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「起きなさい!」 「うわあ!」 後から思い出すと、凄く情けない声だと思ったけど、せっかくゆっくり休んでたところを唐突に起こされたら、きっと誰でも多少はこんな声が出てしまうと思う。だから別にこれは僕のせいじゃないんだ。 眠い目を擦りながら僕は昨日干したばかりの布団ごと上半身を起こすと、肩を激しく揺さぶられて一瞬で意識が戻る。 で、鼻先が触れ合うくらいのところに委員長の顔があって、僕はまた「あうあ!」って変な声を出してしまう。 最近思ったんだけど、委員長って冷静なときはもちろん凄く冷静だけど、何か思い込んだりやらなきゃいけないことを見つけたらのめり込んで周りが見えなくなるタイプなのかも。後、あまり僕を男として認識してない気がする。もうちょっと考えて欲しいかな、いろいろと。 ふんわりと、優しい香りがして再び少しだけ呆けていたら、 「向井君!」 「は、はは、はい、御免なさい、御免なさい!」 もう何が何だか分からなくなって、とりあえず謝ってみる。何も悪いことをした覚えはないけど、こんなに掴みかかってくるくらいなんだから、きっと何かしたんだ。 「何で謝ってるの」 「えっと…………なんでだろ」 素直に言うと、むしろ僕の方が「何で?」って聞きたい。「何でそんなに慌ててるの?」って。 僕の、自分で言うのもなんだけど、奇行のお陰か、委員長も一旦は落ち着きを取り戻したようだったけど、それでもまだヤジロベエみたいにふらふら と落ち着きが行ったり来たりしているみたい。肩を怒らせて僕を押し倒す勢いでベッドに膝を立ててきた。っていうか実際、僕は再びベッドで仰向けにならざる を得ないくらいに、委員長は僕に接近していた。 何というか、ここだけ見ると見る人によっては酷く誤解されそう。特に話をややこしくする同居者がこんなタイミングで現れたら―― 「あら。お楽しみタイムだったのかしら。せっかくのところ、お邪魔して悪かったわ。後は若い者に任せて、オバサンは退散……ふふふ」 ――これはきっと「ですよねー」って言うタイミングなのかも。住倉さんならやると思ってた。 「向井くん」 「……何?」 もう僕は覚悟を決め、目を伏せてから委員長の声に耳を傾ける。もうどうにでもしてください。 「ややかをあなたの隣の部屋に移動させて頂戴」 「…………え?」 ビンタとかそういう方法に来るのかと思いきや、全く別方向の申し出に僕は思わず激しく瞬きを繰り返し、それと同時に頭の中にクエスチョンマークを量産し始めた。 どういうことだろう、と頭を巡らせてみるけど分かるはずもなく、そもそもその疑問を確実かつ素早く解決する方法があるんだってことに気づいた。 「あの、どういうこと?」 「とにかく!」 「は、はい!」 疑問、解決ならず。 有無も言わせぬ委員長の言葉に、僕は激しく首を縦に振ってから慌てて部屋を飛び出し、 「……はあ」 僕、何でこんなことになってるんだろう、と委員長から伝染したみたいに溜息を漏らした。 隣の空室に置いてあった家財道具等々を僕の部屋に運び終え、やや不服そうな住倉さんと眉を吊り上げて戻す様子のない委員長の間で肩身の狭い思い をしながら、ひとまず自分の部屋に集めた。というのも、未だに委員長が僕の隣の部屋に無理やり住倉さんを引っ越しさせた理由がさっぱり見えないから。 壁際にいろいろモノを寄せてはみたものの、若干物置のようになりかけている僕の部屋の中心で、昨日委員長と勉強会をしていたテーブルを三人で囲む。委員長がまだ落ち着かないようだったから、ココアとバウムクーヘンを持ってきた。 ココアを一口飲んで、ようやく本当に落ち着きを取り戻したらしい委員長が静かに話し始めた。ここに落ち着くまで、結局30分近く掛かったわけだけど、まあ最終的に事情が聞けるだけ良かったとした方がいいかも。反論して、これ以上話がこじれたら嫌だしね。 と思っていたのに。 「……」 何故か沈黙。 「あ、あの……?」 「…………ちょっと待って。ちゃんと話してあげるから」 何かとてつもなく言いづらそうな様子。それを見て、大抵いつでも助け舟にならない助け舟が現れた。 「トイレに入っている間に、話し掛けられただけでそんなに腹を立てなくても良かったと思うのだけど」 バウムクーヘンの四分の一カットを、せっかく持ってきたフォークを無視しつつ、リスか何かみたいに両手で持ってもさもさ食べてた住倉さんがちらりと横目で委員長を見る。 あー。なんとなく今の言葉だけで、誰が原因なのかは良く分かった。 「あんなところで話し掛けられるなんてこと、普通は無いわ! それも実況中継みたいなこと!」 されたんだ。それはまあ、うん。今の状況も分かるかも。 「ま、まあ、委員長落ち着いて……」 「これが、これが落ち着いていられるわけないでしょ!」 うわ、駄目だ。完全に委員長が壊れてる。 なんだか、住倉さんがさっきの携帯での件を仕返しをしているように見えるけど、多分そうなんだと思う。 「でもトイレで話し掛けられるってどういうこと?」 トイレの扉の前に立ってた、にしては反応がおかしい気がする―― とここまで考えてすぐに「ああ、そっか」と自分で納得してしまった。 二階のトイレの隣は物置。つまりさっきまで住倉さんが住処にしていたところ。 トイレと物置の間の壁は非常に薄いから、僕も経験があるんだけど、トイレに入っているときには物置で何か探しているときにはごそごそと大きな音がする。つまり逆に、物置に居る人はトイレの中の音がほぼ筒抜けになってるってこと。 「理解したようね?」 口角をほんの少し上げる、住倉さん独特の笑い顔。 「うん」素直に答えた。「何となく想像できちゃった」 「想像しないでくれるっ!?」 僕の向かいに座っていた委員長が、ちゃぶ台返しでもするかと思ったくらいに突然上半身を起こしたから、僕はびくりとした。 「はあ……疲れた。とにかくややかは今日から隣の部屋を使いなさい」 「嫌だと言ったら?」 「あなたの親に連絡して、今すぐ引き取りに来てもらうから」 携帯を掲げる委員長。 「ぐっ、卑怯よ」 「分かった?」 「……分かったわ」 相変わらず両親が弱点な住倉さんはなんとか、しぶしぶ、一応頷いた。 そんなこんなをしているうちに夕食の時間。 食べ終わったら、お風呂。で、また委員長が僕の部屋に来て勉強会。住倉さんは僕のベッドの上で、ただ漫画を読んでいただけだったけど。 とにもかくにもようやく一日が終わった。 な、長い一日だった。ほんの二、三日前まで一人暮らしだったのに、何故か、いつの間にか、あれよあれよという間に三人共同生活になってしまったけど、何とか僕は元気です。
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術・技名 分類 武器・魔鏡 備考 グラキエイ 術技 テルミヌス 本作で新たに習得 ルケオ・ウムブラ 術技 ビュートホライゾン インケンディウム 術技 コンフィティ ビエゾの斧を呼び出して叩きつける エブリティオ・ネブラ 術技 メルトライズ 本作で新たに習得 フリギディッシムス 術技 マインドフル ゲルプレモ 術技 コルディス ヴォルラーンの剣を呼び出して斬りつける ルークオプス・コル 鏡装 内気な少女 ナザミル 本作で新たに習得秘技→ルークオプス・メルム ラグラ・クリスタィルス 報酬魔鏡 ニズを追われた少女 ディシクレアーレ・アルマ 通常魔鏡 友だちの印
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オイノプス(3) ギリシャ神話に登場するトロイア兵。 トロイア戦争でネオプトレモスに討たれた。
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ライノプス 分類:もうしんポケモン No.3-370 タイプ:かくとう/いわ 特性:チャージ(その場で動かない変化技を使った次のターン、技の優先度が+1される) いしあたま(技の反動ダメージがなくなる) HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 ライノプス 105 130 100 40 50 35 ばつぐん(4倍) --- ばつぐん(2倍) じめん/エスパー/みず/くさ/かくとう/はがね いまひとつ(1/2) あく/ノーマル/むし/どく/ほのお/いわ いまひとつ(1/4) --- こうかなし --- 技 もろはのずつき、すてみタックル、ばかぢから、まもる、こらえる、きあいだめ、きしかいせい、つのドリル その他 化石系ポケモンでサイ+トリケラトプス ドサイドンと同じ重戦車タイプです 弱点は水、草、地面、エスパー、格闘、鋼と多め… 新特性チャージは、その場で動かないタイプの変化技(まもる、みきり、きあいだめ、こらえる、位かな?) を使った場合、次のターンの技の優先度が+1となる。 流石に+2は強すぎるかと思って…ダメかしら 名前 コメント
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廉価版 EMOTION the Best うた∽かた DVD-BOX DVD-BOX発売日:2月23日 待望の最新作「キディ・ガーランド」放送記念! 大ヒットアニメ「キディ・グレイド」を手がけたクリエーター集団『gimik』による、 美少女ファンタジーがスペシャルプライスのDVD-BOXにて登場!! 鎌倉を舞台に繰り広げられる、二人の少女の夏・体験!! 2004年放送。2010年2月23日、廉価版DVD-BOX発売。 監督 後藤圭二 原作 gimik シリーズ構成 きむらひでふみ キャラクターデザイン 門之園恵美 プロップデザイン 酒井和男 サブキャラクターデザイン 伊東克修 メインアニメーター 上田幸一郎 美術監督 飯島寿治 美術設定 小林徳光 色彩設計 川上善美 CGIディレクター 武山篤 撮影監督 櫻田知之 特効 濱雄紀 編集 西山茂 音響監督 明田川仁 音響効果 今野康之 音効助手 古谷友二 録音 安齋歩 音楽 大橋恵 アニメーション制作 ハルフィルムメーカー 脚本 きむらひでふみ 絵コンテ 後藤圭二 きむらひでふみ 佐山聖子 東海林真一 玉川達文 佐藤順一 演出 後藤圭二 嵯峨敏 則座誠 ワタナベシンイチ 奥野耕太 筑紫大介 玉川達文 山名隆史 酒井和男 作画監督 門之園恵美 伊東克修 樋口靖子 村山公輔 新井俊行 上田幸一郎 渡邊由香里 永島明子 丹羽恭利 晶貴孝二 羽生貴之 古賀準二 斉藤英子 ■関連タイトル 廉価版 EMOTION the Best うた∽かた DVD-BOX サウンドトラック うた∽かた 鎌倉女子学園 SOUND MEMORY一夏 SIDE
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タテトプス No.410 タイプ1/2 いわ/はがね 特性:がんじょう 入手可能ソフト:パール 草結びの威力:80 岩鋼 HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 タテトプス 30 42 118 42 88 30 ココドラ 50 70 100 40 40 30 ばつぐん(4倍) かくとう/じめん ばつぐん(2倍) みず いまひとつ(1/2) こおり/エスパー/むし/いわ/ゴースト/ドラゴン/あく いまひとつ(1/4) ノーマル/ひこう こうかなし どく 総合の耐久力はかなり高い。 タテトプス 覚える技レベルアップ わざマシン タマゴわざ おしえわざ 外部リンク 覚える技 レベルアップ DS 技 威 命 タイプ 分類 PP 1 たいあたり 35 95 ノーマル 物理 35 1 まもる - - ノーマル 変化 10 6 ちょうはつ - 100 あく 変化 20 10 きんぞくおん - 85 はがね 変化 40 15 とっしん 90 85 ノーマル 物理 20 19 てっぺき - - はがね 変化 15 24 いばる - 90 ノーマル 変化 15 28 げんしのちから 60 100 いわ 特殊 5 33 こらえる - - ノーマル 変化 10 37 メタルバースト - 100 はがね 物理 10 43 アイアンヘッド 80 100 はがね 物理 15 わざマシン マシン 技 威 命 タイプ 分類 PP 技05 ほえる - 100 ノーマル 変化 20 技06 どくどく - 85 どく 変化 10 技10 めざめるパワー - 100 ノーマル 特殊 15 技11 にほんばれ - - ほのお 変化 5 技12 ちょうはつ - 100 あく 変化 20 技13 れいとうビーム 95 100 こおり 特殊 10 技14 ふぶき 120 70 こおり 特殊 5 技17 まもる - - ノーマル 変化 10 技18 あまごい - - みず 変化 5 技21 やつあたり - 100 ノーマル 物理 20 技23 アイアンテール 100 75 はがね 物理 15 技24 10まんボルト 95 100 でんき 特殊 15 技25 かみなり 120 70 でんき 特殊 10 技26 じしん 100 100 じめん 物理 10 技27 おんがえし - 100 ノーマル 物理 20 技28 あなをほる 80 100 じめん 物理 10 技32 かげぶんしん - - ノーマル 変化 15 技34 でんげきは 60 - でんき 特殊 20 技35 かえんほうしゃ 95 100 ほのお 特殊 15 技37 すなあらし - - いわ 変化 10 技38 だいもんじ 120 85 ほのお 特殊 5 技39 がんせきふうじ 50 80 いわ 物理 10 技41 いちゃもん - 100 あく 変化 15 技42 からげんき 70 100 ノーマル 物理 20 技43 ひみつのちから 70 100 ノーマル 物理 20 技44 ねむる - - エスパー 変化 10 技45 メロメロ - 100 ノーマル 変化 15 技58 こらえる - - ノーマル 変化 10 技69 ロックカット - - いわ 変化 20 技71 ストーンエッジ 100 80 いわ 物理 5 技76 ステルスロック - - いわ 変化 20 技78 ゆうわく - 100 ノーマル 変化 20 技80 いわなだれ 75 90 いわ 物理 10 技82 ねごと - - ノーマル 変化 10 技83 しぜんのめぐみ - 100 ノーマル 物理 15 技87 いばる - 90 ノーマル 変化 15 技90 みがわり - - ノーマル 変化 10 技91 ラスターカノン 80 100 はがね 特殊 10 秘04 かいりき 80 100 ノーマル 物理 15 秘06 いわくだき 40 100 かくとう 物理 15 タマゴわざ 技 威 命 タイプ 分類 PP ずつき 70 100 ノーマル 物理 15 こわいかお - 90 ノーマル 変化 10 きあいだめ - - ノーマル 変化 30 すてみタックル 120 100 ノーマル 物理 15 ロックブラスト 25 80 いわ 物理 10 のしかかり 85 100 ノーマル 物理 15 いやなおと - 85 ノーマル 変化 40 のろい - - ??? 変化 10 じわれ - 30 じめん 物理 5 おしえわざ Pt 技 威 命 タイプ 分類 PP ○ いびき 40 100 ノーマル 特殊 15 ○ でんじふゆう - - でんき 変化 10 ○ どろかけ 20 100 じめん 特殊 10 ○ アイアンヘッド 80 100 はがね 物理 15 ○ げんしのちから 60 100 いわ 特殊 5 ○ だいちのちから 90 100 じめん 特殊 10 ○ てっぺき - - はがね 変化 15 外部リンク ポケモン対戦考察まとめWiki - トリデプス マイナーポケモン対戦考察まとめwiki - トリデプス ネタポケまとめWiki - トリデプス
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心のかたち 人のかたち ◆MUwCM75A2U 昇ったばかりの朝日が森を暖かく照らす。 どこからか、小鳥の鳴き声が聞こえてきた。この状況下じゃなければ最高の場所だ。 あたしは悠々と森を歩いていた。 勿論、無防備にぶらぶら歩くはずが無い。ナイフはいつでも取り出せる状態だった。 ウィンチェスターをあの怪物に奪われたのが残念だけど仕方が無い。 ――次に会ったとき、ぶっ殺して奪い返せばいいのだから。 ガイバーⅠを殺してやる。化け物は皆、殺してやる。 ……あたしだって、やれば出来る。 何をしてでも生き残る。加持さんと一緒にネルフへ帰るんだ。 自分は、何も出来ずに殺された奴らとは違う。 絶対に違う。 帰る場所だって、きっとある。 だから大丈夫。早く化け物どもを消し去らなくちゃ。 そんな事を考えながら、さくさくと森の道を踏みしめて歩く。ちょっと市街地から離れすぎたかもしれない。 特に目的がある訳ではなく、ただ南へ南へと歩いてきたからだ。 そろそろ引き返さないといけない。 市街地は人が多く集まる。さっきのガイバーⅠのような化け物もいるだろう。 だけど、人がいるかどうか分からない南へ向かうよりかはマシだと思った。 今直ぐに戦い直す気は無いけれど、ガイバーは北にいる。 それに、沢山ある様々な施設から有効利用できそうな物を見つけられるかもしれない。 戻らないと、と思い方向転換したとき、地面に何かが落ちているのを見つけた。 地面に突き刺さっているディスク。 鈍く光る、銀色の首輪。 そして、砕け散った槍のような物の残骸。 心臓が跳ね上がるのを感じた。 「これって……」 あの襲撃者が持っていた槍だ。 間違いない。あの緑顔が持っていた槍だった。 それが見る影もなく砕かれて転がっている。 何故こんな所に? そんなの、――決まっている。 あの緑顔も襲われて、おそらくはただならぬダメージを負った。 そして……たぶん、死んだ。 「……はは、あははははは、ははははははははははは」 乾いた笑いが口から漏れた。 武器がこんなになるのだから、本人はもう生きているはずがない。 死体が近くにないからどこかへ逃げたのだろうか。魔法が使えるみたいだったけど死んだに違いない。 放送で呼ばれた知らない名前は二人分。日向冬樹にゼルガディス=グレイワーズ。 見たところ日本人面では無いし、そもそも人外だからあいつの名前はゼルガディスと言うのだろう。 あいつは死んだ。 直接確認していないけど断言できる。 化け物だから、死んだんだ。 モッチーだって、好戦的では無く危険でも無いが人間じゃなかった。 仕方ないさ、化け物なんだから。 「化け物と会話しようとしたのが間違いだった」って考えていたけど頭の中で訂正する。 化け物は消える運命にある。 ……モッチーを惜しむ気持ちが無いわけじゃない。今まで三匹出会った化け物の中でまともなのは一匹だけ。 使徒だって化け物の中に入るからまともな奴はそうそういない。 人間が持っていない力を持つのは凄いと思うけれど、結局は消える程度の存在なんだ。 ゼルガディスとかいう奴だってガイバーⅠだって。 日向冬樹とかいう奴は人間だったのか化け物だったのか。 それは分からないけど、化け物だったら死んで当然。人間だったらその程度の存在だったということだ。 一瞬、ヴィヴィオの母親のフェイトの事が頭によぎるが振り払う。 どんな奴かは知らないしもう関係はない。忘れよう。 ……うん、そうだ。あの少女の事は忘れよう。考えれば考える程、胸にもやもやが溜まってくる。 確かに自分と似た境遇で、同情があると言えばあるけれど、……もう関係は無いんだ。 そう自分に言い聞かせる。 今はとにかく、化け物を蹴散らして生き残り、加持さんと合流することだけを考えなくちゃ。 もう一度地面を見る。 この槍はもう使えない。大体、化け物の襲撃者が使っていた槍なんか使う気すら起きない。 ……このディスクはどうしようか。 ひょっとしたら何かに使えるかもしれない。一応持って行こう。使えなかったらどこかで捨てればいいことだ。 残ったのはこの首輪。 まさか、誰かが首輪を外したのだろうか? だとしても変だ。緑顔の首輪か誰の首輪かは分からないけれど、こんな場所に放置する理由が分からない。 外した首輪を放置するなんて、他人に首輪の解除方法を無償で提供しているようなもの。 科学や――あるいは魔法――に詳しい人にヒントを与えてしまう。自分だったら他人にわざわざヒントは与えない。 そっと拾い上げてみる。特に変わったところはなさそうだった。 首輪の内側に小さな字で何かが書いてあった。 『Mocchi』 ――え? ひょっとして、これはモッチーの首輪? 何故こんな所にとか、死んだモッチーからどうやって奪ったんだろう、とか色々疑問が浮かんできた。 死体の首を切り離して手に入れたとしても、この付近にモッチーの死体は見あたらなかった。 ……考えたって分かるはずが無い。 さっきの化け物と同じ思考に行き着くのが嫌だけど、科学や何やらに詳しい人に見せれば何かが分かるかも。 そう判断して、デイパックに首輪を入れた。 他には何も落ちていない。 緑顔を襲った襲撃者は必要な分だけ持って行ったようだ。 首輪を見落としていたのは大きいと思うけど。 絶対に優勝できるから首輪の解除は必要ないと思い込んでいる奴なのか。 ほら、……あたしは『出来る子』なんだ。『要らない子』なんかじゃない。絶対に。 大丈夫。絶対に大丈夫。 自分はまだネルフに必要とされている。 さっきから同じような事を頭の中で繰り返す。 ……本当は、まだ不安だった。 もしもさっきの奴より、強い奴が襲ってきたら。 もしも、化け物同士が徒党を組んで参加者を殺し回っていたとしたら。 自分は果たして大丈夫なのだろうか? 加持さんといっしょに帰れるんだろうか? ただ不安を押し隠す為に大丈夫、大丈夫、と言い聞かせてきただけだった。 「………………っ」 僅かに手が震える。 頭を冷やす為にかぶった水のせいで、制服が張り付いて気持ち悪い。 ぐちゃぐちゃになっている右手の人差し指が気持ち悪い。 さっき指を噛んで捻ったせいか、口の中に血の味が残っていて気持ち悪い。 ざあ、と風が吹く。 ――――遠くから、血の臭いが漂ってきた。 ……臭いが気持ち悪い。吐き気がする。 ここまで臭ってくるような出血をしている参加者が森にいる。 おそらく、自分より酷い怪我をしている。あるいは……死んでいる。 本当に、気持ち悪い。 まとわりついている制服は、冷静になる為に水を掛けたからこうなった。 人差し指と口の中にある鉄の味はあの化け物のせい。 ――じゃあ、これ以上あたしに気持ち悪い思いをさせているのは誰のせい? ウザったい。 さっきとはまた違う風に胸の中が「もやもや」してきた。 誰だか知らないけど、死ぬのなら勝手に死んでくれればいいのに。 大怪我をするような状況になったのはそいつの責任だ。あたしは関係無いのに、不快にさせられている。 どこのどいつだろう。 このあたしにこんな思いをさせるなんて。 ムカツク。いらいらする。 そんな奴なんか、消えちゃえば、いいのに。 引き寄せられるようにして、ふらふらと血の臭いがする方向へと向かっていった。 ◇ すぐに、原因となる奴が見つかった。 赤い水たまり。 どこかで見たことがある焼け焦げたローブ、蒼い岩肌。 さっき見た槍の持ち主の、おそらくゼルガディスとかいう化け物だった。 否、“化け物だった”存在にすぎない。 顎から上が綺麗に潰されている。潰れたトマト、という表現がぴったりと当てはまるように思えた。 そんな表現しか出来ないのが嫌だけど、実際に見るとそうとしか見えない。 むせかえるような血の臭い。 ぐちゃぐちゃになった顔面。 火傷を負っているらしい、蒼い岩肌の手足。 胃液がこみあげてきて、吐きそうになった。 だけど、吐いたりなんかしない。 自分もこうなるかもしれない――なんていう恐怖は一切襲ってこなかった。 今のあたしを包み込んでいるのは、確信と自信。 やっぱり、この化け物は死んでいた。読みが当たった。 女子供と化け物一匹という、普通に考えれば戦力外な集団を襲ったくせに、まんまと逃げられた上にもう死んでいる。 化け物は消えるべくして消えたんだ。 当然の結果。当たり前。妥当。正論、正当。 なんだかまた笑いがこみあげてくる。 魔法って奴が使えても使えなくても所詮死ぬ存在なんだ。 死体に近づく。 もう気持ち悪くなんかない。一種の高揚感のような物だって感じている。 「馬鹿じゃないの」 襲撃したくせに逃げられて。しかももう死んでいるなんて。 死体の腕をぐりぐりと踏みつける。思ったよりも感触は硬かった。 「……あたしは人間だし、こんな風に無惨に殺されたりはしない。あんたみたいなバケモノとは違うから」 更に、強く踏む。 「バケモノなんか死ね。消えろ。それが当たり前」 今度は死体を蹴り上げる。ぴくり、と動いた気がした。 「死ね……死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねッ!」 「死ね」を呪詛のように呟きながら何回も何回も力強く蹴飛ばす。 ――あぁ、コイツはもう死んでいるか。そうだったね。 更に何回か蹴り上げた後で、よろよろと後ずさった。息が荒い。 靴の裏をその辺りにあった石になすりつける。皮膚だか血だか分からないけどナニカがくっついていそうで嫌だった。 大きく深呼吸をする。 落ち着く為に森に来た、っていうのに何やってんだか。自分が馬鹿らしく思えてきた。 でもまあ、いいや。 自信がついたし、首輪も手に入ったし、化け物が死ぬべき存在ってことも確認出来た。 最後に、思いっきり蔑みを込めた視線で死体を見下ろす。 自分は違う。 こんな風に、無惨に殺される訳がない。 勿論、化け物を弔う気などさらさら起きなかった。 だから、もうコイツに用は無い。 背中を向けて、また歩き出した。 ◇ 歩きながら、また考える。 次はどこへ向かおうか。市街地から離れるつもりはないからとりあえず戻ろう。 ……でも、全然落ち着けていないから、もうちょっとだけ森にいよう。 アイツを殺した襲撃者が近くにいるかもしれないという考えは捨てておいた。 効率よく殺し回るとしたら、北の市街地へと向かったと考えるのが妥当だろう。 真北にある施設は公民館。その付近にホテル、デパートなどがある。 もしかするとこの辺りに潜んでいるのかもしれない。 ホテル付近にガイバーとかいう奴がいたからせいぜい潰し合ってくれればいいけれど。 ……でも、こんな目に会わされたんだから次に会ったらただじゃおかない。 装備が頼りないのが事実だ。 ウィンチェスターが無い今、相手に直接ダメージを与えられるのはナイフだけ。 グレネードだってダメージを与えられるが、肝心のショットガンが無い。 投げつければ爆発してくれる可能性もあるが、外してしまったり爆発しなかったりしたら一環の終わりだ。 さっき、ナイフで切りかかろうとしたけれど、力ではガイバーの方が上。 このままでは勝てないのは一目瞭然だった。ちょっと今の武器だけでは厳しい。 もう少しいい物が手に入らないかな……と考えながら地図を見る。 先ほど挙げた三つの施設に行くのは、今はパス。 あの化け物を完膚無きまでに叩きのめす相手とは、人間にしろそれ以外にしろ接触したくない。 きちんと準備してから行くのならよさそうだ。 海の家に武器があるはずないし、行くとしたら――警察署。 拳銃があったらいいけれど、簡単に転がっている物では無いと思う。 当たりが拳銃、外れでも警棒とか護身用の武器とか、何か使える物が手に入るといいな。 他は、学校に図書館に倉庫群か。 倉庫群、って言われても何の倉庫なのかピンと来ない。行くとしても後回し。 小学校と中・高等学校には…………武器は無いだろう。 「高校に行く」とか言っていた涼宮ハルヒの事を思い出す。 ……アイツはもう死んだんだ。モッチーだって、襲撃者の化け物だって。 だからもう関係無い。一人、どこかで生きているはずの少女がいるけれど――あたしには関係無い。 「……警察署へ行こうっと」 確認の為に呟く。 C-4まで森の中を通っていき、そこから北へ向かえばすぐだ。 今は西に向けて歩こう。……それと、落ち着こう。 それが、きっと最善の選択だ。生き残る為にも、化け物を殺す為にも。 ガイバーはどういう風に殺してやろうか。 銃で撃ち抜くか、グレネードで吹っ飛ばすか、ナイフで切り裂くのか……。 ……まぁ、どれでもいいか。指の痛みとプライドを傷つけられた分、仕返しをしてやれればいいんだから。 ナイフを握りしめて、あたしは歩き出した。 【C-5/一日目・朝】 【惣流・アスカ・ラングレー@新世紀エヴァンゲリオン】 【状態】右手人差し指喪失、精神不安定、『化け物』に対する強い殺意 【持ち物】 アーミーナイフ@現実、予備カートリッジx12@魔法少女リリカルなのはStrikerS、 コントロールユニット(ガイバーⅡ)@強殖装甲ガイバー、デイパック(支給品一式入り) 、モッチーの首輪、モッチーの円盤石 砂ぼうずの特殊ショットシェル用ポーチ(煙幕弾(2/3)、閃光弾(3/3)、グレネード弾(1/3)、ガス弾(2/3))@砂ぼうず 【思考】 0.森で休んで落ち着き、警察署へ向かう。武器が欲しい。 1.積極的に殺し合いには乗らない、ただし人間以外は問答無用で撃つ。ガイバーⅠ(深町晶)は必ず殺す。 2.加地と再会したい。シンジに関しては、そこまで執着はない。 【備考】 ※参戦時期は少なくとも第弐拾四話以前。 ※気にしないようにしていますが、ヴィヴィオの事を気に掛けています。 ※【C-6】の森、ゼルガディスの死体から少し離れた所に、砕けたストラーダが落ちています 時系列順で読む Back 根深き種の溝を越えて (前編) Next 少女×雨×拷問 投下順で読む Back 根深き種の溝を越えて (前編) Next 少女×雨×拷問 模倣より生まれ来る創造 惣流・アスカ・ラングレー 命の選択を:序
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訪問リハに携わっているみなさま! こんなことで悩んではいませんか? 「依頼を断るときに他の事業所を紹介したいのだが、どこを紹介すればよいか分からない」 「ひとりや少人数職場で、相談相手がいない」 「他の事業所ではどうしているのか知りたい」 「利用者と目標が共有できない」 「何のために訪問しているのか分からない」 「ローテーションで異動してきたが、右も左も分からない」 「経験交流や勉強会がしたい」 そんな悩みをもつセラピストが集まって、石川でも訪問リハビリテーション研究会を立ち上げました。 <今までの活動> メーリングリスト開設。以後活発に意見交換・情報交換を行っている 訪問リハビリテーション研修会のあとで準備会を開催 第1回研修会(11名):事例報告、研修会参加報告、交流会 第2回研修会(13名):「バイタルの見方とその対応」、診療報酬・介護報酬改訂について、医療機関等による訪問リハの流れや書式、昼食会、事業所見学 第1回夜の会(6名) 訪問看護7の存続について金沢市介護保険課に現状説明 第3回研修会(21名):事例検討の成果のまとめ方、事例報告、研修会参加報告、交流会、事業所見学 <今後の活動予定> 年4回の研修会とメーリングリストによる意見交換・情報交換を予定しています。 07年度はHP開設、評価方法の統一、事例検討の充実などを行おうと考えています。 入会金・年会費は徴収せず、研修会ごとに参加費を集めます。 あまり肩肘張らない、でも有意義な会にしたいと思っています。 入会ご希望の方は、下記アドレスまでメールまたはFAXにて、必要事項を明記の上ご連絡ください。 いしかわ訪問リハビリテーション研究会準備会 事務局連絡先 済生会訪問看護ステーション 岩田 祐美 E-Mail iwata@iprc.jp FAX 076-266-2921 必要事項 ①氏名 ②職種 ③職場名 ④職場住所・TEL・FAX ⑤メールアドレス ⑥訪問リハ経験年数 ⑦研究会活動に期待すること、悩んでいることなど
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【名前】アインス(本名不明) 【性別】男 【年齢】43 【能力】心負操作(マイナスコントロール) 負の心を操ることができる 結晶 負の心を結晶化させて攻撃や防御に使う 影世界は負の心でできているので何もないところで使用可能 魔物 負の心を集めて魔物をつくることができる 結晶と違いつくるのに時間がかかるので戦闘中に魔物をつくる、ということはしない 何もすることがないときは魔物をつくっている 操心 対象に長時間触れることで負の心を増大させ、支配させる (もともとの負の心が多い人ほど触れる時間は短い) (短い人で1分、長い人で1時間) 負の心に支配されると自分の心を失い、敵味方関係なく攻撃する 操心されているときは普段より強い力がでる 効果時間はその日の影世界が終わるまで 吸収 負の心を吸収することができる 負の心を吸収すると身体能力があがり、傷も少し癒える まわりにある負の心を常に吸収しているため普通の人より少し身体能力が高い 操心にかかっている人から負の心を吸収することができ、この場合効果は高い(操心は解ける) 【武器】負の心 【外見】 フードつきの白いマントを羽織っている 顔全体が隠れる黒いマスクをしている マスクを外すと顔全体に刻印があり奇妙な顔になっている 【趣味】人の負の心を見ること 【職業】オプスキュリテのリーダー 【刻印の場所】顔(全面) 【影世界のイメージ】全体的に暗めだがそれ以外普通 【備考(設定)】 オプスキュリテのNo.1、つまりリーダー 生まれたときから顔全面に大きく刻印があり、気味悪がれて親に捨てられる そのため本名は自分でも知らない その後施設に引き取られたりしたが、彼がいる建物がことごとく何らかの理由で壊れ、呪われた子供と呼ばれるようななる これは、彼が影世界で能力を暴走させた結果である(今はもちろん制御できる) 引き取り先がなくなり、一人でくらすようになるがもちろん金はなく、犯罪行為を幾度となく繰り返す 就職しようと思ったこともあったが顔の刻印と経歴のせいでどこも相手にしてくれなかった そして世界に絶望しオプスキュリテのリーダーとなる 影で生きており、オプスキュリテの中でも姿を見ることができるのはNo.12以上 素顔を見ることができるのはNo.5以上だけである 影世界ではいつもは魔物をつくっている (天然の魔物も多くいるため影世界の魔物全て彼がつくったものではない)
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白山・焼岳・・・さすが百花繚乱の白山 1990年7月 爺ケ岳東稜・・・苦しかったラッセル 1991年5月 白山・焼岳1990年 7/29(SUN)~30(MON) 夜行列車。上野22:44発、特急北陸。二十数年ぶりの寝台列車にとまどう。興奮して眠れないが、横になっていられるだけでも充分な休養になる。 金沢駅からバスに乗って白山登山口へ直行。乗客は他に二人だけ。終点の別当出会いは多くのハイカーでにぎわっていた。ガスがかかっていて少し肌寒いところが何とも言えず、やっと山に来たんだなぁとうれしくなる。 金沢駅 別当出合 売店でカレーライスを詰めこみ、水筒をつめたい水でみたすと出発。さすがに夏山、そして名山である。中学生の団体やら、一般の団体客で登山道はもう数珠つながり。霧がかかって暑い日差しをうけないだけ登りには好都合。たがいに追い越し追い越されて、甚の助ヒュッテの先十五分程のところで、左に室堂への道を別けて南竜ケ馬場へ向かう。急に静かになった。この辺に来てようやく花の白山の面目躍如。とくにニッコウキスゲが美しい。ハクサンフーロ、トウチソウ、シモツケソウ、ハクサンボウフウ・・・。 南竜ケ馬場センターロッジで申し込みをしてキャンプ場へ。沢をわたった丘の上の好適地だ。クロユリを見つけた。ハクサンコザクラ、ミヤマキンポーゲ、ミヤマダイモンジソウ、モミジカラマツetc。 テントを張り終わってから、別山への縦走路をたどってみた。ときどき霧が張れて別山の尾根がみえてくると、このつぎは是非、白山を南北に縦走してみたいと思ったりした。やや乾燥した湿地帯に出るとニッコウキスゲやイワイチョウが咲き競って、岩の上ではおじさんが一人気持ちよさそうに昼寝をしていた。 テントにもどると酒だビールだ。 7/31(TUE)昨夜は星空でちょっと寒いくらいだった。さすがに2000メーターを越した高地である。まわりのテントからも軽いセキが聞こえていた。しかし気持ち良い朝の冷気の中を山頂めざして歩き始める。室堂へはお花ばたけコース、縦走コース、展望コースと三本あるが、展望コースを行くことにした。しばらくはニッコウキスゲの群落を見ながら小さな沢を渡ったりして楽しい。すこし高度が上がって別山尾根が雄大に展開されだすと、急登が連続し苦しい登りとなる。展望台で一休み。ご来光を見てきた帰りと思える人たちがカメラを構えていそがしかった。もうひと踏ん張りでハイマツの平地に出ると、斜面に残雪をまとった御前ケ峰がその全貌をあらわした。雪渓からながれてくる冷たい沢水に手をひたして、そのまま左手へ道をたどると室堂センターに到着。 室堂はすでに大勢の人でいっぱいだった。早速、神社にお参りして山頂へ向かう。キャンプ場を四時半に出て、時刻は七時。すでに陽はたかく暑い。階段状の登山道の脇には、ハクサンフーロやイワギキョウが、紫やブルーのきれいな色で迎えてくれる。三十分たらずで御前ケ峰山頂にたった。りっぱな奥宮がたっていた。室堂のにぎわいがウソのように静かな山頂であった。さまざまな池を火口にして、そのまわりに御前ケ峰、剣が峰、大汝峰と続く景観は迫力がある。火口池のまわりにはまだ残雪があった。そのためか風は冷たく、ずっと立つていると寒い。ヤッケをだして着る。東の空のかなたには北アルプスが浮かんでいた。槍の穂先がはっきり見える。右に乗鞍岳、そして御嶽山。シャッターを何度もおした。 目の前の剣が峰へはルートができていないようだ。ガレた急斜面はよほど気をつけないと転落する危険がある。登りたかったがムリはやめて、一般ルートの池めぐりを行くことにした。ただ、大汝峰だけは予定どうり登った。ほとんど岩の山である。翠ケ池を前景にした剣が峰と御前ケ峰は写真になる。七倉山と四塚山が青っぽく印象的に北への縦走路上に座っていた。 室堂にもどって食堂でラーメンを食う。充分やすんでから下山することにした。大倉尾根を平瀬へ抜けるつもりである。きょうは途中の白水湖畔のキャンプ場まで。 急だが杭で手入れされた階段をおりて行くと、南の斜面にお花畑があらわれた。タカネナデシコがたつた一本だけ登山道脇に咲いていた。タカネマツムシソウはこの時期すこし早いのではないか? 紫のこいアザミ、髪の毛を編んだようなイワオウギ…。大倉避難小屋で休んでから更に高度を落すと、ミヤマアキノキリンソウ、オタカラコウ、マルバダケブキ等々。 十四時前には大白川避難小屋に着いた。苦しい下りだった。売店で缶ビールを買い一人で乾杯。ひとまず1・5キロ離れたキャンプ場までもうひとがんばりし、テントを張ると引き返して売店脇の露天風呂にどぶん。売店でまたまたビールをあけると、カレーライスそしてソーメンを注文。いやいや大変な餓鬼ぶりである。 テント場は静かだった。管理人の、頭をまるめたオバさんの話しでは土曜、日曜は100人を越すキャンパーでにぎわうとのこと。キャンプサイトは、それぞれが樹林に囲まれて点在し、ゆったりした気分でアウトドアライフを過ごせる。それに何よりも手入れがゆきとどいていて気持ちがよい。 8/1(WED)朝一番のマイクロバスは09:55発。今朝下りてきたばかりの二人が同乗した。そして、この三人で白川郷を見物することになる。明善寺の合掌造りの庫裏がハイライトだった。その後、名古屋にでるという二人と別れて牧戸でバスを降りる。バスステーションのオバサンのすすめで、荘川の里をみてまわることにした。じりじりと照りつける太陽の下、車道を十五分ほど歩いて到着。小一時間じっくり見てまわった。驚くほど豊かな生活をしていたというのが実感。 高山駅に到着して、すぐに平湯経由の新穂高温泉行きバスをさがすと、今まさにドアを閉めて出発するところだった。したがって、ここで食事や買い物ができなかったためキャンプするのが時間的に難しくなってきた。バスの運転手さんに聞いて、結局中尾温泉の旅館を探すことにした。時刻は六時、さいわい山本旅館に投宿することができた。 焼岳 8/2(THU)06:15分出発。帰りがけに焼岳をやろうというわけである。ところが焼岳そのものは素晴らしい山だった。ついでに登る山なんかでは決してなかった。いくどか足がふるえたではないか!!!中尾峠から見上げた焼岳は人をよせつけない厳しい姿をしていた。岩とガレをいかにして登ろうか一抹の不安があった。しかし実際には古いペンキマークがよく案内してくれて、すべらないよう足下に気をつけさえすれば良かった。最上部の大きな岩塊の基部を右にまわりこんで、なおも急な斜面を注意していくと頂上に出た。焼岳山頂と書いた標識がたっていた。展望はもちろん360度。奥穂、前穂の吊り尾根、左にちょこんと槍の穂先。上高地を谷間に霞沢岳、六百山・・・。あとから若い人が上がってきた。互いにシャッターを押しあう。火口を見下ろすと、エメラルドグリーンの小さな池があった。その手前にガスが吹き上げていたが、浅間山の噴煙と比べると規模は小さかった。火口壁をぐるっと回りこんだ向かい側の高まりは、こちらより幾分高そうである。しかしルートはなく足場も相当わるそう。ここはおとなしくあきらめて当然。 快晴の夏空のもと無事に登頂できたことを神に感謝せねばならない。この山はいまだ活動つづける活火山である。登山禁止となっている。何かあったら関係者に迷惑をかける事になる。十五分も楽しんだろうか、とにかく下山することにした。より慎重に十分に注意して下る。 峠の小屋で一休みしたあと、上高地へ下る。朝の、中尾温泉からの登りはすずしかったが、この下りは暑さにまいった。車道に出てバス停へ向かうと、今回の山行も終りである。 トップへ 爺ケ岳東稜1991年 連休ということもあって新宿にはいつもより少し早く六時に着いたのですが、なんと整理券を求める人達が既に長蛇の列をつくっているではありませんか!! 列の最後尾について暫く並んていますと、私の後ろが瞬く間に長い列となつていきます。まもなくあずさ一号の自由席は満席になった旨アナウンスがありました。この分では何時の特急に乗れるかわかりません。とっさに六時二十分発の甲府行きの普通列車で行くことにしました。こちらの方は座席もなんとか確保できて、やれやれです。ところが車掌さんに聞きますと、あずさ一号の方が先に甲府に着くというので八王子で降りるはめになりました。うまくは行かないものですね。ぎゅうぎゅうづめの特急電車にとにもかくにも乗り込んで、信濃大町に予定時刻に到着したのでした。 駅の二階食堂で定食を食べてからタクシーで鹿島まで行きます。若いお兄さんが大谷原まで行くのに便乗しました。車内で話しを聞きますと、鹿島槍東尾根の方は人気コースで面白くないので天狗尾根をやると言います。単独でザイルもなしで登攀するというのですからかなりのエキスパートなのでしょう。 爺ケ岳東尾根登山口は民宿の裏手にありました。あいにくのお天気で雪が結構たくさん降っています。スパッツを付けて出発です。雪の登山道には真新しい靴跡が続いていました。きっと今朝早く登っていったのでしょう。途中どこかで追いつけるかも知れません。それはともかく、いきなり急な道をよじ登るような感じで進んでいきます。この辺は根雪は解けて降ったばかりの新雪です。従って非常にすべりやすいのです。木につかまりピッケルでバランスをとりながら、ゆっくりと高度をかせいでゆきます。 三〇分あまりも頑張りますと、枝尾根に出ました。急な斜面の登行を続けてきたので、既に車道がはるか下の方に見えます。そろそろ傾斜も緩やかになり歩きやすくなってきました。樹林の中をひとり静かに進んで行きます。ひとしきり激しく降った雪もいつかやんで視界が広がって来ました。いまや東尾根本稜に出ています。予定では一九七八メートル峰まで頑張るはずでしたが少々疲れてきました。足がつりかげんです。三時半を回ったところで先行パーテイにおいつきました。テント設営中でした。そして更に暫く進んだ所で先頭のパーテイが、これもテント設営中です。私もトレースがなくなる手前でギブアップ。一七六七メートル峰を越した少し先の辺りです。湿った雪のため、気に入ったテントサイトができるまでそれほど時間はかかりませんでした。 入山した日が悪いと翌日以後好天が期待できますが、まさに今回がそれです。素晴らしい天気です。日焼け留めを顔に塗りたくって、有明の月の残れる中、いざ出発です。四人パーティは一足先に発ちました。すぐ上の雪壁を登りきると、突然雄大な銀世界が飛び込んで来ました。中でも鹿島槍ケ岳がその白い肌を美しく見せています。三月に五竜岳から眺めて感激したばかりですが、この山は爺ケ岳側から見た方が山容が一段と整っていて私は好きです。左手に赤沢岳、スバリ岳、針ノ木岳らしい峰々が連なっています。しかし、ちょっと手強そうです。果してあの針ノ木峠まで行けるのかどうか心配になってきました。 一九七八メートル峰の手前で若いお兄さんに会いました。一時間に二十メートルしか進まない苦しいラッセルで、とうとう引き返してきたそうです。深い雪の亀裂も見られたといいます。先行の四人パーティはそんな事にお構いなく、どんどん急坂を登って行きます。私もなんら躊躇することなく後に従います。そのうちお兄さんもやってきました。二本のストックでどんどん行きます。よく見ますと四人パーテイもお兄さんもアイゼンをつけていません。実に見事です。私はといいますと急登が始まる手前でしっかり付けました。そろそろ森林限界にきているというのも装着した理由です。 雪稜に乗っこす所で、とうとう雪との本格的な闘いが始まったようです。なかなか先に進みません。そのうち先頭のリーダーらしき人が降りてきて、いったん右に回りこんで凍結した急雪壁をよじ登った方が得策と判断し、アイゼンをつけるように指示しました。私もそれに従いひとあし先に雪稜に出ることに成功しました。ホッとする間もなく更に上をうかがいます。狭い雪稜を時には雪深いハイマツに足を取られたりしてずいぶんと難儀なことです。一九七八メートル峰に上がると景観は一層素晴らしく、ここで休憩、昼食とします。流した汗の代償です、とっておきの缶ビールが何とうまいこと。 二四〇〇メートルの森林限界に達するまでかなりの時間が必要でした。既に四時間かかっています。爺ケ岳の山頂は目の前で、夏道でしたら三〇分もあれば十分と思われるのですが、まだまだラッセルが続きます。ストックをにぎったお兄さんの話しでは、今年の正月に来た時も山頂まで深い雪に悩まされたそうです。厳冬期でさえこんな状態だとすると風があまり当たらないめずらしい稜線です。私も何度か先頭に立ってラッセルに一役買いました。そして、ついに山頂です。山頂への最後の一歩は四人パーティとストックのお兄さんに譲ろうと暫く待ってみましたが、十二時になってもお兄さん一人しか上がって来ません。しかたなく皆さんに感謝しながら山頂に立ちました。もう、この頃にはガスがかかって午前中の快晴の空がうそのようです。種池小屋も冷池小屋も見えません。いまや迷うことなく冷池小屋をめざします。針ノ木峠は又の機会に譲ることにしました。 爺ケ岳の稜線に出ますと急に人影が多くなりました。さすがにゴールデンウィークです。冷池小屋の前はキャンパーでおおにぎわい。私もテントを張る予定でしたが、やはり疲れました。雪を解かして水をつくるのもおっくうです。暖かい小屋に泊っておいしい御飯を食べたくなりました。 鹿島槍東尾根で事故があったもようです。雪崩に巻きこまれたようです。他の尾根では滑落事故もあったといいます。お昼近くヘリコプターの音が聞こえましたが、荷揚げのためでは無く遭難救助の為だったのですね。無事を祈りたいと思います。 この小屋は向かって左側に入り口(受付け)があり、一畳ほどの土間でヤッケや靴をぬぎ、それをポリ袋に入れて各人の寝室まで持っていくことになっています。戸を開けて中へ入りますと一二畳ほどの談話室があり、更に右のドアから奥には寝室が続いています。寝室は中二階となっており、ハシゴで三階へ上がれます。下の一階へも降りることができ、左側にトイレ右に自炊部屋があります。ぐるっとまわった奥の部屋が広い食堂になっています。自炊部屋の脇も出入り口となっており、受付けを通らずに外へ出ることができます。談話室を除いて全体的に暗い感じがするのは山小屋では仕方のないことかも知れません。 翌日はゆっくりとスタートです。鹿島槍往復はすでに諦めて爺ケ岳の南尾根を下ろうというわけです。小屋の外に出ますと殆どの人が鹿島槍をめざしています。今朝も良い天気でこのまま下るのはもったいないくらいですが、ただ爺ケ岳南峰まで稜線歩きが楽しめます。剱岳とずっと友達でいられるのです。 南峰に到着しました。種池小屋がすぐ下です。当然ながら、この時期はまだ夏道のトラバース道はトレースされておりませんでした。雪崩の危険が大きいからです。しばらく展望のパノラマから名残を惜しむと、いよいよ今回の北アルプス後立山山行も終りを迎えます。急な南尾根をゆっくりと下ってゆきます。ショウジョウバカマが一輪、雪の上に頭を出していました。 バス停におりたったらタクシーが待機しているではありませんか。ラッキーです。信濃大町まで四〇〇〇円也。松本からの特急はやはり大変な混み様で、時間待ちしてでも信濃大町から乗るべきでした。 トップへ 今日は、「北アルプス3」を訪問しました。明日は「北アルプス4」を訪れます。 -- 岬石 (2017-02-17 19 56 42) 了解しました。 -- inada (2022-04-14 20 04 12) 名前 コメント