約 495,188 件
https://w.atwiki.jp/macross-lily/pages/40.html
(このスレ的に)キレイなアルトに感銘を受けて シェリル「それで、ランカちゃんったら酷いのよ!」 アルト「・・・人の休日潰しておいて第一声がそれか」 シェリル「何よ、こっちも休日潰してあんたに相談に来てるのよ?」 アルト「電話とか、他の奴に相談するとかすればいいだろうに」 シェリル「悔しいけど、私の次の次の次の次位にランカちゃんを理解してるのはあんただし。それに下僕だし」 アルト「人を何だと思ってるんだ」 シェリル「うるさいわね、あんたを支える翼になってやってるんだからこれくらい大目に見なさい」 アルト「くっ、こんな時ばっかりそれ引っ張り出してきやがって」 数分後 アルト「・・・・・な、なるほどな、それでランカと喧嘩したと」 シェリル「そう!同じアクセサリーを気に入ったんだけど、ランカちゃんの方が似合うからって勧めても断るのよ!?」 アルト(くだらねぇ―――!!) シェリル「何回言っても『シェリルさんの方が似合います!』って聞かないんだから!もう、こういうとき頑固なのよね!」 アルト(頭痛が・・・・ん?) 着信:ランカ アルト「もしもし、ランカか?」 シェリル「!」 ランカ『もしもし!アルト君!?ちょっと聞いてほしいことがあるんだけど!』 アルト「・・・・・・・・・・ほら、お前にだ」 シェリル「え・・・・もしもし?ランカちゃん?」 ランカ『シェ、シェリルさん!?』 また数分後 シェリル「ええ、そうね。いっそのことお揃いにしましょうか」 ランカ『そうですよね!あはは・・・なんでこんなことでムキになってたんだろ・・・ごめんなさい、シェリルさん』 シェリル「いいのよ。私の方こそごめんなさいね、ランカちゃん」 アルト(やれやれ・・・元鞘に収まったみたいだな・・・・全く、こいつらはホントに・・・・・) シェリル「だから!それはランカちゃんに譲るって言ったでしょ!?」 アルト「は・・・・・・?」 ランカ『駄目です!あのワンピースはシェリルさんの方が似合ってます!』 アルト「お、おい・・・」 シェリル「アルト!」 ランカ『アルト君!』 アルト「ヒッ!?」 シェリラン「『ランカちゃんの方が(シェリルさんの方が)似合うわよね(よね)!?』」 アルト「もう勘弁してくれえええぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 お粗末
https://w.atwiki.jp/macross-lily/pages/78.html
ねぇ、グレイス、知ってた? 私、あなたのことが大好きだったのよ。 ああ、それは知ってたかも知れないわね。 じゃあ、その大好きが『愛してる』の方だったってことは? なによ、その「なんでもお見通し」みたいな笑顔。 もっと驚きなさいよ。 このシェリル・ノームが『愛してた』って言ってるんだから。 ねぇ、グレイス、聞いて。 あなたがランカちゃんを選んで、裏切られて、とても悲しくて、恨んで憎んだ。 でも、恨みよりも何よりも、差し伸べてくれた手の温もりと、笑顔を信じたくて。 心では『行かないで』って・・・『私をみて』って・・・ずっと思ってた。 笑えるわよね。 結局、最後まで言うことはできなかったけど・・・。 もし言ってたら・・・何か変わってた? あなたは、私を見捨てないで、最後まで利用してくれた? 最後まで一緒に連れて行ってくれた? ねぇ、グレイス・・・ 最後の戦いの時、私はあなたに『サヨナラ』を告げることを決めたの。 その道を自分で選んだの。 最後の戦いの時、あなたに告げたいことがあった。 酷い裏切りも受けたし、絶望に落とされたりもしたけれど・・・ それでも・・・私は、あなたに『感謝』してるって。 『ありがとう』って。 結局、『サヨナラ』も『ありがとう』も言えなかったけど。 もし、そう言えてたら、あなたはどんな顔をしたかしら? もう一度、微笑んでくれた? それとも、『バカな娘』ってあきれたかしら? その答えは『永遠』にわからないけれど、わかったことが1つあるの。 私には、あなたしかいなかったのよ。 傍にいてくれる人も・・・帰れる場所も・・・ あなたがいなくなったら、全部なくなってた。 ねぇ、グレイス・・・あなた今・・・どこにいるの? 「じゃあ、ランカちゃん、アルト、また明日ね。」 シェリルは笑って2人にそう言う。 「ああ、また明日な、シェリル。」 「シェリルさん、明日は学校終わりで一緒にお仕事ですねっ!!!」 アルトの言葉に笑みを返して、ランカの言葉と嬉しそうな笑みに、その綺麗な緑の髪を撫でるシェリル。 「なぁに?ランカちゃん、そんなにあたしと一緒が嬉しい?」 「はいっ!!だって、シェリルさんは私の憧れで、大好きな人ですからっ!!」 ランカの言葉に、シェリルは一瞬、動きを止める。 その表情に自分が何を言ったのかを気づいたランカは、真っ赤になると、慌てて両手を振って弁明する。 「ち、違うんですよっ!!!変な意味じゃなくてっ!!!その・・・好きって言うのはその・・・」 あわてふためくランカに悪戯な笑みを浮かべるシェリル。 「違うってことは、あたしのことが嫌いなの?ランカちゃん。」 少し寂しそうにして見せて、そう言ったシェリルに、ランカは俯きかけていた顔を上げた。 「ち、違います!!!違うんですけど・・・その、純粋にシェリルさんが好きってことで・・・」 必死に言い訳をするランカがかわいらしくて、シェリルは声を上げて笑い出す。 「ランカ・・・お前、いい加減、こいつの性格に気づけよ。」 アルトが溜息を吐きながら呆れたようにそう言って、ランカはやっと自分がからかわれていた事に気づいた。 「シェ・・・シェリルさん!!!」 真っ赤な顔でその名を呼び、頬を膨らませるランカ。 シェリルは小さく舌を出して見せて、「ごめんね」と謝り、ランカの額に口づけを落とした。 「ふぇ・・・」 「お詫びの印に。」 そう言ってランカの目の前で、シェリルの綺麗な顔が微笑むと、ランカは真っ赤になってへたり込む。 「あら?ちょっと刺激が強すぎたかしら。 でも、ダメよ、ランカちゃん。こんなことくらいでそんなになってちゃ。 プロはいかなる時でも毅然としてなきゃ・・・」 ふと、脳裏をよぎった言葉とその笑顔にシェリルの動きが止まる。 『いい?シェリル。 あなたはこれからプロになるんだから、どんなことが起きても、毅然としていなさい。 何があってもあなたは歌うの。 喜びも悲しみも怒りも憎しみも・・・ あらゆる全ての感情を自分の力にかえて歌うのよ、シェリル。 あなたなら、それができるわ。』 それは、歌を始めた頃に言われた言葉。 大好きだった、一生、離れることのないパートナーだと思っていた人の言葉。 止まってしまったシェリルに、アルトとその手を借りて立ち上がったランカが、顔を見合わせて首を傾げる。 「おい、どうした?シェリル?」 「シェリルさん?」 2人の呼びかけに我に返ったシェリルは、笑みを浮かべてその背を向けた。 「なんでもない・・・って、大変っ!!! もうこんな時間じゃない!!みんながあたしを待ってるから、行くわね。 じゃあ、ランカちゃん、アルト、また、明日。」 背を向けたまま振り向くことなく、シェリルは手を振り去っていく。 その背を、アルトとランカは不思議そうに見送った。 「あいつは・・・いっつも急な奴だな。ん?どうした、ランカ?」 アルトの問いかけにランカはシェリルの背を見つめたまま答える。 「アルトくん・・・シェリルさん・・・なんか変じゃなかった?」 「変?あいつが変なのはいつもだろう。」 笑ってそう言ったアルトに、ランカは曖昧な笑みを浮かべて応え、 それからシェリルに視線を戻す。 「シェリルさん・・・」 小さく呟くその名は、夕暮れに吹き抜ける風に攫われていった。 さよならは自分から。 しかも、とびきり明るく振る舞って。 絶対にランカたちの背を見送らないように。 それはシェリルが決めたことだった。 自分が『独り』だと気づいた時に。 自分で自分を守るために決めたことだった。 それに気づいてしまったのは、ふとした瞬間。 戦いが終わって、それぞれが目まぐるしい日々を送っていた。 そんな中で、シェリルとランカは、人々に希望を与えるべく歌い続けていた。 いろんな場所を2人で一緒に回って。 護衛には、自らがそれを望んだ、アルトとブレラがついて。 しばらくの間は、ホテル暮らしでずっと一緒だった。 シェリルの目の前には、当たり前のように大好きな人たちの姿があった。 けれど、その生活が少し落ち着いた時、それは訪れた。 ぶつくさと言いながらも、その顔はどこか穏やかで嬉しそうに。 アルトは家族の待つ実家に帰っていく。 ランカとブレラは、仲睦まじく、時折、言い合いをしながら。 オズマとキャシーが待つ自分たちの家に。 それぞれに笑って帰っていく姿に、1人、取り残されてしまうシェリル。 笑顔でその背に手を振りながらも、漠然とした恐怖と寂しさがシェリルを襲った。 誰もいないホテルの1室。 そこに帰り着いた時、シェリルはその漠然とした恐怖と寂しさを理解する。 大きな窓に映るはずのない、幼い自分の姿が映る。 そして、シェリルは気づいてしまった。 帰れる場所もどこにもない。 傍にいてくれる人もいない。 自分は『独りぼっち』の存在なのだと。 『独り』だって気づいて、最初に呼んだのはあなたの名前だった。 アルトでもランカちゃんでもなく。 あなたの名前だったのよ。 グレイス。 あなたが夢に出てきたの。 優しい笑顔で『シェリル』って呼んでくれた。 だから、私は呼び返した。 『グレイス』って。 目を覚ました私は、ホテルの部屋中を探し回った。 でも、どこにもあなたはいなかった。 当たり前よね。 それで、ほんとに気づいたの。 私には、あなたしかいなかったんだって。 アルトのことがほんとに好きだと思ってたのに・・・ ランカちゃんたちがいる中で、自分の居場所を見つけたと思ったのに・・・ 違ったのよ。 あなたがいなくなったら『独り』だったわ。 傍にいてくれる人も、帰れる場所も・・・ 気づいたら、何もなくなってて・・・ 『独り』になった時に、『傍にいて欲しい』と思ったのはあなただったの。 だって私は、あなたを大好きだった。 どこの誰よりも愛してたんだから。 グレイス・・・ 手を伸ばせば、アルトやランカたちに触れられる。 笑えば、笑い返してくれる。 自分も笑っていられる。 それなのに。 『独り』じゃないと感じれば感じるほど、シェリルの孤独は膨らんでいく一方で。 『独り』になることに、言い知れぬ恐怖と寂しさを感じて。 けれど、それをランカやアルトたちには知られたくなくて。 シェリルは自分を偽り始める。 そこにいるのは、『銀河の妖精 シェリル・ノーム』 誰しもが憧れ、羨望の眼差しを送る“歌姫”と呼ばれる存在。 シェリルは、誰の前でもそうあることを決めた。 そして、『独り』を感じる間もないくらいに仕事をこなす。 そうやって、シェリルは偽りの自分を作り上げていく。 日に日に危うくなっていく“シェリル・ノーム”という存在に、 気づける者は、今はまだ、誰もいなかった。 「今日も素晴らしかったですよ、シェリルさん。」 エルモの言葉に笑みを浮かべるシェリル。 「当たり前しょう。あたしは、シェリル、シェリル・ノームなんだから。」 いつもの答えに、エルモは微笑む。 「しかし、ここのところ、連日お仕事ですが、そろそろお休みを入れた方がよいのでは?」 「大丈夫よ、エルモ。自分のことは自分が一番わかってるから。 今がベクタープロにとっても、フロンティアにとっても大事な時期でしょう? ここを超えたらしばらく休暇をもらうわ。」 エルモに笑ってそう言って、ウィンクしてみせるシェリル。 シェリルにそう言われてしまっては、エルモも返すことができず、笑って頷いた。 「わかりました。ですが、無理だけはしないで下さいね。」 「わかってるわ。心配性ね、エルモは。」 くすりと笑ってそう言い、明日のスケジュールの最終確認をすると、シェリルは車を降りた。 「送ってくれてありがとう、エルモ。気をつけて帰ってね。」 エルモにそう声をかけて、シェリルは車を見送ることなく、自分の部屋へと帰っていく。 その背がマンションの中に消えて行くのを見送って、エルモは車を発進させた。 誰もいない暗い部屋に明かりをつけると、シェリルはリビングにあるソファへと倒れ込んだ。 「自分のことは自分が一番わかってる・・・か・・・」 天井を映す視界を右腕で遮ると、シェリルの口元が少し斜めに歪む。 「よく言ったものだわ・・・」 自嘲的にそう言って、シェリルは笑った。 明らかにオーバーワークであることは、シェリル自身が一番よく分かっていた。 けれども、シェリルはそれを表に出すことなく仕事をこなす。 『独り』になってしまうことを恐れて。 それでも、訪れる『独り』の夜には、部屋に灯りをつけて、リビングのソファで眠った。 「グレイス・・・」 音のない部屋に、シェリルの弱く、でも透き通るような声が響いて消える。 呼んでも返事など返ってこない。 わかっていても、シェリルはその名をもう一度呼んだ。 「グレイス・・・」 遮った視界の下で、さらに瞳を閉じる。 彼女の面影を求めて。 自分の記憶をたどって。 「グレイス・・・」 あんなに酷く裏切られたのに。 自分を捨て、ランカを選び。 簡単に『死ぬ』と告げられて。 全ては、彼女たちがしくんだことで。 自分を拾ったのは、ノームの血に復讐をするためで。 何もかもわかっているのに・・・ それでも、シェリルの中で一番に思い出されるのは、グレイスの笑顔だった。 銀河の妖精と言われ、確固たる地位を築き上げたその道程には、いつもグレイスがいた。 傍で叱って、笑ってくれていた。 幼い頃には、苦しい時にその手をずっと握っていてくれていた。 初めての楽曲で1位をとった時には、 喜びあって、一緒に寝ようっていう子どもじみたシェリルの願いを受け入れて、 1つのベッドで寝てくれた。 グレイスといる時、シェリルは『独り』ではなかった。 グレイスの隣が、シェリルの帰るべき場所だったから。 ねぇ、グレイス。 どうして、傍にあなたはいないの? ずっと、傍にいてほしかったのに。 叶わないとわかっていても、願わずにはいられなかった。 小さい頃なんて、自分の瞳にあなたが映るだけで、とても幸せだったんだから。 あなたが差し伸べてくれた手も、握っていてくれた手も。 とても優しくて・・・温かくて・・・ だから、一緒にいられるならなんでもよかったのよ。 ただグレイスと一緒にいられることが宝物だった。 それだけで、どんな痛みも傷も怖くなかった。 利用するなら、最後までもっと上手く利用してくれればよかった。 最後まで騙して、それを真実にして欲しかった。 少し意地悪で優しいあなたの記憶だけを残していたかった。 もっとちゃんと、確実な方法で、あなたの手で殺して欲しかった。 一緒に・・・連れて行ってほしかった。 私はきっと、あなたとの『永遠』が欲しかったのよ・・・グレイス・・・ 「よかったわね・・・グレイス。あなたの復讐は大成功よ・・・」 震える声でそう告げると、シェリルはその身を丸く縮こませる。 「おかげさまで・・・ノームの血を引くあたしは、こんな惨めな姿を晒してるわ。」 誰もいない部屋にシェリルの声だけが小さく響く。 「今頃、笑ってるんでしょう?いい気味だって。 でもね、グレイス。こんな姿を見せるのは・・・ここでだけよ・・・ 人前では『銀河の妖精』であり続けるわ、絶対。 そうよ、グレイス・・・ 何もかもがあなたの思うようになるなんて、思わないで・・・」 ソファの上でさらに小さく丸まるシェリル。 「あたしは・・・『独り』だけど・・・あたしには『歌』があるんだから・・・ それを、教えてくれたのは、他でもない、あなたよ、グレイス。 だから、あたしは歌い続けるわ・・・銀河の妖精、シェリル・ノームとして・・・ どこでも・・・どんな場所ででも・・・その全てを力にかえて・・・歌ってみせるんだからね・・・」 小さく、小さく、その身を丸めて、シェリルは『独り』きりの絶望の淵で眠りを求める。 「ねぇ・・・グレイス・・・」 シェリルの声が震え、涙声に変わる。 「今・・・どこにいるの・・・?」 『永遠』に還らぬ命にそう尋ね、シェリルは丸めたその身を自分できつく抱きしめる。 まだ自分が生きていることを確かめるように。 自分の・・・シェリルという存在を確かめるように。 疲れすぎのシェリルは、気を失うように眠りに落ちる。 そうなるように、シェリル自身がしていた。 そうでないと『独り』の恐怖と寂しさで眠れなくなってしまうから。 眠りに落ちるほんの一瞬。 シェリルは祈るように願う。 せめて夢では、愛しい人が傍にいてくれるように。 自分の瞳に愛しい人の笑顔だけが映しだされるように。 そして、 いつかこの絶望の淵で、また、誰かの温かな手に出会えるように。 シェリルの閉じた瞳から、涙が零れ、流れ落ちた。 おわり
https://w.atwiki.jp/macross-lily/pages/88.html
シェリルのラストライブと対バジュラの戦闘とがそれぞれの形で終わりを見た後、 ランカはシェリルに引っ張り込まれる形で、会場の裏側へと足を踏み入れた。 入り組んだ道を迷いなく進むシェリルの背中を懸命に追いながら、ランカは問いかける。 「あの、いいんですか? シェリルさん。私、ただの観客なのに!」 「何を言ってるの? 舞台の上で一緒に歌うのが『ただの観客』? それに、貴女だって今回の功労者なんだから。少し楽屋でゆっくりしていきなさい。 この混乱じゃ、どうせすぐには家に帰れないでしょ」 戦闘は終わっても、すぐに事態が収拾される筈も無い。 怪我人の搬送、破損箇所の修復、何より住民の動揺が収まるまで、時間がかかるだろう。 ランカだって、表面上は落ち着きを取り戻しているが、内心は穏やかでない。 身体的疲労も相まって、シェリルの提案は非常にありがたいものだった。 「じゃあ、お言葉に甘えて」 「素直でよろしい。さ、その辺に座って。 飲み物はあるから、好きなものを飲んでいいわよ」 「ありがとうございます」 連れてこられた楽屋は、舞台となった船の下、海中にある一室だった。 楽屋と言っても、使うのは銀河の妖精シェリル・ノーム。 ランカが普段営業で使っているような狭い物置小屋とは違って、 たっぷりの空間に、洒落たソファ・化粧台・クローゼットなどが整然と並んでいる。 これでベッドがあれば、一流ホテルの部屋だと言われても信じる程だ。 微妙な居心地の悪さを感じながら、ランカは小型冷蔵庫からジュースを取り出し、 ソファに浅く腰掛けた。ちょうど、化粧台に向かうシェリルを鏡越しに覗き込める位置だ。 「何なら、後で軽い食べ物でも用意させましょうか?」 「いえ、そこまでは……。 あの、ひとつ訊いてもいいですか?」 「なぁに?」 「あのステージで、シェリルさんが言ってた事、その意味を知りたいんです。 ひとりぼっちじゃないって、分かったから……って」 「あぁ……」 鏡に映る、シェリルの表情が曇る。 それを見て、ランカは少し、自分の問いかけを後悔した。 シェリルがデビューした頃から、ランカはずっとシェリルを追いかけてきたから。 長い間、シェリルを見ていたけれど。それは所詮、一方通行な繋がりでしかない。 2人が本当に知り合えたのはごく最近。交わした言葉はほんの少し。 顔見知り程度の人間に、深く踏み込まれても、きっとシェリルを困らせるだけだ。 「ごめんなさい! 変な質問を」 「いいの。貴女とアルトに、私の思いを伝えようとしたのは私自身なんだもの。 その意味をちゃんと伝えなきゃ、いけないわよね。 そう、私はずっと、ひとりぼっちだった。寂しかった」 鏡の中で、シェリルが暗い面持ちをしている事に、ランカは目を瞠る。 ランカが知っているシェリルは、まさに銀河の妖精だ。 その行く先には大勢のファンが押し寄せ、ライブはいつも大盛況。 画面越しに見えるシェリルは、いつだって数多の人間に囲まれていて、輝いている。 しかし、今のシェリルの表情は、銀河の妖精らしい、とはとても思えない固いものだ。 信じ難いものを目の当たりにして、ランカは小さな声で問いかけた。 「銀河の妖精……なのに?」 「銀河の妖精、だから、よ」 はぐらかすように答えて、シェリルが自嘲気味に笑う。 それ以上は訊かないで、と言いたげな様子に、ランカはしばし言葉が出なかった。 俄かには受け入れがたい事実だが、とにかくシェリルは、ずっと孤独だったのだ。 どんなに周りから熱い視線を注がれようと。歓声を受けようと。 多くのファンに愛されている歌姫は、その中で長い間、孤独を感じていた。 それはどれ程、耐え難いものだっただろう。 周りにたくさんの人がいるのに、どうしようもなく、ひとりぼっち。 想像しようとしてできなくて、ランカの手に力が込められる。 「色んな人達に会っても、大切に扱われても、私は1人なんだって、ずっと感じてきたわ。 でも、さっきね。ようやく、私は1人じゃないんだって、思えたの。 あの馬鹿アルトと、ランカちゃんのおかげ」 「アルト君と、私?」 「そう。アルトは、離れていても私の為に力を尽くしてくれた。 そして、ランカちゃんの歌が、私の中に響いたの。 ランカちゃんの歌声が、私の中で反響して。 自然と私の声と混ざり合って、もっと素敵な歌になって。 これまでだって、誰かと一緒に歌う企画はあったのにね。 あんな感覚、初めてだった。あの……繋がっている感じ」 一度言葉を止めて、シェリルが振り返る。 その顔は、焦がれていたものに、ようやく出会えた喜びに満ちていた。 今まで見てきたどんなグラビアより、映像より、素敵な笑顔。 それをもたらしたのは、他でもないランカ自身と、アルトであるらしい。 信じられない……という事はなかった。 たった少し、同じ歌を紡いだだけ。それだけなのに、全てを知り尽くしあえたような感覚。 不思議な共感覚を得ていたのは、ランカの方も同じだったのだから。 「まぁ、またすぐに会えなくなっちゃうから、寂しくなるけどね」 「……え?」 「戦闘でそれどころじゃなくなったけど。これ以上、此処でのライブは無理な気もするの。 またバジュラに狙われても困るし、次の仕事もあるからね。 落ち着いたら、フロンティアを離れるわ。 それでも、2人がココにいる事、ちゃんと分かっているから。 そう考えるだけで、孤独がどんどん、薄れていくような気がするのよ」 最も、疑惑のある私を、フロンティアが放してくれない可能性はあるわね。 そんなシェリルの軽い冗談を、ランカは既に聞いていない。 ただただランカは、自分の中に強い衝動を感じていた。 身体の中心から湧き上がる、熱く不思議な気持ちに突き動かされて、ランカは立ち上がる。 「わ、私! これからずっと、シェリルさんを思って歌います!」 「へ?」 「私の歌が、少しでもシェリルさんに響くなら! シェリルさんの寂しい気持ちを、少しでも和らげることができるなら。 私はいつだってシェリルさんの事を考えながら、歌います。 そして、シェリルさんが何処に行ても、私の歌が届くように、お仕事も頑張ります! そうすれば、私の歌、シェリルさんに聞いてもらえる可能性が高くなると思うんです」 大声で語りかけながら、ランカは自分自身の発言の意味を深く考えてはいなかった。 呆気にとられているらしいシェリルはひとまず置いておいて。 頭に浮かんだ言葉をそのまま、口にする。 「私が、シェリルさんを独りぼっちになんて、させません! 私はずっと、シェリルさんと一緒です!」 胸に手を当てて、そう宣言してから数秒後。 ランカはようやく、自分の発言を顧みるだけの自我を取り戻した。 いくらシェリルにこうして楽屋に受け入れてもらえたとは言え、 ランカはまだ、シェリルの1ファンに過ぎないのだ。 大それた事を言ってしまったと、ランカは顔を紅潮させる。 シェリルを怒らせたのではあるまいか、とまで考えたが、それは杞憂だった。 「ふふ……あははははっ!」 「シェ、シェリルさん?」 「戦闘中に1人で駆け出した時と言い、アイモを知っている事と言い……。 貴女って、本当に私を驚かせてくれちゃうのね。 この銀河の妖精をこんなに振り回す人なんて、滅多にないわよ?」 「振り回すなんて、そんなつもりじゃ」 笑い出したシェリルが、やがて椅子から立ち上がると、ランカのすぐ目の前に立った。 その顔に浮かんでいるのは、怒りなどではない。 例えるなら、ようやく頼れる誰かに巡り合えた、迷子の子どものような。 泣き出しそうで、それでも安堵して笑っている。 そんなシェリルに見つめられ、ランカは先程とは別の意味で、胸が熱くなった。 「ありがとう。ランカちゃん」 「そんな、感謝されるような事は、なにも」 無言で首を横に振って、シェリルが1歩、踏み出してくる。 その白い両腕が伸ばされ、気付けばランカはシェリルに抱きしめられていた。 慣れない香水の香りと、微かに汗の匂い。 その2つを感じつつも、ランカは緊張のあまり動けない。 「……本当に、ありがとう。楽しみにしてるわ。貴女の歌声を、遠い何処かで聴く時を。 そしてまた、いつか一緒に歌いましょう。ね?」 「は、はい」 シェリルの囁きが、耳から身体全体に染み渡る。 ランカはようやく緊張から抜け出すと、シェリルの背に手を回した。 腕に力は込めない。それでも伝わる温もりを感じながら、ランカはようやく気付く。 自分がこの妖精を、愛しく、恋しく、想い始めていた事に。 おわり
https://w.atwiki.jp/macross-lily/pages/46.html
私の手の上で、彼女のそれが動く。 爪の上を走るひやりとした感触と、耳をくすぐる浅い吐息。 その度に小さく震えそうになるのを、私はただただ必死に堪えていた。 ベッドに座った私を背中から覆いかぶさるみたいにして、真剣顔のシェリルさんが向き合っているのは桜色のマニキュア。 それをシェリルさん自身の爪に塗っているだけなら、特に問題はないのだけれど(ううん。こんな体勢の時点で私の心臓の負担的にはかなり問題あるけど)今シェリルさんの持つ桜色のマニキュアの筆が走る先は、私のそれで。 しっかりと私の手を捕らえるシェリルさんの左手のせいで、私は数十分この体勢を余儀なくされていた。 事の発端はいつも通りシェリルさんの気まぐれだった。 久しぶりにシェリルさんと一緒のお仕事だったから、仕事の合間に彼女のお部屋を訪ねた。 ここ数ヶ月、一緒のお仕事もオフが重なることもなくて、会えない日が続いていたから、私はわくわくとどきどきの気持ちいっぱいで彼女のお部屋のインターフォンを押したんだ。 出迎えてくれたシェリルさんは、いつもの綺麗な笑みで、ぎゅう、としてくれたんだけど、久しぶりのハグも早々に「ランカちゃんに似合うマニキュアがあるから」って、ベッドまで引っ張って、今に至る、と。 これでも、一応、抗議はしたのだ。 マニキュアなら自分でできます、とか、塗ってもらうにしても向かい合わせの方がやり易いでしょう、とか。 そもそも、今これをやる必要はないじゃないですかって。 だけど、当のシェリルさんはそんな私の抗議なんてどこ吹く風で、「いいから」「早く」と急かすのみ。 シェリルさんはとーっても頑固な所があるから、こう!と決めた事は簡単には改めてくれない。 ……先に惚れた方が負け、って昔の人ってほんとに上手い事言う。 この場合も、シェリルさんに心底惚れちゃってる私に、断るなんていう選択肢はなかった。 シェリルさんの細い指が私の左の薬指を固定する。 彼女は右手に持ったマニキュアの筆で、私の爪にするりと一つ色を引いた。 同時に、シェリルさんの吐息が耳元を撫でて。私は、ぴくりと身体が竦みそうになるのを必死に堪える。 鼓動がいつもより早いのはこの体勢になった時から自覚しているけれど、こんなにも密着していたら背中のシェリルさんにも聞こえていそうで恥ずかしかった。 桜色に染まっていく私の爪とは反対に、シェリルさんのそれは何の色もついていない。そのままの肌の色。 そういえば、いつだったか、マニキュアとかネイルアートの類はあまり好きじゃないと言っていたことがあったっけ。お仕事以外でそういうのしてるのも見たことないし、シェリルさんのお家でもそれらしいのを見たことはなかった。 それじゃあ、今私の爪を彩っているこれは ―――。 (……自惚れても、いいのかな。) このマニキュアは、シェリルさんが私のために買ってきてくれたものだって。 そう、思っていいのかな。 きゅ、と胸の奥が切なくなって、無性にシェリルさんに抱きつきたくなった。 ちらりと左に目をやると、近すぎる距離に彼女の真剣な横顔。 長い睫が僅かに伏せっていて、その奥の空みたいに青い瞳は真っ直ぐに私の薬指をとらえてる。 衝動が抑えきれなくて、私は小さく口を開いた。 「……シェリルさん」 「だめよ。動かないで」 口では反応してくれるけれど、視線は薬指に向けられたままで少しだけ寂しくなる。 やっぱりこの体勢は苦手だ。 背中全体で彼女の温もりを感じられるのはいいけれど、真正面からその顔を見ることができない。 見て、もらうことができない。 薬指の爪を彩っていた筆が、今度は小指に取り掛かった。 相変わらずシェリルさんは指を見つめてる。 「シェリルさん……」 「なあに?あと小指だけなんだから、もう少し待って」 めげずに呼びかけてみるけれど、返ってきたのはそんな素っ気無い言葉。 少しってどれくらいなんですか、あと何分ですか? 訊ねたかったけれど、これ以上言うと、もう!って怒らせちゃいそうだったから、 精一杯の気持ちをこめて、私の肩に顎を乗っけるシェリルさんの頬に、額をすり寄せた。 そしたら、一瞬シェリルさんの動きが止まったような感じがしたのは、私の気のせいかな。 元々他の指と比べて面積が小さい小指の爪は筆が数回往復しただけで終わったようで、 シェリルさんは脇に移動させてあったマニュキアの小瓶に蓋をした。 それをそのまま、ぽい、とベッドの上に放り投げて。 思わず小瓶の行方を目で追っていたら、今までマニキュアを塗られていた手にシェリルさんのそれがするりと絡む。彼女の方を向こうとしたけれど、お互いの頬が触れててそれは叶わなかった。 「それで、何をそんな声出してるのかしら?ランカちゃんは」 なんだか意地悪そうな声音でそんなことを言うシェリルさん。 それでも、やっと意識がこちらに向いたことに少しだけ胸が弾んだ。 そんな声ってどんな声だろうと思ったけど、今はもっとずっと聞きたかったことを訊ねることにした。 「このマニキュア、どうしたんですか?」 桜色と肌色が交互に揺れる手を見つめながら訊ねたら、色素の薄い髪の毛がさらさら頬をくすぐった。どうやら、シェリルさんが首を傾げたみたいで。 「買ってきたのよ?」 心底不思議そうな声が返ってきた。 シェリルさんの細い指が私の手を柔らかく握るから、私も小さく応える。 「でも、シェリルさん、マニキュアってあんまりしないじゃないですか」 また、さらさらと頬をくすぐるシェリルさんの髪。 今度は反対側に顔を傾けたよう。 「……?だって、ランカちゃんに似合うと思って買ってきた物だから」 「私用ではないわよ」と。 なんでもない事のように、さらりと返ってきた言葉。 更に強くなる、切ない痛み。 どきどき、と鼓動が早まる。 そんなこと、そんなに簡単に言わないでほしい。 だって、―――。 絡むシェリルさんの白い手を今までよりも強く握り返した。 ――― どうしようもなく、嬉しくなってしまうから。 同じくらいの力で握り返してくる細い手。 それだけのことなのにたまらなくなって、私は、は、と小さく息を吐き出し、シェリルさんの頬にまた甘えるように額をすり寄せた。 「シェリル、さん」 「んー?」 「……ぎゅってしてください」 強請るようにそんなことを言うのはすごく恥ずかしくて、でも、どうしてもしてほしくて、小さく小さく呟いた。 そしたら、耳に届く私の声と同じくらい小さな笑い声。 「だーめ。まだマニキュア乾いてないもの」 「取れちゃうでしょう」と、悪戯っ子のようなその声音。 それは長くない付き合いの中で何度か耳にしたことのある声だった。 彼女がこんな風な喋り方をする時は決まって、何か良からぬことを考えていたり、私をからかっている時だ。 切ない気持ちと高鳴る鼓動、胸の中が色んな感情でいっぱいになってしまって、鼻の奥がつんとした。 こんなことで泣くのは嫌だったけど、こんな風にシェリルさんに突き放されたことが悲しくて、寂しくて。 彼女がからかっているだけだって分かっているけれど、どうしようもなくなって。 意地悪。シェリルさんの、意地悪。 突然、私の手を弄ってた彼女のそれがするりと静に外れた。 それはそのまま私の顎のラインを撫でて。 「シェ、―――」 名前を呼び終わる前に言葉を封じられた。 本来シェリルさんの名を呼ぶはずだった所に、温かいモノが触れていて。 目の前には彼女の長い睫。 キスされていると、そこにきてようやく脳が理解する。 同時に、顔中に集まってくる熱。 首筋も、耳の後ろも、どこもかしこも熱くなって。 そうなってやっと私は、ぎゅ、と目を閉じた。 暗くなった視界の中、感じるのはシェリルさんの唇の感触だけで。 下唇をやんわり食まれる、それだけで小さく震える身体。 シェリルさんの唇は、下のそれと同じく上も食み、下唇をぺろりと舐め、口の端っこに、ちゅ、と音を立ててキスして離れていった。 小さく息を整えて瞼を押し上げると、鼻先が触れそうな距離にいるシェリルさんと目が合う。 どうして、さっきはダメって言ったのに。 視線で抗議すると、シェリルさんは唇の端をゆるく持ち上げて、 「キスもダメだなんて、言ってないでしょう」 なんて、悪びれもせずに言って、顎を持ち上げてた手でするりと頬を一撫でした。 そんな動きだけでも背中がざわざわして、身体がびくりとしてしまう。 私は、私の手に絡んでいる彼女のそれを、ぎゅう、と握り、その視界から外れるように少しだけ俯く。 絶対、絶対、分かってやってるんだ。それで、私の反応を見て楽しんでるんだ。 そう思ってても、素直にシェリルさんの手の上で転がる自分がいて。 それだけ、この意地悪な人の虜になっているんだと自覚する。 やっぱりシェリルさんは意地悪だ。 だって、こんなことされたら、もっとずっと欲しくなるに決まってるのに。 鼓動が早まる。 頭の中でどくりどくりと血の流れる音を聞きながら、理性と欲求の間で揺れ動く。 ――― だけど、答えなんてとおに出ているのだ。 「シェリルさん、ぎゅってしてよ……っ」 掠れてしまった言葉は届いただろうか。 こんな風に中途半端に抱き締められるのはもう嫌だった。 ちゃんと顔が見たい。ちゃんと見てほしい。それで、ちゃんと抱き締めてほしい。 シェリルさんが息を呑んだのが分かった。 絡んだ手が持ち上げられて、爪を撫でる彼女の指。 私の身体を囲んでいたシェリルさんの足が移動したのが気配で伝わる。 絡んだ手が離された、その瞬間。 突然、強引に身体が半天した。 次の瞬間には、背中にすべらかシーツの感触。 顔の周りを色素の薄い柔らかな髪が覆っていて、鼻先が触れ合うくらいの距離にシェリルさんいた。 彼女はちょっとだけ不満そうな表情を見せて、私の肩口に顔を伏せた。 「……そんな可愛い声、私以外の人に聞かせたら承知しないから」 ぽそりと呟かれた言葉。その意味を図りかねて首を傾げた。 とりあえず、小さく名前を呼んでみると、ぎゅ、と抱き締められる。 やっと与えられた、感触に、体中がじんと痺れるような感覚に陥って。 くっついている所からシェリルさんの温度が伝わって、じわりじわりと全身に広がっていく。 密着した体。だけど、全く重さを感じないのは、シェリルさんが体重をかけないようにしてくれているからで、そんな小さな配慮が嬉しかった。 「爪立てていいから」 まるで世間話をするように発せられた言葉に一瞬反応できなかった。 徐々にその意味を理解するにつれ、これから起こるであろう事が脳裏を過ぎって身体が熱くなる。 けれど、そういうことを何でもないように言ってしまえるシェリルさん余裕っぷりに、なんだか悔しくなって、私は彼女の肩をそっと引き寄せた。 「……マニキュア剥がれちゃいますよ」 精一杯強がって言ったのに、シェリルさんは私の肩口で小さく笑ってて。 「そうしたら、また塗ってあげる」 言葉と同時に降ってきた唇に、悔しいけれど、逆らう術なんて持ち合わせていない。 大好きな白い肌に爪を立てるなんて、できるわけないじゃないかと心の中で思いながら、私は彼女の首に両腕を回して静に引き寄せた。 おわり
https://w.atwiki.jp/fairy-waterfall/pages/54.html
943 名前:えっちな18禁さん[sage] 投稿日:2009/03/21(土) 03 42 45 ID asQSx/Ra0 ぶった切りスマン!! 昨日のバレを見てから、どうしても書きたくなった22話投下します。 ちなみに例の絵は事後と判断。2日に分けて書いたので、印象が違って読みにくかったらゴメン!! シチュについては、独断と偏見なので、異論は認める!! どんなのでも、構わないって人だけでよろしくお願いします。 重ねた唇は柔らかかった。 鼻をくすぐる香りは花のように甘い。 触れた肌はすべすべとしていて、そして静かに熱かった。 障子越しに入ってくる光は優しくその表情を照らし出す。 空を切り取ったようなその瞳の端にぷっくりと涙の粒が浮き上がるのが見えた。 それをそっと拭うと、アルトは再び唇を重ねる。 数度迷った後、優しく吸い舌を使って割り開く。 すぐにざらりとしたものに触れる。 でも、それは触れるとすぐに逃げてしまった。 後を追おうとシェリルの頭を抱きこみ、深く、深く重ねる。 捕まえては、逃げていた舌先がいつしかちょこん、ちょこんっと触れるようになり、それを擽ってやったら、 すぅーっとシェリルの身体から力が抜けていった。 安心してくれたのだと分かったら、自分もなんだか力が抜けて、それが少し可笑しかった。 長い時間重ね、交えた唇を離して見たシェリルの瞳はまだ少し緊張していたように思えてたから、 それを安心させるために、そっと腕の中と連れ込んだ。 そして、シェリルの顔を自分の胸元へと押し付ける。 驚きに見開かれていた瞳が、自分の意思を汲み取り、理解し、唇の端が少し上がるのを見届けると、 アルトは優しく頭を撫でてやった。 触れ合った肌と肌は先ほどよりも熱くて、ドクドクと早鐘を打つ心臓はシェリルと一緒だった。 お互いに知らない世界。 ぼんやりとしか分からないけれど、これから先のことを思うと大丈夫かと自分でも少し不安になる。 それでも、衝動は止められなかった。 触れる度に思う。 もっと、触れていたいと。 キスを交わすたびに思う。 もっと、この感覚を味わっていたいと。 一つになってしまいたいと。 抱きしめたままの状態で、アルトはそっとシェリルを布団へと横たえる。 動くたびに、シェリルの甘やかな香りがふわりと舞った。 頬にかかった柔らかいストロべリーブロンドを優しくどけてやると、シェリルがこちらを見上げている。 じっと見つめ返すと、ぱっと目を逸らしてしまう様子がメディアでみた野生の小さい動物のようだと思った。 「シェリル。」 こちらを見てほしくて名前を呼ぶと、数秒後におずおずとこちらを見上げてきた。 その両頬を両手で包み、固定して、もう一度唇を重ねる。 今日、何度目かのキスは、アルトの思考をゆっくりと侵食していった。 感じるのは、濡れた舌の感触。 乱れた互いの息遣い。 高まる互いの熱。 ドクドクという音が煩くて、シェリルにも聞こえているんじゃないかと思った。 細い両手首を捕らえて布団に縫いつけ、自分はそのまま首筋へと唇を寄せる。 浴衣の袷から布を除けて触れた肌は熱く、しっとりとしていた。 そのまま唇を滑らせると、シェリルの身体がビクッと震える。 その反応に、アルトは顔を上げた。 「・・・怖くないから」 大丈夫だと暗に含め、諭すように言うと、見透かされていたことに気付いたシェリルの瞳が揺れた。 一度手を離し、右肘を布団に付くと一層距離が縮まる。 そのまま、アルトは優しくシェリルの頭を撫でてやった。 互いの吐息が自然と合わさり、瞳が互いを見つめる。 次に、距離を縮めてくれたのはシェリルだった。 少しだけ身体を起こし、唇に触れてくれる。 それは、今まで彼女がしてきたキスのどれよりも優しくて、どれよりも甘く感じた。 身体の片側を重くないようにと気をつけながらシェリルに軽く押し付け、そのスキに腰紐の結び目を解く。 シュルッという衣擦れの音がやけに生々しく思えて、アルトの頬が熱くなった。 緩んだ袷に手をかけ、少しずつ肌を露にしていく。 外気にさらされた素肌に、シェリルが軽く震えた。 現れた真っ白く、滑らかな肌にアルトの息が止まる。 自身が使っていたような白粉はシェリルのどこにも使われていないというのに、その白さは妖艶さをも持っていた。 肌蹴た鎖骨のあたりに置いた手が微かに震えている。 比べてみればなお違う、その肌理の細かさと肌色に改めて自分達が異なる性を受けていたのだということを実感する。 舞台の上でいかに女であろうとも、身体はきちんと発達した肉を持ち、突き上げてくる衝動は穢したいというどす黒いもの。 触れたくて、自分だけのものであってほしくて、たまらなくなった。 温かい肌を感じるように、アルトはそのまま手を這わす。 動き回る度に浴衣が剥がれ、生まれたままのシェリルが見えてくる。 丸く、手には少し余るくらいの乳房やその先端の桜のような蕾 くびれた腰や、柔らかい太もも 足先に行くほどしなやかな印象がつよく、腹から上は柔らかいトコロが増えてくる。 全てを記憶に刻もうと、アルトは何度も何度もシェリルの身体を優しく撫でた。 恥ずかしさにぎゅっと目を瞑るシェリルが愛しくて、可愛くて、感情の箍が外れそうになる。 何度も、何度も、自分に言い聞かせながらアルトはシェリルに触れた。 触るたびに一つずつ、自分の中にあたたかな感情が広がっていくようであり、でも、それは乾いた大地に水が染込み潤して 行くように当然の理のようでもある。 そういう感覚をシェリルと共有できているのなら、嬉しいとアルトは心から思った。 そう思ったら今度はその瞳が見たくなって、アルトは再びシェリルの髪を撫でる。 2,3度撫でて、優しく呼ぶとおずおずとシェリルが目を開けた。 羞恥のせいかその頬には朱が挿し、瞳は潤み、揺れる。 その様子にアルトは少し笑った。 「触るぞ?」 アルトの言葉に、シェリルが弾かれたようにピクンッと震える。 そして、数秒迷うように瞳が彷徨った後、両腕で顔を覆うようにしてからコクンッと小さく頷いた。 先ほど辿った経路を思い出しながら下肢をまさぐり、足の付け根へと手を下ろす。 くびれたそこを優しく撫ぜるとすぐ隣に布の感触がする。 伸びた紐をスルリと解いた。 「・・・・んう。」 触れるとシェリルの身体が硬くなり、そして喉からそんな声が漏れた。 あぁ、ヤバイ・・・。 止められなくなる。 本能的に、そう、感じた。 とろとろと溢れ出していた蜜を指に絡めながら、アルトはそっと入り口に触れる。 愛撫を繰り返すたびに、くちゅという音が耳に届き、シェリルの身体が震え、熱い吐息が吐き出される。 それでも身体の硬さは取れなかったから、アルトはそのまま唇を乳房へと這わせた。 先端を口に含み。 もう片方の手で、揉みしだく。 ぷっくりと立ち上がったそれを甘噛みして刺激を与え、舐めあげ、背筋を震わせる。 自分にはない柔らかさと、手に吸い付くような感覚がアルトをさらに追い詰めていく。 感じたことのない衝動の波をどうしてよいのか分からず、シェリルの手が幾重にもシーツの波を立て、崩していった。 熱いシェリルの呼吸がアルトの首筋を掠める。 求められるようにして伸ばされた手に頬を寄せると、愛しげに撫でられた。 やがてシェリルの両手が限界に行き着く。 それが、自身のジャケットのせいであることを気付いたアルトは急いでそれとタンクトップを脱ぎ捨てた。 そのことすら忘れていた自身に少しだけ苦笑する。 色々考えていたつもりでも、そこまで全然気が回っていなかったのだ。 素肌を晒したアルトの胸にシェリルが嬉しそうに頬を寄せる。 ドクドクと鳴る心音を聞くように耳を当て、目を閉じるシェリルの髪をアルトは優しく何度も梳く。 そして、触れ合いの終わりを告げるようにその細い顎を固定すると、深く、深く、口付けた。 舌を絡めあい、唾液を混ぜ合わせる。 吐息を飲み込み、飲み込ませ、自分だけを見ているようにと願いをこめる。 入り口を彷徨っていた指をそっと中に侵入させると、シェリルが僅かに息を呑み、身じろきした。 中を傷つけないように気をつけながら、アルトはゆっくりと内壁の狭さを取っていく。 熱く、絡み付いてくる内壁のひだを擦り、愛液を絡めながら指を動かし、掻き回していく。 刺激が与えられるたび、シェリルの口から甘い嬌声が零れ落ちてきた。 「あっ…あっ…あぁ、…!」 言葉にならない声を上げながらシーツを握りしめて耐える姿や瞳に溜った涙が頬を伝う。 アルトはシェリルの花弁に唇を寄せた。 淡いピンク色に色づいた花びらに舌で触れ、先端のしこりを軽く吸い上げると口内に蜜の味が広がる。 吸い上げ、擽る度にシェリルの腰が動いた。 中へと入れる指の数を増やしながら、バラバラに掻き回し、追い詰めてやる。 しどけなく上がっていた声が、徐々にその艶やかさを増していく。 イタズラに柔らかく指先を曲げた途端シェリルの身体が仰け反り、くたりっと力をなくした。 「・・・・シェリル?」 荒い呼吸を繰り返すシェリルをアルトが呼ぶと、うっすらとその瞳が開く。 まだ、ぼんやりとしていた瞳がアルトを見とめると、少し安心したように笑った。 言葉は発さずそのまま擦り寄ると、けだるい表情でシェリルもアルトに擦り寄ってくる。 僅かに汗の粒が浮かぶ額を拭ってやり、少し張り付いた髪を耳の傍へと寄せてやった。 幸せそうに閉じられる瞳に、アルトが少しだけ慌てる。 シェリルがそのまま眠ってしまうのを恐れたわけではないけれど、もう少し自分を見ていてほしかったし、 自分もシェリルを見つめていたかった。 そう思っていたはずなのに、いざ目と目が合い、見つめられると先ほどの衝動が再び頭を持ち上げてくる。 脳裏を巡るのは翻弄されるシェリルの艶姿と声。 零れる涙も、揺れる瞳も、全てアルトを昂ぶらせていった。 我ながら現金だとも思う。 男なら武士は食わねど高楊枝ではないのだろうかとも思うのだけど、抑えが効かないのだ。 抱きたいという肉体的なものでなくて、シェリルからの気持ちを感じたいと、感じてほしいと思ってしまう。 精神的な繋がりを求めるから、もっと傍で存在を感じたいから、その衝動はその貪欲さを増していく。 性急にことを進めようとしてしまう自身にシェリルが脅えないことを祈るしかなかった。 再び手を絡め、布団へと縫い付けるとシェリルにもアルトの意思が伝わる。 まだ息は整いきれていなかったけれど、その瞳にアルトを拒むような色は伺えなかった。 静かな、静かな沈黙の後、春に草木が芽吹くように、風が草花を揺らすように、自然と重なる。 唇が、 鼓動が、 呼吸が、 重なる。 誰かに教えてもらったのではないけれど、身体は互いの気持ちの刻み方を知っていた。 ズボンを脱ぎ捨て、シェリルへと被さり、自身の切っ先をその入り口へと押し入れる。 受け入れたことのない熱と質量を必死に受け止めようとするシェリルから、苦しそうな声が上がる。 押し入るたびに、ずり上がっていく身体を手を絡めることで抑え、時に声をかけながら、アルトはシェリルの中を 埋め尽くしていく。 応えようとしてくれる懸命な仕草が嬉しかった。 長い時間をかけて埋め終えると、未だになれないシェリルの口からは時々くぐもったような声が漏れてくる。 苦しいくらいに自身を締め付ける内側の感触に、アルトも意識を持っていかれないようにするだけで精一杯だ。 シェリルに余裕が生まれるまではと必死に時がたつのを待つアルトをシェリルが解放する。 「大丈夫だから。」 眉根を寄せ、上がる呼吸を押し隠しながら、シェリルはそうアルトに告げた。 ドクン、ドクンと刻む鼓動を内に感じること。 それは自分達が一つだという自覚をもたらすもので、シェリルに安らぎを与えるものだった。 アルトの瞳を見つめ、もう一度大丈夫と言うように、シェリルが頷く。 シェリルの様子に動かされるように、アルトはゆっくりと腰を動かし始めた。 狭い内部はアルトの形を覚えようとしているかのようにぴたりと張り付いてくる。 熱く自分を蕩かしそうな内壁の締め付けに、アルトの頭が真っ白になっていく。 「あっ・・・・くっ・・・・」 吐精感を飲み込みながら、アルトは必死に前を過ぎる波を掴もうと手を伸ばす。 柔らかい太ももを抱き寄せ、より深く、深く自身を埋めて、引き抜いて、中をぐちゃぐちゃに掻き回した。 追い縋る内壁も、耳に届く甘い嬌声も、アルトをどんどん高みへと誘っていく。 ずっとこうして繋がっていたいと思った。 身体だけではない。 二人で高みを目指すように、同じ気持ちを感じて、心で繋がっていたいと思った。 シェリルの中にずっと消えない印を刻んでしまいたい。 傍にいると言った自分自身の言葉を忘れぬように。 二度と一人ぼっちだと感じずにすむように。 共に有ることを伝えるように。 切なさと、愛しさが溢れ出てくる。 嬉しさと、喜びが溢れてくる。 感じたことのなかった感情に心が痺れた。 そして、じんわりと全身にその感情を伝わらせていく。 「・・・シェリ、ルッ」 最後に呼んだ名前は、彼女の耳に無事に届いただろうか? 駆け上がることをやめなかった自分に、必死にすがり付いてきてくれたのは、身体の全てが覚えていたから、そうであればいいなと思う。 熱を弾けさせ、全ての欲望の塊を中へと注ぎ込むと同時に、背中に浮かんだ汗の粒がその表面を滑り落ち、シェリルの肌へと落ちていった。 甘く、気だるい事後の雰囲気に、アルトの口元が自然と緩む。 先ほどまでうっすらと開いていた空色の瞳は、ゆるゆると閉じてしまい、その口元からは小さな呼吸が聞こえる。 その寝顔を少し見つめた後、アルトは肌蹴た浴衣を軽く直してやる。 そして、自身も床に散らばった服を拾い集めると同じように身につけた。 ジャケットは、まだ火照った身体には邪魔なように思えたから、着ないことにした。 でも、本音を言えば服という布切れ一枚を通してでなく、自身の肌でシェリルに触れていたいだけだったのかもしれない。 くうくうと小さな寝息を立てて眠る様子からは、先ほどまでの姿は想像できなかった。 それくらい、眠るシェリルの表情はあどけなく、穏やかだった。 起こさぬようにとそっと左腕を首の下にひいてやり、右手を使ってこちらを向かせる。 本当は抱きしめて眠りにつきたかったのだけど、どうしても起こしてしまいそうで、怖かった。 「オヤスミ」 小さくそう呟いて、アルトも瞳を閉じる。 そして、良い夢がシェリルに降るようにと願いをかけて、その額と瞼に優しくキスをした。 障子を通して伝わる外の明かりは、淡く優しい。 その柔らかな光の中で、永久に守りたいと思うものを見つけた二人が向き合って眠る。 静かな、静かな夜の時間。 めまぐるしく巡る時間の中の、短い、安らぎの刻。 そんな穏やかな夜が終わりを告げる夜明けまで、もう、少し。
https://w.atwiki.jp/macrossf-eparo/pages/185.html
160 :*J ai envie de toi (II)* アルシェリ :2009/01/09(金) 05 31 18 ID iLA93FFF お話の最中失礼します。 前スレ381の続き、アルト視点で羞恥プレイ。 エロス的にはそんなに高くない? これでも頑張りました。多分鬼畜アルトで 乙女シェリルw 少しでも楽しんで頂ければ幸いです。 .x.x.x.x.x.x.x.x.x. 調査船の警護についてきたが、思ったよりもかなり早く来た交代の護衛隊に 任務を引き継いで、惑星フロンティアへと帰途についた。 アイランド1の家に戻る途中、この惑星原生の花の露店を見つけた。 色々な花の中、牡丹に似た花は暫く会ってないシェリルを彷彿とさせた。 「女は花に弱いんだぜ、アルト」と言う親友の声が脳裏を霞め そういえばもう1週間も会っていなく、感情にムラのあるシェリルが 不機嫌ならこれで機嫌を直してもらおうと一輪、購入する。 柄じゃないな、と花を持ちながら急ぎ足で帰路へとついた。 予定帰宅時間よりも3時間程は早い。いつも驚かされる分、驚かしてやろうと 騒がれる正面玄関ではなく、こっそりと裏門から侵入したアルトは シェリルの、いや正確には寮に寝泊まりする以外はここに住んでいる離れへと 浮ついた足取りで近づいて行く。 音を立てない様に気をつけて縁側へと上がり、端からそっと入ろうとすると 障子の向こうから、聞き慣れた艶やかな声が聞こえてきた。 「ぅ、あ、止め....ないで」 まさか、誰かを連れ込んでるとか? 嫌な予感と光景がすぐに脳裏に過り、アルトの心臓が早鐘を打ち出す。 中を窺う様に耳を澄ますと、聞こえてくるのはシェリルの息遣いと 淫らな水音だけ、その他の音は一切聞こえてこない。 「い、い....き、たい」 アルトは震える指でそっ、と障子に手をかけ、空いた隙間から中を窺った。 見えたのは、障子に背を預け、淫らな表情を浮かべる女が一人。 ーーう、そ。だろ? 想像していたのとは違うが、これはまた予想外な光景がそこにあった。 青地に牡丹柄の浴衣はあられもなく乱れ、肌蹴た襟元から差し込まれた 腕は豊かな乳房に添えられている。横からしか見えないのではっきりと 断言できる訳ではないが、惜しげも無く開かれた脚の間からは絶え間なく 淫らな音を発し、呼吸が荒い、明らかに自らを慰めていた。 こちらに気づく気配が無く、アルトは開けた障子から部屋に入り込んだ。 「んっ!や、っ!.....ああっ!」 入ったのに全く気づく様子もなくシェリルはクライマックスを迎えるのか 添えていた指の速度を上げ、すぐにか細い声で啼き背を反らした。 ぶつかった背に凭れ、瞳は閉じたまま息を求める様に喘ぎ、漏れ出た言葉。 「アルト.......早く帰ってきて」 共に震える睫毛からは透明な雫が溢れ、滑らかな頬を滑り落ちた。 切ない声色の懇願は、アルトの心を深く感動させ、同時に男の性を呼び起こす。 女が男を求めて淫らに一人、自慰に耽っている光景など、厭らしく好みでは なかったが、愛する女が自分を求めて慰めている光景がこれほどまでに 美しく淫らで魅力的だったとは、思っても見なかった。 アルトは驚きに支配されていたが、ゆるゆると視線を泳がせたシェリルが 自分の姿を認め、怯えた様な表情をするのを見て悪戯心というか 男としての本来の欲望が揺らめき、口角が上がり嗜虐心が頭を擡げた。 「一人でするぐらい欲求不満だったんだ?」 内心緊張でドキドキしながらアルトは冷静に振る舞った。 火照った顔から一転、真っ青になり再び真っ赤に頬を染めたシェリルは 己が身を抱きしめ、開いていた脚を折り畳んでしまった。 「いっ、いつからそこに居たのよ!」 泣きそうな声で強がるシェリル。抱きしめて今すぐにでも襲ってしまいたい。 会えなかった1週間は完全禁欲で、目下の光景はアルトの理性を崩壊さるのに十分。 だが、もう少し意地悪をしてシェリルへの意向返しを楽しむべきではないのか? 普段は形を潜めている男の本能がアルトを誘惑し、形成してゆく。 「止めないで、ってあたり」 大股で近寄り、持っていた花をシェリルの纏められた髪に差し込み、 そのまま指を滑らせ、濡れて輝く唇の上をなぞり口の中に差し込んだ。 「んぅ」 熱い舌の上を押し、遊ぶ様に撫でる。怯えと期待の瞳を向けるシェリルに ゾクゾクと背中を快感が突き抜けるのをアルトは感じた。 そのままシェリルの顎を掴み、逢えなかった分貪る様に唇を奪った。 絡み合う舌と舌、どちらともつかない唾液が、口づけを受けるシェリルの 唇の端から、溢れ、喉元へと滴り落ちる。 「んんっ!ふ…ぅ…っ!」 涙目で見上げてくるシェリルが愛おしくてたまらないのと同時に もっともっと先を、 もっと虐めたいという欲望が増殖してゆく。 倒れ込んできた体を押し返し、障子に預けて少し距離を置いた。 羽織っていたジャケットを脱ぎ捨て、押し入れから布団を引っ張り出す。 不安げに見つめてくるシェリルを抱き上げ、布団に座らせ背後から抱きしめた。 肩を震わせるシェリルの不安を取り除く様に耳元で優しく囁いた。 「シェリル…」 耳元に挿した花の香りとシェリル自身の匂いが混ざり、鼻腔を刺激する。 甘い香りは、はやる気持ちを緩和し、興奮する体と共に柔らかく思考を 麻痺させ、普段口にしない言葉がスルスルと出てきた。 「さっき…止めないで、とか言ってたけど誰の事考えてしてたんだ?」 首筋に舌を這わせ、シェリルの右手を取り、脚の間へと導く。 「いやっ!」 何をするのか解ったのか、シェリルは抵抗する。 「嘘はつくなよシェリル。さっきまで楽しんでたろ?」 耳朶を柔らかく食み、緩んだ抵抗を押しのけ秘部に指先を這わせた。 「んっ!」 シェリルの指に添えた指にもトロリと絡み付く淫らな愛液 「こんなに濡らして、すぐ入れても大丈夫そうだな」 プライドの高いシェリルの嫌がりそうな言葉がスラスラと出せる自分に アルトは驚く。これではまるでエロ親父の様だと内心苦笑した。 「ひ、ぁ!」 シェリルの手の上から肉芽を刺激して、滑りに任せてシェリルの手と共に 下着の隙間から淫らな水音を紡ぎ出す、熱く滑る入り口へ侵入させた。 「凄い感じてる」 シェリルの指を震える胎内へと導き蠢く部分で、シェリルに解らせるため 指を止めて、白い首筋に顔を埋めながら答えを促した。 「んんっ、…ア、ルト」 震えと共に洩れた声が、首筋に触れている唇を通して伝わって来る。 胸の下で支えていた腕をずらし、撓わな胸を揉み上げた。 掌から溢れるくらいの、柔い重量感のある胸は安心感さえ覚える。 揉むと、柔らかく変形する先には美味しそうに桜色の蕾みが主張していて、 首筋に痕を残しながら、体重をずらし、シェリルを布団に押し倒す様に寝かせてゆく。 普段の高飛車なシェリルからは想像出来ない程大人しい。 「あ、…っ」 何度か体を重ねたとはいえ、まだ慣れぬ自分が、主導権を持てる事に徐々に喜びを覚え アルトは機嫌良くシェリルの白磁の様な肌に熱の花を刻み込んで行った。 膝を割り、体を割入れる事で閉じれない様にすると、膝裏に腕をかけて しなやかな脚を抱えて、持ち上げた。 「嫌!何するの?! アルト!離して!」 局部と、自分の顔が丸見えになる体勢にシェリルは酷く狼狽し頬を朱く染め上げる。 初めてする行為に酷く緊張しながらも、それに勝る刺激的な視覚が興奮を誘う。 「…すげーびしょびしょ」 白い下着は既に機能しておらず、淫らな愛液に濡れた布地はその下に隠された 秘部が透けて見え、その先には豊かな乳房と 羞恥に染まる表情が一直線に見え いつもの何倍も卑猥なその光景に興奮を覚え、感動した。 必死に脚を閉じ下ろそうとする力の反動を利用し、折り畳む様に押さえつけた。 幸か不幸か、シェリルの体は柔らかく反発する力は強いものの、アルトが本気になれば 敵う物ではない、己の秘部を身近で見る形になったシェリルは視線を反らす。 「なぁ、誰の事考えながらしてたんだ?」 焦らす様に内股に舌を這わせて、先程の問いの答えを促した。 「だ、誰でもいいでしょ! 離して!! 変態!」 飽くまでも答えるつもりはない様だ。答えなんて最後の一言で解ってる。 だがもう一度。先程の一言が聞きたくて、アルトは腰にある二つの結び目を解いて そのまま引っ張ると、隠された場所が直接空気に晒された。 触れた事はあるが初めて見たそこは、淫らでいて同時に美しく惹き付けられる。 西洋人らしい色素の薄い秘部は、肌と同じ色調で形成されており、主張する肉芽は 濡れそぼって、まさに、幼い頃母親の宝石箱の中で見た輝くコンクパールの様だ。 その上には髪よりも僅かばかり濃い色それが慎ましやかに生え揃っている。 見方によればグロテスクとも呼べなくはないが、淫らに濡れそぼり震えるそこは 生きた宝石の様でもあり、生命を育む為に蟲を惹き付ける花の様でもある。 実際、雄であるアルトの視覚は喜び、今すぐ欲望を押し入れたい衝動に駆られた。 「いや! 何するの!? 離して!!......アルト......お願いよ!」 鴇色に染まった目尻に涙を浮かべ、震えるシェリルは懇願する。 普段はダイヤモンドの様に強がり硬い印象ばかり受けるが、弱ったシェリルは 酷く脆いガラス細工の様にそっと扱わないと壊れてしまう印象さえ受ける。 「誰?誰の事考えてたんだ?」 涙に濡れ、 震えるシェリルと同じ様に震える秘部に初めて唇を寄せる。 「駄目!汚い!」 と何をされるのか悟ったシェリルは抵抗にでるが敵わない、アルトは 少し酸味がかったしょっぱい独特の体液に、何故か神秘を覚え感動した。 跳ねる体を押さえつけ、空とも海とも言えない色彩の瞳と近くでかち合った。 意思の強そうな眉は完全に姿を消し、顰められている。 「.......先に、先に離して。そしたら言うから」 「駄目だ」 そういって、シェリルが溢れさせた愛液に濡れた唇で、シェリルの唇へ重ねた。 唇だけを軽く啄んで、表情を殺して答えを促した。 本気なのが解ったのか、わななく唇が動いて消え入りそうな声が洩れた。 「......あ、る...と」 耳まで羞恥に染まり真っ赤になるシェリルが可愛くて仕方ない。 小さかったが確かに聞こえた、だが、聞こえない、と意地悪げに言うと、 「アルトって言ったのよ!! この変態!!」 ヤケクソ気味の叫びが返ってきた。 震えるシェリルが可愛くて、押さえつけていた手を離し腰を床につけた。 強張っていた体から力が抜けて行ったが、それもまた強張る。 「ちょっ、ああっ!! 離すっ、っ! ていった......ぁっ! じゃない!」 「離すとは言ったが、やめるとはいってない」 自らの局部は見ないが、脚を割られ局部をアルトが近くで見てる事に気づくが もう遅い、アルトはシェリルの秘部に舌を這わせ存分に味わう。 指で弄るよりもダイレクトに震えが伝わってきて、気のせいかシェリルの 感度も上がった様で、アルトは未知の感触を楽しむ。 指で弄るよりも粘着質な水音と、乱れた吐息が部屋の空気を濃密にする。 「んっ!....ぅ、は、ぁ! あぁ、あ...ふぁぁっ! だめっ!」 可愛らしい膨らみを重点的に攻めると、シェリルは切ない嬌声をあげる。 舐めても舐めても溢れ出てくる蜜に、我慢出来なくなったアルトは、舐めながらも ズボンのジッパーを下げ、限界まではち切れんばかりに膨張した己を取り出し 何の予告も無く粗ぶるまま本能に従ってシェリルの中に埋め込んだ。 「ーーーーーーーーーーーーーーーっっ!」 突然の刺激に背は跳ね、シェリルはシーツを掴んで震えて喘ぐ。 「っ!はぁ。ーー入れただけでイッた?」 激しく締めつけてくる胎内にアルトは息を整え、背筋に届く刺激を逃がす。 久しぶりに味わう、熱くキツく締め付けに逆らえず腰を動かした。 「ああっ! ...だめぇ!おかしくなる!」 前後に揺すられながら、シェリルは登り詰めた余韻から逃げられず 呼吸を乱して何かを求める様に腕を彷徨わせる。 「シェリル、そんなに締め付けるな」 涙に濡れ、快楽から逃れようと彷徨わせる腕を己の首にまわし、 アルトは欲望のままシェリルの胎内の更に奥へと腰を何度も強く打ち付けた。 「あっ、あ。っ、ふぁぁ! ーーーあああんっ!」 多分、初めて触れたであろう最奥。その瞬間シェリルは、胎内のアルトを 喰いちぎらん勢いで締めつけて、酷く痙攣した。 「く、あ。駄目だっ」 アルトはその勢いに耐えられず、そのまま最奥へ自らの精を叩き付ける。 熱い遡りの快感に震えたアルトは、更に数度腰を打ち付けて、己の欲望を 締めつける胎内へ全て吐き出した。 「ひぁ、あぁ.......ぅ」 「はぁっ、はぁっ」 お互い、吐く息は全力疾走をしたかの様に熱く、荒い。 反らして強張っていたシェリルの背中から力が抜け布団へと逆戻りする。 それを追う様にアルトは、息を乱しながらシェリルの柔らかい胸へと顔を埋めた。 早鐘の様に早い心臓の鼓動が、お互いの熱い胸板と柔らかな乳房越しに伝わる。 「っ、悪い!」 シェリルの胎内へと、欲望に任せたままぶちまけてしまった事と 未だ震える胎内に残したままのモノが、再び勢力をつけるのを感じ アルトは慌てて引き抜こうとしたが、腰に絡み付く脚がそれを阻止した。 「......シェリル?」 「馬鹿アルト! .....どうせだから離れちゃ駄目、暫くこのままでいなさい」 そういってシェリルは擡げたアルトの頭を抱え込んで、乱れた息を整える。 自分の胎内で好きな男を感じられる幸せを感じているシェリルとは別に 何故そんな事を言うのか、全く理解出来ないアルトは混乱した。 それに、未だ蠢く胎内は血気盛んなアルトにとっては拷問に等しい。 暫く後、再びシェリルは我慢出来なくなったアルトに翻弄されるのであった。 続く.....かもしれないしそうでもないかもしれない。 最初の花は、シェリルの下のお花で遊ぶアルト君に文句を言うシェリルに 「俺はお前の花を愛でるから、お前はこの花でも愛でとけ」 と言わそうと思ったんですがw エロ親父過ぎて却下しましたw ......兄さんなら表情変えず言いそうです。うん。兄さんラヴv
https://w.atwiki.jp/fairy-waterfall/pages/74.html
418 名前:えっちな18禁さん[sage] 投稿日:2009/06/28(日) 02 21 09 ID oxtau8DL0 いろいろ混ざってカオスですw さらにアルトが鬼畜でどエロです。 以上の点にご注意ください。 「まずい・・・わよね・・・流石に昨日の今日で、なんて・・・・」 銀河の妖精は、玄関に立ち尽くしていた。 その手には今届けられたばかりの箱。 差出人を見てみれば、愛用の通信販売のショップ一つである店の名前が刻まれている。 よくよく思い出せば数日前に、うきうきと商品を選び注文したものの中に届かなかった荷物があったような気もする。 朧げで確信は得られなかったけれど、荷物が届いているのだからそういうことなのだろう。 シェリルの背中にさぁーっと冷や汗が伝った。 『お前、そろそろいい加減にしとけよ?』 そうアルトに言われたのは昨日。 仕事先からネット通販をするのが日常になりつつあったシェリルをアルトがとうとう嗜めた。 最初は仕事の合間の暇つぶしに遊びのつもりでシェリルもざっと見ていただけだったのだけれど、意外と面白い商品が転がっている ことに気付いたら、それらを発掘するのが面白くなってどんどんハマってしまったのだ。 初めは洋服。 いつもは店に出向くのにそんな時間が思うように取れず、残念な気分のままネットを見ていたところに丁度よさそうなワンピースを見つけた。 試着もせずに買うのもどうかとは思ったけれど、画像で見る程度には悪くなさそうだし、居合わせたスタイリストからもそのブランドはあたりだと教えられ、ついつい手を伸ばしてしまった。 そして、自宅に帰ってみればすでに商品は到着しており、言われたように着心地も悪くなく、見た目もイメージ通りで、珍しくアルトも『可愛いな』と褒めてくれたのだ。 途端に舞い上がり、その手軽さと面白さに少々年頃の女の子が引き込まれたってしかたないだろう。 通常ならば、家計に迷惑をかけないことを条件にポケットマネーの範囲なら、苦笑去れつつも容認されるのだが、シェリルの場合はそのポケットマネーの大きさが問題だった。 自他共に証言するようにすでにギャラクシーバンクの預金口座はパンパンだったし、現在進行形で膨大な仕事もこなしているのだ。 もともとあった金額の多さに加えて、新たなギャラや使う時間のなさが加わりシェリルのポケットマネーは想像を絶する状況になっていた。 さらに、グレイスの英才教育のおかげかシェリルは『正しいお金の使い方』を知らないと言っても過言ではないくらいにある意味ぶっ飛んでいる。 アルトに言わせてみれば、シェリルのそれは明らかに趣味の範囲内の無駄遣いを超えていた。 帰宅してみればダンボール箱が2,3箱、毎日のようにマンションのクロークに預けられているのだ。 嬉々として買った商品を見せに来るシェリルは可愛かったけれど、流石に最近は笑えなくなってきている。 中身が服とかなら、まだしょうがないなとなんとか理解もできたけれど、流石に『これであなたも料理の達人!』と書かれた箱に詰め込まれた包丁セット×2や鍋セット×3、『熱気バサラの全ステージ』とされたVCD、『布団たたき棒3本セット』、『盆栽の全て 全16巻』、『ドーナッツの穴』『娘娘メニューの遍歴』、『象の秘密』等々、何のために買ったのか分からないものがありすぎる。 さらに、それらの片付けは自分がやった方が安全で確実にすばやくできるから、必然的に"そう"なる。 それがここ数日続いていたのだ。 いい加減にアルトが切れて、夜中に長々とシェリルに説教しても誰もアルトを責められないだろう。 1時間近く説教された後で、シェリルはアルトに『これからものを買うときはアルトに一言相談します』という念書まで書かされた。 「・・・隠した方がいいわよね・・・」 ようやく真っ白になっていた思考回路が動き出す。 ポツリと呟かれた一言に返ってくる答えはなかったけれど、今のシェリルにはそれ以外考えることができなかった。 隠し場所として一番いいのは同じようなものの中に隠すことだけれど、あいにく今までの荷物をアルトがどう分けて直したかをシェリルは知らない。 タンスやクローゼットも考えたけれど、洗濯物や着替えを出すときに見つかってしまう恐れがある。 っとなると、後は普段なるべく人が覗いたりしないところが的確だろう。 シェリルはそっと足音を忍ばせて寝室へと急いだ。 戸棚からガムテープを引っ張り出してベットへと向かい、その下へと潜り込む。 本来なら収納棚などが設置されているのだが、アルトの掃除しにくいからという一言で現在のベットの下には何もない。 シェリルは小さく頷くと、持っていた小さな箱を紙のガムテープでそのベット裏へと貼り付けだした。 その様子はスパイ映画に出てくるベタベタの女スパイのようだ。 何十にもガムテープを張り巡らせ、落ちないことを確認したシェリルはようやくほっとしたように息を付いた。 「シェリルー?」 「?!なっ、何?」 「・・・・何やってんだ?お前・・・・」 「ス、ストレッチよ!!さっきから背中が固まっちゃってるような気がしてたからっ」 「ふーん。」 「・・・・・・」 微妙な沈黙。 分かっているのかいないのか分からないアルトの視線に、シェリルの心音が僅かに早くなる。 そのまま数秒間見詰め合った後で、ようやくアルトが息を吐くとくるりとシェリルに背を向けた。 「午後、仕事なんだろ?」 「うん。日程の打ち合わせと衣装合わせだけだからすぐに帰ってこれると思う。」 「じゃ、昼飯食べてけよ。チャーハンか何か作ってやる。」 「ありがとう!アルト」 先に部屋を出るアルトの後をシェリルが追う。 扉を閉める際に、大丈夫かと思い一瞬躊躇したけれど、今更どうにかなるわけでもない。 見つかりませんようにっ!っと心の中で早口に唱えるとシェリルはパタンッと扉を閉めた。 ******* 「さて、やるか・・・」 昼食とその後片付けを終え、シェリルを送り出したアルトはそう言うと腕まくりをした。 足元には掃除機、雑巾、水の入ったバケツ。 このハイテクなご時勢にここまでアナログな装備も珍しい。 シェリルはいつものようにハウスキーパーを雇えばいいといったのだが、別にそこまで切迫した状況ではないのだから、自分達で行うのがいいだろう。 本音を言ってしまえば、自分達の空間を人に好きに弄られるようなことは避けたい。 アルトは部屋を見渡すと、早速掃除を始めた。 窓を開け、はたきで一週間分の埃を落とした後で掃除機をかける。 その後、雑巾で拭き掃除をして、ワックスをかけ乾くのを待つ間に窓を掃除する。 普段からまめに掃除をしているせいで1時間もあればピッカピカになった。 それから、洗濯しておいたシーツと枕カバーを乾燥機から取り出してマットレスに被せる。 皺一つ残らないように気をつけながら広げると、アルトは満足そうに息を吐いた。 きっと、帰ってきたシェリルはニコニコしながら『いいにおーい』などと言い、嬉しそうにベットへダイブして、ばたばたと足をバタつかせるのだ。 簡単に想像できてしまうシェリルの様子にアルトが苦笑する。 本来ならば、自分ばかりが家事をすることを怒ってもいいのだけれど、不思議とそういう気分にさせないから得なヤツだと思う。 まぁ、甘やかしてやりたいという気持ちがあるのだし、笑ってもらえるのならと容認してしまう自分がいるのだから半分くらいは自分のためにもなっているのだろう。 そんなことをぼんやりと考えながら、アルトはクルリと部屋に背を向けた。 "ドサッ" 「ん?」 部屋を出ようとした瞬間、何かが落ちる音がした。 不思議に思って部屋を見渡してみるけれど何も落ちてはいないし、何かが落ちるような位置に置いておくなど不注意なことはシェリルもしないから、起こりえるはずがない。 窓から何か動物でも入り込んだのだろうかと考えたアルトは、注意深く部屋へと戻った。 とはいっても、クローゼットなどはしまっているのだから確認するのは一箇所しかない。 アルトはゆっくりと身を屈めてベットの下を見た。 「なんだぁ?コレ」 落ちていたのは動物でも何でもなく、紙のガムテープでぐるぐる巻きにされた小さな小包だった。 こんなことをするのはシェリルしかいない。 そして、先ほどを思い出せばなぜあんなに慌てていたのかが分かる。 「中二の男かよ・・・」 手の中の箱を見ながらアルトははぁっと大きなため息を付いた。 まぁ、シェリルがここまで必死に隠すことを見ると、よほど昨日の自分の説教が効いたということなのだろう。 シェリルの慌てようを思い出して苦笑すると、アルトはさっさと片付けてしまおうとその箱を開いた。 「・・っ・・・・・」 巻きつけられたガムテープをキレイに剥ぎ取り、箱を開けたアルトはその数秒後勢い良くその箱を閉じた。 (待てっ、マテッ、まてっ、待てっっっ!!!!ちょ、えっ?!・・へっ・・?!) 同じ単語がぐるぐる、ぐるぐると回る。 一瞬自分の見たものが信じられなくなった。 中にあったものは、いわゆる『大人のオモチャ』らしき物体とクリームが入っているような背の低い円柱状の入れ物と変わった形をした小瓶がいくつか。 セットのような扱いになっていたところから見て、"ソレ"関連のような気がする。 バクバクと音を立てる心音を押し込めるようにしながら、アルトは恐る恐るもう一度箱に手をかけた。 が、正視することができるはずもない。 とりあえず、閉じようとする手を必死に押さえつけながらアルトは距離を置いてみた。 顔が熱い。 鏡を見なくても真っ赤になってることが分かるくらい、顔が熱い。 別に誰かが見ている訳でもないのに、妙に気恥ずかしくてたまらない。 何もやましいことはしていないというのに、どうしてこうも罪悪感のような妙な感情が押し込めてくるのだろうか。 そして、本当にこんなものを本当にベットの下に隠すヤツがいるとは思わなかった。 「ベタすぎだろうが・・・・」 恥ずかしさを押し込めるようにして呟いた一言に、帰ってくる言葉はない。 もうしばらく時間を置いた後で、アルトはそっと箱に手を伸ばした。 *************** 「ただいまー」 「お帰り。晩メシまだだから、先フロ入って来いよ。」 「分かった。そうするわ」 帰ってきたシェリルは出て行った時と同じようで変わらない。 思えば、昼食を作るときのシェリルもいつも通りで、おかしかったときといえば昼間にシェリルを部屋に呼びに行ったときだけだ。 「・・・・・」 「何?」 「いや。打ち合わせうまくいったみたいだな。」 「当たり前でしょ?シェリル・ノームが相手なんだから」 「そうだな。」 「変なアルト!!」 急に押し黙ったアルトに不思議そうな視線を向けた後、シェリルはそのまま風呂場へと向かう。 その後姿を見送りながら、アルトは作りかけのスープをかちゃかちゃとかき回した。 ニンジンを裏ごしして作ったスープ。 トマトとチーズとバジルのサラダ。 近くのパン屋で買ってきたパン。 メインデッシュのローストビーフ。 一つ一つを口にする度にシェリルから小さな歓声が上がった。 二人分の食事を食べ終えるとシェリルが食器を食洗機にかける間にアルトが果物を剥く。 タイミング良く、シェリルが二つのちいさなプリン皿を戸棚から取り出し、そこにアルトがプリンを盛った。 そこに先ほど切ったフルーツを盛り付けるとシェリルが冷蔵庫から生クリームの入った絞り袋を出す。 それをてっぺんに盛るのかと思えば、シェリルは嬉しそうにそれを指に取るとペロリと舐めた。 「ふふっ。おーいしw」 「なにやってんだよ。せっかく冷えてるんだからとっとと乗せて食おーぜ。」 「褒めたげたのよ?生クリームだけでも美味しいって!」 「まぁ、俺が作ったからな。」 「あら、まぁ。ナマイキ・・・ね」 「なんとでも言え。作ったのは俺だ。」 堂々とそう宣まったアルトにシェリルが少し呆れたような視線を向けた後でくすくすと笑う。 今度こそ真面目に盛るのかと思えば、またもやシェリルは指に出しただけだ。 「シェ~リ~ル~。食べ物で遊ぶなって」 「やだ、遊んでなんかないわよ?味見よ!味見!!」 「ったく、貸せよ」 「や~よ。アタシがやるのっ!あっ、でもその前にっ!!」 「っ、んっ・・・」 ぺちょっという音と共に唇に柔らかいふわふわとした泡のようなものが触れる。 「そういう自慢もいいけど、ちゃんと味見してからにしなさい?・・・今日の、ちょっと甘くないわよ?」 「っ・・・・・」 シェリルの人差し指によって押し付けられた生クリームと舐めとってみると確かにいつもより甘味が足りない。 味見をしながらつくったはずなのにっとため息をついたアルトにシェリルが少しだけ不安そうな瞳を向けていた。 あぁ、"そういうこと"か。 先ほどのシェリルの行動を思い返したアルトが苦笑する。 アレは、シェリルなりの気遣いだったのだ。 せっかく作ったのに、いつもと同じようにできなかったことを自分に気付かせたくなかったのだ。 でも、短い時間の中でどうしたらいいのかが分からなくて、『美味しい』とも言ってしまっていたし、自分も『あたりまえだ』と豪語して自ら逃げ口を閉ざしてしまっていたのだ。 もしあのまま、デザートに移ってしまっていたら、きっと気まずい雰囲気が流れてしまっていたに違いない。 変に気を回されるのも、無意識にそれを強いてしまった自分もあまりいい気はしないだろうし、それをきっとシェリルはフォローしようとするだろうから、きっと悪循環に陥ってしまっていただろう。 どんな些細なことだって、時や場所、状況やその積み重ねによって、どんなに強い関係でも大きくひび割れさせてしまう可能性を含んでいるのだ。 「・・・・悪かったな。」 「しょうがないわね、キス一回で許してあげる」 暗に含めた二つの意味に、シェリルが少し困ったように笑うと、そう言った。 「仰せの通りに。」 左手を腰に回して抱き寄せる。 右手で頬に触れる。 唇を重ねる。 シャンプーの匂いがする。 右手を滑らせ、髪に触れればまだしっとりとした独特の感触が残る。 服を通して伝わる肌の熱がまだ湯上りの熱さを残していた。 「・・っ、んんっ・・」 零れ落ちた吐息が耳をくすぐる。 触れた舌先は甘く、微かに残ったクリームの余韻がふわりと浮かび上がる。 深く、深く、重ねる度に息苦しさが増すけれど、離れたいとは思わない。 限界まで、何度も何度も舌先を潜り込ませた。 「はっ・・・んぁ・・・」 「ん・・・ふっ・・・・」 うっすらと目を開くと、その頬がほんのりと染まっていた。 長い睫が影を落とし、少しだけ苦しそうに眉根が寄っているけれど、先ほどから求めに応えようとする様子は変わっていない。 そんな様子がひどく淫らにも思えて、灯り始めた情欲の火をゆっくりと膨らませていく。 いつの間にか気持ちが逸り、シェリルをすぐ背後の冷蔵庫へと縫い付けていた。 シェリルの足の間に割り込ませた足と背中に回した腕に当たる冷たいプラスチックの感触が嫌に現実的で、気持ちいい。 背中にぎゅっとしがみ付いていたシェリルの手がゆっくりと落ちてゆく。 それは、思考が熱に飲まれていくのと同じくらいのスピードだった。 「シェリル。」 小さく名前を呼んで砕けそうになったシェリルを抱き上げるとアルトは寝室へ向かって歩き出す。 もっと、もっと、触れたいという欲望だけが先走ってしまう。 視線を前に向けたまま、アルトは無言で寝室のドアを開けた。 灯りの付いていなかった部屋はひんやりと冷たい。 アルトはシェリルを抱いたまま、リビング灯りを消した。 一瞬にして生まれる暗闇の世界。 それでも、きっとシェリルの目は光を集めておぼろげに揺らぐのだ。 そんな瞳で自分を見つめるシェリルを見たらその場で押し倒してしまってもおかしくはなかっただろう。 焦る心を見透かされないように必死に表情を取り繕いながらアルトはシェリルをベットへと下ろすと自分も乗り上げる。 二人の重さにギシリと軋む音がする。 暗くて表情が見えないのも嫌だったから、いつものようにサイドテーブルの灯りを一番小さくして灯した。 白いシーツの波に無防備に投げ出された手足。 うっすらと上気した頬。 まっすぐに自分を見つめる瞳。 ゆっくりと上下する胸元。 アルトの中に波が生まれた。 そして、それは一瞬の間を置いて全身へさざなみのように広がっていった。 「アルト?」 小さく呼ばれた名前に小さくアルトの身体が跳ねた。 言葉を返さず、もう一度唇を重ねる。 今度は、ただ、重ねるだけ、だ。 唇から、耳元、首筋を通って鎖骨、それから胸の谷間。 夏が近づいてきたせいか、最近のシェリルの夜着は薄めのものへと変わってきている。 むき出しの肩にもキスを落とすと、アルトはシェリルのベビードールに手を入れた。 幾重にも重ねられたチョコレート色のレースの下の肌は、しっとりと手に吸い付いてくる。 腹部に余計な肉がないのがシェリルらしかったけれど、抱き潰してしまいそうにも思えるので、欲を言えばもう少しくらいふっくらとしていて欲しいとも思う。 脇腹をくすぐり、真ん中あたりを撫ぜ上げ、上へ登っていくと下着に触れる。 アルトの手が止まると、シェリルが少し身体を浮かせてくれた。 片手でホックを解き下着の間に手を押し入れると、先ほどよりも数倍柔らかい感触がする。 自分の手には余るソレに大切そうに触れながら、アルトはもう一度シェリルの唇に触れた。 先端の突起を弄るとシェリルの身体がピクンッと震える。 舌先をのど元へと滑らせるとシェリルの身体が少し硬くなる。 ソレを蕩かすように何度も唇を合わせた。 「熱っ、・ぃ・・・」 少しぼんやりとしたシェリルの声がする。 まだ、キスしかしていないというのに肌はどんどん熱を上げてゆく。 自分の手も唇も同じくらい熱かった。 シェリルの服を脱がせ下着一枚だけにして、シーツを掛けてやる。 アルトもシェリルをまたぐように膝立ちをして上着を脱ぎ捨てた。 「・・・・・・・・」 「・・・・アルト?」 顔を上げたアルトが一瞬動きを止めた。 それをシェリルが不思議そうに見上げると、アルトはおもむろにベットの上に作られた棚へと手を伸ばし、シェリルに小さな円柱状の入れ物を見せた。 「シェリル、コレ何か知ってるか?」 「?」 アルトの質問に、シェリルが首を振るとアルトはその蓋を開け、右手の小指で少しだけすくった。 そして、そっとシェリルの唇に寄せる。 少し昔の女の人が紅を引くように、シェリルの唇をアルトが撫ぜた。 最初は下唇。 次が、上唇。 引き終わる度に唇がぷるんっと震える。 艶を増したソレをじっと見つめたアルトはゆっくりと唇を舐め上げ、割ってやる。 「んっ?・・あま・・い?」 絡んだ舌から与えられたのは甘い白桃の余韻。 甘い香りが一瞬にして広がっていった。 「何?コレ」 「ナイショ。・・・好きか?」 「そうね、嫌いじゃないわ。」 「ふーん。」 意味ありげにアルトがそう言う。 まだ蓋を閉めずに置いておいたソレからもう一掬いすると、アルトはそれをシェリルの上へと垂らした。 「つめたっ・・・やだ、なぁっ・・ぁ・」 とろりと濡れた液状のものが落ちたかと思えば、それを拭うようにアルトの舌が走る。 ぬるりとした感触が肌に走ったかと思えば、別の手がシェリルの肌を滑っていく。 感じたことのない感覚に、シェリルの背中を何かゾクゾクするものが走り抜ける。 胸の先端をつままれたかと思えば、それを忘れさすように舌が動き、また別の手が胸を揉みしだく。 もう片方の手はシェリルの下着の中へと潜り込み、秘部へと触れた。 同じように濡らされた手の感触にビクリッと身体が震えるけれど、アルトは大して気にした様子もなく、指を中へと押し入れてくる。 くにゅくにゅと煽られる度に身体が熱くなる。 けれど、アルトは決定的な刺激を与えてはくれず指先で煽るばかりだ。 「あっ・・・ふぁ・・・っ・・」 気持ちいい。 もっと、もっと触れて欲しい。 身体が熱い。 もっと、もっと、シて欲しい。 蕩けるようなキスがしたくて、 アルトに触れたくて、 アルトに触れて欲しくて、おかしくなりそうだ。 頭に浮かぶのはもっと、もっと、という淫らな欲望だけ。 身体に走る刺激の数々に身体が震え、持っていかれそうな意識を必死で繋ぎとめるために、シーツに波が走る。 「・ぁ・・・もっ・・と、シ、て・・・」 「ん?」 「ちゃん・・ぁっ、と、触りな、さ・・よ・・ぉ・・」 「してる。」 熱に浮かされた声。 身体。 瞳。 見ているだけでゾクゾクする。 もっと、もっと乱れさせたい。 もっと、もっと声を聞きたい。 もっと、もっと懇願させたい。 胸に渦まくのは醜いを言われても仕方のないほどの独占欲。 震える姿が可愛くて、 恥らう姿が可愛くて、 喘ぐ姿が可愛くてたまらない。 満ちていく感覚は、繋がったときとは別のもの。 それでも、それは同じくらいの誘惑を常にアルトに仕掛けてくるのだ。 「シェリル、・・・ほしい、のか?」 「っ・・・・・・」 生理的な涙に濡れたシェリルの瞳がうっすらと開く。 辛そうに空色の瞳が揺らぎ、きっ、とアルトを睨む。 答えなど分かっているくせに、わざわざ聞くなということだろうか? 「・・・・ほしい?」 「・・・・ほ、しい。」 数秒間の間を空けてもう一度問えばシェリルがたどたどしく返事を返す。 アルトの指によって解された秘部は、もうしとどに濡れそぼり溝を伝ってシーツへと染みを作っていた。 下着の上からなで上げるだけでもくちゅりという小さな水音がたち、下着はその機能をなしていない。 アルトはゆっくりと焦らすように下着を取り去ると自分も裸になる。 濡れそぼった秘部へわざとらしく宛がうとけれど、その先には進まない。 やがて、シェリルの腰が動き出し、アルトを飲み込もうとしだした。 「淫乱、だな。」 「・・・・・」 「でも、俺より、こっちがいいんだろ?」 恥ずかしさに顔をゆがめ、泣き出しそうになるシェリルに、そう言うとアルトはマットレスとベットの背の部分との間に手を差し入れ、何かを取り出した。 「・・・な、に・・?」 見慣れない物体にシェリルの声が震えた。 それに構わず、アルトはその切っ先をシェリルの中へと押し込む。 冷たいプラスチックの感触と、異物の進入感にシェリルが身を震わせてる内に奥へ奥へと埋め込み、スイッチを入れた。 「やぁーーーーーーーっ」 ぶぃーんという動作音と共に、シェリルから悲鳴が上がり、身体が一気に緊張する。 一層強くシーツが握られ、いやいやと首が振られる。 いく筋もの涙が頬を伝い、床へと零れた。 「シェリル。」 耳元に唇を寄せてみても、シェリルからの反応はない。 びくびくと震えながら、寄せる快楽の波に攫われないように必死に身を縮こまらせ、耐えようとしている。 アルトの指がそっと『おもちゃ』を咥え込んだ部分をなぞると今まで以上の愛液が指へと伝い落ちてくる。 「気持ちいいか?」 「俺よりそっちのが好きか?」 「・・・機械でこんなに濡れるんだな」 アルトがどんな言葉を掛けてもシェリルはいやいやと首を振るばかりだ。 ぎゅっと目を閉じたまま、唇を引き結び、応えようとはしない。 言葉ではなく、手を伸ばして優しく撫でてやると涙をめいいっぱい溜めた空色の瞳がようやく開く。 その無言の懇願にアルトがそっとそのスイッチを切ってやると、シェリルの身体から力が抜け、パタリとシーツへ沈み込んだ。 「・・・シェリル?」 「・・・あ、ると?・・ね、コレ、抜いて・・」 「じゃあ、交換条件だな。いいって言うまで舐めて。」 「う、ん・・・」 アルトがベットへ腰を落とすと、シェリルがゆっくりと起き上がりアルトの足元へ顔を埋めた。 先端を口に含んだ後で舌が絡みだし、ペロリ、ペロリと愛撫される。 たどたどしく繰り返されるそれは、丁寧に、丁寧に繰り返される。 先端がゆっくりと飲み込まれ、徐々にシェリルの口内へと消えてゆくと、シェリルはゆっくりと顔を上下させ始めた。 唇がアルトを擦りあげる度に、アルトの背筋にぞくぞくとしたものが駆け上がってゆく。 シェリルが動くたびにふわふわのストロベリーブロンドが舞い、それが行われている行為とのコントラストを描いてゆく。 溢れる唾液がアルトを濡らし、それを塗りこめるように何度も何度もシェリルの舌がアルトをくすぐった。 「っん・・やだ、待って・・それ、やだぁ・・」 アルトの手が再びスイッチへと触れた途端、シェリルの身体が急にピクンと跳ね上がる。 先ほどより幾分か小さい動作音にシェリルはしばらく身体を縮こまらせていたけれど、アルトが止める気のないことを知ると、シェリルはおとなしく愛撫を再開する。 時々自分を襲う快楽の波に震えながらも、途切れることなくシェリルの舌がアルトの上を滑り、濡れた吐息が静かにアルトをくすぐってゆく。 アルトとの言葉を必死に待ちながら、シェリルは懸命にアルトを咥え、その熱を高めていった。 時折、ビクンッと震えながらアルトがその質量を増してゆく。 自分のナカに埋まり、快楽の波を生むのがどうして今自分の手の中のものじゃないのだろうと思うと、ひどく心が渇望する。 心と連動するように下腹が震える度、その動きが強くなるのは感じたけれど、欲しいのはそんなものじゃなかった。 プラスチックなんかではなく、温もりが欲しかった。 熱いアルトが欲しかった。 「ねぇ・・・ちょうだい?アルトの、アタシに、ちょう、だい?」 潤んだ瞳がアルトを見上げる。 切ないほどの情欲に浮かされたそれにアルトは降参の白旗を振る変わりにシェリルの頭を撫でてやった。 スイッチを切るとアルトはシェリルに埋め込まれたそれをゆっくりと抜いてやる。 その先端からとろりとした愛液が零れ落ちていった。 「入れるぞ?」 「きて・・・」 くたんっと力を失うようにして倒れこんだシェリルを優しく抱き上げ、上向けに寝かせてやり、切っ先を宛がってやるとシェリルが小さく震える。 小さく囁かれた誘いの言葉を合図にアルトはゆっくりと先端を埋めてゆく。 とろとろに解された中の最奥を付いた途端、シェリルの身体が一際大きく跳ねた。 アルトを包み込んでいた内壁が一瞬にして押し寄せ、全てを搾り取ろうとする。 言葉にすることのできないほどの勢いで迫り来る吐精感を息をつめることで必死に堪えると、アルトは優しくシェリルの髪を撫で、名前を呼んだ。 「シェリル」 甘い余韻を残して宙へと溶ける言葉の響きは、何度も何度も生み出される。 百年の眠りに落ちたいばら姫を起こすように、アルトは何度も名前を呼んだ。 「んっ・・」 「シェリル?」 「あ、ると?」 ぼんやりと惚けていたシェリルの瞳がアルトを映し、2,3度瞬いた。 「おはよう。」 「おはよう?」 シェリルからの声にアルトは嬉しそうに笑うと、額にそっとキスをする。 唇を離すと、そっとシェリルの手がアルトの頬を包み込んだ。 「・・・キス、して?」 シェリルからのおねだりにアルトは小さく笑うと同じようにキスをする。 嬉しそうにそれを受け止めるとシェリルが微笑んだ。 「いいか?」 「うん。」 アルトの問いかけにシェリルが応えると、アルトはゆっくりと腰を動かし始めた。 蕩けきったナカは熱く、動くアルトを遮るように深く深く絡みついてくる。 アルトはシェリルの太ももを抱え込むと一気に腰を進めた。 奥へ奥へと潜り込み、シェリルの全てに触れてゆく。 かき回す度にシェリルから声が零れ、それがアルトをさらに高めていった。 穿つ角度を変えるたびにシェリルの身体が跳ね、ナカじが収縮を繰り返す。 すがり付いてくるその熱さに自分自身も溶けてしまいそうだ。 「は・・ぁ・・きもちっ・・いっ」 「くっ・・・・あぁっ・・・」 汗がしっとりと肌を覆い、触れるものを吸いつけてゆく。 触れるものの一片さえ、離れたくないのだと言われているようでもあった。 ナカで動くアルトの熱塊はシェリルを壊してしまいそうなくらい強い刺激を与えてゆくけれど、心に満ちるのはどこまでも優しい感情だけだ。 愛しくて、大切で、ずっと傍にいたいと思わせてくる。 「あるとぉ・・・」 アルトの動きに合わせてシェリルの腰が揺らめきだすとアルトが嬉しそうに笑った。 言葉で示されるのも、行動で示されるのもどっちも嬉しかった。 アレだけのことをしたというのにシェリルはこうして求めてくれるのだ。 自分では気付いていないふりはしたけれど、"アレ"を見つけた時は自分じゃなくていいのかもしれないという疑問は静かにアルトを揺らし続けていた。 だから、なおさら嬉しかった。 最後の坂を二人で駆け上がる。 飛びそうになる意識を何度も何度も繋ぎとめながら、波に追いすがった。 徐々にその大きさを増してゆく波の裾を何度も何度も掴みかけながら、その頂点へと上ってゆく。 一際大きく揺らぐように風が吹き、二人を一気に空へと押し上げた。 熱い吐息と共に吐き出される残滓の名残を全て受け止めるように、シェリルは優しく背中を抱いた。 とく、とく、とく、と注がれる感覚。 自分だけがアルトのものであるのだと感じられる瞬間。 しあわせでたまらなくなる。 きっと、目を開けば優しい瞳が笑ってくれるのだ。 そして、唇と頬と額に一回ずつキスをくれるのだ。 ゆっくり、ゆっくりと何か温かく、柔らかいものに包まれていくような気がした。 ねむる前にアルトに"伝えなければ"と思う。 なぜかは分からなかったけれど、意地悪になる前のアルトの瞳は少し不安そうに揺れていたから。 けれど、シェリルは穏やかな誘いに導かれてゆく。 ぼんやりとする世界の中で、シェリルは小さな声でそっと呟いた。 『あいしてる』と。 FIN 本当に長々とスミマセンでした。orz ちなみに今回の送り主はアルトさんの義兄さんだったりしますw シェリルが通販にはまってることを耳にした義兄様が嬉々として普段アルトさんに贈っても受け取り拒否される物体を送ったと。 シェリルは濡れ衣なんですよね♪
https://w.atwiki.jp/fairy-waterfall/pages/155.html
624:震えながら世界の入り口に立つ[sage] 投稿日:2011/11/26(土) 00 16 44.41 プロとして尊敬と憧憬、嫉妬すらも感じていた彼女への愛欲が強くなってきたのはいつだっただろうか。 素のあいつを見れば見るほどに、俺に気を許してくれているように感じて、 女としての魅力に囚われ、欲が膨らんだのかもしれない。 そして、あいつが隠している心の奥底の本当の気持ちを感じ、垣間見れば見るほどに、 自分なら、あいつを一人ぼっちなんかにしないのに、と手を伸ばしたくなるのだ。 けれど、あいつは俺の手を取ったりはしなかった。 もし、あいつも俺を欲してくれるのなら、俺はなんだってしてやるのに、と空想が欲を加速させた。 随分と距離が近づいた頃、シェリルからおずおずと差し出された手を、俺は迷うことなく取った。 シェリルを抱いた。 翌朝、護衛を終えてシェリルの滞在するホテルを後にした時には、街がいつもと違って見えた。 思い出すまいとしても、昨夜の反芻してしまう。 あんなに煽情的なパフォーマンスをするシェリルが、実はプライベートでは初心な事は知っていたが、 おれの願望そのままにベッドでは恥じらい、破瓜の痛みに耐える彼女を見たとき、初めてなのだと確信して喜びが溢れた。 苦しそうな彼女に申し訳ないほどに、快楽と喜びで体が満たされた。 また一つ大切なものをくれたのだ。 こんなに与えてもらっていたのに、彼女を疑わなければならないと自分に言い聞かせていたのがバカみたいだ。 自分が感じていた通り、シェリルはシェリルなのだ。 そう確信し、胸元のイヤリングを握って見上げた空は、彼女の瞳のように眩しかった。 グレイスに咎められることもなく、その後も以前と同じように護衛業務が回ってきた。 日毎夜毎にシェリルの事が気になるようになっていった。 隙あらば、手や肩に触れようとしてしまうのを、ぐっと我慢したりして。 特に理由なく近づいたり声をかけたりして、自分の方を向いてくれる些細な事に喜びを感じたり。 台所に立って、彼女に自分の得意なことアピールしてしまったりして、案外自分にも可愛いところもあるもんだと ベッドの中で思い出して恥ずかしくなったりもした。 シェリルは相変わらずだったが、どことなく甘さが加わったのは俺の気のせいだろうか。 エスコートで手を握った時に震える睫毛やふと目が合った時の微笑み。 いつも何気なく無防備に近づいてきていたシェリルにも恥じらいが感じられるようになって、 夢じゃなかったんだ、こいつにとっても「特別」だったんだと危うく頬が緩みそうだ。 そんな可愛らしい彼女が俺に想いを向けてくれていると思うと、一層愛しさを募らせていった。 けれど、やはり彼女は俺がさりげなく差し伸べる手に気づかない振りをしていた。 凛と立つシェリルは誰の手も必要としないようでいて、ふと見せるあどけない笑顔が決してそうじゃない、と教える。 俺は、無理やり握りしめる性質じゃないが、彼女が手を伸ばしたときに、いつでも握ってやりたいと 握るのは俺でありたいと、彼女を見つめ続けた。 ************ 今日のスケジュールは比較的早く終わり、夕食を済ませたシェリルはゆったりと本を読んでいる。 結構難解で概念的な詩を書くシェリルは意外と本を読む機会が多いことに気づいた。 始めはもの知らずな面が目についたのだが、案外日本の古典なんかも知っていたりして、感心したものだ。 グレイスの英才教育がうかがえて、子供のころから芸を仕込まれていた俺は少し親近感が湧いたりもする。 どおりで、話が合うので、シェリルとの会話は小気味よく心地よいのだろう。 そんなことを考えながら、雑誌に目を滑らせていると、グレイスも去って久しく、 気が付けば、いつの間にか、部屋に二人きりだった。 ふと本から目を離したシェリルが部屋を見渡してつぶやいた。 「アルト、何か飲む?」 「何をご所望でしょうか? シェリル様」 「ぷっ。似てるわ。ブレラのマネでしょ? じゃあ、いつもの。あんたもなんか飲みなさいよ」 「ああ、いただくよ」 もう慣れてしまったキッチンで湯を沸かし シェリル用の喉にいいらしいハーブティと俺用の梅こぶ茶を持ってシェリルの部屋へ戻った。 二人きりという状況を意識したアルトは手を伸ばせば触れる位置に近づきやや緊張していたが、 促されるままにシェリルと並んでいざソファーに座ると、シェリルの顔が見づらくて少し残念に思った。 「うん、おいしい」 シェリルの些細な一言が嬉しくてたまらないのを誤魔化すように俺は話を振った。 「ミシェルなんかも茶を入れたりするのか?」 「ミシェル? ないわね。彼は隣の部屋にいることが多いから、飲むこともそうないかしら」 ミシェルがリビングにあまりいないと聞いて少し安堵した。 「キッチン入ったことあるのはあんたくらいよ」 「俺だけこき使ってるのかよ」 不平な顔を作りつつも、優越感に心躍る。 いつの間にか二人はお互いの体をひねり、顔と顔を向きあわせて笑い合っていた。 心地良い空気が二人を包む。 「あんた、自分からやりだしたんじゃなかった?」 集中しがちなシェリルの体を気遣って、休憩を入れさせたい時に、飲み物を差し入れたのだった。 人にやらせるよりも自分でやった方が早いとついキッチンに行動領域を広げてしまった。 「適材適所よ。ミシェルにはあんたに出来ないことやってもらってるわ」 「…なんだよ」 「ひ・み・つ」 面白くない顔をしているアルトの鼻をつついて、シェリルがいたずらっぽくほほ笑んだ。 「気になるんだ?」 「別に…」 気になるとはもちろん言えず、アルトはぷいとそっぽを向く。 そのまま追い打ちをかけるようにシェリルは楽しげにアルトを弄りはじめた。 「仕事の情報交換とかしないの? SMSでは先輩なんでしょ? ちゃんと先輩には教わった方がいいんじゃない? 万年2位のア・ル・ト・ひ・め?」 「あいつめ…」 舌打ちするアルトをみて、シェリルはにこやかにフォローを入れる。 「でも、2位なんてなかなか優秀じゃない? さすが空を飛ぶプロになるだけあるわ」 「すっかり、銀河の妖精のお茶汲みのプロだけどな」 「ええ、さすがね。おいしいわ。濃さが私好み!」 シェリルが茶化してカップをすする。 「それに、空っていうより、今はむしろ戦場だしな。今はそんなご時世なんだ」 「…私も、力があれば銃をとったかもしれないわ…」 テンポの良い心地よい応酬から二人は現実に引き戻された。 「すまない」 アルトはギャラクシー難民船がバジュラに沈められた時のことをまざまざと思い出して、シェリルとともに悼んだ。 「あんた傲慢ね。あんなのあんたのせいな訳ないじゃない」 「しかし…」 「言ったでしょ。あんたは出来るだけの事をしたわ。だから、私もそうするの」 ギャラクシーの事を想っているのだろうか、シェリルの瞳は深い色をしている。 「俺が、お前の分まで銃を握る。それに、俺はお前の護衛だろ。絶対、守る」 (俺は大切なものを守りたくてSMSに入ったんだ。) 入隊した時は、守りたいものはひどく大きくて漠然としていた。 それが今、形になりつつあるのを、アルトは感じていた。 「アルト…」 アルトはシェリルの応えを待って見つめるが、 シェリルは何かを言いかけて、アルトに目も向けずそのままカップに目を落した。 シェリルは他人に言えない何かを抱えている。 アルトはそう直感した。 (それでも、そんなお前ごと、抱きしめたい) 今捕まえなけば消えてしまいそうなシェリルをアルトは半ば衝動的に抱き寄せた。 胸いっぱいに抱きしめたシェリルの香りを吸いこんだ時、 アルトは、その甘い感覚の奥に泣きそうなほどの切なさを感じていた。 あの謹慎処分の中、シェリルのコンサート会場に走った時に強く感じた気持ちだ。 泣かせたくなくて、そばに行きたい気持ちが、全てを乗り越えて俺を走らせる。 「私は大丈夫よ」 そしてシェリルもまたあの時の様に、距離を取ろうとアルトの胸板を手を押すが、 あの時と違って、二人を邪魔するものはいなかった。 アルトはシェリルが突き放そうとするのもお構いなしに腕を緩めず、それどころかふわりとした金髪を撫でた。 ずっと触りたいと思っていた、桜の溶けた黄金色だ。 どうかシェリルの孤独が溶けていきますように、そんな思いを込めて、滑らかな感触を手になじませた。 観念したシェリルがアルトの胸に納まった。 「アルトは、死んじゃ、ダメよ…」 「死にたくて戦場に出る奴なんていないさ。それでも俺は戦場に出る。もう、あんなことはさせない」 沢山の人が犠牲になった。シェリルだって襲われた。 それを止めるためなら、自分の事は顧みない。 そんな英雄的な決意を持って、守りたいものの形を再確認するかのように抱きしめた。 シェリルの腕もそっとアルトの背へと回された。 「あなたは、生きて」 シェリルが祈るようにアルトに訴える。 「ありがとう、シェリル」 彼女が本当に願ってくれていると感じると、大切に思ってくれているのが嬉しくてアルトはぎゅうっとシェリルに密着した。 「あの時、お前の歌が聞こえてきて目が覚めた。ありがとう、シェリル」 ************ シェリルにも、まずはフロンティアがギャラクシーの轍を踏まないためにも防衛が必要であることや アルトが守りたいもののために戦う勇気と力を持っていることが分かっているが、 アルトのメサイアが撃ち落とされたのもまた目の当たりにしていた。 (通じ合えば、バジュラとの争いは、きっと止められる。 それなのに、今も無益どころか憎しみが募るだけの多くの犠牲が払われている…。 もしも、歌が少しでもバジュラに通じるのなら…私はやっぱり最期まで歌うわ) 震える声を抑えて、戦いを決意するアルトに応えた。 「また落とされたって知らないわ。あんたに言われなくったって、私はいつでもどんな時でも精一杯歌うだけ」 (私は、この命を削り尽きるまで歌う。なのに、アルトが命を懸けるのは耐えられないなんて自分勝手ね。 それに、アルトの意志を否定するなんて、出来ない。 そんな勇気も権利もないもの) 例え命を落とさずとも、アルトが戦場で戦い傷つく悲しみを想うと、シェリルの瞳は潤んでしまう。 優しいアルトを困らせたくないと、シェリルは顔を見られないようにぎゅっとアルトの縋りついた。 しかし、アルトは、シェリルの震える様子を感じてか、またシェリルの髪を心地よく優しく梳いてくれた。 「俺がフロンティアを守るから」 優しく言い聞かせるように、アルトはシェリルを慰めてくれた。 だから、心配するな、と。 (違うの。あなたの立つ世界は、優しいあなたが無益な戦いに身を投じなくても、平和的に守られるかもしれないのよ) 内心を告げることも叶わない宿命にシェリルは涙をこらえることしかできなかった。 ************ シェリルの息遣いを感じていたアルトはふと、我に返り、シェリルと長く抱き合っていることに気づいた。 (俺、調子乗りすぎたんじゃないか?) 恥ずかしくて、シェリルと体を離すタイミングすら計ることが出来なかったが、 シェリルがもぞもぞとしだしたのを機に、名残惜しいが身を離すことにした。 シェリルの柔らかさで甘く痺れたアルトの体が初心なアルトの心を誘惑した。 (どうせなら、もっと調子に乗ってやる) 明日は戦場に出るかもしれない。 幸運の女神のご利益をちょっとくらい承って行ってもいいよな、 ちょっと大胆かなと思いつつも、シェリルの額に唇を落として身を離した。 シェリルがキスされたことを確認するように、自分の額に手を当てて、 見惚けながら照れた様子でアルトを見上げた。 彼女の恋する表情に背中を押された。 今なら乗り越えられるかもしれない。 アルトは跳ねる鼓動感じながら、シェリルの額に当てた手の首を握ってそっとよけると、 もう片方の手を肩にあてて、そのまま唇を重ねようと傾けた顔を近づけた。 ************ バジュラとの戦いも止められない。 あなたが戦うことも止められない。 何も話せないのに、そんな私を、あなたは何も言わずに抱きしめてくれた。 その温かさで、シェリルは悲しみや焦燥感が溶かされていくのを感じた。 (もうあと少し、このハリボテの羽根で飛べそうな気がしてきたわ) 涙が外に流れることなく、体内に還ったのを確認してシェリルは身を離した。 今度はアルトも腕を緩めてくれて、淋しいようなほっとしたシェリルは ふいに、額にアルトの吐息と柔らかな感触を感じた。 見上げた先には目の前には優しくて精悍な彼の柔らかく切ない笑顔。 彼は私を求めている。 シェリルはそう感じると、頬が熱くなった。 彼の体温でふわりとしたカラダは正直だった。 顔を近づけてくるアルトが何をするのか悟ったシェリルは、なけなしの意地を捨てて、 彼に習い目をゆっくりと閉じて唇を差し出した。 今この一瞬で良い。 彼の望みと私の望みは同じなのだ。 吐息が近づいて、ふわりと唇が重なった。 その先まで溶け合うこと知っている二人の体はただ触れ合うだけで止まりはしなかった。 激しい衝動が込み上がって来て、奥へ奥へと絡み合うように口付けあった。 「ふっ」 「ん」 時折唇が離れるのみで、深く唇を重ね合う。 くちゅくちゅと、二人の舌が交わりあう唾液を鳴らす。 肩に置かれていたアルトの手は後頭部に回りシェリルを支え、 シェリルは息をつくこともままならない程に抱え込こまれてアルトに翻弄される。 手首を握っていた手は、手のひらに重ねられ、しっかりと握り合っていた。 キスだけでこんなにも満たされることをシェリルは初めて知った。 唇がようやく解放されて、ぼんやりと甘い余韻に耽っていたシェリルの耳元に アルトがただ一言、絞り出すように囁いた。 「お前を抱きたい」 (私、アルトに抱かれたい) アルトの告白を聞いたシェリルは自分の中に疼く欲望をまざまざと感じた。 もっと深く、アルトを感じたい。 アルトの汗と吐息を浴びて、この瞬間だけでもアルトにこの身を捧げていたい。 彼の腕に閉じ込められて、痛みの中で感じたあの一体感をもう一度味わいたい。 耳元でうなづいたシェリルをアルトは無言で抱き上げた。 ************ 彼女の声を聞いて、姿を見て ほっとするようになった。 会えない時に、彼女の事を思い出すことが多くなって、彼女に出会うまで感じた事のなかった淋しさを知り、 会話をして、笑いかけてもらえば、なんだか満たされるようになった。 欲深い俺がそれだけで終わるわけがなかった。 彼女の心が少しでもこちらを向いていると思えば、腕の中に閉じ込めてまるでむさぼるように口付けた。 甘い甘い彼女の唇だけで飽きたらず、全てが欲しくて、恋の深みにはまっていくのを止められない。 いつの間にこんなに好きになっていたのだろう。 初めて抱いた時よりも、もっと切実に、シェリルが欲しい。 笑っていてほしいのに、めちゃくちゃにしてしまいたい。 あの時よりも少しだけ思い出が増えて、シェリルの事を知っただけなのに。 シェリルといる時の心地よさと高揚を、もっと深いところで感じたくてたまらない。 せめて、今だけ、スパイの事やバジュラの事、何もかも忘れて、自分だけを見てほしい。 二人だけの時間を、溶けあう感覚を、共有したい。 いつの間にそんな大それた欲望を抱くようになってしまったのか。 ただ一度体を許してくれただけなのに。 忙しく機会がなくて、たまたま初めてだっただけとか。 俺が彼女のただ一人だなんて、彼女を信じたい自分の思い込みかもしれないのに。 彼女が向けてくれる親しさなんて、成行きのただの気まぐれかもしれないのに。 それまで押し殺していた妄執が溢れて身を焦がす。 会えない時間ですら日々募っていく愛しさが、自分を変えてしまうのが怖い。 いっそのこと、この恋に盲目的に全て懸けてしまえれば楽になるのかもしれないが、矜恃がそれを許さない。 ******** 彼女の白い肌を前にして、手を伸ばさずにいられない男の矜恃など世迷言でしかなかった。 押し倒した彼女の香りを胸いっぱいに吸いこんで、胸の突起を舐めると、ぐだぐだとした思考も、飛んでいった。 滑らかな背を撫でながら、ずらしたブラジャーとめくり上げたシャツの隙間から覗く桜色の蕾を一心不乱にしゃぶった。 手に触れる白磁の感触もまた、股間にダイレクトに響く。 もっと感じたくて上着を脱がせて、ブラジャーも無心に取り払った。 隠そうとする彼女の手も、有無も言わせずどかし、両手で包むと、 全貌をあらわにした滑らかな白い双丘は手にあわせて柔らかに形を変える。 ふわりと優しくこねてみたり、弾力に任せて揺らしてみたり、 その魅惑的な感触を味わっていると、やはり丘の頂上にある桃色の突起を弄りたくなる。 くりくりと指先でこねるのは何とも楽しいが、やはりなぜか口に含みたくなるのだ。 音を立てて吸ってみたり、舌で転がしてみたりすると、なぜこんなに興奮するのだろう。 熱に浮かされるようにアルトはシェリルの乳房を弄んだ。 「アルト…もっと優しくさわって?」 甘い感覚に没頭していて、つい、荒々しくなってしまったようだった。 「すまん」 はっと、顔を上げると、色情を帯びながらも少々不安そうなシェリルがアルトの瞳を覗いてきた。 そうだ。彼女もまだ二回目なのに、自分勝手に彼女の体を良いように扱ってしまった。 女を大切に扱うこともできないようでは男の矜恃も何もあったもんじゃない。 「ごめんな」 ふがいない自分を詫びると、シェリルが額にキスをしてくれた。 「痕なんて残したら、ただじゃおかないんだからね?」 シェリルが鼻をつついて、優しく叱ってくれた。 自然と笑みがこぼれた。 「分かった。その時は奴隷になってやるよ」 「シェリル…足を…」 なんとか下着とスカートも脱がし、もじもじと閉じている足の隙間から中の割れ目を弄り倒していたが、閉じたままでは行為に及びにくい。 恥ずかしいのだろうと思っていたが、もしかして、この先を拒まれているのだろうか。 「…いやなのか?」 ぎゅっと目を閉じていたシェリルの頬を撫でると、シェリルが目を開いた。 「ごめんなさい。ちょっと力が入っちゃっただけ」 「痛かったのか?」 アルトが心配そうにのぞきこむ。 「そうじゃないわ」 「ならいいんだが…」 シェリルも上体を起こし、やや気落ちしたアルトの胸に飛び込むと頬にキスをした。 そして、意地を張る余裕もないままに、黒髪の張り付いた耳元に囁いた。 「キモチイイの…」 その一言で理性が飛んだアルトは、そのままシェリルを押し倒し、足の間に顔を埋めた。 「や!ちょっとアルト」 さっきまで手で潤して割れ目を舐め上げると、媚薬のようにアルトの体温をさらに上げた。 「シェリル、足はそのまま」 アルトに言われて、シェリルはとっさに閉じようとした足を、恥ずかしさに耐えてぐっと開くと、 言うことを聞いたシェリルにご褒美を上げるように、アルトは肉芽にキスをした。 割れ目を指で開くと、色の白いシェリルのぬかるんだ陰部は、血色のいいピンク色をしていて、淫猥で可憐だった。 「きれいだな」 「そんなトコ…!」 シェリルの恥ずかしがる声を肴に、アルトは中の熟れつつある肉を舌で味わった。 桃色の肉がひくひくと反応し、淫泉の水が溢れてくる。 シェリルはふと股に力が入りながらも、甘い声を上げて耐えている。 悦楽に身をよじるシェリルを堪能してアルトも熱が体の中心へと集まってくるのを感じた。 びくんとシェリルが痙攣して、花弁の奥もぎゅっと締まったのを確認して満足したアルトは シェリルの愛液と自分の唾液で濡れてしまっている唇を無造作に拭って顔を上げた。 中心に集まって張りつめた熱が噴出しそうだ。 「シェリル、もういいか?」 声を聴いて、シェリルは快楽に翻弄されて力の入った体を弛緩させた。 「ん」 意味が分かっているのかどうか、とろりと理性も体も溶けきったシェリルが儚げにほほ笑んだ。 自分の凶暴な欲望が、この華奢な体を壊してしまうんじゃないかと思ってしまうほどに、彼女は可憐だった。 シェリルの唇に軽く触れるキスをすると、慣れない手つきで欲望をスキンに包み、シェリルの中に押し入った。 さっきイってから時間がたっているので、絶頂の締め付けではないはずだが、 やはりまだ慣れていないシェリルの内路は狭かった。 やはり限界まで膨張したそれの圧迫感があるのか、シェリルは苦しそうに息を吐いた。 それまで丹念に潤したつもりだったが、動きに合わせて吐息をこぼす彼女の眉根は寄っている。 温かい彼女の中を動くたびに、気持ち良くてたまらなくて、まだ馴れない彼女を労わる余裕もない。 なんとか動きを止めて目下のシェリルに声をかけた。 「大丈夫か?」 「…うん」 つむっていた青い瞳がけぶる睫毛の縁から覗いてアルトはほっとした。 にこりとほほ笑む健気な笑顔が切なく胸を締め付けるが、 柔らかな抱擁に包まれた安堵感と駆け巡る衝動でアルトは身の置き場がない。 「シェリル、凄く気持ちいい」 アルトがせめてもと伝えた言葉でシェリルが花のように笑った。 彼女の反応に与えられる幸せな感覚を一心に受け止め、 こうやってまた彼女にとらわれていくのかと思いながら、動きを再開した。 裸で触れ合う彼女の肌は極上の心地で、中はめまいがするほど気持ちが良かった。 気持ちが重なりあっていると思えば、空を舞うような幸福感に包まれた。 絶頂感に駆り立てられて、全てを彼女の中で解放した。 ************ 「もう一度、舞って見せて!早乙女アルトの、真実の舞を!」 シェリルは誰よりも、俺を理解し、想ってくれていた。 たった一言で、目の前が開け、羽根が軽くなった俺は、 俺が惚れた女の凄さを痛感した。 彼女が解放してくれた俺の翼は大気の中を翔ける。 全てを燃やし尽くさんとする喉から心から紡がれる祈命が沁み渡り、心が震えた。 俺が選んだ、役。俺が選んだ、未来。 俺も全てを懸けて、舞ってみせる。 「それが俺の、翼の舞だ」 だから、シェリル。 歌ってくれ。 そして、最後まで見届けてくれ。 この舞台が終われば、俺はこの手でお前を抱きしめに行くから。 おわり 以前最後に投下したものより時系列的に前になるので、アルトの考えが少しさかのぼってるつもりですが、 ちょっとおかしくても気にしないでくださいorz おわりとか言ったものの、なんか降りてきてしまって書き進めたものの、 時間も経ってしまったりなどで、文体なんかも統一できずすみません 少しでも楽しんでいただければ幸いです。
https://w.atwiki.jp/fairy-waterfall/pages/60.html
7スレ171-178 アルトに手錠と目隠し 171 名前:えっちな18禁さん[sage] 投稿日:2009/03/29(日) 23 17 43 ID Me+s/RQM0 と言うことで?シェリルはフェラの練習をすることにしたのだが・・・ 「で。この目隠しは?」 「だって、見られるの恥ずかしいんだもの」 「いや、やってるお前見るだけでも興奮するもんなんだぞ」 「イ・ヤ!」 ガシャン 「・・・で、この手錠らしきものは?」 「だって、絶対邪魔するでしょう。 この前、頭掴まれたときに、喉に当たって吐きそうだったんだから! シンガーの喉は命なのよ」 「どこから調達してきたんだよ!」 ~ということでお口の練習シーンは略、すまん アルトに指示をもらいつつ、何とか一発抜く 続いてシェリルが手でしごき出したようだ。 こちらも指示を出すアルト。 手がやんで、沈黙が走った。 「シェリル?」 ギシ。ソファーがきしむ。 息遣いの近さ、肩にかけられる体を支える腕。 握られた肉棒の先がぬめるモノにあてられ ゆっくりと埋められていく。 「ん」 「く、シェ、シェリル?」 「ふっ、さっきと、どっちが、キモチイイ?」 「どっちが、って。お前、これも自分でやるのも慣れてないくせに」 シェリルが抱きついてきて顔が豊満な乳房で埋まった。 多分、対面座位になってるんだろう。 「あ、あ、あああ」 イイ場所を見つけたらしいシェリルは しつこく腰を振って、ソコにすりつけているようだ。 汁が垂れてくるのを感じた。 「俺のことも忘れるなよ」 腰を突き上げてやる。 「あ、はっ、アルト」 上下運動にもイイポイントを見つけたらしく、 シェリルが上下に跳ねてソファーがより軋んでいる。 ふわりふわりと柔らかな髪が肩をくすぐるが、 アルトの神経は中心へと集中していて、気づかない。 「この、引っかかる、とこ、気持ちいい」 中を締めたり弛めたりしながら、シェリルはゆたゆたと腰を上下しているようだ。 クチャクチャと水音を響かせてシェリルが腰を振る。 「おっきくなった・・・ アルトは、上下の方が、イイのね」 熱と汗で匂いが立ち上るシェリルを荒い息で吸い込みながら、 目隠しをとれと言おうと考えていたことも忘れ アルトも熱を膨らませていった。 「あん、あ、ん」 「ごめ、シェリル、もう、我慢できな」 アルトの熱が弾けるが、 搾り取るかのように、シェリルが腰を振る。 「あ・・・はぁ、はぁ・・・」 アルトがしぼんでしまったのを感じたシェリルは ずるりとアルトを解放した。 「はぁ、シェリル、もう、これ外せよ」 「先に、イっちゃったお仕置きよ。 最後まで付き合いなさい」 二人分の欲がまとわりついたアルトをシェリルは再び咥え、 アルトは快楽へといざなわれていった。 口がうまくなってるかどうか、膣でやって比べてもらおうとして はずかしながらも自分でいれるってはずだったのに シェリル(と自分)が気持ちよさと攻め気分に暴走してしまっただけで あんまりシェリアルのつもりでは書いてない・・・。 手錠も目隠しもあんまり活かせた気がしないけど シェリルが大胆になれたのは手錠 目隠しのおかげってことにして下さい。
https://w.atwiki.jp/macrossf-eparo/pages/14.html
136 名無しさん@ピンキー sage 2008/04/21(月) 23 40 21 ID kucCtPGl とりあえずアルト×シェリルを書いてみた。 「んっ、アルト」 熱く艶っぽい色合いに満ちた声。 銀河の歌姫が今、俺の為だけに鳴いている。 指を動かし愛撫する度に漏れる声が恥ずかしいのか口を抑えようとするシェリルの手を押さえつける。 「シェリル。もっと声、聞かせてくれ」 言葉と共に軽くキスをした。 荒く息をする唇に噛みつくようなキスを受けたシェリルは、必死に俺に合わせようとする。 赤く艶めいた舌を一杯に伸ばしてくるシェリルに合わせて舌を絡ませ唾液を送ってやる。 それに一々反応するシェリルが可愛くて、俺は一度指を止めて、キスに専念した。 彼女の小さな口から俺とシェリル自身、その両方が混ざった唾液が唇の端から零れ顎先に伝っていく。 「ア、ルト?」 動きを止めた俺にシェリルは惚けた瞳のまま俺を見つめて来た。 「悪い、少し……キスしていいか?」 馬鹿なこと言ってるなと思いながら言うとシェリルは嬉しそうに微笑んだ。 「ン。いいわ、一杯、一杯……キス、して?」 俺に抱きついていた手を外し、ベッドに仰向けになったシェリルは手を広げ、 来て。と甘く囁いた。 「シェリル、好きだ」 気恥ずかしくて愛してるとは言えず、それだけ言って俺はシェリルに覆い被さった。 瞬間、横になっても崩れない張りのある形の良い胸が目に入った。 「……何笑ってるのよ」 思わず笑ってしまった俺を見逃すはずもなくシェリルの目にいつもの強気な光が戻っていた。 「いや、昔は胸見ただけで叩かれたなと思って」 「ッ! あれは、仕方ないじゃない。男に見られたの……初めてだったし」 恥ずかしさからか顔を背けるシェリル。 また笑ってしまう。 「何よ、もう!」 「いや、可愛らしいなーと」 「良いから! 早くキスしなさい」 「命令かよ」 出会った時から変わらない、今は照れ隠しも含まれたその態度が、愛おしい。 横を向いたままのシェリルの耳に軽く口付けるとピクリと体を振るわせる。 「ちょ、やだ。くすぐったい!」 「気持ちいいの間違いだろ」 いつも大事にしているイヤリングがピクピクと揺れている。 今までだって赤かった顔が更に赤くなった。 「アルト、もういいから……」 早くと訴える瞳と唇。 そんな姿に逆らえる筈も無く、俺はまたその濡れた唇に引き寄せられた。 下唇を甘噛みし、続けて舌を這わせる。 薄く開いた口の中に舌を入れるとシェリルも直ぐに反応し舌を絡ませてくる。 緩くウェーブの掛かった髪を撫でながらキスを続けた。 しばらくキスをしているとシェリルの体がぎこちなく動き出した。 見ると、太股がピッタリ合わさり、もじもじと動いている。 「なんだ、我慢できないのか?」 つい意地悪してみたくなるのは全て被虐心を煽るシェリルの瞳のせいだ。 悔しさから、だらしなく開いていた唇もキュッと強く結ばれ顔も背けられた。 それでも。 目も逸らしながらもシェリルは小さく頷いた。 「……挿れて」 「ッ、ああ分かった」 正直に言わせて貰うと、俺だってもう限界だった。 完全に勃った自身を大分前から濡れていたのであろうシェリルの膣口に当てる。 「行くぞ」 宣言してから一気に挿れる。 「あぁ、ン!」 また唇が結ばれた。 もう何度か体を重ねたがまだ慣れないらしい。 「痛いか?」 俺の問い掛けには首を横に振る。 「続けて、大丈夫……だから」 「痛かったら言えよ?」 こうなったら何を言っても無駄だ。 全く俺にくらい意地を張らなくても良いのに。 なるべくゆっくり動かし始める。 「あっ…んっ…あぁ! ッ」 一際高く声を出した瞬間シェリルは慌てて口を手で覆った。 「声、聞かせろよ」 「やだっ、恥ずかしい!」 小刻みに首を振るシェリル。 どこまで意地っ張りなんだこいつは。 「そうかよ!」 何だか声も聞かせてくれないのが悔しくてつい動きを強くする。 「いやっ…アルト。もっと…ゆっくり! あっ…あっ…あぁ!」 動きを早めるとシェリルの声がだんだん洩れだした。 「シェリル、愛してる」 愛おしくて堪らない。さっきは言えなかった言葉が自然と口を出る。 「わ、私も! 愛してる、アルト…アルトぉ!」 荒い息が二人分部屋の中に響く。 射精感が高まって行く。 「~ッ! シェリル! ごめん、俺っもう!」 シェリルの白く細い腰を掴む手に力がこもる。 「良い! 良いから、私も、もぉ!」 「くっ、出る!」 「あっ…あぁ! んぅっ…あ…あぁぁっ! あ…アァァーーっ!」 白い喉を仰け反らせてシェリルの体がピーンと伸びた。 イったの、だろうか? 今までシェリルは絶頂に達したことは無かった。 今までは痛みでそれどころでは無かったのだろうが、今日は随分と感じていたようだ。 「大丈夫、か?」 まだ呼吸も整わず肩で息をしているシェリルに問い掛ける。 「えぇ、平気」 あまり平気そうには見えなかったが取り敢えずシェリルを横にして俺もその横に寝た。 「……本当、意地っ張りだなお前」 何となく髪をいじりながら言う。 「だって……恥ずかしい、もの。私まだ、三回目なのにあんなに感じて……アルトにはしたない女って思われたくないもの」 そう言って銀河の歌姫はフトンの中に顔を入れてしまった。 「ハハハっ」 「何がおかしいのよ!」 目だけがフトンの切れ目から覗いている。 「いや、やっぱり可愛いな。シェリルは」 そう言ってやるとシェリルはまたフトンの中に入ってしまった。 銀河の歌姫様がセックスが気持ち良すぎて恥ずかしい何て社会的にも生物学的にも抹殺されそうな話を 俺はまた一つ見てしまったらしい。 終わり。途中書き込みミスった。 書いてみて思ったがやっぱりエロって難しいな。