約 7,249 件
https://w.atwiki.jp/ogasawara/pages/43.html
NO.04 はるさんからの依頼 言葉は不便なものである 人は言葉に頼るが故にその思いを正しく伝えられない事がある その人にとって大事な時ほど、可能性は高い -E・ハガネスキー 浅田物語 少女の名は浅田という。名前は今は無い。 普段はキノウツン藩国というところで藩王付きのメイドをやっている猫耳少女である。 知り合いに誘われて彼女は小笠原へと旅立った。 ここは学校、今は昼休み。授業の緊張感が過ぎ去り空気が弛緩している。 浅田は同郷のはると連れ立って教室を出る。上履きをペタンペタン言わせつつ二人は屋上へと足を向けた。 階段を上がるたびに昼食の入ったコンビニ袋がかさかさとこすれる音を立てる。 「似合わんな、確かに。まあ、谷口の言うとおりだとしても。浅田ならどうとでもするさ」 そういったはるが加齢メイクを落とした顎を撫でる。 はるの言葉も不安を感じる浅田には届かなかった。 昼休みのチャイムが鳴った直後、浅田は教室内に吉田遥の姿を探した。一緒に昼食でも食べようと思ったのだ。 その後ろでは源健司と岩崎仲俊が山口葉月の弁当を取り合って喧嘩している。源はとても楽しそうだが岩崎は鬼のような形相だ。 浅田は青い目を猫のように細めて教室を見渡す。 机に鞄は置いてある、つまり学校外には出ていないはず。 はたと気づいた。そういえば竹内の姿も見えない。 「はるさん、遥ちゃんと竹内君見ませんでした?」 後ろにいたはるに訪ねてみる。 「え、俺は見てないな。こらいい加減に返せ」 源の手からコンビニ袋を奪い返している。どうやら昼飯のようだ。 「誰か出て行くところ見てるだろうけど…あ、谷口さん、急いでそうなところ悪いけど、吉田さんと竹内君見なかった?」 廊下側の席から立ち上がろうとしていた谷口にはるが声をかける。 「ん。ああ。二人とも屋上だと思うが、あー。そのなんというか俺が言うのも似合わないが、その、あんまり邪魔…」 「教えてくれてどうもありがとうございます、谷口さん」 谷口の言葉を遮って浅田とはるは廊下に出て行く。 「…行きやがったか」 残された谷口は眼鏡を懐にしまうと頭をかいた。 場面は屋上への階段に戻る。 浅田の目にまぶしい光が差してくる。屋上への扉が開いているようだ。 扉を開けようとする浅田をはるが止める。隙間から先客の姿を見つけたようだ。 -遥と、竹内だ。何か会話しているらしく、真剣な表情をしている。 はるは扉の影から頭の猫耳をぴこぴこさせて聞き耳を立てた。 (…何を話しているのか良く聞き取れないな) 風の向きが悪いらしく、会話の内容が全く聞き取れない。 と、足音がこちらに近づいてくる。遥だ。 慌てて二人は扉から離れる。ばたん、と扉が壁に押し付けられて遥が階段へと降りていく。 その横顔には、涙が見えた。 「遥ちゃん」 「行ってやれ浅田」 はるの言葉に頷くと、浅田は弁当を持っているのを忘れて遥を追いかける。 浅田の背中を見送るとはるは竹内に話しかける。 「竹内! 吉田さんのことで話したいから付いてきてくれないかなっ?」 言葉は軽いが、真剣な眼差しのはる。 「僕にはないな」 はるの視線をつい、と受け流すと竹内はすぐに、立ち直るよ、と呟いた。 「じゃあ、浅田を助けてやって欲しい。今一番ぐるぐるしてるから、何しでかすか」 「うーん。僕がいったほうが、悪影響だと思うんだけど、まあいいか」 頭に手をやりながら、竹内はそう答えた。 立ち直るか立ち直らないか優先で物事考えるなら、貴方は二流ですっ、とか浅田なら言うんだろうなーと考えつつ、はるは元来た階段の柵に手をかけた。 「痛みが少ないほうがいいとは思うけどね……」 だからそう言った竹内の言葉は耳に届かなかった。 2F、踊り場。 遥が階段を下りていく。泣いているせいかあまり周りを気にせず走っており、浅田との差が広がっていくばかりだ。 二段飛ばしで遥を追いかけていた浅田はスカートがめくれないように気をつけつつ三段飛ばしをはじめる。 だが遥との差はなかなか縮まらない。このままでは他の生徒に遥が泣いている姿を見られてしまう。 いやだ なにが嫌なのかわからないけどそんなの嫌だ。 ぎゅ、ともはや中身が悲惨な事になっているであろうお弁当袋を握り締める。 その時、上の方からひゅ、と何か大きな物体が落ちていく。 物体はくるくる回りながら空中を泳いで移動していき途中で壁を蹴ったりしながら遥の先に着地する。 物凄い勢いで遥が固まる。ぴし、という音が聞こえるかのような固まり方だ。 泣きながら唇の端が引きつりあがりさらに涙目になっていく。眼前に降って来たはるが 「遥ちゃん、待って!」 浅田は階段の手すりを掴んで体の遠心力を相殺しつつ急制動、そのまま遥を抱きしめる。 浅田の声に振り向くと、安心したのか遥はわあわあと泣き出した。 「駄目だよ遥ちゃん……可愛い顔が台無しだよ……」 自分のハンカチを取り出すと、下から見上げるように遥の涙を拭いていく。 泣かないで。大丈夫だから。ほら、お昼ご飯だよ、と浅田が慰めるが遥は泣き止む様子が無い。 その後ろで源が目さどく遥を見つけてこっちへ寄って来ようとする。が、はるが投げたサンドイッチに釣られて窓から落ちた。 「よし、時間は稼げた」 だが、はるは源健司という馬鹿を見誤っていた事に気付く。 2階の窓から落ちた源は猫先生でもないのに見事に前転して着地を決める。パンは口にくわえて離さない。 「いえー」 ブイサインである。 「まだ来るか。竹内、あれ迎撃するの手伝ってくれないかな。良いところなんだよ、いろいろと」 「迎撃って」 何か嫌な事を思い出したのかはるは真剣な表情で竹内に持ちかける。 それを見て竹内は苦笑いした。 「竹内さん!このままだと、遥ちゃんもっと泣いちゃう!お願い!せめて、助けて!」 「俺は吉田さんが浅田を通じて幸せになるのを見るのが趣味なんだ、頼む。掃除当番代わってもいい」 浅田とはるが詰め寄って二人で竹内の襟元を掴む。 「いらない。まあでも、僕が原因だしね」 よし、とはるが叫んで再び階段を飛び降りた。どうやら足止めにかかるようだ。その手には昼飯であろう、カツサンドと焼きそばパンが握られている。 源、お前俺の邪魔したいだけだろ、どうせ、とか、はっ、んなわけねえよっと、という声が階下から聞こえてくる。 やがてどーん、という音とうわぁ、というはるの叫びが聞こえてきた 3人が急いで下へ降りると、そこにはグリンガムに押し倒された(というか盛大にじゃれつかれた)はるとにやにや笑いながら迫ってくる源の姿があった。 rel_0160.jpg 「二兎を追うときは二手に分かれる。俺天才」 だが、はるは諦めていない。 (逆に考えるんだ、あいつにもう切り札はない) 決死の表情でグリンガムに舐められてべとべとの顔に携帯を構える。 その通話先は- 金城美姫は副委員長である。 この日も委員長の善行忠孝と共に職員との会議を終えて、教室に戻る最中だった。 「…会議がうまく進んでよかったですね」 「ええ、昼食を食べるくらいの時間はありそうです。貴方もゆっくりしてください」 「はい」 天気もいい、外で食べるのもいいかな。 そんな事を考えつつにこにこと廊下を歩いていると、ふとある人物が目に止まった。 その人物はにやにや笑いながら何故か階段の方へと向かおうとしている。金城の良く知るその表情は 金城の顔から瞬時に笑みが消えていく。 「委員長、ちょっと用事を思い出しましたので失礼します」 はい、と返事をしようと振り向いた善行の視界には猛スピードで遠ざかっていく金城の後ろ姿が見えた。 はっ、と殺気を感じて源は己の左を向く。 そこに見えたのは怒り狂って走ってくる一人の女生徒。最大の天敵とも言える金城美姫だった。 「金城さーーん、源がまたセクハラしてるよーーー」 金城、はるの言葉で、状況を把握。その間わずか0.5秒。 障害物となるグリンガムを見事な跳躍で飛び越えると、そのままの勢いでとび蹴りを源の顔に喰らわせた。 声にならない叫び声を上げて廊下の向こうへと吹っ飛んでいく源。壁に激突してようやく止まった。 だが、鬼の形相の金城がすぐ追いつき、ずるずると引きずっていく。おそらく今日一日は帰ってこないだろう。 とことこと、浅田や遥たちがはるの近くに寄ってくる。 「女神だ…」 べろべろ舐められたままのはるはふと手に持っていたパンを思い出し、グリンガムに差し出す。 「ほら、お前が全部くっちまえ。グリンガム。遠慮はいらないよ」 嬉しかったのかグリンガムの長い尻尾がさらにたぱたぱ振られる。 すぐ近くにいた遥の方に目掛けて。 「え……?」 「……危ない」 浅田は自分の危険を考えなかった。体が勝手に動いたのだった。 遥を押し倒して尻尾からかばう形になる。 ぎゅ、と遥に抱きついて数秒後に訪れるであろう死を覚悟した。 … …… ………? 恐る恐る目を開けてみる。 あと10数センチの所で竹内が尻尾を受け止めていた。 相当な衝撃だったのか、受け止めた手の平から血が垂れている。 遥がおそるおそる顔を上げようとすると、竹内はそれを避けるように廊下を走って行く。 「……あれ?」 ようやく遥が顔を上げると既に竹内の姿は見えなかった。 浅田があまりの事に「た、竹内さん……」と言うと、その後ろでグリンガムにめーと言っていたはるが「不器用な…」と呟いた。 竹内の名前を聞いて、遥は深く落ち込んだ。 真下を向いて、帽子を深く被り、酷く落ち込んだ。 「遥ちゃん。もう、私の顔も、見たくない?」 浅田の言葉に遥はふるふる、と首を振る。 そして ふられちゃった。ふられちゃったよ。 ただ、そう言うだけだった。 遥の言葉に、浅田は何も出来なかった。 ただその場に立ち尽くすことしか出来なかった。 rel_0158.jpg 廊下を5月の風が吹き抜けていく。 心の答えは まだ見えない。 続く…? 御発注主:はる@キノウツン藩国 http //cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=20;id=gaibu_ita 製作: 高原鋼一郎@キノウツン藩国 http //cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=77;id= nico@土場藩国 http //cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=77;id= 橘@akiharu国 http //cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=74;id=UP_ita 引渡し日:2007/ counter: - yesterday: -
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/1514.html
土や緑も珍しくない、郊外の住宅地。 今日、空を見上げた人間は、揃ってこう言うだろう──いい天気だなあ。 そんな爽やかな日差しの下を、一匹の犬が行く。 首輪は付いていない。 身の回りの世話をしてくれる人間──飼い主もいない。 俗にいうところの「野良犬」だ。 その日暮らしの彼ではあるが、翻せばそれは飛びっきりの自由だ。 飼い犬には決して真似のできないその生活を、彼は謳歌している。 彼の表情が、 「きょうはなにをしようかな?」 そう、楽しげに微笑んでいるように見えるのも、あながち錯覚ではあるまい。 いい天気だし、ちょっと遠出をしてみよう。 普段は歩かないコースを辿って、おもむろに電柱にマーキング。 その辺の飼い犬がなにやら吠えているが、そんなもの気にもならない。 縄張り拡大と放出感に満足し、ふと顔を上げると、前から何かが跳ねてきた。 「ゆっゆっゆ~。きょうはいいおてんきだね!」 「たいようさんも、すごくゆっくちしてるよ!」 「ゆっくち! ゆっくち!」 ポテン、ポテンと歩を進めるのは、ゆっくりの家族。 先頭の親れいむに、子れいむと子まりさが続く。 「ぜっこうの『ぴくにっく』びよりだね!」 起きたらこの好天気。 おうちのある藪を飛び出し、急遽ピクニックに出てきたのだった。 「ゆゆーん。おちびちゃんたち、みちのはしっこのほうをあるいてね!」 「はしっこをゆっくちあるくよ!」 かねがね、子どもたちに「社会勉強」をさせなければいけないと思っていた。 ほとんどおうちの周りから出たことのない子たちだ。 この世界で生きていく上でのルールを──特に人間さんの怖さについて──教え込まなければ。 人間さんに殺され、先に逝ってしまった番のまりさのためにも、この子たちにはずっとずっとゆっくりしてもらいたい。 しんぐるまざーとその子どもだからといって、他のゆっくり達に舐められてはいけないのだ。 親れいむは使命感に燃えていた。 「ゆゆっ!? あそこにおやさいさんがいっぱいあるよ! むーちゃむーちゃしていい?」 「ゆっ! そこははたけさんだよ! にんげんさんたちのばしょだから、はいったらこわいこわいだよ!」 「ゆ? ゆーん、ゆっくちりかいしたよ……」 未練タラタラ、横目で畑を見ながらも、子ども達はどうにか納得してくれたらしい。 とにかく人間さんには逆らってはいけない。 それさえ守れば、自分たちはずっとゆっくり暮らしていけるのだ。 平日の午前中、静かな住宅街。 人間さんも、すぃーも、この時間帯のこの場所ではほとんど見かけない。 まさにピクニックには最適な日だった。 「もうすぐかりのばしょだよ! おちびちゃんもおおきくなったらごはんをとりにくるばしょだから、しっかりおぼえてね!」 「ゆっくちおぼえるよ!」 地域のゴミ集積場へと向かう一行の前に、大きな影が現れた。 目の前に人間の生首が転がっている。 大きいのが一つに、小さいのが二つ。 揃って呆けたように彼を見上げている。 おお、と野良犬は唸った。 野良犬仲間に聞いたことがある。たしか「ゆっくり」と言ったか……。 初めて見るその生き物に戦々恐々としていると、突然、小さい二匹が声を上げた。 「ゆっくちちていっちぇね!」 その甲高い声に彼がビクっとすると、今度は大きいゆっくりが叫んだ。 「いぬさんはゆっくりできないよおおお!!」 混乱する親れいむ。 最愛のまりさを殺した人間さんへの恐怖を教え込むばかり、他のことがまったくおろそかになっていた。 そうだ。 そういえば。 この世界には、人間さん以外にも恐ろしいことはたくさんあるのだ。 犬さんもその一つ。 しんぐるまざー友達のありすは、子どももろとも犬さんに食べられたと聞く。 自分自身が遭遇した事がなかったとはいえ、なぜ子どもたちにその恐ろしさだけでも教えておかなかったのか……。 いや、今ごろ後悔してもはじまらない。とにかくこの場から離れなければ。 「お、おちびちゃんたち、ゆっくりしないでにげるよ!」 その時、犬さんが「クゥン」と優しげに鼻を鳴らした。 その音に反応したらしい。 「ゆゆっ? のらいぬしゃん?」 「ゆゆ、いまのこえ、いぬしゃんもゆっくちしちぇるね!」 子どもたちはあろうことか、犬さんの側に寄っていく。 「どうしていぬさんにちかづくのおおお!?」 子どもたちは聞いていない。 犬さんに「フンフン」と顔を、鼻を近づけられ、喜んでいるようだ。 「ゆ~、くちゅぐっちゃいよお~」 「まりしゃも! まりしゃもふんふんしちぇえ~」 あれ、と親れいむは思った。 この犬さんは、ひょっとしてゆっくりしているのかな? よくよく考えてみると、ゆっくりの中にも、ゆっくりしていない者などはザラにいる。 しんぐるまざー友達のれいむなどがそうだ。 「しんぐるまざー」であることを傘に着せ、いつも傍若無人にふるまっている。 同じれいむなのに、なんでああも自分とは違うのかと、いつも不思議に思っていた。 だから犬さんにもいろいろいるのかも知れない。 そんなことを考えていると、 「おれいにれいみゅが、ぴこぴこしちぇあげりゅね!」 子れいむは揉み上げをピコピコ上下させ、 「まりしゃはぴゅんぴゅんすりゅよ! ゆっくちみてね!」 子まりさはその場でピョンピョン跳ねた。 それを見た犬さんが、しっぽをフリフリさせる。 「ゆっ! いぬさんはゆっくりしてるね!」 親れいむは、とてもゆっくりした気持ちになった。 その時、犬の本能が閃いた。 犬という生き物は、動き回る物体がとにかく大好きだ。 それは飼い主とのフリスビー遊びや、ボール遊びを例に挙げるまでもあるまい。 野良犬である彼とて同じ事である。目の前で動いている小さいモノを目にして、体が動かないわけがない。 黒い帽子をかぶったゆっくりに向け、前足を一閃。 驚くほどあっけなく潰れる。 頭上からの一撃を受けたゆっくりは、「ゆ゛っ」と短くうめいて、そのまま動かなくなった。 あたりに、ゆっくりの中身──とろけるような餡子──の香りが漂う。 ところで、彼ら犬の大好きなものがもう一つある。 それは古今東西、甘いものだ。 甘い匂いの元に、彼は顔を近づけ…… 「れいぶの、れいぶのかばいいおちびぢゃんがああああああ!」 親れいむは絶叫した。 何が起きた? わかっている。目の前で我が子が潰されたのだ。 「素敵なお帽子」を体にめりこませ、平べったくなっている子まりさを見て、 「れいぶのおちびじゃんがつぶれじゃったあああああああ!!!」 親れいむは再び絶叫した。 「おねえちゃんがしんじゃっだあああああああ!!!」 遅れて子れいむも叫ぶ。 「おちびじゃん、しっがり! しっがりしでね! ぺーろぺーろ!!!」 死んでいるのはわかる。しかし親の悲しい本能か。我が子の痛みをやわらげようと、親れいむは子まりさの体 ──すでに中身と区別が付かなくなっている──を舐めはじめたが、もちろん無駄な行為だ。 死んだゆっくりは元にはもどらない。 「どうじて、なおらないのおおおおお!?」 その時、大きな影が親れいむを覆った。 犬さんだ。犬さんが、自分と死んだ子まりさを見下ろしている。 「ぷ、ぷくー!! ぷくーだよ、いぬさん!!!!」 咄嗟に親れいむが頬を膨らませ威嚇するが、犬さんはそれを見ていない。 犬さんは子まりさだったものを見つめ、鼻を「クン」と鳴らした後、おもむろに舌を突き出した。 「ゆゆっ! いぬさん! ぺーろぺーろしてあげてね! いたいいたいをなおしてあげてね!」 混乱しているのか、他でもない野良犬さんが我が子を潰したことを忘れきっているのか。 親れいむはただ必死だった。 「ぺーろぺーろだよおちびちゃん! いぬさんもぺーろぺーろしてくれてるよ!」 しかし親れいむは勘ちがいしていた。 犬さんは決して「ぺーろぺーろ」しようとしたのではない。 ぺーろぺーろと、なめようとしていたのではなく…… 彼は「それ」ガツガツと貪った。 甘い味と匂いが口の中に広がる。 初めてゆっくりに出会い、初めて食ったわけだが、これは久しく忘れていた快感だ。 気のいい人間から食べ物をもらえることは少なくないとはいえ、甘味はそうそう味わえるものではない。 大きいゆっくりが体当たりをしてくるのが邪魔くさいが、夢中でペロリと平らげた。 「じね! おちびじゃんをたべた、いぬざんはじねええええ!」 「おねえちゃんがたべられじゃっだあああああああ!!!」 なにがなんだかわからないが、親れいむとにかく体当たりを続ける。 怖い犬さんに出会ったら、それは実はゆっくりした犬さんで、そう思ったらおちびちゃんが潰されて、 あろうことか食べられてしまった。 「どおじでおちびじゃんをたべじゃうのおおおおお!!!!!!」 親れいむは、犬さんに体当たりを続ける。 まりさの忘れ形見だったのに! 素直で、とてもゆっくりしたいい子で……。 怒りと悲しみを込め、そのゆん生最大、渾身の体当たりを犬さんに見舞う。 「じね! ゆっぐりじねええええええ!」 その体に、犬さんの牙が食い込んだ。 もうそんなに腹は空いていない。 しかし彼は野良犬。こんな甘味に、次はいつめぐり合えるかはわからないのだ。 食べられる時にはしっかり食べるのが鉄則。 人間風に言うなら、さしずめ──据え膳食わぬはなんとやら、だ。 もし食べ切れなかったら、その時はその時。 いつものように…… 食べられている。 親れいむの恐怖は最高潮に達した。 「いぬさん! やべてね! いだいよ、やべでね! ゆっ! ゆがあああああああ!!!!」 「おかあしゃんがいたがってるよ! やめちぇね! もうやめてあげちぇね!」 容赦なく突き立てられる鋭い牙。 「れいぶのおりぼん!!!!!」 まりさが褒めてくれた、きれいなおリボンが引きちぎられた。 「れいぶのきれいなおべべがああああああああああ!!!!!!!」 まりさが好きだといってくれた、自慢の瞳がえぐり出され、あっけなく潰された。 「れいぶのあんよさん! たべないでええええええええ!!!!!!!」 美ゆっくりだったまりさをも魅了した、その自慢の脚線美も切り裂かれた。 親れいむのすべてが。すべてが蹂躙されていく。 「おかあしゃんをたべないでえええええええ!!!!」 ああ、おちびちゃんが怖がっている。 どうしてこんなことになっているのだろう? 子れいむの声をどこか遠くに聞きながら、親れいむは考えていた。 今日はとてもいいお天気。。 家族みんなで、社会勉強を兼ねた楽しいピクニックだったのに。 何を間違えたのだろう? しんぐるまざーとはいえ、どこよりもゆっくりした家庭を築いた自負があったのに。 「おかあしゃんが! おかあしゃんのからだがなくなっちゃったあああああ!!!!!」 ああ、おちびちゃん泣かないで。 薄れていく意識の中、親れいむは、番のまりさと子まりさのゆっくりとした顔を見た気がした。 公園の片隅、一匹の犬が土を掘っている。 彼のその口元と前足を汚す餡子に、だんだん土が混じっていく。 らんらんと輝く彼の目は、まるで特別な宝物を見つけた少年のものだ。 ほどなくして、掘り返された土の中から、かつては食べ物だった腐敗物や骨が姿を現す。 それを見た野良犬は、満足げに鼻を鳴らす。 かたわらでは、紅白の小さなゆっくりが、震えながら涙を流していた。 (了)
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/1130.html
前半『 ほり 』 俺は部屋の惨状に顔をしかめる。 荒れ果てたリビング。 あちらこちらは泥だらけ。 食べ物を求めて右往左往した証拠が残された事件現場。 中央に置いている大きなコタツ。 俺はゆっくりとコタツに近づき、布団端をつまみ上げた。 「ゆっ!? ここからだしてねっ!」 「ゆっくりでられないよっ!」 内部に居たのはれいむとまりさ。 上目使いで涙ながらに助けを求めている。 「たすけてねっ! かわいいれいむをたすけてねっ!?」 「まりさはいいゆっくりなんだよっ!?」 のーびのーびしながら脱出を計るゆっくり達。 しかし、段差には全く届かない。 このコタツは掘りコタツ。 大きな穴が床下に掘られた暖房器具。 洋式の椅子に座るような感覚で暖をとることが出来るコタツなのだ。 不便な点はどのような道具にも存在する。 掘りコタツの不便な部分は、横になって寝そべる体制は厳しいと言う事。 それと、このようなゴミが底に溜まりやすいので注意しなければならない。 「れいむはかわいいでしょっ? とっても、ゆっくりしているでしょっ!?」 「まりさはすてきなゆっくりなんだよっ!」 俺は内部に手を突っ込んである物を取り上げる。 助けに来たと勘違いしたれいむ達を押しのけて小さな箱を手に取った。 うるさく喚くれいむ達の声を背にして台所へと向かう。 台所で暫く作業に没頭する。 準備が終わった俺はコタツ布団を再度捲り上げた。 「なにをしているのっ! はやくれいむをたすけてねっ!?」 「まりさはゆっくりしたいんだよっ! このせまいおへやからおそとにだしてねっ!?」 今回は悲しみの表情を浮かべることはなく、怒りを前面に表している。 イライラを抑えきれず体を震わせているれいむ達。 その中心部に小さい箱を戻す。 「ゆっ? ごはんさんだねっ! むーしゃむーしゃするよっ!」 「まりさもたべるよっ!」 ご飯を貰ったと勘違いするれいむ達。 直ぐに笑顔を疑問の表情に変えて、苦痛を訴える顔面芸を披露する。 「あづっ!? あづいぃいいいぃいいいいいっ゛!」 「ゆあっ゛!? あじいぃいいぃいいいいっ゛!」 小さな箱から熱気が迸る。 狭い掘りごたつの底に季節外れの夏が到来した。 「ゆわぁあぁああっ゛!? だずげでぇええぇええぇっ゛!」 れいむは小さい箱から距離をとるために暴れ出す。 丸い体に跳ね飛ばされたまりさは、熱気むんむんの小さな箱に激突する。 「まりさのすてきなほっぺたさんがぁあぁあああぁっ゛!?」 真っ赤に染まっていくまりさのホッペ。 頬を焼く小さな箱から懸命に逃れようと暴れるまりさ。 「れいむをたすけてねっ!? ここからだしてねっ!」 「ゆぶぶぶぶっ゛!? どいでねっれぇいぶっ゛!」 まりさを足場に脱出を計るれいむのせいで体は動かない。 れいむの大きなお尻はまりさの顔面に乗っかったまま。 上下左右に体を捩ってみるが、這い出る気配は一向に訪れない。 「ゆっ! ゆっ! ゆーっ!?」 「ゆげっ゛!? おぼっ! ぐげぇっ゛!?」 れいむは跳ね上がる。 まりさの顔面の上で。 しかし、求める理想郷は遠い。 飛び上がるれいむの遥か頭上に帰還ルートが存在していた。 「ゆーっ! ゆーっ゛! だずげでねっ! だずげでぇええっ゛!?」 「ゆっ゛ゆっ゛ゆっ゛…ユッ゛ユッ゛ユグッ゛!……ゆげぇえぇっ゛」 まりさはれいむに潰されてゆっくりしてしまった。 運動をしてれいむはポッカポカ。 掘りごたつの底は熱気むんむん状態。 れいむは涙を流しながら叫び続けた。 「ゆっ!? やっとれいむをたすけてくれたんだねっ! ちょっとゆっくりしすぎだよっ! はんせいしてねっ!?」 れいむは掘りごたつ内部から引き上げられた。 まりさが焦げる臭いで危険を察知した俺は、慌ててコタツ布団をひっくり返したのだ。 やっぱり、怒りのまま思いつきで行動してはいけないと反省。 「ゆっ!? そっちはおそとさんだよっ! さむいさむいなんだよっ!?」 俺は玄関に向かう。 赤いリボンを鷲掴みにされて宙に浮くれいむ。 やっと地獄から生還したれいむは、お尻を激しく振りながら抵抗していた。 しかし、健闘空しく、お外に放り投げられたれいむは顔面から地面に着地。 赤くなった顔面を摩りながら涙を漏らす。 「あけてねっ!? れいむをおうちにいれてねっ! どぼじで、れいぶを、おぞとにだじだりずるのおぉおおおぉおっ゛!?」 れいむはぴこぴこを器用に使って玄関ドアを連打する。 大きなお口を開けて不満を訴えていた。 「ゆんやぁああぁあああっ゛!?」 俺はうるさいれいむに冷水を浴びせた。 丸いお腹をヒールキック! ころころ転がっていくれいむ。 「もうやだぁあぁあっ゛! おうじがえるぅううぅぅっ゛!?」 れいむは泣きながら撤退。 ダラダラに濡れた体で地面を進んでいく。 残された物は汚くなったリビング。 俺は深い溜息を付いてから部屋を掃除開始。 掘りごたつを掃除する段階で、まりさの残骸を手にとって思案する。 ゆっくりの死骸を庭先に干すと、侵入者は警戒して寄ってこない。 そう言う話を、里帰りした田舎で聞いた事を思い出す。 俺はまりさを庭先に吊るしてゆっくり避けを祈願する。 とりあえず……罠ゆっくりのペタペタシートも買ってくるか。 後半『 はり 』 暖かくしたお部屋でゆったりと寛ぐ。 ストーブ全開にしてコタツに足を突っ込む。 素晴らしい休日。 至福の時。 俺は典型的な駄目人間。 いや、これは戦士の休息なのだ。 その状況に水を差す奴等がやって来た。 「おでがいじばずっ゛!? おでがいじばずぅううぅっ゛!」 ゆぇぇええんっ゛! しゃむいよぉおおっ゛!?」 窓にぺったりと体を押し付けるれいむ。 涙をだらだらと流しながら大きな口を開けている。 俺は部屋の中から視線を向けた。 すると、れいむの瞳に眩しいくらいの輝きが宿りだす。 あれは助けてくれると思っている眼差しだ。 「かわいいれいむをたすけてねっ!?」 れいむは体を小刻みに震わせて、おでこをガラスに張り付ける。 今日は横風がかなり強い。 上空からは絶え間なく降り続ける大量の雪は止む気配は無いようだ。 横なぎに吹き付けてくる雪はあまり頭には積もらず、大量の雪がれいむの側面へと厚く張り付いていく。 「ざざざっ……ざむいよっ゛!? このままじゃ、れいぶゆっぐぢじじゃうよっ゛!」 「ゆっくり死んでね?」 俺は温かい言葉をれいむにかけてコタツに潜り込む。 れいむは大きな口を開けながら体を縦に伸ばしてガラスにお腹を擦り付けた。 ぐりぐりとナメクジを思わせるその行動。 正直、とても気持ち悪いです。 「解った解った。暖を提供してあげよう」 「あじがどうございばずぅうううぅううっ゛!?」 泣き喚くれいむを暖かい部屋に入れる。 雪だらけの体で床を徘徊させるわけにはいかない。 ダンボールの底に新聞紙を引いて、その中にれいむをぶち込んだ。 俺は戸棚から貼るタイプのホッカイロ取り出す。 裏の粘着シート部分をれいむの肌色お腹へと直に貼る。 「ゆっ!? れいむのぷりちぃ~なおなかに、いったいなにをしてるのっ!」 貼られた異物に対して身を捩っていたれいむ。 体を左右に、いやんいやんと揺らし始めた。 「ゆ! ゆゆっ!?」 時間の経過と共に、段々体の揺れが収まっていく。 貼るホッカイロは徐々に熱を帯び、冷え切ったれいむのお腹を優しく暖める。 とろんとした表情を浮かべるれいむ。 だらしなく伸びきった全身はダンボール底にぺったりと広げる。 目を細めて口先を蕾み頬を高揚させながら、ゆっくり気分を存分に味わっていた。 「ゆっ! れいむはおなかすいたよっ! あまあまもっていきてねっ!?」 れいむは元気いっぱいに叫びながら要求を行う。 俺はそれに答える前にホッカイロを追加で貼り付けていく。 横っ腹はもちろん、足底に背中とうなじ部分。 ぺにぺにとあにゃるもバッチリ塞いで準備完了。 れいむはゆっくり種と言うか、ホッカイロのお化けみたいな外装になっていた。 「どぼじで、ごんなごどずるのっ!? かわいいれいむに、しっとしているのっ!」 とりあえず、口の部分は塞がない。 喚くれいむにお菓子を与えて油断させることに成功。 もっと寄越せと言うので、甘い砂糖水を飲ませた。 お腹いっぱいになったれいむは眠りに付く。 暖かいホッカイロを全身に貼り付けたまま。 ダンボールが振動を受けて激しく揺れる。 中で暴れているのは先程のれいむ。 体は真っ赤に染まっていた。 「あづっ゛! あづううぅういっ゛!? おみずさんもっできてぇええぇええっ゛!」 大量に貼られたホッカイロは、全て最高潮の温度に達していた。 肌に直貼りをしていれば、自主的に剥がすだろうと思われる危険な温度。 それを、れいむは大量に貼っている。 「あづっ゛!? いやぁあぁあああっ゛! どぼなっでるのおおおぉおおっ゛!?」 狭いダンボール内を転がるれいむ。 ダンボールの壁にお腹を押し付けて上下させた。 貼るホッカイロを剥がそうとしているのだろう。 しかし、密着したシートは全く剥がれる様子はない。 「おにいざんっ! おにいざんだずげでねっ! かわいいれいむをだずげでねっ!?」 涙を流しながら助けを求めるれいむ。 俺はそれを見ながら微笑を返す。 「お兄さんのお家でゆっくりしていってねっ!」 「ゆっぐぢ、でぎるわげ、ないでじょおおおぉおおおおぉおおっ゛!?」 まだまだ熱い温度はこれからも続く。 暫く時間が過ぎて、ぐったりと横たわるれいむの姿。 その後、先程大量に食らったお菓子とジュースを放出したいと懇願するだろう。 そこで俺はれいむに伝える。 このままシートを剥がせば、外皮も一緒に剥がされると言う事を。 当然、ぺにぺにとあにゃるも使い物にならなくなる。 絶望を伝えた時、れいむはどのような表情を俺に見せてくれるのだろうか? 想像しただけでたまらない! 脳髄に興奮物質が湧き上がる感覚に身を捩りたくなる。 『助かるにはこうするしかないんだよ?』 とか囁きながら、シートと外皮の間を刃物で剥くのも面白いかもしれない。 『これをすればゆっくり出来るよ?』 そう言いながら、餡子部分に貼るホッカイロをつけてみようか? 「いやぁあぁあああぁっ゛!? れいむ、おうぢがえるぅううぅううううっ゛!」 ダンボール内を苦しそうに転がるれいむ。 俺は砂糖水片手にそれを見つめている。 たまには、こんな休日も悪くは無い。 ・二部構成風にした小ネタのお話 掘りコタツの仕組みを検索して執筆 電気より練炭の仕組みを取り入れてみました ・一部他作者様の設定をお借りしています 過去作 ふたば系ゆっくりいじめ 814 ばうんてぃはんたー 希少種狩り ふたば系ゆっくりいじめ 802 我らっ!すっきりーっ!を熱く語る ふたば系ゆっくりいじめ 779 そうだ、駆除しよう ふたば系ゆっくりいじめ 764 たまたま ふたば系ゆっくりいじめ 752 おらべならい ふたば系ゆっくりいじめ 742 お呼び出し ふたば系ゆっくりいじめ 718 完全予約制 ふたば系ゆっくりいじめ 710 基本種 ふんどしれいむの復讐 ふたば系ゆっくりいじめ 683 あんらっき~を乗り越えて ふたば系ゆっくりいじめ 665 基本種 れいむの受難 ふたば系ゆっくりいじめ 638 ばうんてぃはんたー ふたば系ゆっくりいじめ 612 かってにはえてくる ふたば系ゆっくりいじめ 593 迷作劇場 ふたば系ゆっくりいじめ 572 ぎゃんぶらー ふたば系ゆっくりいじめ 507 火の用心 ふたば系ゆっくりいじめ 500 駄目だよ? ふたば系ゆっくりいじめ 458 ドゲスー ふたば系ゆっくりいじめ 449 希少種の価値 2 ふたば系ゆっくりいじめ 448 希少種の価値 1,5 ふたば系ゆっくりいじめ 443 希少種の価値 ふたば系ゆっくりいじめ 398 ゆっくり達を必殺技で葬る物語 ふたば系ゆっくりいじめ 382 穴だらけの計画とその代償 ・他、6点
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2428.html
『通常種にも復讐を』 9KB 虐待 制裁 差別・格差 実験 妊娠 捕食種 うんしー れみりゃいぢめ楽しいです ・れみりゃ(稀少種)の虐待です。苦手な方はご遠慮下さい。 ・通常種がいい思いをします。虐待もされません。苦手な方は(ry その光景を見ていた俺は腸が煮えくり返る思いをした。 公園の影で胴付きれみりゃ1体の周りに通常種のゆっくりが 5体ほど集まっていた。 れみりゃは通常種の子ゆっくりを捕食していたのだ。 『あまあまうまいんだど~』 『やべでくだざいぃ!!! れいむだちのあがちゃんがえじでええぇ!』 親たちが泣きながら子供を返すように懇願するが にんっしんしているのか、豚のように肥え太った胴付きれみりゃは 聞き入れずに両手に子まりさや子れいむをもってかじりついている。 その周りには、既に喰われてしまったれいむやまりさの ぴこぴこやおぼうしが散乱していた。 『れみりゃはにんっしんしてるから、たくさんだべなきゃだめなんだぞ~☆』 『れいむだちのあがちゃんはどうなるのー!?』 それだけなら自然の摂理だと軽く意識の外に流してしまっていただろうが、 よく見るとある事実に気が付き、俺の怒りに火をつけた。 『えいっ☆』ブチッ 『ピギャッ!』 そのれみりゃは赤ゆっくりにゆっくりと体重をかけて 餡を吐き出すようにして圧死させ、 『うー♪』プチッ 『ギャピィィィ!!』 赤ゆっくりの目をくり抜き、 『ちびのゆっくりをぎゃくったいっするのはたのしいど~♪』 子ゆっくり達を虐待しながら食べていたのだ。 ふざけるな。 ゆっくり虐待は人間だけの特権である。 それでなくても増長している胴付きれみりゃが嫌いなこともあり、 ブチキレた俺は奴らに走り寄るやいなや、持っていたエコバッグにゆっくり達を無理矢理詰め込み 速攻家に連れ帰った。 傲慢なれみりゃに通常種を使った虐待をさせる為に。 ***** 家に帰ると無理矢理袋に詰め込まれ、今まで身動きが取れなかった れみりゃを始めとしたゆっくり達が文句を言うが 無視してまずはれみりゃをケージに放り込んで閉じ込めた。 『うー、さっさとここからだすんだどー!!』 『くそじじい! まりさたちをどうするきなんだぜ!』 「まぁ、怒るな。お前らにいい話があるんだよ。」 俺はまず、通常種たちにひそひそ話で、ある提案を持ちかけた。 すると通常種たちの目に輝きが灯り、先ほどとは打って変わって部屋の隅で大人しくするようになった。 一方、れみりゃの方は『あまあまよこせばゆるしてやるんだど~』 などとほざいていたが、 コンロで炙った火箸で背中を焼くと、(ジュッ 『ギャピッ!!!!』 悲鳴と共に黙りこんだ。 次に爪切りで牙を抜き取り、(ミチミチミチミチ 『アがががギャギャギャギャギャギャ!!』 10本の指をすべて強引に引きちぎった。(ブチイィィッ!! 『ギョエエエエエエエエ!!!』 凄まじい絶叫。 通常種ゆっくり達は胸のすく思いでそれを見つめる。 当然だろう。自分たちの赤子をこいつに喰われてしまったのだから。 「いいか?俺の言うことを聞かないとさらに痛い目に遭わせる。 まずは俺の言うとおりに隅っこにいるあいつらに土下座しろ。」 完全に反抗心を奪った後、れみりゃに告げた。 通常種に土下座させ、稀少種としてのプライドを引き裂くためだ。 当然拒否してきたが、もう一度背中に焼きごてを軽く当てる。 激痛でゴムのように飛び跳ねるれみりゃ。 『うう… くずなれみりゃをゆるしてください…』 分不相応なプライドが邪魔したのか、中腰になっては立ち上がる、を 10分ほど繰り返した後ようやく土下座を完了した。 『ふざけるんじゃないぜ、おまえがあやまってもおちびちゃんたちはかえってこないんだぜ!』 『むきゅ! やっぱりいますぐえいえんにゆっくりさせるべきよ!』 「まぁ、落ち着けよ。これからもっとお楽しみがあるんだからな」 次にれみりゃを虐待用テーブルの上に放り投げ、仰向けにして手足を固定する。 『な、なにをするんだど~?』 何って(笑) 面白いことに決まってるだろ。 俺は包丁を取り出すと、でっぷり太った腹に、円を描く用にスーっと切込みを入れる。 『いだいいいいぃ!!』 そして両手で分厚い皮を、おもいっきり剥がす。 『いっギイいいイィ! ざぐやあああああぁぁ!!!!』 物凄い絶叫が上がったのだが本番はこれからだ。 体内の肉餡が露出し、これでれみりゃの体をいじり放題になった。 確かこいつ、にんっしんしてるっていってたよな? だったらやることは一つしかない。 俺は肉餡に手を突っ込み、ある者を探してぐちゃぐちゃとかき回す。 肉餡をかき回すたびに激痛から砂糖水の涙と鼻水と絶叫を上げるれみりゃ。 『ぎゃぴいいいぃぃ!! ぎょえええええ!!』 内蔵をかき回されているのによく大声を出せるものだと感心しながら 手探りを続け、しばらくすると、あった。 まだ生まれる前の子れみりゃだ。しかも3匹。 呑気な顔で寝ているが、自分の運命を分かっていないのだろう。 周りの肉餡を少しどけて、ようやく出番の回ってきた周りのゆっくりに合図をする。 「さぁ、やっちまえ」 通常種達はれみりゃの周りに集まると、 体をナスのように曲げ、あにゃるを器用に上に向けた。 何をされるのか理解してしまったれみりゃは悲鳴をあげた。 『やべでぐだざいいい!! そごはあがぢゃんのだいじだいじぷれいすなんでずううぅぅ!!!!』 人間で言う、子宮に当たる部分にうんうんを入れられればどうなるか。 実際俺にもわからない。結果が非常に楽しみだ。 『あ゛や゛ばりばずうううぅぅ!!! みなさんのあかぢゃんだべでずびばぜんでじだあああ!!』 必死に謝罪を続けるれみりゃ。 『……』 通常種たちの選択は── 『『『『『『すーぱーうんうんたいむはじまるよっ!!!!』』』』』 復讐だった。 ブリッブリッムリムリッブリュウウウ!!! 『あああああああ!!! れみりゃのあがぢゃあああああん!!!』 5体分のうんうんは宙を舞い、れみりゃの母体内の赤れみりゃベチャベチャと降りかかった。 赤れみりゃが若干苦しそうな顔になる。だが目を覚ます様子はない。 肉餡の代わりに通常種達のうんうんで包まれて、 生まれ落ちるその時まで眠り続ける赤れみりゃを確認すると、 最初に切り取った腹の皮を閉じ、といた小麦粉を傷口に塗り、 バーナーで強引に焼いて閉じた。 『あっづいいい゛よおおおおおおおおおぉぉぉおおぉ!!!!!』 そして、通常種たちとと共にその時を待った。 ***** 1時間後、れみりゃの陣痛がが始まった。 『うぎぎぎぎ…いだいいいいい!!!』 それを黙ってみている俺ではない。 下膨れの顔の顎あたりにある、産道から頭を出している 赤れみりゃが出そうになるたびに指で押し戻す。 『う゛ばれるうぅぅ!!!』メリメリ 「まだだ~め」ズボズボ 出産の激痛を何度でも味あわせるためだ。 赤れみりゃを産道の中で何回も往復させる。 その度に、人間でも“鼻の穴に西瓜を入れる程”と表現されるほどの痛みがれみりゃを襲ってくる。 『ぎゃああああ!! やめどおおおおぉ!! ごろずどおぉぉぉお!!!!』 「ははは、できるもんならやってみなよ」 悶絶死するほどの痛みから反抗心が戻ってしまったが 今の状況では笑えるだけだ。 こんなやりとりにも飽きてきたので、 そろそろ産ませてやることにした。 赤れみりゃを押していた指を離すと、今まで押さえこまれていた反動で すぽぽんっと3匹の赤れみりゃが生まれた。 胎生にんっしんだった為、3匹ともすべて胴付きで生まれたのだが… ここに来て面白い事実が判明する。 3匹とも足りないゆだったのだ。 『ぴゃぺっ?』『うぴー』『ぴょろろろぺぽ~ん♪』 まともに『ゆっくりしていってね』の産声を上げることすらできない。 しかも、目の大きさが左右で全然違ったり、羽が上下逆さまになっていたり くしゃくしゃの髪の毛にところどころハゲができていたり 奇形だったのだ。 『う…うぞだあぁ! れみりゃのあがぢゃんがああぁぁぁ!!!』 そんな様子を見て通常種たちが、そんな親子を嘲笑する。 『ぷぷっ、こいつらぜんぜんゆっくりできてないんだぜ』 『ごあいさつもできないなんてとかいはじゃないわぁ』 『ううっ、れみりゃのあがちゃんをばがにずるなどおおおお!!!』 怒るれみりゃ。 しかし、そんな親をよそに、足りないゆに生まれてしまった 赤れみりゃ達は、“だんす”のつもりなのか手足を出鱈目にばたつかせたり、 飛ぼうとして死にかけの虫のように這い回ったり、 しーしーを垂れ流したりしてやりたい放題であった。 そんな様子を見て、俺はさらに通常種達に提案をした。 「おい、通常種ども。こいつらいじめたら楽しいんじゃないのか? まだまだ仕返しもし足りないだろう。」 『ゆっ!? そうだねっ! くずれみりゃのくずあかちゃんをおもちゃにするんだね』 『むきゅっ。これはまたとないちゃんすだわ。みんなで痛めつけましょう』 ある者は体当たりを食らわせ、 『おらっ、まりさのきょうれつあんよをくらうんだぜ』ドンッ 『ピギッ!?』 またある者は肉餡を吐き出して死なない程度に体重をかけて苦しめ、 『とべないれみりゃは、むしけらいかだわ~』ノッシリ 『うぎぎぎぎぎぎぎ…はあっはあっ…』 そしてある者は、足りないゆの姿を罵倒した。 『おぼうしもないうえに、はげだなんて、あんたなんかゆっくりにもなれないかすだわ~』 『びえええええぇん!!!』 実は足りないゆ達にも自我はあったのだ。 最も、それを表現する術は彼らにはないのだが。 (れみりゃはつよいはずなのに…こんなくじゅどもになんでかてないんだど!?) (どうしてとべないんだど… おそらをぱたぱた~したいのに…) (ざぐやああぁ おぼうしもってきてえぇ… はげをみんながわらうんだどお!!) 稀少種として生まれ、しあわせ~なゆん生が待っていたはずだったのに。 おかあさんに初めての“ゆっくりしていってね”を言うはずだったのに。 それらの幸せはすべて奴らにはやってこない。 これからも奴らにはその理由を知る機会はないだろう。 ただ、本来は格下であるはずの通常種に虐待され、おもちゃにされるゆん生が待っているだけだ。 ***** 一週間後。 俺はあのときれみりゃたちに出会った公園にいた。 木々の間には通常種たちと、ボロボロになったれみりゃがいた。 あの後、れみりゃの四肢をねじりきり、通常種とともに 再び公園に放ったのだ。 今日は様子を見に来たのだが面白ことになっていた。 『うまっ これめっちゃうまっ』ガリガリ ボリボリ グチャグチャ 『でぎゃあああああああああ!!!』 れみりゃの悲鳴が響く。 生きたまま通常種に肉餡を囓られているためだ。 腹を少し割いたままにしておき、公園の通常種の食料にする。 そして、定期的にオレンジジュースをかけることにより 死にかけだが生きている状態を維持し、親子ともども通常種に虐待されるゆん生をプレゼントしてやった。 そして、あの奇形だった赤れみりゃは 通常種の子ゆっくりたちの遊び道具と化していた。 たとえ成長してもろくに動くことすらままならない 赤れみりゃたちには悲惨なゆん生しか待っていないだろう。 抵抗できないことをいいことに、小石で牙を削り取られ 少しずつ手足をかじり取られ、わずかばかりのにがにがさんで生かされる 食料兼サンドバックとしての生き方があるのみだ。 捕食種が被捕食種に虐待される。 俺はこの逆転現象を当分の間の楽しみとすることにした。 (完) ■これまでの作品 anko2279 シンプルなれみりゃいぢめ anko2299 うーぱっくいぢめ
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2522.html
先生とれいむ 6KB 愛で 観察 考証 飼いゆ 赤ゆ 子ゆ 現代 愛護人間 ゆっくりについて考えることは、人間について考えることでもある 『先生とれいむ』 学会誌に投稿する論文の一節を書き上げて、ファイルを保存する。出張中の教 授からのメールをチェック。今日は講義も学生とのミーティングもない曜日で、 終日自室でデスクワークの予定。窓のブラインドに手を伸ばして隙間から外を見 ると、日射しは午後から夕方へと変わりつつある。 私は首と肩を回すと、仕事机の下段の抽斗を開けて、いくつか備蓄してあるお 菓子のなかから、少し考えてから袋詰めのクッキーを取り出した。封を開け、中 から一掴み取り出して、そのまま口に入れて貪りたくなったが、それをすると食 べすぎるので、小皿を出してきてそこにあける。小指の先ほどの大きさのクッキ ーは、プレーンな焼き色のものと、ココア入りの黒っぽいものの2種類が、おお むね半分ずつ入っている。 1個つまんで口に入れ、コーヒーも淹れるかと思ったときに、部屋の入口の方 から 「ゆゆっ、せんせー、くっきーさんたべてるね」と声がした。 声のする方、部屋の入口近くには来客用の簡易な応接セットがあり、そのテー ブル上には密閉型のヘッドフォンが1台置いてある。ヘッドフォンはTVセットに 接続されているから、TVの音声が鳴ったように見えるが、そうではない。 「またかんしょくさんして、めたぼさんになるんだね。れいむもかんしょくさん して、めたぼさんになるよ」 また妙な言葉を憶えたなぁと思いながら、椅子から立って応接セットの方に行 くと、密閉型ヘッドフォンの、半球形をした左右のハウジング部の間から、そこ に挟まっていたリンゴぐらいの大きさの子ゆっくりが平べったく変形しながら出 てきて、また丸くなった。黒い髪に赤いリボンをつけた、れいむ種の子ゆっくり。 れいむは舌でリモコンを操作して(普通のリモコンのボタンは押せないので、特 製のタッチパネルを私が作った)、TVセットの電源を落とした。私はれいむをつ まみ上げて手のひらに乗せる。ぷよぷよというか、もちもちした触感。れいむは 「ゆゆっ、おそらをとんでるみたい!」とお定まりの台詞を言う。 成り行きで飼い始めた頃は、親指の先ぐらいの大きさの実ゆっくりだった。赤 ゆっくりの頃はしょっちゅう餌を食べさせなければならなかったし、ある程度大 きくなった今も、留守宅にゆっくりを置いておいても番犬の代わりにもならない ので、毎朝れいむを連れて出勤している。研究室に置いておくと教授の秘書さん や学生たちがかまってしょうがないので、私の個室に置いて、さすがに本は読ま ない(読めない)ので、CATVの番組を観ていることが多い。 ゆっくりはおしゃべりなものが多いそうだが、このれいむはあまりしゃべらず、 たまに妙な動き(踊り?)をしているぐらいで、あとはぼんやりしていることが 多い。ただし食べることに関してだけは別で、朝昼晩の三食の時間になるとうる さくなるし、それ以外でも私が何か口にすると自分も食べたがって騒ぐ。 仕事机に戻って、積んである書類とは反対側にれいむを置く。 「書類に触るなよ。崩れるから」と私が言うと、れいむは 「わかったよ。しょるいさんには、さわらないよ」とわかったような事を言うが、 あまりあてにはならない。キーボードをどけてティッシュペーパーを敷き、その 上に3個クッキーを載せてやる。プレーンが2個と、ココアが1個。 「待て」と私が言うと、れいむは私の顔を見て待っている。飼いゆっくりの基本 的な躾だそうだ。 「食べてよし」 「れいむはくっきーさんをゆっくりたべるよ!」 れいむはいそいそとティッシュペーパーの上に乗って、舌を伸ばしてクッキー を1個巻き取り、口に入れてぽりぽりと噛み砕き、むにゃむにゃと噛んでから飲 み込む。 「しあわせーっ!」 ぱぁっ、という擬音が出そうな大袈裟な表情が可笑しい。私が席を立ってコー ヒーサーバに行っている間に、ぽりぽり「しあわせーっ!」、ぽりぽり「しあわ せーっ!」と2回。 席に戻ってコーヒーを一口飲むと、れいむは物足りなさそうな表情をしている。 「れいむはくっきーさん、もっといっぱいたべたいよ」 「でも、もういっぱい食べただろ?」 ゆっくりは数を2までしか数えられないのだそうだ。1個、2個の次は「いっ ぱい」になってしまう。このれいむもそうだ。だから、3個食べさせれば「いっ ぱい」食べたことになる、はずなのだが。 「いっぱいじゃないよ。ちゃいろいくっきーさんがにこと、くろいくっきーさん がいっこだよ」 へぇ、と思った。ゆっくりは時に意外なことを言うことがある。 「2個と1個だと、いっぱいとは違うのか?」 「にこといっこは、いっぱいとはちがうよ」 「じゃあ、2個と1個を足すと、何個になる?」 「たす? たすさん?」 れいむは首(?)をかしげる。そうか、足し算はわからないか。私は興味を惹 かれて、袋からプレーンのクッキーを3個取り出し、れいむの前に、2個と1個 に分けて並べた。 「こっちは何個?」 「にこだよ」 「こっちは?」 「いっこだよ」 「じゃあ」クッキーをひとつに寄せて「これは何個?」 「……いっぱい」 ふむん。もう一度2個と1個に分けて、 「こっちは2個で、こっちは1個だろ」 「うん」 再びひとつに寄せて、 「2個と1個を合わせたものを、3個というんだ。わかるかな」 「さんこ?」 「そう、3個。言い換えると、2個を取ったら残りが1個になるなら、元は3個 ということ」 「さんこ……」 わかったようなわからないような表情をしているれいむ。私はクッキーのうち 2個をつまみ取って、れいむの左右のもみあげに1個ずつ持たせてやる。れいむ 種のゆっくりには赤い飾りのついたもみあげが顔(胴体?)の左右に1本ずつあ り、その先端がわずかに動いて、軽いものなら掴むことができる。ただしたいし たことができるわけではなく、舌の先のほうがまだ器用な程度だが。 「れいむのもみあげは、2個あるだろ?」 「うん」 「れいむのもみあげが持っているクッキーは、れいむのもみあげと同じ数だから、 2個だろ」 「うん」 「で、れいむの前にクッキーが1個あるだろ」 「うん」 「こういう時、クッキーは3個ある、というんだ」 「さんこ……」 何かわかったような表情。では演習問題にいってみよう。れいむからプレーン のクッキーを返してもらい、袋から新しくココアのクッキーを3個出して、れい むの前に並べる。 「クッキーは何個ある? さっきと同じようにしてごらん」 「……」 れいむは神妙な表情で、まず右のもみあげでクッキーを1個つまみ、続いて左 のもみあげでクッキーを1個つまんだ。そして、右のクッキーを見て、左のクッ キーを見て、前に残ったクッキーを見て、それから私の顔を見て、言った。 「いっぱい」 「……うーん。まぁ、そんなとこかぁ」 思わず苦笑。れいむもにぱーっと屈託 なく笑う。 「食べてよし」 「ゆわーい」 れいむは舌ともみあげで3個同時に口の中に放り込み、ぱくり、 ぽりぽり、むちゃむちゃ、ごくり。「しあわせーっ!」 人間が自然数を数えることができるのは、まず1があり、1の次として2があ り、2の次として3があり、3の次として……、一般にnの次として(n+1) があるという数学的帰納法の構造が自然数自体に含まれており、そしてその数学 的帰納法を処理する機能が、脳のハードウェアに先天的に備わっているからなの だそうだ。 手の指と脳は神経によって密接に関連しているそうなので、あるいは指を折っ て数を数えるという行動が、人間の脳に「数える」という機能をもたらしたのか もしれない。 考えてみれば、ゆっくりの身体には人間の手足と指のような末端に向かって分 岐していく構造がなく、目は2個、口は1個、もみあげやおさげは1本か2本し かないから、ゆっくりが2までしか数えられないのは、そういう身体的特徴によ るものなのかもしれないなぁと、まぁこれは素人考えである。 (おわり) 注:現代では自然数にはゼロを含めることも含めないこともあります。集合論や 論理学、計算機科学などでは含めることが多く、数論などでは含めないことが多 いそうです。歴史的には含めない立場のほうが先に現れたものと考えられます。 作:クレイモあき 挿絵 by儚いあき トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ↓うっせえだまれw -- 2020-09-05 23 01 09 ふむ、生まれつき言語機能が人間よりも高いレベルで生まれてくるゆっくり達って日本にいるからこそ日本語で話しているがアメリカとかだと英語やその国の言語を話すんだよなそんでもって生まれてくるときに親から遺伝と言う形で言葉とかは受け継がれるという設定だ、それじゃハーフだと2か国語を話せるというのかそれって凄いなただ遺伝と言う形に頼り切ってるから学習機能は低いあまりにも低すぎる存在って面白い設定のキャラだなwwwあと何か理数系がダメで文系が得意ですよって言う感じだなそれと胴付きになると人間よりハイスペックになってるよな人間は他の動物に比べ非力なかわりに知能が高いが胴付きにかんしては原作の能力を完全ではないがだいたいが使えたりしてるから進化すると人間超えをするのか~でもれみりゃとフランにいたっては弱いままってwww -- 2012-07-19 00 52 00 おもしろかった れいむかわいい。 -- 2012-04-08 16 01 32 良かった -- 2011-12-26 15 34 23 ↓確かにwwwそれは気になる。 -- 2011-04-09 11 59 07 目がみっつあるさとりとかどうなるんだろうね。 一杯目がある化け物ー!とか呼ばれて迫害されちゃうんだろうか -- 2011-01-06 15 24 29 ↓実際の言語の数体系にも、指の本数や手足の本数を基本としたものはあるから そういう風に進化するのは自然かもしれないね -- 2010-12-16 04 11 26 ぴこぴこが2つあるから2までしか数えられない となると、胴つきは12か、22までかぞえられるのかな? 手の指10本、足の指10本ピコピコ2本で22数えられるかな・・・ -- 2010-12-12 16 00 34 それはゆっくりじゃないww -- 2010-11-13 14 02 11 ↓体の強度がもっとあって寿命がもっとあって学習能力がもっとあって危険にもっと敏感で繁殖能力がもっと少なくて そしてゆっくりより生存を優先するならありうるな -- 2010-09-24 17 48 08 半分サルだったころの人間って、ゆっくり程度の餡子脳生物だったんじゃないかな? ゆっくりって、どこからともなくわいてくる生物で、スゲェ繁殖力なんでしょ? その上どんどん亜種がでてくるし、生物としてのバリエーションは豊富だし… そのうち進化して人間より高度な高等生命体になってたりして…ははは -- 2010-08-03 04 37 24 虐待だけならゆっくりいじめとか専用あるんだからそっちいけよ。ふたばはいじめも愛でもOKの場所なんだから。 -- 2010-08-03 03 33 46 あれ…?ここ虐スレじゃなかったっけ? -- 2010-07-29 19 15 23 次の日… 先生「三個だって言ってるだろーが!」ボゴォ!グチャ… れいむ「もっと…ゆっく…りしたかった…」 -- 2010-06-27 12 18 25 これはこれで -- 2010-06-20 04 22 24 見ててイライラする(いい意味で -- 2010-06-11 03 14 43 いや、虐待しろよ -- 2010-06-05 22 35 09 「ゆっくりについて考えることは、人間について考えることでもある」(キリッ)いやー頭いい人が言うことは違いますねー。きっと頭いい人が描いたssは誰が読んでも面白くていっぱい感想付くんだろうなぁうらやましい -- 2010-05-17 05 54 05
https://w.atwiki.jp/jingai/pages/632.html
【作品名】これはのみのぴこ 【ジャンル】絵本 【名前】ぷち 【属性】のみのぴこの住んでいる猫のごえもんの尻尾ふんずけたあきら君の漫画読んでるお母さんがお団子を買うお団子屋さんに お金を貸した銀行員とピンポンをするお相撲さんの憧れている歌手のオウムを盗んだ泥棒にトマトぶつけた八百屋さん が選挙で選んだ市長の入れ歯作った歯医者さんのホルンの先生の顔をひっかいた猫のシャルルの背中に住んでるのみ 【大きさ】蚤並 【攻撃力】【防御力】【素早さ】蚤並 【長所】ジャンプ力が昆虫一 【短所】属性欄に本書の内容が全部書いてあること vol.4 10 :格無しさん:2014/10/13(月) 16 27 14.00 ID +/kHhFpD ぷち考察 虱とほぼ同じ大きさだがパワーなら蚤の方が上だろう ミミズ、ダンゴ虫ともジャンプしまくれば分けが取れるからダンゴ虫と=
https://w.atwiki.jp/konomikusunoki/pages/231.html
ぴょこぴょこお月見うさぎ ホワイト ぴょこぴょこお月見うさぎ アクセサリ:ネックレス ウサギ品 交渉不可 可動品. 色:白
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2733.html
『さなえリターンズ.TXT』 9KB いじめ 小ネタ 誤解 日常模様 飼いゆ 赤ゆ 希少種 現代 独自設定 6作目 『さなえリターンズ』 休日の朝、部活へ行くためにとしあきが、自分の自転車に乗ろうとするとサドルが盗まれていた。 そして、サドルを差し込むところに赤ゆっくりのれいむがはめ込まれていた。 「なに。この嫌がらせ。」 としあきは脱力した。 はめこまれ身動きか取れないれいむは、自転車に乗りにきたとしあきを目にすると 眉をキリッ!と引き締め、なにかの確信に満ち溢れた眼差しで 「たすけちぇね!」 と叫んだ。 としあきは、お気に入りの自転車のサドルを盗まれた事でかなりショックを受け、更にれいむをはめ込まれたことで、大切な自転車を汚されたように感じた。 としあきは、部活をサボり、れいむで憂さ晴らしをしようと決めた。 最近部活に嫌気が差していたのもそれを後押しした。 としあきの父は休日出勤し、母は親戚がゆっくりふらんの胴付きを飼い始めたと聞いて見に行ってしまった。 家には、さなえ以外誰もいない。誰にも気兼ねする必要はなかった。 軽く押し込められていたれいむを、キュウッポンと引き抜くと、顔まで引き上げてとしあきは質問する。 「誰がやったんだ?」 れいむは答える 「わきゃんない。」 赤ゆっくりに記憶力と知性を求めてはいけない。 としあきが、れいむを手に持って居間に入ると、箪笥にさなえがのっかているのが分かった。 さなえは、高い箪笥の上に載り、どんよりと濁った目で天井近くの何も無い空間を見つめていた。 先日、HENTAIに騙されたことで強いショックを受けたさなえは 「さなえ・・・よごれちゃいました・・・。」 と呟いて箪笥に登り、天井近くをぼーと見つめ続けていた。 としあきは掛ける言葉を見つけられなかった。 ちなみに箪笥にどうやって登ったのかは謎である。 としあきが、れいむを居間のテーブルに置くと 「おにいしゃんのて、あたたかかっちゃよう。しゅーりしゅーりさせちぇね。」 とれいむが笑顔で話しだす。 としあきは、返事の変わりにれいむにデコピンをした。 「ゆぴぃ!」 としあきの右手の中指がれいむの顔面にめり込み、弾き飛ばす。 れいむはテーブルの上を30センチ近く飛ばされ、ぽにょりと着地した。 ぷるぷると震え、ころりと起き上がると 「とうちて・・・。いちゃいよ。」 れいむは両方のもみ上げで顔の中央をおさえ、上目遣いに呟く。 としあきは答えない。としあきの目から感情の光が消え、黒い闇がそこを満たしていく。 としあきは、裁縫箱を持ってくると、待ち針を取り出し、軽くれいむの体を突く。 れいむは ビグウ! と体を震わせた。 「ちくちくしゃんは、ゆっきゅりできないよ。やめちぇね。」 れいむが話す。 「いっしょにゆっきゅりしようね。」 としあきに、れいむの言葉は届かない。 針がれいむを突き刺すのみである。 「ゆんやぁ!やめちぇぇ!」 れいむは逃げる テーブルの上を、てんてん、てんてんと跳ね、逃げ回る。 わざと追いつかないように、れいむの後を待ち針を持った手が追いかける。 走る馬にムチを入れるように、時々ちくちくちくと針を刺す。 「おうちかえりゅ!おうちにかえりゅう!」 と泣きながら、必死で逃げ回る。 しかし、あんよがまだ未発達の赤ゆっくりは、数回飛び跳ねると一度、こてりと転んでしまう。 顔面をテーブルに打ちつけ、ぷりん!とお尻が跳ね上がる。 そのお尻を、赤ゆっくりにとっては太い針が貫く。 「アッーー!」 れいむは絶叫した。 れいむは、1分ほどぐったりとしたあと起き上がり、としあきを睨むと 「れーみゅに、いたいいたいするおにいしゃんなんて、だいっきりゃい!」 と叫んだ。 気合を入れたせいか、しーしーがぶしゃッ!と噴出す。 としあきは、れいむの後頭部にすっと人差し指をのせ、ぐいっとれいむを前に倒す。 そしてぐりぐりとれいむの顔面をしーしーに押し付ける。 れいむは苦しいのか、揉み上げをぴこぴことせわしなく動かし、お尻をぷるんぷるん振る。 お皿に乗ったプリンのようにお尻が震えていた。 としあきは先ほどの裁縫箱から竹定規を取り出すと、れいむのお尻めがけて振り下ろした。 パン!パン!スパパン!パン!スパン!とリズム良く、叩き続ける。 れいむのお尻が、腫上がっていく。 逃げたいのか、揉み上げをテーブルにぺチペチと打ち付けている。 その様子を、さなえは箪笥の上から、腐った魚のような目で眺めていた。 れいむをいじめ始めてからかなりの時間が経過した。 としあきは空腹を感じ、そろそろ終わりにしようと考えた。 すると突然に ピンピンピンピンピンポーンとチャイムが連続で押され、がちゃがちゃがちゃと鍵が掛かっているドアが壊れそうな勢いで回される。 としあきは驚き、れいむを叩くのを止めて何事かと玄関へ向かった。 ドアスコープを覗くと、部活の先輩がいた。 としあきは、背中に冷たいものが流れ、口の中が乾くのを感じた。 その先輩は、としあきの所属する演劇部の副部長で、一学年上の女性である。 カラスの羽の様に黒く、艶のある髪を短めに切ったショートカット、まつげの長い切れ長の目、形の良い鼻に陶器のような白い肌が、桜色の唇を引き立てる。 背は低く、痩せた体格のせいでとても儚げな印象を受ける。 としあきはとっさに居留守を使おうとしたが、 「こんにちは。としくん。」 と声を掛けられた。ドアスコープを覗いたときに気づかれたようだ。 逃げられない。としあきは思った。 この先輩こそが、としあきの部活に対する嫌気の原因なのだ。 この先輩は異常なほど としあきに女役をやらせたがり、女装させたがる。 しかも、演技指導と称し、やたらと体を触る、特にお尻を触る。 劇の演技中も、としあきのお尻を凝視している。もうそれしか見ていない。 としあきも最初のころは、相手が綺麗なおねいさんであることもあって、少しドキドキしていたが、しだいに気持ちが悪くなっていった。 としあきがこの先輩を決定的に嫌になったのは、部活でたまたま二人っきりになったときに 私ととしくんは、前世では恋人同士であった。 前世では私が男で、としくんは女であった。 しかし、としくんは世界を救うため、大天使ミカエルを召喚、その引き換えで命の失ってしまった。 私はその後、転生を繰り返し、やっとこの世界でとしくんを見つけることが出来た。 としくんは、敵であるカノッサ機関によりアルティメットインフィニティサンデイの魔法を掛けられ、記憶を封じられている。 あと、としくんのお尻が忘れられない。 と言う内容のことを延々と聞かされたときである。 としあきはこのとき、先輩が普通の人ではなく、M78星雲からの毒電波を受信する、いわゆる関わってはいけない人であることに気が付いたのだ。 としあきは覚悟を決めて、ドアを開いた。 先輩はナース服を着ていた。 としあきは眩暈を感じた。 「としくんが、部活にこないから、きっとお尻が光りだす呪いに苦しめられているのかも知れないと思って心配になったからきちゃった。」 「そんな呪いはありません。なんで、ナース服なんですか。」 「としくんの具合が悪かったら、看護してあげるためだよ。」 としあきは、笑いながらあっけらかんと答える先輩が堪らなく怖かった。 あなたその格好で住宅街を歩いてきたんですか?異常です!とのど元まで出かかっているのを我慢しながら、としあきは先輩を家に入れた。 一緒のところを見られると他の人に誤解を受けると思ったからだ。 先輩は居間に着くなり部活に来なかった理由を尋ねた。 としあきは、あなたが嫌だからとはさすがに言えず、朝の出来事を話し、れいむをいじめていたら夢中になってしまい結果的にサボってしまったと説明した。 先輩は、それを聞くと眉間に皺を寄せ、テーブルの上で 「どうちてなかよくちてくりぇないの?れーみゅは、たいようさんも、むしさんも、おはなさんも、にんげんさんもだいちゅきだよ。いっしょにゆっきゅりちたいよう。」 と泣いているれいむを摘み上げた。 「としくんは、恋人の私がいる部活より、こんなブッサイクで気持ち悪い糞饅頭と遊ぶほうがたのしいんだ・・・。」 れいむが握り締められて、いびつな形に歪む。 としあきは、いつの間にか恋人にされていることに恐怖を感じ黙り込む。 「分かったわ!右目に邪悪な波動を感じる!これは機関の陰謀ね!ちっ油断したわ。危ないところだった。」 先輩は話し出す。 「これは、私が持ち帰って封印するね。大丈夫、あなたは死なないわ・・・。私が守るもの。」 先輩はそう話すと、 「バーニング・ダーク・フレイム・オブ・ディッセンバー!!」 と叫び、れいむを持ってきた鞄の中に放り込んだ。 れいむは、握り締められているとき、頭の上で天使がわっかのサイズを測り、後ろで死神がフラダンスを踊っているのを感じていた。 そして、鞄に放り込まれ、その鞄が閉じられて周りが闇に包まれていくと同時にその意識も闇の中へと落ちて行った。 れいむを鞄にしまうと、先輩はとしあきに言う。 「部活をサボるのは感心しないな。きちんと演技の練習をしなくちゃ駄目だよ。」 「わかりました。ごめんなさい。」 「わかったら、お医者ごっごしょうか!」 「わかりません。ごめんなさい。」 先輩の目は、すでに据わっている。 「ここね。としくんはここが悪いわ。ここよ、ここなのよ。」 先輩はとしあきのズボンを脱がそうとする。 「ちょっ。ま、まずいです。やめて」 としあきは抵抗する。 「恥ずかしがらなくてもいいのよ。私は看護婦だから。ね。ね。」 先輩の目は、完全にイっている。 盛んに舌なめずりをしながらずりずりととしあきのズボンを脱がしていく。 この細腕の何処にそんな力があるのだろう。 としあきの抵抗もむなしく、すでに膝までズボンがずり下ろされる。 先輩の手が、としあきのブリーフに掛かる。 「ヒャッハー!ようかいたいじですぅ!ふたたびれいむぎゃくたいのりそうをかかげるために!れいむぜつめつをせいじゅさせるために!としあきよ!さなえはかえってきたーー!!」 さなえは箪笥の上から飛び降り、そのまま先輩の側頭部に体当たりした。 ぼぐう!と鈍い音と共に先輩が倒れる。 人間は予想していない衝撃に弱い。 先輩は軽い脳震盪を起こし仰向けに倒れ、気絶する。 「このくされまむまむ、ちゅうにびょうに、たにんをまきこむなです。」 さなえはポフッと着地し、言い捨てた。 先輩は動かない。 としあきは、先輩が心配になり、近寄ろうとした。 しかし、先ほど膝まで下ろされていたズボンが足に引っかかり、倒れこむ。 ちょうど先輩の上で、腕立て伏せをするような体勢になってしまった。 としあきは、なんとなく恥ずかしくなり赤面した。 そのとき、居間のドアが開く。 「帰ったぞー。」 としあきの父親が帰ってきた。 としあきと先輩の格好を見て、父親の動きが止まる。 さなえが大声でとしあきに言い放つ。 「さあこのびっちに、おんなにうまれてきたことを、こうかいさせてやりましょう!」 ナース服で気を失っている先輩 その上にズボンを引きおろして乗っているとしあき さなえの発言 としあきの父親は、顔面蒼白になる。 としあきは誤解を解くために思わず叫んだ 「違うんだ!お医者さんごっこをしていただけだよ!」 父親の顔が鬼の形相に変わった。 おしまい ※最初の予定では「逆噴射てんこ」で書くの止めようと思っていたのに、感想を読むと嬉しくなり、ついホイホイと書いてしまってとうとう6作目になりました。 色々な感想ありがとうごさいます。一人で読みながらによによ悶えています。 皆さんに少しでも笑っていただけたらこれ幸いです。 あと・・・あの・・その・R18なガチHENTAI書いても大丈夫でしょうか? ■作品 anko2679 野良のゆうかにゃん.TXT anko2681 夜の悩み.TXT anko2683 逆噴射てんこ.TXT anko2688 邪悪なさなえ.TXT anko2691 清く正しいなんとかです。.TXT
https://w.atwiki.jp/gundamfamily/pages/766.html
268 名前:怪盗キンケドゥ・クリスマス決戦編 六の一投稿日:2006/12/23(土) 02 42 07 ID ??? 次の日の朝。 『本日は午前中は曇り、午後から一部で晴れ間が見えるでしょう。しかしお日様はそう長くは続きません、夕方には雪が降るでしょう。洗濯物を干す際には気をつけてくださいね』 「雪! 雪だってよアル兄ちゃん!」 「やったねシュウト! 約束どおり遊べるよ!」 と喜ぶ者もいれば、 「もう温室でないとダメだなぁ。霜も完全に降りちゃってるし、畑で残ってるのは雪割り草の世話くらいかな」 と考えを巡らす者もいる。 (どんなになっても、この家は平穏だな…) しみじみとシーブックが思っていると、 「少年、食欲がないようだなぁ? ならば小生がいただくぞ!」 「うあ゛ぁあ ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ あ゛ぁあぁ゛ああぁぁうあ゛ぁあ゛ぁぁ」 「うおおおお、俺の焼きシャケぇ! キラ兄、今日こそはミンチにしてやるッ!」 「落ち着けシン! 俺のニンジンあげるから!」 「ローラ、愛しのローラぁ!」 「君を眺めることしかできない哀れな我々に、君の料理を恵んではもらえんかね」 「不法侵入しておいて何を言うか! キャプテン!」 「了解だ、アムロ」 (…いや、日常がこれだから、ちょっとくらいの異常でも動じなくなってるのかも) そう考えると、揺れている最近の自分は何なのだろう、と思える。 「どうしたんだ、シーブック?」 「シロー兄さん…」 シローが声をかけてくる。不安げである。 シローにしてみれば、先日弟を疑ったという負い目がある。カロッゾパンの状況もあり、弟はストレスをためているだろうと思ったのだ。 「兄さん…匿名リーク、どこから来たのか分からないのか?」 「予想はついてるよ。カロッゾパンとドンキーベーカリーを目の敵にしているところといえば、クロスボーン・パンガードかジュピターくらいのものだ」 「じゃあ…」 「令状がないんだよ」 シローが首を横に振る。 「捜査令状がなきゃ、俺たち警察は動けない。マスコミはそんなのなくても動けるけどな」 「…………」 269 名前:怪盗キンケドゥ・クリスマス決戦編 六の二投稿日:2006/12/23(土) 02 43 31 ID ??? 折しもTVでは新たなニュースを伝えている。 『次のニュースです。いまや怪盗キンケドゥ疑惑により注目されているカロッゾパンですが、クロスボーン・パンガードの元従業員がいることが判明いたしました!』 「!! アンナマリーさん!?」 アンナマリーとザビーネの二人は、元々パンガードのパン職人だ。確かにパンガードとのつながりと言えるかもしれないが… 『カロッゾパン、ドンキーベーカリー、クロスボーン・パンガードは地元パン市場のトップ3です。これら全てに怪盗キンケドゥが関わっているとなれば…』 「な、何言ってるんですか、このキャスター!」 ロランが驚く。拍子に皿を落としそうになり、慌てて掴み直す。 「なんで推測だけでこんなに盛り上がれるんだよ? これっておかしいんじゃないの?」 箸をぴこぴこさせながら、ジュドーが言う。 「……おかしい」 ぽつりとカミーユが呟く。 「どうしたのさ、カミーユ兄貴。珍しくしんみりしちゃって」 ガロードの揶揄に反応することもなく、カミーユは静かに言葉を紡いだ。 「悪意が渦巻いている。この日昇町を包み込むように…」 『今入ってきた情報です。カロッゾパン店長・カロッゾ=ロナ容疑者を暴行罪で現行犯逮捕しました』 全員の動きが凍りついた。 『なんだってー(なんとー)!?』 兄弟の驚きとは無関係に、キャスターはニュースを読み上げる。 『ロナ容疑者はかつてバグ製作に携わった元テロリストです。今回は連続窃盗団キンケドゥ=ナウの重要参考人として、任意同行を求めた際に抵抗、警官三人に全治二週間の骨折を負わせ……』 「カロッゾのおやっさんが!?」 「馬鹿な! そんな先走ったことを!」 『パン業界の闇を象徴するような事実が次々に浮かんできますが、どうでしょう、コメンテーターの…ザザ…』 キャスターが勢い込んで続けようとした矢先、画面にノイズが走る。 270 名前:怪盗キンケドゥ・クリスマス決戦編 六の三投稿日:2006/12/23(土) 02 45 03 ID ??? 「およっ? なんだ、故障か?」 「キラ、すみませんが直してくれませんか」 「うう…じゃあ僕の朝食…」 「分かりました、僕の分を少しあげますから」 とやっていると、パッと画面が正常に写った。しかし今までのニュース番組ではない。 無機質な機械を背景にした、緊急用の画面である。 黒髪長髪で童顔の女性キャスターが、冷たい目をして睨み付けてくる。 「美人だ…」 「すぐにそう見れるお前がうらやましいよ、ウッソ」 「コウ兄さんも素直になればいいんですよ。綺麗なのは綺麗、これでいいじゃないですか」 言い切ったウッソだが、次の瞬間猛烈に後悔することになる。 『緊急ニュースです。低価格を売りにしているジュピター製のパンに、有害成分が含まれていることが判明しました』 『ヒイロぉぉ!!!??』 そう、そこに写っているキャスターは、女装こそしているものの、彼らの兄弟・ヒイロ=ユイその人であった。 髪や顔や体型は化粧その他でごまかせるが、声まではどうにもならない。 「あ、あいつ女装嫌ってたんじゃなかったっけ」 「自制してるんだろう…リリーナ嬢の頼みなら殺人料理も顔色一つ変えず平らげる奴だぞ」 「無理するなって言ったのに…」 画面の中のヒイロは、表情一つ変えずに淡々とニュースを読み上げている。 『ジュピター製のパンを食べ続けた人々が、次々に倒れています』 テノールの声が響くと同時、画面がまたも切り替わる。 モザイクだらけの映像であったが、病院のベッドで苦しんでいるのは間違いなく、 「フォウ!? ロザミィ!!」 「スゥゥテェェラァァァ!?」 「プルにプルツー! お前らまで! …こっちはマシュマーさん!?」 「こ、この金髪、まさかカリス!? 隣はギュネイさんか!?」 「ああっ、カテジナさん! 顔が見えないなんて、カテジナさぁぁん!!」 映像にヒイロの声が被さってくる。 『過去に強化処置を受けた人々はアレルギー症状を出しています。このジュピターアレルギーには年齢によって差があり、未成年は倒れて高熱を発します。成年の場合は…』 と、画面が切り替わる。そこに写っていたのは、 『サンタファラかよっ!?』 シーブックとガロードとジュドーの声がハモった。 モザイクだらけだが、赤白でトナカイソリで各所に大量の鈴をつけているとなれば、誤解のしようもない。 『成年の場合は、テンションが異常なほどに高まり、普段やれないことを躊躇なくやります。いわゆる泥酔状態になります』 それって本当にアレルギーなのか、とつっこむ人間はいなかった。 271 名前:怪盗キンケドゥ・クリスマス決戦編 六の四投稿日:2006/12/23(土) 02 46 18 ID ??? 「そうか…昼からファラ先生が外回りだったのも、サンタコスチュームでトナカイソリ走らせてたのも…」 「全部ジュピターパンのせいってわけか…」 「つまり俺達のギロチンの恨みは…」 「ジュピターにぶつけりゃいいってことだな…?」 「やるか、弟よ」 「やりましょう、兄さん」 「まてお前ら。相手は一企業だぞ!」 「けどさ、シロー兄貴…」 『この件に関してジュピターに問い合わせてみましたが、担当者の不在を理由に、コメントを得ることは出来ませんでした』 「そりゃそうだろ、不祥事をあっさり認めることはしないって」 うんうん、とガロードが悟ったように頷く。 「ステラ…ジュピターめ、絶対に許さない…!」 シンの右手が真っ赤に燃えているのを、兄弟の誰もが見た…ような気がした。 『引き続き調査する方針です。以上、プリベンターからお伝えしました』 画面が元のニュース番組に戻った。 ぽかんとしていたキャスターは、慌てて話題をキンケドゥ疑惑に戻そうとするが、時間が押しているために締めるしかない。 ヒイロ、いやプリベンターの緊急ニュースは、ここまで計算していたのだろう。 「……ジュピターのパンは買うな。うちに強化人間はいないが、悪い影響がないとも限らん」 「大丈夫ですよ、アムロ兄さん。うちはカロッゾパンとドンキーベーカリーからしかもらってません」 「買ってもいないんだよな、ロランは」 「それと!」 アムロが立ち上がり、兄弟を見回す。場が、しんと静まり返った。 こういうときは、誰もが口を閉ざし、長男の言葉を待つのである。 兄弟ではないギンガナムも、場の空気を感じ取り、居住まいを正した。 変態二人は…ミンチになっているので問題外である。 272 名前:怪盗キンケドゥ・クリスマス決戦編 六の五投稿日:2006/12/23(土) 02 47 06 ID ??? 「みんな、友人や恋人がジュピターパンにやられて、腹が立っていると思う。だが、ジュピターに殴りこみに行こうとは思うな」 「なんでだよ、アムロ兄!」 シンが真っ先に抗議する。ステラの苦しんでいる姿が頭から離れないのだ。 「シン、落ち着け。MSを持ち出して攻撃したら、俺達の方が犯罪者になるんだ」 シローが諭す。警察として、法の内にある者として、言わなければいけないことだった。 「だけど、あいつらステラを!」 「怒りは分かる。ジュピターが悪いのもな。だが、だからって殴りこみが正しいとは言えない。何のために法律や警察があると思ってる?」 「だからって、合法的手段じゃ遅いこともある!」 シーブックが立ち上がって叫んだ。 全員の視線がシーブックに集まる。ばつが悪くなったシーブック、頭を掻いて椅子に座る。 「確かに遅いこともあるが…」 「じゃあ駄目じゃないか! ステラはこうしているうちにも苦しんでるんだぞ!?」 「だからってジュピターを攻撃して、何になる」 静かに言ったのはカミーユだった。 全員が驚いた。こういう話になれば、真っ先に過激派になるのはシンとカミーユである。なのに今のカミーユはどうだろう。 「アレルギーを治すのは、医者と、彼女達の力だ。ジュピターを攻撃している時間があったら、彼女たちについて、励ますのが第一だろ」 「か、カミーユ兄…」 「ジュピターへの断罪は、シロー兄さんに任せようぜ。俺達は、彼女達を支える。ステラちゃんのこと好きなんだろう?」 「も、もちろんだ!」 「なら、ステラちゃんが苦しんでるとき、お前はどこにいる気だ?」 「お、俺は…」 シンは面食らっていた。まさかカミーユに諭される日が来るとは思わなかったのである。 それに、自分が目先の怒りにとらわれ、ステラを一人にしてしまいそうだったことに気付く。 アムロはそれを見て頷く。まさかカミーユが、とも思ったが、弟が成長していることは素直に認めようとも思う。 「カミーユの言うとおりだ。特に企業の被害者には、世間からの目が厳しい。みんな、ちゃんと支えてやるんだぞ」 『はい(うむ)!』 link_anchor plugin error 画像もしくは文字列を必ずどちらかを入力してください。このページにつけられたタグ カロッゾ・ロナ ガンダム一家 ガンダム家 キンケドゥ・ナウ シーブック・アノー ジュピター ヒイロ・ユイ 怪盗キンケドゥ クリスマス決戦編 長編
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3286.html
『おちぶれいむ』 8KB いじめ 野良ゆ 赤ゆ 虐待人間 いつもの小ネタです 「れいむは、もと、かいゆっくりだったんだよ!おちぶれてごめんね!」 行きかう通行人に、元気に挨拶をする一匹のゆっくり。 薄汚れた野良ゆっくりだ。 「おかーしゃんは、もと、かいゆっくりだったんだじぇ~!おちぶりぇてごめーんのじぇ!」 「おかーしゃんは、とーってもかわいしょーな、ゆっくちなんだよ!おちぶりぇてごめんにぇ!」 隣には二匹の赤ゆっくり。 生まれて間もないのか、それとも野良歴が浅いのか、そこまで汚れてはいない。 どれも落ちぶれたと言う割には、少しも悲しそうな顔はしていない。 むしろ、輝くばかりの笑顔で、通行人に元気に呼びかけている。 「れいむのかわいそうな、おちぶればなしをきいてね!きっとかわいそうで、かいゆっくりにしたくなるよ!かわいくってごめんね!」 「そーなのじぇ!おかーしゃんは、とーってもかわいしょーなのじぇ!なみだなしでは、きーちぇられいのじぇ!かわいくっちぇごめんのじぇ!」 「これでれーみゅたちは、かいゆっくちになれるだにぇ!かんぺきな、さくしぇんで、ごめんにぇ!」 どうやら、不幸さと可愛らしさをアピールして、飼いゆっくりにして貰う作戦のようだ。 当然そんな世迷い事に、耳を貸す物好きな人間などいない。 いるならばそれは、奇特なゆっくり愛護団体か、ゆっくりいじめが大好きな人間だ。 「おい、お前ら、本当に落ちぶれたのか?」 そんなゆっくり親子に、一人の青年が声をかける。 そう、彼は物好きな人間なのだ。 「ゆゆ?!そーだよにんげんさん!れいむはおちぶれて、とーってもかわいそうな、ゆっくりなんだよ!なみだをふいてね!」 「なみだをふいちゃら、まりちゃを、かいゆっくちにしゅるのじぇ!ゆっくち!」 「おかーしゃんを、かいゆっくちにできるなんちぇ、にんげんしゃんは、しあわしぇだにぇ!ゆっくち!」 青年の問い掛けに、嬉しそうに答える野良親子。 そろって尻を振りながら、片目を閉じて可愛らしさをアピールする。 「………だめだな、ぜんぜん駄目だ、まるでなってない」 青年が顔をしかめて呟く。 そんな彼の態度に、ゆっくり親子は目を丸くする。 「ゆゆ?どーいうことなの?なにがだめなの?!れいむは、こんなにおちぶれているんだよ!ふこーでごめんね!」 「そーなのじぇ!まりちゃたちは、ふこーのどんじょこなのじぇ!かわいそーなのじぇ!」 「れーみゅも、かわいそーで、かわいーでしょ?こんなにゆっくちした、ふこーなゆっくちは、ほかにはいにゃいよ!」 再度か為を瞑って、ブリブリと体を揺らす親子。 だがそんな親子を見た青年は、深くため息をつく。 「いや、だめだ、ぜんぜん不幸さが伝わってこない。まるで駄目だね。落ちぶれてる様にはちっとも見えない」 「ゆがーん!なにいってるのぉぉぉぉ?!れいむはこんなにも、ふこーでしょぉぉぉ?!かわいそうでしょぉぉぉ?!」 「そーなのじぇ!このにんげんは、おめめがくさっちぇるのじぇ!もっとよくみるのじぇ!かわいしょーなまりちゃを、おめめをひらいちぇ、よくみるのじぇ!」 「ゆぷぷ!おばかなにんげんだにぇ!よくしょれで、いままで、いきてこれたにぇ!」 青年の態度に、不満を漏らす野良親子。 そんな野良一家を見た彼は、やれやれと言わんばかりに肩を落としてみせる。 「いいか?まずお前らは、自分達が言うほど落ちぶれてない。良く見てみろ、お前らの頭につているのは何だ?」 そう言って、親れいむのリボンを指差す青年。 親れいむは、そんな青年を馬鹿にしたような目で見る。 「ゆぷぷ!おばかなにんげんだね!これはれいむのおりぼんでしょ?かわいいでしょ!そんなこともわからないの?」 「「ゆわーい!おかーしゃんのおりぼんしゃん、すてきだにぇー!」」 そう言うと、リボンを見せびらかす様にその場をくるくると回る親れいむ。 二匹の赤ゆっくりは、そんな親れいむのりぼんを、目をキラキラと輝かせて魅入っている。 「だからな、それが間違っているんだ。本当に落ちぶれてるなら、そんな飾りなんて持ってないだろ?」 青年はそう言うと、親れいむのリボンを毟り取った。 「ゆ?ゆぎゃぁぁぁぁぁ?!れいむの、かわいいおりぼんさん!かえせぇぇぇぇ!かえせぇぇぇぇ!それがないと、ゆっくりできないでしょぉぉぉ?!」 「そうだ、それも間違っている。本当に落ちぶれているんなら、『ゆっくり』なんて、出来ないだろ?」 青年はそう言って、親れいむのリボンを二つに千切って捨て、それを靴で何度も踏みにじった。 親れいむは、その様子をじっと見つめて固まってしまった。 「………ゆぎゃぁぁぁぁぁ?!れいむのかわいい、おりぼんさんがぁぁぁぁ?!どぼじでこんなことずるのぉぉぉぉ?!」 「どうしてって?そりゃ、この方が落ちぶれ感が出るだろ?ほら、そのクソガキのも!」 「ゆわぁぁぁぁ!まりちゃの、かっきょいーおぼーしがぁぁぁぁぁ!!ゆんやぁぁぁぁぁぁ!!やめちぇよぉぉぉぉ!!」 「ゆぴぃぃぃぃ!れーみゅの、きゅーとなおりぼんしゃんがぁぁぁぁ!!ゆえぇぇぇぇぇん!!」 続けて青年は、赤まりさの帽子と赤れいむのリボンを奪うと、ちぎってグシャグシャに丸めてから捨てた。 そしてさらにそれを、何度も踏みつけた。 こうして3匹の飾りは、汚れてボロボロになってしまった。 「あはは!いい感じに落ちぶれ感が出てきたな!でも、まだまだ落ちぶれが足りないな…よし、お前ら、そこの公園に行くぞ!」 「なにいっでるのぉぉぉぉ?!れいむはじゅうぶん、おちぶれ 『ドカ!』 ゆっぼぉぉぉぉ?!」 青年はそう言うと赤ゆっくり二匹を掴んで、親れいむを蹴りながら、近所の公園に向かった。 「ゆびっ!ぎぎ…おかおがいだいぃぃぃ!どぼじでぇぇぇぇ?!」 「どうしって?そりゃ、蹴られたからだろ?ゆっくりりかいしてね!だっけか?ははは!」 『おかーしゃぁぁぁぁん!こわいよぉぉぉぉぉ!たしゅけちぇよぉぉぉぉぉ!!』 公園まで蹴られて運ばれたれいむは、すでにボロボロ。 体の彼方此方を真っ赤に腫らして、髪もボサボサになっていた。 そんな状態の親れいむに気がついていないのか、体をブリブリと動かして泣き叫ぶ赤ゆっくり達。 青年はそんな親子を見て楽しそうに笑う。 「さてと、親のれいむは大分いい感じになってきたけど、まだ物足りないな…もう少し傷ついて汚れてもらうか」 「なにいっでるのぉぉぉ?かわいそうなれいむに、こんなことするなん 『ドカッ!』 ゆっぼぉぉぉん?!」 文句を言おうとした親れいむの顔面を、青年は思い切り蹴飛ばした。 親れいむは、勢いよく吹っ飛び植木にぶつかった。 「ゆぎぃぃぃ!いだいぃぃぃぃ!!れいむのおめめ、れいむのおめめが、かたっぽみえないよぉぉぉぉ?!どうなっでるのぉぉぉ?!」 その際に、片目が飛び出してどこかに行ってしまったようだ。 親れいむはもみ上げをぶんぶん振り回しながら、周りを見渡して泣き叫んだ。 青年はそんな親れいむの髪の毛をつかんで一度持ち上げると、地面に親れいむの顔を押し付け擦り付けていく。 「ゆびぃぃぃ?!やべごぉぉぉぉ?!なにじでぶのぉぉぉぉ?!いががが!ゆぎゃぁぁぁ!だずべでぇぇぇぇぇ!!」 「ほらお前さ、今一汚れ方が足りなかったから、ちょっと汚してやろうと思ってな。あぁ、そうだ、こいつ等もついでにな」 青年はそう言うと、片手で赤ゆっくり二匹をがっちり押さえると、地面に何度もこすりつけた。 「ゆぴぃぃぃぃ!ゆびゃがぎゃぁぁぁぁぁぁ!ぶじょべぇぇぇぇ?!」 「ゆぼじょぉぉぉぉ?!ゆびゃぁぁぁぁぁぁ!!」 「おいおい、まだ終わらないぞ?お前らは割りと体が綺麗だから、落ちぶれた野良っぽくしないとだろ?」 顔中傷だらけで、どろどろに汚れた親子ゆっくりのおさげと、もみ上げを、青年は強引に毟り取った。 そして叫び声を上げる前に、親子の底部をコンクリート製の塀に押し当て、削り始めた。 「ゆびゃぁぁぁぁぁ?!あんよがいだいぃぃぃぃ!れいむのかわいい、ぴこぴこさんはどごぉぉぉぉ?!」 「ゆっびぃぃぃぃぃ!じょーり、じょーり、いだいのじぇぇぇぇぇ!ゆびゃぁぁぁぁん!!」 「ははは!どんどんいくぞー!」 公園には、青年の笑い声と、親子ゆっくりの叫び声が響き渡った。 そして翌日。 「ゆぐ…ゆぐ…れいぶは…おちぶれだ、ゆっくりでずぅぅぅ…とっでもがわいぞうな…ゆっくりでず…どうか、がいゆっくりにじでぐだざ…い」 「ゆび…おぼーち…おしゃげ…ゆえぇ………おながずいだ…まりちゃ…ゆっくちしちゃい…」 「ゆぅ…れいむのおめめ…まっくりゃ…まっくりゃ…ゆぴぴぃ…ゆけけっ…ゆっくち…ゆっくち…」 昨日と同じ場所に現れた、野良親子のゆっくり。 ガラガラに枯れた声で、通行人に飼いゆっくりにしてくれと必死に訴えている。 だがその姿は、昨日と同じゆっくりとは思えない程の変貌を遂げていた。 親れいむの皮はボロボロに傷つき汚れており、口の皮を剥がれたのか、歯がむき出しになっている。 髪の毛もボサボサで揉み上げはなく、数箇所がマダラに禿げ上がっている。 そんな頭の上には、半かけの薄汚れたリボンが申し訳なさそうに乗っている。 リボンの上には二匹の赤ゆっくりが乗っており、ガタガタと震えて身を寄せ合っている。 赤ゆっくり達も親れいむと同じように、体中に細かい傷と汚れがあった。 帽子とリボンもボロボロで、何を頭に乗せているのかわからない。 赤まりさのお下げは切れて無くなっており、時々開く口から見える歯はボロボロに欠けている。 赤れいむは両目を失っており、時々狂ったように笑っている。 「おっ、昨日の落ちぶれ一家か。いい感じに落ちぶれたな!」 そんな親子に声をかける、一人の青年。 野良親子をボロボロにした、張本人である。 「ゆび?…にんげんざま…れいぶは…おちぶれで…かわいぞうで…だがら…かいゆっくりに…じでくだざ…い」 「いやいやいや、確かに落ちぶれてるけど、可哀想には見えないな」 「ぞ…ぞんな…じゃあ、どぼじだら…いいのぉ…?…れいむ…じっかり…おちぶれてるの…に…かわいぞうなの…に…」 「そうだな。とりあえず、この中に入ってろよ!その方が可哀想に見えるかもな」 そう言うと青年は、ゆっくり親子を持ち上げ、ゆっくり回収箱に入れた。 「じゃあな、落ちぶれをアピールして、加工所の人にでも飼ってもらえよ。まあ、処分されるだろうけどな!」 「ゆびゃ?!ゆごっぉぉぉ…どぼじで…どぼじで…れいぶ…おちぶれ……」 「おかーしゃ…どこにゃの…まりちゃ…ゆっくちしちゃい…」 「ゆけけ…ゆぼぼ…ゆっち…ゆっち…」 こうして野良親子は、青年の予想通りに加工所に回収されて処分された。 親れいむは、加工所でも「落ちぶれた」と、喋っていたそうだ。 完 徒然あき