約 632,160 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2926.html
ドスまりさ。 体長は5m以上。まりさをそのまま大きくした姿だが、普通のまりさとは違い全てのゆっくりをゆっくりさせる為の存在である。 帽子の中はゆっくりたちの巣になっている。言わば移動型の居住区だ。 口からはキノコを用いた必殺のドススパークを放ち、また帽子からは周りの生物をゆっくりさせるゆっくりオーラを放つ。 後ろ髪にはゆっくりたちから貰った信頼のリボンは結びつけている。 その強さは十分弾幕ごっこでも出来るのでは?と思われるほどのスペックを持つゆっくりである。 その力で暴れれば、妖怪退治に長けた人間以外では勝てないと思われるが、温厚な性格のためか今まで人間と小競り合いを起こした事はあまりないらしい。 そして小競り合いの内容も、人間に虐待されたゆっくりを助けるためだ。 そんなドスの中の一匹が、森の中を跳ねながら移動していた。 ボヨンと跳ねるたびに地面は揺れ、木々からは驚いた鳥や動物たちが立ち去っていく。 ね 「ゆっふ! ゆっふ! もうすぐおがわさんだね! ゆっくりいくよ!」 ドスまりさは大きく跳た。軽く10m以上は飛んだだろう。 ドスン!と着地すると、ドスの目の前に美しい小川が見えた。 「ゆゆ! みんな! ゆっくりでてきてね!!!」 ドスがそう言うと、帽子のツバの部分がモゾモゾと動き出した。そしてそこからぴょこんと顔を出したのは ぱちゅりーだった。 「むきゅん! みんな! おがわについたわよ! ゆっくりでてきてね!」 「ゆゆ! ゆっくりするよー!」 「ゆっきゅりー!」 「とかいはなみずあそびをするわ!」 ぱちゅりーの声を合図に、様々なゆっくり達が帽子の中から出てきた。 ゆっくり達はドスの長い髪の毛から滑りながら地面に降りて行った。その中、れいむだけはリボンがなかった。 そのリボンはドスへの信頼の証として、ドスの髪の毛に結んであるのだ。 「ゆゆ~! おみずさん! とってもゆっくりしてるね!」 「ゆゆっ! ぶしゅーだよ!」 「ゆ! つめたいわまりさ! おかえしね!」 「ゆっくりはしるんだねー。わかるよー!」 ゆっくり達は思い思いにゆっくりとした時間を過ごしていた。 赤ちゃんたちは親と共に初めての川を楽しみ、子ども達は元気に走り回ったり、日向ぼっこをしていた。 しかし、他の皆がゆったりとしてる中でも、ドスは注意深く周りを見回っていた。子供たちが目の届かない所にいかないように。 ゆっくりできない物が現れても対処できるように。 幸い今日は何も起きなかった。 「ゆゆ! それじゃあきょうはこのあたりでごはんにしようね!」 「このはっぱしゃんおいちいね! むーちゃむーちゃちゅるよ!」 「ゆ! のどがかわいたよ! ごーくごーく! しあわせー!」 「ゆゆ! そ、それなりのどんぐりね! ありすがたべてあげてもいいのよ!」 川の近くの木々を夕食にしたゆっくり達。 「そろそろゆっくりねようね! おやすみなさい!!!」 「おやちゅみなちゃいどちゅ!」 「おやすみなさいどす!」 「おやすみだみょん! ペニース!」 ゆっくり達はドスの髪の毛を口で掴みながら上ると、帽子の中へと入っていった。帽子の中は誰にも襲われない最も ゆっくりできる場所なのだ。 「ゆぅ・・・ゆぅ・・・」 真夜中、無防備にも外でぐっすりと眠るドス。 しかしドスを襲おうとする者は誰もいなかった。それほどまでにドスは恐れられてるのだ。 まさにドスは、ゆっくりをゆっくりさせるために生まれたゆっくりだろう。 初夏を迎えたある日の事。ドスはとある村の近くの森にいた。 別に理由があって村の近くの森に居る訳ではなかったが、ゆっくりを虐める残虐な人間が居たら ぜひともその手からゆっくりを救おうとは思っていた。 周りではいつものように他のゆっくり達がゆったりとしていた。 「ゆへ~~~どすもゆっくりしてね~~~」 顔が若干崩れぎみのれいむがそう言いながら、ドスのほっぺに「すーりすーり」している時だった。 足音が一つ聞こえた。それは段々と近づいてくる。 「ゆ! みんなきをつけてね!」 ドスの警告で皆が足音の方を向いた。子供たちは親の口の中へと隠れた。 現れたのは人間の男だった。人間は籠を背負っており、その中には山菜が沢山入っていた。 「やぁ。ゆっくりしていってね」 「ゆっくりしていってね!!!」 ドスと男はお互い挨拶を交わす。男は矢継ぎ早に話始めた。 「いやぁ~山菜を採りにきたんだが、まさかドスに出会うとはねえ。ついてるのかな?」 「ゆーん。ここにはさんさいはないよおにーさん。さんさいならあっちのほうにあるよ」 ドスはを油断せずに話した。本音を言うなら今すぐここから出て行って欲しかった。 「ん? あっち? そうなのか。ありがとうドス。お礼にこれを食べていいよ。」 男がそっと地面に置いたのはクッキーだった。 「ゆゆ! あみゃあみゃのにおいがちゅるよ!」 「ゆっくちたべしゃせてねおかーしゃん!」 「ゆゆ! まだでてきちゃだめだよ! おちびちゃんはゆっくりくちにはいってね!」 「どうじであみゃあみゃをたべさせちぇくれにゃいの? れーみゅたちをゆっくちさせたきゃくないの?」 「ゆゆ! ゆゆ・・・・」 群れが混乱し始めた事に気づいたドスは、仕方なく言った。 「ゆっくりたべてもいいよ。おにーさんにおれいをいってね。」 「ゆーーー! むーちゃ、むーちゃ、ちあわちぇー! おにーしゃんゆっきゅちありがちょね!」 「ありがちょね!!!」 ゆっくり達がムシャムシャとクッキーを食べてる様子をドスは男と眺めていた。 すると男はこんな事を言ってきた。 「ドスのところのゆっくりはゆっくりしてるね。」 「ゆ! どすはすべてのゆっくりをゆっくりさせなきゃだめなんだよ!」 男は少しだけ笑った。そして何かを思い出したかのように話をふった。 「そうだね。・・・でも、本当に全てのゆっくりをゆっくりさせてるのかい?」 「ゆ?」 ドスは男の意図が掴めなかった。 「いや別にこの世の全てのゆっくりをゆっくりさせろって言ってる訳じゃないんだ。君は出来る範囲でゆっくりをゆっくりさせてるだろう? それは素晴らしい事だと思う。・・・でもね、その中に君にゆっくりさせて貰えなかったゆっくりも居るんじゃないのかな?」 「しつれいなことはいわないでね! ドスはがんばってゆっくりさせてきたよ!」 「む! そうよ! ドスにしつれいなことはいわないでね!」 「そうだよ! ゆっくりできないおにーさんはゆっくりかえってね!」 今の発言にはドスだけでなく、周りのゆっくりも怒りを覚えたようだ。しかし男はそんな事を気にせず話を続ける。 「本当にそう言えるのかな? なら試してみようか?」 「ゆゆ? なにをするの?」 ドスの眼は明らかに興味身心だった。一応いつでも飛びかかれるようにはしていたが。 「いや実はね。最近、親を亡くした子供のゆっくりを何匹か拾ったんだけどね。」 「ゆゆ! ちゃんとひとでかぞえてね! しつれいだよ!」 ドスが語意を強めた。男も流石に予想外らしく、少しビックリした顔をした。 「いやごめんごめん。申しわけなかった。何人かのゆっくりを拾ったのだけなんだけどね、やっぱり自然で生きた方がいいと思うんだ。 でも親がいないと生きられないだろう?だから里親を探していたのだけれどね。この群れで育ててくれないかな?」 「む! それならいいわよ! そうよねドス!」 ドスが何か言おうとする前に、ぱちゅりーが反応した。この群れに限らず、ドスの群れでは親を亡くしたゆっくりを育てるのは 別に変ったことではに。かく言うぱちゅりーも、親を亡くしたゆっくりだったのだ。 「ゆ! ゆっくりわかったよ! はやくそのこたちをつれてきてね!」 男は良い返事が聞けた事が嬉しかったのか、優しく微笑みながら 「わかったよ。明日の昼にここにまた来るから。待っていてくれ。」 男はそう言うと山を下りて行った。 そして次の日、男は時間通りにやってきた。何匹かのゆっくりと一緒に。 最初にそれを確認したのはれいむだった。新しい仲間が待ちきれなくて、ついつい前に出てきたのだ。 そして新しい仲間を確認した。 「うっうー! おっぜうさまはかりしゅまなんだっどぉ~」 まず最初には見えたのはれみりゃザウルスだった。捕食種であるれみりゃザウルスは到底ゆっくりできるものではない。 更に、二匹のゆっくりの姿が見えた。姿形こそ似ているがアレも自分たちの天敵である。 「うー! うー!」 「うー! ゆっくりしね!」 胴無しれみりゃとふらんだった。 更に後ろからは 「ゆっへっへ・・・ここがまりさたちのゆっくりぷれいすなんだぜ!」 「ゆゆ! とてもゆっくりできるドスだね!」 まだ若いまりさとれいむが居た。どうやら新婚のようだ。 「でびりゃだぢはゆっぐじでぎないよおおおおおおお!!!!」 「ごっぢごないでええええええええええ!!!!」 「わ゛がらないよおおおおおおお!!!」 「おぎゃああああしゃああああああああああああんんん!!!!」 群れのゆっくり達は恐怖のあまりパニックに陥っていた。 ドスはやってきた男に文句を言った。 「おにさーん! ゆっくりできないれみりゃたちをこっちにつれてこないでね! それいじょうちかづくとゆるさないよ!」 ドススパークを撃つ構えに入るドスまりさ。しかし男は慌てない。 「といってもねぇ・・・この子たちをゆっくりさせてほしいんだけど。」 「なにいっじぇるのおおおおお!!! でびりゃはゆっじゅじでぎにゃいよおおおおおお!!!!」 れいむは泣き叫びながら言った。 「どうしてだい? この子たちもゆっくりだよ? それともドスはゆっくりを差別するのかい? 自分の群れのゆっくりだけをゆっくりさせて、ちょっと他と違うからって同じゆっくりをゆっくりさせないなんて ちょっとがっかりしたなぁ・・・記者にでもタレこもうかな。」 ドスは「ゆゆゆ・・・」と唸りながら数分程考えた。そして結論を出した。 「わかったよ・・・れみりゃたちをゆっくりそだてるよ。かわいそうなこだもんね。」 どうやらドスとしての使命感・・・いや本能が勝ったようだ。 「どうじでぞんなごどいうのおおおおおおお!!!! れみりゃはゆっぐじでぎないよおおおおおおお!!!」 当然納得のいかない群れのゆっくり。しかしドスの懸命の説得でなんとか静まった。 男はドスにゆっくり達を預けた。他のゆっくりもどうやら馴れたようだ。 「おぜうさまはかり☆すまだどぉ~♪ ぷでぃんやすいーつしかたべないからあんしんなんだどぉ~♪」 「それならあんしんだね! ふらんたちもそうなの?」 「「うー! うー!」」 「ゆっへっへ・・・よろしくなんだぜ!」 「よろしくね!!! かわいいれいむたちとゆっくりしようね!!!」 その様子を見ていた男は、ニッコリと笑うとご飯として、3日分のお菓子を置いて行ってくれた。 「それじゃあ帰るよ。じゃあさようなら。」 「それじゃあみんなでゆっくりしようね!」 ドスの声と共に群れのゆっくりは各々ゆっくりし始めた。 「うーうー! たかいたかいだどぉー!」 「ゆゆー! おそらをとんでるみたいー♪」 「ありすにもゆっくりたかいたかいしてね!」 ドスの心配はどうやら外れたようだ。れみりゃザウルスはみんなと仲良く遊んでいる。 れみりゃとふらんの方も、仲良くとはいかないまでも大人しくしていた。 「うー! どすぅー! おなかすいたどぉー! おやつぅー!」 「わかったよ! ゆっくりたべていってね!」 そういってドスは男から貰った袋をガサガサと漁ってオヤツを与えた。 「あまあま~♪ どすにいいこいいこしてあげるぅー♪」 「ゆゆ! すりすりだね!」 ドスのほっぺを撫でるれみりゃ。ドスの心配は無くなった。 四日後。群れは相変わらずゆったりとしていた。 変わった事といえば、男に貰ったお菓子を全て食べつくした事ぐらいだ。 それも最初から三日分程度しかなかったので、当たり前の話ではあるが。問題はその日の昼食だった。 「うー! ドスー! れみりゃたちのぷでぃんがないどぉー! どうしてだどー!」 「うー! ゆっくりたべさせろ!」 「おやつはないんだよ! ゆっくりあばれないでね!」 それに不満を言い始めたのはれみりゃ達だった。彼らの主食は甘味である。 実は別に森の木の実や草でも野菜でも大丈夫なのであるが、如何せん量が足りない上に味の問題がある。 「オヤツはもうないんだよ! ゆっくりりかいしてね!!!」 「いやだどぉおおおお!!!! おやづうううううう!!!! ざぐやああああああああ!!!!」 足をバタバタとさせて駄々をこねるれみりゃ。 「ゆゆ・・・しかたないね。ゆっくりしていってね!!!」 ドスの声と共に、ドスの帽子から謎のオーラが発生した。七色に輝くそのオーラはれみりゃ達を包み込むと れみりゃ達はたちまち、ゆったりとした顔になった。 「う・・・ゆっくりしてるんだっどぉー・・・」 「「う・・・」」 「ゆっくりできたね! さあ、このはっぱさんでゆっくりたべてね!!!」 ドスは、だらんと口を開けたれみりゃ達にご飯を食べさせてやった。 ドスから少し離れた場所で、新婚まりさとれいむは何匹かのグループを結成していた。 元々この夫婦。村で生活していた野生のゆっくりであり、それなりの知識を持っていた。 その知恵の高さ故に話が上手く 口喧嘩が強さの重要な要素であるゆっくりにとってはリーダーの素質を十分に持つゆっくりなのだ。 「まりさがたべていたものはもっとおいしかったんだぜ! にんげんさんのたべるごはんはほかほかしてるんだぜ!」 「ゆゆー! もりのたべものはゆっくりしてないよ! こんなものでほんとうにゆっくりできるのかあやしいよ!」 「ゆゆーん! まりさとれいむはすっごくとかいはなのねー!」 「こんどまりさがもっとゆっくりできるものをとってきてあげるんだぜ!」 ドスはこの会話を遠くからとはいえ聞いていた。しかし、まりさ達が言うことは事実なので何も言わない事にした。 人間の食べる物と野生にあるもの。どちらが美味しいと問われれば、自分だって人間の食べる物と答えるだろう。 そんなこんなでこの日はゆっくりと過ごした。 そんなこんなで一週間後の夜。 ゆっくり達はドスの帽子の中でぐっすりと寝ていた。流石にれみりゃザウルスは帽子に入れなかったので、ドスの傍で 「うが・・・ざぐやあああ・・・・」 とドスの頬を甘噛みしながら寝ていた。 れみりゃとふらんは帽子の中で寝ていた。のだが、すぐに目を覚ました。そしてその後も、何回も何回も 寝ようとするが中々寝付けない。理由は簡単だった。お腹が全然ゆっくりできてないのだ。 食べる餌はそれほど多くなく、まして最近は甘い物など何一つ食べていない。 れみりゃ達は全くゆっくり出来ていなかったのだ。 「う・・・うー!」 「うー!」 どうしようかと悩んでいる二匹。すると、二匹の顔に何かがぶつかった。 「むにゃむにゃ・・・ゆっきゅちちていっちぇね・・・」 赤れいむだった。コロコロと転がってきたようだ。 二匹はそれを見た。それは見ると言うより凝視したと言った方が正しかった。 目の前にとてもゆっくりできる物がある。例え先ほどまで一緒に遊んでいた物であったとしても 今はただの『あまあま』である。食べればとてもゆっくりできるものだ。 「ううー!」 れみりゃが近づいた。そして牙を突きたてて、静かに餡子を吸った。 「ううう・・・うー!」 万年の笑みを浮かべるれみりゃ。それを見たふらんが近くにいた子ゆっくりを食べる。 「うー! ゆっくりできるー!」 「うー! あまあまー!」 二人は久々に味わった餡子の感触に舌鼓をうった。そして、一度始まったらもう止まらない。 捕食種としての本能が蘇った。 「ゆゆ? うるさいよゆっくり・・・っでどう゛じででいぶのあがぢゃんがじんでるのお゛お゛お゛お゛!!!!!!」 「やべでね! ゆっぐじやばでね゛ぶらん!」 「ありずのぼっべがあああああああ!!!!!!」 「むきゅうううううううううううううううううんんん!!!!!」 帽子の中はあっという間に大混乱に陥ってしまった。いくら広いとはいえ、50近いゆっくりがいっせいにパニックとなり そのせいでまともに動きが取れなかった。そしてその中でひたすら暴食の限りを尽くす二匹。 「うー! うー!」 「うー! うまいー!」 「でーびゅのあんごずわないでえええええええ!!!!!」 「あがじゃんをがえじでねええええええええ!!!!!! おねがいだがらわがっでねええええええええ!!!!!」 「ゆゆ! なにやってるのみんな! ゆっくりしてね!!!」 「うっうー? どうしたんだっどぉー?」 身近な異変に気づいたドスが帽子を取る。するとゆっくり達は地面に一目散に逃げた。 「どずううううううううううううう!!!! でいぶのあがじゃんがああああああああああ!!!!!」 「むぎゅううううううううううううう!!!!!!」 「あのでびりゃだぢはどがいばじゃないわあああああああああああああ!!!!!」 群れの話を聞いて事の顛末を把握したドス。その時、頭の上から二匹が下りてきた。 「ゆっぐじじねええええええええええええ!!!!!」 「ベニーーーーーーーーーーーーーズ!!!!」 怒り心頭のゆっくり達に対して、二匹はと言うと 「うー!」 「ゆっくりできたー!」 ご満悦の様子であった。 「ねえ、どうしてあかちゃんたちをたべちゃったの?」 ドスは静かに聞いた。その声には感情を押し殺した声だった。 「うー☆あまあまたべたー!」 「うー! ゆっくりしたー!」 二匹の答えは簡単だった。『ゆっくり』したかっただけだど。それ以上の理由など二匹にはなかった。 しかしそれで納得しないのは他のゆっくりである。 「あがじゃんをごろじでゆっぐじでぎるわげないでじょおおおおおおおおおお!!!!!」 「やっぱりれみりゃはゆっくりできないんだよ! ゆっくりれみりゃたちをころしてねドス!」 ドスは迷っていた。普通に考えればここで二匹を始末するべきだろう。 しかし、そもそもれみりゃ達を引き取ったのはドスなのだ。すべてのゆっくりをゆっくりさせる ドス達にとってはやらなければならない事なのだ。 しかしこのままでは、他のゆっくりがゆっくりできなくなることも事実である。 「ゆっゆ・・・ゆっくりしんでね!!!」 それはあっという間だった。ドスがちょんと跳ねて、二匹の上に被さるだけであった。 「うげぇ!」 「ゆぐじぃ!」 べちゃりと地面に肉まんとあんまんが飛び散った。ドスが退けると 新婚のれいむとまりさがそこに寄ってきた。そして寄りによってその死体を食べ始めた。 「うめっ! めっちゃうめっ! まじぱねぇ! みんなもゆっくりたべるんだぜ!」 「がつがつがつ!!!! むーしゃむーしゃ! しあわせー!」 その光景を見ていた子供たちが近づいていく。 「ゆゆ? ゆっきゅちできゅるの? まりちゃゆっきゅちちゅるよ! むーちゃ! むーちゃ! ちあわせー!」 「おちびちゃん! ままもたべるわ・・・・とかいはね!」 それを皮きりに群れのゆっくりは死体に群がった。ガツガツと死体を食べるそれは禿鷹のようである。 「なにやってるの! おなじゆっくりをたべるなんてゆっくりできないよ!」 ドスは大声で言うが目の前のご飯に夢中な彼らには届かない。 「なにいってるんだぜドス! ゆっくりできないふたりをたべるのはとうぜんなんだぜ!」 「そうだよ! それにもともとはどすがわるいんだよ!」 「ゆっくりできないどすはだまっててね!」 「これはぱちゅりーのだからあげないわよドス!」 「だめなんだっどぉー! ゆっくりするんだっどぉー!」 ドスはみんなの姿を悲しそうな目で見ていた。 それから三日後、群はようやく落ち着いた。先の一軒でドスへストレートに不満をぶつけるものは増えたが。 それと意外な事に、れみりゃザウルスは未だにゆっくりを食べようとはしなかった。 理由を聞くと「おぜうさまはかりしゅまなんだどぉー! さくやがぷでぃんをもってきてくれるからがまんするどぉー!」 とのことだった。まあ、単に前のドスの死刑執行を目の当たりにしただけだろうが。 しかし、不安な動きがない訳でもない。新しくきたまりさとれいむが、最近やたら他のゆっくりを引き連れてどこかへ行くのだ。 無事に帰ってきてる為、強くは言えないが心配である。 ドスは結局みんなを追わずに、今日もゆっくりを虐待しているという家に押し入る事にした。 別に怪我をさせるつもりはないし、ドスの姿を見ただけで大抵の人間は大人しくゆっくりを開放するのでその必要もなかった。 ドスがそんな事を考えている時、まりさ達は人間の村に来ていた。狙いは勿論畑である。 「どうだったんだぜ?」 「だれもいなかったよー!」 ちぇんの報告を聞いたまりさは、後ろのゆっくり達に向かってこう叫んだ。 「みんな! あのはたけはにんげんさんがどくせんしてるんだぜ! ゆっくりできないにんげんさんにはてんばつがひつようなんだぜ! おやさいをもらうんだぜ!」 「ゆー!」 「わるいにんげんさんにはゆっくりおしおきするね!」 「いなかものにおやさいはふさわしくないわ!」 「うー! れみりゃががおーってしてあげるどー!」 何やられみりゃも混じっていた。 「れいむたちはここでにんげんさんがこないかみはってるね! みんなゆっくりしないでおやさいをとってきてね!」 「「「「ゆゆー!!!」」」 そういってゆっくり達は畑へと猛牛のように向かった。 ゆっくり達が見えなくなった頃、まりさは喋り出した。 「ゆっへっへ! ばかなんだぜ! はたけはにんげんさんがつくってるんだぜ!」 「ゆ! にんげんさんにかてるとおもってるなんて、おろかおろか。」 ニヤニヤと笑っていた。 「でもまりさ? あのこたちがゆっくりおやさいをもってこれるとおもう?」 「たぶんむりなんだぜ! でもまりさはよういしゅうとうなんだぜ?」 「ゆゆ?・・・・わかったよまりさ! うーぱっくをよんだんだね!」 「ゆっへん! しっぱいしたらまりさたちがぎょふのりをえるんだぜ!」 「そんなむずかしいことばをしってるなんてさすがだねまりさ!」 「てれるんだぜ!」 そうやって楽しそうにして笑ってた。 「ゆゆ! すっごくゆっくりしてるおやさいがあるよ!」 「おやちゃいおいちちょーだね!」 「とてもとかいはなおやさいね! むーしゃ!むーしゃ! しあわせー!」 「むきゅん! これはとまとっていうのよ!」 ゆっくり達は初めて見る野菜に興奮していた。そして次から次へと野菜を貪り食っていった。 「ゆー? だれもいないんだねー!わかるよー!」 「ぎゃおー! たーべちゃうぞー♪」 そう言うとれみりゃは腕をブンブンと振りましながら空家へと入っていった。そして台所をガサゴソと漁ると 「うっうー! よーかんだっどぉ~♪」 そういって次から次へとムシャクシャ食べ始めた。 ゆっくり達は久々のゆっくりな時間を満喫していた。が、良い事はそう長くは続かないのが世の常 家の主が帰ってきた。 「むーちゃ!むーちゃ! ゆゆ? おにーしゃんだぁーれぇ? ここはれーみゅたちのゆっくちぷれいちゅだよ!」 赤れいむが無邪気な目でこちらを見ている。この場合、無邪気というのは厄介だ。 何せ相手は全く悪いと思っていない。野生の動物にとってみれば、目の前に餌があるなら食べるのは当たり前であり、 所有物という概念など持たないのだろう。 だからこそ、"それ"を潰した。 痛みなど恐らくないだろう。一瞬で潰した。 「ゆがああああああああああ!!!!! ばりざのおぢびじゃんがああああああああああああ!!!!!」 「なにやっでるのおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」 「ゆっぐじじねええええええええええ!!!!!!!!!! あがじゃんのがだぎいいいいいいいいいいいい!!!!!」 ゆっくり達が一斉に騒ぎ出した。 「うっう~♪ どうじだんだっどぉ~?」 家から何やらダボダボした着ぐるみを着たゆっくりが現れた。あれは珍しそうだから売れるかも知れない。多少は補填できるだろう。そばに置いてあった鍬を構える。ここからは単なる処理だ。 爽快感も何もない作業が始まった。 「ゆゆ! にんげんさんがかえってきたよ!」 「にんげんさんがいえにはいったすきに、うーぱっくとおやさいをとりにいくんだぜ! たのんだぜうーぱっく!」 「うー!」 二匹は既にうーぱっくに乗り込んでおり、何時でも飛び立てる準備をしていた。 このまま人間が家に入った隙を狙って野菜を取るのがまりさ達の計画だった。畑には罠があるか分からないし 何より一日に二度も来るとは人間も考えないだろうという、なんとも浅はかな考えからの作戦だった。 しかしこれでもゆっくりの中では比較的知恵のある方だろう。 が、世の中は甘くない。現実は非情なのだ。 ガシッ!っと何かがうーぱっくを掴んだ。よく見ればそれは人間の手に似ている。 「うー! うー!」 「ゆゆ! まりさ! うーぱっくがうごかないよ!」 「ゆゆ!・・・・ゆがああああああああああ!!!!!!」 恐る恐る後ろを見た二匹。そこに居たのは予想通り人間であった。 「あの糞饅頭のせいでゆっくりが居なくなったが・・・ちょうどいいぜ。」 男の顔は暗闇で見えない。しかしれいむとまりさは、これから先は確実にゆっくりできない事が待ち受けているのを 確信した。 「やべでええええええええええ!!!!! ゆるじでぐだざいいいいいいいいいい!!!!」 「でいぶはどうじでもいいがら! ばりざは! ばりざはああああああああ!!!!!!!」 「うううー!」 それから何日かたった。ドスの群れは急激に数を減らし、親の居ない子供も何匹か現れた。 しかしドスは、それでもみんなをゆっくりさせようと張り切った。 「みんな! ゆっくりごはんをたべてね!」 「ゆゆーん!」 むしゃむしゃと木の実を食べる群れのゆっくり。しかしその顔はどこか寂しそうだ。 「みんなゆっくりできなくなっちゃったね・・・」 「れみりゃもゆっくりできるこだったのにね・・・」 「みゃみゃ・・・」 そんな時だった。森の奥から騒がしい音が大量に聞こえたのは。 「ゆー? なにかくるわドス!」 その衝撃で木々が震えた。何かがやってくる音が響く。それも大量にだ。 そしてその音はついにドス達の目の前にまできた。その正体は・・・ 「うー! ごうまかんのおぜうさまのめいどにふさわしいドスだぉ~♪」 「そうですわねおぜうさま!」 「ゆっくりしね!」 「じゃおおおおおおおん!」 「あたいったらさいきょーね!」 「「おりきゃらじゃねーよ!」」 「すぐおいしい・・・すごくおいしい」 れみりゃからさくや、ふらんやちるの。果てはめーりんにあきしまいにれてぃ。 大小様々なゆっくり達だった。その数は多すぎてドスでも数える事ができずなかった。 「ゆゆ! みんな! どうしてドスのところにきたの?」 ガヤガヤとうるさいゆっくり達に向けて質問するドス。すると 「むきゅん! ずっとまえにあったおにーさんにおしえてもらったのよ! だれでもゆっくりさせてくれるドスがいるって!」 「そうだど~♪ れみぃはえれがんとなかりしゅまだから~♪ とくべつにれみぃをゆっくりさせてあげるけんりをあげるどぉ~♪」「ゆゆ! さっさとれいむたちをゆっくりさせてね!」 「「「ゆっきゅちちゃてぇてね!」」」 と言われても、ドスが守れる範囲を明らかにオーバーしている。こんなものはゆっくりでさえ無理だとわかるレベルだ。 「ゆゆ・・・こんなにいっぱいはドスもむりだよ。ゆっくりりかいしt。」 「どうじでぞんなごどいうのおおおおおおおおおお!!!!」 「れーみゅたちをゆっきゅちちゃちぇないなんてさいていだね!」 「かわいそうだとおもわないの? そんなのどすじゃないわ!」 「ゆっくりしね! ゆっくりしね!」 たちまち罵声を浴びるドス。そして観念したかのように 「わかったよ・・・。ゆっくりしていってね。」 そういって受け入れる事にした。 そして夜。さっそく問題は発生した。 「ゆゆ~。ゆっくりうまれてね~♪」 「ゆー♪ ゆー♪」 頭に茎の生えたれいむ。その先に生えている子供に話しかけている時だった。 「うー! ちっちゃいあまあまはおいしいよおねーさま!」 ぶちぃっと産まれてすらない赤ん坊を収穫し、美味しそうに食らうれみりゃとふらん。 「うまいどぉー! さくやにもとくべつにたべさせてあげるんだっどぉ~♪」 「でいぶのあがじゃんがあああああああああ!!!」 捕食種と一般のゆっくりがお互い仲良くできるはずもなく。 ドスの帽子では。 「ゆゆ! ここはまりさたちのゆっくりプレイスなんだぜ! ありすたちはとっととでていくんだぜ!」 「ありすたちはさいしょからどすのぼうしでゆっくりしてたのよ!」 「うるさいよ! ありすたちがはいったらせまくてゆっくりできないでしょ! ばかなの?」 「ゆっくりおちるんだねー! わかるよー!」 「もこたんいんしたお!」 ドスの帽子の中を巡って抗争が起った。 とあるグループでは。 「にんげんさんはゆっくりぷれいすをどくせんするひどいひとたちだよ!」 「ゆっくりおやさいをたべにいこうね。」 こんな会話が飛び交った。 「みんなゆっくりしてよ!!! どうしてゆっくりしないの!!!」 ドスが大声で言ったとしても。 「でびりゃだぢのぜいでゆっぐじでぎないいいいいいいいいい!!!!」 「あまあまがないとゆっくりできないどお~」 「ずっぎりじだいいいいいいいいいいいいいいい!!!!! ばりざあああああああああ!!!!!」 「あたいったらさいきょーね!」 「あたいたちにでばんを!」 「どすがおやさいをとってくればいいんだよ! そしたらもっとゆっくりできるよ!」 全員が好き勝手にゆっくりさせる様に要求する為始末に負えなかった。 仕方なく、ゆっくりオーラで数十分かけて全員をゆっくりさせたドス。 しかしオーラもそう便利なものではない。一度使えばしばらくは何もせずに、ただゆっくりするだけになってしまうゆっくりオーラ 外敵からはあまりにも無防備なのだ。 「ゆゆ・・・どうすればいいの・・・」 ドスのぼやきは誰にも聞こえなかった。 ドスはその晩、決心した。これはきっと真のドスへの試練なのだと。そう思う事にした。 とある男の言葉を思い出す。全てのゆっくりをゆっくりさせるのがドスの指名なのだと その日から森の様子は一変した。 数とドス。その二つの武器を手に入れたゆっくり達に敵う動物など居なかった。 我がもの顔で食べ物を食いあさり、平気で動物に喧嘩を売るゆっくり。 何かあってもドスが助けてくれるので問題などなかった。 相変わらず、食ったり食われたりや、おうち宣言や強姦などで死亡したゆっくりは多かったが、 それ以上にゆっくり達が増え続けるので群れの増加は止まらなかった。 こうなると恐ろしいのが食糧不足である。ゆっくり達もそのことは考えたらしく 畑を襲おうという意見が群れの大半を占めた。 古参のゆっくり達は 「むきゅん! こんなむれにはもういれないわ! ぱちゅりーたちはゆっくりできるばしょをさがすわ!」 そんな事をいって群を抜け出すゆっくりが多数現れた。 瞬く間に山を荒らした群れは、仕方なく他の山を目指す事になった。 他の山にはもちろん、その山に住んでいるゆっくり達が居たが、みながドスへ合流した。 そして山を荒らす。山を草木一本を生えない荒地にして、また次の山へ 時には畑を襲う事もあった。人間はドスに怯えて何もしてこなかった。 他のドスにあったこともあった。しかし何故かそそくさと離れていった。 気がつけば、群れのゆっくり達は、皆ゆったりとしていた。 「うー! かわいいあがちゃんだっどぉ~♪ えれがんとなたかいたかいだどぉー!」 「ゆゆ! おちょらをとんでりゅみちゃいー♪」 「れみりゃはすごいね! こんどはまりさもたかいたかいさせてね!」 「うー! ゆっくりあそんで!」 「ふらんのはねはとかいはね~♪ すっごくきれいだわ~」 「あたいったらさいきょーね!」 食料も何もかも豊富なせいか、群れ同士の間で捕食種や一般の垣根が消えていた。 全員が仲良くゆっくりと野原でくつろいでいた。 ドスは思った。これこそが真のゆっくりのあり方なのではないかと。 全員が種類の壁を越えて、ゆっくりとしているこの光景。これこそが『全員がゆっくりする』ということではないのかと。 そう思うと同時に、今までの苦労が報われた気がしてきた。 (こんなゆったりとしたむれをもてて・・・ドスはしあわせだよ・・・) ドスの目からうっすらと何かが流れ落ちた。 「ゆゆ? どうしたのどす? ゆっくりぺろぺろしてあげるよ?」 れいむが心配そうに声をかけてきた。思えば唯一残っている古参のゆっくりだ。 「ゆ! だいじょうぶだよ! ちょっとゆっくりしてただけだよ!」 そういってほほ笑むドス。 れいむが微笑み返した。本当にゆっくりした顔だ。 それが弾けた。 何が起きたか分からなかった。気がついたら、れいむはあんよの部分を残してどこかへ消えていた。 ドンッ!という音が聞こえた気がした。でもよくわからない。 何が起きたのか把握できない。 辺りを見回した。群れのみんなが何か攻撃を受けている。なんとかしなければ。 どこに敵がいるのかわからない。探す。探しまわる。みんなを帽子に隠そうとしたが止めた。一か所に集まるのは危ない。 バラバラに逃げるように指示を出した。みんな指示を聞く前に逃げていた。 死にかけたありすがこちらに向かって何か言ってる気がした。目の前に誰かが現れた。ピカッ!と光った。 こちらも負けじとドススパークを撃った。そして何も見えなくなった。 「目覚めたのね。気分はどうかしら?」 目覚めると、目の前に綺麗な女の人が居た。赤と青の、ドスの目から見ても変わった服を着ていた。 「ゆゆ? ここはどこなの?」 動こうとするが、何故か力が入らない。喋るだけでもすごく疲れる。 「ここは永楽亭よ。そして貴方は今動けない。当然ね。今までずいぶん酷いことをしてきたもの。」 おねーさんの話は全く理解できない。抗議の一つでもしようと思ったが口が開かない。 「貴方にはしばらくここでゆっくりしてもらうわ。ドスはとても稀少なの。」 (きしょう?) 意味がわからずに、心の中だけで首を傾げた。いや、そんな事より群れのゆっくりはどうなったのだろうか。 心配だ。 「紅白巫女が来る前に捕えられてよかったわ・・・群の事が心配なのね?」 (そうだよ! みんなはどこなの!) 最早、目しか開かないので目で訴えてみた。それが通じたのか、おねーさんは少し笑った。 「ここにいるわよ。」 おねーさんはそういって箱を目の前に持ってきた。 中には群れのゆっくり達が居た。でも誰だかわからない。みんな髪の毛も飾りも目もない。 あるのは口だけだった。 「ゆっぐじざぜないどすはゆっぐじじねええ・・・」 「ぼう・・・いや・・・ゆっぐじじがい・・・」 「どずがばるい・・・んだよ・・・」 「れーみゅもいういや・・・・」 どうしてこんなにゆっくりできてないのだろう。誰がこんな酷い事をしたのだろか。 「大丈夫よ。これからは私がゆっくりさせてあげるから。」 おねーさんはまた笑った。でもさっきのとちがってちょっとこわい。 あたまがぼぉーっとしてきた。もうなにもきこえない。ゆっくりさせたい。みんなゆっくりさせたい ゆっくりしていってね・・・ 「へえー。永遠亭が巨大なドスの群れを制圧か。」 「そうらしいですね。おお、こわいこわい。」 そういって秋風が吹く中をバッサバッサと飛んでいくきめら丸。なんなんだアンタ。 俺はきめら丸が持ってきた新聞を読んでいた。なんでもきめえ丸達が人間用に新聞屋を始めたらしい。 飼い主である烏天狗たちの新聞より人気だとか。 新聞を詳しく読んでみる。どうやら永遠亭はこの機会にドスの大量捕獲に乗り出すようだ。 「そういや・・・あいつらどうなってるのかな・・・」 夏に出会ったドスを思い出す。家に勝手に住み着いたゆっくり達を引き取ったドスだ。 実の所は、殺すのも食べるのも抵抗があったのでたまたま出会ったドスに押しつけた訳だが。 しかし、挑発したとはいえ、ドスが捕食種を預かるとは思わなかった。 その立派な姿に感動して森で出会ったゆっくりによくドスの話をしたものだ。 あのドスなら本当に、全てのゆっくりをゆっくりさせることができるのかも知れない。 そんな事を思いながら茶を啜った。 【後書き】 クリスマスにはみすちーを食べる予定・・・すみません嘘をつきました。 byバスケの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/2230.html
前ページへ 「今回はダメだ」 「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」 れみりゃとちびりゃの悲鳴。 かなり期待していたのだろう。 そう言いたくなる気持ちは分からなくもない。 「とりあえず座れ、れみりゃ、ちびりゃ」 「う~…」 「あぅ~…」 俺はれみりゃとちびりゃを座らせる。 じっくり話をしないとな。 「お前達がこれを欲しいと言うのはわかった」 「ほしいぞぉ!!」 「すぴあ☆ざ☆ぐんぐにるやりたいどぉ!!」 れみりゃとちびりゃが瞳を輝かせる。 しかし。 「でもな、これを買ったらしばらくあまあまパフェは無しだ」 「うぁ!?」 「あぅ!?」 そりゃそうだろう。 家で食べるより外食の方が金を食うんだから。 少し可哀相だが、金の問題は早々妥協する訳にはいかないのだ。 それに無暗に子供におもちゃを買ってあげるのは良くないと聞いたことがある。 買ってやるなら特別な日限定にしてやらないと歯止めが利かなくなる、と。 今回、俺が断ったのはその考えも頭にあった。 れみりゃ達が際限なくねだってくるかどうかは怪しいがな。 「う~…」 「あぅ~…」 れみりゃとちびりゃは難しそうな顔をしている。 その肉まんブレインでパフェとグングニルを秤にかけているのだろう。 「なあ、れみりゃにちびりゃ。少し聞いてくれないか」 「う~?」 「あぅ~?」 俺はコホンと一つ咳払いをする。 特に意味はない。 「れみりゃ、もう少しでお前が俺の家に来た日になるだろう」 「うぁ?」 そう、あと少しで姉貴が赤ちゃんだったれみりゃを連れてきた日になるのだ。 具体的に言えば来月だ。 記念日にするとしたらそこら辺だろう。 それに来月まで我慢してもらえるなら、外食を我慢しなくても良いだろうし。 「その日になったら俺からお前達にグングニルをプレゼントしよう」 「ほんとぉ!?」 「あぅ~あぅ~♪」 れみりゃとちびりゃは顔を輝かせる。 今回、俺がグングニルをすぐに買ってあげなかった理由はもう一つある。 特に理由もないのにプレゼントをしていたら有難味はなくなるのではないかと考えたのだ。 限りある記念日のプレゼントだからこそ、大事にしたいということになるんじゃないかと俺は思ったのだ。 「う~♪はやくそのひがこないかなぁ♪」 「れみぃたのしみだどぉ♪」 これでとりあえず一件落着かな。 「よし、腹減ったし飯にしようぜ」 「う~♪ぷっでぃん♪ぷっでぃん♪」 「あぅ~♪れみぃおなかぺこぺこだどぉ♪」 俺は今まで特別なプレゼントというのをあまり買ってやったことがなかった。 そのことについては反省しなければならない。 これからは、これを機にどんどん記念日を作って行こうと思う。 ちびりゃの誕生日にも何かプレゼントしてやらないとな。 「どのぷっでぃんにしようかなぁ♪」 「れみぃはぁ♪きょうはやきぷっでぃんがいいどぉ♪」 「う~♪う~♪まんまぁはあいすぷっでぃんにしようかなぁ♪」 「あぅ~♪れみぃもぉ♪」 れみりゃ達が笑顔でプリンを物色している。 俺はいつまでもこの笑顔を見ていたい。 俺はカレンダーを見る。 俺もなんだか来月の記念日が来るのが楽しみになって来た。 グングニルをプレゼントした時…れみりゃとちびりゃがどんな笑顔を見せてくれるのか、俺も期待してその日を待つ事にしよう。 ,.-─- 、 ∧_,,∧\書/ /\ ( e'ω'a)∩‐ | 後 ⊂ / ヽ/ r‐' / `""ヽ_ノ 企画SSの合間に書いてみました。 選択肢実装実験+私のれみりゃ分補給の為ですw もし皆さんがこのような立場になったならどちらを選びますか? あと、買ってあげないという選択肢は無いのでそれはご了承ください。 お手伝いして頑張るれみりゃたちがいじらしくて可愛かったです(*^_^*) -- 名無し (2011-03-22 18 48 05) 今度は是非ふらんを入れてくれませんかね -- 名無しさん (2011-04-30 11 18 12) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2756.html
れいむが逃げて行った直後、まりさはありすと共に絶頂を向かえ、望まぬ我が子を頭に宿すことになった。 「ゆっぐ・・・ゆぅううぅ・・・どうぢでばりざが、ゆっ・・・」 「んほおおおおお!ばでぃさああああ!もっどずっぎぢぢまぢょおおおおお!!」 「ゆ゛っ!やべっ!やべでぇ!?もうずっぎぢぢだぐないいいいいい!?」 必死で抵抗しようとするも、すっきりさせられたショックと子どもに餡子を奪われた疲労で抵抗することすらままならない。 ありすのなすがままに犯され、注がれ・・・4度目の絶頂を迎えるその直前に、まりさは黒ずんで朽ち果ててしまった。 「もっと・・・ゆっくり、したかったよ・・・」 「ゆふぅ・・・すっきりー」 もはや物言わぬ饅頭となったまりさを相手に最後のすっきりをしてありすは満足した。 「ゆぅ?まりさったら、すぐにへばっちゃうなんて、いなかものね!」 「・・・・・・ゅぅゅぅ」 「ゆほっ!かわいいあかちゃんがいるわ!」 そして賢者モードに突入したありすはまりさの事など気にも留めずに、我が子の誕生を喜んだ。 それは母になる喜びでは断じて無かった。 可愛いまりさがいっぱい、4本の蔦に4匹ずつ、あわせて16匹も居ることが嬉しかったのだ。 すぐに死んでしまう赤ちゃんでも1回くらいはすっきり出来るから、まりさで16回もすっきり出来る。 「ありすのとかいはなあかちゃん、ゆっくりいそいでうまれてきてね〜」 勿論、ありすをすっきりさせるために。 ありすのほうはどうしようか? そうだ、れいむにでも育てさせてあげよう。 あの子は可愛いものが大好きだから、きっと泣いて喜ぶに違いない。 それから、ご褒美に1回くらいすっきりの相手をしてあげよう。 「ゆふふふっ」 すっきりがいっぱいのありすの素敵な未来予想図。 想像するだけで涎が溢れ出てくるような最高の生活。 しかし、それが叶うことは永久になかった。 「うっうっー♪」 「ゆがっ!?」 「うー」という聞き慣れない鳴き声とともにありすを襲撃したのは幼児体系の胴体を持つゆっくりそっくりの顔をした生き物だった。 ゆっくりれみりゃ。ゆっくりでありながら災厄とともに封印され、昨夜、箱から解き放たれたその怪物はゆっくりを好んで喰らう恐ろしい存在である。 まるっとした2本の腕を伸ばしてありすを掴み、鋭い牙の生えた口へと彼女を誘う。 大きく開いた口はありすにとっては地獄の入り口も同然。 ひとたび閉じてしまえば、彼女は二度とこちらの世界に帰ってくることが出来なくなってしまった。 「うまうま〜♪」 「がっ・・・い゛っ、やべでぇ・・・いだい゛いぃぃぃいい・・・!?」 「うるさいんだど〜、がぶっ☆」 「あ゛っ・・・もっど、どど・・・い゛っ・・・」 ゆっくりにとっての悲願であるゆっくりすること。 それに対する悲壮なまでの欲求を如実に表すあの断末魔を口にすることさえも許されずに、れみりゃの口の中へと収まった。 「う〜・・・ちいちゃいのはもってかえ゛っ!?」 ありすを食べ終えて満足したれみりゃは赤ゆっくりを生やしたまりさを巣にもって帰ろうとする。 が、彼女は失念していた。自分もまた脆弱なゆっくりであり、しかも他の動物を惹きつけやすい匂いを放っているということを。 ワォーン!とでも記述すればいいのだろうか。 とにかく、そのような鳴き声とともに姿を現したのは群れることのない変わり者のあの野犬だった。 最初の奇襲同然の一撃だけでれみりゃの右腕を食いちぎり、思いっきり突き飛ばして近くの、木の幹に叩きつけた。 「うぶふっ!?」 失った腕から、そしてたたきつけられた時に背の低い木の枝に刺さり、そのまま千切れた右足から、そして口から肉汁を漏らす。 そう、ゆっくりの多くが饅頭であるように、れみりゃは動く肉まんであった。 立つことはかなわない、反撃することも当然不可能。なす術のないれみりゃは取った行動は・・・ 「ごーばがんのおぜおうさばになにずるんだどー!?」 実際にはここまではっきりと喋れていない。 痛みと恐怖でろれつが回らず、ぼろぼろになった口内は思うように音を発してくれなかった。 よって、犬には「ぼーばばんほおへーふぁふぁ、ひ・・・はひふはほー!?」くらいにしか聞こえていない。 もっとも、ちゃんと喋れたところで言葉は通じないのだが。 「うぎゃああああああ!?」 問答無用で今度は左手を噛み千切る野犬。 それから左足を、背中の羽を噛み千切り、痛みで気を失って静かになったところでれみりゃと傍にあったまりさだった饅頭を巣へと持ち帰った。 れいむがちぇんの巣に到着した時、巣の入り口付近にぱちゅりーが横たわっていた。 「ぱ、ぱちゅりー!どうしたの、ゆっくりしてねっ!?」 「む、むきゅう・・・れいむ、く・・・るしいわ・・・ゲフッゲフッ!?」 ぱちゅりーは喋るたびに咳き込み中身のクリームを吐き出す。 辺りを見てみるとちぇんの巣の傍にあるぱちゅりーの巣からクリームの跡が点々と続いていた。 恐らく、ちぇんに助けを求めるために、まともに動くこともかなわない身体でここまで這いずってきたのだろう。 「ぱちゅりー!ゆっくりしてね!ゆっくりしてよー!」 「む、むきゅぅ・・・・・・ゲフゲフ!?」 喋るたびに、ではなかった。 苦しみのあまりに呻くたびに咳き込み少量ながらも中身を吐き出してしまう。 なのに、これだけ入り口で騒いでいるにも関わらず、ちぇんが姿を現す気配は一向にない。 「ぱちゅりー!ゆっくりしようよー!?」 そう言ってぱちゅりーの頬をさするれいむ。 そうやって刺激を与えることが危険なのだが、混乱しているれいむにそのことに気付く余裕はない。 「やべ・・・やべtゴホッゲホッ!?」 「ぱ、ぱちゅりー!?」 ぱちゅりーは今までの中で一番盛大にクリームを吐き出した。 そして二度と彼女が喋ることも、動くことも、咳き込むこともなかった。 涙と吐き出したクリームに塗れ、長い髪はくしゃくしゃで、げっそりとやつれた正視に堪えない死に顔だった。 「ぱちゅりいいいいいいいいいいい!?」 「だめだよ!ゆっくりしないでゆっくりしようね!」 「ゆっくりしちゃだめだよ!ゆっくりしてよー!?」 「ゆっくりしたらゆっくりできないよおおおおお!?」 「ゆっくりしようね!ゆっくりー!?」 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってねー!?」 「ゆっくりー!ゆっく、ゆっぐりぃ・・・・」 れいむはぱちゅりーだった饅頭に頬擦りをし、顔を舐めながら呼びかけるが、彼女が返事することはなかった。 そして、数十分後。 れいむは頬を膨らませながらちぇんの巣の中に入っていった。 当然、入り口でぱちゅりーがゆっくり出来なくて苦しんでいるのに助けようとしなかったことを叱るために。 「ちぇん!どうしてぱちゅりーを・・・?」 が、巣の中の光景を目の当たりにしたれいむは怒ることを忘れてしまった。 食い散らかされた餌、巣の中に散乱するちぇんの宝物。そして、部屋の隅でぶるぶると震えるちぇん。 何か恐ろしい化け物にでも襲撃されかたのような惨状。 「ちぇ、ちぇん・・・?ゆっくりしていってね!」 「ゆ゛っ!ゆっぎぢぢでいっでね!?」 反射的に返事したちぇんだったが、れいむの顔を見るや否や恐怖に青ざめて再び震え始めた。 「ちぇん、どうしたの?」 「・・・・・・・・・・・・・・・」 「おこえがちいさいよ!それじゃゆっくりきこえないよ!」 そう言いながらちぇんの傍に這いずって近寄るれいむ。 ようやくちぇんの言葉が聞こえたとき、れいむはまたしても呆然とする事しか出来なかった。 「ぎゃくたいおにーさんがくるよー、わからないよー」 「おにーさんがぎゃくたいおにーさんだねー、わかるよー」 「ちぇんはぎゃくたいされたくないよー、わかってよー」 「すっきりさせられるんだよー、わからないよー」 「ちぇんもすきですっきりしてるんじゃないよー、わかってよー」 「すきだけどそーじゃないんだよー」 「どうしてちぇんにゆっくりできないこというのー、わからないよー」 「やめてねー、あかちゃんいぢめないでよー」 「ちぇんはあかちゃんとすっきりーしたくないよー」 「やらないところすんだねー、わかるよー」 「したくてすっきりしたんじゃないんだよー、わかってよー」 「しんだらゆっくりじごくにいっちゃうんだねー、わかるよー」 「ゆっくりじごくはもっとゆっくりできないんだねー、わかるよー」 「どうしてもゆっくりできないよー、わからないよー」 「うまれかわってもきっとゆっくりできないんだよー、わからないよー」 何がなんだかよく分からないが、途轍もなくゆっくり出来ないことをぶつぶつと口走っていた。 結局、れいむはちぇんが怖くなって、巣からそそくさと立ち去った。 れいむは森の中を必死で駆けていった。 何故か森の中は全然ゆっくり出来なかった。 見たこともない体つきのゆっくりが、そいつと良く似た空を飛ぶゆっくりがれいむ達を襲い喰らっていた。 昨日まではれいむ達に食べられるばかりだった虫さんが、群れを成してれいむ達を食べていた。 濁った目をしたまりさ種がれいむ種を犯し、蔦になった子ども達を食い漁っていた。 焦点の定まらない目をしたありす種が涎を垂らしながらまりさを犯し尽くし、犯されたまりさは黒ずんで死んだ。 ぱちゅりー種は道端でクリームを撒き散らしながら野垂れ死んでいた。 そして、その亡骸に幼いちぇん種やみょん種が我先にと喜び勇んで食いついていた。 「「「んほおおおおおおおおおおおおおおお!」」」 「やべぢぇええええええええええええ!?」 「なにいってるの!?れいむはかわいそうなんだよ!」 「れいむをゆっくりさせないれいむはゆっくりしね!」 「いなかものをすっきりさせてあげるありすはすごくとかいはだわ!」 「「ばりざああああ!ありずごずっぎぢぢましょおおおおおおおおお!!」」 「「ずっぎぢぢだぐないんだじぇえええええええ!?」」 「「「うっう〜」」」 「やめちぇね!れーみゅたべにゃいでにぇ!?」 「たべりゅんなられーみゅにちてにぇ!?まりしゃはにげりゅよ!」 「「「どほちちぇしょんなこちょいうにょーーーーー!?」」」 「「「うっめ、これめっちゃうめぇ!」」」 「「「「おきゃーしゃんのきゅじゅ!にょろみゃ!おきゃーしゃんにゃんてゆっきゅちちね!」」」」 「そんなこというゆっくりできないこはれいむのこどもじゃないよ!ゆっくりしね!」 「「どほぢちぇしょんなこちょいうにょおおおおお!?」」 「むきゅぅ・・・もってかないでー・・・」 「「むーしゃむーしゃ、しあわせ〜!」」 「「「ちーんっぽ!!」」」 もはや、れいむの住んでいた森はかつての最高のゆっくりプレイスではなくなっていた。 同族が同族を傷つけ、家族同士で罵りあい、他の種族や生き物に蹂躙される脆弱なゆっくり達。 それを尻目にれいむは必死に逃げた。 お兄さんに助けてもらうために。お兄さんとゆっくりするために。 「おにーさあああああん、こわいよおおおおおおお!?」 あまりの恐怖にいつの間にか涙は垂れ流しで見栄も体裁もない有様になっていた。 それでもれいむは必死に跳ねる。 川まで行けば少しはゆっくり出来る。川を流れていけばお兄さんに会える。 その願いに一縷の望みを託し、れいむは運良く川まで到着した。 が・・・・・・ 「ゆゆっ!なんだかへんだよ!?」 「どほぢででいぶどげでるのおおおお!?」 「ごんなのどがいはじゃないわあああああ!?」 「まりささまはぼうししゃんにのるぜ!・・・どうほぢでおみずさんはいってぐるのおおおお!?」 川も全然ゆっくり出来ない有様へと変貌してしまっていた。 穏やかな流れに浮かぶ無数の饅頭はどれもふやけ、やがて破れていった。 破れた饅頭からは餡子やカスタードが漏れ出し、川を醜く染めている。 「ゆゆっ・・・さすがまりささまだぜ!おぼうしさんで・・・やべでええ、ばりざをたべないでえええ!?」 「「「「うーうー」」」」 運良く、何かの上に乗ることのできたゆっくりも上空を飛び回る顔だけのれみりゃ達の餌食となった。 その光景を、絶望に満ちた面持ちで見守ること約10分。 れいむ達はすっかり忘れていたことだが、れみりゃ達は日光を嫌う。 れいむは幸運にも、見つかる前に日の光が降り注ぎ、れみりゃ達は森の奥深くへと退散していった。 「ゆ・・・ゆぅ・・・かわさん、どうぢでゆっくぢしてぐれないのぉ・・・」 川の中のの地獄絵図を目の当たりにしたれいむにそこに飛び込む勇気などあるはずもなかった。 数時間後、れいむはお腹を空かせながら、底部の痛みで涙目になりながらもなんとかお兄さんのおうちまでたどり着くことが出来た。 とっくに昼を過ぎ、日も沈み始める頃、お兄さんはいつものように軒先でのんびりとくつろいでいた。 「ゆぅ・・・やったぁ、これでゆっくりできるよぉ・・・」 そう呟く彼女の頭の中にかつての友人達の存在はない。 忘れたいのか、ゆっくり欲が全てを忘れさせているのか、そんなことは定かではないが。 それともお兄さんに会えた喜びで記憶が軽く飛んでしまったのか。 重い足を引きずって、ゆっくりゆっくりとお兄さんの家へと這いずって行く。 「ゆぅ・・・ゆぅ・・・ゆっくりついたよぉ・・・」 数十分後、れいむはようやくお兄さんの家の目の前へと到着し、ほっとため息を吐いた。 が、そこで、れいむは信じられないものを目撃することになる。 「ゆ゛っ・・・・・・!?」 お兄さんの家と畑の周りにはゆっくりの死体が散乱していた。 成体も子どもも赤ちゃんも、れいむもまりさもありすもぱちゅりーも、皆ぼろぼろのぐちゃぐちゃの酷い有様だった。 「ゆひぃ・・・・・ゆっ・・・」 耳を澄ませば、死体の中から嗚咽のようなものが漏れてくる。 が、駆け寄ってみるとどのゆっくりもいつ死んでもおかしくないような姿だった。 目はうつろで、餡子が大量に漏れ出している死体同然の仲間達。 助けを求められても、れいむは足がすくんで何も出来なかったし、すくまなくても結局何も出来なかっただろう。 「おい、クソ饅頭」 唖然とするれいむの頭上から聞こえてくる声。 それは紛れもなくれいむの大好きなお兄さんのもの。 しかし、今までに聞いたことのない餡子が凍りつきそうな冷たい声だった。 「お、おにーさん・・・ゆっくりしていってね!?」 「うるせぇんだよ!!」 振り返って、何とか笑顔を浮かべたれいむは問答無用の蹴りが浴びせられ、そのまま意識を失った。 夕暮れ時の薄暗い森の中を男は歩いていた。 彼の向かう先にあるのはゆっくり達の集落だった場所。 「ゆゆっ!ばかなにんげんさん!ここをとおりたかったら、ゆげぇ!?」 行く手をさえぎり通行料を要求しようとしたまりさを踏み潰し、男は歩き続ける。 それから、いちいち絡んでくるれいむを、ありすを、みょんを踏み潰し、男はあるゆっくりの巣へと到着した。 「ゆっくりしていってね」 「ゆっくりしていってね・・・どうぢでおにーざんがいるのー、わがらないよー!?」 「勿論、虐待しに来たのさ。れいむがあんまりいい声で泣くものだから目覚めちゃったよ、ははは」 「あわないようにおうぢにいだのにー!」 それだけ告げると問答無用にちぇんの尻尾を掴み、巣を後にした。 が、その時、男はどこからか妙な声が聞こえてくることに気がついた。 「ん・・・?」 耳を住ませてみると、その声はかなり近くから聞こえてきている。 そして、夕暮れ時にこんなところまでやってくる男は言うまでもなく物好きの部類であり、それゆえにその声に興味を示した。 「お前は・・・・・・」 声の出所をたどって到着した洞窟にはあの野犬の姿があった。 男の姿を確認した野犬は低い声でうなる。が、男とて森に入る以上用心のために農具の一つくらい持っている。 その得物の恐ろしさを野生の勘で理解した野犬は決して飛び掛ってこない。 ただ、じっと男の出方を伺っている。 ((((((((((いにゅしゃん・・・ゆっきゅちがんばっちぇね!)))))))))) 赤ゆっくり達が目を覚ました時、そこには夜の闇と薄暗い洞窟と、ふさふさの体毛をもつ野犬の姿があった。 赤ゆっくり達はまりさ種が16匹とありす種が16匹の計32匹。 対する野犬は成体が1匹とその子どもと思しき小さな犬が5匹の計6匹。 仔犬は母親に目いっぱい甘え、母親もまんざらでもなさそうな様子で対応している。 その幸せそうな光景を見ながらまりさ達は思った。 まだ喋ることもできないけれど、まだ動くことも出来ないけれど。 生まれたら真っ先におかーさんに甘えよう。 何度も何度も「ゆっくりしていってね!」って挨拶しよう。 みんなで一緒にずっとゆっくりしよう。 そして、今、目の前では野犬が大きな生き物と対峙している。 その大きな生き物の手にはありす達と同じゆっくりが握られていて、とてもゆっくり出来ない表情をしていた。 これだけの状況証拠があれば十分。 きっと、犬さんはありす達を守ろうとしてくれているんだ。 そう勘違いしたありす達は心の中で野犬にエールを送る。 「ん・・・?」 しかし、野犬は突然、男に背中を向けて洞窟の中へと戻ってゆく。 ((((((((((ゆゆっ!いにゅしゃん、はやきゅあいちゅやっちゅけちぇね!)))))))))) (((((ときゃいはにゃありしゅたちのいうこちょをきいちぇね!))))) (((((やきゅたたじゅはゆるしゃにゃいよ!ぴゅんぴゅん!))))) そんな野犬の行動を訝しがる男と赤ゆっくり達。 そんな両者を尻目に犬はまりさの頭の蔦の一本を食いちぎった。 (((((((((ゆぴゃあ!?))))))))) (((((((((どうちちぇしょんなこちょするのおおおおお?!))))))))) 赤ゆっくり達は物言えぬ口で悲鳴を上げ、あるいは必死に抗議する。 が、その声は誰の耳にも届くことなく、野犬は男にその蔦と、蔦に成った赤ゆっくりを差し出した。 「・・・くれるのか?」 くぅーん・・・と、野犬は肯定するように鳴いてみせる。 その振る舞いにただならぬものを感じた男は農具を下ろし、目をこらして洞窟の奥を見て、全てを理解した。 「そうか、お前・・・子どもが居たんだな・・・」 そう呟き、一気に差し出された赤ゆっくり達を食べると、口内に上品な甘みが広がった。 野犬はれみりゃという安定して手に入る食料を得たことで男の畑を荒らす必要があまりなくなった。 男もまた、ゆっくりという非常食を得たことで多少畑を荒らされても笑って許せるようになった。 もっとも、最近では野犬が男の家に来れば、犬の食べられそうなものをあげる関係になっているので、荒らされる事など全くないのだが。 「お、今日はれみりゃの腕を持ってきてくれたのか?」 「じゃあ、ちょっと洗って、温めるからそこで待っててくれよ」 男は野犬の持って来たれみりゃの腕を抱えて台所へと駆けていく。 5匹の仔犬を連れた野犬は涎を垂らしながらも男が戻ってくるのをお利口に待っている。 一緒に美味いものを食べ、持ちつ持たれつの関係を気付いた一人と一匹と、その子ども達は今では最高の友人同士だった。 「「ゆっくりしたいよぉ・・・・・・」」 「「「「「「「ゆぴぇーん・・・どうちちぇゆっきゅちできにゃいのー・・・」」」」」」」 「「「「「わきゃらにゃいよー・・・」」」」」 そんな両者の幸せそうな姿を底部を焼かれて身動き一つ取れないゆっくり達が羨ましそうに見つめていた。 【おまけ?】 「どほぢではござんあげぢゃっだのおおおおおおお!?」 ゴッドスまりさはれいむの愚考に怒り心頭だった。 せっかくゆっくり出来ないものを全て封印してあげたのに。 我を忘れて怒り狂うゴッドスまりさはどすんどすんと飛び跳ねる。 「鬱陶しいぞ、まりさ?」 そう言いながら、何者かが跳ね回るゴッドスまりさの頭を掴んだ。 恐る恐る振り返ると、封印にクレームをつけた別の神様が陰険な笑みを浮かべている。 そこでようやくゴッドスまりさは彼が何の神であるかを理解した。 かつて、きめら丸を拳一つで倒した男がいた。 彼は生涯のうちに318匹のドスまりさを己の肉体だけで痛めつけ、102匹のりおれいむを嬲り殺した。 年老いてなお森の賢者ぱちゅりーを、ティガれみりゃを、ありとあらゆる巨大種を虐待し続けた。 勿論、通常種も伝説とすら呼べるほどの勢いで殺し尽くした。 死後、彼はゆっくり虐殺の咎で地獄に落とされた。 しかし、それでも彼は地獄を抜けだしてはゆっくり地獄に赴き、ゆっくりを殺し続けた。 その常軌を逸した虐待中毒ぶりは、鍛えすぎた肉体も相まって鬼すらも手が付けられず、秦広王を苦笑させた。 初江王も、宋帝王も、五官王も匙を投げ、閻魔王の長い説教すらもどこ吹く風だった。 そして、五道転輪王の「ここまで来るとある意味悟りを開いてね?」という一言によって彼は人を超えた存在としての地位を得た。 そう、彼こそ虐待お兄さんの神だったのだ。 「ひゃっはー、我慢できねぇ・・・虐待だぁ!!」 「ごれぢゃゆっぐぢでぎないよぉ!?」 ちなみに、他の神様達は関わるのも馬鹿馬鹿しいので無視を決め込んだ。 ‐‐‐あとがき‐‐‐ パンドラの箱の中に残っていたのはもっとも恐ろしい災いで「それが外に出なかったことだけが唯一の希望」という解釈があるそうです。 で、そのもっとも恐ろしい災いというのが絶望であり、もっと詳しく言うと予兆、つまり未来を知ってしまい、なおかつそれが不可避であることを理解してしまうことだそうな。 ちぇんがラリっていたのはその最後の災いを食べてしまったからです。もっとも、元々ゆっくりに予知能力なんてないような気もしますが。 この説明で訳が分からないという人はJOJO6部のブッチ神父の最後のスタンドのを思い出すと分かりやすいかも。 あのスタンドの発想はニーチェか仏教に通じるものがあるような気がするが、何にせよ神父が口にする主義・主張ではないんだよー。 というか、そんな壮大な絶望を覚悟一つで吹き飛ばせるわけがないんだよー。 byゆっくりボールマン
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2026.html
初SS 俺設定使いまくり、いろいろな作品の設定使いまくり、ぬるいかも というか虐待成分薄め ゆっくりさくやと私 紅魔館の近くで見たことも無い銀髪のゆっくりを見つけた きっとこのゆっくりは紅魔館の瀟洒なメイド、我が愛しの十六夜咲夜さんを模したものなのだろう とはいえ、他のゆっくりのようにかなりデフォルトされているが… 我が愛しの咲夜さんを模したものなのだから、是非捕まえたい 「ゆ? ゆっくりしていってくださいませ!!!」 近づくと、ゆっくりらしい台詞 でも、若干警戒しているような雰囲気はある 「やあさくやさん 僕と一緒にゆっくりプレイスに行かないか?」 ゆっくりプレイスと言えば大体のゆっくりは馬鹿だからホイホイついてくる しかしゆさくやは違った 「ごめんなさいですわ! おぜうさまがまっておりますわ! ゆっくりかえりますわ!」 これは予想外 あっというまにどこかへ行ってしまった 普通に捕獲しようとしたが、ゆっくりのくせに早い… ゆっくりに逃げられたなんて他の人に言った日には… 考えたくも無い リベンジを近い、その日は家路についた 翌日、早速ゆさくやを捕獲する作戦を立てた 咲夜さんを模したものなら紅魔館関連のゆっくりを餌にすればいいのではないか? ということでゆっくりゃ、ゆふらん、ゆめーりん、ゆちゅりーを捕獲することにした ゆちゅりーとゆめーりんは見つけるのに苦労したが、捕獲するのは簡単だった ゆっくりふらんとゆっくりゃは体つきのが欲しい ということで紅魔館付近の森へ ゆっくりゃはぷっでぃんを持っていけばすぐ寄ってくる 「れみりゃにぷっでぃんよこすんだど~☆ れみりゃはこうまかんこおぜうさまなんだど~☆」 「にょこちゅんだど~☆」 いつ聞いてもウザイ 大小二匹の胴体付きゆっくりゃ… 親子で有ろうか? 殺意の波動を感じながらぶん殴って気絶させ二匹とも捕獲をした 最後はゆっくりふらんだ まずはおとりのゆっくりゃを串刺しにでもして待つことにしよう おもむろに子ゆっくりゃの頭を掴む そのまま近くの木の枝に背中から突き刺す 「うぎゃぁぁぁぁあ!!! なにしゅるんだどぉぉぉぉお!!!」 うるさいので取り合えず口を塞ぐ ついでに目玉も取っておくか(ちなみに、この目玉は昼食になりました) 「xxxxxxxx!!!」 まだ何か言っているようだが、気にせず待つ 2時間ほどして、ゆっくりふらんが寄ってきた 今回は準備万端 先ほど子ゆっくりゃの体に睡眠薬を何個か埋めてある(ちなみに今まで捕獲したゆっくりたちにも飲ませてあるので煩いのを気にしなくてもいいのだ!) ゆっくりにしては早めのゆふらんも睡眠薬で眠らせれば確実に捕獲できる 「ゆっくりしね! ゆっくりしね♪」 ゆふらんはゆっくりゃの手足をちぎり、それで子ゆっくりゃをぶん殴っている 早く食ってくれ とも思うが獲物をいたぶるのはゆふらんの習性なのだからしょうがない やっと睡眠薬入り部分を食べ、眠ったのは一時間後だった 捕獲したゆっくり達は加工所謹製、「ゆっくり強制的にゆっくりさせる袋」に放り込み、昨日ゆさくやに出合った場所に向かった 「ゆっくりしていってくださいませ!!!」 同じ場所にゆさくやは居た 探す手間が省けてよかった 前と同じように話しかける 「おにいさんとゆっくりプレイスに行かないか? おぜうさまやいもうとさまも一緒だよ?」 そう言って袋の中を見せる ゆっくりゃもふらんも睡眠薬で寝ているため、おとなしい 「おおおおおおおおぜうさまぁぁぁぁあ!!! いいいいいいもうとさまぁぁぁぁああ!!! かわいらしいねがおぉぉぉおお!!!」 そういうと自分で袋の中へ入って行った 袋に入ってすぐ睡眠薬注射で眠らせ、ゆっくり用部屋へ運び込む そこにゆさくやを放ってしばらくすると、目を覚ました もちろん他のゆっくりも一緒に放ってある ゆさくや「う~ん… ここはどこですわ?」 ゆちゅりー「むきゅーん… おにいさんにここにつれてこられたのよ…」 一足早く目覚めたゆちゅりーがゆさくやに話しかける ゆめーりんは皮の厚さゆえに喋るのがうまくないらしいので喋らないが、ゆさくやを見てなぜかうれしそうである れみりゃとふらんも目覚める 本来捕食種であるこの二種はゆめーりんやゆちゅりーを襲わないらしい とはいえ、れみりゃはゆふらんに高確率で虐め殺されるので若干警戒しておこう ということで、錘を体につけておいた れみりゃ「う~? ここはどこだど~?」 ゆふらん「う~? ゆっくりしね!!!」 いきなりゆふらんはゆっくりゃを攻撃した しかし、その攻撃はゆっくりゃへ届かなかった… ゆさくやがそれをとめたのだ ゆさくや「いもうとさま!!! おぜうさまとけんかはやめてくださいですわ!!!」 ゆふらん「うー! ゆっくりやめる!!!」 驚いた… さくやはゆふらんによるゆっくりゃの虐めを止めるのか… それもゆふらんも従ってる… その後はどのゆっくりも実にゆっくりしていた(時たま寝ているゆめーりんをゆさくやが邪魔していたが) 餌もしっかりやっているのでゆふらん、ゆっくりゃともにほかのゆっくりと遊んでいる そうしてゆさくや達の生活を見ているうちに面白いことがわかった そう、ゆっくりゃの大好物 ぷっでぃん をなぜ紅魔館以外のゆっくりゃが知っているかだ ゆっくりゃ「うー☆ れみりゃはぷっでぃんがたべたいんだど~☆ しゃくやはやくもってくるんだど~☆」 さくや「いまよういしますわ!」 そう言うと、ゆさくやは口からべちゃっと黄色いぷるんとした物体を吐き出した そう、アレはまさしく プリン ゆさくやの中身はプリンであった ダメージを負ったゆれいむやゆまりさはあんこを吐くが、どうやらゆさくやは自分で吐くことができるようである ゆさくや「どうぞおぜうさま! たべてくださいませ!!!」 そう言うとプリンをゆっくりゃに差し出すのだった プリンを吐き出したさくやは一回りちいさくなっていた ゆっくりゃ「おいしいど~☆ れみ☆りゃ☆う~☆」 汚く貪り食うゆっくりゃを見ながらゆさくやは幸せそうであった ちなみに、ゆふらんやゆちゅりーも時々ではあるが、一緒にプリンを食べていた ゆめーりんはじぶんからプリンを貰いに行くことはせず、それをじっと見ている だが、時々皆が見ていないときにゆさくや自らプリンを持っていっているようだ だが、ゆっくりゃのぷっでぃん脳は限度というものを知らない どんどんゆさくやは小さくなっていく ゆさくやが死んでしまう前にゆっくりゃだけを他の部屋に移した ゆっくりゃ「うー!!! なにするんだど~!!! れみりゃはこうまかんのおぜうさまだど~!!! えらいんだど~!!!」 と煩かったが、ぐっと怒りをこらえて運んだ 通称 ゆっくり虐め部屋 へ その後、ゆっくりゃは羽根をむしり、指から手足を5本づつに裂き、目玉に爆竹を突っ込み爆発させた 最後に無理やり体を引き伸ばし、まげて口と肛門を癒着させた 排泄される古い肉まんの餡がそのまま口に入る この古い餡はおいしくも無いが食えなくも無い しかしゆっくりゃは異常にこの古い餡を嫌うのだ 目が見えなくともなぜか判るらしい れみりゃ「xxxxxxxxxxxxx!!!」 何か言っているようだがこのまま放置しておくことにした 3日後、ゆっくりゃは死んでいたので生ゴミとして捨てました^^ 日がたち、私はゆさくやを繁殖させたくなってきた とりあえず、残ったゆさくや、ゆふらん、ゆちゅりー、ゆめーりんを振動させ発情させた上で見守ることにした 驚いた… なんとゆさくやとゆふらんとゆめーりんが3Pしているのだ 因みに、ゆふらん→ゆさくや→ゆめーりんと繋がっている ゆふらん「しゃくやあああああああああああああああ!!! かわいいよおおおおおおおおおお!!!」 ゆさくや「おぜうさまのぺにぺにすてきですわあああああああああああああああ!!! めーりんのまむまむもなかなかよおおおおおお!!」 ゆめーりんは喋らないが、なんとも嬉しそうである でも、この三匹は光景としては凄まじいものであった 「「「すっきりー!!!」」」 ちなみにゆちゅりーもゆふらんに襲われたが、すっきりまえに死んでしまった 南無 そうしてゆさくやはにんっしんっして、下膨れが大きくなっている めーりんは頭から茎を生やしている すでに三つほど子ゆっくりがなっている 生まれたのはゆめーりんからゆさくや一匹、ゆめーりん二匹であった ゆさくやからは子ゆさくやが生まれた ただしこちらは体つきとなっている からだつきゆっくりとの子供は体つきになる可能性があるのかも知れない 竹林の薬師さんに聞けばなにかわかるかも知れない その後、体つきゆさくや以外は売りに出したが、全匹紅魔館の門番が買っていった このゆっくりたちを見て(とくにゆさくや)興奮しているようであったが、何に使うかはまあ考えないようにしよう 体つきのゆさくやはどうしたかって? もちろん私の可愛いペット兼良きパートナー 夜も良い声で鳴くんですよ… 終わり ※あとがき なんとなく書いてみたけど、結構文章書くのはむつかしいなぁ 下種まりさとかを虐めるのとは違って、虐めにくかったので虐待分が限りなく薄くなってしまったのが残念 ほんとうはゆっくりゃ虐めをしっかりするか、下種系出して虐めようかとも思ったけどなんとなくやめておきました 文章:ヘタレお兄さん このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4312.html
『れみりゃを完全に破壊する実験』 24KB 観察 自業自得 実験 捕食種 加工場 独自設定 久しぶりに ※注意点 某コピペが原案になっております。気になる場合はググってください れみりゃ以外のゆっくりの多くが生き残ります。 特に何かしたわけではないゆっくりが酷い目に遭います。 一部独自設定ありです。 以上の点をご了承ください 「これだっ!」 モニターに表示された文章に目が留まった。 『サルを完全に破壊する実験って知ってる?』 ~れみりゃを完全に破壊する実験~ 職場でネットの閲覧中にこの文章を見つけた。 別にサボっているわけではない。 新しい虐待のヒントを探していたのだ。 加工所の虐待雑誌の記事のために、目新しい虐待を考える必要があったからだ。 偶然見つけたその文章には、嘘か本当はわからないが、サルの精神を完全に狂わせる方法が書かれていた。 さっそくそれを基にした虐待実験の内容を上司に伝えると、すぐに設備などの使用申請がされた。 その実験について個人的にまとめた内容を報告したいと思う。 ‐1日目‐ 実験場は、野生のゆっくりが暮らす環境を再現したという部屋だ。 数十メートル四方の空間で、土の地面に木々・雑草、小さな川さえ流れていた。 半分は木々に覆われ、もう半分は野原のように開けていた。 照明の点灯具合によって昼夕晩を再現するという徹底ぶりである。 エサなどは適当なところに配置して、狩り(の真似事)をさせるようにしているらしい。 各所に監視用のカメラも設置されている 正直こんなに豪華な部屋が割り当てられるとは思ってなかったので少し驚いた。 仕事とはいえ虐待のためだけでここまで大がかりな設備を使えるのだから加工所はすごい。 まずは処分予定だったバッジ無し成体ゆっくりを20匹ほど木々のある側に放つ。 廃棄BOXの窮屈な生活から解放された(と思ってる)ゆっくりたちは歌と踊りで喜びを表している。 しばらくすると群れを形成し、まりさが長になっていた。番も数組できている、早すぎるだろう。 夜になると、木の根元に掘られている巣で眠り始めた。 少しすると巣のある方から嬌声が聞こえてきた。 餌の確保もまだ出来てないのに、もうすっきりを始めたようである。やはりゆっくり、楽天的である。 とりあえずは実験用の環境が出来上がったので、実験の主役を投入しようと思う。 やたら数が多い胴付きとして有名な胴付きれみりゃだ。 町に出て、その辺で歩いてたバカっぽい野良をラムネで眠らせて連れてきた。飼いゆでないことは確認済みだ。 子どもが2匹もいたが、そっちは邪魔なので虐待用ゆっくり育成係に引き渡した。 れみりゃはよだれを垂らしてニヤニヤした表情で眠っている。 時折「ぷっでぃ~ん」という寝言を呟く。いかにも胴付きれみりゃといった感じだ。 今回の実験は、れみりゃ種の「ぷっでぃ~ん」への執着を利用している部分が多い。 加工所産に比べ野良の方がぷっでぃ~んについての情報が入りやすいので執着も強くなりがちである。 だからわざわざ野良れみりゃを捕まえてきたのだ。 余談だが、この実験は普通のゆっくりでもあまあまへの執着を利用すれば問題なく行える。 胴付きれみりゃを使っているのは個人的な趣味に過ぎない。 眠るれみりゃを実験場の野原のある側に置いて、今日はおしまいだ。 ‐2日目‐ 朝を迎えた。 「ゆっくりおはようございましただよ!!」 10時をまわったころ、1匹また1匹とゆっくりたちが巣から出ていく。目覚めもゆっくりしたものだ。 昨晩にんっしんした個体は巣の中にいるのだろうか、出てくるのはまりさやみょんが主だった。 さっそく狩りのために巣の周辺を跳ね回る。 夜のうちにこちら側で撒いておいたエサを見つけ、意気揚々と巣に戻っていった。 一方11時をまわってもれみりゃはまだ寝ている。 胴付きれみりゃは夜行性ではないから、相当ゆっくりしている方だ。ラムネが効きすぎたのか? すると、『ぐー』と音がした。れみりゃの腹の音だ。 れみりゃが目を覚ましたようで、眠い目をこすりながらのそりと太ましすぎる体を起こした。 「おなか…すいたど…」 立ち上がりきょろきょろ周囲を見回す。一体どうしたのだろう? どうやら自分の子どもたちを探しているようだ。そういえばそんなのもいたなと思った。 寝る前まで一緒にいた子どもがいないのだから不安になるのも当然だ。 「あがぢゃぁあん…」と涙ぐみながら声を上げるが、もちろん見つかるはずがない。 しばらくれみりゃは子どもを探して周辺をボテンボテンと走りまわる。 といっても半径数メートルをうろうろしているだけだが、れみりゃのおつむはそこには気づかないようだ。 10分ほどで音を上げたのか、ぺたりと座り込んでしまった。 すると顔をくしゃくしゃにして、何かを我慢するかのように小刻みに震える。 大声で泣き出し始めた悲しみを堪え切れなくなったようだ。 「あがぢゃん!!あがぢゃあぁああん!!!」と叫びながら、地面に倒れ込み短い手足をジタバタする。 まるで駄々をこねる幼児だ。まあれみりゃの精神年齢などそんなものだ。 だんだんれみりゃの泣き声が弱くなってくる。手足を振り回すのもゆっくりになってきた。 そしてうつぶせになり地べたに突っ伏し、丸い尻を突き上げるように背中を丸めた。 しゃくり上げながらか細い声で「あが…ぢゃん…」と漏らす。 しばらく震えていたが、だんだんそれが収まっていく。 「ぐごぉぉお…」 盛大ないびきで聞こえた。 どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ。 中身は完全に幼児である。よく今まで2匹も子どもを育ててこれたもんだ。 午後3時を回ったころ、また『ぐー』と音がした れみりゃが再び起き上がる。 「おなか…すいたど…」 まさかあんなことを繰り返し続ける気か?実験にならないぞ?と思ったその時、 「うー!きっとあかちゃんはゆめだったんだど~☆そんなのさいしょからいなかったにちがいないど~☆」 なかなか薄情なものである。まあ嫌な記憶を無かったことと思い込むのはゆっくりらしいと言える。 「それにおちびちゃんなんておぜうさまにはじゃまなものだったんだど~!かりすまはひとりでじゅうぶんだど~☆」 …ここまで極端なのも珍しい。こいつの子どもたちにほんの少しだが同情してしまう。 空腹を思い出したれみりゃはどこかにあまあまはないかとトロトロ歩き始めた。 するとまっすぐにゆっくりたちの巣がある方へ向かっていった。 腐っても捕食種。獲物に対する勘は働くようだ。 れみりゃが向かう先では多くのゆっくりたちが話し込んでいた。近所付き合いと言うやつだろう。 「ゆっくりしてるのぜ!」 「ゆっくりはゆっくりだからゆっくりするべきだったんだみょん!」 「わかるよー」 よくわからない会話をしているが、きっととてもゆっくりした会話なのだろう。 そこへ… 「ぎゃお~☆たーべちゃうぞ~!」 両手を挙げたれみりゃがやって来た。 れみりゃの襲来にゆっくり達は「れみりゃだぁあ!」と定型句を叫び逃げ出す。 (ゆっくりなりに)全速力で逃げるが、恐怖のあまり動けなかったちぇんはあえなく捕まる。 れみりゃは大口でそれに噛み付き、ジュルジュルと一気に中身を吸い上げる。ちぇんは皮だけになってしまった。 ご機嫌なれみりゃは他の獲物を捕まえようとする。 しかし他のゆっくりたちは茂みなどに隠れてしまったところだ。 胴付きれみりゃは基本的にとろいので、一度獲物を逃がすと捕まえるのは困難になる。 しかも太りすぎで飛べないこともある。このれみりゃもそれだ。 残念がるれみりゃだったが、標的を変えることにしたようだ。 木の根元にあるゆっくりたちの巣である。 能天気にも、けっかいを張っていなかったようだ。 「う~…ちっちゃなあまあまだどぉ~☆」 巣を覗き込み、中にいるれいむが額から生やしている茎を見てれみりゃは呟く。 れいむはこれまた「れみりゃだぁあ!」と叫ぶが巣の中では逃げられない。 実ゆっくりのことを考えると体を振り回すこともできない。 ヌッとれみりゃが巣に手を伸ばして茎を根元からへし折る。 「れいむとだーりんのあいのけっしょうがぁあ!!」とれいむは叫びをあげる。 れみりゃは気にせず実ゆっくりを茎ごと口に放り込む。 「あまあまのおちびはおーいちーど~☆」 ひと際ご機嫌になるれみりゃ。 その後、余ったれいむを食べると 「う~…ぽんぽんいっぱいでもうおねむだどぉ…」 と、もといた場所に戻ってグースカと眠ってしまった。 ゆっくりたちは常にれみりゃに注意し、けっかいも忘れないことを学習した。 まあすぐに忘れるだろうが… とりあえず、今日はおしまいだ ‐3日目‐ 新しい朝が来た。 またゆっくりたちは目覚めて狩りを始める。 れみりゃもしばらく経って目覚める。 「かりすまにふさわしい、いいあさだど~!」 もう昼間だがな。 「こんなひはかりすま☆だんすをおどるどぉ~!」 かりすまだんす。 それは胴付きれみりゃの踊る世にも微妙なダンスであり、胴付きれみりゃのほとんどが好んでこれを踊るという。 「うっう~☆うあ☆うあ☆」 動物の耳を模す様にグーに握った両手を頭に乗せる。 そしてデカいケツをぶりぶりと揺らし始める。 「れみりゃ☆う~!!」 左右に交互に顔を向け、満面の笑みで体を揺する。 お世辞にも踊りとは言えない。 「せぷ☆てっ☆どぉ~!」 決め台詞と共に、のたのたと一回転してひと際ニマニマした顔で両手を広げる。 本人は華麗にクルリとまわって決め顔で決めポーズを取ったつもりなのだ。 するとれみりゃは体が向いた方向に、周囲にそぐわないものを見つけた。 何か大きなスイッチのようなものと、その横に開いた四角い穴である。 れみりゃはそれに近づいていく。 一切のためらい無くスイッチを押すれみりゃ。 するとそこから何か小さな塊のようなものが落ちてきた。 べちゃりと地面でその塊が潰れる。 なにこれ?とまじまじと落ちたものを見つめるれみりゃ。 れみりゃはそれが何かと気づくと細い両目を見開き… 「ぷ、ぷぷぷ、ぷっっでぃいいぃいぃいぃいいいいいいいいん!!!!!!!?」 れみりゃの咆哮。 両足をジタバタさせる。 れみりゃは見つけたのだ、先祖代々伝わる伝説の食べ物「ぷっでぃ~ん」を。 地面に落ちてしまったそれを、顔を突っ込むようにして舐め貪る 「ぶひっ、ぷっでぃぷっでぃぷっでぇぇええん!!」 食べ終えてなお、れみりゃは地面をべろんべろんと舐め続ける。 すでに味が残ってないのに気づくと、至上の幸福を味わったかのような表情を浮かべていた。 ただでさえだらしの無いたるんだ顔が、どうしようもなく緩んでいる。 しばらくして、れみりゃは極上のにやけ顔で、 「つぎのぷっでぃ~ん♪が~、おっそぉいどぅ~☆」などと言い出した。 当然だが、返事はないしぷっでぃ~んも出てこない。 「おそすぎるど!!おぜうさまをまたせるんじゃないど!!!」 数秒後に怒りだした。こいつはずいぶん沸点が低いようだ。 「かみさまのぶんざいでこーまかんのとうしゅをなめてるのかど!?くびにするど!!?」 ぷっでぃ~んを神様のおかげと思うのは分かるが、自分の下に置いているとは驚きだ。いつかバチが当たるに違いない。 「どぼじでぶっでぃ~んもっでごないんだどぉ~!!ざぐやぁ~!あいづにおじおぎじでぇえ…!」 今度は泣き出した。存在しないさくやに存在しない神の始末を命じるとは、ずいぶん空想好きのようだ。 「うぅぅ…どぼずればぶっでぃ~んが…」 ややしゃくり上げているが、大分落ち着きを取り戻したようだ。 すごい勢いで喜怒哀楽の変化を見せられてしまった。情緒不安定ってレベルじゃねーぞ。 「うぁっ…!?」 しばらく考え抜いた末に、何か思いついたようだ。 「たしかこのまるいのおしたらぷっでぃ~んでてきたどぉ~!きづくなんておぜうさまったらてんさいねぇ~ん☆」 誰に向けてか分からないが、ウィンクしながら独り言を言った。今更だが、よく考えれば不気味である。 ちなみにこの発想に至るまでは20分ほどかかった。まあれみりゃにしては上出来なほうだと思う。 「ぷっでぃ~ん☆でてこぉ~い!おぜうさまはかりすまはんたーだっどぉ~☆」 これを狩りと呼ぶか。実にゆっくりとした発想だ。 カチカチカチカチ… れみりゃは容赦なく連打していく。 某名人もびっくりの連射だ。 それに応じてべちゃべちゃとぷっでぃ~んが落ちていく。 3秒後、腕を止めた。もうお疲れのようである。 しかしもう十分過ぎる量だ。れみりゃにとっては宝の山だ。 「ぷっっっでぇええぇえぇぇぇえぇえええええぇぇえええええええん!!!」 頭から飛び込む。その姿はさながらベッドへダイブする某怪盗の3代目であり。 もちろん、自慢のお飾りは着たままだ。おべべもおぼうしもどろわぁずもぷっでぃ~んでドロドロである。 しかしれみりゃは気にしない。気にする余裕など無い。 自分だけではなく、何代にもわたって追い求めていたモノが、文字通り浴びるほどあるのだから。 ぷっでぃ~んに埋もれ、両手で掬い、顔面に擦り付けるように啜る。何度も、何度も。 「うぁ、う、うぁうあ!うっうぅううう☆ぶひっぶひゃひゃっ!じゅりゅじゅりゅ…ぶっでぇんぶっぢぃいいん!!!ぶっっひぇ!!」 どれだけの幸せを味わっているのだろうか。ただでさえ不自由な言語能力がさらに低下している。 ぶひぶひ言う姿は、“強くも賢くも可愛くも奇麗好きでも無い豚”の異名に似つかわしいものだ。(今考えた) 満足したのかぷっでぃ~んを食べる手が止まる。 するとそのままぷっでぃ~んの海に倒れ込んでしまった。 「ぐごぉ…ぶひっ、ぷっでぃ~ん…むにゅむにゅ…」 満腹になった途端に眠ってしまったようだ。本能の赴くままに生きている姿は少し羨ましい。 れみりゃといえど、こうしてスヤスヤ眠っている姿は少し可愛くないことも無いと言っても過言ではないと言えば嘘にならないことも… ぶぅ!ぶばぁ!!ぷすぅ… ……やっぱ全然可愛くねえや。画面の向こう側で本当によかった ぷっでぃ~んの中で寝るのは衛生的にはよろしくないが、腐ったプリンでも喜んで食べるれみりゃなら大丈夫だろう。 ちなみにこの実験、プリンがもったいないと思う方もおられるのではないだろうか? 安心してほしい。実験に使っているのはプリンではなく、ぷっでぃ~んである。 つい先日加工所が出した新製品である。 名前は「こーまかんのあるじのおぜうさまのためのかりすま☆ぷっでぃ~ん『さくやぁ~!おかわりだど~!』お徳用パック」(通称ぷっでぃ~ん)である。 胴付きれみりゃ専用のエサで、通常のプリンの半値以下で売られていた。 中身はプリンなどという上等なものではなく、黄色くて甘いだけのプリンっぽい見た目のものだ。 残念ながらこの商品、さっぱり売れなかった。 プリンをあげると付け上がる可能性が高い。 可愛がっているれみりゃにわざわざそんな微妙なものをあげるくらいなら普通にプリンを買う(善良ならなおさら)。 そもそも胴付きれみりゃを飼う物好きが少ない。 といった理由のため大量の在庫を抱えている。 私は廃棄寸前だったものをこの実験のために引き取った。 だから何の問題も無いのだ。 ちなみにどうやってぷっでぃ~んを1つずつボタンを押した分だけ出しているかは内緒だ。 4日目- ゆっくりたちは目覚めて狩りを始めた。 れみりゃも同じ頃、目を覚ました。 ぷっでぃ~んに埋もれたままの、心地よい目覚めだ(と思う)。 「すばらしいあさだど~…かりすまだど~」 今日もだんすを始める。日課のようだ。 「ぷっでぃ~ん♪ぷっでぃ~ん♪ぷっ!でぃ!ん~☆」 フラダンスのように両手を動かしてフラフラ揺れる。 「かぁ~りすまなぁ~!ぷっ!でぃ!んぅ~☆」 ゴーゴーダンスのように左右の腕をのろのろ振り回す。 どうやら今朝は新作ダンスのようだ。 「せぷ☆てっ☆どぉ~!」 決め台詞と共に、ぼてぼて一回転してぷっでぃ~んまみれの顔で両手を広げる。 そこは昨日と同じなのか… 「おぜうさまはかぁ~りすまなかりをぉ~、はっじめっるどぉ~☆」 と言って、昨日のボタンに向き直る。 「おぜうさまのためにこんなものをだしてくれるなんてぇ~、かみさまもなかなかやるんだどぉ~!」 れみりゃは1回ボタンを押す。 穴からぷっでぃ~んが1個出てくる。 「きょうはえれがんとにじっくりあじわってたべるどぉ~!」 そういうと、れみりゃは地面のぷっでぃ~んに顔を近づけ、少しずつ啜る。 まあ昨日よりは大分マシな食べ方だろう。 しかしすぐ食べ終わり、次に向かう。 ここからが実験の本番だ…長かった… ボタンを押すれみりゃ。しかしぷっでぃ~んは出てこない。 「うあ?おかしいど…?」 もう一回押す。だが出ない。 「うあ?うぅ~?」 更に押す。ようやく出てきた。 「…う、うぅ~!びっくりしたどぉ~!おぜうさまにもふでのあやまりなんだどぉ~!」 きっと何かの間違いであるということで納得した様子だ。 またぷっでぃ~んを食べる。 押す出て来る。食べる。 押す出ない。 押す出ない。 押す出てくる。食べる。 押す出てくる。食べる。 困惑してはいたが、ぷっでぃ~んを食べれる喜びから疑問は掻き消えていく。 原因は、ぷっでぃ~んが出てくる確率をこちらで変更したからだ。 現在は2分の1である。 今日も満腹になるとすぐに寝た。屁をこきまくりながらも穏やかな表情だ。 しかしこの数日でずいぶん太ったものだ…元から相当ブクブクではあったが。 5日目- れみりゃが目覚める。 今日は早起きだ また日課のダンスを始める。 「あ~た~らし~い!あ~さだど~!」 両手をグーにして、胸の前に置き左右に揺れる。 リズムにまったくあっていないのがややイラつく。 「きーぼぉ~のぉ~あ~さ~だどぉ~☆」 両手のひらを上に向けて上下に腕を振る。 何かを盛り上げるかのような動きだ。良く見ると腹の肉がぶるんぶるん揺れている。 「せぷ☆てっ☆どぉ~!」 決め台詞と共に、もるんもるん一回転してべたべたの顔のまま両手を広げる。 どうして決め台詞は同じなんだろう…? 「ぷっでぃ~んたいむのぉ~☆はぁ~じまりだっどぉ~!」 今日も陽気にボタンに向き直る。 とりあえず今日は確立を8分の1にしておく。 少々急だがまあ良いだろう。 押す出ない。 押す出ない。 押す出ない。 押す出ない。 「う…うあ?」 さすがのれみりゃも不安になる。 押す出てきた。 「う~!」 直前までの不安も何のその、一気に笑顔になるれみりゃ。 今日は手で掴んで食べる。食べ方もずいぶん進歩したものだ。 そしてすぐに食べ終わる。 押す出ない。 押す出ない。 押す出ない。 押す出ない。 押す出ない。 押す出てくる。食べる。 押す出ない。 押す出てくる。食べる。 今日は満腹になるまでにずいぶん時間がかかった。 後半など痺れを切らしてずいぶん連打をしていた。 だが連打はれみりゃにはやや重労働のようだ。ボタンも大きいから仕方がないだろう。 満腹になると、疲れもあってか泥のように屁をこきながら寝ていた。 6日目- れみりゃが起きる。 昨日の疲れもあってか起きたのは午後であった。 疲れが残っているのか 「きょうはだんすはおやすみするどぉ~…」 だそうだ。 「う~☆とりあえずはらごしらえだどぉ~!」 一転笑顔になると、ボタンに向き直った。 「おぜうさまもきのうはちょうしがわるかったどぉ~!きょうはだいじょうぶなんだどぉ~☆」 ちなみに確率は32分の1だ。 押す出てくる。 「うあうあうぅ~☆やっぱりおぜうさまはかりのうでもかりすまだどぉ~!」 偶然にも一発目は出てきたようだ。 しかしそれもすぐに食べ終わってしまう。 押す出ない。 押す出ない。 押す出ない。 押す出ない。 10回連続で出なかった。焦ってボタンを連打する。 さらに10回押してようやく出てきた。出てきた瞬間ホッとしたような表情をする。 おそらくもう出ないと思ってしまったのだろう。 同じことを繰り返す。 まだ満腹では無いようだ。今までならこの倍は食べている。 しかしもう体力が無いらしい。ただでさえ体力が無いのにあれだけ無理をすれば当然だ。 大いびきをかきながら寝る。 7日目- 今日は64分の1だ。 「ぜひぃ…ぜぇ…ぜぇ…ぷっでぃ~ん…だどぉ…にぱぁ~…☆」 2つ目を手に入れるのにもうこの有様である。 「あまあまが…あっちにいるのはわかってるど…ぜひぃ…」 「かりしたほうがぽんぽんいっぱいになれるど…?」 おお、そこに気付いたか。思いのほか賢いかもしれん。 「でもぉ~、このぼたんをおせばなにもしなくてもぷっでぃ~んでるど~☆」 「うごかなくてもいいなんて、やっぱりおぜうさまはかりすまだど~!!」 ボタンに頼る選択肢をした。まあやっぱりそうだろうな。 夜にはもうれみりゃは疲労困憊だった。しかし自分の賢い(と思い込んでいる)選択に満足げであった。 れみりゃは死んだように眠る。 8日目- 「ゆっくりおはようなのぜ!!!」 森の方でゆっくり達が目を覚ました。 ここ数日れみりゃが実験されてる最中も、ゆっくりとした生活を営んでいた。 「みんな!きょうはあっちのほうへ、かいったく!にいくのぜ!」 「むれのりょうどをひろげるんだねー、わかるよー」 …どうやら面白いことになりそうだ。 ゆっくりたちは何匹も連れだってぞろぞろ進む。にんっしん中の固体以外は全部いるようだ。 「このへんいったいをゆっくりのていっこくにするのぜ!!にんげんもいないみたいなのぜ!」 「まあ…とかいはねぇ…」 人間の手のひらの上で壮大な夢を語るゆっくりたち。 れみりゃのいる野原にたどり着いた。 何の遮蔽物も無い状況だ。当然すぐ見つけてしまう。 「ね、ねえあれって…」 「わ、わきゃ、わきゃりゃ…!」 「ち~んぽ…ぶ…ぶろうじょぶ!!」 そう、それはもちろんおなじみの 「「「れみりゃだぁあぁあぁああああ!!!」」」 天敵を発見し、いつものセリフを叫ぶゆっくりたち。しかし… 「ちょ、ちょちょちょっとおおおおちつくのぜぜぜぜ…!」 全く落ち着きのない長まりさだが、他のゆっくりたちを落ち着かせようとする。 「よ、よ~くみるのぜ!れみりゃはねてるのぜ!だからこわがることはないのぜ!!」 どうやらこのまりさはなかなか賢いようだ。 「そ、そうだね!おちつくよ!」 「とりあえずかくれてようすをみようねー、わかったよー…」 「むきゅ…こないとわかっててもこわいわねぇ…」 ずいぶん物わかりの良い群れだ。毎日ちゃんとエサをやっているからだろうか? しばらくするとれみりゃが動いた。目覚めたようだ。 ゆっくり達は大丈夫と思っていても震えている。 「うぁぁ…おぜうさまのおめざめだどぉ…ぷっでぃいん…」 以前のような元気さは感じられない。連日のボタン連打でずいぶん消耗したようだ。 「ぷっでぇぇん…!でてくるどぉおおお…!!」 カチカチカチカカチカチ… 256分の1だ。 「なんなのぜ…?」 「ぷっでぃ~んって…あまあまかしら?」 ゆっくり達は意味が分からないといった顔をしている。 あまあまは勝手に生えてくるものだと思っているのだろう。 ベチャっ 「ぷっでぃぃいいいいぃいいいん!!」 「「「ゆゆぅ!?」」」 80回ほど連打して、ようやく出て来た。 あまあまが出て来たことに驚きを隠せず声を上げてしまったゆっくり達。 しかしれみりゃは気づかない。ぷっでぃ~んに心が囚われているのだろう。 「(あまあまがでてきたわよ…)」 「(どういうことなのー…?わからないよー…!)」 「(あまあまたべたいよぉ…)」 ひそひそと話し出すゆっくりたち。 「(むきゅ!よーくれみりゃをみなさい、あなたたち)」 そこにぱちゅりーが口を挟む。 「ぜっひ…ぷっで…ぷっでぃ~んぅ…にっぱぁぁあ~☆ぜー…ぜぇ…」 すでに疲労困憊である。 「(たったあれっぽちのあまあまのためにあれだけつかれるなんてじんじょうじゃないわよ?)」 「(れみりゃでさえあれだけつかれるなんて…まりさたちにはむりくさいのぜ…)」 「(そう、それならかりをしたほうがよっぽどかしこいわよ…)」 このゆっくりたちは賢すぎる。どうして廃棄処分になったのだろう。 一方そんなことはつゆ知らず、れみりゃは2つ目を手に入れにかかった。 カチカチカチカチ… 100回押しても出てこない。連打疲れだろうか、連射速度も遅くなる一方だった。 「ぷっでぃ…ぷっでぃいぃいいん…!はぁ~やくぅ…でてくるどぉ~…☆」 「(ぷ…ぷくく…)」 「(く…くっ…わらっちゃだめよ…?) 「ぶぅうぅうううっひゃっっひゃ!!もうがまんできないよ!ひぃ~くっくっく…」 最初に爆発したのはれいむだった。 「もうがまんできないのぜぇ!!ゆうぅうぅっひゃっひゃぁあ!!」 「むっきゅっきゅうっきゅうう…えれっぷ」 「ちぃ~んぽっぽぉお…かわかむりぃい!!」 まりさぱちゅりーみょんと、笑いが次々と起こる。 無理もない。明らかに効率の悪いおバカすぎる狩りをしているものが目の前にいるのだ。 しかもその姿は、お尻を突出しブリブリ振りながら、相撲の張り手のようにボタンを連打している。 それを胴付きれみりゃがやっているとなればとても滑稽なものだ。 自分以下と判断したものを全力で見下す傾向にあるゆっくりであれば笑ってしまうだろう。 「うあ…?なんだど…?」 が、当然れみりゃは気づいた。 「うぅ~…?あまあまかど~…?」 近くの茂みに隠れていたゆっくりたちに。 「あばばっばっばばば…どぼずるのじぇ…」 「とかいはじゃないわぁあ!!」 「えれえれ…」 馬鹿にしていたとはいえ、やはり捕食種への恐怖はぬぐえていないようだ。 本来なら自分を馬鹿にされたれみりゃにキレられ食われるのは確実である。 しかし… 「うぅ~☆わらいたければわらえばいいどぉ~♪おぜうさまはわざわざうごかなくてもここでかりをするんだどぉ~!」 「しもじものおばかさんにはおぜうさまのかりのうでがわからないんだど~☆」 「ぷっでぃ~んがでてくるんだからおまえたちをたべないでもまんっぷくになれるんだどぉ~」 「かんしゃしてねぇ~ん☆」 れみりゃは振り向き言うだけ言うと、またすぐ連打体勢に戻った。 「ぷっでぃ…ぷっ…ぷっでぃ~ん…!!」 言われるだけ言われたゆっくり達は… 「…」 「……?」 「ゆぅ……」 ゆっくりと言葉の意味を考え… 「ぷっ…うぅううぅっひゃっっひゃっひゃ!!!」 「れみりゃがおばかだとはしってたけどここまでばかとはおもわなかったのぜぇえ!」 「むきゅっきゅ…ばかじゃなくておおばかね!!えれっぷ…」 「うぅ~☆いいたいやつには…いわせておけばいいど…かりすま…だから…かんっだいな…こころで…」 物語ではよくある、バカに頑張っているのを笑われるという構図だ。 だが今回は問答無用で笑われる方がバカだろう。 300回ほど押したところでようやくぷっでぃ~んが出てくる。 空腹のれみりゃは地面に落ちたままのを舐め取る。 その意地汚い姿はさらにゆっくりたちの笑いを加速させる。 確かにぷっでぃ~んは出てくる。 しかし出てくるたびにれみりゃの疲労は確実に増している。 そしてとうとう… ドサァッ 「う…あ?おからだ…うごが…ないど…?」 限界を迎えた。 「どぼじで…ぶっでん…だべないど…」 どんなに思っても体は動かない 「れみぃのおあし…うごくど…」 れみりゃの再生能力が機能しないほどの疲労と栄養不足だ。 数日間ぷっでぃ~んに固執してゆっくりを食べるのをやめたせいだと思われる。 「ぽん…ぽん…へっだ……ど…」 「ついにたおれちまったのぜ!!いわんこっちゃないのぜぇ!」 「いくらなんでもおばかすぎるわ!!」 「ちぇんたちがたべられなかったからかんしゃはしてやるんだねー」 ずいぶん口汚くなったな。まあ天敵が目の前で虫の息なのだからテンションが上がっているのだろう。 「おばえだぢ…めい…れいだど……おせうざばに…だべられるんだど…」 「いくらなんでもじぶんからたべられにいくほどばかじゃないのぜ!!」 「そんなこともわからないほどとかいはじゃないおつむなのね!」 そう、残念ながられみりゃの命令に従うような奴などいない。さくや種であっても実は大半がそうだ。 そしてこんな弱り切った状態では脅しにすらなっていないだろう。 「うあ゛…ざぐやぁ…あいづらをぜいっざい…ずるど…」 「はひゃあぁひゃっひゃぁあ!!さくやなんているわきゃないのぜぇ!!」 「むっきゅっきゅ!いてもあんたなんかのめいれいきくわけないでしょ!」 「うぞだど…ひっぐ、ざぐやぁ…はやぐ…あいづらがおぜうざまを…ばがにずるど…がりずまにゃのにぃ…うっぐ」 れみりゃは泣きじゃくり、弱りながらも架空の従者の名を呼び続ける。 「どぼ…ぢで…ぷっでぃ~んいっぱいでかりしゅまな…はずなんだど…?」 「ぷっでぃ……ん…………」 とうとう息絶えた。ゆっくり達はいまだに爆笑している。 実際れみりゃの横たわる姿はとても無様なものであった。 狩りをすれば確実に得られたエサを無視して不確かなご馳走に依存したれみりゃの末路としてはふさわしいものだと思う。 以上で実験は終わりだ。予想した通りの結果が得られたので、成功と言って良いだろう。 なお、実験に使用されたゆっくりたちは改めて回収された。 やや賢くなっていたため、母体として生き延びる可能性も出てきた。実に幸運である。 後日、この実験を載せた雑誌が出版された。 「別にぷっでぃ~んじゃなくても良かったのでは?」 「ぷっでぃ~ん売ってくれ」 「子れみりゃの末路を教えろ」 などなど様々な感想が届いたが、概ね好評だった。 「『ギャンブルが人間の脳に与える悪影響』の教材に使わせてほしい」と言われたときは驚いたものだ。 なんにせよ無事に終わった。これからも新しい虐待を見つけていきたいものだ。 完- 過去の作品 anko3815 はだかのれみりゃ anko3817 みにくいれみりゃのこ anko3826 れみりゃのカリスマ教室 anko3863 ランプの精 anko3921 冬の日の水上まりさ anko3992かりすまどらいばー☆れみりゃ
https://w.atwiki.jp/sakurayume/pages/123.html
http //blog.livedoor.jp/yukkuriplace_anko/archives/7105054.html https //w.atwiki.jp/ankoss/pages/1702.html 『飼いゆっくりれいむ』 D.O 我が家は、築100年を軽く超える古風な木造家屋である。 爺さんの若かった頃は農業をしていたとのことなので、蔵もあれば庭もあり、 さらにその周囲は生垣をはさんで小さな林まで広がっている。 外から見れば、歴史の重み、どころか幽霊屋敷の雰囲気漂わせていることだろう。 現在の主である私が手入れを怠っているので、庭はコケと背の高い雑草が生い茂り、生垣も所々穴が開いているからなのだが。 私が子供の頃は、周囲にまだ多くの農家も残っていたが、 十年ほど前に、ゆっくりの大規模な襲撃が起こり、すっかり疲弊してしまったようである。 もう少し山に近い田舎に立ち上がった、のうかりんを使った実験農場計画が始まった頃に多くの農地は売却され、 実験農場が順調な現状を考えると、このあたりも数年後にはのうかりん印の農場になりそうだ。 現在では町、というには空き家が多すぎる、少々寂しい地域となってしまっている。 そんなある日、仕事から帰ってみると、 庭にサッカーボールサイズと、テニスボールサイズの饅頭が一つづつ落ちていた。 日が暮れているので良く見えないが、赤白リボンの奴はたしかれ・・・れ?ゆっくりだ。 「ゆゆっ!おにーさん、ゆっくりしていってね!」 「ゆっくちしちぇっちぇにぇっ!」 「・・・・・・。」 家の電灯に照らされてみれば、薄汚れていて何ともゆっくりしていない奴等である。 少なくとも、見ているこちらとしてはゆっくりできない。 親子なのは間違いなさそうだが、親の方は全身余すところ無く、 マジックで唐草模様が描き込まれているあたり、町からやってきたのは間違いないだろう。 「にんげんさん、れいむはしんぐるまざーなんだよ!」 「へぇ・・・。で?」 「かわいそうなれいむたちを、ゆっくりかっていってね!」 「きゃわいくってごめんにぇっ!」 「・・・はぁ。」 なんだか、やり遂げた表情でこちらを見ている。 刈って、狩って、・・・いや、飼っていってね、か? どうやら、こんなにゆっくりしたおちびちゃんなんだから、人間さんも飼ってくれるに違いない、ということらしい。 とりあえずサンダルの裏を、その自信満々の顔面に押し当てて、塀の方に転がしてやることにした。 「ゆべしっ!」 「ゆぴぃぃいい!」 「・・・ペッ!」 噛んでいたガムが母れいむのリボンにジャストミートする。 「・・・・・・飯作ろ。」 別にゆっくりとやらに大した関心はない。 単に、コソコソ隠れているなら可愛げもあるが、ずうずうしさが気に入らなかっただけである。 これまでも野良猫やらなんやら、しょっちゅう仮の宿に使われていたので、 今更ゆっくりが庭に舞い込んだところで気にしない。 糞をばら撒かれないだけ、犬猫よりはありがたいくらいだ。 庭に住みたきゃ勝手に住めばいい。 こちらには当然世話する義務なんぞ無いのだから。 「ゆ゛、ゆ゛、ゆ゛、ゆ゛・・・・」 「ゆっくりー!」 痛みから回復したれいむ親子の方は、感動に打ち震えていた。 なにせ気がついたら、母れいむのリボンにペタリとついているのは、あの憧れの飼いゆっくりバッジ。 れいむも遠くで見ていたときは気づかなかったが、バッヂがまさか人間さんが口から吐き出されたものだったとは。 まあ、自分達もナワバリ(無意味極まるが)にしーしーでマーキングすることは多いのだから、そういうものなのだろう。 ・・・などと考えながら、リボンにへばりついたガムを、嬉し涙に潤んだ目で眺めていた。 そう、れいむはついに、ゆっくりの中でも最もゆっくりできると言われる、 あの飼いゆっくりにしてもらえたのであった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 翌朝。 便所から出て縁側を歩いていると、庭の隅に放置していた木箱から、れいむ親子が飛び出してきた。 「「ゆっくりしていってね!!!」」 「ん?まだいたか。」 朝からうるさい奴らだ。やはり猫の方がましだな。 「ゆーん。おにーさん、れいむたちにあさごはんちょーだいね!」 「ちょーらいにぇっ!」 昨日のゆっくり共が、これから仕事に行くという時に、なんだかずうずうしくゆぅゆぅ鳴いている。 「・・・・・・庭の草でも花でも、自分で適当に食え。」 「ゆゆっ!?おはなしゃん、たべちぇいいにょ?やっちゃー!」 「ゆーん、ごはんさんいっぱいだよ~。」 勝手に住むのはかまわんが、ゆっくりフードたら言うものまで買ってやる気など無い。 というか、ペットでもないのにいちいち飯などやらん。 「むーしゃ、むーしゃ。しあわせー。」 「むーちゃ、むーちゃ。ゆ・・ゆぇーん。」 「どうしたの、おちびちゃん。」 「れいみゅ、こんにゃにむーちゃむーちゃちたの、はじめちぇ。」 れいむ達は、飼い主であるおにーさんの愛情を全身で味わっていた。 なにせ、適当に食え、と言って指差した庭には、 柔らかそうなゆっくりした草、 タンポポやシロツメクサの類の雑草寄りの花、 背の低い木には実や柔らかい葉っぱ、 それに、今は何も成っていないが柿やビワの木も生えており、季節が来たら食卓を飾ってくれることだろう。 当然昆虫やミミズも、その気になれば取り放題だ。 ここは、森の中にあったとしたら、数十匹のゆっくりを余裕をもって支えることができる最上級の狩場であった。 それらが全て、この2匹だけのためのごはんだと言うのである。 「おにぃさぁん、ありがとぉぉぉおおおぉぉ。」 そんなある日、夕食の生ゴミを袋に入れて、裏庭のポリバケツに入れようとしたところ、 ゆっくり共が、よだれを滝の様にたらしながらこちらを見ていた。 ・・・・・・そういえば、今都会では『ゆっくりコンポスト』なるものがはやっていると聞く。 正直言って生ゴミを貯めこむのは嫌だし、こいつらでも使ってみるか。 「・・・食え。」 翌朝、袋の中身がきれいさっぱりなくなっていた。 袋に何かが入っていた形跡すら無い。よだれらしきものでベタベタではあるが。 「ゆっくちちたおやさいしゃんだったにぇっ!」 「おにーさんにありがとうってするんだよ。」 「ゆっくちりきゃいしちゃよ。」 「なるほど。こいつは便利だ。」 それからというもの、あの親子は毎日ポリバケツに放り込むはずだった生ゴミを、おやつだと大喜びで食べている。 生ゴミを放置しすぎて増えていたりぐるとかも減った。 生ゴミがなくなったからか、りぐるも食べているのか・・・ しばらくすると、いちいちこいつ等が『おうち』とやらにしている、庭の隅の木箱まで生ゴミを持っていくのもめんどくさくなってきた。 まずは縁側の下に少し穴を掘り、用済みとなったポリバケツを横倒しにしてはめ込む。 ポリバケツの内側に土をいくらか入れ、周囲の穴との隙間にも土を詰める。正面から見るとパッと見トンネルのような感じだ。 あとはあのゆっくり親子を中に放り込んで、自家製コンポストは完成。 「ゆわーい。きょきょはれいみゅたちのおうちなんだにぇ。」 「ゆっくりー!おにーさん、ありがとう!」 なんかぽいんぽいんと跳ねて喜んでいるが、台所からも食卓からも近いここが、 生ゴミを放り込むのに適していただけだ。 「ん、で、あと何が必要だ?」 「「ゆぅ?」」 なんといっても、使い道ができた以上、もはや野良猫と同等ではない。 金をかけてやるつもりはないが、それなりのメンテナンスはしてやろう。 コンポストとしてある程度長持ちしてくれなければ困るからだ。 「ゆ、ゆぅーん!れいむはみずあびができたらうれしいよ。きたないとゆっくりできないよ。それと・・・」 「それと?」 「おちびちゃんにも、ばっじさんがほしいよ!おちびちゃんもかいゆっくりのばっじさんがほしいよ。」 水浴びか。なるほど、こいつ等が饅頭のくせにカビないのは不思議だったが、やはり不潔にしておくのはよろしくないといったところか。 こっちとしても軒下にサッカーボール大のカビ饅頭があるのは気分が悪い。自分たちで清潔にしてもらおうか。 あとは・・・ん?おちびちゃん・・・にも? ・・・・・・妙に馴れ馴れしいのも合点がいった。まさか飼われているつもりだったとは。 まあ、使い道がある今となっては都合がよくもあったが。 「水は、そうだな。このタライに水を入れといてやる。勝手に使え。」 「ゆっくりー!」 「それと・・・バッジねぇ。ああ、あれでいいか。」 持ってきたのは、私が中学生時代に学生服につけていた、襟章だった。 鈍く銀色に光る襟章、どうせこいつ等がバッジとやらを活用する日は来ないのだから、これで十分だ。 リボンに乱暴にネジ式の襟章を突き刺して固定すると、赤色の中に鈍く光る銀色は、思いのほかしっくりときた。 「ゆわーい!ゆっくちちたばっじしゃんだー!」 「ゆぅぅ、よがっだねぇ、よがっだねぇぇえ、おぢびじゃぁぁああん。」 喜んでもらって何よりである。この調子で雑草むしりと生ゴミ処理を頑張ってもらいたいものだ。 翌日には、縁側下のコンポストの近くに「おといれ」と称してうんうん用の穴も掘っていた。 生活の場に排泄物を置いておくのはやはり嫌なのか。だが、これはこちらとしても都合がよかった。 このうんうんという排泄物については、定期的に土と雑草に混ぜて花壇の肥料にしている。 なかなか良質なようで、しかも採集の手間も要らないしありがたいものだ。 「ゆーん、おにーさん。おといれのおそうじしてくれてありがとう。」 「うんうんがなくなっちぇ、ゆっくちできりゅよ。」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− こうしてれいむ親子がコンポストとなった数日後、家の庭に最近ご無沙汰だった来客が来た。 「ねこさんだぁぁあああ!ゆっくりできないぃぃぃ!!」 「ゆぴぃぃ、おきゃあしゃんこわいよぉぉ!」 「ん、ああ、トラか。久しぶり。」 生垣の穴から庭に入ってきたのは、近所で気ままな野良生活を送っている猫だ。 こいつに限らず、我が家を通り道にする猫は多い。 「ゆぁぁぁぁ、おにーさぁぁん。ねこさんこわいよぉぉぉぉ。」 「ゆっくちさせちぇぇぇぇ。」 「・・・嫌なら自分でなんとかしろ。」 「「ゆぅぅぅ、ゆっくりできないよぉ。」」 別にサッカーボールサイズの良くわからん物体にじゃれつく様な、酔狂な猫達でもないが、 町生活でトラウマでもあるのか、度重なる猫の襲撃に、れいむ親子は自分達で何とかすることにしたようだ。 数日後から、徐々にだが、目に見えて生垣の穴がふさがり始めた。 「ゆーえす!ゆーえす!」 「おきゃーしゃん、はっぱしゃんもってきちゃよ。」 「じゃあおちびちゃん、このすきまにはっぱさんをおしこんでね。」 「ゆっくちりきゃいしちゃよ。」 生垣や塀の隙間に、小石を詰め、小枝を刺し、上から土を盛って、また葉っぱや枝を詰める。 近くで見るとやはり幼稚園児の工作の域を出るものではないが、遠目には生垣に溶け込んで見えなくも無い。 何重にもゴミを積み上げているので、強度のほうはちょっと蹴りを入れたくらいでは吹っ飛ばないくらいになっていた。 「これでねこさんはいってこれないね!」 「ゆっくちー。」 「にゅぁ~ん・・・ぐるるる。」 ・・・・・・。 「「どぼぢでねござんはいっでるのぉぉぉおお!?」」 「・・・塀の上からだろ。」 まあ一応は通りにくくなったので、特に頻繁にここに来る数匹以外は入ってくることも無くなり、 多少は平穏になったようだ。 それにしても、なんだか最近庭がきれいになってきた気がする。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 生垣の穴がれいむによってあらかた埋まった数日後、 久しぶりに友人が家まで遊びに来た。 「ゆゆっ!?おにーさんのおともだち?ゆっくりしていってね!」 「ゆっくちしちぇっちぇにぇ。」 「おー、間知由。お前ゆっくり飼ってたんだな。エラい装飾過剰だけど。」 「いや、飼ってないし、あの唐草模様は来たときからだ。俺の趣味じゃない。」 「ふーん。つってもバッジついてんじゃん。」 「ありゃガムだ。」 「え゛・・・。」 「ああ、みかんの皮は庭のポリバケツに放り込んどいてくれ。」 「え?これってこいつらのおうちだろ?」 「いや。コンポスト。」 「んー。・・・え゛ぇ?」 「ゆわーい、おやつだにぇ!ゆっくちありがちょー。」 「むーしゃ、むーしゃ。しあわせー。」 ついでに、夕食の魚の骨も放り込んでおいた。 「ぽりっ、ぽりぽりぽり・・・ゆっくりー!」 「・・・・・ふーむ。」 「どうした?」 「いや。ゆっくりって、案外飼いやすい生き物なのだろうかと思ってな。」 「ただの饅頭だろ。・・・・・・何だよ、その目は。」 「まったく。世の中にはどんだけ愛情注いでも懐かれない奴もいるってのに。」 「そんなもんかね。」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− そして、庭が放置しっぱなしの幽霊屋敷状態から、見違えるようにきれいになった頃、 れいむ達の平穏な毎日に、突然不幸が舞い降りてきた。 「Zzzzzz・・・。」 「すーや、すーや。」 今日は日曜日。おにーさんも日当たりの良い縁側で昼寝中。 れいむ親子も庭に生えた木の木陰でゆっくりと惰眠をむさぼっていた。 そのとき庭に、普段と違う空気が漂う。 「うー。」 「ゆぅ?・・・すーや、すーや。」 「あまあまー。」 「ゆ・・・すーや、すーや。・・・・・・れみりゃだぁぁぁああああ!!!」 庭に突然飛来したのは、本来夜行性のれみりゃ(胴無し)。 庭のすぐ奥にある林は、昼でも薄暗く、たまに昼でも活動するれみりゃが現れたりする。 しかも、このあたりは農家だったこともあり、害ゆ対策として、れみりゃを大量飼育していた時期もあったので、 最近森の奥でしか見なくなったれみりゃ種もチラホラいたりするのだ。 「おちびちゃん、ゆっくりにげるよ!」 「ゆあーん。れみりゃはゆっくちしちぇにぇ。」 ぽよん、ぽよん、と大急ぎでおうちに飛び込むれいむ親子。 れみりゃは追ってこなかった。どうやら助かったようである。 しかし、一つだけ気がかりがあった。 「ゆぅぅぅ、おきゃーしゃん、れみりゃはゆっくちできにゃいよぉ。」 「ゆ!おちびちゃん。ここはおにーさんがつくってくれたおうちだから、れみりゃなんてはいってこれないよ!」 「ゆっくちー。でみょ・・・。」 「おちびちゃん?」 「おにーしゃん、すーやすーやしてたよ?れみりゃにゆっくちひどいことされてにゃい?」 「ゆゆっ!?」 「そろーり!そろーり!」 おにーさんの無事を確かめるべくおうちから慎重に這い出るれいむ。 見つかったら命はないだけに、そろーりそろーりにも力が入る。 そして、れいむは驚愕の姿を目撃した。 「うー!うー!」 「Zzzzzz・・・・、じゃま・・・」 ・・・・・・れみりゃがおにーさんにじゃれていた。 「ゆぁぁぁああああ!おにーさんがたべられるぅぅぅううう!!!」 「うー?」 「やめてねっ!おにーさんをたべないでねっ!れみりゃはゆっくりどっかいってね!!」 ゆっくりしたおにーさんを助けるべく、れいむはれみりゃに立ち向かう。 しかし、口にくわえた木の枝をどれほど振り回しても、空を舞うれみりゃ相手には届かなかった。 「ゆぅ、ゆぅぅ、どうしてとどかないのぉぉ。」 「うー!あまあまー。がぶり。」 「ゆひぃぃぃぃ、れいむのあんこさんすわないでぇぇぇぇ・・・。」 「おきゃあしゃぁぁあん、ゆっくち、れみりゃはゆっくちしちぇぇぇぇ!」 「お、肉まん。」ぱさり。 「うー!うー!」 といったところで目が覚めたおにーさん。 玉網を使ってあっさりとれみりゃを捕獲したのであった。 それにしても、生ゴミを処理して肥料を作り、 庭の管理までやってくれた挙句、夕食のおかずをおびき寄せてくれるとは、 つくづく使いでのあるコンポストだ。 つい今さっきまでたっぷり飯を食っていたこの肉まん、中身がが詰まっていてうまそうだな。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」 「おきゃーしゃん、ゆっくちしちぇぇぇぇ。」 ザックザックザック 薄っぺらくなった方のれいむには、中身を詰めなおしてやることにする。 掘り出したのは、「おといれ」とやらになみなみと貯められた餡子。 こいつを、中身の減ったれいむの口からねじ込んでやることにした。 「ゆ゛っ、ゆぼぉっ!おにーざん、やべでぇ、ゆっぐぢでぎなっ!ゆぼっ!」 「おにーしゃん、やめてあげちぇにぇ!おきゃーしゃんがいやがっちぇるよ。」 無視。餡子は餡子だ。多少土が混ざっているが、中に詰めなおしてやれば問題ないだろう。 「ゆ゛っ、ゆっぐぢしていってね。ゆげぇ。」 「やっちゃー!おきゃーしゃん、げんきになっちゃよ。」 「ゆ、ゆぅぅ・・・おにーさん、ありがとぉ・・・。」 「しゅーり、しゅーり、ちあわちぇー!」 ふむ、消耗してはいるが、まだ当分は使えそうだ。 そして、その夜は多すぎて食べきれなかった肉まんの残りを、コンポストに放り込んでやった。 やはり一人暮らしにあのサイズは無茶な話だな。 「ゆわーい。きょうはごちそうだにぇ!」 「ゆーん。きっといっしょにれみりゃをやっつけたから、ごほうびなんだよ。」 「ゆっくち!ゆっくち!」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− そんな生活が、しばらく続いたが、 子れいむが成体にまで大きくなった頃、親れいむの方が死んだ。 あとで調べたが、町の野良の寿命は平均一年かどうかと、大分短いらしい。 我が家に来た時には中古のポンコツだったということか。 「お・・・おにーさん。おちびちゃんを、・・・これからもゆっくりさせてあげてね。」 「特になにも変らんよ。」 「おちびちゃん、・・・ゆっくりしていってね・・・・・・」 「おかーしゃん、おきゃあしゃぁぁぁあああん!!!すーりすーりしてね、ぺーろぺーろしてねぇぇえええ!!!」 リボンは子れいむの方が欲しがったのでくれてやり、死体のほうはぐちゃぐちゃにすり潰して肥料にした。 花壇の花も元気に育つことだろう。 「おかーさん。おはなさんになったんだね。」 「まあそうとも言えるな。」 「ゆっくりしていってね。おかーさん。」 まあ、そんなことはどうでも良かったのだが、少し問題が生じてきた。 コンポストの、生ごみ処理能力が落ちてしまったのだ。 「ゆぅぅ~。さびしいよぉ。」 「おちびちゃんがほしいよぉ。」 「すーりすーりしたいよぉ。」 どうも孤独な生活と発情期が重なって、ノイローゼ状態になったらしい。 頭数が減ったうえ、どうにも食欲が無い。庭の雑草もまた伸び始めてきた。 これは、新しいゆっくりを取ってくる必要がありそうだな。 その日、夕食の生ゴミをコンポストに放り込みながら、 れいむにつがいを探してやる、と言った時のれいむの喜びようは大変なものだった。 体が溶ける寸前まで水浴びをして、リボンのしわ一つ一つまで丹念にあんよでつぶして伸ばしていく。 コンポスト内の清掃も丹念に行い、 さらに子供が出来た後のために、花やイモ虫、果物の皮などのごちそうから保存食の干し草まで貯めこむ。 にんっしん中のベッドまで葉っぱと草を使って作り終えて、準備万端でその日を迎えた。 約束の日、私はれいむを連れて街を歩き、れいむ的に「すっごくゆっくりしてる」まりさを手に入れた。 この白黒饅頭、帽子にアイロンをかけた形跡もわずかにあり、恐らくバッジを引きちぎったのであろう傷痕も見られる。 飼われていたというなら、それなりの躾もされているのだろう。好都合だ。 「ゆふん!そんなにまりさをかいたかったら、かわせてやってもいいのぜ。」 「ゆっくり!まりさ、ずっとゆっくりしようね!」 「ゆん!なかなかゆっくりしたれいむだから、とくべつにすっきりしてやってもいいのぜ。」 本人も乗り気のようだから都合よい。つがいにしてやることにして、家に連れていった。 「ゆぅ~ん、まりさ。すーり、すーり。」 「ゆへぇぇ!いいからとっととまむまむをむけるのぜぇ!『ぼよぉぉおん!』」 「『ごろんっ』ゆぅ!?もっとゆっくりしてぇ!」 「しったこっちゃないのぜ!まりさのぺにぺにをおみまいしてやるのぜぇ!!」 ずぼぉっ!ずっぽずっぽずっぽずっぽ・・・ 「ゆぁーん、いだいぃぃぃい!らんぼうすぎるよぉ。もっと、ゆっぐりぃ!」 「ゆっふっ!ゆっゆっゆっゆっゆっゆっすっきりぃぃぃいいい!」 「ずっぎりぃぃ。」 とりあえずれいむの腹が膨れてきたので、予定どおりにいったようだ。 「ひどいよまりさ・・・」 「ゆふぅ。ひとしごとおわっておなかがすいたのぜ。にんげんさん、とっととごはんをもってくるんだぜ!」 「その辺のを適当に食え。」 「ゆゆ!?なにいってるのぜ。ゆっくりふーどさんなんて、どこにもないのぜ。」 「草があるだろ。」 「な・・・なにいってるのぜぇぇ!くささんはごはんじゃないのぜ! ふーどさんがないならけーきさんでもいいのぜ!はやくもってくるのぜ、くそじじぃ!」 「ゆぅ。なにいってるの?おにーさんにあやまってね。くささんはおいしいよ。むーしゃむーしゃ。」 「ゆぎぃぃぃいい!もういいのぜ!はやくおうちにいれるのぜ!べっどですーやすーやするのぜ!」 「そこに家ならあるだろ。」 「な・・・なにいってるのぜぇ!これはごみばこさんなのぜ!くさくてきたないのぜ!」 「ひ、ひどいよまりさ!おにーさんがれいむにくれた、ゆっくりできるおうちだよ! それに、れいむがいっしょうけんめいおそうじしたんだよ!ゆっくりあやまってね!」 「・・・いいよ別に。文句があるなら勝手に出ていけば。」 「ゆふん!まったく、ばかなじじぃとゆっくりしてないごみれいむのほうが、このおうちからでていくのぜ! ゆっくりしたまりささまが、とくべつにこのおうちをつかってやるのぜ!」 「ふーん・・・。れいむ、どうやら一緒に暮らすのは無理そうだが。」 「ゆぅぅぅぅ・・・ゆっくりできないまりさだよぉ。」 とりあえず、私が家から追い出されるのは嫌なので、ゆっくりしたまりささまとやらは、門から丁重に出て行ってもらった。 あれだけ態度がでかいと、野良をやっていくのも大変だろうに、大したものだ。 しかし、ゆっくりと言っても、コンポスト向きのとそうでないのがいるのかもしれない。 黒帽子がダメなのか、飼われていたのがダメなのか、まあ、どうでもいいことだ。 れいむの腹にいるちび共の中に黒帽子がいたら、それもはっきりするだろう。 つがいこそいなくなったものの、孤独を埋めるという当初の目的は達成されたようである。 それから数匹分の食欲を発揮し始めたれいむは、3週間後、無事れいむ種一匹とまりさ種一匹を出産した。 赤ゆっくりが腹から射出される勢いには驚いたが、庭は柔らかい芝生であったのが幸いしたのか、 せっかくれいむが作っていた草のクッションから1m以上離れて着地したものの、つぶれることはなかった。 「「ゆっくちしちぇっちぇにぇ!!!」」 「ゆっくりしていってね!ゆぅーん、ぺーろぺーろ、おちびちゃんたちかわいいよぉ。」 これで、コンポストの方は今後も安泰そうだ。 母れいむがチビ共にもバッジが欲しいとか言ってきたので、画鋲のカサの部分をセメダインでくっつけておく。金バッジだ。 これで満足して生ゴミを処理してくれるのだから、安上がりなものだ。 ちなみに、ゆっくりしたまりささまに出て行ってもらってから二日後、門の前にみすぼらしく、 帽子もかぶっていないまりさ種が一匹転がっていた。 「やっばりがっでぐだざぃぃ・・・おねがいじばずぅ。」 とか言っていたが、ゆっくりを飼う趣味などないので、無視しておいた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− それからしばらくは、コンポストとしても庭の芝生管理としても特に問題はなかった。 ピンポン玉サイズの子供たちでは、成体一匹分の処理能力を補えるかと、多少不安ではあったが、 どうやら、成長中のチビ共の方が食欲は旺盛らしく、生ゴミは毎日順調に処理され、肥料になっていった。 黒帽子の方も特に文句を言わず、生ゴミをムシャムシャ食らい、庭をぽよんぽよんと跳ねまわっている。 やはりあの態度は、育ちが問題だったようだ。 だが、赤ゆっくり達が産まれてから一月ほどたち、そろそろ冬の近づきを肌で感じ始めた頃、 またしてもコンポストの性能が低下してきた。 朝、コンポストの中をのぞいてみると、まだ昨日の生ゴミが残っている。 さらにその奥では、歯をガチガチと鳴らしながら、目の下にクマをつくったれいむ一家がいた。 「お、おおお、おにーさん、おうちがさむいよぉぉぉ・・。ねむれないよぉぉ・・。」 「しゃむくてゆっくちできにゃいぃぃぃ。」 「ごはんしゃんつめちゃいよ。むーちゃ、むーちゃ、しょれなりー。」 コンポストはれいむ達なりにきっちり入口を塞いでいるが、やはり所詮はポリバケツ。 まだ昼間は温かいが、壁一枚隔てた向こうの、夜の寒気を完全に防ぐことはできないようだ。 この時期でこれでは、冬の間はコンポストの機能が完全に停止しかねない。 家に入れるという選択肢はもちろんないが、 本格的にコンポストの改造を行う必要がありそうだ。 その日の昼、れいむ一家に『たからもの』とか言う小石や押し花や、ガムの付いたリボンらしきゴミをコンポストから出させると、 大規模な改装に取り掛かった。 まずは、ポリバケツを掘り出して、横倒しにすると天井になる、壁の一部を四角く切り抜く。 それに、ちょうつがいと留め金をつけて、外から開けるようにした。 ゆっくりは、冬には巣の入り口を密閉するらしいので、生ゴミの投入口をつけてやったわけだ。 次にバケツの入口、つまりゆっくりの出入り口だが、せいぜい直径30cm程度のゆっくりに対しては大きすぎる。 壊れたすのこを材料にして、ドーナツ状の板をつくり、バケツの口に取り付けてやった。 これでゆっくりの出入り口は、必要最低限の大きさになり、 木の枝などで塞ぐ手間も、寒気の吹き込む隙間もぐっと減るはずだ。 あとは、再び縁側の下にポリバケツを埋めなおし、これまではむき出しだった側面にまで土をこんもりと盛っておく。 外から見ると、生ゴミの投入口と、ゆっくりの出入り口だけ穴のあいた、砂場の砂山のような外観となる。 縁側の下なので、雨風で盛り上げた土が崩れる心配は無い。 地下は冬でも暖かいというので、これで断熱は十分だろう。 数十分の作業中、庭で遊ばせていたれいむ一家を呼び寄せた時の反応は、 以前コンポストを、はじめてつくった時以上のものであった。 「ゆ、ゆ、ゆ、ゆわぁぁぁぁああい!すっごくゆっくりしたおうちだよぉぉおおお!」 「ゆっくち!ゆっくちー!れいみゅたち、こんなゆっくちしたおうちにしゅんでいいにょ!?」 「ゆわーい!なかもあっちゃかいよー!ゆっくちー!」 「ふーい、疲れた。あとはこいつでも中に敷いとけ。」 「ゆぅぅぅぅうう!しゅごーい!ゆっくちちたおふとんしゃんだー!」 「おにぃさん、ありがと、う、ゆぇぇぇええん!」 「おきゃーしゃん、ないちぇるにょ?どっかいちゃいにょ?ゆっくちしちぇにぇ。」 「おちびちゃぁぁあん!れいむはうれしくってないてるんだよぉ。ゆっくりー、ゆっくりー!」 近所の農家から頂いてきた干し藁をひと束くれてやっただけだが。 とりあえず、この反応からして、今後はまたコンポストとして元気にやってくれそうだ。 こちらはやることやったので、あとのメンテはこいつ等がかってにやってくれればいい。 かつて母れいむと一緒に野良生活を送っていた頃、れいむには夢があった。 温かくて、雨の心配も、風の恐怖も感じないですむおうち。 毎日お腹いっぱい食べられるだけのごはん。 しかも、そのごはんを手に入れるために、命の危険など感じずにすむゆっくりプレイス。 外敵の心配もないそのゆっくりプレイスで、 ゆっくりしたおちびちゃん達とすーりすーりしたり、のーびのーびしたり、 おうたをうたったり、水浴びですっきりーしながら、毎日ひたすらゆっくりする。 夜になったら、ゆっくりしたおうちに帰り、ふかふかのおふとんの中で、 家族で肌を寄せ合ってすーやすーやする。 たまにはあまあまが食べられたら言うことはない。 これが、れいむのかつて夢見たすべてであった。 そして、今、この場所には、れいむが望んだもの全てがあった。 全てのゆっくりが追い求め、そして見つけることの出来なかった場所、ゆっくりプレイス。 だが、れいむにとってのそれは、人間さんがコンポスト、と呼ぶこの場所に、確かに存在していたのだった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ゆっくりー!」 「すーり、すーり、しあわせー。」 「すーり、すーり、・・・ゆっ、ゆっ、ゆっ」 「ゆふぅん、だめだよまりさぁ。ゆふぅ、ゆふぅーん!」 れいむ親子が初めて我が家のコンポストとなって2年。 結局外部から新たなゆっくりを連れてくる必要はなくなった。 こいつらは、家族以外のゆっくりがいないとなると、姉妹同士でつがいを作り続け、今はすでに4世代目である。 今はこれまた姉妹である、れいむとまりさのつがいがコンポストとして活躍している。 それと、最近は花壇の世話もめんどくさくなったので、街でゲッソリしていたゆうか種も一匹拾って庭に住まわせている。 最初はコンポストの連中が花を勝手に食う、食わないでもめた時期もあったが、 群れでもない以上大した量を食われることもなく、しかも花の肥料がコンポスト産だということもあり、 それなりの折り合いをつけることで落ち着いている。 「「すっきりー!」」 などと思っているところで、また増えるつもりのようだ。 れいむの頭ににょきにょきと生えたツタには赤れいむが3に赤まりさが2。 まあ、構わない。どうせ代替わりが激しいゆっくりである。 うっかり病死などしないうちに子供を作ってもらわなければ余計な手間だ。 それに増えすぎるようなら何個か潰して肥料にするだけ。 庭もすっかり華やかになって、もう幽霊屋敷の頃の面影は残っていない。 「おはよーございます。」 「ああ、農場の。おはよう。」 最近ついにこの辺も、のうかりん農場化が進み始めた。 生垣の向こうから挨拶してきたのうかりんも、そこの従業員である。 「とってもゆっくりした庭ですね。きれい。」 「まあ、ゆうかが一匹でやってるんだがね。」 「うふふ。それは失礼しました。でも、それ以上に・・・あなたの飼われているゆっくり達。」 「?」 「とってもゆっくりしてますね。今までたくさん飼いゆっくりを見ましたけど、一番ゆっくりしてますよ。」 「ふーん。そんなもんかね。」 同じゆっくりである、あののうかりんが言っているなら正しいのだろう。 よくわからんが、この2年間で一つだけ確信したことがある。 こいつらには、コンポストという仕事が向いている、ということだ。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1168.html
※fuku2383.txtの続編です ※人間、妖怪等は出てきません ※俺設定あります 母を失ってから数日後、まりさ達姉妹は何とか無事に全員生き延びていた。 今は六匹揃って仲良く草原を移動しているところだ。 この数日、まりさは身も心も休まる日が無かった。れみりゃに襲われたと思ったら次はありすに犯された。 あの日以来ずっと旅を続けているが、安全にゆっくりできる場所はまだ見つかっていない。 だからまりさ達は今もゆっくりプレイスを探して自然の中を歩き続けていた。 日も暮れてきた頃、自分たち以外のゆっくりを見つけた。 それは大きなれいむが一匹、小さなれいむが十数匹の家族だった。 「ゆ! おねーちゃん、ほかのゆっくりがいりゅよ! あいしゃつちようよ!」 一匹の妹れいむが目の前の家族を見つけて言った。 まりさも家族連れなら安心だと思い、みんなで声を合わせてれいむ一家に挨拶をした。 「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」 「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」 れいむ一家も笑顔で返し、母親と思われる大きなれいむがまりさに尋ねた。 「このへんじゃみかけないこだね? まりさたちはどこからやってきたの?」 「ゆ…それが」 まりさは親れいむに自分達はゆっくりプレイスを探していることを説明した。 そしてそれを見つけるにはどうすれば良いか見当もついていないことも。 そのことを聞いた親れいむはまりさ達に言う。 「じゃあれいむたちのむれにくるといいよ! きっととてもきにいるよ!」 まりさは少し考えたが、今日はもう遅く、妹達もずっと歩き続けて疲れているので、 とりあえずゆっくりできる場所が欲しいと思った。 「ゆ! じゃあおねがいするよ!」 「うん! さあ、おちびちゃんたち! もうかえるよ! まりさたちもゆっくりついてきてね!」 周りの子供達を連れ、親れいむは群れへと帰る。 まりさ姉妹もれいむ一家とお喋りしながらついていった。 「ゆ! ようこそ! ここがわたしたちのゆっくりぷれいすだよ!」 そこはまさにゆっくりプレイスという言葉がふさわしいような場所だった。 森の木々に囲まれた適度な大きさの広場。 巣は周りの枯れた木の中や根元、自然にできた段差に穴を掘って作っているのもある。 周囲の森には木の実や昆虫も豊富で食糧にも事欠かない。 そこでは数多くの様々な種類のゆっくり達が幸せに暮らしていた。 「すごい…!」 今までゆっくりの群れというものを見たことが無かったまりさは感嘆の声を漏らした。 ゆっくり同士が助け合って生きている。これほど素晴らしい場所があったなんて! その様子を微笑みながら見ていた親れいむは言った。 「きょうはもうおそいし、つかれてるでしょ? こんやはれいむのおうちでねるといいよ!」 その言葉を聞いたまりさは一瞬ありすの事を思い出したが、今回は大丈夫だと思った。 このれいむは信頼できる。それに群れの中にいるから万が一何かあっても大声を出せばいいので安心だ。 そう考えたまりさは親れいむの家で休ませてもらう事にした。 れいむの巣へ入り、皆で晩ご飯を食べる。 「むーちゃむーちゃ、しあわしぇー!」 「すっごくおいちいね!」 「こらこら、そんなにいそがなくてもごはんはたっぷりあるからね!」 総勢二十匹ほどにも及ぶ大人数での食事。 騒がしかったがとても楽しい。こんな愉快な食事は久しぶりだとまりさは思った。 夕食後。しばらく遊んでいたまりさの妹達も、れいむの子供達も寝静まった。 まりさは親れいむに感謝の意と、これまであった事を話した。 母親がれみりゃに殺されたこと、ありすに酷い目にあわされ、妹達も死んでしまったこと。 それから眠るとき以外はほとんど休む暇もなく、ずっと森を歩き続けていたこと。 「それはつらかったね。でもここはだいじょうぶだよ。みんなやさしいからね」 それを聞いた親れいむはまりさに優しく頬擦りをした。 交尾ではない、心温まる抱擁。 親れいむに母親の姿が重なり、まりさの中にかつて家族で過ごしていた頃の記憶がフラッシュバックする。 とても優しかったお母さんもこうしてくれたっけ。 と、心の底から安心したまりさの瞳に涙が浮かんだ。 それは次々と溢れ出し、まりさの意思と関係なくこぼれていく。 そんなまりさに、親れいむは母性溢れる笑顔を浮かべながら優しい頬擦りを繰り返した。 「よしよし、いいこだね。きょうはゆっくりおやすみ」 その日、まりさは久しぶりに心の底からゆっくりできた。 翌日。親れいむは群れのゆっくり達にまりさ姉妹を紹介した。 皆歓迎してくれたことがまりさにはとても嬉しかった。 まりさはこここそが自分のゆっくりプレイスだと思い、群れに入れてもらう事にした。 その日のお昼。秋がやってきた証である涼しい風が吹いていたこともあり、赤ちゃん達は元気に外で遊んでいる。 「ゆー! まりしゃのかちー!」 「ゆゆっ!ちゅぎはれいみゅもまけないよ!」 「まりしゃのおねーちゃんはとってもしゅごいんだよ!」 「れいみゅのおかーしゃんもしゅごいよ!」 「すーやすーや」 かけっこをするもの、お喋りをするもの、お昼寝をするものと様々にゆっくりしていた。 そんな中、一匹の蝶々が三匹でゆっくりしていた赤ちゃん達の元へとやってきた。 「ゆ! ちょうちょしゃんだ!」 「おいしそうだにぇ!」 その三匹の赤ちゃんゆっくりは全てまりさの妹達だった。 まりさ種が一匹にれいむ種が二匹である。 三匹の妹達は飛んできた蝶々を食べようと、ぴょんぴょんととび跳ねた。 だが赤ちゃんゆっくりの跳躍力では届かず、そのまま蝶々は森の奥へとひらひら飛んで行く。 「ゆ~! ちょうちょしゃん、ゆっきゅりまっちぇね!」 「まりしゃがおいちくたべちぇあげりゅよ~!」 慌てて三匹も蝶々を追いかけて森の奥へと進んでいった。 一方そのころ、まりさはれいむの巣の中でこれからのことについて話し合っていた。 自分達の暮らす場所についてやこの群れでのルールについてだ。 巣については空いているおうちを貰う事にした。 そして今は『群れで絶対にやってはいけないこと』について親れいむはまりさに話している。 他のゆっくりから食料を奪ってはいけない、喧嘩は仕方がないがそれが原因で群れに迷惑をかけてはいけない等々である。 それらについて一通り説明し終わった後、それから最後にもう一つ、と親れいむは言った。 「さっきいもうとちゃんたちにもいったけど、もりのおくにはぜったいにいっちゃだめだよ! ゆっくりできないものがいるからね!」 「ゆっくりできないもの? それはいったいなんなの?」 「それはね――」 親れいむは真剣な顔でまりさに"ゆっくりできないもの"について説明し始めた。 森の奥。まりさの妹達は暗く、じめじめした場所へと迷い込んでいた。 遊びに行く前にれいむから言われたことは、蝶々を追いかけているうちにすっかり記憶の彼方へ消えていた。 本能に従って食べ物を夢中で追いかけ、気が付けば自分達は知らない場所にいた。 「ゆ~、ここどこぉ~?」 「くりゃいよぉ~、ちょうちょさんもどっかいっちゃったよ~」 「もうやだ! おうちかえりゅ!」 だが他に返事を返してくれる者はいない。 普段は穏やかに聞こえる鳥のさえずりも、今は不気味な怪音でしかなかった。 ゾクゾクと赤ちゃんまりさ達の背中に寒気が走る。 ここは怖い、ゆっくりできない。 恐怖により赤ちゃん達は早足になっていた。 しばらく木々の間を行ったり来たりしていると、どこからか寝息のようなものが聞こえてきた。 「ゆ! だりぇかがおねんねしちぇるよ!」 「いっちぇみようよ!」 三匹はその音を頼りに、森を進んでいく。 そしてようやくその寝息の正体を見つけた。 「ゆ! みたことないおねーしゃんがいりゅよ!」 「ほんちょだ! しゅごくゆっくちしちぇるね!」 森の奥で眠っていたのは一匹のゆっくりだった。 綺麗なピンク色の髪を持ち、頭には三角形が付いた青い帽子を被っている。 寝息が聞こえるので当然だが、彼女は現在眠っており、口の端からは涎が垂れていた。 赤ちゃん達は怖い森の中でやっと出会った自分達以外のゆっくりに安堵感を覚えていた。 「ゆ! おねーしゃんおきちぇよ!」 「れいみゅたちをまりしゃおねーちゃんのところにつれちぇって!」 だがいくら叫んでもそのピンク髪のゆっくりは全く起きる気配がない。 痺れを切らした赤ちゃん達はついに体当たりしはじめた。 「ゆー! れいみゅをむちしゅるなー!」 「ゆっきゅりしすぎなおねーしゃんはゆっくりしにぇ!」 ポスポスと体当たりを続ける赤ちゃん達。 しばらくすると、そのゆっくりは目を覚ました。 そして寝ぼけ眼でしばらく辺りを見回す。 「ゆ! おねーしゃんやっとおきちゃね!」 「れいみゅたちをゆっきゅりちゅれていっちぇね!」 だが桃色髪のゆっくりはまるでその言葉が聞こえていないかのように大きく欠伸をした。 否。ように、ではなく本当に彼女の耳には赤ちゃん達の声は入っていなかった。 何故なら。 「こぼねーーーー!」 目覚めたゆっくり――ゆっくりゆゆこは寝起きでとてもお腹がすいていたからだ。 「ゆゆこ?」 「そう! それがゆっくりできないものだよ!」 親れいむに"森の奥のゆっくりできないもの"について説明を受けていたまりさは聞いた。 「それはそんなにゆっくりできないの?」 「すごくゆっくりできないよ!」 まりさが聞く限り、そのゆゆことやらは自分達と同じゆっくりらしい。 だが違うのはそれが自分達を餌にするゆっくりということだ。その話を聞いてまりさはれみりゃを思いだした。 なるほど、確かにそれはゆっくりできない。 「それがちかくにすみついちゃったの?」 「そうなの! でももりのおくのほうにいるからむれはあんぜんだよ!」 親れいむの言うとおり、ゆゆこのいる場所は群れからそれなりに離れていた。 それに群れとは反対方向の森には食べ物が沢山生えている。 これはゆっくり達がわざと残したままにしているものだった。 もしゆゆこが目を覚ましてもそちらの方向へ進んでいくだろうと考えての事だ。 だが万が一、という事も考えて群れの皆はゆゆこに近づかないようにしている。 「むれのいどうもかんがえたんだけど、もうこんなゆっくりぷれいすがあるかわからないし――」 と、そこで親れいむの言葉が途切れた。 群れのぱちゅりーが慌てて巣に入って来たからだ。 全速力で走って来たのか、はちゅりーは肩で息をしている。 「ゆ! どうしたのぱちゅりー!」 「む、むきゅ、たいへんよれいむ! あ、あいつが…ゆゆこがこっちにむかってるらしいわ!」 その言葉を聞いてれいむとまりさは巣を飛び出した。 一見、辺りは何の変わりもない。しかし群れのゆっくり達はパニックに陥っている。 "あれ"が起きたのは本当なのか? 本当だとしたら一体何故? ゆゆこが目を覚まし、群れの方向へと移動している。 それは先程、たまたま上空を飛行していたうーぱっくが知らせてくれた情報だった。 嘘か本当かわからないその話によって群れはとてもざわめいている。 そんな混乱した状況の中で、何とかまりさは妹達を探し出した。 だがその数が少ない。五匹いた妹は二匹のまりさ種だけになっている。 「ゆゆっ!? ほかのいもうとたちはどうしたの?」 「そ、それがきがちゅいたらいなくなっちぇちぇ…」 「どお゛していっしょにいな゛いの゛おぉぉぉぉぉ!!」 妹達を叱りながらまりさは辺りを見回すが、どこにも他の三匹の姿が見当たらない。 一体どこへ行ったんだろう、と考えているまりさの耳に、探していた声が聞こえてきた。 「お゛に゛えぇぇぇぇぇぇぇぢゃんだずげでええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 見ると、居なくなっていたまりさの妹れいむが涙を流しながら森の奥から必死に走って来た。 だが一匹だけだ。他の二匹はどうしたんだろう。 まりさがそこまで考えたとき、それは森の奥から現れた。 「こぼねー!」 「「「「ゆ、ゆゆこだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」 まりさの妹の後ろからゆっくりゆゆこが飛行しながらやって来た。 本来なら赤ちゃんゆっくりなどすぐに食べられてしまうだろう。 事実、他の妹二匹は既にゆゆこの腹の中だった。 しかし、周囲のありとあらゆる"食べられる物"を喰らいながらゆゆこは進んでいるため、この赤ちゃんはなんとかここまで逃げてこれたのだ。 群れの場所へと帰ってこれたのは偶然か、それとも生存本能のなせる業か。 ともかく赤ちゃんれいむは優しく頼りになる姉の元へと戻って来た。 それが最悪の結果をもたらすことも知らずに。 「こぼねー!」 「「「「い゛や゛あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」 その姿を確認するや否や、群れのゆっくり達は反対方向へと一斉に駆け出した。 だがそれがいけなかった。 ただでさえ群れのゆっくりが全て巣から出ており、周囲に所狭しと並んでいた。 それらが一度に同じ方向に向かうという事は――。 「だずげでええぇぇぇぇぇぇ!!」 「ごわ゛い゛よ゛おぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「ぶべっ! や、やべでえぇぇぇ! ふま゛ないでええぇぇぇぇ!!」 地獄、とはまさにこの事だとまりさは思った。 ゆっくりがひしめき合い、我先にと逃げ出す。 当然進むのが遅い老ゆっくりや赤ちゃんゆっくりなどは次々と踏み潰されていった。 だがそれを気にかけるものはいない。というより気づいてすらいない。 皆自分が生き残るのに必死だった。 そんな中、親れいむが自分の子供達を口に含んだ。 「ゆ! おちびちゃんたち! ゆっくりしないであんぜんなおかあさんのおくちにはいってね!」 「ゆっきゅりはいりゅよ!」 それを見たまりさも同じように近くにいた妹まりさ二匹を口に入れ、一目散に逃げ出す。 ゆゆこに追いかけられている妹も助けたかったが、状況がそれを許してくれなかった。 「どおおおしち゛ぇれいみ゛ゅを゛おいちぇいぐの゛お゛お゛ぉぉぉぉぉぉ!?」 森から完全に姿を現したゆゆこは移動するのを止め、その場に着地した。 一体何をする気だろう、とまりさは逃げながら振り向く。そして見た。ゆゆこが大きく口を開けるところを。 刹那、まりさの正面から突風が吹いてきたように感じた。 しかし、それは風ではない。押す力ではなく引っ張る力。 まりさが感じたそれはゆゆこの恐るべき吸引力だったのだ。 「おね゛え゛ぢゃんのばがあ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 自分を見捨てた姉を罵りながら、ゆゆこの一番近くにいた妹れいむが真っ先にその口内へと吸い込まれた。 ゆっくりゆゆこ。捕食種の中では非常に性格の大人しいゆっくりである。 身体能力自体ではれみりゃにも劣る。だが真に恐ろしいのはその食欲。 一度お腹がすくと、自分の周辺のありとあらゆる"食べられる物"を喰らい尽す恐るべきゆっくりだ。 れみりゃだろうが何だろうが一度でも捕食の対象となれば逃げられない。 獲物が多い時は口を大きく開き、驚異の吸引力で周囲の食べ物を全て吸い込んでしまう。 「ゆ゛うぅぅぅぅぅぅ!?」 「い゛や゛あああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「もっぢょゆっぐちじちゃかっだよおおぉぉぉぉぉ!!」 まずは力のない赤ちゃんゆっくりが吸い込まれていく。 それから子ゆっくり、老ゆっくり、ぱちゅりー種と踏んばる力の弱いものから順々にゆゆこの口内へ収まっていった。 「ゆ゛う゛うぅぅぅぅぅぅぅ!!」 体全体が引っ張られ、飛んで行きそうになる。 だがまりさは堪えた。なんとしてでもこの場を生き残る。 近くの太い木に口でしがみ付き、帽子が飛ばないように木と頭で挟む。 ふと横を見ると、親れいむや他の大人ゆっくり達も同じようにして耐えていた。 体が引き千切られそうな痛みを感じながらまりさは思った。 なんだあの化け物は、と。 まりさは捕食種と聞いて、てっきり"ゆゆこ"もれみりゃのようなゆっくりかと想像していた。 だからいざという時は自分が囮になり、妹達や群れの皆が逃げる時間ぐらいは稼ごうと考えていた。 攻撃を避けることに徹していれば時間稼ぎぐらいはできるだろうと。 だがこの化け物は囮がどうとかそんなレベルの話ではない。 大人も子供もれいむもまりさもぱちゅりーも…全て平等に一度に喰らっていく。 誰も逃げることなど出来ない。その場から少しでも力を緩めるとあっという間にゆゆこの口の中なのだから。 「い゛や゛あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「わ゛がらな゛い゛よお゛おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「ぢぢぢぢぢーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんぽおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 地面から足の部分が離れたゆっくりの悲鳴が次々と聞こえてくる。 その声を聞きながら、れいむはどうしているだろうと思ったまりさが再び横を見た瞬間にそれは起きた。 ベリッ という大きな音と共にまりさの隣で木にしがみついていた親れいむの体の後ろ半分が千切れた。 千切れた半身はすぐにゆゆこの口の中へと吸い込まれていく。 自分の身に何が起こったのかわからず、呆然とする親れいむ。 だがそれだけでは終わらなかった。 「ゆううぅぅぅぅぅぅ!? どおちてえええぇぇぇぇぇぇぇ!?」 「たちゅけでえええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 「あんじぇんだっていっだのに゛いいぃぃぃぃぃ!!」 「おがーしゃ゛んのうぞづぎいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 親れいむの切断面からぽろぽろと口の中に保護されていた赤ちゃん達がこぼれ出し、吸い込まれていく。 体半分と最愛の子供達を失い、親れいむの心は砕けた。 「うふ…あはは…あひゃひゃひゃひゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」 木にしがみ付くのをやめ、狂ったように笑い声を上げる親れいむ。 支える力を失った彼女もまた、子供達と同じようにゆゆこの口の中へと姿を消した。 そんな親れいむを皮切りに、次々と木に噛み付いて堪えていたゆっくり達の体が千切れていく。 ベリッ、ベリッベリッ、ベリリッ、と不規則に皮の引き千切れる音が周囲に響いた。 否が応でも聞こえてくるその音を耳に、まりさは目を瞑ってひたすら吸引に耐えた。 飛び交う小石や枝がまりさの体に衝突し、切り傷や打撲を与えてく。 それでもまりさは涙を流しながら必死に堪えた。 どのくらい経っただろうか、突然まりさの体が地面に付いた。 それはゆゆこが吸い込むのをやめたことを意味する。 「こぼねー♪」 満足したのか、それともただ単に最後に残ったまりさには気が付かなかっただけなのか、 食事を終えたゆゆこはボロボロのまりさを残して上機嫌でどこかへ飛んで行った。 まりさに生き残った安堵感が押し寄せる。だが周囲を見回し、絶望がそれを塗りつぶした。 群れのゆっくりは全てゆゆこに吸い込まれ、食べられていた。 周りにあるものすべて…草も綺麗な花もキノコも全部なくなっている。 ついさっきまで群れのゆっくり達が心の底からゆっくりできていたゆっくりプレイス。 それが今や、草花や昆虫の命も何一つ無い荒れ果てた大地となってしまっていた。 まりさは涙を流した。せっかく理想のゆっくりプレイスにたどり着いたと思ったのに。 たくさんの優しいゆっくり達と巡り合えたのに。 と、そこで口に入れている妹達がやけに大人しいのに気づき、まさかと思って急いで吐き出した。 幸運なことに、まりさの最悪の予想は外れていた。 二匹の赤ちゃんまりさはすーやすーやと幸せそうに眠っている。 こんな時に呑気なものだ、とまりさは思った。 だがそれと同時に、せめて無事に生き残ったこの妹達だけでもしっかり守っていこうと心に決める。 まりさは妹達を再び口に含み、ゆっくりとその場を後にした。 それからまた数日が経った。 まりさと二匹の妹はたくましく生きている。 妹達は赤ちゃんゆっくりから子ゆっくりへと成長し、きちんと物を考えて行動する事が出来るようになっていた。 まりさはというと、完全に大人ゆっくり並みの大きさである。 本来、ゆっくりがこれほどの早さで成長するのはあり得ないが、これも進化の恩恵か。 季節は初秋。夏の暑さも身を潜め、涼しい風が吹き始める時期である。 現在、まりさ姉妹は木の根元の小さな窪みで眠っていた。 すやすやと寝息を立てながらの寝顔はとても幸せそうである。 やがてそんな彼女らを日が照らし、まりさは目を覚ました。 「みんな! あさだよ! ゆっくりしていってね!」 「「ゆっくりしていってね!」」 まりさの朝の挨拶に反応し、二匹の妹達も目を覚ます。 近くの水辺で体を洗い、まりさ達は今日もゆっくりプレイスを探して歩き始めた。 それからしばらく進むと、大きな川が目の前に現れた。 どうやらここで行き止まりらしい。 どこかに川を渡れる橋のような物がないかとまりさは辺りを見回す。 だがそんな物はどこにも無く、ただ大きな川が広がっているだけである。 ここから先に進むにはこの川を渡っていくしかないとまりさは思った。 「ゆ! いまからこのかわをわたるよ! ゆっくりぼうしをとってね!」 まりさ種は帽子を使って川渡りをすることができる。 勿論それはこのまりさ姉妹も例外ではない。 まりさはれいむ種だった母親からは一度もその方法を教わった事が無い。 しかし、それはまりさ種の本能に刻まれていた。 だからまりさも二匹の妹も、迷わず近くにあった適当な木の枝を拾い、帽子を川に浮かべてその中に乗り込んだ。 幸いこの川は流れがそれほど激しくはない。 子ゆっくりでもきちんと進めば向こう岸に辿りつくことができるだろう。 「じゃあいくよ! ふたりとも、まりさのあとについてきてね!」 長女まりさが最初に漕ぎ始め、妹達が後に続く。 それほど激しくないとはいえ、ゆっくりにとっては決して穏やかではない流れである。 それでも何とか三匹は向こう岸を目指して一生懸命に進んでいく。 しかし、丁度半分ほどまで進んだ頃、まりさ達を絶望に陥れる声が周囲に木霊した。 「うー! おいしそうなのがいるぞぉー!」 「たーべちゃうぞぉー!」 「「「!?!?」」」 バサバサと羽音を立てて、それらは舞い降りてきた。 現われたのは二匹の体無しれみりゃ。 無邪気な笑顔を浮かべながら、彼女らは獲物へと近づいていく。 一方、まりさ達は突然訪れた命の危機にパニック状態になっていた。 「た、たすけでええぇぇぇぇぇ!!」 「れ゛みりゃいや゛ああぁぁぁ!!」 「ごわ゛い゛よおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 叫びながら今まで以上に必死で川を渡っていく三匹。 特に長女のまりさはれみりゃの恐ろしさを身をもって体験している。 今ここにいるのは体付きではないが、それでもあの時の恐怖は忘れる事が出来ない。 圧倒的な力で掴まれ、なす術もなく食べられそうになった。 母に助けられ、何とか生き残ることができたが、その代償に母がれみりゃに食べられてしまった。 もうあんな怖い思いはしたくない。そう思ったまりさは我を忘れ、無我夢中で進む。 だが突如聞こえた悲鳴がまりさを現実に引き戻した。 「い゛や゛ああぁぁぁぁぁぁ!! やべでええぇぇぇまでぃさをたべないでええぇぇぇぇ!!」 それは最後尾にいた妹まりさの声だった。 まりさが振り返ると、そこには頭を一匹のれみりゃに咥えられ、宙に浮かぶ妹の姿があった。 鋭い牙を獲物の頭部に食い込ませながら、れみりゃはにこにこと笑っている。 「うー! れみりゃはこっちからたべるぞぉー!」 もう片方のれみりゃが妹まりさの底面を咥えた。 妹まりさの体に激痛が走る。涙を流しながら放してと訴えるが、二匹の捕食種は笑顔のまま無視している。 まりさはこれから起こるであろうことを考え、目をそむけた。 「も゛っどゆ゛っぐりじだがっだよおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 断末魔と共にビリビリと皮の裂ける音が聞こえた。 妹まりさは体の上下をれみりゃに引っ張られ、綺麗に真っ二つに千切れたのだった。 二つになった妹まりさをれみりゃ達はむしゃむしゃと幸せそうに咀嚼した。 「うー! おいしいぞぉー!」 「もっとたべるぞぉー!」 その言葉を聞いて、まりさと残ったもう一匹の妹まりさに再び恐怖が訪れる。 「ゆっ、ゆっくりしないではやくすすもうね!」 何とか平静を装い、まりさは最後の妹に声をかけた。 だが妹まりさはそれどころではなかった。 自分の真後ろで姉妹が食べられてしまったのだ。 パニックに陥った妹まりさは、れみりゃから逃れようと無理に体を動かし――。 ボチャン とバランスを崩して川へ落ちてしまった。 「あぶぇびゅぁっ! お゛、お゛ねぇえぢゃん! だずっ、だずげでええぇぇぇぇ!!」 溺れながら必死の形相で姉に助けを求める。 だがまりさにはどうすることもできない。ただ頑張ってと声をかけるしか出来ないのだ。 川の流れには逆らえず、そのまま最後の妹まりさは下流へと流されていった。 「うー! かわにおちちゃったんだぞぉー!」 「おいかけるんだぞぉー!」 二匹のれみりゃは妹まりさの流された下流へと進んでいく。 残されたまりさは涙を流しながらその隙に川を渡っていった。 ようやく岸に着き、何とか帽子を被り直して心を落ち着かせる。 これで姉妹は自分一人になってしまった。そう思うとどんどんと涙があふれてくる。 ごめんね守ってあげられなくてごめんね、とまりさは俯きながら何度も何度も呟く。 そんな彼女の耳に、恐ろしきハンター達の声が再び聞こえてきた。 「うー! けっきょくたべられなかったんだぞぉー!」 「もったいないぞぉー! ぷんぷんだぞぉー!」 二匹のれみりゃが羽を動かし、すいすいと空中を泳ぐかのようにして戻って来た。 どうやら溺れた妹まりさを食べることができなかったらしく、少々いらついている。 「じゃああのまりさをたべるんだぞぉー!」 「うー! まるまるとしてておしそうだぞぉー!」 次の標的は自分。 そう察知したまりさは一目散に正面の森へと逃げ出した。 全速力でまりさは走る。何とかれみりゃを撒こうと小さな木々の隙間等を利用して進んでいく。 だが小回りの利く体無しれみりゃは、木にぶつかることもなく恐るべきスピードで難なくまりさを追跡してきた。 これが体無しれみりゃの特徴だ。 力こそ体つきより少ないが、そのかわりに飛行スピードがとてつもなく速い。 目の他にも、うーうー!と鳴くと同時に発する超音波の反響によって進行方向の障害物の位置を特定し、綺麗に避けることが出来る。 怖い怖い怖い怖い怖い。あれに捕まったら死あるのみだ。 片や地面を蹴って進むしかないゆっくり。片や障害物も関係無く飛行しながら進むことのできるゆっくり。 追いつかれるのも時間の問題だった。 「うー! いただきまーすだぞぉー!」 やがて一匹のれりみゃがまりさに襲いかかった。 地面へと滑空し、涙を流しながら逃げるまりさの後頭部に噛み付く。 ブスリとまりさの皮に鋭い牙が食い込み、そのまま引き千切られた。 「うあ゛ああぁぁぁぁぁぁ!! いだい゛よ゛おおぉぉぉぉぉぉ!!」 滝のように涙を流しながら、まりさは悲鳴を上げた。 あまりの痛みにまりさは足を止めてしまい、その場でのたうちまわる。 「ひぃっ! い゛だい゛ぃぃ! だずげでおがあぁぁざぁぁん!!」 亡き母の姿を思い浮かべながら、まりさは涙で顔をぐしゃくじゃにした。 そんな彼女を二匹の不気味な笑顔を浮かべた捕食者が取り囲んだ。 片方のれみりゃは今しがた齧りとったまりさの一部をむしゃむしゃと食べている。 だがどういうわけか、それには餡子が付いていなかった。 「うー? あまくないぞぉー? でもおいしいぞぉー!」 「うー! れみりゃもたべたいぞぉー!」 「じゃあ…」 「「ふたりではんぶんこするぞぉー♪」」 うーうーと鳴きながら二匹は獲物を挟み撃ちにしようと移動した。 まりさの正面と背後にれみりゃ達がそれぞれ回り込む。 そしてまりさの前方にいるれみりゃが口を開けて急降下してきた。 迫り来る死。もうすぐあの鋭い牙が自分を捕えるだろう。絶望がまりさを襲う。 と、そこでまりさは考えた。どうせ死ぬなら最後のあがきぐらいはしてみようと。 無駄かもしれないが何もしないで死ぬよりはマシだ。 「う゛…う゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 目を瞑り、捨て身の覚悟でまりさは正面から迫ってくるれみりゃに突進した。 そして。 ドガッ 「う゛あ゛ーー! いたいぞぉーーー!!」 「…ゆ?」 大きめの衝突音の後、まりさが聞いたのは自分以外のものの悲鳴だった。 ふと眼を開けて確認すると、自分へ向かってきたれみりゃが地面の上でもがいているではないか。 顔を苦痛にゆがませ、涙を流しながら地上で羽をバタバタさせている。 同じような大きさの捕食種に通常種が力で勝るなど、本来はあり得ない。だからこその捕食種だ。 だがこのまりさは違う。何万、何億分の一の確率で突然変異…いや、進化をしたまりさなのだ。 普通のゆっくりよりもその皮はいくらか分厚く、また力も強い。 死に物狂いだったこともあり、油断しきった体無しれみりゃになら打ち勝つほどの力をまりさは得ていた。 それと同時に自然治癒力も高くなっていた。 その証拠に先程れみりゃに噛み千切られた後頭部はまず餡子まで届いていないし、傷も既に再生し始めている。 れみりゃが食べたのはまりさの皮の部分だけだったのだ。 目の前でジタバタするれみりゃを見たまりさは一瞬呆気に取られたが、すぐに思考を切り替えた。 今なられみりゃに勝てる! そう判断したまりさは高く跳躍し、体重を乗せてれみりゃへと飛びかかった。 「うあ゛ーーーーーーーーーーーーーーー!!」 ブチュリと音をたてて潰れ、れみりゃは絶命した。 飛び散った肉汁の感触が気持ち悪かったが、気にする暇もなくまりさは背後を振り返った。 そこには笑顔ながらも困惑の汗を流した、もう一匹のれみりゃが空を飛んでいる。 その残るれみりゃへと、まりさは大きな声を放った。 「なんだ! れみりゃってよわいんだね! きっとそっちのれみりゃもよわいんだろうね!」 「う゛ー…」 れみりゃは混乱していた。 今までの経験から、まさか獲物が反撃してくるなどとはれりみゃはこれっぽっちも考えていなかったのだ。 自分は余裕をもって追いかける存在で、相手は必死に逃げる存在。それがれみりゃの中での常識だった。 それに、自分達は獲物よりも強い力を持っている。 たとえ反撃されたとしても、返り討ちにできるほどの力を。 だから目の前で起きた事が信じられなかった。 獲物は今まで何度も食べて来たような何の変哲もない弱っちいはずのゆっくりまりさである。 それが相棒を殺したなど信じてたまるか。 「どうしたの? まりさがこわいの? れみりゃのくせにおくびょうなんだね!」 まりさの言葉にれみりゃはカチンときた。 弱いくせに! 食べ物のくせに! 激怒したれみりゃは牙を剥き出し、全速力でまりさへと突撃した。 かかった! まりさは心の中で自分の計画が上手くいったことに喜んだ。 いくられみりゃの片割れを倒したとはいえ、このまま逃げても再びもう一匹に追いつかれるだけだろう。 むしろ体力を無駄に消耗させるだけだ。そうなれば今度こそ食べられてしまう。 そこでまりさは、ここでもう一匹も殺すことにしたのだった。 だがいくらまりさが強くなったとはいえ、普通に戦えば勝負は五分五分といったところだ。 だから相手を挑発し、わざと怒らせようというのがまりさの考えだった。 そしてそれは見事に成功した。 単純な挑発に頭の悪いれみりゃはいとも簡単に引っかかった。 頭に血が上った相手ほど倒しやすいものはない。 真っ直ぐに突っ込んできたれみりゃにタイミングを合わせ、まりさは再びれみりゃを踏み潰した。 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーーー!!!」 れみりゃの断末魔と共に、ブチュリと肉が潰れる感触がまりさの足を伝う。 その気持ち悪さと、あのれみりゃに打ち勝った嬉しさ、そしてそれ以上の妹達を全員失った悲しみがまりさの中に渦巻いた。 家族は皆死んでしまった。優しい母も、可愛い妹達ももういない。 幸せだったころの家族の記憶が頭に浮かび、どんどんと涙が流れてゆく。 だがいつまでも悲しんでばかりはいられない。 確かにもう家族はいない。だから自分だけはしっかりと生き残らなければならない。 姉妹最後の一匹となったまりさは決意を胸に、新たな一歩をしっかりと踏み出した。 続く? あとがき 私ね、捕食種って結構怖いと思うのよね。 ゆっくりは人間や自然災害がなくてもゆっくりによってゆっくりできないと思うのですよ。 それにしても、れみりゃはまだしも、このゆっくりゆゆちゃんは人間にとってもかなり迷惑そうな存在である。 今まで書いたもの それいけ! ゆっくり仮面 ゆっくり仮面の憂鬱~邪悪な心~ お兄さんの逆襲 前後編 ゆっくりれいむの悪夢 あるゆっくりまりさの一生 前編 by.ダイナマイト横町 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/859.html
かわいいゆっくりゲットだぜ!!外伝-下(ごめんなさい) ゆっくりれみりあ(れみりゃ)の捕食種設定ありです。俺設定もありです ゆっくりの捕食シーンと死亡するシーンと戦闘するシーンがあります。 ひどいあつかいのゆっくりと性格の悪いゆっくりがいます 3章のプロローグと重なる部分あります 投棄場と悩みましたがSSに載せる事にしました。助言をくれたスレの方たちありがとうございます 残酷なシーン、捕食と戦闘を(以下略)と共食いや死体食いをおまけにのせました。嫌いなかたは読まないでください それでもよければどうぞよんでください では駄文開始です。 「どういうことなんだぜ!」 小屋に戻ったリーダー格のまりさは怒鳴り声を上げた。 「ゆっくりおちつくんだぜ! ごはんさんはまたさがせばいいんだぜ!」 「そうなんだよ! ゆっくりするためにごはんをたべたんだよ!」 「ちんぽ!」 「おこるなんていなかもののすることよ!」 小屋に残っていた越冬用の保存食は跡形もなくなくなっていた。 食料探しに行きもしない若い成体ゆっくり達と子ゆっくり達によって… 「よくきくんだぜ! このなかでいちばんごはんをたべないのはあかちゃんなんだぜ! 」 「だからいっぱいたべるれいむたちはさきにたべたんだよ!」 駄目だ。こいつらには自分の言いたい事を理解する知能はないとあきらめた。 赤ゆっくり達のこともかんがえずに、自分達だけで食料を食べたことに満足そうな連中に軽蔑のまなざしを向けた。 「ごはんをたべたゆっくりはぜんいんしょくりょうさがしにいくんだよ!」 「なんでれいむがごはんをさがしにいかなければいけないの!」 「ちんぽ!」 「とかいはなまりさはそんなことはいわないわ!」 「いぃぃぃぃから、すぐこやからでていくんだぜぇぇぇぇ!!」 自分たちの2倍近い50cm台のまりさの威嚇に恐れをなした若い成体はいやいやそうに小屋を出て行った 隅っこではまりさの様子におびえた赤ゆっくりたちが震えている。 まりさは般若の形相から優しい顔に戻ると赤ゆっくりたちにすりすりをしようとした。 積極的に顔をすりすりする子とおそるおそるする子がいることに気付いた。 「おちびちゃん、どうしたんだぜ?」 「「「「ゆぇぇぇーん、まりしゃちゃちだけごはんちゃべちゃったんだよ。おきょらにゃいで」」」 よく見てみればツヤのいい子供とげっそりした子供がいる。 どうやらあの成体ゆっくり達は自分の子供達にだけは食料を与えていたようだ。 ここまで来ると自分のリーダーとしての器に自信がなくなってきた あのぱちゅりーが出て行ったのもわかる気がした。 だが、今自分のできることをしていかなければと心に決めた。 先ほどのれみりゃのいた場所に戻ると若い成体連中が不満そうに食料を運んでいる。 この調子で何日か行えばどうにかなるかもしれない。 まりさもどこか楽観的に考えていた。 次の日、入り口から外を見た まりさをはじめとする越冬についての知識をもってるゆっくりは絶望した。 雨が降り始めていたのだ。この寒さでは雪に変わるかもしれない。 遠出は難しい状況だ。入り口を閉めて寒さを防ごうとした時にピンクの丸い物体が飛んできた。 「うーうー♪ うーうー♪」 「「「「れみりゃだぁぁぁぁ---っ!!!」」」 群れの中で緊張が走る。 まりさは一歩前に出てはなしかけた 「なんのようなんだぜ?」 「うーうー♪ うーうー♪」 自分の帽子をひっくり返すと中にはまつぼっくりがいくつも入っていた。 それを置くと自分の役は終わったというように入り口から出て行ってしまった。 どうやら食料ををわけにきてくれたようだ。 若い成体がものほしそうに見ているがまりさは口の中で噛み砕くと赤ゆっくりの前にはいた 「あかちゃんがさきなんだぜ!」 親のいない赤ゆっくりや昨日、食料を食べれなかった子ゆっくりたちにわけていった。 満足そうに見る小数のゆっくりと不満げな顔をするゆっくり達がいた。 何故働けもしない、赤ゆっくりにご飯を上げるのかわからないといった顔だ。 赤ゆっくりたちはおなかいっぱいで満足のようだ 次に子ゆっくりに食料を与え始めた。それなりに満足のようだ。 成体ゆっくりにも赤ゆっくりと子ゆっくりにあたえた量を分けた。とても不満足のようだ。 「こんなりょうでたりるわけがないんだよ!ばかなの!しぬの!」 「きのうはたらいたぶんをよこすんだぜ!」 「ちんぽ!」 「とかいはなしょくじをようきゅうするわ!」 やはり、こいつらはわかっていない。 今分けた食料の分配がぎりぎり冬が終わるまで生き残れる量だということを 「よくきくんだぜ! ごはんがたべたいんならあめさんのなかをさがしにいくんだぜ!」 「ばかなの! そんなことしたらとけてしんじゃうんだよ!」 「そのとおりだぜ! ごはんさんはすくないからまいにちこのりょうでがまんするんだぜ!」 「そんなことしたら、おなかがすいてしんじゃうんだぜ!」 「ならいますぐごはんさんをさがしてくるんだぜ!」 ご飯をわけるにも雨がいつ止むかわからない状況ではこれ以上食料を探せるかわからないのだ。 今ある食料を赤ゆっくりに合わせてわけていき…最悪は… そんなことを考えながらまりさは番のありすとゆっくりしていた。 自分も子供は欲しい。だが、状況が許さないのだと諦めている。 次の日もれみりゃは、雪の中をまつぼっくりをもってやってきた。 そんな感じで何日が過ぎたときれみりゃがもってきたのは木の皮だった。 「ばかなの! そんなのたべれないんだよ!」 若い成体のうちの一匹が空腹のイライラもあってか叫ぶ。 「うーうー? うーうー?」 「うーうーじゃないんだぜ! もっとおいしものをたくさんもってくるんだぜ!」 若いゆっくり達の間では、このれみりゃは自分たちに食料を運分のが当然になってしまってるようだ。 子供の頃から自分達に食料を集めてくれていた事も原因のひとつだろう この雪の中を食料を探すのにどれだけ苦労しているのかわからないのだろうかとリーダー格のまりさは思った これ以上れみりゃに迷惑をかけるのは申し訳ない。そう思ったまりさは 「もうこなくていんだぜ。じぶんのすでゆっくりはるまでまっているんだぜ!」 「うーうー? うーうー?」 「そうよ。とかいはじゃないれみりゃはくるべきではないわ」 「うーうー? ひっぐえっぐ…」 れみりゃは泣きそうな顔になると木の皮をくわえて小屋を出ていてしまった。 あの木の皮は何だっただろうかとまりさは考えていた。 その答えに気付くのに1週間がかかった。 食事の量は赤ゆっくりでも満足できない程度の量になってしまった。 そのせいでかゆっくりたちが大きくならなくなり始めた ここまで来ると食料を無理にでも奪おうとするゆっくりもいた。 それぞれの種でリーダー的役割になっているゆっくりに阻止されて諦めた。 成体ゆっくりはイスやテーブルなどの木を食べて飢えをしのぎ始めた。 れみりゃの持ってきた木も食料だったのだとゆっくり達が気付いた時には遅かった。 雪がやんで森の土が湿っていないので若い成体ゆっくりに食料探しにいかせた。 念のためにそれぞれのリーダーだけは残って食料を守っていた。 「ちんぽ!」 「どぼじでごはんがな゛いのお゛ぉぉぉぉ!!」 「わからないよー! ごはんがないんだよー!」 「ゆきさんのせいでもりのそとにいけなかったんだぜ!」 「とかいはのわたしにしょくりょうちょうたつなんてやらせるんじゃないわよ!」 若い成体ゆっくりは口々に文句をいっているが様は何も見つからなかったようだ。 申し訳程度に木の枝を拾ってきたようだがとてもじゃないが食える味ではなかった。 れみりゃが置いていこうとした木は美味しかったのだろうかと誰かが言った。 「そうだよ!れみりゃにごはんをもらえばいいんだよ!」 「そうよ!あのれみりゃなら、ごはんをもっているんだよ!」 「とかいはないけんね!」 さすがに食べられてしまえとは思わないが、まりさはその様子をみて勝手に行けと毒づいた。 心配そうに見ていた年長者のれいむがついていったから大丈夫だろうと思った あいつらはわかっているのだろうかれみりゃ1匹の食料でどうにかなるわけがない。それに… 若い連中が戻ってきたゆっくりできるものが何もなかったと怒っている。 それはそうだろう。もってくるものがなくなって木の皮を持ってきたぐらいなのだから。 「やっぱり、れみりゃはやくにたたないんだよ!」 そのれみりゃがいなければお前等は餓死してたんだろうがとは言わなかった。 そのとき入り口から誰か入ってきた。あのれみりゃだ。 おうちを荒らされた文句でも言いにきたのだろうか…様子がおかしい。 れみりゃは自分のほほ辺りをちぎると先ほど出て行った年長者のれいむに投げた 「これをたべてもいいの?」 「うーうー♪ うーうー♪」 「ありがとうね…れみりゃ…」 泣きそうな顔をしながられいむは、少し固めの肉まんの皮を口の中でふやけさせた れいむはそのれみりゃの皮を赤ゆっくり達にわけてあげた 「「「むーちゃ、むーちゃ、ちあわちぇー♪」」」 量は少なかったがおいしそうに赤ゆっくりたちはれみりゃの皮を食べていた そして小屋の中ではとても美味しそうなにおいが充満するのだ。 人間が肉まんと呼ぶ食べ物の具のにおいが… 傷が治ったのかれみりゃは小屋から飛び出していった。 体をわけるれみりゃを見て自分たちが少しでも生き残る方法があることにまりさは気付いた 若い成体連中が大騒ぎを始めた。 自分の体をわけるぐらいなのだからあのれみりゃはご飯をいっぱい持っているはずだとそれを隠しているんだと そういうとリーダー格まりさにもう一度れみりゃを探しに行くから食料をよこせといった どうせ助からないなら全部食べてもいいだろうか最終手段もあることだし。 ほかの種のリ-ダーに相談した。 「わかったんだぜ! あかちゃんからじゅんばんにたべるんだぜ!」 「「「むーちゃ、むーちゃ、ちあわちぇー♪」」」 「「「むーちゃ、むーちゃ、しあわせー♪」」」 子ゆっくりより小さい子供たちはおなかいっぱい食べて幸せのようだ。 おなかを見せてゴロゴロ転がったり母親とすりすりをしている。 大人たちの順番になった時には食料はひとつもなくなっていた。 子供たちに最後だけでもゆっくりさせれたことにリーダー格や年長のゆっくり達は満足だった。 だが成体連中は不満でいっぱいだ。 「こうなればほかのゆっくりのすをおそうんだぜ!」 「そうだよ! あのぱちゅりーやこぁのすをおそえばいいんだよ!」 「あのふたりがどこにいるかわかるのかだぜ!?」 「ゆ・・・」 また入り口かられみりゃがやってきたどこから持ってきたのか大量のビワの葉っぱを出してきた。 それを見て若い成体ゆっくりたちが目の色を変えて食べ始めた。 その様子をみたリーダー格のまりさが質問をした。 「このはっぱさんはどこにあったんだぜ?」 「うーうー? …うーうー」 こちらに来いという様に羽を振ります。 それぞれの種のリーダー格と年長者が意見を交わした。 今までのれみりゃの行動から信じてついていくことにした。 若い成体達とリーダー格のまりさが約2時間ほど歩くと土手に行く道に着いた。 その先には1mぐらいのビワの木と松の木が一本ずつ立っていた。 れみりゃがその葉っぱとまつぼっくりを落としてくれたのでそれを食べた。 成体20匹以上には足りる量ではなかった。 「ありがとうなんだぜ!」 ここまで食料を探してくれたれみりゃに、まりさは純粋に感謝をした。 だが若い世代は、こんな遠くまで来てこれだけなのかと不満げな様子を見せているものもいる 中には自分の子供たちのためだと口や帽子にためている者がいる。 2時間をかけて巣に戻ると食べた量と運動量の差だろうか疲れてしまい群れのゆっくり達は熟睡してしまった。 まりさはつがいののありすに話しかけた 「ありす、よくきくんだぜ! いまからすっきりするんだぜ!」 「でもごはんがないのよ。それじゃあかちゃんがかわいそうよ」 「しんぱいしなくていいんだぜ!…」 「…!!」 まりさとありすの間の子供はみな大人になる前に死んでしまっている だから、次の子供こそは大人になって欲しいと願っている。 なのにこの状況で生みたいとはどういうことなのだろうか? まりさの意見に驚きつつありすは子供を生むこと承諾した。 自分やまりさや自分がいなくても子供たちがゆっくりできることを願いながら行為に及んだ そして、ありすの頭に蔦が生えてまりさ種が1匹・ありす種は2匹実っていた。 次の日、リーダー格のまりさがありすと子供を作ったことに対して大騒ぎがおきた 食糧問題を抱えているのにそのような事をするなんて信じられず年長者のゆっくりたちも驚いていた。 だがまりさの話を聞いて年長者は納得した。 自分が最初の食料になり年長者から順に食べられていいき、赤ゆっくりを少しでも生かす作戦だというからだ。 若い成体はそのことに反発したが子供を認められたことによって納得した。 だが子供を生む場合には母体にならなかった。父親ゆっくりは食料になると聞いて諦めたゆっくりもいたようだ。 この群れは、年長者に反発するものは多いが行動にうつす覚悟のあるものは少ないのだった。 「ただ、みょんはさいごまでのこるんだぜ!」 「わかるよー! みょんはつよいからむれをまもるんだね」 「ちんぽ!」 リーダー格のみょんは自分の信頼に答えようと張り切ってくれているようだ。 だが、実際は約束を忘れて自分だけ生き残ろうとするゆっくりが出た時の対策の意味もあるのだが… まりさの悪い予感は当たった 「れいむがさそったのがわるいんだぜ! まりさはこどもをうむきはなかったんだぜ!」 「どぼじてぞんんなあごとぉぉぉいうのぉぉ!!」 若い成体まりさが食料を探すふりをしてれいむ種との間に子供をつくってしまったのだ。 その様子をみていたゆっくりも何匹もいたので言い逃れはできなかった。 「『さあ、おたべなさい!』をするんだぜ! まりさ!」 「そんなことしたくないんだぜ! こどもをうんだらみんなしあわせになるんだぜ!」 「それはごはんさんがたくさんあったばあいなんだよ! いまはごはんさんがないんだよ!」 「ちんぽ!」 先の尖った木の枝をもったみょん達が後ろのほうで身構えている 返答によってはいつでも飛び掛れるようにしている。 このままでは自分が刺されるか食べられるかして死んでしまう。 リーダー格のまりさはすっきりするゆっくりが自分の死ぬ前にでたことに満足していた このことが抑止力になって子供を生もうとするゆっくりがいなくなる。 加えて『さあ、おたべなさい!』に対する抵抗感も減るはずだからだ。 子供を作ったまりさは悩み続けた。自分が食べられないにはどうすればいいか・・・ 食べられる…食べてもすぐに直る奴がいることを思い出した。 「よくきくんだぜ! まりささまがいいことおもいついたんだぜ!」 「どういうことなんだぜ?」 「れみりゃをつかまえてしょくりょうにすればいいんだぜ! すぐにきずがなおるからもんだいないんだぜ!」 「でもれみりゃはごはんをわけてくれたよ」 「よくきくんだぜ! あれはこのむれをふとらしてたべるきだったんだぜ!」 「「「「「!!」」」」」 その話を聞いて年長のゆっくりたちは呆れていたが若い世代ではそのとおりだという意見が出てきた。 「あした、れみりゃをつかまえにいくんだぜ!」 「まりさとありすはいかないんだぜ!」 「れいむもいかないよ」 「わかるよー! ちぇんもいかないんだよー!」 反対意見を聞いた若いまりさはそちらを一瞥すると 「きたくないやつはこなければいいんだぜ!」 そういって子供を生ませたれいむとは違うゆっくりとどこかに行ってしまった つがいのありすとゆっくりしながらまりさは若い成体連中のことを考えながら眠りについた 次の日の昼頃にれみりゃの探索にせいたゆっくりの3分の2の20匹ほどが出て行った。 残ったのはみょんが3匹とそれぞれの種のリーダー格5匹と子供のできたれいむとありすだ。 皮肉なことにれみりゃを捕まえにいった連中が誰もいない時にれみりゃはやってきた 「うーうー♪ うーうー♪」 「…」 れみりゃは自分が拾ってきたふきや柿の木の新芽を帽子から出した。 それをみながらまりさはれみりゃにどなりつけた。 「よくきくんだぜ! ゆっくりできないれみりゃはにどとくるんじゃないんだぜ!」 「うーうー? うーうー」 「うーうーしかいえないなんてみじめなんだぜ!」 「うーうー?」 「おまえのそだてのおやがばかだからうーうーしかいえないんだぜ!」 「うーうー? …うーうー!!」 「なにおこってるんだぜ! ぱちゅりーなんてよわっちいし、こぁなんてだれもしらないんだぜ!」 「うーうー? …うーうー!うーうー!!」 「お前みたいなゆっくりできないゆっくりはいらないんだぜ!どっかいってしまうんだぜ!」 「うーうー …ひっぐえっぐ」 「いまごろ、りょうしんのすあたりがおそわれてるんじゃないがだぜ」 「…うーうー!!」 天井近くから勢いをつけてまりさに体当たりしてれみりゃは、ぱちゅりーの住む場所にむかっていった。 まりさはいきおいよく壁まで飛ばされてしまった。 様子をみていたゆっくりたちが近寄ってくる 「わからないよー!まりさなんであんなうそをついたのかわからないよー?」 「これでいいんだぜ! あいつみたいなゆっくりはしあわせにくらすべきなんだぜ!」 「とかいはなれみりゃだったものね!」 「ごはんをわけてくれるいいゆっくりだったね。」 「ちんぽ!!」 そんなことを話しながら5匹は談笑をしていた。 親から独立して以来の仲だ。 今までに起きた事や自分の子供の自慢話をしたり赤ちゃん達の幸せを願いながら楽しんだ。 みょん種に守られていた赤ゆっくりや子ゆっくりはまりさに体当たりしたれみりゃを見てれみりゃは怖いんだと感じた。 一方のれみりゃ ある場所に向かっていた 実の親でもないのに自分を大切にしてくれたぱちゅりとこぁのおうちへだ 入り口周辺を調べたがあらされた形式が無いので2匹はたぶん無事だろう だが、それならばさっきのまりさ種は何故自分に対してあのようなこと言ったのだろうか・・ 小屋に住む群れが食料に困ってるのを知ってからは毎日食べ物を持っていった。 自分自身は美味しくない松の皮や雑草しか食べていない。 時々、甘いものを食べたいと本能的に思う事もあった 『はるになれればまたあえるのです!!』 その言葉を信じ続けて自分はもう1人の母親との約束を守り続けた。 『だめよ。れみぃ。あなたはぜったいにゆっくりをおそったりけがをさせちゃだめなの。わかった?』 『おねがいよ…れみぃ。あなたは、ほかのれみりゃみたいにならないでちょうだい』 なのに自分はゆっくりできない。何故なのだろうか。 今ではよく思い出せない。本当の母親のようにエレガントなお嬢様になればよかったのだろうか 食べたいものだけを食べていや事があれば泣き叫べばよかったのだろうか 母親と別れてた日に何度もやったがさくやも母親も何もしてくれなかった 「うーうー、まんまぁー!!」 声を上げたがやはり誰も来てくれない。 とりあえず、れみりゃは巣に隠れて春まですごそうと考えた。 誰かに出会っても分かれるだけなら最初から会わないほうがましだ。 考え事しているれみりゃは、巣の奥に入るのを確認するゆっくりたちが何十匹もいた事に気付かなかった。 以下略…大まかに言うとれみりゃがゆっくりをたくさん食べました おまけかわいいゆっくりゲットだぜ!!外伝 1-下-おまけ注意文参照の上で飛んでください 自分は何かやってはいけないことをした気がする。 それに体中が中から何かが飛び出しそうな痛みでズキズキする。 自分はどうなってしまうのだろうか? あのゆっくり達にひとめでいいから会いたい れみりゃの頭の中には、産みのの母親ではなく育ての親たちの顔が浮かんでいた。 「うー、うー、うー、うー!!まんまぁー!! まんまぁー!!」 れみりゃはある場所を目指して飛んでいた。 自分を育ててくれた信頼するあの2匹がいる場所を… れみりゃは、どかん!!という音をたて両親と住んでいたおうちに突っ込んでいった。 「むきゅ?れみぃ!! れみぃじゃない!! どうしたの!?」 「うー、うー、うー、うー!!まんまぁー!!」 「むきゅ。ままはここにいるわ!! どうしたのれみぃ!?」 「まんまぁー!!まんまぁー!!」 「おちついてれみぃ」 ぱちゅりーは苦しそうなれみぃの頬にすりすりしてあげた。 気のせいかもしれないが痛みが少し和らいだ気がする。 「まんまぁー☆まんまぁー☆」 「おちついたようね。いりぐちをどうにかしないといけないわ!」 ぱちぇは、れみりゃを子供たちとは別の場所におくと読んでいたご本(チラシ)の上に乗せて枯葉をかけてあげた 入り口の板は、子供を生んだばかりのこぁにやらせるわけにはいけないと思い自分で直した。 作業をやり終えたあと、ぱちぇは持病の喘息のせいか体を動かして疲れたせいだろうか 「むきゅ…たいりょくのげんかいだわ。それじゃおやすみなさい。れみぃ」 というとれみりゃの部屋を出て子供と妻の部屋に行くと倒れるようになって寝てしまった れみぃは母にすりすりしてもらったこともありの満足度は頂点に達していた。 その時である…。 「う~?・・・・・う゛っ!う゛っ!う、う゛、う゛あ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーー゛!!!」 突如れみりゃの体に激痛が走り出し、その痛みは時間がたつにつれてどんどん増していく。 れみりゃは激痛に耐えられず、巣穴の中でのたうちまわっている。 そして激痛がさらに増すにつれ、れみりゃの意識はゆっくりと闇の中へ消えていった。 「まんまぁー、れみぃをたすけてほしいんだどぉー」 その次の日、目が覚めると体の調子がおかしい羽を動かす感覚や体の感覚が辺だ 羽で顔を触ろうとすると5本の白い短い棒状の物体で顔をこすっていた。 歩こうとすると棒状のふとい何かが動くのを感じた この物体を昔、見た記憶がある、そう母親についていた胴体だ 「う~♪ れみぃにからだがついたんだどぉ~♪ れみりゃはぱわ~あっぷしたんだどぉ~♪ 」 胴体を突いたことを理解したれみりゃは希少種特有のダンスを踊ろうとしたが狭くてできなった れみりゃ種は、満月の日に胴体付きに進化することがあるというその体の変化の為にれみりゃは苦しがっていたのだ 5分ほど経つとれみりゃはおなかにてをあてた。 進化のために体力を消費したのだろうか。 「う~、おなかがすいたんだどぉ~。」 そういうとれみりゃはいい匂いのする部屋に向かってズリズリと這い蹲っていった そこには、自分も手伝って集めた食料がおいてあった。 「このあまあまをたべるんだどぉー♪ これはぽいするんだどぉ~♪ 」 どういう訳か甘い物意外を体が受け付けずにいた。 すごい勢いで木の実などの甘い食べ物だけを選んでいった 「むっきゅっゆううううぅうう!!??」 そこには会いたかったぱちゅりーまんまぁーが悲鳴をあげていた。 「むきゅ、れみぃ、すぐにたべるのをやめなさい!!」 「いやなんだどぉーー、おじょうさまはパワーアップしたからごはんたべるんだどぉ!!」 「いいこだからゆっくりたべるのをやめてね!!れみぃ!!」 「わかるんだどぉーー、れみぃはかりすまおじょうさまだからたべるのやめるんだどぉーー!」 ぱちぇは昨日よりも半分近くに減っている食料に驚いたのだろうが心配ない これぐらいの食料なら自分の力で集められるとれみぃは勘違いしていたからだ。 あの美味しいまんじゅうを食べればいいのだ。 どこかにたくさんいるから問題ないはずだ。 とこぁまんまぁーがやってきた…ほらおまんじゅうが2個もある。 「うーうー!! まんまぁーのうしろのおまんじゅうをだべたいんだどぉーー!!」 「こぁ!! れみぃさま。このこたちはれみぃさまのいもうとたちということをゆっくりりかいしてください!」 「むきゅ、こぁのいううとおりよ。ゆっくりりかいしてちょうだい!!」 「むきゅ、れみりゃこわいよーー」 「あのれみりゃは、おかあさんたちのこどもらしいわ。だったら、わたしたちのおねーさんだわ」 「うーうー!!まんまぁーのうしろのおまんじゅうはれみぃのいもうとじゃないんだどぉーー!!」 「むきゅ、あまいきのみがあるかられみぃはそれをたべなさい」 そういうとぱちぇはれみりあが通れない狭い通路に子供を連れて行くようにこぁに指示を出した。 「うーうー!!あまあま♪あまあま!!!」 とれみりゃはおいしそうに木の実を口にほおばって食べるの再開し始めた。 れみりゃは、胴体付きに進化したことで冬ごもりの前の約束を忘れていた。 いや忘れざるをえない状況に追い込まれた為に約束自体がなかった事にしてしまったのだ。 「れみぃ、わたしはおくにいくからなにかあったらよんでね」 「うーうー、まんまぁー!!わかったんだどぉーー!!」」 ぱちぇは巣の中でも奥のほうのれみりゃが通れない通路を移動して奥の部屋に移動した これからはまんまぁーたちと幸せに暮らせるはずだ自分はこんな立派になったのだからと思ってた。 まんまぁー達に美味しいおまんじゅうをあげるんだどぉーとれみぃは考えていた。 だが、期待は裏切られた。 ぱちぇを見るとうれしそうな顔でれみりゃはぱちぇの方に移動してきた 「うー、うー!! まんまぁー!! れみぃからだがうごかせないんだどぉー」 一気に食べ過ぎたためにおなかが大きくなってしまったれみりゃがそこにいた。 おなかが原因でトンネルに入れず食料庫から出れなくなったようだった。 その様子に苦笑しながらもぱちゅりーはれみりゃに悲しいことを宣告したのだ わがままを言う自分にい聞かせるように別れを告げる母親…何故だ。自分はいい子のはずだ ナラバ、カンタンジャナイノ、アノマンジュウヲ、タ・ベ・テ・シ・マ・エ・バ・イ・イ・ノ・ヨ 今、自分は何を思い出したんだ。まんじゅうを食べただけでまんまぁーと同じゆっくりなんて食べていない。 だが、記憶は蘇って来る 「う~♪ あまあまもっと~♪ 」 口の端から餡子を漏らしながら美味しそうに食べるれみりゃ。ゆっくり達の恐怖の表情。 うーうーうーうーうーーぅうーうーうーーーうーうーーーうーうーーうーーーーーーーーーーーーーううううう うううぁああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 思い出してしまった。自分はまんじゅう…いや、ゆっくりを食べてしまった。 『はるになれればまたあえるのです!!』 その言葉を信じ続けて自分はもう1人の母親との約束を守り続けた。 『だめよ。れみぃ。あなたはぜったいにゆっくりをおそったりけがをさせちゃだめなの。わかった?』 『おねがいよ…れみぃ。あなたは、ほかのれみりゃみたいにならないでちょうだい』 だが自分は他のれみりゃと同じようにゆっくりを食べてしまった。 そんな自分に母親と過ごす権利はあるのだろうか…本当の子供が生まれた母親達と ならばひとつだけ望みを言わせてもらおう。他のわがままと違う心からの願いを 「まんまぁー!! ぼんどーに!ぼんどーに! おねがいでずーー!!でびぃとばるになっだらあってぐだざいーー!!」 「まんまぁー!! おねがいでず。ぞれだけはやぐぞぐじでぐだざいーー!!」 それに対する答えはとても残酷だった。 「さよなら、れみぃ」 約束を守らなかった自分は育ての母親にまで見捨てられてしまったのだ。 「どぉーじでだどぉー! うぁーーん! さくやぁー! さくやぁーどこぉーー!?」 元になった妖怪の影響か、無償で自分に命を懸けて尽くしてくれる存在、さくや。 れみりゃ種にとっては、その名前を叫ぶことは本能的なものなのかもしれない。 だがこの場に彼女は迎えに来てくれなかった 「まんまぁー!! まんまぁー!! ぱぁぱー! ぱぁぱー!」 自分の生みの母親に助けを求めた。 母親と同じようなエレガントな姿になったのだからすぐに迎えに来てくれると信じて その母親よりも強かった父親にも助けを求めた。 だが、やはりこなかった。 自分が迷子になった時も彼女たちは迎えに来てくれなかった 「ぱちゅ…まん…」 最後に育ての母親達に助けを求めようとした時に彼女は唇を噛んだ。 そして、涙をこらえなが決心した。 これからは育ての親が自慢してくれていた頃の自分を取り戻そう。 ゆっくりは2度と食べないしいじめたりせず仲良く遊ぶのだ。 『だめよ。れみぃ。あなたはぜったいにゆっくりをおそったりけがをさせちゃだめなの。わかった?』 『おねがいよ…れみぃ。あなたは、ほかのれみりゃみたいにならないでちょうだい』 この言葉を胸に自分は春まで生き続けよう。 そして、今度こそは本当にエレガントになった自分を育ての両親に見てもらうのだ。 彼女は自分の母親の用意してくれた大木のおうちに移動した。 申し訳ないと思ったが両親の食料をあるところにもっていくことにした。 最初に行くのはあのゆっくり達が住んでいた小屋だ。 入り口はしまって他に入れる場所がないので大声で謝った。 「れみぃがわるかったんだどぉー! ごめんなさいなんだどぉー!」 その後は大木の中に戻ってゆっくりや両親に謝りながらすごし続けた 食べていたものは木の皮や木にすんでいた虫の幼虫や母親残してくれた食料だった。 そんなある日だった 「れみぃさま!! こぁがまいりました。ゆっくりしないでおきてくださいね!!」 「う~? まんまぁー、もうはるがきたどぉー?もうおきてもいいどぉー?」 「ゆっくりしないでおきてくださいね!!」 「う~? まんまぁー、もうおこっていないんだどぉー?」 「こぁ! はんせいしてくれればいいのです。れみりゃさますばらしいゆっくりぷれいすをみつけました。 ぱちゅりーさまとこどもたちといっしょにすみましょう」 「う~? れみぃ…まんまぁーたちといっしょにてもいいのかどぉ?」 「もちろんです♪ ゆっくりしていってくださいーー!!」 「ゆっくりしていってねだどぉーー!!」 自分は夢を見ているのだろうか、目の前には二度と会えないと思っていた育ての親がいる。 それも約束も守れなった自分と一緒に住んでくれるというのだ このあふれる喜びを体がかってにあらわそうと動き始めた。 「うっう~☆うぁうぁ~♪ れみ☆りゃ☆う~~♪」 全身全霊をこめて喜びのダンスを思わず踊ってしまった。 その時だった。目の前にさくやのような姿をした生き物がてを差し伸べてきた。 サクヤと同じように自分に優しくしてくれるのかと警戒していると 「こんにちわ、れみぃ」 「おじさん、だれだどぉー!!」 「今日から君の家族になるものだが家に帰ろうか?」 「すごいんだどぉ! れみぃのかわいさにめしつかいができたんだどぉー!!」 「いや、私はぱちぇと一緒に住んでいる者で…」 「さすが! れみりゃはこーまかんのおぜうさま☆なんだどー!!!」 」 「…」 目の前には育ての親の飼い主さんという召使がいる。 どうやら自分の可愛さにメロメロのようだ さくやと同じようにれみりゃの言うことを聞いてくれるようだ 「それじゃ、さっさと用事を終わらせて家に帰ろうかな。いくぞ3匹とも」 『了解ですぜ。ご主人』 「こぁ、ゆっくりりかいしました」 「うー☆わかったどぅー!おじさん!!」 そして、私はこの家に来た。 ぱちゅりーまんまぁーや妹達に会えた。 最初は警戒していたちぇんとは今では大の仲良しだ。 体の弱い妹達の分も二人で外で追いかけっこしたりして運動している。 ゆっくりらんだけは、今も警戒をしているようだが表立っては問題はない こぁまんまぁーはいつもニコニコと自分や子供やちぇんを見てくれる ぱちゅりーまんまぁーは文字とか言うの覚えさせようとするかそれ以外のときはやさしい。 飼い主さんは色々と小言を言ってくるが守るとナデナデしてくれる。 現在 「…れみぃ、今の話はうそだろう?」 「ほんとうなんだどぉ♪」 いや、確かにこのれみぃとよばれるゆっくりは優秀だが今の話はどこまで本当なのだろうか… 私に始めてあった時、召使とかいったし… すかーれっと・でびるとか何? 他のゆっくりに食料をあげたとかぱちゅりーやこぁの話との矛盾点が多すぎる。 れみぃと育ての親の宝物ってなんだったのだろうか 共通点は、旅とれみぃが胴体付きになった時の話ぐらいか・・・ れみりゃの言葉はわかりにくくて仕方ない… 3匹ともそれぞれの視点があるから仕方ないのだろうか とりあえずまとめた文章を読み返しながら私は首をひねりつづけた。 「うっう~☆うぁうぁ~♪ れみ☆りゃ☆う~~♪」 「にゃんにゃん~☆にゃあにゃあ♪ ちぇん☆ちぇん☆にゅう~~♪」 「「むきゅっきゅ☆むきゅむきゅ♪ ぱ☆ちゅり☆むきゅ~~♪」」 あのれみりゃにこんな物語があったとは信じられない… だが、一応の報告はするかと森の近くで買ったパソコンのワードで書き始めた。 自慢ではないが文章力は自分には無い。 ゆっくりを愛する人たちに読ませていいのかと悩みながら文章をまとめた こんな文章でも読む方がいるのだからうれしいかぎりだ。 れみぃは宝をまた手に入れて幸せだった。 仲良く暮らせる友達や両親や召使の飼い主さんだ。 主人公が気がつけなかったこと、それは彼女が求めた宝…他人との絆だ。 外伝1 野生のゆっくりれみりゃの物語 完 外伝2予告 「黒い帽子に黄色い長髪をもったゆっくり。誰だ?」 泣き声『ゆっきゅりは、ゆっきゅりしゅるものだじぇ!!!』 ついでに本編4話予告 「黄色の髪に赤いリボンをつけたゆっくり。誰だ?」 泣き声『そーなのか』 「水色の髪で青いリボンに背中に氷の羽のはえた⑨のゆっくり。誰だ?」 泣き声『あたいってばさいきょーーーね』 「緑色の髪で黄色いリボンに背中に羽のはえたゆっくり。誰だ?」 泣き声『ちるのちゃん、まってーー』 「次回も、ゆっくりゲットじゃぞ」 byゆっくり博士 【なかがき】 作者名無しです。 これは愛ではない気がしてきました。 なんか矛盾点が出ているのは、ぱちゅりーやれみぃの話を私(主人公)が勘違いしたりしたり子悪魔の罠です… うそです。それもありますが作者の文章力のなさが原因です。 リーダー格のまりさが案外、お気に入りになりました。最初の予定ではガンダムのマ大佐のようにしようと思っていたのですが… 冬にも食べれる草や木があるのに全滅しかた理由がうまく書けたか疑問です あと、スレで私のSSに意見をくれた方達、ありがとうございます。 「さすが創作発表スレなんだぜ。スレの意見は伊達じゃないんだぜ。悩み事が吹き飛んだんだぜ」 本当にありがとうございました 次こそかわいいゆっくりゲットだぜ!! 書いたもの かわいいゆっくりゲットだぜ!! 1・2・3 外伝 【おまけーね】 ゆっくりの死亡するシーンと死体を食べるシーンがあります。 「さあ、おたべなさい!」の設定が違います。体力が無い場合は増えたりせず相手に食べてもらうことを望むだけです。 ゆっくりの捕食シーンと死亡するシーンと戦闘するシーンがあります。 ひどいあつかいのゆっくりと性格の悪いゆっくりがいます それでもよければどうぞ おまけかわいいゆっくりゲットだぜ!!外伝 1-下-おまけ 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4064.html
ゆっくりの中でも俺が最高にムカつくゆっくり。 それは自分から人に迷惑をかけておきながらその自覚を持たず 正義面こいて歯向かってくるゆっくりだ。 そして俺のように畑を耕す人間はその手合いに出会う事が稀にある。 『ゆっくりに悪気は無い』俺の中にはそんな考えも無い事は無い。 自然の中で暮らすゆっくり達は人間の持つルールなんて知った事では無いのだ。 ルールを知らない、それ故にルールを破った事にも気がつかない。 結果的に俺に迷惑をかける事になったとは言え コイツ等のした事は自分達がゆっくりする為に何も知らずにした事だ。 だが、許す許さないという話になれば 断固、許さない。 ゆっくりれいむを発狂させよう! 古緑 「おちびちゃんたちはれいむがまもるよ!! みんな!いまのうちににげて!!」 目の前には親れいむと思わしき大きさのゆっくりが 後ろにいる小さなゆっくり達を隠す様に俺の前に立ちはばかっている。 ゆっくりにしてはそこそこ賢いようで 自分と人間のサイズの差から決して敵わないとは分かっているのだろう。 その両の眼には堪えているのだろうが涙が滲んでいる。 「ゆええぇぇん!!」 「みゃみゃ!みゃみゃ!!」 親れいむの後ろでその子ゆっくり達4匹が泣きながら震えている。 親ゆっくりを含めて5匹とも全てれいむ種だ(元々は6匹だったがさっき一匹踏みつぶした) 恐らく長女であろう一番大きな子れいむが母の死の覚悟を感じ取ったのだろうか 早く逃げるように他の姉妹に呼びかけている。 俺はというとあまりの怒りで頬がピクピクと引きつり、 フヘへと笑ってるのかどうかも分からない様な声が唇から出て行く。 おちびちゃん達を守るだと?お前が俺からか?フザケやがって これから『とんでもない目』に遭わせてやるから 今からでもゆっくりの神様に奇跡が起こりますようにとお祈りしておけ。 もっとも、そんなのがいればの話だがな。 ゆっくりれいむは目の前に立つ山の様に大きな男を見て震えていた。 人間の事は群れのありすから聞いている。 そのありすの片目は人間の子供に戯れに奪われて食われた事で失ったと言っていた。 自分よりも大きく強く、狩りの上手いあのありすが 何の抵抗も出来ずに負けたと聞いたれいむは最初から人間に勝てるとは思ってもいなかった。 ただ子供達を助ける為に、 ただ子供達を逃がす為に目の前の人間を威嚇するのだ。 「(ぜったいに…ぜったいにおちびちゃんたちだけはまもるよ!! れいむのこのいのちにかえても…ぜったいにまもるよ!!)」 しかし、この『人間には決して勝てない』という考えは 後にひっくり返る事になる。 数週間前。 ゆっくりれいむの巣の中で子れいむと親れいむがその頬をすり付け合っていた。 「わかってくれてれいむはうれしいよ、おちびちゃん、 ともだちにいたいことしちゃったらあやまらなきゃいけないよ そのときだけは…ゆっくりしてちゃいけないんだよ…」 「ゆん…ゆっくちりきゃいしちゃよ…」 ゆっくりれいむは群れではその面倒見の良さと 子育ての上手さで一目置かれる存在であり、 群れの皆はれいむの事を『ゆっくりの母』と心の中で尊敬していた。 普段の生活の中ではいつもニコニコと子供達に歌を教えたり、 子供達がせがむ時は群れの親ゆっくり達の昔話を話してあげる事もあった。 「やっぱりおちびちゃんはれいむのじまんのこどもだよ! さぁ、みんなとゆっくりあそんでおいでね!」 「みゃみゃ!ありがとう!ゆっくちあしょんでくるにぇ!」 その優しさの一方で子供達が悪い事をしたらキチンと反省する様に厳しく叱りつけ、 その子が分かってくれた時は溢れんばかりの愛情で包んで上げる事の出来る 群れのゆっくり達の評価に違わぬ『ゆっくりの母』であった。 「それじゃあれいむ、ゆっくりおねがいするんだぜ!」 「ゆっくりしていってね! おちびちゃんたちもあかあさんに 『おいのり』をしてあげようね?」 「たくしゃんごはんがゆっくちとれましゅよーに! おかあしゃんがきょうもゆっくちかえってこれましゅよーに!」 「いつもすまないんだぜ、れいむ おれいにたくさんごはんをとってくるんだぜ!!」 「こまったときはおたがいさまだよ! まりさ!ゆっくりがんばってね!」 「「「がんばっちぇにぇ!!」」」 ゆっくりれいむは群れの中で片親の、 狩りに行く時にはいつも巣を空けなくてはならない親ゆっくりの代わりに 子供達を預かり、教育を授ける役割を任されていた。 その報酬として子供達を預ける親ゆっくりから食料を分けて貰う事で生活していたのだ。 これはゆっくりれいむが言いだした事では無く、 ゆっくりれいむの愛情を信じるゆっくり達によって持ちかけられた仕事である。 それ程ゆっくりれいむは皆に信頼され、そして子供達の事を愛していた。 だがそんな愛に満ちあふれた、 順風満帆だった生活は段々と失われていった。 「ゆぅ…これっぽっちじゃ おちびちゃんたちがゆっくりできないよ…」 「ごめんなさいれいむ… なんだかごはんがあまりとれないの…」 「ゆ…!ゆっくりきにしないでねありす! みんなつらいんだからしかたないよ!」 何故だかは分からないが 皆の昼間の狩りで採ってくる食べ物が少なくなってきている。 その量はどんどんと減り続け、 今では子供達が満足出来ないくらいの量になってしまっていた。 原因は群れの狩猟範囲内に存在する 食べられる草や虫を食い尽くした事によるモノなのだが、 群れのゆっくり達はそんな事は知る由もない。 やがて食料をれいむに分け与える事も出来なくなる程 余裕の無くなった群れのゆっくり達は 昼間の狩りの間に子供達をれいむに預ける事が出来なくなっていた。 れいむ一家に食料を分けていたら自分達がゆっくり出来なくなるからだ。 「おかあしゃん、おなかしゅいたよ…」 「もっとゆっくちしたいよぉ!」 「ゆぅ…ごめんねおちびちゃんたち おうたをうたってゆっくりしようね?」 困ったのはこのゆっくりれいむだ。 子のお守りをする事で食料を分けてもらっていたのに それが無くなっては生活が出来ない。 いつまでも貯めておいた食料だけで何とかなる筈も無く、 ゆっくりれいむは久しぶりに自分で狩りをする事に決めた。 「ゆ?おかあしゃん、これなぁに?」 「おいちくないよ…ゆっくちできにゃいよ」 「ゆ…これはたべものじゃないよ ゆっくりたべないでね…」 「おなきゃしゅいたよぉ…」 しかし狩りに慣れている他のゆっくりですら 今は満足に食料を採ってくる事は難しいのに 久しく狩りをしていなかったれいむに上手くやれる筈も無い。 (元々あまりれいむは狩りが得意ではなかった) 「ゆー!そういうことなら このまりさがゆっくりひとはだぬいでやるんだぜ!!」 困り果てたれいむは友達のゆっくりまりさに相談してとっておきの狩り場を教えてもらった。 まりさがまだ他の誰にも教えて無い、最近見つけたばかりの秘密のゆっくりプレイスだそうで 少し遠い事だし危険かもしれないという考えもあり、 独り身のゆっくりはともかく家族を持つゆっくりには迂闊には教えられないが そういう事情があるのなら仕方が無いとまりさは教えてくれた。 そのゆっくりプレイスにはご飯が沢山あり、 そのご飯の味はどの虫さんや草さんよりも甘いらしい。 ゆっくりれいむも一度だけまりさがそこから持ってきたご飯を分けて貰ったが 本当に頬が落ちる様な美味しさであり、病み付きになりそうな味だった。 ゆっくりれいむはこの美味しいご飯を子供達にも 味わって欲しくなり、この晴れた日の真っ昼間に子供達を連れて まりさが教えてくれたゆっくりプレイスに久しぶりのピクニックを兼ねて行く事にした。 「「「む~ちゃ!む~ちゃ!ちあわちぇ~!!」」」 「おいちいね!おかあしゃん!」 「よかったね!おかあさんもうれしいよ!」 「ゆっくちー!!」 暫くの間満腹の感覚を忘れていた子供達。 その子供達のお腹が膨れていくのを見てゆっくりれいむは幸せだった。 このゆっくりプレイスがあれば群れの皆もゆっくり出来る。 皆でこのゆっくりプレイスの近くに引っ越す様にまりさと一緒に皆と相談しよう。 ゆっくりれいむは太陽の眩しさに目を細めながらそう決心した。 「テメェら…!!何やってやがるんだ!!」 ゆっくりれいむは底なしに不運だった。 第一にこの人間の目に見つかってしまった事。 まりさに教わったゆっくりプレイスは村の一員であるこの男の畑だった。 その上、それを知らないまりさが4回程も畑を荒らした為に この日畑の主である男はずっと神経を尖らせて畑荒らしを警戒していたのだ。 そして男は初犯のれいむを畑荒らしの常習犯として認識した。 「…ゆ?ここはれいむたちのみつけたゆっくりぷれいすだよ! おじさんもゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくちちていっちぇにぇ!!」」」 「………………」 第二にその男はゆっくりの事が大嫌いだった事。 この村では今までゆっくりに畑を荒らされる事は他の害獣に比べてずっと少なかったし 山の入り口付近ではゆっくりが子供の遊び相手になってくれる事も稀にあり、 大旨村の人間はゆっくりに対して好意的だった。 しかしこの男は昔からゆっくりの姿や仕草、喋り方が嫌いであり 更に最近になって自分の畑ばかりが何度も荒らされる事から ゆっくりに対する意識は最悪と言えるモノに変わっていった。 「ここは俺の畑なんだよ…!! いや…やめだ、話すだけ無駄だ… ぶっ殺してやる!!」 「ゆゆー!!?」 第三にこの男は非情に残忍な男であり、 村の人間からも少しばかり距離を置かれていた存在だった事。 この性格から妻は愚か友人も僅か数人しかいない。 また、その友人達が少し村はずれにある男の家を訪ねてくる事も滅多に無かった。 「ゆゆ~?にんげんしゃん! ゆっくちちようよ!」 「死ね」 「ゆぴ!」 「………………ゆ……? ゆうぅぅぅうぅぅうっぅううううう!!?」 第四に子供達を連れて来てしまった事。 これがゆっくりれいむにとって最悪の事態を招く事になった。 そして話は冒頭に戻る。 「おちびちゃんたちはれいむがまもるよ!! みんな!いまのうちににげて!!」 「フ…フヘへ…何だと…?」 「ゆっくりたたかうよ! もうおちびちゃんたちにはゆびいっぽんふれさせないよ!! ゆっくりかかってきてね!!ばかにんげん!!」 「…………………」 舐めた口訊きやがって。 『お母さんは悪い人間から子供達を守るよ!』 そんな雰囲気をプンプンさせてやがる。 実際そんなつもりでいるんだろうがな…! 怒りで眼球付近の筋肉をピクピクと痙攣させる男は 道具なんかを使って楽に殺す事はしないと心に誓い、 持っていた鍬を地面に下ろそうとした。 そしてその瞬間、男に生まれた隙をゆっくりれいむは見逃さなかった。 「ゆっくりしんでね!!」 ゆっくりれいむは鍬を下ろす際に 男の膝が沈んだのを見て猛然と向かって行った。 まさかあのゆっくりがここまで俊敏に攻撃に移れるとは思いもせず、 油断していた男は胸のど真ん中にゆっくりれいむの体当たりをもろに受け、 元々バランスを取りづらい体勢であった事と 農作物に足を取られた事もあり、べたりと畑に尻餅をついた。 (この時男が尻餅をついた事で農作物が潰れ、更に余計な被害が生まれた) 「やっちゃ~!!みゃみゃちゅよーい!!」 「…ゆ、ゆっくりはんせいしてね! おちびちゃんたち!ゆっくりしないでにげるよ!」 時間稼ぎの為であり、子供を逃がす為、 そして男の注意を自分に向かせる為の攻撃だったが 殊の外尻餅までつかせる事が出来たゆっくりれいむは驚き、 あわよくば自分も助かるかもしれないと思ってしまったが この事態は『決して』招いてはならない事だった。 「ゆ?どうちちぇ? みゃみゃ!ちゃんしゅだよ! ゆっくちできにゃいにんげんをゆっくちやっちゅけちぇにぇ!」 「「やっちゅけちぇにぇ!」」 「みゃみゃ!かんばっちぇにぇ!」 何故ならゆっくりれいむの子供達は母が人間に尻餅をつかせた事によって 『母は人間に勝って自分達の見つけたゆっくりプレイスを守ってくれる』 そんな意識を子ゆっくり達に植え付けてしまい、 その結果、母の逃げるという言葉の意味を理解出来なくなってしまったからだ。 「………てめぇ…!! 楽に死ねると思うなよ…!!」 そして何よりも最悪な事に 軽視していたゆっくりに尻餅をつかされたという屈辱的な事実は男の怒りを狂う程に高め、 この五匹のゆっくりを『この場で』皆殺しにしようと思っていた 男の予定を変えてしまう結果になった。 「みゃみゃいけー!!」 「ゆっくちできにゃいにんげんをゆっくちたおちぇー!」 「「「ゆーゆ!ゆーゆ!ゆーゆ!ゆーゆ!」」」 一転、期待の高まった小ゆっくり達に応援されるゆっくりれいむは 今度は勝利という未来を明確に想像し始めた。 人間は聞いていたよりも強くない? その証拠に自分の体当たりで倒れたではないか 勝てるかもしれない! 勝ったらこのゆっくりプレイスは守られて もう自分で狩りにいく必要は一生無いし ずっとおちびちゃん達とゆっくり出来る。 「…ゆっくりくらってね!!」 ゆっくりれいむは今度は二の足をしっかりと地面につけて立つ男に 先程よりも更に勢いよく跳ねて向かっていった。 ゆっくりれいむはこの攻撃で決着を付けるつもりだった。 跳ねる時の角度も最高、今度は男の腹目掛けて体当たりをぶちかました。 7秒後、ゆっくりれいむは畑の外で意識を失っていた。 男の腹に向かって行くれいむの体当たりのエネルギーは れいむに突き刺さる男の膝に乗せられて跳ね返り、 その結果れいむは男の膝一撃の下に気絶した。 その前歯は全てへし折れ、口の上は窪んで黒い餡子が透けて見えている。 男はこれ以上農作物に被害を出さぬ為に 倒れたれいむの髪の毛を掴み上げ、畑の外に投げ捨てたのだ。 「「みゃみゃあぁあぁ!!ゆっくちちちぇいっちぇにぇ!!」」 「おきちぇみゃみゃあぁあぁ!! ゆっくちできにゃいにんげんがきゅるよぉぉ!!」 「「「ゆっくちおきあがっちぇにぇ!!」」」 その声で目を覚ましたれいむはその体をピクピクと痙攣させながら体を起こすと 畑の中央に目を向けた。 尻餅をついた為、土の付いてしまったズボンの尻部分を手で払って土を落とし、 周囲の被害を確認した男はこちらまでゆっくりと向かってくる。 分かっているのだ。ゆっくりれいむがもう碌に動けない事を。 そして男のその顔はこれでもまだ怒りが収まらんと言わんばかりに紅潮している。 ゆっくりれいむは心底恐怖に震えた。 もう既に男との距離は4m弱、人間なら一瞬で詰められる間合いだ。 子供達はゆっくりれいむの側で震えて母から離れようとしない。 ゆっくりれいむは決意した。 どうせもう逃げられないのならー 「おぢ…おぢびちゃんだぢ!! おかあさんのくぢのながにゆっくりはいってぎてね!! ここならあんぜんだよ!!」 「ゆ!?みゃみゃ!?」 「ゆっくちりきゃいしちゃよ! ゆっくち!ゆっくち!」 「…ゆ”!!ぜっだいにでできぢゃだめだよ!! ゆっぐりまもっであげるがらね!!」 ゆっくりれいむは4匹の子供達を全て口の中にしまい込むと口をしっかりと結び、 男に背を向け、そして顔を地面につける守りの体勢に入った。 この子を守る為のゆっくりの行動は頭隠して尻隠さず、一見間抜けにも見えるが 決して無駄なものでは無く、たとえば同じぐらいの大きさの動物に襲われても 親はやはり食い殺されてしまうものの 成体ゆっくりの分厚い背中に守られた子ゆっくり達は 親の背中を食って満腹になった動物が去った後に口から生きて這い出る事が出来る。 つまり完全に子を生かす為の行動。 ゆっくりれいむは自分の命と引き換えに子を生かす事を再度決心したのだ。 「…………なんだそりゃ?」 こめかみに青筋を浮かべた男は冷たくそう言い放つと 右脚を振りかぶり、ゆっくりれいむの右頬に尖った靴の先を蹴り入れた。 「ゆぶうぅ!!? ゆ”べぇッ……!!ゆ”ぅ”…!ゆ”ぐ”う”ぅ”うぅ~~~!!」 ゆっくりれいむの頬に食い込む男の足先。 少し手加減して蹴った為にくるぶしの辺りまで食い込んだものの ゆっくりれいむは蹴り飛ばされる事無く蹴られる前と同じ位置で悶絶した。 「おがあじゃん!!おねえ”じゃんが!!おねえじゃんがあぁあぁ!!!」 「ゆびぁああぁああ!!ごわいよぉおぉぉぉ!!」 口から2匹の子ゆっくりが慌てて出てきたが残りの2体は出て来ず、 ゆっくりれいむが余りの痛みから嘔吐くと『子ゆっくりだったモノ』が吐き出された。 「……………?」 「ゆ”…ゆ”……? ……お…おぢびぢゃん…おじび……」 余りにも凄惨なその様を見てもこの残忍な男はぴくりとも表情を変えずに ゆっくりれいむに向かって今度は平坦な口調で次の様に話しかけた。 「お前、ガキの事が随分大切みてーじゃねぇか? 俺の家に遊びにこいよ 今までのツケもついでに払わせてやるからよ」 「おぢびぢゃん…にげで………にげで」 男はその言葉を聞いてニコリと微笑むとゆっくりれいむの髪を掴んで持ち上げた。 その視線の先には涙目で逃げようか、母を助けようか迷っている様子の子れいむが二匹。 「おっと!お前等にも付き合って貰おうか ホレ逃げんな逃げんな」 「ゆ”んや”あ”ぁ”あ”あぁああ!!」 「おがぁざん!おがぁざんだずげてぇえぇ!!」 ゆっくりれいむはその悲鳴をまるで遠くに聞きながら 朦朧とした意識の中、群れでの幸せだった頃の生活を思い出していた。 いつか狩りに行ったきり戻って来なかったまりさがお家の中で微笑んでいて 子供達もまりさの帽子の間から悪戯な微笑みをこちらに見せている。 ご飯も沢山あって 夕方までありすの家族と一緒にお喋りして… ありすの子供の頃のお話をしてあげて… 子供達にお布団を用意してあげて… 意識を失ったゆっくりれいむとその二匹の子を乱暴に部屋の中に投げ込んだ男は また畑に出て鍬を拾うと夕方まで農作業を続け、再度家に入り込んだ、 そして雨戸をしっかりと閉めて、その日はもう外に出る事は無かった。 夜はこれから ゆっくりれいむの悪夢はこれから 幸せな夢の中でゆっくりれいむは群れの子供達に囲まれて どこまでも幸せそうに微笑んでいた。 (続く) このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/1203.html
注:容姿描写等は、あくまでもこの作品内のみのものです。 朝、村の男が畑へ出てみると、こそこそと作物を齧っている影を発見した。 ゆっくりめ、と思い後ろから近づき、その物体を掴む。 「おらあっ!クソ饅頭め、ぶち殺してやる!」 「に゛ゃあ゛!」 掴まれたゆっくりは涙を浮かべ、カタカタと震えている。 そのゆっくりを見て、男はおやっと思った。 男もそんなに見かけたことのない希少種、ちぇん種であった。 「わ、わるかったよー、ごはんがたりないんだよー」 「……………………」 その姿を見て、男の怒りが急速に薄れていった。 「……分かったよ、少しでいいなら持ってっていいぜ」 「あ、ありがとう!おじさんいいひとだね、わかるよー!」 ちぇんは作物を少し貰い、お礼を言って帰っていった。 ちぇん種は基本的に素直で可愛らしいので、人間達の間では非常に人気が高い。 もちろん程度にもよるが、このように畑を荒らしても許されることは多かった。 そして、その光景を一匹のゆっくりが遠くから見ていた。 十分ほど後、男が畑仕事を始めると、再びゆっくりが作物を齧っているのが見えた。 またかよ、と思い近づき、先ほどと同様に後ろから掴む。 「ごめんだぜ!おなかがへっていたんだぜ!」 それはまりさ種であった。 このまりさは人間に捕まっても少しも慌てていない。 さっきのちぇんと同じように、作物を分けて帰してくれると信じ切っていたのだ。 「てめえ、俺の畑になにしやがるうううう!!!!」 「ゆびゃ!」 男はまりさを地面に叩きつけると、力一杯、何度も踏みつける。 「死ね、この饅頭が!身の程をわきまえやがれ!」 「な…………なんでなんだぜ…………」 まりさ種はちぇん種と違い、自分勝手で図々しい。 畑を荒らしたり、家に上がりこんで自分の家宣言をすることなど日常茶飯事である。 そのため人間達の間では、ゆっくり随一の嫌われ者であった。 当然ちぇん種との扱いの差は天地の開きがあるのだが、そんなことまりさは知る由も無かった。 またある所に、一匹の瀕死のぱちゅりーが道で倒れていた。 石か何かでケガをしたようで、皮の一部を失って餡子が流出している。 そこに一人の女性が通りかかり、ぱちゅりーに気付く。 「た、大変!大丈夫!?」 「むきゅ……いたい……」 「待ってて、すぐ助けてあげるからね!」 急いで女性はぱちゅりーを、治療のために連れて帰る。 ぱちゅりー種は物分かりがよい分、人間の恐ろしさも熟知している。 そのため人間に危害を加えようとしない傾向が他のゆっくりよりも強い。 よって人間からは頭のいい、迷惑をかけない良いゆっくりだという認識を受けていた。 女性は再び家を出ると、近くをひたすら走り回った。 すぐに目的のゆっくりが見つかった。家族連れのれいむ種で、赤れいむも何匹かいる。 「いいゆっくりね、少し借りるわ」 「なにするの!れいむをはなしてね!」 「おねーしゃん、やめちぇね!」 「おかーしゃんをはなちぇー!」 赤れいむ達の声など聞く耳持たず、母れいむを家へ連れて帰る。 そしてすぐにぱちゅりーのいる部屋ではなく、台所へ向かった。 「はやくおうちにかえして…………ゆぎゃああああ!!!!!」 女性はれいむの皮を剥ぎ、中の餡子も少し貰い、ぱちゅりーの元へ急ぐ。 幸いぱちゅりーは、まだ死んではいなかった。餡子を入れ、れいむの皮を使い縫合する。 餡子があれば、ゆっくりはなかなか死なない。小一時間すると、餡子を得たぱちゅりーは完全に回復した。 「むきゅ、ありがとう、おねえさん!」 「いやいや、助かってよかったわ」 すっかり元気になったぱちゅりーは、森へと戻っていった。 ぱちゅりーが帰ったのを見届けてから、女性は台所へ戻る。 大きく皮を剥がれたれいむは、餡子を流出しきって死んでいた。 ほぼ皮だけとなったれいむを持って、赤れいむ達の元へ戻る。 「あ、さっきのおねーしゃん!」 「おかーしゃんをかえちてね!」 「ええ、分かってるわよ。ほら」 女性は母れいむだったものを、赤れいむ達に投げつける。 「お、おかーしゃんがああああ!!!!!」 「どぼちてえええええ!!!!!」 「ゆっくちできにゃいよおおおお!!!!!」 「あなた達のお母さんのおかげで、一匹のゆっくりの命が救われたわ!ありがとう!」 れいむ種はぱちゅりー種と違い頭が悪く、まりさ種同様平気で人間の食べ物を食べたり、人家に侵入したりする。 数が多いこともあり、人間達の間ではやはり嫌われ者であった。 またある夜、青年が森を歩いていると、ゆっくりみょんが体付きれみりゃに襲われていた。 「まつんだどぉ~☆」 「ちんぽおおおお!ちんぽおおおおおおお!」 ゆっくりみょんは卑猥な言葉を発するとはいえ、その性格に関しては意外と礼儀正しい。 そのため女性からはともかく、男性には好かれることが多かった。 「この肉まんが!喰らえ!」 「だどおおおおおお!!!!!!」 青年のパンチを喰らって、れみりゃは吹っ飛び、ピクピクと痙攣している。 体付きれみりゃは可愛さも頭脳も、数あるゆっくり種の中で最低レベルに位置する。 しかもれいむ種やまりさ種にはまともな者もいるが、体付きれみりゃにはほぼ皆無。当然嫌われ者である。 「さあ、今のうちに逃げるんだ」 「ありがとうだちーんぽ!」 青年に礼を言うと、ゆっくりみょんは森の中へ姿を消していった。 しばらく歩くと、似たような光景を再び目にした。 「うー!うー!」 「たすけてえええええ!!!!!」 今度は襲っているのは体無しれみりゃ、襲われているのはゆっくりアリスである。 ゆっくりアリスは青年を見るやいなや、青年に助けを求めた。 「お、おにいさん、たすけてくれてもいいわよ!」 「……………………」 「な、なんならおにいさんのいえを、ありすのいえにしてあげてもいいわ!」 「そうか、じゃあやめとくわ」 青年はそう言うと、ゆっくりアリスを掴み上げた。 「ほれ、こいつやるよ」 「んほおおおおお!!!なんでええええ!!!」 「うー!うー!」 ゆっくりアリスは人間へは物的被害はもちろん、精神的にも害を及ぼす。 それは手当たり次第に他のゆっくりをレイプし、またその時の顔が非常に醜いということだ。 小さな子供を持つ主婦からは、子供の教育に悪いと特に評判がよろしくない。 ゆっくりれみりゃは、青年に掴まれたありすをガツガツと貪る。 「ゆぎゃあああああ!!!!!」 「うー!うー!」 「うーむ、さすがに可愛いなぁ」 体無しれみりゃは捕食種ながら、その外見はゆっくりの中でも屈指の可愛さを持つ。 しかも体付きと違ってうーうー呻るだけでウザくないので、かなり人気が高い。 もちろん、れいむ種やまりさ種をよく食べるというのも人気の理由の一つである。 青年はれみりゃの食事が終わるまで、ゆっくりしてその光景を眺めていた。 さて、それらの噂を耳にしたゆっくり達で、悪巧みを企む者達がいた。 ゆっくりちぇん、ゆっくりぱちゅりー、ゆっくりみょんの3匹である。 彼らは先の話のちぇん達のような者達と違い、彼らの種にしては珍しい、ゲス気味のゆっくりであった。 「むきゅ、わたしたちには、にんげんはやさしいわ」 「ごはんもらいほうだいだね、わかるよー」 「にんげんをりようするんだちーんぽ!」 早速3匹で人里へ赴く。 人気者の3匹が勢ぞろいしている光景には、多くの人間が目を細めた。 「あらあら、可愛らしいゆっくり達ですね」 一人の少女が3匹に声をかける。 すると3匹は待ってましたとばかりに、少女に要求を始めた。 「むきゅ、わたしたちがかわいいのは、とうぜんよ!」 「だからごはんをよこすんだちーんぽ!」 「ひろいいえもねー、わかってるよねー」 「あらあら……分かりました。ではどうぞ、私の家へ」 少女はにっこり微笑むと、自分の屋敷に3匹を招いた。 その門には「稗田」と標識があったが、ゆっくりにとってこれが何を意味するかは無論知らなかった。 そしてその家で、3匹は知ることになる。 ゆっくりの種になど関係なく、どんなゆっくりも虐待する人間がいることに。 彼らが屋敷を出てくることは、二度となかった。 終 過去作 ゆっくり鉄骨渡り ゆっくりアトラクション(前) ゆっくりアトラクション(後) ありすに厳しい群れ(前) ありすに厳しい群れ(中) ありすに厳しい群れ(後)