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【デュエルパート1】 二人はデッキからカードを5枚ドローし、手札を確認する。 「なっ……!」 「はぁ!?」 「あらあら」 今の台詞は上から、こなた、かがみ、かなたの台詞である。一体、何が彼女達を驚かせているのか。 「このカードって……どーゆーこと?」 「自分に合ったデッキが出来るって聞いたけど……これにはお母さんもビックリだわ」 なんと彼女達のカードには、こなたの友人、姉妹、親子、親戚といった知人のイラストが描かれていたのである。 「こんなカードで……ちゃんと戦えるんでしょうね?」 「うーん……、まぁなんとかなるでしょ。早く始めようよ」 「……そうね。とにかく勝てば良いのよ! そしたらこなたと……」 「私だって負けないよ」 二人は戦闘体制をとる。果たして、勝利はどちらの手に渡るのだろうか。 「先攻は私よ! ドロー!」 かがみがデッキからカードを1枚、手札に加える。飴を舐めた効果なのか、ドローする仕種が様になっていた。 「私は『日下部みさお』を召喚するわ!」 カードをディスクの上に設置すると、かがみの目の前に『日下部みさお』が「ヴぁ」という奇怪な声と共に現れた。本物と大差ない程、凄くリアルな立体映像である。 攻撃力1700、守備力200。☆×4。 「ちょっと凄いじゃない! これってテレビのやつと同じ使用なの!?」 かがみがデュエルディスクを指差して、少し興奮気味でこなたに問い掛ける。しかし、こなたも同様に驚いているようで……。 「いや、私も知らなかったよ……。も、もう少し離れたほうが良さそうだね」 「そうね」 そう言って二人は、更に間合いを取る。その後ろで、かなたは「あれ? 言ってなかったかしら……?」と、頭に『?』マークを浮かべていた。 「じゃ、気を取り直して……」 かがみはキリッと真剣な表情に戻し、勝負を再開する。 「私は更に場の日下部を選択して、手札から『峰岸あやの』を特殊召喚するわ!」 「い、いきなり二体のモンスター!?」 かがみのフィールドに『峰岸あやの』が光り輝きながら召喚される。なんと眩しいおでこだろうか。 攻撃力700、守備力2100。☆×3。 「峰岸は場に日下部がいるとき、特殊召喚出来るのよ」 「むむ……」 こなたの少し焦った顔をみたかがみは、ニヤリと微笑む。 「まだ終わりじゃないわ。峰岸の特殊効果により、峰岸を日下部に装備!」 「ユニオンモンスター!?」 ユニオンモンスターとは、モンスターカードでありながら、魔法カードの様にモンスターに装備する事が出来るモンスターである。 これにより、『日下部みさお』の攻撃力は500ポイントアップした。 みさお攻撃力2200。 「私はこれでターン終了よ」 かがみはもう勝った気でいるのか、余裕の表情を浮かべている。 「私のターン、ドロー!」 ようやくこなたの番。カードを1枚手札に加え、確認する。 「魔法カード『Dドライブ』を発動! その効果により、私はデッキから3枚カードをドローし、その中にモンスターカードがあった場合、手札に加える。そしてそれ以外はデッキの一番下に戻す」 こなたはデッキから3枚ドローする。そしてその内1枚を手札に加え、残りをデッキに戻す。 「1枚しか増えなかったわね……」 「うん、でも良いカードだよ。とりあえず今はこれで防ぐよ」 こなたは手札から2枚カードを取り出し、フィールドにセットする。 「私はモンスターを守備表示でセットし、リバースカードを1枚伏せてターンエンド」 「早いわね。私のターン、ドロー!」 ドローしたカードを確認もせず手札に加える。なぜか視線はこなたを見ている。 「今のこの状況、私が攻めでこなたが受けって事よね?」 「そ、そうだけど……」 かがみの目の色が変わる。なんつーか、色が変わるっていうより目がハートになったって感じだが。 「かがみちゃんの目が怖いわ、こなた」 「やばい、暴走モードだよ……」 暴走モード。それは、かがみがこなたを襲うときの事を言う。命名こなた。 「一気にいくわ! 日下部でその守備モンスターを攻撃! ヴぁーストボイス!!」 かがみの『日下部みさお』が「だってヴぁ!」と大声で叫び、こなたのモンスターに攻撃する。 大きな爆発音が、辺りに響き渡る。 「これでこなたの壁は失くなったわ!」 「甘いねかがみん!」 「ふぇ?」 壁が失くなって、こなたの焦り顔が見れると思ったかがみは、こなたの余裕の声を聴きマヌケな返事をしてしまう。 「私を守るモンスターの正体は……」 爆発の煙が引いて、姿を表したのは、ミニマムテンポで有名なかがみと同じツインテールの……。 「ゆーちゃんだよ!!」 「はぁ!?」 『小早川ゆたか』である。 攻撃力500、守備力300。☆×3。 「たったそれだけの数値で何で防げるのよ!!」 「ゆーちゃんの特殊効果、このカードは戦闘で破壊されないんだよ☆」 フィールドでは『小早川ゆたか』がイヤホンをして、小刻みにリズムを取っている。これでは『日下部みさお』のボイス攻撃も効かない筈だな。 「やっぱ、ゆーちゃんは頼りになるなぁ~」 その言葉を聞いたかがみに黒い感情が生まれた。フィールドにいる『小早川ゆたか』を、物凄い形相で睨み付けている。そしてその視線に気付いたのか、フィールドの『小早川ゆたか』は涙目になってしまう。 「人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られてなんとやらよ!」 ただの嫉妬である。こなたはそんなことお構いなしに続ける。 「更に、ゆーちゃんのもう一つの効果。このカードが攻撃され表になったとき、デッキから『泉こなたLV4』を攻撃表示で特殊召喚出来る!!」 「泉……こなた!?」 その名を聞いて、一気にテンションが上がるかがみ。そしてこなたのフィールドに『泉こなたLV4』が「むぁー」と、やる気のない声を出しながら現れる。 「私自身を召喚……ってあれぇ?」 こなたが驚くのも無理はない。フィールドに現れたのは、間違いなく『泉こなた』なのだが、見た目が……。 「私より背が小さい……これは私が小学生の頃かな」 現れたのは、見た目は子供(今もだが)、頭脳も子供なこなただった。カード名が『泉こなた”LV4”』という事だからだろう。 攻撃力1700、守備力400。☆×4。 「か……かわいい!!」 かがみは携帯を取り出し、『泉こなたLV4』の前に移動し写メを撮りまくる。 「ちょ、今デュエル中だよ! それに恥ずかしいからやめてよ、かがみん!」 しかしかがみは止めない。いろんな角度から撮り、終いには「柊フラッシュ」等と叫ぶ始末である。 「こなた、あの写真って焼き増し出来ないかしら?」 「ちょ、お母さんまで……」 「だって、あんなこなた見た事ないもの。かがみちゃんじゃなくても、あの反応は普通よ」 「うぇー……」 そんな会話をしている内に、満足したのか、かがみは自分の居た位置まで戻っていた。 「待たせてごめんね。さぁ、再開よ!」 「……」 かがみのバトルフェイズは終了し、今はメインフェイズ2だ。 「私はモンスターを守備表示でセットし、伏せカードを2枚セットしてターン終了よ」 今の状況を解説しよう。かがみのフィールドには『峰岸あやの』を装備し攻撃力が高い『日下部みさお』と、裏守備表示のモンスターが1体。それに魔法・罠ゾーンに2枚だ。手札も2枚。 そしてこなたは、守備表示で戦闘では破壊されない『小早川ゆたか』と、その効果で現れた『泉こなたLV4』。魔法・罠ゾーンに1枚のカード。手札は5枚。 若干、かがみが優勢に見える。ライフはまだ二人とも減っていない、8000だ。 「私のターン、ドロー!」 勢いよくカードを引く。カードを確認すると、その内容が顔に出てしまった。 「なにか良いカードでも引いたみたいね」 「まぁね、今見せてあげるよ。いけー、パティ!」 こなたが召喚したのは、海外からの留学生『パトリシア・マーティン』だった。 攻撃力1900、守備力1200。☆×4。 「パトリシアさん? 折角だけど残念ね」 「え、どゆこと?」 「罠カード発動! 『岩崎みなみの憂鬱』!」 「なっ……!」 かがみのフィールドの伏せカードが表になり、光だす。 カードの絵には、みなみが自分の胸を触っている絵だった。 「その効果により、召喚されたパトリシアさんを除外するわ!」 「なんと!?」 フィールドにみなみが現れ、こなたの『パトリシア・マーティン』の胸を見る。そして一言「恨めしい」と告げると、そのままパティは消えてしまった。……羨ましいの間違いだよな? 「そのかわり、あんたは私の手札から好きなカードを墓地に捨てることが出来るわ」 こなたはかがみの元まで歩き、カードを選択する。 「う~ん……、じゃあこの厄介そうなカードで」 「妥当な判断ね」 こなたが選んだのは、魔法カード『巫女巫女ハリケーン』。一定の条件が揃えば、相手の手札とフィールド上のカードを全て墓地に送るという恐ろしい効果内容だった。 「さぁ、どうするの? 期待のカードは居なくなっちゃったけど」 「まだ次の手があるもん!」 こなたは自分の位置に戻る。 「魔法カード『レバ剣』を場の私に装備!」 フィールドの『泉こなたLV4』の前に『レバ剣』が落ちてくる。そしてそれを拾い、装備する。 「『レバ剣』の効果により、攻撃力が500ポイントアップするよ!」 『泉こなたLV4』の攻撃力が1700から2200に、かがみの『日下部みさお』と攻撃力が並んだ。おそらく、この『レバ剣』を先程除外されてしまったパティに装備させ、『日下部みさお』を破壊する予定だったのだろう。 「まさか相打ちを狙ってるの?」 「違うよ。バトル! 私で裏守備表示のモンスターを攻撃! レバ剣スラッシャー!!」 「そっちか!」 『泉こなたLV4』が、かがみの裏守備モンスターを切り付ける。その際に「うにょ~ん」と言う声が聞こえてきた。 「この瞬間、私の特殊効果発動! このカードが裏守備モンスターを攻撃したとき、攻撃力が相手の守備力を超えていれば、その数値分ダメージを与える!」 「そんな効果が!? 装備カードを使ったのはその為か!」 「ふふふ、そのモンスターの守備力はいくつかな?」 攻撃を受けた裏守備のモンスターが表になり、その姿を現す。黄色いリボンがぴこぴこ跳ねている。 「って、つかさ!?」 出てきたのは『柊つかさ』。といっても『泉こなたLV4』に破壊されてしまったので、すぐに消えたが……。 攻撃力1200、守備力2000。☆×3。『レバ剣』を装備した『泉こなたLV4』の攻撃力は2200。よって、かがみは200ポイントのダメージ。 かがみの残りライフは7800。 「くっ、だけどタダではやられないわ! つかさの効果発動! このカードがリバースしたとき、相手モンスターを1体破壊する! バル酢!」 かがみが選択したのは勿論『小早川ゆたか』。戦闘で破壊されないなら効果で破壊するしかないからだ。 「ゆーちゃん!」 「これで邪魔な壁は消えたわね」 「むむ、私はカードを1枚伏せてターンエンド」 一見、こなたが不利な状況に見えるが、かがみには全然そんな風には見えなかった。 「何よ、その顔は……」 「かがみ~、さっきのつかさの効果で私を破壊しなかった事を後悔させてあげるよ」 「どういう意味?」 こなたは不適に笑みを見せる。本来のかがみなら、こなたのこんな顔も愛おしく感じるだろうが、この状況でそんなこと考えてる暇は無かった。 「私、『泉こなたLV4』のもう一つの効果。このカードが先の効果によってダメージを与える事に成功したターンのエンドフェイズ、このカードを墓地に送ることでデッキから『泉こなたLV6』を特殊召喚できる!」 「LV6!?」 フィールドの『泉こなたLV4』が消え、その位置に「あは☆」と言う声と共に『泉こなたLV6』が現れた。 攻撃力2500、守備力1500。☆×6。 「おぉ~、これは今の私だ。ということは、これ以上のレベルは大人かな?」 「少し楽しみね。こなたの成長した姿かぁ……」 かなたは目を閉じ、何か想像しているようだ。妄想に夢中になっているかなたはほっといて、こなたはデュエルを進める。 「更に、『レバ剣』が墓地に行ったことにより、かがみは500ポイントのダメージを受ける! ふふん、流石はレアアイテムだね♪」 「な、なんだとぅ!?」 かがみの頭上に、剣が降り刺さる。これはあくまでも立体映像なので、グロい描写は想像しないでいただきたい。 かがみのライフは残り7200。因みに何故『レバ剣』が墓地に行ったかと言うと、装備カードは装備モンスターがフィールドから居なくなったとき破壊される為である。 「や、やるわね……。それでこそ私の嫁に相応しいわ!」 「まだ嫁じゃないよ……」 こなたのフィールドには攻撃力2500のモンスター、そしてライフポイントの差と、明らかにこなたが優勢である。 「こなた、その調子よ☆」 「任せてよ、お母さん☆」 親指を立てガッツポーズ。次で一気に決めてしまいたい、という闘志が見えてしまいそうな、そんな表情だった。 「さっきからなに独り言喋ってるのよ?」 「あー……はは、なんでもないよ」 「まぁ、良いわ。私のターン!」 かがみの手札は2枚、この2枚でどう立ち向かうというのか。 「ここで峰岸の効果発動、1ターンに1度、日下部に装備されている峰岸を解除し、フィールドに特殊召喚できる。 私は峰岸を攻撃表示で召喚!」 フィールドの『日下部みさお』から『峰岸あやの』が離れ、モンスターゾーンに召喚される。装備が外れたことにより、『日下部みさお』の攻撃力は元に戻り、1700だ。 「そして、峰岸を生贄に捧げ……モンスターを守備表示でセット」 「防戦一方だね~、かがみん」 「う、うるさいわね! カードを1枚伏せ、ターン終了!」 この時点でかがみの手札は無くなった。フィールドには攻撃表示の『日下部みさお』、裏守備表示のモンスターに、魔法か罠か1枚のカードのみである。 それに引き換えこなたは、攻撃力の高い『泉こなたLV6』と伏せカードが1枚に、手札は4枚。先程とは逆で、圧倒的にこなたがリードしていた。 「ふふん、ドロー! 念のためにモンスターをセットして……」 かがみの伏せカードを警戒し、守備表示でセットする。こうすることによって、かがみの伏せカードがモンスターを破壊する効果だった場合でも、壁が出来るからだ。 「バトルだよ! 私で守備モンスターを攻撃! これで更なる進化を……」 「そうはさせないわ!」 「え」 「速攻魔法発動、『愛食のポッキー』!!」 フィールドに巨大なポッキーが現れ、『泉こなたLV6』を貫き破壊する。 「なんじゃそりゃあ!?」 「デッキの上からカードを1枚墓地に送る事で、相手の攻撃を無効にし破壊する、そして私はライフを500ポイント回復する!」 これにより、かがみの残りライフは7700。 「こなたを破壊するのは嫌だったけど、そうも言ってられないのよ。ごめんね、後で愛してあげ……」 「私はカードを1枚伏せターンエンド!」 変な事言われる前にターンを終了するこなたであった。それを見たかなたは、顔は笑顔だが眉毛は八の字になっていた。 強力モンスターを破壊され、ライフも回復されてしまい、またまたかがみが有利な状況になってしまった。頼りになるのは2枚の伏せカード。 「まったく照れ屋さんね、ドロー!」 手札は1枚だけ。良いカードが来ないことを祈るこなた。しかし、かがみの表情は決して悪いものではなかった。 「魔法カード発動!『双子の絆』! 墓地のつかさをゲームから除外することで、デッキからカードを2枚ドロー出来る!」 「手札増強カード……」 こなたにとって、それはタイミングが悪いカード。手札が増えることによって戦略は変わるからだ。こなたの顔から余裕が消えた。 「いくわよ、私はいのり姉さんを召喚!」 新たなモンスター、『柊いのり』の登場である。 「この瞬間、トラップ発動!」 「なにぃ!?」 「『朝までネトゲ』! モンスターの召喚を無効にして、デッキの一番上に戻す」 召喚したと思ったら、デッキに戻ってしまった。これで次のかがみのドローは『柊いのり』ということが確定した。 「ふん、まぁいいわ。私は裏守備モンスターを表側攻撃表示に変更!」 先程、生贄召喚されたモンスターが、ようやく姿を表す。『柊みき』の登場である。 攻撃力2000、守備力2500。☆×6。 「速攻魔法『地獄の暴走ゆい姉さん』発動! モンスターが召喚したとき、そのモンスターの攻撃力を永続的に500ポイント下げる!」 『柊みき』の攻撃力は2000から1500に。中級モンスターでこの数値は低いだろう。 「あぁん、もう! 素直に攻撃されなさいよ~!」 「こっちだって必死なんだよ……」 「でも、これで伏せカードは失くなったわね」 「う……」 その通り。こなたのフィールドには裏守備モンスターが一体居るだけである。万事休すか……? 「行け! 日下部で守備モンスターを攻撃、ミートボールヴぁレンダ!!」 『日下部みさお』がミートボールを惜しみそうに投げ付ける。『峰岸あやの』を装備していないと技が変わる仕組みのようだ。攻撃を受け、こなたのモンスターが表になり、姿を現す。 「危ない危ない」 「なっ、攻撃が通らない!?」 果たして現れたのは『田村ひより』だった。 攻撃力 300、守備力1900。☆×2。『日下部みさお』の攻撃力は1700なので、200ポイントの反射ダメージをかがみが受ける。 かがみ残りライフ7700から7500に。 「更に、ひよりんを攻撃したモンスターは、かがみのターンで数えて2ターンの間、攻撃出来なくなるんだよ」 「攻撃を自重しろっての? さっきの魔法がなかったら、お母さんで倒せたのに……」 フィールドでは『田村ひより』が「自重しろ~、自重しろ~」と呟いていた。とにかく、このターンのバトルを凌(しの)げた事は大きい。 「魔法カード『たっだ~お↑スペクタクル』発動!」 「!」 「お母さんにタダオカウンターを1つ載せる。これにより、お母さんが戦闘で破壊される場合、替わりにこのカウンターが破壊されるわ!」 『柊みき』の前にタダオカウンターが立ち塞がる。これぞ夫婦愛……か? 「つまり、最低でも二回攻撃しなきゃ倒せない訳だね……」 「そういうこと、私はこれでターン終了よ」 「私のターン……ってお母さん?」 こなたはかなたがボーッとしているのに気付き、声をかける。そして、かなたが見ているものに気付いた。 「……」 かなたが見ていたものは、かがみのフィールドに存在する夫婦。立体映像であっても仲良さそうな二人に、かなたはどこか懐かしく思ってるのかもしれない……。 「お母さん……」 「あ、いけない、私ったら……ボーッとしてたわね☆ さ、こなたの番よ。頑張ってね」 「うん……」 こなたは思う、どうにかしてお母さんをお父さんに会わせたい……でもどうすれば、と。 「でも確かこのデュエルに勝てば……」 「ん? どうしたの? こなた」 「いや、何でもないよ。ドロー!」 とにかく今はデュエルに勝つことだけ考えよう、話はそれからだ。……こなたは再びデュエルに集中する。 「このカードは……!」 「!!」 こなたのドローしたカードは『泉そうじろう』。このタイミングで出てくるとは……。 「お母さん、お父さんの勇姿を見ててよ」 「そう君……」 「私はこのモンスターを召喚! いっけー! お父さん!!」 フィールドに『泉そうじろう』が「とーぅ!」と、勢いよく現れる。 攻撃力2200、守備力 200。☆×4。 「星4つで攻撃力2200!?」 「そのかわり、かがみの場にモンスターが居ないと攻撃できないけどね」 だが、かがみのフィールドにはモンスターが居る。『泉そうじろう』が攻撃することは可能だ! 「更に、魔法発動! 『ごみ箱から元に戻す』!」 「なんだそのふざけたカード名は……」 「パソコン持ってればわかるよ。んで、効果なんだけど……相手はカードを2枚ドローする」 「はぁ!? ドローして良いの?」 「うん」 何がなんだか分からないといった顔で、カードをドローするかがみ。相手にカードをドローさせて何の得があるのだろうか……。それはすぐに分かることだが。 「そして私は墓地にある『こなた』と名の付くカードを、フィールドに特殊召喚出来る! 復活するよ、私のLV6!!」 フィールドに「ヤフー!」と元気な声で『泉こなたLV6』が再び姿を表す。 「そ、そんなのありか!?」 「親子でダブルアタック! ……と行きたいところだけど、このカードの効果で召喚したモンスターは、このターン攻撃できないんだよね」 「そうなんだ……良かった」 「良かった」と言っても、かがみの不利な状況に変わり無い。というか、ぶっちゃけこなたのデッキって強くないか? そう感じずにはいられないかがみだった。 「行くよ、お父さんでみさきちを攻撃! 活字レボリューション!!」 『泉そうじろう』が『日下部みさお』に、自作の小説を見せる。読み方が分からくて、頭が混乱した『日下部みさお』はそのままバタンキューと倒れてしまった。しかしこの攻撃、小説好きな奴になら無意味なんじゃないか? 今の戦闘で、かがみのライフは7000に。 「くぅっ……!」 「なんか迫力の無い攻撃だなぁ……」 「ふふ、そう君にピッタリの攻撃だと思うけど」 「でも、お父さんにピッタリの攻撃といえばカメラで……」 「こなた、早くして」 ターン終了宣言をしないまま、独り言をしている(かがみにはそう見える)こなたに、かがみは少し苛立っていた。いや、その苛立ちは寧ろ自分のデッキにあるのかもしれない……。中々良いカードが回ってこない……と。 「ご、ごめん。私はこれでターンエンドだよ……」 「私のターン!!」 このターンで何かしら手を打たないと、次のこなたのターンで一斉攻撃を受けてしまう。 かがみの手札は2枚。内1枚は、こなたによってデッキに戻された『柊いのり』だ。攻撃力は1850、とてもじゃないが相手にならないだろう。 「このドローに賭ける!」かがみは強くそう思った。 「ドロー!!」 ドローしたカードを恐る恐る自分の目の前に合わせ見る。 「こ、これは……!」 そのカードの内容を確認する。それがどんな内容なのかは知らないが、かがみの表情を見る限り、良いカードをドローしたに違いない。しかし何故顔が赤くなるのだろうか……。 「……なにニヤついてるの、かがみ」 「こなたぁ、私もう勝っちゃったかも……」 「え……?」 ドローしたカードを、ゆっくりと手札に加える。 「ここからが本番よ。見せてあげるわ、私のデッキの恐ろしさを!!」 デュエルパート2へ
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『おうち宣言!』 一、 ようやく家に帰りついた。今日も長かった一日が終わった。俺はアパートのちょっと急な階段を一段一段登りながら、 明日の仕事の内容を頭の中で整理していた。社会人二年目。少しは世の中のなんたるかがわかったような、わからないよ うな…とにもかくにも、退屈な日々の繰り返しに少しだけ飽きながらも、部屋と職場を往復する日々。 「なんか面白いことねーかなぁ…」 大学時代の友人がよく言っていたセリフを真似てみる。こんなことを呟くと、すぐに大学時代の楽しかった日々を思い 出し、少しばかりセンチメンタルな気分になる。まぁ、感情のアップダウンをあえて楽しむのも、人生を楽しく生きるコ ツだと言い聞かせて、俺は部屋のカギを回した。 簡素な作りのドアのカギを外して、一歩足を踏み入れる。やはり、自分の部屋はいい。落ち着く。一人暮らしだとは言 え、なんとなくほっとするものだ。俺はとりあえず、手に持っていたカバンを置いて、部屋の電気を点けた。 「ゆゆっ!」 何か、聞こえた。俺は、とっさに身構えた。俺は、今、カギを開けて部屋に入ってきた。そのはずなのに、部屋の奥か ら声が聞こえてくる。 (おいおい…シャレになんねーぞ…) とりあえず、深呼吸。部屋のドアは全開にしといて、靴も履いたまま音を立てないように一歩踏み出す。 「ゆぅ…まぶしくてゆっくちできにゃいよ…」 今のセリフを聞いて確信した。ゆっくりだ。ゆっくりがいる。 (~~~~~ってことは何か?!) 俺は、ばたばたと部屋の奥へと走っていき、窓ガラスの状態を確認した。案の定、下のほうが割れている。そのとき。 俺の足になんか柔らかいものがぶつかってきた。俺は、そいつを見下ろした。 大きさにしてバスケットボール。人を馬鹿にしてるかのような、生意気そうな目つきと口元。さらさらの金髪には、左 にだけおさげがぶら下がっており、黒くて小さなリボンが結われている。…まりさ種だ。大きな黒い帽子をかぶっている。 まりさは、俺を見上げて“ゆふふん”と何か得意気な表情をしている。 「ゆっくりしていってね!!!」 まりさが俺に挨拶をしてきた。俺は、とりあえずまりさを蹴り飛ばした。 「ゆんぐっ?!」 まりさは一直線に飛んでいき、洗濯機の側面に叩きつけられて、床に落ちた。すると、どうだろう。ベッドの下に隠れ ていたのか、同じような大きさのれいむ種と、その間に生まれたガキ共と思われるピンポン玉ほどの赤れいむと赤まりさ がぞろぞろと出てきて、親まりさの元に集結した。親れいむは、親まりさの顔を舌でぺろぺろと舐めながら、 「ま…まりさっ!ゆっくりしてねっ!ゆっくりしてねっ!!!」 何か必死に声を掛けている。赤ゆたちは………四、五、六…七。多いな。七匹も赤ゆを連れてよく今まで生きてこれた もんだ…。俺は素直に感心しながら、その九匹家族のれいむ一家を見下ろしていた。それに気付いた赤れいむが、俺の方 を見上げ、揉み上げをわさわささせながら、 「にんげんしゃんっ!れーみゅ、おこっちぇりゅよっ!!!」 なんか喋ってきた。それを聞いた残りの赤ゆたちが、同じような角度で俺を見上げ、一様に頬に空気を溜め始める。 「おかーしゃんにひじょいこちょしゅりゅ、げしゅなにんげんしゃんはゆっくちしにゃいでしんじぇにぇっ!!」 おお、おお、口が悪いこと。このサイズの赤ゆでもうそんな言葉遣いなら、将来が思いやられるな…。 「ゆ…にんげんさんっ!!!」 さっきまで痛みに呻いていたまりさが、ようやく顔を上げた。涙目じゃねーか。何、睨みつけてんだこいつ…。 「ここは…まりさたちのおうちだよっ!!ゆっくりできないにんげんさんはすぐにでていってね!!!」 「でちぇいっちぇにぇっ!!!」 「ゆっくちぃ!!!ゆっくちぃっ!!!!」 「おきゃーしゃんはちゅよいんだよっ!!!」 「あやまりゅなら、いまにょうちだよっ!!!ゆっへん!!!」 ゆっくりによる、おうち宣言。話にはよく聞くが、実際にされたのは初めてだ。まぁ、そうだろうな。そうしょっちゅ う、ゆっくりが部屋に侵入してくるわけなんてないし…。おうち宣言はいいんだが、なんでこの赤ゆ共はこんなに偉そう なだろうなぁ…。遠まわしに謝れ、みたいなことも言われてるし…。 親れいむは、割と賢いのか怖いのか、とにかく警戒して口を一文字につぐんでいる。何も言わないだけマシだが、なん かその眉毛がうざい。俺はなんとなくその親れいむを両手で持ち上げた。 「ゆっ?!や…やめてねっ!ゆっくりできないよっ!おろしてねっ!ぷんぷんっ!!!」 ゆっくりの顔、初めて手で触ってみたが思ったより柔らかい。俺は、そのまま親れいむの口の端に両手の親指を引っ掛 けて、広げてみた。親れいむの口が伸びる。 「ゆ゛ぅぅぅぅぅっ!!!!!」 親れいむのウザ眉毛がハの字に折れ、情けない表情で目に涙を浮かべた。泣くの早いな、こいつ…。まだなんにもして ないんだが…。親まりさが再び俺の足に体当たりをしてきた。今度は、数匹の赤ゆたちも一緒にぽむぽむ俺にぶつかって くる。 俺はそいつらを無視して、この中では一番まともに話ができそうな親れいむに話しかけた。 「ここは、俺の家だ」 親れいむは、口を広げられているため、喋ることはできないが顔を横に振った。…違う、とでも言いたいのだろうか。 「お前らの家なのか?」 今度は顔を縦に振る。…ふぅむ…こいつならまだわかってくれると思っていたんだが…。とりあえず、親れいむを降ろ してやる。親れいむは、親まりさの元にあんよを這わせて泣きついている。 「まりさぁ…こわかったよぅ…!!ゆぅん…ゆぅん…!!!」 どうやら、こいつらは俺の部屋を完全に自分たちのものにしたと思いこんでいるらしい。実にゆっくりらしい。後でゴ ミ袋にでも詰めて捨てるか…明日、燃えるゴミの日だし…。なんてことを考えてて、今の今まで気付かなかったが本棚の 本が根こそぎ床に落ちている。そして、それはなぜかびりびりに破られている。 (え…?) 俺は慌てて、本を拾い上げる。これも…これも…これもかっ?!馬鹿なっ!!!俺の『ゆうかにゃんの秘密の花園』ま でが…っ!!!!俺は呆然としながら、後ろにいるであろうゆっくりたちに問いかけた。 「お前らが…やったのか…?」 「しゅっごくたのしかっちゃよっ!!!」 「またびーりびーりさしぇちぇにぇっ!!!」 …赤ゆ共の仕業か…。 「びーりびーりしてるときのちびちゃんたち、すっごくゆっくりしてたよ。にんげんさんにもこんどみせてあげるね!」 今度はねーよ、この馬鹿饅頭共が…っ。『ゆうかにゃんの(ry』はともかく…俺の持ってる本ってのは大体、需要が なくて基本的にお値段高めの本ばっかりだって言うのに…それを…ここまでやってくれるとは…。…ああ、転職しろ、っ ていう神の思し召しなのかねぇ…。 深いため息を吐く。横目でちらっとゆっくり一家を見る。なんで、そんな楽しそうな顔してるんだこいつら…。 ゆっくりから、コタツの上に置いてあったノートパソコンに視線を移した時、俺は思わず声を上げた。俺の声に驚いた のか、親れいむが親まりさの頬に自分の頬をくっつけていたが、それはどうでもいい。 「ぱ…パソコンが………」 十中八九、というか間違いなくこいつらの仕業には違いないのだが…開きっぱなしだったとはいえ、ディスプレイやら キーボードやらが壊れてるのはなぜだ…っ?!! 「ゆゆっ!!!おちびちゃんたちがそのうえでころがってあそんでたよっ!!!」 「ころがりゅとじめんしゃんがへこんじぇ、しゅっごくたのちかっちゃんだよっ!!!」 地面さん…、とやらはキーボードのことか。確かにこの上を転がればキーボードを押していくような感じで凹んで行く わな…。 「おちびちゃんがあんまりたのしそうだったから、れいむもそのうえにのってあそんだよっ!!!」 最終的には破壊したのはお前か…親れいむ…っ!!!! ふぅ…被害状況の確認だ。とりあえず、ガラスが割られている。本棚の本がほぼ全滅。ノートパソコンもおじゃん…と。 「よし。お前ら死ね」 二、 「どぼじでぞんな゛ごどい゛う゛の゛ぉ゛ぉ゛??!!!」 親れいむと親まりさが本当にショックそうな顔をしてるのはなんでだ?ああ、死ね、って言われたからか。でも、死ね。 俺は親まりさのお下げをわざと荒々しく掴んで、親まりさを宙にぶら下げた。 「ゆ゛ぎい゛い゛い゛い゛ぃ゛…っ!!い…い゛だい…よぅ…っ!!!!」 当然だろう。この細いお下げがバスケットボールぐらいもある、親まりさの全体重を支えているんだ。今にも引きちぎ れんばかりの勢いだ。俺は、その状態のまま、もう一度親まりさに問いかけた。 「ここは誰の家だ?」 「ここは…まりさたちのおうちだよっ」 こんな状態でよくそんな口が聞けたもんだ…。俺は親まりさを床に叩きつけてやった。 「びゅべっ!!!!」 「ぴぎゅっ!!!!!!」 親まりさは、床に叩きつけられたときに餡子を吐き出した。しかし、悲鳴は二つ聞こえた。親まりさは、自分の下腹部(?) あたりを見て、真っ青になっている。どうやら、親まりさの下敷きになった赤ゆがいるらしい。親まりさはそこを動こう とはしない。俺は、そんな親まりさの頭頂部の髪を掴んで持ち上げた。 「ゆ…ゆ゛あ゛っ…」 親まりさの口の下あたりに、紙みたいになってへばりついてる赤ゆがいた。髪の色からして赤れいむだろう。ど根性ガ エルみたいな状態になっている。 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!れいむ゛の…かわいいちびちゃんがああああああ!!!!」 真っ先に悲鳴を上げたのは親れいむだった。確か、れいむ種は精神的にもろい。直接的なダメージを与えるよりも、精 神的に苦しめた方がこたえる…っていうのを何かのブログで見た記憶があるな。親れいむは、がたがた震えていた。赤ゆ 共も姉妹の変わり果てた姿を見て、完全に硬直している。 俺は、親まりさを持ち上げたまま、何度も何度もグーで殴りつけた。どうしたものか。拳にめり込む親まりさの皮が柔 らかくて大変心地よい。親まりさはというと、当たり前だが殴られるたびに、短く“ゆ゛っ!”と声を漏らした。親まり さの顔の形がちょっとずつ変わっていく。殴るときの衝撃で張り付いていた赤ゆが床にぺしゃりと音を立てて落ちた。 「も…もうやべでぇぇぇぇぇ!!!まりさが…ゆっくりできなくなっちゃうよぉぉぉぉぉぉ!!!!」 「まりしゃおきゃーしゃんを…いじめりゅにゃああああ!!!!」 姉妹を殺された恐怖を乗り越えでもしたのか、忘れたのか、赤ゆ共が数匹俺の足にぶつかってくる。戯れにそのうちの 一匹を踏みつぶしてやった。これまた何とも言えない感覚が足の裏にじんわりと広がる。踏みつぶされたのは赤まりさだ ったが、なんという素晴らしい弾力。新世代のプチプチとして世に送りたいぐらいの気分だ。 「ぴっぎゅああああああ!!!!」 目の前で赤まりさを潰された、赤れいむが涙、涎、汗、しーしーと、脱水症状になるんじゃないかと思うぐらいに水分 をぶちまけて叫び声を上げる。 「ち…ちびちゃあああああああん!!!!!」 続いて親れいむが絶叫した。親まりさはそんな一連のやり取りに反応する余裕がない。 「かひゅっ…こひゅっ…」 切れ切れに呼吸をするので精一杯だ。まぁ、確かに執拗に殴ったけども。途中から反応しなくなってきたしな。 さて、これで、親まりさは瀕死。親れいむはまだ元気だけど発狂寸前。赤れいむが三匹。赤まりさが二匹。七匹家族に なりました…っと。 俺はもうボロボロになっている親まりさを床に放り投げると、今度は一番近くにいた赤れいむをリボンの部分を親指と 人差し指でつまみあげた。 「ゆっ!おしゃらをとんでりゅみちゃいっ!!!!」 涙を浮かべながら、そのセリフを吐く根性には素直に感心するところだ。俺は、チャッカマンを取り出し、定番のあん よ焼きを…あえてしない。代わりにチャッカマンを赤れいむの口の中にねじこんでやった。 「…っ!!!…っ!!!」 赤れいむが悲鳴を上げようとするが、チャッカマンの先端で口を塞がれているため、声にならない。無視していたが、 親れいむが俺にずっと体当たりを続けている。ちょうどいい足のマッサージ機だ。 俺は、赤れいむを見つめた。赤れいむは、ぼろぼろと涙を流しながら俺を見つめている。声には出せないが、表情で大 体何を言ってるかわかるな。 “やめちぇ” だ。俺は、チャッカマンのトリガーに人差し指を引っ掛けて、ためらいなくそれを引いた。ガスの量はあえてのマイナ スだ。口の中で火がついたのか、赤れいむは目玉が飛び出さんばかりの勢いで目を見開き、しーしーを漏らし始めた。顔 が真っ赤だ。よほど苦しいんだろう。当然だが。 揉み上げがすごいスピードで動く。れいむの揉み上げぴこぴこ選手権みたいなのがあったら、こいつは優勝するんじゃ ないだろうかと思うぐらいの速さだ。親れいむは、俺と赤れいむを不安そうに見上げている。親れいむにはわからないの だろう。今、赤れいむがどういう状態になっているか。赤れいむが叫べないから。でも、表情から察するにゆっくりでき てない、っていうのだけはわかるようだ。 「や…やめてねっ!!!にんげんさんっ!!!!ちびちゃんがいやがってるよっ!!!ゆっくりおろしてあげてねっ!!」 じっくり約一分。顔の内側から焼かれるのはさぞかし熱くて痛くて苦しかったことだろう。俺は、赤れいむをようやく 解放した。真っ逆さまに落下する赤れいむは顔面から床に落ちて動かなくなった。親れいむは気づいていないだろうが、 赤れいむは既に死んでいる。途中から揉み上げが動かなくなったからな…。 親れいむがすぐさま赤れいむの元に駆け寄る。 「ちびちゃん…ゆっくりなおってね…っ!ぺーろぺーろ…!!!」 もう動かない赤れいむを舌で舐める。親れいむは舌で器用に赤れいむを仰向け(?)に起こした。 「ゆ゛…あ゛…ああ゛……」 赤れいむの凄惨な姿を目の当たりにし、親れいむは思わず後ずさった。当然だろう。焼かれた過程で体中の水分が蒸発 し、目玉は飛び出かけている。だらりと垂れ下がった黒ずんだ舌は、そこを重点的に炙られた証だ。後頭部からは髪で隠 れてわからなかったのだろうが、赤れいむはほぼ炭化している。そこにかつての面影などはない。 精神的に弱い親れいむは、顔をくしゃくしゃにしていた。目に涙を浮かべている。泣きたいけど、恐ろしくて涙も流せ ない…みたいな状態なのだろうか。しかし、親れいむ自体はまだノーダメージだ。 さて、これで赤れいむ二匹と赤まりさ二匹。分かりやすい数字になって何よりだ。その赤ゆ共はどこに行ったかと部屋 見回すと…いた。部屋の角に四匹が身を寄せ合って、ぶるぶる震えている。奥にいる二匹は俺に対して背中を向けている。 目の前で起こる出来事を視界に入れたくないんだろうな。手前の二匹は、逆に俺のことを怯えた目で見上げている。俺と 目が合うと、手前の二匹はぎゅっと目を閉じた。 俺はあえて、奥でを向けていた赤れいむを掴んだ。 「ゆゆっ?!!」 するとどうだ。この赤れいむ、赤まりさの髪の毛に噛みついて抵抗しようとしている。しかし、それはどう考えても無 駄な行為なわけで結局、赤れいむと一緒に、赤まりさも巻き添えを食らって持ち上げられた。赤まりさは、 「ゆんやああ!!!れーみゅ、はなちちぇぇ!!!!」 赤れいむは、必死に赤まりさの髪を掴んで離さない。俺は、棚の奥に眠っていたジューサーミキサーを取り出すと、そ の中に二匹を投げ込んだ。上の蓋を閉める。ガラス越しに、赤れいむと赤まりさが必死になって叫んでいるが、声は聞こ えてこない。親れいむはすでに大粒の涙を流しながら、 「にんげんさん…おねがいだよっ!!!ちびちゃんたちをだしてあげてねっ!!!」 俺は、親れいむの訴えは無視して、プラグをコンセントに差し込んだ。そして、ミキサーをコタツの上に置く。 「そういえば…お前ら、びーりびーりするのが楽しい、って言ってたよな…?」 「ゆゆっ!そうだよっ!おちびちゃんたちにびーりびーりさせてあげてねっ!!!すごくかわいいよっ!!!」 気が動転してるのか、その可愛い赤ゆ共を見れば許してもらえるとでも思っているのか…。なんか期待した目をしてい るから恐らく後者なのだろう。 「じゃ、俺もびーりびーりするわ」 そう言って、ミキサーのスイッチを一瞬だけ入れた。ギュウゥン…!!!!という音が一瞬だけ響く。 「ゆあああああああ!!!!!!!!」 それだけでも十分だ。まだ原形をとどめている状態で顔を半壊させられているので、苦悶の表情もしっかり見て取れる。 砕けた皮や餡子、髪の毛がミキサーのガラスにべっとりと張り付いており、当の赤ゆたちはあまりの痛みに滅茶苦茶に暴 れ続けている。中身が飛び出すだけだというのに…。 「やべでぇ!!ちびちゃ…ゆげぇっ!!ゆべぇっ…しんじゃ…ちびちゃん…しんじゃうっ!!!!」 もう、半分死んでいるようなものだが、まだ助かるとでも思っているのだろうか。俺は、もう一度ミキサーのスイッチ を入れた。中が回転を始める。ガラスが飛び出した餡子で真っ黒に染まっている。中を確認することはできない。親れい むは音を立て続けるミキサーを見ながら、がたがた震えている。ていうか、こいつ、結構精神的にタフだな…。 「ちび…ちゃ…」 ようやく回転が止まった。しかし、そこには何もない。俺はミキサーの蓋を開けて中身を親れいむに見せてやった。 「ん゛ぐっ……ゆ゛ぅ゛…ゆ゛げぇっ!ゆ゛げぇっ!!!!」 俺には、ただの餡子にしか見えないんだが、親れいむには相当なグロい映像が映っているのだろう…。まぁ、スプラッ タ状態にされた自分の子供を見せられると思えば当然の反応、か…。俺が中身を見て、この中にゆっくりがいたというこ とが分かる判断材料は、赤れいむのリボンの切れっぱしがあることぐらいかな…。 「ゆ゛っ…ゆ゛っ…」 おお、おお…とうとう壊れたか…。この親れいむ。壊れるまで赤ゆ五匹分とはなかなか頑張った方だと思うのは俺だけ だろうか。 「ゆっぐり…じねぇ…っ!!!」 ようやくお目覚め、か。親まりさ。何、泣きながらぷくーしてんの?何もできない、ってわかってるのに向かってくる 勇気だけは褒めてやろうかな…。俺は、親まりさを再び掴み上げる。抵抗する力は残ってないのだろう。しつこいようだ が、俺はもう一度だけ尋ねてみた。 「ここは誰の家?」 「まりさたt」 言い終わる前に左頬を殴ってやった。親まりさが力なくうなだれる。俺は、二匹になっても同じ場所でがたがた震えて いる赤ゆのうちの一匹…赤まりさをつまみあげると、それを親まりさの口の中に放り込んだ。親まりさは、千載一遇のチ ャンスとでも言わんばかりの表情を浮かべ、口を固く閉じた。中では急に強気になった赤まりさが、くぐもった声で、 「まりしゃおきゃーしゃんのおくちのにゃかにいれば、あんっしんっ!だにぇっ!もうきょわくにゃいよっ!!!」 親まりさも、なんかもう勝った、みたいな表情を浮かべている。俺は、親まりさの口を無理矢理こじ開けた。親まりさ が苦しそうな表情を浮かべる。中では一転して赤まりさががたがた震えていた。最強と思っていた鎧があっさりこじ開け られてしまったせいか絶句している。俺は、親まりさの口を開いたまま、親まりさを傾けた。赤まりさが転がってくる。 親まりさの舌に噛みつき、口から出ないようにしている。俺はニヤリと笑った。 「はい噛む!!!」 ちょっとハイになってきた。俺は、口の入り口あたりで汚い尻をぷりんぷりんと振っていた赤まりさの位置を確認して、 親まりさの口を勢いよく閉じた。ガチィッ!!!と親まりさの歯と歯がぶつかる音がする。そのときの衝撃で、親まりさ の歯は何本か折れてしまったようだ。もう一度、親まりさの口をこじ開ける。口の中から親まりさの歯によって、切断さ れた赤まりさの下半身がぽろりと落ちてきた。 「~~~~~~~~~~~~~~!!!!!」 親れいむもそれに気付いたのだろう。俺は、親まりさを親れいむの前に持って行き、 「噛む!噛む!噛む!噛む!」 何度も何度も親まりさの口を開いたり閉じたりした。もう親まりさの歯はぼろぼろだ。痛みに耐えかね、餡子も少量吐 いている。口の中の赤まりさは、ただのふやけた皮になってしまっている。変わり果てた赤まりさの姿を見て、親れいむ が声にならない悲鳴を上げる。親まりさはただただ、泣いていた。俺は辛気臭い二匹の親ゆを放置して、最後の赤れいむ をつまみあげた。 「ゆっくちやめちぇにぇっ!!おろしちぇにぇっ!!!!」 じたじたと顔を振る。既に、涙もしーしーも全開だ。俺は、その赤れいむをトイレに持って行くと、 「しーしーは…トイレでするもんだ」 と、だけ言って、赤れいむを便器の水の溜まってる場所に投げ込んだ。ボチャンという音と共に、赤れいむが水の中で もがき始めた。溺れている。 「た…たちゅけ…ゆぼっ…ぐぼっ…ゆっくち…さしぇ…ゆぐっ…」 俺は、トイレのレバーを引いた。便器の中が一斉に大量の水で流される。俺は、赤れいむが完全に流されたのを見届け… 「た…ちゅ………け…」 流されていなかった…。水圧が弱かったのだろうか。赤れいむは体の半分以上が溶けており、中の餡子が水面に漏れ出 している。俺は、力なく見上げる赤れいむを見下ろし、もう一度レバーを引いた。 「………っ!!!!!」 今度こそ、赤れいむが便器の底に消えた。 三、 部屋に残ったのは、親れいむと親まりさだけだ。親まりさはいつ死んでもおかしくない状態だ。親れいむは虚ろな視線 を宙に向けている。赤ゆ共が全滅したおかげで静かになった。 親まりさは、たまにびくんっ、と痙攣を起こしているがもうほとんど死んだようなものだろう。俺は、親れいむに尋ねた。 「ここは誰の家?」 「………………」 親れいむは答えない。俺は親れいむの頬を平手で打った。それでも何も喋らない。 (反応ナシか…つまらんな…) 俺は、死にかけの親まりさと放心状態の親れいむを掴むと、ベランダから外に放り投げた。そして、このとき、大変な ことに気がついた。 「おい……ここ、2階なんだが…どうやってこいつらは部屋に入ってきたんだ…?」 俺は一瞬だけ、背筋が震えた。だが、ゆっくり相手に常識など求めるだけ無駄だと思いなおし、再び部屋に戻る。 静かだ。これから部屋の片づけをしなければならないと思うと鬱にもなるが…感情のアップダウンも人生を楽しむコツ さ、と言い聞かせて…まずは破られた本を一冊、ゴミ箱の中に投げ入れた。 おわり 日常起こりうるゆっくりたちの悲劇をこよなく愛する余白あきでした。
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現在の時刻 2021-12-11 08 59 15 (Sat) 基本情報 名前 Pico2 地域 岩手県在住の青森県人 ジャンル 楽器演奏 (エレクトリック・ベース・ギター) 性別 男 年齢 33 (2012-02-09 現在) マイク あり 配信時間帯 夜 性格 基本的にネタ系ではなくリスナーとの対話と演奏。 特徴 基本は呑みながら配信。 毎回、おつまみが気になってしかたがない。(ペンネーム Epoch 氏談) リクエストがあれば可能な範囲で応じてくれる。 いい感じになってくると壁ドンのリスクを省みず歌い出す。 リクエストが無い時はマイナーなアニメの曲を弾き始める傾向がある。 ↑最近は昭和の曲で一定層のリスナーの心をつかむことに成功した。 配信中、たまに『妖怪ピック隠し』が悪さをする。 主のステータス ベースギター A+ 歌 B- (壁ドン警戒発声のため?) コメント ぴこたんぴこたん(*^-^*)/ -- 名無しさん 名前 コメント 合計人数: - 現在の閲覧者人数:-
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主に参加している人々の一覧です。 新しく参加する際キャラの参考にでもしてください。重複防止の意味合いもあるので 書き込む際にはあいうえお順に気をつけてもらうと助かります。 画像に関しては要望があれば差し替えるのでBBSにて管理人にでもどうぞ あ行|か行|さ行|た行|な行|は行|ま行|や行|ら行|わ行 テンプレ 登場作品 作品名 解説など最大5行ほどで テンプレ わぴこ わぴこ 登場作品 きんぎょ注意報 いつでもお気楽な能天気娘、とにかく口数が多くパワーがある …が最近はパワーを発揮しすぎると場を破壊しかねないため自重中、よって常に欲求不満 またパワーの向かう先がマニアックというかマイノリティーというか…渋い 普通の人には割とどうでもいいことが、面白いと感じるらしい ゲーセン大好き、対戦ゲーム大好きである 明日もハナマル 元気になぁれ☆
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組織名 TADOO(タドゥー) 設立日 2024年6月10日 本拠地 種別 ギャング(チーム友達) ボス ぴこぐらむ チームカラー グリーン - 目次を開く 目次 基本情報活動方針と基本詳細 メンバー 歴史 基本情報 活動方針と基本詳細 喧嘩できる限りしない 自由行動 カラーは緑色 多動 メンバー メンバー - ▼関係一覧 ✖️閉じる 🧚:チーム友達「TADOO」 名前 加入日 備考 名前 加入日 役職 備考 ぴこぐらむ ??? BOSS なんだかんだ頼りになるBOSS、レギオンの妖精から進化した ギャンブルドア校長 ??? 校長 魔法使いのおじいちゃん ハァ・マイオニ ??? 特攻隊長 みんなの妹 ハン・リー ??? イケメン 全部イケメン オイルマン ??? 心の友 仲間の為にしか銃は抜かない漢 佐倉 雪 ??? かわいい 何か隠し事があるとの噂 - ▼助けてくれる友達 ✖️閉じる 🐝:心の友 名前 備考 名前 役職 備考 ??? ??? ??? + ▼離れ離れになっちゃった友達 ✖️閉じる 😌:ずっと友達 名前 加入日 脱退日 備考 名前 加入日 脱退日 役職 備考 ミック・キャパリソン ??? ??? ??? ピコグラムを育てあげて去っていってしまった。 歴史
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セクオル 1 名前 セクエンツィア(製造名:フランベルジュ) 通称はセクオル。 2 年齢 製造されて3年未満。 見た目年齢15歳ほど。 3 性別 男性型 4 種族 【オートマトン】 魔道兵器の一種でシャリム大陸時代に制作・運用された自律兵器。 魔術的な要素で駆動するロボットといった所で、機械の体を持つゴーレムと言い換えても良い。 ステルディア各地の遺跡にて遺産という形で多々発掘され、今もなおその解析や復元が進められている。 その結果簡単なものに限るものの現代技術でも再現が可能となり、一部地域にて制作・運用されている。 5 外見 色素の薄いぼさぼさ外はねの金髪に、輪を描くような形状の妙な形のアホ毛が特徴。 本人の感情変化によりぴこぴこ表情豊かに動く上にたまに武器になる。奇妙なアホ毛。 目の色は澄んだコバルトブルーで戦闘中は右目の瞳に青い炎が灯る。 そこそこ筋肉のついた体型に精悍な顔立ちの少年型。本人が人間並みに泣き笑いする為にその姿は手足を機械化した少年にしか見えない。 しかしながらその整った顔つきと雰囲気からどことなく精巧な人形のようにも見えてしまう。 セクオルの脳や魂の役目を果たすシステムプログラムはチップではなくコアとなる魔宝石に記憶されており、心臓部に内蔵されている。 デザインはロボットとしてはかなり古臭いデザインで耳部はごちゃごちゃとした機械群がむき出しに、後頭部はヘルメットのようなヘッドパーツになっている。 左腕、右足は機器・計器類がこれまたむき出しになっており、両手は漆黒で塗装されている。 うなじや肘や膝、掌、足の裏などに廃熱、蒸気放出の為のマフラーを備え、予備の水タンクの取り付けられた追加装甲を背中に背負っていることも。 体内で燃え続ける炎と熱に耐えるべく全身が強力な耐火・断熱素材で構築されている。 表面、人の肌に見える部分はぬくく、人肌ほどの温度であるが熱蒸気を送るための各パイプは凄まじく熱い。 服装 普段着は厚手の茶色のベルトやチェーンのついた丈の短いレザージャケットに檸檬色のスカーフ。 ジャケットの下は抹茶色のノースリーブニットを着ており、ボトムスは黒のニッカポッカ。 他にもシャツに軽いボトムス、ネクタイなどラフな格好をすることもある。 戦闘時(挿絵の格好)は飛行服を模した防護服に身を包む。長袖を腕まくりしている。 ボトムは半ズボン。ブーツはいつも片足しか履いていない。 人間の肌によく似た義肢を手に入れた為服装に色々バリエーションが増えた。 男子の着せ替え人形が欲しいというミリヤの趣味である。 身長・体重 【身長】160cmちょい 【体重】84kg 6 性格 温厚かつ大人しく、やや後ろ向きで気が弱いものの基本は素直で人よりもちょっと正義感が強い直情傾向のある少年。 思い込みが激しく、思いつめやすい性格をしているが現在は行動する前に落ち着いて思案する癖をつけて、よく考えて行動するようになった。 また視野を広げて今までやらなかったようなことにも興味を見せ、積極的に関わるようになった。 見た目年齢よりもやや幼い言動が目立ち、人の心がわからないと本人は言うが人間並みの感情表現、思考回路を持っているようだ。 ストイックで自身の強い欲望や感情の暴走を嫌い、常日頃から修行に打ち込みつつ自制に務めている。 潔癖気味で一度嫌悪心を抱いた相手にはどこまでも冷酷になれる性格をしていたが、心情の変化にてその一面はなりを潜めている。 でも根に持ち、引きずるタイプであるのは相変わらず。 痛み、憎しみ、かなしみ、怒りとヒトの負の感情を痛々しいまでに学んだことにより、自分の考えを押し付け、決め付けるのではなく、相手のことをよく観察し、聞くようになった。 それは敵であろうと、魔物であろうと変わらないが相手の主張を聞いた上で「それでもいけない」と判断すれば相手の主張をしっかりと否定する強さも身につけている。 かつては英雄を自称し、おとぎ話に出てくるような英雄を気取っていたものの、現在は身近にいる困っている人を助け、守っていこうと強く思うようになった。 その過程で自分たちと相容れない相手と出会い、その恨みを受けることになったとしてもへこたれず正義を貫こうとするという強さを持てるよう成長している。 また恨みの対象となったとしてもそれから逃げずに向き合うという「やったことへの責任を背負う」こともしっかり覚えたようだ。 この誰かを守りたい、力になってあげたいという強い思いと、自分がやったことへの責任を背負い戦い続けるという行為が現在の彼の原動力となっている。 ファザコンでお父さんにべったりのお父さんっ子。彼が霊界を飛び出すまでは兄弟の中でも末っ子だったため無理はないのかもしれない。 理想以外に目を向け始めたことからか、元から持っていた少年らしさも表層化している。 その結果特撮好きな多感で思春期全開な少年となり、綺麗でナイスバディなお姉さんや女の子が好きなのを隠せない。 ハーレムは勇者と英雄の特権が持論。 7 過去 技術と錬金の大精霊「サンジェルマン」の手により生み出された霊界製オートマトン(ただし原料は聖域産)。 魔術機関に加えて蒸気機関のようなものを搭載されたロマンの詰まったものをコンセプトにしているらしい。 サンジェルマンの領域である奇械城に住まう他のオートマトン、ゴーレム、人工生命体たちは兄弟のようなもの。 正義感の強い性格でこの世界には邪気が渦巻いているその邪気から多くを救わねばと意気込んで兄弟機たちの静止を振り切り、父の領域を飛び出して聖域へやってきた。 血気盛んで他の精霊たちに戦乱をふっかけることも稀ではない炎霊は精霊たちの中でも快く思われておらず、その製作物であるセクオルも彼ら同様警戒された。 その為精霊たちは話し合った結果兼ねてからセクオルと仲が良く、既に現世で活動中である大精霊「ヒュプノス」(ソンジュ)にセクオルのお目付け役を頼むことで手を打つ。 彼に連れられて以降は他の聖域で活動する精霊らの徒党に入り、共に行動している。 友人ソンジュと異なり、猟師にはならず退魔師になった。 度重なる聖域での激戦からか精神ストレスを溜め込み、爆発。 残虐な手段で賊徒とはいえ人間を追い詰めた上にその罪悪感から病み、狂気に飲まれてまう。 精神崩壊後は因縁の相手であるマッフを執拗に狙い、追い詰め、近くにいた賊たちも含め惨殺してしまう。 苦しみと怒りから逃れられると思いきや、そんなことはできず襲いかかるのは強い罪悪感と埋められない理想と現実のギャップ。 元から脆く、追い詰められた彼はいよいよ本格的に精神崩壊してしまう結果となる。 現在は、一度崩壊した精神状態から自己啓発や周囲の人々の言葉を受けて自分なりに整理をつけて立ち直ることができた。 やってしまったことは無かったことにはできないし、その責任はきちんと負わねばならない。 それでも霊界にいた時から魅せられ続けた世界の人々を守り、その力になりたいと願う少年は銃を手に再起する。 8 職業 冒険者(ということにしている) 9 口調 年相応のおとなしい口調。以前に比べやや暗く見えるが言葉遣いは丁寧になっている。 ただし以前の熱さも残っており、時折それが表面化する。 【会話例】 「俺、セクオルっていいます。よろしくお願いします」 「ごめん……心配かけちゃって。もう、大丈夫。平気だから……」 「目の前に傷つけられる人がいるなら、見過ごすことなんてできない。綺麗だと思った、この世界の人を守りたい。……もう逃げません!戦います、最後まで!!」 「鴻江先輩、今の話は信じてもいいんですか?…いいんですよね?」 「ばかああああまた嘘ついたあああああああさらっと嘘ついたばかあああああ」 「……俺、お前のこと止めるよ。自分の全部をかけて」 「お、おとうさま……!お願いがあるんです!!その……っ、父さんって呼んでいいですか……?」 「英雄になれるか、なれないかはどうでもいい。結果は後からついてくるんだから、今はただ自分に出来ることを精一杯やるだけだよ」 「俺酷いことしたんだ。忘れちゃいけない、相手が悪い賊であっても……あんな、酷いことはしてはいけなかったんだ」 「ソンジュ!またそんなシャレにならないイタズラをして!ごめんなさいしなさいっ」 「イオンさん……ロボットに効く精神安定剤とかないですか?ない……?そう、ですか……」 10 一人称、二人称 【一人称】 俺 【二人称】 あなた、貴方/~殿、~さん、呼び捨て 11 好きなもの ミリタリー雑誌、歯車と蒸気の音、ロウソクの火、おいしいみず、ロボとドラゴン(男の子の夢)、特撮 12 嫌いなもの 自分の存在が消えてしまうこと、エロネタ(苦手)、海水浴(泳げないため)、激情 13 好きな人 美人のおねいさんがタイプらしい。 14 パートナー ソンジュ=コシュマール(悪友兼お目付け役) 15 属性 炎、光、無 16 苦手な属性 強力な冷気や水、機械特効、魔封じ 17 戦闘スタイル 銃器による射撃に加え、機体性能を生かした肉弾戦を中心とする前衛。 高い腕力、脚力に加え装甲も堅く多くの特殊攻撃を受け付けないが魔法にはそんなに強くない。 自身の特性である蒸気や転送術を利用した攻撃や補助も得意であり、転送術は寧ろ現戦闘スタイルでの主力である。 致命的に狙撃がヘタであり、銃器を使うのはもっぱら近~中距離。 その為銃器も散弾銃や拳銃など飛距離の短いものを好んでいる。 魔道銃や光学兵器など非実弾の武器を好むが、ジャム対策とリロードの手間を考えてのことらしく実弾系の武器も使用する。 戦闘能力や戦闘技術自体は高いが、戦闘経験が非常に少なく連携も苦手。 性能が相手を上回ればそのまま押し切れるものの、格上相手などどうにもならなくなると途端苦しくなる。 18 精神力 一度崩壊まで行った所から這い上がった結果、現在は落ち着いている。 やや後ろめたく暗い所もあるが信念は折れない。 精神的には大きくなった。 19 戦闘熟練度 ★★☆☆☆ 20 技や魔法 「スチームハイ」 足の裏に大量の蒸気を集めその蒸気圧で加速、高速移動を可能にする。 蹴りの火力増強にも多々使用され、更に上手く使えば落下時の衝撃緩和及びごく短時間のホバー移動も可能。 「ソニックガスト」 掌に大量の蒸気を集め、蒸気圧と共に放射。 強烈な衝撃を発生させ、相手を大きく吹き飛ばすことができる。 主に距離を取る際に使用する。 「ヒートヘイズ」 全身の廃熱用マフラーから高熱の蒸気を放射する。攻撃から目晦ましなどその活用法は様々。 蜃気楼や陽炎を生み出し、虚像を生み出して撹乱するなんて芸当まで可能。 「メガトンパンチ」 凄まじい瞬間加速から繰り出される必殺の鉄拳。 脚部だけではなく肘からも蒸気圧を一気に放出し、爆発的な瞬間火力を生み出す。 「第一加熱術式・クリムゾンアイロン」 炎属性魔法の一種。 指定した魂を持たない物品を過熱する術式で戦闘は勿論、調理などにも使用出来る。 調節次第で寒さを緩和したり、氷を溶かしたりすることも出来る。 「第二冷却術式・アイシングサプライ」 水属性魔法の一種。 指定した地点に超低温の水蒸気を発生させ凍えさせる。 広範囲に振りまくことも可能で、調節次第で暑さを緩和したり出来る。 「第三守護術式・マジックバックラー」 霊属性魔法の一種。 結晶を組み合わせたような強力なシールドを生み出し攻撃をガードする。 物理攻撃に特に強いが、魔法属性には若干脆い。 篭手のように生み出すことも可能で、魔属性の鈍器にもなる。(← 「第四転送術式・トランスポーター」 魔術により物品の転送を行う術式で霊属性魔法の一種。 遠隔操作も可能で、相手の武器や道具を取り上げて無力化を図ることも出来る。 発動時には転移対象に大きな魔力が集中するので、術に敏感な者ならば看破は容易い。 切り札である「C・Storm000」の転送などはこの術を使用することで行っている。 転送の条件は魂を持たない存在であることだが重量や大きさに制限が存在する。(その為自分が転送できなかった) 「トランスポーターβ」 トランスポーターの改良版術式で修理の際に搭載された。 転送できる範囲が広がり、ある程度重たい物質や大きな物質の転送も可能となった。 勿論こちらも遠隔操作可能。ロボット系の敵を指定した地点に強制転移させることもできる。 「第六魔装術式・エクソシズムクロス」 度重なる修理の際にミリヤによりとってつけられた新術式。 自身の掌から浄化、魔物及びアンデッド特効を有する威力の高い熱線を発射する。 かめかめ波 21 特殊能力・特殊技能 能力 「機械」 機械とはいえ全身に魔術回路を仕込んだ魔道兵器であり、その仕組みは蒸気機関を応用している。 水と魔力を燃料とし、心臓部付近に存在する炉心を燃やし、発生する蒸気を原動力とし無数のパイプと魔術回路による術式を用いて各機関に送り込んでいる。 魔術回路なくとも稼動は可能だが、炉の炎を燃やすための燃料(石炭・有機物など)が必要になり、環境にも良くないので普段は魔力による稼動を行っている。 機械に特別な効果を持つ技、魔法、能力の影響を受けると同時に魔法封じの影響も大きい。 「解析システム」 搭載機能の一つ。 機械・ゴーレムに体内のコードを接続してアクセス、様々な解析を行える。 サンジェルマンがよりよい技術向上の為に取り付けた機能。 解析中はその他の行動は取れなくなり、無防備になる。 「探知システム」 搭載機能の一つ。左目に搭載されており、周囲のサーチが可能。 サーチの種類は魔術及び熱探知で切り替え可能。 危険が近づくとアラートで教えてくれる機能つき。 「リカバリー」 搭載機能の一つ。 プログラムのバグを修正する魔法術式。 ただし、バグの種類によってはお手上げになる場合もある。 「映像記録」 搭載機能の一つ。 セクオルの見ている景色を体内のメモリに記憶する術式。 メモリの媒体はマナストーン(魔石)である。 「データベース」 魔物等のデータベースを搭載している。 経験の蓄積及びサンジェルマンの介入で更新してもらった。様々な相手のデータが詰め込まれている。 「翻訳プログラム」 を搭載している。 ステルディア地方の古代語、ルーン文字の翻訳が可能。 プログラムを追加すれば他の地方の言葉も翻訳できるかもしれない。 「炎・熱耐性」 強力な耐火物質により全身が構築されている。 炎属性、熱による攻撃に凄まじく強く該当する攻撃にほぼ無効化状態。 短時間ならばマグマの中でも活動可能。 「火食い」 炎を食らい、吸収して自らの糧とする。 マナや魔力により起こされたもの、超常現象的な要素が絡むものは食べることが出来ない。 火事の消火に便利……かも? 「弱点」 強力な冷気や膨大な量の水による攻撃に弱い。ある程度なら平気。 ボディや機器の劣化を招くのでかなり深刻。ちなみにセクオルはドがつくカナヅチ。 ちなみに魔道兵器の癖に魔法防御は思ったほど高くない。 「命なきもの」 機械である為生命を持たない無生物である。 生命力に作用する攻撃等を無効化し、石化・凍結・能力値変動以外の肉体系状態異常も無効化する。(特に凍結には弱い) 「魂なきもの」 その精神構造(プログラム)は人間の如く精巧で豊かであるものの霊魂は持っていない。 精神、霊魂に作用する攻撃などを無効化する。 ただ学習知能を搭載されているため、人間など霊魂を持つ者同様に精神的な成長や学習は可能。 同時に精神崩壊など人間に起こりうる精神疾患にかかる可能性もある。 「物品データベース及び自動転送」 さすがに見かねた(というよりあそこまでモノに執着するとは思ってなかった)製造主がセクオルをとりあえず安心させるべく足した機能。 セクオルの所持するアイテム(実銃弾を除く)をデータベース化し、登録。 どんなに持ち主の手から離れても名前を呼べば転移で簡易倉庫に戻ってくるようになった。 ついでに転送システムをバージョンアップしてくれた。色々なものが亜空間に設けられた簡易倉庫からいつでも呼び出せる。(つまりElonaでいう四次元ポケット) 「交信機能」 霊界の奇械城との連絡機能。 サンジェルマンが介入してきたということは元からついていたと言ってもいい。 意識を乗っ取って遠隔操作をすることも可能だが、ごく短時間しかできず簡易なことしかできない。 先日の介入で交信に必要なエネルギーが尽きてしまい、現在は声も聞こえない。 技能 「銃器取り扱い技術及び知識」 銃器全般の取り扱いが可能。 拳銃から砲台まで幅広く扱える。 「魔術技能」 魔法も使えるらしい。 そこそこ器用で、複雑な術式も扱うことが可能。 適性があるのは転移・転送の術式であり、本人の演算能力も合せて実戦でも使用可能なほどの機敏な転送も可能。 「機械知識」 機械に関する知識がちょこちょこある。 といっても知識があり、自分の手でいじくり回せるのは蒸気機関式のもののみ。 汽車も運転できるとかなんとか。 22 必殺技 「第五複合術式・スチームノヴァ」 炎と水、相反する属性を掛け合わせた複合術式。 魔術プログラムにより座標をセットし、セットした座標を巨大な水の牢を構築。 その内部に灼熱の巨大火球を転送させることで凄まじい水蒸気爆発を引き起こす。 相反属性の術の同時行使を行いつつ転送術を併用するなど高度な魔術技能が要求される。 「ブレイズナックル」 「クリムゾンアイロン」で拳を過熱した状態から、自身の出せる最高速から放たれるメガトンパンチ。 人間のものとは思えない強い衝撃と共に灼熱が襲いかかる強力な技。 ほのおのパンチ 「C・Storm000転送」 奥の手である重火器、「C・Storm000」を召喚する。 召喚したとしても発射まではちょいちょい時間がかかるようである。 23 能力 [E.まるで駄目 D.苦手 C.人並み B.得意 A.達人級 S.化物級 SS.神級] 体力 概念なし 魔力 B 魔法攻撃力 B 魔法防御力 C 腕力 A++ 物理攻撃力 A 物理防御力 A 知力 D+ 素早さ A+ 命中 C+ 24 武器やアイテム 「予備タンク」 予備の水タンク。戦闘中など燃費の激しいときに装備する。 燃料となる魔力が込められた魔石のスペアも入っている。 バックパックのようなものをよく背負っている。 「短拐式衝気砲【光明】」 1対のトンファー型魔道蒸気銃。とても頑丈。中折式、装填数6発。 魔術と水を燃料に発生した蒸気を圧縮し蒸気圧により装填された弾丸を発射する仕組みとなっており、貫通力が高くおまけにチャージ機能つき。 内部には機関が詰め込まれているため銃だけでの運用も可能だが、より効率的に扱う為腰に担いだ小型蒸気貯蓄タンクにパイプで接続して使用する。 銃口がある場所の反対に排熱・蒸気放出用の機構があり、弾丸の発射後はこちらから蒸気を噴く。 機関部に蒸気溜め込みチャージすることによって更に火力・貫通力を増強することが可能で、出力次第では合金さえも穿つ強力な一撃を放つことが可能。 レインフォース魔術師ギルドの武具屋で購入した蒸気銃を改造マニアのニペリットが魔改造して今に至る。 元から扱いの難しいゲデモノロマン銃であったものの、魔改造の影響でゲデモノぶりに磨きがかかった。反動がものすごいことになっているらしい。 現在のメインウェポンである。 【弾丸各種】 「鉄の弾丸」 いたって普通の実弾。たまに過熱されたものが飛んでくる。 当たると痛いじゃすまされない。 「浄化用洗礼弾」 浄化の術式を秘めた魔除けの洗礼石の弾丸。 浄化効果を持ち、魔物やアンデッドに特効を持つ。 「対物用爆撃弾」 爆破の術式を秘めた炎魔石の弾丸。 着弾の衝撃と共に強い爆発を引き起こす危険物。 「防護札」 数々の仕打ちに対し流石に罪悪感を感じた元先輩サキラが作って手渡した防護札。 彼の使用しているものと同じで、持ち主が攻撃を受けた際に自動発動するマジックアイテムである。 被ダメージを75%カットしてくれる強力な効果を持っているが、一度効果を発動すると消えてしまう消耗品。 無くなってしまったがまた作ってもらった。一枚所持。 「J・Aureole005」 ショットガンタイプの魔法銃。 形状は銃身を切り落とし、携帯性及び破壊性を高めたソードオフモデルに近い。 銃器でありながら接近戦に特化した性能をしており、火力重視。 発射の際にエネルギーを凝縮させた細かな魔術弾を複数同時に発射しており、より破壊力を高めている。 本来ならば片手で扱うような代物ではないもののそんなことはお構いなく片手で扱い、鈍器としても使うなど使い方は荒い。 「S・Messiah002」 大型拳銃タイプの魔法銃。 通常魔弾しか撃つ事ができず、チャージなどの機能もないシンプルなもの。 J・Aureole005同様片手で扱い、二丁銃をすることもある。 こちらの方が飛距離が長く、滞空しているなど距離のある相手にはこちらを使うことが多い。 先日の討伐任務にてマッフに強奪されてしまった。 後日同型のものを貰ったが、セクオルとしてはそれでも満足出来ずに徐々に病んでいく。その後マッフのアジトにカチコミし、奪還した。 現在は戦闘で使用することなく2丁とも倉庫内にて大事に保管している。お守りのようなものに。 「C・Storm000」 セクオルの奥の手である魔道兵器で、形状はセクオルがなんとか抱えられそうなくらいの大きさのガトリング砲。 エネルギーを凝縮した夥しいまでの魔力弾を掃射することが可能で、着弾と共に凝縮させた魔力が次々膨張し爆発・炎上する特徴がある。 火力、発射スピード共に凄まじい決戦兵器であるが、反動が凄まじく大きく、機械の身であり腕力に優れるセクオルでも制御は困難。 発射の際に自身をしっかり固定しないと射線が大きく狂ったり反動で吹き飛んだりしてしまう。 「銃弾」 実弾銃用の銃弾で、様々な種類を持ち歩いている。 「義肢」 ミリヤ作の義肢。人間のようなふにふにした肌の人形用パーツを改造して作られた。 セクオルの特性に合わせ、耐熱・耐爆性能は凄まじく高い。 機器が剥き出しになった右腕と左足の換装用パーツとなっている。 25 その他 当初は厳格な感じだったけど大真面目なんだけど傍から見ると痛い子、どっか勘違いしてる子路線に変更。 それに合わせて年齢も20代前半くらいの青年→10代後半くらいの少年に変更。性格もそれ相応に幼めに。 王道主人公系キャラをイメージ。闇堕ち→ちょっと後ろ暗い所もあるけど基本善良な子になりました。 名前の由来は「セクエンツィア」→キリスト教聖歌の曲種の一つから。語源となったのはラテン語の「〜に続く」という意味を持つセクオル。 セクオルが所属していたギルドはラケルタの優位政治の犠牲者たちが設立したものであり、ヴューステの修道騎士の影響も強く受けている。レインフォース内では大きな反魔物組織である。 登録タグ スチームパンク ファザコン ルーキー ロボット 光 機械 水 炎 蒸気 銃器 闇堕ち 魔道兵器
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越冬のススメ その台詞は言わせない の登場人物出てきます。 一部ガチ愛で描写あり。 『越冬』 それは餓死の祭典、ゆっくりの死亡フラグ。 ゆっくりの共食いと餌強奪の実に9割が、この時期に集中することからもわかるように、 ゆっくりの先見性と勤勉さと、強運(これが一番重要)が試される毎年の恒例行事。 ゆっくり達は、意外に多様な方法でこの『越冬』を行っていることを、皆さんはご存じでしょうか? 今回は、ゆっくり達が冬に見せるさまざまな『越冬』の様子をお送りしましょう。 先ずは、スタンダードな『越冬』の様子から。 ■1 備蓄 ~山中にて~ 超小型のカメラが侵入したのはこちら、れいむとまりさの愛の巣です。 「ゆぴゃああああっ! れいみゅゆっくちできないよ~!」 「さむいのじぇ! すーりすーりしてくれのじぇ!」 おっと、どうやら愛の結晶、赤れいむと赤まりさも、元気に泣いて居るようですね。 「ゆうぅ……どうかゆっくりしてほしいのぜ、おちびちゃんたち」 「おかあさんがすーりすーりしてあげるからね! そうしたら、いっしょにすーやすーやしようね!」 ここでカメラには、この巣の"しょくりょうこ"を映して貰いましょう。 ご覧下さい。食料庫には、山菜や干し柿、きのこや、虫などが山と積まれて居るではありませんか。 この餌の総量は、成体のゆっくりがおよそ5体は『越冬』出来る程に蓄えられているのです。 人間の畑から盗んだ野菜が見当たらない辺り、このつがいはかなり賢い個体のようです。 それでは、『冬に赤ゆは死亡フラグ』と言われる理由をお見せしましょう。 「ほら、すーりすーり……」 「ゆうぅぅ……おかあしゃんのすーりすーりはゆっくちできりゅよ!」 「ゆふふ、まりさおねえちゃんも、おかあさんにすーりすーりしてもらうのぜ!」 「おとうしゃん! まりしゃはおなかがすいたのじぇ! むーしゃむーしゃしたいのじぇ!」 どうでしょうか? 赤まりさがごはんを欲しがる様子が見えましたか? 実はこの家族、つい先程ごはんさんを存分に食べたばかりなのです。 「……まりさ」 「しかたないのぜ……おちびちゃん、むーしゃむーしゃするのぜ」 「ゆわーい! ほしがきしゃんなのじぇ! むーしゃむーしゃ……ちあわしぇええ!!」 「おねーしゃんずるいよ! れいみゅにもむーしゃむーしゃさせちぇね! たくしゃんでいいよ!」 ご覧のように、ゆっくり達は足りない"ゆっくり"を食事によって補充しようとします。 ゆっくりがゆっくりを感じるための食事は、実際の所、活動を維持するために摂る食事よりも 多くを必要とするのです。 「ゆふーん。おちびちゃんたちゆっくりしてるよ~」 「ゆゆゆ……だけどれいむ、ごはんさんがたりないかもしれないのぜ……」 そして、賢ければ賢いゆっくりである程、赤ゆの暴食によって不安を感じ、今度は親ゆっくり達が ゆっくり出来なくなるのです。その"ゆっくりできない"雰囲気が、さらに赤ゆに感染します。 これを繰り返すのが『ゆっくりスパイラル』という現象なのです。 一般的に、親ゆ二体+子ゆ二体という構成の家族が六割以上『越冬』を成功させるのに対して、 赤ゆっくり二体を抱えるつがいの家族は、一割も冬を越せないと言われています。 親ゆっくりが赤ゆ達を切り捨てるのか。 あるいは、母性(笑)の"おたべなさい"をする事になるのか。 親れいむのでいぶ化、親まりさのゲス化もあり得るでしょう。 「「むーしゃむーしゃ……しあわしぇ(なのじぇ)~~!」」 「「ゆっくりできないよ!」」 この巣の撮影は継続して参りますので、家族の顛末は春の特番でお楽しみ下さい! ■2 母性 ~山中にて~ 今回取材班は、加工所職員Aさんの協力を得て、特殊な越冬方法をとるゆっくりの発見を成し遂げました。 カメラに映し出された壁のようなもの……皆さんはなんだかわかりますか? 画面端に映るぴこぴこで、これが何だか分かった方も居られるのはないでしょうか。 そう、これは肥満体のゆっくりれいむなのです。 念のために申し上げておきますが、これは"でいぶ"ではありません。ぴこぴこのわさわさの中に、 ちいさな赤ゆっくり達が見えます。しかし、食料の備蓄は何処にも見当たりません。 少し時間を進めて、この親子の食事風景を観察してみましょう。 「おねえちゃん、ゆっくちちていっちぇにぇ!」 「おにゃかしゅいたー!」 「……おかあしゃん、れいみゅゆっくりおなかしゅいたよ!」 「おちびちゃん、ゆっくりしていってね。いまごはんさんをよういしてあげるからね」 そういうと親れいむは、舌で巣の中の土をすくい取り、噛み始めました。 「もーぐもーぐ……ぺっ! さあ、おちびちゃん。むーしゃむーしゃしてね」 「ゆゆ~ん。おかあしゃんのごはんさん、ゆっくりしてるよ~」 「むーしゃむーしゃ……しあわせー」 「おいちいにぇ、おねえしゃん!」 親れいむのわさわさの中で、赤れいむも赤まりさも、ゆっくりとした食事を摂っています。 それを眺める親れいむの表情も穏やかです。 なんとこのゆっくりれいむ、「越冬前に全ての食料を食べて置いて、後で餡子を吐き与える」 という越冬方法をえらんだのです。 土と混ぜ合わせた餡子は甘すぎず不味くなく、赤ゆ達の繊細な味覚を壊すこともありません。 効率の良い餡子の摂取によって、処理が必要なうんうんの量も少なくて済むのです。 ご存じの通り、ゆっくりは"ゆっくり"さえ足りていれば非常に燃費がいいナマモノ、体の大きな 母れいむが体内に餡子の形で保存しておけば、おちびちゃんたちが盗み食いする心配もありません。 常に親子のふれあいからゆっくりを感じ合う事で、この家族の『越冬』は恐らく成功するでしょう。 「ゆ~ん……おにゃかいっぱいになったよ」 「おかあしゃん、ねむたくなってきたよー」 「ゆふふ……それじゃあおちびちゃんたち、すーやすーやしようね」 え……つがいのまりさ? まりさは犠牲になったのです……越冬の犠牲に。 大きな大きな三角帽子が、赤ゆっくりと親れいむの足下で、冬の冷気を遮ってくれています。 なお、この巣は加工所建設予定地となった山で、事前の調査によって発見された物です。 工事の開始は春。 夏になれば、ぴかぴかの加工所で、このゆっくり親子も元気な姿を見せてくれることでしょう。 ■3 ドス ~山中にて~ 皆さん、この一見草が生えているだけの岩壁に、ゆっくりの姿があるのが分かりますか? それでは正解――この、固そうな岩の表面をカメラマンがつついてみます。 ぶにゅおん。ぶにょん。どうでしょうか? 岩の壁が凹んだのが見えましたでしょうか? これは、越冬中の"ドスまりさ"を捕らえた貴重な映像です。 見た目には岩の壁がそびえているようにも見えますが、実は体高3m程のドスまりさが、 洞窟の入口を自らの体で塞いでいるのです。 これが、一般に"ゆっくりステルス"と呼ばれる能力の効果なのです。 ドスの表面は凍っていますが、中枢餡は分厚い餡子の向こうに保護されていて、冬の間中 損傷を受けることはありません。 ドスが顔をどちらに向けているのか気になりますか? ……はい、カメラをやや下に寄せると、なにやら小さな穴があるようです。 ドスのあにゃるか、あるいは閉じた口なのでしょう。 カメラマンさん、適当な枝を中に突っ込んでみて下さい。 「(……ゆっ!)」 ――はい、岩壁がびくりと震えましたね。どうやらあにゃるのようです。 「(ゆっゆゆゆゆっゆゆゆゆ――)」 ああ、カメラマンさん! そんな満面の笑顔で抜いたり差したりこねくり回しては駄目ですよ。 「(――すっきりー!)」 「(ゆん? なんかねばねば……!!)」 「(どぼじでくきさんがはえでるのおおおぉぉぉ――!?)」 「(ゆふ~ん。れいむのあたらしいおちびちゃんもゆっくりして……ゆゆゆ!)」 「(おちびちゃんたちにくきさんはえてるよー! わからないよー!)」 「("えっとう"ちゅうにドスがすっきりしちゃだめでじょおおぉぉ……エレエレエレ)」 どうやらドスの精子餡が、洞窟の中に飛び散って新たな息吹を誕生させてしまったようです。 ナマモノの神秘は素晴らしいですね。 このように、ドスの穴掘り能力が不十分な場合、外部の影響から群れを守りきれない場合もあるのです。 ドスの居る群れはゆっくり出来るというのが、ゆっくり達の間では常識になっています。 ですが、ドスもまた一割ほどが、『越冬』に失敗してしまう事があるそうです。 主な原因は、食料備蓄の不足によって群れのゆっくりが洞窟の内部からドスを食い荒らす事。 先程大量の赤ゆが生まれた洞窟の群れでも、春に近くなればドスを食い破って、成体ゆっくり達が 外に飛び出してくるでしょう。 我々撮影スタッフは引き続き取材して参りますので、その決定的瞬間は春の特番をお待ち下さい! ■4 真空 ~お兄さん宅にて~ ここまでは、自然界で苛酷な『越冬』に挑むゆっくり達の様子をお送りして参りましたが、 中には"にんげんさん"の手を借りて、更に死亡フラグの強化に挑む、果敢なゆっくり達の姿も あるのです。 "越冬に手を貸して欲しい" そんなゆっくりの願いに耳を貸す奇特な――もといドS(親切)なお兄さんのお宅に、 今日はお邪魔をしています。お兄さんこんにちは。 「こんにちは、お兄さんはお兄さんです。ゆっくりしていって下さい」 ……はい、実際にゆっくりを『越冬』させる様子をうかがいましょう。 お兄さんが取り出したのは、皆さんご存じ"透明な箱"。これは一家族が入る防音タイプですね。 中には、見るからにやせた、ゆっくりれいむの一家が居ます。越冬の為の餌を採り損ねたのでしょう。 「私に"越冬"の手伝いを頼むゆっくりは、大体こんな家族構成です。とくにれいむ種が多いですね」 それでは、親れいむの鳴き声を聞いてみましょうか。 「れいむはれいむだよ! ゆっくりしていってね!」 はいはい、ゆっくりゆっくり。 「おにいさんはゆっくりしないで、れいむたちを"えっとうっ"させてね! はるまででいいよ! "えっとうっ!"したら、れいむはむれのまりさとすっきりーするんだよ!」 これは親れいむ、逞しい声で鳴いてくれました。カメラマンさんはビキィッ! しないで下さいね。 ではお兄さん、作業の方にどうぞ。 「はい、まず最初に親ゆっくりを、子ゆっくりの見えない所で分解します」 「ゆゆっ! れいむおそらをとんで――ゆっ!? りぼんさんかえしてね!」 おおっと、此処でお兄さん、親れいむのお飾りを取ってしまいました。 「舌と髪と目も取って、子ゆ達に食べさせます。今回はこちらに、分解し終わった成体のまりさを 用意してありますので、親れいむは脇の箱に――」 「おりぼんさんかえせえええ……おそらをとんで――ぼふっ!」 「ゅ……ゅ……」 成体まりさは、先程の子れいむの箱に入れて食べさせるわけですね? 「そうです――こうやって。この時、箱の中のおちびちゃんたちを潰さないように気をつけて下さい」 ハゲ饅頭の元まりさを、お腹をすかせたおちびちゃん達が猛然と食べ始めます。 「「むーしゃむーしゃ……ちあわちぇー!」」 こうして、『越冬』の作業に耐えられる体力を、子ゆ達につけさせるのだとか。 しかし、親ゆっくりを潰してしまって良いのでしょうか? 「生存率は五割を保証してありますので……」 五割? 「"たくさん"のおちびちゃんが"えっとうっ"できるんだね、だったらいいよ! と、親ゆっくりからは快諾を貰っています」 なるほど、それでしたら安心です。 「もっ……ゅ……」 その間に成体まりさが永遠にゆっくりしてしまいましたが、まだ半分以上残っていますね。 「時間がかかりますので、こちらの"透明な箱"に、食べ終えた子ゆ達を用意してあります」 「おなかすいたのぜ! おにいさんははやくまりさにむーしゃむーしゃさせるのぜ! あまあまでいいのぜ!」 「彼らに今度はラムネを食べさせます」 親ゆを食べて栄養たっぷりになった子まりさ達が、投げ入れられたラムネに食いつきはじめました。 「うっめ! これめっちゃ……うめ…………ZZzz」 「完全に眠った子ゆ達の入った"透明な箱"がこちらです。この子ゆ達を、眠らせたまま布団圧縮袋に入れます」 血色の良いぱちゅりーが三つほど、すーやすーやしていますね。 お兄さん、布団圧縮袋の中に、まりさ種のおぼうしが入っているようですが、これはなんでしょうか? 「子ゆっくりをそのまま圧縮すると潰れてしまうので、緩衝材を入れます。プチプチでも構いませんが、 今回はまりさ種のおぼうしが大量に余っていますので、それを使っています」 なるほど、おぼうしの出所には触れない方が良さそうです。 「後は、普通に掃除機を使って中の空気を抜いて貰えば完成です。 こちらに、パックの終わった圧縮袋があります。保存は、日の当たらない冷暗所が良いでしょう」 はい、ちぇん種の子ゆっくりが、見事に真空パックされています。 ゆっくりは呼吸しなくても死にませんが、活動のためには生意気にも酸素を利用しているとのこと。 ゆっくりを仮死状態に置くためには、真空パックにする事が効果的なんです。 アダルトビデオを思い出したカメラマンさんは、明日病院に行って下さいね。 しかし、なぜまたゆっくりの『越冬』を手伝おうという気になったのでしょうか? 「冬場はゆっくりが寄りつかないので、甘味が不足するんですよ」 ……え? 「――え?」 食べるんですか? 「食べないんですか?」 先程五割とおっしゃいましたが? 「冬の間に少しずつ食べて、半分くらいは残りますから」 …………以上、お兄さんによる『五分でできる、ゆっくり保存食講座』でした! ※なお、番組に使用したゆっくりは、後でスタッフが美味しく頂きました。 ■5 冷凍 ~町役場、ゆっくり対策課にて~ 「……なにやってんだ、あの馬鹿?」 画面に知り合いの顔を発見したお姉さんは、あきれ顔でテレビを消すと、手元のパックから餌用 ゆっくりまりさ(混ぜ物一切無し、一体150円)を取り出して背中に放った。 「ゆゆっ! おしょらをとんじぇ……ふらんだーーーっ!」 「うー!」 空中キャッチ、吸餡、咀嚼、咀嚼、嚥下。 末期の台詞も吐けずに、赤まりさは金バッジを着けたふらんの口に収まった。 「美味いかよ、ふらん?」 「うー……あまあま……」 お腹が一坏になったふらんは、おおきなまぶたをとろんとさせて、波に揺られるビーチボールのように、 ゆらゆらと上下運動を始めた。 「やっぱし、そろそろ冬眠の季節かねえ……」 真っ赤に塗られて、『こうまかん』と書かれた冷凍庫をちらりと見る。 「おねえさん、ふらんをとじこめる?」 「そんなんじゃねえよ。春まで寝てて貰うだけさ」 「ふらん、ひとりでとじこめられる? ふらん、ゆっくりこんてにゅーできない?」 「そんなんじゃねえって」 膝の上に降りたふらんを撫でながら、お姉さんは静かに、相棒の不安を宥めた。 事務用椅子に座ると足が床に届かないお姉さんの足下へ、銅ばっじをつけためーりんが寄ってくる。 「じゃおおお」 「ほれ、めーりんも言ってるじゃねえか。ふらんはひとりじゃ無いってよ」 「じゃお!」 「めーりん……」 お姉さんの足下で、めーりんが胸を張るようにのけぞった。 春になったらめーりんの銀バッジを狙ってみるか、と思い始めたお姉さんの膝で、ふらんは不安に眠れないでいる。 「なあ、ふらん。よく聞けや。アタシは何も、ふらんが可愛いだとかゆっくりできるだとか、 そんな○○玉の抜けた愛で野郎どもみてえな理由でお前の世話してんじゃねえんだ」 「うー?」 「ふらんのその食いっぷりが気に入ってるから、お前を相棒にしてんだよ。 今年の春から、お前がどれだけ野良や畑荒らしのゆっくり共を食ったか分かるか?」 「うー……ふらんわからない」 「驚くなかれ、千と五百に二十匹――だ。さっきの十匹は、経費で買った餌だから数えるなよ」 「それ、"ひゃく"よりたくさん?」 「百が十五個より、ちっと多いな」 「じゃおおお!」 ふらんがお姉さんに褒められていることを察したのか、足下のめーりんが我が事の様に喜んでいる。 「おねえさん」 「ん?」 「らむねさんちょうだい。ゆっくりでいいよ」 「おお……ちょっと待ってな」 掌にラムネを盛るお姉さんの足に、めーりんがぽすん、と体当たりをした。 「あん? なんだよめーりん?」 「じゃお! じゃおじゃお!」 「うーん……弟や"あの馬鹿"と違って、めーりんの言葉までは分からないんだよな、アタシは」 「じゃじゃお……じゃおおおぉぉ!」 のーびのーびを繰り返すめーりんは、真剣そのものの目をふらんに向けていた。 「……ひょっとしてお前、ふらんと一緒に冬眠するって言ってんのか?」 「じゃお!」 「はは、……捕食種だってーのに好かれたもんだなあ、ふらん」 「ふらんもめーりんはすきだよ。おねえさんもゆっくりしててすき」 「そうかい」 お姉さんは、あんよについた埃でスーツの裾が汚れるのも構わず、めーりんを膝に乗せた。 「ほれ、半分こしな」と言って、両手から直接ラムネをむーしゃむーしゃさせる。 「あまあまでしあわせー、だね。……めーりん」 「じゃおおお……」 「おねえさん」 「なんだ?」 「おねえさんは、こんてにゅーできるよ。ゆっくり……していってね……」 やがて寝息をたててすーやすーやを始めたふらんとめーりん。 2ゆを即座に冷凍庫に入れることはせずに、お姉さんは赤と金色の頭を撫でていた。 そんなゆっくりとした気分を遮る、甲高い電話のコール。 「……ちっ!」 こんな季節に、ゆっくり対策課の緊急回線が鳴る用事など、一つしかない。 膝上のゆっくりをやさしく冷凍庫の中に横たえると、お姉さんは餡子に黒く染まった 愛用の得物を携えて、ゆっくり対策課のドアを潜った。 ■6 こどく ~加工所にて~ 「は~い、それじゃあゆっくりの皆、ゆっくり"えっとうっ!"しようじゃないか!」 「ゆっくちりかいしちゃよ!」×500 「ただ、お兄さんはごはんさんを用意していないんだな、これが!」 「ゆっくちちないで、あみゃあみゃをもってきちぇね、くしょどれい! すぐでいいよ!」×500 「あまあまは、そう! 君達自身です!」 「――ゆ――?」×500 「どうかお互いに食い合い殺し合いむさぼり合って、最後の一ゆになって下さい!」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおーーー!?」×500 ぱたん。 加工所職員Aさんは、30程並んだ選別槽の、最後のフタを閉じた。 ここは加工所の最下層。虐待用に出荷されるゆっくりの母体は、こうして生命力優先で選別される。 二体以上のゆっくりが選別槽から出てきたことはないが、逆に全滅した選別槽も未だかつて無い。 これは、孤独を生み出す箱であった。 「ああ、聞こえる。ゆっくり達の織りなす阿鼻叫喚の調べが!」 れいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりー、ちぇん、みょん。 適当に入れて置いても、春に生き残る種類はなかなか偏らないものだと、Aさんは毎年の経験から知っていた。 「む……むむむ? 私には聞こえる。私には分かる! これはドスの足音ですね。 こんな時期に外を出歩くとは……ああ! 全く持って勿っ体っないっ!」 ■7 越冬失敗例 ~冬空の下~ Aさんの加工所から20km程離れた国道沿い。 飢えに耐えかねて山を降りたドスの群れは、ぎらぎらと粘つくような視線を、 道の真ん中で通せんぼをする"にんげんさん"の小さな姿へと向けていた。 「六尺五寸――って所か。小せえドスだな……」 ヒールを履いてぎりぎり五尺のお姉さんが、巨大なドスを見下した様に言った。 「にんげんさんはゆっくりここを通してね! ドスは"きょうてい"をむすびに行くんだよ! ドスたちは――」 「腹へってんだろ? メシをたかりに行こうとしてんだろ?」 「……ゆ?」 「言わなくても分かってンだよ。手前ーらが学習机だのランドセルだの、欲しがるわけねーだろうが」 ドスは、何故かゆっくり出来ない気配を感じて首(体全体)をかしげた。 このお姉さんは体も小さく、お飾りも無くてゆっくりしていない。 なのに何故か、れみりゃやふらんのような捕食種の気配を感じる。 「おい、そこのドス。悪いことは言わねえから、手前ぇ……今の内に死んどけ」 「ゆ……いきなりなにいってるのおおぉぉ!?」 「餌を溜めとく計画性も無え……。人間の危なさも分かってねえ……。にっちもさっちも行かなくなって、 いざ飢え死ぬって段になって、人間様を倒せば英雄か? 危機管理のできねえ無能なリーダーなんざ、 居ない方がマシだ。さっさと体真っ二つにかっ捌いて、"おたべなさい"しろや。そうすりゃ群れの一個ぐらいは、 ドス食って生き延びられるだろうが」 『ドスが群れを引き連れて人間のテリトリーに入った』 その事実が見過ごせない以上、ドスの命はもはや無い。 ただ、ドスの使い道が残っているだけだ。 「ドスじゃなくてにんげんさんがしねばいいんだよー。わかってねー!」 と、ドスの後ろから、成体になったばかりらしきちぇんが飛び出して言った。 「そ、そうなんだぜ! にんげんさんがおとなしくごはんさんをむーしゃむーしゃさせてくれれば、 いたいめをみずにすむのぜえ!」 「むきゅ! ゆっくりしたドスが、ドスすぱーくをつかえば、にんげんさんもたおせるわ!」 若いちぇんの勇姿に心を打たれたのか、成体のまりさとぱちゅりーがしゃしゃり出てくる。 場の勢いに乗って、ドスの背後からも群れのゆっくり達がやんややんやと声を上げはじめた。 「あ゛ぁ゛?」 「ゆ……ドスはにんげんさんのおどしにはくっしないんだよ!」 お姉さんが凄んで見せても、ゆっくり達に引く気配はない。 危険な様子が分かっていないのだ。餓えが、野生の勘を削いでいた。 「交渉決裂ぅ……。まったく、どうせなら町長ん家の方に向かえっての。そしたらドススパークの一発ぐれーは 見逃してやんのによぉ。――よりによってあの馬鹿ん家の方に来やがる」 お姉さんはちらりと、背中の方に見える山を向く。 それは、もりのけんじゃ(笑)からすれば、致命的な隙にも見えた。 「むきゅ! いまよドス! いまのうちにドスすぱーくをつかうのよ!」 「ゆん! そうだね、ぱちゅりー!」 ドスは慌てて、おぼうしの中からすぱーく用のキノコを取り出す。 そしてキノコを口に含もうとしたその瞬間、ひゅん、と一陣の黒い風が吹いて、ドスの舌が根本から寸断された。 「ゆ? ドスの……ドスのべろさんがーー!」 「おーおー、流石ゆっくり。舌が無くてもしゃべれるんだな」 「もどってね、べろさんゆっくりしないでもどってね! ぺーろぺーろ……できないいいいいぃ!」 舌を口に戻そうとしてむーしゃむーしゃしてしまう程混乱したドスの前で、ひゅんひゅんと鳴る風は お姉さんの手元に巻き戻り、一束のトゲ付きワイヤーとなる。 「ちゃらららん。"ゆー死鉄線"~~」 効果音付き大山のぶ代で。 お姉さんは餡子の染みついた凶器――"ゆー死鉄線"を掲げた。 ひゅん! 放たれた"ゆー死鉄線"が、一瞬の内にドスの全身に巻き付く。 「ゆ――ほどいてね! おねえさんこれほどいてね!」 芯まで染みついたとてつもないゆっくりの死臭が、ドスの全身を苛んで、あまりにもゆっくりできない。 見れば、お姉さんがおもむろに取り出した二本目の"ゆー死鉄線"が、意志ある蛇のように群れのゆっくり 一体一体にまきついてゆくではないか。 「言いたいことがあるんなら、口がある内に言っとけや……」 そして、お姉さんは小さな体を一坏に使って、"ゆー死鉄線"をゆっくり、ゆっくりと締め上げはじめた。 「このアタシのプリティーな耳の穴よーくかっぽじって、命乞いから断末魔までガン無視してやっからよお!」 「がえりまず! おうじがえりまずがら! ごれほどいてえええええ!」 お姉さんは宣言通りに。 耳を貸すことは、無かった。 ■8 越冬成功例 ~辛い季節を越えて~ 「やれやれ、やっと取材スタッフの方も帰ってくれましたね」 今年の『越冬』分真空パックゆっくりを抱えたお兄さんが、保存庫にしている納屋へと足を運んでいる。 「あとは、ここに全部放り込んで置いて……と」 がらがらがら……どさり。 「あ」 納屋の扉から出てきた物は、がりがりにこけた頬、干からびた白玉の目玉、よれよれのお帽子。 「ゆっ……ゆっ……ゆっ……」 去年の冬に入れたまま、出し忘れた成体まりさの真空パックだった。 「もっと……ゆっくり……したかった……」 断末魔のまりさを見下ろして、お兄さんはほっと一息。 「良かった。どうやら、越冬は成功していたようですね」 納屋にゆっくりパックを放り込んで、扉をそっと閉ざした。 終わり。 過去作品 anko1521 その台詞は言わせない3 anko1508 その台詞は言わせない2 anko1481 その台詞は言わせない
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ぴょこぴょこお月見うさぎ ホワイト ぴょこぴょこお月見うさぎ アクセサリ:ネックレス ウサギ品 交渉不可 可動品. 色:白
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パスワードの入力方法 ゲームスタート画面→データ→プレゼント→「ダウンロードをおこないますか?」はい→「パスワードを入力しますか?」はい パスワード一覧 雑誌名 パスワード もらえるアイテム ニンテンドードリーム マッスルのシャツ ショートケーキのふく ファミ通DS+Wii ファミツウソファ ふうせんソファ JSガール ジェイエスガール デニジャケ ドットT・ネオンカラーミニスカ ニコ☆プチ スイートガーリー かさねフリルキャミ・ラメシアンスカート ぴこぷり ぴこぷりんのすたんど プリンライトスタンド ちゃお ちゃおっこひめわんぴ ひめフリルドレス・アーガイルピンク なかよし なかよしのきもの ピンクリボンのはおり ぷっちぐみ ツヤツヤハート つやつやハートソファ キャラぱふぇ きゃらぱふぇ きいろのはなワンピ TSUTAYA おおきなくまさん でかくまソファ イオン購入特典 キュートなこぶた こぶたのとだな コンプリートガイド ファミつうだけのアイテム バイトねこべんとう 完全攻略ガイド デンゲキアウトレットかぐ パンケーキテーブル
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【作品名】これはのみのぴこ 【ジャンル】絵本 【名前】ぷち 【属性】のみのぴこの住んでいる猫のごえもんの尻尾ふんずけたあきら君の漫画読んでるお母さんがお団子を買うお団子屋さんに お金を貸した銀行員とピンポンをするお相撲さんの憧れている歌手のオウムを盗んだ泥棒にトマトぶつけた八百屋さん が選挙で選んだ市長の入れ歯作った歯医者さんのホルンの先生の顔をひっかいた猫のシャルルの背中に住んでるのみ 【大きさ】蚤並 【攻撃力】【防御力】【素早さ】蚤並 【長所】ジャンプ力が昆虫一 【短所】属性欄に本書の内容が全部書いてあること vol.4 10 :格無しさん:2014/10/13(月) 16 27 14.00 ID +/kHhFpD ぷち考察 虱とほぼ同じ大きさだがパワーなら蚤の方が上だろう ミミズ、ダンゴ虫ともジャンプしまくれば分けが取れるからダンゴ虫と=