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パークの家(救助隊基地) パーク:ポケモン広場? ファイ:そう。救助隊をする上で何かと役に立つ場所なんだ。 パーク:どんな所なの? ファイ:具体的には、ダンジョンで拾った道具やポケを預けられるところや、ポケで買い物をする所、連結技を作る場所に友達エリアを買う場所。 パーク:後半2つくらいがわからないんだけど… ファイ:ん?ああ、じゃあまずは連結技からだな。 パーク:うん。 ファイ:連結技ってのは、たとえばオレがみずでっぽうとひっかくを連結させたとすると、みずでっぽうを撃った後に連続でひっかくが出せるんだ。 パーク:ああ、なるほど。2回攻撃できるってことね! ファイ:そうだ!1ターンで2回攻撃できるってのは大きい。でも気をつけるべきところは、片方のPPが尽きたら連結が外れてしまうってことだ。 パーク:そうなんだ…じゃあ使う時は気をつけないとね。 ファイ:ああ。じゃあ次に、友達エリアの話だな。 パーク:うん、お願い。 ファイ:パークには家があるけど、新しくメンバーに入ったイーストたちには、救助隊としての家がないだろ? パーク:え、元々あった家でいいんじゃないの? ファイ:この近辺に住んでるだけならオレみたいに自分の家からこれるけど、遠くのダンジョンで仲間になったやつらはそっからここに来るのは大変だろ?そんな時、友達エリアっていう住む場所があれば、すぐにここにこれるってことだ。 パーク:なるほど。で、そのエリアを買うのね。でも、土地を買うって相当高いんじゃないの? ファイ:いや、実はそうでもないんだ。最初は高かったんだけど、最近は少人数救助隊が増えて誰もエリアを買わなくなったんだ。 パーク:そうなんだ。売る側も大変ね。 ファイ:そうだな。でも、友達サークルのプクリンは結構能天気だし、そこまで危機感とかなさそうだけどな。 パーク:へぇ~。 ファイ:そんじゃ、実際に行ってみるか。 パーク:うん! ボコボコボコボコ ファイ:ん?なんだ?地面が… ボコッ 突然地面からダグトリオが現れた。 ファイ:うわっ!なんだ!? ダグトリオ:ふぉぉっ!?出るところを間違えてしまった!入口に出ようと思っていたのに! ファイ:…で、お前はなんだよ。 ダグトリオ:おお、申し遅れた。私はダグトリオ。ここは、〈ゆうえんち〉救助隊ですかな? パーク:え?はい、そうですけど… ダグトリオ:おお!お願いがあるのです! ファイ:お願い?もしかして、救助依頼か? ダグトリオ:はい!そうなんです!息子のディグダを助けてほしいのです! ファイ:よしきた!どこだ?今すぐ行くぜ! ダグトリオ:引き受けてくれますか!ありがとうございます!場所は、【ハガネ山】というところです! ファイ:なっ!?ハガネ山だって!? パーク:知ってるの? ファイ:知ってるも何もこの辺じゃ有名な山だよ!鋼タイプのポケモンが多数生息していて、とても危険な場所なんだ! パーク:えぇっ!?そんなに危険なの?; ファイ:でも心配すんな。オレ達には、鋼に強い奴がいるだろ? パーク:え?…あ!イースト! ファイ:そう。あいつを連れていけば、そこまで苦労するようなとこじゃねぇよ。 パーク:それじゃあ、さっそくイーストに連絡を… ファイ:ただ、そこが問題なんだよな… パーク:え?どこ? ファイ:実は、あいつがどこに住んでるのか聞いてないんだ…。 パーク:えぇっ!? ファイ:でも、あいつにこの場所は伝えてるから、あいつが来てくれればなんとか… パーク:来てくれればって…いつくるの? ファイ:いや、それは… ダグトリオ:あの…大丈夫なのですかな? ファイ:あ、依頼はちゃんと受けるから心配すんな!しかたねぇ。パーク!俺らだけで行くぞ! パーク:えぇっ!?危険だってわかってるのに? ファイ:んなこと言ったってよ、イーストが来ないんじゃしかたねぇだろ! パーク:…まぁ、相性が悪くっても交渉すれば… ファイ:まだんなこと言ってんのかよ!! ダグトリオ:あ、あの… ファイ:大丈夫だって! ダグトリオ:いえ、そうじゃなくて… ファイ:ん?なんだよ。 ダグトリオ:言い忘れていたんですけど、私の息子のディグダは、エアームドにさらわれたのです。 ファイ:はぁぁっ!? パーク:え、何?何? ファイ:ちょ、ちょっと待ってくれよ!エアームドって言ったら、あのエアームドだろ? パーク:あのエアームドって? ファイ:数年前にどこからか現れて、ハガネ山を根城にしてる凶悪なポケモンだよ! パーク:へぇ。それで? ファイ:それでって…そんな凶悪な奴と最悪戦うことになるってことだぞ! パーク:戦うって…交渉すれば… ファイ:コイルみたいな元々まともだけど我忘れた奴にも交渉できなかったろ?それが元々凶悪なポケモン相手にできるわけないだろ。 パーク:う…でも… ファイ:ま、心配すんな!どんな凶悪ポケモンだろうと、オレが倒してやるよ! パーク:コイルに負けなかったっけ…? ファイ:うっ!そ、それは…弱点つかれたからで… パーク:ふふっ。わかってるよ。それじゃ、いこっか。 ファイ:お、おう! パークとファイはハガネ山に向かった。 イースト:はぁ、ひぃ…ついた… ダグトリオ:おや?あなたは? イースト:え、あれ?あれ?パークがいない… ダグトリオ:パークさんとは、先ほどのピカチュウですな? イースト:え、どうしたの? ダグトリオ:その方たちなら、たった今ハガネ山に向かいましたが… イースト:えぇっ!? 【ハガネ山 1F】 パーク:この山、鉄で出来てるの? ファイ:まぁそれが本来のこの山の由来だからな。 パーク:でも、結構ぼこぼこ色々な所に穴があいてるんだね。 ファイ:ここに生息するココドラってポケモンが鉄を食うポケモンなんだ。だからそこら中に穴があいててもおかしくねぇよ。 パーク:ふーん。そうなんだ。 ココドラ:ドラー! ファイ:っと、いきなり出てきたな! ココドラ:お前達、ここで何してるんだ? パーク:えっとね、私たちは上にいるディグダくんを救助しにきたの。 ココドラ:救助?救助隊なのか? パーク:うん。そう。 ココドラ:そうか。だったら、ちょっと協力してもらおうか。 パーク:え?協力? ココドラ:ちょっとこっちこい! パークたちはココドラについていった。 ココドラ:おーいみんなー! ヤジロン:ん?な、なんだそいつらは!? ココドラ:こいつら、救助隊らしいんだ。 ヤジロン:救助隊? ジグザグマ:救助隊が何の用だ? ココドラ:いや、救助隊なら助けられるだろうと思ってな。 ファイ:んで?要件聞いてないけど、何がどうしたってんだ? ココドラ:この穴に仲間のオニスズメが落ちてしまってな。どうも羽を痛めたらしく、出られないんだ。 ファイ:この穴にか? そこには、それなりに深い穴があいていた。 ファイ:…って、この穴はココドラが食った穴だろ!! ココドラ:え? ファイ:この穴食ったってことはこの穴からの脱出方法知ってんだろ! ココドラ:それなんだが… ファイ:ん? ココドラ:こんなに深く掘れるココドラはいないんだ。これは、エアームドが仕掛けていったんだ。 ファイ:エアームドが? ココドラ:ああ。エアームドは力だけでなく戦略でもこの山を支配しようとしてる。 ヤジロン:こうやって穴を掘り、いわゆる深い落とし穴つくることで他のポケモンたちを傷つけ、自分に勝てないようにしてるんだ。 パーク:そんな…ひどい… ジグザグマ:そんなことしなくても、僕たちじゃ鋼タイプのエアームドに有効打なんてうてないのに… ファイ:エアームドめ…凶悪だとは聞いてたが、そんなことまでしてるなんてな… パーク:とにかく、まずはどうやってオニスズメを助けるか考えようよ! ファイ:そうだな。えーとヤジロン!お前浮遊だし、いけないのか? ヤジロン:無理だよ。俺は地面から一定の距離までしか浮けないんだ。 ファイ:じゃあ…なんか紐か何かないか? ジグザグマ:あったら僕らが既に助けてるよ。 ファイ:だよなぁ… ??:あらあら。何かあったのかしらねぇ。 どこからか声がした。 パーク:ん?今の声は…? ??:どうかなさいました? そこには、エネコがいた。 ファイ:お前もこの山に住んでるのか? ??:いいえ、フラフラしてたらこの山にたどり着いたのですわ。 ファイ:そうか。 ??:それで?どうなさいましたの? ジグザグマ:僕たちの仲間のオニスズメがこの穴に落ちて出られないんだ。 ??:あらあら。それは大変ね。 ファイ:紐か何か持ってないか? ??:紐はないですね。でも、助けることならできますよ。 ファイ:え?マジか!? ??:この山に住むポケモンのうち誰かが…空を飛ぶが使えますわね。 パーク:空を飛ぶ? ココドラ:ちょ、ちょっと待てよ!空を飛ぶが使えるのは、エアームドだけだぞ! ヤジロン:エアームドに協力なんて考えてるなら、まず無理だぞ。 ??:どうして…エアームドさんの技を使うのに、エアームドさんに協力をお願いする必要があるのですか? ファイ:は?お前何言って… 『エネコの{ねこのて}!~{そらをとぶ}!』 すぅっ エネコは地面から浮き始めた。 ファイ:なぁっ!?エネコが飛んだ!? エネコはゆっくりと降り、オニスズメを連れて上がってきた。 ??:はい、どうぞ。 ココドラ:オニスズメー!大丈夫か!? オニスズメ:うぅ… ジグザグマ:さ!このオレンの実を食べるんだ! パーク:あの、あなた… ??:はい? パーク:ありがとう。助かったよ。 ??:あら?あなたはこの方々の仲間ではないでしょう?どうしてあなたがお礼を? パーク:私たち救助隊なの。それで、さっき依頼を受けたんだけど…どうしようもなくて…ほんと、ありがとう。 ??:いえいえ。助け合うのは当然ですわ。それより、あなた方の本来の目的は? パーク:え?ああ、私たちはこの上にいるエアームドからディグダくんを助けに来たの。 ヤジロン:エアームドから…?やめときな。 パーク:え?どうして? ジグザグマ:これでわからなかったか?あいつは相手にしちゃいけないんだ。触らぬ神に祟りなし。 パーク:…あるじゃない。 ジグザグマ:え? パーク:あなたたちが何もしてないのに、エアームドはこんなひどいことをしてきたじゃない。これでも…触らぬ神に祟りなしって言うの? ココドラ:それは… パーク:ファイ。いくよ。 ファイ:お、おう… パーク:エアームドを……倒すよ。 ファイ:…おう! 物陰 ????:(あれが…〈ゆうえんち〉救助隊…か…) 続く 前の話 次の話
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トップ|基本データ|悪魔データ|ダンジョン|シナリオ PS版真・女神転生インタビュー 2010年7月14日、プレイステーションネットワークにて、真・女神転生がPSアーカイブスとして配信された。それを記念し、真・女神転生がプレイステーションに移植されたさいに発売された攻略本『真・女神転生~キャラクタープロファイル~』に収録された岡田耕始氏と金子一馬氏のインタビューを掲載する。 ――今回まさに満を持して『真・女神転生』シリーズのPS移植となりましたが、移植に関してのいきさつなどを……。 岡田:ま、満を持してかどうかはおいてですね、自分たちとしてはひとつの作品が終わると、新しい作品を目指していくという姿勢でやってきました。今までのものを一旦リセットしてから、次のものを考えるというスタンスでずっときたものですから、世間の前の作品を新ハードで……という期待の声も聞こえてはいたんですが、過去のものをどうにかするという話はあまり出なかったんですよ。また、音楽とか映画とかは昔の作品が、媒体が変わっても出しやすいですが、ゲームはプラットフォームが変わるとなかなか難しいということもありまして……。でも、最近の作品(ペルソナやソウルハッカーズ等)からファンになった人たちに昔の作品にも触れてもらいたいということもあって、今回移植を考えたのと、あと『真・女神転生』シリーズの新作も製作がスタートしているということもあって、最新作に備えて昔の作品を体験してもらおうという、ちょっとした戦略ですね。 ――なるほど。では先駆けとなる『真1』が発売されるわけですが、プラットフォームの変更に伴なう移植で、苦労した点は? 岡田:まあ最大議論になったのが、どこまで原作(SFC版)をPSに残していくかということで、完全ブランニュー派と完全移植派に開発陣が分かれてたよね。 金子:そうですね。 ――で、完全移植派が勝ったわけですね。 岡田:ま、完全移植に近い、という形で落ち着いたことになりますね。当時は技術的に3Dダンジョンと言いながら、擬似3Dでごまかしてた部分なんかはポリゴン処理に変えてあったりしますけどね。逆に、新たに入ってきてくれたファンに原作を伝えるのに、あまり変えてしまうのは……ということもありまして。かといってあまりにそのまま……というのもどうかということで、直せる部分は直そうと。で、どこに終着を求めるかで、半年ぐらいは色々と試行錯誤を繰り返しましたね。 金子:まあ時間があればリメイクって話もありましたが、何度も何度も戻るよりは、新しい作品に進みたいということもあって、双方納得がいくところに、最終的に落ち着いたってところですかね。まあ、余力ができればというところなんですが、それはまあ、この本を読んでいる君が……一緒に作ろうということで。勉強して数年後に来てくれと。アトラスで待ってるゼ!みたいなね。 ――では次に、この『真1』のシナリオの中で、これは!というものがあれば……。 岡田:『真1』に限らず、シナリオには非常に時間がかかって、何度も修正修正で。特に『真1』は骨格となる部分のLAW-CHAOSの概念なんかでは散々モメましたね。ヘタしたら岡田の女神転生と金子の女神転生は違うわけで……シナリオとかでも、特に『真1』はスタッフに任せた部分もあって、リテイクというよりは作り直したところも多かったですね。 金子:最初はなんか、世界を巡ろうくらいまでいってたりとか。 岡田:そうそう。東京が出発点だったとしても、日本全国だけでなくヘタすりゃ世界だ!とか言っちゃって。 金子:最後はイスラエルだ!なんて話もありましたしね。日本の全国地図描くんかい、とかね。昔話をしちゃうと。 ――ちなみにスタート地点が吉祥寺なのはなぜなんでしょうか? 金子:当時僕が吉祥寺に住んでいたこともあって……変な話、子供のときって、「ここに人住んでいるのかな」なんて思ったりすることあるじゃないですか。絶対オバケがいてみたいな。そういう対象としてエコービルがあったんですよ。なんであんな一等地なのに、誰もいないんだろうって。で、それ面白いな~って話をしていたら、誰がどう決めたってわけでもなく、吉祥寺がスタート地点に。 岡田:それでもまあ、東京をメインにしようって話が最初にあって、いきなり中心地から始まるんじゃなくて、ちょっと離れたところから始めようってことで。要は、普通の少年が巻き込まれていくって演出がしたかったので……。 金子:まあ、色々揃ってミニ東京みたいな感じで、魅力的な街ではあるんで、スタッフも、まあいいんじゃない?と。でも、エコービルはもなくなっちゃいましたからね。キレイになってしまったんで、何と言っていいやらと……。 ――そういった意味では、当時の風景をゲームとしていつまでも残せると? 金子:まあ、そうですね。 ――エピソードとして印象に残っているシーンはどこでしょう? 岡田:自分としてはやっぱりアマノサクガミに母親が殺されるシーンですね。元々はもっと残酷な描写にしていたんですが、これはまずいだろうって、テストプレイとかしてたら、スタッフがみんな気持ちがどんよりしてきちゃって。僕と金子は全然そんなこと思ってなくって。「これはないんじゃないですか?」とか言われて、今の形に自己規制しましたけどね。あれなんかが、原点っていうか、善と悪で割り切れない部分を、あなたならどうしますかっていう最初のLAW-CHAOS的な問いかけになってますけど。 金子:色んなこと考えられますよね。そこから。何かはあえて言わないけどね。 岡田:LAW-CHAOS的ってことで言うと、当時のユーザーの方の反応で、「どうしてもLAWになっちゃうんですけどどうしたらいいですか?」って質問が多くてですね、「それはあなたがLAWなんですよ」って答えても、「いや、でもCHAOSルートもやりたくて……でも、自分で選択するとLAWになっちゃう」って聞かれましたが、「いや全部やっていただかなくても、なすがままの結果でいいんじゃないですか」って、当時は言ってましたけどね。 金子:まあ、色々ありましたね。当時は若かったもんで、テンションも高くて、どのエピソードも心に残ってますね。遊び要素が多くてやることがいっぱいあって具沢山ですよね、この作品も。当時はそれこそ『ドラクエ』があって、対抗意識はありましたから、向こうと違うことをやらなきゃっていうのがありましたね。向こうはどうしてもベビーフェイスなんで、こっちは毒霧まくしかないかなって気でやってましたね。 ――ユーザーによく考えて体験してもらいたいところはどこでしょう? 岡田:それこそ全部って話なんですが。 金子:映画でも漫画でも、年をとって改めて見ると、昔と違うところで感銘を受けることってあると思うんですけど、この作品でもそういうところはあると思うんで、今の自分っていうのを感じてもらえるといいですね。 岡田:言葉的には問題定義って言ってますけど、かといってそれを前面に押し出しているわけではなくて、ゲームとして楽しんでいただければいいと思っています。別に賞とか狙っているわけではないんで。 金子:いや、もらえるなら賞は欲しいです。まずないでしょうけどね。 ――リファインしたキャラクターについてはどうでしょう? 金子:まあ、今と昔では驚くほど流行が違うんで、ビックリしちゃいますよね。当時の流行を取り入れていたわけではないんですけど、どうしたってテイストは似ちゃいますけど。まあ、なるべく印象を変えないように、スッキリさせたのが今回起こしたキャラクターイラストです。で、主人公ですが、当時のゲームとか漫画って、髪型にこだわってなくて、ザンバラなものばかりだったんですけど、ま、天然パーマもいるだろうってことで主人公をクルクルの頭にしてました。で、当時できる限り自分の身の回りで武装しました、ってカッコをさせてたんですけど、それじゃあんまりだろうということで今回ちょっと小奇麗にしてみました。 ――当時は世紀末っぽいゴツい服装が流行してましたしね。 金子:それは当時の僕の技量的にも荒っぽかったっていうのもあると思うんですけど、どうしても当時って映画や漫画などで、世紀末でムキムキちゃんたちをやっつけるって作品が多かったんで、その影響ですかね。まあ、今はパソコンで絵を描いたり、シルエットの取り方とかも変わってきているんで、洗練された感じにはなってきてますけどね。 岡田:まあ、金子の方で当時の流行を敏感に察知して描いてはいたんだけど、今見ちゃうと「えー、真ん中分け?」ということになっちゃうんで、今だったらってことで描き起こしてもらったんですよね。 ――それでは最後に、この本を読んでいるユーザーにメッセージをお願いします。 岡田:すべてをリアルに表現するのではなく、2割くらいは「あなたならどうする?」という問題定義を、今後も作品に入れていきたいと思っています。今回の移植版については、旧作をプレイしている方には、今だから感じる部分を楽しんでもらいたいです。新しく入った方には、難易度を低くしたモードで、ストーリーを楽しんでもらえると思うので、女神転生シリーズの本質みたいな部分を味わっていただいて、こちらが目論んでいる新作に備えてもらいたいですね(笑)。 金子:ファンタジーものが多い中では鬼子的な作品ですので、プレイしてもらってファンになってもらえればと思います。 上へ
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「や、やぁキョン。本日はお招きいただきあ、ありがとう」 (お、落ち着くんだ僕よ。ここで取り乱してどうする!) 「わざわざすまないな。お前じゃないといけなかったんだよ」 「そ、そうなのかい?それは光栄だね」 (ぼ、僕じゃないといけなかったのかい?そ、それは嬉しすぎる!!) 「実はだな……」 「くっくっ。改めてどうしたんだい?」 (近い!近すぎるよキョン!ま、まさかいきなりなのかい!?ぼ、僕としてはまだ心の準備が…) 「実はだな、近くウチの妹が誕生日を迎えるんだ。でな、誕生日をなににしたらいいか迷っていてな。 去年適当に選んだら1週間恨まれっぱなしでいたものだから、今年はちゃんとしたものを送りたいと考えている。 そこで、なにを送ったらいいか佐々木、お前に選んで欲しいんだ」 「…………あぁ、なるほど。キミも大変なのだね」 (orz) 次回、買い物途中のゲームセンター編に続けたら続く 間違いなく次スレだろうけど 続き→6-136「おっぱいぷにぷに」
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#blognavi 敵や戦略について。 5月予定だが…?: 十五夜 > 緑は5月ということですが (3/9-01 13 30) 十五夜 > 連休中になる可能性が高いのでしょうか? (3/9-01 13 49) 芝村 > お答えできません。>十五夜 (3/9-01 15 20) OVERSが動かなくなると義体も動かなくなる、のでエントリーどころではない: 小太刀右京 > なるほど。それで、OVERSが動かなくなると義体も動かなくなるわけですね。つまり、次の小儀式では現状エントリーどころではない?>芝村さん (3/9-02 34 18) 芝村 > ということで十五夜さんに開催時期を尋ねられても、まだ分からんとしか、いいようがない。 (3/9-02 35 40) 芝村 > 以上 全ては論理の秩序の下に理路整然と記述された。 (3/9-02 36 07) 以後の戦略的行動が一切不可能になっただけではなく…: 小太刀右京 > なるほど、了解しました。我々は小目標(石田とかの幸福)はさしあたり達成しましたが、以後の戦略的行動が一切不可能になったという意味に置いて敗北したわけですね。>芝村さん (3/9-02 37 16) 芝村 > それだけではない。>小太刀 (3/9-02 38 03) 問題は敵の正体がわからない=息の根を止められないこと: 小太刀右京 > それだけではない、とはさらに我々が戦略的敗北を喫しているということですか? たとえば、あそこで上田を救出したことによって、単にTRPGを遊ぶことで謎BBSを復活させる道が一つ消えた、とか>芝村さん (3/9-02 39 01) 芝村 > 問題なのは真相を究明できなかったことと、敵性かどうか判定してないものを判定してないことだ。 (3/9-02 39 41) 小太刀右京 > なるほど。我々はこの異変の原因、それをなした目的、そもそもの敵の正体を理解していない。現状の窮地はそれに起因する?>芝村さん (3/9-02 40 31) 芝村 > ふむ。良い軍人の考え方というのを教えよう>小太刀 (3/9-02 41 59) 芝村 > 争いというものは、敵の息の根をとめるまでは終了しない。 (3/9-02 42 44) 見敵必殺こそがエースの仕事: 小太刀右京 >なるほど。攻勢を欠落させてただ守勢に回ることは主導権の放棄に過ぎず、戦術的にも戦略的にも意義がない。したがって、我々は本来攻勢にこそ出るべきであり、敵の大本を叩く必要がある、ということですか?(観念的な意味でなく、たとえば根拠地に対して強襲を行う)>芝村さん (3/9-02 45 02) 芝村 > はい>小太刀 (3/9-02 46 23) 芝村 > 見敵必殺こそがエースの仕事だ。サーチアンドデストロイだね。 (3/9-02 46 52) 味方同士が敵味方になることはない: 内藤 > 可能性として、今後味方同士で合間見える状況が生まれるといった可能性が出て来たと言う事でしょうか? (3/9-02 41 06) 芝村 > いいえ>内藤 (3/9-02 43 04) 敵は誰?: ニードル > いままで芝村さんから直々に頂いた「我々」の脅威の目的、動機(に触れている解答)は覆されるのですか?>芝村さん (3/9-02 43 36) 芝村 > さあ。そこはプレイヤーが考えるべきところだ。>ニードル (3/9-02 44 47) 芝村 > ただし、常識的に言えば、こうだ。 (3/9-02 44 56) 芝村 > 工藤を射殺しようとしていたやつ。 (3/9-02 45 09) 芝村 > 竹内を世界移動させたやつ。 (3/9-02 45 21) 芝村 > 病院で横山を殺しに掛かった奴。 (3/9-02 45 50) 芝村 > しかし石田と谷口には手を出さない。 (3/9-02 46 06) イヤーワーカーは表立った行動をしてきた: えにる > すいません、質問です。セプテントリオンのイヤーワーカーは、これまでに表立った行動(=前線に出てくる)をしたことがありますか?(サイト内小説などで (3/9-02 45 52) 芝村 > うん>えにる (3/9-02 47 08) カテゴリ [質疑応答] - trackback- 2006年03月10日 20 06 00 #blognavi
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#blognavi DJロニー: HEY!みなさんコンバンワ!DJロニーです! さあ、今回は第2回にも関わらずゲストが来ているぞ~ 今日のゲストは防衛庁さんです! (パチパチパチパチ) 防衛庁: あ、どももー(´_ゝ`) え~と、今回ゲストと言う形で呼んでいただきました「防衛庁」っす DJロニー: さて、今週遂に大型アップデートが行われましたが、防衛庁さんはどの点に注目しましたか? 防衛庁: むぅ、なんと言っても新惑星バルチャーでしょう^^ DJロニー: ほうほう たくさんのパーツが出るそうですが、防衛庁さんは何が気に入りましたか? 防衛庁: やはり「翼」に注目しがちですが、「LG」に羽まで付いているので個人的には「LG」シリーズが注目ですね DJロニー: なるほど~ 確かに、LGによってアセンの幅が増えましたね~ では、他のアップデートについていかがでしょうか? 防衛庁: 各mobパーツのドロップ率向上ですねー^^ DJロニー: なるほど。どのパーツが一番嬉しかったですか? 防衛庁: 実は今のところバルチャーの方に姿勢が・・・ですので未だ狩のほうには・・・^^; DJロニー: そうでしたか。ではこれから頑張ってください! 防衛庁: はい!^^ DJロニー: さて、大規模なアップデートが終わりましたが、まだまだ希望するものは多いはず! 防衛庁さんは今後どういったアップデートをして欲しいですか? 防衛庁: 今後ディスカー パーツ・ロボの販売は勿論、「武器」にもうちょっとチカラを入れて欲しいですね^^; DJロニー: なるほど!では今後に期待しましょうか! 防衛庁: 「某コレジャナイ」もイイキャンペーンですしw DJロニー: 確かに、今回のタイアップも驚きでしたねw 防衛庁: デスナw DJロニー: さて、C21が大きくなったことで、これから新しいイベントなども増えるのではないかと思います。 防衛庁さんはどういったイベントをやってほしいですか? 防衛庁: イベントは、武器デザインコンテストとかw PCの性能もありますしツアーなどはちょっと・・; DJロニー: なるほど!DJロニーの友人「SoccerKing」は夏をテーマとしたイベントをやりたいそうだが良い意見は無いかな? 防衛庁: 夏をテーマに・・・シア○○タソも浴衣に・・ DJロニー: スキンイベントとお絵かきイベント どちらが良いですか? 防衛庁: むぅ、ナヤミマスネー;; そろそろリーバードもどうかと思うので技術向上のためにスキンイベントもいいのですが お絵描きも・・・最近鈍っているので・・w 他作品の「技」を盗むことも・・w DJロニー: なるほど!では最後にC21へ何か一言お願いします! 防衛庁: あいー C21は、基本プレイ無料の中で唯一のロボゲーだとおもうので 今後もドンドン楽しくなるよう、願いたいですね^^ DJロニー: OK、ありがとう! 防衛庁さん、今日はありがとうございました! 防衛庁: いえいえ^^ DJロニー: リスナーのみんな、また会おう! ☆☆☆ スタッフ: はい、OKでーす。お疲れ様でした! DJロニー: 防衛庁さん 防衛庁: あぃ DJロニー: 打ち上げ行きませんか? 防衛庁: 打ち上げはバルチャーに・・・ DJロニー: バルチャーか・・・さすがに疲れましたよ^^; 防衛庁: さぁ、付かれきった体をさらに分解を! DJロニー: 焼鳥屋にでも行きませんか? 防衛庁: あ、イイネー^^ DJロニー: もしくはメイド喫茶で 防衛庁: ブハ シア○○タンがメイドでご奉仕してくれるならw DJロニー: さすがに無理ですよw カテゴリ [C21] - trackback- 2007年07月01日 16 41 19 名前 コメント #blognavi
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SHOUT OF THE EARTH 第三話(i11921192氏) これほどまでに奇妙なことがあるのだろうか。 大気が覆い、 さまざまな風景、生命を育み 海が球の七割を占め、それが故に「水の惑星」と称される惑星が そう眼下に広がる「ラクス」と呼ばれていた星はいまや文字通り「水の惑星」へと形を変えてしまった。 ここに生き残った数少なきクルーたちは先刻起きた怪奇な現象、もとい惨劇・・・いや神々が人間に たいして下した天罰の類か? どちらにせよ、これは事実だ。 あの星では、今も津波に飲み込まれる人の叫びが響いているのだ。 そして、辛くもラクスから出港することができた「ドレッドノート級外宇宙探査艦”ハガネ”」の中でも特に「よくいえば冷静沈着。どう考えても何を考えてるか堅物。あれはヘミソフィア人の類だ」とクルーに揶揄されるほど物事を冷静に思慮できる男は先ほどの惨劇に対して疑問を抱いていた。 男:やつは先ほど南極の極氷が溶けた、と言っていた。だが、ここのクルーは気づいているのだろうか。 南極の氷が溶けただけではしょせん、6Mしか水位は上がらないということを・・・ よもやラクスのメカニックはこれほども機械以外には疎いものなのか? いや、そうなるとオペレーターたちはどうなる? 彼らは勿論それほどのことくらい知っているはず・・・ ましてやセトとかいう艦長は・・・ いや、そんなバカな。 十中八九馬鹿なパイロットたちにとりあえず口から出まかせを言ったにすぎない・・・か。 まさか・・・な・・・ しかし、そうなるとなぜ地球をあれほどまでに水を覆ったんだ?? ラクスの水を総動員したところでそれは所詮ヨーロッパ平原やそのような低地しか沈めることはできないはず。 これはどうやらラクスの外の力が干渉しているとしか思えない・・・ だとすれば・・・・・・ 女:あら、ヘミソフィア人だからラクスに未練はないのかしら?? 失礼。 あなたには地球に家族や大切な人はいなかったのかしら?? ゼンガー少尉 ゼンガー:貴殿か。サヤカ。 おまえこそあの水球に家族は飲み込まれなかったのか? サヤカ:あら? 私の生みの親はビーカーの類よ。 ゼンガー:それは失敬した サヤカ:別にいいの。 それよりセト艦長があなたを呼んでる ゼンガー:伝言ということは極秘連絡があるということなのか? サヤカ:そうじゃないの?私はそれくらいしか聞いてないわ ゼンガー:なるほど。では。 サヤカ:じゃあね。 あ、あと言い忘れてたけど、私は仮にも副艦長なのよ いい加減敬語くらい使ったらどうなの? 私にだけはタメ口使うのってどういうことなの? ヘミソフィア人なりのジョークっていうの??? しかし、無機質のハガネのブリッジにはその無愛想な男の姿はすでになかった。 サヤカ:セト艦長に言いつけて軟禁させてやるんだから・・・・・・・・・ ゼンガー:艦長。私です。 窓ガラス越しに見える宇宙をバックに皮の深く背もたれられるいかにも社長のような椅子に 桐でできたこれまたいかにも社長のような机。そしてその横には国旗が、しかしその国旗はもはやただの布切れである。 一見すると大企業の社長のような部屋だが、これは艦長の部屋である。 確かにそう言われればそうかもしれないが、一般人ならまず社長室を思い浮かべるだろう。 そんな部屋に入ると30歳にもならないのに新型戦艦艦長に抜擢された 一部では親のコネではないかと陰で噂されているがその実力はピカイチと言われている スタイルのいい狡猾な顔をした男がパイプから煙をくゆらせていた・・・ セト:君か。少尉。待っていたぞ・ ゼンガー:副艦長からの伝言ということは何かほかの人間に知られてはまずいことなのでしょうか? セト:ああ。クルーにはおいおい話そうと思っていたんだが。 その前に君に伝えたいことがあってね・・・ ゼンガー:と、いいますと??? セト:それはだな・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 続く。
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『午後七時。光陽園駅前公園にて待つ』 栞に導かれて、今、長門のマンションの一室にいる。 学校では話せないことがあるらしいのだが……長門はなかなか話を切り出そうとしない。 部屋に通され最初の茶に手をつけてから、長門はずっと俺を見ている。なんだか観察されている気分だ…。 興味深そうに向けられる長門の視線に耐えきれず、俺から「学校では話せない話」とやらを引き出すことにした。 「お茶はいいから、俺をここまで連れてきた理由を教えてくれないか」 ………答えない。 「学校ではできないような話って何だ?」 水を向ける。ようやく長門は薄い唇を開いた。 「あなたのこと」 俺? 「あなたの正体」 俺の…正体…?何が言いたいんだ? 「あなたは普通の人間じゃない」 …いきなり失礼だな。 「そういう意味じゃない。性格に普遍的な性質を持っていないという意味ではなく、文字通り純粋な意味で、あなたはわたしのような大多数の人間と同じとは言えない」 意味が解らん。 「あなたは宇宙人」 「…」 「だとわたしは踏んでいる」 「…」 「正確には『宇宙人』ではない」 そう言うと長門は「ちょっと待ってて」と、隣の部屋へ入っていった。ゴソゴソと押し入れを探る音が聞こえる。 …というか、なんだ今の話は。俺が宇宙人…?からかっているのか?だが長門の目はいたって本気で、嘘を言っているようには思えなかった。これはかなりの境地に達した電波娘のようだ。やばいんじゃないか? とにかく早くここから立ち去らねばなるまいと決心を固めていると、長門がぬいぐるみを抱えて戻ってきた。 「あなた達に『宇宙人』として認知されているのはおそらくこのようなモノ」 そう言いながら俺の目の前に、額に赤い星のついた黄色いキャップをかぶる緑色のカエルらしきキャラクターを突き出す。 「…あの。そろそろおいとまさせていただ」 「話はまだ終わってない。聞いて」 「いや、ほら、もう遅いし。親も心配して…」 「聞いて」 静かに、だが語気が強い三文字に思わずあげた腰を下ろしてしまった。 長門は俺があきらめて正座から足を崩し、あぐらへと移行する様を見届けると、満足したかのように(全くの無表情だが)ケロ○を膝のうえに乗せ、話を続けた。 「一般的、普遍的人間が『宇宙人』という単語を聞いた場合、このような有機生命体を連想する人間が大多数を占める」 まあそうだな。生命力がない物を宇宙人と連想するヤツがいれば、そいつにとっては流れ星も宇宙人だ。 「でもわたしは違う。わたしの想像する『宇宙人』は実体のある有機生命体ではない」 はぁ。 「肉体を持たず、生死という概念は存在しないが、自分の意志を持ったモノ」 ほぉ。 「情報統合思念体」 …ん? 「情報統合思念体」 じょうほう…? 「そう。情報統合思念体。わたしはそう呼んでいる」 呼んでいる、て……お前が考え出したんだろ。存在するのかわかったもんじゃない。 「存在する。そう確信する」 いや、どこが提示した確定情報だそれは。 「…勘」 自分の頭を指さしながら、誇らしげに(これまた無表情なのだが)そう言い放った。 眼鏡属性でありながら論理的に見えて論理的じゃないのか?よくわからないな。 不思議そうに長門の顔を眺めていると、「情報統合思念体」とやらのレクチャーが始まった。 情報統合思念体。 銀河系、それどころか全宇宙にまで広がる情報系の(ry 電波でやたらと難しい話を長々と聴かされ、頭がパンクし始めた。 「早い話が…情報だけで存在してるってことか」 「その表現ではあまりにも不十分。でもいい」 そりゃよかった。 「…」 「…」 いや待て。よくないだろ。それと『俺が宇宙人』って話はどう繋がるんだ? 「この銀河を統括する情報統合思念体によって造られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース。それがあなた」 え~…ひゅーまのい、何だって? 「対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース」 「すまん。解らん」 「…」 「…」 「あなたは情報統合思念体の子供」 …子供? 「情報統合思念体の操り人形」 マリオネット?ますます解らなくなったぞ。 「情報統合思念体は有機生命体とコミュニケートできない」 実体が無いからか。 「正確ではないがそう思っていい。情報生命体である彼らは言語をもたない」 なるほど。それで「コンタクト用」ってわけか。 「人と人との間で言葉を持ち得ないコミュニケートは困難」 だからインターフェースをつくったわけか…。って、全部長門の「俺様設定」じゃねえか。なに納得してるんだ俺は。 「妄想ではない。事実」 なんで解るんだよ。 「…勘」 またそれかい。 「勘はいいとして…、なんで俺がそのインターフェースなんだ?そもそもなんでただ(有機)の『宇宙人』じゃなくてわざわざ『情報統合思念体』の『インターフェース』なんだよ」 我ながらなんでこんな馬鹿げた会話をくそまじめにしてるんだと突っ込む気も失せ、疑問をぶつけてみた。 「有機生命体が生命力を保ち繁栄し続けるには『星』が必要」 …星?地球みたいな惑星のことか。 「そう」 でもフ○ーザとかは宇宙空間でも生きられたぞ。 「生きられるのと繁栄するのは違う。それにあれは漫画」 もうすでにコッチの話も漫画の域だがな。 「ノンフィクション」 わかったわかった。続けろよ。 「星には寿命がある。惑星も恒星も同じ。永遠ではない。太陽はあと50億年」 そうらしいな。 「地球の寿命もあと50億年」 そうなるな。 「だが、人類がこの先50億年存続し続けるわけではない」 そりゃあな。まあ世間じゃ2012年に滅びかけたしな。 「それはフィクション」 …。 「46億年の地球の歴史のなかで人類の歴史は1000万年にも満たない。ほんの一瞬。その一瞬で人類は発展し続けてきたがそれも限界」 地球がダメになっちまう前に宇宙船で脱出する。なんて幼稚な考えは通用しないか? 「しない。時間が足りない。太陽とは違う別の恒星まで辿りつける宇宙船をつくるには、人類にとって『星』はあまりに短命」 宇宙船が完成するまでに人類が滅びちまうか?化学の進歩には目まぐるしいものがあるぞ? 「人類の衰退も目まぐるしい。人類が滅びるより先に宇宙船を完成させることができたら奇跡」 じゃあ地球に現れるUFOは奇跡の結晶ってわけだ。 「わたしは未確認飛行物体を有機生命体の宇宙船とは考えていない」 情報統合思念体の何かか? 「おそらく」 はあ。よくそこまで考えるもんだ。 「地球に『宇宙人』が現れるとしたらそれは有機生命体ではなく情報生命体。わたしはそう考えている」 なるほど。で、なんで俺がインターフェースなんだ? やっと聞きたいことに辿りついたぜ。さあ聞かせてくれ。なんで俺を宇宙人だと思ったか! 「これ」 人差し指で眼鏡をクイっとあげた。 は? 「ダウジング」 眼鏡を机に置き、長門は続けた。 「宇宙人研究仲間(朝倉)から譲ってもらった。『伊達眼鏡式ダウジングマシン』。この眼鏡をかけて宇宙人を見ると眼鏡ずれる」 ここにきてものすごいアイテム登場だな…。もう突っ込む気にもならん。 「昨日、あなたを見ていたら眼鏡がずれた。きわめて弱い反応だったが、あなたが宇宙人であると確信した」 なんで? 「…勘」 「…じゃあ、おいとまするよ」 「待って」 意地でも帰ろうとする姿勢が解ったのか、無理に引き留めようとはしなかったが、これだけは聞いておきたかったらしい。 「あなたは宇宙人?」 無表情だがどこか不安げだ。長門もハルヒと同じで何の変哲もない日々に退屈していたのかもしれない。だからこそ文芸部をSOS団に譲ったのか?文芸部室でSF小説読んでるだけではあきちまったのか… 「そうだ」とは言えない。実際俺はただの人間だ。だが「違う」とも言いたくなかった。 「どうかな」 そう言い残して長門の部屋を出た。 去り際の長門の顔は無表情ながら嬉しそうに見えたのは俺の見間違いだろうか? 翌日。 放課後のSOS団の集まりでハルヒが朝比奈さんのハレンチ写真を撮る手伝い(不本意だけど実は本意)をしていると、 「有希ちゃん、眼鏡貸して」 不意にハルヒが長門の眼鏡を朝比奈さんにかけた。 カメラを構える俺をみている朝比奈さんの眼鏡が盛大にずれているのを見て、長門が目を見張っているのを感じる。 俺は、こりゃまた電波話を聴く羽目になったかなとピントを合わせて愛しの朝比奈さんめがけてシャッターを押した。
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涼宮ハルヒの変人奇人っぷりは今更何も言わなくても解かると思うが、そうでなくても変わっている奴というのは意外とたくさん居る。 自己紹介で宇宙人に集合をかける奴は居なくても、「趣味は石集めです」とか言うやつは居るし。 SOS団なる団を立ち上げる奴は居なくても、サッカー部とコンピ研とミステリ研を兼部する奴は居る。 ハルヒの常軌を逸した変人ぶりに隠れて目立たなくなっていても、そんな奴らはまぁ普通に生息していると言うことだ。 前置きが終わったところで、本題に入ろう。 国木田という奴は、これはこれで変わった男だ。 「SOS団文芸支部機関誌、第2巻を発行するわ!」 ハルヒが団長席の前で声高らかにこう宣言したとき、俺は目眩を覚えたね。 一応もう一度聞こう。 「ハルヒ、何だって?」 「だから、SOS団文芸支部の機関誌よ!あれをまた作るの!」 SOS団文芸支部なんて団体は存在しないぞ。 「何故だ?」 「頻繁に文芸部の活動してりゃぁ生徒会長も何も文句は無いでしょう。それにちょっとおもしろかったしね」 俺は全くおもしろくなかったけどな。 「また何か?くじ引きで何を書かせるか決めるのか?」 そうだったらまた恋愛小説を書くハメになりそうだからな。いや、そうなるだろう、確実に。 「そうよ」 ああ、そうなの。 「でも今回は書き手を全員集めてからくじ引きを行うことにするわ」 「書き手って、俺達の他に誰が居るんだ?」 「鶴屋さんと・・・谷口とか国木田あたりね、阪中さんにも協力を要請しましょうか」 ああ、阪中よ。君もSOS団の人数足りない時用補充要員の一人になってしまったのかも知れん。心から哀れむ。 「じゃぁ3人を呼んできて頂戴」 「もう帰ってるだろ、多分」 「大丈夫よ、3人には教室で待ってるように言ってあるから」 3人ともさぞかし不安で一杯なことだろうな。 「鶴屋さんはもう少しで来る筈だから。ほら、さっさと行く!」 「へいへい・・・」 そんな訳で、俺は部室を後にした。 教室には、ハルヒの言った通りに谷口と阪中と国木田の3人が残っていた。君達も暇なんだな。 谷口と国木田はまぁ良いとして、阪中には一応詫びを入れておこう。 「すまん、阪中。ハルヒのワガママに付き合わせることになっちまって」 「いや、私は別にいいのね。長門さんに恩返しも出来るし。でも――」 でも? 「そういう言葉はまず俺に掛けてくれ」 「谷口君がこんな調子なのね」 なるほど。 「前回書いたアレのせいで俺の青春の日々が何日分失われたと思ってるんだ?俺の時間を返せ」 あの恐ろしくつまらない日常エッセイにか? 「ああ、俺に文才が無いのは解かってるんだ。だから涼宮にそう言ってくれ」 確かにお前の文章を読むぐらいなら、枝豆の豆を延々と取り出してる方がよっぽど時間を有効利用出来てるだろうけどな。 「しかし、お前の主張がハルヒに通る可能性は0だ、あきらめろ」 「・・・・・・・・・」 俺がこう言うと谷口は黙り込んだ。こいつもあのハルヒと4年も同じクラスだ、当然それは解かっているだろう。 ここまではほぼ予想通りだ。 阪中はそれなりに快く受け入れると踏んでいたし、谷口も文句を言っても最終的にはやるハメになると解かっていた。 しかし、解からないのがこいつだ。 「国木田もすまないな、何度も」 「別に僕は良いよ」 まぁこいつもこうだろう、とその時俺は一人で納得した。しかし、続けて国木田の口から、驚くべき言葉が出た。 「結構楽しいしね」 What?何が? 「国木田、お前、何が楽しいって?」 「何がって。皆で映画撮ったり、野球したり、本作ったりするのがだよ」 楽しんでるのはハルヒ一人かと思ってたんだが・・・。 「本当に?心からそう思うか?」 「どうしたのキョン?キョンは涼宮さんと居て楽しく無いの?」 その質問はどういう意味だ。 「僕はいっつも楽しそうに何かやってるキョンと涼宮さんが羨ましいなー」 国木田は夢を見ているような口調でそう言い、最後にこう付け加えた。 「まぁ前のキョンみたいに、雨の中でストーブ運ばせられたりするのはごめんだけどね」 アンビリーバボー・・・。 俺もあの活動が楽しく無いのかと聞かれれば、そんなことは無いと答えるが、それは宇宙人や未来人や超能力者がセットで部員となっているからというところが大きい。 それを知らない純正一般ピープルの国木田が楽しそうと捉える。 SOS団員でそれを知らないのはハルヒだけだ。つまりハルヒと国木田は同じような思考回路を持っているということか? いや、国木田はSOS団とハルヒのことをよく知らないだけだ。そうに違いない。 試しに入団してみろ国木田。最下級者として、いろいろコキ使われるぞ? まぁそれでもこの時の俺は、意外と近くに変わった奴が居たもんだなぁ、程度にしか考えていなかった。 その後、俺は国木田と言う人間がさらに解からなくなることになる。 「連れてきたぞ」 「遅いわよ!何やってたの!?」 部室にはSOS団の団長と団員以外に、名誉顧問様が既に来られていた。 「ハッハッハ、君たちも暇だねぇ!まぁよろしく頼むよ!」 鶴屋さんが俺の後ろの3人に向かって言った。 俺は所定の席に、3人は余った席に座った。 「君が阪中さんかぃ?みくるから話は聞いてるよ!可愛いわんこ飼ってるんだって?」 「そ、そうなの!それがとっても可愛いのね!」 鶴屋さんと阪中が動物談義に花を咲かせているとき、また国木田のプチ変人ぶりが発揮された。 「今まで見たこと無かったけどすごいねここ。絶対生活出来るよ」 そうかも知れんが、絶対にしたく無いな。 「本当に良い部屋だね。生徒会は許してくれたの?」 「いや、文芸部からハルヒが奪った。長門が正式な文芸部員だ」 「へー・・・何で長門さんがこんな部に入ってるのかと思ったら、そんな経緯があったんだね」 そうなら朝比奈さんが何故ここに居るのかも疑って欲しいね。それにそんな経緯が無くても、ハルヒなら気に入った奴は強制的に連れて来る。 「でも、何となく、涼宮さんらしい部屋だね」 俺でも『ハルヒらしさ』というのはよく理解出来ていないんだが、こいつには解かってるのか? 「はい!雑談はお終い!今からクジを引かせるから、自分の担当を確認し次第各自執筆に入って頂戴!」 ハルヒが手を打ちながら俺達にそう言った。 席替えの時のように、紙のクジが入った缶を回していく。 どうせじっくり選んでもハルヒの希望通りになるのは解かっている。俺は缶の中を見もせずにクジを取った。 谷口は缶の中を睨みつけていた。どうやら書いてあることが透けて見えないかと考えたらしいが、薄い鉛筆で書かれた文字は視力1.0の谷口には見えなかったようだ。 国木田も俺と同じようにスッと引いてから、鶴屋さんに回した。 「んー・・・どれにしようかなぁ・・・よし!これに決めたりぃ!」 俺は今回鶴屋さんにはかなり期待していた。 故におもしろいテーマになれば良いが、ホラーでも書いたときには俺は一生夜に用を足すことが出来なくなるのでは無いかと危惧している。 最後に古泉が余ったクジを引いて、缶はハルヒの元に戻された。 それでは、各自の振り分けを発表しよう。以下の通りだ。 俺:恋愛小説 朝比奈さん:推理小説 長門:幻想ホラー 古泉:童話 鶴屋さん:漫画 阪中:動物観察記 谷口:伝記 国木田:恋愛小説 「ハルヒ・・・」 「何?」 「何で恋愛小説の担当が二人も居るんだ?」 皆ももうお気付きだろう。俺と国木田の二人が恋愛小説の担当となっている。 一つの機関誌に二つも恋愛小説が入ったら無駄に甘くなってしまってしまいそうだ。 「いいじゃない別に、他に思いつかなかったのよ」 だから、何でSFを入れないんだ。 「言っとくけど、合作じゃダメだから。一人で一つずつ恋愛小説を書くの。解かった?」 「解かったよ、涼宮さん」 俺のため息よりも早く、国木田が応答した。 「あら、解かってるじゃない国木田。で、悪いけど早めに部室出てってくれる?この部室には基本的にSOS団関係者しか入れないの。あ、阪中さんは良いのよ、特別に」 ・・・スマン、谷口、国木田。ハルヒも別に悪気は無いんだ、多分。 俺が心の中で謝ったのは、二人は言われた通り早々に出て行くと思ったからだ。 実際谷口は出て行った。ハルヒの退室命令を谷口は退室許可と受け取ったらしい。 しかし、国木田はそこに居た。 「国木田。何かあるの?」 この次、国木田と口から、またしても信じられない言葉が出てきた。 「僕もここに居たいなぁ」 why?何故? 「国木田、何故そう思う」 「皆の進み具合とか見ながら自分もやりたいし」 「それに、皆でやるのって楽しいしね」 そんなわけで、今国木田は俺の隣でニコニコしながらパソコンのキーを叩いている。 反対の隣には、これまたニコニコ顔の古泉がいるもんだから、俺の口の両端は今にも吊り上りそうになっている。 ああ、当然国木田がここに残ることをハルヒが簡単に許す筈は無かったさ。 しかし、俺はまた国木田に驚くことになった。 「国木田、ここはね、SOS団員とその関係者しか入室を許されないの。解かる?」 ここに居たいと言った国木田に対し、ハルヒが言った。 「それは解かるよ」 「じゃぁあんたは何?SOS団と何の関係があるの?」 こう聞かれると、国木田は少し考えてからこう答えた。 「んー・・・キョンの友達かな」 「フンッ、有希かみくるちゃんのならまだしもキョンの友達じゃぁ何の権限も無いわね」 それはどういう意味だ。 「じゃぁ国木田。ここに残る方法を教えてあげましょう」 「どうするの?」 国木田の質問に対し、ハルヒは何故か半笑いになりながら答えた。 「不思議を私に提供しなさい。そうしたらSOS団協力者としてこの部屋に残ることを許可するわ」 なるほどね。阪中を残したのはそういうわけか。 「不思議かぁ・・・」 またさっきと同じ、考えるポーズを数秒したあと、国木田が言った。 「じゃぁさ、涼宮さんにとっての不思議なことって何?」 「私がおもしろいと思うことよ!」 それは国木田でも思案できまい。 が、国木田は俺の予想から100光年ほどズレたことを言い出した。 「じゃぁさ、涼宮さん。地球って何で回ってるのかな?」 ・・・どうした国木田? 「知らないわよそんなこと」 「それを不思議とは思わない?」 「別に・・・」 「うーん・・・じゃぁこのパソコン。何でキーボードを叩いたら文字が打てるの?」 「知らない・・・」 なるほど、なんとなく国木田の言いたいことが解かった。 要するに、不思議なんかその辺に腐るほどあると、国木田は言いたいのだ。 「だからさ、涼宮さん。宇宙人とか未来人とか超能力者とか異世界人とかを探すよりもさ、まずは身近な不思議から調べていったらどうかな? そこから新しい不思議が見つかるかもしれないし最終的には宇宙人とか未来人とかに繋がるかも知れないよ?」 確かにすぐそこに宇宙人と未来人と超能力者は居るからな。 「へ、屁理屈こねてんじゃないわよ!私はね、人間が作ったものには興味無いの!人外の存在のみに価値があるのよ!」 「涼宮さんは宇宙人とかを見たこと無いよね?なのにそう言う単語の存在を知ってるのは何処かで聞いたからでしょ?それは結局人間の作ったものなんじゃないかな」 な、なるほど!国木田!俺は前からそういうことが言いたかったんだ! 「違うわよ、誰かがそれを見たからその単語が生まれたのよ!」 簡単に折れるハルヒでは無かったが、国木田はそれにおっとりと返す。 「それはいいけど涼宮さん、宇宙人のことを知りたいんだったらまず宇宙のことを調べてみたらどうかな。宇宙人を探すんだったら絶対役に立つと思うよ」 「・・・・・・・・・」 「涼宮さん、もう一度聞くけど。何で地球は回ってるの?」 そんなわけで今ハルヒはネットで、地球が自転している理由及び宇宙のことについて調べている。 ちなみに、その後も一騒動あった。朝比奈さんが使わないパソコンを誰が使うかだ。 ハルヒは国木田へのせめてもの報復としてだろう、明らかにそれを国木田に使わせないようしようとしていた。 しかし、パソコンに阪中は慣れていないらしく断念。 鶴屋さんもお題がお題だからパソコンは使わないそうだ。 それで結局自動的にノートパソコン一台がSOS団から国木田に貸し出されることになった。 ハルヒは物を無駄にするのが嫌いな節があるからな。 それにしても驚いた。あのハルヒが言い負かされるとは。初めて見たな。 しかもそれを今までハネケイソウ並に普通だと思っていた俺の昔からの友達にだ。確かにディベートとかその類は強かったが、ハルヒより上とは思わなかった。 がしかし、ハルヒも恐らく本気では無い。 普通のハルヒだったら「宇宙のことを調べてみたらどうかな?」のところで「私はそんな回りくどいことはしないの!」などと答えていただろう。 だが、そう言わなかったのは何故か?それは謎だ。 国木田のことを少し認めたのか、本気で地球が何故回るのか不思議に思ったのか。まぁそんなことはどうでも良いだろう。 何はともあれ、この部室に俺の昔からの友達で一般人の国木田が居るというのは、多少違和感があったがどっちかと言うと嬉しかった。いつもは超人に囲まれてるからなぁ。 さて、国木田の話はとりあえずここまでにして、ここからは俺達の文芸部的活動について話そう。 今回も健気さの頂点に居たのが朝比奈さんだ。 前回の童話と違い、推理小説という明らかに不向きなジャンルを扱わなくてはいけない。 と言うか、彼女に文章中でとは言え人を殺すことが出来るのか、甚だ疑問だ。 だが彼女はこれからの数日推理小説を何冊も読み続け、その間パソコンの前に座っていた長門の代わりになった。 しかし朝比奈さんなら未来的なトリックをいくつか知っていても良さそうだけどな。 と、思ったら・・・ これは数日後完成して解かったことだが、その推理小説は本当に1000年後の未来の舞台にしたものだった。 未来だから出来るトリックならいろいろ難しいことを考える必要が無いというわけだ。 読者が全く推理をすることが出来ないことは朝比奈さんだから許そう。 長いので全文を載せることは出来ないが、大体のあらすじはこうだ。 西暦30XX年。文明は超高度に発達している。 ↓ その時代、ある城で殺人事件が発生した。 ↓ 未来の技術を駆使しても犯人が解からなかったため、警察は世界的名探偵「R」に調査を依頼した。 ↓ Rによって暴かれた真実。レーザー銃を手に取る犯人。 ↓ Rの説得で膝を折る犯人。 ↓ この世から犯罪が無くなるまで、Rの仕事は終わらない! ↓ という映画がありました。 こんな感じだ。 オチが可愛らしく、しかも笑える。これには俺から90点をあげたい。 それで、朝比奈さんが推理小説を読み耽っている間に俺は何をしていたのかと言うと、 「・・・・・・・・・」 ボーッとしていた。 別のジャンルならまだしも、2度も恋愛小説を書かせるのが間違っている。前回でさえ苦し紛れに捻りだしたものなのに。 こうなったら普通に作るしか無いのだが、それも思いつかない。 「いいよねキョンは、中学時代の話をそのまま書けば良いんだから」 だからそれは違うって言ってるだろ。 「もし俺がそれを書いたとしよう。しかしそれをハルヒは認めないだろうな。何故なら『恋愛小説』というお題に沿わないからだ」 「またまたぁ」 なんでこいつらはこんなに勘違い全開なんだ。 「でも国木田・・・お前かなり書けてるんじゃないか?」 俺と話をしている間でも、国木田はディスプレイから目を離さずにキーを叩き続けていた。そのスピードがまた凄かった。長門の三分の二程度はある。今の長門と比べると2倍程国木田の方が早い。 「お前何を書いてるんだ?考えながら書いてるようには見えないが。自分の体験か?」 「違うよ。他人のこと」 何だそれは。 俺がモニターを覗こうとすると、国木田が俺の顔を押さえてそれを防いだ。 「完成させたら読ませてあげるから。それまでは見ちゃだめだよ」 「ああ、そう・・・」 朝比奈さんはこのとき読書しているだけだったし、長門は多分見せてくれない。阪中の動物観察記にはあまり興味が無い。 俺はとりあえず古泉の執筆状況を確認することにした。 「どうだ古泉、書けてるか」 古泉は俺に苦笑しながら肩をすくめて見せた。 「正直、ぜんぜんですね。朝比奈さんと代わることが出来れば良かったんですが」 「だったらそう言えばいいじゃないか」 「聞くまでも無いでしょう?」 「・・・そうだな」 ハルヒは一度決まったことは二度と覆さないからな。 「あなたはどうなんですか?2回目の恋愛小説の方は」 俺は最初の古泉と全く同じ動作をして見せた。 「正直、ぜんぜんだな。触りも思いつかない」 「だから、貴方は中学生――――」 「それはもう聞き飽きた」 さっき国木田から言われたばかりだ。 「ええ、例え貴方の言う通りだとしても、それを恋愛小説に見えるように調整すれば良いのでしょう?」 「あ」 そうか、その手があ―――。 「ねーよ」 「何故です?」 笑いながら聞く古泉に、俺は言い放った。 「お前、その俺の中学生時代のことを聞いて笑いたいだけだろ」 「いけませんか?」 白状しやがった。 「どちらにしろ貴方の得になることに変わりは無いはずですよ?」 そりゃそうだが。 「まぁ貴方が純粋に創作したラブストーリーも読んでみたいですけどね」 お前には一番読んで欲しく無い気がするな。 「それはそうと・・・」 古泉の顔の笑みが少々薄まった気がした。 「貴方の友人、中々個性的ですね」 「どっちがだ」 「どちらもですが、今居る彼の方が」 俺は国木田の方を見た。微笑を浮かべながら恐るべきスピードでキーを叩いている。 「もしかして、国木田が異世界人だとか言うんじゃないだろうな」 「そうかも知れませんね」 おいおい。 「冗談ですよ。ここに転校してくるときに貴方のことについては全て調べてあります。貴方の友達についてもね。彼は間違い無くただの人間です」 だろうな。そんなことは長く付き合ってる俺が一番知ってる。 「まぁ、貴方の友人ですからね」 どういう意味だ。 しかし、何と言っても今回最大の無理難題を押し付けられたのはこのお方だ。 「あの、大丈夫ですか鶴屋さん?」 「いんやー・・・今回はちょっちキツイっかな~・・・でもまぁ何とかなるっさ!!」 鶴屋さんが引いたクジにはなんて書いてあったか覚えているだろうか。そう、『漫画』だ。 「鶴屋さん、漫画描いたことあるんですか?」 「いやぁ~、まぁちょっとはあるにょろよ」 あるんですか。 「今、ネームを描いてるところにょろ。見るかい?」 「拝見させていただきます」 なるほど、ネームというのはこんなに雑でいいのか。しかし、雑ながらもこの絵とコマ割りの異常な上手さは何なんだろうね。 「ハルにゃ~ん!この部屋付けペンとか無いよねぇ?」 「あー、無いわね。今度買っておきましょう」 ハルヒがパソコンから目を離さずに答えた。そんなもの買っても使うのは今回だけだと思うぞ。 「じゃぁあたしが今日の帰りにでも買って行くっさ!明日ここで描いても構わないっかな?」 「いいわよ」 ハルヒ。お前のせいでこうなっているんだから、せめて顔を見て返事をしたらどうだ。 「すみません鶴屋さん」 「いいってことよ!ハルにゃんも忙しいようだしね!」 そこで、鶴屋さんは何故か国木田をチラっと見て言った。 「キョン君の友達、前見たときは普通だな~って思ったけど意外とやるじゃないか」 それは俺が一番驚いてる。 だが思い出してみれば国木田が怒ったり泣いたりしているところは見たことが無い気がする。 下手したら長門や古泉より読みにくいやつなのかも知れない。 だったら俺風情が長く付き合っていても人物が掴みきれないのは仕方ないだろう、と一人で納得してみたりする。 「まぁハルにゃんとユカイな仲間達に比べたら全然普通だと思うにょろ。なんて言うのか、雰囲気っていうのかにゃ?」 この人の勘は本当に動物並みだな・・・。 「でも最近キョン君にもそういう雰囲気がついてきたにょろよ?オーラみたいなものが」 ・・・ちょっと、貴方がそんなこと言うとシャレになりません。 「まぁ私は国木田君達と一緒に傍観させてもらうよ!頑張ってねキョン君」 もう何をどう頑張ればいいのやら・・・教えてくれますか? 「解からないわ・・・」 翌日登校した俺は「おはよう」の代わりにそんな言葉で迎えられた。 「何がだ」 「地球が何で回ってるかよ!あーもう!国木田め~・・・」 驚いた。ハルヒが一日以上俺達以外の誰かに言われた言葉を記憶していて、しかもそれをそれなりに気にしているとは。 「自転軸だとか自転周期だとかそんな単語は出てきたのよ。でも理由が解からないの!何で?」 俺が知るか。 「ていうかこんなの調べて本当に意味あるのかしら・・・」 それを今初めて疑問に思ったのか? 「国木田の言ってたことは解かったか?地球及び多数の惑星が自転していると言うことに、何か宇宙人的な陰謀とかそんな感じのことが隠されてるんじゃないかってことだよ」 俺が一応否定しておこう。そんなわけねーよ。 「って、そんなことはどうでもいいのよ!小説は進んでるの!?」 「うっ・・・」 ・・・昨日から一文字足りとも書いていない。気持ち的には結構頑張ったんだぜ?その結果だ。 「はぁ・・・またあんた待ちになるのかしら。鶴屋さんが多少遅れるのは認めるけど、あんたは絶対締め切り間に合わせなさいよ!」 それは非常に難しいな。軽くお題でも振ってくれれば良いんだが。 あと勘だが、鶴屋さんは多分締め切りに間に合わせてくるだろう。それも超ハリクォリティな原稿を持ってな。 「昨日見てたところ、あんたが一番進んでないわよ。もっと頑張りなさい」 俺は編集長の励ましの言葉にため息で応えた。 部室に入った俺は驚いた。 「やぁキョン。今日も頑張ろうね」 国木田がまるで当然のように古泉の隣に座っていたからだ。 「国木田、お前今日もここに居るのか?」 「うん、結構気に入ったからね。谷口も誘ったんだけど『俺は絶対いい』って」 谷口が正しい気がする。 「あれ?居ちゃだめだった?」 俺は良いんだが・・・。 「ハルヒ、良いのか?」 俺は既に団長席でパソコンと睨めっこしている編集長に聞いた。 「ああ、国木田も捻くれてるけど一応謎の提供者だから。謎が解けるまではここに居ることを許可したの」 それで今その謎を解こうと一生懸命なわけね。 「国木田、お前随分進んでるな」 コンピューター上のメモ帖の横についたスクロールバーは、これ以上無いほど小さくなっていた。 「うん、明後日か明々後日ぐらいには完成して見せられると思うよ」 長門のSSと出来上がるのはどっちが早いかな? 俺は何気なく前の席に座る長門に聞いてみた。 「長門、お前何を書いてるんだ?」 「幻想ホラー」 「いや、そうじゃなくて―――」 「前の続きなの?」 ここで突然入ってきたのが国木田だ。 「・・・そう」 「へー、そうなんだ。前の長門さんのあれ、すごく良かったよ。続きもすごく気になってたんだ」 俺には良いとか悪いとか、まずそれが解からなかったから、続きを気にしようが無かったんだが。 国木田にはそれが解かったのか? 「・・・ありがとう」 静かに礼の言葉を述べる長門。その顔が心なしか嬉しそうに見えるのは俺だけだろう。 「珍しい人」 長門がそう言ったのが聞こえたのも、多分俺だけだ。 『無題4』 長門有希 「貴方の目的は何ですか?」 ある時、男が私に聞いた。 解かりません。 私はそう答えた。私は何故ここに居て、何がしたいのか。本当に解からないからだ。 「××××ではないのですか?」 男が再び聞く。 そう言われるとそうだったような気がする。しかし本当は違うかも知れない。 そうかもしれません。 疑いながらも、私は答えた。 「そうですか。ならば僕達は仲間ですね」 仲間。私のことだろうか。 「そうですね」 何時から居たのか、女の人も言う。 「行きましょう。僕達の目的は一つです」 男が振り向いて歩き始める。女の人もそれに続く。 私はしばらくその場に立ちつくしていた。本当にこの人達について行っていいのか、答えを出しかねていた。 私に構わず二人は歩き続ける。その背中がどんどん小さくなる。 仲間。私のことだろうか。 「う~む・・・」 「どう?」 A4紙を眺める俺の顔をハルヒが覗き込む。 「どうって・・・一応前の続きだろ?」 「あんた意味解かるの?」 「なんとなく」 回数を増せば、読解は比較的安易になっていくようだ。 前回の続きなんだから、この男と女は前回と同一人物とみて間違い無い。そしてこの二人は古泉と朝比奈さんっぽい。 つまり、長門と古泉と朝比奈さんが共通の目的を持ち、仲間になったとかなってないとか、そんな感じだろう。 その3人の共通の目的と言えばハルヒの観察と暴走の阻止。次にはハルヒが登場するのかも知れんな。 「次は?これだけか?」 「うん、そう。昨日出来たところまで貰ったの。気になってたから」 またお題に幻想ホラーなんて入れたのは、こいつも長門のSSが気になっていたからだろう。 「それより、あんたはどうなの?進んでるの?」 「・・・・・・・・・」 「谷口、国木田。ちょっと来なさい」 俺に散々説教したあと、ハルヒはこの調子を維持したまま別の奴も説教するつもりのようだ。迷惑なこった。 「谷口、あんた書けてるの?」 さて、谷口のお題は何だったかな。忘れたな。 「涼宮、お前伝記つったってなぁ・・・誰の伝記だよ」 そうだ、伝記だ。初めて聞いたとき俺も同じことを思った。 「別に誰のでもいいわよ。あんたの尊敬する人とか。私でもいいわよ」 そこまで真っ直ぐに変人だと尊敬に値するかも知れんな。 「でも絶対自分のなんか書くんじゃないわよ?あんたの伝記なんか誰も読みたくないから」 まぁ、谷口のミジンコ並みに普通な人生の伝記を読まされてもおもしろくは無いだろうが。 「はいはい、そうですか・・・」 そんなことを言いながら谷口は退がった。谷口、お前誤魔化しつつ逃げただろ。 「で、国木田はどうなの?」 「うん、明日か明後日には多分出来上がるよ」 ハルヒはこんな言葉を予想していなかったようだ。少しうろたえたのが解かる。 「そ、そうなの?まぁ当然ね。我が部室を特別に貸してあげてるんだから」 「ありがたいよ。今日も行っていいかな?」 まずハルヒから無理に仕事を押し付けられて、それを消化するための場所を提供してやるのはまぁ当然のことであって「ありがたい」と感じるのは少々おかしく無いか? 「別に構わないわよ。でも小説が完成するまでよ?」 「うん、解かってるよ」 国木田・・・お前はもしかしたら相当変わり者なのかも知れん。 「国木田・・・お前もしかして相当変わり者なんじゃないか?」 昼飯を食っているとき、谷口がウィンナーを口に運びつつ国木田に聞いた。 「え?どういう意味?」 「どういう意味?じゃねぇよ。何であの涼宮と同じ部屋に居て何も感じないんだ」 「そりゃ、何かは感じてるよ。楽しいな、とか」 「・・・・・・・・・」 谷口の絶句。 「驚天動地だ・・・」 懐かしい言葉だな。 「お前もそのSOS団とやらの一員になるのか?止めとけよ?俺の親友達が皆涼宮になったら困る」 失礼な。 「ハハ、その団には多分入らないよ。涼宮さんが許してくれ無さそうだし」 ハルヒが許してさえくれれば入団する気なのかコイツは。 「それにしても、何でお前等そんなに涼宮と話せるんだ?もしかして俺がおかしいのか?」 お前は十分おかしいが、それは多分関係無いだろう。 「と言うか谷口、お前も結構喋れてるじゃねーか。何でそんなにハルヒが苦手なんだ?」 「喋れてる?あれでか?アレは俺と喋ってるわけじゃねぇ。ただの俺の小説の進み具合の情報を機械的に仕入れて、早く書くよう適当に促してるだけだ。そこに会話は成り立ってない」 そうかも知れんが。 「谷口、谷口は最初っから涼宮さんをそんな風に決め付けちゃってるからダメなんじゃないかな。確かに最初は全然話せなかったかも知れないけど、高校生になってから変わったんじゃない?」 こう言って国木田は何故か俺を見た。それにつられるように谷口も俺を見る。クソ、何なんだお前ら。 「そうだな。キョン、あわよくばあれを普通の性格にしてくれよ。そうすればただの可愛い女子高生なんだから」 「無理だ」 もしそうなったとしても、お前とどうにかなることなんか絶対無い。 部室に居たのは、仲良く談笑する古泉と国木田だけだった。 「お前等、何時の間に仲良くなったんだ?」 「さっきですよ」 「さっきだよ」 そうかい。 谷口は古泉と話すとムカツクって言ってたけどな。国木田は大丈夫なんだろうか。 「何が?」 まずそこが解からないのか。 「彼の小説、読ませて頂きましたよ・・・フフフ・・・」 何故お前が笑うんだ。気持ち悪い。 「お前、完成したのか?」 「いや・・・まだかな」 何だその曖昧な言い方は。 「完成するまで読ませないんじゃなかったのか?」 「それはキョンだけだよ」 訳解からんぞ。 「いまから推敲しながらワードソフトに移すから、それが終わるまで待ってよ」 そうかい。待たせていただきますよ。 「それで古泉。お前は完成したのか?」 「ええ、一応は」 昨日までは全然とか言ってたじゃねーか。 「童話というのは基本短いもので良いんです。それに、書き出せればすぐですよ」 そうなのか。 「見せてみろ」 「良いでしょう」 俺は古泉の手からルーズリーフのファイルを受け取った。 800年程前のことになります。 村の外れにある森に、一人の魔女が住んでいました。 その魔女は心が大変綺麗でしたが、ただ魔女というだけで村の人に迫害され、仕方なくこの森に住んでいます。 世は魔女狩りが広く行われている時代。これもまた仕方の無いことだと、彼女は自分に言い聞かせて生きてきました。 ある日、彼女が花を摘むために近くの花畑に行くことにしました。 その花畑は大変綺麗な花がたくさん咲き誇り、ここに来るだけで彼女の心は癒されました。 ただ、そこにはいつも彼女以外には誰もいません。何故なら、その花畑は彼女の住んでいる森にあり、その森には誰も入ってこないからです。 この綺麗な花を誰かに見せてあげたいと、彼女はいつも思っていましたが、それは叶いません。これも仕方ないことなのです。 しかし、その日は違いました。花畑に、一人の青年が居たのです。 いえ、別に初めてのことでは無いのです。以前にも何度かはそこに人が居たことがあります。 しかし、皆彼女の姿を見ると「魔女が来た!」と叫びながら逃げていくのです。 そして、今回もそうだと彼女は思いました。 しかし、彼はそうしませんでした。 これは初めてのことです。 「やぁ森に住む魔女さん。会えて光栄です」 しかも、彼女が魔女であることを知っていました。 「貴方は、誰ですか?」 彼女が問いました。 「旅人です。遠くからやってきました」 そうですか、と彼女は答えました。 「貴方は、魔女が怖く無いのですか?」 彼女が再び問いました。 「僕にはそれが解からないです。何故そこの村の人たちは魔女を恐れるのですか?」 そういえば何故だろう。心臓をとられるとでも思っているのだろうか。 「僕の旅してきた町では、魔女も魔法使いも皆仲良く暮らしていました」 羨ましい。彼女はそう思いました。 「良かったら僕達と一緒に来ませんか?」 そのとき彼女は、彼が一人で無いことに気が付きました。 木の陰から、一人、二人、三人の人が出てきました。男が一人と、女が二人。 「旅っていうのは、良いものですよ」 男の一人がいいました。 「ちょうど魔女の一人でも欲しかったところなの」 女の一人が言いました。 「決めるのは貴方」 もう一人の女が言いました。 「どうしますか?」 「行きます」 彼女は、すぐに答えました。 「そうですか。それではすぐに出発しましょう」 彼女は驚いた。 「今すぐにですか?」 「今すぐにですよ。時間は有限なんです」 彼女は、生まれ育った森に別れを告げることになりました。 帰ってくることは無いかもしれないけど、今までありがとう。 そうして、彼女は旅に出ました。 その旅には、いくつもの困難が待ち受けてるかも知れません。 それでも、彼女は負けません。 何故なら彼女には、仲間が出来たから。 「・・・・・・・・・」 「どうです?」 「これ、お前が書いたのか?」 「そうですよ」 うーん、古泉らしいとこもあるが、らしくないところもある。要するに、よく解からない。 ある意味では古泉らしい、中途半端な作品とも言える。 「と言うかこれ、これで終わりなのか?」 「一応はそうです。次に繋げられるようにはしていますが」 何でだよ。 「涼宮さんがまた機関誌を作ると言い始めるかも知れませんからね。まぁ3回目に童話を書くかは解かりませんが」 勘弁してくれ。俺が3回目も恋愛小説になったらどうする。いや、なる。確実に。 「国木田、これどう思う?」 俺は俺のあとにファイルを手に取っていた国木田に聞いた。 「良いんじゃないかな?これが童話なのかはよく解からないけど」 確かに。 「まぁ童話なんて定義が良く解からないしね、話としてはおもしろいと思うよ」 「そうかぁ・・・?」 俺には解からんね。 二日後には、ほとんどの原稿が上がり、まだなのは俺と国木田と谷口と、あと鶴屋さんだけだ。 締め切りは明日。俺はまだ一文字も書いていない。どうしたもんかね。 そして、そんな締め切りレースから今日も一人抜け出した。 「はい、キョン、涼宮さん。出来たよ、恋愛小説」 早速ハルヒが国木田の手からファイルを引っ手繰る。 「どれどれ?」 ハルヒが国木田の小説を読んでいるとき、俺は暇だったからハルヒの顔を観察してみることにした。 最初はどんな文句をつけてやろうかしらとニヤニヤしていたハルヒの顔が次第に曇っていき、そしてだんだん赤くなっていくのが肉眼でも解かった。 ほう、ハルヒを赤面させる恋愛小説を書くとは、国木田もなかなかやるじゃないか。次に泣き出したりしたら本気で国木田をSOS団に勧誘しているところだ。 「どう?涼宮さん」 読み終わったらしいハルヒは、国木田を無視して俺にファイルを差し出した。 「キョン、読んでみなさい」 「?」 多少訝しがりながらも、俺は明朝体で印字されたその文字列に目を通した。 皆さんは、大切な友人や恋人との出会いを覚えていますか? 僕は親友との出会いははっきり覚えています。中学の入学式で、最初に話し掛けてくれたのが彼でした。 いえ、今日はその話ではありません。 今日は僕の親友と、その恋人のことについて、話したいと思います。 二人が出会ったのは、僕達が高校生になった春です。 「この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者が居たら私のところに来なさい。以上」 彼女は最初のHR。自己紹介の時間に、こう言いました。彼女にクラス全員の視線が集まっていました。当然、彼の視線も。 それが、二人の出会いです。 それから数日後、僕に新しい友達が出来ました。 その人はさっきの彼女と同じ中学校らしく、彼女のことばかり話します。そんなに好きなんでしょうか。 その彼によると、彼女は中学校時代から変なことばかりやっていたらしいです。 彼女が変なのは僕が見ても解かりました。誰とも話さないし、何よりあの自己紹介です。 あの自己紹介で解かったのは名前と出身校と『彼女は変な人だ』という事実だけです。 それから数週間後、彼と彼女が話しているところを度々見るようになりました。 僕は「彼女でも話すのか」程度にしか思いませんでしたが、彼女と同じ中学の彼は「驚天動地だ・・・」と言いました。そんなに凄いことなんでしょうか。 それからさらに数週間後、僕は彼女が初めて笑うところを見ました。それは、他の誰にでも無く、僕の親友である彼に向けられたものでした。 それを僕も見ることが出来たのは、その時が授業中だったからです。 その時彼女は、笑いながらこう言っていました。 「作ればいいのよ!」 彼は問いました。 「何を?」 「部活よ!」 それから数日後、彼と彼女は数人の部員を集め、部活を作ったそうです。 名称不明、活動内容不明の部活で、彼は忙しくなりました。 僕達と遊ぶことも少なくなりました。 (中略) それから約1年後。僕は2年生になりました。 また僕は、二人の友達と同じクラスです。そのクラスには彼女も居ます。 しかし、2年生になった彼は、僕達と話していても何処か違うところを見ているような、そんな感じがしました。 彼女は、1年生のときと比べて、見違えるほどに明るい性格になっていました。 例の部活動に僕達が巻き込まれることもありました。笑顔を見ることも度々ありました。 そしてある日、僕は彼からこんな言葉を聞きました。 「俺、あいつのことが好きなんだ」 「・・・そうなんだ」 正直言うと、それは言われる前から解かっていました。 そして多分、彼女も彼のことが。 「でも、不安なんだ。あいつが俺のことをどう思ってるのか」 「大丈夫だよ」 「何でそう言える?」 「だって、彼女があんなに変われたのは。君のお陰じゃない」 「・・・そうか」 数日後、僕に親友には、親友よりも大切な人が出来ました。 二人の幸せを、僕は心から願っています。 終わり 「・・・・・・・・・」 「どう?キョン」 「どう・・・」 何だこのモヤモヤ感は。 もう文体や書き方についてはどうでも良い、問題は内容だ。 「国木田、このセリフ。どうみてもこいつのだろ」 俺は何故かボーっとしてるハルヒを示しながら言った。が、それに対して飄々と国木田は答える。 「いや?涼宮さんのセリフを参考にしてみただけだよ。その人は涼宮さんじゃなくて、僕が作ったキャラクターだよ」 「この『僕』ってのがお前だな?じゃぁお前の親友の『彼』ってのは誰だ」 「『彼』は『彼』だよ」 ハハハ、こやつめ。 「お前確かモデルにしてるやつがいるって言ってたな?誰だ」 「・・・解かるでしょ?」 いや、解かるけども・・・。 「涼宮さん、僕のはこれで良いよね?」 「え?ええ?・・・え?」 キョドり過ぎだハルヒ。 「僕の分、これで終わりで良いよね?」 ダメって言ってやれハルヒ。いらん噂を立てられそうだ。お前もそれは嫌だろ? 「あー・・・うん、いいわよ。お疲れ」 え?いいのか?それには深い意味があるのか? 「良かったぁ、ありがとう。会誌出来たら一部よろしくね、キョン」 「あ、ああ・・・」 そこで何故か国木田は、俺の顔を見て笑った。 「キョン、顔赤いよ」 「は?そんなわけ――――」 「涼宮さんも」 「はぁ?そんなわけ無いでしょ!!」 何故か再び、国木田は笑った。 「二人の幸せを、僕は心から願ってるよ」 終
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テイルさんが入室しました テイル (喫茶のテラス席でメロンソーダ片手にのんびり) イツキさんが入室しました イツキ (カランカラン 入店してくる袴女子 テイル (テラスから手を振り挨拶 そのまま新聞読んでる イツキ (おや、と気付いて小さく片手を振り微笑み イツキ こきげんよう。(テイルのいるテラスに歩いてくる 美少女である テイル こんにちはっと。こんな瓦礫だらけのセントラルに用事かい? イツキ あははっ、瓦礫だらけの中でも元気な喫茶店で一休みしに来たのです。 テイル それはいい、此処は楽しいからね。僕はテイルだ。君は…ん、君は… テイル どこかで…見たような…いや記憶違いだろう。 イツキ (テイルの言葉にまあ、と両手を口元で会わせて)何処かでお会いしましたでしょうか? イツキ イツキはイツキです。紅椿家五と申します。(袴の裾を持ち上げご挨拶 テイル いや、会ってたらわかるから、たぶんフォーデンとかだろう。イツキさんか、よろしく! イツキ 此方こそ。どうぞ宜しくお願い致します。 テイル (I★PAD渡して)周囲がこんな瓦礫なのに、むしろ風情すら感じられるね イツキ (どうも。と受け取り)あははっ。見事にぶっ壊れてしまいましたね。 テイル こういうときは色んな輩が来る。先日も早速、異空間に飛ばしてくる襲撃者…襲撃者?が来たね テイル カリーナだったと思うけど、夜の墓場でお骨とダンスしてきたぜ(楽しげに イツキ まあ。そんな事が? イツキも襲撃者というものに逢った事はありますけれど、 イツキ そんな優雅な手ほどきもあるのですね。(あはは、と テイル 問答無用ではあったけど、困ってる風も感じられた。ま、楽しかったからなんでもいいや イツキ なるほど。(ジンジャーアップルティーを注文し テイル そっちが会ったのはどんなやつだい? イツキ 劣化抗魔金属を搭載した機械の兵達でした。後ほど記録を確認しましたが、オニールから度々訪れているそうですね。 テイル なるほどなぁ、オニールの。その手の輩はつまらないんだよなぁ イツキ まあ、良い運動にはなりましたけれど。少々風情がありませんね(頬に手を当ててふう、と テイル もっと必死な理由で襲撃してくれないと、ね。遊ぶ分には悪くないけど いつきさんが入室しました いつき 今一つ目的が掴めませんけれどね。言ってしまえば戯れなのでしょうか。 テイル 戯れかぁ。他には? イツキさんは退室されたようです いつき あぁ、そうでしたそうでした。(思い出したように いつき そうそう、でりゅーじょん・てらーずというお嬢さん方と連戦になりましたね。二戦目は観ていただけなのですけれど。 いつき 電子愛人形(あいどる)の方と、電子妖精の方。 テイル へぇ、問答無用で襲い掛かってくるアレか。生憎と会ったことがないが、それは羨ましいね いつき テイルさま、戦闘愛好者のようですものね。(ふふ、と) テイル ああ、戦闘愛好者(バトルジャンキー)さ。そういうイツキさんも好きそうだけどね? いつき あははっ。それなりに、ですね。(否定せず微笑む テイル いつもなら一戦どうだいってところだけれど、瓦礫だらけじゃ風流がない テイル 喫茶が戻ったらだねぇ…それに別の“お客さん”が来るかもしれない いつき (届いた生姜林檎紅茶に砂糖を入れて混ぜながら)ええ、イツキも。いつもなら喜んでお受けする所なのですけれど。 いつき 折角ならば、爛漫の桜景色の中で戦いたいものです。 テイル そうだねー、イツキさん … ん、イツキ…紅椿家五… テイル 紅椿家か!(バトル脳が薄れて気づいたらしい いつき はい。(にこっと笑って テイル これは失礼、貴族相手の礼節は知らないので喫茶流で勘弁してくれ いつきさんが退室しました イツキさんが入室しました テイル その様子だと貴族の用事ってわけでもなさそうだしな! イツキ あははっ、どうぞお気遣いもご遠慮も無く。 イツキ、完全に私用で此処に来ておりますから。 テイル 私用かぁ、けっこうえらい方の…蒼菖蒲のトップとかも来るからなぁ イツキ 貴族にもバトルを嗜む人間は多いですからね。 …それにしても、イチイさまが此方に?(少し驚いたように テイル ああ、観戦したことがあるぜ。だいぶ前だけど。能力も強そうだったけど、槍捌きが達人だった イツキ ええ。そうですね。身の強さに関してはイツキも文句を付ける所がありません。 テイル おや、精神的なところには文句をつけたい? イツキ あははっ、バレましたか。(にこっと イツキ まあ、八色貴族の中でも紅・蒼・金の三家は所謂、ライバル関係にありますからね。 テイル マジか。ライバルとかあったのか。 イツキ 手放しに褒めそやすのも気が乗らないという事です。(ふふっと テイル おっそろしいぜ貴族。政略とか僕には無理だな、あわないことこの上ない イツキ ええ。ええ。 家によってはそれはもう楽しそうです。金鳳花家など特に。 イツキ あははっ。でもイツキには余り関係の無い事ですね。気楽な身分ですから。 テイル 気楽かはわからないけど、蒼菖蒲の五番目?だったかも喫茶にいるよな イツキ 伍箕さま、ですか?(イチイの時よりも驚いた風 テイル そうそう、なんか名前がひどい店員。 イツキ 何といいますかちゃらついた形跡が見られる方、であれば、 …間違いありませんゴミ様です。 テイル ちゃらつい…ちゃらついてたっけかな…? テイル いや結構真面目な感じしたけどな… テイル あ、でもバトルはやらねぇって顔はしてたね。店員も色々だもんな イツキ … 蒼菖蒲家はみな真面目ですからね。 そう、そうなのです。(続くテイルの言葉に イツキ ゴミさまは貴族から果てしなく遠のき…それはつまり、戦闘からも果てしなく遠のいておりました。 イツキ にも拘わらず、彼は此処にいらっしゃるのですね。戦闘喫茶と名高いEBに。 テイル そうだねぇ、理由はわからないけど。なんか思うところがある? イツキ いえ、ゴミさまに然程興味は… ああ、でもそうですね、 イツキ イチイさまがいらしている事には納得が行きました。 弟君に会いに来ているのでしょうね、単純に。 テイル なるほど、そういうものか。僕は兄弟は…居たかもしれないけど覚えてないから、わからないな イツキ おや。なかなか複雑な出自をお持ちで? テイル いや、単に親の顔を知らない、どこにでもいる一般人さ。 イツキ なるほど、そうですか。 テイル その兄弟愛は素晴らしいけど、イチイってやつ確か当主だよな…会いにきていいのか…? イツキ ええ。ええ。兄弟仲が良いのは非常に良い事だとイツキも思いますけれど。 …どうなのでしょうね? テイル ま、さっきも言ったけど政略的なのはわかんねぇや!喫茶だしいいだろうさ イツキ ええ、イツキも細かい事は気にしないでおきましょう。他家の事ですし。(林檎紅茶を飲み テイル (I★PADにカードを通して)さって、そろそろ行くとするか。瓦礫の街の散策だ。 イツキ まあ。テイルさまもお散歩好きなのですね。 テイル うろついてるとたまに面白いことがあるしね。懐かしい瓦礫の街だ テイル のんびりするなら今のうちってわけさ。じゃあな、イツキさん 金髪の女性さんが入室しました イツキ あははっ。ではお気を付けて。(笑顔で見送る 金髪の女性 (広場(元)の方を歩いてくる女性 テイル (テラスから広場に降りると)おや? 金髪の女性 (身軽に財布ポシェットと、買い物帰りなのか、ブランドの手提げの袋 テイル (軽く会釈して、そのまま通り過ぎる 金髪の女性 ――…、(軽く会釈で返し テイルさんが退室しました 金髪の女性 (ふぅん?という顔で 金髪の女性 ……(入店 金髪の女性 (あんまり、寄る気はなかったけど…まぁ、いいか。 イツキ (テラス席で紅茶片手に頬杖突き 瓦礫の街を眺めている 金髪の女性 (絵になる人だなー… 金髪の女性 (カウンターで注文だけ済まし、テラスの方へ 金髪の女性 こんにちは、相席良いかな? イツキ ええ。勿論構いませんとも。(女性を見上げ微笑み、対席を手で示す 金髪の女性 ありがとう(笑顔で返して席に イツキ …。お昼の喫茶店には似合いですが、 イツキ 瓦礫の街には似合わぬお姿ですね?(首傾げて女性に 金髪の女性 …そう? 私服だと変かな? 金髪の女性 (前に流したカールダウンといい、確かに 買い物中の女性、という感じである イツキ 些か日常的なお姿ですからね。まあ、人は見かけに依らないとは申しますけれど。 イツキ 貴女さまも戦闘愛好者なのでしょうか?先程のテイルさまのように(ふふ、と 金髪の女性 愛好者。(ちょっと驚いた表情で 金髪の女性 はは、確かにそうかも。テイルもそう言ってたって?(運ばれてくる紅茶を一口 イツキ ええ。戦闘愛好者(バトルジャンキー)だと。 金髪の女性 …へぇ、なるほどね。 金髪の女性 そういう貴方も? イツキ あははっ、嗜む程度には。(微笑み 金髪の女性 なるほど、自信ありと?(呑みつつ片目で イツキ このような時にこのような場に来るのですから、ええ。皆さままともではありません。 イツキ お互い様と言う事ですね。(片目瞑って) そうです、イツキは紅椿家五と申します。あなた様は? 金髪の女性 イツキさんね。 あー…まぁ名乗るほどじゃないよ。 金髪の女性 ちょっと立ち寄っただけだから(席を立ち、柵の方へ イツキ まあ、名を残したくない事情でもおありでしょうか。(ふふ、と笑み イツキ (紅茶飲み干し、こちらも立ち上がり柵へと歩く 金髪の女性 そんな大袈裟な話じゃないよ(微笑みつつ、殺風景な景色を見遣る イツキ おや、そうですか? イツキ 都市の危機に勇んで駆け付けた。イツキにはその様に見えましたが。 金髪の女性 んー…本当に危機だったら考えるけど、っていうと不謹慎なんだろうけど(風を浴びながら イツキ まあ、なんだかんだ元気ですよね。この街<セントラル>は。 金髪の女性 そうだね。そうやって大きく強くなってきたんだなって思うよ(遠巻きに復興工事が見える 金髪の女性 それに、次の便にはもう行かなくちゃならないし 金髪の女性 ちょっと顔出しただけなんだよね。 …あとは買い物? イツキ では、何でしょう。お散歩ですか?物見遊山ですか? イツキ 買い物でしたか。あははっ、成程。 金髪の女性 そう思うと趣味悪いね、覗いてくだけってのもさ(柔らかく笑って イツキ イツキは何も責めませんよ?必要な時を見極めて力添えをするのも良いでしょう。 イツキ さて、まあ、しかし。(こめかみを押さえ 金髪の女性 はは、ありがと、そうだねぇ…(殺風景を眺めながら イツキ イツキはどうやら、覗いているだけとは行かないようです(柵に両手を掛けて イツキ (よっ、と乗り越え外に着地 イツキ 一休みも此処までですね。御機嫌よう、おねえさま。(振り返り、女性に微笑み手を振る 金髪の女性 ん、お仕事ってことかな? がんばって(微笑んで手を振る イツキ (微笑み会釈し、歩いていく イツキさんが退室しました 金髪の女性 (見送り、席に戻る 金髪の女性 (カップ皿を両手にカウンターへ行き返却 金髪の女性 (お礼をそこそこに、店を後にする 金髪の女性 (何となく、満足気の様子で 金髪の女性さんが退室しました
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(2007年03月31日) ぴたたん (2007年03月31日) ぴたたん (2007年03月31日) ぴたたん (2007年03月31日) ぴたたん (2007年03月29日) ただいま (2007年03月06日) 優しさは得るものじゃなくて作るもの (2007年03月04日) 黒翼STEP (2007年03月02日) 新天地 (2007年03月02日) 反比例する苦労