約 1,141,778 件
https://w.atwiki.jp/veorubu200/pages/15.html
これからお休みの方もお目覚めの方もおはようございます。 この日のためだけに恋人を作っているあなたも、PETが恋人といっているあなたもいよいよ[クリスマス]です。 今年こそはいいクリスマスにしたいと思っているあなた!思ってるだけじゃだめですy つかみに行かないとぉおーー ぅううー ゲッチュー 本当に大切なものは待っていたら手に入らない Byさっちん芭蕉 ・狩場・・・武闘会オンリー ・特技・・ゴーレム操作で木の陰からこっそりと操作 ・趣味・・ワイン(マビのワイン ・欲しい物・・・1.弓がつよくなるフル装備 2.カニクリームコロッケ 3.お金 4.お城! 5.おいしい食べ物 6.ウーロン茶 7.君の笑顔 最近起きたサプライズ・・・レインって雷雨じゃなくてもタゲの捜索範囲縮小するんだ・ ・一言・・ぁーねむたい http //ameblo.jp/veorubu2000/ 出没場所・・・9chのタラ 持っている最高高額品・・・シナジーマグマボルケーノかグロリアスハイロン 目標・・・みんなが仲良くなれますように!
https://w.atwiki.jp/kopikopipe/pages/127.html
そんな事よりさ、今さっきローソンに行ったんだけどさ、 レジで三井住友VISAカードを出したらバイトの店員が慌てて 「これは三井住友VISAカード!しょ、少々お待ちください! 只今オーナーを呼び付けます!」 って電話をかけだしたんだよ。すると5分もしない内にオーナーと 店長とエリアマネージャーが駆けつけるなり俺の目の前にひれ伏して 「高い地位と身分を証明するステータスカードである 三井住友VISAカードをお持ちのお客様に御来店頂けるとは光栄です」 って汚い床に額を擦りつけてもてなされたよ。 店内の他の客も 「マジかよ!三井住友VISAカードなんて凄いよな!」 って大騒ぎ。俺の後ろで自慢気にアメックスセンチュリオンを出して 並んでたオヤジも顔を赤くして恥ずかしそうに財布にコッソリ 戻してたよ。 店の奥に通されて高級ブランデーまで出された。 高級菓子の詰まった菓子折り持たされて帰りはリムジンで家まで 送ってくて最高だったよ。 改めて三井住友VISAのステータスを実感したよ。 ホントどえらいカードだよ。
https://w.atwiki.jp/sindame/pages/452.html
WIKIWIKI*へお引越ししました。お引越し先は http //wikiwiki.jp/yume2kki-t/ です。
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/275.html
流星の決意 136 アイビスは目の前の青年について思考していた。この状況下でよくこんな冷静になれるものだと感心し、見習うべきだなぁと一人苦笑する。 (だから私はダメなんだな…) 過去…もう取り戻せないかも知れない生活。辛いこともたくさんあったけれどそれ以上に充足していた。ツグミ…スレイ…そして… 「フィリオ…」 思わず口にしてしまったことの気恥ずかしさからかうつむいてしまう。もう、あの人はいないというのに。聞こえ…ちゃった? 「フィリオ?…そっか、アイビスさんにもいるんだよな、大事な人が」 ばっちり聞かれていた。照れのためか少し棘のある口調。 「…あんたには関係ないよ。そんなんじゃないんだからね、あの人は。それから”さん”はいらないよ。ジョシュアさんのが年上でしょ?多分」 「いや、俺は老けて見えるらしいからね。」 実際の年齢を聞いてみたところ。 驚いた。まさか年下なんて…!この青年は一体どんな生活をしてきたのだ? 「まあ人より苦労はしてきたって自覚はあるかな。それでもこの性格は生まれつきだろうけどね」 そういって笑うその顔には、なるほど少年の面影も残っている。 「それより俺はさっきの人のことが気になるな。話しちゃくれないのかい?」 「え…そんないきなり蒸し返さないでよ。」 相手が年下とわかったからか幾分物腰が柔らかくなった。だからといっていきなりこんなに突っ込んだ質問をされても答えようがないだろう。その旨を伝える。 「まぁそれもそうだな。いきなり聞いて悪かったよ。すまなかったな」 沈黙が二人を包む。両方とも無言のまま食事を口へ運ぶ。 (うーん…なんか気まずくなっちゃったなぁ…) 年長者なのだから、という思いから会話のネタを探すアイビス。 (ツグミ達とは何話してたっけ?…甘いもの…とか食べそうに見えないしぃ…うむむ) あっそうだ! 「「あのさ…」」 タイミングばっちり…あっちゃー。 「そっちからどうぞ。俺のはあとでいい」 「あ…んじゃ。さっきあんなこと言っちゃったけど…その、ジョシュアにはさ、いたりする?…大切な、人ってのはさ」 うーん、先を譲ってもらったのにイマイチすぎるよう…えーん。 「…うん、実は俺もそれを話そうと思ってたんだ」 …へ?意外な答えにこけちゃいそうになったんだけど? 「早めに言っておこうと考えてたんだけどな。…その、俺の大切な人ってのが、ここにいる。プレイヤーとして」 「ちょ、ちょっと待ってよ、それって…そんなことって、ない…」 「でも事実だ。そしておれはラキを助ける。それは知っててほしかった。だから話した。 ラキ…グラキエースっていうんだ。水色の髪をしていてな、多少…うん多少ずれた性格を…」 「ちょっと待ってよ!なんでそんな冷静にあたしに話せるの!?」 アイビスには信じられなかった。もしこの場にツグミ達も呼ばれていたらと考えると…ぞっとする。 「今話しておかないといつになるか分からなかった。すぐに探しに行くつもりだったからな。アイビスにも付き合ってもらうつもりだ」 「そんなのあたしなんかが聞いていい話じゃないよ。ジョシュアには付き合うけどさ」 「聞いてくれ。このゲーム…やる気になっている者も少なくないだろう。 そうじゃなくてもさっきのアイビスみたいに襲われる前にやってしまえば、なんてのもいるさ」 「あ…ごめん。あたし…なんてこと…」 「ん…過ぎたことだ。気にするなよ。それよりこれからだ、大事なのは。 これから先、どうしても他のプレイヤーと接触する必要がある。もしやる気の奴等に会えば無傷ではすまないだろう。 …最悪、ってのもある。だから俺に何かあったとき、ラキに伝えて欲しい。俺は…」 「はいストーップ、そこから先は、ジョシュアが自分で、だよ」 「…ありがとう。そうだよな、いきなりこんなこと頼むなんて俺もどうかしてたよ。それじゃあ早いところ探しに行きたいんだけど?」 「OK。行きましょうか。あのさ最後に一つだけ聞いていい?その人との馴れ初め…とか」 「それは話すと長くなるんだけどな。ふふ、最初はな、敵同士だったんだ。だけどまぁ色々あって…そういうこと。んじゃ今度こそ行くか」 そう言うとジョシュアは立ち上がり機体の方へ歩いていった。 「敵同士…だった…でも今は…」 脳裏に浮かぶかつての仲間、現在の…敵? (ううん違う。やっぱり今でも私の仲間だよ、スレイ…) ナンバー1。超えるべき壁。…あの人の、妹…彼女、スレイ・プレスティ。 (必ず帰る。だからもう一度一緒に夢を見よう?) 彼女ならこのゲーム、何をしてでも勝ち抜こうとするだろう。 しかしアイビスはそんな風に割り切ることは出来なかった。 ジョシュア達と共に…このゲームから、脱出する。まだ方法も何もわからない。だけどこれだけはわかる。 あたしは人を犠牲にして生き残るなんて、そんなことは出来ない。 (スレイ…きっと馬鹿にするだろうな。やはりお前は甘いな、負け犬め!…なんて) それでもあたしはいい。きっと生きて帰って誤解を解いてみせる。 アイビスは新たな決意を胸に立ち上がった。 【ジョシュア・ラドクリフ 搭乗機体:ヒメ・ブレン(ブレンパワード) パイロット状況:良好 機体状況:ブレンバー等武装未所持。手ぶら。機体は無傷。 現在位置:B-3 第一行動方針:ラキを探す 最終行動方針:ゲームから脱出】 【アイビス・ダグラス 搭乗機体:クインシィ・グランチャー (ブレンパワード) パイロット状況:良好 機体状況:無傷。 現在位置:B-3 第一行動方針:ジョシュアについていく 最終行動方針:元の世界へ帰る】 【時刻:13 50】 本編― ―
https://w.atwiki.jp/swxsp/pages/118.html
「彼と彼女の外道な日常。」 月夜の綺麗な夜のこと。人里から遠い、湖に囲まれた豪邸。 カツン、カツン 鋭いヒールの音が静まりかえった邸内に響き渡る。 紫色の髪に猫耳、赤いドレスを着た女。彼女の名はキルキル。 他人の不幸から甘い蜜を作り出すことのできる能力者。 その能力を使い、様々な人間を貶めて蜜集めをしている。 「あの人はどこへ行ったのかしら…」 邸内に人の気配はなく静まり返っている。 周りを見渡しながら顔をしかめる。 「汚いわね…嫌になるわ。」 床に横たわる死体、血がついた壁。 そう、生きている人間の気配は…ない。 グサッ ある一室で鈍い音が聞こえてきた。 部屋に入ると月光に照らされた白髪の長髪の男の姿がそこにあった。 窓は割れ、壊れた家具が散らばる荒れ果てた部屋に佇む一人の男。 「終わったかしら?」 「えぇ、今終わらせたところです。」 クックックと不気味に笑う青白い顔の男。彼の名前はネスリミッジ。 人を裏切り、他人の不幸を見て楽しむのが趣味。 キルキルとは数ヶ月ほど前に出会い、利益が同じの仕事仲間として手を組んでいる。 しかし、お互い相手は信用していない。利用できるかできないか、それだけの相手。 「殺すのに手間がかかったのかしら?随分遅かったわね。 どうせ貴方のことだから遊んでいたのでしょうけど。」 ネスリミッジが今しがた殺した相手を見ると、一突きで殺されたとは思えない傷の数だった。 また甘い言葉で囁き希望をちらつかせ、絶望に突き落としたのだろう。彼がよく使う手段だ。 まぁ、そのほうが蜜も甘く美味しくなるから好都合なのだけど。 胸元から小瓶を出し、溜まった蜜を確認する。 「ククッ…蜜は程よい甘さになったようですねぇ。」 それでは行きましょうか、とネスリミッジは部屋を出ようとしたが、キルキルは動かなかった。 部屋の隅に置かれた古びた鏡台に何か惹かれ目を離すことができなかった。 …なんなの、この鏡。私は古ぼけて曇ったこの鏡のどこに惹かれたのかしら。 「キルキルさん?その鏡がどうかしましたか?」 「なんでもないわ。ただ少し気になっただけよ。行きましょ…」 突然鏡から眩しい光が放たれ、2人は目が眩みしばらく動くことができなかった。 徐々に目に色が戻り、警戒しながらゆっくりと目を開ける。 そこには先程の荒れ果てた部屋とは思えない整えられた部屋の光景があった。 部屋の作りは先ほどの荒れ果てた部屋と変わらないところを見ると、同じ部屋だろう。 突然の出来事に少し言葉を詰まらせていると、ネスリミッジが言った。 「ここは先程の部屋ですね。しかし私達がいた時代より何年も前の、ですが。」 カウンターの上の小さな卓上カレンダーを手に取りながら冷静に景色を見ている。 部屋の中央に置かれたベッドはシーツにしわひとつなく綺麗に敷かれている。 机の上には飲みかけのグラス。先程まで人が使っていたかのような。 だが、人の気配はしない。開け放たれた窓から鳥の鳴き声だけがやけに聞こえてきた。 「つまらない場所ね。戻りましょ。また鏡を見ていたら戻れるかもしれないわ。」 キルキルは冷めた様子で後ろ振り返った。が、そこに鏡台はなかった。 数年前はこの場所にあの鏡台はなかったのだろうか。 「これはこれは。すぐに戻ることは困難のようですね。」 「本当、つまらない場所ね。」 キルキルはもう一度、吐き捨てるように言った。 しばらく邸内を歩き回ったが、人の姿はおろか、動物一匹見かけなかった。 外から鳥の声は聞こえるが、姿は見えない。まるで音だけがしているかのようだった。 部屋を一つ一つ調べ、鏡台を探す。そして次の部屋へ。繰り返しの作業が続いた。 「本当にこの屋敷に置いてあるのかしら。」 うんざりした様子でガチャッとドアを開けると、そこには小さな女の子が泣いていた。 少女の前に胸から血を流し横たわる女性。少女と髪色が似ているところを見ると母親だろう。 銃で胸部を数発撃たれて死んだようだ。まだ死んでから時間は経っていない。 少女が2人に気づき顔を泣きながら見上げる。 「お姉さんたち…ぐすっ…さっきの人のなかま…?」 「さっきの?さぁ、私達をそこら辺の人達と一緒にしないで頂戴。」 「ひぐっ…お母さん殺されちゃったよぉ!お母さんを返してよぉ!」 少女は泣きながら母親だったものにしがみついた。 すると、ネスリミッジが少女の前に行き、怪しげに言った。 「貴女は、お母さんに会いたいですか?」 「会いたい!お母さん生き返―――」 希望の表情を見せた少女の言葉は最後まで続かなかった。 なぜならその時にはすでに首と体は別々になっていたから。 少女の首は絨毯の上を転がり、部屋の隅で止まった。 「これで母親に会えますねぇ…めでたしめでたし、です。」 「ちょっと、血が飛んできたらどうするのよ。」 「ククッ…すみません…。私の好きな悲鳴ではなかったので少々耳障りでしたので…。 それに、大切な物を失った絶望は死で癒すしかないでしょう?」 「…そうね。」 ふと、首の転がった先を見ると、そこには先程の鏡台があった。 手入れが施されピカピカの新品同様だったが、間違いなくあの鏡台だ。 「少女がお礼に教えてくれたのでしょうかねぇ…クックック。」 「そうかしら。どうでもいいわ。さっさと行きましょう。」 2人は鏡台の前に立ち、鏡を見つめた。先程と同じ光が放たれ、あたりは白に包まれる。 目を開けるとそこは廃墟と化した一室だった。 「戻って来れたようね。一体なんだったのかしら。」 「先程の少女の思念、だったのかもしれませんねぇ…。」 部屋には白骨化した大人の骨と子供の骨。さっきの親子のものだ。 きっと少女はあのまま母親から離れず餓死したのだろう。 少女の母親への想いがあの鏡を通し、2人を過去に連れていった。 今もきっと成仏できずにこの屋敷をさまよっている。 「貴方の顔って本当に青白いわね。」 「クックック…何を今さら。」 「さっき鏡を見て思っただけよ。本当に気持ちが悪いわ。」 「では、行きましょうか。次の予定もありますから。」 2人はいつもと変わらぬ様子で屋敷を後にした。 この後の予定はディナーを食べながら鑑賞会。 幸福だった者が絶望の底に落ちる様子を鑑賞しながらの食事。 彼らは今日も蜜を集める。甘い不幸の蜜を。 ~お借りしました~ キルキルちゃん (ぽて宅) なんだかグダグダになってしまった感がYABEEEEE!!!w とりあえず、あれ、完全に仕事の2人を書きたかった! まぁ、例の場所ではどうなっていることやら…///フフリ キルキルちゃん大好きすぎて!(*^ω^*) ネスリミッジは一体いくつなのか!そこが問題だ! きっともう█████████ぐらいはいってるんじゃないかな← またお借りしたい!ヾ(*・ω・)ノってか借りるに決まってる!(笑)
https://w.atwiki.jp/akisuteno/pages/44.html
嘆きの森 私は一人、よく分からないこの状況で、自問自答を繰り返した。 「……なんでこんなところにいるんだろう………」 皆と楽しく暮らしていた雛見沢はどこにいったの? 私達がなにかいけない事でもしたの? ……いや……そんな事があるはずない。 いつもみたいに皆とふざけて遊んでた。 部活の罰ゲームで圭一君が魅ぃちゃんの水着を着て……… そんな…………いつもと変わらない日常だったのに……… 「圭一くん………どこ……」 みんなに会いたい。 楽しくて、信じあえる、大好きなみんなに…………… レナは…… 「……私はいったい……」 怖い……怖い…… こんなどこだかわからない場所で死にたくない。 もし誰かが襲ってきたらどうすれば… ……もしも私が死んだらどうなるの?全部元に戻るのかな? …………そうだよ……全部悪い夢なんだ… きっと疲れてるんだ。……全部夢なんだよ…… 誰かに殺されちゃうのが………………一番いい……… ……………だけど………… ……………私の体中の全神経が………… ……………私を暗黒へと引きずり戻す…………… 「……何を考えてるの!?竜宮レナ!」 「こんなのは夢じゃない!全部現実なんだ!」 あの場所にいた女の人も、他の人も……全部本物なんだ。 だから、いくら自分の頬をつねっても目が覚めないんじゃない……! そうでも…………そうでもなければ………… あの人が私の……………名前を知ってるわけ…………… ………………竜宮礼奈なんて…………呼ぶ筈がない…… ……………もう忘れよう…………… 今考えなくちゃいけないのは、これからどうするかだ。 これは殺人をしろというゲーム……誰かが殺しに来るかもしれないんだ。 その時はどうしたら……… 私は普通の女の子…なにかスポーツをしてるわけでもない。 体力や力比べで勝てるわけがない。 「……………そういえば……………」 私は思い出した。 すぐそばに置いてあるバック。 突然渡されたその中にはいろいろ入ってると聞いた。 …………こんな物に……頼らなきゃいけないなんて………… 私はこんな自分を嘆いていた。 いざという時に何もできない、役に立たない自分。 そんな私が頼るのが、連れてきた奴らに渡されたこのバック。 私は何も考えずに中を見ることにした。 そして一番初めに見てしまったのが…………… 「イ、イヤアアアアアアアアアアアアア!!!!」 血濡れの鋸……だった。 「なんで!?なんでこんなのが!!?」 暴走した感情を抑え込もうと必死に理性を働かせたけど、全然ダメだった。 「どうして!なんでこんなに血がついてるの!?」 ただの鋸ならそんなに驚かなかったと思う。 でもこれには、今付いたとしか言いようのない…… 真新しい血液が……バックの中に充満していた。 その時だった。 奥の方から、人の走ってくる………… 雑草をかき分けてやってくる音が聞こえてきた。 なんでここに!?まさかさっきの叫び声で!? ダメだ!落ち着かないと! クールに……クールになれ竜宮レナ!ならないと死んじゃうかもしれないんだ! まだ距離はあったが、音は一直線にこっちに向かってきた。 私はすぐにさっきの鋸を手に取った。 つかむ場所すら血まみれだった。 でも今は!こっちに気を配らないと! 完全にパニックになっていた。 今来ている奴は敵なんだと……本当にそう思っていた。 足音がすぐ近くになってきた。 私は気配を殺し、鋸に力を入れ、相手が来るのを待った。 そして相手が対面の木々に立ち止った。 休んでるの?………………なら今しか! 暗くて相手は見えなかったけど、どうでもいい! チャンスは今しかなかった! 相手はまた走り出した。 相手が自分の隠れる木を通った。 その瞬間!私は相手の首に鋸をひっかけ…… 力任せに鋸を引っ張った! プシャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!! 凄まじい音と共に血が吹き荒れた。 体が返り血で真っ赤になった…………… 相手はそのまま地面に向かって倒れた。 …………助かったんだ………… 本当にそう思っていた。 私は無意識に死体に目をやってしまった。 そして倒れた相手を見て、私は取り返しのつかない事をしたと直感した。 「ああっ!!そんな!そんな!」 殺した相手は小学生だった。 それに女の子……沙都子ちゃんや梨花ちゃんよりも年下に見えた。 どう……………して…………… 「バカだ……バカだ…バカだ…私のバカ!!」 なんてことを!どうして走ってきただけの子供を殺したりなんか!! あの叫び声を心配して来てくれただけかもしれないのに……! 「ゴメンナサイ!ゴメンナサイ!ゴメンナサイ!ゴメンナサイ!ゴメンナサイ!」 謝っても無駄だった。そこにあるのは首から血を噴き出した死体しかなかった。 こうして私は、とても大きな罪の意識と後悔の懺悔を持ってしまった。 いっそ心がなかったら………死ねるなら………ダメだ!そんなこと考えちゃ! これが……………私の………………罪なんだから 【A-3 森林地帯 1日目 深夜】 【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に解】 【状態】健康・精神的なショック大・強い強迫観念・全身血まみれ 【装備】鋸(切れ味/多少劣化)@School Days 【道具】支給品一式 【思考】1、何も考えたくない 2、仲間たちに会いたい 基本 死にたいけど死ぬ事はできない 【源静香】@ドラえもん [残り67人]
https://w.atwiki.jp/hengokurowa/pages/64.html
コンビニエンスストア。 歴史ある平安京にはミスマッチな施設に、一人の男がいた。 男は店内にある商品を片っ端から開封すると、次々に口へ放り込んでいく。 弁当だろうがパンだろうが菓子だろうが見境なしだった。 やがて満足したのか、ミネラルウォーターをがぶ飲みしてようやく一息ついた。 「はーっ、生き返った……」 男の姿はみずぼらしかった。 髪は乱れ服もボロボロ、頬は痩せこけているが目の下には隈が浮いている。 そこいらの浮浪者よりも酷い恰好の男だが、本来の身分はホームレスなどとは程遠いものだ。 彼の名は中川圭一。 中川コンツェルンの御曹司にして、亀有公園前の派出所に勤務する現役の警察官である。 空腹と飢えを凌げた中川はとりあえず一安心、とはいかない。 何故なら今彼がいるのは、殺し合いという凄惨極まりない催しの会場。 夢なら覚めて欲しいが、外に広がる不気味な街は間違いなく現実のものだった。 「あぁ…何でこんな事になったんだ……」 超が5つは付く程の大金持ちである中川が、何故こんな悲惨な目に遭っているのか。 その原因は彼の先輩である警察官、両津勘吉にある。 夏真っ盛りの季節。 働き過ぎの中川を見兼ねた両津は、彼を強引に連れ出して南の島へ海外旅行に出かけた。 しかし、旅行先でも中川はスマートフォンやパソコンをチェックして仕事モードが抜け切れない すると今度は中川を無人島に連れて行き、身ぐるみも剥いでしまう。 そして一度食料の調達の為に両津だけ島を離れたのだが、そこで問題が起きてしまった。 何と両津は限定物の超合金の発売日が近かった事を思い出し、慌てて日本に帰国。 その後何やかんやですっかり中川を忘れてしまう。 一方無人島に置き去りにされた中川は哀れなものだった。 台風が直撃し、住居にしていた小屋も吹き飛ばされる。 せめてサバイバル能力のある両津が一緒なら話は別だったろうが、現実は非情であった。 「そうだ……先輩のせいで…あの角刈りのせいでこんな目に……」 フツフツと両津への怒りが湧いてきたのか、顔に青筋が浮かび上がる。 いつもの爽やかイケメンとは程遠い修羅の形相となった中川は、勢いよく立ち上がり両津への恨み言を吐き出した。 「人をあんな所に置き去りにしやがって!しかも今度は殺し合いだなんて、ふざけるな角刈り!! こんな訳の分からない場所で死んでたまるか!待ってろ角刈りィ!!」 デイバックから2丁の拳銃を取り出すと、血走った目でコンビニの外へ飛び出した。 普段の中川圭一ならば、こんなトチ狂った行動はしない。 殺し合いという異常事態に動揺こそあれど、警察官として一般市民の保護に動いたはずである。 だが、あまりにも連れて来られた時期が悪過ぎた。 今の中川は、冷静さを欠き暴走する危険人物でしかなかった。 【中川圭一@こちら葛飾区亀有公園前派出所】 [状態]:精神暴走気味、両津への怒り(大)、満腹 [装備]:ハインケルの二丁拳銃@HELLSING [道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2、予備マガジン [思考・状況] 基本方針:何が何でも生き延びる [備考] ※原作195巻、「男二人の夏休みの巻」で救出される前からの参戦。 【ハインケルの二丁拳銃@HELLSING】 イスカリオテ機関の神父、ハインケル・ウーフーが使う2丁の自動拳銃。 中川が飛び出して行き、静けさを取り戻した店内。 その奥にあるトイレから、恐る恐る顔を覗かせる者が現れた。 「も、もう大丈夫かな…?」 震えながら店内の様子を窺う者の名は骨川スネ夫。 中川程ではないがお金持ちの小学生である。 口を開けば自慢やらイヤミやらが絶えないが、本質的には臆病なスネ夫は殺し合いが始まってすぐ、スタート地点のコンビニで震えていた。 暫くして誰かが近づいてくるのが見えたので慌ててトイレに駆け込み、息を殺して隠れていたのだった。 (さっきの人、銃を振り回してた…。大人の男の人でもおかしくなっちゃうんだ。僕なんかすぐに殺されるに決まってるよ!) これまでも大事件に巻き込まれる事は多々あったが、あんな間近で人が死ぬのは初めてだった。 自分にはドラえもんのようなひみつ道具や未来の知識も、 のび太のような射撃の腕といざという時の勇気も、 ジャイアンのような仲間の為に体を張る漢気も、 しずかのような悪人にさえ手を差し伸べる優しさも無い。 さっきの男が居なくなって尚も、怖くてここから動けずにいる。 (誰か、誰でも良いから助けてよ……) 怯える少年に手を差し伸べる者は現れるのか。 それは誰にも分からない。 【骨川スネ夫@ドラえもん】 [状態]:健康、強い恐怖 [装備]: [道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3 [思考・状況] 基本方針:死にたくない、帰りたい [備考] ※大長編の出来事を経験していますが、明確な参戦時期は不明。
https://w.atwiki.jp/rocnove/pages/24.html
暗く荒れる海、空を覆う暗雲、時折光る稲光、うなりを上げる風、全てを呑み込む夜の闇。 普段は訪れる者のいない嵐の海へ、この日は珍しく訪問者があった。 海と空、二つの黒の間を滑るように飛ぶ何か。 時折光る稲光に浮かぶ平たいシルエットは、まるで「エイ」のようだ。 「エイ」はだんだんと高度を下げ、海面から1mくらいまで近づいた。 突然、「エイ」の腹部が下向きに開く。格納ハッチらしい。 ハッチの奥は光に包まれている。 その光の中に、何かを抱きかかえた1人の人影が浮かび上がった。 逆光で顔はおろか、性別すら分からない。 「**************」 何かを言ったようだが、風のうなりにかき消されてしまって、何を言ったのか分からない。 人影は、抱きかかえていた物を前に出し、手を放した。 光に照らされて、紫色の髪が闇の中に浮かび上がり、海へと消えた。 それを追うように、いくつかの白い物が落ちていった。 人影はそれを見届けると、また何か言った。 「じゃ・・・ジュノ・・」 風が、一瞬やんだ。 「エイ」は腹部を閉じ、ゆっくりと上昇をはじめ、雲の上へと消えていった。 紫色の髪は波にもまれながら、ゆっくりと流されはじめた。 嵐と共に・・・ 嵐の過ぎ去った朝、フレッドは工事現場で使うような一輪車を持って散歩に出た。 ―フレッド・アルビスキー― 爆発した金髪に、澄んだ緑色の瞳の、14歳の少年。 腰にはいつもドライバーなどの工具をぶら下げている。 ディグアウターを志望。たまに近所の遺跡に行く。 気の弱いいじめられっこだが、メカ類に関してはかなりの実力を持つ。 家が診療所をやっている事もあり、医学にも結構詳しい。ドイツ語が読める。 涼しい朝の風を顔に感じつつ、フレッドは海岸のわきの細道を今日の散歩コースに選んだ。 散歩に一輪車を持っていく。かなり妙な光景だが、彼にとっては自然な事なのだ。 嵐の過ぎた朝の彼の散歩は、これがないと成り立たないのである。 海岸には木片やらボルトが打ちあげられていた。 昨晩の嵐のせいか、船の破片のような物も多い。 朝日にきらめく波は、それらのシルエットを美しく描き出していた。 フレッドは、嵐の次の朝は必ず一輪車を持って海岸へ行くようになっていた。 あの美しいシルエットを見るのも一つの楽しみだが、それ以上に、打ちあげられる物そのものに興味を持っていた。 打ちあげられる物はゴミと化した物がほとんどだが、まだ使えるジャンクパーツが打ちあげられている事も、ままある。 それを持ち帰り、自分の手で使えるように改造する。 これが、フレッドのもう一つの楽しみであった。 (フレッドの母は「きたない!」と言ってそれを嫌がっているのだが・・・) 細道からいつものように海岸を眺め、シルエットからお好みのジャンクを探す。 「手前のエンジンは・・・ダメだな、大きすぎる。隣の通信機は・・・」 近くにあった中型の通信機を拾うフレッド。片手で抱えられるくらいの大きさだ。 ざっと3kgはある。浸水しているようだが、電源を自作すれば十分使えそうだ。 「うん、合格♪次は・・・」 再び海岸に視線を送る。 次の瞬間、フレッドは言葉を失った。 明らかに人と思われるシルエットが、海岸に打ちあげられている。 いつの間にかフレッドは、通信機を脇に抱え、一輪車をその場に残し、シルエットに向かって海岸を疾走していた。 近づくにつれて、シルエットがだんだん鮮明に見えてきた。 肩まで掛かる明るい紫色の髪。近くには、白を基調とした小型のアーマーが転がっている。 背丈はフレッドと同じくらい。 色の白いその顔は、作り込まれたような整った面立ちをしている。 仰向けになっているが、息をしている様子はない。 「あ~・・・もうダメかな?」 その人の近くまで来たフレッドは、少々がっかりしたようだった。 嵐にあって打ちあげられる人は、大抵すでに溺死している。 フレッド自身もそういった人達に出くわした事が3回程あった。 今回が4回目になるのだろうと、そうフレッドは思っていたのだ。 持っていた通信機を横に置き、いつものように手を合わせる・・・ハズだった。 「あッ!」 ドカッ! 通信機はフレッドの手を滑り落ち、肺の辺りをもろに直撃した。 「かはっ!」 落とされた本人は一瞬うめくような声を上げ、思い切り水を吐き出した。 そして大きく息をし始める。 まだ生きてる 今度は拝まなくても良さそうだと、フレッドは内心喜んだ。 急いで残してきた一輪車を持って来たフレッドは、その一輪車にその人と近くのアーマー、 そして拾った通信機を載せ、海岸をゆっくりと歩き始めた。 「・・・はぁ・・・はぁ・・・」 肩で息をしながら、フレッドが帰ってくる。 その気配に気付き、フライパン片手に玄関から小柄の女が出てきた。 ―マーガレッド・アルビスキー― フレッドの母で看護婦。金髪のショートヘアに緑色の瞳。 「小学生です」と言っても十分通りそうな体格だが、力仕事も難なくこなす。 「またこんな物拾ってきて!」と怒鳴るつもりで表に出てきたマーガレッドは、思わず「あっ!」と声を上げた。 我が息子が海岸からの帰りにまた誰かを連れて来る。 髪も服も濡れ、まるで動く気配のないその人がどうなった人なのか、容易に想像がついた。 フレッドの一輪車に走りより、第一声がこれである。 「・・・どこの仏さんかしら?」 「まだ死んでないよ!」 フレッドが、肩で息をしながら叫ばんばかりに言う。 するとマーガレッドは、やけに困った顔をした。 「・・・今日はもう満室なのよ」 うっかりしていた。ここに来るまでまったく気付かなかった。 フレッドの家には病室が5つある。 入院だけではなく、点滴を受ける時などにも使われるのだが、今はどこも空いていない。 「集団なんとか」が起きたわけでは無いのだが、最近やたらと入院患者が多いのだ。 遺跡に入ったところ、見た事もないリーバードに襲われ、この診療所に担ぎ込まれる急患ディグアウターが後を絶たない。 そのため、病室は常に満室状態となっていた。 「僕の部屋なら空いてるよ!早くして!」 再びフレッドが叫ぶ。 それを聞くなり、マーガレッドは大慌てで中へと走っていった。 倒れそうになりながらも、玄関の近くまで一輪車を押していくフレッド。 ようやく玄関の前についた時、ちょうどいいタイミングでマーガレッドが再び出てきた。 「気がついたら・・・呼んでよ」 蚊の鳴くような声でいうフレッド。 それを聞いていたのかいないのか、マーガレッドはフレッドの一輪車に乗っているその人を軽々と持ち上げると、中へと入っていった。 それを見送ったフレッドは、大きくため息をつき、その場に座り込んだ。 フレッドがする事はもうない。マーガレッドがあの人を部屋まで連れて行ってくれる。 フレッドはその間に、自分の部屋に今日の「収穫」を持っていくのである。いつもなら。 しかし、今日は違う。自分の部屋に患者がいるのだ。持っていけるはずがない。 「気がつくまでは何も出来ない」と自分に言い聞かせ、今日の収穫を一輪車から降ろす。 一番上にあった通信機を持ち上げる。ふと、通信機の下のあの白いアーマーが目についた。 通信機を横に置き、そのアーマーに手を伸ばす。 フレッドでも十分入りそうなくらいの大きさだ。たぶん、さっきの人のアーマーだろう。 外側の装甲の素材は分からない。持った感じがかなり軽いのだが、アルミのような弱い金属ではないようだ。あの通信機の下にあったのに、その白い装甲には傷1つついていない。 内部の素材も、やはり分からない。見た事もない緩衝材が貼ってある。 スチロールや布と言ったような物ではない。何かジェル状の物を内包しているようだ。 よく見ると、背中の部分に0.5×3cm位の銀色のプレートが張ってある。緩衝材は、ない。 角度を変えてみる。うっすらとではあるが、なにやら文字が見えてきた。 「・・・ジュノ・ハルバート・・・さっきの人の名前かな?」 プレートに彫り込まれた文字を読み、ポツリと呟く。 これを作った人は並の技量じゃないと、フレッドは直感的に理解した。 技量だけじゃない。素材に関する知識も桁外れだろう。 アーマーの素材もだが、こんなに小さいプレートに文字を彫り込むなど、普通は不可能だ。 凄い人だな、と感心していると、突然玄関が開き、マーガレッドの声が飛んできた。 「ちょっと!気がついたわよ!」 それが耳に入るや否や、フレッドは飛ぶように玄関へ走っていた。白いアーマーを持って。 今にも廊下を走り出しそうなフレッドを制して、ゆっくりと階段を上がるマーガレッド。 フレッドは「早く早く」とウズウズしていた。 階段を上がりきり、廊下の一番奥の「フレッド」と書かれたドアの前で止まった。 「・・・驚かないでね」 母はそっとフレッドに告げ、階段へと戻っていった。 フレッドは、母の言った意味がよく分からなかった。 普通、驚くのは助けられた本人だ。(例外もあるが・・・) なぜフレッドが驚かなくてはならないのだろう? その答えを見つける前に、フレッドはドアのノブに手をかけていた。 白い壁、白い天井のこの部屋は、広く、とても明るかった。 部屋の奥の大きな机は、小さめのジャンクパーツや様々な工具で散らかっている。 机の左隣には、オシロスコープやテスタ等測定機器類が置かれている。 フローリングの床には、通信機やレーダー等大きめのパーツが転がっていた。 机の右隣には、壁に収納できるベットがある。すぐ横には、小さな椅子が置いてあった。 この部屋は、フレッドの寝室でもあり、ラボラトリーでもあるのだ。 机の隣のベットには、さっきの人が上体を起こして待っていた。 肩まで掛かる明るい紫色の髪に、しなやかな身体。色の白い肌。そして灰色の瞳・・・ 今まで見た事のないような美しき少女のような姿が、そこにあった。 「気分はどう?」 「・・・・・・」 ベットのすぐ近くに立ち、優しい口調で話しかけるフレッド。 相手を安心させ、いろいろと話せるようにする。それがフレッドのやり方だった。 しかし、相手は答えない。警戒しているのか? 「危害を加えるつもりはないから、安心してね」 「・・・・・・」 やはり反応はない。 灰色の瞳が、じっとフレットの腕の辺りを見つめている。アーマーを気にしているらしい。 フレッドは、さっき見た「ジュノ・ハルバート」のプレートの事を思い出した。 と同時に、一番重要な事を聞き忘れていたのに気付いた。 「君の名前、まだ訊いてなかったね。教えてもらえるかな?」 開き直り気を取り直し、再び優しい口調で話しかける。 その人は、目線を自分の膝に落とした。 「・・・分かりません」 「・・・えっ?」 我が耳を疑うフレッド。その人は頭を抱えてしまった。 「何も・・・思い出せな・・・」 「えぇっ?!」 やっと口を開いたと思ったら、思いも寄らぬ展開に?! しばし呆然と立ち尽くす。さっき母が言っていた意味が、この時ようやく分かった。 ―記憶喪失― 脳に何か強い衝撃が加わった時、その衝撃から脳を守ろうとして起こるとされる症状。 「海馬(かいば)」と呼ばれる記憶中枢の一部が麻痺し、名前等過去を思い出せなくなる。 衝撃は外部からくる物理的なものや、内部からくる精神的なものがある。 しばらく時間が経つと、自然と記憶が戻る場合が多い。 同等のショックを再び加える「ショック療法」と言うものもあるが、医学的な証明はない。 職業柄、父の書庫には山程の医学書が置いてある。フレッドも暇な時にそれを読んでいた。 その1冊に書かれていた文章が、意識の闇からにじみ出るように浮かび上がってきた。 カチャッ フレッドの背後で、ドアの開く音がした。 反射的に振り向いたフレッドは、背丈の高い、白衣を着た男を視野に捉えた。 右手にはカルテを持っている。 フレッドの父、ジョン・アルビスキーである。 ―ジョン・アルビスキー― フレッドの父で精神科医。読む本はほとんど医学書だが、なぜか機械に強い。 明るいブラウンの髪。小さめの眼鏡の奥に青い瞳が光る。 「こんにちは」 ベットに歩み寄りつつ、明るく優しく話しかける。 ジョンはベットの横にあった小さな椅子に腰を下ろした。 「どこか、具合の悪いところは?」 「ありません」 続けて出される質問に、少し硬いが、しっかりとした口調で答える。 「君の名前は?」 「・・・分かりません」 答えを予想していたのか、ジョンはまったく驚いた表情を見せなかった。 「旧アメリカの首都はどこ?」 「ワシントン」 「3×8の答えは?」 「24」 「ふむ・・・」 一通り質問し終えたジョンは、カルテに何かを書き始めた。 横からそのカルテをのぞき込む。ドイツ語で「第2種記憶喪失症」と書かれていた。 「・・・少々きつい事を言うようだが、いいかな?」 カルテをパタンと閉じ、灰色路の瞳を見つめるジョン。 その人は「はい・・・」と小さく頷いた。 「君は中程度の記憶喪失に陥っている。自分の事を何一つ思い出せないのはそのためだ。 時間が経てば記憶は徐々に回復するはずだ・・・。しばらくここにいるといい」 重々しく言うジョン。その人は「はい・・・」とだけ答え、うつむいてしまった。 「あの・・・」 フレッドの声が沈黙を破る。 「これ、君のじゃないかな?」 フレッドが腕に抱いていた白いアーマーを前に出した。 ゆっくりと顔を上げる。灰色の瞳が、白いアーマーを捉えた。 「・・・たぶん・・・」 その人はしばらくアーマーを見つめ、ポツリと呟いた。 フレッドは、今度は内側のプレートを指さした。 「ジュノ・ハルバート。これが、たぶん君の名前だよ」 「ジュノ・ハルバート・・・」 口の中で同じ名を繰り返す。何かを思い出そうとしているようだった。 「・・・そのアーマー、どこで見つけたんだ?フレッド」 ジョンの問いに、フレッドは即答した。 「この人のすぐ側に流れ着いていたんだよ」 「フレッド。それ、案外当たってるかもしれないわよ」 突然、ドアの方から声がした。 振り向くとそこには、右手に小さな銀色のプレートを持ったマーガレッドの姿があった。 銀色のプレートはピカピカに磨かれ、まばゆい程の輝きを放っていた。 「何?それ」 フレッドが手をかざしながら訊いた。 「その人が持ってた物なんだけど、これにも『ジュノ・ハルバート』って彫ってあるのよ」 そう言いながらプレートを差し出すマーガレッド。 フレッドではなくジョンがそれを受け取った。 それとアーマーの内側のプレートを見比べ、頷く。 「同じ職人が作ったらしいな。大きさも形も一致する・・・」 「じゃ、この人の名前は『ジュノ・ハルバート』で決まりだね!」 フレッドが嬉しそうに言った。 ジョンも「そうだな」と頷いた。 フレッドに助けられたその人「ジュノ」は、当分の間、アルビスキー家の厄介になる事と なった。 年が近いというのもあり、フレッドとジュノはとても仲が良くなった。 フレッドは、自分の部屋のベットを二段ベットに改造し、ジュノを迎えた。 ジョンやマーガレッドも、フレッドに兄弟ができたようだと喜んでいた。 まるで家族のように、アルビスキー家はジュノを受け入れてくれたのだった。 しかし、この幸せな時はいつまでも続かなかった。 次へ
https://w.atwiki.jp/p_ss/pages/1520.html
所謂、 一目惚れ、ってやつだ。 またかよ。 って自分にツッコんでみるけど、好きになってしまったものは仕方ない。 自分が惚れっぽい性格なのは重々承知。 来る者は拒まないけど、去る者じゃなくても、自分から追いかけたりはしない。 だから、こっちが一方的に惚れるだけ。 好きになっても、ただそれだけ。 その先なんて望まない。 そうやって、自分が勝手に好きでいるだけで満足しちゃってるわたしは、 みんなが言う“人を好きになる”ってことを本当は知らないのかも知れない。 そもそも、好きなの? 名前も何も知らないのに。 話したことすらないのに。 だけど、広いフロアの人だかりの中、わたしは簡単にあの子を見つける。 キレイに前髪を切り揃えた、黒髪のストレートロング。 サラサラなびくその黒髪をわたしは遠くから無意識に目で追いかける。 凛としたクールな雰囲気のあの子。 だけど、時々見せるはじけるような笑顔はびっくりするほどあどけない。 いつも一杯目は決まってカシスオレンジを頼むあの子。 二杯目からの最近のお気に入りはハイボール。 いつも違う人の隣にいるあの子。 男の子も女の子も、みんな甘い匂いに誘われるようにあの子に惹き寄せられていく。 どんな香りがするのかな? きっといい匂いなんだろうな。 甘くて、でも、ちょっぴり刺激な。 重ための前髪がフロアから帰ってきた時には、少しだけバラけてるのにドキっとするんだ。 その奥にある深い瞳に、今日は誰が写るの? ゆかちゃん、って呼ばれてた。 そっか、ゆかちゃん、って言うんだ。 ってあれ。 なんか、わたしストーカーみたい?? だって、気になるんだ。 だけど、近づけないよ。 あの子は自由気ままに遊び回る、ネコみたいで。 たとえどんなに愛想を振り撒いてても、簡単には懐いてはくれないんだろうから。 今日は珍しくカウンターにあの子が座ってる。 チャンス到来? なんて。 まさか、ね。 だから、見てるだけでいいんだって。 見てるだけで幸せなんだから。 あーあ。 それにしても、今日の新人DJさんはひっどいな。 まぁ、最初はみんなこんなもんだけどさ。 さっきの人のあとじゃ、ちょっとキツイよね。 だから、今日はそんな浮かない顔してるの? って、んな訳ないか。 たまに、そんな顔してるよね。 どれだけ楽しそうに誰かと触れ合いながら踊ってても、 どれだけ楽しそうに誰かに笑顔を向けてお酒を飲んでても、 世界でひとりぼっち、みたいな哀しい顔するんだ。 それは、そのまま消えていなくなってしまいそうに儚くて。 今日なんて、カウンターに突っ伏しちゃってさ。 さっきの子にはフラれちゃったの? あの子に声をかける人なんて数え切れないくらいいて、 それこそ色んな人が、今夜こそは彼女を連れ去ろうと必死に声をかける。 だけど、あの子から声をかける相手は、だいたい決まっていて。 それは、ふわふわパーマでやわらかい雰囲気を纏った可愛らしい女の子。 タイプなのかな? でもタイプってもっと漠然としてるものだよね。 って、ことは、、誰かと重ねてる、、とか? ま、どっちにしたって、わたしとは正反対だけど、さ。 「生ひとつねー!」 グラスを拭きながら、そんなことを考えてるとオーダーが入った。 無言でビールサーバーへ向かう。 こんな大音響じゃ接客も何もないし、なんて最近は開き直ってる。 「やっべ。あの子、ちょーカワイイじゃん」 それでも、彼女に関する情報だけには敏感なわたし。 うん、やっぱ、ストーカー気質あるかも。 てか、あんたなんか相手にされるレベルじゃないっつーの。 って、アレ・・・・? ビールを頼んだ彼があの子の隣に座る。 あの子の深い瞳が彼を捕らえた。 マジっすか。 今日はソイツが相手なの? ダメダメ。ソイツ、たまに飲んで暴れるような最低な奴なんだから。 先週だって、フロアでダイブしたり、女の子に絡んだ挙句に手を上げようとしたんだよ。 出禁にしてやれたらいいのに。 思いっきりぶん殴ってやったのに、まだ懲りてないの? そんな爪の先まで腐りきってるような下衆なんてやめてさ、、 「ダメだよ。その子先約入ってるから」 自然と言葉が零れた。 と同時に気づかないうちに身体も動いてた。 彼女の肩を抱こうと伸びた手を叩いたのは、紛れもなくわたしの手だった。 あーあ。 やっちゃった。。 こうなったら、もう退けない、、よね。 「先に目付けたの、わたしだから」 あんたなんかより、ずーっとずっと前からね。 テーブルに力強くジョッキグラスを置いてやれば、悪態をつきながら逃げていく男。 「・・・別にどっちでもよかったんだけど?」 上目遣いに見上げてくる彼女は、いつものクールな笑顔で品定めをするようにわたしを見た。 捕らえてよ、その瞳で。 「うん、知ってる。だから、取られたくないなーって」 見てるだけで幸せ、だったはずなのにな。 これが、全て捨てなさい、ってこと? 「いいお店知ってるんだ。付き合ってよ、ゆかちゃん?」 ゆっくりと顔を上げた彼女の瞳がわたしを捕らえた。 わたしも彼女を真っ直ぐ見据える。 「それとも、ショートの女は嫌い?」 捕らえられたのはどっち? 今夜、連れ去ってもいい? 24 00過ぎても、消えてなくならないで。 fin-
https://w.atwiki.jp/chisato_ojosama/pages/950.html
前へ ――やはり、生徒会長ともなると、学校のこととか、隅々まで把握しているんだろうなあ。 高等部の昇降口あたりで青色のサンタ帽を探しながら、私は一人、そんなことを考えていた。 ちさとちゃんからの、たった一人だけのために用意されたクリスマスプレゼント。 それをゲットするためには、まず、校内のどこかに隠れている、生徒会長さんを探し出さなければいけない。 ちさとちゃんはさすがというか、やっぱりすごい人気があって、さっきからすれ違う人の手元を見ると、結構な確率で、青色のカードを所持している。 「愛理さんのプレゼント、もう引き渡し先が決まっちゃったらしいよ」 「嘘!?まだ始まってすぐじゃん!」 そんな気になる会話もちらほらと耳を掠めていく。・・・ほんと、まだ10分も経ってないんじゃねーの。よっぽどかくれるのが下手だったんだろうな、鈴木さんのペアだった人は。 その点、生徒会長さんって手ごわそうな感じがする。 学校の、考えもしないような場所に隠れてそう。しかも、見つけたとしても、そこで終わりじゃない。クイズに答えなければならない。 勉強系は絶対ムリだし、私にはなかなか高いハードルだ。だけど、ちさとちゃんのプレゼント。どうしてもあきらめるわけにはいかない。ちさとちゃんのことなら何だって知りたいし、ちさとちゃんに関係のあるものならできるだけ全部手に入れたい。 戦いであれば勝ち上がる自信はあるけれど、生徒会長さん、全っ然そういう雰囲気ないしなぁ・・・。しかし、諦めるわけにはいかないのだ。 「・・・ん?」 ふと、右肩の当たりにチリチリするような違和感を感じる。 振り向いても、そこには誰もいないし、何もない。だが、私は即座に口を開いた。 「誰かいるんでしょ?ハルに何か用っすか」 私が感じた違和感・・・それは、“視線”だ。実際に何かが体に触れたとか、そういうことではないんだけれど、経験上、なんとなくわかる。 案の定、何人かの上級生が、ふてくされたような顔で、私の前に現れた。 「何すか」 「あなたでしょ、工藤さんって」 「はあ」 なんだなんだ、喧嘩でも売られるのか。 見たところ、さほど戦闘民族臭はしないんだけど、言葉がとげとげしいっつーか。 手元を見ると、青い“℃”が入ったカードを持っている。ということは、ライバルってわけか。 「あなた、千聖お嬢様になれなれしくしすぎなんじゃない?」 「一般人のくせに」 ――はいい? 「別荘にまで行ったんですって?お嬢様のご迷惑を考えなさいよ、これだから初等部は」 ああ、要するに、嫉妬ね。めんどくせー・・・。 「ハル、プレゼント譲る気ないっすよ」 「なんですって」 「ちさとちゃんに近づけないからって、こっちに八つ当たりするのはおかしいと思いますけど」 どうやら私の指摘は的を射たものであったらしく、上級生たちは怒りで顔を真っ赤にしているものの、それ以上言い返してくる様子はない。 私だって別に、変な八つ当たりさえしないでくれるなら、これ以上揉めるつもりもない。そんなことよりも、今は生徒会長さんの居場所を見つけなきゃならんのだし。 「じゃ、お互い頑張りましょう。ッス。」 とりあえず穏便に、と頭を下げて、一度校舎を出てみることにした。 校庭側から中廊下を目指して小走りになっていると、・・・まただ。さっきと同じ、チリチリするような妙な感覚。 「あのー、なんなんすか」 私は結構、耳と勘はいい方だ。振り向いて声をかけると、やっぱり、あの上級生たちがついてきていた。 「ついてこられても困るんすけど」 「ついて行ってなんかいないけど?偶然同じ方面を探してるだけじゃない?」 「はぁ?」 クスクス、ニヤニヤ。すげえやな感じだ。こういうの、イライラするんだよな。同級生や下級生なら、この場でしかるべき手段にでているところだけど、一応みずきちゃんの教え(上級生は敬っておいたほうがいいわよウフフ)が私の気持ちを何とか押さえつけている。 「ハル、マジで生徒会長さんの居場所なんて知らないっすよ。ついてきたって時間の無駄じゃないですか」 「えー?なんのことだろ。自意識過剰なんじゃない?」 ――あ、ヤバイ。このままこいつらと会話してたら、絶対取り返しのつかないことになる。 しかし、“それ”をやってしまえば、ちさとちゃんにどう思われるか。私の行動にブレーキをかけてくれているのは、いつもちさとちゃん。・・・見ててくれ、ちさとちゃん。ハルは、ちさとちゃんが恥ずかしくないような立派な(ry 「あっそーっすか。そりゃ失礼しました。じゃ、ハルいなくなっても問題ないっすね」 「え?」 言うが早いか、私はロケットダッシュでその場から逃げだした。 「あっ、逃げた!」 「待ちなさいよ!」 んだよ、やっぱり尾けてたんじゃねーか! 校庭から渡り廊下へ滑り込んで、廊下の太い柱の陰に身をひそめる。 バタバタと探し回る音が近くを通過して、遠く離れていったところで、私はため息を1つついて、くるりと振り返った。 「ねえ」 「うっわあびっくりした!」 そこにいたのは、さっきの奴らとは違う・・・っていうか、制服がうちの学校のとは違う、まったく見覚えのない人だった。 「いきなりごめんなさい」 「ああ、別に、いいっす。何か、ありました?」 もしかして、ゲームに参加してて、迷っちゃったのかな?なんて思って聞いてみると、彼女は首を横に振った。 大人しそうな感じの顔。中学生・・・ではなさそうだな。落ち着いてるし。ハルがイメージする、男にもてそうなタイプって感じ。清楚系っていうの? 「さっきの遣り取り、物陰から見てたんだけど。助けてあげられなくてごめんね」 「お?・・・ああ、別にあんなの、うん。ハル全然気にしてないし」 小学生がいじめられてるとでも思ったのかな。どうってことないのに。 だが、彼女の本題はそれではなかったらしい。 私からの返答に微笑した彼女は、スッとカードを見せてきた。 「青っすか」 「そうですねえ」 「もしかして、ハルのこと当てにしてるとか」 すると、彼女はまたなぜか楽しげに微笑んだ。 さっきの人たちと違って、小ばかにされてる感がないからか、別に腹が立ったりはしない。マイペースで、不思議な感じ。なんとなく、ちさとちゃんに雰囲気が似ているような。 「ううん、むしろ、逆かも、なんて」 「逆?」 すると、彼女は意外なことを口にした。 「花音・・・私の友達がね、生徒会長さんの居場所を見つけてくれたの。だから、あなたと行こうかと思って。・・・あなたと、勝負をしたいと思って。ふふふ」 次へ TOP