約 1,476,052 件
https://w.atwiki.jp/ani3sisya/pages/932.html
78 :名無しさんなんだじぇ:2010/10/21(木) 02 05 34 ID J9umEXF. 海原「…と、勢い込んで飛び出したものの、お付き合いってそういうんじゃないよな… 第一、妹Fさんは僕の事を覚えてないわけだし、 いきなり付き合って下さいだの、貴女が好きでした!だの言ったらどん引きだよなぁ… あぁやっぱり僕は勢いとその場のノリだけで突っ走りすぎだよなぁ。。。 御坂さんへの恋だって調査対象への興味から発展しちゃったわけだし、 会場でもその場の勢いで加治木さんの姿になっちゃうし、竹井さんには勢いで告白しちゃうし… もしかして僕って状況に流されやすいんだろうか…」 妹F「誰?とミサカは訝しげに尋ねます」 海原「うひゃおぉう?!あ、あ、あ、おはようございます!いい天気ですね、妹Fさん!」 妹F「もう夜ですけど…とミサカは明らかに不審者を見る目で答えます」 海原「で、ですよねー!アハハハハ…(い、いかん!なんのために御坂さんへの思いを諦めたんだ!あ、アタックせねば…)」 妹F「…気をつけてください、ここは変質者が出ます、とミサカはちょっと安心したような表情で忠告します」 海原「(!ティンと来た!)そのことなんですけどね、御坂さんから貴女を守るように言われまして…」 妹F「お姉さまから?とミサカはちょっと驚いたようにみつめます」 海原「そ、そうなんです。ですので、ちょっと上がらせてくれませんか?あ、ぼくはエツァリって言います」 妹F「エツァリ…うっ!とミサカは頭を抑えてうずくまります」 海原「妹Fさん?!しっかり!」 妹F「貴方のその顔…その名前…どこかでお会いしたことはありませんでしたか? とミサカは空白となった記憶領域に気付いて愕然としながらも質問します」 海原「…いいえ、今がファーストコンタクトですよ」 妹F「気持ちが落ち着くまで、傍に居てくれませんか?とミサカは不安げに語ります」 海原「喜んで。良ければお話もしましょう」 79 :名無しさんなんだじぇ:2010/10/21(木) 02 54 14 ID PR2Z9FYM 唯「あれ、りっちゃんこんなところで何してるの?」 律「尾行だよ尾行。ほれ、あの二人見てみ」 唯「海原君と美琴ちゃん?仲良いんだね」 律「あぁ。しかし!美琴の方はこの前彼氏ができたばかりなのだ!」 唯「おぉ…なんだか危険な香りがするよりっちゃん…」 律「だろ?だからちょっと追いかけて真相の程を確認しようと思ったんだ。唯、お前も来るか?」 唯「うん。行くー」 律「よーしわかった。でもこれは尾行だからな、目立つようなことはしちゃだめだぞ」 唯「了解であります、りっちゃん隊長!」 紬「何してるの?」 律「尾行ー。ムギもやる?」 紬「やるやる!なんだか面白そうだもの」 律「尾行は目立っちゃだめだからな、気を付けろよ」 紬「はーい」 プリシラ「何やってるの?」 唯「尾行だよー」 プリシラ「あたしも行く!」 池田「何やって(ry」 律「びこ(ry」 池田「あたしも(ry」 真宵「なに(ry」 律「び(ry」 真宵「面白そ(ry」 駿河「な(ry」 律「(ry」 駿河「是非(ry」 美琴「何あれ」 アチャ「どうやら尾行のつもりのようだが」 美琴「あんな大人数じゃ目立つと思うんだけど」 アチャ「全くだ」 80 :名無しさんなんだじぇ:2010/10/21(木) 04 21 52 ID SxpyzcRo 唯「すごいね、りっちゃん!いっぱい人がいるよ!」 律「まさに終わらないコンテンツって奴だな」 唯「ところであの二人、まだキスしないね」 律「しっ!静かに鑑賞して無いと警戒してキスしないだろ」 唯「ラジャー!」 妹F「すみません、食事まで作ってもらって…とミサカは温かい食べ物に舌鼓を打ちながら喜びます」 海原「いえ、いいんです。それにしても…随分美味しそうに食べますね?」 妹F「いつもはカプセルと流動食ばかりでしたので、この食感は新鮮です、とミサカは素直な感想を述べます」 海原「それにしては箸の使い方とか堂に入ってますね」 妹F「基本情報は上位個体や最上位個体から学んでいます、とミサカは簡潔に答えながらパクつきます」 海原「そうなんですか。…随分と箸を短く持つんですね」 妹F「…気が付きませんでした。そういえば基本情報に比べて短く持ちすぎてますね、とミサカは少々驚いてみせます」 海原「へぇ。…そういえば知ってますか?箸を長く持つ人は婚期が遅れるそうですよ」 妹F「?とミサカは訝しげに見つめます」 海原「逆に箸を短く持つ人は将来一緒になる人がすぐ傍にいるそうです」 妹F「…貴方も随分と短く持ってますね、とミサカは指摘します」 海原「あぁ本当だ。不思議ですね」 駿河「なんという迂遠なプロポーズ…!」 プリシラ「なんか微妙にいらいらするね」 池田「え?なんで?」 真宵「あの口説き方って悪の女幹部そっくりですね」 紬「大方、薔薇のタトゥー(シール)の女にあーゆー風にからかわれたんじゃないかしら?」
https://w.atwiki.jp/ani3sisya/pages/1182.html
201 :名無しさんなんだじぇ:2012/01/10(火) 17 02 22 ID qft0vN0o 【48マス目】 唯「え~!下がるの~?」 あずにゃん「しょうがないですね、私たちトップでしたし」 唯「ぶーぶー」コロコロ 1 かじゅ「なに?」 【47マス目】 唯「なんかいっぱい居るね」 プリシラ「さ、じゃあ本命だよ!」 唯「えい!」 6 かじゅ「なんだこれは…」 池田「まるで場の支配だし…」 唯「やったー!ゴールだよー!」 あずにゃん「やりましたね、先輩!」抱きっ プリシラ「すごーい!」抱きっ 唯「くるしゅうないぞ!さぁ、行こうではないか行こうではないか」 【50マス目】 強制STOP!ここで必ず止まる事! 池田「な~んだ足止めだし」 かじゅ「あぁだがこちらには1マスカードがある」 池田「そうそう、もうキャプテンの手料理は目と…」 かじゅ「どうしたいけ…」 ザクッ! 池田「あが…が…」ガクッ ホンダム「■■■■■~!」 かじゅ「な、なんだと?!」 唯「ホンダムが暴走してるよ~?!」 プリシラ「いけない!このメンバーじゃ…!」 ホンダム「■■■■■~!」 かじゅ「うああああああああああああ!脚がぁっ?!うわああああああああ!」 グシャ 唯「かじゅさん!」 あずにゃん「やだ!なんで?!」 プリシラ「わたしたちはいいから二人とも逃げて!」 唯「出来ないよ!置いていくなんて!」 あずにゃん「だ、だめ!どこも封鎖されてる!カードも使えない?!」 202 :名無しさんなんだじぇ:2012/01/10(火) 17 15 06 ID wYexYhrc 【50マス目】 ガキィン! 唯「えっ」 筆頭「大丈夫か、てめぇら!」 あずにゃん「伊達さん!」 幸村「ここは某と政宗殿に任せ、退くでござる!」 プリシラ「助かるよ!ゆみちゃん、華菜ちゃん、ここは後ろに」 池田「…」 かじゅ「うう…でもなんでなの二人が」 真宵「簡単なことですよ、私たちが出目6を出しただけのことです」 神原「手番の関係上、あの二人がホンダムを倒してしまうとあなたたちの勝ちが確定するのだが、まあ唯さんの強運に負けたというところだ」 筆頭「来な、戦国最強!」 幸村「忠勝殿と戦うのは元の世界にいたころ以来でござるな。では尋常に勝負!」 ホンダム「■■■■■■■■ー!」 203 :名無しさんなんだじぇ:2012/01/10(火) 17 19 51 ID GY9QdTi2 【食堂】 アーチャー「む?何だ今の悲鳴は?」 士郎「すぐ近くで聞こえたぞ!」 刹那「ホンダムのマスに止まったか…?」 デュオ「いや…それにしてもおかしくねぇか?聞こえた悲鳴は明らかに女の声だぞ」 ヒイロ「確かに…あのホンダムが女を襲うなど…」 美穂子「華菜…?華菜の声!?それに加治木さんの声も!!」 士郎「何だって!?」 アーチャー「おい、どういうことだ?」 刹那「わからない…まさかホンダムに何かが…?」 デュオ「おいおい、まさか暴走してるとか言わねぇよな!?」 ヒイロ「否定はできないな」 士郎「だったら助けに行かないと!!」 ガチャガチャ 士郎「くそ!!扉が開かない!!」 アーチャー「どうやら我々は閉じ込められたようだな」 刹那「しかし一体誰が…などと考えるまでもないな」 【主催者ルーム】 リボンズ「ラスボスはラスボスらしくないとね…本多忠勝に少々アンリ・マユを仕込ませてもらったよ」 リボンズ「果たして今の暴走した彼を止められるかな…?」 204 :名無しさんなんだじぇ:2012/01/10(火) 21 41 47 ID wYexYhrc 【40マス目】 影イリヤ「あー、もー絶対…えっ、うそ、サイコロ2個?!やったー!何だかわかんないけど超ラッキー!」 コロコロコロ×2 影イリヤ「5と6で11!やった、これでゴールね」 バサカ「■■■■■■■■■■ー!」 【50マス目】 筆頭「くっ、なんつうSpeedだ」 幸村「いつもの忠勝殿とは段違いでござる、一体何が…」 ホンダム「■■■■■■■ー!」 影イリヤ「何なのこれは?」 唯「かじゅさん、かなかな、大丈夫?」 かじゅ「私は足をやられただけだ。池田は…まあいつものことだからそのうち復活するだろう」 影イリヤ「そこのアンタ、今このマスでは何が起こってるの?」 唯「あっ、イリヤちゃん!えっと実はかくかくしかじかで」 影イリヤ「なるほど…本多忠勝が暴走ね。私たちに関係ないことじゃない。確かに今はゴールできないけど、漁夫の利を…」 唯「そんなこと言わすにイリヤちゃんだずげでー!」ガシッ 影イリヤ「ちょ、ちょっと…」 唯「ほんとうならわたしがいきたいよ、でもわたしはりっちゃんやムギちゃんてちがってたたかえないから…」 影イリヤ「ま、待ちなさいって…バーサーカー?」 バサカ「……」 影イリヤ「戦いたいの?」 バサカ「……」 影イリヤ「…しょうがないわね、平沢唯。これは貸しよ」 唯「イリヤちゃん…」 影イリヤ「やっちゃえバーサーカー!」 バサカ「■■■■■■■■■ー!」 205 :名無しさんなんだじぇ:2012/01/10(火) 21 57 00 ID GY9QdTi2 【45マス目】 部長「さーて次でゴールするわよ」 アーニャ「ここで決める」 インデックス「もうお腹がペコペコなんだよ…」グーギュルルルル 海原「あれだけ食べたのにですか…?」 妹F「何であれだけ食って太らねえんだよ、とミサカは思わず口が悪くなります」 コロコロコロ 5 部長「あ~惜しい!」 【50マス目】 部長「なーんだ、どっちにしろここでストップだった訳ね」 アーニャ「でも、なんだか様子が変…」 海原「あれは…」 筆頭「Shit!Powerもとんでもねぇな!!」 幸村「やはり以前とは大違いでござる!!」 ホンダム「■■■■■■■■―――!!!」 バサカ「■■■■■■■■―――!!!」 妹F「え~と…倒すのは本多忠勝ですよね?とミサカは一応確認を取ります」 部長「そうでしょうね、みんな戦ってるみたいだし…」 かじゅ「久…来たか…」 部長「ゆみ、どうしたの!?」 唯「ホンダムにやられちゃったの…」 あずにゃん「明らかに様子がおかしいんです!早く止めないと!」 部長「そう…なら私たちも何とかしないとね…」 アーニャ「同意」 妹F「そうですね、ここで高みの見物とか有り得ませんね、とミサカは助けを出すことに賛成します」 インデックス「何でもいいから早く食堂に行きたいんだよ…」グーギュルルルル 海原「……で、誰が行くんです…?」 全員「わかり切ったことを…」 海原「ですよね~…」 206 :名無しさんなんだじぇ:2012/01/10(火) 22 54 52 ID F6aek.lU 俺、このリレーが終わった後に、激闘の双六大会を死者スレ用語集に収録するんだ…… 現在状況 新春死者スレ大双六大会状況まとめ チーム編成(手番の早い順) Aチーム 衣、とーか、ふじのん、ライダー、カイジ Bチーム ひたぎ、C.C.、黒子、当麻 Cチーム セイバー、撫子、ユフィ、ファサリナ Dチーム 律、ムギ、美琴、小萌、キャスター Eチーム 唯、あずにゃん、かじゅ、プリシラ、池田 Fチーム 筆頭、幸村、真宵、神原 Gチーム 影イリヤ、バサカ Hチーム 部長、アーニャ、海原、妹F、インデックス 現在地(チーム名は分かりやすく各チーム代表者で()内にチームアルファベット) 47 衣(A)、ひたぎ(B)、セイバー(C) 49 律(D) 50 唯(E)、筆頭(F)、影イリヤ(G)、部長(H) マスまとめ 46マス目以前省略 47マス目 任意のマスと同じ課題になる(ただし選んだマスに他のチームがいた場合、そのチームもこのマスに来る) 48マス目 福袋マス(1マス移動カード(Eチーム所有)、イベントキャンセルカード、一回休みの内ランダムに選ぶ) 49マス目 嫌がらせマス(一回休み、最下位が賽を2回振る、最下位のマスに移動の内いずれかを選ぶ) 50マス目 バトルマス(VS暴走ホンダム、全員このマスで強制ストップ) 食堂 ゴール 次番 衣(A)チーム
https://w.atwiki.jp/ani3sisya/pages/707.html
319 :名無しさんなんだじぇ:2010/07/16(金) 12 43 44 ID Ewb2fSZw ~~たまり場某所・刹那の隠れ家~~ 刹那「ヒイロ、よく来てくれた。 引き続き、お前の工作員としての腕を借りたい」 ヒイロ「御坂美琴の盗撮画像の件か」 刹那「話が早いな。 遠藤が情報をリークした事で、『生産工場』の調査が更に困難になったからな。 ネットからもアプローチ出来ない以上、直接探すしか無いのが現状だ」 ヒイロ「任務、了解。 必ずターゲットを発見する」 刹那「感謝する。 しかし、御坂とお前が居るとは言え、人手が足りないのは痛いな」 ヒイロ「問題は無い。 暇を持て余している工作員に心当たりがいる」 五飛「誰が暇人だ!」 ゼクス「落ち着け、言われても仕方なかろう」 刹那「成る程、空気コンビか」 五飛「やかましい!!」 ゼクス「私はまだ、自分を空気だと認めていない!」 ヒイロ「ともかく、俺はこの二人と組んで調査を行う。 5、6、行くぞ」 五飛、ゼクス「「数字で呼ぶな!!」」 美琴「ん? 誰か来てたの?」 刹那「ああ、協力者だ。 俺達は目を付けられたからな、存在感の無いあの二人なら諜報にはうってつけだろう」 美琴「ふーん。 ところでさ、あんたは見たの? その……私の画像」 刹那「内容確認の為にさわりだけはな。 着替えの盗撮画像だったようだか」 美琴「あー……じゃあ、後半は見てないんだ」 刹那「内容の予測は付く。 大方、入浴中の画像だろう」 美琴「いや……それもあるんだけど、もっと見られたくないのも撮られてんのよ……」 刹那「? 寝言で上条の名を呼びでもしたか?」 美琴「何で当ててんのよ!!////」 刹那「……分かりやすいな、お前は」 美琴「うるさい!! とにかく、一刻も早く全部のディスクを処分するわよ!!」 刹那「(この狼狽ぶり……自慰行為でも盗撮されたか? いや、考えるのは後だ)了解した。 必ず目標を駆逐する」 美琴「頼んだわよ!(あんな恥ずかしい姿、あいつにだけは見られてたまるもんですか! いや、あいつはこっちに来ないだろうけど!)」 320 :名無しさんなんだじぇ:2010/07/16(金) 17 13 33 ID PV5uEz4w 玄霧「さわりだけ、ですか。さわりというのは“話の一番の聞きどころ”…つまり物事の一番重要な部分を指す言葉なのですが… …最近は“物事の導入部”や“あらすじ”といった意味で誤用される事が多々あると聞きます となると刹那君は……さて、どちらなんでしょうねぇ……」
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5264.html
「NTRれいむ.2」 「そして今から君達全員、その奴隷以下のクソムシです。ゆっくりしていってね!」 人間さんの口から高らかに宣言される。 あなたたちはゆっくり以下の奴隷よりさらに下のクソムシに成り下がりましたよ宣言。 それが我が身に降りかかった現実であると、まりさには到底理解できない。 ここはまりさたちが見つけたゆっくりぷれいすのはずだ。 お飾りのない屑が一匹しつこく居座ってはいたが、おびえるばかりの弱虫で、最強まりさの敵ではない。 なんの問題もないはずだった。 そう、お飾り無しの奴隷を自称するおかしな人間さんが現れるまでは。 「ちがうのぜ、にんげんさん! まりさはさいっきょうなんだぜ? にんげんよりつよいまりさが、にんげんさんよりしたのクソムシなんて、そんなゆっくりできなそうなものなわけないんだぜ! ちょっとかんがえれば、だれにだってわかるのぜっ」 「そうだよ、れいむたちはゆっくりなんだよ。それもとてもゆっくりした、せかいでいちばんしあわせなゆっくりなんだよ。 それがおかざりもない、あのごみよりしたなわけないでしょおおっ!」 れいむが唾を飛ばして吠える。無駄に高いプライドを刺激され、鬼気迫る表情は夫のまりさから見ても醜悪に映った。 しかし、れいむの言うとおりだと、まりさは思った。 人間さんはあの弱虫の屑より下なのだ。 まりさはあんな屑よりずっとゆっくりしている。さらに強い。ならば人間さんがまりさに敵うわけがない。 それが証拠に、人間さん今までまりさに何の手出しも反論もできていないではないか。 まりさはいつだって最強なのだから。 そのまりさがいったい何故、奴隷以下のクソムシになるというのか。 「ブッブー」鬼威さんは口で効果音を鳴らしながら、待針を2本取り出してかざす。 「君達はもはやゆっくりでもない。ただのクソムシなんだよ。まだわからない?」 これはお仕置きが必要なのかなと、針を二匹の眼前に近づけチラつかせる。 「ゆっひぃ! に、にんげんさんは、それはゆっくりできないから、しまってね。おねがいだから、ゆっくりせずにしまってね」 「そ、そうだぜ。そんなあぶないものはにんげんさがもってちゃいけないんだぜ。つよいぶきは、つよいまりさにこそふさわしいのぜ? わかったらさっさとそれをまりさによこすんだぜ」 赤ちゃんゆっくりの痛がる様を見て、針が危険なものだという認識はあるらしい。 鬼威さんは緩慢な動作で両手に持った針をさらにまりさたちへ近づけていく。 「く、くるんじゃないのぜ。それいじょうちかよったら、ようしゃしないんだぜ」 「まりさ、はやくこのにんげんさんをやっつけて! やっつけてよ! はやくしないさよ!」 まりさとれいむが狭いケースの中を逃げ惑う。 まりさは辛うじて虚勢を張っているものの、れいむは子供に近づこうとした時以上に顔面をガラスに押し付け、その顔は冗談のように平たく広がっている。 「てい!」 鬼威さんのかけ声に、まりさとれいむは絶望を抱いて視界を閉ざす。 しかし痛みは訪れることなく、代わりに悲鳴は別の場所から上がった。 「ぃぎぃお!」「ゆぎゃぁあ!」 既に針で縫い止められている二匹の赤ちゃんゆっくりの傍らで、姉妹の傷を癒そうとぺーろぺーろを続けていた残り二匹の赤ちゃんゆっくり。 その二匹が揃ってが絶叫している。 今までは慰め看護する側だったが、これで平等。全員串刺しだ。 「んごぉおぉぉ、いちゃいの、あっちいっちぇえ! ゆんやぁぁああ!」 「ひっ! ぎぃえ! いぢゃぁああ!」 突然すぐそばで上がった悲鳴に驚き、先に串刺しにされていた二匹を同じ様に痛がり始める。 この生き物には正しい痛覚などなくても、痛そうだというだけで痛みを感じられるのかもしれない。 四匹が思い思いに顔面を歪めてもがき苦しむ様を見て、鬼威さんはすぅっと胸を撫で下ろす。 「ご主人様の言い付けで、今度の針には山葵が縫ってあるから余計に痛いかものかもしれないね」 にこにこ顔の鬼威さんは事も無げに告げて、視線を子供たちの両親へ向ける。 二匹は自分が刺されなかったことに安堵の息を吐いていたが、鬼威さんの視線に気づき顔を強張らせた。 「……よくも、よくもれいむをここまでおこらせたね。ひどいよ。もうあやまっても、ゆるしてあげないんだからね!」 「まりさのいかりがうちょうてんなんだぜ。もう、おそいのぜ。おにいさんはここでしぬうんめいなのぜ。いまきまったのぜ」 同じような脅し文句を飽きもせずに繰り返すのは、実行が伴わないのに言葉だけ相手を威圧しようとするからだ。 きっと相手が謝ってくるのを今か今かと待っているのだろうが、実力を見透かされていては滑稽を通り越して哀れ笑いを誘うしかない。 「ん~、確かにまりさは強いよ。きっと最強だよ。たぶんまともに戦ったら鬼威さん、手も足も出ずに負けちゃうじゃないかな。 でもね、今は君達の大切な可愛い赤ゆたちが捕らえられて、ああやって苦しめられているんだよ。 まりさ自身も箱の中だしね。 そんな状況じゃ、まりさも実力発揮できないよね。本当は戦ったら勝てるけど、鬼威さんの言うことをきくしかないよね?」 「ゆ、ゆぅ……」 鬼威さんの強いという言葉に気を良くしつつも、傷ついている我が子の姿を見てまりさは考える。 まだだ。まだ焦るような時間じゃないのかもしれない。 まりさは最強だが、今は条件が悪い。 人間さんを油断させて、子供たちを助け出してからが、まりさの強さの見せ所だ。 「そろーりそろーり!」 突然まりさが声を出しながら、れいむの部屋へと近づいていく。 まりさの声を聴いたれいむは何かを悟ったように、同じく「そろーり!」と声を出しながらまりさの元へ向かう。 ケースを仕切るガラスを挟んで、ゆっくりたちの密談が開始される。 鬼威さんはわざとらしく、出入り口である引き戸のほうに顔を向けて気づかないふりをしている。 「いいか、れいむ。まりさのいうことをよっくきくのぜ!」 「わかったよ、まりさ。れいむにまかせて!」 「にんげんさんにきづかれないように、さいっしんのちゅういをはらうのぜ」 「だいじょうぶだよ。こっそりいどうしたから、にんげんさんはきづいてないよ。ぷくくっ、ばかなじじぃは、なにもないところをみてるよ」 「ゆひひっ、あのにんげんさんはとってもあたまがわるいにちがいないのぜ。だから、かしこいまりさはそこをついて、たいせつなかぞくをたすける、めいっあんをおもいついたんだぜ!」 「すごいよ。さすがれいむのまりさだよ!」 ここで交わされたゆっくりたちの会話を要約するとこうなる。 まりさは強い。人間さんにだって楽勝だ。だけど、今は子供たちがつかまっているので手を出せない。 だから一度あの人間さんの言うことを聞くフリをして油断させる。 お飾り無しも人間さんもバカだからすぐに騙されて、ゆっくりしているまりさたちに感謝する。 その頃にはゆっくりした子供たちの姿に鬼威さんもメロメロに違いない。 鬼威さんはこっちが何も言わなくても、子供たちを外へ出して解放するだろう。 そこでまりさがそろそろれいむと自分も、この箱から出して欲しいと持ちかける。 従順なフリに騙されたバカな人間さんは、当然この透明な箱からまりされいむを出す。 まりさが箱から出たらこっちのもの。 あっという間に人間さんとお飾り無しをやっつけて、ゆっくりぷれいすを取り戻し、家族で末永くゆっくり暮らしましたさとなるわけだ。 「かんぺきだよっ! すごいよ、まりさ。さすがれいむのまりさだよ!」 「まりさはつよいだけじゃなかくて、もしかするとぱちゅりーよりあたまがいいのぜ。へへっ、れいむ、ほれるなよぜ?」 「むりだよ! れいむはまりさにむちゅうだよ。まりさがれいむのおっとだなんて、こんなしあわせなことはないよ」 二匹はガラス越しに身体を寄せ合い、すりすりを繰り返す。触れられはしないが、心は確かに肌を寄せていた。 「……いや、なんつーか、マジで吐きそーっすわ」 鬼威さんが堪らず呻き声をもらす。 今までゆっくりの口から何を言われても痛くも痒くもなかったが、この脳天気な会話は心底堪える。 二匹の世界に入り込んでしまっているこいつらは、今この瞬間もすぐ隣の空間で苦悶に顔を歪める赤ちゃんゆっくりのことなど気にも留めていないのだろう。 「れいむはなにをいわれても、にんげんさんのいうことをきくふりをするのぜ」 「わかったよ。れいむにまかせて!」 「こどもたちのために、ひどいこともきっと、きっとたえぬくのぜ!」 「れいむ、がんばるよ。どんなゆっくりしてないしうちにだって、きっとたえてみせるよ」 子供が苦しんでいるすぐ横で、そこまで自己陶酔できるのもある意味立派なもんだよと、鬼威さんは口の中で吐き捨て、帽子なしまりさへ視線を移す。 鬼威さんと目が合うことを恐れ、壁を向いてガタガタ震えているあれも、そういえば昔は立派な父親だったなと思い出すのだ。 命と等しいほど大事な自分のお飾り、それと引き換えに家族の身の安全を乞い願うほどに。 密談のつもりであるはずの筒抜けの会話が終わったのを見計らって、鬼威さんがゆっくりの収められたガラスケースへと視線を戻す。 「さて、じゃあクソムシたち、自己紹介して」 「ゆ! なにいってるの? れいむたちはクソムシなんかじゃないよっ! とってもゆっくりした」 「れいむれいむ!」 「ゆっくりなん……、まりさどうしたの?」 「さくせんなのぜ! ここはがまんがだいじなのぜ!」 何も考えずにクソムシという単語に反応したれいむへ、まりさが目配せを送る。 実際には全て口に出しており、誤魔化しにさえなっていないのだが、二匹ともそんなことは思い至らない。 「ゆぎぎぎぃ……、れいむはクソムシだよ。だから、なんなの! ばかなの! しぬの!?」 歯軋りをして屈辱に耐えながられいむが噛みつく。鬼威さんは平然として取り合わない。 「はい、クソムシれいむ一匹、と。横の、自己紹介して」 「ま、まりさは、ク、クソムシなんかじゃないけど、さくせんだからクソムシとなのってやるのぜっ」 「はい、クソムシが二匹と。次、そっちの小さいの」 「おちびちゃんたちはかんけいないでしょぉぉおおおっ!」 れいむがが吠える。 自分がクソムシと名乗らされた時より反応が激しく、そこには子供たちを守ろうとする母親の姿があった。 ドンドンと激しくケースに身体をぶつけ、今にも鬼威さんに飛びかからんばかりの勢いである。 しかし、あいかわらず上が空いていることに思い至らないらしい。 れいむがケースを揺らすことで、小さな赤ちゃんゆっくりの身体も揺すられ、針が刺さった皮の穴を広げる。 赤ちゃんゆっくりたちは激痛に苛まれ、悲鳴とも呪詛ともつかない声でれいむを罵った。 「にゃんてぇことすりゅの、くしょばばぁ!」 「いちゃいよぉ、おとーしゃん、たしゅけてぇー」 「おきゃーしゃんはばきゃなの? れいみゅ、とっちぇもきゃわいそぉなんだよ? しょんなことしちぇ、れいみゅをきょろすきにゃの?」 「やめるのじぇ、やめるのじぇええ! まりしゃがきゅるしんじぇるのに、おきゃーしゃんはひどぃんだじぇ。ぷっきゅーなんだじぇ!」 ぷっくーをしようとしても針で穴が開いているためすぐに空気が抜けて満足に膨れはしない。 それでも膨れては萎びるを繰り返して自分を責め立てる子供たちの醜悪な姿に、れいむは激しく動揺していた。 「なんでこのこたちは、おかあさんにそんなひどいこというのぉぉおおおおお!?」 子供たちに罵倒され恥も外聞もなくうろたえるれいむ。 まりさの考えた素晴らしい作戦とはいえ、クソムシの汚名を被るのは大人である自分たちだけで十分だった。 子供たちの名誉を守るための身体を張った抗議であるはずなのに、なぜ守ろうとした子供から自分が責められなければならないのか。 「おかーさんのきもちがわからない、わるいこはしねぇぇええええ!」 さらに激しくケースを揺さぶろうとするれいむを、鬼威さんがひょいと持ち上げる。 少し腕を動かしてやるだけでれいむの意識はあっさりと明後日の方向へ飛んでいった。 「わーい、れいむ、おそらをー」 目を細めて浮遊感に耽溺しているれいむをつかんだまま、鬼威さんが子供たちむけて尋ねる。 「君達はゆっくりかな? それともクソムシかな?」 「ゆゆ? にんげんしゃんも、ばきゃなの。まりしゃはとってもゆっきゅりした」 「クソムシなら針を抜いてあげる。ゆっくりにはもう一本針を刺すよ」 「クソムシでしゅぅう!」 「まりしゃもクソムシなんだじぇええ」 「れーみゅなんきゃ、クソムシよりもっとくちゃい、うんうんでちゅー!」 目を剥き舌を出してへつらう赤ちゃんゆっくりたち。 一匹だけ反応が遅れて「ゆ? まりしゃゆっきゅりだょ?」と不思議がっている赤ちゃんゆっくりに、鬼威さんは針を三本突き刺した。 「ゆびぇぇえええ、ぎゅぃぃいいい、ゆんぎゃぁぁああ」 赤ちゃんまりさから生えている新たな3本の針は、クソムシを名乗った他の三匹から抜いたものだ。 三匹は痛みから解放されたことに喜び、そして新たに自分の何倍もの痛みを背負った一匹の赤ちゃんまりさを見て優越感に浸る。 「ゆひゅー、あわりぇあわりぇ」 「まりしゃはおちゅむがたらないんでちゅねー」 「ばきゃなんじぇ。ぷぇっ!」 同室の赤ちゃんまりさが、侮蔑の表情で唾を吐きかける。 ほんの少し前、自分が針を刺された時に、ぺーろぺーろしてくれた恩など欠片も感じていないらしい。 まりさは泣いていた。 鼻水と涎をだらしなく垂れ流しながら、目の前の光景を否定したい気持ちでいっぱいになっていた。 まりさたちはとても仲の良いゆっくりした家族だったはずだ。 れいむは子供たちを愛していて、絶対にその口から死ねなんていう言葉をぶつけるようなことは無かった。 子供たちもいつだって仲良しで、互いを思いやり、誰か一匹をあげつらって笑うような真似はしたことがなかった。 悔しい。 どうしようもなく悔しかった。 全ては作戦だ。だからしかたがない。 でも、まりさのほうが強いのに。本当はすぐにでも鬼威さんを倒せるのに。 この奴隷を自称する鬼威さんのせいで、ゆっくりしたものが全部狂ってしまった。 家族がバラバラにされ、心まで離れていってしまう様を狭いケースの中で眺めることしかできない自分が情けなかった。 涙を流しながらまりさは考えた。 この局面を一気に打開する方法を。 鬼威さんを油断させて、一刻も早くケースを出て、まりさの実力を発揮できるもっと凄い作戦を! 「にんげんさん、ちょっといいかい、なのぜ!」 「ん? どうした、クソムシまりさ」 「こ、このどれいふざいがちょうしに……、いや、ここでおこったらせっかくのさくせんがぱーなのぜ。 ……ク、クソムシのまりさがにんげんさんに、いいことをしてやるのぜ」 「いいことって、なによ?」 鬼威さんはまりさの浅い企み見抜いた上で、さも不思議そうに質問する。 「ふふっ、きいておどくろくな、なのぜ。 まりさたちはいいクソムシだから、にんげんさんのおねがいをかなえてやるのぜ。そしたら、にんげんさんはきっとまりさたちのことがきにいるのぜ。ゆっくりさせたくなるのぜ! だからにんげんさんはまりさになにかおねがいをするといいのぜ!」 「おねがいかぁ……、それってなんでもいいの?」 「まりさにまかすんだぜ。ぶしににごんはないのぜ!」 「へぇ~、そ~。武士ね。じゃ、ちょっと待っててねー」 笑いをかみ殺しつつ、鬼威さんは片手に「おそらを~」状態のれいむをつかんだまま移動する。 電話台の上の帽子なしまりさの所へ近づくと「おい」と低い声で呼んだ。 「な、な、な、なんなんだじぇ。どれいさんは、ごしゅじんさまを、ほうっておいてほしいんだじぇ」 「どうせ聞き耳立てて会話は聞いてたんだろ、しらばっくれんなよ、知ってんだよ。 そんでさ、ご主人様よ。オレ、クソムシに叶えてもらいたい願い事なんてねーのよ、一切。 だってクソムシなんて何の役にも立たねーじゃん? ……だからさ、おまえこのれいむとヤレよ」 「ゆひぃっ! そんなのできないんだじぇ。だって、れいむはまりさのおよめさんなんだじぇ。あかちゃんたちのおかあさんなんだじぇ。それに、ごしゅじんさまとはれいむは、さっきはじめてあったばかりなんだじぇ」 「なにクソ真面目ぶってんだよ。てめぇの命可愛さに、お飾りも家族も全部差し出した屑のくせに、今更偉そうな御託並べんなよな。 ご主人様だって自分の嫁さんが目の前で端から5mm刻みで千切りされてからこっち、一回もすっきりしてねぇんだろ? たまってんじゃねーの? いーじゃん、この場で一番ゆっくりできるのはご主人様なんだからよ、欲望のままに生きよーぜ?」 鬼威さんは帽子なしまりさの頭を撫で回す。 髪の毛を掴む手の力は強く乱暴で、成体の帽子なしまりさの幼児語はさらにひどくになった。 「やめ、やめっ、やめるのじぇぇぇええええ。やるのじゃぇ、まりしゃ、やるのじぇ。だきゃら、いちゃいことしにゃいじぇぇぇえええ」 「んだよ、やる気満々じぇねーかよ。だったら最初からクズんなよな」 程なくして、自分が立てた作戦に得意満面のまりさのもとに、帽子まりさのケースを手にした鬼威さんが戻ってくる。 れいむもケースの中に入られているが、長時間の空の旅からようやく解放されたところで、意識はまだ朦朧としているらしい。 「にんげんさん! おねがいはきまったのかぜ?」 帽子なしまりさとの会話はまりさには聞こえていない。 「うん、このれいむに、ご主人様の伽をさせてくれ」 「とぎ? とぎってなんなのぜ、まりさにもわかることばいってほしいのぜ?」 「ああ、クソムシにもわかるようにいうと、すっきりだな」 「すっきり? すっき、ってだめなんだぜ!? れいむはまりさのおよめさんなんだぜ! あんなくずあいてにすっきりなんかしたら、れいむがけがされるのぜ。そんなゆっくりできないことは、ぜったいにみとめられないのぜぇええ!」 鬼威さんはテーブルの上に帽子まりさとれいむの入ったケースを置く。 元からあった大きなケースを少し動かしてスペースを作り、まりさの部屋の目の前に二匹の入ったケースを配置する。 全身を巡る焦燥に突き動かされ、まりさは狂ったようにケースの中で暴れまわる。 「武士に二言は無いけど、クソムシにはあるんだろうねぇ。でも却下。もう取り消せない」 鬼威さんは帽子なしれいむを掴み上げて揺さぶる。 振動が帽子なしまりさの劣情を刺激し、その身体の一部がむにむにと屹立しはじめる。 「……ゆっふぅん……」 頬を赤らめ、帽子なしまりさが喘ぐ。 「やめるんだぜ! れいむにふれたら、ゆるさないのぜ! おかざりもないこのくずが! そのぺにぺにをまりさが、ちょんぎってやるのぜ。 だから、こっちきて、まりさにどげざしてあやまって、ぺにぺにをさしだすんだぜ。はやく、はやくするんだぜぇえ!?」 鬼威さんは揺する手を止めない。帽子なしまりさのぺにぺには今や最大値に達し、その先からは先走りの汁さえにじんでいた。 「にんげんさん、もうやめてぐだざい。まりさがばかだったんでず。 ごべんなざい。あやま゛るがら、あやま゛るがら! どべて! そのてをどべで! いやば! いやばの! ばりざのれいぶをどらなびでぇえ! ばりざのれいぶをだずげでぐだばいぃぃいい! れいぶにぎぇてぇえええ」 まりさは激しく取り乱していた。 れいむはまりさの声にようやく意識を取り戻し、帽子なしまりさは意気を荒くしていた。 鬼威さんはどこまでも冷静で、落ち着いていた。 「さて、自分の嫁を差し出したクソムしまりさ。楽しいショーがはじまるよ。ゆっくりしていってね」
https://w.atwiki.jp/ningenbyouin/pages/12.html
症状 俺、3時間しか寝てないんだ病(おれさんじかんしかねてないんだびょう)は、きのう、もしくは最近の睡眠時間の少なさをアピールしてしまうものである。一般的に寝てない自慢とも呼ばれる。 また、この病気の多くは実際の睡眠時間をサバ読む傾向が見られ、30分は切り捨てと見なし1時間削ってアピールしてしまう。 つまり「俺、3時間しか寝てないんだ」と言った場合、実際には4時間以上眠っていることが多い。 寝てない自慢の動機は、純粋に体力が長く持ちこたえてることのアピール、寝る暇がないステータスをアピールの2種類があり、後者は鼻につく感じが大幅に増幅する。 主な特徴 アピールする相手をちゃんと選ぶ 異性にはあまり言わない 寝てなくはない(不眠不休ではない) ちゃんと寝てない経緯の詳細を説明できるだけのエネルギーはある 自慢する前は眠そうだが自慢中は元気にしゃべる もうひと山用事があったりする 痩せがたの人に多い ねちねちしゃべる 発病期間 主に15才あたりから発症しはじめ、40代中盤あたりから減少傾向となる。 高校生くらいになると「時間」が自慢に使えることをバイトや遊びで学び、そこで俺、3時間しか寝てないんだ病のウイルスを吸い込むのが一般的な発病の発端である。 減少の理由はというと、いい年になって寝てない状況はステータスに対しての信用問題になることに気付くため。 未だ自分自身をコントロールできないでいる地位・環境または無計画さなど、不信感につながるのがわかってくるのがもっともな原因である。 自慢(アピール)への理解 このような寝てない自慢は、受け入れてあげることが最良の手段といえる。 寝てない自慢を聞くのはあまりいい気分ではないが、自分が寝てない自慢をしたくなった時、受け入れてあげた事実が有利に働く場合もあるからである。 人間の三大欲求でもある食欲・性欲・睡眠欲のうち、とりわけ睡眠欲は休養として人間にとってはなくてはならないものである。その休養を削るということは戦い続けていることに等しい状況なわけで、休まず戦っていることをアピールされた場合、ねぎらいのひと言でもかけてあげると、今後の自分が「俺、3時間しか寝てないんだ病」にかかった場合、ちゃんと相手にしてくれる可能性が飛躍的に高まる。 ギブ&テイク、持ちつ持たれつである。 予防 5~6時間以上の睡眠 5時間以上の睡眠を取ると、1時間サバ読んでも4時間。4時間の睡眠は一般的には少ないが睡眠を取れていなくもない時間なので自慢の予防となりうる。また2時間以上のサバ読みは自己嫌悪からできないことが多い。 関係症例 夜型を自慢病 俺、24時間寝ちゃったんだ病 Youtube 第001回 「新参者に厳しくしちゃう病」「俺、3時間しか寝てないんだ病」、「AKB48の知ってるメンバー知らないフリしちゃう病」 診察動画
https://w.atwiki.jp/ani3sisya/pages/818.html
539 :名無しさんなんだじぇ:2010/08/30(月) 12 56 04 ID fUFqgzHU ◇第七競技 部長「さあついにメイン三種目のひとつチーム対抗ビーチバレーよ!」 小萌「円形のコートでの3チーム対抗戦ですぅ。コートに入れるのは1チーム6人ですぅ。選手交代は3回まで。デュースは無しで10点先取したら勝ちですぅ。ネットで相手にポイントを与える場合、相手チーム両方に入るので気を付けてくださーい。10ポイント先取したチームには200ポイント、その次にポイントを高く持っていたチームは100ポイント獲得ですぅ!」 ひたぎ「ついに来たわね。さぁ、戦争を始めましょう」 神原「ここでエロバレーの……」 真宵「さってこれはどう料理しましょうか」 ファサリナ「追い付かれましたし、ここはがんばらないと」 キャスター「さっきは欲望に負けたけど、今度はいいとこ見せるわよ」 あずにゃん「唯先輩だってがんばってるんだ。今度は私が……」 美琴「あたしたちは練習を積んだんだから怖いものなんてないわ!」 かじゅ「ああ、やるぞ!」 プリシラ「勝つよ~!」 セイバー「今度こそ約束された勝利をつかみます!」 とーか「目立ちますわぁぁぁぁぁ!」 アーニャ「がんばる」 イリヤ「さぁ行くわよ!」 首輪ちゃん「休養十分!そろそろ働かないと大将に怒られちまうぜ」 カマやん「負けてばかりというのは屈辱的ゆえ、ここは勝たせてもらおう」 和「咲さんがいい流れを作ったんですからそれに乗らないと」 インデックス「やるよ~」 妹E「うおおおおおお!とミサカは気合いを高ぶらせます」 540 :名無しさんなんだじぇ:2010/08/30(月) 14 03 39 ID TMVh4JMs 咲「ふあ…うくっ…あう…」ビクビクッ 部長「和ったら、久しぶりだからって咲を消耗させすぎよ」 美穂子「あの…宮永さん、大丈夫でしょうか」 部長「ビーチバレーが終わるころには回復するんじゃない?」 美穂子「はい…」 部長(まぁ放っておいたら迷子になりそうだし、これはこれでいいのかしら?) 541 :名無しさんなんだじぇ:2010/08/30(月) 17 20 27 ID Zpg5//JI D「さぁ始まりました、変態ビーチバレー!非常に分かりづらい競技なので、我々としても実況解説のやりがいがあります!」 K「まさかバレーボールを鼎戦にするとは…ブロックを掛けようにもタイミングを図るのがかなり難しくなってくる」 D「ここまで全てのスパイクをレシーブしている御坂選手の防御力は凄まじいですね」 K「そのかわり風紀委員はアタッカー不在なのが厳しいところだ。セイバーにはマークを付けられているからな」 D「そうなるとバランスの良い主催チームが有利、ということですか?」 K「それは既に点数に出ている。今のところ主催チームのみ3点先取。他チームは未だポイントが入っていない」 とーか「あっ…!」 ゴシュ! D「あー逝ったああああああああああああああ!戦場ヶ原選手の強烈なスパイクがついに龍門渕選手の顔面をクリーンヒットォ!」 K「真宵の執拗なフェイントに御坂が騙されたか。これは立てないな」 D「しかし!ボールは生きている!ボールは生きているぞー!」 アーニャ「トス」 セイバー「卑怯者め!騎士王が裁きを下してくれる!」 シュゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ! ひたぎ「ひっ!」 神原「戦場ヶ原先輩!」バッ ドシュ!プシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ! D「決まったああああああああああああああ! 戦場ヶ原選手を狙ったスパイクは神原選手の土手っ腹を貫通!コートはスプラッタだああああああ!」 K「さすがだな、セイバー。しかし良くボールがもったものだ」 ひたぎ「神原!」 神原「戦場ヶ原先輩…どうか、ご無事で…」ガクッ ひたぎ「誰か!誰かあああ!」 カイジ「龍門渕!大丈夫か、龍門渕!」 とーか「はらほれひれはれ~」 D「コート内は騒然です!一時試合中断する模様です」 K「これで主催3:風紀1:特攻0、か。しかし、層が厚い風紀委員はいいとして、特攻野郎はかなり台所事情が厳しいのではないかな」 D「と、いいますと?」 K「いくら死者スレ内とはいえ達人の船井ですら復活に数時間はかかる。神原の大会中の復帰は望むべくもない」 D「あー」 K「主力の一人を失った特攻野郎はこの試合だけでなく、この先、大きなハンデを負ったな。あのままひたぎを見殺しにすればよかったものを」 542 :名無しさんなんだじぇ:2010/08/30(月) 17 38 53 ID fUFqgzHU 美琴「透華さんがやられちったからメンバーチェンジだけど……久さん大丈夫ですか?」 部長「オーケーよ、じゃいっちょやりますか」 美穂子「がんばってくださいね」 池田「ファイトだし!」 ひたぎ「こっちのメンバーチェンジはどうするの?」 真宵「とりあえず現状は……滅さんお願いします!」 律「わかったぜ」 真宵「後、やっておくべきことは……CDさん、CDさん」 C.C.「何か用か?」 真宵「こっちのメンバーに入ってもらえませんか?報酬は先ほどの限定ピザ5枚で」 C.C.「……10枚なら考えてやろう」 真宵「了解です。後、監獄さん、監獄さん」 撫子「何、真宵ちゃん?」 真宵「暇だったらウチのチームに加勢しませんか?」 撫子「あっ、うん、いいよ」 真宵「ありがとうございます」 D「おっと両陣営に動きが!負傷者に代え風紀委員は竹井久、特攻野郎は田井中律をそれぞれ投入!しかも特攻野郎のベンチにはC.C.と千石撫子が!」 K「先を見越して暇人をチームに取り込んだか。さてこの選択がどう転ぶか……」 543 :名無しさんなんだじぇ:2010/08/30(月) 18 10 59 ID dw8XzRdY キャスター(しかし先程からこちらの防御結界が弱められている… セイバーのスパイクも結界内ならばあれほどの殺人能力を発揮しないはずなのに… やはり…介入してきたか、荒耶宗蓮) カマやん(セイバーに対しマンマークを掛けてきたが、やはり対魔能力は高い ならばと思いキャスターの防御結界に干渉してみたが…結果は予想以上だったか。 このままあと三回特攻側をリタイアさせていけば彼等を負けさせることは容易。 出来ればあと一点取っておきたい所だが、それでなくとも以降の特攻側を大きく弱体化させることは出来るか…) 544 :名無しさんなんだじぇ:2010/08/30(月) 18 51 12 ID CKyFVGR6 カマやん(あれが噂の暴れ龍か…?ただの小娘ではないか。用心する必要もないな) 真宵(烈さんのスパイクはかなり強力ですが…ツッコミ補正等が加わるとその威力は格段に上がる。 ボケなくてもいい…誰か烈さんを刺激してくれれば…) 律(…久さんが出てきたか。セイバーと同様、スパイクの破壊力がやばそうだな…。 直撃したら……いや、大丈夫だ。キャスターさんの魔術を信じろ!) 部長(戦場ヶ原さんとかいう彼女のスパイクが厄介ね…。潰すべきかしら…。でも律も放っておけないわね) 545 :名無しさんなんだじぇ:2010/08/30(月) 19 29 16 ID dw8XzRdY ひたぎ「神原、あなたの仇は討つ!」 D「おーっと、戦場が原選手、セイバーに向けて殺人スパイク!」 K「無駄なことを。セイバーにその程度の攻撃が…な、なにぃ?!」 D「戦場が原選手、分身!分身です!さらにカーブぅ?御坂選手、大きくかく乱されたぁっ!」 御坂「くっ!セイバー!?」 セイバー「舐めた真似を!エクス、カリバー!」 カッ! D「セイバー選手、エクスカリバー!直線上にいたプリシラ、中野選手を直撃~っ!」 K「馬鹿な…」 D「ボールは真っ二つになって、風紀チームと特攻チームのコートに落ちたぁ!こ、これは?」 K「無論、主催チームの得点だ」 D「主催4:風紀1:特攻0となりました!なお、セイバー選手は当然退場。また、消滅したプリシラ選手、中野選手が交代となります」 K「風紀側は三回の交代権を使い切ったか」 D「コートの整備でまたも一時中断です!」 546 :名無しさんなんだじぇ:2010/08/30(月) 19 42 47 ID fUFqgzHU 唯「あ、あずにゃん生きてる!?」 あずにゃん「な、なんとか……死んでますけど」 キャスター「今度はどうするの真宵ちゃん?」 真宵「仕方ありません、この策は使いたくなかったのですが……」 かじゅ「ぷ、プリシラ……?」 プリシラ「えくすかりばーってこんなにえげつないんだ……」 部長「よし……ライダーさん、池田さん!」 ライダー「了解です」 池田「わかったし!」 美琴「で、向こうの交代選手は紬さんかなって……千石さん!?」 アーニャ「そうきたか、さすがゴーストね」 撫子「どうすればいいの?」 真宵「アタックはホチキスと骨さんに任せればいいのでトスをお願いします」 撫子「うん、わかった」 D「おっと特攻野郎、なんと先ほどスカウトした千石撫子を投入だ!」 K「なるほど、彼女がいれば少なくとも風紀委員は手加減をせざるを得ないからな。うまい策を使う」 547 :名無しさんなんだじぇ:2010/08/30(月) 20 08 32 ID 6NsK8rnE 部長「えいっ!」 撫子「よいしょっ」ポンッ ひたぎ「はっ!」ビシッ 部長(う~ん…撫子ちゃんに当たると可哀想だからあまり強烈なスパイクは撃てないわね…。これが狙いなのかしら) 首輪ちゃん(は~ん…なるほどな。手加減狙いってヤツか。だが――こっちにはそんなもの通用しない!)バンッ 妹「トスです。とミサカはボールを高く上げてアタックを催促します」 カマやん「その小娘を狙わなければ強烈なスパイクを撃っても構わんだろう!どりゃああ!!」ズバシッ D「これは強烈!特効野郎チームをボールが強襲します!」 K「また特効野郎チームは選手を狩られるな」 律(なっ…この人のスパイクもやばい!風紀委員しかマークしてなかった…!!) キャスター(くっ…やはり結界がうまく働かない!このままじゃ律ちゃんが――) ダッ ドガァッ!! キャスター「ぐっ!!」 律「キャ、キャスターさん!?」 キャスター「…」ドサッ D「おおっと!神原選手よろしく、キャスター選手も身を挺してメンバーを守りました!ボールもぎりぎり生きている!!」 K「しかしかなり強力な一撃だったからな。さすがのサーヴァントもアレを顔面にもらって意識を保っていられなかったか」 D「戦場ヶ原選手が滑り込んでボールを繋ぐ!」 K「だがもう特効野郎チームはメンバーをやられすぎて満身創痍だ。勝利は難しいだろう」 カマやん「その通り。これが狙いだ。これで要注意するべくは風紀委員のみ!」 部長(いや…これは――) 真宵「勝った…」 カマやん「ん…?」 律「…っ!!」ダンッ カマやん「な、何!?」 律「よくもキャスターさんをおおおおおおおおおおおお!!」 ズバアアアアアアアアン!!ドゴォッ!! カマやん「ぐあああああああああああぁ!?」 妹「ボールが隕石に見えました、とミサカはその場に凍りつきます」 D「おぉっと!ここで田井中選手突然の覚醒!吹っ飛んだカチューシャがまるで今まで彼女を押さえつけていた拘束具のように思えます」 K「あの前髪の下から覗く目…まるで鬼人のようだ」 D「これで主催4:風紀1:特攻1。ようやく特効野郎チームに得点が入りました」 K「ここからどうなるか。展開が予想できないな」 548 :名無しさんなんだじぇ:2010/08/30(月) 20 22 49 ID fUFqgzHU 真宵「しかしその代償でキャスターさんも交代ですか、こちらの戦力ならKCさん」 ムギ「ゴースト、私に行かせて」 真宵「オーナー!?貴女は球技が苦手なのでは!?」 ムギ「今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ」 あずにゃん「ムギ先輩……」 キャスター「(気絶中)」 ムギ「梓ちゃん、キャスターさん。仇は必ずとるわ」 美琴「ついに来たわね、紬さん」 かじゅ「なんだあのオーラは……」 リリーナ「あれは怒り。何も含まないとても純粋な怒り……」 ムギ「あまり私を怒らせないほうがいいですよ」ゴゴゴゴゴゴ 唯「ムギちゃん、キャラが違うよ」 D「キャスターの戦闘不能に伴い、特攻野郎チームも交代権を使いきりオーナーを投入だぁ!」 K「彼女の纏う怒気も凄まじいな。これはいよいよわからなくなってきたな」 549 :名無しさんなんだじぇ:2010/08/30(月) 20 27 19 ID aen137BM イリヤ「やられたわ。でも、まだ大丈夫!ひとまず妹Aを投入!そして、サーシェス!妹E!アレで決着を付けるよ!!」 首輪「よっしゃー!!任せろ」 妹E「プランX、アレですね……とミサカはついに来たと思いつつ決死の覚悟を決めます」 D「おおっと、ここで主催チームの首輪選手と妹E選手が同時に動いた!」 K「あれは…まさか!必殺技・魔のX攻撃!!」 D「なんと、両サイドから飛び上がったミサカシリーズの二人が空中でクロスしたところで強烈なスパイク!」 K「あれではどっちが打ったかわからない!そして相手はボールの軌道が読めない!まさか科学的に禁断な技をここで拝められるとわ!!」 D「そこは何でもアリの死者スレですから。しかし、シンクロした二人のミサカが放つそれはまさに魔球!! 特攻野郎は誰一人動けず!またしても主催チームに1ポイントが入ったぁ!!もはや誰も彼らの勢いを止められないのだろうか!!!」 551 :名無しさんなんだじぇ:2010/08/30(月) 21 09 37 ID Vq/4Z5.. ミサカーシェス「よっしゃ、もう一発喰らいな!」 ムギ「まずい、撫子ちゃんの方に行ったわ!」 撫子「きゃ……」 パァン!! 律「……今、わざと撫子ちゃんを狙ったろ……」 ミサカーシェス「な、何だありゃ!? 素人の出せる殺気じゃねえぞ!!」 ガハラ「トス上がったわよ!」 律「よし、喰らえぇぇぇぇぇぇっ!!!」 ミサカーシェス「っと、危ねえ!!」 妹E「ぶべらっ!! とミサカは身代わりにされて吹き飛びます」 D「おーっと、ここで田井中選手本領発揮!! 妹E選手をコート外まで吹き飛ばしたー!!」 K「荒耶宋蓮を仕留めた事で醒めた頭が、千石撫子が危機に瀕した事で再び逆上したようだな。 サーシェスは迂闊としか言いようがあるまい」 D「あーっと!! 竹井選手、こぼれ球を田井中選手目掛けクイック!!」 K「主催チームに意識が向いている隙を狙ったか。 だが、甘いな」 D「な……田井中選手、これは凄い!! 竹井選手の放った殺人スパイクを片手でわし掴みだー!!」 部長「う、嘘でしょ!? 手加減無しで撃ったのに!」 律「……竹井さん」 部長「な、何かしら?」 「邪 魔 し な い で 貰 え ま す か ?」 部長「(コクコク)」ブルブルガクガク
https://w.atwiki.jp/ani3sisya/pages/953.html
158 :名無しさんなんだじぇ:2010/11/02(火) 15 16 06 ID Se5MJn1E ~~グラウンド~~ 唯「うわー、見事にグラウンドが出来てるねー」 あずにゃん「本当ですね、この短期間でよく…」 ムギ「ここが今回の戦場よ。前回が惜敗だったから今回は勝つわよ!」 唯「おー!」 バサカ「疲れた…よく整備したと思う自分でも…」 ホンダム「(お疲れさまだ…)」 とーか「では皆さーん!運動会の開会式を始めますのでこちらへ集まってくださいましー!」 159 :名無しさんなんだじぇ:2010/11/02(火) 22 12 40 ID GR9auhMc 小萌「皆さん、チームごとに集まりましたね?それでは、第一回たまり場運動会を開催致しますぅ。龍門渕ちゃん、たまり場代表として一言お願いします」 とーか「はい、では…皆さん、前回は少々目を瞑っていましたがいましたが…今度こそ!スポーツマンシップに則り、正々堂々と戦いましょう!」 デュオ(っといっても、このメンバーで真っ当な勝負事をしろっていうのが無理だと思うけどな……) とーか「特に特攻野郎チーム!前回は主催者の積極的介入もあったとはいえ、あなた達の妨害も目につきましたわ!今回は策を弄するより真面目に戦いなさい!」 真宵「それは無用の心配ですね。今回は人材も豊富ですし、奇策で他のチームを潰すなんてことはしませんから(まあ、味方の長所を最大限に利用した計略なら講じますが)」 とーか「まあなんであれ、特攻野郎と伊達軍団に優勝の栄光を与えるつもりはないですわ!最後に勝つのは私達、風紀委員ですわ!」 風紀委員「おおーっ!!!」 筆頭「Ha!言ってくれるじゃねぇか。でもな、勝利の美酒を味わうのは俺達だ!そうだろ、てめえら!」 伊達軍団「おおーっ!!!」 ムギ「みんな、準備はいい?今度こそ風紀委員を負かせて、伊達軍団にも勝って、私達特攻野郎の名に有終の美を飾りましょう!」 特攻野郎「おおーっ!!!」 マリアンヌ「ふふふ、みんな盛り上がってきたわね。それじゃあ開会式はここまでにして、今から運動会を始めるわよ」 玄霧「それと皆さん、運動を始める前に準備体操をしてくださいね。しっかり身体をほぐして怪我しないように」 【運動会、開始!】 160 :名無しさんなんだじぇ:2010/11/03(水) 01 50 08 ID h9ZOFxuQ ◇第一競技 玄霧「最初の競技は個人100m走です」 マリアンヌ「超人枠2レース、一般人枠4レースの合計4レースの結果でポイントをつけるわ。各レース一位の人に3ポイント、二位の人に2ポイント、三位の人に1ポイント計算をあげて、4レースのポイント合計で決着をつけるわよ。」 会長「ポイント合計一位のチームには200点、二位のチームには100点じゃ。あと当然のことじゃがテレポートは使用禁止じゃからの」 第一レース(一般人人枠) 美琴「さてと…いいとこみせなきゃね」 神原「ふむ、開幕投手というやつか」 プリシラ「いっくよー」 第二レース(超人枠) 幸村「うおおおおお!」 アーチャー「さて…」 筆頭「DASHか。何であれ負ける気はないぜ」 第三レース(一般人枠) ヒイロ「任務了解だ」 ひたぎ「あら、こんなのが相手なの」 士郎「やるからには勝つ」 第四レース(超人枠) セイバー「シロウシロウシロウシロウシロウシロウシロウ…」 光秀「んふふふ、猛りますねぇ…」 ライダー「この枠は何か雰囲気がおかしくありませんか…?」 161 :名無しさんなんだじぇ:2010/11/03(水) 19 11 25 ID 8oqc9Uko あらやん「……此処は実況席だ。 そして、実況の荒耶宋蓮だ」 カマやん「同じく、解説の荒耶宋蓮だ」 あらやん「荒耶よ、此度の試合をどう見る?」 カマやん「笑止。 たかがヨロイ乗りが、健脚で鳴らした神原に勝る道理は無し。 超電磁砲とてそれは同じ」 あらやん「愚かな。 超電磁砲は自らの体内電気を制御し、反射を加速せしめる術を編み出したと聞く。 更に神原は超短距離に秀でる故、100mでは陸上部には及ばぬ。 なれば、プリシラにも勝機はあろう」 マリアンヌ「……ねえ、あれ大丈夫なの?」 玄霧「いまいち盛り上がりに欠けますね。 この際、ディートハルト氏に依頼しましょうか」 162 :名無しさんなんだじぇ:2010/11/03(水) 22 54 13 ID HMFvDiPU ディート「ではご指名通り、私ディートハルト・リートが実況をお伝えします。また、今回も解説に言峰氏をお呼びしました」 マーボー「解説を担当する言峰綺礼だ。以後、よろしく願いたい」 ディート「さて今回の対戦カードですが あらやん「待て、我々を差し置いて何を始めている」 カマやん「逃走と放送で忙しいはずの貴様らが何故ここにいる」 マーボー「現世の事情と此処の召喚は別物だ。荒耶宋蓮、お前も生前はそうだったであろう」 ディート「なにより、あなた方は少々扱いづらいとの御達しがあったのだよ」 マーボー「なので、この場はプロデューサーと放送慣れした我々に任せたまえ」 ディート「まあ、偶にゲストとしてコメントしてもらうかもしれないが、基本あなた方の出番は考えていないのであしからず」 やんやん「…これも抑止力の仕業か!」 マーボー「む、どうやら準備が整ったようだ。ディートハルト、こちらも実況を始めるぞ」 163 :名無しさんなんだじぇ:2010/11/05(金) 13 14 58 ID JYQi6WxI <第一レース> パァン D『おーっと、大方の予想通り神原選手が素晴らしい加速で飛び出したー!』 K『この辺りはバスケットボールプレイヤーの面目躍如と言った所か。 だが、そういつまでもこのペースを維持出来る訳では……』 D『いや、ちょっとお待ち下さい! これはどうした事か!? 神原選手のペースが全く落ちない!』 K『馬鹿な! 奴の足は超短距離した保たない筈……むっ、あれは!』 ビリビリ「ちょっと、どういう事よ!! いくらなんでもスタートダッシュから全然ペースが落ちないなんて……!」 プリシラ「追いつけないよー!!」 上条「くそっ、このままじゃ……ん? なあ龍門渕、神原の頭に何かぶら下がってないか?」 とーか「言われてみれば……ハギヨシ、オペラグラスを(パチン)。 ……あ、あれは!! 上条さん、あれを見て下さいな!!」 上条「そんなにヤバい物なのか? どれどれ……」 【BL本(上条×一方通行カップリング)】 上条「ぶっ!? な、何だありゃ!?」 とーか「ちょっと、特攻野郎の皆さん! 卑怯な真似をするなと申した筈ですが!?」 ムギ「あら、あの本が他の二人を妨害しているとでも?」 真宵「あのBL本はあくまでもモンキーの実力を引き出す為の餌みたいな物です」 上条「人参ぶら下げられたロバがあいつは……てか何で上条さんと一方通行がネタにされてんだ!?」 D『特攻野郎チーム参謀八九寺真宵、見事な作戦だー! このレース、これで決まったかー!?』 164 :名無しさんなんだじぇ:2010/11/05(金) 17 14 46 ID kNfCyano ディートハルト『ところでふと思ったんだが』 言峰『なんだ?』 ディートハルト『いや、ロバや馬は4足走行だから目の前に吊るされた餌が取れないのは当然だが、神原は二足走行だ』 言峰『ほう、そうか、つまり』 ディートハルト『なぜ空いている二本の腕で取らないのだ?』 168 :名無しさんなんだじぇ:2010/11/05(金) 19 37 51 ID SINLrdHU 神原「ハアハアハアハア…(見える、見えるぞ!一方さんが上条さんのホルモンを弄って*ピーーーッ*や*ピーーーッ*で…ハアハアハアハアッ!」 ユフィ「…なにか神原さんの口から聞きなれない単語が発せられていますが」 ゼクス「ユフィ、あれは覚えなくていい単語だ、知らなくていい、聞かなかった事にしなさい、記憶から抹消するんだ」 ムギ「さすがに私も彼女のBLにはついていけないわ」 C.C.「私もついていけないな。でもボウヤの受けは納得だな」 上条「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!やめろぉーーーっ!!!妄想するなーーーっ!!!」 D『さあ、神原選手はもうゴール目前!御坂選手プリシラ選手も頑張っているが、追いつく気配が全くなーいっ!!』 K『電撃使いも女子中学でない走りを見せているが、この勝負、火事場の馬鹿力を発揮した悪魔の圧勝だな』 ブチッ!ドサァァァァァァァッ!!!!! 一同「!!!」 D『な、何が起きたんだーーーっっっ!!!突如、BL本が落下ーっ!!!それに猛進していた神原選手はつられて転倒したぁーーーっっっ!!!』 K(…今のは明らかに狙撃、もしくは人為的な何かで吊るしていた紐を断ち切ったようだが、さて、…) D『両手を後ろ手縛られた神原選手は立ち上がることはできないっ!その隙に御坂選手がテープを切り、続いてプリシラ選手もゴールしたぁ!!!』 【結果:一位・御坂美琴、二位・プリシラ、三位・神原駿河】 【ちなみに、このレースは十数秒間に起きた出来事である】 169 :名無しさんなんだじぇ:2010/11/05(金) 20 39 26 ID .fB2O48I 律「ふぅ…」 小十郎「さすが律殿。完璧なまでの狙撃術だぜ」 律「いえいえ。でも、良かったんですかね?」 ライダー「邪魔をした訳ではなく、能力を引き出すためのアイテムをはぎ取っただけですから罪悪感を覚える必要はないでしょう」 伊達「それに相手はあのくせ者揃いの特効野郎とJudgementだ。きっと後々いろんな意味で波乱のBattleになってくるさ」 キャスター「とりあえずの牽制ってわけね」 律「まぁ普段駿河には嫌と言うほどお世話になってるんで、いい仕返しができましたよ」 伊達「さぁて、どんどん行こうぜ。Let's partyだ!」 【どうやら神原に“イタズラ”したのは律のようです】 170 :名無しさんなんだじぇ:2010/11/05(金) 22 36 44 ID .TRt.PuQ <第二レース> パァン 幸村「うおおおおお!」ダダダダダダダ アーチャー「…」シュタタタタタタ 筆頭「イヤッハアアアア!」タタタタタタタタ D『もう30m地点を突破!は、速い!』 K『さすがの超人勢だな。現在順位はほぼ同じ…さて…』 171 :名無しさんなんだじぇ:2010/11/06(土) 13 54 43 ID lBka4bBM 幸村「みぃなぎるぅぁあああああああああああ!!!」 政宗「YyyyyyyyaHHHHHaaaaaaaaaaaーーーーーーーーーーーー!!!」 アーチャー「暑苦しい奴らだ。 さて、特攻野郎に特に義理は無いが、衛宮士郎に勝ちを譲るのも癪に障るからな。 そろそろ切り札を切らせて貰う。 ――投影、開始(トレース・オン)」 幸村「ぬぅぅぅおおおおお……な、何とぉおおお!!?」 政宗「What's!? Last spurtから更に加速しただと!? くっ、追いつけねえ!!」 パァン D『アーチャー選手、今一着でゴールイン! 二着は伊達選手、ビリは動揺の余り棒立ちとなってしまった真田選手だぁ!』 K『ふむ、投影にあのような用法があるとは。 流石はアーチャーといったところか』 幸村「ぅぉぉおおおおおおおぉぉおおおお!!! この不甲斐無い幸村を!! どうかしかって下され、お館さまああぁあああああああああああ!!! 政宗「Goddamn!! どうなってやがる!!」 アーチャー「何、簡単な話だ。 これを投影させて貰った」 つ【ライダーのダガー】 政宗「それが解せねえってんだ。その鎖を巻き付けて俺達を足止めしようってんならともかく、てめえ自身がSpeed-upする要素が何処に……」 幸村「待たれよ、政宗殿!! 衛宮殿は生前、六爪を投影した際、六爪の記憶から政宗殿の六爪流を完璧に模倣して魔王と渡り合った御仁!! なれば、衛宮殿以上の投影の使い手たるあーちゃー殿がそれを成せぬ道理が御座らん!!」 政宗「Ha? それがどうした……チッ、そういう事か! アーチャー、てめえライダーの技量をCopyしやがったな」 アーチャー「そういう事だ。 妨害は反則でも、自らを強化する分には構わんのだろう?」 【結果 一位・アーチャー、二位・伊達政宗、三位・真田幸村】 172 :名無しさんなんだじぇ:2010/11/07(日) 17 44 23 ID ziGxKKu6 <第三レース> ヒイロ(現在のポイントはどのチームも横並び…任務遂行の為には一位にならなければならないが…) ひたぎ(相手はムッツリ工作員だけだと思っていたけど、まさか正義バカにも気をつけなければならないなんて…面倒くさいわね) 士郎「…」 利根川「位置について、ヨーイ」 パァン D『銃声と共に三者一斉スタート!そしてすぐさまヒイロ選手と戦場ヶ原選手の一位争いが始まったーっ! 衛宮選手も頑張っておりますが、前を走る両者に一歩およびません!』 K『このレース、誰もが最初はこう予想しただろう。 単騎で地球に喧嘩を売る破格工作員であるヒイロ・ユイの脚力と中学時代は陸上部スターだった戦場ヶ原ひたぎの走力が勝敗を決める焦点。 ゆえに、平均的な高校生より身体能力が少々高いだけの衛宮士郎が両者に敵うわけがない、とな。 しかし、先のレースを見た以上、彼もライダーのダガ―を投影すればこの不利すらも覆せる』 D『その通り!衛宮選手が逆転の切り札を持つ以上、前を進む二人は油断する事ができません! 誰しもが予想できないレース、果たしてどのような結末になるのだろうか!…って、あれ?』 パァンパァン D『(ポカーン)……っ、け、結果は、一位戦場ヶ原選手、二位ヒイロ選手、三位衛宮選手、です』 K『終始投影をしないまま他の選手に追いつけずにゴール、これまた予想外の展開だな』 ひたぎ「なんだか釈然としないけど、まあ当然の結果よね」 ヒイロ「結果は二位…任務失敗…」 士郎「あーあ、頑張ったけどやっぱり駄目だったか」 黒子「士郎さん、お疲れ様。これをどうぞ」 つ 水 士郎「おっ、ありがとう黒子」 黒子「…ところで、どうして投影をなさらなかったのでしょうか?」 士郎「ん、それは…投影して勝ったとしても、他人の力を使ったようで嬉しくないからさ、負けると分かっていても自分の力で全力で戦った方がいい、っと思っただけさ」 黒子「ふぅーん、そうでしたの」 士郎「ごめんな、チームの勝利に貢献できなくて」 黒子「いいえ、そんな事気にする必要はありませんわ。士郎さんが負けた分、私がその埋め合わせすれば問題ないですわ。 それにこれは団体戦ですの。たった一敗など些細な事、この後の競技に勝ち続けて優勝を獲得すればいいことですよ」 士郎「あはは、そうだな。まだまだ運動会は始まったばかりだし、これから頑張るよ」 【結果:一位・戦場ヶ原ひたぎ、二位・ヒイロ・ユイ、三位・衛宮士郎】 173 :名無しさんなんだじぇ:2010/11/07(日) 18 14 38 ID lxgCfpoo セイバー「シロウ~」ジー アーチャー「電柱の陰から覗き見はお前じゃないだろ。さあ次のレースが始まるぞ」 175 :名無しさんなんだじぇ:2010/11/08(月) 13 04 41 ID Ocx9YAbk <第四レース> セイバー「シロウシロウシロウシロウシロウシロウ……ブツブツ」 光秀「ンフフ…クク…クックック……」 ライダー「(二人共、纏う気配が尋常ではありませんね……超人枠限定の裏ルールを知っているとは思えませんが、警戒はしておくべきでしょうね)」 パァン D『さあ、始まりました第四レース! ここまでのポイント合計は特攻野郎チームが一歩リード! 伊達軍団チームはここで一位を取りたいところ!』 K『順当に行けばライダーの勝ちは揺るがんだろう。 だが、仮にもサーヴァントと戦国武将、只で終わる筈もあるまい。 それに、あの裏ルールもある事だしな……』 光秀「ひゃっっはぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 ガキィン ライダー「!! やはり来ましたね!!」 セイバー「風王……鉄槌!!」 光秀「ひゃはっ、甘いですねェェェェェェェ!!!」 とーか「ちょっ、いきなり何ですの!?」 真宵「みっちー……やはり始めましたね。 予め裏ルールを設定しておいて正解でした」 カイジ「裏ルール!? どういう事だ八九寺!」 真宵「いえ、実は片倉さんや小萌先生と相談して、超人枠のみ如何なる行為も反則が取られない裏ルールを取り決めておいたのです」 小萌「どのチームにも血の気の多い子達が多いので、フラストレーションが溜まって暴走しないようにと思ったのですよ」 小十郎「只、明智の野郎の耳には入らないように注意しておいた筈なんだが……」 真宵「私達の方でもみっちーにだけは話していませんよ。 わざわざ無用の暴走を引き起こす必要もありませんし」 小萌「一体誰が明智さんにばらしたんでしょうかー?」 D『なるほど、そんなルールが……ですが、何故言峰氏がそのルールをご存知で?』 K『まあ、色々とな』 176 :名無しさんなんだじぇ:2010/11/10(水) 23 55 06 ID j4awG66U 光秀「ひゃははははははははぁ!! ああ、楽しいですねえ!!」 セイバー「待ちなさい、この外道!」 ライダー「くっ、この猛攻を捌きながらゴールを目指さなければならないというのも、中々骨が折れますね……!」 D『流石は超人戦力、三つ巴の激戦を繰り広げながらも着実にゴールへと近づいているー!』 K『今の所、三者はほぼ横並びか。 さて、この状況がどう転ぶかな』 小十郎「あの野郎、調子に乗りやがって!」 律「駄目だ、速過ぎて狙撃出来ない! せめて、鎌だけでも弾き飛ばせればいいんだけど……」 黒子「わたくしが鎌を奪って参りましょうか?」 士郎「いや、下手に乱入したらその時点で反則を取られるかも知れないし、何より黒子にはあんな危険人物に近付いて欲しく無い」 黒子「……もう、相変わらず士郎さんは甘やかしーですのね」 キャスター「あら、セイバーが変態に加勢してるわね。 八つ当たりかしら」 177 :名無しさんなんだじぇ:2010/11/11(木) 00 56 12 ID gD0J7Y6A セイバー「じゃぁぁぁまぁぁぁだぁぁぁぁぁあああああああああああっ!」 D『セイバー選手、見境無しに他の選手を襲っています!衛宮選手の所に向かう事以外は眼中にない模様です!』 光秀「ヒャハハハハハハ!いいです、いいですよぉ!久々に味わえる至福の極み!やはり死合は最高に愉しいですねぇ!」 K『明智光秀も最近の出番の無さに加えて暴れる機会がなかったからな。溜まった鬱憤を放つ事で力を割増しているようだ』 ライダー「…止むを得ませんね。できれば使いたくありませんでしたが、あなた達には大人しくなってもらいます!」 【 開 眼 】 D『おーっと!痺れを切らしたライダー選手が眼帯を外し、セイバー選手と明智選手を目視したぁーっ!!!』 K『どうやら視界に捉えたのはあの二人……と場外にいた撃墜王だけのようだ。対魔力のあるセイバー以外は石化してしまったな』 D『セイバー選手も魔眼の重圧によって動きがにぶくなった!ライダー選手、ぜっっこぉーのチャーーーンスっ!!』 K『なお、裏ルールによりあれは反則にはならない。一応要自重の行為ではあるが、あの場面の使用は適切だな』 ライダー「ふぅ、暴動も治まりましたし、さっさと競技を終わらせ「シロオォォォォォォォォォォ!!!!!」なっ!!!」 D『!!!これは一体どういうことでしょうか!?セイバー選手、あり得ない速度で爆走!!コースが抉れもの凄い量の砂が舞い上がっています!!!』 K『……ん、あんなところに看板が……《早くゴールしないと士郎と黒子がイチャイチャしだすぞ》………一体誰が…………』 D『呆気にとられたライダー選手もすぐに走りだしましたが、最速の霊英の全速力でも彼女の驀進には追いつけない!!!』 180 :名無しさんなんだじぇ:2010/11/11(木) 02 18 52 ID 51P44paI セイバー「シロオオオオオオオ!」 ライダー「追いつけません!何ですかこれは!?」 利根川「ゴール!ゴールだっ!」 D『決着です!一位はセイバー選手!二位は一馬身差でライダー選手!最下位はコース途中で石化している明智選手!おっと救護班が行った!』 K『4レースでの獲得ポイント合計は風紀が9ポイント、特攻が8ポイント、伊達が7ポイントとなる。よって勝利点は一位の風紀に200ポイント、二位の特攻には100ポイント加算だ』 セイバー「シロオオオオオオオ!」 部長「うーん、止まんないわね」 とーか「大丈夫ですわ。これくらい想定の範囲内ですもの」パチン セイバー「シ」 ゴーン! セイバー「…」バタッ 黒子「これは金ダライですの?」 アーニャ「いつものことよ。セイバー、次の競技までおとなしくしててね」 ◇第二競技 マリアンヌ「次の競技は長縄跳びよ。各チーム跳ぶ役が六人、回し二人の計八人チームで行うわ。各チーム二回つづチャレンジして跳べた回数が多いほうを公式記録として採用するわ。とんだ回数が一番多いチームに300ポイント、二位に200ポイント、三位に100ポイントをそれぞれあげるからがんばってね」 とーか「チームワークの見せ所ですわ!」 小萌「がんばりましょー」 かじゅ「ここで差をつけるぞ」 コクトー「僕は皆さんに合わせますよ」 ファサリナ「こういうのは初めてです」 カイジ「しかしウチの回し役は大丈夫か?」 幸村(回し役)「うおおおおお!だいっ!回転!」 バサカ(回し役)「幸村、もう少しゆっくり回せ」 唯「がんばろうね、皆!」 撫子「おー!」 あずにゃん「唯先輩大丈夫かなあ…」 真宵「まあ何とかなりますよ」 海原「大丈夫ですか、緊張とか?」 妹F「はい、これくらいならとミサカは(ry」 アーチャー(回し役)「真面目に回すんだぞ」 光秀(回し役)「ええ、粛清は怖いですから」 美穂子「がんばりましょう」 池田「キャプテンのためならなんでもやれるし!」 黒子「長縄跳びとはまた難儀なものですわね」 C.C.「タイミングよく跳べばよいのだろう」 ユフィ「それが難しいんですよね…」 デュオ「まっ、何とかなるだろ。回し役にも気合いが入ってるし」 筆頭(回し役)「合わせな、小十郎!」 小十郎(回し役)「はっ!」 183 :名無しさんなんだじぇ:2010/11/12(金) 20 30 10 ID GiH3eVYY 玄霧「では一回目を開始します。よーい、始め」 美穂子「いーち、にーい、さーん、しーい」 ユフィ「ごーお、ろーく、しーち、はーち」 C.C.「九、十、十一、十二、…」 ポヨンポヨンポヨン 部長「ふふふ、美穂子、結構頑張っているじゃない。いい動きしているわ」 神原「ユフィさんとC.C.殿も上下に動く様がしっかりしていて実に素晴らしい」 かじゅ「おい、ちょっと、うちのチーム、早すぎないか!」 ファサリナ「ああっ、ちょっと、激しすぎですぅ。もう少し、ゆっくり、でないと、ダメですぅ…」 ユサッユサッ 部長「うちのゆみも結構激しく動いているわね。やっぱり代わりに参加させて傍観に回ったのは正解だったわね」 神原「それにしてもファサリナさんのエロさは完璧すぎる!揺れ、服の乱れ、息遣い、火照り、そして言葉遣い、縄一つでここまで醸し出せるとは…」 【一部この競技で堪能しております】 184 :名無しさんなんだじぇ:2010/11/12(金) 21 22 33 ID LfAEnoKM 上条「……なあ部長……楽しんでるところすまないが、このままだとうちのチームが真っ先に沈むんじゃないか?」 部長「あら、どうして? 皆順調に跳べてるし、問題なんて何も……あれ?」 美琴「ねえ、何かうちのチームの縄……だんだんと早くなってない?」 美穂子「ふぅ、ふぅ……ちょっと、辛くなってきたかな……?」 ユフィ「わ、私もです……運動なんて、滅多にしませんから……」 タユンタユン ファサリナ「はぁ、はぁ……こんなに激しく動かれちゃ、私ぃ……!」 ユッサユッサ 幸村「な、何という光景だ……は、破廉恥であるぞぉぉぉぉぉぉっ!!」 バーサーカー「いかん、落ち着け幸村!!ペースをこちらに合わせ……おわぁっ!?」 バシィッ!! カイジ「いってぇっ!?」 コクトー「カイジさん、大丈夫ですか!」 とーか「ちょっと幸村、あの縄の動きはどういうことですの?」 小萌「急にペースが乱れすぎですよ。あれじゃあ、うまく跳べないじゃないですか……」 幸村「う……め、面目ない……」 美琴「……あいつをこの競技に出したのは、明らかな人選ミスだったわね」 部長「……まさか、ここまで初心だとは思わなかったわ」 【風紀委員 幸村の暴走により自滅、第三位】 185 :名無しさんなんだじぇ:2010/11/12(金) 22 28 01 ID 3laXCk/A D『あーっと、風紀委員チーム、一回目は42回で脱落ー!』 K『精神的に未熟な真田を回し手に起用したのが敗因だな。 一応、参加メンバー同士ならポジション変更は可能だが……』 D『おっと、どうやら伊藤選手が足を痛めた模様。 ポジション変更で回し手を真田選手と交代するようです』 政宗「ったく、どこまで免疫がねえんだ幸村の奴は。 小十郎、テメエはNo-problemだろうな?」 小十郎「ご安心を政宗様。 この小十郎、独眼竜の名に泥を塗るような真似は断じて致しません」 政宗「Ha、流石だな小十郎。 なら、テメエの視線が福路美穂子の胸に釘付けに見えるのも気のせいだよな?」 小十郎「目の錯覚に御座いましょう」 光秀「ふう、些か退屈ですねえ」 アーチャー「明智、妙な気を起こすなよ」 光秀「判ってますよ、あーちゃー殿。 しかし、こうして縄を回していると、つい邪な考えが浮かぶものでしてね。 今、皆さんの命運を握っているのが私の胸先三寸かと思うと……クク…ククク……」 パスッ チュイン 光秀「…………(頬から流血)」 アーチャー「真面目にやれ、との事らしいな」 光秀「やれやれ、おーなー殿は随分と地獄耳のようで」 186 :名無しさんなんだじぇ:2010/11/13(土) 04 08 09 ID IJtXLQ6s 池田「はぁっ、はぁっ、そろそろ、限界だし」 黒子「あら、まだ60回を突破しただけですわ。特攻チームが先に終わるまで頑張ってくださいまし」 デュオ「っといっても、向こうはぜんぜん余裕そうだぜ」 撫子「向こうのチーム、そろそろ限界そうだね」 海原「体力作りに練習した甲斐もありますしね。まだまだいけますよ」 妹F「それに私達のチームは人選も問題ないです、っとミサカは若干の自虐を含めます」 あずにゃん「しかし、意外なのは唯先輩が何事もなく頑張っている事です」 唯「タイミングを合わせて跳ぶだけだもん、これくらいは簡単だよ」 真宵「ふっふっふっ、なにはともあれこの一回目は私達の勝利ですね」 C.C.「……私にしては頑張った方だが」 パシィッ!! C.C.「もうダメだ、ピザをくれ……」バタッ! ユフィ「はぁっ、はぁっ……C.C.さん、しっかり、してください……!」 D『そしてっ!78回目を跳んだところでC.C.選手に縄がかかり伊達チームの挑戦も終了!』 K『どうやらピザ分が不足していたようだな。ピザを食べればどうやら二回目もいけるそうだが……』 D『残すは特攻チームのみ!はたして彼らはどこまで飛び続けられるだろうか!』 189 :名無しさんなんだじぇ:2010/11/13(土) 21 57 04 ID bO4CcPq. K「結局一回目は特攻野郎が87回という好成績たたき出して終わったわけだが…」 D「さぁ、短いながらも休憩をはさみ、間もなく二回目がスタートです」 安藤「C.C.さーん!大量の美味しいピザですよー!そーれ!」 ガツガツムシャムシャ C.C.「…元気百倍!C.C.!」 律「あれ?何かこの一連に似た流れ見たことある気がする」 池田「そのうちC.C.パンチとかやりそうだし」 C.C.「C.C.パンチは今回必要ないからやらないが、もしお前がまたばてた時にはおんぶしてやれる自信がある」 池田「ピザが一種のドーピングに見えてくるし…」 幸村(平常心でござる…平常心でござる) カイジ(ものすごく心配だ) D「準備が整いました!それでは二回目の挑戦に入ってください!」 190 :名無しさんなんだじぇ:2010/11/13(土) 23 16 27 ID IJtXLQ6s 部長「いい、今度の並び順はこうよ」 バサカ : ファサリナ かじゅ とーか 小萌 こくとー 幸村 : カイジ 美琴「まあ、メンバーを代えられないからこうするしかないよね」 当麻「そうだな。とにかく幸村とファサリナを離して置く」 妹E「念のためファサリナさんはバーサーカーさんの前に配置する」 アーニャ「その間に段々と緩衝材を挟む。特に幹也と小萌で大幅ノイズキャンセリング」 セイバー「そして余計な物を見させないために、それぞれ最寄りの回し役の方に向かせて跳ばせる訳ですね」 トレース「特に幸村君は開司君だけを見るように。それとレディファサリナはエレガントに声を荒立てないように」 ファサリナ「うふふ、了承しました。声を出さないように我慢いたしますわ」 かじゅ「本当に大丈夫か?…まあ、一応指示通りに従おう」 こくとー「まあ、僕はなんでもいいですけど」 小萌(……わかっています、わかっていますけど、先生だって傷付きますよぉ………orz) とーか(戦略上仕方がないこととはいえ、なんだか順位を付けられたようで屈辱ですわ!………orz) 幸村(平常心でござる…周りを見ずに跳ぶだけでござる…問題ないはずだ…)ブツブツ カイジ(対策を練ってもまだ心配だよ) バサカ「カイジ、私がタイミングを合わせますので安心してください」 黒子「さて、池田さんはC.C.に任せるとして、福路さんとユーフェミアさんは私の両隣に並んでくださいまし」 ユフィ「あ、はい、わかりました」 美穂子「あの、もしかして能力を使うおつもりですか?」 黒子「まさか。むやみやたらに使うつもりはないですわ。空間移動の連続使用も結構疲れますし。まあ、万が一の時には使いますが、それ以外では自力で跳んでくださいまし」 ユフィ「いいえ、お気遣いありがとうございます」 デュオ「よーし、みんな準備はいいな?これからが本番だ、特攻野郎の記録を抜くまで頑張ろうぜ」 一同「おーっ!」 193 :名無しさんなんだじぇ:2010/11/16(火) 15 54 02 ID 5uZXyFAs D「さぁ始まりました!各チーム二回目の挑戦だっ!」 K「風紀委員と伊達はまず暫定一位の特攻の記録である87回を抜かねばならないというのが最低条件だ。その上で特攻がこの二回目の挑戦でどこまで記録を延ばすか…」 D「各チーム二十回を突破!ここのあたりはまだまだ余裕かっ!」 194 :名無しさんなんだじぇ:2010/11/16(火) 20 03 38 ID 9TNXtSso D「言峰氏はこの勝負の展開、どう思われますか?」 K「特攻野郎は一回目の安定性を保てばまだまだ記録を伸ばせる…」 バシィ! D「おぉっと!特攻野郎チームまさかの30回で脱落!」 K「…は、ず…」 唯「ご、ごめんねぇ~…」ハァハァ 撫子「撫子も限界だったよ…」ハァハァ 真宵「一回目で力を出し切ってしまいましたね…」 D「まだ二チームは跳び続けています!」 K「…ふむ、真田もあれだけ隔離すれば大丈夫…」 真田「やっぱり無理でござるあああぁ!!」ブバシャッ K「…だろ、う……」 D「これは一体!?真田選手がスプラッタだ!必然的に縄も止まり、48回でストップ!」 カイジ「なんでだよ!?」 幸村「意識の内から消そうとすると、余計に脳裏に蘇るあの【揺れ】…。目を閉じることで寧ろ感じてしまうその気配…!某、非力でござった……」ガクッ かじゅ「……複雑な気分だ…」 D「何と、まさかの伊達チームが粘っています!」 K「よく見ると仲間同士でのフォローが行われているな」 池田「マジで…助けて…くれるとは…思ってなかったし…」ゼェゼェ C.C.「今の私ならお前を抱えて跳ぶのも苦ではないさ」 D「87を超えたぁ!88、89、90!あぁっと!ここで福路選手が引っ掛かった!伊達チーム、逆転勝ちです!!」 黒子「申し訳ありませんわ。フォローのタイミングが遅れてしまいました」 美穂子「いえ…私が、体力不足だっただけです…」 デュオ「でも特攻野郎の記録を抜いてやったぜ!」 筆頭「お前らGOOD JOBだ!」 マリアンヌ「それぞれの最高回数で競った結果、一位が伊達チーム、二位が特攻野郎チーム、三位が風紀委員チームになったわ」 玄霧「それぞれ300、200、100ポイントが加算ですね」 利根川「現在、風紀…300、特攻…400、伊達…300ポイントだ。良い勝負だぞ」
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3475.html
これは、『育児放棄? そんな程度じゃないんだぜ!! 中編』の続きです。 それとすみません、終われませんでした。次回で完結します。 ゲスまりさ注意 そんなまりさを制裁もの 子ゆっくりは……今回お休みです お兄さんが前面に出すぎ ストレスマッハ注意 ストレスを解消しきれない可能性あり それでも構わないという方はどうぞ下へ 育児放棄? そんな程度じゃないんだぜ!! 後編1 『まりさサイド』 「みんにゃ! これきゃらはおにーしゃんとおねーしゃんのいうこちょをきかなきゃだみぇだよ!!」 「「「「「ゆっきゅりりきゃいしちゃよ!!」」」」」 姉まりさの言葉に返事を返す妹まりさたち。 本当に理解しているか怪しいが、それでも姉妹を引っ張れる存在がいるだけでだいぶ違う。 自分たちに勉強を教えてほしい。その姉まりさのお願いを快諾したお兄さんは、同居人であるゆっくりゆうかに視線を移す。 「……ゆうか、赤まりさたちを畑に連れて行ってあげてくれ」 「……いいの、おにいさん? きっとこいつらはたけをあらすよ」 今回の事はすべて聞いているものの、やはり野生のゆっくりを畑にいれることには抵抗があるらしいゆうか。 「庭の隅にクズ野菜を埋めてた畑があったから、そこなら荒らされても大丈夫だよ。それにもし言うことを聞かなかったら………」 一気にしゃべるトーンを落としたお兄さんは、ゆうかにだけ聞こえるように対策を伝える。 本当に大丈夫なのか。彼の話を聞いても半信半疑のゆうかだが、家主の願いを無碍にするわけにもいかない。 渋々ながらそれを了承すると、箱から出された赤まりさたちを率いて台所を後にする。 「じゃあ、おしえてあげる。ちゃんとおにいさんにおれいをいってね」 「「「「「おにーしゃん、ありがちょね!!!!」」」」」 ぺそぺそと気の抜ける音を立てて、ゆうかを追いかける赤まりさたち。 お兄さんに治療してもらった姉まりさもそれに追随するが、足が潰れたままなので跳ねることができず、一回分の這いずれる距離も妹たちの半分程度だ。 また片目も失明しているせいで、時折進行方向が姉妹たちとずれてしまい、追いかけることもままならない。 するとそれに気づいた何匹かの妹が、姉の体を気遣って時折振り向いたり立ち止まって追いつくのを待っている様がみられた。 (………姉含めて6個か。結構優秀な赤ゆだな) 一度も振り返ろうとしない個体と、姉を気遣う個体を見極めるお兄さん。 その二種の距離がはっきりと分かれたところを見計らうと、玄関に向かう途中のゆうかを止めて、姉まりさとくっついていた妹たちを持ち上げた。 「大丈夫かい?」 「ゆぅ……、あんよしゃんがうごいちぇくりぇにゃいの……それにおみぇみぇも」 「そりゃあねえ、どっちも君のお母さんにぺちゃんこに潰されていたからね。けれどそのうち治せるようにしてあげるから、少しだけ我慢しててね」 「「「おねーしゃんをなおしちゃげちぇね?」」」 「わかっているさ、そのためにはまだ準備がいるからね。お姉ちゃんはそれまで我慢してね」 「ゆっきゅりりきゃいしちゃよ! おにーしゃんありがちょね!!」 お兄さんの言葉に素直に返事する赤まりさ姉妹。 無論大ウソである。彼の技量なら一日で治すことも可能である。 ただ、彼は楽しみを一度に消費したくなかったのだ。 そもそも、出たらめを形にしたような存在がゆっくりだ。真面目に治すだけ損である。 その間に姉まりさと気遣っていた姉妹にだけ、お兄さんは識別できるようこっそりと印を付ける。 目的の赤ゆたちに印をつけ終わると、お兄さんはゆうかを左手に、赤まりさ達を右手に乗せた。 「じゃ、今日はお兄さんが運んであげよう。ゆうかと他のまりさはお兄さんの後に付いてきてね」 「「「「「ゆっきゅりりきゃいしちゃよ!!!」」」」」 「ゆー、おそらをとんでるみちゃい~♪」 いまはまだ、玄関から出る際に放置していたゲスまりさと赤まりさたちを会わせるわけにはいかない。 ならば別の出口を使えばいいと言われそうだが、あくまでも家への出入りは玄関を使うということを理解させる意味もあるからだ。 こうして母と娘たちは、同じ屋根の下にいながら互いの存在に気付かない生活を送ることとなる。それを親子が知るのは、もう少しだけ先のことだ。 「それじゃゆうか。後はよろしくね」 「「「おにーしゃん、ありがちょう!! ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!」」」 「はいはい、ゆっくりしていってね」 畑についたお兄さんが全員を降ろしてゆうかにお願いすると、彼女は頷いた仕草を見せてくれた。 それを確認して赤まりさたちに適当な声をかけると、お兄さんはすぐに畑を後にした。 後はゆっくりゆうかのドS(スパルタ)授業が行われるだろう。 もし赤まりさ達にゲスが出れば、容赦なくお仕置きをしていいと伝えてある。 姉まりさを気遣える個体を選んだのは、この時点で仲間意識の強い個体を見極めるため。 特にまりさ種の場合、姉妹でも仲間意識が弱ければすぐに裏切ってしまう。 だが赤ゆっくりならば、まだ矯正が間に合うことも少なくない。 印を得られなかった個体への手本として、お兄さんは印のある姉たちを利用する考えであった。 その狙いが外れた場合、つまり印のない妹の矯正が不可能だと判断した時は、そいつらを徹底的に虐待して賢い個体への見せしめに使えばよい。 試せるものは何でも試す。このようなチャレンジ精神が、日々新たな虐待を生み出すのだ。そうお兄さんは信じていた。 「さて、それじゃいよいよ矯正の効かないゲスに移りますか……」 お兄さんは家に戻ると、今度はゲスまりさの箱を抱え、お馴染みの虐待部屋へと移動した。 そこに転がるは虐待お兄さんたちの必需品となる様々な道具たち。 かぴかぴになった餡子がいまだこびり付くスプーン。 たっぷりと砂糖水が染み込んだ釘バット。 何度も使用されて硬さを失ってしまったハリセン。 饅頭を焼くためだけに準備された鉄板。 赤ゆの足を痛めつけるための定規等など…。 お子様の文房具から本格的な拷問具まで、品ぞろえはばっちりだ。 ゆにゃゆにゃ、と幸せそうに居眠りしているまりさ。いつの間に気絶から睡眠へと移行したのだろうか。相も変わらず図太いナマモノである。 やれやれとお兄さんは苦笑した次の瞬間、彼は抱えていた箱を思い切り部屋の床へと叩き落とした。 ッッガァン!!!! 「ゆぎゃあああああああ!?」 完全な防音仕様の部屋の中にだけ響く衝撃音とまりさの悲鳴。 本気で落としたのにヒビ一つ入らない加工所特製の箱を見て、満足そうなお兄さん。 相変わらずいい仕事をしてくれる職員の皆様だ。 「ゆっ!? なに!? なんなんだぜ!?」 「やあ、ゲス饅頭。ゆっくりしていってね」 目が覚めたばかりで状況を把握していないまりさに対し、お兄さんは爽やかな笑顔で毒を吐いた。 「ゆ!? ゆっくりしていってね!! ……ゆ!? うごけないんだぜ!?」 「そりゃあね、箱の中にいるんだから仕方ないじゃない?」 「ゆ!! じじいがまりささまを………!」 そこまで言って、まりさはお兄さんの顔を見て凍りついた。 目の前の人間の顔を思い出したのか、次第に餡子の詰まった身体が震えだす。 「どうしたんだい?」 「な……なんでもないんだぜ……です」 ゆっくりが隠し事などできるはずもないが、お兄さんはあえて気付かないふりを続ける。 「まあ、別にいいよ。これからまりさには、罰を受けてもらうから」 「ゆ!?」 罰。その言葉に敏感に反応するまりさ。 餡子脳の饅頭でも、その言葉の意味はわかる。 「な、なんでまりさがそんなものをうけなきゃいけないんだぜ!?」 「だってまりさは野菜を食べたんでしょ? さっき言ったよね」 「ゆ……!? ゆ、そ、そうだよ!! まりさはしょうじきにはなしたよ!! だからおにいさんはおやさいさんをよこすんだぜ!!」 「ん? …………ああ。そういえば約束したっけ。ちょっと待ってな」 まりさが言った内容とは、彼の質問に対して正直に話せばお兄さんが野菜をあげるというものだった。 自分に都合の悪いこと以外は、わりと記憶力のいい餡子脳。 愛護派でもない限り、饅頭との約束なんて守る必要がないというのが、一般的である。 とはいえ、約束は約束だ。お兄さんは台所から約束のりんごと大根と人参を持って来る。 もちろん、彼がそのまま言うことを聞くつもりは全くないのだが……。 「おいしそうなやさいさんなんだぜ!! はやくここからだしてまりささまにおやさいをたべさせるんだぜ!!」 目の前の野菜に意識を持っていかれたまりさは、すぐにお兄さんへの恐怖を忘れて命令する。 だが、もはやその程度など些細なこと。 おにいさんは無言でまりさの髪を引っ張ると、言われたとおり箱の外へ放り投げる。 ゆべっ、と悲鳴をあげて転がるまりさだが、今はそれよりも目の前の食べ物だ。 すぐに起き上がると、お兄さんの持つ野菜へと飛び跳ねて食いつこうと飛び跳ねる。 だから、まりさは先ほど見たお兄さんの顔が、いまどんな表情をしているのか知ることができなかった。 もし気づいていたとしても、その未来は変わらなかったではあろうが……。 「はやく!! はやくまりささまにおやさいをよこすんだぜ!! たべさせるんだぜ!!」 「…………そう。それじゃ、お望みどおり食べさせてあげる………よ!」 めごりっ!! 合図も何もない。全くの不意打ちだった。 よ! の部分で、お兄さんはりんごをまりさの顔面へと投げつけたのだ。 「ゆべあぁぁぁぁぁっ!!」 りんごを与えられたまりさに待っていたのは、むーしゃむーしゃ♪ ではなく、しあわせー♪ でもなく、顔の潰れるような激痛。 食べ物といえど人間の力によって放たれた固形物は、ゆっくりにとって驚異の威力を発揮する。 瑞々しいリンゴは、音を立ててまりさの鼻に当たる部分にめり込んだ。 「ゆべあ!? ぶあああ!? ば、ばりざのおがお!? いだいいだいいだいいいいいいいい!!」 「あぁ、まりさ。ダメだよ、ちゃんと受け止めなきゃ………」 突然の痛みにのたうつまりさ。 対するお兄さんは、まるで子供の粗相を優しく咎めるような口調。 「な…、なにずるんだぜええ!! じじいはまりざざまにおやざいをよごぜえええ!!」 「あげてるじゃないか。まりさがちゃんと受け止めないからだよ」 手に抱えた人参と大根を持ち上げながら、お兄さんは当然とばかりに答える。 「『食べさせろ』って言われたからね。僕がしっかりお口に運んであげるよ」 お兄さんの回答に、ゲスまりさはそれがどういう意味を持つか理解した。 もともと狡賢い種族だ。言葉の裏に含まれる意図に気づくのにも時間はかからなかった。 「ゆ、ゆっぐりじねええええええ!!」 「あ、大根食べる?」 ばぢん!! 一杯食わされた。ハメられた。ゲスまりさはその事実に激怒し、彼に食ってかかる。 対するお兄さんは握っていた大根で、熱烈に飛び込んできたまりさの顔面をクリーンヒット。まりさの話なんて聞いちゃいない。 カウンターの衝撃に、身体全体を回転させて吹っ飛ぶまりさ。部屋の壁に顔をぶつけ、その際に小麦粉の皮膚が一部削れる。 「ゆべがああああああ!?」 「ほら、はやく食べなよ。ちゃんと口を開けるんだ」 「!? …ま……まっで! まっでええええ!!」 「はい、あーー……ん!」 文字通り身を削られる痛みに泣き叫ぶゲスまりさ。 このままではいけない。本能で一度態勢を整えようと身を捩じらせる。 だが、あくまでもお兄さんは自分のペースを崩さない。 頬を打たれた拍子にまりさの顔から転がり落ちたりんごを拾い、今度は悲鳴を上げる口に叩きつけた。 餡子脳では反応していたが、痛みに動きが鈍っていたゲスまりさは結局、為す術なくその直撃を受ける。 みぢりっ……! 歯茎の裂ける音とともに、ゲスまりさの口から液状餡子にまみれた前歯が何本か転がり落ちた。 「びゃぎゃ!? びゃりびゃにょびゃが!?」(歯が!? まりさの歯が!?) 「ああもう……、落としちゃダメだって……の!」 まりさの悲鳴は、一回ごとに大きくなるにつれて、意味が聞き取りづらくなっていく。 しかし、お兄さんはそんなことを気にしない。再び大根を食べさせようとまりさに近づいた。 「ゆひっ…!? ゆびぃぃぃあぁぁぁぁぁぁぁっ!! ぐるな!! ぐるなあああああああ!! ……ゆごびゅっ!?」 「来てほしくなかったら、逃げるんだ。でもそうなると野菜は食べられないよ?」 最初は野菜に気を取られていたまりさも、ここまで来るとそれどころではない。 いや、そもそもまりさが意識を食べ物に向けることを許されていた時間は一分も無かった。 ゆっくりにとっては広い部屋を、必死に這いずって逃げ回る。 しかし、人間にとってみれば本当に小部屋である。まりさがどんなに逃げたと思っても、五歩もかからず追いつける程度の。 また隠れて休もうにも、まりさが身をひそめるような隙間はどこにもなかった。そして追いつかれれば、また大根とリンゴ。 必死に距離を取ろうと逃げる間。ゲスまりさの脳裏に浮かんだのは、恐怖だった。 このゲスまりさは、人間というものが自分たちにとってゆっくりできない存在であることを知っていた。 知ってはいたが、それは鈍くさい他のゆっくりだからそんな目にあうのだと考えていた。 狩りに秀でて賢い自分がやれば、人間なんてすぐに倒してしまえる。いや、それよりも下僕にして利用しよう。そう企んでいた。 だが現実はどうだ。まんまと人間の罠にかかり、なまじ賢い分人間との実力差を理解してしまった。 こんなことになるなら、最初から自分の娘たちを交換道具として扱えばよかった。 元々春になれば捨てるつもりだった子供だ。夫のれいむもいない今、不要な子供をまりさが育てる理由もない。 そうだ、全てはあのガキどもが悪いんだ。あいつらがいたから人間の里へ来てしまったのだ。 あのゴミどもを自分が人間のための奴隷として躾ると提案すれば、喜んで受け入れてくれるだろう。 少しは自分の餡子を受け継いでいるのだから、物覚えはいいはずだ。 言うことを聞かないやつがいれば、人間に食べさせればいい。全部潰して逃げるということだってできる。 もしかすると、お礼に美味しいごはんを用意してくれるかもしれない。いや、きっとそうに決まってる。 そうと決まれば、早くこの素晴らしい提案を人間に伝えよう。自分は悪くない。被害者なんだって。 そうすれば、人間も同情してくれるに違いない。赤まりさたちは憎たらしい顔をしていたが、自分はこんなに美ゆっくりなんだから。 だから……だから早く止めてええええええええええ!!!! 叫びたくとも叫べない。うかつに声を出そうとすれば、先ほどのように口を痛めてしまうことに、ゲスまりさは気づいていた。 そんなまりさの懇願など知らず、お兄さんはまりさの顔に向けて野菜を向ける。 起き上がれば大根、倒れればリンゴの大盤振る舞いだ。 「ぼ、ぼうやべで……いだいのいやだぁぁぁぁ……」 この行動が5分ほど続いた頃、呆れるほど遅いながら全力で逃げていたまりさは体力の限界を迎えた。 限界まで動かした身体は痙攣気味に激しく上下し、時折少量の餡子が、口から濁った音と共に噴き出して床を汚す。 先ほどまでふてぶてしかったその顔は、りんごや大根によって何本も歯が抜けおち、顔の所々は内出餡で黒ずんでいる。 恐怖と激痛によって穴と言う穴から垂れ流した砂糖水が、フローリングの床に水たまりを作っていた。 まりさ種自慢の帽子も、初めの時より半分以上も潰れて縮んでいた。これでは鍋を逆さまにして被っているのと大差ない。 「じゃ、お野菜さんはもういらないんだね。……残念だな、すごく新鮮ですごくゆっくりできた大根さんたちだったのに……」 やれやれ…。とお兄さんはため息をついて首を振る。あざとい、さすが虐待お兄さん、あざとい。 そんな彼が握る大根とリンゴはいまだ無傷。野菜は食べるものであって、遊ぶものではない。それを忠実に守っているお兄さんであった。 「じ……じじいがだべざぜでぐれないがらでじょおおおおお!!」 「食べさせてあげようとしたのに、まりさが逃げたり口を閉じたりするからだよ。そんなこともわからないの? 馬鹿なの? 死ぬの? ……あ、それと」 何かを思い出したようにお兄さんは言葉を切ると、何の躊躇もなくゲスまりさのぐずぐずになった顔へ指先をぶち込んだ。 ずぶり。という音とともに、湿った感触がお兄さんの指の先端へ伝わってくる。 「ゆがああああああ!? いだい!! いだいいいいいいいい!!!」 「その薄汚い喋り方を今すぐ止めろ。このゲスが」 「おがおづぶれるうううううう!!」(お顔潰れるうううう!!) 「潰れたって死にはしないよ」 「やべでぬいでいだいいだいぬいでいだいやべでいだいいだいいいいい!!」 「黙れ」 「おべがいじまずごろざないでぐだざい!! おべがいじまずおべがいじばず!!!」 「動くな、死ぬぞ」 死ぬ。突如雰囲気を豹変させたお兄さんに、自分が最も恐れる単語を言われて、まりさは口をつぐむ。 危機管理能力が疎いゆっくりでも、さすがに自分の現状を理解できたようだ。 お兄さんが刺しこんだ箇所は、ゲスまりさの眉の部分であった。 指を全て頭へ埋めこむと、指先を僅かに動かして中枢餡付近に食いこませる。 「いいかい、ゲス饅頭。いまから僕の話をよく聞いてね?」 「ど、どぼじでごんなごど……」 「返事」 ぐずり…… 指を動かして、体内の餡子をかき混ぜる振動を直に伝える。 「わがりまじだ! なんでもぎぎばず! だがらごろざ…!」 「うるさい」 「ゆぐりいいいいい!!」 「もしまた生意気な口…。さっきのじじいとかね。ああいうことを言ったら、まりさの中身を全部出すからね。理解出来た?」 「ゆ……、ゆっぐりりがいじだよ…!!」 「敬語忘れてるよ」 「ゆゆゆゆゆっぐりりがいじまじだ!!!」 痛みと不快感の中で、まりさはお兄さんの言葉を待つしかなかった。 間近に見える死。まりさはそれを回避するために全意識を集中させる。 その反応に満足そうな表情のお兄さん。いつの間にか口調も元に戻っていた。 「話は簡単だ。まりさはどうしてこんな目にあってるのかな?」 「ゆ……、ば、ばりざのあがぢゃんがわるいんだよ!! わがままばがりいっで、ばりざをごばらぜるがら!!」 「答えになっていません。はいお仕置き」 お兄さんは手首を回すと、額に当たる部分の餡子をぐりぐりとかき回した。 「ゆぎゃ!? ゆびょ!? びょ! ゆっっぴょ!? ゆっぐ!?」 「次はこんなもんじゃないぞー? それとも、身体の中ぐちゃぐちゃにされたいの?」 ぐずりぐずりと体内から湧き上がる音にパニックを起こすまりさ。 それが治まるのを待って、再びおにいさんは声をかける。 体内をかき回されたことにショックを受けたまりさは、大人しくお兄さんの質問に答えるようになった。 自分たちはぎりぎりで冬を越せたが、量が足りないため人間の畑に餌を取りに来たこと。 番のれいむが死んだことで育児が面倒になり、赤ゆたちを最初から捨てる考えだったこと。 人間はゆっくりより弱いと考えていたこと。 一刻も早く手を抜いてもらいたい。そのためにまりさは偽りを騙る手間さえ惜しんでいた。 だがまりさは体験したことない責め苦に怯えながらも、自分が先ほど考えていた提案を口にする。 「じ、……おにいざん! ば、ばりざのおはなしをゆっぐりぎいでね!? ぎっどすごぐおどろぐよ!!」 「ん……お話?」 「ば、ばりざがあのおぢびじゃんだぢをどれいにぞだでであげるよ!!」(あのおちびちゃんたちを奴隷に育ててあげるよ) 餡子をこねくり回す手を止めて、お兄さんはまりさの顔を覗き込む。 かかった。ゲスまりさは心の中で笑みを浮かべながら、自分の提案を口にする。 その間お兄さんは空いていた手を顎に当て、何事か考えるそぶりを見せていた。 「…ど、どうおにいざん!? ごはんはうんうんだげだべざぜるじ、ずっぎりのあいでもできるようにざぜるよ!?」 お兄さんはずっと黙っているが、まりさには手ごたえがあったと根拠のない確信があった。 もしかすると、まりさの考えに驚いて声が出ないのかもしれない。 やがてお兄さんが口の端を釣り上げて自分を見下ろす。 そうして受け入れられる自分の未来を想像し…… 「お断りします」 「ゆ゛っ!?」 お兄さんから明確な拒絶を食らい、痛みも忘れて固まった。 ああ、よく似た親子だ。その様子を見て、お兄さんは苦笑する。 そもそも、子供を奴隷とする様なゆっくりと取引するつもりはなかった。 それにいつの間にか敬語も忘れている。だから早くお仕置きという名の虐待に移りたいのだ。 真面目に取り合うだけ時間の無駄だ。適当な嘘でお兄さんはこの話を切り上げることにした。 「あのゲス饅頭どもさ、全然使えなかったよ。ゴミだねゴミ」 「ゆ!?」 そんなはずはない。まりさは咄嗟にそう口に出そうとしたが、続くお兄さんに遮られる形となった。 「全く、言った話を聞きやしないし覚えもしない。ほとんど潰しちゃったよ」 「ど、どぼじでぞんなごどじだのおおおお!?」 「だって捨てたじゃないか。それをどう扱おうが僕の勝手だよ。もういないけど」 「じゃあばりざをゆるじでよおおおおお!!」 「ダメだよ、お野菜食べたんだし。それに、あの赤まりさたちは役に立たなかったし……もういないけど」 「ばりざのごどもがやぐにだだないわげないでじょおおおお!? ばがなの!? じぬの!?」 「まあ、そんなわけで穴埋めをゲスまりさにしてもらうことと相成りました。はい拍手」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおお!?」 「それにさ、ゲスの子供が何の役に立つの、ゴミでしょ。そんなこともわからないの? 馬鹿なの? 死ぬの?」 「ばりざばげすじゃないいいいいいいいいいい!!」 「全く。赤ん坊も言ってたよ。おかーさんを潰してまりさを助けてね、ってさ。もういないけど」 「ゆがあああああああ!! ぐぞばりざどもおおおおおおおお!!」 「いや、お前の子だし。役に立たないとことかそっくりだね。もういないけど」 「あんなのばりざのごどぼじゃないいいい!!」 「じゃあやっぱり好きにしていいんだよね。もういないけど」 「ゆっぐりじねえええええええ!!」 「一々煩いんだよこのゲス饅頭」 ここでようやくお兄さんはまりさの中に突っ込んでいた手を引いた。その手にわずかばかりのオマケを掴んでいる。 「ゆぎゃああああああ!! ば、ばりざのおべべえええええええええ!!」 「全く、敬語を使えと言っただろうに……あと、うるさい」 彼はまりさの顔から手を引き抜くと同時に手首のスナップを利かせ、掻き出す要領でまりさの眼から頬にかけて削ぎ落としていた。 ぽっかりと顔の左上半分が削られたまりさ。さぞかし甘くなったはずの餡子は、まりさが垂れ流した水分が多すぎて硬くなっていた。 お兄さんは掴んだ餡子を手の中でおにぎりの様に固めると、それを部屋の隅へ放り投げる。 「……あれは餡団子なのか、はたまた善哉の素になるのか……それが問題だ」 「ば、ばりざ! ばりざのおべべがえぜえええ!!」 その様子を見ていたまりさは餡子の転がった隅へ這いずると、どうにか自分の身体を取り返そうと舌を伸ばす。 だが、そんなことを許すほど虐待お兄さんは優しくない。 「はい、よく聞いてねゲスまりさ。じゃないと踏み潰すよ。この舌」 「ゆひぇ!?」 もう少しで届く、そう思って全神経を集中させた先端部分に、お兄さんは容赦なく足を置いた。 「まりさにはこれからしばらくの間、子供たちの分までお仕置きを受けてもらいます」 「ゆひぇひぇひぇ! ゆひゃんひゃにょほ!!」 「何言ってるかわかんないんで、こっちが勝手にしゃべるよ。それとも、踏みつぶしたらちゃんと喋れるかな?」 赤くなったり青くなったり忙しい饅頭だ。お兄さんは悪戯に足に力を込める。 残った片目が大きく見開かれた直後、すぐにまた力を抜く。安心したらまた力を込める。 お兄さんはこれを何度か繰り返し、お仕置きが嫌ならここで潰されるかと迫った。 その選択に、もはやまりさは目を伏せて諦めるしかなかった。 絶望を顔に張り付けた土饅頭を見て、ようやくお兄さんは舌から足を離す。 「じゃあ、まりさ。いよいよ本格的なお仕置きに行こうか?」 「あ、あれがおじおぎじゃないの!?」 当然です。 お兄さんはオレンジジュースを混ぜて練った小麦粉の塊をまりさの顔にくっつけて応急処置をすると、部屋を見渡して道具を探す。 「……そうだ。これにしよう」 「ゆ!? なにをずるの!? ぼうばりざをいじめないでね!? ゆっぐりざぜでね!!」 「ああ、終わったらゆっくりできるよ。……まあ、したくなくてもすることになるけど」 「おべがいだがらゆっぐりざぜでええええええええええ!!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり」 適当に答えながら部屋の中を物色していると、ある物を発見して動きを止めた。 それは以前解体したゆっくりまりさの舌の長さを測るために使用した定規と、番いのありすの目の前で引き抜いた舌を輪切りにするために使った包丁。 そして輪切りにされた舌をありすに食べさせるために使用した爪楊枝だった。 結局ありすはまりさの舌を食べた直後に発狂し、自ら包丁を無理やり飲み込んで死んだ。 その二匹の亡骸は今、我が家のゆうかの畑の栄養としてゆっくりしていることだろう。 「そうだ、いい事を思いついた……」 お兄さんは早速それらをまとめて抱え上げると、すぐにまりさの方へ向き直る。 「ゆ!? なにずるの!? やべでね!! ゆっぐりできないがらやべでね!!」 「だから、終わったらさせてあげるって」 それだけ言うと、お兄さんは距離を取ろうとしていたまりさを髪を掴んでひっくり返す。 その拍子に帽子がとれたと騒がれても迷惑なので、素早く頭の下に敷いてやる。 潰れるとかゆっくりできないとか騒いだが、すでに直し様のない状態だったので、お兄さんは黙殺した。 「や、やべるんだぜ!! ゆっぐりできないんだぜ!! ゆっぐりじないでもどずんだぜ!?」 「うへぁ……気持ち悪」 少しの間だけとはいえ、休めたことで落ち着いたのだろうか。口調が「だぜ」に戻っていた。 それにしても、どうやらゆっくりは自分で起き上がることが難しいのは本当らしい。 横倒しならまだしも、逆さまにされると体を揺らすのも厳しいようだ。 うねうねうねうねうねうねうねうね……と、ゆっくりで言う『足』の部分が忙しなく動いている。 それはまるで、波打つ芋虫の背中のようだった。きもい、さすがゆっくり、きもい。 一瞬決意を挫かれそうになるお兄さんだが、そこは虐待魂。意を決して波打つ底辺に包丁を当てる。 残念だが、こんなにうねるようでは定規は役に立ちそうにないので放り投げる。 「なに!? なにをずるんだぜええええ!?」 自分で確認できない場所に何かをされる。その事実に、まりさは声を震わせた。 すでに片目付近がごっそりと失われているのだ。死角が増えている今、自分の状況を知ることは無理だろう。 さてと、これからは集中力が大事である。彼は素早く包丁を突き立てた。 失敗しても支障はないが、やはり自分なりに難易度を上げるのも一興だろう。 お兄さんは大きく息を吐くと、すっと深く長い一本線の切り込みをまりさの足に引いていく。 「ゆぎゃあああああ!? なに!? なにじでるんだぜええええええ!!」 「何って、足を切ってるんだよ……」 「やべでよおおお!! ばりざあるげなぐなっぢゃうでじょおおお!!」 あ、また「だぜ」口調じゃなくなった。 だがそんなことはどうでもいい。 「まりさ、これはお仕置きだ。もう二度と君が狩りをできない身体にするんだよ」 「ゆぎゃあああ!! おべがいでず! やべでぐだざい!! ばりざあるげなぐなっぢゃうううう!!」 「……当然じゃないか。その為にしているんだから」 何を言ってるんだい? お兄さんは呆れた声でまりさの足へ切り込みを入れていく。 「いやだあああああああ!! あるげなぐなるのいやだああああああ!!」 「そりゃ僕だって嫌だよ。でもまりさはお仕置きだからね。ゆっくり切られてね」 「ばりざなんいもじでないいいいい!! いだいいだいよおおおやべでくだざいいいいい!!」 「人の畑に入ったし、子供を見捨てた。それに何より饅頭風情が人間をバカにした。殺されないだけいいと思うんだね」 「ごべんなざい、もうじまぜん! にどとじまぜん!! いうごどだっでぎぎまずがらあああああ!!」 「じゃあ動くなよ。足を切り落とすのが面倒になるから」 「あじをぎらないでぐだざいいいいいいいいいい!!」 「相変わらず無茶を言う…。なら、加工所に行こうか?」 「かこうじょいやだああああああああああ!!」 「だったら、諦めるんだね」 まりさの意味のない声を聞き流して、お兄さんはさらに包丁を突き刺して切り込みを入れていく。 それは寺小屋で子供たちが画用紙を縦に切って短冊を作るのと、よく似ていた。 数分後、彼の目の前には、縦に何本もの切り込みを入れられたまりさがひっくり返っていた。 その顔は水分を出し切ったはずなのに、まだ砂糖水の涙でぐしょぐしょに濡れていた。 「ふう……」 「ゆぐっ……、こんなんじゃもうばりざゆっぐりでぎないいいいい……」 まりさは自分で見ることはできないが、どんな風にされてしまったのかは感覚でわかるのだろう。 縦に切られた足はまだ時折動くが、先ほどまでの様に元気よく波を立てることができなくなっていた。 うねる波が不規則になり、その隙間からは餡子が見え隠れする。 中身を傷をつけずに捌けたことに彼は少しばかりの達成感。 だが、これならまだ十分治癒できる程度だ。お兄さんはまりさに声をかける。 「まさか、これくらいならすぐに治るよ」 「ゆ!? ぼんど!? なおるの!?」 「もちろん。だから、もっと切らないとダメだね」 無論、絶望を与えるために。 「ごのおにいいいい!! あぐまああああ!! ゆっぐりじねえええええええええ!!」 「ははは、ありがとう。それなら、本当に悪魔みたいなことをしてあげようか?」 「ばなぜ!! もどぜ!! ばりざをだずげろおおおおおおお!!」 「さーて、次は横に細切れだー」 まりさの罵詈雑言など当然スルー。 むしろ、余計な事を言えば尚更痛い目を見ると教えてやる。 お兄さんは先ほど切り込みをを入れた傷に交わるように、今度は横に包丁の切っ先を走らせた。 縦で慣れたおかげもあり、横切りは実にスムーズに進む。 「やべでよおおおお!!! いだいよおおおおおお!!」 「止めろと言われてやめるわけないじゃないか、馬鹿なの? 死ぬの?」 「やべで!! やべでよ!! どぼじでごんばごどずるのおおおおお!?」 「何言ってるかわかんないよ。……ほい、半分」 「おにいざんだっで、いだいごどざれだらいやでじょおおおおお!!」(痛いことされたらいやでしょおおお) 「うん、嫌だね。だから人は悪い事をしないんだよ。でも、まりさは悪いゆっくりだから仕方無いの」 「おにいざんがゆるじでぐれればいいんだよおおおおおお!! ぞんなごどもわがらないの!? ばがなの!? じぬの!?」 「ええと……、………そうだあれだ。『絶対に許さない、絶対にだ』」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおお!? いだいいだいいだいだいいだい!!」 「ははは、そんな流れに運んだまりさが悪いんだよ。……よし、できた」 絶えず痛みを訴えるまりさを適当にあしらいつつ、お兄さんは順調に作業を進めていた。 そしてようやく完成したことに満足すると、額の汗をぬぐう仕草をする。 お兄さんの前にあるもの。それはいくつもの見事な正方形に区分けされたまりさの底面だった。 ちょうど、将棋盤のようなものだと思ってもらえればいいだろう。 そんな細かく切り分けられたまりさの小麦粉の皮膚は、辛うじて中身の餡子とくっついてる程度だ。 動かそうとしてもここまで(あるかわからない)神経を断裂されると、それは最早無理なこと。 人間で言うならば、足の指の根元を裂かれたようなものだ。 まりさの足も所々が個別に痙攣するだけで、底面が波打つことはもうできないだろう。 オレンジジュースでもかければ傷も塞がるだろうが、そんなことは死にそうになってからで十分である。 終わらない拷問に叫び、神経をすり減らしたことで、まりさは心身ともにズタボロになっていた。 「うーん、将棋の網目の数ってこれでよかったんだっけかな……。今度やる時はちゃんと調べておこう」 「ぼ、ぼうやべでぐだざい…。ばりざをおうぢにがえぢでぐだざい………」 「加工所に提案したら採用されないかな……。河童の棟梁とか……さすがに気に入ってくれないか……」 「おにいざん……、ばりざを……ばりざをだずげでぐざだざい」 先ほどまでは怒ったり泣いたりと忙しかったまりさも、足を刻まれたせいで抵抗する気を奪われてしまったようだった。 もう許してほしい。助けてほしい。ゲス特有の傲慢さすら、涙と共に体外へ出てしまっているような大人しさだ。 「………おいおい、何を言ってるんだ。まだまだこれからだろ?」 「ゆびぇぇぇえええええええええん!! おうぢがえるううううううう!!」 だが、それでもお兄さんは許してくれない。むしろ、ようやくギアが入ってきたところだ。 地獄は行った事がないが、生き地獄とは、もっともっと苦しいものだと思う。 そう、これからが本番である。 「さて、それじゃその足も役に立たないし、剥こうか」 「ゆ゛っっっっ!?」 剥く。それがどんな意味を持つかまりさにはわからなかったが、とにかくゆっくりできないことは間違いない。 一時は為すがままに諦めようとも考えたまりさは、必死に身体を揺らして態勢を整えようとする。 だが悲しいかな。立て続けの責め苦にまりさの体力は限界を超え、足を切られたせいで運動能力は元の半分以下。 さらには、潰れた帽子の中へ逆さまに入る形になっているせいで、妙な安定感がまりさに働いていた。 何一つ、まりさの味方になってくれる存在は無かった。 頼れるのは己のみ。その己すら、お兄さんには手も足も出ないという現実が、まりさをより追い詰める。 「おべがいだがらやべでよ!! ばりざをゆっぐりざぜでええええ!!」 「やれやれ……いい加減何度も騒がれると鬱陶しいな」 お兄さんは再びまりさの顔に手刀を打ち込むと、半ば叩きつけるようにして閉じ込めていた箱の中へと戻した。 続きの事も考えて、逆さまのままである。 箱の中でも騒ぎ続けるまりさだが、箱の中に声がたまるので幾分か聞こえてくる声は小さくなった。 相変わらず甲高いが、それでも先ほどに比べれば随分マシである。 「さ、まりさ。覚悟はできたかい?」 手を振り払って餡子を床にまき散らしながら、お兄さんは親しみをこめた三日月型の笑顔を向けた。 後編2 まりさ一家 へ続きます ============================================ あとがき 長すぎました……。 あまりにもやりたかったことを試して行ったら伸びる伸びる……。 お兄さんの独壇場で、まりさが頑丈すぎました……。 wikiなどで感想を下さった方、こうして目を通して下さった方、ありがとうございました。 次回で完結します。 正直長いうえにやり過ぎだとは思いますが、最後は簡潔に済ませたいと思っています。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/2179.html
これは、『育児放棄? そんな程度じゃないんだぜ!! 中編』の続きです。 それとすみません、終われませんでした。次回で完結します。 ゲスまりさ注意 そんなまりさを制裁もの 子ゆっくりは……今回お休みです お兄さんが前面に出すぎ ストレスマッハ注意 ストレスを解消しきれない可能性あり それでも構わないという方はどうぞ下へ 育児放棄? そんな程度じゃないんだぜ!! 後編1 『まりさサイド』 「みんにゃ! これきゃらはおにーしゃんとおねーしゃんのいうこちょをきかなきゃだみぇだよ!!」 「「「「「ゆっきゅりりきゃいしちゃよ!!」」」」」 姉まりさの言葉に返事を返す妹まりさたち。 本当に理解しているか怪しいが、それでも姉妹を引っ張れる存在がいるだけでだいぶ違う。 自分たちに勉強を教えてほしい。その姉まりさのお願いを快諾したお兄さんは、同居人であるゆっくりゆうかに視線を移す。 「……ゆうか、赤まりさたちを畑に連れて行ってあげてくれ」 「……いいの、おにいさん? きっとこいつらはたけをあらすよ」 今回の事はすべて聞いているものの、やはり野生のゆっくりを畑にいれることには抵抗があるらしいゆうか。 「庭の隅にクズ野菜を埋めてた畑があったから、そこなら荒らされても大丈夫だよ。それにもし言うことを聞かなかったら………」 一気にしゃべるトーンを落としたお兄さんは、ゆうかにだけ聞こえるように対策を伝える。 本当に大丈夫なのか。彼の話を聞いても半信半疑のゆうかだが、家主の願いを無碍にするわけにもいかない。 渋々ながらそれを了承すると、箱から出された赤まりさたちを率いて台所を後にする。 「じゃあ、おしえてあげる。ちゃんとおにいさんにおれいをいってね」 「「「「「おにーしゃん、ありがちょね!!!!」」」」」 ぺそぺそと気の抜ける音を立てて、ゆうかを追いかける赤まりさたち。 お兄さんに治療してもらった姉まりさもそれに追随するが、足が潰れたままなので跳ねることができず、一回分の這いずれる距離も妹たちの半分程度だ。 また片目も失明しているせいで、時折進行方向が姉妹たちとずれてしまい、追いかけることもままならない。 するとそれに気づいた何匹かの妹が、姉の体を気遣って時折振り向いたり立ち止まって追いつくのを待っている様がみられた。 (………姉含めて6個か。結構優秀な赤ゆだな) 一度も振り返ろうとしない個体と、姉を気遣う個体を見極めるお兄さん。 その二種の距離がはっきりと分かれたところを見計らうと、玄関に向かう途中のゆうかを止めて、姉まりさとくっついていた妹たちを持ち上げた。 「大丈夫かい?」 「ゆぅ……、あんよしゃんがうごいちぇくりぇにゃいの……それにおみぇみぇも」 「そりゃあねえ、どっちも君のお母さんにぺちゃんこに潰されていたからね。けれどそのうち治せるようにしてあげるから、少しだけ我慢しててね」 「「「おねーしゃんをなおしちゃげちぇね?」」」 「わかっているさ、そのためにはまだ準備がいるからね。お姉ちゃんはそれまで我慢してね」 「ゆっきゅりりきゃいしちゃよ! おにーしゃんありがちょね!!」 お兄さんの言葉に素直に返事する赤まりさ姉妹。 無論大ウソである。彼の技量なら一日で治すことも可能である。 ただ、彼は楽しみを一度に消費したくなかったのだ。 そもそも、出たらめを形にしたような存在がゆっくりだ。真面目に治すだけ損である。 その間に姉まりさと気遣っていた姉妹にだけ、お兄さんは識別できるようこっそりと印を付ける。 目的の赤ゆたちに印をつけ終わると、お兄さんはゆうかを左手に、赤まりさ達を右手に乗せた。 「じゃ、今日はお兄さんが運んであげよう。ゆうかと他のまりさはお兄さんの後に付いてきてね」 「「「「「ゆっきゅりりきゃいしちゃよ!!!」」」」」 「ゆー、おそらをとんでるみちゃい~♪」 いまはまだ、玄関から出る際に放置していたゲスまりさと赤まりさたちを会わせるわけにはいかない。 ならば別の出口を使えばいいと言われそうだが、あくまでも家への出入りは玄関を使うということを理解させる意味もあるからだ。 こうして母と娘たちは、同じ屋根の下にいながら互いの存在に気付かない生活を送ることとなる。それを親子が知るのは、もう少しだけ先のことだ。 「それじゃゆうか。後はよろしくね」 「「「おにーしゃん、ありがちょう!! ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!」」」 「はいはい、ゆっくりしていってね」 畑についたお兄さんが全員を降ろしてゆうかにお願いすると、彼女は頷いた仕草を見せてくれた。 それを確認して赤まりさたちに適当な声をかけると、お兄さんはすぐに畑を後にした。 後はゆっくりゆうかのドS(スパルタ)授業が行われるだろう。 もし赤まりさ達にゲスが出れば、容赦なくお仕置きをしていいと伝えてある。 姉まりさを気遣える個体を選んだのは、この時点で仲間意識の強い個体を見極めるため。 特にまりさ種の場合、姉妹でも仲間意識が弱ければすぐに裏切ってしまう。 だが赤ゆっくりならば、まだ矯正が間に合うことも少なくない。 印を得られなかった個体への手本として、お兄さんは印のある姉たちを利用する考えであった。 その狙いが外れた場合、つまり印のない妹の矯正が不可能だと判断した時は、そいつらを徹底的に虐待して賢い個体への見せしめに使えばよい。 試せるものは何でも試す。このようなチャレンジ精神が、日々新たな虐待を生み出すのだ。そうお兄さんは信じていた。 「さて、それじゃいよいよ矯正の効かないゲスに移りますか……」 お兄さんは家に戻ると、今度はゲスまりさの箱を抱え、お馴染みの虐待部屋へと移動した。 そこに転がるは虐待お兄さんたちの必需品となる様々な道具たち。 かぴかぴになった餡子がいまだこびり付くスプーン。 たっぷりと砂糖水が染み込んだ釘バット。 何度も使用されて硬さを失ってしまったハリセン。 饅頭を焼くためだけに準備された鉄板。 赤ゆの足を痛めつけるための定規等など…。 お子様の文房具から本格的な拷問具まで、品ぞろえはばっちりだ。 ゆにゃゆにゃ、と幸せそうに居眠りしているまりさ。いつの間に気絶から睡眠へと移行したのだろうか。相も変わらず図太いナマモノである。 やれやれとお兄さんは苦笑した次の瞬間、彼は抱えていた箱を思い切り部屋の床へと叩き落とした。 ッッガァン!!!! 「ゆぎゃあああああああ!?」 完全な防音仕様の部屋の中にだけ響く衝撃音とまりさの悲鳴。 本気で落としたのにヒビ一つ入らない加工所特製の箱を見て、満足そうなお兄さん。 相変わらずいい仕事をしてくれる職員の皆様だ。 「ゆっ!? なに!? なんなんだぜ!?」 「やあ、ゲス饅頭。ゆっくりしていってね」 目が覚めたばかりで状況を把握していないまりさに対し、お兄さんは爽やかな笑顔で毒を吐いた。 「ゆ!? ゆっくりしていってね!! ……ゆ!? うごけないんだぜ!?」 「そりゃあね、箱の中にいるんだから仕方ないじゃない?」 「ゆ!! じじいがまりささまを………!」 そこまで言って、まりさはお兄さんの顔を見て凍りついた。 目の前の人間の顔を思い出したのか、次第に餡子の詰まった身体が震えだす。 「どうしたんだい?」 「な……なんでもないんだぜ……です」 ゆっくりが隠し事などできるはずもないが、お兄さんはあえて気付かないふりを続ける。 「まあ、別にいいよ。これからまりさには、罰を受けてもらうから」 「ゆ!?」 罰。その言葉に敏感に反応するまりさ。 餡子脳の饅頭でも、その言葉の意味はわかる。 「な、なんでまりさがそんなものをうけなきゃいけないんだぜ!?」 「だってまりさは野菜を食べたんでしょ? さっき言ったよね」 「ゆ……!? ゆ、そ、そうだよ!! まりさはしょうじきにはなしたよ!! だからおにいさんはおやさいさんをよこすんだぜ!!」 「ん? …………ああ。そういえば約束したっけ。ちょっと待ってな」 まりさが言った内容とは、彼の質問に対して正直に話せばお兄さんが野菜をあげるというものだった。 自分に都合の悪いこと以外は、わりと記憶力のいい餡子脳。 愛護派でもない限り、饅頭との約束なんて守る必要がないというのが、一般的である。 とはいえ、約束は約束だ。お兄さんは台所から約束のりんごと大根と人参を持って来る。 もちろん、彼がそのまま言うことを聞くつもりは全くないのだが……。 「おいしそうなやさいさんなんだぜ!! はやくここからだしてまりささまにおやさいをたべさせるんだぜ!!」 目の前の野菜に意識を持っていかれたまりさは、すぐにお兄さんへの恐怖を忘れて命令する。 だが、もはやその程度など些細なこと。 おにいさんは無言でまりさの髪を引っ張ると、言われたとおり箱の外へ放り投げる。 ゆべっ、と悲鳴をあげて転がるまりさだが、今はそれよりも目の前の食べ物だ。 すぐに起き上がると、お兄さんの持つ野菜へと飛び跳ねて食いつこうと飛び跳ねる。 だから、まりさは先ほど見たお兄さんの顔が、いまどんな表情をしているのか知ることができなかった。 もし気づいていたとしても、その未来は変わらなかったではあろうが……。 「はやく!! はやくまりささまにおやさいをよこすんだぜ!! たべさせるんだぜ!!」 「…………そう。それじゃ、お望みどおり食べさせてあげる………よ!」 めごりっ!! 合図も何もない。全くの不意打ちだった。 よ! の部分で、お兄さんはりんごをまりさの顔面へと投げつけたのだ。 「ゆべあぁぁぁぁぁっ!!」 りんごを与えられたまりさに待っていたのは、むーしゃむーしゃ♪ ではなく、しあわせー♪ でもなく、顔の潰れるような激痛。 食べ物といえど人間の力によって放たれた固形物は、ゆっくりにとって驚異の威力を発揮する。 瑞々しいリンゴは、音を立ててまりさの鼻に当たる部分にめり込んだ。 「ゆべあ!? ぶあああ!? ば、ばりざのおがお!? いだいいだいいだいいいいいいいい!!」 「あぁ、まりさ。ダメだよ、ちゃんと受け止めなきゃ………」 突然の痛みにのたうつまりさ。 対するお兄さんは、まるで子供の粗相を優しく咎めるような口調。 「な…、なにずるんだぜええ!! じじいはまりざざまにおやざいをよごぜえええ!!」 「あげてるじゃないか。まりさがちゃんと受け止めないからだよ」 手に抱えた人参と大根を持ち上げながら、お兄さんは当然とばかりに答える。 「『食べさせろ』って言われたからね。僕がしっかりお口に運んであげるよ」 お兄さんの回答に、ゲスまりさはそれがどういう意味を持つか理解した。 もともと狡賢い種族だ。言葉の裏に含まれる意図に気づくのにも時間はかからなかった。 「ゆ、ゆっぐりじねええええええ!!」 「あ、大根食べる?」 ばぢん!! 一杯食わされた。ハメられた。ゲスまりさはその事実に激怒し、彼に食ってかかる。 対するお兄さんは握っていた大根で、熱烈に飛び込んできたまりさの顔面をクリーンヒット。まりさの話なんて聞いちゃいない。 カウンターの衝撃に、身体全体を回転させて吹っ飛ぶまりさ。部屋の壁に顔をぶつけ、その際に小麦粉の皮膚が一部削れる。 「ゆべがああああああ!?」 「ほら、はやく食べなよ。ちゃんと口を開けるんだ」 「!? …ま……まっで! まっでええええ!!」 「はい、あーー……ん!」 文字通り身を削られる痛みに泣き叫ぶゲスまりさ。 このままではいけない。本能で一度態勢を整えようと身を捩じらせる。 だが、あくまでもお兄さんは自分のペースを崩さない。 頬を打たれた拍子にまりさの顔から転がり落ちたりんごを拾い、今度は悲鳴を上げる口に叩きつけた。 餡子脳では反応していたが、痛みに動きが鈍っていたゲスまりさは結局、為す術なくその直撃を受ける。 みぢりっ……! 歯茎の裂ける音とともに、ゲスまりさの口から液状餡子にまみれた前歯が何本か転がり落ちた。 「びゃぎゃ!? びゃりびゃにょびゃが!?」(歯が!? まりさの歯が!?) 「ああもう……、落としちゃダメだって……の!」 まりさの悲鳴は、一回ごとに大きくなるにつれて、意味が聞き取りづらくなっていく。 しかし、お兄さんはそんなことを気にしない。再び大根を食べさせようとまりさに近づいた。 「ゆひっ…!? ゆびぃぃぃあぁぁぁぁぁぁぁっ!! ぐるな!! ぐるなあああああああ!! ……ゆごびゅっ!?」 「来てほしくなかったら、逃げるんだ。でもそうなると野菜は食べられないよ?」 最初は野菜に気を取られていたまりさも、ここまで来るとそれどころではない。 いや、そもそもまりさが意識を食べ物に向けることを許されていた時間は一分も無かった。 ゆっくりにとっては広い部屋を、必死に這いずって逃げ回る。 しかし、人間にとってみれば本当に小部屋である。まりさがどんなに逃げたと思っても、五歩もかからず追いつける程度の。 また隠れて休もうにも、まりさが身をひそめるような隙間はどこにもなかった。そして追いつかれれば、また大根とリンゴ。 必死に距離を取ろうと逃げる間。ゲスまりさの脳裏に浮かんだのは、恐怖だった。 このゲスまりさは、人間というものが自分たちにとってゆっくりできない存在であることを知っていた。 知ってはいたが、それは鈍くさい他のゆっくりだからそんな目にあうのだと考えていた。 狩りに秀でて賢い自分がやれば、人間なんてすぐに倒してしまえる。いや、それよりも下僕にして利用しよう。そう企んでいた。 だが現実はどうだ。まんまと人間の罠にかかり、なまじ賢い分人間との実力差を理解してしまった。 こんなことになるなら、最初から自分の娘たちを交換道具として扱えばよかった。 元々春になれば捨てるつもりだった子供だ。夫のれいむもいない今、不要な子供をまりさが育てる理由もない。 そうだ、全てはあのガキどもが悪いんだ。あいつらがいたから人間の里へ来てしまったのだ。 あのゴミどもを自分が人間のための奴隷として躾ると提案すれば、喜んで受け入れてくれるだろう。 少しは自分の餡子を受け継いでいるのだから、物覚えはいいはずだ。 言うことを聞かないやつがいれば、人間に食べさせればいい。全部潰して逃げるということだってできる。 もしかすると、お礼に美味しいごはんを用意してくれるかもしれない。いや、きっとそうに決まってる。 そうと決まれば、早くこの素晴らしい提案を人間に伝えよう。自分は悪くない。被害者なんだって。 そうすれば、人間も同情してくれるに違いない。赤まりさたちは憎たらしい顔をしていたが、自分はこんなに美ゆっくりなんだから。 だから……だから早く止めてええええええええええ!!!! 叫びたくとも叫べない。うかつに声を出そうとすれば、先ほどのように口を痛めてしまうことに、ゲスまりさは気づいていた。 そんなまりさの懇願など知らず、お兄さんはまりさの顔に向けて野菜を向ける。 起き上がれば大根、倒れればリンゴの大盤振る舞いだ。 「ぼ、ぼうやべで……いだいのいやだぁぁぁぁ……」 この行動が5分ほど続いた頃、呆れるほど遅いながら全力で逃げていたまりさは体力の限界を迎えた。 限界まで動かした身体は痙攣気味に激しく上下し、時折少量の餡子が、口から濁った音と共に噴き出して床を汚す。 先ほどまでふてぶてしかったその顔は、りんごや大根によって何本も歯が抜けおち、顔の所々は内出餡で黒ずんでいる。 恐怖と激痛によって穴と言う穴から垂れ流した砂糖水が、フローリングの床に水たまりを作っていた。 まりさ種自慢の帽子も、初めの時より半分以上も潰れて縮んでいた。これでは鍋を逆さまにして被っているのと大差ない。 「じゃ、お野菜さんはもういらないんだね。……残念だな、すごく新鮮ですごくゆっくりできた大根さんたちだったのに……」 やれやれ…。とお兄さんはため息をついて首を振る。あざとい、さすが虐待お兄さん、あざとい。 そんな彼が握る大根とリンゴはいまだ無傷。野菜は食べるものであって、遊ぶものではない。それを忠実に守っているお兄さんであった。 「じ……じじいがだべざぜでぐれないがらでじょおおおおお!!」 「食べさせてあげようとしたのに、まりさが逃げたり口を閉じたりするからだよ。そんなこともわからないの? 馬鹿なの? 死ぬの? ……あ、それと」 何かを思い出したようにお兄さんは言葉を切ると、何の躊躇もなくゲスまりさのぐずぐずになった顔へ指先をぶち込んだ。 ずぶり。という音とともに、湿った感触がお兄さんの指の先端へ伝わってくる。 「ゆがああああああ!? いだい!! いだいいいいいいいい!!!」 「その薄汚い喋り方を今すぐ止めろ。このゲスが」 「おがおづぶれるうううううう!!」(お顔潰れるうううう!!) 「潰れたって死にはしないよ」 「やべでぬいでいだいいだいぬいでいだいやべでいだいいだいいいいい!!」 「黙れ」 「おべがいじまずごろざないでぐだざい!! おべがいじまずおべがいじばず!!!」 「動くな、死ぬぞ」 死ぬ。突如雰囲気を豹変させたお兄さんに、自分が最も恐れる単語を言われて、まりさは口をつぐむ。 危機管理能力が疎いゆっくりでも、さすがに自分の現状を理解できたようだ。 お兄さんが刺しこんだ箇所は、ゲスまりさの眉の部分であった。 指を全て頭へ埋めこむと、指先を僅かに動かして中枢餡付近に食いこませる。 「いいかい、ゲス饅頭。いまから僕の話をよく聞いてね?」 「ど、どぼじでごんなごど……」 「返事」 ぐずり…… 指を動かして、体内の餡子をかき混ぜる振動を直に伝える。 「わがりまじだ! なんでもぎぎばず! だがらごろざ…!」 「うるさい」 「ゆぐりいいいいい!!」 「もしまた生意気な口…。さっきのじじいとかね。ああいうことを言ったら、まりさの中身を全部出すからね。理解出来た?」 「ゆ……、ゆっぐりりがいじだよ…!!」 「敬語忘れてるよ」 「ゆゆゆゆゆっぐりりがいじまじだ!!!」 痛みと不快感の中で、まりさはお兄さんの言葉を待つしかなかった。 間近に見える死。まりさはそれを回避するために全意識を集中させる。 その反応に満足そうな表情のお兄さん。いつの間にか口調も元に戻っていた。 「話は簡単だ。まりさはどうしてこんな目にあってるのかな?」 「ゆ……、ば、ばりざのあがぢゃんがわるいんだよ!! わがままばがりいっで、ばりざをごばらぜるがら!!」 「答えになっていません。はいお仕置き」 お兄さんは手首を回すと、額に当たる部分の餡子をぐりぐりとかき回した。 「ゆぎゃ!? ゆびょ!? びょ! ゆっっぴょ!? ゆっぐ!?」 「次はこんなもんじゃないぞー? それとも、身体の中ぐちゃぐちゃにされたいの?」 ぐずりぐずりと体内から湧き上がる音にパニックを起こすまりさ。 それが治まるのを待って、再びおにいさんは声をかける。 体内をかき回されたことにショックを受けたまりさは、大人しくお兄さんの質問に答えるようになった。 自分たちはぎりぎりで冬を越せたが、量が足りないため人間の畑に餌を取りに来たこと。 番のれいむが死んだことで育児が面倒になり、赤ゆたちを最初から捨てる考えだったこと。 人間はゆっくりより弱いと考えていたこと。 一刻も早く手を抜いてもらいたい。そのためにまりさは偽りを騙る手間さえ惜しんでいた。 だがまりさは体験したことない責め苦に怯えながらも、自分が先ほど考えていた提案を口にする。 「じ、……おにいざん! ば、ばりざのおはなしをゆっぐりぎいでね!? ぎっどすごぐおどろぐよ!!」 「ん……お話?」 「ば、ばりざがあのおぢびじゃんだぢをどれいにぞだでであげるよ!!」(あのおちびちゃんたちを奴隷に育ててあげるよ) 餡子をこねくり回す手を止めて、お兄さんはまりさの顔を覗き込む。 かかった。ゲスまりさは心の中で笑みを浮かべながら、自分の提案を口にする。 その間お兄さんは空いていた手を顎に当て、何事か考えるそぶりを見せていた。 「…ど、どうおにいざん!? ごはんはうんうんだげだべざぜるじ、ずっぎりのあいでもできるようにざぜるよ!?」 お兄さんはずっと黙っているが、まりさには手ごたえがあったと根拠のない確信があった。 もしかすると、まりさの考えに驚いて声が出ないのかもしれない。 やがてお兄さんが口の端を釣り上げて自分を見下ろす。 そうして受け入れられる自分の未来を想像し…… 「お断りします」 「ゆ゛っ!?」 お兄さんから明確な拒絶を食らい、痛みも忘れて固まった。 ああ、よく似た親子だ。その様子を見て、お兄さんは苦笑する。 そもそも、子供を奴隷とする様なゆっくりと取引するつもりはなかった。 それにいつの間にか敬語も忘れている。だから早くお仕置きという名の虐待に移りたいのだ。 真面目に取り合うだけ時間の無駄だ。適当な嘘でお兄さんはこの話を切り上げることにした。 「あのゲス饅頭どもさ、全然使えなかったよ。ゴミだねゴミ」 「ゆ!?」 そんなはずはない。まりさは咄嗟にそう口に出そうとしたが、続くお兄さんに遮られる形となった。 「全く、言った話を聞きやしないし覚えもしない。ほとんど潰しちゃったよ」 「ど、どぼじでぞんなごどじだのおおおお!?」 「だって捨てたじゃないか。それをどう扱おうが僕の勝手だよ。もういないけど」 「じゃあばりざをゆるじでよおおおおお!!」 「ダメだよ、お野菜食べたんだし。それに、あの赤まりさたちは役に立たなかったし……もういないけど」 「ばりざのごどもがやぐにだだないわげないでじょおおおお!? ばがなの!? じぬの!?」 「まあ、そんなわけで穴埋めをゲスまりさにしてもらうことと相成りました。はい拍手」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおお!?」 「それにさ、ゲスの子供が何の役に立つの、ゴミでしょ。そんなこともわからないの? 馬鹿なの? 死ぬの?」 「ばりざばげすじゃないいいいいいいいいいい!!」 「全く。赤ん坊も言ってたよ。おかーさんを潰してまりさを助けてね、ってさ。もういないけど」 「ゆがあああああああ!! ぐぞばりざどもおおおおおおおお!!」 「いや、お前の子だし。役に立たないとことかそっくりだね。もういないけど」 「あんなのばりざのごどぼじゃないいいい!!」 「じゃあやっぱり好きにしていいんだよね。もういないけど」 「ゆっぐりじねえええええええ!!」 「一々煩いんだよこのゲス饅頭」 ここでようやくお兄さんはまりさの中に突っ込んでいた手を引いた。その手にわずかばかりのオマケを掴んでいる。 「ゆぎゃああああああ!! ば、ばりざのおべべえええええええええ!!」 「全く、敬語を使えと言っただろうに……あと、うるさい」 彼はまりさの顔から手を引き抜くと同時に手首のスナップを利かせ、掻き出す要領でまりさの眼から頬にかけて削ぎ落としていた。 ぽっかりと顔の左上半分が削られたまりさ。さぞかし甘くなったはずの餡子は、まりさが垂れ流した水分が多すぎて硬くなっていた。 お兄さんは掴んだ餡子を手の中でおにぎりの様に固めると、それを部屋の隅へ放り投げる。 「……あれは餡団子なのか、はたまた善哉の素になるのか……それが問題だ」 「ば、ばりざ! ばりざのおべべがえぜえええ!!」 その様子を見ていたまりさは餡子の転がった隅へ這いずると、どうにか自分の身体を取り返そうと舌を伸ばす。 だが、そんなことを許すほど虐待お兄さんは優しくない。 「はい、よく聞いてねゲスまりさ。じゃないと踏み潰すよ。この舌」 「ゆひぇ!?」 もう少しで届く、そう思って全神経を集中させた先端部分に、お兄さんは容赦なく足を置いた。 「まりさにはこれからしばらくの間、子供たちの分までお仕置きを受けてもらいます」 「ゆひぇひぇひぇ! ゆひゃんひゃにょほ!!」 「何言ってるかわかんないんで、こっちが勝手にしゃべるよ。それとも、踏みつぶしたらちゃんと喋れるかな?」 赤くなったり青くなったり忙しい饅頭だ。お兄さんは悪戯に足に力を込める。 残った片目が大きく見開かれた直後、すぐにまた力を抜く。安心したらまた力を込める。 お兄さんはこれを何度か繰り返し、お仕置きが嫌ならここで潰されるかと迫った。 その選択に、もはやまりさは目を伏せて諦めるしかなかった。 絶望を顔に張り付けた土饅頭を見て、ようやくお兄さんは舌から足を離す。 「じゃあ、まりさ。いよいよ本格的なお仕置きに行こうか?」 「あ、あれがおじおぎじゃないの!?」 当然です。 お兄さんはオレンジジュースを混ぜて練った小麦粉の塊をまりさの顔にくっつけて応急処置をすると、部屋を見渡して道具を探す。 「……そうだ。これにしよう」 「ゆ!? なにをずるの!? ぼうばりざをいじめないでね!? ゆっぐりざぜでね!!」 「ああ、終わったらゆっくりできるよ。……まあ、したくなくてもすることになるけど」 「おべがいだがらゆっぐりざぜでええええええええええ!!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり」 適当に答えながら部屋の中を物色していると、ある物を発見して動きを止めた。 それは以前解体したゆっくりまりさの舌の長さを測るために使用した定規と、番いのありすの目の前で引き抜いた舌を輪切りにするために使った包丁。 そして輪切りにされた舌をありすに食べさせるために使用した爪楊枝だった。 結局ありすはまりさの舌を食べた直後に発狂し、自ら包丁を無理やり飲み込んで死んだ。 その二匹の亡骸は今、我が家のゆうかの畑の栄養としてゆっくりしていることだろう。 「そうだ、いい事を思いついた……」 お兄さんは早速それらをまとめて抱え上げると、すぐにまりさの方へ向き直る。 「ゆ!? なにずるの!? やべでね!! ゆっぐりできないがらやべでね!!」 「だから、終わったらさせてあげるって」 それだけ言うと、お兄さんは距離を取ろうとしていたまりさを髪を掴んでひっくり返す。 その拍子に帽子がとれたと騒がれても迷惑なので、素早く頭の下に敷いてやる。 潰れるとかゆっくりできないとか騒いだが、すでに直し様のない状態だったので、お兄さんは黙殺した。 「や、やべるんだぜ!! ゆっぐりできないんだぜ!! ゆっぐりじないでもどずんだぜ!?」 「うへぁ……気持ち悪」 少しの間だけとはいえ、休めたことで落ち着いたのだろうか。口調が「だぜ」に戻っていた。 それにしても、どうやらゆっくりは自分で起き上がることが難しいのは本当らしい。 横倒しならまだしも、逆さまにされると体を揺らすのも厳しいようだ。 うねうねうねうねうねうねうねうね……と、ゆっくりで言う『足』の部分が忙しなく動いている。 それはまるで、波打つ芋虫の背中のようだった。きもい、さすがゆっくり、きもい。 一瞬決意を挫かれそうになるお兄さんだが、そこは虐待魂。意を決して波打つ底辺に包丁を当てる。 残念だが、こんなにうねるようでは定規は役に立ちそうにないので放り投げる。 「なに!? なにをずるんだぜええええ!?」 自分で確認できない場所に何かをされる。その事実に、まりさは声を震わせた。 すでに片目付近がごっそりと失われているのだ。死角が増えている今、自分の状況を知ることは無理だろう。 さてと、これからは集中力が大事である。彼は素早く包丁を突き立てた。 失敗しても支障はないが、やはり自分なりに難易度を上げるのも一興だろう。 お兄さんは大きく息を吐くと、すっと深く長い一本線の切り込みをまりさの足に引いていく。 「ゆぎゃあああああ!? なに!? なにじでるんだぜええええええ!!」 「何って、足を切ってるんだよ……」 「やべでよおおお!! ばりざあるげなぐなっぢゃうでじょおおお!!」 あ、また「だぜ」口調じゃなくなった。 だがそんなことはどうでもいい。 「まりさ、これはお仕置きだ。もう二度と君が狩りをできない身体にするんだよ」 「ゆぎゃあああ!! おべがいでず! やべでぐだざい!! ばりざあるげなぐなっぢゃうううう!!」 「……当然じゃないか。その為にしているんだから」 何を言ってるんだい? お兄さんは呆れた声でまりさの足へ切り込みを入れていく。 「いやだあああああああ!! あるげなぐなるのいやだああああああ!!」 「そりゃ僕だって嫌だよ。でもまりさはお仕置きだからね。ゆっくり切られてね」 「ばりざなんいもじでないいいいい!! いだいいだいよおおおやべでくだざいいいいい!!」 「人の畑に入ったし、子供を見捨てた。それに何より饅頭風情が人間をバカにした。殺されないだけいいと思うんだね」 「ごべんなざい、もうじまぜん! にどとじまぜん!! いうごどだっでぎぎまずがらあああああ!!」 「じゃあ動くなよ。足を切り落とすのが面倒になるから」 「あじをぎらないでぐだざいいいいいいいいいい!!」 「相変わらず無茶を言う…。なら、加工所に行こうか?」 「かこうじょいやだああああああああああ!!」 「だったら、諦めるんだね」 まりさの意味のない声を聞き流して、お兄さんはさらに包丁を突き刺して切り込みを入れていく。 それは寺小屋で子供たちが画用紙を縦に切って短冊を作るのと、よく似ていた。 数分後、彼の目の前には、縦に何本もの切り込みを入れられたまりさがひっくり返っていた。 その顔は水分を出し切ったはずなのに、まだ砂糖水の涙でぐしょぐしょに濡れていた。 「ふう……」 「ゆぐっ……、こんなんじゃもうばりざゆっぐりでぎないいいいい……」 まりさは自分で見ることはできないが、どんな風にされてしまったのかは感覚でわかるのだろう。 縦に切られた足はまだ時折動くが、先ほどまでの様に元気よく波を立てることができなくなっていた。 うねる波が不規則になり、その隙間からは餡子が見え隠れする。 中身を傷をつけずに捌けたことに彼は少しばかりの達成感。 だが、これならまだ十分治癒できる程度だ。お兄さんはまりさに声をかける。 「まさか、これくらいならすぐに治るよ」 「ゆ!? ぼんど!? なおるの!?」 「もちろん。だから、もっと切らないとダメだね」 無論、絶望を与えるために。 「ごのおにいいいい!! あぐまああああ!! ゆっぐりじねえええええええええ!!」 「ははは、ありがとう。それなら、本当に悪魔みたいなことをしてあげようか?」 「ばなぜ!! もどぜ!! ばりざをだずげろおおおおおおお!!」 「さーて、次は横に細切れだー」 まりさの罵詈雑言など当然スルー。 むしろ、余計な事を言えば尚更痛い目を見ると教えてやる。 お兄さんは先ほど切り込みをを入れた傷に交わるように、今度は横に包丁の切っ先を走らせた。 縦で慣れたおかげもあり、横切りは実にスムーズに進む。 「やべでよおおおお!!! いだいよおおおおおお!!」 「止めろと言われてやめるわけないじゃないか、馬鹿なの? 死ぬの?」 「やべで!! やべでよ!! どぼじでごんばごどずるのおおおおお!?」 「何言ってるかわかんないよ。……ほい、半分」 「おにいざんだっで、いだいごどざれだらいやでじょおおおおお!!」(痛いことされたらいやでしょおおお) 「うん、嫌だね。だから人は悪い事をしないんだよ。でも、まりさは悪いゆっくりだから仕方無いの」 「おにいざんがゆるじでぐれればいいんだよおおおおおお!! ぞんなごどもわがらないの!? ばがなの!? じぬの!?」 「ええと……、………そうだあれだ。『絶対に許さない、絶対にだ』」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおお!? いだいいだいいだいだいいだい!!」 「ははは、そんな流れに運んだまりさが悪いんだよ。……よし、できた」 絶えず痛みを訴えるまりさを適当にあしらいつつ、お兄さんは順調に作業を進めていた。 そしてようやく完成したことに満足すると、額の汗をぬぐう仕草をする。 お兄さんの前にあるもの。それはいくつもの見事な正方形に区分けされたまりさの底面だった。 ちょうど、将棋盤のようなものだと思ってもらえればいいだろう。 そんな細かく切り分けられたまりさの小麦粉の皮膚は、辛うじて中身の餡子とくっついてる程度だ。 動かそうとしてもここまで(あるかわからない)神経を断裂されると、それは最早無理なこと。 人間で言うならば、足の指の根元を裂かれたようなものだ。 まりさの足も所々が個別に痙攣するだけで、底面が波打つことはもうできないだろう。 オレンジジュースでもかければ傷も塞がるだろうが、そんなことは死にそうになってからで十分である。 終わらない拷問に叫び、神経をすり減らしたことで、まりさは心身ともにズタボロになっていた。 「うーん、将棋の網目の数ってこれでよかったんだっけかな……。今度やる時はちゃんと調べておこう」 「ぼ、ぼうやべでぐだざい…。ばりざをおうぢにがえぢでぐだざい………」 「加工所に提案したら採用されないかな……。河童の棟梁とか……さすがに気に入ってくれないか……」 「おにいざん……、ばりざを……ばりざをだずげでぐざだざい」 先ほどまでは怒ったり泣いたりと忙しかったまりさも、足を刻まれたせいで抵抗する気を奪われてしまったようだった。 もう許してほしい。助けてほしい。ゲス特有の傲慢さすら、涙と共に体外へ出てしまっているような大人しさだ。 「………おいおい、何を言ってるんだ。まだまだこれからだろ?」 「ゆびぇぇぇえええええええええん!! おうぢがえるううううううう!!」 だが、それでもお兄さんは許してくれない。むしろ、ようやくギアが入ってきたところだ。 地獄は行った事がないが、生き地獄とは、もっともっと苦しいものだと思う。 そう、これからが本番である。 「さて、それじゃその足も役に立たないし、剥こうか」 「ゆ゛っっっっ!?」 剥く。それがどんな意味を持つかまりさにはわからなかったが、とにかくゆっくりできないことは間違いない。 一時は為すがままに諦めようとも考えたまりさは、必死に身体を揺らして態勢を整えようとする。 だが悲しいかな。立て続けの責め苦にまりさの体力は限界を超え、足を切られたせいで運動能力は元の半分以下。 さらには、潰れた帽子の中へ逆さまに入る形になっているせいで、妙な安定感がまりさに働いていた。 何一つ、まりさの味方になってくれる存在は無かった。 頼れるのは己のみ。その己すら、お兄さんには手も足も出ないという現実が、まりさをより追い詰める。 「おべがいだがらやべでよ!! ばりざをゆっぐりざぜでええええ!!」 「やれやれ……いい加減何度も騒がれると鬱陶しいな」 お兄さんは再びまりさの顔に手刀を打ち込むと、半ば叩きつけるようにして閉じ込めていた箱の中へと戻した。 続きの事も考えて、逆さまのままである。 箱の中でも騒ぎ続けるまりさだが、箱の中に声がたまるので幾分か聞こえてくる声は小さくなった。 相変わらず甲高いが、それでも先ほどに比べれば随分マシである。 「さ、まりさ。覚悟はできたかい?」 手を振り払って餡子を床にまき散らしながら、お兄さんは親しみをこめた三日月型の笑顔を向けた。 後編2 まりさ一家 へ続きます ============================================ あとがき 長すぎました……。 あまりにもやりたかったことを試して行ったら伸びる伸びる……。 お兄さんの独壇場で、まりさが頑丈すぎました……。 wikiなどで感想を下さった方、こうして目を通して下さった方、ありがとうございました。 次回で完結します。 正直長いうえにやり過ぎだとは思いますが、最後は簡潔に済ませたいと思っています。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2826.html
『ゆっくりとお正月を満喫しよう!』 6KB 小ネタ 飼いゆ 野良ゆ 赤ゆ 子ゆ 現代 愛護人間 虐待人間 小ネタ、駄文です。今年もよろしくお願いします。 正月を題材にした小ネタ集です。 くだらないネタばかりなので、時間のある方だけお楽しみください。 初詣 「ゆゆ……なんだかおしょとがうるしゃいね……おきゃーしゃん、どうちてこんなじか んに、にんげんしゃんがいっぱいいるにょ?」 「ゆふふ……おちびちゃん。あれは、はつもうでさんっていうんだよ! れいむも、お にいさんにかわれていたころは、いっしょにはつもうでさんにいったんだよ!」 れいむはお兄さんと初詣に言った事を思い出す。鐘を鳴らして、あまりの音におそろし ーしーをしてしまった事。一緒におみくじさんを引いて、見事だいきょうさんを引き当て た事。おみきさんをのんで、おそらがぐるんぐるんしてしまった事。 野良になってしまった今、こんな生活は二度と出来ないであろう。でも、今はおちびち ゃんがいる。お兄さんとの約束を破ってまで作った、かけがえの無いおちびちゃんが。ま りさは捨てられてから三日後、道で車に轢かれて永遠にゆっくりしてしまったが、れいむ は今、おちびちゃんと一緒に最高にゆっくりしているのだ。 「畜生、大凶かよ……新年から良い事ねーな……あ、あんな所にゆっくりがいるじゃね ーか。ヒャッハー! 憂さ晴らしに初ゆ虐と行くかぁ!」 (おちびちゃん。れいむと、ずっと、ずーっとゆっくりしようね……) カルタ 「おにーしゃん! なにをやっているの?」 若干赤ゆ言葉が残る、飼いゆっくりの子れいむが、飼い主のお兄さんに問いかける。 「おう、れいむ。これはカルタと言ってな。お正月にやる特別な遊びなんだ」 特別な遊びと聞いて、子れいむの好奇心が刺激される。 「ゆゆ! れいみゅもやりたい!」 「はは、れいむには、ちょっと無理かなあ? いい子だから、そこでお兄さん達がやる のを見てなさい」 ひらがなが読めないれいむには、無理と考えたのだろう。 (ゆううう……れいみゅもかるたさんがやりたいよ……) お兄さん達がカルタをするのを眺めるれいむ。しかし、カルタがやりたいという好奇心 を抑える事ができない。 「――犬も歩けば棒に当たる」 (いぬしゃん! れいみゅのまえのかるたさんに、いぬしゃんがいるよ!) そう、カルタにはお題のひらがなの他に、お題の絵もプリントされているのである。目 の前にあるカルタに、れいむが飛びつかないわけがなかった。 (れいみゅがとるよ! ゆぅーっ!) 端の方にあった為だろうか、人間のお兄さん達よりも若干速く、子ゆっくりらしくない 跳躍力で、カルタの上へと飛び乗るれいむ。 (ゆゆーん! れいみゅのかちだよっ!) 子れいむが最後に見たのは、眼前にすごい速度で迫り来る、お兄さんの大きな大きな手 であったとさ。 羽つき お正月。人間の大人達は、家の中で思う存分ゆっくりしていた。今日は、年に一度の人 間が最高にできる日だからである。 一方、家の外では、人間の子供達が、凧揚げ、羽つき、コマ、様々な遊びをして楽しん でいた。大人と違って、元気が有り余っている子供達は、家の中でゆっくりする事は出来 ないようである。 こんな日は、人間だけではなく、ゆっくりもゆっくりしていたい気分になる物なのだろ うか。ダンボールの中のお家では、事前に正月分の食料を確保した様々なゆっくりが、昼 間から寝息をたてておねんねをしていた。 「おちょーしゃんたちは、ゆっくりしすぎだよ!」 「むっきゅ! おしょうがつしゃんは、おそとにでてたのしむものなのよ、むっきゅ」 「そうなんだじぇ! まりちゃたちは、おしょとでたっくさんっあそぶんだじぇ!」 こんな事を言いながら街中を飛び跳ねているのは、近所の仲良しである、れいみゅ、ま りちゃ、ぱちゅりーの三ゆ組である。正月に家の中でゆっくりできないのは、ゆっくりも 同じようである。 「ゆゆ? あれはなにをやっているんだじぇ?」 まりちゃが何かを見つけたようだ。 「むっきゅ! あれははねつきしゃんといって、いたさんで、たまさんをぱこーんして あそぶのよ、むっきゅ」 自称街の賢者の卵のぱちゅりーが答える。 「ゆわぁぁぁ……れいみゅもやりたいよぅ……」 れいむが、うれしーしーを垂れ流がしながら言う。 「むきゅう……ぱちゅたちにはむりね」 「みてるだけでも、ゆっくりできるのじぇ! もっとちかくでみるんだじぇ!」 もっと近くで見ようと、近づいていく三匹。 「あっ、ゆっくりだ!!!」 人間に簡単に見つかってしまった。こうなったら、この後どうなるかは決まっている。 「やめるんだじぇ! まりちゃになにをするんだじぇ!」 捕らえられたのはまりちゃ。子供達はまりちゃだけで満足し、他は見逃してやったよう だ。 ちなみに、他の二匹はあっという間にお家に逃げ帰ってしまった。所詮ゆっくりの友情 なんてそんなもんである。 「それにしても、なんでまりさなの?」 子供の一人が問いかける。 「いや、羽つきにつかうなら、やっぱりまりさじゃない? なんか、そんな気がするん だよねー」 特に深い意味は無かったようだ。羽つきと聞いたら、なんとなくまりさが思い浮かぶ。 その程度の事である。 「なんとなくかよ! まぁ、これが一番やりやすそうだしね。あ、帽子は邪魔だから取 っておこうか」 まりちゃの帽子を取り上げる子供。 「おぼーち! まりちゃのおぼーち、ゆっくりかえしてねっ! それがないと、ゆっく りできないよ!!!」 体をのーびのびさせて、帽子へ少しでも近づこうとするまりちゃ。 「ちっ、うっせーな。帽子なんてどうでもいいだろが」 そう言って、子供はまりちゃの帽子をビリビリに破いてしまう。 「おぼーち……まりちゃのえれがんとなおぼーち……」 すっかりまりちゃは放心状態だ。 「よーし、いくぞっ。オラアアアアアアアア! ホームランだっ!」 パコーーーーーーン! 「おしょら……」 子供のフルスイングで、まりちゃは空の彼方まで飛んでいく。 「いや、それ遊び方違うから!」 もう一人の子供から、的確なツッコミが入ったのであった。 書初め(あとがき) 俺は新米虐待鬼意山。去年の十月から、ゆ虐にどっぷりとハマってしまって、今じゃゆ 虐無しの生活なんて、考えられないぐらいだ。 俺は毎年正月に遊び程度に書初めをしているんだが、今年のテーマは勿論ゆ虐関連にし ようと思ってる。今年のテーマはずばり…… 『日々精進』 である。まだまだ文章を書く能力は低いが、日々精進して、日本の虐待鬼意山達をヒャ ッハーさせられる文章を書きたいと思っている。 END anko2495 一番多いゆっくりは anko2498 日本を支える一大産業(本編) anko2501 胴付きになりたかったまりさ anko2503 新たなエネルギー源 anko2504 冷凍ゆっくり anko2514 新発見、ゆっくりの新しい移動法 anko2516 読書の秋 anko2561 すぃーはゆっくりできない anko2737 イヴの夜に anko2751 ゆっくり餅 anko2753 共生 anko2758 作ろう!ドスまりさ! anko2772 大人のゆっくり コンバートあき