約 2,714,697 件
https://w.atwiki.jp/legends/pages/3235.html
…これは、上田がハンニバルと戦闘を行った直後の事 ハンニバル達が、本格的な動きを見せ始める、数日前 ………えー……… 色々あって、超ぎりぎりで修羅場は回避されました ありがとう!サンジェルマン!! 上田の悲鳴を聞きつけて駆けつけてきた彼方の、「いったい何があったんですか?」的な何も知らない純粋に心配してくる視線がちょっと痛かったが気にしない! ってか、彼方もざっくり切られていたはずなのだが、すでに傷は治癒していた 何という回復力、さすがサンジェルマン 「あぁ、いえ。彼方君がすでに何事もなく動けるくらいに回復しているのは、彼の片親の影響もありますね」 「人の心を読むのはやめてくれないか?サンジェルマン」 「以前、治療した時も、何かおかしいとは思ったのですが……なるほど、あぁ言う事でしたか」 人の話を聞け …ん? 待てよ? 「…今、「片親」って言ったな?…どう言う事だ?サンジェルマン。お前…穀雨兄弟妹の両親を、知っているのか?」 「正確な事は知りませんが…両親のどちらかが都市伝説である事は、把握しました」 「都市伝説…?」 それじゃあ あの、兄弟は 「…人間と都市伝説の、ハーフだと?」 「そう言う事になりますね。まぁ、二人とも問題なく人間ですが、多少、普通の人間とは違う面もありますね…少なくとも、彼方君の回復速度が速いのは、そのせいでしょう」 「吉静ちゃんも…何かしら、普通とは違う面が?」 「ある、かもしれませんね。今のところ、まだわかりませんが…」 …あぁ、そうか だからハンニバルに狙われたのか そう、上田は判断する あの男は、普通とは違う存在を、貴重な研究材料としてみているようだった そうならば、あの二人が狙われた理由も納得だ 「あの二人がハンニバルに狙われた理由は、あの二人がハンニバルが行っていた実験の被験者が生んだ子供だからでしょうけどね」 「だから、人の心を読むなと言うに…実験の被験者?」 「えぇ。「組織」にすら報告せず行っていた実験のようですがね」 サンジェルマンも詳しくは知らないようで、あっさりとした説明でしかなかったが …人間と都市伝説、その間に生まれた子供の研究 その為に、無理やりに人間と都市伝説の間に子供を造らせた、非人道的な実験 ……上田とて、聞いていて胸糞が悪くなってくる話だ あの兄妹は、そんな実験で生み出されてしまった存在だったのか 「……本当、胸糞悪くなる相手だな、ハンニバルは。かなり恨まれてるんじゃないか?」 「それはもう」 上田の言葉に、サンジェルマンは苦笑して、肩をすくめる 「「組織」内外から、相当恨まれてますね。強行派や過激派を焚きつけて、裏で動いている事もありましたし………まぁ、そろそろ、殺されるかもしれませんね」 「…死ぬのか?あれ。チートな強さの上に、傷が即座に再生してたぞ。お前が言うには、上半身ぶっ飛ばされても生きてたんだろ?」 「えぇ。「不死身の狂人」。どんなダメージからも即時再生する再生力が、彼の強さの一端ですからね……ただ、契約都市伝説さえ見抜くことができれば、あの再生力は対処のしようがあります」 「見抜ければ、だろ………ん?その言い方だと、サンジェルマン、お前、あの野郎の契約都市伝説、わかったのか?前は知らないって言ってたが」 「はい、あなたが彼と戦闘している場面を少しは見せていただいたので…」 …やれやれ、と サンジェルマンは、ため息をついた 「…なるほど。あの男が、元「教会」の異端審問官だったのも、納得です。確かに、それにふさわしい都市伝説かもしれません………狂気に走りさえしなければ、英雄の道も歩めたかもしれません」 …そして サンジェルマンが口にした、その都市伝説の名前に げ、と上田はあからさまに嫌そうな表情を浮かべた 「何、そのチート。ふざけてるの?」 「ふざけてますよねぇ。ただ、対処のしよう、あるでしょう?」 「いや、あるっちゃあるけど…」 ある、けど 「それ、再生力に関してだけだろ?剣術の腕は本人の腕前だし。どっちにしろチートレベルの化け物だろ」 ……… …………… 「…そう言えばそうですねぇ。まぁ、再生力を封じる手段がわかっただけ、マシでしょう」 「……あとは、また襲ってこないのを祈るだけ、ってか……」 …もう、二度とあれとは戦いたくない たとえ、対処法がわかっても もう、二度とあの化け物と遭遇しませんように そう祈りながら、喋り疲れたせいだろうか 上田は静かに、眠りについたのだった to be … ? 前ページ連載 - ハーメルンの笛吹き
https://w.atwiki.jp/legends/pages/2128.html
小ネタその5 頑張れ負けるな力の限り生きて……いや死んでるけど はじめまして、幽霊です 名前とかはありません お経とか念仏とか聖書の音読とかそういうのは効きません というか、そういう事をされて「そんなもの効かないよ」と言って脅かすのが仕事です 仕事というのはちょっと違うのですが、他にやる事も無いし役目として与えられているようなものなので仕事でもいいかもしれません もっとも、本当に仕事だとしたら営業成績は芳しくないどころか成果の一つも無いんですが 若いお兄さんを脅かそうとしたら「破ぁっ!」って消し飛ばされそうになりました 寺生まれならせめて先に念仏の一つも唱えてくれると嬉しいです 学校の先生を脅かそうとしたらガン無視されました その後にそっくりな人がコーラを持って追いかけてきて凄く怖かったです 美人のお姉さんに踏まれて喜んでるお兄さんは怖いので姿を見せるのは止めておきました お医者さんの女の人を脅かそうとしたらベッドに連れこまれそうになりました なんで幽霊を触れるんですかあの人 黒い服の人を脅かそうとしたら「大変そうですね」と喫茶店でお茶をご馳走になりました なんか成仏しそうです まだしませんけど この町で私みたいな都市伝説が生きていくのは大変なのかもしれません でももうちょっと頑張ってみようと思います 前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ
https://w.atwiki.jp/iliasion/pages/797.html
ep.527【都市伝説】明日誰かに話したくなる!都市伝説を多数紹介!【本当かもと思ってしまう噂】 放送内容 参加メンバー Tomo K-suke その他 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/legends/pages/612.html
上田明也の協奏曲Ⅸ~祭りの始末~ その報告は唐突だった。 「蟻の動きに妙な変化が出てきました。 わずかながら一つの場所に集まり始めています。」 罠か? だが近づいてみる価値はあるだろう。 「メルその場所に案内してくれ。」 俺はメルの案内に従って基地の奥へと歩を進めていた。 「マスター、一部の部屋で急に鼠の数が減っています。」 「え?」 「なにか巨大な都市伝説が発動したかと……。」 「え、何?じゃあ俺たち間に合わなかった?」 「そういうことになります……。」 「っつー……、どうするかな?」 どうやら俺たちは祭りの流れに取り残されてしまったようだ。 一旦足を止めて状況を確認しなおす。 まず真っ先に考えるべきなのは此処からの脱出か……。 「マスター、脱出しますか?」 「ああ、まずはそうだなあ。」 ゴボゴボ…… ん? ドバババババ! なんだこの音……? 「マスター!水!水が!!」 ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!! 「うぉわわわわわわわわわわ!!!!!」 廊下の向こう側から大量の水が押し寄せてくる。 そして残念ながら俺たちはあれに対応することはできない。 だが、あの量の水を正面から受ければ溺れる云々以前に骨が砕けるだろう。 ――――――――――――ならば。 蜻蛉切りを抜きはなって構える。 呼吸は驚くほど落ち着いていて、踊り狂う水の飛沫の一つ一つがこの目に捉えられる。 直撃を避ける為にやるべきことはただ一つ、この激流を叩き斬る! 「メル、俺の後ろに隠れていろ。」 「へ?」 「良いから速く!」 チャンスは一瞬。 蜻蛉切りを真っ直ぐに構えてその一瞬を待つ。 迫る激流。 まだだ まだだ まだ遠い 遠い 近い そこだ すぐだ ――――――今だ! ズバァン! 激流はまるでそこに岩でもあるかのように二つに別たれた。 「息は吸い終わったか?」 最後の確認。思い切りメルの腕を引く。 「え?ちょ!!いきなり何を、キャーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」 メルが絹を裂くような悲鳴を上げる。 ダブン、と俺とメルは激流の直撃を避けながらその中に身を任せていった。 さっきエレベーターが一つ有ったはず。 そこからなら水が溜まり次第プカプカと浮いて逃げられる筈だ。 そう思った次の瞬間だった。 シュルシュルシュル! メルの身体に髪が絡みつく。 新手の都市伝説か? しかしこの状況はチャンス。 俺も助けて貰おう。 グイグイと髪はすごい力で俺たちを引き上げる。 これはラッキーだったな、とか思っているとエレベーターの上の方へ俺たちは一気に飛び出ることができた。 ……ぽ~~~~ん!! 「…マ、マスター!空です!空が見えますよ!!」 「あぁ……どうやら、溺死はしないですんだようだな…」 辺りを見回す。 どうやら俺たちを助けてくれたのはこの黒服らしい。 だが何故か髪の毛は絡みつけられっぱなしである。 「ああ、済まない。そこの都市伝説っぽい人。 俺の"契約者"を話して貰えると助かる。」 とりあえず嘘を吐く。 しかしまあ互いが互いにとっての契約者ではあるし嘘ではないっちゃ嘘ではない。 「ああ、そうか。それは済まなかったね。敵の残党かと思ったんだ。」 「なんだ、あんたも計画の阻止の為に侵入していた口かい?」 「ああ、そうなんだよ。お互い苦労したらしいな。」 何故だろう、こいつとは始めてあった気がしない。 俺の性癖を正直に話しても共感してくれそうな気さえする……! 「あ、あの……そろそろ解放してくれると嬉しいんですけど……。」 顔を赤くしてメルが呟く。 まああんな縛られ方では当然だろう。 うっわ、やべぇエロス……、これご飯三杯楽勝だわ。 「まあとりあえずこの子は返すよ。」 無闇矢鱈と卑猥に縛られていたメルを解放して貰った。 「おお、ありがとう。ところで今の縛り方を見るに……、お兄さん中々行ける口だね?」 「ほぅ……、なんだ?お前もまさか……。」 「やはり仲間か。あんたとは旨い酒が飲めそうだよ。」 「ちなみに俺は小さい女の子だけじゃなくてショタもいけるぞ、勿論大人のお姉さんもバッチリだ。」 「ほっほう……、俺はロリ専だねえ。良いぞ良いぞ、笛吹と名乗っているんだ。 これは連絡先な。また会おうぜ!」 ポン、と携帯の番号とメルアドを渡す。 黒服なのに気分の良い奴も居た物だ。 これは組織の黒服に対する見方を改めないといけないのかもしれない。 トラックは戦いでぶっ壊れてしまったので、 俺たちは駅前に止めてあった白いベスパで郊外にある家まで帰ったのだった。 【上田明也の協奏曲Ⅸ~祭りの始末~】 前ページ次ページ連載 - ハーメルンの笛吹き
https://w.atwiki.jp/legends/pages/4317.html
赤マントと契約して6ヶ月・・・ いろいろな都市伝説と戦った・・・ メリーさんとか(なにあれ怖い) 花子さんとか(なにあれ恐い) Tさんとか(なにあれ強い) 怪人とか(なにあれやばい) まぁいろいろと戦ってきたわけだ・・・(Tさんのみは和解だが) でも、次の敵がこんなやばいのになるとは・・・ その日は寒かった 淀元町はいつも夏はあほみたいに暑いけど 冬はバカみたいに寒い・・・ でも・・・その日は特に寒かった・・・ ちょっと赤マントを折りたたんで 鞄に入れて移動してたときだ・・・(途中で都市伝説に遭遇したらヤバイからね!) そしたら赤マントが都市伝説を感じ取ったらしい 赤マントはマント系の都市伝説なら感じ取れるらしい で、そこに向かったわけだが・・・ そこにいたのは意外な物だった・・・ ~怪人赤マント~ 「そっちだ!そっちにいるぞ!」 こいつは赤マント黒いマントから助けてくれたやつだが うるさい・・・ 「あっちか!?右か?右だな!?」 んなこといってるのが俺 バカ、すげぇバカ で、こんなアホなやり取りしながら マント系都市伝説のところにいったんだ・・・ そしてついた・・・だが雰囲気が違う・・・ すごく寒い・・・いや・・・寒いじゃないな・・・ 血の気が引いてそこから逃げろ!!! そんな反応を体がしているのだろうな・・・ そして都市伝説には強気な赤マントも・・・ そのときだけは・・・脅えていた・・・ いや、震えていただけだが・・・ そんな感じがしたんだ・・・ で、奴は現れたんだよ 怪人赤マントが 「どうもこんにチは わたしの名前はマント売り あなたには赤いマントが似合いますよ 赤いマントを差し上げましょう」 「おあいにくですがもう赤マントはもってます!」 バキィ 「グハァッ!!!!」 その瞬間赤マント(仲間)が俺を殴り飛ばした そしてそこにいた怪人を見ることができた 赤いマントを着た赤いシルクハットを被った 人間が立っていた・・・ だが・・・そのあたりだけ・・・空気が違っていた・・・ 「おい!赤マント!早く合体を!」 「・・・」 「おい!」 「わたしを無視しないでくださいよ」 赤マント(怪人)がそういったかと思うと もう俺の目の前にいた・・・ 「!!!!糞っ!!!!」シュル!!!! 赤マント(怪人)に襲われる直前に赤マント(仲間)が俺と合体した 「オラァ!!!!」ドガァン マントで包んで強化した拳を赤マントに向けて放った 直撃はした・・・だが・・・相手にはダメージがなかった・・・ 「くっ!!!」 「だめですよ、そんなんじゃ」 ピン 俺兼赤マントはデコピンを食らった 壁にめり込んだ・・・何これ痛い・・・ そんなことを思っていると 赤マントが殴ってきた・・・かなり本気で・・・ メギャァァァア!!!! 「グハァ!!!」 内臓がつぶれたかのようなダメージを負った・・・ たぶん赤マントがギリギリで防いでくれたみたいだ・・・ じゃなきゃ俺の腹に穴が開いてる・・・ 俺にはわかる・・・ さらに赤マントは攻撃をしてくる・・・ 俺は赤マント(仲間)に包まれてダメージは少なかったが それでもダメージは大きかった・・・ 「グァ・・・」ドサ そしてついに倒れてしまった・・・ 「やっとですか・・・ふふふ・・・では、遠慮なく食事させていただきましょうか」 そういうと俺から赤マント(仲間)を引き剥がし 口から牙を見せた・・・吸血鬼のような牙を・・・ 「いただきます」 そう言った瞬間 赤マント(仲間)が赤マントの顔に覆いかぶさった 「残念だがこいつは俺の大事な契約者なんでねぇ!!! おめぇに食わせるわけには行かないぜ!元祖赤マント!!!」 元祖赤マント・・・ そもそもヒーロー赤マントは怪人赤マントから分布した もののひとつであり怪人赤マントも存在するのだ その赤マントのことを元祖赤マントと呼ぶ 「うざいですね消えなさい」 そういうと赤マント(仲間)は簡単にひっぺはがされて 無造作に投げ捨てられた 「グガッ」ドシャ 「赤マント!!」 「さて、いただきましょうか」 「う・・ぁ・・・」 「く・・・そぉ・・・」 もぉ・・・俺も・・・終わりか・・・ ・・・ ポン 「さて、そこまでにしてもらいましょうか」 「「「!?」」」 後ろには・・・背の低い女の子が立っていた 「なんですかあなたは・・・!!!ギギッ!!!!」 ブン 「うわぁぁぁぁあ!!!ゲフッ」ドガァン い、痛い・・・ 「なんデスかアなたハ・・・?」 「わたし?わたしは」 ズイ 「おい!逃げるぞ!」 「うぉ!赤マント!」 俺の顔の前に現れやがった 「ここは危険だ!はやく逃げろ!」 「く、わかったよ!!!」 タッタッタ 「ッチ セッカクのショくじのジャまをしてただデすむトオモワナいでくだサイヨ?」 「きなさいよ」 ドカァン!!!バキャァン!!!ドシャ!!! すごくいやな音がする・・・ 「さっきの子・・・大丈夫かな・・・」 「バカか!今は自分の命のことだけ考えろ!」 「・・・わかってる」 くそ・・・体が痛いぜ・・・ ドカァァァァァァァァァァァン 「「・・・」」 建物倒壊しながら人型のものが飛んでくるとか なにこれこわい 飛んできたのは・・・!!!赤マント!? 「ヤバイヤバイヤバイヤバイギギギギギギギギ」 なんだ?・・・焦ってる・・・? 「どうした?そんなもの?」 さっきの女の子・・・!!??なんだあの左腕・・・黒い・・・ 「まさか・・・あれは・・・」 「クソガァァァァァァア1!!!!!11!11!????????・?」 ビュン 「・・・もうあんたはだめみたいね」ガシ !?あのパンチを受け止めた!? 「もう終わり・・・死になさい」 「アァァァアァァアァァァァァァアァァァァァァ.. ァ」 バキベキィベリベリベリベリ・・・ ・・・なんだあれは・・・ 崩れている・・・? 「・・・そうか奴は・・・帰るぞ」 「え・・・でも・・・」 「いいから、帰るぞ」 「・・・わかった」 そして怪人赤マントとの戦いは終わったが・・・ いったいあの女の子はなんだったんだろうか・・・ この淀元町にはまだ謎が多い・・・ まぁ俺が謎に出会ったのはこいつと会ったころからだけどな・・・ 淀元町門真ビル裏道路に怪人赤マントと寄生固体と思われる 劣化赤マントを発見しました 怪人赤マントは殲滅しましたが 劣化赤マントは特に被害も出てないので 野放しにしましたがよろしいでしょうか・・・? ・・・はい、わかりました・・・放置ですね・・・はい、はい 了解 ピッ ~通信終了~ 前ページ次ページ連載 - 赤いマントのヒーロー
https://w.atwiki.jp/legends/pages/3702.html
プレダトリー・カウアード 日常編 10 ≪主よ、不思議に思っただろう? 聞きたかっただろう? 何故今主は『生』を持つのか。そもそもあの『光』は何なのか、聞きたかっただろう?≫ 「それは、もちろん……」 聞きたかった。けれど、その時間がなかった。 「あいつ」との闘いが始まってから、そして気絶するまで、そんな時間を割く余裕は、なかったのだ。 ≪今から話す。全てを話してやろう。主の姉よ、貴様から見て、主はどう見える?≫ 「いつもの愛らしい弟だな」 ≪そう。そうだ。そう『見える』。外見は全くの普通。誰も、親しい人間すら、そこに何の疑念も抱かない≫ けれど、そうじゃない。 僕には、分かる。あの時、あの吸血鬼と闘った時、僕の身体は「普通」ではなかった。 殴られても蹴られても、傷一つ残らない身体。 奇怪な光を取り込んで、その分だけ強くなる身体。 そんなものが「普通」のはずなんて、ない。 ≪主よ、そなたの考えは正しい。今の主は『人間』では、ない≫ 「――――何?」 姉ちゃんの眉が、僅かに動く。 「外見が人間。中身も今日の検査で不審な所など見つからなかった」 ≪で、あろうな≫ 「それで人間ではなく、貴様は一体なんだと言うつもりだ?」 ≪――――都市伝説だ≫ 再び、姉ちゃんの眉が僅かに動く。ただし、先ほどよりも少しだけはっきりと。 「都市伝説……?」 ≪そう、都市伝説だ。主の姉よ。今の主は『狩谷 優』という都市伝説だ。『口裂け女』や『吸血鬼』と同類のな≫ 「え? けど、そんなの――――」 ありえないと、そう思う。 都市伝説とは、とどのつまり「人に噂される者」だ。 口裂け女も、花子さんも、十三階段だってそう。 存在しないはずのもの。けれど人の話題の上でのみ存在できるもの。それが「都市伝説」だ。 その点で言えば、僕は違う。 僕は「存在する者」だ。そして「狩谷 優」は、その存在を「噂」される者ではない。 ≪確かに、そうだ。確かに、主は都市伝説としての『定義』には一見入らない≫ 「じゃあ……」 ≪しかし考えろ、頭を使え、我が主。では彼奴は何だ。『噂』をされ、そして尚且つ『存在』もした。彼奴は、あの吸血鬼は、何だ?≫ 「それ、は…………」 分からない。 都市伝説は「架空」だ。そこに「存在」は伴わない。 けれど、あの吸血鬼はそこに「在った」。嘘でも絵空事でもなく、一つの実体として。 ≪分かるか。分かるだろう。主よ、主の姉よ、都市伝説は確かに『存在』する。都市伝説はその身を『オモテ』に表す事ができる。 ある程度の『噂』を、或いは『信心』を手に入れた都市伝説は、その『義務』が与えられる≫ 「都市伝説は、実体化できる……?」 「ほう。だが貴様、今の話と、それで弟が『都市伝説』だなどという世迷言には関連がない」 「…………うん、だって僕は『架空』じゃないから」 都市伝説は実体として「在る」。 あの吸血鬼の事も含め、それはもう間違いないのだろう。 けれど、それでもまだ問題がある。 先ほどの「声」の口ぶりを見る限り、都市伝説が「存在」を勝ち得るためには、ある程度の「噂」をされる必要があるらしい。 十人か、百人か、千人か、或いはもっと。 具体的な数は分からないけれど、少なくともそれなりの頻度で話題に上るくらいの知名度はなければならないはずだ。 そして、僕は存在していると同時に、そんな噂を惹きつける程の名前も、持たない。 ≪都市伝説が顕現する際に必要な『力』を、我は『マナ』と呼んでいる≫ 僕の疑問に答えず、「声」は話を進める。 ≪都市伝説の存在は『マナ』に依存し、それは絶えず『噂』をする、或いは『信心』を持つ人間から無意識の内に供給される≫ ……それでは、僕も何らかの都市伝説の「生」に関わっているのだろうか。 人狼、UFO、ネッシー、トイレの花子さんに、そして――――吸血鬼。 それら都市伝説の存在に、僕も多少なりとも関与しているの……だろうか。 ≪『マナ』の供給が途絶えた時、即ち誰の口上にも上らず、誰の心にも浮ばなくなった時、都市伝説はその存在を消滅させる≫ そして、と「声」は、無機質な「声」は、続ける。 ≪――その『マナ』は、我には『青い光』として認識される≫ ――――まさか。 ≪そう。分かっただろう。理解しただろう。『ソレ』だ。主が吸血鬼から剥ぎ取り、そして内へと取り込んだ『ソレ』が『マナ』だ≫ 「…………けど」 ≪分からぬか。分かるだろう。我が主よ。確かに『狩谷 優』などという都市伝説はこの世のどこにも存在しない。 だが、その『都市伝説』としての存在の源を、『マナ』を、『本物』の都市伝説から奪い去る事なら、できる。 奪い、喰らい、消化して、『狩谷 優』の、全く存在しない都市伝説の糧とすることなら、出来るのだ≫ 「――――ほう。それで? 理屈は理解できなくもない。だがそれを『行える』貴様は何だ?」 都市伝説からの「マナ」の剥奪。 それは人に即して言えば、人の「魂」だけを抜き取る事と同じ所業だ。 ただの人間が人間に。都市伝説が都市伝説に実行し得るものでは、ない。 そんな事が出来るのは神か、それとも悪魔か。 ≪我に名はない。我は単一である。我は集合である。そこに名などは存在しない≫ ――――しかし、と名も無き「声」は、言葉を進める。 ≪時折呼んだ。人は呼んだ。我を、名を持たぬ我を、こう呼んだ――――≫ 吸って、吐いて、「声」は宣ふ。 己の名を、恐怖と共に飾られてきたその名を、宣言する。 ≪――――『対抗都市伝説』と≫ 【Continued...】 前ページ次ページ連載 - プレダトリー・カウアード
https://w.atwiki.jp/legends/pages/952.html
―第36章 未だ覚めぬ≪夢≫― ここは自室の地下室。俺は≪夢の国≫とのやり取りを振り返っていた。俺達が≪夢の国≫のチートっぷりを身を以て体感させられてから2~3日が経過した。だが、その余韻は未だ抜け切っていない。 「……はっきり言って強すぎる。どうすれば≪夢の国≫を倒せる?」 あの時は戦いこそはしなかったが、圧倒的な力の差にただ逃げ回るのみだった。まず厄介なのがあの沢山の着ぐるみ達だろう。たぶん光にしたところで復活、若しくは新たに召喚するだろう。 それにあの黒いパレード。飲み込まれたら確実にヤバい事になるのは大体分かる。ただし、当たらなければどうという事はないだろう。 そういえば、≪夢の国≫の中には今までに捕われた人や都市伝説が多く存在するという。ならば― 「ディバイディングブレードか…」 確かに、ディバイディングブレードなら捕われた人や契約者、都市伝説を分離させることが出来るだろう。ただ、捕われた人々はどうなっているのか分からない。また、助け出したとしてその後はどうなる?運が良くても大怪我、最悪≪夢の国≫で一生住人として暮らす羽目に… 流石にそういう事態だけは避けたい。≪夢の国≫なんかに捕われてたまるものか。 それに「≪夢の国≫では人は死なない」というのも、かなり厄介だ。どうすれば奴を倒せるのか。それが分からない今、下手に手を出すべきではない。 「それに…」 やはり『組織』の中に≪夢の国≫の黒服が混じっていたか。そのお陰で今『組織』は弱体化してしまっている。黒服さんと禿さんは多分≪夢の国≫側ではないだろう。それよりも― 「黒服さんが面白い事になってるな…」 マッドガッサーによる性転換、か。噂によるとナイスバディな女性、だそうだ。 俺の持つPDAは月読とシンクロする事で、自宅の地下にある奴ほどではないが様々な情報を引っ張り出せる。 「一部では大人気だな…それと、将門公の方も動きを見せてきたか…」 「首塚」組織の方も徐々にではあるが活動を活発化させてきている。近いうちに『組織』vs.「首塚」組織の決戦の火蓋が切って落とされそうだな。 この戦いに関しては俺は傍観させてもらう事としよう。ただし、やられたら『組織』だろうが「首塚」だろうがやり返させてもらう。 その結果、『組織』に狙われようが、「首塚」に目をつけられようが構わない。逆に返り討ちにしてやる。ただし禿、お前だけは勘弁な? ……よし、とりあえずもう寝よう。今後のことはとりあえずゆっくり考えよう。 そう思い、地下室を後にする俺だった……が― 「あ……れ………?」バタッ ―どうやら俺はかなり疲れているのかもしれない。何とか地下室の階段を昇りきった所で力尽きる。一体俺はどうしてしまったのか? 「……大丈夫ですか?」 どこかで聴いたような声の感じ…女の声?あ…あなたは……一体……… ―待て!次回!!― 前ページ次ページ連載 - 結界都市『東京』
https://w.atwiki.jp/legends/pages/800.html
黒服Hと呪われた歌の契約者 14 世の中には、「運命の出会い」と言うものがあるそうです しかし、その「運命」と言うものを信じない方もいらっしゃるでしょう えぇ、いいのです、だって、信じるものは人それぞれですもの ただ、私は、運命というものを信じております 強く、強く、信じております …だって、私は、あの方に会う事ができたのですから だから、私は運命を信じておりますし 出会う事が出来たあの方の為に、少しでも力になりたいと願うのです 私はかつて、とある都市伝説によって捕らえられておりましたの とても口には出せぬ扱いを受け、その内、どこか、遠く離れた国へと、売り飛ばされようとしておりました 私の他にも、何名かの女性が囚われておりました 皆、私と同じ扱いを受け、いつかは売り飛ばされる運命だったでしょう ………しかし、そこに あの方が、助けにきてくださったのです 私たちが囚われていた部屋の扉をこじ開け、私たちに手を差し伸べてくださりました そうあの時は……あの方の髪が伸び続けていましたのが、とても印象的でしたわ 他の皆様は、あの方を怖がっておりました …気持ちは、わかります 皆、私たちを捕らえた男性に、それはもう、酷い目に合わされておりました 私を含めて皆、随分と辱められたものでございます ですから、皆様、男性だと言うだけで酷く怖がりました …しかし、私には 私たちを助けにきてくださったあの方が、まるで、勇者か王子様のように見えたのです あの時、私以外に助けられた方々が、どうなったのか、私にはわかりません 他の方々は、都市伝説とは契約なさってなかったようですので…恐らくは、記憶を消されて、普通の生活にお戻りになられたのでしょうね しかし、私は違いました 私は、都市伝説と契約しておりましたので……そのまま、「組織」に所属させていただく事になりましたの 嬉しい事に、私の担当になってくださったのは、あの方 それを知った時は私、もう、天にも登る気持ちでしたわ 今でも、あの方は私の担当でいてくださっております もう一人、可愛らしいお嬢さんのことも担当なさっておりまして、そちらの事ばかり気にかけていらっしゃるようで…少し、寂しいですけれども でも、平気なんですの 放置される事もまた、プレイの一環 私、甘んじてそれを受けますわ ……そう、私に、とって あの方は、この世でたった一人の、大切な方ですの 私にとっての、勇者様 私にとっての、白馬の王子様ですの ですから、私…あの方の為ならば、なんだってしてみせますわ かつては怖かった、私が契約した都市伝説の力 でも、もう怖くありませんわ あの方の為でしたら、私、いくらでもこの歌を歌いましょう あの方のお力になれるのでしたら、この身が血で汚れても構いません あの方が、何を考えているのか 「組織」をどうなさろうとしているのか そんな事は、些細な事でございます ただ、私はあの方の力になりたい、あの方の為になりたい …ただ、それだけなのでございます fin 前ページ次ページ連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者
https://w.atwiki.jp/legends/pages/4209.html
《人面犬》 ぼくの父親は厳格な人だった。 悪いことをした日にはすぐに拳骨が飛んできたものだ。 ただ、悪いことであっても父親のルールに抵触しなければ咎められることはなかった。 いじめられっ子を庇い、いじめる同級生を病院送りにした時は、やりすぎだと前置きがあった上で良くやったと褒められたこともある。 曲がったことが大嫌いな人だったのだろう。 そんな父親を尊敬していたし、誇りにも思っていた。 母親に酌をしてもらいながらの晩酌が唯一の楽しみだと、珍しく酔った父親が当時高校生のぼくにしみじみと呟いたことがある。 当時遅れた反抗期を迎えていたぼくは聞き流していたが。 そんな父親が、今、ぼくの目の前にいる。 息子との対面は別に珍しくもなんともない。――脳溢血で死んだはずの父親でなければだ。 正確には父親の顔をした犬がいる。 こんな都市伝説が確か居たような気もするが、あれは何て名前だったろうか。 犬は父親の声で喋る。 皆に変わりはないか。 母さんは元気でやっているか。 困ったことはないか。 それ以上喋るな。 それ以上、父親の顔で口調で声色で。 喋るな。 父親が死んだ今、未熟ながらもあの家の家長はぼくだ。 大した格式を持つわけでもないが、あの家を守るのは男であるぼくの役目だ。 お前は脳溢血で死んだことになっているんだ。 再びぼくらの前に顔を出すな。 そうして、ぼくは鉄パイプを振り上げる。 父親の顔をした犬に向かって。 仮にも父親の顔を持つ犬へと。 悲哀と畏敬と後悔と、一握りの殺意を込めて。 今度こそ、生き返らないようにと。 もう一度、父親へと振り下ろす。 ぐちゃり 前ページ次ページ連載 - ぼくの物語
https://w.atwiki.jp/legends/pages/1964.html
この国は無防備だ 平和ボケした国民が大半を占めるこの国は、あまりにも無防備で だからこそ、都市伝説にも狙われやすい この日もまた、UFOの大軍が、このちっぽけな島国に大挙して押し寄せようとしていた 「---視覚結界設置、完了しました」 「あぁ」 「組織」上層部のとある黒服 彼は、押し寄せてくるUFOの団体を双眼鏡で眺めながら…こっそりと、同情していた きっと、自分達ならば楽勝でこの国を占拠できると思っていることだろう 可哀想に 「さて、後は経過を見守るだけだな」 「…よろしいのですか。本当に、我々が手出ししなくても」 「今回、「組織」がすべき事は、現れる都市伝説達が一般人に目撃されないよう、視覚的な結界を張ることだけだ」 海上を飛んでくるUFO達 -----ぼこぼこと、海が泡立ち始めた 来たか 「…あいつら、海外産だとしたら、知らんのかねぇ」 深々と、黒服はため息をつく ぼこぼこぼこぼこ、泡立つ海面 直後、海から発射された放射火炎が、UFOを一機、打ち落とした UFO達の隊列が乱れる 一機を打ち落とした放射火炎はそれだけでは満足せず、次々とUFOを撃ち落していく 反撃するようにUFO達が光線を放っているが、海の中にいるあいつには届きはしないだろうし…届いたとしても、効果はあるまい ぼこぼこぼこぼこぼこぼこぼこ 海面の泡が更に激しく、大きくなって そして、それは姿を現した 漆黒の体、とげとげしい背びれ、長い長い尻尾 ゴツゴツとした肌、鋭い牙 …日本人ならば、知らぬ者がいるはずのない、それが 海外でもよく知られている、それが 怪獣王の姿が、海から出現した 天に向かって、吼える怪獣王 UFO達が光線で攻撃するが、それを受けても涼しい顔をしている じろり その巨大な目が、UFO達を睨んだ 「わかってないな。連中。手を出したらそこまでだ。お前らの人生終了だな」 「都市伝説でも人生と言うのでしょうか?」 んな事は知らん 部下のツッコミを無視して、その黒服は暴れ始めた怪獣王を見つめていた いつ見ても、惚れ惚れとする暴れっぷりだ その巨大な口から吐き出される放射火炎が、長い尻尾での一撃が、次々とUFO達を撃ち落していく …とある、ハリウッドの映画監督は、自分が作成した、宇宙人が地球を侵略する映画の裏話として、こんな趣旨の事を語ったそうだ 「日本にはゴ○ラがいるし、日本は怪獣や侵略者と戦いなれている。だから、被害はほとんど出ていないんだよ」 と その発言が真実であるかどうかはわからない 真実であったとしても、日本からの取材に対する、リップサービス的な発言だろう だがしかし、日本の特撮映画は海外でも人気である その特撮映画の中で、日本ばかりが怪獣や侵略者に襲われ、それを撃退せんと戦っているシーンが多いのは事実 そして、映画監督の発言がネット上で語られて……それは、都市伝説となる 「日本が怪獣や宇宙からの侵略者に襲われても、日本ならばどうにかなる」 怪獣王によって、UFO達は全滅した あの怪獣王は、この国を自分の縄張りであると認識しているらしい 縄張りに入り込んだ蝿を全て叩き落し満足したのか……ゆっくりと、海の中に戻っていっている 夕日をバックにしたその様子は、怪獣映画のラストさながらだ 「…いやぁ、いつ見ても素晴らしい戦いだった」 ふぅ 黒服は、眼福な様子の笑みを浮かべた 映画のような戦いを、双眼鏡ごしとは言え、生で見られる いやぁ、日本の本部勤めで良かった良かった これが、アメリカ支部とか南米支部勤めでは、こうはいかない 「…怪獣王に任せなくても、「組織」の力を持ってすれば、あのUFO集団、どうにかなったのでは」 「この国には最強の怪獣王がいるんだぞ!その活躍の機会を逃させてどうする!!」 さて、今回も戦いの映像は記録したし 後でまた、じっくり楽しむとしようか 国の危機を前にして、怪獣王の戦いを優先させていた上司のそんな様子に 部下は呆れたように、深々とため息をついたのだった 続く予定なんざないので終わる 「単発もの」に戻る ページ最上部へ