約 1,871,706 件
https://w.atwiki.jp/moejinro/pages/1888.html
PEPPERMINT 朝になりました。村の広場に甘噛みされたxバーバラxさんの死体が見つかったようです...。 PEPPERMINT /chjoin メイドイン PEPPERMINT 村人の皆様、今日も一日ゆっくりしていってね! PEPPERMINT 昼の部スタートです! xバーバラx ぬわーーっっ!! 3 (メイドイン) Gavial …ほぅ 1 (ぺんぎん村) あかみさと あー 1 (ぺんぎん村) うんちや 霊結果おねげーします 1 (ぺんぎん村) Mrチキン 狐いるのに占いぬいてきたのか 1 (ぺんぎん村) リヴァイン 【霊CO】コピルさんは ●!! 1 (ぺんぎん村) リヴァイン ただまだ真は見ない方向がいいかなぁ 身内ギリ&狂の特攻の可能性あるし 1 (ぺんぎん村) ラスフィーノ 占い理由:狩人探しの発言もあったりして、怪しい狐もあるかも 1 (ぺんぎん村) ラスフィーノ 占い理由:変な時間に霊媒COをもう一度確認していた。内訳が透けてるような気がしたので占いました。 1 (ぺんぎん村) ラスフィーノ 占い師CO Mrチキンさんは、村人○でした! 1 (ぺんぎん村) Garya どうやら、偽物を消すべき時間帯のようだな… 1 (ぺんぎん村) BBL 噛まれるのか 1 (ぺんぎん村) ACT 占いぬいた? 1 (ぺんぎん村) Akizuki 占い噛みかw 1 (ぺんぎん村) カルシファー 占いかみかー 1 (ぺんぎん村) こんぶて えー 1 (ぺんぎん村) リヴァイン ふむぅ 1 (ぺんぎん村) おおかみん ばーばらん・・・ 1 (ぺんぎん村) るみや うぉーい、狐どうするんだよ 1 (ぺんぎん村) あかみさと こりゃ真だったか 霊結果も●ね 1 (ぺんぎん村) ニキハウス 噛まれたので狂か真ですね。真だときつい 1 (ぺんぎん村) メゾピ どう見ても真噛み 1 (ぺんぎん村) Akizuki ラインは一応繋がってるみたいだし 1 (ぺんぎん村) ラスフィーノ ほほー、、、 1 (ぺんぎん村) おおかみん 真かもね 1 (ぺんぎん村) ラスフィーノ 身内ギリじゃないんだね 1 (ぺんぎん村) うんちや 狐と死なばもろともか 1 (ぺんぎん村) EVANS あと3W1Fですか。しんどいですね。 アーリリーザ 占い結果 BBLさん○ まだ絞りきれないので目に入った人占い 1 (ぺんぎん村) シエスタSS 真が9割だなぁ 1 (ぺんぎん村) ACT で、今日も一人結果がない 3 (メイドイン) マダム バーバラさんこっちよー 1 (ぺんぎん村) Akizuki 真ぽい 1 (ぺんぎん村) Mrチキン 狐きっついな、これ 1 (ぺんぎん村) るみや 真が●あてたかもしくは狂誤爆か 3 (メイドイン) マダム 岩のほう 1 (ぺんぎん村) jitto 俺バーバラさんが真で噛まれたって思ってる…そうなると狐切らん時ついぞ 3 (メイドイン) xバーバラx メイドイン! 3 (メイドイン) PEPPERMINT マダムもしかして 3 (メイドイン) マダム いらっしゃい 1 (ぺんぎん村) アーリリーザ 占い結果 BBLさん○ まだ絞りきれないので目に入った人占い 3 (メイドイン) xバーバラx おつかれさまでした 3 (メイドイン) PEPPERMINT 避けられてるんじゃないの 1 (ぺんぎん村) BBL 私○らしい 3 (メイドイン) マダム え 1 (ぺんぎん村) あかみさと まぁとりあえず身内切りを考えなくて済むのでよし 3 (メイドイン) マダム 臭くないよ! 1 (ぺんぎん村) BBL こっちにも発言来ましたね 3 (メイドイン) PEPPERMINT 華麗匂的な意味で 1 (ぺんぎん村) リヴァイン 狂誤爆なら助かるけどねぇ 3 (メイドイン) マダム なんか みんな逆へ逆へはしっていくなw 3 (メイドイン) Gavial ばーばらさん逆ー 3 (メイドイン) PEPPERMINT 自覚していた?! 1 (ぺんぎん村) ニキハウス 占ローラーするべきかな 1 (ぺんぎん村) BBL うーん 1 (ぺんぎん村) アーリリーザ 見辛いので発言しなおしました 1 (ぺんぎん村) ACT あ、間違えただけでしたか失礼 1 (ぺんぎん村) ラスフィーノ なんでさ 3 (メイドイン) Gavial おつかれさま 1 (ぺんぎん村) リヴァイン するにしてもまだ早すぎるかなぁ 1 (ぺんぎん村) ラスフィーノ べぐってる可能性だってあるっしょ 1 (ぺんぎん村) あかみさと 吊り数は結構あるし放置でもいいかもしれん まだ狂誤爆もあるっぽいし 1 (ぺんぎん村) Mrチキン 狂人誤爆の可能性がまだあるかと 1 (ぺんぎん村) メゾピ ラスさんは偽だから吊っていいと思う 1 (ぺんぎん村) リヴァイン とりあえずしばらくは放置 1 (ぺんぎん村) リヴァイン www 1 (ぺんぎん村) ラスフィーノ 俺偽????w 3 (メイドイン) xバーバラx すぐ食べられちゃいましたね 1 (ぺんぎん村) こんぶて まぁバーバラ真ならほぼラス狐のアーリリーザ狼だな 1 (ぺんぎん村) BBL グレーで狼吊ったら狐が問題になりそうなのでもう少しあとの方がいいかもしれませんね 1 (ぺんぎん村) あかみさと ラスさんってどっかで偽ってわかるとこあったっけ? 1 (ぺんぎん村) ニキハウス いや、今すぐではないですけどやるとしたらタイミング的にいつごろがいいかと 1 (ぺんぎん村) シエスタSS 放置で先グレー行きたい 1 (ぺんぎん村) Mrチキン 3Wで7吊りか? 1 (ぺんぎん村) ラスフィーノ 確定人外みたいな発言しないでくださいw 1 (ぺんぎん村) BBL ただその場合占い結果をどう扱うかですね 1 (ぺんぎん村) こんぶて ラス狐じゃねぇ 狂人 1 (ぺんぎん村) リヴァイン やるならもうちょっと先かな 3 (メイドイン) PEPPERMINT ちょっとまだむ 1 (ぺんぎん村) アーリリーザ 銃殺しないといけないのに今吊られるのは困る 3 (メイドイン) PEPPERMINT モモさん墓場に誘導したげて 3 (メイドイン) マダム バーバラさん噛まれたってことは 1 (ぺんぎん村) おおかみん いや●が誤爆したコピルさんならまだわからんような 1 (ぺんぎん村) ACT 個人的にはバーバラさん真、ラスさん狂、アーリっさん狼かな 3 (メイドイン) PEPPERMINT 入れてないっぽしの予感 1 (ぺんぎん村) リヴァイン ローラーするなら残り釣り数5が限度かな 1 (ぺんぎん村) リヴァイン 状況にもよるけどね 1 (ぺんぎん村) jitto 呪殺…俺は無理だと思うな・・・ 1 (ぺんぎん村) こんぶて ラスさんの占い先はどうみても狂人だろw 弁解の余地がないレベル 3 (メイドイン) マダム あら 1 (ぺんぎん村) メゾピ まあ残り占いの○をグレー戻しとかでグレー指定でいいんじゃないでしょうか 1 (ぺんぎん村) ACT まだ他の真も捨てがたいからつりは早いと思う 1 (ぺんぎん村) ラスフィーノ なんでさ! 1 (ぺんぎん村) るみや とりあえず占いは放置しつつグレー吊りのほうがよさげかのう マダム モモさん いる? 1 (ぺんぎん村) あかみさと とりあえず今日は占い放置でグレーから吊りがいいかなー xxモモxx はい? 1 (ぺんぎん村) あかみさと 同じこといってもうた マダム えっとね 死んだあとにはいるCHがあるのー 1 (ぺんぎん村) BBL 遅くても6吊り目にはローラーかな? 1 (ぺんぎん村) EVANS 他の真も捨てがたいか、正直残ってるのは狼狂か狼狐くらいなもんだと思うけどね 1 (ぺんぎん村) jitto しゃあないだろ・・・・ 1 (ぺんぎん村) うんちや バーバラさん真だと最終日まで進行になるんだろな 1 (ぺんぎん村) BBL あってる? マダム CH メイドインにはいってね xxモモxx それがみつからなくて 1 (ぺんぎん村) Mrチキン ○もらってますが、 ラス狂 バーバラ真 アーリ狼 で見てます マダム あら 1 (ぺんぎん村) ラスフィーノ まぁ俺からみて、バーバラ狂人、アーリリーザさん狼。 1 (ぺんぎん村) メゾピ まあでも先吊りってほとんどメリットないしね マダム /chjoin メイドイン ではいれないかな? 1 (ぺんぎん村) こんぶて アーリリーザさん吊ったらほぼ●だよ 1 (ぺんぎん村) あかみさと そだね 偽にも出来るだけ情報出してもらいましょう 1 (ぺんぎん村) ニキハウス 今日はグレー指定希望が多いようですね 1 (ぺんぎん村) おおかみん まぁバーバラさん真の可能性はたかいな 1 (ぺんぎん村) こんぶて 占い先見てもかなりこの内訳は硬い 1 (ぺんぎん村) Akizuki 今日は共有指定のグレー? 1 (ぺんぎん村) リヴァイン とりあえずは占いは残しで 今日はグレーから指定?ラン? 1 (ぺんぎん村) BBL ラスさん狂で見るなら先にラスさんだけ吊ってもいい気がしますね シエスタSS chおちた 1 (ぺんぎん村) ラスフィーノ やめーい 1 (ぺんぎん村) あかみさと おっと 1 (ぺんぎん村) こんぶて だね 1 (ぺんぎん村) BBL 狐対策に占いの狼残せばいいわけですし 1 (ぺんぎん村) Akizuki すとっぷかな 1 (ぺんぎん村) ニキハウス ランダムするには狼の数が多過ぎるかなぁ 1 (ぺんぎん村) ACT グレラン希望かな 1 (ぺんぎん村) ラスフィーノ 真だものw 1 (ぺんぎん村) ラスフィーノ また落ちた? 1 (ぺんぎん村) リヴァイン すとっぷー 1 (ぺんぎん村) ニキハウス あら 1 (ぺんぎん村) Mrチキン アーリさん狼って確証まではまだもてないなぁ・・・ xxモモxx できました 3 (メイドイン) マダム はいれたー? 1 (ぺんぎん村) Garya 本物が消された以上…偽物を残す理由は、ない。しかし…黙っている奴等が多すぎるな。後々の来られるとやっかいだ…言わんとすることが、わかるな? 1 (ぺんぎん村) こんぶて まぁグレー吊っていけばいいよ 1 (ぺんぎん村) リヴァイン 大丈夫っぽいか 3 (メイドイン) xバーバラx どうでしょうか? 1 (ぺんぎん村) Garya 残られると[ションボリ] 1 (ぺんぎん村) BBL 会話再開しても平気? 1 (ぺんぎん村) ACT シエスタさんチャンネル大丈夫? 1 (ぺんぎん村) カルシファー 続行? 1 (ぺんぎん村) ニキハウス ストップじゃないの? 3 (メイドイン) xxモモxx できました 1 (ぺんぎん村) シエスタSS おk 3 (メイドイン) マダム OKOK 1 (ぺんぎん村) るみや おろ 1 (ぺんぎん村) PEPPERMINT -----残り2分----- PEPPERMINT -----残り2分----- 2 (おいぬさま) PEPPERMINT -----残り2分----- 1 (ぺんぎん村) BBL わかりました 1 (ぺんぎん村) あかみさと おっけおっけ 3 (メイドイン) xバーバラx おつかれさまでした 1 (ぺんぎん村) Mrチキン とりあえず吊り先を 3 (メイドイン) マダム こっちで死んだあとも会話できるのー 1 (ぺんぎん村) jitto グレランが無難じゃないのかね・・・・ 1 (ぺんぎん村) シエスタSS なんか指定入った? 1 (ぺんぎん村) リヴァイン シエスタさんはいってる? 3 (メイドイン) Gavial おいでませ 1 (ぺんぎん村) EVANS 淡々とカウントするミントさん 1 (ぺんぎん村) こんぶて でもアーリさん狐ないわけじゃないから、LW期待で残すのは無理 ほんのちょっと余裕もって吊るくらいがいいと思う 1 (ぺんぎん村) Mrチキン 狼3でランダムは怖い、適当にしぼってほしいかも 1 (ぺんぎん村) おおかみん で、今日はだれなのー 1 (ぺんぎん村) るみや 現在完グレ ACT Akizuki Evans Garya jitto あかみさと うんちや カルシファー こんぶて シエスタSS るみや 敬称略 1 (ぺんぎん村) リヴァイン いるねシエスタさん 大丈夫っぽい 1 (ぺんぎん村) ACT ニキさん指定どうぞ! 1 (ぺんぎん村) EVANS グレランって、投票見れないから意味ないんじゃない 1 (ぺんぎん村) ラスフィーノ まぁここで残った占いをただちに切るって人は怪しいよ 1 (ぺんぎん村) ニキハウス 指定ですか了解です PEPPERMINT ch落ちがあったのでもう一分追加します。 1 (ぺんぎん村) BBL じゃあ誰か言ってたけど5吊り目ぐらいにローラーがよさそうですね 1 (ぺんぎん村) ラスフィーノ バーバラ真だとしたら、どっちみち情報なんてないんだから 1 (ぺんぎん村) あかみさと アーリさん狐で考えるなら狼全潜伏とかになるのか 1 (ぺんぎん村) PEPPERMINT -----残り2分----- 2 (おいぬさま) PEPPERMINT -----残り2分----- PEPPERMINT -----残り2分----- 1 (ぺんぎん村) リヴァイン 共有潜伏してるし指定かね 1 (ぺんぎん村) メゾピ 吊り数いっぱいあるよね 1 (ぺんぎん村) jitto 両方狼... 1 (ぺんぎん村) あかみさと 指定だろうねー 潜伏してなくても指定のがいいだろうけど 1 (ぺんぎん村) EVANS お好きにどうぞ 1 (ぺんぎん村) ラスフィーノ 狂人誤爆の可能性も追いながらってのが筋だ 1 (ぺんぎん村) jitto はないな 3 (メイドイン) マダム バーバラさん噛んだってことはさー 1 (ぺんぎん村) ACT 残り2分2回目? 1 (ぺんぎん村) Mrチキン 1分追加だそうです 3 (メイドイン) PEPPERMINT おちでませ 1 (ぺんぎん村) メゾピ 偽のラスさんの言うとおりですよ 1 (ぺんぎん村) ACT おk 1 (ぺんぎん村) こんぶて そりゃそうだろうw 1 (ぺんぎん村) シエスタSS すまんね 1 (ぺんぎん村) BBL ch落ちしたのを考慮して追加したそうです 3 (メイドイン) マダム 占いに もう一人ぐらい把握できてない人がいるってことだよねー 1 (ぺんぎん村) ラスフィーノ 偽のが余計だ! 3 (メイドイン) Gavial そう? 1 (ぺんぎん村) こんぶて ラスさん占い先見直せよw 1 (ぺんぎん村) ラスフィーノ なんでさ! PEPPERMINT ------残り1分------ 1 (ぺんぎん村) PEPPERMINT -----残り1分----- 1 (ぺんぎん村) こんぶて 自分の 2 (おいぬさま) PEPPERMINT -----残り1分------ 1 (ぺんぎん村) ACT もう少しSAYも見ないと駄目ですね・・・ 1 (ぺんぎん村) Akizuki 指定どうします? 3 (メイドイン) マダム 例えばだけど 1 (ぺんぎん村) カルシファー とりあえず吊指定どうしましょうか 1 (ぺんぎん村) あかみさと SAYも? 3 (メイドイン) マダム 一人噛まれたら 1 (ぺんぎん村) リヴァイン 時間ないよー 1 (ぺんぎん村) BBL さすがにそろそろ決めないとまずい 1 (ぺんぎん村) ニキハウス では、指定します。うんちやさんで 3 (メイドイン) マダム ローラーになる可能性がでてくるわけで 1 (ぺんぎん村) うんちや COなし 1 (ぺんぎん村) BBL 指定把握しました 1 (ぺんぎん村) ACT 指定了解 1 (ぺんぎん村) Mrチキン さすがに占い先だけで今の状況そこまで強気にはなれないかなぁ 1 (ぺんぎん村) アーリリーザ 指定了解 1 (ぺんぎん村) カルシファー 了解ですー 3 (メイドイン) Gavial ふむ 1 (ぺんぎん村) Akizuki うんちやさん了解 1 (ぺんぎん村) Mrチキン 指定把握 1 (ぺんぎん村) リヴァイン うんちやさんね おk 1 (ぺんぎん村) EVANS うんちやさんお疲れ様でした。 1 (ぺんぎん村) おおかみん O 1 (ぺんぎん村) あかみさと 指定了解ー 1 (ぺんぎん村) こんぶて 無難にステ吊りだった 1 (ぺんぎん村) るみや うんちやさん吊り了解 1 (ぺんぎん村) ニキハウス 少し寡黙気味かと思われたので、すみません 1 (ぺんぎん村) jitto 了解 1 (ぺんぎん村) おおかみん うんちやさんね 1 (ぺんぎん村) うんちや むもんだいー 1 (ぺんぎん村) ACT チャンネルとウインドウ分けてます>あかみさとだん 3 (メイドイン) マダム 少なくとも 狼が複数はいっていることはないのかなと 1 (ぺんぎん村) あかみさと なるほどー 1 (ぺんぎん村) るみや あかみさと団・・・ 2 (おいぬさま) PEPPERMINT -------終了。会話ストップ------- PEPPERMINT -------終了。会話ストップ------- 1 (ぺんぎん村) PEPPERMINT -------終了。会話ストップ------- 1 (ぺんぎん村) あかみさと だん! (T) EVANS > うんちやさん PEPPERMINT 夜が近づいて参りました。皆様、今日の尊い犠牲者を投票にてお選びください。(会話ストップ) 3 (メイドイン) xバーバラx ローラーはしてほしいところ自分視点だと偽しかいないからですけど 2 (おいぬさま) PEPPERMINT -----狼会話スタートです----- PEPPERMINT 投票は私にTellにてお伝えください。 2 (おいぬさま) シエスタSS ふむ (T) Akizuki > うんちやさんで (T) BBL > うんちやさんに投票します 3 (メイドイン) PEPPERMINT 19人っと (T) Mrチキン > うんちやさんでお願いします (T) リヴァイン > うんちやさん でよろしくー 2 (おいぬさま) シエスタSS まあうんちやさんで 2 (おいぬさま) あかみさと どうも あかみさと団です 2 (おいぬさま) アーリリーザ あ (T) カルシファー > うんちやさんでー (T) うんちや > ACTさん 2 (おいぬさま) あかみさと おk (T) こんぶて > 投票 うんちやさん (T) メゾピ > うんちやさん 2 (おいぬさま) アーリリーザ おk (T) ニキハウス > うんちやさんに投票お願いします (T) るみや > 投票 > うんちや さん (T) ラスフィーノ > リヴァインさんでw (T) jitto > 流石にわからん…吊指定先のうんちやさんで。スマン!!! 2 (おいぬさま) アーリリーザ 騙ってて良かった。何も喋れない (T) BBL > 独り言 これで狂誤爆+噛みだったら凄いなあ 2 (おいぬさま) シエスタSS アーリさんにはすまんね 3 (メイドイン) xバーバラx ただ狐いるからぎりぎりまでローラーははじまらないですかね (T) あかみさと > うんちやさんに投票ー 3 (メイドイン) マダム だとすると (T) アーリリーザ > うんちやさんで (T) ACT > うんちやさんでお願いします 2 (おいぬさま) シエスタSS 真いったら 2 (おいぬさま) シエスタSS まあこうなるとは思ってたけど 2 (おいぬさま) あかみさと 今日はステ吊り先行みたいだからねぇ 3 (メイドイン) マダム 真占いを噛むのは 3 (メイドイン) マダム どうなのだろう 3 (メイドイン) xバーバラx まだ狼としても狐把握してないでしょうし 2 (おいぬさま) アーリリーザ まぁ騙り狼は吊られる運命です。ローラーになればもうけもの 3 (メイドイン) xバーバラx 狼もきついでしょうね (T) Garya > うんちやさん 2 (おいぬさま) あかみさと 万が一ラス真にも備えて銃殺対応は頑張ってね! 2 (おいぬさま) アーリリーザ 囲っておくべきか悩んでますが、潜伏で良いですか? 1 (ぺんぎん村) xxモモxx これってペンギン村ぬけるんですか? 2 (おいぬさま) あかみさと 潜伏かなぁ まだグレ広いし 2 (おいぬさま) シエスタSS こうなったら 3 (メイドイン) マダム 噛んでいけば見つかるという算段なのか 3 (メイドイン) Gavial 真偽を分からなくするって意味では噛むのはアリなんだがの (T) おおかみん > うーんアーリさんに投票 2 (おいぬさま) シエスタSS 囲いも意味ないけどな 3 (メイドイン) Gavial 抜けなくていいよ>モモさん 1 (ぺんぎん村) PEPPERMINT そのままでだいじょーぶだよー 2 (おいぬさま) アーリリーザ 確かに 1 (ぺんぎん村) PEPPERMINT ただし、発言は禁止ねー 3 (メイドイン) Gavial あとぺんぎん村のほーでの発言は出来るだけ控えてネー 1 (ぺんぎん村) xxモモxx わかりました 3 (メイドイン) Gavial 死んでるので。 1 (ぺんぎん村) PEPPERMINT 墓地chで喋ってねんー 2 (おいぬさま) PEPPERMINT -----残り1分------ 1 (ぺんぎん村) PEPPERMINT -----残り1分----- PEPPERMINT ------残り1分------ 2 (おいぬさま) あかみさと 霊が残った場合●見られるからその○は怪しまれちゃう 1 (ぺんぎん村) xxモモxx ほうほう 2 (おいぬさま) シエスタSS 投票してくる 2 (おいぬさま) あかみさと おう 3 (メイドイン) Gavial CHでしゃべるとき真ん中に3つあるでしょ (T) シエスタSS > うんちやさんで 3 (メイドイン) Gavial それを「メイドイン」にあわせてー 2 (おいぬさま) シエスタSS もうしばらくは 2 (おいぬさま) シエスタSS 霊鉄壁だな 2 (おいぬさま) あかみさと でしょうねぇ PEPPERMINT 投票おねがいしまーす 2 (おいぬさま) あかみさと 占い護衛はないでしょうな 勝負してくるなら共護衛もあるやもねーって感じか 2 (おいぬさま) アーリリーザ 微妙に潜伏っぽいおおかみんに○かな 2 (おいぬさま) シエスタSS いいんでね 2 (おいぬさま) あかみさと そこはいかん 対抗の○だ 3 (メイドイン) xxモモxx トイレなんて行かなければよかった;; 2 (おいぬさま) シエスタSS そだったw 3 (メイドイン) Gavial どまどま。 2 (おいぬさま) アーリリーザ うお、みえてなかった 3 (メイドイン) xバーバラx 気にしないでください PEPPERMINT さらばうんちやさん...あなたの勇姿は3秒くらい忘れない。 PEPPERMINT /chjoin メイドイン PEPPERMINT 日没です。おとなもこどももおねーさんも寝る時間です。 PEPPERMINT 役職の方は私にTellにて役職行動をお伝えください。 2 (おいぬさま) あかみさと 噛みだけどチキンさん噛みたい どう? 4 (きゃっきゃうふふ) ニキハウス こんばんはです (T) リヴァイン > 霊】結果よろしゅー○だろうけどね! 2 (おいぬさま) シエスタSS いいんじゃね 4 (きゃっきゃうふふ) カルシファー こんばんわー 2 (おいぬさま) アーリリーザ リヴァインさんにかえよう 2 (おいぬさま) シエスタSS ベストは (T) > リヴァイン そだね!シロだね! 4 (きゃっきゃうふふ) カルシファー 占いさんかまれるとは・・・ 3 (メイドイン) うんちや おつでーす (T) リヴァイン > デスヨネー 2 (おいぬさま) シエスタSS 狐噛めると最高 4 (きゃっきゃうふふ) ニキハウス ふーむ、カルシファーさんはバーバラさんどっちで見てます? 3 (メイドイン) xバーバラx おつかれさまです 3 (メイドイン) Gavial おいでませ 2 (おいぬさま) あかみさと 三日目ぐらいに狩狐ぽい発言あったから狙ってくで! 3 (メイドイン) xxモモxx お疲れ様です 4 (きゃっきゃうふふ) カルシファー んー一応真と思ってます 2 (おいぬさま) あかみさと どっちかというと狩 2 (おいぬさま) シエスタSS 狐かんだら 4 (きゃっきゃうふふ) ニキハウス 私も狼か真で見てたので、噛まれた以上は真ですね 3 (メイドイン) マダム いらっしゃい 4 (きゃっきゃうふふ) カルシファー 霊が一人だし 4 (きゃっきゃうふふ) ニキハウス だとするとキツイですねぇ 4 (きゃっきゃうふふ) カルシファー ですよねぇ (T) おおかみん > ラスさん占いたーい 3 (メイドイン) うんちや これは長い戦いになるで・・ 2 (おいぬさま) シエスタSS アーリさんが最悪密告だな (T) Mrチキン > 【護衛】リヴァインさんの布団が暖かそうなので入ります 2 (おいぬさま) あかみさと そうだなー 3 (メイドイン) xバーバラx なりそうですね~ 2 (おいぬさま) あかみさと まぁ囲ってないしありだね 2 (おいぬさま) シエスタSS 逆にわざと 2 (おいぬさま) アーリリーザ おk (T) > おおかみん ダメヨ 2 (おいぬさま) シエスタSS GJだして 4 (きゃっきゃうふふ) カルシファー まだラスさんアーリさんがどっちが狼かもよく分からんです 4 (きゃっきゃうふふ) ニキハウス 一応、5巡目くらいに占ローラーする前提でいこうかと思ってますが、どうでしょうか? (T) Mrチキン > いきなり狐ケアなしの占い抜きとは読めず・・・狩人むずい (T) BBL > 独り言 こんぶてさんとあかみさとさんが喋っている印象 2 (おいぬさま) シエスタSS 適当なとこ密告でもいいけど 2 (おいぬさま) あかみさと GJ出てすぐ告発する必要はないからねー (T) > Mrチキン リヴァインさんの身が危ないんちゃうか?! 4 (きゃっきゃうふふ) カルシファー OKです 2 (おいぬさま) あかみさと それもありやね 4 (きゃっきゃうふふ) ニキハウス ありです (T) jitto > この大人数マジで半端ない!!!! 2 (おいぬさま) あかみさと とりあえずチキンさん噛み報告してくるで 4 (きゃっきゃうふふ) カルシファー いえ、任せてばっかですいません (T) > Mrチキン がんばっていきるのだー (T) Mrチキン > 命「だけ」は守りますよ・・・その他はまぁ・・・ねぇ? 2 (おいぬさま) シエスタSS よろよろ (T) > jitto いきのこれるかな?! 4 (きゃっきゃうふふ) ニキハウス いえいえ、仲間がいると安心できます! (T) あかみさと > チキンさんをてりやきでお願いします 4 (きゃっきゃうふふ) カルシファー ありがとうございますorz (T) > あかみさと テリヤキチキンは私も好物です。そうしましょう。 4 (きゃっきゃうふふ) ニキハウス すると、あとはまだ狼の数が怖いので指定かなぁ PEPPERMINT -----残り2分----- 2 (おいぬさま) PEPPERMINT -----残り2分----- 1 (ぺんぎん村) PEPPERMINT -----残り2分----- (T) EVANS > 【独り言】もう適当に釣られるか噛まれるかしたいなー・・ 4 (きゃっきゃうふふ) カルシファー 占いに1 (T) あかみさと > と、特別に半分分けてあげるんだから! 4 (きゃっきゃうふふ) カルシファー 潜伏3ですよね (T) jitto > あんまり自信ないですな・・・・[ワーイ] 2 (おいぬさま) シエスタSS 道遠いなぁw 2 (おいぬさま) アーリリーザ リヴァインさん○ そこそこ発言量が多めで発言が強くない人から選択。 2 (おいぬさま) あかみさと おkおk ラスさん囲ってくれないかなぁ 4 (きゃっきゃうふふ) ニキハウス ACTさんも寡黙気味かなぁ、一応ステ気味な人を釣ってますが、何か他につりたいとこあります? 2 (おいぬさま) シエスタSS まだまだ人数居る 2 (おいぬさま) アーリリーザ コレくらいしかかけないのだけれど 2 (おいぬさま) あかみさと おっけおっけ 4 (きゃっきゃうふふ) カルシファー いえー 4 (きゃっきゃうふふ) ニキハウス いや、コピルさんが吊られてるので潜伏2ですね (T) > EVANS 最後までがんばって! 2 (おいぬさま) アーリリーザ 銃殺対応頑張る 4 (きゃっきゃうふふ) カルシファー ちょっと今回おいてかれてしまったので (T) EVANS > はい! 1 (ぺんぎん村) PEPPERMINT -----残り1分----- 2 (おいぬさま) PEPPERMINT -----残り1分------ PEPPERMINT ------残り1分------ 4 (きゃっきゃうふふ) カルシファー あーそうですね 2 (おいぬさま) あかみさと おう よろしく 4 (きゃっきゃうふふ) ニキハウス 霊は信用していいと思います 4 (きゃっきゃうふふ) カルシファー そうですね 4 (きゃっきゃうふふ) カルシファー さすがに一人だったら 4 (きゃっきゃうふふ) カルシファー 真と見たい・・・ 3 (メイドイン) PEPPERMINT モモちゃんは (T) jitto > 滅多に占われないし・・・何故!?吊られた場合ですら占われなかったことあるし 3 (メイドイン) PEPPERMINT 腹痛はなおったんかね 4 (きゃっきゃうふふ) ニキハウス 占は狐対策に飼う事も考えるか…でもローラーしないと後が怖いんですよね 4 (きゃっきゃうふふ) ニキハウス うーんわかんない 4 (きゃっきゃうふふ) カルシファー 狐がもう連れてると期待するしか・・
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6573.html
前ページ次ページ重攻の使い魔 第6話 『死地送り』 ルイズにとって憩いの空間であったはずの自室は、王女の突然の訪問によって一気に緊張した空間へと変化した。雲上人との近すぎる邂逅は下々の人間にとって重圧以外の何物でもない。些細な粗相も許されない緊張感はルイズとシエスタの精神を急速に削っていく。そのような二人の内心など全く知らないとばかりに、アンリエッタは感極まった様子で床に膝をついたルイズを力いっぱい抱きしめた。 「ああ、懐かしいルイズ……。お久し振りですね」 「なりません姫殿下。このような下賎な場所へお越しになられたばかりか、抱擁するなど……」 ルイズは慎重に言葉を選び、アンリエッタの機嫌を損ねないようにやんわりと拒絶する。そんな余りに他人行儀なルイズの態度を見て、アンリエッタは悲しげな表情を浮かべる。 「……ルイズ、わたくしたちはもうお友達ではないの? 昔はいつも一緒に遊んでいたじゃない。あなたにまでそんなよそよそしい態度を取られたらわたくし……」 「もったいないお言葉です姫殿下。ですが今となっては姫殿下とわたしの立場は余りに異なります。殿下のご好意は大変名誉なことであると存じ上げますが、それでもわたしはお受けするわけにはいかないのです」 あくまで王族に対する態度を貫くルイズに、アンリエッタは顔を俯かせる。そして静かに立ち上がると、ルイズに背を向け窓際に歩み寄った。昔を懐かしむ様子で話を続けた。 「ルイズ、ここにはマザリーニも、母君も、あの何かと言い寄ってくる宮廷貴族達もいないのですよ。わたくしの周りにはもう信用できる人がいないのです。毎日毎日帝王学の勉強……宮廷貴族達との会合……、近寄ってくる人はわたくしを今は亡き父君の娘としか見ていないわ。わたくしをアンリエッタとして見てくれる人は一人もいない……。でもルイズ、あなたは違うわ。あなたは昔のわたくしを知っている。アンリエッタとしてのわたくしを知っている数少ない人なのです。お願い……昔と同じように話してちょうだい」 「姫殿下……」 アンリエッタの切実な訴えに、ルイズはこのままの態度を取り続けるか迷ってしまう。これほどまでにアンリエッタがかつての自分を求めているのに、それを無碍にしてしまってよいものなのだろうか。貴族として臣下としての自分と、かつてアンリエッタの幼馴染であった自分との間で煩悶としてしまう。 ルイズが思わず顔を上げると、アンリエッタは静かに振り返った。その美しい顔が赤い月に照らされ、一種の芸術とも呼べる光景が現れる。アンリエッタは儚い微笑を浮かべると、どうか判って欲しいとばかりに言葉を紡ぐ。 「幼い頃、二人で泥だらけになりながら蝶を追い掛け回したこと、覚えてる? 宮廷の中庭でのことよ」 「……ええ、殿下のお召し物を汚してしまって、ラ・ポルト様に叱られたことはつい昨日の出来事のように覚えています」 ルイズがはにかんだ表情でそう答えると、アンリエッタの表情が明るくなる。今まで臣下としての態度を崩さなかったルイズの物言いが少しずつ砕け始めたのを見て、アンリエッタは嬉しくなってしまったのだ。 「そう、そうよルイズ。お菓子を取り合ってつかみ合いの喧嘩をしたこともあったわね。わたくしはいつもあなたに泣かされてばかりいたわ。ルイズったら強いんだもの」 「わたしも一度ならず姫様に泣かされたことがございます。姫様もなかなかお強かったではありませんか」 アンリエッタの振る思い出話にルイズが乗ってきて、二人の会話は弾んだ。アンリエッタは部屋の中でくるりと回転すると、手を広げて大げさな身振りをする。 「宮廷ごっこの最中にあなたとわたくし、どっちがお姫様役をやるかで取っ組み合いの喧嘩をしたあれ、何て言ってたかしら……。ええと、そう、アミアンの包囲戦だわ。あの時、わたくしの一発がうまくあなたのお腹に決まって……」 「姫様の御前でわたしは気絶いたしましたね」 思い出話に花を咲かし、どちらからともなくぷっと吹出すと、二人は互いの顔を見合わせて笑い合った。今この場にいるのはトリステイン王女とその臣下ではなく、ただ久し振りに顔を合わせた幼馴染の少女達であった。 「ふふ、その調子よルイズ。本当に懐かしくって……わたくし……」 ルイズを再び抱き締めると、先程まで笑っていたアンリエッタの青い瞳に涙が溜まり、つうっと頬を伝って床へと落ちた。 「……あらいやだ、わたくしったら泣いてしまうなんて……。……ほんとに、ごめんなさいルイズ、少しだけ泣かせて……」 「姫様……」 普段、国民に見せている気丈な姿とは異なり、ぽろぽろと涙を零すアンリエッタに、ルイズは黙って肩を貸す。アンリエッタも自分と同じように、孤独の中で生きてきたのだろうか。ふとそのような考えがルイズの脳裏をよぎる。 アンリエッタはしばらくルイズの肩に顔をうずめていたが、少しばかり落ち着いたのかルイズの背中に回していた手を緩め、ゆっくりと立ち上がった。 「ごめんなさいね、ルイズ。みっともない所を見せてしまって」 「ではこれもわたし達だけの秘密といたしましょう」 「うふふ、そうね。そうしてちょうだい」 まだ涙の後は残っていたが、ルイズの軽口を聞いてアンリエッタは普段どおりの笑顔を見せる。そこで先程から床に頭をこすり付けているシエスタに気が付き、ルイズへと尋ねた。 「ところでルイズ、そちらの方はどなた? あなたのお友達なら是非紹介してほしいわ」 アンリエッタの言葉にずっと黙りこくっていたシエスタの肩が震える。余りの事態に声も出せないのか、ただひたすら平伏するばかりであった。ルイズはシエスタをどのように紹介するか、若干逡巡したものの素直に伝えることに決めた。 「姫様、彼女はここ魔法学院の使用人をしておりますシエスタです。そしてその……、わたしの友人でもあります」 「……!?」 ルイズの言葉に、シエスタははっとした様子で顔を上げる。しかし顔を上げた瞬間にアンリエッタの姿が目に入ったのか、再び急いで床に伏せてしまった。そんなシエスタの姿に、アンリエッタはくすりと微笑むと、近くまで歩み寄り顔を伏せている少女の手を取った。 「お顔をお上げになって、シエスタさん。ルイズのお友達ならわたくしもお近づきになりたいの。ね、お願い」 「シエスタ、姫様がおっしゃってるんだから顔を上げたほうがいいわよ。こう見えて姫様は怒らせると怖いんだから」 「もう、ルイズったら。……シエスタさん、ルイズもこう言ってるし、ね?」 ルイズとアンリエッタの催促に、シエスタはぎくしゃくと顔を上げる。王族を直に見るどころか、触れられていると言う事実がシエスタの全身を金縛り状態へ陥らせていた。アンリエッタの顔をどうにか見据えると、どもりながらも自己紹介をする。 「わ、わわ、わたくし、し、使用人のシエスタとも、もも、申します。あ、アンリエッタ様をここ、こんなちか、近くでお目にかかることが、で、できて、ここ、光栄の極みでございますっ!!」 「ふふ、よろしくねシエスタさん。ルイズは性格がきついから迷惑掛けてるかもしれないけど、これからもルイズをお願いね?」 「ととと、とんでもございませんっ! むしろわたくしの方がミス・ヴァリエールにご迷惑を掛けてばかりで……」 性格がきついというアンリエッタの言葉に、ルイズはついむっとした顔になるが、見ていて哀れになるほどうろたえているシエスタの姿にそのようなことはどうでもよくなった。このまま放っておいて混乱させるがままにしていては周囲の、ツェルプストーあたりが聞きつける事態になるかもしれない。とにかくシエスタを諌めなければならない。 「ほら、シエスタ。ちょっとは落ち着きなさい。姫様はお忍びで来られてるのに、そんなに騒いじゃバレちゃうじゃない」 「す、すいません……」 二人のやり取りをくすくすと笑いながら眺めていたアンリエッタであったが、笑いを収めると一転して憂鬱な表情を浮かべる。そしてここに来た目的を話し出した。 「ルイズ、わたくしが今日ここにやってきたのは、あなたに相談したいことがあったからなのです。……聞いていただけますか?」 「……もちろんです姫様。わたしがお力になれるのであれば何なりとご相談下さい」 身分違いの幼馴染の浮かべた表情と口調から、並々ならぬ事態を感じ取ったルイズは態度を改める。 「ありがとうルイズ。今からお話しすることは絶対に口外してはなりません。シエスタさん、申し訳ないのだけれど、席を外していただけますか?」 「は、はいっ」 慌てて部屋を飛び出そうとするシエスタであったが、背後からルイズに呼び止められた。シエスタが振り向くと、ルイズは少しばかり照れながら小さく手を振っているのが見える。ぱっと笑顔を見せると、深々と一礼してシエスタは部屋から出ていった。 「……いいお友達ね。仲良くなるのに身分なんて関係ない、そうは思わない?」 アンリエッタの問いかけはいささか絵空事であった。身分が違うもの同士は出会いの場そのものも限られ、仮に親睦を深めることができたとしても、周囲の人間がそれを許すまい。現実的でない理想は単なる空想に過ぎない。しかし、ルイズはそんな理想も悪くないと感じていた。 「アルビオンの反乱軍に対抗するため、わたくしはこの度ゲルマニアへ嫁ぎ、トリステイン・ゲルマニア同盟を結ぶことになりました」 一呼吸置いて吐き出された言葉を聞き、ルイズが驚きと怒りのないまぜになった表情を作る。激情に身を任せ、思わず口を開こうとするのをアンリエッタは静かに制した。勢いを削がれたルイズは大人しく話を聞くことにする。 「わたくしのことはいいの。好きな相手と結婚できるなんて、もうずっと昔に諦めてますから。……ですが、アルビオンの裏切り者達はこの同盟を望んでいません。理由は……言わなくてもお分かりでしょう」 ルイズが頷いたのを確認すると、アンリエッタは話を続ける。 「ですから、わたくしの婚姻を妨げる物が何かないかと血眼になって探し回っているのです。……もし、そのようなものが発見されれば同盟は破棄、トリステインは単独で反乱軍と戦わねばならなくなるでしょう。そしてトリステインが反乱軍に勝利する可能性は、万に一つとまでは言いませんが、千に一つ程度です。国を守る為に、この同盟は絶対に結ばれなければなりません」 話を聞くうちに、ルイズの顔は徐々に青くなっていった。この話しぶりからすると、その婚姻を妨げる何かがあるとしか思えない。深刻な顔をするルイズを見て、アンリエッタは小さく溜息を付いた。 「そうよ、ルイズ。あなたが今考えてる通り、その何かがあるのです。わたくしが以前したためた一通の手紙、それが問題なのです」 「……そのお手紙は今どこに? わたしはそれをお守りすればよいのですか?」 「手紙はここにはありません。……アルビオンにあるのです」 アンリエッタの言葉に、今度こそルイズの顔が蒼白になった。余りの事態に声を失ってしまう。 「その手紙を持っているのは反乱軍ではなく、アルビオン王家のウェールズ皇太子なのです。あなたにはその手紙の回収と焼却をお願いしたいのです。……無謀なお願いであることは重々承知しているわ。ですが今わたくしが頼れる人はほとんどいないのよ」 「……姫様の御為とあらば火竜の顎の中だろうと、地獄の釜の中だろうと、何処なりと向かいます。トリステインの危機を救うため、何よりわたしをお頼りしていただいた姫様の想いを無碍にするわけには参りません」 勇ましい台詞を言ったものの、実の所ルイズは内心恐怖で一杯だった。ただでさえ魔法も満足に使えない未熟者が、敵陣の只中に突入するのだ。到底生きて帰れるとは思えない。だというのに、ルイズが二つ返事で引き受けたのは、ギーシュのワルキューレを赤子の手を捻るが如く蹴散らした強力な使い魔ライデンがいたからだった。このライデンがいれば生還できるかもしれない、そしてアンリエッタの期待に応えられるかもしれない。何よりルイズはこの幼馴染に失望されたくはなかったのだ。 「ありがとうルイズ。聞いていた通り勇ましく優秀なメイジなのですね。あなたに相談して本当に良かったわ」 「……あの、失礼ですが聞いていた、というのは?」 アンリエッタの言葉にルイズは訝る。自分が優秀だなどと誰から聞いたというのだろうか。学院にいる者からすれば自分が碌に魔法を使えないのは当然の事実であり、院外の者からすればそもそも自分のことなど知っている訳がない。王宮の研究機関に籍を置いている姉ならば判るが、自分はラ・ヴァリエール公爵家三女以上の認識はされていないだろう。ルイズの疑問はもっともだった。 「ごめんなさい、伝えるのを忘れていました。実はワルド子爵に相談した所、あなたが優秀なメイジであり、きっとわたくしの頼みを聞いてくれるだろうと言われたのです。この任務にはあなたとワルド子爵、二人で就いてもらうことになります」 「ワルド子爵が……?」 いよいよルイズの混乱の度合いは深まってきた。ワルドといえば、日中の歓迎式典で見かけたばかりだ。確かに面識はあるが、ここ10年ほどは一度も会っていない。しかもなぜ自分が優秀なメイジであるとアンリエッタに伝えたのか。ワルドが自分の魔法の出来不出来を知っているのは不自然な上、認識に齟齬がある。しかしアンリエッタの安堵した様子を見ると、とても訂正する気分にはなれなかった。旧友との再会による喜びが、説明できない違和感によって乱されてしまう。 「誉あるグリフォン隊隊長のワルド子爵と、彼の推薦するあなた。きっとこの困難な任務をやり遂げてもらえると信じています」 「……はい、身命にかけて」 その後、出発は明朝と説明するとアンリエッタは部屋を出ようとした。しかし、アンリエッタが取っ手を掴む前に扉がすっと開かれる。ルイズとアンリエッタがまさかという表情を作ったが、部屋に入ってきたのはギーシュであった。ギーシュは急いで後ろ手に扉を閉めると、アンリエッタの眼前に跪いた。 「姫殿下! その困難な任務、是非ともこのギーシュ・ド・グラモンに仰せ付け下さい!」 「ちょ、ちょっとギーシュ! あんたまさか聞いてたの!?」 突然の闖入者に、声を潜めることも忘れたルイズの言葉をギーシュは無視した。続けて恭しい態度でアンリエッタの懇願する。 「盗み聞きしていたことへのお叱りはごもっとも。ですが殿下の、ひいてはここトリステインの危機とあっては黙っているわけには参りません。どうか、どうか任務の一員に加えていただきたく存じます!」 一人盛り上がるギーシュに、アンリエッタはしばし呆然となっていたが、とりあえず正気を取り戻した。 「グラモンというと、あの元帥の?」 「はい。息子でございます、姫殿下」 「あなたも、このわたくしの力になっていただけるのですか?」 ギーシュが間髪入れずに頷いたのを見て、アンリエッタは感極まったようだった。ギーシュの手を取ると、その華奢な手の平で優しく包み込む。 「ありがとう。お父様に似て勇敢な方なのですね。……ではおねがいします。この不幸な姫をお助け下さい、ギーシュさん」 「……!! はっ、たとえこの身が滅びようとも、必ずや殿下のご期待に応えてみせます!」 雲上人であるアンリエッタに名前を呼んでもらったことで、ギーシュは完全にのぼせ上がっていた。何やらぶつぶつと姫殿下が、と呟いている。ルイズは玉乗りするカエルでも見るかような奇異の視線をギーシュへ向けると、はぁ、と小さく溜息をついた。アンリエッタの方をつと見やると、何やら手紙をしたためている。一通り書き終わったところで筆が止まったが、しばらく悩んだ末に一行付け加えていた。 「ルイズ、皇太子に会ったらこの手紙を渡して下さい。すぐに手紙を返してくれるでしょう」 そう言って手紙を巻いて封蝋と花押を押し、アンリエッタは自らの右手の薬指から王家に相応しい彫刻が施された指輪を引き抜くと、ルイズの手を取って握らせた。 「母君からいただいた『水のルビー』です。せめてものお守りにしてください。路銀に困ったなら売却していただいても構いません」 アンリエッタはそう言うも、ルイズにとってはこの指輪を売り払うなどとんでもなかった。絶対に失くさないよう自らの右手の薬指に通すと、深々と頭を下げる。アンリエッタが回収して欲しいと言った手紙の内容、説明はされなかったが、実の所ルイズには薄ぼんやりと予想が付いていた。王族の義務という、幼馴染の苦悩をルイズは測りかねていた。 「この任務にはトリステインの未来がかかっています。母君の指輪が、アルビオンに吹き荒れる嵐からあなたがたを守りますように」 夜空に赤く輝く二つの月が、見つめあう二人を照らしていた。 前ページ次ページ重攻の使い魔
https://w.atwiki.jp/familiar/pages/3801.html
691 名前:1/7[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 03 33 41 ID R+eNC1vG 部屋の中に誰も居ないことを確かめる。今見られるわけにはいかない。 「サイトー……シエスター……」 部屋に入った後、小声で呼んでみる。返事は無い。 「よし!」 サイトも最近騎士隊の事とかで立ち直りつつある。サイトが落ち込んでいたから、不謹慎で出来なかったこと……ずっとやりたかった事。 「い、いよいよっ……小さい頃からの夢がかなうのね」 戦争前にちいねえさまにお願いしておいたのだけれど、戦争から帰ったらサイトが居なかったり、サイトを連れて帰ったら落ち込んだりで…… 「延び延びになってたけどっ、今日こそっ!!」 実家から送られた、ずしりと重い箱を持ち上げる。 ついさっきまではベットの下に隠してた、サイトもシエスタも気付かない完璧な隠し場所っ!! わたしって天才。 杖を握って箱に向かう、心臓がドキドキ鳴ってるのが分かる。口の中がからからに乾く。 「ど、どうって事無いわよね、おもちゃなんて」 そう、この箱の中はおもちゃが沢山入ってる。ずっと……ずっと『シタカッタ』事をやっと……初めて出来るんだ。 そう思うと、うれしくて頬が緩む。 だって、ずっと出来なかったし。コレが手元についても三人部屋になったせいで、一人っきりになる機会なくなったし。 「誰かが見てると恥ずかしいし」 別に誰でってシテる事かもしれないけれど、恥ずかしいものは恥ずかしいのだから仕方ないよねっ。 っと、いけないいけない。こんな事をしている時間ももったいない。 じっとりと汗ばむ手で杖を握りなおして、震えながら箱を開ける。 小さく喉が鳴って、自分がどれだけ緊張していたのか分かった。 「これ……」 目の前に並ぶのは小さな頃の憧れ。 「今日こそ……」 一つ一つをベットの上に並べる。誰も居ないのは分かってるけど、ついきょろきょろ辺りを探る。 「シエスター、サイトー、居ないのよね?」 今出てこられても困るけど、もう少ししてから出てこられたら言い訳できない。 「よし、OK」 は、始めるわよっ。 わたしはおもちゃに向き直る。 692 名前:2/7[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 03 34 14 ID R+eNC1vG 「あっ、動いてるっ」 ミス・ヴァリエールの部屋から変な声が聞こえる。なにかしら? ……よ、よもやっサイトさんとよからぬ事を? 「ゆ、許せません」 部屋には鍵が掛かっていたけれど、合鍵は貰っている。 サイトさんやわたしにとって都合のよい事に、この部屋の鍵は魔法製じゃないのです。昔はミス・ヴァリエールの為だったらしいですけれど。 音がしない様に、そっとドアを開ける。もちろん、こんな時の為に毎日ドアには油を注している。いつこっそり部屋に忍び込まないといけないか分かりませんもの。 「あは、いいよぉ……素敵」 ミス・ヴァリエールの声は止まらない。 細く開けたドアから中を覗くと、ベットの上で毛布かもそもそ動いていた、これならっ! 音も立てずに部屋に忍び込む、もう一度ドアを閉めなおして、部屋の隅まで移動。 「あ、こんな事も……するんだ」 毛布の持ち上がり方から見て、ミス・ヴァリエールは一人のはず…… 「素敵」 何が素敵なのかしら? 好奇心に駆られて、じりじりとベットに近づく。 よく見るとベットの周りには何か色々散乱していた。……誰が片付けるのかしら? 毛布の中でもそもそしながら、何かを喋っている事しか分からないから…… 「えいっ!」 いっその事と、いきなり毛布を引っぺがしてみる。 「……ふえ? あ? っっっきゃあああああああああ!!」 きょとんと周りを見回して、わたしと目が合った途端にミス・ヴァリエールが絶叫した。 「ななな、なんでっ? なんでシエスタが居るのおぉぉぉぉ」 「こんな昼間からベットの中で何なさってたんですか? ミス・ヴァリエール」 堂々と近づいて、ミス・ヴァリエールの手の中を…… 「おもちゃ?」 子供の貴族の方が……遊ぶ用の? 「わ、わるいっ? わたし小さい頃これ……動かせなかったから……」 あぁ、貴族の方のおもちゃって、魔法で動かすんでしたっけ? 魔法の練習にもなるからと、積極的に子供に与えるらしいですね。 「……この年になって、おもちゃって恥ずかしいから……こっそり……」 この間からベットの下にあった箱の中身かしら? でも……結構可愛い所も有りますね。 「……で、ミス・ヴァリエール」 怒られるとでも思ったらしいミス・ヴァリエールがビクンって震える。 なんで遊んだだけで怒られるのかしら? 貴族の方ですし、躾とか厳しかったのかもしれませんけど。 「それ、どうやって動かすんです?」 にっこり笑って聞いてみると、、弾かれたように説明を始めてくれた。 「あのねあのねっ、これは魔力を注ぐと、動くお人形でっ、これは無意味に浮かぶのっ」 うれしそうにおもちゃの説明を始めるミス・ヴァリエールも可愛い。 「動かして見せてもらえますか?」 「うんっ」 あら、いいお返事。 693 名前:3/7[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 03 34 46 ID R+eNC1vG 父さまに買ってもらった頃は、まったく動かなくって泣きそうだったおもちゃが、今は簡単に動く。コモンが成功するようになったから、ひょっとしてと思ってた。 「ほら、見なさいシエスタ」 「わぁ、凄いですね、ミス・ヴァリエール」 しかも、シエスタが毎回誉めてくれる、魔法を使って誉めてもらう……うれしい。 「ミス・ヴァリエール、これは? これはなんですか?」 「これはねー」 説明は何度も読んだから、何が起こるか皆覚えてる。子供のおもちゃだから、皆詠唱も何も要らない、基本魔力を注ぐだけで良い。 「ほら、シエスタ、モンスターよー」 空のコップだったものから、むくむくと透明の粘液があふれ出す。 「きゃぁぁぁ」 コップを握ったままのシエスタが、悲鳴を上げて部屋の隅まで逃げ去った。 「あははは、スライムよ」 子供用に無害に調整されたスライム、間違っても怪我とかさせないように、厳重に加工されているらしい、小さい頃さんざん友達に自慢された。 「これはね、魔力を注げば注ぐほど大きくなるの」 「ななななな、なんなんですかぁぁ」 慌てるシエスタを見て、少しイタズラしたくなる。わたしの魔力をありったけ注いでみる。 みるまに大きくなるスライムに、シエスタが部屋の隅で震えていた。 子牛くらいまで大きくなったスライムが、ぷるぷると震えている。 「だ、誰が掃除するんですかぁぁぁ」 ……そこか? 突込みどころはそこなのか? 「大丈夫よ、スライムは時間が経てば気化するらしいから」 自慢されるうちに雑学ばっかり増えた。 「でも……これ……」 まだ不安そうなシエスタを手招きすると、恐る恐る近づきながら、説明を一生懸命読んでいた。 「品質保持期限、数年前に過ぎてますよ?」 へ? シエスタの言葉が耳に届くかどうかの瞬間に、スライムがわたしに圧し掛かってくる。 「っきゃーーー」 なんなのよーーー 「えとえとっ、『お子様の魔力を注がれたスライムは、注がれた魔力の質によってさまざまな特性を持ちますが、当方において厳重な検査を経てますので、危険は一切ございません』って、うそばっかりー」 ……質って……わたし……虚無。 「そ、それくらいチェックしとけぇぇぇぇ」 使い手が数千年居なかった以上不可能かもしれないけどっ。 この不気味な成長と、圧し掛かってくる行動って、やっぱりわたしの所為なのかしらっ? 伝説ってつらい…… 「あ、ミス・ヴァリエール『スライムは厳重に改良されておりますので、決して怪我をさせることは有りません、気管に詰まるような時でも、自動的に呼吸口が空きます。圧し掛かられても、怪我をしないように加減をします』だそうですっ、ラッキーですね」 ……重くて動けないんだけど? だめだ……どうしよ 「誰か呼んできますか?」 シエスタが言ってくれるけど……恥ずかしくてこんなところ誰にも見せられない。 「説明をもうちょっと読んでみて」 「はいっ、『スライムが逃げ出した場合、数日で気化しますが、探す場合は冷暗所、若しくは湿った場所を好みます』だそーです、数日の我慢ですね」 「よかったー、って、無理っ、数日って何よおぉぉぉぉ」 どうしよう……困り果てるわたしの上で、スライムがもぞりと蠢いた。 694 名前:4/7[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 03 35 18 ID R+eNC1vG 「いやっっっ」 ミス・ヴァリエールがいきなり悲鳴を上げる。 「どうしました?」 「ど、どうもしないっ、シエスタは説明をもっとよんでっ」 逃れようと真っ赤になってもがいているミス・ヴァリエールに睨まれた。 「えと『上質な魔力な場合は、スライムがお子様に懐く時が有りますが、側から離れない程度で問題はありません』そうですっ」 「大有りよーーー、ひっ」 ? さっきからミス・ヴァリエールの様子がおかしいような? 気になってしばらく見つめていると、必死に身体を捻ろうとしているけれど、何故かしら? 「湿って……ないもん」 何のことかしら?目に涙を浮かべながら……って。 「ミス・ヴァリエールだめっ!」 わたしの警告は一瞬遅かった。涙に気が付いたスライムはミス・ヴァリエールの顔を覆う。 「んんんんっ、んーーー」 スライムに顔を覆われたミス・ヴァリエールを見て思わず側に有った枕をスライムに叩きつける。 ぷるんと震えただけで、何の効果も無かった、ミス・ヴァリエールが窒息しちゃうっ。慌てるわたしの前で、聞きなれた声が響く。 「んぐっ、やあっ、くる……しっ……」 ……声が響く? 一応注意書きどおり空気穴は開いてるみたいだ。一安心……してる場合じゃないけれど。 「やぁぁぁ、うごっうごいちゃやぁっ」 えと? 助けに行ったら駄目なのかしら? 疑問の持ったわたしは、スライムを注意深く見てみる。ミス・ヴァリエールの上で止まっているように見えたけれど、スライムに飲み込まれたミス・ヴァリエールの服が結構な勢いで動いている。 止まって見えるのは表面だけで…… 「結構動いてます?」 思わず呟いたわたしに向かって、ミス・ヴァリエールが必死になって頷く。 「湿ったり、暗い所を求めて?」 ちょっと意地悪な気分で確認。赤くなったミス・ヴァリエールが顔をそらす。 多分結構なスピードで動くスライムに擦られて、少し濡れてしまったのだろう……でも、そうなると…… 「中に?」 ますますミス・ヴァリエールが赤くなる。……てことは。 「人……呼べないですかね?」 ミス・ヴァリエールの目はそんな時ばかり力強かった。 695 名前:5/7[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 03 35 53 ID R+eNC1vG 「『付属の魔石を当てると、スライムにさまざまな効果が有るよ、試してみよう』『スライムはお水があれば、長生きできるよ頑張って長く遊ぼうね』だそうですよー」 「んんんー、んっんんっ、んんー」 多分、なかよくしたくないわよー、でしょうか? スライムが不定期に口の中に入るせいで、喋れたり喋れなかったりですね。 「これ、一つ一つ試してみますね?」 「んんでん、んんぁん、あぁんー」 何でも良いから早く、だと……まずこの赤いのから、火って刻まれてますね。 とりあえずスライムの中に投げ込んで…… 「ひあぁぁぁぁ、中っ、なかぁぁぁぁ、熱いっ、熱いのっ、やぁぁぁっっ」 あーなんか駄目っぽいですね。 あ、でも少しは身動き出来る様になったミス・ヴァリエールが何とか出ようとしてますね。 「次っ、シエスタ、次ぃっ、もっと、もっと頂戴っ」 確かに一個で少し動けたのなら、二個三個と足していけば、そのうち出れるかもっ。 「もう一個赤行きますか?」 「やぁぁぁっ、温かったり、熱かったり、気色悪いっ」 どうやら、熱いって言っても、火傷するほどでは無いようですね。さっきはどこが熱くて騒いだのかしら? 「黒いのと、水色のと、透明なのが有りますけど?」 「どれでも良いからっ、早くしてぇぇぇぇ」 魔法の事なんか分からないわたしが適当に選んじゃってもいいのか不安は有りますけど、とりあえず黒いのから……土? 696 名前:6/7[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 03 36 25 ID R+eNC1vG 体中に当たる感触が変わった。 液状だった中に、何か硬い物が混ざり、ごりごりと全身を擦り上げる。 「あれ、変化有りませんね? これはずれですね」 シエスタの声が遠くで聞こえる……スライムが……動き…… 「ひあぁぁっぁぁぁ、だめっっ、きついっぃぃぃぃ、やぁぁぁぁ」 無数の硬いものが、敏感な所を狙うかのようにぶつかる。さっきまでのベタベタするものにひっぱあれる感触に別の刺激が加わるだけで……イヤなのに…… 「ひ……あっ……うそ……ょ……サイト……助けてっサイトぉ……」 気持ち良い。認めたくない。でも…… 「えっと、次いきますね?」 シエスタが次の魔石を構えている。……それを見たわたしの身体が小さく反応する。恐怖に……だ、絶対に恐怖に。 「あれ? ミス・ヴァリエールどうしかました?」 「なんでもないからっ、……早くしてっ」 期待……なんか……してない。 不思議そうなシエスタが透明な魔石を投げつけた瞬簡に、スライムが泡立つ。 「な、何?」 怯えるわたしの前で不規則に踊り始める泡が、身体に接触した瞬間。 「ひぅっ、やっ、吸っちゃやぁぁぁぁ」 無数の気泡が触れたところは、粘り気のあるスライムの身体を吸盤の様にして、私の身体を吸い上げた。そして……それはスライムの中に無数にあった。 「う……そ、だ、だめ……よ?ねぇっ」 話が分かるはすも無いのに、思わずスライムに話しかけるほど錯乱してしまう。 もちろん、スライムがわたしの話なんかか聞くはずも無く、一斉にかつ無慈悲に泡がわたしに近寄ってくる。 「あぁあぁあっっっっ、やだっやだっやだぁぁぁぁぁぁあ」 目の前が真っ白になった。苦しくて息も出来なくなる。泡が見えないところには相変わらず小さな不可視の塊が有って……その硬度を生かして人の中に押し入ってくる。 「ひぅ、いやっ、きちゃ、きちゃうっ、らめっ、うそっ……いやぁぁぁぁぁ」 サイトにもまだ触ってもらったことが無い所に、小さな塊が次から次に侵入して、入れ違いに同じ数だけ出て行く。 泣き喚くわたしを見て、戸惑うシエスタを他所に、スライムは執拗にわたしを狂わせる。 「やっ、痛いっ、いらぃぃぃぃっ、そこっ、ちがあぁぁっぁあ」 本能のみで動くスライムは、暗い所を求めて、本来は入るはずの無い所に硬いものを押し付けて……みちりという音と共に、内臓が捲り上げられる。 「ひあぁぁぁぁぁっっ、いた……ひ……よ……サ……イ……」 目の前がチカチカする。全身に絡みつくスライムはわたしを逃す様子は無く、オロオロするシエスタの横で、休み無く動き続けた。 なにもかも……どうでもいい……や、気持ち良いから…… 「さ、さいごの一個いきますっ」 あーしえしえがなにかいってるぅ 697 名前:7/7[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 03 36 58 ID R+eNC1vG 最後の魔石を投げ込んだ瞬間、スライムの表面が小さく波打つ。……正確には波打ち続ける。 「ひぅっ……にゃぁぁぁっっ、なに?うそっ、まだっっっ」 えっと、事態が好転した様子はありませんね? 「ひ、ひんどう、ひんどうしてぅぅぅ、らめっ、ゆれるの、らめぇぇぇぇ」 ミス・ヴァリエールに吸い付いたままのスライムが、小さく細かく震え始めていた。 正気を失い始めた目が、ゾクリとするほど淫蕩にわたしを見つめる。 「ねぇ、シエスタぁ、おい……でぇ、こっち……いい……よ?」 その目に押されるように……わたしは一歩……踏み出した。 「ルイズ、シエスタ、無事かっ?」 サイトが何か叫んでる…… 「相棒……こりゃあ……」 棒っ切れが……魔法吸ったの……? わたしを包んでいたスライムが綺麗に消えていた。 「おいっ、二人ともっ……何とか言ってくれよぉっ」 肩を掴んだ揺さぶられる振動すら気持ち良い。 スライムの刺激が止まっても、わたしの……多分シエスタも、身体は熱くなったままで…… 「サイ……ト」 「サイト……さん」 ゆらりと起き上がるわたし達を見て喜ぶサイトに、二人がかりで圧し掛かる。 「ちょっ……二人ともっ?」 「「続き……シテ♪」」 スライムより巧みに二人かがりでサイトを……朝まで責め抜いた。 「……な、なにがあったん……だ?」 「災難だーね、相棒」 燃え尽きたサイトは、その日から数日騎士隊に顔を出せなかった。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1234.html
前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 「悪いシエスタ……誰かが犠牲にならないとダメなんだよ」 当麻は一人、見捨てたシエスタに対して謝った。彼女がここにいたならば、おそらく拳一つは飛んできそうだ。 「さて、どーするかな」 魔法薬であるならば、当麻の幻想殺しで打ち消せる。おそらくあれは、洗脳的な要素があるので、頭を触れば効果は消えるであろう。 しかし、消したくない当麻もいる。 健全なる男子高校生は、そういうのには疎い。ぶっちゃけ、女の子同士……のは少し興味がそそる。 (つか二人で何してんだろうなぁ……) 少年は少しの間、現実から離れ、夢物語に没頭した。果たしてどこまでやったのだろうか? 思えば思う程膨らむ好奇心。しかし、突如シエスタが涙目となって訴える姿が頭にはいる。 シエスタもルイズも、本来求めてはいない姿なのだ。このままでは、やはりよくない。 連絡をすると、自分が言ったのだからなんとかする必要性がある。それにあんな風にさせた人の反省の意も含めて裏技(幻想殺し)を使うのはよくない。 実をいうと、もうちょい見てみたいと思う当麻がいたからなのだが、勝手に違う言い訳を作り、自分を納得させた。 好奇心は最後の最後まで、当麻の中でしつこく粘るのであった。 (とりあえず、怪しいといえばあれだよな……) 昨日ルイズの態度が一変したのは、ギーシュ達がいる部屋に入ってからだ。 そして、さらに詳しい部分を言うならば、あのワイン。 魔法薬といえばたいてい飲み物に入れる、というのは当麻の中での常識である。となると、ますます怪しくなっていくのが彼ら。 当麻は真相を確かめるベく、ギーシュとその女の子を捜す事にした。 時刻は昼間、まだ食堂にいるだろうと踏み、そこへと向かった。 当麻の予測は当たり、ギーシュ達がちょうど食堂から出たところを彼は発見した。 慌てて逃がすまいと思った手は、女の子の腕を握る。 ぶっきらぼうに掴んだので、女の子はキャッと小さい悲鳴をあげた。 「おい! モンモランシーになにか用なのか!?」 当麻の存在に気付いたギーシュは、女の子の身を案じて声を少し大きくする。 当麻はそんなギーシュに、ああ、モンモランシーと言うのねと納得した様子で返事をした。 「何を言っているんだ君は! 早くモンモランシーの手を離すんだ!」 「わーったよ」 目的を果たしたその手は、モンモランシーの腕から離れる。 しかし、モンモランシーは顔を蒼白して黙り込んでいる。まるで、指名手配犯が警察に職務質問された時のような顔だ。 「で、だ。ルイズが昨日の一件で豹変しちまったんだが、なんかしらねえか?」 「ルイズが? 一体どうしたんだ?」 「まあ簡単に言えばシエスタのことを好きになっちまったんだ。ちょっとおかしいだろ?」 「あのメイドかい? 確かにそれはルイズではないような……」 ふむ、とギーシュは考え込む。 「そうなんです、そうなんだよ。……モンモランシーだっけか? あんたはなにか知ってるか?」 今までの会話に参加していないのに不思議に思い、当麻は声をかけてみた。モンモランシーは突然話を振られた為か、肩をびくっと震わせた。 「えっと……、その……」 「あんたの部屋に置いてあったワインを飲んでからおかしくなったんだが……」 「あれはぼくが持ってきたワインだ! 怪しいものはなんにも入ってないぞ!」 モンモランシーに疑いをかけているのに気付いたのか、ギーシュが間に割って入る。当麻は、彼の言葉は真実であると確信を得た。 しかし、確信を得たからといって、モンモランシーの疑いが晴れるという事はない。 「いやさ、ギーシュが持ってきたワインに細工することはできるだろ? 例えば魔法の薬とかで」 「何を言ってるんだい! モンモランシーがそんなことをするわけがなかろう!」 なあ! と威勢よくモンモランシーに同意の言葉を求めた。 しかし、モンモランシーは唇を噛み、居心地が悪いかのように冷や汗を、額から垂らしている。 「モ、モンモランシー……。まさか……?」 「わ、わたしは関係ないわ! あの子が勝手に飲んだのよ!」 二人の視線に耐え切れず、モンモランシーは声を荒げた。 「だいったいあんたが悪いのよ!」 そう言いギーシュを指差す。ただ差すだけでは物足りないのか、彼の頬をぐいぐいと押し付ける。 一言でいうなら、それは逆ギレ。当麻は呆然と二人のやりとりを見つめた。 「あんたがいっつも浮気するからしょーがないでしょー!」 「何を言ってるんだいモンモランシー、僕はきみ以外の女性には目に入らないよ!」 「あら? 裸のお姫さまが飛んでいる」 「え? どこ! どこどこ! ……ハッ、これはまさか」 「昨日と同じっ! 何度言えばわかるのよぉぉおおお!」 こめかみに血管を浮かばせて、ギーシュの首を力強く絞める。 ぐ、死ぬ……と、ホントにあの世へ逝きそうになるので、当麻はそこでようやくモンモランシーを止めた。 「落ち着けって、つか話を戻さしてくれ」 なによ! といいたげな表情でキッと睨みつける。なんだかこちらが悪いように感じてしまい、困ったように頭をかいた。 「いやまあ、ギーシュが悪いのはわかったから何をワインに入れたんだ?」 ここまでくれば、並大抵の人間なら何を入れたかはわかるだろう。魔法漫画なら必ずといっていい程出てくるキーアイテム。 モンモランシーはちらっとギーシュの方を見ると頬を赤く染める。どうやら彼の前で言うべきなのかどうか悩んでいる様子だ。 そんな複雑な乙女心など全く理解していないギーシュと当麻は、ただただ見つめている。 二人の視線に再び耐えきれず、モンモランシーは顔を少しだけ伏せて小さく答えた。 「……惚れ薬よ」 やっぱり、と思う当麻をよそに、ギーシュは驚きの声で復唱した。 「惚れ薬ぃ!?」 「シッ、声が大きいわ!」 慌ててギーシュの口を塞ぎ、周りをキョロキョロと見渡す。幸いな事に、誰もいない。 ほっ、と安堵の息を吐き出すと手をギーシュの口から離した。 「一応禁則の品なんだから……」 三人はモンモランシーの部屋へと場所を移した。 事情を知ったギーシュは、惚れ薬まで使おうとしたモンモランシーに感激を覚えた。 「モンモランシー……、まさかきみがそんなにぼくのことを……」 そう言い、両手を握る。 「ふんっ! べつにあなたじゃなくってもかまわないのよ? おつきあいなんて暇つぶしじゃない。ただ浮気されるのがイヤなだけ!」 全国のカップルに敵対するような発言をして、ぷいっと視線を横に向ける。 見事なまでのツン――もとい傲慢な態度をとるが、ギーシュは全く気にしない。 「ぼくが浮気なんかするわけないじゃないか! 永久の奉仕者なんだから!」 こちらもまた浮気する男の典型的な言い訳をとりながら、モンモランシーを抱いた。さらにはキスをしようとする。 ギーシュの勢いに負けたのか、モンモランシーもその気になり、目をつむる。 「あー、ギーシュ×モンモランシーエンドはまだ発生しなくていいから。つかさりげ二人の世界に入ろうとしてんじゃねえよ!」 突っ込みながら、二人を現実へと連れ戻す為引き離す。 「やぼ天だなきみは!」 「こちらとらギーシュのモンモランシー好感度アップイベントに参加する気はねえよ! 反省の意をこめてなんとかしなさーい!」 そう、モンモランシーは何にも感じていないのだ。悪いことをしたら謝る。それすらもやらない。 もっとも、それが当麻のいた世界とは違うからと言われても微妙である。 「そのうち治るわよ」 「大体どれくらいだ?」 そうねぇ、とモンモランシーは首を傾げる。 「個人差があるから、そうね一ヶ月後か、それとも一年後か……」 「長い! 俺何回魔術師と戦う羽目になるんですか!」 「というかきみはそんなシロモノを飲ませようとしたのか……」 さすがのギーシュもこれには青くなってしまう。 「わ、わかったわよ……解除薬を調合するから待っててよ」 「始めからそう言っちゃって下さい」 「でも解除薬を作るにはとある高価な秘薬が必要なんだけど、惚れ薬を作るときに全部つかっちゃったの。買うにしてもお金ないし。さあどうしましょう」 「どうしましょうって……ギーシュは持ってないのか?」 「ああ、一銭もないね」 「な、なんでここでイベントクリアのハードルが上がるのですか……」 当麻はガクッと肩を落とす。 「こればっかりかは仕方ないね。世の中にはお金に縁のない貴族と、お金と仲良しの貴族がいるのさ」 それで僕たちはお金がない貴族なのさ、と付け加える。 仕方ない、そう思うと当麻は、ポケットから金貨を取り出した。 特に使い道がないためか、半分だけ保険用に手持ちとして運んでいたのである。なぜ自分が出さなければいけないのか……と不思議がりながらも、尋ねる。 「これで大丈夫か?」 当麻の世界での値段に換算したら、彼の生活は百八十度回転してしまう額をばらまく。 「なんでこんなにお金を持っているんだ!?」 「すごい……。五百エキューはあるじゃないの」 どうやら足りるようだな、と当麻は確認を求めると、モンモランシーはしぶしぶ頷いた。 当麻は、シエスタに伝えようと彼女の部屋に赴いた。 「おーい、シエスタいるか~?」 ドアのノブを回す。どうやら鍵はかかっていないようだ。 ギィ~、とゆっくり押す。当麻の視界に部屋の中が入り込んでくる。そこには、 ルイズとシエスタがいた。 さらに詳しく言うと、ルイズがシエスタを押し倒していた。 シエスタの大きな胸が、ルイズの小さな胸にぶつかっている。しかし、そんな障害をもろともせずに、ルイズはシエスタとキスを交わしている。 熱い吐息が二人の唇から漏れ続けている。第三者であるはずの当麻の顔が真っ赤に染まっていく。 (な、ななななななななななななななななななにが起きているんですかッ!?) そのあまりにも予想外の光景に、当麻は言葉を失う。 さらに、追い討ちをかけるかのように、ルイズはスカートを脱いでいた。皮膚を隠す重要な部分がさらけ出ている。 シエスタもまた、普段着である草色のシャツにブラウンのスカート姿であった。 しかし、そのロングスカートは激しい動きがあったのかめくれあがっており、ぎりぎりの位置でなんとか耐えている(もっとも、シエスタはあれをはいていないのだが、当麻は知らない)。 また、汗なのだろうか、二人のシャツも少し湿っていた。 ともかく、 これ以上詳しく文章で表現してはいけない態勢で二人はキスをしているのだ。 と、そこでようやく二人が当麻の存在に気付く。 シエスタの目が見開かれ、顔が赤くなっていく上に、涙が浮かんできた。 おそらく、一番見てほしくない少年に見られてしまった恥ずかしさと悲しさが、どっと押し寄せて来たのだろう。 一方のルイズはただ睨んでいる。この領域に入ってくるなと目が訴えていた。 いるにいられない当麻は無言で廊下にでると立ち去った。 ただドアを開けただけなのに罪悪感が完全に支配してしまっている。 どうやらルイズはこちらを敵と見なしているようだ。迂闊に近づいてしまったら大方ボコボコにされてしまう。 そんな中、当麻は右手をルイズの頭に触る事ができるだろうか? おそらくできる。しかし、傷つかない方法があるのならばそっちを選ぶ。 当麻は、幻想殺しで打ち消す考えを完全に捨て、モンモランシーの解除薬に期待をかける。さらにいうと少し見たかったと思う好奇心は消え去っていた。 本当にシエスタの為になんとかせねばと思う当麻であった。 前ページ次ページとある魔術の使い魔と主
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/2693.html
前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 「あなたの名前はなんて呼べばいいのかな?」 暗かった道は、朝日が差し込んで次第に明るくなる。その朝日が二つの人影をぼんやりと映し出す。 このような時間に歩き以外の移動手段を持たないのは、端から見れば家出コンビだと思わせる二人はしかし、この国の住人ではない。 安全ピンを体中に纏わせてる白いシスターと、ワイシャツと黒ズボンを身につけた、いたってシンプルな学生少年。 そう、この世界に紛れ込んだ上条当麻という少年を、元の世界に戻すために送られた魔術師達。 インデックスと土御門元春だ。 二人は真っ直ぐに伸びている道を黙々と歩いていたのだが、堪らずインデックスが声をかけた。 「ん? 好きに呼んでいいんぜよ」 名称など今更どうでもいいと言えるが故、土御門は素っ気なく答えた。 「じゃあとうまのことをとうまと呼んでるから、もとはるでいいのかな?」 あぁ、と土御門はインデックスの提案に頷く。 話の流れが止まり、再び沈黙が支配する。このような明朝から話す内容など限られているからだ。 彼らはこの世界にたどり着いてからまだ半日と経っていない。 二人は、タルブ村のとある戦闘機の前から侵入することになった。 世界と世界とを繋ぐゲートには、元々こちら側にある物が関わってくる。もっとも、どうやってその戦闘機が移動したかを考えると埒があかないので、詮索しないことにした。 時刻は深夜ぐらいだろうか?。周りは物の輪郭がうっすら見える程度の暗さであり、寝静まっている。 土御門は、ここで上条当麻の情報収集をしたとしても、あまり効果的ではないと判断した。そのため、早々にこの村から去り、より大きな町を目指して道のりを歩き始めたのだ。 タルブ村がそのとある少年と深い係わり合いがあることを知らないまま……。 互いに「必要悪の教会」に所属している二人。直接出会ったことは今までないが、ある程度の事はそれなりに知っているようだった。 故に、今更詳しい自己紹介とかをする必要性はない。 短い会話のキャッチボールを終えた二人は、足をただ進める。もとより体力はある二人。通常よりやや早い速度で歩いていても、疲れを見せる様子はない。 そんな中、土御門は考えていた。 一体アレイスターが何を考えて当麻をこちらの世界へ呼んだのかと。 そんな中、インデックスは考えていた。 当麻はまた新たな女の子をいちゃいちゃしているのではないかと。 両者は自分の世界に閉じこもりながら、 目の前の地平線から新しい町が見えてきた。 「これがトウマさんの世界の服装なんですか?」 くるっ、とシエスタは体を一回転する。その際ふわっ、とスカートが宙に浮かぶ。 ズバッ、と頬を赤く染めた当麻は首をすばやく横に動かした。 「あぁ、き、気に入ってくれたか?」 「はい! こんな素敵なお洋服……ありがとうございます!」 当麻は以前貰ったマフラーのお礼としてセーラー服をプレゼントすることにした。 とある少年とは違い、当麻はギリギリラインではなく、むしろゆったりとした感じな服装をチョイスした。 ただ、夏という事もあり、胴の丈はちらりとおへそが見えるか見えないか辺りで切る事にした。ただ、スカートは膝上数センチと、少し長めだ。 必死にシエスタから裁縫を習った当麻の傑作品とも呼べる代物である。 日本人寄りのシエスタにはやはりと言うべきか、とてもよく似合う。やはり制服は女性の可愛さを引き出す必須アイテムだと当麻は感じた。 もちろん、シエスタが下着を身につけていないのは知らない。 「これでわたしにも属性っていうのがついたのかな……?」 シエスタの顔が赤く染まり、手をもじもじとしてるその言葉に、当麻は面食らったかのように目を丸くする。 「えと……何をおっしゃっているのですかシエスタさん……?」 「わたし聞いたのですよ、義姉義妹義母義娘双子未亡人先輩後輩同級生女教師幼なじみお嬢様金髪黒髪茶髪銀髪赤髪青髪 魔乳怪乳爆乳巨乳豊乳貧乳微乳無乳虚乳ロングヘアセミロングショートヘアボブ縦ロールストレートツインテールポニーテールお下げ三つ編み二つ縛りウェーブくせっ毛アホ毛 制服保母さん看護婦さんメイドさんシスターさん軍人さん秘書さん踊り娘ロリツンデレヤンデレおしとやか一途ドジッ娘 白ゴス黒ゴス病弱アルビノ電波系妄想癖二重人格女王様お姫様キャミソールガーターベルト男装の麗人メガネ目隠し盲目眼帯包帯エルフハーフエルフ吸血鬼 とかそういう属性があるんですよね?」 「あのー……、それは誰から聞いたのでしょうか?」 思わず聞き返してしまった。まさかこのようなところでも、ジャパニーズ文化が浸透しているのだろうか? いや、そんな事はありえないとわかっていても、なぜかそう思える所がこの世界の不思議な部分だ。 「えと……ローラとドミニックですけど?」 あいつらか、と当麻はあらぬことをシエスタに吹き込んだ二人に対して怒りのオーラが沸いてくる。 二人は、以前とある騒動で知り合いとなった金髪とオレンジ髪のメイドさんであった。 というか、そんなことまで知っている彼女らに対して日本人ではないかという錯覚を覚えてしまう程。 それだけ彼女らには親近感というのが感じられた。 「それでその……わ、わたしはどんな属性なのですかね?」 そんな事を考えているとは知らないシエスタがさらに質問を重ねる。 「……はい?」 当麻は返答に困った。 本人の目の前で、さすがに属性について自分の思っていることを言うのは失礼だとはわかっている。しかし、上目遣いでキラキラ輝かせるとなるとこのまま黙っているのもいかがなものかと思ってしまう。 えぇい、どうする俺!? と究極の選択に悩んでいた当麻であったが、 不意に、後ろから飛び蹴りが襲いかかった。 ドゴッ! という鈍い音と共に壁際まで追いやられる当麻。キャッ、と短い悲鳴をあげたシエスタがその足の持ち主へと視線を向ける。 「ああああんたは~、ななななにご主人様の存在をカンッペキに無視して、メメメイドといいいいいちゃいちゃしてるのかしら?」 こめかみをひくひくと動かしているルイズが、ずかずかと当麻へと近寄る。 「いや、別にいちゃいちゃなど断じてこの上条当麻は――」 「なんか言ったかしら?」 必死に説得を試みようとしたが、ギロリと睨まれただけでハハーッ、と土下座モードに入る。 その突き出た背中に、ルイズは足を乗っける。 「あんたは、いつからそんな頭が高くなったのかしら!?」 隣で「ラ・ヴァリエール嬢! 落ち着いてください!」と腕にしがみつくシエスタをうっとうしいと感じたのか、ルイズは彼女を薙ぎ払う。 「だいたいあんたもそうよ! 一体何のためにここにきたのよ!」 ルイズに指摘されて、シエスタは「あ」と気付いたようだった。 「へぇ~、中世ヨーロッパな外見なんだね」 タルブから一番近い町、ラ・ロシェールに着いたインデックスは、同行者の土御門元春の周りをうろちょろしながら観光者気分を味わう。 「俺らとそんな変わらないんぜよ、もっと異世界人なのを予想したんだけどにゃー」 異世界、と言っても自分達とは大差がない。普通の人間ばかりで、自分達と違う点を挙げるのが難しいくらいだ。 時刻も朝が過ぎて、そこそこ賑わいだす時刻。新しい世界という事もあり、インデックスはさらに見るもの全てに目を輝かして眺める。 この点に関しては、上条当麻を捜す時は便利である。 訪ねたらいきなり拳が飛んできたりとか、出会った瞬間襲われるそうなイメージはない。むしろ友好的に手伝ってくれそうである。 しかし、 決定的な問題点があった。 「wカラtgd」 「トイミgm6qアルマ」 すなわち言語だ。 当然のように、彼らが話している言葉は土御門には理解できない。それこそ、宇宙人が話しているようにも感じられる。 このような事態に陥る事は、容易に想像できた。しかし、指摘されたアレイスターは「問題ない」の一言で済ましたのだ。 あの世界最高の科学者であり、世界最強の魔術師である人間が問題ないと言ったので、気にしない事にしたのだが……。 (チッ……アレイスターは一体何を考えているんだ?) まさか魂のボディランゲージ一つでこの世界にいる上条当麻を捜すなど不可能に近い。 まずは他人とのコミュニケーションが一番。そうでなくては話にならない。 どのような思惑があるのかを考えながら、彼は町の中を突き進む。 「4ajチマヤmwtbf」 「あ、あれ一体なんなのかな?」 「シュチpuh58ox」 ぴたっ、と土御門の足が止まった。 今の会話の流れで、明らかおかしい言葉が混じっていた。 ――すなわち、日本語だ。 「にゃぁぁぁぁぁああああああ!」 ズバッ! と振り返り、絶叫する土御門に周りの視線が一斉に集まる。 といっても、そちらに気をかける余裕はない。 「異世界式迷子は自力で救わないと次のイベントに進めないというオチかにゃー!?」 たびたび言うが、ここではコミュニケーションをとれる手段が魂のボディランゲージしかない。 あなたはそれだけで白いシスターを探しています。一体どこにいるのでしょうか。と聞けますか? 「無理ぜよ!」 ウガー、と両手で頭を抱えて悩み出す。 あのインデックスの事だ。ここで待っていればきっと戻ってくるはずだと脳は答えを導いたのだが、 なぜか早く見つけないととんでもない事になってしまうと体が訴えてくる。 周りの人が思わず近寄って『大丈夫ですか?』と聞こうした瞬間、 土御門はガバッ! と起き上がり、辺りを見渡す。 「確かあいつは何か興味をそそるような物を見つけたはずなんぜい!」 この一見特に変わったものがない普通の町。ならばインデックスが興味津々に足を向けてしまうような物は、土御門自身も気付くはずだ。 ぐるりと体を一回転してそれらしい場所を探す。 「あったにゃー!」 ビシッ、と土御門が指した先には、空を飛んでいる飛行船が今まさに降りようとしていた。 「で、あんたはこいつと一緒にタルブの村で夏休みを過ごしたい。そういうわけ?」 なぜか当麻と一緒に土下座の態勢でいるシエスタ。繰り返し言うが、スカートの中身はもちろん何もない。 「えっと……まぁ簡潔に言うのならー……」 「却下」 ビシッ! といつの間にか手にしている鞭をシエスタの目の前の床にたたき付ける。 たいていの人間――しかも平民であるから今の威嚇で反論の一つも出てこないのが普通だ。 しかし、今日のシエスタは違う。 当麻からプレゼントを貰い、後押しされた恋する乙女に階級の差など関係ない。 シエスタは敵対する貴族に肩を震わせながらも必死に言葉を紡ぐ。 「ト、トウマさんだって人間です! いつまでも使い魔の仕事をやらせるのはあんまりだと思います!」 もっともな反論なのだが、今のルイズはそのような事では納得してくれない。 「なによ! 使い魔の仕事は使い魔にとって本望なのよ! それなのにトウマが嫌がるわけないじゃない!」 「それはルイズさんの勘違いです! ……へぇ、それならトウマさん本人に聞きましょうか?」 「うっ……いいじゃないの! さぁ、早く答えなさい!」 「トウマさん、もちろんわたしと一緒にタルブ村に行きたいんですよね?」 「あー、えっとー……」 二人の視線が自分に集中し、思わず口を濁す。 正直以前もこんな事あったよなー、と思いながらどうやらどちらかを選ばなければならないようだ。 その時だ。 タバサが、窓から颯爽とルイズの部屋に侵入してきた。 「あータバサってうぉあ!?」 暢気に返事をしようと思った矢先、突然腕を引っ張られる。 「きて」 小さくぽつりとタバサは呟く。 その華奢な体からは想像できない力で当麻は腕を引っ張られる。 侵入した窓から再び外へと出て、待機しているシルフィードの背中にうまく乗ると、 「少しばかり、借りてく」 という言葉を残し、そのまま去って行った。 突然の出来事に、ポカンという擬音が似合うような格好でルイズとシエスタは口を開いている。 窓から出発したシルフィードはもう小さな点になっている。とてもじゃないが、今更呼び戻すのは不可能だ。 そして、入れ違いに一匹のフクロウが同じく窓から侵入してきた。そしてルイズの肩に乗ると、お届け物の合図として頭を突く。 「イタッ……、もうなんなのよ……!」 混乱していたその頭を突かれてルイズは不快感をあらわにする。 まさに電光石火の早業――という程のものではないが、こちらの言い分を聞かないまま人の使い魔を借りていく行為に関しては納得がいかない。 嫌々フクロウが口に加えている小さな書簡を取ると、それを眺める。 最初はあまり興味のなさそうにしていたが、そこに押された花押を見て、態度を一変、真剣な眼差しへと変えた。 「ルイズさん……?」 思わずシエスタが聞き返す。当麻の事などもうどうでもいいような態度に、事の重要性を感じた。 「ねえ」 「なんですか……?」 読み終えたルイズがシエスタに声をかける。一体何事かと、シエスタは思わず恐る恐るな思いで聞き返してしまった。 「あなた、これから暇?」 「え? 私は実家に帰るつもりですけど……」 「そう、だったらお願いするわ。できれば一緒に来てくれるかしら?」 何処へですか? と聞くシエスタに、ルイズはアンリエッタから貰った手紙を差し出した。 「ゼー、ハー……インデックス……悪いが俺の目から離れないでくれ……」 「見て見てもとはるー、でっかい飛行船があるんだよ! てか凄いでっかい樹! イグドラシルといい勝負かも!」 疲労感に襲われて、肩を上下に動かしながら叱ろうとしたが、目をキラキラ輝かせているインデックスの耳には入らない。 ここは港町と呼ばれているラ・ロシェールの核といってもおかしくない場所、飛行船場だ。 巨大な樹が四方八方に枝を伸ばして、そこに幾多の飛行船がぶら下がっていた。 そのうちの一つの飛行船の前に二人は立っていた。 インデックスは土御門のワイシャツをぐいぐい引っ張って、彼の視線を船体へと向けさせる。 「あれはガリア王国行きらしいんだよー」 そういって指差すインデックスに、土御門は「は?」と目を丸くする。 「インデックス……お前、読めるのか?」 「うん、魔導書はもともと異世界のルールについて書かれた物だからね。たまたま運がよかったのかな? この世界の字で書かれた魔導書があるんだよ」 ご丁寧に翻訳つきでね、と付け加える。 インデックスには瞬間記憶能力というスキルがある。それにより、彼女の頭には十万三千冊という莫大な量の魔導書を抱えているのであった。 (だとしても……) おかしい。 わざわざこちらの世界の言語を使うのはおかしい。いや、そもそも使える上に翻訳してしまうのがおかしいのだ。 これがアレイスターが大丈夫だと言った理由なのだろうか? 土御門はインデックスから情報を引き出そうとする。 「なぁ、その魔導書は一体誰が書いたんだ?」 「ん? スタウリー・クローレイア。私が生まれた後に出来た魔導書なんだよ? 地球では使えない内容ばっかりだったけどね」 聞き慣れた事のない魔術師。そんな名も知らぬ魔術師が書いた魔導書をなぜインデックスが覚えているのだとアレイスターが知っているのだろうか? (いや、それとも……) 別の可能性を見出だす土御門。どっちみち考えても答えは見つからない。 とりあえず、この件に関しては保留にしても問題ない。王国、と言う限りには相当大きい場所である。ここに滞在するよりもヒントが見つかるかもしれない。 「王国ということは相当でかい場所なんだにゃー。ちょいと無賃乗船さして貰うんぜい」 「おー!」 罪の意識など感じない二人は、出発の準備をしている飛行船にこっそりと乗船するのであった。 前ページ次ページとある魔術の使い魔と主
https://w.atwiki.jp/system_daba/pages/484.html
広域射撃を持つカード一覧 広域射撃を持つカード チルノ リリーホワイト アリス・マーガトロイド アルバート・ウェスタリス 博麗 霊夢 富竹 ジロウ 鷹野 三四 葛西 辰由 リリーブラック 鈴仙・U・イナバ 四季映姫・ヤマザナドゥ 「パゼストバイフェニックス」 シエスタ45 シエスタ410 ウッドスフィア ハーディア イノセンス 鍵山 雛 大場 遼太郎 志波 尚 広域射撃を与えることができるカード 速符「ルミネスリコシェ」 志波 尚
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1288.html
休戦! 銀の降臨祭 シエスタと思わぬ再会を果たした承太郎は、色々と意外な話を聞かされた。 スカロン店長がシエスタの母方の親戚だとか、スカロンの娘ジェシカも黒髪で日本人の血を引いてるらしいとか、承太郎達が出発してすつ魔法学院がアルビオンの賊に襲われたとか。 三つ目の話には承太郎も驚き、シエスタが無事だった事を安堵した。 だがシエスタの話では何人かの死者が出たらしい。 平民である彼女は誰が死んだか教えてもらえなかったらしく、キュルケとタバサ、それにコルベールあたりから聞けなかったのかと問い返してみると、事件の後三人とも姿を見かけないし会いに来る事もなかったと返された。 キュルケの場合、トリステインは危ないという事でゲルマニアに帰ったのかもしれない。 タバサはキュルケに捕まって一緒に連れてかれたのかもしれない。 コルベールは多分研究室にでもこもっているのだろう。 その後スカロン店長はルイズにも挨拶したいと言い、承太郎は渋々ルイズを連れに戻って、一緒に魅惑の妖精亭出張店の天幕で酒盛りをした。 シエスタの作る寄せ鍋の効果もあって、承太郎だけでなく仗助も魅惑の妖精亭に入り浸るようになったが、仗助の場合店の可愛い女の子で目の保養をしたいという理由もあるらしかった。 そんなこんなで年が開け、降臨祭が始まった。 承太郎と仗助にとっては正月とクリスマスが合体したような変なイベントだが、久々に気が紛れると承太郎は結構楽しんでいるようだ。 酒に弱いルイズは、ワインを果汁やハチミツや水で徹底的に薄めて飲んでいたが、それでも顔はすぐに赤くなってしまう。 その赤くなった顔で、チラリと少し離れた席で酒盛りしている連中を見る。 承太郎と仗助に、幻影作戦の時の竜騎士隊メンバーと、仗助の所属する外人部隊である第三中隊の竜騎士隊達、それに加えて再会したギーシュも自分の手柄を威張りながら酒を飲んでいる。 マリコルヌも従軍しているはずだが見かけないので放置だ。 大勢でドンチャン騒ぎをしてはいるものの、承太郎はそれを眺めているだけだ。 と思ったらタバコを五本取り出していつぞやの芸を披露していた。 「ぐ……グレート! 若き日の承太郎さんがこんな面白いキャラクターしてたとは!」 仗助はとてつもないショックを受けたらしく思いっ切りのけぞっている。 若き日ってどういう意味だろ? とルイズは首を傾げた。 そりゃ承太郎は老け顔だがまだ十七歳なのに。 しかし男というのはなんでああも騒ぎたがるのか? 承太郎はあんまり騒いでないけど、一応あの空気を楽しんでいるようではある。 おかげでルイズは居場所を無くして、一人さみしく飲んでいた。 「おかわりいりますか?」 するとワインのビンを持ったシエスタが、ニッコリと微笑んで現れた。 「……そういえばあんたも来てたんだっけ」 「ええ、ジョータローさんがいますから。あ、それとギーシュ様も」 ギーシュはついでか。まあ解るけど。 「ところでミス・ヴァリエール。お気づきですか? 雪が降ってますよ」 「え、そう?」 言われて天幕の外を覗いてみれば、白い粒がチラチラと降っていた。 「雪の……銀の降臨祭かぁ。結構オツなものね」 「私、雪の降ってる降臨祭って夢だったんです」 シエスタはうっとりとした口調で言う。 「タルブの辺りは冬でも暖かいですから、あんまり雪は降らないんです」 「……とりあえず、あんたも飲みなさいよ」 子供のように無邪気にはしゃぐシエスタを見て、 なぜか急に気が抜けて男達のドンチャン騒ぎも気にならなくなったルイズは、シエスタにもワインを勧めるが、下戸で酔い癖が悪いからとシエスタは紅茶を用意した。 そして二人で乾杯をして、外を降る雪と、承太郎やギーシュの席を適当に見る。 「楽しそうですね、ジョータローさん」 「ん……そうね。男はみんな馬鹿騒ぎが好きなのかしら? ジョータローは物静かだから、ああいうの嫌いだと思ってたんだけど」 「でも……空元気ばっかりじゃ疲れちゃいますから、ジョータローさんが元気になったみたいで嬉しいです」 さすがは恋する乙女と言うべきか、シエスタは承太郎の不調を察していたようだ。 「やっぱあんたにも解る?」 「ええ。何だか悩み事があるみたいなんですけど、話してくれなくて」 まあ自分にさえ相談しないのだから、シエスタに相談などしないだろうとルイズは考える。 何だかんだで今までの数々の視線を潜り抜け、お互い信頼も深まっているし。 (……そんな私に相談できない悩み事って何よ?) 異性には相談しにくい内容の悩み事なのかとも思ったけれど、 ギーシュや竜騎士隊がいるから大丈夫だし、同郷出身の仗助までいる。 ギーシュとは今日再会したばかりだが、仗助にはすでに承太郎について相談してある。 しかし仗助曰く、余計な口出しはしない方がいいらしい。 判断力に優れた承太郎ならどんな悩みだろうが一人で勝手に一番いい解答を出すだろう。 それが仗助の承太郎に対する信頼だったが、当の承太郎はというと、その判断力自体を疑っているのだから困りものだ。 おかげでルイズは承太郎の悩みが何なのか知るすべをまったく持てないでいる。 実はデルフリンガーは多少事情を知っているのだが、いつも承太郎が持ち歩いてるし、ルイズの視点ではデルフリンガーは相談対象から完全に除外されてたり。 十日間続く降臨祭だが、承太郎と仗助にとっては少々長すぎるお祭りだった。 クリスマスはイブを含めて24日、25日の二日間。 正月は大晦日から正月三が日までと考えても四日間。 どちらも十日には及ばない。そんな訳で承太郎と仗助は祭りを飽食し疲れていた。 気分転換にと仗助は承太郎を狩り(ハンティング)に誘い、森へと連れ出す。 そこで獲物を見つけては、銃弾をスタンドの指で弾いて飛ばし獲物を狩る。 1999年の夏の承太郎が、スタンド使いのネズミを狩るため仗助に伝授した技を、逆に仗助が承太郎に伝授するという奇妙な姿が展開されていた。 といってもスタープラチナの精密動作性を持ってすれば、一発撃っただけで力加減などを完全に把握し、二発目からは完璧に狙い通りに銃弾を飛ばせるようになって、実に教え甲斐が無かった。 ちなみに弾はマスケット銃の弾であるため、杜王町で使用したライフル弾に比べると威力も射程も精密性もかなり劣る。 「まーこれでもメイジ相手にはかなり役立つはずっス。 詠唱してる間に口の中にでもぶち込めば楽勝って感じです」 ちなみに銃弾はスタンドを使って放つため、ガンダールヴのルーンは反応しない。 試しに素手で銃弾を摘んでみたが、銃弾だけでは武器と認識されなかった。 野うさぎを数匹仕留めた二人は、さっそく寄せ鍋を作ってもらおうと街へ戻り、魅惑の妖精亭の新メニューにまで発展しつつあるヨシェナヴェを食べる。 「ある意味トニオさんの料理より感動的だぜ~、ハルケギニアで食べる寄せ鍋はよー」 シエスタとジェシカが日本人の血を引いてると承太郎から聞かされた仗助は、二人に対しかなり親近感を持つようになっていた。 ちなみに魅惑の妖精亭の妖精(店員)達はお客様の髪型を馬鹿にするような事はなく、さらに承太郎が隙を見て仗助の髪の件を伝えておいたため、仗助の髪型を馬鹿にして大惨事という事態は起こらずにすんでいる。 ついでに承太郎は怪しそうな料理はまず仗助に毒味をさせ、見事店長スカロン(はしばみ草愛好会青銅会員)のはしばみ料理を回避していた。 毒味をさせられた仗助だが、タバ茶のトラウマが無い分、はしばみ草は嫌いというレベルですんでいた。 実はロマリアにあるはしばみ草専門料理店に誤って入った事があり、そこで初心者向けの料理から入門する事で耐性を養ったらしい。 何だかんだで結構楽しかった降臨祭も九日目を迎える。 アルビオン軍が休戦協定を破って攻めてくる気配も無かったが、休戦協定を破っての奇襲を仕掛けてくる可能性を考慮して、見張りだけはしっかりと立て、その他の連合軍は残り少ない降臨祭を楽しんでいた。 降臨祭が終われば、また戦争が再開される。 その前にルイズは承太郎の調子を何とか治してやろうと考えた。 とりあえず一緒に食事をしながらでもと、魅惑の妖精亭出張店に誘う。 「一人で勝手に行ってな、俺も気が向いたら行く」 「ちょっと話があるのよ、いいからついて来なさい」 渋々といった様子の承太郎を連れて魅惑の妖精亭の天幕へ行くと、隅の席を選んで座り朝食を適当に注文する。 「で、話ってのは何だ」 「あんたなら何の話かくらい解ってんじゃないの?」 「……さあ、どうだろうな…………」 何の事だか解らないという態度を取る承太郎だったが、ルイズは引かない。 「まさか気づかれてないなんて思ってないでしょうね? …………。あのね、黙ってても解らないの。悩み事があるなら言いなさい。 ………………。いい? 私達はトリステイン軍の切り札なの。 何か問題を抱えたまま戦場に出て、任務や作戦に支障が出たら大変でしょ? ……………………。せめて何があったかだけでも話してよ。 ジョースケと会って故郷が恋しくなったの? 家族に会いたい? …………………………。そりゃ、私だって悪いと思ってるわよ。 あんたの都合お構いなしにサモン・サーヴァントしちゃって。 だからこの戦争が終わったら、姫様とも相談して帰る方法探して上げるから。 ………………………………。さっきから私ばっかり喋りっぱなしじゃない。 せめて『はい』とか『いいえ』って答えなさいよ。相槌でもいいから。 とにかく黙ったままっていうのが一番困るの、何も解らないでしょ?」 次第にルイズの口調に苛立ちが混じってくる。 相手は無口な承太郎だが、ここまで無視された事は一度も無かった。 ルイズが口を止めても承太郎は一向に喋ろうとせず、沈黙の時間が長引くにつれイライラが増大していく。 何も答えない承太郎の相手をするのが馬鹿らしく思えてきて、頭がグツグツと煮えたぎり始めたところでシエスタが料理を運んできた。 「お待ちどうさまです、今日はパンがおいしく焼けましたよ」 焼き立てフワフワのパンに、鶏肉と野菜のスープとオムレツ、サラダとワイン。 「ありがとよ」 お礼を言い、承太郎はさっそく焼き立てのパンにかじりつく。 プッツン。ルイズの中で何かがキレた。 「私を無視してメイドには反応するってどういう了見!?」 ルイズもパンを掴むと、杖のようにして承太郎に突きつけた。 構わずパンを咀嚼する承太郎と、いきなりルイズがキレて困惑しているシエスタ。 「せっかく! せっかく人が心配して上げてんのに何なのその態度! もう完ッ全に頭にキたんだからッ、ご主人様としてあんたに礼儀ってものを――」 「やかましいッ! 俺はてめーみたいなうるせえ女が一番ムカつくんだ!」 テーブルが真っ二つに割れんばかりの勢いで拳を叩きつけた承太郎は、勢いよく立ち上がりながら腹の底からの怒声を張り上げた。 あまりのド迫力にルイズだけでなく店中が静まり返り、天幕の隙間から入り込む冬の冷たい風の温度がさらに下がったような錯覚まで落ちる。 「なな……何いきなりキレてんのよ。わ、訳解んない」 「ケッ……飯が不味くなっちまった。俺は帰るぜ」 降臨祭九日目。ルイズと承太郎は今までにない最低な喧嘩をした。 承太郎は仗助の天幕に泊まり、ルイズは宿で一人の夜をすごす。 そして翌日、事は終焉へと向かって動き出す。
https://w.atwiki.jp/konashin/pages/2310.html
751 シンは巨乳派(なんだっけ?) こなた「と、いうことだけど実際どうなの?」 シン「根も葉もない嘘さ。確かに“おっぱいは正義”だが、女性の魅力はそれだけじゃ語れないだろ」 こなた「本当? シン「本当だ。だから、空の鍋とおたまを持ってくるのは止めろ」 こなた「はいは~い。じゃあシン先生。私の質問に答えて下さい」 シン「どうぞ、こなた君」こなた「次に上げる二人の内、好きなキャラを答えてください。そうすれば、鍋はしまいます」 シン「いいだろう」 こなた「マクロスFのシェリルとランカ」 シン「シェリル」即答 こなた「コードギアスのカレンと会長」 シン「う~~ん……ギリ会長」 こなた「クラナドの風子とことみ」 シン「ことみ」即答 こなた「OOの姫とくぎゅ」 シン「くぎゅ」即答 こなた「“私とゼロの使い魔のルイズ”」 シン「どんぐりの身長」即答 こなた「“ルイズとシエスタ”」 シン「シエスタ」即答 こなた「“私とシエスタ”」 シン「シ……」 こなた「……」 シン「こ、こなたに決まってるジャマイカ」 こなた「お前、とりあえずそこで正座して針千本飲め」 前 戻る 次
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6248.html
前ページ次ページデジモンサーヴァント 第二節「アイ・アム・ナッシングネス」 夜が明け、ルイズの部屋にも朝日が差し込む。 学院内の探検を終え、室内で静かにしていたアルファモンが眺める中、ルイズは目を覚ました。 アルファモンを召喚したことで機嫌がいいのか、なんとも爽やかに目覚めた。 「おはよー、アルファモン」 「おはよう、ルイズ。意外と早起きだな」 「そう?」 ルイズの場合、早起きが習慣になっているだけだが、それがアルファモンには若干新鮮に見えた。 そして、アルファモンは何故か本棚に目をやり、次に何か言いたげな目でルイズを見る。 それを察したのか、ルイズはこう言った。 「本を読みたいの?」 「駄目か?」 「イイに決まってるじゃない! どれにするの?」 ルイズは本棚から数冊取り出し、アルファモンに手渡す。 本の表紙に書かれた文字の意味を理解した瞬間、アルファモンは違和感を覚える。 「変だな……。初めて見る字なのに、読めるぞ」 「……あっ!」 ルイズも異変に気付く。 ハルケギニアとは違う世界から来た存在が、何故今日になってこの世界の字が読めるのかを。 しかし、すぐ原因にも気付く。 何のことはない、コントラクション・サーヴァントでルーンが刻まれた場合、使い魔は特殊な能力を得るケースがある。 アルファモンの場合、元々喋れるので、知能面が大幅に強化されたのだ。 もっとも、アルファモンが得た恩恵はそれだけではないが。 「ルーンが刻まれた場合、何かしら特殊な能力がつく場合があるの。人の言葉が喋れたり、異常に頭が良くなったり」 「俺の場合、後者か……」 制服に着替え(その間アルファモンは後ろを向き、目を閉じていた)、残りの身支度も終えたルイズはアルファモンを連れて部屋を出る。 アルファモンの手には、ルイズから渡された数冊の本があった。 最初は機嫌が良かったルイズだが、同時に外を出たある同級生の姿を見て、一気に機嫌が悪くなる。 「あらルイズ」 「何であんたも早起きしてんのよ」 「いいじゃない、別に」 キュルケの顔を見た際のルイズの表情を見て、アルファモンはルイズは彼女のことが嫌いなのだと判断する。 もっとも、キュルケの方は、単純にからかっているだけに過ぎず、アルファモンもそれに気がついたが。 そうこう言い合う内にキュルケはアルファモンの方に視線を移した。 「貴方が使い魔ね。いつもそんな鎧着けてて、疲れない?」 「言っておくが、俺は元々こんな姿だ」 「……冗談でしょ?」 そういうキュルケに、アルファモンは額に刻まれた純白のルーンを指差し、ダメ出しした。 「よく見ろ、鎧越しにルーンが刻まれるか?」 この一言にキュルケは微妙に納得する。。 「それも……そうね。それじゃ、今から私の使い魔を紹介するわ。フレイム!」 キュルケのこの一声で、彼女の側に虎ほどの大きさのトカゲが出てきた。 よく見ると、尾の先端に火が灯っているように見える。 アルファモンはそれを不思議そうに見ていた。 「この子はフレイム。火山山脈出のサラマンダーよ」 得意げに語るキュルケ。 しかし、ルイズの反応は薄かった。 「そう。行くわよ、アルファモン」 「ああ」 二人はそのまま女子寮を出て行った。 ルイズの反応の薄さに面くらい、思わず呆気にとられるキュルケ。 「……反応が薄いわね。からかいがいがないじゃない。ね、フレイム」 アルヴィーズの食堂。 そこにはアルファモンの姿はない。 入った直後に、アルファモンの分の食事を頼むことを忘れたことに気付いたルイズが、ばつが悪そうに厨房の方に行く様に言ったからである。 厨房。 そこには、賄いにありついているアルファモンの姿があった。 シエスタはおろか、マルトーを始めとする厨房の人間たちも興味深そうにアルファモンを見ている。 最初、元々甲冑をまとったかのような姿であると聞いた際、シエスタ以外は耳を疑った。 しかし、額に刻まれた純白のルーンと、賄いのシチューを黙々と口に運ぶ光景を見て、納得させられたのである。 「俺みたいなのは、珍しいのか?」 視線が気になったアルファモンが口を開く。 その一言に、シエスタ以外は思わずはっとなる。 そしてシエスタがそれを肯定した。 「多分そうだと思いますよ」 「それも……そうか」 このときアルファモンは気付かなかったが、シエスタの手の皮膚は、人間とは思えない形状と色合いをしていた。 教室。 この日の授業の担当であるシュヴルーズには年に一度の楽しみがある。 それは、新2年生たちが召喚した使い魔を見ること。 今年はどのような使い魔たちが召喚されたのかを想像する楽しみもある。 教室に入り、挨拶をして、教室の奥の方にいる使い魔たちに目を通す。 真っ黒な甲冑姿で本を読んでいるアルファモンの姿に目が行く 「ミス・ヴァリエール、これはまた珍しいのを召喚しましたね」 その言葉に笑う者もいれば、得体の知れない者への警戒を抱く者いる。 もっとも、後者は少数であったが。 クラスメートの一人が、はやし立てる。 「ゼロのルイズ! いくら成功しなかったからって、実家から連れてきた従者に鎧を……」 その言葉は、アルファモンから放たれる殺気と、怒りが篭った視線に遮られ、敢え無く途切れる。 これ幸いとばかりに、ルイズは切り返した。 「うるさいわね。目が見えてるの? 風邪っぴき。額のところにちゃんとルーンが刻まれているでしょ!」 この一言で、はやし立てようとした生徒、マリコルヌは黙る。 それから、何事も無く授業は進んでいったが、シュヴルーズの何気ない一言で、生徒たちは凍りつく。 「ミス・ヴァリエール、貴方にやってもらいましょう」 錬金の実演に、ルイズを指名したのだ。 シュヴルーズは発言を撤回する気はなく、止める様に言い出した同級生たちの発言にキレたルイズもやる気満々になる。 それを見ていたキュルケたちは、一斉に机の下に避難する。 何事かと気になったアルファモンはキュルケに話しかけた。 「一体何がおきるんだ?」 「見てれば分かるわよ」 その一言で、何か良くないことが起きると判断したアルファモンは、ルイズに呼びかける。 それと同時に駆け出す。 「ルイズ! 呪文を唱えちゃダメだ!」 しかし、時すでに遅く、ルイズの「錬金」の一言が響く。 そして真鍮の塊が光りだすのと同時に、アルファモンは右手でそれを握り締めた。 直後、真鍮の塊が爆発し、爆発の衝撃でアルファモンは吹き飛ばされる。 「……!」 かろうじて気絶は免れたものの、右手があるのに、それが有るという感覚が無い。 動かそうにも、右手の指は微動だにしなかった。 爆発の衝撃で一時的に麻痺したのである。 アルファモンがルイズに感じた違和感の正体。 それは、「魔法が使えない」ことであった。 驚いたシュヴルーズの判断により、授業は中止となり、生徒たちは教室を出て行く。 そのうちの何人かは口々にルイズを罵倒しながら出て行った。 ルイズとアルファモンだけが残された教室。 ルイズは申し訳なさそうに、アルファモンの右手を自分の両手で包む。 またもや失敗し、しかも今度はアルファモンがそれで傷ついた。 ルイズは完全に自棄になる。 「分かったでしょ、あいつらが何で私のことを「ゼロ」って呼んでいたのか……。何度やっても爆発しか起こせない出来損ない……。笑いなさいよ、馬鹿にしなさいよ、アンタも!!」 泣きながら怒鳴り散らすルイズ。 眼前のアルファモンが寂しそうな目をしたのと同時に、右頬に衝撃が走り、視線が強制的に逸れた。 直後に、アルファモンが自分に平手打ちしたことを悟る。 「君は出来損ないじゃ無い。俺と契約した時、爆発は起きなかった。君が自棄になったら、使い魔である俺はどうすればいいんだ!?」 「アルファモン……。貴方は、どうしてそんなに優しいの?」 「俺は、最初からこんな姿ではなかった。かつて『ドルモン』という、君より小さい毛玉だった頃、俺も一人ぼっちだった」 ルイズに、淡々と過去を語るアルファモン。 X抗体を持つが故に迫害され、共に戦う仲間たちから疑われ、それでも絶望せずにイグドラシルに挑んだ過去。 己の影、デクスモンを敢えて相討ちとなることで倒し、自分の力とイグドラシル打倒をオメガモンに託したことを。 「ドルモンに戻った俺はトコモンたちと再会し、今度は歓迎された。だが……それから月日が流れたある日、俺はいつの間にかこの姿でリアルワールドにいた。後は、昨日話したとおりだ」 「アルファモン……」 「ルイズ、君はもう一人じゃない。俺がいる」 その言葉に、思わず涙目になるルイズだが、すぐに拭って立ち上がる。 そして、顔を赤くしながらこう言った。 「あ、当たり前でしょ! 使い魔と主人は一心同体なんだから!」 「それでいい……」 ルイズは少しくらい意地っ張りの方がいい。 アルファモンはそう思った。 ルイズから借りた本を回収し、まだ麻痺している右手でルイズの頭を撫でる。 「右手、動くようになったの?」 「まだ、だな。しばらくすれば動くようになるさ」 教室を出て、とりあえず昼食の時間まで中庭で過ごそうと考えたルイズは、アルファモンを連れて廊下を歩いていた。 と、そこにたまたまシエスタが通りかかる。 「シエスタ」 「こんにちわ、ミス・ヴァリエール、アルファモンさん」 シエスタに気さくに挨拶するアルファモン。 シエスタとは馴染みであるルイズは、ある事をシエスタに頼む。 「シエスタ、ちょっと頼んでいい?」 「何でしょうか?」 魔法の失敗による爆発での負傷で、アルファモンの右手の指が一時的に動かないため、彼の昼食は片手で済ませられる物にして欲しいとのことであった。 「それなら任せてください。サンドイッチは得意ですから」 昼飯時の厨房。 アルファモンのためにと、シエスタが腕によりをかけて作ったサンドイッチが並んでいた。 慣れない左手でそれを食べ始めるアルファモン。 アルファモンはしばらくしてから、シエスタがこの場にいないことに気付く。 「……シエスタは?」 「アイツなら、デザート配りに食堂に行ったぜ」 「そうか」 サンドイッチの美味さに、和みながら食べ続けるアルファモン。 しばらくして平らげた直後、急に廊下の方が騒がしくなった。 何事かとマルトーたちが思い始めた直後、いきなりドアが乱暴に開かれる。 ドアが開かれた先には、青ざめたシエスタがいた。 「ア、アルファモンさん、た、大変です……、ミス・ヴァ、ヴァリエールが……」 「どうしたんだ!?」 「殺されちゃう……。ミス・ヴァリエールが殺されちゃう!」 その頃、学院長室。 今朝、リリスモン経由でオスマンから、アルファモンのルーンを調べて欲しいと頼まれたコルベールが報告していた。 「純白だったので思い出すのに意外と時間がかかりましたが、彼のルーンは『神の本』のそれと全く同じでした」 「うぬぅ……。やはり『虚無の使い魔』であったか」 二人のやり取りを見ていたリリスモンは、気紛れで遠見の鏡を発動させる。 そこには、大変な光景が写っていた。 「オスマン、コルベール。彼奴の飼い主と、グラモンのバカ息子が決闘をするようだぞ」 「何じゃと!?」 「何と!?」 観衆に囲まれ、ルイズとギーシュ・ド・グラモンが対峙している光景が映し出されたいた。 次回、「デジタライジング」まで、サヨウナラ…… 前ページ次ページデジモンサーヴァント
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8156.html
前ページ次ページ機械仕掛けの使い魔 機械仕掛けの使い魔 第6話 翌日。目を覚ましたクロは、ベッドを見やった。ルイズ、キュルケ、タバサ、シエスタが眠っているのだが、ダブルサイズのベッドに4人も横になっている為、 手や足が互いに乗っかり合い、さながら壁や地面に張り付くツタのような様相を呈していた。と言うか、この状況でよく誰1人落ちないものだ。妙に感心するクロであった。 太陽の昇り具合でおおよその時間を把握したクロは、一般的な学生の1日のスケジュールと照らし合わせてみた。 始業時間から逆算すると、そろそろ朝食を摂らないと間に合わない計算になる。 「どうすっかねー…、なぁ、フレイムちゃんよ」「きゅるっ?」 試しに、フレイムに聞いてみるクロ。だが当然のように、返事はない。そもそも、言葉が通じているかどうかすら怪しい。 ここで、2通りのパターンをシミュレートしてみよう。 1:ルイズたちを起こした場合 ギリギリで始業時間に間に合い、つつがない1日が経過する。何ら問題なく、クロにとってもデメリットらしいデメリットはない。 2:無視を決め込んだ場合 自力で起床した時間によっては、朝食を摂れないどころか、授業にすら遅刻する可能性が高い。となれば、使い魔たる自身に、何かしらの危険が及ぶ事もあり得る。 「しゃーねーな…。おいコラ、起きろオメーら!」 面倒はゴメンだと、クロはルイズたちを起こしにかかった。しかしベッド脇に移動して声を荒らげても、誰一人起きようとしない。 何やら幸せそうな顔で、惰眠を貪っている。 「遅刻すっぞ! さっさと起きやがれ!」 さらに声を大きくする。しかし、誰も目を覚まさない。むしろ、寝言が返ってきた。 「いい加減に…」 クロの頭に、青筋が浮かび上がった。歯を結び、ギリギリと音を立てながら、足を高く振り上げる。そして―― 「起きろっつの!!」 踵を、マットレスに叩き込んだ。かなり手加減した一撃だったが、その衝撃で4人は、そのままの姿勢で、また1メイルほど浮き上がった。 着地と同時に、慌てて起き上がり、辺りを見渡す4人。そんな彼女たちに、クロは怒りを隠さない表情で詰め寄り、窓の外を指さした。 「今、何時だオイ? 起こしてやってんだから、一発で起きやがれッ!」 「だからって、今のは何よッ!? もっと優しく起こしなさいバカ猫!」 「それで起きなかったのはどこのどいつらだ、あン!?」 クロは何1つ嘘をついていない。1度目と2度目のトライでは、彼には珍しく一切手を出していないのだ。 2度目までに起きなかったルイズたちに非があると言ってもいいだろう。 「とにかく! オメーら、これからやる事あんじゃねーのか?」 「やる事…あっ!」 ここに至り、ようやくルイズたちは理解した。ルイズ、キュルケ、タバサはこれから学生としての1日が、シエスタはメイドとしての1日が始まるのだ。 と言うか、シエスタはもはや遅刻確定である。 「朝ごはん朝ごはん! 早く行かないと午前の授業が始まっちゃう!」 「その前に制服よ制服! シワだらけじゃないの!」 「朝ごはん、大事…」 「アイナにまたイタズラされちゃいます…」 にわかに、蜂の巣をつついたような騒ぎとなったルイズ私室。呆れた目で見つめるクロであったが、 その騒々しさに辟易し、誰にも気づかれる事なく、部屋を出ていったのだった。 + + + + + + 部屋を出たクロは、そのまま寮塔を後にし、中庭へ足を踏み入れた。中庭には昨日も来ていたのだが、 その時は洗濯の出来る水場を探しており、しかも割と速攻で見つけたので、ほとんど見て回ることが出来なかったのだ。 「どっか、日当たりのいい場所はないかねー、っと」 目下、目的はただ一つ。フジ井家の縁側に匹敵する昼寝スポットの探索である。日当たりのいいフジ井家の縁側は、クロのお気に入りの場所だった。 今後、いつ帰れるか解らないこの世界で、昼寝に最適な場所を探すのは、彼にとっては当然といえば当然である。 反時計回りに、中庭を歩いてみる。前述のように、トリステイン魔法学院の中庭は広い。 その中央にそびえ立つ本塔を見上げながら、クロはその広さに舌を巻いていた。 「おいおい、学校ってレベルの広さじゃねーだろ、コレは…」 敷地の広さで言えば、大学と遜色ないように感じられる。もっとも、クロは大学など入った事がない為、あくまでもテレビドラマやCMで得た程度の知識ではあったが。 「ファンタジーだねー…いやはや」 何やら妙に感心しているクロだった。 2つ目の塔を過ぎた辺り。そこで、クロの身体に異変が起こった。 プスンっ キュルルルルルル… クロの身体から、妙に軽い音が鳴った。徐々に小さくなっていくその音と共に、力なくその場に倒れるクロ。 (しまった…燃料切れか…!) 内心で、クロは大きく舌打ちした。召喚される直前、朝食から例の爆発までは数時間が経過していた。 しかもこちらの世界に喚び出されてから、口にしたものといえば紅茶だけ。 サイボーグと言っても、クロのエネルギー源として最も効率が良い物は、ジェット燃料やガソリンなど、大型の機械を動作させる為の燃料類だ。 他にも剛の改良によって、通常の食物でも、効率は落ちるが、それなりに量を摂れば十分なエネルギーを確保できるようになっている。 他作品のサイボーグのように、核エンジンや永久機関など、都合の良い代物は搭載されていないのだった。 クロはほぼ24時間、ろくにエネルギーの補給を行っていなかったのだ。ガス欠になるのも無理はない。 残り僅かな燃料を消費しながら、必死に本塔を目指すクロ。倒れた位置からでも、本塔からは生徒や教師たちの喧騒が聞こえる。 あそこまで行けば、燃料は絶望的でも、何かしらの食物はもらえるかもしれない。震える身体で匍匐前進しながら、クロはほんの少しの希望に賭けた。 + + + + + + 場所は変わって、ここは風の塔と水の塔の中間に位置する使用人宿舎。2階の自室で、シエスタはアイナからのセクハラを受けていた。 「ちょっと、アイナ! やめてってば…んっ!」 「なーに言ってるのよサボり魔っ! 昨日も今日も仕事ほっぽらかして、どこ行ってたの?」 後ろからアイナが、シエスタの乳房を揉みしだいていた。女性同士だから許される行為ではあるが、どことなく背徳的な雰囲気も見え隠れする。 と言うか、なぜアイナは敵意を剥き出しにしているのか。それほど大きな胸が憎いのか。 「だからっ、昨日はミス・ヴァリエールのお部屋で…!」 「ミス・ヴァリエールの部屋で何してたの? 昨日の黒猫がらみ?」 詰問する間にも、指を休めないアイナ。むしろ、さっきより揉む力が強くなっているように見える。 それほど妬ましいのか、巨乳が。 「それは…って、あれは…」 アイナの手から逃げ出そうと身を捩っていたシエスタは、ふと窓の外の一点に視線が釘付けになった。 慌てて全力でアイナの拘束から逃れ、窓に張り付く。ただならぬ様子に、アイナも倣って窓の外を見やった。 「…クロちゃん!?」「クロちゃん?」 火の塔、風の塔、本塔に囲まれたヴェストリの広場。シエスタは目を凝らし、風の塔付近でもぞもぞと動くクロを見つけた。 昨日までの、軽々とダブルベッドを持ち上げていた時とは、遠目で見ても明らかに様子が違う。 「ッ!!」 クロの様子を認識したシエスタの行動は早かった。矢のように部屋を、使用人宿舎を飛び出し、脇目もふらずにクロのもとに走り寄り、その身体を抱き上げた。 手足はダランと垂れ下がり、耳も寝てしまっている。 「クロちゃんっ、どうしたんですか!?」 ほとんど閉じかけているクロの目を覗き込み、シエスタは大声で呼びかけた。 「ね、燃料が…切れ、た…」 「ねんりょう…ですか?」 燃料と言われても、シエスタには何のことか解らなかった。それに、切れた、という表現にも首を傾げる。 恐らく、機械仕掛けの身体という点に関係しているのだろうが、何せ未だかつて、機械仕掛けの猫など、見たことも聞いたこともないシエスタだ。 クロの身体に何が起きているのか、想像もつかない。 「何か…食い物…食わせてくれ…」 「食べ物ですね? 解りました!」 「あと…油があるなら、一緒に頼む…」 「料理用の油ならいくらでもあります、とにかく、厨房へ!」 クロを抱え、シエスタは全速力で厨房へ向かった。 余談だが、それから十数秒経って現場へ到着したアイナは、またも置いてけぼりを食らったのだった。 + + + + + + 厨房へ飛び込んだシエスタは、突然の登場に驚くコック長たちを尻目に、手近な椅子にクロを座らせると、大急ぎで余った賄い料理をかき集めた。 そして、適当な皿にそれらを盛り付け、ボトルからコップに注いだ料理用油と共に、机の上に並べた。 ざっと数えても10枚以上ある皿の上に、こんもりと料理が盛られている。 コック長たちは、シエスタの奇怪な行動に、ただただ呆然とするばかりだった。 「お、おいシエスタ、どうしたってんだ…?」 「さぁクロちゃん、どんどん食べて下さい!」 想像してみて欲しい。 突然、自分の目の前に並べられる満漢全席一式を。本来ならば何日もかけて堪能する料理を、今すぐ完食しろと言わんばかりに並べられる光景を。 常人ならば、まずその時点で食欲を失うだろう。 だが、クロは違った。戦闘サイボーグとして生まれ変わったクロは、その桁外れのパワーを維持する為に、膨大なエネルギーを必要とする。 剛によって食物でもエネルギーを摂取できるよう改良を施されたが、エネルギー源としてはジェット燃料などに劣る、 その為、食物に頼る場合は、人間よりも遥かに大量に、カロリー価の高い物を食べなければならない。 今のクロには知る由もないが、目の前に並べられた料理は、生徒たちの朝食を作る際に出た、余り物の食材を調理した物である。 高価な部位のみを切り取られた食材で作られた賄い料理は、その条件を完全に満たしていた。加えて、コップに注がれた料理用油。完璧である。 クロは律儀に手を合わせると、あっという間に全ての料理を平らげてしまった。 「助かったぜ、シエスタ。あと少しで動けなくなるとこだったぜ」 出された食事を残さず頂いたクロは、かれこれ5杯目になる料理用油を傾けていた。 その周りでコックたちは、平気な顔をして料理用油を飲み、しかも喋るクロに、ひたすら唖然としていた。 「し、シエスタ…? この黒猫ちゃんは何なの…?」 食事の途中で追いついたアイナが、プルプルと震えながらクロを指さす。コックたちも、息を呑んでシエスタの答えを待った。 「この子はミス・ヴァリエールの使い魔さん、クロちゃんです。見た目はどこにでもいそうな黒猫さんですけど、喋ったり出来るんですよ」 まるで自分の事のように、自慢げに話すシエスタ。当のクロは、相変わらずちびちびと料理用油をあおっている。 どうやら、これ以上の身の上話は面倒なようだ。昨日の夕方と夜、2回も同じような事を話している為、無理もないが。 「ごっそさん!」 コップを空にしたクロは、勢い良く椅子から飛び降りた。力強く床を踏みしめ、耳もピンと張り詰めている。 「お粗末様でした。またお腹が減ったら、いつでも来て下さいね」 「おぅ、そん時は厄介になるぜ」 強気な笑顔で手を振り、厨房を後にしようとするクロ。その背中に、コックの1人が声をかけた。 「なぁクロちゃんよ、おめぇのご主人…ミス・ヴァリエールだっけか。その嬢ちゃんは、飯も用意してくれねぇのか?」 コックたちの中でも、一際体格がよく、立派な髭をたくわえた男だ。どこか不満げな顔をしている。 「貴族ってのはやっぱりひでぇ連中だぜ。自分の使い魔にも飯食わせてやらねぇなんてよ」 「あ、あの、マルトーさん。今回はそういうワケでは…」 シエスタが控えめに意見しようとしたが、クロが遮った。 「今回はちょいとワケありなんだよ。別にルイズのヤツが悪いわけじゃねー」 苦笑しながら、ルイズのフォローを入れるクロ。そんなクロに、マルトーは豪快な笑顔を見せた。 「ガハハ、おめぇも悪いヤツじゃねぇみたいだな! 昨日の今日だってのに、貴族様を庇えるなんてよぉ!」 「そんなんじゃねーよ。オイラにも原因はあるみてーだからな…」 「アレはショックでしたもの…」 昨日の一件を思い出したのか、シエスタの顔がやや青ざめた。 その場に立ちあっていないマルトーは、そんなシエスタを不思議に思いながらも、クロに親指を立てて見せた。 「まぁいい。とにかくクロちゃん。シエスタの言った通り、腹が減った時はいつでもここに来な。飯なんていくらでも食わせてやるよ!」 「おぅ、ありがとな、おっちゃん」 クロも親指を立て返し、そのまま厨房を出て行った。 「さて、シエスタぁ…?」 「へ? あ、アイナ…?」 背後に立つアイナの気配を感じたシエスタは、背中を汗が伝う感触を味わった。 そしてアイナだけではなく、マルトーを含めた厨房スタッフ全員から質問攻めに遭うのだが、それはまた別のお話。 + + + + + + ドカァァァァァンッ 「んぁ?」 当てもなく本塔内を散策していたクロは、突如鳴り響いた爆音と、ちょっとした地震とも思える振動に足を止めた。 手近な窓から顔を出し、周囲の様子を探ってみると、学院東側に位置する塔『風の塔』の窓から、黒煙が勢い良く噴き出しているのが見えた。 「コイツは…もしかして?」 ニヤリ、とクロは笑い、階段を探して駆け出した。爆発=ただ事ではない何か。昨日は退屈な毎日が続くかと軽く絶望していたが、早速現れた火種に、彼は邪悪な笑顔を隠せなかった。 「コイツはまた…ひっでーな…」 爆音と振動の元は、石造りの教室だった。到着したクロが見たのは、机の影に隠れて暴言を飛ばしている生徒たちと、大騒ぎしている化け物の群れ。 元々は壮観な教室だったのだろうが、その面影はない。あたり一面が黒く煤け、床や机の上には瓦礫が散らばり、最奥の教壇は見るも無残に吹き飛んでいる。 そしてその教壇では、ボロボロの制服を着ている生徒――ルイズが、杖を振った姿勢のまま立ち尽くし、黒板の下では、ふくよかな体型の中年の女性が、これまたボロボロの状態で倒れていた。 「何があったんだよ、ルイズ?」 「………」 主の足元まで歩み寄り、この惨状の経緯を尋ねたクロだったが、返ってきたのは沈黙であった。 誰もいなくなった教室。ルイズとクロは、その惨憺たる有様の教室の掃除を、黙々と進めていた。ルイズは箒で瓦礫を集め、クロは雑巾で煤けた壁や机を磨いている。 「…何でよ」「ぁん?」 ルイズの声にクロが振り向くと、彼女は手を止め、俯いていた。2人の距離は2メイルほどだが、クロにはルイズの肩が震えているのが、ハッキリと見て取れた。 「何で…何も聞かないのよ…!」 「さっき聞いたじゃねーか、何があったんだよ、って」 「違うわ! 何でそれ以上、聞こうとしないのよッ!?」 ルイズは涙声だった。足元に、水が滴っている。それは、彼女の涙だった。 「教室がこんなになって…明らかに私がやったって解ってるはずなのに…。どうしてアンタは、そんなに黙ってるのよ!」 クロは、ルイズの涙の意味を理解した。この少女は、きっと怖かったのだろう。 何かしらの理由で教室で爆発を起こし、生徒たちから罵詈雑言を浴びせられ、その上、自分の使い魔に理由を話して笑われるのが。 惨めな姿を、己の使い魔に晒すのが。 「うぅ、ひっく…アンタも、きっと笑うでしょ…? わ、私が、何で『ゼロのルイズ』って呼ばれてるのか、知ったら…」 しゃくり上げるルイズ。そこにいるのは、今までの高圧的な態度の貴族ではなく、年相応の、繊細な、か弱い少女だった。 「そいつは、話さなきゃいけねぇ事なのか?」 クロも机を磨く手を止め、体ごとルイズと向き合った。その目は、今までの斜に構えたような物ではなく、真剣そのものだった。 「話して、オメーは楽になるのか? それとも、オイラでも何とか出来る事なのか?」 ルイズは無言だ。いつの間にか箒を取り落とし、目元を何度も擦っている。 「話したくねぇんなら、オイラも無理に聞かねぇよ。泣くほど怖かったんだろ? だったら無理すんな」 クロの瞳が、ルイズの瞳を見据える。そこに冗談は一欠片もない。その、不器用な優しさを湛えた瞳を信じ、ルイズはポツリポツリと語り始めた。 名門の出なのに、これまで一度も魔法が成功した試しがない事。魔法を成功させる為に、他の生徒の何倍も勉強し、努力を重ねた事。なのに、その努力が一切実を結ばなかった事。 クラスメイトたちの視線が冷たくなり、いつしか魔法成功率0%、『ゼロのルイズ』と呼ばれるようになり、クラスでも孤立するようになった事…。 全てを語ったルイズは、溢れ出る涙を止めようともしなかった。その場に座り込み、ただただ嗚咽している。 クロはため息を1つ吐くと、ルイズに語りかけた。 「オイラは何で、オメーに喚び出されたんだろうな?」 「何でって…それは…私がサモン・サーヴァントで…」 「そうじゃねぇ、理由だ」「理由…?」 クロは記憶を探り、1人の少年を思い浮かべていた。ルイズのように行き詰まり、壁の前に立ち竦み、ついには暴走してしまった少年を。 似ている、と思った。行き詰まって、どうしようもなくなって、心の底で悲鳴をあげていたルイズを、少年と重ね合わせていた。 そして、クロなりに理解した。自分がなぜ、この世界に召喚されたのかを。 「困ってたんだろ?」 ルイズがハッとする。クロの目は、機械のそれとは思えないほどに澄み渡り、弱々しい姿の自身を映していた。 「誰よりも頑張って、頑張って、それでもどうしようもなくて、道を見失って、ホントのホントに困ってたんだろ?」 ルイズは頷いた。なぜかは解らなかったが、今この瞬間、ルイズはクロに、心の底から素直に、本心を打ち明けていた。 「だから、オイラが喚び出された。オメーがホントに困ってたからだ」 「私が困ってた…。それだけの理由で…?」 「十分過ぎる理由だぜ? オイラを召喚するにはよ。オメーの魔法がどうのなんて、10年後に判断しても遅くはねぇだろ?」 ただ暴れたいが為に使い魔の契約を結んだ。だが、もう1つ理由があった。それは―― 「オメーは今まで、1人で目一杯頑張った。ここから先は、オイラも一緒だ。道なんていくらでもこじ開けてやらァ」 右手を差し出すクロ。それは、クロがルイズを認めた証。本当の意味での、使い魔の契約。 「助けて…くれるの…?」 虚ろな瞳で、差し出された右手を見つめながら問う。クロはその問いに、力強い頷きをもって返した。 「ありがとう…!」 右の袖でぐいっと目元を拭う。もう涙は流れない。代わりに鳶色の瞳に宿るのは、強い意志の光。 交わされる握手。ここにルイズとクロの、真の契約が成立した。 「一緒に感動のフィナーレ、見てやろうぜ!」 前ページ次ページ機械仕掛けの使い魔