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340 :ナイトウィッチな俺[sage]:2010/10/04(月) 18 14 49.89 ID wGjNW/YW0 俺「・・・・・・っふぁ・・・・・・」 目が覚めると、昨日よりはいくらか体が軽くなっていた。 俺(流石に今日も寝込む、ってわけにはいかないな・・・・・・) とりあえず着替えたかったが、どうやら用意されてないようなので病人服のまま部屋を出る。 そういえば、いつの間に病人服に着替えたのだろうか。一瞬、変な考えが脳裏をよぎったが、 俺(いや、それはないな) と、すぐに否定しておいた。 いつもの服に着替えるため、ひとまず自室へと向かう。 341 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/10/04(月) 18 15 32.94 ID 9qCX045wO もう新しいのは書かない方が良いのか? 342 : 341そんなことはない[sage]:2010/10/04(月) 18 20 00.19 ID wGjNW/YW0 俺「・・・・・・よし」 自室で服を着替え、部屋を出た。 『起きろハルトマン!!もう何時だと思っている!!』 『ううー、あと60分・・・・・・』 『い い 加 減 に し ろ !!』 昨日のエース然とした姿はどこへやら。いや、こういうところがあってこそのエースなのだろうか。 特にやることもないので、ハンガーへ行ってみることにした。 シャーリー「お?」 俺「・・・・・・やあ」 343 : 341そんなことはない[sage]:2010/10/04(月) 18 25 00.34 ID wGjNW/YW0 どうやら、機体整備をしているようだった。 シャーリー「なんだ、もう大丈夫なのか?」 俺「ああ、歩ける程度には回復したよ」 シャーリー「そっか」 話している間も、手の動きは止まらない。 俺「それより、整備兵の仕事奪っちゃっていいのか?」 シャーリー「こういうのは自分でやらないと落ち着かないんだよ」 俺「ふぅん・・・・・・」 シャーリー「興味が涌いたなら、私が手取り足取り教えてやろうか?」 俺「俺にだって、性能を弄るくらいはできるよ。お前ほどではないと思うが」 シャーリー「へぇ・・・・・・」 344 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/04(月) 18 29 57.18 ID vlnxnebuP 341 -==ー-、 / ̄ ̄ ̄ `ヽ、 // , // i /ィ i iイ i ,ィ弋/ |ナト | i | | |;イ ヒツ ヒツNノ | 从 | , ,リ. ,リ ゝゝ、 r‐ァ ,イr彳 , .ィ个‐`rー个<.. ,r / | 人 .| 、 ハ 俺×ストパンスレは誰でもウェルカム / i 〈 |∨廿∨| 〉 | A _/ | .〉 ト、 八 ,イ| 〈 | i∧ } ! .〈 |\∨/| 〉 | , 厶. . . . | , l `´ | / | ハ___ _ ..-‐ ⌒ー- /| , ! | / | , ` 〃 /⌒つ 辷⌒ヘ }! / | 。| ヾ、.| | , {{ {_ \ / ノ 仏-‐─ ′ | | | | `ー‐--、 >、乂ゞ 〈,クケ  ̄ | 。| | |  ̄ | | | | | 。| | | 345 :ナイトウィッチな俺[sage]:2010/10/04(月) 18 30 00.37 ID wGjNW/YW0 そのまま、シャーリーの様子を眺めていると、 シャーリー「・・・・・・なあ」 俺「ん?」 シャーリー「飛ばないか?」 俺「は?」 シャーリー「病み上がりとはいえ、飛ぶだけなら大丈夫だろ? 私も一人で飛ぶのはつまらないし、付き合ってくれよ」 俺「・・・・・・そうだな、俺も飛ばないと体が鈍っちまいそうだ」 シャーリー「よーし、そうと決まればさっさと行くぞ!」 俺「あいよ・・・・・・」 346 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/04(月) 18 34 49.97 ID uGkV6ena0 おおう もっさんが幼なじみ設定の書こうとしたらでてたw 347 :ナイトウィッチな俺[sage]:2010/10/04(月) 18 35 00.33 ID wGjNW/YW0 クランプに固定されているストライカーユニットを履く。 特に違和感はない。このまま飛んでも大丈夫そうだ。 クランプを外し、ハンガーを出て、空へと飛ぶ。 俺「そうそう、言い忘れてたけど、スピードはあまり出せそうにないから俺は置いていっても構わないからな」 シャーリー「んなことわかってるよ。置いてく気はないけどな」 俺「そりゃどうも」 その後も、無理はしない程度にスピードを出しながら、飛行を続ける。 シャーリー「・・・・・・お前って、なーんか不思議だよなー」 俺「不思議?」 シャーリー「いや、別に根拠はないんだけどさ。なんとなく」 348 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/10/04(月) 18 36 03.24 ID 8sJvk5b50 346 かまわん、書こう 349 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/04(月) 18 37 46.17 ID uGkV6ena0 348 さんくす なら書きだめしなきゃ 頑張ろ。 350 :ナイトウィッチな俺[sage]:2010/10/04(月) 18 40 00.24 ID wGjNW/YW0 俺「まあ、そう言われたのは初めてじゃないけど」 シャーリー「なんでだろうな・・・・・・」 そう言って、顎に手をあてて何かを考え始めた。 大体は、見た目と雰囲気が合わさって不思議に思われるようだが、今回の場合はどうなのだろうか。 自分でも、結構気になってしまう。 シャーリー「ん~・・・・・・」 すると、俺の下に回りこんで顔を近づけてきた。だが、これに動じてはいけない。 俺「・・・・・・わかったか?」 シャーリー「・・・・・・わからん」 シャーリーはちょっと残念そうな表情を浮かべてから、元の位置に戻った。 351 :本当はもっとイベントを詰め込みたかった[sage]:2010/10/04(月) 18 45 05.51 ID wGjNW/YW0 それから、もう少し飛んだ後、 シャーリー「・・・・・・よし、そろそろ戻るか」 俺「ん、わかった」 ハンガーへ戻ると、 宮藤「あ、シャーリーさん!俺さん!」 シャーリー「お?どうした、宮藤?」 宮藤「ミーナ中佐から、お二人が戻ってきたらブリーフィングルームに呼ぶように言われたので」 俺(・・・・・・いくらなんでも早いんじゃないか) 352 :ナイトウィッチな俺[sage]:2010/10/04(月) 18 50 00.24 ID wGjNW/YW0 ブリーフィングルームへ行くと、既に自分達3人を除いた全員が集まっていた。 ミーナ「・・・・・・皆さん集まりましたね」 ミーナ「我々は、明日正午より、ヴェネチア上空にあるネウロイの巣に総攻撃を仕掛けます」 その言葉に驚く者と、驚かない者が別れた。 ミーナ「・・・・・・新型ネウロイの出現により、上層部も判断を急いだようです。なお今回の作戦の内容は・・・・・・」 それから、作戦についての説明が続いた。 大体まとめると、扶桑海軍の戦艦大和をコアコントロールシステムによってネウロイ化させ、 そのまま巣に突っ込み、至近距離から主砲を発射し、巣を殲滅するらしい。 そして、今回の自分達の仕事は、戦艦大和がネウロイ化するまでの護衛。 この作戦が失敗した場合、ロマーニャ全土をネウロイに明け渡し、第501統合戦闘航空団は解散とのこと。 そのことには、皆驚きを隠せなかった。 353 :ナイトウィッチな俺[sage]:2010/10/04(月) 18 55 00.42 ID wGjNW/YW0 バルクホルン「ロマーニャを明け渡す!?501が解散!?そんな馬鹿な話があるか!! ミーナ!そんな命令に納得して帰ってきたのか!!」 ミーナ「そんなわけないじゃない!!」 バルクホルン「っ・・・・・・」 ミーナ「・・・・・・納得してるわけないじゃない。・・・・・・でも、この先消耗戦を続ける戦力は、もう残っていないわ このまま戦いを続けても、被害は増えるだけ。・・・・・・私たちには、もうこの方法しかないのよ・・・・・・」 バルクホルン「しかし・・・・・・」 俺「バルクホルン大尉」 バルクホルン「ぐっ・・・・・・」 354 :ナイトウィッチな俺[sage]:2010/10/04(月) 19 00 03.23 ID wGjNW/YW0 宮藤「ロマーニャを・・・・・・」 リーネ「明け渡す・・・・・・」 ペリーヌ「そんな・・・・・・」 ルッキーニ少尉は泣き叫び、それをシャーリーが慰めていた。 シャーリー「大丈夫・・・・・・心配するな。ルッキーニの故郷をネウロイなんかにやってたまるか」 サーニャ「勝てばいいんでしょう」 エイラ「ソ、ソウダ!勝てばいいんだヨ!」 ペリーヌ「・・・・・・ですわね!」 リーネ「うん、勝とう!!」 宮藤「絶対勝つよ!!」 355 :ナイトウィッチな俺[sage]:2010/10/04(月) 19 05 00.49 ID wGjNW/YW0 バルクホルン「・・・・・・」 エーリカ「そういうことだよトゥルーデ。何弱気になってんのさ」 バルクホルン「ち、違う!私はたとえ最後の一人になっても戦う!!」 ミーナ「一人になんてさせないわ!!」 ミーナ「私たち12人で、ストライクウィッチーズよ!」 俺(・・・・・・こういう空気は苦手なんだが) 356 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/04(月) 19 07 52.41 ID QgAtylAmI いつもおもうんだが男のウィッチのズボンはブーメランパンツなのか? 357 : 356俺は普通の陸軍服で[sage]:2010/10/04(月) 19 10 00.92 ID wGjNW/YW0 その夜、テラスで一人、夜空を見上げながらあまり美味しくないコーヒーを飲んでいると、 俺「・・・・・・どうしたんです?」 サーニャ「少し、お話がしたかったので」 俺「俺でよければいくらでも」 サーニャ「ふふっ・・・・・・」 彼女は、俺の隣の椅子にこしかけた。 俺「・・・・・・それで、今度はどうしたんです?」 サーニャ「いえ、俺さんは、もし明日の作戦が成功したら、どうするのかなって、気になっちゃって・・・・・・」 俺「そうですね・・・・・・、生憎、私には帰る場所もなければ待たせている人もいないのでね。 まだネウロイと戦いを続けているところもあるでしょうから、そこに俺も加わるだけです」 サーニャ「そう、なんですか・・・・・・」 俺「あ、すみませんね。なんか雰囲気重くしちゃって・・・・・・。サーニャさんはどうするんです?」 358 :ナイトウィッチな俺[sage]:2010/10/04(月) 19 11 02.16 ID wGjNW/YW0 サーニャ「私は・・・・・・、お父さんとお母さんを探して、もし見つかったら一緒に暮らしたいと思ってるんです」 多分、途中で間が空いたのは、言っていいのかどうか迷っていたのだろう。 ただ、初めて話したときに言った通り、自分に対してそんな気遣いは不要である。 俺「そうですか・・・・・・。見つかると、いいですね」 サーニャ「はい・・・・・・」 俺「・・・・・・それより、もう遅い時間ですけど、休まなくても大丈夫なんですか?」 サーニャ「・・・・・・そうですね、そろそろ失礼します」 サーニャ「明日・・・・・・、頑張りましょうね」 俺「・・・・・・勿論」 第四部 終 投下続けます ナイトウィッチ 第五部へ続く
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ウィッチ/Witch タイプ 特殊 主攻撃 ひっかき 副攻撃 なし 特徴 女性のような外見でめそめそ泣いている感染者。他の感染者とは異なり積極的には攻撃を仕掛けてこず何らかの方法で刺激しなければなにもしてこない。しかし一度刺激するとけたたましい叫び声とともに激高し刺激した生存者が死ぬまで攻撃を続ける。 攻撃力が非常に高くエキスパートでは一撃で死亡、それ以外では一撃で戦闘不能である 歩いているタイプと座っているタイプがいる。主に昼間や明るいところにいるウィッチは歩いており(昼ウィッチ)、夜や暗い場所にいるウィッチは座っている(夜ウィッチ)。 昼ウィッチは反応エリアが狭く近くにいてもなかなか激高状態にならない。密着すると即激高する。激高した場合は顔を覆っている手を開いて追っかけてくる。 夜ウィッチは昼より敏感で生存者が近くを通っただけでも気が付き立ち上がろうとする。夜は密着しても即激高はせずゆっくり立ち上がった後激高するプロセスを踏む。ただし弾を当てたなどの刺激は即激高する エキスパートとアドバンスドでは首から下はダメージがある程度軽減されてしまう ウィッチは基本的に刺激を与えた生存者をターゲットとするが、激高後炎をつけた生存者もしくは2回進路妨害をした生存者にターゲットを切り替える。また、何らかの理由によりターゲットを見失った場合はその場から立ち去る ウィッチに気が付かれると叫び声に反応して通常感染者が数体生存者に向かってくる 対応方法 基本的に無視して進むのが最良。わざわざ手を出す必要がない。 遠くから全員で集中砲火 単純に距離を取って全員で集中砲火をする。一番お手軽だが場所によっては難しい 特徴:お手軽で条件が特にない。爆発弾を装備していれば適当に撃っているだけでも簡単に倒せる 欠点:十分な距離が確保できない、ウィッチが壁を登ったり下りたりして十分にダメージを与えられない場合がある 難易度:低 プロパンなど爆発物で消滅させる 爆発エフェクトを発生させる武器でウィッチを攻撃すると悲鳴とともに消滅する。グレネードランチャー、プロパンガス、パイプ爆弾、酸素ボンベで実施可能 特徴:爆発物を持っていれば非常に簡単に処理することができる 欠点:爆発物を持っている必要があり周辺にない場合も多い。直撃または至近弾でないと倒せない 難易度:低 セーフルームに逃げ込む ウィッチを激高させた後セーフルームに逃げ込むと生存者を見失いどこかに走り去ってしまう 特長:一発も弾を使う必要がない 欠点:誰か外に残っているとターゲットが切り替わる可能性がある。セーフルーム近辺でしか使えない 難易度:低 連射できるショットガンでお尻か胴体を撃つ 密着した状態でウィッチのお尻かお腹などにショットガンを数発打ち込む。 特徴:ショットガンと密着状態さえ維持できれば簡単に倒すことができる。 欠点:失敗すると攻撃を受けてしまいエキスパートでは死亡してしまう 難易度:低 連射できないショットガンで頭を撃つ エキスパートでは連射できないショットガンの場合は頭を撃たなければ倒すことができない 昼ウィッチ 1 ウィッチに密着する。正面がベスト 2 ウィッチが反応して手を開く 3 露出した頭部にショットガンを打ち込む。正確に撃ちこめていれば1発で撃破 ※後ろから密着する場合は首元にあたってしまう弾があるので2~3発撃ち込む。その場合は2発目以降は下がりながら撃つ 夜ウィッチ 1 ウィッチに密着する。正面がベスト 2 まっすぐ前を向く。ウィッチが視界から消えるが気にせず待つ 3 完全に立ち上がる前に正面を向いたレティクル内に頭が勝手に入ってくるのでその時に鼻~こめかみの間を意識して撃つ。 ※立ち上がり途中では完全に密着していない為当たらない弾が出て失敗する 特徴:早いチャプターで上位武器を持っていない場合のウィッチを処理することができる。かっこいい 欠点:確実に頭に全弾あてなければ倒すことができない。エキスパートでは失敗=死亡である 難易度:中高 チェーンソーで倒す チェーンソーを回転させた状態で頭にあてる 特長:成功すれば一瞬のうちに倒すことができる 欠点:エキスパートでは胴体の軽減により失敗しやすいうえ、チェーンソー自体が通常感染者を引き付ける効果があるため周辺にも注意が必要 難易度 中 よろめかせて近接で倒す ハンティングライフルかスナイパーライフルかマグナムかAK-47で気が付いていないウィッチの頭に一発銃弾を当てるとよろめくのでその隙に殴るとよろめきが持続するので殴る→攻撃→殴る→攻撃を4回繰り返すと撃破できる。マグナムの場合は4回以上 特長:そこそこ標準的装備構成のライフル+近接で撃破できる。 欠点:時間がかかるため途中で特殊感染者などに襲われる危険が他より高い。気が付かれている状態では不可能で夜ウィッチ限定であり昼ウィッチにはできない。 難易度:中 近接で倒す ウィッチの攻撃は難易度は高いが回避することができるためその間に近接を4発当てる。4人近接を持っているのであれば4人のタイミングがきっちり合うことができれば4人で同時に近接で攻撃すると撃破できる。 昼ウィッチは比較的簡単だが夜ウィッチに対しては非常に難易度が高い 昼の場合 1 背後から2発左右に動きながら当てる 2 少し後ろに下がり振り向きざまの激高したウィッチの攻撃を回避 3 ウィッチが寄ってくるのでこちらも近づき3,4発目を入れる ※下がる距離が重要で下がりすぎると4発目が間に合わない 夜の場合 1 背後から左右に動きながら2発目があたるかどうかのところで攻撃がくるので左右の動きでよける 2 ウィッチに張り付いたまま4発目を当てる ※よけるタイミングは見てからでは遅いためあらかじめ予測行動が必要 特長:近接武器さえ持っていれば可能なためお手軽。背後から右、左(逆でも可)と動くのがキモ 欠点:ウィッチの攻撃をよけるのは練習が必要。 難易度:高 引き寄せて倒す ウィッチをわざと怒らせてこちらに向うようにし、向こうから密着してきた瞬間ショットガンで倒す。「引き撃ち」などと呼ばれる。ノーマルまでは体に密着して全弾あてるようにすれば倒せるがアドバンスド以降の体にダメージ軽減が付与されていると一瞬の密着状態で正確に頭に当てる必要があるため非常に難しい 難易度:高 攻略 協力 基本的に倒す必要がないのだが、進路上迂回できない場所にいたりすることがあるのでその場合は倒さなければならない botが撃った弾がウィッチにあたっても小さい悲鳴をあげるだけで反応はしないが、近づくことによる刺激は反応する。 各感染者バクテリア音鳴き声 コメント ショットガンのヘッドショットは一度シングルなどで密着してどういう立ち上がり方をするのか確認してどのタイミングで撃てばいいか理解してからのほうがいいかも -- はほ (2015-04-08 17 49 24) 名前 コメント
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人工ウィッチ 2 俺「ストライクウィッチーズ?」 559-666 作者 ID bN6enlk60 総レス数 XXX このページでのレス数 XX 559 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 13 04 45.02 ID SO7hg4AV0 前々スレまでのあらすじ エーリカ「人工ウィッチ?」 男「あんた達の名前になんか興味はない」 ― 射撃訓練 ― 坂本「おや、あいつも射撃訓練か。お手並み拝見といくかな」 男「……」スッ ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ !! エーリカ「全然当たってないね」 バルクホルン「狙いの補正もせずに撃ち続けるだけ、さまになってるのは射撃姿勢くらいのものだ! この距離の静止目標も命中させられずに、どうやってネウロイと戦うつもりだ。せめてもっと小口径の、装弾数が多く弾膜を張れる銃に持ち替えたらどうだ」 男「……小口径じゃ大物の爆撃機を落とせない」 560 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 13 07 44.72 ID SO7hg4AV0 ― 飛行訓練兼、哨戒飛行 ― 男「……」 バルクホルン「いいか少尉。今回飛行するエリアは一応ネウロイの勢力圏から離れているが、遠からず出現が予報されてもいる。 もし接敵した場合は、お前は後方で待機するんだ。分かったか?」 『む……サンダーヘッドより501stリーダー、お客さんだ。12機。ベクター020、60km。エンジェルズ30。トゥーパリェフ (大型爆撃機) 級1、ラロス級3の戦爆連合中隊が3個』 バルクホルン「おい、少尉!?」 男「……」ギュオオオオ!! 芳佳「早い!」 エーリカ「一人でやる気ー?」 561 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 13 10 21.17 ID SO7hg4AV0 エイラ「トゥーパリェフに……」 芳佳「着陸(?)した!?」 男「……ネウロイのコアは艦首付近、正中線上……」ピタッ (銃口を押し付ける) 男「 く た ば れ 」 ドンドンドン! ドガァァァン!! あらすじ終わり 562 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 13 11 56.16 ID SO7hg4AV0 芳佳「すごい、あの至近距離の爆発も防ぎきってる」 エイラ「……あれなら、回避は要らないかもナ」 ミーナ「銃撃の腕も、確かに必要ないわね」 バルクホルン「滅茶苦茶だ!あんな戦い方で生き延びられるはずが無い!」 エーリカ「……ふーん」 563 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 13 16 05.97 ID SO7hg4AV0 ミーナ「少尉。何故命令を無視したのですか?」 男「……」 バルクホルン「……」イライラ ミーナ「あなたは確かにネウロイを撃墜しました。しかし、私はあなたに『後方で待機しろ』『編隊に戻れ』と命令したはずです」 男「……」 バルクホルン「……」イライライラ ミーナ「少尉、聞いているのですか?」 男「……」 バルクホルン「……」イライライライライライラ バルクホルン「いい加減にしろ貴様!!」 564 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 13 23 21.85 ID SO7hg4AV0 芳佳「うわぁ!」 エイラ「ひぇ!」 バルクホルン「独断専行、命令無視!英雄にでもなったつもりか!?」 男「……」 バルクホルン「貴様、聞いて――」グイ 男「触るな」ガシ! バルクホルン「!?」 ギリギリギリ...バシッ ミーナ.oO(トゥルーデと渡り合った……?) 男「ネウロイは墜とす。俺が、だ。それをお前たちがどう思おうが、知った話か」 エーリカ.oO(一瞬はだけて見えたあの胸にあったのは……) 565 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 13 26 14.94 ID SO7hg4AV0 ― 帰投中 ― バルクホルン「……」 ミーナ「……」 男「……」 ギッスギッス エイラ「おいミヤフジ、気まずいゾ」ヒソヒソ 芳佳「私もですよ!」ヒソヒソ 芳佳「あ、皆さん、基地が見えてきましたよ!いやー、無事に帰ってこれてよかったですねぇー」 男「先に降りさせてもらうぞ」 バルクホルン「……好きにしろ」 ミーナ「……」 ギッスギッスギッスギッス 芳佳「あうー……」 566 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 13 31 21.25 ID SO7hg4AV0 ― 基地、ハンガー ― 男「……」スタスタ ミーナ「待ちなさい少尉。あなたには一週間の飛行停止処分を下します」 男「……断る」 ミーナ「嫌だというなら、拘束――」 ハミルトン「それは駄目だ、させられないな、中佐」 ミーナ「ハミルトン中佐」 ハミルトン「彼の作戦行動に関する権限は、私に一任されている。あなたにではない」 ミーナ「現場指揮官は私か坂本少佐です。命令を無視する味方は、戦場ではときに敵以上に危険です。そんなことを許すわけには――」 567 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 13 37 17.46 ID SO7hg4AV0 ハミルトン「中佐、これは連合軍システム軍団、ひいては連合軍総司令からの命令だ。命令なんだよ、お嬢さん。 分かるだろう?彼の試験を妨げるものなど、あってはならないのだよ」 バルクホルン「あれが試験だと?自殺行為の間違いじゃないのか」 ハミルトン「しかし彼はネウロイを撃墜した。戦果は聞いている。私はこの結果にはおおいに満足して――」 男「……――」フラッ バタン エーリカ「!?」 エイラ「なんダ?倒れたゾ」 男「ぐ……あ……」ビクッビクッ ミーナ「衛生兵を!宮藤さん!」 芳佳「はい!」 569 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 13 56 24.62 ID L+iQEKAr0 人口ウィッチの続きか 期待 570 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 13 57 20.72 ID x3AYsnbfO 待ってたぞ ワッフルワッフル! 571 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 13 58 09.95 ID IsYtosxc0 いいぞ、待ってた 572 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 14 04 02.61 ID SO7hg4AV0 ハミルトン「待ちたまえ」 ミーナ「中佐!?」 ハミルトン「彼のメディカルチェックは私の担当だよ、任せておきたまえ――おい」 白衣の男達 (システム軍団スタッフ) 「……」ザッザッザッ 白衣の男達「持ち上げろ、行くぞ」 グイッ 男「……」グッタリ 白衣の男達「やはり急激な魔力消費は負担が――」 「――の副作用――」「なぁに、代わりはいくらでも――」ザッザッザッ 574 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 14 06 10.76 ID SO7hg4AV0 バルクホルン「わけが分からん」 エーリカ「……元々ウィッチじゃなかった人があれだけの魔力を得るんだもん。たぶん、けっこう無茶な処置を受けてるんだよ」 芳佳「今のは、その副作用ってことですか?そんな、酷い」 ミーナ「反抗的なのも、それが理由だったのかしら」 バルクホルン「……無理やり魔力を発現させられて、酷い副作用に悩まされて、か……」 エーリカ「トゥルーデ、ちょっとかわいそうって思ってる?」 バルクホルン「ふ、ふん!どんな事情があろうと、命令無視など許さん!」 エーリカ「からのー?」 バルクホルン「しかし、少し言い過ぎたかも知れんな……『英雄にでもなったつもりか』とは。 そうでもしないと、自身の境遇に納得ができないのだろう。すこし無神経だったか――ハッ!」 エーリカ「優しーね、トゥル~デ~」ニシシ バルクホルン「お前が言わせたんだろうが!」 576 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 14 08 09.76 ID SO7hg4AV0 ― 次の日 ― バルクホルン「起きろハルトマン!とっくに時間だぞ!」 エーリカ「ううん……あと50分……」ムニャムニャ バルクホルン「ふ、ざ、け、る、な、起きろ!」 577 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 14 10 24.99 ID SO7hg4AV0 ― 食堂 ― エーリカ「ふわー……あ」トコトコトコ 宮藤「あ、ハルトマンさん。もう皆さん朝食は済んでますよ」 エーリカ「んーごめんごめん、何か残り物ちょーだい。……あれ?」 スタスタスタ エーリカ「ご一緒していい?はい、ミソスープ」 男「……ふん」モソモソ エーリカ「君も寝坊したの?」 男「……」モソモソ エーリカ「宮藤の料理は美味しいねー」モグモグ 男「……」ズズズ... エーリカ「昨日は大変だったみたいだけど、体はいいの?」 男「何のつもりだ」 578 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 14 12 16.03 ID SO7hg4AV0 エーリカ「ん?」 男「一緒にお食事、なんて間柄でもないだろう。何故俺に関わる」 エーリカ「んー?なんでだろ。興味?」 男「迷惑だ」 エーリカ「いやー、この味噌汁おいしーねー」ズズズ... 男「聞いてないのか、こいつ」ズズズ... エーリカ「ねぇ、美味しいと思わない?」 男「不味い。食えたものじゃない」 バルクホルン「何だと貴様!?」 エーリカ「うわ、トゥルーデいたの?」 バルクホルン「通りがかりだ!貴様、宮藤の料理が不味いというのか!」 男「ふん」 579 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 14 13 29.83 ID SO7hg4AV0 宮藤「あ、あの、バルクホルンさん、私は気にしてませんから。すいません、お口に合わなかったみたいで」 バルクホルン「宮藤が謝る必要はない!作ってもらった料理に対して不味いと抜かすとは、礼儀以前の問題だ! そもそも、これのどこが不味いと――」ズズーー エーリカ「あ」 バルクホルン「ブホァアアアア!?」ブーーー! 男「!?」 宮藤「バルクホルンさん!?」 エーリカ「あー、彼に渡した味噌汁、私があれ思い切り混ぜてたからさ……」 バルクホルン「肝油!?ハルトマン、貴様あああああ!!」 580 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 14 14 58.26 ID YxzUHbTL0 それは本当に食えたもんじゃないな… 581 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 14 15 32.98 ID SO7hg4AV0 エーリカ「あっはっはっはっは、ごめんごめん。――でも少尉、さっきまで普通に飲んでたよね」 バルクホルン「こんなものを平然と……?」 芳佳「(ペロ)……うぷっ」 男「……」 エーリカ「ねぇ少尉、君、実は味覚ないんじゃない?射撃が下手っぴなのは、触覚にも異常があるからだったりして」 バルクホルン「なに……?」 男「……ちっ」 エーリカ「それも人工ウィッチ化の副作用なの?それに、君の服の下――」 男「黙れ」 エーリカ「ん?」 男「知りたがりは早死にすると相場が決まっているぞ」 エーリカ「……はーいはい。今日のところは、ここまでにしとくよ」 芳佳.oO(一歩間違えればただのすごく悪質ないたずらなのに、なんか真面目な話ってことになってる……。これがエース……)ゴクリ 582 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 14 18 20.05 ID SO7hg4AV0 ― 数日後、基地台所 ― エーリカ「宮藤ー、今日のご飯はー?」 芳佳「今日はコンソメのスープにしようかなと思います」 エーリカ「お芋いただきー!」 芳佳「あ!それはまだ茹でたて――」 エーリカ「あちちち!」 芳佳「あーあー。手、見せてください」ピョコ エーリカ「ふーふー」 芳佳「もう、つまみ食いなんかするからですよ」キィィィン エーリカ「えへへ、ごめんごめん」 芳佳「はい、応急手当終わりました。一応、医務室でお薬塗ってもらって下さい」 エーリカ「はーいよ」 584 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 14 19 17.99 ID SO7hg4AV0 ― 医務室前 ― エーリカ「ばんそーこばんそーこ、と。あれ?『使用中』?なにが――」 男(医務室の中)「ぐあああああ!!ああああああああ!!」 エーリカ「うひゃ!?」 ミーナ「フラウ」 エーリカ「ミーナ!中で何が起きてるの?」 ミーナ「彼の『メディカルチェック』中よ」 エーリカ「メディカルチェックって……この声、ただ事じゃないよ」 ミーナ「ええ。機密といって、私も何をしているのかは知らされていない。彼、何をされているの……?」 エーリカ「……ミーナ、私この前見たんだけど、あいつの――」 ガチャ 男「……」フラフラ ミーナ「少尉!?メディカルチェックは終わったの?いいえ、何をされていたの!?」 男「……あんたには関係ない」フラフラ スタスタ 585 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 14 21 29.72 ID SO7hg4AV0 ミーナ「少尉、あなた」 ハミルトン「それ以上は、無用に願いますよ、ヴィルケ中佐」 エーリカ「……」ジトー ミーナ「ハミルトン中佐、あなたはこの実験で何をしているのですか」 ハミルトン「最初に申し上げた通りですよ?人工ウィッチの実戦試験・評価です」 エーリカ「さっきの叫び声は?ただ事とは思えないけど」 ハミルトン「機密事項ですよ」 ミーナ「それが通るとでも思うのですか」 ハミルトン「彼はあなたに助けを求めましたかな?」 ミーナ「……いえ」 ハミルトン「そうでしょう?では、仕事があるので、失礼」 エーリカ「……べー、だ。何あいつ」 ミーナ「どうしたらいいのかしら」 587 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 14 24 31.58 ID x3AYsnbfO wktk 592 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 15 07 34.91 ID SO7hg4AV0 ― 次の日 ― ウウウ―――― ミーナ「ネウロイ出現!スクランブルチーム、出撃準備!」 男「俺も、出る」 ミーナ「無茶です、許可できません!そんな顔色で……」 ハミルトン「許可しよう、行きたまえ」 男「……」スタスタスタ ミーナ「あ、待ちなさい少尉!……ハミルトン中佐!!」 ハミルトン「彼に対する直接指揮権は私にある。何度も言った通りにね」 ミーナ「いいえ、今度という今度は認められません。彼の顔色を見ていないのですか?いえ、そもそも彼にメディカルチェックと称してどんな処置を? あなたの言う『メディカルチェック』の度に、少尉の健康状態は悪化しています」 593 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 15 09 03.94 ID SO7hg4AV0 ハミルトン「『チェック』の内容については機密事項だ」 ミーナ「あんな状態でネウロイと戦うことは自殺行為以外の何ものでもありません」 ハミルトン「大丈夫だよ、我々の『調整』は完璧だ、ネウロイごときに、彼は殺せんさ、ふふふふふ」 エーリカ「ネウロイ『には』殺せない、ね。あの人が自分で寿命を使い切って死ぬのは勝手ってこと?」 ミーナ「え?」 ハミルトン「おや?」 エーリカ「彼の胸に埋まってる装置――魔力炉が、彼の命を魔力に換えてる。それがあの異常に強力な魔力の正体でしょ」 ハミルトン「おやおや。ご存知だったとは。ふふ、では一つだけお教えしよう。 確かに私たちは、メディカルチェックとして彼を『調整』している。『治療』ではなく、戦うための『調整』だ。 戦う力を維持する為に、確かに彼は自身の寿命をすり減らして魔力に換えている。全て、彼自身の意思でね」 エーリカ「あいつの?」 ハミルトン「あの闘志だけは、『調整』では得られないものだ。自身の命さえ躊躇わずに差し出すその闘志。彼はきわめて貴重な被験者だ。ふふふふふ」 エーリカ「うえー……」 エーリカ「ミーナ、あの人もう行っちゃったよ」 ミーナ「……追いましょう。せめて一人で戦わせることだけは防がないと」 595 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 15 13 45.51 ID SO7hg4AV0 ― 戦場 ― 男「死ね、滅べ。燃えて、墜ちろ!」 ドガガガガ!! 坂本「まるで阿修羅だな」 エーリカ「……」 597 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 15 52 49.38 ID x3AYsnbfO おもすれー 599 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 16 04 51.39 ID SO7hg4AV0 ― 501戦隊基地、廊下 ― {エーリカ「あ、いた。ねー君――」 男「」バタン エーリカ「うわっ!」 男「ぐ……か……」ビクビク エーリカ「また発作!?医療スタッフを呼ば――」 ――― 男(調整中)「ぐあああああ!!ああああああああ!!」 ハミルトン「『治療』ではなく、戦うための『調整』だ。戦う力を維持する為に、 確かに彼は自身の寿命をすり減らして魔力に換えている」 白衣の男達「なぁに、代わりはいくらでも――」 ――― エーリカ「駄目だ、あいつらには任せられない。よし」グイッ 男「……」グッタリ エーリカ「ううう、お、重いー」ズルズル 600 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 16 06 39.46 ID SO7hg4AV0 ― その夜、エーリカとバルクホルンの部屋 ― バルクホルン「ハルトマン!ジークフリート線を越えることは許さないと何度言ったらわかるんだ!またゴミが増えてるじゃないか!」 エーリカ「ゴミじゃないよー、使うものだよ」 バルクホルン「お前が使うものなら、なおのことお前の領地でどうにかしろ!これも、これもこれも!」ポイポイ ポイポイポイ...グラグラ バタバタバタ!! バルクホルン「うわあ!?」 「あー、トゥルーデがいじるからバランスが崩れたんだよー」 バルクホルン「いっそう侵食がぁぁぁぁ!もう怒ったぞ!今夜からしばらく私はミーナの部屋を借りる! ここを片付けるまで、帰ってきてやらないからな!」 エーリカ「ええー?トゥルーデ行かないでー!」 バルクホルン「こんなときばかり、哀れっぽい声を出すな!」バタン! 601 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 16 09 59.19 ID SO7hg4AV0 エーリカ「……はぁ。さて、ねー起きてる?」 ゴソゴソ 男「……俺はまだ生きてるのか。てっきりゴミ山に埋葬されたものだと思ってた」 エーリカ「ゴミ山とは酷いなー。せっかく匿ってあげたのに」 エーリカ「脈に、体温……どうやら容態は安定してるね。ああ、良かった」 男「医学の心得があるのか」 エーリカ「まーね。戦争が終わったら、医者になりたいんだ。勉強もしてるし」 男「……戦争が終わったら、か」 エーリカ「君は、この戦争が終わったらどうするの?」 男「考えたこともない――システム軍団の連中を呼んでくれ、体を動かせるようにしなければ」 エーリカ「まぁまぁ、そう焦ることはないじゃん。ゆっくりしてきなよ。また『調整』されるだけでしょ」 男「そうしなければ戦えない。……『匿った』とは、連中からということか?余計なお世話だ」 602 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 16 11 40.49 ID SO7hg4AV0 エーリカ「……君の戦いは、見てると胸が詰まるんだよ」 男「なに?」 エーリカ「どうしてそうまでして戦うの?自分の命を磨り減らしてまで」 男「……知っていたのか」 エーリカ「うん」 男「物事には対価が必要だ。ウィッチでないものが戦う魔力を得ようとすれば、こうするしかない」 エーリカ「だから、なんでそこまでするの?無理やりやらされてるわけじゃないんでしょ? 君はいつも独りっきりで戦ってるみたい。誰かにやらされてるんじゃなくて、誰も寄せ付けないで」 男「お前には……お前たちには理解できないさ」 エーリカ「なんで?」 男「話したくない」 エーリカ「そーやってすぐ拒絶する」 男「……」 603 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 16 13 52.45 ID SO7hg4AV0 エーリカ「こんどはだんまりねー。まぁいいや。じゃあこっちの話を聞いてよ。 トゥルーデ……バルクホルン大尉ね、いつも規律規律ってうるさいあの娘。 あの娘は、もうクリスっていう妹以外の肉親が残ってないんだよ」 男「……」 エーリカ「だからその妹を守るため、安心して暮らせる世界のために戦ってる。宮藤も、たくさんの人を守りたくて戦う。 リーネもサーニャもエイラも坂本少佐もペリーヌも、みんな。だからなんだってわけじゃないけど」 男「……」 エーリカ「ここにいる人はみんな、それなりに背負うものがあって戦ってる。 でも、守りたいものがあるっていうのは、希望があるっていうこと。だからみんな戦いの中でも笑ってられる。 君の戦いからは、それが感じられない。なんとなくだけど、悲しさしかないみたい」 男「……くっく、良いセン突いてる」 エーリカ「ねぇ、話してくれない?」 男「……」 エーリカ「話してくれるまでは帰さなーい」 男「……チッ」 604 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 16 14 54.32 ID SO7hg4AV0 男「……俺にあるのは復讐だけだ」 エーリカ「復讐?」 男「そう、家族と故郷の復讐だ。カールスラントの小さな村。ある日空が黒い影に覆われ、全てが炎の中に消えた。 俺だけがその日たまたま村の外にいて、かろうじて逃げ延びた」 エーリカ「それは……辛いね」 男「別に同情して欲しいわけじゃない。あの女も、似たような境遇だろう。不幸自慢で張り合うつもりはない。 ただ、俺の戦う理由はそれだ。それ以外は何もいらない」 エーリカ「堅いなー」 男「なに?」 エーリカ「復讐が悪いこととは言わないけどさ……でも、少しくらい自分の幸せも考えたらいいのに」 男「お前に何が分かる、家族を、故郷を喪った俺の何が!」 エーリカ「故郷がネウロイに占領されてるのはわたしも同じだよ、同じカールスラント人だもの」 男「お前には家族が……!……いや、すまん。不幸自慢などするつもりはないんだ。 だが、俺はもう、ネウロイへの憎しみ以外のものが見えない」 エーリカ「ううーん……憎しみ以外のもの、かー。なんでもありそうだけどねー。美味しいものとか」 606 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 16 15 45.63 ID SO7hg4AV0 男「俺にはもう味覚が残ってない。嗅覚も。触覚だって半分は麻痺してる。お前が以前言った通りにな」 エーリカ「あ、そうだったっけ」 男「分かったろう、もう人並みの幸せなど望める体じゃないんだ。望むつもりもない」 エーリカ「ううー、まだあるはずだよ、それでも。あ、恋とかは?」 男「……」 男「……なぁ、俺からも聞いていいか。なぜ俺に付きまとう?興味本位にしては、しつこすぎる」 エーリカ「え?……うーん。なんでだろ?」 男「……お前は、とんでもなくタフな女か、とんでもないバカ女かのどちらかだろうな」 エーリカ「かもね。でも、その方が楽しいよ、絶対にさ」 男「……」 エーリカ「ちょっとでいいから、生き続けようとしてみなよ」 男「……考えておこう」 607 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 16 16 49.21 ID SO7hg4AV0 ― 数日後 ― バルクホルン「待て少尉。貴様、また訓練中に命令を無視したな」 男「……」 バルクホルン「貴様がそれなりのリスクを背負って戦っていることは分かる。そうまでして戦いたい理由があるであろうこともな。 しかし、それでも、だからこそ、命令には従え。生き残るには連携が必要だ。戦い抜いてこそ勝利が見える」 芳佳.oO(また「関係ない」ってつっぱねられそう) エイラ.oO(またギスギスしそうだナ~) 男「……ご忠告には痛み入る」 バルクホルン「!?」 芳佳「あれ?」 エイラ「?」 男「だが、命の使い切り方は自分で決める」 バルクホルン「お、おいそれは――」 男「俺のことは、気にかけてくれるな」スタスタスタ 609 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 16 17 41.21 ID SO7hg4AV0 ― 廊下 ― エーリカ「最初は、あれくらいが限界かなー」 男「見ていたのか」 エーリカ「うん。でも、まぁ、よくできました。ふふっ」ナデナデ 男「触るな……。ふん」 614 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 17 02 02.66 ID x3AYsnbfO エーリカにナデられたい 653 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19 31 10.47 ID SO7hg4AV0 609から続き ― ブリーフィングルーム ― ミーナ「カールスラント国境付近で、ネウロイに妙な動きが見られるようです。そこで、ウィッチによる強行偵察が要請されています。 美緒、説明を」 坂本「うむ。先だっての大攻勢を撃退されて以来、この方面でのネウロイの作戦行動は小康状態にあったのだが、ここ」パシ 坂本「戦略偵察チームのカメラが、このあたりにネウロイらしき影が集結中なのを捉えた。詳細な作戦目標はこの一帯だ」 男「……!」 坂本「そこで高高度を行く偵察機のカメラではこれが限界だ。低空でより目標に接近して情報を収集する必要がある。 そこでわれわれの出番というわけだが、当該地点はネウロイ勢力下だ。 発見される危険性を少しでも避けるため、このミッションは一機のみでこれにあたる。そこで、誰が――」 男「俺に行かせてくれ」 坂本「ふむ?」 ミーナ「少尉、実験のついでで任せるには、この作戦の重要度は――」 男「実験は関係ない。そこは俺の故郷なんだ。頼む、行かせてくれ」 ミーナ「……いいでしょう」 654 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19 32 36.93 ID SO7hg4AV0 ― 出撃当日、ハンガー ― エーリカ「や、おはよー」 バルクホルン「ハルトマン?」 ミーナ「珍しいわねフラウ、こんな朝早くに」 男「……何のようだ?」 エーリカ「ただの見送りだよ、邪険にしないでよー」 男「ふん」 エーリカ「隙ありー!」 チュ 男「?」 バルクホルン「な!」 ミーナ「え!?」 655 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19 33 20.63 ID SO7hg4AV0 エーリカ「頬の触覚、半分は残ってるんだから、ナニされたかくらい分かるでしょ?」 男「何のつもりだ?」 エーリカ「復讐以外にも、モチベーションって必要かと思ってさー。 君けっこう良い男だしね。無事帰ってきたら、こっちにしたげる」チョンチョン バルクホルン「フラウ!?」 男「……ふっ」 エーリカ「ああ、笑った!?今、鼻で笑った!?」 男「発進するぞ、邪魔だ」バルルルルルル... エーリカ「べー、だ!」 658 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19 38 01.57 ID SO7hg4AV0 ― カールスラント、作戦目標地点周辺 ― 男「初めての帰郷がこんな形とは、皮肉なものだ」 . . . 男「見えてきた。これは……」 659 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19 38 53.34 ID SO7hg4AV0 ― 501戦隊基地 ― 男『501stリーダー、ターゲットインサイト。ネウロイはここに分巣――基地を建設しようとしているようだ』 ミーナ「なんですって」 男『よりにもよって俺の故郷に……ゴミ虫どもめ……!』 ミーナ「落ち着きなさい、少尉。もう十分です、帰投してください。基地建設の阻止は後日改めて――」 男『うわガガガ!......ザー...ドンドンドン!...』 ミーナ「少尉!?」 男『ザー...ちっ、迎撃機と対空砲...ザー...のすごい...数だ』 ミーナ「損害は?逃げ切れそうですか?」 660 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19 39 33.84 ID SO7hg4AV0 男『ザザ......ネガティブ。どうやら逃がす気はなさそうだ。それに、俺もここを背にして逃げるつもりはない。もう二度とな。 一機残らず始末してやる……!』 ミーナ「少尉、一人では無理よ、なんとか逃げ切って、応援を要請――」 エーリカ「ちょっと貸してミーナ」 ミーナ「フラウ?」 エーリカ「こちらエーリカ……そう意固地にならないでさ。帰ってきたら、イイコトしたげるよ?」 バルクホルン「ハルトマン!?」 男『――ふふ』 エーリカ「……?」 男『お前は、タフでいいやつだ。お前のようなやつに会えてよかった』 エーリカ「それなら――」 男『だが、すまんな。俺にはやはりこの生き方しかできん。 ……それに、その貧相な体の色香に惑わされて命を惜しんだと思われるのは、癪だからな』 エーリカ「っ――。この、馬鹿やろー!」 661 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19 40 23.11 ID SO7hg4AV0 ― カールスラント、作戦目標地点 ― エーリカ『馬鹿やろー!』 男「くっくっ……」 ポイ (無線機を放り捨てる) 男「では、いくぞ!」 ダダダダダ! ギィン!ギィン! ダダダダダ ドガン!! . . . 662 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19 41 19.38 ID SO7hg4AV0 男「はぁ、はぁ、はぁ。残存弾数ゼロ、ストライカーも被弾だらけ。残りの敵の数は……」 ウヨウヨ ワサワサ 男「ふん、ゴキブリみたいにキリ無く沸きやがって……。口惜しいが、ここまでだな。 だが、故郷よ、お前をやつらの好きにはさせんぞ――魔道炉、フルドライブ!」キィィィィィィィィ... ダダダ! ダダダダダ! 男「ネウロイども、必死になって撃ち落としきたな。お前たちにも恐怖があるのか!? だが、もう遅い!は、ははは、ははははははははは!!」 663 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19 42 02.88 ID SO7hg4AV0 カッ ドガァァァァァァァァァァン!! 664 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19 42 59.12 ID SO7hg4AV0 . . . ミーナ「ガリアからも閃光が見えたそうよ」 バルクホルン「では、ネウロイの基地は」 ミーナ「おそらく、跡形も残ってないでしょうね。その村も」 エーリカ「……」 バルクホルン「……フラウ、やつは故郷をネウロイから守ったんだ。とんでもなく不器用なやり方だが、やつは確かにやり切った」 エーリカ「……うん」 ミーナ「戦隊、気をつけ!カールスラント――少尉に向け、敬礼!」 ビシッ! 666 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19 46 46.60 ID WBLCLoYnP エーリカ「結局、名前も呼んでくれないまま逝っちゃったね……馬鹿……!」 (終わり) 667 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19 48 38.05 ID WBLCLoYnP クオリティ低くてすまん 他人の妄想ベースだとここらが限界らしい じゃあの 668 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19 50 57.67 ID x3AYsnbfO やるじゃん GJ 669 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 19 54 00.36 ID CyhLUo4G0 乙 良かったぜ 670 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19 57 34.28 ID FpvJa2WAO 乙 エーリカのイイコト凄く気になるんだけどそっち√のエピソードはないのかい? 671 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20 00 46.51 ID vPXUuTle0 ハッピーエンドにしてほしかった 672 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20 05 04.96 ID L+iQEKAr0 乙 良かったよー 674 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20 14 53.29 ID WBLCLoYnP 670 いざ求められるとわたわたしてしまうエーリカと、 興味津々でエロいことしてくれるエーリカと、 女は度胸とばかりにさばさば応じてくれるエーリカ、 どれがいいか決めたら自分で書いてみるといいぞ 675 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20 23 09.01 ID x3AYsnbfO カッコイイけどなんか寂しいな、男 綺麗に纏められていてかなり好き。 -- 名無しさん (2011-03-11 14 02 21) 名前 コメント
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※ これは投下時に安価を取り紹介するウィッチを指定してもらって書いた即興作です 俺「長編の方の書き溜めたまらねえええええ!! でも即興で書いちゃうもんね!! ひさしぶりの『今日のウィッチ』のコーナー! 『そっきょうのウィッチ』として突然の登場だぁ! 今回もコーナーを担当するのは、下心なんてないよだって愛なんだから! 俺とぉ!」 伯爵「やぁ久しぶりだね! みんなボクがいなくて泣いていなかったかい? 女の子ならすぐさま慰めてあげるよ! 502のスーパーユーティリティーウィッチとはボクのこと、ヴァルトルート・クルピンスキーさ!!」 俺「やべえ、なんだろうこの感覚……すごく懐かしい」 伯爵「地の分なしっていうのもいいね……」 俺「ああ、だがウィッチへの愛を語るのに必要なのはまさに愛だけ! 行こうぜ! あの避難所での日々のような、ただひたすらウィッチを愛でるあの瞬間に!」 伯爵「ふふっ、いいよ! ボクもここのところウィッチの女の子の魅力についてまた新しい発見をしたりしてるからね!」 俺「よっしなら今回も行くぞ! 今日紹介するウィッチは、ちっちゃいけど元気いっぱい力持ち! アフリカで頑張るとってもけなげな扶桑撫子! 稲垣真美だぁあああああ!!」 伯爵「わあ! 真美ちゃんかぁ! アフリカ勢はもう四人目だし、なんかついに来たって感じだね!」 俺「ああ、真美ちゃんだよ……もうね、ある意味王道を突き進む女の子と言えなくもない」 伯爵「そうだよねぇ、なんというか扶桑撫子ってフレーズがぴったりの、守ってあげたくなる女の子だよ」 俺「ああ、極限状態の砂漠の北アフリカ。はっきり言ってそこにいるウィッチは一癖も二癖もあるような奴らばっかりだし、基本的に野郎の率もすこぶるたかい!」 伯爵「そんな中、健気に一生懸命働く真美ちゃん……」 俺「小さな体で基地をところせましと走り回る……」 伯爵「『クルピンスキーさん、ご飯の準備できましたよ』とか笑顔で言われたらあれだね、ベッドでご飯食べなくちゃね。もちろん真美ちゃんおルームサービスで」 俺「その気持ちには大いに賛成する」 伯爵「あの扶桑陸軍の制服っていいよねぇ。巫女服って言うんだっけ? すっごく脱がしやすそうなんだもん。こう海軍のボディスーツもいいけど、紅白でひらひらなあたりがそそるよねぇ」 俺「真美ちゃんが着ると抱きしめたくなるね。こう言うと怒られそうだけど、ちょっぴり七五三ちっくな感じとかがいい」 伯爵「真美ちゃんならぷんすかとかわいく怒ってくれそうだね……怒ってるところを頭なでなでしたいよ」 俺「そういえば伯爵。巫女服ってのは巫女が着る服ってのは知ってるな?」 伯爵「うん、それくらいは知ってるけど、なにかあるのかい?」 俺「その巫女についてなんだがな。本来巫女ってのは八百万の神に仕える存在であり、人が穢していい存在ではないんだ」 伯爵「そ、それってつまり……!」 俺「わかるぞ、伯爵の考えていることが! 考えている通りだ、巫女服にはな、あの紅白の色合い以外は質素に見える清楚さと共に、手を伸ばすことによる背徳感も存在しているのだよ!!」 伯爵「なんだろう、ぞくぞくくる感覚だよね……」 俺「しかも真美のあの小柄な体型がそれに合わさるんだ!」 伯爵「背徳感がさらにドン! 背徳感のフュージョンだ!!」 俺「ダメとわかっていても、それでも手を出したくなる!!」 伯爵「ああっ! もう我慢できないよちょっとアフリカに行って真美ちゃん捕まえてくる!」 俺「まあ待て伯爵、もっと真美ちゃんについて語ってからでも遅くはない。真美ちゃんは逃げないさ。きっとアフリカに着た俺たちを優しく迎え入れてくれる。そしてその時……な」 伯爵「うん、それもそうだね」 俺「よし、なら改めて真美ちゃんいついてまとめてみよう」 伯爵「いつも思ってたけど、よくそんな個人情報どこかからか引っ張ってくるね」 俺「ふっ、これも愛の形の一つさ」 伯爵「それってストーカーって言うんじゃ……」 俺「あー、聞こえないなー、ってか伯爵さっきから何? 真美ちゃんのこと聞きたくないの?」 伯爵「何を言ってるんだい聞きたいにきまってるじゃないか!」 俺「……おーけー、わかったからMG42は下そうか」 伯爵「洗いざらい君が話してくれたらね?」 俺「わーったわーった。まずはだな、真美ちゃんは実は子爵家の御息女なんだ。まさに由緒正しき身の上で、幼少期からしっかりした教育を受けてて、日常会話程度ならブリタニア語・カールスラント語・ローマ語が話せる。 多分、家事も花嫁修業の一環、みたいな感じでやってたんだろうな」 伯爵「カールスラント語も喋れるなんて……そんなにボクとお喋りしたいのかな、まいっちゃうなぁ、こりゃ真美ちゃんの熱意に応えないわけにはいかないね」 俺「いや、普通にカールスラントの人とコミュニケーションを取りたいだけだろ」 伯爵「なら正しいじゃないか。ボクはカールスラント人だよ?」 俺「伯爵とじゃ絶対普通のコミュニケーションじゃない」 伯爵「そんなことないよ、奥手だって言う扶桑の女の子に欧米のボディコミュニケーションを教えてあげるだけさ」 俺「響きがいかがわしすぎる……」 伯爵「ふふっ、まあそれは今度にとっておいて、続きを頼むよ」 俺「へーへー、そうだな。真美ちゃんがウィッチを志したのは『扶桑海の閃光』を見てウィッチに憧れたかららしい」 伯爵「カウハバのハルカちゃんも確かそうだったよね? ってことは、扶桑の『かわいいウィッチを大量確保キャンペーン』はやっぱり成功だったのかぁ」 俺「上層部は絶対に戦力確保を最優先だったと思うが……まあいい、ウィッチに憧れ訓練学校の門戸を叩いた真美ちゃんだが、実は身長制限ギリギリだったんだと」 伯爵「間違ってる」 俺「ん? なんか俺変なこと言ったか?」 伯爵「いや、身長制限なんて間違ってる! もしかしたらそのせいでかわいい女の子が弾かれてるかもしれないじゃないか!! そんなの絶対おかしいよ!!」 俺「やはり伯爵は伯爵だった!!」 伯爵「俺はそう思わないって言うの!!」 俺「いや、思うね!! ちっちゃい女の子が好きでなにが悪い!! すぐ犯罪者みたいに言うな!」 伯爵「かわいいんだから仕方がないじゃないか!!」 俺「ちっちゃな真美ちゃんだが、訓練校に入った当初から身長が殆ど伸びてないんだとさ」 伯爵「別にそれでいいんだけどなぁ……真美ちゃんには真美ちゃんの魅力があるんだから」 俺「おっぱいも身長にふさわしい量しかない。ある意味バランスがいい」 伯爵「小さなおっぱいはいい……起伏がなくてつまらないなんて言う人がいるかもしれないけど、逆にあの滑らかに流れる体の線の美しさがあるんだよ」 俺「おっぱいが大きいと、裸はエロいだろう。だけど、真美ちゃんの裸とかなら……こう神々しさが感じられそうだ」 伯爵「手足も細いし……どこか悪いんじゃないかってそっと手を這わせて撫でてみたくなるね」 俺「とっても小さな体。とてもじゃないが軍人に向いているとは思えない。しかも任地はただ生きるだけでも過酷なアフリカの砂漠……」 伯爵「そこで戦う真美ちゃんはまさに、アフリカに咲く一輪の花……いや、オアシスだね」 俺「あのおかっぱの髪型もいいな。少女らしさが残って、なんだか懐かしい感じがして、落ち着く」 伯爵「笑顔で、おかえりなさい、とか言ってもらいたくなるよ」 俺「まあ実際の真美ちゃんはおかえりなさいを言ってもらうほうなんだけどな」 伯爵「そうだね……でもボクは心配だよ。真美ちゃんはちゃんと戦えるのかい? もしかしたら泣いてたりしないのかい?」 俺「いやー、それが真美ちゃんはアフリカで大活躍! それにはやはり固有魔法の存在がでかいな」 伯爵「なんだ、真美ちゃんは固有魔法持ちなのかぁ」 俺「ああ、そうなんだ。一応の分類は『怪力』になってる」 伯爵「それって、トゥルーデと同じってことかい?」 俺「いや、どうも違うっぽいんだ。実は肉体強化じゃなくて重量軽減系なんじゃないかとも言われてるんだが、いかんせん似た能力者があまりいないから詳細は不明らしく、便利だしいいじゃないか、って感じで放棄されているみたいなんだ」 伯爵「そうなの?」 俺「そうらしい。だが、詳細不明でも効力はばっちりだ。ボヨールド40mm砲だって軽々と持ち上げちゃうんだからな」 伯爵「それって、2トンくらいあるよね?」 俺「あるな。でも、想像してみろよ、そんな馬鹿でかい砲をあの小さな体の真美ちゃんが一生懸命抱えて空へ飛ぶんだ」 伯爵「……和むね」 俺「和むな」 伯爵「よいしょ、よいしょってセリフつけたくなるくらいかわいいよ」 俺「あと、我らが癒しの真美ちゃんだが、料理も上手なんだ。補給も大変なんだろう中で扶桑料理を頑張って振る舞ってる」 伯爵「扶桑の女の子って、お料理上手な女の子が多いよね。芳佳ちゃんも、定子ちゃんもそうだし、真美ちゃんもでしょ。それに醇子ちゃんもいるし」 俺「あー、そりゃ扶桑のお国柄って奴じゃないか? なんでも扶桑は男は外で仕事をして、女は家庭を守るっていう文化が強いらしいし」 伯爵「ふーん。じゃあ、やっぱり真美ちゃんはボクが家に帰ってきたらやわらかい笑みで『おかえりなさい』って迎えてくれるわけだよね? いいなぁ……」 俺「控え目なところも、いいな。ふと疲れた時に、ちょっと後ろを見ると、優しく俺を見守りながらついてきてくれている真美ちゃん」 伯爵「そこで一言『大丈夫ですよ』」 俺「やばい、感動のあまり脳汁が噴き出る……」 伯爵「そういえば、前にアフリカに行った時、ケイが真美ちゃんの写真も一杯持ってたよ」 俺「ああ、そういやコミックアラカルトの一巻で、射撃姿勢にある真美ちゃんの後ろから、ズボン丸見えなベストショットをおケイさんが撮ってたな……」 伯爵「実はあれ、ティナの昔の恥ずかしい話と引き換えに焼き増ししてもらったんだ」 俺「なん……だと! うらやましい!」 伯爵「いいよねぇ、巫女服って普段はあのなんだっけ、ハカマ? の中が見えないからさ、見えるのってとっても嬉しい」 俺「そうだなぁ……ってあれ?」 伯爵「どうしたんだい?」 俺「いや、ひとつ気になることが……」 伯爵「?」 俺「いやさ、巫女服って本来は袴の下にはなにも身に着けないのが作法のはずなんだ」 伯爵「へぇ……」 俺「うん……」 伯爵「これは、正しい着方を教えてあげなくちゃいけないよね? 巫女服だって正しく着てもらいたいだろうし」 俺「そうだな、それに真美ちゃんは良家の出、間違った着方は恥ずかしいに違いない」 伯爵「これはちゃぁんと手取り足取り教えてあげないと……」 俺&伯爵「ちょっとアフリカまで行ってくる!!」 ページ先頭へ
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扶桑皇国第三○ニ海軍航空隊。 厚木基地を根拠地にするこの部隊は、横須賀鎮守府や首都東京を含む関東を守る防空部隊である。 最激戦区の欧州にウィッチを派遣することの多い扶桑であるが、海軍の実力派ウィッチも多く所属する、本土きっての主力航空隊だ。 特に「男」のウィッチがいることで有名である。 その「男」のウィッチである俺は、呼出しを受け第三○ニ航空隊司令室に向かっていた。 ドアをノックをすると声が返ってくる。 司令「入れ」 俺「入ります」 司令「ああ、来たか」 俺「俺中尉ただ今参上いたしました」 敬礼を向ける先、巨大な執務机にいるのは不釣合いとも思えるような少々小柄な女性だった。 真面目な雰囲気をだしていた俺だったが、女性が返礼をするとすぐに表情を崩してしまう。 俺「いきなり呼出しなんて俺何かしましたっけ?」 司令「いや『今回は』説教ではないぞ」 俺「おー、そりゃありがたい。安奈ちゃんの説教はいつも長いんだよなー」 司令「階級は大して気にしなくていいとは言っているが『安奈ちゃん』はやめろといつも言っているだろうが……」 整った表情を顰めるのは小園安奈大佐。 第三○ニ航空隊の司令であり、かつてはリバウ遣欧艦隊リバウ航空隊の副長(飛行長兼任)を務め、リバウ三羽烏を部下に持っていたこともある女傑である。 カールスラントのアドルフィーネ・ガランド少将程ではないが大佐という元ウィッチとしては破格の地位にあり、扶桑海軍ウィッチの運用にはかなりの影響力を持っているらしい。 俺「なに? もしかして年齢気にしてる? 確かにもう20も後は――」 安奈「……ねじ切るぞ?」 俺「おっと失礼小園隊長」 口では言うが反省の様子があまり見られない俺に対して溜息をつくが、さっさと用件を済まそうと安奈は話を続けた。 安奈「辞令だ」 俺「辞令? なんでまた」 安奈「上層部にガランドから増員要請があったらしくてな、それでお前にはひとっ飛び行ってもらうわけさ」 俺「はぁ。でもガリアも解放された今、欧州は大分優勢なんじゃ?」 安奈「わざわざ私のところにもガランドから催促が来た。『獅子は兎を狩るにも全力を出す』とな」 耳にかかる艶やかな黒髪を払い背もたれに身を預ける安奈は、ふんと鼻を鳴らした。 俺「つまりどういう意味で?」 安奈「『優勢なうちにネウロイどもを叩き潰したいからウィッチの出し惜しみするな』ってことだろうよ」 俺「なるほどねぇ……」 納得といった様子で俺は頷く。 俺「そんで、俺はどこへ行けばいいんで?」 安奈「オラーシャだ。東部戦線のな。第502統合戦闘航空団と言えばお前でもわかるだろう?」 俺「さすがの俺でもそれくらいは知ってますって」 胸を張る俺だったが、安奈から向けられる視線は微妙に胡散臭そうにしている気配があった。 安奈「まあいい……ちなみに出発は明後日だ」 俺「はやっ!!」 驚く俺であるが安奈は全く気にしない。逆にもっと爆弾を投下する。 安奈「後そうだ、ペテルブルクまでは自分で飛んでけ」 俺「……ごめん安奈ちゃん、今なんて?」 安奈「ペテルブルクまで自分で飛べと言ったんだ。あと安奈ちゃん言うな」 俺「はぁああああ!?」 絶叫した俺だが、安奈は全く態度を変えない。まるで俺がおかしいといわんばかりである。 安奈「なにを驚いている? お前の固有魔法があれば大丈夫だろう。前だってテストでここからシドニーまで飛んだじゃないか。ペテルブルクはシドニーよりは近いぞ」 俺「確かに厚木から7800kmくらいあるシドニーよか近いけど、それだって7000kmは割らないでしょうが!!」 安奈「なんだぁ、前はできて今はできないとでも言うのかぁ?」 俺「できるできないの前に、やりたくない!! 固有魔法でどうにかなるって言っても長く飛べるってだけだから、巡航速度じゃ15時間以上かかるんだよ!!」 安奈「飛べるなら、飛べ。お前は扶桑男児だろうが、泣き言など聞かん」 ちょっとキツメの目をさらに細めて、安奈は猛烈な抗議を行う俺を冷たく突き放す。 安奈「だいたいこれは命令だ。まあ、理由としてウィッチの長距離飛行に関するデータ取りってのもあるにはあるがな」 俺「そもそもウィッチに長距離飛行なんてさせるもんじゃないって……」 石油を燃料とする飛行機はともかく、ウィッチが長距離飛行をするには問題が多い。 長時間の飛行は精神肉体両面でのウィッチへの負担があまりにも大きいのだ。 訓練を積んだウィッチでも長時間飛べば消耗が激しく大した働きが出来ないので、ウィッチを長距離で飛ばしても作戦上の意味がないこともある。 そしてそもそも、増槽もあるが魔力は基本的にウィッチ自身のもので、燃費を切り詰めたとて長時間飛行を行うには膨大な魔力を持つウィッチが必要で、それは数がとても少ない。 この最後の問題を解決できる固有魔法を持っているがゆえに、俺は苦労しているのであった。 俺「なんでこんな目に俺が……」 安奈「固有魔法があるだけウィッチとしてはいいだろうに」 がっくりと俺は肩を落とす。 だがそんなことを気にする安奈ではなく、辞令を俺に渡す。 安奈「ほれ、いつまでもいじけてないでさっさと準備しろ」 俺「はいはい……」 安奈「はいは一回にしろ」 俺「へーい……」 安奈「おい、はいですらなくなってるぞ」 一度大きなため息をついてから、俺はしぶしぶといった様子で退室した。 夕方の食堂に女性の陽気な声が響いてた。 女性「ほう、オラーシャか! なんだ、あそこでかいんだろ?」 俺「でかいんすよ。それを俺は横断しなきゃならないってわけで……」 女性「あっはっは! いいじゃないか、お前にしかできないことだ。誇れ誇れ!」 俺「姉御はほんと楽しそうで……」 ざっくばらんに切った短い髪の女性は赤松明美中尉。 軍神と称される北郷章香とは親友であり、彼女の列機を長く務めるなど、海軍指折りのエースウィッチの一人である。 無類の酒好きだが、意外にも教官としては優秀で、新米だった俺を今まで指導したのも彼女。 既にあがりを迎えており現在は第三○二航空隊で教官扱いで所属するが、隙を見てはこっそり出撃する上官泣かせなウィッチでもある。 明美「そりゃあなぁ、あのダメダメだった俺が天下の統合戦闘航空団様に派遣されるんだ。ずっと教えていた私の鼻も高いってもんじゃあないか!」 俺「行くのはともかく自分で飛ぶのは……」 明美「だから、それはお前しかできないだろ? なら伝説だ、やってやれって」 俺「姉御は気楽っすねぇ」 だがどうも愉快そうな明美と違い、俺の表情は曇り気味だった。 明美「まったくなんださっきからしけた面して、酒が足りてないんじゃないのか!!」 溜息をつく俺の前にある空きグラスに明美は手ずから扶桑酒を注いでやる。 明美「さあ飲め飲め!!」 俺「って、わかりましたからそんな背中叩かないでくださいよ!!」 明美「あっはっは! そうだそれでいい、命令ならどうせやらなきゃならないんだ。気楽にやったほうが100倍ましだろう!」 俺「まあ、そりゃねぇ」 明美「それに、お前は私の弟子だ。自信持っていいんだぞ!」 がばっと明美は俺の肩に手を回しがっちりと力を入れる。 俺「じゃ、師匠の顔に泥を塗らない程度に頑張りますかね」 明美「おっ、いい顔になったな!」 次第に明美の笑顔につられて俺にも普段通りの笑顔に戻っていた。 日も落ちた食堂。 先ほどまで俺と一緒に酒盛りに興じていた明美は、一人で酒を飲んでいた。その表情にも少々影がある。 彼女の正面に、グラスを持って安奈が座った。 安奈「珍しいな。お前がそんな表情をするとは」 明美「おや、安奈ちゃんじゃないの」 安奈「……お前ら師弟はいい加減に学習能力がないのか?」 明美「私達が言われて唯々諾々と従うような奴に見えるかい?」 呆れた顔を見せる安奈へにやりとした笑みを見せながら、明美は酒瓶を向ける。 安奈「やれやれ……そういえば、その弟子はどうした? さっきまで騒々しい酒宴だったと聞くが」 明美「あいつなら、整備兵どもに連れてかれたよ。今度ペテルブルクまで飛ぶのに使う富嶽の調整だとさ」 安奈「なるほど」 『富嶽』とは扶桑の技術力を結集した戦略爆撃用ストライカーユニットである。ただ、とある問題から実機は一つしかなく『技術力の無駄』と揶揄されている。 巡航速度だけ見ても毎時400kmを超えるなど、爆撃用としては破格の速度であり、実用上昇限度も15000mと高性能。戦略爆撃を目的としているだけあり魔力増幅率も高く積載重量も多く、素晴らしい機体のように一見すると思える。 だが、そもそも前述した通りウィッチに長距離爆撃には向かず、それが可能な膨大な魔力量を誇るウィッチがいたとしても、長距離爆撃に使うだけ人材の無駄なのだ。 それに、どんなに積載量が多くともウィッチが爆弾を持つ以上リベリオンの爆撃機B-29に敵わず、対地攻撃に使うとしてもより効率的なストライカーは多いのだ。 それゆえの『技術力の無駄』である。 安奈「しかし、酒を飲んでもすぐに仕事ができるのはうらやましい限りだな」 明美「確かに、あいつの固有魔法はそういう意味じゃあ便利だあね」 安奈「体内に取り込んだアルコールを魔力に変換する能力だったか?」 明美「そ。空でも酒を飲めば魔力が回復できるなんてギャグみたいな能力だよねえ」 安奈「そのせいで富嶽を押し付けられたわけだが」 そう、魔力変換の固有魔法のために、飛行中でも魔力の補給が可能な俺のところに実働データを取るという名目で富嶽はある。 そして上層部の命令で過去にはここ厚木基地からシドニーやホノルルまで飛ばされていたのだ。そして、今回はペテルブルクまでである。 明美「見てる分には楽しいけどね」 安奈「弟子が心配か?」 言って、安奈はちらりと明美へ目線を送る。 ちょうど酒を傾けていた明美は、一瞬止まってから観念したように息を吐き出した。 明美「ま、そりゃ心配だよ。男のウィッチなんてほぼ皆無だろ? 訓練校で見つけた時から今までずーっと世話してやってきたんだから、心配にもなるって」 安奈「まあそうだろうな。あの性格も酒好きなところも、お前によく似ている。それに腕も確かだ」 明美「おや、それは嬉しいね。安奈ちゃんが褒めるなんて」 安奈「認めていなければ統合戦闘航空団に推挙などしないさ」 空になった明美のグラスに、今度は安奈が酒を注ぐ。 明美「ふっふっふ。そこんとこは私も保証するよ。あいつならちゃんと戦果を挙げるってね」 安奈「それはよかったのか悪かったのか判断に困るな」 明美「やれやれ、ひどい言いようだね」 言葉とは反対に明美の口元には笑みが浮かんでいた。 それを見て安奈も口の端をつりあげる。 安奈「そろそろお前も弟子離れするべき時だろうしな」 明美「弟子が離れていかないだけさ」 安奈「ふっどうだか」 明美「なんだよ、文句あるのか?」 軽く明美に睨まれても、安奈は表情を崩さない。 にやにやと愉快そうだ。 安奈「どちらが正しいかの結論は置いておくが、あいつも一人立ちってことだ」 明美「まあ、な。これで厄介払いが出来る」 明かりにかざすように明美がグラスを掲げた。 透き通った扶桑酒の中で光が揺らりと泳ぐ。 安奈「あっちで騒動を起こすかもしれんぞ?」 明美のグラスに自らのものを並べるように安奈も腕を伸ばす。 明美「だけどここみたいに『またお前か』で済ましてはもらえないからなぁ。そこは自己責任さ」 安奈「確かにな」 明美「まあ、どちらにせよあいつを信じるしかもうないけどな」 明美の目線が安奈へと向けられる。 そこにはいつになく温かな色合いが見えた。 安奈「私もよく考えればあいつとは長い付き合いだったな」 明美「まだまだ続くさ。必ず帰ってくるから、な」 視線を交わし、お互いに小さく笑みが漏らす。 安奈「バカな部下の」 明美「バカな弟子の」 二人「巣立ちを祝って」 グラス同士がぶつかる甲高い音が小さく響いた。 二日という時間は過ぎるにはあまりに早く、厚木基地の滑走路には富嶽のストライカーユニットを履いた俺と、明美がいた。 明美はおもむろに一本の扶桑刀を鞘から抜き放つ。 刀身に反射した陽光は、まるで太陽をかき消すかのようにまばゆく、一切の無駄のない細き刀身は美しさと同時になにものをも寄せ付けないような怜悧さを持っていた。 実戦や訓練で扶桑刀によく触れる俺であっても見とれてしまう、まさに名刀と言える刀だった。 明美「いい刀だろ?」 じっと俺が見ていたのに気付いた明美がにやりと笑う。 俺「そうっすね。すげえいい……」 明美「うむ」 偽ることなく俺が言ったことで、満足そうな表情を浮かべる。 そして、流れるような動作で鞘に刀を収めるとそれを俺へと差し出した。 明美「ほれ、やるよ。餞別だ」 俺「え? いやいやこんないい刀もらえませんって」 首を振ってとんでもないと俺は辞退してしまう。 明美「ばぁか、師匠からの贈り物を断るやつがあるか」 俺「いや、当然のように受け取ってもだめでしょうが……」 明美「かー! いちいち細かいこと気にしやがって!」 眉をひそめた明美が、俺の鼻先に左手の指を突き付けた。 明美「お前がこれから行く先は最前線で、しかもオラーシャだ。扶桑刀がそうほいほい補給できるわけじゃない」 お気楽さを前面に出している普段と違い、真剣そのものな瞳に俺は気圧される。 明美「それを慮って、ネウロイごときにゃ負けない名刀を私がわざわざくれてやるんだ。受け取れ!」 今度は眼前に刀を差しだされた。 再び視線は漆喰の黒き鞘に吸い寄せられる。 そして、気付けば刀に手を伸ばしていた。 明美「そうだ、その刀の銘を教えておこう」 ずしりとした見た目以上の重みを深く感じていた俺は、はっとして明美に視線を戻した。 明美「『雷切』さ」 俺「雷切……」 明美「そうだ。雷神をも切ったと言われる名刀だ。どうだ?」 俺「最高っすね」 明美の不敵な笑みに、俺も不敵な笑みを返す。 俺「確かに、ネウロイ如きには負ける気がしない刀だ」 明美「ふっ」 満足そうに鼻を鳴らすと、そのまま明美は俺に背を向けて歩き始めた。 明美「用はそれだけだ。後はまぁ、なんだ」 背を向け歩みを滞らせることなく、後頭部を掻きながらちょっぴり恥ずかしそうに言う。 明美「死ぬなよ」 俺「あ……」 今までの人生の約三分の一を共に過ごしてきた尊敬する人からの、らしくないと言えばらしくない、それでいて率直な気持ちの吐露。 俺「姉御!!」 気付けば俺は声を張り上げていた。 蘇る懐かしい日々。 ある時は怒られた。 ある時は徹底的にしごかれた。 ある時は一緒にバカをやった。 ある時は死線を共に潜り抜けた。 いろいろあったけれど、彼にとっての彼女というのは簡単。 俺「今まで、ありがとうございました!!」 頼りになる『姉御』だ。 地面に頭をぶつけてしまいそうな勢いで、いやもしかしたら当ててしまうつもりだったのかもしれない、それほどの気持ちで頭を下げた。 明美「ふん、らしくないっての……バカ弟子が」 頭を下げ続けていた俺は、明美が足を止め振り返っていたことも、小さく呟きを零したことも、結局気付くことはなかった。 その日、扶桑皇国海軍第三○ニ航空隊所属俺中尉は、第502統合戦闘航空団へ飛び立った。 ページ先頭へ
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※ これは投下時に安価を取り紹介するウィッチを指定してもらって書いた即興作です 俺「どうも! またこんな深夜に失礼するよ! 呼ばれなくても勝手に現れる『そっきょうのウィッチ』のコーナーだ! 今回もコーナーをお送りするのは、かわいい女の子を、かわいいウィッチを愛でるのは男の義務だよね? の俺と!」 伯爵「たとえコーナーの間が伸びようとも、ウィッチへの愛を忘れることは一切ないよ。ヴァルトルート・クルピンスキーさ」 俺「よぅし、また来たなこのコーナー」 伯爵「以前はひぃひぃ言ってたくせに、またやるって言うなんて、作者はどうやらドMなのかな?」 俺「どうだろうな。でも、そのおかげで俺たちに出番があるならいいことだ」 伯爵「ふふっ、そうだね。ボクのファンも増えて、かわいこちゃんが一杯になると思えば悪くないね」 俺「こうして、ウィッチに対する愛をぶちまけることができるのは、とても素晴らしいことだと思はないか?」 伯爵「そうだね、平和だよね」 俺「つまり、ウィッチこそ人類を恒久の平和へ導く可能性を秘めているんだ!」 伯爵「って言うことは、ウィッチを紹介しようとする私たちは世界平和への先導者なんだね!」 俺「ああ、そういうことだ!」 伯爵「なら、もっと紹介しなくちゃ。というより、語らせてよ!」 俺「もちろん、語らせてやるよ! さあ、今日紹介するウィッチは、人一倍の頑張り屋さん、だけどドジっ子! ほんわかした雰囲気がたまらない、スオムスのひばりこと、エルマ・レイヴォネン中尉だああああああ!!」 伯爵「おっと、いらん子中隊からは初の登場だね!」 俺「そうだな、ついに登場か、って感じもするけどな」 伯爵「ふふ。でも、もちろんボクはエルマちゃんのことだって知ってるからね、問題ないさ」 俺「伯爵さあ、エルマさんのことちゃん付けにしてるけど、あの人伯爵より年上だぜ?」 伯爵「1939年時に15歳だから確かに年上だね……でも、それが? ボクは綾香ちゃんにだってちゃん付けだよ?」 俺「ああ、言われてみればそうか……」 伯爵「それに! 年上なのにあのぎゅっと守ってあげたい感じが最高じゃないか!! ちゃん付けしなくちゃ失礼だよ逆にね!」 俺「そいつには同意しよう。だが、敢えてさん付で呼ぶのも乙なものだと思わないか?」 伯爵「うーん、確かにそのギャップも捨てがたいね……」 俺「なら、俺がさん付けで伯爵がちゃん付けで行けばバランスがいいよな?」 伯爵「なるほど! やっぱりボクらは名コンビだよね!!」 俺「はっはっは、当たり前だろ!?」 伯爵「よっし、じゃあもっと具体的に語っていこうか!」 俺「まずは恒例……っぽくなってる簡単なまとめからいこう」 伯爵「誕生日は6月4日だね。なんとお誕生日SSが二本も作られたりと、隠れた人気をもってるねぇ」 俺「まあぶっちゃけて言えば、いらん子のあの濃いメンツの中にいる清涼剤って感じだからな」 伯爵「うんうん、あわあわとあの中隊メンバーの間で困ってる系だもんね」 俺「髪の色は白に近い金色、まあ知らない人はエイラのイメージでもいいかもしれない」 伯爵「そういえば彼女、エイラちゃんの上司なんだよね?」 俺「ん? ああ、そうだな。エイラ曰くのエルマ先輩だな」 伯爵「いたずら好きなエイラちゃんだからねー、きっと彼女にもいろいろといたずらをしかけてそうだよ」 俺「はっきり言えば、かっこうの餌食だもんなー」 伯爵「妙に生真面目だけど、天然でドジっ子。苦労性で気が弱い」 俺「いたずらの対象にならないわけがないな」 伯爵「ボクもいたずらしちゃいたいなぁ」 俺「ばれても、ぷんぷんとかわいらしく怒るだけで許してくれそうだしな」 伯爵「ちょこちょこあわあわと走り回る姿とか見てみたいなぁ」 俺「でも、実は意外な事実を知ってるか?」 伯爵「なんだい?」 俺「線の細さと、その気の弱さ、あとは幸薄そうな外見から、小柄なイメージがあるけど、実は身長162cmもあるんだ。エイラの160よりも大きい」 伯爵「ええっ!? そりゃまたびっくりだよ!」 俺「2cmの身長差だけど、後輩より大きいのがうれしくて、さらにお姉さんぶるエルマさんとかどうよ?」 伯爵「だけど、すぐに転んで……」 俺「エイラに助けられる!」 俺&伯爵「なんと素晴らしき王道のドジっ子!!」 俺「いいなぁ。しかも、こういう子はみんなのことを心配するもんなんだよな」 伯爵「確かに、空回りはよくしてるかもしれないけど、仲間や祖国を守りたいって思いはすっごく強いもんね」 俺「ああ、失敗も多いけど、いつもエルマさんは前向きだ。ただ、見ているこっちとしては自分の身をまずは大事にしてほしいものだ」 伯爵「そんな、危なっかしさがまた、彼女の魅力なのかもしれないねぇ」 俺「背中からそっと抱きしめてあげたい」 伯爵「それで、そのままベッドまで抱いて行って慰めてあげたいね」 俺「いや、多分顔真っ赤にして『わ、私は智子中尉とは違います!』とか叫ぶだろうがな」 伯爵「ふふ、もちろん智子ちゃんと違うことくらい知ってるさ。別にレズビアンになれってわけじゃないんだから」 俺「……えっ?」 伯爵「ねえ、俺。かわいい女の子をかわいいって言うのは悪いこと?」 俺「いや、そりゃ悪くはないが……」 伯爵「なら、かわいい女の子をかわいがるのもおかしくないよね?」 俺「まぁ……おかしくは、ないな」 伯爵「三段論法的に言えば ①かわいい女の子はかわいがるべきである ②エルマちゃんはかわいい女の子 ③よってエルマちゃんはかわいがるべき ってなるよね?」 俺「お、おう……?」 伯爵「だったら、そんなレズだとか関係なく、ボクの愛が炸裂してるだけだよね!? 不純どころか純粋だよ!!」 俺「あれ? なんかおかしい気がするけど、正しいような……不純も100%なら純粋だっけ?」 伯爵「ふふっ。いいんだよ、これで」 俺「うーん、まあ……いいか」 伯爵「あとそう、ボクは深く感動してることがあるんだ」 俺「なんだ?」 伯爵「エルマちゃんの名台詞と言えば『みんながんばろうね!』だよね?」 俺「そうだな。きっと、胸の前でぎゅっと手を握って言ってくれるんだろう。最高だ。だけど、深く感動してるってのは?」 伯爵「似たような言葉に『みんながんばってね』みたいなのも作れるけど、これじゃあ全然意味が違うんだ?」 俺「ほう、そりゃいったいなぜ?」 伯爵「『みんながんばろうね』って言うのは『私もがんばるよ。だけど、みんなも一緒にがんばろう』ってことなんだよ」 俺「ふんふん、それで?」 伯爵「前にも言ったけど、仲間をとってもエルマちゃんは大事にするんだ。だからこそこの言葉が似合うし、感動するんだ」 俺「なるほど……仲間全員で、ってことか」 伯爵「彼女は、自分がなんでもできるスーパーウーマンじゃないってことは理解してる。だからこそ、がんばるし、みんな一体になって全員一緒に生きて戦場から帰りたいと願っているんだと、ボクは思う。 いかにもなところからじゃなく、こんなところから彼女の優しさにい触れるのも、また乙じゃないかい?」 俺「ちょっとした言葉からもにじみ出る優しさか……やばいなぁ、やっぱ抱きしめたいぜエルマさん」 伯爵「キュッと……じゃないや、ぎゅっとしてあげたいウィッチランキングだったら絶対上位に入るだろうしね」 俺「しっかし性格は素晴らしいよなぁ、エルマさん。きっと付き合ったら、いろいろ尽くしてくれそうだし、それでいてドジっ子な分、こっちがフォローしてあげなくちゃいけないだろうあたりとか、完璧に男心をくすぐる」 伯爵「ちょっと失敗が込んで、こっちのフォローが多くなったりしたら、しゅんと肩を落として落ち込んだりしそう」 俺「そんな時には、優しくあのおでこにキスを一つ落として慰めてあげたいものだ」 伯爵「そういえば、エルマちゃんのチャームポイントにはおでこがあったね」 俺「ああ、広いおでこだ。前髪を上げてるわけでもないおでこキャラはそんないないかもな」 伯爵「口さがないやからの中には、エルマちゃんはすぐ禿るとかとんでもないこと言うやつがいるけど、悲しいことだね」 俺「ああ、あのおでこの魅力がわからないなんてそいつはサーモンの出ない寿司屋に行くようなものだ」 伯爵「変な例えはいらないからね?」 俺「すまん。だけどよー、あのおでこはいいよなー」 伯爵「いつも一生懸命なエルマちゃんだからこそのよさがあるよね」 俺「ああ、せっせと働いていて、一息ついたエルマさん。その時おでこには少しの光る汗が」 伯爵「健気に頑張ってるがゆえの汗が映えるよねぇ」 俺「タオルでからかうみたいに、おでこをぺしん、と叩いたりして汗をぬぐってあげつつ、一休みさせてあげたいなー」 伯爵「『もー、なにするんですか!』とか言いながら、笑顔でタオルは受け取ってくれるわけだ」 俺「かわいいなぁ……ますます年上には見えないぜ」 伯爵「スオムスって、なんというかエイラちゃん、ラウラちゃん、ハッセ君、二パ君みたいに放っておいても大丈夫っていう感じのたくましいウィッチが多い気がするんだよね。だけど」 俺「その中に燦然と輝くエルマさん! それでいて最年長!」 伯爵「あー、だめだこれはたまらないなぁ」 俺「ルチアナの時とかにも言ったけど、お嫁さんにしたいです。あのほんわりとした雰囲気がいい。柔らかいあの笑顔で『おかえりなさい』とか言われたら、それだけで昇天できる」 伯爵「わかるよ。ボクもお嫁さんに欲しい。というより、一家に一人のエルマちゃんが実現されて欲しいくらいに欲しい」 俺「夜遅くまで頑張ってそうだ。そしたら、温かいココアでもそっと差し入れてあげたいぜ」 伯爵「コーヒーとかじゃなくて、ココアってところがまたいいね」 俺「そしたらきっと、ちょっとすまなそうに、だけど嬉しそうに笑ってお礼を言ってくれるんだろうさ」 伯爵「和むなぁ……」 俺「ほんとほんと、エルマさんは俺たちを和ませてくれるよ」 伯爵「ずっと前で、いらんこ中隊一番の清涼剤とか言ってたけど、あれ撤回しない?」 俺「そうだな……ストライクウィッチーズ世界でも随一の癒し系、と言っておこう!」 伯爵「そういえばさ、エルマちゃんのスオムスでのコールサインって『ひばり』なんだよね?」 俺「ああ、あの小柄な鳥はなかなかエルマさんにぴったりだと思うぜ俺は」 伯爵「ひばりの囀りってとっても綺麗でかわいらしいよね」 俺「ああ、扶桑でも季節には聞けるぞ。穏やかな声だ」 伯爵「でもボクは野生のひばりより、スオムスのひばりちゃんの夜の囀りを聞いてみたいなぁ」 俺「おい、またエロ落ちかよ!」 伯爵「ふふっ……失礼だなぁ、ボクのは愛だよ。下心の恋とは違って真心さ」 俺「しかもネタ古っ!!」 ページ先頭へ
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83 :復讐の俺か。面白そうだな[sage]:2010/09/30(木) 23 39 47.07 ID dU6sSSX30 昨晩のことが色々と引っかかって、結局あまり眠れなかった。 とりあえず着替えてから部屋を出る。 宮藤「あ、俺さん!」 ブリーフィングルームへ行くと、約一名を除いた全員が集まっていた。 宮藤「これから買出しに行くんですけど、何か欲しいものありますか?」 俺「欲しいもの、か・・・・・・」 すぐに頭に浮かんだのはコーヒーをドリップするための器具一式だが、 そんなことをする暇はないだろうし、値段も張るだろうからやめておいた。 俺「インスタントコーヒーをお願いしようかな。種類とかは適当でいいよ」 宮藤「わかりました。インスタントコーヒーですね」 84 :ナイトウィッチな俺[sage]:2010/09/30(木) 23 42 19.48 ID dU6sSSX30 買出し組を見送った後、 ミーナ「美緒と俺さんとサーニャさんは執務室に来てくれるかしら」 名前を呼ばれていない隊員は、何かあったのかと疑問の視線をこちらに向けている。 一方、呼ばれた三人は何の話をするのか、言われなくてもわかっているだろう。 リーネ「何かあったんでしょうか・・・・・・」 ペリーヌ「知ったことじゃありませんわ・・・・・・」 エイラ(サーニャ・・・・・・) バルクホルン「・・・・・・」 俺(坂本少佐には既に知らされたのか・・・・・・) 85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/30(木) 23 42 37.13 ID SgqBR8gY0 眠い支援 86 :ナイトウィッチな俺[sage]:2010/09/30(木) 23 45 01.06 ID dU6sSSX30 ミーナ「まず、私があなたたちを呼び出した理由はわかりますね?」 その言葉に、三人とも無言で頷く。 ミーナ「・・・・・・、昨晩のネウロイの件ですが、各地軍部に連絡を取ってみましたが、 やはりレーダーに異常はなかったとのことです」 ミーナ「そこでもう一度問いますが、リトヴャク中尉」 サーニャ「は、はいっ」 サーニャさん、とは呼ばなかったことから、事の重大さが伝わってくる。 ミーナ「本当に、気付かなかったんですね?」 言い換えれば、任務をサボった訳ではないのか、ということだろう。 サーニャ「はい・・・・・・気付きませんでした・・・・・・」 坂本「ほぼ確定・・・・・・か」 87 :ナイトウィッチな俺[sage]:2010/09/30(木) 23 48 00.49 ID dU6sSSX30 ミーナ「・・・・・・ネウロイが進化を続けているのは分かってはいたけど」 ミーナ「今回はどう対処すればいいのか・・・・・・わからないわ」 美緒「軍のレーダーは頼れず、サーニャの能力にも頼れず、ただ頼れるのは俺少佐のみ・・・・・・か」 その言葉に、サーニャさんは申し訳なさそうな表情を浮かべた。 それが事実であるのだから、どうすることもできない。 ミーナ「だからといって、俺少佐だけでどうにかなる問題でもない・・・・・・」 俺「・・・・・・」 ミーナ「考えるだけで頭が痛くなるわ・・・・・・」 サーニャさんは今にも泣き出してしまいそうな顔をしている。 責任など誰にもなく、仕方ないといえば片付いてしまうことだが、放っておくことはできない。 我々の敵は本当に、厄介なことをしでかしてくれた。 88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/09/30(木) 23 48 35.06 ID 6LfdTnxW0 支援 89 :ナイトウィッチな俺[sage]:2010/09/30(木) 23 51 01.79 ID dU6sSSX30 部屋に訪れた沈黙が、無線機からのノイズが混じった音で破られた。 『・・・・・・求む。こちらシャーリー・・・・・・応答求む!繰り返す。こちら・・・・・・・・・・・・至急・・・・・・』 買出しに出ているイェーガー大尉からの連絡である。 ミーナ『こちらミーナです。そちらの状況は?』 ミーナ(予想が外れてくれれば嬉しいのだけれど・・・・・・) シャーリー『中佐か!急に・・・・・・にネウロイが・・・・・・・・・・・・こっちに気を・・・・・・街を・・・・・・精一杯だ!』 ミーナ『わかりました。至急応援に向かいます。それまでなんとか持ちこたえてください!』 ミーナ(そんなに甘くはないわよね・・・・・・) シャーリー『了解した!』 90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/30(木) 23 51 07.32 ID CDf+2ZW40 小説の中の俺は大抵、エースだな 91 : 90一応エースというより脇役っぽくすることを心がけてる[sage]:2010/09/30(木) 23 54 03.57 ID dU6sSSX30 ミーナ「どうやら考える時間は与えてくれないようね」 坂本「やれやれだな・・・・・・」 ミーナ『総員!大至急出撃準備!!』 いきなりの出撃命令に驚かなかったものはいないであろう。 いるとすれば、この事態を予想していた者と、ただの間抜けな者である。 ミーナ『サーニャさん、ネウロイの捕捉は?』 サーニャ『っ・・・・・・駄目です』 ミーナ『そう・・・・・・』 ミーナ(やはり今回も・・・・・・) 92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/09/30(木) 23 55 41.70 ID 3pcC1D8SP 支援 93 :ナイトウィッチな俺[sage]:2010/09/30(木) 23 57 01.77 ID dU6sSSX30 エイラ「サーニャ・・・・・・どうしたンダ?何かあったのカ?」 サーニャ「ううん、なんでもないのよ、エイラ」 エイラ「そ、ソウカ・・・・・・」 エイラ(私じゃ・・・・・・頼りないのカ・・・・・・?) 俺『こちらナイトフォグ、ネウロイを捕捉した。方位070、高度およそ3000、 ラロス級、いや、ラロス改が4、ケファラス級が1の戦爆連合が5個』 俺『早く行かないと、ローマにいる三人が危ないかもしれない』 ミーナ『っ、急ぎましょう!!』 一同『了解!!』 94 :ナイトウィッチな俺[sage]:2010/10/01(金) 00 00 19.08 ID UHixO2zE0 シャーリー「ッチィ!!大丈夫かっ!!ルッキーニ!!」 ルッキーニ「うぅっ、まだ・・・・・・絶対に・・・・・・ローマの街は、絶対守るんだもん!!」 シャーリー「もう少しだ!!もう少しで皆が来る!!それまで持ちこたえろ!!」 宮藤「はいっ!!」 シャーリー(でも、そろそろやばいぞ・・・・・・多分、二人も) シャーリー(この数は三人じゃ受け止めきれない!) 宮藤「あっ、シャーリーさん!!後ろ!!!」 シャーリー「なっ、しまっ・・・・・・」 シャーリー(間に合わないっ・・・・・・) 95 :ナイトウィッチな俺[sage]:2010/10/01(金) 00 03 00.67 ID UHixO2zE0 バルクホルン「・・・・・・どうやら、間に合ったようだな」 シャーリー「バルクホルン・・・・・・」 ミーナ『トゥルーデとエーリカは右!リーネさん、ペリーヌさんは左! 俺さん、サーニャさん、エイラさんは上!私と坂本少佐は正面を叩きます!』 一同『了解!!』 エーリカ「行くよトゥルーデ!!」 バルクホルン「ああ!!」 ペリーヌ「行きますわよ!!」 リーネ「はい!!」 俺「行きますよ!!」 エイラ「言われなくてもワカッテるヨ!!」 サーニャ「っ・・・・・・」 96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/10/01(金) 00 04 49.87 ID UFYjCoAe0 ロマーニャの中にローマって街があるのか それとも逆か 97 :ナイトウィッチな俺[sage]:2010/10/01(金) 00 06 05.23 ID dU6sSSX30 ミーナ『宮藤さん、シャーリーさん、ルッキーニさんは基地に退避して!後は私たちに任せて!!』 シャーリー『そうさせてもらうよ、中佐』 宮藤『はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・』 ルッキーニ『絶対に・・・・・・、この街を・・・・・・守ってね・・・・・・』 ミーナ『ええ・・・・・・守ってみせるわ』 坂本「行くぞっ!!」 ミーナ「行きましょう!!」 98 :喉 ◆NODO.2x7/2 []:2010/10/01(金) 00 07 47.78 ID 1qPuOjR50 BE 3084192768-2BP(2272) sssp //img.2ch.net/ico/jisakujien_3.gif 96 それであってるよ ロマーニャ公国にローマの街がある 99 : 96 ロマーニャの中にローマがあります[sage]:2010/10/01(金) 00 08 53.38 ID UHixO2zE0 俺「俺が突っ込みますっ。二人は援護をお願いします!!」 エイラ「ソンナこと言って、一人でオイシイとこ持っていこうとしてるんダロ?そうはさせないからナ!!」 俺「ユーティライネン中尉っ」 エイラ「エイラでいい!!」 俺(どっちが上官なんだか) サーニャ「私が援護します!!」 エイラ「ヨシッ・・・・・・行くゾっ!!!」 俺「言われなくても!!」 100 :ナイトウィッチな俺[sage]:2010/10/01(金) 00 12 00.19 ID UHixO2zE0 一気に加速し、ケファラスへと突っ込む。 ラロス改が前に出てきたところで、すかさず側面に回り、MG42を構え、7.92mm弾を撃ち込む。 俺(やはり防弾装甲でなかなか削れない・・・・・・) 速度を緩めることなく、そのままラロス改の背後へ回る。 今度は同時に二丁構え、倍の量の弾を撃ち込む。 俺(まず一機・・・・・・) 続いて、こちらを向いているラロス改へと狙いを定め、撃つ。 エイラ「なかなかやるじゃナイカ!!」 エイラも、二機のラロス改を片付けたところだった。 俺「そっちこそ!!」 サーニャ「二人とも!!前から来てる!!」 101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/01(金) 00 14 27.72 ID Bmr5/RQH0 思ったんだけどラロス改とか1945年だとかなり旧式じゃねー? 102 :ナイトウィッチな俺[sage]:2010/10/01(金) 00 15 00.37 ID UHixO2zE0 俺「ご心配なく!!」 ケファラスが放ったビームをシールドで防ぐ。避けてしまえば街に被害が出るかも しれない。 20mmのロケット弾と、7.92mm弾がケファラスの装甲を削る。 俺「一気に行け!!」 エイラ「いちいち言わなくてもいいヨ!!」 エイラが引き金を引いたままケファラスの上へ回り、弾丸を浴びせ続け、 エイラ「よしっ・・・・・・」 俺「ミッションコンプリート、ってところか」 サーニャ「すごいわ、エイラ。俺さんも」 103 :喉 ◆NODO.2x7/2 []:2010/10/01(金) 00 16 33.59 ID 1qPuOjR50 BE 257016522-2BP(2272) sssp //img.2ch.net/ico/jisakujien_3.gif 細かいとこは気にするな 104 : 101 アニメしか見てない俺が無理に使った結果が(ry[sage]:2010/10/01(金) 00 17 24.40 ID UHixO2zE0 バルクホルン『こちらバルクホルン、こっちは片付いた』 ペリーヌ『こちら青の一番、ネウロイを撃破いたしました』 男『こちらナイトフォグ、ネウロイを撃破しました』 ミーナ『こっちも片付いたわ。皆さんお疲れ様。幸い、街に被害はないようね』 ミーナ『これより、基地に帰還します』 一同『了解!』 そしてそのまま、基地に戻ろうとした瞬間――― 男『っ!!まだだ!!新たなネウロイを捕捉!!方位160、数は・・・・・・全体でおよ そ50!!』 105 :ナイトウィッチな俺[sage]:2010/10/01(金) 00 19 35.33 ID UHixO2zE0 ミーナ『なんですって!?』 坂本『皆、魔法力は残っているか!?』 バルクホルン『大丈夫だ!!まだ行ける!!』 ミーナ『無理はしないで!!他の部隊に至急応援を要請します!!』 俺『駄目だ!!間に合わない!!』 エーリカ『どうするミーナ!!私たちはまだ大丈夫だけど他の皆は!?」 リーネ『私たちも、まだ戦えます!!』 ミーナ『でも・・・・・・!』 俺『大丈夫です。ミーナ中佐。俺が行きます』 ミーナ『俺さんっ・・・・・・まさか』 106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/01(金) 00 20 17.49 ID nAOXNBT/0 男の娘ラノベがいまいちだった。うっぷんをこめて書き溜めよっと。そして支援する。 107 :ナイトウィッチな俺[sage]:2010/10/01(金) 00 22 35.41 ID UHixO2zE0 ミーナ『駄目よ!!魔法力を消耗した今の状態じゃ危険過ぎます!!』 俺『でも今やらないと街がやられますよ!!』 エイラ(一体・・・・・・なんナンダ?話が読めナイ・・・・・・) ミーナ『それでもっ・・・・・・』 俺『約束したでしょう!!絶対に街を守るって!!!』 ミーナ『っ・・・・・・』 ミーナ『・・・・・・わかりました』 坂本(・・・・・・) エーリカ「来た・・・・・・」 108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/10/01(金) 00 23 12.75 ID 8NPAinQT0 やったー俺の詳細な設定書けたよー 次回投下時に一緒に爆撃する 109 :ナイトウィッチな俺[sage]:2010/10/01(金) 00 25 13.63 ID UHixO2zE0 『これ』をやるのは、いつ以来だろうか。 俺(・・・・・・よし) 全神経を落ち着かせ、集中する。体を巡る魔法力を感じる。 ネウロイの位置や動きもはっきりとわかるようになってきた。 バルクホルン「・・・・・・?なんだ?何が起こっている?」 真っ暗闇の中に、光が点々と浮かび上がる。そこへ意識を集中させる。 リーネ「ネウロイが・・・・・・同士討ち・・・・・・?」 ただただ、集中する。 110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/10/01(金) 00 39 49.97 ID Rhd0rm8UP しえん 111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/10/01(金) 00 52 10.33 ID 0bxxAR0j0 しえん ttp //www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1175468.jpg 112 :喉 ◆NODO.2x7/2 []:2010/10/01(金) 00 57 05.52 ID 1qPuOjR50 BE 2570160285-2BP(2272) sssp //img.2ch.net/ico/jisakujien_3.gif 誰も居ないようならちょっとずつ投下するけど 113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/10/01(金) 00 58 01.33 ID 8NPAinQT0 いいんじゃないかな 114 :さるった[sage]:2010/10/01(金) 01 00 26.16 ID 5jlnJRVK0 ―――何も、見えない。 エイラ「な、なんナンダ?コレは・・・・・・」 ―――何も、聞こえない。 サーニャ「―――!―――!!」 ――――――何も、感じない。 第二部 終 ナイトウィッチ 第三部へ続く
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第502統合戦闘航空団のハンガーの一角。 俺「なあ、伯爵?」 クルピンスキー「なんだい?」 俺「いつまで、こうしてりゃいいんだ?」 クルピンスキー「それは、熊さんが許可するまでだよねぇ」 俺「てか、なんで俺たち正座させられるわけ?」 クルピンスキー「哨戒飛行終わってすぐに一杯やろうとしてたからだねぇ」 俺「だよなぁー……」 がっくりと肩を落とし、ため息をつく。 作業をしている整備員達を眺めながら、二人は並んで正座をし続けていた。 足元にはご丁寧にも板張りになっており、至れり尽くせりである。 もっとも、懲罰用に長く正座をさせることを想定してなので、罰を受けるものがありがたみを覚えることは皆無だが。 俺「それにしても、なんでオラーシャくんだりまで来て正座なんてさせられなきゃならないんだよ……」 クルピンスキー「あー、それは定子ちゃんが原因なんだよね」 肩をすくめてみせるクルピンスキー。 俺「下原が? そりゃなんで?」 クルピンスキー「うん、定子ちゃんが熊さんに扶桑の文化だって正座を教えたんだけど……」 俺「気が付けばこうなってた、ってわけか」 クルピンスキー「そういうことだね」 がっくりと俺は膝に手をつき肩を落とす。 周囲の整備員達が全然二人を気にしないことも、この懲罰が502で一般的なものであるということを物語っていた。 俺「だいたい、正座ってのは罰に使うものじゃあないのによ……」 クルピンスキー「ああ、そういえば精神鍛錬に使うものなんだっけ? なんか結構前に定子ちゃんがそう言って嘆いてたなぁ」 顎に手を当てて、うんうんとクルピンスキーがうなずく。 俺「下原ぁ……」 重い嘆きのため息が漏れる。 クルピンスキー「ふふっ、まあ定子ちゃんも扶桑文化を広めようと頑張っていたんだよ。まぁ、ちょっと空回りだったかもしれないけどね」 俺「善意だからどうしょうもねえんだよ」 クルピンスキー「そりゃあそうだね。でも、君は扶桑出身なんだから、私たちよりよっぽど正座には慣れてるんじゃないのかい?」 俺「ああ、そりゃあな。精神修行だー、とか言って道場で正座させられたこともあるしよ」 クルピンスキー「ってことは、足とかもあんまり痺れたりしないんだよね?」 俺「まあ、な」 クルピンスキー「ふーん……」 なにか考え込むように、唇に指を一本当て、じっと俺の足を見る。 そして、突然にやりと笑う。 クルピンスキー「えいっ」 俺「……っ!」 クルピンスキーの伸ばした指が、つんと俺の足をつつく。 声は噛み殺したものの、俺の体がびくりと震えると同時に固まる。 クルピンスキー「あれっ、どうしたの? 正座には強いんだよね?」 俺「はっ、なんともないな」 クルピンスキー「へー」 俺「っ!!」 今度はクルピンスキーの指が、つーっと俺の足に這わされる。 だがそれでも、一筋の冷や汗を流そうとも、俺は表情に苦痛をあらわさない。 クルピンスキー「すごいなぁ。尊敬しちゃうよ」 まるで甘えかかるかのように体を俺の方へ傾け、挑戦的な視線を上目使いに向けてくる。 もちろん、クルピンスキーはその間、俺の足に指を這わせることは忘れない。 俺「はっ! そう……っ……か、いっ!」 まっすぐにクルピンスキーの目を見返す。こちらも挑戦的だ。 俺「そういうお前はどうなん……だっ?」 クルピンスキー「っ……!!」 やられてばかりではいられない俺が、クルピンスキーの足をつつき返す。 クルピンスキーも声も上げず表情も変えないが、一瞬体を震わせ、また瞳の奥の光が揺らいだのを、俺は見逃さない。 俺「どうした伯爵? もう限界かぁ?」 クルピンスキー「ふふっ、それはどうだろ……んっ!!」 指の腹で一本線を引くように、クルピンスキーの足を撫でると、押し殺したような声が漏れた。 俺「おやぁ? やっぱりもう限界か?」 クルピンスキー「むっ」 にやり、と俺の顔が勝ち誇る。 対してクルピンスキーは、少し恥ずかしそうに、そしてそれ以上に悔しそうに眉をひそめる。 クルピンスキー「やせ我慢は体に悪いんじゃないかい?」 俺「誰、がぁっ!?」 ぐっ、と思いっきりクルピンスキーが俺の足をつかんだ。 さすがに、これには俺も素っ頓狂な声をあげてしまう。 クルピンスキー「ふふんっ」 俺「伯爵てめぇ……どりゃ!」 クルピンスキー「あっ! ……やったね?」 俺「ざまあみ、ろぉっ!?」 つつき、撫で、つかみ合う。 クルピンスキー「んんっ!」 俺「くうっ!」 攻撃は最大の防御とばかりに、手が伸びる。 クルピンスキー「あぅ、そこは……」 俺「が……」 二人は本気なのだが、やっていることは、はっきり言っていちゃついているようにしか見えない。 しかも、伯爵の漏らす声だけは妙に色っぽさが感じられてしまうため、正座させられている隊員には慣れている整備員達も、 整備員A(なんだこいつらいちゃいちゃいちゃいちゃと……!) 整備員B(嫌がらせかあああああ!) 整備員C(くっそ俺中尉が羨ましすぎる!) 整備員D(……モゲロ) まったく集中できなくなり、イライラが募っていた。 クルピンスキー「くぅ……んっ……!」 俺「うっ……」 周囲がぴりぴりとしているのに二人は気づかない。 まるで、二人だけの空間を展開しているのだと主張しているようだ。 整備員一同(こいつらどうにかしてくれ!!) そんな願いが届いたか、一人の女性が二人の前へ歩み寄る。 女性「あらあら、罰正座の最中じゃなかったのかしら?」 俺「ん……?」 クルピンスキー「おや」 女性「随分と楽しそうじゃない?」 かけられた声に視線を上げると、そこにはスオムスの野戦服を着た女性がいた。流れるような髪は、銀かと見まがう薄い金髪。肌は白く、勝気な笑みがその性格を現している。 だが、ただの女性ではない。 首の後ろ、両肩に軽々と担いでいるのは50kg近いラハティL-39。そう、つまりはウィッチということだ。 クルピンスキー「やあ、アウロラちゃん久しぶりだね。元気してた?」 アウロラ「ふふっ、元気よー。あのヘタレな妹でも頑張れるのに、私には無理だと?」 クルピンスキー「ふふっ、その自信は相変わらずだね。いい女だ、惚れちゃいそうだよ」 アウロラ「あら、ごめんなさいね。ファンはスオムスだけで十分沢山いるのよ」 ラハティを床に下すと、爽やかな笑みで伯爵の言葉をいなすと、横で正座している俺に興味深そうな視線を向ける。 アウロラ「あなたよね? 男のウィッチの新入隊員の俺中尉って」 俺「ああ、そうだ。俺がその俺中尉だが……あんたは?」 アウロラ「私はアウロラ・エドワーディン・ユーティライネン。スオムス陸軍中尉。ここでストライカー回収班の班長をやってるわ。墜落しちゃっても、しっかり拾ってあげるから安心なさい?」 差し出された手を握る。 クルピンスキー「私や二パくん、ナオちゃんが結構お世話になってるよ」 俺「さすがは、ブレイクウィッチーズだな」 アウロラ「ふふっ、まぁだからこそ私たちが結成されたんだけれどね」 ぱさりと耳にかかった髪を払う。 その仕草はどうもかっこよく見えた。 俺「でも、あんたウィッチだろう?」 アウロラ「そうよ? これでも陸戦なら自信があるわ」 俺「それなのに、ストライカー回収班なんかやってんのか?」 アウロラ「ウィッチだからこそ、よ」 にやりと笑みを向けられるのだが、俺はその意味がまだよくわからない。 見かねて、クルピンスキーが助け口出す。 クルピンスキー「私たちの部隊が、攻勢部隊だからだよ」 俺「あん?」 クルピンスキー「つまり、地上部隊のための制空権を取る任務が主ってことは、墜落した落下先はネウロイ勢力圏でしたー、ってこともよくある」 アウロラ「私たちはそんなところへ突入して、目標を回収、帰還をしなくちゃいけないのよ」 クルピンスキー「最も軍隊で難儀するのは、撤退だ。だからこそ、ストライカー回収班は精強じゃないとダメなんだ」 俺「ああ、なるほど……」 言われてみれば、疲れ知らず恐れ知らずなネウロイの勢力圏に突入して、ストライカーを壊され、陸ではほとんど役に立たない航空ウィッチを拾って、そのまま無事に戻ってくるのは大変なことだ。 俺「ってことは……アウロラって、実は強いのか?」 アウロラ「ふふっ、実はもなにも、私は強いわよ? これでもモロッコの恐怖と呼ばれたし、スオムスじゃあ妹以上の英雄扱いなのよ?」 俺「なんだ、その物騒な通称は」 アウロラ「冬戦争より前には私ね、ガリア外人部隊にいたのよ。それで、ちょっとモロッコで小規模怪異が出現した時に、張り切っちゃったらそんな通称もらっちゃったのよねー」 あっはっはと豪快に笑うアウロラに、呆れていいやら笑っていいやら、俺はちょっと複雑な気分だった。 俺(やれやれ、502にゃあまだまだ濃いのがたくさんいるもんだ) 内心で苦笑していると、クルピンスキーが話を進めていた。 クルピンスキー「冬戦争でも、アウロラちゃんは大活躍だったんだよね?」 アウロラ「まぁねー、これでもずっと前線にいたのに、一発も被弾してないし」 俺「はぁっ!? 待て待て、一発もないのかよ!?」 アウロラ「ないわよ。仲間を守るためにシールドで受け止めたことはあるけど、怪我はないわ。って言うか、あのヘタレな愚妹にできて私にできないわけないじゃない」 胸を張るアウロラ。偉そうに見えるが、どうしてか嫌味なところがない。 アウロラ「って言うより、ネウロイのエイムがへたくそなのよ。私はあのヘタレみたいにあんまり避けないし」 俺「具体的に言うと?」 アウロラ「そうねぇ……」 顎に指を一本あて少し悩むが、すぐに思いついたようでぱっと顔を晴れさせる。 アウロラ「前線にロッキングチェア持ち込んで、寝転がりながら指揮とってたことあるんだけど、一回もネウロイったら私に当てられないのよ」 俺「それは、ネウロイがおかしいのか?」 アウロラ「おかしいわよ。空飛んでるウィッチも撃ち抜けるのに、ぜーんぜん動かない私に当てられないんだから、怠慢ってとこかしら?」 一人納得しているアウロラをよそに、こっそりと俺はクルピンスキーに耳打ちする。 俺「なあ、この人……有名じゃないだけで世界屈指の陸戦ウィッチなんじゃねーのか?」 クルピンスキー「ああ、多分そうだよ。だって、ふらっといなくなったと思ったら単騎で戦車型ネウロイを撃破して、無傷で帰ってくるくらいだから」 アウロラ「ちなみに言っておくと、雪が深くて使い物にならないから陸戦ストライカーは使ってないわよ?」 俺「おい……あんた、なにもんだよ?」 聞こえていたらしいアウロラのさらなる一言に、俺の表情はひきつる。 アウロラ「私は、ただのスオムス軍人。祖国を守るために全力を尽くしただけよ」 クルピンスキー「でも確か、コッラ川では32人で100倍以上のネウロイから陣地死守したんだよね?」 アウロラ「あー、あの戦いねぇ……あれは、ぎりぎりだったわ。もうちょっとネウロイの撤退が遅かったら防衛線突破されてたかもしれないもの」 俺「いや、そもそも持ちこたえたのがおかしいだろう」 アウロラ「もし防衛線抜かれてたら、スオムスは今頃ネウロイに荒野にされてるわ、私は全力を出しただけ」 さらりと言ってのける。 だが、聞いた俺は、人間じゃないものを見たような感覚に襲われる。 俺「おいおい……あんたら、本当に人間か?」 アウロラ「あー……まあ、一人人間やめてるような奴ならいるわ」 俺(いや、あんたも十分人間やめてる) アウロラ「あ、そうだ」 腰に引っ掛けていたビンを持ち上げると、頭より高い位置に掲げる。 そして、逆の手の指をぱちん、と鳴らす。 俺「なっ!?」 クルピンスキー「わっ!」 銃弾が一発、どこからともなく撃ち込まれ、見事にビンの口の部分だけを撃ち抜いていた。 あわてて銃弾の飛んできた方向を見るが、撃ったと思える人間はいない。 アウロラ「……と、まあこんなスナイパーが部下にいるのよね」 対してなにも気にした様子もなく、アウロラは優雅にビンの中身で喉を潤していた。 と、ここで俺がはっと気づく。 俺「おい待てアウロラ! なんでそんな奴がここにいるんだよ!!」 アウロラ「あら、言ってなかった? うちのストライカー回収班は、コッラ川の生き残りなのよ?」 俺「は?」 アウロラ「当たり前でしょう? 急造チームで危険な任務はこなせないし、私たちは少数で多数のネウロイを相手にするのは、慣れてるのよ」 俺(502って、実はストライカー回収班が一番強いんじゃねーのか?) 空になったビンをぷらぷらと振るアウロラに、俺は曖昧な表情を向けるだけだった。 クルピンスキー「さすが、アウロラちゃんだね。私が色々言っても、いつもガードが堅いし。どう、そろそろ今晩?」 アウロラ「ふふっ、遠慮しておくわ」 クルピンスキー「参ったね、また断られちゃったよ」 残念とばかりに額に手を当てるが、表情は笑顔。 だからこそ、アウロラもくすりと笑う。 アウロラ「ま、あんた達二人仲よさそうだしね、遠慮しておくわ」 クルピンスキー「まあ、仲が悪いとは言わないよ」 俺「確かに、仲がいい方に入るだろうな」 クルピンスキー「でも、そういう関係とはなんか違うよね?」 俺「ああ、悪友って感じが一番しっくりくる」 うんうん、と俺とクルピンスキーは頷く。 だが、アウロラは腰に手を当て、呆れ顔でため息をついた。 アウロラ「さっきのじゃれあいみたいなのは、いちゃついてるようにしか見えなかったわよ?」 俺「えっ?」 クルピンスキー「えっ?」 きょとんとした顔で驚く二人。 俺「……」 クルピンスキー「……」 そのまま同時にお互いの顔を見る。 俺&クルピンスキー「まさかぁ!」 が、そのまま笑い出してしまった。 アウロラ「あーらら」 全く気にした様子がない二人を眺めて、肩を竦めた。 そしてやおら、床に置いていたラハティL-39を持ち上げる。 俺「もう行くのか?」 アウロラ「まあねー、私もそんなに暇ってわけじゃないのよ。それに、そろそろ立ち去った方がいいって私の勘が告げてるの」 くすり、と笑みを残すと、アウロラは背を向ける。 アウロラ「それじゃあ二人とも、仲良くね~」 俺「おう、またな。次は酒でも傾けて話を肴にしようぜ」 クルピンスキー「次は、こんなとこじゃなくて綺麗なカフェででも会いたいね」 二人の性格をわかりやすいほどに現す言葉に、アウロラはくすりと笑みを漏らす。 だが振り返ることはなく、返事として手を軽く振って見せた。 俺「……なんというか、姉御肌って感じの奴だな」 クルピンスキー「そりゃあねぇ、スオムスじゃ部下たちから『ママ(äiti)』って呼ばれてたくらいだから」 俺「そいつぁすげえ……ぬあっ!」 クルピンスキー「あはっ、油断大敵ってやつだね?」 俺「てめっ……」 忘れたころにやってきた、痺れた足への攻撃。この不意打ちには俺も声を漏らしてしまった。 俺「やりやがったな!」 クルピンスキー「……くうっ……やるね!」 俺「ぐっ……ええい、扶桑男児に撤退の二文字はない!」 クルピンスキー「んんっ……素直に転進ならしてもいいんだよ?」 再開される奇妙な我慢合戦。 だが、二人は戦いに集中するあまり、背後から近づく人影に気が付かなかった。 サーシャ「なにを……やっているんですか?」 俺&クルピンスキー「え゛っ?」 ぎぎぎ、と油の切れた機械のように振り返る二人。 サーシャ「なにを、やって、いるん、ですか?」 惚れ惚れするほど綺麗な笑顔から紡がれるのは、先ほどと同じ言葉。だが、切れ切れに力強く言われ、よけいに圧力が増したように思える。 もうオラーシャの寒さには慣れたと思っていたのに、俺は悪寒を感じた。 サーシャ「罰正座のはず、でしたよね?」 俺「いやー、それは……」 クルピンスキー「えーっと、そうだね……」 さすがの俺と伯爵も、サーシャの両手で鈍い輝きを放っているスパナを見ては、ふざける余裕はなかった。 お互いに目線を交わし、一瞬で意思統一をこなす。 俺&クルピンスキー「ロッテの相棒との親交を深めてたのさ!!」 ばっと肩を組み、笑顔を見せる。それこそ、やましいことなんてなにもない、と主張するように。 サーシャ「……」 一切表情を変えないサーシャ。 俺&クルピンスキー「……」 こちらも、笑顔のまま動かない。 サーシャ「……言いたいことは、それだけですか?」 スパナ二刀流が乱舞し、鈍い音がハンガー内に響いた。 アウロラ「ふふっ……」 物陰から、ポクルイーシキンに叱られる二人を見ていた。 アウロラ「まあ、今はそんな関係でもいいかもしれないわよね。本当は危うい均衡の上にあるそんな関係で」 頬の片側だけが吊り上って笑みの形を作る。 アウロラ「あなたたちの関係がどっちに転ぶのか……楽しみね」 脇に控えていた小柄な男に声をかける。 アウロラ「あなたもそう思わない?」 男「……」 アウロラ「はぁ、相変わらず愛想にかけるわねぇ。まあ、いいけど……」 肩を小さく竦めるも、たいして気にした様子もなく、アウロラは今度こそ本当に立ち去る。 アウロラ「ま、もう哨戒の時間ね。行くわよヘイヘ」 ページ先頭へ
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投下スレ:俺「ストライクウィッチーズですから。」492-513 バーズアイビュー 第二話:俯 瞰 視 ゴミ部屋覗き事件(※第一話参照)は不慮の事故ということで一先ず沈静化した。 一応の和解のあと、一度名乗ったものも含めて互いに自己紹介をし、その場は解散となった。 ちなみに、夜間哨戒明けですやすやと寝息をたてていたサーニャも、最後の騒ぎでさすがに起きだした。 何があったのかと寝ぼけながら困惑していたようだが、夜間哨戒もこなせるウィッチが来たという説明を聞いて嬉しそうであった。 そして今は、基地内の案内の指示を受けた宮藤軍曹とビショップ曹長が、僕少尉の案内をしている。 食堂、入浴施設など主要な箇所を案内する途中、宮藤が声をかけた。 宮藤「さっきの能力でばーっと見ちゃえば、見回る必要も無いと思うんですけど、 それじゃダメなんですか?」 リーネ「よ、芳佳ちゃん!それじゃ私たちの部屋も見られるかもしれないんだよ?」 どこか無防備な宮藤に比べると、リーネはやはり男性に部屋を見られるのは抵抗があるようだ。 僕「どちらかというとビショップ曹長の方が女性としては普通だと思いますよ。 それに、魔法で構造を把握しても、要は精密な地図をみただけみたいなものなので、 一通り歩いてみないことにはいざというときに困ることもあるんですよ。 まぁ一種のマーキングだと思ってください。」 宮藤「僕さん、ってことは今までの説明でこの基地の構造もう覚えてるんですか?」 僕「えぇまぁ大体は。でも慣れれば誰でも出来ることだと思いますよ? 皆さんは目で見た物を目印にして部屋の位置なんかを覚えるんでしょうが、 自分は曲がり角の数や歩数なんかを目安にして、あとは施設全体の構造をイメージしてるってだけです。」 自分たちは最悪プレート等を確認して目的の場所を探すことも出来るが、 彼は今まで全ての施設の位置を建物の構造と併せて把握しているのだという。 それを聞いて二人は、目が見えない、という生活がいかに大変であるかを思い知った。 僕「でも、生まれつき出来た訳じゃないですよ?子供の頃は家の中はともかく、学校では友達の世話になりっぱなしでしたし、 軍に入ってからもしばらくは何回も迷子になって怒られたりしてましたね。」 リーネ「そういえば、ブリタニア空軍から来たんですよね? 私もそうなんですけど、出身はブリタニアなんですか?」 僕「いえ。出身はガリアの田舎のほうで、ブリタニアに避難してきたんですよ。」 宮藤「そうなんですかぁ。ペリーヌさんと同じですね。 両親はどうしてるんですか?」 一瞬の間があり、躊躇いつつも語り出す。 僕「自分は運良く、森にいたので大丈夫だったんですが、ネウロイの襲撃で家ごと・・・。 壊滅した町の中で途方に暮れていたら、丁度そのときに魔法力に目覚めまして、人のいるところをどうにか探して、 ブリタニアへの避難船のところに連れてってもらったんです。 そこにいた軍の人に魔法力のことを見抜かれまして、君さえよかったら、っていう誘いで入隊しました。 身よりもなかったので、そのままブリタニア空軍に所属ってことになりまして。」 芳佳「すいません・・・そんな辛いことを聞いてしまって・・・」 聞いてはいけないことを聞いてしまったと、彼女は申し訳なさそうにうつむいた。 隣ではリーネも心配そうな顔をしている。 僕「大丈夫ですよ。何年も経って、自分の中で両親についての折り合いはつけました。 今は、ただ自分のような子供を出さないように戦おうと思います。 きっと、ここにいる皆さんもそんな風に思って戦っているんですよね?」 その言葉に、二人は決意を新たにするように、朗らかに頷く。 その後、他の部屋の説明も粗方終え、他のウィッチ達の部屋も大まかに説明があった。 彼は女性のプライバシーを侵害するつもりは無いと渋ったのだが、何かあったときに知らないのも駄目だと押し切られ ひと通り回る事となった。 ちなみに余談であるが、ハルトマンとバルクホルンの部屋に来たときは、中にいたハルトマンが気づき ハルトマン「どうしたの?ゴミ部屋になんかきて。」 バルクホルン「ハルトマン!!」 そんな一幕もあった。 そしてリーネと宮藤の部屋を案内して、 最後に彼の部屋まで二人がついていき、その日は夕食まで自由時間となった。 扉を閉め、手探りでベッドまでたどり着き、寝転びようやく一息つく。 僕(まさか女性隊員しかいない基地であんなにあっさり受け入れられるとはなぁ…) 男というだけで多少の疎外感に晒されるのは覚悟していた。 むしろ、この目で余計な同情をうけて腫れ物のように扱われるくらいなら、いっそその方が有り難かった。 でも、彼女たちは彼のウィッチとしての力こそ気にはしたが、この目に関してはそれほど気にしないでいてくれている。 僕(軍人っていうのはどこも結構ドライなもんなのかな。) 余計な同情を受けても、それが当たり前な彼は戸惑いを返すしかない。 今は望んでここにいる以上、せめて余計な気苦労をかけたくはなかった。 だから 僕(早く、本当の意味でこの隊の仲間にならないと・・・) そして、 狭い輸送期での移動で多少の疲れがあった彼の体は、柔らかいベッドの感触にすぐに意識を手放した。 ――数時間後―― コンコンとノックの音が鳴る。 眠りが浅かった、というのもあるが、普段から外部からの情報の多くを 音に頼っている彼の意識は、その音ですぐに覚醒した。 僕「はい。」 ドアが開く。 宮藤「あ、俺さん。寝ちゃってました?夕食の時間になったので呼びにきましたよ。」 僕「あ、わざわざすいません。」 言いながら傍らの杖を手に取る。 部屋についたのは夕方前。どうやら結構しっかり寝ていたようだ。 彼女について部屋を出、そして記憶と彼女の足音を頼りに食堂へと向かう。 食堂にはすでに他のメンバーがそろっていた。やはり軍の基地だけあって集団行動は徹底しているのであろう。 宮藤は彼の手を引いて空いている席の前に連れていく。そしてイスを引いて 宮藤「じゃ、僕さんはここに座ってくださいね。」 そういって去っていった。 少し過剰に世話を焼いているようにも見えるが、決して不快には思わなかった。 ここまで来る間も、何も言わずごく自然にドアを開けて待っていてくれたり、歩くペースを合わせてくれたりと こちらに気を使わせないように手を貸していたのがわかる。 元々の性格なのか、意識して身につけたものなのかはわからないが、 相手に押し付けるのではなく、その人に合わせた気遣いができる少女、そんな風に感じた。 そして全員揃い、一斉に食事が始まる。 それをよそに彼は、ゆっくりと食器の位置や形を確認する。しかし、 僕(棒…?) 手元には同じ長さの二本の細い棒がある。他に手に持てそうなものはない。 それを持ち困惑していると、横から声がかかった。 宮藤「お箸、食べづらいですか…?」 周りでは各々食事を進めていたが、その声を聞いて手を止めたようで、音が止む。 僕「(箸…?)いや、使ったこと無いのでどうすればいいのか…。」 すると、彼女が席を立って厨房に向かう。戻ってくるとその手にはスプーンとフォークを持っていた。 宮藤「和食だと食べづらいと思いますけど…。すいません、明日は何か別の手考えるので今日はこれで…。」 僕(本当、気が利く人だなぁ…) 素直にそう思った。 ――翌日―― ネウロイの襲撃予定もないとのことで、訓練が行われることとなった。 僕少尉について、その実力をある程度確認しないことには出撃メンバーに数えづらいこともあり、 早速ペアになっての模擬戦で能力の確認を行うことになった。 エースと組ませると実力がわかりづらいとのことで、ペアには宮藤軍曹があてられた。 そして初戦はペリーヌ、リーネペアである。 僕「さて・・・どうしましょうか・・・。」 既に四人とも配置についている。 宮藤「坂本さんからも僕さんにある程度任せるように言われてますので、私は二番機にはいりますね。」 話によると彼女は一番の新参で、ウィッチとしての経歴は自分よりも短いとのことだ。 戦術を任せるわけにもいかないだろう。 僕「・・・じゃあ、タイミングみて合図を出すのでそれまでついてきてもらえますか? 合図の後、二人を自分が攪乱するのでその隙に攻撃してください。」 宮藤「え…?」 どうやって攪乱するのか、肝心なところを聞く前に合図が鳴った。 とりあえず指示に従い彼についていく宮藤。 だが、すぐさまペリーヌ、リーネ組は二人の後ろにつけてきた。 ペリーヌ(大したことないですわね…あっさり後ろを取られるなんて…) しかし、照準を合わせようとするが、ギリギリのところで狙いを外され中々引き金を引くことが出来ない。 その時、僕少尉が右に急旋回した。慌てて追いすがるが、二番機に付けていたリーネがバランスを崩し、わずかに編隊を乱してしまう。 そのとき、 バララララララ!! 僕少尉が振り向きもせず、片手だけで後方に機銃を掃射した。 とっさに回避運動をとろうとするが、わずかに態勢を乱していたリーネは数発ペイント弾をくらってしまう。 ペリーヌはギリギリのところで回避できたが、ほとんど運が良かったようなものだ。 ペリーヌ「後ろに…!ですって!?」 ペリーヌ(しかも適当に撃ったわけじゃない。私達の位置を完全に把握した上で撃っていましたわ…) 態勢を立て直し、敵の位置を確認する。しかし、離れたところに僕少尉の姿は確認できるが、宮藤軍曹の姿がない。 そのとき、背後から銃声が聞こえた。同時にペイント弾が体とストライカーに着弾する。 少尉が後方に射撃したタイミングで彼が合図を出し、その隙に宮藤が左捻り込みで後方に回っていたのだ。 そして 坂本「僕、宮藤ペアの勝ち!」 宮藤「やりましたぁ!僕さん!」 リーネ「すごいです、僕少尉。後ろを確認しないであんなに正確な射撃をするなんて…。」 僕「いえ…ある程度狙って撃ちましたが当たったのはたまたまですよ。」 坂本「なるほどなぁ。空間知覚にはそんな使い方もあるのか…」 僕「模擬戦で、最初だから上手くいっただけでしょうけどね。」 その言葉にペリーヌが食いつく。 ペリーヌ「そうですわ!納得行きません。今度は一対一です!正々堂々打ち負かして差し上げますわ!」 坂本少佐はフム、と頷くと確認をするように彼の方を見る。 僕「僕の方は構いません。」 その一言で僕少尉とペリーヌの対戦が決まった。 先程のように、しかし今度は二人が位置につく。 少し離れて、合図を待つ間、坂本が待機していた二人に話しかけた。 坂本「ところでリーネ、後ろをとった後いくらか狙えるタイミングはあったと思うが、なんで撃たなかったんだ?」 リーネ「えーと、どういうわけか、照準を合わせて引き金を引こうとすると、そのたびに外されちゃうんです。 ある程度動きを予測しようともしたんですけど、悉く裏をかかれる感じで・・・」 坂本、そして彼の動きを追っていた宮藤もそれを聞いてなにか違和感を感じた。 恐らく彼は、単に後ろが見えているだけではないのだろう。 そしてペリーヌと僕少尉が合図とともにすれ違い、一対一の模擬戦が始まった。 単純な機動力ではペリーヌの方が上だったのか、僕少尉が背後をとられる。 ペリーヌ(後ろは取れました・・・後は先ほどのように不意を打たれないうちに決めますわ・・・!) そう決めて、照準をのぞき込む。やはり直前で外されるが、今度は気にせずある程度あたりをつけて引き金を引いた。 広範囲にペイント弾がばらまかれる。 しかし、左右への振りや体をひねることで直撃コースだった弾も全てかわしきった。 ペリーヌ(まさか・・・全部・・・!? 後ろから撃たれる弾が全部見えているとでもいいますの・・・?) 彼女の推測は、完全ではないが一部は正解だった。 彼の固有魔法は、背後にいる彼女の視線、指の動き、さらには銃口の向きを完全に知覚することで、 弾丸が放たれるタイミング、さらにはその軌道すらも大まかに予測することができる。 そしてその能力はそれだけには留まらない。 驚愕により注意がそれた一瞬を狙い、僕少尉が急上昇をかけた。 慌てて視線を上にあげるが、太陽が邪魔になりまともに見ることができない。 そしてとっさに腕で視界を塞いでしまった次の瞬間、 その腕にペイント弾が一発着弾した。 そして、 坂本「僕少尉の勝利!」 その声を聞いても、ペリーヌはしばらくは呆然としていた。 注意してゆっくりと見上げると、太陽を背にした僕少尉が模擬戦用の機銃をしっかりと構えている。 そして構えをとくと、ゆっくりと皆の方に降りてきた。 宮藤「惜しかったですね。ペリーヌさん。」 しかし、その言葉を否定するように目を伏せ軽く首を振る。 ペリーヌ「…いえ、完敗ですわ。銃弾を全部かわしたのも、太陽の位置を上手く使ったのも、 全て貴方の実力なのでしょう?」 その言葉にリーネと宮藤が驚愕したかのように彼の方をみた。 そして彼より先に、少佐が口を開く。 坂本「ああ。傍から見ていたら何となくわかった。 お前とペリーヌの位置を把握した上でタイミングよく上昇をかけて、上手く太陽の間に入ったのだろう? でも、それでも納得がいかないことがある。何であの弾を全部かわせたんだ? 後ろが見えていたとしても、見てから避けていたら間に合わないだろう?」 その坂本の言葉に今度はペリーヌが答えた。恐らくではあるが彼の能力はそれだけではない。 ペリーヌ「違いますわ少佐。僕少尉。恐らく貴方は、弾ではなく私の動きを見ていたのでしょう?」 他の三人はその言葉にあまりしっくり来ていないようだ。 今度は僕少尉が答える。 僕「はい。僕の能力は、一定空間の情報を全て俯瞰的に知覚できるので、背後や太陽の位置を計算に入れつつ動くことが出来ます。 ですが、知覚する対象を一つに絞ることで、その挙動を細かく見ることが出来るんです。 例えば、対象を銃で狙う場合、スコープを覗き、照準を合わせ、引き金を引く、という作業があるわけですが、 視線の動きや指の動きが見えていれば、弾丸が発射されるタイミングは分かりますし、 たとえ撃たれても銃口の向きがわかっていれば、その射線から外れれば弾に当たるということはありません。」 宮藤「な、なんか、エイラさんの未来予知みたいな魔法ですね…」 僕「かのダイヤのエースのことは知っています。ですが、さすがに自分ではあの無敵の回避力を真似はできないですね。 攻撃のタイミングを読めるのは普通だと一機二機くらいですので。なので、群れが相手の時は後方から狙撃するしかないです。」 リーネ「狙撃ってことは、僕さんもライフルを使うんですか?」 僕「えぇ。基本的には戦場を俯瞰的に見て、有効ポジションを確保しながら一機ずつ狙撃するのが 主な戦い方です。」 坂本「そうか・・・まぁそれに関しては近いうちに見ることになるだろうな・・・ よし、訓練はこれで終わりにする。各自、しっかり休息を取るように!」 そしてその日の訓練は終わった。 模擬戦で確かな力を示せたことで、他のメンバーからもそれなりの信頼を勝ち取ることができた。 そして、坂本の予想通り、すぐに彼はその力を実戦で示すことになる。 第一話へ 第三話へ
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俺「Guten Abend! 図々しくも続いている『今日のウィッチ』のコーナーもついに四日目に突入だ! お伝えするのは、どんなウィッチにも愛してる、が信条の俺と」 伯爵「夢と女の子に対する包容力はなるべく大きく、が信条のヴァルトルート・クルピンスキーさ」 俺「こんな紳士と淑女で、今日も平常運転頑張っていきます!」 伯爵「どうしたんだい? なんだか、いつもよりテンションが高いけど」 俺「ふっふっふ……それはな、伯爵。今までマティルダさん黒真珠肌、ルチアナは俺の嫁、マイルズ少佐のおへそ万歳、と紹介してきたが、ついに! ついに今日はちっぱいについて語ることができるんだよ!!」 伯爵「あれ? 君の嗜好は中おっぱいじゃなかったのかい?」 俺「愚問ですなぁ、伯爵。確かに一番好きなのは中おっぱいだけど、おっぱいは全て愛してる。自分が中おっぱい好きだからと、同じおっぱいである大や小を貶すのは愚の骨頂!!」 伯爵「おおっといけない、ボクとしていたことが基本中の基本を忘れていたよ」 俺「どう考えても俺より伯爵のが萌士(もののふ)だけどな」 伯爵「君だって中々のものじゃないか。それよりほら、早く今日の女の子を発表してくれないかい。ボクそろそろ待ちきれないよ」 俺「おーけーわかった。それじゃあ発表しよう! 今日ご紹介するのは、カールスラントのマスコット! いじりたいランキング首位争い常連のヘルマ・レンナルツ曹長だー!!」 伯爵「その紹介はアンマリデアリマスー! なんちゃって」 俺「いやー、来たなヘルマちゃん」 伯爵「ああ、ボクもテンションあがってきたよ!」 俺「だよな! じゃあ、語りたい所も多いしさっさと始めよう!」 伯爵「さて、まずはどこから話そうか……」 俺「も・ち・ろ・ん! 今日はちっぱいについて語らせてもらう!!」 伯爵「ああ、どうぞ」 俺「まずちっぱいはちっぱいでもひとつヘルマちゃんについて確認しておきたいことがある」 伯爵「そりゃなんだい?」 俺「それはな、ヘルマちゃんはまだ13歳(1944年当時)だということだ。これは成長期が過ぎてもちっぱいなのとは違う!」 伯爵「たしかにねー、まだまだこれからってところかな?」 俺「そう! それなんだよ!! ヘルマちゃんのおっぱいはまだ成長途上国! もしかしたら先進国になるかもしれない……そんな夢も詰まっているんだ!! そして成長を最も近い距離で見守ったり助けたりする!! いいと思わないかね伯爵!?」 伯爵「まだまだ青い芽を愛で育てる……つまり、扶桑に伝わる古代の紳士ゲンジ・ヒカルと同じ発想ってわけだ。ぞくぞくきちゃうね」 俺「ああ、まだまだ初心なヘルマちゃんを自分色に染めてしまいたい……」 伯爵「バルクホルンに憧れてるみたいだけど、ボクしか見えなくしてあ・げ・る、みたいな」 俺「華奢で小柄な体をそっと抱き寄せて腕のうちに閉じ込めたい」 伯爵「逃げようとしても、あの非力そうな腕じゃあ無理だしね」 俺「そのまだ幼さの残る今は、おへそのあたりから上へと手を滑らせていってなだらかな曲線を感じたいぜ」 伯爵「ないわけじゃないわずかなふくらみ、そのかすかな柔らかさを手のひらに一人占めにしたいよ」 俺「大丈夫だよヘルマちゃん、こうしてやさしーく揉んであげれば大きくなるんだから……」 伯爵「よだれ出てるって」 俺「おっと……だけど、やっぱこうね、まだ成長の余地のある娘のちっぱいには、今だけしかない儚い消えゆく輝きがあると思うんだよ」 伯爵「ふふっ、そうだね。幼女から少女へと羽化しようという瞬間は美しい。しかも少女から女性への階段もこちらが手を引いていってあげられると思えば……」 俺&伯爵「…………ふぅ」 俺「さて、賢者にジョブチェンジしたところで話題を少し変えよう。ヘルマちゃんの服装だけど、あの頭の上にちょこんと乗った帽子がかわいい」 伯爵「小さなバスガイドさんみたいだよね」 俺「ちびっこバスガイド……アリダナ」 伯爵「観光どころじゃなくなっちゃうね。まあ、めくるめく夜の世界を逆にボクが案内してあげてもいいけど」 俺「伯爵まだジョブチェンジしてなかったのかよ」 伯爵「いや? 元に戻っただけさ」 俺「復活はええ……」 伯爵「ふふふ、帽子もいいけどボクはあのリュックを押すよ」 俺「リュック?」 伯爵「ああ、フミカネ氏のサイト絵や漫画のキミとつながる空をよーく見てみるとわかるんだけど、ヘルマちゃん黒いリュックサックをいつも背負っているんだ」 俺「どれどれ……あ、ほんとだ」 伯爵「リュックっていうのがもう、小学生の遠足みたいでかわいらしいよね」 俺「やっべ、出かける前日の夜にリュックの中身チェックするヘルマちゃん想像しちまった……」 伯爵「しかも、ゆるーくしょってるんじゃなくてきっちりしょってるんだよね。彼女の生真面目さがここでもわかるんだ」 俺「彼女は生真面目で几帳面、世話焼き。航空歩兵足るもの全軍人の摸範足るべし、って感じに上官や年上の私生活であっても口を出すらしいね」 伯爵「なら、ボクの懐深い愛も見習ってほしいんだけどな」 俺「ははっワロス」 伯爵「これだと上官にけむたがられそうなものだけど、そうならないのが彼女の凄いところ、かな」 俺「そうだな、生真面目な若手が頑張ってる姿は微笑ましくて、適当にあしらいつつも隊のマスコット的な存在として愛されてるらしいな」 伯爵「『起床時間であります! 起きてください!!』『ああ、もうそんな時間か、時計の針を直しておこう』みたいなやりとりもあるかもしれないね」 俺「使い魔は黒猫だけど、イメージ的には子犬がきゃんきゃん鳴いてる感じなんだろうな。そりゃ、適当にあしらったあと頭とか撫でて愛でたくなるわ」 伯爵「ですます口調っていうのも、背伸びしてる感じがしてボクは好みだなぁ」 俺「威厳を出そうとですます口調だったらまたいい」 伯爵「逆に一生懸命だからこそ、わざと困らせて、顔を真っ赤にしてさらに吠えるのを眺めたくなるなぁ」 俺「ヘルマちゃんをいじめたくなる源泉はそこにあるんだろうなー」 伯爵「ボクも何度かどういじめてあげようか考えたことがあるよ」 俺「どんな方法だ?」 伯爵「うん、まあボクはこれでも色々有名だから同じ部隊になったら絶対あっちから突っかかってくると思うんだよ」 俺「まあ……否定できないな。というよりその光景が目に浮かぶわ」 伯爵「それで、接点はいくらでもできるだろ?」 俺「朝昼晩とできそうだな」 伯爵「でさ、ある日突然こう言ってやるのさ。『旧型に慣れてない新人の方が新型に適応が早そうだからって言うけど、エース級と違って新人は経験がないってことだし、経験を積む機会も実験部隊じゃ奪われるよね?』って」 俺「うん、それで? 伯爵はこんな淑女でブレイカ―だけどスーパーエース級であることは確かだから言えるな」 伯爵「これだけじゃ首をひねるだろうけど『ウィッチが一人でも大切なこのご時世にそれってつまり、あまり将来期待されてないってことじゃない? 落ちこぼれでもないけど、いなくてもなんかなるって感じに』と言ってあげるわけだよ」 俺「うわ、ひでえ。だけどエース級が何人も実験部隊にいる以上理論が通じない気が」 伯爵「いいんだよ。生真面目っていうのは想定外の事象には頭がまわらないものなんだから、意味深な笑みを浮かべてその場だけ押し切れれば」 俺「伯爵まじドS」 伯爵「ふふっ、きっとおろおろしながらじわりと目じりに涙浮かべてくれるよね? いいなぁ……そのままぎゅっと抱きしめて、耳元でそっと『嘘だよ』って囁いてからお持ち帰りしちゃいたいな」 俺「さすがに暴れるだろ」 伯爵「ボクの身長175あるんだよ? 147のヘルマちゃんくらい抱えて帰れるよ」 俺「その後はどうすんだ……?」 伯爵「ふふっ……さぁてね」 俺「おい、なんだよその笑みは」 伯爵「やだなぁ、まだゴールデンの時間なのにそんなこと言えないよ」 俺「……昨日はお楽しみでしたね」 伯爵「いや、ボクの想定だと朝だったんだけど?」 俺「なお悪いわ!!」 伯爵「まあまあ、昼間のほうがこう、規律にすがる彼女の嫌がる姿を見れるじゃないか」 俺「すいませーん、誰かこの過激すぎる伯爵どうにかしてくれませんかー!?」 伯爵「君だって、いじめたいだろうに酷いなぁ」 俺「だとしても、限度は心得てるつもりだ」 伯爵「遠慮なんかいらないのに……」 俺「せいぜい、まだトゥルーデほど大成してないから、規律っていう幹を奪って俺に依存させたいとか思ってるくらいだ」 伯爵「安心した、やっぱりボクと君は似たもの同士だったね」 俺「……色々言いたいことはあるが、まあ否定はしない」 伯爵「そう言えば、ヘルマちゃんと言えば非公式だが有名すぎる二次設定があったよね」 俺「ああ、あれか……」 伯爵「まあ、フミカネ氏の着彩がちょっとあれだっただけなんだろうけど」 俺「あれはそうしか見えないからなぁ……」 伯爵「うん、あれじゃあこんな設定つくよね……」 俺&伯爵「おもらしキャラ」 ページ先頭へ