約 3,630,965 件
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/1712.html
やあ!こんにちは!俺はグルメお兄さん!職業は料理研究家さ! 普段は料理教室を営んでいるよ! で、こっちは俺の飼いゆっくりのれいむ! 「ゆっくりしていってね!」 それと飼いゆっくり2号のありす! 「ちょっとおにいさん!にごうなんていわないでほしいわ!」 彼女(?)達は俺の大切な仕事仲間でもあるのさ! え?「ゆっくりに料理なんて出来るのか」だって? 違う違う!俺は今「ゆっくりの味」を研究してるんだ! 彼女達にはその協力をしてもらってるのさ! 今日はその研究結果を発表させてもらうよ! ~Case.1~ ヒャッハー!海だー! 「ゆわーい!うみだー!」 「ふたりともー!そんなにはしゃぐとあぶないわよー!」 今日はいつもやってる料理教室をお休みにして海に遊びに来たのさ! もちろん彼女達も連れてきてね! と、いうわけで!早速泳ぐぞー! 「れいむはにじゅうごめーとるおよぎきるよ!」 いやいや無理だろ!危ないからちゃんと浮き輪つけてね! 「ふたりとも!うみにはいるまえにちゃんとじゅんびうんどうしなきゃだめよ!」 「ゆゆっ!うっかりわすれてたよ!」 おおそうだったな!イッチニーサンシー… いやー泳いだ泳いだ!疲れたなー! 「れいむもたくさんおよいだよ!」 お前は波にのまれてただけだろが! 「おにいさん!それはいわないおやくそくだよ!」 はいはいそうでしたね!え?なんでれいむが海に入ったのに溶けてないのかって? 「思い込み補正」だよ!ゆっくり察してね! 「ゆうぅ…おくちのなかがしょっぱいよ!ゆっくりできないよ!」 お前海水結構飲んじゃってたからなあ…それにしても腹減ったな… 「ゆゆっ!おにいさん!それなられいむをすこしだけたべてもいいよ!」 お?いいのか?じゃあお言葉に甘えて…プチッ 「ゆあんっ///」 色っぽい声を出すな!まあいい、いただきます! …これは!兵庫県赤穂市、元祖播磨屋の塩饅頭の味だとッ!? なるほど…海水を飲んだから浴びたからかは分からんが、まさか味が変わるとはな… 「あら、ふたりとももうおよぎおわったの?」 おお、ありす、お前は泳がないのか? 「およぐのなんていなかものよ!ありすはここでとかいはにはだをやいていたのよ!」 俺は都内に住んでいるんだが?…確かに結構日焼けしてるな…それにしても美味そうだ… 「…おにいさんったらもう、しかたないわね…すこしだけならたべてもいいわよ…?」 それじゃ遠慮なく…プチッ 「ゆぅんっ…///」 なんで千切られて官能的な声を上げるんだお前らは! まぁいいか、じゃ、いただきまーす これは…黒糖饅頭の味だと…!? たしかに色は似てるが…日焼けしてこうなるとは… それにしても今日は疲れた!そろそろ帰るか! ん?なんか海のほうが騒がしいな… 「ぎゃー!」「助けてくれー!」 うわっ、何故か海にシャチがいる…さっき上がっといてよかった… ~Case.2~ おっ!あれはオオヨシキリだな!よし!写真取っとくか! 「ゆゆ~ん!ゆっくりしたとりさんだね!でもへんなこえだね!」 今日はれいむを連れてバードウォッチングに来てるのさ! ちなみにありすは鳥に対しトラウマがあるので(主にカラスのせいで)お家でお留守番してるのさ! 「おにいさん!あのとりさんはなんていうとりさんなの?」 おお、あれはルリビタキだな!よしシャッターチャンスは逃さないッ! 『ホーホケキョ ホーホケキキョ』 「ゆゆ?おにいさん!このなきごえもとりさんの?」 ああ、これはウグイスだな、どこにいるのかな~ 「ゆ~ん!ゆっくりできるなきごえだね!」 ………… いや、ない、それはないだろ、いくらなんでも… でも…気になる…!すごく気になる…! すまんれいむ!いただきます! プチッ 「ゆふぅ///」 何が「ゆふぅ」だ!舟木兄弟かお前は!いただきます! …おいおい…嘘だろ…なんでウグイスの鳴き声聞いただけで… 中の餡子がうぐいす餡になってるんだよ!! …今日は凄い発見をしてしまった…ちなみにこの後家に帰ってからうぐいす豆を作って食べさせてみたが 餡子には何の変化もなかった…一体どうなっているんだ!? ~Case.3~ 「おにいさん!ここがとかいはなまっさーじやさんなのかしら?」 えーと地図はと…ああ、ここだここ、やっと見つけたわ。 「おにいさんのほうこうおんちにもこまったものね!」 うるせえやい、誰が連れてきてやってると思ってるんだ、全く。 ところで今日はありすを連れて巷で評判のゆっくり専用マッサージに来たのさ! ちなみにれいむはお友達のまりさ(飼いゆっくりだよ!)のところに遊びに行ってるのさ! 「さっそくいくわよ!おにいさん!」 おーおー張り切っちゃって、やれやれだぜ。 「おねえさんがとかいはなまっさーじをしてくれるのね!ゆっくりよろしくね!」 あ、マッサージ師の方ですか、え~っとじゃあAコースでお願いします。 ありす、俺はここで待ってるからマッサージが終わったらきなさい、ゆっくりしてきてね! 「ありがとうおにいさん!ゆっくりしてくるわ!」 ~数十分後~ 「おにいさん!ゆっくりまっさーじしてもらったわ!」 お、終わったか…お~お前綺麗になったな、お肌がツヤツヤだぞ。 「そ、そんなにほめられるとてれるわ!」 いや、本当に綺麗になったよ…美味そうだし。 「そ、そこまでいうのならすこしだけたべてもいいわよ!すこしだけよ!///」 いいのか?それじゃ少しだけ… プチッ 「ゆぅんっ///」 なんか本格的に艶っぽいぞ…では、いただきまーす。 おお、美味い!かなり美味くなってるぞ! でもこの味…この舌触り…どこかで食べたような… あ…!そうだ!これは…! 仙台銘菓 「萩の月」だ!!! なるほど…ありす種はコンディションが最高になると萩の月の味になるのか… また新たな発見をしてしまったな… よし!じゃあ帰るか!ありす! 「ゆふふ♪ありすとってもとかいはになっちゃったわ♪」 おいおい鏡に映った自分に見とれるなよ… 以上が今までの研究結果さ! また新しい発見があったら報告させてもらうよ!またね! おしまい 散歩してたら思いつきました ちなみに今まで書いたもの 『ふたば系ゆっくりいじめ 160 寄生生物とゆっくり』 『ふたば系ゆっくりいじめ 362 ゆっくりおうえんしていってね!!!』
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/713.html
ゆっくり散文 推すべきか 敲くべきか 「ゆっくりしていってね!」 投げられた提案に顔を上げれば赤信号 「これはすまない。ありがとうよ」 推すべきか 敲くべきか 「ゆっくりしていってよー!」 投げられた提案に顔を上げれば青信号 「これはすまない。ゆっくりしようか」 推すべきか 敲くべきか ゆっくりするべきか 「ゆっくりしていってね!」 そうするべきか ゆっくり散文 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1991.html
※原作キャラが出てきます、と言うか原作キャラばかり喋ります。 ※ゆっくり信仰していってね!の続きです。 ※むきゅむきゅうるせぇ。 ※ぱちゅりー大好きです。 「しーきゅー、しーきゅー、むきゅう」 「あーあー…こちら守矢航空宇宙センター司令部にとり、感度良好」 「むっきゅん!こちら第一隕石迎撃ロケット、核ぱちゅりー01」 「及び02」 「了解、これより点火作業にはいるわ!」 「「「むきゅーッ!」」」 ゆっくり地球を守っていってね! 前編 「号外ー!号外だよー!」 ここは守矢神社。 普段は閑散とした神社も、一人の烏天狗によって騒々しくなっていた。 「むきゅう、何事かしら」 「号外のようですね…ってあら?」 烏天狗に気を取られている早苗だったが、二人の妖怪の存在に気づいた。 あまり神社に来る事はないであろう、妖狐と……隙間妖怪。 「こ、こんにちは八雲さん」 「あらこんにちは、神様…出来れば戦神の方の神様はご在宅かしら?」 「え、ええ、境内にいらっしゃいますが…」 「そうですか、失礼しますわ」 素直に受け取る事のできない笑顔を浮かべながら、早苗の脇を通過する隙間妖怪。 一礼だけすると妖狐も後ろを付いて行く。 「何事かしら?」 「ただならぬ雰囲気を感じるわ……むきゅ?」 隙間妖怪を見送ると同時にぱちゅりーに一枚の紙切れが振ってきた。 紙には綺麗とは言い難い書き殴りの文字が綴られている。 「これは…あややさんの号外ね!」 「どれどれ?げん…そーきょーに…いん…せきが…おちる?」 「むきゅ、【げんそーきょーにいんせきがおちる】ね」 「なるほど、【幻想郷に隕石が落ちる】ね」 「むぎゅううううううううううううう!?」「ええええええええええええええええええ!!」 「号外ー号外だよー!来週には地球がなくなるよー!」 境内 「と、言うわけで…もうすぐ大きな隕石が落ちてくるのよ」 「ふーん…」 紫のために用意した茶菓子の煎餅をバリバリと頬張る神様。 「ふーんって、隕石よ隕石!落ちてきたら地上は一面焼け野原よ!?」 「焼け野原と言われてもねぇ」 彼女の名は八坂神奈子。 守矢神社の実質トップにして、ゆっくりの愛で神様(一部ゆっくり限定) 「私は元は風と山の神様で、今は蛇神様よ?大宇宙からの落し物をどうしろって言うのよ」 「もう、神様も吸血鬼も宇宙人も肝心な時に役に立たないんだから!」 「吸血鬼に何を頼るのよ…」 「ほら、この間ロケットで月に行こうとしたでしょ?」 「それ貴女の差し金じゃない」 未曾有の大事件だと言うのに、幻想郷のトップ会談は幻想郷らしくのほほんとしていた。 その影で、名前がゆっくりのくせにちっともゆっくりしていない核饅頭と河童の姿もあった。 「むぎゅううううううう!隕石よ!幻想郷に隕石が落ちてくるわ!」 「ありゃ~こりゃ大変だねぇ」 「こうなったらぱちぇ達で何とか食い止めるのよ!」 「「「むっきゅん!」」」 「何とかって言ってもねぇ…一応ボスに聞いてみるか」 こうしてにとりはぱちゅりーに言われるがまま、神奈子達のいる境内へと向かった。 そしてにとりが挨拶をしようとドアを開けた瞬間、ぱちゅりーは開口一番で叫びだす。 「むきゅっ!八坂様、隕石が落ちてくるわ!何とかしましょう!」 無茶苦茶である。 「ぱちゅりー!?何とかって、何故貴方が隕石の事を知ってるのよ…」 「むきゅん、あややさんの号外を読みましたわ!」 (あのクソ天狗……夜雀と一緒に焼き鳥にしてやる) ゆっくりなのに正義感が異常に強いぱちゅりーなので、神奈子は隕石の件がぱちゅりーに知られればこうなる事は予想できた。 それだけに神奈子としては知られたくなかったのだが… 「まったく、それで?何とかって、何とするのよ」 「むきゅ、それは…」 言葉に詰まるぱちゅりー 取り合えず平和のために動こうと思っただけで、特に何も考えていない辺りは核があろうがなかろうが、ゆっくりのようだ。 「いいことぱちゅりー、世の中にはできる事とできない事があるの。これは出来ない事、つまりできる人が何とかする事なのよ」 「むきゅう?そんな凄い人がいるのですか?」 「例えば隕石と地球の間に隙間を開けて別の空間に飛ばすとか、隕石の境界を弄って崩壊させるととか、隕石を結界で防ぐとか」 「ちょっとちょっと」 名指しはしていないものの、明らかに私の事じゃないかと遮る紫。 「何よ、天下の大妖怪様ならそのくらい朝飯前でしょ」 「できたら相談なんてこないわよ!……それよりそのゆっくりの事なんだけど?」 紫はお気に入りの扇子で核ぱちぇりーを指す。 いつもの何かを企んでいるであろう、満面の笑みを持って。 「噂に聞いてるわよ、何でも凄い威力の爆弾なんですって?」 「爆弾じゃない!」 まさに目くじらを立てると言った状態の愛で神様。 怒鳴りながらゆっくりの爆弾扱いを否定をする、そして爆弾扱いされる原因を作ったにとりを睨むのも忘れない。 その剣幕に、流石の隙間妖怪も一歩退く。 (めがふれあはぱちぇが要求したシステムなのに…とほほ) 「ま、まぁまぁ、外と河童の技術はそれなりに知っているつもりよ。何もこの可愛いお饅頭を爆弾にしようってわけじゃないの」 「どう言う意味よ!」 「あら、こわいこわい、このお饅頭が爆弾のように爆発するのは、あの八咫烏と同じ原理のものをそこの河童が外の技術を模したからでしょ?」 「ひゅい!そ、そうです」 おどおどと答えるにとり。 よくよく見れば、大妖怪と神様が会談を行う席、本来なら河童とゆっくりが参加できる様な場所ではない。 「じゃあそのお饅頭の爆発する能力、そう…外の世界では核融合反応、と呼ぶのだったかしら?」 「は、はい!」 「そうね、美しさの欠片もないものだけど、威力だけはそれなりのものらしいの。それをこのお饅頭ではない何かに詰めて、隕石にぶつければ?」 「隕石も消滅させられる!?」 「ええそうよ、つまり貴方にお願いしたい事はね…」 「…ぱちゅりーのめがふれあの威力が半径10m、新型の核融合炉に外壁を大型化すればその威力は…」 技術屋の性か、にとりは紫の存在も忘れブツブツと呟きだす。 「あらあら、これで隕石を壊す方法は何とかなりそうね」 「何とかって、そんな物騒なものをどうするのよ」 「…そんな物騒なものを烏に突っ込んだのは貴女でしょうに」 翌日、“八雲隕石対策本部守矢支部”兼“守矢信仰増強対策室” 「と言うわけで今回、幻想郷を襲う未曾有の大災害に対して設計した『対隕石用有ゆっくりロケット八坂ぱちゅりー』です」 「おおー凄いわねぇ」 「むっきゅん!さすがにとりさんね!」 「えへへーそれほどで「ちょっとまてぇぇぇぇぇぇぇい!」ひゅいッ!?」 ほんわかムードをぶち壊すのはいつも神様の仕事。 「なによ、有ゆっくりロケットって!何で無人じゃないのよ!」 「そっちですか…てっきり名称の事かと…」 「貴方はまたぱちゅりーを爆死させるつもりなの!?」 流石は山と風とゆっくりの愛で神、視点が違う。 「違いますよ、計画の説明をしますからゆっくり聞いてください」 「八坂様、落ち着いて下さい!」 「む、むぅ…」 「いいですか?今回の計画ではこの八坂ぱちゅりー号に2発の核弾頭を搭載し、隕石の阻止限界点前方に行きます。そこで機内誘導操作にて隕石を爆撃、目標を殲滅します!」 「で?」 「いやですから…ちゃんと専用ミサイルを使うので、ぱちぇ達を弾頭に使うわけじゃ…」 「どうして有ゆっくりなの!貴方でもいいじゃない!」 そんな無茶な。にとりの心の叫びが聞こえる。 「むきゅ、八坂様!そこはぱちゅりーが志願しましたわ!」 「……はぁ」 またかと言いたげな表情。 神奈子はぱちゅりー達が正義感に溢れすぎているのも、またその発言が無謀なれど正論なために、反論できない事を嫌と言うほど味わっている。 「何故、貴方達が行く必要があるの?」 「皆さんに恩返しがしたいからです!」 二言目には恩返し。 お決まりテンプレートな神様説得コースだ。 こうなると神奈子にぱちゅりー達を食い止める手段はない。 「じゃあ決まったようだね、私は紅魔館に行ってロケットの開発を行うから、ぱちぇ達は燃料の調達をお願い」 「燃料?」 「そうロケット燃料、本当は外のロケット燃料が最適なんだけど…ないもの強請りしてもしょうがないから、代用品を調達して欲しいの」 するとにとりはある通信機を差し出す。 「この前魔理沙に渡した通信機よ、何でも地底の溶岩はロケット燃料に転用できるっぽいわ、それを集めて欲しいの」 「むっきゅん!わかったわ!」 こうしてロケット開発が始まった。 48時間で9体もの核ゆっくりを作るにとりである。 まして今回は紅魔館によるロケット作成のノウハウや、未曾有の危機に対する永遠亭の協力、 そして珍しく(動かなかったら幻想郷が壊滅するため)紫が動いた事により、ロケットの開発は特筆する必要もなく順調に完成した。 一方燃料回収組と言えば… 「むぎゅううううううう!」 「あ、暑いわ…」 「頑張るのよ、何としても燃料をにとりさんに届けるのよ!」 何時も通り『こんな事もあろうかと』開発されていたゆっくり用耐熱服を身にまとい、耐熱性に優れた桶で地底の溶岩を汲み取る。 ゆっくり唯一の作業手段である口は使ず、簡易的な操作が出来る程度の外付アームで耐熱服のフックにワイヤーを通し、桶で溶岩を汲む。 その後はスィーに乗せて運搬するのだが、これがまたぱちゅりー達には一苦労だ。 スィーを動かすにはゆっくりと本体が接着している必要がある、そのため耐熱服を装着していると操作する事ができない。 この状況ではスィーはまさにただの台車。桶と同じようにワイヤーを使って引っ張るしかない。 「「「ゆーえす、ゆーえす!」」」 「むぎゅう…暑すぎるわ…このままでは大変な事になるわね…」 「ゆっ、なにやってんだい?」 「む、むきゅ!?」 台車を運搬するぱちゅりー達の前に一匹のゆっくりが現れた。 こんな灼熱の中でも活動できるゆっくりなど、ゆっくりもこうくらいのはず。 「ゆっくりしていってね、私達は地上のぱちゅりーよ、わけあって溶岩を運んでいるの」 「ふーん、あたいはゆーぎってんだ、よろしくな」 「むきゅ、ゆーぎは暑くないのかしら?」 「そうさね、もうなれてるからあつくないねぇ。それよりずいぶんたいへんそうじゃないか」 「むぎゅう…私達はぱちゅりーだけどちょっと力はあるの、でも流石に暑さには強くないのよ…」 「なるほど、そでふりあうもゆっくりのえんってね、ちょっとてつだってやるよ!ゆぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「「「「むきゅーん…(ぽかーん…)」」」」 ゆっくりゆーぎが参加した事で作業の効率はかなり上がった。 暑さを物ともしないゆーぎの耐熱性に加え、核ぱちゅりーが3匹がかりで引っ張っていた台車を1匹で押していたのだ。 「むきゅう、凄いわね……むきゅ!?よく考えたらゆーぎは何も着ていないから、スィーを運転すればいいんじゃないかしら?」 「おっ、さすがぱちゅりーだ、かしこいねぇ、いっちょすぃーとやらをつかってみるか!」 そして。 「ゆ、ゆっくりしとくれぇぇぇぇええええええええええええええ!!」 「むきゅーん!置いてかないでぇぇぇぇ!!」 初スィーの運転。 まして今まで自分の身一つで生きてきたゆーぎは、何かを操作すると言う能力が致命的に乏しかった。 そんな暴走の結果、ゆーぎを乗せたスィーは壁にぶつかり横転。 ゆーぎは崖に投げ出されてしまった。 「ゆっ…ゆっくりしてないねぇ…」 「むきゅ、大丈夫!?」 「ゆゆゆ…なんとか…ゆっ?!」 気が付けばそこは崖にたまたまできた足場の様な場所。 少しでも動けば足場も崩れ、谷底の溶岩まで一直線だ。 「ゆっくりまいったねぇ…おーいぱちゅりー!あたいのことはかまわないから、ようがんをはやくはこびな!」 「でも!」 「なんだかしらないけど、からだのよわいぱちゅりーががんばってるんだ、たいへんなものだろう?あたいにかまわずはやくしな!」 「むきゅ、どうしましょうリーダー…」 「むきゅうー」 本来なら少しでも早く溶岩を持ち込む必要がある。 しかし何の理由も聞かずに、献身的に手伝ってくれたゆーぎを見捨てる事ができるだろうか。 「むっきゅん!一人がワイヤーをつけて降下するのよ!そしてみんなで引っ張るわ!」 「「「むきゅーんッ!!」」」 早速ゆっくりラペリング大作戦が始まった。 もたもたしていては溶岩が固まって、燃料として使えなくなる。 それに崖からゆーぎが転落してしまうかもしれない。 「みんないい?にとりさんのハイスピードハイクオリティ精神で行くわよ!」 「むきゅ、ラペリングぱちゅりースタンバイ完了よ!」 「「「ゆーえす、ゆーえす!」」」 全員の耐熱服のフックにワイヤーを通し降下ぱちゅりーに接続、息の合った連携プレイでゆっくりとラペリングぱちゅりーを降ろしていく。 「ゆっ、むっ、ゆっ…むっきゅり助けに来たわよ!」 「な、なにやってんだい!」 「いいからゆっくりしないで背中に乗りなさい!」 『ギギギ……』 「よっこいせっと」 「むきゅーん、いいわよー!」 ゆーぎを背中に乗せるとラペリングぱちぇは回収部隊に指示をだす。 上からはゆーえすと言ったゆっくり独特の掛け声が聞こえ、ラペリングぱちぇとゆーぎはゆっくりと引き上げられていった。 その距離5m。 「ゆーえす、ゆーえす!」 『ギギギギギ…』 「ゆーえす、ゆーえす!」 『ギギギ…ガキンッ!』 「ゆーえす、ゆーえす!」 『ギギギ…ググッ!』 「むきゅ、みんな無理せずあわてず急いでゆっくり引き上げてね!」 「「「「むきゅーん!」」」」 「……りーだー!もうちょっと上がったらゆーぎには先に飛んでもらうわ!」 「わかったわ!」 「ゆゆゆ、すまないねぇ…」 「何言ってるの、手伝いをしてもらった上に、元々はスィーを薦めた私達が悪かったのよ」 『ギギギギギギ…ガッ!』 「「「むきゅ!?」」」 「むきゅきゅ!?おかしいわ、引っ張っても上がらない!」 「むきゅー!ラペリングぱちぇ、何があったの!?」 リーダーぱちぇが崖を覗き込むと、そこには露出した岩肌にフックが引っかかっているぱちぇの姿。 距離にしておよそ1mと言ったところ。 「むきゅん、どうもはまっちまったぜ!ってやつね…ゆーぎ?このくらいの高さなら飛べないかしら?」 「ゆゆ!?ゆーん…むりじゃなさそうだねぇ」 「じゃあ先に上に上がって頂戴、みんな!ゆーぎが先にそっちに行くわ!」 「「「むきゅっ!ゆっくり待機するわ」」」 「ゆー…ゆー…ゆっこらしょっと!」『ガキンッ!』 ゆっくり独特のぽいーんとした効果音とともに、いとも簡単に崖を登りきった。 飛び跳ねる際に妙な違和感があったのは気のせいだろうか? 「ゆふぅ、ゆっくりとびのったよ!」 「お疲れ様、らぺぱちぇ!じゃあ引き上げるわよ!」 「むきゅ、それは無理みたいね」 「むぎゅ!?」 「どうやらさっきの衝撃でフックが折れたみたいだわ」 リーダーぱちぇは慌てて崖を覗き込んだ。 するとそこには岩の出っ張りに引っかかったラペリングぱちぇ、そしてその背中のフックは… 「スィーはみんなで分散して引っ張っていたわ、だからスィーを運んでいる最中にフックが折れる事はなかったの」 ラペリングぱちゅりーは淡々と自分の現状について語りだした。 「むきゅ……でも今のような引っ張られる側にかかる重圧は……」 50kgのスィーを5匹で運べば、それは各自10kgの負荷で済む。 しかし25+3kgのゆっくりが引っ張られる際、引っ張られる側に掛かる重量は28kg。 「むぎゅぎゅ!?なんてこと!ぱちぇとした事がこんな簡単な事に気が付かないなんて!」 「むきゅー…リーダー、自分を責めないで。 誰かがやらないといけない事だったのよ」 フックの叫び声は先ほどよりもさらに大きなものへと変化していく。 片側のボルトは完全に折れ、空中を漂うようにゆらゆらと揺らめく。 「…リーダー、必ずロケットを飛ばして!そして幻想郷と八坂様をお守りして!」 「むぎゅ!?」 「ゆっくりしていってね!」 バキンッ!と一際大きな音が鳴り、ラペリングぱちぇは溶岩の流れる谷底へと落ちていった。 「むきゅう、むぎゅう、むぎゅぎゅうううう!」 「リーダー…しっかりして!」 「ラペリングぱちぇぇぇぇぇぇ!むきゅーん!」 「むぎゃぁぁぁぁぁ!」 「むぎゅぅぅぅぅぅ!」 「ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅ!」 一匹のぱちゅりーが泣き出すと、全員が一斉に泣き出した。 それはさも落ちていったラペリングぱちぇを呼び起こすかの如く。 するとぱちゅりー達の耳にラペリングぱちぇの声が届いた! 「むぎゅわぁぁぁああああああああああ! 「むきゅ!?」 「ラペリングぱちぇ!?」 「むぎゃぁぁぁぁ!あ、あづいわぁぁぁぁ!むぎょぉぉぉぉぉぉ!!」 絶叫。 耐熱服の効果もあり、すぐに溶岩に触れる事はなかった。 しかし耐熱服と言えどもちろん限界はある。 まして熱気が伝わる程度の耐熱性だ、溶岩に落ちて無事なはずがない。 「むぎゃぅ!むぎょっ!むぎゃぁぁぁぁあああああ!うぎょぎょぎょぎょ……」 「ラペリングぱちぇ…」 「むぎゅう!!」 溶岩の中で必死にもがく仲間を見守る事しかできない。 中身が餡子でなく、核融合炉のためにすぐに絶命する事もできず、ラペリングぱちゅりーは灼熱の業火を味わっていた。 「むっきゅーん!リーダー、めがふれあを使いましょう!」 「むきゅ!?」 「そうよ、あのままじゃラペリングぱちぇはとても助からないわ…ならいっその事」 「むぎおおおおおわぁぁぁぁぁぁぁあああああばばばばば!!」 「…ダメよ」 「むきゅ!?リーダー!?」 「こんなところでめがふれあしたら、辺り一体が崖ごと消滅するわ…」 「でも!」 「そ、そんな事より…は、速く溶岩を…運ぶのよ」 「むぎゅう!リーダー!そんな事よりってッ!!」 若手ぱちゅりーが見たリーダーの顔。 それは冷淡な判断とは裏腹に、これ以上ない悲しみと悲壮に包まれていた。 「…行くわよ」 「「「むきゅ…」」」 (ごめんなさい、ラペリングぱちぇ……必ずロケットは飛ばしてみせるわ!) リーダーぱちゅりーの決意とラペリングぱちぇの悲鳴が熱波の洞窟にこだました。 ついにぱちゅりー達は守矢神社へと戻ってきた。 スィーには桶にして10杯分はあろう溶岩を乗せて。 「そう、そんな事があったんだね」 「むきゅう……ラペリングぱちぇのためにも、何としてもロケットを飛ばして頂戴!」 「わかったよ、任せときな」 にとりは溶岩の精製に取り掛かる。 隕石落着まで後3日。 その夜 「……すまないねぇ」 「ゆーぎが落ち込む事はないわ、すぃーに関しては元々私が言い出した事だし」 「でもあたいがちゃんとすぃーをうごかしていれば…」 「ゆーぎ、ゆっくりに“たられば”は厳禁よ」 「ゆっ!?」 ぱちゅりーは空を見上げた。 空には数々の美しい星、そして一際大きな光、落着予定の隕石。 「だったら、していれば、何て後悔をしている暇はないわ。私達ゆっくりは何時も危険と隣り合わせなのよ」 「ゆぅ…」 「それに落ち込むなんてゆーぎらしくないわよ!」 「ゆっ!?そうだね、いなくなったらぺりんぐぱちぇのためにもゆーぎもがんばるよ」 「むきゅ、お願いね」 隕石落着まで残り48時間。 あとがき 初の前後編です。 中身自体はかなり前からコツコツ作っていたもので、USBメモリを失くさなければもっと速く完成していたはず。 げすとじじいと吹雪の日が何だか高評価で嬉しい限りです、ありがとうございます。 でもどちらかと言えばこの作品のような超技術、厨ゆっくりが大好きなのです、ごめんなさい。 Q.ラペリングぱちぇってなんだよ A.ぱちゅりー達はその時の分担によって名称が変わります。不変なのはリーダーぱちぇだけです。 今までに書いたゆっくり ゆっくり信仰していってね! ゆっくり新技術を導入していってね! ゆっくり体調管理をしていってね! 虐待理由 協定 ゆっくりの能力を得たお兄さん ゆっくり並列宇宙の旅 ゆっくり名言集 胴付戦隊ゆっくりじゃー げすとじじいと吹雪の日 書いた人:NFRP(Nuclear Fusion Reactor Patchouli)? おまけーね (クソッ、なんでゆっくりゆーぎなんているのよ!むしろなんでぱちゅりーが減ってるのよ!) 「…………」 (ああもう、後ろから嫌なオーラが溢れ出てるわ) 「…………にとり」 「ひゅい!?」 「ロケット準備の進捗はどうなの?もう48時間を切ったわよ」 「は、はい!何としても間に合わせます!!」 「そう……これ以上被害は出したくないものね」 「そ、そうですね!!」 「ぱちゅりー達にも…………貴方にも」 (ぴぎゃぁああああああ!!) このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/232.html
ゆっくりSS ゆっくりランド 気が付いたら全く覚えのない場所にいた。 いくら紅魔館の近くにある湖に霧が発生することあるとはいえ、 霧が晴れたら全く見覚えのない場所にいるなんてあんまりじゃないのか。 「ゆっくりしていってね!!!」 「うおっ!? なんだ、ゆっくりか。脅かすなよ」 いきなり足元で声がしたかと思ったら、ゆっくりれいむじゃないか。 「れいむにはちゃんとれいむってなまえがあるんだから、なまえでよんでね!!!」 「へいへい。 れいむ、おどかすなよ」 「わかればいいんだよ。ゆっくりしていってね!!!」 「それで、ここはどこなんだ? 俺は湖にいたはずなんだが……」 「おにいさん、なにいってんの!? ここはゆっくりらんどだよ!!!」 ゆっくりらんど、聞いたことのない名だ。もう少し突っ込んだ質問にしよう。 「それで、そのゆっくりらんどとはどこにあるんだ? 湖はどっちにあるんだ?」 「ゆっくりらんどはここだよ!!! みずうみはあっちだよ!!! やさしいれいむがおしえてあげるから、ゆっくりついてきてね!!!」 ああ、なんでゆっくりって生物はこんなに偉そうなんだ……。 「ここがみずうみだよ!!! ゆっくりしていってね!!!」 そう言ってれいむに案内してもらった場所はどう見ても湖とは呼べない。 人間基準ならどう頑張っても池としか言いようがないじゃないか。 紅魔館の近くにある湖とは似ても似つかぬ大きさだ。 「いや、俺が行きたかった湖は、反対側が見えないぐらいの大きなものなんだが」 「そんなのゆっくりらんどにはないよ!!! おぼれたあぶないでしょ!!!」 そう言って背伸びをするれいむ、人間の動作ならならふんぞり返るってところか。 もしこのれいむの言うことが正しいなら、 ここは紅魔館からものすごく離れた場所ということになる。 とりあえず、このゆっくりランドの出口を探さねばならない。 「なあ、ゆっくりらんどの出口ってどこにあるんだ?」 「でぐち? ゆっくりらんどはゆっくりらんどだよ? おにいさんなにいってんの?」 「いや、ゆっくりらんどにだって入り口はあるだろ? なら、出口もあるだろ」 「ゆっくりらんどにいりぐちもでぐちもないよ!!!」 ……。困ったな、話が全く掴めない。もっと頭のいいやつに話を聞くしかないか。 「あーわかったわかった。もういい。 わかったから、お前達の仲で一番頭のいいやつに会わせてくれ」 「わかったよ!!! のうかりんならおにいさんのレベルにあわせてくれるかもね」 そう言うとれいむは踵を返しまた別の場所へと跳ねていった。一言多いやつめ。 さて、のうかりんとやらのいる場所まで案内してもらうとするか。 それにしてもこのゆっくりらんどとやらは自然が豊かだ。 今歩いている場所は花が咲き乱れる草原だし、後ろには森が見える。 おそらくあの遠くに見えるのは山なんだろう。 よくよく見るとれいむが出入り口がないと言ったのも頷ける。 こんなに広いのならば出口もクソもないだろうしな。 だが、そうなると発生するのはここがどこなのだろうかということだ。 そんなことを考えているうちに、民家のようなものが密集した場所にたどり着く。 ミニチュアサイズの民家から、俺の家と同等かそれ以上のものまである。 なんというシュールな光景だ。 「ここがのうかりんのおうちだよ!!! たいどにきをつけてね!!!」 まずお前が俺に対する態度を考えろよ、と言いたいが我慢する。 今の俺にとって最も重要なことはこのゆっくりらんどからの脱出だ。 「のうかりん、おきゃくさんをつれてきたよ!!! ゆっくりおじゃまします!!!」 そういいながられいむはどこからか取り出した木の枝で引き戸を開ける。 猫みたいに器用なやつだ。 「いらっしゃい……おんやまぁ人間でねぇか!! こりゃ珍しいお客さんだ」 家の奥から出てきたのはチェックの服を着た人型のゆっくりだ。 あのゆっくり特有の顔がなければ人間と言われても納得できてしまう。 しかも、来ている服は幻想郷縁起に載っている大妖怪のものだ。 本人が見たらどんなリアクションをするのか想像もできない。 「さぁさ、上がってけ。こんなに日は麦茶がうめぇんだ」 あっけにとられる俺を尻目にのうかりんとやらはさっさと奥に行ってしまう。 俺は慌ててそれについて行った。 「ちるの、出番だよ。いつもの通りにやってけれ」 「あたいのクライマックスさいきょーパワー!!!」 のうかりんが差し出した薬缶に息を吹きかけるゆっくりちるの。 薬缶の表面がたちまち白くなって霜が降りたようになる。 「だいせいこー!!! やっぱあたいさいきょー!!!」 薬缶を冷やすだけでそんなに喜ぶなんて……普段は失敗したりするのか? のうかりんからもらった麦茶を飲む。冷たくてしかもうまいじゃないか。 「 さてお兄さん、このゆっくりらんどになんのようけ?」 「いや、自分でもよくわからないが、霧が晴れたらここにいたんだ。」 と、言ってここに来るまでの経緯を話す。のうかりんは神妙な顔で頷いた。 「そかそかぁ。じゃあまんずここについて説明すっぺ。 ここはゆっくりらんど、ゆっくりだけの理想郷だぁ。 幻想郷とも外の世界とも全く違う場所よぉ」 のうかりんの話を要約すると、のうかりんはゆっくりらんどの最古参で、 ゆっくりらんどはそれなりに昔からあるらしい。 そしてときどきさまざまなところからゆっくりが辿り着いたり、 あるいは人間が迷い込んでくることがあるらしい。 そして何よりも重要なことだが、ゆっくり以外はすぐにもとの場所へ送還するらしい。 じゃあ、もう安心だ……そう思ったのが運の尽きだった。 「へ……へえーらろろろーらなーあおなーおなー」 「違う!! こう!!ヘェーラロロォールノォーノナーァオオォー」 ……一体何度ダメ出しをされればいいんだ……。 こんなテンションの高い歌、素面じゃやってられねぇよ。俺、歌苦手だし。 それでものうかりんのギターは止まらない。 まさか無事に帰るのにこんなことをしなければならないとは……。 「へーらろろーおあーあああー」 「こんのお兄さんもわからん人だっぺなぁ!! ヘェーラロロォールノォーノナーァオオォー…… はい、もう一回!!」 くそ、何で帰るためにこんな歌歌わないといけないんだよ!!! あゝもうヤケだ!!! 俺の歌を聴けぇ!!! 「ヘェーラロロォールノォーノナーァオオォー……」 「ヒィーィジヤロルリーロロロー……って、あれ?」 なんということだ。この景色は間違いなく紅魔館の目の前だ。 いや、まずは落ち着こう。どうやら俺の記憶が混乱しているらしい。 まず、俺は何をしていたのか? 紅魔館へ物々交換をしに行ったんだ。 そして湖の辺りまで行って……そこからの記憶があやふやだ。 楽しかったような腹立たしかったような記憶があるが、 まあ、湖の妖精にばかされたと思って家に帰るか……。 「ヘェーラロロォールノォーノナーァオオォー」 あれ? 俺、こんな歌知ってたっけ? 最近の妖精は歌まで教えてくれるのか。 END ARIAの猫の町に迷い込む話は素晴らしい。 あんな感じを出せるようになりたいと思いつつもオチをつけてしまった。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/23.html
俺が学校から家に帰るとそれは居た。 「ゆっくりしていってね!!!」 何やら饅頭のようなものが突然俺に話しかけてきた。 「…ゆっくり?」 何なのか全く理解できない俺はとりあえずその饅頭に近づく。 「お兄さんはゆっくりできる人?できる人ならごはん持ってきてね!!!」 とりあえずご飯が欲しいことは分かった。しかしそんなことは無視して辺りを見渡す。 ベランダの窓が少し開いていた。今日の朝急いで出かけたため鍵をかけ忘れたのだ。 どうやらこの謎の物体はそこから入ってきたらしい。 一応そこらへんを荒らされた形跡があるが力がそれほどではないがたかがしれたものだった。 状況を理解したところでとりあえず、この物体を突いてみる。 お、以外と柔らかい。プニプニしている。 「ゆ、突かないでね。はやくご飯持ってきてね。れいむのおうちでゆっくりさせてあげないよ!!!」 どうやらこの饅頭はれいむというらしい。そしてここを自分の家と思っているようだ。 「ここは俺の家だよ。」 「れいむがここをみつけたんだよ!!!だかられいむがここにお引越ししてきたの!!!」 なるほど、どこかからの住処からここにやってきたのか。 「どうして前のおうちから引っ越してきたんだい?」 「遊んでたら前のおうちよりいいおうちを見つけたからここに住むことに決めたんだよ!!! それよりおなかペコペコだからはやくごはんもってきてね!!!」 なんとも単純というかなんというか。とにかくしゃべることはできるものの大した知能はないらしい。 とりあえず、ごはんごはんうるさいので、今日の昼食のあまりのパンを与えてみることにした。 「やっと、ごはんくれたね。ゆっくりしすぎだけど約束どおりゆっくりしていっていいよ!!!」 そういうと体?に対して結構な量のパンをモゴモゴと食べていく。 そんなに入るのか?と疑問に思ったが、難なく平らげてしまった。 しかし、手がないからか。きれいには食べられないらしくあたりにパンくずをぼろぼろとこぼしていた。 その後、れいむからゆっくりと話を聞いた。 れいむの他にも饅頭に似た生き物がいること。れいむには親姉妹がいたこと。 今は一人で暮らしていること。食べ物はそこらへんの虫から何から何でも食べること。 ここは俺の家であることを主張したが、れいむの方は頑として譲らなかった。 しかしだからと言ってそれ以外に実害があるわけでもないので放っておくことにした。 もしかしたら俺自身この謎の生命体に興味があったのかもしれない。 次の日の朝が来る。 「ゆっくりしていってね!!! ゆっくりしていってね!!!」 騒がしい…。例の饅頭が騒いでいるようだ。 「お兄さん。おなか減ったよ。れいむのおうちでゆっくりさせてあげてるんだから れいむのためのごはんを作ってね!!!」 なるほど、そういうことか。時間は… 6時半か…。いつもより結構早起きだな。 「仕方がないな。ゆっくり待ってろ。」 そういうと俺は、寝ぼけ眼でゆっくりと朝飯の準備をする。 途中、れいむがはやくつくってね!!!と言いにきたがうるさかったので 部屋に蹴っていって扉をしめた。手足がないのでドアノブの付いた扉はあけられない。 そうしてご飯が完成して、部屋へ持っていく。 「ゆっくりしすぎだよ!!!れいむお腹が減って死ぬと思ったよ!!!」 空腹で死ぬのかな?と思いつつご飯を下に置く。 メニューは卵焼きと野菜炒めだ。こぼされると困るので下には新聞紙を敷く。 「ゆ!?全然少ないよ。れいむこんなんじゃ満腹でゆっくりできないよ!!!」 「今ある材料で用意してやれるのはそんなもんだ。足りないなら今までやってきたように 外に出かけてとってくればいいだろう?」 「お兄さんはれいむのおうちでゆっくりしてるんだかられいむの満足するご飯を作るのは当然だよ!!! じゃないともうれいむのおうちでゆっくりさせてあげないんだからね!!!」 「どうぞ、ご自由に。どのみち俺は今から学校行くし。んじゃゆっくりしていってね。」 食器をシンクに入れ、俺は学校へ出かけた。 いつもと変わらない学校生活。変な饅頭生物が来たことは今日は言わない。 どんな生物か分からない以上他人に見せるのは危険だし。そもそも信じてもらえるとも思えない。 そうして俺はいつもの学校を終え、家に帰る。 「ゆっくりー… ゆっくりー……」 家に帰るとれいむがぐったりしていた。 「どうしたんだ、れいむ?」 「ゆっくりした結果がこれだよ!!!お゛な゛か゛す゛い゛た゛!!! ご飯作っ゛て゛ーーーー!!!」 泣きながられいむが俺の所に駆け寄る。どうやらおなかがすいていたらしい。 「お腹が減ったなら外に探しに行くなり、ここでご飯をたべればいいじゃない。ここは君のおうちなんだろう?」 「お゛外でれ゛な゛い゛し゛、ご飯お゛う゛ち゛に゛な゛い゛し゛ ヒッグ、ヒッグ…」 ああ、しまった。いつもの癖で窓の扉の鍵を閉めて出かけてしまったようだ。 更にこの家にはれいむの手 …はないから口が届くような所に食べ物はおいてない。 「そうか、それは悪かったな。」 そういって俺は、ベランダの窓を開ける。 「ほら、自由に探して来い。」 「こんなお腹ペコペコじゃご飯見つけられないよ!!! はやくご飯作ってね!!!」 しかし俺はここで敢えて無視する。 「お゛兄さ゛ん゛、ごは゛ん゛…」 「どう゛じで作っでぐれな゛い゛の゛…」 れいむが泣きながら懇願するが無視を決め込む そしてどうやられいむが限界のようなところで俺は言った。 「ここのおうちは俺の家なの。君が俺の家でゆっくりさせあげてるの。 それから俺の作るご飯に対して文句を言わない。そうしたらご飯作ってあげるよ。」 「ば… い゛……」 とりあえず家の所有権を取り戻すことはできた。これをはっきりさせておかないとさすがに面倒だからな。 そしておなじみのスティックパンをれいむの前に差し出す。 「うっめ、めっちゃうっめ。これ」 れいむが泣きながらもの凄いスピードでパンを平らげていく。 しかし本当に嬉しそうな顔で食べるなぁ、こいつ。 「おいしかったよ、お兄さん。これでゆっくりできるよ!!!」 その後、自分の分のカレーを作り、このゆっくりにも分け与えながら食べた。 こうして俺とれいむの二日目が終わった。 次の日、俺は出かけるときベランダの鍵を開けていき、ついでに朝飯の残りをれいむの為に置いていった。 そしていつものように学校へ行き、学校から帰る。 そうするとやはりれいむは居た。置いていったご飯はなくなっていた。 「家でゆっくりしてたのか?」と聞くと 「今日は雨だからお外でれないよ!!!」と返ってきた。 よくよく聞くと雨に長い間晒されると体が溶けてくるらしい。 そういう話をオレンジジュースを飲みながら聞いてくると 「れいむにもちょーだい!!!」 なんだ水は苦手なんじゃないのか?と聞くと飲む分には平気らしい。いい加減なやつだなぁ。 今日はテレビでも見る。ゆっくりも分かっているのか分からないが一応見ている。 「つまらないな…」 そう言ってチャンネルを変えると 「ゆーーー、さっきのゆっくり見るの!!!」 と言ってきた。エンタの神様の何が面白いんだ? そういって金曜ロードショーを見ていたが、れいむがゆっくりゆっくり煩いので 「うるさいぞ、ゆっくりテレビ見させてね。」 とベランダの外にほっぽり出した。 最初のほうはゆー、ゆー、何か言っていたが途中から気にならなくなった。 テレビを見終わった後、すねてどこか行っちまったかな… とベランダをあけると ゆっくりが寝息を立てながら寝ていた。 「ったく…」 そういって俺はゆっくりを部屋に運んで布をかけた。 「おやすみ」 一人暮らしを始めてから初めてそれを口にして俺は寝た。 次の朝が来る。 「ゆっくりしていってね!!!ゆっくりしていってね!!!」 毎朝のようにれいむが騒いでいる。 しかし今日は土曜日。学校は休みだ。俺はゆっくり寝ていたい。 「ゆっくり寝かせてね!」 そういって俺はゆっくりを掴むと口を押さえて抱きまくら代わりに抱え再び布団に入る。 「ゆ゛ー、ゆ゛ー」 なにかゆっくりがいっているが、俺の睡魔には勝てない。くー、ゆっくりと俺は夢の中に入っていった。 「お兄さん、ゆっくりしすぎだよ!はやくご飯つくってね!」 俺が抱き枕代わりにしたばっかりに何も食べれなかったれいむが怒りながらおれに催促をする。 もう11時。普段良く食べるれいむからすればお腹がすいて大変だろう。 俺はササっとパスタをつくり、れいむと一緒に食べる。 「お兄さん、これどうやって食べるの?」 どうやら初めて見るパスタにれいむは悪戦苦闘しているらしい。 「こうやってすすって食べるんだよ。」 俺は実演して見せてやってやる。 「ゆ、なるほど、これで食べれるよ!!!」 そういってれいむはパスタをくわえすすってみる。 ペシッ!! 「ゆゆゆゆ!痛いよ!何か飛んできたよ!!!」 すすったときにパスタの端がうねり、れいむの顔に直撃したのだ。 「これじゃ、ゆっくり食べられないよ!!!」 何度も挑戦するがそのたびパスタが当たりしまいに泣き出すゆっくり。 「仕方ないな…」 そういうと俺はれいむを膝に乗せ、フォークでパスタを丸めてれいむにたべさせてやった。 「これでゆっくりできるよ!!!」 相変わらず嬉しそうに食べるゆっくり。こっちも少し嬉しくなる。 「今日は晴れているしお外でゆっくりしてくるよ!!!」 そう言って、れいむはベランダから出て行った。 元々、野生だしやっぱり外で元気に動くのが一番のだろう。 俺はそれを見送るとねっころがりながら漫画でも読みふける。全くダメ学生の典型だな…。 夕方、俺が夕飯でも作ろうとすると、れいむが帰ってきた。 「うわ、結構汚れてるな。」 れいむは泥で汚れていた。雨上がりの日に外で遊んできたのだから当然だろう。 ひょいとれいむを抱えると俺は風呂場へ連れて行った。 「ゆっくり?」 れいむは何が起きるか分からないようだ。そこへ俺はシャワーでお湯を浴びせる。 「ゆーーーーー」 驚くれいむを抱えながら、汚れを洗い落とす。ついでだから髪もシャンプーで洗ってやる。 シャワーが終わり、タオルで拭いてやると 「すっきりー!!!」 れいむはそういって飛び跳ねた。そうとう気持ちよかったみたいだ。 こうしてゆっくりとの午後が過ぎていった。 その後もゆっくりとの生活は続いた。 たまに外に遊びに出かけたり、うるさいと放り出してすねてどこかへ行ったりして 2、3日帰ってこないような日もあったけど、気付くとれいむは帰ってきて 「お兄さん、お腹すいた!ゆっくりご飯作ってね!!!」 と言ってきた。 今まで、ただ繰り返すだけだった毎日が楽しくなった。 時にうざくなったり、面倒になったりもしたけどそれでもれいむは帰ってきたし そんなことなかったことのように「ゆっくりしていってね!!!」と言ってくる。 賑やかな毎日だった。 そんなある日のこと。 ゆっくりの体も大分大きくなっていた。今ではバスケットボールサイズである。 他のゆっくりもそんな大きさになるの?と聞いたがそれよりかは少し大きいらしい。 「お兄さんのご飯のおかげだね!!!」 そう言いながら朝食を食べるれいむ。 「そのままブクブク太ったらどこまでいくんだろうなぁ」 「ゆ!れいむは太ってないよ!謝ってね!!!」 「はいはいw その内走れなくなったりしてなぁww」 そうからかっていると 「ブー、れいむは太ってないもん!全然走れるんだから!!!」 そういって外まで飛び跳ねていく。しかしぼよんぼよんと以前のような軽快さはない。 「はっはっはっ、大丈夫かぁ?」 「笑わないでね!さっさと学校行ってね!!! その間にれいむは痩せてくるんだから!!!」 そういってれいむは外へ出て行った。 「では俺も行くか」 そして俺も学校へ向かう。 それから1ヶ月たったが、あれ以来れいむは帰ってきていない。 別のところでゆっくりしているのか それともどこかで命を落としてしまったのか。 それは俺には分からない。 ただれいむがいなくなって、今までの生活に戻った自分がいるだけだった。 「もう少し あいつとゆっくりしたかったな…。」 そう呟いてゆっくりと学校へ歩いていく。 季節はもうそろそろ梅雨が明けようとしていた。 fin ゆっくりは少し生意気なくらいがかわいい。 れいむ・・・無事だといいな。いつか帰ってくるといいな。 -- 名無しさん (2010-11-27 13 33 32) 気づいたらゆっくりさせられている自分がいた。 人間とゆっくりの話はともすれば人間様がゆっくりをゆっくりさせてやっているという話にシフトしがちですが、本作品はそのような事がなく 自由気ままに生きるゆっくりと、それと共同生活を送った青年の非日常がストレスなく受け入れることが出来ました。 -- 名無しさん (2012-07-01 14 32 53) いつもわざとベランダ全開のオレの家 -- いつかくると信じて (2012-07-25 18 45 09) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nicorpg/pages/2722.html
2008年に入ってから突如随所で見られるようになったアスキーアート(以下AA)。 原型は東方Projectシリーズの主人公・魔理沙と霊夢のもの。 バリエーションも彼女達が登場する東方シリーズ関係のキャラクターによるものが多い。 基本は生首のような感じで、「ゆっくりしていってね!!!」とゆっくりしていくことを勧めてくる。 どうやら饅頭の一種らしい。「!」の数は3つが原則のようである。 ウザさと可愛さが絶妙にマッチしたデフォルメ加減が何ともいえない。 「可愛く見えたら末期」と言われているが、感じ方は人それぞれなので それほど気にしなくてもいい気がする。 『08年初頭、peercastの配信者の一人のアレミ(⇒参考サイト) のリスナーがこのAAを「したらば」の実況スレに投下し、 そのあまりのシュールさがpeercastの東方配信者間で流行り、 その後peercast全体から2chニュース速報板、そして2ch全体に波及した』 …といわれていたが、それをアレミ本人が否定しており、 実況スレの常連も把握しておらず、結局のところ詳細は謎に包まれている(*1)。 今や随所でこれを改造したAAやイラストを見かける事ができ(*2)、 東方二次創作においてもすっかり定着し既に霊夢や魔理沙とは別のキャラクターとして扱われている。 (ハルヒシリーズにおける鶴屋さんとちゅるやさんのような関係だろうか) 波及先各所でも微妙に扱いが異なっており、特に2chガイドライン板やふたば☆ちゃんねる等では、 既にそれぞれ独立した世界を形成していると言っても過言ではない。 しかし「ゆっくり~」や東方に関係ないスレにも張られることがある(*3)ため、 一部の東方ファンからはあまり快く思われていないようだ。 ガイドラインスレにニコニコ動画のURLを貼ると怒られるので注意。(ごく稀に例外あり) MADなどで使われているグラフィックは2ch全AAイラスト化計画のものが元になっている。 フリー格闘ゲーム「M.U.G.E.N」でもキャラデータが開発されており、 顔だけの姿でシュールな戦いを繰り広げている。(製作者のサイト) このデータに使われているボイスは「SofTalk」というフリーウェアを使用して作られており、 現在ではこの「SofTalk」で作られたボイスがゆっくりの声として定着しつつある。 SofTalkはこちらからダウンロード可能。 2009年1月現在のニコニコ動画の時報では、このSofTalkによる音声が使われている。 現実にもTシャツやぬいぐるみなどが発売されている。 また、海外でも日本と勝るとも劣らないブームとなっており、(ちなみに英語では「take it easy!」というらしい) ゆっくりの漫画やイラストが翻訳されて大量に出回っている。 →海外のゆっくりウィキ ちょうど流行の兆しを見せていた時期に当Wikiが設立されたため、 ニコニコRPG本編に登場していないにもかかわらずこのAAが当Wiki創生期のトップページに登場した。 以後しばらくの間、RPG登場キャラを中心に様々なAAがゆっくり仕様にアレンジされ、 お絵かきBBSが人気になるまで当Wikiのトップページに君臨し続けた。 AAの代わりにお絵かきBBSのイラストが使われるようになっても、 たまにゆっくり仕様のキャラのイラストがトップを飾ることがある。 そして35話にてラスボス第二形態「テラカオス」の一部としてゆっくり仕様の霊夢が登場。 同名の技の使用後2回行動となる他、三将を倒せなかった場合は行動回数が一回プラスされ、 三将全員を倒していない場合はなんと5回行動という鬼畜じみた強さになる。 ラスボスの強さの象徴として、ある意味最悪の形での登場を果たしたと言えよう。 _,,....,,_ _人人人人人人人人人人人人人人人_ -''" `''> ゆっくりしていってね!!! < ヽ  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ | ;ノ´ ̄\ \_,. -‐ァ __ _____ ______ | ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、 _,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、 rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', i r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | !イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .|| `! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i | ,' ノ !'" ,___, "' i .レ' L.',. ヽ _ン L」 ノ| .| ( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| / ,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´ 参照URL ゆっくりしていってね!!!のガイドライン まとめ(仮) ゆっくりしていってね まとめwiki 関連項目 お絵かきBBS/ゆっくりシリーズ 関連動画 タグ検索:ゆっくりしていってね!!! 「ゆっくり」が含まれるタグ一覧 ゆっくりWikiの動画まとめページ _人人人人人人人人人人人人人人人_ > だから!こいつらは偽もn・・・・・!<  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ ,. '´ / / | ', \ ri´`\ / / _,,,...、_ !. ', \ /7´ `' 、 / / i_{ |. ', 「! `ヽ.__,,...,,__/ ; !」 '. \./7 _;; ヽ-─`< !_', _,.,,_ .rく >'"´ `' 、!」 く `ヽ.'ヽ`ヽ; / / ; '; ヾ/ ` 、7´`ヽ;Y / / ;' ;' ! i '; ', ト'、 ヽ、 / i ;' ;' ,ゝ、/ /| ;ハ /! ;ハ i i __`>ri-‐''ア、 ;' ! i ; '_;/i i'`ソ、レ' レ_」, // ; !ー-'r‐'"`ヽ-r-、 `' 、 i ' ; ァレ'| | ゝ. 'ー' !ソ`i7 /レ'/ ̄7ー-r'´7ヽ、 ー、 >;ハ ';ハ、_,!ニ」 ''" ___ ' ` ,,i`iヾ, ハ レ;ゝ!、/! /」`ヽソ´ i /V | '; ;'´ ヽi ,ハ! 〉 )ノ i !,j レ'r!ハ !〉 ! ;' ゝ | ! 、 ` ー' ,.イ|ー|; イ/イ ';. ''" ___ `'〉V '; / ,!イ! i、 `''r-ァi´ ;' | !´ ! '; /´ ヽi,ム!ヽ;! r<ヽ ! | `ヽ.」7`ヽ;/ .| | '; ,ハ !、 '、__,.イ) i /`ヽ. `Y'; | ;'ヽ /ム /i7、! | ノインVヽ/`7´) ソヘノ'´ ヽ '; ! レ' Y/ V ! | ;'´`ヽ; ';___!_!ヽ(ン( 、!イi /;' __」 ! レ'ヽ. '; o } く{ヽ. _人人人人人人人人人人人人人人人_ > ゆっくりしていってね!!! <  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ ,. '´ / / | ', \ ri´`\ / / _,,,...、_ !. ', \ /7´ `' 、 / / i_{ |. ', 「! `ヽ.__,,...,,__/ ; !」 '. \./7 _;; ヽ-─`< !_', _,.,,_ .rく >'"´ `' 、!」 く `ヽ.'ヽ`ヽ; / / ; '; ヾ/ ` 、7´`ヽ;Y / / ;' ;' ! i '; ', ト'、 ヽ、 / i ;' ;' , / /| ;ハ /! ;ハ i i __`>ri-‐''ア、 ;' ! i ; '_;/i ゝ i'ソレ' レ/_」, // ; !ー-'r‐'"`ヽ-r-、 `' 、 i ' ; ァレ'| | ( ヒ_] ヒ_ン)i7 /レ'/ ̄7ー-r'´7ヽ、 ー、 >;ハ ';ハ、_,!ニ」 "" ,___, ""i`iヾ, ハ __,.レ;!、/! /」`ヽソ´ i /V | '; ヽ _ン ,ハ! 〉 )ノ i(ヒ_] レ 'ヒン!ハ !〉 ! ;' ゝ | ! 、 ,.イ|ー|; イ/イ ';.''" ,__,V '; / ,!イ! i、 `''r-ァi´ ;' | !´ ! '; ヽ,_ム!ヽ;! r<ヽ ! | `ヽ.」7`ヽ;/ .| | '; ,ハ !、 ,.イ) i /`ヽ. `Y'; | ;'ヽ /ム /i7、! | ノインVヽ/`7´) ソヘノ'´ ヽ '; ! レ' Y/ V ! | ;'´`ヽ; ';___!_!ヽ(ン( 、!イi /;' __」 ! レ'ヽ. '; o } く{ヽ.
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/370.html
ゆっくり繁殖していってね! 29KB 【注意】 俺設定多数含みます。 虐待成分薄め ネタかぶりはご容赦を。 「お邪魔するよ、室長」 「どうした、鬼意」 室長と呼ばれた私は、とある加工所で研究室長をしている。 日々、ゆっくりについて研究をする研究室の管理職で、私自身が研究をすることは無い。 その私の居室の扉を開けて入ってきたのは、研究員の鬼意だ。 立場は上司と部下になっているが、この加工所では同期だ。 たまたま私が管理職に、鬼意が研究職に向いていた結果に過ぎない。 「ちょっと、抱えてるレポートの内容で相談があってね」 「…今度は何をやったんだ?」 趣味の虐待が高じて研究の道に踏み込んだ鬼意は、時折変なテンションのスイッチが入ってしまい、与えられたテーマから研究内容が逸脱することがある。 もちろん、それを無かったことにして、正しい方向に軌道修正するくらいの常識を、鬼意は持ち合わせている。 が、まれに、闇に葬るのが惜しい成果が出ることがある。 そういう時、鬼意はこうやって私の部屋にやってくるのだ。 今度はどんな面白い結果が出たんだ? これまでの経験から、どうしても期待が湧き上がってしまう。 厳しい口調とは裏腹に、私の目は笑っていた。 「ゆっくり繁殖していってね!」 「今抱えてるテーマは『ゆっくりの効率的な繁殖方法について』なんだがね」 「ああ、れいぱーをけしかけても、母体と同種のゆっくりを回収したいっていうあれか」 ゆっくりの繁殖には、主に植物型と動物型の2種類があるが、これらに共通した、大量生産にかかるある問題がある。 生まれてくる子ゆっくりの種類を選べないことだ。 例えば、れいむ種とまりさ種を番にして繁殖させれば、子は当然、れいむ種かまりさ種が生まれてくる。 だが、その比率は調整することが出来ない。 統計的に見ればおおむね半々なのだが、時に緊急生産として、特定の種だけを繁殖させたい場合がある。 現在は、増やしたい種に特殊な調教を施してれいぱー化させ、必要に応じて同種の母体にけしかけるという方法をとっている。 れいぱー化調教とは、長期間発情状態を維持させつつすっきりさせないというもので、完全なれいぱーになるにはおよそ2ヶ月はかかる。 そうしてれいぱーになったゆっくりは、その後1ヶ月ほどで衰弱して死んでしまう。 れいぱーになる前も、なった後も、自由にすっきり出来ることなく欲求だけが高ぶっていくストレスが原因だ。 緊急生産は念に2,3回程度しかない。そのために、手間のかかる人工れいぱーを常時50匹ほど用意している。 何故50匹も? 加工所で扱うれいむ・まりさ・ありす・ぱちゅりー・ちぇんの5種すべてについて、10匹ずつ用意しているからだ。 何故5種も? 問題はそこだ。 れいぱーに襲われて出来た子は、れいぱーと同じ種になることが非常に多い。 10匹以上も生った子全てがれいぱーと同じ種ということも珍しくは無い。 今のやり方では、生産したい種のれいぱーが必要なのだ。 「それについては、仕組みだけは大体わかったよ」 手にした紙束を丸めて肩を叩きつつ、鬼意が言う。 資料を広げるそぶりを見せないところを見ると、ここはそれほど面白い部分ではないようだ。 「結局のところ、ゆっくり同士のやる気の問題さ」 「簡単にまとめすぎだ」 鬼意は肩をすくめて見せると、癖のついた資料の中から数枚を取り出した。 それは、ありす種との交尾直後に解体されたれいむ種の記録だった。 植物型と動物型と、交尾の終了からの経過時間を1秒おきに。割られたれいむ種の写真は100枚を超えていた。 どちらの繁殖型にも共通しているのは、時間の経過に沿って体内のカスタード部分が増加していることだ。 植物型の場合は、カスタード部分が母体の皮に沿って額に移動し、そこから押し出されて茎となり、子を生らせた。 動物型の場合は、母体の皮が体内に伸びてカスタード部分を包み、その後に一部を残して二重になるように剥離して、子宮に相当する部分と子を形成した。 子の中身は最初こし餡とカスタードが混じってマーブル模様になっていたが、徐々にどちらか一方だけに変わっていった。 なるほど、ゆっくりの繁殖について研究したものは過去にもいたが、ここまで実証的に、徹底して解体記録したものは無かった。 無かっただけに、何故今まで誰もやらなかったのかが不思議に思える。 ゆっくりの不思議能力のひとつに、食べたものを餡子にしてしまう、餡子変換能力というものがある。 曰く、ゆっくりの生殖とは、生殖相手の体内に自身と同じ種の餡を生成することらしい。 生殖行為で生殖子が体内に侵入することにより、例えばありす種の生殖子がれいむ種の餡に触れれば、こし餡をカスタードに変換してしまうという。 鬼意のレポートによれば、この変換された餡を母体が異物として認識することで、にんっしんのプロセスが始まるという。 ゆっくりの体内に異物を埋め込むと、餡子に変換されることが知られている。 他の個体の生殖子が侵入した場合、相互に変換しあうことで餡が交じり合う。 これを仮に混合餡と呼ぶ。 植物型の場合は母体の皮を材料にして額に茎を形成し、そこに混合餡を追いやる。 動物型の場合は母体の皮で混合餡を丸ごと体内で包んでしまう。 隔離された先で双方の餡の変換合戦が行われ、いずれかの餡が他方をすべて変換しつくすと、それが子の中枢餡となる。 勝利した餡と同種のゆっくりが生まれるという寸法だ。 どちらが勝るかは、親となる個体の状態次第。 健康状態のいい方の、子供を望む気持ちの強い方の餡が活発になる傾向にあり、その分優勢になるという。 「母体の健康状態を良くして、子供がほしいと思わせればいいということになるのか」 「そう。つまり、事実上無理ということだよ」 鬼意の言うとおりだ。いかにゆっくりといえども、自分がレイプされている最中に、子供がほしいと思えるものではないだろう。 対してれいぱーは生殖行為にすさまじいまでの情熱を注いでいる。 変換合戦でどちらが優位に立つかは自明と言うものだろう。 「かつて本物のほうの魔理沙が、幻覚剤を使ってゆっくりに無性生殖をさせたことがあるらしい。今はそっちの方向からやり直しているよ」 そう言って、鬼意は来客用のソファに、疲れたようにもたれかかる。 他人の真似をするということが気に入らないようだ。 「それで、相談はどうした?」 繁殖に関するレポートはなかなか興味深かった。 誰もがおよそそうだろうとは思っていても、誰も調べなかったことだからだ。 だが、鬼意はレポート内容の相談があると言った。 つまり、一通りの体裁を整えたこのレポートに書かれていない、別の面白いことがあるということだ。 「ああ。繁殖の研究をしていたら、前から気になっていたことを思い出してね」 そういって鬼意はベータのビデオテープを取り出し、横手にあるビデオデッキに入れて再生ボタンを押した。 これらは外界から流れ着いたものを、河童の技術で修復したものだ。 録画再生機械はそこそこの数があるものの、テープは消耗品の上、流れ着く数が少ない。 何度も重ね録りされたテープの画像は、正直汚い。 だが、それだけ貴重なものを使って記録された研究に、私の胸は高鳴った。 画面には植物型にんっしんをしたれいむ種が映されていた。 そのれいむ種は、顔にあたる部分がすべて潰されており、さながらのっぺらぼうとなっていた。 動けないように、足は焼かれているようだ。 画面内にほかにめぼしいものは無い。 薄汚れた壁は鬼意の研究室なのだろう。 中に誰も入れたがらないのだから、掃除くらい自分でしろと何度言えば。 というか、明らかにゆっくりを投げつけて潰した跡は何なんだ。 そうこうしているうちに、生っていた赤ゆっくりたちがプルプルと震えだす。 出産が始まったのだ。 徐々に赤ゆっくりの動きが大きくなり、やがて1匹が茎から落ちる。 ぺたり、と床の上に潰れた赤ゆっくりは、ゆっくりと体を起こすと母親に向き直ると、満面の笑顔で口を開いた。 『ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!』 生まれて初めての挨拶を母親にする。 だが、いくら待っても期待した返事が母親から返ってくることは無い。 『ゆ? おきゃーしゃん、ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!』 当然だろう、母親には口どころか顔さえない、返事が出来るはずも無い。 それでも我が子に何か伝えたいのだろう、動けない体を必死に揺すっている。 『ゆーん! おきゃーしゃん! ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!』 『ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!! ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!』 『ゆえーん! ゆえーん!!』 次々と赤ゆっくりが生まれては挨拶をするが、誰も母親からの返事をもらえない。 終いには赤ゆっくりたちは母親に体を擦り付けて泣き始めた。 『やあみんな! ゆっくりしていってね!』 そこに鬼意の声が入る。 やけに生き生きしているが、そこはスルーすべきだろう。 『ゆ? おじしゃんだれ?』 『れいみゅたちはおかーしゃんとゆっくちしゅりゅんだよ!』 『じゃまだかりゃあっちいっちぇにぇ!』 画面に映らない鬼意はカメラを構えているのだろう。 鬼意の声に反応した赤ゆっくりたちは、こちらを向いている。 『そんなこと言わないでよみんな! おじさんと一緒に加工所でゆっくりしていってね!』 『『『ゆ゛!?』』』 鬼意の台詞に赤ゆっくりが硬直する。 『あれー? どうしたのかなみんな! ここは加工所だよ! 好きなだけゆっくりしていってね!』 『…ゆ…ゆわ……』 『ゆわーーーん! かこうじょいやああああああああ!!!』 『かこうじょはゆっくちれきにゃいいいいいいい!!!』 そこで画面は止まった。 見れば鬼意が一時停止をしたらしい。 「ま、野生の子供はこんな感じだね」 「あいつら、どこで加工所なんて覚えてくるんだろうな」 生まれたての赤ゆっくりでさえ、加工所と言えば泣き叫ぶ。 ゆっくり発生当初、ゆっくり達は換金目当ての人間達に乱獲され、加工所に売られていた。 その頃のトラウマが本能に根ざしてしまった、ということなのだろうか。 鬼意がビデオデッキを操作している。 画面に映る映像は目まぐるしく変化していき、ある場面で唐突に止まる。 映っているのは、先ほどと同じ、顔を潰され植物型にんっしんをしたれいむ種だ。 だが、最初のれいむ種とは別の個体らしい。 「これは、さっきの場面で生まれた子供の1匹でね」 言いながら、鬼意はビデオの一時停止を解く。 「加工所はゆっくり出来ると思うように散々甘やかせて育てたんだ。 近年の加工所ゆっくりで、これほどゆっくり出来たやつはいないんじゃないかと思うほどにね」 「随分な手間をかけるんだな」 「それに見合った結果は出たよ」 鬼意に促されて画面を見ると、ちょうど1匹が生まれたところだった。 『ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!! …ゆぅ、おきゃーしゃん?』 『やあ、ゆっくりしていってね!』 『ゆ! おじしゃんだりぇ?』 『おじさんは加工所の人だよ! 君も加工所でゆっくりしていってね!』 赤ゆっくりの反応は、また泣き叫ぶのだろうなと思いこんでいた私には、予想外だった。 『ゆわーい! かこうじょはゆっくちれきりゅよ!!』 なんと、加工所と聞いて喜び始めたのだ。 『ゆっくちー! かこうじょかこうじょ!!』 『とってもゆっくちしちぇりゅよ!!』 次々に生まれる赤ゆっくり達も喜ぶばかりだ。 親が生まれたときのように泣き叫ぶものは、1匹もいない。 「ちなみに、この赤ゆっくりに『加工所は恐ろしい場所だ』と教え込んで同じことをすると、生まれた子供は加工所と聞くと泣き喚いたよ」 「つまり、親の知識が子に継承されると?」 鬼意は私の回答に、満足したようにうなづいた。 「記憶の継承には諸説ある。 継承を肯定する論文もあるが、大半は継承が行われなかった実例をもって反駁されている。 反駁の根拠は、ゆっくりは誕生のある程度前には知性が発現し、外部刺激によって教育が可能だという事実だね」 画面を一時停止させ、鬼意は映っている母体を指差す。 「親による教育の可能性を排除するため、母体からは口を取り除いた。 生まれる前の赤ゆっくりに傷をつけないよう、母体の足は焼いてある。 加工所に対する認識に影響を与えないよう、目を取り除いた。 同じ理由で、これらの処置は母体が睡眠薬で眠っている間に実施している」 興が乗ってきたのか、鬼意は立ち上がり、身振りを交えて話し始めている。 「ゆっくりさせた次代には恐怖、恐怖させた時代にはゆっくりと。 世代毎に逆のことを繰り返しても、子は正確に親の知識を基準にして判断している。 間違いないんだ、子は親の記憶を継承する。 問題は!」 ビッ!と音が立つような勢いで、鬼意は右手の人差し指を私の鼻先に突きつけた。 人を指差すとは失礼なヤツだ、お返しにその指先で鼻の脂を擦り付けてやったら、鬼意はしかめ面をして手を引っ込めた。 「問題は、それがどのような仕組みで為されているかだ」 ビデオテープが入れ替えられ、画面にはありす種が映っている。 『どがいばっ!!』 再生されるや否や、あっという間にありす種は縦に真っ二つにされた。 びくびくと痙攣する2つの塊の一方の断面が上に向けられ、そこに褐色の液体がかけられていく。 すると、カスタードの断面が青く変色していく。 色の濃い部分は頭頂部に集中し、足に向かうにつれ色は薄まっている。 「今かけたのはヨードチンキでね、デンプンに触れると青く変色するんだ」 「ヨードチンキって、擦り傷に塗るアレのことか?」 「そうさ。きっかけは外界から流れてきた本でね、外界の寺子屋で使われている教本らしい」 「寺子屋? 外界の子供はこんな高度なことを勉強しているのか?」 「なんとも恐ろしいところだよ、外界は。読み書きそろばんだけでは生きていけないらしいよ。ともあれ」 鬼意から資料を何枚か手渡される。 そこには、今画面で見たばかりのものと同じ有様のありす種の写真がたくさん並んでいる。 それぞれの写真の横には数字が添えてあるが、どうやら数字が大きいほど青色が濃くなっているようだ。 「横の数字は、それぞれの個体の記憶力テストの成績だよ。見てのとおり、出来が良いほどデンプンの反応が強い」 「頭が良い個体ほどデンプンを多く含むと?」 「その発想は逆だよ」 鬼意はソファに深々と座り直し、顔の前で指先をいじりながら、勿体つけるようにこちらを見た。 「学習したからデンプンが出来た、とは考えられないかい?」 そこから続いた鬼意の説明はこうだ。 ゆっくりの皮の成分を調べる研究で廃棄された個体を、たまたま見つけた。 皮に大きな青い染みを作って泣きじゃくるありす種を二つに割ってみたのも、ただの思い付きだった。 そこで目にしたのは、変色した皮の内側で、同様にわずかに変色したカスタードだった。 外界から流れ着いた教本で、青い染みに心当たりのあった鬼意は、ありす種を廃棄した研究者に確認を取り、ますます興味を深めた。 当初は餡の成分を調べているはずだった。 一体どこからデンプンのような不純物が紛れ込んできたのかと。 このときは、基礎データの収集のつもりで数多く実験をこなすことに重点を置いていたため、その結果の分析までは手が回っていなかった。 そして今回、効率的な繁殖方法について研究することとなり、れいむ種とありす種を大量に掛け合わせた。 中にはありす種が母体となるケースもあったが、最終的にはれいむ種が母体となるケースが大半を占めた。 同条件の大量の比較が必要な今回の実験では、少数のケースは最初から除外される。 今回の研究では不要になった真っ二つのありす種だが、自身の研究には役立つかもしれないと、ヨードチンキをかけてみた。 何かの役に立てば、その程度の軽い気持ちだったが、データの量が増えてきたときに、あることに気付いた。 ひとつは、種が確定する前の赤ゆっくりには、デンプンの反応がまったくないこと。 ひとつは、種が確定した赤ゆっくりは、時間の経過とともにデンプン反応が強くなること。 ひとつは、親よりも強いデンプン反応を示す赤ゆっくりはいないこと。 これらの意味を調べるために過去のデータを分析した鬼意は、ある仮説を立てた。 ゆっくりはデンプンを、あるいはデンプンを含む多糖類を記憶に用いているのではないか、と。 「また随分と面白い話だな」 額面通りの意味と、突拍子のなさを揶揄する意図を込めて私は言った。 デンプンとは、つまりは片栗粉だ。 その程度のものが記憶を司るなどと、どうして考えられる? 「試薬の関係でデンプンでしか検証を行えなかったが、他の多糖類も記憶に関連している可能性はある。 そうなれば、組み合わせで複雑な記憶を形成することも不可能ではない。 それと、この仮説に組み合わせるべき仮説がもうひとつあるんだ。これを見てくれ」 早送りされた画面には、ぱちゅりー種が映っている。 『むぎゅっ! ぱちぇのけんじゃなおつむになにするの!!』 いきなり脳天に突き立てられた大きな注射…いや、あれは浣腸器だな…それに不平を言うぱちゅりーだが、そんなことはお構い無しに生クリームを吸い上げる。 『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!! ぱちぇのなかみをすわないでえええええええええ!!!』 元が大きな個体である上に、吸われた生クリームは大さじ2~3倍程度だから、傷は大したものではない。 それからぱちゅりーは、 『むきゅっ! ぱちぇは! ひとあじ! ちがう! けんじゃ! だから! うんどう! だって! できる! のよ!』 研究室内に作られた坂路を上り下りする運動をしばらくさせられ、 『い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!! すわないでえええええええええ!!』 中身を吸われ、 『ゆべっ! ゆびっ!! や、やべでっ!! ゆぶぇっ!! ゆびゅううう!!!』 ハエ叩きで何度も弄られ、 『む゛ぎゅう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!?』 中身を吸われた。 「左から順に、ゆっくりさせた後に採取したもの、運動後に採取したもの、虐待後に採取したものだよ」 そういって鬼意はテーブルに3つの器を並べた。 画面のぱちゅりー種から吸い出したのだろう生クリームには、ヨードチンキとはまた別な試薬がかけられている。 鬼意の言うとおりの順に、赤色が濃くなっていく。 左と真ん中の差はわずかだが、右の赤みは際立っている。 「赤みが強いほど、ブドウ糖が多く含まれるということさ」 「つまり?」 「つまり、単糖類もしくは二糖類が、神経伝達物質として働いているのではないか?ということだよ。 やはりこれも試薬の関係でブドウ糖でしか検証できていないがね」 鬼意はソファから立ち上がると、その場をうろうろと歩きながら話し始めた。 「ゆっくりは長く生きた個体ほど、餡がパサパサしてまずくなる。 これは、多くの記憶を蓄積した結果、餡に含まれる多糖類が過剰になり、味に影響したと考えられる。 ゆっくりは通常、記憶力に乏しい。 これは、神経伝達物質に用いるため、体内の多糖類が単糖類あるいは二糖類に分解されてしまうからだ。 ゆっくりは苦痛を味わうと、甘みを増す。 これは、生命の危機にあたり生存本能が刺激され、体内活動が活発になるに当たり、単糖類あるいは二糖類が大量に生産されるからだ。 ゆっくりに学習をさせるには虐待を加えることが最も効率が良い。 これは、苦痛により多糖類が分解されるに際し、生存に必要な記憶を優先して残すため、他を忘れてしまうからだ。」 仮説を元に推論を進める鬼意の話は、なるほど、筋が通っているように聞こえる。 だが、今日最初の話題の記憶とあいまって、私はふと思いついたことを口にした。 「それでは、母体の記憶が子に引き継がれる仕組みは?」 単に多糖類を摂取して記憶を引き継いでいるというのなら、何故共食いをした個体は記憶の混濁を起こさないのか? 自分で思い浮かべた疑問にもかかわらず、この時点で私は鬼意の回答に予想がついていた。 鬼意ならば、それを実験しないはずが無い。 「重要なのは消化というプロセスだよ」 ああ、やはり。 「ゆっくりにとって口というのは実に重要な器官だ。 手足の無い彼らにとって、移動以外に起こせる行動の大部分が口に依存する。 そして、食事という行為。 これはゆっくりの餡子変換能力を活性化する意味がある。 口を通して体内に入ったものは、ゆっくりが食物と認識した時点で餡子変換能力にさらされる。 すなわち、記憶を含んだ多糖類さえも餡子にされてしまうのだよ」 再び鬼意がビデオテープを入れ替える。 『やべでええええええ!! ゆるじでえええええええ!! いやあああああああああ!!!』 映ったのは虐待されるありす種である。 『あでぃずのどがいばなおかざりがあああああああ!!!』 カチューシャをへし折られ、 『ああああああああ!! がみざんぬがないでえええええええええ!!!』 髪を引きちぎられ、 『い゛ぢゃっ!! い゛ぢゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!! ざざな゛い゛でえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!』 次々と竹串を突き刺されていく。 『お次はどこに刺そうかなっ♪ ここかなっ? こっちかなっ?』 『い゛っ! い゛だい゛っ! や゛べでっ!! や゛べえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!』 『嫌がって見せるなんて、ありすはツンデレだね!』 『い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!』 それにしてもこの鬼意、ノリノリである。 『ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ…』 もはや痙攣するタワシにしか見えなくなった頃、画面の中の鬼意はありすを二つに割り、中のカスタードを掻き出した。 一瞬画面が乱れたあと場面が切り替わり、画面の中央にはまりさ種が映っている。 期待に目を輝かせたまりさ種の前に鬼意の手が伸び、カスタードが山と盛られた皿が置かれた。 『おじさん! これ、ほんとうにたべていいのぜ?』 『ああ、遠慮しないで好きなだけ食べるといい』 『ゆゆっ! ありがたくいただくのぜ! うっめ! これめっちゃうっめ!! がーつがーつ!!』 返事をするや否や、まりさは顔をカスタードに埋めて貪っている。 『なあ、まりさ。ちょっといいか?』 瞬く間にカスタードを切り崩し、半分ほどに減ったところで鬼意の声がまりさの食事をとめた。 『なんなんだぜおじさん! しょくじのじゃまなんだぜ!!』 『あまあまはおいしいか?』 『あまあまさん! すっごくうまいんだぜ!!』 『何か変なところは無いか?』 『ゆ? あまあまさんはあまあまさんなんだぜ! へんなわけないんだぜ!!』 『というように、経口摂取した場合はただのカスタードであり、被検体には何の影響も無い』 突然、鬼意の声がゆっくりから、視聴者であるこちらに向けられる。 『?? おじさんがわけのわからないことをいってるんだぜ! ばかなんだぜ!!』 『ご想像のとおり、このカスタードは、先刻虐待を施したありす種の内容物だ。 私の仮説どおりならば、これには苦痛を伝える単糖類もしくは二糖類と、苦痛の記憶を蓄えた多糖類が含まれている』 『おじさん! まりさはあまあまをたべたいんだぜ!! じゃまだからあっちにいくんだぜ!』 『それらが経口摂取の場合、本来の役割を為さず、ただの餡子に変換される。 では、こうしたらどうだろう?』 『ゆぎぎぎぎ… じじい! むししないではなしをきくんだじぇっ?!』 無造作に鬼意の左手がまりさに伸び、顔面を鷲づかみにして引き寄せる。 『ゆがああああ!! はなせじじい!! はなすんべぶぅっ!!』 そのまままりさを床に叩きつけると、顔が下になるように足で踏みつける。 『ふぁなふぇええええ!! ふふぉふぃふぃいいいいい!!!』 空いた手で取り出した大きな浣腸器を使い、皿の上のカスタードを残らず吸い上げると、 『ゆぴぃっ!?』 まりさ種の後頭部に突き刺し、 『ゆががががががががががが……』 そのままカスタードを全てまりさの中に注ぎ込む。 浣腸器が空になったところでまりさは解放される。 が、まりさはうつぶせのまま震えており、起き上がる気配を見せない。 『……ゆ………ゆ…ゆ……』 変化の少ない画面を見つめていると、突然、 『ゆぎゃあああああああああああああああ!!!』 絶叫を上げてまりさが飛び起きった。 『ゆぎゃっ!! やべっ! やべでっ!!! ばりざをざざな゛い゛でえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!』 あらん限りに血走った目を見開き、涙とよだれを撒き散らしながら、苦悶の表情ででたらめに跳ね回っている。 『いぢゃっ!! いぢゃいっ!! やぢゃっ!!! ざざないで!!! もうざざないでっ!! いぢゃああああああああ!!!』 念のために言うが、まりさについた外傷は、浣腸器を刺された穴以外にない。 それでもまりさは四方八方から突き飛ばされているかのように、身をよじって跳ね、転がり、のたうつのをやめない。 『今、まりさの中では虐待されたありすの記憶が再生されている。 いや、再生などと生易しいものではない。 まさに今、まりさの体は苦痛を体験しているはずだ』 『ゆひっ!! ゆひぃっ!! だぢゅげっ!! だぢゅぶっ!! ぶるぁあぁぁぁぁぁぁ!!!』 そのとき、まりさの体に変化が現れた。 鬼意はまったく手を出していない、なのにまりさの体に、ひとりでに無数の穴が開き始めた。 穴、穴、穴…まりさの体を隙間無く埋め尽くした穴は、それぞれは小さなものだ。 そう、ちょうど竹串を刺したら開く程度の。 『…ぼっ……ぼっど…ゆっぐり……じだがっ……』 全身から餡をにじませ、まりさが力尽きた。 ゆっくりは本来、中枢餡を破壊されるか大量に餡を失うかしないと死なない。 このまりさは再現されるありすの記憶の、死の瞬間までを体験して精神が死んだのだろう。 見れば、顔面を縦に貫くようにうっすらと亀裂が走っている。 ありすが最期に真っ二つにされたのを、ここまで再現したのだ。 鬼意の手がまりさの死体に伸び、亀裂に沿って二つに割る。 断面を見る限り、カスタードが残っているようには見えない。 バットにまりさの餡を掻き出し、細かく見ていくが、やはり出てくるのはつぶ餡だけだ。 『ご覧のように、体内に注入されたカスタードは全てつぶ餡に変換された。 ゆっくりは体内に侵入した異物を、餡に変換する能力を持っているからだ。 だが、他の個体の体験と記憶を移植できたことから、糖類が餡に変換されなかったことは明らかだ。 推論は簡単だ。 糖類は通常ゆっくりの体内に存在するものであるから、外部から混入されても異物と認識されなかったのだ』 「ここで疑問がいくつかある」 画面の言葉を引き継ぐように、鬼意が同じ声を上げる。 画面から鬼意に向き直り先を待つ私に、鬼意は言葉の代わりに箱を取り出した。 「疑問があるなら実験すればいい。 これがその結果だよ」 「はじめまして、室長! ゆっくりしていってくださいね!」 箱の中から出てきたのはありす種だ。 お辞儀のつもりなのか、顔を軽く伏せながら、大きすぎない声で挨拶をし、その後は笑顔でこちらを見たまま、特に何かをする様子も見せない。 礼儀正しい言葉遣い、落ち着いた所作、金バッジの個体かと思い髪飾りを見るが、金どころかバッジ自体が見当たらない。 「それは先週拾ってきた野生の個体でね」 「なんだと!?」 鬼意の言葉にはさすがに驚いた。 野生にもごくまれに知能の高い個体がいるが、それは知能の話であって、躾がなっているかとは別の話である。 金バッジ級の躾ともなると、餡統の良い個体でも数週間から数ヶ月を要するのが普通であり、野生の個体では時間を掛けるだけ無駄であることのほうが圧倒的に多い。 それが、たかだか1週間とは、にわかには信じがたい。 だが、鬼意が言う以上は真実に違いない。 「こいつは餡に片栗粉を混ぜたヤツでね。 最初の1日は痙攣しているだけだったが、それが治まると知能が急上昇していたんだ」 「簡単に言うが、これはすごいぞ…」 「ゆゆっ♪ 都会派のありすには当然のことよ♪」 言うまでも無く、金バッジ取得は飼いゆっくりのとって最高の栄誉であり、最大の難関だ。 金に物を言わせて調教を施したところで素質の無い個体には到達できず、素質に恵まれた固体であっても厳しい調教を乗り切らなければ辿り着けない。 それが、その辺で拾ってきた個体に片栗粉を混ぜただけでたったの1週間とは、裏技にしても法外すぎる。 「でも、すごいだけで何の意味も無いよね」 「ゆべしっ!?」 言うなり鬼意は拳を振り下ろし、ありすを叩き潰した。 「…ど……どぼちて……」 「こんな方法が知れ渡ったら、金バッジの価値が大暴落だからな」 「餡統商法は出来なくなるし、加工所的には損をするだけだよ」 「ゆがーん……」 「そろそろ時間だから、もうひとつも見てくれ」 「時間?」 いぶかしむ私の前にもうひとつ箱が置かれる。 今度の箱は、先ほどの箱より倍くらい大きい。 中にいるのは四つ目のゆっくり…いや、2匹のゆっくりだ。 左側3分の1を切り落とされたまりさ種と、右側3分の1を切り落とされたれいむ種が、その断面でつなぎあわされている。 防音の箱だったのだろう、ふたを外すと一気に部屋が騒がしくなった。 「いやぢゃあああああああああ!!! じにだぐないいいいいいいいいいい!!!」 「だぢゅげで!! おでがいじばず!! でいぶをだぢゅげでくだざい!!!」 「でいぶはどうなっでもいいがらばりざをだずげでね!!!」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおおおお!?」 軽く阿鼻叫喚だ。 「2匹の境目には仕切りが作ってあってね、今頃どんどん餡子に変換されていってるはずだよ。 それが無くなって2匹の餡子が混じるのが、もうすぐのはずなんだが」 淡々とした鬼意の声と、汁という汁を撒き散らして箱の壁にすがりつく2匹の温度差がすさまじい。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! ばでぃざをだずげろ゛ぐぞじじい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」 「い゛や゛っ!! い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!! じぬ゛の゛い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 「「ゆぎっ?!!」」 突然、2匹同時に声を上げて動きが止まる。 2匹ともひびが入るほどに歯を食いしばり、自身の体内から来る破滅の呼び声に身を震わせている。 そして、 「「ゆぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」」 致命的な変化が始まった。 「ゆげろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」 まりさの頭からは茎が束になり、すさまじい勢いで伸びていく。 ご自慢の帽子を幹に吹き飛ばされても、嘆く余裕はまりさには無い。 「おおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ………………」 くすんだ金髪の全てが化けたかのように、次から次へと隙間無く茎が生えていくが、どれひとつとして実は生っていない。 そして、増える茎とは反対に、まりさはどんどんと縮んでいく。 「……ぉ…………ぉ………………」 やがて茎の勢いが収まった頃には、そこにはまりさを思わせる痕跡は何も残されていなかった。 「ゆぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ!!!」 方やれいむは、必死に口を閉じていた。 れいむのあごの下、腹にあたる部分が恐ろしい勢いで膨らんでいく。 その一方で、頭頂にあたる部分は逆にしぼんでいく。 パースが狂ったような形になっていくれいむの皮は、目でわかるほどに薄くなっていく。 透けるほどに薄くなった皮の下には、小さな黒い玉が無数に見え、なお数を増やしている。 「………………!!!」 そうしているうちに限界を迎えた皮は静かに破れ、黒い玉が箱の中にこぼれ広がった。 これだけの変化に、おそらく1分もかかっていない。 今この目の前の光景だけを見せられたら、ここに2匹のゆっくりがいたなどとは、にわかには信じられないだろう。 「どうだった?」 「どうというか……何だったんだ、これは?」 意識の混濁でも起こして、狂うか互いの区別がつかなくなるかだと思っていた私は、あまりに予想外の展開に言葉が無い。 そして、私の問いに答えた鬼意の言葉はなお予想外だった。 「生殖だよ、ゆっくりの」 「これがか!? ちょっとまて、ゆっくりの生殖は、精子餡を相手に突っ込んで起こるものじゃないのか? それともこいつらは精子餡だらけの絶倫饅頭だったとでも言うのか?」 「俺は精子餡なんて言葉を使って説明した覚えは無いが?」 唖然とする私に鬼意が続ける。 「通常の生殖では、体内の餡を生殖子として用いるんだ。 生殖子なんて言葉を使っているが、これは餡餡いってたら区別がつきにくくなるからで、実質はただのゆっくりの中身だ」 つまり、精子餡という概念から間違っていたと? 本当に、言葉が無い。 餡子変換能力は死んだ餡には無く、逆に生きた餡にはある。 だから、生きたままのゆっくりの中身同士が混ざれば、そこでは生殖反応が始まる。 通常ならば体内に送り込まれる他の個体の餡など、量は高が知れている。 だが、つなぎ合わされた2匹のゆっくりは、ひとつの体で2匹の餡が混ざったのと同じ状態になったのだろう。 結果、体内の全ての餡を生殖に使い尽くし、ご覧の有様となった。 2つの繁殖型が同時に起きたのは、2匹の中枢餡が別々の方法を選択したというだけのことだろう。 常識外のナマモノについての、常識を叩き壊されて呆然とする私の口元に、鬼意が何か差し出した。 見れば、まりさから生えた茎の一本だ。 「……食べられるのか、これ?」 「食べられないはずが無いだろう?」 味の良し悪しはあれど、ゆっくりの体で食べられない部分は無い。 だから、異常な生殖を行った結果の、この通常に比べて随分と太い茎も、食べられるはずだ。 とはいえ先の光景を簡単にはぬぐえず、恐る恐ると茎の端をかじる。 「…うまい」 「だろ?」 驚いたことに、実にうまい。 赤ゆっくりの最初の餌となる茎は、野生で生きるための味の基準となるべく、苦味も酸味もある。 有り体に言えば、人間には大してうまいものではない。 が、今食べたこれには、中に餡がぎっしり詰まっている。 餡の甘さに、それに合う苦味と酸味が組み合わされて、まるで果物のような味わいになっているのだ。 歯ごたえさえも、饅頭よりは果物のそれに近い。 「こっちも食べてみろ」 そう言って、今度はれいむの腹からあふれ出した黒い小玉を、片手にはこぼれそうなほど渡してきた。 一見すると餡子玉にしか見えないが、これがまた違う味わいになっている。 まずその触り心地なのだが、ふわふわと柔らかい。 押し返すような弾力が無いため、触っていることを忘れそうにすらなる。 それを口に含むと、はらりと解けていく。 表面を包む極薄の皮は、唾液に触れるとさっと無くなってしまう。 中からは赤ゆっくりに比べてもさらにゆるい、半ば液状の餡があふれてくる。 この餡の甘さ加減が上品で、甘さを感じたと思った次の瞬間には消え失せている。 「おお……」 舌触りも味も霞のように消えていく、初めて味わう感覚に、知らずにため息が漏れる。 もうひとつ、もうひとつと口に運んでいるうちに、鬼意から渡されたものはあっという間に食べつくしてしまった。 「これは…売れる」 「そう思うだろう?」 これほど売れると確信できる商品にめぐり合えることは数少ない。 それが今、2つも目の前にある。 しかも2つとも同じ生産方法とは願ったり叶ったりだ。 なのに、鬼意の顔はいまひとつ浮かない。 「何だ、問題でもあるのか?」 「レポートとしてどうまとめたものかと」 「そんなものはいい!!」 鬼意の両肩をがっしと掴む。 「さっきの資料とビデオと合体ゆっくりをもって営業部に行くぞ!」 「お、おい?」 「所長と社長も呼んだほうがいいな、この商材なら勝てる!」 「まてまてちょっとまて。さっきの結合ゆっくりなら作らないと無いぞ?」 「だったら今すぐ作れ! 5分で支度しろ!」 「ちょ、ま、5分っておい!?」 「見てろよ商品開発室め、いつもいつもうちの研究をナメた目で見やがって! 今日という今日は思い知らせてやる! ヒャア! プレゼンだー!!」 2ヵ月後、幻想郷では新商品のゆっくり菓子がブームを巻き起こしていた。 加工所直営の店舗には今日も長蛇の列が並び、運よく買えた者は袋を大事そうに抱え、笑顔で帰っていく。 甘味が幻想郷にもたらす幸せ、それは研究者達の日夜やまない情熱が支えているのである。 (完) ちょっと長かったかもしれませんね? トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ここまで論理的なSSさんは初めてだよ! とてもゆっくりできたよ!!! -- 2014-01-09 19 27 40 すげえええ! よく考えたねこれ! -- 2013-05-02 17 38 41 幻想郷で売ったのかよww -- 2012-11-30 04 02 07 知らなかった。めーりんあきこういう芸風だったのか 面白かった。これから全部読んでみるぜ -- 2011-01-04 05 35 10 なんかもうすげえ -- 2010-08-26 08 45 40
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/1600.html
A 「ゆっくり! ゆっくり! ゆっくり~!」 「はいはいうるさいわね。今忙しいんだから離れなさいよ。今日の宴会は地下の奴らまで来るんだから、たくさん酒がいる分早く用意しないといけないのよ」 博麗神社にて、博麗霊夢が自らの顔を模してリボンを付けた生首に飛び掛られ、 うざったそうに眉を顰めている。 その生首の名はゆっくりと呼ばれている、幻想郷に突如出現した謎の物体だ。 ゆっくりは涙目で霊夢に飛び掛り続ける。 「ゆっくりしていってよ~!」 「ゆっくりできないっての」 霊夢は胸の辺りまで飛び跳ねてくる涙目のゆっくりを手で払い、 これまで行なってきた宴会の準備の作業を再開する。 「霊夢~、酒の用意は万全だぜ~」 「おつまみの準備もできたわよ」 霊夢の友人である魔理沙とアリスが声をかけながら近寄ってくる。 二人の背後には霊夢と霊夢のゆっくりの関係のように、 魔理沙とアリスの二人に対し、それぞれの特徴を持ったゆっくりがそれぞれ一匹ずつ飛び跳ねている。 「霊夢のところのゆっくりって本当に甘えん坊ね」 「そうなのよ……。こいつときたら私が忙しいことを知ってるのにこうして擦り寄ってきて……うざったいったらありゃしない」 霊夢は若干苛立ちを交えながら吐き捨てる。 「私のとこのもかまって欲しがりだが、霊夢のところはとびっきりだな」 「あれ? どうかしたのゆっくり」 「なんだ? ゆっくり同士で話し合いでもするのか?」 魔理沙とアリスのゆっくりがぽんぽんと跳ね、霊夢のゆっくりに近寄る。 霊夢のゆっくりに対して説得を試みているのだろうか。 少女達が若干期待しながら成り行きを見守る。 「ゆっくり! ゆっくり! ゆゆう!」 「ゆっくり~! ゆゆゆ!」 「ゆゆっくり!」 「 「 ゆ~! 」 」 けれど、二匹が声をかけたにもかかわらず、霊夢のゆっくりは尚更霊夢に引っ付く。 魔理沙が「駄目だこりゃ」と頭を抱えた。 「私の言ってることがわからないのかしら……まったく」 「ゆっくりの方だって私達の言葉を喋れないんだから、私達の言葉なんてわからないのかもな」 「とはいっても……私が忙しいことぐらい見てわからないの? ……まったく、何を考えていることか知ってみたいものだわ」 「う~ん、『腹減った! 仕事してないで飯よこせ!』だとか、『もっと私を優しく扱え! かまえ!』みたいな感じなのかな? それにしてはちょっと様子がおかしいけどな」 「ま、後でさとりにでも聞いてみることにするわ」 霊夢は淡白な様子で答えた。 今日は地下の妖怪達も来る。彼女達はゆっくり達とは初の顔合わせになる。 そのときに心を読む程度の能力を持つさとりに聞けばいいだろうと考えた。 「ゆっくりしていって――」 「ほら、邪魔よ」 ばしっと、霊夢は飛び掛る自らのゆっくりを手で払いのけ、おつまみを乗せたお盆を持っていった。 ◇ 幻想郷に突如出現した動く生首、ゆっくり。 ゆっくり達は幻想郷の有名人達の顔を模して潰した生首のような姿をいるが、 それ以外の生態は謎に包まれており、どこから来たのか全くの不明で、 「ゆっくりしていってね!」と鳴くことから「ゆっくり」と名づけられたこと以外は誰もわからない。 けれど、そんな謎の存在ゆっくり達にもある一つの共通点があった。 それはその顔のモデルになった人間や妖怪、果ては妖精にひどく懐くということだ。 モデルとなった少女達は自らの姿を模した謎の生き物が擦り寄ってきてどう扱えばわからず、 とりあえず放置する者、仲良くなって共に暮らす者、非常食としてとっておく者と様々だった。 そして先ほどの霊夢のゆっくり。 霊夢の神社の庭にある日いきなり出没し、まるで親に出会った迷子のごとく霊夢にひたすら懐いた。 霊夢は退治するべきか放っておくべきか迷ったが、特に悪さをするわけでもないので放置することにした。 そして今では霊夢とゆっくりが奇妙な同棲生活を行なうこととなったのである。 ◇ 「乾杯!」 「「「かんぱ~い!」」」 今夜の宴会は非常に賑やかなことになった。 博麗神社の庭では人間、妖怪、妖精、鬼、天人、神、様々な種族が入り乱れて、 派手に豪快に呑めや歌えやの大騒ぎ。 これまで特に交流がなかった面々も酒の力で互いの距離感が近くなり、飲み比べでその度量を認め合っていった。 そして宴会が進むに連れて、次第に気が合う者同士でいくつかのグループに分かれていく。 酒に強く騒ぎ立てる者達、お喋りに興じる者達、少し距離を置いて自分のペースで飲む者達。 皆が皆、自由に酒と場の雰囲気を楽しんでいる。 そんな中、ある一角が周りの目を引いた。 「ゆっくり!」 「ゆっゆっ! ゆっく、ゆっくり!」 「あ~う~」 「きゃなこ~ん」 ゆっくりである。 ゆっくり達が庭の端の方に陣取って、集まり、酒宴に興じている。 ゆっくり達はころころ、ぽてぽてとその丸い体を転がし、 飛び跳ねながら、口しかないのに器用に酒を注ぎ、呑み、つまみを食す。 そんな生首たちの酒宴の様子を、幻想郷の少女達は伺っていた 「あいつらって、ゆっくり達って本当に何者なんでしょうね?」 妖夢が周囲に聞かせるように呟いた。 「特に何かをしでかすわけでもないですし、それどころか私の場合何故か仕事を手伝ってもらったこともあるんですが」 彼女はゆっくり妖夢に自らの庭師の仕事を手伝ってもらっているので感謝の気持ちもあるのだが、 妖夢自身はゆっくり妖夢の事を何も知らない。 「ゆっくりねぇ……新種の妖怪って感じでもないわね。あんな感じで私達の姿に似せているのは一種の擬態かしら? ……まぁ似てないし、何者かわからないけど、放っておいても無害だし別に大丈夫じゃない?」 パチュリーが「どうでもいいし」と付け加え、興味なさげに冷めた表情で妖夢の質問に答える。 ゆっくりパチュリーは図書館の本を読むだけで、特に何もしてこなかった。 いてもいなくても関係がないのなら、毛玉のようなどうでもいい存在だ。 「私のところのゆっくりは何だか年中ゲラゲラ笑ってうるさいから迷惑なのよね~。もう少しおとなしくして欲しいんだけど」 うどんげが唇を尖らせながら不満げに呟く。 魔理沙はニヤリと悪そうに笑いながらうどんげの方を向いた。 「そんなに邪魔なら兎鍋にすればいいじゃないか。うどんげのゆっくりだから兎みたいだし。何なら今から捌くか?」 「共食いみたいなんで勘弁して……。私の姿を真似ているものが食べられていい気はしないし」 「そうか、それはありがたい。うどんげがゆっくりの代わりに酒の肴に捌かれてくれるなんて」 「何でそうなるのよ!」 うどんげがばんと床を叩いて突っ込む。 「だけどゆっくり達って本当に賑やかね。う~う~鳴いてて、私達には何喋ってるかわからないけど」 「何を話してるのかな?」 腕を組んで考え込むレミリアと首を傾げるフランドール。 彼女達の言葉に反応して、魔理沙がぽんと手を叩いて注目を集める。 「そういえばさっき霊夢と同じ話をしたんだよ。『ゆっくりって何を話しているのかな』って」 「へ~、やっぱり『お腹すいたよ、ごはんちょうだい』とか、『あそんで~』とかかな?」 「いや、言葉が通じないことをいいことに命令形で話しているのかもしれないわ。『飯』『風呂』『寝る』」 段々と皆が魔理沙の話に注目を集めていく。 『ゆっくり達はどのようなことを話しているのか』 それが宴会に参加している者達の興味の中心となった。 普段は「犬や猫が何を話しているかどうでもいいようなものだろ」と興味なさげに言うような者達でさえも、こっそりと耳を傾けている。 何故ならゆっくりは自分達の姿を真似ているのである。 自らに関係がありそうなことなら多少の興味はあるというものだ。 ◇ 「すいません遅れました。それと灼熱地獄跡地での炉の仕事が滞っていて、お燐とお空は残業で来れません。こいしも今日はちょっと連絡が付かなくて――」 「お、さとりじゃんか――そうだ! おまえいいところに来たな!」 魔理沙はやってきたさとりの顔を見るなり、何かを企むような顔で擦り寄って手をとる。 突然手を握られたさとりは何事かときょとんとしながら魔理沙の目を見る。 「な~さとり~、おまえ『ゆっくり』って知ってるか~」 「『ゆっくり』……ですか。地上で最近話題になっている、幻想郷の少女を模した饅頭顔の生首のことですね。私はまだ見たことはありませんが、それがどうかしました?」 「実はちょっと頼みがあるんだけどさ~」 「『さとりにゆっくりの考えていることを読んでもらおう』ですか。貴方、私の事を通訳か何かと勘違いしていませんか? ……してますね」 さとりがその座った目をより細めてジト目となり、呆れながら言う。 「いいじゃないかよ~。減るもんじゃないし~。お願いさとりちゃ~ん」 「馴れ馴れしいです。それに酒臭い。酔っ払いは突拍子もないことを考えるから苦手です」 「だったらなんでこんな場所来てんだよ~。ホントは誘われて嬉しいんだろ~。うりうり~」 「想起『二日酔いの朝』」 「ぎゃあああああああああああ!! 酔いで空が落ちてくるぅぅぅぅ!!」 トラウマを蘇らせた魔理沙が頭をぶんぶん振りながら痛みにうなされる。 調子に乗った結果馬鹿を見た小娘の醜態に、周りからゲラゲラと笑い声が上がった。 「でも私も興味あるわね。悪いけど貴方、ゆっくり達の通訳お願いしてもいいかしら?」 「ね~、貴方心を読めるんでしょ~。だったらやってみて~」 そんな衆人達を掻き分けてきたレミリアと、彼女に手を引かれたフランがさとりに対してお願いする。 普段だったら恐怖の対象であるさとりの読心も、酔っ払いの席では誰も気にしない。 思ったことがすぐ口から出るためだ。 とはいえ、さとりは気軽に能力を行使するように頼まれて若干気が引けてしまう。 能力によって疎まれた過去を持つ彼女は、その扱いに関しては誰よりも慎重だ。 「え~と……貴方達、もしゆっくりの心の中が仮に「ご飯よこせ~。この召使いめ~」みたいな感じで貴方達に対して過度に偉そうだったりしたらどうするんです?」 「 「 今夜のおつまみにする 」 」 即答だった。周りを見れば他の少女達もうんうんと頷いている。 さとりが心を読む間も無かった。 素面の状態でもゆっくり料理をやりかねない彼女達。 酔っ払って自制心が効かなくなった今では、何か失礼があったらゆっくり達はおつまみの刑は免れないだろう。 「……やっぱり駄目です。動物は喋れない分欲求に正直ですから、あまり夢や幻想はもたないであげてくださいね」 さとりはそう言い残すと彼女達から離れた。 不満げな声が挙がったが、ここで捕まったら面倒なことになる。 こういった場合は別のグループに入るのが一番だ。 さとりはキョロキョロと周りを見渡しながら、その場を離れた。 ◇ 「いいところに来たじゃないの、さとり。相変わらず遅れてくるわね」 さとりが辺りをうろうろとしていると、縁側で座っている博麗霊夢に声をかけられた。 反応して霊夢の顔を見ると、頬がほんのりと赤く上気している。酒によるものであろう。 けれども何か気がかりなことがあったのか、いつもよりも酔いのまわりが悪いように見える。 「こんばんは、霊夢さん。色々あって遅れてすいません」 「別にそれぐらいで謝らなくていいわよ。ところでアンタって意外と宴会好きよね~」 「まぁ、それなりには」 さとりはしれっと答えたが、実際にはそれなりどころではない。 さとりは実のところ、宴会が大好きである。先ほど魔理沙に言われたことは図星であった。 さとりは心を読む程度の能力が他人に嫌われるとあって、基本的に表に出たがらないが、 宴会にはよく参加する。 酔っ払い同士なら頭の中が空っぽであり、なおかつ考えるよりも先に口が働く。 皆が心を読まれることを気にするような状態ではないため、さとりのことを疎まない。 そのためにさとりだって楽しめる。酒は潤滑油なのだ。 「ところで【いいところに来た】とはどういう意味です?」 「あのさ、【ゆっくり】って何者か、話には聞いてる?」 「えぇ、一応は。最近幻想郷に突如出現した動く生首のことですよね。そのゆっくりがどうかしました?」 霊夢が背後を振り向きつつ指を示す。すると霊夢の姿を模した生首が蕩けるような顔をして、 「ゆ~♪ ゆ~♪」と声を出しながら、霊夢の背中にすりよっている。 どうやらあれが動く生首ことゆっくりなのだろうと、さとりは推測する。 「こいつが、ゆっくりが何を言いたがっているのか教えて」 「どういうことです?」 「ゆっくりは【ゆっくりしていってね!】に関することしかいえないから、わけがわかんないの。それに私のゆっくりときたら、何でかしらないけど暇さえあったら私に引っ付いてくるのよ」 「へぇ……それはそれは」 「それだけならまだいいけど、よりにもよって宴会の準備で忙しい時にくっついて来てうざったかったの。私がいくら言っても聞かないし……」 霊夢はうんざりとした顔で言う。 さとりは霊夢から事情を聞いた。 ゆっくりは突如博麗神社の庭に現れたこと。霊夢に対して親のように懐くこと。 霊夢が邪険にしてもかまわず向かってくること。 そしてつい先ほども宴会の準備があったのに引っ付いてきてきたこと。 「はぁ、そんなことがあったんですか」 「だから、さとりのその読心でゆっくりが何考えてるのか教えて。何であんなことをしたのか知りたいし、な~んか妙な気分なのよね~。私の勘が騒ぐっていうか」 さとりは一瞬「失敗した」と思った。 面倒ごとから逃げて来たのに、逃げた先で更に面倒なことに巻き込まれてしまった。 またどうにか理由をつけてこの場を後にしようかとも思った。 だが―― 「ゆ~♪ ゆっくりぃ~♪」 さとりはゆっくりの心の中の、霊夢に対する好意を感じた。 どうやらあの生き物には言葉が通じないがゆえに、その溢れんばかりの好意が上手く伝えられないようだ。 それを霊夢は上手く受け取ることが出来ていないのだろう。何だか微笑ましい。 さとりは何となく、少しくらいだったら想いを伝える手伝いをしてあげてもいいと思った。 「わかりました。やってみます」 言うが早く、さとりはゆっくり霊夢の顔を覗き込む。 それに反応して、ようやくゆっくりはさとりに気付き、上目遣いで見つめる。 「こんばんは」 「ゆっくりしていってね!」 「………………」 さとりの動きがピタリと止まり、辺りの空気が凍る。 「あれ? さとりどうかしたの?」 「いえ、何でもありません。軽いかるちゃーしょっくとでもいいましょうか……」 さとりは頭を振って気を取り直して再度ゆっくりに近寄り、声をかける。 「私の名前は古明地さとりっていうの。私は貴方の言葉がわかるわ」 「ゆ~! ゆっくり! ゆぅ~!」 「ねぇ、貴方はどうして霊夢――自分の主人にそこまでかまってもらいたいの? さっきだって宴会の準備の邪魔をしたって聞いたけど、それは本当なの?」 「ゆっくり! ゆぅぅ~! ゆっくり!」 「ふむふむ――」 さとりはゆっくりと会話をする。 どうやらゆっくりは人語を話せないが、人語を理解することは出来るようだ。 さとりは読心の能力を持つため、本来はゆっくりは声を出す必要がないのだが、 ゆっくりは思ったことがすぐ口に出る性質があるのか、声を出して喋ってくる。 それをさとりは聞き続けた。 「――なるほど、よくわかったわ」 「ゆっ!」 さとりが得心を得た。くるりと霊夢の方を向く。 「で、何だって?」 「え~とはい、何でもこの子は、霊夢さんのお手伝いをしたかったそうです」 「お手伝い?」 「そうです。お手伝いです。普段お世話になっている霊夢さんのお手伝いをしたかったのだけど、何をすればいいのかわからなかったそうです」 擦り寄ったり甘えることによって邪魔ばかりしていたと思っていたゆっくり。 そのゆっくりの真意が手伝いをしようとしていたなどとは、意外な答えに霊夢が驚く。 「霊夢さん、一ついいですか?」 「何よ」 「霊夢さんはその子に好かれているのはわかりますか?」 「う~ん、ゆっくりときたら暇さえあれば甘えてくるからそんな気はしてたけど……けど、私はこいつに対して特に可愛がってやったりとかしてないわよ。なんでこんなに好かれるのかさっぱり」 「そうですね、例えるなら霊夢さんのことを好いている方達、紫さんや魔理沙さんなどに対して、霊夢さんは特別可愛がったりしていますか?」 「いいえ。まったく。それどころかよく弾幕ごっこでドツく」 「それだけですか?」 「まぁ……その後よく一緒にお酒を飲むけどね」 「それと同じですよ。霊夢さんのさっぱりとした人柄にみんなが集まるんです。この子は『霊夢大好き! 霊夢と一緒にいたい!』という気持ちが溢れかえっています。裏表のない霊夢さんが大好きだそうです」 「でも、今日は邪魔してきたと思ってぞんざいにあつかったし、嫌われてもおかしくないんじゃないの?」 霊夢が反論するかのように答える。 「ゆっくり~ゆっくり~」 「霊夢さんがそういった人だということはわかっているそうです。だから大丈夫だと。そういったところを含めて好きだそうです。それに忙しくなくなったら、ゆっくりが甘えてきたときにされるがままにしてたそうじゃないですか」 「え~と、それはあれよ。酒の席でつまらないことでイライラするのも嫌じゃない。だからちょっとくらいならいいかなと思っただけよ。ホントに邪魔だったらどかすわ」 霊夢がばつの悪そうな顔をしてそっぽを向く。 「ゆっゆっゆっくり」 「宴会の準備の邪魔をしてしまったことについてはこの子も申し訳なく思っています。忙しいところにかえって邪魔をしてしまったと、反省をしているようです」 「そうなの?」 「ゆ~ゆ~」 霊夢がゆっくりの方をちらりと見る。その目には若干の戸惑いがあった。 霊夢は基本的に人妖に好かれるさっぱりとした気質を持つが、 あまりこういった類の、子が親に向けるような愛情を受けたことはない。 どういった反応をすればいいのか戸惑うその様子は博麗の巫女というよりも、 一人の少女のそれであった。 「霊夢さん」 「な……なによ」 「霊夢さん、そんなに肩肘を張らなくても大丈夫ですよ。この子は自然体の霊夢さんが好きなようですから。それに私個人としては子供や小動物に優しい霊夢さんっていうのは気持ちが悪いです。霊夢さんって子供の飴玉とか奪いそうですし」 「おい」 「確かに熱心に好かれると、時にはうざったくなってしまったり、どうしても手が離せなくなってかまえなくときがあるのはしょうがないでしょう」 「無視すんな」 「ですが――」 さとりの突如真剣味を増した声に霊夢が気圧される。 普段のさとりは基本的に根暗だ。 けれどペットや、言葉の喋れない存在に関わるとこのような真摯な性格になる。 だてに地霊殿の主はやっていない。 「ですが自分を好いてくれる相手には、どうか無下に扱うようなことはしないであげてください。嫌われるのは簡単ですが、好かれるようになるのは難しいです」 さとりがふっと、自嘲するようなため息を吐きながら言った。 「まぁ、私は霊夢さんなら大丈夫だと思いますけどね。その姿を見ていると」 さとりは縁側に座る霊夢と、その隣に並びながら霊夢に寄りかかるゆっくりを見る。 ゆっくりの顔はとても幸せそうだった。 愛する母に抱きつく子供のような安心感を醸し出す至福の表情だ。 こんな顔をすることが出来るような者は滅多にいない。 なんだかんだいって普段霊夢がゆっくりにたいして世話を焼いていることが伺える。 「え~と、これはその、あれよ。あんまり駄々をこねてて五月蝿かったから、こうすれば黙るからこうしただけよ」 「はいはい。わかりました」 さとりはにこやかに笑いながら霊夢に言った。 霊夢はさとりのそんな姿を見て、自らの頭をわしゃわしゃと掻き毟る。 「あ~もう、この話はもうおしまい!」 そう言うと霊夢は自らのゆっくりを膝の上に乗せた。 上に乗ったゆっくりは即座に目を輝かせ、口元がわぁっと開き、幸せ一杯の顔をする。 「ゆっくりしていってね♪」 「……まったくしょうがないわね。こういうことはたまにしかやってあげないから、あんまり忙しいときに引っ付いてくるんじゃないわよ」 「ふふふ……」 「それとさとり、アンタもさっさと酒飲みなさい! 宴会で素面が真面目なこというんじゃないわよ!」 「はいはい。わかりました」 悪態をつきながらゆっくり霊夢を膝の上に乗せる霊夢。彼女の心の中は妙なこそばゆさで一杯だった。 さとりはその微笑ましさに思わず頬が緩んでしまった。 ◇ 「ところで貴方、最後にひとつ聞いてもいい?」 さとりがこれで時分の役目は終わったと思いその場を離れる前、 ゆっくりに対して感じた素朴な疑問があった。最後にそれを聞いていこうと彼女は考えた。 「ゆ?」 「貴方達って何で幻想郷の女の子の姿をしているの?」 「ゆっくり――」 ◇ ザッザッザッと、さとりは霊夢とそのゆっくりから足早に離れた。 ゆっくり達が幻想郷の少女達の姿をしている理由。 それ自体はある意味わかりやすく微笑ましい理由だったが、 決してモデルとなった少女達には口外できないものであった。 霊夢に対しては上手くぼやかしてきたが、このままだとボロを出しかねない。 今日は日が悪い。さとりは一刻も早く帰ろうとする。 けれど―― 「すげ~!! ねぇねぇ、あたいのゆっくりがどんなこと考えてるか教えてよ~」 「私のゆっくりは! 私のゆっくりは!」 「な、何ですか貴方達!?」 気が付けばさとりの周りには観衆が集まっている。 一度は撒いたのに、愚かなことにも再度捕まってしまった。 先ほどのさとりによる一連の光景は中々変わった見世物だったため、皆の興味を引いた。 そのために少女たちは離れたところから見学していたのだ。 そしてさとりの手腕に感心した少女たちは、今度は自分の番だと引っ付いてきたというわけである。 「どうせだからさとりにみんなのゆっくりが何考えてるか教えてもらおうよ~!」 「いいね~!」 「もう決定だね~!」 「そ~なのか~そ~だよね~そうするっきゃないね~」 「私のゆっくりだから、きっとさぞかしカリスマ溢れた台詞を言ってるのでしょうね」 「えと……あの……ちょっと待って……」 皆が勝手に話を進めている。徒党を組んだ酔っ払いは手が付けられない。 彼女達は期待の篭った視線をさとりに向けた。さとりは思わず気圧される。 場の雰囲気に完全に飲まれていた。 「ち……ちょっと席を外しま――」 どうするべきか、逃げるべきかとさとりが迷い、 取り敢えず先ほどと同じように逃げようとその場から背を向けた瞬間、 何者かに肩の辺りをガシッと捕まれた。 「今度は空気嫁よ」 「ひぃっ!」 気配もなく近寄ってきた衣玖が能面のような笑顔でさとりに呟いた。 ギリギリと、衣玖の指がさとりの肉付きの薄い肩に食い込み、 さとりの顔が青ざめる。 「頑張ってさとりちゃ~ん!」 「いけいけ~!」 「さとり~! 愛してるよ~! ちゅっちゅさせて~!」 前門の衣玖、後門の酔っ払い。 いや、周りを囲まれた今となっては四面楚歌。 さとりに選択権はなかった。断れば何をされるかわからない。 「わかりました! わかりましたよ! 行って来ます!」 こうなったらどうしようもない。上手く誤魔化すしかない。 さとりは普段あまり出さない大声を上げると、ゆっくり達が集まる場所に向かった。 とてとてと歩いてゆっくり達の集まりに近寄る。 するとゆっくり達は皆何者かに対して首を傾げる。 「みんな、こんばんは」 さとりはゆっくり達に向かって声をかける。 けれどもその音量は小さく、雰囲気も暗い。 外の世界の歌のお姉さんとはかけ離れている。 「ゆっくりしていってね!」「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」「ゆっくりしていってね!」 ゆっくり達は対称的に元気よく、 歌のお姉さんに向かう子供達のような天真爛漫な姿でさとりに挨拶を返す。 どうやらさとりは歓迎されているようだ。 ゆっくり達はさとりに対し、どうかここでゆっくりしていって欲しいと言っているのかもしれない。 はやし立てた少女達はそう考えながらワクワクしながらその光景を見守った。 「え~とね、今日はみんなに聞きたいことがあって来たの。突然だけど、皆は主人のこと好き?」 「ゆっくり~」 「ゆゆ~」 「むきゅ~」 「ゲラゲラゲラ」 即答である。 ゆっくり達は目をキラキラと輝かせ、我先にと大声で主張する。 「えっと……どんなところが好きなの?」 「ゆっくり!」 「ゆゆ~」 「ウサウサ」 「わかるよ~」 「よいぞっ!」 「じゃお~ん」 「あたいったらゆっくりね!」 「あ~う~」 「ちんちん」 さとりは一気呵成にまくし立てて来るゆっくり達に対していくつか相槌を打ち、 それぞれの話を聞きいれた。 「え~そうなんだ――うんうん――へぇ――わかったわ。それじゃあ、私はこれで失礼するわね」 するとさっと少女達の方に戻ってきた。 「皆さんすごく好かれていますよ」 さとりは一拍間を置いて、にこやかに笑いながら言った。 「あれでわかるとはすごいな……」 「どんな感じ?」 「私のゆっくりは何だって?」 「百聞は一見にしかずです。ちょっと待って下さい」 さとりはゆっくり達の方を向くと、少女達に存分に甘えるように呼びかけた。 ゆっくり達は散らばって、それぞれのモデルとなった者のところに近寄っていく。 ぴょこぴょこ、ぽよんぽよん、ぱたぱた。 皆の表情は太陽のように輝いている。 「これが答えです。この子達が何者であってもいいじゃないですか。可愛がってあげてください」 さとりはいい笑顔だ。 「私のゆっくり、いつも庭師の仕事を手伝ってくれてありがとう」 「みょ~ん!」 「ちょっと、う~う~言うのやめなさいっていってるでしょ!」 「う~♪ う~♪」 「えへへ、くすぐったいよぅ」 「ゆっくりしね♪」 抱き合う妖夢とゆっくり、レミリアとほっぺプニプニの柔らかさ比べをするゆっくり、フランにちゅっちゅするゆっくり。 それらを初めとして、少女達が自らに擦り寄るマスコットのような物体と仲良く触れ合っていた。 「それでは私はこれで。今日は少し早めに帰らせてもらいます」 さとりはそんな美しき光景に背を向けて、神社の外に向かってスタスタと歩いて行った。 「え~、さとりってばまだ全然酔っ払ってないじゃん。ゆっくりしていけよ~」 「それは……いえ、何でもありません。少し身体の調子が悪いので」 「きっと酔っ払いの頭の中を見て酔っ払ったんだ~」 「キャーこのスケベ~!」 「え……えぇと、はいそういうことです」 さとりはばつが悪そうにしながらも帰ろうとする意思は変えないようだ。 ふとさとりが霊夢と膝枕されるゆっくりをちらりと見た。 ◇ さとりは無言のまま博麗神社を後にする。 今日は家に帰ったら早くお風呂に入ってお燐とお空を撫でて寝よう。なでなでふにふにしよう。 そんなことを考えながら早く帰ろうとすると、目の前には三つの影が現れた。 「うにゅ~」 「おりんりんらんどはっじまっるよ~」 「こいこがれるようなゆっくりがしたい!」 ゆっくりだ。それも三匹。 お空、お燐、こいしの姿をしたゆっくり達だ。 ぽよんぽよんと飛び跳ね、さとりの方に向かってくる。 さとりはさっと身を翻して別の方向に向かって走る。 走って走って、その場から離れようと―― ぽむっ。 何かがさとりの胸の辺りにぶつかって来た。 柔らかい。 さとりは思わずそれを受け止め、抱きかかえてしまう。 ………… ………… ………… さとりが恐るおそる視線を下に向けると、 薄紫色のショートヘア。 ジト目。 ハート型のカシューチャ。 そう―― さとりの姿をしたゆっくりが! 「さっとりしていってね!」 ゆっくりの想いB
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/18.html
「ただいまー」 「おかえりなさい!! おうちでゆっくりしてね」 「あぁ、良い子にしてたか?」 そう言ってゆっくり霊夢の頭を撫でてやる、体を振って喜ぶゆっくり。 「れいむいいこにしてたよ!! おひるもちゃんとたべたよ!!!」 テーブルに視線を移すと作っておいたおむすびは全部平らげてくれたようだ。 少しご飯粒がこぼれているのは仕方ない、ご愛嬌だろ。 「よしよし、いいこだなぁ霊夢は。今、夕飯作ってやるからなぁ」 「ゆゆ!! いそがなくてもいいよ!! きがえておふろにはいってゆくりしてからでもいいよ!!!」 嬉しいこと言ってくれるじゃないか、一緒に暮らすようになってから随分と語彙が増えたな。 でも……。 「大丈夫さ、俺もおなか減ってるんだよ。服を着替えたら直ぐに作ってやるからな」 「!!! うん!! ゆっくりつくってね!! ゆっくりまってるね!!」 はは、本当はお腹空いてたんじゃないか、我慢しちゃってかわいいねぇ。 急いでジャージに着替えて夕飯を作る。 今日は中華炒めと味噌汁、あとは佃煮に漬物。 ほかほかのご飯の上にとろみの付いた中華炒めを載せれば中華丼の出来上がり。 特大サイズの餌入れに載せてテーブルに出す。 「おーい霊夢、ご飯が出来たぞー!」 寝室のベットで遊んでいた霊夢が勢いよく飛び出してきた。 目の前の山盛りの中華丼を見て目を輝かせている。 「ゆ~!! おいしそう。こんなにいっぱいたべてもいいの?」 「心配すんな。バカスカ食らうおまえを養うだけの金はあるから」 「うん!! ゆっくりたべるね!!」 そう言って勢いよく食らい付く、おいおいゆっくりたべるんじゃないのかよ……。 「むっしゃむしゃ♪ おいしいよおにーさん! とってもおいしいよ!!」 そうかい、それは良かったな。 「おいおい、急いで食うから口の周りがご飯だらけだぞ」 「ゆ? ほんとだ!! んべー……」 舌を伸ばして器用にとってくなぁ、……って、そうじゃない。 「お行儀が悪い」 ぺちん 「ゆ!!」 「ほら、口拭いてやるからこっち向け」 とろみと涎でベドベドになった顔を丁寧に拭いてやる。 「ゆっ! ゆ~くすぐったい♪」 「がまんしろや、……ほら拭き終わったぞ。食べ物は逃げていかないんだからゆっくり食え!」 「むしゃ、……べも、むしゃ、おにいjさんの……むしゃ……」 「食うかしゃべるかどっちかにしろ……」 「♪ おにいさんの作ったごh……」 「本当にしゃべるな、普通は食ってから喋るだろ?!」 ちょっ、ご飯粒が顔に、布巾布巾……ってこれも涎まみれだ。 「ゆゆ♪ おにーさんおもしろい」 「もともと原因はお前だ」 ぺちん 「ゆ!」 「おにいさんが、しゃべるかたべるかどっちかにしろっていったんだよ♪」 顔洗ってきて開口一番それかよ。 てか、もう食い終わってるし。 「はいはい、俺が悪かったよ。それで、お前さっきなんて言おうと思ってたんだ」 「そのまえに、おかわりちょーだい。おにさんがわるかったからばつだよ♪」 「わかった、ちょっと待ってな」 くそ、誰だよ悪いことをしたら罰があるって教えた奴? 閻魔か、……いや俺だ、何教えてるんだ俺。 「ほいほい、おかわりな! 残すなよ!!」 「おにーさん、これちょっとおおいよ!」 「量を指定しなかったのはお前が悪い、よって罰だ♪」 ささやかな仕返し。 あぁ、でもこの食いっぷりだと丁度良い量だったかもな。 「おい! それ食う前に話すこと有ったんじゃないのか?」 「ゆ!!!」 しまった、また数分前の惨劇が……。 「んーごっくん!! ちゃんとたべてからはなすよ!!」 ……、おお!! 偉いぞ霊夢。 「偉いぞ霊夢、それで何が言いたかったんだ?」 「おにーさんのつくるりょーりがおいしいからどんどんたべちゃうんだよ!! おにいさんのりょーりがわるいんだよ。だからばつをうけてね!!」 そうか、うまいかぁ。 伊達に仕事先で鍋振ってる訳じゃないからな。 「それはいいとして、罰ってなんだよ?」 「かんたんだよ、れいむみたいにぱくぱくたべてみてね♪」 ……、訳分からん。 「こうか?」 取り合えず言われたとおり中華炒めをご飯に載せて一気に掻っ込む。 「そうだよ、どう?」 んーどうって言われても、これは……。 「うまい、なぁ」 「でしょ!! そうやってたべるとおいしいんだよ!! おにいさんもおいしかったでしょ?」 そう言ってまた掻っ込みはじめる霊夢。 それを見て、もう一度掻っ込んでみる。 「そうだな、こうやって食うと上手いな霊夢」 「でしょ!! むしゃ、だがらおにーざn」 「だから食いながらはなすな!」 ぺこん 「ゆ! てへへ♪」 さっきの食事はえらい目に有った。 まだ顔がべとべとするな、さっさと風呂に入って今日は寝よう。 「おい霊夢、風呂入るぞ!」 「ゆ~、……。おふろ、はいるよいっしょにはいろうね」 食べ過ぎでさっきまでへばってた霊夢を抱えて風呂場に直行。 あぁ、こいつが本物の博麗の巫女さんだったら良かったのに。 いや、紅魔館の司書さんも捨てがたい。 「おにーさんはやくはいろうよ。ずっとそこにいるとかぜひくよ!!」 ……。 そうだな、はやくはいろうな。 ザッバーン。 と勢いよくお湯を溢れさせて風呂につかる。 先に入れといた霊夢もザブンザブン揺れる湯船にご満悦だ。 「もー。おにいさんいきおいよくはいりすぎだよ! もっとゆっくりはいってね!」 「これがゆっくり出来る入り方なんだよ。明日が休みだったら酒飲みながらも良いんだけどな……」 「おにいさん、それもゆっくりできるけど。いつものやつやって! いつものやつ!!」 はいはい。 タオルを湯船の中に入れて丸める、少し強く握るとあわがシュワーっと飛び出してくる。 「ゆっゆ♪」 「お前も飽きないなぁ。ほら、そのままだと溶けるから一旦上がれ。体洗ってやるから」 「むー!! れいむはとけないよただのおまんじゅうじゃないもん!!」 「そうでも言わないとずっと上がってこないだろ? ほら、無理矢理にでもあげてやるぞ~!!」 「きゃーおにーさんがれいむをいじめる~♪」 あぁ、これが博麗の……。 その後、体を洗ってやり俺も洗った後一緒に湯船で川の流れのようにを歌って風呂から出た。 「おーい、明日はちょっと早いからもう寝るぞ。こっちにこいや」 「うん、おにいさんといっしょにゆっくりねるよ♪」 あぁ、これg……。 「ほれ、さっさとはいれ」 「ゆっくりふわふわ~♪ おにーさんおやすみなさい」 「はいはいおやすみオネショすんなよ?」 「れいむはおれしょなんてしないよ!!」 仰向けで布団をかけると死にはしないが窒息するので、必然的に横向きになる。 何を思って俺が買ったのか知らんが、キングサイズのベッドなので布団が捲れるということはない。 ……が、始めのころはコイツの視線が気になってなかなか寝付けなかった。 「ゆ~~っく~~~り~~~」 相変わらず寝るのはえーなー。 さて、俺も寝るか。 ……。 「今日は延滞している図書館の本を返してもらいますよ!!」 「断るって言ったら?」 「もう。どうして貴方まで魔理沙さんの真似をするんですか? もっとまともな人だと思ってたのに」 「だって、この本を返してしまったら、もうここに来ないだろう?」 「!!! それは、……だったらあなたが図書館に来れば良いじゃないですか」 「いやだね。俺は慣れない化粧をして家に来る君を見たいんだ」 「……もう、○○さん」 「小悪魔……」 「ch……」 「ゆ~♪」 「!!!」 ……、オーケー理解した。 目の前にはゆっくり、そして俺の口の位置も理解した。 あぁ、良い夢だったよ。 最高の夢だった。 …… 「朝だ、起きろ」 ぺちん 「ゆ!! ……。 おにーさん! れいむはおねしょしてないよ!!」 「分かってる、これは俺が悪い。お詫びにホットケーキを作ってやろう」 「ゆ♪ ゆっくりたべるよ!! おにいさんのほっとけーきだいすき!!」 そう言って嬉しそうなゆっくりに、蜂蜜たっぷりのホットケーキを出してやった。 あぁ、朝一緒に飯を食うのが博麗……。 「それじゃ、言ってくるから大人しくしてろよ。昼飯はテーブルの上な。今日はサンドイッチだぞ」 「ゆ! わかってるよ。 おにーさんも気をつけていってらっしゃい」 「あぁ、行って来ます。それじゃぁな!」 玄関に鍵をかけて家を出る。 最近は珍しくなくなった洋風の家に新興住宅地。 ちらほらとゆっくりを買っている家も結構多い。 独身暮らしだった俺にとって。 最近の行って来ますと言ってただいまと言えるゆっくりとの生活もなかなか楽しい。 でも、どうせ二人で暮らすなら博麗……。 「さてと、今日はケーキでも買って帰りますか!」 そう言って職場へと俺は足を進めた。 Fin ゆっくりできたよ!ありがとね!! -- ゆっくり名無し (2009-03-27 02 07 57) 読んでいるだけでゆっくりさせられます♪ -- 名無しさん (2009-03-31 01 56 16) すごくゆっくりしてるね! -- 名無しさん (2010-11-27 13 13 52) ゆっくりしてるね うらやましいよ 俺の夏休み、 終わっt(ry -- 闇の住人さ (2012-08-10 22 24 46) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/540.html
5や7本編ではだいぶお世話になったけどCCFF7では何度殺されかけたか。 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 「ん?なんだこれ?ムー○ーの亜種か?」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 「…まぁいいや」 ジャキーン! 【 Activating Combat Mode 】 「かかってこい!」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 [ たたかう ] 「はっ!」ザシュ! →0 「マジか!それなら!」 [ エナジー ] ガガガッ! →0 0 0 「畜生!こうなったら…」 [ すてみパンチ ] ドスッ! →0 「何…だと…」 [ でるたあたっく!!! ] 「「「ふぃーばー!!!」」」バリバリバリバリ! →99999 「うわああああああああああああああ!!!」 残念ながらフェニックスの尾は使っていなかったようです。 名前 コメント