約 3,979,915 件
https://w.atwiki.jp/sousakurobo/pages/1068.html
次の日、ユウスケ・コバヤシが学校に来ていないことを知っても、マコト・ア マギは別に何も感じなかった。 別に珍しいことじゃない。あいつが学校をサボるのはよくあることだ。 しかし、その翌日も、そのまた翌日も姿を見かけなくなると、さすがにマコト も心配になってきた。 電話をかけても、彼はなぜか出ない。 だからマコトは4日目に、授業を2限までしか受けずに学校を出たのだった。 ユウスケの家は何度か行ったことがある。たどり着くまでに特に何も問題は無 かった。 記憶にあるアパートで、「コバヤシ」の表札がかかっている扉の呼び鈴を鳴ら す。 応えない。 留守だろうか? もう一回。 やはり静寂。 拳を持ち上げ、ドアを叩く。声も出す。 ……ようやく、鍵が開いた。 軽い音をたてて開いた扉の向こうから顔を出したのはユウスケ・コバヤシ本人 だった。彼は一見、いつもと変わりないように見えたが、その目元と表情には隠 しきれない疲労がはっきりと表れていた。 「もしかして、寝てた?」 訊くと、ユウスケは首を振る。 「いや……ちょっと、疲れてるだけだ。」 「何か家であったのか?」 彼は答えない。マコトから顔を背け、扉を大きく開けた。 「とりあえず、上がれよ。……誰に見られてるかわからないから」 部屋の中は電気も点いておらず、暗かった。まだ昼間だというのにカーテンは 閉め切られ、そのことがマコトに、友達に何か危機が迫っていることを直感させ た。 「なに飲みたい?」 ユウスケは冷蔵庫を開けつつ、食器棚からコップを2つ指にひっかける。 「何がある?」 「モルツとオレンジジュースに、コーラ。」 「じゃあコーラ。」 「氷は?」 「要らない。」 ユウスケの手際は良く、飲み物はすぐに用意された。 広げっぱなしのユウスケの布団の上にマコトは荷物と腰を下ろし、落ち着いて 話ができるようになるまで待つ。 ユウスケはマコトに向かい合うように床に座って、飲み物をそれぞれの前に置 いた。 礼を言って、まずは一口。 炭酸の刺激が、場違いに感じた。 「……ユウスケ」 ひと呼吸おいて、マコトは口火をきった。 「ヤバいのか?」 簡潔な質問だった。問われたユウスケは飲み物を飲もうとして、口の直前で手 を止める。それからコップを床に戻し、頷いた。 「そっか」 マコトは、ユウスケが素直に頷いてくれたことが嬉しかった。 「相手はどこの誰だ?もしもお前1人じゃ無理そうなら、俺から警察に――」 「――いや、警察は、駄目だ。」 ユウスケが言った。 「そんなにヤバい相手なのか?お前は何したんだ?」 「いや、多分――」 また、ユウスケはコップに触れる。だが持ち上げない。顔を上げて、マコトの 目を見た。 「――今回は、お前が考えてるようなトラブルじゃない。」 「そうなのか?」 マコトは彼を見つめ返す。ユウスケは目を逸らした。 「正直、今回の責任の半分は、俺にある、かもしれない。……自業自得なんだ。 」 マコトはユウスケの顔を見ていた。彼の奥歯には力が入っていて、苦々しさを 必死で噛み殺しているような、そんな印象を受けた。 「そもそもの原因はなんだ?」 マコトは少し身をのり出した。 一瞬、ユウスケはマコトを見、そして少し喉を湿らす。 「……この間さ、バイトの話しただろ」 「バイト?」 思い出すのに数秒かかった。 「それでさ、俺、最近それ、やってなかったんだよ。」 「スカウトの話か?」 「ああ。」 ユウスケは立てた片膝の上に頬杖をつき、そっぽを向いて続けた。 「それで、いい加減新しい人を連れてこいって言われて、怒られてるだけだ。」 彼はそこで言葉を止めた。 マコトは今の言葉を舌の上で転がして、吟味する。 嘘を言ってるようには、見えない。しかしまだ隠し事をしている……そんな感 じだ。 「で?」 マコトはまっすぐに彼を見て言った。 ユウスケは訝しげに横目でちらりとマコトを見返す。それから彼はまた飲み物 を見て、顔をマコトの方に戻して、言った。 「いや、それだけだけど。」 平静を装ってるのがバレバレだ。 「そうか。」 これ以上はマコトも言わない。アイツが言わないってことは、言いたくない事 情があるんだろう。だったら無理に追及しても、意味が無いだろうし。 しばらく、無言が続いた。 その間天井を仰いでいたマコトがふと、思い付いて言う。 「なぁ、俺をスカウトしね?」 項垂れていたユウスケが顔を上げた。 「俺もさー最近カネが無くてさー、必要なんだよ。」 マコトが言うと、ユウスケは手を顔の前でひらひらとさせた。 「駄目だって。」 「なんで?」 「『知り合い禁止』なんだよ、それ」 「じゃあウソつけばいいじゃん。」 「無理だ。見破られる。」 「お前はさ」 マコトはあぐらをかいて、ユウスケに向き直った。 「今、スカウトが出来なくて困ってるわけだろ?俺をスカウトすれば、俺にはカ ネが入るし、お前は今の状況から脱せる。それ、お互いに最高じゃね?」 「いや、でも……」 その時、部屋に電子音が響いた。 マコトは目だけでその発信源を探す。すぐに見つかった。 「……電話、鳴ってるけど。」 何の反応も示さないユウスケに、マコトは言う。 のそりと、緩慢な動作でユウスケは立ち上がり、電話をとった。 マコトはユウスケが話をしている間、床に転がっていたマンガ本を眺めていた が、話が終わったのを察して、それを放って飲み物を飲む。 ユウスケが座した。その表情は青く、体は震えているように見えた。 心配になったマコトが何か言おうとする前に、ユウスケが口を開いた。 「次の月曜」 声も震えていた。それは今にも泣き出しそうなのをこらえているようにも聞こ えた。 「駅前で……5時に」 マコトは困惑して、頷くことしかできない。 「本当に……ごめん……!」 ユウスケはそして両手と額を床につけた。 マコトは彼のその尋常ではない様子に、それ以上何も言えなかった。 ただ、場の空気はどうしようもなく気まずくなってしまい、そのせいでマコト が帰ることを決めるまでには、たいして時間はかからなかった。 マコトが帰ったあとしばらくして、ユウスケは静かに立ち上がった。クローゼ ットの奥にしまってあった段ボール箱をひっぱり出し、中から工具セットを取り 出す。 その中からドライバーを抜きだして、ユウスケは部屋にあるコンセントの前に 屈んだ。 ドライバーでカバーを外す。『それ』はすぐに見つかった。 マイクの付いた、剥き出しの基板の、小さな機械。 ユウスケはそれをコンセントから引きずり出して、怒りに任せて壁に投げつけ る。ぶつかったそれは一部が少し欠けたようだった。 彼はそれから壁を背に、脱力して床にへたりこむ。 「……ちくしょう……!」 とうとう、彼は耐えられなくなった。
https://w.atwiki.jp/gachmuch/pages/1223.html
[Intro Eminem] シェイディ アフターマス あの女見えるか? すっげぇよなぁ フロアでケツ振りまくって ポール・ダンスをあんなにエロくやったり グラインドやってるの見ると オレまでムラムラしてくんじゃねぇか [Verse 1 Eminem] ハイになって、酔って、盛り上がって、クレイジーなことしようじゃねぇか 極めつけはストリップ・クラブで***マッサージしてもらって もちフェラも、もっとハイになって、いい気分になって ゲロ吐いては、新しいドリンク・オーダーやって またトイレのシンクで(オエッ) スニーカー光らせて いつものやんだよ 紐はもち高級なモノをね ビートが鳴り響く前は喉も超カラカラ でもこの女がダンスを始め、唇を舐めた途端 生き返っちゃうんだよな でもこれ以上は… ネイト・ドッグにお任せだぜ [Verse 2 Nate Dogg] 2、1そして1、3 (213)の 俺 やっぱいい香りのする女の性器は好きだし クサも旨いのがいいし 俺のスモークの量と来たら半端じゃねぇから 女のケツのことは便器のシートよりも俺の方が専門的 今度は313だぜ、デトロイトで超イケテル女に出逢ったんだ さて、どうやって手に入れたかお教えしようじゃないの ポイントは会話とヘネシーだよ 俺は頂点を極めてんだ、バカなヤツらが 俺のバカな噂をやってるのを聞いた もし銃を持ってないなら、石(Rock)でも取って オマエをボコボコにした後も俺はこの世界で騒ぎ(Rock)続けるぜ ちょっと待てよ、そこのダンス下手くそなヤツ こうやってビートに乗るんだよ せっかく自分に合ってる女も見放しちゃうよ ストロボ・ライトでも取り付けて、よく周りを見るんだ パーティの始まりだぜ、音量上げて 始めようじゃないか ケツ振りまくって ボディに超カーヴあって、セクシーな歩きをする女と 一夜を過ごしたいんだよ、Baby こっちにおいでよ 頭がバカそうな女もいるが 物事を理解してる女ももちろんいる 何でもするような女がいいんだ それも毎日な「もう無理」って言うまで [Chorus Nate Dogg] そのケツをグラインドさせて いいねぇ ガール、Come on オレの前でケツを振るんだ 体にグラインドさせて ガール、Come on ケツを振って グラインドさせて [Verse 3 Eminem] 俺が脅威の歯医者さん、またの名を衛生技師とも言う まぁ、5、6分、口を「アァ~ン」ってやって このフッ素入り"ラヴ・ジュース"を口に入れるんだ 吐き出したらダメだよ 飲み込むんだよ Yeeeeah 俺とネイト・D・O・ダブルGはカップD位の女を探す シャンパンでも飲みながら、エクスタシーをダチと分けようじゃねぇの [Verse 4 Nate Dogg] パーティの始まりだぜ、音量上げて始めようじゃないか ケツ振って、俺のハマー・トラックでフ*ックできる女を探してんだ アップル・ボトム・ジーンズ!履いてるクラシックなデカ・ケツ女さ 頭がバカそうな女もいるが この世界を判ってる女もいる 家ではパンティー無しでソファに腰掛けるような女が欲しいんだ Noとは言わない女だよな 俺の前でダンスやってる女見てみろよ 俺のダチ(エミネム)から聞いた話によるとベッドでは超クレイジーだって言うじゃない 「ネイト、落ち着いて聞くんだ。 この女は超クレイジーだぜ。 見たら分かると思うがよ」 って言うんだ 「後ろからヤルのは好きか」 ってな [Chorus Nate Dogg] そのケツをグラインドさせて いいねぇ ガール、Come on オレの前でケツを振るんだ 体にグラインドさせて ガール、Come on ケツを振って グラインドさせて [Outro Nate Dogg] パーティの始まりだぜ、音量上げて 始めようじゃないか ケツ振りまくって ボディに超カーヴあって、セクシーな歩きをする女と 一夜を過ごしたいんだよ、Baby こっちにおいでよ 頭がバカそうな女もいるが 物事を理解してる女ももちろんいる 何でもするような女がいいんだ それも毎日な「もう無理」って言うまで [Outro Eminem] あの女見えるか? すっげぇよなぁ フロアでケツ振りまくって ポール・ダンスをあんなにエロくやったり グラインドやってるの見ると オレまでムラムラしてくんじゃねぇか おっと、キミ無しじゃ俺はこのクラブから出て行かないぜ 俺と一緒に家に帰ろうよ 俺のダチと、ダチのダチと、そのまたダチと ダチの女とな (ははは) ネイト・ドッグだぜ
https://w.atwiki.jp/beqst/pages/35.html
ブラインド作成 1・ブラインドを作成する基準について まず、自分がどういうトーナメントにしたいのかを思考する。 長く楽しめるトーナメントする 短いけど内容が濃いトーナメントにする その中間を取ってみたい 等があげられます。 2・スタートチップについて まずここが最大限重要になります。 一般的に言われるトーナメントでのスタートチップは 3000点未満>スーパーショート 3000点程度>ショートスタック 5000点程度>ミドルスタック 10000点以上>ディープスタック それ以上>スーパーディープ と呼ばれるのが一般的です。 使うチップの単位によっては変化はしますが 基準は25点を最低チップとして考えてください。 一般的なトーナメントで使われるチップは 25,100,500,1000,5000、10000 の6種類があると大体大丈夫だと言われています。 3・ブラインドについて さて、コレが今回の一番の本題です。 1と2で考えた上での思考とスタートチップ。 これらを組み合わせた上でのブラインドを考えなくてはいけません。 いくら10000点持ちでも1時間で終わっては意味がないと思いますし 3000点持ちでも5時間もかかるようなトーナメントはありえないと思います。 4・では実際に作ってみよう! 10000点持ちラウンドタイムを10分とし20名が参加するトーナメントを想定して ブラインドの作成に取り掛かってみましょう。 最低チップを25点と考えた上で最初のほうのブラインドを考えてみます。 Round SB BB 1 25 50 まぁ、大体コレぐらいが一般的でしょう。 時間ごとにブラインドがあがっていくので最初はやさしめに上げて行くと良いでしょう。 じゃあRound2を作ってみましょう。 Round SB BB 1 25 50 2 50 100 いきなりブラインドが倍に上がってしまいましたが最低チップが25点ですので仕方のないことです。 たいていのトーナメントはこれが基準値になっている場合が多いです。 (過去のWSOPでは25/25>25/50なんてブラインドもありましたが・・・) この調子でどんどんあげていきましょう。 Round SB BB 1 25 50 2 50 100 3 75 150 4 100 200 もうお気付きかも知れませんが、SmallBlindが25ずつ、BigBlindが50ずつあがっているのが判りますね? でもこのままのあがり幅だと物凄く時間がかかってしまうことがわかります。 ちなみにこのまま続けるとどういうことになるかと言うと・・・ Round SB BB 28 700 1400 長っ! 280分=4時間40分経っているのにこのブラインド。 正直トーナメントになっていませんよね? 以下作成中。。。。
https://w.atwiki.jp/zero-one/pages/19.html
このサイトはWiki3へ移転いたします。新しいサイトはこちら▼です。https //wiki3.jp/zero-one移転の理由はアットウィキのサイトが広告のせいでとても表示が遅いためです。またamp対応のせいで表などがとても見づらい状態での閲覧を強いられる場合があり今後この状況が改善することもなさそうなのでアットウィキと使い勝手の似ているWiki3への移転を決定した次第です。最新情報の更新も新サイトでのみ行っております。これからも仮面ライダーゼロワン プログライズキー おもちゃ情報wikiをよろしくおねがいします。 仮面ライダーゼロワン 全プログライズキーリスト プログライズキーのカラーはラインの色を表記してください。 プログライズキーの色はDX版を基本とし特別版などは個別のページにてその旨を表記してください。DX版が存在しないものについては存在するプログライズキーの色を表記してください。 色はwebカラーネーム(147色)から選んで名前で指定してください。 仮面ライダーゼロワン DXフライングファルコンプログライズキー Amazonで詳細を見る 仮面ライダーゼロワン DXフレイミングタイガープログライズキー Amazonで詳細を見る 仮面ライダーゼロワン 全プログライズキーリストプログライズキー プログライズキー(レジェンド) ゼツメライズキー コメント欄 プログライズキー [部分編集] ライジングホッパー フライングファルコン シューティングウルフ ラッシングチーター バイティングシャーク パンチングコング フレイミングタイガー ライトニングホーネット フリージングベアー アメイジングヘラクレス ブレイキングマンモス スティングスコーピオン スパーキングジラフ シャイニングホッパー アサルトウルフ アメイジングコーカサス プログライズキー(レジェンド) [部分編集] カメンライディングディケイド ライダータイミングジオウ ゼツメライズキー [部分編集] アウェイキングアルシノ エカル ネオヒ ベローサ クエネオ ドードー マンモス オニコ コメント欄 雑談は雑談掲示板でおねがいします。 投稿テスト -- (管理人★) 2019-07-26 13 38 27 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/sousakurobo/pages/1232.html
「……なんのことだ?」 「とぼけるな!俺のこの勝利は、お前の手のひらの上のものだ!あの時――列車事故直後――煙がたちこめる中に お前がいたとき、お前はレーダーも使わず、俺に撃たれるのをわざわざ待った!いいや、そもそも真剣に戦う気が あるのなら、あんな場所に留まったりはしない!」 マコトはシートからたち上がり 、金網に駆け寄って、ありったけの呪詛でタナトスを罵る。 「お前は最初からまともに勝負する気は無かったんだ。チートを使って自ら弱体化したりして……! そんな状況で勝っても、俺の復讐は達成されない。対等な立場で戦って勝たなきゃ、 俺はお前たちとまるっきり同じだ!悪の中でも『最悪』なお前たちと……」 「ほぅ」 「俺が負けたら、お前たちの勝ちだし、俺が勝ったら、お前たちは俺の復讐を台無しにしてやったのだから、 やはりお前たちの勝ちだ。ふざけるな!こんな勝負……」 そこまで言って、マコトはタナトスの肩が震えているのに気がついた。 最初は怒りのためだとマコトは思ったが、タナトスの声が聞こえて、違うとわかった。 ――奴は笑っている。 「はははははははははははははは!」 突然、タナトスが立ち上がり、両腕を広げ、天を仰ぎ、高笑い。 「ははははは!いや、まったく――私の見込み通りだった!」 彼は言った。 「君が最後まで気づかなかったらどうしようかと!もしあそこまでやって、君が気づかなかったら、 私は君を撃たなければならなかった!実を言うと、この程度、私にはピンチでもなんでもないのさ!」 タナトスは狂喜して腕を振り回す。仮面の奥の妖しい光がますます強くなっている。 「くく、く、私はひとつ君に訊きたいのだが――」 タナトスは金網に近づく。二人は再び金網を挟んで向かいあう。 「君は、なぜ生きている?」 タナトスはマコトの目をのぞきこんでいた。意外にもそこに威圧的な光は無く、 代わりに澄んだ川の水のような、純粋なものが見えた。 「決まってるだろ……」 ――不思議なことに、このとき自身が何と答えたか、マコトはどうしても思い出せないのだった。ただ、 その言葉はほとんど反射のように自然と出たものであったことだけは覚えている。 それを聞くとタナトスは一瞬不快そうなそぶりをみせたが、すぐに思い直したようで、腕を組み、小さく言った。 「……それが答えか。なるほど。」 「いったい何なんだ。」 「いや、なに。タルタロスもこれで終わりかとね。」 「……え?」 また、意外な言葉。 観客たちもわけがわからないようで、今度は徐々に騒がしくなってきていた。 「いい機会だ。少しゲームを中断し、昔ばなしをしようか。」 タナトスはマコトから視線を外し、観客たちを見渡した。 「私は、先代の『コラージュ』だった。」 ざわめく観衆。 「私の能力をもってすれば、そこまでの地位にのぼりつめるのはさして難しくはなかった。 そのころの私はまだ現状に満足していて、まさかタナトスを名乗ろうなどとは考えもしなかった。」 そのタナトスの語りを別室で静かに聴いていたコラージュは、じゃあ、自分を作ったのはタナトスだったのかと驚く。 「私の心境を変えたのは、あるひとつの疑問を抱いたからだ。それこそが、『人は、なぜ生きるのか』。」 タナトスはまたマコトを見た。 「人類が文化というものを身につけてから、数多の知識人に提起された無数の命題よりも、 これ以上に解答困難なものはあるまい。だが私は難問ほど燃えるたちでね。どうにかできないものか、 考えたのだ。……そして、このタルタロスというシステムを利用することを思いついた。」 仮面の奥で、彼は微笑む。 「ここに集まるプレイヤーたちは、自分の命も、相手の命もなんとも思っちゃいない正真正銘のクズばかりだ。 君が最初に戦ったナカジマくんも、その次に戦ったケルベロスも。正々堂々と戦うつもりはもちろん無いし目的は誰も同じ『カネ』だ。」 マコトはなぜか動悸が激しくなってきているのを感じていた。 「だが、君は違った、アマギくん。」 彼の語り口はきわめて優しい。 「君は対等な立場で戦うことを好み、その目的もカネなどというくだらないものでなく、 また自分の命を投げ出しているわけでもない。私は君のような健全な精神の持ち主が自ら命を賭けるに値する目的こそ、 『人が生きる目的』だと考えた。……そう、タルタロスは君を待っていたんだ。」 「なに……?」 「さっきの戦いは、今この瞬間にも君があの美しい心を失っていないか、それを確かめるテストだったんだ。 君は目前の勝利や、醜悪な外見に惑わされなかった。そして、タルタロスは今その役割を終えた!」 そしてタナトスは再びシートに近づき、マコトを一瞥した。 「君の回答は斬新なものでなく、使い古された陳腐なものではあるが、むしろだからこそより答えにふさわしいのかもしれない。 なかなか哲学的だが、その実至極単純なことをひと言で言い表しているのも気に入った。 ……席に戻りたまえ。お礼に、君に勝利をプレゼントしよう。」 「なに?」 「タルタロスにもはや存在価値はない。幕引きのときだ。」 タナトスの静かな言葉を理解して、また観客たちは騒がしくなる。 「それは……死ぬつもりか、タナトス。」 マコトの言葉に彼はゆっくりと首を振った。 「もちろんそんなつもりもない。」 そうして彼は自らの顔を覆い隠す鉄仮面を指す。 「この場にいる人間は誰も私の正体を知らない、そうだろう?」 そう言った直後―― 「――でもそれは逆に、誰もあなたがタナトス本人であることを証明できないということでもあるわよね?」 ――冷たい針のような声がタナトスを刺した。 辺りは再び静まり、タナトスとマコトはその声がした方に顔を向けた。 二人のいる檻の外側、タナトスに近いところに一人の女性が立っていた。背の高く、顔立ちも整った女性だ。 黒い革のジャケットに、黒い長髪、サングラスで顔を隠し、シルバーアクセサリーをジャラジャラと身につけた様は どこからどうみても街の女ギャングで、容易に近づき難い雰囲気を醸し出している。 もし彼女が沈黙したままだったなら、マコトは彼女がアヤカ・コンドウであることには気づかないままだっただろう。 タナトスは顔を彼女に向け、威圧的に見下ろした。 「君は――」 「考えてみればおかしな話よ。」 アヤカはさらに声を張り上げる。 「幾度となく戦って、それでも一度たりとも敗北しないなんて、他のスポーツなら八百長を疑われて当然じゃない? いくら実力差があるとしても、あなたに挑んでくるのは、それなりの自信がある人たちがほとんどなのに。」 また会場が静まりかえる。さっきまでとはまた別種の不穏な空気が漂いはじめていた。 「もしかしたらあなたは、相手のチートデータに何か細工をしていたのかもね。換言すれば、あなたは――」 とどめの一撃。 「――『サイクロプス』なんじゃない?」 彼女の言葉は完全に世界を凍らせた。あれほど熱狂的だった観客たちは皆困惑した表情でタナトスと、 金網を挟んで彼に相対する謎の女性を交互に見ていた。 この状況を正確に理解していたのはそのふたり以外にはマコトだけだった。 マコトは今タナトスのそばでビニールをかぶせられ、鎖で繋がれている彼女こそがサイクロプスだと知っているので、 アヤカの意図はすぐに解った。 マコトはタナトスを見る。彼は一見いつもの落ち着きはらった様子だが、どことなく焦っているようにも見えた。 「……そうだ、その通りだ!」 声をあげるマコト。 「お前が本当にタナトス本人なのか、証明してみせろ!」 「しかし、そうはいっても、手段が無い。」 「あら、あるじゃない、簡単なのが」 アヤカは冷たく言い放つ。 「その仮面をとればいいだけよ。」 もう何度目かはわからないが、また会場がざわつきはじめる。 タナトスは首を振った。 「たとえこの仮面をはずしても、君たちは私の素顔を知らない。無意味だ。」 「そうだな。たしかにアンタの素顔は知らないが――」 マコトはにやりとした。 「――サイクロプスの素顔なら、俺が知っている。アンタが八百長疑惑を晴らすにはそれで充分なんじゃないか!?」 「その必要がないことは君もよく知っているはずだ。」 そうして彼はそばのイナバを顎でしゃくって示す。しかしマコトは肩をすくめた。 「さぁ?なんのことかぜんっぜんわかんねーな。」 タナトスは黙り込んだ。静かになった彼とは対照的に会場は再び熱を帯びてきていて、 彼らがあげるかけ声はいつのまにか「OFF MASK!!」のコールに統一されていた。 マコトとコンドウはタナトスを睨みつけていたが、やがて彼が諦めたようなそぶりをするのを認めた。 「……いいだろう。外してやろう。」 また、会場が大きく揺れる。 タナトスはゆっくりと腕を上げ、後頭部にまわすと―― ――いきなり袖口から小型の拳銃を飛び出させ、発砲したのだった。 ……その様子を観客席から眺める、ひとりの人物がいた。その人物は目深に被った帽子とコートのフードで顔を隠し、 眼鏡の奥から冷めた目でマコトたちの様子をうかがっている。 どうやら男性らしいその人物は銃声にも動じず、冷静に現状を分析すると、 指先で懐のナイフの柄を撫でた…… 火薬の臭いが鼻につく。マコトは何が起こったのか理解できなかった。 マコトは金網の向こうにタナトスともうひとり女性を見ていた。 小柄な、子供のような、活力に溢れた、素敵なヒト―― だが彼女は今、死神の足下に崩れ落ち、胸から鮮やかな血をダラダラと流して―― ――マコトは絶叫した! 金網に突進し、指でめちゃくちゃに音を鳴らし、わけのわからないことをわめきちらす。 そんな彼をひややかにタナトスは見つめ、まだ煙の出ている銃をその死体のそばに落とした。 「……どうした、彼女のことはどうでもいいんじゃなかったのか。」 嘲るように彼は言う。 「殺してやる!殺してやるぞ!クソ!殺してやる!殺してやる!!」 「いいだろう!さぁ、私を殺してみろ!」 その言葉とともに、ついにタナトスは仮面を外した。 ――同時に、世界から音が消えた。 今まで、何度も周りが静かになることはあった。だが、これほどまでに静まりかえったことはなかった。 しばらくして、マコトはその静寂が現実のものではなく、自身の内からくるものであることに気付いた。 気づくと同時に、色彩と騒音の洪水が頭蓋骨の内側で暴れ回った。 タナトスの素顔を目にした衝撃のあまりいつの間にか床にへたり込んでいた自分を発見し、 とうとうマコトは金網のむこうの現実を受け入れるしかないと理解し、同時に胃の中からこみ上げてきた熱いものを 目の前にまき散らす。 全身から冷や汗を流して、マコトはタナトスを睨みつけた。 「……そろそろ大丈夫かな?アマギくん。」 ボイスチェンジャーを通していない声はしっかりと筋が通っていて、その快活な人格にふさわしいものだった。 生命力に溢れた顔立ちは死神のイメージからかけ離れていて、仮面の奥に輝いていたあの金の双眸が無ければとても 連想されることはないだろう。 マコトはその瞳をしっかと睨み返して、絞りだすように、叫んだ。 「なんで……あなたがっ!!」 死神は――ミコト・イナバは微笑んだ。 マコトはしかしそれでも頭のどこかで現状を否定しようとしていた。 あれがイナバさんのはずがない。 あれがイナバさんなら、あれのそばで倒れているのはいったい誰なんだ。 そうだ、それにタナトスとイナバさんでは全然体格が違う。 きっと見間違いだ、イナバさん―― 目をとじ、ゆっくりと開けると、イナバはタナトスのマントを脱ぎ捨てていた。マントの切れ目から見えたその内側は、 カーボン製のフレームで体格を大きく見せられるような仕掛けが施されていた。 ふらつきながらも金網に手をついて立ち上がり、今度は倒れている方のイナバに目を向けると、 ちょうどタナトスが彼女の首の鎖を外し、頭に被せられていたビニール袋をはぎとるところだった。 顕わになったのは、少女の顔だった。 「……誰だ、その人……」 思わずこぼれたその言葉を聞きつけて、イナバはこちらをふりむく。 マコトはタナトスを――否、イナバを見た。 彼女は身体にフィットした黒い近未来的なデザインのスーツを着て、冷酷な光をたたえた瞳で温かく微笑んでいる。 その中身と外身のぞっとするほどの温度差にマコトは嫌悪感をおぼえた。 「この子はね、こう見えてすごく悪い子なんだ。学校ではいじめっ子たちのリーダーで、男の子をひとり不登校に追い込んでいるし、 知り合いの大学生といけないことだって何度もしてる。趣味は万引きだし、小学生にしてなんとタバコもお酒もやっているんだ。 ケンカして両親を包丁で刺してもいるし、弟が事故で亡くなったときも葬儀の席でずっと笑っていた――」 「……そうなのか。」 「――なんてことは全部ウソ。名前も顔もしらない、キミと別れたあの晩にたまたまその辺を歩いてた子だよ。」 おどけて肩をすくめる彼女の笑顔は、以前にあの部屋で見たものと同じだった。 「『誘拐はなるべく関係・連絡・トラブルを無くす。』基本だから、誘拐するときは参考にしてね。」 彼女は軽い調子でそう言うと、足下の死体を、汚いものでも振り払うように小さく蹴って、 今度はアヤカ・コンドウを見た。 「……これで満足?アヤカ・コンドウさん。」 「彼の反応を見るに、やはり、サイクロプスだったようね。」 観客たちは成り行きを見守ることにしたようだ。すっかりおとなしくなっていることにマコトは気づく。 「ご名答。それにしても、私がサイクロプスだとなぜ判ったの?あなたには本名も性別も教えなかったのに。」 「幸運よ。確証はなかった。」 「嘘つき。」 「あなたもね。」 だが実際アヤカ・コンドウの推論はある幸運に支えられたものだった。 アヤカ・コンドウはゲーム開始からこの会場にいた。そこで彼女はタナトスが人質に少女を連れてきたのを見て、 こう思ったのだった。 (マコト・アマギに姉や妹はいないし、まさか母でもないだろう。親しいクラスメイトは全員男だし、 恋人もいないのは調査済みだ。あれは誰だ? まさか……サイクロプスか? サイクロプスが女? ということは、まさか) と、ちょうどその時彼女に声をかけてきた人物がいた。その人物は帽子とフードで顔を隠した、 眼鏡をした人物で、アヤカに協力していた。その人物は、以前にあの人質とマコトが一緒に歩いているのを見たと、 まだその時は知り合って間もないようだったと言った。 (その日は、私がサイクロプスに依頼をした直後……!) アヤカはタナトスが少なくとも女性であるということは知っていたので――これにもまた理由はあるが、 今は関係がない――そうしていよいよ『タナトス=サイクロプス』の疑念を強め、タイミングを見計らって行動を起こしたのだった。 「でもわからないわね。」 アヤカは髪をかきあげる。 「まさかあなたは本当に八百長を? あなたは悪党だけど、そんなことはしないと思っていたわ。」 「こんなこと言っても信じないだろうけれど」 応えるイナバ。 「私はチートデータにそういった仕掛けを施したことは無いよ。誓ってもいい。」 「誰が信じると? 」 「そうだね、たとえば――」 困ったように少しだけ首を傾げる。 「アマギくん、とか?」 視線に射抜かれてマコトは緊張した。イナバはなおも優しく微笑んでいる。 「君も、私がこの地位を守るためにそんなことをするようなヒトに見える?」 訊かれてマコトは首をふる。 「アンタが本当にイナバさんなら、卑怯なことは嫌いなはずだ。」 「その言い方、気になるな。」 「アンタは……本当にイナバさんなのか。」 マコトはそう言った。きっとその場のほかの人間にはとても間抜けな質問に聞こえただろう。 だがそれでもマコトには、あの家で見たミコト・イナバと、今目の前のミコト・イナバが同一人物だとは信じられなかった。 「あんたがタナトスだなんて、おかしい。納得いかねーよ。」 「おもしろいことを言うね。」 彼女は目を細める。アヤカもマコトを懐疑的な目で見た。 こぶしを握る。手汗がひどい。 「イナバさん、もしあなたが最初からタナトスだったなら、なんで俺たちに協力したんだ。」 そう、その通りだ。マコトはキムラとの戦いを思い出していた。 あのとき、ゲーム機器が故障したのはサイクロプスのせいだが、そのときにはすでにサイクロプスとアヤカとの協力関係はできていたのだから、 タナトスの立場としては、タルタロスの脅威となるマコトは消しておきたかったはずだ。しかしサイクロプスはマコトを助けた。 その他にも、サイクロプスがマコトとアヤカにした協力の度合いを考えると、タナトスはまるでタルタロスの首を締めているように感じられる。 だからマコトは納得いかなかった。 「おかしいじゃないか……そんなこと」 「ああ、そのこと?」 ミコトは指を2本立てる。 「理由はふたつ。まずひとつめはもう言った。」 マコトが理解できないようなのを見て、ミコトは続ける。 「『人はなぜ生きるのか』、という命題の答えを、君なら出してくれると思ったからだよ。そのためには、 きみが『安全に、しかし真剣に死と向き合い続ける』ことが必要だと考えたんだ。難産のほうが、よりそれっぽいからね。」 マコトは奥歯を噛み締めた。 「そしてふたつめ。それはこの計画を知ってから判断したんだけれど……」 ミコトは前髪を整える。その所作は可愛らしい少女そのもので、いよいよ死神のイメージからかけ離れている。 「この計画はつまるところ、『タルタロスで私を倒す』ということが肝心要、一番重要なところなんだよ。 ここが失敗すれば残念なことになってしまう。たぶん、これは立案者の思惑が多分にあると思うのだけれど、 くわしくはいいや。それが理由だよ、つまり」 言いながらミコトはマコトに歩み寄る。金網を挟んだマコトの身体のわずか数センチ前で立ち止まり、 金の瞳を見開いてマコトをのぞき込み、言い放った。 「君なんかが私に勝てるわけないじゃん」 また彼女が微笑む――マコトは目の前でその表情を見て、ようやくその柔らかな口元に隠された真意を理解した。 あの笑顔は互いの友好のためとか、周囲の雰囲気を良くするためとか、そんな目的で形作られたものじゃない。 大人が節度を保たずはしゃぐ子供を見て自然に笑みがこぼれるように、猫同士がじゃれ合うのを見てそれを不快に思わず愛おしく感じるように、 『自分とは次元が違う』と感じているから、だから出る微笑みなのだ。 良く言えば『強者の余裕の表れ』、悪く言えば『己以外の全てを同列とは思っていない』顔だ。 コイツははじめから、俺たちのことをこれっぽっちも気にしてはいない! マコトは激昂し、ミコトを殴りつける、が当然金網に阻まれる。耳障りな金属音が弾ける。 残響音が消えないうちにマコトは声を荒げて言った。 「てめぇ!俺と勝負しろ!」 「いいよ。」 あっけらかんと応える。 アヤカはマコトを一瞥し、それからなぜかまた静かに人ごみに紛れて消えた。 「もう一度対等な条件でだ!叩きのめしてやる!」 「それはかまわないけれど、今このゲームをリセットはできないよ?」 「なに……?」 ミコトは困ったようなしぐさをする。微塵も焦燥を感じないその様子が今のマコトにはなによりも腹立たしい。 「当然だよ、今リセットしたら君に賭けていたお客様が可哀想だし、1度スタートしたイベントを中止するのは開催側にしても結構痛手なんだよ。」 マコトの神経はますます逆撫でされて、そのためにまた拳に力が入ったが、思いなおして、冷静になることにした。 「じゃあ、どうすればアンタと対等に戦えるんだ。」 するとミコトはにっこり笑って 「そのためのカギはもう持っているよ、『オルフェウス』」 はっとした。 「だけど、ソレを使うのは……!」 「嫌?」 「ソレを使うと、俺はお前たちと一緒に……」 「わからないかな、使った時点で君の勝ちなんだよ? もし君が負けても、私は信頼を失ったままなんだ。 勝っても負けても、タナトスはタルタロスから消えざるを得なくなる。」 言われてみればその通りだ。 「だから、使いなよ……チートを。」 マコトはうつむいた。 たしかに、チートデータ『オルフェウスの竪琴』が入ったICカードは今持っているし、 それを使えばマコトの望むような条件で戦えるだろう。 だが、チートだ。 チートは、ずるだ。 不正に不正で応えたら、いよいよ自分はタルタロスに敵対する資格が無くなる。完全な悪になる。 悪。 人殺しである自分がこんなことを考えるのもおかしいのかもしれないが、やはり、悪は嫌だ。 悪。 しかし待て、コンドウさんに従って、悪の権化であるタルタロスを倒すのは本当に悪ではないのか? 悪。 彼女の目的はタナトスへの復讐だ。きっとそれはタナトスの殺害で達成されるんだろう。 それに加担するのは悪じゃないのか? 悪。 そもそも『悪じゃない』ってなんだ?悪じゃないなら正義なのか? 『タルタロスに関わった時点で全員が悪い』というタナトスの言葉を自分は肯定していなかったか? 悪? 悪……。 悪! なーんだ、そうか。 マコトは顔を上げ、ポケットからカードをとりだし掲げた。 そうだ。そもそも最初から善悪とか、そんなものにこだわる方が間違っていたんだ。 世の中は人を傷つけるもので溢れている。ナイフでも、銃でも、言葉でも、態度でも、 そういったあらゆる『傷つけるための力』は本来、みんなまとめて悪なんだ。世界は悪に満ちている。 それが『正しい』として認められるためには……。 「勝負だ。」 勝てばいいんだ。 お互いに、自らが納得するために必要な手を出しつくし、それでも負けたら悪なんだ。 正義は勝たなければいけないんだ。勝たなければ正義じゃないんだ。 こんな簡単なこと、俺はなにを悩んでいたんだろう。 イナバはまたにっこり笑い、手でグラウンド・ゼロのシートへとマコトを促す。 マコトはぎっと彼女を睨みつけたまま、席に戻った。 画面はさっきの膠着状態のまま止まっている。 「オイ!」 叫んだのはマコト。 「なにをしてんだ口だけ男……、盛り上げろ!」 その言葉で実況席の口だけ男は我にかえり、慌ててマイクをつかんだ。 「あ、あー!あー!YO!マイクチェック、チェック、チェック!すまねぇオーディエンス、意識が月までぶっ飛んでたぜ!」 口だけ男が実況を再開するのと同時にまた観客席はざわつきはじめる。 「なんつーかいろいろと衝撃の事実の連続でオレら置いてきぼり! タナトスとオルフェウスとあの謎の女に何があったか知らねーが、俺たちの関心はそんなとこにはねーんだぜ!?」 応える観客。 「そう、つまり!」 会場が沸騰する! 「熱いバトルと!熱い血だあああああ!」 あっという間にまた最高潮!会場は観客たちの雄叫びでびりびりと震えた。 「なにやら計り知れない因縁によってこのふたりは戦わなきゃいけねーようだ! オルフェウスとタナトス、ギリシャ神話じゃタナトスの勝ちだが、果たしてリアルじゃどうなることか! まさかまさかのラウンド2!前代未聞のラウンド2!空前絶後のラウンド2!」 レバーを握る。 「レディイイイイイイイ、ゴウ!!」
https://w.atwiki.jp/govacation/pages/41.html
トリック 詳しくはゲーム内のスクールで。 乗り物の操作方法は基本操作参照。 括弧内は、数字がポイント、色がカテゴリー。 同じカテゴリーのトリックを連発するよりも違うカテゴリーのトリックを出した方がボーナスポイントが高い。 エアトリックのボーナスポイント計算式(小数点以下は切り捨て、よろけた場合は10%減、転んだ場合はボーナスなし) (トリックの合計点)×[(トリックのカテゴリー数-1)×0.5+(トリックの種類数-トリックのカテゴリー数)×0.2+(トリックを出した数-トリックの種類数)×0.05] コマンド バギー マリンバイク スノーモービル スティック横 360[10/水] 360[10/水] 360[10/水] スティック横横 720[22/水] 720[22/水] 720[22/水] スティック横横横 1080[35/水] 1080[35/水] 1080[35/水] 振り ノーハンダー[19/薄黄] ノーハンダー[19/薄黄] ノーハンダー[19/薄黄] 縦逆振り スーパーマン[19/橙] ノーハンダー[19/薄黄] スーパーマン[19/橙] 横逆振り ナッシング[19/薄緑] ナッシング[19/薄緑] ナッシング[19/薄緑] 十字キー上+振り フロントフリップ[25/紫] フロントフリップ[25/紫] フロントフリップ[25/紫] 十字キー下+振り バックフリップ[25/紫] バックフリップ[25/紫] バックフリップ[25/紫] 十字キー左+振り バックフリップ[25/紫] サイドフリップ[25/紫] バックフリップ[25/紫] 十字キー右+振り フロントフリップ[25/紫] サイドフリップ[25/紫] フロントフリップ[25/紫] Z+十字キー上+振り Wフロントフリップ[38/紫] Wフロントフリップ[38/紫] Wフロントフリップ[38/紫] Z+十字キー下+振り Wバックフリップ[38/紫] Wバックフリップ[38/紫] Wバックフリップ[38/紫] Z+十字キー左+振り Wバックフリップ[38/紫] Wサイドフリップ[38/紫] Wバックフリップ[38/紫] Z+十字キー右+振り Wフロントフリップ[38/紫] Wサイドフリップ[38/紫] Wフロントフリップ[38/紫] C+十字キー上+振り ヘリコプター[40/青] ヘリコプター[40/青] ヘリコプター[40/青] C+十字キー下+振り サンダーボルト[40/青] サンダーボルト[40/青] サンダーボルト[40/青] C+十字キー左+振り レイジーボーイ[40/青] サンダーボルト[40/青] レイジーボーイ[40/青] C+十字キー右+振り クリフハンガー[40/青] ヘリコプター[40/青] クリフハンガー[40/青] C+Z+振り ワールドエンド[45/黄] フル・オブ・ホープ[45/黄] モンキーロール[45/黄] コマンド サーフィン A+B グラブ(右手)[2~/緑] C+Z グラブ(左手)[2~/緑] スティック横 360[10/水] スティック横横 720[22/水] スティック横横横 1080[35/水] 十字キー上+振り フロントフリップ[25/紫] 十字キー下+振り バックフリップ[25/紫] 十字キー左+振り バックフリップ[25/紫] 十字キー右+振り フロントフリップ[25/紫] C+十字キー上+振り ウィンドミル[40/青] C+十字キー下+振り ロデオフリップ[40/桃] C+十字キー左+振り ロデオフリップ[40/桃] C+十字キー右+振り ウィンドミル[40/青] (ロングボード+波乗り)+スティック上 ハングファイブ[0/黄緑] (ロングボード+波乗り)+スティック上+十字キー上 ハングテン[0/黄緑] コマンド インラインスケート スケートボード スキー スノーボード A+B グラブ(右手)[2~/緑] グラブ(右手)[2~/緑] グラブ(右手)[2~/緑] グラブ(右手)[2~/緑] C+Z グラブ(左手)[2~/緑] グラブ(左手)[2~/緑] グラブ(左手)[2~/緑] グラブ(左手)[2~/緑] スティック上 180[5/水] 180[5/水] 180[5/水] 180[5/水] スティック横 360[10/水] 360[10/水] 360[10/水] 360[10/水] スティック横上 540[17/水] 540[17/水] 540[17/水] 540[17/水] スティック横横 720[22/水] 720[22/水] 720[22/水] 720[22/水] スティック横横上 900[30/水] 900[30/水] 900[30/水] 900[30/水] スティック横横横 1080[35/水] 1080[35/水] 1080[35/水] 1080[35/水] スティック横横横上 1260[45/水] 1260[45/水] 1260[45/水] 1260[45/水] 縦振り - - コザック[19/薄黄] スティフィ[19/薄黄] 縦逆振り - - ダフィー[19/薄緑] トゥイーク[19/薄緑] 横振り - - ツイスター[19/薄青] シフティ[19/薄青] 横逆振り - - スプレッドイーグル[19/橙] ワンフット[19/橙] 十字キー上+振り フロントフリップ[25/紫] フロントフリップ[25/紫] フロントフリップ[25/紫] フロントフリップ[25/紫] 十字キー下+振り バックフリップ[25/紫] バックフリップ[25/紫] バックフリップ[25/紫] バックフリップ[25/紫] 十字キー左+振り フラットスピン360[25/薄緑] F/S360ヒール[25/薄緑] サイドフリップ[25/紫] サイドフリップ[25/紫] 十字キー右+振り フラットスピン540[25/薄緑] B/S360フリップ[25/薄緑] サイドフリップ[25/紫] サイドフリップ[25/紫] C+十字キー上+振り Wバイキングフリップ[40/青] ニンジャ[45/黄] ハリケーン[45/黄] Wマックツイスト[45/黄] C+十字キー下+振り カザグルマ[45/黄] ニンジャ[45/黄] ハリケーン[45/黄] Wマックツイスト[45/黄] C+十字キー左+振り コークスクリュー[40/桃] コークスクリュー[40/桃] コークスクリュー[40/桃] コークスクリュー[40/桃] C+十字キー右+振り マックツイスト[40/桃] キリストエアー[40/青] ロデオ[40/桃] ロデオ540[40/桃] (地上)+C+スティック上 - ノーズマニュアル[1~/黄土] - - (地上)+C+スティック下 - テールマニュアル[1~/黄土] - - (地上)+B+十字キー左+振り - ヒールフリップ[3/黄土] - - (地上)+B+十字キー右+振り - 360キックフリップ[3/黄土] - - (レール1本目) レギュラーグラインド[5~/黄緑] グラインド[5~/黄緑] レールスライド[10~/黄緑] レールスライド[10~/黄緑] (レール2本目) レギュラーグラインド[10~/黄緑] グラインド[10~/黄緑] レールスライド[20~/黄緑] レールスライド[20~/黄緑] (レール3本目以降) レギュラーグラインド[20~/黄緑] グラインド[20~/黄緑] レールスライド[30~/黄緑] レールスライド[30~/黄緑] (レール)+スティック上 ソウルグラインド[1~/黄緑] - - - レールの途中で別のトリックを出し同じレールでレギュラーグラインドかグラインドを再開した場合のポイントは1~。 レールスライドの場合は同じレールであっても次のレールに移ったものとして扱われる。 スケートボードは垂直方向からレールに乗るとグラインドではなくボードスライドになる。 ポイントはグラインドと同じ。 ノーズマニュアルとテールマニュアルとレール系トリックはエアトリックに組み込むことができない。 エアトリック後にレールに乗った場合はその時点でボーナスポイントが清算される。 レールからジャンプしてエアトリックを出した場合もレール系トリックがエアトリックのボーナスポイントに影響することはない。
https://w.atwiki.jp/skate2/pages/24.html
Careerミッション攻略 Careerモードの中でも特に、多くの人が悩みそうなチャレンジのみを解説。 The Skateboard Mag(13)Lens Flare Who Lives here? Thrasher(17)Dunk Slam (バスケットゴールにハンドプラントするチャレンジ) Like, skate...whatevs The Skateboard Mag(13) Lens Flare 日本語版だと「ハバの上でグラインドしろ」としか表示されないが、ここでの正式な課題は 「ハバの上でグラインドとスライドをキメろ」なので間違えないように。 グラインドとスライドの明確な違い、グラインド中に右スティックを操作することによって スライドトリックへ変化することなどを覚えるのに最適なチャレンジと言える。 レッジに飛び乗りにくい人は近くにあるベンチを利用するといいだろう。 Who Lives here? 着地地点の左側にキッカーがあるので、それを動かして使う。 キッカーの傾斜部分に軟着陸すればクリア。 Thrasher(17) Dunk Slam (バスケットゴールにハンドプラントするチャレンジ) 超重要メモ 「オーリー禁止」 1.バックボードの少し前くらいにランプを設置 2・初期マーカーだと助走が足らないのでトンネルの前くらいにマーカーを置く 3.ランプまでプッシュ押しっぱなしでダッシュ 4.ランプに乗る瞬間に左スティックを上に押し込む 5.右スティックは放置してそのまま上に跳ぶ 6.ランプを過ぎたらRB連打 運がよければハンドプラント成功 (稀にハンドプラントが見えなくても成功することがある) 正攻法は大体こんな感じ。 見た目が悪いかもしれないがクリアするだけならこれが簡単。 http //jp.youtube.com/watch?v=qmJ4P_5dAbE Like, skate...whatevs 「Skate therampsand therail」は「ふたつのランプとひとつのレールを滑れ」の意。 スタート地点の前方右奥にランプふたつと、花壇の脇にレールが左右それぞれ1本ずつ置いてある。 ふたつのランプでひとつのレールを挟むように配置して滑ればクリア。
https://w.atwiki.jp/indokun/pages/12.html
インドって何してるの? 自由な事してるよ? バーチャルだけでなく、リアルでも遊びまくり。 オフ会なんていつでもどこでも明日でも超緊急オフまみれ!! それでも自由に楽しんでおります。 ↓TSが盛況な状態 ※TS=インドはTS(TeamSpeak3)を使用しておしゃべりしております。
https://w.atwiki.jp/sousakurobo/pages/1247.html
「レディイイイ、ゴウ!!」 口だけ男の号令とともにマコトは手にしたICカードをスロットに挿れる。 画面の中央に「loadig___Orpheus s harp」の表示が出た数秒後、表示は消え、代わりに大きなノイズが画面に走る。 「さぁさついにチートを使ったオルフェウス!その効果は果たしてぇ!?」 画面が砂嵐で覆い尽くされる、ミコト・イナバは画面をゆったりと眺めつつ呟く。 「……神話にて、オルフェウスは竪琴の音色により種々の困難を退けた。ケルベロスを眠らせ、ハデスの心を鎮めた……」 画面が晴れるーーすると、彼女は満足そうに頷いた。 「……よし、やっぱり完璧」 画面には、タナトスのチート『タルタロス』によって変化したあの異界ではなく、 その前の『東京』ステージが映されていた。また、タナトスの機体もあの死神の姿ではなく、 普通のライフル装備の高機動型に戻っている。それだけではない、 マコトとタナトスふたりの機体ステータスとフィールド上の位置もまたゲーム開始時の万全な状態に戻っていた。 「おやおや、こいつはどうしたことだ?タナトスのチートが打ち消されちまっているぜ!」 「『オルフェウスの竪琴』は」 ミコトが解説する。 「相手のチートによって改変されたプログラムを修正し、チート使用前の状態に戻すカードだ。 『相手と対等な条件で戦いたい』という彼の願いを反映させたものだよ。なぁ、オルフェウス?」 「ああ、完璧な出来だ。」 マコトはステータスを確認した。彼女の言うとおり、ステータスはタナトスがチートを使用する直前のものに 戻っている。 マコトが今いるのは東京タワーの展望台よりやや上空で、目の前にはタナトスの高機動型がタワー北側を バックに浮かんでいる。 唇を舐めた。 両機は空中で睨み合っている。 マコトはこの戦いを『実質的な勝者が勝つ戦い』だと理解していた。 つまり、たとえゲームで勝ったとしてもその直後に警察に逮捕されたり、観客にリンチされてしまったら意味がない。 重要なのは、自分がどのような結末を望むかだ。 俺が望む結末はーー『このゲームに勝ち』『タルタロスを壊滅させる』こと。だったが、 タナトスがイナバさんだと分かってからは、それが微妙に変わってきている。 すなわち、『このゲームに勝ち』『イナバさんを逮捕して』『タルタロスを壊滅させる』ことだ。 たしかにイナバさんはユウスケを殺した仇だ。そのことを思えば今でも凶暴な衝動が胸の奥にチラつくが、 イナバさんを失うのも、俺は嫌だ。 マコトは自分の気持ちに気づいていた。 イナバさんは……大切な人だ。あの女の子が撃ち殺されて、激昂して、やっとそのことを自覚できた。 だから、然るべき方法できっちりと罪を償ってほしい。 しかしそうなってくると今度はゲームで勝利していいものか判断がつかなくなってくる。 マコトの勝利はミコトの死に繋がる可能性が高いからだ。かといって、敗北は普通に自分の身が危ない。 ベストの結末はーー 「ーー『引き分け』、かな?」 はっとして視線を上げる。言葉を発したのはイナバだった。マコトからは直接には見えないが、 会場のモニター越しに彼女がにこにことしているのが判った。 「君が望むのならば、そうしてもいいけれど、どうする?」 その表情を見て、マコトはかぶりを振る。 「何のことかわからないな」 ーーダメだ。ここで彼女の中のタナトスを完膚なきまでに叩きのめさなければ、 あの人の呪われた魂はタルタロスから永遠に解放されない。 しかしだからといって、彼女を殺すのは…… そのときだった。 「オルフェウス!」 檻の向こう、タナトスがわから飛んできた声がマコトを貫いた。 マコトは視線を送らずともその声の主が判った。 アヤカ・コンドウは腕を組んでマコトをただ見ている。その目のなんと冷たく鋭いことか。 だが今のマコトにはそれが何よりも頼もしく感じた。 ーーそうだ、俺にはコンドウさんがついている。 タナトスへの復讐を目的とする彼女なら、わざわざミコトの身を 観客たちに与えるなんてことはしないはずだーーそう信じて、口元をかたく結ぶ。 軽く頷いて、あらためて画面の中の敵機体を睨んだ。 東京タワーの紅白の鉄骨を背にふわふわとホバリングしている高機動型には自分から動く気配は無い。 カウンタータイプなのだろうか。 マコトは自機のスラスターの状態を確認した。……いける。 長い呼吸――直後。 「じゃあ、いくぜ!」 マコトは叫んで、ライフルを乱射した。タナトスは最小限の動きでそれを地面に向かうように避け、 機械振興会館の屋上を足で蹴り、下方からマコトを狙った。 人型兵器にとって、真下と真上はどうしようもない死角だ。マコトは空中で機体の足を振り上げ、 スラスターを吹かし、機体の前面をタナトスに向けるように機体を空中で回転させた。 だがそうした瞬間にはタナトスはすでにそこには居らず、高機動型の最大の武器である空中での急激な 方向転換を行なって、マコトの側面でほぼ同高度のあたりまで近づいていた。 マコトは気づいて対応しようとするが、鈍重な重装型では間に合わない。0.2秒で腹をくくって、 思い切りスラスターの炎を上方に向けて吹かす。マコトは道路にボディプレスをするかたちになった。 しかしそのまま止まるわけにもいかない。マコトの機体は道路に沿って、 胸の装甲でアスファルトをえぐりながら少し飛び、 背面からのタナトスの射撃が一瞬途切れた隙をみて左腕に握った銃の台尻で地面を叩き、 再び浮き上がる、と同時に機体をねじって方向転換も行う。だが振り向いた先にタナトスはいない……。 ――突如襲う、左半身が削がれる錯覚。 初めて経験する絶対零度の感覚にマコトは思わず小さな叫び声をあげ、 めちゃめちゃに銃を振り回して、結果近くの建物に墜落することになった。 衝撃と共にHPゲージがわずかに削れ、瓦礫と埃で視界が埋まる。 しかしそんなことはもうマコトは気にしてはいなくて、その目は目の前に着地した死神の姿を見ていた。 「……君も感じた?」 タナトスが語りかけてくる。その機体は普通の高機動型なのに纏う雰囲気はさっきの死神姿よりも ずっと恐ろしいものだ。 「あれが『死』だよ。」 冷や汗が全身から吹き出ている。 「どんなに忘れていても、どんなに望まなくても、確実にやってきて、全てを、本当に全てを一掃する。 ……しかもそれはいつだって私たちのそばにいるんだ。」 寒くもないのに奥歯が鳴る。 「怖い?」 するとタナトスは小鳥のように可愛らしく笑った。 「当たり前だよね、生きているんだから。」 彼女はあご先に指をやり、小さく首をかしげる。 「でもじゃあたとえば自殺する人とかはなんで死を望むんだろう? どうして殺し合いは無くならないんだろう? エロスはどうしてタナトスに敗北するのだろう? 私たちの社会、倫理、道徳は『生』を尊重する方向に動いているのに。」 タナトスは思考する。 「私は解を『理由』に求めた。 自分を含めた誰かを殺すには多くの場合理由があるけれど、 なにか理由があって生まれてきた人間なんていないのだからね。 だから逆に言ってしまえば」 イナバは胸に手をあて、優しくほほえむ。 「『生の理由』さえあれば、自らタナトスに敗北する人はいなくなるんじゃないかーーそう思ったんだよ。」 「そのために……」 搾り出すような、マコトの声。 「そんなことのために、何人殺した……何人殺した!!」 「『お前は今までに食べたパンの枚数を覚えているのか?』ってね。 人数は問題じゃない。重要なのは、答えが出るか、出ないか。」 「そんなこと……!もっとほかに方法があったはず……!」 「ならばそれを私に示して。実際的な経験に基づかない理論なんて、妄想と大差無いよ。」 「だけど、そのために、ユウスケは死んだんだ!」 「何度も同じことを――」 その瞬間、冷徹な調子を崩さなかったタナトスの声に苛立ちが透ける。 「――言わせるな!」 タナトスがマコトに銃を向ける。マコトは反射的に足下のペダルを踏み込んで、 大地を蹴り、タナトスに突進した。 (このまま体当たりをーー!) だがマコトがそう思った直後、突進した先にタナトスは居らず、真横に気配を感じて、 マコトはとっさに防御姿勢をとりながら足を止めた。アスファルトが爪先で引き剥がされ、破片がはじける。 気配を感じた方にカメラを向けると、そこには果たしてタナトスが銃も構えず棒立ちでいた。 しかし不可解だ。あいつはたしかに今まで自分の目の前にいたはずなのに…… 口だけ男がわめく―― 「惚れ惚れするほどの回避テクニックだタナトスぅ! オルフェウスの突進を余裕で避ける様はまるでマタドール! 完全に相手を手玉にとってやがるぜ!」 その実況を聞いて、タナトスは物憂げに少し息を吐く。 「弱い……ね。」 マコトには画面の向うにタナトスの顔が見えるようだった。 「もう少しマシだと……そう思ってたのにな……」 それは心からの失望だった。 貶しているわけでも、挑発でもない、ただの落胆だった。 マコトはますます神経を逆なでされて、後先を考えずにライフルを向ける。だが同じだった。 やはり銃を向けたときにはその先にタナトスは居らず、まるで全然違う方向の、 マコトの死角に潜り込んでいるのだ。 その『こちらの動きが予め分かっている』としか思えない軌道にマコトは驚愕し、また焦る。 「これで3回。」 タナトスの静かな通告。 「私が君を殺せたチャンス……これで3回目。」 にわかに背筋が寒くなる。 まさかタナトスはあえて撃たずにいたのか。 「普通のアクションゲームだったら、これでゲームオーバーだよ。コンテニューする?」 「コンテニュー……?」 「君が納得するまでいくらでも圧倒してあげるよ、ここまで付き合ってくれたお礼に。」 「……ざけんなっ!」 マコトが乾いた声の恫喝もタナトスには意味がなく、彼女はゆっくりと目を伏せるだけだった。 「オルフェウスはタナトスに手も足も出やしねぇ! やはりタナトスは頂点だ! いったいどういうカラクリかは知らねーが、タナトスはオルフェウスの動きを完璧に読み切ってやがる!」 実況を聞いてマコトははっとした。 カラクリ――そう、『カラクリ』だ。 いくらなんでもこれはおかしい。 こちらのアクションを一から十まで読み切っているなんて……それには必ずタネがあるはずだ。 そして恐らく、タナトスの強さの秘密もそこにある。 それさえ暴ければ……! マコトの胸に闘志がちらついた。 「それで、どうするの? コンテニューする?」 退屈そうにタナトスが問いかけてくる。 「……コンテニュー、する。」 マコトはせいいっぱいにその闘志を見せないように、そう答えた。 まだ、なるべく惨めに、なるべく情けなく抵抗するように装っていたほうが都合がいいだろう。 観客たちがあからさまな嘲笑をあびせてくる。耳に直接汚物をぶつけられるような笑い声を、 マコトは下唇を噛んで耐えた。 「じゃあ逃げて。」 無感情にそう言われて、また頭に血がのぼりそうになったが、 マコトはなんとか踏みとどまる。テスターの言葉がちらついた――『当たり前』を、『当たり前』に――そうだ。 その言葉がマコトの脳に絡みついた余計なものを削ぎ落としていく。 視界がクリアになっていくような気がした。 そうだ、俺は何をごちゃごちゃと余計なことを考えていたんだ。 結局いつも通りじゃないか。 勝てばいいんだ。クールな頭で、そのためにだけ思考すればいいんだ。それが『当たり前』だ。 もうタナトスの言葉には耳を貸すな。あれはノイズだ。観客の反応を窺うな。あれもノイズだ。 実況もいらない。なにもかも、ノイズだ。 勝負のあとのことはそのときに考えればいい。 今は目の前の敵を倒すことだけを! マコトは機体を敵に向け、右腕の大剣を盾のようにかまえた。 視界の右半分が大剣の影に隠れる。そしてまた突進した。 当然手応えは無いが、それはマコトの予想どおり。機体を捻りつつ、 自分で作った死角――自機の右側に向けて薙ぐように銃を乱射する。居るはずだ、そこに―― だが 「どこに向けて撃っているの?」 敵の声が聞こえて、反射的に機体をターンさせた。 レーダーを見ると、光点は自分を含めてひとつしか無い――真上か!デタラメに乱射する。 敵はしかし余裕たっぷりにそれを避けて、落下方向にスラスターをふかしつつ、 腰の高熱ナタを抜いてマコトに迫った。 マコトは大剣をそちらに向けて、刃で刃を弾く。敵は少し距離をとってから着地した。 足下の乗用車が踏み潰されてひしゃげる。 そんな――意外だった。 マコトは今、自分でわざと死角を作り、そこに敵を誘い込むつもりだった。 だが敵はそれを察知してマコトの真上に飛び、真下に向けて攻撃をした。 真上と真下は、人型兵器のどうしようもない死角――一番攻撃し辛く、一番攻撃を受け易い位置だ。 まさか自分からそこに飛び込んでくるなんて。これも敵の自信のあらわれだろうか……? ――いや違う。敵は、『俺が真上には注意を払っていない』ことを完璧に見抜いていたんだ。 ――なぜ見抜かれた? まだ答えはわからない。答えを得るためには、とにかく戦うことだ! マコトはライフルを撃つ。敵はまた例によって銃口の先から消えていて、 マコトをあざ笑うようにそばの建物の屋上から、マコトの銃をうち落とした。 すぐそばに転がったそれを素早く拾うが、顔を上げた瞬間に、 目の前に高熱ナタの切っ先を突きつけられる。 「はい5回目の死亡。あと1回で2度目のコンテニューだよ。」 話を聞かずにマコトは飛びのき、そのままスラスターを点火して上空に逃げる。 まただ。 また、銃を向けたときには敵は既にそこにいない。まるで、一瞬先の未来が分かっているみたいに。 ――そうか――!! マコトは閃いた。もしかしたら、これがトリック――! マコトはほんの少しだけ北に飛び、すぐ近くにあったサッカー場に着地する。 足の側面で土煙をあげながら転回し、敵を見据えた。 俺の考えが正しければ……! マコトは前方に着地しようとする敵に銃を向ける。が、発砲はしなかった。 にも関わらず敵は銃の射線上から外れるような動きを着地後に一瞬見せて、それから停止した。 やっぱりそうか。 少し安堵するマコト。 敵はこちらの行動を100%完璧に読み切っているわけじゃない。撃つつもりがない銃を避けたのがその証拠だ。 だがそれは裏を返せば、マコト機の四肢の動きだけなら、かなり正確に見抜かれているということでもある。 そのトリックは恐らく―― 「コラージュ!」 だしぬけにマコトは叫んだ。 タナトスがいぶかしげに動きを止める。 会場にコラージュの返事がスピーカーから流れてきた。 「なんだい?」 「ゲームを止めろ!」 「なんだって?」 意外そうな声だった。マコトは続ける。 「このゲーム機は故障している!」 「な、なんだってー!」 どことなくわざとらしい反応。マコトの胸に影がよぎる、がかまわずなおも声を張り上げる。 「ラグだ、データ通信に致命的なラグが発生してる!これじゃあダメだ、八百長も同然だ!」 マコトは考えをぶちまけた。 タナトスがこちらの攻撃を避けているのではなく、マコトがタナトスの居ない場所に攻撃をしていたのだ。 データ通信にラグか発生していることを知らなければ、相手が居るように見える位置と、 実際に居る位置がズレているのだから当然攻撃は当たらない。対してラグの存在を知っていれば、 相手の行動を先読みした位置に射撃すれば普通に攻撃は当たる。 このラグが作為的なものか、そうでないのかはわからないが、 少なくとも前回の『ケルベロス』戦まではそんかラグは無かった(はず)のだから、 これを理由にゲームを止められれば、一番円満に解決できるかもしれない、とマコトは思ったのだった。 しかし、そんな希望はやすやすと打ち砕かれた。 「本当なのかキバヤシ!」 コラージュのわざとらしく切迫した声。タナトスは軽く手を上げてそれを制した。 「なるほど、ラグか。チートで随分とプログラムをいじくったからな、 発生してもおかしくはないかもしれないな。」 マコトは素早く視線を巡らせ、アヤカを探した、が、見つからない。 「だがアマギ君、周りを見てみろ。」 言われてマコトは気づいた。 会場には先程まで満ち満ちていた熱気は無く、笑いまじりの、呆れたように緩い空気が漂っていた。 その雰囲気はまるで命のやりとりを行う場のものではなく、マコトは困惑する。 「わけを教えてやろうか。」 タナトスが言う。 「私と戦った相手は、皆例外無く君と同じことを言い出すからだ。」 その言葉を聞いて、マコトは深く暗い穴に突き落とされたような気分になった。 次の瞬間、マコトを襲う、先程よりもはるかに強い嘲笑の嵐。 「大マヌケ! グズ! 知ったかぶり! 鬼の首をとったようにほざきやがって! 弱い頭を働かせても無駄なんだよ! ラグってんのはテメーのおつむさ! 生きる公害め! さっさと殺されちまえ! あの世でオカマの恋人が待ってるぜ!」 口だけ男すらもそう嘲笑った。 マコトはショックで何も言えない。そんな様子を見てタナトスが言った。 「なに、落ち込むことはない。その答えは当然だ。ああも動きを読み切られていたら、私だってラグを疑う。しかし」 肩をすくめるタナトス。 「ラグなんてものはここにはないさ。あったとしても0.01秒以下のごくわずかなものだよ。 なんなら、席を交換してやろうか」 「そんな……」 「せっかくだから、種明かしもしよう」 マコトにそう聞かせるタナトスの声は至極優しい。 「トリックはふたつある。」 まだタルタロスは鎮まらない。恐らくこの説明も初めてではないのだ。 「ひとつは『予備動作』だ。このゲームには、ごくわずかだが機体が何かアクションをする直前に予備動作がある。 ある程度経験を積めば、その予備動作から相手が何をしようとしているかはだいたい予測がつく。」 その程度なら俺だって少しはできる、とマコトは思った。同時に、きっとその精度が段違いなのだろうな、とも。 「ふたつめは……これだ。」 タナトスは手をまた操作レバーに添える。何をするつもりかとマコトも身構えた。が、次の瞬間―― 離れた場所に立っていたはずのタナトスの機体は、マコトに肉薄していた! 驚いて思わず声をあげてしまった。それほどに突然だった。 タナトスはしかしそれ以上は何もしない。ただマコトの眼前で佇んでいる。 彼女はあえて手を出さないでいるのだ。 「今の、見えなかっただろう。」 マコトは頷くしかない。 「相手の意識の隙を付いた挙動、これが、ふたつめ。」 「俺は今、一瞬も目を離さなかった……!」 「でも、身構えた。」 タナトスはふふと嗤う―― マコトは飛び退いて、銃を構えた。 だが、また。 気づかない内に傍らに立っていたタナトスにマコトはまた飛び退きそうになったが、 タナトスに攻撃の気配がないことにも同時に気づき、すんでのところで踏みとどまる。 「ヒトの意識というものは!」 タナトスの声。 「ビデオテープのように一分の隙間も無く続いているものではない。 動作Aから動作Bへ移行する間には、どうしようもなく、脳が周囲の警戒を怠る瞬間があるのだ! それは日常生活では意識もされないごくごく短い間だが、その隙間に起こった出来事を脳は知覚しない! 君は後ろから呼び止められて振り向くときに、その振り向く間に目にした周囲の光景を少しも覚えていないだろう? 例えば銃を下ろした状態からそれを構えるときにも、 銃を持ち上げるまさにその瞬間には、脳がそれに夢中になってしまう。 その何分の1秒の間を的確に突けば、相手には敵が瞬間移動したようにしか見えない! 私が練り上げた理論を、先程説明した予備動作による予測と合わせれば、 無敵のメソッドが完成する……それが、『擬似ギフテッド理論』。」 「『擬似ギフテッド理論』……?」 「つまり、『君が私に勝てない理由』。」 タナトスはそこで少し息を吐く。 「それで、諦めはついた?」 「……え」 「まだ私との実力差がわからないのかな?」 イナバの言葉からは、彼女がこの勝負を続けることにもはや1ミリの興味もないことがヒシヒシと伝わってくる。 「……どうしろってんだよ……」 マコトにはもう、どうすればいいのかわからなかった。
https://w.atwiki.jp/skate2/pages/22.html
Team Film Challenge 契約したデッキスポンサーとトラック/ウィールスポンサーから各6つ出題される。 携帯電話から実行した時点でチャレンジ開始となるので 課題をクリアするのに適当な場所で実行しないと無駄になってしまう点に注意。 Head Hunter Air over a San Van ped 通行人の頭上を飛び越えろ ベンチに座っている人も通行人に含まれる。 段差の壁際にあるベンチに座ってる人を見つけたら、段差の上から越えるだけでクリア。 プープ・デッキ・プール周囲のベンチは通行人が頻繁に座っていて利用しやすい。 Grindy McGrindage Do a 75.0 ft grind 1回で75ftグラインドしろ ザ・ボーンヤード入り口近くにある100ft級のレールを使えば楽勝。 Air Blaow! 540 tweaked grab 360 fliptrick 720 anything ハーフパイプ向けのチャレンジ。tweakedは「ヒネリを加えた」の意。 一度のエアにすべて取り入れてもOKなので、フリップ+720+ヒネリ+グラブで一発クリアも可能。 Streety McStreet Skater Flip to grind to flip フリップ→グラインド→フリップ nose manny to fliptrick to manny ノーズマニュアル→フリップ→マニュアル grind to slide 5-0グラインド→スライド グラインドはトラック部分で、スライドはデッキ部分で滑るトリックの総称。 グラインド中にRスティックを操作することでスライドに移行できる。 Flipping 1 footers! Do a One-Foot Bodyflip ワンフットボディフリップをキメる ワンフットはワンフットエアー(空中でデッキから片足を浮かすトリック)、ボディフリップは縦回転系トリックの総称。 つまり空中で縦回転しつつ片足どちらかを浮かしたあと、無事着地できれば成功となる。 ボディフリップにはグラブも必要なので操作が忙しくなるが、慣れれば通常のハーフパイプなどでもできるようになるだろう。 Grab Blaster Do 5 different Tweaked Grabs 5種類の異なるヒネリ入りのグラブをキメる 同じグラブでも手を左右変えれば別のトリックとしてカウントされる。 Skating s about Cars Do a fliptrick over some traffic 自動車の上をフリップで飛び越えろ 道路に障害物を置けば渋滞を起こすことができる。障害物で止まっている自動車を飛び越えればクリア。 Dumpster Hucker Air over 3 Dumpsters 3つのDumpsterを飛び越えろ Dumpster(緑色の大きなダストボックス)が3つ必要。1つのDumpsterを3回超えてもカウントされない。 G.E.D.高校のバスケットボールのコート周辺に4つある(小さな建物の裏に2つ、プール脇に2つ)。 手頃なランプも近くにあるので、コートとプールの間にある高低差を利用してDumpsterを配置し コートの北側にある階段脇の斜面を利用して加速すればクリアできる。 勘違いしがちだが、一度のエアで3つすべてをクリアする必要はない。 Line Em Up Grind 3 Picnic Tables ピクニックテーブル3つでグラインドしろ 青いピクニックテーブルが3つ必要。 G.E.D.高校のバスケットボールのコート周辺に行けば必要な数を見つけることができる。 片足のないピクニックテーブルでもOK。 Air Kills Do a Bodyflip ボディフリップをキメろ Quad Kickflip クアッド・キックフリップをキメろ LateFlip and FingerFlip 一回のエアでLateFlipとFingerFlipをキメる 制限時間が短く、どのトリックもある程度高さが必要なのでハーフパイプ推奨。 メガコンパウンドにある細いトンネルとつながったハーフパイプは初期加速をつけやすい。 Inversion Conversion Do 4 different handplants 4種類の異なるハンドプラントをキメろ