・消滅」 「何ッ!?」×一人 説明しよう! 豪姫はその卓越したネタ見破りの才により、相手の不思議な術のネタを見破ってしまうことが出来るのである! そこから派生する技『消滅』が決まれば、相手に大きな隙を生じさせることが可能だ。 「二度目の技は無いと思え」 「まだだ! 力勝負で勝てると思っているのか、豪姫!」 「いいや・・・」 「このまま押し切ってくれる!」(跳躍) 「・・・だから、先程すれ違った時に仕掛けをだな・・・その手にある花、僕へのプレゼントかい?」 「え」 「そういうわけで、君の武器は全部すり替えさせてもらったから」 「貴様はスリか!!」 「手先が器用じゃないとマジシャンにはなれないからな」 「しゃらくさい! 似非マジシャンめ、これでもくらえ!!」(手裏剣の代わりにカードを投げつける) 「似非・・・じゃあ君が投げたこのスペードの10をこうしてかざすと別のカードに――」 「だったらどうした!(ちょっと気になるが・・・)」 「で、スペードの10は君の懐に戻しておいたよ」 「!」 「そうそう、スペードは剣を意味するんだってね。というわけで、カードと同じ10本分、君にナイフをプレゼントだ。ありがたく受け取れ」 グサッ ×10 「お、おのれ豪姫・・・殺す気か・・・」(気絶) 「当たり前だ。誰が似非マジシャンだ、誰が」 「そんな程度で・・・殺されそうになったのか・・・みんな・・・すまん・・・・・・」(気絶) 「禁句だ。だが、蜃楼・・・さすがは第四衣・・・やはり、あの数・・・軽症では、すまなかったようだ、な・・・」 豪姫、腹を押さえて倒れる。 ≪万花vs勇姫、津波、小波≫ 「これでもくらいやがれッ! 必殺・椅子嵐!!」 「あ、あの技は伝説の!」 「伝説の椅子格闘技の女王の必殺技!! まさか習得していたとは!」 「くっ、近寄れない・・・というか、もしかして、吸い込まれてる?」 「「勇姫様!」」 「地味だけど・・・針投げ」 「あ、針が吸い込まれた」 「あ、針を吸い込んだ」 「イッテッ! チクチクする!」 「「・・・地味に効いてます」」 「よいこは針を人に向かって投げないよーに」 「クソッ! ならば吹き飛ばし!!」 「うわっ! 今度こそ近寄れない!!」 「どうする、小波?」 「突っ込むか、津波?」 「・・・一時退避」 暫くして。 「あ、風がやんだ」 「お、風が止まった」 「やっぱり・・・自分が一番目が回るからね」 「なん、だと貴様、ら・・・あっちこっち、移動しやがって・・・」 「それでも立ち続けるとは、見事な闘魂」 「ファイティング・スピリッツが光っている!」 「うるへーぞ・・・まだまだ・・・戦えんだからな・・・オリャ! デリャ!! トォ!」(適当に椅子で殴りつけている) 「危なくて近寄れない・・・ここは小波、」 「ああ、津波、今こそ我らの最終奥義を・・・」 「・・・ってか、針鞭で椅子を取り上げればいーんじゃないの?」 「「あ、そっか。さすがは勇姫様」」 万花、椅子を奪われまいと抵抗するも、目を回しすぎたために抗いきれず、そのまま倒れる。 「! そうだ! 豪姫!?」 「あ、大変だッ!」 「変な格好のまま倒れているッ!!」 「格好は余計よ! 豪姫、大丈夫、怪我は――え、ちょ、深いじゃないの! どうして呼ばなかったの!?」 「・・・案ずるな、勇姫。あの男なら、おそらくこの程度の傷・・・」 「あの男・・・信用出来るか、小波」 「腕は確かだが・・・俺は嫌いだな。津波もだろ」 「・・・悩む暇などあるものか・・・『決戦』の門に、ヤツらが辿り着く、それまでには・・・戦えるまでには回復、している、だろう・・・十分だ」 「――とにかく、行きましょう。『あの場所』へ。一刻も早く」 「「了解しました!」」 四人、どこかへ足早に去っていく。 「(あの男・・・決戦の門・・・あの場所・・・いったい・・・ダメだ、気を失っちゃ・・・せめて、今の謎ワードを覚えなきゃ・・・)」 はい、つづく。 47(ばーねっと) ガシャァァン どこか白々しい金属音を立てて二人の背後になにかが落ちた。振り返ってみると、どこから現れたのか妙に古びた鉄格子が道を遮っている。 ふう、と冷めた顔でマクブライトは溜息をついた。ちなみに左足がやけに不自然な位置に置かれている 「まったく、数さえ多ければそれでいいとでも思っているのかしら。こんなちゃちなトラップを仕掛けた連中は」 ……あなたが言いますか、それを。 起動したトラップとマクブライトを交互に見て、これまた冷めた顔で嵯峨もボソリと呟いた。その声に不安や驚きはない。そんなものとっくに通り越して、残っているのは呆れだけである。ちなみに嵯峨自身はまだ一度も引っかかっていない。呆れとはつまり、そういうことである。 「もっとこう、知性ってやつを見せてほしいわね。こんなのじゃつまらないわ」 鉄格子への興味は失せたのか、マクブライトはさっさと歩き始めた。できればあなたも見せいただけるとありがたいです、と今度は心の中だけで呟いて嵯峨も後に続く。 しばし、無言。二人の足音だけが洞窟に響く。 しばらく歩いた後、カチリ、と言う音がかすかに聞こえた。ちなみに本日十三度目である。 「!?」 直後、声にならない声を残して、マクブライトの姿が地面に飲み込まれるように消えた。反射的に手を伸ばす嵯峨。その手に確かな感触。人間一人分の重量に引きずり込まれそうになりながらも、嵯峨は何とかその場に踏みとどまった。 見れば足元には大きな穴が開いていた。無論つい先ほどまでこんなものはなかった。本当に古典的なのが好きだな、と現実逃避の意味合いもかねて嵯峨はそんなことを考える。 とりあえず掴まっているマクブライトを引き上げようとしたとき、何か小さな音が聞こえた気がした。今度はなんだ、と顔だけで音のほうを見上げる嵯峨。 ――その眼前に一本の矢が迫っていた。 突然のことに嵯峨は一瞬だけ反応が遅れてしまう。その一瞬が命取りであった。 直進する凶器はスロー映像のようにじわじわと、それでいて十分な速度を持ったまま――何に十分かなど考えるまでもない――動けない嵯峨を捕らえ――るその寸前に下から投擲された何かに撃ち落とされた。 ん、と掛け声を出しながら自力でよじ登ってくるマクブライト。固まったままの嵯峨から手を離し天井を見上げる。視線の先には何か筒のようなものがぶら下がっていた。 「なるほど、二重トラップとはね。少しは頭を使ってるみたいじゃない。でもこんなシロモノでこのグレイシア・マクブライトの頭脳に挑もうなんて100年、いいえ1――」 ガン、と 鈍い金属音が地下迷宮に響き渡ったのはそのときである。 上方からマクブライトの頭を強襲したその物体は、やけに安っぽい音を立てて地面に転がった。その正体は、昔の某お笑いグループのコントでおなじみのアレである。 体は固まったまま、首だけを器用に回してそれを見るマクブライト。 「……何かしら、これは……?」 「……金ダライ、ですね」 ――そのトラップによる物理的なダメージはほとんど皆無だった。しかし、精神的なダメージは筆舌に尽くしがたいものであったと、後にマクブライトは語っている。 「……低俗な。なんて低俗な! 低俗すぎるにもほどがあるわ!! こんなことを考える連中にシュウスイ・シズクが捕らわれているなんて。ああ、一秒でも我慢できなくなったわ! 急ぐわよ、サガ・セイカ。一刻でも早くシュウスイ・シズクを助け出すのよ!」 「急ぎたいのは我々とて同じです、教授。しかしこのトラップの山、加えてランべリューア配下の者たちの妨害もあると考えられます。策もないのに無理をして急ぐのは――」 危険です、と最後まで言い切ることはできなかった。うふふふふ、という不気味で無機質な笑い声が聞こえてきたからである。 「策? 決まっているでしょう? こんなときは、スマート、かつ、エレガントに――」 振り向いたマクブライトの顔は笑っていた。――眼を除いては。 「――強行突破よ」 ◆49(穂永) 化学と蛮勇――最も不釣合いなこの取り合わせ。 その取り合わせを兼ね備えた稀有な人物こそ、グレイシア・マクブライトだった。彼女ほどの天才なら、慎重に歩を進めさえすれば、あらゆる罠を察知し、事前に取り除くことができただろう。だが彼女が選んだのはその方法ではない。あらゆる罠を無視し、発動したならあるいは逃れ、あるいは叩き潰して、ひたすら先を急ぐという手段だった。 だが意外にも、この手段はうまく機能した。 次々に罠を叩き壊しながら、マクブライトは駆けた。自らの身を守りつつ、そのあとに従うことが出来た嵯峨清香も、さすがは黒合羽十二衣の一人と言うべきであろう。いつしか彼女たちは、地下迷宮に入ったどのグループより遠くへ進んでいた。 やがて彼女たちが目にしたものは――これまた地下迷宮には最も不釣合いな取り合わせの――「茶室」だった。 思わず二人は目を見合わせる。とりあえず入ってみることに決めた。 「おいでやす~」 二人を見て、茶室の中に一人ぽつんと座っていた少女がにこりと笑った。 「折角来たんやし、茶ぁしばいてってやぁ」 「そんなことできますか、木枯さん!」とワンテンポおいて嵯峨が言う。「あなたはランベ・リューアの一員のはず、敵の差し出すものを飲むなんて」 「ランベ・リューア? 彼女も秋水を閉じ込めた一人なの?」とマクブライトが聞く。 「そもそもですね」と嵯峨。「類似の部活は同じ勢力に属する場合が多いのですが、伝統芸能、つまり花道・茶道・書道はそれぞれ別の組織に属しています。花道部は晴天同盟の膝下にあり、生徒会副会長美田原陽子は花道部部長でもあります。書道部は雨衣で、代表は私。そして茶道部、特に裏千家茶道部はランベ・リューア傘下にあって、この木枯渚はその部長なんです。したがって、彼女は敵で――」 「あはん、同じ伝統芸能に連なる部長同士なのに、嵯峨ちゃんたらつれないのねん。わらわはぁ、戦いで疲れた皆さんにお茶を差し上げたいだけなのにん」 「じゃあOK。頂きましょう」とマクブライト。「大丈夫、毒が入ってるかどうかは、見ればわかるから」 化学物質には無色透明なものも多いはずですが。 マクブライトは座った。やむを得ず、嵯峨もその隣に座る。 「カマン、ロボットォ~!! 今日もイケてるぜぇ!!」と渚が叫ぶと、カタカタと音が聞こえてきて、どこからともなくお茶汲みのカラクリ人形が現れた。カラクリ人形はぎこちない動きでマクブライトの前まで移動すると停止した。 マクブライトは人形の運んできた茶を一瞥する。確かに毒が入っていないことを見て取った。 「では、頂くわね」 マクブライトが人形の手から茶碗を取った瞬間――。 カチャカチャカチャ! どうしようもなく耳障りな音を立てながら、カラクリ人形が巨大化した。巨大化しながらも次々と変形を重ね、あたかも変身ヒーローものの巨大ロボットのような様相を呈していく。その表情はさきほどの童子の顔から一変、恐ろしげな鬼のものとなっている。マクブライトは人形浄瑠璃で、人形師が手をかざすと、女の顔が鬼の顔に早変わりする場面を思い出した。 ――逃げなければ! 一瞬呆然とした嵯峨が悟るより早く、マクブライトは行動していた。手元にある茶をカラクリ人形に投げかけたのだ。機械が水分に弱いのは常識である。 「甘いわ甘いわ甘いわぁ! とっくに防水加工済みだぜ、フハハハハハハァ!!!」 ギッチョン、ギッチョン、ギィーヨン、ギィーヨンと音をたてながらカラクリ人形が迫る。マクブライトと嵯峨は茶室の外に飛び出す。人形は相変らずギッチョン、ギッチョン、ギィーヨン、ギィーヨンと音をたててついてくる。 「ふっ、そんなスピードで追いつけると……」 いや、違う。カラクリ人形は驚くべき速度で走ってきた。 「教授、このカラクリ人形、音とスピードが合ってません!」と嵯峨が叫ぶ。 「オホホ、ギッチョン、ギッチョン、ギィーヨン、ギィーヨンなどという音は、人形の速度を誤認させるためのおとりにすぎませんことよ。第一このワタクシのカラクリが、そもそもギッチョン、ギッチョン、ギィーヨン、ギィーヨンなんて無様な音を立てると思って? ギッチョン、ギッチョン、ギィーヨン、ギィーヨンはカラクリ内部からラジカセで流している音ですわ」 マクブライトと嵯峨は走りに走った。あとからカラクリ人形と木枯渚が追いかけてくる。 追い詰められるのが物語の約束だ。 二人は急坂に追い詰められた。急坂といっても、その角度は六十度ほどもあり、表面にとっかかりもなく滑らかで、人間が上ることはできないものであり、つまり壁と同じであった。 急坂の上からは、何かが激しくぶつかりあう音がいくたびも聞こえてきた。 「ふむ……上のほうも佳境のようじゃな」と渚。「この音響からすると、恐らくは翼と緑。あるいは”あやつ”も緑とともにおるのかもしれぬな。力量は互角、じゃが地の利は翼にある……さあ、こちらも決着をつけようではないか」 カラクリ人形の口が開き、口の中に白い光が輝き始めた。 ――これってまさか……。 慌てたマクブライトは液体窒素銃を乱射し、嵯峨は筆を揮った。だが銃も筆もかすり傷すら与えられない。人形の口中の光が強くなるが、しばらく何も起きない。エネルギーの充填に時間がかかるのだろう。 「薙ぎ払え!」と渚。「どうした、それでも世界で最も邪悪な一族の末裔か!」 閃光が奔った。 マクブライトが急いで光学シールドを展開した。これによってなんとか二人は命を取り留めた。 「凄ぇ……世界が燃えちまうわけだぜ」と思わずマクブライトがつぶやく。 「教授、大丈夫ですか!?」 「ええ、でもシールドはもってあと一度よ……」 カラクリ人形の口中に再び光が集まり始めた。万事休すと見えたとき、助けられるはずの者が助けに現れた。 急坂を少女が転がり落ちてくる。 「痛たたた……」 打ちつけた尻を左手でさすり、思わずこぼれた涙を右手で拭う。それから彼女は、眼鏡の奥のまぶたを開いた。 喜ぶ前に驚いた顔の嵯峨とマクブライト。そして憎しみを露わにした渚。白い光を強めているカラクリ人形。 「――なるほど、そういう状況なわけね」秋水は目を細めて言った。「教授、液体窒素銃は持ってる? 私の武器は、蛟丸に奪われてしまったから」 「持ってるけど、アレにはきかないみたいよ」それでも銃を渡しながら、マクブライトは言う。 「大丈夫」秋水は銃を受け取ると、おもむろに立ち上がり、銃口を斜め上に向けた。 「薙ぎ払え!」と渚が叫ぶ。「どうした化け物、さっさと撃たんか!」 エネルギーが臨界に達しようとしたまさにその瞬間、秋水はカラクリ人形の口中を撃ち抜いた。 行き場の無くなったエネルギーを上に向けてゆっくりと放出しながら、人形は崩れ壊れていった。 「カラクリ人形死んじゃった……」と嵯峨がつぶやく。 「そのほうが良いんじゃよ、シズクの怒りは大地の怒りじゃ」とマクブライトが諭す。「あんなものにすがって生き延びて何になろう……」 「こらそこ、何を敵のネタに乗せられてるのよ」と秋水が突っ込む。 この間、渚は逃げ出そうと図った。だが秋水が見逃すはずはない。液体窒素銃をその後頭部に向けると、文字通り冷たい一撃を放った。渚が痙攣して倒れる。 「ちょっ、殺してしまったのでは……」嵯峨が慌てる。 「良く見て、嵯峨さん」と秋水は渚の遺体を示す。いや遺体ではない、先の巨身――じゃなかった、お茶汲み童子と同じカラクリ人形だ。「渚が自分で危険な場所に出向いてくるわけはないわ。おそらく本物は蛟丸の側に控えているはず……」それから秋水は後ろを振り返って急坂を見た。「この坂道――唐園君を助けに戻るのは無理みたいね。さて――」 秋水は二人のほうをじっと見た。やがて急にはっとして二人の間に割り込み、嵯峨を腕でかばいながらマクブライトを睨みつけた。 「嵯峨さん、この教授になにかされなかった?」 「え?」 「恥ずかしくても勇気を出して告発しなきゃ。こういういやらしい教授を野放しにしておかないためにも……」 「ちょっと、シズク、人聞きが悪いじゃないの。私は別に法に触れるようなことはしてないわ」 「ニューヨークの地下鉄で、人ごみにまぎれて他人の腰を撫でてきたのは誰だった?」 「いや~、ばれるとは思わなかったわ。って、そんな過去の話はどうでもいいでしょ。私だって時と場所はわきまえてるんだから」 「――通勤ラッシュの地下鉄だったらTPOに合ってるわけ……? それはともかく、本当に嵯峨さんには何もしてないんでしょうね?」 マクブライトが何度もうなずく。秋水は嵯峨に視線をやる。 「ええ、確かに触られたりはしてませんが」嵯峨が赤面して言う。「言われてみると、ここ(と合羽の胸元の小さな裂け目を指す)、罠に引っかかって(引っかかったのは教授ですけど)破いてしまったんですが、教授は妙にここに視線を送ってきたような――」 「ご、ごほん、良いじゃないの、私が破いたわけじゃなし」 「良いわけはないけど、詮索してる時間はなさそうね。回り道を探して唐園君を助けに行かなきゃならないし」秋水が言った。「では歩きながら聞かせてもらうわ。今までの経過と、どうして貴女たちがここへ来たのかをね」 ◆ 穴だらけの場所だった。ややもすると転落しそうになる。秋水のように。 初めはあちらで、つぎはこちらでと、矢継ぎ早に火花が飛び散る。ランべ・リュ―ア四天王筆頭と雨衣黒合羽第一衣、二つの勢力の二番手同士の戦いに相応しい、力強く俊敏な戦いであった。 「しばらく見んうちに、腕を上げただな」 「お前こそ、数日間幽閉されてなおそれだけ動けるとはたいしたものだ。それでこそ――」 穴を避けつつ、か細い足場を跳びまわりながら、二人は戦った。かたや蝙蝠傘、かたや高麗人参をふるって。 「回転根舞!」 「飛影炎剣!」 人参が黒野井の右肩を浅く裂き、蝙蝠傘が唐園の左頬を小さく割った。 同時に黒野井は体勢を下げると、唐園の足を狙って切りつけた。長身の黒野井だが、唐園はさらなる巨躯を誇っている、それゆえかえって足元には隙が出来やすかったのだ。唐園は後方に小さく跳んでかわす。が、穴に足が引っかかり、落ちはしなかったが少しよろめいた。それに乗じて黒野井が畳み掛ける。唐園は防戦に回らされた。 唐園緑は焦った。黒野井翼のほうはというと、この事態に備えて悪地での戦闘術を磨いてきたため、若干の余裕があった。渚の見立てどおり、元来の力量は互角でも、地の利で差がついていたのだ。 「とどめだ!」 傘を振り上げた黒野井の手元に、何か赤いものが高速で飛来した。慌てて身を退けてかわす。黒野井の足元に突き刺さった。それは薔薇だった。 黒野井と唐園が同時にそちらを向く。 視線の先には、花のような少女――。 「生徒会副会長、兼花道部部長、美田原陽子。義によって雨衣の唐園君にお味方します!」 ◆ 管制室。険しい表情の香勝が、点滅する管制盤を睨みつけている。 ――渚もやられてしまいましたか。 すでに二人には脱出され、秋水は嵯峨・マクブライトと合流を果たした。この調子では唐園・秋水を再び捕えることは難しそうだ。 ――作戦には、もう成功の目はほとんど無いですね。ここは撤退を指示したものでしょうか。 来るべき最終決戦のために、ここで戦力を失うようなことがあってはならない。あたう限り敵に打撃を負わせたのち、全員無事で撤退しなければ――。 それにしても、迷宮には唐園、秋水がうろついている。もし彼らと遭遇したとき、互角に打ち合えるのは紫電先生とデミトリだけだ。これに加えて最も恐るべき敵・花月葉露もいるとなれば――。蜃楼と万花に重傷を負わせただけでよしとするべきだろうか。 ――やはり作戦続行の方が危険ですね。 香勝が全員に撤退を指示しようとしたそのとき。 「動くな」 金の糸が咽喉元に伸びてきていた。 「――これは水落総帥」務めて冷静さを保ちながら、香勝が言った。「お元気でしたか」 「おかげさまでな」衣織は答えた。「『菜鬼』と『禍炮』を解放してもらおうか」 「申し訳ないがそれはできない相談です」香勝は言った。「二人とももう逃げ出してしまいました。この果て無き迷宮のどこを彷徨っていることやら、我々にも検討もつきませんね」 そう言いながら、香勝は退路を探した。しかし首筋に衣織の糸を突きつけられている上、その側にはなんと生徒会長志藤元気までもが控えている。衣織、元気、さらに医術部部長・影日玄青までも相手にして強行突破を目指すのはあまりに無謀である。 「なるほど、さすがは雨衣の上三衣を負うだけのことはある」元気が言った。「水落総帥、二人がすでに逃げ出したのなら、可及的速やかに合流すべきだ。美田原君のことも気になるしね」 「だが志藤会長、ここをこのままにしておく手はないでしょう」と影日。「見たところここは管制室。ここを抑えておけば、ランベ・リューアの命令系統を絶つことができるはずです」 元気と影日はともに衣織を見た。衣織はうなずく。 「降服しろ、ジャック。もうお前に勝ち目は無い。それに」衣織は言った。「このまま蛟丸を放置すれば、世界は滅亡してしまうぞ」 「降服……?」香勝はいつものいやな笑顔で言った。「ご免こうむります。ランベ・リューアの人間はたやすく敵側に寝返ったりしない」 香勝はさっと手を伸ばして、管制盤の上のつまみの一つを思い切り捻った。部屋の照明が急に強く――ほとんど真っ白なほどになる。思わず衣織たちは目を伏せる。 「今です、全さん!」 何も見えなければ、黒も白も闇と同じである。その白い暗黒の中から、無数の針が飛来したのがわずかに見出せた。いな、感じ取れた。 衣織が刹那のうちに強度の高い布を織り上げる。針の攻撃が終わって布がはらりと落ちると、すでに照明はもとに戻っていた。香勝の隣にいたのは――。 「なぜ貴方が――!」衣織と影日が同時に叫ぶ。「先代雨衣総帥兼医術部部長――安道先輩」 安道全――安道然の義兄にして、かつての雨衣総帥――は答えず、両手の針を構える。その横では蛇之目香勝が、同じく戦闘準備を万端に整えている。衣織は右手に玉葉針をしっかと持ち、左手で糸の束を按じた。元気は生徒会長に代々伝わる日傘をあみだにした。影日は一歩下がって、戦況を見つめた。 最初に痺れを切らしたのは元気だった。御しやすい相手からと判断したのか、まず香勝に向かって一直線に突進していく。 ――生徒会長がジャックを倒してしまえば、二人で安道先輩に勝つのは容易だ。 そう判断した衣織は、玉葉針を振るって全に踊りかかった。変幻自在にして強豪無双な手芸の技が、全をして一歩の優位をも得させない。 「くっ、水落君、腕を上げたものだな」 「先輩、あとでたっぷり事情を聞かせていただきます」 一方の戦いはすでに元気の優勢が明らかだった。衣織には及ばないとはいえ、元気はさすが生徒会長にして晴天同盟の盟主、一組織のトップが、せいぜい高等幹部程度に負けるわけにはいかない。窮地に陥った香勝は必殺の一撃に賭け、天――というか、天井――めがけて跳び上がった。 「天女散花!」 あの雪守氷衛の鉄壁の防御を打ち砕いた技である。 「甘く見るな、香勝君!」 元気はその一撃を正面から受け止めると、思い切り横に払った。香勝の身体が吹っ飛んで管制盤に激突する。 その時、管制盤が故障して照明が落ちた。管制室のみならず迷宮全体に――今度は文字通りの――暗黒が覆い被さってきた。 50(ばーねっと) 突然訪れた暗闇を、安道全は即座に利用した。小さく飛び退いて間合いを取ると、全周囲に向けて針を乱射したのである。 いかな戦士であろうと闇に飲まれたこの空間の中で針の軌道を完全に見切るのは不可能。実際、全自身にも投げた方向が分かっているだけで、針そのものは見えていない。 しかし、一見有効に見えるこの攻撃は実のところそれほど効果を期待できるものではなかった。広範囲に攻撃を行うということはつまり攻撃の密度が薄くなるということでもある。しかも特に狙いをつけずに投げているため、軽傷ならともかく、致命傷を与えることはまずありえない。さらに言うなれば、先ほどのように防御されたり遮蔽物に隠れられたりするということも十分に考えられる。 だが、それを理解していながらも全は攻撃を止めなかった。なぜなら――それは攻撃ではないからである。 直後、針の乱射はそのままに全は駆けだそうとした。目指すは出口。 そう、この場からの脱出こそが全の狙いであった。作戦はもはや失敗したも同然、ならば不利な状況のままここで戦う必要はない、と彼は判断したのである。 針の弾幕は、突然の暗闇というアクシデントによる錯乱とあいまって足止めとして十分な効果を発揮する。その証拠に今、目前にいるはずの水落衣織からの攻撃も途絶えている。いける、と自らの策の成功を確信する全。 しかし全には誤算があった。この暗闇を彼以上に利用した人間が背後から忍び寄っていたのである。 その人間の名を影日玄青という。 傍観者として戦いを見ていた玄青は、照明が落ちた瞬間に誰よりも早く――全よりも、である――行動していた。全が針を乱射する前に気配を断って彼の背後に移動していたのである。 策の成功を信じて疑わなかった全が背後の気配に気付いたのは一歩目を踏み出そうとしたその瞬間であった。そして次の瞬間には、全の意識は途切れていた。 非常電源に切り替わったのか、照明が復活する。一度照明が落ちてから約十秒後であった。 再び光を得た管制室に立っていたのは、布で全身を防御した衣織と、気絶した香勝を盾にした元気と、全の首筋のツボに針を突き立てている玄青であった。 すでに意識を失っている全に向かって玄青は小さく呟く。 「先輩……、私は先輩や然君ほど投擲は上手くありませんが、こういう使い方なら先輩にも負けない自信があるんですよ」 そして、ためらいもなく針を引き抜くと、全の体は地面に崩れ落ちて動かなくなった。 こうして、ついに管制室は制圧されたのだった。 久しぶりのエラー。これで何回目だろ。 富士森コウ。忘れたころにヤツは来る。(ばーねっと) もはやエレベーターの役目を果たしていない。数秒っていうか1,2秒で下に着くので、衝撃に備えてください。(皆既日食) これ以上放置するのもアレなんで、先に書かせていただきました。 さて地下迷宮の死闘が開始。まずは蜃楼・万花・安道VS雲原姉妹・海公兄弟(って書いてませんけど)。唐園・秋水は助けられるまでもなく脱出してしまい、ランベ・リューアの作戦も狂いつつあります。 折角の機会なので、色々な対戦カードを組んでみたいですな。唐園・美田原VS黒野井(ナンバー2対決!)とか。もちろんそろそろ水知VS葉露もやってみたいところ。 さてそのあたり、どうなりますことやら。穂永。 そうそう、雨月を抜いたときの「何かが裂ける音」ですが、裂けたのは空という意図だったりします。しばらくして迷宮を脱出すると、空に巨大な亀裂が走ってたりするんじゃないでしょうか。穂永追記。 ランベ・リューアえこ贔屓。御免。(名無し) 嵯峨の名前の読みはセイカであってるんでしょうか?(ばーねっと) およそ一月ぶりの更新。ようやく秋水復活です。 美田原陽子は罠にかかって衣織・元気とはぐれてしまったという設定です。そう書いとくのを忘れてた。穂永。 またしても一ヶ月ぶりとかありえないですよね……(自己逃避中)。(ばーねっと)
https://w.atwiki.jp/meidaibungei/pages/294.html
2005年06月20日(月) 23時07分-バーネット ◆18(穂永) 急ぎ足で歩けば、自然と周囲へ向けられる注意は散漫になる。曲がり角から突然人が飛び出してきても、気づかない危険性が増える。 だから人は言う。廊下を走ってはいけないと。 水知は、その禁を犯した。それによって二度に渡って他人とぶつかり、ついにこの日もまた授業に出れぬ結果と相成るのである。 とは言うものの、最初の衝突のほうは、さして重要ではなかった。場所は北校舎の玄関。衝突の相手は、やはり遅刻しそうになって走りこんできた光原ハル。衝突の結果は、互いに転んで膝を打ち付けたくらいのもの。痛てててて、ごめんなさい、あれ水っち。やあ光原さん、おはよう。おはよー、っていうか今までどこにいたの、昨日は帰らなかったみたいだけど。いろいろあって、学校に泊まったんだよね。へー、でもさ、学校に泊まって、始業に遅刻ってどうなのかな? あー、その辺の突っ込みは無しの方向でよろしく、そもそも実家だって近所だしね。 ――等々と例によって気の抜けた会話を交わしながら、残り一分に迫った始業に間に合うべく、百メートルを十秒のスピードで飛ばしたのだった。 それが間違いのもとだ。高速で移動していれば、急な停止はできなくなる。 南校舎へ移ろうというその時、渡り廊下の向こう側から小さな点が迫ってきて――亜光速で迫ってきて、小さな点は次第に大きくなり、大きくはない人の形をとった。水知たちもその亜光速で走っている人も、お互いを確認して止まろうとしたが、かなわなかった。 大柄ではない、どころか、あの万花や蜃楼ほども小柄な相手に、水知は廊下の端まで吹っ飛ばされ――まあ、亜光速で移動している物体に衝突されたのだから理の当然だ――、そこの教室――石工室――の石壁に派手な音とともに叩きつけられた。さすがに石工部の部員たちが作った石壁は水知の激突にも耐え、ひび一つ入らなかったが、水知の身体のほうはそうはいかない。 ――僕、死ぬのかな。雨宮水知、享年十五歳、交通事故死。なんて。 水知の身体のほうはそうはいかない――本当にそうか? いや、違う。 馬鹿な想像ができるほどに、ダメージは少なかった。光原ハルや、ぶつかってきた小さな子(女子高生なのか、一応?)の慌てぶりとは裏腹に、水知の身体もまた、背中の石壁同様ほとんど壊れていなかった。意識は寸毫も揺らぐことなく、手足関節は自在に動き、肺腑の活動も正常である。だからとりあえず、起き上がって笑い、誤魔化そうと考えた。 考えたのだが。 小柄な少女は、それをする間を与えてくれなかった。 「ごめんなさいごめんなさい遅刻しそうだったものだからと言うか今日はお兄ちゃんも見つからないし頼みの先輩方も捕まらなくて上手く学校を回れないようなんでこの学校ってこんなに複雑なのあごめんなさい身体痛みますよね大丈夫です私が責任持って保健室へ連れて行きますからええ保健室だけは分かります大丈夫です」 水知や光原には到底くちばしを入れる余地のないほどに、口からマシンガンを乱射するが早いか、少女は水知の身体を軽々と抱き上げ、保健室の方向へ駆けていったのだった。 光原は、少女と水知を追って保健室へ行ったものか、水知のことは少女に任せて教室へ向かったものか、瞬時逡巡の体であったが、ここで教室へ向かって桧舞台から離れると、また出番が減ってしまうことに気づき、二人のあとをゆっくりと追った。 もちろん、保健室へ到着したのは二人よりかなり後だ。ところが辿り着いてみると、二人揃って開いたドアの前に立ち尽くし、目と口を大きく開けたまま固まっていた。 怪訝に思った光原は、二人に近づいて「どうしたの?」と声をかけ、ドアから中を覗いた。 「見るな、光原さん!」 水知が声を飛ばす。遅かった。光原は見た。 保健室中に舞い散る、白い花弁。その花弁から漂う、甘い芳香。 保健室中に飛び散った、紅い痕。芳香の中に入り混じる、鉄の臭い。 白と紅の中に埋もれた、二人の巨漢。 一人は地面にうち棄てられ――そして今一人は、入り口から見て正面にある壁に、逆さにはりつけられていた。その左足のくるぶしを穿って、赤い唐傘が壁に突き立ててある。 倒れている男は知らない。だがはりつけられている男は知っている。光原は呆然として、その男の名を呼んだ。 「せ……閃電先ぱ……」 あとは声にならなかった。全身ががくがくと震え出し、視界は涙で濁った。膝をつきそうになった。 倒れそうになるのを支えられた。水知が背中から抱きしめたのである。 「落ち着いて、僕がついてる……」 光原はやや安堵したが、水知の心臓もまた震えていることに、気づかないわけにはいかなかった。光原の呼吸が正常に戻ると、水知は先ほどの少女の頭に手を置いて言った。 「君も」 「うん、私は大丈夫です……」 それから水知は、意を決して、中へ入っていった。まず知らない男のほうを見ると、心臓近くに一撃を受けてはいるが、命まで取ろうとした攻撃ではないらしく、身体の内外ともに致命の傷は見られない。ただ気を失っているだけである。三十郎のほうを見ると、息はあるとはいえ、全身傷だらけである。 ――でも。 水知は、なんとか冷静を保って、三十郎の傷を見渡した。 ――戦ってつけられた傷は、一つだけだな。 謎の刺客の恐るべき技量を察して、水知は戦慄した。彼――または彼女――は、二人の達人をそれぞれ一撃のもとに倒し、三十郎に辱めを加えたあと、幻のように去っていったのだ。 「入って来て」水知は外の二人に声をかけた。「平気なら、だけど。閃電先輩を下ろすの、手伝って欲しい」 ここに至り、最も戦力になったのは例の少女であった。小柄ながらも大力で、三十郎たちの巨体を苦も無く担ぎ上げてベッドに運び、怪我の応急処置もてきぱきとしていた。水知や光原は、ほとんど為すところがなかった。 さて何の気も無しに二つのベッドに二人を寝かせた水知たちだったが、もう一つのベッドに生徒が寝ていることに気づいた。「蛇之目先輩」と少女がつぶやく。水知は事情を聞こうとした。ところがこの生徒は傷は負わされていなかったが、高熱にうなされていて、目を覚ましそうに無かった。 「人を呼ぼう」と水知。「僕たちだけじゃ、どうにもならない。それにしても、紫電先生はどこに行ったんだろう」 「逃げたんだと思います」と少女。「黒野井先輩や閃電兄さんと違って、紫電叔父さんは勘が鋭いから」 この言葉におやと思って、水知は問う。 「この人たちを知ってるの? ランベ・リューアの関係者?」 少女はうなずく。 「私、雷電蕾です」 保健室前には、すぐに人だかりができた。テストで優れた成績を挙げれば進級できるというシステムのため、面白いことがあればとりあえずサボるのが天晴の気風である。その気風こそ、世に異才・奇才を生み出してきた要因なのだが、それについてはさておく。 その人だかりの中に、二人の女子学生がいた。すでにお馴染みとなった、水落衣織と秋水雫である。 「――『虹刀』だと思うか」 「他に誰がいると言うんです」 二人は人ごみを掻き分けて保健室前から去ると、何気ないふうを装って会話を始めた。 「あれは紛れもなく傘でやった仕事。デミトリ・黒野井翼に閃電三十郎、あの二人をまとめて一撃で倒せる傘使いなど、嵩宮蛟丸と花月葉露しかいないではありませんか。そして蛟丸に味方を粛清する理由はありません」 衣織はあごに手をやる。秋水は続ける。 「三十郎には残酷な手を加えたのに、黒野井翼や寝ていた蛇之目香勝にはそれをしていません。彼らが直接、花月葉霧の仇だというわけではないからです。葉露の仕事と見て、疑いはないでしょう」 二人の視線がかちりと合う。ややあって、衣織は大きくうなずく。 「まあ、そうであろうな。してみると、虹刀は本当に戻ってきているわけだ。すると、今回は上手く逃げおおせたようだが、狸の身の上も危ないな」 秋水は沈黙を以って賛同を示す。衣織は続ける。 「――これで上三衣も揃った。空蝉の復帰にはまだしばらくかかるかもしれないが、手負いはお互い様だ。――秋水よ、攻勢に出る機会と思うか」 ――攻めるべきだ。 秋水は内心、はっきりとそう考えていた。 ――攻めて、攻めて、攻め切るべきだ。雲原勇姫のことで、蛟丸や為右衛門に小細工をさせてはいけない。 秋水は、強く答えた。 「攻勢に出るべきです」 衣織は、静かに言った。 「みなを手芸部部室に集めてくれ」 ◆ 正午。既に四限目の授業が終わり、昼休みに入っていた。 昼休みになると同時に、普通の生徒は教室から出て行く。ところが主人公は部室から出て行く。水知は何か間違っているような気がしてならなかった。とりあえず、伸びを一つ。 「うーっ、やっと解放された」 その喜びを共有する光原も、水知の真似をして伸びを一つ。 「空気重かったね~。潰されるかと思ったよ」 人を呼んで、その足で授業に向かおうとした二人(+雷電蕾)だったが、すぐさま雲原豪姫と、見知らぬ美人――白木東綺麗といったっけ――に拉致され、天文部部室に連れ込まれた挙句、あれこれ質問を受けたのだった。昼近くになって二人に聞くこともなくなり、また黒野井翼も目を覚ましたので、やっと自由にしてもらえたというわけである。 「まあ、空気が重かったのは当然だろうけどさ」 光原がこくりとうなずく。 「閃電先輩が……、あんな……」 「みんな、あの下手人――『虹刀』って呼ばれていたかな――を酷く恐れていたね。まあ当然だろうけど。あれをなんとかできるのは、蛟丸先輩だけだろうから」 「水っちはそう思う?」 「閃電先輩の技量は僕や雷電、兄貴のほうだよ、と同じくらい、あの黒野井って先輩は、多分それより上だ。見たところ、ランベ・リューアに黒野井先輩より強い人はいなさそうだね。蛟丸先輩を除けばさ」 しばし沈黙のまま、二人は歩いていく。水知が階段を上ろうとする。光原が聞く。 「……どこへ向かってるの?」 「部室棟の三階。昨日の放課後、横綱に襲われたとき、助けてくれた人のところ。お礼を言おうと思って」 「横綱って……どんな状況だったの?」 「話せば長くなる」 部室へ入ると、八人ほどの生徒が傘の稽古をしているところ。例の少女は段上に腰掛けて、副部長らしき別の少女とともに、部員たちの稽古を見守っている。水知が声をかけると、にっこり笑って、応じた。 「こんにちは。今日はどうされました?」 「いや、昨日のお礼を」 「そうですか、気にしなくてもいいのに。後ろの人は彼女?」 「うーん、残念ながらそこまではいってない」 光原がニヤニヤと笑う。少女は続ける。 「傘は――持ってますね。折角だし、打っていきますか?」 水知は少し考え込んだが、ややあってうなずいた。 「そうだね、一手指南してもらおうか」 少女は傍らの副部長に言った。 「晴嵐さん、相手をお願い」 晴嵐と呼ばれた少女が、傘を手にして部室の中央へ歩く。水知も雨月を手に、晴嵐と向き合う。打ち合っていた部員たちは、部屋の脇へ退く。光原は例の少女の隣に腰掛けて、様子を見守る。 「傘道同好会副長、鷹名晴嵐(たかな・せいらん)です。どうぞよろしく」 鷹名が一礼すると、水知も返礼をする。そして二人は傘を構える。 ――なんだ? 隙だらけじゃないか。 水知は相手の構えに内心驚く。打撃を誘っているのかと思われるほど、明らかな隙が多い。 じりっ、じりっと間合いを詰める。 先に鷹名が打ちかかってきた。水知は雨月を斜めにしてこの一撃を受ける。 ――力強さも速さもない。 水知は反撃の一太刀を放つ。鷹名はこれをかわし、一撃をもって報いる。十合、二十合と傘をあわせたが、決着は着かない。水知は焦り出した。 ――彼女の技量は僕よりかなり下だ。なぜこんなにてこずるんだろう。 力強さはないのに、受けるので手一杯だ。 速さはないのに、余裕を持ってかわすことができない。 隙だらけだというのに、それに乗じることができない。 「ねえ、彼は晴嵐さんに勝つと思いますか?」 「ええ? それは、勝つんじゃないですか?」 段上の二人の会話が聞こえた。 鷹名はさらに一撃、二撃とたゆまず打ち込んでくる。水知は受け流し、反撃する。しかし確実に相手を倒せるような、力をこめた一撃を放つ余裕が、水知にはない。 ――そうか、分かったぞ。傘筋が見えていないんだ。 ここに至って水知が気づいたのは、相手の技に規則性がないことだった。鷹名の傘法はまるでデタラメで、斬り下ろすと見れば横に薙ぎ、横に薙ぐと思えば突きに転じる。それゆえに水知は相手の動きを先読みすることができず、なんとか防御のがやっとで、反撃にも力をこめることができない。鷹名の隙だらけの構えにも、付け入ることができないのだ。 ――落ち着け。相手の動きをよく見ろ。必ず規則性はある。 そう簡単に見出せはしない。水知は劣勢にまわり、じりっ、じりっと部室の角に追い詰められていく。遊びのつもりが大変なことになったなと、水知は思った。光原や少女に、無様な負けは見せたくなかった。 一筋の光明。 ――読めた! 鷹名の傘が、すでに首の皮を一枚破っていた。だがもう恐れはなかった。続く傘を受け止め、弾き返す。がら空きになった胸元へ、渾身の突き。鷹名は慌てて傘を戻し、この突きを防ぐ。水知は休まず、傘を回して上へ跳ね上げた。鷹名の傘が宙を舞う。飛びすさって傘を拾おうとした鷹名の首に、雨月が突きつけられていた。 「参りました」と鷹名。 「ありがとうございました」と水知は一礼した。 「ほら、やっぱり」と光原。 ところが相手はそこにはいない。光原は部屋をきょろきょろと見回す。 少女は、水知の後ろに立っていた。 「次は私がお相手しましょう」 水知がふり返ると、少女は露草を構えて突きかかってきた。 ――速っ……。 辛うじて雨月で受け止める。突きの強さに、腕がびりびり痺れた。 ――なんだそれ、雷電豪助以上だぞ。 一息つく間もない。少女の傘は風よりも速く、林よりも静かで、火よりも激しく、山よりも重い。 加えて。 ――全く読めないじゃないか。達人のくせに、鷹名さんなんかよりずっとデタラメだ! いくらかは隙が見える。だがそれを衝くことなど思いもよらない。受けるのが精一杯で、反撃すらできないのだ。 「くっ」 強烈な斬り下ろしに、水知はやや怯んだ。それに乗じて少女は一太刀、二太刀。三太刀目に水知は傘を落とした。 「手加減してたでしょ?」と水知が言う。 「分かりました? ……ごめんなさい」 「世間は広いよね」と水知は言った。 「見えもしなかった」とこれは光原。 「会長の傘を十二回も止めた人は、初めて見ましたよ」と、光原の隣に移動していた鷹名が答えた。 「ね、落ち込んでる?」 「いや、あんだけ完璧にやられるとね。蛟丸先輩のときと同じで、悔しくもならないさ、むしろ……」 水知は、天を仰いだ。 「良い薬だよ。奢るな、っていうね」 しばらく沈黙のうちに歩き、部室棟を出ようとした二人。突然、水知が言う。 「しまったな」 「どうしたの?」 「また名前を聞くの忘れた」 一方、水知が去り、また大半の部員が授業の準備に出てしまった、傘道同好会の部室。例の少女が一人残り、瞑目している。沈黙。ついに少女は声を出す。 「いつまでそうしているつもりですか? 私が気づかないとでも?」 「さすがですね。失礼致しました」 声に応じて、男が掃除道具箱から出てくる。 「あら、雪守の……」 「氷衛です」 「しばらくこっそり動こうと思ってましたけど、見つかっちゃったみたいですね」 「あれだけ派手な行動をされれば、理の当然かと」 少女は苦笑する。氷衛は続ける。 「間もなく水落衣織様から召集を受けると思いますが、その前に現在の状況をお知らせしたほうがよろしいかと思い、秋水様の命で参上した次第」 「雫ちゃんの……うん、ありがとう」 「衣織様におかれては、花月様と唐園様のご帰還に力を得て、攻勢に出る構えでいらっしゃいます。ついては唐園様、秋水様、万花様三名に、”後継者”雨宮水知を襲撃しその傘を奪い、併せて”光”たる光原ハルを拘束するようお命じになりました」 「雫ちゃんは、そのように動くんですね?」 「はっ。そしてご自身は地下風水盤の確保の準備をなさるお考えです」 「私はそちらに協力するんでしょうね。地下風水盤奪取となれば、同盟もランベ・リューアも妨害してくるでしょうから。……それだけですか」 「それだけです。ただ……花月様、ご存知ですか、先ほどの少年」 葉露は怪訝な顔をする。氷衛は言う。 「……やはりご存知ありませんか」 「あの人には、つい名前を聞くのを忘れてしまって。お互い、名前なんかどうでもいいと思っているからでしょうね」 「あの方こそ、”後継者”雨宮水知ですぞ」 ぎくりとする。聞き間違えではないかと疑い、そして先ほど交えた、彼の傘術を思い出す。なるほど、雨宮流の動きだった。今、ランベ・リューアの傘使いは、ほとんどが嵩宮流だ。 「そう、でしたか……」 葉露は何となく、胸を抑えた。そのままふり返って窓際へ赴き、空を見上げて、つぶやいた。 「今日も、雨が降りそうですね……」 雲ひとつなくても、彼女にはそれが分かった。 ◆ 部室棟の一階へつくと、二人はうろうろと落ち着かない紫電為右衛門に出会った。為右衛門は開口一番に、こう言った。 「まだこんなところをうろついていたのかい? さあ来て。君たちを自宅まで送っていく」 「え、何ですか、先生……」と光原。 「蛟丸君が戒厳令を発動した。ランベ・リューアの一般部員はみな帰宅させられ、幹部は天文部部室で控えることになる。ただ君たちには万一のことがあってはいけない。だから特に私がついて、自宅まで送っていくことになった」 「戒厳令って、戦争中じゃあるまいし、一体なんです」と水知。 「『虹刀』が帰ってきているんだ。君たちのような重要な人物は、いつ消されてもおかしくない。すぐ帰宅して、連絡があるまで出てきてはいけない。早退届は私が作っておいたよ。さあ、来るんだ」 それ以上は有無も言わさず、為右衛門は二人を引きずって車庫へ行き、フェラーリへ引っ張りこんだ。中では雷電豪助も待っていた。 「行くよ!」 フェラーリは流星のように飛び出した。 「ちょっ、先生、百キロ超えてますよ! 交通規則は……!」 「交通規則ってのは命を守るためにある。理解したまえ、君たちは命の瀬戸際にいるのだよ!」 逃げ切れた小説を見たことがない。 フェラーリは高校の裏庭へ出たところで、急停止した。 「紫電先生?」と光原が問う。 「い、一体どうなってるんだ!? アクセルを踏んでも、ぴくりともしない……」為右衛門はしきりにアクセルを踏む。エンジンの音はするが、車は進まない。 「気をつけろ、囲まれてるぞ!」と雷電。 「出よう!」と水知。「光原さんは、ここにいて」 水知、豪助、為右衛門が外に出ると、女の声が聞こえた。 「蜃楼君のトリモチは素晴らしいわね、フェラーリも一発だったわ」 声と同時に三方から殺気が立ち昇り、異様に長身の男と、中背の女と、異様に小柄な女が現れる。いずれも身にまとうは黒の合羽、しかし良く見れば、長身の男の袖口には金の刺繍が、中背の女の袖口には紅の刺繍が施してあり、ほかの黒合羽と区別できる。 「『菜鬼』に『禍炮』、上三衣が二人もお出でかね」と為右衛門。 「うわ、むかつく! あたしを無視した!」と万花が騒ぐ。 「気にしないほうがいいわ、『ヒール』。目が見えていないのだから、身体で分からせてあげればいい、そうでしょ?」と秋水。「さて、降参する? 戦ってみる?」 水知、豪助、為右衛門は車を囲んで三方に向かう。 「足は断たれた、戦うよりない」と豪助は落雷丸を構える。 「いい覚悟じゃねぇか。この間の借りは返すぜ」と万花が応じる。「あんたにアドバイスもらったから、武器も作ってきたさ。さあ、デスマッチの二ラウンド目といこうじゃねえか」その椅子は合金製で重くて硬く、脚には毒を仕込んだ棘がびっしりと埋め込まれている。 「どうしてこう、何度も何度もこういう目に遭うのかなあ」そうは言いつつも、水知にも覚悟はできていた。「……頼むよ、雨月」 「後継者……」唐園が水知に対する。「私怨はないが、これも衣織先輩への恩返しだ」そういって、お化けのような大根を手に取った。 為右衛門一人が、逃げる算段をしていた。だが自分一人ならともかく、水知に豪助、まして光原まで連れて三人の合羽から逃げおおせるのは至難である。 「やむを得んね……教師の一人として、学生に刃を向けるのは気が進まないが」 そう言って為右衛門は、自らの傘・冲天殺を上段に構えた。 「ご冗談を、自分で直接手を下さなかったからって、その手が汚れてないわけがないじゃない。……露ちゃんは怒るだろうけど、私が葉霧君を仇を取ることにしましょうか、ねえ先生」と秋水は、二丁の銃を腰から引き抜く。 一瞬の対峙。 三箇所で炸裂した。 まず一番力の劣る万花湖子を豪助が倒し、自分と二人ですぐに秋水雫を倒し、そして後継者を助けて三人で唐園緑を倒す。それが為右衛門の計算であった。 ところが結果に裏切られた。豪助は一番初めに倒されてしまった。 自分と秋水の力量は五分、いや若干自分が上であるが、倒すのには時間がかかる。後継者は第一衣・菜鬼を相手によく持ちこたえているが、どうしても力量の差は隠し切れない。勝機はない。 ――逃げを打とう。 為右衛門は決めた。捕えられれば、秋水の背後には花月がいるのだ。閃電三十郎の悲惨な姿が脳裏に浮かんだ。後継者と光を見捨てて逃げれば後難は避け難いが、まずは今、生き延びねばならない。 秋水に威嚇の突きを送るや、豪助の隣へ跳躍し、彼の巨体を左手で抱え上げる。万花が打ち下ろしてきた改造椅子を、右手の冲天殺でがっきと受け止める。片手で止められたことに万花がひるむと、隙をついて為右衛門は文字通り脱兎の如く駆け抜けた。 秋水はその背中に向けて一発発砲したが、あたらなかった。 「さて」秋水は、唐園のほうを見た。明らかに優勢だ。 「力を貸して、一気にケリをつけちまおうか?」万花が秋水に意見を求めた。 「やめときましょう。そんな必要はないから」 力をこめて振り下ろされた大根を、後ろに跳んで避ける。地面が割れ、足さばきが崩れる。続く突きを左に避け、がらあきになった相手の背中に、思い切り雨月を叩き込もうとした。ところが唐園は体勢を崩しつつも、身体を回して下から打ち上げる。二人は反対方向へ転がって、互いの攻撃を避けた。 最初から圧され続けてはいたが、ある程度の余裕はあった。唐園は巨体に似合わず素早く、巨体に相応しく大力だ。しかし。 ――第一衣って言ってもこの程度か。あの子のほうが、ずっと上だ。 圧倒的な力を見せ付けられたすぐ後だったから、かえって唐園程度の力量なら、なんとかなりそうに思えた。 ――とは言え。 やはり体力と腕力の差は大きい。守勢に回っていては、いずれ負ける。 体勢を立て直した唐園が突進してくる。 「いくよ――壱式、散水!」 雨宮流、必殺の突きである。この流派を習う者が最初に習得する技ではあるが、その威力は磨けば磨くほど飛躍的に高まり、この技のみで達人の領域に達した使い手もいたほどである。 散水の威力はかほどのものであり、水知自身もまた、入学以来雷電豪助、雲原勇姫、嵩宮蛟丸、蜃楼遥、同盟構成員、それに花月葉露らと傘を交えてきたのだ。初めて雲原勇姫にこの技を使ったときとは、威力は天と地ほども違う。 受け止めた唐園の大根にひびが入り――刹那の時間ののち、二つに折れた。 「やるでねか」 唐園は一歩下がって、水知を称えた。 「んでは、ごっちも本気でいかせてもらうだよ」 「知ってるか、そういう台詞を言った奴は、初めから本気だったら勝てたような負け方をするんだぞ」 「んふ、そうかもしれねな。ま、おらが負けても、秋水どんと万花どんがいるわけだが」唐園は薄く笑った。「ともかくは、まあ、味わってみんろ」 どれほど恐ろしい武器を取り出すかと思えば、唐園が取り出したのは大きさも普通の人参一本だった。先ほどの2メートルもあるような大根より、ずっと弱そうだ。 そして唐園は、人参を逆手に構え、水知のまわりを回り始めた。 ――遅い……? 水知は雨月を颯颯颯と繰り出す。唐園は紙一重でかわす。ところが水知は、突然唐園の動きを目で追えなくなった。 「回転根舞……!」 水知が気づいたときには間合いに踏み込まれ――三度にわたって斬られていた。 「うあっ――!」 「皮一枚か、いい反応だべ!」 言葉は聞こえるが、姿は断続的にしか見えない。 ――次、あれを受けたらやられるな。と言ってかわせそうもないし。 水知は、雨月を短く握りなおす。 ――止めるしかない。大丈夫、次はきっと見える。 唐園が再び、ゆっくりと水知のまわりをまわりはじめる。 消えた。 いや、それでも見えた。 怒涛の勢いで突き出された人参を、脇腹の前で白刃取りし、受け止めた。そして掛け声とともに、人参を雨月もろとも唐園に押し返す。人参の頭が、続いて雨月が、唐園の胸元を穿った。合羽が裂け、唐園は膝をつく。 「悪いね、速いのにはもう慣れた」 「やるだな、後継者。おらの回転根舞を止めたのは、傘使いではおめえが三人目だよ。だげど」 水知は突然、意識が揺らぐのを感じた。 「速いのには慣れでても、薬にゃ慣れておるめえ」 はっとして合羽の裂け目を見ると、袋のようなものが仕込んである。その袋の裂け口から、細かい黄色の粉末が舞い散っていた。 「こ、れは……痺れ薬、か……!」 「よく戦っただよ、後継者。おらも何度か、負けると思った」 意識が遠のいていく。 「すまね。傘は、いただいてく。忘れろ、後継者。いや、雨宮水知。あんだは、もう学校を去るのが良いだ」 震える手で、力いっぱい雨月をつかむ。が、唐園が無理に引き剥がした。 「許せ」 それだけが聞こえて――水知は意識を失った。 気絶した水知を捨て置き、三人は薬を塗って車の前輪にこびりついているトリモチを取り除いた。 「暴れないでね、光原さん。悪いようにはしないから」 秋水はフェラーリに乗り込んで、光原の隣に座る。唐園は運転席、万花は助手席だ。 光原には何も言わせず、秋水のあとを引き取って、万花が語る。 「詳しいことは話せば長くなるけど、あなたは晴天同盟にとって重要な存在なの。だから彼らの手に渡らないように、私たちが保護してあげる。了解?」 「不了解!」光原は頬を膨らませる。「離してよ」 途端、光原はこめかみにごりりとした痛みを感じた。横を見ると、秋水が銃を突きつけていた。 「安っぽい真似をさせないで」と秋水。「危害を加えるためにあなたを捕えたんじゃないの」 秋水の眼光は鋭い。光原は黙り込む。それを見て、秋水は銃を収める。 「出して、唐園君」 唐園がハンドルを手にし、アクセルを踏む。フェラーリは高級車に相応しく、相応しく――安全運転。自足は十八キロメートルである。 「緑、遅いっ!」と万花が苛立つ。 「おら、運転免許は持ってねえだよ」 「そんなの皆同じだってば。勘でなんとかするのよ!」と万花は助手席を飛び出し、唐園の膝の上に腰掛ける。「こう!」 途端にフェラーリは、とんでもない速度でふっ飛んだ。 「中庸ってものを知ったほうがいいわ、二人とも」秋水が呆れた声を出す。 フェラーリはあちこちに傷をつけて、それでもなんとか、車庫らしき場所にたどりついた。 「降りて。分かってると思うけど、逃げようとしても無駄だからね。この場所と通路は、雨衣でもごく一部しか知らないわ」 逆らう余地はないと思った。光原はおとなしく、秋水に従って降りた。唐園が秋水の前に立ち、万花がしんがりを務める。 歩いていると、突然唐園が立ち止まった。光原はその背中にうっかり頭をぶつけた。 「あ、ごめんなさい……」 上を見上げて気づいた。唐園の顔がひきつっていた、いや唐園だけではない、秋水も万花も、一様に緊張の面持ちを浮かべていた。 ややあって、秋水が口を開いた。 「なぜ、あなたがここにいるの……」 光原は秋水の視線を追った。見たことがある人影である。 「どうやってここを知ったの? 嵩宮、蛟丸……」 蛟丸は四人を眺め渡して、眼鏡の奥に凄然たる笑みを浮かべた。光原は他の三人より強烈に、蛟丸が危険な存在であることを感じ取った。 ◆ 光原には、何が起こったか分からなかった。 気づいたら、三人とも倒されていた。 蛟丸が自分に向けた笑みも、何なのか分からなかった。ただ、「安心したまえ」という笑みでなかったことだけは、悟ることができた。 ◆ 身体を打つ雨の声に、水知は目を覚ました。 雨月はもうない。 蜃楼遥と交えたときは、親しげな友か、はたまた肉親のようだった雨が、今は酷くよそよそしかった。容赦なく、負け犬を打ちのめしていた。 ――負け犬。 唐園に負けた。 雨月と光原を奪われた。 負けた。負けたのだ。 菜鬼の「回転根舞」を止めたことすら、その頭から跡形も無く消え去っていた。 頭が鳴る。薬のせいと、寒さのせいと、敗北のせいと。 ――助けにいかなきゃ。 ――一人で行って、どうにかできるの? 頭が錯乱する。何をすべきか。どこへ行くべきか。 どこをどう歩いていたのか、水知はあとになっても、検討もつかなかった。気づいたときには、天晴高校からほど近い公園の噴水前に、疲れ果て座り込んでいた。 雨がやんだ。 水知は空を見上げた。鮮やかな青が広がっていた。 「風邪をひきますよ、雨宮さん。春でも、まだ雨は冷たいです」 空は青くなかった。青いのは、傘。 傘の下には、黒の合羽を着た少女。袖口には銀の刺繍。髪には花飾り。 「君は――」 「よくお会いしますね」 少女は水知に傘を渡すと、合羽のフードをかぶり、踵を返した。 「待って!」 そのまま別れるのは耐えられなかった。 「君は誰なんだ? その格好、黒合羽の仲間なの? この『露草』は大事なものだろ、受け取るわけにはいかない、それに……」 聞きたいことが山ほど浮かぶ。ただそれを声にする術が思い浮かばない。 少女は答えた。 「そうですね。私はあなたを知っているのに、あなたは私を知らない。そんなの、フェアじゃないですよね」 振り向いた。雨に濡れるのもかまわず、フードを上げる。 「私は花月葉露、または『虹刀』。雨衣の客分で、第二衣。もちろん傘使いです。でもあなたや蛟丸とは、少し立場や流派が違ってるんですよ」 「なんで傘使いが雨衣に……いや、それより雨衣がなんで僕に」 「傘は――私にとっては、呪いでしかありませんでした。でも、今日、あなたと撃ち合ったとき、少しだけ楽しかったから。――だから、あなたには、まだ負けてほしくないんです」 「花月さん。君は――僕の味方?」 「分かりません。次に会うときは、敵か味方か。でも――どちらの立場で会うとしても、たとえ互いの傘が互いの心臓を貫く瞬間が来たとしても、――それでも必ず、私はあなたの友でありたいと思ってます」 葉露は真っ直ぐ水知を見つめる。その目が笑っているのか泣いているのか、水知には判別もつかない。 「負けちゃダメです、雨宮さん。雫ちゃんにも、唐園君にも、衣織先輩にも、紫電先生にも、嵩宮蛟丸にも、それに私にもです。負けないで」 しまいには声が出なくなった。花月は目を伏せて、再びフードをかぶり、くるりと後ろを向いた。 「花月さん、君の武器はどうするんだ」 「兄の傘『雪梅』があります。手にするに相応しいときにだけ、使おうと思っていたんですが――どうも、そろそろその時のようですから」 それ以上は何も言わず、花月は歩き去った。実際より大きいような、あるいは実際より弱く見える背中を見送りながら、水知は心中に何か湧き上がるものがあるのを感じた。 ――露草。 鮮やかな青み。 ――お前の主人よりずっと未熟な僕だけど……しばらく、付き合ってくれるか。 露草の柄を握る手に、思わず力が入った。 19(バーネット) 「やれやれ。大変なことになってるな」 「!?」 唐突に響いた声が水知の感傷を吹き飛ばした。立ち上がり声のしたほうへと体を向けた。公園の林の中から現れたのは水知と同年代の優男。 「初めまして。雨宮水知君……だね?」 現れたのは一人だけではない。一、二、三――全部で六人。全員男でユニフォームのようなものを着ている。 「俺は四島。晴天同盟所属でサッカー部キャプテン。ちなみにポジションはゴールキーパーだ。ちなみに後ろのやつらはサッカー部のレギュラーメンバーだ」 そう告げてリーダー格の優男――四島は水知の前に立った。 「何の用だ」 「言わなくても分かるだろ」 二人は互いに相手を睨み、牽制しあう。 「君は強い。晴天同盟にとって十分な脅威となりえるほどに。現についさっき雨衣の第一衣となかなかいい勝負をしていた」 「……ッ! どうしてそれを……!?」 「無論観てたのさ。俺たちは上の命令で紫電先生をマークしてたんだが、その先生が君らを連れて学校から出ようとしているじゃないか。これは何かあると思ってつけてみると君たちが雨衣、しかも上衣を二人も含んでる奴らと戦ってるじゃないか。まあ、結果としては紫電家の二人は逃走、君は傘を失い、光までが雨衣の手に落ちた。面倒なことにな」 「光……?」 なぜか思い浮かんだのは同級生の少女――自分が守れなかった、太陽を髣髴とさせる少女だった。そういえば彼らは先日も―― 「っと。今はそれはどうでもいいな。とにかく君を潰させてもらう。何人か雨衣の連中を追わせているから戦力は少し落ちるが、普段の君ならともかく――」 四島がいやらしい笑いを顔に浮かべる。 「負けて塞ぎ込んでいる今の君など恐れるに足りない。」 「くっ……」 残りの五人が水知を囲んでいく。そして正面に立つ四島の足元にはどこから取り出したのかサッカーボールが転がっている。 「さあ、キックオフだ」 そう告げる四島の声に呼応して、水知も先ほど譲り受けた傘――露草を閉じる。 ――それが戦闘開始の合図だった。 ずしゃっ、という音を立てながら水知は濡れた地面へと叩きつけられた。転倒を重ねたせいで制服も顔も、そして傘も泥まみれになっていた。 顔を上げた水知の視界に何蚊が迫ってくるのが見えた。白くて黒い球体。それが何か理解するより速く、水知は不安定な体勢のまま全力で横へと跳んだ。標的を失ったサッカーボールはそのまま真っ直ぐに飛び、水知の後ろにあったベンチを吹き飛ばす。 傘を杖代わりにし、水知は体を立ち上がらせる。周囲に目を走らせ、敵を確認。――立っているのは五人。先ほどの一撃で一人倒せたようである。とは言え、こちらも反撃を貰いまさに満身創痍といった有様であった。 (――まずいな。このままじゃ) 彼らは思った以上に強敵だった。 サッカー部六人組の個々の能力ははっきり言ってたいしたことはない。旧体育館で戦った有象無象の者たちと比べれば強いが、それだけである。雨衣の下衣の者たちにも遠く及ばない。では何故ここまでてこずるのか。無論、一対六というのもある。全力を出し切れていないのも事実だ。だがそれ以上に彼らのコンビネーションが強力だった。 彼らは阿吽の呼吸で動き、死角が出来れば確実にそこへ付け込んでくる。それゆえ水知は思うように攻められず、牽制として飛んでくるサッカーボールをかわしながら相手の様子を見ることしか出来なかった。 戦いの最中、このままでは自分が消耗するだけだと判断した水知は捨て身の覚悟で攻撃。何とか一人は倒したものの、手痛い反撃を受けてしまう結果となった。この方法なら一人ずつ倒していけるかもしれない、が水知自身そろそろ限界だった。後二、三撃食らったらもう満足に動けなくなるだろう。つまりこの方法は使えない。 「どうした、水知君。その程度なのかい?」 「うるさいな。六人で一人を狙ってきた奴の台詞じゃないだろ、それ。フェアプレーの精神はどこへいったんだよ。お前ら絶対レッドで退場させられるぞ。だいたい、ボールを凶器にするなんてプレーヤーとして失格だろ。ボールは友達じゃないのかよ」 まくし立てながら水知は打開策を考える。考えてはいるのだが―― (くそっ、打つ手が無い。僕は負けるのか? 『また』負けるのか……?) ――負けちゃダメです、雨宮さん 頭の中に蘇ってきたのは少女の言葉。はっとして水知は手にしている傘に目をやる。少女が自分に託してくれた露草という銘を持つ傘。愛用の傘を手放すということは途方もない覚悟がいる。彼女がどんな思いでこの傘を渡してくれたのかは分からない、分からないが――それを裏切るわけには、無駄にするわけにはいかない。絶対に。 水知は再び傘を構える。一人減ったサッカー部員たちは互いにボールをパスしながら水知に隙ができるのを待っている。水知も隙を作らぬようにボールを目で追いながら移動する。いまだ降り止まぬ雨の中、足音とボールを蹴る音だけが静かな公園に響き渡る。 そして静は唐突に動へと変化する。水知が一瞬だけボールを見失ったのを目ざとく察知したサッカー部の一人が水知へ向けてボールを蹴ったのだ。一度は見失ったものの、水知も即座に反応し上体を前に倒して回避する。今度は相手に隙のできる番だ、そう判断した水知はそのままの体勢で正面の相手へと突撃しようとして――数歩踏み出したところで相手の意図に気づき足を止めた。 (しまった! フェイントか!) 水知の頭の上を通り過ぎて行ったボールの速度が今までのものより遅かった。これはシュートではない、すなわちパス。本命は今まさに自分の真後ろから撃たれようとしているのだろう。振り返ってからではおそらく間に合わない。かといってこの体勢から回避を行うのは不可能に近い。ならばせめて防御だけでも。 そう判断し水知は振り向こうとして―― ――右肩!! 水知は体を反転させながら躊躇いも無く傘を振るった。確かな手応え。水知の右肩の辺りを狙ったボールは見事に弾き飛ばされていた。 「んなっ!? くそ、勘のいい奴だな」 水知に向けて必殺の一撃を放ったつもりだった男――よく見れば四島だった――が驚愕に顔を引きつらせている。ほかのサッカー部員たちも驚きを隠せず浮き足立っているようだ。 「まあいいさ。次は絶対に外さ――」 「無理だね。当たらないよ」 一番早く冷静さを取り戻した四島の言葉を水知は切り捨てた。 「なにを言ってる。勘で一回防いだだけだろうが」 「勘、か。確かにそんな感じなんだけどちょっと――いや、結構違うかな。まあともかく、君たちに勝ち目はもうないよ」 「ふざけやがって」 サッカー部員たちが再び動きを開始する。先ほど同様パスを回しながら隙を狙ってくる戦法だ。水知も同様にボールを目で追う。ここまではさっきと同じだ。違うのは―― (――右後ろの奴!!) 水知は唐突に後ろへ振り返ると、タックルをしようと背後から近づいてきていた一人を傘で打ち倒した。その男はそのまま地面に倒れ付す。それよりも早く水知は振り返りざまにやはり死角から飛んできたボールを叩き落とした。これで残り四人。水知の動きを見たサッカー部員たちは皆唖然としている。かろうじてという感じで四島が口を開く。 「……何者だよ、こいつ。エスパーか……?」 「人を奇人変人みたいに言わないでくれよ。僕はただの……雨男さ」 ――多分。 心の中でそう付け足して水知は相手を『見る』。実際に目に見えているわけではない。しかし、それでも確かに相手がどこにいるのかが水知には分かる。シックスセンスってやつかも、とか思った水知であったがすぐに別のものに思い当たった。 「なに考えてんだよ。自分だけ目隠ししたままで稽古をするなんて。しかも雨の中で」 「余計なことは考えなくてよい。お前は打ちかかってくればよいのだ」 「わかったよ。ったく、どうなっても知らないよ」 背面からのスライディングを軽くかわし、ついでにそいつの腹へと傘の一撃を叩き込む。左後ろからもう一人が体当たりを仕掛けてくるが、遅い。足に傘を当てて転ばせた後で止めを刺す。これで残り二人。性懲りもなく背後からボールが飛んでくるが、これは体を傾けるだけで回避。 「……なんで目隠ししたままなのに普通に戦えるんだよ……」 「お前はなぜ雨宮流がなぜ最強と呼ばれるか、一子相伝のものか考えたことはあるか」 「は? いや普通そういうものじゃ――」 「雨宮流の派生となる流派は世界に無数存在する。それらは雨宮流の流れを汲みながら独自のものを取り入れつつ進歩を繰り返している。技のみならば本家をしのぐ流派もあるだろう。だが、雨宮流は今でも最強とされている。なぜだか分かるか」 二人になったサッカー部員たちを水知は見据える。彼らの顔には驚愕を通り越して恐怖が浮かんでいる。当然といえば当然だ。ついさっきまで圧倒的に有利だったはずなのにほんのわずかな時間のうちに追い詰められてしまったのだから。 「何だよ、何がどうなってるんだよ!?」 相変わらず声を上げるのは四島だけだったが、それは彼ら全員の総意と見ていいだろう。 「う、うあああああ」 と、残った二人のうちの一人――四島ではないほうだ――が何を思ったか真正面から無謀な突撃をかけてくる。水知はそれを打ち据える――と見せかけてぎりぎりで避ける。ゴンと鈍い音がした。水知の隣では二人の男が頭をぶつけ合っていた。一人は今突っ込んできた男、もう一人は最初に倒したと思っていた男である。どうやら傘の入りが甘かったらしく、水知の後ろから攻撃の機会を伺っていたようだった。互いにうめき声を上げる二人を今度こそ確実に地に沈める。残り一人。 「その答えは雨宮の血にある。雨宮とは古来より雨の祝福を受けた家系。聞いたことぐらいはあるだろう、水知よ」 「ああ、知ってるさ。だから雨宮の男は皆雨男なんだろ。祝福って言うより呪いのほうがしっくりきそうだけど」 「雨男とはな、祝福の根底、もっとも基本的なものにしか過ぎん。祝福の真の力はそんなものではない。それは雨を自らの手にも、足にもできる力だ」 「お、おいおい。ほんとにエスパーかよ」 「だから違うって言ってるじゃないか」 そう言いながら水知は四島へと近づく。四島はそれに合わせて後ずさる。 「もう諦めなよ。君の負けだ」 「そうはいくかよ。光は攫われちまうのをみすみす見逃したんだ。このまま帰ったら何をされるか……」 「ちなみに君の少し後ろに予備のボールがあるのは分かってるんだ。だから不意打ちは無理」 四島の顔が泣きそうなほどに歪むのが見えた。少しやりすぎたかもしれないと水知はちょっと反省した、が情けは無用。 「ばっ化け物!」 「失礼な。これはれっきとした技だって……多分。名前はそう、確か――」 「忍びという者たちは夜を、闇を自らの世界とする。その中では如何なる強者であろうとも、決して勝つことはできぬ。雨宮も同じだ。我らの世界とは即ち雨。雨の中でこそ我らは最強となりえるのだ。――忍びの者たちは闇を知り尽くすことで闇を征した。これも同じだ。水知よ、雨を知れ。雨を知り尽くせ。それこそが雨宮流の強さの極意。覚えておけ水知。雨宮流とは傘術のみに非ず。現に今お前とやって見せたのもその一つ。雨をもって相手の位置を読み、あらゆる死角を無くす技――」 「――雨宮流雨術『雨読』」 最後に四島に一撃を入れて黙らせ、水知は公園を去った。彼の勝利を喜ぶように雨はその勢いをさらに増していった。 20 皆既日食 築100年を超える木造建築。 300坪を超える日本庭園。 そう。ここは、伝統と格式ある雨宮本家――― 雨宮水知は、帰宅した。 玄関を開ける。 「お帰りなさいませ。水知様。」 「あ・・・ただいま。静流さん。」 目の前でタオルをもって微笑んでいる割烹着の女性は、氷雨静流という。 なんでも氷雨家は先祖代々雨宮家に仕えてきた家らしく、静流さんもその例に漏れず雨宮家で女中をしていたりする。 ちなみに年は18。今年の春に高校を卒業したばかりである。 性格は――まあ、雨宮家の良心といえる唯一の真人間で、この人の通っていたところだからきっとまともな高校に違いないと思って水知はこの高校を受験した。 きっぱりと間違いだったが。 「ダメですよ。体調が悪いのに雨に濡れたりして。早く拭いて着替えてくださいね。」 「・・・今日に限って、よく濡れて帰ってくることわかりましたね」 「女中ですもの」 いやその理由はないだろ。と心の中でツッコミをいれつつ、水知はありがたくタオルを受け取った。 「それから先々代がお呼びですので、着替えたらすぐ先々代のお部屋に向かってくださいね」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「静流さん、紫電先生とか来てない?」 「いらっしゃってます。幸いひどい怪我はありませんでしたが、今は客間でお休みになっておられますけど」 この分だともう事情は先生から聞いているんだろうな。タオルはそれが理由か いや、そんなことより 曽祖父に事情を知られている―――!? 生きて今夜を乗り切れるだろうか。 服装と姿勢を整え、曽祖父の部屋の前に立つ。 思えばこの部屋に入るのは初めてだ。 機会がなかったせいもあるが、この部屋にはいろいろと怪しげな伝説があるのも理由といえる。 曰く、人外魔境。曰く、異世界。曰く、一度入ったら戻ってこれない。等等。 以前、父に尋ねたこともあるが 「聞くな」 と青い顔をして即答された。 しかしいつまでも躊躇しているわけにもいかない。頑張れ俺。勇気を出して。 「ひいお爺さま、参りました。」 「入れ」 ふすまに手をかける。 覚悟を決めて、雨宮家七不思議のひとつ、開かずの扉を開く。 そこに広がるのは――― 普通の座敷だった。 「何をしておる。はやく入ってこんか馬鹿者」 「は・・はい」 部屋に入って曽祖父、雨宮水之進と向き会う。 「事情は為右衛門殿から聞いておる。敵に負けて、光原殿を奪われて、おめおめ帰ってきたのじゃな?」 「・・・・・はい。」 それは決定的に正確な事実。いまさら言い訳のひとつも出来るわけがない。 「そうか・・・・」 目を閉じて深くため息をつく水之進。 「このたわけがあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 その瞬間、部屋が燃え上がり、曽祖父が巨大化した! 「うわあああ!?」 「雨宮家の嫡男ともあろう者が(ばきっ)敗北したのみならず(ごすっ)乙女を(みしっ)奪われて(ごきっ)しかもそのまま帰ってくるとは(ぼすっ)なにごとじゃ(へぶし)」 「ぐはあ!」 気絶するか否かの絶妙な力加減で殴られた水知の身を、地獄の苦痛が襲う。 「そ・・・それより・・・・・・・火が・・・・・」 ここはまるで地獄絵図。なぜか鬼とか歩いてるしっていうかなんでヒトの悲鳴がこんなに響いてるんですかしかもひいじいちゃん閻魔様の格好してるよおい なにはともあれ、はやく部屋から出ないと・・・・・! 「待てい」 襟首をつかまれる 「いや・・・・火が・・・・・」 「3D映像じゃ。落ち着かぬか馬鹿者」 「へ?」 気がつくと紅蓮の炎は消えており、曽祖父も通常サイズに戻っている。ついでに痛みも消えている。 「うそ!殴られたのも映像かよ!?」 「修行が足らんのう」 「いや無理があるって!」 「納得せい」 番傘の一撃を喰らって水知は沈黙した。 「さて、お主はこれからどうする気じゃな?」 「・・・・光原さんを、敵から助け出します」 「無理じゃな。今のお主では勝てん。」 「そんなことは」 「勝てん」 「・・・・・・・」 うつむいて歯を食いしばる。この曽祖父は、こと戦闘に関して嘘を言うことはない。間違いを言うこともない。 「・・・・・・強くなりたい」 「ふむ」 「俺は、強くなりたい。仲間を助け出せる強さが欲しい。だから―――」 「わかっておる」 水之進は、これまで見たこともないような優しい笑みを浮かべていた。 「お主が自分から強くなりたいなどと言うたのは初めてじゃったな・・・案ずるでない。雨宮家に伝わる秘儀のひとつを、伝授してやろう」 ついてくるがいい。と言って水太郎は部屋から出て行った 「は・・・はい!」 雨宮家の裏には小山がある。その名も雨宮山。 小さいが、代々雨宮家の者が修行に使ってきた由緒正しき山である。 「準備はよいな・・・・水知」 「はい。」 水之進は愛用の番傘「朝霧」で天を指す。 「知ってのとおり、雨宮の者は雨に好かれ、雨をその力となす。そして―――雷も、そのひとつ!」 空に光が満ちた。 天空に広がる雨雲、その中から幾十条もの稲妻が突き出し、空を埋め尽くして向かってくる。 出鱈目だ。 ていうか逃げ場とかないし。 「うわああああああ!」 無駄とわかっているが、反射的に伏せて防御体制をとる。 轟音が響き、水知が目をひらくと 「何をおびえておるのだたわけ」 バチバチと帯電している曽祖父が平然と立っていた。 周囲には焦げ目ひとつない。 あれだけの稲妻を、水之進がすべて喰ってしまったのだ。 「秘儀はこれからぞ。気を抜くでない。」 水太郎はばっと「朝霧」を開くと、くるくる回しだした。 回転が早まるにしたがって、傘の上に雷の珠が生まれ、傘回しの要領でまわりながら大きくなっていった。 ちょうど雷球が人間の頭ほどの大きさになったところで回転を止め、雷球を左手で受け取る。 「これは<雷光珠>という。今よりこれをお主の身体に入れる。」 水知はごくりと喉を鳴らす。 「<雷光珠>の試練に打ち勝てば、お主も強大な雷の力を振るえるようになるじゃろう。しかし耐えられねば、お主は死ぬ。おそらく可能性は五分と五分。決めるのはお主じゃ・・・続けるか?」 数え切れないほどの稲妻。それを凝縮した雷光球。そんなものを身体に入れれば無事に済むとはとても思えない。 でも。 大切な仲間を守るだけの力を、得ることができるなら――― 「やります」 水知は、力強くうなずいた。 「よくぞ言うた。ではいくぞ!」 水之進が雷光球を放つ。 それは宙を駆け、水知の胸の中に吸い込まれていった。 「あれ?なんともない?」 身体の確認をする。どこにも異常は見あたらな 瞬間、額がはじけて血を吹いた。 「ああああああああああ!?」 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い 体中を雷竜が駆け巡る感覚。 気を抜けばソレは、皮膚を突き破って外に無理やり出ようとするかのように暴れまわる。 「うああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」 激痛に耐えかねて暴れまわる。 拳が地面を穿つと土が吹き飛び、クレーターができる。 全身がぎしぎし悲鳴をあげる。 水知は、声にならない悲鳴をあげた。 水之進は一人で自室に戻った。これからさきの試練は、水知が一人で立ち向かい、乗り越えなくてはならない。自分には手助けなど出来ないのだ。 「う・・・・・ごほっごふっ」 咳とともに血を吐いた。この老体にはやはり雷光球は負担がかかりすぎたようだ。 「まったく・・・・水太、雨水。こういうのはおぬしらの役目じゃろうが。」 息子と孫の名をつぶやく。その瞳は、どこか悲しげであった。 息をするだけで全身に激痛が走る。 もう指一本動かす力も残っていない。 ああ、自分はこれで終わりなんだ、と妙に納得する。 思えば16年間、変な人生を歩んできたものだ。 物心つく頃から傘を握らされて武芸の稽古。 何かのたびに雨が降るものだから、思い出はいつも雨色だ。 高校だけはまともだろうと思っていたのに、むしろ一番おかしかった。 でもそれもおしまい。ここで雨宮水知は終わるのだから。 「われが何者か?――知れたこと! 今年で16になる、貴様のクラスメイトよ!」 「交通規則ってのは命を守るためにある。理解したまえ、君たちは命の瀬戸際にいるのだよ!」 「負けちゃダメです、雨宮さん。雫ちゃんにも、唐園君にも、衣織先輩にも、紫電先生にも、嵩宮蛟丸にも、それに私にもです。負けないで」 「ま、危なそうだったら、またそのときは守ってよ、水っち♪」 目が、覚めた。 こんなところで死ぬわけにはいかない。 自分には共に戦う仲間がいて、信頼できる友がいて、それから―――守るべき、人がいる。 その手に握る『露草』を杖にしてボロボロになった体を立ち上げる。 そう。この手には傘がある。この身にはやさしい雨の加護がある。 『露草』を頭上に振りかぶって、 「雨宮流――――――――― 大地に向かって叩き降ろす ――――“雷術・閃龍”!」 極光がすべてを埋め尽くした。 いきなり長っ。 終わりのほうが急展開&描写がいい加減ですが、力尽きてしまったのでご容赦ください。 このあと、蛟丸の謀略によって雨衣内部で対立が発生、捕えられた秋水を助けるため、花月は一人、天文部部室に赴く――とかの燃える展開になる予定かもしれません。そして水知の選択やいかに?(穂永) 主人公覚醒第一弾。でも実は使い勝手が微妙な能力だったり。詳細はツリーのほうに書いときます。(バーネット)
https://w.atwiki.jp/suzu2/pages/18.html
銃(カスラッチーニオリジナル)をてにいれた! いく
https://w.atwiki.jp/densetu0net/pages/17.html
追加や仕様変更を見つけたらここに書き込みしていただくことで有志が編集します -- 名無しさん (2011-02-27 03 17 24) 募兵 1ターンに(統率力or人望)の7.5%の兵士を「(兵種の値段)×募兵人数÷2」で算出される米を支払うことで募兵できる。※募兵人数の半分だけ訓練値も下がります。 -- 名無しさん (2011-03-27 10 43 19) 混乱工作(対戦相手の陣形が無効になり、数人の損害を与える。※防御時、0ターン目のみ発動、陣形無効は相手の兵数<自軍の兵数×5のときのみ発動) -- 名無しさん (2011-06-11 11 36 01) 宴会700R →実際は1000Rになってるね。。 -- 蟲 (2016-12-21 21 45 48) 名前 コメント 馬術 歩兵 弓術 移動 戦略 戦術 指導者 忍術 謀略 扇動 能力強化 格闘 遠征 籠城 山賊 人徳 精鋭 スキル名 説明 発動率 ダメージ 備考 馬術1 馬系の攻守4%UP 馬術2 馬系の攻守8%UP(突撃 威力:発動率=強:低) 1〜9 馬術3 馬系の攻守12%UP(突撃 威力:発動率=強:低)チャリオット取得。 1〜9 【陣形】チャリオット:馬兵のとき攻守15%UP(相手が歩系のとき20%UP) 相手の攻守-5% 歩兵1 歩系の攻守4%UP 歩兵2 歩系の攻守8%UP(強行軍 威力:発動率=中:中) 約7% 1~6 歩兵3 歩系の攻守12%UP(強行軍 威力:発動率=中:中)ファランクス取得。 約7% 1~6 【陣形】ファランクス:歩系のとき攻守15%UP(相手が弓系のとき20%UP) 相手の攻守-5% 弓術1 弓系の攻守4%UP 弓術2 弓系の攻守8%UP(一斉射撃 威力:発動率=弱:高) 1~4 弓術3 弓系の攻守12%UP(一斉射撃 威力:発動率=弱:高)ゲリラ隊形取得。 1~4 【陣形】ゲリラ隊形:弓系のとき攻守15%UP(相手が馬系のとき20%UP) 相手の攻守-5% 移動1 移動守備可能。国内のみどこでも移動可能 移動守備は隣接している都市のみ可能。滞在している都市への移動守備はできない。 移動2 全国どこでも移動可能 遠方移動と移動守備は併用可能。出兵は適用外 移動3 逃走:防御側の際、75%の確率でターン数-20 戦略1 落とし穴(防御時のみ発動。相手にダメージを与える) (知力+人望)÷11 1~7 発動率25%が限界 戦略2 援軍(防御時のみ発動。発動するごとに最大ダメージ、兵数が上昇。※上昇した兵数は戦闘終了後に半数だけマイナスされます) (知力+人望)÷14 1~5 発動率20%が限界 戦略3 水攻め(防御時のみ発動。敵の攻撃力低下。敵兵脱走) (知力+人望)÷13 1~9 発動毎に相手の最大ダメージ1低下。発動率25%が限界 戦術1 不意打ち:攻撃時かつ、武力or知力の高いほうが相手のそれより上の場合のみ発動。敵攻・守-5% 戦術2 夜襲:金500消費。攻撃時、武力or知力が130以上の場合のみ発動。敵攻・守-5%(不意打ち重複で計-10%)、一定確率で追加攻撃。 追加攻撃率:(武力+知力)÷10(上限25%?) 戦争都市選択時に夜襲モード使用を選択可能。 戦術3 強襲(金1000消費。攻撃時、武力or知力が160以上の場合のみ発動。敵攻・守-10%(不意打ち重複で計-15%) 一定確率で追加攻撃。 追加攻撃率:(武力+知力)÷8? 1~7 戦争都市選択時に強襲モード使用を選択可能。 指導者1 召集(味方1人を自分の所属都市へ) 指導者2 募兵 毎月(統率or人望)の5%の兵士を「(兵種の値段)×募兵人数÷2」で算出される米を支払うことで召集できる。最大15人。最低でも1人は集める。※募兵人数の分だけ訓練値が下がる スキルページでオン、オフを切り替える事が可能 指導者3 洗脳(戦闘中、敵の兵を引き抜く。※引き抜いた兵数は、戦闘終了後に半数だけマイナスされます。) (知力+人望)÷11 1~5 発動率25%が限界 忍術1 幻影(発動したターンは通常攻撃を受け付けない) 統率÷11 スキル効果のダメージはそのまま受ける、会心、受け流し等の直接攻撃は無効化可能。発動率25%が限界 忍術2 応急処置(戦闘終了後、倒された兵の 0~5割が生き返る) 統率÷3 発動率90%が限界 忍術3 受け流し(発動したターン、敵からのダメージのいくらかを自軍の攻撃力にプラスする) 統率÷13 諜略1 誘導(兵士属性が不利なときの敵軍の最大ダメージ増加を無効にする。また属性が有利な場合には自軍の最大ダメージがさらに+2増加する。※防御時かつ知力が相手より上回っている場合のみ有効) 諜略2 分断工作(防御時0ターン目のみ発動。対戦相手の攻撃力が低下し、数人の損害を与える) 知力÷2.5 1~5 攻撃力低下:知力÷15。発動率90%が限界 諜略3 混乱工作(防御時0ターン目のみ発動。対戦相手の陣形が無効になり、数人の損害を与える。陣形無効は相手の兵数<自軍の兵数×5のときのみ発動) 知力÷3 発動率50%が限界 扇動1 鼓舞(一定確率で自軍の最大ダメージが上がります) 人望÷11 ? 扇動2 計略(守備側なら戦闘ターン数が?減少 攻撃側なら戦闘ターン数が?増加) 100% 人望÷10 扇動3 農民加勢(戦闘時のみ兵数が?~?増える。(率いる上限は統率力の2倍まで)。兵種ミラーマンでは使用不可。戦闘終了後に、増えた兵数の分だけ兵数が減少する。減少するための兵数が足りない場合は不足分のコストを米で支払う。 戦闘開始時に所持金が0以下だった場合、もしくは守備側で兵数0だった場合は発動しない。 (人望÷10~人望÷4)人の農民さんが来てくれる。戦闘時の都市の民忠が加勢人数に関係する。 帰還時に金が足りなかった場合はマイナスになる。 能力強化1 能力依存兵の攻守4%UP 能力強化2 能力依存兵の攻守8%UP(能力強化が+3にUP) 能力強化3 能力依存兵の攻守12%UP(能力強化が+3にUP。能力UPの必要経験値が9に減少) 格闘1 会心の一撃(発動したターンのみ、敵へのダメージが必ず、最大ダメージ÷2より上になる。) 武力÷10 格闘2 気合いため(発動するたびに、最大ダメージが+1~2される) 武力÷11 格闘3 正拳突き(発動したターンのみ最大ダメージが2倍になる) 武力÷14 遠征1 突貫(出兵時にのみ発動。敵兵脱走) 統率÷10 1~5 遠征2 食事(出兵時にのみ発動。発動するたびに、最大ダメージが+1される) 統率÷11 遠征3 包囲(出兵時にのみ発動。相手の攻撃力を1~(統率÷12)%減らし、同じ量を自軍守備力に追加。さらに戦闘ターン数増加(統率÷10)。) 統率÷10 籠城1 岩石落とし(守備時にのみ発動。敵兵脱走) 武力÷10 1~5 籠城2 増築(守備時にのみ発動。発動毎に相手の最大ダメージが1~4下がる。敵兵脱走) 武力÷13 籠城3 真田丸(敵は兵士を半数失う。守備側のみ発動。) 武力÷50 発動率5%上限 山賊1 追い剥ぎ(出兵時にのみ発動。相手からお金を奪う。) 0~知力÷0.1 相手から知力×2~知力×5の金を奪う 山賊2 強奪(出兵時にのみ発動。相手より知力が上回っている場合、相手の武器の威力を自分の攻撃力にプラスする) 山賊3 屍拾い(出兵時にのみ発動。相手の兵を一定数倒すごとに最大ダメージが1~3上がる。(上限10回)) 討伐数:(2100÷知力)+3(下限10人・1ターン1回まで) 人徳1 軍旗掲陽(旗の威力上昇率が上がります) 旗の威力上昇量が増加 通常:大量:宴会=0.13:0.15:0.14 人徳2 加勢(自軍の最大ダメージが(自分人望-相手人望)÷50増加する) 人徳3 威圧((自分人望-相手人望)÷30人の兵士を0ターン目に奪う 精鋭1 相手より上のランクの兵を使用時に攻守がアップ 兵ランク差×5% 兵ランク差:SとAなら1、Sと無ランなら4。攻城・ミラー・道場系特殊兵は無ラン扱い 精鋭2 相手より上のランクの兵を使用時に攻守がアップ 兵ランク差×7.5% 精鋭3 相手より上のランクの兵を使用時に攻守がアップ 兵ランク差×10% 以下スキルの使い勝手とかなんとか。 あくまで個人の感想なので鵜呑みにしないように。 期によって仕様変更もあるのでチェックすること。 馬・歩・弓 S開放まではお世話になる。 実質兵種が固定されるが、それを補うパワーがあります。 兵種3陣形強すぎ^p^ Sとも渡り合えます。単陣なのでやや守備向け。 移動 1は戦闘官が持っておくと便利。63期の仕様では必須レベル。 2は裏方用。 3は逃走官用。(扇動とのコンボ) 戦略 攻撃力がなくてもダメージを当てられるのが売り。幻影も効きません。 落とし穴でSランクが7人減らされたときなんてもう… 守備文官・守備仁官必須スキル。 戦術 割合で戦闘力を減らすので、終盤ほど有効。 終盤の攻め武官、攻め文官必須スキル。 毎回コストがかかるため、3までは取らないことが多い。 指導者 1:裏方用。 2:終盤の統官、仁官用。 3:必要なスキルを揃えた文官、仁官が取ると強いです。期が長引いたときに。 忍術 統率官のメインスキル。 1:使いやすく、統率65以上ならどの官でもオススメ。 2:序盤の統率官の劣悪なコスパをサポートしてくれる。 3:終盤、最大ダメージで負けがちになる統官にとってはかなり役立つ。 謀略 1:兵種負けしたときの備えに。知力値さえ勝てるならば強いです。 兵種負けすると非常に痛い統官にもオススメ。(要知力振り10~15) 2:守備文官用。堅実にお役立ち。 3:超優秀。発動するだけで虎の陣を止めちゃうすごい子。守備用なので戦略スキルと一緒に持つといい守備ができる。 扇動 仁官用その1。守備力の高い兵種・陣形と相性が良い。逃げ官のメインスキルでもある。 1:鈍刃との相性がいい。コスパは良い方。 2:これ単体では微妙。逃走と組み合わせたい。逃げ官なら最優先。 3:統率を水増ししてくれるスキル。コスパを考えると指導者3優先か。低統逃げ官なら最優先。 能力強化 馬歩弓スキルのやや劣化版。これ単体では微妙。 いろいろな兵種を使ったりSランク使用時に有効。 兵種スキルのほうが強いので、序盤から2以上取るとコスパ負けが続く。 コマンドの能力強化をするときは必ずこれを2以上取ってから。 裏方が後から戦闘参加するときの道場ブースト用など。 格闘 1:乱数ゲーを緩和してくれる。諸刃や弓と相性が良い。 2:歩兵・鈍刃と相性が良い。相手の火力が低ければ統官も倒せる。 3:運ゲー好きならこれ。格上にもワンチャンあるが安定しない。 どれも直接攻撃なので、幻影や受け流しに弱いのが欠点。 兵種3の方が強いが、兵法道場の陣形を多用したり武官道場で能力を上げるならば悪くない。 晩成型で、本領を発揮するのは武力200を超えてから。スキル発動率アップも欲しい。 遠征 1:攻め側でしか発動しないことを考えると、先に幻影をとったほうがいい。 2:以前はこの効果で無ラン兵を活用できた。最大ダメージupが1だけになってしまったが、篭城3対策に。 3:効果量は非常に大きいが、ランダム要素があること、忍術3との相性が微妙であること、攻め専スキルであることで見た目ほどのインパクトはない。逃げ官対策には◎ 篭城 1:普通に発動するようになったので強いです。守備戦メインにしたいなら。 2:アンチ攻め統官として決め打ちするなら。ただ活用幅が狭すぎという意味で微妙か 3:発動率が低すぎる気がするが統官に対するプレッシャーに。戦闘道場でスキル率UPを2つ取れば実用可能。 山賊 1:文官の特権。ただでさえ良い序盤のコスパが更に良くなる。文官はとりあえず取っておいても良いのではないでしょうか。 2:相手の武器次第。終盤だとかなり強い。知力上げ競争の主因。 3:1ターンに1回までに修正されチート感は薄れたが、まだまだ強スキルといえる。攻め文官必須スキル。 人徳 仁官用その2。 1の旗威力上昇アップは最優先。 2も鈍刃相手に強いのでオススメ。仁官相手だと無力化してしまうのが欠点か。 3は0~最大数のランダムであるため正直微妙。 精鋭 修正で効果量が増えそれなりに。(2以降はコスパが悪いが) 相手の節約育成を妨害したいときには有効。 一応城壁にも効くようだ。
https://w.atwiki.jp/dqmj2ultra/pages/25.html
DQMJ2 スキル2 スキルと覚える特技2 【特技のスキル② No.51~100】 No.001 メラ&イオ 説明 初心者用のメラ&イオ スキルを持つモンスター スライムベスなど スキルポイント 覚えるもの 3 メラ 8 かえんぎり 15 イオ 24 れっぱざん 36 メラミ 50 イオラ ⇒ ページリスト ⇒ TOP DQMJ2究極限界攻略Wiki http //www29.atwiki.jp/dqmj2ultra/ ____________ DQMJ②究極限界攻略Wiki ____________ DQMJ2究極限界攻略Wiki 2010.03.28~}
https://w.atwiki.jp/maoyu/pages/282.html
[[聖鍵遠征軍]]兵士とは、第二次聖鍵遠征軍で開門都市に駐在している兵士たちである。くすんだ酒場でたむろして、魔族娘に絡んでいた。 確認できる限り酒場には4人以上いる。 初出 2-1 2スレ108レス 2009/09/06(日) 16 26 08.72 聖鍵遠征軍兵士「ぎゃはははは!!」 聖鍵遠征軍兵士「酒を持ってこい、この魔族!」 聖鍵遠征軍兵士「早くしろ、殺すぞ、この女っ!」 聖鍵遠征軍兵士「こんな肉が食えるかっ」 関係者 黒騎士(勇者) 酒場の主人 魔族娘 絡む 人物 人間 男性 開門都市の人物
https://w.atwiki.jp/mousouyomi/pages/809.html
▲【脆弱の壁】 ◆86(老人の壁) >バトルコリア他>塚木三尉>骨男>ハーム>5才の幼女マン>62790円 >キューピー3分クッキング>デリンジャーを持った幼女=ショットガンを持った幼女 >催涙スプレーを持った幼女>10人の幼女>七人の幼女>硫酸を持った幼女 >たいまつを持った幼女>竹槍を持った幼女>チェーンソーを持った幼女>5人の幼女 >五感の鋭い成人男性>渡辺さん>サブマシンガンを持った幼女>パワードスーツを着た人 >3人の幼女>2人の幼女>ハッタリマン=十全老人=ユミの祖母=正直ばあさん ▼【幼女の壁】 【妄想属性】幼女シリーズ 【作品名】いろんな幼女 【名前】硫酸を持った幼女 【属性】硫酸を持った幼女 【大きさ】5才の幼女並み 【攻撃力】400mlの純硫酸が入っている容量500mlのビーカーを持った5才の幼女並み 【防御力】5才の幼女並み 【素早さ】5才の幼女並み 【特殊能力】無し 【長所】硫酸 【短所】幼女 727 アリゲラα ◆jhlUsrQYEQ 2011/07/19(火) 18 37 19.22 ID UwSabO+6 [2/5回発言] 硫酸を持った幼女 まあ普通に考えて デリンジャーを持った幼女>硫酸を持った幼女>渡辺さん ここから上は子供の手では太ももくらいにしか届かないだろう
https://w.atwiki.jp/kakiteseihai/pages/67.html
スキル一覧読み仮名順 ※編集者が誤読している場合があるかもしれません。修正おまちしております(29話まで反映) 【!注意!】 以下は投下されたステータスに含まれているスキル一覧である。 基本的にはそのまま添付しているため、その書き手オリジナルのスキルに思われるかもしれないものもあろう。 しかしあくまでスキルなので「このスキル、あの書き手にも付けれる/付けたい!」なんて時には堂々と流用していこう。 もちろん、書き手がそのスキルを得る由縁となった逸話のことなど、(効果が大きく変わらない範囲なら?)説明文の改竄もOKだ! なお、「単独行動」など、原作「Fate」群に登場するスキルなどは、そこから説明文を流用していることもあるので注意だ (詳細は各キャラのステータスや、あるいは型月wikiを参照するべし) あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行 英数字・記号 あ行 煽り 煽りの達人に送られるスキル。 でっていうをはじめ作中、あるいは作外に至るまで多くの箇所で煽りレベルの高さを見せつけた。 + 使用者 B:ヤー竜夫 アルテミット・ワン 二次二次聖杯戦争の登場話コンペにおいて、最多票を獲得した逸話が昇華したスキル。 自らの宝具以外のステータスのうち一つを、対応する相手のステータスより一段階上回ることができる。 このスキルは敵一人ごとに発動できるため、相手が多人数の場合、自分のステータスを複数強化することも可能。 + 使用者 B:一護の人 安価 安価を行うスキル。安価は絶対。 それって令呪じゃね? 物語が終局に差し掛かるとこのスキルは自然消滅する。 + 使用者 EX:ヤー竜夫 ―:ヤー竜夫(最終局面) 英雄特権 一つのリレーロワで最多投下を行ったエース書き手のスキル。 最も多く話を紡いだがゆえに、それをリレーされた物語もまた彼の話といえる。 なので「この神SSはワシが書いた」と言い張ることで、 同ロワ書き手のスキルを限定的に使用することが出来る。 + 使用者 B+:ヴァルハラ 絵師 支援絵を投下した書き手に付与されるスキル。 それだけで他書き手/読み手から感謝され崇められる。 + 使用者 EX:暴君ヒグマ C:起承転結 オーバーボディ このスキル保持者は、中身を描写されるまで中身が分からない。 + 使用者 EX:暴君ヒグマ オーラ 赤いオーラにより、A以下の攻撃は全てキャンセル。 対魔力も兼ねており、フォルテや魔剣による“オーラ”の脅威を描いただけあり高ランクい。 ただしオーラは高火力の攻撃で一時的に破壊して無効化できる。 + 使用者 A:万の王 オールマイティ・メテオシャワー C:万の王 オールマイティ・メテオシャワー(BREAK時) オリキャラロワ書き手 そのままオリキャラロワ書き手。 本物であり続けるスキル。想像力/創造力なら天下をとれる! + 使用者 B:起承転結 第二次二次キャラ聖杯戦争(俺ロワ) 二次二次にて採用されることのなかったOP及び主従の一部を流用して新たなロワを作り上げた逸話に由来する。 戦闘続行:Aと仕切り直し:Cを兼ねるが、所持者が大きく限定されるスキルなため真名を絞られる大きなヒントとなってしまう。 + 使用者 A:サイレーン か行 怪物 同ランクの怪力、自己改造、単独行動、不死性を併せ持つ。 また同ランクの精神汚染・精神異常がない人物・人外とは意思疎通ができず、精神干渉をシャットアウトできる。 + 使用者 EX:怪物スージー 怪力 魔物、魔獣のみが持つとされる攻撃特性で、一時的に筋力を増幅させる。 一定時間筋力のランクが一つ上がり、持続時間は「怪力のランク」による。 + 使用者 EX:(怪物スージー) B:暴君ヒグマ、ヤー竜夫 カリスマ 軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。団体戦闘に置いて自軍の能力を向上させる稀有な才能。 俺ロワの 1の多くに適性があるとされている、が、もちろんその限りではない。 + 使用者 A:勇者・変態閣下 B:暴君ヒグマ、サイレーン カリスマ(偽) 軍団を指揮する天性の才能……ではなく、人からの好意を得る才覚。 かつて感想という名の寄進を数多の書き手に行ってきたヴァルハラは その清心を以て「天使」だと「泣かす(SSで)」だと様々な書き手から好意を抱かれて来た。 そのため、セイヴァーの発言は相手に疑いをもたれることや悪意的に解釈されることがほとんどない。 + 使用者 A+:ヴァルハラ 感動しました 感動を伝えられる。 + 使用者 B:千本桜 騎乗 「セイバー」「ライダー」のクラス特性。 乗り物を乗りこなす能力。「乗り物」という概念に対して発揮されるスキルであるため、生物・非生物を問わない。 また、英霊の知らない乗り物すらも直感によって乗りこなすことが可能。 なお、このスキルが乗りこなすのは何も物質的なものに限らない。「流れ」とかそういったものを指すことがある。 + 使用者 EX:零崎傾識 A+:時空剣士ルシオ(AAA補正) A:勇者・変態閣下、ヴァルハラ C:サイレーン B:時空剣士ルシオ、万の王、死穢塗無爲 窮極の武芸者 剣理“剣客ロワ”の一側面だが、存在自体を歴史から消し去り改竄する究極の技は流石に他のロワに対しては迷惑すぎるので封印している。 剣客ロワの書き手が終盤彼一人になったのは或いはこの究極の技によるものかもしれない……。 + 使用者 ―:死穢塗無爲 吸収 そりゃ吸収ぐらいするよ。でっていうだもん。 そりゃ吸収ぐらいするよ。オプーナだもん。 相手を取り込んでいく力。相手に応じてステータスが上昇していく。 + 使用者 EX:ヤー竜夫 狂化 「バーサーカー」のクラス特性。理性と引き換えに驚異的な暴力を所持者に宿すスキル。 身体能力を強化するが、理性や技術・思考能力・言語機能を失う。また、現界のための魔力を大量に消費するようになる。 + 使用者 EX:三代目混沌 B+:よっみー、ヤー竜夫(最終局面) D:ヤー竜夫 空気読み 周りの空気の流れを瞬時に能力。 カオスロワといえ空気を読まなければ、生き残れない。 + 使用者 B:三代目混沌 気配感知 普段は過疎でも祭りとあれば集まってくるAAAロワ民共通スキル。 自ロワに関する面白いことの気配を感じ取ることが可能。 + 使用者 C:時空剣士ルシオ 気配遮断 「アサシン」のクラス特性。 自身の気配を消す能力。完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。 + 使用者 A+:仮完結ルート E:千本桜 剣理“剣客ロワ” 筆と剣で練り上げた剣客ロワの理で相手を染めることで、悟りを乱し、悟りに由来する防御を無視することができる。 が、このスキルの本質は対仏に留まらない。 剣客の剣の前に、力の大小など無意味。剣客ロワ書き手は権能を振るう者すら斬り捨てる。 + 使用者 EX:死穢塗無爲 合同完結・革新 時代の変革者たる英傑に与えられる特殊スキル「革新」。アニスの場合は「合同完結」の文言が加えられる。 古きに新しきを布く概念の変革。相手が古いロワの書き手なほど、彼らが持つ宝具に対して絶対的な優位性を誇る。 反面、自分より新しい時代の書き手には何の効果も発揮しない。それどころか逆に自分の各種スキル、宝具の効果が低下する。 例えば合同で未完なロワの書き手が前者であり、聖杯形式のロワが後者である。 + 使用者 EX:アニス 合同トリップ 英霊複合体、ハイ・サーヴァントとも呼ばれる存在。 四象である四人の書き手の性質と力を兼ね備えた人工サーヴァント。 更に基本ベースとして組み込まれているのは、『 』@空の境界であり、ぶっちゃけ神様。 神性:EXも兼ねる。 受肉せず高次の存在なため宝具以外のパラメーターを持たない。 + 使用者 EX:アニス 誤解 どれだけ正義を尽くしても悪と思われてしまう反英雄のスキル。 現在は本人が対主催する気がないのでこのスキルは失われている。 + 使用者 A:魔法老人シックスラッシュ(本来) ―:魔法老人シックスラッシュ ゴッドハンド かつてのドラクエ職業風書き手紹介でゴッドハンド(攻撃系最強職)と例えられたことに由来する能力。 ゴッドハンドの特技が使用可能。 対魔法:EXは自分の魔法は跳ね返さないので回復補助魔法も使えるゴッドハンドとは相性が良い。 + 使用者 A:仮面の王と夢の塔・クルツ コンバート コンバートに対応する味方の能力を引き継ぐことができる。 自己改造スキルを持つセイバーとは相性が良い。 『新の王 ニュー・プラネット』をコンバートしたことで、スペルブラストなど一部能力を引き継いでおり、 ステタースの敏捷と幸運にボーナスを得ている。 + 使用者 B:万の王 オールマイティ・メテオシャワー さ行 仕切り直し 戦闘から離脱する能力。また、不利になった戦闘を初期状態へと戻す。 + 使用者 C:一護の人、(サイレーン) 時空剣士:A 終わりと始まりをもたらす者の称号。 このランクともなれば魔剣なしでも時空剣技が使えるほど。 ただしデメリットとしてダジャレをここぞとばかりに言いたくなる。 + 使用者 A:時空剣士ルシオ 自己改造 自身の肉体に別の肉体を付属・融合させる。このスキルのランクが高くなればなるほど、正純の英雄からは遠ざかる。 + 使用者 EX:(怪物スージー) B:万の王 オールマイティ・メテオシャワー 情報抹消 対戦が終了した瞬間に目撃者と対戦相手の記憶から、能力、真名、外見特徴などの情報が消失する。例え戦闘が白昼堂々でも効果は変わらない。 これに対抗するには、現場に残った証拠から論理と分析により正体を導きださねばならない。 + 使用者 C:仮完結ルート D:零崎傾識 心眼(偽) 直感・第六感による危険回避。虫の知らせとも言われる、天性の才能による危険予知。視覚妨害による補正への耐性も併せ持つ。 + 使用者 A:万の王 オールマイティ・メテオシャワー 神出鬼没 カオスロワのキャラクターとして、また様々なロワに参加した存在として、 マップ上の距離を無視してどこにでも現れることが可能。 カオスあるところに◆6/があり、◆6/があるところにカオスがある。 + 使用者 A:魔法老人シックスラッシュ 神性 神霊適性を持つかどうか。ランクが高いほど、より物質的な神霊との混血とされる。 「粛清防御」と呼ばれる特殊な防御値をランク分だけ削減する効果がある。また、「菩提樹の悟り」「信仰の加護」といったスキルを打ち破る。 正真正銘の神様を登場させた逸話から転じて適性を得た。 + 使用者 EX:(アニス) D:零崎傾識 陣地作成 「キャスター」のクラス特性。魔術師として自らに有利な陣地な陣地「工房」を作成可能。 + 使用者 EX:怪物スージー 真名隠蔽 ロワを支える裏方としての動き。 決して、表立つことはない。一種の気配遮断のスキル。 + 使用者 A:三代目混沌 真名看破 アニスは四十話以上もの合作を成り立たせる原作及びこれまでの物語を十二分に把握しその情報を共有する能力を持つ。 彼女に知り得ぬこと、理解できぬことはない。 ルーラーとして召喚されることで、直接遭遇するまでもなく全てのサーヴァントの真名及びステータス情報が自動的に明かされる。 相手が隠蔽能力を持っていようとも、彼女が誇る四人分の把握力の前には通用しない。 + 使用者 EX:アニス 神明裁決 ルーラーとしての最高特権。聖杯戦争に参加した全サーヴァントに対し、何度でも令呪を行使できる。 一つのリレー小説の終盤の全てを描く権利を手にし、その義務を果たした彼女は規格外の特権を誇る。 + 使用者 EX:アニス 精神汚染 精神が錯乱しているため、他の精神干渉系魔術をシャットアウトできる。ただし、同ランクの精神汚染がされていない人物とは意思疎通ができない。 このスキルを所有している人物は、目の前で残虐な行為が行われていても平然としている、もしくは猟奇殺人などの残虐行為を率先して行う。 + 使用者 A+:仮完結ルート E~EX:暴君ヒグマ 専科百般 四人の書き手の切り替えにより専門スキルを使い分けできる。 熱血・ギャグ・鬱・繋ぎ・ネタ・感動・恋愛などなど、様々な展開作風をAランク以上の習熟度で発揮できる。 + 使用者 EX:アニス 戦闘続行 名称通り戦闘を続行する為の能力。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。 + 使用者 A:一護の人、(サイレーン) 戦闘妖精 軽快で爽快な空戦描写をこなす能力。 空中戦時に絶大な補正が入る。 また常時敏捷もアップし、セイバーの敏捷EXの一因でもある。 + 使用者 EX:万の王 オールマイティ・メテオシャワー 宗和の心得 同じ相手に同じ技を何度使用しても命中精度が下がらない特殊な技能。攻撃が見切られなくなる。 リレーでなくなり彼一人で書き続けようとも、剣客ロワが読み手を飽きさせることはなかった。 + 使用者 A+:死穢塗無爲 た行 対書き手 バーサーカーと戦うあらゆる書き手は全パラメータが2ランクダウンする。 このスキルは極めて希少であり、保有するのは書き手ロワ系列で名を上げた書き手のみ。 書き手2は完結している上、バーサーカーはそこでも1,2を争う殺害数を誇っていた。 言い換えれば“書き手を最も殺した書き手”の一人であり、バーサーカーがアヴェンジャーのクラス適性を持つ最たる所以である。 + 使用者 EX:よっみー 対支給品 バーサーカーはド派手な戦闘描写によりよく支給品を壊していた。 これによりバーサーカーの攻撃は宝具以外の武具防具アイテムの類に対して中確率の破壊判定が生じる。 + 使用者 C:よっみー 対魔力 魔術に対する抵抗力。一定ランクまでの魔術は無効化し、それ以上のランクのものは効果を削減する。 サーヴァント自身の意思で弱め、有益な魔術を受けることも可能。 なお、魔力によって強化された武器や、魔術によって作られた武器による物理的な攻撃は効果の対象外。 「セイバー」「アーチャー」「ランサー」「ライダー」の4クラスにクラス特性として与えられる。 しかし英霊自身の能力や逸話によってもランクは増減するため、必ずしも同クラスが同ランクになるわけではない。 + 使用者 EX:仮面の王と夢の塔・クルツ A:勇者・変態閣下 B:魔法老人シックスラッシュ、ヴァルハラ、零崎傾識 C:新の王 ニュー・プラネット、サイレーン、時空剣士ルシオ、一護の人 D:仮面の王と夢の塔・クルツ(鎧を脱いだ場合) E+:死穢塗無爲 多重召喚 宝具の影響で二重召喚どころか多重にまで至った稀有な例。 ただし、起承転結の場合、勇気凛々の場合はセイバー、鏡花水月の場合はキャスター、と、 変身する姿によってクラスが固定であるため、二重召喚のように、同時に複数のクラススキルなどは持ちえない。 + 使用者 ―:起承転結 単独行動 「アーチャー」のクラス特性。 マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。 マスターがサーヴァントへの魔力供給を気にすることなく自身の戦闘で最大限の魔術行使をする、 あるいはマスターが深刻なダメージを被りサーヴァントに満足な魔力供給が行えなくなった場合などに重宝するスキル。 反面、サーヴァントがマスターの制御を離れ、独自の行動を取る危険性も孕む。 + 使用者 EX:死穢塗無爲、(怪物スージー) A-:仮完結ルート B:魔法老人シックスラッシュ、新の王 ニュー・プラネット、仮面の王と夢の塔・クルツ チェイン 物語を繋げる力。フラグ整理もお手の物。 転じて自身の武器を呼び寄せる能力。 手から離れていたとしても念じるだけでその手元に戻ってくる。 + 使用者 A:一護の人 地形破壊 ロワの舞台を破壊し尽くすことに長けた技能。別名MAP編集泣かせ。 マンション崩壊や更地化など序の口。 EXクラスとなると太陽や月といった天体をも破壊し、世界そのものを無に帰した上で新世界まで創造してのけた逸話を持つ。 地形破壊や陣地破壊、城塞などの建築物破壊、果ては空間破壊に対してまで圧倒的な補正がかかる。 + 使用者 EX:よっみー A:三代目混沌 D:零崎傾識 超速再生 一護やデップー由来の再生能力。 このランクならば腕の欠損、胴体に開けられた穴などを一瞬で回復可能。 破棄のあった難所でさえ書き上げて再生できる。 しかし、再生の規模に応じて相応の魔力を消費する。 + 使用者 B:一護の人 直感 戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を「感じ取る」能力。Aランクの第六感はもはや未来予知に近い。 また、視覚・聴覚への妨害を半減させる効果を持つ。 + 使用者 A:仮面の王と夢の塔・クルツ 繋ぎ 動かないパートを進めて、そこから更なる大作に繋げてもらう話。 パロロワでは欠かせない要素の一つだろう。 + 使用者 B:新の王 ニュー・プラネット 展開対応力:A カオスロワ、書き手ロワ、およびその他様々なロワで様々なキャラクターと成り、 凡そすべての展開を経験している彼が得たスキル。どんな展開が来ても即時対応し、 自らをその環境に適応するよう変化させることが可能。 + 使用者 A:魔法老人シックスラッシュ 道具作成 「キャスター」のクラス特性。 魔力を帯びた器具を作成可能。Aランクとなると、擬似的な不死の薬すら作成可能。 + 使用者 E-:怪物スージー な行 二重召喚 二つのクラス別スキルを保有することができる、極めて希少なスキル。 + 使用者 B:よっみー、怪物スージー、ヴァルハラ 眠り姫 AAAロワ書き手共通のバッドステータススキル。 状態異常としての気絶・眠り状態になった時、自然回復するには5年かかる。 投下速度・完結速度が早いマスターやサーヴァントが近くにいるほど回復にかかる時間が軽減される。 + 使用者 E:時空剣士ルシオ は行 破壊工作 戦闘の準備段階で相手の戦力を削ぎ落とす才能。 名無しの森からイチイの毒までなんでもござれ。 ランクAの場合、進軍前の敵軍に六割近い損害を与えることが可能。 ただし、このスキルが高ければ高いほど、英雄としての霊格が低下する。 + 使用者 A:万の王 オールマイティ・メテオシャワー パロディ仕込み 本編中に小さなネタや番外編でのネタを仕込む能力。 見破った相手のことをクスリ、とさせられる……かもしれない。 + 使用者 C:新の王 ニュー・プラネット パロロワの悟り 閉じた世界の軋轢と矛盾、その中に生きる人の回答に至った者だけが纏う守り。 一つのロワで紡がれたテーマに「回答」を出した書き手だけが得る完全防御。 Bならば物理攻撃・概念攻撃・次元攻撃のダメージを受ける際、60%の確率で無効化する。 + 使用者 B:ヴァルハラ パロロワ把握 相手の容姿やスキル、宝具からかなり高確率で相手の真名を看破できる + 使用者 A:よっみー B:魔法老人シックスラッシュ 非リレー書き手 非リレー企画を続けていくには、書き手が自分ひとりであっても根性や技量が必要な修羅の道を歩まなければならない。 このスキルはいわば「単独行動」の上位互換であり、マスターが不在で行動できる。 その上、マスター不在時は各ステータスが1段階ずつアップする。 + 使用者 A:起承転結 不意打ち 戦場ヶ原ひたぎ、櫃内様刻、真庭蝙蝠、etcetc……。彼は様々なキャラで不意打ちを描いてきた。 相手の不意を打つ際に筋力と敏捷に1ランクのプラス補正がかかる。ただし後述の宝具などとは相性が悪い。 + 使用者 A:零崎傾識 不死性 怪物は、不死身でなければ意味がない。 リアルたすき、不屈の闘志、ポケモンになった……キャスターは不死の逸話に事欠かかない。 効果は単純、死亡した際に一度だけHPが全回復・全ステータスに+補正がかかって復活する。 + 使用者 EX:(怪物スージー) 星の開拓者 パロロワ史のターニングポイントになった英雄に与えられる特殊スキル。 あらゆる難航・難行が、「不可能なまま」「実現可能な出来事」になる。 一握りの天才ではなくどこにでもいる書き手が持つ『誇り』を燃し尽くす力。 不可能とされていた合同による連作を成し遂げ、四十以上もの投下の果てに完結を成し遂げた。 + 使用者 EX:アニス ま行 過負荷(マイナス) 誰も幸せにならないスキル。 + 使用者 A:零崎傾識 魔術 このランクは、基礎的な魔術を一通り修得していることを表す。 + 使用者 B:仮面の王と夢の塔・クルツ 祭 正直言ってヤバいくらい人が集まる。乱戦不可避。 + 使用者 A+:千本桜 C:ヤー竜夫 未完の大作 未完でありながらも大作であり続ける、やる夫ロワの在り方そのものがスキルと化したもの。 + 使用者 EX:ヤー竜夫 御使いの加護 ラノロワ後半、つまり黒幕決定後において、偶然の積み重ねがアマワの仕業であるという描写が散見された。その逸話がスキルとなったもの。 スキル所有者にとって都合のよいあらゆる偶然を呼び寄せ、死亡や不都合な状況を回避させる。 ラノロワ完結を果たそうとするものに与えられるが、ラノロワを完結させようという意思を失えばこのスキルも失われる。 あくまで因果律を操作するスキルである為、このスキルを破るには宝具やスキルではなく、運命に介入するための能力・LCK(幸運)の高さが必要になる。 アサシンを傷つけるにはAランク、致命傷を与えるにはA+以上の幸運が必要である、 + 使用者 A:仮完結ルート 無窮の武練 ひとつのロワで無双を誇るまでに到達した筆力の手練。 終盤、ただ一人で五十話以上を書き続け剣客ロワを完結させた。 心技体の完全な合一により、いかなる剣・地形・戦術状況・精神的制約・宝具やスキルの影響下にあっても十全の戦闘能力を発揮できる。 + 使用者 EX:死穢塗無爲 無辜の怪物 完結前のイメージによって、人々の中で在り方を捻じ曲げられた怪物。 能力・姿が変貌してしまう。 このスキルは外れて欲しい限りである。 合同による完結を成し遂げたという事実以上にアニロワ3rdは内容が面白い。 どうかその瞳に、アニロワ3の真なる姿を映して欲しい。 + 使用者 EX:アニス 無名書き手 予約なしトリ無しのロワで書き手を成した経験から自身のマスター以外にステータス、スキルを視認出来なくし、敏捷が1ランクアップする。 対書き手というレア過ぎるスキルのため真名を看破されやすいバーサーカーの欠点を補える。 ただし無名書き手であること自体が所属ロワを絞らせるヒントになる上、書き手としての知名度補正を受けにくくなる。 + 使用者 C:よっみー もしかしてアニロワ 長年悩まされた呪いがスキルとなったもの。AAAロワ書き手共通の素性隠蔽スキル。 セイバーのステータスを確認した自らのマスター以外に対して、AAAロワ以外のロワの書き手だと誤認させる。 真名の秘匿と他ロワの書き手への誤解を一挙両得させ得る強力なスキルだが、本人たちが嫌がってすぐに真名をばらすためランクダウンしている。 自力でセイバーの所属を見抜くにはパロロワ把握:A相応の知識か縁が必要となる。 ちなみに誤解と勘違いもまたAAAロワお約束である。 + 使用者 A-:時空剣士ルシオ や行 勇者の宿命 “勇者ロトの血”“天空の勇者”。 各三部作計六作品にも及ぶ勇者の血の宿命と呪縛を書き綴ったことにより発現した能力。 良し悪しを別にして異常な事態や状況を招きやすい。 また自らや勇者に因縁のある存在と遭遇しやすくなる。 + 使用者 A:仮面の王と夢の塔・クルツ ら行 ラーニング 戦闘の最中に相手の行動から自分の攻撃手段に応用する力。 二次二次聖杯の方式を完全に自分のものとし俺ロワに活かした。 + 使用者 C:サイレーン ラジオ DQBR2専属ラジオ『チャモっていいとも!』のDJとしての力。 情報の収集及び発信に関して補正がかかる。 またスキル:パロロワ把握も兼ねており、概ね古いロワほど詳しい傾向にある。 + 使用者 B:仮面の王と夢の塔・クルツ 恋愛 二次元出展のキャラクターとの恋愛展開に補正がかかるスキル。本来はCランク。 今回は厳密には二次元出展ではない書き手が主な参加者なため、発動するかどうかは不明。 + 使用者 ―:魔法老人シックスラッシュ わ行 英数字・記号 ksk神の加護 kskロワトップ書き手という立場によって得られる加護。 住人達のロリともふもふへの信仰が、物理的な加速をも生み出す。 視界内に少女か動物の姿をした存在がいた場合、敏捷が1ランク上がる。 + 使用者 C:勇者・変態閣下 ▲上へ戻る
https://w.atwiki.jp/mistaketrpg/pages/28.html
スキル スキルスキル一覧 戦闘スキル 魔法スキル スキル一覧 プレイヤーが取得出来るスキルの一覧です。 各キャラクターに与えられたExpを消費して獲得することが出来ます。 なお、これらのスキルは基本的にセッション中に取得することはできません。 戦闘スキル 戦いを心得ています。 戦闘するにはこの技能を持っている事でしょう。 Lv1 Exp40 Lv2 Exp60 Lv3 Exp80 Lv4 Exp100 Lv5 Exp150 Lv6 Exp 200 Lv7 Exp 250 Lv8 Exp 300 魔法スキル 魔法の使い方を知っています。 魔法を購入する際には、魔法のレベルがある程度ないと購入できません。 Lv1 Exp40 Lv2 Exp70 Lv3 Exp90 Lv4 Exp100 Lv5 Exp150 Lv6 Exp 200 Lv7 Exp 250 Lv8 Exp 300
https://w.atwiki.jp/noctan/pages/53.html
|御魂仕込み|エンドレス仕込み|すっぴん/スキル無し|実用/即戦力|序盤/2週目用|トレハン/ベンチ||その他/ネタなど|レシピ一覧| すっぴん:初期所持スキルのみ スキル無し:スキル8枠全てにスキルが無い状態。合体する時、ノイズスキルが入らない。 イケニエにすると、経験値のみ継承できる すっぴんアマテラス すっぴんスカアハ すっぴんラクシュミ すっぴんサティ すっぴんサラスヴァティ すっぴんアメノウズメ すっぴんデュオニュソス すっぴんキクリヒメ すっぴんフレイミーズ すっぴんエアロス すっぴんモイライ3姉妹 すっぴんサマエル すっぴんパズス すっぴんシャドウ すっぴんウィスプ すっぴんメタトロン すっぴんトランペッター すっぴんマザーハーロット すっぴんペイルライダー すっぴんブラックライダー すっぴんレッドライダー すっぴんホワイトライダー すっぴんヘルズエンジェル1~3 すっぴんだいそうじょう すっぴんマタドール スキル無しクラマテング スキル無しアラハバキ あの人のすっぴん ミカエル、アマテラス、オンギョウキなど3身合体でしか作れない悪魔は、 素材悪魔のスキル継承などの理由から通常はすっぴんは作れない しかし、合体事故なら話は別。ノクタンのレベルを作成悪魔のレベル近くに合わせて、 事故りまくっていればそのうちできる。 もちろん材料悪魔は引き噛みシーサー・オルトロスや他のすっぴん悪魔。 作りたい悪魔が継承できるスキルを持っていないことが重要。 最初、3身合体の事故でしか作れないのでは?ということだったが、 その後2身合体でも出来たという報告あり(オンギョウキだけはまだ報告無し)。