約 632,151 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4568.html
注意 出てくるゆっくりはみんな最終的に死にます。 おれの好きなゆっくりが死ぬなど許せんッ!!!という方はご遠慮ください。 「ホーホー」 鳴き声を上げ、木の上で一羽の梟が獲物がかかるのを待ち続ける。 梟は肉食で鼠等を捕食する一流のハンターだ。 そんな彼等が今狙っているのは鼠ではない。 鼠よりも大きく、それでいてそれに匹敵する繁殖力を持つナマモノ“ゆっくり” だった。 「ホー…ホー…」 この梟は幻想郷に住む梟の中で古参であり、あまりにも膨大な時間を生きている 為に妖怪になりかけていた。 その為知能もよく回り、餌には困らなかった。 「どうじでうごげないのおおおおおおッ!!?」 下では“撒き餌”が騒がしい。 木から梟が見るのは二匹のゆっくりまりさとゆっくりれいむの番だ。 しかもれいむは奴らの言い方からすればにんっしんしていた。 頭の茎を揺らしながらまりさに寄り添っている。 どうしてこんな事になってしまったのだろうか? れいむはもう何度したかわからない自問自答をした。 自分達はただ巣の中でゆっくりしていただけだった。 かわいい赤ちゃんとかっこいいまりさといっしょにゆっくりしていただけだった 。 だけどいきなり恐い鳥さんがやって来てまりさを連れていってそしてれいむも… 。 その時の出来事を思い出しガタガタとれいむは震え出す。 彼女達は動かない。いや、動けないのだ。 身体のあんよにあたる部分を鳥に啄まれてしまったからだ。 だから暗い夜の森の中で寄り添っているしか出来ない。 ゆっくりは捕食種でもない限り夜中は出歩かない。 夜は危険がいっぱいだからだ。だから巣の中に閉じこもっている。 それでも安全とは言い難いがそちらの方が助かる確率が高かった。 しかし今は森のど真ん中にいる。 身動きもとれない。 動物に襲われたらひとたまりもない。 そんな恐怖に終わりが来た…最悪の形で。 「うーうー☆」 「れみりゃだああああああああッ!!!」 まりさの絶叫が響き渡る。 ぎゃあぎゃあと騒いでいたせいで見つかってしまったのだ。 「う~♪あまあまみつけたど~☆」 そこに現れたのは胴なしれみりゃだ。 大きさ的には成体よりは小さいといった感じだ。 おそらく親と狩りに来たのだろう。 獲物としては十二分だ。 妖怪や野犬だったら返り討ちになりかねない。 梟は仕掛けが功を奏した為ほくそ笑む。 しかし油断はしない。 長生きの秘訣は焦らない事だと自分に言い聞かす。 「やだこっちこないでええええええッ!!?」 れいむが涙を流しながら叫ぶ。 「うるさいど~♪ あまあまはえれがんとなおぜうさまのでざーどになるのがしあわせなんだど~♪ 」 「そんなのぜんぜんじあわぜじゃないよー!!」 泣き叫ぶれいむに対して胴なしれみりゃは今にも襲い掛かろうとしている。 「おちびじゃんすごいんだど~!!」 そんな言葉と共に胴ありのれみりゃがやって来る。 おそらく親なのだろう。 胴なしれみりゃが襲い掛からなかったのは親を待っていたんだろう。 まあ動いたら襲い掛かるつもりだったんだろうけどれいむ達は底部を啄まれてい るから身動きとれなかったから動かなかったのだろうけど。 「う~、おねえちゃんすごいんだど~!」 「さすがはれみりゃのじまんのいもうとなんだど~☆」 他にも三匹胴なしれみりゃが跳ねをパタパタさせてやって来る。 思ったよりも大量だ。 梟の目的はれみりゃ等肉の身体を持つ生物の捕獲だった。 梟は肉食だ。ゆっくりのような餡子饅頭は好まない。少なくともこの梟はそうだ った。 ゆっくりは数が多く、巣が見つけやすく、ゆっくり自体捕まえやすい。 梟の体躯にはゆっくりの巣はちょうどよく潜り込める広さなのだ。 個人的には好みではないが捕まえやすい獲物…それを使えば他の獲物も捕まえや すくなるんじゃないか?とこの梟は考えた。 そして考えついた手段がこれだった。 今れみりゃ達は皿におかれたディナーとなったのだ。 警戒が強ければ不自然に思うかもしれないが残念ながらこのれみりゃ達にそこま で考える知能はなかった。 「きょうはおちびちゃんがぷっでぃんのつぎにすごいごちそうをみつけたんだど ~♪すごいど~♪」 親れみりゃは胴なしの子れみりゃの頭をなでなでする。 れみりゃは頭のいい個体ではない為捕まえた獲物はその場で食べてしまう。 そしてその間は本来ならば周囲を警戒しなければならないのによくわからない“ こうまかんのおぜうさま”としてのプライドとやらがある為でディナーは優雅に 食べるそうだ。傍目にも優雅にはカケラも見えないが。 しかも中身はほかほかの肉まん。 肉食のこの梟にとってまさにうってつけのカモだった。 「いただきますだど~♪」 親れみりゃの許可を得て子れみりゃがまりさに襲い掛かる。 「こないでね!たべるなられいむにぎゃあああああああッ!!!」 三方向から中身を吸われ絶叫するまりさ。 みるみる内にぺらぺな皮になっていく。 「うー!うー!」 一匹あぶれた子れみりゃが物欲しそうに見ている。 「だめなんだどー☆ おねえちゃんはいもうどにさきをゆずってあげるんだどー♪」 「う~…」 どうやら我慢しているのはこの中で一番上の姉のようだ。 サイズは大した違いは無いから時間的にはあまり差はないだろうが。 「ゆ゛っ…ゆ゛っ…」 皮だけに等しい状態になったまりさが痙攣している。 既に意識は無いだろう。 「ばりさぁッ!!しっかりじでぇッ!!」 れいむが泣き叫ぶ。 見捨てられたのを聞いていなかったのか今もまりさを慕っていた。 だがそんな想い等ここでは糞の役にも立たない。 「めいんでぃっしゅをいただくんだど~♪」 そう言って親れみりゃはれいむの頭に生えた茎を折った。 「「「「ゆぎゃああああああああああああああああああッ!!!」」」」 すやすやと希望に満ち溢れた未来が待っていた筈の赤ゆっくり達が目を見開き絶 叫を上げる。 中途半端に成長して自我が芽生えていたのが不幸だった。 「ゆっくちしていってね!」と親に告げる筈の口は、「ゆ…ゆ…」と絶叫と嗚咽 を漏らすだけだった。 「でいぶのあがじゃんがあああああああああッ!!!」 れいむが喧しく泣き叫ぶ。 遠くにいるこちらからでも五月蝿いのだ、れみりゃからすれば苦痛だろう。 「うー、うるさいどー!!」 「ゆげ!?」 親れみりゃがれいむを蹴り飛ばす。 そのままころころと転がり、止まる。 それに満足したのか親れみりゃは、 「うー、おちびちゃんおまたせしたんだどー♪」 そう言った親れみりゃの言葉と共に我慢していた子れみりゃがれいむに襲い掛か る。 「やめてね!れいむおいしくないかぎゃあああああああああ!!」 「うー!」 れいむの中身がどんどん吸い出されていく。 「やだあ!れいむじにだくない! まりさとあかちゃんとゆっくりずるのぉッ!!! いっしょにおうたうたったりおさんぽしたりしてずっとゆっくりするのぉッ!! 」 れいむは足掻くが子れみりゃの牙はがっちりとはまり、抜けない。 最期の最後、れいむはどうしてこんな目に遭うのかと思っていた。 れいむは幸せだった。 ゆっくりしてかっこいいまりさと一緒にゆっくりして赤ちゃんが出来て、ゆっく りした幸せな未来が続くと信じて疑ってなかった。 なのに現実はまりさや赤ちゃんを殺され、自分もれみりゃに食われている。 どうしてこんな事になったのか? そうだ…あのこわいとりさんがれいむたちのゆっくりプレイスにきたからだ。 れいむの脳裏に丸い狩人の双眸がフラッシュバックする。 どうして…れいむなにもわるいことしてないのに…。 れみりゃに中の餡子を吸われいく中、最後まで自分の幸福を奪った梟を脳裏に浮 かべながられいむは事切れた。 れいむが完全な皮のみになった頃、梟はようやく羽根を広げる。 生物は食事を終えた後は動きが鈍くなる。 それはゆっくりにも同じ事だった。 さて、あちらの食事は終わった。次はこちらの食事だ。 そう梟は言いたげに音も無く飛び立った。 「うー、でざーとなんだどー♪」 そう言って親れみりゃは茎に生えている赤ゆっくりをちぎり子れみりゃに投げ与 えた。 「うー!とってもでりしゃすなんだどー♪」 赤ゆっくりはれみりゃ達にとって御馳走だ。 赤ゆっくりがいる間は親のゆっくりが巣から出ないからだ。 とても美味しいでざーとに子れみりゃは舌鼓を打つ。 「う~、れみりゃもほしいんだど~♪」 れいむを吸い付くした子れみりゃも親れみりゃのいる方へ羽根をパタパタとさせ て近づこうとし、 「う!?」 音も無く消え去った。 それはあまりにも迅速で、赤ゆっくりを食べて幸せな子れみりゃとそれを配って いた親れみりゃが気付く事もなく、一番上の子れみりゃは梟に連れ去られたのだ った。 『う~!?』 叫び声を上げて逃げ出そうとするが梟の脚の爪ががっちりとくわえ込み、そのど ちらも出来ない。 そしてそのまま木に梟は着地する。 『うげぇ!?』 身体が圧迫される痛みが走るが致命傷にはならなかった。 距離はさして離れていない。 子れみりゃから親れみりゃの姿も見える。 『まんま~!?』 れみりゃは必死に親に助けを求めるが声も出せない状況では気付く訳もない。 『う~!?ざくや、だずげで~!?』 本能に刻まれたさくやという存在に助けを求めるがそれは無駄な行動でしかない 。 梟も悠長にしていれば他の獲物が逃げてしまう為一匹に時間をかける訳にはいか ない。 逃げられないように手早く羽根をむしり取る。 『うぎゃー!?いたいどー!!』 バタバタといっそう激しく暴れるが食い込んだ爪から逃れられない。 羽根がなくなったから飛んで逃げることも出来ない。 そして邪魔な帽子を捨て、啄みはじめる。 『もうやだどー!!れみりゃおうちにかえるー!!ぷぎゃ!うぎ!』 自分の中身が瞬く間に食われていく。 先程れいむにした事を身を持って味わっていく。 鋭い嘴によって生まれる鋭い痛みに子れみりゃの身体に生まれてから一度も味わ った事のない痛みが何度も襲い来る。 皮は破れ、中からほかほかの肉まんの湯気を立ち上らせながら必死に助けを求め るが既に口にあたる部分は破壊されて声が出ない。 『ま…んま……ざ…ぐや…』 目玉を啄まれ、残った片目で幸せそうな親れみりゃを見つめる。 親れみりゃはようやく一匹足りない事に気付くが、隠れんぼか何かと思い、「お ちびちゃんどこなんだど~?」と明るい口調で言っていた。 『たず…』 必死に懇願する子れみりゃ。 だがその願は絶対に届かない。 残った片目も梟に啄まれる。 必死に瞼を閉じるが、その瞼も食われ、剥き出しの目が前方を向く。 そこには、かつてれいむが死に際に思い浮かべたものと同じ丸い狩猟者の双眸。 それが子れみりゃの見た最後の光景だった。 目をえぐられ、視覚を完全に奪われる。 『だれ…たず…』 薄れいく意識の中、あの双眸を脳裏に浮かべながらあてもなく誰かに救いを求め 、子れみりゃは髪の毛と皮を残し、梟の腹の中に収まった。 皮肉にも、この子れみりゃが最後に浮かべた光景と死に方は先程喰らったれいむ とほぼ同じものだった。 「おちびちゃんかくれてないででてくるんだど~!」 一方、親れみりゃは赤ゆっくりがついた茎を片手に子れみりゃを捜す。 二つ程赤ゆっくりが残っているのはいなくなった子れみりゃの分だろう。 「う~、でてこないとでざーとたべちゃうんだど~!」 親れみりゃはいつまで経っても出て来ない子れみりゃに対して告げるが反応が返 って来ない。 れみりゃは幸福だった。 初めての一緒の狩りでおちびちゃんがすごい御馳走を見つけた事がとても嬉しか ったのだ。 はじめてのかりでこんなでりしゃすなあまあまをとれるなんてさすがおぜうさま のおちびちゃんたちだどー!と思っていた。 これから先自分を超えるカリスマ溢れるおぜうさまに相応しき存在になると信じ て疑わなかった。 こうまかんにかえったらなでなでしてあげるんだどー♪と思っていたらいつの間 にかおちびちゃんがいなくなっていたのだ。 最初はかくれんぼだと思っていたがいつまでも出て来ないので不安になってくる 。 だがおぜうさまのおちびちゃんがやられるわけないんだどーという何処にも保証 のない結論を信じて疑ってなかった。 そしてその想いは裏切られる事になる。最悪の形で…。 親れみりゃは見つけた。 子れみりゃの成れの果てを…。 それは子れみりゃの髪と皮、羽根、そして帽子だった。 無残に食い散らかされたそれは紛れも無く“死”を物語っていた。 「うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!?」 親れみりゃは絶叫する。 さっきまでかわいらしく笑っていた子れみりゃが今は醜い残骸に成り果てている 。 いずれえれがんとなおぜうさまになってこうまかんをひきいると親れみりゃが思 っていた妹思いな子れみりゃはもうどこにもいない。 かわいらしくてえれがんとな「う~☆」という鳴き声も聞けないのだ。 ショックのあまり持っていた茎を落としてしまう。 「おちびちゃんじっがりずるんだど~!!」 親れみりゃは子れみりゃの残骸をかき集める。 目尻には大粒の涙が流れていた。 ついさっき死んだれいむのように輝かしい未来が待っていた筈のれみりゃ達に突 然訪れた悪夢。 「う゛っ…う゛っ…おちびぢゃん…」 子れみりゃの残骸を抱きしめ落涙する親れみりゃ。 「まんまぁ~…げんきだすんだど~…」 そんな親れみりゃに今一番上となった二番目の子れみりゃが慰める。 「おねぇちゃんはきっとてんごくでしあわせにしてるんだど~」 自分だって家族で唯一の姉を失って辛いはずなのに一生懸命親れみりゃを慰めて いる。 「まんまぁ~ないちゃったらてんごくのおねえちゃんもかなしくなっちゃうんだ ど~」 「げんきだしてほしいど~」 そうだ…まだこのこたちがいるんだどー。 親れみりゃは三匹の子供達を見つめる。 一番上のお姉さんはいなくなってしまったけどまだこの子達がいる。 残念だけどいなくなった子の分まで仲良く幸福に暮らしていこう。 そう思い、両手に抱えていた子れみりゃの残骸を一旦地面にそっと置き、れみり ゃは落とした茎を拾う。 「みんなでこのでざーとをたべておねえちゃんのぶんまでこうまかんのあるじに ふさわしいおぜうさまになるんだどー♪」 「「「う~、わかったど~♪」」」 笑顔に戻ってくれた親れみりゃを見て子れみりゃも微笑む。 家族の死を乗り越えて彼女達は成長したのだ。 だが彼女達は気付いていない。 悪夢はまだ…終わっていないと…。 それは疾風のようだった。 親れみりゃが一番上の子れみりゃにあげる筈だった赤ゆっくりを二番目の子れみ りゃにあげようとしたその時、 「う゛ぁ!?」 一番下の子れみりゃが変な声を上げ、親れみりゃがそちらの方を向いた時には一 番下の子れみりゃの姿が何処にもなくなっていた。 「うぎゃあああああああッ!!?」 そして子れみりゃの絶叫が響き渡る。 「おちびちゃん!?」 さっきの悪夢が再び蘇る。 また突然いなくなってしまった子供に親れみりゃは蒼白しながら辺りを見回す。 今度はすぐに見つかった。 「う゛…う゛…」 一番下の子れみりゃは木の枝に突き刺され、肉汁を垂らし、痙攣していた。 まるで百舌鳥のはやにえだ。 急所を外してあるからまだ生きていた。 「おちびちゃん!!いまたすけるんだどー!!」 そう言ってれみりゃが羽ばたいて子れみりゃを助けようと飛ぶ。 もう子供を失うのは嫌だ。 そんな親として純真な思いでれみりゃは向かった。 だが、 「うがぁ!?」 突然れみりゃは現れた何かに弾き飛ばされた。 かつてれいむを蹴り飛ばした時のようにれみりゃは転がる。 「ううう…」 身体に激痛が走る。 だけど早く助けないと子供が死んでしまう。 そう思い立ち上がる。 これがハリウッド映画だったら涙を浮かべる名シーンになっただろう。 だがこれはハリウッド映画じゃない。 親れみりゃの子を思う気持ちなど全く意味の無いものだった。 「まんまぁ~!?たずげでだど~!!」 親れみりゃの眼前にはさっき自分を慰めてくれた二番目の子れみりゃが鳥に踏ま れていた。 丸い二つの無垢そうな双眸をした鳥。 無垢故に残酷さが込められている感じがする。 親れみりゃは理解した。 こいつがおちびちゃんを殺した奴だと。 「おちびちゃんをはなすんだど~!!!」 親れみりゃは叫ぶ。 今にも飛び掛かりたいのだが身体が痛くて上手く動けないのだ。 だから出来るのは精一杯の威嚇。 「まんまぁー!たずげでー! れみりゃまだじにだぐないんだどー!!」 泣き叫ぶ子れみりゃ。 逃げ出そうにも子れみりゃに食い込んだ爪は深く、梟の重量を跳ね退ける力も無 い。 姉の死に悲しみながらも親を一生懸命慰めてくれた心優しい(親れみりゃ基準) 子の顔が恐怖に歪んでいる。 唯一無事な子れみりゃはがたがたと震えている。 そして梟はさりげなく、あまりにも自然に子れみりゃの帽子をひきちぎった。 頭の一部分を含めて。 「うわあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!」 突如頭に走る激痛に絶叫するしかない子れみりゃ。 帽子と髪は剥げ、右目の周囲は剥き出しの肉まんの中身が見える。 人間でいうなら骨が見えているようなものだ。 親れみりゃはその光景に唖然とする。 こうまかんのおぜうさまにふさわしいかわいらしくてかりすまあふれるおかおが …。 そこからは親れみりゃは何も言えなかった。 目を背けたくなるような光景(親れみりゃにとって)が広がっていたからだ。 しかし、自分達が危機的状況なのは変わらない。 梟はれみりゃが上手く動けないのを把握していた。 だから手早く羽根を毟り取り、吐き捨てる。 れみりゃの再生能力は高く、ゆっくりの中でも愚鈍な知能を補うかのように身体 能力は優れていた。あくまでゆっくりとしてだが…。だから羽根が毟られてもし ばらくすれば生えてくるのだ。 今この場で梟がやっているのは逃亡の防止。 この時点になると既に梟から逃げる方法は皆無になる。 他のゆっくりと違って羽根というアドバンテージを持つれみりゃだがその分跳ね るのが不向きなのだ。 羽根のない胴なしれみりゃはかつて獲物であった披捕食種にすら敗れる始末なの だ。 その為に他のゆっくりと比べて体付きに進化しやすいのかもしれない。 先程一匹を囮にして親れみりゃに不意打ちをし、痛烈なダメージを与えた。 囮を使わないでそのまま突っ込んでもよかったのだがこの梟は徹底して慎重だっ た。 もしも先にれみりゃが近付いてくるのに気付かれたら逃げられるのではないか? 手足がなく動きが鈍いれみりゃの方を攻撃しても牙にさえ気を付けていれば反撃 を受けることはない。 それ故の行動だった。 難点は悲鳴が喧しく、他の動物や妖怪をおびき寄せる可能性もあるが数だけは多 いゆっくりの悲鳴等森の中では日常茶飯事だ。 獣達が気にする事はない。 梟は安心して食事を進める。 と言ってもゆっくりのようにのんびりとしている訳ではない。 迅速に子れみりゃを喰らっていく。 「ざぎゅ!…だずげ…」 瞬く間に子れみりゃの身体が梟の腹に入っていく。 きっと中で姉妹と再会出来て先に食べられた子れみりゃも喜んでいるだろう。 「やめるんだどー!!!」 親れみりゃが身体の痛みを我慢して体当たりして来る。 子を思う気持ちが痛みを凌駕したのだ。 だがその程度で切り抜けるならこのような状況に陥らない。 梟は一旦食事を止め、軽く飛んでれみりゃの背後にまわって親れみりゃを地面に 叩きつけた。 時を軽く遡り、親れみりゃが梟に体当たりをかけたその時、 「ま…んまぁ…」 助けに来てくれた…。 中身が少なくなり思考が乏しくなった子れみりゃでもそれは理解出来た。 やっぱりまんまはさいきょーのきゅうけつきなんだどー。 こんなとりなんかあっというまにたべちゃうんだどー。 等と勝利を確信した子れみりゃ。 親れみりゃが木に突き刺さった子れみりゃを助けようとして梟に叩き落とされた 事など覚えていない。 だがこのれみりゃは知らない。 安易な希望は絶望を倍加させると。 自分にのしかかってた梟の重みが無くなる。 だが動けない。 子れみりゃは気付いていないがもう完全に助からない量まで啄まれてしまった。 もし親れみりゃの体当たりが成功し、もし梟に勝利した場合…それでも天文学的 確率の話だがそうなったとしても子れみりゃは死ぬ。それは絶対だった。 だが現実の悪夢は別の方向へと続く。 梟は難無くれみりゃの背後にまわり、地面に叩き付けた。 そう、子れみりゃがいる地面に。 それを子れみりゃはスローモーションのようにゆっくり感じた。 『まんまぁ~♪ こわかったんだど~☆』 カリスマ溢れる母の姿に恐れをなして梟が逃げ出したと本気で思っている子れみ りゃは自分を抱きしめてくれると思っていた。 だがそれは違う。 親れみりゃの背後にまわり、上から地面に押し付けているのだ。 『まんまぁ~いたがったんだど~!!』 死に際なせいか周囲の動きがゆっくりと感じられる。 五感が鋭敏にでもなったのだろうか。 親れみりゃと子れみりゃが触れ合う。 愛しい母の抱擁に痛みを忘れて子れみりゃは幸せな気持ちになる。 だが、 『まんま…すこしいたいんだど…』 親れみりゃの抱擁が強くなる。 そもそも子れみりゃが勘違いしているだけで抱擁ですらないのだから。 だんだんと自身が圧迫されていくのがわかる。 『まんまぁー!いたいんだど!はなれてほしいんだど!』 もはや母の抱擁などと生易しいものではない。 確実に殺すのしかかりだ。 『いだいいだいおうぢがえどぅー!!』 勿論もう家には帰れない。 死神が歩きから全力疾走に変わっただけだ。 『ごべんなざいわるいごどじだのならあやまるからやめてだどー!!』 子れみりゃは必死に声に出ない命乞いをするがだれにも聞こえない。 そのまま子れみりゃの身体がひしゃげていく。 『ごべんなざいもうわがままいわないからあまあまをポイッとかじないがらまん まのいうごどちゃんとぎぐがらやめでぐだざいだどー!!』 そんな命乞いなど誰の耳にも届かないのに必死で言い続ける。 『つびゅ…れる…』 じんわりと子れみりゃに痛みが走り、目が圧迫されて飛び出す。 一瞬にして子れみりゃの視界は暗闇に包まれる。 自分の身体が破壊されていくのがわかってくる。 『やだやだやだやだやだやだやだやだじにたぐないじにだくないじにたくないじ にたくない!!』 五感が鋭敏になり、時間の流れがスローモーションのようになったのが災いした 。子れみりゃは本来なら一瞬ですむ痛みと恐怖をゆっくりと味わう羽目になった 。 目玉が飛んでいく。 そこから肉汁が溢れる 口から残った肉まんが飛び出そうとする。 その結果口いっぱいに広がる自身の味。 子れみりゃは口を閉じて耐えるがすぐに決壊し、口から流れでる。 『れみりゃのながみでてきちゃだめだどー!!』 口を強く閉じて流出を止めようとする子れみりゃ。 しかし上からの圧力ですぐに口自体が破壊され流出の中に歯が含まれ出す。 口だけではない。圧力で子れみりゃの中身は穴という穴から飛び出してくる。 『ざ…ぐ…や…だず…』 子れみりゃは母ではなくさくやに救いを求めたのだった。 そして長い痛みの中、子れみりゃは愛しい母の胸の中でようやく死ぬ事が出来た のだった。 親れみりゃは自身の身体の下からダイレクトに子れみりゃの潰れる感触を感じた 。 「う゛あ゛、う゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ッ!!!」 もはやえれがんとやかりすまのカケラもなく泣き喚く親れみりゃ。 親れみりゃが泣き喚いているのを尻目に梟はある事に気付いた。 それは迅速に行動しなければならない事だった。 それを済ませ、梟はさっさと獲物を確保して巣に戻る事にした。 「う゛、う゛う゛~…」 濁流のような涙を流す親れみりゃを尻目に梟は親れみりゃの羽根をひきちぎる。 「うぎゃー!!!?」 激痛に親れみりゃがのけ反るが梟には関係ない。 そのまま羽根を今まで子れみりゃにやったようにそこら辺に吐き捨て、脚を啄み 機動力を奪う。 これでもう親れみりゃは満足に動けない。 「やだー!!もうおうちがえるー!!!」 もう親としての威厳もへったくれもない。 ぶざまに命乞いをする親れみりゃ。 すると、すっと上にのしかかっていた梟がどいたのだ。 「う゛?」 突然の事に戸惑いを隠せない親れみりゃ。 そんな親れみりゃを尻目に梟は飛び立つ。 「うー!だすがったどー! れみりゃのかりすまにびびってにげだしたにちがいないどー!!」 そのまま森の中に飛んでいく梟を見ながら歓喜の踊りと称する手足ばたばたをす る。 「う゛~!?なんでうごけないんだどー!?」 親れみりゃは脚を啄まれて動けない事をすっかりと忘れていた。 自分の怪我すら忘れてるのだ、枝に突き刺さっている虫の息の子れみりゃも忘却 の彼方だ。 それと同時に周囲に誰もいない事を気付かなかった…。 自身の子供が何処にもいない事に気付かなかった。 そして、 「う~しね!」 新たに現れた驚異にも気付かなかった。 (後編へ)
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1464.html
「ゆっくりちていってね!!!」 森に住むあるゆっくり霊夢の巣。 そこでまた数匹の食べ物がこの世に製造された。 「おかあさんたちとゆっくりしようね!!」 「おねえさんたちともゆっくりしようね!!!」 お母さんゆっくりやお姉さんゆっくりが生まれたての赤ちゃんたちに語りかける。 とても微笑ましい光景だが、一家には一つ気がかりがあった。 「ゆ~、このままあかちゃんたちがおおきくなったら、このおうちじゃゆっくりできなくなるね!!」 それは家の敷地のこと。 今まではゆっくり出来ていたその空間だが、新たな住人が増えた今、将来の事を考えるとこのゆっくりハウスでは確かに狭い。 人並みに快適さを求めるゆっくりなので、狭くなる巣に住むという事は考えられず新しい巣をどうにか調達しようとアレコレ思案し始めた。 「ゆっくりあたらしいおうちをみつけようね!!!」 「皆でさがせばゆっくりすぐみつかるよ!!!」 ゆっくり達は気楽に考えていたが、現実はそんなに甘くない。 自分たちよりも大きな巣は既にゆっくり家族が住み着いていた。 お母さんがゆっくりアリスで、ゆっくりれみりゃとフランを食用にしている巣もあったのだが、そこも人数が多くて断念。 「ゆっくりまたあそびにきてね!! おきゃくさんはゆっくりかんげいするよ!!!」 その一家の巣から出た後、ゆっくり一家は森から出て西側へとやってきた。 山へと続くその道は、確かに食料になりそうなものは無い。 しかし、時々そこをお散歩コースにしている一家は、この土が自分たちでも掘れるほどゆっくりしていることを知っていた。 「もりはあきらめて、ここにゆっくりれいむたちのおうちをつくろうね!!」 ゆっくりしてはいられない。 もう直ぐ冬が来るのだ、このままだとゆっくり越冬できなくなる。 ゆっくりしたい気持ちは多々あったが、それでも自分たちがゆっくりできる場所を確保するため、一家は協力して家を作り上げていった。 「ゆ! おかあしゃんたちがんばってね!!」 「さむくならないうちにおうちをつくってね!!!」 生まれたばかりの赤ちゃん達は、この作業を手伝うことは出来ない。 それでも、何とか自分たちもお母さん達の役にたちたい、ゆっくり考えた結果が頑張って応援する事だった。 「ゆ!! がんばるよ!! あかちゃんたちも、ゆっくりおうえんしてくれてありがとうね!!」 「おねえさんたちががんばって、あかちゃんたちのおへやもつくってあげるよ!!」 自分の子供、妹たちに声援を貰って、俄然力が入るゆっくりたち。 一先ず、入り口から大広間まで掘り進めた所で、今日の作業を終わった。 「ゆっくりかえろうね!! はやくからないとたくさんのゆっくりのたいぐんにおそわれちゃうからね!!!」 「そしてゆっくりできなくなるまで、おしくらまんじゅうされるんだよ!!!」 「「「ゆ! こぁいこぁい!!! おかあさんたちはやきゅかえろうね!!!」」」 せかせかと急かす赤ちゃんゆっくりをほのぼのと見つめるお姉さん達。 泥だらけになった体を川で洗い流す。 さっきのゆっくりアリスの巣の近くの川だ。 「ゆ!! つめたいね!! はやくあがろうね!!」 「ゆ! でもきれいになったよ!!」 「おねえちゃんたち、きれーになってよかったね!!!」 日が暮れないうちに帰ろうか? そんな事を話していた一家に、先ほどのアリスが話しかけてきた。 きちんと川でバスタイムを都会派のゆっくりだから、お夕飯にご招待したいと言うものだった。 勿論、お言葉に甘えさせてもらう。 「うっぎゃーーー!! ざぁぐやーーー!! どごーー!!!? ざぐや? だずげでおぉ~!!」「ゆっくりしねー!! ふりゃんにいじわるするのはゆっくりしね!!!」 「むっしゃむっしゃおいしいねー!!!」 悲鳴なんて何のその、一度掴まったそのれみりゃとフランは食料、これはゆっくりたちの中では常識だ。 「いっちょにゆくりちようね!!!」 「ゆっくりできるよ!!!」 「おかあしゃんはねとかいはなの!!!」 「だからね!! れいむたちもとかいはなんだよ!!」 「「ゆゆ!! すごいね!!」」 赤ちゃん達も、自分たちと同じゆっくりと遊ぶことが出来て大満足。 食事も勿論格別だった。 「ゆ!! なら!! なら!! おうちができるまでのあいだ、ありすのおうちにいそうろうするといいよ!!」 事情を聞いたアリスが張り切って提案してきた。 確かにここなら今作業している場所へは随分と近い。 「うん!! ゆっくりいそーろうさせてもらうよ!!!」 遠慮? それはゆっくりできるの? こうして新たなゆっくりハウスを作り終えるまで、ゆっくりアリスの家に居候させてもらう事になった霊夢一家。 朝起きて、れみりゃを食ってお出かけ。 お昼に戻ってフランを食べてまたお出かけ。 夕方、川で体を洗ってれみりゃとフランを食べる。 それを十六回ほど繰り返すと、待ちに待ったゆっくりハウスが完成した。 入り口から中に入ると、最初に着くのは大広間。 数が増えたゆっくり一家でもまだまだ十分余裕がある。 そこから四方絵へ抜けると小さい部屋が十個程。 ゆっくりたちが各々に作った部屋だが、基本的に大勢でゆっくりするのが一番なので余り使うことは無いだろう。 だから、部屋数も随分少ない。 それでも、待ちに待った自分たちの新しいゆっくりハウスが完成した喜びは大きい。 ゆっくりアリスの一家に完成したことを伝え、その晩は朝まで最後の晩餐を楽しんだ。 朝まで続いたその晩餐、再生しっぱなしの二匹には随分酷な晩餐になっただろう。 でも、安心して欲しい。 今日の朝から雪が降り始めた、この雪が溶けない限り他のゆっくりをお家に呼ぶことは無い。 一方のゆっくり霊夢一家は、雪が酷くならないうちに急いで食べ物や宝物を運び込んでいた。 「ゆっくり、これで全部だね!!」 「ゆっくりおひっこしがおわったね!!」 「これでゆっくりとふゆがこせるね!!」 「おねえちゃんたちゆっくりしようね!!!」 「「「ゆっくりしようね!!!」」」 皆が大広間に集まり、ゆっくりとした新生活が始まった。 雪が降っているので、外には出られない一家だがそんな事は関係が無かった。 一家が皆ゆっくりと冬を越せる。 それはゆっくり達にとって最高に嬉しいものであった。 しかし、それがもろくも崩れ去ろうとは、この時は思いもしなかった。 ―― その頃、上空では 「まりささぁ~~ん♪ 今日こそ借りた本を返してくださ~~い!!」 「死んだら返すぜ!!」 「DA☆KA☆RA ♪ 今すぐ死んでくださいって言ってるんですよ~~♪」 「冗談はそれくらいにしておくんだぜ!!」 「こぁ!!!」 「さよならだぜーー!!」 「もぉ~~!! あれ、これは……」 ―― 「こんにちはーー!! ここぁ、れいむさんのおたくでしょうか?」 ゆっくり歌を歌ったりしながら数日が経過したある日、入り口の方で自分達を呼ぶ声が聞こえた。 「ゆ? にんげんだね!!」 「れーむたちになにかようかな?」 「きっとたべものをもってきてくれたんだね!!!」 「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」 母親を先頭に一家全員が外へ出る。 人数が多いほどもらえる食べ物の量も多くなるからだ。 「ゆゆ!! おねーさんたべものはどこ!!」 「さむいよ!! はやくちょうだいね!!!」 「いえいえ。今回は食べ物じゃないんですよ」 申し訳なさそうに、首を項垂れて弁解する。 「ゆゆ!! おねーさんだったられいむたちをかってによばないでね!!!」 「じぶんかってなおbねーさんはゆっくりかえってね!!!」 「すいません。でも、今回はこの入り口の事でお伺いしたんですよ?」 「ゆ? いりぐち?」 「いりぐちがどうしたの?」 「はい。普通のお家だったら入り口は横になっているので簡単に塞げますけど、このお家はキチンと塞げますか?」 「ゆ? ゆゆ!!」 ここまで来て、お母さん霊夢は大事な事に気が付いた。 そう、この家の構造上居間から入り口は見る事ができない。 それゆえ、冬は入り口を塞ぐ事を忘れてしまったのだ。 「ゆ!!! ゆゆ!! おねーさん!! いりぐちがしまらないよ!! おっこっちゃうよ!!!」 一家総出で入り口を塞ごうとしたが、馬鹿の一つ覚えのように入り口を塞ごうとていたが、口から放した途端に落っこちてしまうのでどうしようもない。 「おねーさん!! これじゃあれいむたちゆっくりできないよ!!!」 「はやくいりぐちをふさいでね!!!」 「はいはい。そのために来たんですよ」 それでは入り口を塞ぐので皆さんは中へ入ってください。 言われるがまま入り口に入ってゆく。 「はやくふさいでね!!! れーむたちがゆっくりできないよ!!!」 一声かけるのも忘れない。 「はいはい。さようなら♪」 女性は、一家全員が中へ入ったのを確認すると、入り口をキチンと石膏で塞いでその場を後にした。 「あんしんしてふゆをこせるね♪」 「ゆっくりこせるね」 「おかーさんおうたうたって!!」 「うん!! ゆ~っくり♪ ゆっくりくり~♪ ぷっぷ~~♪」 忘れていた入り口も塞ぎ終わった一家は。 改めて、新しいお家で越冬を始める一家。 懸案事項は全て無くなったので、これで本当にゆっくりできるようだ。 「おかーしゃん!! おにゃかすいたよーー!!」 「うん!! ゆっくりごはんにしようね!! たべものはいっぱいあるからことしのふゆはゆっくりできるよ!!!」 「「「よかったね!!! ゆっくりできるね!!!」」」 部屋の隅においてある大量の食料、そして沢山の家族。 これから、冬が明けるまで毎日ゆっくり過ごせそうだ。 そう思い、その日は引越しで疲れた体をゆっくり休ませた。 次の日、目覚めた一家は昨日と様子が変わっている事に気付いた。 「ゆゆ!! なんかへんだよ!!!」 食料室に入っていったお姉さんゆっくりの声だ。 「へんだよ!!!」 後から駆けつけたゆっくりも叫ぶ。 昨日とは明らかに違う事、穴のいたる所から水が染み出していたのだ。 昨日は大部屋にしか居なかった一家は気付いていなかっただろうが、大部屋の下に位置する食料室と小部屋は、既にゆっくりと水が染み出してきていたのだ。 いや、既に食料室は完全に水没していた。 「ここはあぶないよ!! ゆっくりうえにあがってね!!!」 この事態にお母さん霊夢が、一家にそう伝える。 「いやじゃーー!!! ごはんてべちゃーーーい!!!!」 一匹の赤ちゃん霊夢が、食欲に勝てず母親の声を無視する。 バシャバシャと水を掻き分け食べ物のもとへ。 「むっしゃ♪ ゆ~、しあわせ~♪」 「もどってきてね!!! はやくもどってきてね!!!」 「そこはゆっくりできないよ!!!」 お姉さん達の声も聞こえない様子で、食べ続けていく赤ちゃん。 「けふ!! ゆ~おにゃかいっぱい!! し☆あ☆わ☆せ☆~♪」 漸く、お腹が膨れてまともな思考ができるようになった赤ちゃん。 「!! ゆゆ!!!」 しかし、既に手遅れ。 「ゆーーー!!!! どげでるーーー!!! おがーーーざーーん!!! ゆっくりだずけでーーー!!!!」 餡子は既に水に流れ出している、そして助けたくても向こうの端に居る赤ちゃんを助ける事は難しい。 触っただけで崩れてしまいそうだから。 「あああーーー!!! ごめんねーーー!!! ごめんねーーー!!!」 「ゆゆ!!! おがーざーんかっでにいっだごとはあやまるからたずけでーーー!!!」 「ごめんねーーーー!!!」 「……あがーー……さーーーん……」 「ごめんねーーーー!!!!!」 「……」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」 目の前で壊れていく赤ちゃんゆっくりをただ見ているしか出来なかった母親。 「ゆゆ……。みんな、ここはあぶないから上に行ってね」 他のゆっくり達を守るために、其れだけを口から搾り出してこの場を後にする。 「おかーさんはわるくないよ!!!!」 「あかちゃんがいけなかったんだよ、おかーさんげんきだしてね!!!!」 慰めの言葉だが、今は其れすらも自分の心に酷く突き刺さる。 「ゆーーーー……」 大広間に到着した一家は、取り合えずお母さんを必死で慰める。 ―― 「ゆっくり!!」 ものの数時間ほどで、以前の調子に戻ったお母さん霊夢。 既に、あの赤ちゃんの事は記憶の片隅に行ってしまったようだ。 「たべものもなくなっちゃったし、ここはあぶないからもとのおうちにかえろうね!!!!」 「でもたべものないよ?」 「そうしたら、ありすのおうちにいこうね!! たべてもたべてもへらないたべものがあるからね!!」「そうだね!! ありすたちとないすにふゆをこそうね!!!!」 上へ上へと昇って行く一家。 「ゆ!!!」 しかし、外に出る事はできない。 「ふさがってるよ!!!」 「きのうおねーさんがふやいでいってくれたんだよ!!!」 「ゆっくりふゆがこせるね!!!」 「ちがうよ!!! おそとにでられないとたべるものがないんだよ!!」 「ゆ!! そうだった!!!!」 お母さん霊夢が、何度か体当たりをするが一向に開く気配は無い。 更に事態は悪い方向へと動く。 「ゆゆ!!! おかーさん!! おへやがくずれてきたよ!!!」 下に溜まった水の所為で、ついに大広間の崩壊が始まったのだ。 「ゆゆゆ!!! おかーさんがあなをほるから、ゆっくりまっててね!!!」 もう迷っている時間はない。 お母さんゆっくりは勢い良く地面を掘っていく。 「むっしゃむしゃ!!!」 普通は周りに捨てていくが、今はそんな余裕もない。 ドンドンと口の中に入れていくだけだ。 「がんばってね!!!」 「もうすこしだよ!!! ゆっくりできるよ!!!!!」 ボロっと言う音と共に、急に抵抗が弱くなった。 「ゆぶ!! でれたよ!!!! ゆっくりでれたよ!!!!」 「ゆゆ!!! よかったね!!! はやくおそとにでようね!!!!」 「ゆっくりでるよ!! ……ゆゆゆ!!!!!」 そこには、数十センチは有ろうかという雪の壁に囲まれていた。 「ゆ!! どーーじでーー!! おそとにでれないーー!!」 「ゆっぐりしだいよーー!!!」 「おかーーさん!! おそとにだしてーーー!!」 子供達の悲壮な声を聞き、母親は決心したように雪にかぶりついた。 「ゆ!!! ゆっゆ!!」 「「おかーーしゃん!! がんばってーーー!!!」」 「「もうちょっとだよーーーー!!!」」 「ゆゆゆ!!!! ゆーーーー!!!」 既に疲労困憊、口の周りの感覚がなくなってきた辺りで漸く、地表への道を得ることができた一家。 しかし、今は冬の真っ只中である。 「ゆゆ!! これじゃあでられないよ!!!」 木枯らし吹き荒れる外の世界。 流石にゆっくりといえど、このまま飛び出したらどうなるかという事くらい分かっているのだろう。 「ゆ!! だいじょうぶだよ!! れいむたちはかしこいゆっくりだもの!!」 「そうだよ!! とかいはのありすがれいむたちもなかなかのとかいはだっていってたもん!!」 だから大丈夫。 そういうと、半数以上の子霊夢達は勢いよく外へ飛び出してしまう。 「やめてね!! もどってきてね!! おそとはゆっくりできないよ!!」 「そんなことないよ!! おかーさんはしんぱいしょーだね!!」 「そうだね!! れいむたちがあたらしいおうちとたべものをさがしてくるから、そこでゆっくりしててね!!」 そう言って、木枯らしの中へ消えていった。 「ゆーー……」 今や、この一家の生き残りはお母さん霊夢と数匹の赤ちゃんゆっくり、そして二匹の子ゆっくりのみ。 「だいじょうぶだよ!! はるまでがんばってゆっくりしようね!!」 「そうだよ!! みんなでゆっくりできりゅよ!!」 懸命に励ます子供達だが、母親は知っている。 食べ物もなく、水に追われている自分達はもう長く生きられない事を。 「……ゆ!! そうだね!! みんなでゆっくりしようね!!」 「「「ゆっくりーーー!!!」」」 だから…… 「ここはさむいから、さっきのおおひろままでもどろうね!!」 「「「ゆっくりもどるよ!!!」」」 「おかーーさん!! おうたうたって!!!」 「いいよ!! ♪~~~~~」 その日まで、自分達はゆっくり過ごそう。 そう、母親は自分自身に言い聞かせた。 ―― 母親達が家の中に引き返した頃。 「ゆーー!! ざむいよーー!! どうじでーーー!!!」 「はやぐゆっくりしだいよーー!!!」 「ゆ…………」 「だいじょうぶだよ!! だってありすたちがれいむたちのことをとかいはのちてきなゆっくりっていってくれたんだもの!!!」 「でもざむいーー!! ゆっくりでぎないーー!!」 「もどりだいーー!! おかーさんのところにもどりたいーー!!!」 「ゆ……それじゃあもどろうね!! どっちからきたんだっけ?」 「わがらないよーー!!! ここどこーーー!!!」 「なんでれいむたちがこんなめにあうのーーー!!!」 「「「「「ゆっぐりしたがったーーーー!!!!!」」」」」 此方のゆっくり達は今まさに生涯を終えようとしていた。 ―― 「うあーーー!! それはれみりゃのばっぐだどぉーーー!!!」 「ぞれはふらんのーーーー!!!!」 「これはありすにってきれいなおねーさんからもらったの!! いまはありすのなの!!」 「「うっぎゃーーー!! いだいーー!! たべないでーーー!!!」」 「いい? これがかるてえのばっぐで、こっちがぐちのかさ、このろーそくたてはだいぞーーのなのよ!!」 「「「おかーーさんすごーーい!!」」」 「ゆ!! だってありすはとかいはのゆっくりだもの!! みんなもおかあさんみたいになれるように、ゆきがなくなったらにんげんのところにいってみようね!!!」 「ゆ……でも、まえににんげんのところにおせーぼもらいにいったら……」 「だいじょうぶ!! こんどはあのきれーなおねーさんからきいたところだから!!!」 「「「「それだったらだいじょうぶだね!!」」」」 「「ざぐやーーーーー!!!」」 食料に困る事もなく、大量の藁で暖かい住まいで、アリス一家はゆっくりと冬を越していった。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/462.html
※ゆっくりあやが出てきますが、(中略)ただのお饅頭です。(゜∀゜)キモクナーイ!!ですよ。 烏天狗には烏を使役する能力があるが、誰もが自由に使役できるという訳でもない。 烏を思い通りに動かすためには、それなりの訓練と日頃からのコミュニケーションが必要なのである。 餌やりもコミュニケーションの1つだ。 射命丸文はいつもの場所に立ち、指笛を吹いた。 すると、どこからともなく10羽ほどの烏が現れ、文の周りに集まった。 「よ~しよ~し」 文は烏達に餌をやりつつ様子を見ると、烏以外の何かが来ていたのを見つけた。 よく見ると、顔のついた饅頭に烏のような羽がついている。そしてその顔は文に似ていた…ゆっくりあやだったのだ。 「あやややや」 ゆっくりあやは他の烏と同じように餌に飛びついていたが、自分で食べているのではなく、頬に貯めているようだった。頬を目一杯まで膨らますと、あやは飛び去っていった。 他の烏は餌を食べ終わっていたので、文は烏達を解散させ、あやの後をつけることにした。 気づかれないように、観察しながら、あやの少し後ろを飛ぶ。ゆっくりの中で飛行できるタイプというとれみりゃが有名だが、文の目の前にいるあやは、れみりゃよりも立派な羽を持ち、餌を頬に蓄えながらも、れみりゃより高く速く、安定した飛行をしていた。もっとも、速いとは言っても、餌を含まなくてもおそらく雀や烏ほどは速くなさそうだ。 しばらく飛んでいると、あやが降下を始めた。降下した先の木の、割と高い位置に巣があり、1匹のあやと4匹の小さなあやがいた。 (なるほど、家族のために餌を貯めていたんですね。それにあの高さなられみりゃ種に襲われる心配もなさそうですね) 文はメモを取った。ここまで来ると完全に取材モードになっていた。ゆっくりなら多少は話が聞けるかもしれない、と思った文は巣に近寄った。 「あのー、すいません」 「ゆゆっ!?おねーさんだれ?」 先ほど餌を持ち帰った方でないあやが答えた。 「ああ、すいません。私、烏天狗の射命丸文といいます。こんにちは」 「ゆっ!おねーさんはゆっくりできるひと?」 「はい、ゆっくりできますよ」 すると、餌を持ち帰った方のあやが気づいたようだ。 「ゆゆっ!おねーさん、さっきえさをくれたひとだね!さっきはありがとー!」 「いえいえ、どういたしまして」 「おねーさんにおれいしたいんだけど、うちにはもうたまごがないの!ごめんね!」 (…卵?お礼に卵ねぇ…。あ) 文はひらめいた。 「それなら、貴方達のこと少し取材させてもらってもいいですか?私、新聞記者やってるんです」 お礼に卵、というのは引っかかったようだが、記者としては物品をもらうより取材する方がいいらしい。 「いいよ!このへんはともだちもいるから、あんないするね!」 文が周りを見ると、同じような巣がいくつかあった。事情を説明するためにも、その方がよさそうね、と文は思った。 「それじゃあ、お願いしますね」 熱心に取材をしていたら、だいぶ時間が過ぎてしまったようだ。空が赤く染まっている。 「それじゃあこれで失礼しますね」 「またえさをもらいにいってもいい?」 「いいですよ」 そう言って文が帰ろうとした時、遠くから「うー」という声が聞こえた。だんだん近づいてくるようだ。 文と一家が音の方を見ると、何やら黒い影が近づいてきた。 文はまさかと思ったが、そのまさかだった。れみりゃザウルスだ。体つきのれみりゃが突然変異を起こし、怪獣の被り物を被ったような姿になったものだ。体がついた時点でれみりゃは飛行能力を大幅に下げるが、ザウルスにまでなると羽を失い完全に飛べなくなる。おまけに歩行も非常に遅い。しかし、その変わりに強い力を得るのだ。 すでにれみりゃザウルスは、あや一家の巣のある木の下まで来ていた。 れみりゃザウルスが上を見た。巣に気づいたようだ。 「ぎゃおー!!!たーべちゃうぞー!!!」 れみりゃザウルスが木にパンチを与えた。木が揺れ、巣がぐらつく。あやの両親は必死に子供を守ろうとしている。子供はどこか楽しそうだ。 1回で巣が落ちなかったのを見て、れみりゃがまたパンチを与える。今度は連続で何回も。木の揺れが絶え間なく続く。やがて巣が大きく傾き、滑り落ちてしまった。 「危ないっ!」 文は素速く落ちる巣を追いかけ、両手で巣を捕まえると左腕で抱きかかえる様にし、右手でモミジをかたどった団扇を取り出すと、れみりゃザウルスに向かってあおいだ。突風が起こり、れみりゃザウルスはその鈍重さが嘘のように軽々と遠くに飛ばされていった。 「あやややや~…やりすぎちゃったかな…」 「「「「おねーしゃんしゅごい!!!」」」」 文の胸元で声がした。雛が今の様子を見ていたようだった。親のあやが続けて言う。 「「おねーさん!たすけてくれてありがとう!」」 「いえいえ」 「おれいしなきゃ!」 「また今度で…あ」 またひらめいたようだ。 「それならうちにきませんか?」 「ゆゆっ!それじゃおれいにならないよ!」 「そんなことないですよ。それに仕事を手伝ってほしいんです。ちょうど相方がいなくなって1部屋空いてますし」 文はそれが寂しかったのかもしれない。あるいは、あや一家に対して親心のようなものがわいたのか、はたまた、もっと調べたいという記者根性か。 「おねーさんのおしごとをてつだえばいいの?」 「ええ。お礼はそれで構いませんよ」 「ゆっ!ありがとーおねーさん!」 文は一家に向けてにっこり笑い、巣を大事そうに抱えて帰路についた。 おまけ 文の取材メモ(という名の俺設定) ゆっくりあやについて 卵生。"本物"の頭の飾りの白いボンボンにあたる部分が卵になる。 雄にはそのボンボンがついていない。ボンボンがついてるのは雌。 1匹の雌につき卵は最大で6個しか産まない(産むでいいのか?)。 その中には無精卵が1個か2個必ず含まれる。 無精卵は、自分たちの食料や、何かされたときのお礼として利用している。 産卵が近くなると、雌は巣から出なくなるため、餌集めは雄が行う。 幼い内は羽が未成熟なので飛べない。羽がしっかりしてくる頃には、頭の飾りの部分も伸びているのて、雄雌の区別がわかりやすくなる。 以下作者の言い訳など どこ行ってもきめぇ丸とかきめら丸ばっかなんで普通のゆっくりあやを書きたかった。 ちなみに無精卵はかもめの玉子、あや本体はひよ子の味がするそうです。 耳無しれーせんと同じ流れになってしまった…orz 相方がいない理由は…おっと、誰か来たようだ。 れみりゃザウルスのその後 感想、質問、誤字報告等あれば下のコメント欄へ。閲覧ありがとうございました。 尻尾の人 確かにゆっくりあやは見ていないんだよな、俺も興味津々だから書いてる途中なんだ -- 名無しさん (2008-11-26 08 25 25) 微修正しました。 -- 作者 (2008-11-26 15 20 34) 吹っ飛ばされたれみりゃザウルスがどうなったか知りたい -- 名無しさん (2008-12-16 21 32 51) れみりゃザウルスのその後 え〜っと…特にないですごめんなさいorz 少し考えてみようかしら。 -- 作者 (2008-12-17 23 38 01) れみりゃザウルスに関する表現を少し変えました。 -- 作者 (2008-12-27 09 43 15) れみぃが無事だといいが・・・ -- 名無しさん (2010-12-02 05 09 52) 次からは、れみりゃドラゴン出して欲しい。 -- 上白沢慧音 (2012-10-07 18 50 01) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1643.html
ゆっくりが髪を失った状態をハゲまんじゅうと呼ぶ。 髪を失うことはゆっくりにとって致命的なことだ。 脆弱なゆっくりにとって髪による保温機能、防護機能を失うことは生存率を激減させる。 命の次に大切な飾りが付けられなくなるというのもある。 飾りはゆっくりにとってアイデンティティを司るものであり、これがなくなれば仲間から阻害される。 髪を失って不気味な姿となったハゲまんじゅうが単なる飾りなし以上に迫害されることは自明の理だ。 そればかりか、ゆん格が崩壊する恐れがある。 自分が誰だかわからなくなり、自身と外界の区別がつかなくなり、筋道立った思考ができなくなり、最終的に悪夢めいた意識の混濁のなかで狂い死にすることになる。 また他の動物との関わり方も大きく変化する。 ゆっくりは人間に擬態することで肉体的には遥かに強い動物たちから辛くも逃れられている。 だが、髪がなくなればこの擬態効果も減少する。 また人間はハゲまんじゅうをことの他嫌う。 まず見た目が醜い。ゆっくり自体人間の醜悪なパロディと考える人がいるが、ハゲまんじゅうはそのゆっくりをさらに歪めたおぞましい悪意のオブジェだ。 ハゲまんじゅうとは破壊しつくされたゆっくりの残骸なのだ。 いかなるゆっくり愛好家でもハゲまんじゅうだけは拒絶する。むしろゆっくりが好きな者ほどハゲまんじゅうを激しく嫌う傾向があるようだ。 その存在自体がゆっくりに抱かれる幻想のすべてを否定するからだろう。 これを可愛がれるものはこの世にいないと断言できる。 ハゲまんじゅうとは通常人間による虐待によって生み出される。 前述のとおり、ハゲまんじゅうに変えてやるだけでこの上ない苦痛を与えることができるのだ。 ハゲまんじゅうにして森に捨てる者、命を永らえさせて崩壊する様を観察する者もいる。 世の満たされない紳士淑女諸氏にとって手軽で効果的なストレス解消法だ。 統計によると、ゆっくり出現以来いじめを苦にした自殺が大きく減ったという(要出典) だがもうひとつ、病気によるハゲまんじゅう化という現象もある。 定期的に流行るゆっくりのみにかかる疫病により、髪が抜け落ち、飾りなどのパーツが腐り崩れてしまうのだ。 ハゲまんじゅうと化したゆっくりたちは森を彷徨い歩くことになる。 ハゲまんじゅうを受け入れてくれるゆっくりはいない。ましてや疫病となれば感染を恐れられて石もて追い払われるのが常だ。 ハゲまんじゅうにはどこにも居場所がない。 ハゲまんじゅうたちはしばしば集団を作り、あてもなく彷徨い歩くことになる。 ハゲまんじゅうたちは救いを求めて歩き続ける。救いがどこかにあると信じて。 しばしば宗教がかった集団となる。一種の巡礼者、苦行者の群れと化すのだ。 「ゆっくり~ゆっくり~、きょうもげんきにゆっくり~」 「ゆっくりのかみさまおすくいください! あわれなかなこをおすくいください!」 ハゲまんじゅうたちは祈りの文句、嘆願の言葉を叫びつつ、お互いに体当たりしながら進んでいく。 体当たりしあうのは苦行であり、前身を促すためのものでもある。 動きを止めたハゲまんじゅうは周囲から袋叩きにされる。そのまま二度と動かなくなるものも多い。 大声を出すのは通り道にいるほかのゆっくりに注意を促すためである。これを怠ったのなら殺されても文句は言えない。 「ばっちいハゲまんじゅうはさっさときえてね!」 「おおきもいきもい! れいむたちに近づかないでね!」 ゆっくりたちは口から石を放って通りがかったハゲまんじゅうたちをいたぶる。 ハゲまんじゅうたちは一切手向かいせず、苦難を甘んじて受け入れる。 その顔ぶれはどれもこれも見分けがつかないが、中にはかつての姿を想像させる痕跡を持つものもいる。 「ぐへへへへへ~~~ぶへへへへへへええええ~~~~~~ぶうええええええええええ~~~~~~」 もはやゆっくりとさえ言えなくなったあるゆっくりは、頭の側面にある突起によってゆっくりすいかだったことがわかる。 突起は病によって崩壊した角の名残であろう。ゆっくりすいかはゆっくりの中でも膂力に優れた種だが、角を失うとその力は普通のゆっくり以下に落ち込む。 自慢の力比べで他のゆっくりに負けて精神崩壊したのかもしれない。 「おお……おおお……おお……」 背中に黒い羽の残骸のついたハゲまんじゅうは、元きめぇ丸だ。 自慢の飛行能力を失って地べたを這い回る様は哀れ極まりない。この種は地上での生活は不得手なのだ。 歩くごとに全身に苦痛が走ったような表情を浮かべている。あのふてぶてしい表情はかすかに残っているだけだ。 「じね……じね……じねぇ……」 呪詛の言葉をぶつぶつ呟いているのはゆっくりふらんだ。 あの派手な翼は見る影もく腐り落ちている。 きめぇ丸と同じく地上での生活は不得手(そもそも歩くことが無い)ので、歩行には相当の困難が伴うようである。 飛行能力と共に狩りの能力も失った。甘いゆっくりの餡ではなく、草や虫(それも普通のゆっくりは目もくれないような)を食べて命をつなぐしかない。 死ね、死ねという呪詛は他の健康なゆっくりに対するものか。それともいまや苦痛の塊と化した自分に対するものか。 「おばなああああああああああ!! おヴぁなあああああああああああああああああああああ!!!」 奇妙な叫びをあげているのはおそらく元ゆっくりゆうかだ。 ゆうかは花を育てる種として知られているが、このハゲまんじゅうは道端の花を抜いては土を掘って埋めるようなことを繰り返している。 そういった花壇もどきは後続のハゲまんじゅうたちに踏みにじられていく。 「がぱ……かぱ……かぱぱ……」 干乾びかけたような姿のハゲまんじゅうがいる。これは元ゆっくりにとりだろう。 にとりは水に耐性を持つ珍しいゆっくりだが、病気によってその能力を失ったようである。 しかし、にとりは長い間水から外に出られない種でもある。体が干からびて崩壊してしまうのだ。 元にとりは歩くたびに体にヒビが生え、己の小さな残骸を後に残していく。もう長くないだろう。 「おぜうさまぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! おぜうざまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 このハゲまんじゅうはゆっくりさくやに違いない。 病気にかかったことで共生関係にあるゆっくりれみりゃから追い出されたのだろう。 かつての(ゆっくりとしては)瀟洒な姿は微塵も残っていない。 決して再会することのできないおぜうさまの名を叫び続けている。 「じゃおおおおおん! じゃおおおおおおおおおん!」 その傍らにいるのは一緒に追い出された元ゆっくりめーりんか。 もともと言語能力、高度な精神能力を持たない劣等種なので、ハゲまんじゅうになってもあまり変わりないようだ。 それでも守るべき場所を失った衝撃は心に深い傷を与えたことだろう。 「カサカサ……カサカサ……」 これらの破壊されたゆっくりの残骸たちの間を、これまたハゲまんじゅうと化した元ゆっくりリグルの大群が這い回っている。 もちろん、死んだハゲまんじゅうを掃除するためだ。ハゲまんじゅうの病にかかった死肉を食らうことで、元リグルはますます捻じ曲がった姿になっていく。 この芥虫たちはまさにこのおぞましい群れに相応しく、汚辱色の彩りを添えていた。 ハゲまんじゅうたちは歩き続ける。 ありもしない救いを求めて。救いがどこにもないとわかっていても。 「ゆっくり~ゆっくり~、きょうもげんきにゆっくり~」 「ゆっくりのかみさまおすくいください! あわれなハゲまんじゅうをおすくいください!」 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/959.html
『ご家庭で出来る☆れーばてぃん』 湖の傍らに佇む巨大な洋館。 吸血鬼が率いるその館を、幻想郷の人々はは紅魔館と呼んだ。 しかし、少し前まで畏怖の象徴だったその館の中からは、 最近では場違いな幼女を思わせる声が響くのが、日常となっていた。 そして、今日も館の一角にある部屋の中では、 2匹のゆっくりによる"歪んだ"レクリエーションが行われていた。 「どーん☆」 「だっどぉぉぉーーっ!!」 ゆっくりフランの拳を、顔の真ん中で受けて、吹っ飛ばされるゆっくりれみりゃ。 フランの拳の勢いは凄まじく、拳が丸ごとれみりゃの顔にめり込む程だ。 「うぁぁーー! れみりゃのぷりてぃーなおかおがぁーーー!!」 「まだまだいくよ~! おねぇーたま☆」 「うっ、うあぁぁぁーーっ!」 笑顔満面で腕をグルグル回すフランと、 だぁーだぁー涙を流しながら恐怖で顔を引きつらせるれみりゃ。 紅魔館の主人そっくりの、この2匹のゆっくり。 しばらく前にメイド長の咲夜が拾ってきて以来、すっかり館にも馴染み、 紅魔館のアイドル的存在として、(館の主を除いた)住人からの寵愛を受けて暮らしていた。 しかし、そんなゆっくりできる日々の中でも、姉のれみりゃには悩みがあった。 他でも無い……何故か自分より強くて好戦的で、 しかも、かわいくてえれがんとでかりしゅまなハズの自分を虐めようとする妹、フランのことだ。 今日も今日とて、れみりゃはフランに面白いように殴られ、追われ、涙を流す。 こんな時、れみりゃが取れる行動はただ一つしかない。 故に、れみりゃは残された力をふりしぼって叫んだ。 「うぁーん! さくやぁーー!!」 ベタンと座り込み、大声で部屋を震わせる、れみりゃ。 フランは、耳を押さえた後、つまらなそうに頬を膨らませた。 「もう、おねぇーたまったら、またさくや? おねぇーたまって、ほんとよわむし☆」 フランに虐められた時、れみりゃはいつもいつも"さくや"に助けを求めた。 さくやは、れみりゃにもフランにも愛情を注いでいたが、 こういう時味方するのは、いじめられているれみりゃの方だ。 姉への"いじめ"に悪意の無いフランからしてみれば、 それは何だかとてもズルくて、ルール違反な気がしてならなかった。 一方、ジョーカーを切った姉の方、れみりゃはれみりゃで、 フランから"よわむし"と侮蔑を受けて、不満を露わにする。 どんなにいじめられようと、れみりゃには"おねぇーさま"としてのプライドがあった。 「うーうー! そんなことないどぉー! れみりゃはおつよいんだどぉー! かりしゅまなんだどぉー!」 「あら、そうなの? じゃあ、もういっぱつだね☆」 ポカン! 「ぷぅー☆」 生意気な姉の顔に、再び拳をめり込ませようとした時、フランの目に火花が見えた。 「う~~♪ しゃくやぁ~~~♪」 涙ぐみながらも、れみりゃがパタパタ飛んで近づく存在。 いつの間にか、部屋の中には件のジョーカー・咲夜が立っており、 おいたをしようとしていたフランの頭をコツンと叩いていた。 咲夜は、れみりゃを抱っこして「よしよし」とあやしながら、フランにお説教を始める。 視線をそらして、口の先を伸ばすフラン。 そんなフランに対し、咲夜のお説教は続く。 仕方なく、フランは咲夜とれみりゃとの間で約束を結ぶことになる。 「はぁーい! もう、おねぇーたまはなぐりません☆」 フランは、ふてくされて部屋を出て行く。 宝石のついた不思議な羽を使ってフワリと浮き上がり、館の廊下を往くフラン。 すれ違う妖精メイド達が手を振ったり、会釈したりしていくが、 今のフランは、それに応じる気分ではなかった。 「つまんない……」 ぜんぜんゆっくりできない。 姉との楽しい一時を禁止されたフランは、そう感じていた。 姉のふとましい体に、ぷにぷにした下ぶくれに、拳を、棒を、オモチャを、叩きつけ殴りつける。 その何と、ゆっくりできることか。 きっと、あのゾクゾクしちゃう快感を知らないから、咲夜はあんなことを言うんだ。 もやもやした気持を抱えたまま紅い絨毯の上を飛ぶフラン。 だが、その時。 フランの目に、とある道具が飛び込んできた。 それは、妖精メイドが持っていた、何でもない道具。 けれど、それを見たフランには、新たなゾクゾクを得るまでの道筋がハッキリ見えた気がした。 「ぷぁ~~~☆」 そのイメージに、フランはルビー色の瞳を輝かせるのだった。 * * * 翌日、れみりゃは部屋で一人ダンスを踊っていた。 その顔は充実した笑みで満ちており、ほんのり顔を上気させている。 「うっうー☆うぁうぁ~♪」 ダンスは、れみりゃにとって欠かせない日課だ。 人間が見るとそれほど差はわからないが、 れみりゃ種は常に新しいダンス、より"えれがんと"なダンスを生み出そうとする。 それが、自分の"えれがんとさ"や"つよさ"や"かしこさ"の証明となり、 またそれを見せることで他のゆっくりや人間にも喜んでもらえると、信じているからだ。 もちろん、単純にダンスや歌が楽しくて好きだという大前提はあるのだが。 いづれにせよ、このれみりゃもまた、自らのダンスの新境地を開こうとしていた。 「うっ! そうだどぉー、ここをこーしてぇー♪」 両手を、"とじてぇーひらいてぇー♪"と繰り返し、お尻をフリフリゆらす、れみりゃ。 やがて、両手をくるくる~と回転させて、"イェアー☆"と左右に大きく開いて固定する。 「せぷ☆てっ☆どぉ~♪」 ビシィッ。 決めポーズと決めセリフを合わせる、れみりゃ。 その新作のうさつ☆だんすの出来映えに、れみりゃは興奮した様子で喜びを爆発させた。 「うぁーうぁー☆できだどぉー♪ しゅってきだどぉー♪ はやく、みんなにみせてあげるどぉー♪」 "はやく、さくやかえってこないかなぁ~♪" 人差し指を口に当てて、れみりゃは呟いた。 この日、咲夜は"れみりゃとふらんにそっくりなおねぇーさんたち"と一緒に、どこかへお出かけだと言っていた。 お土産は何だろうなぁーと、想像を膨らませるれみりゃ。 その口元からは、たらーと一筋のヨダレが垂れ落ちる。 そんなれみりゃの夢想は、バタンと突如部屋の扉が開くまで続いた。 「う? さくやぁー?」 夢想から現実に戻ったれみりゃは、扉の方へ振り向き、間もなく表情を固まらせた。 「うーうー、おねぇーたま☆」 扉が開き、部屋の中に入ってきた者。 それは、れみりゃが待ち望んだ咲夜ではなく、ニコニコ微笑むフランだった。 「……う、うぁ? ふらん?」 昨日の今日のことで、れみりゃはフランを見て体を強張らせる。 れみりゃとて、妹であるフランは大好きだった。 けれど、今までずっと一緒だった姉妹だからこそわかることがある。 例えば、今のようにニコニコ微笑んでいる時は、だいたい何かを企んでいる時に決まっていた。 「ふ、ふらんは、もうれみりゃをなぐっちゃダメなのぉー!」 両手を後ろに回してトテトテ歩いてくるフランに対し、 れみりゃはじりじり後ろへ下がっていく。 「うん、わかってるよおねぇーたま☆」 フランの笑顔のプレッシャーに、 れみりゃは徐々に壁際へ追い詰められていく。 そして、その背中が壁の前まで来たのを確認してから、 フランは背後に持っていた"棒状の道具"をれみりゃの顔に突き付けた。 「もうなぐったりしないよ☆だからね、こうするの!」 「~~~~っ!?」 フランの突きだした"棒状の道具"が、れみりゃの顔に直撃する。 れみりゃは、何が起きたのかわからなかった。 が、突然のことに叫ぼうにも、声を発することができない。 それもそのはず、れみりゃの顔の下半分は、巨大な吸盤状の物体に吸い付かれていた。 フランの持った棒の先についた半円の吸盤状の物体が、きゅ~~とれみりゃの下ぶくれ顔をとらえて離さない。 まるで、自慢の下ぶくれ顔が、その半円の中に吸い込まれるような感覚。 それは、喩えようもなく気持ち悪く、耐え難い感触だった。 「すごぉーい☆これほんとよくすいつくねぇー、おねぇーたま♪」 フランが、持っていた"棒状の道具"……それは本来水場で用いて詰まりを解消するためのもの、 すなわち「通水カップ」と呼ばれる道具だった。 「あはは☆ひっどいかおだよおねぇーたま!」 「~~~~~~っ!!」 楽しげにれみりゃの下ぶくれ顔を引っ張る、フラン。 それに対して、口が塞がれ満足に息が出来ないれみりゃは、必死にバタバタもがく。 「ぷっはぁっ!」 暴れた甲斐あって、れみりゃの顔からスッポンと外れる通水カップ。 れみりゃは、息を荒げながら、フランに抗議する。 「うぁー、うぁー! ふらんおやくそくやぶっちゃダメぇ~~! さくやにいいつけちゃうぞぉ~~!」 「やくそくやぶってないもぉ~ん☆なぐってないもぉ~~ん☆」 「うっ!?」 最強のジョーカーたる"さくや"の名前を出したにもかかわらず、フランは余裕だった。 その態度に、れみりゃは怯み、弱腰になる。 対してフランは、そんな姉の様子を見て愉快そうに笑った。 「おしたりなぐったりがだめだから、ひっぱるんだもぉ~~ん☆」 「う、うぁ!?」 そう、確かにフランは殴っていない。 通水カップで"引っ張って"いるだけだ。 勿論、それは屁理屈でしかないが、 フランを勢いづかせ、れみりゃを怯えさせるには十分足る理屈だった。 「そぉーれ☆すっぽん☆すっぽん☆」 「うぁぁぁぁーーーっ!!」 フランはれみりゃを押し倒し、馬乗りになると、 通水カップでスッポンスッポンれみりゃの顔を吸着させていく。 「きゃは☆おねぇーたまのしもぶくれスッゴイくっつくよ!」 「やべでぇー! たぷたぷひっぱらないでぇーー!」 ベチンベチン。 れみりゃは、無我夢中で自分に乗っかかるフランの足を叩く。 「うっ☆」 思わぬ反撃に、驚くフラン。 れみりゃはその隙をついて、フランの下から脱出を図る。 「う~~~~~~っ!!」 恐怖で飛ぶのも忘れ、四つんばいで地べたを這いずって逃げる、れみりゃ。 れみりゃは、家具と家具の隙間に、強引に体をねじ込ませ、「う~~っ」と頭を抱えた。 「それでにげたつもりなんて、おねぇーたまってば、かぁ~わいい~☆」 フランは通水カップを構え、れみりゃが潜り込んでいる家具の隙間の前に立つ。 隙間からは、震えるれみりゃと、その大きなお尻がこちらを向いているのがハッキリ見える。 その気になれば、フランが隙間に入ることも可能だったし、 腕を伸ばして引きずり出すことも可能だったが、フランはそんなツマラナイことをするつもりはなかった。 「おーきくてぇー☆とーってもふとましぃーおしりがぁー☆ま・る・み・え・だよぉーー!」 フランは、通水カップを槍のように構えると、それをれみりゃの尻に思い切り突きだした。 「そぉーれ! きゅっぼーん☆」 「う、うぁーー!!?」 ズッポーン! フランの突きだした一撃は、見事にれみりゃの尻をとらえた。 通水カップは、まるで獣の牙のように、れみりゃの尻にくっついて離れない。 「れみりゃのおじりがぁー! かわいいおじりがぁー! きゅーきゅーされちゃうー!!」 フランは、通水カップの手応えを確かめながら、 きゅっぼん!きゅっぼん!と、れみりゃの尻を押したり引いたり繰り返す。 「うびぃーっ! うびぃーーっ!」 たまらず、声にならない叫びをあげるれみりゃ。 その声を聞いた瞬間、フランは自分の選択が間違っていなかったことを確信した。 (ああ、おねぇーたまだいすき☆ゾクゾクしちゃう☆) フランは、自らの興奮に従い、れみりゃの尻を責め続ける。 「やべでぇーー! どぉーじでぇこんなごとするんだどぉーー!?」 姉の精一杯の懇願と疑問。 それを聞いたフランは、わずかだけキョトンとした後、ニッコリ微笑んだ。 それは、れみりゃが経験則から"嫌な予感を覚えた"あの笑顔だ。 「だってぇー☆おねぇーたまかわいいんだもぉーーん♪」 その答えと同時に、フランは通水カップに今日一番の力を込める。 「う、うびぃぃぃーーーーっ!!?」 痛みとも苦しみとも悲しみともつかぬ叫びをあげる、れみりゃ。 その叫びに背筋をゾクゾク震わせながら、フランは叫んだ。 「くりゃえ~! れ~ばてぃん☆」 すっぽん。 おしまい ============================== れみりゃの顔にフランの拳やレーヴァティンがめり込んでるのを見て、 ああ、なんて可愛いんだと思うのは私だけでしょうか……。 なんか、ちょっとずつ書いていたら、いつのまにか出来ていたSSでした。 少しでも楽しんでいただければ幸いです。 by ティガれみりゃの人 ============================== このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3522.html
※ドスまりさ注意 『第一の事件』 ボテ腹れみりゃ。輪踊りれみりゃ。十字架れみりゃ。 作品が飾られていたのは美術館ではなくタダの公園だった。 ボテ腹れみりゃはおなかポッコリ膨らませた胴付きのれみりゃで顔がなかった。 顔は腹の中に入れられていた。その顔には落書きがされており“かわいいあかちゃん”と書いてあった。 輪踊りれみりゃは腕と足を縫い付けられ輪にされ、回転式の遊具に飾られていた。 遊具を回すとまるでれみりゃたちが輪になって踊っているようだ。 十字架れみりゃはその名の通り、木に磔刑にされたれみりゃだ、それが何体も。 それぞれがまるで美術作品のように、厚紙に作品名が印刷され、傍に飾ってあった。 『チャットログ1』 KISUKAさんが入室しました。ゆっくりしていってね!! KISUKA:見た見た?あの事件 黒潮:おはよ。もう掲示板もその事件で持ちきりだね Yuka:俺がやったって言う人多すぎw 黒潮:いつもの事だよ。結局誰もやってないのさ Yuka:現場写真とか流失してない? 黒潮:あー、地元連中が言うには早朝にさっさと片付けられたって KISUKA:俺、もう少し他の掲示板見回ってくるわ 黒潮:なんか収穫あったら教えてね KISUKA:おう、お土産、楽しみにしとけ KISUKAさんが退室しました。またゆっくりきてね!! 『第二の事件』 ある大きな匿名掲示板に大量に書き込まれた犯行予告の中の一つ。 よもや、これがイタズラでないと誰が予見できただろうか。 ゆっくりしていってね!! まりさだよ。こわいれみりゃはまりさがやっつけたよ! つぎはむのーなれいむをやっつけるよ。ゆっくりしんでね!! その20秒後に付いたレスは通報がどうのこうのでもない。 「ゴミクズ乙」という短い言葉だけだった。 この書き込みの翌日、第二の事件が起こる。 被害にあったのはれいむ種。だが、れいむ種をどうにかするという犯行予告なら他に幾千とあった。 これが重要な書き込みだと分かるのはもっとずっと後の事だ。 お花畑がれいむ、次の作品名は一見すると日本語を間違っているように見えたが、 空き地一面に頭頂部のないゆっくりれいむが並べられ、中身は全て土に入れ替えられ、 れいむで作られた鉢植えの中には色とりどりの花が咲き誇っていた。 まさに、れいむがお花畑だった。 異様な事件ではあったが、あまり大きくはならない。 ニュースで少し報道された程度で、すぐに人気俳優の不倫と政治家の不祥事によってかき消された。 テレビから消えたが、ネット上では火が燻っていた。 第一の事件、第二の事件の異様さはそれまで食用の500円程度のゆっくりまりさを潰し喜んでいた輩をより過激に押し上げる。 無論、それらは第一の事件、第二の事件に比べれば簡素なものだったが、 路上で首をへし折られたふらん。目のない大量のゆっくりありす。尻尾のないゆっくりちぇん。 街どころか、世界中、匿名のゆっくり専門の殺戮者で溢れた。 みな、結果を競い合うように。動画共有サイトはゆっくりの虐待、虐殺動画で溢れ、 掲示板にはそこの書き込みに従って、ゆっくりまりさを解体していくスレッドまであった。 『チャットログ2』 KISUKAさんが入室しました。ゆっくりしていってね!! KISUKA:ニュースニュース、第三の事件発生 黒潮:どうせ模倣だろー KISUKA:あれ、今日もYukaいない? 黒潮:そうだねー。珍しい KISUKA:虐待して捕まったとか? 黒潮:あるかもw KISUKA:まあまあ、まずはこの動画を見てくれよ 『第三の事件』 起こる事件の全てが全て模倣ではない。 自分の存在を誇示しようと独自性に走る者、ただ流れに乗りたくひっそりとやっている者、 中には捕まったものもいた。自分が全部の事件の犯人だという者も。 人あらざる物を殺し、賞賛を得られるならば、その場がどこの奈落でも構わないと、 賞賛、尊敬、名誉、それらに飢え憧れる者達が振り上げた拳をいとも容易く振り下ろす。 人の倫理など畜生に食わせた。殺した数がそれらに変わる。 普通に生きている。それだけで選らぬ物が、 朝、起き。昼、働き。夜、寝るだけの者に決して与えられない物が手に入る。 自分のやった事の凄さが、掲示板を見れば分かる。 多くの書き込み、暴力的な言葉、そのどれもが自分にとってのプラスと感じられる。 そんな中で一つのキャラクターが生まれる。 恨みまりさ。第二の事件の犯行予告の中にあった。まりさの犯行予告を改変していく中で生まれたキャラクターで、 設定はまりさ種以外のゆっくりが死ぬ事を望んでいる。裏話を妄想する奴もいたが、所詮公式も非公式もないキャラクター、 設定なんていくらでもあって、設定なんて一つもない。 名前と頬のキズ、何かにつけて他の種のゆっくりを殺すというのが最低限の条件だった。 ゆっくりしていってね!! まりさだよ。むのーなれいむはまりさがやっつけたよ! つぎはねくらなありすをやっつけるよ。ゆっくりしんでね!! その文章と一緒に掲示板にはあるアドレスが書き込まれた。 圧縮ファイルを落とし、解凍すると、 そこには『みんなでつくろうありすのわっか』とファイル名の画像が一つ。 さみしがりやでねくらのありすはなかまをつれてゆっくりしんでね。 その文字と一本のロープで数珠繋ぎにされているありすの写真があった。 丁寧にも用意する物、大きめの釘、ロープとまで書いてあるぐらいだ。 みんなにこうやってありすを殺して欲しいという恨みまりさからのメッセージは瞬く間に広がった。 最初の書き込みは日本だったが、すぐに翻訳され、世界へ渡った。 そして、街には異様な光景が広がる。 それまでの事件に比べればずっと人目に付く、数珠繋ぎにされたありすがいくつもゴミ集積所に並べられていたり、 排水溝に捨てられていたり、嫌がらせで家の前においてあったりもした。 無論、何十人と逮捕者が出たが、たいした罪に問われない。 誰かの所有物であるゆっくりを殺したのならば、罰金も増えるが、野良を殺した程度では。たいした罪にならない。 しかし、誰かの所有物を壊すのが好きな者出てくる。反響が大きいからだ。満足できるからだ。 常人は非難したが、彼らにとって重要なのは彼らの中でどう評価されるか、常人の非難はただのノイズだ。 『チャットログ3』 KISUKAさんが入室しました。ゆっくりしていってね!! 黒潮:おはよ KISUKA:第三の事件の影響がでてきたぜぇー 黒潮:へぇ、なんか変わったことあった? KISUKA:野良ゆっくり激減かなー、最近のニュースは 『恨みまりさ』 恨みまりさがどこにも存在しないネットのキャラクターだなんて誰が決めたのだろう。 確かに恨みまりさは存在していた。恨みまりさという名前ではないが、 巨大な透明の箱に入れられた大量の餡子、かつてドスまりさと呼ばれたものだ。 今は人間に囚われ、思考を一台のパソコンに接続されている。 一連の犯行予告はここから出されていた。 全ての黒幕はこのドスまりさだった。 自分たちを食うれみりゃを殺し、無能なれいむを殺し、根暗なありすを殺し、 ドスまりさは自分の仲間に活路を与えた。 都会にいる多くのまりさ種にそこから逃げるよう呼びかけたのだ。 邪魔になりそうな種の名を挙げ、人間に殺される。 挑発的な書き込みと殺害方法、死骸の遺棄の仕方を示唆すれば、 模倣を行う者が必ず出てくる。 結局、どの事件の実行犯ではなかったが、このドスまりさが全ての黒幕だった。 『チャットログ4』 黒潮:へー、やっぱまりさ種は生き残りが多いけど、森とかに逃げたんだ KISUKA:まあ、そこまではドスまりさの予定だったわけだけど 黒潮:KISUKA、何を言ってるの 『パソコンの前』 「マイクを指せば直接話もできるのか」 そう言って、男はヘッドフォンをパソコンに接続する。 「おはよ、黒潮、KISUKAだ」 男の耳にはドスまりさの言葉が朗読ソフトの音声で再生される。 「どうじて、あのにんげんさんがここにいるの!!」 男はドスまりさを捕獲し、ここに閉じ込めたメンバーの一人だった。 「君にネットを与えたらどうなるか、興味があって、君は賢い。素晴らしい」 ドスまりさを褒め称える。 「ああ、君のような賢いのが僕ら人間の敵だと思うとゾッとするよ。早く君を殺さなくちゃ」 「で、でも、まりさのおかげでほかのまりさたちは」 「黒潮、KISUKAからいろいろ教えてもらったね。ネットも見れたし。でも、それって現実世界での事?」 そういうと男は一枚のDVDを取り出した。 「第一の事件と第二の事件当日のテレビのニュース。再生しようか」 パソコンにディスクを入れ、再生をする。 れみりゃを殺した事件なんて全く報道されていない。 次に第二の事件、これも全く報道されていない。 「君がネットだと思っていた物は僕らの作った仮想空間だったのさ、何もかも嘘っぱち」 「そんな・・・」 それだけ言うとドスまりさは喋らなくなった。 男は満足そうにディスクえお取り出すと、パソコンをシャットダウンする。 ドスまりさは目も口も耳も奪われ、失望の中、思考を停止させる。 『第四の事件』 ゆっくりしていってね!! まりさだよ。ねくらなありすはまりさがやっつけたよ! つぎはごーまんなまりさをやっつけるよ。ゆっくりしんでね!! 恨みまりさが設定を無視した事を喋りだした。 ネットでは賛否両論、偽者だ。ついに恨みまりさがまりさ種まで恨み始めた。 それでも暴力の渦はゆっくりをどんどん飲み込んでいく。 いつしか、恨みまりさは廃れ、まりさ種も同じように殺されるようになる。 今まで庇護されていた分、余計に酷い目に合う。 これが世に言う恨みまりさ事件の最後の事件だった。 『黒幕』 「危ない所でした」 「まあ、ドスまりさもカリスマはあるんだな。あれがやった書き込みがここまでやったんだから」 「最近のネットに関わる人のスタンスでもあるんでしょうが、そちらは私は専門外ですから」 「何にしても、ドスまりさのおかげで僕らのスケジュールは早まったわけだ」 二人の男が会議室に入っていく。 野良ゆっくりの全滅と今後虐待を行う可能姓のある者のリストアップ、 二つのプランがゆっくりと進んでいく。 「本当にゆっくりを虐待する人間が人を虐待するようになるんでしょうか」 「ま、その証明の為のデータ回収ですよ。こちらは」 「あなたもわざわざ出張って行ってドスを辱めるような酷い人ですからね」 「そういう人間じゃないと。ゆっくり全滅なんて夢は見ませんから」 『成果』 ドスまりさの行った事は半分成功していた、 KISUKAが最後に見せたニュースの方が仮想現実だった。 ドスまりさの行った事はネットを通じ、途中までは上手く成功していた。 第三の事件発生直後までは。それからドスまりさが接続されていたパソコンはインターネットから切り離され、 全く別の情報の中に隔離されていた。実際はもう都市部に野良のゆっくりなんていない。人がほとんど殺してしまったからだ。 by118
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5171.html
俺が家で昼寝をしていると、ペットのれいむにたたき起こされた。 「おにーさん!れいむにめがねをかってね!!」 俺の目の前にはゆっくりれいむのケツが乗っかっていた。 うんうんの跡と思われる餡子カスがばっちかった。 ゆっくりこんたくと 「で、俺の顔面にケツ乗せてたたき起こして第一声がそれとはどういうことか納得の逝く説明を頂けません事か?」 「い、いだいよおにいさん・・・あやまるからゆっくりゆるしてね〜」 れいむの頭を掴み、少しゆがませて軽いお仕置きをする。 れいむも誤っているし許してやろうか。 俺が手を離すと凹んでいた炭酸飲料の缶が「ぽこん!」と元に戻るような感じで、凹んでいたれいむがきれいな丸に戻る。 「まりさがね!めがねだったの!とてもゆっくりしてたの!!」 まりさ、というのはおそらく近所の飼いまりさだろう。 近所を通るたびに先日やっていたアニメの感想を聞かせたがる元気な子だ。 1時間近く前・・・ 「ゆゆっ!?まりさどうしたの!?」 「ゆへへん!これはまりさのめがねなんだぜ!」 「とてもすてきよ!とかいてきだわ!」 「そうほめられるとてれるんだぜ」 「ゆ〜ん・・・まりさ、かっこよくゆっくりしてるね!れいむもいっしょにゆっくりしたいよ!」 「じゃあれいむもめがねをつくってもらうといいんだぜ、まりさはおにいさんにめがねをつくってもらったんだぜ」 今・・・ 「つまり、めがねを作ってくれと?」 「ゆん!」 自信満々に答えるれいむ。 つまり、感化されたのだ。 子供がよくやる「みんなが持ってるから僕にも買って」である。 ゆっくりが人間に飼われるようになり、当然ゲームをしたりテレビを見たりするゆっくりというのも増えた。 そこで飼いゆっくり界に起きた問題が目の悪くなるゆっくりの出現である。 そう、今まで誰も考えなかったであろうことだが、ゆっくりも近視になるのだ。 だがここで、ゆっくりが人間に似ているということがひとつのポイントとなった。ゆっくりもメガネをかけることが出来たのである。 今ではゆっくりのための視力検査を行う眼科も増え、飼いゆっくり雑誌ではゆっくりに似合うメガネ、ゆっくりとおそろいのメガネの特集が組まれるようになり、 メガネはゆっくりファッションのひとつとなった。 そんな中で、親友がメガネをかけ始めたのだ。好奇心旺盛なれいむとしては見過ごせない。 「おにいさん!れいむにめがねをつくってね!」 「れいむ、この絵のゆっくり、なんだかわかるか?」 「まりさだよ!」 「じゃあだめだ」 「ゆがぁ〜ん!!」 一度びっくりした後、れいむはなきながらあたりを転がりだす。 「なんでなんでおにいさん!ゆっくりしてよ!ゆっくりめがねだよ!?」 こいつ、駄々をこねながら逃げればゆっくり世界陸上優勝するんじゃないだろうか 「馬鹿抜かせ!てめーの視力は全く持って正常なんだよ!」 「ゆ?しりょく?」 泣き止む。ゆっくりは泣くのも早ければ泣き止むのも早い。 「そうだ、メガネってのはな?目が悪くなってからつける物なんだ。」 「めがわるい?わるいってことはゆっくりできないの?」 「まあ、ゆっくり出来ているとは言いがたいな・・・」 れいむは「ゆぐぅ・・・」とうつむき、しばらく何かを考えているようだった 「それじゃあしかたないよ・・・ゆっくりできらいのはれいむきらいだよ・・・」 れいむはそう言って、とぼとぼと歩きながら寝床へと戻って行った。 翌日 「まりさ!」 「ゆ?どうしたんだぜ?れいむ?」 「まりさはゆっくりできなくなっちゃったからめがねをかけているんだね!」 「ゆ?」 「だいじょうぶだよまりさ!まりさがゆっくりできなくてもれいむはまり「まつんだぜ、れいむ」ゆ?」 「たしかにまりさはめがわるくなってすこしゆっくりできなくなったんだぜ、でもおにいさんにめがねをつくってもらってからちゃんとゆっくりできるようになったんだぜ」 「よかったわね!まりさ!」 「おにいさんはほんとうにゆっくりしているんだぜ」 「まりさ!」 「なんだぜ?」 「どうしてまりさはおめめがゆっくりできなくなったの?」 二週間後 今日はれいむの健康診断の日だ。 本来なら定期の健康診断は二ヵ月後なのだが、最近れいむがよく転んだり、物忘れが激しくなったりしている気がして急遽、予定を入れたのだ。 「○○さーん」 「あ、はい!」 呼ばれたので返事をすると看護士さんがれいむを抱っこしてやってきた 「おにいさん!ただいまだよ!」 「おぉ、ちゃんとけんさされてきたか?」 「ゆっくりけんさされたよ!」 元気そうである。なりより。 「で、どうでした?」 看護士さんに聞く。 「そうですね、体も消化機能も、知能も問題は見つかりませんでした。」 「それはよかった」 「ただ・・・」 「ただ?」 「視力がかなり悪いです。最近よく転ぶというのは急激な視力の悪化に対応しきれず、正確に認識できていないからでしょう。 記憶能力は問題が見られなかったので物忘れが多いというのも知り合いの顔を認識できないからそのように思えたのではないかと思います」 れいむの目が悪い?あいつそんなにテレビとか見るほうだっけ? 「このままだと屋外での生活に問題が出るかもしれません、眼鏡か手術を検討されたほうがよいかと・・・」 看護士さんに礼を言い、受付で清算する。 帰りの道中れいむの「けっかゆっくりしてた?」という問いに適当に返事をしながら考える。 俺は目はいいほうだから、メガネ何てしたことはない、俺と同じ生活をしているれいむもこんな急に目が悪くなるなんて考えられない。 看護士さんはメガネか手術と言っていたが、派手に転んでメガネのフレームが眼球に突き刺さり、そこから餡子を流して死に掛けたという事故もある。ゆっくりにしてはアウトドア派なれいむには少し危険だ。 かといって手術なんてもっと無理だ。ゆっくり用のレーザー治療は片目でも20万は下らない。俺にそんな金はない。 「どーしたのおにいさん?」 妙にうきうきしているれいむを見ながら俺は困った。 翌日 「まりさ!」 「どうしたんだぜれいむ?きょうのれいむはいつもいじょうにゆっくりしてるんだぜ」 「みんなきいてね!れいむはあしためがねをつくりにいくんだよ!」 「ほんとうなの?それはとかいはなことね?」 「それはほんとうなのぜ?れいむはめがねがなくてもゆっくりできるとおもうんだぜ」 「おにいさんがおめめのえーりんにいくっていってたからめがねにちがいないよ!まりさのおかげだよ!ほんとうにまりさはゆっくりしたゆっくりだよ!」 「どういうことなんだぜ?」 「まりさのいったとうり、いつもよるおそくまでおきてごほんをよんでたんだよ!」 さらに翌日 れいむはなんどか病院に来たことがある。でも今日は始めての病院だ。 れいむは椅子に座らされ、白衣をきた女性と話している。 「じゃあれいむちゃん、あそこにいるのはだれだかわかるかな?」 れいむの正面、数メートル離れたところにイラストが表示される。あれはゆっくりれいむだ 「おねえさん?すこしいろがかかれただけのおえほんなんてみせないでね!」 「ごめんねー、じゃあこれはだれだかわかるかなー?」 れいむの絵が消え、次はれみりゃの絵が出てくる 「おねえさん!あんなぼんやりしたものをみせられてもわからないよ!?」 「じゃあこれは?」 次にさっきのれいむよりおおきいまりさの絵が表示される 「おねえさん!さっきよりすこしくろくなっただけだよ!かりんとうさんのえをみせられてもこまるよ!いくらおんこうなれいむでもおこるよ!ぷんぷん!!」 「ごめんごめん!今度はちゃんとした絵を出すからね!」 まりさの絵が消え、かなり大きなれみりゃのえがでてくる 「れみりゃだぁあああああああ!!!?!?!??」 れみりゃの絵が消える 「お、おねえさん!れみりゃのえなんかださないでね!?ゆっくりできなくなるとこだったよ!?」 「ごめんね、れいむちゃん、じゃあ今度はこれをつけてもう一度絵を見てくれるかな?」 そういって女性が出したもの。それはれいむが夢にまでみた「めがね」だった。 30分後 れいむが紙を持ってやってきた。 俺にはよくわからんが、これをもって眼鏡屋さんに行けば眼鏡を作ってもらえるらしい。 しかし・・・れいむに眼鏡とは・・・ あのまりさは眼鏡が結構似合っていたが、うちのれいむには似合うようには見えないなぁ・・・ 底まで考えたところで、俺の頭にある考えが浮かんだ。 なにも目が悪い奴がつけるのは眼鏡だけではないのだ。 店に行き、眼科でもらった紙を店員に渡す。 店員が持ってきたものを受け取り、代金を渡しれいむの元へ行く。 「おにーさん!めがね!めがねはゆっくりしてる!?」 れいむが俺の元に駆け寄ってくる。心なしかうれしそうだ。 そりゃそうだ、今まで見えていたものが見えなくなってしまう。それがまた見えるようになるというのだから、その喜びは強いのだろう。 ちょっとした出費にはなったが、れいむの笑顔が見られるならそれも悪くないだろう。 「おにーさん!眼鏡を見せてね!!ゆっくり見せてね!!」 「まて、れいむ。俺は君のために眼鏡よりいい物を持ってきた・・・」 「いいもの?」 「そう、その名もコンタクトレンズだっ!!」 そう、コンタクトレンズ。 これなら似合う、似合わないなんて問題じゃないし、レンズが割れるとかフレームが刺さるとか言う心配もない。 「おにーさん・・・?」 なんだ?俺の心遣いに感動したか? 「どうだ?」 「これめがねじゃないよ!?れいむはめがねがほしいっていったんだよ!?」 「まあ、まてれいむ」 「おにいさんはれいむのちゅうもんをまちがえたりしないひとでしょう!?」 「おちつけっ!!」 「ゆゆっ!?」 どうやられいむは眼鏡を相当楽しみにしていたらしい。だが、コンタクトだって眼鏡と似たようなものであるのだ。 「まあまて、れいむ。これはな、コンタクトレンズといって眼鏡のように目がよくなるものなんだ」 「ゆゆっ!?そうなの?」 「ああ、これでお前は前のように目がよく見えるようになるぞ」 そういって箱からレンズを取り出す。 「・・・なにこれ?」 「これがレンズだ」 「こんなのかっこよくな゛「早速つけてやろう」」 早速つけてやろう、れいむがなにか言いたそうにしていたようなきもするが、まずは漬けて見ることにする。 「よし」 れいむの頭を両足の太ももで押さえつけ、動けないようにする。 「まずは右目からな」 左手の指にレンズをつけ、右手でれいむの右目を開けさせる。 「いたいよおにいさん!なにするの!?」 「コンタクトをつけるんだよ」 あっさりと答える飼い主に対し、れいむは必死だ。 目を無理やり開けられるなんて今までなかったことだし、さらには指を目に突き刺さんと向かってくるのだ。 「いやだぁあああああ!?おびいざんごわあああぁああいいいいい!?!?」 今までにないほどの絶叫を上げ拒絶するれいむ。 何とかして飼い主の指から逃れようと、身をよじらせ、涙を流し、少しでも目に近づけさせまいと眼球をあちらこちらに動かす。 「おい、アヘ顔さらしながら涙流しても面白くないぞ」 「だってぇええ!」 「いいから、俺を信用しろよ。な?」 「ゆ・・・ゆぐっ・・・えぐっ・・・」 声にならないながらも肯定するれいむ。どうも飼い主への信頼が恐怖を上回ったようだ。 「よし、いいかれいむ俺の指を見るんだ、他のものを見るなよ?」 「ゆ・・・ゆっ・・・」 「よし!」 「ゆ!?」 れいむがしっかり目を動かさなかったこともあり、右目にコンタクトが入る。 「ゆ・・・うぅ・・・」 「どうだ?何回か目をぱちぱちして見ろ」 「ぱ、ぱ〜ち、ぱ〜ち、いわかん〜」 「なに、左目も入れればいいさ」 翌日 「まりさ!」 「れいむ?どうしたのぜ?めがねはかけてないのぜ?」 「ゆふふん!れいむはこんたくとれんずをしたんだよ!」 「こんたくとれんず?なんだかわからないよー!」 「きいたことがあるわ、おめめにいれるめがねのことよ!」 「おめめにいれたらゆっくりできないよ!?」 「だいじょうぶだよ!れいむはゆっくりしたゆっくりだからね!」 「だいじょうぶなの!?わからないよー!」 「まだちょっといわかんはあるけど、よくみえるよ!」 「ほんとうにおめめにめがねがはいっているの?」 「れいむのめをみるんだぜ!」 「ほんとうだよ!れいむのおめめになにかはいってる!」 「ゆっふっふ、そんなにみつめられるとてれるよ!」 「まって!ちぇん!おさないで!」 ゆー!!! いきなり来客が来たと思うとそれはメガネをかけたまりさだった。 あわててて何があったのか要領を得ないが、どうもれいむが危ないらしい。 と、言うわけでいそいでいつもれいむが遊んでいる広場に駆けつける。 「れいむっ!?何があった!?」 「れいむのおにいさんだわ!れいむのおめめがねが・・・!」 見るとれいむが両目から黒いあんこを流しながら痙攣している 「いまおいしゃさんのところにはこぶところだよ!」 「ダメだ!動かすな!!れいむ!俺がわかるか!?」 「ゆっ・・・っぴ・・・お・・・にいざ・・・ぽぺっ!?!?」 頭を動かしこちらを見ようとした瞬間、電気が流れたかのような痙攣をした後、またぴくぴく痙攣するだけになる。 「待ってろれいむ!いま病院に連れて行ってやるからな!!」 20分後 れいむは再起不能だった。 詳しいことはわからないが、コンタクトを見ようと周りのゆっくりに押されて転んでしまったらしい。 その際、コンタクトが目の裏側に入りそうになってしまい、激痛と恐怖で怯え、暴れたれいむが木にぶつかってしまったらしい。 そしてその衝撃でレンズは目の裏側の皮を突き破り、れいむの中枢あんこへ進入。激痛にのた打ち回ったり、心配した仲間がゆすってやったりした結果レンズが割れ、人間で言えば植物状態に近い状態になってしまった・・・ レンズの破片自体は手術で取り除けたが、れいむはもうしゃべらず、動かない。 反応を返せないだけで自我は残っている可能性があるといわれ、安楽死をさせず引き取ったが・・・これでいいのだろうか? 俺の目の前には目のところにぽっかり黒い穴が開いた、アヘ顔をさらすれいむが時たまぴくぴく動くだけだ。 「なあ、れいむ・・・」 れいむの反応は、ない。 わざと目を悪くした結果がこれだよ!! 12月7日
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2042.html
ゆっくり祭『どんど焼き』 20KB 虐待-普通 観察 考証 理不尽 実験・改造 調理 駆除 ツガイ 飼いゆ 野良ゆ 赤子・子供 ゲス 捕食種 透明な箱 現代 短めを目指したつもりなのにまた長めに…。 ・俺設定あり。 ・相変わらず展開が少し変ですが仕様です。 天然あき どんど焼き、というのをご存知だろうか? 1月14日の夜または1月15日の朝に、刈り取り跡の残る田などに長い竹を三四本組んで立て、そこにその年飾った門松や注連飾り、地域によっては達磨等や、書き初めで書いた物を持ち寄って焼く。 その火で焼いた餅(三色団子の場合もある)を食べる、また、注連飾りなどの灰を持ち帰り自宅の周囲にまくとその年の病を除くと言われている。 また、書き初めを焼いた時に炎が高く上がると字が上達すると言われている。 道祖神の祭りとされる地域が多い。 民俗学的な見地からは、門松や注連飾りによって出迎えた歳神を、それらを焼くことによって炎と共に見送る意味があるとされる。 お盆にも火を燃やす習俗があるが、こちらは先祖の霊を迎えたり、そののち送り出す民間習俗が仏教と混合したものと考えられている。( フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から引用) だが昨今は火事になる危険性から行わなくなってしまう地域が多かった。 だがそれでも根強く行い続けている地域がある。 だがしかしどんど焼きにはもう一つ問題があった。 それは燃やすのは地域によって違うが注連縄や達磨等の願掛けや神頼みの品であるという事だ。 昨今はそのようなものを購入する人が少なくなり、どんど焼きの為に購入する人もおり、わざわざ燃やすために買うのもどうかという考えがあった。 その為打開策として別のものを燃やすことになった。それは…ゆっくりだった。 山を捜せばすぐに見つかり、買うとしても金魚掬いの金魚よりも安価なゆっくりを改造して簡易な達磨を作り、その際取った髪や飾りは燃料にする事で無駄を一切無くす事に成功したのだ。 今回はそのゆっくり達磨の製造法を見てみよう。ゆっくり達磨職人の製造工程に密着してみよう。 職人は近くに置いてある大きな箱を開ける。 すると、 「おいじじい!!はやくあまあまをよこすんだぜ!」 なんともまぁいきのいいだぜまりさがそこにいた。 「中々いきのいいまりさだな」 職人はまりさの言葉など一切無視して両手で掴む。 「きたないてでさわるんじゃないんだぜ!! はやくはなさないとゆっくりできなくなるんだぜ!!」 「お前がな」 職人は迷いなく帽子を取った。 あまりにも簡単に取られたので一瞬まりさは反応が遅れてしまった。 「ゆ…ゆうううううううううう!!?ばりざのおぼうじがえ゛ぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ッ!!!?」 右手に持つ帽子目掛けて跳ねる。 職人は帽子を投げ捨てる。 それと同時に跳ねたまりさを掴み、 「おぼうじい゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?がえぜ!?ばりさのがっごい゛い゛おぼうじをがえぜええ゛え゛え゛え゛!!!」 あんよに当たる部位を楊枝を棘の役割をした木製剣山を突き刺した。 「んぶぎゅゆあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 まりさの悲鳴が響き渡る。 この部屋にあるまりさが入っていたのとは別の箱がカタカタと揺れている。 箱に入れられた他のゆっくりがまりさの悲鳴にゆっくり出来ない何かを感じ、逃 げ出そうと無駄な努力を重ねているのだ。 剣山は達磨でいえば床に置く際に安定させる部位のものだ。これで動こうとしても剣山の痛みで動けなくなる。 あんよの部分を焼くという方法もあるが素人目には見極めが難しい上、商品毎にむらが出来てしまう。 やり方次第では製造途中で永遠にゆっくりされてしまう事もあるこの方法がとられた。 最近ではどんど焼き以外の目的でのゆっくり達磨の注文が来ている事もあり、出来る限り丁寧に、基となるゆっくりにダメージを与えないようにする事が優先されたのだ。 「なにずるんだぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!?ばりざをゆっぐぢざぜないぐぶはじねえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 まりさを置くと、罵声を職人に浴びせるがそれ以外何もしない。 しっかり突き刺さってくれているようだ。 深く刺さってくれてるおかげで中の餡子も漏れそうにない。 ちゃんと出来ているのを確認して、とりあえず職人はまりさを放置して他のゆっくりにも同じ処置をする事にした。 「れいぶのずできなおみあ゛じがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 「ありずのどがいばなあんよがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 「ちいいいんぽおおおおおお!!?」 「むっぎゅぶううううううん!!?」 まりさ種の他に、れいむ種、ありす種、みょん種、ぱちゅりー種を数体ずつに木製剣山を次々と刺していく。 ぱちゅりー種にだけは硬化剤を入れているがそれ以外には何もしていない。だが深く棘が刺さり、台座が傷口を塞いで中身が漏れないので失餡で死ぬという事はない。 ゆっくりが並べられていくとさながらさらし首のようにも見えてくる。 「いぢゃいいいいいいいい!!?」 「もうやぢゃああ!!?おうぢがえどう゛う゛う゛う゛う゛!!?」 「どぼぢでごんなごどずぶのお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」 「ちいいんぽおおおおおおおおおおおッ!!?」 「むきゅ…きゅ…」 「はやぐごれをぬぎなざいごぼいなばぼのおおお゛お゛お゛お゛お゛!!!」 「おかざりがえじべゆっぶりじべえ゛え゛え゛え゛!!?」 と騒いでいる。 中々威勢がいい。弱い奴だとこの時点で反応しなくなるのもいる。 職人は全てのゆっくりに処置が完了したので次の作業に入った。 底部に刺さった棘の痛みで跳ねられず身動きもとれない為喋るしか出来ない。 置物としてだけのゆっくり達磨ならば喋れないようにするのだが手間もかかる上に、処置を拒否する人も多い為しない事も多い。 今回はどんど焼きの使い捨てなので処置しない事になっている。だが使い捨てとはいえ手抜きはしない。 彼の職人としての意地がそうさせていた。 職人は最初にあんよの処置をした自分の手元へ持って来る。 本当にいきがいい。まだ元気にこちらを罵っている。 「ごろじでやるう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!! ゆっぐりでぎないじじびばまりざがごどじでやぶう゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!」 ここまで来ると怒りよりも感心してしまう。 だがまぁ、感心しようがいきがよかろうがやる事は変わらないが…。 「ゆう゛う゛う゛う゛う゛!?ばりざのざらざらへあ~をづがむな゛あ゛あ゛!!?」 職人はまりさの髪を掴む。 そして…、 「ばりざのがみがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 バリカンで剃っていく。 手で直接抜くのはそれなりの技能を持った者でなければ皮ごと取れてしまうし意外と重労働だ。 傷つかないようにするのと効率を考えると、直接抜くよりバリカンや剃刀を使う方が楽である。 ゆっくりは跳ねなければ何も出来ない。 最初にした処置のおかげで何の問題もなく作業を進められる。 「ゆ…ゆあぁ…まりざのきでいながみが…」 流石にここまでされたら威勢は萎えてしまったようだ。 職人はとりあえずまりさを戻して先程と同じように他のゆっくりも同じ処置する為にれいむを手元に寄せていく。 「く、くくるな゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?あっぢいげえ゛え゛え゛!!!」 動く事の出来る口と目をせわしなく動かして必死に見に迫る危険から逃れようとしている。 無駄な事この上ない。 「やべろ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」 抵抗(と呼べるものではないが)空しくれいむははげ饅頭に変化する。 「や、やじゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?ぼうおうぢがえ゛る゛う゛う゛う゛う゛う゛!!」 「ありずいながぼのでいいでぶばだやめでぐだざい!!ゆあ゛あ゛あ゛あ!!どがいばなありずのがみがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」 「やべでねまりざのがみのげざんどらないでね!!とるならでいぶにじでね!!でいぶにじでっていっでるでじょお゛お゛お゛お゛お゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 「ゆ、かわいいれいむをみすてようとするからだよ!!いいきみだね!!ゆ、なかなかみるめのあるにんげんだね!かわいいれいむのどれいに……ゆぴゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛がみのべどぶな゛あ゛あ゛あ゛!!?」 「びっぐまら!!ぜづりん!!ぢいいぃんぼおおおおおおおおお!!?」 「む…きゅ…ぱちぇは…けんじゃな…のに…」 職人は手馴れた様子で全てのゆっくりの髪を剃り終える。 「がみのげざんが…」 「…ち…んぽ…」 「みょう…やじゃ…」 他のゆっくりも等しくショックを受けている。 だがまだ作業は終わらない。身動きを封じられ、抵抗する気力を失った今、ようやく達磨としての作業が出来る。 「ゆ…ゆぅ…」 もはや職人以外ゆっくりまりさに職人は赤い塗料のようなものを取り出し塗り始める。 すると髪を抜かれたショックで職人が何をしようとしても上の空だったまりさがビクン、と震え出した。 そして、 「ゆっぐりでぎな゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?」 突然絶叫を上げる元まりさ。その様子に他のゆっくり達も反応せざるえなかった。 この塗料は乾くと硬化するようになっていて尚且つ物凄くゆっくりにとって痒くなるらしい。 原材料は職人しか知らない。企業秘密という奴だ。 「ごべんなざい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!ぼうにんげんざんにざがらいまぜんがらゆっぐりゆるじでぐだばい゛い゛い゛い゛い゛!!?」 元れいむのはげまんじゅうが泣き叫びながら謝罪し、命乞いをする。だが職人は取り合わない。ただ商品を作成するだけだ。 顔の部分を除いて赤い塗料で塗られていく。 「がゆ゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛ッ!!?」 「ぢぐぢぐずるよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ッ!!?」 飾っておく為の達磨ならゆっくりの種類毎に色も変えるのだが今回は使い捨てなので赤に統一されている。 あっという間にゆっくりできない塗料を塗りたくられた達磨もどきが作られる。 「ゆっぐり…ざぜでぇ…」 「がゆいよぉ…ぢくぢくずるよぉ…」 「ごんなの…とがいはじゃないわぁ…」 「わがだないよぉ…」 目の色以外もはや区別出来なくなった達磨もどき共は口々に苦痛を訴えるしか出来ない。 ここからはしばらくは職人は手を出さない。 乾くまで時間がかかる為、そのまま放っておかれるのだ。次の作業は明日だ。それまで何もされる事はない。 「がゆい゛よ゛お゛お゛…ゆっぐぢでぎないよォ…」 「もうやだ…おうぢがえる…」 「ぢい゛ぃんぼぉ…」 もっともそれがゆっくり達には幸運という事ではなかったが…。 ゆっくりには手足がない為痒い所を掻く事さえ出来ない。 ただ痒みと痛みに耐えて眠れぬ夜を過ごすのだった…。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「うごけない…」 「たずげでぇ…」 「わがら…な…」 職人が次の日にやってくると保管している場所から呻き声が聞こえてくる。まだ生きているのを確認してから塗料が乾いたかどうかを確認する。 「ごべんなざい…もうひどいごど…いいばべんがだ…ゆるじでくだばい…」 「たじゅげで…」 「ゆるじで…」 「わがらないよ…どうじで…ごんなごどずぶの…?」 「ゆ…ゆゆ…」 「…………」 職人に対して謝罪するもの、助けを求めるもの、許しを乞うもの、問い掛けるもの、壊れたものとそれぞれの反応を示すが職人は相手にしない。 職人が気にするの製作の進み具合で決してゆっくりの精神状態ではない。 身体を赤く塗られたその姿はもはやゆっくりではなく達磨もどきだ。同じゆっくりでもわからないだろう。 職人もそろそろゆっくり達磨の仕上げに取り掛かる。 注文によっては舌を抜いて喋れなくしたりするのだが、すぐ燃やす達磨にそこまで時間をかける必要はない。 よって残る作業は顔面部分の装飾。細かい作業の為赤い塗料で苦しんで弱った所で作業に入った方が楽なのだ。 殺せば楽なのだがゆっくり達磨の最大の特徴が“生きている”という事なのでそれは出来ない。 だが抵抗されて商品を無駄にされてはならない。故にこんな回りくどい手段をとるのだ。 男は仕上げの準備を始める。 取り出されていく筆、塗料、ハサミ等の準備道具。 「………もう……やじゃ…」 抵抗する気力すら無くなったゆっくり達はまだ何かされる事を感じながら何も出 来ない。 職人の手にあるのはハサミ。 それを片手に元まりさを手元へ近づける。日が経過しても被害に遭う順番は変わらないようだ。職人はハサミを元まりさに近付ける。 そして、 「ゆ…なにす…」 容赦なく元まりさの瞼をハサミでヂョキンと切った。 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!?」 今まで弱っていたのが信じられない絶叫をあげる元まりさ。 しかし乾燥して固まった塗料は元まりさの身体を拘束し、逃げる事すら出来ずに痛みに泣き叫ぶしかない。 職人はそんな元まりさの悲鳴を気にも留めずハサミでまりさの瞼を切り取っていく。 「ゆぎい゛い゛い゛!!?ひぎい゛い゛い゛!!?」 瞬く間に元まりさの瞼が切り取られ、元まりさの眼球が露になる。 これでもう目を閉じることも出来なくなり、迫り来る恐怖から目を逸らす事も守る事も出来なくなった。 「…ま…まりじゃの…ぷっくりじだまびゅだじゃんがぁ…」 むかつく半目が出来なくなり、くりっとつぶらな瞳で痛みに喘ぐアンバランスな元まりさ。 目から涙が溢れる。 閉じれなくなった目の乾きを止めようとしているのだろう。今の内にどんどん流しといてくれれば職人にとってはありがたい。いずれ、どんなに望んでも出せなくなるのだから。 元まりさが涙を流している間に職人は元まりさの目に何の躊躇もなく筆で塗料を塗った。 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 もはや逃れない痛みに叫ぶしかない元まりさ。 職人はまりさが失明しない程度に塗料を塗っていく。 「ゆぎい゛い゛い゛!!?」 元まりさは塗料を塗られる痛みから逃れようと必死に目をキョロキョロ動かす。無駄な足掻きでしかない。 「ゆひょ!?」 目を塗り潰され、視界が白く染まる。 これでまりさの目に黒い部分はなくなった。もはや誰が見てもゆっくりではなく達磨に見えるだろう。これでゆっくり達磨は半ば完成したようなものだ。 後は細かい所を修正し、髭や黒目を書き加えたりして装飾すれば完成だ。 「みえにゃいよおおお…」 「どうちちぇれいみゅがきょんにゃめに…」 「ありずは…とがいは…なのに゛…」 「わぎゃらにゃいよ゛ぉ…」 これでゆっくり達磨は完成した。 後は後日どんど焼きに使うだけだった。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― どんど焼き当日。 「じゃむい゛い゛い゛い゛い゛!!?」 「おぞらをとんでるみだい゛い゛い゛い゛い゛!!!」 「おろじでえ゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「ゆっぐりでびない゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?」 木に縛り付けられたゆっくり達磨達が泣き叫ぶ。 その周囲には念の為に来た消防車と近くに住む人々だ。 町内会の人達が作った豚汁を食べながら燃えるその時を待っているようだ。 そして、遂に着火し木は燃え上がり始めた。どんど焼きの始まりだ。 「あぢゅい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?」 「ゆぎょお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」 「わぎゃらにゃい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?」 「ゆっぐりでびばい゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?」 木を通して自分達にも引火していく。 「ごぼお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」 最初に達磨処置されたまりさも燃えていく。 焼死というのは苦しい死に方の部類に入る。 皮膚が焼け、身体が焦げていくのを感じながら文字通り死ぬまで死ねない。 木と比べて塗装のおかげで通常よりも火に強くなったゆっくり達磨はまだまだ死ねない。 今までのどんど焼きでの情報によると早くても10分は叫び声が続き、最短で死ぬまでは15分、長いと1時間は生きているそうだ。 まだ自分達に着火してから1分も経過していない。 ゆっくり達磨となった者達の火の激痛はまだまだ始まったばかりだった。 「むぎゅう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!?」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 一方、人間達はというと、 「はい、どうぞ」 「わーい、お父さん刺して~」 「おお、任せておけ」 「ゆっきゅりできにゃいよ!!れいみゅおうちきゃえゆびょお゛お゛!!?」 息子が町内会の人から赤ゆっくりれいむを受け取り、父がそれを赤ゆっくりと一緒に渡された枝に突き刺す。 「いいかい、こうやって少し中心から外して突き刺すのがコツだよ。さ、やってみて」 「うん!」 「いじゃあ゛いよ゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」 枝に突き刺さり泣き叫ぶ赤れいむを尻目に枝を父親は息子に渡す。 そして息子は赤れいむが突き刺さっている枝を火に近づけていった。 「ゆ?ゆぎょお゛お゛お゛お゛お゛お゛あ゛ぢゅい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?」 どんど焼きの火に灸られていく赤れいむ。 直接火に塗れずともその熱気が赤れいむを焼いていく。 「わぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 「やべるんだじぇえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!?」 「やべなじゃいありじゅはときゃいばあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 ふと周囲を見てみると同じように赤ゆっくりが枝で身体を貫かれて焼かれている。 火で餅を焼くというのは地区によってやったりやらなかったりするがここでは餅ではなくゆっくりで行われる。枝で貫かれ、灸られ、食われていく。 稀に中枢餡を貫かれて死んでしまうのもいたが、それはむしろ幸運な方であろう。 町内会で配られているのはゆっくりれいむとまりさだが、様々な種類のゆっくりが持ち込まれている。 特殊なのだと希少種を灸っている者もいる。 「う、う~ながながえれがんどなんだど~♪」 「まんま~、でびりゃおにゃがへっだど~☆」 ある場所では飼いゆっくりである胴付きれみりゃとその子供の同じく胴付きれみりゃ三匹が飼い主に連れられて来たようだ。 「はやぐぷっでぃんもっでぐるんだど~!!」 親れみりゃは自分を抱き抱える飼い主にそう命令する。 「……………」 だが飼い主はそれに答えない。 「れみりゃをむじずるなだど~!!いうことぎがないじゅうしゃはれみりゃがおじおぎずるんだど~!!!」 「みょうあやみゃっちぇみょおしょいんだど~!!」 そんな飼い主に怒りを露にするれみりゃ親子。 それに対し飼い主は笑顔のまま、抱き抱えていた親れみりゃを火の中に叩き込んだ。 「う、うぎょおおおおおおお!!?」 「みゃんみゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 「みゃにしちぇりゅんだどおおおおおお!!?」 「ちゃっちゃとみゃんみゃをたしゅけりょおおおおおお!!?」 「ぽぎょおおおおおおおおお!!?」 親れみりゃは火達磨になってのたうち回る。 れみりゃ達の悲鳴もゆっくり達磨達の悲鳴と同化して辺りは何の疑問も抱かない。 「あ…あ…」 火達磨になりながら親れみりゃが逃げようとする。 だが飛ぼうにも歩こうにも既に全身に火がまわってまともに行動が出来ない。 そのまま親れみりゃは火の中に崩れ落ちる。 「みゃんみゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 突然訪れた親の死に泣き崩れる子れみりゃ。 それを尻目に飼い主は一匹子れみりゃを掴むと再び投げ込んだ。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛おねえ゛じゃんがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 「食べるのは一匹で十分だ」 火達磨二号になる子れみりゃを尻目に飼い主はそう呟くと一匹を掴み、もう一匹を持っていたナップザックに詰めた。 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛だぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 紐の口をしっかりと結んでしまえばもう子れみりゃは出られない。 飼い主はナップザックに入れられたれみりゃには興味がないとばかりに掴んでいたもう一匹の子れみりゃに意識を向ける。 「はなじぇえ゛え゛え゛え゛え゛!!?がえぶう゛う゛う゛う゛!!!おうぢがえぶう゛う゛う゛!!!」 そして暴れる子れみりゃの頭を掴み、引っこ抜く。 「う゛びぃッ!?」 胴体と頭を分裂させられて口から泡を吹く子れみりゃ。 飼い主はそんな子れみりゃの反応には一切見向きもせず、顔の方を枝で突き刺す。 「んぎゅ!!?」 子れみりゃは一際大きな声を上げただけだった。 そして飼い主はどんど焼きの火で子れみりゃの頭部を焼き始める。 「んぎ…ぎゅ…」 頭部を引きちぎられた痛みと頭を貫かれた痛みで疲弊した子れみりゃはくぐもった苦悶の声を上げるだけだ。 飼い主はそれを見ながら子れみりゃの胴体部分を食べていく。 「も~えろもえろ~よ~♪ほのおよも~え~ろ~♪」 歌を口ずさみながら飼い主は子れみりゃが焼かれていくのを見続けていた。 飼い主はこうしてまた来年も焼きれみりゃを楽しむ為に去年と同じように一匹だけ残して育てるのだった。 それはさておき赤れいむの方はと言うと、 「ゆ゛…ゆ゛…ゆ゛…」 「そろそろ頃合いだね」 「わ~い♪いただきま~す♪」 声の様子からどのような状態かわかるのでいい具合に焼き上げられた赤れいむに子供がしゃぶりつく。 「あつ!?」 そして思いの外熱かったようで思わず口を離す。 「ふ~ふ~」 そして息を吹き掛けて冷まそうとする。 「ゆぴ…」 赤れいむもその息に微かにだが反応する。 今度こそと子供はれいむに被りつく。 「ゆぶゅ…!?」 そんな声を上げた後、子れいむは二度と動かなくなった。 子供はそんな子れいむをはっふはっふと熱そうに、されど美味しそうに食べている。何とも微笑ましい光景だった。 「やべでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!?」 そんな微笑ましい光景を見ながら悲鳴を上げるのは成体の親れいむ。今子供に食われている子れいむの親だ。 「ぞれはれいむのおぢじじゃんだよおおおお!!!たべぼのじゃばいよぼお゛お゛お゛お゛お゛!!?」 親れいむは必死に叫ぶが誰も取り合わない。 親れいむにとっては大事なおちびちゃんかもしれないが人間にとっては喋る饅頭なのだから。 昔は食べるのに抵抗はあったようだが今はそれは全くなくなった。 それは人間の慣れとゆっくりの努力が積み重なった結果なのだろう。 「やじゃあ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「れいみゅちにたきゅにゃいいいいいいいい!!!」 「まりしゃはちにたきゅにゃいんだじぇ!!!」 「ちゃっちゃちょたちゅけりょきゅじゅおやああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 姉妹や同じゆっくりが死んでいく様をまじまじと見せ付けられて恐怖する子ゆっくり達。 「まっででね!!いばおどうざんがたずげるからね!!!」 父親役であろうまりさが自身と子供達を阻む透明な箱に何度も体当たりを仕掛ける。 だがそれには何の効果もない。 この日の為だけに飼われていた事等知る由もなかったれいむ達は自分達の子供が焼かれていくのを見せ付けられながら最後に空腹の釈迦の前に現れた兎のように炎に身を焼く事となるのをこの二匹はまだ知らない。 違うのはこの二匹は自ら火中には飛び込まない事だろう。 「おべがいじばぶう゛う゛う゛う゛う゛!!!おちびじゃんをだべばいでえ゛え゛え゛え゛!!!」 「やめろっていっでるんだぜ!!どうじでどれいのぐぜにまりざのいうごとぎがないんだぜえ゛え゛え゛え゛え゛!!?」 そして、少なくともこの二匹は天に召される事はなさそうだった…。 こうして、今年も滞りなくどんど焼きは行われていく。 楽しそうな人々の声と、ゆっくりの阿鼻叫喚の叫び声と共に…。 最近どんどん数を減らしているこの祭。 しかしこの地域では形を変えて根強く続いていく。 この祭りはゆっくりに支えられているのだった…。 END あとがき 『元銀バッジまりさの末路』が終わったので溜まってたSSを輩出してみました第二弾。 ゆっくりと達磨って近くね? と思い、幼い頃行ったどんど焼きを思い出して作成したこのSSいかがだったでしょうか?。 どんど焼きとかの知識などで色々とおかしい点もあったりしますがそこは仕様という事で勘弁して下さい。 それでは、今回このSSを読んで頂き誠にありがとうございました。 過去に作ったSS ふたば系ゆっくりいじめ 293 おかざりがないとゆっくりできないよ! ふたば系ゆっくりいじめ 311 きゃわいきゅっちぇぎょめんにぇ!! ふたば系ゆっくりいじめ 347 れいむはしんぐるまざーでかわいそうなんだよ!! ふたば系ゆっくりいじめ 397 大好きだよ ふたば系ゆっくりいじめ 447 おきゃあしゃんのおうちゃはゆっきゅちできりゅね! ふたば系ゆっくりいじめ 521 元銀バッジまりさの末路 上 ふたば系ゆっくりいじめ 543 元銀バッジまりさの末路 中 ふたば系ゆっくりいじめ 630 かいゆっくりじゃなくてごめんね!! 上 ふたば系ゆっくりいじめ 631 かいゆっくりじゃなくてごめんね!! 下 ふたば系ゆっくりいじめ 669 おうちのなかでかわれなくてごめんね!! ふたば系ゆっくりいじめ 677 元銀バッジまりさの末路 下 ふたば系ゆっくりいじめ 750 あまあまおいてさっさとでてってね!! ふたば系ゆっくりいじめ 803 雨の日はゆっくり遊ぼう ふたば系ゆっくりいじめ 882 すっきりしたいわあああああ!! ふたば系ゆっくりいじめ 919 元銀バッジまりさの末路 終の1 ふたば系ゆっくりいじめ 920 元銀バッジまりさの末路 終の2 ふたば系ゆっくりいじめ 949 切断マジック(?) 天然あきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 懐かしいなww小学生の頃は参加させられていたけど、今はどうなってんだろう? -- 2012-07-30 22 53 52 公園のゆっくり全部集めて飾りをとって目の前でとんど焼きの用量で燃やして泣く様を見たあと 火の中に放り込むとかやりたいな -- 2011-08-16 18 52 57 ゆっくりちぇんとみょんを使ったゆっくりフォンデュを食べてみたいな… -- 2011-02-27 15 57 38 れみりゃのを見ると肉まん食いたくなってくるな…ゴクリ -- 2010-12-02 10 02 34 全くどうでもいいことだが火に跳び込んだ兎は釈迦の前世 兎の前にいたのはバラモンのふりをした帝釈天 -- 2010-09-16 04 38 51 ゆっくりを食べるSSを読むと、ゆっくりを食べたくなる。 饅頭やシュークリームを好きなだけ食べられるほど経済力無いしな。 ゆっくりがいればバスケットボールサイズの饅頭やシュークリーム食べ放題…ジュルリ… -- 2010-07-12 08 41 41
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/1087.html
「うっう~☆よろしくなんだど~♪」 ……今日、れみりゃが入社してからというもの、我が社はてんやわんやの大騒ぎであった。 霊夢はともかく、帰ってきた魔理沙が噛まれるわ、 起きた子ゆっくり達がれみりゃを見た途端に泣き叫び、蜘蛛の子を散らす様に逃げてしまうわ、ソレを見たれみりゃがまた 「ぎゃお~!たぁ~べちゃうぞ~♪」 と狩猟本能を剥き出しにするわで、一時的とはいえ、我が社は未曾有のカタストロフを経験する事となった。 事態が収束に向かう頃、社内はひっくり返したようにぐしゃぐしゃになってしまっていた。 そして片付けを終える頃にはすっかり日が暮れてしまっていた。 ゆっくり達は霊夢を除き、寄り添って白目をむいて気絶している。 捕食種に遭遇した恐怖は相当なものだったのだろう。 しかし、気絶するほどの恐怖の中、魔理沙は子供達に覆いかぶさり守るようにして果てている。 「ま……まりさのかぞくにさわるんじゃないぜぇ~……。」 と、うわ言まで繰り返している。 その光景に私は、魔理沙の父親としての「覚悟」を垣間見た気がした。 だが、れみりゃに遭遇し、尚且つ噛まれながら、平然とれみりゃに接している霊夢も相当なものだ…… 「しゃちょう!なにじろじろみてるの!もしかしてれいむのみりょくにみせられちゃったの?」 例の蔑むような眼で霊夢が嘲笑する。 「フフ…いや、すまない、つい見とれてしまっていた。君がこれほどに強い女性だったのか、とね」 「ゆぇ?!………べつにみててもいいけどほどほどにしてね!はやくおかたづけてつだってね!!」 予想外の答えが返ってきて驚いたのか、霊夢は沸騰したヤカンの様に真っ赤になってしまった。 「あぁ、すまない。」 フフフ…可愛い奴め… さて、今日、彼等にれみりゃを紹介するのは難しそうだ。 あれこれ考えているとれみりゃが、 「まえの「おうち」からおにもつをとってくるんだど~♪」 と言い出した。 れみりゃは社員寮(我が家)に引っ越す為に荷物を整理したいそうだ。 以前勤めていた場所も社宅制だった様で、恐らくあちらでも似たシステムだったのだろう。 「おぉ、れみりゃ君は以前も社宅制だったのか!」 「う…う~!そうだど~♪」 「む?どうしたんだれみりゃ君?」 今、れみりゃが表した表情は明らかな「動揺」、そしてそれを私は見逃さなかった。 「う……う~☆なんでもないんだど~♪」 何故かれみりゃは多くを語ろうとしなかった。 なにかが心の奥に引っかかる、が… 無理に詮索する事もないだろう…疲れもある、今日は切り上げて、れみりゃ君には一旦自宅に戻ってもらう事にした。 「そうか、ならいいのだが、まぁ、初日で緊張もしているだろう。社員への紹介は明日にするとしよう!今日はゆっくり休むといい。」 「ありがとなんだど~☆じゃあ、またあしたなんだど~!!」 「ゆっくりやすんできてね!!」 そして夜が明けた。 「…諸君!ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりしていくんだぜ!!」 「うっう~☆ゆっくりするどぉ~♪」 「ゆっきゅりしちぇってね!!」 我が社恒例の挨拶から一日が始まる。 む?初めて聞くだって?………そんな小さい事を気にしてはいけない!!決してッ! TIME IS MONEY !! 時間と事柄は連動して常に移り変わるのだッッ! ………………………………… 「なんでれみりゃがいるんだぜぇぇぇぇぇぇ!!!!」 「ゆっきゅりぃぃぃぃぃ!!」 「うっう~☆」 まぁ、普通はそうだろう。 一先ず皆に紹介する事にした。 「皆!今日から君達と共に働く事になったれみりゃ君だ!!」 「ゆがぁぁぁん!!しゃちょう!どういうことなんだぜ~!!」 「ゆぎゃあぁあぁぁ!!おとーしゃんこわいよぉ~!!」 未曾有のカタストロフ再びか!と思われたその時。 「このれみりゃはゆっくりできるよ!!」 騒乱を鎮めたのは霊夢だった。 「このれみりゃはみんなとゆっくりしたいんだよ!」 「う~♪ゆっくりするど~☆」 霊夢が胸(顎)を張る。 魔理沙はまだ不安そうに霊夢に問う。 「そうなの?れいむ。」 「そうだよ!」 「ゆ…ゆっくりしていくんだぜ……」 「「ゆっきゅりしちぇいってね…」」 恐る恐るゆっくり特有の挨拶を掛ける魔理沙と子供達。 「うっう~!ゆっくりしていくんだど~♪」 最高の笑顔でかえすれみりゃ。 その笑顔に安心したのか、魔理沙たちの表情が明るくなる。 「ゆ!ゆっくりしていくぜ!!」 「「ゆっきゅりしちぇいってね!!!」」 れみりゃ達はすっかり意気投合してしまった。 この順応性の早さもさることながら、真に驚くべきは霊夢の統率力である。 あの時は宥める為にエリートと言う言葉を使ったが、案外、この会社のエリートは彼女といって過言ではないのかもしれない。 「しゃちょうもしっかりしてよね!!」 「ハハ、全くもって面目無い…」 私もうかうかしていられない。 私は以前とは違う…… 不毛なだけの日々ではない。 守るべき者達が居るのだから…… 「ぎゃおぉ~!た~べちゃうぞ~♪」 「しゃちょおおぉぉぉぉ!!」 全く、人が格好良く締めようとしているというのに…… 「こらぁー!!れみりゃ君いいかげんにしなさい!」 「うっう~ほんのじょうだんだど~☆」 「こっちはしゃれにならないぜぇ~…」 「ゆゆゆ!まりさもいがいとしょうしんものね!」 「どぼじでぞんなぼどいうのぉぉぉぉぉ!!」 全く、守っていけるのだろうか、彼等を…… 否、私は守らなければいけない。彼等を、この「ゆっくり運送」を。 後編へ続く………んですかねぇ…?w [おまけに限りなく近いなにか] 「魔理沙君!」 「ゆ!?こんかいはちゃんとかんぺきだとおもったのにぃ!!」 「いや、おやつ奮発の話だったんだが……」 「……………………やっちゃったZE☆」 「GET!!LADY!TO DIE!!」 「ゆぎゃぁぁぁぁ!!」 「AEGIS! REFLECTOR!!(エイジス・リフレクター)」 「やべでぇぇぇぇ!!しーるどではさまないでぇぇぇぇ!!」 「DIE!!DIE!!DIE!DIE!!」 「ごべんなざぁぁぁぁい!!」 ※多少マニアックなネタかもしれません、ご了承下さい。 ……今日も明日も明後日も!ゆっくり運送は賑やかです。 ゆっくり好きな新参者 社っ長さんはもうストリートファイトでマネー稼いじゃえYO。 -- 名無しさん (2009-04-20 22 01 22) ちょwおまけwユリアン閣下何してはるんですかwww -- 名無しさん (2009-04-20 22 20 20) エイジスハメとかマジ鬼畜 -- 名無しさん (2009-04-21 02 30 28) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/913.html
俺が、ゆっくりだ! 3 15KB 『俺が、ゆっくりだ! 3』 ・「俺がれいむでれいむが俺で」的設定です ・俺の考えたことは、ゆっくりでもわかる語彙であれば自動的に翻訳されてれいむが喋りやがります ・見た目、性能はゆっくり、頭脳は人間です ・「その2」を読んでいないとよくわからないかと思われます 五、 ゲロ袋…ことぱちゅりーがまだぴーぴー泣いてる。泣きながら歩いてはいる。器用な饅頭だ。だいたい泣きたい のは俺のほうだ。ぱちゅりーをかばうために後頭部を地面で強打→ゲロ袋にファーストキス奪われる、という鬼畜 コンボをお見舞いされているというのに…。世話好きのありすがぱちゅりーに寄り添いながら、行動してるためか 全体的に歩みが遅い。まぁ、街を抜けて森の中に入ったわけだから、いきなり人間に出会ってゲームオーバー…と いうことはないだろう。 それにしても…ある程度は自分ちの近くの森だから、ピクニック気分で進んでいけると思っていたのだが…予想 以上に薄暗いことに気付いた。まだ夜が明けたばかりだというのにな…。人間の姿で来てもちょっと奥地に侵入す るのはご遠慮願いたい雰囲気だが…しかも、後ろには頼りない饅頭共が4匹も…っ! 「れいむっ…れいむ…!」 まりさが駆け寄ってくる。おおかた、ぱちゅりーを休ませろとか言ってくるんだろうな…先手を打つ。 『ゆっ!きゅうけいさんはまだしないよ!』 「どうしてなのぜ…?れいむはぱちゅがしんぱいじゃないのぜ?」 馬鹿野郎が。こんな自分たちの姿がモロバレの開けた場所で野生動物にでも出くわしたら、即・全滅だろうが。 犬一匹にでも出会えば殲滅させられるのに、こんなところで悠長に休憩なんぞできるかよ…。…おお、さすがにこ こまで漢字を混ぜた思考だと、翻訳はできんか。 はは、馬鹿すぎるわ。 『おお、おろかおろか』 …ってなんだとおぉぉぉぉぉ???!!!!油断もスキもねぇ、この腐れ饅頭型自動翻訳機が!!!人間の姿に 戻ったら、まずはこいつを叩き潰してやるわ!!!!! 「ちぇんもわからないよー…でも、れいむのかんがえならだいじょうぶなきがするよー」 呑気なクソ猫饅頭が…。こっちはスライム以下のザコ饅頭をいかに全滅させずに生きて行くかを考えてる、っつ ーのに…って、んん…?別にこいつら全滅してもいいんだよな…?ふぅ…でも、さっきはゲロ袋に絶対死なせない とか言っちまったし…。ああ、ややこしい、ややこしい。 「むきゅぅ…ぱちゅはだいじょうぶよ…。でも、れいむ…かんがえがあるのならきかせてほしいわ…。ぱちゅたち でもれいむのおてつだいができるかもしれないもの…」 そうだなぁ。じゃあ、命ずる。お前ら黙って後ろをついてこい。それだけで十分だ。 『じゃあゆっくりめいれいするよ!だまってれいむのあとについてきてね。それだけでいいよ!』 「れいむ…どうしてそんなつめたいいいかたしかできないの…?とかいはじゃないわ…」 ありすに関してはアレだな。いちいち都会派、都会派うるさいな…。都会、っつったら大阪や東京みたいな場所 を言うのさ…。こんな九州のド田舎は都会なんかじゃ、断じてない(作者は九州出身です)。 さっさとこいつらをまとめて、もうちょっと奥にいかないとな…。なんとか日が暮れる前に水場と、なるだけ近 い場所に家を…巣か…巣なんだよな…。とにかく居住スペースを造らないといけない…。本当にこいつらはいつ、 どこにいても死亡フラグが立ってやがるな…。そりゃ、ゆっくりしたくもなるわ。俺が人間なら、絶対させてやら ないけどなぁ(笑) 『ゆっくりおみずをごーくごーくできるばしょをさがすよ!』 「それはいいけど…すこしぐらいやすんでもいいんじゃないのぜ…?」 『ゆっ!かくれたりするにはもりのおくのほうがゆっくりできるよ。だから…』 「だから、なぜそんなにいそぐひつようがあるのかをきいてるんだわ!」 このクソ饅頭がぁ…っ! 『…わかったよ!じゃあすこしきゅうけいするよ!』 不服そうに言ってるのがわかるんだろうな。饅頭共もなんだかなぁ…って感じでもそもそ休憩始めやがった。や れやれ…こいつらの相手は疲れるな…。それにしても固まってれば安全とでも思ってるのかねぇ…?後ろどころか 前後左右ガラ空きじゃねぇか…。そりゃ殺してくれ、って言ってるようなもんだろうよ。危機意識が低すぎる。結 局、全方位を見張るのは俺の役目、ってか…馬鹿らしい…。 「…れいむ?なにをさっきからきょろきょろしているの…?」 「れいむもこっちにくるのぜ…みんなでくっついてるとしあわせー!できるのぜ?」 馬鹿饅頭共が…。こんな動きにくい体であちこち見渡してる俺の身にもなりやが…れ…? 「わかるよー…ちぇんはまだつかれてないから、れいむといっしょにきょろきょろするよー」 猫…饅頭?お前、まさか…理解したのか?俺の考えを…? 『ちぇん…?まさか…れいむのかんがえをゆっくりりかいしたの…?』 「わかるよー。れいむはみんなのために、まわりをみはってくれてるんだねー」 「「「!!!!!!!!」」」 猫饅頭…。俺はお前だけは潰さないでおいてやろうと思う。つーかなんだなんだ。ちぇん種、ってのは意外とい い饅頭じゃないか…。なんというか無垢だよな…スレてない、っつーか。それに比べて残りのカス共ときたら…。 自分さえゆっくりできればそれでいいってか。ゆっくり道、ここに極まる、って感じだな。賢者(笑)のぱちゅり ーでさえ、ゆっくりへの欲求には勝てないわけか。 「むきゅ…みんな…まずはみんなでゆっくりできるおうちをさがしましょう」 「ゆっくりりかいしたのぜ…!」 「れいむ…その…」 おいおい、散々文句垂れてたくせにもう休憩はいいのかよ?気の持ちようでどうにでもなるなら、すぐヘタレぬ かすんじゃねぇよ…。 『もうきゅうけいはしなくていいの?』 嫌みを込めて言ったのも理解してるんだろうな、こいつら。ていうか今のは翻訳できるのかよ…。まだ見極めが 難しいな。それに加えてなんか挑発的な思考ばっかり、音声が拾っていってるような気がするんだが…。…ああ、 なんとなくわかった。だから、こいつらはゆっくりなんだろうな。人間をイライラさせる天才。 「もう…っ!れいむはいじわるだわ!」 「そうなのぜ…れいむはなにもいってくれないから、なにをかんがえてるかわからないのぜ…」 ああ、すまんすまん。極力お前らと会話をしたくないもんでな…。それと…現代ッ子は自分の考えをなかなか言 わないもんさ。そういうふうにできている。しかし…、生き残るためにはこいつらとの“会話”は必要なのかも知 れないな…。いざ、というときにはこいつらを身代わりにして逃げないといけないわけだし…。 「むきゅ…れいむのかんがえをきかせてくれれば…みんなれいむのかんがえにあわせてうごくことができるわ…」 「そうなのぜ!れいむがきょろきょろするのにつかれたら、まりさがかわってあげられるのぜ!」 「わ、わたしも…すこしぐらいならかわってあげても、いいのよ…っ?」 「みんなでがんばれば、たくさんゆっくりできるんだねー…。わかるよー」 え?ちょ、何?ゆっくりって意外と頭悪くないんじゃね?野良とはいえ、元飼いゆばっかりだろこのメンツ…? 何かに依存して頼り切って生きてるだけの連中かと思ったら…ちゃんと自分たちで生きて行くためにはどうするか 考える力があるんじゃないか…。 『ゆ…もしかして…』 「なんなのぜ?」 危ない危ない…。もしかしたら…ゆっくりから生きて行くための力、というか思考を奪い取ってるのは人間だっ たりしてな…。言うことさえ聞いてればメシはもらえるし、住む場所も確保してもらえるし…。極論を言えば、人 間に媚びてさえいれば生きて行くことができる…と。なまじ思考とか感覚が人間に近い分…楽ができるなら…ゆっ くりできるなら…モノに頼っちまう、ってわけか。 人間でさえ…楽するために文明の利器に頼って生きてるわけだし。それを思えば、野良ゆってのは文明の利器を 奪われた人間、みたいなもんか…。どうやって生きていくんだろうな、人間がそんな状態になったら…。生きるた めになんでもするんだろうな。ちょうどゴミを漁る野良ゆみたいに。そして神様が気まぐれで天災でも起こして、 人間を殺したりするんだろう。ちょうど人間が野良ゆを気まぐれで潰すみたいに。 「れ…れいむっ!!!!!」 『ゆ?』 「「「「れみりゃだーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」」」」 マジですか? 六、 オラ、走れ走れ!!!馬鹿饅頭共!!!!あんな森の入り口付近で休憩してた結果がこれだよっ!ああ、ゆっく りっぽい口調になってる俺がいるっ!!!!さすがに焦ってんだろうなぁ…!つーかなんだあいつ!ゆっくりの癖 に飛べるってだけでもチート設定なのに、速い! 「ゆぅぅぅぅぅぅ!!!!!」 「とかいはじゃないわ!!!!」 「ゆっくりできないんだねー!!!!わかるよーーーー!!!!」 緊張感のない叫び声上げてんじゃねぇよ!カス共がああああああ!!!!ん…?あれは…っ!! 『ゆっ!あのしたにゆっくりできそうなあなさんがあるよっ!!!!』 “俺”の喋り方も緊張感ねぇな!そりゃこいつらよりかは冷静なつもりだがよ…っ!そのセリフの言い回しはな いでしょうよっ!!!そんなゆっくり喋ってるからすぐ捕まるんだよ、てめぇらはっ!!!! 「さすがはれいむなのぜ!!」 「れいむ!とかいはよ!!」 「わかるよーー!!!!」 立ち止まるなボケ共がぁ!!!!はぁ…はぁ…ちくしょう…正直疲れてる俺がいる…。なんとなく体力の順位は まりさ>ちぇん>れいむ>ありす>ぱちゅりーだとばかり思っていたが違うのか?いやいや、落ち着けそんな体力 ランキングなんてのはどうでもいい!!!!饅頭共が一斉に穴の中に逃げ込んでいきやがる。こういうときだけ動 きが速いもんだ…。 こないだの台風の影響かな…!木が根本からへし折られて、下の岩盤ごとぶっ壊してるからちょうどいい洞窟み たいになってる。しかも倒された他の木が入り口付近にあるから…巣としては…いや、家としてはもってこいかも 知れん!住む場所はとりあえず決まったかな? そんなことより、この捕食種をどうするかだけどな!!!!!! 「む…むきゅ…むきゅぅ…」 「「「ぱちゅりーーーーー!!!!」」」 安全な穴の中から叫んでるんじゃねぇよ、クソ饅頭共が。助ける気ねーだろお前ら。あと…なんなんだろうな。 この“れみりゃ”の自信満々っぽい微笑みはよっ(元からです)!!!!“俺”たちなんざ取って食うのは余裕で す、ってか。生意気な…クソ饅頭だぜっ!!!!! 「む…きゅ…れい…む…ぱちゅのことは…」 『それはさっきもきいたよっ!れいむがれみりゃとたたかうからぱちゅりーははやくあなのなかににげてねっ!』 「でも…」 ああ、じれってぇ!!!!てめぇみたいなのがいると足手まといにしかならないんだよっ!!うわぁ…れみりゃ のキバ、パネェ。あんなので噛まれたら…こんな饅頭の皮、一瞬でぶち破られるぞ…っ。 「うー!うーー!!!」 来やがった…っ!速いな、オイ…。だが舐めるなよ…“俺”はただのれいむじゃねぇっ!!!!てめぇの直線的 な動きなんざ…読み切ってるんぐぼあ゛あ゛っ??!!!!! 『ゆぐぼあ゛あ゛っ??!!!!!』 「「「れ、れいむーーー!!!」」」 「む…むきゅーーー!!!!」 痛ぇ…ちくしょう、なんだ…。もしかして…動きの鈍さは、れいむのままなのか?!それだと俺に死亡フラグが 立ちまくりなんですが!!!やば…二撃目がくる…。さっきのキバでやられたのかな…?足が痛ぇ…。動けねぇ…。 こんなところで…死ぬのかよ…。情けねぇ…。ああ。正直もう、目を閉じたね。死んだと思ったから。 「むきゅううう!!!」 「うー!!!」 いやいやいや…饅頭共も開いた口がふさがらない様子だが、とりあえず俺も予想外の超展開にびっくりだ。あの 貧弱なゲロ袋が…、れみりゃに体当たりしやがった…!死角から来られたんだろうな。予想外にれみりゃの受けた ダメージが大きいみたいだ…。相変わらず笑顔のまま転がってるけど、あいつの表情はあれで固定なのか? 「ゆっくりつれていくよ!!!!」 “俺”の揉み上げをまりさが噛んで引っ張っていく。ぱちゅりーにはちぇんとありすがついてる。お前ら…。 『ゆ…』 「なにもいわなくていいのぜ!」 そうはいかない。れみりゃの三度目の攻撃が迫ってるんだよ!ターゲットはやっぱりぱちゅりー組かぁぁ!!! 「わ゛がら゛な゛い゛よ゛ーーー!!!」 「きゃああっ!!!!」 「むっぎゅぅぅぅ!!!!」 三匹が一発で吹っ飛ばされやがった…。どこまでチート設定なんだよ、あの饅頭は…っ!でも、飛ばされた先が 穴の近くだ。そのまま逃げろっ!!!! 「ぱちゅはおくにかくれててっ!ありすとちぇんがまもってあげるわ!!!」 「まもるんだねー、わかるよー!!」 何、顔膨らませて威嚇してやがる!!!そんなの無駄だ、無駄だ!!!! 『まりさ!!そこにおちてるえださんをひろってれいむにわたしてねっ!!!』 「これなのかぜ…?」 すっげぇ嫌だけども、その枝を咥える俺。この枝は尖ってはない。この枝で殴ってれみりゃを倒すのも難しいだ ろう…っ。けどな…。枝の使い道は殴る以外にもあるんだぜっ!人間をなめるなよっ、クソ饅頭がぁぁぁっ!!! 「れれれれ、れいむぅぅぅぅぅ??!!きたのぜーーー!!!」 『ゆっくりれいむのうしろにかくれててねっ!!!!』 一直線にれみりゃが飛んでくる。このスピードをかわすのは無理だろう。…かわすのは。 「「「「!!!!!!!」」」」 「う゛…っ!!!う゛ーーーー!!!!う゛ぅ…っ!!!」 “俺”の目の前で転げまわるれみりゃ。大きく開かれた口の間に枝を挟みこんでやった。ははは!馬鹿め!口が 閉じれまいっ!!!!…って、おっ? 「よくもぱちゅをーーー!!!」 ありすがれみりゃに体当たりしやがった。吹っ飛ばされるれみりゃ。さっきまでの捕食種としての脅威はまるで ないな。餌を目の前に、相変わらずの笑顔で泣きじゃくってやがる。追い打ちをかけようとするありすを“俺”は 止めたね。ここでトドメを刺すから、次のれみりゃに狙われるんだよ…。 「はなしてちょうだいっ!ぱちゅにあんないたいおもいをさせるようなれみりゃは…っ!!」 『ゆっ…もうれいむたちのかちだよ』 「え…?」 「う゛ぅ…だずげで…ほじぃんだどぅ…」 泣きながら謝りたい気持ちはよくわかるが、ついさっきまでこっちを殺す気満々だったわけだがら、最後まで悪 役を貫いてほしいもんではある。 『れみりゃ!ゆっくりりかいしてねっ!!!』 “俺”の言葉に、れみりゃだけじゃなくて残りの饅頭共も黙り込んでしまった。そんなに怒鳴りつけてるつもり はないだけどな…。 『れいむ“たち”はれみりゃをやっつけたよ!でもたすけてあげるよ!!!』 「「「「ゆゆゆゆゆゆ???!!!!」」」」 納得はいかんか。浅はかな饅頭共よ。まぁいい。 『れいむ“たち”にかてないことがわかったら、ゆっくりしないでおうちにかえってね!!!!』 「わが…わがっだんだどぅ…」 口、閉じれないくせによく器用に喋る。 『こんど、れいむ“たち”をたべようとしたら、こんどはゆっくりできなくさせるからねっ!!!!』 「う…うぅ…ざぐやーーー!!!!」 ふらふらと羽根を動かして空に飛び去るれみりゃ。恐らくあのれみりゃは、自分の巣穴…あるいは群れの中で自 分たちのことを話すだろう。自分たちよりも強いゆっくりがいた、ということを。あのサイズから言ってあのれみ りゃは親のはずだ。これで不用意にこのあたりには近寄ってはこまい。 「れいむーーー!!!!」 まりさが…ありすが、ちぇんが駆け寄ってくる。ぱちゅりーは穴の中から出てはこないが命に別状はなさそうだ。 しかし…“俺”も含めてつくづく悪運の強い饅頭共だぜ…。半日あるかないかのうちに、人間に捕まって殺されそ うになったり、捕食種に追い回されたり…。こりゃ、早めに住処周辺の防御を整えないとな…。 振り返って岩肌の洞窟を視界に入れる。耐久性もよさそうだ。次、台風がきたら洞窟ごと壊れる可能性はあるが。 5匹住むには少し狭いかも知れないが…入り口周辺を掘っていけば拡張することもできそうだ。あとはこの近くに 小川があれば言うことナシだが…そこまで求めるのは贅沢、ってものか…。 なついてくる三匹と一緒に、“俺”は初めて洞窟の中に足を…あんよを踏み入れた。…いける。しばらくはここ で暮らすことになりそうだ。 『ゆっくりおなかがすいたよ…』 思わず先に声に出る。この饅頭共にとっては英雄みたいな存在である“俺”がそんなことを言ったのが可笑しか ったのだろうか。緊張の糸が切れたこともあってか、4匹は笑っていた。…今はなんとなく、俺も笑ってもいい気 分だ。 『ゆふふ…』 「れいむが…」 「わらったのぜ…っ!!」 「わかるよー、れいむはわらってるほうがかわいいんだねー!」 「むきゅっ…」 理由はわからんが、ぱちゅりーだけはご機嫌斜めだ。“俺”が笑うのが気に入らない、ってかゲロ袋が…。せっ かく助けてやった、ってのによぉ…っ。 『ゆ!ここでゆっくりくらすことにするけど…そのまえにしっかりしたおうちをつくるよ!』 「ゆっくりりかいしたのぜ!」 「とかいはなおうちにこーでぃねーとしてあげるわ!」 「がんばるんだねー!」 「ぱちゅもおてつだいするわ…!」 『でもそのまえに』 「「「「ゆゆ?」」」」 一呼吸置いてから、言ってやる。俺の本心も入ってるけどな。正直、お前ら頑張ったよ。饅頭のくせに良くやっ たと思う。 『つかれたからみんなでゆっくりするよ!おうちをつくるのはそれからだよ!!』 「「「「ゆっくりりかいしたよ!!!!!」」」」 とりあえず、ぱちゅりーとありすを一番奥に。まりさとちぇんと“俺”の三匹で入り口側。ここからなら見張り 役は一人でいい。周囲に気を配る必要はない。前方だけに気をつけていればいいから。 「ゆっ…まりさがおきてみはってるのぜ…だからみんなゆっくりやすんでね!」 誰が言うともなく、まりさがそう名乗り出た。“俺”とちぇんも後で交代する、という約束をした。 俺は正直、このゆっくりという生き物についてはまったく理解していないが…。人間基準で考えたとしても、今 ここにいる連中は…すごくゆっくりしていると言っていいと思う。いつもなら、ぶっ壊してやりたくなる饅頭共の 寝顔だが…。とりあえず、今はこいつらの寝顔を守ってやれただけでも、良かったかな…?なんて思ったりしてる。 多分、一時の気の迷いさ。 後から思ったが、れみりゃは肉まんだったな。饅頭じゃなかった。こんなことなら食ってやれば良かったぜ。 つづ…く? 余白あきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 改めて捕食種がチートだってのがわかったw -- 2011-12-30 21 56 10 なんだこれおもしれーぞ -- 2010-11-22 02 20 23 ゆっくりつぶしたくなくなった -- 2010-07-24 18 23 30 冒険モノっぽくておもろい -- 2010-07-12 20 24 45