約 4,913,135 件
https://w.atwiki.jp/tamagrail/pages/22.html
正義の女神は法の下の平等のために目を塞ぎ。 人々は保身のためならあらゆることに目を瞑る。 そんな中縋りついてきた手を振り払わない様に。 「私だけは」 ああ。 「目を開けていたい」 この夢は、いつのことだったろうか。 ◆ ◆ ◆ 「アハハハハハハッ! おいおい何だよ、もう終わりかよ手応えねぇにも程があんだろ。 私を殺すって吠えたよな? 私は雑魚の三下なんだよなァ? ならこんな簡単に負けちゃダメじゃんか。 汎人類史のサーヴァントなんだろ? 万古不当の英雄サマなんじゃなかったのかよ。おい、お~い? 答えろよ、手足もがれたくらいで狸寝入りか?」 ケラケラと笑う声が響いていた。 郊外にぽつねんと寂しく存在する廃墟の中は今凄惨な処刑場と化していた。 汎人類史のサーヴァントと呼ばれた男は既に肉塊同然の姿に成りさらばえて久しい。 手足は半ば程の所で寸断され、腹の皮膚と筋肉は取り除かれて五臓六腑を曝け出している。 顔の皮を剥がされて両目を潰された顔で唯一自由の利く口も今は声にならない金切り声を撒き散らすばかりだった。 惨めな姿だ。 そして、哀れな姿だ。 英雄の"え"の字もない憐れな被虐対象。 肉屋の軒先に吊るされた豚の解体肉とそう変わらない姿になった英雄を、赤髪の女が口汚く嘲笑い罵り虐げていた。 「テメェの何処が英雄だよザコが。蛆涌き豚肉に改名しろよクソカス」 上機嫌な高笑いが一転して冷たい殺意に変わる。 手足の切断面から引きずり出した神経を弦に見立てて右手で弾いた。 文字に起こしたなら濁点に塗れて大層読み辛いだろう絶叫が、かつて英雄と呼ばれた豚肉の口から迸る。 弾(はじ)く。弾(ひ)く。 雑にヒールの踵で擦る。踏み付ける。 飽きたら乱雑に引き千切る。 英雄は最早楽器だった。 残忍極まりない振る舞いを恥も外聞もなく享楽のままに行い、残虐非道を地で行く悪趣味な「悲しみの子」。 「…あーあ。もう壊れちゃった。 つまんねーなホント……弱いし根性も無いってさぁ。 何のために英霊の座から出てきたんだよって話だよなぁ。お前もそう思うだろ?」 彼女の拷問は英霊の耐久力でさえ耐え切れるものではない。 彼女の嗜虐は英霊の忍耐力でさえ凌ぎ切れるものではない。 英雄と呼ばれた男が達磨の格好のまま霧散して消滅する。 辞世の句一つないその惨めな末路を見届けて、騎士を名乗る嗜虐家は退屈げに嘆息した。 そして水を向ける。 へたり込んで失禁し、歯をカチカチと鳴らしながら震える幼子に。 英雄(サーヴァント)のマスターであった少女に。 話の矛先を向けつつ彼女の方へと歩き始めた。 「可哀想になぁ。不甲斐ないサーヴァントのせいで」 一歩また一歩とヒールの踵が音を鳴らす。 少女は尻餅をついた格好のまま後ろに後退る。 その姿を滑稽滑稽と嗤いながらまた一歩進む、女。 少女の口からいや、いやと声が漏れた。 それがあまりに愉快な音だったものだったから、女はまたケラケラと上機嫌そうに笑って。 「でも安心しろよ。私はこう見えて優しいんだ」 ニィ、とその口を三日月を思わす形に吊り上げた。 笑顔はほとんどの獣にとって最も攻撃的な表情であるという言説がある。 この時その説はまさに正鵠を射ていたと言えよう。 悪意と嗜虐心(サディズム)に塗れた殺意にあてられて、少女は声も出せずに涙を流した。 「ちゃあんと、お前の大好きな英雄サマと同じ風に死なせてやるからさ」 「――っ」 涙を濁流のように流して首をふるふると振る幼い娘。 その哀れみを誘う仕草すらもが女にとっては佳い肴だった。 ああ面白い。 ああ愉快だ。 取り掛かる前から既にこんなに面白いのなら、一体実際に事を始めたらどんなに笑えるんだろう? 考えただけで気分が躍る。 さあ試そういざ試そう。 勝者にのみ許される悪辣な笑みを浮かべて、いざ幼気な少女を壊す悪意の手を動かさんとしたまさにその瞬間。 騎士の上機嫌に冷水を浴びせる淡々とした声が響いた。 「バーヴァン・シー」 その名を呼ぶ声が騎士の手を止めた。 上機嫌だった顔が瞬間不機嫌に歪む。 敵意露わの形相で声の主を睨む騎士。 否、妖精。 悪魔の如きバーヴァン・シー。 その表情も態度もお世辞にも従僕のものとは思えない不遜さだった。 しかしそれに気分を悪くするでもなく、マスターである男は被虐待児と化した少女に視線を向けた。 「君のサーヴァントは死んだ。それは分かるね」 無言で頷く少女。 男はそれを見て同じように頷きを返す。 「ならこれ以上追う理由はない。 …逃げるといい。そうすれば、私は君を追いはしない」 少女は男の言葉に戸惑いを見せた。 迷いを見せた。 その感情の意味が男には分かる。 マスターとしての信念、願い。亡きサーヴァントへの義理。 それが彼女の中に迷いと躊躇いを生み出したのだろう。 男はそれを見てこう祈った。 男は宣教師のように、迷える子羊への接し方に熟達した人間ではない。 だから彼はその心を口に出した。 「逃げろ」 少女の方を見ず。 手元の安酒で満たされたグラスだけを見ながら言う。 「逃げてくれ」 その言葉に背中を押されてか少女は走り去った。 敗者の屈辱と散った英雄への罪悪感を抱えながら、それでも逃げることを選んだ。 彼女は生きることをこそ回答として打ち出したのだ。 その答えを男は笑わないし謗らない。 むしろそうなって良かったと、心の底からそう思っていた。 「おい」 男のサーヴァントが不機嫌を露わに言う。 男は目を瞑り酒を一口呷った。 喉を焼くアルコールの濃さと、脳髄を蕩かす心地よい酩酊。 駄目人間だなと内心自嘲しながら目を開ける。 目に入るのは、眉根を寄せて顔を顰め、舌打ちをする己のサーヴァントの姿だった。 「邪魔しないでくれる? せっかくいいところだったのによ」 「…あの少女は戦うことを放棄した。 "戦意なき善人"には刃を向けてはならない。そう命じていた筈だが」 「偽善者がもっともらしいこと言ってんじゃねぇよ。 反吐が出るぜクソ野郎。既に死んだ奴を甚振るのは許せても、生きてるガキを弄ぶのは許せねぇってか?」 「死者の人権を保証する法はない。蘇った死者の処遇までは私の管轄外だ」 「ハッ、何だよその綺麗事は。弁護士ってのは詭弁だけ吐いてりゃ勤まる職業なのね、あぁ面白い」 「人間社会というのはそういうものだ。正しい者が泣きを見て狡い者が勝利に笑う。 有史以前から現代に至るまで受け継がれてきた、由緒正しき弱肉強食の則(ルール)だ」 空になったグラスを置いて。 酒の滴る口を拭って男は言った。 冴えない男だった。 恐らく万人が一目見てその評価を下すだろう人相。 その上彼が吐く言葉はどれもただの正論。 それ以上でも以下でもなかった。 「それを覆すために私はこの手を汚した」 長年の悪戦苦闘。 その末に悟った。 人生の全てを懸けて臨んでようやく気付いた。 法(これ)では誰も救えない。 法(これ)には限界がある。 そう気付いたからこそ、男は悪徳弁護士の謗りをすら捨てて自らを殺人者にまで貶めた。 道の内側で果たせない理想があるのなら。 手の届かない領分があるのなら――道の外に出てそれを果たそう。 ガベルから滴り落ちる血のしずく。 既得権益と現世利益に魂を堕とした糞共の成れの果て。 それが一滴また一滴としたたり落ちていく光景を、日車寛見は克明に記憶していた。 そして今後一生忘れられる日は来ないのだろうとそう思う。 「その顛末がこれかよ。理想と一緒にタマまで落としたんじゃねぇの」 「自覚はあるさ。私には殺人者の才能はあっても、世界を変える英雄になる才能はなかったらしい」 殺して、裁いて。 正義の快音を鳴らすべきガベルで頭蓋を割って。 血と屍を積み上げて入手した得点を全て譲り渡した。 そんな矛盾した善悪螺旋の果てに日車は此処にいる。 迷える人に手を差し伸べる弁護士としてでもなければ、気に入らない者全てを殺す度胸のある殺人者としてでもなくだ。 何にもなれない癖して力ばかり一人前の流浪人。 それが今の日車寛見だった。 全く以って玉無しだ。 命を懸けて成し遂げたい理想は遠くに離れ。 徒に死体の山を築いて笑う自傷行為に浸る気分でもない。 ただ生きているだけ。 ただ生きて、偽善まみれの高説を垂れて残忍な妖精の機嫌を損ねるばかりの置物だった。 「でしょうね。そうじゃなきゃ言わねぇよ、"戦意を失ったマスターは殺すな"なんて気障なセリフ。寒気がするわ」 ハッと牙を見せて妖精は笑う。 日車は彼女の残忍を許した。 悪逆を認めた。 ただし無益な殺戮に限ってはその限りでなかった。 戦意なき者への虐待と殺人を日車は諌めた。 断るのであれば令呪を使うと言われれば、さしものバーヴァン・シーも舌打ちと共に閉口するしかなかったようだ。 この馬鹿なら本当に使いかねない。 そう思った側面も恐らくあるのだろう。 「その癖サーヴァント相手なら先刻みたく好きに弄んでいいんだろ? なんだよその線引き。 あぁいや嫌いじゃないわよ? むしろ好き。サイッコーに矛盾してて、愚かで…醜くてさ」 「霊体への加虐を取り締まる法律は無いからな。これ以上前科を重ねずに済む」 安酒をまた一口呷る。 喉の焼ける感覚と脳細胞が死ぬ感覚が厭に心地よかった。 バーヴァン・シーがその姿をうんざりした様子で見ていたので少し考えて。 氷も入っていない、すっかりぬるくなりつつある酒とグラスを彼女の方に差し出した。 「…君も呑むか?」 「死んでくれないかしら」 「断る。別段生きる理由もないが、死ぬ理由もまたないんだ」 ごくり。 残りの液体を飲み干してソファの背もたれに身を委ねた。 元とはいえ弁護士が昼間から安酒で酔っ払っている光景は傍から見れば世も末だろう。 酒臭い吐息を吐いた後で、廃屋の天井を見上げながら日車は言った。 「君のマスターという使命くらいは完遂しよう。その後は…追々考えるとするさ」 聖杯の力があれば。 日車が死滅回游で作ろうとしていた世界はきっと実現できる。 真偽を争う議論も法律上のしち面倒臭い手続きも必要ない。 総則(ルール)を犯した者は物理法則によって天罰宛らに罰せられる完全無欠の法治世界。 死滅回游を通じて実現を狙うよりも遥かに完成度の高い理想郷がきっと創り上げられる。 聖杯の力さえあれば。 聖杯戦争に勝ちさえすれば。 そう分かっているのに日車の体は、その足は重かった。 「バーヴァン・シー」 「何だよ」 「君は、気分がいいか」 「当たり前だろ」 妖精は鼻で笑った。 「弱いクセにごちゃごちゃうるさい雑魚をグチャグチャにして、踏み潰して消してやれたんだぜ? 気分悪ぃワケねぇだろ」 「…そうか」 その質問に対して。 自分はどんな答えを期待していたのだろう。 日車は天を仰ぎながら思い出していた。 呪わしき吸血妖精。 悪魔の如きバーヴァン・シー。 弱い者を弄び踏み躙ることを至上とし。 彼らが苦しみ喚く声だけを娯楽とする悍ましい妖精。 あぁ確かにそうだろう。 自己であれ他己であれその評価に異議を唱える気は日車にはない。 「あーあ。お前と話してたらこっちまで陰気臭いバカになっちゃいそうだわ。 息が詰まるから外の空気吸ってくる。止めんなよ、ダブスタ弁護士」 「さっきの娘は追うなよ」 「チッ、分かってるようっせえな。一言多いんだよお前は」 そういうところが好かねぇんだ。 言い残して消えるバーヴァン・シー。 その気配と魔力が完全に室内から消えたのを確認してから、日車は静かにその目を覆った。 「罰のつもりか」 日車寛見は、彼女が思っている以上にバーヴァン・シーという妖精のことを知っている。 彼女が異聞帯という此処ではない異常な時空から召喚されたサーヴァントであること。 妖精國ブリテンなる存在そのものが何かの冗談としか思えないような人類史の出身であること。 そして彼女がまだ思い出していない記憶も。 悪意と呪いと因果と応報に塗れた最期も。 果たせなかった誓いのことも、全て。 日車は知っている。 夢を通じて垣間見た彼女の生涯は硫酸のように彼の脳裏を焼いていた。 哀しい過去があるなら人を殺しても放免になる。 情状酌量の末の減刑ならばまだしも、完全に罪が免罪されるというならそんな法律は糞以下だろう。 殺人とは不可逆の業なのだ。 一人の人間を、一つの命を永遠に社会から消し去る最大の罪なのだ。 それほどまでに重い。 バーヴァン・シーは有罪だ。 その行いには罪がある。 人間社会に妖精の殺傷を裁く法律はないものの、妖精を人間に置き換えれば彼女は誰もが軽蔑する大罪人以外の何物でもない。 だが。 罪を重ねる以外の方法で。 悪魔の如く振る舞う以外の道で。 彼女は、生きていけたのか? “この世の誰にも彼女は救えない。"いつか"を先延ばしにし続けるのが関の山だ” 善良なままでは生きられなかった。 純粋なままでは生きられなかった。 そうあれば誰もに好かれる。 誰もが笑顔で構ってくれて。 彼女も笑顔で使い潰される。 利用されて、絞られて、使われて。 都合が悪ければ殴られて、壊されて、いつか死んで。 その生涯を永遠に繰り返す呪われた生命。 "みんな"に愛されるバーヴァン・シー。 「私に何をしろというんだ」 バーヴァン・シーは救われない。 それを救うと云った女がいた。 女は悪逆を認めた。 残忍を認めた。 自分の夢さえも捧げて。 女はバーヴァン・シーを壊した。 そうして、彼女に楽を与えた。 彼女に意味を与えた。 価値を与えた。 自由で、残酷で、冷酷、ブリテンの人気者。 "みんな"に愛されたバーヴァン・シー。 何も守れなかったバーヴァン・シー。 体は腐り信じた愛は裏切られ。 ゴミと断じた存在に嘲笑われ指差され。 恨みと共に大穴の底。 残ったのは呪いの厄災だけ。 ただ一人を除いて誰も、彼女の一切を祝福などしなかった。 罰のつもりか。 私に何をしろと言う。 救えというのか、これを。 お前がやれというのか。 癇癪紛いに道を踏み外した下らない男に。 彼女へ次の"いつか"を与えろというのか。 誰かの信頼を裏切るばかりの役立たず。 社会が壊れて回游が始まって、誰かを呪うことが格段に上手いと分かった人殺しに。 新たな呪い(すくい)を刻めというのか。 「…あなたは上手くやったな、冬の女王」 酒を追加しようとして先刻飲み干したばかりなことを思い出した。 人生とはままならないものだ。 自首でもして罪を償おうと考えていたが、それしきでこの罪は贖い切れないらしい。 冬の女王の背中を夢に見た。 祝福と共に彼女を後継と定めた愚かな女。 世界でただ一人、彼女を宝石と認めた救世主。 娘は母(おや)の手を離れ今、こんなろくでなしの汚れた腕に手綱を引かれている。 「…あぁ」 重荷だと投げ捨てられれば楽だった。 自棄になってさっさと自死できれば簡単だった。 なのに日車寛見にはどうしても、それができなかった。 あの憐れな妖精を見捨てられなかった。 罪を犯すことでしか幸せになれなかった彼女を。 幾度もの摩耗の末にようやく見つけた幸せさえ奪われた彼女を。 いつか再びこの世の全てを呪うだろう彼女を。 "法"でなど決して救うこと能わないだろう彼女を――。 「最悪の気分だ」 送り届けてやりたいと想ってしまった。 妖精國でも何処でもいい。 誰の悪意も何の裁きも届かないところに行けばいい。 "いつか"を永遠の彼方に追いやって。 愛する誰かと。そして自分を愛してくれる誰かと、思う存分幸せになればいい。 そう願ってしまったから日車はまだ生きている。 彼はやっぱり損をしやすい性格だった。 そういう性分なのだった。 そんな男だからこそ。 彼自身、自分はそういう人間なのだと分かっているからこそ。 だからこそ弁護士を志したのだと今になってようやく思い出した。 【クラス】 アーチャー 【真名】 バーヴァン・シー@Fate/Grand Order 【ステータス】 筋力A 耐久C 敏捷A 魔力B 幸運D 宝具E 【属性】 混沌・悪 【クラススキル】 対魔力:EX 決して自分の流儀を曲げず、悔いず、悪びれない。 そんなバーヴァン・シーの対魔力は規格外の強さを発揮している。 【保有スキル】 祝福された後継:EX 女王モルガンの娘として認められた彼女には、モルガンと同じ『支配の王権』が具わっている。 汎人類史において『騎士王への諫言』をした騎士のように、モルガンに意見できるだけの空間支配力を有する。 グレイマルキン:A イングランドに伝わる魔女の足跡、猫の妖精の名を冠したスキル。 妖精騎士ではなく、彼女自身が持つ本来の特性なのだが、なぜか他の妖精の名を冠している。 妖精吸血:A バーヴァン・シーの性質の一つ。 妖精から血を啜り不幸を振り撒く、呪われた性。 騎乗:A 何かに乗るのではなく、自らの脚で大地を駆る妖精騎士トリスタンは騎乗スキルを有している。 陣地作成:A 妖精界における魔術師としても教育されている為、工房を作る術にも長けている。 【宝具】 『痛幻の哭奏(フェッチ・フェイルノート)』 ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:無限 最大捕捉:1人 対象がどれほど遠く離れていようと関係なく、必ず呪い殺す魔の一撃(口づけ)。 相手の肉体の一部(髪の毛、爪等)から『相手の分身』を作り上げ、この分身を殺すことで本人を呪い殺す。ようは妖精版・丑の刻参りである。 また、フェッチとはスコットランドでいうドッペルゲンガーのこと。 【weapon】 フェイルノート。汎人類史のオリジナル、トリスタンが扱うものとは形状も性質も異なる。 【人物背景】 バーヴァン・シー。 スコットランドに伝わる女性の妖精。 "みんな"に愛されたバーヴァン・シー。 誰かが救えず。 彼女は呪い。 妖精の國は消え。 そうして悠久の時を経て聖杯戦争に召喚された。 【サーヴァントとしての願い】 折角呼ばれたからには聖杯を手に入れたいと漠然とそう思っている。 その真の願いは未だ夢の中。 【マスター】 日車寛見@呪術廻戦 【マスターとしての願い】 法が物理法則の一つとして機能する社会の実現。 …その筈だったが今はやる気がない。 【weapon】 ガベル 【能力・技能】 抜きん出て高い呪術師としての才能。 過去の術師をして「頭抜けた強者」と形容する程にその実力は高い。 ◆ジャッジマン 式神。両目を糸で縫い合わされた影法師のような姿をしている。 日車にも相手にも味方することのない完全な中立の存在。 ◆領域展開"誅伏賜死(ちゅうぶくしし)" 結界術の極北、領域展開。 日車の場合は必中必殺の性質を持つ現代の領域ではなく、デフォルトで領域が搭載された生得術式と呼ぶのが正しい。 先述のジャッジマンを裁判官と据え裁判の形式で標的を裁き、罪に応じた罰を下す。 【人物背景】 岩手弁護士会所属の弁護士だった男。 何の分野であれそつなくこなし、果てには呪術師としての才覚まで持ち合わせているという作中公認の天才。 出世に拘ることなく自分の信念と強い正義感の元に生き、縋る者のない誰かの手を取ってきた男。 しかし今その手は血で汚れ背中には罪の重荷が乗り、そうまでして描いた理想への渇望すらも薄れてしまった。 【方針】 …私は、何をしたい?
https://w.atwiki.jp/animefate/pages/37.html
アーカード(高倉冠葉)
https://w.atwiki.jp/bluetears/pages/16.html
あーちゃー 転職したらLv20制限初期化ポーションが貰えるクエが出るから適当に振って確かめる 21以上のスキルはよくわからんギルチャで聞け
https://w.atwiki.jp/p_ss/pages/2109.html
【K】 『どどど、どうしよう』 電話越しにいつも以上に噛み噛みののっちの声。 『なにがー?』 『ほほほっっっっんと、どうしよう』 おもしろいくらい噛みすぎじゃろ。 『だから、何がどうしたんよ?』 『とりあえず電話で上手く話せないから、かしゆか今からうちに来て』 はぁ?自分から掛けといて、なんでゆかが出向かなきゃならないんよ。 『やだ。この雨の中外出たくない。のっちが来んさいよ』 『のっちも濡れるの嫌だよ』 ゆかだって嫌に決まってるよ。 『じゃあ、電話でいいじゃん』 『だから電話じゃ話せないんだよ!!』 なに?逆ギレ?のっちのくせに? ちょっとムカついたから少しキツめに言ってやった。 『だからのっちが来ればいいでしょ!!』 『うー・・・わかったよ。そっち行くから待ってて』 のっちはゆかの言い方にすんなり負けた。 まったく、なんなん? まー、のっちが動揺している原因はきっとあ〜ちゃんだろうけど。 そう言えば、今日一緒に帰るってメールで言ってたな。 なんかあったんじゃろか? なんかあったから、こうやってゆかに電話してきたんだろうけど。 それから20分くらい経って、雨に湿ったのっちがうちにやってきた。 「はいどうぞ」 「ありがと」 ゆかはのっちにタオルと温かい紅茶を差し出した。 「で・・・あ〜ちゃんと、なんかあったん?」 ゆかは早くのっちが動揺してる訳を知りたかったから、さっさと本題に切り出した。 「あ〜ちゃんが暑いのに長袖着てる理由がわかった」 「そう・・・」 「あ〜ちゃん、あの金髪ヤローに傷つけられてる」 「あ〜ちゃんが自分でそう言ったん?」 「ううん。言ってない。転んだって言ってたけど、転んで出来る痣じゃないよ。あれは・・・」 実はゆかも、もしかしたらそうじゃないかと思ってたんよ。 やっぱりだったか・・・。 「でさ、のっちね、そのあ〜ちゃんの痣見て、なんかカーってきちゃって・・・」 怒りに満ちてたのっちの表情が見る見る、赤くなってきた。 「気付いたら・・・あ〜ちゃんの事ギュってしてた」 そう言い切ったのっちはものすごく真っ赤な顔で照れてる。 「ギュって・・・抱きしめたって事?」 のっちはゆかの言葉に首を縦にコクコク振る。 「で、ヤったん?」 「えっ?ヤッたって?何を?」 「 」 ゆかは声を出さず口パクでそれを伝える。 「バッ、バカ!!かしゆか何言ってんの!?そんなんしてないよ」 のっち慌てすぎ。そんなに慌てると紅茶溢すよ。ほら、溢した。そんで慌てすぎて、逆に怪しいぞ。 【N】 「のっちって意外と行動力あるんじゃね」 そう言うかしゆかは、笑ってるような悲しんでるような複雑な顔をしていた。 ほんと、自分でもビックリですよ。 マジで気付いたらあ〜ちゃんが、自分の腕の中にスッポリ入っているんですもの。 しまいには励まさなきゃいけないのはこっちなのに、逆にあ〜ちゃんに気を使わせちゃったし。 頭撫でられちゃったりしちゃったし?ほんと、悲しいくらいヘタレで困っちゃうよ。たはは。 ヤベっ。思い出したら顔から火が出そうなくらい恥ずかしい。 明日、どの面下げてあ〜ちゃんと会えばいいのさ。 だからなんで、かしゆかそんな切ない顔してんのさ。 『のっち!よくやった。偉い!』って褒めてくれたっていいじゃんよ。 【A】 のっちの腕から解かれると、変に照れくさくなってあ〜ちゃんはさっさと出て行ってしまった。 折角のっちが着替えのTシャツ出してくれたのにごめんね。 外はまだ雨が降ってたけど、あれ以上あそこにいたら、のっちに絆されそうになっちゃうと思ったから。 あ〜ちゃんは濡れながら考える。 ゆかちゃんはなぜのっちにあ〜ちゃんの事を話したのか? 別に口止めはしなかったけど、そんな他人にベラベラ話す内容じゃないのに。 のっちに彼の事訊かれたんかな? のっちはなんでさっき「何も出来ない自分が恥ずかしいから」って言ったのか? のっちはゆかちゃんにどんな風に話を聞いたんだろう。 のっちにはまったく関係のない事なのに、どうして自分を責めていたんだろう。 「ハックション!!」 家の前まで来たらくしゃみが出た。 風邪引く前にお風呂に入って身体を温めよう。 湯船に浸かったら、急に睡魔が襲ってきた。 ちょっと早いけどもう寝ようかなって思った23時。 携帯電話が鳴った。 着信はゆかちゃんだ。 『もしもし。ゆかちゃん?』 『あっ!あ〜ちゃん』 『どしたん?』 『ごめんね。あっ、もしかしてもう寝てたん?』 『ううん。まだ起きとったよ』 『そっか、よかった。あのさ・・・』 『うん?』 『これからあ〜ちゃんち行っていい?』 『これから!?もう11時だよ?』 『てか、実はもう家の前までいるんよね・・・』 あ〜ちゃんは二階にある自分の部屋の窓から外を覗く。 そこには携帯を耳に当てたゆかちゃんの姿がたしかにあった。 あ〜ちゃんはゆかちゃんを家に上げた。 ゆかちゃんは家族の皆を起さないように、静かにあ〜ちゃんの部屋へと向かった。 「ごめんね。急に押しかけちゃって。家族の人も迷惑だよね・・・」 「ううん。皆が寝るの早いだけじゃけぇ。ゆかちゃんはいつでもウエルカムよ」 ゆかちゃんは「ありがと」ってばつが悪そうに笑った。 そして「ごめんね」って言った。 あ〜ちゃん今日はなぜか知らないけど、謝られてばっかだ。 【K】 電話じゃなくて、あ〜ちゃんに直接伝えたかった。 「ごめんね」って。 「なにが?」って、あたりまえのように訊いてくるあ〜ちゃん。 「のっちに・・・勝手にあ〜ちゃんの事情話したこと」 「あー・・・そのことね。別に、いいよ。隠してる訳じゃないけぇ・・・」って、あ〜ちゃん言う。 けど、顔には「なんで喋ったの?」って書いてあるよ。 10年一緒にいるゆかはそれくらいの事はわかってるつもりだよ。 「のっちなら、なんとかしてくれると思ったから、喋ったんよ」 「なんとかって・・・なんよ?」 「ゆかに話づらい事があっても、のっちになら言えるって事もあるじゃろ?そういう事じゃけぇ」 「ゆかちゃんに話しづらい事なんてないよ・・・」 あーあ、ゆかダメだな・・・。あ〜ちゃんの事困らせちゃったよ。 ほら、今度は顔に困ってますって書いてある。 「ゆかちゃん・・・余計なお節介じゃ・・・」 あ〜ちゃんの目に涙が溜まっていく。 「あ〜ちゃんは、これ以上ゆかちゃんに迷惑かけたくなかったのに、今度はのっちまで迷惑かかっちゃうけぇ・・・」 「そんな事言わんでよ。うちら親友じゃろ?ピンチの時には助け合うもんじゃろ」 今度はゆかの目に涙が溜まっていく。 「じゃあ・・・この件はもうほっといて・・・」 あ〜ちゃんは涙を溜めた目でゆかを刺す様に見つめる。 「ほっとけないよ!」 ゆかも負けじとあ〜ちゃんを捉える。 「もう、どうしようもない事なんじゃけぇ。うちらがどうこう出来る次元じゃないんよ。わかって、ゆかちゃん・・・」 そう言ってあ〜ちゃんは天使のような笑顔でゆかをなだめた。 いつの間にか、あ〜ちゃんの目からは涙がなくなっていた。 代わりに、ゆかが泣いた。あ〜ちゃんの分まで泣いた。 泣いたら疲れて眠ってしまった。 携帯の待ち受けをみると夜中の1時。 ゆかが起きたのを気付いて、あ〜ちゃんは「電車ないから泊まってきんさい」って言ってくれた。 あ〜ちゃんのベッドで二人で寝る。 二人で同じベッドで寝るのは、中学生以来だ。 あ〜ちゃんから寝息が聞こえてきた。ふと寝顔を見る。 その寝顔を見て、心底自分が嫌んなった。 助けようと思って、した事が逆に苦しめてしまった事。 助けてくれると思ってる人に抱きしめられたって訊いて、ほんの少し嫉妬してしまった事。 ほんと、自分が嫌んなった。そしたらまた、涙が出てきた。 隣には、あ〜ちゃんが寝てるからゆかは声を殺しながら泣いた。 涙と一緒に嫌な自分も流れればいいなって本気で思った。 【A】 ゆかちゃんが泣いてる。肩を震わせて声を殺して泣いてる。 きっとゆかちゃんはあ〜ちゃんのためと思って色々考えて行動してくれたんだと思う。 それはすごく嬉しい。泣きたいくらい嬉しいんよ。 でももうこれ以上ゆかちゃんには、あ〜ちゃんの事で悩まないでほしいんよ。 これ以上足を突っ込むと、ゆかちゃんも辛い目に会いそうで、それがあ〜ちゃんは嫌なんよ。 「ありがとう、ごめんね。ゆかちゃん。大好きだよ」 あ〜ちゃんはそう言って、震えてるゆかちゃんの肩をそっと抱きしめた。 ゆかちゃんの肩は細くて、触れただけでも折れちゃいそうな細さ。 あ〜ちゃんが抱きしめたらゆかちゃんの震えが止まった。 人は優しく抱きしめられると安心するんだね。 あ〜ちゃんは、ゆかちゃんを抱きしめつつ、今日のっちに抱きしめられた事を思い出しながら眠りについた。
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/10637.html
FS/S34-T18 カード名:勝利のために 凛&アーチャー カテゴリ:キャラクター 色:赤 レベル:2 コスト:2 トリガー:1 パワー:8000 ソウル:2 特徴:《マスター》?・《サーヴァント》? 【自】 このカードが手札から舞台に置かれた時、他のあなたの、《マスター》?か《サーヴァント》?のキャラが4枚以上なら、あなたは自分の山札の上から1枚を、ストック置場に置いてよい。 【自】 [①] アンコールステップの始めに、他のあなたの前列のレストしているキャラがいないなら、あなたはコストを払ってよい。そうしたら、このカードをレストする。 ただ勝つために戦うの レアリティ:TD 15/03/25 今日のカード
https://w.atwiki.jp/2jiseihaisennsou2nd/pages/233.html
シャア・アズナブル&アーチャー ◆F61PQYZbCw マンションの一室では幼い少女が一人眠気と戦っている。 頭を揺らしながらも帰りを待つ、大切な人の帰りを待ち続けているのだ。 外は深夜、家の中ぐらいは暖かくしていたい。電気を付けテーブルの上にはご飯を用意済み。 お風呂も沸かしており布団も敷いてある、彼がどんな行動をとっても安全に対応することが出来る。 幼い少女だが家事の腕前は大人にも勝る、制服の上に重ねているエプロンも似合っている。 念の為に記述しておくが待っている人は男だ、だが彼女の夫ではないし血の繋がりもない。 恋人でもなければ友達でもないのだ、言わば赤の他人の存在。 彼は記憶を失くしている――聖杯戦争のマスターとして方舟に召された後遺症。 願いを求めて何人の人間が召されたか、されど記憶を取り戻さない限り意味など訪れない。 どんな願いだろうが意志だろうが忘れている人間に奇跡を縋る資格は与えられず。 件に関しては己の力で道を開けるしか無いのだ、それも出来ない者に聖杯を求めることなど笑止。 そして幼い少女はサーヴァントだ、記憶を失くしたマスターと共に暮らしている。 マスターには自分で記憶を取り戻して貰いたいため彼女から聖杯戦争の事は告げない。 彼のためを思っている、思い出せないのならそのまま眠るのも彼のためだ、勝ち抜けるとは限らない。 今の仮初の暮らしにはある程度満足している、彼女には訪れなかった平和的な日常を演じれるから。 何時までこの生活を続けるのか、可能ならば永遠に続けるのも悪くない。 誰かのために尽くせる事は苦ではない、むしろ生き甲斐を感じる。 敵だろうが何だろうが困っている人を、他者を救うことに間違いなど無いのだ。 それが導く事や背中を任せる形になっても本質は変わらない。 彼女の生前――英霊となる前も、それは優しい存在だった。 敵をも救った彼女、その行いは英霊に相応しい所業であり此度の聖杯戦争に召されたのも納得だ。 逆にこの幼い少女もまた、英霊として召された意味、つまり他界済みである。 笑顔の裏側には哀しい過去や逸話があるかも知れない、だがマスターに不安を与えたくない。 だから彼女は笑い続ける、自分がサーヴァントであることを隠しながら。 風を浴びようと窓を開けベランダに出る、夜空が広がり神秘的だ。 街は所々に明かりを灯しながらも静かに、眠っているように静かである。 このままマスターが記憶を取り戻さなかったら。それはそれでいいのかもしれない。 彼は悩んでいた、記憶を失くしながらも人々の意思に絡みつかれ、独りで抱え込み何かに抗っていた。 忘れたままこの世から消える事が出来るのならば、それはある意味での幸福なのかもしれない。 「……あっ!」 ガチャリと響く音、玄関から聞こえてくるのは帰還の声だ、彼が帰ってきた。 少女は窓を閉めるとそのまま玄関へ向かう、カーテンを閉め忘れるほどの速さで。 玄関の明かりを灯すとスーツ姿の彼が居た、その顔は何やら深い面立ちで考え事をしているかのよう。 金髪のオールバック、彼は靴を脱ぐと少女を無言で見つめる。 「お帰りなさい、ご飯にする? それともお風呂かな?」 無言の睨みに若干怯えるが彼は疲れている、判断した少女は幾つかの選択肢を与える。 それは苦渋の決断を迫るものではなくどれを一番求めているかを尋ねる言わば慈愛の導き。 少女の言葉を聞いた男は無言で部屋の奥に足を進め始めた。 この行動に少女は驚きと少しの悲しみを覚えるが黙って後を着いて行く。 男はソファーに腰掛けると手を組み何やら考え事を始める、それも深刻な顔で。 帰宅時も考えていたが何かをまた考え始める、しかし少女には分からない。 彼女は彼を見つめると再度言葉を掛ける、パートナーとして。 「今日は疲れたのね、うん、いいわ! お布団も敷いてあるからスーツはちゃんと掛けてね?」 彼女に出来る事は彼を支える事だけだ。 親身になり支える、永遠のパートナーではなくても誰かのために尽くす。 優しい彼女だからこそ行える真の優しさだ。 「……いや、いい。私は望んでいないのだよ」 少女の提案を男は小さく深い声で否定、そのまま彼女を何度目か分からない程見つめる。 望んでいない、つまり彼はご飯も風呂も睡眠も求めていない事になってしまう。 根源は其処ではない。 「ご、ごめんなさい……私、その……」 少女は息が詰まる、彼の事を思って行動したが裏目に出てしまい彼に重圧を掛けてしまった。 悩む彼には出来るだけの支えになりたかったがそれも不要なお節介と捉えられたのだろうか。 震える声で謝罪する、ごめんなさい、と。 「もういい――アーチャーよ」 止まる時は明鏡止水、流れる流星は蒼く心に沈む。 彼は全てを思い出した、己の記憶、使命、運命、願い、そう何もかも。 男は聖杯戦争に参加したのは事故だ、本意ではない。 だが月に召された事実、察するに彼は何かしらの願いを持っていたのは確かかもしれない。 聖杯に懸ける願いは人それぞれだ、彼も己の信念と呼べる何かが在るのかもしれない。 「記憶が戻ったのねマスター、うん。腕に令呪も宿ってるわね」 「私も最初は驚いたよ、まさか君が私のサーヴァントとはな」 「黙っていてごめんなさい……貴方には自分で気づいて欲しかったの」 「君のような少女に負担を掛けてしまったか、私も年齢だけは一人前に過ぎていくようだな」 男――シャア・アズナブルは自分を嘲笑うように微笑みながら少女の謝罪を慰める。 不慮の事故とはいえ記憶を失くすとは情けない、その程度の意思ならば必要ないのだ。 違和感は感じていた。毎日悩み、けれど答えは一向に出て来なかった。 抜け出せない迷路、出口の明かりは見えようが踏み込む勇気が無かったのだ、嗚呼情けない。 少女――英霊であるアーチャーとの生活は悪くは無かった。 自分のために尽くしてくれる幼い少女に母の役割を求めていたのだ。 情けない、大人になっている筈の彼は未だ過去の悲劇に囚われ進めていなかった。 いや、進んではいるのだ。成長もしている、だが、今一つ次の段階へ辿り着けていなかった。 彼の運命は他人には想像出来ない程の道を進んでいる。 それは全ての事象が重なりあった結果螺旋をも超える捻じれを引き起こし彼の人格に多大な影響を与えてしまった。 彼と言う存在こそが運命であり、運命と言う事象が彼と言っても過言では無い程に。 「気にしなくていいの。それで……マスターはやっぱり皆を裁くの……?」 シャア・アズナブルは人類に一つの終わりと答えを与えようとしていた。 繰り返される戦争、失われていく命、学習しない人間、滅び行く自然。 人類は高度な文明を築き上げた、そして世界を滅ぼしていく愚かな存在でも在る。 政治上で不要な、野心に触れてしまった者は力を行使し人民に業を背負わせ自分達は幸福に浸る。 恰も自分達を選ばれた人間のように扱い、邪魔をする者は処刑、暗殺……その心は淀み過ぎている。 革命とは一部のインテリが引き起こす傍迷惑な所業だ、戦争はビジネスなのか。 その心や思想も理解出来る、だが人類が求めているのは戦火ではなく平穏だ。 「……人の心の暖かさ。私もそれは知っている、触れたことがある。 だが人類は一度考えを根源から改めないといけない……。 人類はこのまま腐敗していくだけだ、選ばれない人間だげが苦しみを味わう世の中に存在する価値などあるというのか」 人間は『きっかけ』がないと動けない、本気になれない哀れな生物である。 危機が迫らなければ課題に手を付けない、やるべき事があるのに気が乗らないから後回し……。 「残念だが私には人類に叡智を授ける事は出来ない……分母を減らす事でしか導けないのだよ」 「駄目……駄目よ! 貴方の言う通り人は間違いを犯すわ、でもそれが理由にならないのよ! 間違ったなら反省することは出来る、全員は無理かもしれないけど確実に前へ進めるわ」 「……ならば今すぐ愚民共を導けるのか!? 空論だけでは何も進まない、誰かが犠牲にならなければならんのだ! そうして気付いた者が行動を起こす、だが泥と批難を浴びるのだ! 勝ち負けなど関係なく世論は悪という勝手な記号を押し付ける。 単純な答えでしか物事を受け入れられない人類など……ッ。 済まない……英霊である君に当たっても仕方が無いな……」 大人である彼が、少なくとも年齢換算で大人であるシャアが少女に持論を感けるなど情けない。 溜め込んだ感情は吐き出さないと己を壊す、それが世直しに繋がり結果として世界に不安を蔓延らせる。 彼もまだ成長して切れていない感情があるようだ。 言葉を吐いたがシャアの心に光が差し込む訳でもない。 英霊とは言え見た目が普通の少女である彼女に情けない姿を見せてしまった。 その行動と発言に心が苦しくなる、こんな所だけは成長していた。 「いいのよ……もう、いいの」 アーチャーはシャアの言葉を聞いても彼に反発すること無く歩み寄る。 そのまま彼の前まで辿り着くと手を握る、小さいがとても暖かい。 「一人で背負い込まなくていいのよ、マスター。今は私が居る。 私には貴方の生き様や苦悩は分からない、ごめんなさい……でも貴方にだって大切な人は居る筈よ。 親族、親友、好敵手、最愛の存在……そんな人達を思い浮かべて。心の光、感じない? 感じられなくてもいいの、ただ忘れないで。人類はまだ希望が無くなった訳じゃないことを……そして。 貴方は一人じゃない、無理に自分を殺して道化を演じる必要もないのよマスター。 聖杯に懸ける願いは人それぞれ……それまでにもう一度考え直す時間だって、ね?」 彼女は知っている、人類の戦争を。 生前は彼女も戦争に参加し多くの命を奪い、多くの命を散らしながら我が国のために全力を尽くした。 だから戦争の愚かさ、正当さ、仕方無さは理解出来ている、それだけではない。 彼女は敵国の兵士も救ったのだ、シャアに当て嵌めると地球の重力に甘んじている人間でさえ彼女は救ったのだ。 けれど彼女は戦争で沈んだのだ、無論敵国によって。 戦争だ、仕方が無い、諦めろ、甘さを捨てろ、受け入れろ。 それでも彼女は心の暖かさを信じているのだ。 だから目の前で苦悩しているシャア・アズナブルを見棄てることは出来ない。 彼のサーヴァントに召された使命、それが彼女の役目ならば全力で引き受けよう。 「私は急ぎ過ぎているのかもしれんな……。 世直しの先にあるビジョン、その先を見極めるのも悪くはない、か……」 論されたシャアは少しだけ頭が冷え思考の回りが早くなる。 一人で背負い込んだって何も変わらない、ならば誰に縋るか。 その存在が彼の周りに居なかった、頼るには『彼』は遠すぎる存在だ、気楽に相談出来る間柄ではない。 アーチャーはその役目を引き受ける、彼に見せるのだ。 人の心の暖かさを。 握られた手を握り返すシャア。 小さい掌だが伝わる感覚は暖かく全てを包み込む母性が感じられる。 見た目は少女だが英霊としての格は、精神的にもマスターより勝っている。 彼はアーチャーの言葉を聞いて冷静になったが本質は何も変わっていない。 そんな言葉の一つや二つで変わる信念や感情ではない、これで変わったらそれこそ道化。 聖杯に懸ける願い――それは『未定と表わすのが一番正しい』状態だ。 願いを叶える在りもしない奇跡があるのだ、人間は全力で向かうだろう。 泥に塗れ、醜く、醜態を晒し、不意打ちや裏切り……負の感情が溢れだすのは目に見えている。 だが彼の好敵手……因縁の存在のように前を進み続ける者もいる、一概に人類と言う記号ではまとめられない。 だから彼はこの聖杯戦争で見極めるのだ。 人類の行方を、己だけ正当化し高い場所から見下ろすように。 何も変わらないならば願いは粛清に繋がる。 希望を見出し、委ねれる存在が居るならばその願い、生き様は前に進むだろう。 「私を導いてくれるか――アーチャーよ」 「もちろんよ、マスター!」 お互いに手を強く握り感じ合う。 生きている、こうして人類は手を取り合って生きていける、と。 アーチャーはシャアに暖かさを伝えなければならない、見捨てていい命など存在しないのだから。 彼らの運命はもう止められない、廻る因果は誰にも止められない。 シャア・アズナブル、その男の在り方は全ての世界に影響を与え世界の中心になっていた。 今宵の聖杯戦争――その歴史に彼は何を刻みこむのか。 (私はこの先何処へ辿り着くと言うのだ、私は何のために――ララァ) カーテンの隙間から窓を介して夜空を覗く。 一つの白い流星が流れ、消えていった――。 【マスター】シャア・アズナブル@機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 【参加方法】ムーンセルによる召還(木片の所在は不明、だが本人は何か思い当たる節があるようだ) 【マスターとしての願い】彼の真意についての言及は控えさせていただく。強いて言うならば、迷っている。 【weapon】なし 【能力・技能】 MSと呼ばれる機動兵器の操縦技術に関しては天才の領域に達しており、ライダーのクラスとして英霊に選ばれる可能性もある。 彼はニュータイプと総称される力を所有しており、その運命は重く深く絡み合っている。 並外れた直感と洞察力を持ち相手の心情を察知する力がある。その大きすぎる力は惹かれ合い共鳴を起こし悲劇を招く。 一言言うならば、人殺しの道具ではない。 【人物背景】 悲劇のニュータイプである彼は様々な顔を持つ。パイロット、テロリスト、レジスタンス、政治家……。 彼の記述は控えさせていただきたい。そして本質を考えてもらいたい。 【方針】 人類の可能性によって答えを見出だせていない彼は聖杯戦争に導きを求める。 向かってくる輩は倒す、その先に進むべき道が現れるかどうかは分からないが今更引き返すことは出来ない。 【クラス】アーチャー 【真名】雷@艦隊これくしょん 【パラメータ】筋力D 耐久B 敏捷D 魔力E 幸運E 宝具D++ 【属性】秩序・善 【クラス別スキル】 単独行動:D マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。ランクDならば、マスターを失っても半日間は現界可能。 対魔力:E 魔術に対する守り。 無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する。 【保有スキル】 艦娘:A 生前戦艦だった存在を少女として転生させた者達が持つ能力。 水上ではステータス以上の力を発揮することが可能である。 また「近代改修」により鉄や燃料などの資材を消費することにより地力を上昇させることが可能。 救済:A 例え救う価値の無い存在でも。敵であっても救う優しい力。 尽力:A 自分のためよりも他者のために戦った時、本来以上の能力を発揮する力。 戦闘続行:C 瀕死の傷でも戦闘を可能とし、死の間際まで戦うことを止めない。 【宝具】 『砲雷撃戦』 ランク:E 種別:対軍宝具 レンジ:1~200 最大捕捉:1000 駆逐艦としての装備を展開する能力。 その大きさは当時と変わらず対人戦では圧倒的な火力で相手を殲滅する。 能力のイメージとしては何もない空間から装備を具現化させる。 (ギルガメッシュの王の財宝に近いイメージです) 『第一水雷戦隊暁型三番艦駆逐艦雷』 ランク:D++ 種別:対軍宝具 レンジ:―― 最大捕捉:―― 生前の姿である駆逐艦を海域と共に展開し相手を制圧殲滅するアーチャー最大の切り札である固有結界。 雷自身は魔術師ではなく元は駆逐艦であるが乗組員全員が心象風景を共有し、皆で展開することにより結界を継続させる。 展開される領域は海域だが陸地も存在する。相手が陸地にいるか海域に居るかは相手の幸運に左右される。 結界発動時、雷とマスターは駆逐艦に乗り込むことになり、乗組員の承認を得ればマスターが指揮を執る事も可能である。。 なお、魔力供給の関係上発動可能回数は多く見積もって二回、三回目は現界を超える。 【weapon】12.7cm連装砲(立ち絵、初期装備)。 【人物背景】 艦隊これくしょんに出てくる駆逐艦。 その言動や仕草、心遣いから人気は高く彼女にパートナーとしての価値を求める提督も多い。 その真名はかつて存在していた駆逐艦雷そのものである。少女の姿は仮初だ。 彼女の軍艦としての生き様は是非その目、その耳で確かめて貰いたい。 【サーヴァントとしての願い】 マスターに全てを捧げる。 【基本戦術、方針、運用法】 出来る限り戦いは行いたくない。だが、マスターの願いならば話は別になるだろう。 BACK NEXT 003 序曲 投下順 005 東風谷早苗&アーチャー 003 序曲 時系列順 005 東風谷早苗&アーチャー BACK 登場キャラ NEXT 参戦 シャア・アズナブル&アーチャー(雷) 038 母なる海
https://w.atwiki.jp/valhallaknights3/pages/60.html
弓の扱いを得意とする職業として知られているが、監獄城では敵に近付くのを恐れた卑怯で臆病な者の職業として定着している。 もちろん全てのアーチャが臆病なのではなく、遠く離れたターゲットを一発で射抜く本物の技術を持つ者もいる。 職解説 スキルツリー 必要累計SBP 3265 名称 種別 消費SP 対象 必要SBP 効果 備考 ■風読み┃ アクティブ 8 使用者 50 一定時間、打攻&射攻アップ(中) ┗スタン ┃ アクティブ 15 敵単体 50 対象をスタン状態にすることがある ┗イーグルアイ ┃ アクティブ 25 敵単体 250 大ダメージ&吹き飛ばし 【必須:弓】 ┗レイングリーフ ┃ アクティブ 55 敵全体 465 敵全体に小ダメージ&毒の効果 【必須:弓】 ┗アサルトキラー パッシブ - 使用者 1700 HP+300、打攻+40+、射攻+40、物防+30 ■応急手当┃ アクティブ 8 使用者 65 HPを少し回復&解毒 ┗エスケイプ ┃ アクティブ 5 味方全体 200 ガンドゥーム監獄前へ帰還 【キャンプメニュー専用】 ┗最大SP+200 パッシブ - 使用者 400 SP+200 ■マーキング┃ アクティブ 8 味方単体 35 敵から狙われやすくなる ┗スーパーステルス パッシブ - 使用者 50 敵から狙われにくくなる ■狙撃王の証 パッシブ - 使用者 - HP+500、射攻+100 【スキルマスター】
https://w.atwiki.jp/theyggdrasilwar/pages/38.html
アビリティ 習得ジョブLv 名称 系統 消費AP 回数 効果説明 初期 ショットウェーブLv.1 前衛(攻撃) 15 1 素早く放った矢で、敵単体に大ダメージ 5 フラッシュアローLv.1 後衛(遠撃) 25 1 光の早さで矢を放つ。敵単体にクリティカルヒットすることがある。 10 ショットウェーブLv.2 前衛(攻撃) 15 3 素早く放った矢で、敵単体に大ダメージ 15 フラッシュアローLv.2 後衛(遠撃) 25 3 光の早さで矢を放つ。敵単体にクリティカルヒットすることがある。 奥義 名称 準備時間 発動時間 効果説明 シャープアイズ 3分0秒 3分0秒 敵の陣形の穴を見抜き勝機を見出した。敵全体の物防・魔防を一定時間ダウン。 獲得マスターボーナス 物攻 魔攻 物防 魔防 +0.25% +0% +0.5% +0.25%
https://w.atwiki.jp/wiki11_decovip/pages/29.html
ミレナで始めると最初に就くワンダラーでLv10になると転職できる職の1つ。 Lv30でスナイパーに転職できる。 完全支援にするか火力弓にするかは早めに決めておいた方がいい。 記憶の平原 Lv20~23 クエスト受けて伝達官の横でケルパス♀狩り 攻撃力が高いので注意 装備が良ければ♂も可 22になったらボアに会って呼吸法Lv2を覚える ボアの居る森はアクティブモンスターが巣食って居るので支援して貰うなりする Lv23~25 ケルパス♂が狩れるようになるのでクエを受けつつ狩る Lv25~26 カロンが狩れるようになる アクティブモンスターなので囲まれないように注意 しかし引き続き猿を狩っていたほうが効率はいい Lv26~28 カロンファイターが狩れるようになる こいつもアクティブなので注意 しかし引き続き猿を狩っていたほうが効率はいい ボスケルパスが狩れるなら♀♂ボスのクエをやりまくる
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/12114.html
FS/S36-061 カード名:“さらなる追撃”アーチャー カテゴリ:キャラ 色:赤 レベル:1 コスト:0 トリガー:0 パワー:3500 ソウル:1 特徴:《サーヴァント》?・《武器》? 【永】他のあなたのカード名に「凛」か「アーチャー」を含むキャラすべてに、パワーを+500。 【起】[②このカードをレストする]あなたは自分の控え室のカード名に「凛」か「アーチャー」を含むキャラを1枚選び、手札に戻す。 レアリティ:U illust. 15/11/17 今日のカード 「凛」「アーチャー」への全体パンプと、レストと2コストでの回収効果を持つ。 この系列の効果の優秀さは新造工作艦 明石で実証済み。【アチャ凛デッキ】での後列キャラとして採用を検討できる。 ただし連発するにはコストが重いので、使いどころを見極めて使っていきたい。