約 1,141,795 件
https://w.atwiki.jp/83452/pages/4356.html
律「じゃあ、昨日の女の子達は……?」 紬「うーん、昨日の女の子達も?」 律「いやそれ……何股かけてるんだよ!」 紬「でも唯ちゃんじゃなきゃわからないわ」 律「そうだけど……。梓は知ってるのかよ?」 紬「知らないんじゃないかしら……この前の反応を見る限り」 律「あー、それで私が彼氏がどうって言った時ムキになって否定してたのか」 紬「そうね。浮気してるんだって言われたようなものだし、黙っていられるずがないわ」 律「なるほど。知らなかったとはいえ、ちょっと悪いことしたな」 律「よし、とりあえず梓のためにも尾行スタートだ!」 紬「うん」 律「今日はどこへ行くんだろうな」 テクテク 紬「こっちの方角は……駅?」 律「駅みたいだな。電車で隣町にでも移動か?」 ガヤガヤ 紬「うわぁ、電車混んでるわね」 律「まるでラッシュだな……なんかイベントでもあるのかな」 紬「!しーっ」 唯『混んでるねー』 梓『はい、ちょっと苦しいです』 唯『そうだねー』スッ 紬「梓ちゃんをドアの角にやってかばってあげてるわね。唯ちゃん優しい~」 律「いてっ!くそ、押すなよこいつら……あー早く座れないかな」ブツブツ 紬「……」 『間もなく○○、○○に到着いたします……』 律「降りるみたいだ。行こうぜ」 紬「○○駅……水族館あたりかしら?」 水族館 律「へー、今日のデートはここか」 紬「トンちゃんの仲間がいっぱいいそうね♪」 律(亀目当てではないと思うけど……) 梓『うわぁ……キレイですね』ピトッ 唯『ほんと。すごいね』 律「梓のやつ喜んでるみたいだな」 紬「恋人とならどこへ行っても楽しいわ♪それにここは薄暗いから自然と寄り添えていいわよね」 律「なるほど……(覚えておこう)」 紬「あっ!私あっちに行ってみたい!行きましょ!」グイグイ 律「ちょ……」 律「やべー、唯のやつどこ行ったんだ?」 紬「ごめんなさい……」 律「いや、いいって。入り口に先回りして待ってようぜ」 紬「うん……あっ」 律「お!いた!」 紬「お土産を選んでるみたいね」 律「あれは?マグカップかな」 紬「きっとお揃いにするのね。いいわ~」 律「出てくるぞ!隠れよう」 ~~~~~~~~~~~~~~~ 律「お、次はメシか?」 紬「そうみたいね。入ったわ」 律「ここは……イタリアン?パスタかな、うまそー」 紬(うーん……) 律「とりあえず私達も入ろうぜ」 紬「うん」 ~~~~~~~~~~~~ 律「うめー!」モグモグ 紬「唯ちゃんもパスタみたいね」 律「うめー!」モグモグ 紬(あ……りっちゃん口の周りが……) 紬(パスタって口周りとか服にソースが飛ぶことあるのよね……) 紬(私だったらデートの時はあまり行きたくないんだけど)チラッ 唯『』モグモグ 紬(ああ!唯ちゃん……口がすごいことになってる)ガーン 梓『?』 紬(あ、梓ちゃんが気付いたみたい……) 梓『~~』スッ 唯『?』 紬(まあ、梓ちゃんが拭いてあげてる!ラブラブね♪) 紬(やっぱり梓ちゃんは唯ちゃんの面倒見るのが好きなんでしょうね) 紬(やっぱりいいカップルね) 律「うめー!」モグモグ ~~~~~~~~~~~~~~~ 某駅ピル 律「お、梓のやつやっと決めたか。なげーなぁ」 紬「うふふ。こういうのは見るのが楽しいのよ♪」 律「ん?梓がどっか行くぞ」 紬「たぶんお手洗いね」 律「またか……梓もマメな奴だな」 紬「あら……?」 女3『~~』 唯『!』 律「また知らない女の人が出てきましたけど……」 紬「……」 律「まさかあれも唯の……とかいわないよな」 唯『~~!』 紬「かなり慌ててるわね」 律「これは……まずくないか?」 紬「もう少し近づきましょう」 梓『先輩、お待たせしました……?』 律「あ!はち合わせたぞ!」 唯『あ、あずにゃん……』 女3『唯、この子は?』 梓『は、初めまして。私、唯先輩の後輩の中野梓と申します』 女3『○○です。よろしくね。今日は唯とお買いもの?』 梓『あ、はい。えっと、デ、デー……』モジモジ 女3『……』 唯『あ、あー!そんなとこだよ!』 女3『ふーん……。仲いいんだ。ちょっと妬いちゃうな』 梓『///』 女3『……』 女3『ねえ唯、「お友達」と遊ぶのもいいけど、「恋人」をほったらかしちゃ嫌よ?』スッ 梓『?』 唯『ちょっと○○ちゃん、やめ……ん』 梓『!』 女3『ん……はぁ』 律「梓の目の前で……」 紬「……」 律「これ……修羅場ってやつ?」 女3『私行くわね。梓ちゃん、唯のことよろしくね』 梓『唯、先輩……?』 唯『あ……』 梓『今の人、誰ですか……?』 唯『その……友達だよ』 梓『友達と……キスするんですか?』 唯『……』 梓『恋人って言ってました……』 唯『ち、違うよ』 梓『私、帰りますね……』 唯『ちょ、ちょっと待ってよ』 梓『それじゃ……』 律「……」 紬「大変なことになっちゃったわね」 律「どうすんだよこれ……」 唯『……』 紬「立ち尽くしてるわね」 律「そりゃそうだろ……これでヘラヘラしてたらどうかしてるぞ」 紬「梓ちゃんが心配ね」 律「そうだな……どうしよう?梓を追いかけようか」 紬「そうね。唯ちゃんはおいといて、とりあえず行きましょう」 律「よし、急ごう」 梓「うっ……うっ」ポロポロ 『おーい!梓ー!』 梓「?」 律「はぁ、はぁ……追いついた」 紬「梓ちゃん……」 梓「律先輩、ムギ先輩……。み、見ないでください」ゴシゴシ 律「梓、さっきのだけど、その」 梓「……」 梓「そうですか……見てたんですね」 紬「ごめんね」 梓「いえ……」 律「あのさ、さっきのアレは誤解かもしれないぞ!」 律「仲がいい友達同士の親愛の情というか、スキンシップの延長線上とか」 梓「……」 律「だから元気……ごめん」 梓「うう……」ポロポロ 紬「……」ナデナデ 紬「梓ちゃん、唯ちゃんと付き合ってたの?」 梓「……」コクリ 梓「でも……さっきの女のひとも、恋人って……」 律(昨日の女の子達の事は言える雰囲気じゃないな) ピロリロ ピロリロ 律「あ、ケータイ鳴ってるぞ」 梓「……」モゾモゾ 梓「……」カチカチ 紬(唯ちゃんね) 律「何て書いてあるか、聞いてもいい?」 梓「……誤解って言ってます」 律(そんなんじゃ無理だろ……そもそも誤解じゃないし) 律(なあ、昨日の事とか言うの?) 紬(教えてあげたほうがいいんじゃないかしら) 律(でも今のだけですごいショック受けてるのに) 紬(そうだけど、いつかはばれちゃうよ) 紬(それに本当の事を黙って仲直りさせても梓ちゃんが可哀想よ) 律(そうだな、わかった) 律「梓、落ち着いて聞いてくれ」 梓「え……?」 律「唯のやつ、他にも彼女……みたいな子がいるみたいなんだよ」 梓「え……さっきの人だけじゃないんですか?」 紬「うん」 梓「嘘です……」ジワッ 律「私、最近唯の事をつけてただろ。ほら、この前の件」 律「昨日と一昨日で、3人の女の子と会ってた」 梓「と、友達です……」グスッ 律「たぶん、違うよ。その……キスとかしてたし」 梓「うう……」ポロポロ 紬「梓ちゃん……」 梓「違うもん……」 紬(そんなに唯ちゃんのこと信じてるのね……) 律(つ、辛い……梓が不憫すぎる) 紬「梓ちゃん、辛いだろうけど唯ちゃんとちゃんと話したほうがいいわ」 律「そ、そうだな。こういうことはしっかりとケリつけといたほうがいいな」 梓「でも」 律「不安?」 梓「はい……」 紬「じゃあ、私たちも一緒にいるから。唯ちゃんを呼びだしてみましょう」 4
https://w.atwiki.jp/mordata/pages/35.html
- 目次 マップ画像 数字の世界 ネオンの世界 盾民族の世界 蝋燭の世界 目玉の世界 落書きの世界 壁画の世界 雪の世界 暗闇の世界 水溜りの世界 ブロックの世界 森の世界 関連項目 マップ画像 ver.0.09 ver.0.10 ブロック空間マップ 数字の世界 コミケ 北のドアからいける場所の通称 但しドアに入るにはドアの前にいる住人を包丁で排除しなければならない 住人が大量に蠢いている見た目がコミケに似ているので名付けられたとか 包丁で無双すれば資金稼ぎに便利 5000円は余裕で溜まる だが資金の使い道があまりないので需要はそれほどない 階段 夢に入った時に4分の1の確率で南東に入口が出現する 但し入口に入るには入口の壁を包丁で刺さなければならない 運よく階段まで辿り着ければそこにはゆめにっきのアイドル・キュッキュ君の姿が しかしさらに奥まで進むと………→赤の王様 ベッドと箪笥の部屋 ベッドと箪笥が並んでいるやや狭い場所 通常状態の鳥人間がいる 鳥人間を包丁で刺した後 並んでいる箪笥のうちのどれかに入ると場所が移動する その先のどこかにあるギロチンを調べることで★なまくび★入手 電灯の世界 床に0と1がたくさん書いてある場所のドアからいける →電灯の世界 ネオンの世界 ゆめにっきの各エリアの中では最もキャラクターがたくさんいるエリアかもしれない 激しい点滅をするオブジェクトやキャラクターがたくさんいる トキ エフェクト★ネオン★を取得できるキャラクター 場所を覚えていない限り探し出すのは難しい 盾民族の世界 踏むと音が出る何かがたくさん転がっている 盾民族は盾だけ持って突っ立っており動かない ネコイン 名前の通り猫のようなコイン。神ネーミング 因みにゆめにっき図鑑の作者が名付け親 ききやま氏のホームページの看板猫でもある 黒い扉 扉というよりも黒いギザギザしたモノリスのようなもの FC世界へ続いている 蝋燭の世界 小人 何かを持ったままかなりの速度で右に移動する小さいキャラクター 自転車で辛うじて追いつくことが出来るが、来たところを捕まえようとすると回避されることもしばしば 話しかけると★こびと★を入手できる 蝋燭 包丁で刺すと火が消える 目玉の世界 ゆめにっきで最もグロテスクなエリアではないかと思われる 目玉 包丁で刺すと変化する 顔と手 二つ並ぶ黒と白の顔 笑っているものと血まみれになっているものがある 青い顔 口が他の世界への入り口となっている 目玉腕 よく見ると掌に目が付いている腕 調べると★めだまうで★が入手できる 脚 動き回る逞しい脚 窓付きが包丁を持った状態だと物凄い速さで逃げ回る 落書きの世界 床の落書きのようなもの 踏むとコミカルな音が鳴る 様々な種類のものがあり種類によって踏んだ時の音が違う 自転車 ゆめにっきで最も重要とされるエフェクト、★じてんしゃ★が入手できるオブジェクト 扉部屋から入った場合は右へずっとまっすぐ進んでいけばすぐに見つかる 自動ドア チーン 壁画の世界 マンホール 下水道に続いている 謎の生物 通称すら定まっていない謎の生物 大口を開けて地を這いずり回っている 金髪のものと茶髪のものがあり、金髪のものからは★ブロンド★、茶髪のものからは★ロングヘアー★が入手できる 雪の世界 雪女 白い和服に身を包んだ小さい女の子のように見える 話しかけると★ゆきおんな★が入手できる 鳥人間 独立して点在するかまくらの出口付近にいる 通常は追いかけて来ない ベッド 夢の世界に5つ存在するベッドのうちの一つ かまくら 全部で7つある 楕円形に5つかまくらが並んでいる場所では5時の方向のかまくらにかまくら子がいる 独立したかまくらでは出口近辺に鳥人間がいないほうのかまくらから浅瀬に行くことが出来る 暗闇の世界 ★でんとう★がないとかなりの暗さで探索することになるが、マップ自体あまり広くないのでざっくり歩き回るだけで門や包丁に辿り着くことが出来る 目の赤い海坊主のような生物 存在感はかなりのものだがそれ以外特に見どころはない 門 荒野に出る 包丁 ★ほうちょう★が入手できるオブジェクト 水溜りの世界 傘 ★かさ★を入手できる 下り階段 道路沿いの森に出る ブロックの世界 マフラー子 白黒世界への道を作ってくれる 帽子とマフラー ★ぼうしとマフラー★を入手できる 男子トイレ 男子用と言えど窓付きでも問題なく入れる便所 森の世界 かえる ★かえる★が入手できる 門 顔絨毯広場に出る 関連項目 ゆめにっき
https://w.atwiki.jp/megatenroyale/pages/130.html
037話 ママノタカラモノ ライドウと鳴海が打ち合わせた通りに移動しているなら、予定通り蓮華台の七姉妹学園に向かっている。 そう踏んでピアスの少年こと藤堂尚也と赤根沢レイコはそれを追うルートを選んだ。 だが、藤堂がこのまま山道を行くことに異論を唱えた。 「このまま見通しの悪い山道を行くのはあまり感心出来ない。」 「でも…」 あの二人と全く逆のことを言う尚也に反論しようとしたが、彼の方が先に言葉を紡いだ。 「さっきのことを忘れたわけじゃないだろう。 もし…木陰に隠れて奇襲してくる奴らがいたらどうだ。俺のようにな。厄介だろう?」 「……。」 自嘲気味に発する言葉は重く、レイコには何と答えればいいのか見当が付かなかった。 「大体山を通るルートはかなり迂回することになる。一度下山して道路を歩いた方が近いはずだ。それに…。」 「それに?」 尚也はくるりと後ろを向いた。まるで自分の顔をレイコの視線から隠すように。 「此処を降りたらすぐに夢崎区だ。あそこは商店や、食べ物屋が沢山あるからな。 お前、腹が減ってるんじゃないのか? その、顔色悪いぞ。」 レイコにとっては心外な、気遣いとも言える言葉を発しながらちらりとこちらに向けた尚也の眼は、 先の戦っている時が嘘のように優しく、レイコは複雑だった。 誰にも会わないように慎重な足取りで下山し、スマル市最大の繁華街である夢崎区に二人は降り立った。 普通なら、平和ならば、此処は昼夜関係なく、娯楽を求める若者で賑わっているはずなのだが、 自分たち以外の人影が全く無い街の姿は恐ろしく非現実的に映った。 しかも余ほど大急ぎで住民を追い出したのだろう。無人だというのに立ち並んだ商店のシャッターは殆どが開いたままである。 まるで映画や漫画で描かれる世紀末だ。恐怖の魔王が光臨し、人々を瞬時に焼き尽くした―――。 しばらく進んだ所で二人は夢崎区に来て初めて動くものを見た。 それは道路の脇で黒い塊がごわごわと蠢いているのである。その中の一つが鎌首を持ち上げ、「ぎゃー」と鳴いた。 「!」 レイコはそれが何なのかを悟った時、声を上げそうになった。尚也も戦慄している様子だ。 カラスが三羽、死んだ人間の肉を啄ばんでいたのである。 白いラインの入った黒のセーラー服を着た金髪の少女の死体は既に目玉と唇が無く、顔の肉や、露出した白い脚も多くが食い散らかされていた。 「酷い…こんなことが…。」 「…そこで待ってろ。」 尚也がそう言い、さり気なくレイコの腕を引いて、少女の死体とカラスが見えないように後ろ向きで立たせた。 そして彼はしばらく死体の周辺を探索し、少女が投げ出していた鞄を抱えて戻ると、その中からコルトライトニングを取り出し、ズボンのベルトに差し込んだ。 このダブルアクションの拳銃はおそらく少女の支給品だったのだろうが、一発も撃った形跡が無い。 だがそんなことよりも…。 「…これで解っただろう。あんな風になりたく無ければもう甘いことは考えないことだ。」 尚也は感情の無い声でそう言うと、脚が震えて止まらないレイコを置いて先に進んだ。 夢崎区の外れに位置する商店街、夢崎センター街の入り口近くにあるファーストフード店「ピースダイナー」に二人は入った。 尚也はそこで、レイコに席に座っているように言い、自分は勝手にカウンターの中から適当にバーガー類をいくつか持ってくると、一つをレイコに渡した。 それは当たり前だがとっくに冷えてカチカチになってしまっている上、先ほどの惨状をまともに見てしまったレイコにはとても食べる気にはなれなかったが、 前の席に座った尚也は構わず包み紙を剥がすと口にし始めた。 あれから二人は会話をしなかった。 何も言葉が浮かんで来ないのだ。 さっきの女の子、年は自分と同じくらいだろうか。顔は既に判別が付かない状態だったが、色が抜けるように白く、美しい金髪から、きっと白人種の外国人なのだろう。 本来なら周囲の日本人から羨望の眼差しで観られるように美しいであろう少女が、一体誰にやられたというのか…。 その上、そのまま放置され、無残にもカラスなんかに食べられて…。 自分があの少女だったら耐えられない。死んでも死に切れないだろう。それくらい強烈にレイコの眼に焼きついた。 尚也が装備した銃は、彼女の物であろう鞄の中にまだ納まっていた。 と、言うことは、彼女は一発も撃つこと無く誰かに殺されてしまった。いや、ひょっとすると自分と同じように戦う意思が無かったのかもしれない。 そんな少女が殺されてしまうなんて。これも尚也に言わせると、そういう女だから真っ先に殺されたということなのだが…。 「食べないのか?」 バーガーを一つ平らげ、二つ目に手を掛けようとする尚也に、レイコは眉間に皺を寄せた。 「よくそんなに食べれますね。関心します。」 尚也の無神経な行動に対し、レイコなりの厭味のつもりだった。だが、本心でもある。 彼はさっきのことを何とも思わなかったのだろうか。 「食べれる時に食べておかなければこの先どうなるか解らないだろう。だからお前も…」 「貴方は何も思わないんですか!? さっきの人のことを!」 レイコは力いっぱいテーブルを叩き、立ち上がった。テーブルの上に置いている残ったバーガーや丸められた包み紙が跳ね上がる。 水の入ったペットボトルが倒れ、尚也が慌てて起こした。水道が止まってるのだから水は大切に、ですか。 その冷静な仕草も、レイコの怒りを増長させる役割を大いに果たした。 「少しは、少しは殺された人のことを考えたらどうです? 貴方だって大切な人が殺されたんだから、気持ちは解るはずでしょう!? なのに貴方は…!」 レイコの感情に任せた言葉を遮るように尚也は立ち上がると、「ちょっとトイレに行ってくる。」とだけ言って店の奥に立ち去ってしまった。 「!!」 これだけ言ってもまだ…! 後ろから思いっきり罵倒しようと思ったが、何もかも無駄に思えてレイコは席に座りなおした。 あれから随分時間が経った。レイコは腕時計を見ると、すでに十五分は過ぎている。用を足すにしては少し長いような気がしてきた。 それとも、彼はよっぽど長い間我慢していたのか? だが慎重派である尚也がそんなに長い間出てこないのは不自然なような気がして、レイコは呼びに行くことにした。 店の奥にある男子トイレの出入り口のドアが半分開いていたのでレイコはそこから呼びかけた。 「藤堂さ…――」 だが、途中で止めた。中から、小さな嗚咽が聞こえてきたのである。 勝手に覗くのはデリカシーが無いとも思ったが、レイコは気付かれないように少しだけ顔を覗き込んだ。 中では、洗面台の前でうずくまった尚也が手にしている何かを見つめ、小さく震えていた。 「園村…俺は……」 尚也が手にしているのは女物の白いコンパクトであった。細い鎖が繋がっているが、それは無残にも半分で千切れ、頼りなくぶら下がっている。 「あいつは…あいつは絶対に許さない……俺が…。 ……これが、終わったら…そしたら…お前の所に、すぐに行くから………。」 その言葉を耳にし、レイコは心臓を杭のような物で打ちつけられたような気がして立ち尽くした。 「あ…」 すぐ傍に人がいる気配に気付いたのだろう。眼にいっぱいの涙を溜めた尚也がこちらに振り返り、レイコとまともに眼が合ってしまった。 尚也は慌てて潤んだ眼を学生服の袖口で拭い、コンパクトをポケットにしまうと、何事も無かったかのようにレイコの横を通り抜けた。 何も出来ずに見送った彼の後姿は、さっきまで見ていた粗野で横暴なそれではなく、 まるで子供のように小さく、砕けてしまいそうに見えた。 【赤根沢レイコ(if…)】 状態 やや疲弊 武器 無し 道具 ? 現在地 夢崎区 行動方針 魔神皇を説得 ライドウたちを探す ゲームからの脱出 【藤堂尚也(ピアスの少年・異聞録ペルソナ)】 状態 正常 武器 ロングソード コルトライトニング 道具 ? ペルソナ ヴィシュヌ 現在地 夢崎区 行動方針 葛葉ライドウを倒し、園村麻希の仇を討つつもりだが、その後は… Back 036 Next 038
https://w.atwiki.jp/totugekiyokoku/pages/104.html
文章の一部を削除・追記しています。 なんか~さっき~コンビニで酒を摂取してたら 女がナンパしてきて~ 虫の居所が悪かったから思いっきり泣かせてやったぜ!!! 女「ねぇ何してんの?ちょっと話さない?」 俺「は?話しかけてくんな」 女「冷たい~良いじゃんちょっとだけやし!」 俺「うるせえ」 俺「ブスはすっこんでろ」 女「ちょっとあんたそこ居てよ!今あんたと話し合う奴呼ぶから」 そう言いながら携帯電話で男を呼び出した。 面白そうだから付き合う事に。 20分後。 男「コイツがお前に酷いこと言った奴?」 女「話しかけただけでブスとかどんだけ心歪んでんだよ」 男「おいテメぇこら ちょっと来いよ話しあっからよぉ あ?」 俺「ったく 雑魚が揃いも揃ってガタガタうるせぇな」 男「はぁ? 何こいつ 気取ってんじゃねーよバカ だからこっち来いつってんだよおら!」 襟首を掴んでこようとしたので軽く避けたら 男「てめーマジでブチ切れた ぶっ殺す」 とか言って来て、そいつは持ってた金属バットを俺めがけ振り上げてきた。 俺「で? 振り上げるだけで仕舞いか? 笑えるな」 男「今ならそこで土下座したら許してやるよ 俺ら二人にな」 いい加減にキモイしダルイから目ん玉にでこピンかましてやった。 男「いってぇ! なにしやがんだてめぇ!」 馬鹿が怯んでいる間に、すかさず横にいる女の顔面にパンチ入れて泣かせた。 多分あいつ失明しただろうね。「プチュ」って眼球が潰れるいい音したし。 女は多分最低でも顔面骨折レベルの重症だろう。 これから彼女は長い長い時間をかけてもとの顔に整形していくのだろうが、 もとから大したことない顔なので不自由はあまりないだろうな。 ま、ケンカ売る相手は間違えるなよってこった。 俺って逆ナンとか結構されちゃう方なんだけど 自分ではイケメンとかそんな風には本当に思ってないけどどうやら俺には女を引き付ける魔力みたいなのがあるんだな。 でもブスは相手に出来ないからヨロシクな。 目にデコピンっておかしくないか?wwww -- 名無しさん (2010-03-13 14 50 08) 嘘ばっかだから気にしたら負けだよwww -- 名無しさん (2010-03-23 04 22 16) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/ns-ar/pages/149.html
ばたんっ、からから。 「あら?こんな時間に誰かしら」 突然響いた扉を慌しく開いた音に気づいた青年は料理の仕込をしていた手を止め、扉の方へ向かうと一人の少女が扉の傍でしゃがみ込んでいた。 「ごめんなさい、今日は店じまいなのよ……ってどうしたのあなたその格好!?」 少女の服に返り血がついていることに気づくと青年は顔を青ざめ、少女の肩を掴む。 「ねぇ何があったの?お父さんとお母さんは?」 「……いない」 「いない?どうして?」 「……食べられちゃった」 少女の思わぬ発言に青年は目を見開く。 「食べられちゃった、って……」 「くぉらぁ!どこ行きやがったクソガキぃ!」 青年が訊ね返そうとしたその時、外で怒号が響く。 「……今の声の奴に襲われたの?」 怒号を聞いた瞬間少女が酷く怯えたことに気づいた青年がそう訊ねると少女はこくこくと無言で頷く。 「そう、事情は大体分かったわ」 そう呟くと青年はすっと表情を厳しいものに変化させる。 「ボクが戻ってくるまでの間ここでじっとしていなさい、良いわね?」 目をぱちくりさせながらも少女が頷いたのを見ると青年はふっと表情を和らげ右手で少女の頭を軽く撫でる。 「すぐ戻るから良い子にしてるのよ」 そう言って立ち上がった青年が扉を開けて出ていった後、少女が恐る恐る扉の外を覗き込むと苛立った様子で辺りを見回す男の姿が目に映った。 「くっそ、どこ行きやがったあのガキ……折角のディナーだってのに……」 「ちょっとそこのあんた」 不意に声をかけられたことに驚いて振り返った直後、男は表情を崩しため息をついた。 「何だ誰かと思ったらあんたか。なぁ、この辺でガ……子どもを見なかったか?」 「……見たには見たわよ」 青年の返答を聞いた途端男はぱっと表情を明るくする。 「本当か!じゃあ……」 「あんた、あの子の両親はどうしたの?」 突然の問いかけに男は驚き、酷く狼狽えた様子を見せる。 「あ、あんたには関係ねぇだろ?」 「ところがそうでもないのよ」 そう言いながら青年は男との間合いを詰めるとすぐさまその胸倉を掴み、軽々と持ち上げる。 「答えなさい、あの子の両親はどうしたの?」 「く、食っちまったよ……ガキ一人渡せばそれで済んだ話だったのに抵抗しやがったから踊り食いに……」 「そう、あんたが食べたのね。それを聞いて安心したわ」 冷ややかな目で睨み付けながら青年は男の肩口に顔を近づけていく。 「や、やめ……ぎゃあああああああああああ!」 青年に肩を食い千切られた男は絶叫すると同時に激しく身悶えし、胸倉を掴む青年の手を無理やり外すと地面に思い切り身体を叩き付ける。 「あら、お仕置きはまだ終わってないわよ?」 噛み千切った肉を指で摘み上げながら青年がそう言うと男は酷く怯えた表情を見せながら震え上がる。 「か、勘弁してくださああああぁぁぁい!」 情けない悲鳴を上げながら男が逃げ去っていくのを見送った後、青年は呆れ顔でため息を ついた。 「逃げ足だけは早いわねぇ……にしてもこの肉、まずいったらありゃしないわ。ソーセージにして火を通せば少しはマシになるかしら……」 ぶつぶつと青年が独り言を呟いていると不意にぎぃ、と扉が軋む音が響く。 「あっ……」 青年が振り返ると扉の影からこちらの様子を伺う少女の姿が目に映った。 「じっとしてなさいって言ったのに……」 ため息混じりに言いながら青年は少女の傍へ歩み寄り、少女と目線の高さを合わせるために片膝をついた姿勢を取る。 「怪我はしてない?」 青年がそう訊ねると少女はこくんと頷く。 「そう、なら良かったわ」 「あ、あの……」 「ん?どうかしたの?」 「おにいさんって……マンイーターなの?」 少女にそう訊ねられた瞬間青年は目を見開き、数瞬の間を置いてすっと目を細める。 「……そうよ。ボクは人喰いの怪物、マンイーター。さっきの奴もね」 「本物の、マンイーター……」 そう呟きながら少女はぺたぺたと青年の顔に触れていく。 「……もしもーし?」 「絵本で見たのと全然違う……」 「絵本と違って美人で驚いた?」 「うん」 「なーんて……えっ?」 冗談のつもりで言ったことにまじめな回答を返された青年はきょとんとした表情を見せる。 「さっきの人は怖かったけどおにいさんは平気だよ」 「そ、それはどうも……」 流れで礼を言った後、青年ははっとした表情を見せ立ち上がる。 「そうだわ、長老に言って人間の町に送り返す手筈を……」 そう呟きながら青年が走り出そうとした瞬間、少女は青年の服の裾を掴んで引き止める。 「……どうしたの?」 「わたし、ここにいたい」 「ちょっ、何言ってるのよ!」 唐突な少女の発言に青年は驚愕の表情を見せながらしゃがみ込む。 「ここはさっきの奴みたいなのがうようよしてる危険な場所なのよ!?もしまた襲われでもしたら……」 「じゃあ他の人がわたしを食べる前におにいさんがわたしを食べて」 「……はい!?」 これまた突拍子も無い申し出に青年は素っ頓狂な声を上げる。 「だめ?」 不安げな表情で首を傾げながら少女が訊ねると青年は観念したような表情を見せながら長い溜め息を吐く。 「……あのね、ボクはあなたみたいな子どもは食べない主義なの。だからそういうお誘いはもう少し大きくなってからにしてちょうだい。 ……それまでは面倒を見てあげるから」 「……ここにいて良いの?」 目を丸くしながら少女がそう訊ねると青年は頷いて肯定する。 「ボクとしてはすぐにでも人間の町に返してあげたいんだけど……あなたが嫌って言うなら仕方ないわよね」 青年が困り顔を見せる一方、少女は表情を輝かせていた。 「ありがとう、おにいさん」 「どういたしまして。……そういえばまだ名前を聞いていなかったわね。ボクはリヒト、あなたの名前は?」 「わたしの名前は……ミユ、です」 少女─―ミユが自分の名前を名乗ると青年―リヒトはにっと笑みを浮かべる。 「じゃあこれからよろしくね、ミユ」 「よろしくお願いします、リヒトおにいさん」 「リヒト、で良いわよ。そっちの方が呼びやすいでしょ?」 「リヒト……がそう言うなら、そうする」 「よろしい。それじゃあまずは……着替えかしらね。いつまでもその格好じゃ気持ち悪いでしょう?」 リヒトがそう訊ねるとミユはこくんと頷く。 「すぐに代わりの服を持ってくるからちょっとだけ待っててちょうだいね」 そう言ってミユの背中を軽く押しながらリヒトは店の中へと戻っていった。
https://w.atwiki.jp/mordata/pages/20.html
ゆめにっきっぽいtanasinnとは、ある者によって「ゆめにっきっぽい」と考えられたゲームや漫画、音楽、その他諸々のこと。広義には「ゆめにっきに似ている」という意味に過ぎない。どういった意味で「似ている」のかはものによってまちまち。 該当作品候補 『MOTHER』シリーズ - ゆめにっきの元ネタの一部ではないかと言われている要素が多数見られることで有名。1作目『MOTHER』の全体的なゲーム外観、『MOTHER2 ギーグの逆襲』のムーンサイド、マジカント、最低国、『MOTHER3』のタネヒネリ島のような不思議な世界などは「ゆめにっきっぽい」と言われている。 『LSD』 - 上記MOTHERと同じような不思議な世界、ストーリー性の無さがゆめにっきと非常に似ているため、ゆめにっきの元ネタになったゲームではないかと噂されている 外部リンク ゆめにっきっぽいtanasinnのまとめリンク集 - livedoor Wiki(ウィキ) 関連項目 ゆめにっき コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る タグ 用語
https://w.atwiki.jp/mordata/pages/104.html
『ゆめ2っき』の扉部屋(とびらべや)は開けた場所になっており、それぞれ異なる形をした多数の扉が等間隔に置かれていて、縦横両方向に無限にループしている。扉は独特な形をしているものが多く、それぞれの世界にあるものに似せた形になっている。『ゆめにっき』そのものや他のファンゲームでの扉部屋は無音で、かつ扉は円形に並んでいるが、ゆめ2っきの扉部屋では環境音楽のようなものが流れており、床はスクロールする民族風の白黒の背景か、暗い青色の四角い装飾になっている。 夢の世界でエフェクト「めだまばくだん」を使うと扉部屋に戻ることができる。 現在、扉部屋からは17種類の世界に繋がっている。夢の世界のほとんどの場所は扉部屋から直接繋がっておらず、すべてのエフェクトを入手したり、夢の世界の深くに隠された場所に行くには根気強く探索しなければいけない。 扉部屋 基本情報 壁紙 #87 パズル #45 その他 BGM zaza マップID 0010 作者 不明 -目次 扉部屋から行ける場所扉部屋から行けなくなった場所 その他 外部リンク 関連項目 コメント 扉部屋から行ける場所 うろつき邸 夢幻図書館 墓の世界 線画世界 釈迦世界 紫地世界 公園世界 植物世界 滑る世界 現実部屋 赤い世界 赤街灯の世界 きのこ世界 盾梟世界 立椅子館 プリンの世界 打捨てる絵画 三角岩世界 エフェクト展示室 扉部屋から行けなくなった場所 黒赤 水滴 メルヘンの通路 大理石世界 灰色遺跡世界 その他 扉の編成はバージョン0.113eのパッチ4で変えられ、扉8つ分の場所が追加された。 上記以前では現実部屋とうろつき邸との場所は変数44の値によって入れ替わるようになっていた。 黒赤、文字、水滴、大理石世界、メルヘンの通路、灰色遺跡世界の6つの世界のうち、前半3つは削除され、後半3つは扉部屋から行けなくなった。 バージョン0.114aのパッチ2以前では打捨てる絵画への扉は、「とうめい」エフェクトを装備すると現実部屋の扉が置き換わることで行けるようになる場所だった。 バージョン0.116i以前では、灰色遺跡世界は「めがね」を装備すると見える、動く生物を介して行ける場所だった。 このゲームには似非扉部屋というもう一つの扉部屋がある。面白いことにこの似非扉部屋はメインの扉部屋と異なり、『ゆめにっき』の扉部屋により似た見た目になっている。 外部リンク The Nexus | Yume 2kki Wiki | Fandom 関連項目 ゆめ2っき コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る タグ ゆめ2っき 場所
https://w.atwiki.jp/saikinmm/pages/376.html
さっき愛と太陽に包まれてって曲を聴いたんですが これは誰の曲ですか? 201 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2011/02/12(土) 02 26 12.59 0 さっき愛と太陽に包まれてって曲を聴いたんですが これは誰の曲ですか? 02 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2011/02/12(土) 02 26 50.67 0 >>201 モーニング娘。名義の曲だよ 色っぽいじれったいのカップリングだからね 203 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2011/02/12(土) 02 27 59.75 0 >>202 カップリング曲でしたか、有難うございます モー娘の曲とは違う感じがしたので 204 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2011/02/12(土) 02 30 03.08 O そんなあなたには2009年に出たカップリング集をおすすめしたいと勝手に思う 205 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2011/02/12(土) 02 32 39.05 0 カップリング集に入ってないカップリングは気まぐれプリンセス以降のシングルのカップリング曲だな 「愛して 愛して 後一分」「泣き出すかもしれないよ」「友」「愛され過ぎることはないのよ」 編注 アルバム「 モーニング娘。全シングルカップリングコレクション 」。 40thシングルまでのc/w曲を収録。オススメ。 収録されてない 205の曲が惜しい>< Morning Musume - Ai to Taiyou ni Tsutsumarete 愛されすぎることはないのよ (Amazon CD / コンサートDVD ) 『愛して 愛して 後一分』 ~ピカッピカッ!~ 2010春 (Amazon CD / コンサートDVD ) Morning Musume -Tomo HD (Amazon CD / コンサートDVD ) Nakidasu kamo shirenai yo - Morning musume (Amazon CD / コンサートDVD ) 関連 高橋リーダー時代のアルバムならどれがオススメ? Please!自由の扉ってやったことあるんだっけ? セカンドモーニング? 84ハマリ [2011年]
https://w.atwiki.jp/sentakushi/pages/125.html
235 名前: ブロードウェイを目指して ◆bvueWC.xYU [sage] 投稿日: 2006/07/12(水) 01 25 27 たった数分の幕が上がった。 三人がアイコンタクトで意志を交わすと、シオンが咳払いを一つして弓塚に向き直る。 「…………さつき」 「え?」 「別れの印にこれを」 そう言ってシオンが右手を差し出す。弓塚が少し不思議そうな顔をしてそれを受け取る。 「わぁ……きれい」 弓塚が受け取ったのは指輪だった。それもただの指輪ではなく、エーテライトで編まれてあり 光にキラキラと反射していて、そこらのフェイクの指輪より一層高価そうに見えた。 「ありがとう…………シオン」 「いいえ、どういたしまして」 きっと現実でも弓塚はこんな反応をするだろう。弓塚は涙を浮かばせて指輪を胸に抱いた。 「その……私はそんな気の利いたものは用意できませんでしたけど……」 「ううん、そんな事ないよ秋葉さん。来てくれただけでとっても嬉しい」 「ふ、ふん」 緊張によるためか演技が達者なのか、秋葉はわずかに顔を赤らめて弓塚からそっぽを向いた。 「相変わらず素直じゃありませんね、秋葉。さっきまであれほどあれこれと言う事を考えていたではないですか」 「なっ、シオン!! それは言わない約束でしょう!」 「おや、そうだったでしょうか?」 「クスッ…………二人とも相変わらずだよぉ」 誰からともなく笑い合う。俺はそんな三人を見て三人の仲の良さとこれからの別れを実感して胸に何かが込み上げてきた。 三人とも緊張による固さは殆どなく自然体でやっているようでとても伸び伸びと演っているようだ。 「…………弓塚さん。あちらに行っても変わらずお元気で」 「秋葉さん、ありがとう。…………何か、改めて握手っていうのも恥ずかしいね」 そう言いながらも二人はお互いの手をしっかりと握り合い、そして名残惜しそうに手を放す。 弓塚は握っていた手を見つめて、軽く握って開いてを繰り返した。 「………………結局」 「え?」 「結局、あの人には何も言わなかったんですね。さつき」 シオンの言う「あの人」が誰を意味するのか。それは分からなかったが、弓塚は僅かに逡巡した後、 思い当たる人を思い浮かべたのか眉をひそめながら、 「あぁ…………うん。やっぱり言えないかな、って」 「仮に言いたくてもさつきは言わないのでしょうね」 「えへへ…………やっぱり分かっちゃう?」 「もちろん、貴方は私の数少ない友人なのですから」 二人の目が合うと二人ははにかむように笑い合った。 「…………?」 あ、秋葉がちょっと置いてかれている。 それは秋葉も分かっているのか、無理矢理会話に入り込んだ。 「それより弓塚さん、もうすぐ時間ではなくて?」 「確かに。予定ではあと四分で発車するようです」 「………………うん、そうだね」 傍らにあるであろう大きな荷物を片手に弓塚は二人の顔を見やってこれ以上ない笑顔をしてみせた。 それは、どこか自分にも向けてもらいたいと思ってしまうほど魅力的だった。 「バイバイ、秋葉さん……それにシオン。私、ずっと忘れないよ」 「お元気で」 「どうか体に気をつけて」 「…………うんっ!」 目尻を涙で輝かせて弓塚は振り返った。と、その時、偶然にも弓塚と目が合った。 「っ」 「………………」 顔の温度がいくらか上がるのを自覚した。対して、弓塚はまっすぐに見つめていた。 そして、 「……………………………………『大好きだよ』」 そう言って、弓塚は教室のドアを開けて出ていった。 236 名前: ブロードウェイを目指して ◆bvueWC.xYU [sage] 投稿日: 2006/07/12(水) 02 18 04 「はいカット~! ありがとうございましたぁ~!」 「…………ふぅ。疲れました」 「ま、まぁこれくらい何ともないです。楽勝です、楽勝」 「よかったよ、三人とも。お疲れ様」 二人に労いの言葉をかける。見たところシオンが周りを引っ張っていたようにも見えた。 「シオンはすごかったね。いきなりアドリブで指輪出すなんて」 「あの演出は問題ありませんでしたか?」 「全然。おかげで二人とも力が抜けたって感じだったよ」 「……それでは私は無能だったような言い方ですね、兄さん」 シオンを誉めちぎっていたら秋葉の妬ましい視線が横から刺さった。 「あ、いやでも秋葉もよかったよ。なんていうか自然な感じの照れとかが特に」 「本当に仲のいい三人組だったんだ、っていうのが伝わりました。先輩が居たとはいえ他の二人も中々いい縁起でした。ところでさつき先輩、戻ってきませんね」 「あ、そういえば……」 演技によって舞台の袖、つまり廊下にハケていった弓塚。教室のドアに視線をやったが戻ってくる気配はない。 「俺ちょっと見てくる」 そう言って教室のドアを一息に開けた。ところが、右を見ても左を見ても弓塚の姿はどこにもいない。一体どこに………… 「ふぇ~、遠野く~ん」 「……弓塚?」 不意に足元から聞こえてくる情けない声。見るとさっきの凛々しい姿はどこへいったのか、ぺたんと座り込んでべそをかいている弓塚の姿があった。 「どうしたの?」 「緊張しっぱなしでいきなり力抜いちゃったから腰が引けちゃって…………」 「…………ハハハ」 これがさっきの人と同一人物なのだろうか。いや、こっちの方が弓塚らしいのかもしれないが呆気に取られてしまう。 「ほら、きっともうすぐ投票するだろうから立って」 そう言いながら弓塚が立ちやすいように手を差し伸べる。 「え………………いいの?」 「いいの、って……何が?」 出された手と俺の顔を何度も見やる弓塚は壊れた玩具みたいだった。 「余計なお世話だっていうんならすぐに手ぇ引っ込めるけど」 「う、ううんっ! ありがとう!」 そう言って誰かに取られるわけでもないのに飛びつくように俺の手を握る弓塚。彼女の手はさっきの緊張で僅かに熱を持っていたが、 それ以上に女性らしい繊細な指の細さが印象的だった。そうして教室に戻ると晶ちゃんが司会を務めていた。 「では色々アクシデントもありましたがこれから配役の投票を始めたいと思います」 「晶ちゃん、どういう風に投票するの?」 「単純に一人一票で誰にどの役をやってもらいたいかを紙に書いて投票してもらいます」 「はいは~い、それってもしかして全部の役を投票するんですか?」 「そうしようと思っていたんですが主な役だけ投票したいと思います。登場回数の多いかぐや姫におじいさんとおばあさん、 それに帝。この四人だけいこうと思います。他はなんとなく私なりにイメージがあるんで」 そう付け加えて晶ちゃんは一人一人に四枚の紙を配っていく。 「書いたら見えないように紙を二回畳んで翡翠さんの持っている箱に入れてください」 「投票用紙に、回収です」 それぞれに役名が振られている箱を持つ翡翠。それぞれ分けて投票するわけか。 「自分に投票してもいいのですか?」 「はい構いません。その場合は立候補とどこかに小さく書いてください。開票の時に発表はしませんが。ではどうぞ書いてください」 そうして各々机に向かって誰かの名前を紙に書いていく。まずはやっぱりかぐや姫を選ばなきゃな。俺は………… 月.アルクェイドに投票する 空.シエル先輩に投票する 禁.秋葉に投票する 静.翡翠に投票する 動.琥珀さんに投票する 孤.シオンに投票する 儚.弓塚に投票する 幻.レンに投票する 慕.晶ちゃんに投票する 死.有彦に投票する 投票結果 月 4 空 0 禁 0 静 0 動 1 孤 0 儚 0 幻 2 慕 1 死 5 決定
https://w.atwiki.jp/azalea/pages/20.html
『機織り歌と吟遊詩人』 小さい頃の思い出は、いつも、おねえちゃんと一緒。 おねえちゃん、シェエラ。私より4つ年上の、優しいおねえちゃんです。 ぱた、ぱた、ぱたん。とん、とん、くるり。 ぱた、ぱた、ぱたん。とん、とん、くるり。 お父さんは、大きな絨毯やタペストリーを。お母さんは、小さな壁掛けや、きれいな服にするための布を、織っていました。私とおねえちゃんは、機織り工房の隅で、大人の仕事のジャマをしないように、おままごとやお人形遊びをしていました。 ぱた、ぱた、ぱたん。とん、とん、くるり。 機織りの人たちは、仕事をしながら、歌を歌っていました。 歌、とも言えないような。単純な言葉に、気の向くままメロディを乗せるだけの。 後にわたしが修道院で、ひとりで小さな機織り機に向かう時も、同じ歌を歌っていました。 ぱた、ぱた、ぱたん。とん、とん、くるり。 ひとりで歌うと、少し寂しかったけれど、やっぱり、歌わないと調子が出ないのです。 ずっと、そんなふうに繰り返していたから、今でも、機を織るでもないのに、口ずさんでしまっていたりします。 冒険者の宿、朝。いい天気なので、窓を開けました。まだまだ風は冷たいけれど、陽の暖かさに感謝して、マーファ様にお祈りをします。 それから、しばらく、窓を開けて、静かな朝の空気を楽しみます。 ぱた、ぱた、ぱたん。とん、とん、くるり。 ふと、つぶやくように、口ずさんでいました。 ぱた、ぱた、ぱたん。とん、とん、くるり。 昔の夢を見た後は、目が覚めて、しばらくぼうっとする。少しして、彼女がもういないことを思い出す。それから、彼女の顔を思い浮かべる。まだ、憶えている。それだけ確認して、安心する。 ベッドから起き上がり、身支度をする。今日は、昨日より、少し空気が暖かい。 『季節の変わり目が一番危ないのよ』 養母の言葉を思い出して、一枚多く服を着込む。その言葉は無論、私に向けられたものではなかったのだが。 布団が重いと言っては寝床を這い出し、風が冷たいと言っては苛立って布団に戻る。そんな事の繰り返し。それでも、次第に彼女が床から出る時間は短くなっていった。 ――リータ。 義姉、と言っていいのだろうが、私は彼女の弟というより、玩具……人形のようなものだったと思う。私自身も、自分はそういうものなのだと思っていた。彼女のための人形なのだと。だから、彼女が亡くなってから、どうすればいいのかわからなくなった。 今も、わからないまま、彷徨っている。 ただ、養父が死に際に言った。『リータを憶えていて欲しい』と。その言葉だけは、守っていたいと思う。 顔を洗う水を汲むため、宿の中庭に出る。井戸の周りには、まだ人がいない。同じ宿にいるはずの冒険者たちは、出払っているのか、それともまだ眠りの中なのか。 ――ぱた、ぱた、ぱたん。とん、とん、くるり。 ふと、不思議な声に気付いて、耳を澄ます。歌声、だろうか。やや調子が外れている気がするが。 ――ぱた、ぱた、ぱたん。とん、とん、くるり。 宿の、どこかの部屋から聞こえてくるようだ。やや幼い印象の声だが、冒険者、だろうか。 ――ぱた、ぱた、ぱたん。とん、とん、くるり。 ぱた、ぱた、ぱたん。とん、とん、くるり。 聞こえてくる声に合わせて、歌ってみた。 「!」 声は、驚いたように歌を止めた。悪いことをしただろうか。 朝食を終えて、一度、部屋に戻った。リュートを取りだして、手入れをする。 ふと、先ほど聞いた歌声を思いだした。 ――ぱた、ぱた、ぱたん。とん、とん、くるり。 単調な音とリズムの繰り返し。それなのに、妙に心に残っている。 弦を弾いて再現してみるが、どうも音が合わない。声だけの方が合わせやすいようだ。 ぱた、ぱた、ぱたん。とん、とん、くるり。 繰り返して、歌ってみる。 ぱた、ぱた、ぱたん。とん、とん、くるり。 ぱた、ぱた、ぱたん。とん、とん、くるり。 さっきの声は、誰だったのでしょうか。 わたしは、やっぱり恥ずかしくて、窓を閉めて、布団をかぶってしまいました。 知らない人? 知り合いだったらとても恥ずかしい。でも、そうではない気がします。あれは、たしかに、男の人の声でした。わたしの冒険者の知り合いは、今のところ、女の子ばかりですし。 ――ぱた、ぱた、ぱたん。とん、とん、くるり。 「!」 歌が、聞こえてきました。わたしの歌った機織り歌。さっきの人の声です。近くの部屋……まさか、お隣? 耳を澄ましてみたけれど、方向はよくわかりません。 どうしようもなく恥ずかしくて、布団の中で縮こまります。 でも……その声は、なんだかとても優しくて。 そういえば、あの歌を、人が歌っているところなんて、小さい頃以来に聞きました。なんだか、ちょっと、なつかしくて、悲しくなって、目がじんわり熱くなりました。 布団から出て、涙を拭いて、マーファ様にお祈りしました。お祈りは心を静めてくれます。感謝と、それから、お願いのお祈りをしました。 わたしと、おねえちゃんと、他のみんなと、それから、この歌を歌っている人の心に、平穏がありますように。 ぱた、ぱた、ぱたん。とん、とん、くるり。 ぱた、ぱた、ぱたん。とん、とん、くるり。 ――わかったような気がする。 この歌は、郷愁だ。 養父母やリータの顔が浮かぶ。まだ、憶えている。それだけ確認して、安心する。 歌を止め、リュートを仕舞って、窓から外を眺める。ひんやりと冷たい風に、わずかに花の香りを感じたような気がした。