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前へ | 次へ クリア条件:EDを見る 開始時間:2014/01/02(木) 09 39 00 終了時間:2014/01/05(日) 10 56 43 参加人数:1 病気になってしまったおばあちゃんに代わって、女の子がペットショップを経営する育成RPG・・・ というほのぼのしたゲームであるがその実女の子は野生の動物を乱獲しまくるハンターである(ぇ 捕まえた動物は自宅の牧場でたまごっちのように育てることが出来る。 育てた動物をコンテストに出場させ勝ち抜いたりすることによってストーリーが進んでいく。 パラメータには ちから・すばやさ・かしこさ・かわいさ があります。 ほめる:かわいさがアップ、かしこさも少しアップ しつける:かしこさがアップ、かわいさも少しアップ あそぶ:ちからとすばやさがアップ 大会も4種類あります。0歳の子供は参加できません。 ちから:優勝も2位も難しく、育成も大変。 かけっこ:ちから大会よりは楽、育成は大変。 ずのう:優勝は簡単、育成も楽。 しゃしん:優勝は難しいが2位は簡単、育成は楽。 依頼は「うちのペットを2位以上にしてください」というのを引き受けて かしこさ・かわいさ大会のどちらかを狙えばいいと思います。 最後のイベントをクリアするには、ちから・すばやさに優れた動物と かしこさ・かわいさに優れた動物が必要になります。 ゾウ&キリンのイベントをクリアしたあたりから鍛えておけば手間が省けます。 ココナッツジャパン制作でお送りしました。
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3rd RONDO 『そうだ、神姫を買いに行こう ~2/4』 大学構内。 城尊公園。 白築通り。 町を優しく淡く包み込み、しかし鮮麗に燃える高揚感を描くような桜色。 雨よりも、雪よりも、陽光よりも軽く儚く舞う花。 人が燃え上がる火の粉に心を奪われるように。 散る桜もまた、誰の情を惹きつけて止まない。 「こうして歩いてると、なんだか物語の主人公になった気分にならない?」 くすぐったそうな笑みを零して、姫乃は俺の顔を覗き込んだ。 それが、この瞬間が、二度と訪れることのない情景であることが寂しくて。 俺は返事を返せないでいた。 「桜の魅力――ううん、魔力かな。 ずっとずっと昔から」 たくさんの人が、この魔力に魅せられてきたのよね。 姫乃はそう言って一歩先へ出て、絹のようにしなやかな身体を翻した。 白いシャツが、透き通るような肌が、桜に負けないくらい、眩しい。 「弧域くん、後でお花見しない?」 桜色に満ちた世界を後の楽しみにして。 「――――二人だけで、ね」 俺たちは、大型家電量販店 『ヨドマルカメラ』 へ向かった。 ―▲―▽―▲―▽―▲―▽―▲―▽―▲―▽―▲―▽―▲―▽―▲―▽― あなーたの(ヨドマル♪) そぉーばに(ヨドマル♪) ヨドマルカ~メラァ~ いつーでも(ヨドマル♪) どこーでも(ヨドマル♪) なんでもそ~ろうぅ~ テレビにエアコンそうじきゲーム けいたいでんわもパソコンもぉ~ 「あなたの暮らし、私たちにお任せください!」 ヨドマルカ~メ~ラァ~アッアァア~ ―▲―▽―▲―▽―▲―▽―▲―▽―▲―▽―▲―▽―▲―▽―▲―▽― 念のために言っておくが、俺も姫乃も花鳥風月をこよなく愛する類の人だ。 姫乃の趣味は知らない土地の一人歩きで、その土地での風景や出会いを宝物にしている。 廃墟になった神社でパジャマの領収書を拾ってきたり。 野良犬と折りたたみ自転車で頭文字Dしたり。 至高のメロンパンを鞄いっぱいに詰め込んだり。 猫にジブリ映画よろしく山道を案内してもらったり。 その山道から人様の民家の庭に出たり。 丁度そこの住民と出くわして気まずく挨拶したり。 小学生に吠えられたり。 女子用ス◯水を拾ってきたり。 一人歩きは本当に危ないからやめてくれと口をすっぱくして言っても、休日にふらっといなくなったと思ったら聞いたこともない土地から写真を送ってきたり、わけの分からない土産話を持って帰ってくるのだ。 「神姫売り場ってどこ?」 「二階。 おもちゃ売り場の中に特設コーナーがあるのよ」 俺も日本らしい趣が好きで弓道をやっている。 鳶の鳴き声。 矢が放たれる瞬間の甲高い音と、的の紙に穴を空ける音。 この三つの音だけが響く弓道場はなんというか、いやなんともいえずたまらんのだ。 (現実は180度逆で、高校生や大学生の弓道は他のスポーツに負けず劣らず五月蝿い。 そもそも鳶が鳴く弓道場なんて俺の知る限り、我がボロアパートから電車で三時間はかかるド田舎にしかない) 弓道の腕前はお世辞にも良しとし難いものだけれども。 独特の雰囲気に飽きることなく、高校生から大学生になった今でも真面目に練習に取り組んでいる。 「二階って寄るとこないもんなあ。 ヨドマルに来る用事なんて本かパソコンくらいだし、地下と三階にしか行ったことないや」 「私も電球が切れなかったら二階に行くことなんてなかったわ。 三階の本屋ってすっごく品揃えがいいのよね」 だが花は花で、団子は団子。 一度神姫を買うと決めて以来、今日この日曜日に至るまでどの型を選ぶかで頭がいっぱいで、桜が丁度見頃になっていたなんて気付きもしなかった。 どの神姫を購入するかはまだ決めていない。 徹夜でネットを徘徊してはみたものの、あまりに種類が多すぎて目移りするばかりだった。 それに俺はてっきり “武装神姫” を扱っているのはコナミ一社だとばかり思っていたのだが、実際は数々の会社がそれぞれ特色を持った神姫を売り出しているらしく、それもまた混乱に拍車をかける要因となった。 結局のところ、店で現物を見て選ぶのが一番ということのようだ。 一応候補を挙げるならばやはり、姫乃が持つ Front Line 製悪魔型ストラーフに対抗して、同社の天使型アーンヴァルだろうか。 公式サイトで画像を見る限り、白を基調とした落ち着いた雰囲気のボディにサラサラの金髪ストレートで、ストラーフよりも幾分優しい顔をしていた。 ニーキにギャフン! と言わせるためとはいえあからさまに対抗する形となるが、性格はパッと見大人しそうで手がかからなさそうだし、なかなか悪くない選択だと思う。 それに、悪魔をボコボコにするのは天使の役目と相場が決まっている。 「姫乃ってストラーフ型に手ぇ振ってもらったからニーキ買ったんだよな。 そのストラーフが売り子やってんの?」 「他にもいろんな神姫がいたわよ。 自分と同じ型を買ってもらおうって、みんな頑張ってたわ」 何より忘れてはならないのは、俺が神姫を買うことに抵抗があっても一緒に買いに行くことで同意してくれた姫乃の意見だ。 俺が選んだ神姫の種類に文句を言う姫乃ではない(と思う)が、彼氏たるもの、彼女の意見は極力尊重するつもりだ。 ……将来尻に敷かれそうだなあ、なんて思ったりもする。 ちなみにニーキは当然留守番だ。 店に神姫を連れ込んだら問答無用で万引き犯扱いされてしまう。 神姫と一緒に買物を楽しみたいオーナーもいるだろうに、純真無垢な神姫に万引きの手口を教え込む輩が後を絶たないのだ。 迷惑極まりない話だが、俺としてもニーキにデートの邪魔をされたくない。 購入予算は……まぁ、一括ニコニコ現金払いで神姫一体ギリギリ買えるだけ預金口座から下ろしてきたものの、型式によっては若干オーバーしたりもする。 そのへんの兼ね合いも考えて、良い神姫に出会えたならば重畳だ。 一階からエスカレーターに乗ると、上から特売商品を売ろうと客引きする声――では断じて無い、怒号に近い声が聞こえてきた。 「武装神姫コーナーは只今大変危険となっております!! 近づかないようお願いしまーす!! えー武装神姫コーナーは大変危険と――!!」 《私たちは要求する!! 神姫の労働条件改善を!! 神姫の正当な権利保証を!!》 玩具コーナーの一角、神姫特設スペースは混沌の様相を呈していた。 遠巻きに取り囲む客を近づけまいと警備員が警戒し、その輪の中で店員と神姫達が何やら言い争っていた。 というより、拡声器を使って叫ぶ神姫に店員が一方的に捲くし立てられている。 至近距離で拡声器から放たれる神姫の叫び声に耳を塞ぐしかないようだ。 ピラミッド状に山積みされた武装神姫の箱の上に見栄え良く武装された色とりどりの神姫達は、頂上で拡声器に向かって魂の叫びを上げるアーンヴァルを守るように仁王立ちし、下の方では何故か数体の神姫達が戦っていた。 店員はなんとかそれを止めようと接近を試みるが、 「いつでも発射できるぞ」 と言わんばかりに戦闘態勢をとっている神姫達に近づけないでいる。 神姫達の表情はどれも命を賭して戦う者のそれだ。 今日は販促イベントの日なのか? 世界征服を目論むアーンヴァルを倒すヒーローショー的なあれか? 「ここでヒーローの名前を叫んだら五色揃った五体の神姫が駆けつけてくるのかね?」 「叫んでもいいけど、その時はいくら弧域くんでも他人のふりをするからね。 今はあの神姫達に冗談は通じないと思うわよ」 「だよな、人形とは思えないくらい殺気立ってるし。 春だから春闘のまねごとってわけか」 基本的に人間に従順な神姫が反乱を起こすくらいだからよほどの悪条件で働かされているのだろうけれど、雇用主に訴えるならばせめて営業時間外にやってほしい。 拡声器といい、ピラミッドフォーメーションといい、事前に計画していて事を起こしたようだ。 だが日曜日を狙って店を困らせるとは浅はかなり。 一杯食わせたい気持ちは分からなくもないが、そんな方法で要求を飲ませるのは “駄々っ子” でしかない。 警備員が強攻策に出さえすればそれでお終いだろう。 「ま、客が心配することでもないか。 仕方ない、神姫はまた今度にして今日は花見するか」 姫乃が何気なく目線を下げ、 「そうね、野次馬になるのも迷惑になきゃっ!?」 その先に何か黒光りするものが飛び込んできた。 「ひめ――」 手を伸ばしたが遅かった。 姫乃はツルツルに磨かれた床でスニーカーを滑らせ、盛大にロングスカートを広げて 「白!」 尻餅をついた。 「なんで叫ぶのよ!?」 強かに尻を打ち付けた痛みと絶対領域を全開放した羞恥のダブルパンチで顔をボッ! と赤くした姫乃は尻餅の体勢のままスカートの前後を押さえた。 その一瞬だけ目に写った影と白のコントラストは、しかし一瞬だからこそ鮮烈に記憶に焼き付き、普段は野暮ったく見えるロングスカートの中にどれほどの夢が詰まっているかを垣間見るに十分であった。 もう何度想像したか分からないその禁断の領域を垣間見た俺はその瞬間を “名画” のようだと思った。 ほんの一瞬という人間の認識では連続で有り得ないその止まった時の中に輝く “白” は一瞬だからこそ無限の想像を溢れさせ、いや、その想像はある方向にのみ断固として無限ではない。 人の憂慮すべき探究心は時にその禁断のカーテンの向こうへと飛翔する。 嗜みある紳士ならば、この先俺が何を主張したいのか察してもらえることだろう。 ……さて、どうやって怒られる前に機嫌を取ろうか、と助け起こすのも忘れて熟考に入ろうとしたところで、姫乃に尻餅をつかせた黒光りする物体が 「いった~!」 と声を上げた。 もちろんそれは “G” ではない。 先日俺の眉間に穴を空けてくれた忌々しいツインテール。 それと同型のストラーフは、起き上がりつつ姫乃のほうに顔を向けて 「すみません、お客さ……あ、お姉さんは確かあの時の!」 と甲高い声を上げた。 「え? あ、あの時のストラーフさん?」 そのストラーフは姫乃がニーキと出会うきっかけとなった神姫だった。 素体はニーキと変わらず黒を基調としたもので、大きく違う点は、その神姫はゴツい武装に包まれていた。 足は膝から下が長く機械的な見た目に変わっており、脚力を上昇させるパーツのようだが、単純な機動力強化でないことは足先に取り付けられた短剣から容易に想像がつく。 神姫の身体と不釣合いに大きいそのレッグパーツとのバランスを取るように、背中にシールド付きの無骨な肩が取り付けられており、そこから機関銃の銃身のような異様に長い腕が伸びている。 肩のシールドにはさらに細身の剣が上に伸びるように取り付けられており、実用的ではなさそうだが、ストラーフのシルエットがより悪魔に近いものになっている。 腕の先についた神姫の頭ほどもある手の五本の爪は相手を引き裂くのか、それとも巨大な武装を振り回すのだろうが――このストラーフは両方の腕に二体の神姫を抱えていた。 一体は腕と脚が白く所々青いペイントが入っていて、腰の辺りまで伸びた癖のある豊かな金髪と相まって上品な印象がある。 もう一体は黒に赤と真逆のカラーリングで、紫のショートカットと左右二箇所でまとめたお団子が子供っぽい。 二体とも色と髪型を除けば同じ装飾がなされていて、目を閉じた顔は姉妹のようによく似ている。 この二体は確か、どこのブランドだったかは忘れたが、一ヶ月くらい前に発売された―― 「お姉さんゴメン! 悪いけどこの二人、ちょっと預かっててよ!」 「ふぇ? なに?」 あっけにとられて立ち上がれない姫乃のスニーカーにストラーフはその二体を横たわらせた。 動けばその二体がコテンと倒れてしまうため、身動きがとれなくなった姫乃は顔だけをあたふたさせる、なんて器用な真似をしてみせた。 「ちょ、ちょっとどうすればいいの? 弧域くん?」 「いや、俺に聞かれても」 「君、お姉さんの彼氏? 説明してる暇はないんだ。 悪いけどその二人を守ってあげて――よっと!!」 一瞬だった。 戦国時代風の鎧に身を包んだ神姫がストラーフの元にいつの間にか飛び込んでいて刀を振り下ろし、ストラーフはそれを片方の剛腕で防ぐと同時にもう片方の腕で武士型の神姫を殴り飛ばした。 突然だったとはいえ、それはギリギリ目で追える程の攻防だった。 ハナコの異様なまでに綺麗な字といい、今の目の前の交錯といい、神姫の能力の高さには舌を巻くばかりだ。 今の一瞬だけで思わず手に力が入ってしまった。 姫乃は手品でも見せられたかのように吹き飛んだ武士とストラーフを交互に見て一人状況から置いていかれていた。 まあ、俺も神姫の動きが見えただけで何がなんだか分からないのだが。 軽く1mは吹き飛んだ武士がふらつきながらも刀を杖にして立ち上がり、その隣に今度は西洋風の鎧を見に纏った神姫が並んだ。 二体とも、遠くから分かるほど、顔が濃い…… 「レミリア、あくまでその二人を渡さないつもりか!」 「当然。 エルもメルもまだまだ将来が楽しみな神姫なんだ。 あんた達みたいにやさぐれて育っちゃ、先輩神姫の名折れだからね。 それに――」 レミリアと呼ばれたストラーフはププゥ! と噴出し、 「 “あくまでその二人を” ってダジャレ? そりゃあそうだよ。 だって私、悪魔だもん」 全力で悪魔らしく、嘲笑った。 「貴様武士を愚弄するかあああああ!! 『魔剣・烈風斬!!』」 「後悔しても遅いぞ! 『エクスカリバー!!』」 「ハンッ! そうよアンタ達みたいな雑魚は二人まとめてかかってきなさい! 『デーモンロードクレイドル!!』」 三人の衝突によって、一瞬、僅かだが、空気が震えた! 冗談だろ!? たかが15cm程度の人形がここまで激しく動けるのかよ! 二人の剣士が渾身の力で放った斬撃をレミリアが突進で蹴散らし、そこから先はもう俺の目にも止まらぬ攻撃の応酬になった。 間近で見る迫力なんてものじゃない。 とても玩具と呼べる代物じゃない。 ――――これが、神姫バトルなのか! 神姫の戦いに見惚れていると、 「弧域くん、この二人どうしよう」 と姫乃が眉を八の字にして俺を見上げていた。 スニーカーに身体を預けた二人の神姫に触れていいものか分からず、立ち上がれずにいるらしい。 残念なことにスカートはばっちり抑えている。 「預かるっていっても、あのお侍さんと鎧さんに襲われたら私はどうすればいいの……」 「いや、さすがに人間には攻撃してこないと思うけど」 眠っているのか電池切れなのか、ピクリともしない白と黒の神姫をとりあえず預かろうとした――その時。 「うぉおおう!?」 白いほうの神姫の目がくわっ! と見開かれ、文字通り飛び起きた。 「レミリア姉さん? レミリア姉さん!?」 「あー、お姉さんならあっちでほら、戦っ――ってちょっと待てオイ!」 俺が指を差した方向で、レミリアは武装の片腕を折られていて残った腕と膝を床につき、その目前に立つ二人の剣士は大上段に構えていた。 剣士二人とは格が違ったように思えた悪魔も、二対一のハンデを覆すまでには至らなかったようだ。 だからレミリアを姉と呼ぶ白い神姫が加勢に向かったのはあまりにも当然で正しすぎる行動だ。 だが、何の武装も無しに斬撃に飛び込むのは自殺行為でしかない! その神姫に気づいたレミリアが 「っ!? バカ来るなぁ!!」 叫んだがもう遅い! 剣を振り下ろした武士と騎士が 「なっ!? エル!?」 気づいたがもう止まらない! 振り下ろされる凶刃に間一髪間に合った、間に合ってしまった神姫は金髪を靡かせ、両腕を広げて―――― 「っ痛ったぁ!?」 間一髪白い神姫と斬撃の間に手を滑り込ませて神姫を掴んだまではよかったが、手を引っ込めるのは間に合わなかった。 玩具でありペーパーナイフ程度の切れ味しかないはずの二振りの剣は見事、俺の右手の甲に二本の切り傷を作ってみせた。 「くそっ、マジで切れやがった! おもちゃってレベルじゃねぇぞ!」 手に走った二本の赤い線からじわぁっと血が滲み出てきた。 その血に合わせるように、痛みもじわじわと手全体に広がっていった。 ニーキといいこいつらといい、俺は神姫に怪我させられる運命なのか!? いや、手を出したのは俺だけれども!! ニーキは姫乃に手を出そうとした俺を邪魔しやがったけれども!! ああもうホントに痛い! これ絶対風呂でしみるぞ! 「きゃあああ!? 弧域くん血出てる、血!!」 「……そ、そんな……私の剣が、お、お客様、を……」 「さんざんお客さんや店に迷惑かけた奴のセリフじゃないね。 暫く頭を冷やしな」 失意の内に刀を落とした武士の頭頂にレミリアの踵落としが決まり、武士はその場に崩れ落ちるように膝を折った。 「き、貴様よくも私の剣を汚しギハッ!?」 「自分の剣に責任も持てないなんて、仮にも同じ剣士なのに恥ずかしいよ、まったく」 いつの間にか目を覚ましていたらしい黒い神姫は携帯電話 (同型同色の携帯をとても身近な人が持っていた気がする) を振り下ろした格好で武士と仲良く並んで倒れた騎士を見おろして、というより侮蔑をたっぷりと込めて見くだしていた。 携帯電話 (あの十字架のストラップにも見覚えがある) を放り出した黒い神姫はレミリアに駆け寄るなり 「レミ姉腕! 腕が!」 と騒ぎ出した。 「オプションパーツだからいくらでも替えが効くって。 だーいじょうぶ大丈夫」 「あんなゴッツイ腕が折れるくらい激しく戦ったんでしょ! お願いだからレミ姉、ボク達なんかさっさと見捨てて、危ないことしないでよぉ……」 「にゃははは! カワイイ妹達を見捨てる姉なんていないって!」 残ったほうの手で黒い神姫の頭をグリグリとなでて、仲睦まじくじゃれ合う二人。 もう一人の白い神姫は―― 「(じーっ)」 俺の手の中に収まったまま、こちらを凝視していた。 眉間の穴が再び開きそうなほど凝視されていた。 「(じーっ)」 「ああ、悪い。 咄嗟だったもんで、掴んで振り回しちゃったな。 怪我はないと思うけど酔ったりしてないか? っつーか神姫って乗り物酔いとかするのか?」 「(じーっ)」 「どうしたんだ? また俺の眉間に風穴でも空いてるのか?」 「(じーっ)」 「おーい、神姫さんやーい」 「じーっ」 「いや、口で擬音を出すなよ」 「……………………(ぽっ)」 「何故そこで赤くなる!?」 白い神姫からの突き刺すような視線は、下ろしてやった後も暫く続いた。 NEXT RONDO 『そうだ、神姫を買いに行こう ~3/4』 15cm程度の死闘トップへ
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『おちびちゃんはとってもかわいいんだよ!(前編)』 35KB 制裁 観察 考証 自業自得 育児 飼いゆ 赤ゆ 現代 愛護人間 独自設定 うんしー ひさびさの長編。まだイライラパート、どうぞ気長に 過去作 anko1548(前)/1744-5(中)/2170-1(後) 『よわいものいじめはゆっくりできないよ!』 anko2263-4『ゆっくりいじめはゆっくりできるね!』 anko2424-5『かけがえのないいのちなんだよ!』 anko2889『いっしょにゆっくりしていってね!』 anko3521『ゆっくりつかいすてていってね!』 『おちびちゃんはとってもかわいいんだよ!』前編 「駄目。絶対だめよ」 「どぼぢでぞんなごどいうのおおおぉぉ!?」 飼っている二匹のくどい要請を、私はにべもなくつっぱねた。 れいむは目に涙を浮かべて叫び、ありすは唇を噛んですがるような目で見上げてくる。 こんなやりとりがもう何日も続いている。 れいむの願いを聞き入れてありすを買ったことを、私は後悔するようになってきていた。 れいむは銀バッジ試験に合格している、比較的手のかからないいい子だった。 ゆっくりである以上、子ゆっくりの頃に飼い始めたころはだいぶ困らされたものだが、 成体になって半年が経ち、銀バッジ試験にも合格して一丁前のゆっくりになった。 私の言うことをよく聞き、気配りのできる、生活に癒しと笑いをもたらしてくれる可愛いやつ。 しかし、それは少々買いかぶりだったのかもしれない。 「れいむ、おむこさんがほしいよっ!!」 銀バッジ試験に合格したれいむに、ごほうびは何がいいと聞いたらそう言ってきた。 最初は拒否した。今の生活でこれ以上ペットは増やしたくない。 しかし、私がどれだけ拒否しても、代わりのおもちゃやあまあまを提案してみせても、 れいむは頑として聞かず、ひたすら番を求めて泣きわめいた。 「れいむ、さびしいんだよおぉ!! おねえさんはいつもいつも、おしごとさんでいないよっ!! れいむはずーっとひとりぼっちなんだよっ!! おねえさんのおかげでごはんさんもむーしゃむーしゃできるし、ゆっくりすーやすーやもできるけど、 ひとりぼっちじゃゆっくりできないよおおおぉぉ!!」 確かにそうだった。 私はウェブデザイナーとして会社勤めで、毎日朝から晩まで仕事詰め。 早朝に家を出て、戻ってくるのは深夜ということもざらだった。 帰ってくるなり、待ちかねていたれいむの出迎えにも挨拶すら返さず、 ベッドに倒れこんで泥のように眠る日もあった。 傍らでれいむが涙声を圧し殺していることを知りながら。 まして、ゆっくりは極端なほど孤独を嫌がる。 子供の頃から家族とは密着してスキンシップに精を出し、 成体になれば、まずは何をおいても番を探す。 美味しいあまあまや整った空調にクッションなど、どんなに恵まれた環境を取りそろえても、 ゆっくりをはじめ他の生き物との接触を断たれた、あるいは極端に少ない状態だと、 ゆっくりはストレスを感じてゆっくりできなくなり、活気がなくなるらしい。 だからゆっくりを飼う際には、最低でも他の飼いゆっくりとの交流を交わして友達を作ってあげることが強く推奨される。 当然、他にゆっくりを飼っている人を探して交流する暇もなく。 大体自分の場合、そんなに社交性があったらゆっくりなんか飼っていない。 とにかく、れいむの飼い方に問題があったことは確かに認めざるをえなかった。 これまでずっと寂しさを我慢して抑え込んでいたれいむが哀れでもあった。 ゆっくりショップで購入した、同じく銀バッジのありす。 私がいない間、れいむの相手をしてくれるなら望ましいことだった。 ただしその際、れいむとありすに私は強く言い含めた。 「おちびちゃんは絶対に作っちゃだめよ」 予想をはるかに超える猛反発に遭った。 「つくりたい、つくりたい、つくりたい、つくりたい、かわいいおちびちゃんつくりたいいいいぃぃ!!」とぐずるれいむ。 「おねえさん、おねがいよ、おちびちゃんがいないなんてとかいはじゃないわ………」上目遣いでしなを作るありす。 そう言われても認めるわけにはいかなかった。 一匹増えるだけでも手間が増えるのに、このうえあの聞き分けのない赤ゆっくりがぽろぽろ増えるなんて想像したくもない。 疲れた体を引きずって仕事から帰ってきたら部屋中砂糖水と餡子、 端的に言えばしーしーとうんうんまみれだったなんて御免だ。 それに、飼いゆっくりの注意点として、「うかつに子供を作らせるな」というのは常識だ。 孤独を癒してくれる伴侶だと思えばこそ、飼いゆっくりは飼い主の人間になつき、慕うのだが、 いざ自分が番と子供を作り、ゆっくりの家族を形成してしまうと、人間との結びつきが急速に薄れる傾向にある。 同種の妻や子供をばかりかまい、飼い主に対してぞんざいに振る舞うようになるばかりか、 悪くすると家族に餌を持ってくるだけの食事係としてあしらわれ、ゲスになると「くそどれい」呼ばわりしてくることさえある。 ゆっくりとの良好な関係を保ちたければ、適度に人間に依存させることが必要なのだ。 守るべきおちびちゃん(餌をやるのは飼い主なのだが)ができることで根拠のない自信が生まれ、 自分を立派な大人だと錯覚して飼い主と対等なつもりで振る舞ってしまう事態にもつながるようだ。 れいむの中では番ができた時点でおちびちゃん大勢の大家族を作るまでが確定だったらしく、 突然のストップをかけられてこれまでにないほど泣き喚いた。赤ゆっくりだった頃のほうがまだおとなしかった。 行儀のいいありすでさえ、れいむをたしなめるでもなく、すがるような目をこちらに向けてくる。 それでもそう簡単には認めてやるわけにはいかない。 仮に子作りを認めるにしても、段階を踏む必要がある。 子供の頭数、親との密着度、躾の手順などなど、 ゆっくり飼いのマニュアルでは、決まって飼いゆっくりの子作りの項目に多くのページが割かれている。 「おちびちゃんはとってもとってもとってもゆっくりできるんだよおぉ!! おねえさんも、ぜったいぜったいぜったいぜったいゆっくりできるよ!!ほんとだよっ!! いっかいでいいからおちびちゃんをつくらせてねっ!!ゆっくりおちびちゃんをみてみてね!! そしたらおねえさんも、きっときっとぜったいかんがえがかわるよっ!!いっかいみてみればわかるのにいいぃぃ!! れいむのおちびちゃんはとくべつだよっ!!おねえさんもゆっくりできるよ!!おねえさんにもゆっくりしてほしいよ!! だからおちびちゃんつくらせてねっ!!ゆっくりさせてね!!ゆっくりしようね!! おちびちゃんとゆっくりしたいよ!!おちびちゃんがいればみんなゆっくりできるのにいいぃぃ!! おちびちゃんおちびちゃんおちびちゃんおちびちゃん、おちびちゃんつくりたいよおおぉぉぉ!!!」 連日、家に帰ってくれば「おちびちゃんがつくりたい」の連呼。 せっかく銀バッジが取れて、つがいも買ってきてあげたのに、飼い主もゆっくりも全然ゆっくりできてない。 少々可哀想だとは思いつつも、私はぴしゃりと言いつけた。 「しつこい!!それ以上わがまま言うなら去勢するわよ」 「きょ、せい……?」 「ぺにぺにを切っちゃって、おちびちゃん作れないようにすることよ」 「ゆんやああああああぁぁぁぁ!!?」 「どがいばじゃないわああああああああああ!!?」 二匹ともこれには震えあがり、恨めしげにこちらを見やりながらも口をつぐむしかなかった。 「とにかく、おちびちゃんはあきらめなさい。 それよりも二人でゆっくりすることを考えなさい。私と二人だけだったときよりはずっといいでしょう?」 れいむは恨めしげに「おちびちゃんはゆっくりできるのにいいいぃぃ……………」と漏らしただけだった。 思えば、その時点でその後に来る事態を予測しておくべきだったのだ。 おちびちゃんは、時期がくれば認めるつもりだった。 去勢するぞと脅しつつも、実際に去勢をするつもりはなかった。 いつになるかわからないが、れいむとありすのつがいが安定し、 これなら聞き分けよく指示にも従ってくれると確信できたなら、おちびちゃんを作らせてあげるつもりだった。 もちろん、私の監督指導のもとでだ。 飼いゆっくりに子供を育てさせる場合は、うっとうしく思われようとも子育てにしつこく介入し、躾に参加し、 飼い主としての影響力を家族にしっかり及ばせておかなければならない。 そもそも、ゆっくり専門のブリーダーでさえ手を焼く赤ゆっくりの躾がゆっくり如きにできるわけがなく、 いくら善良な親だろうと、子育てを任せて放っておけば飼い主を奴隷扱いする見事なゲスを育て上げてくれるのが通例だ。 そして、子が親の影響を受けるのと同じほど、ゆっくりにおいて親は子の影響を受ける。 子供を育てさせたらゲスが育ち、そのゲス子供に影響されて親までがゲスになり、飼い主に向かってくそどれいの大合唱。 そんな例でさえ、ゆっくり飼いではありふれた話だ。 どれだけ慎重を期してもやりすぎではないのが、飼いゆっくりの子作りなのである。 「ゆ~ん♪ゆゆぅ~ん♪れいむのかわいいおちびちゃんゆっくりしていってねぇ~~♪」 「しあわせ~♪しあわせ~♪おちびちゃんのとかいはなほほえみでみんなしあわせよぉ~~♪」 それだけに、その夜、家に帰ってくるなりその声が聞こえてくると、私は思わずその場にへたり込んだ。 全身を強烈な脱力感が襲い、しばらく立つこともできなかった。 あれか。よく聞くあのパターンか。あの、馬鹿な飼いゆっくりが決まって陥る茶番か。 うちのれいむはもう少し上のゆっくりだと思っていたのだが、どうやら本気で買いかぶっていたようだ。 「ゆっ!!おかえり、おねえさん!!ゆっくりしていってね!!」 「おねえさん、おかえりなさい!!きょうもゆっくりおつかれさま!!」 床を這いずるようにして現れた私に向かって、二匹は自信たっぷりの満面の笑みで挨拶を放ってきた。 私は答えず、次の言葉を待った。 しかしれいむもありすも、それ以上喋らず、にこにこと私を見ているだけだった。 聞くまで答えないつもりか。弁解さえしない気か。それがそこにあるのは当然のことだってか。 あれほど強調した飼い主のいいつけを破ったという罪を、本気で、頭にぶらさがっているそれで帳消しにする気なのか。 声を出す気力もなく、私はそれを力なく指さした。 「ゆっ!!」 「ゆふふ」 キリリと自信満々に胸をはるれいむ、目を細めてほほ笑むありす。それが答えだった。 そうして笑顔を浮かべたまま私の反応を注視している。 いつもはうるさく話しかけてくる二匹が、私の反応を確認するべく黙ってじっと待っていた。 その表情から推して、二匹が想定している私の反応が、楽しみに心待ちにできるたぐいのものであることは明らかだった。 「ふざけるな!!!」 怒りと失望感にかられて、つい爆発してしまった。 自分でもびっくりするほどの大声とともに床に握り拳を打ちつける。 すぐに我に返り、二匹を見ると、おろおろと――私でなく――れいむの頭の上に実っている赤ゆっくりを見守っていた。 「おちびちゃん!!だいじょうぶだよっ!!ゆれないでねっ!!ゆっくりしてねぇ!!」 「おとうさんたちがついてるわ!!とかいは!!とかいはよっ!!ゆっくりしてね!!」 「ゆぅ………ゆぅ……」 「ゆぴぃ……ゆぴぃ……」 わずかに眉をしかめていた実ゆっくりの揺れが少しずつおさまってゆき、やがて元通りに落ち着いて寝息を立てはじめる。 実ゆっくりが実っているのはれいむの額。れいむ種が一匹、ありす種が一匹の二匹姉妹だった。 実ゆっくりが落ち着いたのを見届けてれいむとありすはふうっと大きく息をつき、 次に私に向かって非難を浴びせてきた。 「おねえさんなにしてるのおぉ!?おちびちゃんたちがゆっくりできなくなっちゃうでしょおおぉ!!?」 「おねえさん、おちびちゃんたちはゆっくりさせてあげなきゃだめなの……とかいはじゃないわ、ね?」 上から目線で諭してくるれいむ達。明らかに態度が大きくなっている。 飼い主といえども、これほど可愛いおちびちゃんの為とあれば文句を言わずに従うだろうとあてこんでいるのが見てとれた。 私の堪忍袋の緒は限界に近かった。 「………れいむ。ありす」 「ゆっくりあやまってねっ!!ぷんぷん!!」 「おちびちゃんは、作るな、と、言っておいたわよね?」 「ゆっ!!そんなことどうでもいいでしょ!?おちびちゃんがゆっくりできなくなるところだったんだよっ!!?」 バァン!! 床を、今度は平手で叩く。 「「ゆびぃっ!?」」 二匹がすくみ上がった。 私が叱りつけるときに、最上級の怒りを表すアクション。 二匹が動揺しはじめていた。 目を見合わせ、その表情に怯えが浮かびあがってきていたが、 すぐに気をとりなおし、私のほうをちらちら見ながら頭上のおちびちゃんを心配してみせる。 「おちびちゃんゆっくりしてねっ!?こわくないよっ!おかあさんがついてるからねっ!!かわいいかわいいだよっ!!」 「とかいは!とかいはよ!!ゆ~ゆ~ゆらゆら~、ゆっくりしていって~ね~♪」 そう言いながらちらちらと私の表情を窺い、ことさらおちびちゃんを見せつけるように角度を調整している。 そんなれいむとありすの頬を、私は掴みあげた。 「ゆ゛ぐぅっ!!?」 「どうでもいい、と言ったわね。 毎日あなたたちにご飯をあげて、ゆっくりできるお布団や玩具を買ってきてあげている…… 私のいいつけが、どうでもいいのね。そういうこと言っちゃうんだ………」 「ゆぎっ!!?いぢぃっ!!い゛い゛い゛い゛ぃぃぃ!?」 「いぢゃいっ!!いぢゃいわああぁぁ!?いぢゃあああいいいいいいいぃぃぃ!!!」 頬を掴みあげる手に、ぎりぎりと少しずつ力を加えていく。 「私のことはどうでもいい。そうなのね?本当に、それで……いいのね?」 「………!!…………どがい、ばっ…!!!?」 「ごべんだざあああいいいいいいぃぃぃ!!!」 れいむが音をあげた。 私が本気で怒ったときの恐怖が、さすがに刷り込まれている。 それでも、「こんなはずじゃなかったのに」という困惑が、その表情からありありと見てとれた。 「ゆっぐ、ゆぐっ………ゆううぅ………」 「とかいはじゃないわぁぁぁ………」 「で?」 頬の痛みにいつまでも泣きじゃくっている二匹に、説明を促す。 「なんでいいつけを破ったの?」 「ゆぐっ……ゆぅ…………おちびちゃんは、ゆっくりできるから………」 「私がゆっくり出来ないの。そう言ったわよね?」 「ゆ………で、でも………おちびちゃんをみれば、おねえさんもきっとゆっくりできるって……」 「ゆっくり出来てないんだけど!!」 また床を叩き、れいむとありすがびくっと萎縮する。 わかりきっていたことだった。 「可愛いおちびちゃんを見せれば、飼い主もきっと考えを変える」 そんな都合のいい希望的観測に期待をかけて、飼い主のすっきり禁止を破る。 駄目な飼いゆっくりが陥る、お定まりのパターンだ。 ゆっくりの、子供に対する愛情はもはや信仰の域に達している。 自分のおちびちゃんの可愛さは何にも勝り、人間を含め全ての者たちがおちびちゃんを愛すると信じて疑わない。 人間から見れば、その信仰は「親バカ」の一言で解釈される。 そうならないように、きちんと人間の都合も考えられるように躾けてきたつもりだったのだが、 やはりうちのれいむはそこらにいる凡百のゆっくりと変わらなかったようだ。 あるいは、少しは賢くても、その賢さでは補いきれないほどの盲目の母性を持って生まれついてしまったのかもしれない。 「処分します」 「「ゆ゛ぅっ!!?」」 怒りと苛立ちと失望に後押しされ、私は無情な決定を言い渡した。 「うちではそんなに面倒見切れません。その子たちは捨てるわ」 「ゆううううぅぅぅ!!?やべでっ!!やべでえええぇぇぇ!!!!おぢびぢゃんずでだいでえええええ!!!」 「ぞんなっ!!?どがいばじゃないわっ!!ごんなに!!ごんなにがわいいおぢびぢゃっ!!なんでええええええ!!?」 「その可愛いおちびちゃんたちにごはんをあげるのは誰?」 「ゆ゛っ………」 「おちびちゃんたちがうんうんでお部屋を汚したら、掃除するのは誰?」 「それは…………」 「私でしょう? あなたたち二匹の世話をするだけで、私すっごく大変なの。これ以上二匹も増やせないわ。 無理に増やしても、ご飯はあげられないし、うんうんも片付けられないし、遊んでもあげられない。 私も、あなたたち二匹も、おちびちゃんも、みんなゆっくりできなくなるの。 これからもゆっくりしたかったら、おちびちゃんはあきらめなさい」 「ゆううぅぅぅ………でも、でもぉ………おちびちゃん、かわいいよおぉ………?」 「自分の子供たちは可愛いんだから、お前はゆっくりするな。もっと働いて沢山のご飯を持ってきて一日中休まず世話をしろ」 れいむ達の言っていることを要約するとこうだ。 だからまず、大前提を崩す。 「可愛くありません」 「「どぼぢでぞんなごどいうのおおおぉぉ!!?」」 「可愛くないからです」 「「どぼぢでぞんなごどいうのおおおぉぉ!!?」」 「可愛くないからです」 「「どぼぢでぞんなっ………ゆ゛っ………ぐううぅ………」」 三回繰り返せばさすがに理解してくれたようだ。よし。 言っていることはわかっても、納得はできないようで、ありすが食ってかかる。 「おねえさん……すなおじゃないのはとかいはじゃないわ……」 「飼い主との約束が守れないあなたたちに、素直じゃないなんて言われたくないわね」 「ゆっ……でも、こんなにとかいはでかわいいおちびちゃんたちなのよ……?どうしてほめてくれないの……?」 「可愛くないからです」 結局四回言わされた。 「なんでっ………!!」 「理由なんかないわよ。なんと言われたって可愛いと思わないものはしょうがないわよ」 「そんなのおかしいよぉぉ!!こんなにかわいいおちびちゃんがかわいくないなんてへんだよおぉ!?」 「これ、可愛いでしょ?」 私は押し入れを探り、二匹の前に一個の古ぼけたぬいぐるみを放りだした。 「「ゆ゛ぇっ?」」 私がほんの子供だったころに可愛がっていたぬいぐるみである。 二十年ほども前のものなので汚れきってぼろぼろだし、デザインも古臭い。 しかし愛着がしみ込んだ、私にとっては大事な一品だ。 「可愛いでしょ?」 「ゆぅ………?かわいくないよ……」 「くさくてとかいはじゃないわ………」 「どうして?ねえ、どうして可愛くないの?理由を説明してよ」 「ゆ……かわいくないからだよ……」 「だから、どうして可愛いと思えないの?」 「ゆ?きたないし、おかおもへんだよ。ゆっくりしてないよ」 「あなたたちのおちびちゃんたちだって汚いし、変よ。うんうんやしーしーを撒き散らすでしょう?」 「ゆ゛ぅぅ!?おちびちゃんたちはそんなぬいぐるみさんとはちがうよっ!! うんうんやしーしーをするのはあたりまえでしょおおおぉぉ!!」 「ぬいぐるみが汚れるのも当たり前よ。あのね、そのおちびちゃんが可愛いと思うのはあなたたちが親だからなの。 他人にとっては、あなたたちの子供なんかこのぬいぐるみと同じ。どうでもいいし、汚くて面倒臭いものなの」 「ぞんなっ……うそだよおぉ!!おちびちゃんがかわいくないなんてぜったいおかしいよぉ!! ゆっくりかんがえなおしてよおおおぉ!!!」 どんな例をあげてみせても、自分たちの子供だけは特別なんだと言い張るだろう。 特別でもなんでもないことを証明するために、私はハサミを持ってきてれいむの額の茎をつかんだ。 「可愛くない。可愛かったら、私も喜んで飼うわ。捨てるなんて言わない。 でも可愛くないから捨てる。わかったらあきらめなさい」 「や゛!?や゛べでえええぇぇぇ!!!」 「おぢびぢゃっ!!おぢびぢゃん!!どがいばなおぢびぢゃんんん!!ぎらだいでえええぇぇ!!!」 れいむが涙を流して歯茎を剥き出し、ぐーねぐーねと身をよじる。 しーしーまで漏らして、着て(履いて?)いるゆっくり用の服にしみ込んでいる。 ありすも泣きながら、ぽふぽふと体当たりをしてきた。無駄である。 「さっきも言ったでしょう。面倒見られないし、みんながゆっくりできなくなるの」 「おぢびぢゃんはがわいいがらびんなゆっぐじでぎるうううぅぅ!!!」 「じゃあなんで私は今ゆっくりしてないの?」 「!?………ゆ゛っ………ゆ゛ぅぅぅ………!!」 「あきらめなさい」 「ごばんざんいりばぜええええん!!!」 鋏を持つ私の手に必死にすがりつきながら、ありすが叫んだ。 「おぢびぢゃんのぶんのごばんざんはいらないでずっ!!うんうんもぜんぶあでぃずだぢががだづげばずっ!! おぢびぢゃんはあでぃずだぢでぞだでばず!!おねえざんには、ぜっだい、ぜっだいめいわぐがげばぜえええん!!」 「ゆ゛っ!!ぞうだよっ!!でいぶだぢだげでおぢびぢゃんをぞだでるよおおぉ!! おねえざんにはだよらないよっ!!ゆっぐじじだいいごにぞだでるよっ!! だがら、だがら、だがらあああああぁぁぁぁ!!!」 「…………本当に?」 私は手を止めた。 「ゆ゛っ!!!ぼんどうでずっ!!ぼんどうにぼんどうでずううぅう!! ごばんざんも!!おぶどんざんもっ!!ぜんぶ、ぜんぶでいぶだぢでやりばずううぅ!!」 「あでぃずだぢがどがいばにぞだででみぜばずっ!! おでえざんをゆっぐじざぜられる、どがいばでゆっぐじじだゆっぐじにぞだでばず!! びんなゆっぐじでぎばずうううぅぅ!!!」 「おちびちゃんたちのご飯はどうするの?どこから取ってくるの? あなたたち、狩りなんかできないじゃない」 「ゆ゛っ………ぞれは…………で、でいぶだぢのごばんざんをわげであげばずっ!!」 「ほら、何もわかってない。 おちびちゃんがどれだけ食べるのかも知らないでしょ? 大人のあなたたちより倍も食べるのよ、赤ゆっくりってのは。 あなたたち二匹のご飯を全部あげたって足りないわよ」 「ゆ゛ぅっ………!!ゆ゛、ゆ゛、と、とにかくなんとかするよっ!!」 「なんとかって、どうするの?」 「なんとかするよっ!!なんとかあぁ!!おねえさんおでがいじばずうううぅぅ!!!」 「どうが、どうが、いっじょうのおでがいでずううぅぅ!! おもぢゃもいりばぜん!!とかいはなくっしょんさんもいりばぜん!!もうわがままいいばぜえええん!!! おぢびぢゃんだげは、おぢびぢゃんだげはあああああぁぁぁ!!!」 「わかった」 「ゆ゛ぅっ…………ゆ゛っ!?」 私は鋏をしまい、二匹に言った。 「その二匹だけは許してあげる。 もし本当に、私に一切面倒をかけないで育てられるんなら、育ててもいいわ」 「ゆっ……ゆっ……ゆわあああああぁぁぁぁ!!! やった!!やった!!やったやったやったよおおおぉぉぉお!!!」 「とかいはだわああああぁぁ!!おちびちゃんっ!!おちびちゃんゆっくりしていってねえええぇぇ!!」 「ただし!!」 「「ゆびっ!?」」 「ほんの少しでも、その可愛いおちびちゃんとやらが私に迷惑をかけたり、 私にゆっくりできない気分を味わわせたりしたら……その場で潰して捨てるから。 それと、約束通り、あんたたちももう我侭言わないこと。いいわね?」 「ゆっ!!だいじょうぶだよっ!!れいむはこそだてがじょうずなんだよ!!」 「ありすたちのそだてたおちびちゃんなら、おねえさんもぜったいゆっくりできるわっ!! みんなでゆっくりしましょうね!!ありがとう、おねえさん!!」 「そう。じゃあ、任せたからね。……私は寝るわ」 「「ゆっくりおやすみなさい!!」」 部屋の電気を消し、布団に潜り込む。 普段から、私が寝ているときは静かにしろと躾けてあるので、ゆっくりの声はそこでやむ。 それでも、おちびちゃんのために小さな声で子守唄を歌っているのが聞き取れた。 私は頭から布団をひっかぶる。 結局、子育てを許すことになった。 私は甘いのだろうか? れいむとありすが子育てをする? できるわけがない。絶対にできない。150%ムリだ。 それでも、このまま子供が生まれる前に間引けば、 ゆっくりできるはずの子供を奪った理解のない飼い主だと思われ、逆恨みされることになるだろう。 だから、実際に育てさせる。 ゆっくり育成の大変さ、それができない自分たちの無能さ、それをやっていた飼い主の有難みを身を持って教える。 それをじっくり身に染みさせたうえで、結局育てられなくなったところで子供を取り上げる。 子供は、出来にもよるが、まあよくても里子に出すしかないだろう。 今回のことは、この二匹を躾けるいい機会にしようと私は考えていた。 そのへんの野良と本質は変わらない、無分別なゆっくりだということがよくわかったから。 ―――――――― プルプルプル……… 「ゆんっ!!ゆんっ!!きゃわいいれいみゅがゆっくちうみゃれるよっ!!」 「ときゃいはにゃありちゅもゆっくちうみゃれるよっ!!ゆゆんっ!!ゆーんっ!!」 「ゆーっ!!がんばってねっ!!おちびちゃんゆっくりうまれてきてねぇ!!」 「ままたちがみまもってるわ!!あんっしんっしてゆっくりうまれてきていいのよ!!」 れいむの頭から生えている茎、その茎に生っている二つの実がぷるぷると震えだしていた。 眠るように閉じられていたその目はいまや見開かれ、ゆんゆんと身体を振って生まれ落ちようとしている。 赤れいむは涎を垂らし、もみあげをぱたたたと振り回しながら鳴いていた。赤ありすの髪もよく見るとぱさぱさ動いている。 そしてたった今、二つの赤ゆっくりは頭の茎を千切って落下していった。 「「ゆっくちちちぇいっちぇにぇ!!」」 「ゆゆうううぅぅぅ~~~~~~ん!!おちびちゃんかわいいよおおおぉぉ~~~~っ!!!」 丁度私が見ている側で、赤ゆっくり達は生まれ落ちた。 犬小屋大の室内用ゆっくりハウスをれいむ達は自室兼寝床としており、 その中にはタオル、ゆっくり言うところのふかふかさんが何枚か敷き詰められている。 自分たちで床に敷いたそのふかふかさんで、茎から生まれ落ちる子供たちを受け止め、 れいむとありすは感極まって涙をこぼしながら歓声をあげていた。 生まれ落ちた直後の挨拶をすませた赤ゆっくり達は、涎を垂らしたまま目をぱちくりさせ、きょときょとと周囲を見渡す。 「ゆゆっ?おきゃーしゃん?おちょーしゃん?」 「ときゃいは?ありちゅのみゃみゃ?」 「ゆっ!れいむがおかあさんだよ!!おちびちゃんたち、ゆっくりしていってねっ!!」 「ありすがおとうさんよ!でも、とかいはなれでぃだからありすのことはままってよんでね!!」 「ゆっくちりきゃいしちゃよっ!!」 「おきゃーしゃん、みゃみゃ、ありちゅとゆっくちちてにぇ!!」 「ゆゆぅぅ~~~ん!!とってもききわけがよくてかわいいおちびちゃんたちだよおおぉぉ!!」 「なんてとかいはであいらしいおちびちゃんたちなのぉぉ!!うすよごれたせかいにおりたったさいごのてんしよおおぉぉ!!」 いまにも浮遊しはじめそうなほど浮かれきっているれいむとありす。 茎を生やして産み落としたのはれいむの方なのだから、れいむが母でありすが父ということになるのだが、 れいむは「おかあさん」、ありすは「まま」と呼ばせることにしたらしい。 どうも変だが、識者によれば、口ぶりから判断されるゆっくりの自意識というのはすべてメス的なものらしい。 だぜだぜ言っているまりさ種も例外ではないそうだ。 しばらくの間、れいむ達は子供達をぺーろぺーろと舐め回したりすーりすーりと頬ずりを繰り返していたが、 すぐに子供達がぐずりだした。 「ゆえええぇぇん!!おにゃかしゅいちゃよおおぉぉ!!」 「らんちしゃんがたべちゃいよおおぉぉ!!ときゃいはじゃにゃいいいぃ!!」 「ゆゆぅぅっ!?なかないでね!!なかないでね!!おちびちゃんなかないでねえぇ!!ゆっくりしてねええぇ!!」 れいむがおたおたと涙目で慌てる一方で、ありすはハウスに貯めておいたらしいゆっくりフードを口に入れて運んで持ってきた。 「さ、おちびちゃんたち、ゆっくりとかいはにむーしゃむーしゃしましょうね!」 「ゆっ!!ときゃいはならんちしゃんだあぁっ!!」 「ゆわーい!!きゃわいいれいみゅのすーぱーむーちゃむーちゃたいみゅ、はじまりゅよっ!!」 「「むーちゃむーちゃむーちゃ……かちゃいいいぃぃ!!」」 目の前に広げられたゆっくりフードに喜び勇んで口をつけたものの、 その硬さに歯が立たず、赤ゆっくり達は泣きだしてしまった。 「ゆうぅぅ!?かたいかたいなのっ!?ごめんねっ!おちびちゃんごめんねぇ!!」 「おねえさんっ!!もっとやわらかいゆっくりふーどをもってきてちょうだいっ!!」 ソファーの上に寝転がって見ていた私に向かって、ありすが叫んだ。 いつかは泣きついてくるだろうと確信はしていたが、いきなり初っ端からこちらに振ってくるとは思わず、私はさらに脱力した。 どうもこの二匹、まだまだ真剣に考えていない。 可愛い子供のゆっくりできない姿を見れば、お姉さんもさすがに助けるだろうと決めこんでいるらしい。 最初が肝心、私ははっきり言ってやった。 「知らないわよ、そんなの」 「どぼじでぞんなごどいうのおおぉ!?おちびちゃんがおなかぺーこぺーこなんだよっ!? このゆっくりふーどじゃかたいかたいでおちびちゃんがたべられないよっ!! ゆっくりりかいしてねっ!!はやくやわらかくてあまあまなふーどをよういしてねっ!!」 「自分たちで全部やるんでしょ?私に面倒をかけないで育てる、そういう約束だったわよね?」 「ゆっ!?でもっ……!!」 「でも、何?」 「こんなにかわいいんだよおおぉ!?かわいそうじゃないのおおぉぉ!!?」 「そう思うんならまずあなたたちが努力するべきね」 「「ゆうえええぇぇん!!おにゃかしゅいちゃあああぁぁぁ!!!」」」 顔中をゆがませ、涎としーしーまで撒き散らしてぱたたたとぐずる赤ゆっくり達。 赤ゆっくりに余計な動きを控えて体力を温存するという発想は、ない。 とはいえ人間の場合でもそれは同じことだから、ゆっくりの愚かさと責めるにはあたらない。 さて、私のれいむはといえば、ぐずる子供たちにうろたえた視線を、 私に非難がましい視線を交互に向けてもみあげをばたばた振り回しているだけだ。 この時点でわかってしまった。私のれいむに、母性はあっても子育て能力はない。 「ゆゆっ!!ありす、うっかりしていたわ。いなかものね。 おちびちゃんには、さいしょにこれをむーしゃむーしゃさせるのよ!」 一方、ありすはといえば閃くものがあったようで、 そう言ってかられいむの額に生えていた茎をむしり取った。 自分が生まれた時のことを覚えていたようだ。 最近までペットショップにいたありすの事だから、近くで子育てを見る機会も多かったのだろう。 折り取った茎をさらに半分に折り、半分ずつをれいむと分担して口に入れて咀嚼すると、 唾液にまみれて柔らかくなった茎をぺっと吐き出して子供の前に差し出した。 「さ、そのくきさんをむーしゃむーしゃするのよ!」 「ゆわああぁい!!ゆっくちむーちゃむーちゃしゅるよっ!!」 「「むーちゃむーちゃ!!むーちゃむーちゃ!!うっめ!こりぇうっみぇ!!まじぱにぇっ!!」」 ぺちゃぺちゃくちゃくちゃとひどい音を立てながらせわしく口を動かし、もるんもるんと尻を振り、 顔中を唾液と食べカスまみれにしながら一心不乱に食べる赤ゆっくり二匹を目を細めて眺めるれいむとありす。 「ゆっふうううぅぅ~~~~かわいいよ……かわいいよおおおぉぉ~~~~~………てんしさんだよおおぉぉ……」 「ゆふふ、おちびちゃんがゆっくりできてよかったわね…… ありす、このこたちのためならなんだってがんばれるわ。 おねえさんのたすけなんかかりなくても、このあふれるあいがあればこそだてなんてとかいはにのりこえられるはずよ!!」 「ゆっ!!そうだねっ!! れいむがぜったいぜったいぜったいおちびちゃんたちにゆっくりできないおもいなんかさせないよっ!! こそだてじょうずのおかあさんでごめんね~~☆」 そんな二匹のたわ言を、私は冷めきった頭で聞いていた。 さて、食事を摂った赤ゆっくりが次にとる行動は、周知の通り排便である。 茎を食べ尽くして腹を膨らませた赤ゆっくり二匹は、底部のあにゃるを差し上げて宣言した。 「「きゃわいいれいみゅ(ありちゅ)のしゅーぱーうんうんたいみゅだよっ!!」」 「ゆゆっ、おちびちゃん!!まってね!!うんうんさんはこっちでしてねっ!!」 れいむがそう言い、ゆっくりハウスの隅にある小さい箱、すなわち「おといれさん」を指し示す。 「「ゆーん!!ゆーん!!」」 子供のほうはガン無視で、全身を震わせて気張っている。 ありすが小さい箱を咥えて子供の目の前に引きずってこようとしたものの、ついに間に合わず、二匹のうんうんがひり出された。 「ゆわあああぁ!!やめてね!!やめてね!!ちょっとまってね!!まってええぇぇ!!」 「「うんうんちゅっきりー!!(もりゅんっ)」」 母の狼狽を意に介さず排出された便がタオルの上に転がる。 「ゆええぇぇ………きたないよおぉぉ……ふーかふーかさんよごしちゃだめなのにいぃ……」 「ゆっ、れいむ、あかちゃんだもの、しかたないわ。ゆっくりかたづけましょう!!」 「ゆっくりりかいしたよ!!」 一瞬私のほうをちらりと見たものの、れいむはかいがいしく子供たちのうんうんに舌を伸ばす。 何度か「ゆべぇっ」とえずきながら、どうにか指定の「おといれさん」に運ぶことができたようだ。 指定の場所に集めている限りにおいては、ゆっくりのうんうんは私が後で片付けてやることになる。 無能かもしれないが意欲はあるようだ。ありすの指示があれば意外とれいむでも頑張れるかもしれない。 ただしあくまで「頑張れるかどうか」の話であって、 「きちんと育てられるかどうか」については1ミリも楽観していないが。 「きゃわいいれいみゅはゆっくちしゅーやしゅーやしゅるよっ!!ゆぴぃ……ゆぴぃ……」 「ときゃいは……ときゃ……ゆぅ………」 れいむがうんうんの処理をしている一方、食事と排便を済ませた赤ゆっくりはさっさとその場で眠ってしまった。 「あらあら、すーやすーやはべっどさんでしましょうね」 子供たちのためにタオルを折りたたんで作った「べっどさん」の上に、ありすが二匹を優しく舌で運ぶ。 寝床で眠る二匹を見守りながら、れいむとありすはとてもゆっくりした表情を浮かべていた。 「ゆううぅ……かわいい………かわいい………かわいいよおおぉぉ………ゆっくりしすぎだよおおぉぉ」 「ありすのかわいいかわいいおちびちゃん………ずっといっしょにゆっくりしましょうね………」 両親は感極まっていたが、私のほうはとても共感はできなかった。 赤ゆっくりを飼う機会は意外と少なく、ゆえに知る人は少ないが、 生まれた直後の赤ゆっくりというのは一般人が想像するよりもはるかに汚い。 まず、常に涎を垂らしていると思っていい。やたらと勢いよく頻繁に喋るうえに、 口を閉じるということをまず全くしないので、砂糖水の唾液がひっきりなしに飛び散り垂れ流される。 乾いた砂糖水が全身にまぶされてべたべたして、歩いたはしから床の小さいごみや埃がへばりつき放題だ。 そのため、普通は親ゆっくりがぺーろぺーろと全身を舐めて綺麗にするのだが、その「綺麗」は野生での話。 そのぺーろぺーろで結局親の唾液がへばりつくので気休めにしかならない。 そして、下のしまりのゆるさが半端ではない。 自制心というものがほとんどないゆっくりのさらに赤ゆっくり、何かというとその場で大便小便を垂れ流す。 たった今眠っている赤れいむのまむまむから、ぴゅっぴゅっとおねしーしーが漏れだした。 赤ありすのあにゃるもひくひくとひくつき、黄色いカスタードをこんにちわさせながら盛り上がっている。 寝ながら数分間隔でしーしーとうんうんを漏らすのが赤ゆっくりなのだ。 とはいえ、やはり、人間だって同じことである。 問題は育てる親ゆっくりの方なのだ。きちんと管理、育成できるかどうか。見届けさせてもらおう。 ―――――――― 「「ゆえええぇぇん!!ゆぇええええええん!!」」 「ゆうぅぅ………またなの、おちびちゃん……?」 「ゆっくりすーやすーやさせてほしいわ………」 それはこっちの台詞だ。 深夜の二時過ぎ、赤ゆっくり達がぐずっている。 眠っていたれいむとありす、そして私は叩き起こされて目をこすっていた。 生まれた直後の赤ゆっくりは、元気に跳ね回るわけではない。 食べる、出す、眠る、をひたすら繰り返すのだ。身体の欲求を満たすためだけに全精力を傾け、他の世界には関心がない。 親とすーりすーりしたり兄弟と遊んだり、他者に意識を向ける余裕が出てくるまでに、おおよそ三日を待たねばならない。 他者と触れ合うまでは三日だが、赤ゆっくりの時期を脱するまでには速くとも一週間を見ることになる。 そして、赤ゆっくりの厄介なところは、やはり人間と共通している。 生活のサイクルが大人とは全く違い、深夜だろうが早朝だろうが腹が減れば泣きわめいて親を叩き起こすのだ。 むーしゃむーしゃやすーやすーやといったゆっくりできる活動を、 子供のためにひっきりなしに中断させられる親ゆっくりのストレスは想像に難くない。 半分涙目になりながらも、れいむとありすはかいがいしく世話をする。 ハウスの中に仕舞ってあるゆっくりフードを引っ張り出す。 食糧に関してだけは、私は譲歩した。赤ゆっくりの食べるぶんだけ増やしてやったのだ。 とにかく先立つものがなければ、この子育て体験学習そのものが成り立たないし、 成り立たなければれいむ達が納得せずに私が困る。この一点だけは譲歩せざるをえなかった。 ただ量を増やしただけで、いかに配分するかはれいむ達の仕事だ。 さて、まだまだ赤ゆっくりには固いそのゆっくりフードをくちゃくちゃと噛み、 赤れいむと赤ありすの前にそれを吐きだしてやる。 とたんに二匹はぴたりと泣きやみ、蛆虫か尺取り虫のようにもぞもぞと蠕動して餌に突進する。 「むーちゃむーちゃ!!むーちゃむーちゃ!!ぱにぇ!!しゅげ!!」 「ときゃいは!!ときゃいは!!むーちゃ!!むーちゃ!!」 さんざ食べ散らかしてから、ゆげーぷとゲップをかます赤ゆっくり二匹。 その後することといえば、うんうんとしーしーをひり出し、また眠る。これだけだ。 赤ゆっくりが起き出すたびに食事を噛み砕いて与え、あちこちに撒き散らされる大小便を舌ですくい便所に運び、 おねしーしーを垂れ流しながら眠りこける子供たちを寝床に運ぶだけ。 この単調な仕事を休みなく延々と続けさせられ、れいむとありすの表情はどうにか微笑を浮かべながらも早くもげっそりしている。 せめて子供とのすーりすーりでもできれば癒しになるのだろうが、当の子供たちには親への感謝や愛情のそぶりなどかけらもない。 かいがいしい仕事も力及ばず、ゆっくりハウスの中は早くも雑然と汚れてきていた。 辛いのは私も同じだった。赤ゆっくりが泣きわめくたびにこっちも叩き起こされるのだ。 ようやくまた寝かしつけたれいむに向かって、私は言いつけた。 「ちょっと、うるさくて眠れないんだけど」 「ゆっ………ごめんね、おねえさん………でも、おちびちゃんだから」 「おちびちゃんだから、何?」 「ゆ……うまれたばかりのおちびちゃんは、がまんができないから、ないたり、おもらししたりするのよ。 しかたがないことなの……ごめんなさい」 「知ってるんだけど、そんなこと」 「ゆ……?」 ベッドの上に起き上がり、れいむ達の前に顔を突きつけて言う。 「だから、赤ゆっくりがそういうものだって最初から知ってるの、私は。なに教えるみたいに喋ってるの? うるさいし、汚い。だからゆっくりできなくなる。だから子供は作るな、そう言ったわよね? でもあなたたちがちゃんと面倒見るから、私に迷惑かけないから、そういう約束で許したわよね? 私、さっきから何度も叩き起こされてるんだけど?」 「ゆっ………ゆぅ………」 返事を待ってみたものの、ゆーゆー呻いてうつむくだけで特に何も返ってこなかった。 要は、飼い主の怒りはその場をしおらしくしてなんとかやりすごそうという腹らしい。 苛立ちながら私は脅しをかける。 「じゃ、その子たち処分しようか」 「「ゆ゛うううぅぅぅっっ!!?」」 「私がゆっくりできないし、あなたたちもしっかり育てられないみたいだから約束通り処分します。 そしてあなたたちも去勢しましょうか、子供を育てる能力がないなら生む機能はないほうがいいわよね」 「ゆ゛んや゛あああああああっっ!!!やだっ!!やだやだやだやだよおおおぉぉぉ!!」 「ぞだでばずっ!!ぢゃんどどがいばにぞだでばず!!ぢゃんどやりばずううう!!!」 ゆぎゃーゆぎゃー泣きわめきそらぞらしい約束を並べたてる二匹に向かって、 私が手を振り「じゃあもう少し様子を見る」と伝えたところで、また赤ゆっくりが起きだしてむずがりだした。 二匹はことさら大急ぎで子供の元に向かって叫ぶ。 「「ゆええええええぇぇん!!ゆぅえええええええぇぇん!!」」 「ゆううぅぅっ!!しずかにしてね!!しずかにしてね!!おねえさんがゆっくりできなくなるよ!!しずかにしてね!!」 「らんちさんならいまあげるわ!!おねがいだからしずかにしてっ!!ゆっくりしてえええぇ!!」 「おにゃかしゅいちゃあああぁぁ!!おにゃかしゅいちゃああああああぁぁぁぁ!!!」 「ときゃいは!!ときゃいはああぁぁ!!ときゃいはあああぁぁ!!」 赤ゆっくりは親の言うことなどまったく耳に入っていないらしかった。 私は布団をひっかぶってなんとか寝る努力をする。 『私が少しでもゆっくりできなくなったら処分する』 すでに今、この時点でミッションは頓挫しているが、さすがに今結論を出しても効果は薄いだろう。 言い訳のエキスパートであるゆっくりの事、こんなに早く結論を出してしまっては、 「もう少し育てば子供がなついたのに飼い主が」「もう少し言い聞かせればいい子になったのに飼い主が」と、 なにかと理由をつけて私を逆恨みするはずだ。 「やるだけやったけど自分たちにはダメだった」と納得させるまで付き合う必要があった。 つくづく、ゆっくりを飼うというのはタフな行為である。 ―――――――― 人間でもノイローゼになる者が出てくるほど、子育てというのは本当にしんどいものなのだ。 それを、我慢のがの字も知らないようなゆっくりがどうしてやっていけるのか? 結論から言えば、やっていけない。 多産多死のゆっくりは、野生の中ではほとんどが成体になる前に死ぬが、 子育てに疲れた親に「おやをゆっくりさせないげすはしね!」などと言われて潰される、という死因は、 決して珍しいものではなく、むしろポピュラーな方なのだ。 食糧が豊富で統制のとれたゆっくりの群れでは、ゆっくり殺しを禁じて抑制するケースもあるようだが、 研究者によると、通常、親の子殺しは、子ゆっくりの死因の実に七割を超えるらしい。 その結果、ごくごく一部の「手のかからない子」が生き延びるわけだが、 年中発情期で一年を通して何度も何度も子作りをするゆっくりだから、そんな生存率でもしっかり増えていくのだ。 外に出ても外敵だらけで死因がごろごろころがっているゆっくりではあるが、 最初にして最大の壁が、自分を生んだ親なのである。 面倒なもの、無能なものは片端から殺してしまい、生き残るのは親が教えずとも自分でやっていけるような有能な個体。 つまるところゆっくりの子育てとは、「育てる」というよりも、「ふるい落とす」という表現が実情に即している。 それが、人間界では会話のできるペットとして愛好されるゆっくりの真実である。 さて、人間に飼われ世話された温室飼いの我がれいむとありす。 恐らく生む前は、親を慕う素直なわが子と、 一緒にすーりすーりしたりおうたでも歌っているところしか想像していなかっただろう。 子育ての真実と直面した今、どれだけもつか見ものである。 彼女たちの、あるいは私の堪忍袋の緒が切れるまで、一週間もてばたいしたものだろうか。 それ以上?ありえない。 〔続〕 挿絵:
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ピンポンパンポーン アナウンス「まもなく、本新幹線は京都、京都に着きます」 車内に目的地の到着を伝えるアナウンスが流れる。 真「さあ、皆そろそろ降りる準備を始めるのだわ」 真紅が皆に指示を出す。 当初真紅が皆と行くのを嫌がっていたのは、こうした指示を出す事だった。 もちろん、皆は大の大人なので本来はする必要も無いのだが、目を離すと何をするか分からない教師たちなので ちゃんとまとめる役が必要だった。そしてそれができる人間は自分だけなので、自然とそういう役回りになる。 真「忘れ物はないかしら?」 金「水銀燈先生がまだ寝てるのかしら~」 真「・・・全く、ちゃんと寝てないからこういう事になるのだわ」 真紅はそう呟いて、水銀燈が眠る席へと近づく。 真「早く起きなさい水銀燈。もうすぐ京都に着くのだわ」 水「・・・う・・・ん、後・・・2時間・・・」 あと5分とか言わない所が水銀燈らしい。 真「そんなに寝てたら、博多まで行ってしまうのだわ。だから早く起きなさい」 水「うぅ・・・やぁ・・・」 もし起こす側が男性ならさぞかし羨ましいシチュエーションなのかもしれないが、真紅には通じなかった。 最初は殴ってでも起こそうかと考えていた真紅だが、折角の旅行に喧嘩をしてはつまらないという事で搦め手で攻めてみた。 真「そう・・・起きないのね。なら良いわ、ゆっくり寝ていなさい。 貴女にとって、くんくんは所詮その程度の存在だったという事ね」 真紅のその言葉で一気に覚醒する水銀燈。 水「真紅ぅ、私のくんくんに対する気持ちを随分と侮辱してくれたじゃなぁい・・・」 元々寝起きはあまり良くない上に、くんくんへの気持ちを侮辱されたのだ。怒らない方がおかしい。 だが、真紅はそ知らぬ顔で続ける。 真「ちゃんと起きられるじゃないの。今度からはちゃんと自分で起きて頂戴」 そう言って、乗降口へと向かおうとする。だが、1歩進んだところで立ち止まる。 真「そうそう・・・さっきの言葉なら、謝るのだわ。幾ら貴女を起こすためとは言え、 くんくんを引き合いに出したのは悪かったわ」 そして、今度は本当に乗降口へと歩いていった。 その後姿を見ながら、水銀燈は呟く 水(・・・・・・そんな風に謝られたら、怒れないじゃない) でも、何も言わないままで居るというのも悔しいので言い返す。 水「・・・人と話をする時は、ちゃんと相手の目を見ろって教わらなかったぁ?」 そういう水銀燈も真紅の方を見ていなかったが、なんとなく微笑んでるように見えるのは気のせいだろうか。 翠「ようやく京都に着いた『どすぅ』」 金「良いお天気なのかしら~」 蒼「まさに五月晴れって感じだね」 翠「・・・・・・誰か突っ込みやがれこんチクショー、ですぅ」 改心のボケを無視されて、逆に突っ込む翠星石。 薔(・・・・・・プルプル) 水「・・・・・・貴女、もしかして今のがツボに入ったのぉ?」 薔(・・・コクコク) 水「・・・・・・・・・あ、そぅ」 この子の笑いセンスは確実にずれてるわぁ、と思いながらも口には出さなかった。 真「ちゃんと全員居るかしら?」 また確認を取る真紅。今度は雪華綺晶が居なかった。 真「またお弁当を買いに・・・」 雪「遅くなった」 真「どこへ行っていたの?」 雪「空になった弁当箱を捨てに行っていた」 真「そう、なら良いのだわ。けど、あまり勝手に居なくならないで頂戴」 雪「了解」 水「それで、これからどうする気?」 真「そうね、今すぐにでも・・・と言いたい所だけれども、昼食を取りましょう」 金「賛成なのかしら~。カナお腹ペコペコなのかしら~」 蒼「そうだね。もうすぐ12時だし、映画村へはその後にでも」 翠星石、水銀燈も賛成した。その後、真紅は雪華綺晶と薔薇水晶の方に顔を向ける。 真「貴女は大丈夫かしら?東京駅からここに着くまでずっと食べ続けていたようだけど」 真紅の言うとおりである。実際、京都駅に着くまで雪華綺晶は駅弁を食べ続けていた。 幾ら大食いとは言え、かなりの量を食べたはずだった。 流石にそんな彼女を連れて行くのは忍びないと思ったのだろう。だが、彼女はこう言った。 雪「無問題」 真「・・・・・・そう」 かくして、一行は京都駅ビルにあるカフェ・レストランで昼食を取った。 この時、雪華綺晶はメニュー全制覇を成し遂げかけたという事だけを記しておく。 昼食も終わり、いよいよ映画村に向けて出発である。 ここからはJR嵯峨野線で映画村へと向かうことになる。 その為切符売り場で真紅が太秦行きの切符を買おうとしたのだが、それを翠星石に止められた。 翠「ちょっと待つです。わざわざ損する必要ねえです」 真「どういうことかしら?」 水「まさか歩けって言うのぉ?嫌よぉ、歩くなんてぇ」 薔「・・・太秦駅からの方が・・・近いんじゃないんですか?」 それぞれ翠星石の行動を訝しむ。その様子を見て高笑いをあげる翠星石。 翠「オーホッホッホ、ですぅ。そんな事も知らねーで切符買おうとしたですか」 真「早く説明して頂戴」 せかす真紅に対し、まあ落ち着くですと言ってから翠星石は説明する。 翠「これは一昨日たまたま放課後に雑誌読んでた時に、>309から聞いた話です。 なんでも、映画村の入り口は太秦駅よりもひとつ前の花園駅からの方が近いらしいですぅ。 一駅前なら当然運賃も安いはずですぅ」 金「それなら、楽してズルして安くて早く映画村に行けるのかしら~」 えっへんと胸を反らす翠星石。 真「なるほど・・・、そういう事ならそっちの方が良いわね」 水「へぇ、たまには役に立つのねぇ」 皆口々に翠星石を褒める。その度に「煽てても何にも出ねーですよ」とか「もっともっと褒め称えるですぅ!」と 有頂天になっていく。しかし、彼女の天狗鼻を折ったのは蒼星石だった。 蒼「・・・運賃は190円で一緒だね」 翠「オーホッホッホ・・・え?」 全員「・・・・・・」 どうやら運賃のことまでは聞いてなかったようだ。 真「さあ、さっさと行くのだわ」 ぞろぞろと移動していく一行。 翠「・・・あ、こら待ちやがれーですぅ!」 かくして、電車に揺られて4駅、JR花園駅を降りた一行は道に設置してあった地図を頼りに歩くこと数分。 ついに映画村前へとたどり着いた。 真(・・・あぁ、ついにくんくんと会えるのね) 水(ふふ、くんくんは私が独り占めよぉ・・・) 翠(さあ、いっぱい遊ぶですよぉ) 蒼(そう言えば、この時期ってヒーローショーとかもやっていたんだったっけ。見に行ってみよう) 金(お芝居小屋とか面白そうなのかしら) 雪(・・・ご飯食べられる所あるのか。後で行ってみよう) 薔(・・・皆と思い出を・・・沢山作ろう) 真「さ、入場料を払って入りましょう」 全員「おー!!」 入り口で入場料を払い映画村の中に入る7人。 そしてこの瞬間から、楽しい宴が開幕する。
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今日 - 合計 - かわいいペットゲームギャラリー2の攻略ページ 目次 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 名前 コメント 選択肢 投票 役に立った (0) 2012年10月09日 (火) 14時18分53秒 [部分編集] ページごとのメニューの編集はこちらの部分編集から行ってください [部分編集] 編集に関して
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ワガハイはコロ助ナリp13-6「しまいにはおかしくなったということだよ。」「しまいにはきちがいになったということだよ。」(てんコミ) 「しまいには気が変になったということだよ」(FF) p14-8「どっちも役に立たないね。」「どっちも気が狂ってからのものだろうね。」(てんコミ) 「どっちも気がへんになってからのものだろうね」(FF) 片道タイムマシンp98-1「一八五四年、安政元年、百二十年前だ。」「1857年 安政4年 120年前だ。」(てんコミ) 「1857年 安政4年 120年前だ」(FF) p98-6「五十年前。一九二四年、つまり大正十三年。」「120年前。1927年、つまり昭和2年。」(てんコミ) 「50年前 1927年 つまり昭和2年」(FF) p107-3「かわいそうに妙なことばっかり言って、『航時機』とかなんとか。」「かわいそうにくるっとんじゃよ、『航時機』とかなんとか。」(てんコミ) 「かわいそうにくるっとんじゃよ、『航時機』とかなんとか」(FF) p109-2「一九七四年八月二十九日二十三時四十分に、セットする。」「1977年8月29日23時40にセットする。」(てんコミ) 「1977年8月29日23時40にセットする」(FF) 公園の恐竜p162-6「へんになりそうだア。」「気がくるいそうだア」(FF)
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そーだ、きょーとへいこー JR東海が秋とかに放映するCMの通名およびフレーズ。 だが、ここで疑問が生じる。JR東海が所轄るエリアは東海地方と東海道新幹線全線だ。その東海道新幹線は東京~熱海と米原~新大阪間で既に在来線は兄弟の所轄、つまり他社である。 このように新幹線は兄弟の陣地に突き出しているため、東は東京、西は大阪までと本州を所轄る兄弟よりも小さいながら意外と幅広いのである。 で、何がいいたいか?それは京都駅周辺は新幹線を除いてJRとつくん全部JR西であるぞ。 つまり、JR東海に直接関係するのは京都駅までで、嵐山や清水寺などに行く場合は兄弟の路線を使わないと辿り着けない。 これは、JR東海が新幹線を利用してもらえればいいという意図で、新幹線がない地方へは在来線などを使ってもらえればよいとされてるため、 ようは早くて快適な新幹線を使ってもらうことが同社の希望でもあり、野望でもあるのだ。 同じことがうまし うるわし 奈良でもいえるのだが、奈良県って新幹線駅どころか、通ってすらいないん。やはりこちらも京都からは在来線とかを使うことになるん。 そのうちリニアが通ることになってるんだけど、京都が東海道新幹線というものがありながらリニアを欲しがってるのでどうなるか。 ま、リニアが奈良を通って県内に駅ができれば便利になるかもしれないがな。
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テレビ朝日系列 テレビ朝日 土曜 池上彰のニュースそうだったのか!! スポンサー情報 土曜20時00分~20時54分 池上彰のニュースそうだったのか!! 2020年4月~20年6月 池上彰のニュースそうだったのか!! 2020年7月~20年9月 池上彰のニュースそうだったのか!! 2020年10月~20年12月 池上彰のニュースそうだったのか!! 2021年1月~21年3月 池上彰のニュースそうだったのか!! 2021年4月~21年6月 池上彰のニュースそうだったのか!! 2021年7月~21年9月 池上彰のニュースそうだったのか!! 2021年10月~21年12月 池上彰のニュースそうだったのか!! 2022年1月~22年3月 池上彰のニュースそうだったのか!! 2022年4月~22年6月 池上彰のニュースそうだったのか!! 2022年7月~22年9月 池上彰のニュースそうだったのか!! 2022年10月~22年12月 池上彰のニュースそうだったのか!! 2023年1月~23年3月 池上彰のニュースそうだったのか!! 2023年4月~23年6月 池上彰のニュースそうだったのか!! 2023年7月~23年9月 池上彰のニュースそうだったのか!! 2023年10月~23年12月 池上彰のニュースそうだったのか!! 2024年1月~24年3月 池上彰のニュースそうだったのか!! 2024年4月~24年6月 池上彰のニュースそうだったのか!! 2024年7月~24年9月
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日頃私の食生活はかなり肉が大好きで、和食か洋食かと言われたらほとんどが洋食です。 週に1度ぐらいしか和食を取り入れてないかもしれません。 やはり和食は体にいいものなので、しっかりと和食を取り入れるようにしなくてはいけないのかなと感じるようになっているのです。 そして、抜毛、薄毛、白髪の悩みを解決するコツを見ているとやはり和食はすごく髪にも影響をするそうなのです。 抜け毛や白髪予防には和食を食べると効果的なんて書いていました。 だから、日頃和食を食べるというのは自分の体にもいい影響を与えるものなんだなと感じました。 だから、これから和食を中心とした食事をしていこうと思います。 旦那さんの体や髪の事も心配です。 和食というのは作るのがちょっと面倒だなと感じる部分もあったりするのですがしっかりと解消できたらいいものなのかなと感じています。 そして、和食をこれからは多く作れるようにしていたいです。 我が家には子供もいますから、やはり体にいいものを作ってあげなくてはいけないのかなと感じています。 栄養をしっかりとする事で髪だって守っていけると思いますから、しっかりとこれから取り入れれるようにしていけたらいいなと思っています。
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かわいいゆっくりゲットだぜ!!花D(デッドリバー) 俺設定満載です。 それでもよければ読んでください 私が気付いた時にいた場所はどこかの川の手前だった。 自分がなぜここにいるかを理解できないまま目の前にいる人物にお金を渡さなければいけないと感じた。 そのときだった私を呼ぶ声が聞こえるのでそちらへ向かうことにしたのだった。 今の声は聞き覚えがあるが誰だろうかと考えると意識がはっきりとしてきた そして、周りを見て驚いた。幽霊が駄賃を渡して川を渡っているのだ… ここの正体がわかった。彼岸と現世の境となる川。すなわち三途の川だ。 周りには大量の彼岸花が咲いていて赤い髪の女性が魂を渡している。 どうやら八雲紫様の力でもここに飛ばすのが限度だったのだろうか…それともわざとなのだろうか 川の中には淡水海水の関係なく絶滅したあらゆる水棲生物が生息している 私は、ここにいてはまずいと思い川とは逆の方向の道へと歩き始めた 「妖怪の山」の裏にある、三途の川に通じている道。中有の道へと向かうことにした。 道沿いで地獄の罪人が卒業試験を兼ねて出店をやらされており、三途の川に向かう死者相手だけでなく、 幻想郷の生者相手の商売もしているらしいというの本当のようだ。 様々な品物が売っているのできょろきょろと周りをみながら歩いているとゆっくりを売っている店があった 金魚すくいのような桶の中に子ゆっくりがたくさんいるのだ。 露店のゆっくりショップかと思い私は興味深くゆっくり達を見ていた それと後ろのほうにはみたことがない珍しいゆっくりが個別の水槽の中で展示されていた 希少種とよばれるもの一種だろうか様々なゆっくりがおいてあり気になるゆっくりが何人かいた。 水槽の中は、れいむ・まりさ・ありす・ちぇん・ぱちゅりー・みょん…などだ。 そのゆっくり達は、自分がどれだけゆっくりしているかを主張するのでよく聞いた。 騒がしいぐらいにゆっくりが大声をあげている中で私は一人のゆっくりが気になった 赤い髪の毛に二つの髪飾りをして楽しそうにお昼寝をしているソフトボールぐらいのゆっくりだ。 この子だけは他の子ゆっくりと違い騒いだりせずにぐっすりと眠っているからだ。 まるで我が家のめーりんだなと思いながら苦笑をした。よしこの子に決めた!! 「すみませんがこのゆっくりをいただきたいのですが」 「あいよ、ゆっくりこまちですね…お代は…になります」 「わかりました…ですね。それではいただいていきます」 「お兄さん、こまちはゆっくりしたり話してばかりだかられいむのほうがいいよ」 れいむ種のゆっくりが騒いでいたが私は自分の意思をかえる気はなかった。 ついでに財布の中身がからに近かったのも原因のひとつだった。 もう少し余裕があれば緑の髪のゆっくりも買っていただろうと思った。 そして、私はゆっくりこまちを腹のあたりに抱えるととことこと歩き始めた。 ここから家に帰るのは何時ごろだろうかと思いながら歩き続けた。 気付いた時には、妖怪の山の守屋神社まで戻ってきていた。 私は自分の財布から小銭を出すと家まで無事に帰れることとゆっくりの幸せを祈願した。 ここからな安全に帰れるだろうと思った時に私の抱えているものが目を覚ました。 抱いているゆっくりは徐々に目を開いていき、 完全に開くと『きょとん?』と音が聴こえてきそうな顔をして辺りを見回す。 そりゃゆっくり屋で寝てた筈なのに場所が変わってりゃ驚くか…と眺めていると、こいつと目が合った。 パチパチ何度か瞬きし、こちらを目掛けて「おにいさんおはよう!!」と、元気な声で挨拶をしてきた。 私は、お約束の言葉を話しかけた 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりしていってね!!」 「君の名前はこまちでいいのかい?」 「あたい? あたいのなまえはこまちだよ」 私の挨拶に彼女も返事を返した。 どこから来たのか、家族はいるのか、仲間は心配していないのかなのだ このゆっくりについて話をすることが好きらしくいろいろと話しかけてきた。 どうやらこまちは母親と三途の川周辺でお昼寝をしている時につかまり売り物になっていたそうだ。 何でも昼寝と話をする事が大好きで、気持ちよさそうだったから他のゆっくりが騒いでる間も一人で昼寝をしていたらしい。 他のゆっくりは騒がしくて話し相手にならんかったそうだ。 私のほうは、知り合いに外の世界に生きたいと願ったところ失敗をしたのかあの場所に飛ばされていたと話した。 「お兄さんは外の世界にいきたいと思ったのになんであんなところにいたんだい?」 「たぶん、大妖怪のイタズラか間違いなのだろうね」 自分の軽率な願いと行動に寒気を覚えた私はぶるっと体を震わした。 私は、八雲紫様に後で謝罪をしとかなければと思いながら妖怪の山を歩いていた。 大妖怪である彼女を便利屋扱いにしようとしたのが失敗だったと後悔していた。 ついでに油揚げとマタタビも用意しなければと思いあるいていた。 その途中で野生のゆっくりに信仰をすればすくわれるという勧誘をうけたりした。 とりあえず、自分はそういうことには今のところは興味がないのだよといって駄賃代わりの非常食をわけた その後も暗くなる前に人間の里の領域にもどらなければと考えながら早歩きをしていった 時間的には夕方ぐらいだろうかという時にゆっくり牧場の塀が見えてきた 大工の大将に特別に作ってもらった高さ約1mの木製の塀だ。 ゆっくりの力ではどうやっても開かないつくりにしてある(一部のゆっくり(ドスなど)を除く) 私はこまちを塀の上に乗せると自分だけ反対側に飛び込んでいった。 そのあとに小町を抱えるとまた歩き始めた。 ただこの子を部屋で飼う事に気がかりがあった。 野生のゆっくりは、しゃべることの出来ないめーりん種を毛嫌いしている事が多い。 だが、彼女は私の自室に行くと昼寝をしている子めーりんたちの中に入っていった 「君はどうしてめーりん種を嫌わないんだい?」 「そりゃ、あたいはあたいで、めーりんはめーりんだからだよ」 「もう少し詳しく話してくれないかな?」 「あたいは自分の好きなことをやる。めーりんも好きなことをやる。お兄さんも好きなことをやるってことだよ」 「君にめーりんをいじめる意思がないのかい?」 「他の連中がなんていおうがめーりんはゆっくりしてるし悪いやつじゃないさ。一緒に昼寝をしているほうが楽しいさ」 「ははは、そりゃーいいなw」 その返答を気に入った私は正式にこのゆっくりこまちの牧場入りを発表したのだった。 次回の目標は、露店屋で売っていた緑の髪のゆっくりだなと思いながらこまちを紹介した。 こまちは、自分でもいっている通りおしゃべりや昼寝ばかりする変わったゆっくりだった。 この少しあとに増えた緑の髪のゆっくりにそのことを注意されたりもしたがこまちは気にせず成長をしていった。 性格は、普通に起きている時の面倒見は良くそれなりに仕事をするのだがすぐにサボったり昼寝をしたりする まあ、これもゆっくりの個性なんだろうと気にしないことにした。 それから数ヵ月後の時間が過ぎて彼女も大人の一員といってもいい大きさになった 彼女は自分は門番や川渡しの仕事をやりたいというので門番のめーりんと老犬に預けることにした。 このような感じでゆっくり牧場に新しい門番が増えることになった。 赤い髪の毛に二つの髪飾りが特徴のバレーボールぐらいのゆっくりこまちとゆっくりめーりん3人だ。 ちなみにるーみあはいまだに「わはー」とか「そーなのかー」といいながら私の部屋に住んでいる。 この子の独り立ちはまだまだなのだろうかとため息をついた。 大きさも何故かソフトボールより少し大きいぐらいで成長が止まってしまった まあ、かわいいからいいかと苦笑しながら頭を撫でてあげた。 とりあえず 「昼寝とお話する事を好きで居眠りしている事の多い赤い髪をした青い目のゆっくりこまちゲットだぜ!!」 次回も、ゆっくりゲットじゃぞ byゆっくり博士 ここで選択肢です。かわいいゆっくりゲットだぜ!!花D以外の作品を全部読んだ 全部よんだ→かわいいゆっくりゲットだぜ!!花Eへ 読んでいない物語がある→かわいいゆっくりゲットだぜ!!花序章へ 【あとがき】 作者名無しです。 小町といえばサボり、サボりといえば昼寝、昼寝といえばというわけでめーりんと仲がいいわけです。 残すところあと一つ花Eです。題名が花だからもう少し花を描けばよかったなと後悔中。 こまちを買って、こまちがどれだけ優秀かの紹介だけで終了したので起承転結の承の時点で終わってる印象 もっと話が膨らむ気がして勿体無い これから先こまちはみんなとどう関わって転の場面を演じるのやら -- 名無しさん (2009-10-15 03 18 32) こまちを買うシーンが奴隷売買にしか見えなかった こまちもこまちでなんでただの人間にあっさり従うのか疑問 -- 名無しさん (2010-04-20 18 15 34) 名前 コメント