約 1,871,330 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/328.html
前ページ次ページドラゴンクエスト外伝―ゼロの家庭教師― 「おや? どうやら再開の鐘が鳴ったなったようですねぇ。随分長いこと休んでいた気分ですが…ま、気にしないでいきましょう!」 昼休みの終わりと、授業の開始を告げる鐘が学院に鳴り響き、アバンはそれまでの長話を切り上げて大きく体を伸ばした。 この数刻ほどの間、教えたがりの説教くさい聞き上手と、素直で好奇心に満ちたおしゃべり好きの会話は、弥が上にも盛り上がりを見せていたが、少しばかり熱中し過ぎたようだ。 「おじさま、もう時間なの…?」 それまでとはうってかわってシルフィードは落胆の色を隠さなかったが、 「続きはまたの機会としておきましょう。その時はもっと面白い話を用意しておきますから」 との言葉に再び瞳を輝かせた。 「おじさま、きっとよ! 待ってるのだわ!!」 シルフィードの言葉に送られて広場を去るアバン。 振り返って振ろうとした手が羽に変わっていることを思い出し、思わず苦笑して姿を改めた。 「ついつい時間を忘れてしまっていたようです。急いで戻りましょうか…ルーラ!」 次の瞬間、アバンの身は光弾となって空を切り裂いていた。 急いで学院に戻ったアバンではあったが、どうやら既に授業は開始してしまったようだった。 生徒でもない自分が「遅れてすいません」と入っていくのも妙な具合であり、同時に次の授業の担当が、こらまた実に陰険そうな感じのする教師でもある。 自分はともかく、ルイズまで嫌みったらしく当てこすられたりしたら堪らない… アバンはあらためて次の授業まで待つことにした。 (大型のものなど、使い魔が必ずしも同席する必要はないようですしねぇ) これならばもう少しシルフィードと話しを続けてあげるべきであったか、とも考えたが、今更いっても仕方が無いので食堂裏の厨房に顔を出すことにした。 ――やぁやぁ皆さん、コンニチハ~ と、いつものように明るく乗り込もうしたアバンであったが、この世の終わりが来たかのように暗く沈んだ厨房の雰囲気に言葉を呑んだ。 そこには普段の活気に満ちた姿は無く、酷く閑散とした光景があった。 入って直ぐにこちらに気付いたコック長のマルトーは、神妙な面持ちでアバンの顔をしばし眺めると、部屋の奥で俯いたままのシエスタの方に視線を促し、自身は他の者を連れて席を外した。 「……どうかしましたか?」 「! アバン様!?」 ハッと顔を上げたシエスタの、その赤い目が事態の深刻さを物語っていた。 「その…なんでもないんです!!! なんでも…」 勢い立ち上がろうとするシエスタの両肩に手を置き、静かに、そして優しく座るように促すと、片膝をついてシエスタを正面から見つめ、ゆっくりと穏やかに語りかけた。 「シエスタ、シエスタ…いいんですよ。どんなことだっていいんです。どんな些細なことでも、どんな深刻な難題だろうと、話してみてください。そして一緒に悩んで、一緒に考えましょう。一人で抱え込む必要はありません。どうにも頼りない私ではありますが、貴方のために惜しむ力はありません」 「アバン…さま…………」 初めは尚も言葉を続けようとしたが、途中からは言葉にならず、終には堪えきれずに涙が溢れたシエスタをアバンがそっと抱き寄せると、彼女は最早嗚咽を止めることはできなかった。 「…それで、その後もそのシエスタとかいうメイドの話に付き合ったがために、次の授業にも間に合わず、主人である私に何の連絡もしないまま、今の今まで外をほっつき歩いていた、と。こういうこと?」 「流石はルイズ、パーフェクトな回答です。いや~私も実に鼻が高いですよ!」 カンラカンラと大笑するアバンに、机をどんっ! と叩いたルイズ。 「あんたね~、絶っ対にわたしをおちょくってるでしょ!」 「いやいや、きっと心配してるだろうな~とは思ってましたとも」 「だだだ誰があんたの心配なんか、ああああんたのそういうことがね~!」 ――まずい、言葉が震えてきたのは噴火の兆候だ。 アバンはさっと居住まいを正した。 「オッホン…失礼。勿論ルイズが怒るのも判りますよ。最初に時間をすっぽかしたのは私ですからね、それについては申し訳ない」 この通り、と頭を下げるアバン。 「むむ…」 急に下手に出られたために、怒りをかわされ少し言葉に詰まったルイズ。 「でも見過ごしては置けなかった状況だった、というのもわかって貰えるでしょう? どうやら件のモット伯は、王宮からの勅命ということで度々この学院を訪れていて、目に付いた平民の娘を強引に召し上げて自分の召使としてるらしいのですよ」 「別にそれは…」 「しかも! その目的は美しい娘を手篭めにするためだというのですよ!! こんなことが見過ごされていいのでしょうか!!? 否、断じて否です!!!」 今度は一転、拳をグッと握り締めバックの炎を背負いながら熱弁を振るうアバン。 この辺りから、ルイズは段々嫌な予感を覚え始めていた。 確か以前もこんな流れでやり込められて… 「私はねルイズ、力はあるだけじゃ何の意味もないと思いますよ。人のために使ってこそ初めて意味があるのだと…」 突然の話題転換である。 「…それで?」 「思えばこの世界の魔法の力は実に素晴らしい。ありとあらゆる事が可能です。この世界でメイジが貴族として崇めたてられるのも、ある意味尤もなことで、これだけの力の持ち主には、人々の幸福を担う責任と義務があるでしょう」 「…そうね」 「そうであるなら、貴族とは人々のためにその異能を発揮し導いてこそ尊いのであって、いたずらに特権を振りかざし、人を不幸にするようなものが名誉ある貴族と言えるでしょうか? 今回のようなことは完全に…」 「~~~ッもう!」 ダン! と再び机を叩いたルイズ。 「アンタの長口上は聞き飽きたわ!! 話しは簡潔に纏めなさいよ簡潔に!!!」 「一緒に悪い貴族を成敗して彼女を助けましょう」 本当に簡潔に纏めたアバン。 (薄々判ってはいたけど、ホントに一言にまとめちゃったわね…) 言いたいことはルイズにも良く判る、モット伯は確かに嫌な男だ。 アバンの主張には同意できる、シエスタの境遇には同情もできる、けれど… 「そんなことできるわけないじゃない…あなた伯爵家の当主を手にかけて無事で済むと思ってるの?」 どうにかしてやりたくても、無理なものは無理なのだ。 そう主張するルイズに対し、 「手にかける? 物騒なことを言わないで下さいよルイズ。バレたらことじゃあないですか」 他人の苦悩を知ってか知らずでか、あっさりと否定するアバン。 「? …じゃあどうやって助けるっていうのよ?」 金かなにかで取引でも持ちかける心算だろうか、と訝しむルイズだが 「ここは盗んでしまいましょう。何からなにまで全てです」 返って来たのはとても教育者を名乗るものとも思えぬ言葉であった。 先生の長い一日は、まだ終わらない。 前ページ次ページドラゴンクエスト外伝―ゼロの家庭教師―
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/21.html
>>back >>next 結局、失神していたルイズは朝食を食べ損ねた。胃が痛んでいるのは、必ずしも朝から食べ物を口にしていないせいだけではないだろう。 (とらのやつ……なにか仕出かさなければいいけど) 時間を見つけてコルベール師のところや図書館に行き、珍しい幻獣について調べてみようと心の中でルイズは誓った。 少しでも「アザフセ」の生態が分かれば、食事についても対応できるかもしれないし、上手くすれば自在にとらを従えさせることさえできるかもしれない。 はかない望みではあるが、ルイズに出来ることといえばそれぐらいだ。 せっかくとらが人語を解するのだから、もっといろいろな話をとらに聞いてみればいいものである。 しかし、ルイズはとらの前に出ると恐怖でどもってしまうのだ。(あったとしてだが)主人の威厳を考えると、口は軽々しく開かないほうがいいだろう。 (まってなさいよ、とら! きっと、きっとアンタを使いこなせるメイジになってみせるんだから!) ルイズが教室で悲壮な誓いを立てているとき、主人の心配をよそに、金色の使い魔は学園内ををうろついていた。その目的は―― 「……ハラァ、減ったな」 ――食料の調達である。 一応、人間にあっても騒がれないように姿を消してある。「驚かさず、ぶっ飛ばさず」ルイズの命令はきちんと守っている。 (喰うな、とは言われてねえしな……金臭くねえ、手ごろな娘は……) 途中、キュルケとすれ違う。が、とらは見向きもしない。香水のにおいが漂ってきて、食べるどころではないのだ。 (あいつぁ……嫌なニオイはねえが、まだ肉がついてねえな――む?) 本を読んでいるタバサの傍らもとらは通り過ぎる。貴族の娘は、ほとんどが香水をつけていて、とらの食事にはあいそうもなかった。 と、とらの足が止まる。香水のニオイもなく、ほどよく肉のついた手ごろな娘を見つけたのだ。大きな洗濯籠を抱えて通り過ぎたメイド―― シエスタであった。 「まちな……娘」 その声が聞こえたとき、トリステイン魔法学園のメイド、シエスタはびくっと立ち止まった。どこから聞こえたのだろう? きょろきょろと見回すシエスタの前に、いきなり黄金に輝く体毛を持った、巨大な幻獣が姿を現した。 「ひ、ひいいいっ!」 「わしはるいずの使い魔よ……『とら』だ、覚えとけ、娘」 「つつつ使い魔さんですね、ヴァリエールさまの。ととととらさんですか。なな、なんの御用でしょうかかか?」 シエスタは今にも失禁しそうなほどに震えている。ムリもないだろう。人語を解する幻獣など、平民であるシエスタは見たこともあるはずがなかった。 「ハラァへっててな。娘……選びな。『てろやきばっか』をわしに喰わせるか、それとも――」 幻獣は凶悪な表情でにやりと笑った。 「オマエがエサになるか、だ……」 「ててて『てろやきばっか』? わわわかりました。なんとかします! コック長、コック長――!!」 こうして、シエスタとマルトーコック長の、生命をかけた料理が始まったのだった……。 「美味かった……ハラァ、いっぱいだ」 「そそそうですか、よよよかったです……」 トリステイン魔法学院の厨房では、自分はこれからデザートになるのかと怯えるシエスタを横に、満足げにとらが腹をさすっていた。 マルトー・シエスタ作の『テロヤキ・バッカ』を20個ほどたいらげ、とらはすっかりご機嫌である。 「娘……借りが出来たな。名前をいいな」 「ししシエスタです……」 「しえすたか……なにか手伝ってやる。ぶっころしてえヤツとかいねえかよ?」 「いいい、いませんっ!ででデザートを運ばなくてはならないので、ししし失礼します、とら様!」 慌ててシエスタはぶんぶんと首を振り、足早にデザートの皿をつかむ。一刻も早く、この幻獣から逃げ出したかった。 そのシエスタの腕を、とらの巨大な腕ががっちりと掴む。こう見えて、とらはきちんと礼がしたいようである。 「その役……わしがやってやる。何、人間に化けるなんざ、このわしには朝飯前だからよ……」 ぎゅるぎゅるぎゅるぎゅる……!! とらの体が奇妙にねじくれ、形を変えていく。かつて、「たゆら」と「などか」という妖怪と戦った時に使ったのと同じ変化であった―― (す、すごい! それに、きれいな人……) シエスタは口をあんぐりあけた。 そこには、シエスタが着ているのと同じメイド服に身をつつんだ、四代目お役目……井上真由子の姿があった。 「さて、『でざと』を運ぶんだったな、しぇすた」 「は、はいっ……!」 手にデザートの皿を持っていくとらを、慌ててシエスタは追いかける。 (案外、いい人なのかもしれない……) シエスタはそう思いながら、パタパタと美しい少女の姿になったとらの後ろをついていった。 「……で、どどどうしてそれがヴェストリの広場でギーシュと決闘することになるのよっ! 説明しなさい!!」 「しぇすたが、『ぎいしゅ』とやらの落としたビンを拾ってな、そいつがぎゃあこら騒ぐから、わしが軽ーく殴ったのよ」 「そ、そしたら、ギーシュ様の歯が三本折れまして、『平民のメイドだろうが容赦しない! 決闘だ!』と仰って……」 「はぁ……もういいわ……分かったわよ……」 ルイズは深々と溜息をついた。あろうことか、ギーシュは真由子に変化したとらのことを、平民だと思いこんで決闘を申し込んだらしい。 そもそも、平民のメイド相手に決闘だと騒ぐこと自体、かなり恥ずかしい振る舞いなのだが。 はっきり言って、救いようがなかった。 「いいわ、行ってきなさいよ、とら。ただし……!」 ルイズは失禁しないように、ぐっと腹に力をこめた。ルイズはすべての勇気を振り絞り、変身を解いたとらに詰め寄る。 「殺さない、食べない、ひどい怪我はさせない! いい、約束よ!!」 「わあーったよ……」 とらはうんざりしたように言った。正直、とらにとってはあんな小者と戦っても面白くもなんともない。 だが、ケンカを売られた以上、ぶちのめすのがとらの性格だ。殺さないように勝つのは面倒であった。 「あと、ギーシュはあんたのことを平民だと思い込んでるんだから、平民に化けて行きなさいよ。 わたしの使い魔が決闘でギーシュをぶちのめしたなんて噂、広がったら困るもの」 本音を言えば、少し嬉しい様な気もするのだが、早々に三人の教師たちの治療費を払わされたルイズとしては、これ以上の出費は避けたいのだ。 >>back >>next
https://w.atwiki.jp/gensouutage_net/pages/6548.html
びく:レミLじゃなかったからスペルが2枚で止まらなければワンチャンあったと信じたい びく//夢で逢えたら//紅 美鈴-紅 美鈴-紅 美鈴-小野塚 小町- ショウグン//???//???-???-???-???- びくは山札をシャッフルしました。 ショウグンがデッキ(6290efee)をロードし、ニューゲームが始まりました。 ショウグンは山札をシャッフルしました。 賽が投げられて、ショウグンの先攻になった。 ショウグンは山札をシャッフルしました。 びくの呪力は今1(+1)です。 賽が投げられて、びくの先攻になった。 ショウグン どうぞ びく いきます 配置:彩翔「飛花落葉」 起動:彩翔「飛花落葉」 Turn 2 - ショウグン//体力24( 21) 呪力1( 1) 手札7( 6) 山33( 34) スペル0( 1) タイマー00 02(00 30) 配置:天罰「スターオブダビデ」 起動:天罰「スターオブダビデ」 Turn 3 - びく//体力21( 24) 呪力1( 0) 手札6( 6) 山33( 33) スペル1( 1) タイマー00 31(00 16) 手札:シエスタ//幻符「華想夢葛」//肉弾戦//連環撃//根性避け//紅砲// 戦闘:びく - 彩翔「飛花落葉」 vs 天罰「スターオブダビデ」 - ショウグン 結果:びく - Dmg 1 2 Dmg - ショウグン 配置:幻符「華想夢葛」 起動:彩翔「飛花落葉」 Turn 4 - ショウグン//体力22( 20) 呪力2( 0) 手札7( 5) 山32( 33) スペル1( 2) タイマー00 19(00 44) 配置:人符「現世斬」 起動:天罰「スターオブダビデ」 Turn 5 - びく//体力20( 22) 呪力2( 1) 手札6( 6) 山32( 32) スペル2( 2) タイマー00 41(00 39) 手札:シエスタ//肉弾戦//連環撃//根性避け//紅砲//連環撃// 戦闘:びく - 彩翔「飛花落葉」 vs 天罰「スターオブダビデ」 - ショウグン 結果:びく - Dmg 1 2 Dmg - ショウグン びくは連環撃をびくの彩翔「飛花落葉」につけました。 びくの呪力が+1 (1) 起動:彩翔「飛花落葉」 Turn 6 - ショウグン//体力20( 19) 呪力4( 0) 手札7( 5) 山31( 32) スペル2( 2) タイマー00 39(01 05) 配置:神罰「幼きデーモンロード」 起動:神罰「幼きデーモンロード」 ショウグンの体力が-1 (18) Turn 7 - びく//体力19( 18) 呪力2( 1) 手札6( 6) 山31( 31) スペル2( 3) タイマー01 01(01 22) 手札:シエスタ//肉弾戦//連環撃//根性避け//紅砲//シエスタ// Turn 8 - ショウグン//体力18( 19) 呪力4( 2) 手札7( 6) 山30( 31) スペル3( 2) タイマー01 18(01 14) びくは幻符「華想夢葛」の『能力発動』を選択しました。 起動:幻符「華想夢葛」 戦闘:ショウグン - 神罰「幼きデーモンロード」 vs 幻符「華想夢葛」 - びく 結果:ショウグン - Dmg 2 4 Dmg - びく 配置:「紅色の幻想郷」 起動:神罰「幼きデーモンロード」 Turn 9 - びく//体力15( 15) 呪力2( 1) 手札7( 6) 山30( 30) スペル2( 4) タイマー01 23(02 02) 手札:シエスタ//肉弾戦//連環撃//根性避け//紅砲//シエスタ//彩華「虹色太極拳」// 戦闘:びく - 彩翔「飛花落葉」 vs 神罰「幼きデーモンロード」 - ショウグン ショウグンは神罰「幼きデーモンロード」の1番目の特殊能力を使いました。 結果:びく - Dmg 2 回避 - ショウグン 配置:彩華「虹色太極拳」 Turn 10 - ショウグン//体力14( 13) 呪力5( 2) 手札7( 6) 山29( 30) スペル4( 3) タイマー02 08(02 00) びくは幻符「華想夢葛」の『能力発動』を選択しました。 起動:幻符「華想夢葛」 イベント(ショウグン):畏怖すべき存在 ショウグンは畏怖すべき存在を場から捨札に送りました。 対象や使用条件が不正なため、使うことができません。 戦闘:ショウグン - 神罰「幼きデーモンロード」(相手スルー) 結果:ショウグン - === 4 dmg - びく びくは幻符「華想夢葛」を準備状態にしました。 配置:紅魔「スカーレットデビル」 Turn 11 - びく//体力9( 14) 呪力4( 2) 手札7( 5) 山29( 29) スペル3( 5) タイマー02 13(02 44) 手札:シエスタ//肉弾戦//連環撃//根性避け//紅砲//シエスタ//三華「崩山彩極砲」// 配置:三華「崩山彩極砲」 起動:彩華「虹色太極拳」 Turn 12 - ショウグン//体力14( 9) 呪力7( 0) 手札6( 6) 山28( 29) スペル5( 4) タイマー02 38(02 29) 配置:幽鬼剣「妖童餓鬼の断食」 起動:幽鬼剣「妖童餓鬼の断食」 起動:紅魔「スカーレットデビル」 Turn 13 - びく//体力9( 14) 呪力4( 2) 手札7( 5) 山28( 28) スペル4( 6) タイマー02 23(04 27) 手札:シエスタ//肉弾戦//連環撃//根性避け//紅砲//シエスタ//紅砲// 戦闘:びく - 彩華「虹色太極拳」 vs 幽鬼剣「妖童餓鬼の断食」 - ショウグン 結果:びく - Dmg 1 3 Dmg - ショウグン びくの体力が+1 (9) - 彩華「虹色太極拳」 Turn 14 - ショウグン//体力11( 9) 呪力7( 4) 手札6( 7) 山27( 28) スペル6( 4) タイマー04 23(03 09) びくは幻符「華想夢葛」の『能力発動』を選択しました。 起動:幻符「華想夢葛」 戦闘:ショウグン - 紅魔「スカーレットデビル」 vs 幻符「華想夢葛」 - びく 結果:ショウグン - Dmg 2 5 Dmg - びく 配置:人符「現世斬」 起動:「紅色の幻想郷」 Turn 15 - びく//体力4( 9) 呪力7( 2) 手札8( 5) 山27( 27) スペル4( 7) タイマー03 32(04 49) 手札:シエスタ//肉弾戦//連環撃//根性避け//紅砲//シエスタ//紅砲//明鏡止水// びく まってね ショウグン はい イベント(びく):シエスタ びくの体力が+5 (9) - シエスタ びくは紅砲を手札から捨てました。 びくはシエスタを場から捨札に送りました。 Turn 16 - ショウグン//体力9( 9) 呪力8( 2) 手札6( 6) 山26( 27) スペル7( 4) タイマー04 53(05 14) 戦闘:ショウグン - 「紅色の幻想郷」(相手スルー) ショウグンは「紅色の幻想郷」の1番目の特殊能力を使いました。 結果:ショウグン - === 7 dmg - びく 配置:幽鬼剣「妖童餓鬼の断食」 Turn 17 - びく//体力2( 9) 呪力7( 5) 手札7( 5) 山26( 26) スペル4( 8) タイマー05 11(05 29) 手札:肉弾戦//連環撃//根性避け//紅砲//シエスタ//明鏡止水//光符「華光玉」// 配置:光符「華光玉」 びくは明鏡止水をびくのリーダーにつけました。 起動:彩華「虹色太極拳」 Turn 18 - ショウグン//体力9( 2) 呪力12( 0) 手札6( 5) 山25( 26) スペル8( 5) タイマー05 20(05 36) イベント(ショウグン):威厳 ショウグンは威厳を場から捨札に送りました。 戦闘:ショウグン - 「紅色の幻想郷」 vs 彩華「虹色太極拳」 - びく ショウグンは「紅色の幻想郷」の1番目の特殊能力を使いました。 びくの体力が+1 (-4) - 彩華「虹色太極拳」 結果:ショウグン - Dmg 1 7 Dmg - びく びく ありがとうございました ショウグン ありがとうございました
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/2728.html
前ページ次ページAI使い魔タチコマンズ+α 洗濯タチコマ 春の召喚の儀式から一夜が明けたトリステイン魔法学院。 まだ夜が明けきっていない学院の水汲み場には三体のタチコマとジェームスン社長が集まっていた。 「しょくーん。我々はどうやら異世界にやってきたらしい」 青いタチコマがまるで演説をするかのように語りかけた。 「こんな朝っぱらから呼び出して何事かと思えば…AIにカビでも生えたの?」 「ZZZ…」 熱くなっている一体のタチコマに非常に冷めた反応をする残りのタチコマたち。 「ねぇー、ちゃんと聞いてよぉー」 「てゆうかさー、僕たちだって暇じゃないんだよね。用があるなら早くしてよ」 「…ZZZZZ」 ジェームスン社長はピョコピョコ飛び跳ねて何か言いたそうだ。 「君たちは今まで何してたって言うんだい? 昨日の夜、ふと空を見上げたら月が…」 「そういえば月が二つあったよね。でもそれだけで異世界に来たとかいうには無理があるんじゃない」 「うーんそうかなぁ…彼女達は魔法使いだって言ってたし。ところでおまえ起きろよ!」 白熱した議論を繰り広げる二体の脇で鼻提灯を膨らませる灰色のタチコマに青いタチコマがガツンと一発殴る。 「ハッ!?ここはどこ? 僕はタチコマ」 「ボケてないで君はどう思う?ここは異世界と思う?それとも僕たちのAIがおかしくなっているのかなぁ…」 「うーんどうなんだろうね。ネットにアクセスできないし…それにモンモランシーちゃんは電脳化してなかったんだよね」 「そうそう、キュルケちゃんも電脳化してないよ。おまえの所はどうなの?」 「ルイズちゃんも電脳化してなかったよ。でも君たちの所と違ってルイズちゃんは子供だからね。ミキちゃんと一緒で電脳化はまだでも不思議じゃないよ」 「ぼくとしてはここが異世界だろうが何だろうがバトーさんにもう一度会えるかが心配だよ」 「そうだ。バトーさんは大丈夫だったのかな」 「うん。君が死んじゃった後、二人であいつを道連れに死んじゃったから大丈夫だと思うよ」 「あれ? おかしくない? ぼくたち死んじゃったんじゃないの?」 「ということは…」 「「「ここはあの世?」」」 三体のタチコマの言葉がハモる。 「まあ深く考えないようにしようよ。バトーさんに会えないのは残念だけどね」 「そうだね。折角得た第二のタチコマの人生なんだからここが何処でもいいから謳歌しようよ」 「話がまとまった所で質問があるんだけどいい?」 灰色のタチコマが青いタチコマに手を上げて聞く。 「なんだい?」 「なんでこんなところに集まったの?」 青いタチコマはポンと手を叩く。 「そうだった! 忘れるとこだったよ」 そういうとポッドから籠を取り出す。 「なにそれ?」 「洗濯物だよ。ルイズちゃんに洗濯を頼まれたんだ。いいでしょ」 自慢げに洗濯物見せびらかす。 「うわぁーいいなぁー」 「ぼくもやりたーい」 「駄目だよ。僕がルイズちゃんに頼まれたんだから」 ぶーぶーと文句を言う他のタチコマを尻目に洗濯をしようとするが、彼のセンサーに何かを捉えた。 「あれ? メイド服着た子がいるよ」 「もしかしてアンドロイドだったりするのかなぁ?」 「行ってみようよ」 シエスタにとっては何気ない一日の始まりだった。いつものように水汲み場へ洗濯をしに行ったのだが……。 「あら? 声がしますね。誰かいるのでしょうか?」 こんな早い時間に人などいるはずも無い。不思議に思って早足で水汲み場へと近づこうとしたその矢先、三体の物体に取り囲まれた。 「はじめまして! ぼくタチコマ!」 「ぼくもタチコマー」 「ぼくもぼくもー」 (ジェームスンは周りを歩き回っている) 「は、はじめまして?」 突然のことに目を白黒させながらも一応挨拶を返すことができた。 「青、黄、灰とカラフルじですねーじゃなくて…えーと、どちら様でしょうか」 「だからタチコマだって」 洗濯物を入れた籠を抱えながらあたふたするシエスタ。 「えーと、そうじゃなくて…あの…きゃあ!」 首筋を擦られるような感覚を受けて悲鳴をあげる。 「あれ? 端子が無いよ」 青いタチコマが端子を接続しようとコードをシエスタの首筋に宛がっていた。 「な、な、なにを言って…ひぃ!」 黄色いタチコマはスカートをめくりあげていた。 「やっぱりこの子生身の人間だよ」 「ひゃあぁん!」 灰色のタチコマはシエスタの胸を突いて確認する。 「なーんだ。やっぱりねー」 「ねー君、名前は?」 いきなりセクハラまがいのことをされちょっぴり涙目なシエスタだったが、タチコマの質問に律儀に答えようとする。 「え? あと、その…シエスタです」 「ねぇねぇシエスタちゃん、その服ってコスプレってやつ?」 「あう? え? こすぷれ?」 訳も分からないことを言われて返答に窮してしまう。 「いえ、その…わたしこの学院のメイドをさせていただいているんです…あの、ゴーレムさんですよね?」 「違うよ。ぼく達はタチコマだって。こう見えても戦車なんだ」 「せんしゃ…? すみません、よく分からないです」 一つの質問の後にまた質問を繰り返すタチコマたち。シエスタも時折質問を返す。何度も似たようなやり取りをしてようやくタチコマの質問攻撃は終わった。 「そうなんですか。青いタチコマさんはミス・ヴァリエールの使い魔を為さっているのですね」 「ぼくはねー、キュルケちゃん」 「ぼくモンモランシーちゃんだよ」 短い時間で打ち解けてしまったタチコマとシエスタ。 「ねーねー。シエスタちゃんはここに何しに来たの?」 「あ、そうでした。私洗濯をしに来たんです」 「一緒だねー。ぼくも洗濯頼まれたんだ」 「え?」 シエスタは驚いてしまう。どう考えてもこの喋る自称『せんしゃ』なんかにに洗濯ができるはずがないと……。 「が、がんばってくださいね」 「うん!」 シエスタは洗濯を続けながらもチラチラと横を見てしまう。 「き、器用なんですね!」 「えへへぇ~」 シエスタは器用に洗濯をするタチコマの姿に集中できないでいる。 それもそのはず、いくら手先が器用なタチコマといえどもその動きは人に劣る。丈夫な布ならばいいのだろうが如何せん彼が洗っているのは下着だ。 ああ! シルクをそんな風に洗ったら……。 つい手を止めタチコマを見てしまう。 「シエスタちゃんどうしたの?」 「いえ! 何でもありませんから!」 「ねーシエスタちゃん、ぼくにもやらせてよ」 「だ、駄目です! 私の仕事ですから!」 タチコマに任したらどうなることやら…慌てて手元の洗濯物を洗い出した。 やっぱり止められませんよ。だってこんなにも楽しそうなんですから。 「タチコマさん、私は先に戻りますけど、その…洗濯頑張ってくださいね」 「うん。じゃーねー」 「またねー」 「ばいばーい」 今度会ったら何もしないで欲しい。シエスタはそう願うのだった。 前ページ次ページAI使い魔タチコマンズ+α
https://w.atwiki.jp/moejinro/pages/1543.html
7日目 Navi 今日もすがすがしい朝がやってきました 村の広場の真ん中に食べかけのまま息絶えている あらぐむさん の遺体が発見されました… 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS ああー 2 (ゾンビ部屋) リンシード ありゃ Navi 村人の皆様、今日もがんばってください 2 (ゾンビ部屋) ヨロイモグラ そしてもぐらさん 2 (ゾンビ部屋) ファン ずーっともぐらさんって霊界で言ってた・・ Navi 昼の部スタートです 1 (なび村) シエスタXX 占い結果:パンダマットさん○ 理由は寡黙な潜伏狼だと思いました あらぐむ 「コグ姉は、コグ姉は力なんだ。コグ姉は、この宇宙を支えているものなんだ。 1 (なび村) TeaRabbit 六日目、メゾピさんを護衛、5日目のマクロ編集間違えてる!?…もうとりあえず共有を護ります 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT うわさをしたからくわれたんや あらぐむ それを、それを、こうも簡単に失っていくのは、それは、それは、醜い事なんだよ。」 1 (なび村) エルレイナ そっちかぁ 2 (ゾンビ部屋) Mrチキン パンダがまた減った>< あらぐむ 2回目 1 (なび村) パンダマット おはようございます きれいなパンダです 2 (ゾンビ部屋) クバリャーナ あら、ぬかれちゃったか 1 (なび村) メゾピ おはようございます あらぐむは眠りについた 2 (ゾンビ部屋) ソラリコ ぱんだー 1 (なび村) エルレイナ 今日はあらぐむさん護衛してほしかったかな… 1 (なび村) TeaRabbit はい、マクロさらした事で読まれましたね(ノДT) 1 (なび村) xバーバラx ですね SEIRIOSはあらぐむの頭をなでた 2 (ゾンビ部屋) ヨロイモグラ パンダー 1 (なび村) エルレイナ ただ 1 (なび村) ルルフェ おはようございますう…ログがなくなっちゃった 2 (ゾンビ部屋) クバリャーナ ああ、断末魔がまさにもぐにいさんだw 1 (なび村) エルレイナ うさぎさんは釣るにしても 2 (ゾンビ部屋) あらぐむ ずーむいーん 2 (ゾンビ部屋) リンシード カミーユさんが見えた 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS ダヨネー 2 (ゾンビ部屋) BBL こぐねえ愛が半端ないですねw 1 (なび村) エルレイナ 最終日でいいかな 2 (ゾンビ部屋) ヨロイモグラ おつかれさまー 1 (なび村) TeaRabbit 僕の視点ではすでに真占いはいませんね。できればチキンさんを残してほしかったところです 2 (ゾンビ部屋) リンシード おつかれさまですー 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS いらっしゃーい 2 (ゾンビ部屋) クバリャーナ おつかれさまでっす 2 (ゾンビ部屋) Mrチキン おつかれさまでしたー 2 (ゾンビ部屋) ファン おつさまです~ 2 (ゾンビ部屋) BBL お疲れ様でした 2 (ゾンビ部屋) BBL 私そんなに信頼なかったのかー 2 (ゾンビ部屋) ソラリコ チッキン信頼だってー 1 (なび村) xバーバラx うさぎさん吊ってもいいかな 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT おつかれさまですー 1 (なび村) シエスタXX やっぱ狩人いないっぽいな 2 (ゾンビ部屋) あらぐむ 今回はまったく頭がぴよぴよです 2 (ゾンビ部屋) ソラリコ おつさまー 1 (なび村) エルレイナ シエスタ君が寡黙しか占わないのは 2 (ゾンビ部屋) れりか おつかれさまでしたー 1 (なび村) TeaRabbit BBLさんを狼と決め打つならチキンさんが真になりますが 1 (なび村) エルレイナ なぜだろう… 1 (なび村) シエスタXX というかね 1 (なび村) エルレイナ ふむ 1 (なび村) シエスタXX ぐれーってここしかいなくね? 2 (ゾンビ部屋) BBL もぐらじゃなくあらぐむで来るからこんなことに・・・ 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT 寡黙うらないとか狼化こってるに決まってるじゃないか! 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS 帽子被ってないからだよ 1 (なび村) TeaRabbit BBLさんが真だとしたら…そこは共有に任せますが 1 (なび村) エルレイナ いやもう囲い疑っていいとおもうよ 2 (ゾンビ部屋) あらぐむ ぐへえ 1 (なび村) シエスタXX 俺視点だけど 1 (なび村) シエスタXX まじか 1 (なび村) レリック そやね 2 (ゾンビ部屋) あらぐむ というのか、うさぎさんより俺狙ったって時点で 1 (なび村) メゾピ TeaRabbitさん吊るしたいんですけど、いかがでしょうか? 1 (なび村) エルレイナ 残り8名でGJなしだと最大吊り3回 2 (ゾンビ部屋) あらぐむ もううさぎさんは切り捨ててもいいよね・・・?きっと 1 (なび村) エルレイナ うさぎさんはまだ待ったほうがいい 2 (ゾンビ部屋) BBL 共有が寡黙吊ってたから無難発言のバーバラさん占ったんだけどなあ 2 (ゾンビ部屋) リンシード 真っ黒です 1 (なび村) xバーバラx じぶんはうさぎさん吊りたいですね 1 (なび村) エルレイナ そこ吊るくらいならバーバラさん 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS うさぎさん信じてたのに・・・ 1 (なび村) TeaRabbit シエスタさんを盲信しないでくださいね 1 (なび村) レリック いいよ、胡散臭いし、本当は昨日のうちにつりたかった 1 (なび村) TeaRabbit 確実に偽物ですから 1 (なび村) シエスタXX 俺は黒のウサギさんだな 2 (ゾンビ部屋) BBL エルレイナさん今頃w 2 (ゾンビ部屋) BBL 吊ってくれるのは嬉しいけどね 1 (なび村) エルレイナ わたし個人的にはレリックさんを一番吊りたい 1 (なび村) レリック おっと 1 (なび村) TeaRabbit 僕が最終日まで残るとたぶん僕が吊られてしまいますから 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT エルレイナさんがよくわからないなぁ うらないつっついてみたりかまれない狩人のこすんか 1 (なび村) エルレイナ 次点でバーバラさんかシエスタ君 2 (ゾンビ部屋) ファン 釣りたいのはバーバラさんなのかレリックさんなのかはっきりしない人ですねぃ 1 (なび村) エルレイナ うさぎさんはGJ出してぇぇぇ 2 (ゾンビ部屋) BBL エルレイナさん狼か瞑想している村ですね 1 (なび村) エルレイナ それで吊り増えれば有利だよ 1 (なび村) メゾピ あ、そうですね 2 (ゾンビ部屋) BBL 個人的には狼 1 (なび村) TeaRabbit 今吊るなら別にかまいません、ただしシエスタさんは信じないでほしいです 2 (ゾンビ部屋) クバリャーナ なんか、ゲバってるのかなんなのか、ドロドロしてまいりました!って印象w 1 (なび村) エルレイナ 今日うさぎさん吊りおした人が怪しい 1 (なび村) エルレイナ だめ 1 (なび村) エルレイナ GJ出る可能性あるうちは吊りたくない 2 (ゾンビ部屋) BBL ゲバはよくわからなくなるので勘弁 1 (なび村) TeaRabbit GJ出せればよいのですが 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS 霊抜かれた時点で殴り合いだったけどねー 2 (ゾンビ部屋) Mrチキン ゲバ? 2 (ゾンビ部屋) あらぐむ エルレイナさんがころころと 1 (なび村) TeaRabbit この状況だと難しいですよ 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT ウサギさんってどんな状況ででてきたんや 2 (ゾンビ部屋) リンシード 霊速攻いなくなるとはおもわなんだ 1 (なび村) エルレイナ 占いの真偽不明なので 2 (ゾンビ部屋) クバリャーナ ですねー 2 (ゾンビ部屋) あらぐむ 意見を変える印象 2 (ゾンビ部屋) BBL 理由を言ってもらわないと辛い 1 (なび村) エルレイナ 護衛メゾピさんに張り付いて 2 (ゾンビ部屋) ヨロイモグラ パンダ同士で殴り合いかよ・・・! 1 (なび村) エルレイナ メゾピさん抜かれたら 1 (なび村) エルレイナ うさぎさんつればいい 2 (ゾンビ部屋) BBL エルレイナさんは誰連れてもいい狼なんでしょう 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS 熱いな 1 (なび村) TeaRabbit そうですね 2 (ゾンビ部屋) ファン 護衛先指定・・・? 1 (なび村) TeaRabbit それはいいかもしれません 2 (ゾンビ部屋) Mrチキン パンダの殴り合い・・・格闘漫画のノリですか?w 1 (なび村) TeaRabbit GJは無理かもしれませんが 1 (なび村) エルレイナ ルルフェさんが2人から白もらってるけど 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT 8.6.4.2 1 (なび村) エルレイナ 確定白でもないし 2 (ゾンビ部屋) リンシード 一体何が起こっているのか 1 (なび村) TeaRabbit 確定白は最後まで残せそうです 1 (なび村) エルレイナ 抜かれてもいい 2 (ゾンビ部屋) クバリャーナ エルさんと茶ウサギさんはとりあえず黒でいいとおもうなぁ Navi 5分経過(後2分) 1 (なび村) シエスタXX そんな余裕なくね? 1 (なび村) パンダマット この状況では確定白増えませんしね・・・ 2 (ゾンビ部屋) BBL エルさんは黒ですね 1 (なび村) エルレイナ わたしは今日はもうシエスタ君吊っていいと思う 2 (ゾンビ部屋) BBL こうなってくるとやっぱりルルフェさんも狼かな 2 (ゾンビ部屋) あらぐむ (とういのか、今回相方の思考がよくわかりませんでした。頭がぴよぴよしてるせいで 1 (なび村) メゾピ やっぱりエルレイナ・Tea、レリックの3wのパターンでバーバラを吊るすと最悪ですが 2 (ゾンビ部屋) リンシード 狼にパンダが駆逐されていく 1 (なび村) エルレイナ シエスタ君かレリックさん 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS うーん・・・いつものエルレイナさんなら白なんだけどなあ・・・ 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT 今確定村人っていますか? 1 (なび村) エルレイナ 狩人の対抗がでなかったのですよ? 1 (なび村) シエスタXX てか 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS めぞぴさん 2 (ゾンビ部屋) ファン 共有だけなんじゃ・・ Navi あと1分 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT なるほど ダカラ静かなのね 2 (ゾンビ部屋) あらぐむ 今は確定いないよね、ただルルフェさんが 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS 共有の片割れのこってる 2 (ゾンビ部屋) れりか 共有を信じればメゾピさん 2 (ゾンビ部屋) あらぐむ 2○もらい 1 (なび村) エルレイナ GJ出た日のCOではないから 1 (なび村) シエスタXX メゾさんはどうなのかな? 1 (なび村) エルレイナ セイさん狩人の可能性はありますけどね 1 (なび村) ルルフェ しんでたら対抗出れないのです… 1 (なび村) メゾピ バーバラさん吊るしますか、きっと1wは吊れてるはず 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT てことは占い3にんでたってことか 1 (なび村) シエスタXX 俺してん 1 (なび村) xバーバラx 自分ですか 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS そうそう占い3 1 (なび村) メゾピ TeaRabittさんは、私護衛しないでいいんで、GJ狙ってください 1 (なび村) シエスタXX レイナ超怪しいんだけど 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT なるほどなるほど 1 (なび村) TeaRabbit 僕の中で少しBBLさんに信頼が傾いていますしそれでよろしいのでしたら Navi 20秒前 1 (なび村) エルレイナ いや 2 (ゾンビ部屋) クバリャーナ そっそ、チキンさんが後発だね 2 (ゾンビ部屋) BBL 私とチキンさんとシエスタさんが占いです 1 (なび村) エルレイナ メゾさん以外が噛まれることでも 1 (なび村) エルレイナ 情報は落ちるので 2 (ゾンビ部屋) ファン 占い3霊1出て速攻霊が噛まれたという 1 (なび村) エルレイナ メゾさんは死守してほしい Navi 夜まで時間がありません 皆様今日の尊い犠牲をお選びください(会話はストップです) 3 (GREEN) Navi ---------------------------------------- 3 (GREEN) Navi 会話可能時間スタート Navi 投票は私に直Tellでお願いします 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) Navi 7日目終了 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) エルレイナ わたしが噛まれることそのものも情報になる 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT メゾサンはかまんやろ 2 (ゾンビ部屋) BBL 噛まれないと思うなあ (T) メゾピ > バーバラさん 3 (GREEN) xバーバラx これはどうしようか (T) エルレイナ > バーバラさんで~ 2 (ゾンビ部屋) れりか 噛まないですよね 3 (GREEN) シエスタXX 吊り寄せれれば勝てるな 3 (GREEN) xバーバラx 寄せますか 2 (ゾンビ部屋) BBL エルレイナさん狼だと思うし 3 (GREEN) シエスタXX レリックさんかなぁ (T) パンダマット > レリックさんです (T) TeaRabbit > xバーバラx様に一票お願いいたします 3 (GREEN) シエスタXX うさぎさんかなぁ (T) レリック > わるいが今の村の方針には従えん,TeaRabbitさんに投票 3 (GREEN) xバーバラx 難しいですね 2 (ゾンビ部屋) ソラリコ たのしー 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT エルさんは村人かなぁ れリックさんがあやしくみえるがしかし・・・ 2 (ゾンビ部屋) れりか エルレイナさんがここで噛まれなければ、狼の勝利なきがするんですが 2 (ゾンビ部屋) BBL うーむ 3 (GREEN) ルルフェ レリックさんはうさぎさん吊りたがってましたよね 3 (GREEN) シエスタXX どっちかいけそうかも 3 (GREEN) xバーバラx うさぎさん吊れれば動きやすいけど 2 (ゾンビ部屋) BBL エルレイナさん狼押しが少ないのか 3 (GREEN) シエスタXX だな 3 (GREEN) シエスタXX うさぎさんいくか 2 (ゾンビ部屋) BBL 残ってても信頼されナさそうだなw 3 (GREEN) xバーバラx わかりました 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT そだな~ 3 (GREEN) ルルフェ はーい (T) シエスタXX > Teaさんで 3 (GREEN) シエスタXX たのむーーー (T) xバーバラx > TeaRabbittさんで 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT シエスタさんつってもいいと思うんだけど つらないんかな (T) ルルフェ > うさぎさんでー xバーバラx3 レリック1 TeaRabbit4 3 (GREEN) シエスタXX 吊れてくれ 2 (ゾンビ部屋) BBL 真で見ているので吊らないと思いますよ 3 (GREEN) xバーバラx 噛みはどうしますかね 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT そんなばかな! 3 (GREEN) xバーバラx 吊れた場合と吊れなかった場合 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT 確定してるわけじゃなさそうだけど・・・ 2 (ゾンビ部屋) BBL そういう意見が多かったですよ 2 (ゾンビ部屋) クバリャーナ なぜか真なのだそうです…発言見る限り真っ黒なんですけどね・・・w (T) エルレイナ > GJで吊りふえてくれ~~~ 3 (GREEN) xバーバラx 吊れたら 共有抜けばいいですかね 2 (ゾンビ部屋) ファン シエスタさんとエルレイナさんは狼さんだと思うけどなぁ・・ 3 (GREEN) シエスタXX だな 2 (ゾンビ部屋) BBL シエスタさんが一枚上手だったのでしょうね 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT 占い2かけてるのに最後まで残したくないな 3 (GREEN) シエスタXX てか勝ちだしね 2 (ゾンビ部屋) BBL 私もそう思います 3 (GREEN) ルルフェ ですねえ Navi さよなら TeaRabbitさん …あなたの勇姿は忘れない 2 (ゾンビ部屋) BBL えー Navi 日が沈み始めました よい子も悪い子も寝る時間です 2 (ゾンビ部屋) こんぶて ナナツ村からきましたん こっちどんな展開ですか? TeaRabbit 奇跡は起こる、キミ達が諦めない限り何度でも 3 (GREEN) シエスタXX おっしゃああああああ 2 (ゾンビ部屋) ソラリコ うさぎさんー 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT GJでますた?> 3 (GREEN) ルルフェ きたああああああ Navi 役職の方は私にTellお願いします SEIRIOSはオペこにプニュ( ´ー`)σ)Д`)した 2 (ゾンビ部屋) BBL 村負けかな 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT ウサギさんつれてもうた 3 (GREEN) xバーバラx 吊れたーーー! 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS 兎鍋じゃー! (T) エルレイナ > 票あわせ…これ村負けたわorz 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT 食料だーー! 2 (ゾンビ部屋) クバリャーナ ヒャッハー! 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS ごちそうだぞー 2 (ゾンビ部屋) ファン 小さすぎてみんなでわけれない! 2 (ゾンビ部屋) あらぐむ やはり、決め打つよりローラーしたほうが好みの戦法だなぁ 3 (GREEN) シエスタXX ソラちゃん仇はとったぞ 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS おおきいうさぎだから。 2 (ゾンビ部屋) Mrチキン 食べ応えのありそうなウサギですね 2 (ゾンビ部屋) あらぐむ 頭が弱くて、ノイズが入り込んでしまう… 2 (ゾンビ部屋) TeaRabbit これは・・・終わりましたね僕のせいで(ノДT) 3 (GREEN) xバーバラx ではメゾピさん噛みテルしてきますね 2 (ゾンビ部屋) BBL お疲れ様でした 2 (ゾンビ部屋) TeaRabbit ウサギがIN! 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS いらっしゃーい 2 (ゾンビ部屋) BBL いやいや 2 (ゾンビ部屋) あらぐむ おつおつー 2 (ゾンビ部屋) れりか おつかれさまでしたー 2 (ゾンビ部屋) ファン お疲れさまでぇす 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS ジュルリ 2 (ゾンビ部屋) リンシード おつかれさまですー 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT きめうちはやったじてんで負けとか勝ちとか決まってしまってるから好きじゃないな個人的に 3 (GREEN) シエスタXX メゾさんでいいの? 2 (ゾンビ部屋) ROWLEYS |ω’)おつかれさまでーす 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT おつかれさまですー (T) エルレイナ > 3Wがありそうな予感しかしません 3 (GREEN) xバーバラx ああー 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS 白いと信じてたようさぎさん・・・ 2 (ゾンビ部屋) BBL 信頼取れなかった私がなあ 3 (GREEN) シエスタXX 好きな子でいいのよ 2 (ゾンビ部屋) TeaRabbit BBLさんが本物の気がします 2 (ゾンビ部屋) こんぶて 占い決めうち? 2 (ゾンビ部屋) クバリャーナ 推理の軸にはするけど、村の先導はそれでとりたくはないかなぁ 3 (GREEN) シエスタXX 好みの子で 3 (GREEN) xバーバラx エルレイナさんでいいかな~ (T) エルレイナ > 2W 2 (ゾンビ部屋) オペこ お邪魔します 2 (ゾンビ部屋) BBL 本物と見られてももう釣られてしまったのです 3 (GREEN) シエスタXX ナースか 3 (GREEN) ルルフェ エルレイナさんかな~ 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS いらっさいー 2 (ゾンビ部屋) クバリャーナ いらさーい 3 (GREEN) シエスタXX いいセンスだ (T) エルレイナ > ならレリックさんとシエスタ君吊りか… 2 (ゾンビ部屋) TeaRabbit 吊られてから勘がそう告げるから厄介なのです^^; 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS 兎鍋をどうぞ 2 (ゾンビ部屋) ROWLEYS |ω’)いらっしゃいませご主人様 (T) エルレイナ > シエスタ君はわたしに黒かなw 2 (ゾンビ部屋) オペこ やったー! 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT 決めうちしたっぽい (T) エルレイナ > 続けばだけど… 3 (GREEN) xバーバラx ではテルしてきます 2 (ゾンビ部屋) BBL もういっそのことシエスタさん盲信してイイノヨ 3 (GREEN) シエスタXX じゃあレイナいくか 3 (GREEN) シエスタXX おk 2 (ゾンビ部屋) TeaRabbit ソレゼッタイダメ 3 (GREEN) ルルフェ はーい 2 (ゾンビ部屋) TeaRabbit ウサギナベモダメ 2 (ゾンビ部屋) Mrチキン まぁTeaさん落ち込まないで、新鮮な兎肉がはいったから食べなさい 2 (ゾンビ部屋) BBL 私が真だけどねw (T) ソラリコ > (ノω`*)んふふ♪ 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS 猛進しそうだなあ・・・この村 (T) xバーバラx > エルレイナさんをとてもおいしくいただきます 2 (ゾンビ部屋) BBL 信頼ないけど 3 (GREEN) シエスタXX 3狼残りはいい狼だろ (T) > ソラリコ おめでたう! 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS おいしいよ?[゚Д゚]モグモグ (T) ソラリコ > ((ヾ(。・ω・)ノ☆゚+.ァリガトゥ 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT モグモグ (T) > xバーバラx 今日はエルレイナのシチューよ! 2 (ゾンビ部屋) Mrチキン ガツガツ 2 (ゾンビ部屋) TeaRabbit 共食いしろと!?∑( ̄ロ ̄|||)ッテイウカタベルナ!! (T) xバーバラx > いやっほー! (T) ソラリコ > 最初に死んじゃったけど嬉しいしーたのしーいー 2 (ゾンビ部屋) ファン 美味しく料理してあげるわ・・♪料理(100.0/100.0) 4 (パリっ子) メゾピ 相方おつかれさまですー 3 (GREEN) xバーバラx 残れましたね 2 (ゾンビ部屋) Mrチキン 共食い違う、大丈夫 2 (ゾンビ部屋) BBL というかシエスタさんが噛まれないことに誰か疑問を持ってもらいたい (T) > ソラリコ ある意味逆転勝利! (T) ソラリコ > (*゚▽゚)*。_。)*゚▽゚)*。_。)ウンウン 2 (ゾンビ部屋) Mrチキン あなたの肉よ (T) ソラリコ > 逆転圧勝だお 2 (ゾンビ部屋) ファン 自食い! 2 (ゾンビ部屋) こんぶて まぁ決めうちしたならぶれずに突き進むしかないですね 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT GJでなかったならその真視されてる占い師はニセの可能性が高い 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS マニアック! 2 (ゾンビ部屋) TeaRabbit ぎゃーーーー!? 3 (GREEN) xバーバラx 最初 ソラさんが指定されたときはどうなるかと思いましたが 3 (GREEN) シエスタXX だな 3 (GREEN) ルルフェ 最初はビビったw 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT もうつりすうたらんしな 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT タブン 3 (GREEN) シエスタXX 霊媒いけたのがでかい 3 (GREEN) xバーバラx やっぱ霊媒噛めたのは大きかったですね 3 (GREEN) シエスタXX 2人のおかげだ 2 (ゾンビ部屋) TeaRabbit ここで僕が吊られたということは 2 (ゾンビ部屋) TeaRabbit 狼かなり残ってそうですよね 2 (ゾンビ部屋) BBL ですね 3 (GREEN) xバーバラx 博打でしたけどね…w 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS 狼2のこりか・・・? (T) エルレイナ > 今さらだけどメゾピさん…1Wつれてなければ今日すらきてないんだよorz 2 (ゾンビ部屋) TeaRabbit あ~あ・・・僕がブレたばかりに(ノДT) 3 (GREEN) シエスタXX 少なくとも俺が4人で狼だったら 3 (GREEN) シエスタXX いけなかったもんw 3 (GREEN) ルルフェ 狼初めてだから最初くらい攻めたかったの・・・w 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS オペこさんなにしてるんじゃー 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT 重量オーバーしてそう 2 (ゾンビ部屋) クバリャーナ 重量オーバーで筋力上げ? 2 (ゾンビ部屋) TeaRabbit 今日はいいとこないなぁ Navi 今日もすがすがしい朝がやってきました 村の広場の真ん中に食べかけのまま息絶えている エルレイナさん の遺体が発見されました… 1 (なび村) エルレイナ ロースト エルレイナ ミート あまおうにも負けない甘酸っぱいお肉。アイスクリームソースをかけて召し上がれ♪ 2 (ゾンビ部屋) クバリャーナ およ 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS 重量オーバー絶対してる動きだ Navi そして身を守るすべの無くなったパンダマットさん、レリックさん メゾピさん は狼に食べられてしまいました… 2 (ゾンビ部屋) オペこ とうもろこしを 2 (ゾンビ部屋) あらぐむ !?まじで!? 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT アー占い師にせやわ Navi 人狼勝利 Fin 2 (ゾンビ部屋) オペこ とりすぎました 1 (なび村) シエスタXX 結構ぱんお残ってるじゃねーかジュルリ 2 (ゾンビ部屋) クバリャーナ エルさん噛まれるのか 2 (ゾンビ部屋) オペこ !? BBL 占いの信用何故差がついたのか…慢心環境の違い パンダマット GYAAAAAAAAAAAAAAA 1 (なび村) レリック くは 2 (ゾンビ部屋) Mrチキン おわった 2 (ゾンビ部屋) TeaRabbit やっぱりね! 2 (ゾンビ部屋) リンシード 分からなくなったなー 2 (ゾンビ部屋) ファン はやっ Navi デーン 3 (GREEN) xバーバラx 自分はいままで狼陣営で負けたのが消極てきだったからからですね ソラリコ わんわんおーーー 1 (なび村) エルレイナ うあああああ 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS え メゾピ おつかれさまですー 1 (なび村) ルルフェ わーい 1 (なび村) ROWLEYS キャ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 2 (ゾンビ部屋) ファン 3人残りとか絶望村 1 (なび村) TeaRabbit ごめんなさーい メゾピ BBLさん真でしたかー 1 (なび村) BBL 酷いよ 1 (なび村) シエスタXX アーハッハッハッハ オペこ お疲れ様です!? 2 (ゾンビ部屋) れりか これだから人狼は 1 (なび村) xバーバラx おつかれさまでした 1 (なび村) TeaRabbit お疲れ様です 1 (なび村) SEIRIOS マジでー 2 (ゾンビ部屋) あらぐむ えるさんだけは狼かとおもってたのに 1 (なび村) ROWLEYS おつかれさまでしたー 1 (なび村) Mrチキン 狼さまの勝利じゃー 1 (なび村) エルレイナ 最悪のBBLさん真だったorz Navi ではおまちかね役職発表です! ヨロイモグラ ヒー 1 (なび村) パンダマット お疲れ様ですー Navi 人狼 シエスタXX ルルフェ xバーバラx ソラリコ Navi 占い師 BBL 2 (ゾンビ部屋) こんぶて 狼3生存wwww 2 (ゾンビ部屋) ファン 配役気になるぅぅ!! Navi 霊媒師 ROWLEYS 1 (なび村) ルルフェ おつかれさまでしたー Navi 狩人 TeaRabbit 2 (ゾンビ部屋) ソラリコ (⊃∀`* )エヘヘ♪ Navi 狂人 Mrチキン 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT 占い師のこすんじゃないよ! Navi 共有者 あらぐむ メゾピ 2 (ゾンビ部屋) ファン 別MAPなの誰か教えてください! Navi 以上でした! 1 (なび村) TeaRabbit 僕が霊媒を護らなかったばかりに(ノДT) メゾピ ごめんね! 1 (なび村) BBL 大体合ってたのにー 2 (ゾンビ部屋) クバリャーナ 一瞬よぎったけどねぇ…3残り まさか現実とはw 1 (なび村) SEIRIOS うわルルフェさんか! 2 (ゾンビ部屋) リンシード これはひどいw 2 (ゾンビ部屋) ファン ルルフェさん狼なの?! 1 (なび村) BBL バーバラさんかルルフェさんで迷ってたんだよ 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT 霊能いつしんだんや 1 (なび村) TeaRabbit 囲いそこでしたか 1 (なび村) BBL どっちも狼だったよ 1 (なび村) エルレイナ 両方狼とw 1 (なび村) xバーバラx どっちもですね 1 (なび村) SEIRIOS ほぼ初手で 2 (ゾンビ部屋) クバリャーナ 最初☆ 1 (なび村) エルレイナ いや~…迷走しすぎたorz 2 (ゾンビ部屋) Navi 狼 シエスタXX ルルフェ xバーバラx ソラリコ 1 (なび村) シエスタXX ヒヤヒヤしたよ 2 (ゾンビ部屋) Navi 占い BBL 1 (なび村) ルルフェ いい狼です 2 (ゾンビ部屋) ファン ソラリコさん 1 (なび村) パンダマット 霊媒やられるのがこんなに痛いとは・・ 2 (ゾンビ部屋) Navi 霊媒 ROWLEYS 1 (なび村) BBL エルレイナさんも狼に見えちゃったよ 1 (なび村) xバーバラx いきなり狼指定されましたからね 1 (なび村) SEIRIOS ロラ未遂ダメ絶対! 2 (ゾンビ部屋) ファン しょっぱな言いがかり釣りで狼とか 1 (なび村) ソラリコ >W< 1 (なび村) ROWLEYS 仕事したかったわー 1 (なび村) エルレイナ ないないw 1 (なび村) ソラリコ >w< 2 (ゾンビ部屋) Navi 狩人 TeaRabbit 2 (ゾンビ部屋) ファン なびこさまありがとうございます。・゚(うД⊂)゚・.。 2 (ゾンビ部屋) Navi 狂人 Mrチキン 1 (なび村) Mrチキン ま、私何したわけでもないけど( -ω-) 1 (なび村) TeaRabbit ROWさんごめんなさい 1 (なび村) シエスタXX ソラさんいきなり逝ったからな 1 (なび村) リンシード 全然分からなかったなー 2 (ゾンビ部屋) ファン うさぎさん狩人だったのですね 2 (ゾンビ部屋) Navi 共有 アラグム メゾピ 1 (なび村) ROWLEYS イイノヨー 1 (なび村) ソラリコ (⊃∀`* )エヘヘ♪ 2 (ゾンビ部屋) Navi 以上です! 1 (なび村) BBL 狼の内訳結構あたってたのに悔しい 1 (なび村) ROWLEYS ドヤ顔で●です言うつもりでした(何 1 (なび村) エルレイナ ソラちゃん村だと思ってたし、いきなり霊抜きはないと思ったんだorz 2 (ゾンビ部屋) ファン おつでありますヽ(゚∀゚)ノ 1 (なび村) ルルフェ チキンさん○ありがとうなのですよ 1 (なび村) あらぐむ むう、おつかれさまーくやしい 1 (なび村) ROWLEYS おつかれさまでーす 1 (なび村) BBL ルルフェさん超囲いだと思ってました 1 (なび村) ヨロイモグラ おつかれさま~ 1 (なび村) SEIRIOS カオス回だったなあー 1 (なび村) シエスタXX ソラさんの吊られ方がすばらしかった 2 (ゾンビ部屋) クバリャーナ おつかれさまでっす、エルさんは予想してなぁったなぁ 1 (なび村) Mrチキン 一応狼っぽいとこ○うってたけど 1 (なび村) エルレイナ チキンさんは狂人丸出しだったねぇ…w 1 (なび村) エルレイナ うむ~ 1 (なび村) Mrチキン どっちみちアレだしーw 1 (なび村) ROWLEYS (*´・ω・)(・ω・`*)ネー 1 (なび村) Mrチキン ちなみに狂人アピはしてるけど 1 (なび村) BBL チキンさんが狼でわざわざ囲うわけがないと思っていたからなあ 1 (なび村) Mrチキン マクロはまじで真でもやってます 1 (なび村) BBL シエスタさん狼の囲いだと思いました 1 (なび村) SEIRIOS 白予想当たってたけど狼わからんかったー 1 (なび村) エルレイナ それはわたしも同じw 1 (なび村) エルレイナ ただチキンさんは狂人アピの点で 1 (なび村) エルレイナ 狂でみてた 1 (なび村) シエスタXX やっとレイナに勝てた 1 (なび村) BBL うーん 1 (なび村) シエスタXX 悲願成就 1 (なび村) BBL 信頼ないなあ 1 (なび村) BBL 辛すぎ 1 (なび村) エルレイナ よく考えたら 1 (なび村) エルレイナ 寡黙どころ多かったから 1 (なび村) エルレイナ 寡黙占いも 1 (なび村) TeaRabbit 僕はBBLさんの事を信じていたのですけれど<初日護衛 1 (なび村) エルレイナ 仕方なかったんだな… 1 (なび村) BBL ですね 1 (なび村) xバーバラx たしかに多かったかも 1 (なび村) TeaRabbit 狼の数が数なので共有様に従ったのですよね・・・ 1 (なび村) エルレイナ まぁうさぎさん吊られた時点で 1 (なび村) BBL 寡黙多かったけど共有が寡黙指定していたので無難発言の二人をマークしてました 1 (なび村) エルレイナ 負け確信w 3 (GREEN) シエスタXX いい狼だった 3 (GREEN) シエスタXX またよろしくね 1 (なび村) エルレイナ うさぎさんの護衛先があらぐむさんだったら 1 (なび村) エルレイナ 吊ってたなw 3 (GREEN) ルルフェ ありがとうございました狼楽しかったです 1 (なび村) Mrチキン そして寡黙に○つけていく予定でした 1 (なび村) TeaRabbit そんなばかなw 1 (なび村) Mrチキン マクロで疑われちゃったので狂人アピに変更 1 (なび村) エルレイナ メゾピさん護衛で信じた 4 (パリっ子) あらぐむ メゾさんもおつかれぃ 1 (なび村) TeaRabbit あそこで護衛できていたら信頼違ったのですけれどね~ 1 (なび村) BBL ○しか出せなかったときは信頼されて●出したら疑われるとは 3 (GREEN) xバーバラx ありがとうございました 1 (なび村) BBL 複雑w 1 (なび村) エルレイナ BBLさん…ホロリ 1 (なび村) エルレイナ 一応真か狼でみてたよw 3 (GREEN) xバーバラx 自分も狼陣営で勝てて良かったです 1 (なび村) エルレイナ ローラーのタイミングでいかにも黒だしやすいところに黒出て疑ってしまったんだw 3 (GREEN) ソラリコ ((ヾ(。・ω・)ノ☆゚+.ァリガトゥ 人狼勝利 人狼 シエスタXX ルルフェ xバーバラx ソラリコ 占い師 BBL 霊媒師 ROWLEYS 狩人 TeaRabbit 狂人 Mrチキン 共有者 あらぐむ メゾピ 6日目へ 2012年5月12日全ログへ
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/859.html
衝撃! その名は『ヨシェナヴェ』 翌朝になって、コルベールはさっそく竜の羽衣を学院へ移送するため、竜騎士隊に大金を払う約束をして運び出してもらった。 ついでにコルベールも竜騎士隊に付き添って一緒に学院へ帰るらしい。 曰く、シルフィードの背中を軽くして上げようと思ったらしい。 承太郎達は、お昼にシエスタ特製のヨシェナヴェを食べてから帰る予定だ。 コルベールもヨシェナヴェを食べたがっていたが、今は一刻も早く竜の羽衣を持ち帰って研究したい事と、シエスタが休暇を終えて学院に帰ってくればいつでも作れるという事で納得した。 こうしてコルベールは竜騎士隊と一緒に竜の羽衣を持ってタルブの村を去る。 残ったルイズ達は、授業をサボって得た休息を満喫していた。 タバサは承太郎をピクニックに誘って怪しまれ断られ部屋で読書をしている。 キュルケは承太郎をデートに誘って断られてやる事がないから読書をしている。 ギーシュは人気の無い森に行って花びらやワルキューレを出して特訓している。 シルフィードはのん気に草原でゴロゴロして遊んでいる。 ルイズはシルフィードが遊んでる姿を見てぼんやりしていた。 「……はぁっ」 思い出すのは、昨日この辺で抱き合ってた二人の姿。 そしてシエスタの告白。 慌てて逃げ出してしまったため、承太郎が何と答えたのかは聞いていない。 昨晩遅くにシエスタの家に戻ったから、どちらとも顔を合わせてない。 今朝はわざと寝坊してみんなと朝食の時間をずらした。 二人を避けてここまで来て、今は暇をもてあましている。 「どうしたものかしら……」 何気なくルイズは始祖の祈祷書を開いた。詔を早く考えねばならない。 しかし祈祷書の中身が真っ白なように、ルイズの頭も真っ白だった。 何も思い浮かばない。全然さっぱりちっとも微塵もだ。 「……はぁっ」 何度目かの溜め息をついた時、ちょっと強めの風が吹いた。 パラパラと祈祷書のページがめくれる。どこもかしこも真っ白け。 ぼんやりとそれを見ている。 文字。 パラパラと祈祷書のページが表紙の部分までめくれた。 「……あれ?」 さっき、風でめくれる祈祷書の中に、何か書いてあったような気がした。 文字、だったと思う。多分。 ルイズは慌ててページをめくった。 文字が書いてあったのはどのあたりだったか? 解らないため一ページずつしっかりじっくり確認していく。 けれど結局文字を見つける事はできなかった。 「……気のせい…………? 寝不足なのかな」 昨晩はなかなか寝つけなかった。朝余分に寝たけど、眠り足りなかったのか? 試しに目を閉じてうつむいてみたけど、特に眠気は感じない。 でも、こうしていると頬を撫でる風がとても心地よく思えて、しばしルイズは日光のぬくもりと草木の香りに身をゆだねる。 何もかも忘れて真っ白になれるような、そんな安らぎ。 でも。 「あ、ミス・ヴァリエール。おはようございます」 目を開けて振り返ると、かごを持った私服姿のシエスタ。 「お、おはよう」 やばい、声がムッチャ震えてる。動揺丸出し。平民相手に、何でこんな。 「お加減でも悪いんですか? 顔色が悪いように見えますが……」 「なな、何でもない。何でも」 やばい、顔にも出てた。ルイズは慌てて草原へと視線を戻す。 シルフィードが仰向けに寝転がってこっちを見ていた。 こっち見んな。 「……あの、私、ミス・ヴァリエールに何か粗相をしたのでしょうか?」 「どどど、どうしてそう思うの?」 「気のせいかもしれませんけど、何だか避けられてるように……。 あ、申し訳ありません! 失礼な事を言ってしまって」 「別に、かか、構わないわ。それと、避けてないから。偶然だから」 「ホッ、よかったです」 「そそそそれよりあんた、ここ、こんな場所で、何してんのよ?」 「ヨシェナヴェの材料を集めてるんです。野山にある山菜も使いますから」 「そ、そう。ちゃんと綺麗に洗ってから料理しなさいよ?」 「もちろんです。多分、ジョータローさんにお出しする、最後の料理ですから」 「えっ」 もう一度、振り返る。 シエスタは今にも泣き出しそうな表情だった。 しかしルイズの視線を感じたシエスタは、すぐ笑顔を作って誤魔化した。 日食はほんの数日後。 シエスタは休暇をタルブの村ですごす。 つまり今日学院に帰る承太郎が、もし元の世界に帰ったら。 そしてシエスタの反応から、あの告白の返事が、シエスタにとって幸せなものではなかったのではと考える。 「……ねえ、もしジョータローが帰っちゃったら、どうする?」 「待ちます。この世界で、いつまでも」 「そう」 今、ルイズがシエスタに対して抱いているのは――共感、だった。 胸に穴が空いたような気分になって、そこからモヤモヤした気持ちは抜けていったが、とても寒く感じた。とても。 お昼になると、シエスタ宅のリビングに貴族一行+使い魔が集合していた。 テーブルには熱々のヨシェナヴェがおいしそうな香りを漂わせている。 「さあ皆さん、腕によりをかけて作りましたので、どうぞご賞味ください」 シエスタが自信満々に言い、ギーシュの期待は高まった。 「いやあ、楽しみにしてたよ。何せ、君達の作る料理は絶品だからね! 食堂に出される料理とは比べ物にならない!」 「しかもこいつは俺の故郷の料理だぜ。正確には寄せ鍋っていうんだがな」 承太郎も祖国の料理を味わえるとあって嬉しげだ。 キュルケも承太郎の祖国の料理なら、と期待を高まらせた。 タバサはすでに臨戦態勢だ。 ルイズも、この料理はよく味わって、感謝して食べようと思った。 そして皆は鍋の中身をおわんによそい、息を吹きかけて冷ましながら食べる。 「あら、本当においしい。ハーブの使い方が独特ね。この肉は何?」 「野うさぎのお肉です」 「うさぎ? へえ、こんなにおいしかったのね。味が染み込んでるからかしら?」 キュルケはご満悦らしく、満面の笑顔を浮かべた。 ギーシュは当然というか舌を火傷しそうな勢いで食べている。 「ホフッ、ホフッ。この熱々なのがまた、ンま~い! おかわり!」 一番乗りでおかわりをして、シエスタが嬉しそうによそう。 ルイズも材料はこの世界の物なれど異世界の調理法で作られた鍋の味に舌鼓。 おいしそうに具を頬張り、そして、独特の苦味を感じて「ん?」とおわんを見る。 緑色の葉が入っている。 色んな味が染み込んでいて、覚えのあるその味が何なのかすぐには思い出せなかった。 しかしタバサはそれに気づき、ハッと承太郎を見た。ゴッツ見た。 睨んだとか凝視とか視線で射抜くとかそんな勢いで。 承太郎は一言も喋らず、しかししっかりと料理を味わいスープまで飲みながら、 ギーシュに続いてのおかわりを自分ですくい――緑色の菜っ葉が混じり――。 「どうですか? ジョータローさんの故郷の味と違ったりしませんか?」 シエスタが訊ねる。承太郎が答える。 「具が違うから、そのままとはいかねーが、こいつぁうまいぜ。 故郷で食うよりもずっとな。こんなうまい鍋は初めてだ」 「まあ! よかった、喜んでもらえて」 シエスタの笑みに釣られて、承太郎も微笑を浮かべた。 そしてその希少価値の高い微笑の唇に、スプーンが具を運ぶ。 緑色の葉が入っている。 タバサは、さすがにこれでヤられたら熱いと思い、避ける準備をする。 だが。 「シエスタ、この緑の野菜は何だ? 独特の苦味が利いててうまいぜ」 「あ、それははしばみ草です。ジョータローさん、苦いのお好きみたいですから」 ス タ ー プ ラ チ ナ ・ ザ ・ ワ ー ル ド !! ド―――――z______ン 時 は 止 ま る。 その時、確かに時は止まった。 しかし時の止まった世界の中を、みんな普通に動いていた。 例外は一人、タバサのみ。 ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ 世界の時が止まったというよりは、むしろ彼女のみの時が止まったと表現するべきか。 彼女は信じられない光景を見て茫然自失と化していた。 そして続く言葉を聞く。 「はしばみ草……? こいつぁたまげた、料理次第でこんなにうまくなるとはな」 「え? もしかしてジョータローさん、はしばみ草は苦手でしたか?」 「ああ、だがシエスタの寄せ鍋だけは別だぜ」 「えへへ、ありがとうございます」 遠くで声が聞こえる。 ――独特の苦味が利いててうまいぜ。 ――はしばみ草……? こいつぁたまげた、料理次第でこんなにうまくなるとはな。 ――シエスタの寄せ鍋だけは別だぜ。 馬鹿な、そんな馬鹿な。 彼にそう言わせるのは、自分だ。自分だったはずだ。 そのために日夜研究し、彼のために改良を重ねてきたというのに。 完成したのに。 タバ茶七号。 私の、最高傑作。 その瞬間、タバサのマントから小さな水筒が落ち――彼女の時は動き出した。 「あら? タバサ、何か落としたわよ」 隣の席に座っていたキュルケが水筒を拾う。 当然、水筒の落ちた音はみんな聞いていたため、視線はそこに集中する。 当然、承太郎も。 「タバサ? どうしたのよ」 水筒を差し出すキュルケだが、タバサは受け取ろうとせず、乱暴に鍋をあさってはしばみ草を自分のおわんによそう。 そして食す。 はしばみ草の苦味と、他の様々な食材の味が見事に溶け合っている。 それはまさに異界の叡智が生み出した鍋料理に込められた魂そのもの! ――浦木少尉! 俺に構わず行け、日食に飛び込むんだ! タバサは戦友の身を案じる兵士の姿を見た。 ――俺は、生きる! 生きて、アイナと添い遂げる! タバサは恐怖を乗り越え愛を叫ぶ男の姿を見た。 ――勇気ある誓いと共に進め。 タバサは幼い勇者に未来を託し神話となった勇者の姿を見た。 「タバサ?」 はしばみ草を食べて固まる親友を見て、キュルケは不安になる。 承太郎やルイズ達も妙に思ってタバサを見ている。 タバサは、震えていた。 「あ、あの、お口に合いませんでしたか?」 恐る恐るシエスタが訊ねると、タバサは席を立ってシエスタに向かった。 彼女にとってギーシュの次に交流のある貴族がタバサだが、無口で無表情で承太郎以上に何を考えているのかよく解らない相手だ。 そんなタバサが、なぜ自分に向かってくるのか? 不安に駆られるシエスタの手を、タバサがギュッと握りしめた。 「私の負け」 「え?」 負けって、何の話ですかとシエスタは疑問に思った。 「あなたの勝ち」 親友のキュルケも、今回のタバサの行動はさっぱり理解できなかった。 しかし承太郎は何となく理由を察し「やれやれだぜ」と呟く。 その後、タバサは誰よりも一番多くヨシェナヴェをおかわりしたという。 でもはしばみ草は承太郎に多めに取らせるよう動いていたそうな。
https://w.atwiki.jp/familiar/pages/3903.html
26 名前:痴女109号[sage] 投稿日:2007/05/02(水) 06 34 26 ID JoMLGd7c 「やめてくださいっ!! サイトさんのそんな言葉なんか、聞きたくありませんっ!!」 シエスタが、血を吐くような叫び声を上げる。 しかし、その正面にたつ才人も、決して、平静を保っているわけではない。まるで悪い酒でも飲んだかのように、真っ青だ。 メイド姿の少女は、そんな少年に駆け寄り。必死に訴える。 ――いまの言葉は何かの間違いで、たちの悪い冗談だから気にしないでくれ。 そう言ってくれと彼にしがみつき、懸命に訴える。 しかし、才人が吐いた言葉は、やはりさっきと変わらなかった。 「俺は、やっぱりルイズを選ぶ。だからシエスタ……俺の事は、もう、諦めてくれ」 「いやです! いやですっ!! そんなっ、そんな事出来ませんっ!! いまさらサイトさんを諦めるなんて、そんなっ!! ――出来るわけないじゃありませんかっ!!」 「シエスタ」 「じゃあ、――じゃあ、わたし妥協しますっ! 一番でなくとも構いませんっ! 二番目でっ、愛人とか妾とか、浮気相手とかで構いませんっ! ですからそんな事っ!!」 「……」 「――そんなこといわないでください……!」 才人のパーカーを、自分の涙で濡らしながら、彼女は、親に見捨てられそうな幼児のように駄々をこねる。 しかし、彼からすればやはり、 「シエスタ――」 駄々は駄々でしかなかった。 「分かってくれ、……もう、決めたんだ……!」 「いやあああああああ!!!!!」 シエスタの発狂したかのような叫びが、その空間――格納庫――にとどろく。 常ならば、愛くるしさに満ち溢れているはずのシエスタの表情は、止めどなく流れる滂沱の涙に濡れながらも、その口元にはうっすらと笑みすら浮かんでいた。 ――無論、陽気な笑顔ではない。半ば狂気さえ含んだ、うつろな笑みである。 「シエスタ……!」 27 名前:契約(その1)[sage] 投稿日:2007/05/02(水) 06 37 59 ID JoMLGd7c 才人は、彼女の自分に対する想いが、ここまで深かったという事に驚くと同時に、そんなシエスタを悲しませ、絶望させているという現実に、身悶えするほどの自責の念が走る。 ――しかし、だからこそケジメはつけなければならない。 何故なら、そんな彼女であればこそ、今までのように思わせぶりな態度で希望を抱かせる事こそ、シエスタにとって最も残酷な事だからだ。 実は、才人がこういう(以前の彼自身の優柔不断さから思えば、ほぼ考えられない)宣告をシエスタにしたのは、彼自身のとある環境の変化が背景になっている。 「――わたし、わたしやっぱりアレですか? もう、邪魔ですか? そうですよね? 貴族の御令嬢との間に御婚約が整えば、もうサイトさんは、平民のメイド風情がでしゃばっていい御身分じゃないですよね? そういう事なんですよね?」 シエスタの言葉が、彼の胸を刺す。 そう、このたび才人とルイズ(というよりヴァリエール公爵家)との間に、正式に婚約が結ばれたのだ。 ヴァリエール家では、二人の予想通り、次女カトレア以外の全ての家族――文字通り末端の使用人に至るまで――轟々たる猛反発が巻き起こった。 なかでも家長たる公爵本人は、額から角でも生やさんばかりの勢いで激怒し、才人に対して刺客を送り込んだと言う噂まであったという。 ――しかし、とにもかくにも、才人とルイズの奔走で、この婚約は成立した。 そして、形の上だけでも婚約が成立した以上は、才人としても、これまでのような、どっちつかずの状態を是正しなければならない。ルイズに対する誠意の話だけではない。さもなければ、そのネタを口実に、こんな婚約はあっという間に破棄されてしまうからだ。 「シエスタ……ごめん。本当にごめん。でも、俺も本気なんだ。キミの好意はありがたいし、こんな事今さら言って何だが、それ以上に本当に申し訳ないと思ってる」 しかし、シエスタはもう才人を見てはいなかった。呆然とこっちを見てはいるが、涙が流れっ放しの瞳に力はなく、表情もうつろなままだ。未だに二本の足で立っているのが不思議なくらいである。 「……もう、いいんですサイトさん。しょせんわたしは、あなたに相応しくない女だったんです」 才人はもう、たまらなくなった。 こんな彼女を見るくらいなら、いっそ口汚く罵られた方がどれだけ楽か知れない。 「サイトさん」 妙に陽気な声でシエスタが呼ぶ。 顔をあげた才人はぎょっとした。 28 名前:契約(その1)[sage] 投稿日:2007/05/02(水) 06 42 12 ID JoMLGd7c 「大丈夫です、サイトさん。――わたし、サイトさんの足手まといにはなりませんから」 そこには、鈍く光る薪割り用のナタの刃を、自分の首筋に当てて微笑むメイド姿の少女がいた。 「ミス・ヴァリエールとお幸せに。――あ、でも、時々は」 シエスタはそこまで言うと言葉を切った。鼻をすすり、震える肩を静め、潤んだ目で才人を見つめ、言った。 ……時々は、私を思い出してくださいね、と。 「やめろぉぉぉ!!」 思わず才人は駆け寄ろうとして、転んでしまう。 事態の余りの急転直下に、とっさに上半身と下半身のバランスが取れなかったのだ。 顔面を石畳に思い切りぶつけたが、痛がっているヒマなど無い。 彼はそのまま土下座の形で叫んだ。 「やめてくれ! やめてくれシエスタ!! 俺が悪かった。俺が悪かったから、そんな、そんな事はやめてくれっ!! お願いだ!!」 しかし、彼女は答えない。 さっきまでと変わらず、うつろな笑みを浮かべたまま、才人を見つめている。 「何でもするっ!! 君が望むことなら、俺は何でもするっ!! だから、頼むからもうやめてくれっ!!」 才人がそう叫んだ時、初めてシエスタの瞳に光が宿った。 「何でも……していただけるんですか……?」 「え……?」 「わたしが望めば、何でもしていただけるんですか……?」 才人は答えられなかった。 というより、この期に及んで、彼女が何を言おうとしているのか、彼には分からなかったと言っていい。 そんな才人に、シエスタはたたみかける。 「今一度、確認させて頂きますわ」 一歩、二歩、三歩、……ゆっくり、ゆっくりとだが、シエスタが近付いてくる。無論、その細い首には、鈍く光るナタの刃が添えられている。 「わたしが望めば、サイトさんは何でもしていただけるんですね?」 29 名前:契約(その1)[sage] 投稿日:2007/05/02(水) 06 44 36 ID JoMLGd7c 「……俺にできる事なら」 「それはおかしいでしょう」 シエスタは言った。 サイトさんは今“何でも”と言いました。何でもと言うのは、文字通り何でもと言う意味のはずです。――彼女の目と、ナタの鈍い輝きがそう言っている。 その目を正視できずに、才人は思わずうなだれる。 「何を……すればいいんだ?」 「はい」 シエスタはきびすを返すと、格納庫の、工具や酒ビンなどを置いてある一角から、一枚の羊皮紙と羽根ペンを取り出し、何事かをさらさらと書いた。 「これに、サイトさんのサインと血判を押して下さい」 それだけ言うと、膝をついてうなだれる彼の傍らに寄り、ペンと共にその書類を才人に差し出した。 「――これ、何て書いてあるんだ?」 しかし、シエスタは微笑むだけで答えない。 もっとも、その笑顔はさっきまでのうつろな笑みとは違い、妙に邪悪なオーラに包まれているように感じられた。 才人には、このハルケギニアの文字が読めない。 彼に出来る書類仕事は、せいぜい自分の名を署名する事くらいである。 しかし、いくら何でも、内容のわからない書面に署名と血判を要求されて、ハイそうですねと従うほどバカではない。現代日本で育った彼は、紙切れ一枚の契約書が、文字通り人生を破壊しかねない悲劇を生むという事実を、骨の髄まで知っていたからだ。 しかし、もはや情況が情況だった。 彼女の言葉に従わずして、彼女を落ち着かせる方法を、いまの才人は知らなかった。 結局、彼は――従った。 「サインと血判、だな」 シエスタはそのままうなずいた。 「それをすれば、思いとどまってくれるんだな?」 シエスタが、やはり無言でうなずくのを見て、才人はペンを手に取った。 この時、彼がこの書面に書かれた内容を知っていたら、いくら何でも署名はしなかったであろう。何故ならこの書類は、才人が危惧を抱いた通り、いや、それ以上に彼の人生を破壊する結果となった、連帯保証人同意書にも等しい、そのものズバリの『死の契約』だったからだ。 31 名前:契約(その1)[sage] 投稿日:2007/05/02(水) 06 46 26 ID JoMLGd7c 「これで、いいのかシエスタ……?」 たどたどしいハルケギニア共通語で自分の名を署名し、親指の皮を歯で噛み切ると、彼はそのまま血判を押した。 その紙面を再び手渡された時の彼女の表情には、もはやさっきまでの憂いは無かった。 悲嘆の涙はそのまま歓喜の涙へと変化し、まるで難産の末に産まれた自分の赤子を、初めてその手に抱く母親のような、そんな感動に満ち溢れていた。 シエスタは紙片を胸に抱き、言った。 「ありがとうございますっ!! ありがとうございますっ!! 大切にしますから! わたし、このサイトさんの書付、死んでも離しませんからっ!!」 「キミが喜んでくれたなら、何だか分からないけど、俺も嬉しいよ」 才人もようやく顔をほころばせた。 「で、さ。――念のために聞かせて欲しいんだけどさ、……それ、一体何が書いてあったの?」 「はい」 シエスタは、うっとりとした笑みを浮かべたまま、その紙面を読み上げた。 「サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガは、わたくしことシエスタに、病めるときも、健やかなるときも、死が二人を分かつまで、絶対の服従と永遠の忠誠を捧げる事を誓います」 才人は、呆然と立ち尽くし、何も考える事が出来なかった。 そんな才人に、嬉しそうにシエスタが身を寄せてくる。 「さてサイトさん、それじゃあ早速、命令に従って頂きましょうか。手始めに、わたしのブーツにキスをして、忠誠と服従を誓っちゃってください」 「しっ、しえすた……?」 「あらかじめ言っときますけど、逃げたり逆らったりしたら、この書類をミス・ヴァリエールに届けますよ?」 と言い、サイトさんもご承知して下さってると思いますけど、 「わたし、こうと決めた事は、絶対にやり遂げるオンナですから」 そう、うそぶいた。 小悪魔のような……いや、才人には文字通りその笑顔は、悪魔の笑みに見えた。 96 名前:契約(その2)[sage] 投稿日:2007/05/04(金) 05 11 54 ID nWfBNMRn ――ぴちゃ、ぺちゃ、くちゃ……。 深夜の格納庫に、淫らな水音が響き渡る。 「ぁぁぁぁ……サイトさん、気持ちいいですよ……」 椅子に座りながらうっとりと声を上げるメイド姿の少女。 彼女のロングスカートからは、輝くばかりに白い生足がニュッと突き出され、その踵(かかと)を、一人の少年がうやうやしく手に取り、足の指の股を一心不乱に舌で清めている。 サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ……契約締結から三日後の姿であった。 「うふふふふ……さすがにサイトさん、なかなかお上手になられましたね。“お掃除”が」 シエスタは才人の頭を優しく撫でながら、やっぱり婚約者相手に毎晩実戦練習していらっしゃる方は、何事にも勘がいいですわ、と皮肉る。 「おっ、俺は、そんな事はしちゃいない――ぐぶるっ!」 真っ赤になって反論しようとした才人の口に、シエスタがそのまま、爪先を突っ込む。 「ぐっ、ぐぶぶぶ!!」 そのまま彼女は、才人の口の中で足の指をうごめかし、ついには足の親指と人差し指で、彼の舌をつまみあげた。 「〜〜〜〜〜〜〜っっっっ!!!!!」 「誰が勝手に意見をしていいと言いましたか? あなたは黙ってわたしの言う事に従っていればいいんですっ!!」 さっきまでの気持ちよさげな表情から一転、鬼のような形相に変化し、シエスタはそのまま、才人の顔面を蹴り飛ばす。 「っっ!」 目から火花が散るような激痛を覚え、思わず才人は険しい目でシエスタを睨み上げるが、 「何かおっしゃりたいのですか……!?」 逆光の中、目だけを異様に光らせ、仁王立ちに自分を見下ろすメイドの迫力に、思わず彼は目を逸らしてしまう。 97 名前:契約(その2)[sage] 投稿日:2007/05/04(金) 05 13 40 ID nWfBNMRn ――悪いのは俺だ。 ――シエスタがここまで理不尽で非常識な行為に走る原因を作ったのは、他でもない。この俺が彼女とルイズとの間を都合よく往復し、どっちつかずな態度を取り続けてきた結果なんだ――。 そういう罪悪感が、才人を縛り付ける。 無論、先日わけも分からずサインさせられた契約書の事もある。 しかし、現在の才人にとってはその書付けがルイズに露見する恐怖よりも、自分自身の罪の意識のためにシエスタには逆らえない、逆らおうという気が起こらない、と言った方が近いであろう。 そしてシエスタ自身も、彼が抱くそういう罪悪感に当然気付いている。 その証拠に――。 「勘違いなさらないで下さいねサイトさん。貴方は当然償うべき罰を受けているだけなんですよ。だって、そうでしょう? 貴方は、わたしの気持ちを裏切ったんですよ? それも、それも……貴族の爵位なんかにホイホイ釣られてっっ!!」 『裏切った』という言葉で、彼女は才人の心を刺激する。 確かにそうだろう。シエスタから見れば、そう解釈されても仕方がない。 しかし、今さら百万言を費やして説明したところで、シエスタは決して納得しないであろう。 何故なら、それを理解させるためには、才人の心は最初からルイズにのみ向いており、シエスタやアンリエッタに向けた笑顔は、単なる“よそ見”でしかなかった事を語らねばならず、そうなれば彼女は必ず三日前のように、死を選ぶであろうからだ。 契約書がルイズの目に晒されるのは怖い。想像しただけでゾッとする。 しかし、それ以上に才人が恐ろしいのは、自分が原因となって人を死に追いやる事だ。 そんな事態に比べたら、たかだかシエスタの罵倒を浴びるくらい、彼にとっては何でもない事だった。 98 名前:契約(その2)[sage] 投稿日:2007/05/04(金) 05 15 34 ID nWfBNMRn 難航中だった二人の婚約が大きく前進したきっかけは、ルイズが女性の身でありながら爵位を叙勲され、ラ・ヴァリエール公爵家より新たに分家を立て、“虚無”の血統を後世に残するべし、という勅命を受けたからだ。 “虚無”の血を残す、ということになれば、当然ルイズの相手はそこらの門閥貴族の出る幕はない。同じく“虚無”の名を冠し、同じ戦場を共に駆けた大戦の英雄、すなわちサイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ以外に適任者はいない……。 ――というのが、実は才人が考え出した二人の結婚のための最終プランだったのだ。 例え才人がシュヴァリエの称号を手にしたところで、ラ・ヴァリエール公爵が、可愛い末娘を素姓も知れぬ平民上がりに降嫁させるとは、才人は到底考えてはいなかった。(その点ルイズは、少しは期待していたようだったが……) 何故なら、中世貴族にとって婚儀とは、本人同士の情愛の結果ではなく、何より家門同士の結びつきを強調するためのイベントに過ぎないからだ。生まれながらのハルケギニア人ではない才人だからこそ、今ではそれがはっきりと分かる。 ――封建社会における身分の壁とは、それほどに分厚いものであり、特権階級の者たちが自らその壁を崩す例は、絶無に等しいという事が。 つまり公爵にとっては、どうしても才人をルイズと添わせなければならない確たる理由がない限り、二人の結婚を許す事はあり得ない……。 と、そういう戦略に基づき、才人とルイズの奔走が再開された。 幸い彼らは、この国の最高主権者アンリエッタ女王陛下と旧知の仲であり、先の大戦に於いて築いた軍の高官たちとのコネなどもフルに利用し、最終的に勅命という形で、ルイズの父親に無理やり婚約を承認させた。 “虚無の使い魔”ガンダールヴは、武のみならず政略に関しても能あるところを見せたのである。 しかし、二人のこの政治的奔走は、可能な限り秘密裏に行われたため、トリステイン魔法学院に事情を知るものは誰もいなかった。つまり、キュルケやタバサやモンモランシーたちにとって、この婚約発表は全く寝耳に水であったのだ。それはシエスタも同じであった。 つまり彼女からすれば、今まで中立(?)を保っていた才人が、勅命によって、ある日いきなりルイズの婚約者になってしまったように見えたのだ。しかも、アンリエッタに文句一つ言いに行くでもなく、唯々諾々と(むしろ嬉しげに)従っている……。 許せなかった。 ルイズも、アンリエッタも許しがたいが、それ以上に彼女は才人が許せなかった。 さいわいルイズは爵位の叙勲式の打ち合わせで、いま王宮に出かけている。さらにその後、やはり関係書類の問題などで帰省せねばならず、つまり一週間は学院に帰ってこない。 (ならば、その一週間で、サイトさんをムチャクチャにしてやる。あくまで抵抗するようなら、眼前で手首でも切って、一生後悔させてやるんだからっ) と、シエスタは思った。 もはや、彼女に行動をためらわせるものは、何一つなかった。 99 名前:契約(その2)[sage] 投稿日:2007/05/04(金) 05 17 22 ID nWfBNMRn (裏切り、か……。やっぱ、そう見えるよな) その瞬間、うなだれる才人の股間に激痛が走った。 「ぅぐっ!!」 才人の唾液に濡れそぼったシエスタの生足が、そのまま彼の急所に体重をかけてきたのだ。 「あら、どうなすったんですのサイトさん?」 「っっっ! ぁしを……足を……のけて……ひふぅっっ……!!」 「ごめんなさい、聞き取れませんでしたわ。もう一度ハッキリとおっしゃって下さいます?」 そう言いながらシエスタは指を使い始める。 「ぁぁぁぁ……のけてっ! ぁしを、のけ……あああああっ!!」 「んふふふ……そんなに足を乗っけて欲しいのですか、サイトさん?」 「ちっ、ちが……どけて……あああああ!!」 「やっぱり分かりませんわ。男らしくハッキリおっしゃって下さらないと」 いかにも残念そうにシエスタは呟く。 しかし、その口調とは裏腹に、シエスタの足の指は、まさしく芸術的な機動性を発揮し、Gパンの分厚い生地の上から、彼のペニスを確実に刺激していった。 「しえすた……ああああ……しえすたぁぁぁ……!!」 「サイトさん、分かっているとは思いますが――」 シエスタは言った。 「女の子に踏まれて興奮するような変態には、お仕置きですよ?」 「えっ!?」 ハッキリ言ってそれは反則だった。 何故なら、シエスタが“興奮したら”という条件付けをした時にはすでに、 「つまり、決定ですね。サイトさんのお仕置きは……!!」 才人のペニスは、彼女の執拗な足コキによって勃起していたのだから。 「ズボンとパンツを脱いで、壁に手を突いて立って下さい」 100 名前:契約(その2)[sage] 投稿日:2007/05/04(金) 05 19 25 ID nWfBNMRn ばっし〜〜〜んっ。しこしこしこしこしこ……。 「にじゅういちっ!!」 ばっし〜〜〜んっ。しこしこしこしこしこ……。 「にじゅうにっ!!」 ばっし〜〜〜んっ。しこしこしこしこしこ……。 「にじゅうさんっ!! ほぉら背筋しゃんと伸ばしてっ! 猫背になってますよっ!!」 「……ぇすた……、ぐうっ!! ……しえ、すたぁぁ……」 「どうしましたサイトさん?」 両手の動きを止め、うつむく才人を覗き込むシエスタ。 格納庫の壁に手を突いて歯を食いしばり、必死にスパンキングの痛みをこらえる才人。 ただ痛いだけのお仕置きではない。 右手で才人の尻を叩くシエスタは、同時に左手にたっぷりと蜂蜜を垂らして擬似ローションとし、激痛以上の快感を、そのローション手コキによって与えている。 ――彼女の愛読書『バタフライ伯爵夫人の優雅な一日』から学習したテクニックだ。 これをすると、真っ赤に腫れ上がったお尻と、快感でびんびんになったペニス、さらには射精をこらえる才人の表情と、3種類の『赤』を同時に鑑賞する事が出来る。 ……シエスタはこのお仕置きが大好きだった。 「……今日は……多いよぉ……」 「多い?」 「だって、いつもは――20回で終わりなのに……」 ばっし〜〜〜んっ。 「はぐうっ!!」 シエスタは言った。 「甘いですよ、サイトさん」 スパンキングと同時に、手コキも再開される。 ばっし〜〜〜ん。しこしこしこしこしこ……。 「昨日、おととい20発だったからって、今日もそうとは限らないでしょ?」 「そっ、……んな……ぁぁぁぁ……いぎっ!……」 「と言うか、今日は回数無制限で行きます。わたしの手がくたびれるか、もしくは」 ばっし〜〜〜ん。しこしこしこしこしこ……。 「サイトさんが泣くまで、ぶつのをやめません」 212 名前:痴女109号[sage] 投稿日:2007/05/07(月) 20 16 06 ID RlaksQe3 「つまり、騎兵の特質とは、騎馬による機動力をフルに活用し、大迂回をしつつも敵陣の側面・または後背などの最ももろい面を奇襲し、本隊の攻撃を容易せしめる事にある」 ――奇襲、と聞いた瞬間に、講義を聞く生徒たちの表情が曇った。 「つまり先生、不意打ちということですか?」 「それって、卑怯じゃないですか」 「貴公らはバカか? それとも私の話を真面目に聞いていないのか?」 アニエスはやれやれという表情で言い放った。 ……はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、……あと、何分だ……? ここはトリステイン魔法学院の一室。 水精霊騎士隊・通称オンディーヌの構成員は、全員この学院の学生であるため、王都にある士官学校に正式に通学する事は難しく、そのため、彼らには課外授業という形で、魔法の授業のかたわら、非常勤講師が学科や教練の指導に来るのである。 銃士隊長アニエスは、その主席講師に任命され、(本人はいやいやながらも)週二回、きっちり出来の悪い貴族のガキどもを怒鳴りつけに来る。 なんのかんのと、彼女は面倒見のいい女性だった。 ……はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、……おっ、おなかが、苦しい……。 「単なる騎士なら、大声上げて敵に飛び込めばそれで済む。それが奴らの仕事だからな。しかし、私がここでテーマとして取り上げているのは、単なる騎士ごときではない。“騎兵”だ。騎士と騎兵とでは、その役割は大きく違う」 アニエスは、その教鞭をぴしりと鳴らし、 「騎兵とは、最も速度を要求される兵種であるため、きらびやかな甲冑も重い馬鎧も着けず、また騎馬のみの行軍であるため、私兵を歩卒として従軍させる事も無い。そして敵陣の後背を突くといったところで、当然そこが無防備である可能性は薄い」 分かるか? つまり奇襲と言えば聞こえは悪いが、とアニエスは一声いれると、 「要するに、最も高度な馬術と、最も薄い装備で敵陣を確実に打ち崩す攻撃力、そして勇敢さが要求される兵種なのだ。――この戦術を自在に活用できれば、百戦百勝も夢ではない」 アニエスは興奮気味にドン、と教卓を叩きながら言う。 そんな彼女の迫力に、教室に居並ぶ騎士隊の小僧どもは声もない。 ……はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、やべえ……もう、授業どころじゃ……!! 213 名前:契約(その3)[sage] 投稿日:2007/05/07(月) 20 18 44 ID RlaksQe3 「でも、先生」 おずおずとギーシュが手を挙げる。 「さっきの質問の答えになってません」 ――あ? という表情で睨み返すアニエス。 「卑怯はやっぱり……卑怯じゃないでしょうか?」 「まだ分からんのかっ!! 戦場は遊び場ではない。騙し騙されの駆け引きこそが、勝負の趨勢をきめるのだっ!!」 ギーシュ・ド・グラモンっ、とアニエスは叫ぶように彼を呼ぶと、 「貴様、仮にもグラモン元帥の一門であろうが! 正々堂々と正面からの会戦にこだわるなど、敵の十倍の兵力を以て初めてほざける事と何故気付かんっ――って、ゴラァッ!!」 その瞬間、反射的に頭をすくめた才人の髪ギリギリを、アニエスの教鞭がうなりをあげて通過する。 ――危なかった。 ホッとしつつ顔を上げた才人を待っていたのは、怒りで真っ赤になったアニエスの瞳だった。 銃士隊隊長ともあろう剣の使い手が、説教途中に思わず晒したブザマに、教室のあちこちから失笑の声が洩れ、それがさらに彼女の怒りに油を注ぐ。 「ボっとしてた割りには御機嫌にかわしてくれたなサイト。私の授業はそんなに退屈か?」 退屈だなんてとんでもない。ただ集中できない事情があるだけだ。 しかし才人にとっての不幸は、その事情を納得いくように話せる者が、この世に一人もいないことだった。 荒廃した平成日本の教育現場とは違い、ハルケギニアには教育委員会もPTAもない。 つまり、基本的に体罰オールOKのこの世界で、教室に於いて先生を怒らせるという事は……。 「左右の者、サイトの両脇を固めて立たせろ」 アニエスは教鞭を置くと、ぽきぽきと指を鳴らし、往復ビンタをきっちり4往復いれると、そこで終業のチャイムが鳴った。 「運が悪かったなサイト。チャイムが鳴るのがもう少し早かったら、お仕置きは次の授業に持ち越しになっていただろうにな?」 アニエスがにやりと笑う。 ――持ち越しになっただけじゃ、結局ぶたれる事に変わりは無いじゃないか。 そんな発言をする勇者は、当然この教室には誰もいなかった。 214 名前:契約(その3)[sage] 投稿日:2007/05/07(月) 20 21 48 ID RlaksQe3 こんこん。 「サイトさんですか?」 ――はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、……。 ドアを開ける。 そこには彼女がいた。 才人とルイズの二人が共に安眠を得る、豪奢な寝台。 そこには、漆黒のメイド服と純白のエプロンドレスを着込み、無造作に横たわる少女。 「そろそろお越しになられる頃だと思ってましたよ」。 ――はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、……。 「し、しえすたぁ……、はやく……はやく……」 扉を閉め、倒れこむようにベッドにすがりつく才人。 「はやく、これを……取ってくれよぉ……!」 そんな才人を心の底から慈しむような表情で見つめながら、 「これ? これって何です?」 彼女は、たまらなく残忍な言葉を吐く。 「何って……しえすたぁ……!」 「いつも申し上げているでしょう? 言いたい事があるなら、男らしくハッキリおっしゃって下さいと」 「……っっ!」 才人は、アニエスの往復ビンタで真っ赤に腫らした顔を、さらに屈辱で赤く染め、口を開く。 「おっ、俺の貞操帯をはずして、……お尻に入ってるものを……取ってくれ、シエスタ」 「ふふふふふふ……、はい、よく言えました」 クスリと笑うと、シエスタはポケットから鍵束を取り出した。 才人は、そんな彼女を前にしてベルトを緩め、恥らうように鈍く輝く鉄のパンツをさらけ出した。 ――貞操帯。メイドとしてトリスタニア市街へ買出しに行った時、シエスタが密かに購入したものである。 無論、彼女が買い求めたのはそれだけではない。その他種々の性具や衣装、薬品の類いも彼女は抜け目なく購入しており、その予算は全て才人のサイフからまかなわれた。 「当然でしょう? これらの品々はみな、サイトさんを気持ちよくするために使われるのですよ?」 昂然と言い切るシエスタに、才人は何も言い返せなかった。 215 名前:契約(その3)[sage] 投稿日:2007/05/07(月) 20 23 59 ID RlaksQe3 「それにしてもサイトさん、そのお顔どうなさったんです?」 「アニエスさんに……ぶたれたんだよ。授業中にボケっとすんなって」 へえ、それはとんだ災難でしたね、と楽しそうに笑いながら、シエスタは貞操帯のロックを外す。 さすがに彼も、そのくすくす笑いにカチンと来たらしい。 「災難もクソも無いよっ、ケツにこんなもん仕込まれて、集中できるわけ無いだろっ!!」 思わず声を荒げるが、そんな彼の姿に威厳は皆無であった。 ベッドに手をつき、メイドに尻を差し出す少年。――しかも、その肛門からは小さなリングまで見えているのだから。 「あらあら、申し訳ございません。わたしとしましてはただ――」 彼女の細い指が菊門に吸い込まれると、やがてリングの先の糸から直径1・5センチほどの黒い球体が姿を見せた。 「サイトさんに気持ちよくなって頂きたいだけですのに」 「――ぐぅっ!」 一つ、二つ、三つ、……。 白魚のようなメイドの指先によって、次々と才人の臀部から黒球が産み出されてゆく。 「はぁぁぁぁっっ!! ごっ、ごりごりするよぉっ!!」 才人が尻を震わせ、懸命に刺激をこらえている。 「サイトさん、分かっておられるとは思いますが、今はまだお日様が出ている時間です。あまり大きな声を出されると、誰に聞かれるか分かりませんよ」 シエスタが、才人の耳朶を甘噛みしながら、囁きかける。 「でっ、でも……くうう……!」 「んふふふふ……我慢なさい。男の子でしょう?」 ――はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、……。 しかし、過度の快感の前には老若男女の差は無意味だ。 才人はもう全身に力が入らず、無様にベッドにしがみつき、震えながら尻をかかげる事しか出来ない。 216 名前:契約(その3)[sage] 投稿日:2007/05/07(月) 20 26 07 ID RlaksQe3 シエスタは、ベッドの上に乗って彼の側面にポジションをずらすと、そのまま右手でアナルビーズを引き抜きながら、左手をパーカーの下に潜り込ませてきた。 「しっ、しえすっ!?」 シエスタの指が才人の胸部を這い回る。 「っっっ!!」 思わず才人が息を呑んだ瞬間、彼女の舌が猛烈な勢いで彼の唇に侵入してきた。 「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!!!」 ぴちゃ、くちゃ、ぺちゃ……。 流し込まれるシエスタの唾液が、才人の僅かに残る理性をどろどろに溶かしてゆく。 無論その間も、彼女による他の器官への攻撃は続いている。 右手の指は、さっきまで引き抜かれつつあったアナルパールを、新たに彼の菊門へ埋め込みつつ、左手の指は、びんびんに堅くなった彼の乳首を弾きまわし、才人の身体に電流を送り込み続けている。 ――くちゅ……。 たっぷり1分は続いたディープキスが、互いの唇の間に白い糸を引きながら終焉を告げる。 「サイトさん、気持ちいいですか?」 才人は答えない。 答えられない。 焦点の定まらない目で、自分を見下ろす少女を呆然と見返し、こくんと頷く。 「なら、……もっともっと気持ちよくして差し上げます」 そう言うが早いか、シエスタは、さっき再び彼のアナルに埋め込んだアナルパールを一気に引き抜いた。 「っっっっっ!!!!!!!!」 才人はもはや、声すらあげられなかった。 「じゃあサイトさん。これから、貴方の一番気持ちいいところを可愛がってあげますね」 そう言いながら彼女は、才人の剥き出しになったペニスを、そろりと撫で上げた。 484 名前:痴女109号[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 06 57 33 ID NsYJzJhi その日、タバサは授業に出なかった。 彼女にしては、これは珍しい事と言わねばならない。 ガリアからの指令があれば、魔法学院の授業はおろか、あらゆるプライベートを省みずに任務に勤しむ彼女であったが、逆に言えば、そう言った任務以外の理由で授業をサボった事は無い。本来、彼女は根が真面目だった。 原因は分かっている。 昨日見た、あの風景。 あの時、タバサのまぶたに焼きついたあの荘厳なる絵画の如き、淫猥な眺め。 その焼きついた淫画を、あらためて、ぼんやりと思い出す。 (あれが、いやらしい、という事なんだ……) 男女の間には、そういった事がある、というのは知っている。 男女の間では、そういった事をする、というのも知っている。 その行為の果てに、人は子を産み、育て、死んでいくのだという事も。 しかし、それはタバサにとっては、天の果てに極楽があり地の底に地獄がある、という教えと同じくらい概念的で、実感の湧かない抽象的な知識だった。 かつてシャルロットという名で、ガリアの宮中にいた頃。さらには故国を追われ、タバサという名を名乗り、血のにじむような魔法の修行に励んでいた頃。――彼女に、そんな当たり前の性教育を施してくれる者は、誰もいなかったのだから。 もっとも、単に当たり前の性知識だけしか知らぬ者なら、その光景を見て、彼らが何をしているのかも、見当がつきかねたに違いない。 タバサとて、その博覧強記とも言えるほどの読書量と、いつもキュルケが話す、ほぼワイ談交じりの恋愛話を――半ば流しつつであっても――聞いていなければ、彼らが何をしていたか理解は出来なかったに違いない。 それほどまでに、あの二人が繰り広げていた痴態は、タバサの常識に当てはまらないものだった。 むくり。 体を起こしてみる。 ――重い。 昨夜の疲れが、まだ綿のように残っている。 気付けば、全身汗まみれだ。 (シャワー、浴びなきゃ) のろのろと、着替えを取ろうとして、その時初めて彼女は、自分が全裸であった事を思い出す。 そして、その恥じらいと共に、昨夜の自分の痴態をも。 485 名前:契約(その4)[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 07 00 49 ID NsYJzJhi (熱い……!) 昨夜、タバサは熱にうなされていた。 尋常の投薬、治癒呪文では決して癒される事の無い高熱に。 熱を持っているのは心だけではない。むしろ肉体だ。――いや、集約すれば、肉体の一部分だ。そこから発生した膨大な熱が、放射状にタバサの全身を冒している。まるで悪性の疫病か何かのように。 タバサはそっと、その器官――股間に指を下ろす。 触れるか、触れないか、それこそギリギリのタッチで。 ――くちゅり。 「くうううううっっっ!!!!」 湿った音と共に、全身に十数回目かの電流が走る。 はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……!! ――気持ちいい。 人間の体というものが、こんな感覚を発生させる機能を持っているということを、彼女はこの夜初めて知ったのだ。かつて読破した、どんな論文にも古文書にも研究資料にも記載されていなかった、禁断の知識。 すなわち、自慰行為。 膣孔も乳首も肉芽も、いや、その指、掌が触れるところは全て快感の電流が走り、こすり合わせる太腿さえも、たまらぬ陶酔感を彼女に与えてくれた。 昨夜からほぼ夜明けまで、タバサはこの一人遊びに没頭し、いつ眠ったのかも気がつかずに目覚めたのち、彼女はその生涯で初めて、朝寝坊という行為をしてしまった事を知った。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 熱い湯が、きめの細かいタバサの肌を流してゆく。 昨夜来の汗の脂が、みるみるうちに清められてゆく。 自慰の快感とは、また別種の心地よさがタバサの身体を支配していた。 (サイト……) 意識がハッキリするにつれて、昨日の一件がまた、彼女の脳裡を占めてゆく。 486 名前:契約(その4)[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 07 02 42 ID NsYJzJhi 「ああああああっ!! やめっ!! やめっ!! はぁぁぁっっっ!!」 「んふふふふ……違うでしょう? 『気持ちいいです。もっとして下さい、お姉様』でしょう?」 「はっ、はひぃっ! ひっ、ひもひ、いいれしゅうぅ……!」 「だめでしょう、ちゃんと言われた通りに言いなさいっ!」 ここは、風の塔の一室。窓から彼女たちを照らすのは、太陽ほどにまぶしい二つの月光。 そのスポットライトのなかで、二人のメイドが、互いに荒い息を吐いて身体を重ねあっていた。 一人のメイドが、犬のように四つん這いになり、もう一人のメイドがその背後から、彼女に何かをしているようだった。 最初、タバサは彼女らが一体何をしているのか、分からなかった。 ――というのは、嘘に近い。 確かに何をしているのかは分からなかった。 しかし、その二人が発散する“淫気”は、性行為に関しては非常に幼い知識すら持たないタバサにすら一目瞭然なほど、露骨なものだった。 (これって……えっち、なの……?) キュルケから聞いていたのとは違う。 小説で呼んだものとも違う。 男子生徒が昼休みに話しているのを、何となく聞いた行為とも違う。 そもそも、性行為とは、男と女がするものであって、眼前のメイドたちのように女同士でするものではない。 でも、これは――いや、これこそが“えっち”なのだ。 タバサは、胃液が逆流するような不快感を覚えた。 同性愛に対する嫌悪感もあった。 それ以上に、人としての矜持を捨て、獣のようにまぐわう彼女たちの“淫気”に、たまらない『だらしなさ』をおぼえたのだ。 その『だらしなさ』は、年齢相応に潔癖なタバサという少女が、最も嫌悪してやまない要素であった。 そう思った瞬間には、目を逸らしていた。 目を逸らした瞬間には、きびすを返していた。 もともと、この塔にも特別な用があって来たわけではない。 ただ、この塔の、この一室から見える二つの満月が、彼女は好きなだけなのだ。 タバサは、彼女たち二人によって、宙空の双月すらも汚されたような気がした。 その声が、彼女の耳に届くまでは。 「しえす……しえすたぁぁぁ……!! あああああ……!!」 「違いますっ!! 何度言ったら分かるんですサイトさんっ!! わたしの事は『お姉様』って呼びなさいって、言ってあるでしょうっ!!」 タバサは凍りついた。 487 名前:契約(その4)[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 07 05 44 ID NsYJzJhi ――ぱぁんっ!! 掌が、何かを平手打ちする音が聞こえた。ついでに、泥の中から何かを引っこ抜くような音も。 「ひっっ!! おっ、おねえさまぁっ!! やめないでっ やめないで続けてくださいっ!!」 「続ける……? 何を続けて欲しいんですか?」 「〜〜〜〜っっっ ひっ、ひじわるいわないれぇぇ」 「ですから、ちゃんと言いなさい。な・に・を・続けて欲しいんですか?」 「おっ、おれの……おしりマンコを……おっ、おかしてくらさいっ!!」 タバサは信じたくなかった。 これ以上見たくも無かったし、聞きたくも無かった。 でも、やはり彼女の理性は、眼前で行われている、とてもとても淫らな二人の正体を確認せざるを得なかった。 タバサは、そのバラの花びらのような唇で素早くルーンを唱える。 と、同時に、彼女の小柄な身体は、かき消すようにその場から消えてしまった。 ステルス。――空気の屈折率を変化させて、自分の姿を透明にする呪文。 トライアングル・メイジであるタバサにとっては、そう難しい呪文ではない。 そのまま足音を消し、呼吸を殺し、彼女たちが最も欲見える場所……部屋の中央まで移動する。 「おれ? おれって誰です? あなたは今の自分の立場が、まだ分からないんですか!?」 そう言いながらメイド――シエスタは、四つん這いになったもう一人のメイドのスカートをめくり上げ、そこから見える剥き出しのお尻に、強烈な平手打ちを食らわしている。 488 名前:契約(その4)[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 07 07 23 ID NsYJzJhi ぱぁん! 「ひぎぃっ!!」 「“あたし”でしょ、サイトさん?」 ぱぁん! 「ったぁぃっ!!」 「自分の事は“あたし”って呼ぶ。そう決めたでしょっ!」 ぱぁん! 「はっ、はひっ!!」 「わかったんですか? 本当に理解したんですか? 一体何回言わせれば気が済むんですかっ!!」 ぱぁん! ぱぁん! ぱぁん! ぱぁん! ぱぁん!! 「しゅいましぇん! しゅいましぇん!! ぁぁぁぁぁ!!!!」 ――サイト……!! そこにいたのは、紛れも無い才人その人だった。 メイドの扮装に身を包み、ウィッグとカチューシャまで装着したその姿は、ぱっと見には女の子にしか見えないけど、それでも、確かに才人であった。 (何で……何でこんな……!?) タバサが知る才人は、この世に於ける彼女の唯一の“勇者”であった。 かつて彼女は才人に命を救われた。 それだけではない。 囚われの身であった母すらも、彼は命がけで救ってくれた。それも、平民の身でありながら、せっかく叙勲されたシュヴァリエの称号すら投げ捨てて。 だからタバサはこの少年に、命すらも捧げる、そう言い切る事が出来たのだ。 お前は才人が好きなのか? そう問われれば、彼女は赤面して、ただ返答に困るしかないだろう。 なぜなら、男性としての才人は、すでに自分の手の届くところにはいないのだから。 彼は元来ルイズの召喚した使い魔であり、理解者であり、戦友であり、そして恋人であり、現段階では婚約者ですらあった。 この二人の間に、割って入ることは不可能だ。 タバサはそう思っていた。 それでいい、そうでなければならない。そう思おうとしていた。 489 名前:契約(その4)[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 07 09 37 ID NsYJzJhi しかし……。 「“あたし”はぁ……“あたし”はぁ……」 「“あたし”は? サイトさんは一体誰なんですか?」 「“あたし”は、……シッ、シエスタお姉様の、いもうとの……ドジでエッチな……どっ、どうしようもない淫乱メイドですっ!!」 しかし……。 「んふふふふっ……。よく出来ました。ご褒美は何がいいですか?」 「……ああああ、シエスタお姉様の、堅くて太いのを、……“あたし”のおしりマンコにぶちこんでくださいっ!!」 しかし……何故、こうも彼らが美しく見える!? タバサは、もはや叫びだしたくなる自分を抑えるのに、必死だった。 「ええ、どうぞ……ゆっくり味わってくださいね」 物凄い顔で微笑んだシエスタが、自らのスカートを捲り上げた時、そこには本来、女性にはあるはずのない器官が、タバサには見えた。 黒く、太く、逞しい、見事なペニス。 恐らく才人自身のイチモツよりも更に、立派なサイズであるに違いない。無論そんな事まで、今のタバサには分かるはずも無いが。 その雄渾なるディルドゥーが、彼のアナルに吸い込まれてゆく。 ゆっくり、ゆっくり。しかし、その動きはむしろスムースで、無理やり捻じ込んでいるようには全く見えなかった。 「ああああああああ……おねえさま……いいいい、れしゅぅぅぅ……」 しかし、タバサにも分かる事があった。 さっきまで彼女自身を包んでいた、身の毛もよだつような嫌悪感が、いまや雲散霧消してしまっているという事だ。 その理由すらもタバサには分かっている。 ほんの数瞬前まで、才人への想いを無意識に封印しようとしていた自分自身に対し、その行為が何の意味も持たないナルシシズムである、と彼女は気がついたのだ。 逆に言えば、今この瞬間にタバサは、自身の才人への慕情に気付き、それを認め、その上で、開き直る覚悟を決めたのである。 ――私は、サイトを奪う。このメイドからも。そして勿論、ルイズからも。 490 名前:契約(その4)[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 07 11 45 ID NsYJzJhi 一体その考えの何が悪いというのだ。 現に、ルイズの居ぬ間に蹂躙されているサイトの、この美しさはどうだ? タバサは、今まで才人という少年を、自分が全く理解していなかった事を、つくづく思い知らされた。 彼は、略奪されるべき存在なのだ。 他者から虐待され、蹂躙され、屈服させられる瞬間、その瞬間こそ、このサイト・ド・シュヴァリエ・ヒラガという少年は、最大限の魅力を発揮するのだ。 その後、シエスタというメイドは、四つん這いになった才人のペニスをしごきつつ、気が済むまで彼の尻を掘りまくると、スペルマまみれのメイド服に身を包み、精根尽き果てた才人に水をぶっ掛け、去っていった。 才人も、ずぶ濡れのまま、よろよろと立ち上がると、そのまま塔から姿を消した。 タバサが、ステルスの呪文を解除したのは、それからだった。 それから彼女は自室に帰り、一晩中、狂ったようにオナニーに励む事となる……。 きゅっ。 シャワーの蛇口を閉めると、彼女は大浴場から出て、身体を拭く。 拭きながら考える。 才人を手中に収める方法を。 才人を服従させる方法を。 (そもそも、何故サイトは、あのメイドに逆らえないのか) ならば、才人本人よりも、メイドに直接当たるべきかも知れない。 ルイズが帰ってくるのは、もう明日だ。 なら、万一、手間取ったら命取りだ。 そこまで、思案した時、彼女はすでに制服を着終えていた。 きゅっ、とマントを引き締める。 眼鏡をかける。 ――この際、メイドと協同戦線を張るのもアリかも知れない。 眼鏡を中指で、くいっと持ち上げる。 そのレンズの奥で、タバサの碧眼が妖しく輝いた。 637 名前:痴女109号[sage] 投稿日:2007/05/23(水) 05 20 17 ID YGULRSV0 こんこん。 シエスタが部屋をノックする。 「ミス・タバサ、お食事をお持ちいたしました」 「入って」 扉の奥から声が聞こえる。 ドア越しだけに、か細く、小さいけれど、はっきりとした意思を感じさせる声。 (ご病気だと聞いたけれど……案外具合はいいのかも) 「それでは失礼致します」 シエスタは扉を開けると、キチンと礼をし、室内に入る。 そこに、いつもルイズにしているような反抗的な態度はカケラも見受けられない。 と言うより、本来シエスタにとっては、むしろ生徒や教師一人一人に対し、こういう所作をとる事こそ自然なのだ。彼女はあくまで、この学院における使用人であり、家政婦であり、一人の平民に過ぎないのだから。 才人がハルケギニアに出現して以降、シエスタは驚くほど自分が変わったと思う。 まず、第一にメイジが怖くなくなった。 これまで彼女たちにとってメイジとは、自分たち平民にとって生殺与奪の権を握る、文字通り“怒らせれば命は無い”というほどの対象であった。 しかし、才人を通じてシエスタは、彼ら貴族もまた人間でしかない事を知った。 そして、この学院のメイジたちも同様に、才人によって、平民たちもまた人間であるという事実を知ったのだ。 結構以前までは、本音はともかく、この学院で才人の事を堂々と、 ――平民め! と、口に出して誹謗できるもの、もうあまりいなくなっていた。 (俺をそしれる資格のある者は、俺以上のことが出来るやつだけだ) 才人のその、あけっぴろげな笑顔の裏にある自信は、この学院の全ての見習いメイジたちも、無言で認めざるを得ないものがあったのだから。 もっとも、ルイズが卒業すると同時に才人が彼女をめとり、新たに領地と官位まで下賜される、という事実が発覚した現在では、そうはいかない。 いまや彼は、この学院における嫉妬と羨望の眼差しを一身に受ける存在であった。 無論、そんな風当たりなど、才人にとっては風馬牛といった感じではあったが。 しかしその中で、才人にではなくルイズに嫉妬する者がいる事を、……自分以外にそんな者が存在している事実を、うかつにもシエスタは知らなかった。 638 名前:契約(その5)[sage] 投稿日:2007/05/23(水) 05 21 47 ID YGULRSV0 「お食事、こちらに置きますね。このシチュー、精の付くものを特に多くいれてあります」 そう言いながらシエスタは、トレイをタバサの正面のテーブルに置き、彼女の方をちらりと見る。 タバサは、ソファに座って読書に勤しんでいた。 (さぼり?) 仮病を使い、授業をさぼったあげく、わざわざ自室にまで食事を届けさせる。 そういう貴族たちの尊大さは――慣れているとはいえ――やはり、やりきれないものを感じさせる。 しかし、若干の違和感もある。 少なくとも、シエスタが知るタバサという少女は、そういう貴族の典型と言うべき倣岸さを、他人に見せるタイプではない。 ルイズやキュルケたち程ではないが、それでも彼女にとってタバサはまんざら知らない仲ではない。 一応、才人たちとともに宝捜し――という名のキャンプ旅行に出かけたこともあるくらいだし、他の学院生たちよりは、寝食を共にした仲だという気安さはある。 また、その宝捜しの最後の一点である“竜の羽衣”が、曽祖父の形見だったという事実もあって、その時の一行は全員、シエスタの実家を一夜の宿として借りてまでいるのだ。 ――しかし、このタバサという異様に寡黙な少女は、その時の旅でもそうだったが、結構コミュニケーションが取りづらい。 ギーシュなどとは違い、何かと頼りにはなるのだが、宝捜しの時も直接的な面倒は、ほとんどキュルケに任せっ放しで、自分はほぼ没交渉だったような気すらするのだが。 今になって、ふと疑う。 タバサの目的は、自分をここに呼ぶ事にあったのか? 自分でなければ出来ない話を、二人きりでするために。 思い当たる節は――ない。 シエスタは、このタバサという少女が、自分同様、才人に熱い眼差しを向けているという事実を、まだ知らない。 639 名前:契約(その5)[sage] 投稿日:2007/05/23(水) 05 23 31 ID YGULRSV0 「食事、ありがとう」 ぼそりとタバサが呟く。 「ああ、いえ、とんでもない」 「おいしそう」 そう言うとタバサは、自分の食器棚から銀のスプーンを取り出し、その感謝の言葉とは裏腹に、何の感情も見せない表情で、ビーフシチューをすすり始めた。 シエスタは辛抱強く、タバサが口火を切るのを待っていたが、この寡黙なメイジは一向にそんな様子を見せない。それどころか、一瞥の視線さえシエスタに投げかける気配も無く、シチューを味わっている。 「ミス・タバサ、お紅茶はいかがでしょうか?」 トレイの上のポッドから、装飾を施したカップに、湯気の立つ紅い液体を注ぐ。 「ありがとう」 と言いながらも、やはりタバサは、ただ黙々と食事を続ける。 (ばかにしてる) さすがにシエスタも思った。 彼女は出自こそ平民の村娘ではあるが、決して気位の低い女ではない。 もっとも、そんな彼女でなければ、公爵家の令嬢を向こうに回して、男の取り合いなどできるものではない。 それとも、彼女がわざわざ自分に食事を持ってこさせたのは、特に意味も無い事だったのか。 シエスタにとっては――まあ、どっちでも良かった。 用が無いなら帰るまでだ。明晩にはルイズが、実家から帰ってくる。あの可愛い“妹”をいたぶれる機会は今夜しか、もう残っていないのだ。 そう思うと、シエスタは矢も盾もたまらず、才人の元は行きたくなった。 「では、ミス・タバサ、これでわたくしは失礼致します。食器の方は、また後ほど回収させて頂きますので、扉の外にでもお出し下さいまし。……では、失礼致しました」 「待って」 この声がかかるまでは。 「昨日の“妹”は元気?」 タバサは、この時初めてシエスタを見上げた。 その青い瞳は、いそいそと部屋を出ようとするシエスタを、明らかに嘲っていた。 そして、シエスタの表情は、タバサの碧眼以上に真っ青になっていた。 640 名前:契約(その5)[sage] 投稿日:2007/05/23(水) 05 26 33 ID YGULRSV0 「……ミス・タバサ?」 タバサは、もうシエスタを見てはいない。 さっき見せた、悪戯っぽい表情は、紅茶のカップを持つ小さな手に隠れて、シエスタには何も見えない。 しかし、その肩も、その背も、僅かに見えるその口元も、いや、彼女の全身が発する雰囲気からして、タバサは明らかに嘲っている。誰を? 無論シエスタを、だ。 「あっ……、あの……ミス? 昨日の妹って、一体何の事でしょうか?」 タバサは答えない。 今のシエスタにとっては、百万言の脅し文句より、その沈黙の方が怖い。 「ミス・タバサ。あの、ちゃんとおっしゃって下さい。私にも分かるように、その――」 「風の塔」 もう疑う余地すら残っていない。 決定的だ。シエスタの頭はもう真っ白だった。 (見られた……!!) そう、見られたのだ。 見られた以上、シエスタとしては、土下座してでもこの少女の口を封じねばならない。 なんとなれば、この一件のスキャンダルは、シエスタはともかく、才人の身柄をも決定的に失墜させるものだからだ。彼女としては、無論それは望むところではない。 シエスタは知っている。 才人が、その心底では、誰よりもルイズを愛しく思っている事を。 例え今は、彼女の体の下で、お尻を犯されむせび泣く、シエスタの“妹”奴隷であったとしても、だ。 そして、ルイズへの嫉妬はともかく、才人が幸せになる事を考えれば、今回のこの醜聞は、断じて表沙汰にするわけにはいかないのだ。 才人は、彼が望む女性と結ばれ、その上で幸せにならねばならない。 結果として、彼が自分を選ばなかった事は、骨が鳴るほどに悲しいが、だからといって、その縁談もろとも才人の将来をもを叩き潰してやる、などと考えるほどシエスタは下品な女ではない。 今回の彼女の暴挙は、自分を捨てた才人への怒りもあったが、何より、ルイズが実家から帰ってくるまでの、ほんの、お仕置きのつもりだったのだ。 だから、お尻の処女は奪っても、才人の童貞は、あくまで手をつけてはいない。 ルイズが帰り次第、シエスタは大人しく身を引く予定だったのだから……。 「それでいいの?」 タバサが眼鏡の奥から、何もかも見透かしたような、そんな目付きで問い掛ける。 641 名前:契約(その5)[sage] 投稿日:2007/05/23(水) 05 27 55 ID YGULRSV0 何がです? と、シエスタにしてみれば、聞き返すべきであったかもしれない。 タバサのペースに巻き込まれず、自分の望む方向へ話の先を取りたいなら、彼女はそうすべきであった。 しかし、シエスタの口は開かなかった。 その、喉元まで出かかった言葉は、語られる事は無かった。 (何で、私の考えてる事が……?) もはや、シエスタは冷静ではなかった。 彼女にとっては、タバサが自分の考えを読んだという事が、何より――才人との醜聞を見られたという事実そのものよりも――パニックを喚起させていたのだ。 タバサからすれば、シエスタの表情と、沈黙の呼吸、全身の雰囲気などから、彼女の意思を読み取り、ブラフをかけたに過ぎない。歴戦の戦巧者でもある彼女からすれば、たかだか平民のメイド一人、論理誘導する事など、さほど難しくは無い。 結局、シエスタは、そのタバサの問いに返答できなかった。 なぜなら、シエスタが答える前に、タバサが新たな問いを発してきたからだ。 「何故、それでいいと思うの?」 「わっ、私は何も言ってません!」 「いいえ、分かるわ。貴方はサイトを諦めようとしている。だから逆に、ルイズが帰ってくるまでに、彼の身体に自分の痕跡を残そうとしているのでしょう?」 タバサがゆらりと立ち上がり、音も無くシエスタの隣に立つ。 気配をまるで感じさせない、幽霊のような動きで。 そのまま囁く。 サイトを奪いなさい、と。 ルイズから奪いなさい、と。 サイト自身からも、ルイズを消し去りなさい、と。 「ダメですっ!! そんな事はダメですっ!!」 タバサの悪魔のような囁きに、シエスタは耳をふさいで、その場に座り込む。 642 名前:契約(その5)[sage] 投稿日:2007/05/23(水) 05 30 12 ID YGULRSV0 ――なぜ? 「サイトさんが不幸になりますっ!! サイトさんがっ!!」 ――ならないわ。 「なりますっ!! だってサイトさんが、サイトさんが好きなのは私じゃないんですもんっ!! サイトさんはミス・ヴァリエールと結ばれてこそ――」 ――違う。 シエスタは振り仰いだ。 タバサが無言で彼女を見下ろしている。 しかし、そのたたずまいは、むしろ森厳とすら言うべきであり、先程までの悪魔じみた囁きを、この少女が発していたとは到底信じがたいものがある。 タバサは言った。 「人の心は脆いもの」 例えサイトがルイズを愛していようと、それだけでは得られぬ快楽がある事を教えてあげればいい。 「現に」 タバサは続ける。 現に、あなたは実践しているではないか。男でありながら“女”として、“陰門”を征服される悦びを、あなたは彼に、十二分に教え込んでいるではないか。――と、そう言った。 「……」 シエスタは言葉を返せなかった。 才人はまだ若い。 若い男性の目には、精神的な愛情よりも、肉体的な快楽の方がより魅力的に映るであろう事は、シエスタにとっても、自明の理だという事は分かる。 しかし……。 そんな事が出来るであろうか? 殴られても蹴られても、ある意味一途にルイズへの愛を貫き続けてきた才人なのだ。 ティファニア、アンリエッタ、そしてこの自分と、他の女性に乗り換えるなら機会はいくらでもあった。しかし、それでもなお、諦めずにルイズへの想いを捨てずに、そして念願のゴールインを迎えた彼らを、快楽の力だけで、引き離す事など可能であろうか。 643 名前:契約(その5)[sage] 投稿日:2007/05/23(水) 05 31 12 ID YGULRSV0 「できるわ」 タバサは言い切った。 「あなた一人じゃ無理かもしれない。でも、私が手を貸せば、出来る」 そう言ってタバサは、へたり込むメイド少女に手を差し伸べる。 シエスタは、むしろ恐怖を持って彼女に尋ねる。 あなたは何故、そこまで自分を、一介のメイドに過ぎない自分を、ここまで後押ししてくれるのですか、と。 「決まってる」 タバサがそう言った時、シエスタの片手はすでに彼女の掌中にあった。 「私もサイトが好きだから」 そして次の瞬間には、ふわりという感触と共に、タバサの薄い胸の中に吸い寄せられていた。 「サイトを、ルイズだけのものにしたくないから」 339 名前:契約(その6)[sage] 投稿日:2007/06/09(土) 19 34 39 ID kIHtn6WC 「……!!」 才人は絶句した。 (どういう事態なんだ……これは……!?) いま、この部屋には、シエスタを含めて三人の女性がいる。 タバサ。シルフィード。そして、この淫靡なイベントの主催者であるシエスタ。 ――いや、何も知らない者が見れば、女性の人数は四人に見えたに違いない。そこに女装を強制された才人を加えたならば。 いつもの通り、ノックもなしにイキナリ部屋に入ってきたシエスタに、当然のように突き出された、下ろしたてのメイド服。それと、ウィッグを含む数々の化粧用品。 「こ、このあたしを、お姉様の“いもうと”に戻して頂いて、有難うございます……」 才人はそんなシエスタに、ぎこちない感謝の辞を述べ、彼女に為されるがままに着付けとメイキャップを施されてゆく。 当然、ただ着替えるだけではすまない。 才人の言葉に、鷹揚にうなづき、淫らな微笑を返しつつ、彼女はいつもの行動に移る。 唇、ペニス、アナル、乳首、耳朶、うなじ、脇の下といった、才人の全身の性感帯を撫でまわし、存分に彼の悲鳴を堪能しながら、それでもシエスタは手際よく、才人を変身させてゆく。 股間からペニスを生やした、とても残念な生き物……シエスタの“いもうと”に。 340 名前:契約(その6)[sage] 投稿日:2007/06/09(土) 19 36 32 ID kIHtn6WC はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、……。 メイクが完了した頃には、才人はいつものように肌を紅潮させ、息も絶え絶えになっていた。 そんな彼を見下ろし、シエスタは言う。 「喜んでくださいサイトさん。今日はね、特別ゲストがいらしてるんですよ」 「え?」 「どうぞ、準備は出来ましたのでお入りください。――ミス・タバサ」 「なっ!?」 ――いま、いま何と言いやがった!? たばさ? タバサと言ったのか!? その言葉に才人が愕然となる暇すらなかった。 扉が開いて現れたのは、まさしく、彼が知る寡黙な少女、タバサその人であった。 さらにその後ろから、 「きゅいきゅい、待ちくたびれちゃったのね!」 という、いかにも無邪気な声とともに入室してきた、もう一人の女性。 タバサと同じく、青く美しい髪を背まで伸ばした、二十歳前後の綺麗な女性。 「――しっ、シルフィ……!?」 「あっ、サイトっ!? どうしたのね? 何かいつもと違う格好してるのね」 「あ、いや、その、これは――」 ――ばたんっっ!! 必死に言い訳しようとする才人の口は、重い音と共にシエスタに閉じられた部屋の扉によって、遮られた。 「……しえすた?」 とっさに、幼児のように救いを求める視線を、シエスタに投げかける才人。 しかし、シエスタは、まるで彼の逃げ場を塞ぐかのように扉の前に仁王立ちになり、さらに彼を追い詰める。 「さあ、サイトさん、この方々に説明してあげてくださいな。――いまの自分が、一体どういう事になっているのか」 「そっ、そんなっ!?」 「逆らうんですか?」 「……!」 341 名前:契約(その6)[sage] 投稿日:2007/06/09(土) 19 38 25 ID kIHtn6WC ――ここまで、ここまでするのか、シエスタ……。 何度も味わった、この絶望。 絶望の淵に叩き落されていたはずの自分が、さらに深く、暗い闇の底まで引きずり落とされてゆく感覚。 逆レイプに始まり、射精管理、飲尿行為、アナル開発、野外プレイ、さらには男性用貞操帯と授業中の道具責め。そして現在の強制女装からのレズセックス。 シエスタの口が開くたびに、そこから紡ぎだされる新たな命令に才人は、いつもこの感覚を味合わされていた。すでにして希望を捨てている彼をして、更なる絶望の暗闇に叩き落す、彼女の恐るべき嗜虐性。 ――何を言ってるんですかサイトさん。まだまだ、これからなんですよ。 そして今もシエスタは、そう言わんばかりに両手を腰に当て、ねっとりとした視線を才人に送っている。 「きゅいきゅい、早く説明してサイトっ。一体なんでこんな格好してるのっ?」 「そうですよ、サイトさん。ゲストの方々をお待たせするのは、メイドとしてはとても恥ずべきことなのですよ。私は“姉”として、あなたをそんな“いもうと”に躾たつもりはありませんよ。ふふふ……」 無邪気なシルフィード。その尻馬をあおるシエスタ。 才人は、その迷える視線を、おそるおそる第三の少女……タバサに向けてみる。 タバサの、常に自己の感情を窺わせない青い瞳。 その美しい碧眼が、わずかに興奮の色合いをにじませつつ才人を射抜き、言う。 「早く」 彼は、その一言を聞いた瞬間、まるで下半身が泥になったように、その場に崩れ落ちた。 342 名前:契約(その6)[sage] 投稿日:2007/06/09(土) 19 41 27 ID kIHtn6WC この、絶望的なまでに無残な姿を晒している自分を見て、あのタバサが、僅かにであるが頬を紅潮させ、目を潤ませ、笑みすら浮かべている。それも、シエスタと同質の淫靡な微笑を。 (もうダメだ) 「……あ、あたしは……」 (ダメだよルイズ……) 「あたしは、――シッ、シエスタお姉様の“いもうと”で」 (もう……限界だ……!!) 「ドジで間抜けで、いつもお姉様にご迷惑をかけて、お仕置きをして頂いている、サイトっていうメイドです」 (俺、もう、何か、壊れちまったよ……) 才人は、全身を震わせながらひざまずき、 「ミス・タバサ、それにミス・シルフィード。こんな哀れなあたしを、ど、どうか、お姉様と三人で、……お、お仕置きして下さい……!」 そう言って才人は、三人の靴にキスをした。 348 名前:痴女109号[sage] 投稿日:2007/06/10(日) 03 44 54 ID V7ARRJ95 元来、この部屋はルイズの個室だった。 そこに、使い魔として召喚された才人が同居し、さらに才人の“御付きメイド”となったシエスタが押しかけてきて、いつの間にやら三人部屋になったのだが、それでも、この部屋の家具や、クローゼットの衣装などはほとんどがルイズの私物である。 つまり、この部屋の中には当然の事ながら、ルイズの体臭こそが一番染み付いている。 ベッドにも、シーツにも、枕にも、布団にもである。 そんなルイズの匂いにまみれた夜具の中で、彼女の夫になるべき男を蹂躙する。 ――シエスタの優越感をこれ以上ないほどに刺激するこのシチュエーション。 そして、肝心の“寝取られ男”は今、彼女――シエスタにスカートをまくりあげられ、四つん這いになって剥き出しの尻をさらし、シエスタにアナルを舐められていた。 その連日の荒淫ですっかり黒ずんだ彼の菊門はパックリと口を開き、そこから伸びた黒い細紐の先には、金属製のリングが鈍く光っている。 ――シエスタのアナルパールの紐であった。 349 名前:契約(その7)[sage] 投稿日:2007/06/10(日) 03 47 26 ID V7ARRJ95 「きゅいきゅい、すごい! シルフィ、とっても気持ちいいのねん!!」 ワンワンスタイルになった才人の頭部は、シルフィードの細く長い両足に挟まれ、拘束されている。 いくら人間の姿をとったところで、元はドラゴンである。恐らく彼は、かつて経験した事のないパワーで頭蓋を圧迫され、必死になってシルフィードの恥部に舌を振るっているはずだ。 「きゅいきゅい!! こんなのっ!! こんなの初めてなのねんっ!!」 いまシルフィードの神経を、どれだけの快楽電流が迸っているかは、そのムダ毛一本生えていない白い美脚が、真っ赤に紅潮している事でも予想はつく。 「きゅい〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」 二十歳前後の容貌に似合わぬ甲高い声を発し、シルフィードの全身から、一気に力が抜けた。 首の骨を捻り折られる前に、どうやら才人が、この竜の幼生を頂上に追いやったようだ。 イったシルフィードも、イカせた才人も、互いに肩で荒い息をしながら、ベッドに突っ伏した。 (当たり前よね) シエスタは、余韻に酔いしれるシルフィードを見て、むしろ自慢気に鼻を鳴らした。 この“いもうと”は、シエスタが都合数十時間の連続調教の果てに、女性を(と言うか自分を)悦ばせるためのあらゆる手練手管を叩き込んだ、いわばシエスタ自慢の『作品』でさえある。 いかに伝説の風韻竜といえど、いかに妙齢の美女に変身していたとしても、所詮は幼竜一匹、“いもうと”の手にかかれば物の数ではない。 350 名前:契約(その7)[sage] 投稿日:2007/06/10(日) 03 52 07 ID V7ARRJ95 「んふふふふ……サイトさんったら、ホント学習しない人ですねえ」 そんな上機嫌とは裏腹に、シエスタは尻肉に、がぶりと歯を立てる。 「〜〜〜〜〜っっ!!」 「私はサイトさんに『お尻を差し出しなさい』と言ったんですよ」 彼の臀部に歯型を生産しながら、シエスタは言葉を続ける。 「誰が休んでいいと言ったんです? あなたがこのベッドでお休みになれるのは、ここにいる全員が、あなたを罰し終えてからなんですよ。まだそんな事も分かりませんか?」 「すっ、すびばせんっ! お姉様っ!!」 そう言われて才人が、満面の恐怖を浮かべながらシエスタを振り返る。 が、当然シエスタは彼を許すつもりはない。 「さあ、どういうお仕置きがいいでしょうか、ミス・タバサ?」 そう言いながら、シエスタは視線をタバサに移す……が、その時になって、彼女の姿が自分の視界にないことに気が付いた。 「このリングは何?」 ――っっっ!!? 肩越しにかけられた冷静な声音に、シエスタは驚きの余り、体勢を崩して振り返る。 (いっ、いつの間に私の後ろにっ?) そこには、碧眼碧髪の眼鏡っ娘が、まるで理科の実験でも観察するような冷静な眼差しで、シエスタを見つめていた。 「それに、サイトの肛門が完全に口を開いてしまってる」 いや、彼女が見つめていたのはシエスタではない。 「何をしたらこうなるの?」 タバサの眼中にあるのは、あくまでも才人一人なのだ。 「この、お尻のリングが関係してるの?」 351 名前:契約(その7)[sage] 投稿日:2007/06/10(日) 03 55 49 ID V7ARRJ95 タバサは、シエスタの隣――丁度、才人のアナルを最もいい角度で覗ける場所に移動してくると、そこで初めてシエスタを振り向いた。 「引っ張っていい?」 どうやら、タバサは才人のアナルから生えたリングに御執心らしい。 「その必要はありませんわ」 シエスタは、さっきの驚きはどこへやら、逆に誇らしげに答える。 彼女としても、才人の調教状態をタバサに示せる事が嬉しくてたまらないらしい。 「ミス・タバサのお手を煩わせるまでもありません。――サイトさん」 シエスタは、歯型をぺろりと一舐めすると、闇に沁み入るような声で命じた。 「『産卵』のお時間ですよ」 「こっ、ここでですかっ!?」 「私に恥をかかせるおつもりですか、サイトさん?」 その一言で才人の口答えは終焉を告げた。 「あ、いや、その、申し訳有りません、お姉様……」 生半可な反抗が、どれほどの“罰”となって我が身に帰ってくるか、彼はもう、骨の髄まで承知しているのだろう。タバサには、そんな才人がとても新鮮に見えた。 353 名前:契約(その7)[sage] 投稿日:2007/06/10(日) 04 01 08 ID V7ARRJ95 「ひっ、ひっ、――ふぅぅぅぅうううううう!!!」 才人が、半ば悲鳴のような声を上げながら、全身の力を振り絞っていきみだす。 すると、やがて才人のアナルから出現したのは、リングから伸びる紐に結ばれた直径3センチほどの球体だった。 「んっ、んっ、んっ、んっ、んんんんんんっ!!!」 才人の全身が、電気椅子で処刑された死刑囚のように痙攣する。 「すごい……!!」 思わずタバサが呟いた。 才人のアナルから出現した球体は、なんと一個だけではなかったのだ。 二つ、三つ、四つ、……。 ――まだ、まだある? まだ入るの!? なるほど、『産卵』とはよく言ったものだ。しかし彼女たちの眼前で全身を震わせ、球体をひり出し続ける才人の姿には、ウミガメの出産のごとき荘厳さはカケラもない。 タバサは、滅多に感情を表さぬその容貌を、驚きと悦びに染めながら、ひたすら球体を排出し続ける彼のアナルを、食い入るように見つめ、そんなタバサを、シエスタはこれ以上ないほどの優越感と誇りを持って見下ろしていた。 「お姉様ぁっ、お姉様ぁっ、もう、もう!!」 そう叫ぶ才人の肛門からは、数珠繋ぎに結ばれた“卵”が四個ぶら下がり、しかも四つ目の“卵”からは、まだ紐が彼のアナルまで続いている。 「だらしないですねぇ、サイトさん」 そう言うと、シエスタは、そこで初めてリングに指をかけ、 「御自分の異物を、排泄する事さえ出来ないのですか?」 一気に引き抜いた。 ずぶりっっ!! 「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!!」 鈍い音がして、さらに二つ、都合六個の“卵”が、異臭にまみれてベッドに落ちる。才人自身も、それと時を同じくして、再びベッドに崩れ落ちる。 その数珠繋ぎのアナルパールを携え、ひょいと才人の枕元に移動したシエスタは、刹那、タバサに勝ち誇った眼差しを向け、戦慄すべき新たな指令を、愛する男に下した。 「さあ、サイトさん。御自分で汚したモノは、御自分で綺麗にして下さい。メイドの基本ですよ」 糞臭匂うアナルパールを、才人の口元に突きつけながら下したこの言葉は、眼前の才人にのみ向けられたものではない。つまり、 (私が命じて、サイトさんに出来ない事など、もはや存在しない。貴方と私の、今の差を思い知らせてあげますわ、ミス・タバサ……!!) 624 :契約(その8):2007/06/22(金) 01 52 27 ID o2mqbQuL (こっ、これを、……俺がっ!?) 異臭を放ちつつ突きつけられた数珠繋ぎの物体は、才人に新たなる絶望を味あわせるには充分な存在だった。 、そして、いまや彼にとって、絶望という感情は、彼の魂を闇の淵に蹴りこむだけでは済まない、むしろ甘美な響きさえ伴う、黒い欲望に同化しつつあった。 ――すなわち、マゾヒズム。 元来、平賀才人という少年には、その素養があった。 そもそも、ある日イキナリ、自分を異世界に召喚した、その実行犯たる少女に唯々諾々と従い、それでもなお、自分を人間以下に扱おうとする彼女に、好意を越えて愛情さえ抱いてしまう。 ――常識的には、はっきり言って、考えられる事ではない。 そんな非常識をあっさりクリアーしてしまう順応性。これをマゾヒズムの兆候と解釈する事に何の誤謬があるだろうか? まあいい。 とにかく、この場において確かに言える事は、彼に与えられる更なる絶望は、もはや快楽に化学変化することさえ稀ではない、という事実。 その証拠に、才人は眼前に突きつけられた、異臭漂うこの性具を見つめる眼差しに、明らかな興奮の熱を持った光を灯している。 そして、ゆっくり、ゆっくりと、『それ』を手に取った才人を、シエスタはにやりと笑って見下ろした。 625 :契約(その8):2007/06/22(金) 01 54 13 ID o2mqbQuL 「きゅい、きゅい! ズルイのねん。サイトだけ、美味しそうなお団子食べて!!」 その声の所有者が、いきなりその性具を横取りして口に放り込まなければ、彼は間違いなく、その物体を自らの口に納めていただろう。 しかし。 「――ぶほっ、なにこれっ!? ごほっ!! ごほっ!!」 「あっ、シルフィさん、だめっ!!」 シエスタが止める暇さえなかった。 シルフィードは、その堅い食感と、何よりその物質の全体を覆う臭味に驚き、アナルパールをそのまま、窓の外に放り投げてしまったのだ。 一瞬、残念そうな、ほっとしたような表情の才人を残して。 「なにこれっ!? くさいのねんっ! まずいのねんっ!! 気持ち悪いのねんっ!!」 全身に鳥肌を立たせるシルフィード。 無理もない。 才人のクンニにイカされて、ようやく天地晦冥の中から意識を取り戻したばかりの彼女は、残忍極まりないシエスタの産卵命令も、才人の出産シーンも見てはいないのだから。 つまり、このピンポン球大の性具が、そもそもどこに仕込まれていたか知らない訳だ。 「自業自得」 「きゅいきゅいっ! お姉さまヒドイのねんっ!!」 「勝手な真似するから」 そう言いながらタバサの指は、うなだれて、荒い呼吸を整えている才人の顎に、差し入れられた。 「サイト」 「……何? タバサ」 「貴方の身体で、この子を口直しさせてあげて」 そうタバサが言った瞬間、きゅいきゅい騒いでいたシルフィードが突然静かになった。 「――いいの? お姉さま」 「……」 「お姉さまより先に、シルフィがサイトを食べちゃっても」 「いいの。順番なんてもう、無意味な事だもの」 「ミス・タバサ! ちょっ、ちょっと、待って下さいっ!」 しかし、シエスタの声は結局タバサの唇によって中断された。 「んっ……んんんん〜〜〜〜っっっ!!」 イキナリ敢行されたタバサのディープキスは、数瞬であっても、メイドから判断力を奪うには充分だった。 「おっ、おい、タバサっ!!」 そして、彼女を振り返ろうとした瞬間、 「きゅい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!」 という、奇声と共に、碧髪の美女が才人の胸に飛び込んできたのだ。 「ちょっ、まっ、っっぁぁぁ〜〜〜〜〜!!」 そしてたちまちの内に、うなじの急所に吸い付かれて、何も言えなくなってしまう。 「きゅいきゅいっ! お姉さまのお許しが出たのねんっ!!」 「しるっ、しるふぃっ!!」 「きゅいきゅいっ! うるさいのねんサイトっ!」 胸のボタンを引き千切ると、そのままシルフィードは彼の乳首を音を立てて噛む。 「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」 626 :契約(その8):2007/06/22(金) 01 55 46 ID o2mqbQuL 「どう、おいしい? サイトの体は?」 シエスタの胸を揉みながら、タバサがこちらに目をやる。 「すごいのねんっ!! とってもおいしくて、シルフィ感動しそうなのねんっ!!」 そのまま、赤子のように、ちゅうちゅう彼の乳首を吸い始めるシルフィード。 そうなのだ。 彼女は、いまでこそ美しい髪を背まで伸ばした妙齢の美女の姿をとってはいるが、本来は竜の幼生。まだまだ母のぬくもりが恋しい年頃である。 そして、そんな彼女ならばこそ、さっき才人の舌によって自分の肉体を襲った、未経験の快感についても、当然理解してはいなかった。 ――ただ一つ、タバサから言い含められたサイトの『童貞』の件を除いては。 「どういう、どういう、おつもりなんですかミス――あっ……タバサっ!?」 「……」 「あなたはサイトさんを、一体――くぅぅ――どうするおつもりなんですか」 「サイトの童貞を、あの子に奪わせる」 その言葉を聞いた瞬間に、シエスタはこの少女に対する自分の認識が、全く甘かった事を思い知った。 ――敵っっ! この方は、やっぱり敵なんだ。 ミス・ヴァリエールだけじゃない。私からすらも、サイトさんを奪おうとしている恋敵! (甘かった。気を許したわけでもなかったのに、何でこんな……!!) さっきのあの瞬間、才人は完全にアナルパールを口に入れようとしていた。 さっきのあの瞬間、才人は完全にシエスタの軍門に下った、いわば無条件降伏の状態だったのだ。 しかし、その流れはいま断ち切られた。 いま、才人の“男”は奪われつつある。 シエスタがどうしても手を付けられなかった、才人の男としてのシンボル。 ルイズへの遠慮なのか? いいや、それは言い訳に過ぎない。 シエスタには分かっていた。 彼女が、才人の“男”に手を付けなかったのは、そうする事で何かが終わってしまう、何かが変わってしまう、そう思ったからであり、それが怖かったからだ。 何故なら、才人が本当に好きなのは、あくまでも自分ではなくルイズであるという事実を、彼女は誰よりもよく知っているからだ。 しかし、このタバサという少女には、自分のような中途半端なためらいはない。 その証しに、彼女の使い魔たるシルフィードは、才人の体を……。 「きゅいきゅい、サイトのおっぱいは何にも出て来ないから、ちょっとつまらないのねん」 そう呟くと、シルフィードは才人の着るメイド服のエプロンごと、スカートを中央から縦に引き裂いた。 びびっ、びびびびびっっ!!! 「ああああっ ちょっとお前、この服タダじゃないんだぞっ!!」 この才人の叫びが照れ隠しだったのか否かは、恐らく問題ではない。 スカートを縦に割って突如出現した巨大スリットのおかげで、小さなショーツからはみだした彼の堅いペニスが、大気中に一気に晒される事になったのだ。 627 :契約(その8):2007/06/22(金) 01 59 29 ID o2mqbQuL 「きゅいきゅい!! サイトのおちんちん、可愛いぱんつからはみだしてるのねんっ!!」 「やっ、やめろぉっ!! みるな……ぁぁぁぁああああ!!!」 「んふふふふ。やっぱサイトは、いい反応してるのねん」 「あああっ!! いやだっ!! サイトさんっ!! サイトさんっ!! しっかりして下さいサイトさんっ!!」 「黙って」 自分に乗りかかるタバサの小さな体の向こうから、あからさまな才人の悲鳴が聞こえて来る。それは、“姉”を名乗り、才人の身体を思うさま蹂躙してきたシエスタにとって耐え切れる響きではなかった。 本当なら、今すぐにでも、自分にまとわり付くタバサを蹴散らして、愛する男の貞操を守りに行きたかった。 しかし、跳ね除けられない。 タバサが駆使する、舌、指などのテクニック。それに加えて、抵抗しようと暴れるシエスタの力を巧みに逸らし、流し、あるいは利用し、体格に於いて自分を圧倒しているはずのシエスタの体から引き剥がされないようにしている。 ――もっとも、『北花壇騎士七号』として、魔法・体術を含む様々な戦闘訓練を修めているタバサにとっては、たかがメイド一匹グラウンドで押さえ込むのは、造作もない事なのだが……。 (でも、手加減はしない……!!) 「ひぃぃっ!! 剥かないでっ!! そこの皮は――痛でぇぇ!! 剥かないでぇぇ!」 「きゅいきゅい、意外なのねん。サイトってば、こんなに立派なの持ってるのに、先っちょは、『お子様』なのねん?」 そう、そこに聳える才人の男根は、サイズはともかく、いまだ幼いままの形状を保っていた。 シエスタは、彼がいくら泣き叫んでも、“そこ”に手を付けてはくれなかったのだ。 そこに、シエスタ独特の不安感とルイズへの遠慮があった事は前述したが、しかし、それだけではない。 (徹底的に焦らせてあげます――!) 彼の男としての機能を、あくまでも無視し、それ以外の性感帯の開発に重点を置く事で、より深い屈辱と、それによる快楽を与えよう。当時の彼女はそう思ったからだ。 ――しかし、今は後悔している。 こんな形で、こんな形で奪われてしまうなら、私がっ!! この私が誰よりも早く奪ってしまえば良かったっっ!!! 涙ながらにシエスタは思う。 「きゅいきゅい、サイトだめなのねん。あんまりモガモガすると、おちんちんの皮が剥きにくいのねん」 「だからっ!! 剥かなくていいっ!! って、聞いてねえだろオマエ――ああああ!!」 「嫌なのねん。シルフィは剥きたいのねん。サイトのおちんちん、剥きたいのねん」 「ちょっ……何すんだよっ!?」 「だから、サイトは少し静かにするのねん」 シルフィードはくるっと体勢を入れ替えると、69の体位で自分の股間を、彼の口元に持っていった。 「男の子は我慢が大切なのねん。今からサイトは、シルフィのあそこを舐め舐めして、忍耐力を養うのねん」 628 :契約(その8):2007/06/22(金) 02 01 34 ID o2mqbQuL 「見える?」 タバサが、メガネの奥から、いつもとはまるで違う妖しい光を放ち、必死に抵抗を続けるメイド少女に囁く。 「サイトの皮が剥ける瞬間」 めり……! 「サイトが大人になる瞬間」 めりめりめりめり……!! 「ほら、どんどん剥けていく……」 「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」 「あああっ、ダメなのサイトっ! もっともっとシルフィのあそこ舐め舐めするのぉ!!」 「いやっ! いやっ! サイトさんっ! サイトさんっ!! サイトさんっっ!!!」 「ほらっ、見なさいっ!! もっとしっかり、サイトが大人になる瞬間をっ!!!!」 めりめりめりめりめり……びりっ!! 「――ひっく、うぐ……ううう、あううううう……」 「そんなに泣くことないのねん。たかだか、少し血が出たくらいで」 そう。――才人は今、処女を破られた乙女のように、股間を抑えながら泣いている。 シルフィードが敢行した皮剥きプレイによって、彼の亀頭を包んでいた分厚い包皮はめくれ上がり、恥垢によって癒着していた皮が無理やり剥き下ろされ、いま、彼のペニスは軽い出血状態にあった。 しかし、それは傍目に見れば、恥垢で真っ白に染まった彼の亀頭を、鮮血がデコレートしているという、見ようによっては、これ以上はない刺激的な眺めだった。 「きゅいきゅい、それにしてもサイトのおちんちん、まるでストロベリームースみたいで、美味しそうなのねん」 「ひっ!!」 ――れろり。 シルフィードの長い舌が、彼の亀頭を舐めあげる。 「〜〜〜〜〜〜〜!!!」 「んふふふ……。もうサイトったら、気持ちよすぎて声も出ないのねん」 「ちがっ!! いだっ!! いだいようっっ!!」 「きゅいきゅい、サイトったら嘘ばっかりなのねん」 「ちがっ! うそじゃなくてっ!! ぁぁぁああああ!! もうやめてよおおお!!!」 「だったら、どうしてこんなにサイトのおちんちんは、堅いままなの?」 その一言は、彼から抵抗の言葉を奪った。 シルフィードの言う通り、彼の股間は、初めて空気に晒された彼の白い亀頭を装備した事で、いよいよその角度・硬度を増し、文字通り漲るようなサイズにまで膨張していた。 ――それも、かつて無かったほどの勢いで。 「シルフィ、サイトを立たせてあげて」 「はい、なのねん。お姉さま」 シルフィードは、サイトの背後に回りこむと脇腹に両手を入れ、竜の怪力にモノを言わせて、一気に彼を、タバサと彼女が組み敷いているシエスタに見えるように立たせた。 「サイトさん……!!」 シエスタが思わずうめき声を挙げる。 そこにいるのは、縦に大きく割られたメイド服のスカートから、血のしたたるペニスを突き出し、絶望と快楽の狭間で呆然と立ちすくむ、彼女の“妹”……。 629 :契約(その8):2007/06/22(金) 02 04 11 ID o2mqbQuL れろり。 「ぐふうっっっ!!」 シルフィードの舌が、再び才人の股間を襲う。 ちゅばっ……れろっ……じゅるっ……。 「……!!」 「サイト、痛い?」 「う、うん」 タバサの声に顔をゆがめて答える。 しかし、タバサは言う。 「嘘ね?」 「うそじゃないっ!!」 思わず言い返すが、しかし、それが単なる反射でしかない事は、彼自身が一番良く知っていた。 「だったら、何故そんなイキそうな顔をしているの」 そう言われた瞬間、心臓がドクンと激しく鳴った。 そうなのだ。 正直、シルフィードの舌など、気持ちよくも何とも無い。 ただ、これまでの人生でも、かつて無いほどの激痛が、下腹部を中心に全身の神経を貫いている。 なのに。 そう、なのに、――だ。 何故、こんなに射精感が昂ぶっている。 痛くて痛くてたまらないのに、何故こんなに、それこそ今にもイってしまいそうなほどに、射精感が全身を包んでいるのは、何故なんだ!? 彼には分からない。 シエスタが、これまで与えてくれたのは、形はどうあれ、まっとうなエクスタシーだった。ペニス以外の性感帯を刺激や、他者に屈服する快楽など、歪曲はしていても、それは紛れも無い快感で構成された責めだった。――しかし、これは……違う!! 「サイト、オナニーしなさい。このシエスタ“お姉様”にちゃんと見えるようにね」 「……」 「ミス・タバサ……」 もはやサイトは、その言葉に逆らえなかった。 彼は出来る限り亀頭を刺激しないように根元を持つと、ゆっくりと扱き始める。 「顔をあげて」 「……」 涙を堪えながら、タバサを見る才人。 「シルフィは、サイトの先っぽを舐めてあげて」 「はいなの」 「笑いなさい。サイト」 「……はい」 ――いやらしい。 タバサは心底そう思う。 もっともそこに、彼を否定したり排撃したりする心境は、一分も無い。 乱れたメイド服。 乳首があらわになった右胸。 恥骨まで切り裂かれた純白のエプロンから突き出した、剥き出しのペニス。 遠い笑みを浮かべながら自分を見つめ、震えながらそのペニスを扱く少年。 ――これが、サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ。その『本当の姿』 (まるで、天使のようだわ) 彼に、新たなる頂上への階段を上らせながら、我ながら思わずうっとりする。 630 :契約(その8):2007/06/22(金) 02 05 50 ID o2mqbQuL いまや才人は、さっきまでの激痛をまるで感じていないようだった。いや、この表現は正確ではない。 その痛みはますますひどくなる一方だ。しかし彼の神経は、その痛覚をもはや、単なる苦痛とは感じていないのだ。SMにおける鞭打ちや、蝋燭責めのように、才人は徐々にではあるが、『苦痛系』の快楽を覚えつつある、ということなのだ。 しかし、シエスタにはそれが分からない。 「何で……? 何でサイトさんは、あんなうっとりした顔を……?」 思わずシエスタがそう呟いた。 まるで、今までの才人がどこかに消えてしまったような、寂寥感すら彼女は感じた。 ずぶりっ!! 「いだぁいっ!!」 それまで、ぐずぐずだったシエスタのヴァギナをやさしく責めていたタバサの指が、突然激しさを増した。 「ふかいっ! 深いですぅっっミス・タバサァっ!!」 タバサは、指を突っ込んだままくるりと体を入れ替えると、そのままメイドの上背を起こし、背後に回り込んで、自分にもたれる体勢になるシエスタを支えた。 「無理よシエスタ。貴方じゃ無理」 「ひ……っ……ぃぃぃ……!!」 「貴方には、――いいえ、私にも多分、サイトの立っているところへはいけない」 「そっ、そんな! そんなぁぁっっ!!」 「だからせめて、サイトと同時にイカせてあげる」 「いやあああ!! サイトさんっ!! サイトさぁぁぁんっっ!!!」 才人が注視すると、タバサは彼に見えやすいように自分の体の位置を入れ替えた。 シエスタのそこは、タバサの指を二本まで飲み込んでいるように見えた。 「ひいいぃぃぃっっっ!! 出るっ!! 出るようっ!!」 「きゅいきゅい、お姉さまっ、サイトがもう限界そうなのねん!!」 美味しそうに亀頭を舐め回していたシルフィードが、主を振り返る。 しかし、タバサの視線が自身の使い魔に向けられることは無かった。 「イキなさいっ、サイト!! 思いっきりブチまけなさいっっ!!」 「サイトさんっ! イクんですかぁっ!? イクんですかぁっ!!? サイトさぁぁん!!!」 「そうよ、シエスタっ! 貴方もイクのっ! 同時にイクのっ!!」 「「ああああああぁぁぁぁぁあああああ!!!!」」 どくんっ、どくんっ、どくんっ、どくんっ!!! ――サイレントの呪文をかけられてなかったら、恐らく両者のその悲鳴は、階下どころか、女子寮全体にに響き渡っていただろう。それほどのイキっぷりだった。 二人は精根尽き、特に才人はばったりとベッドに倒れ伏してしまった。 631 :契約(その8):2007/06/22(金) 02 11 21 ID o2mqbQuL 「ね、サイト」 「……」 「痛かった?」 「……」 「答えなさい」 そう言うと、少女は眼鏡の奥の碧眼を妖しく光らせ、そのペニスを一扱きする。 「〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」 「やっぱり痛いのね」 「痛い痛い痛い痛い痛い!! 決まってるだろっ!!」 そう言って声を立てる少年を、くすりと笑いながら見つめると、そのままタバサは彼の背後の美女に言った。 「それじゃあシルフィ、予定通りに」 「はいなの、お姉さまっ!」 ――予定? どうせろくでもない事だろうとは思うが、しかし、そう言ったタバサ本人はベッドの向こうに行ってしまった。 「おいシルフィ、お前の御主人様は一体――」 そう言って振り返った瞬間、またもや、この竜族の娘の怪力は、少年を押し倒していた。 「ちょっ、おい、待ってっ!」 「きゅいきゅい、これからサイトの『どーてー』は、シルフィが頂いちゃうのねん!」 「ちょっと待てぇっ!! こんな血まみれのチンコで、エッチなんか出来るかぁっ!!」 「大丈夫なのねん。サイトならしっかり、中出しまで頑張ってくれるって言ってたのねん」 「だれが?」 「お姉さまが」 「――て、おいっ、タバサぁぁっっ!!」 シルフィードの、あまりに頭の悪い物言いに再度彼女の主を振り返ろうとした、その瞬間だった。 「きゃあああああああ!!!!」 632 :契約(その8):2007/06/22(金) 02 12 44 ID o2mqbQuL メイジの衣装を投げ捨て、全裸になったタバサ。 その体格(特に上半身の或るパーツ)は、完全に年齢不相応の幼さに満ちており、とてもではないが、シエスタが絶叫を挙げて騒ぐほどの威厳は存在しない。――はずだった。 その、股間から生えた、ある『物質』を除けば。 「しょっ、しょく……!!?」 そう、彼女の股間でぐねぐねとうねるそれは、紛れも無い『触手』だった。 「ひぃっ、ひぃぃぃっっ……!!!」 シエスタは、余りの恐怖のために“それ”を見る事も出来ないらしく、チアノーゼのような顔色でベッドを逃げ回る。が、タバサはそんなメイドを全く容赦のない動きで組み敷き、横たえる。 「まっ、待てっタバサぁっ!」 その一言でこちらを振り向いた少女に、才人は恐る恐る口を開いた。 「それは……何?」 「これはトリスタニアの魔法道具店で見つけたバイオペニスの一種。『ナマコの――』」 「そんなこと訊いてるんじゃないっ!? それで……その、またぐらの化物を使って、一体シエスタをどうしようって言うんだ」 タバサは答えた。 「決まってる」 それこそ、今まで見せた事の無いような楽しげな笑みを浮かべて。 「これでこの子の処女をもらうの。血まみれのペニスで童貞を散らされる貴方の隣でね」 才人は絶望した。 その言葉を聞いた瞬間、高らかに勃起した自分自身への、絶望。 もはや、絶望を受け入れる事になんのためらいも無かった。 背後からの手に自らを委ねる。 激痛以外、もはや何も感じないはずのペニスを、シルフィードの下半身が飲み込んでゆく。 ふと、目をやると、発狂せんばかりの絶叫とともに、処女を『触手』に散らされる“姉”がそこにいた。 才人は子供のような笑みを浮かべてシエスタに手を伸ばし、彼女は、半分以上うつろになった瞳を彼に向けると、まるで、砂漠でオアシスを見つけた旅人のような勢いで、彼に熱烈なキスをした……。 107 :契約(その9):2007/07/08(日) 01 00 10 ID 5JXRtAHB 「ただいまっ! サイトっ!!」 王家の紋章入りの馬車から飛び降りるや否や、ルイズはピンク色の弾丸と化して、彼の胸に飛び込んだ。 ヴァリエール家の紋章ではない。 いまのルイズは、正式な王宮の女官“虚無の担い手”として動いている。 女王の勅を奉じる者として、国内最大級の太守であるヴァリエール公爵家に使いに行っていた。――という名目ではあるが、当然その談判の内容は、ルイズの帰省を兼ねた、結婚式の最後の打ち合わせであった。 「聞いて聞いてっ!! 母さまがね、あの母さまがねっ! やっと認めてくれたのっ!」 「俺たちのことをか……嘘だろ、あのおっかないオマエの母ちゃんが俺との事を?」 「本当よっ 私だって信じられないっ!! でも、でも、言ってくれたのよっ、『幸せになりなさい』って!」 「そっか……。分かってくれたんだ、俺たちの事」 人目もはばからず、校庭で大声をあげまくるルイズ。そんな彼女を、半分苦笑しながらも、真正面から受けとめ、こゆるぎもしない才人。 シエスタはそんな彼ら二人を、何か眩しいものでも見るように、上目遣いに見上げていた。 ――うらやましい。 心底からシエスタはそう思う。 眼前の恋敵が、溢れんばかりの多幸感を発散しながら、男の胸元を独占している。 しかし、ルイズは知らない。 彼女が抱きついたその男は、すでに全身の隅々まで開発され、征服され、何度も泣き叫び、悶え苦しみつつ、自分に許しを乞うた肉体なのだ、という事を。 にもかかわらず。 そう、にもかかわらず、だ。 108 :契約(その9):2007/07/08(日) 01 02 35 ID 5JXRtAHB 幸せそうな寝取られ女を横目に見ながら、黒い愉悦にほくそ笑む事こそ、シエスタなりの復讐のはずだった。 ――いまあなたが、惜しみなく愛をぶちまけているその男は、すでにあなたを裏切っているのですよ! 自分が一声そう叫ぶ事で、眼前の男女の愛は破綻する。 そう思うことで、恋しい男を奪われた溜飲を下げれる。 そのはずだった。 しかし、そんな思いは、たちまちの内に雲散霧消してしまっている自分に気付く。 ルイズを出迎えた、才人の嬉しそうな表情を見た瞬間に、自分の企みが、いかに矮小で醜いものであるかを、嫌でも気付かされてしまう。 ――ああ、サイトさんが、あんなに嬉しそうに……!! 彼を“妹”として責め嬲っていた頃には、決して見せてくれなかった表情……。 「なぜ落ち込むの」 氷のような声が背後から響く。それこそシエスタにだけ聞こえるように。 「ミス・タバサ……」 「あれが敵」 タバサは、眼鏡の位置を中指で、くいっと直し、 「私たちから彼を奪った、憎むべき敵」 それだけ言うと、手に持っていた分厚い本に再び視線を落とす。 「……!」 シエスタは慄然とした。 この童顔の貴族は、本心から、そう思っているのか? 才人を自分が独占するためなら、彼のささやかな幸福など破壊しても構わない、本気でそう思っているのだろうか? そんなシエスタの顔色に気付いたのだろうか。 タバサは本から視線すら上げぬまま言う。 「私は本気。そして、あなたも私に協力する義務がある」 109 :契約(その9):2007/07/08(日) 01 05 34 ID 5JXRtAHB 婚儀の話は着々と、それこそとんとん拍子に進みつつある。 トリステイン王国では、女性への爵位叙勲は前例のない事ではあったが、アンリエッタは、ルイズに対する一代限りの特例という事で、国法改正の問題に正面から向き合うことを避けた。 女性に官位を認めるには、ハルケギニア世界はまだまだ中世でありすぎた。 銃士隊長アニエスや、先代マンティコア隊隊長カリーヌほどの有能な女性軍人でさえ、その武勲によって官位が与えられる事は無かったのだ。 無論、その爵位は、才人との間に生まれた嫡子によって引き継がれ、その家系は紛れも無い貴族の、ラ・ヴァリエール一門の分家として続いてゆく。 また、その領地は王家の直轄領から下賜され、他の貴族諸侯の領地からは一寸たりとも割譲される事は無い、という一報が公表された事も、宮廷議会である貴族院を黙らせる大きな要因となった。 国土面積に限界がある以上、貴族が新たに家を興すという事は、他の領主の封土を割譲せねばならないということだ。 実力による国盗りが可能な乱世なら知らず、今のトリステインは歴とした治世である。貴族間の遺恨や王宮への不満は、下手をすれば内乱の芽に発展しかねない。 ヴァリエール公爵家からは当然、自領からの領土献上を王宮に働きかける動きがあった。 何といっても、目の中に入れても痛くない末娘の独立である。当初は分家どころか婚約自体に不快の感情を隠さなかった公爵家サイドではあったが、一旦割り切ってしまえば、その協力に骨惜しみは無かった。 しかし、アンリエッタはこれを拒否した。 ルイズに対する旧交のよしみからだけではない。 ルイズの使命は、あくまで“虚無”の血統を後世に残す事なのだ。単なるヴァリエール公爵家の分家ではない。可能な限り、王家との結びつきを強固なものにしておく必要があったのだ。 また、才人も別の理由で公爵家からの領土割譲を拒絶したかった。 これ以上、ヴァリエール公爵家から借りを作れば、もはやとことんまでルイズと、その一家に頭が上がらなくなってしまう。その事態は避けたかった。 と、まあ、そういう紆余曲折を経て、彼ら二人の婚儀を三日後に控えた頃、シエスタは独り、現状に困惑していた。 110 :契約(その9):2007/07/08(日) 01 08 43 ID 5JXRtAHB とはいえ事態は、ある意味、シエスタの当初の予定通り進みつつあった事は確かだ。 ルイズが学院を不在中の一週間で、才人の肉体に、徹底的に責められる快楽を教え込み、自分の虜とする。 そしてその上で、ルイズが帰還してからは放置を決め込み、彼の身体をさらに疼かせる。 何と言っても、あのルイズお嬢様のカマトトぶりは尋常ではない。 人一倍、そういう事に興味を持ちながら、そしていざとなれば、そういう行為に全く躊躇いを感じないくせに、しかしそれでも彼女は、本番だけは拒みつづける。頑なに。 『そういう事は結婚するまでダメなんだから。結婚しても、三ヶ月はダメなんだから』 そうやって彼を拒む事で、自分の体の価値を吊り上げようというのだろう。 いかにも貴族の乙女らしい、そしていかにもルイズらしい考え方ではある。 しかし、才人からすれば、それはもはやたまらない現状であろう。 彼はすでに、女体の美味を知ってしまっている。 そして、それ以上に、自分の体が一体の楽器であることを知ってしまっている。 他者によって責められた時、この若いオスの肉体は、どれほど美しい快楽の楽曲を奏でることが出来るか、もはや彼自身が一番知ってしまっている。 そんな彼が、シエスタに再び懇願の眼差しを向けるのは、確実すぎる事だった。 でも、シエスタの予定では、そこまでだった。 それ以上、才人の抱かれるつもりも、抱くつもりも無かった。 今まで通り、平民上がりのシュヴァリエと、ちょっと馴れ馴れしいメイドの関係に戻るつもりだった。 才人に対するあてつけもある。 ルイズに対するささやかな友情もある(一介の平民メイドの言葉ではないが)。 また、そうでなければ、結婚後、自分たちの領土に去ってしまう二人に対し、この学院に置いていかれるであろう自分が耐え切れなくなるはずだ。そう思ったからだ。 ――距離を取るなら、早いうちがいい。 これ以上、才人と関係が続けば、今度は逆に自分の心がもたない。 シエスタは、そんな事態だけはどうやってでも避けたかった。 しかし、予定はあくまで予定に過ぎない。 タバサという予定外因子が入り込んだ事で、シエスタの計画は確実に狂いつつあった。 111 :契約(その9):2007/07/08(日) 01 10 33 ID 5JXRtAHB シエスタは絶句した。 タバサの個室で、才人が二人の女性に犯されていた。 「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ!」 「きゅいきゅい!! 気持ちいいのねっ!!」 才人のペニスを正常位でくわえ込んだシルフィード。彼女の両足はガッチリ才人の腰にホールドされ、あたしをイカせるまで放さないぞこの野郎、と言わんばかりの欲情が丸出しだ。 そしてタバサは、そんな才人の背後から、彼のアナルを指でほじくっていた。 例えばキュルケのような、彼女と親しい人間がよく見れば、タバサがいつになく興奮しているのが見えただろう。 しかし、あの褐色豊満な女メイジほどに、タバサを知悉しないシエスタから見れば、碧眼碧髪の眼鏡少女は、まるでカエルの解剖をする学者のように、冷静に見えた。 現に彼女は、シエスタの姿を見ても、顔色一つ変えずにこう言ったきりだ。 「遅い」 「たっ、たばさぁ……!! はやく、はやくぅっ!!」 そう叫びながら才人が、後ろを振り返りつつ白い尻をちらつかせる。 彼はもはや、シエスタがこの部屋に入室してきた事すら気付いていないようだ。 「早く?」 「おっ、俺のお尻まんこに、……たばさのおちんちんを、めっ、めぐんでくださいっ!!」 ――くすっ。 (ミス・タバサが笑った……!?) シエスタは、その瞬間初めて見たのだ。タバサが誰にでも分かる明らかな笑顔を浮かべたのを。その微笑みは、シエスタが予想していた数十倍の破壊力あった。 同性であるはずのシエスタでさえ、思わず赤面してしまうほどに。 いわんや、その笑顔の直撃を受けた才人は、瞬時に神経がフリーズしてしまう。 「いいわ」 タバサの股間の触手が、才人の肛門に吸い込まれたのは、その瞬間だった。 112 :契約(その9):2007/07/08(日) 01 11 55 ID 5JXRtAHB 「ひっ、ひいいいいいっっっ!! あああああああ!!」 才人の体が、より深い快感によって、これまで以上に暴れ回る。 もっとも、そのじたばたも、彼の腰に回された美女の脚と、後背位によって才人の菊門を汚す美少女によって、ガッチリと固定されていたが。 「きゅいきゅい、サイトの、またまた太くなったのね!!」 シルフィードが、半ば白目をむきながら叫ぶ。 「イクのねっ!! イっちゃうのねっ!! あああっ、お姉様ぁぁぁぁ!!!」 背まで伸びた青い髪を振り乱し、竜族の美女が虚空に叫ぶ。 恐ろしく気持ちよさげな表情で。 そして、それにつられるような形で、才人の我慢も限界を突破しつつあった。 「でるっ!! あああっ! おれもでるよぉっっっ!!」 「だめよ」 「〜〜〜〜〜っっっっ!!」 それまで気持ちよさげに喘いでいた才人の上半身が、いきなり悲鳴と共に跳ね上がった。 腰を固定するシルフィードの両脚のため、えびぞりのような形になる。 彼女と同時に絶頂を極めるはずだった才人の肉体が、いきなりのタバサの“攻撃”で思わずのけぞってしまったのだ。 「誰も射精していいなんて、言ってない」 シエスタには見えた。 タバサの小さな手が、彼の睾丸を、つぶさんばかりに握り締めていたのを。 言葉にもならない絶叫をあげながら、地獄の苦痛に悶える才人の表情は、彼の体の下でエクスタシーに身を委ねるシルフィードと、見事なまでのコントラストを形成していた。 「……た、ばさぁっ……!!」 ほろりほろりと美しい涙を流しつつ、童顔のメイジを振り返る少年。 「あなたに、自分勝手な射精をする権限はない」 タバサはちらりとシエスタを横目で見ると、 「少なくとも、私とこの子の許可を取らない射精は、絶対に許さない」 そう言われた才人は、その時、初めてシエスタと目を合わせた。 113 :契約(その9):2007/07/08(日) 01 13 39 ID 5JXRtAHB こんなはずじゃなかった。 そんな才人を見た瞬間、シエスタは心底そう思った。 少年の口元に張り付いた、媚びた笑み。 少年の目に宿る、歪んだ情欲。 なにより、少年の全身から発散される“いじめてオーラ”。 「どうすれば、どうすれば、射精を許して下さいますか……?」 才人の背後から、うなじに舌を這わせながら、眼鏡少女が答える。 「ルイズを頂戴」 びくんっ!! 震える少年に、なおも彼女が言い続ける。 「あなたの婚約者の処女を、私たちに差し出すの」 彼の視線は、まっすぐシエスタに向けられたままだ。だがその目には、シエスタの姿など、まるで映っていない事は、メイドには痛いほど理解出来た。 タバサに後ろから抱きしめられた才人の容貌は、かつてシエスタが見たことも無いほどに醜く、そしてそれ以上に官能の喜悦に満ちた、いびつな笑みを浮かべていたのだから。 ――サイトさんは“絶望”を欲している……!! 「承知したら、そう言って」 タバサは脇腹から彼のペニスに手を伸ばすと、そっと、握り締めた。 「搾ってあげる」 「ぁぁぁ……!!」 「サイトさんっ!!!」 もう、シエスタには耐え切れなかった。 「もう、もう、やめてくださいっ!! 目を覚まして、いつものサイトさんに戻って下さいっ!!」 「サイトは見たくないの? ルイズがあなた以外の者に処女を捧げる、その瞬間を」 「ああああああああ!!!!」 114 :契約(その9):2007/07/08(日) 01 15 40 ID 5JXRtAHB タバサが、才人の耳朶を甘噛みした瞬間、彼の瞳から完全に正気の光が消えた。 無論、消したのは甘噛みという愛撫にではない。 タバサが発した言葉に、自ら酔い、狂ってしまったのだ。 ウェディングドレスに身を包んだ愛する花嫁が、タバサの舌に、指に、さらに股間の触手におもうさま蹂躙されている、その想像上の衝撃映像を描きながら。 「ささげますぅっ!! ささげますぅっ!! ルイズをタバサに、ささげますぅっっ!!」 どくんっ!! どくんっ!! どくんっ!! どくんっ!! どくんっ!! どくんっ!! おそらく実際は、タバサが彼のペニスに手を触れる必要さえなかっただろう。 しかし少女は、まるで放尿のような勢いで射精する少年のペニスに手を添え、それをしごき尽くす。――あたかも一滴たりとも出し惜しみするなと言わんばかりに。 そしてシエスタは、そんな才人の姿を呆然と見つめていた。 恋人の処女を、他の女に捧げる誓いを絶叫しながら、その行為だけで興奮の余り絶頂してしまった、哀れで無様な想い人を。 常日頃、凛と雄々しい才人を汚し、堕とし、辱める。 皮肉な事に、今の才人を作り出したのは、シエスタ本人でさえあるとも言える。 シエスタは、ようやく自分の胸中にある、才人に対する鬱屈の正体が分かった気がした。 彼女が精根かけて調教した“妹”。 そんな彼をタバサが、――自分以外の女が、さらに深い快楽を――絶望という名の快楽を与えている。それがシエスタには何より許せないのだ。 才人をルイズの手に返す。 それはいい。 何故ならルイズには、才人が望む本当の快楽――絶望という名のエクスタシーを、彼が望むだけ与える事など不可能なのだから。 ――世界でサイトさんを、真なる意味で満足させられるのは、この私だけ。 そう思えばこそ、羨望の意を隠しつつも、彼女は才人を恋敵に返す事にためらいを覚えなかったのだ。しかし、もはや、情況は変わった。タバサという女のおかげで。 「ミス・タバサ」 もうシエスタは我慢する事を、やめていた。 「ミス・ヴァリエールの処女は、私が頂きたく存じます」 そう言ったシエスタの口元は、かつて才人に自分を“姉”と呼ばせていた頃と同じ、歪んだ笑みが張り付いていた。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4407.html
前ページ次ページZERO A EVIL 途中からシエスタが手伝ってくれたおかげで、昼食前に掃除を終わらす事ができた。 「それでは、私は昼食の支度がありますので、これで失礼します」 「あ……う、うん」 シエスタはそう言って教室から出ようとしたが、ルイズが何か言いたそうにしているのに気が付いた。 「ミス・ヴァリエール、どうかなさいましたか?」 「え! どどど、どうして?」 「いえ、何かおっしゃりたい事がおありのように見えましたので」 シエスタにそう言われて、ルイズはかなり動揺しているようだ。目線を上にしたり、下にしたりと落ち着きがない。 やがて後ろを向いて一つ深呼吸をすると、意を決したようにシエスタに向き直った。 「そ、その、あああ、ありがとう!」 「え?」 「か、勘違いしないでよね! こ、これは貴族が平民に対する最低限の礼儀なんだからね!」 ルイズはシエスタに感謝していたが、貴族のプライドと気恥ずかしさからこのような言い方になってしまった。 シエスタも感謝の言葉をかけられるとは思ってもいなかったので、少し驚いてしまう。 だが、すぐに笑顔を浮かべるとルイズに向かって頭を下げる。 「ありがとうございます。そう言っていただけると手伝った甲斐もあるというものです」 「そ、そう」 「ええ。後で食堂にもいらしてくださいね。今日はデザートにおいしいケーキを用意していますので」 「わかったわ」 「では、失礼します」 そう言うとシエスタは教室を出て行った。 ルイズはシエスタが出て行った後に改めて教室を見回してみる。自分が爆発を起こしたとは思えないほど、教室はきれいに片付いていた。 なんだか自分の心もすっきりしたように感じ、さっきまでとは違い晴れやかな気分になる。 しばらく教室を眺めていたが、お腹も減ってきたので食堂に向かうことにした。 食堂に入ると、すでに多くの生徒達で賑わっていた。 メイド達は昼食の世話で忙しそうに働いている。その中にはシエスタの姿も見えた。 邪魔をしては悪いと思い、特に声もかけずに席に着く。 ずっと掃除をして体を動かしていたせいか、昼食はいつもよりおいしく感じられた。 昼食が終わった後、デザートのケーキがメイド達から運ばれてくる。 「ミス・ヴァリエール。今日のケーキはコック長のマルトーさんの自信作だそうですよ」 そう言われてメイドの方を見ると、そこにはシエスタの姿があった。 「そ、そう。期待しておくわね」 「ええ。どうぞ」 そして、ルイズの前にケーキの入った皿が置かれる。 一口食べてみるが、コック長の自信作だけあって中々の味だ。甘くておいしいケーキに思わず顔がにやけてしまう。 「いかがですか?」 「ええ、おいしいわ」 「喜んでいただけてなによりです」 シエスタとそんな会話をしていると、後ろの席が妙に騒がしくなる。 どうやら、男子生徒達が色恋沙汰の話で盛り上がっているようだ。 その話の中心にいるのは、ギーシュ・ド・グラモンだ。彼は確かに二枚目で、女子生徒にも人気がある。 だが、ルイズには彼のきざったらしい仕草はとてもかっこいいとは思えなかった。そもそも、ルイズはこの学院の男子生徒にはまったく興味がない。 自分には許婚のワルド子爵がいる。 彼に比べたら、この学院の男子生徒など幼稚な子供にしか見えない。比べるのも失礼なくらいだ。 (子爵様。今頃どうしていらっしゃるのかしら……) もう随分と会っていないワルド子爵の事を考えていると、不意にシエスタから声がかかった。 「ミス・ヴァリエール。今、ミスタ・グラモンのポケットから何か落ちたみたいなんですが」 「ん?……何かの液体が入った小瓶みたいね」 ギーシュのポケットから落ちた小瓶はルイズとシエスタのいる方に転がってきた。 それをシエスタが拾い上げる。 「気付いていらっしゃらないみたいなので、私が渡してきますね」 「あんたはまだケーキを配り終わってないでしょ。私が渡しておくから仕事に戻っていいわよ」 「え! でも……」 「いいから。あんたは気にしなくていいの」 「すいません。それではお願いします」 ルイズはシエスタから小瓶を受け取ると、ギーシュ達が話している方に向かった。 (シエスタには教室の掃除を手伝ってもらったし。貴族として、平民の恩義には報いるのが礼儀よね) 本当は親切にしてくれたシエスタに恩返しがしたかっただけなのだが、プライドの高いルイズはそう考えて自分を納得させていた。 ルイズはギーシュ達の所までやってくると机の上に小瓶を置いた。 「ギーシュ。落し物よ」 「何を言っているんだいミス・ヴァリエール。これは僕の物じゃないよ」 「あんたが落としたのを見てた子がいるのよ。いいから受け取りなさいよ!」 「しつこいね君も……」 ルイズが小瓶を渡そうとしていると、ギーシュと話をしていた生徒達が騒ぎ出した。 「それはモンモランシーが作っている香水じゃないか!」 「ああ、間違いない! ……ということはギーシュはモンモランシーと付き合っているのか!」 「ち、違う! いいかい……」 ギーシュが何か弁解をしようとした時、一人の女子生徒がこちらに向かってくるのが見えた。 マントの色から一年生だとわかる。 「ギーシュ様、やっぱり……」 「ケティ! これは……」 ギーシュが何かを言う前に、一年生の少女は泣きながら走り去ってしまった。 そして、すぐに別の少女がやってくる。次にやってきた少女はルイズにも見覚えがあった。 さっき男子生徒の会話の中にも出てきた縦ロールの金髪が特徴的なモンモランシーだ。 「やっぱり一年生の子に手を出してたのね!」 「誤解だよ、美しいモンモランシー。そんな怖い顔をしないでおくれ」 「誤魔化さないで!」 そう言うとモンモランシーは机に置いてあったワインをギーシュの頭にかける。 「最ッ低!」 ギーシュに止めのセリフを言い放ち、モンモランシーは去っていった。 いきなり茶番劇を見せ付けられ唖然としていたルイズだが、用事も済んだのでケーキを食べに戻ることにする。 が、立ち去ろうとしたルイズをギーシュが呼び止めた。 「待ちたまえ! ミス・ヴァリエール!」 「何よ、何か文句でもあるの。言っとくけど私は悪くないわよ、二股かけてたあんたが悪いんだからね!」 ルイズのこの言い方は、ギーシュの怒りに火を付けてしまう。 「ゼロの君に、話を合わせる機転を期待した僕が馬鹿だったよ!」 「な、なんですって!」 いきなり馬鹿にされたせいで、ルイズの頭に一瞬で血が上る。 「あんたなんて、私の許婚の子爵様に比べたら唯のお子様よ! 振られて当然だわ!」 さっきまでワルド子爵の事を考えていたせいか、ルイズはつい言葉に出してしまう。 それを聞いたギーシュはにやりと笑うと、ある言葉を口にする。 だがそれは「ゼロのルイズ」よりも言ってはいけない言葉だった。 「ふん。ゼロである君の許婚なんて、どうせたいした事無い男に決まってる!」 その言葉を聞いた瞬間、ルイズの視界が真っ赤に染まる。 かつてないほどの怒りと憎しみで、ルイズの心は張り裂けそうだった。 (この男は子爵様を侮辱した! 私の子爵様を!! この男だけは許せない! 絶ッ対に許せない!!) ルイズの左手のルーンが光を放つ。今までと違い、光っているのがはっきりとわかるほどだった。 そして、左の拳がギーシュの顔面に突き刺さる。 ルイズに殴られたギーシュは鼻血を出しながら、机の上まで吹き飛ばされる。鍛え抜かれた体を持つ男に殴られたような、鋭く重い一撃だった。 だが、そんな事はどうでもいい。ゼロであるルイズにここまでやられて黙っていられる訳が無い。 ギーシュは立ち上がるとルイズに向かって叫んだ。 「もう許さん! 決闘だ!」 「……いいわ。どこでやるの?」 「ヴェストリ広場だ! 準備が出来たら来たまえ!」 そう言うとギーシュは、鼻血を手で拭いながら食堂を出て行った。 近くで騒いでいた他の生徒達もヴェストリ広場に向かう様だ。 ギーシュを殴ったルイズだったが、この程度では怒りと憎しみは収まらない。 すぐにヴェストリ広場に向かおうとするが、自分の方に駆け寄ってくる人物に気付き足を止める。 「ミス・ヴァリエール!」 ルイズに駆け寄ってきたのはシエスタだった。 小瓶をルイズに渡した後、ケーキの配膳の仕事に戻っていたが、先ほどの騒ぎに気付き慌ててやってきたようだ。 「申し訳ありません! 私のせいで大変な事に……」 ルイズに向かって謝ると、深く頭を下げる。 自分がギーシュの小瓶に気付いたせいで、ルイズが騒ぎに巻き込まれたのを気にしているようだ。 「あんたのせいじゃないわ。これは私とギーシュの問題よ」 「でも……」 「いいから!」 気持ちが高ぶっているせいか、つい言い方がきつくなってしまう。 シエスタも黙ってしまい、二人の間に気まずい空気が流れる。それを嫌ったルイズは、足早にヴェストリ広場に向かった。 シエスタはルイズの背中を見送る事しかできなかった。 ヴェストリ広場に着くと、すでに多くの生徒が集まっているのがわかった。娯楽の少ない学院生活の中で、決闘という言葉は多くの生徒達の興味を集めたようだ。 広場の中央にギーシュの姿が見える。どうやら鼻血はもう止まっているようだ。 「ルイズ、逃げずによく来たね」 「あなた程度の相手に、何故私が逃げないといけないのかしら?」 「その減らず口をいつまで叩いていられるかな? いくぞ!」 ギーシュが薔薇の造花をあしらった杖を振る。 すると花びらが舞い、鎧を着た女性の人形が現れる。これこそ、ギーシュがワルキューレと呼ぶゴーレムであり、彼の得意とする魔法だった。 「魔法が使えない君と違って、僕はメイジだから魔法を使わせてもらうよ。文句はないだろうね?」 ギーシュは自分の勝利を確信していた。魔法が使えないルイズに自分が負ける訳が無い。 ワルキューレで少し脅かしてやれば、すぐに降参するだろうと思っていた。 だから彼は考えもしなかった。 今のルイズにとって、決闘という言葉がどういう意味を持つのかを…… 「行け! ワルキューレ!」 ワルキューレをルイズに向かって突撃させる。 ルイズは固まって動けないか、逃げるだろうと思っていたギーシュは、後はどうルイズのプライドを傷付けて謝らせようか考えていた。 だが次の瞬間、彼は驚愕の表情を浮かべる。 ルイズがワルキューレに向かって、ものすごいスピードで突っ込んできたのだ。 そのままワルキューレに近づいたルイズは、左手で掌底をワルキューレの腹部に炸裂させる。 スピードが乗っている掌底を受けたワルキューレは、吹き飛ばされて地面に激突し動かなくなった。 今の技の名は「骨法鉄砲」。 夢の中で格闘家だったルイズが、遠くにいる相手によく使用していた技だった。 誰もが唖然としている中、ルイズはギーシュの方を見る。 まるで、次の獲物を見定めるように…… ワルキューレが倒された事でギーシュに動揺が広がる。 だが、ゼロのルイズに負ける訳にはいかない。すぐさま、次のワルキューレを繰り出す。 今度は一度に三体のワルキューレを作り出し、ルイズの周りを包囲する。 さっきの攻撃ではワルキューレは一体しか倒せない。三体同時で攻めかかれば、ルイズにはどうすることもできないと考えていた。 しかし、ルイズはいきなりワルキューレよりも高く飛び上がったかと思うと、一体のワルキューレの顔と胸の部分に二段蹴りを放つ。 そして、その反動を利用して他のワルキューレにも次々と蹴りを放っていく。 ルイズが着地すると同時に三体のワルキューレは崩れ落ちた。 この技の名は「デスズサイズ」。 まるで死神の鎌のように広範囲を攻撃する真空二段蹴りだ。 自慢のワルキューレを四体も倒され、ギーシュが怯んだ隙をルイズは見逃さなかった。 すぐさまギーシュの目の前まで近づくと、鳩尾の辺りに拳を放つ。ギーシュの表情が苦悶に歪み、あまりの苦しさに地面に蹲る。 その隙に、ルイズはギーシュの背中から腕を回し体を両腕で掴むと、そのまま上空に飛び上がる。 空中でギーシュの頭を下に向け、全体重をかけて脳天を地面に叩きつけた。 必殺技の「アクロDDO」。 夢の中で格闘家だったルイズは、この技で多くの対戦相手の命を絶ってきたのだ。 ヴェストリ広場は静まり返っていた。 ギーシュは白目を向いて痙攣している。辛うじて生きているようだが、かなり危険な状態だった。 ルイズはギーシュの方にゆっくりと歩み寄る。 ギーシュの近くまで来ると、いきなりギーシュの体を蹴り上げた。 その光景を見た瞬間、ヴェストリ広場に女子生徒の悲鳴が響き渡る。 ルイズはギーシュを殺す気なのだと誰が見てもわかった。 「よ、よせ! それ以上やったら本当に死んじまうぞ!」 「誰でもいいから! ルイズを止めなさいよー!」 「で、でも! どうやって!」 生徒達の叫びが飛び交い、ヴェストリ広場は騒然となる。 ルイズを止めるにしても、先ほどのギーシュとの戦いを見てしまえば、足が竦んでしまうのも無理はなかった。 その時、一人の少女がルイズの前に立ちはだかる。学院の生徒ではない、メイド服に身を包んだ黒髪の少女だ。 ルイズの前に立っていたのはシエスタだった。あの後、ルイズが心配でヴェストリ広場に来ていたのだ。 シエスタはルイズに向かって叫ぶ。 「もうやめてください!ミス・ヴァリエール!」 その声を聞き、ルイズの動きが止まる。 「退きなさいシエスタ。決闘で真の勝利を得るには、相手の命を絶たなければいけないのよ」 シエスタには信じられなかった。 ルイズとは少し話をした程度だったが、こんな事を言う人物ではなかったはずだ。まるで、ルイズの姿をした別人と話しているように感じた。 違和感を感じたシエスタだったが、今はルイズを止めなければならない。 「嫌です! ミス・ヴァリエールが今やろうとしている事は決闘じゃありません! ただの殺人です!」 その言葉を聞いた時、ルイズは不思議な感覚に襲われる。同じような言葉を以前にも聞いたような気がするのだ。 一体どこで聞いたのかルイズが思い出そうとすると、脳裏にある若者の姿が思い浮かぶ。 | てめえのやってる事は格闘技じゃない……ただの殺戮だ! その言葉を思い出した瞬間、急速に頭が冷えてくる。そして同時に、左手のルーンも徐々に輝きを失っていった。 真の勝利の為に、相手の命を絶たなければいけないと考えていたのは自分じゃない。あれは夢の中の話だったはずだ。 だが自分は今、ギーシュの命を絶とうとしていた。 背中に嫌な汗が流れる。得体の知れない恐怖を感じ、ルイズは後ずさった。 「ミス・ヴァリエール?」 「ち、違う……わ、私じゃない……」 「え?」 そう言うと、ルイズはその場から走って逃げ出してしまう。 シエスタは慌ててその後を追った。 ひたすら走り続けたルイズが辿り着いたのは、自分の使い魔を召喚した場所だった。そこには使い魔の石像が立っているだけで、他には誰もいない。 走り続けたせいで息が上がってしまい、呼吸を落ち着けていると、誰かがこっちに走ってくるのがわかった。 「はぁ…はぁ…。ミ、ミス・ヴァリエール!」 シエスタだ。息を切らしながらこっちにやってくる。 ルイズは後ずさりするが、使い魔の石像にぶつかってこれ以上下がれなくなる。 そうこうしている内に、シエスタがルイズの目の前までやってきた。 「や、やっと。追い着きました」 シエスタはルイズの前で息を整えている。 ルイズはどうしたらいいかわからくなっていた。だから、今自分が思っている事を素直に口に出す事しかできなかった。 「ち、違うの! あれは私じゃない! 私じゃないの!!」 髪を振り乱し、目に涙を浮かべながら必死に叫ぶルイズ。 そんなルイズをシエスタは優しく抱きしめ、小さな子供を落ち着かせるように背中を軽く叩く。 抱きしめられたルイズは、シエスタの胸に顔を埋めて大声で泣き始めた。 シエスタはルイズに優しく言葉をかける。 「大丈夫ですよ。私は信じてますから」 今、自分が抱きしめているのは間違いなく本物のルイズだ。シエスタはそう思いながら、ルイズを抱きしめ続ける。 そんな二人の姿を見ていたのは、使い魔の石像だけであった…… 前ページ次ページZERO A EVIL
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4277.html
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 二四四 君は食堂の裏手にある調理場を訪れる。 焼ける肉や湯気を立てるスープの、よい匂いが立ちこめている。 白い筒型の帽子をかぶり白衣をまとった料理人らの手によって、夕食の下ごしらえが進められているところだが、今はまだそれほど忙しくはないようだ。 調理場の片隅の椅子に腰掛けて、手の空いている何人かの料理人たちと談笑していた太った中年の男――料理長のマルトー――が君に気づき、人懐っこい笑顔を見せる。 「おお、どうした? 今日はなんの用だい? あんたなら、たとえ用がなくても大歓迎だがね。このあいだ聞かせてもらった、『ロガーンとトロール』は傑作だったぜ」 君は、とある珍しい果物を探しているのだとマルトーに告げ、ブリム苺の特徴を説明する。 ブリム苺は奇妙な果物で、普通は人間も動物も食べようとはしない――鼻をつくひどい匂いがするためだ。 だが天然の良薬であり、早めに口にすれば、悪性の流行り病すら抑える効き目がある。 君の説明にマルトーは首を傾げる。 「俺はハルケギニアで採れる果物なら、そこらの野苺から東方原産の珍種まで知りつくしているつもりだが、そんなものは聞いたことがねえなあ」 マルトーはブリム苺のことを周囲の料理人や給仕たちにも訊いてくれるが、皆そろってかぶりを振るばかりだ。 君はマルトーに礼を述べると、調理場を出ようとするが、そこで奉公人の少女、シエスタと鉢合わせる。 「まあ、ミス・ヴァリエールの使い魔さん! お久しぶりです、もうお帰りですか?」 少女はそう言って微笑みかける。 「ちょうどいい。シエスタ、ブリム苺ってのを知らねえか?」 マルトーが、君のかわりにシエスタに問いかけてくれる。 ブリム苺の特徴を聞いてすぐ、シエスタがはっとした表情で君を見る。 「それってもしかして、ブリュヌベリーのことですか?」 思わぬ答えに驚いた君は興奮し、彼女の両肩をつかむと、詳しい話を聞かせてくれと大声を出す。 「い、痛いです……お話ししますから……」 シエスタの弱々しい声を聞いて慌てて手を離し、自らの行いを詫びる。 シエスタは驚きさめやらぬ表情で言う。 「いえ、お気になさらないでください。……ええと、ブリュヌベリーはわたしの故郷、タルブの村のそばの草原に生っているんです。薬になるので、 うちの家ではしぼり汁を瓶に詰めて常に何本か保存しているんですよ。 わたしも子供のころ母に飲まされたことがあるんですが、ものすごい匂いと味でした。≪水≫の魔法で作られた薬ほどじゃないけど効き目は確かで、わたしも一晩で熱が下がっちゃいました。 ……でも、できれば二度と飲みたくないですけど」と。 話を聞く限り、ブリム苺とブリュヌベリーは同一のものと見てまず間違いなさそうだ。 君が、代金は払うのでそのブリュヌベリーの汁をいくつか譲ってはもらえぬかと尋ねると、シエスタは笑顔で 「はい、それじゃあ家に手紙を送りますね。ちょうど、そろそろ仕送りを出そうと思っていたところなんです」と答えるが、 それでは遅すぎる。 タルブまで直接薬を取りに行きたいので、簡単な紹介状を書いてはもらえぬかと言うと、シエスタは怪訝な表情をする。 「そんな……往復の旅費を使えば、もっといい薬が買えますよ? なにもわざわざ出向かなくても」 君は、とにかくその薬が急いで必要なのだと言う。 シエスタはしばらく考え込むが、やがて意を決したように 「それなら、わたしもお供します!」と叫ぶ。 「うちの家族はお人よしばかりですけど、いきなりよその人がやって来たら警戒して、薬を出し渋るかもしれません。たとえわたしの紹介状を見せても、信用してもらえるとは限らないし。 だから、わたしが直接、使い魔さんを家族と村のみんなに紹介します」 シエスタの言うことには一理あるが、彼女には彼女の仕事があるはずだ。 そのことを尋ねると、シエスタは 「大丈夫です。使い魔さんのお手伝いのためなら、いつでもお休みをいただけます。そうでしょ、マルトーさん?」と、 興味津々で君たちの話を聞いていた料理長に呼びかける。 マルトーは笑顔でうなずく。 「おう、行ってこいシエスタ。そこの旦那のお役に立ってきな」 シエスタはそばかす混じりの顔をほのかに紅潮させる。 「もう! いやですわマルトーさん、旦那様だなんて。あの、それで……出発はいつですか?」 シエスタの問いに、おそらく明朝になるだろうと答えると、調理場をあとにし図書館へと向かう。 このことを、早くルイズとタバサに伝えねば。一三九へ。 一三九 シエスタの故郷であるタルブの村の近辺にはブリム苺らしき植物が自生しており、彼女の家ではそのしぼり汁が薬として用いられている――君が調理場で得た情報を知らされたタバサは、 「明朝、門前で。シルフィードに乗って行く」と言ってすっくと立ち上がると、 そのまま図書室を出て行く。 本心では今すぐにでも出発し、難病に苦しむ家族を救うかもしれぬ薬を手に入れたいところだろうが、同行する君とシエスタのことを、彼女なりに気遣ってくれたのだろう。 平原が、森が、川が、丘が、眼下を過ぎ去ってゆく。 君たちは今、シルフィードの背に運ばれ、タルブへと向かっているのだ。 こうやって竜の背にまたがるのは二度めであり、慣れのおかげで墜落の恐怖も前回より薄れてはいるが、それでも気は抜けない。 同乗者のうちふたりと一匹――ルイズとシエスタ、そしてキュルケの≪使い魔≫である火狐――は魔法が使えぬため、うっかり転落すれば命はないのだから。 タバサの≪使い魔≫シルフィードの背中はそれほど広いわけではなく、少女ばかりとはいえ、人間が五人に獣が一匹も乗れば、もはや脚を伸ばす余地もない。 一行の中で最も大柄な人間である君は、少女たちの邪魔にならぬよう小さく縮こまっている。 本来タルブへ向かうべき顔ぶれは、シルフィードの主人であるタバサ、ブリム苺を知る君と、タルブの家族に君たちを紹介してくれるシエスタの三人だけで充分なはずなのだが、 どいうわけかルイズとキュルケまでついて来たのだ(キュルケは火狐まで連れている)。 ふたりに理由を問いただしたところ、キュルケは 「だって、おもしろそうじゃない。この前のあなたたちの旅には同行できなかったけど、今度の機会はのがさないわよ」と嫣然とした笑みを浮かべ、いっぽうルイズは 「使い魔が主人の眼の届かないところで変なことしないように、監視につくだけよ」とふてくされた口調で言う。 ふたりとも、学院の授業を無断で欠席することについては、なんら気のとがめるところはないらしい。 もっとも、順調にゆけば夕方にはタルブに到着するはずなので、村に一泊するだけですぐに戻ることができる――ルイズたちの欠席とシエスタの休暇は二日だけで終わるだろう。 背中にかかる重みをものともせず、シルフィードは力強くはばたく。 空飛ぶ竜の背に乗るなどという生まれて初めての経験に、最初は悲鳴を上げて騒いでいたシエスタだが、すぐに慣れたようで 「すごい……街道を見てください、荷馬車でいっぱいですよ!」などと、 眼下に広がる光景を楽しむ余裕さえ生まれている。 彼女の言葉にしたがっておそるおそる視線を下げた君は、ラ・ロシェールへと向かう街道に多くの馬車があるのを見出す。 その車列は隊商にしては規模が大きすぎる。 「戦の準備ね。あと三週間もすれば、アルビオン解放の軍がラ・ロシェールから飛び立つから」 ルイズが君のほうを向いてそう言うと、キュルケも 「ラ・ロシェールは、アルビオンに最も近くて最も大きな港だからね。今はトリステインとゲルマニアを中心とした、諸国連合艦隊の根拠地になってるはずよ」と説明する。 街道を進む何台もの馬車は、軍隊のための食糧や武器、そのほか雑多な物資を運んでいるのだろう。 アルビオンへの出征の日が近づけば、徒歩(かち)で行進する数千の兵がこれに加わるはずだ。 「戦……ですか」 シエスタが気落ちしたように呟く。 「始まったら、貴族の皆様だけではなく、平民の兵隊もいっぱい死んでしまうんですよね。それに、アルビオンの人たちも。本当に必要なんですか? まだ、アルビオンがトリステインに攻め込んできたわけでもないのに」 「当然でしょ! ≪レコン・キスタ≫の恥知らずな謀反人たちは、始祖の末裔たる王様を殺めて、今もウェールズ皇太子殿下や民衆を苦しめているのよ。 これはアルビオンを解放する、大儀ある戦いよ!」 ルイズに一喝されてシエスタは押し黙り、竜の背の上を気まずい空気が流れる。 「そんなに心配しなくても大丈夫よ」 キュルケが明るい声でシエスタに話しかける。 「連合軍の兵力は圧倒的、内乱でくたびれたアルビオン一国じゃどうにもならないわ。決着はあっさりついて、すぐに平和が戻ってくるわよ」 「それでも……わたしは戦はいやです。ミス・ツェルプストーは、その……失礼ですが、なんだか楽しそうですね」 「我がツェルプストー家はゲルマニア屈指の武門、戦で成り上がってきた家系。ツェルプストーに生まれたからには、たとえ女子供でも、戦いの炎を 恐れたり嫌ったりするわけにはいかないのよ……本心はどうあれ、ね」 「はあ、貴族の皆様も大変なんですね」 そんなやりとりを聞きながら、君はもう一度街道を見下ろす。 ラ・ロシェールに近づくにつれ、荷馬車の数は増えている。 君の故郷である≪旧世界≫は荒っぽい土地柄とはいえ、≪諸王の冠≫の貸与を軸として発足したフェンフリー同盟よって秩序がもたらされていたため (王冠を大魔法使いに盗まれたアナランドの恥は大変なものだ!)、本格的な戦は絶えてひさしい。 遥か空の彼方の『白の国』では、数万の軍勢同士が正面から衝突する、君には想像もつかぬ規模の大戦(おおいくさ)が始まろうとしているのだ。二〇へ。 二〇 陽が傾きだしたころ、ルイズが前方を指さして叫ぶ。 「見て! ラ・ロシェールの桟橋よ!」と。 その言葉に従って眼を凝らすと、彼方の山の上に小さく枯れ木が見える。 それはこの距離から見れば一インチにも満たぬ高さだが、実際は丘ほどもある、信じがたい高さの大木なのだ。 十日ほど前に見てきたばかりだが、何度見ても圧倒される巨大さだ。 さらに近づくにつれ、四方八方に張りだされた大木の枝に、いくつもの白い花めいたものがついているのを見出す――実際はそれは花ではなく、空飛ぶ船の帆だ。 これだけ離れていては区別がつかぬが、そのほとんどが戦のためにかき集められた軍艦と輸送船なのだろう。 無言でラ・ロシェールの桟橋を見つめていた君たちだが、意外な人物の意外な一声を耳にする。 「北西から風竜が二匹」 声を発したのは、道中ずっと沈黙を保っていたタバサだ。 彼女が杖の先で指し示したほうに眼をやると、二匹の翼をもつ生き物がこちらに向かって飛んでくるところだ。 相当な速さで空を翔けているようで、その姿はみるみるうちに大きくなる。 「こんな人里近いところを野生の竜が飛んでいるはずもないし、竜騎士かしら」とルイズが言うと、 キュルケは落ち着き払った口調で 「今、背中が光ったわ。鎧を着た人間を乗せてるわね。でも、こっちになんの用があるのかしら?」と疑問を口にする。 悠然とした貴族の少女たちとは対照的に、シエスタだけは 「だ、大丈夫ですよね? なにもしてきませんよね? わ、わたしたち、なにも悪いことしてませんものね!?」と、 おどおどした様子を見せる。 そのまま相手が近づいてくるのを待つか(三〇六へ)、タバサに逃げるよう指示を出すか(二一四へ)? 三〇六 近づいてくるにつれ、二匹の竜とその乗り手たちの姿がはっきりと見えるようになる。 青い鱗をもつ竜――風竜と呼ばれる、飛ぶことに優れた種らしい――はシルフィードに似ているが、ずっと大柄でがっしりした体格のため、ごつごつした印象を与える。 その背中にまたがり手綱をつかむのは、鎖帷子と青いマントをまとった騎士だ。 腰にはワルドが使っていたものと同種の、刺突剣に似た誂(あつら)えの杖を差している。 ふたりともサレット兜をかぶっているので、面貌であらわになっているのは口元だけだ。 二騎の竜騎兵は、君たちの乗ったシルフィードの左右に並ぶと、そのまま速度を合わせて飛ぶ。 右側の竜に乗る騎士が片手を挙げ、掌を下に向けると腕を上下に振る。 地面に下りろという指示のようだ。 「な、なにもしてないのに……すぐに解放してもらえますよね!?」 シエスタがおびえた声を出す。 「心配ないわ、こっちは≪トライアングル≫がふたりにダーリンも居るし。闘えばまず勝てるから」 「え、ええっ!?」 キュルケの冗談を真に受け、頓狂な声を上げる。 シルフィードは広々とした草原に舞い降り、竜騎兵の片方がそれに続く。 もう一騎の竜騎兵は君たちの頭上を旋回し、周囲を警戒している。 シルフィードから降り立った君たち五人と一匹に、騎士が近づいてくる。 「我々はラ・ロシェール鎮守府(ちんじゅふ)防空隊だ」 威丈高に騎士は言うが、その声は若々しい少年のものだ。 おそらく、ルイズやキュルケと同年代だろう。 「その格好は、魔法学院の生徒と下僕か? ラ・ロシェールにいったいなんの用だ? あそこは今、諸国連合艦隊の根拠地だ。怪しい奴らを近づけるなとの命令が出ている。 きさまたちの姓名と目的を話してもらおうか」 騎士のぶっきらぼうな詰問に、ルイズの表情がみるみる険しくなる。 ルイズは怒鳴ろうと口を開くが、キュルケのほうが先に動く。 「ゲルマニア貴族、キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。彼女がミス・タバサで、こっちがミス・ヴァリエール。 行き先はラ・ロシェールじゃなくて、その先のタルブ。これでいいかしら?」 そう言って、騎士に流し目を送る。 「ゲルマニアのフォン・ツェルプストーにヴァリエール……まさか、ラ・ヴァリエール公爵の?」 「三女よ。そちらも名乗っていただけるかしら、騎士さま?」 ヴァリエールの名を聞いて騎士が動揺したのを見て、ルイズは余裕を取り戻す。 若き騎士は慌てて兜を脱ぐと一礼し、 「失礼いたしました、トリステイン空軍竜騎士、ルネ・フォンクと申します。空からラ・ロシェールに近づくものは、すべて誰何するように言い渡されておりまして……」と弁解する。 あらわになった顔を見てみれば、小太りで人のよさそうな少年だ。 キュルケは微笑む。 「気にしないで、あなたは立派に任務を果たしているだけなんだから。それにしても、ずいぶん厳重な警戒ね。アルビオンが先手を打って出てくることなんて、まずないでしょうに」 「我々が恐れているのは艦隊より間諜です。船に火を放たれたりして、闘いの前に損害を出すことは避けたいですからね。アルビオンは三日前にハルケギニアの諸国と完全に断交して貿易商を追放、 港を封鎖したため、今では商船の一隻もやってきませんが。 封鎖は徹底したもので、噂によると一羽の伝書鳩でさえ撃ち落されてしまうとか……」 思わぬところでキュルケのような美人と出会って気が緩んだのか、ルネという名の少年騎士は聞かれていないことまでぺらぺらと喋り続ける。 「クロムウェルはなにを考えているのかしら」 ルネと別れ、ふたたびタルブへと向かうべく飛び上がったシルフィードの上で、ルイズは思案にふける。 「いくらアルビオンが過去に一度も侵略を受けたことのない難攻不落の大陸だからって、ハルケギニアのすべての国を敵にまわしちゃったらおしまいよ。 最強と言われてる艦隊と竜騎兵だって、内乱で数が減ったはずだし、なにより食糧が不足しているはずだわ。 それなのに、外交も貿易もやめて浮遊大陸に閉じこもるなんて。こっちがなにもしなくても、日干しになっちゃうわ」 そう言って溜息をつく。 「アルビオン全体を巻き添えに死ぬつもりかしらね」 キュルケのなにげないひとことに、ルイズが息を呑む。 「まさか、そんな……」 「そもそも、ハルケギニアを一つにまとめてエルフから聖地を奪回しようという考えが、正気の沙汰じゃないのよ。狂った王様……じゃなくて、クロムウェルの肩書きは議長だか総司令官だっけ? とにかく、頭のおかしい人間が支配する国ってのは悲惨よね。まともなことをしたら罰せられるんだから」 その言葉を聞いて、タバサがちらりと君たちのほうを見るが、すぐに正面に向き直る。 夕陽が山の稜線にかかろうとするころ、草原と森の境目に築かれた集落が見えてくる。 「タルブの村です! まさか、竜に乗って帰ってくることになるなんて! 父さんたち、腰を抜かさないといいけど」 喜色満面のシエスタが叫ぶ。一九三へ。 一九三 奉公に出た村娘が、三人の貴族の令嬢とともに竜に乗って村に帰って来たので、普段は静かであろうタルブの夕べは大変な騒ぎとなる。 広場には人だかりができ、村人たちは遠巻きに貴族の少女らの一挙一動を見守っている。 村人の大半は、貴族といえば尊大な官吏か医者くらいしか見たことがないらしく、ルイズたちを覗き見ては 「見てごらん、なんてお綺麗な。まるで妖精だよ」 「シエスタの奴、すごい方たちとお知り合いになったもんだな」などとささやきあっている。 ひどく恐縮した村長がルイズたちをもてなす一方、君とシエスタは用を済ませるべく彼女の生家へと向かう。 シエスタが生まれ育った家は、二階建ての大きな農家だ。 彼女の家族――いかにも農夫といった風情のがっしりした体格の父親、おとなしいが芯の強そうな母親、そして七人の弟や妹たち――が、驚きと喜びの入り混じった表情でシエスタを出迎える。 彼らは、シエスタのすぐ後ろに立つ君の存在に気づいて疑わしげな視線を浴びせてくるが、シエスタが 「わたしが奉公先でお世話になってる人よ。ずっと遠くの国から来た商人さんなんだって」と紹介すると、 たちまち相好を崩す。 君はシエスタの家族に挨拶して名を名乗り、自分たちはブリム苺(またはブリュヌベリー)の汁を買い取りに来たのだと告げる。 「ああ、あのひどい匂いのする薬か? ワインと一緒に何本か置いてあるはずだ。おい、あるだけ持ってきてくれ」 シエスタの父は少年のひとりに指示を出す。 「ちょっと待ってな。それにしても、あんなものが欲しくて学院から文字通り飛んで来るなんて、あんたらももの好きだね。貴族さまの気まぐれか?」と言うシエスタの父に君は、 その薬の原料となる果物はこの辺りでしか見つからぬ、大変珍しいものなのだと説明する。 「そういえば、じいさんが来るまでそんなものは誰も知らなかったって話を聞いたことがあるな……」 シエスタの父がひとりごちる。 ほどなく、シエスタの弟である少年が四本の瓶を抱えて戻ってくる。 君は断りを入れると、水薬の瓶のコルク栓を抜き、匂いを嗅ぐ。 臭い! この強烈な匂いは、間違いなくブリム苺のものだ! 君はブリム苺の汁が入った瓶を、三本買い取ることにする。 タバサの家族のために一本、ルイズの姉のために一本、自分用に一本――最後の一本は、もしもの時のために、この家に残しておいたほうがよいだろう。 思わぬ臨時収入(代金の金貨は、出発前にルイズとタバサが君に渡してくれた)を得て頬の緩みを隠し切れぬシエスタの父だが、急になにかを思い出したような顔をすると、 「……あれが読めるかも」と呟いて部屋を出てゆく。 数分後に戻ってきたシエスタの父は 「あんた、ずっと遠くの国から来たんだってな。もしかして、これが読めるんじゃないか? 私の祖父が書いたものなんだが、 『ハルケギニアの外の世界からの旅人が村を訪れたら、これを見せてみるように』って遺言を遺したんだ」と言って、 二つの羊皮紙の巻物を君に見せる。 片方の巻物を拡げてまじまじと見つめる。 見たこともない複雑な象形文字がびっしりと書き込まれているが、まったく解読できない。 通常、文章というものは左から右へ書かれるものだが、この未知の言語は行間の空白を見るに、上から下へと書き込まれているようだ。 ≪旧世界≫はもちろん、おそらくハルケギニア大陸にも、このような言語を操る文化は存在せぬだろう。 これを記したというシエスタの曾祖父は、ハルケギニアとはなにもかもが異なる遠い異国からやってきた旅人だったらしい。 途方にくれた君は、もう一方の巻物を手にとり――短い叫び声を上げる。 シエスタとその父がぎょっとした表情で君を見て、いったいどうしたのかと声をかけてくるが、君はなにも答えようとしない。 息は乱れ、額に汗の玉が浮かび、羊皮紙をつかむ指が小刻みに震える。 子供が書いたように稚拙な字だが、この巻物は西部アランシア語で記されている――≪タイタン≫の言語だ! 九〇へ。 九〇 君はシエスタたちの問いかけにも答えず、夢中で羊皮紙を読み進める。 大海の彼方に存在するアランシアの言語に堪能なわけではないが、それは根本的には≪旧世界≫と似通ったものであるため、 (≪旧世界≫、アランシア、クールの三大陸が、かつては一つの大陸であったことの証拠だといわれている)どうにか内容が理解できる。 書き手であるシエスタの曾祖父が、簡単な単語ばかり使い、諺や婉曲な言い回しをほとんど用いておらぬことも、君の理解の助けになる。 先に読んだ象形文字こそ、シエスタの曾祖父の母国語なのだろう。 彼は西アランシア語を、大人になってから不完全なかたちで習得したに違いない。 この文章を記したのは、ハチマン国の都コン・イチで生まれたササキ・タケオという人物だ。 彼はハチマンの貴族階級にあったようだが、身に覚えのない不名誉な罪をなすりつけられたため、海の向こうへの逃亡を強いられることとなった。 長く危険に満ちた航海のすえにアランシア西岸のブラックサンドにたどりついたササキは、そこで冒険者としての新たな生活を始める。 怪物と罠に満ちた廃墟や洞窟を探索し、隊商の護衛につき、邪悪な貴族の用心棒になったことさえあると記されている。 そうして十年ほどが経ったある日、ササキは巨大な地下迷宮の奥で罠にかかり、気がつくと別の迷宮のなかに倒れていた。 彼は次々に襲い来る怪物どもを退け、どうにか迷宮を抜け出したが、食糧を失い、剣は折れ、満身創痍のありさまだった。 夜空にかかる二つの月に驚いたササキだったが、とにかく人里を求めて足を進め、四日めになってようやくたどりついたのが、このタルブの村なのだ。 ササキは行き倒れの自分を助けてくれた女と結ばれ、そこで子を生した。 羊皮紙の最後にはこう記されている。 「我はこのタルブを安住の地となしたが、これを読む汝は、意せずしてこのハルケギニアの地に流れ着いた者やもしれぬ。汝もし野蛮なるアランシアに戻ることを望まば、東の洞穴を探るべし。 ≪門≫は洞穴の奥底に在り。我はその≪門≫をくぐりし者なり。されど心せよ、そこは幾多の妖怪変化が徘徊する死の穴ゆえ」と。 読み終えて、君はササキ――シエスタの曾祖父の書き遺した手記の内容を吟味する。 ハチマンやコン・イチという地名は聞いたこともないが、おそらく地図にも載っておらぬような辺境の隔絶した地域か、小さな島国なのだろう。 ブラックサンドは『盗賊都市』の別名をもつ危険な港町であり、遠く離れた≪旧世界≫においてもその悪名は知られている。 それよりなにより、手記の最後の記述が君の心をとらえて放さない。 このタルブの村のすぐそば(怪我人の足で四日かかるのなら、歩いて二日といったところだろう)に、≪タイタン≫へと通じる≪門≫があるとは! 危険を冒してでも、洞窟を調べてみる価値はあるだろうと君は考える。 アランシアから≪旧世界≫へと向かう船が半年に一隻しかなく、二ヶ月の航海に耐えねばならぬとしても、そして、王冠の奪回はもはや手遅れだとしても、 君は祖国のためにカーカバードに戻らねばならぬのだから。 君はシエスタとその父のほうに向き直り、羊皮紙の内容について話す。 父娘は、君とササキが同郷の生まれ(実際は、世界の反対側といってよいほど離れた場所に違いないのだが)だと聞いて、驚きを隠せない。 「じいさんは、自分は月が一つしかない国から来たってよく言ってたが……まさか、同じ国からの旅人がシエスタと知り合うなんてな」 シエスタの父はしみじみと感慨深げに言い、シエスタはうるんだ瞳で君を見つめ、 「うわあ、すごいです、運命的ですね!」と話しかけてくる。 彼女の態度に妙なものを感じ取った君は話題を変えることにし、ほかにササキの遺品はないのかと尋ねる。 「たしか、その巻物と一緒にしまいこんでいたはずだ。もっとも、役に立たないがらくたばかりだが」 シエスタの父はそう言うとふたたび部屋を離れ、ぼろ布に包んだ雑多な品々を持ってくる。 彼がテーブルの上に並べたのは、確かにがらくたにしか見えぬ物ばかりだが、そのうちのいくつかが君の興味を惹く。 君は、このなかのどれか一つを貰ってもよい。 刀身が鍔元から折れた剣・一六〇へ 十字型の鉄片・七四へ 木彫りの神像・二五へ 鎖篭手・二七一へ どれも必要ないと思ったなら、三二九へ。 前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/3932.html
前ページ次ページゼロの軌跡 第五話 お茶会への招待 「ミス・レン、朝食をお持ち致しました」 「ありがとうシエスタ。 でも私、昨日お願いしたはずだけど。私のことはただのレンでいいわ」 「で、ですが…レン様のことは賓客としておもてなしするようにと言われておりまして…」 「レンって呼んで」 シエスタが真っ青な顔をしたメイド長から呼ばれたのは昨日、ルイズの付き添いを終えて遅い夕食を取り終えた時だった。 何事だろうか、もしや気づかぬうちに貴族に粗相をしてしまったのではないかと内心不安を抱えながら用件を聞けば、それは今日学院にやってきた少女の世話を、というものだった。 安堵したのもつかの間、学院の塀を破壊しルイズを殺そうとしたのがその少女だと知ってシエスタは危うく昏倒するところだった。 無論のこと、あまり豊富とはいえない彼女の持ちうる語彙全てを駆使して控えめに辞退したのだが、ただの雇われメイドの身に選択権などあるはずもなく。否応無しにベッドメイキングと御用聞きのためにレンの部屋に向かったのがその日の夜。 一体どんな凶悪な亜人が出てくるかと思えば、シエスタを出迎えたのは彼女の予想とは似ても似つかない、あまりにも可愛らしく稚い少女だった。 如何なる無理難題を吹っかけてくるかと恐れていたがそのようなこともなく、どうにか責務を終えて退出するその間際、お願いがあるのだけど、と鈴の鳴るような声にシエスタは扉に向かうその足を止めた。 遂にきたか、と動揺を抑えて耳を済ませる。次いでレンの口から出てきた言葉にシエスタは耳を疑った。 敬称はいらないからレンと呼んでほしい。 想像していた要求とその言葉との落差に彼女の思考は一瞬凍りついた。 レンの年齢と容姿を考えればそう呼ぶのも至極最もであるとシエスタも思わないでもなかったが、興奮と自失のために数秒ごとに明滅を繰り返しながらシエスタに命を下したメイド長の語気を思い返すと、軽々しくレンの名を呼ぶのも勇気を要することだった。 即答も出来ず、かといって拒絶することは尚更出来ず、その晩はどうにか誤魔化して辞去した。一晩たてばそのような戯れもあるまいと高をくくり朝食を運びに来たシエスタだったが。 「ではその…せめてレンさんと」 「レン」 「レ…レン…ちゃん」 「うふふ、仕方ないからそれでいいわ。 シエスタ、早くスプーンを取って。レン、とってもおなかがすいちゃったの」 しかし、レンの発言、立ち居振る舞いを見るにつけてシエスタの中の違和感は次第に大きくなってゆくのだった。 曰く塀を一瞬にして消し去っただの、あのオールド・オスマンを外で裸に剥いただのという噂は既に使用人の間でも広まっていたし、実際にルイズの首に生々しく残る手形と窓の外に聳え立つゴーレムを見ては疑うべくもないのだが、 それでも、上品にスープを飲み干す目の前の少女に、冷酷で恐ろしい姿を重ね合わせることがシエスタには出来ないのだった。 「ごちそうさま」 「レンちゃんはこの後どこかに出かけますか?もしよければその間に部屋の掃除など済ませてしまうので」 「そうね、お昼ご飯まで出掛けることにするわ」 「でしたら昼食は外で召し上がりませんか?いいお天気ですし、紅茶とデザートも振舞われますよ」 「あら、それはとっても素敵ね。レン、楽しみにしてるから。 行きましょう、<パテル=マテル>。今日は北の方を探検するわよ!」 その朝、ルイズが重大な決意をその平坦な胸に秘めてレンの部屋に向かおうとした時、秘書のロングビルに呼び止められた。 疲れた顔のロングビルから今日の授業は休んでも構わない、絶対にレンを怒らせないように関係の修復を図るようにと学院長からの連絡を聞く。途中から愚痴と化していたそれはオスマンとロングビルの困憊を如実に表していた。 去り際に、塀の修繕費の工面とか王宮にどう報告したらとか呪詛めいた口ぶりでロングビルが何かを罵っていたが聞こえなかったことにする。 今のルイズがそれらに対して出来ることは何もなかったし、何より今すべきことはそんなことではない。 ともかくもレンの部屋に向かって再び足を踏み出したルイズが見たものは、白煙と炎を噴出して飛び立つ<パテル=マテル>の姿だった。 「逃げられた…」 無論レンがルイズから逃げ出した訳ではないのだが、この行き場のない決意をどうしてくれようか。 煩悶としながらルイズは自分の部屋に戻って朝食をとることにした。 レンが昼食のテーブルに着いたのはちょうどシエスタとの約束の時間。そのそばにいつもあるはずの<パテル=マテル>の姿はなかった。 探索に出てしばし、さしたる成果が上がらずにじれったくなってくるレンだったが、そろそろ戻らないと昼食に遅れてしまう。 時間を過ぎたらご飯抜きということはないだろうが、自分から約束した刻限を自分の都合で破ることには少々忸怩たるものがあった。 仕方ない、昼食を食べている間は<パテル=マテル>一人でがんばってもらおう。理由はよくわからないがこちらの世界に来てから出力が上がっている。自律行動させても然程の問題はあるまい。 そう思って学院に戻ると、庭には多くの生徒と使い魔の姿があった。 おそらく大半がルイズと同級生なのだろう。まだ使い魔が物珍しいのか、既に溺愛しているのか、そこかしこで戯れているのが散見される。 しかし、給仕をするシエスタと二人、レンに近寄ってくるものは一人と一匹たりともいなかった。 昨日の有様を目の当たりにしてはそれも至極当然のこと、遠巻きにして時折こちらを見ては「ゼロのルイズ」という言葉が風に乗って届くばかり。 おそらくはルイズの二つ名だろうが、「ゼロ」とは奇妙だ。シエスタはその謂れを知っているのだろうか。 「それは…私が申し上げていいのかは分からないのですが。 ミス・ヴァリエールは大貴族でいらっしゃいますが未だに魔法を成功させたことがなく、それで…「ゼロ」と」 成る程、一つ疑問が氷解した。レンはずっと不思議だった。ルイズが死の間際まで見せた使い魔への執着が。 普通、使い魔に自分の命を秤にかけてまでこだわるものなのだろうか。ずっと一緒にいて愛着が湧いたというのならば納得も出来ようが、召喚してたかが数分であの入れ込みよう。 こちらの世界ならではのものかと思っていたが、オスマンの話を聞いたところではそういうものでもないらしかった。 つまりルイズはその存在を、メイジとしての自分を<パテル=マテル>に託していたのだろう。だからあんなにも頑強で偏執的な抵抗を見せたのだとレンは思い至る。 貴族しか魔法を使えないこの世界で「ゼロ」であることがどのように彼女の身にのしかかるか。それが想像できないほどレンは愚かではなかった。 きっと世界に見放された気分になるのだろう。この私のように。 「愚かにも、哀れな話ね」 「は、はあ…そうかもしれないですね」 そう思うと、ルイズに抱いていた憎しみと警戒心もいくらか和らいだが、だからといって<パテル=マテル>を渡すことは出来ない。それとこれとは話が別だ。 おそらくまだルイズは諦めてはいないだろう。次に会ったらどう思い知らせてやるべきか。 考えているところに、生徒の一人がシエスタを呼ぶ声が聞こえた。 「あのレンちゃん…」 「レンのことは気にしないで行ってくるといいわ。戻ってくるときにデザートと紅茶をお願いね」 レンの姿を求めて庭にやってきたルイズが目にしたものは、シエスタを気障ったらしくなじっているギーシュの姿だった。 一体何があったのかと近くにいたタバサとキュルケに声をかければ、二股がばれたギーシュが腹いせにシエスタをいびっているというあまりにもお粗末な事態。 上手くやらないからあんな道化を晒すのよ、などとのたまうキュルケはとりあえず放置する。貞操観念が希薄な彼女を責めるのは後にするとして、ともかくもシエスタを放っては置けなかった。 昨日ずっと介抱してくれた彼女を見捨てるわけにはいかなかったし、それを置いても貴族としての責任感と覚悟がそれを許さなかった。 「ギーシュ、二股がばれた責任をメイドに転嫁するなんて。あなた、それでも貴族なの?」 「おや、ゼロのルイズじゃないか。召喚した使い魔とは仲良くやってるようでなにより。 なにせ君を殺しかけた上、離れて食事中とはね」 あの少女とルイズはまだ和解してないと踏んで、ギーシュはその嘲笑の矛先をルイズに向けた。 「僕も君の使い魔くらい立派なものを召喚したかったね。ほら、まだ首に手形が残ってるじゃないか」 その発言に周囲の生徒からも笑い声が上がった。聞くに堪えないそれは折り重なって不愉快な協和音をなした。 思わずルイズはその白い肌を羞恥と怒りで赤く染めたが、それでもその傷は隠れようもなくその存在を主張していた。 私は既に使い魔を手放す決心をしたのだ。 ルイズは再び自分が独りになったことを知った。 前ページ次ページゼロの軌跡