約 3,377,562 件
https://w.atwiki.jp/fantasylaboratory/pages/375.html
2008.05.22 22 33 ミカヅキX 『Phantom And Revenge』 どことも知れない地下の一室。分厚い壁に半永久的な自家発電装置など、要塞並の設備を持つその空間は、ある意味核シェルターのようであった。 小さめの体育館程度の広さの空間のそのほとんどを占めるのは、無数の立方体が無秩序に融解したような、巨大な機械の塊であった。 その機械の圧倒的な質量に比すると、あまりにもちっぽけに見える人影が二つ。 一人は全身黒づくめの長身の青年。 今一人は、長い白衣の下に畸形的な形状を隠しこんだ白髪の老人。 「ついに、完成いたしました」 老人が、卑屈な態度で青年に話しかける。 「これが・・・」 「そうです。コードネーム”Phantom And Revenge”。”PandR”、パンドラとお呼びくださいませ」 「パンドラ・・・」 青年は、天井にまで達するその威容を、黒い冷たい瞳で見上げた。 「こんなもので・・・」 「お疑いなさるな、御霊門様。このパンドラは、パッシブ・アンド・アクティブ・エレクトロマグネティック・フォースによって、あらゆる機器の回路、あらゆる磁性体に記録された情報を制御解読する事が可能なのです」 しなびた皮膚とは対称的にぎらぎらと光る眼で、老人は熱く語る。 「その能力をもって、世界中の隠蔽された軍事兵器を自在に操るというわけか」 「しかも、効果的に、ですな」 老人の言葉には、どこか勝ち誇った響きがあった。 「このパンドラの本当の能力は、いかに効果的に大量殺戮を成し得るかに特化した思考回路にあるのですよ、御霊門様。核、細菌兵器、自然破壊はもちろのこと、情報操作による人心操作による集団自滅まで、ありとあらゆる災厄の要素をふるいにかけ、もっとも効果的に人類を破滅させる方法を確立することが可能なのです!しかもその演算力はローレンスリバモアのブルージーンがかたつむり並みに思えるほどでございます!」」 「ふ・・・まさにパンドラの箱、か」 「さあ、今こそパンドラに、快楽主義者どもへの復讐を命じてくだされ!」 「いいだろう」 老人の熱に浮かされるでもなく、青年は頬に冷笑を浮かべたまま、パンドラに向き直った。 青年は、軽く両手を広げた。 その動作だけで、機会の発する熱で暑苦しかった部屋の温度が、数度下がった。 老人の顔からは、先ほどの熱狂は消え、代わりに怯えと畏れの表情がうかんだ。 「我、怨霊の皇たる御霊門将平が命ずる。そこな鋼鉄の箱よ!地に蔓延せし醜き命、大地を犯し天を汚す罪深き生き物、人間を速やかに且つ効果的に殲滅せしめよ!」 最初は低かった青年の声は、次第に大きくなり、最後は地下の空間を振動せしめるほど朗々と昏らい空間に響き渡った。 数刻、何も変化は生じなかった。 しかし、音も無く、空間が震えだしていた。 青年の声の余韻ではない。 明らかに別の低周音が聞こえている。 「おお・・・」 老人が、喜びの声をもらした。 機械の怪物が、青年の声によって、ついに眠りから覚めたのだ。 不気味な振動音は、わずかに大きくなり空間を満たし始めた。 青年達の皮膚までが震えだしそうであった。 老人の顔に、若干の不安が浮かんだ瞬間、音が、消えた。 その一瞬後、機械のそこかしこに埋め込まれていたLEDや発行装置が、一斉に光を放った。 その様は、あたかも夜の海に浮かぶ不夜城のようであった。 ついに、パンドラが目覚めたのだ。 「コマンド・アクセプト・・・」 どこからともなく、パンドラの女性的な声がする。 「お答えします。マイ・エンペラー」 「ふっ、エンペラーだと。なかなかの性能だと、褒めるべきか」 青年は苦笑した。 老人は、その言葉を聞き流した。 パンドラのもたらす「回答」に集中しているのだ。 「私の出した回答は・・・」 やせ細った喉が、ごくりと鳴る。 「無為無策」 しばしの沈黙の後、パンドラの出した回答に、青年が応えた。 「なるほど。つまり、何もせずともいずれ人類は勝手に自滅するという事か」 「イエス・マイエンペラー」 老人は、あんぐりと大きく口を開け、このやりとりを聞いていた。 「それが最も効率的な方法です」 「ふーむ。で、時間はどれぐらいかかるのだ、人類の滅亡まで」 「現時点ではその回答に要するデーターが少なすぎるので、正確な答えはだせません」 「では、類推では?」 「もっとも有効度の高い回答は、約56億年後です。マイ・エンペラー」 「・・・だとさ、博士」 青年が振り返ると、老人の外見は、今までの彼の姿が壮年期であったかと思わせるほど、更に老け込んでしまっていた。 続く・・・のだ 『P&R2 -the Next World-』 野良(--) まぁそんなこったろうとは思ったけど、どういう演算を行ったんだろうな。05/23 22 33 水上 える 56億年もかかるのかなあ…05/24 01 43
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/5717.html
『午後七時。光陽園駅前公園にて待つ』 栞に導かれて、今、長門のマンションの一室にいる。 学校では話せないことがあるらしいのだが……長門はなかなか話を切り出そうとしない。 部屋に通され最初の茶に手をつけてから、長門はずっと俺を見ている。なんだか観察されている気分だ…。 興味深そうに向けられる長門の視線に耐えきれず、俺から「学校では話せない話」とやらを引き出すことにした。 「お茶はいいから、俺をここまで連れてきた理由を教えてくれないか」 ………答えない。 「学校ではできないような話って何だ?」 水を向ける。ようやく長門は薄い唇を開いた。 「あなたのこと」 俺? 「あなたの正体」 俺の…正体…?何が言いたいんだ? 「あなたは普通の人間じゃない」 …いきなり失礼だな。 「そういう意味じゃない。性格に普遍的な性質を持っていないという意味ではなく、文字通り純粋な意味で、あなたはわたしのような大多数の人間と同じとは言えない」 意味が解らん。 「あなたは宇宙人」 「…」 「だとわたしは踏んでいる」 「…」 「正確には『宇宙人』ではない」 そう言うと長門は「ちょっと待ってて」と、隣の部屋へ入っていった。ゴソゴソと押し入れを探る音が聞こえる。 …というか、なんだ今の話は。俺が宇宙人…?からかっているのか?だが長門の目はいたって本気で、嘘を言っているようには思えなかった。これはかなりの境地に達した電波娘のようだ。やばいんじゃないか? とにかく早くここから立ち去らねばなるまいと決心を固めていると、長門がぬいぐるみを抱えて戻ってきた。 「あなた達に『宇宙人』として認知されているのはおそらくこのようなモノ」 そう言いながら俺の目の前に、額に赤い星のついた黄色いキャップをかぶる緑色のカエルらしきキャラクターを突き出す。 「…あの。そろそろおいとまさせていただ」 「話はまだ終わってない。聞いて」 「いや、ほら、もう遅いし。親も心配して…」 「聞いて」 静かに、だが語気が強い三文字に思わずあげた腰を下ろしてしまった。 長門は俺があきらめて正座から足を崩し、あぐらへと移行する様を見届けると、満足したかのように(全くの無表情だが)ケロ○を膝のうえに乗せ、話を続けた。 「一般的、普遍的人間が『宇宙人』という単語を聞いた場合、このような有機生命体を連想する人間が大多数を占める」 まあそうだな。生命力がない物を宇宙人と連想するヤツがいれば、そいつにとっては流れ星も宇宙人だ。 「でもわたしは違う。わたしの想像する『宇宙人』は実体のある有機生命体ではない」 はぁ。 「肉体を持たず、生死という概念は存在しないが、自分の意志を持ったモノ」 ほぉ。 「情報統合思念体」 …ん? 「情報統合思念体」 じょうほう…? 「そう。情報統合思念体。わたしはそう呼んでいる」 呼んでいる、て……お前が考え出したんだろ。存在するのかわかったもんじゃない。 「存在する。そう確信する」 いや、どこが提示した確定情報だそれは。 「…勘」 自分の頭を指さしながら、誇らしげに(これまた無表情なのだが)そう言い放った。 眼鏡属性でありながら論理的に見えて論理的じゃないのか?よくわからないな。 不思議そうに長門の顔を眺めていると、「情報統合思念体」とやらのレクチャーが始まった。 情報統合思念体。 銀河系、それどころか全宇宙にまで広がる情報系の(ry 電波でやたらと難しい話を長々と聴かされ、頭がパンクし始めた。 「早い話が…情報だけで存在してるってことか」 「その表現ではあまりにも不十分。でもいい」 そりゃよかった。 「…」 「…」 いや待て。よくないだろ。それと『俺が宇宙人』って話はどう繋がるんだ? 「この銀河を統括する情報統合思念体によって造られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース。それがあなた」 え~…ひゅーまのい、何だって? 「対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース」 「すまん。解らん」 「…」 「…」 「あなたは情報統合思念体の子供」 …子供? 「情報統合思念体の操り人形」 マリオネット?ますます解らなくなったぞ。 「情報統合思念体は有機生命体とコミュニケートできない」 実体が無いからか。 「正確ではないがそう思っていい。情報生命体である彼らは言語をもたない」 なるほど。それで「コンタクト用」ってわけか。 「人と人との間で言葉を持ち得ないコミュニケートは困難」 だからインターフェースをつくったわけか…。って、全部長門の「俺様設定」じゃねえか。なに納得してるんだ俺は。 「妄想ではない。事実」 なんで解るんだよ。 「…勘」 またそれかい。 「勘はいいとして…、なんで俺がそのインターフェースなんだ?そもそもなんでただ(有機)の『宇宙人』じゃなくてわざわざ『情報統合思念体』の『インターフェース』なんだよ」 我ながらなんでこんな馬鹿げた会話をくそまじめにしてるんだと突っ込む気も失せ、疑問をぶつけてみた。 「有機生命体が生命力を保ち繁栄し続けるには『星』が必要」 …星?地球みたいな惑星のことか。 「そう」 でもフ○ーザとかは宇宙空間でも生きられたぞ。 「生きられるのと繁栄するのは違う。それにあれは漫画」 もうすでにコッチの話も漫画の域だがな。 「ノンフィクション」 わかったわかった。続けろよ。 「星には寿命がある。惑星も恒星も同じ。永遠ではない。太陽はあと50億年」 そうらしいな。 「地球の寿命もあと50億年」 そうなるな。 「だが、人類がこの先50億年存続し続けるわけではない」 そりゃあな。まあ世間じゃ2012年に滅びかけたしな。 「それはフィクション」 …。 「46億年の地球の歴史のなかで人類の歴史は1000万年にも満たない。ほんの一瞬。その一瞬で人類は発展し続けてきたがそれも限界」 地球がダメになっちまう前に宇宙船で脱出する。なんて幼稚な考えは通用しないか? 「しない。時間が足りない。太陽とは違う別の恒星まで辿りつける宇宙船をつくるには、人類にとって『星』はあまりに短命」 宇宙船が完成するまでに人類が滅びちまうか?化学の進歩には目まぐるしいものがあるぞ? 「人類の衰退も目まぐるしい。人類が滅びるより先に宇宙船を完成させることができたら奇跡」 じゃあ地球に現れるUFOは奇跡の結晶ってわけだ。 「わたしは未確認飛行物体を有機生命体の宇宙船とは考えていない」 情報統合思念体の何かか? 「おそらく」 はあ。よくそこまで考えるもんだ。 「地球に『宇宙人』が現れるとしたらそれは有機生命体ではなく情報生命体。わたしはそう考えている」 なるほど。で、なんで俺がインターフェースなんだ? やっと聞きたいことに辿りついたぜ。さあ聞かせてくれ。なんで俺を宇宙人だと思ったか! 「これ」 人差し指で眼鏡をクイっとあげた。 は? 「ダウジング」 眼鏡を机に置き、長門は続けた。 「宇宙人研究仲間(朝倉)から譲ってもらった。『伊達眼鏡式ダウジングマシン』。この眼鏡をかけて宇宙人を見ると眼鏡ずれる」 ここにきてものすごいアイテム登場だな…。もう突っ込む気にもならん。 「昨日、あなたを見ていたら眼鏡がずれた。きわめて弱い反応だったが、あなたが宇宙人であると確信した」 なんで? 「…勘」 「…じゃあ、おいとまするよ」 「待って」 意地でも帰ろうとする姿勢が解ったのか、無理に引き留めようとはしなかったが、これだけは聞いておきたかったらしい。 「あなたは宇宙人?」 無表情だがどこか不安げだ。長門もハルヒと同じで何の変哲もない日々に退屈していたのかもしれない。だからこそ文芸部をSOS団に譲ったのか?文芸部室でSF小説読んでるだけではあきちまったのか… 「そうだ」とは言えない。実際俺はただの人間だ。だが「違う」とも言いたくなかった。 「どうかな」 そう言い残して長門の部屋を出た。 去り際の長門の顔は無表情ながら嬉しそうに見えたのは俺の見間違いだろうか? 翌日。 放課後のSOS団の集まりでハルヒが朝比奈さんのハレンチ写真を撮る手伝い(不本意だけど実は本意)をしていると、 「有希ちゃん、眼鏡貸して」 不意にハルヒが長門の眼鏡を朝比奈さんにかけた。 カメラを構える俺をみている朝比奈さんの眼鏡が盛大にずれているのを見て、長門が目を見張っているのを感じる。 俺は、こりゃまた電波話を聴く羽目になったかなとピントを合わせて愛しの朝比奈さんめがけてシャッターを押した。
https://w.atwiki.jp/arcoiris/pages/64.html
色とりどりの酒瓶が棚に並んでいる。青や黄や緑の液体を湛えた瓶はどれも、中に花が咲いていたり魚が泳いでいたり一つとしてありきたりの琥珀の液体が詰まっている物はない。どれもが一品ものの芸術品のような華美な姿をしている。 その中の一つ、中で常に渦を巻く酒瓶をザナは無造作に手に取り、コルクを抜いてひと口飲んだ。 「なるほど。とても不味い」 感心したようにうなずくザナ。 「売り物を飲むな」 部屋の奥、斜めに下がっている天井に押しつぶされそうな机に向かう年老いた老人がしわがれた声で叱る。年老いた老人、と二重に言わざるを得ないほど醜く老けこんだ汚いじじい。長い耳がこの老人が元は美しさを謳われたエルフであることを示している。 「だってボロじい、味を知らないとどんな酒か聞かれたらこまるじゃないか」 「いつも通り天上の甘露のような美酒とでも言っておけばいいんだよ。どうせこれ見て買うやつは味なんてわからないもんだ」 自分の「作品」の顧客をあざ笑うボロじい。ボロじいの手にかかれば安酒と木切れや汚い石が魔法のように美しい酒に代わる……が、味は泥水よりひどい。ボロじいから仕入れた酒をそこらの酒場で勝手に客に売りつける、そうやってザナは生活している。今は昨日の売り上げから酒代の払いと今夜の商品の仕入れに来ている。 「それで、そのラザロってやつ、一目で儂の酒の材料当てたってか」 「そう」 どこか誇らしげに薄い胸を張るザナ。鼻を鳴らすボロじい。 「ありえねぇ、と言いたいがまあ塔の導師ならありえねぇことだってやってのけるだろうな」 「つまり私の先生は凄いってことでしょ」 「つまりお前の先生はいけすかんやつだってことだ。そいつ、塔を追い出されたヤツじゃねぇか。新聞に化けもんだって出てたぞ。良いのかそんなもん家に連れ込んで」 「いいんだよ。私に才能があるって言ってくれたんだ。悪い人なはずがない」 「かーっ」呆れたようにボロじいは首を振る。「そこらのガキ見てぇに安いおだてに乗せられやがって。気をつけろガキ。ガキはいつも寂しがってて、おだててくれる大人に良いように手懐けられちまうんだ。 おいザナ、お前には才能がある。お前は天才だ。だからちょっと儂に抱かれろ」 「妥協は良くないなボロじい。もっとムチムチなのが好きだって言ってたろ。……明日これにしよう」 中に髑髏の漬けこまれた酒瓶を一つ、足で蹴り上げて空中で掴む。 「呆れたガキだ。時にお前今は何習ってんだ」 「字」 口をつぐんで眉を寄せる老エルフ。 「………ザナッ子、おめぇ文盲だったのか。そんなんで良く魔術覚えようとか思ったな。ひでぇ道楽だ」 「ボロじい。私には才能があるんだよ。大魔術士になったらそのよぼよぼも治してあげるのに」 ひどく当たり前のことのように言う。上からエルフを見下ろして、酒代を机の上に放り投げる。 「うれしいことを言ってくれるが、そりゃ無駄だ。普通の人間は二十年も酒浸りで過ごせば脳が半分死ぬが、儂はもう二百年酒浸りだ。若返ったって何にもなりゃしねぇ。後五十年ばかり酒食らって死ねればそれで良いわい。儂はどうでもいいが、他にお前魔術士になって何するつもりだ」 「さあ?」ひどくあっさりザナは肩をすくめる。「魔術士になったら何でもできるんだよ。何をするかなんか考える必要ないじゃない」 「………こりゃあラザロってやつに同情するわ。このポンカス娘に魔術教えるなんぞ鉄鍋戦争以来の大事業だ」 運河の座礁した船がザナの家だった。湿度が高く全体が傾いているが、それさえ我慢すればスラムにしては清潔な家だ。追剥を虐殺して以来数日が経った。ラザロは今日も不機嫌そうに弟子の家で暮らしている。 ラザロはザナの作った食事を食いながら書を読んでいた。ザナの父親の置いて行ったという魔術書。ザナは凄いものだと思い込んでいたようだが、何のことはない塔の中等教科書だ。匙で料理を口に運びつつ、ぱらりぱらりと気が乗らない様子で簡単な呪文書をめくる。新しい知見があるでもないが、何かしら資料を読みながら食事をする癖がついてしまっている。 「先生、味はどうですか。一生懸命作りましたが」 「ん?」 初めて自分が食事をしていることに気がついたようにラザロは皿に目を落とす。赤黒いソースにまみれた不揃いな小麦練り物。 「不味いな。古い油の味がする。それはどうでもいいが、文字は覚えたか。俺に飯を作るために弟子になった訳じゃないだろう」 ザロは少女に飯を作らせてる境遇に顔をしかめながら新しい弟子に言う。 「はい。魔術を教えて下さい」 「字は覚えたかと言ったのだ。ここに『私は生きていていい人間です』と書いてみろ」 「えーと」 ごりごりと授業用の小さな黒石に文字を書く。 「やはり書けんか。『私生きてた』か。ゾンビに教える魔術はない。それとまずアルファベットから覚えろ。pとqの入っている単語を飛ばすな」 初等教育以前の教育などラザロにとっては全くの専門外。何を教えていいかすら良くわかない。 「………私には才能があるんでしょう?ならまず魔術を教えてくれても、ぴょっと使えるんじゃないですか?」 「文字も読めんやつにぴょっと魔術なんぞ使われてたまるか。それとお前の才能はタチが悪過ぎる。人前では絶対に余計なことは言うなよ」 不満そうにしながらも、師の言葉に素直にうなずくザナ。 「魔術士というのは、厳密には自分で魔術を書く魔術登録士のことを言う。自分で作り書いた魔術をこの世界に登録し作用するようにする、世界に自分の才能を刻みこむ、それこそが魔術士だ。聞いたものをただ使えても、そこには何の発展性もない。偉大な魔術を創造し人間の可能性を拡張したものこそ真の魔術士だ」 「私はなれますか、真の魔術士」 「俺が知るか。俺は教えろと言うから教えてるだけだ。しかし、字の書き方から教えねばならんとはな。この調子で学ぶ気なら俺でなくてエルフの教師を探せ」 びくりと身をすくめるザナ。 「先生、きっと覚えます。だからそんなことは言わないで下さい。私は先生に教わりたいんです」 「………ふん。例文を書いておいたから、声に出して読みながら書きとり百回やっておけ」 言い捨てて立ち上がるラザロ。 「先生、どこへ」 「外だ。弟子なら弟子らしく師の行き先など気にするな」 不機嫌そのもので外に出ていくラザロ。ずっと着ていたローブはもうボロボロで、私服の白いシャツの上にザナが貸した上着を羽織っていつもの大股で船を出ていく。 ため息一つ吐いてザナは自分の頭の回転を呪い、師の残した宿題に取り掛かる。あと半時もしたら仕入れた酒を売りに行かないといけない。 これではまるでヒモではないか。 あてもなく蜜月通りを歩きながらラザロは憤る。そろそろ暮れていく蜜月通り、この街では今からが一番活気づく。塔の学士服を着た連中ともすれ違い、そのたびにラザロは顔をそむけた。誰も気づかない。中にはかつてラザロの教え受けた者もいるだろうに。 ため息をつき人通りの多い通りから離れる。 誰も責められん。慕われたいとも思ってこなかったのだから当然だ。直属の弟子に狙われるくらいだからな、と自嘲気味に笑う。 あの娘の師弟ごっこに付き合って飯と部屋を与えられる、そんな己に激しい嫌悪感を禁じ得ない。そんな生き方はしていなかった。いつだって求められ与える立場であったものを。 「お兄さん、遊んで行くかい」 「黙れ」 かけられる声を全て無視してラザロは蜜月通りを行く。七色の光がまがいものの昼を作る蜜月通りを歩いていて、夜空に落ちてゆきそうになる。なんという地上の頼りなさか、この街で俺を地上につなぎとめるのは何があると言うんだ。 うらぶれた曖昧屋の女ども、それをからかう男ども。皆帰る家もあれば周囲に待つ人もいる。 俺は旅人と同じだ。俺は三十年この街で暮らしていたと言うのに。傲慢に高みだけを指し、自らを縛る何物も疎ましく思って作らなかった。別に後悔する気もないが、ただひたすらに身の軽さが薄気味悪い。 あふれるほどに光と人とざわめきに満ちた夜で、ラザロが消えてもこの街は微塵も気にしない。 いや。“世界視”だけは違うかもしれん。それを思うとますます心が重い。仮にも元は塔の導師が“世界視”に魔術を教えるなど。 早く抜け出さないと。ここにいてはだめだ。何物も得られずに腐って、いずれ消えてしまう。あの娘の腐った船で暮らしているわけにはいかない。 ふと月が一瞬暗くなる。夜を飛ぶ猛禽が月の当たりをめぐっていた。 「空に飛んでしまいそうか。なら」 暮れた空を飛ぶ鳥の影を目で追い、形のない焦りに焼かれながらラザロはある種の図面を脳裏で引く。 「さあさあ旦那様がた、もう夜も良い時分だ。ほろ酔いで良い気分でしょうが、いつまでもそんな酒を煽っていても安い酔いで頭が痛くなるだけだ。ここらで本物の酒をお目にかけましょう。 ほら、世にも珍しい緑の酒です。髑髏におびえることはない。この髑髏はえーと戦を止めるために死んだ歌姫の小さなされこうべ、生きている人に害をなすはずはありません。ただ、時々歌うだけ。 ここは奇跡の街アルコ・イリスです。お客人、百年に一度の出物にいきなりめぐり合うなんてこんな幸運な夜はない、さあ祝いましょう。 歌う酒、歌う酒が一杯たった銀貨一枚!今なら銀貨四枚で瓶ごと昔日の歌姫をお渡しします、大切にしてくれる方にならね」 朗々と歌うように唱えあげても、四人の男どもはちらっと物珍しげに瓶を見ただけ。田舎者は疑り深いので案外受けが悪い。ザナは口上の半分も言わないうちにこの客は買わんと見切りをつけたが、因縁をつけられるのも嫌なので最後まで言うだけ言う。 「なんだこりゃあ」 「何か聞こえるぞ」 「だがこんなもんに銀貨なんか出せるかよ。姉ちゃん他に行きな」 良く日に焼けた顔を酒で赤らめて田舎の男どもは笑う。 田舎で日ごろ肥やして、アルコ・イリスに食料を売りに来る。そのついでに虹の都で一晩騒ぐ。小金は持っているが財布は異常に固い。農民は心から酔うことはしない。 「そうですか。ではまたいつか幸運な夜があれば会いましょう、立派な旦那様がた!」 言ってさっさと酒場を後にする。表通りの通りに卓と席を出している店で、店員の目を盗んではインチキ酒を売っている身で時間をかけて商売することはできない。見つかってこっぴどくぶちのめされたのも一度や二度ではないが、全ては過去の話だ。 酒場を離れる。数歩も歩くと田舎者たちの楽しげな声も喧噪で聞こえなくなる。影のように裏通りの男が一人すぐ横に並ぶ。 「どうだ、連中」 前を見たまま口元だけで放す。意図して聞こうとしなければこれからの夜を語らう喧噪に紛れてしまう、誰に言うでもない言葉。裏通りの者たちのしゃべり方。洒落者じみた短衣を着ているが、印象の薄い歩き姿。何度か会ったことのある男のはずだがほとんど記憶に残ってない。もしかしたら初めて会った新入りかもしれない。裏通りの組織の者は皆こうだ。 「銀貨三連は持っているだろう。欲しい物は軽い酒と肉、安くて見栄えのいい土産物、カネのかからない見世物。そんなところ」 組織の庇護なしに裏通りでは生きられない。売れなければ売れないで取れるものはある。持っているカネとそのカネの吐きださせ方。話に応じて組織は芸人を送ったり女を送ったりする。場合によってはごろつきや詐欺師を送ることもあるが、そこまでのことはザナの知ったことではない。 「そうか。女はどうだ」 「そこまでは期待してなさそうだったけど。故郷に嫁も子供もいるんだろう」 「ふん。小心な土民どもか」 心底馬鹿にしたように裏通りの者は言う。その茫々とした横顔を見ながらザナは不思議に思う。この人にはあの田舎者たちを馬鹿にするほどの何があるのかと。身綺麗に飾って田舎よりは人の多い所に住んで少しばかり人間のいい加減さに馴染んでいて。 「何を見てる」 「いや。あんた、この街以外で生きようと思ったことある?」 「は?」 意外そうに横を見る組織の男。初めて表情らしきものを認識する。だが男は何も答えない。当たり前だ。裏通りの人間が裏通りを出て生きていけるものではない。だからこそ皆空を見上げるようにそのことを思う。 私はここを出ていく。私はもっとマシなものになる。 「ほら、あいつらどうだ。景気よさそうだぞ」 ザナになど構わず裏通りの男が酔客の一団を指す。どぶ川にはどぶ川の仕事がある。
https://w.atwiki.jp/ateamnews-td/pages/243.html
【エーライツ噂】永井理子(りこぴん)“日本一かわいい女子高生”、大人メイクで見違えるほどの“美人”に! “日本一かわいい女子高生” りこぴん(エーライツ所属) 大人メイクで 見違えるほどの“美人”に! KANSAI COLLECTION 2016 A&W バックステージでのインタビュー りこぴん(永井理子) 3月に開催された「女子高生ミスコン2015‐2016」でグランプリに輝き、初代“日本一かわいい女子高生”の称号を手にした“りこぴん”こと永井理子(エーライツ所属)が9月18日、京セラドーム大阪で開催されたファッションフェスタ「KANSAI COLLECTION 2016 AUTUMN&WINTER」(以下、関コレ)に出演。バックステージでモデルプレスのインタビューに応じた。 関コレに初出演したりこぴん ◆大人の“りこぴん”にドキッ! りこぴん(永井理子) ――関西のイベントは初めてですか? りこぴん:初めてです。メイク室も関西弁がたくさん飛び交っていて新鮮で楽しかったです。関西のファンの子にもずっと会いたいと思っていたので良い一日になりました。 ――ランウェイはまだ緊張しますか? りこぴん:緊張します。しかも今日はメイクがいつもと違って大人っぽい感じなので余計に緊張しました。 ――メイクがいつもの可愛い感じと違ってとても新鮮ですね。 りこぴん:ちょっとイメチェンです(笑)。こういったメイクはお仕事でも数回くらいしかしたことがないので、ファンの子に披露するのも今日が初めてでした。 ◆もっと可愛くなりたい! りこぴん(永井理子) ――秋冬のファッションで注目しているアイテムはありますか? りこぴん:秋冬はファー。ファーを取り入れると、カジュアルでカッコ良いスタイルも、ちょっと可愛くなるので、そのバランスが好きです。 ――4月に上京して「テラスハウス」に住んで、地元の人たちからの反響はいかがですか? りこぴん:「東京に染まった」とか言われます(笑)。服を買う時も気軽に「109(マルキュー)」に行けるようになったので(笑)。 りこぴん(永井理子) ――最近、スタイルキープで心がけていることはありますか? りこぴん:最近「痩せた?」ってよく言われます。夜遅くは食べない、なるべくたくさん歩く、お風呂にちゃんと浸かるなど、気をつけていることはたくさんありますが、一時期の過酷なダイエットをするのは止めました。ストレスを溜めないことを一番に考えるようになってから変わったように思います。 ――お肌のケアはいかがですか?忙しくなって睡眠時間は減っていると思いますが・・・。 りこぴん:そうなんです。化粧ノリが悪くなった時期もあって・・・。なので最近はピーリングなど、これまではしなかったようなケアをきちんとするようになりました。 ◆初めてのグラビア撮影で涙 水着撮影に挑んだ“りこぴん” こと永井理子(エーライツ所属) ――最近の活動では「週刊少年サンデー」(9月21日発売)でグラビアにも挑戦、ビキニ姿も披露しましたね。 りこぴん:本当に緊張して、しかも撮影中に泣いてしまいました・・・。ずっとグラビアをすることに対して悩んでいたので、途中でふと肩の荷が下りたような気がして涙が溢れてきたんです。 ――またグラビアのお仕事が来たらどうしますか? りこぴん:また悩んでしまうかもしれませんが(笑)楽しく撮影できたらと思います。 関コレに初出演したりこぴん ――8月にはTBS系ドラマ『死幣』で女優デビューもしましたね。 りこぴん:あれからドラマや映画を意識して見るようになりました。今までは普通に物語を楽しんでいたのですが、今は、俳優さんや女優さんがどんな演技をしているのか、注意深く見ています。 ――約半年でいろんなお仕事をしてきて、一番楽しかったことはなんですか? りこぴん:ファンの子に直接会えるイベントです。ファッションショーもですが、中でもタピオカをプロデュースした時に、イベントみたいなことをしていただいて、そこでファンの子と直接お話もできたことが本当に楽しかったです。 ◆初めての一人暮らし りこぴん(永井理子) ――「テラスハウス」を出て、現在は一人暮らしですか? りこぴん:そうです。今まではみんながいたので寂しくなかったのですが、今は一人でずっと家にいたら寂しくなります。 ――初めての一人暮らしですが、家事はできていますか? りこぴん:できています!テラスハウスでも洗濯していました。でも食事は外ですることが多くて、自炊はこれから(笑)。時間ができたらいろんな料理に挑戦してみたいと思っています。 りこぴん(永井理子) ■永井理子(ながい・りこ)プロフィール ニックネーム:りこぴん 生年月日:1997年12月21日 出身地:愛知県 星座:射手座 血液型:A型 身長:157cm 趣味:雑誌やSNSを見てファッションを研究すること エーチームグループ・エーライツ所属 りこぴん(永井理子) ⇒日本一かわいい女子高生・りこぴん、大人メイクで見違えるほどの“美人”に!テラハ卒業後の「一人暮らし」も明かす - モデルプレス ⇒【芸能事務所エーライツ所属タレント】りこぴん・初代“日本一かわいい女子高生”が、福士蒼汰主演ドラマ『愛してたって、秘密はある。』出演|エーチームオーディションに関するあれこれ ⇒【芸能事務所エーライツ新人評判】りこぴん・初代“日本一かわいい女子高生”、母親との2ショット公開 | エーチームグループ情報 ⇒【エーライツ新人噂】永井理子(りこぴん)がヒップ強調の水着ショットで魅了 - エーチームグループNews ⇒【エーライツ事務所】永井理子(りこぴん)が衝撃のゾンビ姿に “日本一かわいい女子高生”の面影なし! - エーチーム/エーライツ/エープラス @ wiki ⇒エーチーム|エーライツ 【エーライツ噂】永井理子(りこぴん)、スクール水着を披露 卒業記念にセーラー服も ⇒【エーライツ噂】永井理子(りこぴん)、意外とガンコで素朴!これが“日本一かわいい女子高生” - エーチームグループNews ⇒【エーライツ噂】永井理子(りこぴん)“日本一かわいい女子高生”が仮装コンテスト優勝|エーチームオーディションに関するあれこれ ⇒【エーライツ新人噂】永井理子(りこぴん)がヒップ強調の水着ショットで魅了 - エーチームグループNews ⇒【エーライツ仕事】永井理子(りこぴん)、スクール水着を披露 卒業記念にセーラー服も | エーチームグループオーディションの評判と噂 ⇒【エーライツ新人】りこぴん(永井理子)“日本一かわいい女子高生”、大人メイクで見違えるほどの“美人”に!|エーチームオーディションに関するあれこれ ⇒りこぴん(永井理子) | Twitter ⇒りこぴん(永井理子) | INSTAGRAM ⇒永井理子プロフィール|エーチームグループ エーライツ ⇒エーチームグループオーディション|所属タレント|永井理子 りこぴん(永井理子) りこぴん エーライツ エーライツ モデル エーライツ 仕事 エーライツ 新人 エーライツ 評判 エーライツ噂 エーライツ所属一覧 永井理子 関コレ
https://w.atwiki.jp/ichirorpg51/pages/674.html
用語:レーション ゲーム内におけるレーション スネークがコックカワサキ作のおやつを食した際に比較対象として挙げられたもの。 元ネタ 広義には食料などの配給品を指すが、スネークが指しているのは軍隊において行動中に各兵員に対して配給されるコンバット・レーションのこと。 劣悪な環境における輸送にも耐えられる保存性と優れた栄養価を売りにしているが、味はピンキリ。メタルギアソリッド3に登場するレーションはスネーク曰く、「多少腐っていても俺はヘビの方がいい」と評されるほどのマズさらしい。 中村悠一とマフィア梶田によるレーションの試食動画。
https://w.atwiki.jp/soltlake/pages/175.html
期間限定のバロンの必殺技。 体内のウィルスを火力とし、砲台と化した口から高火力超質量の蒸気砲を放つ。 発射の際には爆発音、さらに異常なる廃熱量のため辺り一面に毒霧が舞う。 その威力は仏敵を一瞬で滅ぼしてしまうほど。 訳:マスクが鼻水やらよだれやらで壊滅的な状態になり、使用不能になるほど。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/1411.html
涼宮ハルヒの変人奇人っぷりは今更何も言わなくても解かると思うが、そうでなくても変わっている奴というのは意外とたくさん居る。 自己紹介で宇宙人に集合をかける奴は居なくても、「趣味は石集めです」とか言うやつは居るし。 SOS団なる団を立ち上げる奴は居なくても、サッカー部とコンピ研とミステリ研を兼部する奴は居る。 ハルヒの常軌を逸した変人ぶりに隠れて目立たなくなっていても、そんな奴らはまぁ普通に生息していると言うことだ。 前置きが終わったところで、本題に入ろう。 国木田という奴は、これはこれで変わった男だ。 「SOS団文芸支部機関誌、第2巻を発行するわ!」 ハルヒが団長席の前で声高らかにこう宣言したとき、俺は目眩を覚えたね。 一応もう一度聞こう。 「ハルヒ、何だって?」 「だから、SOS団文芸支部の機関誌よ!あれをまた作るの!」 SOS団文芸支部なんて団体は存在しないぞ。 「何故だ?」 「頻繁に文芸部の活動してりゃぁ生徒会長も何も文句は無いでしょう。それにちょっとおもしろかったしね」 俺は全くおもしろくなかったけどな。 「また何か?くじ引きで何を書かせるか決めるのか?」 そうだったらまた恋愛小説を書くハメになりそうだからな。いや、そうなるだろう、確実に。 「そうよ」 ああ、そうなの。 「でも今回は書き手を全員集めてからくじ引きを行うことにするわ」 「書き手って、俺達の他に誰が居るんだ?」 「鶴屋さんと・・・谷口とか国木田あたりね、阪中さんにも協力を要請しましょうか」 ああ、阪中よ。君もSOS団の人数足りない時用補充要員の一人になってしまったのかも知れん。心から哀れむ。 「じゃぁ3人を呼んできて頂戴」 「もう帰ってるだろ、多分」 「大丈夫よ、3人には教室で待ってるように言ってあるから」 3人ともさぞかし不安で一杯なことだろうな。 「鶴屋さんはもう少しで来る筈だから。ほら、さっさと行く!」 「へいへい・・・」 そんな訳で、俺は部室を後にした。 教室には、ハルヒの言った通りに谷口と阪中と国木田の3人が残っていた。君達も暇なんだな。 谷口と国木田はまぁ良いとして、阪中には一応詫びを入れておこう。 「すまん、阪中。ハルヒのワガママに付き合わせることになっちまって」 「いや、私は別にいいのね。長門さんに恩返しも出来るし。でも――」 でも? 「そういう言葉はまず俺に掛けてくれ」 「谷口君がこんな調子なのね」 なるほど。 「前回書いたアレのせいで俺の青春の日々が何日分失われたと思ってるんだ?俺の時間を返せ」 あの恐ろしくつまらない日常エッセイにか? 「ああ、俺に文才が無いのは解かってるんだ。だから涼宮にそう言ってくれ」 確かにお前の文章を読むぐらいなら、枝豆の豆を延々と取り出してる方がよっぽど時間を有効利用出来てるだろうけどな。 「しかし、お前の主張がハルヒに通る可能性は0だ、あきらめろ」 「・・・・・・・・・」 俺がこう言うと谷口は黙り込んだ。こいつもあのハルヒと4年も同じクラスだ、当然それは解かっているだろう。 ここまではほぼ予想通りだ。 阪中はそれなりに快く受け入れると踏んでいたし、谷口も文句を言っても最終的にはやるハメになると解かっていた。 しかし、解からないのがこいつだ。 「国木田もすまないな、何度も」 「別に僕は良いよ」 まぁこいつもこうだろう、とその時俺は一人で納得した。しかし、続けて国木田の口から、驚くべき言葉が出た。 「結構楽しいしね」 What?何が? 「国木田、お前、何が楽しいって?」 「何がって。皆で映画撮ったり、野球したり、本作ったりするのがだよ」 楽しんでるのはハルヒ一人かと思ってたんだが・・・。 「本当に?心からそう思うか?」 「どうしたのキョン?キョンは涼宮さんと居て楽しく無いの?」 その質問はどういう意味だ。 「僕はいっつも楽しそうに何かやってるキョンと涼宮さんが羨ましいなー」 国木田は夢を見ているような口調でそう言い、最後にこう付け加えた。 「まぁ前のキョンみたいに、雨の中でストーブ運ばせられたりするのはごめんだけどね」 アンビリーバボー・・・。 俺もあの活動が楽しく無いのかと聞かれれば、そんなことは無いと答えるが、それは宇宙人や未来人や超能力者がセットで部員となっているからというところが大きい。 それを知らない純正一般ピープルの国木田が楽しそうと捉える。 SOS団員でそれを知らないのはハルヒだけだ。つまりハルヒと国木田は同じような思考回路を持っているということか? いや、国木田はSOS団とハルヒのことをよく知らないだけだ。そうに違いない。 試しに入団してみろ国木田。最下級者として、いろいろコキ使われるぞ? まぁそれでもこの時の俺は、意外と近くに変わった奴が居たもんだなぁ、程度にしか考えていなかった。 その後、俺は国木田と言う人間がさらに解からなくなることになる。 「連れてきたぞ」 「遅いわよ!何やってたの!?」 部室にはSOS団の団長と団員以外に、名誉顧問様が既に来られていた。 「ハッハッハ、君たちも暇だねぇ!まぁよろしく頼むよ!」 鶴屋さんが俺の後ろの3人に向かって言った。 俺は所定の席に、3人は余った席に座った。 「君が阪中さんかぃ?みくるから話は聞いてるよ!可愛いわんこ飼ってるんだって?」 「そ、そうなの!それがとっても可愛いのね!」 鶴屋さんと阪中が動物談義に花を咲かせているとき、また国木田のプチ変人ぶりが発揮された。 「今まで見たこと無かったけどすごいねここ。絶対生活出来るよ」 そうかも知れんが、絶対にしたく無いな。 「本当に良い部屋だね。生徒会は許してくれたの?」 「いや、文芸部からハルヒが奪った。長門が正式な文芸部員だ」 「へー・・・何で長門さんがこんな部に入ってるのかと思ったら、そんな経緯があったんだね」 そうなら朝比奈さんが何故ここに居るのかも疑って欲しいね。それにそんな経緯が無くても、ハルヒなら気に入った奴は強制的に連れて来る。 「でも、何となく、涼宮さんらしい部屋だね」 俺でも『ハルヒらしさ』というのはよく理解出来ていないんだが、こいつには解かってるのか? 「はい!雑談はお終い!今からクジを引かせるから、自分の担当を確認し次第各自執筆に入って頂戴!」 ハルヒが手を打ちながら俺達にそう言った。 席替えの時のように、紙のクジが入った缶を回していく。 どうせじっくり選んでもハルヒの希望通りになるのは解かっている。俺は缶の中を見もせずにクジを取った。 谷口は缶の中を睨みつけていた。どうやら書いてあることが透けて見えないかと考えたらしいが、薄い鉛筆で書かれた文字は視力1.0の谷口には見えなかったようだ。 国木田も俺と同じようにスッと引いてから、鶴屋さんに回した。 「んー・・・どれにしようかなぁ・・・よし!これに決めたりぃ!」 俺は今回鶴屋さんにはかなり期待していた。 故におもしろいテーマになれば良いが、ホラーでも書いたときには俺は一生夜に用を足すことが出来なくなるのでは無いかと危惧している。 最後に古泉が余ったクジを引いて、缶はハルヒの元に戻された。 それでは、各自の振り分けを発表しよう。以下の通りだ。 俺:恋愛小説 朝比奈さん:推理小説 長門:幻想ホラー 古泉:童話 鶴屋さん:漫画 阪中:動物観察記 谷口:伝記 国木田:恋愛小説 「ハルヒ・・・」 「何?」 「何で恋愛小説の担当が二人も居るんだ?」 皆ももうお気付きだろう。俺と国木田の二人が恋愛小説の担当となっている。 一つの機関誌に二つも恋愛小説が入ったら無駄に甘くなってしまってしまいそうだ。 「いいじゃない別に、他に思いつかなかったのよ」 だから、何でSFを入れないんだ。 「言っとくけど、合作じゃダメだから。一人で一つずつ恋愛小説を書くの。解かった?」 「解かったよ、涼宮さん」 俺のため息よりも早く、国木田が応答した。 「あら、解かってるじゃない国木田。で、悪いけど早めに部室出てってくれる?この部室には基本的にSOS団関係者しか入れないの。あ、阪中さんは良いのよ、特別に」 ・・・スマン、谷口、国木田。ハルヒも別に悪気は無いんだ、多分。 俺が心の中で謝ったのは、二人は言われた通り早々に出て行くと思ったからだ。 実際谷口は出て行った。ハルヒの退室命令を谷口は退室許可と受け取ったらしい。 しかし、国木田はそこに居た。 「国木田。何かあるの?」 この次、国木田と口から、またしても信じられない言葉が出てきた。 「僕もここに居たいなぁ」 why?何故? 「国木田、何故そう思う」 「皆の進み具合とか見ながら自分もやりたいし」 「それに、皆でやるのって楽しいしね」 そんなわけで、今国木田は俺の隣でニコニコしながらパソコンのキーを叩いている。 反対の隣には、これまたニコニコ顔の古泉がいるもんだから、俺の口の両端は今にも吊り上りそうになっている。 ああ、当然国木田がここに残ることをハルヒが簡単に許す筈は無かったさ。 しかし、俺はまた国木田に驚くことになった。 「国木田、ここはね、SOS団員とその関係者しか入室を許されないの。解かる?」 ここに居たいと言った国木田に対し、ハルヒが言った。 「それは解かるよ」 「じゃぁあんたは何?SOS団と何の関係があるの?」 こう聞かれると、国木田は少し考えてからこう答えた。 「んー・・・キョンの友達かな」 「フンッ、有希かみくるちゃんのならまだしもキョンの友達じゃぁ何の権限も無いわね」 それはどういう意味だ。 「じゃぁ国木田。ここに残る方法を教えてあげましょう」 「どうするの?」 国木田の質問に対し、ハルヒは何故か半笑いになりながら答えた。 「不思議を私に提供しなさい。そうしたらSOS団協力者としてこの部屋に残ることを許可するわ」 なるほどね。阪中を残したのはそういうわけか。 「不思議かぁ・・・」 またさっきと同じ、考えるポーズを数秒したあと、国木田が言った。 「じゃぁさ、涼宮さんにとっての不思議なことって何?」 「私がおもしろいと思うことよ!」 それは国木田でも思案できまい。 が、国木田は俺の予想から100光年ほどズレたことを言い出した。 「じゃぁさ、涼宮さん。地球って何で回ってるのかな?」 ・・・どうした国木田? 「知らないわよそんなこと」 「それを不思議とは思わない?」 「別に・・・」 「うーん・・・じゃぁこのパソコン。何でキーボードを叩いたら文字が打てるの?」 「知らない・・・」 なるほど、なんとなく国木田の言いたいことが解かった。 要するに、不思議なんかその辺に腐るほどあると、国木田は言いたいのだ。 「だからさ、涼宮さん。宇宙人とか未来人とか超能力者とか異世界人とかを探すよりもさ、まずは身近な不思議から調べていったらどうかな? そこから新しい不思議が見つかるかもしれないし最終的には宇宙人とか未来人とかに繋がるかも知れないよ?」 確かにすぐそこに宇宙人と未来人と超能力者は居るからな。 「へ、屁理屈こねてんじゃないわよ!私はね、人間が作ったものには興味無いの!人外の存在のみに価値があるのよ!」 「涼宮さんは宇宙人とかを見たこと無いよね?なのにそう言う単語の存在を知ってるのは何処かで聞いたからでしょ?それは結局人間の作ったものなんじゃないかな」 な、なるほど!国木田!俺は前からそういうことが言いたかったんだ! 「違うわよ、誰かがそれを見たからその単語が生まれたのよ!」 簡単に折れるハルヒでは無かったが、国木田はそれにおっとりと返す。 「それはいいけど涼宮さん、宇宙人のことを知りたいんだったらまず宇宙のことを調べてみたらどうかな。宇宙人を探すんだったら絶対役に立つと思うよ」 「・・・・・・・・・」 「涼宮さん、もう一度聞くけど。何で地球は回ってるの?」 そんなわけで今ハルヒはネットで、地球が自転している理由及び宇宙のことについて調べている。 ちなみに、その後も一騒動あった。朝比奈さんが使わないパソコンを誰が使うかだ。 ハルヒは国木田へのせめてもの報復としてだろう、明らかにそれを国木田に使わせないようしようとしていた。 しかし、パソコンに阪中は慣れていないらしく断念。 鶴屋さんもお題がお題だからパソコンは使わないそうだ。 それで結局自動的にノートパソコン一台がSOS団から国木田に貸し出されることになった。 ハルヒは物を無駄にするのが嫌いな節があるからな。 それにしても驚いた。あのハルヒが言い負かされるとは。初めて見たな。 しかもそれを今までハネケイソウ並に普通だと思っていた俺の昔からの友達にだ。確かにディベートとかその類は強かったが、ハルヒより上とは思わなかった。 がしかし、ハルヒも恐らく本気では無い。 普通のハルヒだったら「宇宙のことを調べてみたらどうかな?」のところで「私はそんな回りくどいことはしないの!」などと答えていただろう。 だが、そう言わなかったのは何故か?それは謎だ。 国木田のことを少し認めたのか、本気で地球が何故回るのか不思議に思ったのか。まぁそんなことはどうでも良いだろう。 何はともあれ、この部室に俺の昔からの友達で一般人の国木田が居るというのは、多少違和感があったがどっちかと言うと嬉しかった。いつもは超人に囲まれてるからなぁ。 さて、国木田の話はとりあえずここまでにして、ここからは俺達の文芸部的活動について話そう。 今回も健気さの頂点に居たのが朝比奈さんだ。 前回の童話と違い、推理小説という明らかに不向きなジャンルを扱わなくてはいけない。 と言うか、彼女に文章中でとは言え人を殺すことが出来るのか、甚だ疑問だ。 だが彼女はこれからの数日推理小説を何冊も読み続け、その間パソコンの前に座っていた長門の代わりになった。 しかし朝比奈さんなら未来的なトリックをいくつか知っていても良さそうだけどな。 と、思ったら・・・ これは数日後完成して解かったことだが、その推理小説は本当に1000年後の未来の舞台にしたものだった。 未来だから出来るトリックならいろいろ難しいことを考える必要が無いというわけだ。 読者が全く推理をすることが出来ないことは朝比奈さんだから許そう。 長いので全文を載せることは出来ないが、大体のあらすじはこうだ。 西暦30XX年。文明は超高度に発達している。 ↓ その時代、ある城で殺人事件が発生した。 ↓ 未来の技術を駆使しても犯人が解からなかったため、警察は世界的名探偵「R」に調査を依頼した。 ↓ Rによって暴かれた真実。レーザー銃を手に取る犯人。 ↓ Rの説得で膝を折る犯人。 ↓ この世から犯罪が無くなるまで、Rの仕事は終わらない! ↓ という映画がありました。 こんな感じだ。 オチが可愛らしく、しかも笑える。これには俺から90点をあげたい。 それで、朝比奈さんが推理小説を読み耽っている間に俺は何をしていたのかと言うと、 「・・・・・・・・・」 ボーッとしていた。 別のジャンルならまだしも、2度も恋愛小説を書かせるのが間違っている。前回でさえ苦し紛れに捻りだしたものなのに。 こうなったら普通に作るしか無いのだが、それも思いつかない。 「いいよねキョンは、中学時代の話をそのまま書けば良いんだから」 だからそれは違うって言ってるだろ。 「もし俺がそれを書いたとしよう。しかしそれをハルヒは認めないだろうな。何故なら『恋愛小説』というお題に沿わないからだ」 「またまたぁ」 なんでこいつらはこんなに勘違い全開なんだ。 「でも国木田・・・お前かなり書けてるんじゃないか?」 俺と話をしている間でも、国木田はディスプレイから目を離さずにキーを叩き続けていた。そのスピードがまた凄かった。長門の三分の二程度はある。今の長門と比べると2倍程国木田の方が早い。 「お前何を書いてるんだ?考えながら書いてるようには見えないが。自分の体験か?」 「違うよ。他人のこと」 何だそれは。 俺がモニターを覗こうとすると、国木田が俺の顔を押さえてそれを防いだ。 「完成させたら読ませてあげるから。それまでは見ちゃだめだよ」 「ああ、そう・・・」 朝比奈さんはこのとき読書しているだけだったし、長門は多分見せてくれない。阪中の動物観察記にはあまり興味が無い。 俺はとりあえず古泉の執筆状況を確認することにした。 「どうだ古泉、書けてるか」 古泉は俺に苦笑しながら肩をすくめて見せた。 「正直、ぜんぜんですね。朝比奈さんと代わることが出来れば良かったんですが」 「だったらそう言えばいいじゃないか」 「聞くまでも無いでしょう?」 「・・・そうだな」 ハルヒは一度決まったことは二度と覆さないからな。 「あなたはどうなんですか?2回目の恋愛小説の方は」 俺は最初の古泉と全く同じ動作をして見せた。 「正直、ぜんぜんだな。触りも思いつかない」 「だから、貴方は中学生――――」 「それはもう聞き飽きた」 さっき国木田から言われたばかりだ。 「ええ、例え貴方の言う通りだとしても、それを恋愛小説に見えるように調整すれば良いのでしょう?」 「あ」 そうか、その手があ―――。 「ねーよ」 「何故です?」 笑いながら聞く古泉に、俺は言い放った。 「お前、その俺の中学生時代のことを聞いて笑いたいだけだろ」 「いけませんか?」 白状しやがった。 「どちらにしろ貴方の得になることに変わりは無いはずですよ?」 そりゃそうだが。 「まぁ貴方が純粋に創作したラブストーリーも読んでみたいですけどね」 お前には一番読んで欲しく無い気がするな。 「それはそうと・・・」 古泉の顔の笑みが少々薄まった気がした。 「貴方の友人、中々個性的ですね」 「どっちがだ」 「どちらもですが、今居る彼の方が」 俺は国木田の方を見た。微笑を浮かべながら恐るべきスピードでキーを叩いている。 「もしかして、国木田が異世界人だとか言うんじゃないだろうな」 「そうかも知れませんね」 おいおい。 「冗談ですよ。ここに転校してくるときに貴方のことについては全て調べてあります。貴方の友達についてもね。彼は間違い無くただの人間です」 だろうな。そんなことは長く付き合ってる俺が一番知ってる。 「まぁ、貴方の友人ですからね」 どういう意味だ。 しかし、何と言っても今回最大の無理難題を押し付けられたのはこのお方だ。 「あの、大丈夫ですか鶴屋さん?」 「いんやー・・・今回はちょっちキツイっかな~・・・でもまぁ何とかなるっさ!!」 鶴屋さんが引いたクジにはなんて書いてあったか覚えているだろうか。そう、『漫画』だ。 「鶴屋さん、漫画描いたことあるんですか?」 「いやぁ~、まぁちょっとはあるにょろよ」 あるんですか。 「今、ネームを描いてるところにょろ。見るかい?」 「拝見させていただきます」 なるほど、ネームというのはこんなに雑でいいのか。しかし、雑ながらもこの絵とコマ割りの異常な上手さは何なんだろうね。 「ハルにゃ~ん!この部屋付けペンとか無いよねぇ?」 「あー、無いわね。今度買っておきましょう」 ハルヒがパソコンから目を離さずに答えた。そんなもの買っても使うのは今回だけだと思うぞ。 「じゃぁあたしが今日の帰りにでも買って行くっさ!明日ここで描いても構わないっかな?」 「いいわよ」 ハルヒ。お前のせいでこうなっているんだから、せめて顔を見て返事をしたらどうだ。 「すみません鶴屋さん」 「いいってことよ!ハルにゃんも忙しいようだしね!」 そこで、鶴屋さんは何故か国木田をチラっと見て言った。 「キョン君の友達、前見たときは普通だな~って思ったけど意外とやるじゃないか」 それは俺が一番驚いてる。 だが思い出してみれば国木田が怒ったり泣いたりしているところは見たことが無い気がする。 下手したら長門や古泉より読みにくいやつなのかも知れない。 だったら俺風情が長く付き合っていても人物が掴みきれないのは仕方ないだろう、と一人で納得してみたりする。 「まぁハルにゃんとユカイな仲間達に比べたら全然普通だと思うにょろ。なんて言うのか、雰囲気っていうのかにゃ?」 この人の勘は本当に動物並みだな・・・。 「でも最近キョン君にもそういう雰囲気がついてきたにょろよ?オーラみたいなものが」 ・・・ちょっと、貴方がそんなこと言うとシャレになりません。 「まぁ私は国木田君達と一緒に傍観させてもらうよ!頑張ってねキョン君」 もう何をどう頑張ればいいのやら・・・教えてくれますか? 「解からないわ・・・」 翌日登校した俺は「おはよう」の代わりにそんな言葉で迎えられた。 「何がだ」 「地球が何で回ってるかよ!あーもう!国木田め~・・・」 驚いた。ハルヒが一日以上俺達以外の誰かに言われた言葉を記憶していて、しかもそれをそれなりに気にしているとは。 「自転軸だとか自転周期だとかそんな単語は出てきたのよ。でも理由が解からないの!何で?」 俺が知るか。 「ていうかこんなの調べて本当に意味あるのかしら・・・」 それを今初めて疑問に思ったのか? 「国木田の言ってたことは解かったか?地球及び多数の惑星が自転していると言うことに、何か宇宙人的な陰謀とかそんな感じのことが隠されてるんじゃないかってことだよ」 俺が一応否定しておこう。そんなわけねーよ。 「って、そんなことはどうでもいいのよ!小説は進んでるの!?」 「うっ・・・」 ・・・昨日から一文字足りとも書いていない。気持ち的には結構頑張ったんだぜ?その結果だ。 「はぁ・・・またあんた待ちになるのかしら。鶴屋さんが多少遅れるのは認めるけど、あんたは絶対締め切り間に合わせなさいよ!」 それは非常に難しいな。軽くお題でも振ってくれれば良いんだが。 あと勘だが、鶴屋さんは多分締め切りに間に合わせてくるだろう。それも超ハリクォリティな原稿を持ってな。 「昨日見てたところ、あんたが一番進んでないわよ。もっと頑張りなさい」 俺は編集長の励ましの言葉にため息で応えた。 部室に入った俺は驚いた。 「やぁキョン。今日も頑張ろうね」 国木田がまるで当然のように古泉の隣に座っていたからだ。 「国木田、お前今日もここに居るのか?」 「うん、結構気に入ったからね。谷口も誘ったんだけど『俺は絶対いい』って」 谷口が正しい気がする。 「あれ?居ちゃだめだった?」 俺は良いんだが・・・。 「ハルヒ、良いのか?」 俺は既に団長席でパソコンと睨めっこしている編集長に聞いた。 「ああ、国木田も捻くれてるけど一応謎の提供者だから。謎が解けるまではここに居ることを許可したの」 それで今その謎を解こうと一生懸命なわけね。 「国木田、お前随分進んでるな」 コンピューター上のメモ帖の横についたスクロールバーは、これ以上無いほど小さくなっていた。 「うん、明後日か明々後日ぐらいには完成して見せられると思うよ」 長門のSSと出来上がるのはどっちが早いかな? 俺は何気なく前の席に座る長門に聞いてみた。 「長門、お前何を書いてるんだ?」 「幻想ホラー」 「いや、そうじゃなくて―――」 「前の続きなの?」 ここで突然入ってきたのが国木田だ。 「・・・そう」 「へー、そうなんだ。前の長門さんのあれ、すごく良かったよ。続きもすごく気になってたんだ」 俺には良いとか悪いとか、まずそれが解からなかったから、続きを気にしようが無かったんだが。 国木田にはそれが解かったのか? 「・・・ありがとう」 静かに礼の言葉を述べる長門。その顔が心なしか嬉しそうに見えるのは俺だけだろう。 「珍しい人」 長門がそう言ったのが聞こえたのも、多分俺だけだ。 『無題4』 長門有希 「貴方の目的は何ですか?」 ある時、男が私に聞いた。 解かりません。 私はそう答えた。私は何故ここに居て、何がしたいのか。本当に解からないからだ。 「××××ではないのですか?」 男が再び聞く。 そう言われるとそうだったような気がする。しかし本当は違うかも知れない。 そうかもしれません。 疑いながらも、私は答えた。 「そうですか。ならば僕達は仲間ですね」 仲間。私のことだろうか。 「そうですね」 何時から居たのか、女の人も言う。 「行きましょう。僕達の目的は一つです」 男が振り向いて歩き始める。女の人もそれに続く。 私はしばらくその場に立ちつくしていた。本当にこの人達について行っていいのか、答えを出しかねていた。 私に構わず二人は歩き続ける。その背中がどんどん小さくなる。 仲間。私のことだろうか。 「う~む・・・」 「どう?」 A4紙を眺める俺の顔をハルヒが覗き込む。 「どうって・・・一応前の続きだろ?」 「あんた意味解かるの?」 「なんとなく」 回数を増せば、読解は比較的安易になっていくようだ。 前回の続きなんだから、この男と女は前回と同一人物とみて間違い無い。そしてこの二人は古泉と朝比奈さんっぽい。 つまり、長門と古泉と朝比奈さんが共通の目的を持ち、仲間になったとかなってないとか、そんな感じだろう。 その3人の共通の目的と言えばハルヒの観察と暴走の阻止。次にはハルヒが登場するのかも知れんな。 「次は?これだけか?」 「うん、そう。昨日出来たところまで貰ったの。気になってたから」 またお題に幻想ホラーなんて入れたのは、こいつも長門のSSが気になっていたからだろう。 「それより、あんたはどうなの?進んでるの?」 「・・・・・・・・・」 「谷口、国木田。ちょっと来なさい」 俺に散々説教したあと、ハルヒはこの調子を維持したまま別の奴も説教するつもりのようだ。迷惑なこった。 「谷口、あんた書けてるの?」 さて、谷口のお題は何だったかな。忘れたな。 「涼宮、お前伝記つったってなぁ・・・誰の伝記だよ」 そうだ、伝記だ。初めて聞いたとき俺も同じことを思った。 「別に誰のでもいいわよ。あんたの尊敬する人とか。私でもいいわよ」 そこまで真っ直ぐに変人だと尊敬に値するかも知れんな。 「でも絶対自分のなんか書くんじゃないわよ?あんたの伝記なんか誰も読みたくないから」 まぁ、谷口のミジンコ並みに普通な人生の伝記を読まされてもおもしろくは無いだろうが。 「はいはい、そうですか・・・」 そんなことを言いながら谷口は退がった。谷口、お前誤魔化しつつ逃げただろ。 「で、国木田はどうなの?」 「うん、明日か明後日には多分出来上がるよ」 ハルヒはこんな言葉を予想していなかったようだ。少しうろたえたのが解かる。 「そ、そうなの?まぁ当然ね。我が部室を特別に貸してあげてるんだから」 「ありがたいよ。今日も行っていいかな?」 まずハルヒから無理に仕事を押し付けられて、それを消化するための場所を提供してやるのはまぁ当然のことであって「ありがたい」と感じるのは少々おかしく無いか? 「別に構わないわよ。でも小説が完成するまでよ?」 「うん、解かってるよ」 国木田・・・お前はもしかしたら相当変わり者なのかも知れん。 「国木田・・・お前もしかして相当変わり者なんじゃないか?」 昼飯を食っているとき、谷口がウィンナーを口に運びつつ国木田に聞いた。 「え?どういう意味?」 「どういう意味?じゃねぇよ。何であの涼宮と同じ部屋に居て何も感じないんだ」 「そりゃ、何かは感じてるよ。楽しいな、とか」 「・・・・・・・・・」 谷口の絶句。 「驚天動地だ・・・」 懐かしい言葉だな。 「お前もそのSOS団とやらの一員になるのか?止めとけよ?俺の親友達が皆涼宮になったら困る」 失礼な。 「ハハ、その団には多分入らないよ。涼宮さんが許してくれ無さそうだし」 ハルヒが許してさえくれれば入団する気なのかコイツは。 「それにしても、何でお前等そんなに涼宮と話せるんだ?もしかして俺がおかしいのか?」 お前は十分おかしいが、それは多分関係無いだろう。 「と言うか谷口、お前も結構喋れてるじゃねーか。何でそんなにハルヒが苦手なんだ?」 「喋れてる?あれでか?アレは俺と喋ってるわけじゃねぇ。ただの俺の小説の進み具合の情報を機械的に仕入れて、早く書くよう適当に促してるだけだ。そこに会話は成り立ってない」 そうかも知れんが。 「谷口、谷口は最初っから涼宮さんをそんな風に決め付けちゃってるからダメなんじゃないかな。確かに最初は全然話せなかったかも知れないけど、高校生になってから変わったんじゃない?」 こう言って国木田は何故か俺を見た。それにつられるように谷口も俺を見る。クソ、何なんだお前ら。 「そうだな。キョン、あわよくばあれを普通の性格にしてくれよ。そうすればただの可愛い女子高生なんだから」 「無理だ」 もしそうなったとしても、お前とどうにかなることなんか絶対無い。 部室に居たのは、仲良く談笑する古泉と国木田だけだった。 「お前等、何時の間に仲良くなったんだ?」 「さっきですよ」 「さっきだよ」 そうかい。 谷口は古泉と話すとムカツクって言ってたけどな。国木田は大丈夫なんだろうか。 「何が?」 まずそこが解からないのか。 「彼の小説、読ませて頂きましたよ・・・フフフ・・・」 何故お前が笑うんだ。気持ち悪い。 「お前、完成したのか?」 「いや・・・まだかな」 何だその曖昧な言い方は。 「完成するまで読ませないんじゃなかったのか?」 「それはキョンだけだよ」 訳解からんぞ。 「いまから推敲しながらワードソフトに移すから、それが終わるまで待ってよ」 そうかい。待たせていただきますよ。 「それで古泉。お前は完成したのか?」 「ええ、一応は」 昨日までは全然とか言ってたじゃねーか。 「童話というのは基本短いもので良いんです。それに、書き出せればすぐですよ」 そうなのか。 「見せてみろ」 「良いでしょう」 俺は古泉の手からルーズリーフのファイルを受け取った。 800年程前のことになります。 村の外れにある森に、一人の魔女が住んでいました。 その魔女は心が大変綺麗でしたが、ただ魔女というだけで村の人に迫害され、仕方なくこの森に住んでいます。 世は魔女狩りが広く行われている時代。これもまた仕方の無いことだと、彼女は自分に言い聞かせて生きてきました。 ある日、彼女が花を摘むために近くの花畑に行くことにしました。 その花畑は大変綺麗な花がたくさん咲き誇り、ここに来るだけで彼女の心は癒されました。 ただ、そこにはいつも彼女以外には誰もいません。何故なら、その花畑は彼女の住んでいる森にあり、その森には誰も入ってこないからです。 この綺麗な花を誰かに見せてあげたいと、彼女はいつも思っていましたが、それは叶いません。これも仕方ないことなのです。 しかし、その日は違いました。花畑に、一人の青年が居たのです。 いえ、別に初めてのことでは無いのです。以前にも何度かはそこに人が居たことがあります。 しかし、皆彼女の姿を見ると「魔女が来た!」と叫びながら逃げていくのです。 そして、今回もそうだと彼女は思いました。 しかし、彼はそうしませんでした。 これは初めてのことです。 「やぁ森に住む魔女さん。会えて光栄です」 しかも、彼女が魔女であることを知っていました。 「貴方は、誰ですか?」 彼女が問いました。 「旅人です。遠くからやってきました」 そうですか、と彼女は答えました。 「貴方は、魔女が怖く無いのですか?」 彼女が再び問いました。 「僕にはそれが解からないです。何故そこの村の人たちは魔女を恐れるのですか?」 そういえば何故だろう。心臓をとられるとでも思っているのだろうか。 「僕の旅してきた町では、魔女も魔法使いも皆仲良く暮らしていました」 羨ましい。彼女はそう思いました。 「良かったら僕達と一緒に来ませんか?」 そのとき彼女は、彼が一人で無いことに気が付きました。 木の陰から、一人、二人、三人の人が出てきました。男が一人と、女が二人。 「旅っていうのは、良いものですよ」 男の一人がいいました。 「ちょうど魔女の一人でも欲しかったところなの」 女の一人が言いました。 「決めるのは貴方」 もう一人の女が言いました。 「どうしますか?」 「行きます」 彼女は、すぐに答えました。 「そうですか。それではすぐに出発しましょう」 彼女は驚いた。 「今すぐにですか?」 「今すぐにですよ。時間は有限なんです」 彼女は、生まれ育った森に別れを告げることになりました。 帰ってくることは無いかもしれないけど、今までありがとう。 そうして、彼女は旅に出ました。 その旅には、いくつもの困難が待ち受けてるかも知れません。 それでも、彼女は負けません。 何故なら彼女には、仲間が出来たから。 「・・・・・・・・・」 「どうです?」 「これ、お前が書いたのか?」 「そうですよ」 うーん、古泉らしいとこもあるが、らしくないところもある。要するに、よく解からない。 ある意味では古泉らしい、中途半端な作品とも言える。 「と言うかこれ、これで終わりなのか?」 「一応はそうです。次に繋げられるようにはしていますが」 何でだよ。 「涼宮さんがまた機関誌を作ると言い始めるかも知れませんからね。まぁ3回目に童話を書くかは解かりませんが」 勘弁してくれ。俺が3回目も恋愛小説になったらどうする。いや、なる。確実に。 「国木田、これどう思う?」 俺は俺のあとにファイルを手に取っていた国木田に聞いた。 「良いんじゃないかな?これが童話なのかはよく解からないけど」 確かに。 「まぁ童話なんて定義が良く解からないしね、話としてはおもしろいと思うよ」 「そうかぁ・・・?」 俺には解からんね。 二日後には、ほとんどの原稿が上がり、まだなのは俺と国木田と谷口と、あと鶴屋さんだけだ。 締め切りは明日。俺はまだ一文字も書いていない。どうしたもんかね。 そして、そんな締め切りレースから今日も一人抜け出した。 「はい、キョン、涼宮さん。出来たよ、恋愛小説」 早速ハルヒが国木田の手からファイルを引っ手繰る。 「どれどれ?」 ハルヒが国木田の小説を読んでいるとき、俺は暇だったからハルヒの顔を観察してみることにした。 最初はどんな文句をつけてやろうかしらとニヤニヤしていたハルヒの顔が次第に曇っていき、そしてだんだん赤くなっていくのが肉眼でも解かった。 ほう、ハルヒを赤面させる恋愛小説を書くとは、国木田もなかなかやるじゃないか。次に泣き出したりしたら本気で国木田をSOS団に勧誘しているところだ。 「どう?涼宮さん」 読み終わったらしいハルヒは、国木田を無視して俺にファイルを差し出した。 「キョン、読んでみなさい」 「?」 多少訝しがりながらも、俺は明朝体で印字されたその文字列に目を通した。 皆さんは、大切な友人や恋人との出会いを覚えていますか? 僕は親友との出会いははっきり覚えています。中学の入学式で、最初に話し掛けてくれたのが彼でした。 いえ、今日はその話ではありません。 今日は僕の親友と、その恋人のことについて、話したいと思います。 二人が出会ったのは、僕達が高校生になった春です。 「この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者が居たら私のところに来なさい。以上」 彼女は最初のHR。自己紹介の時間に、こう言いました。彼女にクラス全員の視線が集まっていました。当然、彼の視線も。 それが、二人の出会いです。 それから数日後、僕に新しい友達が出来ました。 その人はさっきの彼女と同じ中学校らしく、彼女のことばかり話します。そんなに好きなんでしょうか。 その彼によると、彼女は中学校時代から変なことばかりやっていたらしいです。 彼女が変なのは僕が見ても解かりました。誰とも話さないし、何よりあの自己紹介です。 あの自己紹介で解かったのは名前と出身校と『彼女は変な人だ』という事実だけです。 それから数週間後、彼と彼女が話しているところを度々見るようになりました。 僕は「彼女でも話すのか」程度にしか思いませんでしたが、彼女と同じ中学の彼は「驚天動地だ・・・」と言いました。そんなに凄いことなんでしょうか。 それからさらに数週間後、僕は彼女が初めて笑うところを見ました。それは、他の誰にでも無く、僕の親友である彼に向けられたものでした。 それを僕も見ることが出来たのは、その時が授業中だったからです。 その時彼女は、笑いながらこう言っていました。 「作ればいいのよ!」 彼は問いました。 「何を?」 「部活よ!」 それから数日後、彼と彼女は数人の部員を集め、部活を作ったそうです。 名称不明、活動内容不明の部活で、彼は忙しくなりました。 僕達と遊ぶことも少なくなりました。 (中略) それから約1年後。僕は2年生になりました。 また僕は、二人の友達と同じクラスです。そのクラスには彼女も居ます。 しかし、2年生になった彼は、僕達と話していても何処か違うところを見ているような、そんな感じがしました。 彼女は、1年生のときと比べて、見違えるほどに明るい性格になっていました。 例の部活動に僕達が巻き込まれることもありました。笑顔を見ることも度々ありました。 そしてある日、僕は彼からこんな言葉を聞きました。 「俺、あいつのことが好きなんだ」 「・・・そうなんだ」 正直言うと、それは言われる前から解かっていました。 そして多分、彼女も彼のことが。 「でも、不安なんだ。あいつが俺のことをどう思ってるのか」 「大丈夫だよ」 「何でそう言える?」 「だって、彼女があんなに変われたのは。君のお陰じゃない」 「・・・そうか」 数日後、僕に親友には、親友よりも大切な人が出来ました。 二人の幸せを、僕は心から願っています。 終わり 「・・・・・・・・・」 「どう?キョン」 「どう・・・」 何だこのモヤモヤ感は。 もう文体や書き方についてはどうでも良い、問題は内容だ。 「国木田、このセリフ。どうみてもこいつのだろ」 俺は何故かボーっとしてるハルヒを示しながら言った。が、それに対して飄々と国木田は答える。 「いや?涼宮さんのセリフを参考にしてみただけだよ。その人は涼宮さんじゃなくて、僕が作ったキャラクターだよ」 「この『僕』ってのがお前だな?じゃぁお前の親友の『彼』ってのは誰だ」 「『彼』は『彼』だよ」 ハハハ、こやつめ。 「お前確かモデルにしてるやつがいるって言ってたな?誰だ」 「・・・解かるでしょ?」 いや、解かるけども・・・。 「涼宮さん、僕のはこれで良いよね?」 「え?ええ?・・・え?」 キョドり過ぎだハルヒ。 「僕の分、これで終わりで良いよね?」 ダメって言ってやれハルヒ。いらん噂を立てられそうだ。お前もそれは嫌だろ? 「あー・・・うん、いいわよ。お疲れ」 え?いいのか?それには深い意味があるのか? 「良かったぁ、ありがとう。会誌出来たら一部よろしくね、キョン」 「あ、ああ・・・」 そこで何故か国木田は、俺の顔を見て笑った。 「キョン、顔赤いよ」 「は?そんなわけ――――」 「涼宮さんも」 「はぁ?そんなわけ無いでしょ!!」 何故か再び、国木田は笑った。 「二人の幸せを、僕は心から願ってるよ」 終
https://w.atwiki.jp/tesu002/pages/2792.html
戻る リンゴの話だね。 -- (名無しさん) 2011-06-11 21 27 11 うむ。なるほど。 -- (通りすがり) 2011-06-12 00 49 56 元は誰だろう? -- (名無しさん) 2011-06-12 21 37 50 スターか。 -- (名無しさん) 2011-06-13 17 46 26 ↓リンゴってなるほど -- (名無しさん) 2011-06-14 00 32 30 律がメンヘラ(?)になるSSは珍しいですね。 元になった人物はリンゴ・スターですか。 -- (名無しさん) 2011-12-22 23 12 30 ばーっきなゆーえせーさーる! -- (名無しさん) 2012-03-16 16 08 35
https://w.atwiki.jp/jojost/pages/105.html
[[ディアボロ]]の溜息④ 学校にはこっそり侵入し、放課後になるまでずっと部室で待機しなければならない 幸いここには本が山ほどあるから退屈にはならないだろ。 部室棟だから人も少なくトイレに行くのも苦労はない 万が一見つかった場合はスポンサー提供者と言えばすむとハルヒが言っていたので、そうしよう。 まぁ、古泉計画では長門がどうにかするらしい スタンドがあれば‥‥そもそもスタンドはなぜ無くなった? いや、無くなってるわけではなく現れないのか? でも出し方は分かるしスタンドが引きこもりだとは考えにくい ずっと出してなかったから勘が鈍ったか?ちょっと練習してみるか 「キングクリムゾン!」 出ない。気合いが足りないのか? 「キングクリムゾン!」 やっぱり無くしたのか?くそっ、こうなったら一番気合いのはいるやつを! 「帝王はこのディアボロだぁーっ!」 ガチャ。 キョンが入ってきた。時が止まったみたいに静かになる 「いや‥‥俺忘れてた教科書とりにきただけだから、うん。じゃあ‥‥なんかスマンかった」 ノックぐらいしろーぉ!恥ずかしさのあまりパソコンを叩くと電気が走った ディアボロ感電死。 昼休みになり、やる事もなくなった。 もう来ないだろう今度はポーズでもとろうか? 上着を脱いだ仕草をしてみるが出てくる気配はない、 元々着てないしな今度はつま先立ちで座ったポーズをとり頭に両手をあててみる。 キツい体勢だな体が震えてしまう。すると朝比奈が現れた 「あ、あのぅ。お弁当作ってきたんですけどここに置いときますね。すみませんでした!」 リゾットの変質者がぁ!そりゃあ、あんなポーズとってたら泣きたくなるわ! 足に限界がたち、思わず滑らしてしまった。その拍子に頭を強く打ち付けた。 ディアボロ出血死 さてと弁当も食い終わったし、よく考えるんだ。 よぉーく俺がスタンド能力を得たのは矢に射たれたのが原因だ。 でも、ここには無い、代わりの物を代用しても意味がないだろう。 矢が原因ではなく死ぬ感触か?それは無いな、実際死ぬことをくり返したんだ。もしそうならパワーアップしてるぞ 「なるほど。では、やはり矢が原因ですね」 いつの間にか古泉が傍にいた。何で知ってる?まさか心を読んだのか!? 「いえ、口にだしていました。 今度から気をつけてくださいね。調子を見に来て良かったですよ。でわ」 一人言を聞かれるとは思いもしなかった。てか、口に出していたとは、前からは考えられないな にしてもさっきから恥ずかしい姿ばかり見られている気がするもう恥じも何もない 今までやろうと思ってもやらずじまいだった例の練習でもするか…やってやる! 「俺は‥‥お前等にあや‥‥!」 長門が無表情で現れ、いつもの席についた。 本当に来るな!とゆうかつっこめよ!無言は辛いんだよ!くそっ!くそっ! 俺が四つん這いの格好で頭を項垂れ、片手で地面を叩いてる間も 長門は確認するように本をめくっている。 惨めだ‥‥。 「これ」 声のした方を向くと、長門が本を持って俺に差し出していた。 ここにある他の本と比べて随分薄く小さい本だ。 題名は……悪魔のいる天国?色々と矛盾しているぞ 「読んで」 長門はそれだけ言うと、また元の位置に戻り読書を続けた。 読んだ事もない本だが何なんだ一体? すると朝比奈が入ってきて着替えるから出ていって欲しいとのこと。 頼むから涙声で震えて言わないでくれ、確かに恐怖を与えていた俺だが、こんな恐怖は望んでいない 大人しく部室から出ると古泉とキョンが半笑いでいる。 ハルヒに見られないだけマシなんだろうな、俺は無理矢理そう納得し深いため息を吐いた。 to be continued...
https://w.atwiki.jp/ronaldinho/pages/738.html
#blognavi DJロニー: HEY!みなさんコンバンワ!DJロニーです! さあ、今回は第2回にも関わらずゲストが来ているぞ~ 今日のゲストは防衛庁さんです! (パチパチパチパチ) 防衛庁: あ、どももー(´_ゝ`) え~と、今回ゲストと言う形で呼んでいただきました「防衛庁」っす DJロニー: さて、今週遂に大型アップデートが行われましたが、防衛庁さんはどの点に注目しましたか? 防衛庁: むぅ、なんと言っても新惑星バルチャーでしょう^^ DJロニー: ほうほう たくさんのパーツが出るそうですが、防衛庁さんは何が気に入りましたか? 防衛庁: やはり「翼」に注目しがちですが、「LG」に羽まで付いているので個人的には「LG」シリーズが注目ですね DJロニー: なるほど~ 確かに、LGによってアセンの幅が増えましたね~ では、他のアップデートについていかがでしょうか? 防衛庁: 各mobパーツのドロップ率向上ですねー^^ DJロニー: なるほど。どのパーツが一番嬉しかったですか? 防衛庁: 実は今のところバルチャーの方に姿勢が・・・ですので未だ狩のほうには・・・^^; DJロニー: そうでしたか。ではこれから頑張ってください! 防衛庁: はい!^^ DJロニー: さて、大規模なアップデートが終わりましたが、まだまだ希望するものは多いはず! 防衛庁さんは今後どういったアップデートをして欲しいですか? 防衛庁: 今後ディスカー パーツ・ロボの販売は勿論、「武器」にもうちょっとチカラを入れて欲しいですね^^; DJロニー: なるほど!では今後に期待しましょうか! 防衛庁: 「某コレジャナイ」もイイキャンペーンですしw DJロニー: 確かに、今回のタイアップも驚きでしたねw 防衛庁: デスナw DJロニー: さて、C21が大きくなったことで、これから新しいイベントなども増えるのではないかと思います。 防衛庁さんはどういったイベントをやってほしいですか? 防衛庁: イベントは、武器デザインコンテストとかw PCの性能もありますしツアーなどはちょっと・・; DJロニー: なるほど!DJロニーの友人「SoccerKing」は夏をテーマとしたイベントをやりたいそうだが良い意見は無いかな? 防衛庁: 夏をテーマに・・・シア○○タソも浴衣に・・ DJロニー: スキンイベントとお絵かきイベント どちらが良いですか? 防衛庁: むぅ、ナヤミマスネー;; そろそろリーバードもどうかと思うので技術向上のためにスキンイベントもいいのですが お絵描きも・・・最近鈍っているので・・w 他作品の「技」を盗むことも・・w DJロニー: なるほど!では最後にC21へ何か一言お願いします! 防衛庁: あいー C21は、基本プレイ無料の中で唯一のロボゲーだとおもうので 今後もドンドン楽しくなるよう、願いたいですね^^ DJロニー: OK、ありがとう! 防衛庁さん、今日はありがとうございました! 防衛庁: いえいえ^^ DJロニー: リスナーのみんな、また会おう! ☆☆☆ スタッフ: はい、OKでーす。お疲れ様でした! DJロニー: 防衛庁さん 防衛庁: あぃ DJロニー: 打ち上げ行きませんか? 防衛庁: 打ち上げはバルチャーに・・・ DJロニー: バルチャーか・・・さすがに疲れましたよ^^; 防衛庁: さぁ、付かれきった体をさらに分解を! DJロニー: 焼鳥屋にでも行きませんか? 防衛庁: あ、イイネー^^ DJロニー: もしくはメイド喫茶で 防衛庁: ブハ シア○○タンがメイドでご奉仕してくれるならw DJロニー: さすがに無理ですよw カテゴリ [C21] - trackback- 2007年07月01日 16 41 19 名前 コメント #blognavi