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前編へ 「ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりしていってね!」」」 真夏の太陽を天に抱いた森の中、ゆっくりたちの声が木霊する。 大人のゆっくりのものが一つと、赤ちゃんゆっくりのものがたくさん。 群生する草を掻き分けて、最近の幻想郷ではよく見かけられるようになった、ゆっくり家族の姿が現れた。 「ゆっゆっ、おひさまきもちいいね!」 「ゆっくりできるね!」 「あ、アリさんがいるよ!」 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」 生まれてまだ間もないであろう、ミニトマト程度の大きさしかない赤ちゃんゆっくりたちは、元気にはしゃぎまわっている。 種類は全てゆっくり霊夢種であり、小さなリボンをはためかせて元気いっぱい飛び回る姿は人間の子供たちと左程変わりない。 そしてそんな微笑ましい光景を、後ろから優しい顔つきで見つめるゆっくりが一匹。 「あまり遠くに行かないでね!」 ゆっくり魔理沙だった。 バレーボール程度もある身体を揺らして、四方八方に行こうとする自らの子供たちに注意を向けている。 「おかあさん、アリさんいっしょにたべよ!」 「お母さんはだいじょうぶだよ! みんなで食べるといいよ!」 「わーい♪」 「ゆっくりたべるね!」 「おかあさんだいすき!」 列を成して歩くアリの集団を見つけた赤ちゃんゆっくりたちは、小さな舌を伸ばしてアリを食べ始める。 近くに湖が存在し、生き物がたくさん生息しているこの場所は、ゆっくりたちが過ごすには快適すぎるほどのゆっくりスポットだった。 幸せそうにアリを頬張る赤ちゃんゆっくりたちの姿を慈愛の表情で見つめるゆっくり魔理沙。 その左頬は、他のゆっくり魔理沙と比べて、ほんの少しだけ歪な形をしていた。 二週間前、人間の手によって失われ、そして再生した結果だった。 そう――このゆっくり魔理沙は、あの無礼な態度のせいで『お仕置き』されたゆっくりだった。 あの後、怪我による衰弱で意識不明の重態に陥っていたゆっくり魔理沙は、偶然通りがかったゆっくり霊夢に助けられた。 一週間の看病の末、餡子の大半を失っていた身体は万全とはいかないまでも回復。 お礼を兼ねての親愛の表現として身体を寄せ合って揺すり合い、ついムラムラしてそのまま性交に発展してしまった。 助けてくれたゆっくり霊夢は黒ずんで朽ちてしまったが、代わりに可愛い赤ちゃんがなんと七匹も生まれたのだった。 それからゆっくり魔理沙は母として、赤ちゃんたちを育てている。 右も左も分からぬ森の中での生活だったが、暮らし始めてみれば今まで暮らしていた場所より遙かに快適で、既に安住の地と化している。 あの男が言っていた野良犬やゆっくりれみりゃ、ゆっくりアリスの姿も見かけない。 ……あの男。 顔を思い出す度に、ゆっくり魔理沙の左頬がじくじくと痛み出す。 あの男には酷いことをされた。 ――しかし、あの男を怒らせるようなことを、自分は仕出かしてしまったのだ。 そう考えるゆっくり魔理沙。別に知能が上がったわけではなく、単にトラウマが生じているだけなのだが、本人はそのことに気付いていない。 ――今でも怒っているのだろうか。 あれ以来、人里には近付いていない。場所が分からないということもあるが、近付いてあの時と同じような目に合いたいとは、二度と思わなかった。 「おかあさん!」 思考に没頭していたせいか、ゆっくり魔理沙は自分の子供が目の前に来ていたことに気付かなかった。 慌てて思考を中段し、微笑みを作る。 「ゆっ、どうしたの?」 「みてみて、アリさん!」 赤ちゃんゆっくり霊夢が舌をべっと伸ばす。その先には、踏まれてぺしゃんこになったアリの死骸がくっついていた。 「えらいね! ちゃんととれたんだね!」 「ゆゆっ♪」 褒められたことが嬉しいのだろう、赤ちゃんゆっくり霊夢はその場で踊るように飛び回る。 その愛らしい姿を見て、ふと電撃のような閃きがゆっくり魔理沙の脳裏に浮かんだ。 この可愛い赤ちゃんたちを見れば、きっとあの男も許してくれるに違いない! それは人間からすれば何とも愚かな考えだったが、今のゆっくり魔理沙にとって天啓ともいえる閃きだった。 早速赤ちゃんたちを全員呼び集め、高らかに宣言する。 「今からお兄さんのおうちへしゅっぱつするよ!」 「ゆ?」 「おにいさんってだれ?」 「ゆっくりできるの?」 「とてもゆっくりできるよ! おいしい食べ物があるし、れいむたちよりも大きなれいむもいるよ!」 「ゆゆっ!?」 「いきたい!」 大はしゃぎする赤ちゃんゆっくりたち。「ゆっ♪」「ゆっ♪」と楽しげにその場で飛び跳ねている。 それが静まるのを待ってから、ゆっくり魔理沙は記憶を頼りに道を歩み始めた。 「それじゃ、ゆっくり行こうね!」 「「「ゆっくりいこうね!!!」」」 時は少し遡り、早朝。 俺は知人の美鈴さんから習った太極拳を練習していた。 別に拳法に目覚めたわけではなく、ここのところ働き詰めだったので、健康のためにやっているだけだ。 ゆっくり魔理沙に『お仕置き』してから一週間くらい経ったころだろうか、俺の勤め先でちょっとしたトラブルが生じた。 それ自体は解決したのだが、それの尻拭いのために俺や同僚たちは朝から深夜までずっと駆り出され、今日まで一週間ずっと働きっぱなしだったのだ。 おかげでゆっくり霊夢には寂しい思いをさせてしまった。こういうとき、畑仕事をしている人が羨ましいと思ったりもする。 だけどまぁ、五年前に外の世界から迷い込んできた外来人である俺に土地なんてあるはずもなく、こうして家を持てただけでも大したものなのだろう。 「……ゆ?」 ゆっくり霊夢が眠りから目覚めたようだ。きょろきょろ周囲を見渡し、俺と目が合うや否や、 「ゆっくりしていってね!」 とお決まりの挨拶。 うぅん、相変わらずぷりちーなナマモノだ。 頬ずりしたくなる衝動をグッと堪えて、朝食の準備に取り掛かる。 その間ゆっくり霊夢はずりずりと腹ばいで俺の足元に近付き、ずっと身体を摺り寄せていた。 普段こいつが起きる前に家を出ていたので、久しぶりのスキンシップが取りたいのだろうか。 萌え死ぬ。 足の親指で頬のあたりをくすぐってやりながら、てきぱきと料理を作る。 外の世界のガスコンロと比べて竈は使い辛い(そもそも使ったことが無かった)が、今ではすっかり慣れたものだ。 今日は夕飯にも再利用出来るシチューを作る。 器に注ぎ、おひたしに鰹節を振りかけて醤油をかけた皿と丁度炊き上がったお米を並べて完成。 テーブルの上に乗せ、少量を別の皿によそうと、ゆっくり霊夢が食べやすいように床に置いた。 「いただきます」 「ゆっくりいただくね!」 ゆっくり霊夢は舌を器用に使い、零さず綺麗にご飯を平らげる。うーん、美しい。 おっと、感心してないで俺も早く食べなくてはな。 外の世界にいた頃と比べてずいぶん質素になった朝食を手早く食べ終え、皿を水の入った桶につけておく。帰ったら洗おう。 「じゃあ、行ってくる。今日は通常業務だからいつもの時間に帰れるよ」 「ゆっ、本当!?」 「ああ。それに明日はお休みも貰っている。一緒に遊ぼうな」 「ゆっくり待ってるね!」 ゆっくり霊夢に見送られながら、俺は家の扉を閉めようとして―― ごしゃん。 「……」 忙しくて修理する暇のなかった扉が、ついにご臨終なされたようだった。 なんか変な方向に曲がっており、動かそうとしてもビクともしない。 どうしよう、時間をかければ直せそうではあるが、そうすると仕事の開始時間に間に合わない。 扉は中途半端に開いたままだ。別に泥棒に盗られて困る貴重品はないが、野犬やゆっくりたちが入り込んでくる可能性もある。 仕方無いので、雨漏りの修理用に何本かストックしてある木の板を裏から持ってきて、扉の前に置いた。 あとは野犬の目の高さくらいの位置にいらなくなった新聞紙を米を糊代わりにしてくっつける。 突撃されたらすぐ剥がれてしまうが、多少の目眩ましにはなるだろう。 「いいか、知らない人が来ても追い返すんだぞ。お前のリボンにつけたペット証があれば、誰もお前を傷付けないからな」 「わかったよ!」 ちょっと心配だったが、仕事はしないといけない。 俺は何度も振り返りつつ、家を後にした。 時間は過ぎて、三時を過ぎたころ。 ゆっくり霊夢が主人の作ってくれた手製の滑り台で遊んでいると、何処からか自分を呼ぶ声が聞こえた。 どうやら玄関の方かららしい。この家に来客は滅多に来ないので、ゆっくり霊夢は多少警戒しながら扉に近付いた。 「ゆっ、誰かいるの?」 「れいむ! まりさだよ!」 「ゆゆっ、まりさ!?」 聞こえた声は、懐かしい知人のものだった。 二週間前、たった一日だけ遊んだ友達。主人から家に帰ったと聞かされて残念な思いをした記憶が蘇る。 板と新聞紙の隙間から外を覗くと、確かに見覚えのあるゆっくり魔理沙の姿があった。 「どうしてここに?」 「遊びに来たよ! ゆっくりさせてね!」 「ゆゆっ! ゆっくりしていっ……ん……」 「……? れいむ、どうかしたの?」 ゆっくりしていってね、とお決まりの台詞が聞けると思ったゆっくり魔理沙は、訝しげな視線をゆっくり霊夢に送る。 ゆっくり霊夢を引き止めたのは、主人が出かける前に言った言葉だった。 『知らない人が来ても追い返すんだぞ』 何者かがこの家に来たのなら、自分は追い返さなければならない。 しかし…… 「ゆっくり入れてよ! れいむに見せたいこどもたちもいるんだよ!」 「ゆっ、子供!?」 ゆっくりとしての本能を刺激する単語に、ゆっくり霊夢はぴくりと反応して顔を上げた。 「そうだよ! みんな、れいむにあいさつするんだよ!」 ゆっくり魔理沙の言葉に、板の向こうから赤ちゃん特有の甲高い声が幾重にも折り重なって唱和された。 「ゆっくりしていってね!」 「おねえちゃん、おかおがみえないよ!」 「はやくいれてね!」 「そこはゆっくりできるところなの?」 「ゆっくりさせてね!」 ゆー、ゆーと甘い鳴き声。ゆっくり霊夢は理性と本能のせめぎ合いでおろおろする。 主人は、ゆっくり魔理沙たちが部屋に入ることを是としないだろう。 しかし、赤ちゃんたちを見たい衝動が心の内よりどんどん溢れてくる。 主人への忠節を取るか、自身の抑えがたい興味を優先させるか。 悩みに悩んで、ゆっくり霊夢が取った行動は、 「今、この板をどけるよ! ゆっくり下がってね!」 ゆっくり魔理沙たちは知らないゆっくりじゃないから大丈夫だという、後先を考えない愚者の選択だった。 「おねえちゃん!」 「ゆっくりしていくね!」 「ゆっ、ゆっ♪」 赤ちゃんゆっくりたちに纏わり付かれながら、ゆっくり霊夢は幸せだった。 加工所で生まれ、この家に引き取られてからずっと、ゆっくり霊夢は赤ちゃんというものを見たことがなかった。 ペット用のゆっくりは英才教育を受けるために誕生してすぐ親元から引き離され、ゆっくりブリーダーと呼ばれる人間の下で厳しい訓練を受けることになる。 だが、生まれたばかりの蜂が教わらなくても狩りの仕方を熟知しているように、種族の本能的な部分は親と子の愛情関係を完全に理解していた。 赤ちゃんゆっくりたちを見てゆっくり霊夢の中に浮かんでくる感情は、間違いなく『愛』と呼ばれるものだった。 「うわー、すごいね! ゆっくりできるものがたくさんあるよ!」 「みんなでゆっくりしようね!」 ゆっくり赤ちゃんたちは大はしゃぎで、家の中を飛び回っている。 特に目を引いたのは、主人がゆっくり霊夢のために作ってあげた手製の玩具の類だった。 滑り台にブランコ、蛙人形やシーソーなど、さながら小さな遊園地といった風情である。 赤ちゃんゆっくりたちは玩具に駆け寄ると、思う存分ゆっくりし始めた。 列を作り、順番に滑り台を滑り。 ブランコに乗って、どちらがより高い場所まで行けるか競い合い。 蛙人形に群がって、ゆっくりれみりゃ退治ごっこをして。 シーソーを使って、自分の身体が沈んだり持ち上がったりする感覚を楽しんだ。 生まれて一週間、森の中でこんな遊びをしたことはなかったのだろう。赤ちゃんゆっくりたちは終始はしゃぎっぱなしだった。 ゆっくり霊夢もそんな赤ちゃんたちに付き添うように遊んでいたのだが、 「ゆ~……ふぁ……」 急に眠気を感じ、ふらふらと壁にもたれかかってしまった。 今日までの一週間、ずっと帰りの遅い主人を待ち続け、早く寝ないで夜遅くまで待っていた結果がこれだった。 眠ってはいけないと思いつつ、意識が闇の中へと沈んでいく。 やがてくぅくぅと寝息を立て始めたのを、離れて赤ちゃんゆっくりたちを見守っていたゆっくり魔理沙が発見した。 「れいむ、れいむ?」 「ゆっ……くぅ……」 揺すっても起きない。 赤ちゃんゆっくりたちが、心配したかのように駆け寄って来る。 「おかあさん、おねえちゃんどうしたの?」 「つかれて眠っちゃってるだけだよ! しんぱいしないでゆっくり遊んでてね!」 ゆっくり魔理沙はゆっくり霊夢は起きないよう、小さな声で告げる。 だが赤ちゃんゆっくりたちは動かない。集まってきたのは、ゆっくり霊夢が心配だったからだけではないからだ。 「おかあさん、おなかすいたよ!」 「なにかたべさせてね!」 朝食の蟻を食べてから、この家に来るまでずっと移動中だったゆっくり魔理沙たちは、その間何も口に入れていなかった。 それに加えて、今激しい運動をしてきたばかりである。 空腹を訴えるのも当然の行動だった。 「ちょっと待ってね! お兄さんが帰ってこないと……ゆっ?」 言葉の途中で、ゆっくり魔理沙は鼻をひくつかせる。 漂ってくる、いい匂い。 食欲を促すその香りは、台所の竈の上に置いてある鍋のほうからしていた。 「あっちに、ご飯があるよ!」 ゆっくり魔理沙は竈のほうへと近付いた。 そこにはこの家の主人が今朝方作ったシチューの入った鍋がある。 だが、鍋はかなり高い位置に置かれており、普通は届く距離ではない。 ただ竈は角の部分が先に行くほど少しずつ丸みを帯びていく構造になっており、角の先端はゆっくりにとってただの坂と呼んでも差し支えない形状になっている。 あの部分まで飛ぶことが出来れば、鍋に届くかもしれなかった。 「いくよ!」 ゆっくり魔理沙は助走をつけ、竈の少し手前で思い切りジャンプした。 浮遊感。一瞬の空白の後、坂道の部分にギリギリ身体が届いた。 間髪入れず、もう一度ジャンプしようとする。 だが坂道での踏ん張りが効かずにバランスを崩し、そのまま床に落下してしまった。 「ゆぶっ!」 衝撃。口から餡子が少しはみ出る。 「おかあさーん!」 赤ちゃんゆっくりたちが心配して駆け寄ろうとするのを、ゆっくり魔理沙は静かに押し留めた。 「だ、大丈夫だよ! ゆっくりそこで見ててね!」 ゆっくり魔理沙は何事もなかったかのようにニッコリ笑うと、もう一度チャレンジするために距離を取る。 無論、痛くないわけではないが、それでも子供たちを心配させないために我慢しなくてはならない。 それは親になったゆっくりとしての本能だった。 「……ゆっ!」 気を落ち着かせ、もう一度トライ。タイミングを見計らって、竈の坂道へ一直線に跳躍する。 べしゃっ、と身体が押し付けられる感覚。その感覚を維持したまま、ゆっくり魔理沙はもう一度ジャンプした。 一瞬の緊張。果たして自分はどうなった? 答えは、身体に触れる床の感触で分かった。 ゆっくり魔理沙は、見事に竈の上に着地していたのだった。 「ゆっ! ゆっ!!」 「おかあさん、すごい!」 遙か下方で、赤ちゃんゆっくりたちがやんややんやの喝采を母親に送る。 その声に満足しながら、ゆっくり魔理沙は鍋に近付いた。 この鍋を持って床に降ろすのは、物理的に不可能だということくらいゆっくり魔理沙の知能でも分かった。 ならば、方法は一つしかない。 「ゆっくり落ちていってね!」 体当たり。がん、という衝撃と共に鍋の位置が少しずれる。 もう一度アタック。ずず、ずず……と少しずつ鍋がぐらつき、そして…… がしゃーーーん!!! 豪快な音を立てて、鍋が竈から転がり落ちた。 床にぶちまけられるシチュー。掃除するのにかなり苦労することになるだろうが、無論ゆっくりたちはそんなこと知ったことではない。 赤ちゃんゆっくりたちは歓声を上げてシチューに群がり、ぱくぱく食べ始める。 「ゆっゆっ、つめたいけどおいしいね!」 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」 「うっめ!!! メッチャうっめこれ!!!」 その様子を幸せそうに眺めていたゆっくり魔理沙は、床に水の入った桶が置いてあるのを発見した。 後で皿を洗うために浸けていたものだが、ゆっくり魔理沙にとってその桶は飲み水にしか見えなかった。 「みんな、お水もあるよ!」 地面に慎重に下りると、ゆっくり魔理沙は躊躇無く桶も引っくり返す。 水が一面に溢れ出し、勢いよく流れ出た皿は地面を擦って何筋もの傷を付けた。 「ゆゆっ、ちべたーい!」 「おみず、きもちいいね!」 「ごくごく、おいしーい♪」 赤ちゃんゆっくりたちは大はしゃぎ。風呂代わりに水浴びしたりするゆっくりまで現れる。 皆にとって、ここは最高にゆっくり出来る環境だった。 「……ゆっ!? みんな、何してるの!?」 と。 先程鍋を落とした音で目を覚ましたゆっくり霊夢は、台所の惨状を見て驚愕の声を上げた。 「あ、れいむ!」 ゆっくり魔理沙はぴょんぴょん飛び跳ね、フリーズしているゆっくり霊夢に近寄る。 そしていかにも自分は幸福です、というような顔で、 「おにいさんがまりさたちのために用意してくれたばんごはん、美味しいね!」 「……」 ゆっくり霊夢は口をぱくぱくさせるだけで反応しない。 「……? どうしたの、れいむ?」 不審そうな表情を浮かべるゆっくり魔理沙。気付いた赤ちゃんゆっくりたちも二匹の周囲に駆け寄った。 「おねえちゃん、どうしたの?」 「ゆっくりしていってね!」 「おねえちゃんのぶんもまだあるよ!」 悪意のない赤ちゃんゆっくりたちの言葉。 ゆっくり霊夢は何とか餡子の底から声を絞り出そうとして、 「ゆっくり霊夢っ!!!」 叫び声と、ぶち壊す勢いで開けられた扉の音にびくりと身体を硬直させた。 それは、ゆっくりが進入しないように置いておいた板が外れているのを発見し、慌てて帰宅した主人の声だった。 「ゆっ……ゆっ!?」 これはマズい、とゆっくり霊夢は思った。 何がマズいのかは分からなかったが、とにかく本能的な危険をゆっくり霊夢は感じていた。 どたどたという足音、そして、 「ゆっくりれいっ……む……」 惨状を見つけてしまう。 目を見開き、硬直する主人。 ゆっくり霊夢は固まったまま反応出来ない。 「……ゆっ!」 だが、大きな声に少し驚いたゆっくり魔理沙は、自分がここに来た目的を思い出した。 「みんな、来て!」 「ゆっ?」 「おかあさん、どうしたの?」 突然闖入してきた初めて見る人間の姿を興味津々に眺めていた赤ちゃんゆっくりたちは、母の言葉を受けてゆっくり魔理沙の周囲に集まる。 「みんな、お兄さんに『挨拶』するんだよ!」 「「「ゆっ!!!」」」 朝、ここに来る道中で母に教わった『挨拶』。 赤ちゃんゆっくりたちはぽかんと口を開けっぱなしの男に向かって、精一杯の愛らしい顔で、 「「「ゆっくりしていくね!」」」 言った。 ゆっくり魔理沙は順繰りに赤ちゃんたちを見渡し、 「お兄さん、この前はごめんね! 赤ちゃんたちをとくべつにかわいがっていいから許してね!」 そして、 「だから、みんなでここに住まわせてね!」 その日、ゆっくり霊夢はゆっくりれみりゃやゆっくりフランなど足元にも及ばない恐怖を味わった。 それはいつかの『お仕置き』すらも凌駕する、圧倒的なまでの修羅の形相だった。 「おにいさん、ここからだして!」 「おなかすいたよ!」 「ここじゃゆっくりできないよ、おうちかえる!」 赤ちゃんゆっくりたちの声。 俺はいらついた風を装い、ゆっくりたちを閉じ込めた透明の箱を蹴り上げる。 「五月蝿い、殺されないだけありがたく思え!!!」 「ゆゆっ!!?」 衝撃と振動。 赤ちゃんゆっくりたちは怯えて隅に固まり、震えながら泣き出してしまった。 「やめてね! 赤ちゃんたちに酷いことしないでね!!」 と、こっちはゆっくり魔理沙。 赤ちゃんゆっくりたちを入れた箱とは別の小さな透明の箱に詰められ、ずいぶんと苦しそうだ。 子供たちを庇おうとするその姿勢は、いつかの自分勝手な姿からは想像出来なくて少し吃驚する。 「お兄さん、まりさたちを許してあげて!」 更に別の箱、こちらは少し空間のゆとりがある透明の箱の中で、ゆっくりれいむは俺に温情を訴えかける。 ゆっくり魔理沙たちを家の中に入れてしまった罪で閉じ込められてなお、友達の安否を気遣うとは……流石我がペット。 ぶっちゃけた話、俺は別にそこまで怒り心頭というわけではなかったりする。 確かにあの惨状を目にした瞬間、ちょっと怒りの沸騰点が限界を超えかけた。 でもそこを鋼の精神でぐっと堪え、ゆっくりたちを閉じ込めるだけに留めている。 何故殺さなかったのか? 勿論『殺害』という直接的な攻撃を俺が嫌っているというのもある。 だがそれ以上に、 「ほーれほれ」 「ゆゆっ!? お、おかあさーん!」 「ゆっくりやめてね! 赤ちゃんを放してね!!!」 こいつらの泣き叫ぶ声と必死の表情が、最高に俺の心を満たしてくれる。 殺してしまったら、この愉悦は味わうことは出来ない。 自分の唇がすごい勢いでひん曲がっているのを感じる。 蓋を少し開き、赤ちゃんゆっくりの一匹を掴み上げた。 ああ、ゆっくり魔理沙の懸命な顔……そそる。 「しかしぷにぷにしてんなー、こいつ」 掌に乗せた赤ちゃんゆっくりの頬を突く。 最初は優しく、そして少しずつ力を込めて。 「ゆ、ゆゆっ、いたいよ! ゆっくりできないよ!!!」 最初はくすぐったそうにしていた赤ちゃんゆっくり霊夢だったが、力が入ると苦しそうな声を上げた。 その様子を見て、ゆっくり魔理沙が半狂乱で泣き叫ぶ。 「な゛ん゛でごん゛な゛ごどずる゛の゛ぉ゛ぉぉぉぉ!!?」 「何故? 分からないのか?」 いつかのような質問。あの時の痛みを思い出したのか、ゆっくり魔理沙がびくりと震える。 「ここは、誰の家だ?」 「お……お兄さんのおうちです……」 おぉ、覚えていたか。感心感心。 「で、お前は何をしていた?」 「あそんでました……」 「それは別に構わん。その次だ」 「お兄さんが用意してくれたおゆうはんを」 「違う」 赤ちゃんゆっくり霊夢にデコピン。 結構本気で叩いたからか、「ゆ゛ーっ!!!」と泣き出してしまった赤ちゃんの姿を見て、慌ててゆっくり魔理沙が訂正する。 「まりさたちのじゃないおゆうはんを勝手に食べてしまいました!」 「そして?」 「お水も勝手に飲んでしまいました!」 「ふむ」 もう一度デコピン。赤ちゃんゆっくり霊夢の泣き声が激しさを増す。 ゆっくり魔理沙は俺の動きを止めようと必死に箱をガタガタ揺らした。 無駄な努力ご苦労さん。 「さっき言ったよな? ここは俺の家だって」 「そ、そうです、だから赤ちゃんをゆっくり放してね!」 「あ?」 「は、放してください!」 ゆっくりが敬語を使ってるのは面白いなぁ。 「で、お前は人の家で、俺が俺のために作ったシチューを床にぶちまけたわけだ? お前の都合のために?」 「あやまります! あやまりますからまりさの赤ちゃんにひどいことしないでぇぇぇ!!!」 ゆっくり魔理沙の顔はもう涙で皮がべちょべちょになっていた。 うはぁ、やべぇ。超快感。 だけど台所の掃除と扉の修理で時間を使いすぎた。 はっきり言って俺は眠い。 今日はゆっくり魔理沙に『絶望』を知ってもらうだけで終わらせてしまうか。 俺は泣きながら俺の手を逃れようとする赤ちゃんゆっくり霊夢を指で掴むと、 「あーん」 「ゆ゛ゆ゛っ!!?」 大きく口を開き、奥歯に挟んだ。 「や゛め゛でぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇぇ゛ぇ゛ぇ!!!」 そんなに騒がなくても食わないよ。 まだ。 俺は奥歯に挟んだ赤ちゃんゆっくりを見せ付けるように、ゆっくり魔理沙と他の赤ちゃんゆっくりたち、そしてゆっくり霊夢の箱を順繰りに回る。 「いいか、今からお前に問題を出す」 うっ、しゃべりづらい。 「お前が十秒以内に答えられたら子供は助けてやる。答えられなかったら子供は食われる。分かったな?」 「わ、わかったからいそいでもんだい出してね!」 歯と歯の間で母の名を呼びながら泣き叫ぶ(口の中に振動が起きて少し気持ち悪い……)赤ちゃんゆっくりを見つめて、ゆっくり魔理沙は俺を急かす。 おやおや、ゆっくりのくせにゆっくりしないでいいのかな? まぁいいや。 「問題。ゆっくり魔理沙には七匹の子供がいます。ある日ゆっくりれみりゃに襲われて二匹殺されてしまいました――」 逃げた先でゆっくりフランの群れに遭遇してしまい、また二匹無残に殺害されました。 更に発情期のゆっくりアリスと出会ってしまい、ゆっくり魔理沙は子供の一匹を犠牲にして逃れました。 しかし家に帰ると、そこはゆっくり霊夢の一家に占拠されていました。 ゆっくり霊夢たちに押し潰され、また一匹子供が死んでしまいました。 そうこうしてるうちにお腹が空いてしまったゆっくり魔理沙は、残った子供をぺろりと食べてしまいました。 さて、子供は現在何匹残っているでしょう――? 「ゆっ!? ゆ、ゆっくり……」 ゆっくり魔理沙は顔を顰めて考え出す。 くくく、所詮ゆっくりブレイン、答えられまい。 しかもゆっくりれみりゃなどの天敵の名前をわざわざ出している。本能的な恐怖で冷静な思考なで出来ようはずもない。 「なーな、ろーく」 「ま、まってね! ゆっくりかぞえてね!」 「ごー」 焦ってるゆっくり魔理沙も可愛いなぁ。 その頬を引っ張りたい。 「さーん、にー」 「ゆゆゆゆっくりしてね!!! ゆっくりして」 「いーち」 「ゆ……う゛わ゛あ゛あ"ああぁ゛ぁぁ゛ぁ゛ぁぁぁ゛!!!」 「ぜろー、残念でしたー」 やっぱり無理だったか。 ゆっくり魔理沙は何とかしようと、目に見えて暴れ出した。 だが狭い箱の中、己を苦しめるだけだ。 俺は口の中から聞こえる赤ちゃんゆっくり霊夢の泣き声を聞きながら、他の赤ちゃんゆっくりたちを閉じ込めた箱の前に移動した。 「おにいさん、なんでこんなひどいことするの!?」 「はなして! いもうとをはなしてね!」 「ゆっくりできないおにいさんはゆっくりしんでね!」 口々に喚きたてる赤ちゃんゆっくりたち。だけど俺が箱を蹴ると大人しくなる。 「非常に残念だが、こいつは死ぬ。あーあ、残念だなぁ。お前たちのお母さんがちゃんと問題に答えられてれば、こいつも助かったのになぁ」 まるでゆっくり魔理沙が全て悪いような言い方。 勿論、どう考えても悪いのは俺なのだが、ゆっくりの餡子脳ではそんなこと分かるはずもあるまい。 「お前たちのお母さんのせいでこいつは死ぬのかぁ。あーあ。酷い親だよなぁ」 「ゆっ!?」 「そんな、おかあさん!?」 赤ちゃんゆっくりたちが一斉に母親の方を振り向く。 ゆっくり魔理沙は違うと言いたげに身体を少しだけ揺らした。本当は首を振りたかったのだろうが、箱が狭くて身動きが取れないのだ。 「ち、ちがうよ! おかあさんは赤ちゃんをたすけようとしたよ!」 「それなら赤ちゃんは助かってるはずだよなぁ。もしかしたら、お前たちも見殺しにされるかもなぁ」 論理の破綻した言葉。 だが、それは赤ちゃんゆっくりたちを突き動かす原理になる。 「ひどいよ、おかあさん!」 「ここにつれてきたのもおかあさんだったよね!」 「れいむたちがひどいめにあってるのもおかあさんのせいなんだ!」 「おかあさんはゆっくりしね!」 「「「ゆっくりしね!!! ゆっくりしね!!!」」」 「や゛め゛でぇ゛ぇ゛ぇ゛!!! ぞん゛な゛ごどい゛わ゛な゛い゛でぇ゛ぇ゛ぇぇ!!!」 子供を護ろうと必死だった母親が、護ろうとした子供たちに糾弾されて泣き叫ぶ。 人間ならば同情を誘う光景だが、こいつらはゆっくり。 快感しか生まん。 「さて」 俺は再びゆっくり魔理沙の前に戻り、口の中を見せた。 相変わらず、奥歯に挟まってがたがた震えている赤ちゃんゆっくり霊夢の姿がそこにある。 「こいつを助けたいか?」 「だずげであ゛げでぐだざい゛ぃ゛ぃ!!!」 「うん、でも駄目」 ぷちん。 俺は口を開けたまま、見せ付けるように奥歯で赤ちゃんゆっくり霊夢を押し潰した。 飛び散る餡子。意外と美味しいが、それよりも生命を奪った生理的な罪悪感を覚えてしまうのは俺がゆっくりを愛している所以か。 「う゛わ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ゛!!!」 ゆっくり魔理沙のこれ以上ないという悲鳴。 いいね、ゾクゾクする。 先程の罪悪感はそれで消し飛んだ。 さて、じゃあ眠るとするか。 明日は休みだ。 もっと遊ぼうな、ゆっくり魔理沙…… 続く。 このSSに感想を付ける
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(ある日差しの穏やかな午後) ゆっくりプレイス。そこはとても広い草原だった。 そこに集まったおよそ100匹のゆっくり達は思い思いにゆっくりしていた。 草を食む者、バッタを追いかけ遊ぶ者、あるいは日向ぼっこを目一杯楽しむ者。 そこに現れた男が二人。背には竹籠、手には鉤付きの棒を持っていた。 ゆっくり達に緊張が走る。しかし誰も逃げ出さない。 あの人間達は自分達を捕まえに来たのかもしれない。 しかし、単に自分達と一緒にゆっくりしようとやって来たのかもしれない。 事実、そんな人間も中にはいるのだ。そして彼らは決まって自分達に甘いお菓子をくれる。 不用意には近づけない。しかしお菓子は欲しい。ゆっくり達は態度を決めかねていた。 「うーん。本当にゆっくりがいなくなってるとはなぁ。 森にもいない。巣にもいない。池や川のほとりにもいない。 いつもならこの草原に沢山居る筈なのにやっぱりいない。 あの先生の言ってた事は本当だったんだなぁ。」 「だから言っただろう。先生に頼めば一発だって。 先生はこの近くに住んでいる人の中で一番頼りになる人なんだよ。美人だし。 不思議な能力を持ってたり、綺麗な弾幕を張ったりだって出来る。それに美人だし。」 「・・・。ま、まぁ確かに美人だな。しかしまさか一晩でゆっくりを消すだなんて。 一応狩りの用意をしてゆっくりを探しに来たがとんだ無駄足だったなぁ。」 「まったくだ。俺達のじいさまの代から駆除しても駆除しても増え続けたゆっくりを たった一晩で全部消してしまうなんて。その上美人だし。」 「(もういいって・・・)」 男達は里に住む農家だった。畑に悪さをするゆっくりに困りはて人外の先生に駆除を依頼したのだ。 先生は里に住む全ての人間を集め『一晩ですべてのゆっくりを消す』と宣言した。 この二人はそれを確かめるためにゆっくりを探していたのだった。 「いやーしかし、今までここにはゆっくり狩りでしか来たこと無かったから気付かなかったが いいところだなぁ。ゆっくりに占領させておくのはもったいない。 日当たりはいいし、風も気持ちいい。奴らがゆっくりしたくなる気持ちもわかるよ。 俺達もすこしゆっくりしていこうか。」 「ははは、馬鹿なこと言ってんじゃねーよ。カミさん達に畑任せっぱなしなんだぞ。 しかしまあ一服くらいしてもバチは当たらんだろ。」 そう言うと男達は笑いながら煙草をくわえ火を付けた。 「ゆー。あのひとたちはどうやらゆっくりできるひとのようね。」 「やっぱりぱちゅりーもそうおもう?あのひとたちなんだかゆっくりしてるみたいだよ。」 「あっなにかたべてるよ。れいむたちももらいにいこう!」 談笑中の男の足下に集まるゆっくり達。 「ゆっくりしていってね!!!」 「いっしょにゆっくりしようね!」 「まりさにもそのたべものをちょうだいね。」 しかし男達は足下のゆっくりに気付かない。無視しているのではなく本当に気付いて無いのだ。 だが無視されたと感じたゆっくり達は体をふくらませ威嚇し始めた。 「どうしてむしするの!ゆっくりできないひとだね!」 「ゆっくりできないひとはでていってね!」 「はやくそのたべものをくれないとほんきでおこるよ!」 ついに男の足めがけて体当たりを始めるまりさ。 「じゃあそろそろ行くか。今度は家のちび共も連れてピクニックにでも来よう。」 「そりゃいいな。たまには仕事ばかりじゃなく子供とも遊んでやらんとな。」 男の一人が咥えていた煙草を足下に落とす。それを見たまりさは大口をあけてとび跳ね そのままぱくんと飲み込んでしまった。 「!!!!!!!あああああぢゅいいぃぃぃぃいぃぃ!!!!」 「おいおい、煙草の火はちゃんと消さないと駄目じゃないか。火事でも起きたらどうする。」 「おっと。あぶねぇあぶねぇw」 「き゛ゃあ゛あ゛あ゛あ゛ま゛り゛さ゛を゛ふ゛ま゛な゛い゛て゛え゛え゛ぇ!!!」 グリグリと頭を踏みつけられたまりさは餡子を吐きながらピクピクを痙攣する。 それを見た仲間たちは男の前にたちはだかり次々に叫びだす。 「まりさになんでごとするのおおおお!!!」 「おじさんはゆっくりあやまってね!」 「こんなことするおじさんとはゆっくりできないよ!」 しかし次の瞬間。 「ぎゃああああああ!!!」 「やめて!なんでこんなkぶびゃああああ!!!」 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!ゆっkぐへぁあああああ!!!」 歩きだした男達に踏まれ罵声は悲鳴に変わる。 男達が去った後。そこには餡子を吐き出し苦悶の表情を浮かべ息絶えたゆっくりと その周りでただ泣くことしか出来ないゆっくりが残った。 (数日後 人間の里の畑) 「ふぅ・・・またか・・・」 そこには荒らされた自分の畑を見てため息をつく老いた一人の農夫がいた。 つい先日、先生がすべてのゆっくりを消してくれたおかげでゆっくりが畑を荒らす事はなくなった。 しかし、今度はべつの生物が自分の畑を荒していたのだ。 「今度の奴はいったいなんなんだ。きっと恐ろしく頭のまわる奴だぞ。 罠はすべて起動しているのに死体が一つも残ってないなんて・・・」 農夫が仕掛けた数々の罠。落とし穴や毒入りのエサ、対ゆっくり用の超小型地雷。 そのすべてがまったく機能していない様に見えた。 「こりゃぁ新しい罠を考えなければならんのぉ」 またため息を一つつくと農夫はとぼとぼと家路についた。 一方落とし穴の底では。 「ゆぎゃああああ!!!いだいよおおおぉぉぉおおぉぉ!!!!」 「だれがだずげでええええ!!!このままじゃじんじゃうよおおお!!!」 「のぼれないよ!だれかゆっくりたすけてね!こんなところじゃゆっくりできないよ!」 穴の底に仕掛けてあった杭に串刺しにされたゆっくりや 運よく杭を逃れたものの上に登れず泣き叫ぶゆっくりの姿があった。 「れ゛い゛む゛の゛あ゛か゛ち゛ゃん゛か゛あ゛あ゛あ゛!!と゛う゛し゛て゛な゛の゛お゛お゛お゛!!」 「あ゛ん゛こ゛か゛と゛ま゛ら゛な゛い゛よ゛お゛お゛ぉぉぉぉ!!!」 地上もまた地獄だった。 毒を食らい青黒くなって息絶えた子供たちの前で絶叫する母れいむ。 少し離れたところには地雷を踏み破れた皮から餡子を流し続けるありすがいた。 しかしゆっくりにとっては確かに地獄であったがこれは里の人間にとっては日常だった。 唯一いつもと違う点は人間達にゆっくりの姿が見えず声が聞こえない事だけだった。 (さらに数日後 虐待おにいさんの家) 「どうしても行くのか?」 「ああ、行く。この里のまわりに住むゆっくりはすべていなくなってしまった。 それどころか家で飼っていた虐待中のゆっくりもだ。 ゆっくりを虐められないなんて・・・この状況は僕には耐えられない。 だから僕はゆっくりを求めまだ見ぬ土地へ旅に出る。他の土地ならまだ生きたゆっくりがいるはずだ!」 「そうか・・・決意はかたいんだな。しかしこの部屋の散らかり具合はいったいどうしたっていうんだ?」 おにいさんの友人は部屋中に散らかった虐待グッズを見てあきれ顔で聞いた。 「ははは。いやぁ実はどの虐待グッズを持って行ったら良いか悩んでしまってね。 どれもこれも素晴らしい逸品なんだがすべては持っていけないからねぇ。」 「はぁ・・・」 その時開け放たれていた縁側からゆっくりれいむの一家が部屋に入ってきた。 「ゆ!ここにはおもしろそうなおもちゃがたくさんあるね!」 「みんな!きょうはここでゆっくりしていくよ!」 「「「はぁ~い!」」」 「そういうわけだから、おにいさんたちははやくれいむのうちからでていってね!」 早くも自分の家宣言をするれいむ。 しかしおにいさん達はそれにまったく気付かず持っていく道具の吟味を続けていた。 「これなんてどうだ?透明な箱。やっぱり基本は外せないんじゃないか」 「うーん。僕もはじめはそう考えたんだが・・・これって結構かさばるんだよねぇ。それに・・・」 「それに?」 「基本中の基本だからさ、わざわざ持って行かなくてもゆっくりがいる土地なら必ず店で売ってると思うんだ。」 「なるほど。そうなると持っていくのは小さくて他では手に入らない物か。 そういやこれはなんだ?店では見たこと無い。ひょっとして自作した物?」 「ちょっとおにいさん!れいむのことむししないでね!はやくでていってね!」 「もういいよおかあさん!それよりこのへやにはおもしろそうなものがたくさんあるよ!」 「ああこれね。これは僕が作ったやつ。ゴム製の疑似餌だよ。 ゆっくりが好きな果物だよ。しかも香り付きだからゆっくりはすぐだまされるんだ。」 「ほぅ。」 「例えばこんな風に箱の中に入れてさ。」 おにいさんが近くにある透明な箱の中にゴム製の疑似餌を入れる。 「ゆ!!!おいしそうないちご!!!」 「いただきま~す!!!」 二匹の子れいむがそれにつられて箱の中に入る。 「そしてその中にゆっくりが入ったら蓋を閉じるのさ。」 「ふむ。」 おにいさんが箱の蓋を閉じる。母れいむが大声で抗議するが二人には聞こえない。 子れいむは疑似餌に夢中で気づかない。 「ふたりでゆっくりわけようね!ゆ?」 「どうしたの?」 「ゆうううう!!!なんでええぇぇ!!かみきれないよおおおおお!!!」 「なにいってるの!うそつかないでね!はやくれいむにもわけてね!」 「うそじゃないよおおお!!!たべれないのおぉぉ!!と゛う゛し゛て゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「ゴム製だしね。当然ゆっくりはこの餌は食べられないよ。 そして『と゛う゛し゛て゛え゛え゛え゛え゛!!!』とか言いながら泣き出すのを見て楽しむのさ。」 「うーん。わからんなぁ。ただ五月蝿いだけなんじゃないの?それって。」 「君にはまだ早いかもね。いずれ解る日が来るよ。」 「(いや、一生わからんと思うが・・・)」 おにいさんはゆっくりが入った箱を本棚の上にしまう。 「まっでっでねえ゛え゛ぇぇ!!!いまだすげるがらあ゛あ゛あ゛!!!」 「な゛に゛し゛て゛る゛の゛お゛ぉぉ!は゛や゛く゛あ゛か゛ち゛ゃん゛を゛お゛ろ゛し゛て゛ね゛ぇぇ!」 母れいむは届くはずのない箱に向かって懸命に飛び続ける。 一方おにいさんは残りの疑似餌を床に無造作に置いてあったトラバサミの上に置く。 「こんな風にもつかえるんだ。」 「なるほど。餌につられたゆっくりがこれを踏むとこれに捕まるわけか。」 「ゆ!みんな!おいしそうなぶどうがあるよ!」 「まって!これはれいむがたべるよ!れいむはむこうのぶどうをたべてね!」 「おいしそ~!いただきま~す!」 「「「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!!!!!」」」 一斉に子れいむを捕まえるトラバサミ。挟まれ絶叫する子れいむ。驚くおにいさん達。 「な、なんだぁ!急にトラバサミが!」 「おいおい、大丈夫なのかこれ?なんもしてないのにいきなり挟んだぞ。」 「ゆ゛き゛ゃあ゛あ゛あ゛!!!い゛た゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛!!!」 「お゛か゛あ゛ち゛ゃあ゛あ゛あ゛ん゛!!!た゛す゛け゛て゛え゛え゛ぇぇぇぇ!!!」 「ゆ゛っく゛り゛て゛き゛な゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛!!!!!」 「おっかしいなあ~。今までこんな事無かったのに・・・」 「不良品なんじゃねーのコレ?」 「えー。お値段以上印のにとり製だぜ。しかも結構高かったのに・・・」 「しかしこんなんじゃ危なくって持って行けないな。」 「うーーーーーん。」 しばしの間考え込む二人。その間にトラバサミに挟まれた子れいむ達はすべて息絶えた。 わずかな間にすべての子を失った絶望により、母れいむはただ虚空を見つめ もの言わぬ人形の様になってしまった。本棚の上で泣き叫ぶ我が子の事も忘れて。 「やっぱり道具なんかに頼っちゃだめだって事なんじゃないか? ゆっくりごとき痛めつけるのに両手両足があれば充分だろ。 それにお前いつか言ってたじゃないか。『僕はなんとかの虐待技を使える』って。」 「ああ。48の虐待技の事?」 「そう。それ。ちょっと見せてよ。あれを使ってさ。」 男が指さす先には呆然とする母れいむの姿が。奇跡が起こったのか。 おにいさんは見えないはずの母れいむに向かって歩き出す。 「え?これ?これはちょっとなぁ・・・高かったんだよこれ・・・」 奇跡・・・では無かった。男が指さしていたのは母れいむのすぐ後ろ。 ゆっくりの皮に綿を詰めたゆっくりクッションだった。 「じゃあ、まぁふりだけでもさ。」 「う、うん。そうかい・・・じゃあふりだけね・・・」 その時本当の奇跡が起こる。ゆっくりを捕まえるふりをしたおにいさんの腕に母れいむが。 「ゆ?なんなの?はやくゆっくりおろしてね!」 突然人間に捕まえられ我に返る母れいむ。だがおにいさんの二の腕からは逃れられない。 「こうやってゆっくりを捕まえてさ。」 「それから?」 「ゆううぅぅぅぅ!!ぐるじいよ!はやくはなじでね!!!」 「ゆっくりぃぃぃぃ!愛してるよぉぉぉ!!ふんぬらばっっっ!!!」 「ゆ゛き゛ゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 「なにそれ?ただ絞め殺しただけじゃね?」 「う・・・ま、まぁ素人にはそう見えるかもね・・・」 「(こいつ、今適当に考えてやったな・・・)」 (さらに数日後 里の集会所) 「先生、実は今日お越しいただいたのは畑を荒らす謎の生物の事なんです。 先生のおかげでゆっくりは消えましたが畑の被害はまったく減らない。 しかもこいつがかなり頭の良い奴で。罠を仕掛けてもまったくかからんのです。」 「先生、またお力をお貸し願えないでしょうか。もちろん今回もお礼は致します。」 里の人間達から見つめられた先生と呼ばれる人物は「うっ・・・」と一言呟くと、 後ろにいた兎耳を付けた弟子となにやらボソボソと相談し始めた。 「ど、どうしよう。うどんげ。」 「どうしようじゃありませんよ師匠。だから私は反対だったんです。」 「だって・・・里の人達が困ってる様だったし。お礼くれるって言うし。家の家計は火の車だし。」 「だからって!私の力で知覚不能にするだけなんて、根本的解決になってません!」 「あ、あの、先生?」 「あ、ああ、ご心配なく。未知の生物は私が必ず退治して見せましょう。 そのかわりお代は前回と同じという事で・・・」 「おお!やって下さいますか!ありがとうございます!」 「さすが八意先生だ頼りになるなぁ。」 「師匠!!!!!!」 「しょ、しょうがないでしょうどんげ。こうなったら殺るしかないわよ。」 「まさか・・・」 「では皆さん。私が明日、皆さんを困らせている生物を退治してきます。 皆さんは明日一日家から出ないように。」 「おお!ありがとうございます!」 「・・・・・。どうなっても知りませんよ。」 (翌日 日差しの穏やかな午後) ゆっくりプレイス。そこはとても広い草原だった。 そこに集まったおよそ100匹のゆっくり達は思い思いにゆっくりしていた。 草を食む者、バッタを追いかけ遊ぶ者、あるいは日向ぼっこを目一杯楽しむ者。 そして気づかれないようにゆっくりと進む影が二つ。 背には竹籠。手には鉤付きの棒を持った蓬莱の薬師と弟子の兎が・・・ end このSSに感想を付ける
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初投稿、虐待描写少なめ。 ゆっくり包丁とお兄さん 「おきゃあしゃああん!ゆんやぁぁぁぁ!ゆんやぁぁっぁ!!」 「お姉しゃん!?こっちこにゃいでね!?こにゃいでぇぇぇ!!」 ガラス製のボウルにいれられたゆっくり達が体をぐねぐねとくねらせながら泣き叫んでいます。 知能の低い赤ゆたちでも親ゆの無残な姿を見れば、自分達が何されるかぐらいは解るのでしょう。 私はゆっくりれいむだった物からゆっくりと「ゆっくり包丁」を引き抜くと、ボウルの赤ゆに手を伸ばします。 「まりしゃはおそらを・・・ゆぴぃぃぃぃ!!」 「ゆわぁぁ!いもうちょー!」 私はその小さなゆっくりまりさに包丁を・・・ 私が「ゆっくり包丁」に出会ったのはもう5年も前のこと。 料理学校に通うことになった私に、父が包丁を買ってくれました。 次の休みの日に一緒に買いに行こうと父が言ってくれて、休みの日が待ち遠しかったのを覚えています。 そして当日、街の金物屋に行った時その包丁はありました。 野菜を切る包丁、お魚を切る包丁、普通の包丁、それらと一緒に並んでいたその包丁は、 今まで見たことのない不思議な形をしていました。 「それはね、ゆっくり専用の包丁さ」 隣にいたお兄さんがそう言いました。 「ゆっくりはね、苦しめば苦しむほど甘みと弾力が出て美味しくなるんだ、 余計な傷が付かないような鋭い刃、あえて傷を付ける鋸のような刃、 側面で潰したり叩いたり出来るようにそれなりの厚さと重さにしてある」 そう教えてくれました。 「この包丁に興味を持つなんて、君は虐待おn・・・いやいや料理人としての見込みがあるね」 そう言って私の頭をポンと叩くとお兄さんはお店を出て行きました。 その日は普通の包丁を買って貰ったのですが、私は「ゆっくり包丁」の事が気になって仕方ありませんでした。 ゆっくりって美味しいのかな、どのくらい甘くなるのかな、包丁高いかな、そんな事をいつも布団の中で考えていました。 今思えば、その時からもう私はその「ゆっくり包丁」に魅せられていたのです。 昔のことを思い出しながら私は下ごしらえを終えました。 さっきまではやかましかった厨房もいまでは静まり返っています。 料理に使えない親ゆの死骸はゴミ袋へ、皮と餡子そして中枢餡を分けた元赤ゆ達はそれぞれ別の容器へ。 「下ごしらえは済んだかな?それじゃ、そろそろ店を開ける準備をしようか」 「はい、山越オーナー」 料理学校のゆっくり科で優秀な成績だった私は、学校からの紹介でこの料理店で修行中です。 この店のオーナーはなんとあの時のお兄さん、私に「ゆっくり包丁」を教えてくれたお兄さん。 ここはレストランヤマゴエ、都内で有名なゆっくり専門の料理店です。 おしまい
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ゆっくり汁粉 6KB ある日買い物に行くと、「HOTゆっくり」と書いてある自販機を見つけた。 よく見かけるジュースが紙コップに入って出てくる自販機と同じような形で、 ボタンの所にはいくつかの種類のゆっくりのイラストが貼ってある。値段は100円と この手のものにしてはちょっとお高いが、なにやら面白そうなので1つ買ってみることにする。 百円を入れると『ユックリシテイッテネ!』と録音だろう声が鳴る。各ボタンのランプが点灯したのを確認し、 とりあえずはれいむのボタンを押す。まずレールにそって幾分か小さめのカップが押し出される。 その後、「おしょらをとんでりゅみたい!」と言う声と共に1匹の生きた赤れいむがカップの中に落ちる。 そして少し置いた後、カップの中に熱湯が注がれる。 「ゆ゛ぎぃぃいぃあぢゅいぃぃ゛い゛!!」 赤れいむにとって見ればよく分からない場所に放り出された直後上からお湯が降ってくるのだ、 たまったものではないだろう。カップに隠れてよくは見えないが、くぐもった悲鳴が聞こえてくるので どういう状況下は大体理解できる。しかしこれよく商品化にゴーサインでたな…… 正直この時点で食欲がとても失せる。虐待お兄さんと呼ばれるやつらなら最高のスパイスなんだろうが。 完成を知らせる音が鳴ったので取り出してみたが、意外な事に皮の切れ端とふやけたモナカのようになったリボンくらいしか残っていない。 赤ゆっくりは皮も薄いと聞くし、勢いの強い熱湯で粗方崩れてしまうのだろう。 自販機備え付けのティースプーンで中を軽くかき混ぜ、恐る恐る啜る。 意外と美味い。が、さっきまでの印象もあり主観的な美味さは中の下といったところか。 これ考案した奴も相当馬鹿だと思うがゴーサイン出した奴も相当馬鹿だよなぁ。 でもそれを買っちゃう俺も同じくらいは馬鹿か。そんな事を思いながら俺は家に帰った。 なお、買い物=飼ってるゆうかりんの御飯をすっかり忘却してそのまま帰宅した為に 帰宅したのと同時に引き返すことになった上、次の日の朝ごはんまでゆうかりんに罵られ続ける事になってしまった。 もっとののしって! 後日ゆうかりんと一緒に買い物に来て見ると、丁度中のゆっくりやカップを補充しているところのようだった。 中がどうなっているのか観察させてもらうと、いくつかに分かれたタンクの中に赤ゆっくりがぎっしり詰まっている。 赤ゆっくり達は皆すやすやと眠っており、ガチャガチャと音を出して各部の点検をしているが起きる気配はない。 気になったので、とりあえず声をかけてみる。 「あ、すいません。その赤ゆ達って何で起きないんですか?」 そのタンクの上の方にはスピーカーのようなものがついており、内部になにやら音を聞かせているようだ。 業者の人が言うには、母ゆっくりの歌う子守唄に似た周波数の音を聞かせ続けることによって強制的に眠らせ、 ぎっしり詰めても起き出す事はないのだそうだ。歌を聞かせゆっくりさせる事で品質を保ち、 眠らせることでエネルギーの消費を抑え、餌がなくとも生き永らえさせる事ができる。流石ゆっくり、いい加減に出来ている。 タンクの下方はガチャポンの機械の様になっており、ここが回転し赤ゆを下に送り出す仕組みになっているらしい。 「ねえおにいさん、わたしものんでみたいわ。あじはわるくないんでしょう?」 話を聞いていて興味を持ったのか、ゆうかりんがわくわくした顔でこちらを見る。 丁度補充も終わったようで、ゆうかりんの頼みなら断れないと早速百円を入れ、今回はまりさのボタンを押す。 ウィー……という動作音と共にカップが落ちて……こない。 そうこうしている内に赤まりさが「ゆっくちしていってにぇ!」と落ちてきて、きょろきょろと辺りを見回す。 こうしたカップ系のものではたまにあることだが、何も今起きなくても……と思っていたときに悲劇は起きた。 落ちてきたお湯がきょろきょろしていた赤まりさの帽子のつばに当たり、ころんと頭から転げ落ちてしまう。 当然まりさは驚いて帽子に向かおうとするが、滝のように勢いよく落ちるお湯は容赦なく帽子を打ち据え、 帽子はお湯の熱さと勢いでどんどんとぐずぐずになっていく。まりさ種の帽子は水に強いが、水を全く受け付けないわけではない。 長時間浸っていればふやけるし、勢いよく水を叩きつければ当然破れてしまう。 「ゆああぁぁぁぁぁ!? おゆしゃんゆっくちしちぇね!? まりしゃのすてきにゃおぼうちをはなちてね!?」 しかし当然お湯は止まるはずもなく、見る間に帽子は崩れてしまい、 カップ1杯分の量を注ぎ終わる頃には味噌汁に入れた海苔のようにぐずぐずの黒い塊に成り果てていた。 「ああ、ぁ……まりしゃの……まりしゃのおぼうちが……」 茫然自失といった状態のまりさを機械から取り出しどうしようかと思案していると、 ゆうかりんがそのまりさをくれというので預けてみた。 「おちびちゃん、どうしたの?」 「ゆぅ……おゆしゃんがまりしゃのすてきにゃおぼうちをこわしちゃったにょ……」 ぽろぽろと泣きながら語るまりさを優しくなだめ、ゆうかりんはまりさに囁く。 「それはたいへんだったわね……おねえさんがおまじないをしてあげるから、ちょっとめをつぶってね?」 「おまじないしちゃらおぼうちにゃおるの?」 「それはあなたしだいね。めをつむっていいこにしてたらなおるかもしれないわよ?」 それを聞くと、まりさは「わきゃったよ!」と目を瞑った。 何をするのかと見ていると、ゆうかりんは一瞬の早業でまりさを舌で巻き取ると、そのまま口の中に入れてしまった。 少ししてゆうかりんが口をもごもごと動かすと「ゆぴっ?!」というくぐもった小さな声がし、それきり静かになる。 つまるところ、ゆうかりんがまりさを食べてしまったのだ。 咀嚼して飲み込み、ゆうかりんは満足げな溜息をつく。 「……ふう、まずまずね。ひとやまいくらにしてはなかなかおいしいほうじゃないかしら。 おにいさん、こんどはちゃんとのんでみたいからもういっぱいおねがいね?」 そういうゆうかりんの鼻先に、ふやけた海苔のようなものが浮かんだ汁粉が差し出される。 恐らくさっきのまりさ汁粉は本当ならこうなるべきものだったらしい。海苔のようなものは帽子だろう。 差し出したのはさっきの業者の人だ。なにやらやたら清々しい笑みを浮かべている。 「いやぁ……面白いものを見せていただきました! なるほど、そのまま食べてもそこそこ美味しいか…… 有難うございます! 今後ともわが社の製品をご贔屓に!」 聞けばこの人、このゆっくり汁粉の機械を作った会社の人で、自販機の管理の他に食用ゆっくりの養殖なども自社で手がけているらしい。 まだまだゆっくり産業に参入したばかりの弱小らしいが、こういった現地での反応なども自社製品に盛り込ませるべく 日夜こういった場所を駆けずり回っているそうな。ご苦労様です。 ちなみにゆっくり汁粉はゆうかりんにはとても好評で、何でもお湯で苦しむゆっくりの声が とても耳に心地良いそうだ。さすがゆうかりんマジサドい。 ゆっくり汁粉を気に入ったゆうかりんのたっての願いで、 今日の夕飯はカセットコンロを使っての手作りのお汁粉となった。勿論ゆっくりを使った物だ。 その時のゆっくりも彼の会社のものを何となく選んでみた。 ゆうかりんはご満悦であったが、人間である俺にはちょっとキツかった。 おやつには良いけど、やっぱ夕飯時に餡子オンリーはきつかったわ…… 体重も気になるし、明日から少し運動でもしようかなぁ…… ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ あとがき 10507967.htmスレ1240558200503.pngのキリあき氏の絵を見たら不意に書きたくなったので筆を取ってみた。 あの自販機の内部について細かい事は考えないで下さい。 書いた人間自身がノリと勢いだけで書ききったもんですからw しかしあれですね、ゆうかりんほんとかわいいよゆうかりん。 ゆうかわあきでした。 元ネタ絵 by キリライターあき トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ↓インキャきっも -- 2020-11-12 22 44 59 アイデアは良いけど、ゆっくりごときに100円も払いとうない。 水攻め・熱湯攻めなら自分でじっくりゆっくりしっかり虐待したい。 -- 2018-02-16 15 18 57 これ作ったのだれ? ほんっっっっっっとバカ。 ゆっくりが痛いのはせいぜい熱湯の雨位じゃね? もっと苦しめて甘くしようぜ。 こないだ飲んだがあまり美味くなかったぜ? -- 2014-12-31 18 17 04 うーん。もっと苦しめたい。 熱湯だからすぐ溶けるし。 -- 2014-12-17 17 18 42 カップが出てこないのは虐待用のボタン?と思ったけど本当にトラブルだったか -- 2014-08-29 01 36 01 食べたい -- 2014-01-25 09 55 45 たまに二匹入ってきたら楽しい -- 2013-11-08 23 59 43 順番待っている間もゆっくりさせない状態にするとより一層美味しくなりそうだ 熱湯の熱で密閉サウナにしておくとか、もちろん死なせずにネ -- 2013-07-21 00 20 32 たしかに。 -- 2013-06-29 16 57 56 たまに2匹入ってきそう・・・ -- 2013-01-27 18 54 04 絵が元ネタだったのかしらんかった、このゆうかりん最高だな、飼い主は変態だけど -- 2012-12-10 13 00 02 ウマソナウマソジャナイヨウナ -- 2012-10-27 14 20 40 お餅が体にはいった品種も作ってほしい -- 2012-07-28 17 15 12 これ作ったやつ市ねよ -- 2012-04-03 08 12 23 飲んでみたい -- 2012-02-11 14 51 44 ↓お前が言うな(´・ω・`) -- 2012-01-06 03 14 15 ↓お前猫舌なんだねーわかるよー -- 2011-12-23 11 21 10 ↓ そうだな。 それに熱湯じゃぁ買ってもしばらくのめないな。 -- 2011-11-14 16 41 41 これはなかなかw しかし、熱湯だと苦しいのは一瞬ですぐに感覚が麻痺してしまう。 時間をかけてじっくりと苦しめるには65度位が丁度いいかな。 -- 2011-10-05 13 29 13 飲めるかよこんなもんwww 溶けきってなかったら絶対捨てる -- 2011-09-07 14 39 35
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前 (@BGM 『熱情の律動』) 『盛り上がってまいりました! 開始早々決勝進出に王手をかけたF大付属。丁寧な仕事で反抗の意志を奪い、 一網打尽かと思われましたが、時間をかけた仕上げがアダとなり西日暮里高校の介入を許しました!』 『西日暮里高校の機体、テイクイットEZ8。無骨な鉄の塊を思わせるデザイン、低重心で肩幅広く、 鉄機やマトリックスのザイオン防衛メカを連想させます。 西日暮里が準決勝のメインアームに選んだのはサブマシンガン。命中率よりも戦場により多くのBB弾をばらまく ことに重点を置いたチョイス。左手にはもうおなじみとなったドリル。鈍色の塗装がストイックな外観と相まって、 森とゆっくりのメルヘンチックなフィールドで一際異彩を放っております!』 『そしてなによりもおどろきなのは、西日暮里、機体にゆっくりれいむを搭乗させております』 『ただいま入りました情報によりますと、この子ゆっくりれいむ、西日暮里高校の操縦担当・大沢君が 個人的に飼育している飼いゆっくりのようです!!』 『なんということでしょう・・・・・・。戦場にもちこんでしまったゆっくりはたとえ滅失しても文句は言えません。 不退転の決意のあらわれか西日暮里高校・大沢!!』 『れいむの、まりさのあかじゃんをだすげでねええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇ!!!』 『おねがいねえええええええええええええええええええええええええええええええ!!!』 子ゆっくり達を背に、メカゆゆこと対峙するEZ8。その操縦席で不敵な微笑みを浮かべるれいむ。 逆さま状態から復帰したメカゆゆこは、半開きの口から触手をチラつかせて威嚇する。警告音。サイドワインダー。 その音響にゆっくりたちは震え上がる。だがEZ8に搭乗するれいむは違った。不敵な微笑はそのままに、勇ましい目つきを崩さない。 『にらみ合いが続いております』 『両者の体格差は一目瞭然ですね。メカゆゆこがバランスボールだとすると、EZ8はせいぜいXBOX360程度。 力比べでは太刀打ちのしようがありません。ここはローラーダッシュでかく乱しつつ刻んでいきたいところ』 『しかしサブマシンガンではメカゆゆこの外皮を貫くことは困難でしょうし、押し付けなくては効果が発揮されない ドリルは球体のメカゆゆこを相手取るには不適格と思われます』 『準々決勝で見せた狙撃銃や、切り札と公言していたパイルバンカーであれば対抗できたかも知れませんが……。 天秤はいまだF大付属に傾いている!』 そのとき、両者が動いた。 EZ8は後背に位置するゆっくり達をかばう様、直進しつつサブマシンガンを連射。 メカゆゆこは触手を勢いよく地面に突き立てると、 その反動を利用して大きく後ろに跳び、茂みの中へと消えた。 EZ8が急停止する。 茂みの向こう、メカゆゆこが立てる物音が急速に遠ざかっていく……。 (@BGM 停止) 『おっと……? これは意外な展開です。メカゆゆこが撤退しました。有利とおもわれていたF大付属、 ゆっくりの群れを前にして逃げてしまいました……?』 『向かう先に他の群れがいるようです。相手ロボとの戦闘よりも、ゆっくり回収力で勝負しようという作戦ですね』 『なるほど! メカゆゆこはゆっくりを体内に溜め込むことができますが、EZ8はそうはいきません。 自軍拠点にゆっくりたちを連れて行き、回収口まで誘導する必要があるのです』 脅威が去った。テイクイットEZ8はゆっくり達に向き直り、しゃがみこんだ。 「ゆ! だいじょうぶだったかい!?」 その言葉に、ゆっくり達の目に涙が溢れた。 「「「ありがどうううぅぅぅぅ」」」 「「「ゆっくりしていってね!」」」 「「「おやさいあげるね!」」」 「ざんねんだけどまだゆっくりはできないね! やつはまだゆっくりをねらっているよ! れいむはほかのゆっくりもたすけなくちゃいけないんだよ!!」 「「「おいでがないでええええぇぇ!!」」」 「だいじょうぶだよ! れいむがあんぜんなところまでつれていくよ! みんなはそこから だっしゅつしてね! そとはもうゆっくりプレイスだよ! だからゆっくりしないでついてきて!!」 EZ8が立ち上がる。ゆっくりの一団はそれぞれやさいのかけらをくわえ、EZ8の先導に従って森に入っていく。 『ご覧ください! 感動的な光景です。救世主ゆっくりに導かれ、ゆっくりの生き残り達が救助されようとしています』 『ゆっくりいそいでかえってきてね!』 『どこのれいむかしらないけどありがとうね!』 ほろほろと感謝の涙を流す親ゆっくり。すでにケースの下には涙がたまって水位を上げつつある。 また、酷くいらだたしい微笑みを浮かべて解説者二人をちらちらと横目でみやる。まるで勝ち誇っているかのようだ。 解説者は笑っていた。 『さあ、ベースに戻ってまいりました西日暮里高校。助けられたゆっくりたちが列を成して回収口に 入っていきます。おお? お礼の野菜をEZ8に差し出しました。しゃがみこんでドリルで受け取るEZ8。紳士です』 『ここで避難口の様子を見てみましょう』 暗く狭い通路。ベルトコンベアになっているそこを、助けられたゆっくり達が流れていく。 救出の喜びを分かち合い、助けられなかった同胞を嘆き、憎いメカゆゆこに復讐を誓う。 悲喜こもごもを乗せて、ベルトコンベアは進み、暗幕の向こうへ。 そこには水平にすえられた刃があった。 流れていくゆっくり達は、暗幕を潜って直ぐのところにある刃で滑らかに、何も知らないうちに分割された。 顔のある方は刃の上のコンベアに、餡子の過半数を有する下膨れ部分は下の廃棄溝に。 餡子のほとんどと切り離されたゆっくりは偽りの救出に顔をほころばせたまま、動かなくなった。 頭部だけを乗せてベルトは流れてゆく。 『・・・・・・・・・・・・』 『・・・・・・・・・?』 解説席の親ゆっくりは急激な状況の変化についていけなかった。 感激の涙を流しながら、ベルトコンベアで運ばれてゆくもの言わぬ顔だけになった子供達を目で追っていた。 さっきまで動いていた子供達。助けてくれたロボに感謝していた子供達。 いまは一様に、中空を見据えたまま動かない。 その様子に疑問を抱いたのか、少しずつ表情が曇っていく。 『はい。動かないように処理したゆっくりは、手作業で飾りを回収します』 『12個? 12個ですね。西日暮里高校、一挙12得点です! 決勝進出確定にはあと4個の飾りを回収する 必要があるため油断は出来ませんが、F大付属に大きく水をあけたと言っていいでしょう』 画面下にテロップが表示される。"ゆっくりの死骸はこの後ミキサーにかけ、肥料にいたします" 『しかし西日暮里高校・大沢。無垢な飼いゆっくりれいむを餌にしてゆっくりたちを騙し切りました。 友釣りの要領です。これまで手練手管を使い、人型ロボの汎用性・応用性を最大限に生かして、性能的 に上位の相手をことごとく下してきました。』 『そら恐ろしくさえありますね。大会的にはロボットの製作技術で白黒つけてもらいたいところではあるのですが』 『奇しくもゆっくり型対人型の対決となりました。知恵を使って自分達より強い獣を倒して繁栄してきた のがわれわれ人間ですから、どうも西日暮里のEZ8を応援したくなりますね。 ゲストの親ゆっくりさんはどうでしょう。どちらが勝つと思われますか?』 両サイドからマイクを向けられ、うろたえる親ゆっくり。 うつろに、取り繕うように微笑みながら、解説者達の顔を見回し、助かったはずの子供達の様子がおかしいことについて尋ねた。 『ゆっくりのこどもたちは……?』 解説者がマイクを自分に向ける。 『それは上半分ですか? 下半分ですか?』 『じねえええええええええええええええぇぇぇっぇぇぇぇっぇ!!!』 箱の中で親まりさが咆えた。親れいむは微笑みのまま白く燃え尽きていた。 『ごろじでやる! おばえらなんかゆっぐりじゃない!! にどどゆっぐりでぎないようにぢでや』 両サイドの解説者が同時にボタンをおした。箱の中の親ゆっくりは同時に机の中へと落ちていき、空の透明箱が残された。 『ここでお邪魔ゆっくりを2体投入します。親ゆっくりの飾りは得点になりませんので注意してください』 場面変わって森の中、球体が茂みを縫って移動している。 『F大付属、新たな群れを発見したようですね。おっとしかし……?』 メカゆゆこの進行方向に、6匹ほどの子ゆっくりがいた。 ゆっくりたちはすでにメカゆゆこの迫る方向に視線を向けていて、慌てた様子で四方に跳ねていく。 『先んじて逃げられました。これはどういうことでしょう。物音に警戒したというのでしょうか』 『これは死臭でしょう。むせかえるような餡子と黒蜜の匂いが危険を知らせてしまった……。 雲行きがあやしくなったF大付属。そつなく2匹を平らげたものの、ようやく6点。西日暮里の半分です』 『対する西日暮里は……。すでに次の群れに取り入っている! その数2体、いや、3体です!』 膝を付いたロボから話しかける飼いれいむに、3体の子ゆっくりれいむはめろめろになっている。 やがてうごきだしたEZ8に導かれて避難口へと向かう。 『勝利確定には届きませんが、限りなく勝利に近づくことのできる点数です』 『ご覧ください。自分達を処刑台に連れて行く執行者に、嬉々としてついていくゆっくりたち。その晴れやかな表情……』 『TVをご覧のお子さんにとって、極めて優秀な反面教師になると思います。知らないおじさんについていっては、だめですよー』 『では遠足気分のかわいいゆっくりたちをしばしご覧ください』 ロボットとゆっくりの一団は森を抜け、見晴らしのいい草原へ。西日暮里側の拠点、死境内へのエスカレーターが見えてきた。 「みんな、もうすぐそこだよ! ほかのゆっくりたちもまってるからね!」 「ゆ! おねえちゃんたちにあいたいよ!」 「ゆ! もうすぐゆっくりできるね!」 導かれる子ゆっくりたちは荒い息を押してゴールへと跳ねていく。 「そこまでだぜ!!」 勇ましい声と共にEZ8の上に影が落ちた。 操縦席のれいむが頭上に視線をやると同時、激しい衝撃が機体を襲った。 「ゆ"う"ううううううううううううううう!?!」 EZ8が吹き飛び、転倒する。 驚愕する子ゆっくりたちの前にぼってりと着地したのは、親ゆっくりまりさだった。 「りょうてのぶきをあたまのうえにあげるんだぜ! ゆっくりとね!!」 「おとーさん!?」 「どうしていぢわるするの!? あのれいむはみかただよ!!」 「ちがうの! あいつはにんげんのなかまだよ! いまおかあさんもくるからうごいちゃだめだよ! おまえたちのことはおとうさんがまもりぬくからね!! いまはただしんじてね!!」 親まりさの剣幕に子ゆっくり達は言葉を失う。ただ不安そうな顔で身を寄せ合った。 起き上がるEZ8。その動きに反応した親まりさが、子供達を背に隠す。 パイロットの飼いれいむは泣きながら地団太を踏む。 「どうじでじゃまするの! れいむはただ、みんなをたすけようとしただけだよ! あやまってね!」 「ふざけないでね! やくたたずのうらぎりものはまりさがたおすよ! ゆっくりじぶんのしたことをこうかいしてしんでね!」 EZれいむと親まりさの間で、敵愾心が膨れ上がっていく。 雷ばしるような緊張感のなか、先に動いた親まりさが、背後の子供達に告げた。 「・・・おとうさんのせなかを、よくおぼえておいてね……!!」 「ゆっ……」 「おとさん……」 か細い呼びかけを振り切るように親まりさは飛び出した。 視線の先には鉄の四肢をもつ裏切りれいむ。 敵うはずもない強大な敵に敢然と立ち向かう。 後ろに残した子供達、今なおどこかで逃げながらえている子供達、そして無残に殺されていった子供達のために――。 「ゆうううううううううううううううぅぅぅぅぅぅ!!!」 気合の叫びと共に突貫をかける親まりさ。ひらひらと舞い降りる赤い蝶。頬をかすめた蝶には目もくれず、一直線に相手の下へ――。 「ゆうううううううう……う……?」 その突進が、ゆっくりと減速して、止まった。 「…………」 親まりさは、振り返った。 子供達が心配そうに見ている。それはいい。親まりさの歩みを止めたのはそれではない。 すれ違った赤い蝶。その違和感だった。 蝶は草の上に落ちていた。 紅白の蝶。 ゆっくりれいむのリボン。 それも子どもサイズではない、親ゆっくりのサイズ。 親ゆっくりれいむのリボン。 それは、いつのまにか姿を現していた。 子ゆっくりたちの背後、死刑台に続くエスカレーターの入り口、その上に。 満月のように、メカゆゆこが鎮座していた。 『なんたることでしょう!! 西日暮里のゆっくり投入口の上にメカゆゆこが陣取っています!!』 『ゆっくりたちが脅えています。これではポイント還元が出来ません。 EZ8には格納機能がありませんから、ポイントを得るには投入口に入れないと……』 『こ、これはーーーーーー!!!?』 投入口前のメカゆゆこが、若干空を仰ぐように視線を上に。 するといままで隠れていた部位があらわになった。 メカゆゆこの口の真下にある小さなすぼまり。 地獄の門のようにゆっくりと開いた。 『これは! 間違いない!! 間違いないです!!』 『これは間違いないですねー! とんでもない隠し玉を持ってきましたF大付属!』 『解説も憚られるような光景が繰り広げられています! 悪趣味ここに極まった! いま西日暮里高校の投入口、唯一のポイント源であるゆっくり投入口が、あんこのトグロで埋め立てられてゆくーーー!!』 『も、最悪でしょう・・・…』 『実際のゆっくりにこのような生理現象はありませんのでご注意ください。 ともあれ、もうこの投入口をゆっくりがくぐることはないでしょう。西日暮里は追加点のチャンスを永遠に失ったことになります。』 親まりさは、ひりだされる餡子と黒蜜の混合物を見ていた。 明らかに餡子の量が多かった。子ゆっくり10匹でも足りないほどに。 そしてごみのように捨て置かれたれいむのリボン。 ゆっくり袋の緒が切れた。 「よぐもれいむおおおおおおおああああああああああああああああああああ!!!」 中身を吐く様な叫びと共に親まりさが飛び出した。 その動きを受けてEZ8、ローラーダッシュを用いて親まりさに追従する。 『西日暮里高校、先行した親ゆっくりを盾に、近づこうとしています』 1匹と1機の接近に際し、メカゆゆこは動かない。まったく余裕の笑みを浮かべたまま迎え撃つ構えだ。 「ぢね! おまえがいるがらゆっぐりでぎないんだああぁぁぁぁ!!」 親まりさの渾身の体当たり。そしてその影から飛び出したEZ8が銃口をメカゆゆこに向けた。 だが電光石火の触手舌が親まりさの体を下から上へ容赦なく貫く。 「ゆべぇ!?」 その隙を狙って放たれたEZ8の射撃だが、メカゆゆこはゆっくりを盾にし全てのBB弾を受け止める。 「いべべべべべいだいやめでいだいぃぃぃぃぃぃ!!!」 『おーっと、後頭部にBB弾の雨あられ。生地にめり込んでいます!』 『蓮コラみたいできもいですね。それか転んだあとの膝小僧に砂が食い込んでる感じ』 『あぁ~、あれキモイよねー。子供の頃ショックだったわ~』 EZ8は旋回し、盾の向こうの標的を狙う。 メカゆゆこもまた回り込むように移動、盾を十二分に生かし一向に被弾しない。 ぐるぐると旋回する2機。その中央にいる親まりさは広がる傷口から黒蜜を迸らせて号泣している。 「おろじでえええぇぇぇ! もうおうちかえるうううううううう!!」 『でましたゆっくりのおうち帰るコール。さっそく限界のようです! 饅頭は骨がない!』 『それにひきかえ骨太の攻防を繰り広げる両者。予断を許しません!』 こう着状態に陥ったかと思われた矢先、EZ8の銃が玉切れを起こした。 距離をとるためのバックダッシュを行いつつ手動でのマガジン交換を敢行する。 その隙をメカゆゆこは見逃さない。 大きな体を波打たせ、次の瞬間はるか上空へと跳躍した。 『これは高い! ゆゆこの跳躍、ボディプレスかーーー!!』 「ごわいおろじでえええええええええ」 メカゆゆこの影が、地表のEZ8を覆う。 装填を終え、空を仰いだEZ8の飼いれいむめがけ、ハンマーの如く振り下ろされる親まりさ。 間一髪、EZ8は回避に成功し、親まりさは地面に叩きつけられた。 「おとーさ」 「ゆ!?」 ぷち。 ぷち。 ぷち。 ZUNという衝撃音と共に固い土に叩きつけられた親まりさ。 砂塵が巻き上がり、そしてゆっくりと散ってゆく。 重体だった。 後頭部が破裂して中身の黒蜜が放射状に飛び散っていた。その飛び散り半径の広さを見れば、いかに強く叩きつけられたのかが解るだろう。 だが親まりさは悲鳴をあげなかった。 あげられなかったわけではない。 小さな音が悲鳴を飲み込んでしまっただけだ。 小さな感触が全身打撲の痛みを超えただけだ。 ぱぱー。 ぱぱー。 きょうもゆっくりしようねー。 晴れ渡った草原、記憶の中の風景。 元気に飛び跳ねるわが子ゆっくりの姿。 瑞々しい蛇苺を、口づけるようにくわえた横顔。 雨宿りの木の虚で、小さな体を摺り寄せてきた、そのぬくもり。 その感触が、たった今、自分の下で弾けた。 ・・・ オ ト ウ サ ン ノ セ ナ カ ヲ 、ヨ ク オ ボ エ テ オ イ テ ネ ――――――。 「い゛や゛ぁべでぇええええぇぇぇぇえええええええええぇぇぇ!!!!!」 瀕死の体で親まりさは絶叫した。声も涙も黒蜜も、出せるものは全て出しつくしての咆哮。 あらん限りの力で暴れ狂う。それでも、乗り上げた体勢のメカゆゆこをどかす事はできない。 それどころか、メカゆゆこは全ての体重をかけてのしかかった。 ぷち。ぷしゃ。 「どいでねえええ!!! ゆっぐりじないでおりでねええぇぇぇぇ!!」 あまつさえ、独楽のように回転をし始める。地面におしつけられた親まりさも一緒に回転することになる。 べろ。べろべろ。 「ぃいやあああああああああああああめでねぇえええええええええええええええええ!!!!!!!」 黒蜜の泡を飛ばしながら親まりさは絶叫した。 『おっとぉ? どうしたことでしょう』 『親まりさが自分の子供を潰してしまったようですね。これは不幸。人間社会にこのような不幸が訪れないことを祈るばかりです』 親まりさはかろうじて生きていた。 般若の形相で硬直しながら涙を流して痙攣している。 自らの流した黒蜜に塗れ、今なお口から吐血のように流れ出す命の源。 落下の怪我による中身の流出が酷いが、晴天のゆっくり治癒力ならばあるいは、という瀬戸際の怪我だった。 メカゆゆこはまりさから降り、触手に絡みつくつぶれ饅頭を放り捨てた。 その下から出てきた子ゆっくりの圧殺死体から帽子をふんだくり口の中に放りこむ。 『3点獲得で9点でしょうか? 我々はF大付属が親ゆっくりれいむを捕食した瞬間を確認していません。 もしそのときまでに3匹以上の子ゆっくりを獲得していれば、この時点で同点・逆転ということになります』 『時間的にも残りの子ゆっくりを探す余裕はありませんし、唯一の得点方法を失った西日暮里高校は、 敵ロボットの撃破を狙っていくしかないでしょう』 振り返るメカゆゆこ。 ゆっくりと歩行して近づくEZ8。 EZ8のむき出しの操縦席でれいむが頬を膨らませている。 「とってもわるいやつだね! いぢわるなおばさんまりさはともかく、こどもゆっくりにまでてをだすなんて!」 のしのしと接近しつつそんな悠長な台詞を言い放つ。 メカゆゆこは応じず、横方向に回転移動し始める。EZ8を中心にした円の軌道だ。 『始まりました。ロボ同士の肉弾戦です。単純な性能ではメカゆゆこが有利。試合序盤にも見せた旋回移動で相手を牽制します』 『EZ8は持ち前の機動力と自由度を武器に立ち向かわなければなりません。 もし此処で逃げられて回収力勝負になるともう勝ち目はありません。 その点、F大付属が真っ向勝負を選んでくれた事はチャンスでもあります』 『残り時間は3分を切りました! どちらが先に仕掛けるのか!』 回転半径を狭めつつ速度を上げるメカゆゆこ。EZ8は背後をとられることを警戒している。 「ゆ! ゆっくりいきのねをとめるね!」 EZ8は前方へと走行、左手のドリルを回転させつつ振りかぶる。 旋回のメカゆゆこが迫るタイミングを見切り、高速ドリルを突きこんだ。 しかし表皮をわずかに削りはしたが、衝撃によってメカゆゆこは弾かれ、距離が開いてしまう。 すかさずサブマシンガンのめくら撃ちを放り込む。吸い込まれるように全弾命中するも、メカゆゆこの動きはいささかも衰えない。 『懸念された通り、EZ8の攻撃がメカゆゆこに届きません!』 『万事休すか西日暮里高校大沢!』 攻撃方法を失ったEZ8にメカゆゆこの巨体が容赦なく襲い掛かる。 高速で突き出される触手が右肩の付け根をえぐり、右腕が吹き飛んだ。 「ゆっ!? まずいよ! おにいさんしっかりよけてね!」 パイロットれいむが悲鳴をあげる。当然のことながら、ロボットの操縦は人間が遠隔操作で行っている。 バランスを崩して尻餅をついたEZ8。その脚を潰すようにメカゆゆこがのしかかる。 『あー! マウントをとりました』 メカゆゆこはにんまりと笑うと、触手による乱れ突きを繰り出した。 それはコクピット付近の装甲をえぐり、金属片を撒き散らした。 しきりに身をよじりEZ8はコクピットへの直撃を避けようともがく。 「いやあああああああ! やべでぇ! あぶないがらあああああああ!!」 『大沢君の飼いれいむが鳴いております! いやいやをするように顔を振っています! 泣き叫びながら飼い主に助けを求めております! なんとか助けることが出来るのか大沢!?』 『これはむごい展開もあるかもしれませんよ!』 触手の狙いは正確ではなかったし、EZ8も最大限回避に努めた。 だがそれでも、延々と繰り返される攻撃を最後まで避け続けることはできなかった。 そのうちの一撃が、むき出しのコクピットを襲った。 「やべでええええ――ぐぃげぇえええええええええええええ!」 飼いれいむの顔面を貫く銀の舌。 狭い棺おけの中、れいむは激痛に打ち震え、けいれんを繰り返した。 『決まったーーーーーーーーー!! 残酷なディープキス! 深く深く差し込まれた楔が飼い主との絆を断ち切ったーーーーーーーーーーー!!』 『ズキュウウンですね! わかります!』 「おっ、おべっ、おべ……」 だんだんと白目をむきだす飼いれいむ。勝ち誇ったように笑うメカゆゆこ。 しかし、勝負はまだ決してはいない。 EZ8のコクピットが閉じた。 上下から現れた鋼鉄の歯が、一瞬のうちに噛み合わされたのだ。 それは死に始めの飼いれいむと共に、メカゆゆこの触手を万力のように締め付けた。 『おおおおおおおおおおっ!これはああああ!?』 『トラップです! これ見よがしの飼いれいむは、ゆっくり誘導のためばかりでなく、 メカゆゆこに対するブービートラップだったのか!? コクピットの圧殺機能がメカ ゆゆこの触手を封じました! 懸命にさがろうとするメカゆゆこ、動けません! 逆にその動きがEZ8を助け起こしてしまったーーーー!!』 立ち上がったEZ8。 左手のドリルを振りかぶり、再びメカゆゆこへと繰り出した。 激しい金属音と共に装甲がえぐれ、メカゆゆこが吹き飛ぶ。 ――だが捉えられた触手が伸びきり、それ以上の後退を許さない。 『EZ8、逃がしません! 触手を捉えたまま旋回し、メカゆゆこを振り回します! そのまま樹にぶつけてきた!』 『さらに天高く放り上げました! 時間後僅か逆転なるか!』 高々と飛ばされたメカゆゆこが重力によって地面に叩きつけられ、運悪く下敷きになった親まりさは物も言わずに死んだ。 仰向けに地面にめり込み、動けないでいるメカゆゆこ。 その上に、逆襲とばかりに踊りかかったEZ8がドリルを突き立てた。 固定された相手に対し、ドリルは最大の効果を発揮する。 激しい火花が2機を覆い尽くした。 『ドリル決まったああああああああああ!! これは逃げられない! 削りきるのか西日暮里! 逃げ切るかF大付属!』 『もう時間がありません! 5・4・3・2・1……タイムアッーーーーープ!』 ブザーが鳴り響いた。 メカゆゆこの損傷は、大破には至らないと判断された。 2機はそれぞれ、互いの本拠地へと戻り、回収された。 『現在、獲得アクセサリー数を計算しております。得点計算には少々お時間がかかりますので、その間、フィールドのクリアリングを行います』 『クリアリングを行いますのは、品種改良された対ゆっくり用ゆっくり・きめありすです。芸術とも言われるその妙技をご覧ください』 アナウンスと共に会場に優雅なクラシック音楽が流れ出した。 フィールドの地面の数箇所がせりあがり、そこから成体ありすの群れが飛び出す。 あきらかに発情中と解る移動速度。しかし、一切の声を発さない。 つりあがった目をギラギラと輝かせ、獲物を探して視線を縦横に走らせる。 湧き上がり続ける涎を溢すまいと唇を引き結びながらも、まだ見ぬ生贄を思うがあまり口の端はつり上がり笑みを形作る。 口の中いっぱいに蓄えられた唾液は跳ねるたびに勢いよくこぼれだしている。 フィールドをくまなく走査するきめありすは、ついに逃げ延びていた子ゆっくりを発見する。 それは地面に叩きつけられたようにつぶれている親まりさにすがりつく子まりさだった。 泣き喚き、あたりに何が起きたのかも解らぬまま肉親の死に打ちのめされている。 その子まりさの背後からすべるように近づいたきめありすは電光石火の早業で子まりさをひっくり返し、 そのつるりとした下面に覆いかぶさるように乗り上げるやいなやもはや肉眼では捉えられない速度で 滑らかに円運動、自身の底部をこすり付けだした。いわずと知れたゆっくりの性交渉である。 下敷きにされた子まりさはまず状況の変化に戸惑い、次いで自らの感覚を犯すなにかに怖気をふるい、あまりにも強引なやり方に泣き叫んだ。 きめありすは一方的に達すると、潰れかかっている子まりさを捕食した。 うっとりとした表情で口腔の子まりさを舐め転がし、口蓋に押し付けて潰した。 捕食による一体化を究極の愛と定義するのがきめありすの特徴だった。 きめありすは地面で広がっている親まりさの死骸に対してもゆっくり性交渉を行い、たいらげた。 一時も休むことなく次の獲物を探し始める。 それがフィールド全体で繰り広げられ、逃げ延びていた子ゆっくり達は処理された。 BGMのクラシックが終わると、きめありすはありすらしい優雅さを取り戻し、そそとした所作で退場していった。この間、約5分。 『はい、掃除が完了いたしました。集計もおわりましたので見てみましょう』 『得点は……西日暮里高校! 12点! 対するF大付属……12点!! 同点です!』 『これは珍しい……。引き分け再試合、サドンデスということになるのでしょうか?』 『え? ……ちょっとまってください。はい、はい……』 『えー、ただいまの試合、12対12の引き分けと発表されましたが』 『F大付属の獲得アクセサリの中に、大会側の用意したものではないれいむのリボンが含まれておりましたため、』 『11点と訂正させていただきます』 『12対11! 買ったのは西日暮里高校です! 凶獣メカゆゆこを下し、テイクイットEZ8決勝進出ーーーー!!』 『代表者の大沢君に話を窺いましょう。今のお気持ちはどうですか!?』 『はい! とても、厳しい、その、戦いでした勝ててよかったです。』 『飼いゆっくりが潰されてしまいましたが?』 『優勝したとき、皆さんの前で潰してやる予定でしたでもこの準決勝でだめになってそれがあんな形で 役に立つとは思わなかったです役に立ってよかったです』 『ハイ! ありがとうございました!』 『古豪、西日暮里高校が決勝に駒を進めました。CMの後は準決勝第二試合です――――』 ゆっくりロボコン 終 このSSに感想を付ける
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昼。 仕事を終えて家に帰る。 鍵を開けようとしたところ、もう開いていた。 泥棒かと思って中に入れば、ゆっくりがいた。 「ゆっ! おにーさん! ここはまりさたちがみつけたおうちだよ! ゆっくりでていってね!」 「「「でていってね!」」」 数えて四匹のゆっくりまりさがそこにいた。 何をしているかと思えば、食料庫に置いておいた食べ物を全部食われている。 ご丁寧に貴重な胡椒や塩もだ。 しかし、俺はこいつ等を無視して台所へ向かう。 台所も荒らされており、鍋やらヤカンやらが散乱していた。 俺はそれをかき分けて椅子に座る。 そこで近所の子から貰った昼飯の握り飯を頬張った。 「ゆ! なにしてるのおにーさん! はやくでていってね!」 台所にいる俺を見つけて親まりさがぷくっと膨れて怒る。 子供たちも真似するように小さく膨らんだ。 「別にお前達の邪魔をしてないからいいだろう、ここはお前達の家なんだから俺は家具だとでも思えばいいさ」 俺はそう言って飯を食らう。 まりさ達はそれが気に食わない様子だった。 「いいかげんにしてよ! ばかなの? おにーさん!?」 「ばかなの?」 「しぬの?」 非難を浴びるが、俺は冷静に返す。 「ああ、馬鹿だよ」 その言葉に、俺が自分達より格下だと判断したらしくまりさは調子に乗る。 「さすがばかだね! ここがだれのいえかわからないなんて! いきてるかちないんじゃないの!?」 普通、並みの精神の人間だったらここでどうしていただろうか。 間違いなく引きちぎって殺していたに違いない。 「そうかもな」 「ゆふん! ばかなおにーさんはここでのたれじんでね!」 俺をせせら笑ってまりさ達は自分達がいた部屋へ向かった。 飯を食い終えた俺は、取り合えず眠りにつく事にした。 夜。 目が覚めるとゆっくり達がぷるぷると震えていた。 饅頭らしくおしくら饅頭をして暖を取っているようだ。 春になったばかりの夜はとてつもなく寒い。 「ゆうぅ……ここでさむさをしのごうね!」 「あったかいよおかーさん!」 「だいじょうぶだよ!」 「ぬくぬくだよ!」 まりさ達はみんな親を心配させないように言う。 家族愛って奴だろうか。 俺は台所にしまってある毛布を使い、それを服の中に仕込んだ。 そのまま掛けて寝れば、ゆっくり達に奪われるかもしれない。 多少動きづらかったが、晩御飯の準備をした。 今日は鹿のスープだ。 言い忘れていたが俺の職業は狩人で、山の近くで暮らしている。 そんな事はともかく、作業に移る。 調味料は食われていたため、お湯の中に山菜と鹿の茹でた肉が入ったような質素なものとなった。 しかし、それでもうまそうな匂いがするらしく、まりさ達が俺の元へやってくる。 「ばかなおにーさん! それをまりさによこしてね!」 無視。 するともう一度まりさが叫ぶ。 「おにーさん! それをまりさによ・こ・し・て・ね!」 よこせを強調するが、無視。 俺は体当たりされてスープを零されてはたまらないので、一気に飲み干す。 「どうしてくれないの!? なんで? いいかげんしんでよ!」 「俺はお前の家の一部で家具だ、家具はお前のためにご飯を作らないしあげもしない。それにお前はゆっくりだろ、自分で狩りくらいできるだろ」 その言葉にぐっと歯を食いしばるまりさ。 確かにその通りである。 まりさはゆっくりの中では知能があるほうで、狩りは得意なはずだ。 「おかーさん、おなかすいたよ……」 さむそうにしていた子まりさの一匹が親に言う。 親は憎しみの表情を浮かべて俺を睨んだ。 だが、無視。 「まぬけなおにーさんがごはんをくれなくてごめんね! あしたたくさんごはんをとってきてあげるからね!」 子供達は不服そうだったが、やがて親に従った。 (あの様子だと食料庫の中身全部なくなってるわけか) 俺はそう考える。 まりさ達的にはもう春が来ているようで、ご飯を溜め込むなんて事はしなくなる。 食べられるだけ食べる、というのがゆっくりの習性だ。 俺は早めに家を出る事にした。 朝。 俺が目を覚まし居間へ行くと、寒さに震えながらもすやすやと眠っているまりさ達がいた。 起こさないように猟銃を持ってすべての部屋の鍵を閉める。 そして俺は狩りへ向かった。 お昼ほどになって、俺は狩りをやめる。 そして、食料を調達するために里へ向かった。 里は相変わらずにぎやかだった。 そこで俺はあるお店を見つける。 店の名前はゆっくり屋という名前だった。 中に入ってみると、ゆっくりれみりゃがお迎えをする。 「ごんでぢわ! おぎゃぐざまはなんべーざまでづが!?」 鼻にかかる声で人数を聞かれたので俺は一人だと答える。 すると、ゆっくりれみりゃが少しほっとしたような顔をした。 「あ、いらっしゃいませ! こちらへどうぞ!」 後から店員がやってきて、俺を席へ案内する。 メニューを渡されて、俺は目を通してみた。 ゆっくりれみりゃの腕のハンバーグ。 子れみりゃの肉まん。 奇形子れみりゃの踊り食い。 ゆっくりれみりゃの足の丸焼き。 等と書かれていた。 俺はとりあえずハンバーグと肉まんを頼んでみる事にした。 数分経ってから、店員とれみりゃが俺の前にやってくる。 しかし、料理はなかった。 「いまからお客様の前でれみりゃの調理をします、ごゆっくりとお楽しみください。ほら、やれ」 店員が言うと、泣きべそをかいているれみりゃが自分の腕を台の上に置いた。 そして、あろうことが自分の腕を引きちぎったではないか。 「う゛ぐぎぎぎぎぎぎぎ!! い゛だい゛ー! ざぐやー! ざぐぐぇっ!?」 泣き叫ぼうとしたところ、店員に殴られるれみりゃ。 さらに指示されると、自分のもう片方の腕で腕を叩き潰した。 いい感じに余計な肉汁がこぼれる。 店員は満足そうな顔をしてそれを焼いた。 「はい、お待ちどうさまです」 「どうも」 俺はそれをいただく。 餃子の中身を食っているような味がした。 たしかにハンバーグといえばハンバーグだが。 次に用意されたのは踊ってやってきたれみりゃだった。 その上にはぱたぱたと子れみりゃがいる。 「う~☆ れみりゃのこどぼがわいいでそ~?」 俺がああ、と答えると腰に手を当てて尻を振る。 ダンスのつもりなのだろうか。 はたから見れば挑発してるようにしか見えない。 「いまですお客様、尻をはがしてください」 店員が言うので、俺はとっさにれみりゃのスカートを引っ張り、尻を丸出しにする。 別に子供と変わりないような尻だった。 かといって欲情したりしないが。 「う゛~なにするどぉー! れみりゃのぷりでーなおしりっがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 行ってる途中で悲鳴を上げる。 なにせ店員がナイフで尻の皮を切っているからだ。 一定の大きさに切り終えると、今度は親の前で子を叩き潰す。 「う゛ぎゅ!?」 「ぶぎゃっ」 間抜けな悲鳴がしたあと、台の上に肉の塊があった。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! れ゛み゛り゛ゃのあがぢゃん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!!」 それを無視して切り取った尻の皮に先程の子れみりゃの残骸をつめ、蒸篭に入れた。 しばらくたって、ほかほかと湯気が立ち上る蒸篭を開けるとなんと肉まんが完成しているではないか。 とても不思議だ。 そして何より吃驚したのがこれだ。 「ぅー ぅー」 小さな声だが、小刻みに震えながら声を出す肉まん。 かろうじて生きていた子れみりゃが再生し始めていたので、こんな風になるらしい。 よくかんで食べれば腹の中で再生することはないらしい。 俺はそれを美味しくいただき、勘定を払って店を出た。 また夜。 返ってくると瀕死のまりさがいた。 やせ細っていて、今にも死にそうである。 一日半食べなければ餓死するのか。 「おに、さん……ごは、ん、ちょうだ、いね……」 弱弱しい声を出すが、俺は無視する。 「このまま、じゃ、まりさたち……しんじゃう、よ……?」 「だから?」 俺は買ってきた物で料理を作る。 匂いに釣られて子供達もやってきた。 「それ、ちょ……だい」 「……」 俺は無視して飯を食う。 まりさたちは血眼になってそれを見ていた。 「お前達は自分で狩りができるんだろ? なら必要ないじゃないか、あと食料庫から食べればいいだろう」 鍵を閉めたのは俺だなんて眠っていたこいつらには分からない。 ただ、部屋から出られず、ただ衰弱していった。 「おかーさん……おなか、すいたよー……」 その言葉にまりさも限界が来たらしい。 歯を食いしばり、俺に飛び掛ってきた。 「えざよごぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 俺は銃を取り出し、飛び掛ってくるまりさの口に突っ込んだ。 「別にいいぞ、黒胡椒の飴を食わせてやってもいい」 黒胡椒の飴、つまり弾丸の事だ。 まぁ胡椒は発火に使うものだが。 「ゆぎぎぎ! よごぜ! よごぜぇ!」 喚くまりさを無視して、俺は飯を食い終える。 そして毛布を服に仕込んで寝た。 最初は、喚きたてるゆっくりがうるさかったが、段々と静かになる。 朝。 起きると、一家は死んでいた。 餓死と凍死だろう。 皆、死への恐怖に目を見開いている。 俺は、一匹を釘で指して壁に張り、ゆっくりが来ないようにする。 さすがに何度も来られては、こっちの身ももたない。 そして残った方は、今日の昼飯となった。 別に殺そうと思えば殺せる。 だが、こいつらのために体力を消耗したり、貴重な弾丸を無駄にしたくはなかった。 ゆっくりなど、所詮閉じ込めてしまえばいずれ死ぬ。 だから、余計な手は加えない。 俺はそう考えている。 居座ったゆっくりなど無視して生活すれば勝手に死ぬのだ。 俺は鹿を狙い打って、今日の晩御飯を手に入れた。 あとがき 皇国の守護者のパロディでもやろうかと思ったけど辞めた。 サーベルタイガーにでも食わせるかな? 新城ォォッ! このアフォが書いた作品 霊夢の怒らせ方 ゆっくりデッドライジング1~3? 霊夢のバイト 慧音先生とゆっくり ゆっくりCUBE 書いた猟師:神社バイト このSSに感想を付ける
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―――ここは幻想郷にある人里 この人里で、俺は便利屋として生計を立てていた。 趣味と実益を兼ねたゆっくりの駆除を行い、甘党な俺は仕事が終わったあとで頑張った自分へのご褒美(笑)に狩ったゆっくり達の餡子でスイーツパーティー(笑)を行うのが恒例行事であった。 しかし・・・最近人里で、とある噂が囁かれている。 「ゆっくり達が消えるのではないか」という噂だ。 幻想郷にある日突然現れた生物(?)であるゆっくり達は「ゆっくりしていってね!!!」という独特の鳴き声をしており、 人語も多少は解するが中身は餡子やらクリームやらであることから人里では甘味の材料として重宝されていた。 実際、以前は人里を少し離れれば頻繁に見かけられたゆっくり達がここ数週間殆ど見当たらないのだ。 本当に居なくなってしまうのだろうか・・・ まぁそれならそれで構わないし、ゆっくりが幻想郷に突如出現するまでは普通に農作業を手伝ったり、獰猛な野犬の駆除などをして生活していたのだ。 その生活に戻ったところで大して困ることも無いさ。 そんな事を考えながら過ごしていたある日、里の少しはずれの畑で農夫の手伝いをしていると森の方から大きな物音が聞こえてきた。 音のする方へ急ぐと、森の入り口に異様に大きなゆっくりまりさがどっしりと構えていた。 巨大ゆっくりまりさの近くにある若木から察するに、身の丈は六~七尺程であろうか・・・ゆっくりとしてはとんでもない巨体である。 俺と農夫が近づくと巨大ゆっくりまりさは声を張り上げて叫んだ。 「よくもまりさたちのおともだちをたくさんころしたね!!!まりさたちをゆっくりさせないにんげんたちはゆっくりしね!!!」 その言葉を発した直後、どこに隠れていたのか大量のゆっくりが「「「「ゆっくりしね!!!」」」」の掛け声と共に巨大ゆっくりまりさの元に現れた。 近頃ゆっくり達を見かけなくなっていたのは、この蜂起の準備をしていたせいなのだろう。 「・・・早く!あなたは里に戻って自警団に報告してください!」 俺はひとまず農夫をこの場から逃がし、ゆっくりの大群と相対した。 ボスまりさの後ろには様々な種類のゆっくりが群れを成している。その総数は二千は下るまい。 「「「ゆっくりしね!!!」」」 近くにいる十数匹のゆっくりが俺にいっせいに飛びかかってくる。 人間を滅ぼそうというゆっくり、それがこの数で飛びかかってきた。 「う・・・うぉわあぁぁぁああぁあああぁぁ!!!」 死ぬ、そう思った。 ボムッ、ボヨォン、ブニッ。「……あれ?」 と思いきや無傷、まったくの無傷であった。 数の多さと勢いで圧倒されるかと思ったが・・・よく考えれば所詮はただの饅頭である。殺傷能力などあろうはずもない。突進の速さも種族の名に違わずスロウリィ。 「・・・ふ、ふふふ、うふ、ふふふふふふ」 と、在りし日の魔法の森の白黒のような笑いがこみ上げてくる。 「ゆ?きもちわるいわらいかたするにんげんはゆっくりしんでね!」「ゆっくりじゃまするにんげんはゆっくりはやくしんでね!!!」 「がぁおー♪たーべちゃーうぞー♪」「ちーんぽ!!!」「わたしたちのあっとうてきせんりょくにぜつぼうしちゃったんだね!!!わかる、わかるよー!!!」 俺の様子を見たゆっくり達が騒ぎ立てるが、ゆっくり達が集まったところで全くの無力。 それを悟った俺には、もうこの状況が――― 「すいいいぃぃぃぃいいぃぃつ祭りィ・・・、開催じゃあああぁぁぁああぁぁああぁッ!!!!!みんなァッ!!!ゆっくりしていってねえぇっ!!!」 ―――もはや、大地一杯に広がる甘味畑にしか見えなくなっていた。 大声で「ゆっくりしていってね!!!」という言葉を聞いた途端に動きが止まるゆっくり達、これも種族の性か。 大地を蹴りゆっくり達の群れの中心に飛び込む。手当たり次第にゆっくりをつかみ上げて噛みちぎり、啜り尽くし、薙ぎ払い、踏み潰し、蹂躙する。 「おいちいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!最高でえええぇぇぇぇぇッス!!!」 気分がノってきて、すごく楽しくなってきた。やっぱりゆっくり狩りは最高だね!こんな楽しい事が無くなっても構わないなんて、 最近の俺はどうかしてたね!!!スイーツ(笑)最高おおおおおおおおおおおおお!!!」 「おじさんはゆっくりできてないよ!!!ゆっくりやめてね、こっちこないdぎゅbりゅぎッ!!!」 「ゆっぐりじだげっががごれだよ゙おおぉぉおおぉぉっ!!!」「もっど、ゆっぐり、ぢだがっだよおおおぉぉおおぉぉっ!!!」 「ぢぼっ、ぢんっ、ぢんぼおおおぉぉおおぉぉぉっっ!!!」「わがら゙な゙い、わがら゙な゙いよ゙おおおおぉぉおおおぉぉぉ!!!」 辺りに鳴り響く大量の断末魔、阿鼻叫喚とはこの事を言うのだろう。 「あ、肉まんはいいや、ポイだポイ。」言うと俺はゆっくりれみりゃの両腕を千切り取り、遠くへ投げ捨てた。 「あ゙あ゙あ゙があ゙あぁぁ゙!!い゙だい゙、いだいぃぃぃ!!!でみでゃのぷりぢーなおででがあ゙あ゙ぁぁあ゙ぁぁっ!!! ざぐやにいいづげでやどぅううぅぅ!!ざぐや!!ざぐやあ゙あ゙あ゙あ゙ぁぁぁ!!!」 投げ捨てた両腕に向かって飛んで行こうとするゆっくりれみりゃの両足を捕らえて地面に叩きつける。支える腕の無いゆっくりれみりゃは顔面から勢いよく地面に激突した。 「ぶぎゅる!!がぁおー!!!だべぢゃうぞおおおおおぉぉぉ!!!」 それでも闘志を失っていないのか、それともただやけっぱちになっているだけなのか、恐らくは後者であろう。この期に及んでまだ威嚇などしている。 これ以上時間をかけても面倒なので、手早く頭を踏み潰すと俺は再び他の甘味ゆっくりの蹂躙を始めた。 ひとしきりスイーツ(笑)を堪能し終えた頃、自警団や里の男達が鎌や鍬を携えてやってきた。 俺は里の者達と合流して残党ゆっくりの掃討を始めた。逃げ遅れたゆっくり達が残っている、こいつらも処分しなければ。 「どおぢでええええええええぇぇ…。」 「ゆぎぐがあああああああああああああああああ!!!!!」 残党をあらかた処分し終えた頃、ある事に気付いた。群れを統率していた巨大ゆっくりまりさの姿が見当たらないのだ。 「逃げたか・・・」 ゆっくりまりさ種は自分の身に危険が迫ると群れを犠牲にしてでも逃げる狡猾さで有名だ。 しかし所詮はゆっくり、まだそんなに遠くには逃げていない筈だ。幸いなことに、その巨体の重さ故に巨大ゆっくりまりさの移動跡は大きく荒々しい。 程なくして巨大まりさは自警団に発見・捕縛された。辺りを必死に逃げ回ったのだろう、所々皮が破れて中身が見えている。 「まりざはなにもわるいごどじでないよおおおおおおお!!!ごろずならほがのゆっぐりにじでねえええぇぇぇええぇぇっ!!!」 巨体から発せられる大声を間近で受けて、耳にキーンときた。 なにはともあれ、ここまで人間を恐れるようになってしまえば、もう駆除までの手間は普通のゆっくりまりさと大して変わらない。さっさとバラしてしまおう。 と、ここで巨大まりさの餡が露出した部分から濃く甘い匂いが漂ってきた。なぜだろう、さっきまでゆっくり達を喰い散らかしていたというのに唾液が止まらない。 中身の露出した部分へ腕を突っ込み、手で掬って口へ運んでみる。 「ゆ゙ぎぎぐうぅぅぅっっ!!?」 巨大まりさが耳障りな悲鳴を上げたが、俺はそんなものは意識に入っていなかった。 「これは・・・美味い!凄く甘くて美味い!!」 強烈な甘さ、それに特有の舌触り。この味は――― 「栗だ、こいつの餡は栗の味がするぞ」と、農夫が言う。 そう、栗の味がする。この巨大ゆっくりまりさの中身は通常のゆっくりと違って栗餡なのだ。 おせち料理の栗金団に入っているアレである。 「よし、こいつは持ち帰ってみんなで食べよう。今晩は宴会だァ!!!」 「「「「うおおォーーーッ!!!」」」」 ・・・でもまずは、この残骸を片付けないとな・・・。思い切って残業(笑) その後、生きたまま里へと持ち帰られた巨大ゆっくりまりさの中身の栗餡は里を挙げて行われた夜の宴会にて振舞われた。 ―――厨房にて 「もう・・・やべでええええええぇぇぇぇぇ・・・・・・」 特別に用意された十尺四方の檻の中で力なく抵抗する巨大ゆっくりまりさ、もはや暴れる気力も体力も無いようだ。 食べる時は栗餡の鮮度を保つため、食べる分だけを巨大ゆっくりまりさの背中に空けた穴の中からへらを使ってこそぎ取る。 「ゆぎゃが゙あ゙ぁぁぁあ゙ぁ!!!や゙め゙っ、ゆ゙るじでぇぇぇぇぇ…ま゙りざのながみ…なぐなっぢゃうのほお゙お゙お゙ぉぉお゙お゙ぉ…!!」 「こいつは・・・すごいな」ゆっくり加工所勤務の友人が言う。 「そんなにすごいのか?」 「ああ、このゆっくり、エサを口に入れたそばからどんどん消化して栗餡にしてるよ。この特異体質のせいで今まで野性で生き続けられたんだなぁ。これなら死なない程度に餡を取って、エサを与え続ければかなり長い間餡が採れそうだ。子を産ませるのも良いかもな。」 ふたりの会話を聞いた巨大ゆっくりまりさは悟った。「もう自分は二度とゆっくりできない」と。 (ゆっくりしたけっかが・・・・・・これだよ・・・・・・) きっとこれからも、ゆっくりは人間達に搾取され続けるのだろう。スイーツ(笑) このSSに感想を付ける
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ゆっくりいじめ系113 ゆっくり飾りゴージャス or fuku0708.txt ゆっくり飾りゴージャスの続き。 このssは以下の設定と、それに便乗したオリジナル設定で構成されています。 1.飾りがないゆっくりは苛められる。 2.死んだゆっくりの飾りをつけたゆっくりは殺される。 3.ゆっくりの飾りを盗ったものは死ぬまで付きまとわれる。 手元に、中サイズのゆっくりまりさの帽子が残っていた。 昨日の残りだ。 確か、これ食えるよな? 「おじさーん。まりさの帽子食う?」 「・・おまえ、それ、どうした?」 「パクった。いや、ちょっと違うか。トレードした」 「そうか、お前はそれに興味をもったか。皮の一種だから、問題なく食べられる。ゆっくりレミリアは残すけどな」 「若干硬いから?」 「たぶんそうだろう。みかんの白いやつと同じようなものだと思え」 そういうものなのか?まぁいいか・・食わずにおいておこう。 ・・ちょっと気になることが出来たので、帽子と油性ペン、あと加工場で余った餡子を袋に詰め、実験場に向かう。 実験場につき、お目当ての奴を探す。・・・いたいた。 「ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりしていってね!」」」 昨日の帽子トレード元、ゆっくりまりさシスターズ、総勢8匹だ。 トレードしたやつは他の個体と比べて、帽子がでかいため目深になっている。 パッと見ではわからないが、家族と一緒だと比較しやすいな。 「おじさん、おかあさんしらない?」 挨拶の直後、でかいのがそう聞いてきた。・・あれ?こいつ俺のこと覚えてる? 「しらない。どうしたの?」 「「「ぼうしおいて、いなくなっちゃった」」」 うお、全匹泣きそうだ。 「おかあさんは別の場所でゆっくりしているよ!」 「ほんとー?」「おじさんうそついてないー?」「うそつくひととはゆっくりできないよ!」「ゆっくりほんとのこといってね!」 「ほら、君たちのおかあさんに言われてご飯もってきたぞー」 とりあえず餡子を与える。 「むーしゃむーしゃ」「おいしー」「うまうま」「おかあさんだけずるーい!」「まりさもゆっくりしたいー」 よし、ごまかした。 さてと、 「君と、君と君、ちょっといいかな?」 帽子のでかいのと、大体同じ程度にでかいのを2匹チョイスする。 「まりさもいっしょにいくー!」「まりさもゆっくりしたーい!」「おねえちゃんだけずるーい!」 ・・・まったくこいつらは・・・別にこの場でやってもいいか。 「うーん、わかった。でも」 足で地面にラインを書く。 「この線からこっちにきちゃダメだよ?こっちきたら・・」 「うつとうごく!」 言ってる傍から超えやがった。 さっそく、そいつをこないだの袋に詰めて口をしめた。 「いやあああああああだしてー!」 前回のトラウマが残っているのか、叫び始めるゆっくりと 「やめて!」「そんなことするおにいさんとはゆっくりできないよ!」「ゆっくりかえって!」「ゆっくりしね!」 その他ゆっくりども。あー、つぶしてやりたいです。 「その線を越えたらこうなります。わかりましたか?」 「「「ゆっくりさせて!ゆっくりできないよ!」」」 結局、残り4匹も袋の中にぶち込んだ。 「「「ゆゆゆゆ!」」」 チョイスした3匹が泣いている。うおーうぜー!ゆっくりした結果がこれだよ!! 「わかったわかった・・・ほら」 袋の口を開けて、外が見えるようにしてやる。 「いいか・・・その袋から出るなよ」 「「「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ゆ゛っぐり゛ざぜでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛」」」 「・・・・その袋の中ではゆっくりしていいから」 今、自分がどんな表情しているのか理解できない。眉間がひくひくしてるのはわかるんだが。 「「「ゆゆゆ?」」」 「その中では、ゆっくりしていいから、ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりしていってね!!」」」「Zzzz」 やっと落ち着いたらしい・・・・・・うお、1匹寝てる奴がいる。きっと最初の奴だ・・・・おのれ・・。 「あい、お待たせ」 やっとでかい3匹の方に取り掛かれる。 ・・・待ちくたびれたのか、一斉に叫ぶ。 「「「ゆっくりしたけっかがこれだよ!」」」 上を向いてため息ひとつ。 ・・・ガッ!とおもむろに1匹とっ捕まえる。 「ゆゆゆ!」「ひどいよおにいさん!」「ゆっくりはなしてね!」 「勘違いするな・・・ゆっくりさせりゃいいんだろ」 撫で撫で。 「ゆっ・・・ゆっくり~」「いいないいな!おにいさんまりさも!」「ゆっくりさせていってね!」「「「ゆっくりしていってね!」」」 もういちいち相手にしてられん。油性ペンでゆっくりまりさの帽子と、人間で言う下あご?に【1】と書く。 次のには【2】、でか帽子には【3】と書いた。 「「「ゆっくり~」」」 もうちょっと大きかったら発情するのだろうか・・?ゆっくり3匹にその兆候は無い。 「「「ゆっくりしたいーー!」」」 そして袋の中の5匹。 「いいか・・・袋からでるなよ?」 「わかったよ!」「ゆっくりさせてね!」「ゆっくりしていってね!」「Zzzz」「Zzz・もうたべられない」 昼飯は寝てる2匹にしよう。そうしよう。 さて・・・ 「ゆっ!」「ゆっ!」「ゆゆゆぅ!」「「ゆ゛っ!」」 ナンバリングした3匹の帽子を奪い取る。 「ひどいよ!どうしてこんなことするの!」「ゆっくりかえしてね!」「おにいさんじゃゆっくりできないよ!」 体当たりしてくる3匹と 「「「・・・??」」」「「・・・Zzzz」」 困惑顔の袋の3匹、寝てる2匹。 ここで帽子を3つをシャッフルし、ちょっと遠くに置く。 「ほれ、とってこい」 帽子無しどもをけしかける。 「まりさのー!」「これまりさのー!」「まりさあああああああ!」 必死だな。 帽子を取り返して再度かぶる。そうすると、袋の中の3匹の表情が戻る。 これを10回繰り返す。3匹の表情が、灯ったリ翳ったり。 素直なのはいいことだが・・・もうちょっと可愛らしい表情してください。 さて・・・10回やって、10回とも、ゆっくりの番号と帽子の番号が一致。 こいつら、自分の帽子がわかるようだ。 ナンバリングには気がついていないようだ。ゆっくりだしな。 特に、でか帽子のやつ。でかいからすぐにわかるらしい。・・・いやそりゃそうだろうけどさ。 ここで、帽子を奪った後、でかい帽子と、もってきていた帽子を取り替える。 これで、場にあるのは【1】と【2】と番号無しの帽子・・さっきと同じようにシャッフルしてけしかけてみる。 すると、叫び出したのは、【3】のまりさ・・無論、でか帽子のだ。 「なんでえええええええええええええええまりさのぼうしがないいいいいいいいいいい!!」 「ごめんごめん、この帽子だったね。間違えちゃった!」 「がえ゛じでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」 でかい帽子を返すと真っ赤になってぷりぷり怒っている。 「おにいさんはゆっくりできないよ!ゆっくりあっちいってしんでね!」 脳天にビキビキきながらも尋ねてみる。 「それ、お母さんの帽子じゃなかったっけ?」 「ゆっ?おかあさんのぼうしだけど、まりさのぼうしだよ!おにいさんへんなのー!」 何回か試してみたが・・・交換したらすぐにわかるらしい。 【3】のデカ帽子だけじゃなく、普通まりさの【1】【2】に試した回もあったが、結果は同じだった。 「まりざのぼうじどごおおおおおおおおおおおお!!」 「ぼうじがえじでえええええええええええええ!!」 毎回毎回こんな感じで泣き叫ぶ。 ・・・うるせえ。あと絶対嘘泣きだろこれ。 まぁ、死活問題だしな。袋の3匹の怪訝な表情を確認してしみじみ思う。 と、閃くものがあったので、【1】と【2】の帽子を交換した。 「ゆっ!」「ゆっ!」 ・・・・待つことしばし。 「ゆゅ?」「おじさんどうしたの?」「ゆっくりするの?」 ・・・・・あれ?交換したのに気がついてない? 「「「ゆっくりするの??」」」 ・・・試してみるか。 「ああ、ごめんごめん、ゆっくりしすぎちゃったよ」 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 そして再度シャッフルしてみた。 その結果、【1】まりさは【2】の帽子に、【2】のまりさは【1】の帽子へと向かうようになった。 ・・これは、所有権がいれかわったのか? 【1】のまりさへ、【2】の帽子について聞いてみる。 「あの帽子、君のじゃないの?」 「ゆ?まりさのぼうしだけど、おねえちゃんのぼうしだよ!」 【2】が姉だったのか。いや、それはどうでもいい。 この反応を見るに、盗られても、自分が飾りをつけていれば満足なのか。 1つ、思いつくことがあった。 何度も何度も、【1】【2】【3】の帽子をシャッフルする。そう、大きい帽子も交えてだ。 数十回の試行が終った後、【3】に【3】の帽子を返して、こう尋ねた。 「ねぇ、その帽子、誰の帽子?」 「ゆっ?このぼうしは、まりさのいもうとのぼうしだけど、まりさのぼうしだよ!!」 思惑通りにいったことを知り、愉悦が止まらない。 ああ・・・こいつら・・・母親の帽子だということを、忘れやがった。 ものすごく哀れに思えてきたので、残りのゆっくりまりさにもナンバリングし、1番づつ帽子をずらしてやった。 今手元にあるのは、比較して一番小さかったゆっくりまりさの帽子だ。 もう満足し、哀れな姉妹たちに別れを告げた。 「ありがとう、ゆっくりしていってね!!」 「「「「ゆっくりまた遊んでね!!」」」」 ・・・こいつら、いったいどこまでゆっくりしているんだろう。 満足したので、いったん加工場に戻って昼食にすることにする。 さて、午後の部である。 ゆっくりまりさばっかり構っているのに気が引けたので、もうひとつ気になる方を消化することにした。 ゆっくりれいむの髪飾りについてだ。 あれってさ、リボンだよね? ・・あれをさ、解いたらさ、どう考えても、自分じゃつけられないだろ常考。 「いやあああああああああああああああああれいむのりぼんがあああああああああああ」 思ったときには、すでに行動は完了していた。 「ごめんごめん、手がすべっちゃったぜ!」 「いやああああああああああれいむのりぼんんんんんんんむすんでええええええええ」 「わかったぜ!!」 「できたぜ!」 「もう!ゆっくりきをつけていってね!!」 「わかったぜ!」 プンプン!と去っていく霊夢。風にたなびくリボンが尻尾のようだ。 せっかくなので、「俺より強いやつに会いに行く」スタイルにしてやった。俗に言う鉢巻。 無論、固結びなので、外れることはないだろう。 弾幕出るようにならないかなぁ。回転しながら回し蹴りとか、炎をまとってアッパーもいいよなぁ。 ボインボイン弾んでいく鉢巻れいむを観察する限り、どうやら、何でもいいから飾りをつけていれば苛められないらしい。 調子にのって、ポニテれいむ、たくましいなれいむ、おさげれいむ、鼻鉢巻れいむを作った辺りで飽きた。 個性豊かになって何よりだ・・・って、問題がずれた。 気になるのは、やつらが結べるかどうかだ。 さっそく、ゆっくりれいむを発見。しかも2匹。 姉妹かな?いつぞやのゴれいむサイズだ。大体10cmぐらい・・・よしよし。 まずは声をかける。 「ゆっくりしていってね!」 「「ゆっ!ゆっくりしていってね!!」」 スッ、っと1匹持ち上げる。笑顔を絶やさないように。【1】っと・・。 「ゆっ!?おじさんゆっくりできるひと?」「ゆっ?れいむをどうするの?」 ささっと、ペンでナンバリング。【2】っと・・・。 「ゆっ?くすぐったいよ!!」「おじさんゆっくりやめてあげてね!」 もう片方も同様にする。 「ゆっ?なにするの!?」「おじさんわるいひと?ゆっくりできないならやめてよね!」 ・・・2匹共を地面に置く。 「はっはっはっ、ごめんごめん、きみたちがかわいいからついやっちゃったんだ!」 「ゆっ!」「それならゆるしてあげるね!」 「はっはっはっはっ」 2匹の頭を撫で撫でしつつ・・・リボンの片端を確認する。 「ゆっくりー」「ゆっくりー」「はっはっはっ・・・はぁっ!!!!!」 そしてすかさず、2匹のリボンを解き放ち、ダッシュで逃げる!!! 「あああああああああ」「りぼんがあああああああああああ」 全力で逃げて・・・茂みに隠れて観察開始。 どちらも追ってこない。地面に落ちたリボンを咥えて泣き喚く。 「ああああああありぼん!りぼん!!」「むずんで!!むずんで!!!」「」 やはりというかなんというか、結び方を知らないらしい。 「「このままじゃゆっくりできないよーーーーー!!!」」 どーするんだろ。しばらーく観察していたが特に動きがない。 ・・・もう、他の個体で試すか? そう思ったとき、 「ゅっ!」「ゆ?」 【2】が、りぼんを口に咥えてボインボイン跳ね始めた。どっかに移動するつもりらしい。 「ゆっぐりづいでぎでね!」 「ゆっぐりづいでいぐよ!」 そしてどこかに移動し始める。 親元にでも行くのだろうか・・・。 しばらくついていくと、実験上の奥深く、山のふもとエリアまで移動した。 必死なのかゆっくりだからなのか、多少雑な尾行でも気がつかない。 と、前方に1匹のゆっくりがいる。 ・・・って、ちょっと待て。 「ゆっぐり!」「むきゅん?」「ゆっ?」 そんな!?この実験場にゆっくりパチュリー、通称ゆっちゅりーはいないはずなのに!! 「ばぢゅりーー!!」「むきゅん!どうしたの?」「ゆっぐりー!」 えーと、あれは【2】の方か?どうやらとゆっちゅりーと知り合いのようだ。 ゆっちゅりーの方は怪訝な顔をしている。やっぱり識別できないのか。 「りぼんとれちゃったのーー!!」「むきゅん!むすべばいいのね!むきゅん!」「はやくつけてええええええええ!!!」 ゆっちゅりーは、すごい病弱だから、こういう野放しな実験場にはいないはずなんだがなぁ・・・? 「ありがとうぱちゅりー」「むきゅん!ええと、こうりつてきなりぼんのむすびかたは・・・」「ありがとう!ゆっくりむすんでいってね!」 なるほど、ゆっちゅりーが結んでいたのか・・・すげえなゆっちゅりー。メモメモ・・・。 でも、口だけでリボン結びか・・・どーやるんだろ? wktkしながら見守ることにする。 ・・・少し前は、wktkしていた。今ではirirしている。 かれこれ、半刻ほど待ってるが、ちっとも終らねー!! 「むきゅん!むきゅん!ぜー、ぜー・・・むっきゅん!」「ゆっくりがんばってね!」「ゆっくりはやくむすんでね!」 もちろんリボンは唾でベトベト、心なしか、ゆっくりれいむの後ろ頭がふやけてきた気がする。 ああ・・・自分の考え違いを悟った。 ゆっちゅりーはりぼんを結べない。そりゃそうだよな・・・だって自身の飾りがリボンじゃないものな。 自分の目が死んでいるのがわかる。ゆっくりした結果がこれだよ! 帰ろうかな・・・・?と思い始めたとき、待っていたゆっくりれいむ・・・【1】の方がりぼんを地面に置いた。 まさか・・・おまえまさか!!? 「ゆっくりしたけっかがこれだよ!!」「むきゅん!!!」「ゆっ!!」 や、やりやがった!! 【1】がゆっちゅりーの帽子を、咥えて逃げた!! 「むきゅん!むきゅん!!」「そ、それはぱちゅりーのぼうしだよ!!かえして!!」 【2】とゆっちゅりーが【1】を追いかけ始めた!! ・・・・・・・・・が、ゆっちゅりーあっさり力尽きる。まさにゆっちゅりー。 「ゆっ!ゆっくりまっててね!」「おねがいいいいいいいいい!ぱちゅりーのぼうしがああああああああああ!!」 ボインボインと向こうに去って行く【2】をただただ見つめるゆっちゅりーと俺。 ただただ、しょぼーんとしているゆっちゅりーを見守る。 とばっちりだなぁ・・。かわいそうに。とニヤニヤしながら見守っていると、ゆっくりれいむが帰ってきた。 「ごめんぱちゅりー。ぼうしとられた」「ゆっ!ゆっ!ゆぐうううううううううううううう!!」 崩れ落ちるゆっちゅりー、慰めるれいむ・・・・。 でも、俺は見てしまった。 あ…ありのまま今起こった事を話すぜ! 「帽子を盗んだゆっくりれいむを逃がしたのだと思っていたら、帰ってきてたのは帽子を盗んだ方だった」 な…何を言ってるのかわからねーと思うが、おれも何が起こったのかわからなかった… 奪い合いだとか、ミイラ取りがミイラにとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。 もっと恐ろしいゆっくりの片鱗を味わったぜ…。 パチュリーは気がついてない。 種族が違うからなのか、飾り無し状態で出合ったからなのか、区別がつかないようだ。 「むきゅん・・・むきゅん・・・」「ぱちゅりー、なかないでええええええ!」 場に残ったのは、2本のリボンとゆっちゅりーとゆっくりれいむ【1】。 どうするんだろうこいつら。 内心すげーモヤモヤしている。本音を言うと、ぶっ潰してあげたい。 心の中で評議会が開かれ、ぶっ潰そう派が大躍進しているのを感じつつ、ぼーっと微笑ましい様を眺めていた。 ようやく、泣き止んだゆっちゅりーが動く。 「むきゅんむきゅん。ついてきて」「ゆ?」 ゆっちゅりーがリボンを咥えて、ポインポインとどこかに行き始める。 ついていくゆっくりれいむ・・・とはいっても、ゆっちゅりーの移動速度の方が圧倒的に遅い。 どんどん奥の方に向かっていく。そろそろ結界際だろうか・・。 正直、さっきのポルポル現象以上に驚くことはないだろう。物凄い冷めた自分の心を感じながら、ゆっくりついていく。 どうやらさっきの評議会は時間切れになったらしい。 次の議題は「ゆっちゅりーこそ、ゆっくりオブゆっくりである」だった。 評議会が全会一致で可決され、万雷の拍手が脳内に鳴り響く頃、それは現れた。 「むきゅん!ゆっくりしていってね!」「ゆっ!!ゆゆゆっ!!ゆっくり!?」 挨拶するパチュリー。困惑するゆっくりれいむ【1】。そして、 『ゆっくりしていってね!!!』 とてもでかい、ゆっくりれいむが、そこにいた。 昔、1度だけ見たことがある、突然変異体。あれはゆっくりレティと同じサイズだった。おおよそ3m。 それほどではないにしろ、目の前のゆっくりれいむは大きかった。 ゆっくりれいむの成長限界は、世間一般によると「椅子に丁度いいサイズ」おおよそ50cmぐらいだろうか? しかし、目の前のは、俺の身長の半分・・・いやそれ以上、1mほどだろうか。通常の倍ぐらいはある。 こいつなら、赤ん坊を食える。間違いない。 『ゆっ!ぱちゅりーどうしたの!?ぼうしないよ!』 「むきゅん・・・とられたの」「ゆっ・・・ゆっ」 なんという威圧感・・・。 小れいむと俺は言葉も無い。 『ゆっ!ゆるせないよ!!ぱちゅりーのぼうしとったの・・・・れいむー?』 「ゆっ!ち、ちがうよ!!」「むきゅん!やめて、ちがうの!」 心の中で突っ込む俺。 そのとおりですがなにか? 「むきゅん!いいから、むすんでれいむ」 『ゆっ?』「・・ぱちゅりーには、りぼんしかないから」「ゆっ!?れいむもむすんでほしい!!」 『わかったよ!ゆっくりしていてね!!』 そこからの光景は、正直、目を疑わざるをえなかった。 どうして、その、ゆっくり丸呑みおいしいです。と、言えるほどのデカ口デカ舌で、リボンが結べるのですか???? 「むきゅん!ありがとうれいむ!」「ゆっ!ありがとうおおきいおねえさん!!」 『ゆっくりしていってね!』 ゆっくりれいむは、リボンが結べる。 その事実が確認できたものの、俺は衝撃のあまり身動きが出来なかった。 『ゆっ!よるになるよ。ゆっくりとまっていくといいよ!!』 「むきゅん。ありがとうれいむ!!」「ゆっ?ありがとう!!」 ふと気がつくと、夕焼けが目に眩しかった。 もうじき日が沈み、辺りに暗闇に覆われるだろう。 ・・・ゆっくり達が巣に向かうのを、俺はノロノロとついていった。 「「『ゆっくりしていってね!』」」 「「「「ゆっくりしていってね!」」」」 巣の中に入る大きいゆっくりれいむ・・・・敬意を表して、マザーれいむと名づけることにした。 あとに続くのは、リボンゆっちゅりーとゆっくりれいむ【1】。 途端に中がにぎやかになる。何匹か子供たちがいるようだ。 ゆっくり達が夕食を迎えているころ、なんとなく、ただなんとなく、周辺を探ってみたところ・・・・見つけてしまった。 結界のほころび・・・木が倒れて結界にもつれ込み、その部分だけ、結界が避けていた。 結構範囲は広く、この分なら、マザーやゆっちゅりーが通り抜けるには十分だろう・・・。 余談であるが、加工場には1つの鉄則がある。 「ゆっくりを育てすぎない」 えさを与えれば与えるほど、ゆっくりはでかくなるが・・・でかいゆっくりは、餡子がパサパサしていて、はっきりいって不味い。 そのため、ある程度以上大きくなったものは、即座に収穫に回されるはずだ。それはこの加工場でも例外ではない。 せいぜいで20cm、初日の親れいむぐらいがせいぜいのはず。 ああ、間違いない。マザーとゆっちゅりーは、外から来た。 結界のほころびを、岩でふさいで、マザーの巣に戻ることにする。 ゆっくりアリスとか来てたら、もっととんでもないことになっていたから、まだよしとするべきだろうか・・。 巣に戻ってきたが、お客様が珍しいのだろうか、まだ騒ぎ声が聞こえた。寝静まるのを待つことにする。 結局、しばらく夜が更けてもまで騒いでいたが、マザーれいむの声が響く。 『ゆっくり眠ってね!』 「「「「ゆっくりおやすみなさい!!」」」」「むきゅん!ゆっくりおやすみなさい」「ゆっくりするよ!!」 ああ、なんという統率だろう。 加工場のゆっくりしか触ったことがなかったことを、悔やまざるを得なかった。 最後の号令から待つことしばし・・・・おもむろに巣を覗き込み、全てのゆっくりたちが眠っているのを確認する。 【1】とゆっちゅりー。マザーと他、【1】より若干大きいゆっくりたち6匹・・・合計9匹がそこにいた。 全匹にナンバリングする・・・マザーには【M】、ゆっちゅりーには【P】、残りは【2】~【7】の連番だ。 そして、ゆっちゅりーと、ゆっくりれいむ【1】~【7】からリボンを抜き取った。 あとは前回と同じ、ゴージャスゆっちゅりー、すなわちゴゆっちゅりーの出来上がりだ。 内心モヤモヤしたものを抱きつつ、寝ようとするが・・・きっと、前回のようにはうまくいかない。その確信で眠れなかった。 いったん、加工場の方に戻り、餡子と・・糸を、持って行く。色は赤。 使うようなことにならないといいけど・・・と、無駄なことを考えながら、巣の脇でゴゆっちゅりー入りの透明箱を抱いて眠る・・・。 加工場との往復で疲れたのか、どうにか眠ることが出来た。 そして、朝が来てしまった。 「「「ゆっくりしていってね!」」」の声で起こされる。 抱きかかえたゴゆっちゅりーも箱の中で目が覚めて、 「ゆっくりしていってね!」 そして連鎖して声が響く。 「ゆっくりしていってね」「ゆっくりしていってね」「ゆっ」「ゆゆゆっ!」 ざわざわと騒ぎになる。 「りぼんがないよっ!」「ゆっ!れいむのりぼんがない!」 「へんなのー!」「ゆ゛っ!!れいむもないよー!」「え゛ーっ!」 そう・・・ここまでは、前回と同じだった。 遅れて親れいむが反応する。 『ゆっくり落ち着いてね!』 「「「ゆっくりできないよーーーーーー!!」」」 『ゆっくり落ち着いてね!ゆっくり探してくるからね!ゆっくり待っててね!!』 ああ・・・くそ!!やはりマザーは餡子の容量が違うようだ。前回とは全く違うゆっくりっぷりに、歯を食いしばらざるを得なかった。 このままでは、マザーが表に出てしまう。遅ればせながら、ゴゆっちゅりーを巣の中に差し入れる。 「むきゅん!れいむーーー!」 『ゆっ!ぱちゅりー!』 それに気がつく親れいむと・・・ 「あ゛あ゛あ゛・・・ゆゆっ!!りぼん!!りぼんいっぱい!!りぼん!!りぼん!!!」 リボン無しの子れいむ達。 「むきゅん!!しらないひとがおそとにいるよ!ゆっくりほどいてね!!」 『ゆっ!わかったよ!!ゆっくりほどくよ!!』 「「「「ゆっくりはやくむすんでね!」」」」 ああああああああああああ、なぜゆっちゅりーをチョイスしてしまったのだろう。子れいむか、【1】にすればよかった!! 見ているうちに・・着実に、堅実に、結びなおされるリボン。 結んでいるマザーから聞こえる・・・鼻歌。 『ゆっゆっゆっゆっゆっ~♪ゆっゆっゆっゆっゆっ~ゆっゆっゆゆゆぅ~♪』 ああ・・・その歌を聴きながら、絶望と共に確信した。 ゴれいむは、ゆっくりなゆっくりにしか、加工場で育ったようなゆっくりにしか、通用しない。 俺の、初日の実験は、まったくもって、意味がなかった。 あ、あ、あ、・・・・ああああああああああああああああ!!!! 俺の何かが、音を立てて崩壊していく。 「ゆっくりしろモーニングああああああああああああああああ!!!」 「「「「『ゆっ!!』」」」」 マザーの巣はでかい。人間が入る分には十分だった。 「うおおおおおおおおおおおお!!!」 むすび直されたゆっちゅりーのリボンを真っ先に向かい、そのまま子ゆっくり達からリボンを抜き取る。 「うああああああああ!!」「おじさんゆっくりできないひとだね!!」「ゆっくりしね!!」『でていってね!』 ガフッ!!ぐぐっぐ・・・マザーの体当たりが顔面に直撃する。首がもげるかと思った。 「うおおおおおおおおおおお!!」 『ゆっ!!ゆっくりはなしてしね!!』「「「「ゆっくりしね!!」」」」 足を奥にいれこみ、マザーをがっちりホールドする。手は向かってくるゆっくりれいむ【1】~【7】から着実にりぼんを奪う!! 「「りぼんかえして!」」「ゆっくりできないひとはあっちいってしんでね!!」「ゆっくりしんでいってね!」 ボインボインボインボインと体当たりを食らいながら、奪ったリボンを持ってきた赤い糸で連結していく。分厚く重ねて解けないようにしつつ、雑に結んでいく・・・。 「おかおをねらうのよ!!」 ゆっちゅりーの指示が飛ぶ。 容赦なくアゴや顔を狙ってゆっくり達が飛び掛ってくる。ボイン!ボイン!!ボイン!!!ボイン!!!ゴッ! ・・・今のはいい一撃だった。二段ロケットのごとく、ゆっくりれいむのジャンプを利用し、鼻をめがけて飛んできたゆっちゅりーによって鼻血が吹き出た。 だがしかし、リボン改め、多数連結式鉢巻が完成した!!! すかさず親ゆっくりの頭に巻く!もちろん固結びでこれでもかというほどきつく結ぶ。 「ははははは・・これでも、お前に、りぼんが結べるのか?」 そう告げた。そこに油断はなかった。そのはずだった。 『ゆっくりーー!!!』 ドゴッ!! マザーの渾身の体当たりによって、巣から吹っ飛ばされる。 「うおおおおおおお??ガッ!!」 そのまま転がり、木にぶつかる。頭を打ったのか、一瞬意識が飛んだ。 そこに、 『ゆっくりして逝ってね!』 転がってくるマザー!! ゴシャァ!! いくらゆっくりが柔らかいとはいえ・・・木とサンドイッチされ、後頭部を強かに打ちつけた俺の意識は、あっさりと遠のいた。 「むきゅん!「「「「これじゃゆっくりできないよーーー!」」」」」 遠のく耳に届いたのは、マザー以外のゆっくりたちの声だった・・・。 意識が戻ったときには、すでに日が暮れていた。ものすごい吐き気と・・・自由にならない体。 そこらへんにあるようなツタで、木にがんじがらめに縛られている。きっとゆっちゅりーの差し金だろう。 「おれが遅い?おれがゆっくり??」 もっと準備を整えれば、もっとタイミングを見計らえば・・・。 脳内に、ジワジワとしみこむ、敗北の記録。 「・・・・・・俺は敗者だ!! 負け犬だああああああああああああああ!!!」 流れる涙を拭う事も出来ない。夜が更けるまでただただその場で泣き続けた。 その後だが・・・ 「ぐおおおおおおおおおお!!」 ツタは頑丈で、ほどけやしない。 「うおおおおおおおおおお!!」 無理やり、木と自分とのスキマをつくり、半転。 腕とかかっちり結ばれてたらどうなっていたことやら・・・。 次に、ツタを左右で引っ張って支えとしながら木を上る。 最後に、木からツタを抜き取って、どうにか開放できた。 夜間の作業で、かなり大変だった・・・。 「う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!」 この間、泣きっぱなし。 意外に血涙にはならないな・・・と、心のどっかが剥離したようにつぶやく。 「ゆるさんぞゆっくりどもめ!!ジワジワと嬲り殺しにしてくれるわ!!!」 涙を止めて、熱い決意と共に、目の前のマザーの巣に入った。 しかし、そこにいたのはマザー達ではなく、 「「「「ZZZZZZZ」」」」 よりにもよって、いつものゆっくり魔理沙シスターズだった。ナンバリングもそのままだった。 たぶん、空っぽの巣を見つけて、住み着いたに違いない。 ・・・ゆっくり理解する。逃げられた。ゆっくりした結果がこれだよ!!! 収まりつかなかったので、ゆっくり魔理沙シスターズの帽子を全部奪いとり、縦に重ね、赤い糸で結んでやる。 これぞ、多連装式ゆっくりまりさ帽子。せっかくなので、【3】のまりさにかぶせてやった。 朝にはまだ遠い・・・巣の脇で泣き寝入りすることにした。 「ぐぐぐぐっぐぐぐぐぐぐぐぐ!!」 この屈辱、忘れるものか。 つづく。 今回の実験結果のように見えなくもないオリジナル設定: 1.ゆっくりの飾りには所有権があり、前の持ち主はわかるが、前の前の持ち主はわからない。 このことから、飾りを奪われた場合に「どのゆっくりが奪ったのか」まではわかる。 ちなみに、ゆっちゅりーさんの帽子は、 「奪って」「奪い返された」ので、もうゆっちゅりーさんにはわからない。 2.ゆっくり子れいむはリボンを結べない。成長すると結べる個体がいる。 3.野生のゆっくりはつよい。 4.ぱっちゅんは郊外型実験場ではレア。(病弱すぎるので、主に室内での実験用素体となるため) 5.ゆっくりれいむは加工場では50cmぐらいにしかならない。 すごいゆっくりはその限りではない。 遅くなってしまい、 ゆっくりいじめ系110 髪飾り or fuku0692.txt & fuku0779.txtの兄貴や、 ゆっくりいじめ系104 ゆっくりみじめ or fuku0680.txt の兄貴には申し訳ない。 あと、fuku0845.txt と fuku0779.txt には愛を。 大戦争「異端ゆっくりvsゆっくり」はやろうかと思ったけど、 望んだ結末にもっていけないので悩んでいたんです。 他の誰かがやってくれる。こんなにうれしいことはない。 ちなみに、ゆっちゅりーさんを出す予定は全くなかった。 fuku0787.txt の影響だと思う。いいよね・・・知識あるのに空回りするゆっちゅりーさん。 ゆっくりした結果が(ry このSSに感想を付ける
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『野良ゆっくり根絶計画』 舞台は今より百年程先の未来。ゆっくりは愛でられ食べられ虐待され捕まえられ殺され……と色々な事があったが徐々に数を増やしていった。 出鱈目な生態に生き物とは思えない成長の早さ、そして後先考えずに交尾をするのがその原因である。ゆっくりが出現した当初はペットにされることもあった。 だがゆっくりによる被害…特に畑荒らしや器物損害などが横行したため段々と人々から疎まれるようになった。メカドスやメカゆっくり、メカうーぱっく などのロボットを作り共存と監視を試みたがコストの高さやゆっくりの学習能力の無さ、そして何よりもゆっくりの個体数の把握ができていなかったことにより ロボットによるゆっくり対策は打ち切られてしまった。徐々にゆっくりを絶滅させるべきであるとの意見が多くの人間や妖怪から寄せられるようになった。 それでもゆっくりは根絶されなかった。なぜならばゆっくりの"出鱈目さ"に研究者が目をつけていたからである。特に体の構造は魅力であった。 生ごみや腐った食べ物、果ては限度はあるが食べ物ではないものまで消化し餡子やカスタードに変えてしまうのだ。 このような体の構造に目をつけた研究者は多かった。加工所もこれに目をつけ研究者に多大な資金援助を行い解明を急がせた。 多くの研究者が取り組み長い年月をかけ、ついに謎を解明することに成功した。 ゆっくりの体にある消化酵素を特定しこれを作り出すことに成功したのだ。これにより生ごみから餡子やカスタード、チョコクリームなどを精製することが可能となった。 もはやゆっくりは……不要。山でひっそりと暮らし人里に降りて破壊活動をしなかったら…ちゃんとした知能を持ち人間や妖怪と共存できていたら…… ゆっくりは抹殺されることは無かったであろう。しかし今更ゆっくりを教育することはできない。そもそも3分もすれば全てを忘れる餡子脳では教育も意味が無い。 冬になり加工所、妖怪、人間によるゆっくり根絶が行われることとなった。駆除対象はれいむ種、まりさ種、ありす種、ぱちゅりー種、ちぇん種である。 ゆっくりにはまだ多数の種族が存在するがこれらの種による被害がゆっくり被害の8割を占めている。よってまずはこれらの種がターゲットとなる。 また全てのゆっくりを消滅させるわけではない。ゆっくりをペットにしたいという者もいれば虐待に使いたいと言う者もいる。 既にペットとしてパートナーとして人間と共存できている殊勝なゆっくりもいる。そこで野良ゆっくりを駆除することとなった。ペット用、虐待用などのゆっくりは以後 人工的に繁殖させ教育することで賄うこととした。野良でも見込みのあるゆっくりが繁殖用として駆除を免れることになっている…いやむしろ駆除されたほうがいいのかもしれない。 ちなみに駆除の費用は全てゆっくりを利用した胡散臭い団体の財産から賄われている。ゆっくりんピースをはじめとする環境団体…いつの時代にも偽善団体は存在する。 その実はゆっくりを保護することをアピールし少々お頭の弱い金持ちから寄付を受ける一方で裏では好き勝手やっていただけの連中である。 ゆっくりを利用した宗教団体というのも存在した。詐欺団体も存在した。こうした胡散臭い団体に一斉に捜査が入り財産は全て没収され駆除費用に充てられることとなった。 これからお送りするお話はゆっくり駆除の様子をまとめたものである。都市部編、農村部編、山間部編の3編をお楽しみください。 -都市部- 都市部では農村部や山間部ほどゆっくりは見当たらない。都市部にいるゆっくりといえばペットとして生きているゆっくりがほとんどだ。 しかしペットブームが下火になった今飼いゆっくりが捨てられ野良化しているゆっくりも多い。こうした元飼いゆっくりにはペットであることを証明するバッチが 付いたままであることがあるため駆除にあたり飼いゆっくりの判別が一新された。バッチ無し&旧バッチを付けたゆっくりが駆除の対象となるわけである。 誤解を免れるため飼いゆっくりは当分の間外に出ることが禁じられた。都市部でのゆっくり被害の多くはゴミ荒らし、家屋侵入、飼いゆっくり襲撃&レイプである。 最近では元飼いゆっくりが乞食をするようになってきた。歌を歌ってカンパを募る種も現れたが聞けたものではない。騒音といっていい。 都市部に住むゆっくりはどこに住んでいるのだろうか?一番多いのはゴミ箱の中である。外に比べれば暖かく食料の確保ができるからだ。 前々からゆっくり対策が取られてきていたがそれでもゴミ箱に住むゆっくりはいる。まずは都市部のゴミ箱が全て撤去された。コンビニや駅などからゴミ箱が消えた。 「おかしいよ…きょうはごみばこさんがどこにもなかったよ…。えささんがとれなかったよ…」 「おきゃーさん…さみゅいよ…」 このゆっくりは元飼いゆっくりの親れいむと赤まりさである。いつものように巣(ゴミ箱)から近くにあるコンビニのゴミ箱へ餌を取りに行ったがゴミ箱が無く その後も餌を求めてゴミ箱を探したのだがどこにも見当たらず巣に戻ってきたところだ。 「ごめんねえ…きょうはえささんがとれなくて…ゆううう…」 「まりしゃおにゃかへったよおおおお。さみゅいよおおお」 「おうちでゆっくりしようね…ゆ?ゆゆゆゆゆ!!!!!」 残念ながらもうおうちは無い。 「ない!ない!どうして?どぼじでおうぢがないのおおおおおお」 「さみゅいよおおおおお。うわあああああん」 その後この家族は巡回中の加工所職員によって袋に詰められ回収されていった。 「ここはあったかいね!」 「うん。ここならふゆさんをこせるね。」 「あかいおうちさんとってもとかいはだわああ」 このゆっくりは農村部から流れてきた親まりさ、子まりさ、子ありす家族である。都心部で二番目にゆっくりが住処とするところは自動販売機である。 特に自販機の裏は人気プレイスであった。なぜならとても暖かく住みやすかったからである。小型のゆっくりなら自販機の裏側に納まることができる。 裏だけではなく缶の取り出し口を寝床とするゆっくりも多かった。 都心から自販機を全て撤去する…これはいくらなんでも無理があった。そこで地道に自販機を調べゆっくりを捕獲するということになった。 「そろそろえささんをさがしにいこうね!」 「まださむいよ~。もうちょっとゆっくりした~い」 ポイッ 「ゆ!おちびちゃんあぶないからおくにかくれてね。なにかおちてきたよ」 投げられたのは煙幕である。ただの煙幕ではない。唐辛子やタマネギのエキスが混ざったものである。投げたのは駆除にやってきた加工所の職員だ。 「おがあしゃん!めがいたいよ!!」 「げほっ!げほっ!」 「げほっ!おぢびしゃんはやくごごがらででね…めがしみるよおおおお」 ゆっくり達が自販機から出てきた。 「おじざんなにずるのおお!!ここはまりざのゆっぐりぷれいすだよお!!」 「こんなごどするなんでとかいはじゃないわ!!!いしゃr…」 職員は何も答えずに黙々とゆっくりを袋に詰めていく。 「なにするの!!まりさのおちびちゃんをかえしてね!!!ゆっくりできないじじいはしね!」 親まりさが職員に体当たりをする。彼はやれやれといった顔をする。今日はこれで10回目。いい加減ストレスも溜まってくる。 「しね!しね!ゆっくりしないでしね!」 「死ぬのはてめえだ」 彼は思いっきり親まりさを蹴飛ばした。このまりさでストレスの発散をするつもりだろう。 「いたい!いだい!!やべでええええええ!!!!!!」 彼は何度も何度も親まりさを殴り続けた。餡子が口から漏れ出している。 「おでがいじまずうううう!!!!ばりざの…ばりざはどうなっでもいいでずがらおちびぢゃんだけはあ!!!!」 まりさ種に珍しく母性の強いゆっくりである。彼が今日相手したまりさ種は皆子供や姉妹をだしに逃げ出そうとしてたのに。 「ゆぎゃああああ!!!!!!」 職員はまりさを破き袋の中に入れた。だが自販機から追い出してもゆっくりはまた自販機を住処とする。いたちごっこであるがゆっくりが根絶するまでやるしかない。 「ゆゆ!からだがうごかないよ!!!どうじで!!だれがだずげでえええええ!!!」 各家庭や至る所でゴキブリホイホイならぬゆっくりホイホイが設置された。数日ごとに加工所職員が回収し新しいのを設置していった。 「ちょっとくさいけどここならあめさんにぬれないね!」 排水溝に住み着くゆっくりもいる。当然水に濡れればゆっくりは溶けてしまうが水量の少なかったり水が全く流れていない排水溝に住み着くのだ。 特に都市開発によって使われなくなった排水溝がそのまま残っているところでは多くのゆっくりが見付かった。勿論全て回収された。 念のために下水道や地下鉄の線路まで調べられた。そういったところにもゆっくりは住み着く。そこでずっとゆっくりできると信じて…。 しかし全て回収されてしまった。 「庭に穴が開いてるんですけど…ゆっくりの巣穴かしら?」 「すぐに駆除に向かいます」 「家の軒下から変な声がします」 「多分ゆっくりでしょう。駆除に向かいます」 「倉庫の中が怖くて開けられないのですが」 「至急向かいます。整理の手伝いもいたします」 戸建やマンションにもゆっくりはいる。庭や軒下、物置、車庫etc…。あるゆっくりは唐辛子入り煙幕で巣を追い出されたところを捕獲された。 あるゆっくりは巣穴にお湯をぶち込まれ巣穴から脱出する前に汁粉になった。あるゆっくりは巣穴に油を注がれたあと火を点けられ焼饅頭と化した。 「あじゅいよおおおおお!!!!おかあああさあああんん!!!!」 「だじでえええええ!!!!ごごからだじでくだざあいいいい!!!」 「ゆっぐりじだいよおおおおおお!!!!!!」 住宅街にゆっくりの叫び声が響いた。誰も助けてはくれない。駆除を始めて4日は叫び声が絶えなかった。その後はゆっくりの声を聞くことはできなくなった。 「いやだああ!!!!たすけてえええ!!!!!」 「こっちにこないでね!あっちいってね!!」 「まりさはにげるんだぜ!!!!れいむがかわりににんげんさんにつかまるといいんだぜ」 「どぼじでぞういうごどいうのおおお!!!」 「うるさいんだぜ。まりさはもtt…」 毎日毎日ゆっくりは捕獲されていった。休日ともなればボランティアも参加した。公園、川原、駅高架下…至る所で袋を持った人間がいた。 「やべでええええ!!!!れいむはゆっぐりじだいだけだよおおおお!!!!」 「あじずはわるいごどじでなああいいいい!!!!とかいはにいぎでるだけだよおおおお!!!」 原則ゆっくりは捕獲である。餡子を撒き散らされては掃除に手間がかかるからである。だが時には殺していく人もいる。 誰も何も喋ってくれなかった。たいしたことは言ってない、喋るだけ無駄。ゆっくりが何か言ったらムカムカするだけだ。その前に駆除してしまえ。 都市部に住むゆっくりは段々以前に増してゆっくりできないことに気付いていった。餡子脳でも自分達が何者かに狙われていることに気付いたのだ。 真昼間に行動するゆっくりは減っていった。駅前で下手の歌を歌ったり物乞いをするゆっくりは消えていった。 早朝、都市部のある産廃場に多くの職員と妖怪、さらに巨大な加工所特製の透明な箱を積んだ大型車が集まった。都市部で最も大掛かりな駆除は産廃場であった。 廃車にタイヤに冷蔵庫、TV…野良ゆっくりにとっては住処として充分であった。時々ゴミが崩れ落ち何組かの家族が死んでしまうこともあったが。 「ゆっくりおきるよ…きょうこそえささんをみつけるよ…」 元飼いゆっくりのれいむである。最近このれいむをはじめゆっくりは餌を見つけることが出来ない。ゴミ箱が撤収されゴミ回収が徹底されたからである。 人間に見付かれば有無を言わさず袋の中に入れられた。「ゆっくりしていってね!」と挨拶をする前に潰されるゆっくりもいた。 れいむは思う。何で最近こんなに怖くなったんだろう?何でご飯が食べられなくなったんだろう?もう5日もご飯を食べていない。何かに狙われてる気がする。 そういえば飼いゆっくりすら見なくなった。隣に住んでいたありす一家や冷蔵庫の中で暮らしていたちぇん一家が帰ってこないがきっともうゆっくりできなくなってしまったんだろう…。 「おなかすいたよ…むーしゃむーしゃしたいよ…」 れいむの足取りは重い。れいむだけではない。この産廃場にいるゆっくりはみな早朝から出かけ餌を探しに行く。しかしどのゆっくりも餌を見つけることは出来なかった。 「おなかすいたよお…」 「ぜんぜんゆっくりできないよ…ゆああああんん!!!」 産廃場からは悲しげな泣き声がする。 「ゆぅ…ゆぅ…ゆ!」 れいむは急に止まり近くにあったタイヤの中に隠れた。 「にんげんさんがいっぱいいるよ…」 この産廃場に人間がやって来るのは数年ぶりだった。れいむは思い出す…。人間さん…れいむのご主人様はお姉さんだった。 ペットショップでちゃんと躾けてもらったのにお姉さんが怒らないのをいいことに我侭ばかり言ってた。散々文句言ったっけ。 ご飯が不味いだのふかふかのベットで寝たいだの……。ある日起きたら臭い所にいた。周りはゴミだらけだった。それから散々な目に遭った。 リボンはもうボロボロだしご飯はなかなか食べられないし…こんなことになって初めて自分が間違っていたことに気付いた。 「おねえさん…れいむが…わるかったよ…」 れいむは泣いていた。 さて集まった人達はみな作業服だった。彼らはここのゴミとともにゆっくりを回収しに来たのだ。 「ゆっくりを見つけたらこちらの箱に入れてください」 「粗大ゴミはこっちのトラックに積んでください。小さ目なのはこっちのトラックです」 「ではよろしくお願いします」 彼らは作業に取り掛かった。 「ゆゆ!にんげんさん!!!ゆっくりs」 ヒョイッ 「おでがいじまずうううう。なにがたべるぼのぐd」 ヒョイッ 「にんげんさん!!あまあまty」 ヒョイッ 「はやくれいむにあまあまさんもってきてね!!ゆっくりしないではやくしてね!」 「ゆ!まりさのおちびぢゃんになにするの!!!」 「むきゅ、ばかなにんげんさんね。ぱちぇのいうことがわからないの?」 そんな声を無視し彼らは黙々と作業する。ある者はゆっくりを捕獲しある者は粗大ゴミを片付けた。 「むじじないでえええええ!!!!」 「それはちぇんのおうちだよおおおお!!!!!!わがらないよー!!!!」 「ばりざのおぢびぢゃんをがえぜええええ!!!!!!」 誰も何も喋ってくれない。数分後ようやく自分達がターゲットにされていることに気付いた。 「ゆっくりしないでここからにげるよ!!」 「りぇいみゅのおうぢがああ!」 「おうちはまたちがうところでみつけようね!!みんなおくちのなかにはいってね!」 「わからないよーわからないよー!!」 「れいむをもっていくといいんだぜ!まりさはにげるんだぜ!」 「ゆっくりしないでにげるよ!おちびちゃんのぶんまでゆっくりするよ!」 「むきゅ…ぱちぇをおいてがないでええ」 「ばりざあああ!!!!たすげでえええ!!!」 辺りはパニックになった。必死にみな逃げた。しかし産廃場の周りには網が仕掛けられており外に逃げることは出来なかった。 「だじでええええ!!!!!ごごがらだじでええ!!!」 「あじずはなんにもわるいごどじでないよおおおお!!」 「はごのながはいやああああああ!!!!!」 産廃場はゆっくりの悲鳴でいっぱいだった。中には既に諦めているゆっくりもいた。 「ゆっくりしないでころしてね…」 「いなくなっちゃったまりさのところにいかせてね…」 「おねえさん…ごめんなさい…」 あのれいむもその中の1匹であった。 数時間後産廃場は綺麗になった。ゴミも無い、ゆっくりもいない。ただの空き地になった。 袋に詰められたゆっくりは各地からゴミ焼却場に集められた。何にも利用されることは無い。焼却処分するだけである。 ゆっくりを確実に殺すことができ尚且つあまり手を汚さない方法だからだ。 「あじゅいよおおおおおおお!!!!!」 「でいぶなにもわるいごどじでないよおおおおお!!!」 「ゆっぐりできるおうだうだうがらゆるじでええええええ!!!!」 「ばりざのばがあああああ!!!!どがいにいげばだべぼのがいっばいあるっでいっだのにいいいいい!!!!!」 「らんじゃまあああ!!!!!!!」 「おにいいざあんんんん!!!!!たずげでえええ!!!!!」 「ぼうわがばばいばないがらごごがらだじでよおおおお!!!!」 焼却炉にはゆっくりの断末魔が響く。この様子を多くの人が眺めていた。 「こ…こわいよおおお」 「まりさ、ちゃんと目を開けて見るんだよ」 「でいぶ…じにだくなあいいい…」 「れいむはああはならないよ。ちゃんとしていればね」 「悪いことをしたらああなるんだよ。わかったね」 「わかりましたあああ!!!!」 「ぼうずぎぎらいじまぜん!!」 ある人は飼いゆっくりを連れ野良ゆっくりが焼かれるところを見せつけていた。 「とってもいい音色だなあ」 「録音とかしてないんすかね?」 「しかしこれで虐待が出来なくなると寂しいですね」 「ちょっとの間だけだよ。野良潰したってあの生態だ、養殖モノもすぐに発売されるさ」 「半年以内にまた虐待できるって聞いたぜ」 彼らは虐待鬼意山と呼ばれる人たちだ。ゆっくりの断末魔が延々と聞けると聞いてやって来たのだ。 焼いても焼いてもまたゆっくりが投下される。全てのゆっくりを焼却し終わるのに1週間かかった。焼却処分が終了したあと焼却場には 餡子の匂いが充満していた。とても重苦しい匂いだった。まるでゆっくりの怨念が漂っているかのように。 都市部の野良ゆっくりはほぼいなくなった。ほんの一部のゆっくりは危険を察知し農村へ逃げ出した。農村に逃げられたのはその中の一部だけだった。 だが農村でもゆっくり駆除が始まっていた。そのお話はまた次の機会に。 その後も加工所の職員やボランティアによって毎日見回りが行われ生き残ったゆっくりを回収していった。1日10匹も見付からない。 ある日突然加工所は野良ゆっくり1匹につき10万円で引き取ると発表した。人々はその高値に驚いた。しかし行動は早かった。 子供からお年寄りまで周辺を探し始めた。休日ともなるとほとんどの人がトレジャーハンターと化した。どこか探していないところは無いか? どこか穴は無いか?どこかに隙間はないか?運良く見つけたゆっくりを巡って喧嘩が起きることもあった。 ある者は空き家を見つけそこで10匹以上のゆっくりを捕獲することに成功し大儲けをした。なんだ、まだいるじゃないか。 飼いゆっくりはそんな状況をTVや噂で聞き更に人間に従順になった。捨てられたら人間に見付かった瞬間加工所行きだ。 もしかしたら飼い主がお金欲しさに自分を売ってしまうのではないか?いい子にしてなかったら加工所行きなのでは?文句を言ったら加工所行き? 朝起きたら加工所にいるのではないか?いや、もう朝が来ないのかもしれない……。 ストレスで死ぬ飼いゆっくりも現れた。飼いゆっくりはもう"ゆっくり"ではなかった。ただの喋るペットになった。 もはやゆっくりに居場所は無い。 農村部編へ続く by 虐待おにいちゃん あとがきやら加筆修正 皆様はじめまして。様々な意見や感想を頂きました。 ありがとうございます。 さて私のSSは全て同じ世界観を有しているつもりです。当初では幻想郷を舞台としてましたがその後のSSの内容や色々と矛盾が発生したことから幻想郷という設定を外しました。 といって現代社会でもありません。 ……現代社会でもなく幻想郷でもない…また別の世界です。 物凄く出鱈目で強引な設定ですがゆっくり自体が出鱈目な 生き物なので…これで許してください。 今後ともよろしくお願いします。
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※俺設定注意 ※ゲスの癖に意外と賢いやつが出ます ※れいむがゲスのいうことを聞きます ※饅頭に接着剤や両面テープを使います 「ゆっくりべんじゃー」 「・・・れいむ・・・」 お兄さんが声を掛ける。 「ゆ?」 「本当に・・・いいんだな・・・」 「ゆ・・・かくごはきめているよ。」 「二度と戻れないかもしれないぞ」 「いいよ・・・」 「あのげすたちにせいさいをしなきゃ・・・」 れいむは覚悟を決めていた。 死んだまりさの大切な宝物を壊し。 二人きりで作った3匹の子供を殺した。 すべてがあの2匹のゲスによって奪われたのだ。 仕返しがしたい。 すべては数時間前にさかのぼる。 ~森の中、あるゆっくりの住処の中~ 「ゆひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!ほんとうにばかなやつなのだぜえ!」 「ほんと!ぶようじんででていくなんていなかもののすることね!」 ゆーっひゃっひゃっひゃっひゃ! そんな下品な笑い声が木霊する。 このゆっくりまりさとありすはゲスで、偶然にも見つけた家のカモフラージュが完璧ではないため、あっという間にカモフラージュがはがされてしまった。 (そのカモフラージュが葉っぱや土と石しか使っていない超不自然すぎるのが理由) 「ほんと、ここのおうちはどいなかね!たべものもくささんとむしさんぐらいしかないわ!」 「ゆっ?でもくずがすまうにはもってこいのおうちだぜ?」 「「ゲラゲラゲラゲラゲラ!!」」 また不快な笑い声を上げるゲス2匹。 すると 「ゆっ?まりさ!?れいむのおうちでなにしてるの!?」 「なにって・・・まりささまはつかれたからゆっくりしてるだけなのぜ?」 「とかいはのありすがゆっくりしてなにがわるいの!?いなかものはさっさとでていきなさい!」 「ここはれいむたちのおうちだよ!ゆっくりしないででていってね!」 「ゆっ?こんなくずのいるいえにいても、なんのとくにもならないのぜ? だから・・・」 びりり・・・ と、すぐそばにあった帽子をありすと一緒に破り捨てた。 「これでまんぞくなのだぜ。」 「なにをするのおおおおおお!!!まりざのおぼうじざんがああああああああ!!!」 「ゆぅぅぅ・・・おかあさぁん こわいよぉ・・・」 「はやきゅおうちでゆっきゅりちたいよぉ・・・」 とれいむに子供は抱きよる。 するとゲスありすは小声でゲスまりさに話しかけた。 「ねえ・・・まりさ・・・ あのまりさとすっきりーしてもいいかしら?」 「ゆぅっ!? うわきはゆるさないのぜ!」 「だいじょうぶよぉ・・・ あいつにとかいはなあいをあたえて、えいえんにゆっくりさせてやるの・・・」 「ゆ・・・なるほど・・・ わかったのぜ・・・」 「ありがと、まりさ・・・」 とゲスありすは微笑むと。 「かわいいわああああああああ!!まりさああああああああああああ!!すっきりしましょうねええええええええええ!!」 「ゆ!あのありす、レイパーだったよ!おちびちゃんたち!ゆっくりしないでにげてええええええ!!」 「ゆっくりにげr・・・ゆわぁっ!」 子まりさが逃げ始めるが、逃げ出したとたんに捕まった。 「にがさないわよおおおおおおおお!!!! とかいはなあいをうけとってねえええええええええええええ!!」 「やだああああああああああ!!」 「おにぇちゃあああああああん!」 「おにぇちゃんをはなしてえええええ!」 とゲスありすと子まりさによる公開レイプが始まった。 「おかあさあああああああああんん!!たすけてぇええええええええええええ!!!」 「ゆっ!いまたすけにいくよ!まっててね!!」 「ゆっ!!そうはさせないのぜ!」 とまりさが赤ゆっくりたちを捕らえる。 「それいじょうじゃまするとこいつらのいのちはほしょうできないのぜ!」 「ゆっ!あかちゃん!」 とれいむが赤にゆっくりに呼びかける。 「おきゃーしゃーん!」 「たすけてええええええ!」 助けて助けてと喚くばかり。 どうしたらよいものかと考えてたら 公開レイプも終わりを告げようとしていた。 「んほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおお!!イクわよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおお!!」 「やめてええええええええええええ!!」 しかし子まりさはレイパーに逆らうことができずに 「「すっきりー!!」」 してしまった。 そして、ゲスありすの肌には更につやがかかる。 一方の子まりさはまだ成長が未発達、ゆえに栄養失調により黒い塊となってしまった。 しかしありすはまだ興奮している。 「ゆふぅー、ゆふぅー、まだたりないわぁ・・・。もっと、とかいはなあいをわけあたえないと・・・」 「おちつくのぜありす・・・」 とゲスまりさはゲスありすをなだめる。 「ゆふぅー・・・ゆふぅー・・・はっ!」 するとありすがわれに戻る。 「ありすったらまたこんなことを!ゆるしてねえ、れいむ♪」 「ゆるせるわけないでしょおおおおおおおお!!!」 と、れいむは怒りの声を上げる。 「はやくおうちからでていけえええええええええええええええ!!!!」 「ゆ!れいむ!!だまらないとこいつらは・・・」 とまりさは赤ゆっくりに体当たりを食らわせる。 「ゆぺぇっ!」 と赤ゆっくりは微量だが餡子をはく。 「や・・・やめてぇ・・・」 「ゆ~そうだぜ!れいむ! まりささまのいうことにしたがえばゆるしてやるのぜ!」 「ゆ!?それほんとう!!」 「ほんとうなのだぜ。」 「や・・・やったああああああああ!!!」 これでゆっくりできる!そんな甘いことを考えていたれいむだった。 れいむは冷静になり。 「じゃあ、なにをすればいいの?」 と聞くとゲスまりさは 「れいむはおやさいさんをしっているのかぜ?」 「ゆ・・・しってるよ。 とてもゆっくりできるってきいたことがあるよ。」 「わかっているならはなしははやいのぜ。 さっそく れいむにはおやさいさんのあるのぷれいすまであんないしてほしいのぜ。」 れいむの家からは人里がよく見える。 だからここから降りれば畑まで一直線というものだった。 「ゆっ!!そんなことできるわけないでしょおおおお!!!」 人の怖さはよく身に染みている。 近づけば殺されてしまうだろう。 かつての親も人里に降り、人間に殺されたのだ。 でも今の状況は理解している。 「やらなきゃ・・・」 とゲスは行った後子供に踏みつぶそうとしている。 「やりまずぅぅぅぅぅううう!」 子供の安全を確保するためだ仕方あるまいとれいむは思った後 「こっちだよついてきてね・・・」 「ゆん、わかったのぜ。のろのろしないでとっととすすむのぜ!」 とゲスが畑に着くまで文句を言いまくっていた。 しばらくした後、畑についた。 ついた後、まりさが一息つくと 「ゆぅ~、つかれたのぜえ~ おい、あまあまをもってこ・・・いや、やっぱいいのぜ。すぐそばにあったのぜ。」と子れいむを取り出す。 「おきゃーしゃーn・・・」 これが最後の言葉であった。 なんとゲスまりさは子れいむを食べた。 「あ・・・あ゛あ・・・」 「おしゃれなおぼうしさんもほしいのぜ!」 と人質だった子まりさを帽子を取り上げた後、 「助け・・・」 と踏み潰す。 帽子をかぶったゲスは 「ゆぅ~ん。にあうのぜ。」 と自画自賛をする。 当然れいむは。 「ゆ゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!」 驚きを隠しきれない顔をし、絶叫する。 なぜなら目の前で子供があっという間に殺されたからだ。 「おい!お前ら!なにやってる!」 すると不意に人の声がした。 「ゆげっ!まずいのぜ!にげるのぜ!」 と(偶然にも)近くにいたありすのすぃーを奪い、逃げていった。 「なにをするのいなかものおおおお!」 とありすが追いかけ道路に飛び出す。 「ちょ、おま。危な・・・」 といいかけたとたんありすは通り過ぎた車のタイヤに巻き込まれ死亡した。 「あーあ、ちゃんと左右を確認しないから・・・っとその前に」 とお兄さんは黒い塊の前で泣き続けるれいむを見つめ言い出した。 「おい、何をやっている。」 「ゆっ゛・・・ぐっ゛・・・ぐすっ」 「おいっ!!」 「ゆひゃあっ!!おにいさんごめんなさい!おにいさんごめんなさい!」 とれいむは驚き、飛び跳ね、謝り続ける。 「おちつけおちつけ・・・ところで何があった?」 「ゆ・・・」 「話しにくいならお兄さんところへおいで。」 と、言い出した。 「ゆ・・・ありがとう・・・」 といい、れいむはお兄さんの手のひらに乗り、家まで案内してもらった。 家についた後 「で?何があったんだ?話してみろ。」 「ゆ・・・おにいさん・・・じつはね・・・」 (ここから先のゆっくり説明がめんどいので略します。) 「ふぅむ・・・なんてゲスなやつらだ。で?どこに言ったんだ?あいつ。」 「ゆ、あの坂を登って一直線に進むと見えるよ。」 「ふーん、で、れいむはどうしたいと。」 「ふくしゅうをしたいよ!あのゲスたちにせいさいをしたいよ!」 「そうか、じゃあ、こっちにきてくれるかな。」 「ゆっ、ゆっくりりかいしたよ。」 れいむがお兄さんに連れられ地下室に向かう。 そして、現在。 「ようし、はじめるか。いくぞー。」 「ゆっ、わかったよ。」 といった後お兄さんはゆっくりサイズのベルトを用意した。もともとは俺の飼いゆっくりのものだったのだが。 しかし、サイズがなかなか合わない。 「うーん、切るわけにはいかないしなぁ・・・ お、そうだ。 すまないが、れいむ。少し痛くなるが、我慢できるか?」 「ゆぅ・・・りべんじのためだよ!ここであきらめちゃ こどもたちにわらわれちゃうよ! だからつづけてね!」 とれいむはいう。 「しかし、二度と取れなくなるぞ?いいのか?」 と問いかけるが 「ゆ!かまわないよ!」 と返事を返す。 「わかった。じゃあ・・・行くぞ!」 と接着剤のついたベルトをくっつける。 その後、針に両面テープと接着剤をつけ、針の平らな部分をベルトの裏側にくっつける。 その後痛み止めとしてオレンジジュースを掛けた。この作業の繰り返しで針付きベルトのれいむが完成するという工程だ。 「よし、終了。大丈夫か?」 「ゆっ、だいじょうぶだよ。ありがとう。」 れいむは起き上がろうとするが 「おっと、まだ起きないほうがいい、まだもう少し寝ておけ。接着がはがれるぞ、あとテープで補強しておく。」 「ゆ、わかったよ、ありがとう。」 1日後、接着剤が乾燥したことを見抜いたお兄さんは外へ出す。 「よし、いいだろう、きめぇ丸の話によるとやつらはまだお前の家にいるようだしな。」 「ゆ!わかったよ!おにいさん!いままでありがとう!」 とれいむはぽよんぽよんとはねて 家のあるところへ向かう。 一方れいむの家ではゲスが野菜確保のための本拠地としていた。 「ゆっへっへ、ここならおやさいさんがいっぱいてにはいるのぜ!」 ゲスまりさはこっそりと野菜を手に入れ。すぃーで運び、貪り食っていた。 ありすは子供などを捕まえてレイプしたり食いちぎっていった。 今じゃ近づくゆっくりはほとんどいない、今じゃまりさたちが無敵!そんなことを考えていたゲスだったが。その勢いもすぐに終わりを告げようとしていた。 坂から一匹のれいむが現れた。 するとれいむは家の前に立つと 「まりさ!ありす!でてきてね!」 誰かが呼んでいる、誰だ? いまからありすとゆっくりしようとおもっていたのに・・・ 早く追い出して続きをしよう。そう思ったまりさは家から飛び出した。 「だれなのぜ!・・・ゆっ゛!」 なぜ追い出したれいむがここにいる!? しかもあの体はいったい!? そう思っていたら、れいむが口を開いた。 「でてきたね!まりさ!いまこそけっちゃくをつけるよ!」 「ゆっ゛!きもちわるいれいむはとっととしんでいくのぜ!」 とれいむに体当たりを仕掛けるまりさだがするとベルトにくっついていた、針に刺さった。 「ゆぎゃあああああああああ!いだいいいいいいいいいいいいいいいい!!」 「おちびちゃんのかたきいいいい!! かくごおおおおおおおおおおお!!」 と受けから攻めに変える。 体当たりを開始する。 ドスドスと、抜いては刺す、抜いては刺すの繰り返し。 何度も何度も違うところをドスドスとさし続ける。 刺したところからじわじわと餡子が沸いて出る。 「あんこさああああああああああああん!!ゆっくりしていくのぜえええええええ!!」 「ゆっくりしねえええええええええ!!」 「ゆ・・・ゆ・・・」 「うるさいわよおおお、まりさああああああ!!ゆっくりできないでしょおおおおおおおおおお!!」 「ありすうううううう!まりさのかたきいぃ!」 「ゆ!あのときのれいむ!なんでここにいるのおおおおおおおお!!」 「ありすうううううううう!!たすけてええええええええ!!!」 「まっ・・・まりs」 「ありすううううううう!!ころしてやるうううううう!!」 ありすへの殺してやるという声と助けての声を放つ二匹。 しかしこんな会話を続けているうちにまりさの意識も薄れ掛けていく。 「ゆ゛・・・ゆ゛・・・っ」 と最後の餡子を吐きあっという間に死んでしまった。 「まりさあああああああああああ!!!」 そして、ものをいわなくなった、まりさから針を抜き、視線をありすに向ける。 「ゆっ゛!」 と奪ったすぃーで逃げ出そうとするがしかし、乗る前に刺されてしまった。 「ゆひいっ!」 「にがさないよ・・・」 「たすけてぇ・・・ あとでとかいはなあいをわけてあげるからゆるしてえ・・・」 「ありすもそういってまりさをレイプして殺した・・・ ゆるさないよ。」 「やめてぇ・・・」 とれいむは軽くジャンプしてはベルトに引っ付いた針を上に上げる。 するとありすの体が真っ二つに切れた。 「ゆべえ゛っ!!」 その後ありすはすぐに死んでしまった。 相当の致命傷のようだ。 その後れいむは空を見上げ行った。 「ゆ・・・ゆふふふ・・・・ゆふふふふふふ おちびちゃん。かたきはとったよ、だからゆっくりしていってね。」 これで復讐は果たせた。 これでよかったのだ。 帰ったら何をしてゆっくりすごそう。 「ゆふふふふ・・・ゆふふふふ・・・」 という不適な笑い声を上げ森の奥へと去っていった。自分の帰るべき家とは反対方向に。 その後、そのれいむはよるまで笑い続け。 れみりゃに餡子を吸われ、家族の元へ向かったとか。 あとがき 今回はリベンジものに挑戦したが後半からグダグダに でもそんなベルトを巻きつけられてよくしゃべれるななんて書いてるときに思ってた。 手かそんなベルトあるの? byさすらいの名無し 過去作品 いじめ系2850 ゆっくり油火踊り祭 いじめ小ネタ545 ゆっくりボール いじめ小ネタ546 ゆっくり太郎 いじめ小ネタ553 ゆっくりできない川さん このSSに感想をつける